-- 2002.12.23 -- 私はWebサイトを運営していることを職場の同僚には秘密にしているのですが、先日の忘年会で危うくそれがバレそうになりました。お酒のために気分が高揚したせいか『6万ヒット記念で毎日更新を続けている』と洩らしてしまったのです。すると鞄からノートパソコンを取りだしてPHS経由でネット接続しGoogleで検索を掛け始める人がいまして……肝を冷やしましたが見つからずに済みました。 お酒の抜けた翌日に自分のパソコンで調べてみると、『6万ヒット記念』+『毎日更新』で検索を掛けても『支天輪の彼方で』は候補に挙がってこないのです。候補筆頭に挙がるなどと自惚れてはいませんでしたが、設立4年以上も経っている当サイトが検索候補の末席にすら挙がらないのはおかしい。実はその理由は……Googleが検索に用いているキャッシュが10月末時点のものだったからなんですね。つまり『なかなか新作が書けないよ〜』と総括文で愚痴っていた頃のトップページが検索対象になっていたというわけ。 同僚に私のサイトを発見されずに済んだのですからGoogleのキャッシュの古さには感謝するべきなんでしょうが、2ヶ月も前の情報に基づいて検索されるというのはちょっと納得がいきません。ウチが毎日更新する機会なんて滅多にないことなんだし(笑)。でも検索対象サイトの多さとキャッシュ更新の頻度が両立しないのは、仕方のないことなんでしょうね。 そうだとすると、情報の豊富さと新鮮さを両立するスーパー検索エンジンが存在しない以上、我々としては複数の検索エンジンを併用して古い情報と新しい情報を包含した検索結果を得るしか方法がないかも知れません。 CEEK.JP http://www.ceek.jp/ そこで紹介したいのが、この検索サイトです。ここは自前のデータベースでなくinfoseekやAltaVistaなど他の検索エンジンの結果を収集してくるので、複数の検索エンジンを併用するのと同じ効果が期待できます。 残念ながらGoogleとLycosは対象に入っていないのですが検索語を直接GoogleやLycosに引き渡す機能を持っているので、CEEK.JPの検索結果に満足できないときは1クリックでGoogle検索画面に引っ越すことが出来ます。したがって最初に検索語を放り込む入口の検索サイトとして便利に使えます。Internet Archiveとの連係機能を持っている点も有り難いところです。 |
-- 2002.12.16 -- 1週間ぶりの戯言欄です。気づいてみれば今回が通算98号ということで次の次が100号目と言うことになるのですが、記念企画をやってる余裕は全然ありません。6万ヒット記念の連載SSがまだ続行中だし、それでなくても次の次と言えば年末の滅茶苦茶忙しい時期だし……祝電やプレゼントの受け取り口だけ、こっそり開けておくことにしますね(笑)。 さて当サイトは曲がりなりにも4年以上続いており当面は無くなる予定もない幸運なWebサイトなわけですが、世にあるWebサイトのことごとくがこのような幸運に恵まれているわけではありません。始まりがあれば必ず終わりがあるというもので、幾多のサイトが誕生する裏側では多くのサイトが終了・閉鎖の憂き目にあっています。設立当初の目的を果たし終えて祝福のうちに幕を閉じるサイトもありますが、挫折や妨害にあったりサイト継続の意欲が続かなくなったりして志半ばに閉鎖するサイトも後を絶ちません。 閉鎖サイトの自由研究 http://omoro.cside9.com/heisa/index.htm そこで紹介するのがこのページ。これはことだまにあというテキスト系サイトのコンテンツの1つです。閉鎖されたサイトを閉鎖理由別に分類し、いろいろと突っ込みを入れています。紹介されているサイトについては閉鎖告知ページへの直接リンクが張ってあったり、閉鎖告知ページだけをミラー化してありますので、閉鎖サイトたちの生々しい遺言をいつでも目の当たりにすることが出来ます。 この手の情報が何の役に立つのか、と疑問に思う方はきっといるでしょう。読んでて気持ちの良いものではないし、閉鎖するつもりのない方には他山の石だからです。そもそも閉鎖の理由なんて本人が選べるものでもないですし。 しかし閉鎖の理由が同じであっても、その振る舞い方には色々なやり方があるでしょう。このページで紹介されているサイトには、格好のいい終わり方もあれば格好悪いものもあります。最後に発する言葉だけに後からフォローは出来ません……この辺りから、締めくくり方の美学というものを皆さんなりに感じ取っていただければ幸いです。何事においても、いつかは経験することなのですから。 |
-- 2002.12.01 -- 今回紹介するのは、Vectorの11月30日付新着ソフトレビューで取り上げられたアドベンチャーゲーム『アクアノートキャンパス』を制作した人のサイトです。しかしゲームの内容に惹かれて紹介するわけではありません。 プレアデスカンパニー(旧名・カフェ牧尾屋) http://pcomp.jp/ このサイトはJavaScriptを利用したゲームおよびスクリプトの解説があり、自作小説やCGのコーナーがあります。フリーソフトとして配布されているゲームの批評ページや自作エッセイもあります。真面目なストーリーが好きな方はそちらでお楽しみください。 しかし当サイトとしては、コミック・ギャルゲー方面に明るい読者に向けて、あえて以下のコンテンツを推奨します。
(2003.12.01訂正)移転に伴ってサイト名が「プレアデスカンパニー」に変わりました。また移転の際に一部のコンテンツが引き継がれませんでした。 |
-- 2002.11.24 -- 近頃この戯言欄しか更新してない気がします。いけないなぁ、このままじゃ。 この戯言欄では時折コンピュータウイルスの紹介をしたり迷惑メールを受信する前に削除できるソフトの紹介をしたりしていますが、ネットワークの悪意というものはメールを経由して来るものばかりとは限りません。 良く知られている問題としては、Webブラウザのセキュリティホール(要するにバグ)による個人情報の漏洩や危険ソフトの自動実行などが挙げられるでしょう。特に Internet Explorer(以後IEと略記)に関するセキュリティホールは押し寄せる波のごとく報告され、連日のように修正パッチがリリースされています。しかしあまりに頻繁すぎて、つい修正を見送ってしまう個人ユーザもいることでしょう。 「とりあえず実害がないから今のままでいいや」 修正パッチ自体にバグがあることも少なくない現状では、こういう保守的な態度をとるユーザもいるかも知れません。アングラでない普通のサイトを巡回している限りにおいては、確かにセキュリティホールの存在を意識することは少ないでしょう。 今回紹介するのは、なかなか気づきにくいIEの危険性について体感させてくれるサイトです。 SapporoWorks Security http://homepage2.nifty.com/ spw/secure/exec.html このページはSapporo Worksというサイト内にあるコンテンツのひとつです。簡易Webサーバソフトとして有名な Black Jumbo Dog の配布サイトと言えば、腑に落ちる読者の方もおられると思います。 このページではIEに関する幾つかの有名なセキュリティホールについて、その説明と該当バージョン、および修正プログラムについて紹介してくれています。また皆さんがお使いのIEが問題のセキュリティホールを内包しているかどうかをテストするページを用意していますので、修正が必要かどうかのチェックも簡単に出来ます。 こういうチェックのページは、マイクロソフトが用意するのが当然だと思いますけどね! 『支天輪の彼方で』のアクセス解析結果によれば、IEを使って見に来てくれているユーザの数は95%以上と圧倒的です。これを機会に、皆さんのWeb環境の脆弱性について振り返ってみるのも良いのではないでしょうか。 |
-- 2002.11.18 -- 先週紹介しました『メール・コミュニケーション百科』は、友人を作り関係を育むための方法を教えてくれるサイトでした。しかし世の中は歓迎すべき出会いばかりとは限りません。そしてそういう敬遠したい相手に限って、さも親しげに強引に食い下がってくるものです。 悪徳商法?間に合ってます http://www.interq.or.jp/jupiter/ejong/ akutoku_kaizoku_vr/maniattemasu.htm 街頭や電話や玄関先で繰り広げられるしつこいセールスや勧誘・布教などに対して、きっぱり断るための応対方法について集められた投稿を分類し掲示してくれているサイトが、ここです。角を立てずにお引き取りを願う方法から嘘八百を並べて煙に巻く方法、相手をからかって楽しむ方法など様々な断り文句が紹介されています。なかには実用性に疑問の残る投稿もありますが、強引な物言いに弱い方にとっては貴重な参考資料として、そうでない方には爆笑ネタとして、きっとお楽しみ頂けることでしょう。 このサイトを読んでるうちに、「闘牛士」というイメージを私は頭に浮かべてしまいました。相手も必死ならこちらも必死。私は結構勧誘に引っかかって出費するタイプだったりするので、せめて致命傷を受けないよう対処法を身につけたいものです。 でも、相手を軽くあしらえるようになったら、それはそれで性格が悪くなる気もするなぁ……そう考えると複雑な気分になったりして。 |
-- 2002.11.11 -- ネットの世界でメールや掲示板で会話することは、地域や立場の壁を越えて交流を深められる素晴らしい行為です。しかし文字だけのコミュニケーションは往々にして誤解や喧嘩を引き起こしやすく、また匿名性を悪用して心ない発言をする人もいます。これらを機に他者との交流を断つ人も少なくありません。 しかし多くの人たちにとっては、ネットでの交流とは相手と仲良く話したり楽しんだりすること自体が目的であって、相手を言い負かしたり苛めたりすることではないでしょう。むろん場合によっては自説を譲れない状況というのも起こり得ますが、それが全てではないはずです。 ネットにおけるマナーというのは「こちらの意図を正しく伝える」「無用な衝突を起こさない」為にあるわけですが、マナーをより広げた概念として「相手と楽しく話す」「親密さをより深める」ことを目的とした「人付き合いの処方箋」なるものも在っていいはずです。今回紹介するのは、こうした処方箋について語っているサイトです。 メール・コミュニケーション百科 http://www.na.rim.or.jp/~kamui/com-inx.html これは『北海道の出会い』という交流応援サイトのコンテンツの1つです。ネットを通じた人と人との触れあいを大切にし、場合によっては親友や恋人へとステップアップ……することを目指しているサイトですので、恋人獲得指南サイトのように『気に入ってもらうためには相手に好まれる振る舞いをせよ』という切迫感はありません。 あくまでメール友だちとしての親密さを増す方法を指南するというスタンスで書かれている点が好感持てます。読者の皆様にとっても、有益な指摘が多いのではないでしょうか。 |
-- 2002.10.28 -- ここしばらく長文を読みこなす類のサイトばかり紹介してきましたので、今回は趣を変えてみましょう。日本語の奥深さというか暴走ぶりを示す事例が集まっているサイトです。 世間虚仮 http://www.dik.co.jp/seken/ どういうネタを集めたサイトかは、いちいち説明するよりトップページのメニューを転載する方が早いでしょう。ご覧あれ。
よくもまぁ、こんなに思いつくもので……日本語という枠の中だけでもこんなに想像力って膨らむんだなぁって感嘆しました。iモード版もあるので出先でちょっと楽しむのにも最適。気軽に遊びに行ってみてください。 |
-- 2002.10.21 -- 以前にそれだけは聞かんとってくれというサイトを紹介したとき、私は「根が真面目な自分には読者を爆笑させる文章を書くのは難しい」という趣旨の言葉を書きました。しかし普通の文章の中にナンセンスを織り込むことだけが笑いを誘う方法ではありません。真面目な私(←くどいって)に比較的向いている方法として、こんなものがあります。 今回はそうした趣旨のサイトを、文系/理系の観点から1つずつ紹介します。いずれもエッセイと言うよりは論文調の書き方になっているので読む方としては少々根気が必要ですが、堂々たる馬鹿馬鹿しさに興味のある方はご覧になってみてください。 NOR PRODUCTS http://homepage2.nifty.com/norp/ まずは文系風の論文サイトから。机上理論学会論文集というコーナーにナンセンスな話題を論じた文章があります。扱うテーマとしては怪獣映画やロリ好きの宇宙論、少年犯罪と宝くじの関係やコンビニ/ファミレスの店員論など。他にも自作小説やアニメ名台詞集などのコーナーがあります。 hirax.net http://www.hirax.net/ もうひとつはコテコテの理系サイト。Webの色使いやヘッポコ文章脱出法と言った比較的真面目な話題から、故障したエスカレータでつまずく理由とかハゲの物理学、果ては金正日氏のシークレットブーツの謎といった危ない話題まで、理論式とグラフを駆使しながら論じてくれています。こんな論文を300編近くも揃えておられることに感嘆してしまいました。 もっともこのサイト、『スカートの力学』『オッパイ星人の力学』『スクール水着の秘密』など一連のシリーズが人気を博しすぎて、会社や学校からはアクセス制限を掛けられることが多いそうですけどね。 |
-- 2002.10.12 -- さて、ここしばらく頭を使ったり教訓めいた文章のサイトばかりを紹介してきましたので、ここら辺で爆笑ネタを行ってみましょう。写真がふんだんに使われていて少々重いですが、時間があるときにでも読みに行ってみてください。病み付きになります。 探偵ファイル http://www.tanteifile.com/ このサイトは全国規模の私立探偵社・ガルエージェンシーの所属探偵(と自称している)の方々が運営しているサイトです。探偵社の紹介、時事ニュース、探偵志望の方への案内やクイズなどコンテンツは多岐に渡りますが、今回是非ご覧いただきたいのは以下の2つ。
社会人って馬鹿なことやってるんだなぁ、な〜んて思わないでくださいね。こんなのは例外、例外なんですよ、うん。お願い信じて(涙)。 |
-- 2002.10.07 -- 当サイトはアニメ・コミック系の2次小説ファンを主対象としておりますが、この戯言欄においては必ずしも対象読者を限定してはいません。以前にも選挙がらみの話をしたりソフトウェアの紹介をしたり就職関連の悲劇について書かれたサイトを紹介したりしてきました。今週は新たな切り口として、恋人たち&恋人予備軍に向けたお勧めサイトを紹介しましょう。 恋愛上手になるために http://homepage3.nifty.com/ lovely/colam/ このサイトは男女の出会い・別れ・告白・友情など様々なシチュエーションについてのアドバイスや雑感などを、主として女性の立場から考えてみた投稿サイトです。こういう問題は多くの人が体験するものですが、これほど個人差や時代の差が出てくるものも珍しいと思います。ネットやメールに関するマナーなどの話も多少は入っています。 このサイトに書かれていることが恋人同士の間で直接的に役立てられればそれに越したことはないですが、相手のことを思いやりながら交流を深めて行くにはどうすればいいか、という根元的な問題にも関わってくるので同性間や友人間においても含蓄の深い提言が多いです。『先立つものがないから』なんて尻込みをせずに、ぜひ足を運んでみてください。 |
-- 2002.09.23 -- 1週間お休みをいただきました戯言欄ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。あの猛暑は何処へ行ったのと首を傾げるばかりの涼しさに、私の方は大助かりであります。あの熱帯夜が無くなっただけでも徹夜仕事がどれだけはかどるか……仕事の多忙さは少し峠を越したものの、4周年記念日は迫るし、アニメ版ぴたテンも来週が最終回ということで目が離せないし、もう時間がいくらあっても足りない状態でして。 さて今回も前回に引き続き、頭を使うパズル系サイトを紹介します。とはいってもパーティの隠し芸などに使えるような、ちょっと見には不思議だけど数学的裏付けはちゃんとある、と言った類のパズルや謎々を集めたサイトです。 Magical Room http://www1.nisiq.net/~t-takaya/ ここには面白い思考パズルや手品のトリック、語呂合わせなどのネタが詰まっています。リンクによるページめくりを上手く演出に使っているので、騙されないよう意識している人でも引っかかって声を上げること請け合いです。気に入ったのを幾つか抜粋してみましょう。 人間の想像力って偉大だなぁって、こういうのを見てると思いますよね。ここのところ真面目な文章ばかり書いてきたので、こういう騙され方をすると救われたような気がします。皆さんも是非、不思議な世界へと足を踏み入れてみてください。 |
-- 2002.09.09 -- ここしばらく長文の読み物系サイトの紹介が続いていましたので、今週は趣向を変えてみましょう。夏休みボケの脳味噌に活を入れるのにお役立てください。 数学の部屋 http://web2.incl.ne.jp/yaoki/ このサイトでは、小学生から社会人に至る読者からの投稿問題とその解答例が公開されています。『数学なんて嫌い〜』と顔をしかめる方もおられるかも知れませんが、ここに集まっているのは教科書やテストに出るような「数学問題」ではなくて、パズルやクイズの本に出てくるような「数学パズル」です。何問か抜粋してみましょう。
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-- 2002.08.29 -- 今回のサイトは前置きなしで行きます。 日の出講芸 http://www31.ocn.ne.jp/~hinode_kogei/ このサイトは、時事問題や映画・CMなどに対する辛口の論評サイトです。作者本人も書いているとおり「難癖を付けている」と見えても仕方ないほどの痛烈な文体で、人気コマーシャルや評判の映画、新聞の論調などをばっさばっさと切り捨てています。この種のサイトは『作者本人の立脚点』が色濃く出るので読者が閉口することも多いのですが、このサイトでは話題が幅広く、また文体がパワフルかつ論拠が明快なので読んでいて飽きさせません。(読者が同意できるかどうかはともかくとして) なかでも圧巻なのは小林よしのり氏「ゴーマニズム宣言」に対する批評コーナーで、事実関係の間違いや論理の破綻などについて細かく突っ込みを入れています。特に去年話題になった歴史教科書の話や「脱ゴーマニズム宣言」に対する著作権裁判の行方などについては、原典である教科書や判決文があるだけに説得力が段違い。 お忙しい方は、とりあえず119章「逆転勝訴の真相」の部分だけでも読んでみてください。かなり長い文章ですが読み応えは十分です。 |
-- 2002.08.19 -- 今回紹介するサイト、戯言欄で紹介するかどうか迷いました。興味深いサイトであることは確かなんですけど、小説サイトの運営者という立場で紹介すると、あらぬ想像をされる危険性が高いからです。でもまぁ……そろそろ夏休みの宿題に手を付ける時期でしょうし、文章書きに対する精神的障壁を低くしてくれる効果があるのも確かでしょう。 本読みHP http://www.ne.jp/asahi/ymgs/hon/index.htm サイトの名称からは「読んだ本を自分なりに紹介しているサイトかな?」と思われるでしょうし、確かにコンテンツの筆頭は「〜な人向けのお勧め本」なんですが……どちらかといえば本をネタにした軽妙な笑いを含むエッセイ集、というほうが正しいでしょう。あれもこれもと詰め込んでいるのではなく、「〜が好きな人向けの本」と称して各1冊の本を取り上げて絶妙の前振りと共に紹介してくれているサイトです。本の内容云々よりも、読者の興味を引きつけるための前振り文章のほうがずっと面白く感じられますので、肝心の本を読むつもりが無くても楽しめます。 また他のコンテンツとしては、本と活字を題材にしたコラム(要するに本から受けた刺激をもとにしたエッセイ)、本とは関係ないコラムなどもありますが……ぜひ目を通していただきたいのは、「1行読むだけで書ける読書感想文」のコーナーです。これは文字通り、宿題などで読書感想文を書く際に「本の内容をほとんど知らなくても」それなりの感想文が書けてしまう秘訣を載せているコーナー。そんな馬鹿な、と思われるでしょうが、実践例として載っている5作品とその感想の例を読んでみると「なるほど」と納得してしまうこと請け合いです。 嘘だと思うなら、とりあえず川端康成「雪国」の感想を読んでみてください。本当に最初の1行しか読まずに妄想を繰り広げてます。作者自身による欄外の突っ込みが傑作なのですが、それでも学校に提出すると思えばそれなりに体裁が整ってるように見えるのが不思議です。文章が上手い人って得ですよね。 |
-- 2002.08.11 -- Webサイトは載っている情報こそが重要なのですが、ブラウザの機能追加はどうしても見栄えを良くする方向に傾斜しがちです。『こんなことができるようになりました』と新バージョンのメリットを強調し、その新機能をどうやって使うかという解説本が出回るという循環がずっと続いています。テーマの選び方という話題はなかなか一般向けにしづらいので、技術面ばかりを強調するのは商業的にはやむを得ないかも知れませんが。 しかしそうした機能追加は、往々にして読者にとってはメリットがなくサイト制作者の自己満足にしかならないことがあります。以前に戯言欄で紹介した『ダサいホームページ作成マニュアル凝縮版』などはサイト運営者に自覚を促すのに有益なサイトですが、文字情報しか入っていないので「〜することが悪い」と言われても初心者にはピンとこないでしょう。 やってはいけない!! ホームページの掟 http://www2.plala.or.jp/Cool/okite/ そこで紹介するのがこのサイトです。このサイトは読者に不評をもたらすことの多いWebサイトの各種テクニックについて、その迷惑度に応じて3段階に分類し、それぞれについて実例を挙げて説明してくれています。とくにひどいとみなされる『レッドカード級』には以下のような項目が並んでいます。
サイトを持っている方はもちろんのこと、持っていない方もぜひ読みに行ってください。読者の身になって考えるというのはこう言うことかと、胸に落ちることがあるかも知れません。 |
-- 2002.08.05 -- お待たせしました、戯言欄の再開です。振り返ってみれば7月は5万ヒット企画の予告をやっただけで、結局1回もサイト紹介をしませんでしたね。半休業状態のサイトを見捨てることなく、今週も見に来てくださった読者の方々に厚く御礼を申し上げます。 さて、本日8月5日は住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の稼動開始日、正確に言うと試験運用の開始日であります。マスコミでは形を変えた国民総背番号制だとばかりに運用延期を求める論調が勢いを増しておりますが、私はあまり悲観はしていません。 そもそもワールドワイドだボーダーレスだと言っている時代に、国民おのおのの情報が市町村の枠を出られないと言うほうがおかしいんです。住民情報の管理がとっくにデータベース化されている以上、そのネットワークが広域化を目指すのは当然至極。ハッキングやら不埒な小役人の不正行為の増加やらを心配する声が多いようですが、それらは草の根のパソコンネットワークが全国展開しインターネットに接続するようになった数年前にも同様に指摘されていた懸念事項です。あのころも警鐘を鳴らす論調は多くありましたが、今ではすっかり消えてしまったでしょう? 結局ああいうものは机上で不安がって尻込みするより、実際に運用して失敗し恥を掻きながら安全性を高めていくべきものなのですよ。現在のインターネット環境が完璧なものだとは私も思いませんが、それでも広域化に伴うさまざまな問題や技術革新に直面し対策を繰り返していった結果、技術者でない普通の人たちにも広く利用されるインフラのひとつとして認知されるに至ったのです。人間が作っている限り、運用される前に悪用される危険性をすべて排除するのは不可能……そういう意味においては公務員の情報保護法案が整備されず、全国民が疑いの目で見ている状況で試験運用を始めるというのは却って幸運といえるのではないでしょうか。注目が高ければハッカーの皆さんも張り切ってくれるでしょうから、意外に短期間で問題点が洗い出されるでしょうしね。 もうひとつ、情報一元化の観点から反対する意見もあるようで、そちらは私も心配しています。しかしデータベース管理をしない社会にはもう戻れないのですから、ネットワークがある前提でその運用方法を論議すべきでしょう。自動車事故が増えているからと言って馬車の時代には戻れないのと同じです……その意味でも住基ネット騒動は良い経験になるかと。 そんなわけで私は運用開始そのものには肯定的なのですが、住基ネットに疑いの目を向け続けていくことは今後も必要だと思っています(責任者の糾弾だけでは困りますが)。 今回紹介するサイトは、批判的立場から住基ネット関連のニュースへのリンクを集めてくれている孫ニュースサイトです。 お笑い個人情報保護法案メモ http://www.geocities.co.jp/Colosseum- Acropolis/7376/hogoho/ このサイトは住基ネットに限らず、個人情報保護法案(という名のマスコミ規制法案)についても半年ほど前から関連記事を集めており、批判的立場からのコメントを付けてくれています。自分たちを取り巻く環境について知識を深めたいという意識のある方は、ぜひ参考にしてみてください。 ちなみに……このサイトを経由して巡回しているうちに見つけた、おおいに気になる情報を以下に紹介します。この情報が確かならば、住基ネットとして運用されるシステムは将来の電子政府への移行の際に最初から作り直さないといけない代物なのだそうです。関係者はそのことを承知しているのに、ここまでの投資を無駄にしたくない/誤りを認めたくない一心で運用開始を急いでいる……これが事実ならば、私も反対派に回りますよ。無益どころか有害なシステムってことになりますから。 ほら貝:文字コードから見た住基ネットの問題点 http://www.horagai.com/www/moji/juki.htm |