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【小説投稿】

< 高校の卒業式に書いたやつ 処女作リメイク投稿2-1>

処女作リメイク投稿

by RIDE
小説投稿 | 2017年10月 7日(土)21時22分
どうも、RIDEです。

先日チャットで話していた通り、私の処女作をリメイクした物をここに投稿します。

ただ、前後篇にするつもりだったのが、思いの他長くなって、結局4部構成となってしまいました(それでも長いかも…)。

なお、ゲーム大会とリンクする様なことを言っていますが、関係を臭わせるのは2部までです。どこがどうリンクするのか楽しみにして下さい。

ジャンルは、タイムネットとなっています。
それでは、どうぞ

これは、時の柱が修復され、タイムネット世界が救われた後に辿るかもしれない未来。

 新たな勇者たちの物語である。




 地球。

 夕方、小学生のほとんどが学校からの帰途についていた。

「はあ、今日も授業は退屈だったなぁ」

 トールはため息をついていた。元々勉強が好きな方ではない彼にとって、学校の生活はつまらないものであった。

「あの冒険が懐かしいぜ」

 タイムネット世界の冒険を思い出し、つい浸ってしまう。最初はあんなに嫌がっていたものだが、今になって見れば良き思い出となっているのである。

 仲間たちは皆、今どうしているのであろうか。

「おーい、トール」

 旅をしてきた仲間たちに思いをはせていた時、いかにも元気だという調子で声をかけてきた者が。

 その声の主を知っているからこそ、トールは落胆して答えた。

「なんだよダイ、人が過ぎ去りし日に思いをはせていた時に」
「そっちこそ、じいさん臭いようなこと言うなよな。それより、遊ぼうぜ」

 バカが付きそうなほど明るい調子に呆れながらも、素直で屈託のない友達の性格に、思わずトールも表情を緩めてしまうのである。

「君がトール君だね」

 そんなトールを呼びかけたのは、彼らの前に現れた一人の青年。

 金髪に端正な顔立ち。黒いジャケットには皺などが無く、身だしなみも含めて美しい男だ。

 だが、それがかえって不安を煽る。

「だれだ、あんた?」

 不信感を隠さずに、トールは問う。

「君を迎えにきました」

 そこで初めて、トールは自分たちがいつの間にか自分たちの町ではなく、どこかの異次元空間である事に気付く。かつて、自分が時の老人に招かれた時と同様の空間だ。

 ということは、この先の展開も…

「僕の名はミハン。君の力がどうしても必要なのです。再びタイムネット世界に僕と一緒に来てください」

 予想通りであった。

 本来ならうれしい所である。タイムネット世界が救われて旅が終わった時、時の老人のせいで仲間たちとろくに別れも言えなかったのだ。だからトールは、仲間に会いたいとそれから常に思ってきた。

 だが、目の前にいる男のせいでそれを素直に喜べない。

「俺をまたタイムネット世界によこして、何をさせようっていうんだ?」

 命がけの冒険なんて、もうこりごりだ。だが、あの世界の為となれば話は別。でも、この男は本当にその為に自分を呼びに来たのか。

 疑問が渦巻くトール。しかし、それは彼だけではなかった。

「おいおい、俺を無視しないでくれよ」

 突如かけられた声に、トールは驚いた。

「トールにそのミハンって人、ちゃんと俺にも説明してくれ。タイムネットとかって一体何なんだ?」

 その声の主、ダイはちゃんとトールの後方に存在していた。

 彼がいたことに驚いたのはトールだけではない。ミハンもだ。

「驚いた。僕とトール君以外は人払いするようになっているのに。それに、君は僕の言葉がわかるのかい?」
「わからなかったら、こう会話なんてできるか!」

 訳のわからないことばかり並べられて、ダイは苛立ちを募らせていく。一方で、ミハンは面白そうにダイを見る。

「それなりに力はあるということか。いいでしょう、君もついてきなさい」
「お、おい待て!」

 たまらずトールが制止をかける。このままこの男に連れてこられては何か危険な気がする。それに命がけの戦いなどやったことのないダイを巻き込むのは尚更危なすぎる。

 だがミハンは一枚上手であった。

「ここで置き去りにして、永遠に異次元をさまよわせることもできるんですよ」

 それは通告であった。二人の行く先は、自分が握っていると。

「…わかった、タイムネット世界へ連れて行ってくれ」
「思ったより聞き分けがいいですね。まあ、僕もこんな脅しみたいな真似はしたくなかったんですけど」
「だから、俺を無視するな!」

 三人を引き入れるように風景が変わっていく。ダイの叫びはその途中で霧消していくのであった。



「おいあれ、ミハンじゃないか?」
「今、タイムネットマスターに一番近い人だ!」

 ミハンに案内されるままに、町を歩いていくトールとダイ。先行く中で聞こえる人々の会話から、ミハンがタイムネット世界では有名人であることがわかった。

「今度は一体何するんだろうね」
「あの人には悪い話が付きまとうからね。なんでも、あの一族を気に入らないとかいう理由で滅ぼしたとか…」
「でもあの人がモンスターたちからこのタイムネット世界を守っているのも事実だからな」

 そして、なにやらまたタイムネット世界が不穏であることを察する。

「しばらくの間、また大変なことになっているんだな」

 初めてくるところなのできょろきょろと風景を見ているダイの隣で、トールは益々不安となる。

 そして、二人はミハンの者と思われる屋敷へとたどり着いた。主人に案内され、トールとダイは大広間へと移動される。

 トールとダイ、そしてミハンの3人だけとなり、静寂が支配する。

「さて、本題といきましょう」

 ミハンは、二人の方へと向く。

「単刀直入に言います。僕に協力してくれませんか?」

 この問いに、トールとダイは怪訝となった。

「協力って一体なんだ?」
「簡単ですよ。トール君、以前のようにモンスターの回収をしてほしいのです」

 ミハンは説明する。

「時の柱は心が救われた創造主の想像によって修復されました。しかし、モンスターの回収がなされないままでしたので、柱に戻らなかったモンスターはそのままタイムネット世界をさまよい、あろうことか凶暴化してしまいました」

 その言葉にトールは少し口を噤んでしまう。柱に戻らなかったモンスターの中に、自分たちの仲間も含まれていた。仲間とさよならしたくなかったという思いがあったから安心していたが、まさか…。

「ですが、この世界の住人はもう黙ってばかりではありません。それらのモンスターを回収しようとする人々が次々と現れました。そして一番回収した人物をタイムネットマスターと見るようになり、それからは回収の競い合いが始まってしまいました」

 タイムネットマスター。先程小耳にはさんだ単語だ。

 この男がそれに一番近い男だとうわさされていた。では、この男もモンスターの回収をしているのだ。

「僕にはそんな称号はいりません。ただ、タイムネット世界の平和を取り戻すためにこんな争いを早く終わらせたいのです」
「なんのために、だ」

 トールは、そうミハンに問いかけた。ミハンは一瞬きょとんとしたが、すぐに笑みをもって答えた。

「何故って、平和を願うのに理由なんていりますか?」
「本心で言っているのかってことだ」

 この男に対する怪訝は増すばかりだ。恐らくは本心で言っているのだろうが…

「あんた、なんか完璧すぎて逆に不気味すぎるんだよ」

 ダイの言うとおりだった。初対面の時からミハンは何かと気に入らないのだ。完璧すぎて、逆に人間味がない。心があるのか、そう疑ってしまうのだ。

「だから、僕には協力できないと?」

 ミハンの目が鋭くなる。

 ダイは一瞬怯んだが、トールは物怖じしなかった。

「ああ。モンスターの回収はしなければならないと思うけど、あんたに協力はしたくない」
「そうですか。なら、敵として戦わなければなりませんね」

 ここで戦うというのか。仲間であるモンスターたち抜きで。

 それでも、ただでやられるわけにはいかないとトールとダイは身構えた。ミハンもやる気だろう。

 両者の間で漂う緊迫感。

 それを破ったのは、トールでもミハンでも、ダイでもなかった。

 突如、乱暴に開けられたドア。

 同時になにかが部屋へと入りこみ、ミハンへと襲いかかった。

「な、なんだ?」

 襲ってきたのは、一人の少年だ。剣をミハンへと向け、斬りかかってきたのだ。対して、ミハンは余裕をもって片手で少年の腕を掴んで抑え、剣を振るうことを封じていた。

「おやおや、こんなところまでご苦労なことですね」

 どうやらミハンは少年のことを知っているようだ。少年もまた、ミハンに対して憎しみの感情を溢れだしていた。

「おまえを殺す…それまで、俺はおまえを追い続ける」
「一族の唯一の生き残りとして、平穏に暮らすべきではないかと思うのですが」

 力比べを続けながら会話をする二人。

 皮肉めいた言動。ミハンのそれは少年の激情を煽っていく。

「俺にあんなものを打ち込んだのもそんな思いからか」
「あれがなければ君はあの場で死んでいたかもしれないんですよ。君まで死ぬことはないと思うのですがね、ニール」
「黙れ!」

 ニールと呼ばれた少年は、一層力を込め、ミハンを押し始める。

「やはり君は大したものですね。ですが…」

 ミハンはニールの腕を掴んでいる手を振るい、強引に二―ルを放り投げた。ニールは上手く着地し、体勢を整える。

「貴様…うっ!」

 再びミハンへ攻撃しようとするが、突然ニールが呻きだし、目を抑え出す。

「やはり、目がうずきますか」
「黙れ…」

 抑えている手の指の間からミハンを睨む。

 その目の色が、黒から輝く金色に変わっていく。

「今の君では、呪いを抑えることはできない。僕にやられるまでもなく自滅するのが君の結末ですね」
「そんなことなど関係ない、俺はおまえを殺しさえすれば…」

 ニールは立ち上がり、再び剣で斬りかかる。

 ミハンはそれを銃で受け流し、瞬時に銃底でニールを殴り返した。ニールは倒れ込みそうになるが踏みとどまるが…。

 突如、銃声が響きニールが前のめりに倒れこむ。

 ミハンが撃ったのではない。ニールは後方から撃たれた。

 みると、ドアの辺りに銃を持った人間が三人、銃口をニールに向けていた。撃ったのは彼らであろう。

「ま、まだいたのか。部下は全員倒したのかと思ったが…」
「とっておきは、こういう時に真価を発揮するのですよ」

 ミハンは、倒れているニールを見下ろす。その目は、勝ち誇った者のそれであった。

 ニールは立ち上がろうとするが、撃たれた痛みによってそれができない。

「牢屋に入れてください」

 ミハンは、部下の三人に命令する。

「そこの二人は?」

 それまで傍観していたトールとダイに目を向ける。

「彼らも一緒に。少年はともかく、トール君はこの機を狙って逃げようとしていたからね」

 ダイはそこではじめて気づいたが、トールは既にここから脱出しようと準備をしていたのだ。

「流石は元勇者。抜け目がないですね」

 しかし、ミハンは見逃さなかった。部下たちがトールとダイを捕まえるのを確認する。

「な、なにすんだ!放せ!」

 離れようともがくダイだが、子供が大の大人の力に勝てるわけなく、トール、ニール共々連行される。

「ミハン様、ステルドがこちらへと近づいてきています」
「ステルドが?」

 ミハンの興味は、そちらへと移った。

「いいでしょう。迎え撃つ準備をしなさい」



 ミハンの屋敷の前に、一人の青年が何人も引き連れて現れる。

「ミハンは今ここにいるのですね…」
「はい、間違いありませんステルド様」

 ステルドと呼ばれた男は、再び屋敷へと目を向ける。

 すると、屋敷からミハンが出てきた。そのままステルドの方へと向かって歩いていき、両者の間が数メートルの所で止まった。

「まさかわざわざあなたが来るなんて思わなかったですよ」

 今日は客が多いな、とミハンは内心嘆息する。

「たまたま近くを通りかけたからね、挨拶ぐらいはした方が良いかと」
「僕を除けば、タイムネットマスター第一候補であろうあなたがそんな暇人でいいのでしょうかね?」
「その言葉、そっくりそのまま返してあげますよ」

 両者の間に火花が飛ぶような空気を感じる。ミハンの言葉からこの男もモンスター回収をしているのだろう。

「暇人がタイムネットマスターなんて恰好悪いとも思いますからね、ここでその座を降ろさせてもらいます」
「…その挑戦、受けましょう」

 ミハンがそう言うのと同時に、屋敷からミハンの部下たちが続々と出てきた。彼らに命令するミハン。

「取り巻きは任せます。僕は大将をやります」
「こちらも向こうに合わせてください。後、ミハンと僕の戦いに手出しは無用ですよ」

 そして、ミハンと彼の部下たちとステルドの軍の戦いが始まるのであった。



「出せ、出せー!」

 牢屋の中で、ダイは鉄格子の向こうへと叫び続ける。しかし、看守はこちらへ見向きもしない。

「おらてめえ、ちょっとこっち向け!」
「よせ、ダイ」

 同じように鉄格子に身を乗り出すような恰好のトールであったが、彼はダイを諌めていた。

「あんまりここでケンカ売るようなことをするな。俺たちはまだこの世界の状況について詳しく知らないんだからな」
「けどよ」

 ダイの不満もわからないわけではない。有無を言わせずにつれてこられ、挙句牢屋に入れられたのだ。理不尽な対応に、怒りがわかないわけないだろう。

「全く、騒がしい奴だな」

 そんな彼らの後ろで壁に背を預けて座っているニールは、呆れているのであった。

「わめいたところで、状況が変わるわけがないだろう」
「誰のせいで牢屋入りになったと思ってんだ!」

 済ました態度が気に入らず、今度はニールに食って掛かるダイ。ニールは相手にもせず、ため息をつくだけだ。

「本当にやかましいバカだな」
「なんだと!あっけなくやられたてめえの方がバカだろうが!」

 それがニールの癇に障ったのか、彼はダイをにらみつけた。

「…っ、なんだよ!」

 ダイはその眼力に一瞬怯んでしまうが、負けまいと虚勢を張る。

「やめろダイ」

 そんな二人の仲裁に、トールが入った。牢屋から出る事が無理でも、やっておかなければならないことが有る。

「なあ、少し聞きたいんだけど」

 自分たちにはまだ情報が少なすぎる。特に聞かなければならないことは…。

「あのミハンってやつは、いったい何者なんだ?」

 ニールは、若干不機嫌ながらもそれに答えた。

「あの男とおまえたちの会話は少しだけ聞いた。奴の言った事は概ね真実だ」

 さらにニールは、こう補足した。

「奴は戦闘だけでなく、モンスター回収、組織の運営など様々な方面で高い能力を誇っている。その力で一大勢力を築き上げ、モンスター回収者の中で台頭するようになった」

 それでタイムネットマスターに一番近い、とまで言われているのか。確かに、有能である事はうかがえたが…。

「ニールって言ったっけ?おまえとあの男にはいったい何があったんだ?」
「知ってどうする?」

 逆に問い返されたが、トールはきっぱりと言った。

「奴は俺たちを敵と言ったんだ。なら俺たちも、敵として奴のことを知っておくべきだろう」

 ダイも便乗してくる。

「そうそう。なんなら、同じ敵を倒すために協力し合おうぜ」
「馴れ合うつもりはない。特におまえみたいな奴とは」

 はっきりと、しかも名指しで断られ、またもダイは憤慨する。

「…ま、俺の為に利用するってのもありだな」

 一呼吸置くと、ニールは身の上を語りだした。

「俺はタイムネット世界じゃ高名なある一族の生まれだ。その一族も、時の柱修復後モンスター回収を始めていた。その為にミハンに目をつけられた…」

 ニールは拳を握りしめながら続ける。

「奴は、自分の勢力を持って一族を根絶やしにしたんだ。唯一生き残った俺も瀕死に陥った。そして奴は気まぐれで、俺を殺さず、ある呪いを打ち込んだんだ」
「呪い…?」
「俺の目を見ろ」

 言われた通り、ニールの目を注視する。

 すると、彼の眼がミハンと戦った時と同様、黒から金色へと変わっていくではないか。

「俺に打ち込まれたのは悪魔の呪い。感情が昂ると目が金色となって、力が倍増する。暴力衝動も増大し、激痛を伴う代償として、な」

 そこでまたニールは目を抑えだす。彼が言った激痛によるものだろう。ミハンが言った抑えることができない云々はこのことを指していたのだ。

 同時にニールがミハンに対する憎しみが理解出来た。

「家族や友達もみんな、あいつに殺されたというわけか…」

 ニールにとってミハンは一族の敵で、それを討たなければその心は晴れないということだろう。

「まあこれで事情は大体わかった。とにかく、ここから出ねえと何もできないな」

 ダイの言う通りだ。情報は整理できても、牢入りという現状を打開しない限りは自分たちは身動きも出来ない。

 だが、自分たちでは力づくで牢を破ることは出来ない。ニールも武器を取り上げられた上、怪我までしている以上それは出来ないだろう。

「なにか方法はねぇのか…」

 色々と試行錯誤している時だった。

「な、なんだおまえたちは?」

 看守がそう声を上げたと同時に、彼は何かに襲われ、気絶してしまった。

 看守が倒れるのを見ていたトールとダイは何が起きたのか分からず、現場の方へと目を移す。
 するとそこには、馴染みの姿があった。

「大丈夫、トール?」
「エール!」

 間違いない。クラスメートであり、かつて共にタイムネット世界を冒険した仲間である少女、エールがいた。彼女のお共であるモンスター、イーピー、チコット、エレビも一緒だ。

「エールだって?」
「ダ、ダイ!?何であんたまで?」

 お互いこの世界にいる者ではないと思っていた人物同士だっただけに、二人の驚きは大きい。

「説明は後だ。早くここから出るぞ!」
「そうだったわ。ミハンとステルドが戦っている今しかチャンスは無いわ」
「2大勢力が今ぶつかり合っているのか」

 そこでエールは、ニールにも気づいた。

「あの子は?」
「一緒に牢屋に入った仲。これも何かの縁だ」

 ダイは、ニールに手を差し出す。

「一緒に行こうぜ。敵の敵は味方っていうだろ?怪我してるから手を貸してやるぜ」

 その誘いに、ニールは涼しい顔で答えた。

「…確かに、ミハンを倒すには勇者の力も必要だしな」

 ただ、と言ってニールは付け加える。

「俺はおまえの手など借りるつもりはない」

 と言い、立ち上がってダイを素通りした。

「てめえな!人の親切を…」
「ダイ、置いて行くぞ」

 いつの間にか、牢が開かれている。エールが看守からカギを奪い、開けたのだ。トールたちは既に牢から出ている。

「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」

 ダイも慌てて彼らに続くのであった。



 ミハンの屋敷では、凄まじい戦いが行われていた。

 ミハン勢力とステルドの軍団。彼らは自身の力や、回収したモンスターたちで戦っていた。この世界ではモンスター同士の戦いが主流となっており、勢力同士の戦いでは自らはもちろん、モンスターを戦わせることも多い。

 当然、ミハンとステルドも戦っていた。彼らのモンスターは主の命令なしでもその強さを存分に発揮しており、主二人も白兵戦を行っていた。

「流石にやりますね…」
「そちらも、ね」

 互いに余裕の表情を見せ、牽制し合う。だがその途中で、ミハンはトールたちが屋敷から出ていくのを見つけた。

「彼ら…!」
「余所見している暇はあるのかな?」

 ステルドがこれを機会とみて、レーザーの刃を出してミハンに斬りかかる。

 ミハンは咄嗟に銃に仕込んだナイフを展開させ、ステルドに切りつけた。ステルドは怯み、その隙にミハンは部下たちに命令する。

「手の空いている者は勇者たちを追いなさい!必ず捕まえるのです!」
「勇者だって…!」

 ステルドもその姿を確認する。

 さて、自分はどうするかとミハンは考えた。追えと命令したものの、この状況では捕まりそうにもない。たとえ自分が今からそちらへ動いたとしても、だ。そして目の前の男たちも、全勢力をもってしてもここで倒れるかどうかもわからない。

 色々と考えていると、向こうの方から動き出した。

「全軍、この場から引きなさい!これ以上の戦闘は無用です!」

 ミハンは少しの驚きをもってステルドを見た。そして瞬時に、彼が何故ここに来たのかその真意を察した。

「あなたも、狙いは勇者だったんですね」
「僕は君と違って、欲しいものがありますからね。そのためにはタイムネットマスターにならなければなりませんから、勇者にも当然注目しているわけです」

 更にステルドは、ミハンに向けて言った。

「笑顔も驚きも、他人の真似である君には負けませんよ」

 ミハンは特に反応を示さなかった。かわりに部下たちに命令する。

「こちらもこれ以上戦う必要はありません。追い討ちは結構!」

 ミハンとステルド。戦い合う仲ではあるが、いやだからこそ二人は何となく理解し合っているのであった。

 その後、部下からトールたちを見失ったという報告をミハンは聞くのであった。




 途中、ニールの応急手当てを行った後、トールたちはタイムネット世界の宇宙港に訪れていた。

「乗り込んで!」

 エールに促され、シャトルの一つに乗り込むトールたち。

 搭乗席のシートに全員着くのを確認した後、エールは通信端末を手にする。

「操縦席、全員乗ったわ。発信願います!」
「なあ、どこへ行くんだ?」

 操縦席との通信が終わった後、トールはエールに尋ねてみた。宇宙に出るのはわかるが、行き先が思い当たらない。

 その答えに、エールは笑顔で答えた。

「火星、マーズタワーよ」





第1部はこれで終了です。

第2部は、来週掲載予定です

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