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【小説投稿】

< オーディンスフィア二次創作『バレンタインデイ』 高校の卒業式に書いたやつ>

新作投稿

by RIDE
小説投稿 | 2016年 8月28日(日)12時12分
どうも。


時々つぶやいていた新作投稿ですが、本日投稿します

はじめに
・この作品は、「インフィニット・ストラトス」の二次創作です。
・小説掲示板で執筆している長編小説の世界観で書かれています。ですので舞台はそこの小説と同じです。ハヤテキャラはほぼ出ません、出ても脇役です。
・主人公は一夏ではありません。
・不定期更新です。



それでは、読んでくださるとうれしいです
どうぞ。



 インフィニット・ストラトス。
 あらゆる兵器を凌駕し、様々な環境で活動できるが女性にしか扱えないというパワードスーツ。通称IS。
 そのISが世に出て数年。ISを扱えるための訓練学校、IS学園。
 世界中からISについての教育を受けるために多くの女子が入学してくる。ISが女性にしか扱えないのだから、生徒は当然女子、教職員もほとんど女性だった。
 そんな女子高同然のIS学園に私は入学した。今日は初めてのホームルーム。
 ただ、私が編入されたクラスは他とは異なっていた。
 世界で唯一ISが使える男子高校生が、クラスメイトとしているのだ。世界で初めてということなので、入学させた目的は保護か。なんにしろ、本人にはどうすることもできないのだろう。
 しかし、女子の中で自分一人だけ男子というのは、気が滅入ってしまうだろう。しかもこの男、私の幼馴染でもある。
 あ、こっちを向いた。助けを請うような目で。
 私は反射的にそっぽを向いてしまった。あいつはショックを受けただろうが、これから三年間ずっと男一人の環境で生活していくのだ。この程度のことで弱音を見せては困る。
 幼馴染なのに、なんか保護者みたいなことを思ってしまうな。
 お、何か決心したようだ。立ち上がって口を開いた。
「織斑一夏です。よろしくお願いします」
 …それだけか?
 あまりに味気ない自己紹介に、唖然としてしまう。
 他のクラスメイトも、じっと一夏を見ている。もっと何か言ってほしい、そう視線で訴えていた。
 当の一夏も、何を言っていいのかわからなくなっているようだ。情けない奴だ。一発ギャグでもかませばいいというのに。私はする気はないが。
「まったく。満足に挨拶もできないのか、おまえは」
 そう言って、一夏を引っぱたたいて現れた女性。
 凛々しい顔つきに、黒のスーツが似合う、いかにも貫禄ありますと言っているようなこの人も、私の顔見知りである。
「ち、千冬姉…」
「織斑先生と呼べ」
 織斑千冬、一夏の実の姉だ。
 彼女が教室に入った途端、黄色い声が教室中に響き渡った。皆彼女に指導されることを夢見て入学してきたのだ。それが実現できた喜びは大きいだろう。
 彼女たちの気持ちもわかる。千冬さんはISにおいて世界中に有名な人物なのだ。ISに関わる者、彼女のようになりたいと願う人にとってはこの学園はまさに最高の環境だろう。
 ただ、私はあの人が少し苦手だった。厳格な性格で弟の一夏をガードしている。だがそれは些細なことであって、一番の理由は、彼女があの人と…。
 そうやって暗い考えに落ち込みかけた時、私の自己紹介の番となった。
 私は立ち上がり、口を開いた。
「篠ノ乃箒です。特技は剣道、それと…」
 私、箒はそこで自分の左腕を見る。
 白銀に輝く意匠を施された腕輪。これが、私に勇気をくれる。そして、その勇気を皆に分け与えよと言っている。
 だから、何のためらいもなく口にすることができる。
「何か困ったこと、悩みごと、心が深く落ち込んだことがあったら私に相談してくれ。解決とまではいかないかもしれないが、必ず力になれるよう努力する!」


IS第1話

 一時間目が終わり、今は休み時間。
 IS学園の一年一組は、異様な空気となっている。
 その理由は、一夏であった。世界初の男性適合者が現れたということは世界中に知れ渡っている。皆興味を持ってくるのは当然であり、それがこの教室に人が集まる一因となっていた。クラス、学年を超えて様々な生徒たちが集まってくる。
 しかし、こう注目されては当の本人はうんざりだろう。話しかけられることもなく、ただ遠巻きから見られてひそひそと話をするばかり。動物園の動物のような見せ物ではないというのに。
 一夏に同情した私は、少し助けてやろうと思った。六年ぶりに会うのだ、相手が自分のことをはっきりと覚えているか確認しておきたかった。
「ちょっといいか?」
 声をかけると、一夏が顔をこちらに向けてきた。
「ほ、箒か?」
 私の名を口にしたことから、どうやら私のことは覚えていたらしい。
「廊下でいいか?」
 女子たちに注目されるこの場から抜けることを思って、場所を変えることを提案する。黙っているところを見ると、肯定なのだろう。
「早くしろ」
 一夏を促し、私は移動をはじめた。一夏もそれに続く。そして、遠巻きに眺めている生徒たちも。
 これでは廊下を出た意味がないな。まあ、二人きりで気まずくなるよりはいいし、内緒話をするわけでもない。
「そういえば」
 移動まで私は口を閉ざしていた。それに耐えられなくなったのか、一夏の方から話を切り出してきた。私の方から誘ってきたというのに、気を遣わせてしまったか。
「なんだ?」
「去年、剣道の全国大会で優勝したってな。おめでとう」
 それを聞き、私の胸中には複雑な思いがよぎった。
 あの時、私は負けまいと全力をもって戦い、優勝した。その結果、味わったのは…。
「箒?」
 顔に出ていたのだろう。一夏が心配して私の顔を覗き込んでいた。
「な、なんでもない。それより、なんでそんなことを知ってるんだ?」
「なんでって、新聞で見たし…」
「なんで新聞など見る!」
 言ってから、自分でも無茶なことを口にしていると気付く。どうも先程から調子が狂ってしまう。久しぶりに会う幼馴染に、緊張しているのか。
 それとも、やはりまだ初恋の相手として意識しているのだろうか。
「けど、久しぶり。六年ぶりだけど、髪型が同じだからすぐにわかったぞ」
「ほう…」
 そんなことを口にするのだから、つい意地悪してしまう。
「つまり私は六年前から何も変わっていない、子供のままだと…」
「そ、そういうわけじゃ。箒だって少しは…」
「冗談だ。私もすぐに一夏だとわかったからな。おまえもまだ子供だということだ」
 言われて、一夏は少し傷ついたようだ。意地悪した私には罪悪感があったが、失礼なことを言ったのだからお互い様だ。まるで成長していないと言っているようなものだからな。
「…けど、少し変わったか?何か雰囲気が違うし、自己紹介だって…」
「自己紹介?」
「あの、悩みを聞きますとか言うあれ」
 ああ、あれか。確かに、一夏と別れるまでの私から口にするような言葉ではないな。
「おまえと別れてからの六年間、色々とあったんだ」
 出会いと別れ。それによる良き思い出、負った心の傷、それらを経験して得たもの。
 それによって、私は変わった。いや、変わっていこうと決めた。
 左腕に着けた、このリングに誓って。
 それでも、このポニーテールの髪型は一夏に言われたとおり変わっていない。一夏との思い出を忘れないようにするため。
 …やはり、まだ一夏のことをどこかで想っているのだろうな。
 そんなことを考えていると、授業開始のチャイムが鳴り響く。
「俺たちもいこうぜ」
「あ、ちょっと待て」
 呼び止めた私は、一夏に笑顔を向けた。
「これから三年間よろしくな」
「お、おう」
 一夏はどこか照れたような、どぎまぎしたようだ。
 そんな彼を尻目にし、私は教室へと戻るのだった。

 初日の授業が終わり、今は放課後。
「うーむ、こんなものか」
 学校の掲示板を確認した私は、不安そうに目を見張った。
 そこに私は、自分で作ったポスターを張っていた。見出しは「あなたのお悩み、相談にのります」と書いた。
 もちろん、ポスターの貼り出しにはちゃんと教師の許可を得ている。貼ることには問題はない。心配なのは別にある。
「少し…味気ないかな」
 ポスターは私自ら描いた。魂を込めて描いたものだが、淡々としているようでポスターというよりは注意書きの掲示板のようである。とても人を引き込む魅力があるとは思えない。私としては、ふざけたようなものは描きたくない一心だったのだが…。
「やっぱり、こういうものが得意な人に頼んでみるか」
 とりあえず今はこのままにして、後で絵とか描ける人を探してみるとしよう。
 次に私は、剣道部の方を見に行った。訳あって部に入ることはできないが、どういう部なのか剣道を嗜んでいる私には興味があったからだ。
 顔を出した時、部長と思わしき人に試合を申し込まれた。特に断る理由もなく、上級生の腕前も気になったのでこれを受け入れた。
 結果は、私の勝ち。上級生だから中々の剣であったが、手を抜くことは武人として無礼に値する。私は本気で勝ちを手にしたのだ。
 試合の後、部長からコーチを依頼された。これに私は、自分の時間を優先させること、朝、放課後の自主練習に剣道場を貸してくれることを条件に引き受けた。
 そして今、私は寮の部屋にいる。同室の相手はまだいない。
 とりあえず汗をかいたので、シャワーを浴びることにした。
 お湯に打たれながら、一日のことを思い返す。
 一番思い浮かぶのは、やはり一夏のことだ。
 一夏は、本当に六年前から変わっていなかった。少々腑抜けた感はあるものの、男らしいというか、勇ましさというものが時折垣間見えた。
 それは、行動で表れてはいない。奴の心から感じたのだ。
 別に心が覗けるとか、エスパーみたいなことではない。ただ、そう感じるのだ。
 そして、六年ぶりに会えたことがとても嬉しかった。
 別れる前まで一夏と過ごしてきた時間はとても素晴らしかった。これからまたそのように過ごせるのだから、心が躍らないわけがない。
 ただ、彼と恋をしたいかというと、答えに迷ってしまう。初恋は実らないというジンクスを意識もしてるが、初恋の時の気持ちが薄れている。そんな心をどこかで感じているのだ。
 また、自分が恋をしてもいいのかという迷いもある。ある人たちと出会ったことで、恋にかまけてはいけないと意識するようにもなってしまっている。
「いけないな。初日からそう固く考える必要はないというのに」
 IS学園には半ば強制的に入学させられたが、それは自分の希望でもあった。いつまでもあの人を避けることはできない。あの人が作ったISに、向き合っていこうと思っていた。
 けど、一夏や今日知り合ったクラスメイトとは楽しいひと時であった。そんなに肩の力をいれなくていい。そう感じたのだ。
 とりあえずは、気楽にやっていこう。大きな問題や不安なんてそうないはずだ。
 浴室から出ると、部屋に人の気配がした。
「同室になった者か?」
 私は部屋へと足を踏み入れる。
「こんな恰好ですまない。私は篠ノ之…」
 相部屋となった者の顔を見て、言葉を失った。
「箒…」
 そこには、あの幼馴染がいた。
「い、一夏…」
 私は自分の恰好がバスタオル姿であることに気づく。男子の前で、そんな恥ずかしい姿。当然恥じらいも高まっていく。
「見るなぁ!」
 咄嗟に木刀で一夏を叩きつけてしまう。
 前言撤回。前途多難だらけだ。



如何だったでしょうか?
この作品は箒が主人公の作品です。
彼女が少し原作と違いますが、一夏と別れてから長編小説のオリキャラたちと出会って少し変わったという設定です。


次の更新がいつになるかわかりませんが、続けていきます。

それでは、また。
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