去年までとは趣の違う総括文、いかがだったでしょうか。小説執筆に代わる価値を、と高らかに歌いあげたかと思ったら最終的に小説を書くための方法に戻って来るという竜頭蛇尾な内容に、拍子抜けした方もおられるかと思います。狙ったことが狙い通りには行かなかった実例の1つとして、笑ってやってください。
本当を言うと、こうやってサイト運営に目的と方針を定めるなどというのは邪道なのかも知れません。小説の執筆と感想のやりとり、あるいは掲示板での読者との交流や荒らしへの対応などに追われて、方針など考える暇もないほど充実したWeb生活を送っていられるのなら、その方が楽しいし正解なのでしょう。こうやって方針を再三にわたって練り直しているということは、実はサイト運営者の大多数が軽々と飛び越えてしまえる程度の小さな落とし穴に転落して、見苦しくもがいているのが現在の自分の姿なのではないかと、時々思うんです。
毎年書いている総括文企画を、期間限定に留めている理由の1つがそこにあります。せっかく私の小説を読んでくれる読者に対して、自分の恥をさらしてるだけかもしれない。そう思うと恒久的に掲示する気になれないのです。
今回の総括文は、読者ニーズに沿わない不毛な試行錯誤とそれに伴う新作執筆停止の反省を込めて、自戒のつもりで書きました。これを区切りとして、4年目に向けて再始動したいと思います。初心に返って小説書きに邁進、が当面の課題です。
最後に。ここまで読んでくださった方に対し、厚く御礼申し上げます。
『支天輪の彼方で』は現在も発展途上。永遠に完成することはないと思います。ときどき間違った方向に走ることもありますが、一歩でも前に進もうと日夜あがきつづけております。今後ともお見捨てなきよう、どうかよろしくお願い申し上げます。