「支天輪の彼方で」2周年記念総括文(期間限定企画)  RSS2.0

4.批判を受ける覚悟……話し相手として


Since : 2000.10.12
written by 双剣士
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はじめにネット界住民としてWeb運営者として話し相手として物書きとしてさいごにご意見専用掲示板

 第2章にて、ネット界に入るにあたり私には師匠と呼べる人が居なかったことを述べました。また第3章にて、当ページは個人的なつながりのみを求めてくる読者を対象としたものではない[注1]という旨を述べました。言いかえると私は未だにSS収集の頃の習癖を引きずっているようで、ネット界に対して『好きなときに覗きこんで、必要なものだけ手に入れて去る』という関わり方をしているようです。義理や人情に縛られて心にもないことはしたくない、という意識が強いようですね。
 それに対して、最近の(こういう言い方はあまり好きではないが)インターネット参加者は関わり方が異なるようですね。学校にも職場にもネット環境があるのが当然だから、大抵は『友人の勧めで』あるいは『友人に相談して』着手するようです。当然ながらメール交換もWebの内容も『まずは友人に見てもらう』ことが多くなります。そういうとき友人は手厳しいことは言いません。内容よりも努力を評価して誉めるか、親身になって改善点を一緒に考えるという対応を採るでしょう。そうしてある程度たった頃に、知らない人がふらりと訪れて交友関係が始まる……そういうパターンが多いのではないでしょうか。
 なぜこんなことを想像するのかというと、ここ1年の間にメールなどで喧嘩・衝突した相手[注2]の多くには、こうした『覚悟のなさ』があったのではないかと考えるからです。この章ではその幾つかの例について説明します。言うまでもなく一方の当事者であった私が書く文章ですから、読者の方はある程度割り引いて読んでください。
 この説明に賛同するか反発するか、真似をするか反面教師にするかは読者の皆さんにお任せします。この文章が、皆さんの過去の振る舞いや他の人との軋轢などについて振り返る機会のひとつになってくれればと願っております。

1.厳しい意見を書かれると怒りだす
 だれしも自分で作り上げたモノには愛着があります。誉めてもらえば嬉しいし、ケチをつけられれば嫌な気分になります。小説・CG・MIDIは無論のこと掲示板の文章からメールでの自慢話に至るまで、『読者から認められる』ことを期待せずにネット界に投入する人は居ません(わざと喧嘩を売っている人は別として)。かくいう双剣士だってその一人です。
 しかしですね。ネット界に掲示した以上それは不特定多数の眼にさらされることを宿命づけられているわけで、当然ながらさまざまな感想を持つ人がいます。その人個人に対する好悪とは別の次元で。誰しも作者の思い入れはわかっているから、誉めるのは容易でも批判するのは勇気が要る。にもかかわらず批判的意見を聞かせてくれる人の意図は何か? あえて厳しい意見を言うことで作者の気づいてないことに気づいて欲しい、そのことを次に生かして欲しいという期待を込めているからだと私は思うのです。
 ですから私は批判や非難を含めたあらゆる感想・意見に『教えてくれてありがとう』と言いたいです。『生意気に』と思われるのを恐れる人のために匿名の意見フォーム[注3]を用意したのもそのため。その意見を全面的に受け入れるかどうかは別の話としてね。だけど賛同できなかった意見に対しても、自分の考えを述べた上で『ありがとう』と返事は必ず出しています。
 そして他の人に感想や意見を送るときも、そうありたいと思っているわけです。誉めるべきところはきちんと誉めます。そのうえで違和感を感じたところは『ここはこういう理由で改めた方が良かったんじゃないか』と書いてます。いちゃもんを付けるだけじゃ無責任だと思うから、僭越なのは承知で『私だったらこうしてみますが』と代替案を書くこともあります。(念のため申し添えますと、厳しい意見を書くのは更に良くなる可能性を感じたからであって、その欠点以外の個所には美点も多く含まれることを認めているわけです。だから100%が批判的意見になるようなことはありません)
 ところがこれで頭に血の登る人が多いようですね。感想をもらったお礼の言葉すら忘れて反論を書いてくるのはまだ見所があるほう。好意的な感想には丁寧に返事をしてきていた人が批判的意見を含むメールには返事をよこさなかったり、批判部分だけを丁寧に削除した引用文を作ってそこだけに返答を付けてきたり。『感想お願いします』と私に直接メールを送ってきておきながら、3割くらいを批判的指摘に当てると『こんなことを言われるとは思いませんでした』と返事してきたりして。
 まぁ批判的意見を聞かない自由というのは確かにありますよ。自分の実力の向上を目指さない自由というのもあります。ですけど批判を糧に出来る人なのか“快”のみを期待している人なのかは、一度批判的意見を送ってみないと分からないじゃないですか。だから初心者は別として、ある程度ネット生活の長い相手の作品に対して『もう一歩』な感想を持った場合には、私は相手から嫌われるのを覚悟したうえで感じたことを正直に書くことにしています。そして私の意図を理解してもらえない人には、以後メールを送るのを止めたり良い部分だけに絞った感想を送るやり方に切り替えています。押し付けがましく思われるのは嫌ですから。
 少数ながら『勉強になります』と言ってくれる人が居るのが救いです。
2.ミスを指摘されると文句を言う
 Webページは他の人に見てもらってナンボです。作者のマシンでどんなに綺麗に見えたとしても、他の人のマシンから見えないようなら不合格、そう私は思っています。これは環境がほぼ統一されている友人間で話しているだけでは気づきにくいものです。たとえば以下のような例がありました。(すべて実話です)
  1. <table>タグの閉じ忘れ……IE[注4]では見えますがNetscapeからは何も見えなくなります。
  2. <frameset>タグの閉じ忘れ……これもIEでは見えますがNetscapeからは何も見えなくなります。このミスに対しては<noframes>タグの記述も無力です。
  3. <font face="">による文字フォントの強制指定……同じフォントを組みこんでいないマシンからは文字がまったく見えません。文字化けというレベルではなく、文字が書いてあるということ自体が見えないのです(ソース表示して気づきました)。←(10/13訂正)これは私の勘違いだったようです。
  4. <frameset cols=",">による画面分割の幅指定ミス……画面の狭いマシンで見ると画像やアクセスカウンタなどの一部が隠れてしまうことがあります。画面スクロールや分割幅の変更を許さない構造になっている場合は最悪。
 もっと低レベルな例もあります。
  1. ページ内で<a href="">リンクが繋がっていない……動作確認をしてないんでしょうか?
  2. <link rel="stylesheet" type="text/css" href="">で指定したスタイルシートをアップロードしてない……IEでは見えますがNetscapeでは別のページに強制ジャンプしてしまいます。
 私はNetscapeユーザーなのでこういう点に気づきやすく、気づいたらすぐに教えてあげるようにしています。大半の人は感謝して訂正してくれます……しかし、腹を立てる人も居るんです。
『小さなミスじゃないか、偉そうに言うな』
『IE以外では見ないでください』
 Webページだって精魂込めた作品には違いないからミスを指摘されて気分が良くないのは分かりますけど、これは単なる意見ではなく明白なミスの指摘であり、少なくとも一人の読者が迷惑している事柄ですからね。こういう人はWebじゃなくてワープロソフトやDTPといった、自分以外の環境を考慮する必要のない世界の中で満足して欲しいものです。
3.期待が裏切られると不平を洩らす
 これは上記1にも通じますけれど、ここでは自戒を込めて双剣士の悪癖を告白します。相手に感想を送ったり小説を寄贈したりしたときに、お礼の一言がもらえないと『マナー違反だ』と噛み付いたことがありました。別にお礼めあてで送ったわけではないのに、自分が『ありがとう』を言う習慣をつけてるものですから他の人の不調法に腹を立ててしまったのです。
 我ながら馬鹿ですね。お礼を言うに値する価値があるかどうかを判断するのは相手のほうです。こちらの思い入れを押し付けるような行為が許されるわけがありません。『特定の個人のためにやってあげた』という意識が強いからこうなったのでしょう。
 今では反省しています。もう2度としません。関係者の皆さん、ごめんなさい。
(この論法によれば、相手から返答メールがもらえなかったからといって腹を立てるのは筋違い、ということになります。相手に頼まれて何かをやってあげた場合も含めてです)


[注1]個人的なつながりのみを求めてくる読者を対象としない
 相手にするつもりがない、というわけではありませんよ。小説やこのページの感想・意見を縁に知り合った相手とメール交換を重ねていくうちに、次第に個人的な趣味の問題を話したり相談に乗ったりするようになることは良くあります。ただし当ページはそれを主目的としていない、それだけのことです。
[注2]喧嘩・衝突した相手
 すべての喧嘩において相手が悪かったといってるわけではないです。こちらの悪ふざけが過ぎた例もありましたことを申し添えておきます。
[注3]匿名の意見フォーム
 新装したご意見箱をごらんください。匿名意見に対してもちゃんと返答できるよう工夫してみました。
[注4]IE
 Internet Explorerの略。Windows98などに標準でついてくるWebブラウザです。Webページに多少の文法ミスがあっても“お目こぼし”をしてそれなりに表示してくれる親切設計ですが、その代わり作者が文法ミスに気づきにくいためIEでしか見られないWebページが増殖する迷惑な事態に。そうやって他のブラウザを滅ぼすのがMicrosoft社の狙いか?


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