予告編
01日
02日
03日
04日
05日
06日
07日
08〜14日分
15〜21日分
22〜28日分
29〜31日分+あとがき
チェリー「はぁ〜い、わたくしチェリーと申しまぁ〜す! ようこそ、小樽様とわたくしの愛の園にいらっしゃいました!」
ブ×ッ××リー「お、いよいよ始まったねぇ」
チェリー「このコーナーは、このWebページの筆者である双剣士さんが、自己啓発の一環として創設なさった短編小説のコーナーなんだそうです。なんでも御自身が愛読なさっている喫茶店MuteというWebページの『さくら支店マネージャー物語』という毎日更新の小説に触発されて、1000ヒット記念にジャポネス城から飛び降りる覚悟で始めることになったそうですのよ」
ラ×ム「ねーねー、チェリー」
チェリー「それで、一番魅力的なキャラクターを主役に据えれば、多忙な日々の中でも泉が湧き出すようにお話が浮かんでくるだろう、とおっしゃいまして、このわたくしチェリーに白羽の矢を立てたとおっしゃるんです! ああっ、なんて見る眼のある素敵な方なんでしょう!」
××ム「ねぇってばぁ」
チェリー「わたくし、そんな大役は自信が無いとお断りしたんですけれども、小樽様が‥わたくしのマスターで未来の旦那様である小樽様が、『チェリー、俺と二人で新しい物語を作っていこうぜ』って‥ああん、もう!」
×ラッ×ベ××「おいおい、あたしの小樽がそんなこと言うわけないだろ」
チェリー「小樽様‥やっと見つけた、私たちだけの愛の巣。わたくし、小樽様のために頑張ります! もう誰にも邪魔はさせませんわ。小説やアニメで出来なかった、あ〜んな事やこ〜んな事だって‥」
×××「ずるいよチェリー、小樽はボクと‥あれ、ボクの名前がぜんぶ消えてる!」
×××××××「‥なんてこった。この世界では、チェリーの妄想に連動して他のものが見えなくなっちまうノカョォ‥」
チェリー「あ〜ん小樽様ぁ‥わたくしは、わたくしは‥いや〜ん、もう‥」
(筆者注:チェリーはああ言っておりますが、18禁な話にするつもりはありません)
チェリー「(がたごとがたごと)‥え、もう始まってるんですの‥よ、ようこそいらっしゃいました。わたくしチェリーと申します。3月1日より始まりました1000ヒット記念企画「日記風ショート小説」のコーナーで、その最初の1ヶ月の進行役を務めさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします(ぺこり)」
花形「そして僕、この超絶美形キャラ花形美剣が、このお話のヒーローなのさ‥えっ?(げしっ、ぼかっ、ぐえっ、ひゅーん)」
チェリー「‥た、大変お見苦しいものをお見せ致しました。さてこのお話は、愛の美少女マリオネットであるわたくしことチェリーと、機械人形であるわたくしに対して永遠の愛を誓ってくださった間宮小樽様との、甘いあま〜い愛の日々を描いた物語なのです」
ブラッドベリー「永遠の愛、ねぇ‥」
チェリー「(無視して)さて本日は初日と言うことで、わたくしと小樽様が如何にしてお互いをかけがえの無い半身と見なすに至ったかについて、簡単にご説明したいと思いま〜す」
ライム「ぶ〜っ、小樽のお嫁さんはボクがなるんだよぉ」
チェリー「(また無視して)わたくしたちが登場する『セイバーマリオネットJ』、時は宇宙開拓の黎明期。人口が増えすぎて地球に住めなくなった人類は人の住める惑星を探し、移民船を建造して宇宙に旅立ちました」
家安「‥なんだか『マク○ス7』に似ておるのう」
チェリー「(さらに無視して)その移民船のひとつ、メソポタミア号は長い航海の末にこの惑星『テラツー』を発見。しかし船内コンピュータの異常により爆発、衛星軌道上でさ迷う存在となってしまいました。生き残った6人は惑星テラツーに降り立ちましたが、その6人は全員男性であり、自らのクローンを作ることで開拓を進めざるを得なくなってしまったのです。以来300年、惑星テラツーは始祖の6人が築いた6つの国と、始祖の6人のクローンである男性たちの住む星となっていました」
源内「クローンがぞろぞろ‥こうして聞いてみると、気色悪い舞台設定だのう」
チェリー「(さすがに無視できず)いえ、クローンと言っても純粋なクローンは各国の元首たちだけで、他の方々は遺伝子操作を加えた派生クローンだそうなので、みな顔も性格も違うのですが‥女性だけは作り出せなかったのです。そこで女性の形態を真似た機械人形『マリオネット』が作り出され、人々の暮らしを支えてきました。しかし所詮は機械人形、人間にとって道具以上のものでは無かったのです」
ライム「キクちゃんや小雪ちゃん、どうしてるかなぁ」
チェリー「その6つの国のひとつ、ジャポネス。建国の父である初代・徳川家安公は、女性の心を模した感情装置『乙女回路』を積んだマリオネットを極秘裏に開発し、そのマリオネットを機械人形としてでなく対等の存在として扱える人材が登場するのを待つことにしました。そして300年後、十五代・徳川家安公の御代になって遂に現れた人材、それが間宮小樽様なのです!」
ライム「へぇ〜っ、小樽って偉かったんだね」
チェリー「小樽様はお城で眠っていたわたくしを、熱いささやきで目覚めさせてくれました。300年の眠りから覚めたわたくしは、愛するマスターである小樽様と共に‥」
ブラッドベリー「はいはい、今日はここまでだってよ」
チェリー「ええぇぇ〜っ、これからがいいところなのにぃ‥」
チェリー「こんにちは、わたくしチェリーと申します。本日は小樽様とわたくしの甘〜い生活について、ごくごく簡単に紹介したいと思います」
ブラッドベリー「おい、あたしらを省略するなよ」
チェリー「小樽様はジャポネス城の城下町にある、かさはり長屋と言うところで一人暮らしをしておりました。そこで一緒に住むことになったわたくしは、持ち前の家事能力とキュートな乙女心を生かし、朝の食事を作ってから小樽様に目覚めのキスをして‥キャッ」
ライム「ぶすっ」
チェリー「小樽様と一緒に朝食を食べ、出掛けのキスをしてからお仕事に行く小樽様をお見送りいたします」
源内「小樽、お前たち毎朝そんなことしとるのか?」
チェリー「それから洗濯と掃除をして、お弁当を作ってからわたくしも小樽様の元に向かいます。そしてお昼の太陽を浴びながら、小樽様と一緒にお昼ごはんを‥あ〜んってする小樽様の口に卵焼きを‥キャッ、もぉ〜う」
源内「‥‥」
チェリー「そして小樽様のお仕事を微力ながらお手伝いして、手をつなぎながら一緒に帰途につきます。部屋でつくろいでらっしゃる小樽様をお待たせしないよう夕食の用意をしていると、小樽様はいつも私の背中をお抱きになって‥夕ご飯の前に、わたくしたち、もっともぉーっと仲良しになりますの。あ〜ん小樽様ったら‥」
ブラッドベリー「‥そろそろ終わったかな?」
ライム「チェリー、嘘ばっかり」
チェリー「それで、わたくしの作った食事を『君の作る料理はジャポネス一だよ、君を独占できる俺って、きっとジャポネスで一番幸せな男なんだろうな』‥そんな風におっしゃってくださる小樽様‥それで、そんでもって、それから‥あ〜ん、もうもうもう」
ブラッドベリー「こいつはもう放っとこ。いいか読者のみんな、この胸無しの脳天気妄想娘の言うことは、ぜぇんぶ嘘っぱちだからな。信じるんじゃないぜ」
ライム「そうだよぉ。小樽と一緒に暮らしてるのは、このボクつまりライムと、あと二人いるんだよ」
ブラッドベリー「こらライム、何だその紹介の仕方は!」
ライム「ハォー?」
ブラッドベリー「ちゃんと本当のことを言わなきゃ駄目じゃないか。お前つまりライムは朝ご飯を食べるとすぐ外に遊びに行っちまって、チェリーは飯を片づけた後は洗濯と買い物に行っちまって、大事な小樽をいつも脇で支えてるのはブラッドベリーことあたしだけなんだって」
ライム「違うよ、ブラッドベリーの嘘つき!」
源内「‥小樽、お前は幸せ者には違いないが、わしゃ同情したくなってきたぞい‥」
ライム「小樽は、ボクの小樽なのぉ!」
ブラッドベリー「何いってる、小樽が愛してるのはあたしだけだ!」
チェリー「‥あ〜ん、小樽様ったら‥だめですわ、そんな‥(妄想中)」
花形「う・る・さーい、このポンコツどもぉ〜! 小樽くんと結ばれるのは、この僕だぁ〜っ!」
ライム・チェリー・ブラッドベリー「あっち行っちまぇ〜っ!」
花形「どしぇぇ〜っ、やっぱりこうなるのぉ〜(きぃ〜ん)」
小樽「やれやれ、おめぇらに物語の紹介を任せたのが間違いだったぜ」
ライム・ブラッドベリー・チェリー「あっ、小樽様っ!」
小樽「よぉ、俺の名は間宮小樽。ちゃきちゃきのジャポネスっ子だい。ちぃっと訳があって、ライム・チェリー・ブラッドベリーっていう心を持ったマリオネット3人と一緒に暮らしてる。どんな様子かは昨日と一昨日の話を聞いたとおりだ‥説明はこれくらいでいいんだろ?」
ライム「すごーい、さっすがボクの小樽だぁ(抱き付く)」
ブラッドベリー「小樽ったら、照れなくてもいいのに‥あたしが一番だって、素直に言っていいんだぜ」
チェリー「きいいぃぃーっ、離れなさいったら二人とも。小樽様が困ってるでしょお?」
小樽「あ、それからチェリー、ここの大家さんから伝言を預かってんだ」
チェリー「え、大家さんって、このお話の筆者のことですか?」
ライム「いーなぁチェリーばっかり」
小樽「そのぉ‥なんだ、主役の自覚を持てって」
チェリー「えっ?」
ブラッドベリー「やーい、怒られてやがんの」
小樽「慣れない新連載だってのに、いきなりフルスロットルにされちゃ身体が持たないってさ。もっと簡潔に、みんな仲良く、スムーズに話が進むよう心掛けてくれって、悲鳴を上げてたぜ」
チェリー「あら、わたくしたちはいつだって仲良しですわよ、ね〜ぇ?」
ライム「うん、ボクたちはいつも仲良し」
小樽「たくさん書く割にちっとも話が進まないって嘆いてたぜ。もう3月3日だってのに‥」
ブラッドベリー「ちょっと待っとくれよ。こういうのは最初が肝心なんだぜ。妄想娘に任せちゃおけないよ」
チェリー「えっ、3月3日‥あっ、そういえば!」
ライム「どうかしたのチェリー」
チェリー「いっけなーい、大家さんから言われてたんだわ。このお話は好きな筋にしていいけど、3日にはちゃんと『あれ』をやって欲しいって」
小樽「そうそう、俺にもそう言ってた。ええっと、何ていったっけなぁ‥」
ブラッドベリー「3日になんかあったっけ?」
チェリー「(データ検索中)‥そうそう、雛祭りよ! 雛祭り! これだけは外すなって言われてたんだわ」
小樽「そう、その、ひや‥祭りとかいうのをやってくれって言ってた」
チェリー「雛祭りです!」
ライム「え、お祭り? わーいわーい、お祭りだぁお祭りだぁ!」
ブラッドベリー「祭りって、今日そんなのやってたっけ? さっき街に出たけどさぁ、別にいつもどおりだったぜ」
チェリー「雛祭りは家の中でやるのよ! それで‥あ、あの、ひょっとしてみんな、雛祭りを知らないの?」
ライム「うん」
ブラッドベリー「家の中でどうやって御輿を担ぐんだ?」
小樽「祭りってのは夏にやるもんじゃねぇのか?」
チェリー「はぁ、もうみんな‥(考えてみれば女性が居ない星ですもの、当然よね)‥いい、雛祭りっていうのはねぇ」
小樽・ライム・ブラッドベリー「うんうんうん」
チェリー「(ちょっと待ってよ、これはチャンスじゃない?)‥あのね、良く聞いて‥」
(筆者注:あーあ、名前を出しただけで終わっちまった‥)
チェリー「(とんとんとん)‥ふうっ、もうそろそろ、みんなが帰ってくる頃ね」
ブラッドベリー「(がらっ)ただいまチェリー、酒買ってきたぜ、ほら」
チェリー「ご苦労様、ブラッドベリー」
ライム「(どたどたどた‥がらっ)たっだいまぁ〜、お砂糖いっぱい買ってきたよぉ〜」
チェリー「はいはい、ありがとうライム」
小樽「おいチェリー、だいたい出来たけど、こんなもんでどうだい」
チェリー「は〜い今いきま〜す‥(手を洗って長屋の外へ)‥まぁっ、きれいな雛壇ですわ、さすが小樽様」
小樽「お、おう‥しかしよぉチェリー、こんな薄い板で階段作ってどうする気だ? だいいち平屋じゃねぇか、うちって」
ブラッドベリー「OVA版では2階があるみたいだけどな」
チェリー「そこっ、余計な突っ込みを入れないっ! よろしいんですのよ小樽様、これは階段ではなくて、お人形を飾るための台なんですから」
ライム「おにんぎょうって何? ボクたちマリオネットのこと?」
チェリー「うふふっ(笑み)‥さあブラッドベリー、この雛壇を部屋の中に運びこんでくださる?」
ブラッドベリー「あいよっ‥で、どこに置くんだ?」
チェリー「そこの、薄壁の方に置いてくれる?」
小樽「なんか、やな予感‥あの壁の向こうには花形が住んでるんだよな」
ブラッドベリー「落ちが見えたって気がするが」
チェリー「やぁねぇ、みんなったら‥あ、源内のおじいさん」
源内「よぉチェリー、頼まれた通りに作って見たぞい。思ったより難しかったがな」
チェリー「まぁっ、ありがとうございます‥うっ‥お、おじいさん、これは‥」
源内「3人の汎用マリオネットと、5人の音楽隊マリオネットのミニチュアを作ればいいんじゃろう? ほれ、ここのねじを巻くと首を振ったり楽器を演奏したり出来るようにしておいたが」
ライム「うわぁぁ〜っ、かっわいいぃ〜っ、良く出来てるぅ」
チェリー「じゃなくて! 雛人形は顔が命ですのよ、こんなところに凝る時間が有ったのなら、もう少し‥」
源内「こんなとは心外じゃのう。それにわしゃ発明家であって彫刻家じゃないからな、顔までは責任もてんよ」
小樽「まぁまぁチェリー、よくは分からねぇが、源内じいさんが一生懸命作ってくれたんじゃねぇか。喧嘩するのはよそうぜ」
チェリー「小樽様が、そう言うのなら‥」
ライム「ボク、こういうの大好き! じっちゃん、ありがと!」
源内「おうおう、ライムはいい子じゃのう」
チェリー「さーて、ライム、雛人形は並べ終わったかしら?」
ライム「えーっと、えーっと‥うん、これで良しっと」
ブラッドベリー「へえぇ〜っ、結構サマになってるじゃねぇか」
ライム「えへへぇ」
源内「なにか足りない気がするんじゃが‥チェリー、最上段を空けたままでいいんかの?」
チェリー「よろしいんですわ」
ブラッドベリー「しかしせっかく並べても、あいつが出てきたらぶち壊しだからなぁ、いつものパターンだと」
花形「(がらっ)呼ばれて飛び出て、花形美剣ここに参上!」
小樽・ブラッドベリー・源内・ライム「えっ? ま、まさか花形が、玄関から来るなんて信じられな〜い!」
チェリー「わたくしが呼んだのですわ。仲間はずれにしなければ、壁を突き破ることもありませんものね」
花形「そうともそうとも。ポンコツチェリーもようやく、小樽君と僕の仲を理解してくれるようになったんだねぇ」
チェリー「と、いうわけで‥ブラッドベリー、持ってきてもらった丸太を使う時よ」
花形「わーっ、なにをするブラブラベリー‥もがもが(土間に転がしてあった丸太に縛りあげられ、猿轡をかまされる)」
ブラッドベリー「悪いな花公、眼の届くところでおとなしくしててくれや」
ライム「花ちゃん、このお話じゃ出番少ないね‥」
チェリー「さあみんな、甘酒をどうぞ」
ライム「うわぁぁ〜っ、甘ぁ〜い、これぇ」
ブラッドベリー「あたしゃ辛口の酒がいいんだが‥これはこれで、結構いけるな」
源内「ほほほ、子供の頃に帰ったようじゃわい」
花形「(ふがふが〜っ!)」
小樽「いやぁなんか、こうやってみんなで楽しめるって、いいよな」
ライム「ほんとほんと、楽しいよね、小樽」
ブラッドベリー「あたしゃまた、チェリーが変なことを企んでるのかと思ってたけど、余計な心配だったみたいだな」
チェリー「うふふっ、さぁみんな、もっともっと召し上がれ」
ライム「うんっ!‥(ごくごく)‥ふわぁ、おかわりぃチェリー」
小樽「なんだか、いくらでも飲めそうだなこれ‥身体がポカポカして‥いい気分に‥」
ブラッドベリー「ううっ‥楽しい仲間とうまい酒‥今日は酔いが回るぜぇ」
チェリー「はいはい」
小樽「すまねぇチェリー、俺ぁちょっと‥(どたっ)」
源内「ぐーぐー」
ライム「ふみゃああぁぁ‥(こてん)」
ブラッドベリー「あぁーあ、いい気分だぜ‥(どたっ)」
チェリー「うふふふっ‥さぁ、花ちゃんもどう?(瞳がキラリ)」
花形「(ふ、ふがふが、ふがぁ〜っ!)」
小樽「う‥う〜ん、うぁ、いけねぇ寝ちまったか」
チェリー「小樽様‥お気が付かれましたか」
小樽「よぉチェリー、おめぇ‥(自分がチェリーの膝枕に頭を乗せていることに気づき、起き上がろうとする)いったい何がどうなって‥」
チェリー「(小樽をふたたび膝に押し付けて)ごめんなさい小樽様、わたくし、みんなに薬を飲ませてしまいました」
小樽「く、薬だってぇ!」
チェリー「大丈夫です。ちょっと眠っていて欲しかっただけですから」
小樽「どういう‥(再び起きあがろうとするが、チェリーの怪力にはかなわず再び膝の上へ)どういうつもりだ、こんなことするなんて」
チェリー「小樽様‥ぐすっ」
小樽「ど、どうしたんでぇチェリー」
チェリー「わたくし、小樽様といっぱいお話がしたかったんです。女の子のお祭りの日である今日ぐらいは、二人っきりで、いろんなお話をたくさんしたかったんです‥」
小樽「チェリー‥おめぇ‥」
チェリー「いけないことをしたのは分かっています。でもお願いです、今夜だけは‥今夜だけは、わたくしのわがままを聞いていただけませんか」
小樽「チェリー‥おめぇ、そこまで‥」
チェリー「小樽様‥」
小樽「‥(黙ってチェリーの顔を見つめる)‥」
チェリー「‥(同じく黙って小樽を見つめ返す)‥」
ライム「‥むにゅぅ‥小樽の、エッチぃ!」
小樽「‥!(びくっ)」
ライム「‥むにゃむにゃ‥」
小樽「‥べ、別の部屋へ行こうか、チェリー」
チェリー「‥はい‥」
小樽「(立ち上がって、チェリーの肩を抱く)」
謎の声「もはや、見過ごすことは出来ん‥これが守護セイバーのすることか‥」
チェリー「‥‥!」
謎の声「チェリー様、そこまでですぞ」
チェリー「‥クリーガァ2‥どうして‥」
真のチェリー「ち、ちょっとちょっと、何よこの展開は!」
偽チェリー「‥あ、あははは‥で、でも、このWebページの読者になら通じてるんじゃないかと‥」
チェリー「何を言ってるのよ! せっかくわたくしの活躍を期待して読んでくださってる読者に向かって、『さ○なら守護○天』のパロディやっていいと思ってるの?」
偽チェリー「で、でも、シャ○リンがチェリーで、花○ちゃんがライムって言うキャスティングは結構はまってると思うけど‥あ、ついでにルー○ンはブラッドベリーってことで‥」
チェリー「やめなさ〜い! せっかく読んでくださっている読者に対して、申し訳ないと思わないの?」
偽チェリー「(開き直って)ほぉ‥じゃ、次回が楽しみね。本物のあなたが、わたくしがしたこととは違うどんな展開を用意しているのか、じっくりと拝見させてもらうわ」
チェリー「ぐっ‥み、見てなさいよぉ!」
小樽「う‥う〜ん、うぁ、いけねぇ寝ちまったか」
チェリー「小樽様‥お気が付かれましたか」
小樽「よぉチェリー、おめぇ‥(自分がチェリーの膝枕に頭を乗せていることに気づき、起き上がろうとする)いったい何がどうなって‥」
チェリー「みんな、気持ちよさそうに眠っていますわ‥甘いものとなると眼が無いんだから(くすっ)」
小樽「そ、そーか‥(心中にかすかな疑惑があるが、口にするのは憚られ)‥すまねぇなチェリー、せっかくの雛祭りがこれじゃよぉ‥」
チェリー「いいんです、小樽様さえ居てくださるなら‥それより小樽様、雛祭りはこれからが本番なのですが、お付き合いいただけますか?」
小樽「えっ(いやな予感)‥な、なんでぇ」
チェリー「あの最上段‥あそこには、みんなに認められた男女ふたりが並んで座るんです。そしてあそこに並んだふたりは、互いを永遠の伴侶として‥」
小樽「お、おい、ちょっと待て!」
チェリー「もうそのための衣装だって用意してあるんですのよ」
小樽「やめろ! 最後まで言うなチェリー!」
チェリー「小樽様‥」
小樽「言っただろ、俺はおめぇらを平等に扱いたいんだ。ライムとブラッドベリーが眠ってる最中にそんなことをするなんて、俺ぁお天道様に申し訳が立たねぇ!」
チェリー「くすっ‥小樽様なら、そうおっしゃると思っていました‥大丈夫です。ライムとブラッドベリーの分も、ちゃあんと用意してありますわ」
小樽「へっ?」
チェリー「でも、これは女の子の夢なんです。小樽様、先に着替えておきませんか? 二人が眼を覚ましてからだと、きっと順番を争って喧嘩になると思うんです」
小樽「そ、そぉけぇ‥そういうことなら‥」
チェリー「じゃ、わたくし先に着替えさせていただきますね(そういって別室に移る)」
チェリー「うふふ、とにかく着替えさせてしまえばこっちのものですわ。ライムたちが眼を覚ますにはまだ3時間はたっぷりあるし‥(がらっ)小樽様ぁ、どうです、この衣装。綺麗でしょう、わたくしこの日のために、夜なべして頑張ったんですのよ‥って、あれ、小樽様?」
梅幸「(がらっ)ごめん、間宮小樽どの」
チェリー「梅幸? な、何の用なの?」
玉三郎「上様からのお呼びでな、間宮小樽どのに至急、ジャポネス城に来ていただきたいのだが。小樽どのは?」
チェリー「さぁ‥わたくしがちょっと目を離した隙に、どこへ行ってしまわれたのか‥」
梅幸「(小声で)まずいな。もしかしたら‥」
玉三郎「(同じく小声で)うむ。これほど早く、小樽どのを狙ってくるとは」
チェリー「な‥何を知っているの? ねぇ、玉三郎、梅幸!」