4年目を迎えた総括文、いかがだったでしょうか。今回の総括文は例年より短めですが、扱ったテーマは例年よりもデリケートなものだったつもりです。エンターテイメントを読者に提供するという方針のもと、これまでは自分の醜い部分はあまり見せない運営を心がけてきたのですが、とうとうカミングアウトする日が訪れてしまいました。こういう文章を読者に向けて公開する決意をしたこと自体が、5年目に挑む意気込みの証とお考えください。
今回の総括文は、読者の皆さまが共感したり参考になったりした部分は少なかったんじゃないかと思います。そう信じたいです(願)。こういう風にじたばたする輩もいるんだな〜と反面教師にでもしてください。そして虫のいいお願いですが、当サイトの小説をご覧になる際には『こういう愚痴っぽい奴の書く小説だから……』という先入観を持たずに楽しんでいただけるよう、伏してお願い申し上げます。
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それから、ご愛読いただいている読者の皆様に向かいまして、この場にて改めて御礼を申し上げます。
今日までの4年間には色々なことがありました。必ずしも楽しいことばかりではありませんでしたし、自分の思い通りに行かないこともありました。しかし潰れたり荒らされたりすることも無く『支天輪の彼方で』の運営を今日まで続けて来られたのは、紛れもなく読者の方々からの応援のお陰です。5年目に向けて色々と考えたり工夫したりできる原動力も皆様から分けていただいたものです。
今回の総括文では当サイトの現状について満足できていない部分を3つ取り上げて論じましたが、こうやって試行錯誤しながら挑戦を続けていけるというのは幸福なことなんだと思います。自分のしたいことが満足に出来なかったり外的要因で中断を余儀なくされたりして閉鎖されるWebサイトは後を絶ちませんし、目指すことをやれるだけのサイト規模や集客力を獲得する前に運営を断念してしまったサイトも数知れずあることでしょう。実社会よりも時間の流れが数倍速いと言われるネットの世界において、飽きっぽい私を勇気づけてもらえるだけの応援の言葉やアクセス数を4年間に渡って受け取り続けていられたという事実を振り返ってみると、読者の方々にはいくら感謝をしても足りないくらいです。
読者の1人としての立場でいると、ネットの世界というのは情報を手づかみできる宝の箱であり好きなときにだけ遊びに行ける遊園地に見えます。都合が悪いときには簡単に退却することのできる希薄な人間関係で構成された、自分など居ても居なくても影響なさそうな広大な海のようにも見えます。事実、4年半前に初めてネットに接続してSS収集を始めた当時の私はそういう存在でした。
しかしWebサイトやメーリングリスト、あるいは馴染みの掲示板といった“根”を持つようになると認識は変わります。居ても居なくても構わないような存在ではありたくない、という意識が自らをせき立てるようになるからです。この広大なネットの世界において自らのアイデンティティを確立するというのは、たとえそれが自己満足に過ぎないとはいえ容易なことではありません。読者の皆様からの応援と自己の力量に対する不満があったからこそ、『支天輪の彼方で』は今日まで運営を続けてこられたのかも知れませんね。その意味でも読者の皆さんには感謝をしたいし、建設的な批判を寄せてくださる少数の方には一層の敬意を払いたいと考えています。
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まぁ、そんなこんなで不安を抱えながら『支天輪の彼方で』は5年目に突入します。この総括文で述べたことが成長の証なのか退嬰の兆しなのかは、ここからの1年間で明らかになります。今後ともよろしくご愛読のほど、お願い申し上げます。
また読者の方々からの応援やお叱りのお言葉がありましたら、いつでもお待ちしております。『こういうこと言っていいのか、言う資格があるのか』という遠慮は無用です。100%採用するとはお約束できませんが参考にさせていただきますので、ぜひお考えをお聞かせください。