ここまでの考察により、従来の方針を見直す材料、新しい方針へと向かう手がかりになる材料が揃いました。これらを基にして、今後の方針を組み立てていこうと思います。


　まず先述したように、新作の執筆ペースが遅い遅いと自分を叱咤し続けることはあまり効果も意義もないことが分かりました。執筆ペース向上を実現したって現在の自分の能力では別のところにしわ寄せを生むことになるし、日常生活にも支障をきたしかねない。しかも喜ぶ読者と残念がる読者が相殺するらしくサイト総体としては活性化に繋がらない。手数を増やしても隙を見せたらダメだということです。
　そしてＳＳ執筆だけに注力することが読者の希望に沿うというものでもなさそうです。まだコンテンツの少ない生まれたてのサイトであれば看板コンテンツに注力するのは立派な戦略ですが、現在の『支天輪の彼方で』はどうやら新作がなくてもそれなりに楽しめるサイトになっているらしい。そして小説以外のコンテンツを楽しみにしている読者さんも少なくないらしいのです。
　もちろんこれらの見解にあぐらをかいて『だったら更新休止したままでもいいんだ』とはなりません。運営者がそんな風に考えれば読者には敏感に伝わるものだし、面白い何かがあるかも知れないという『期待』にすら封印をしてしまったらＷｅｂサイトは一夜にしてゼロアクセスと化すでしょう。そして自己満足のために運営しているのでない以上、そんなサイトを維持し続ける意味も意思もありません。


　ではどうするのか。私が導いた答えは小説以外のコンテンツに対するエネルギーの再分配と、ペースアップに代わる小説執筆のテーマ設定です。順に説明していきましょう。


小説以外のコンテンツ：

　年明け頃に第２次連載テキスト企画をやります。毎日連載が可能であることは分かっているので、今度は少し長期的なテーマを、数日に分けて語るような形に挑戦してみるつもりです。
　それから現在５.１期掲示板と物語投票所と戯言欄に分かれているサイト推薦コンテンツを整理し、紹介文を読むだけでも読み物コンテンツとして楽しめるような構成に変えて行きたいと思います。これはしばらく先になるでしょう。
　それからサイト活性化とは直接関係ありませんが、消滅サイトを復刻するミラーサイト構想、そろそろ実行に移したいと考えています。いまのところハードと解説書は揃えてあるんですが、常時接続を開始する準備が整っていない段階です。いざ接続開始してしまうとそのメンテナンスだけで他のことが出来なくなってしまいそうで延び延びにしてしまっているのですが、いつまでも臆していては何も始まりません。上述のテキスト企画が終わる頃をめどに、サイトの仮登録とミラーリングの実験を開始したいと思います。

小説系コンテンツ：

　未完成連載をきちんと片付ける……と言いたいところですが、従来の延長線上を辿っていても仕方ありません。けじめをつけるという美徳にはひとまず目をつぶって、こだわりを持った執筆活動に的を絞ってみたいと考えます。いみじくも１周年総括文で書いていたような、たとえ更新ペースが遅くとも次回作を絶対見に来るぞと読者に思わせられるようなものを目指して。読者に支持されるための要因は、つまるところ購読中のワクワク感と次回作への期待感だと思うから。
　幸いにして当サイトの小説は、それぞれ『こういう新境地を開いてみたい』というテーマを持っています。これは原作者や他のＳＳ作家さんたちが書くものと差別化を計りたいという開設当初からの（大それた）野心を実行に移すための骨組みに当たるものです。これを極めていくことが、個性の発露であり上達の道だと信じて頑張って見ます。
　ただしあれもこれもと言っていると虻蜂取らずになりますし長い休載期間中に狙っていたテーマを忘れてしまった（というか、魅力的に感じなくなった）作品もありますから、読者の皆様の期待にそのまま沿えるとは限りません。当面は上に挙げた３作品がメインになることでしょう。


　ただ本業のほうの都合で、双剣士は１１月半ばから来年１月半ばまで出張先に泊りがけの状況になりそうです。ネット接続が不可能というわけではありませんが毎日更新の企画は実現不可能になりますし、自宅に帰れないからには自宅サーバの構築も進められなくなります。上述の日程は本業のほうが順調に進んだ場合の見込み日程です。滑り出しから景気の悪い話で恐縮なのですが、どうかご理解ください。


　いま流行の言葉で言えば、これが双剣士の“マニフェスト”になるんでしょうかね。まぁ個人サイトには選挙の洗礼などないので、来年の今頃もずるずると同じようなテーマを引きずってるかもしれませんが……そんなときには叱ってやってください。皆さんのご意見をお待ち申し上げています。