さて、それでは「支天輪の彼方で」の10年間の歴史を様々な面から振り返ってみたいと思います。
まずは取扱いジャンルの変化について。
1998.11.11 ☆ セイバーJのページを改装し自作小説メインに変更
1998.12.05 ☆ 愛原花織SS「いぶの夜」の第1、2幕を掲載。
2000.05.14 ☆ 15000ヒットを記念して、ぴたテンSSコーナーを新設し、原作紹介を掲載。
2005.05.04 ☆ 習作SSの広場を開設、「ハヤテのごとく!」SSの連載を開始。
当サイトがアニメ感想サイトからスタートしたことは前ページで述べましたが、●じ○ぴ事件を契機に読むだけだったSSを自分でも書くようになり、開設1ヶ月目にしてセイバーJの広場をSS公開の場所へと作り直しました。その後まもなく守護月天の広場も同様の改装を行い、SSサイトとしての歩みが始まったわけです。
なんで「セイバーJ」と「守護月天」だったのかというと、当時ちょうどTVアニメが放映されてて「このアニメの感想を書こう!」と思い立ったのがこの2作品で、そのために関連ジャンルのサイトに通ってSSを読む習慣がついていたというのが大きいですね。今だから言いますけど両作品とも原作(セイバーJは富士見ファンタジア文庫、守護月天はガンガンコミックス)よりもアニメやSSから先に入ったので、最初のうちはキャラのしゃべり方が微妙にずれてたりします。
SSサイトとして参戦した時点ですでにアニメが始まっていたため、半年後のアニメ終了と共に「セイバーJ」と「守護月天」の人気は徐々に下火になっていきます。「守護月天」はTVアニメ終了後もOVAが作られたのですが基本的には原作の名シーンを踏襲する内容であり、しかも原作コミックが未完のまま休載になってしまうという事件もありました。原作が止まってもファンの我々が灯を守っていこう、と誓い合ったこともありましたが、やはり未完のままネタ提供が止まってしまっては昔日の盛り上がりは望めないというもの。
そんな時に出会ったのが「デ・ジ・キャラット」で当時売出し中だったコゲどんぼ先生の「ぴたテン」でした。たしか最初は連載誌である「電撃コミックGAO!」の表紙に振袖姿の美紗さんが載ってて、それを見た途端に一目惚れって感じじゃなかったかな? でも最初の半年くらいは守護月天サイトで新しい作品を扱うのが不安だったので、SSを書くより前に原作紹介ページを設けて簡単なあらすじを月1回更新し、なんとか読者に馴染んでもらおうとしてましたね。結果的には月天時代の読者が離れて新しい読者に入れ替わる形になったのであまり意味はなかったんですけど。
SSを書くようになってからも「ぴたテン」はまだSS文化の根付いていない若いジャンルだったので、よそのサイトに寄贈したり掲示板で宣伝したり各所のチャットに積極的に参加したり、柄にもないことを当時は結構やってた気がします。Webリングや同盟とかに入りまくってたのも懐かしい思い出です。
やがて「ぴたテン」もTVアニメ化されて絶頂期を迎え、放映終了とともに熱気が衰退していきます。原作の方も終盤はかなり重い話だったのでSSを書きづらいってのはありましたね。原作に歩調を合わせるのが難しかったので、当時やった毎日更新小説企画は原作とはかけ離れたパラレル小説でした。原作終了の3日後に後日談に相当するSSを公開し、その後1年間がんばってみましたがジャンル衰退はいかんともしがたく。
それから家庭の事情による約3か月の休止期間があったため、私の頭はいったんクリアされてしまいました。サイト再開とともにぴたテンのパラレルSSの続編を書こうともしたんですが一度クリアされてしまった脳味噌では以前のようなテンションを取り戻せず断筆。原作に対する熱意がしぼんでしまったわけで、この時点で「支天輪の彼方で」は閉鎖しても全然おかしくなかったのです。
閉鎖してしまおうか、でもサイト休止から復活したばかりだし……と迷っていたころ、出会ったのが「ハヤテのごとく!」でした。出会ったと言っても最初はSSネタにするつもりはさらさらなくて、単なるヲタク漫画のひとつだと思ってました。習作SSを書き始めたのは暫定最終回2の直後くらい。当時ちょうど泊まり込み出張に行くことがあったために、暫定最終回2の展開が気になって旅先ホテルで少年サンデーを買った、あの瞬間が運命の分岐点だった気がします。続きがあれこれ気になるってことは脳味噌の中でキャラクターが動き出したくてウズウズしてるってことなので。
ガンガンやGAOが月刊誌だったのに対し、少年サンデーは週刊誌。「ハヤテ」をジャンルに加えた途端、私の周辺は急にあわただしくなりました。それまでは3ヶ月とか半年に1本ぐらいのSS執筆ペースだったんですけど、新キャラ登場とか人間関係変更などが毎週進行していくとなると悠長な執筆スタイルではすぐ時代遅れになってしまいます。「ぴたテン」のときと同様に自分が新しいジャンルにSSを根付かせるんだという意識もあったので、日記にも書いたように短編中心の執筆スタイルへと自分を改造し、短くても感動が薄くてもいいからいろんなキャラのいろんな側面を描いていくようになりました。
そして3年半、TVアニメが終わったというのに第2期アニメを見据えて原作は元気いっぱいです。当サイトの方もいつのまにかハヤテSSだけで76本という所蔵数に達しています(限定公開作品を含む)。この分だと100本突破も夢ではありませんね。どこまで突っ走っていけるか、自分でも楽しみです。