「支天輪の彼方で」7周年記念総括文  RSS2.0

2.サイト持ちでない3ヶ月間


Since : 2005.10.12
written by 双剣士
正門へSite Mapへ総括文の目次へ
はじめにサイト持ちでない3ヶ月間当サイトの心理的位置づけ結局、何がやりたいのか作者本人の露出についておわりにご意見専用掲示板

 前回の総括文からの2年間について述べるとなれば、2004年8月〜11月の更新休止期間について触れないわけには参りません。家族に不幸がありまして、しばらくサイト運営を休止していた時期があったんです。まずはその話から。

 この時期に自分が何を考えていたかについては、正直あまり記憶に残っていません。家族のこととその後始末のことで頭がいっぱいで、サイト運営もSS巡回も二の次になっていました。ネット接続自体を休止していたわけではないですけど、ニュースサイトや2ちゃんねるなど時事ネタばかりをさらっと流し読みする利用スタイルになっていた気がします。
 今にして思えば、SSを集めるためにインターネットに入った(2周年総括文を参照)私が“これといった目的なく”ネットに接続するようになった初めてのケースだったかもしれません。すごく気楽でしたよ、単なる消費者の1人として見て回るだけというのは。すでに常時接続環境を手にしていましたので、興味あるコンテンツを効率よく狙い撃ちして接続終了後に熟読する、といったテクニックも必要ありませんでしたし。
 最初のうちは時流に取り残された不安もありました(当時の掲示板ログを参照)けれども、月天やぴたテンの関連サイトに足を向けず目をつぶったままの生活を1ヶ月以上も続ければ、当初心配していたより案外あっさりと落ち着きを取り戻すことが出来たように思います。新着情報だ毎日更新だアクセス解析だと飛びまわっていた以前の自分が信じられなくなるくらいです。
 自分は重度のオタクだと将来を悲観している皆さん、心配することはないですよ。別の関心ごとで頭をいっぱいにする契機さえあれば、想像してるより簡単に足抜けすることは可能なようです。家族の不幸という心配事が受動的かつ期間限定だった私はこうして元の世界に戻ってきてしまいましたけど、皆さんは関心事を選ぶことが出来るんですから。選ぼうにも選択肢が見つからないって? それはオタク脱出の方便として探そうとするからです。もっと単純に考えてごらんなさい、1度きりの人生でやっておきたいことは何だろうって。

 さて、受動的とはいえサイト運営者という立場から離れる機会を得て、それから再びサイト運営を再開しようか放置したままにしようかと考えたとき。そのときの私には『読者の期待に応えなきゃ』とか『諦めたら可能性はゼロ、最後まで奮闘努力しなきゃ』といった殊勝な考えは欠片も残っていませんでした。レースから降りたものの視点というものを、サイト開設6年余にして初めて手にすることが出来たんです。自慢できることではありませんけれどね。
 はっきり言って楽でした、読者の1人として他の方が提供してくれるコンテンツを消費するだけの生活というのは。ただ頭を空っぽにしてディスプレイに向かうだけでいいんですもの。時間的にも体力的にも余裕が持てるし、他者との行き違いなどで心を痛めることも大幅に減ります。自分はなんて不毛なことを6年間も続けていたんだろう、と本気で考えたくらいです。
 それに月天もセイバーJもぴたテンもすでに連載終了して人気は下降の一途をたどっており、ギャルゲーSSの世界も次々発表される新作にトレンドは移ってしまっています。私1人が参戦しようがしまいが大勢に影響を及ぼせるとはとても思えませんし、それに……3ヶ月の休止期間を経た今なら、『続ける意欲がなくなったので閉鎖します』と言っても読者からの反発はあまりないんじゃないかな、そんなことも考えました。

 とか何とか考えながらも2004年11月20日に『支天輪の彼方で』は更新を再開し、巡り巡って現在の私はこうして総括文を書いているわけです。無為に慣れきった私を再びサイト運営の道へと引き戻したのは、一体なんだったのか?
 読者の皆さんには申し訳ないですけど、読者のためとかSS書きがやっぱり好きだからとか、そういう崇高な理由じゃなかった気がします。むしろ忘れられることの恐怖というか、6年間積み上げてきた思い出への未練というか……家族を失ったばかりで天涯孤独になってしまった当時の私にとって、自分が戻ってくるまで待ち続けてくれていたサイト自体が急に愛おしく見えたというか、そんな他愛のないものが積み重なったんだと思います。曖昧な言い方になってごめんなさい、なにせあれから1年近く経過しているので当時の気持ちをよく思い出せないんです。
 ただ、かつてないほどに肩の力が抜けた更新再開の1コマだったような記憶はありますね。当時の更新履歴(こちらの末尾を参照)を見ると、初回の更新は切れたリンクの整理と呼称表など一部の誤記の訂正のみ。以前の私なら『新作SSの1つくらいは手土産にしないと読者に申し訳ない!』と考えたに違いないのに、新作を公開したのは半月以上も後、しかも未だに未完結(笑)。休止期間の気分を引きずった気迫のなさが垣間見えています。


正門へSite Mapへ総括文の目次へ
はじめにサイト持ちでない3ヶ月間当サイトの心理的位置づけ結局、何がやりたいのか作者本人の露出についておわりにご意見専用掲示板