「支天輪の彼方で」10周年記念総括文  RSS2.0

7.読者参加系企画


Since : 2008.10.25
written by 双剣士
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 小説の執筆ペースはそう簡単には上がらないからテキストやリンク紹介などで更新ペースを確保するという試みを前ページで説明しました。
 しかしサイトの魅力とは「管理人が作成する何か」とは限りません。サイトに何度も繰り返しアクセスする人は管理人の更新内容に期待してると言うより、むしろ掲示板やチャット・ブログコメント欄など「読者によってリアルタイムで書き加えられていくコンテンツ」を楽しみにしている人が多いようです。
 そういった方面でコンテンツを充実できたらいいな……そう考えていた時期が、私にもありました。


【掲示板】
1999.07.01 ☆ 5000ヒット記念「俺の叫びを聞いてくれ!掲示板」を設置。
1999.09.03 ☆ 掲示板をリニューアル、5種類の掲示板の集合体である「ジャポネ富士に吠えろ」として再開した。
2000.02.20 ☆ 不調続きの目的別5色掲示板と並行して、よもやま広場・別館を設置。
2000.03.08 ☆ 掲示板を「よもやま広場」と「これに群がれ!」の2種に絞り込んだ。
2001.08.01 ☆ サーバダウンのため、第4期掲示板を第5期掲示板に移行してURLを変更。
2005.03.14 ☆ 第5.1期掲示板を雑談・紹介BBSに改称し、新たに感想・要望BBSを追加。
2006.01.30 ☆ 雑談・紹介BBSを廃止。


 掲示板の迷走ぶりは「支天輪の彼方で」の黒歴史のひとつです。
 ブログ文化に慣れきった方には想像しにくいでしょうけど、私が目指した掲示板の姿とは「管理人が提示した話題に読者がコメントする」形式ではなくて、「管理人が首を突っ込まなくても読者同士で盛り上がれる交流の場」だったのですよ。自分が楽をしたいためにそう期待したのではなくて、新作小説の更新がなくても読者を引き付けられるコンテンツとして育てるからには管理人抜きでも自立的に回る仕組みが望ましかったからです。書き込んでくれた方に「書き込みありがとうございます」と毎回お礼は言いますけど、それも究極的には最小限にしたかった。読者と双剣士との1対1での対話ではなくて、掲示板を読んだ第3,第4の読者に会話に参加してもらえる雰囲気を作りたかったのです。

 しかし結果は無残な失敗でした。精力的に書き込んでくださる常連さんは数名いたのですが、「支天輪の彼方で」の掲示板に書き込むからには当然その人たちは双剣士に話しかけるつもりで書いてるわけです。それに対して私はレスをつけるのですけど、無自覚のうちに「これにて話題打ち切り」を匂わせるような慇懃なお礼文章になってしまってたようで、他の読者による話題の発展がほとんど生まれませんでした。このへんは友人に振られた会話を広げていけるか自分を最後に燻らせてしまうかという、管理人スキルというよりは日常のおしゃべりスキルの問題なんでしょうね。日常において友人との会話が少ないタイプである私には荷が重すぎる課題であり、またそういう自覚があるからこそ何度失敗しても「今度こそは」と諦めきれずに再挑戦してしまってたのかも知れません。
 ちょっと教訓的なまとめをするなら、「リアルで出来ないことがネットでなら出来るだろうなんて甘い期待はするな」ってことかしら。


【読者参加系コンテンツ】
1999.05.23 ☆ 3000ヒット記念「お薦め物語の投票所」を公開。
2001.04.29 ☆ 3万ヒットを記念して、小説ノウハウ講座を開講。
2002.03.24 ☆ 4月7日からの放映開始に向けて、TVアニメ版ぴたテンの感想掲示板を設置。
2007.07.30 ☆ 18万ヒット記念として、Side Story Synopsis Succeeding Systemを設置。
2008.01.13 ☆ 23万ヒット記念コンテンツ「お題SS投稿所」を公開。(のちに「ハヤテSS批評サロン」と改称し独立化)


 掲示板が話題フリーな雑談の場だとすれば、こちらは「テーマを決めて、みんなの意見を併記して育てていく」ことを目指したコンテンツです。「お薦め物語の投票所」ぴたテン感想掲示板は知識や意見を持ち寄って来てもらって並列掲示することを目指したものですし、小説ノウハウ講座Side Story Synopsis Succeeding Systemは「骨格は双剣士が作るけど、読者のツッコミによって思いもよらない方向に成長していく」ことを期待したもの。
 しかしこれらは枠組みだけ作ってもダメで、「豊富で価値ある意見にあふれたコンテンツだ、よぉし微力ながら自分の意見も」と読者に思わせるくらいに書き込み量の充実と外部への認知度が高まっていかないと、なかなか読者には参加してもらえません。いま挙げた4つのコンテンツはそういう好循環が立ち上がるより前に管理人が独りで書き込むことに飽きてしまいまして、あえなく失敗の憂き目を見てしまいました。

 「お題SS投稿所」こと「ハヤテSS批評サロン」は少々毛色が違います。こちらは書き込みの蓄積を期待したものではなく、2週間という期間内にSSを投稿してくれた方に対してチャットでの批評という形で現世利益を返すタイプです。上述した数々の失敗を経験した私は「読者からの書き込みをただ待ってもダメ」「読者同士での語らいなどという甘い期待は通じない」と覚悟し、他所ではなかなかやってない方法で投稿者にお返しをするにはどうしたらいいか、そう考えて批評サロンを作成しました。チャットではろくにしゃべることも出来ない自分なんかに批評なんて大それたことが出来るのかしらと不安でしたけど、パレットさん風車さんといった著名ブログ作者さんたちに注目していただけたおかげで滑り出しは上々、参加者2〜3名(管理人1名を含む)という対話企画としては綱渡りの状態ではありますがどうにか現在も続いています。
 ただ……他サイト企画との差別化はできてるようですけど、投稿者に「うかつに手を挙げると叩かれる、慎重に機会を伺わなくては」と思われている節があるのは重大な問題ですね。あそこは「みんなで遠慮なしに意見を言い合って力量を高めあう場」なのであって「手厳しい管理人との直接対決の場」ではないつもりなんですが……これもある意味、管理人の思惑通りに進んでない実例と言えるのかも知れません。


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