ここまでは当サイトの過去10年間の歩みを振り返ってきました。しかし現役であるからには過去を懐かしんでばかりも居られません。10周年を通過点として11年目に向かうに際し、今後の運営方針を記します。
SS執筆について……アニメ2期の開始まではスローダウン
当サイトはSSサイトであり、面白いSSをより多く世に送り出して読者の皆さまに楽しんでいただくのが本分です。そのことは1年目から現在までずっと変わらぬ運営ポリシーであり、またそれこそが読者の望むものであることは7月の緊急アンケートで確認できています。まだまだ皆様にご満足いただける更新速度には至りませんが、より一層の精進に今後も取り組んでいく所存であります。
……と例年なら宣言するところなんですが、最近はちょっと違うぞと感じることが多くなってきました。頭に浮かんだ面白い物語を「ほらほら皆さんも読んで読んで!」というウキウキした気持ちで文章化するという長年の執筆パターンが徐々に減ってきて、代わりに「△日までに何か書かなきゃ、どんなネタがいいかな、こんなオチで本当にいいのかな」と自信のない気持ちでキーボードに向かうことが近頃だんだん増えてきたのです。
今年8月のサキさんSSはまさしく時間切れ見切り発車ゆえにラストまで書ききれなかった作品だし、9月の東宮SSは自分でも「いまいち」と思って1年前に封印したネタを復刻したせいか満足のいく完成度には至りませんでした。愛歌さんSSや理沙SSにおいて自分のペースを取り戻せたのは、それまで隔週だった執筆ペースを月1本に落とすことでネタの吟味に余裕を持てるようになったことが大きいのです。実際のところ理沙SSって、4週間悩み続けたナギ&ゆっきゅんSSを断念した直後、たった半日で思いついて書き上げた作品なんですもの。作品の質と要した時間は比例しないけど、良いネタをひらめくには時間が必要なんです。
自分がプレッシャーに弱いタイプであることは日頃から痛感しています。「△日までに書かなきゃ」というプレッシャーに耐えられそうにないと思ったからプロにならずアマチュアでひっそり書く道を選んだのに、いつのまにか落とし穴に落ちてしまったようです。納得いかないSSをいくら量産したって読者は喜ぶどころか冷ややかになるばかりだろうし、私自身も楽しくありません。
来年の春から「ハヤテのごとく!」アニメの第2期がスタートします。そうなったら新規のお客さんが増えるでしょうからグダグダと悩んでる暇なんてないでしょう。ですのでそれまでの半年間、ちょっと執筆ペースを落とそうかと思っています。「ハヤテSSを書かなきゃ書かなきゃ」と背中をたたき続ける暮らしからしばらく抜けて、お話を考えることの楽しさ、小説を書き上げることのやり甲斐みたいなものを身体に充電しなおそうかと考えています。もっとも単にサボってるだけでは筆力が落ちてしまうでしょうから、その間にやることは色々と考えていますけれども。
読者との交流について……あれこれ方法を模索中
去年の総括文において「原作が完結したら当サイトを閉鎖し、交流メインの活動に切り替える」と書きましたが、「ハヤテのごとく!」は一向に完結する気配がありません。やりたいことを我慢するのは身体に毒なのでSSサイトを続けながら少しずつでも始めていこうかと思い、2月にお題SS投稿所(のちに批評サロンに改称)を立ち上げて、チャット会を2週間ごとに開催することにいたしました。少しでも親しみを持ってもらおうと柄にもなく日記を書くようにもなりました。
批評サロンを運営することで何を得て何を失ったか、成功したかどうかと言う所感はあちらのサイトの1周年記念で書くつもりなのでここでは触れません。しかし去年の総括文に書いた「交流メインの活動」という目標が批評サロンを運営することで満たされたかという点については、残念ながらNOと言わざるを得ないかなと感じつつあります。
だってあそこは「こういう話題のチャットですよ、こういう意見交換をする場ですよ」をあらかじめチャットログを通じて告知して、それを承知してるSS書きさん同士で話をする場なんだもの。交流下手な私が自分にも出来そうなホームグラウンドを設定し、それに合わせてくれる人とだけ話し合いをしてるんだもの。批評サロンの趣旨的にはそういう場にならざるを得ないし以前からやってみたかったことの1つには違いないけど、気風の合う人同士、しかも相手の方から来てくれるのを待ってるという形をとっていては、読者と活発に交流してるとは言いませんよね。
そういうわけで批評サロンを運営しつつ、それとは別の交流の仕方を模索していこうと考えています。「相手が来るのを待ってちゃダメだ」という意識が根底にあるので、新しい方法はサイト運営の改善という形を取らないかも知れ ません。したがって日記や総括文で成果を述べることもないでしょう。とりあえず現時点で言えることは交流の促進と「支天輪の彼方で」および批評サロンの運営とは当面切り離して考える心境になったということです。去年の総括文で述べたサイト閉鎖予告は、ひとまず撤回します。