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女神と共に第四部 (12月30日更新) 次スレへ
日時: 2018/06/24 12:15
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回から第四部となります。

では本編どうぞ。
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今回、第四部の初めなので、第二部・第三部の時同様、オリキャラ達のプロフィール紹介にします。
正直に言うと、第二部・第三部の時の丸写しです。





  天王州瑞希(てんのうす みずき)

性別 女
年齢 80歳
身長 160cm
体重 内緒
誕生日 9月3日
家族 孫娘・アテネ。それ以外は死別
好きな物・事 アテネ、ハヤテ、庭いじり
嫌いな物・事 自分の信念を貫けない人、他者を見下している人

 アテネの祖母。髪の毛は昔はアテネ同様金色だったが、今では殆ど白くなっており、僅かに昔の金色が残っている。瞳の色はアテネと同じ赤。
 ゆっくりめに話す(某戦場カメラマンより少し遅いぐらい)のが特徴で、声は聞いている者に癒しを与えるほど綺麗。
 足腰が少し弱っているため、杖をついて歩いているものの、強さはかなりのもの。アテネ曰く「厳しくも優しくもある人」との事。
 ハヤテを可愛がっており、自身の孫のアテネと変わりない愛情を注いでいる。
 普段はアテネ達とは別の豪邸に住んでいるが、時々アテネやハヤテと電話で話している。










  真山悠太(まやま ゆうた)

性別 男
年齢 16歳
身長 180cm
体重 60kg(体脂肪は一桁)
誕生日 7月12日
家族 父、母、姉・美緒
好きな物・事 ナギ、ナポリタン、ハンバーグ
嫌いな物・事 不正義、コーヒー

 完璧という言葉を擬人化したように何でもできる人。ただし、強さはハヤテやアテネには遠く及ばない。
 真山物産と言う不動産で財を成したグループの跡取りであり、ナギの執事をしているのは勉強のため。
 顔も性格も良い。髪の毛と瞳は茶色。
 ナギの事が好きだが、「ナギが幸せならそれで幸せ」と考える事が出来、ハヤテに振り向いてもらおうと努力しているナギを応援している。










  神尾崎綾子(かみおさき あやこ)

性別 女
年齢 16歳
身長 175cm
体重 秘密
誕生日 8月15日
家族 父、母、祖父、祖母
好きな物・事 ハヤテ、勉強、家事
嫌いな物・事 アテネ、ハヤテを誘惑する人、ハヤテに好意を持つ人

 基本的に何でも人並み以上にでき、強さもアテネとほぼ互角。戦闘時には本気を出す際は二刀流で闘い、武器は四神剣の内の2本、青龍と朱雀で戦う。ちなみに、右手で青龍、左手で朱雀を持つ。
 神尾崎グループと言う天王州家、三千院家と互角の財力と権力を持つグループの跡取り娘。
 髪の毛は流水が髪の毛になったの比喩されるほど綺麗で、色は水色。瞳も水色である。ちなみに、スタイルもアテネと互角である。
 ハヤテの事が大好きで、抱きつくのは日常茶飯事。時々「ストーカーではないのか?」と思われるような行動もあるが、本人は否定している。
 ハヤテに振り向いてもらいたいがために、最初は悪かった人付き合いが良くなり、周囲を驚かせた。この事で、神尾崎家の傘下の企業や神尾崎家の面々はハヤテを婿に迎え入れたいと本気で思っている。
 ハヤテの婚約者候補No.1である。










  城山強(しろやま つよし)

性別 男
年齢 21歳
身長 170cm
体重 75kg
誕生日 12月3日
家族 父、母、妹
好きな物・事 綾子(恋愛的な意味では無い)、家族
嫌いな物・事 酒、タバコ、ギャンブル、アテネ

 綾子の専属執事兼ボディーガード。髪の毛の色は赤で、瞳は藍色。髪はショートカットにしている。ちなみに、結構イケメンである。
 普段は綾子の命令に忠実であるが、自身の判断で従わなかったり、綾子を抑止したりもする。
 強さはかなりの物ではあるが、悠太には及ばない程度。
 ハヤテには主人を変えてくれた恩義があり、本気で綾子の婿になってほしいと願っている。
 ちなみに、白皇OBで、頭が良い。










  崎山道子(さきやま みちこ)

性別 女
年齢 20歳
身長 170cm
体重 内緒
誕生日 12月31日
家族 母、兄
好きな物・事 綾子(当然主人としてという意味)、メイド服
嫌いな物・事 アテネ

 綾子の専属メイド。仕事はしっかりできるが、天然な部分も多々ある。勉強は苦手。
 髪の毛、瞳共に紫。髪の毛は肩にかかるほどで、三つ網にしている。
 潮見高校のOGであり、補習組に常にリストアップされるほど、常に落第ギリギリであった。
 ハヤテには主人を変えてくれた恩義があり、ハヤテに直接「お嬢様と結婚してくれませんか?」と言っているらしい。










  時任麗(ときとう れい)

性別 女
年齢 16歳
身長 160cm
体重 内緒
誕生日 6月7日
家族 弟
好きな物・事 アテネ、ハヤテ、紅茶
嫌いな物・事 コーヒー、悪人

 アテネの幼馴染。海外生活が長く、日本で暮らしてた時期は短い。学生だが、時任グループという大企業の社長。両親と死別したため、後を継いだ形となっている。
 髪の色は黒で、腰に届く長さ。瞳は金色。頭は良いが、天才レベルでは無い。スタイルは普通。強さは大したレベルでは無い。
 日本に戻って来たのは幼馴染のアテネをメロメロにしたハヤテに興味を持ち、調べている間に自身もハヤテの人間性に惹かれ、ハヤテと恋仲になるためである。
 ちなみに、ハヤテには「アテネの執事を辞めて自分の執事にならないか?」と何度か誘っている。
 ハヤテの婚約者候補No.2である。










  時任勝(ときとう まさる)

性別 男
年齢 13歳
身長 150cm
体重 56kg
誕生日 2月29日
家族 姉
好きな物・事 ハヤテ、正義、紅茶
嫌いな物・事 悪人、苛め、喧嘩

 麗の弟で、学生ながら時任グループの副社長をしている。アテネとは顔なじみではあるが、姉同様海外暮らしの方が長い。
 髪の色は黒で、短く刈り込んでいる。瞳は金色。強さは姉以上ではあるが、悠太には劣っている。ちなみに、勉強は苦手で、白皇には何とか着いて行ってる。
 日本に戻って来たのは姉に着いてきたため。ハヤテに関しては姉の好きな相手であるため、「お兄ちゃん」と呼び、慕っている。ちなみに、本心では本当の兄になる事も望んでいる。










  クリスティーナ・ディキソン

性別 女
年齢 16歳
身長 180cm
体重 内緒
誕生日 2月2日
家族 父、母
好きな物・事 ハヤテ、ハヤテがくれたコート、日本食
嫌いな物・事 アテネ、綾子、麗、脂っぽい物

 アメリカと日本をまたにかける大企業ディキソングループの一人娘。天王州家、神尾崎家、三千院家ほどではないが、かなりの財力の権力を持っている。
 髪は夕日の様な橙色。瞳は青空の様な空色。スタイルはアテネや綾子レベルである。
 ハヤテにクリスマスの日に偶然出会い、その時に助けてもらった事と、調べる中でハヤテへの絶対的な好意に気付き日本にやってきた。
 ハヤテの婚約者候補No.3である。










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ハヤテの婚約者候補。

 No.1 神尾崎綾子   No.2 時任麗   No.3 クリスティーナ・ディキソン   No.4 天王州アテネ   No.5 三千院ナギ   No.6 鷺ノ宮伊澄   No.7 水蓮寺ルカ


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続いて用語解説へ。


 四神剣(しじんけん)

 神尾崎家が代々伝えてきた魔剣。全部で四本あり、青い刀身に龍が刻まれている「青龍」、赤い刀身に鳥が刻まれている「朱雀」、白い刀身に虎が刻まれている「白虎」、黒い刀身に尾が蛇の亀が刻まれた「玄武」がある。
神尾崎家の血筋のものはそのうちの選ばれた2本を武器として扱い、悪しきものを倒す宿命を背負っている。
魔剣はいかなるの(悪霊でも)切る事が出来る切れ味を誇っているため、使用は厳しく制限されている。
普段は主に選んだものと同化しており、呼ばれれば参上する。



 守護光速拳(しゅごこうそくけん)

 ハヤテが会得した神尾崎流の秘術の最強奥儀。「守りたい気持」を「肉体強化」に変換する秘術。
守りたい気持を高めれば高めるほど、無限に肉体を強化でき、体への影響は無しという無類の強さを誇る技。ただし、守りたい対象に自分は入らず、守りたい対象がいなければ発動不能になる。
ただし、それは第一段階での条件であり、第二段階へ覚醒させる事が出来れば、その条件は無くなり、「自分を守りたい」と言う気持ちでも発動可能になる。
第二段階への覚醒条件は、「第一段階を完全に使いこなした」状態で「強いきっかけを与える」が条件である。
ちなみに、第三段階もあるが、詳細不明


 神尾崎流の秘術(かみおさきりゅうのひじゅつ)

 神尾崎家が独自に開発し、守り抜いてきた技の数々。全ての技が強力であるため、神尾崎家の者以外にはむやみに教えてはいけないとういう掟がある。
神尾崎家の者の許可があれば、その人に一番合った必殺技を1つだけ会得できる。と言うより、1つしか会得できない。
ただし、神尾崎家の血筋のものであれば、修行次第でいくつでも会得できる。



 村正(むらまさ)

 その昔、無意味な殺し合いを嫌った木刀職人最後の一品。極めて強い力を持ち、刀自身が主と認めない限り触る事さえ難しい。神尾崎家が代々守って来たが、現在はヒナギクが主である。



 叢雲(むらくも)

 強い力を持つ日本刀。ただし、妖刀。刀自身が主と認めたもの以外には鞘から抜く事が出来ず、抜かれた状態を触ろうとすると、弾かれる。現在は悠太が主人。


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以上です。

なんか、丸写しですみません。

次回より第四部のスタートです。
では。
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Re: 女神と共に第四部 (7月27日更新再開) ( No.1 )
日時: 2018/07/27 18:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

短編と休憩が終わったので、連載再開です。

本編どうぞ。
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ここは毎度お馴染み天王州家。


居間にてアテネは真剣な顔をしていた。

「で、何の用だよ、天王州」
「大事な話がある、っとの事ですが」

中々口を開かないアテネに呼び出された悠太と伊澄の方から切り出した。

「ねえアーたん。意味深な間を空けるのもいいかもだけど、いい加減話そうよ。いったいなんで2人も呼び出したの?」
「なんだ?ハヤテも知らなかったのか?」
「え!?あ、うん。「とても大事な話がありますから、真山君と鷺ノ宮さんを呼び出してくださいませんか?」って言われただけだし」

モノマネを交えつつ答えると、3人ともアテネを見つめた。

「フッ。別に私は間を空けていた訳ではありませんわ」
「「「じゃあなんで」」」
「出番を増やす為ですわ!!!」

言い切ったアテネに3人とも何を言うべきか分からなくなり

「この小説のメインヒロインは私ですわ!!!なのに長めに出番が来ない!!!意味深な間でも作らないとこのストレスをぶつけようがありませんわ!!」

ワナワナと震えつつ言ったアテネに

「でもさ、アーたん。小説でそれをやっても無意味なんじゃ」

ハヤテの的確なツッコミに悠太も伊澄も「確かに」っと思っていた。
アテネも思ったのか、軽く咳払いをしてから椅子に座り直し、

「ともかく、メインヒロインの私は大事な話をするためにお2人を」
「分かったから、もう前置きは要らんよ。早く話せよ」

遮る様に悠太が言うと、アテネは若干不機嫌そうになりつつ

「話しと言うのは、王族の力について、ですわ」

アテネの言葉に3人とも身構えた。

「以前も話したと思いますが、あれは万物をも捻じ曲げる力。悪しき者の手に渡れば全てが終わる。それは分かってますわね」

3人とも無言で頷いた。

「私は王族の力について幼少の頃より調査に調査を重ね、つい最近分かった事を踏まえて、お話ししますわ」
「「「・・・」」」
「王族の力が悪しき者の手に渡りそうになった時、その者より先に王族の力を手に入れ、力を消滅させてしまえばいい。そう考えていました」

アテネは一旦間を置き

「「王族の力でも叶えられない願い」については覚えてますよね?」
「あ、ああ。「王族の力の代償」これに関する願いは叶えられない。だったよな?」
「ええ。ですがつい最近、「王族の力の消滅」も叶えられないと、判明しましたわ」

ハヤテは昔見たフリギア語で書かれた「力の消滅は叶えられない」っと言う文を思い出していた。

「じゃ、じゃあどうすんだよ。万が一が起こった時は」
「それはこれから話しますわ」

アテネは悠太を宥め、また咳払いをしてから

「王族の力を手に入れるためには王玉が必要不可欠。つまり、王玉無き者は力を手に入れる以前に王族の庭城に入る事すら出来ない。ここまでは良いですわね」

全員が頷いたので、アテネは

「私が言いたい事は、一つ。「王玉さえ無くなってしまえば、何者であっても王族の力は手に入れられない」っと言う事ですわ」
「って事はつまりだ」
「ええ。我々がすべき事は「王玉の完全破壊」ですわ」

アテネは紅茶を一口飲み

「王玉は全部で12個。その全てを見つけ出し、1つ残らず破壊する。王族の力を消滅させる事が出来ないのであれば、これしかありませんわ」
「ですが、天王州さん。王玉は」
「ええ。普通の手段では絶対に破壊出来ない。スカイツリーのてっぺんからコンクリートの地面に勢いよく叩きつけようが、数千tクラスの重機で轢こうが、世界を滅亡させられる爆弾で爆破しようが、破壊出来ません」

アテネは3人の様子を伺いつつ

「ですが、鷺ノ宮さんの力やハヤテの持つ白桜。これならばさほど苦も無く破壊可能。ですから、王玉を見つけさえすれば、我々の計画は完遂可能、っと言う訳ですわ」

アテネの言葉に悠太は首からかけている王玉を無意識に握った

「お2人には王玉を探し出す事に協力してほしいんですわ」
「そ、それは構わねえが」
「安心してくださいな。真山君の王玉だけは例外。何れは破壊しますが、当分は例外から外れませんわ」

悠太は安心の溜息をついた

「残りの11個、どうやって見つけるんだ?どこにあるのか見当もつかないんだぜ」
「地球を隅から隅まで探してたら、何百年かかるか分かりませんし」

尤もな意見に

「ですから、お願いしてるんですわ。11個の王玉の探求に」
「「あ、成程」」

納得する悠太と伊澄に

「まあ、1個はここにありますが」
「「「え!?」」」

するとアテネはポケットから指輪を取り出した。

「この指輪には王玉が埋め込まれている。ハヤテ、白桜を召喚し、破壊してください」
「で、でもさ。かなり大事そうな指輪だけど」
「この指輪は、天王州家に代々伝わる由緒正しき指輪。ですが、背に腹は代えられませんわ」

ハヤテは少し悩んだが、白桜を召喚した。

「じゃあ、壊すね」
「ええ」

複雑そうなアテネに、ハヤテは白桜を振り上げ・・・王玉だけを破壊した。

「・・・」
「指輪は無事だよ。こんな大事な物、壊しちゃ駄目だよ」

そう言うと、ハヤテはアテネの左手薬指に指輪を嵌めた

「じゃ、残りの10個、何とか探そう」
「え、ええ////////////////////////////////////」

ハヤテは理解してないが、左手の薬指に指輪をした事でアテネは照れ、悠太は呆れ、伊澄は嫉妬で我を忘れそうだった。

「ま、まあ。何とか探してみるよ。必要であれば、お嬢様にも協力をお願いするだろうし」
「で、ですが」
「「ハヤテが王玉を探している」っとだけ言えば、理由を聞かずに協力してくれるよ」

悠太は立ち上がりつつ説明し

「じゃ、俺は帰るよ。見つけ次第ハヤテか伊澄の所に持って行って、報告はするからさ」
「私も帰ります。鷺ノ宮家の力も使って、探します。見つけて破壊したら、報告します」

2人が帰り、

「僕は仕事に戻るよ。天王州家使用人長として、僕も探してみるからさ」
「え、ええ」

ハヤテが部屋を出ると

「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜///////////////////////////ハヤテが私の左手薬指に指輪を〜〜〜〜〜〜/////////////////////」

暫く悶えていた。


                   × ×


悠太が帰宅すると

「悠太、話って何だったのだ?」
「ん!?あ〜〜」

悠太は少し悩み

「王玉って知ってるだろ?」
「悠太が首から下げてるそれだろ?それがどうかしたのか?」
「ハヤテが探してるんだと。見つけるのを協力してほしいって、お願いされたんだよ」

ハヤテの名前を出すとナギは強めに反応した。

「全部で12個。それを1つ残らず探すんだと」
「どうやって探すのだ?集めると神様が出て来る球みたいに特殊なレーダーがある訳じゃ無いんだろ?」
「まあ、そうなんだけどな。何とかするよ」

するとナギは少し考え

「な、なあ悠太。もし私が見つければ、ハヤテは褒めてくれるかな?」
「いっぱい褒めてくれるんじゃねえか?ありがとうございます。って」
「そ、そうか///////////////////////////////////」

妄想したのか、ナギは照れていた。

「よしっ、この三千院ナギも協力してやろう」
「う〜〜ん。じゃあ、頼むわ」
「おう」

ナギは意気揚々となっていたが

「で、どうやって探すのだ?」
「し、知らねえよ。俺もまだ考えてねえし」
「あ、そっか」

すると

「(良い事思いついたわ♪私が見つけ出して全部隠しちゃいましょう♪そうすればそれはそれは面白い事になりそうですね〜♪ナギは褒めてもらえないし一石二鳥ですね♪そうなればお♪ああ♪)」

とか考えていた人がいたそうだ

「ま、三千院家なら何とかなるだろ。そんな石の一つや二つ」
「だ、だな」


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以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (7月27日更新再開) ( No.2 )
日時: 2018/07/30 13:23
名前: ささ

ささです。いくつか質問を兼ねたおちょくりを。
まずハヤテ、左手の薬指に…ルカと「結婚を前提とした」恋人になったんじゃないの?それなのに彼女以外の女にって…(あっ、かつてアテネ嬢がハヤテにやった罰(イチャイチャ)をルカに教えてこよ…)
(閑話休題)
アテネ、ハヤテに左手の薬指に指輪をしてもらって悶えているのはどうでもいいけど、
この小説の真のメインヒロインって神尾崎綾子じゃないの…(っていう冗談はさておき)
ハヤテに王玉を探させるって仮にミダスの封印が解けたらかなり窮地になるんじゃない?


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Re: 女神と共に第四部 (7月30日更新) ( No.3 )
日時: 2018/07/30 19:50
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 >>ささです。

 ルカ「感想ありがと〜♪」

 >>いくつか質問を兼ねたおちょくりを。

 ハヤテ「おちょくりって。 まあ、質問は何でしょう?」

 >>まずハヤテ、左手の薬指に…ルカと「結婚を前提とした」恋人になったんじゃないの?

 ハヤテ「はい、そうですよ。 左手の薬指じゃ不味かったですか?」
 悠太「お前なあ。 やれやれだぜ」
 伊澄「・・・」←怒ってます。

 >>それなのに彼女以外の女にって…(あっ、かつてアテネ嬢がハヤテにやった罰(イチャイチャ)をルカに教えてこよ…)

 ルカ「へ〜。ハヤテ君、私もさ〜」
 ハヤテ「あ、いや。それは・・」

 メイド長「やれやれ、ですね」

 >>アテネ、ハヤテに左手の薬指に指輪をしてもらって悶えているのはどうでもいいけど、
  この小説の真のメインヒロインって神尾崎綾子じゃないの…(っていう冗談はさておき)

 アテネ「フッ。何を言ってるんですの?真も何も、メインヒロインは私ですわ!!!この小説のタイトルを見なさい!!!」
 悠太「冗談って言ってるんだが・・。まあ、天王州もストレスたまってるんだな」

 >>ハヤテに王玉を探させるって仮にミダスの封印が解けたらかなり窮地になるんじゃない?

 それに関しては、悠太は王玉持ってますし。 詳しい事はおいおい明かします。今は言えません。


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (7月30日更新) ( No.4 )
日時: 2018/07/30 20:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは毎度お馴染み天王州家。


「ん〜っ♪ハヤテ〜♪」

もはやお馴染みになっているアテネが「甘えたい症候群」を発症し、ハヤテに甘えていた。

「もうアーたん、それ治そうよ」
「嫌ですわ♪」
「はあっ」
「・・・」

その日のうちに甘えたい症候群も収まり、夜。

「全く、アテネお姉ちゃんには呆れるわ」
「そ、そう、ですね」
「ん!?なんや、ハヤ兄。なんか変やで」

この日は日向と入浴の日なので、一緒に入っていた。

「あ、あの。お風呂で抱き着かれると、その////////////////」
「ええやないか。ウチとハヤ兄の仲やないか」
「は、はあ//////////////////」
「・・・」

翌日。

「フフッ♪ハヤテさん」
「あの、ソニアさん。今は」
「休憩時間。問題なしよ」

キッチンで休憩中、椅子に座るハヤテを後ろからソニアは抱き着いていた(ソニアは立ってる)。

「アテネお嬢様を含めて他の皆には無い大人の魅力を教えてあげるわ♪」
「そ、そう、ですか」
「まだ19だけど、大人の魅力はあるでしょ?」

自信満々に言うソニアに

「ま、まあ。ソニアさんには可愛さもありますが」
「なら、その可愛さも教えてあげるわ。そして・・・グフフ」
「へ、変な笑いしないでくださいね。魅力が台無しですから」
「・・・」

また翌日。

「あの、千桜さん」
「な、何だよ」
「なんか、近い気が」

密着。っと言う程では無いが、限りなくそれに近かった。

「い、嫌か?なら止めるが」
「そ、そう言う訳では」
「じゃ、このままだ」

こう言いつつ、千桜は

「(なぜだろうな。なぜ私はこんな事を。どうかしてるな、私は)」
「・・・」


                   × ×


それから何日か経って。

「ウムム」
「何唸ってるのよ」
「集さん」

ルカは楽屋で休憩中、マネージャーの集さんに声をかけられた。

「あ、いえ。ちょっと」
「ま、敢えて聞かないわ。何となくで予想つくし」
「は、はあ」

流石にルカには集さんの予想は分からないのだが、何となくで「的中してるだろうな」っと言う予感があった。

「で、そのノートは何よ」
「あ、これは。私の個人的な、その」
「漫画・・じゃなさそうね。まあ、それも聞かないでおくわ」


                   × ×


その翌日。

「皆。今日は大事な話がある」

この日、ルカはお休みで、居間で全員(ハヤテはいない)で寛いでいた時に、ルカがいきなり切り出した。

「な、何ですの、突然」
「な、なんか怖いなあ、ルカお姉ちゃん」
「ど、どうしたんだよ、ルカ」

ルカは一同を見まわした後

「皆は、私とハヤテ君が「結婚前提の恋人」だって事は理解してるよね?」
「「「まあ、一応」」」
「なら、話は早い」

ルカはコホンと咳払いをし

「はっきり言わせてもらうと、もう皆はハヤテ君とお風呂に入ったり寝たりしないでね」
「「「な!?」」」

当たり前のように言うルカにアテネも日向もソニアも驚きと怒りが入り混じった声をあげ

「いきなり何を言い出すんですの!!」
「そうやで!!!ことの次第によっちゃ、許さへんで!!!」
「その通りよ。ふざけてるなら、懲らしめちゃうわよ」

ダークオーラ全開の3人に

「お、落ち着けって、3人とも」
「「「・・・」」」
「取り敢えずだ。ルカ、何でいきなりそんな事を?」

千桜は3人を宥め、ルカに聞くと

「恋人が他の女と風呂に入ったり寝たりは我慢がならない。そんな事も分からないの?」
「「「「まあ、確かに」」」」
「だから、言ったの。「一緒の入浴禁止と一緒に寝るの禁止」これを発令させてもらいます」

ルカの言葉は確かに正論なのだが

「だからって、それは出来ませんわ」
「せやで。我慢ならんのは納得や。でも、それとこれとは別問題や」
「そう言う事です。決定事項なので、変えられません」

3人の強固な意志にルカは暫く考え込み

「じゃあ、ローテーションに私も加えてもらう。それが最大限の譲歩だよ」
「「「「まあ、それ位なら」」」」

全員が納得したので、話し合いはお開きになった。
因みに

「(ま、待てよ。なんで私までルカの発令した条件に異を唱えたんだ!?しっかりしろよ、私)」

千桜はこんな事を思っていた。


                   × ×

で、翌日。

「ふっふ〜ん♪ハヤテ君とお風呂〜♪」
「あ、あの」

鼻歌交じりで脱衣所にハヤテを連れて来たルカに

「一緒に入るんですか?」
「当たり前でしょ。私達は結婚前提の恋人なんだから」
「そ、それは、そうですが/////////////////」

あれこれ迷っている間にルカが服を脱ぎだしたので

「い、良いんですか?以前は下着を見てしまっただけで怒ったのに」
「ああ、山小屋の時?あの時と今じゃ違うでしょ。ほら、一緒に入るよ。これは変更不可の決定事項です」
「そ、そうですか」

結局一緒に入り、夜。

「寝るのも一緒なんですね」
「当たり前〜♪ってね。まあ、慣れてよ」
「は、はあ」

溜息をついたハヤテに

「ああ。私もローテーションに加わったから。これからずっとだからね」
「わ、分かりましたよ」
「うん、宜しい」

その夜、ルカは何時も以上に熟睡出来たそうだ。


                   × ×


別の日。ルカが楽屋で次の仕事の準備をしていると、集さんが来てスケジュール確認をした後

「そう言えば、貴方は恋人と婚約者候補を手に入れたのよね?」
「結婚前提の恋人を、ですよ。 ええ、そうですよ」

ルカはそう言うと、

「集さんには報告しますけど、ハヤテ君と一緒にお風呂に入る様になりましたし、一緒に寝る様にもなりました♪」
「ああ、そう。その段階まで一気に行ったのね」
「はい♪」

嬉しそうなルカに集さんは軽くため息をついた後

「しつこくても、言わせてもらうわ。その事、マスコミやファンに嗅ぎ付けられないでよ。アイドルなんて、恋人が居なくて当たり前、恋愛して無くて当たり前。そんな風潮が昔からあるわ。「恋人は、ファンの皆さんで〜す」ってのが古臭くても受けるわ。ルカの気持ちが超真剣なのは分かってるけど、絶対に気付かれないでよ。一度でもその事が漏れれば、火消しはほぼ不可能なんだからね」

睨み付けられるように言われ、

「分かってます。でも」
「特に。相手があの綾崎君だって事も気付かれちゃ駄目よ」
「え!?」

分かってないルカに

「逆玉狙ってるんじゃないかとか言われたら、貴方は終わりよ。某声優漫画でもあったでしょ?」
「ああ。政治家の息子と恋仲になったら大炎上しちゃって仕事が無くなりそうになったっていう」
「それよ。貴方の相手は超大財閥の使用人長。同じ事になるなんて、容易に想像できるわ」

ルカも同意見だった。

「お願いだから嗅ぎ付けられないでね。貴方自身の覚悟が貴方自身の手で無駄になるから」
「わ、分かってます」
「ならいいわ」

ルカの返事にこう返した後

「特に、一緒にお風呂に入る仲なんて知られたら、相当不味い事になるわよ。そんなに進んだ仲なのか。って、一気にファン離れが起こるし、仕事にだって支障をきたすし」

強めの忠告をし、集さんは楽屋を出て行った。

「(ばれたら終わり、か。まあ、天王州家を敵に回す程馬鹿な人は居ないだろうけど、最大級の用心はしておかないとね)」

改めて決意しておいた。


                   × ×


そしてその夜。

「今日ね、集さんに注意されちゃった」
「え!?」

今日はルカの日だったので一緒にお風呂に入りながら切り出した

「私達の関係を悟られるなって。一緒の風呂にも入る仲なんて、ばれたら終わりだって」
「で、でしたら」
「それとこれとは別でしょ。絶対に止めないからね」

言い切ったルカにハヤテは諦めるしかなかった。

「大丈夫だよ。この手の秘密隠しは上手だから」
「そこは、心配してませんけどね」
「あ、っそ」

ハヤテはより一層「万が一の時は非合法な手段さえも必要だろう」っと思っていた。





「(フフフフフフフフフフフフ♪ルカさんの事をマスコミに売ったら面白い事になりますね〜♪色々脚色して売っちゃおうかしら♪勿論裏工作出来ない様にしてから♪そうなればもう♪ああ♪)」





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以上です。

次回はあの人物が・・

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月3日更新) ( No.5 )
日時: 2018/08/03 19:35
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは毎度お馴染み天王州家。


「ハヤテく〜ん♪」
「「「ウムム〜」」」

今日も今日とでルカはハヤテにべったりであり、アテネ、日向、ソニアが羨ましさで唸っていた。

「あ、あの、ルカさん」
「ん!?なあに♪」
「あ、いえ。何でもないです」

「離れてくれ」っと言いたかったが、ルカの笑顔で「言っても無駄」っと悟り、黙り込んだ。

「ルカ、私のハヤテから離れなさい」
「ハヤ兄はウチのやけど。ルカお姉ちゃん、離れてんか」
「ハヤテさんは私のです。兎も角、離れなさい」

3人の言葉に。

「フンッ。私とハヤテ君は「結婚前提の恋人」なんだから、こんな風にするのは当たり前じゃん」
「「「ヌヌヌ〜」」」

一応の正論に3人は少しの間黙り込んだが

「例えそうだったとしても、貴方とハヤテは正式には結婚していませんわ」
「そうやで。第一、恋愛禁止のアイドルがそんなんしていい訳無いやろ」
「そうです!!離れなさい!!」

するとルカはやれやれと言った感じで首を振り

「嫉妬なんて醜いね〜」
「「「な、何だって〜」」」

余裕たっぷりのルカに

「ハヤテ!!はっきり言ってあげなさい!!」
「そうやで!!くっつかれるのは迷惑って言ってやらんかい!!!」
「結婚前提の恋人と言う関係を押し付けて来るのも迷惑って言ってあげてください!!!」

矛先が自分に向かい、ハヤテが困っていると

「止めなよ。私の旦那様に」
「「「もう勘弁出来ない!!」」」

4人は無言の睨み合いを始め、ハヤテは物音を立てずに逃げ出した。


                   × ×


「成程な。だから私の部屋に」
「すみません。迷惑かけてしまって」

ハヤテは千桜の部屋に逃げ込んでいた。
何時もの様に外に逃げる事も考えたが、こっちの方が賢明だと思って、そうしたのである。

「迷惑だなんて思ってないよ。ま、ルカは今日は仕事だって言ってたし、暫くすればアテネ達の頭も冷めるだろ。それまで匿ってやるよ」
「・・助かります」

ハヤテは腰を落ち着かせ、千桜の厚意に甘える事にした。

一方のアテネ達は

「どこに行ったんや、ハヤ兄」
「屋敷を出たという報告はありませんわ!!この屋敷内のどこかにいますわ!!」
「探して私がハヤテさんと・・」

血眼になってハヤテを探していた。

一方の千桜は

「(なんでだろうな。こうやって綾崎君が私を頼ってくれた事が、こんなにも嬉しいだなんて。しかも、部屋で2人きりって事に、妙な考えが浮かぶ私もいる。なんでだ?)」

「ん!?どうかしましたか?」
「へ!?な、何でもないよ」
「そうですか?」

様子のおかしい千桜に声をかけたが、はぐらかされた。

「(私はずっとおかしい。綾崎君に優しくされて異様に嬉しかったり、綾崎君に他の女がベタベタしてると強烈な嫉妬心が生まれる。私は病気なのか?)」

こうやって、ルカが仕事に行き、アテネ達の頭が冷めるまでの間、千桜は悩まされる羽目になった。


                   × ×


数日後。

「はあっ」
「千桜さん」
「え!?あ、何でしょう、愛歌さん」

生徒会室のテラスで考え込んでいると、愛歌さんに話しかけられた。

「どうしたの?最近考え込んだり溜息をつく事が多いけど」
「え!?そ、そんなにですか?」
「ええ。最近は特に、ね」

妙な恐怖を覚えつつも千桜は何も言い返さなかった。

「何か悩み事?相談位乗るわよ」
「え、えっと」

愛歌さんの黒さを十二分に知っていたので、相談すべきか散々悩み

「な、悩みなんて無いですよ。一切、全く」
「嘘つかないの。そんな事言う人間が考え込む時間が長かったり、溜息連発したりする訳ないじゃない」
「う、ウグッ」

見透かされ、益々悩むと

「相談だったら、真面目に乗るわよ。変な事とかしないから、信用して」
「・・・」

千桜は少し悩み

「最近の私、変なんです」
「具体的にどんな風に?」
「え、えっと」

少し考え、ハヤテの名前を出さない様に最近自分の身に起きている出来事や考えを話した。

「私は、病気なんでしょうか?」
「そうね。 病気と言えば病気ね」
「やっぱり」

落ち込む千桜に

「でもね、その病気は世界中の名医が集まっても治せないわ。病院に駆け込んでも、無駄よ」
「・・・」
「それより、千桜さんは貴方自身の病名を、分かってるの?」

聞かれた千桜は直ぐに浮かんだものの、直ぐに否定した。その為、黙り込む形となってしまい

「分かってるって顔ね」
「そ、そんな事は」
「じゃ、そういう事にしとくわ」

そう言うと、愛歌さんは千桜のすぐ横に立ち

「私からのアドバイスは、二つ。自分に正直になりなさい」
「自分に正直に?」
「そして、自分の心の声を正直に聞いて、正直に向き合うの。そうすれば、あっと言う間に答えに辿り着くわ」

そう言うと、困惑する千桜を残して生徒会室内に戻り

「千桜さんはもう答えに辿り着いてるわよ。でも、自分でそれを否定して、自分で無駄なだけの回り道をしてるだけ。「正直になる」って難しいけど、貴方なら出来るわよ。絶対にね」

こう言って優しく微笑みかけ、生徒会室も出て行った。

「自分に正直に、か」

千桜はテラスに残り、再び考え込んでいた。

一方の愛歌さんは、帰路に着きながら考え込んでいた。

「(私は何をやっているのかしらね。あんな風に優しくアドバイスを送って。そんな事をすれば、ハヤテ君を巡るライバルが増えるだけなのに。千桜さんは間違いなくハヤテ君が好き。その気持ちに向き合ってしまえば、結構厄介なライバルになりえる。意地悪してライバルを増やさなければよかったのにね)」

ここまで一気に考えると、

「(でも、出来なかった。「もし、意地悪した事がハヤテ君の耳に届いたら」って思ったら怖くて出来なかった。私ってバカね。ライバルなんて少ない方が良いに決まってるのに)」

こんな考えが浮かんだが

「(こんな風にネガティブになるなんて、私らしくないわね。ライバルが増えたなら増えたで、私の魅力をハヤテ君にいっぱい伝えるだけよ)」

決意し、「ハヤテ誘惑作戦」を帰って考える事にした。


                   × ×


一方の千桜は帰宅し、自室で考え込んでいた。

「自分に正直に、心の声に向き合う。か」

何度も反芻し、自身に言い聞かせていた。

「私は、私自身に正直になってないのか。 私の心の声、か」

目を閉じ、ハヤテの事を思うと、必ずと言うか絶対的に一つの答えに辿り着いた。しかし、その答えに自信が持てなかった。

夕飯の最中も何度も何度も自身に問いかけ、「春風千桜はなぜこのような思いに捕らわれるのか」っと言う問題の答えを探していたが、何度解き直しても答えは同じで、「それ以外の回答はございません」っと、神様が言っているようだった。


「あの、千桜さん」
「な、何だよ」

一緒に入浴中、考え込んでいるとハヤテに話しかけられた

「どうしたんですか?今日はずっと考え込んでいるように見えますが」
「まあ、な。実際、色々と考えてるし」
「やっぱり。もし、何か悩みがあるのであれば、僕が乗りますが」

言われて嬉しかったが

「すまんな。これだけは、自分で答えを出さないといけないんだ。相談してどうにかなる問題ではないし」
「そう、ですか。まあ、どうしようもなくなったら、頼ってくださいね」

ハヤテの笑顔を見ると、どうしても胸が高まった。
しかし、「入浴中だから」っと、無理やり結論付けた。

入浴が済み、寝る準備をしている最中もやはり考え込んでいた。

「(やっぱり私は、この答えしかないのか?だ、だが)」

必死で考え込み、最後の決め手が欲しくてハヤテに話しかけた。

「あ、あの。何か御用では?」
「すまん。少し、こうさせてくれ」
「は、はあ」

「カップルが熱烈に見つめ合っている」っと言う状況に自ら置き、最後の答え合わせをしていた。

「(やっぱり、そうなんだな。分かったよ、心の声よ。 私は綾崎ハヤテ君が好きなんだ。私の病気は「恋の病」なんだよな)」

未だ見つめあいながら、答えを出し

「(きっと、怖かっただけだ。「恋の病」を認めるのが。認めれば、こんなにも楽なんだな。すまなかったな、心の声よ。お前を否定し続けて)」
「あ、あの千桜さん?」

すると千桜は突然ハヤテにキス(口に)した。

「一応、私のファーストキスだぞ」
「は、はあ」
「なあ、ハヤテ君。私も負けないからな」
「へ!?」

いきなり「負けない」っと言われ、ハヤテは何の事か分からなかった。

「さ、寝るぞ。明日も早いんだろ?」
「あ、はい」

ハヤテは直ぐに寝入ったが、千桜はやっと自分に正直になり、意識したので中々寝れなかった。


翌朝。

「う〜。寝不足だ」

眠い目を擦りつつ何時もの様に顔を洗い、居間に行くとハヤテとソニア以外居た。

「おはようさん。珍しいなあ、千桜お姉ちゃんが寝坊だなんて」
「ですわね。雨でも降りそうですわ」
「ははは。私だって、寝坊位するよ」

軽く談笑していると

「皆さん、朝食の準備が出来ましたよ」
「食堂へお越しください」

ハヤテとソニアが来て、こう告げた。
すると

「おはよう、ハヤテ君にソニアさん」
「「「「え!?」」」」

千桜がハヤテの事を名前で呼んだので、アテネ、日向、ソニア、ルカは驚いていた。

「な、何だよ。友達を名前で呼ぶ事位、普通だろ?」
「そ、それは、そうですが」
「今迄がおかしかったんだよ。これからは苗字じゃなくて名前で呼ぶ事にした。それだけさ」

そう言うと、千桜は一番に居間を出た。

食堂へ向かう道中、ハヤテと嬉しそうに話す千桜を見て

「「「「(ま、まさか)」」」」

女の勘っと言うべきなのか、ハヤテ以外は千桜の心の変化に気付いていた。

「(正直、この争奪戦は困難を極める。でも、私は負けん。絶対にハヤテ君の心を手にしてみせる)」

千桜は決意していた。


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以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月6日更新) ( No.6 )
日時: 2018/08/06 23:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは毎度お馴染み三千院家。


「ん!?お嬢様、何読んでるんだ?」

ティータイムに悠太がティーセットを持って居間に行くと、ナギがある雑誌に熱中していた。
悪いと思いつつ表紙を見ると「今年流行の水着特集 モテル水着で意中の異性を虜に出来るかも!?」っと書かれていた。

「ん!? おお、悠太か」
「珍しいな。お嬢様がファッション雑誌に熱中するなんて」
「まあ、私もそう思う。だが」

ナギは悠太の淹れた紅茶を一口飲んでから

「この夏こそ勝負なのだ。この雑誌のモテル水着でハヤテを魅了してやるのだ」
「ああ、そう」

すると

「そんな貧相な体で魅了ですか〜♪ご自分の立場を弁えて物を言うって覚えた方が良いですよね〜♪」

とか聞こえたが、ナギは聞こえないふりをし

「兎も角、この紅茶を飲んだら出掛けるぞ」
「どこに」
「ハヤテの所だ。海水浴に誘って、私の水着姿とかでハヤテを虜にする!!」

悠太は少し悩んだが、理由はどうあれナギがやる気なっているので従った。


                   × ×


「ハヤテ、海水浴に行くぞ!!」
「へ!?」

ナギは天王州家に着くと、ハヤテを見つけていきなりこう言った。

「えっと、ナギさん。なぜいきなり海何ですか?」
「夏と言ったら海。海と言ったら夏。だからさ」
「は、はあ」

リアクションに困るハヤテに

「お嬢様、理由を言わないといくらハヤテでも無理なんじゃねえか?」
「あ、そっか」

ナギはコホンと軽く咳ばらいをし

「今年の夏は夏コミだのなんだので遊ぶ機会が無かった。だが、それも終わり夏はまだまだこれから。折角夏を堪能するなら海水浴だろ?だから、一緒に行こうと思って」
「成程。確かに海水浴は夏らしいですよね」
「だろ?だから行こうよ、ハヤテ。2人きりで///////////////////////////////」

嬉しそうなナギに

「僕は良いですけど、許可降りるかどうか」
「ま、大丈夫だろ」

ナギは居間に赴き、アテネ達に事情を説明した

「海水浴、ですか」
「夏らしいと言えば、そうやな」
「名案、っとだけ言ってますかね」
「海か〜。楽しそうだな」

アテネ、日向、ソニア、千桜はそれぞれこんな反応し

「我々も一緒、っと言う条件を飲めると言うなら、許可しますわ」
「ま、いっか。分かったよ」

ナギは渋々条件を飲み、一応は海水浴行きが決まった。

因みに

「(フッ。この私のスタイルをもってすれば、ハヤテの誘惑など容易。良い機会をくれたと、感謝しておきますわ)」
「(私はスタイルには自信があるわ。最高に美しい水着でハヤテさんを魅了しちゃうわよ)」
「(アテネやソニアさんには負けるが、私はそれなりのスタイルがある。可愛い水着を調達して、ハヤテ君を魅了してやるぞ)」

アテネ、ソニア、千桜と言ったスタイル良い組はこんな事を考えていて、海水浴など二の次だった。

「(ウ〜。スタイルじゃウチは不利や。せやけど関係あらへん。無いなら無いなりに見せ方っちゅうもんがあんねや。咲姉ちゃんと作戦会議と水着選びして本番に臨まなあかんな)」
「(予定は大きく狂ったか。まあ、良い。これで水着選びは慎重にならざるを得んが、お前らには無い希少価値で勝負なのだ)」

日向、ナギと言ったスタイルは良く無い組は作戦と水着選びは慎重になり、こっちも海水浴は二の次だった。

「(しかし、よく天王州達が許したよな。てっきり猛反対すると思ったのに。まあ、お嬢様と一緒で裏の思惑があるんだろうけどな)」


                   × ×


その日の夜。

「そっか〜、海水浴か〜」

ルカが仕事から帰って来た後、今日あった事を報告していた。
すると、ルカの笑顔は妙だった(ハヤテだけ気付いてない)。

「じゃ、ハヤテ君は留守番だね〜」
「「「「な!?」」」」

ルカの言葉にアテネ達は怒りと驚きが混じった声を上げた。

「私はこの夏ず〜っと仕事だもん。だ・か・ら、ハヤテ君はお留守番なんだね」
「なんで、ですの?」

ダークオーラ全開のアテネに、ルカは気付かないふりをし

「仕事だから私は海水浴に行けないでしょ?つまり、恋人であるハヤテ君はいけない訳お分かり?」

教師が生徒に教える様に言い

「だ・か・ら、海水浴は皆で楽しんで来てね。私はハヤテ君と家で楽しく過ごすからさ」
「ルカ、貴方が行けないは残念ですが、ハヤテが留守番と言うのは納得出来ないですわね。そんな無茶苦茶な理論、通るわけありませんわ」
「恋人が他の女と海でイチャイチャを許せるわけないでしょ〜」

ルカのアテネ達の静かな睨み合いは暫く続き

「ルカさんが一緒じゃないのは残念ですが、僕は執事なので海でのご奉仕をしないといけません。なので一緒に行く事を許可してほしいのですが」
「ウムム」

ハヤテの正論にルカは長めに考え込み

「分かったよ。でもハヤテ君、浮気なんかしたら、怒るからね」
「あ、はい。勿論分かってますよ」
「ならいいよ。皆、お土産忘れたら、怒るからね」

何とか決着し、アテネ達は理由はどうあれルカを説得したハヤテを称賛していた(心の中で)。


                   × ×


翌日。

「え!?海?」
「うん、どうかな?」

麗はヒナギクを自宅に招待し、誘っていた。

「でも」
「折角夏なんだし、行こうよ」
「う〜ん」

渋るヒナギクに

「別に「飛行機で行こう」って言ってる訳じゃ無いんだし、平気でしょ?それともなんか問題あるの?」
「あ、いや。あ、あれよ」
「女同士なんだし、良いじゃない。それに」

麗は意味ありげに間を置き

「ハヤテ君に会えるかもよ?そうすれば「運命ね」って言えるし」
「・・それは魅力的な話ね。ま、考えとくわ」
「はいはい。水着なら時任家がバックアップするから、心配しないで。可愛いの選んであげるわ」
「・・・」

ヒナギクの心は物凄く動かされたそうだ。


                   × ×


一方。

「え!?お前も来るの?」
「当たり前だ」

ナギはカユラに昨日の事を話しており、話すとカユラが「自分も行く」っと言っていた。

「綾崎君も来るんだろ?おまけに水着を見せる海水浴に、だ」
「あ、ああ」
「世話になってるナギに言うのは気が引けないわけではないが、水着になって私の魅力を伝える大チャンスだ。生かさないで何が「争奪戦に参戦中です」だ。説得力なんかないだろうが」

カユラの正論にナギは黙り込んだ。

「だから、私も参加する。水着もとびっきり可愛くて私の魅力を引き出す物も用意する。文句はあるか?」
「無いよ。じゃ、一緒に水着買いに行くか?どっちがハヤテを魅了出来るか公平な勝負にするためにさ」
「望むところさ」

2人はがっちり握手し、戦いを誓った。

「(フフフフフフフフフフフフ♪これはこれは面白い事になりそうですね〜♪何かが起こって水着を見せる機会が無いと面白いんですけどね〜♪そうすればコレクションが♪いっそのこと何かを起こしちゃおうかしら♪そうすればもう♪ああ♪)」

とか思った人がいたそうだ。


様々な思惑が交差する海水浴。

無事には終わらない!?


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月6日更新) ( No.7 )
日時: 2018/08/08 20:14
名前: ささ

平たい胸族が何言ってんだか。つくづく思うのはこの小説持つものと持たざる者の格差のなんと大きいことか。バストサイズでランク付けするとどうなるのだろう?
あー海か。こりゃーフラグたちまくりだな(棒読み)
あようじおもいだしたのでかえりまーす(ダッシュ)

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Re: 女神と共に第四部 (8月9日更新) ( No.8 )
日時: 2018/08/09 22:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 綾子「感想ありがとうございます♪」

 >>平たい胸族が何言ってんだか。

 ナギ「・・・」
 悠太「どうどう」

 >>つくづく思うのはこの小説持つものと持たざる者の格差のなんと大きいことか。

 アテネ「ですわね〜♪世の中なんと不平等な事か」
 綾子「神様は残酷ですわね〜♪」

 ナギ「・・・」
 ヒナギク「・・・」

 >>バストサイズでランク付けするとどうなるのだろう?(婚約者候補+ヒナギク、千桜、愛歌、泉、ソニア、カユラ、ついでにまjyじゃなかった聖母マリアさんとダメKyじゃなかった桂雪路)

 悠太「はい、ハヤテ先生どうぞ」
 ハヤテ「ええ!?」

 代わりに答えますと、アテネ・綾子・クリスが同率1位ですね。次いでソニア、千桜で、麗・ルカ・愛歌さん・泉が同率、その後がナギ・伊澄・ヒナギク・カユラが同率ですね。
 マリアさんと雪路は例外って事で。

 悠太「成程」
 ハヤテ「こ、答えなくてよかったです」

 >>あー海か。こりゃーフラグたちまくりだな(棒読み)

 悠太「まあ、期待に沿えるかどうか」
 ハヤテ「色々、起こると思いますし」

 >>あようじおもいだしたのでかえりまーす(ダッシュ)

 ナギ「・・・」
 ヒナギク「・・・」

 悠太「止めなくていいのか?」
 ハヤテ「大丈夫でしょ」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (8月9日更新) ( No.9 )
日時: 2018/08/09 22:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ナギの誘いもあって海水浴に行く事になった一行。


「暑い」

一行は海水浴場へ来ていた。

「ハヤテ、暑い」
「夏ですからね〜。仕方ないですよ」

「ハヤテ、海風は気持ちいいって聞いた事あるのに、全然吹かない」
「自然ですからね。仕方ないですよ」

防波堤近くでナギとハヤテがこんな風に会話していると

「2人とも、そんな夫婦漫才してる場合じゃないだろ。この暑いのに」
「ゆ、悠太////////////////////////」
「ま、まあ、そうだね」

悠太の言葉にアテネ達が反論しようとしたが

「取り敢えず、予約取ってる近くのホテル行こうぜ。泳ぐ前に参っちまうし」
「そうだな」
「じゃ、アーたん達も行こうか」

結局反論の機会は来ず、アテネ達は不機嫌のままホテルに移動した。


                   × ×


「ふう。涼しいな〜、クーラーは」
「だな」

ナギ達はナギの部屋(正確にはナギとマリアさんの部屋)で寛いでいた。

「暑いとは思ってたが、予想以上だった」
「ま、海と言ったら暑い。だからな」
「まあな。それより」

ナギは悔しさを噛み締める様に

「なんでハヤテと同じ部屋じゃないのだ!!納得いかん!!」
「そ、それは。早い者勝ちって事で、諦めろ」
「あいつめ〜。絶対に苦情入れてやる」

怒り心頭のナギに悠太は溜息をつくしか出来なかった。

「(あの野郎本当に余計な事しやがって!!!!!!!!!ナギの野郎を一緒の部屋にすれば色々と楽しかったのによ!!!!!!!!!!俺様のコレクションの邪魔すんじゃねえ!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!)」

とか思った人がいたそうだ。


そのハヤテは・・

「ハヤ兄〜♪」
「あ、あの」

ハヤテは日向と同じ部屋であり、部屋に入って早々抱き着かれてた。

「今夜が楽しみやな〜。防音は完璧らしいし」
「は、はあ」

何故ハヤテと日向が同じ部屋なのかと言うと、部屋割りを決める際日向が「自分はまだ子供だからハヤテと同じ部屋が良い」っとフロントの人に言うと、アテネ達が文句を言う前に決まってしまったからである。
因みに、このホテルは2人部屋までしかないので、もうどうしようもないのである。

「まあでも」
「はい?」
「シラヌイのせいで嬉しさは半減やけどな」

ハヤテの膝の上でゴロゴロと喉を鳴らすシラヌイを恨めし気ににらんでいた。
シラヌイが一緒なのは、ハヤテが連れてきたためです。因みに、ペット同伴可なので、問題はありません。

因みに

「なんで貴方と一緒なんですの?」
「仕方ないでしょ。文句なら自分の籤運に言いなさい」

アテネとソニアが同じ部屋で

「千桜と同じ部屋か。ま、よろしくな」
「ああ。暇だったら、アニメ談議でもするか?」

千桜とカユラが同じ部屋で、悠太は1人部屋である。

話をナギ達に戻し、

「ま、嘆いても仕方ない。咲夜に文句は言うが、折角海に来てて可愛い水着も用意したんだ。早速魅了するぞ」
「ま、頑張れよ。俺は応援しか出来ねえし」
「フッ。この三千院ナギにかかれば容易いな」

自信満々に言うナギに

「いい加減自分の立場を理解するって事を覚えた方が良いですよね〜♪そんな貧相極まりない体で何を言ってるんですかね〜♪無駄な努力って言葉も覚えた方が良いですよ〜♪」

こんな言葉が聞こえたが、ナギは無視し

「まあ、着替える前に軽く散歩でもするか。人が多かったら、嫌だし」
「ま、そうだな」

一方

「なあハヤ兄。泳ぐ前に浜辺を軽く散歩せえへん?海の家とかも見ときたいし」
「そうですね。 シラヌイはどうする?」
「ニャ〜」

ハヤテはシラヌイの様子で

「ん!?部屋が良いの? まあ、砂とかで汚れちゃうかもだし、仕方ないか」
「ニ〜」
「じゃ、楽しんでくるね」

「私はいいから楽しんで来て」っと言っている様に感じ、部屋から出ない様に言ってから部屋を出た。
その後、アテネ達にも目的を話し、ホテルを出た。


                   × ×


一行は浜辺にやって来た。

「う〜ん。思ったより人は少ないな」
「シーズン真っ盛りなのにな。珍しいな」

ナギや悠太の言う通り、人はまばらで、ニュースとかで見る「人でごった返す海水浴場」っと言う感じは無かった。

「ま、その分だけ楽しめるって事で、幸運だったと思いましょ」
「そうだな。さて、どの海で安らぐか見に行くぞ〜」

ナギ先導で歩き出そうとしたその時

「(マスター)」
「(うん、感じた。これって)」
「(王玉の邪気、ですね。近いですよ)」

「ん!?どうした、ハヤテ」
「悠太、近くに王玉があるよ」
「な!?ど、何処だ?」

ハヤテは意識を集中させた

「あっちだね。海の家が集まってる方」
「よしっ、行くぞ」

アテネにも報告し、邪気のする方へ急いだ。

「こ、ここか?」
「・・の、はずなんだけど」

辿り着いた所は瓦礫の山で、看板などから「海の家の跡地」っと判断できた。

「ハヤテ、この瓦礫の下にあるんですの?」
「それは、違うね。邪気は感じるけど、大本はここじゃない。きっと、この海の家の関係者が所有者で、そのせいで邪気を感じ取ったんだと思う」
「誰かが持ってるって事か。ならなんとか話して譲ってもらうしかねえな」

事情を話す訳にもいかないので、誤魔化しつつ王玉を手に入れるしかないのである。
すると

「その海の家は潰れたよ」
「「「え!?」」」

3人で話していると、頭にタオルを巻いたいかにも「海の家の人」って感じの人に声をかけられた。

「この海の家の人、ですの?」
「俺は違うよ。隣の海の家のもんだ。 この海の家は暫く前に潰れちまったよ。確か、「経営難による借金がたまったから」だったかな?」
「そう、でしたか」

少し落ち込むアテネに対し

「あの。この海の家の人はどうしたんっすか?まさか行方不明とか」
「そりゃねえよ。昨日も会ったし。たぶん、この浜辺のどこかにいると思うぜ。あいつはライフセーバーでもあるし」
「そうでしたか。態々教えていただいて、ありがとうございます」

ハヤテがお礼を伝えると

「別にお礼言われるような事はしてねえよ。ま、海の家を楽しみたいなら、俺の所に来な。料理の味には自信あるからよ」

そう言うと、手を振りつつ去って行った。

「取り敢えず、探してみようよ。邪気は確かに感じるし、教えてもらったからこの辺にいるのは間違いないし」
「ですわね」
「見つかると良いけどな。だって、広いぜ、この浜辺」

悠太の言う通り、結構な広さなので探すとなると一苦労だった。

「ま、まあ何とかなるよ」
「やるしかないですわね」
「やれやれだぜ」


                   × ×


暫く探したが見つからず、一旦ホテルに戻って来た。

「ふ〜ん。別行動してたと思ってたら、そんな事してたのか」
「まあな。お嬢様は気にせず、海水浴を楽しんでていいぜ」
「ああ、そう。じゃ、お言葉に甘えて楽しむか。悠太は部屋出てろ。着替えるから」
「あいよ」

悠太は部屋を出て、一旦部屋に戻ったが、水着に着替えるのはやめておいた。
一方

「ハヤ兄、水着に着替えるから、手伝ってや」
「あ、あの、何故ですか?ご自分で」
「別にええやないか。減るもんやないし」

結局日向の着替えを手伝わされる羽目になり、その後アテネ、ソニア、千桜、カユラの着替えをも手伝わされる羽目になった。
因みに、ハヤテは着替えなかった。

着替えた一行が浜辺に出ると

「ハ〜ヤ〜テ〜様♪」
「か、神尾崎さん?」
「フフフッ♪」

ハヤテはいきなり綾子に抱き着かれ、見ると綾子は水着だった。

「ど、どうして」
「簡単ですわ。「赤い糸の運命」ですわ。ですから、会えたんですわ♪」

当然の事の様に言い切ると、綾子はべったりハヤテに抱き着いた。
すると

「ダーリン、ディスティニーね」
「クリスさんまで」

クリスが綾子が抱き着いてない方の腕に抱き着いて来て、当然?水着姿だった。

「ダディやマミーと海水浴に来たんだけど、ダーリンに会えるなんて。もうディスティニーとしか言えないわね」
「は、はあ」

両手に花状態のハヤテに

「2人とも、離れなさいな」
「そうやで。離れろや」
「痛い目に合う前に、離れなさい」

アテネ、日向、ソニアの言葉に

「フンッ。誰か離れるもんですか」
「そうよ。ダーリンと私との仲を邪魔しないで」

激しい睨み合いに

「あ、あの。喧嘩は止めて、海水浴を、ですね」
「そんな事より、ハヤテ様は水着じゃないんですのね」
「ホワイ?ダーリン水着無いの?」

相変わらずの綾子とクリスにハヤテは困りつつ

「ま、まあ、ちょっと。取り敢えず、行きましょ」
「そうですわね。ハヤテ様、海水浴デートしましょ」
「ダーリンとデートするのは私よ!!」

アテネ達からのダークオーラを感じつつ場所取りをしといてくれた悠太の所へ向かい、ナギ達とも合流した。

「あ。ナギさん、水着姿可愛いですね。お似合いですよ」
「そ、そうか?///////////////////////////ありがと///////////////////////////」

「ああ、それと。神尾崎さんもクリスさんも水着お似合いですよ」
「嬉しいですわ♪この日の為に用意したんですのよ」
「ダーリン、サンキューね」

一応補足を。アテネ達はもう既に褒めてます。

すると

「あら、偶然ね」
「麗。貴方まで」
「な、なんか、こんだけ揃ってると「何かの力が働いた」って気がするけど」

集まっているメンバーを見て、麗は思わず言っていた。

「ところで。神尾崎さんにクリスティーナさん。ハヤテ君から離れてくれない?」
「嫌ですわ」
「deny よ」

綾子、クリス、麗は激しく睨み合い、アニメなら激しい炎か、激しい雷が鳴り響いていた。

「ところで。麗は1人なんですの?」
「ん!?ああ、実は。  あら?」

振り向いた先にはだれもおらず

「ヒナと一緒に来たんだけど、何処に行ったのかしら。さっきまでいたのに」
「へえ、ヒナギクさんと、何ですね」
「そうよ、ハヤテ君。女2人旅よ」

綾子とクリスには相変わらず怒りを向けていたが、取り敢えずは会話を楽しんだ。
因みに

「(やっぱり、ハヤテ君と会ったわね。これって運命かしら/////////////////////////////って、そうじゃなくて。天王州さんや綾がいるんじゃ勝ち目ないわ。でも、ハヤテ君には私の水着姿見てほしいし。うう〜、どうしましょう)」

ヒナギクは隠れて悩んでいた。


「さて。僕はやる事があるので、離れてもらえると嬉しんですが」
「手伝いますわよ。妻として当然ですわ」
「私が手伝うわ。ワイフとして当たり前の事だし」

申し出自体は嬉しいのだが

「すみません。僕の個人的な事なので、1人で何とかしたいんです」
「そうですか。残念ですわ」
「それが終わったら、デートしましょ」

2人はやっと離れ

「悠太、後は頼める?」
「おお、任せろ」

アテネ達も説得し、ハヤテは離れて行った。


                   × ×


別行動をとったハヤテは邪気を頼りに一通り浜辺を探したが、王玉を持っているであろうライフセーバーは見つからなかった。

「やれやれ。どこにいるのかな?王玉の持ち主」
「(ライフセーバーだって言ってましたから、浜辺を駆け回ってるんじゃないですか?)」
「(地道に探すしかないね)」

取り敢えず、海の家跡地に戻って来た。
すると

「その海の家は潰れたよ。少し前にね」
「ん!?」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月12日更新) ( No.10 )
日時: 2018/08/12 20:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテ達が海水浴に来た際王玉の気配を感じ、潰れた海の家のライフセーバーが持っている可能性を突き止めた。


声をかけられたハヤテが振り向くと

「あの、貴方は?」
「ん!?ああ、この海の家の者だよ」

目の前の人物はいかにも「ライフセーバー」っと言った感じだった。

「楽しみにしてきたのなら、申し訳なかったね。さっきも言ったが、この海の家は潰れてしまったんだ。経営難に陥ってしまってね」
「そ、そうなんですか」

ハヤテはあまり話が入って来て無かった。
なぜなら

「あ、あの」
「おい、ハヤテ」
「あ、悠太」

振り返ると悠太だけではなく、全員(ヒナギク以外)揃っていた。

「どうしたの?」
「皆お前が居ないとつまんないんだと。それより、どなただ?」
「知り合いかい?この海の家の者だよ」

自己紹介され、悠太はハヤテに近付き

「なあハヤテ。あの人が首から下げてるのって」
「うん。間違いなく、本物の王玉だよ。邪気で穢されちゃってるけどね」

そう。目の前の人物は首から王玉を下げており、ハヤテの目には髑髏のオーラが見えていた。

「ハヤテが感じた「王玉の邪気」って、若しかして」
「うん。この人の王玉から出てた物に間違いないね」
「でも、何でこの人が」
「直接聞くしかないね」


ヒソヒソと2人で話している間、相手は割って入ってこなかった。
そして相談を終え

「あの、その首から下げてる宝石の様なものは」
「ん!?ああ、これかい?偶々立ち寄ったリサイクルショップで500円で買った物だよ」
「「ご、500円」」
「何となく魅かれてね。値段も安かったし、買ったんだ」

値段の安さに驚くハヤテと悠太をしり目に普通に話していた。

「まあでも、これを買ってから何かと不幸続きでね。海の家が潰れたのもこいつのせいかもしれないって思ってて」
「じゃあなんで、手放さなかったんっすか?」
「さあ?「何となく」なんだよね〜」

頭を掻きつつ申し訳なさそうに言っていた。

「まあでも、嘆いても仕方ないし、仕方ないで諦めるしかないか。寂しいけどね」
「え!?やっぱり、思い入れが?」
「そりゃあね。海に来たお客さんを持て成すのはライフセービングと同じ位楽しい事だったし」

寂しそうに言われ、

「あの。この海の家の負債ってお幾らなんですか?」
「え!?え、えっと」

ハヤテに聞かれ、少し悩んだ後

「不思議だね。君になら、何でも話せそうで。ほら」

手渡されたのは借用書で、結構な金額が書かれていた。

「こ、これは」
「予想以上、だな」

8ケタ近い金額に驚く2人に

「まあ、何とか出来ないわけじゃないし、自分で何とかするよ。変な話して悪かったね」

ハヤテから借用書を返してもらい、申し訳なさそうに言っていた。

「じゃ、僕はこれで。海水浴、楽しんでいってくれたまえ。何かあったらすぐに助けるよ」

立ち去ろうとしたが、ハヤテが呼び止め

「もし、この海の家を再建する事が出来なたら、その首から下げているネックレスを、譲っていただけませんか?」
「え!?こ、これを!? で、でもこれは」
「別に悪い取引じゃないと思いますよ?」

ハヤテは相手の様子を伺いつつ

「上手く行けば、貴方にとって思い入れのある海の家は再建され、借金も無くなる。ただし、何となくで手放せないそのネックレスは僕の物になります。仮に上手く行かなくても、借金は僕が背負う事になり、海の家自体はそのまま。ネックレスもそのまま。 あなたにデメリットは殆ど無いと、僕は思いますが」

ハヤテの取引に、相手はただただ驚き

「そ、それは君にとって不都合すぎるんじゃ?確かに、僕からすれば魅力しかない取引さ。だがこれはさっきも言ったように」
「乗るんですか?乗らないんですか?この取引に」

聞き入れないハヤテに相手は暫く考え

「分かったよ。そこまで言う以上、その取引に乗ろうじゃないか。ただし、後で「やっぱり無かった事にしてください」は聞き入れられないよ?それでもいいの?」
「勿論そんな事言いませんよ。じゃ、手続と行きましょうか」

借用書に署名と拇印をし、相手にも同様の事をしてもらった。

「今日からはあれ何で、明日からって事で」
「君は変わってるな。自分にとってデメリット以外ない取引を持ち掛けるなんて。まあ、頑張ってくれ」

そう言うと、去って行った。

「ハヤテ、本当に良いのか?あんな取引して。いくら王玉を手に入れるためとはいえ」
「気にしないで。それに、ただ「譲ってください」っていうのは忍びなくてね」
「ああ、そう。ま、お前らしいけどな」

一部始終を見聞きしていた面々は、悠太と同意見だった。

「悠太、悪いけど手伝って。再建するにはまずこの海の家を建て直さないと」
「OKに決まってるだろ。って事でお嬢様」
「許可を取る必要はあるまい。全力で手伝ってやれ」

一応ナギに許可をもらい、作業に取り掛かろうとした。
すると

「城山」
「はっ」
「ハヤテ様と真山君を手伝ってあげなさい。命令ですわ」
「了解しました」

材料調達は直ぐに出来、ハヤテ、悠太、城山は建て直しを始めた。


                   × ×


「ふう。思ったより早く出来たね」
「ああ。まあ、3人で協力したしな」
「綾崎様と真山様が優秀だったってだけですよ」

3人とも「超優秀な執事」なので、当然と言えば当然である

「悠太、城山さん。手伝ってもらって、ありがとうございます」
「礼を言われる事じゃねえよ」
「ええ。私からすれば、当然の事ですし」

それでもハヤテは再度礼を伝え

「それで、明日からもお願いします。明日からが本番なので」
「勿論協力するよ。親友の為だ、出来る事は全部やるよ」
「私も。お嬢様の旦那様の為です。出来る事は全てやります」

城山の言葉に綾子は照れ、女性陣は怒り心頭だった。が、この場ではスルーする事にした。

「明日からの為には、今日はゆっくり休んで、英気を養おうぜ」
「そうだね。今日位はね」

着替え等の為に一旦解散となり、夜に浜辺に再集合する事にした。


で、夜。
折角皆集まったので、バーベキューする事になった。

その準備中

「手伝うわ」
「あ、ヒナギクさん。来てたんですね」
「麗に誘われてね」

ハヤテと悠太の手伝いをしつつ話しています。

「本当に大丈夫?結構な額なんでしょ?」
「悠太にも言われましたが、大丈夫ですよ。何とかします」
「そう。私に出来る事があったら、言ってよね。困った時はお互い様よ」

ヒナギクの言葉に素直に礼を伝え

「では、何かあった時は」
「任されたわ」

その後は少しの間無言だったが

「ん!?何よ?」
「え!?あ、いえ」

見つめられている事に気付き、ヒナギクが聞くと、ハヤテは少しの間悩んでから

「海に来たって事は、ヒナギクさんも水着を」
「ま、まあ一応あるわ。例と選んだ奴がね」
「そうなんですか」

ハヤテは少し間を空け

「見たかったですけどね、ヒナギクさんの水着姿」
「え!?////////////////////////////////////」
「可愛いヒナギクさんの事です。水着姿も可愛いんだろうなって、つい思ってしまって」

ハヤテからすれば何気なく言ってるだけなのだが、ヒナギクには「効果は抜群だ!!」ってな具合で

「そ、そう。見たかったの/////////////////////////////////」
「お気を悪くしたのなら、謝ります」
「謝る必要はないわよ。 ま、気が向いたらみせてあげるわ」

その後は無理やり話を打ち切り、準備も終わったのでバーベキューを始めた。

「それしても。 すみません皆さん」
「何が、ですの?」
「急にこんな事になっちゃって」

謝るハヤテに

「別に、後々の事を考えたら、謝る必要はありませんわ。ハヤテの判断は正しかったっと、思ってますから」
「そうやで。事情は分からんが、ウチらも手伝うわ」
「私も、メイドとして手伝いますよ」

温かい言葉をかけられ、ハヤテは感動していた。
・・・が

「それより。 神尾崎綾子!!!ハヤテから離れさない!!!」
「嫌ですわ♪

普段アテネがしている様に、綾子はハヤテにべったり抱き着いていた。

「折角運命の出会いをしたんですもの。明日以降は忙しいハヤテ様に甘えるのは、妻として当たり前ですわ」
「誰が妻ですか!!!」
「せやで!!!離れろや!!!」

睨み合う面々に

「お〜い、こげるぞ〜」

悠太の言葉に争いは一時中断し

「ま。ハヤテ君の妻は私だから、そんな争いは無駄なだけよ」
「ミス時任。ハヤテ君のワイフは私よ。余計な口出ししないで」
「貴方こそ、余計な口出しは止めてちょうだい。婚約者候補としては、私の方が有利なんだし」

殺伐とした雰囲気に

「やれやれ。お前も大変だな」
「ま、まあ。慣れたよ、もう」
「慣れるしかねえ、だろ?」
「ま、まあ」

悠太の言葉に、ハヤテは濁した返事が精一杯だった。

「明日からは大変だ、頑張ろうな」
「うん。頼むね」
「任せろ」


果たして、王玉は手に入れられるのか!?


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

因みに、出て来たライフセーバーは戦部大和じゃありませんよ。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月15日更新) ( No.11 )
日時: 2018/08/15 18:15
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテは王玉を手に入れる為に取引を持ち掛け、海の家を再建する事になった。


再建開始当日。

「さて、今日からが勝負なわけですが」
「正直、夕方までが勝負だよな」
「夜はお客さんが居ない訳ではありませんが、難しいでしょうし」

ハヤテ、悠太、城山は話し合っていた。

「取り敢えず、やるしかないね」
「だな。で、厨房や接客はどうする?」
「普通に考えて、2人が厨房に入って残りの1人が接客ですよね」

分担を決めようと話し合いを始めようとした時

「接客は私がしますわ」
「お嬢様」
「執事を働かせてるのに、主が何もしないのは変ですわ。ですから、3人とも厨房に入り、私が接客しますわ」

綾子が言うと

「なら、私は手伝うよ」
「大丈夫か?お嬢様」
「見縊るなよ。これでも毎日修行してるし、喫茶店でバイトもしている。大丈夫さ」

悠太は悩んだが、ナギの意思は固そうなので、説得は諦めた。
すると

「私も手伝うわ」
「クリスさんも、ですか?」
「ええ、そうよ。3人体制なら、paefectでしょ?」

一応正論なので、厚意に甘える事にした。
アテネ達も手伝いを申し出たが、、海の家はそこまで広くないので、厨房3人・接客3人で展開していくことになった。

因みに3人とも「役立つ所をハヤテに見せて、ハヤテの中の自分への評価を上げよう」っと言う魂胆があった。

「折角海の家なんですから、水着にエプロンが制服ですわね」
「it's a great idea。って事で早速」
「・・・」
「あの、お3人方。普通の格好でお願いしますね」

ハヤテに反対され、水着エプロンは断念し、動きやすい格好で接客する事になった。


                   × ×


その日の夕方。

「これが今日の売り上げか」
「「う〜ん」」

初日の売り上げを集計し、6人は顔を見合わせていた。

「十分凄いんじゃないか?」
「だがな。目標には程遠いぞ」
「そ、それは」

悠太の正論にナギは返す事が見つからなかった。

「やはり、インパクトが必要だと思いますわ」
「私達が水着で接客すれば」
「それは何かが違うので、駄目ですよ」

ハヤテにも反対され、6人はアイディアを練っていた。

「(フフフフフフフフフフフフフ♪このまま失敗してくれれば面白いんですけどね〜♪そうすれば私のコレクションがまた増えちゃいますね〜♪あ、そうだわ♪失敗するように色々と手を回しちゃいましょう♪そうすればもう♪ああ♪)

とか思っていた人がいたそうだが、本人以外は知らない。

暫く唸っていると

「悠太、手伝ってほしい事があるんだけど」
「別に構わねえが、何をだ?」
「海の家と言ったら、カレーだと思わない?」
「まあ、確かに」

悠太は同意しつつ

「連想ゲームでも、「海の家と言ったらカレー」って言っても、通りそうだよな。カレーが置いて無い海の家って、なさそうだし」
「でしょ? カレーなら他との差別化も難しくないし、材料費もスーパーで買えば安く済むし。だから、明日までに共同制作をしたいんだ」
「それの協力をしろってか?勿論OKだ。早速取り掛かろうぜ」

ハヤテも悠太もまずは買い出しに出かけた。


一方。

「ウ〜ム。私達は完全に蚊帳の外ですわ」
「ハヤテさんへのアピールは海に来たのにまだまだ、ね」

アテネとソニアが珍しく一緒に考え込んでいた。
っと、そこに

「お2人さん、ちょっとええか?」
「「ん!?」」

振り向くと、日向が真剣な顔をしていた。

「頼みがあるんや。真剣な、な」
「なんですの?聞く位はしてあげますわ」
「私達も忙しいからね」

日向は敢えて間を空け

「ハヤ兄は、海の家の再建と言う任務の真っ最中や。にも拘らず、ウチらは何の役にもたててないやろ?手伝って評価を上げると言う役目も奪われてもうたし」
「ですから、どうするかを考えていたんですわ」
「邪魔しないでね。だから忙しいって言ったのよ」

話を切りそうだったので、日向は咳ばらいをし

「ハヤ兄はカレーを作ろうと、研究に入った訳や。カレーと言ったらスパイスが命や。そこで、ウチはある情報を手に入れたんや」
「ある情報?なんですの?」
「もったいぶらずに教えなさいよ」

日向は両手で2人を制し

「ここからボートで行ける島に、「伝説の調味料」が眠る島があるらしいで。その「伝説の調味料」を入れるだけで、カレーは画期的に美味くなるらしいで。勿論、非合法な物じゃないで」
「それは魅力的な話ですが、何処でそんな情報を得たんですの?」
「昨日の昼間、ハヤ兄とデート出来へんかったから、浜辺をブラブラしとったんや。そん時に、地元の人に聞いたんやで。嘘か真か分からんけど、行ってみる価値はあるやろ?」

日向の提案に2人は暫く考え

「確かに行ってみる価値はあるわね。でも、なんで私達にその話をして来たの?」
「簡単やで、ソニアお姉ちゃん。ウチはその島に行くつもりや。せやけど、ウチは戦闘力と言う意味じゃ何の役にも立たん。せやから、強い2人に一緒に行ってもらおうと思って、話したんや」

2人は納得していたが

「ですが、やはりそんな信憑性の薄い話になるのはどうかと思いますわ。そんな本当かどうかも分からない話に乗るより」
「なんや?怖いんか?」
「それはありえませんわ。ですが」

乗り気じゃ無い2人に

「ハヤ兄の役に立てるかもしれへんで。もし本当にあったら、「皆さん、僕の為にそこまで。そこまで想ってくれてるなら、もう結婚しちゃいましょう」なんて展開あるかもしれないで?」

この発言に

「良いでしょう。その島に、行こうじゃないですか」
「あんな女達(綾子、クリス、ナギ)に負けてられないわ」

話が纏まったので、早速行動に移した。


                   × ×


「アテネお嬢様、何よ、このボートは」
「見ての通り、足漕ぎボートですわ」
「そうじゃないで。なんでこんなボートなんやって事や」

するとアテネは当たり前の様に

「これしか借りられなかったからですわ。そんな事も分からないんですの?」

「な、何でドヤ顔なんや?」
「誤魔化す為よ。他のも当然借りられると思って動いたら、これしかなかったものだから、ね」
「成程なあ」

アテネに聞こえない様にヒソヒソと話し

「ま、この際贅沢は言ってられないし、行きましょ」
「せやな。こんなボートでも、無いよりマシやろ」
「・・フンッ」

2人の悪口にアテネは不機嫌になり、島に向かう事にした。

移動割愛。

「な、なんか、異様な雰囲気抜群の島ね」
「何かが出ても、不思議はない島ですわね」

おどろおどろしい雰囲気にアテネとソニアが身構えていると

「あ、そう言えば、言い忘れてたわ。ここ、無人島らしいで」
「無人島、ですか。ですが」
「もう一つ言い忘れてたんやけど、ここは有名な心霊スポットらしいで。色々な都市伝説が噂されとる、な」

驚く2人に日向は

「確か、一番多いのは「「自分は魔術師だ。自分の魔術で永遠の若さと命を与えよう」って言われた女性達がその島に着いて行き、全員無残にも殺され、その女性達の霊が今でも彷徨ってる」って話やで」

仕入れた話を2人にし、聞かされた2人は

「な、なんか、よくある都市伝説ですわね」
「日本のあちこちに似たような話があっても不思議はない、ね」
「ま、そんなもんやろ、怪談話なんてな」

日向は同意しつつ

「まあでも、この話も「伝説の調味料」と同じで「そう言う話がある」ってだけや。ホンマかどうかは分からんわ」
「ああ、そうですか。ま、ともかく「伝説の調味料」を探しますわよ」
「早く帰らないと、ハヤテさんがカレーを完成させちゃうしね」

3人は並んで歩きだしたが

「「「え!?」」」

突然足場が崩れ、3人とも穴に真っ逆さまに落ちて行った。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月19日更新) ( No.12 )
日時: 2018/08/19 00:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテと悠太はカレーの制作に取り掛かり、アテネ・日向・ソニアは伝説の調味料を手に入れる為にある島へとやって来た。


「「「うわああああああ」」」

3人とも突然開いた穴に落ちてしまい、そこまで深くはないものの、落ちた場所に戻るのは不可能だった。

「何なんや、急に」
「おそらく、雨等で地盤が緩み、穴が開いたと推測出来ますわね」
「明らかに人工的に出来た穴じゃないし、その推測に賛成ね」

アテネとソニアの推測に日向は納得した。

「で、ここは何処や?ゴツゴツして、洞窟っぽいけど」
「洞窟で間違いないでしょうね。ここも自然に出来た、ね」
「何はともあれ、脱出するわよ。あそこから戻るのは作者さんの言った通り無理だし」

真上の見える穴は高い位置にあるので、3人は歩き出した。

「で?出口はどっちや?」
「「こっち」」
「・・仲ええな」

アテネとソニアが指さした方角は全く一緒で、2人には睨み合った物のアテネとソニアが先導で歩き出した。
暫く歩くと

「あ!!!2人とも前!!」
「「え!?」」

日向が止めたが、2人はまた穴に落ちてしまった。

「穴、ようけあるなあ。ま、あがってくるやろ」

2人の強さを知っているので特には心配せず、待っていると女性のすすり泣く声が聞こえ

「ん!?どないしたんや、こんなところで」
「・・・」

体育座りの女性を見つけ話しかけると

「私、ここに逃げて来たの」
「何があったんや?ウチで良ければ話聞くで」
「本当?でもね、私」

女性が日向の方へ振り向くと

「私、死んでるのよ?」
「そりゃ、大変やったな。若しかして、噂にあった殺された女性か?」

リアクションの薄い日向に女性の霊は

「私が怖くないの?」
「う〜ん。ウチは割と平気やで。それより、どうしたんや?」
「話、聞いてくれるのね。ありがと、お嬢さん」

霊の怖い雰囲気は消え、語りだした。

「この辺にある噂は本当よ。私は騙されて、殺された。 私、好きな人がいたの。その人の為にも「ずっと若くて綺麗で居たい」って思って、魔術師の話に乗ったわ。でも、結局嘘で殺された。私以外にも何人も、ね」

「大変やったんやな。同情するで」
「ありがと」
「でもな、自分も悪いで」

日向の言葉に驚いていると

「ウチにも好きな人がおるから、「綺麗でいたい」って気持ちは分かるわ。でもな、そんなもん他人に頼ったらあかん。自分自身で何とかせにゃあかんで」
「で、でも」
「第一や。その人がホンマモンの魔術師で、本当に永遠の若さが手に入っても、キモイやろ。好きな人はどんどん爺さんになるのに、自分は若いままなんやで。最初は愛しあっとったとしても、キモがられて捨てられるで。そんな事も分からんのか?」

日向の正論に霊は

「そうよね。ありがと、お嬢ちゃん。貴方のお陰で救われたわ」
「気にすんなや。こんなとこにおるのは良くないで」
「そうね。貴方はその好きな人と死ぬまでいられると良いね」

そう言うと、消えてしまった。
丁度そのタイミングでアテネとソニアが穴から這い上がって来た

「何かあったんですの?」
「話声が聞こえたけど」
「なんでも無いで。さ、脱出しよっか」

アテネもソニアも首を傾げたが、追及しても仕方ないので、脱出を優先した。


                   × ×


「何とか脱出出来ましたわね」
「複雑じゃ無くて助かったわね。余計な時間を使ってる暇はない物ね」
「でも、脱出したはええけど、何処や、ここ」

3人の現在地は森の中のような場所で、無人島なので地図がある訳も無く、詳しい現在地は不明だった。

「現在地の把握も大切ですが、肝心の「伝説の調味料」の在処の把握も大切ですわ」
「そうね。無人島だから目印がある訳でもないし、闇雲に探してたらきりがないし」
「まあでも、無人島にしてはそんなに荒れてへんし、何とかなるんちゃう?」

3人はとりあえず歩き出し、直感に委ねて道を決めていた。

暫く歩くと

「それにしても、静かでええ雰囲気やな」
「な、何ですの、急に」
「まあ、良い雰囲気ってのは同意するけど」

驚く2人に日向は

「ハヤ兄と2人きりでこんな所に来れば、何かが起こるやろ」
「「まあ、確かに」」
「ここまでロマンチックなんや。告白の一つや二つ、間違いなく成功するやろ。ハヤ兄相手でもや」

日向が言うと、3人とも「ハヤテに告白し、無事に成功した光景」を妄想し、照れていた。

「まあでも、どこかのおバカさんは「月が綺麗ですね」みたいな遠まわし過ぎて伝わる訳の無い馬鹿な告白しそうですけどね」
「え!?何それ。ただ単に月の感想を言っただけじゃない。どうしてそれが告白になるの?」

ソニアが言うと、アテネはやれやれっと言った感じに溜息をつき

「昔、とある文豪が「I LOVE YOU」を和訳する際「月が綺麗ですね」っと訳したんですわ。日本人らしい奥ゆかしさを表現したとか」
「ああ、成程。ってか知って無きゃ分かんないし、知ってたとしてもいきなり「月が綺麗」なんて言われても分かる訳無いじゃない」
「せやな。それを告白の言葉に選ぶなんて、相当なアホやろ」

因みに、どこかでクシャミした人がいたそうだ。

こんな風に会話していると

「な、何や、ここ」
「妙に開けてますわね」
「む、無人島でしょ?ここ」

まるで人工的に切り開いたような場所に辿り着いた。

「そう言えば、噂では数多くの女性がこの島で殺害されたって」
「その噂はホンマやって聞いたで」
「つまり、魔術師が儀式の為に切り開いたって考えれば辻褄はあうけど」

嫌な予感がし、3人とも辺りを見渡したが、霊の姿は勿論気配すらしなかった。
とはいえ一度嫌な予感がしてしまえば、中々振り払えないので

「そ、そう言えばさ。「伝説の調味料」って何なの?」

ソニアは大きめの声で言うと、アテネも日向も考え

「普通に考えれば、何かしらのハーブやろうな。カレーにハーブを入れるって、聞いた事あるで」
「あ、成程。でも、ハーブなんて見分けつくの?」
「それは大丈夫ですわ。「伝説の調味料」がハーブだと言う保証はありませんが、もしそうなら何とかなりますわ」

自信満々のアテネに

「大丈夫なの?さっきも言ったけど、ハーブなんて」
「あのですね、ソニア。私はこれでも英才教育を受けた令嬢ですわよ。それ位容易ですわ」
「流石アテネお姉ちゃんやな。頼りになるわ」

褒められたアテネが自慢げになっていると

「ん!?」
「どうしたの?」

何者かの気配を察知し、再度周囲に目を向けると

「な、何や?いつの間に」
「こ、これは」
「女性達の霊、ですわね」

血塗れの女性が多くあらわれ、アテネ達を取り囲んでいた。

「やっぱり、噂は本当だったみたいですわね」
「殺された女性達の霊が、彷徨ってるって訳ね」
「・・・」

臨戦態勢を取ったアテネとソニアに対し

「まってや、2人とも。倒したらあかん」
「「え!?」」
「救うんや。可哀想やろ」

日向の言葉にアテネもソニアも「その通りだ」っと思い

「私達は、あなた方に危害を加えるつもりはありませんわ」
「話を、しましょう。女同士なんだし」

すると、霊達は近付くのを止め

「貴方達なら、分かるでしょ?英英に若くいたいって思った私達の気持ちが」
「そして騙されて無残に殺された私達の無念が」
「呪われてよ。気持ちが分かるならさ」

すると、アテネ達は

「確かに、気持ちは理解出来ますわ」
「女なら、老いと言う物は嫌な物だものね」
「ウチはまだ子供やけど、少しだけなら分かるわ」

3人の言葉に霊達は再び行進しようとしたが

「ですが、貴方達は愚か、ですわね」
「若さを追い求めたいってのは分かるけど、そんな誰でも分かる嘘に乗せられた方にも責任はあるわ」
「そうですわ。殺された事には同情しますが、永遠の若さなんて裏を返せば「永遠の孤独」ですのよ」

アテネの言葉に霊達はどよめいていた。

「永遠に若い。それはただただ不気味。つまり、「知り合いを作れず孤独こそが唯一にして絶対の友」になるんですのよ」
「そんな私は嫌よ。老いは嫌だけど、永遠の孤独はもっと嫌。なら大人しく老けて死ぬわよ、私は」
「せやな。言い方が悪いのはウチが謝るわ。でもな、お姉さん方」

日向は憐れむ様な顔になり

「もう、ええやろ。おるべき場所はここやない。何時までも現世にとどまっとったら、自分らが不幸なだけや。死者の世界に、行くべきやろ。恨みや憎しみは、何も生まん。頼む、無念や恨み、忘れてくれへんか?」

3人の言葉に霊達の雰囲気はがらりと変わり

「ありがとう。もう、逝くわ」
「私達が逝くべき場所に」
「ありがとう」

次々と消えていく女性の霊達に

「ま、待ってくださいな。この島にあると言う「伝説の調味料」は何処ですの?」
「ああ、それならこの先の洞窟よ。一目見れば分かるらしいから、辿り着きさえすれば、手に入れられるわ」
「ありがとな。元気でな」

霊は全員成仏し、3人は教えてもらった洞窟へ急いだ。

途中

「な、何や?急に仕掛けっぽい物が」
「きっと、魔術師が用意したものなんでしょう。ですが」
「私やアテネお嬢様にかかれば、何でもないわ」

紆余曲折ありつつ洞窟辿り着き、

「宝箱や。この中やな」
「さあ、日向さん。開けてくださいな」
「その役目、貴方が適任だからさ」

アテネとソニアに促され、宝箱を空けると

「な、何や、これ」
「これは、どう見ても」
「日本のレトルトカレーね。湯煎式の」

パックごとお湯で温めてご飯にかけるだけ。のレトルトカレーが大量に入っていて

「これ、どうするん?賞味期限は・・まだ平気やけど」
「置いて行きましょう。持って帰っても、邪魔なだけですわ」
「ハヤテさんの役には、たたないわね」

結局3人の冒険は無意味になってしまった。


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以上です。

次回は残ったナギ達の話です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月21日更新) ( No.13 )
日時: 2018/08/21 20:15
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、アテネ達は「伝説の調味料」を見つけたが、役に立たないので持って帰らない事にした。


アテネ達が無人島で色々な目にあっている頃

「こういうホテルの大浴場もいいもんだな、カユラ」
「そう、だな」

千桜とカユラは一緒にお風呂に入っていた。

「なあ千桜、聞きたい事があるんだが」
「ん!?なんだよ、改まって」

カユラは少し間を空け

「お前、綾崎君と一緒に風呂に入ってるんだろ?」
「な!?//////////////////////そ、それは/////////////////////////」
「隠すな。知ってるから無駄だぞ」

カユラのジト目に

「ま、毎日じゃないが、入ってるよ//////////////////////////////////」
「羨ましすぎるよ。私だって出来るなら毎日一緒に入りたい位だ」
「そ、そうか」
「で?好きな人と一緒に入る風呂はどんなもんなんだ?」

カユラの言葉に千桜は

「な!?い、何時気付いたんだよ。私がハヤテ君の事を・・」

カユラのニヤケ顔に千桜は「しまった」っと思ったが既に時遅く

「カマかけたんだよ。やっぱり、お前も」
「あ、ああ、そうだよ。私もハヤテ君が好きだって、やっと気付いたんだ」
「そっか。じゃあ、負けないぞ。私も綾崎君が好きだからな」
「私も負けんよ」


                   × ×


千桜とカユラが風呂でライバル宣言をしている頃

「あ、クラウスか?私だ、ナギだ。今から頼む物を直ぐに調達出来るか?  え!?出来る? 助かるよ。すまないな、急なうえに我儘言って。じゃあ、頼むぞ」

ナギは電話を切ると

「さて、後はっと」

ナギは戸締りを確認し、部屋を出た。


                   × ×


千桜とカユラが風呂上がりにゲームコーナーで休息をとっていると

「おお、お前達。ここにいたのか」
「ん!?なんだナギ、何か用か?」
「頼みがある」

千桜が聞くとナギは直ぐに返し、

「ハヤテ達は今、重要な任務に取り掛かってるだろ?」
「ああ。海の家の再建と言う任務をな」
「その通りだ、カユラ。ハヤテも悠太もカレーの制作に取り掛かっていて、あの2人なら間違いなく完成させられる。そうすれば名物になるのは間違いないだろ?」

ナギの言葉に千桜もカユラも無言で頷いていた

「だが、それだけじゃ難しいかもしれない。つまり、もう一つ位名物が欲しい所だ」
「成程な」
「だが、残念ながら私は料理は上手じゃない。「新しい料理」を作るなんて、不可能だ」

ナギが言うと

「じゃあどうするんだ?」
「料理下手の私でも出来て、名物にもなりえる物。それは・・かき氷さ」
「かき氷か。確かに「海の家の名物の一つ」って言える代物だな」

千桜が同意すると、カユラも無言で同意していた。

「だが、たまに見る「天然氷で作るかき氷」は割に合わん。どうしても値段が高くなる。専門店ならともかく、海の家に来るお客様はきっと買わない。買ってくれたとしても、1日に数人だ。アニメでありがちな大規模なリアクションが出る程美味しかったとしてもな」

2人はそれに大いに同意だった。

「だから、私はシロップに拘る事にした。勿論味も利益も優先でだ。氷は「水道水を凍らせただけの氷」だけどな。それでも美味しくなるシロップを作る事にした。これなら料理が上手じゃない私でも作れるだろ?」

「確かに納得だ。で、何を頼みたいんだよ」
「前置きが長くて忘れてたが」
「ああ、そうだったな。お前達には試食を頼みたい。自分で作った手前、「他人が不味いと罵る物でも美味しく感じる」ってフィルターが働くかもしれんからな」

ナギが頭を下げると、

「勿論構わんよ。だがな」
「厳しく行くぞ?売り物にする以上そうしないとお客様を満足させられないからな」
「むしろ徹底的に厳しくしてくれ。偶に「商品開発に密着」ってドキュメントあるだろ?あれに出る社長さんは凄まじく厳しい場合が多い。それ位してくれ」

ナギの決意に2人も覚悟が決まり

「分かった。協力するよ」
「私も協力するぞ」
「助かる」

ナギは大いに感謝していた。
すると?

「(フフフフフフフフフフフフフフフフ♪良い事思いついたわ♪手伝うふりして徹底的に邪魔しちゃいましょう♪そうすればそれはそれは面白い事になりますね〜♪そうなれば私のコレクションが♪ああ♪)」

とか考えていた人がいたそうだ。

その直後

「お嬢様、頼まれていたものです」
「おお、クラウス。早かったな」
「お嬢様のお願いですから。多少無理はしましたが、手に入れました」

クラウスはナギに手渡すと、帰って行った。

「なんだ、それ」
「気軽に炭酸ジュースが作れる家電だ。これで私が考えたシロップに炭酸を入れて、つまり「炭酸かき氷」を作るのさ」
「おお、名案。美味そうだ」
「だろ?じゃ、早速取り掛かるぞ」

3人はナギの部屋に行き、「炭酸かき氷のシロップ」の制作に取り掛かった。

因みに

「(ふざけんじゃねえぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!なんで俺様を締め出してんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!徹底的にてめえの邪魔してコレクションする計画が台無しじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!俺様の楽しみの邪魔すんじゃねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」

とか思った人がいたそうだ。


                   × ×


それから1時間半程経った頃。

「暇ね〜」
「しょうがないわよ。ナギ達にしろハヤテ君達にしろ、「邪魔するな」って言われてるし」
「千桜やカユラ、ナギちゃんならゲームコーナーで大盛り上がり、って出来るんでしょうけど、私達はゲームにさほど興味ないしね〜」

麗とヒナギクは半ば愚痴合戦になっていた。
またある人物は自分の邪魔をされた事で、ずっと異様な雰囲気を出していた。

「ナギちゃん達を誘って、何かしない?」
「良いの?ナギ、怒ると思うんだけど」
「根を詰めすぎると良くないじゃない?休憩を兼ねてさ」

麗の言う事も尤もなので、ヒナギクも一緒にナギ達を誘った。

最初、ナギは大いに渋ったが千桜とカユラに促され、休憩を了承した。

「で?何をして遊ぶのだ?」
「・・考えてなかったわ」
「誘ってくれたことは嬉しい。感謝だってしてる。 でもな、せめて決めてから誘ってくれよ。私だって暇じゃないし」

愚痴るナギに、考え込む麗を気にしつつ

「で、どうなの?肝心の研究は」
「まあ、「良い所」までは行ってるよ」
「良さげな候補も幾つか出来てる。でも、「何かが足りない」で、止まっちゃってるんだ」

ヒナギクは千桜とカユラに聞き、2人は現状を報告していた。

「でも、少しだけ助かったよ、ヒナ」
「え!?どうして?」
「暖かい物を飲みながらだから、冷えたりはしてないけど、お腹いっぱいなんだ」

千桜とカユラはお腹をさすり、満腹を訴えていた。

「ナギが真剣だから、邪魔出来なくてな」
「休憩しようって、何となく言い出し難くて」
「そう。まあ、試食役なら私や麗が変わってあげるから、何時でも言って」

3人が話し込んでいる間

「う〜ん。トランプやUNOなら持って来てるけど、どう?」
「な〜んか、違うな。気分が乗らない」
「じゃあ、しりとりでもする?」

麗の提案にナギは良い事聞いたみたいな顔になり

「じゃあ、現物しりとりでもするか」
「なあに、それ」

聞いてきた麗にナギは眼鏡を直す仕草をし

「ルール自体は普通のしりとりと変わらん。だが、言葉を使う為にはその現物を用意しないといけないんだ。例えば、しりとりの始めとして割と定番の「りんご」を使いたい場合、「リンゴそのもの」を用意しないと、使用禁止だ。用意出来なかった場合、どれだけ巧みな言葉でも、駄目だってルールさ」

ナギが説明すると、全員「成程」っと言った顔になり

「面白そうね。それをやりましょ」
「じゃあ、順番はじゃんけんな」

審判を買って出たヒナギク以外でのじゃんけんの結果、麗からで

「私はこれよ」
「アイフォン?いきなり終わってるぞ」
「違うわよ。「携帯電話」よ」

ヒナギクがOKを出したので

「次はカユラだ」
「じゃあ「若本規夫の雑学語録CD」だな」
「なんでそれを持って来てるんだ!?」

千桜はツッコんだが、「カユラだから」っと思えば誰も不思議だとは思わず、スルーになった。

「じゃあ、次はナギね。「イ」よ」
「う〜ん」

ナギはあれこれ考え

「これだ」
「ナギちゃん、いきなり場所を変えてどうしたの?」
「これさ。「イスの汚れ」だよ」

ドヤ顔で言い切ったナギに

「無敵先輩、ジャッジは?」
「う〜ん。  まあ、一応現物だし、「特別にOK」にするわ」
「グヌヌ」

通ってしまったので、次の番の千桜は少し考え

「な、何をするのだ!!」
「くっくっく」

突然ビンタされ、苦情を言うナギに

「「冷酷な女」さ」
「ず、ずるいぞ!!!」
「フンッ。「イスの汚れ」なんてイレギュラーを持ち出したナギには言われたくないなぁ」

一応正論でもあるので、ヒナギクは少し考え「特別にOK」にした。

「じゃあ次はマリアだ」
「「ナ」は簡単ですよね」
「(「生意気なクソ野郎」じゃなくて)  「ナマケモノ」です」
「なんで私を指さすのだ!!」

マリアさんはナギを指さしながら言ったので、ナギが文句を言うと

「あらあら♪あなたの性質の事ですよ〜♪」
「違うわ!!学校だってちゃんと行ってるし、毎日家事修行してるじゃないか!!」

文句を言うナギにヒナギクは「NG」を出そうとしたが、謎の恐怖を感じ「OK」にした。

「じゃあ、私ね。ちょっとずるいけど「飲み物」よ」
「クッ。ずるいが、問題は無いか。よし、カユラ!!」
「えっと。じゃあ」

カユラは鞄をあさり

「野中藍デビューシングル夢のドライブ」
「だから、何で海水浴にそれを!?」

千桜もツッコミはしたが、違和感は特に感じていなかった。

「じゃあナギ、「ブ」よ。えっと、「フ」や「プ」でもいいけど」
「え、えっと。じゃあ「不倫カップル」だ」
「ナギ、決めつけは良くないと思うけど」

近くにいた男女2人を見ながら言うナギにヒナギクは異論を唱えたが

「実際は違うかもしれない。でも、「そう見える」って事だからOKにしてくれ」
「う〜ん」

悩んだが、聞く訳にもいかないので「特別にOK」にし

「じゃあ私は「ルーズリーフ」だ」
「はい、マリアさん」
「(「ふざけたクソ野郎」じゃなくて) 不真面目」
「だから私を指さすな!!!」

ナギは文句を言ったが、謎の恐怖を感じたヒナギクはOKにするしかなく

「え〜と、え〜と。ごめん皆。 「目」にさせて」
「し、仕方ない」

近くに見つからず、謝りつつ言った麗に皆は了承した

「じゃあ私は「めぞん一刻OP 悲しみよこんにちは」にする」
「さっきからスルーしてるが、お前は海水浴に何を持って来てるんだ?」

千桜はツッコんだが、「カユラだから」っと思えば不思議さは消えた。

「じゃあナギ「は」よ」
「はあ。もういいよ「ハヤテとの2ショット写真」これで終わりだ」

スマフォの画面を見せつつ言ったナギに

「あ、お前」
「休憩は十分だ。しりとりは私の負けで終わり。ほら、戻るぞ」
「「へいへい」」

疲れた様子で戻るナギに千桜とカユラは続き

「まあ、ナギちゃんの休憩にもなったし」
「ごちゃごちゃしたけど、一応は盛り上がったわね」

麗もヒナギクも部屋に戻る事にした。


因みに

「(だから俺様を締め出すんじゃねえよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!邪魔されて落ち込むてめえをコレクション出来ねえじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!結局完成出来なくてあの野郎に褒めてもらえなくて落ち込む所もコレクション出来ねえじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!俺様の邪魔が本当に好きだな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」

とか思った人がいたそうだ。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月24日更新) ( No.14 )
日時: 2018/08/24 23:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ナギは海の家の名物を作るため、かき氷のシロップの制作に取り掛かった。


ハヤテ達やナギ達が名物制作に取り掛かっている頃

「私の計画は、順調と言えますわね」
「そうなんですか?」

綾子がホテルの部屋で専属メイドの崎山に語っていた。

「ハヤテ様のお手伝いをし、私が「出来る女」だと伝える事によって、私の魅力の虜にする。今日の結果を見れば日を見るより明らかですわ」
「ですが、三千院様やディキソン様もいるので難しいと思いますが」
「崎山、そこは禁足事項ですわ」

メイドの天然発言にツッコミを入れ

「兎も角、ハヤテ様の勝負が終わるまでには結婚と言うゴールに行きついてみせますわ」

漫画にありがちなお嬢様笑いをする綾子に崎山は拍手を送っていた。


                   × ×


一方。

「ハヤ兄、ハヤ兄〜」
「おや?3人ともどうしたんですか?」
「ま、ちょっとな」

海の家で作業していた所、声をかけられたので出ると、アテネ・日向・ソニアだった。
ハヤテが用件を聞こうとすると

「あ、3人とも、戻って来たのね」
「まあ、色々ありましたけどね」

麗とヒナギクもやって来た

「それで。「伝説の調味料」は見つかったの?」
「伝説の調味料?何ですか、それ」
「この近くの無人島にあると言われている、入れるだけでカレーが画期的に美味しくなるスパイスの事よ」

ソニアが代わりに説明すると、

「そんなのあるんですか?」
「噂程度やったけど、探しに行ったんや」
「戻って来たって事は見つけたって事でしょ?」

麗が聞くと、3人とも長めの沈黙をし

「見つけたと言えば、見つけたんやけど」
「な、何ですか?」
「役に立たんから、置いて来たわ」

ガタッ

日向が説明すると近くで物音がしたが、特に気にせず

「すまんなあ、ハヤ兄。少しでもハヤ兄の役に立ちたかったんやけど、駄目だったわ」
「日向さん」

すると、ハヤテは落ち込む日向の頭に手を置き

「そのお気持ちだけでとっても嬉しいです。ありがとうございます、日向さん」
「ハ、ハヤ兄///////////////////////」

撫で撫でされ、喜んでいると

「ハヤテ、私だって頑張ったんですわ」
「そうよ。私も大変な目に遭いつつ頑張ったのよ」

不機嫌そうに睨む2人に

「えっと、どうすれば」
「分からないんですの?」
「簡単なのに?」

ハヤテは少し考え

「アーたん、色々ありがとね」
「フフッ♪」
「ソニアさん、ありがとうございます」
「エヘヘ♪」

アテネとソニアにも同じように頭を撫でた。

「それはそうと、カレーはどうなったんや?」
「ん!?完成したぜ。後はお客様に出す前に他の誰かに試食してもらうだけだぜ」
「そう言えば、ええ匂いやな」

奥の厨房からは良い匂いがしてきており、子供心を擽られ、匂いだけでご飯が食べれそうな程だった。

「折角ですし、皆さん試食をお願いできますか?ご飯も炊いてありますし」
「「「「「是非にお願いします」」」」」

返事は一斉で、ハヤテも悠太も席に座るように促し、準備に取り掛かった。
すると

「ハヤテ〜、まだいるか〜?」
「ん!?三千院さん、どうしたんですの?」
「なんだ、お前らもいたのか」

笑顔だったナギはアテネ達を見つけた事で一気に不機嫌になったが、ハヤテが顔を出したことで笑顔が戻った。

「ハヤテ、お前に朗報だ」
「なんでしょう?聞かせてもらえますか?」
「お前の為に、海の家のもう一つの名物を作って来たんだ」

嬉しそうに言うと

「お嬢様、もう一つの名物って」
「かき氷さ。そのシロップを開発したんだ。苦労したが、千桜とカユラのお陰もあって完成したぞ」
「そうでしたか」

嬉々としていうナギにハヤテは

「ありがとうございます。とっても嬉しいです」
「ヘヘッ♪」

頭を撫でてもらい、ナギは超上機嫌だった。

「ムググ。羨ましすぎる」
「まあ、確かに」

千桜とカユラも来ていて、ナギを羨んでいた。

「まあ、私達は試食して意見言っただけだし、我慢しろ」
「分かってるけど、羨ましいんだよ」

2人もハヤテが好きなので、嫉妬で気が狂いそうになったが、頑張ったナギを立てるために我慢する事にした。

「折角ですし、ナギさんも千桜さんもカユラさんもカレーを試食していってください。ナギさん作のかき氷は、その後っと言う事で」
「お、良いのか?じゃあお言葉に甘えて」

ナギはスキップしながら空いてる席に向かったが

「私は、遠慮する。お腹いっぱいなんだ」
「千桜に同じく。食べられない訳じゃ無いが、お腹いっぱいだし」

正直に言って、帰ろうとしたがハヤテに呼び止められ、振り返ると2人も頭を撫でて貰えて、お礼も言ってもらえた。

「得したな」
「ああ。嫌と言う程かき氷食ったが、見返りは十二分にあったな」

カユラも千桜も気付かぬうちにスキップしながらホテルの部屋に戻って行った。


一方。

「さあ、皆さんご賞味あれ」
「俺とハヤテが共同で作ったカレーだ」
「「名付けて「執事カレー」。さあ、どうぞ」」

全員で挨拶し、試食すると

「う、美味い!!!食べた事無い位美味いぞ!!!」
「ホンマや。圧倒的に美味いわ」
「そこらの専門店よりはるかに美味しいですわ」

ナギ、日向、アテネがこんな感想で

「う、嘘でしょ!?どこのスーパーでも買えるスパイスしか使ってないのに」
「すっごく美味しいわ。奇跡の味よ」
「これが海の家で食べられるなんて、来る価値あり過ぎよ」

ソニア、麗、ヒナギクはこんな感想だった。

「言っておくけど、危ない橋は一切渡ってねえぜ」
「危険な効力もありませんよ。まあ、「美味しすぎて止められない」ってなる可能性は否定出来ませんが」

全員無心で食べ続け、一気に完食した。

「流石ハヤテですわね。これなら目標達成は簡単ですわね」
「悠太も流石だぞ。美味かった」
「そりゃどうも」

全員大満足で、感傷に浸っていたが

「さて。ハヤテも悠太も座ってくれ。今度は私のかき氷も試食してくれ」
「了解しました。楽しみにしてますね」
「期待してるぜ、お嬢様」

ナギは真剣な表情で厨房へ向かい、数十秒後

「皆、待たせたな。名付けて「炭酸かき氷DX」だ」

ナギが出すと歓声があがり、見るからに美味しそうなかき氷であった。

「味は保証する、一応な。食べて、正直な感想を言ってくれ」

ナギが促すと、全員食べた

「あ、美味しい。新感覚の味です」
「この炭酸の刺激も新感覚ですわね」

ハヤテとアテネが感想を言うと、他の皆も同様の感想で

「凄いで、ナギお姉ちゃん。ハヤ兄達とカレーと、ナギお姉ちゃんのかき氷。大成功間違いナシや」
「悔しいけど、負けたわ」
「こんなの作れるなんて、感動しちゃったわ」

日向、ソニア、ヒナギクに言われ、ナギは満面の笑みだった。
すると

「(ふざけんじゃねえぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!何ちゃんとしたもの作ってんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!失敗して酷評されるか気を使われるかの光景がコレクション出来ねえじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!役に立たねえクソガキだな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」

とか思った人がいたそうだ。


                   × ×


翌日。

「お嬢様、本当に平気か?」
「問題ない。これ位乗り越えてみせるよ」
「しかし」

ナギは強い目で言い切っていたが、悠太の心配は消えず

「昨日は一日中働いてたし、それに割と遅くまで起きてたって聞いたし」
「大丈夫だって言ってるだろ。これ位乗り越えられないと、色々とな」
「・・分かった。暑いから、無理だけは止めてな」

実際、ナギは

「(神尾崎やクリスの奴がいるんだ。私だって頑張らんと、隙を突かれて負ける!!)」

とか思ってるのが真相だった。


その日、海の家はかなり大変だった。

「執事カレー」や「炭酸かき氷DX」が大人気で、SNS等で拡散されたのもあってか、行列が途切れる事無く続き、対応に追われ続けていた。
どれ位かと言うと、調理の3人も接客の3人も休憩時間などある訳も無く、閉店時間を延長せざるを得ない程だった。
勿論お客さんの満足度は圧倒的で「美味しかったよ」っと、殆どのお客さんが態々言ってくれた。


その日の夕方。

「つ、疲れましたわ」
「very tired」
「こ、これ以上はもう働けんぞ」

接客3人は口々に言い

「流石に疲れたな。俺もかなりの疲労感があるよ」
「私も疲れました。鍛えていたはずですのに」
「僕も流石にくたびれました。皆さん、お疲れ様です」

調理3人も疲労を隠せないでいた。

「でも、疲れててもお客様に喜んでもらえて、満足感でもいっぱいですよ」

ハヤテの言葉に皆同意で、疲れててもそれに文句を言う人は居なかった。

「このペースで行けば、借金完済は割と直ぐかもな」
「よしっ、頑張るのだ。 まあ、今日はもう無理だけどな」

6人共笑みを向けあい労いあっていた。

すると

「わはははははははっ。まだ終わりではないぞ〜」


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月27日更新) ( No.15 )
日時: 2018/08/27 19:15
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテと悠太の「執事カレー」とナギの「炭酸かき氷DX」が完成し、どちらも大盛況だった。


海の家を出て、突然した声の方へ行くと

「我が積年の恨み、晴らす時が来たのだ!!」

6人ともかなりリアクションに困ってしまい、その様子を見て

「どうした?怖くて声も出んのか?」

リアクションが皆無の6人に声の主もリアクションし辛くなっていると

「その声、桂先生・・ですよね?」
「まあ、声だけじゃなくてウザったい雰囲気も加味して、間違いはねえだろうな」

ようやくあったリアクションに満足している雪路?に

「なんだその変なお面。かっこつけのつもりなら、大滑りだぞ。点数なら「可愛そうだから3点(100点満点)」ってところだな」
「元々おかしい人だと思ってたけど、ついに本格的に壊れちゃったみたいだね」
「まあ、元々壊れてたがな」

他の面々(クリスは面識無いので別)は悠太とハヤテの言葉に何度も頷いていた。

「う、煩い!!我が恨み、晴らさせてもらうぞ!!それと、もう私は貴様らの知る「桂先生」とかではない」
「ああ、はいはい。付き合ってやるから、ちゃんと説明しろ」
「クックック。我は魔術師。この世を統べる王になる者だ」

名乗ると?やっぱりリアクションは薄く

「魔術師って、あの島で多くの女性を殺したっていう、例の」
「人聞きの悪い事を言うな。私は本当に永遠の若さを与えてやるつもりだった。儀式の反動に耐えられなかった奴らが悪いのに、私を異常者扱いし、挙句に処刑しおって。この恨み、晴らさせてもらう」

一応説明しますが、島の詳しい事は日向達が説明しました。

「くらえ!!」
「「うわっ」」

突然の攻撃だったが、ハヤテも悠太も余裕でかわし

「綾子さん、ナギさんをお願いします。こいつは僕と悠太が引き受けます」
「は、はい////////////////////了解ですわ//////////////////////////」

ハヤテに名前を呼ばれ、綾子は赤くなりつつナギを避難させた。

「(マスター。あの人はたちの悪い悪霊に憑りつかれてますね)」
「(みたいだね。でも、なんで桂先生が)」

ハヤテと白桜が話していると

「なああんた。なんでその体、借りられたんだ?」

「良いだろう、話してやる。体の主は「伝説の調味料」の話を聞き、「売れば大儲け出来る」とか考えて泳いで来たみたいだ。そこへ私が「体を貸せば島の財宝を全部やる」って言ったすんなり貸してくれたぞ」

魔術師の説明に全員呆れ

「なんか、らしいと言えばらしい理由だな」
「そ、そうだね。ってか船でも大変だったみたいのに、泳いで行くって」
「呆れるほど、金の亡者ですわね」

ナギ達に避難を終えた綾子が戻って来て、ハヤテや悠太同様に呆れていた。

「フッ。どうやら戦う気のようだが、良いのか?」
「何がですか?」
「私を傷つけると言う事は、この女の体も傷つけると言う事。それは出来まい」

余裕をかまして高笑いする魔術師に

「うりゃああ」
「うわあああっ、何をする。   っは、危ない!!」
「チッ、よけやがったか」

ハヤテが殴りかかり、文句を言っていると悠太が叢雲で斬りかかった

「き、聞いて無かったのか!!!私を」
「四神十字剣!!」
「だから!!!私を攻撃すればこの女の体を傷つける事になるんだぞ!!」

抗議する魔術師に

「別に構いませんよ。躊躇なんかしませんし」
「むしろ、「悪霊を退治するため」って大義名分をくれたあんたには感謝してる」
「桂先生は無駄に頑丈なので、ちょっとやそっとじゃくたばりませんわ」

ハヤテは白桜を構え、悠太は叢雲を構え、綾子は青龍と朱雀を構えていて、圧倒的に不利だった。

「き、貴様ら。この体を傷つける事に本当に躊躇いは無いのか?」
「ねえよ。寧ろ、桂先生には色々と思う事がある。物凄く悪い意味で、な」
「悪霊を退治する為に仕方なかったんです、って言い訳があるのである意味やりやすいですよ」
「って事ですので、大人しく成仏なさい」

ジリジリと迫る3人に魔術師も臨戦態勢を取った。
すると

「どうしたんですの?」
「あれ?アーたん、どうして」
「抜け駆けを・・オホン。貴方を迎えに来たんですわ。で?」

宙に浮き、ただならぬオーラを出す雪路にアテネは大体を察したのか

「桂先生?意識はあるんですのよね?」
「な!?体が」
「・・あるんですのね」

アテネはとても冷たい声で言っていた。

「今直ぐにその悪霊を追い出しなさい。命令ですわ」
「で、でも。ざ、財宝が・・」
「そうですか」

普段通りの雪路の声になり、命令に従わない雪路に

「それならそれで別に構いませんけど」
「え!?」
「追い出さないと言うのであれば、明日からお給料は年収1円になりますが、それでいいと言う事ですわね?」

睨み付けるようなアテネに雪路は冷や汗をかいていた

「勿論、転職なんか許しませんわよ。そんな事をすれば我が天王州家が全力をもって叩き潰しますが、ご理解いただけますか?」
「そ、そんな。理不尽な」
「それが嫌なら、今直ぐに悪霊を追い出しなさい!!」
「は、はい!!!!!!」

アテネのきつい口調の後、雪路が返事をすると仮面が砕け、黒い煙が飛び出した

「あ、あれが」
「任せて!!」

ハヤテはすかさず飛び出し、白桜で黒い煙を一刀両断した。

「グオオオ」
「成仏、する事ですね。あの世で反省する事です」

ハヤテが言い切ると、黒い煙は消え去った。

「すげえな。流石ハヤテだ」
「ありがと。白桜のお陰だよ」

一方

「あ、あのお、理事長?」
「なんですの?」
「あ、悪霊は追い出したので、お給料の件は、その」

必死の雪路

「ま、今回だけは特別に許してあげますわ」
「よ、よかった」
「ですが、今後同じ様な事をすれば、容赦しませんから」

アテネの氷の笑顔に雪路はただただ頷くしか出来なかった。


                   × ×


それから数日後。
その間は物凄く大変だった。

相変わらず「執事カレー」と「炭酸かき氷DX」は大人気で、SNSを見たお客さんが押し寄せ、1秒も泳がないのに態々来る人や、1日に3回も4回も来る人もいて猛烈な忙しさは暫く続いた。


そして

「約束は、果たしましたよ」
「す、凄いね。たったの4日で借金完済とは」

そう、圧倒的人気のお陰で目標金額を達成し、お釣りも来たほどだった。

「皆で頑張りましたから」
「大変だったが、頑張ったかいがあったんだぞ」
「そう、かい」

すると、ライフセーバーは首から下げていた王玉を手渡し

「約束の物だ。 君達にとってこれは、特別な物だったんだろ?」
「ええ、まあ」
「なら、約束通り君たちの好きにしていいよ」

ハヤテは王玉を受け取り

「(やっぱり本物だ。邪気はあるけど)」
「(マスター。出来るだけ早めに処理しちゃいましょう。厄介事が起こる前に)」
「(そうだね)」

ハヤテは相談し、ポケットにしまった。

「ああ、そうそう。これ、執事カレーのレシピです」
「特別な調味料とかは使ってないっすから、何処のスーパーでも手に入ると思いますよ」
「・・ありがと。役立たせてもらうよ。ここに来るお客様を喜ばせられるし」

ハヤテが「執事カレー」のレシピを手渡すと

「私のも使ってくれ。炭酸かき氷DXのレシピなのだ。私のも特別なのは使ってないぞ」
「良いのか、ナギ。あんなに苦労して作ったのに」

千桜が言うと

「良いんだよ。人の役に立つならな。 ああ、後。必要な炭酸製造機も使ってください。専用の替えのガスタンクも幾つか置いていくので」
「至れり尽くせりで、申し訳ないね。こっちもお客様の為に、役立たせてもらうよ」

ナギは笑顔で返し、この4日間に満足していた。

すると

「それにしても、君達にはでっかい借りが出来ちゃったね。思い入れのある海の家を再建して貰っちゃったし、良いレシピも提供して貰っちゃったし」
「そんな。そもそもこれは」
「良いんだ。 ああ、そうだ。君達は「一生無料」にしておくよ。じゃないと借りは返せない」

そう言うと、驚くハヤテ達に

「また来てほしいんだ。その時は大歓迎するよ」
「・・分かりました」

ハヤテとライフセーバーは固い握手をし、分かれた。


その日の夜。

「じゃあ、壊すね」
「ええ」

ハヤテは手に入れた王玉を白桜で一刀両断し、破壊した。

「これで、また1個」
「この調子で、全部見つかると良いな」
「そうだね。どこにあるか見当がつかないけど、全部見つけないと」


王玉の残り、9個


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回で海編はラストです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (8月27日更新) ( No.16 )
日時: 2018/08/30 15:50
名前: ささ

アテネ随分甘くなったなぁ〜いつもならクビににしそうだけど…
まぁ年収\1で転職禁止はクビよりも厳しいだろうな…
天王州家の権力ならあることないことでっち上げて雪路の教員免許剥奪できるんじゃない。(三千院家と神尾崎家もいるんだし)
とはいえハヤテが海の家とか反so(そこから先は血で読めない)
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Re: 女神と共に第四部 (8月31日更新) ( No.17 )
日時: 2018/08/31 00:21
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 アテネ「感想ありがとうございます♪」

 >>アテネ随分甘くなったなぁ〜いつもならクビににしそうだけど…

 アテネ「・・お疲れさまでした」
 雪路「いやいや。勘弁してください、本当に!!!」

 >>まぁ年収\1で転職禁止はクビよりも厳しいだろうな…

 アテネ「フンッ、当然の処分ですわ!!」
 ヒナギク「・・ごめんお姉ちゃん。擁護できない」
 雪路「・・・」

 >>天王州家の権力ならあることないことでっち上げて雪路の教員免許剥奪できるんじゃない。(三千院家と神尾崎家もいるんだし)

 アテネ「まあ、流石にそれは・・」
 ナギ「良いんじゃないの?色々あるし」
 綾子「ですわね。反対するのは少し悩む位ですし」

 >>とはいえハヤテが海の家とか反so(そこから先は血で読めない)

 ハヤテ「な、何でしょう。何か、嫌な予感が」
 悠太「大丈夫じゃね?  ・・たぶん」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (8月31日更新) ( No.18 )
日時: 2018/08/31 00:25
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテ達は見事に海の家を再建し、王玉を手に入れ、破壊した。


翌朝。

「う〜ん。朝か」

ナギは目を覚ますとパジャマから着替え、朝食の為にホテルの部屋から出た。
すると

「あれ?伊澄、お前も来てたのか」
「あ、ナギ」

すると伊澄は不思議そうにナギを見つめると

「ナギ、何時の間に私の家に来たの?」
「は!?ここはホテルだぞ。何を言ってるのだ?」
「そう言えば、ホントね。どうりで家にしては見覚えが無いと思ったわ」

ナギは頭を抱え

「で、お前は何で」
「えっと。朝起きて、寝間着から着替えて朝食をとろうと部屋を出て歩いてたら、ここに」
「相変わらずだな、お前」

溜息をつき、

「伊澄、今日海水浴の予定だから、お前もどうだ?」
「で、でも、私水着が」
「それ位近くのお店で買えるよ。それに、ハヤテもいるぞ。ハヤテに水着姿を見せれば・・」
「じゃ、じゃあ私も///////////////////」

ナギがハヤテの名前を出すと、伊澄は妄想したのか顔を赤くしつつ同伴を申し出た。


                   × ×


朝食後、ナギの部屋。

「今日こそは、今日こそは、なのだ」
「随分気合入ってんな。どうしたんだ?」
「そりゃそうだろ。だって今日はーー」

悠太は溜息をつき

「今日が最終日だもんな。明日の朝一で帰るもんな」
「ああ、そうだ。色々忙しくて出来なかったが、ハヤテを水着で魅了するのは今日が最後なのだ。気合も入るってもんだ」

ナギが高らかに言い切ると

「あらあら♪その貧相な体で魅了ですか〜♪そんな貧相な体で魅了される人は居ませんよね〜♪無駄な努力って言葉を調べた方が良いですよね〜♪貧相な体さん♪いい加減「自分の立場を弁える」って事を覚えた方が良いですよね〜♪それともそんな事も分からないおバカさんなんですか〜♪貧相体小娘さん♪」

「と、ともかく」

「あらあら♪無視ですか〜♪」

「ハヤテを魅了し、恋仲になってやるのだ!!」
「ま、頑張れよ。ライバル多いし」
「ああ」

かなりやる気になっているナギに対し

「(何だろう。さっきからこの部屋に異様な雰囲気が漂ってるんだが、気のせいか?)」

悠太は少し怯えていた。

「(それにしても本当にあいつらにはむかつくよな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!何で海の家の再建に成功してんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!失敗してかなりの額の借金背負った方が面白いだろうが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そうすればコレクションが増えたのによ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!俺様の邪魔すんじゃねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」

とか思っていた人が居たそうで、悠太が感じた異様な雰囲気は気のせいじゃなかったとか、気のせいだったとか。


                   × ×


着替え等割愛。

「ハヤテ、お前も大変だな」
「ま、まあね。慣れちゃったけど」

女性陣の着替えがまだなので(ハヤテと悠太は執事服のまま)、2人で話していた。

「一波乱あるよな。お嬢様がああだったし、全員「自分の水着姿で魅了する」って考えてるぜ」
「何とか・・・なると良いね」
「無理だな。俺のフォローじゃ限界がある」

悠太自身何とかしたいのはやまやまだが、出来る訳無いのでハヤテへのアフターフォローをするしかないのだ。

こんな風に話していると

「ハヤテ、お待たせいたしましたわ」
「フフ♪水着ガールズ参上よ」

アテネとソニアの声が聞こえ、見ると天王州家の女性陣が初日とは違う水着姿で現れた。

「どうや、ハヤ兄。興奮するやろ?」
「ちゃ、ちゃんと褒めろよな//////////////////」

千桜には若干の照れがあるようだが、皆堂々と自慢していた。

「皆さんとってもお似合いですよ。それぞれの個性が生かせてて、思わず見惚れちゃう程です」
「ハ、ハヤテ///////////////////////」
「やっぱ照れるな////////////////隠さんが//////////////////」

ハヤテの褒め言葉に各々照れていると

「ハ〜ヤ〜テ〜様♪」
「あれ?神尾崎さん」
「フフッ♪」

綾子当然の様にハヤテに抱き着き、ハヤテが自分を見ると少し離れて水着姿を自慢するように2〜3回回った後

「どうですの?私の水着は」

綾子はアテネ達同様初日とは違う水着で、そのスタイルを生かした格好で聞くと

「似合ってるよ。綾子の魅力が存分に生かされてて、見惚れちゃったよ」
「ハ、ハヤテ様///////////////////////////////」

ハヤテからすれば特に意味など無く綾子を敬語無しで褒めたのだが、綾子には「効果は抜群だ!!」状態だった。
当然アテネ達は一気に不機嫌になった。

すると

「ふ〜ん。そんな風に褒めるんだ。じゃあ、私達はどうなのかしら〜」
「そ、そうよ、ハヤテ君」

麗とヒナギクも初日とは違う水着姿でハヤテに詰め寄った。

「お2人ともお似合いですよ。勿論、魅力を十二分に引き出されてて」
「ま、敬語有りなのは見逃してあげるわ」
「///////////////////////////」

ハヤテに褒められたヒナギクは真っ赤になり、何も言えないでいた。
するとまたそこに

「ダーリン♪」
「クリスさん」

今度はクリスがハヤテに抱き着き、綾子同様少し離れて2〜3回回ってからそのスタイルを生かしたポーズで魅了した

「お似合いですよ。クリスさんの魅力が引き出されてて、見惚れちゃう程」
「oh。thank you」

クリスを褒めると、ダークオーラを感じ、振り向くと

「ハヤテ、我々はほったらかしか?」
「ハヤテ様、さっきから私もナギもいましたよ」

ナギも伊澄も水着姿で、かなりご機嫌斜めの状態で立っていた。

「そ、そう言う訳じゃ無いですよ。褒め言葉を考えていただけです」
「そうか。ならその考えた褒め言葉を聞かせてくれるか?」
「私達を納得させてもらえますよね?」

機嫌が直らない2人にハヤテは一瞬を遙かに超える速度で考え

「ナギさんは可愛いですね。普段も可愛いですが、水着のお陰でその可愛さが引き立ってます」
「そ、そうか///////////////////////////////」
「伊澄さんは、普段隠れがちな可愛さが引き出されてんすね。それだけでなく、普段通りの落ち着いた大人っぽい雰囲気も引き出されていて、とってもお似合いです」
「あ、ありがとうございます////////////////////////////////」

2人の機嫌が直り、一安心したのはやっぱり一瞬だった。
ナギと伊澄を具体的に褒めた事で他の女性陣は一気に不機嫌になり

「三千院さんも鷺ノ宮さんも生意気ですわよ」
「そうですわ。私のハヤテ様にそこまで褒めてもらうなんて、生意気極まりないですわ」

アテネと綾子の意見に他の面々も同意で

「ハヤテ、私の事も褒めなさい」
「ハヤテさん、私だって褒められたいわよ」
「ずるいで、ハヤ兄。ウチも褒めてや」

「ハヤテ君、私もその、褒めてくれ//////////////」
「ハヤテ様、私を今一度褒めてくださいな」
「ダーリン、praise me」

「ハヤテ君、私も褒めてよ!!」
「わ、私は、その///////////////////////////」

ナギと伊澄以外に詰め寄られ、ハヤテは困っていた。
なぜなら、先程十分に褒めたのに、また褒めろと言われたからだ。
まあ、ボキャブラリーはあるので問題は無いが、理由がわかないのである。

「(やれやれ。やっぱりただじゃ済まなかったか)」

悠太は呆れ、フォローを考えていた。
すると

「お前らいい加減にしろ!!!」
「既に褒めてもらったのに、また褒めてもらうなんて贅沢です!!」

この言葉に全員キレ

「本当に生意気ですわね〜」
「いい加減にしませんと、本気で怒りますわよ」
「I'm angry」

激しい言い合いになり、ハヤテは溜息をついて嵐が過ぎ去るのを待つしかなかった。
すると

「(フフフフフフフフフフフフフ♪これはこれは面白い展開になりましたね〜♪このまま全員潰し合ってくれたらより面白いんですけどね〜♪そうなる様に仕組んじゃおうかしら♪どちらにしろ私のコレクションが♪ああ♪)」

とか思った人がいたそうだ。

「こうなったら、誰が一番いい水着姿かハヤテに決めてもらいましょう」
「名案ですわね。それが一番手っ取り早いですわね」
「って事で、ハヤ兄」

全員の視線を一身に集め

「誰が一番か決めてください」
「ええ!?そ、そんな。それぞれ皆さんが一番じゃ」
「駄目です」

ずいずいっと責められ、困るハヤテに

「落ち着けよ、皆の衆」
「なんだよ悠太。邪魔するな」
「違えよ。このまま言い合いしても、無駄なだけって言ってんだ」

悠太はハヤテを含めて全員の顔色を窺いつつ

「いっぺんに言って、いっぺんに見せても困惑するだろ?だから、ファッションショーみたいに個人個人で見せれば公平なんじゃねえか?」
「成程。名案ですわね」
「でしたら、早速準備ですわ。 城山、崎山。準備なさい」

綾子が言うと、神尾崎家の使用人が集まって来て、会場の設営を始めた。

「悪いな、ハヤテ。後は任せた」
「もう。分かったよ」


                   × ×


で、準備も終わり

「さてハヤテ、これから私達が順番に出てきますから、評価しなさい」
「その上で、一番を決めてくださいね」

結局やらされる羽目になり、ハヤテは気が重かったが、参加した面々は割とノリノリでやっていた。
まあ、ヒナギクと千桜は少し恥ずかしそうにやっていたが。

「ハヤテ、聞かせなさい」
「私達の中で、誰が一番なんですの?」

全員の期待の籠った目にただただ困惑しか出来なかった。
確かに真面目に評価はしたのだが、ランク付けはどうしても出来なかった。

なので

「すみません。ちゃんと評価はしました。ですが、順位決めはどうしても出来ませんでした」

ハヤテが言うと、全員驚いていたが

「皆さんは、それぞれとても魅力的で、それに対して順位を決めると言うのはなんか、酷い気がして。なので、どうしても出来ませんでした。皆さんにはそれぞれ言葉だけでは言い表せない魅力があります。だから、何です」

さらなる説明に全員納得し

「まあ、それなら仕方ないですわね」
「ハヤテ様らしい理由で、納得しましたわ」

誰も異を唱えず、お開きとなった。

「そう言えば、カユラ」
「なんだよ、ナギ」

ハヤテ・悠太・神尾崎家の使用人が会場の解体をしている最中、ナギがカユラに話しかけていた。

「お前、随分静かだったよな?さっきのファッションショーには参加してたが、その前の私達の言い合いに参加しなかったし、その前の魅了合戦にも一応は参加してたが、ハヤテへの感想も求めてなかったし」

聞かれたカユラは少しの間間を置き

「参加したかったよ。褒められたかったし、私にも魅力はあるんだぞってな」
「だったら」
「でもさ、綾崎君の私への親密度は、残念だが少し低い。その状態で参加しても、勝てる見込みは薄かった。それだけだよ」

この言葉にナギは安心し

「良かったよ。お前の気持ちが変わって無くて」
「心配無用。私の綾崎君への想いは死んでも変わらん」
「そっか。それは私もだ」


この日は普通に海を満喫し、バーベキューで締めた。


まあ、順位付け出来なかった事で、アテネと綾子がホテルに無理言って、混浴する羽目になったが(ヒナギクは参加を表明したが、直前になって気絶したので入れなかった)。


因みに

「(フフフフフフフフフフフフフ♪海の家再建失敗のコレクションは出来ませんでしたが、それ以上のコレクションは得られましたね〜♪あの水着ファッションショーにしろ混浴にしろ最高のコレクションですよね〜♪これをネットに流せばそれはそれは面白い事になりそうですね〜♪そうなればまたコレクションが♪ああ♪)」

とか思った人がいたそうだ。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月3日更新) ( No.19 )
日時: 2018/09/03 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは毎度お馴染み天王州家。


「ハヤテ君、私は怒っているのです」
「は、はあ」

ルカはハヤテを自室に呼び出し、問い詰めていた。

「なんで怒ってるか、分かる?」
「い、いえ。分かりません」

ルカはやれやれと言った感じで首を横に数回振り

「ハヤテ君と私の関係は何? 結婚を前提とした恋人だよね?」
「え、ええ、まあ」
「にも拘わらず、ハヤテ君は海でアテネ達とキャッキャウフフしたでしょ?それに、だよ」

ルカが言い切ると、ハヤテは少し悩み

「あの、その言い方には語弊が」
「だまらっしゃい!!」
「で、ですが、海での出来事はお伝えしたはずでは」

アテネ達は帰宅後、仕事で同伴出来なかったルカに何があったのかをある程度詳しく伝えました。

「忙しかったとしても、最後は皆の水着を自慢され、おまけに皆でお風呂。これが彼女ちゃんがいる男性のする事ですかな〜」
「そ、それを言われたら、その」
「全く、もう」

プンプンと言った効果音が相応しいルカにハヤテは

「あの、僕はどうすれば」
「償いをする気はあるんだね? じゃあ、私とデートして」
「それならお安い御用ですよ」

ハヤテの返事にルカは笑顔になった。

「えっと、では」
「でも残念ながら、私は一兆万人のファンがいるアイドルちゃんなのです。遊園地などの人が沢山集まる場所には行けないのです」
「は、はあ、それはそうですね。では」

考え始めたハヤテに

「買い物に行こうよ。それなら軽い変装でも大丈夫だし」
「ですね。では近くの複合施設に、ですね」
「だね。あ、ついでにお願いがあるんだよね」

ルカはコホンと軽く咳払いし

「実は今度ある有名トーク番組に呼ばれたんだよね。その時に着る衣装を選んでほしいんだ」
「それはスタイリストさんが」
「ハヤテ君が選んでくれたのが着たいの!!文句ある?」
「無いです」

翌日はルカは半日休みなので、その日に出かける事になった。


                   × ×


翌日。

「じゃ、行こうか」
「ええ」

ルカは眼鏡をつけ、メイド長に気付かれ難いメイクをしてもらい、一緒に家を出た(アテネ達には内緒)。
すると、敷地内を出て直ぐ

「あ、ルカさん。デートなら腕を組みます?」
「お、ハヤテ君から提案するなんて積極的だね。勿論組むよ」

嬉しそうに言うと、腕を組み、近くの複合施設についても組んだままだった。

「さて。ここには幾つか服屋がありますが、行きたい場所はありますか?」
「う〜ん。 これと言って「ここだ」ってとこは無いんだよね。色々回りながら決めよっか」
「そうですね」

その後は幾つかの店舗を見て回り、良さそうな服を候補に入れつつ全て見て回った。

「候補は決まりましたが、どうしますか?」
「ハヤテ君に任せるよ。私に着てほしい服選んでよ」
「は、はあ。えっと、じゃあ」

考え込むハヤテに口を挟まず、ルカはワクワクしつつ待っていた。
少ししてから

「じゃあ、選んで持って来てよ。ここで待ってるからさ」
「わ、分かりました。行ってきます」

ハヤテが行ってしまったので、ルカはゲームを取り出して暇をつぶしていた。

暫くすると

「へい、彼女。暇なら俺達と遊ばない?」

一瞬だけ見ると明らかにチャラそうな3人組で、ルカは聞こえないフリをしてゲームを続けた。
何度も声をかけられたが、その都度無視したがあまりにしつこいので

「暇じゃないので、声をかけないでください」
「良いじゃん。何なら奢ってやるぜ」
「それ、ナンパですよね?なら、他をあたってください」

相手は食い下がって来たので

「おあいにくですが、私には結婚前提の彼氏がいるので、お応え出来ません」
「え!?そ、そんなのいるの?」
「そろそろ戻ってくるので、帰った方が良いですよ。その人、超強いので怪我したくなかったら早く立ち去る事をお勧めしますよ」

脅すような口調に相手は慌てて立ち去った。
その直ぐ後に

「買ってきました」
「うん、ありがと」

嬉しそうに受け取ったルカに

「中、見ないんですか?」
「信じてるから平気。あ、それより、私も水着欲しいな。選んでよ」
「あ、はい」

水着は2人で選び、その後

「ねえハヤテ君、あそこ、行こうよ」
「え!?あ、あそこはその///////////////////////////」
「別にいいじゃん。私達、恋人同士だし」

ルカは当たり前と言った表情だが、ハヤテは

「しかし////////////////////」
「ほら、行くよ。あ、ハヤテ君が選んでね」
「ええ!?///////////////////////////」

ハヤテとルカがやって来たところ。 それは「女性用下着の専門店」である。

「さて。ちゃんと選んでね」
「そ、それは流石に////////////////////////////」
「覚悟を決める!!ね?」

どうすべきか悩んでいると

「良いですね〜。彼氏が彼女の下着を選んであげるなんて」

店員さんに声をかけられ

「私達、それ位仲良いので」
「彼氏さん、ちゃんと選んであげないと駄目ですよ〜」

完全に逃げ道を失い、選ぶしかなかった。
途中、試着したルカを見させられ、照れつつも何とか幾つかの組を選び

「流石ハヤテ君。センスいいね〜」
「も、もう////////////////////次からは1人で選んでくださいよ/////////////////////」
「考えとく〜」

考える気が全く感じられない返事に、ハヤテは溜息をつくしか出来なかった。

その後はフードコートで遅めの昼食をとり、帰宅した。

まあ、帰宅後、アテネ達に問い詰められたのは補足の必要はないだろう。


                   × ×


数日後、トーク番組本番の日。

「ルカちゃん、その服似合ってるね」
「ありがとうございます。実はこれ、私服なんです」
「へえ、私服。凄いね」

MCの人と1対1の番組で、ハヤテが選んだ服を着て出演していた。

「ルカちゃんって、洋服のセンスもいいんだね。流石はトップアイドルってとこかな」
「ありがとうございます。でもこれ、選んでもらったやつなんです」
「へ〜。まさか彼氏が選んだって言うんじゃないだろうね?」

MCはジョークのつもりで言ったが、観覧の男性客はざわついていた。

「まさか〜。友達(建前)ですよ〜。 だって、彼氏はファンの皆ですもん」
「だね〜。冗談きつかったかな?」

その後は特に何も無く、生放送を終え楽屋に戻ると

「ねえルカ、その衣装なんだけどさ」
「えっと。本当の事はあの場では言えなかったので、誤魔化したんですが」
「やっぱり綾崎君のチョイスなのね。 まさか、一緒に出掛けてその時に選んでもらったとか言わないわよね」

明らかに誤魔化しに来たルカに

「デートするのは良いけど、マスコミやファンに見つからないでよ。お願いだからね」
「はい、勿論です」


                   × ×


また数日後。

「さてハヤテ君。今日私は偶々休みになったのです」
「は、はあ」

ルカはまたハヤテを自室に呼んでいた。

「この前水着を買いました。つまり、プールデートの為なのです」
「や、やっぱりですが」
「でも私はアイドルちゃんなので、普通のプールには行けません。変装もメイクも難しいのです」

そう言うと、ルカは間を空け

「だけど、ここは大財閥の家。庭にプールも当然完備なのです」
「ああ、はい。何日か前も使いましたし」
「だ・か・ら、そこでプールデートしよ。そこならマスコミとかにばれないし」

ルカは笑顔だったが「断らないよね?」っと言う脅迫が込められていて

「わ、分かりました。準備します」
「うんうん。あ、ハヤテ君も一緒に泳ぐんだからね」
「は、はい」

結局着替えも手伝わされ、プール後のお風呂も一緒だった。

因みに、アテネ達はメイド長や他の使用人が尽力したので何とかなりました。

「ハヤテ君、こうやって定期的にデートしようね」
「あ、はい」
「フフフッ♪」

笑顔のルカにハヤテは「アテネ達の機嫌取りは大変だけど、ルカが喜んでくれてるからいいか」っとか思っていた。



「(フフフフフフフフフフフフフフフフ♪ルカさんったらハヤテ君とデートして♪おまけに下着専門店まで行くなんて♪更にプールデートで水着の着替えも手伝わせるなんて♪これをマスコミに売ったらそれはそれは面白い事になりそうですね〜♪どうせなら色々脚色した方がもっともっと面白くなりますね〜♪どんなふうに脚色しようかしら♪悩むわね〜♪ああ♪)」



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以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月6日更新) ( No.20 )
日時: 2018/09/06 18:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み天王州家。


「さてハヤテ。私達は今、王玉を探して破壊するという重要任務についてますわよね?」
「ああ、うん」

アテネはハヤテを自室に呼び出し、紅茶を飲みつつ話していた。

「本来なら、何処にあるか見当もつかず、特殊なレーダーも無いので探し出すのは困難。ここまでは分かりますわよね?」
「って事はさ、アーたんは何個かは見当がついてるって事だね?」
「ええ。とは言っても一つだけですが」

アテネは紅茶を飲み、

「三千院帝の手元。そこに間違いなく一つはありますわ」
「まあ、確かにね。帝さんの性格を考慮すると、「王族の力」を手に入れる為に一つ位は保管してるね。確実に、ね」
「ええ。100%っと断言しても間違いはないですわね」

また紅茶を飲むアテネに

「あの人も「王族の力」を狙う一人。目的は分かんないけど、手に入れる時の為に手元に一つは保管しておき、その上で他の王玉を収集に奔走してても何の違和感もない」
「その通りですわ。ですから、その王玉も回収・破壊しなくてはいけません」

ハヤテも同じ事を考えていたが

「でも、どうやって?「壊したいから王玉ください」って言っても、それ以外の事を言っても絶対に渡さないよ、あの人は」
「勿論、方法は考えてありますわ」
「まさか、泥棒に入ってこっそり回収・破壊するつもりじゃ」

心配そうに言うハヤテに

「そんな愚かな事、しませんわ。あくまで合法的に回収・破壊しなければ意味がありませんわ」
「じゃあどうやって」

アテネは鼻を鳴らし

「例えば、ですわよ。部屋に本が落ちてたとしましょう」
「ああ、うん」
「それを「落ちてたよ」っと持ち主に届けるのは、違法ですか?」

当然の様に言うアテネに

「そ、それは」
「「親切」ですわよね?そして「合法」ですわよね?」

一応は正論なのでハヤテは少し黙ってから

「でも、そんな都合よく落ちてる訳無いじゃん。あの帝さんだよ?金庫とかに厳重に保管してるに決まってるじゃん。そんなのが偶然落ちてるなんて・・」

言葉を区切ったハヤテにアテネはジロリと視線を向け

「偶々を作れと。そういう事ですか、アテネ様や」
「そう言う事ですわ。愛するハヤテや」
「やれやれ」


                   × ×


で、帝邸。

「お久しぶり、ですわね」
「お久しぶりでございます」
「・・フンッ」

帝は不機嫌そうに鼻を鳴らし

「なんの様じゃ、アテネにハヤテよ」
「暑中見舞い、ですわ。最近とても暑いので」
「ああ、そうかい。どうせ魂胆があるんじゃろ?」

見抜くような目付きの帝にアテネは

「無いですわ、そんなの。ただの暑中見舞いですわよ」
「・・ワシは150まで生きる男じゃぞ。心配はいらん」
「ああ、そうですか。まあ折角来たので、今日はここに泊まりますから。ハヤテと共に」
「・・すきにせい。部屋なら腐るほどあるのでな」

その後暫くアテネも帝の睨み合う様に向かい合い、アテネとハヤテは部屋を出た。


                   × ×


その日の夜。

「ではハヤテ、確認しますわよ」
「ああ、うん」

アテネとハヤテは借りた一室で話し合っていた。

「ハヤテも思った通り、帝にとって王玉は何事にも代えがたい秘宝。厳重に保管しているはずですわ」
「って事はやっぱり」
「ええ。ここにある地下大金庫の最深部。王玉はそこに保管されてるとしか考えられませんわ」

2人は帝邸の図面を見ながら話しています。

「分かっていると思いますが、ここは古くからある宝物庫。三千院帝とはそれなりに長い付き合いですが、入った事はありませんわ。ですが、銀行などの金融機関の金庫の様に「ただの部屋」ではありません」
「そりゃそうだね。おそらく、数々の防犯装置と電子ロックで入る事すらままならない。だね」
「ええ、まあ。生きて帰らない魔境って聞いた事ありますし」

するとアテネは意味深な間を空け

「ですが、この私が居れば防犯装置も電子ロックも何てこと無いですわ」
「えっと。  一応聞くけど、どうやって?」
「私がパソコンで大金庫室の電子ロックを全て解除しますわ。ついでに予備電源も落としますから、カメラも警報も電子トラップも無効化出来ますわ」

アテネは一旦間を置き

「ですが、無効化の限界は1時間。その1時間で広大な金庫室で王玉を見つけ、戻って来なくてはいけませんわ。ハヤテ、大丈夫ですわよね?」
「大丈夫だよ。これでも過酷な修行を積んできた身だからね。何とかなるよ」
「ハヤテ」
「あ、でも」

ハヤテは言い難そうに言葉を詰まらせ

「大丈夫?アーたん、機械に凄い弱いじゃん。ガラケーすら満足に扱えないのに、電子ロックを解除するって高度なテクニック、あるの?」
「バ、バカにしないでくれます?これ位私の手にかかれば」

アテネはパソコンに向かったが

「えっと、これは、えっと」
「はあっ」

電源を入れるので精一杯で、高度なテクニックなど持ってる訳無かった。

「ほら、貸して」
「うう」

ハヤテはパソコンをいじり

「後はこのEnterキーを押すだけだよ。これなら出来るでしょ?」
「そ、それ位なら」


                   × ×


場所を移動し、大金庫室前

「じゃあ、アーたん。準備は良い?」
「ええ、良いですわ」
「間違えずに押してね。頼んだよ」

機械に弱いアテネだが、漫画にありがちの間違えて変なキーを押すなんて事は無く

「(解除された。ミッションスタートか)」

腕時計のストップウォッチ機能を起動させ、金庫に侵入した。

「(音声は途絶えてしまいましたか。ハヤテ、無事に帰って来なさいよ)」

耳に着けたインカムから雑音しか聞こえてこなくなり、アテネはそう判断してから外した。

「(まあ、ハヤテなら傷一つ負わずに帰って来れますけど)」

こう思って目を閉じたら、そのまま寝てしまったそうだ。


                   × ×


一方のハヤテ。

「(マスター、かなり暗いですが、大丈夫ですか?)」
「(平気だよ。暗い所でも判別出来る訓練積んでるし)」
「(じゃあ平気そうですね)」

普通の人なら真っ暗で動く事すら躊躇う場所でもハヤテはスイスイと歩き始めた。

すると、天井から槍が何本も落ちて来た。
が、ハヤテは舞でも舞う様に全てかすり傷一つ負わずにかわし

「(やっぱり、電子制御じゃないトラップもあったね)」
「(気を付けないと、マスターでもただでは済みそうにないですね)」
「(警戒ならこの屋敷に来た時からしてるよ。でも、その警戒レベルを引き上げた方が良いね)」

ハヤテは目付きを鋭くし、歩き出した。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月9日更新) ( No.21 )
日時: 2018/09/09 17:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテは三千院帝の持つ王玉を手に入れる為、大金庫室に侵入した。


「(ん!?)」
「(どうしました?マスター)」

突然立ち止まったハヤテに白桜が聞くと、ハヤテは前方の床を睨み付けていた。
そして何処からか石を取り出すと床に投げつけた。
すると、石が中った所に穴が開き

「(やっぱりね。あのまま進んでたら、穴に落ちてお陀仏だったよ)」
「(典型的なトラップですね)」

穴の底にはとても鋭い槍が何本も配置されており、普通に落ちたら体中串刺しになってお陀仏になっていた。

「(流石と言うべきか。こう言うトラップも多数設置されてるんでしょうね)」
「(ホント、気を付けないと)」

ハヤテはまた気を引き締め、歩き出した。

「(ところで、後何分位ですか?)」
「(45分、って所かな?)」

確認の為に時計を見ると確かにその通りだった。

「(念の為にも急ぎましょう)」
「(だね)」


暫く歩くと

「(しかし。マスターはこの暗闇でも普通に歩いてますよね。小説じゃ分かり難いですが、明暗が無いみたいに)」
「(訓練したからね。「暗闇で敵が襲って来ないとも限りません。暗闇でも瞬時に見える様になってください」って、散々訓練したし)」
「(その訓練がこんな所で役立つなんて、なんか皮肉ですね)」

白桜の言葉にハヤテは苦笑いし、先を急ぐ事にした。


                   × ×


暫くすると、辺りの雰囲気が変わって来て

「(あ、マスター。あれを)」

前方に鍵のかかった扉があり、その鍵を見て

「(これなら壊せなくは無いけど、あんまり強引な手を使うのもあれだしね)」
「(ゲームとかだと、近くに鍵を入手する方法があるのが定番ですが)」

周囲を探すと子犬が居て、その直ぐ横に

「この犬を倒すと扉の鍵が手に入るよ」

っと書かれていた。

「(倒すって、この犬を、ですか)」
「(なんか、罪悪感半端ないんだけど)」

子犬は小刻みに震えてて、「怖がりな可愛い犬」っと言った感じだった。

「(でも、目的の為には時には心を悪魔にするしかないけど)」
「(流石に相手が相手ですから、悩みますね)」

ハヤテは暫く悩んだ末

「(でも、他に方法もなさそうだし、やるしかないよ)」
「(私はマスターの決定に従うだけですけどね)」

覚悟を決め、臨戦態勢をとると

「な!?こ、これは」

犬が変化しており、ハヤテより数倍はある筋肉質な怪物になっていた。

「(これなら、手加減したり戸惑いを感じたりする必要はないね)」
「(ええ。全力で潰しちゃいましょう)」

白桜を召喚し、怪物に立ち向かった。


                   × ×


「(思ったよりあっけ無かったね)」
「(っと言うか、マスターが強すぎるだけですけどね)」

ハヤテはかすり傷どころか汗の一滴すら流しておらず、楽に扉の鍵を入手していた。
鍵で錠前を外し、扉を開けると薄明かりが灯っていた

「(この先も、あんな風なトラップが続くんでしょうか?)」
「(分かんない。でも、その都度対応していけば、何時かは着くよ)」

駆け足で廊下を進んでいくと、また扉があり、開けると

「(な、何これ)」

先程までの雰囲気とはがらりと変わり、異質な雰囲気で

「(ここまでする必要、あるんでしょうか?)」
「(ってかこんなもの作る位なら、電子ロックの必要、無いよね)」

部屋の雰囲気に驚き、思わず感想合戦になっていた。

「(大丈夫ですか?いくらマスターでも)」
「(守護光速拳を駆使しても、厳しそうだね。落ちたら死んじゃうし)」
「(ですね。ゲームなら「慣れない限りクリア出来ない難関ステージ」ですからね)」

下には明らかに本物のマグマが煮え滾っており、いくらハヤテでも落ちれば即死は免れなかった。

「(さて、どうしたものかな。ん!?)」

流石に困り、周囲を見渡すとドアがあり、「秘密の橋制御室」っと言う張り紙が貼ってあった。

「(制御室、か)」
「(まあ、昔のゲームならいざ知らず、最近のゲームじゃ「クリアを手助けしてくれる救済措置」があるのが一般的になってますからね)」

ハヤテも同意見だったが

「(これ、明らかに罠だよね)」
「(ですね。明らかに困難が待ち受けてますね)」

少し考え

「(行くしかないね。この世の均衡の為に)」
「(ええ。時には罠に飛び込んでいく必要もありますしね)」

結論付け、ドアを開けると

「「(こ、これは)」」

衝撃的な光景が飛び込んできた。
それは

ハヤテと同じ位の年齢の女の子が涙目で立っていて、その横に「秘密の橋が出現するスイッチを隠し持ってるよ」っと書かれた立札があった。

「(隠し持ってるって。この子、水着じゃん)」

ハヤテが思わず心の中でツッコミを入れ、その直ぐ後

「あ、あの。貴方はどうしてこんな所に?」
「え、えっと」

ハヤテが話しかけると、女の子は少し迷いつつ

「私、牧瀬恋葉って言います。 家がビンボーなので、このボタンを隠すバイトで稼いでて」
「そ、そうなんですか。まあ、貴方の事情は分かりかねますが」
「私、このバイトは週4で入ってます」
「け、結構マメに入ってるんですね」

ハヤテが呆れるやら感心するやらの状態でいると

「家、お母さんは病気だし弟は空腹で。スイッチを渡しちゃうと時給が下がっちゃうんです」
「結構深刻な事情があったんですね」

流石に同情していた

「あの。諦めて帰ってください」
「そ、そう言う訳には」
「で、でも。このボタン欲しさに変な事したら、う、訴えますから」

涙目になりつつ真剣に言う恋葉にハヤテは

「(ま、まずいな。ある意味過去最大級の試練だ)」

果たして、どうなる!?


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月12日更新) ( No.22 )
日時: 2018/09/12 17:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、大金庫に侵入したハヤテは最初の関門は突破したが、二つ目の関門として牧瀬恋葉が立ちはだかった。


ハヤテは恋葉と対峙しつつ考え込んでいた。

「(熔岩地帯は渡れない。守護光速拳を駆使すれば何とかなるかもしれないけど、賭けの要素が強すぎて実行は出来ない)」
「(おまけにその賭けは9割9分失敗する賭けですね)」
「(だ、だよね)」

ハヤテは同意しつつ

「(渡る為には架け橋が必要不可欠。その架け橋をかけるためのボタンはこの子が持ってるみたいだけど)」
「(確認した方が良いですね。立て看板が嘘の可能性もありますし)」

白桜に言われ、

「一応確認しますけど。持ってるって事は今貴方が直接持ってるって事ですよね?」
「はい。私が今、直接持ってます」

そう言われ、

「(ど、何処にあるって言うんだ。手に持ってる様子は無いし、水着に怪しい膨らみは無いし)」
「(じゃあ、あの胸の中しか無いですよね。マスターの読み通りなら)」

白桜に言われ、あまりに直接的な言い方に呆れつつ

「(アーたんや神尾崎さん、クリスさん程じゃないけど、かなりの大きさだな。あれ位あれば、ボタンどころか鳩さえも隠せそうだし)」
「(鳩は流石に。ってか私に呆れたくせに冷静に分析しないでください)」

白桜に突っ込まれつつハヤテは推理を続けた。

「(でも、隠し場所が分かった所でどうしよう。アーたん・神尾崎さん・クリスさんだったら、触った所で大丈夫かもしれない。寧ろ「触らせて」って直接お願いしても大丈夫そうだけど)」

まあ、その3人なら「触りたかったの?はいどうぞ」って普通にOKするよね。

「(でも、この人じゃ駄目だ。さっき「告訴する」って言ってたし。「事故だった」ってのも通用しそうにないし)」
「(まあ、ここは例の何とかLOVE的な作品じゃないですしね)」

白桜の意見は尤もなのだが

「(まあ、仮に告訴されても天王州家の権力をもってすれば何とか出来ちゃうだろうけど、そんな強引な手段は使いたくないし)」

ハヤテはあれこれ考えつつ腕時計を見て

「(何時までも考え込んでいる場合じゃないか。早く手を打たないと)」

再び考え始めると

「あ、あの。今何を見たんですか?」
「え!?ああ。時計を見たんですよ。ここにいられる時間は限られているので」

ハヤテが腕時計を見せると、恋葉がスタンガンで腕時計を壊した。

「な、何を!?」
「作者さんの言う通り、スタンガンで時計を壊したんです。痛かったら謝りますけど、これも規約に入っているんです」
「そ、そうですか。まあでも、僕の体内時計は割と正確なので、腕時計が無くても困りませんけど」

ハヤテが言うと、恋葉は衝撃を受けた様に黙り込んでしまった。

「しかし、なんでまたこんなバイトを?事情がありそうですが」

ハヤテが聞くと、恋葉は少しの間俯いて黙り込んだ後

「明後日が、弟の誕生日なんです」
「え!?」
「私、約束したんですよ。新学期に備えて新しい多機能筆箱を買ってあげると。だから」
「この変なバイトをしていると」

恋葉は頷きつつ

「このバイトは時給925円なんです。さっき言った理由でバイト代がどうしても必要なんですよ」

重い理由にハヤテは困惑してしまい、そこに

「もう、帰ってください。貴方が奥へ行くのを諦めてくれれば、病気の母にケーキを買って帰る事も出来るんです」
「し、しかし。僕には果たさなければならない使命が」
「じゃあ、どうするつもりですか?まさか私を押し倒し、私の胸をまさぐるつもりじゃ」

ハヤテはいきなり恋葉を壁ドンし

「貴方の事情は分かりました。辛かったでしょうね。 ですが、僕は大切な人を守る為や大切な使命の為なら、どこまででも非情になれるんです。それこそ鬼や悪魔などと罵られる事も厭わず」

ハヤテが言い切ると、恋葉は目を瞑り

「だったら、貴方の好きにすればいいじゃないですか」
「え!?」
「鬼や悪魔にもなれるんでしょう?だったら実際になって、私の胸を好きにすればいいじゃないですか」

思わぬ発言に驚いていると

「で、でも。貴方が私の胸を好きにすれば、病気の母と幼い男の子が困る事を忘れないでください」
「・・・」
「ど、どうしたんですか!?私の胸を好きにするんでしょう?さあ、早くしなさいよ!!!」

震えながら、涙を流しながらも強い言葉の恋葉にハヤテは

「(これは流石に、無理だね)」
「(ですね。ここまでの事情があるとは思いませんでしたし)」

ハヤテは考え

「(こうなったら、無理やりにでも溶岩地帯を渡るしかないかな)」
「(守護光速拳を大きく発動させれば、何とかなるでしょうが、主である貴方に仕える剣として、それは何があっても止めさせてもらいます)」

ハヤテ自身溶岩地帯を無理やり渡るのは何としても避けたかったが、ボタンの入手は困難。
ハヤテは今迄の執事生命で培った経験を総動員し、打開策を探していた。

すると、ある一つの案が浮かんだ。

「確かに僕はさっき、鬼や悪魔になれると言いましたが、それは相手が悪人限定です。貴方の様な純粋で美しい方には、そんな酷い事は出来ません」
「・・・」
「ですから、僕と取引しませんか?」

壁ドンをしつつ言うハヤテに

「取引、ですか?」
「ええ。貴方が持っている「秘密の橋が架かるスイッチ」を僕に10万円で売ってくれませんか?」
「・・・」

壁ドンを続けつつハヤテは

「それならば、貴方も困らず、僕も目的を果たせます。大丈夫です、必ず払いますから」
「で、でも」
「でしたら、15万円でどうですか?お望みならば、もっと」

ハヤテが更なる増額を提示しようとした所

「本当に、スイッチを渡すだけで15万もくれるんですか?」
「ええ、絶対に。僕は約束は必ず守るんです。約束は、破った事はありません」

するとハヤテは壁ドンに顎クイを加え

「僕の事、信じてくれませんか?後日、絶対に貴方に15万円お支払いします。ですから、スイッチを渡してくれませんか?」

壁ドン+顎クイで、キスが出来る程の至近距離でハヤテが言うと

「分かり、ました。スイッチを渡すので、良いと言うまで後ろ向いててください」
「取引成立ですね。では」

ハヤテは壁ドン+顎クイを止め、少し離れてから後ろを向いた。

恋葉はスイッチを取り出し(ハヤテの読み通り胸から)、ハヤテに手渡した。

「ではまた後日。2〜3日以内には支払いますから」

そう言い残し、ハヤテは部屋を出て行った。

「・・・」

残された恋葉は胸の所で拳を強めに握った。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月15日更新) ( No.23 )
日時: 2018/09/15 22:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、大金庫に侵入したハヤテは第二関門も突破した。


制御室を出たハヤテは早速スイッチを押した。
すると部屋の中心に橋が架かり

「(マスター。急いだ方が良いかもしれません)」
「(そうだね。時間を浪費しちゃったし)」

駆け足で橋を渡り、先を急いだ。

「(後、どれ位でしょう?)」
「(30分位かな。帰りも考えたらギリギリかもね)」

少し走るとまた雰囲気が変わり

「(この感じからすると、次の関門が近いのかもしれませんね)」
「(やれやれ。次は「ある意味難しい」は避けてほしい物だけど)」

また暫く走ると扉があり、開けると

「こ、これは、いったい」
「(物々しい雰囲気、ですね)」

ゲームで言う所の「最終決戦間近の通路」っと言った所で、嫌が追うにも緊張感を高められた

「(どうやら、これで行の関門は最後みたいだね)」
「(ですが、基本的にこう言う「最終関門」は総じて厳しい物です。幾らマスターでも、心してかかってください)」
「(分かってるよ)」

相談し終わると、奥の扉が開き

「待っていたよ、挑戦者よ」
「あ、貴方は確か。  三千院家執事長のクラウスさん」
「その通りさ。まさかここまで人が来るなんてね」

2人は対峙しつつ

「どうして貴方が。執事長と言う高い立場にいるのに」
「・・ッフ。何故、か。 それは簡単な事さ」

クラウスは少し間を置き

「バイトだからさ。しかも週4のな」
「いやいや。この小説では結構良い立ち位置なのに、何で」
「老後貯金の為だ。沢山あった方が、安泰だろ?」

一応は正論なのだが、バイトせずとも普段の収入で十分のはずなのだが、

「なんか、色々大変なんですね」
「そうだろ〜。ワシだって出番が欲しいんだよ。「老後貯金の為のバイト」っと言うのは建前なんだよ〜」

ハヤテは可哀想に思ったが

「ですが、ここにいるって事は貴方が最後の難関っと考えて良いって事ですよね?」
「ああ、そうさ。かかってくると良い。ワシを倒さんと、先へは進ません」

そう言うと、斬りかかって来たのでハヤテは避けた。

「噂に名高い天王州家使用人長である君と戦ってみたかったのだよ。さ、剣をとれ。「正々堂々と」勝負だ」
「良いでしょう。ただ、勝負の前に言っておきます」

ハヤテは白桜を召喚し、

「勝負となれば、僕は「手加減はしても情けはかけない」が主義ですが、それでも」
「構わん。男同士の決闘なら、なおさら情けは相手への侮辱だ」
「・・ですね」

2人は剣を交えた。

激しい鍔迫り合いで、どこぞの剣客漫画の様なバトルだった。

暫くの鍔迫り合いの後

「嬉しいよ。久々の強敵に。年甲斐も無くワクワクしとるよ」
「そりゃ光栄ですよ。ですが・・・」
「うおっ」

ハヤテはクラウスを数m弾き飛ばし、

「失礼ながら言わせてもらうと、弱いですね」
「な、何!?」
「僕を鍛えてくれた師匠の方が、何十倍も強いですよ。貴方では、比べ物にはなりません」

余裕のある態度で言われ、

「フ、フンッ。なら、ワシも本気を出すまでだ」
「僕には最初から全力を出している様に感じましたが、それが強がりじゃないと信じますよ」

しかし、実力の差は明らかだった。
クラウスは全力だったが、ハヤテは実力の3分の1さえも出しておらず、守護光速拳も未使用である。

「もう、良いですよね?僕には時間が限られてるので」
「何!?」

ハヤテはクラウスの剣を弾き飛ばし、連撃を加えた。

「ぐ、ぐぅ」
「僕の勝ちですね。先に行かせてもらいますよ」
「やはり、強いな。先に行く前に、聞かせてくれ」

クラウスは倒れたまま、少し間を置き

「何故、ワシは生きている。その剣の強さは、相当な物のはずなのに」
「白桜は僕の意思で斬れなくする事も可能なんです。だからですよ」
「ッフ。やはり手加減されていたか。ワシの完全な負けだな」

ハヤテは気にしつつも先を急いだ。

「引退、か。そろそろだな」


                   × ×


部屋の奥の扉を開けると直ぐにそれらしき部屋であり、部屋の中央に

「これは、王玉」
「(間違いなく、本物ですね。しかも、光を失っていない)」

保管されていた王玉には邪気が無く、その気になれば直ぐにでも使用できる状況だった。

「(さ、早く持ってっちゃおう。後、20分位しかないし)」
「(そうですね。こう言う所の仕掛けは帰りの方が過酷なので、急ぎましょう)」

ハヤテは王玉を胸ポケットに入れると、脱出を急ぐ事にした。


                   × ×


「っは!!!」

部屋で待機していたアテネはやっと目覚め

「あ、寝てましたわ」

目を擦っていると、ドアがノックされ、開けると

「アーたん、ただいま」
「ハヤテ。お帰りなさい。そしてお疲れさま」

ハヤテを室内に招きつつ、労を労った。

「で、どうでしたの?」
「う〜ん。まあ、帰りの方が大変だったけど、平気だったよ。掠り傷一つ、負ってないよ」
「流石ハヤテですわね。で、王玉は」

ハヤテは胸ポケットから王玉を取り出し

「やっぱりあったよ。おまけに」
「光を失ってませんわね。流石三千院帝、ですわね」
「あの人の目的が何であれ、蒼穹に手を打った方が」

するとアテネはハヤテを遮り

「手は打ってありますわ。安心なさい」
「ああ、そう。ま、これで任務達成だね。 取り敢えず、もう寝よっか」
「ですわね」

抱き着いてきたアテネにハヤテは

「やっぱり、一緒に寝るんだね」
「当たり前ですわ!!邪魔者が居ない以上今夜は・・」
「ここじゃ書けない事は止めてね、お願いだから」
「・・・善処しますわ」


                   × ×


翌朝(何もありませんでしたよ)。

「王玉を、お届けに参りましたわ」
「な!?お前、これワシのじゃないか!!」

アテネが差し出して来てる王玉を見て、帝は文句を言っていた

「なんでお前が持ってるんじゃ!!これは金庫に」
「落ちてたんですわ、何故か」
「ええ。何故か、ね」

当たり前の様にアテネは言い、ハヤテも当たり前のようにフォローした。

「そんなわけあるか!!」
「偶然と言うのは恐ろしいですわね、ハヤテ」
「だね。偶然と言うのは、時には恐ろしい物なんですよ」

また当たり前に言う2人に

「大体、何処に落ちてたんじゃ!!」
「廊下に」
「廊下に落ちてたのを、アーたんが拾って届けに来たんですよ」

またまた当たり前に言う2人に

「そんな偶然あるか!!」
「で・す・か・ら、偶然は時には怖い物だと」
「怖いですね〜偶然って」

またまたまた当たり前に言う2人に

「こんな事許されるか!!犯罪じゃぞ!!」
「でしたら、警察にでも言いますか? 「金庫にしまっておいたはずの物が手元にあるんですが、どうにかしてください」って」
「グヌヌ」

言った所で相手にしてもらえないので

「まあ、良い。どうせワシの手元にある以上お前らは」

帝がジャグリングの様に王玉をポンポンと跳ねさせていると

「な!?」

窓の外から何かが飛んできて、王玉を粉々に壊した

「あらあら。偶然って、本当に怖いですわね」
「どこかから王玉が壊せる攻撃が飛んでくるなんて、貴方も相当不幸なんですね」
「お、お前ら、これが目的か!!」

帝は怒っており

「報告は来てる。お前らが王玉を探求・破壊の為に動いていると」
「さあ、何の事でしょうね」
「僕らはただ、暑中見舞いに来ただけですよ。そしたら偶然王玉を拾い、それを届けたら偶然王玉が壊せる攻撃が飛んできた壊れてしまった。それだけです」

あくまでとぼける2人に

「お、お前らな」
「なんですの?」
「ま、まあいい。今回は不問に期してやる」

このまま言い争ってもただの水掛け論でしかないので、帝は折れた。

「じゃがワシは諦めん。王玉は必ず手に入れる」
「フンッ。手に入れられると良いですけどね」

アテネは捨て台詞を吐き、部屋を出た。ハヤテもそれに続いた。

「・・・王玉の破壊、か。お前らの目的が、果たせると良いがな」


                   × ×


アテネ達は帰る為に庭に出た。
すると

「あ、伊澄さん」
「ハヤテ様。偶然ですね」
「・・そうですね」

ハヤテは一旦話を合わせ

「伊澄さんのお陰です。ありがとうございます」
「な、何がでしょうか。私はただ・・ふえっ!?/////////////////////////////////」

ハヤテに突然抱きしめられ、伊澄は真っ赤になった。

「お礼は、ただ何となくです。ハグも挨拶です」
「そ、そうですか////////////////////////////////////」

伊澄はこのまま抱きしめられていたかったが

「ハ〜ヤ〜テ〜」
「ア、アーたん」
「フフッ♪帰りますわよ♪」

最上級の笑顔のアテネにハヤテは嫌な予感しかしなかったが、従わないともっと大変な事になると思ったので、大人しく帰る事にした。

「(天王州さんに協力して正解でしたね。良い思い出来ましたし/////////////////////////)」

好きなハヤテに抱きしめられて、伊澄は暫く余韻に至っていた。

帰宅後、ハヤテが色々大変だったのは、言うまでもないだろう。




「(ふざけんじゃねえぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!何で無事に帰って来てんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!てめえが死ねば色々面白かったじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!まずは帝のクソ爺を困らせられたじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!それによ、てめえに恋焦がれてる奴らだって悲しんでいる所を徹底的に追い詰めてコレクション出来たじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!俺様の楽しみの邪魔すんじゃねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」





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以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月18日更新) ( No.24 )
日時: 2018/09/18 23:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは毎度お馴染み天王州家。


ハヤテは朝食の仕込みを終え、一息ついていた。
すると携帯が鳴り、画面を見るとクリスだった。

「はい、もしもし」
『はあい、ダーリン。are you okay?』
「あ、はい。大丈夫ですよ」

ハヤテが答えると、クリスは直ぐに

『実は、今日employeeが皆休みで。ダディとマミィもいなくて』
「そうだったんですか。じゃあ」
『exactly。家に1人だからlonelyなの。だから家に来てほしいんだけど、are you okay?』

聞かれたハヤテは少し考え

「はい、大丈夫ですよ。えっと、今から伺えばいいんですか?」
『exactly。じゃ、待ってるわね』

ハヤテは軽く準備を整え、廊下を歩いていると

「あら。ハヤテ、何処に行くんですの?」
「アーたん。 は、早いね」
「ええ、まあ。それより」

割と早い時間なのだが、アテネが起きてる事に驚きつつ様子を窺っていると

「何処に行くかと聞いてるんですのよ」
「ちょ、ちょっとね」
「ふ〜ん」


                   × ×


場所は変わり、ディキソン家。

「ダーリン、来てくれて嬉しいわ」
「は、はあ」
「ところで」

歓迎の意を示してくれたクリスだったが、直ぐに不機嫌な顔になっていた。

「ミス天王州はなぜここに?」
「フッ。愚問ですわね」

何時もの様にハヤテに後ろからしがみついているアテネは当たり前の様に

「ハヤテが出かけるなら、主である私も一緒と言うのは何の不自然さも無い、っと言うよりごく自然な事ですわ」
「・・・」
「それに。1人で寂しいと言うなら、もう1人位いた方が、色々といいはずですわ」

一応は正論なので、クリスは黙り込んだが

「(折角ダーリンと2人きりになるチャンスだったのに。邪魔しないでほしいわ)」
「(フンッ。ハヤテと2人きりなんて、意地でもさせませんわ)」

お互いにこう思っていた。
睨み合う2人にハヤテはどうすべきか少しの間悩んだ後

「えっと。クリスさん、朝食は」
「yet。食べてないけど」
「で、では。僕が作りますね。キッチン借りて、食材も使わせてもらいますね」

クリスは快くOKし、ハヤテは居間を出て行った。
すると再びアテネと睨み合い

「ミス天王州。 go home」
「嫌ですわ。貴方の魂胆など丸分かりですわ」

激しく睨み合い

「そもそも、何故この広い家に貴方1人なんですの?まさか」
「Misunderstanding。 夏休みよ。ダディとマミィは仕事」
「意図してこの状況を作った訳じゃ無いんですのね」

アテネは少しだけ安心したが

「このチャンスにダーリンと距離を縮めるつもりだったのに。海じゃ失敗したし」
「フンッ。そんな事だろうと思いましたわ」

また2人は睨み合い

「兎も角。ここは私の家なんだから、帰って!!」
「嫌だと言ってますわ。絶対に2人きりは阻止ですわ」
「なら勝負ね。ダーリン誘惑決戦よ」

クリスの提案にアテネも乗り

「尤も、スタイルの良さでは私の勝ちね。背も高いし、胸だって」
「フ、フンッ。勝敗はそれだけじゃ決まりませんわ。婚約者候補の優劣だって、さほど変わりませんし」
「sour grapes。 どう考えてもNo.3の私の方が有利よ」

結局、ハヤテが朝食を告げに来るまで言い合いし、2人の険悪さは増した。


                   × ×


時間を飛ばし

「あ、あの2人とも」
「なんですの?」
「どうしたの?」

ハヤテは「言っても無駄だろうな」っと思いつつ

「離れてくれませんか?仕事が、その」
「嫌ですわ♪」
「decline♪」

予想通りの答えにハヤテは溜息をついた。
因みに、2人はハヤテに抱き着いてます。左右それぞれから。

「あの。アーたんはまだしも、何故クリスさんまで」
「Married coupleだからよ♪」
「あ、いや。それはまだなんじゃ」

ハヤテの返しに2人とも過剰に感応し

「「まだ」って事は、私と結婚する意志があるって事ね♪ダーリン♪」
「ハヤテ。貴方の結婚相手は私ですわ。「まだ」なんて使ってはいけませんわ」
「あ、あはは。Japanese is difficult」

クリスに影響されたのか、ハヤテも英語で返した。

「ハヤテ。無理して英語を使わなくても」
「な、何かつい」
「フフ♪私と結婚してアメリカで暮らす練習って事ね」

ハヤテは別に意図して英語を話した訳では無いのだが、2人にはそれぞれに効果があった。

結局夕飯の仕込みの時間までこんなやり取りが続き、トイレ以外で2人がハヤテから離れる事は無かった。

「ダーリン、夕ご飯は手伝うわ」
「え!?で、ですが」
「landladyが手伝わない訳行かないわよ」

正論なので、ハヤテは言い返さなかった。
すると

「ハヤテ、私も手伝いますわ」
「ミス天王州はvisitorだから、座ってて」
「・・なら座っててあげますわ」

アテネは半ば乱暴に椅子に座り、クリスが変な事をしない様に目を光らせ始めた。

「流石ダーリン。料理が上手ね」
「まあ、執事ですから」
「・・・」
「あ、あの」

急に黙り込んだクリスにハヤテが首を傾げていると

「私達、just marriedみたいね」
「え!?」

するとアテネは勢いよく立ち上がり

「やっぱり私も手伝いますわ!!」
「だから、visitorだから座ってて」
「just marriedなんて認めませんわ〜」

アテネは怒り心頭だったが、クリスは無理やり座らせた。
当然、一緒に料理するハヤテとクリスの甘々な雰囲気に何度も邪魔しようとしたが、その度にクリスが無理やり納得させていた。


                   × ×


夕食後。
3人がティーブレイクしていると。

「ふわぁあああ」
「ん!?アーたん、もう眠いの?」
「うう。強烈な睡魔が襲ってきてますわ」

欠伸し、目を擦り、ウトウトするアテネにハヤテは微笑み

「アーたんにしては朝早かったもんね」
「うう」

反論したそうだったが、睡魔のせいでそれは難しそうだった。

「家まで持ちそう?」
「む、難しいと思いますわ」

もはや必死で睡魔と戦う赤ん坊のようで、今にも寝てしまいそうだった。

「仕方ない。クリスさん、部屋を借りてもいいですか?」
「no problem。案内するわ」

ハヤテはアテネをお姫様抱っこし、案内された部屋のベッドに寝かせた。

「まだお風呂に〜」
「明日の朝一で入りなさい。そのままじゃお風呂で寝ちゃって危ないから」

娘を寝かしつける様に言うと、アテネは直ぐに寝入った。

ハヤテもクリスも静かに部屋を出て、居間に戻った。

「フフッ♪やっと2人きりね」
「え!?ま、まさか」
「ミス天王州の食事に睡眠薬を仕込んどいたわ。手伝ったのはその為もあるのよ」

ハヤテは頭を抱え

「ダーリン、ティーブレイクが終わったら、一緒にお風呂入りましょ」
「一応聞きますが、拒否権は」
「NO」
「ですよね〜」

結局クリスと一緒に入る羽目になった。


                   × ×


入浴後。

「ダーリン、寝るのは私の部屋で一緒に、ね」
「まあ、予想通りですよ」

こんな事があり、クリスの部屋で休んでいた。

するとハヤテは、寝る前の髪のお手入れをしているクリスを見て

「あの、クリスさん」
「ん!?なあに、ダーリン」

ハヤテは少し悩み

「もしですよ。僕がいきなりクリスさんに「胸を触らせてほしい」なんてお願いしたらどうします?」
「え!?」

突然の言葉に驚き、少しの間目をぱちくりした後

「ダーリンなら好きなだけ触っていいわ」
「あ、いや。もしもの」
「直接触っていいのよ。bathingの時に言ってくれればいいのに」

そう言うと、クリスは上半身裸になった。
当然、

「ふ、服を着てください//////////////////////あくまでもしもの話を///////////////////////」
「ダーリン、Adult stairsを」
「だ、駄目です/////////////////////服を着て下さい//////////////////////////」

クリスは渋々服を着て

「まあ、上る事は決定事項だから、今は我慢するわ」

納得してくれたクリスに

「(聞かなきゃよかったよ。あの時「>>22」があったから、つい気になっちゃって。こりゃ神尾崎さんやアーたんに聞いたらもっと大変な事になりそうだ。止めとこ)」

溜息をつきつつ、一緒に寝た。


翌朝、目覚めたアテネが朝風呂をハヤテに強要したのは言うまでも無く、クリスも一緒だったのは言うまでもないだろう。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月18日更新) ( No.25 )
日時: 2018/09/19 21:45
名前: ささ

お久しぶりです、ささです。
クリスティーナ、やり方が露骨な気がする。綾子や麗ならきっとしな…いとは言いきれないのが怖い(特に綾子は)
Why didn't you go up adult stairs with Ms ディキソン , Mr.Hayate?
>>22での推論の通りになるでしょ、貴方なら!
というか、綾子に聞いたら…うん他の読者、作者が思っている通りになるよ。
まぁ、胸なんて遠慮しなくてもほかの場所(ここじゃ書けないところ)でも…なんてセリフが…
(というより、クリスティーナ、そう言うつもりだったのでは?)
ハヤテ、なぜルカに聞かないの?
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Re: 女神と共に第四部 (9月21日更新) ( No.26 )
日時: 2018/09/21 23:10
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 >>お久しぶりです、ささです。

 クリス「Thank you for impressions♪」

 >>クリスティーナ、やり方が露骨な気がする。綾子や麗ならきっとしな…いとは言いきれないのが怖い(特に綾子は)

 麗「う〜ん。私は・・少し迷うかな。やると思うけどね」
 綾子「フフッ♪私ならばハヤテ様の食事にしびれ薬を仕込む「かも」しれませんね」

 ナギ「(・・私もやるべきだろうか)」

 >>Why didn't you go up adult stairs with Ms ディキソン , Mr.Hayate?

 クリス「別に上っても良かったんだけど。まあ、Impatience is taboo って事よ」
 ハヤテ「(助かった、と言うべきでしょうか?)」

 >>>>22での推論の通りになるでしょ、貴方なら!

 ハヤテ「デ、デスヨネ〜」
 悠太「やれやれ。お前は本当に罪な男だよ」
 メイド長「アテネお嬢様の機嫌は悪くなる一方ですね」

 >>というか、綾子に聞いたら…うん他の読者、作者が思っている通りになるよ。

 ハヤテ「デ、デスヨネ〜」
 綾子「フフ♪ハヤテ様ならいつでも・・」

 >>まぁ、胸なんて遠慮しなくてもほかの場所(ここじゃ書けないところ)でも…なんてセリフが…
  (というより、クリスティーナ、そう言うつもりだったのでは?)

 クリス「You are right。 そこへ行ってダーリンと♪」
 ハヤテ「・・・」

 >>ハヤテ、なぜルカに聞かないの?

 ハヤテ「何故、でしょうね。ルカさんはアーたんや神尾崎さん、クリスさんと比べて・・ですかね?」
 ルカ「・・そこは負けるけど、他は・・」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (9月21日更新) ( No.27 )
日時: 2018/09/21 23:15
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここはとあるテレビ局の楽屋。


「ふう。疲れた」

ルカは今日の仕事を終え、楽屋で寛いでいた。
するとドアがノックされ、入出を許可するとプロデューサーであった。

「ルカちゃん、今日もお疲れさま」
「お疲れ様です。呼んでもらって、嬉しかったです」
「いやいや。こっちも楽しく仕事出来たし、こっちの方が感謝してるよ」

頭を下げたルカを制しつつこう言い、

「あ、そうそう。ルカちゃんにこれあげるよ」
「映画のチケット、ですか?」
「ああ。貰ったはいいが、仕事で期限内には行けなくてね。ルカちゃん、明日はお休みだろ?だからこれで友達でも誘って行ってくれると、無駄にならないから助かるよ。相手にも譲る事を了承してもらってるよ」

ルカはチケットを受け取り、

「ありがとうございます。ホント、感謝感激です」
「そうかい?ま、そこまで言ってもらえるとあげたかいがあるよ。次もよろしくね〜」

プロデューサーは手を振りつつ楽屋を出て行き、ルカは貰ったチケットを見ると

「(これ、今話題の「涙が止まらない事必至」の恋愛映画だ。チケットが取れないって噂なのにラッキーだな)」

ルカは再度感謝しつつ

「(ハヤテ君誘って見に行こ。久しぶりにデートだ♪)」

因みに、ルカが「ハヤテの婚約者候補兼結婚前提の恋人」なのを知っているのは業界関係者の中では集さんと事務所社長だけです。


                   × ×


帰宅後、遅めの夕食を食べつつルカは今日あった事をハヤテにだけ話していた。

「だからさ、明日一緒に映画見に行こうよ」
「明日、ですか」
「うん、明日。貰ったチケットの期限内じゃ、行けるの明日だけだし。 ハヤテ君は明日平気だよね?」

聞かれたハヤテは少し考え、

「特に予定は無いですね。 ですが、大丈夫ですか?」
「変装するから平気だよ。じゃ、決まりだね」

鼻歌を歌い始めたルカに対し、ハヤテは

「(これって、デートだよね?ルカさんを喜ばせられると良いけど)」

ルカが直接的に「デートである」っと言わなかった為自信が無かったが、修行で磨いた「執事スキル」を駆使してルカを喜ばせる事だけは誓った。


                   × ×


翌朝。
アテネ達にばれない様に別々にこっそり家を出て、集合場所に集まった。

「ルカさん、映画の前に行きたい所とかあります?」
「う〜ん。無くは無いけど、映画を見てからにしよっか。席取れないと嫌だし」
「ですね」

近くの複合施設に行き、その中にある映画館エリアに着くと

「混んでるね〜」
「夏休み中ですからね。さ、並びましょう」

っと、その時

「ハ〜ヤ〜テ〜様♪」
「え!?神尾崎さん!?」
「会えて嬉しいですわ〜♪」

当たり前のようにハヤテに抱き着き、甘える綾子に

「ちょっと。邪魔しないでくれる?」
「あら、貴方は。奇遇ですわね」

そう言うとルカを無視し始め

「私も映画を見に来たんですわ。やっぱり私とハヤテ様は運命の赤い糸で結ばれてるんですのね」
「え、えっと」
「結ばれてないよ。兎も角、私とハヤテ君の邪魔しないで!!」

迷惑にならない程度に声を荒げるルカに

「フンッ。貴方こそ邪魔ですわ。私とハヤテ様は夫婦なんですのよ。デートの邪魔しないでくれます?」
「ハヤテ君とのデートは私だよ!!邪魔はそっち!!」

激しく睨み合う2人にハヤテは少しだけ様子を見てから

「あの、チケット買いましょうよ。混んでるので買えなくなりますし」
「「・・・」」

睨み合いを中断し、目的の映画のチケットを買った。
幸い、最も見やすい席だったが、何の因果か「ルカ・ハヤテ・綾子」っと言う並びになった。

チケットを買い、後は入場まで待つだけとなった時、ルカがジッとある場所を見つめていた。
なので

「ルカさん、ポップコーン食べたいんですか?」
「え!?あ、うん。 映画館で映画見ながらポップコーン食べるのって、夢だったんだよね」

そう言うと少し寂しそうになり

「貧乏だったから、そんな事出来なくてね。だからつい」
「じゃ、奢りますよ、僕が」
「え!?いいの?」
「勿論」

ルカはより笑顔になり

「じゃ、お言葉に甘えるよ」
「味とセットの飲み物はどうします?」
「塩かな。キャラメルも美味しいけど、やっぱ塩でしょ。飲み物はコーラ」

ハヤテは全員(ルカ・綾子・自分)のポップコーンセットを買い、時間になったので劇場に入り

「楽しみですわね、映画」
「楽しみだね、映画」

綾子とルカが偶然にも同時に言い、ハヤテは両方に返事をし、始まるのを待った。
そして時間になり、映画が始まった。


                   × ×


映画が終わり、劇場から出ると

「感動しましたわ」
「うう〜。涙が止まらないよ〜」
「確かに感動的でしたね〜」

3人とも泣いており、他のお客さんも泣いていて、評判通りの映画であった。

「(死してなお愛を貫く深すぎる愛情。憧れますわ)」
「(凄いよね。どんな時だって、愛を貫けるんだから。憧れちゃうよ)」

綾子もルカも感動とは別に、物語に出て来た恋人の深すぎる愛に惹かれており

「(私もハヤテ様とあの2人の様に深すぎる愛で・・・フフッ♪)」
「(私もハヤテ君と結婚したら、何時までも深すぎる愛で・・エヘヘ♪)」

泣きつつも2人はこんな事を考えていた。

そんな事に気付かないハヤテは

「あ、もうお昼ですね。どうします?」
「フードコート行こうよ。安いし」
「良いですわね。行きましょう、ハヤテ様」

移動し、ハヤテが注文に行ったので、ルカと綾子は2人きりになった

「で、何時までいるの?」
「何故、そんな事聞くんですの?無意味な質問ですわね」
「今日は私とハヤテ君のデートなんだよ。はっきり言って邪魔なの」

ルカの「睨み付ける攻撃」に綾子は平気な顔して

「フンッ。ハヤテ様は私の旦那様。一緒にいる事に特別な理由は必要ないですわ」
「ム〜。私とハヤテ君の関係知ってる筈だよ〜」
「関係ないですわ。絶対的な運命の前では、如何なる関係であっても意味を成しませんわ」

こんな言い合いをしていたが、ハヤテが昼食を持って来たので、中断となった。


                   × ×


昼食を済ませ、フードコートから出て、

「さて、後はどうします?」
「ハヤテ様、あれに乗りましょう」
「観覧車ね〜。ま、良いか」

ルカは渋々と言った感じで賛成し、乗り場まで移動し

「当たり前の様に一緒に乗り込んでくるね〜、神尾崎さんや」
「何を当然の事を。私とハヤテ様はずっと一緒ですわ」
「あ、あの」

自身の意見は無視されるだろうと、ハヤテは途中で言うのを止めた。
結局同じゴンドラに3人で乗り込み

「おお〜、良い景色」
「中々ロマンチックですわね」

複合施設併設の観覧車とは思えない程良い景色が見れて、3人とも満足していた。

「ハヤテ君、今日は楽しかったよ。 まあ、余計なのもいたけど」
「あら、誰の事ですの?ハヤテ様との仲を邪魔してるご自身の事ですの?」
「貴方だよ、貴方!!!折角休みが取れてデート出来ると思ったのに」

少し不機嫌だったが、それでも満足度は十分な様だった。

「ハヤテ君、次はちゃんとデートしようね」
「あ、はい」
「ハヤテ様、無理して優しくする必要はありませんよ」

ルカと綾子はまた睨み合った。
するとルカが

「ハヤテ君」
「!!」
「あ、貴方。私の旦那様にキスするんじゃありませんよ!!」

突然ハヤテにキスしたルカに綾子は抗議したが、ルカは無視し、

「また来ようね」
「あ、はい」

そんな事しているうちに1周し、降りようとしたが綾子がルカを止め、許可をもらって綾子とルカだけでもう1周する事になった。

「で、何か用?散々ハヤテ君とのデート邪魔してくれちゃったけど」
「以前私は、貴方を「中途半端」っと言いましたよね」
「あ〜、確かにね。あの時は確かに中途半端だったけど、今は違う」

ルカは一旦間を置き

「今はアイドルを頑張ってるし、漫画だって次のイベントに向けて書いてる。絶対に成功させてみせるよ。茨の道だけどね」
「そこは素直に称賛しますわ。自らその道に進んだんですからね」

綾子はルカを褒めたが、直ぐに

「ですが、それとこれとは別ですわ。ハヤテ様は絶対に渡しませんわよ」
「やっぱり、その話か。ハヤテ君の妻は、私だよ」

ルカはまた間を置き

「確かに、婚約者候補では、神尾崎さんはNo.1、私はNo.7。確かに圧倒的に不利だけど、そんな逆境、乗り越えてみせる。私はアイドルとしても、漫画家としても逆境を乗り越えて来た。「恋と言う名の戦場」でも、勝ってみせる。相手が権力を持った財閥のお嬢様達でも、ね」

強い目でルカが言い切ると、綾子は微笑み

「そうでなければ、戦いがいが無いと言う物ですわ。貴方を「我がライバル」っと認定しますわ」
「ああ、そう。そりゃどうも」
「ですが、勝つのは私ですわ。ハヤテ様を想う気持ちは、誰にも負けませんから」
「フンッ。私だって負けないもん」

一応握手し、ライバルと認め合った。


因みに、帰宅したハヤテが色々と大変な目に遭ったのは言うまでもない。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月24日更新) ( No.28 )
日時: 2018/09/24 19:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み天王州家。


「う〜ん」

アテネは書類を読みながら、唸っていた。

「どうしたの、アーたん」
「ハヤテ♪」

アテネは甘えん坊の子猫の様にハヤテに暫く甘え

「報告書を読んでいたのですわ」
「ああ、そう」

適当な相槌を打ちつつ

「(今の甘える時間、必要だったのかな)」

っと思ったが、敢えてスルーし

「なんの報告書?」
「王玉の、ですわ。先に言いますが、現時点では成果無し、ですわ」
「そっか」

アテネは溜息をつき

「このままじゃ、何時までかかる事やら」
「だね。 なんか、長期連載の伏線みたい」
「へ!?」

理解してないアテネに

「連載が長期化すると、「最初の頃の伏線が物語が8割強終わった頃にやっと回収される」とか「伏線だらけで全部の回収には100巻以上必要」って事があるみたいだからね。つまり、王玉の回収が終わった頃には「次回最終回」って事もあり得るかもって事」

ハヤテが説明すると、アテネは納得し

「やれやれ。王玉の回収完了は、何時になる事やら」
「だ、だね。まあでも、ギャグ漫画じゃ「最終回で全部一気に回収」ってのもあるけど」
「作者さんの予定が何であれ、それは止めてほしいですわね」

さあ、どうだろう。

「(王玉か。そう言えば、1人心当たりがあるな。お願いに行ってみるか)」
「なんですの?」
「あ、何でもない」

急に考え込んだハヤテにアテネが言及したが、ハヤテは誤魔化した。


                   × ×


翌日。

「愛歌様、お客様です」
「私に?お通しして」
「了解しました」

自身の執事が連れてきたお客は

「あ♪ハヤテ君♪」
「こんにちは。今日は大事な話があって、来ました」
「大事な話」

愛歌さんは嫌が追うにも期待してしまった。
つまり「プロポーズしに来てくれたんじゃないか」っと思ってしまったからだ。

そんな期待?とは裏腹に

「愛歌さんって、王玉を持ってますよね?」
「え!?ああ、うん。これね」

首から下げていた王玉を見せつつ、返した。

「それを、譲ってもらえませんか?」
「・・噂は私の耳にも届いてるわ。王玉を集めてるって」
「ええ、集めてます。なので、愛歌さんの王玉を、譲ってもらいたくて」

真剣な表情のハヤテに愛歌さんは考え始めた。
すると

「譲っていただけるなら、出来る限りの事はします。僕が」
「へ〜。何でも?」
「まあ、常識の範囲以内で、ですよ」

愛歌さんは少しだけ考え

「じゃあ、今日1日私の執事をして。そうしたら、王玉はあげるわ」
「分かりました、愛歌お嬢様」
「私の事は呼び捨てにして。敬語はそのままでいいから」

言われたハヤテは少し考え

「了解です、愛歌」
「フフ♪じゃあ早速お願いしようかしら」

ハヤテは直ぐに仕事に取り掛かった。

ハヤテの手際はやはり完璧で、愛歌さんは感心しっぱなしだった。
勿論、昼食も夕食も好評で、愛歌さんは大満足だった。

「流石ハヤテ君ね。10年は伊達じゃないわね」
「お褒めに預かり光栄です」
「ねえハヤテ君、このままずっと私の執事を続けてくれない?それなりのお給料を出すし、「霞家使用人長」の役職だってあげるし」

真剣な表情の愛歌さんに、ハヤテは

「すみません。流石にそれは」
「そう。じゃあ、私の旦那様は?一緒に霞家を支え、私がハヤテ君との子を産んで幸せに過ごすってのは?」
「え、えっと。そ、それは、その」

しどろもどろのハヤテに

「冗談よ」
「そ、そうですか。ビックリしましたよ」
「(本当は冗談じゃないんだけどね。ま、今は「冗談だ」って事にしておいてあげるわ)」

食後の紅茶を飲みながら、愛歌さんはこう思っていた。

それから少しし

「愛歌、お風呂が沸いたよ」
「そう。じゃあ、一緒に入るわよ」
「え!?」

驚くハヤテに

「貴方は今日は私の執事なんでしょ?なら主と一緒にお風呂に入って主の体を洗うのは、普通だと思うけど?」
「し、しかし//////////////////////////」
「あら、逆らうの?」
「そ、そういう意味じゃ///////////////////////分かりました////////////////////////」

赤い顔で準備に向かったハヤテに

「ごめんなさいね、ハヤテ君。ちょっと卑怯だけど、こうでもしないと貴方を射止められないもの」

入浴の模様はカットで。

「やっぱり、寝るのも一緒なんですね」
「当たり前でしょ。主に何かが無いように、寝る時も一緒なのが執事じゃない」
「で、ですよね?」

愛歌さんは、緊張で中々寝付けなかったそうだ。

翌朝。

「約束は果たした訳だし、王玉はあげるわ。でも、最後に一つだけ。これを聞いてくれたら私も約束を守るわ」
「な、何でしょう?」
「私にキスして。勿論口に、よ」

そう言って目を瞑った愛歌さんに

「あ、あの//////////////////////」
「ほら、早く。じゃないと」
「わ、分かりました」

ハヤテがキスした瞬間、愛歌さんに頭を抑えられて、大人のキスになった。

「あ、あの////////////////////////」
「フフッ♪ごちそうさま♪ はい、王玉」

ハヤテは照れつつ王玉を受け取り

「確かに、本物ですね」
「それは好きにしていいわ。 ああ、それと。今回の事は内緒にしといてあげるわ」
「そ、そうですか」

ハヤテの事情を理解しているので、内緒にするのは当然だった。

「では、これで」
「うん、ありがと」

ハヤテは帰路に着きつつ

「(今回の事、ルカさんには黙っておこう。なんか、嫌な予感がするし)」

こう考えていた。
幸い?咎められはしたが、誤魔化す事は出来た。

勿論、回収した王玉はアテネに見せ、白桜で破壊した。


                   × ×


一方。

「ん!?これは」
「どうした、悠太」

悠太は掃除中、あるものを見つけていた。

「お嬢様、これ」
「ああ。母の形見だよ。あったの忘れてたよ」
「これ、王玉じゃねえか?たぶん、本物の」

確証は無かったものの、本物である可能性は高かった。

「本物かどうかは知らんよ。見分ける方法なんて知らんし」
「だ、だよな。なあ、お嬢様」
「ああ。ハヤテが探してたんだっけ?いいよ、持っていけ」

当たり前に言うナギに

「い、良いのか?形見なんだろ?」
「構わないよ。忘れてたくらいだ。そこまで大事じゃないよ」
「そ、そっか」
「た、ただな////////////////////////」

赤い顔でモジモジし始めたナギに悠太は

「分かってるよ。ハヤテには「お嬢様からの提供だ」って言っておくよ」
「そ、そうだぞ//////////////////忘れたら承知しないぞ////////////////////////////」
「ヘイヘイ」

こんな会話をしている一方、

「(フフフフフフフフフフフフフフフ♪良い事思いついたわ♪王玉を隠しちゃいましょう♪そうすれば色々面白そうですね〜♪ナギが褒められる事もありませんし♪そんな事になれば徹底的に追い打ちをかければ私のコレクションが♪ああ♪)」

とか思っている人がいたそうだ。
しかし?

「じゃ、持って行くな」
「今直ぐに、か?別に構わんが、無くすなよ」
「無くさねえって」

悠太は大事に胸ポケットにしまい、居間を出て行った。
その事で

「(ふざけんじゃねえぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!なんで俺様の邪魔してんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!隠した方が色々と面白いじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!俺様のコレクションの邪魔すんじゃねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」

とか思った人がいたそうだ。

そんな事を知らない悠太は直ぐに天王州家に赴き

「間違いない。本物の王玉だよ」
「しかも、光を失ってませんわ」
「悠太、何処でこれを」

驚く2人

「お嬢様だよ。何でも、お嬢様の母親の形見なんだと」
「そ、そんな大事な物なのに、良いの?」
「別に構わねえみたいだぞ。ちゃんと了承を貰ってる」

悠太が言うと、ハヤテは少し悩み

「ちゃんとナギさんにお礼言わないと。じゃ、壊すよ」
「ええ」
「ああ」

ハヤテは白桜で王玉を壊し

「これで、また一つ。我々の目的完遂に、また近付いた」
「でも、まだ残ってる。油断大敵だよ」
「引き続き、俺も探す。じゃ、もう帰るよ」

ハヤテは帰宅する悠太に同伴し、ナギに直接お礼を言った。

その際、ナギは頭を撫でてもらい、ハグもしてもらえた。
ナギは当然喜び・・

「(あらあら♪ナギったらあんな事してもらって♪またコレクションが増えちゃいましたね〜♪このことをルカさんに報告すればもっと面白くなりますね〜♪そうなればもう♪ああ♪)」

別の人も喜んでいた。

まあ幸い、ナギの事もルカにはばれなかった。


王玉の残り・・6個


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以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月27日更新) ( No.29 )
日時: 2018/09/27 18:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは毎度お馴染み天王州家。


「おや?ハヤテ坊ちゃん、何処かへお出かけですか?」
「え!? ああ、はい」

朝、メイド長が何時も通り仕事をしていると、出掛けそうな雰囲気のハヤテを見かけ声をかけると、ハヤテは少し驚きつつ声をかけて来たのがメイド長だと分かると、曖昧に返事をした。

「まさかまた、何か厄介事に巻き込まれてるんじゃ」
「え!?そ、そんな事、無いですよ」
「まあ、そう言うなら信じますが」

メイド長はハヤテをジト目で見つめた後

「気を付けてくださいね。ハヤテ坊ちゃんは、特に女性関連のトラブルに巻き込まれ易いんですから」
「そ、そんな事は・・・」
「仮にそうだった場合、アテネお嬢様の機嫌が一気に悪くなりますよ。アテネお嬢様の機嫌が悪くなれば、どうなるか、分かってますよね?」

メイド長に言われ、ハヤテは身震いした。

「他の女性陣の機嫌も悪くなり、結果的に大揉めになってハヤテ坊ちゃんにも火の粉が降りかかります。ハヤテ坊ちゃんには現時点では水蓮寺様が居るので、より一層女性関連のトラブルは避けてくださいね」

淡々と言われ、ハヤテは合いの手が精一杯だった。

「ま、まあ。それは無いので大丈夫です。では、出かけてきますね」
「アテネお嬢様には気付かれないよう、気を付けて・・・寝てるので平気ですね」

現在アテネはベッドでスヤスヤと夢の世界に旅立っています。


                   × ×


「えっと。ここだよね、恋葉さんの家って」

ハヤテは約束を果たすため、教えてもらっていた恋葉の家に赴いていた。

「(な、何だか随分ボロイな。「廃屋にしか見えない」って揶揄されちゃうくらい)」
「(オバケが出る。なんて噂が広がっても、特には疑問を感じない位、って言っても良さそうですね)」

白桜の正直すぎる感想に呆れつつ

「って、本当にここに人が・・」

心配になり近付くと咳が聞こえ、窓から覗くと1人の女性が布団に入っていて、せき込んでいた。
ハヤテが心配していると、更に吐血までし

「ちょ、ちょちょちょ。大丈夫ですか!?」

ハヤテが駆け寄って声をかけると

「ああ、お客さんですね。どうぞいらっしゃいました。今お茶を」
「い、いや、要らないですよ。 そんな事より大丈夫ですか?」
「お構いなく。何時もの発作ですし、大丈夫ですよ」

しかし、全然大丈夫でない雰囲気に

「いやいや。そんなレベルじゃないですって。兎も角、休んでください、お姉さん」
「あらあら。42にもなってお姉さんだなんて、久しぶりに言われたよ」
「そ、それは良いので、早く布団に入ってください」

そう言ってハヤテが半ば無理やり寝かせると、女性は顔を赤くし

「旦那に先立たれてはや8年。出来れば優しく」
「何もないですって。看護ですし」
「こんな体ですが、貴方の若さを受け取る位出来ますから」

ハヤテは溜息をつき

「何もないですって。大人しく寝ててください」

こう言って何とか寝かせようとした時

「こらーっ、何やってんだ〜」
「え!?あ、嫌。僕は別に」
「息子のカンタです。 お帰り、カンタ」

出迎えの挨拶を言った後、

「カンタ、この人が新しいパパになる人よ」
「え!?そうなの?」
「違いますから。君も母親の言葉だからって簡単に信じないでください」

ハヤテは優しく注意したものの

「まあまあ。この婚姻届けにサインすれば契約完了なんだからさ♪」
「そうそう♪ママと契約して新しいパパになってよ」
「あの。終いには本気で怒りますよ」

出来る限り荒げない様に言うと

「コラ〜っ。私のお客様に何やってるの〜」
「恋葉」
「姉ちゃん」

牧瀬恋葉が帰って来て、2人に注意していた。

「ごめんなさい、綾崎君。態々来てもらって。バイト探しに手古摺っちゃってて」
「いえ、お気になさらず」
「ここじゃ話し辛いから、外に行こ」
「あ、はい。お邪魔しました」


                   × ×


2人は少し離れた河原に来ていた。

「ごめんなさい。お母さん、若い男の人を見ると何時もああなの」
「ま、まあ。元気そうなので安心しましたよ」
「家は貧乏だから、私が働かないと生活出来ないんだよね」

寂しそうに言う恋葉に

「話を聞いて何と無くで想像はしてましたが、想像を超えてましたよ」
「なんか、ごめんなさい」
「謝らなくても」

少し気まずい雰囲気になり

「ああ、そうだ。これ、約束のお金です」
「あ。ありがと。 これで何とか生活出来るよ」

ハヤテが差し出した15万入りの封筒を受け取ると、大事そうに仕舞った。

「あのバイトは時給が良いし、人も来ないから空き時間がずっと勉強が出来たんだけど。 次が中々見つからなくて」
「すみません。僕のせいで」
「ううん。負けた私が悪いんだし、謝らないで」

宥めた恋葉にハヤテは

「大変ですよね、家族を支えて働くって」
「え!?」
「僕の家も貧乏で、親の代わりに働いていたので気持ちは分かります。僕達は、何だか似てますね」

ハヤテの真剣な表情に恋葉が顔を赤くしていると

「なあなあ。お前、ハヤテ様だろ」
「え!?」

さっきのカンタが何時の間にか来ていて、聞いていた。

「確かに僕の名前はハヤテですが」
「やっぱりな〜。お前があのハヤテ様だったのか〜」
「へ!?」
「ちょ////////////////////////////」

止めようとしたが、

「姉ちゃんがバイト先で一目惚れして、甘いマスクで誘惑されたから思わずバイトを辞めちゃったって言う、あれだろ」
「へ!?」
「ち、違うからね//////////////////////////バイトを辞めたのは本当に、お金に目がくらんだだけなんだから///////////////////////」

真っ赤な顔で言っていて説得力が皆無で、追い打ちをかける様に

「あれ〜!?言ってた事と違うじゃん。壁ドン+顎クイの状態で見つめられて、その澄んだ瞳にドキドキしちゃって、お金なんかどうでもよかったけど取引に乗った振りしたって」
「ち、違うから/////////////////////////弟が嘘言ってるから///////////////////////////////////」
「言ってたじゃん。本当は胸を触られたかったって」

弟からの爆弾発言連発に

「言って無いよ〜////////////////////全然言って無いよ〜///////////」
「言ってたじゃん。もうこの2〜3日か飽きる程「ハヤテ様、ハヤテ様」ってず〜っと」

姉弟の言い合いにハヤテは

「あ、あの」
「ち、違いますから。弟が嘘を言ってるんですよ、ハヤテ様」
「え!?」
「あ!!//////////////////////////////」

最早誤魔化し様の無い状態になり

「う、うう//////////////////だってあの時のハヤテ様、かっこよすぎて///////////////////////////」
「そ、そうですか?」

顔を赤くし、モジモジする恋葉に対し

「(マスター。やっぱり女性関連のトラブルを引き寄せてますね)」
「(ぼ、僕のせいなの!?)」
「(我が主ながら呆れますよ、全く)」

白桜に毒づかれ、微妙な雰囲気を払拭する様に咳ばらいをし

「まあ、ともかく。僕のせいで働き口が無くなってしまったのは事実。 なので、お手伝いしますよ」
「え!?」
「仕事を探してるんですよね?そのお手伝いしますよ。色々と知り合いもいるので」
「ハヤテ様////////////////////」


                   × ×


時間を飛ばし、夕方。

「中々見つかりませんね」
「お知合い、本当に多いんですね」
「ええ、まあ。でも、まだどこも不景気で新しく雇う余裕は無いんですね」

実際、知り合いを片っ端から回り、「恋葉を雇ってほしい」っとお願いして回ったが、全部断られてしまった。
勿論、一生懸命考えてはくれたのだが、不況のせいで「やっぱり無理だよ。誰かが辞めたのなら別なんだけど」っとなってしまうのだ。

「う〜ん。後は」
「あ、あの。無理して手伝ってもらわなくても。私なら何とかしますし」

恋葉はこう言ったが、ハヤテはその生来の優しさからか、ほおっておけず、まだ当たって無い知り合いがいないか考え始めた。

すると

「あ、そうだ。恋葉さん、家事は得意ですか?」
「え!?ああ、うん。家が貧乏だから、自然と家事全般は結構得意になったけど」
「じゃあ丁度良いですね」
「???」

ハヤテの言葉に恋葉は首を傾げるばかりであった。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (9月30日更新) ( No.30 )
日時: 2018/09/30 19:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテは恋葉との約束を果たし、恋葉の新しい働き口を探す事になった。


「アテネお嬢様、お茶が入りました」
「ああ、ありがとうございます」

アテネは仕事(理事長)をしており、差し出されたお茶を1口飲んで仕事に戻ろうとしたが

「ん!?  な!?あ、貴方、誰ですの?」

メイド服を着た見知らぬ人物が居たので、アテネは多少慌てていて、相手はその雰囲気に震えつつ

「あ、あの。私、この度アテネお嬢様の専属メイドとして入った牧瀬恋葉っと申します。挨拶が遅れた事は、お詫びします」
「な!?私は聞いてませんわよ」
「え、えっと」
「僕が雇ったんだよ」

恋葉が答える前に、ハヤテが答えた。

「どういう事ですの、ハヤテ」
「偶々知り合ってね。で、「仕事を探してる」って聞いたから、本人に了承を得てここで雇ったの」

ハヤテがさらに説明しようとしたところ、恋葉が遮る様に

「私、家が貧乏なんです。お母さんは病気で働けないので、私が代わりに働いてるんです。そんな時ハヤテ様に出会って、ここを紹介してもらったんです」
「事情は分かりましたわ。ですが」
「や、やっぱり駄目ですか?」

不安そうな恋葉に

「使用人の雇用はハヤテに一任してますからね。ハヤテが決めた以上反対はありませんわ。ですが、無能ならば幾らハヤテの紹介でも、追い出しますから、そこを忘れない様に」
「は、はい!!一生懸命頑張ります」

力強い返事にアテネは笑みを向け

「ま、お茶の淹れ方は合格点ですわ」
「ありがとうございます。立派な専属メイドになれる様に、頑張ります」
「私は忙しいので、もう下がりなさい」

ハヤテも恋葉も部屋を出た。


                   × ×


2人はアテネの書斎から少し距離を取ってから

「良かったです。アテネお嬢様に認められて」
「僕の言った通りになりましたでしょ?さ、仕事は僕が教えるので、ついて来てください」
「はい」

ハヤテは専属メイドとしての仕事を教え始めた。
っとは言っても

「恋葉さんは、やっぱり優秀ですね。教えた事は直ぐに吸収しますし、手際も良いですし」
「そ、そんな事は。まだまだですよ」
「まあ、ご本人が言うなら、まだまだ教えますが」

その後も他のメイドに手伝ってもらいながら仕事をこなしていき

「あ、あの、アテネお嬢様。お食事はお口に合いますでしょうか?」
「悪くないですわね。まあ、ハヤテのに比べれば、雲泥の差ですか」
「精進します」

特にトラブルは無く、初日は終わり

「どうでしたか?まだ初日ですが、仕事は」
「まだ大変ですけど、やりがいは感じてます。まだまだ頑張れそうです」
「そう言ってもらえると、紹介したかいがありますよ」

キッチンルームで2人でお茶を飲みながら、話しており

「あ、ところで。肝心の勉強は」
「今日は流石に。休憩中も仕事の復讐に充ててましたし」
「あの。もしよろしければ、僕が勉強を教えましょうか?」

ハヤテの提案に恋葉は目を見開いて驚き

「い、良いんですか?」
「勿論ですよ。一応、人に教えるのは割と慣れてるので」
「何から何までありがと、ハヤテ様」

礼を伝え、お茶を飲み干した後

「じゃあ私、帰ります」
「送りましょうか?女性の1人歩きは何かと物騒ですし」
「大丈夫ですよ。世話になり過ぎるのは、あれですから」

挨拶した後、ロッカールームで私服に着替えてから帰路に着いた。


帰宅後。

「ただいま〜」
「お帰り姉ちゃん。どうだった?」
「まだ初日だよ。でも、やりがいはあったよ」

弟と話しつつ手洗いうがいを済ませ、家族の夕食の準備に取り掛かった。

「で、どうだったんだ?愛しのハヤテ様と一緒の職場は」
「んな!?//////////////////////////////カンタ、どこでそんな言葉を///////////////////」
「母ちゃん。で、答えろよ〜。弟としては姉ちゃんの未来の結婚相手かもしれない人との関係は気になるだろ〜」

恋葉が母を見ると、ニヤニヤと意地悪そうであり興味津々そうであるような顔をしてみていた。勿論、答えを聞きたそうにもしていた。

「こ、答えません!!!/////////////////////まだ初日なの!!!////////////////////////////」
「「まだ」ね〜。流石我が娘ね〜」
「か、からかわないで!!///////////////////////」

母と弟からのニヤニヤ攻撃を無視し、夕食に支度に無理やり集中した。


                   × ×


それから数日後。

「どうですか、仕事は。慣れましたか?」
「はい、おかげさまで」

最初の頃こそアテネは多少なりとも文句は言っていたが、今は特に言わず、褒め言葉も言う程である。

「あの、こう言ったら怒られるかもしれないんですけど」
「はい?何ですか?」
「私が普段やってる事と、そこまでは変わらないんですね。規模が大きく違うだけで」

ビクビクしてる恋葉に

「別に起こりませんよ。そう思えるって事は、仕事にかなり慣れた証拠です。でも」
「油断や慢心は駄目、ですね。ハヤテ様に何度も言われてますから、家でも心がけてます」
「・・流石ですね」

今は昼食後の休憩タイムで、こんな風にゆったりと話してても平気なのである。

「ハヤテ様って、頭も良かったんですね。勉強を教えてもらうと、かなり分かりやすいですから」
「それは良かったです」
「それにしても」

思わず呟いてしまったが、ハヤテが気にしてると感じたので

「この仕事を紹介してもらって、本当によかったですよ」
「え!?」
「楽しいですし、やりがいもありますし。少しとは言え時間に自由がききますから」

笑顔で言う恋葉に

「それは良かったです。さ、仕事に戻りましょう」
「はい」

因みに、現在恋葉は既に個別に仕事を任されるようになり、メイド長も注意の必要が無く、アテネの文句も無いのです。
まあ流石に、ハヤテの近くで、っと言う条件がまだ付いてきますが。

「若しかしたら、恋葉さんは、メイドの仕事は天職かもしれませんね」
「そ、そうですかね?ハヤテ様に言ってもらえると、違ったとしてもそう思えてしまいます」
「僕は思ってますけどね」

笑顔のハヤテに恋葉は顔を赤くしつつ

「でも。嫌じゃないんですけど、寧ろ結構好きなんですけど。メイド服って、その」
「・・・?」
「お母さんやカンタには見せられないですね。何言われるか」

2人はお互いに笑みを向け、仕事を再開した。


                   × ×


一方。

「なあ、千桜お姉ちゃん。どう思う?」
「恋葉さん、だろ?あれはどう見ても」
「ハヤテさんに恋してますね、明らかに」

この数日でアテネを含めた女性陣は恋葉について確証を持っていた。

「全く。ハヤ兄も凄いなぁ」
「私達の状況に、一切気付いてないんだからな」
「あの女にあからさまな敵意を向けてるのに、ね」

恋葉は流石に気付いているが、ハヤテはアテネ達が敵意を向けている事に気付いておらず、仲良くなってきてると思っているのである。

「それにや。恋葉お姉ちゃんの好意に気付いてないんやろうな」
「間違いなく、な。あれだけ分かり易いのに、気付かないとは流石ハヤテ君だ」
「天然ジゴロ、恐るべし」

コソコソと(殆ど隠れてないが)恋葉の様子を窺っていた。

「(あの3人、やっぱり私を警戒してる。今日も見張ってるし)」

恋葉はこの数日、アテネ達が見張っている事に当然の様に気付いていた。

「(あの3人もアテネお嬢様も、ハヤテ様が好きなんだ。負けられないかな)」


                   × ×


それから数日後。

「う〜ん。終わった〜」

ルカは今日の仕事を終え、楽屋で伸びをしていた。

「さて、今日は」

色々と考えていると、ドアがノックされ、来訪者は集さんだった

「ルカ、この後なんだけど・・・帰りたそうね」
「そりゃ、勿論」

集さんは溜息をつき

「まあ、何もないからいいけどね。直ぐに帰る?」
「はい。スタッフさん達にもう一度挨拶したら、帰りましょう」
「はいはい。私もすぐに準備するわ」

挨拶を済ませ、帰りの車内

「う〜、う〜」
「そんな直ぐにはつかないわよ。随分いらついてるみたいだけど?」
「ま、まあ、その」

言うべきか悩むルカに

「どうせ綾崎君でしょ。そんなに早く会いたいの?」
「そりゃそうですよ!!!!ここ数日、忙しくてあんまりハヤテ君との時間を取れてないですし。今日はたっぷり・・・グフフ」
「やれやれ。彼を大好きでいる事にはばれなきゃ問題ないけど、依存するほど好きにならないでよ」

ルカは直ぐには否定出来なかった。
注意しないとアテネレベルになると、我が見ながら容易に想像出来てしまったからだ。

「はあ。そうなったら荒療治するから、覚悟なさい」
「は、はい」

その後は特に会話は無く、天王州家に着いた。
ルカは集さんにお礼を伝え、足早に庭を歩いていた。

「今日はたっぷりハヤテ君にくっつこ〜っと。お風呂と寝るのは今日は私だし〜」

スキップしつつ歩いていると

「ん!?この話声はハヤテ君。近くにいるな〜」

謎のセンサーが働き、割と直ぐにハヤテを見つけた

・・・が

「お〜い、ハヤテ・・・君」

ルカの目には衝撃的な光景が飛び込んできた。

ハヤテが女の子(恋葉)とキスしていた。

そんな光景を。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月3日更新) ( No.31 )
日時: 2018/10/03 19:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、恋葉は天王州家でメイドとして働き始めた。


「はあっ」

夕食後、寛いでいた時に、ルカは思わず溜息をついていた。

「あの、ルカさん」
「ん!?何?」
「何か悩み事ですか?ここ数日、溜息が多い気がしますが」

ハヤテは心配そうな顔を向けてくれていたが

「何でも無いよ。大丈夫だからさ」
「なら、良いですけど」

ハヤテには適当に言ったものの、ルカの心はモヤモヤしっぱなしだった。


                   × ×


別の日。

「はあっ」
「ねえ、ルカ」

楽屋で休憩中、また溜息をついたルカに集さんが話しかけて来た。

「貴方、ここ数日本当に溜息多いわよ。どうしたの?」
「・・そんなに多いですか、溜息」
「そりゃあ、ね」

集さんは思い出すように少し考え込んだ後

「仕事中は完璧だけど、こうやって楽屋で寛いでいたり、帰りとかの車中だと、もう連発よ。おまけに思いつめた様に暗いし」
「そ、そうだったんですか」

無自覚だっただけに指摘されると割と堪え、不思議と言い返せなかった。

「悩みがあるなら相談に乗るわよ?まあ、貴方の場合悩んだら綾崎君に相談するでしょうけどね」

集さんは、ハヤテの名を出した瞬間ルカが反応したのを見逃さなかった

「やっぱりね〜」
「な、何がですか」
「ルカの場合、悩んだらいの一番に綾崎君に相談する。でも、そうした様子も無く悩んでいる。って事は、綾崎君絡みの悩みなんでしょ?」

鋭すぎる指摘にまた言い返せなかった。

「相談位乗るわよ。綾崎君には相談出来ないだろうし、貴方の友達で綾崎君の事を好きじゃない人は居ないでしょうし。つまり、私は適任のはずよ?」
「・・・」

ルカは悩んだが、休憩時間が終わってしまったので仕事に集中し、帰りの車内。

「あの、何処か寄り道してもらってもいいですか?出来れば静かな所に」
「ん!? 分かったわ。じゃあ、例の場所ね」

2人は例の埠頭にやって来た。

「で、どうしたのよ?」
「言われた通り、今の私の悩みは集さん位にしか相談出来ないって、そう思ったんです。ですから」
「静かな場所を指定したわけね。で、どんな悩みなのよ」

ルカは少し間を空け、

「実は、ハヤテ君が浮気しているかもしれないんです」
「・・は!?あの子が!? そんな馬鹿な」

ルカの言葉を直ぐには信じられず

「あの子がルカを裏切るような真似、相当な理由が無きゃあり得ないわよ。ましてや「浮気」何て絶対的な裏切りなんて、天地が引っ繰り返る位あり得ない事だと思うけど」
「そ、そうなんですけど」

また少し間を空けた後、

「見ちゃったんです。人目を気にするかの様に人気の無い所でハヤテ君が知らない女の子とキスしている所を」
「・・確かに、それじゃあ浮気を疑っても仕方ないわね」

疑っていた集さんも、真剣度を上げ、

「でも、それは何か事情があるんじゃないの?知ってると思うけど、綾崎君は異常にモテるもの。貴方を含めて婚約者候補が7人もいる程よ?彼の悪い癖が出て、その女の子に好かれちゃったんじゃないの?彼にその気なんか微塵も無くても、女の子の方にその気があれば、キスの一つや二つ、されても不思議ないと思うけどね」

集さんの正論に、ルカの心のモヤモヤは晴れ始めていた。

「兎も角、その事については彼に直接訪ねなさい。絶対的に杞憂だと思うわよ?「綾崎君は浮気と言う裏切りなんかしてなかった」ってね」
「・・・」
「ルカ、恋人なら信じなさい。その上で話し合いなさい。その思い込みが最悪のすれ違いを生んじゃう可能性だってあるんだからね」

優しい言葉にルカは

「ありがとうございます。帰ったら聞いてみます」
「それが良いわ。さ、帰りましょ」

再び車に乗り込み、帰路に着いた。


                   × ×


一方その頃、ハヤテは。

「あの、ご相談が」
「あら、何かしら」

ルカが仕事でいない間、ハヤテは白皇の生徒会室に来ていた。
そして愛歌さんに相談を持ち掛けていた。

「実は、ここ数日ある人の様子が変なんですよ」
「具体的にどんな風に?」
「悩んでるみたいなんですけど、聞いても答えてくれないですし、話しかけてもなんか曖昧な返事ばかりですし」

ハヤテはルカの名前を出さなかったものの、愛歌さんは

「それって、例の恋人さん?」
「え!?知ってたんですか?」
「まあね。相手は知らないけどね」

愛歌さんが知ってた事に驚きつつも

「普段だったら向こうから話しかけてきたり、何かあったら直ぐに言ってくれるんですけど、今回はそれが無くて」
「ふ〜ん。まさかと思うけど、浮気してないわよね?」
「そ、そんな事しないですよ。そんな絶対的な裏切りは」

ハヤテの様子から疑ってはいないものの

「(またハヤテ君の悪い癖でしょうね。困っている人が居れば誰彼構わず助けちゃうんだもの。誰かを助けて、その人に好かれちゃって、浮気を疑われてる。そんなとこね)」

驚異的な洞察力で見抜き

「(この人は本当に困ったものね。私の気持ちに気付きもせず、こんな相談を持ち掛けて来るんだもの。本来ならその恋人さんとの関係が壊れてくれれば嬉しいんだけど、今回は助けてあげますか)」

ルカとの関係を壊したかったが、嫌われたくないので真面目にアドバイスを送る事にし

「兎も角、無理やりでもいいから話し合いの場を設ける事ね。勿論2人きりでね」
「やっぱり、それしかないですよね」
「ええ、そうね。そうじゃないと、最悪のすれ違いを生んじゃうわよ」

愛歌さんの言葉にハヤテは直ぐに立ち上がり、

「分かりました。何とか話をつけてみます」
「頑張ってね」

ハヤテが生徒会室を出て行った後、愛歌さんは生徒会室のソファーに横たわった。

「私は何がしたいのかしらね。ハヤテ君が好きなのに、上手く行くかもしれないアドバイスを送っちゃって。 それだけじゃないわ。話し合いがこじれて、ハヤテ君との関係が壊れてくれればいいのにって醜い考えが浮かんじゃって。 ハヤテ君、私の気持ちに気付きなさいよ」

ハヤテの悩みは多少は晴れたが、愛歌さんは悩む羽目になった。


                   × ×


夜。
ルカは帰宅後、ハヤテを人気の無い庭の一角に連れて来ていた。

「ねえハヤテ君、大事な話があるんだけど」
「な、何でしょう」
「ハヤテ君と私の関係って何?「結婚前提の恋人」だよね?」

ハヤテは無言で頷いた。

「浮気なんかしてないって、誓える?神様にもさ」
「勿論ですよ。そんな事、絶対にしてません」

ハヤテが言い切ると、ルカは疑いの眼をハヤテに向け

「じゃあなんで、私の知らない女の子とキスしてたの? アテネ達は、本当は嫌だけどまだ我慢出来るよ。でも、知らない女の子とのキスなんて、我慢出来る訳無いよ!!」
「そ、それは」
「誤魔化しても無駄だよ。ちゃんと見たもん。この辺でキスしてたでしょ!!」

落ち着いて周囲を見ると、確かに数日前に恋葉のキスされた現場だった。

因みに、恋葉はルカが出かけた後に出勤してきて、帰宅する前に帰っちゃうので面識は現時点でないのである。

「そ、それはですね」
「良い訳なら聞くから、話して。全部聞いてあげる」

未だ疑いの目を向けて来るルカにハヤテは話し始めた。

「その人は、牧瀬恋葉さんと言ってここ最近新しく入った、アーたんの専属メイドなんです。その方とは偶然出会って、色々と事情があって仕事を探しているっと聞いたので、ここを紹介したんです。ここならお給料も良いですし、時間に融通も割と聞きますし。だから紹介したんです」

「事情は分かったよ。でも、それとキスした事とは全く繋がらないよね?」
「そ、それはですね」

ハヤテは話し始めた。


                   × ×


数日前。

ハヤテは恋葉に「大事な話がある」っと言われ、ハヤテは人気の無い庭に案内した。

「あの。大事な話と言うのは」
「う〜ん。話と言うか、相談かな。人に聞かれたくない」
「分かりました。何でしょうか?」

恋葉は少し間を空け

「私ね、好きな人がいるんだ。でもね、その人は物凄く鈍い人で「好きです」って直接的な言葉を言っても、分かってもらえるかどうか分かんないんだ。だからさ、どんな鈍い人にでも恋愛感情が伝わる方法って、無いかな?」

真面目に聞かれ、ハヤテは悩んでしまった。
ハヤテは恋愛感情が欠落しており、その手の事は全く分からなかった。しかし、頼ってくれた以上は何としても応えたいと思い、執事修行などで培った知識を総動員し

「そんなにも鈍い人なら、「好きです」って気持ちを込めていきなりキスをしてみては?そうすれば、どんなに鈍くても「女の子にそこまでされたらこれは恋心を向けられてる」って気付くと思いますよ?」

ハヤテお得意の天然ジゴロ顔で言い切ると、恋葉はハヤテにキスした。

「私、ハヤテ様が好き。大好き。恋人がいるって聞いたけど、そんな事関係ない。「ハヤテ様が好き」って気持ちは、止められないから」

そう言い残し、帰ってしまった。


                   × ×


「っと言う訳でして」
「やれやれ、またなんだね」
「え!?何がですか?」

ルカは呆れたが、ハヤテへの疑いは無くなった。

「浮気して無くて良かったよ。とはいえ、別の「良くない問題」が発生したけどね」
「???」

ハヤテにはルカの言う問題は全く分からず、首を傾げるばかりであった。

「で、その恋葉さんとはどうなったの?あれから何日か経ってるし」
「特に、何も。その時の事を聞いて、「もうちょっとしたらちゃんと話す」っと言われるばっかりで、答えてもらえなくて」
「ああ、そう」

ルカは恋葉に会いたい気持ちが芽生え

「兎も角、浮気は絶対にダメだからね。そこんとこ、忘れない事」
「勿論ですよ」

何とか誤解は解けたが、この日ルカがずっとべったりだったので、アテネ達と喧嘩になったのは言うまでもない。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月3日更新) ( No.32 )
日時: 2018/10/04 08:03
名前: ささ

愛歌にとってハヤテの行為(相談、決して大人の階段を登ったとかではない)は泥棒に防犯のアドバイスを請うみたいな感じか?
ハヤテのあれはもう…うん不幸な女性(ジゴロで落ちたという意味、繰り返すが決して大人の階段を登ったとかではない)を増やすだけだね。
そして、恋葉の場合知らなかったとはいえ、
名スポーツ選手に東大合格のための勉強法を聞くようなものだな。
ってかハヤテ、そのアドバイスって自分が過去受けてきたものじゃないでしょうか?(ハヤテじゃ埒が明かないので(数少ない主要男性キャラでなぜか数多くののハヤテへの恋に関わっている)悠太お答えください)
……☆☆☆(ニタァ)
ハヤテ好きの「白皇高等部の女子生徒」でバストサイズ「推定最下位(飛び級生徒を除く)」のヒナギクさん、超鈍感な男性にはいきなりキスをするといいんですって!(恐らくこの小説でハヤテ好きを公表しているキャラ(モブ及び虎徹を除く)唯一ハヤテにキスをしていない…その点においてはナギにも劣る)あっ、綾子の恋に協力すればお零れに預かれるのでは…(意味深)
そんじゃーねー(ダッーシュ)
追加質問
アテネと綾子は(ハヤテが絡まないという条件下では)仲はどうなんですか?
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Re: 女神と共に第四部 (10月7日更新) ( No.33 )
日時: 2018/10/07 01:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 恋葉「感想ありがとうございます♪」

 >>愛歌にとってハヤテの行為(相談、決して大人の階段を登ったとかではない)は泥棒に防犯のアドバイスを請うみたいな感じか?

 愛歌「成程。中々良い例えね」
 悠太「まあ、だからこそのまともなアドバイスを送れたってとこかな?

 >>ハヤテのあれはもう…うん不幸な女性(ジゴロで落ちたという意味、繰り返すが決して大人の階段を登ったとかではない)を増やすだけだね。

 悠太「だよな〜。本当にしょうがねえ奴だよ」
 メイド長「やれやれ、ですね」

 >>そして、恋葉の場合知らなかったとはいえ、
  名スポーツ選手に東大合格のための勉強法を聞くようなものだな。

 恋葉「そ、そうなんですか?」
 伊澄「それなりのアドバイスが限界ですよね」

 >>ってかハヤテ、そのアドバイスって自分が過去受けてきたものじゃないでしょうか?(ハヤテじゃ埒が明かないので(数少ない主要男性キャラでなぜか数多くののハヤテへの恋に関わっている)悠太お答えください)

 悠太「さあな。ハヤテは色んな意味で優秀だから、あの答えが出たんじゃねえの?」

 >>……☆☆☆(ニタァ)

 ハヤテ「(何やら嫌な予感が)」

 >>ハヤテ好きの「白皇高等部の女子生徒」でバストサイズ「推定最下位(飛び級生徒を除く)」のヒナギクさん、超鈍感な男性にはいきなりキスをするといいんですって!

 ヒナギク「・・・」←怒りつつも実行するか考えてる。

 美希「考えた結果、気絶か。情けない」
 理沙「こんなんで恋愛成就なんてあり得るのかねえ」

 >>(恐らくこの小説でハヤテ好きを公表しているキャラ(モブ及び虎徹を除く)唯一ハヤテにキスをしていない…その点においてはナギにも劣る)あっ、綾子の恋に協力すればお零れに預かれるのでは…(意味深)

 ヒナギク「そ、そんなハイエナみたいな事、・・・いやよ」
 綾子「幾ら親友でも、そんなこと許しませんわよ」

 悠太「因みにだ。カユラと泉もしてねえ筈だぞ。2人ともハヤテが好きだし」

 >>そんじゃーねー(ダッーシュ)

 悠太「別に逃げなくても大丈夫だと思うが」

 >>追加質問
  アテネと綾子は(ハヤテが絡まないという条件下では)仲はどうなんですか?

 悠太「あの2人はハヤテが絡もうが絡まなかろうが、無理だと思うぞ」
 ハヤテ「犬猿の仲、水と油。だもんね〜」

 アテネ・綾子「「仲良くするなどごめんですわ」」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (10月7日更新) ( No.34 )
日時: 2018/10/07 01:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここは何度か登場している愛沢家。


千桜はバイトの為に出勤し、着替えていた。
すると

「ハルさん、エロいなあ」
「うわああ。咲夜さん、何時の間に!?」
「別におってもええやないか。ウチの家やし」

千桜が慌てているのは着替えている最中で、下着姿だった為です。

「別にいいですけど、声をかけてくださいよ」
「ヘイヘイ。女同士でも、配慮は必要やな」

謝られた事に多少は罪悪感を感じつつ、着替え終わったので仕事に取り掛かった。

さて、一応ここで千桜の秘密を振り返ってみよう。
千桜は週二日、咲夜に仕える週末メイドである。

「(幸い、私の秘密は天王州家の面々は知らない。ハヤテ君と咲夜さんの妹君である日向さんは除いて、だけど。アテネにはばれかかったが、アテネが絶対の信頼を置くハヤテ君が誤魔化してくれたおかげで、何とかなった。だから現時点でも平気である)」

千桜が生活を共にするアテネ達に秘密にするのは、ただ単純に「恥ずかしいから」である。

普段の千桜は「知的でクールなオタク」であるが、メイドの千桜は「キラキラとはっちゃけたお人」である。
つまり、全然違うキャラなので、からかわれるのを防ぐ為だ。

「おーい、ハルさーん」
「は〜い♪何か御用ですか〜?」

キラキラと言う効果音が聞こえてきそうな歩みで咲夜の元へ向かい

「このハルになんでも御用を申し付けくださ〜い」
「なんか、ノッテルなあ。別にええけど」

咲夜はツッコみつつ千桜を自室に招いた。


                   × ×


「あの、これは?」
「小説やから分からんのも無理はないけど、新しいメイド服や」
「し、しかし」

千桜が恥ずかしがるのも無理はない。
以前のメイド服はミニスカートである事を除けば露出は極力抑えられており、羞恥心はあんまり感じずには済んでいた。
しかし、咲夜が用意した新しいメイド服は露出は多めで、羞恥心は感じずにはいられないのである。

「ウチはな、間違ってたんや。前のメイド服ではハルさんの可愛さを十分に生かし切れてへん。せやけど、この新しいメイド服は別や」

咲夜はワナワナと言い切り

「リボン、フリル、ミニスカート。これだけの要素があって、可愛くならん訳無い。120%アップや」

自信満々で言い切ると

「やっぱ、女はお洒落せなあかん生き物や。フリルは可愛いやろ?これからはそれで頼むわ」
「は、はあ」

返事をしない訳にはいかないので、曖昧な返事を返しつつ

「(これは、知られる訳にはいかない。特にハヤテ君には)」

「別にいいやないか、知られても」
「え!?」

心を読まれた事に驚きつつ

「ハルさん、ハヤテお兄ちゃんの事、好きなんやろ?だったら、その可愛い服でアピールしたらどうや?上手く行くかしれへんで」
「そ、それは・・。ってか、私は別にハヤテ君の事は、その」
「ウチ、知ってたで。ハルさんがハヤテお兄ちゃんの事が好きなの」

驚く千桜に

「ハルさん自身自覚したのは最近やろうけど、意識しとったのは分かってたわ。今回、メイド服をデザインしたのは、ハルさんの為でもあるんやで」
「私の為、ですか?」
「せや。勝負は平等じゃなきゃあかん。だからや」

咲夜の言葉に千桜の心はかなり動かされていた。

「って事で、出かけようか」
「え!?」
「ウチ、元々用事あったんや。意味なく出かける訳やないで」

千桜は悩みつつ

「まさか、この格好で出掛けろと」
「そらそうやろ。何の為に着替えてもろうたと思ってんねん」
「で、ですが//////////////////////」

モジモジする千桜に

「さっきも言ったやろ、ハヤテお兄ちゃんにアピールしろと。出掛ければ、会えるかも分からんで。それにや、目的地はメイド服でも目立たん場所や」
「・・・」
「女なら、攻めの姿勢も時には必要やと思う。ハヤテお兄ちゃんが好きなら、チャンスは全部生かさなあかんと思うで」

説得され、このままの格好で出掛ける事になった。


                   × ×


場所は変わり、秋葉。

「どや、ここなら紛れるやろ?」
「確かにここなら、メイド服もさほど不自然じゃないですね」

千桜以外のメイドは勿論、コスプレイヤーも多数いたので、不自然さは皆無であった。

「(このフリフリも、ハヤテ君に会いさえしなければ、恥ずかしくないな)」

とか思った瞬間

「あ、咲夜さん。奇遇ですね」
「おお、ハヤテお兄ちゃん。日向が何時も世話になっとるな」
「いえいえ。日向さんには楽しませてもらってますよ」

何の因果なのか、ハヤテが現れた。

「ところで、どうしてここにいるんや?」
「知り合いのバイト探しの最中でして」

時系列的には恋葉が天王州家に来る前です。

「ところで、1人ですか?」
「いんや。ハルさんと・・おろ?おらん」

いつの間にか千桜の姿が消えており、周囲を見渡したがいなかった。

「まあ、ええわ。この際やから聞いておきたいんやけど」
「何でしょう?」
「ハヤテお兄ちゃんは、ハルさんをどう思ってるんや?」

ハヤテは考え始めた。

「ハルさんの正体は知ってるんやろ?それを踏まえて、聞かせてほしいんや。勿論、正直に、やで」
「う〜む。普段のクールな感じとメイドの時のはっちゃけ感。明らかなギャップを感じますが、それも魅力の一つだと、僕は思いますよ」
「・・・」

実は、千桜はこっそり聞いており、更なる言葉を期待していた。

「あの人の魅力は「隠れがちな可愛さ」と「面倒見の良い優しい所」だと思うんです。生活を共にしているとそれが分かって、その魅力が分からない人には眼科か脳外科を無理やりにでも受診させたい位ですよ。嘘偽りなく、こう思ってます」

「さよか。まあ、医者を紹介するってとこは大賛成やな」
「ですよね」

ハヤテが好きな千桜はここまで言われ、自分の格好を見せたいという衝動を抑えられなくなり

「あ、あの」
「何処行ってたんや?折角会えたのに」
「そ、それは、その」

言い訳を探している千桜に

「今日は普段とは違う格好なんですね。 でも、その格好もとってもお似合いですよ。ハルさんの可愛さが存分に引き出されてて、本来の魅力を見る事が出来ましたよ」
「///////////////////////////////////」

更に真っ赤になった千桜に

「あの、体調が優れないんですか?顔、真っ赤ですよ」
「(だ、誰のせいだ、誰の)」

心の中でツッコミ、このやり取りを見ていた咲夜は

「(複雑やな。ウチとしては、日向を応援したいんやけど、親友のナギや伊澄さんも応援したい。更にハルさんも大切な人や。ハルさんも応援したいわ。どないしよ)」

色々考え

「(ウチは中立の立場でおるか。その方が不公平さは無くなるやろ)」

割と直ぐに結論をつけてから

「ハルさん、行こうか。ウチの用事を済ませようか」
「あ、はい。では、これで」

ハヤテに挨拶し、離れた後

「どうやったんや?あんな風にべた褒めされて」
「嬉しかったです。咲夜さんには悪いですけど、日向さんに自慢したくなる位」
「別にいいわ。ウチは全員を応援してるし、誰かだけの味方はせえへん。中立でおるわ」

咲夜の言葉に、千桜は安心した。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月7日更新) ( No.35 )
日時: 2018/10/09 06:54
名前: ささ

どうもささです。
「木を隠すなら森の中」ってことか。確かに秋葉なら…僕個人としては、秋葉はメイドさんというよりジャンケンでセンター決めることがあるような某国民的アイドルグループの聖地と電気街という印象なんですけど…パソコンのパーツとか、(脱線してしまうので以下略)
咲夜、「中立」ということはナギや伊澄にも場合によっては…ってことだね。
全く、ハヤテは恋人がいるのに…

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Re: 女神と共に第四部 (10月11日更新) ( No.36 )
日時: 2018/10/11 20:25
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 >>どうもささです。

 カユラ「感想感謝するぞ♪」

 >>「木を隠すなら森の中」ってことか。確かに秋葉なら…

 咲夜「せやろ?名案やろ?」
 千桜「幾ら名案でも恥ずかしいのには変わりませんけどね」

 >>僕個人としては、秋葉はメイドさんというよりジャンケンでセンター決めることがあるような某国民的アイドルグループの聖地と電気街という印象なんですけど…パソコンのパーツとか、(脱線してしまうので以下略)

 悠太「まあ、元々は電気街だったみたいだがな」
 ナギ「で、いつの間にか「聖地」になった訳だ。その印象は間違いではないと思うぞ」
 カユラ「人それぞれ、だな」

 >>咲夜、「中立」ということはナギや伊澄にも場合によっては…ってことだね。

 咲夜「そうやな。誰かだけの味方はせえへん。必要に応じて、味方するわ」
 ナギ・伊澄「・・・」

 >>全く、ハヤテは恋人がいるのに…

 ルカ「ホントだよね〜。1回位お仕置きが必要かな?」
 ハヤテ「か、勘弁してください」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (10月11日更新) ( No.37 )
日時: 2018/10/11 20:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み?三千院家。


ナギは朝食後、寛ぎながらテレビを見ていた。

「しかし、最近ルカをTVでよく見かけるよな」
「確かにな〜」

ルカは宣伝を兼ねた朝の番組に出ており、歌も歌っていた。

「こんな凄い奴と同人誌対決をして、現在でもライバルだなんて、信じがたい事実だよな」
「なあお嬢様。その事なんだけどよ」
「ん!?」

悠太は少し悩んでから

「10年後に、対決するんだよな?」
「まあな。それがどうしたんだよ」
「あれ以来、漫画書いてるか?ルカは忙しい合間を縫って書いてるらしいが」

悠太の言葉にナギは黙り込んだ

「なんか、「良い感じで終わった」みたいな空気出してるが、結果はお嬢様の負けだぜ?おまけに現在2連敗中ときたもんだ。なのに漫画は描かない、構想もしない。そんなんで10年後、大丈夫なのか?」

悠太の言葉にナギは俯いた。

「だ、だが悠太よ。三度目の正直っと言う諺がある。今度こそ」
「二度あることは三度ある。って諺もあるぜ?」

ナギはまた言い返せなくなった。
因みに?

「(私としてはこのまま何もしない方が面白んですけどね〜♪そうすれば屈辱の三連敗なんて面白い展開が待ってますからね〜♪そうすれば徹底的に追い打ちをかけてそれもコレクション出来ますからね〜♪そうすればもう♪ああ♪)」

とか思っていた人がいたそうだ。

「確かに私は負けたさ。だが、あの会場では90部も売ったんだ。10年もあればきっと何とかなる!!」
「何を言ってんだか。ナギ、お前は大きな勘違いを発動中のようだな」
「カユラ」

カユラが腰に手を当てて、呆れつつ苦言を呈していた。

「確かに、90部も売ったのは立派な戦績と言える。だが、悠太っちの言った通り、ナギは2連敗中だ。ルカは忙しくてもちゃんと漫画を描いているのに、お前はサボってばかりだ。そんな奴は「たった10年」だよ。足りると思うか?時間が」
「だ、だが」

言い返そうとしたナギにカユラは溜息をつき

「この前遊びに行った時に「まだ途中だ」と言ってた奴を見せてもらったが、結構な物だったぞ。「失敗したから」ってやつを貰って来たから、見てみろよ」
「こ、これは!!!」

絵のタッチなどから間違いなくルカの漫画であり、同人誌対決の時より数段レベルアップしていた。

「これで分かったろ?お前とルカの間はまた広がったと言える。「10年あれば何とかなる」って言ったな?そんな訳無いだろ。現時点でこんなにレベルが離れてるのに」
「ウググ」
「あの対決、その後の生活。それがルカを大幅にレベルアップさせたんだ。それに比べてお前は現状に過信して止まってばかり。10年後には「また負けて3連敗」って展開が容易に想像出来るよ」

カユラの言葉にナギは膝をついた。

「確かに、間違ってた。私は「負けたくせに現状に満足してた」さ。私の漫画家人生は始まってすらいないのに、な」
「やっと分かったか。で、どうするんだ?」
「そんなの簡単だ。投稿作を書くのさ」

ナギが言い切ると

「投稿作?」
「ああ。同人誌はもう良い。 漫画家になる為には、出版社の賞を取るのが良いと、私は思う」
「でも、大丈夫なのか?お前の現状のレベルで」

カユラの言葉にナギは少し言葉を詰まらせてから

「確かに不安は残る。だが、何もしないよりはずっとマシだ。落ちたら落ちたで、それを生かして次に繋げる事も出来る」
「成程な。で、お嬢様、何処に投稿するんだ?」
「少年○ンデーだよ」
「なんでまた」

悠太が聞くと、ナギは「当たり前の事を聞くな」っと言う顔になり

「作者が○ンデー派だからだ。毎週必ず買ってるし」
「ああ、そう。まあ、何処に投稿して何処の賞を取るのは自由だからいいんだけどな」
「だろ?作者が愛している○ンデーだからこそ、そこに挑戦するんだよ」

全員納得し、カユラが

「じゃあ、ジャンルはどうするんだ?ラブコメか?」
「ああ、そうさ。 私が同人誌で学んだ事、それは「身近な体験をベースに漫画を描くのが一番」だって事さ。それなら面白い漫画を描ける可能性が広がると思う」

ナギは一旦間を空け

「だから、身近なラブコメを探し、それを漫画にするのさ」
「身近なラブコメねぇ。まあ、ピッタリすぎる人材が俺達の身近にいるわな」
「っと言う訳で、出かけて来る。カユラ、手伝ってくれ」

ナギはカユラを伴って、出かけた。

「(このまま何も見つからないと面白いんですけどね〜♪そうすれば色々と面白いですよね〜♪なんだったら何も起こらない様に邪魔しちゃおうかしら♪どんな邪魔をするか迷うわね〜♪ああ♪)」


                   × ×


場所は変わり、秋葉。

「なんで秋葉に来たんだ?私はてっきり」
「ん!?ハヤテに会いたかったのか?」
「ち、違う!!!////////////////////た、確かに最近交流が薄まって来て寂しいなとは思ったが/////////////////////////////////」

モジモジと言うカユラにナギは「やれやれ」っと言った感じになり

「そうじゃなくて!!!!ここの人間はラブコメから縁遠そうだと思ったから言ったんだよ」
「分からんぞ。「オタクの男性と美人な女性のラブコメ」って増えつつあるしな。そういう展開が現実に転がってるかもしれんだろ?」
「無いと思うが」

首を傾げるカユラにナギは

「ラブコメは意外性があると面白い。だからここで探してみよう」
「分かったよ、付き合うよ」

暫く探したが、収穫は全くなく

「どうすんだよ。お前が探してる展開は」
「こうなったら、道行くオタクの方にいきなり告白してみるしかないか」
「・・何故?」

呆れるカユラにナギは

「さっきも言ったがラブコメは意外性だ。ならばいきなり告白は」
「上手く行くわけないだろ。いきなり見知らぬ人間に告白されて、OKする奴はいない」
「どうかな?いきなり告白されて「結婚してくれるならOKしてあげる」って返して本当に結婚した展開もあるんだぞ」

カユラも当然知っていたが

「現実はそんなに甘くないよ。お前か私が告白しても、逃げられるオチで終わりだよ」
「やっぱ無理か。  ん!?」

落ち込むナギの視線の先に、偶然ハヤテが居た。

「丁度良い。カユラ、ハヤテに告白してきてくれ」
「な!?なんで私なんだよ!!!//////////////////////////」
「お前もハヤテが好きだし、丁度良いだろ」

当たり前に言うナギにカユラは

「だ、だから/////////////////////////私はもっと親密度を上げてから告白すると////////////////////////////今告白してもOKしてもらえる保証はないだろ/////////////////////」
「お前、恋愛ではヘタレだな」
「煩い!!!私なりの方法でこの恋を成就させるつもりなんだ。口を挿むな!!!!」

怒ってしまったカユラにちゃんと謝り

「仮にだ。親密度を上げて、「告白できる状況になりました」ってなったら、お前はどうやって告白するんだ?」
「そ、それは///////////////////////////////」
「参考なまでに聞かせてくれよ。誰にも言わないからさ」

カユラは真っ赤になり、モジモジした後

「綾崎君、好きニャン(ハート)」

猫ポーズをしつつカユラが言うと

「え!?あ、あの」
「あ、綾崎君!?//////////////////聞いてたのか!?/////////////////////////////」
「え、ええ、まあ。お見かけしたので、挨拶しようと。 そ、それよりさっきのは」

困っているハヤテにカユラは真っ赤になったまま

「こ、これはあれだ////////////////////////////ナギが漫画のネタでラブコメを探しに来たたんだ。で、私だったらどう告白するか聞かれたから、言っただけなんだ。綾崎君の名前を出したのは何となくで、深い意味は無いんだ////////////////////////////////////」

明らかに誤魔化している状況なのに、ハヤテは

「そうだったんですか。ビックリしちゃいましたよ」
「ま、まあ。ビックリさせたのは謝るよ」

一部始終を見ていたナギは

「(やれやれ。こんなんで私のライバルは務まるのか?私ならあの状況じゃ誤魔化さずにいっきに告白の流れに持って行くのに)」

こう思いつつ、嬉しそうにハヤテと話すカユラを見ながら

「(カユラの奴、ハヤテと話せて嬉しそうだな。まあ、その気持ちは分かるし、私も加わらせてもらうか)」

ナギはハヤテとカユラの会話に加わった。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月12日更新) ( No.38 )
日時: 2018/10/12 20:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み天王州家。


「ねえ千桜」
「ん〜!?なんだ〜?」

千桜とルカは現在、千桜の部屋に2人でいた。

「牧瀬恋葉さんって、どんな人?」
「へ!?ああ、ルカは面識無かったんだっけ」

恋葉が来てから現在までルカは休みが無く、早く終われる事も無かったので、話を聞く程度であった。

「どんなって。何と言うか、ハヤテ君に似てるな」
「・・・」
「薄幸で、苦労してて、呪われた運命を背負ってて。 でも、そんな事に決して負けない強さと明るさ、優しさを持ってて。自分を平気で犠牲に出来る、そんな人だよ」

千桜の言葉に、ルカは唇を噛み締めていた。

「でも、それを言うならルカも、だけどな。薄幸の苦労人、でもそれに負けてない。3人ともそうだよ」
「千桜」
「悔しいけど、あの人がハヤテ君に惚れた理由、何となくで分かるんだ。似た運命を背負う2人、だからな」

千桜は椅子から立ち上がり、ルカの両肩に手を置き

「ルカ、あの人がどんな行動を起こすかは分からない。でも、負けるなよ」
「なんで慰めてるの?千桜だってハヤテ君の事を」
「お前を打ち負かし、結婚式で屈辱を与えるのは私だからだよ。友達だから、勝ちたいんだ。それだけさ」

笑みを浮かべる千桜にルカも笑みを返した。


                   × ×


ルカは自室に戻り、ベッドに寝ころんでいた。

「私に似た、ライバルか」

千桜の言葉を反芻しており、恋葉に会ってみたい気持ちが強まっていた。
しかし、現状では難しく、恋葉の家に直接乗り込むことも考えたが、恋葉の家族への迷惑も考え、それは却下していた。

「皆の話を聞くうえでは、恋葉さんは間違いなくハヤテ君に惚れている。 ハヤテ君が私を裏切る真似は絶対にしないけど、ハヤテ君は優しすぎる所があるから、強めに迫られたら・・」

不安は消えず、直接会わなければ恋葉がどんな行動を起こすか、ちゃんとした予想を立てる事は困難であった。

「こうなったら、集さんに相談して恋葉さんが帰る前に帰って来ないと」

明日相談しよう、そう考えてから寝る準備に入った。


                   × ×


翌日・夜。
幸い、機材トラブルなどがあり、何時もに比べて結構早めに帰ってくる事が出来、帰宅する前にハヤテに確認したところ、まだ帰っていなかった。

ルカが天王州家の庭を急ぎ足で歩いていると、話声が聞こえ、そこへ赴くとハヤテと恋葉が2人きりでいた。
当然、ルカは隠れて聞き耳を立てていた。

「ごめんなさいハヤテ様。こんな所に呼び出して」
「いえいえ。それより、大事な話と言うのは」

恋葉は言うべきか迷う様にモジモジした後

「私、ハヤテ様が好きです」
「え!?それって、若しかして」
「うん。勿論恋愛的に、だよ」

恋葉はハヤテの様子を窺いつつ

「初めて会ったあの時、あんな風に迫られて、凄くドキドキした。そしてすぐ後に私が困らない様に配慮もしてくれた。また会った後も私を助けてくれた。こんなに素敵な職場を紹介してくれて、ずっと優しくしてくれて」

ここまで一気に言うと、一旦間を空けた後

「ハヤテ様の優しさ、かっこよさ、素敵な笑顔。何より私と結構似てる。背負った運命やそれに立ち向かえる強さ。初めて会ったあの時も、そして一緒に過ごしててハヤテ様への恋心は決定的になった。だから、ハヤテ様が大好き。出来る事ならお嫁さんになりたい位。だから」

黙り込んだ恋葉にハヤテは

「お気持ちは嬉しいですが、僕には」
「知ってるよ。婚約者候補が7人もいる事も、結婚前提の恋人がいる事も。でも、そんなの関係ないよ!!」

恋葉は強い目で言い切り

「私の気持ちは本気だから。結婚前提の恋人さんにも、他の6人の婚約者候補さんにも、負けたくない。絶対に勝ちたい。アテネお嬢様にしか会った事無いけど、ハヤテ様を想う気持ちは負けてないって断言してもいい。それ位真剣なんだよ」

明らかに困っているハヤテに恋葉はいきなりキスした。
それは、近くで隠れて見ているルカにも分かるほどの、大人のキスだった。

「好きって気持ちを込めてキスすれば、伝わるんでしょ?これで私の本気度が分かった?」
「は、はあ//////////////////////////////」
「確かに前も告白したけど、今回はちゃんと告白したかったんだ。絶対に、負けないからね。ハヤテ様との子供を産むのは、私だからね♪」

どうすればいいのか困っているハヤテに、顔に赤みを帯びさせつつ笑顔の恋葉、怒りで我を忘れそうになっているのを必死で抑えているルカ。
はたから見ればどう見てもカオスだった。

「今日の仕事はもう終わりだし、もう帰るね」
「は、はあ。では僕はお屋敷に戻りますね」

屋敷に戻るハヤテを見送り、恋葉は

「そこにいるんでしょ?ハヤテ様はもう行っちゃったよ」
「・・気付いてたんだ」

ルカは隠れていた茂みから出てきて、恋葉と対峙した。

「何時から、なの?」
「最初から。貴方が隠れているって気付いていたから」
「ハヤテ君に告白したんだね。やるね」

2人は睨み合い

「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。 私はアテネお嬢様の専属メイドの牧瀬恋葉です。で、貴方が」
「婚約者候補No.7にして結婚前提の恋人・水蓮寺ルカよ」
「若しかして、今話題のアイドルの」

ルカが無言で頷くと

「聞いてたなら分かりますね。私はハヤテ様が好き。貴方から奪い取るつもりです」
「そ、そんな事、させないもん」

ルカが言い返すと、恋葉は少し間を空け

「確かに、現状では私が貴方に勝っている所は、何一つありません。ハヤテ様と過ごした時間も、立場も、想っている長さも。でも、唯一勝っているかもしれない事は「ハヤテ様への恋心」です。これだけは、全宇宙の人間より、勝っているかもしれないって言い切れます。恋人であり婚約所候補でもある貴方よりも。だからこそ、貴方がいるタイミングを狙ってハヤテ様に正式に告白したんです。負けたくないから」

恋葉の強い目にルカは少し黙り込み

「確かに、私が貴方に劣っている所は、何もないよね。私はハヤテ君の婚約者候補だし、恋人だし。それに、ハヤテ君と一緒に寝るし、一緒にお風呂に入るし。恋葉さんは、全部私に負けてるね。でも、だからこそ言わせてもらうよ。貴方にハヤテ君は奪わせない。どれだけハヤテ君を好きでも、絶対に」

ルカに言い返され、恋葉は

「こんなにも人を好きになるのは、初めてなんです。だから、卑怯な事はしないけど、どんな事をしてもハヤテ様を奪います。ハヤテ様のお嫁さんは、私です」
「良い度胸じゃん。そこまで言うなら、ライバル認定してあげる。私も恋葉さんには負けないから」

2人の間には激しい火花が散っており、詳細を知らない人が見れば、「今から戦争でも始まるのか!?」っと、誤解されそうだった。

「あ、でも。一つだけ、恋葉さんが私に勝っている所、あるよ。悔しいけど、それだけは認めてあげる」
「???」
「それだよ、それ」

ルカは恋葉の胸を指さしていた。

「アテネや神尾崎さん、クリスさんに勝るとも劣らない大きさだね。出来る事ならそれを武器に使わない事を祈るよ」

そう言うと、ルカは屋敷に入って行った。

ルカは廊下を歩きつつ

「(牧瀬恋葉さん、か。こりゃナギに報告かな。知ってるかもしれないけどさ)」

自身が思う最強のライバルへの報告を決意しつつ、ハヤテへの誘惑を強める事も決意していた。


一方の恋葉は

「私の武器、か。活かしてみようかな」

そう思うと帰路に着いた。


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以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月16日更新) ( No.39 )
日時: 2018/10/16 00:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは毎度お馴染み天王州家。


ハヤテは何時も通り、仕事をしていた。
すると

「あの、ハヤテ様」
「あ、恋葉さん。何でしょう?」
「実は、買い出しを頼まれたのですが、初めてなので何処に買いに行ったらいいかとか分からなくて」

不安そうに言われ、ハヤテは

「そう言えば、まだ教えてませんでしたね。では、行きましょうか」
「はい♪」

ハヤテは今していた仕事をあっと言う間に片付け、恋葉と一緒に出掛ける事にした。


                   × ×


2人は何時もの安いスーパーにやって来た。

「へえ。何だか意外ですね」
「何がですか?」
「いや、だって」

恋葉はハヤテの顔色を窺いつつ

「天王州家ほどの財閥なら、全部業者からの直輸入か、高級スーパーで買い物をするとばかり。ここ、家が安売りを狙って来る所ですし」
「財閥だからって贅沢品や高級品ばかり買い求める訳じゃ無いですよ。さ、買い物を済ませちゃいましょう」
「そうですね」

2人はメモを見ながら買い物を進めて行った。

「なんか、流石ハヤテ様ですね」
「え!?」
「だって、少しでも良い物を選んでかごに入れてますし、何時の間にか安売りの品もチェックしてますし」
「ま、これも執事の嗜みですから」

当然の様に言うハヤテに

「私もメイドとして働く以上、こういう目利きも覚えた方が良さそうですね」
「そう、ですね。「皆さんに少しでも良い物を」これは使用人たるもの常に心がけるべきと、僕も教わりましたから」
「勉強になります」

買い物も終盤に近付いた時

「ハヤテ様って、皆さんの好き嫌いって、把握してるんですか?私、まだ手探りな所があって」
「まあ、一応は。今後の為に教えておきますね」

ハヤテはアテネ、千桜、日向、ソニアの好みを全て教え

「流石ですね」
「いえいえ。因みに、恋葉さんは」

ハヤテは恋葉の好みも完璧に把握しており、指摘された恋葉は

「まだ付き合いが浅いのに、知ってくれてるんですね」
「執事ですから」

ハヤテの悪戯っぽい笑みに恋葉は真っ赤になった。

因みに、事情をよく知らない人が見た2人の印象は
「ちょっと変わった新婚夫婦」
っと思ったそうだ(恋葉がメイド服だから)。

会計を済ませ、帰路に着く道すがら

「ハヤテ様って、流石って思う事、いっぱいありますね」
「へ!?何がですか?」
「だって」

恋葉はスーパーからここまでの道中を思い返し

「荷物は重い方を持ってくれてますし、歩道も道路側を私の歩く速さに合わせて歩いてくれますし」
「え!?そうですか? 無意識なので気付きませんでしたが」
「(無意識にそんな女の子が喜ぶ事が出来るあたり、この人を好きになってよかったな)」

不思議そうな顔のハヤテに対し、恋葉は「ハヤテを好きだと言う気持ち」を強めていた。
そんな気持ちに気付くはずも無く

「恋葉さん、折角ですからちょっと寄り道しません?」
「え!?でも」
「ちょっと位なら大丈夫ですよ。近くに知り合いがバイトしている喫茶店があるんで、そこへ行きましょ。僕がお金を出しますし」

恋葉は少し考え、

「じゃあ、折角のお誘いですし」
「案内しますよ」


                   × ×


場所は変わり。

「ここが」
「はい。落ち着いた雰囲気のある、良いお店ですよ」

一応補足しますが、喫茶どんぐりです。

「ん!?」
「どうしました?」
「ああ、いえ。これがちょっと」

お店の前には「ビッグパフェフェア開催中。30分以内に1人で完食出来たら、無料+1000円分の商品券をプレゼント」っと言う看板が出ていた。

「挑戦してみますか?写真で見る限りじゃ」
「う〜ん。入ってから決めます」
「そうですか」

2人がお店に入ると

「いらっしゃいませ〜。 あら、ハヤテ君じゃない」
「こんにちは。今日はヒナギクさんだけですか?」
「まあね。お席は好きな所へどうぞ」

2人は外を見れるいい席に着いた(向かい合って)。

「ご注文は?」
「外にも書いてあったビッグパフェと言うのは」
「あるわよ。でも、大丈夫?結構大きくて、成功者は2人位しかいないけど」

ハヤテも恋葉も顔を見合わせ

「挑戦したいです。私からすれば、成功報酬は魅力的ですし」
「じゃあ、2つお願いします」
「失敗したら罰金千円よ?それでも」
「罰金は僕が払うので、構いません」

ハヤテが言うと、ヒナギクは「分かったわ」っと言ってキッチンに向かった。

それから数分後。

「お待たせしました」
「「こ、これは」」

ポスターの写真で見てはいたのだが、想像を超えていた。

「大丈夫ですか?かなり多いですけど」
「頑張ります」
「ではスタート」

約十分後

「「ごちそうさまでした」」
「す、凄いわね」

ハヤテも恋葉も完食してしまった。

「ハヤテ君は何となく納得出来るけど、貴方まで」
「大丈夫ですか?僕はともかく、完食してしまいましたけど」
「「勿体無い」って思ったら、出来ちゃいました」

恋葉の笑顔に無理等はしていないっと直ぐに分かったので

「凄いですね。流石です」
「フフッ♪そう言ってもらえると嬉しいです」

2人で笑みを向けあっていると

「賞品の商品券です。 後、これは私から」
「「え!?」」
「私のおごりよ。コーヒー代は私が出すわ。遠慮とかしないで」

そう言うと、反論は許さないっと言った勢いで奥に行ってしまった。
ハヤテも恋葉も少し悩んだが、ありがたく厚意を受け取る事にした。

それから少しして

「ねえハヤテ君、ちょっといい?」
「え!?ああ、はい」

恋葉を待たせ、ハヤテをスタッフルームに連れて行き

「ハヤテ君、あの人は誰?服装から天王州さんとこのメイドさんって事は分かるけど」
「ああ。彼女は牧瀬恋葉さんっと言って、最近入ったアーたんの専属メイドです」
「え!?確か専属は1人しかいないって」
「ですから、彼女は2人目、ですね」

説明され、取り敢えずは納得したが

「それに、随分牧瀬さんと仲良さそうだったけど?」
「そうですか?気のせいだと思いますが」

ハヤテの様子から、誤魔化しているっと言う訳では無いと分かったが

「(牧瀬さんは、ハヤテ君の事が好きみたいね。あれは明らかに同業者に向ける目じゃなかったわ。綾や天王州さんがハヤテ君に向ける「恋する乙女の目」に間違いないわ)」

ヒナギク自身も「恋する乙女」なので、驚異的な直感も合わさり、この結論に至っていた。

「ハヤテ君、これ以上厄介な事・敵を増やす事を止めてくれない?」
「え!?な、何ですか、それ」
「なんでも無いわ。早く帰らないと、また大変なんじゃないの?」

ヒナギクに促され、ハヤテは恋葉と共に帰った。

「また、敵が増えた。 こりゃ何とかしないと」

ヒナギクはある決意を固めていた。


                   × ×


時間を飛ばし、夕方。
恋葉が帰る時間になり

「ああ、恋葉さん。これ、使ってください」
「え!?これって」

ハヤテは喫茶どんぐりで獲得した商品券を差し出していた。

「僕が持ってるより、恋葉さんが使った方が良いと思うんです。その方が、皆喜ぶと思うんで」
「ありがと、ハヤテ様」
「ああ、それと。これも」

差し出されたのは、綺麗に包装された包みだった。
開けると、可愛いリボンが入っていた。

「恋葉さん、普段リボンつけてるじゃないですか。なので、プレゼントです。恋葉さんがここへ来た記念だと思ってください」
「ハヤテ様//////////////////////////」

嬉しさのあまりハヤテに抱き着き、キスをした。

「大事にします。ずっと」
「それは良かったです」

恋葉を見送り、ハヤテは屋敷に戻った。


恋葉は帰宅後、早速もらったリボンをつけてみた。

「エヘヘ♪可愛い♪」
「あら恋葉。それ、どうしたんだい?」
「お、お母さん!?いつの間に!?」

家から離れた場所でやっていたのだが、何時の間にか母が来ていた。

「愛しのハヤテ様からのプレゼントかい?随分お熱いね〜」
「も、もう/////////////////////からかわないでよ//////////////////////////」
「私は嬉しいよ。あんな立派なお婿さんが来てくれるんだから」

照れる恋葉を残し、恋葉母は家に戻って行った。

「ハヤテ様がお婿さん、か。そう出来ればいいけど」


一方のハヤテは、夜帰って来たルカに部屋に呼び出されていた。

ハヤテがルカの部屋に入ると、ルカは鍵をかけ

「ハヤテ君、これはどういう事?」
「え!?ああ、これですか?」

ルカの携帯にはハヤテと恋葉が喫茶店で仲良く談笑している瞬間が収められていた。
それだけじゃなく、仲良く買い物をしている写真もあった。

「ハヤテ君、私と言う彼女ちゃんがいるのに、なんで牧瀬さんとデートしてるの?」
「で、デートじゃないですよ。買い出しを頼まれた彼女を普段利用しているスーパーに案内して、食材選びのコツとかを教えただけですよ」
「じゃあ、この喫茶店は?」

ずいずいっと迫るルカに

「それは、まあ。ちょっとした寄り道と言うやつでして。深い意味は」
「ふ〜ん。じゃあ、これは?」

ルカが最後に見せたのは、ハヤテと恋葉がキスしている瞬間だった。

「こ、これは、その。 っと言うか、どうしてこの写真を」
「親切な誰かが送ってくれたんだよ。 悪戯かな?っと思いつつメールを空けたらこんなのがさあ、説明してもらおうか!!」

ハヤテは出来るだけ詳しく説明した。 まあ、リボンをプレゼントした事は隠したが。

「まあ、そんな事だろうなとは思ってたけどね」
「ま、まあ。分かって貰えて何よりですよ」
「そうだね。でも、ハヤテ君には私の魅力を存分に伝えないと、駄目みたいだね」

妖しく光るルカの目に、ハヤテは強烈な寒気を覚えた。
この後2人がどうなったかは、分からない。





「(フフフフフフフフフフフフフフフ♪ハヤテ君たらまた女を作って♪これはこれは面白い展開になってきましたね〜♪ルカさんに手に入れた写真を送ったのは正解でしたね〜♪このままいけば益々私のコレクションが増えちゃいますね〜♪何でしたらこの写真を婚約者候補の皆さんに送っちゃおうかしら♪そうすればもっとコレクションが増えますね〜♪そんな事になれば♪ああ♪)」





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以上です。

次回は未定です。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月16日更新) ( No.40 )
日時: 2018/10/16 07:22
名前: ささ

「親切に」ルカに送った人、婚約者候補だけなんてケチくさいこと言わないで「現時点で」ハヤテ好きを公表している人全員に送りましょうよ♪そうすればもっともーとコレクションが増えますよ♪天王州家と言えども強いのはハヤテだけ(300話記念の暴走する乙女集団に対しては)ルカ、この作者は兎も角事務所に迷惑かけるのはダメだよ。(つまり、ここで書けないことはダメってこと)いくら婚約者候補と言っても…
まぁ、ハヤテは恋する乙女製造機だから…(そうでしょハヤテLOVERS(1名の変な人を除く))
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Re: 女神と共に第四部 (10月18日更新) ( No.41 )
日時: 2018/10/18 22:25
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 恋葉「感想ありがとうございます♪」

 >>「親切に」ルカに送った人、婚約者候補だけなんてケチくさいこと言わないで「現時点で」ハヤテ好きを公表している人全員に送りましょうよ♪そうすればもっともーとコレクションが増えますよ♪

 親切な人「あら♪良いですね〜♪では早速♪」

 ナギ「・・止めないのか?」
 悠太「・・無理言うな。作者権限じゃなきゃな」

 >>天王州家と言えども強いのはハヤテだけ(300話記念の暴走する乙女集団に対しては)

 アテネ「あら?私を忘れてますわ!!」
 ソニア「私も一応強いわよ。天王州家のメイドだし、一応」

 >>ルカ、この作者は兎も角事務所に迷惑かけるのはダメだよ。(つまり、ここで書けないことはダメってこと)

 ルカ「大丈夫だよ。それ位弁えてるし」
 集「やれやれ、ね。まあ、誤魔化してあげられる範囲内であれば、誤魔化してあげるけど」

 ハヤテ「まあ、何かあったら揉み消しますけどね」

 >>いくら婚約者候補と言っても…

 ルカ「別にいいじゃん。結婚前提の恋人でもあるんだし」
 ハヤテ「よ、よくないですよ。色々と問題が」

 >>まぁ、ハヤテは恋する乙女製造機だから…(そうでしょハヤテLOVERS(1名の変な人を除く))

 アテネ「フンッ。ハヤテは私がいると言うのに」
 ハヤテ「ぼ、僕のせいなのかな?」
 悠太「全面的に、な」

 他全員「全くもう」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (10月18日更新) ( No.42 )
日時: 2018/10/18 22:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは毎度お馴染み天王州家。


「アーたん、朝だよ〜」
「う〜。まだ眠いですわ」
「駄目だよ。今日から新学期だから寝坊や二度寝は」

ハヤテに言われ、アテネは上半身を起こしたが、90%以上はまだ寝ていた。
なので

「お姫様、お目覚めの時間ですぞ」
「!!!」

ハヤテの目覚めのキスをされ、一気に覚醒に向かった。

「じゃ、朝食は出来てるから着替えと準備が終わったら食堂に来てね」
「は、はい/////////////////////」

アテネが準備等を終え食堂へ行くと、既に全員が居て食事も殆ど終えていた。

「日向さんの学校は今日からなんですの?」
「そうやで。夏休みもええけど、学校もええもんや」
「私は気乗りしませんけどね」

アテネからすれば綾子を始めとしたライバル達にほぼ毎日会うので、良い気持ちはしないのである。
まあ、それは千桜にも当てはまる事ではあるが。

「折角ええ天気やねんから、そんなネガティブな言葉、言いっこなしやで」
「・・分かってるからこそ、言ったんですけどね」
「・・さよか」

それ以降は会話は途切れ、時間になったので各々動き始めた(アテネ、ハヤテ、千桜、日向は学校。ルカは仕事)。


一方その頃、ほぼ時刻、三千院家。

「今日から新学期〜♪夏休みもいいけど、学校もいいのだ〜♪」
「朝からテンション高いな、お嬢様は」

自作の歌を歌いつつテンションの高いナギに悠太は呆れつつ言っていた。

「良い天気に恵まれ、最高の始業式日和じゃないか。テンションが上がらん方がどうかしている」
「ああ、そう。そりゃよかったな」

まだ自作の歌を歌うナギに

「学校が始まれば愛しのハヤテ君とほぼ毎日会えますからね〜♪そういう意味でテンションが高いんでしょうね〜♪でも他の方々もいますから無駄なテンションと言えますよね〜♪」

確かに独り言なのだが、間違いなく聞こえる声量で、ナギは無視した。

「(待ってろよ、ライバルども。学校が始まれば綾崎君にほぼ毎日会える。そうなれば私の魅力を伝える機会も増えると言う物だ。綾崎君のお嫁さんは私の物だ)」

一方のカユラはこんな事を考えながら登校前の朝を過ごしていた。


                   × ×


ナギ達3人が並んで登校していると。

「ナギさん、カユラさん、悠太。おはようございます」
「「おお。おはよう////////////////////////////」」
「おはよ。そっちのそろい踏みだな」

アテネ、ハヤテ、千桜にあったので、一緒に登校する事になった。

「そう言えばさ。二学期ってイベントが盛りだくさんだよな」
「ん!?ああ、そうだな。 確か、体育祭に文化祭、後は修学旅行だな」
「ま、取り敢えずは楽しみだな」

千桜の言葉にカユラが返し、ナギが感想を言うと、

「でさ。白皇って、修学旅行何処に行くんだ?」
「例年ではハワイが多いですね」
「ハワイ!?流石と言うべきか、なんというか」

カユラの質問にハヤテが答えると、驚きで返した

「まあでも、ハワイじゃテンション上がんない奴も多いみたいだぜ。「何時も行ってるから」みたいなノリでさ」
「やれやれ。私じゃ生きてる次元が違うな」
「行きたいなら私が金を出してやろうか?まあ、今年は何処に行くかまだ知らんが」
「いや、遠慮しておくよ」

驚くカユラにナギが提案すると、遠慮した。
すると

「場所なんて何処でもいいじゃないか。要は「皆で楽しく行く事」が本来の目的なんだしさ」
「そう言うもんかね〜」

千桜の言葉にナギはあまり乗り気じゃなかった。
っと、そこへ

「本当はまだ秘密なんですけど、千桜さんの言う「皆で楽しく行く事」は難しい可能性もありますけどね」
「「「「え!?」」」」
「今年は金庭さんの提案が通って、あるものが開催されるんですわ。それに参加する以上「楽しく」何て不可能ですわ」

アテネが説明すると、アテネとハヤテ以外はどういう事か理解出来ないでいた。

「今年は伝統行事の一つである「修学旅行レベル5」が開催されるんです。僕も内容は知ってますが、アーたんの言う事は尤もですね」
「ハヤテ、なんだその「修学旅行レベル5」って」
「それはこの後の始業式で説明されるよ」
「あっそ」

その後は普通に世間話をして登校していた。

学校に着いた頃には

「ハヤテ様〜♪朝から会えるなんて運命ですわ〜♪」
「違うわよ、神尾崎さん。ハヤテ君との運命は私よ」

ほぼ何時も通り綾子がハヤテに抱き着いて来て、同じく抱き着いてきた麗と喧嘩になった。

「ダーリンGood morning。そして、classroomじゃないのに会えるなんてdestinyよね」
「フンッ。ハヤテ様とのdestinyは私だけのものですわ」
「神尾崎さん、それは自分勝手な思い込みなんじゃない?ハヤテ君とのdestinyは私よ」

千桜以外参加する喧嘩に悠太は

「やれやれ。朝から賑やかな事。まあでも、なんか日常が戻って来たって感じだな」

千桜が参加しない事に意外性を感じつつこんな感想を漏らしていた。
因みに、千桜は「参加出来なかった」が、正解です。

「(クソッ、完全に出遅れた。私だって「ハヤテ君との運命」を主張したいのに)」

っと言う理由ですよ。


                   × ×


「え〜、今年開催される「修学旅行レベル5」についてですが、これは理事長から説明していただきます」

生徒会長のヒナギクが言うと、アテネが壇上に上がり

「私を含め、生徒に皆さんは今回、五か所の中から好きな旅行先を選ぶ事が出来ますわ。まずレベル1は「タヒチ・ボラボラ島四泊五日バカンスの旅」最高級リゾートでの普段では味わえない白皇ならではの旅を約束しますわ。ただし、修学旅行積立金のほかに300万円が必要ですから、親御さんと要相談の末、結論を出してください」

アテネの説明に千桜とカユラは既にこの行き先を諦めていた。

「次にレベル2は「ヨーロッパ周遊の旅」各地の史跡や美術館を回り見聞を広めてください。日程は五泊六日で追加料金は100万円。こちらも相談が必要かもしれませんわね」

「場所によって日程が違うんだな」
「みたいだな」

アテネの説明にナギと悠太がこんな感想を漏らした。

「次にレベル3は「京都・沖縄四泊五日の旅」国内の史跡とバカンスが両方楽しめる日程ですわ。これには追加料金は発生しませんので、ご安心ください」

「これがスタンダードなプランって訳ね」
「japanのhistoryに触れるのも、楽しそうね」

麗とクリスはこんな感想を漏らした。

「え〜、レベル4ですが聞き流してもらって結構ですわ。何故なら「千葉の工場見学」一日中工場内で様々な労働体験が出来ますわ。七泊八日で実働15時間。お情けで最終日には某夢の国に行けますわ。こちらは修学旅行積立金が返還されますが、こんなのに行くおバカさんはいないでしょうね」

アテネの言葉に始業式に参加した全生徒が同意していた。

「では最後にレベル5ですが、これは提案者たる金庭理事に説明してもらいますわ」

アテネが言うと、壇上の端にいた金庭がマイクの前に立ち

「レベル5だが、これはちょっとしたゲームだと思ってくれて構わない。途中リタイアは十分に可能だ。挑戦者には修学旅行積立金は返還するし、優勝者にはそれに見合う賞金も送る」

学校行事なのに賞金が出ると言う事実に驚きの声が上がり

「優勝賞金、それは1億5千万円だ」

この額に強烈に反応したある人物がいた。

「行き先は言わないが、心配無用だ。引率は私が勤める」

「「(あ、あれは)」」

金庭を見て、ある事に気付いた2人が居た。

「旅行期間は九泊十日。途中リタイアした者は残りがどれだけあろうとホテルで寝ててもらう。現時点で言える唯一のルールだ。 公平さを出すために、旅行内容についての一切の事前説明は無しだ。これは理事長とて例外ではなく、「開催する事は知っていたが内容は知らない」が、諸君と違う所だ。ではHave a nice trip!」

クリスに気を使ったのか、最後は英語で言った。


                   × ×


それぞれは帰宅後、今日あった事を話していた。

まずナギ達は

「で、お嬢様はどれに参加するんだ?」
「愚問だな、悠太。レベル5に決まってるだろ」
「は!?なんでまた」

賞金が絡んでいる以上過酷そうなのは容易に想像出来るのに参加を表明したナギに聞くと

「無論、理由はある。それは言わんが、「初日に早々にリタイアしてホテルでダラダラ過ごす」なんて事はせんよ。誰がどれ位参加するかは分からんが、優勝は私の物さ。悠太、お前はどうするのだ?」

聞かれた悠太は少しだけ考え

「お嬢様が参加するなら俺もレベル5かな。サポート目的でさ」
「参加するのもサポートしてくれるのも構わんが、優勝は渡さんぞ。幾らお前でも、それだけは譲らん」
「大丈夫だよ。いざとなったらリタイアすればいいだけの話さ」
「そうか」

ナギの目的は何となくで察せれるが、お金が目的ではない事は明らかだった。

「(フフフフフフフフフフフフフフ♪良い事思いついたわ♪勝手にナギの参加先をレベル4に申請しちゃいましょう♪そうすればそれはそれは面白い事になりそうですね〜♪勿論サポート出来そうな人は皆排除して♪そんな事になれば私のコレクションが♪ああ♪)」


一方、千桜とカユラは

「千桜はどれに参加するんだ?私は決めてるが」
「何だ、お前もか?私もだよ。まあ「一応は」だけどな」
「ふ〜ん。で、どれだ?」

聞かれた千桜は少し黙った後

「まあ、一番は「皆が行く所」かな。今朝も言ったが、旅の一番の目的は「楽しむ事」だからな」
「ふ〜ん。ま、私はレベル5だがな」
「な、なんでまた」

当然の様に言って来たカユラに千桜が返すと

「目的があるからさ。行き先や参加者は分からんが、優勝を狙ってる。それこそ「どんな事があっても」位にな」
「ふ〜ん。まあ、目的なら私にもあるし、元々それにしようかなってのもあるがレベル5にしようかな」
「フンッ。お前は友達だが、参加する以上蹴落とすからな」

カユラの強い言葉に千桜は曖昧な相槌が限度だった。


一方、綾子は

「お嬢様は、修学旅行どれに参加するんですか?」
「愚問ですわね。レベル5に決まってるじゃないですか」
「そりゃまたどうして」

崎山の質問に綾子はやれやれと言った感じで

「ハヤテ様がレベル5に参加する可能性が高いからですわ。賞金には興味ありませんが、この修学旅行を通じてハヤテ様と・・・グフフ」
「それは分かりましたが、綾崎様が参加するでしょうか?」
「あの天王州さんがレベル5に参加する可能性はかなり高い。つまり、執事であるハヤテ様の参加もそれに比例して高くなる。つまり、私が参加するのも決定事項なのですわ」

綾子の説明に納得していた。

「ハヤテ様、修学旅行で真の大人になりましょう」

綾子はまたグフフと笑い出した。

「(やれやれ。お嬢様が帰ってきたら最初にお赤飯でも出しますか)」

城山は全部聞いた後でこう思っていた。


一方、麗は

「そう言えばさ、お姉ちゃんは修学旅行何処に行くの?」
「本当はレベル5に行きたいけど、無理でしょうね」
「何で?」

首を傾げる弟に麗は

「私は「戦闘力」っと言う意味では完全に負けてる。大金を賞金に掲げている以上色々と過酷なイベントが用意されている事は容易に想像出来るわ。つまり、戦闘力が劣っている以上参加しても早々にリタイアしちゃって楽しく過ごせないってのは分かってるから、無理って言ったのよ」

説明に納得し

「でも、お兄ちゃんは」
「ええ。アテネがレベル5に参加するでしょうから、ハヤテ君もレベル5でしょうね。でも、焦らずに旅行後に勝負するわ」
「ふ〜ん」

本音を言えばハヤテと旅行したいが、自分で説明した通りの理由でレベル5への参加は断念するしかなかった。


一方、クリスは

「クリスは修学旅行、何処に行くんだ?」
「やっぱり、レベル5?」

両親に聞かれ、クリスは少し考えた後

「ダーリンはレベル5に行く事は想像出来るから、レベル5に行きたいけど、私は「戦闘力」では負けてるから、止めておくわ。それに、この旅行中に私はやらなきゃいけない事あるし」
「ああ、例のあれか」
「ええ」

父に同意しつつ

「あの事を果たす為にも、過酷さが予想出来るレベル5にはいかないわ。旅行より目的最優先よ」
「そうか。準備は出来てるからな」
「thank you ダディ」

一応補足しますが、親子の会話は全部英語です。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月18日更新) ( No.43 )
日時: 2018/10/19 23:53
名前: ささ

えっ、アテネ、綾子に負けたの忘れてない?(いつぞやかの剣道勝負)♪そして、アテネ&ソニアが暴走する乙女集団の相手をしている内に…ってことを考えれば前回のレスは間違ってない!ハヤテには「綾崎流秘奥義(ときめきトーク)」があるから。最も激化するか沈静化するかは未知数だけど。
全くナギは自分の戦闘力分かっているのかなぁ?♪スタイルで既に劣っているのに、「無駄な挑戦」って言葉を知っているのかなぁ?♪スタイルは遥かに上回っている婚約者候補NO.2&3は自分の戦闘力を弁えているのに♪(ですよね、とってもとっても優しい誰かさん♪)
修学旅行レベルファイブかぁ、原作と比べて戦闘力が高い人が多いからなぁ(桁違いな戦力を有する人が少なくても天王州ご夫妻(アテネ、ハヤテ)と綾子、単純に戦闘力が高い人で悠太とヒナギク)、ヤバいのは確かだ(この言い方なら大丈夫なはず。何がやばいかは黙秘で)
最もこの時大金に目が眩む人は後に理事長の鶴の一声で泣きを見ることになりそうだけど…
なんだろう、フラグが見えたのは気のせいかな…(ハヤテ、女難の相がものすごく濃く出てるからね)
誰かさん、ナギをLv4に送るのもあれだけど♪Lv1,2,3にした生徒の書類を改竄してLv4にするってのも面白い♪旅行だと思ったらタダ働き、希望から絶望への転移、実に美味である。
クリスティーナの企みは(綾子以下クリスティーナを除く婚約者候補にとって)碌(ry
(ルカの結婚前提の恋人とかもうフラグたっている気が…あくまでも「前提」なのでハヤテの結婚相手が綾子でもおかしくない)
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Re: 女神と共に第四部 (10月22日更新) ( No.44 )
日時: 2018/10/22 01:35
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 千桜「感想ありがとうな♪」

 >>えっ、アテネ、綾子に負けたの忘れてない?(いつぞやかの剣道勝負)♪

 アテネ「あの時はあの時ですわ。今は鍛え直して、問題ないですわ」
 綾子「フッ、どうだか」

 >>そして、アテネ&ソニアが暴走する乙女集団の相手をしている内に…ってことを考えれば前回のレスは間違ってない!

 悠太「それはどうだろうな。そうなればその2人も間違いなく参加するぜ」
 メイド長「つまり、足止めにはならないっと」

 >>ハヤテには「綾崎流秘奥義(ときめきトーク)」があるから。最も激化するか沈静化するかは未知数だけど。

 悠太「まあ、激化だろうな。ハヤテはその奥義を持ってる事に一切気付いてないし」
 メイド長「やれやれですね」

 >>全くナギは自分の戦闘力分かっているのかなぁ?♪スタイルで既に劣っているのに、「無駄な挑戦」って言葉を知っているのかなぁ?♪

 ナギ「煩い。 私には頭があるのだ。カバー出来るわ」
 悠太「神尾崎も天王州も頭いいけどな」
 ナギ「・・そ、それに挑戦して見なきゃ分かんないではないか!!」
 悠太「ヘイヘイ」

 >>スタイルは遥かに上回っている婚約者候補NO.2&3は自分の戦闘力を弁えているのに♪(ですよね、とってもとっても優しい誰かさん♪)

 誰か「ですよね〜♪ナギには完膚なきまでの敗北を喫してほしいですよね〜♪そうすれば♪ああ♪」

 >>修学旅行レベルファイブかぁ、原作と比べて戦闘力が高い人が多いからなぁ(桁違いな戦力を有する人が少なくても天王州ご夫妻(アテネ、ハヤテ)と綾子、単純に戦闘力が高い人で悠太とヒナギク)、ヤバいのは確かだ(この言い方なら大丈夫なはず。何がやばいかは黙秘で)

 悠太「まあ、何が言いたいかは分かるが、大丈夫だろ」
 ハヤテ「戦いに関しては、作者さんは「後々の展開を楽しみにしてください」だそうです」

 綾子「待ちなさい。ハヤテ様の奥方は私ですわよ。天王州さんなんかと夫妻ではないですわ」
 アテネ「何を言ってるんですの?ハヤテの妻は私ですわ」
 ナギ「違うな。私だ」
 伊澄「わ、私だって」

 他「いいえ、私だ!!」

 >>最もこの時大金に目が眩む人は後に理事長の鶴の一声で泣きを見ることになりそうだけど…

 それに関しては内緒で。

 >>なんだろう、フラグが見えたのは気のせいかな…(ハヤテ、女難の相がものすごく濃く出てるからね)

 詳しくは言えません。後々の展開をお楽しみに、っとしか言えません。 すみません。

 >>誰かさん、ナギをLv4に送るのもあれだけど♪Lv1,2,3にした生徒の書類を改竄してLv4にするってのも面白い♪旅行だと思ったらタダ働き、希望から絶望への転移、実に美味である。

 誰か「あら♪良いですね〜♪では早速♪」

 ナギ「・・良いのか?」
 悠太「・・俺に聞くな」

 >>クリスティーナの企みは(綾子以下クリスティーナを除く婚約者候補にとって)碌(ry

 クリスに関しても、言えません。

 >>(ルカの結婚前提の恋人とかもうフラグたっている気が…あくまでも「前提」なのでハヤテの結婚相手が綾子でもおかしくない)

 綾子「ですわよね?やっぱり私とハヤテ様は♪」
 アテネ「・・・」
 ルカ「・・・」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (10月22日更新) ( No.45 )
日時: 2018/10/22 01:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、修学旅行レベル5が開催される事になり、それぞれ意欲を高めた。


「え!?レベル5への参加者がそんなに?」

ヒナギクは生徒会室で修学旅行のアンケートの結果を聞かされていた。

「ちょっと待ってよ。うちの学校、一学年が200人位なのよ?それなのにその参加人数って」
「事実なんだから仕方ないだろ。私に文句を言っても何にもならないよ」

美希はヒナギクに返しつつ

「因みにだ。これが参加者の内訳だよ」
「ど、どれどれ?」

美希にレベル1からレベル5までのそれぞれの参加人数のリストを見せてもらい

「な、何でレベル4への参加者が2人もいるのよ。天王州さんも言ったけど、あんなのに参加するバカは私もいないと思ってたんだけど」
「さあな。因みにだ、何者かが勝手に申請したり、改竄したりは無かったよ。不正は無かったと言う訳だ」
「ど、どういう事!?」

驚くヒナギクに美希は

「何者かが介入して「勝手に」や「改竄して」レベル4へ無理やり参加させるって噂を聞いたからだよ。噂でしかなかったが、「念の為に」動いておいたのさ。その上で、「不正は無かった」って言ったんだよ」
「そうだったの」

因みに美希が動いた事で

「(ふざけんじゃねえぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あのクソ女、俺様の邪魔しやがって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!折角名案貰って動こうとしたのに台無しじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!俺様のコレクションの邪魔してんじゃねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」

とか思った人がいたそうだ。

「それより。+300万円もかかるボルボラ島への参加者が一番多いのはうちの学校らしいだろ?」
「まあ、そうね。お金持ちの子息子女が多いし」

ヒナギクは呆れつつ同意し

「でも、意外だったわ」
「何が?」
「だって、賞金1億5千万円が掲げられてる以上過酷なのは容易に想像が出来るのに、こんなに参加者がいるなんて。綾や天王州さんみたいに圧倒的に強いならまだしも、そうじゃない人が殆どなのに」

ヒナギクの疑問に納得が行き

「確かに、その想像は容易だ。だが、金持ちとは言え1億5千万円は心が動く金額だ。多少の危険は承知で参加するんだろ」
「そうね。私もそう思うわ」

すると美希はヒナギクを見つめ

「意外だと言うなら、私もだよ。ヒナもレベル5に参加するんだろ?ヒナの事だからお金目的じゃあるまい?」
「べ、別に良いでしょ。でも、お金が目的じゃないのは認めるわ」
「ふ〜ん」

興味無さそうにそう言うと、美希は生徒会室を出て行った。

「(これはチャンスよ。本当はハヤテ君と同じ旅行先を選んで、そこでハヤテ君を誘惑するつもりだったんだけど、思ってもみなかった展開ね。優勝してハヤテ君に見直してもらうんだから、絶対に負けられないわ)」

ヒナギクがレベル5に参加するのはこんな考えがあったからです。


                   × ×


一方その頃、三千院家。

「で、結局。ナギと悠太君はレベル5に参加するんですね」
「ああ、まあな」

ナギは一旦間を置き

「理由は、まだ言わない。でも、何としても優勝するさ。賞金には興味ないが、「優勝と言う名の栄光」は欲しい。だから、意地でも優勝するさ」

「あらあら♪あらゆる意味で負けていると言うのに何を言うんだか♪貴方みたいな貧弱者が優勝出来る訳無いじゃないですか♪自分の弱さを知るって大事ですよ〜♪」

この言葉は確かに独り言なのだが、明らかに聞こえる声量だった。だがナギは無視し

「ところで悠太はどうするのだ?参加する以上」
「前も言ったが、俺はお嬢様のサポートに徹するよ。俺とお嬢様の2人になったら、リタイアして優勝を譲るよ」
「良いのか?そりゃ嬉しいが」

遠慮がちのナギに

「俺は賞金にも優勝にも興味ねえからな。参加してお嬢様をサポート出来れば十分だよ」
「お前がそう言うなら、もう何も言わんよ」

「(フフフフフフフフフフフフフ♪私からすればナギは惨めに負けてくれると良いんですけどね〜♪勇んで勝負に参加したはいいが惨めに最下位に終わるって結末の方が面白いですね〜♪そうなれば徹底的に追い詰めてその様子をコレクション出来ますからね〜♪ああ♪)」


                   × ×


一方その頃、天王州家ではアテネ・ハヤテ・伊澄が集まっていた。

「ハヤテ様も当然気付きましたよね?」
「ええ。金庭さん、王玉を持ってましたね。正真正銘本物を」

始業式で3人とも金庭が王玉をイヤリングにして持っている事に気付いたのだ。

「邪気で穢されてたけど、間違いなく本物」
「でしたら、あれも確実に回収して破壊しないといけませんわ」
「ですが、あの方が素直に「はいどうぞ」って渡してくれるでしょうか?」

伊澄が聞くと、ハヤテもアテネも黙り込み

「そこなんですよね〜」
「あの方は厄介な性格ですから、回収は困難を極めますわ」
「やっぱり」

3人溜息をつき

「幸い、金庭理事もレベル5に同伴っと言う形で参加する」
「チャンスを見て、回収・破壊を完遂するしかありませんわね」
「幸い私達3人ともレベル5に参加します。悠太さんも参加すると言ってましたし」
「悠太には僕から説明しておきますよ。まあ、悠太はナギさんを優勝させると言うミッションはあるでしょうから、同時進行をお願いする事になりますけどね」

アテネ・ハヤテ・伊澄もレベル5に参加を表明していた。


「(王玉も大事ですが、優勝は必ず私がしますわ。憎き神尾崎綾子を負かし、ハヤテに見直させますわ!!)」
「(王玉は確かに重要です。でも、優勝してハヤテ様にいっぱい褒めてもらいます。親友のナギでも、協力者の天王州さんでも負ける訳にはいきません)」

アテネと伊澄には違う思惑もあった。


                   × ×


そんなこんなで、修学旅行当日を迎えた。

「ようこそ。修学旅行レベル5参加者の皆さん」

始業式同様、金庭が壇上に上がっていた。

「これから修学旅行が始まる訳だが、それに先立ってルールを説明しようと思う。黒服の皆さん、例の物を」

そう言うと、黒服集団が大きなアタッシュケースを何個も持ってきた。
そしてその内の一つを、金庭が開け、中が見える様にしてから

「これがレベル5にて最も重要なアイテム「コンプレーター」さ」

金庭が言うと、体育館内がざわついた。
それを意にも介さず

「1人1つずつある。今から配るから腕に装着してから残りの話を聞いてほしい」

黒服に配られ、全員腕に装着した。

「装着、したな。実はそれ、この旅行が終了するまでは外せない」

まだざわついたが、また意にも介さず

「いや、正確には「特殊な工具を使用しないと外す事が出来ない」だがな。まあともかく、諸君はコンプレーターのサイドのボタンを押してみてくれ」

参加者全員が言われた通りにした。すると、腕時計で言う文字盤の部分が開いた。

「中からはラベンダーの香りがする。リラックス効果があり、精神を安定させる効果がある、な。だが、勿論それだけじゃない。見れば分かるが、中にはボタンがある。それこそがこの「修学旅行レベル5」における重要ポイントだ」

金庭は反応を確かめながら一旦間を空け、

「そのボタンを押した瞬間、「ギブアップをした」っとみなされ、その人の修学旅行はお終いだ。そのコンプレーターに配置情報を発信する機能がついてるから、安心出来る。更にボタンを押せば5分以内に黒服の方々がホテルに引率してくれるから、それにも安心だ」

ここまで一気に言うと、少し長めに間を空け

「これこそが、この「修学旅行レベル5」の唯一のルールだ。そして、最後の1人になった者に賞金・1億5千万円が授与される」

「はっ!?それって」
「どういう事だ?」

理沙と美希を含め、殆どの者が理解出来てなかったが、それ以外の一部の者は理解していた。

「ハヤテ、やはり想像通りになりましたわね」
「うん。つまりは「ボタンを押したくなるような過酷な場所やイベントの発生地」に連れていかれるって事だね」
「そして」
「「自身は隙を見せる事無く相手の隙をついて相手のボタンを押せ」」

ハヤテもアテネも同時に最終結論を口にした。

「ッフ。中々面白いゲームを実行に移してくれたじゃないですか」
「ん!?アーたん、まさか勝つ気じゃ」
「勿論ですわ。勝負である以上、負ける気などありませんわ」

堂々と言い切ったアテネに、ハヤテは軽く溜息をついた。

「(優勝か。僕はどうしようかな)」

ハヤテはこう思っていたが

「「「「「「(優勝者は、私の物だ)」」」」」」

綾子、アテネ、ナギ、伊澄、ヒナギク、カユラはこう思っていた。

「さあ、諸君。出発するぞ」

金庭の合図で、一行は移動する事になった。


こうして始まった修学旅行レベル5。波乱は必至だ!?


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月25日更新) ( No.46 )
日時: 2018/10/25 00:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、修学旅行レベル5が始まり、ルール説明を受けた。


修学旅行レベル5開始から約27時間経過。

場所はニュージーランドのとある山中。
吹雪が起こる中、ナギは体を震わせていた。

「全くあの人は。「駄目人間」なのはとっくに知ってたが、あそこまでとは」

ブツブツと文句を言いつつ歩き

「まあ、良い。こんな所で負けてはられんのだ」

ナギこんな所でこんな事になっているのか。それは時間を戻す必要がある。


                   × ×


白皇からバスに乗った一行は、そのバスに揺られていた。

「このバス、何処に向かってるんでしょうね」
「そんなの、今はどうでもいいですわ」
「え!?」

バスの座席は壮絶な争奪戦の末、ハヤテの隣は綾子が勝ち取っていた。なので綾子はさっきからご機嫌なのだ。
因みに、勝ち取れなかったアテネはさっきから殺気を放ち、隣の男子生徒(モブ)を怖がらせていた。

「お嬢様は大丈夫か?ハヤテの隣、勝ち取れなかったけど」
「構わんよ。ホントは勝ち取りたかったが、仕方ないさ。だが、このレベル5に勝つのは私だよ」
「ま、頑張れよ。サポートしきれない部分も出て来るだろうし」

悠太はハヤテに電話を貰い、金庭が本物の王玉を持っている事を教えられ、、それの回収の手伝いを頼まれていた。

「これからの行き先も気になりますが、それ以上に気になる事があります」
「奇遇ですわね。私も思ってましたわ」

綾子は相変わらずハヤテにベッタリくっつきつつ同意し

「ルールが単純すぎると、そう思ってるんですよね?」
「ええ。コンプレーターのボタンを押せばリタイア。最後まで押さなかった者が優勝。ルールはそれだけだと金庭理事はおっしゃいましたが」
「ルール自体は簡単ですが、賞金は我々財閥の人間でさえ心が動く1億5千万円。旅行期間も九泊十日っと長いですわ。おまけにこんな手の込んだ機会を用意している事は、何かがありますわね」

ハヤテも同意見で警戒しつつ腕のコンプレーターを見ると

「こ、これは!?」
「何かの数字、ですわね」

数字は分数の様に区切られており、分母の部分に何かの数字、分子の部分に時間の様なものが出ていた。

車内がざわついていると、車内の前の方にあるテレビが突然つき、金庭理事が映し出された。

「午前12時になった。ここで「修学旅行レベル5」の補足説明を行う」

車内のざわつきは一旦収まり

「見ての通り、コンプレーターに数字が出ている。分子に当たる部分は残り時間。分母に当たる部分は残り人数だ」
「(残り約220時間。つまりタイムリミットは最終日の午後4時)」

一部の計算の早い面々は直ぐにタイムリミットを計算していた。

「なお、この先は公平を期するために衣類を除く、荷物はこちらで用意したものを使用してもらう。PC・スマホ等は全て没収させてもらう」
「じゃあ、スマホゲームは出来ん訳か」
「ええ。我慢してもらう事になりますね。 それが嫌なら、さっさとリタイアしてください。そうすれば早急にお返ししますから」

ナギは一瞬悩んだが

「ま、仕方ないか。そういう余裕はなさそうだし」
「因みに、記念写真は黒服の方々が随時撮影しますので、後日廊下に張り出された物で欲しい物を希望してください。1枚50円なので」
「そこは普通の修学旅行かよ」

補足説明にカユラが突っ込むと、

「補足説明は以上だ。この先、いかなる理由があろうとボタンを押せばリタイア。最大限に注意しつつ良い旅を」

テレビが消えると、それぞれ雑談に入った。

「今のが補足説明か」
「なんだかあっけないな」

千桜、カユラはこんな感想を漏らし

「なあ泉、分母の部分の数字が減るかどうか試してくれよ」
「嫌だよ。私、優勝したいし」
「ま、良いじゃないか。減るもんじゃないし」
「減るよ!!!優勝したいって言ったじゃん!!」

三人娘は何時も通りな会話をし

「スマホが無いのはちょっとだけ寂しいけど、優勝は私よ」
「愛歌も狙ってるのね。なら負けないわ」

ヒナギクと愛歌さんはこんな会話をしていた。


                   × ×


それから大分経ち

「ここは何処だ〜〜」
「何で9月なのに大雪原が広がってるんだ〜」

美希と理沙の大声は木霊し

「寒いぞ〜!!凍死してしまうぞ〜!!」
「防寒着は何処だ〜!!」

また2人の声は木霊した。

「ご安心ください。防寒着はあのホテルにあります」
「先に言え〜!!」
「ホテルまで少し距離あるのにこんな所で降ろすな〜!!」

文句を言う2人に泉が

「あのさ、2人とも。何時まで木霊で遊んでるの?普通に言えばいいんじゃない?」
「何を言う泉」
「折角山に来たんだから、こういう遊びで楽しまんと」

泉は2人に呆れ

「泉もどうだ?割と楽しいぞ」
「私は遠慮するよ。面白くなさそうだし」

素っ気ない態度の泉に

「泉の奴、すっかりお利口さんになって来てるな」
「あいつだけおバカ三人組は卒業するつもりか?」

美希も理沙も複雑な感情にみまわれていた。

「うお〜、スゲ〜!!」
「専用ジェットまで飛ばして何処に行くと思ったら、まさか雪山とはな」

テンション高めのカユラと何時も通り冷静な千桜はこんな感想を言い

「でも、ここは何処なんだ?荘厳な景色だが」
「ニュージーランドじゃないですか?」
「え!?分かるのか?」

周囲を見渡しながら現在地を探るカユラにハヤテが言い、それを補足するようにナギが

「日本から10時間かかって、時差は3時間。9月に雪が降ってる所はニュージーランド位だからだろ?」
「ええ。それに、あそこに見えているのは「マウント・クック」ニュージーランドの世界遺産なので、間違いないかと」
「ふ〜ん。ナギも綾崎君も頭いいな」

カユラはハヤテの凄さに益々恋心を強めていた。

「え〜、それでは皆様」
「スキー合宿を始めますので、ホテルのロビーにお集まりください」

黒服2人が言うと

「何だ、スキー合宿なんかするのか?」
「はい。専用のゲレンデで、初心者の方には専用のインストラクターによる講習がございます」

ナギの質問に黒服の1人が答えると

「普通にスキー何ですか?」
「ええ。レストランに食事のご用意もありますので、ご自由にお召し上がりください」

ヒナギクと黒服の会話に

「普通にスキーか」
「何の変哲もない修学旅行みたいね」

千桜と愛歌さんがこんな感想を言っていた。


                   × ×


それから暫くして。

「お〜、流石ヒナギクだな」
「ああ。何をやらせても上手い」

ヒナギクはスノボで、見事なまでに滑っていた。

「だが、あっちは」
「もっと凄いがな」

2人の視線の先にはハヤテが滑っていて、オリンピック選手が行うような高難度の技を軽々と決めていた。

「こっちも流石だな。あんな技を軽々と」
「白皇最強の名は伊達じゃないよな」

あまりの凄さに素直に感心し、少しの間ハヤテの絶技に見惚れていた。

「「で、こっちは」」

ある程度ハヤテの技を堪能した後、別の所に視線を向けた。
そこには

「その程度しか出来ないんですの?」
「貴方こそ、その程度なんですの?」

アテネと綾子がスキーの技で争っていた。
それは、どちらかが技を出せば自分ならそれ以上が出来るっと言ういわゆる「子供の喧嘩」っと言えるものである。

「その程度しか出来ないとは。やはりハヤテ様の伴侶に相応しいのは私ですわ」
「貴方こそ、その程度しか出来ないんですの?私こそハヤテの伴侶に相応しいですわ」

ゲレンデの雪が融けるほどの激しい睨み合いとレベルの高い子供の喧嘩に

「やれやれ。ハヤテ君が見てないのによくやるよ」
「ホントだよな。作者も言ってるけど、技の難度は高いけど子供の喧嘩だよな」

2人は呆れ、各々楽しむ事にした。

一方、ハヤテはスノボをある程度楽しんだ後、苦戦している組(ナギ、愛歌さん、泉)の元にやって来て

「皆さんは滑れないんですか?」
「仕方ないじゃない。私はスポーツ全般が苦手だし」
「愛歌さんはか弱いですからね」

愛歌さんにフォローを入れ

「瀬川さんは駄目なんですか?」
「うん。冬場のフランスとかには行くんだけど、雪だるま遊びで満足しちゃって」
「瀬川さんらしい可愛い遊びですね」

泉にも笑顔を交えてフォローを入れた。

「えっと。ナギさんは」
「じ、実は滑れるんだ。ハヤテに見てほしいから滑れないふりしてたんだ」
「そうなんですか?」
「見ててくれ」

流石にアテネ達の様なアクロバティックな技は出来ないものの、ちゃんと滑れていた。

「凄いじゃないですか、ナギさん」
「一生懸命練習したんだ。だから、その」

赤い顔でモジモジするナギに、ハヤテは察して

「凄いですよ、ナギさん」
「エヘヘ/////////////////////////////////」

ハヤテに頭を撫でてもらい、照れつつも笑顔だった。

「(冬に向けて悠太に鍛えてもらったのが、こんな所で役に立つとはな。怪我も結構したが、頑張ったかいがあるのだ)」

そう、ナギは冬になったらハヤテとスキーに行きたくて、練習していたのである。

すると、ナギがハヤテの褒められている事に当然、泉も愛歌さんも納得いかず

「ハヤテ君、滑れる様になりたいから教えてちょうだい」
「あ、ずるい〜。私も教えて〜」
「勿論、お2人とも良いですよ」

基本的な事から2人に教え、教え方が良いのもあってか

「凄いわね。運動が苦手な私が滑れる様になっちゃったわ」
「私も出来ちゃった。駄目だと思ってたのに」

初心者の技ではあるが、出来る様になり、漫画の様に「転んで雪だるまになる」は無くなった。

「凄いですね、お2人とも。このままいけば十分楽しめる様になりますよ」
「あ、あのさハヤテ君。滑れる様になったからさ」
「う、うん。わ、私もさ、あのね」

何をすべきか直ぐには分かったものの、少し悩んだ末

「お2人とも、凄いですよ」
「「エヘヘ/////////////////////////////」」

ハヤテに頭をなでなでしてもらい、喜んでいた。
ナギは納得出来なかったが、声を荒げない事が大人だと思い、我慢した

「ところで、悠太は一緒じゃないんですか?」
「ん!?悠太ならあっちだ。私1人でも大丈夫なのは知ってるから、「遊んできていい」って言ったら行ったぞ」
「そうですか」

この光景の一部始終を見ていた千桜とカユラは

「羨ましいったらありゃしない」
「ホントだよな。なまじ滑れるって、嫌だよな」

こんな風に不満を言っていたが、今更ハヤテに教えを乞うのは難しいので、出遅れた事を呪うしかなかった。

「ところでだ。我らが担任様の薫先生はいないのか?」
「確か、仕事の都合で同伴出来ないって聞いたな。あの先生は忙しいみたいだし」

カユラが聞くと、千桜は事前に聞いていた話を教えていた。

更に一方、ゲレンデを楽しんでいた美希と理沙は

「「な、なあ。あんたは」」
「わ、私は「仮面のユキコちゃん」決して怪しい者じゃないわ。決して「賞金の1億5千万円を狙う怪しい者」じゃないから〜」

そう言いつつ離れて行った「仮面のユキコちゃん」を見て

「ありゃ、確かに強敵だが」
「あいつが絶対に逆らえない人がいるから、その人が「ボタンを押せ!!」って命令すれば聞くだろうな」
「っと言うより聞かないと自分の立場が危なくなるから、「聞くしかない」だろうな」

呆れ交じりで言うと、もう1人の仮面の人物に気付いた。

「だ、誰だ、あれ」
「さあ?」

「もう1人の仮面の人物」は美希と理沙の視線に気付き、声を発さずに会釈だけしてその場を離れた。

「確か、理事長が特別に参加を許可した参加者がいるって聞いたが、それがあの人か」
「仮面で分からんが、ただ者ではなさそうだな。間違いなく強敵だな」

すると、「もう1人の仮面」を目撃した面々は

「(あの人、私知ってるような気が。会った事ある様な気が。気のせいかな?)」

泉はこう思っており、

「なあ悠太、あいつって」
「間違いなく、あいつだよな」

戻って来た悠太と「もう1人の仮面」を目撃したナギは、こんな風に話していた。


「ふ〜ん。やっぱり色んな人がいるわね」

ある人物が、スキーを楽しむ面々を見ていた。

「ま、それなりに楽しめそうね」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月25日更新) ( No.47 )
日時: 2018/10/26 21:25
名前: ささ

アクロバティックなスキー技はハヤテやアテネ・綾子・ヒナギク・仮面のユキコちゃん(笑)のように無駄に高い運動能力の持ち主だけでいいから!(個人的には、ナギがアクロバティックな技をやって雪に埋まり、雪だるまになって堕ちていき、終いにはそのような屈辱的な写真が廊下に晒されるとか最高だし…)
仮面のユキコちゃん(笑)はうん、…美希他1名の言うこともわからなくもない。
千桜とカユラは(ある部分が)貧しく負けず嫌いな生徒会長(原作)のようだな…(別に初心者にしか教えないってわけじゃなかろうに)
確かにアテネと綾子は犬猿の仲、水と油だなぁ…ハヤテが絡んだらもっと大変なんだろうな?(麗とアテネはハヤテが絡んでも思いっきり火花が散る描写は少ないけど)
今回麗とクリスは?(最もLv4でないとは思いますが…)差し支えがなければ教えてください。
(ハヤテを誘惑とか貧相な体の人が言ってるけど自分の立場を弁えた方がいいんじゃないかな。誰かではないけど、特にヒナギクは婚約者候補でもないのに)
でもヒナギク、気絶して混浴出来なかった人がこの熾烈な恋愛バトルを制するとは到底思えないのですが…やっぱ綾子とかアテネくらいスキンシップしないと
綾子がハヤテにベッタベタなのはアテネがハヤテに子猫状態になるのと同じくらい白皇で有名でしょ?
最近寒くなってきたな…綾子・アテネ・日向・ソニア・千桜・ルカなら、寒いからとか言ってハヤテに抱きつきそうだな
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Re: 女神と共に第四部 (10月27日更新) ( No.48 )
日時: 2018/10/27 16:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 カユラ「感想感謝するぞ♪」

 >>アクロバティックなスキー技はハヤテやアテネ・綾子・ヒナギク・仮面のユキコちゃん(笑)のように無駄に高い運動能力の持ち主だけでいいから!

 ナギ「いんや。私がやったのは転ばずに止まったり、クネクネ蛇行したりっと言った簡単な技だけだよ。それしか出来ないし」
 悠太「あいつらが異常なんだよ。オリンピック選手じゃあるまいし」

 >>(個人的には、ナギがアクロバティックな技をやって雪に埋まり、雪だるまになって堕ちていき、終いにはそのような屈辱的な写真が廊下に晒されるとか最高だし…)

 誰か「あら♪私と同じ意見ですね〜♪そんな事になった方が面白いですよね〜♪」
 ナギ「・・・」

 >>仮面のユキコちゃん(笑)はうん、…美希他1名の言うこともわからなくもない。

 理沙「他って。まあ、そう思うだろ?」
 美希「散々怒らせてきたんだ。当然の報いだろ?」

 >>千桜とカユラは(ある部分が)貧しく負けず嫌いな生徒会長(原作)のようだな…(別に初心者にしか教えないってわけじゃなかろうに)

 ヒナギク「・・・」

 千桜「そう言えば、そうだな」
 カユラ「羨ましさで頭がいっぱいでそこまで考えが行かなかったな」

 >>確かにアテネと綾子は犬猿の仲、水と油だなぁ…ハヤテが絡んだらもっと大変なんだろうな?(麗とアテネはハヤテが絡んでも思いっきり火花が散る描写は少ないけど)

 アテネ・綾子「当然ですわ!!仲良くなどありえないですわ!!」
 悠太「似ている部分が多い2人だからな。だから余計に仲良くなれねえんだろうな」

 麗「まあ、アテネとは幼馴染だからね。恋愛が絡んでもそこまで険悪の仲にならないわよ」

 >>今回麗とクリスは?(最もLv4でないとは思いますが…)差し支えがなければ教えてください。

 2人はレベル3に参加してますよ。

 >>(ハヤテを誘惑とか貧相な体の人が言ってるけど自分の立場を弁えた方がいいんじゃないかな。誰かではないけど、特にヒナギクは婚約者候補でもないのに)

 ヒナギク「・・・」
 美希「どうどう」
 理沙「誰かとは言って無いだろ? 言ってるようなもんだが」

 >>でもヒナギク、気絶して混浴出来なかった人がこの熾烈な恋愛バトルを制するとは到底思えないのですが…やっぱ綾子とかアテネくらいスキンシップしないと

 ヒナギク「そ、そうよね。いっぱいスキンシップして頑張らないと」
 美希「ま、頑張れよ。ヒナじゃ難しいだろうからな」

 >>綾子がハヤテにベッタベタなのはアテネがハヤテに子猫状態になるのと同じくらい白皇で有名でしょ?

 悠太「まあ、結構有名みたいだぜ。「あの神尾崎綾子が・・」みたいな感じでな」
 ナギ「ホント、羨ましいのだ」

 >>最近寒くなってきたな…綾子・アテネ・日向・ソニア・千桜・ルカなら、寒いからとか言ってハヤテに抱きつきそうだな

 ハヤテ「あ、いえ。寒くなくても、暑くても抱き着かれてます。なんででしょうね」
 メイド長「まあ、「寒いから」って建前はアテネお嬢様も使ってますから、他の方々も使うでしょうね」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (10月27日更新) ( No.49 )
日時: 2018/10/27 16:10
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、修学旅行レベル5が始まり、ニュージーランドにやって来た。


修学旅行開始から24時間経ち、ランチの時間になった。

「おお〜。凄〜い」

流石白皇と言うべきなのか、豪華なビュッフェであった。

「作者さんの言う通り豪華でどれも美味しそ〜♪」
「これは流石にテンションが上がるな」

泉と理沙を含め、殆どの生徒が喜んでいた。

「エッグスタンドに、寿司や天ぷらの実演コーナーまであるな。ホント、流石だな」
「ん!?悠太は変わらんな。まあ、私もだが」
「一応はテンション上がってるぜ。あいつら程じゃないってだけだ」

悠太の視線の先には千桜とカユラがおり、

「こ、これは、何処から攻めるのが正解なんだ!!」
「落ち着けカユラ。一番高い食材をリサーチすべきだ」

「・・成程」

普段の2人とは少し違う様子に、ナギは呆れつつもビュッフェを吟味しだした。

一方、未だテンションが高い千桜とカユラは・・

「カレーは正義。カレーこそが正義」

多めのカレーライスを盛る伊澄を見つけ

「あいつ、ビュッフェにおいて最もコスパの悪いカレーを。しかもかなり多く」
「ある意味、「真のブルジョワ」なのかもな」

こんな感想を言いつつも何を選ぶべきか決めかねていた。
すると

「お2人とも、落ち着いてください」
「な、何だよ。仕方ないだろ」
「君はアテネの傍にずっといたから、こう言う所でテンションが上がらないのは分かるが、我々はだな」

ハヤテは2人を宥め

「良いですか?こう言う所で「元を取ろう」っと考えるのは十二分に理解出来ます。ですが、テレビで見るようなフードファイターの方々ならともかく、一般人が元を取るのはかなり大変です。それこそ、「相当無理やり食事を押し込む」何て荒業を必要とする場合もあるんですよ」

ハヤテの説明に2人とも納得し

「「じゃあ、どうすればいいんだ?」」
「簡単な事です。「好きな物を好きなようにとって楽しむ」これこそがビュッフェの本来の楽しみ方だと思いますよ」
「「な、成程」」

ハヤテに諭され、2人とも一気に落ち着いて食べたい物を取りに行った。

「流石ハヤテ君ね。こう言う所でもらしさが出るのね〜」
「そりゃ同感だけど、ヒナ」
「ん!?なあに?」

愛歌さんはヒナギクがとってきた料理を見て

「それ、全部食べるの?」
「運動したらお腹すいちゃって」

ヒナギクがとってきた料理は、フードファイター顔負けの量で、その手の大会に出ればかなり良い所まで行けるっと、素直に思う程だった。

「ねえハヤテ君、沢山食べる女性って、どう思う?」
「う〜ん、そうですね」

愛歌さんに聞かれたハヤテは少し考え

「確かに、作った料理を沢山美味しそうに食べてくれれば、素直に嬉しいですね」

この言葉にハヤテに恋心を持つ面々は過剰に反応した。

「ですが、無理して沢山食べるよりその人に見合った量を美味しそうに食べてくれる方がもっと嬉しいですけどね。大会に出てるなら別ですけど、そうじゃないのに無理やり食べてる所を見ると、心配になっちゃいますし」

この補足で「大食いにならないといけないかも」っと考えた面々は安心した。

「それにしても、妙ですわね」
「え!?何が?」

何時も通り?「甘えたい症候群」が発動したアテネが思わず口にした事でハヤテが聞き返した。

「だって、1億5千万円もの大金が懸かってるんですのよ。それなのに緊張感と言う物が感じられませんし。現時点で「リタイアしよう」っと考える者が出て来るかどうか」
「そりゃ同感だけどさ。 でもさ、いくら何でも「ずっと緊張感の中」じゃ息が詰まるよ。 大変なのはこの後だと思うし、その前位は息抜きさせようって、魂胆だと思うよ」

ハヤテが持論を言うと

「ハヤテ様に大賛成ですわね。そんな事も分からないなんて、天王州さんは愚かなんですのね」

綾子がハヤテに抱き着いていて、こう言って来た

「私もそう考えていましたよ!!」
「どうだか。分かってないからこそ、あんな事言ったんでしょうし」
「分かり易さが大事だと思って敢えて言っただけですわ!!」

睨み合う2人に、ハヤテは溜息をついた。

「お嬢様はあれに参加しなくていいのか?一応ハヤテ争奪戦になってるし」
「参加したいが、止めておくよ」
「そりゃまたどうして」

聞いて来た悠太にナギはまだ言い争いを続けているアテネと綾子を見ながら

「体力温存な為さ。残念ながら、私にはあいつら程の体力は無い。無駄に体力を使えば、この後の厳しい戦いについていけなくなる可能性もある。あいつらみたいに体力も化け物クラスなら別だろうけどな」

ナギはアテネと綾子から目を離し

「戦闘力で大きく劣っている以上、「巧みな作戦」は必要不可欠。だから、今は我慢する作戦が有効なのさ」
「やっぱか。色々考えてんだな」
「当たり前だ。優勝しかないからな、私には」

話が終わった頃、

「え〜、皆さま。食事をしながらで良いので、聞いてください」

黒服の1人が、全員に聞こえる様に大きめの声で話し始めた。
流石にアテネと綾子は言い争いを中断し、耳を傾けた。

「この後は十七時でスキーは終了し、今夜の宿である麓のホテルに向かいます。ですので、時間になったら必ずこのホテルの1階ロビーに集まってください。説明は以上です」

黒服の説明に、勘の良い面々は何かを感じ始めていた。

因みに、「仮面の戦士」は仮面の口の部分だけが外せるようになっているので、普通に食事をしていました。


                   × ×


時間を飛ばし、十七時過ぎ。

「滑りすぎて疲れたよ」
「私も。早くホテルに行って寝たいよ」

肩を回しながら言った美希に、泉も同意し

「やれやれ。お昼はあんなに食べたのにお腹空いちゃったよ」
「私もだよ。結構食べたのにな」

カユラと千桜は口々に言っていた。

すると、

「え〜、皆さん集合しましたね? それでは、金庭様よりオリエンテーションの説明があります」

黒服の言葉に勘の鋭い面々は「始まったか」っと思っていた。
そして、全員の前にあるテレビがつき、金庭が映し出された。

「一応、この修学旅行レベル5も授業の一環です。なので、心身向上の為のオリエンテーションを随所に設けてあります。第1回戦のオリエンテーションは「夜の雪山下り対決」ここから麓のホテルまで競争し、上位入賞者にはとある特典が用意されています」

「こ、この夜の雪山をか!?」
「ええ」

千桜が言うと、あくまでも冷静に返し

「ま、まさか。賞金・1億5千万円に関係しているとか!? 勝ち残らないと賞金没収とかあるんですか!?」
「いいえ、そんな事はありません」

仮面のユキコちゃんの言葉を直ぐに否定し

「オリエンテーションはあくまでオリエンテーション。賞金には一切関係がありません。ルールは変わらず「コンプレーターのボタンを押せばリタイア」ってだけです。とある特典がもらえるか否か、の違いだけです。因みに、不参加者にはバスを用意してあるので、それでホテルに向かってください」

外からバスのエンジン音と明かりが見え、

「私はパスだ。疲れてるし」
「私は・・参加したいけど」
「え!?泉、お前」

てっきり自分と同じで不参加を表明すると思っていた美希は驚いていた。

「止めておこうかな。スキーは滑れる様になったばかりだから、夜は危ないから」
「何だ。じゃあちゃんと滑れてたら」
「勿論出るよ。 何でかはあとで教えてあげるね」

誤魔化した泉に美希は首を傾げるだけだった。

「私は止めておくわ。スキーは滑れる様になったばかりだし、私の体力じゃもたないと思うし」
「私もスキーの技術はそこまで高くないので、止めておきます」

愛歌さんも千桜も参加を見合わせる様だ。

この場に集った面々は不参加を表明していく中

「私は参加します」
「え!?ヒ、ヒナ!?」

参加を表明したヒナギクに理沙が驚いていると

「私は勝負に負けるつもりないから」
「ああ、そう。私は出ないから頑張れよ」

ヒナギクは黒服の案内で奥の部屋へと向かった。


「ハヤテ様は勿論、私と参加しますわよね?」
「え!?まあ、一応参加するつもりですが」
「では、私と2人きりですわね」

綾子の言葉に当然アテネは

「そんな事、許しませんわ。ハヤテと2人きりは私ですわ」
「邪魔しないでくれます?「運命の赤い糸」で結ばれている私とハヤテ様を」
「フンッ。幾ら夜でも寝ぼけた事言わないでくれます?ハヤテとの運命の赤い糸は私と結ばれてるんですわ」

激しく睨み合う2人に

「あ、あの。3人で行きましょうよ。ね」
「ハヤテ様がそういうなら」
「ハヤテのお願いじゃ仕方ないですわね」


「お嬢様はどうするんだ?」
「勿論参加だ。行くぞ、悠太」
「ああ」

アテネ達がもめている間にナギと悠太は先に待機場所に移動し、その最中

「お嬢様がこのオリエンテーションに参加する理由って、やっぱり」
「ああ。今までの緊張感の無い中で、賞金を懸けた勝負など成立する可能性は皆無。つまり、成立させるための鍵がある。その鍵こそが「順位によって特典が付くオリエンテーション」なのさ」
「流石だな。確かに、「賞金には」関係しない。だが、影響は出る。つまり、不参加などありえない。その重要性に殆どが気付かない1回戦こそが勝ちやすい。だろ?」

悠太の言葉にナギは黙って頷いた。
すると

「へえ、流石ね。三千院家のご令嬢に真山物産次期当主様」

拍手と共にこんな言葉が聞こえ、ナギも悠太も振り返ると、アテネといい勝負なアホ毛を持つ女の子がいた。

「誰だ、お前は」
「別に、ただの同級生よ。 ツグミ・ルリ。よろしくね」

ツグミは名乗ると離れて行った。

「あんな同級生、いたか?」
「さあな。ってか結構いる同級生を全員把握するなんて、無理だよ」
「だな」

因みに、ツグミは前回「スキーを楽しむ面々を見ていた人物」です。


                   × ×


参加者も決まり、黒服の案内で待機場所であるガレージ前に集まっていた。

「それでは皆さん、あの扉が開いたら1回戦スタートです。ゴールは麓のホテル。そこへ早く着いた順に勝利となります」

参加者はしっかり防寒し、各々準備体操をしながら話を聞いていた。

「因みに、ゴールの方向が分からなくなってもご安心ください。コンプレーターの盤面を押してから地面にかざすと、ゴールの方向を教えてくれます」

黒服が手本を見せると、懐中電灯の様に明かりが出て、矢印が地面に映し出されていた。

「これ、かなりの未来グッズだったのね」

ヒナギクは呆れるやら感心するやらだった。

「ハヤテ様、寒くなったら私としっかり密着して温め合いましょう」
「フンッ。ハヤテと密着して温め合うのは私ですわ。貴方なんか凍死しちゃえばいいんですわ」

始まる前の緊張感などどこ吹く風で、相変わらずアテネと綾子は言い争っていた。

「悠太、気をつけろよ。参加者には超強敵がちらほらいる」
「分かってるよ。お嬢様も気をつけろよ」


「では、オリエンテーション1回戦、始めます。 皆さん、お気をつけて」

そう言って黒服が扉を開けると・・外は猛吹雪だった。

「こりゃ喧嘩している場合じゃないですよ、お2人とも」
「「た、確かに」」

すると

「あり?コンプレーターの数字が減ったぞ」
「この猛吹雪で早くも心が折れた奴がいるみたいだな。行くぞ」
「ああ」

ボタンを押さなかった面々は出発した。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (10月30日更新) ( No.50 )
日時: 2018/10/30 19:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、夜の雪山でのオリエンテーションが始まった。


「ナギさん、朝ですよ」
「え!?ハヤテ、お前どうして家に」
「何言ってるんですか?寝惚けてるんですか?」

キョトンとするハヤテにナギは

「そ、そうか。私とお前は」
「そうですよ。寝惚けててもそんな大事な事忘れないでください」
「そうだよな。それに私は・・・」


「お嬢様〜、寝るな〜」

ゴツンッ

「あ痛!!何するんだ!!」
「幾ら防寒しててもこんな所で寝るな。死ぬぞ」
「だからって殴る事無いじゃないか」

頭を摩りながら文句を言うナギに

「何だよ。じゃあ漫画みたいに「「寝るな〜!!寝たら死ぬぞ〜!!」って殴りまくってそっちで死ぬわ!!」って展開が良かったのか?」
「分かった、私が悪かったよ。起こしてくれてありがとう」
「ま、殴った事は謝るよ。で、何の夢見てたんだ?」

ニヤケていたので、良い夢なのは予想出来ていたが、一応聞いていた。

「ハヤテと結婚していたんだ。おまけに私がハヤテとの子を・・」
「やっぱか。それは兎も角、速くゴールしちまうぞ。これ以上吹雪いたら身動きが不可能になるからな」
「だな。急ぐぞ」

視界が利かない訳では無いが、かなり吹雪いていて、注意が必要だった。


暫く歩いていると

「あ、あれ!?悠太!? おい、何処だ!!」

何時の間にか悠太が居なくなっていて、「逸れた」っと判断するには十分だった。

「探すか!?  いや、駄目だ。そんな事をすれば遭難は必至だ。進むしかないか」

幸い順路は分かるので、進む事にした。

「しかし、暇だな。おい作者、話し相手になれ。こんな山に1人じゃ寂しすぎる」

はいはい、何でしょうか?

「分かってると思うが、何故こんな事をニュージーランドで行ったのか?」

お答えどうぞ。

「危険な動物が居ないからだ。カナダやアラスカならヒグマやグリズリーにに襲われる可能性があるが、ニュージーランドは蜂か毒蜘蛛位だ。主催者も安全を考慮して、ここにしたんだろ」

成程。ところで、前だけじゃなく後ろも見た方が良いよ。

「???」

ナギが振り返ると、熊が唸り声を上げていた。

「は、ははは。寒さのせいで幻覚を見たかな?こんな所に熊なんか」

せめてもの救いを求めてこんな事を言ったが、熊が吠えた。
なので

「うわ〜〜〜〜。逃げろ〜〜〜」

火事場の馬鹿力なのか、普段のナギからは想像出来ない速さで駆けていた。

「な、何でクマが〜!?天王州〜、この学校の危機管理は大丈夫なのか〜!?」

速度を一切緩めずに振り返ると、熊は追いかけて来ていた。

「悠太の家事修行のお陰で何とかなってるが、何時まで持つか」

こんな事を考えつつ走っていると、不吉な音が聞こえた。

「ま、まさか!?漫画でお馴染みの展開なんじゃ」

その通りであり、雪崩が直ぐ其処まで迫っていた。
雪崩は先程の熊を飲み込みつつ迫って来ていて、リタイアするにしろ逃げるにしろ間に合う訳無い状況に

「ハヤテ〜!!」

バッ

「え!?」

ハヤテを呼びつつ覚悟を決め、目を瞑って備えたが雪崩に飲み込まれる感覚が襲って来ないので、恐る恐る目を開けるとハヤテが直ぐ側にいた。

「大丈夫ですか?ナギさん」
「ハヤテ/////////////////////////」

現状で言えばちょっとした丘にお姫様抱っこされて居る状況だった。

「危なかったですね。偶々近くにいてよかったですよ」
「そ、そうだな////////////////////////」

本当はそのままが良かったのだが、丘に降ろされた。
雪崩は2人の近くを流れて行った。

「助かったよ、ありがと」
「いえいえ。人の役に立つ事が僕の使命なので、お気になさらず」

吹雪の最中なのだが、良い雰囲気にナギはチャンスだと思ったが

「「え!?」」

不幸な偶然なのか、2人が立っていた所の雪が崩落し、そのまま近くの川に落ちてしまった。


                   × ×


一方、ナギ達がこんな目にあっている事など知らないバス移動組は

「見ろ、理沙。参加者がまた減ったぞ」
「ああ。オリエンテーションは過酷みたいだな」

コンプレーターを見ていた美希と理沙がバスの車内で話していた。

「我々はバス移動を選択して正解だったな」
「ああ。無理して戦う必要が何処にあるってんだよ」
「・・・」

お気楽な2人に泉は複雑そうな表情で窓の外を眺めていた。
すると

「着いたみたいだよ、今夜の宿」
「おお。これは雰囲気あるな」
「なんか、地下牢があってもおかしくない雰囲気だな」

やっぱりお気楽な美希と理沙に対し、泉は複雑そうな表情を崩さなかった。
因みに、バスに乗っていた面々は気付かなかったが、ホテル名の所に「PRISON」っと書かれていた。


                   × ×


一方のハヤテとナギは、落ちた川から這い上がっていた。

「うう〜、寒い。まさか川に落ちるとは」
「大丈夫ですか?ナギさん」
「・・大丈夫に見えるか?」

聞かれたハヤテは少しだけ黙り

「幸い、漫画でお馴染み「遭難したら山小屋があった」って展開なので、そこで暖を取りましょう」
「そうだな。このままじゃ仮にリタイアして迎えに来てもらっても、その前に凍死してしまうからな」

2人が山小屋に入ると、物凄く都合よく暖炉があり、火をつけてから

「は〜っ、助かった」
「ですね」

熊に遭遇したり、雪崩に巻き込まれそうになったり、川に落ちたりと散々だったが、一応は一息つけた。

「なあハヤテ、いくら「1億5千万円が懸かった修学旅行」っとはいえ、ここまでする必要はあったのか?」
「そ、それは。 言い訳するつもりはないですが、このレベル5は金庭理事に一任していたので、詳しくは知らないんです。なんか、すみません」
「ハヤテが謝る必要はないだろ」

こうやって何時も通り気軽に話している様に見えますが、ナギはさっきから心臓の鼓動が速いのである。
なぜなら、川に落ちた際2人とも下着までずぶ濡れになってしまい、全裸だからだ。
おまけに小説なのが幸いで、タオルなどの体を隠す物が無いので「そのまま」なのである。

「(まさかこんな事になるとはな。ハヤテはどうなんだろうか)」

照れつつ振り返ると、ハヤテがナギの下着を干していた。

「お、おいハヤテ。それ」
「あ、すみません。乾かさなきゃっと思ったので。 あ、あの、出来るだけ見ないようにですね」
「き、気にするな。寧ろハヤテだったら見られても///////////////////////////////」

モジモジと言うナギを気にしつつも、ハヤテはナギと自分の服を干していった。

「(な、何を恥ずかしがっているのだ。前に一緒に風呂に入ったし、結婚すれば毎日一緒にお風呂は当たり前なんだし、裸位なんだ。2人きりなんだから、恥ずかしがったり気にしたりする必要はないだろ)」

そう思うと、心臓の鼓動はまだ速いが大分落ち着いた。

「ところでハヤテ。天王州や神尾崎は一緒じゃないのか?確かスタートした時は一緒だったはずだが」
「ええまあ。ただ、この吹雪のせいで視界が悪かったので、逸れっちゃったんです」


                   × ×


時間を少し戻し

「ハヤテ様、寒いですわ。温めてください」
「ハヤテ、私も寒いですわ。温めてくださいな」

綾子もアテネもハヤテに抱き着いていて、寒い事を言い訳にしてかなり密着していた。
ハヤテは歩き難かったが、文句を言った所で聞き入れてもらえないので、受け入れるのみだった。

すると

「貴方ねえ、さっきから邪魔ですわ」
「その言葉、そのままお返ししますわ!!」

アテネが文句を言い、綾子がそれに返すとまた激しい睨み合いになり

「私とハヤテ様の邪魔をしないでくれます!!運命によって結ばれる事が決まっている2人を」
「フンッ。運命によって結ばれる事が決まっているのは私とハヤテですわ!!貴方なんかじゃありませんわ!!」

山の雪が全て融けてしまうんじゃないかと錯覚するほど睨み合い、

「私は寒いんですわ!!ハヤテ様と抱き合って温め合うんですわ!!」
「フンッ。貴方なんか凍死してしまえばいいですわ!!ハヤテと抱き合って温め合うのは私だけですわ!!」
「天王州さんこそ凍死なさい!!そうすれば私とハヤテ様ずっと一緒に・・」

まだまだ続く睨み合いに

「お2人とも、こんなとこで言い合いは止めてください。遭難しちゃいます」

ハヤテが宥めると険悪な雰囲気は残るが

「ハヤテ様がそういうなら」
「ハヤテがそういうなら」

お互いに「遭難すればいいのに」っと思ったが、口にすれば間違いなく今迄以上の喧嘩になり、ハヤテを困らせる事は明白なので、我慢した。

暫く歩くと、流石に歩き難いので綾子もアテネもハヤテから離れており、3人並んで歩いていた。
すると

「あ、あれ!? アーたん!?神尾崎さん!?」

何時の間にか2人と逸れていて、周囲に見当たらなかった。

「探すべきかな? でも、そんな事したら遭難しちゃうし、ゴールで待つか」

ゴールへの順路は分かるので、先に向かう事にした。


                   × ×


「っと言う訳でして」
「成程な。でも、2人を探さなくていいのか?」
「2人とも強いので、心配はしてますけど大丈夫ですよ。ナギさんこそ、悠太と一緒じゃないですよね?」
「一緒だよ。この吹雪で視界が悪くて何時の間にか逸れてた。悠太の強さは信頼してるし、心配ではあるが平気だと思ってるよ」

お互いに報告を終え、沈黙が訪れた。
するとナギは

「(しかし、この状況はチャンスなんじゃないか? 山小屋で2人きりで、おまけにお互い裸だ。神が与えた一線を越える最大のチャンスなんじゃないか?)」

こんな事を考え、一線を越える方法を考え始めた。
しかし、ナギのこの考えを知らないハヤテは

「あ、そうそう。この裏にも山小屋があったので、見てきますね。若しかしたら助けてくれる人が居たり、サウナがある可能性もあるので」
「え!?お、おいハヤテ」
「大丈夫ですよ。寒さへの耐性は訓練である程度はつけてますので」

そう言うと、ハヤテは山小屋を出て行ってしまった。

「ハヤテの馬鹿。折角2人きりだったのに」

体育座りになり、折角のチャンスを活かせなかった自分と気付いてくれなかったハヤテを呪い始めた。

だが

「でも、ハヤテの服はここにあるし、私を残して勝手に先へ行くなんて考えられんし、まだチャンスはある。今度こそ・・」

直ぐに思い直し、そわそわしつつハヤテを待つ事にした。
っとはいえ暇なので、紛らわす為に楽しい事でも考える事にした。

「グフフ。一線を越えられればハヤテと結婚出来る。ハヤテとの結婚生活は楽しいだろうな〜」

ナギがあれこれハヤテとの結婚生活を妄想していると

「楽しい事ばかりじゃないと思うけど」
「え!?」
「教えてあげましょうか?あなたと綾崎ハヤテが結婚したらどうなるか」

声のした方へ向くと、

「お、お前は、ツグミ・ルリ!!」

入り口にツグミ・ルリが立っていた。

山小屋で1人きり(全裸で)のナギはどうなる?


因みに、ハヤテが向かった別の山小屋にはサウナがあり、別の人物がそこを利用していた。
一波乱あるかもしれない。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月3日更新) ( No.51 )
日時: 2018/11/03 15:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテとナギは色んな偶然が重なって川に落ちてしまい、山小屋で暖を取っていた所、ナギが1人になった時にツグミ・ルリが現れた。


「お、お前。どうしてここに」
「別にどうでもいいじゃない、そんな事。それより」

ツグミが目的を言おうとしたが、遮る様に

「取り敢えず、そこ締めてくれ。寒い」
「ああ、それもそうね」

扉が開けっ放しで、外の冷気が容赦なく吹き込んでいたので、ツグミは扉を閉めて中に入った。

「で?さっき言った「私とハヤテが結婚したらどうなるか教える」って、どういう事だ?」
「知りたい? じゃあ教えてあげるわ。それは・・」
「どうせ、ニートやヒモになるって言いたいんだろ?」

ツグミを遮るようにナギが言い、驚くツグミを無視するようにナギが続けた。

「自分で言うのもあれだが、私は財閥の人間だ。そんな人間と結婚すれば、金に困る事は無い。そんな状態であれば、働く必要なんかないから、ニートやヒモになる可能性が高い。自分が働かなくても妻である私が腐るほど金を持っている。適当に家事をやっていれば、何も困らない。そう言いたいんだろ?」

正論を言われ、言い返す言葉を必死で探す様子のツグミにナギは

「更にだ、そんな関係は長く持たないから浮気され、その結果ハヤテは刺されて死ぬ。この推理、間違ってるか?」
「ヌググ。流石ね。折角用意した紙芝居が無駄になったわ」

ツグミは「何処に持っていたんだ!?」っとツッコミをしたくなる紙芝居を暖炉に入れ、

「その通りよ。でも、私のその考え、間違えてる?人間って生き物は「勉強しなくていいなら勉強しないし、働く必要が無いなら働かない」のが普通よ。綾崎ハヤテだって例外じゃないかもよ。だから」

「優勝しろってか?優勝して世間の厳しさをハヤテに教えろって言いたいんだろ?厳しさを教えてニートやヒモになるのを防げ。そうなんだろ?」
「・・・」

正論なのか、また黙り込んだ。

「お生憎だったな。それで動揺させて自分が優勝しやすくなる環境を作ろうって算段だったなら、失敗だよ。ハヤテは財閥の人間と結婚しても、そんな事にはならない。使用人長を10年位やってて、蓄えもかなりあるのに、あいつはせっせと働いてる。私と結婚しても、あいつは三千院家を一緒に繁栄してくれる。そして一緒に子供を・・・」

想像したのか、照れてモジモジするナギに

「あれ?ナギさん、どうしたんですか?」
「ああ、ハヤテ。戻って来たのか」
「ええ。ところでそちらは」

ツグミと違って裏口から入って来たハヤテは、山小屋を出た時にはいなかったツグミを示しながら聞いていた。

「ツグミ・ルリっと言って、同級生らしいぞ」
「え!?」

ナギが紹介するとハヤテはツグミを見つめ

「貴方、どなたですか?」
「いや、さっき紹介した通り」
「白皇にツグミ・ルリっと言う方は、いませんよ」

ハヤテの言葉にナギは驚き、ナギもツグミを見た。

「僕は教職員の方々も生徒の人達も顔と名前は全員覚えてます。ツグミ・ルリって方はいませんし、OGの人達にも、確かいなかったはず」
「な!?じゃあお前は」

ハヤテの指摘にツグミは

「ばれちゃ仕方ないわね。確かに、私は白皇の人間じゃないわ。勿論レベル5にも参加してない。ほら、参加者の証であるコンプレーターをつけてないでしょ?」

両腕を見せつつ言い、

「本当はなんだかんだ理由つけて三千院さんを連れ出して勝たせようと思ったんだけど、今は大人しく引き下がるわ」
「お前。なんでそんな」
「その内教えてあげるわ。じゃ」

そう言い残し、出て行った。

「何だったのだ?」
「さあ?あ、それより。 もう一つの山小屋でサウナを見つけましたよ」
「そうか」


                   × ×


2人はさっきまでいた山小屋の暖炉の火の始末をした後、もう一つの山小屋にやって来た。

「なあハヤテ、来ておいてあれだが、私はサウナはあまり得意じゃないんだが」
「耐えられなくなったら出ればいいだけですよ。暖炉より早く温まれると思いますよ」
「そうだな」

因みに、ハヤテはナギを見ない様に話してます。
タオルが無いので隠せないためです。

「ふ〜っ」
「少し暑いが、これ位なら」

お互いを見ないようにしつつ長椅子に座って温まっていると

「ハヤテ様♪」

ムニュ

「か、神尾崎さん!?何でここに?」

綾子(全裸)がハヤテに抱き着いて来て、驚きつつもハヤテは綾子を見ないようにしつつ聞くと

「ハヤテ様と逸れた後、仕方なく先へ向かっていたら雪で隠れてた川に落ちてしまって。で、偶然見つけた山小屋のサウナで暖まっていたら、ハヤテ様が来たんですわ」

「そ、そうなんですか。それより、離れてくれませんか?サウナなので寒さは」
「嫌ですわ♪こうして運命的に出会えたんですから、このままこの山小屋で大人の階段を」

綾子が益々強くハヤテに抱き着くと

「おい、貴様」
「あら、いたんですの?」
「ああ、そうだよ。それより、ハヤテから離れろ。私だって、その」

ナギは言葉に詰まっていたが、綾子にはその先は分かっており

「でしたら、ハヤテ様と大人の階段を上る権利をかけて、サウナバトルで勝負ですわ」
「ほう。耐えきれなくなって先に出た方が負けと言うあれか。良いだろう、受けてたつ」

ハヤテからすれば反対意見を言いたかったが、受け入れて貰えないのは今迄の経験から分かりきっていたので、諦めた。

「だ、だが。お前と私では体力の差がある。少し位ハンデをだな」
「不要ですわ。私は三千院さんより10分位先に入ってて、それで充分ですわ」
「・・分かった。それでいい」

話し合いは決着し、綾子とナギのサウナバトルは始まった。

一方のハヤテは完全に目のやり場に困っていた。
なぜなら、綾子もナギも全裸で、バスタオルすら身に着けていないからだ。おまけに2人とも隠す素振りを全く見せないため、余計である。
これが小説なのが幸いな光景なのも、ハヤテが必死で目を逸らす要因なのである。

「う〜っ。お前、もう出て良いんだぞ」
「そんな言葉、乗りませんわ。勝つのは私ですわ」
「勝つのは私だ。苦手なサウナでの勝負だって、勝ってやる」

15分以上経っても終わりそうにない勝負に、目のやり場に困り続けているハヤテはコンプレーターを見た。
すると

「え!?これはいったい」

コンプレーターの参加者の数が次々に減って行っていた。

「な、何でこんな急に脱落者が続々と!?」

ハヤテが驚いていると

ドササッ

「へ!?」

大きめの物音がして振り向くと、綾子もナギも倒れていた。

「ちょ、ちょっと2人とも」

慌てて駆け寄り、診ると気絶しているだけの様だった。

「も、もう。勝負するのもいいですが、この状況は勘弁してもらいたいですよ」

改めて言うが、2人はバスタオルすら身に着けてない状態である。
そんな2人を助けると言う事は、必然的に「見るしかない」なのである。


                   × ×


「「ん!?」」

綾子とナギが気が付くと、ソファーに寝かされていた。

「どうしてここに」
「確かサウナバトルしていたはずだが」

直ぐに思い出し、飛び起きると2人ともバスタオルに包まれていた。

「あ。お2人とも気付かれたんですね」

心配そうな顔をしたハヤテが近くの椅子に座っていた。

「勝負するのは良いですが、倒れるまでやると言うのは止めてください。下手すれば死んでしまうかもしれないんですよ」
「「は〜い」」

ちゃんと返事をした2人にハヤテは溜息をつきつつ

「ま、まあ。こっちの山小屋にはバスタオルがあってよかったですよ。色々と、ね」
「へ〜」

ハヤテの言葉に綾子はなぜか笑みを浮かべ

「私達にタオルを巻いたと言う事は、裸を見たと言う事ですよね?」
「あ、そうだぞ。どうなんだ?」
「ま、まあ。アハハハ//////////////////////////」

ハヤテの様子に2人は直ぐに察していた。


                   × ×


一方。

「これは、最悪だな」
「ちょっと!!これはいったいどういう事よ!! 何で私達が牢屋に入らなきゃいけないのよ!!」

千桜がぼやき、愛歌さんが文句を言うと

「いいえ、牢屋ではありません。ここも立派にホテルの部屋です」
「何処がよ!!」

部屋と廊下は鉄格子で区切られていて、床は石畳。一昔の牢獄の様で、どう考えても部屋ではなく牢屋だった。

「うう〜、寒いよ〜。こんな石畳の上のこんな薄い毛布だけなんて〜」
「最悪だ〜。こんなの地獄だ〜」

美希と理沙は、ただただ文句を言っていた。

「おい!!幾等なんでも夕食無しは無いだろ!!夕食位出せ!!」

理沙が文句を言うと、黒服がパンを出した

「そちらが本日の夕食です」
「こんな冷たいパン1個が夕食か!!」

また文句を言う理沙に黒服が

「因みに、あちらをご覧ください。先程からの脱落者の方々です」

黒服が示したモニターには

「わ〜、暖か〜い」
「シ○ンズのベッドは最高だね〜」

「夕食も高級バーベキューっと豪勢だね〜」
「本当に全部美味しい〜」

っと、見事すぎる程の格差が映し出されていた。

「耐えられないと言うのであれば、コンプレーターのボタンを押してください。直ぐにあちらの環境へとご案内します。いかがなさいますか?」

黒服の言葉に文句の嵐は取り敢えずは止んだ。

「私は寝るよ」
「カユラ。お前、こんな最悪の環境で寝れるのか?」
「別に、最悪って訳じゃ無い。確かに寒いが、何とかなる。パン1個あれば一晩位何とかなる。それに、私には目的があるからな」
「な、何だよ、その目的って」

千桜が聞くと、カユラは少し迷ってから

「優勝すれば、綾崎君にいっぱい褒めて貰える。そうすれば、綾崎君の中の私への好感度はうなぎのぼりだ。そんな事になれば、一気に告白への流れに持って行きやすい。私が欲しいのは金じゃない。「優勝する事によって得られる綾崎君の好感度」だよ。それが目的だよ。もう寝るから話しかけるな」

カユラが言い切ると、千桜も薄い毛布に包まって

「お前のその言葉を聞いて、考えが変わった。私も優勝する気が出たよ。元々は「ハヤテ君と楽しく旅行して良い雰囲気で再告白」だったが、優勝してお前が狙っている物を私が得たくなった」

「・・余計な事言ったな。まあ、良い。優勝は私だ」

少しするとカユラの寝息が聞こえてきた。

「(そう言えば、仮面の戦士はどうしたんだ?)」

千桜は気になって、近くだった仮面の戦士を見た。
すると、文句一つ言わずに毛布に包まって寝ていた。っとは言っても仮面のままなので眠っているかどうかは分からなかったが。

「(あのまま寝るのか。ってかあの人・・いや、まさかな)」

千桜も寝る事にした。


一方、美希と理沙はまだ悩んでいた。
すると

「やっぱり、こうなっちゃったね」
「え!?泉、まさかお前」
「こうなる事を読んでいたのか?」

驚く美希と理沙に泉は

「まあね。特典の付くオリエンテーションって事は、それに出て良い成績を出せればリタイアしなくてもあんな風に良い思いが出来る。つまり、参加しなければこんな風に辛い目にあう事は分かってたもん」

泉は一旦切り

「こんな事なら、小さい時からスキーやっとけばよかったよ。こんな時にしっぺ返し受けるなんてね。何事もサボっちゃ駄目って事だね」
「お前、そんなに冷静にそこまで考えてたなんて」
「すっかりお利口さんになってるな。ずるいぞ」

文句を言う2人に泉は苦笑いだけだった。

「で?お前はリタイアしないのか?」
「カユラちゃんが言った通り、何とかなるよ。それに、私も優勝したいもん。だから耐えるよ。おやすみ」

横になった泉に美希と理沙はまた頭を抱えだした。


                   × ×


一方、山小屋。

「どうぞ。お茶が入りました」
「ありがとうですわ」
「すまんな」

ハヤテは綾子とナギにお茶を出していた。綾子が居た方の山小屋には少しは物があったので、出来たのである。
幸い今は全員タオルで体を隠しているので、向き合って話す事が出来るのである。

「ところでハヤテ様。さっきの私達の裸を見た件ですが」
「あ、そうだぞ。さっきは誤魔化したが、どうなんだ?」

追及する2人にハヤテは少しの間天井や壁を見た後

「き、緊急事態だったので、勘弁してください。土下座なら」
「別に良いですわ。裸を見る位」
「わ、私も、別に構わんぞ/////////////////////////////」

土下座しようとしたハヤテに2人は言い、

「っと言うか、一緒にお風呂に入った仲じゃないですか」
「わ、私だって、その//////////////////////////////////」

「それに、結婚すれば一緒にお風呂は当たり前。それ以上もするんですから、裸を見られる位で恥ずかしがってたら、成り立ちませんわ」
「お、良い事言ったな。そういう事だ。謝る必要は一切ない」

断罪するつもりの無い2人にハヤテは安心した。

「で?サウナバトルの結果は?」
「あ、そうだぞ。どっちが勝ちで、どっちと大人の階段を上るんだよ」
「ど、どちらも気絶したのでノーカウントです」
「「チェ〜」」

公平な判断と言えるので、物言いは止めておいた。

すると、少しの沈黙の末

「ところで、ハヤテ様は結婚する気はあるんですの?」
「あ、そうだぞ。どうなんだ?」
「そ、それは」

ハヤテは少し考え

「今は年齢的な事もあるので考えてませんが、運命があれば将来的には・・」
「「ふ〜ん」」

ハヤテの答えに2人は

「(ハヤテ様との運命なら私で確定ですから、結婚する気があって良かったですわ。子供の名前、もう考えておいた方が良いですわね)」
「(ハヤテとの運命なら私で確定だから、結婚する気があって良かったよ。子供の名前、もう考えておいた方が良いな)」

っと、同じ事を考えていた。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月3日更新) ( No.52 )
日時: 2018/11/06 07:18
名前: ささ

ささです。体を巻くタオルがあったのならサウナ入る前につければ良かったのに…
最も、照れ隠しで怒ることはあっても(幼少期にアテネした不意打ちのキスのときのように)ハヤテならってなるだろうな…
というよりナギは大人の階段はさすがに早い(歳考えろよ、)
(スタイルも体力並びに戦闘力が白皇では1番劣る(少なくともカユラ除く)はずなのに…いい加減無駄な努力という言葉を覚えた方がいいですよ!それともそんなのが分からないおバカさんなのかな?ヒナギクから身長と戦闘力と体力と人気を取った存在なんだから)
ふと思ったけどLv5に参加した女子生徒は綾子・ヒナギク・ナギetcと同じような理由が多いのでは?
確かにルカは「婚約者候補者兼結婚前提の恋人」だけどあくまで前提だからね…。実際(作品の展開とは無関係にあくまで婚約者候補制度では)ヒナギクのように婚約者候補以外の人がハヤテと結ばれることって現状有り得る話なのですか?(仮に候補者全員断ったとかなら)
あと、>>50-51って仮に映像化されるなら、自主規制くん大活躍というより自主規制くんでほとんど埋められるくらいになるか。ハヤテもいい加減慣れなさい(毎日美(少)女と風呂&同衾していて、終いには恋人とはいえ、大晦日恒例の某歌番組出演の夢じゃない現役トップアイドルともなんて…天王州家を敵に回す大バカ野郎はいないけど…あっ、過去アテネを攫おうとしたor天王州家に盗みに入ったおバカさんはどうなったのだろうか?)
ヒナギク、綾子やアテネがいくら自分よりも遥かにスタイルがいいからって>>9のように萎縮しているようじゃダメだよましてや>>18みたいに混浴すると聞いて気絶するのも(でも、数少ない乙女の恥じらいが残っている女の子ってことでハヤテ的にポイント高い気が…)
でも、>18のホテルの人可哀想だな。天王州家・神尾崎家・三千院家と世間に名高い3大財閥(さらにディキソングループ、時任グループもいて)これじゃあ黒いものも白と言い張れるじゃん
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Re: 女神と共に第四部 (11月6日更新) ( No.53 )
日時: 2018/11/06 17:50
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 >>ささです。

 ナギ「感想感謝するぞ♪」

 >>体を巻くタオルがあったのならサウナ入る前につければ良かったのに…

 綾子「1人でしたし、誰かが入ってくるとは思って無かったので、必要無いかなっと」

 >>最も、照れ隠しで怒ることはあっても(幼少期にアテネした不意打ちのキスのときのように)ハヤテならってなるだろうな…

 綾子「そうですわね。ハヤテ様でしたら」
 ナギ「相当な事じゃなきゃ怒らんな」

 >>というよりナギは大人の階段はさすがに早い(歳考えろよ、)

 ナギ「何を言う。中学生で母親になる話を聞いた事がある、気がするから平気だ」
 悠太「まあ、論理的観点から、良くないがな」

 >>(スタイルも体力並びに戦闘力が白皇では1番劣る(少なくともカユラ除く)はずなのに…いい加減無駄な努力という言葉を覚えた方がいいですよ!それともそんなのが分からないおバカさんなのかな?ヒナギクから身長と戦闘力と体力と人気を取った存在なんだから)

 ナギ「せ、戦闘力っと言う点は認めてやる。だが、他はどうかな? それに、「努力は裏切らない」または「努力は報われる」っと言う言葉がある。私の自分磨きや家事修行が実を結ぶ時が来るはずだし、来なかったとしても「いい勉強になった」で済ませるよ。まあ、ヒナギクとの差は一応認めておくよ、今のところな。戦闘力と人気以外は追い抜いてやるよ」

 誰か「私としてはナギの努力が完璧に無駄になってくれると面白いんですけどね〜♪そうすればまたコレクションが♪ああ♪」

 >>ふと思ったけどLv5に参加した女子生徒は綾子・ヒナギク・ナギetcと同じような理由が多いのでは?

 それに関しては、現時点では黙秘で。

 >>確かにルカは「婚約者候補者兼結婚前提の恋人」だけどあくまで前提だからね…。

 ルカ「な、何を言ってるのかな!!!前提だろうが何だろうが、そういう恋人関係である以上はほぼ決まっているようなもんでしょ!!!変な事言わないで!!」
 千桜「お前には悪いが、私を含めてそんな事で諦める連中は殆どいないぞ」
 ルカ「・・・」

 >>実際(作品の展開とは無関係にあくまで婚約者候補制度では)ヒナギクのように婚約者候補以外の人がハヤテと結ばれることって現状有り得る話なのですか?(仮に候補者全員断ったとかなら)

 ヒナギク「絶対にありえないって訳じゃ無いんでしょ?なら全力を尽くすまでよ」
 恋葉「そうです!!負けません!!」
 愛歌「まあ、卑怯な手段をとる人は居ないって事だけは補足しておくわ」

 >>あと、>>50-51って仮に映像化されるなら、自主規制くん大活躍というより自主規制くんでほとんど埋められるくらいになるか。

 ハヤテ「っと言うより、自主規制くんしか映って無くて、音声のみって展開の可能性も」
 ナギ「まあ、「DVD化した時完全解禁」ってのもあるだろうな」
 綾子「ですわね。アニメ化の可能性は全くないでしょうが」

 >>ハヤテもいい加減慣れなさい(毎日美(少)女と風呂&同衾していて、終いには恋人とはいえ、大晦日恒例の某歌番組出演の夢じゃない現役トップアイドルともなんて…

 ハヤテ「む、無理ですよ//////////////////あの状況に慣れるなんて///////////////////」
 アテネ「ハヤテ、慣れないと色々と大変ですわよ♪」

 >>天王州家を敵に回す大バカ野郎はいないけど…あっ、過去アテネを攫おうとしたor天王州家に盗みに入ったおバカさんはどうなったのだろうか?)

 ハヤテ「その方々は全員超真面目になったそうですよ♪」
 アテネ「まあ、我がグループだけでなく、ハヤテが色々したみたいですけどね」

 >>ヒナギク、綾子やアテネがいくら自分よりも遥かにスタイルがいいからって>>9のように萎縮しているようじゃダメだよましてや>>18みたいに混浴すると聞いて気絶するのも(でも、数少ない乙女の恥じらいが残っている女の子ってことでハヤテ的にポイント高い気が…)

 ヒナギク「そ、そうよね。結婚するまでその姿勢を崩さない方が良いかしら」
 美希「・・それが出来ればいいけどな」

 因みに、>>18の時は脱衣所まで行ったが、服を脱ぐ寸前で気絶した。が真相です。

 >>でも、>18のホテルの人可哀想だな。天王州家・神尾崎家・三千院家と世間に名高い3大財閥(さらにディキソングループ、時任グループもいて)これじゃあ黒いものも白と言い張れるじゃん

 悠太「まあ、そうだな。あいつが相手じゃ「カラスは白い鳥」って主張されても「はい、白い鳥ですね」って答えるしかねえもんな。敵に回すのは相当な覚悟があるか、究極の愚か者位だな」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (11月6日更新) ( No.54 )
日時: 2018/11/06 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテ達は山小屋で色々あり、オリエンテーションに参加しなかった面々は変わったホテルに宿泊する事になった。


「う〜ん。もう乾きましたね」
「やれやれ。やっと出発出来ますわね」
「急ごう。他の奴らにゴールされる前に」

すると綾子もナギもいきなり体を覆っていたタオルを外し、着替え始めた。

「ちょ、ちょっと/////////////////////」
「急がないと、負けちゃいますわよ」
「ハヤテも急いで着替えろよ」

幸い、タオルを外そうとした瞬間後ろを向いたので、見なかった。が

「き、着替えるなら言ってくださいよ/////////////////////やむを得ない場合以外は、その//////////////////////」
「良いじゃないですか。それに、先程も言いましたが、ハヤテ様でしたら裸を見られても平気ですわ」
「そうだぞ。少しは恥ずかしいが、気にしないぞ」
「だ、だからって/////////////////////////////」

これ以上文句を言っても受け入れて貰えないので、ハヤテは出来るだけ2人を見ない様にして着替えた。
そして3人とも着替え終わると、山小屋を出た。


                   × ×


3人は現在、雪山を駆けていた。っとは言っても、ナギはハヤテや綾子程速く走れないので、2人がナギが出せる最高速に合わせて駆けていた。

「大分遅れちゃいましたね。急ぎましょう」
「ええ。誰かがゴールしている可能性もありますし、急いだ方が良いですわね」
「ゴールまでどれ位はか分からんが、何とか体力も持ちそうだ」

家事修行のお陰もあり、ナギの体力は原作とは比べ物にならないほど上がっていた。まあ、戦闘力はたいして変わって無いが

「(しかし、ツグミの目的は何だったのだ?私を勝たせるとか言っていたが、何のために?)」

走りつつもナギは出発前のホテルや山小屋で会ったツグミの事を考えていた。

「(白皇の生徒でも、このレベル5の参加者でも無いあいつが私を勝たせるメリットなど無い筈。何故なのだ?)」

考えつつ走っていると、ハヤテと綾子が立ち止まった

「どうしたのだ?」

ナギも立ち止まって聞いたが、ハヤテは答えなかった。
が、雪玉を作って今向かおうとしていた道に投げた。すると、大きめの爆発が起こった。

「な、何だ!?何事なのだ!?」
「フンッ、勘の良い奴ね」

ナギの目の前に仮面のユキコちゃんが現れた。

「な!?あんたは、桂先生」
「な、何を言ってるのよ。私は仮面のユキコちゃん。 桂先生などではないわ」
「いや、どう見ても・・まあ、良い。何の用なのだ?」

ナギが聞くと、漫画などで小悪党がするような笑いをし

「ここでリタイヤしてもらうわ。痛い目に遭いたくなかったら、ボタンを押しなさい」
「断る」

一瞬さえ遅く感じる程早く答えたナギに

「だったら、痛い目に合ってもらって無理やりにでも・・」
「良いのか?私はハヤテや神尾崎と一緒だぞ。こんな事ばれたら、あんたは今度こそ無職になるぞ」
「そんな脅しに屈しないわ。さあ、覚悟なさい!!」

ユキコちゃんがナギに襲い掛かろうとしたその時

「桂先生?何しているんですか?」
「ご自分の立場を理解していないようですわね」

爆発で舞い上がった雪で見えなかった為か、今迄気付かなかった2人に気付き

「い、いや、これは」
「妨害はルール違反じゃ無いとは言え、貴方がこんな事していいと思っているんですか?」
「お父様とかに報告すれば、どうなるかお分かりですよね?」

綾子の父は白皇の理事の1人で、娘に甘いので、「雪路をクビにしてほしい」っと言うお願いはお安い御用なのである。

「今回の事は、当然の様にアーたんに報告しておきますね」
「そ、そんな!!それはご勘弁を」
「今直ぐリタイアしても、無駄ですよ。報告は絶対にします」
「グググ」

ユキコちゃん(雪路)は少しの間考え込んだ後

「こうなったら仕方ない」
「「「え!?」」」
「こうしてやるわ!!!」

ユキコちゃんがスイッチを押すと、ハヤテ達3人が立っていた場所の雪が崩れ、落下していった。

「これでいいわ。私の妨害なんて、ばれなきゃいいのよ!!!」

また小悪党のような笑いを響かせた。


                   × ×


一方。

「う〜、寒いぞ〜、貧しいぞ〜」

美希はまだ文句を言っていた。

「泉はこんな環境でもスヤスヤと気持ちよさそうに寝てるし、能天気なもんだ。私には特に勝ちたい理由は無いし、こんなの耐えられんし、リタイアするか?」
「ッフ、情けないもんだな」
「な、何だと!?」

文句ばっかの美希に理沙が苦言を呈した

「いいか?この地球上には1日100円以下で生活している人が12億人以上いるんだぞ?それなのに我々はそれに目を向けようとせず、当たり前のように豊かな生活を送っている」

「ん!?随分珍しく真面な事言うじゃないか」

「まあな。毎日ランチを食べつつラテを飲み、映画を見に行ってはラテを飲む。暖かいベッドで寝る前にもラテを飲み、ダラダラしつつもラテを飲み、時には無意味にラテを飲む」

理沙の言葉に

「お前、そこまでラテが好きだったか?」
「そんな大変な人達に比べたら、こんな牢獄で一泊する事位で文句を言ってどうするんだ。大金を懸けた試練なんだ。文句を言うだけ無駄ってもんさ」
「なんか、お前まで利口になった様に思えるよ。 だがな、この旅行は九泊十日もあるぞ?」

美希の言葉に理沙は、少し悩んだ後コンプレーターのボタンを押してリタイアした。

「おい!!!さっきの熱弁はどうした!!!」
「冷静に考えて見ろ。私は別に金に困ってないし、泉と違って勝ちたい理由も特には無い。お前と一緒でな。何より暖かい場所で寝たい。それだけさ」

ドヤ顔で言い切る理沙に

「さっきお前を見直したのを返してくれよ。やっぱお前はおバカ2人組の1人だな」
「何とでも言え。じゃ、泉と一緒に頑張れよ」

そう言い残して出て行った理沙に

「ったくあいつは。少しは泉を見習えってんだ。 私は意地でもリタイアせんぞ」

ブツブツひとしきり文句を言った後

「ところで。 愛歌さんはリタイアしないんですか?この状況じゃ直ぐリタイアすると思ってたんですが」
「ん!?私?」

聞かれた愛歌さんは少し間を空け

「私だって優勝したいからね。朝風さんみたいに根性無しな事はしないわよ」
「何故?」
「教えてあげる。 「私だって頑張れば凄いんだぞ」って所を見せる為よ。優勝すれば彼は間違いなく私を見直す。そうすれば彼を虜に出来る確率が飛躍的に上がる。だからよ」

情報通の美希は愛歌さんの言う「彼」がハヤテの事であると知っていた。

「もう寝るから話しかけないでちょうだい。貴方も勝ちたい理由を探してみる事ね」

そのまま寝息を立て始めた愛歌さんに対し

「勝ちたい理由、か。・・・私にはないな」


                   × ×


一方。

ナギは吹雪が起こる中、体を震わせていた。
つまり(>>46)の冒頭に繋がります。

「全くあの人は。「駄目人間」なのはとっくに知っていたが、あそこまでとは」

ブツブツと文句を言いつつも周囲を見渡し

「不味いな。あの2人と完全に逸れちゃったぞ。探すのは危険すぎて出来ないし、先に進むか」

捻挫とかしてないか確認した後、走り出した。
時折ルートを確認しつつ走っていたが、ついに限界を迎え、

「つ、疲れた。歩けるけど、走るのは無理だな」

何とか頑張って歩いていたが、吹雪の音以外何もしない寂しい状況にどんどん不安が増していき

「うう〜、ハヤテ〜。リタイアは嫌だけど、寂しいぞ〜」

リタイアする気はサラサラ無いものの、不安は大きくなる一方で

「ハヤテ〜」

不安を少しでも解消する為に叫ぶと

「ナギさん!!」
「大丈夫ですの?」
「ハヤテ。神尾崎も」

ナギはハヤテを見つけると、真っ先に抱き着いた。

「心配しましたよ」
「無事で良かったですわ」
「まあな。お前達も・・平気か」

逸れた時と何も変わって無かったので、そう判断した。

「さ。先を急ぎましょう」
「余計な邪魔のせいでまた遅れちゃいましたからね」
「ああ、そうだな。でも、もう少しだけ休ませてくれ」

ナギの体力がある程度回復するまで、速足でゴールに向かう事にした。

「ところで。桂先生はどうしたのだ?さっきは「ばれなきゃいい」って邪魔してきたが」
「ああ、もう大丈夫ですよ」
「きつく言っておきましたわ」

首を傾げるナギに

「このオリエンテーションで最下位になるなら、報告はするけど温情を出すように説得すると」
「あの人には逆らえない人がいますからね。無論、ハヤテ様にも逆らえませんが。兎も角、これ以上誰の邪魔もしない事、このオリエンテーションは最下位になること。以上の条件で許しましたわ」
「成程。まあ、自業自得だよな。憐れみは・・全く感じんな」

話しつつ歩いていると体力が大分戻ったので、また走り出した。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月9日更新) ( No.55 )
日時: 2018/11/09 17:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテ達はようやく服が乾き、山小屋を出発し、色々ありつつもゴールへと向かって行った。


3人が走っていると、

「あ。あれがゴールですね。急ぎましょう」

ハヤテが急かすと、ナギも綾子も立ち止まった。ハヤテもそれに直ぐに気付いて、立ち止まり

「あの」
「ハヤテ、先にゴールしろ」
「え!?」

思ってもみなかったナギの言葉にハヤテが驚いていると

「正直、お前が居なかったらここまで来れなかった。だから、せめて順位位は譲りたい。だから先にゴールしろって言ったんだ」
「え、えっと」
「異議なし、ですわね」

ハヤテが困っていると、綾子もそれに不服そうな様子は無かったので、ハヤテは先にゴールし

「おめでとうございます。綾崎ハヤテさん、貴方が1位です」
「え!?僕が1位何ですか?」
「はい。他の方々はまだ誰も戻って来てませんが、居場所は把握しております。ですからご安心ください」

その言葉にハヤテは安心し、

「因みに、このオリエンテーションで、参加者の中で数人のリタイア者が出ました。まあ、お気付きかもしれませんが、一応」
「補足ありがとうございます」

このやり取りの一方、ハヤテがゴールしたのを確認した後で

「どうぞ。御譲りしますわ」
「・・へ!?」
「貴方は本当に頑張りましたわ。ここまでの道中や、一旦逸れてた時も。ですから、このオリエンテーションだけはお譲りしますわ。まあ、優勝は私がしますが」

綾子の言葉にナギは呆れつつも悩み

「分かった。じゃあ先に行くぞ」

ナギが先に行き、綾子はその直ぐ後にゴール出来る様に走り

「2位は三千院ナギ様、3位は神尾崎綾子様です」
「意外だな。天王州やヒナギクがまだ何て」
「確かにそうですわね。天王州さんなんかどうでもいいですが、ヒナがまだなのは珍しいですわね」

こんな風に話していると、

「4位は桂ヒナギク様です」
「4位か〜。ま、しょうがないわね」

特に悔しそうじゃ無いヒナギクに綾子は

「遅かったですわね。てっきりとっくにゴールしてると思いましたわ」
「色々あってね。最下位かと思ったんだけど、4位でも一応は受け入れてるわ」
「そうですか」

その後も参加者は続々とゴールしていき、リタイア者を除いて全員ゴールした。
因みに、雪路は約束を守って、ちゃんと再開でゴールした。


                   × ×


オリエンテーション参加組はゴールのホテルで一旦待機となり

「お嬢様」
「ん!?おお、悠太。お前もやっぱり無事だったな」
「まあな。お嬢様も大丈夫みたいだな」

悠太はナギの様子を見ながら判断していた。

「まあ、色々あったがな//////////////////////////ゴールは出来た」
「・・そっか。まあ、2位おめでとうな」
「お前は確か・・6位だったな」
「まあな。俺にも色々あって遅れちまったよ」

苦笑しつつ言う悠太に

「な、何があったのだ?」
「お嬢様と逸れた後は、探すとあぶねえからゴールに向かったよ。雪崩に遭ったり熊に遭ったり、だな。雪崩は逃げ延びて、熊は叢雲で追い払った。怪我はしてねえから大丈夫だ」
「そっか。信じてはいたが、心配だった。でも、お前の顔を見れて安心したよ」

こんな風に和やかに話している一方

「ハヤテ様〜♪」
「あ、あの」
「どきなさい!!!!!そこは私の、私だけに許された指定席ですわ!!!!」

綾子はハヤテの背中に抱き着いて、普段アテネが「甘えたい症候群」の時にしている事と同じ事をしていた。
当然アテネは怒りMAXである。

「フンッ。出遅れた貴方が悪いんですわ」
「関係ないですわ!!!!離れなさい!!」

アテネは意地でも引き剥がそうとしたが、綾子は意地でも離れなかった。

「所詮あなたは5位。3位の私とは雲泥の差ですわ」
「ヌググ。それはそれ、これはこれですわ!!!」

相変わらずの光景に、ハヤテは嵐が過ぎ去るのを待つのみであった。

少しの言い合いの後

「オリエンテーションに参加してゴールした皆様方、特典をお配りしますので、お集まりください」
「お2人とも、行きましょう。言い合いしている場合じゃないですよ」

未だ激しく睨み合っているが、取り敢えずは収まった。


「まずは、優勝した綾崎様。 こちらのカードをお受け取りください」
「何ですか、これ? キャッシュカードみたいですけど」

受け取って見つつ聞くと

「そちらのカードには1千万円が入金されています」
「1千万円!?」
「ええ。ただ、旅行終了と共にカードは返却していただきます。つまり、如何に残金があろうと中のお金は持ち帰れません。旅行中にのみ使える特殊なお金っと思ってください」

説明され、ハヤテはただただ困惑していた。

「え〜、続いてですが。 2位の方には200万円のカードを、3位の方には100万円、4位の方には10万円、5位の方には5万円、6位の方には3万円、7位の方には1万円で、8位の方には1000円のカードが支給されます」

カードをそれぞれに配って行き

「あの。9位以降の方には何が?」
「9位以降の方々にはこちらです」

アニメチックな牛の顔が描かれたカードを配った。

「そちらには一切の入金がございません。ですが、十五で幾らでもお金が借りられる「うしじまカード」です」
「いやいや。それって10日で5割の利息が付くやばい奴じゃ」
「まあ、世間一般的には「○○」っと呼ばれてますね。仮に100万円借りた場合、10日後には150万円返済すると言う事ですね。どんな事があろうとも」

黒服の説明に「うしじまカード」を貰った面々は呆れていた。

「因みにですが、カードによる借金は先程のカードのお金と違ってチャラにはなりません。借りた場合はご注意ください」

「あんなの聞いた後で借りるバカっているのか?」
「居る訳無かろう。もしいたら、見てみたいよ」

悠太の呆れツッコミにナギも呆れツッコミで返した。

「1千万円か。 貰っても使う事無さそうだけど」
「ハヤテですからね。どうしようとこの旅行中は自由ですわ」
「・・そうだね」

ハヤテは貰ったカードを複雑そうに見ていた。

「え〜、次にですが、本日のホテルについてご説明いたします」

黒服が言うと、別の黒服がお店の前に置くような立て看板を持って来て、そこには料金表が書かれていた。

「これは小説なので私が説明します。 スイートは100万円、エグゼクティブは50万円、ダブルは10万円、シングルは8万円、素泊まり(朝食無し)は1万円です」
「え!?金取るのかよ」
「はい。一応これも修学旅行なので、格差社会を体験出来る学習でございます」

悠太の呆れツッコミに黒服が返し

「い、いやな社会勉強だね」
「ですわね。金庭さんもここまでリアルにしなくてもいいですのに」

ハヤテもアテネも呆れていた。
すると

「あの。私達一番安い素泊まりすら出来ないんですけど」

うしじまカードや、特典のお金は貰えたが足りない面々が黒服に言うと

「その場合は、オリエンテーションに参加しなかった方々と同じ部屋になります。ご案内します」

案内されていく面々を見て、

「へ〜、タダの部屋もあるんだね。僕はそっちにしようかな」
「止めておけ、それだけは」

ハヤテも付いて行こうとしたが、何時の間にか来ていた理沙に止められた。

「君は知らないからそんな事が言えるんだ。いいか?タダで泊まれる部屋など地獄でしかない。金の無い奴など末路は惨めなもんだ。私はそれが嫌で、リタイアした」

理沙は、今まさにホテルのロビーを出て行こうとしている面々を見て

「きっと、あいつらは今夜中にもリタイアする。ほぼ確実に」

普段のからかうようなふざけたような雰囲気は無く、進路を担任に相談する位真面目な雰囲気だった。

「アーたんはどうする?貰ったカードじゃ素泊まりしか出来ないけど」
「まあ、タダで泊まれる部屋など大体で想像出来ますから、素泊まりで我慢しますわ」
「ん!?お金出そうか?一番いい部屋を2人分なら何とか出来るけど」

アテネの今迄の生活環境を知り尽くしているハヤテは一応提案したが

「主が執事にお金を出してもらうなんて、出来ませんわ。気持ちだけもらいますわ」
「そう。一緒の部屋で良いかなって思ったんだけど、アーたんがそういうなら」

「ハヤテと同じ部屋」っと言うのはハヤテに好意を持つ面々には魅力的すぎる物だが、ハヤテに甘える訳にもいかず、今回だけは我慢する事にした。

「悠太はどうするのだ?お前も素泊まりかタダの部屋しか選べんだろ?」
「まあ、節約の為にもタダの部屋にしとくよ。大変そうだが、一晩位なら何とかなるだろ」
「そうか?おまえの分も出してやってもいいんだが」

一応提案したが

「遠慮するよ。第一、朝風が相当大袈裟に言ってるだろうし、鍛えてるから大概の事は何とかなるよ」

そう言うと、悠太はタダの部屋に案内されて行った。

「ヒナ、お前もタダの部屋にするつもりなんだろうが、止めておけ。お前の為を思って言っているんだ」
「・・ま、信じておくわ。じゃあ、シングルね」

それぞれ部屋を決めて行き

「さて。じゃあ僕は」

「綾崎ハヤテさんはスイートに泊まるそうです。しかも2名分」
「了解しました」
「あの、勝手に決めないでください。僕はですね」

理沙が勝手に決め、ハヤテは文句を言おうとしたが

「因みに、今夜の食事は一番高いフレンチコース、こちらも2名分で」
「了解です」
「ですから、勝手に決めないでください。第一2名分って」
「何を言っている。君と私の分に決まっているだろう」

理沙は「当たり前の事を聞くな」っと言う感じで言い返していた。

「なんで朝風さんの分も出さないといけないんですか。嫌ですよ」
「金があるんだったら出し惜しみするな。金なんてもんは使う為にあるんだよ!!」
「それは自分勝手な思い込みじゃ。第一正論でも出す相手位選びますよ」

ハヤテの反論を理沙は完全に無視し

「ま、君も疲れてるだろ?フレンチ食べて今夜はゆっくり寝ろ」
「あのですね。 それに、僕のカードで支払うんだったら、一緒の部屋になっちゃいますよ」
「大丈夫だ。ボタンは押さんし、襲ったりもしない。君には婚約者候補が6人もいるからな」

ハヤテの反論はやっぱり無視し、理沙はレストランに向かって行ってしまった。

「全くもう」

今更言っても変更してもらえないので、ハヤテは文句を言いつつも理沙が勝手に決めた決定に従った。

「・・・」


                   × ×


「え!?桂先生に?」
「ああ。襲撃された」
「あの人がやりそうな事だよ。やれやれだぜ」

ナギは一応許可をもらって悠太の部屋に来ていて、話していた。

「まあ、ハヤテのお陰で何とかなったがな」
「何時には感謝しねえとな。それより、心配や同情は一切しないが、大丈夫か?」
「烈火の如く怒ったらしいが、ハヤテが宥めたらしい。この旅行中、誰の妨害や邪魔をしないっと言う条件で、処分無しにしたらしいぞ。まあ、自業自得だし、同情したりはしないがな」

悠太も大いに同意だった。

「しかし、何じゃこの部屋は。どこからどう見ても牢屋だし、こんな所で寝れるのか?やっぱり部屋を」
「遠慮するって。ちゃんと寝られるし、千桜やカユラも寝てるんだ。俺が文句を言う訳にはいかねえだろ」
「・・そっか。じゃ、おやすみ」

ナギが部屋を出て行った後、悠太は直ぐに眠りの世界に旅立った。


翌日。

一行は気温34度、湿度83%の生物の楽園に来ていた。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月12日更新) ( No.56 )
日時: 2018/11/12 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、雪山でのオリエンテーションは無事に?終わり、次の場所にやって来た。


第2回オリエンテーション終了まで、後1時間になった頃

「うわあああああ」

千桜達は逃げていた。ただ只管に。

「これは洒落になってないぞ〜」

一方。

「う〜ん。今日も綾崎は素晴らしいぞ〜」

どっかの変態はハヤテを撮っていた。

「いや、綾崎はどんな時も素晴らしい」

さて、状況を説明する為には、10時間程時間を戻す必要がある。


                   × ×


最初のオリエンテーションが行われたニュージーランドから14時間の移動時間(飛行機)の後

「いやはや。ファーストクラスは快適だな」
「僕のお金、勝手に使うの止めてもらえません?」

理沙は昨夜同様ハヤテが獲得したお金を勝手に使っていた。
勿論ハヤテの反論を完全に無視して。

「何を言うんだ、ハヤテ君。「富める者は奉仕する義務がある」だぞ」
「僕はどれだけ富めていても、貴方に奉仕するのは嫌ですけど」

「・・・」

ハヤテの文句を理沙が無視している一方、

「エコノミーっと言うのは初めて乗ったが、こんなにもキツイとは」

美希は相変わらず文句を言っていた。

「もう、美希ちゃん。文句ばっか言って情けないよ。これ位で文句言ってたら、優勝出来ないよ」
「そうよ。優勝したいなら、文句は言いっこなしよ」
「(私は別に優勝したい訳じゃ)」

美希同様ファーストしか乗った事が無い泉と愛歌さんは原作と違って文句は言って無かったが、辛そうな表情は浮かべていた。

「別に普通だよな」
「ああ。文句言ったり辛そうな表情を浮かべる理由はあるまい」

千桜とカユラはエコノミーしか乗った事が無いので、特に感想無しだった。

「皆様、長旅ご苦労様でした。どうですか?南米に来た感想は」
「下にアマゾン川が見えたから、まさかとは思っていたが」
「まさか、ここ危険地帯なんじゃ」

黒服の言葉にナギと悠太が感想を言うと

「いえいえ。ここからが修学旅行の楽しい所ですよ。ただ、この先もお金の無い参加者は苦労する事になると思いますがね」

黒服は含みを持たせた口調で返し、

「では、これからそういう参加者が泊まる一番グレードの低いホテルにご案内いたします」


                   × ×


一行はジャングルの中に建つ、結構ボロイ高床式の倉庫の様なホテルの前に連れて来られ

「こちらが本日泊まる一番グレードの低いホテルでございます」
「これは、何というか」
「随分とベッドが固そうなホテルですわね」

外観から、ハヤテとアテネを含めて殆どの参加者がこんな感想を持っていた。

「因みに、こちらは無料でお泊りになれます。ただ、食事は無しで、水はペットボトル1本だけ。まあ、野生動物との楽しい触れ合いはあるかもしれませんが」

黒服の説明に

「いやいや、触れ合いって」
「私、流石に虫とかは嫌よ」

ヒナギクと愛歌さんは文句を言った。

「でしたら、一泊30万以上のホテルをお勧めします。まあ、お金があれば、ですが」

試す様に言い、更に

「因みにですが、こちらには野生動物の他に野生のゲリラや野生の麻薬カルテル等が生息していますので、やはりホテルに泊まる事をお勧めしますね。危険かもしれませんので」

「(全く。金庭さんは何を考えてるんですの?いくら勉強の為とは言え)」

黒服の説明にアテネは呆れていた。

「あの、そんなのがいるんじゃ今も危ないんじゃないっすか?」
「ご安心を。野生のゲリラは夜行性ですから、昼間である現在は寝ております」
「安心出来ないんだが。まあ、夜までには何とかすればいいんだろうけど」

悠太の質問に黒服が答えると、ナギはツッコんでも無駄なので適当に折れた

「これは、やっぱり」
「金の無い奴は死活問題、だよな」

千桜とカユラは優勝へ向けて決意を新たにしていた。

「説明は以上でございます。なのでお待ちかねのオリエンテーションを始めます」

全員身構えた。

「参加されない方はあちらに・・全員参加のようですね」

昨夜の事もあり、不参加を申し出るものなど居る訳無かった。

「ここで勝たなきゃ、優勝は難しいわね」
「うん。命に係わったら、リタイアしちゃうかもしれないし」

優勝したい愛歌さんと泉は険しい表情であるであろう説明を待ち

「参加者は皆オリエンテーションの重要性に気付いている」
「勝つのは困難になって来たな」

最初からオリエンテーションの重要性に気付いていた悠太とナギは一層身構えた。

「では、今回のオリエンテーションの説明を、金庭様より行っていただきます」

黒服が持ち込んだモニターに金庭が映し出され

「生き物との触れ合いは、情操教育に良い」
「へ!?」

何の前触れも無く言った金庭にアテネが間の抜けた声を出すと

「周りを御覧なさい。見ての通りの緑の楽園。まさに生物のカーニバルだと思わない事?」
「まあ、正論と言えば正論なんだけど」
「虫が苦手な愛歌にはきつそうですわね」

金庭の言葉にハヤテとアテネはこんな感想を漏らした

「っと言う訳で、今回のオリエンテーションはそんな生物たちとの触れ合いを増やす企画。 その名も「動物ウォッチ」です」
「動物ウォッチって」
「似たような名前のアニメが大流行しましたわね」

ドヤ顔で言い切った金庭にまたハヤテとアテネが感想を漏らし

「この生物たちの楽園にて、珍しい生き物の写真を撮ったものが勝者となるルールです」
「え!?写真!?」
「そんなの、どうやって順位付けするんっすか?」

説明されたルールに千桜が驚き、悠太がツッコむと

「それに関しては、審査委員として白皇を辞めた橘ワタル君とそのメイドである貴嶋サキさんに来てもらいました」
「ワタルにサキさんか」
「なんか、身内がよく出るな、この旅行」

画面に映し出されたワタルとサキさんに悠太とナギがツッコミを入れた。

「たった今、順位付けについての言及がありましたが、その辺りはどうですか?」
「愚問だな。そんなものは、一目見れば分かる」
「でも、甲乙つけがたい時はどうするんだ?」
「あ、そうだよ。微妙な差になったら審査する人の趣味になっちゃうよ」

千桜と泉の言葉にワタルはやれやれっと言った感じで首を数回横に振り

「例えばだ。甲子園で「あの時エラーさえしなかったら勝ててた」みたいな展開あるだろ?その時は「あと少しだったのに」とか「勝負は紙一重だ」何て言うだろ?」
「まあ、確かに」
「だろ?漫画やアニメだったら、殆ど必ずと言ってもいい程そんな展開になる。ウケもいいし、盛り上がるからな。だが、現実に置き換えて考えてみろ」

ワタルは一旦間を空け

「そんなエラー一つで負ける様な試合してないで、10点でも20点でも多く取ればいいだけだ。勝ちたいなら微差で勝つんじゃなく、圧倒的に勝てばいい。甲乙つけがたい写真じゃなく、誰もが「この写真の勝ちだ!!」って納得する写真を撮ればいいんだよ。それなら文句は無い。以上だ」

ワタルが言い切ると、金庭に変わり

「納得いきましたか?」
「正論だね。漫画的盛り上がる展開なんて無視して、物凄く良い写真を撮ろう」

文句を言いたそうな美希に対し、泉は完全に納得していた。

「ところで。参加者の中には貴方が大恩を感じている人がいますが、それに関しては」
「審査はあくまでも公平にする。有利になる様な審査をすれば八百長だのなんだのと文句を言われる。その人はそれを凄く嫌う人だから、余計にしない」
「なら安心だな」

2人のやり取りが終わるのを待ち

「因みに、今回は3位の方までにしか賞金は出ません。1位は一千万円、2位は500万円、3位は100万円、4位の方にはうしじまカードです」
「だから、それ使う奴なんかいねえって」

黒服の説明に悠太がツッコミを入れた

「では、オリエンテーション開始は1時間後になります。それまでは下準備などしてください」

黒服が言うと、各々話し始めた。

「写真か」
「厄介なもんだな」

悠太とナギは考え始め

「残りの人数を考えて、その中で3位以内に入るとなると」
「やっぱ、チーム戦だよな」

ナギと悠太の考えに頭の回る面々は同時にその考えに至っており

「一泊30万円もするホテルに泊まるには、3人で1つのチームを作って3位以内に入れれば、野生のゲリラに襲われないホテルに泊まれるね」
「ええ。そうなると、やるべき事は一つですわ」
「カメラの上手な人と組む事。そうすれば、勝てる確率が飛躍的に跳ね上がるって訳だね」

ハヤテとアテネがこんな風に話していると

「〜♪」

自作の鼻歌を歌いながらどっかの変態が現れた。

「よう綾崎、奇遇だな。偶然にも俺はカメラが上手い。組む価値はあるぜ」


「なあ悠太、お前カメラ詳しいよな」
「前も言ったが、親父がカメラオタクだからな。知識や技術を叩きこまれたよ。プロ程じゃねえが、それなりの技術はあるぜ」
「決まりだな。後は」

ナギは大急ぎで周囲を見渡し

「ハヤテ、一緒に組まないか?」
「え!?えっと・・良いですよ」

ハヤテ・ナギ・悠太組が決まり

「我々は組むか」
「だな。後は・・なあ仮面の戦士、一緒に組まないか?」

カユラと千桜は組む事に決め、仮面の戦士に提案すると仮面の戦士は無言で頷いた。

「あいつ、全然しゃべらないな」
「なんか不気味だな。っとはいえ近寄りがたい感じは全くないがな」

仮面で表情が分からず、ここまで一切声を発しない仮面の戦士に違和感を感じつつも、千桜・カユラ・仮面の戦士組が決まり

「なんで貴方なんかと組まないといけないんですの!!!」
「それはこっちのセリフですわ!!!」

やっぱりアテネと綾子は喧嘩していた

「天王州さんが私の邪魔をするからハヤテ様と組めなくなったんですのよ!!!」
「何を言ってるんですの!!!神尾崎さんが大人しく引き下がればハヤテと私が組めたんですのよ!!!」

喧嘩しつつもアテネと綾子、究極の犬猿の仲の2人が組む事になった。

その後もなんだかんだありつつもチームは決まって行ったが・・

「泉、お前も残ったのか?」
「え!?虎鉄君も?」

虎鉄は話しかけても話しかけても全員に無視され続け、残されていた。

「じゃあ組むか?残ってるのは俺達だけみたいだし」
「う〜〜〜ん。 良いよ、組んであげる」

瀬川兄妹組も決まり、全てのチームが決定したのであった。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月15日更新) ( No.57 )
日時: 2018/11/15 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、第二回オリエンテーションがアマゾンで開催される事になり、珍しい野生動物を撮影する事になった。


「そう言えば。泉が残されるなんて変じゃないか?「家族である」って事を除いても、泉は良い子って誰もが知ってる。つまり、お前を拒否するようなバカはいないと思うが」
「あ〜、うん。その事なんだけどね」

言い難そうにしている妹に虎鉄は首を傾げつつ、泉の足元の地面を何気なく見た。

「ああ、そういう事か」
「うん」

さて、ここで「瀬川泉っと言う人間」について改めて触れておこう。

泉はここでも「良い子」である。原作と違うのは、ほぼ毎日ハヤテと勉強したおかげで「おバカな子」は完全に脱却した事である。
つまり、今回のオリエンテーションに参加するにあたってしっかりと「策を練って行動する」っと言う事が出来るのである。

っとはいえ、「原作同様天然な部分」もしっかり残っているのである。
なので、「オリエンテーション開始まで1時間あるからゆっくり作戦を考えられる」っと考え

「(本当はハヤテ君と組みたいけど、無理だろうな。競争率が高すぎるだろうし。っと言う事は、カメラが上手な人と一緒になって、ちょっとでもいい写真を撮らないとね。3位以内に入れないと、命の危険があるかもだし)」

っと、色々と考えた結果

「自分なりの作戦会議が終わって、周りを見たら組終わっちゃってたんだよね」
「策士策に溺れる、か」

泉の足元の地面には頑張って考えたであろう書き込みが結構あった。

こんな風に話していると

「それでは、オリエンテーションを開始します」

黒服が大きめの声で言うと、皆集まって来た。

「今回撮影に使用しますカメラはこちらに取り揃えてあります。どうぞご自由にお使いください」

「結構種類があるな」
「これは、カメラ選びが重要になってきそうですね」
「ま、それは俺に任せな」

黒服が用意したカメラはデジカメから一眼レフまで多種多様であり、ナギとハヤテの言葉に悠太は直ぐに頼もしい発言をした。

「終了時刻は18時です。それまでは何枚でも撮って構いません。皆さんが素晴らしいと思う動物を撮影してきてください。それでは第二回オリエンテーション開始です。ご武運をお祈りします」

開始の合図に、それぞれのチームは散り散りになった。


「じゃあ、私達はあっちに行ってみるか」
「でも、闇雲に森の中に行くのは危ないんじゃないのか?」

千桜・カユラ・仮面の戦士組は適当に行動を開始し

「じゃあ、私達はあっちにしましょう」
「そうだな。何時までもここに留まってちゃしょうがないし」
「少し位は危険を冒さないとね」

ヒナギク、美希、愛歌さん組は特に躊躇せずにジャングルの中に進んでいった。

「さて、私達はどうする?」
「う〜ん。取り敢えずは・・」
「まあ、焦らず落ち着けよ」

取るべき行動を模索するナギとハヤテに悠太は

「ほら、これ見ろよ」
「それ、地図じゃないか」

悠太が手にしているカメラには地図機能とGPS機能が搭載されていた。

「これがあれば、他の人達より効率的に写真が取れるだろ?」
「流石悠太だね」
「親父さんにカメラ知識を叩きこまれただけはあるな」

悠太の有能さに2人とも驚き

「ってなわけで、この地図を頼りに攻略法を考えようぜ」
「「お〜」」

ハヤテ・ナギ・悠太組も行動を開始した。

一方

「ところで若。今回のオリエンテーションはどうなるんでしょうね」
「ん!?そうだな。 まあ、いくらアマゾンでも動物の撮影には根気がいるからな。そもそも珍しい動物を探すのが大変だよ」
「まあつまり、運の要素も多分に含むって事ですね」

審査員を任されたワタルとサキさんは、現時点では仕事が無いので実況と解説の様な事をしていた。


                   × ×


それから暫く経ち

「う〜ん。この辺には大した動物が居ないな」
「だな。日本でも動物園とかにいそうな動物ばっかだし」

千桜・カユラ・仮面の戦士組は撮影はしている物の、「珍しい動物」っと言う意味では成果を出せていなかった。
すると

「ん!?なんだよ」

仮面の戦士がジェスチャーで、森の奥へ行こうと示していた。

「でも、危ないんじゃないか?」

カユラが不安を口にしたが、仮面の戦士は気にせずに森の奥へ向かってしまい、2人も躊躇しつつも後に続いた。


「さて、私達はっと」
「・・・」

カメラの地図を頼りに行動していたハヤテ・ナギ・悠太組はまだ撮影しておらず、めぼしい場所を探して歩き回っていた。
その最中、ハヤテが辺りを見渡していたので

「どうした?ハヤテ」
「え!? あ、うん。アーたん達はどうしたのかなって」
「さあ?どっかにいるんじゃねえか?」

主人であるアテネを気にかけ、ナギと悠太も辺りを探すと

「あ、いたぞ」
「「ん!?」」

ナギが指示した場所を見ると、アテネと綾子はチームにも拘らず、まだ喧嘩していた。

「あの2人、本当に仲が悪いな」
「仕方ねえんじゃねえの?」
「僕としては、仲良くなってほしいですけどね」

ハヤテが不満げに口にすると

「そりゃ無理だろ。あり得ないって」
「そうだぜ。スカイツリーのてっぺんからコンクリートの地面に頭から墜落しても全くの無傷って位無理だ」
「あ、あはは」

悠太の割と的確な例えにハヤテは苦笑いが精一杯だった。

「で、悠太。撮影はどうするんだ?親父さんに技術も叩き込まれたんだろ?」
「まあな。でも、プロなら別だが、そこまで気にする必要はねえんじゃねえか?要は、楽しく良い写真を撮る事が大事なのさ。勝つ事も大事だがな」

不満そうなナギに

「俺達は所詮は素人だ。良い写真を撮ろうと気張り過ぎると、却ってよくねえぜ」
「そうか。ま、少し位は気を抜くか」

また適当に歩き始め、

「ん!?」
「どうした、ハヤテ。また天王州が気になるのか?」
「あ、いえ。そう言う訳では。  気のせい、か?」

首を傾げるハヤテに

「あ、そうだ。ハヤテは・・・」
「どうした、お嬢様・・・」

後ろを歩いていたハヤテの方へ向くと、ナギと悠太の目に衝撃的な光景が飛び込んできた。
それは、野生の動物がハヤテの周りに寄って来ていた。

おまけに、ついて来てると気付かれた動物達がハヤテにじゃれつき、懐いていた。

「凄いなハヤテは。動物にまでモテルのか」
「あれ、全部メスだろうな」

ナギも悠太も直感的に見抜き、一応撮影しておいた。


一方。

「皆さん、かなり本気みたいですね」
「命に係わるからな。仕方ねえさ」

ワタルとサキさんはまだ実況と解説をやっていた。
すると

「あ、ヒナギクさんチームから。写真が送られてきましたよ」
「どれどれ?」

送られてきた写真には、ヒナギクとイルカが楽しそうに戯れている瞬間が撮影されていて

「おお、これは美しい。しかも、一緒に写っているイルカって」
「アマゾンの珍獣・ピンクイルカですね。これは珍しいですね」
「こりゃハイレベルだな」

審査員の2人からの評価に

「勝ったな」
「勝ったわね」

美希と愛歌さんは勝利を確信していたが

「おおっと、これは。「仮面のユキコちゃん」からの写真も凄いですよ」
「ん!?どれだ?」

送られてきた写真には、仮面のユキコちゃんがピラルクを一本釣りした瞬間が撮影されていて

「作者が言った通り、これは世界最大の淡水魚・ピラルクじゃねえか」
「おまけに釣り上げているのは木の枝と蔦ですよ。どうやって一本釣りに!?」
「あの人、金が絡むと規格外の力を発揮するからな」

2人は呆れるから感心するやらであった。

「おい悠太、どうするんだよ」
「まあ、何とかなるだろ。一応、さっき撮っておいた「ハヤテに野生の猛獣が懐いている所」は送っておいたが、反応なしだな」
「まあ、あの写真と比べればね」

ハヤテも悠太もかなり強いので、紹介された安いホテルに泊まれなくはないので、危機感は薄めだった。

「お、おいサキ。これ見てみろ。春風千桜さんから送られてきた写真」
「え!?どれですか? こ、これは」

送られてきた写真には、千桜がジャガーに頭を噛みつかれた瞬間が撮影されていた。

「あいつ、大丈夫か?」
「あの後、どうなっちまったんだ?」

前回(>>56)の冒頭、千桜達が逃げていたのは野生のジャガーからである。

「さあ、動物ウォッチも残り時間あと僅かです。果たして、どうなるんでしょう」

サキさんの言葉に

「ねえ、虎鉄君」
「何だ、泉。今忙しいんだ」

一心不乱に撮影する兄に、泉は呆れの溜息をつきつつ

「ハヤテ君以外も撮影しようよ。確かに人間も動物だけど」
「煩い!!!俺は綾崎以外は撮影しない!!他のが撮影したかったら勝手にしろ!!」
「やれやれ」

聞く耳を持たない兄に完全に呆れ

「(まあ、いいや。後で撮影した写真貰お〜っと。理事長さんに言っちゃうよ、って脅かせばくれるだろうし)」

虎鉄と組んだのが運の尽きだと諦め、まだ撮影を続けている虎鉄を母性溢れる優しい目付きで見守る事にした。


「おい悠太。この調子で大丈夫なのか?」
「まあ、何とかなるだろ。最悪、タダで泊まれるホテルに泊まればいいんだし」
「そんな呑気な。まあ、良いけど」

悠太やハヤテの強さを知っているので、ナギにも危機感は皆無だった。
それに、ハヤテと一緒に泊まれると考えると、いっそうポジティブ思考になれた。

「なあハヤテ、さっきからどうしたのだ?」
「あ、いえ。何と言うか」

ハヤテは少し言い難そうにした後

「すみません、ナギさんに悠太。少しの間別行動とってもいいですか?」
「別に構わないが」
「俺も異論無しだぜ」

2人とも了承してくれたので、ハヤテは2人から離れた。

その少し後

「あ、若。ハヤテ様から写真が送られてきましたが」
「ハヤテさんから?どれどれ?」

ハヤテから送られてきた写真を見た2人は

「「な、なんじゃこりゃああああああ」」

驚くしか出来なかった。何故なら

「わ、若!!!これ、人魚ですよ!!どこからどう見ても!!」
「し、しかも、合成や着ぐるみの類じゃねえ!!!正真正銘本物の人魚だ!!!」

そう、世間一般がイメージする「上半身が人間の女性で、下半身が魚」っと言った人魚が撮影されていた。しかも、横顔で分かり難かったが、絶世の美女っと、誰もが納得出来る美しさが写真でも分かった。

「これは文句なしだ!!!」
「はい!!依怙贔屓とか無しにハヤテ様の優勝です!!!」

結局、第二回オリエンテーションもハヤテの優勝で幕を閉じた。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月18日更新) ( No.58 )
日時: 2018/11/18 12:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、第二回オリエンテーションはハヤテの優勝で幕を閉じた。


撮影の為にバラバラに散っていた参加者たちは集合地点に戻って来ており、モニターに注目していた。

「っと言う訳で、結果はこの様になりました」

モニターにはベスト5が発表されており、1位はハヤテ、2位は千桜、3位はヒナギク、4位は仮面のユキコちゃん、5位はモブであった。

「流石はハヤテだよな」
「だな」

ハヤテとチームを組んだナギと悠太は驚いており

「しかし、アマゾンに「本物の人魚」っていたんだな」
「流石に驚いたよ。単なる伝説に過ぎないと思っていたのに」

中々驚きから回復出来なかったが、漸く回復した後

「なあハヤテ、どうやって人魚なんて見つけたのだ?」
「それに、どうやって撮影したんだ?」
「あ〜、それはですね」

ハヤテは思い出すように少し間を空けた後

「何かに呼ばれたような気がして、行ってみたら人魚姫が居たんですよね、本物の。で、相手は僕に見つかった事に驚きましたが、僕を見ると「シ〜ッ」ってやって来たんですよね。で、撮影をお願いすると「1枚だけ」って条件でOKしてくれたんです。撮影した後はそのままどこかに行っちゃいましたけど」

普通に考えるとあり得ない事なのだが、「ハヤテだったら」っと考えると違和感は消えた。

「あの写真相手じゃしょうがないが、2位になったな」
「ああ。だが」

千桜は自分達が撮影した写真を凝視し

「私、噛まれてるよな、ジャガーに。どうやって助かったんだ?」
「さあ?私も必死で覚えてない」

千桜達が首を傾げていると

「あの、千桜さん。大丈夫ですか?」
「あ、ハヤテ君」
「写真を見る限りじゃ噛まれてますけど、怪我とかは」

心配そうなハヤテに千桜は

「だ、大丈夫じゃないかもしれん。だ、だから私の頭をだな」

言い難そうにした千桜に、ハヤテは直ぐに察して千桜の頭を撫でた。

「これ位なら、喜んで」
「エヘヘ///////////////////////」
「良いな〜、千桜。私も撫でられたい」

カユラが素直に感想を言うと

「(な、何だろう。殺気?)」

千桜の頭を撫でつつハヤテは謎の殺気を感じていた。

「ところでだ。天王州達は撮影したのか?見かけた時はずっと喧嘩してたが」
「してないみたいだぞ。制限時間内はずっと喧嘩してて、ハヤテが宥めてようやく収まったらしいし」
「やっぱりな」

ナギも悠太も2人の仲の悪さに改めて呆れていた。

「え〜、それでは皆様。宿泊費30万円をお支払い出来る方はバスにお乗りください。出来ない方は、残念ながらこちらにお泊りになっていただきます。どうぞお気を付けて」

黒服の言葉に、ざわめきだした。

「ねえ、どうする?」
「どうするって、何がだ?」

ヒナギクが聞くと、美希が直ぐに返したので

「私は3位になれたから、100万円貰えたから皆の分の宿泊費、払えるけど」
「それは借りられないわ」

ヒナギクの提案を直ぐに断った愛歌さんに驚いていると

「あくまで私達は今回の賞金を三分割する為に集まっただけのチーム。それに、賞金を獲得出来たのはヒナのお陰だもの。だから借りる訳にはいかないわ」
「愛歌」

愛歌さんの強い言葉と目にヒナギクは言い返したりせず

「それで、美希は」

美希は答える代わりにコンプレーターのボタンを押し、リタイアした。

「私はこのジャングルに泊まる様な根性は無いからな。ヒナにお金も借りられんし。第一、参加しておいてあれだが、泉や愛歌さんみたいに優勝したい訳じゃ無いし」

言い切ると一旦間を空け

「っと言う訳で、優勝したい愛歌さんはここに泊まるんだろ?そうじゃないと優勝するなんて、不可能だし」
「う〜ん、そうね〜」

言われた愛歌さんが悩んでいると

「じゃあ、私もここに泊まりましょうか?それなら万が一の時も」
「遠慮するわ。ヒナは折角賞金を獲得したんだから、それでホテルに泊まって。私は大丈夫だからさ」
「でも」

心配そうなヒナギクに

「私には根性があるから、大丈夫よ。こんな困難、乗り越えられるからさ」
「そう。分かったわ」

これ以上食い下がるのは無粋だと理解し、折れた。

「それではホテルに向かう方はバスにお乗りください。残る方は明日の朝8時に迎えに来ますので、それまでお気を付けください」

黒服が言った後、ホテルに向かう面々をのせてバスは行ってしまった。

「さて。  あら?」

自分以外にも何人か残るだろうと愛歌さんは思い、一緒に頑張ろうと励まし合おうとしたが、自分以外誰もいなかった。


                   × ×


一方、ホテルに向かうバス車内。

「ジャングルに残ったのは、愛歌だけみたいですわね」
「みたいだね。他の人は皆車内にいるし」

車内を見渡すと、いないのは愛歌さんだけだった。

「ですがハヤテ、良かったんですの?全員分の宿泊費を出しちゃって」
「別にいいよ。前は甘えてくれなかったし、今回はね。人の役に立つ事が僕の使命だから、気にしないで」
「そうですわね」

アテネはハヤテの性格をよく知っているので、これ以上は何も言わない事にした。

「しかし、綾崎君は凄いよな。残ったメンバー全員分って、結構な額だぞ」
「まあ、それがハヤテ君だからな」

カユラと千桜は呆れるやら感心するやらで

「本当に、どうしようもない程に優しいよな。 まあ、私達はそんなどうしようもない優しさに、どうしようもない程に惚れてるんだけどな」
「そうだな。絶対的な好意って言える位にな」

2人ともハヤテに惚れ直していた。

「愛歌は大丈夫なんでしょうか?心配ですわ」
「大丈夫だよ。あの人は、強い人だからね」
「まあ、そうですわね」

話の区切りを見て、

「ところでさ、アーたん。なんでそんなべったり甘えてるの?」
「旅行が始まってから全然甘えられてないからですわ。もう我慢が出来ませんわ」
「ああ、そう」

ハヤテは「何時もの甘えたい症候群だな」っと思い、諦める事にした。


                   × ×


一方、ジャングルに1人残った愛歌さんは

「な、何を怖がっているのよ!!こんなの、さっさと寝ちゃえば関係ないわ」

そう自分に言い聞かせ、ベッドに寝ころんだが睡魔は一向に襲って来なかった。

「こんな時は羊よ。羊が1匹、羊が2匹」

根性で寝ようとしたものの、夜行性の動物達の鳴き声が気になり、やっぱり睡魔は襲って来なかった。

「根なのに怖がってどうするのよ、愛歌。これを乗り切れれば、ハヤテ君に見直してもらえるじゃない。そうすれば、結婚ルート一直線よ」

ハヤテとの結婚式・その後の出産子育てを妄想し、自身の恐怖心を無理やり和らげた。
すると

「ん!?」

掛け布団の上に何かが落ちてきた気配を感じ、起き上がって見ると

「〜〜〜!!!」

蜘蛛の様な虫がいて、驚いたがギリギリの所で叫び声を抑え、予め拾っておいた棒で外に出し

「見てなさい、ハヤテ君。ここを乗り切って、絶対に貴方と結婚するんだから」

決意を新たにし、天井を見上げると

「〜〜〜!!!!」

虫の団体さんが居て、先程以上に驚いたがギリギリで声を上げずに踏み止まった。


                   × ×


一方、ホテルに着いた一行はっと言うと

「一泊30万円もするだけあって、豪華ですわね」
「だね」

アテネはホテル側をこっそり脅し、ハヤテと同じ部屋になっていた。

「さあハヤテ・・・って何やってるんですの?」
「ん!?」

アテネはある事をしようとしたが、ハヤテは準備運動をしていた。

「ちょっとね」
「何をするつもりですの?やっぱりあなたも」
「な、何を言いたいのか敢えて聞かないけど、行動を起こそうかなって」

首を傾げるアテネにハヤテは

「今夜、戦いを大きく前進させておこうかなって」
「・・・」


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月21日更新) ( No.59 )
日時: 2018/11/21 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、愛歌さんは1人ジャングルに残る事になり、ハヤテは戦いを大きく前進させると言った。


「ん!?」
「どうした、ヒナ」

ヒナギクがホテルの自室にいたところ、勝手に付いて来た理沙が聞くと

「いやね。コンプレーターの数値が一つ、落ちたような気がして」
「じゃあ、愛歌さんだな」
「そうだな。あの人があんな所で一晩過ごせる訳無いし」

理沙と自費で付いて来た美希はこう言ったが

「私は違うと思うよ。愛歌ちゃん、優勝したいって言ってたし、リタイアしないと思うよ」
「そうか?虫が出れば直ぐにリタイアするだろ」
「理沙の言う事も尤もだが、泉の読みが中った事もあるし、明日になってみないと分からんっと、私は思うぞ」

理沙と違って美希は中立的な答えを出しておいた。


                   × ×


一方、愛歌さんは・・

「ハァ、ハァ」

眠っておらず、リタイアも勿論せずに荒い息をしていた。

「ハアアア〜〜」

前回現れた虫の団体と戦っており、何とか殆どを倒していた。

「見てなさい、ハヤテ君。この試練を突破して、貴方に見直してもらうんだから。そして、結婚ルートに入るんだから」

外からの動物の鳴き声にもビビっていたが、ハヤテとの結婚ルートに入る為だと思えば、震えは殆ど起こらなかった。


                   × ×


そんな愛歌さんの死闘を知ってか知らずか、ハヤテは準備運動を終え、行動に移ろうとしていた。

「本当にやるんですの?」
「ん!?まあね。この先の展開は読み切れないけど、皆さんをこれ以上危険な目に合わせたく無いし、早く終わるに越した事は無いでしょ?」

同意を求める様にアテネの顔色を窺い、

「流石に全員は無理だけど、出来る限りは今夜のうちに減らしておこうかなって」
「ハヤテ、貴方の強さは十二分に知ってますし、貴方の必殺技も知っていますが、そんな事が本当に可能なんですの?」
「大丈夫だよ。このホテルの構造については調べ尽してるし、作戦だってある程度は立ててるよ」

そう言うと、何時入手したのか、現在宿泊中のホテルの図面を取り出し

「生存者は僕達を除いて各部屋に1人ずつ。15階以上に全員宿泊中でしょ?リタイア組は、まあ違う人もいるけど本来は別のホテルに泊まってるから、ここにはいない。つまり、例外を除けばこのホテルには生存者だけだから、寝込みを襲うには都合が良いって訳」

ハヤテの説明にアテネは聞き入っていたが

「ですが、どうやって各部屋に侵入するんですの?鍵なんか掛けてるでしょうし、開けて侵入するにはリスクが高いんじゃ」

「そこもぬかりは無いよ。天井にダクトがあるでしょ?あそこで各フロアが繋がってるから、そこから部屋に侵入出来るよ。侵入したら急いでコンプレーターのボタンを押して急いで脱出。これが作戦。シンプルだけど効果的でしょ?」

「確かにそうですわね。ですが、騒がれたら難しくなるんじゃ」

アテネにはハヤテの作戦の全容は見えていたが、敢えて説明を促し

「深夜0時に行動開始するつもりだよ。例外もいるだろうけど、あれだけのオリエンテーションの後だから、その例外以外は熟睡中のはず。素早い行動が必須だけど、何とかなるよ」
「そうですか」
「危険から守るには、時には心を鬼にしないとね」

ハヤテの悪戯っぽい笑みにアテネは真っ赤になりつつ

「まさかハヤテ、全員分のホテル代を出したのって」
「それは完全否定させてよ。この作戦を思いついたのも、心を鬼にする事もこのホテルに着いてから決めた事だよ。ホテル代を出すと決めた時には一切のやましい気持ちとか無かったから、安心して」
「ま、そこは信じてましたけどね」


                   × ×


時間を飛ばし、深夜0時。

「じゃ、行ってくるね」
「・・気をつけなさい。生存者の中には強者もいるんですからね」
「分かってるよ」

ダクトに消えて行ったハヤテを見送った後、アテネはベッドに寝そべり

「ハヤテのバ〜〜〜カ。折角のチャンスでしたのに」


一方のハヤテは、

「(ここは、東宮君の部屋だな。そして・・・)」

気配を察知する事に全神経を注ぎ

「(よし、予想通り熟睡中だ。ならば)」

ハヤテは守護光速拳を発動し、ダクトを出るとベッドに忍び寄って東宮のコンプレーターのボタンを押し、ダクトに戻った。

「(ミッションコンプリートっと。幸いばれなかったみたいだし、次に行こう)」

時間にして2秒程で、

「ん〜!? 夢、か。 う〜ん」

東宮は失格した事に気付かずに眠り続けた。


一方、

「ふ〜ん、そういう事ね」

ヒナギクは自身のコンプレーターを見ており、ハヤテが東宮を失格させた事によって数値が減ったので、全てを察知した様だった。


ヒナギクが察した事に気付かないハヤテは、

「(ここは千桜さんの部屋だね。よしっ)」

東宮の時と違って気配で室内の様子を探らずに部屋に侵入していた。

「(マスター。先程みたいに室内を探らなくて大丈夫ですか?)」
「(千桜さんの生活リズムは少しは把握してるからね。基本的にはこの時間には寝てるから平気だよ)」

ハヤテは千桜とも寝ているので、分かるのである。

「(やっぱ寝てるね。じゃあ早速)」

ハヤテがベッドに忍び寄ると

「う〜ん。なんか寝れないな〜」
「(え!?)」

千桜が起き上がったので、ハヤテは慌てて物陰に隠れた。

「なんでだ?昼間あんなに大変だったのに、ちっとも眠くない。やっぱり隣にハヤテ君が居ないせいか?」
「(眠気と僕は関係ないんじゃ)」
「やれやれ。ネットも漫画も無いし、どうすりゃいいんだ」

千桜が大きな独り言を言っている事に特に疑問を感じなかったが

「(変だな。普段の千桜さんなら、もう寝てるのに)」
「(普段なら、今日はマスターと寝る日ですからね。それが無いからでは?)」
「(だから、眠気と僕は関係無いって。枕が変わると眠れないタイプじゃないはずだし)」

相変わらずの鈍感で、千桜が寝付けない理由など分かるはずも無く

「(仕方ない。千桜さんは例外だったっと諦めて、隙を見て脱出しないと)」

様子を見ていても寝る気配が無く、隙も特には見つからなかった。

「娯楽はテレビだが、アニメは無いし映画も字幕付きや吹き替え版じゃ無いから分からんしな〜。ハヤテ君やアテネなら無くても楽しめるんだろうけど」

ブツブツと愚痴を言いつつ適当にザッピングしていると・・

「こ、これは」
「(有料チャンネルですね。ここじゃ1文字たりとも書けないような内容の)」
「(千桜さんは見ないでしょ。興味無い訳じゃ無いだろうけど、見ないって)」

ハヤテの分析とは裏腹に、千桜は周囲を見渡した後、「無料で予告編が見れます」のボタンを押し

「お、おおお〜〜///////////////////////////////これは////////////////////////」
「(・・見ましたね)」
「(・・忘れよう。何も見なかった、これに尽きるよ)」

千桜が予告編だけとはいえ、見た事を記憶から抹消し

「眠れないし、変に疲れたからもう1回シャワー浴びておこうっと」

千桜が移動したので、ハヤテは隠れ場所を変え、

「(やれやれ。やっと隙が見つかったよ。急いで逃げないと)」
「(あの、マスター。春風様でしたら、マスターが「夜這いしに来ました」っと言って、ベッドに押し倒してキスしている隙にボタンを押してしまえばミッションは完了出来たのでは?)」

白桜の提案に

「(そんなの通用する訳無いでしょ。「夜這いしに来た」何て言ったら通報されちゃうよ)」
「(されないと思いますが。寧ろ喜んで受け入れると思いますが)」
「(そんな訳無いって。さ、逃げるよ)」

こんな風に話しつつ、隠れ場所から出てダクトに戻ろうとしたが

「(不味い)」

戻る直前に部屋のドアがノックされ、千桜も風呂場から直ぐに出て来たため、慌ててまた隠れた。

「何だ、ヒナか。なんか用か?」
「こんばんは、千桜。起こしちゃったかしら?」
「いいや。眠れないから起きてたよ。で、用件は?」

来訪者のヒナギクは室内を軽く見渡した後

「用件ってのはね、この部屋に侵入者がいるんじゃないか、って思ってね」

ヒナギクの言葉にハヤテは戦闘を覚悟した。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月24日更新) ( No.60 )
日時: 2018/11/24 13:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテは参加者を減らす為に行動し、千桜の部屋に侵入したが寝ていなかったので、こっそり脱出しようとしたがヒナギクが来てしまった。


「侵入者?それっていったい」

聞かれたヒナギクは千桜の部屋の室内を気にしつつ

「良い?千桜。 このホテルに到着した時、コンプレーターの数値が一つ落ちた気がした。最初は唯一ジャングルに残った愛歌がリタイアしたのかもって思ったけど、泉が「優勝したいって言ってたからリタイアはしないだろう」って言って。私もそれに賛成だったから、コンプレーターを見ていたらさっきまた一つ数値が落ちたわ。ここまでは良い?」

千桜が頷いたのを確認し、ヒナギクは続けた。

「一泊30万円もするホテルに泊まってるのに、リタイアするのは考え難い。っと言う事は、誰かが参加者を強制的に失格させる為に動き出したと考えるが自然だと思わない?」
「まあ、確かに」

ヒナギクの洞察力にハヤテはやはり戦闘を覚悟した。
すると

「ヒナの考えは確かにあり得る話だ。だが、私の部屋にはいないよ」
「で、でも」
「仮にいたとしても、私は平気だよ。私はハヤテ君と親しくさせて貰ってるし、アテネとも親しくさせて貰ってる。あの2人の名前を出せば、大概の奴は手を出してこないよ」

気にはなるのだが、千桜の言う事も確かに正論なので

「そう、分かったわ。でも、気を付けてよ。お金の為なら犯罪にならない限りどんな汚い事もする金の亡者が居るからさ」
「分かってるよ。着替えるから、もう出てってくれ。女同士でも、恥ずかしいからさ」

半ば追い出される様にヒナギクは部屋を出て

「まあ、千桜なら平気でしょ。・・・たぶんね」

一方の千桜は、部屋の鍵をかけ直すと

「さて。いるんだろ?ハヤテ君。誤魔化しても無駄だぞ」

言われたハヤテは少し悩んだ後

「良く、分かりましたね。僕がいるって」
「最初は真山君が動いたと思った。だが、何となく違う気がして、消去法でな。でだ」
「侵入したのは謝ります。もう出て行くので」

すると千桜は遮る様に

「君の目的は、私のこのボタンを押す事だろ?別に押してやってもいいぞ」
「え!?」
「勿論、君が条件を飲むのなら、だけどな」

千桜の言葉に身構えたハヤテに

「別に、危ない事じゃないし、警察のご厄介になる事じゃない」
「えっと、一応その条件を聞いてからに」
「・・分からんのか? 深夜・ホテル・部屋に男女2人きり ここまで言えば分かるだろ?」

一応答えには行きついたのだが、認めたくは無かった。
そんなハヤテに千桜は

「一応言うが、本気だぞ」

そう言うと、体に巻いていたバスタオルを外し、ハヤテに迫って行った。

「た、タオルを巻くか服を着てください//////////////////////////////」
「何だよ。家じゃ定期的に一緒に風呂に入ってるだろ。恥ずかしがる必要はないじゃないか」
「だ、だからって////////////////////////////」

照れるハヤテを千桜はベッドに押し倒した。

「私は君が好きなんだ。だから、構わないんだ」
「し、しかし」
「別に悪い条件じゃないだろ?さあ」

千桜はハヤテにキスした後、眼鏡をはずしてハヤテの服に手をかけようとした。
しかし、ハヤテは千桜を振りほどいて、大急ぎでドアから部屋を出て行った。

「ッチ。折角のチャンスだったのに。 まあ、日本に帰ってからでもチャンスは幾等でもある」

眼鏡をかけ直し、着替え始めた。


                   × ×


一方のハヤテは廊下に出た後

「え!?これは」
「あらハヤテ君。こんな所で奇遇ね」
「え!?あ、はい、そうですね」

探る様な目付きのヒナギクにハヤテは内心ドキドキしていた。 が

「それより。ハヤテ君、気付いた?」
「ええ。参加者が次々と、リタイアしてますね。 あ、また」

1人ずつではあるが、リタイアが続出していた。

「どうやら。動き出したのは、1人だけじゃないみたいね」
「え、ええ」


                   × ×


一方、その頃。

「よしっ、これでまた1人っと」
「・・・」

お察しの方は多いでしょうが、参加者を失格させていってるのは、雪路です。

「良いの?そんな事して。誰の邪魔をするなって言われてたんじゃないの?」
「これは邪魔じゃなくて、襲撃だから平気よ」
「(それって、単なる屁理屈なんじゃ。まあ、後でアテネに報告ね)」

雪路に呆れていると

「そんな事より、貴方も手伝ってよ。1人じゃ効率が悪いし」
「嫌よ。絶対に」
「な、何でよ。条件なら」

言いかけた雪路を遮る様に

「仮に「賞金を全部あげる」って言われても、協力は絶対にしないわよ。条件は「半分くれる」だけどね」
「な、何でよ。貴方はお金の為なら」
「それを止めたの。お生憎ね」

口を尖らせる雪路に対し

「(貴方なんかに協力して、参加者を失格させて行ったらハヤテ君に嫌われちゃうじゃない。折角やっとメイド長のお許しが出て追いかけてきたのに)」

一応言っておきますが、ソニアです。雪路と一緒にいたのは

「(さて、ハヤテ君は何処かしら。ここまで会いに来たんだから、会わないと禁断症状が出そうよ)」

ソニアがハヤテを探しに行こうとしたが

「兎も角、協力してよ。ヒナみたいな強敵は別だけど、それ以外は片付けておかないと」
「だから嫌よ。そんな事して、どうなっても知らないわよ。一応止めたからね」
「フンッ。ばれなきゃいいのよ」

完全に見限り、ハヤテの元へ行こうとしたが

「ん!?知り合い?」
「し、知らないけど」

エレベーターから迷彩服を着て何かを持った男たちが出て来た。勿論、ソニアも雪路も面識が無い人達だった。

「あんた、英語話せるんでしょ?聞いてみてよ」
「あんたが話しかけなさいよ。教師でしょ?」
「私は世界史担当だから話せなくていいの。ほら、早く」

ソニアは雪路が本当に教員免許を持っているのか怪しく思い、英語で話しかけた。すると

「I AM MIKE。 I AM TERRORIST」
「テロリストさんらしいわ」
「そ、それ位聞き取れたわよ。 ってか音楽家でチェロリストって言ったのを聞き間違えたのかも」

現実から目を逸らす雪路に持っている物が本物の銃か英語で聞くと

「本物だって。で、動くなって」
「な、何とかしなさいよ〜」


                   × ×


一方。

ナギは自室で悠太と今後の作戦会議を行っていた。
すると

「大変よ!!」
「ん!?お前、ツグミ!?なんで窓から」
「そんな事言ってる場合じゃないわ!!!緊急事態よ!!」
「何だよ。急ぎだってのは分かるが、少し位は落ち着けって」

悠太に宥められ、ツグミは少しだけ深呼吸し

「テロリストが、このホテルを占拠したわ!!」

真面目な顔で言い切ったツグミにナギも悠太も一瞬言葉を失い

「えっと。それって」
「今迄みたいに修学旅行の一環か?」
「違うわ!!マジの奴よ!!」


                   × ×


一方。

「ん!?何か騒がしくないですか?」
「ええ、そうね」

ハヤテとヒナギクは行動を共にしており、参加者を次々に失格させて行ってる人への対処に向かっていた。

「僕の予感が中っていれば、何かが起こったみたいですね」
「それは私も思ったわ。良くない事が、起こったみたいね」

お互いの意見が一致し臨戦態勢をとると

「うわあああ」

「今の声は千桜さん!! ただ事じゃなさそうだ!!」
「あ、ちょっと」

悲鳴を聞き、直ぐに駆けだしたハヤテの後を追った。


                   × ×


一方。

「やれやれ、片付いたわね」
「そうね。ってかやっぱりあなた強いのね」
「まあね」

感心するやらの雪路に

「(アテネを始め、私のライバルには恐ろしく強い人がいる。まだまだ強くならなきゃ、ハヤテ君を狙うなんて、難しくなる物ね)」

ソニアがこんな風に考えていると、

「さ、ボタンを押しに行くわよ。私には賞金1億5千万円が必要なんだから」
「ま、そんな事してて貰えると良いけどね。ってか何でそんなにお金が」
「給料減らされまくって、酒が飲めないからよ。1億5千万円もあれば・・」

ソニアは雪路の評判を知っているので、呆れまくり、同情などしなかった。
それと同時に、監視の為に雪路と行動を共にする事を決めた。


「な、何なんですか〜」

別の場所では女子生徒(モブ)がテロリストに脅されていた。

「誰か助けて〜」

「貴方、邪魔よ」

雪路が突然現れ、テロリストを倒した。

「大丈夫?」
「あ、はい。えっと、貴方は・・・・・・・・・・・・桂先生」
「ええ、そうよ。それより、怪我とかしてない?見せて」

一応相手は教師なので、信頼したが

「はい、脱落」
「ええ!?ちょっと!!!」

やっぱり、雪路は女子生徒(モブ)のコンプレーターのボタンを押した。

「さ、次よ」
「・・あの人、やっぱり最低だ。理事長が怒り狂うのも納得だわ」


                   × ×


一方。
ナギを始め、ホテルにいた大部分の生徒達はホテルの外へ避難していた。

「皆さん、ご無事ですか!!」

黒服が生徒達を確認していた。

「あ、ナギちゃん。ナギちゃん達は大丈夫みたいだね」
「ああ、まあな」
「瀬川も無事みたいで、安心したぜ」

お互いに無事を確認出来て、胸を撫で下ろしていた。

「ハヤテ君はどうしちゃったんだろ」
「恐らく、まだ中だよ」
「ハヤテの事だから無事なんだろが、他の連中が心配だ。戦闘力が無い奴らはな」

ナギ達はさっきまでいたホテルを心配そうに見ていた。

「ん!?どうやら、激しい戦いが始まってるみたいだな」
「まあ、テロリストとは関係なさそうだけどな。こっちはどっかの金の亡者がやってそうだし」

コンプレーターの数値が確実に下がって行っており、それを見ながらナギと悠太はこう分析していた。

「さて。俺は行くぜ」
「え!?何処に」
「助太刀に、だよ。必要ないかもしれねえが、一応な」

悠太は叢雲を腰に下げ、ホテルに戻って行った。


一方。

「ねえ、あなた本当に教師?一応は教え子にこんな事して」
「煩い!!!さっきから何回も言ってるけど、手伝え!!」
「嫌よ、絶対に」

やっぱりソニアは雪路に呆れていた。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月27日更新) ( No.61 )
日時: 2018/11/27 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、雪路は次々に参加者を失格させていき、その一方でホテルはテロリストに占拠されたが大部分の生徒は逃げる事が出来た。


そんな事が起こっている事など微塵も知らない日本。

「日向」
「ん!?なんや、咲姉ちゃん」

ハヤテが修学旅行で居ないので、日向は実家に戻って来ていた。

「何してるんや?」
「ああ。昔の映画を見とるんや」
「日向、この手の映画に興味あったか?」

軽く見た感じ、普段妹が見ないような内容だったので、聞くと

「ワタル兄ちゃんに頼まれたんや。「見て感想を聞かせてくれ」ってな。せやから見とるんや」
「さよか。おもろいんか?」
「まあ、おもろい方やな」

途中からなので、咲夜には内容が把握出来ず

「どんな話なんや?」
「まあ、相当ざっくりした説明やと、「ビルに取り残されたおっさんがテロリストをやっつける話」やで」
「・・なんか、逆に興味出たわ。後でウチも借りてええか?」

すると日向はDVDを止め、

「折角やし、一緒に見ようや。話してて見逃したし、最初からでもええわ」
「さよか。じゃ、紅茶淹れて来るわ」


                   × ×


一方、ハヤテ達。

「千桜さん!!」
「千桜!!」

悲鳴が聞こえた場所に駆けつけると

「誰ですか、この人」
「知らないわよ」

倒れているのはテロリストの一味なのだが、ハヤテとヒナギクはテロリストに占拠されてる事を知らないので、

「見た感じ、武装した兵士みたいですけど」
「うん、そうね。で、倒れている理由を推理すると・・」

ヒナギクは探偵の様に顎を手に当てて少しの間考え込み

「物凄く、たちの悪い人にやられたって所ね」
「同感ですね。物凄くたちの悪い人に、ですね」

ヒナギクもハヤテも全く同時に同じ人が浮かんでいた。

「それでですね、今度は気絶している理由を推理すると・・」
「推理すると?」

今度はハヤテが探偵の様に顎に手を当てて考え込み

「桂先生がこの人達に指示して、参加者達を失格させて行ったが、千桜さんの時は失敗して「何失敗してんだ!!」っと鉄拳制裁されて気を失った。って所ですかね」

人差し指を立てつつ推理を話したハヤテに

「それは私も同感よ。まったく、我が姉ながら情けなさすぎるわ」
「まあ。だからこそアーたんを激怒させまくってるんですけどね」
「クビにしない事に、天王州さんの聖母の様な優しさを感じるわ」

ヒナギクの愚痴に、ハヤテは言い過ぎ等の考えは、全く浮かばなかった。

「まあ、兎も角。まだ仲間がいる可能性もあるので、気を付けた方が良さそうですね」
「そうね。お姉ちゃんの仲間が、ね」


                   × ×


2人が愚痴り合っている一方。

「これで人質は全部か?」
「いえ。まだ15階と17階に向かった連中がまだです」
「やれやれ。仕方のない奴らだ」

リーダーらしき人に、部下らしき人が報告していた。

「で?連絡は?」
「それもまだ。呼び掛けてはいるんですが」

テロリスト達の話を気にしつつ

「なあ。これも修学旅行の一環なのか?」
「さあ?」

逃げ遅れた面々の中にカユラがおり、同じく逃げ遅れた伊澄に話しかけていた。

「聞いてみてはどうです?あれこれ無駄な推理する位なら」
「そうだな。じゃあ」

カユラは軽く深呼吸し

「WHO ARE YOU ?」
「俺は日本語を話せる。日本語でいいよ」
「じゃあ。 何でこんな事を?あんたらはいったい」

リーダーらしき人にカユラが聞くと

「我々は革命軍さ。この国を変える為に、今回の事を起こした。 我々の目的はただ一つ。究極の武力国家の建国さ。抵抗さえしなければ、君達には危害を加えない。だから大人しくしている事さ」

言い切ったリーダーらしき人に

「な、何だよその究極の武力国家って」

「簡単さ。この世界はとても不安定だ。些細な言い争いやちょっとした誤解で国家間が不安定になる。不安定になった結果、戦争が起こる。そうすれば多くの人達の命が失われる。戦いたくないのに戦わされる人も出て来る。下手をすれば、この地球そのものを滅ぼしかねない程のでかい戦いになる可能性も、十分にあり得る」

一気に言った後、一旦間を空け

「だが、究極の武力国家があったらどうだ?そんな国があれば他全ての国々が「機嫌を損ねない様にしよう」っと、慎重になる。万が一戦争になっても「戦争を止めろ」っと脅せば直ぐに止まる。支配や脅迫は出来る事ならしたくないが、完全なる平和の為に時には必要なのさ。だからこそ、我々でそんな究極の武力国家を建国する必要がある。その為の行動さ」

理想を聞かされ

「どうする?「そんなの間違ってる」って言っても、あそこまでの奴は聞き入れんぞ」
「まあ、そうですね。でも、大丈夫ですよ」
「だな。ここには伊澄がいるし、どう足掻いても勝てない人もいるしな」

人質の中にはアテネと綾子もおり、2人が暴れ出せば勝てる人など1人を除いて存在などする訳無かった。


一方、こっそり一部始終を眺めている人達がいた。
雪路とソニアである。

「どうすんのよ。あいつらは」
「ボタンが押せないわね。あいつら、余計な事を」
「いやいや、そうじゃなくて」

ソニアは「危なすぎる理想を掲げているから止めるべきだ」っと言おうとしたのだが、雪路は全然違う事を思っていた。

「全く。私の、私だけの賞金を邪魔するなんて、良い度胸してるわ。成敗してやるわ」
「動機が不純だけど、あいつらを倒す事だけは協力してあげるけど、どうするのよ」
「ッフ、簡単よ。こういう時、どうすればいいのか映画で学んだから」


                   × ×


一方、日本。

「成程な。やっつけた敵で挑発する訳やな」
「この刑事さん、頭が回るな」

咲夜・日向姉妹が仲良く映画を見ており、主人公の刑事がテロリストの服に挑発する文面を書き、態と見つかりやすい所に放置して、それを敵が見つけた場面だった。

「中々おもろいやん」
「興奮して来たわ。どうなるんやろ」

やっぱりこっちは平和だ。


                   × ×


一方。
雪路は愛沢姉妹が見ていた映画と同じ事をしていた。

「ボス!!我らが同胞がやられています!!」
「こいつは15階に向かった奴です」

報告を受けたボスは

「ッフ、我らの理想を理解せず、邪魔建てする困った子猫ちゃんがいるようだね。お前達、15階に行って子猫ちゃんに軽くお仕置きをしておいで。殺しも許可する」
「了解」


                   × ×


一方のハヤテ達は、15階にいた。

「千桜さん、何処に行っちゃったんでしょう。心配ですね」
「・・そんなに心配?」
「そりゃあ、まあ。一緒に住んでるお友達ですし」

何気なく言ったハヤテにヒナギクは

「(そういう状況じゃないって分かってるけど、2人きりなんだから私の事を意識しなさいよ。寂しいじゃない)」

こんな事を思っていた。

「それより、急に静かになったわね」
「ええ」
「私は他の階を見て来るから、ハヤテ君はこの階を見てきて」
「あ、待ってください」

階段に行こうとしたヒナギクをハヤテが止めた。
その際、偶然だが手を繋ぐ形になり

「え!?/////////////////////////////////////////」
「何か、嫌な予感がするんです。一緒にいた方が良いと思います」
「そ、そう///////////////////////////////////////」

気付いてないのか、未だに手を繋いでいた。
ヒナギクが「この状況が続いてほしい」っと思っていると

「「ん!?」」

突然エレベーターの扉があき、数人の男達が出てきて

「どうやら、我らの邪魔をする子猫ちゃんは、お前らのようだな」
「我らが理想の為、死んでもらう」

銃を向けて来た男達にハヤテは

「ヒナギクさん!!」
「え!?」

ヒナギクを突き飛ばし、銃口とは別の所に避難させた。
その瞬間、ハヤテに向けて嵐の様に発砲された。

「いやあああああああああ」


                   × ×


一方、日本。

「ウチ、前々から思ってたんやけど」
「何や、咲姉ちゃん」
「この手の映画や漫画とかの銃撃戦って、敵側の銃弾はおもろいほど中らんよな」
「確かになあ」

2人が見ている映画の場面は、丁度主人公と敵が銃撃戦を繰り広げている所だった。

「それに引き換え、主人公側の銃弾はおもろいほど中るんやね」
「不思議なもんやなあ」
「ま、フィクションにそんな現実持ち込んじゃあかんやろ」
「せやね」

やっぱり平和だ。


                   × ×


一方。

「いやあああああああ。ハヤテく〜ん」
「悪く思うな、我らの理想の為の犠牲だと思ってくれ」

テロリスト達は発砲し続けていたが

「さっきから何を撃ってるんですか」
「え!?」

ハヤテは一瞬でテロリスト達を白桜で倒した。

「だ、大丈夫なの?」
「ええ。掠り傷一つ、負ってませんよ」

本人の言う通り、掠り傷はおろか服の乱れすら無かった。

「ど、どういう事なの?」
「この人達が引き金を引くより早く、後ろに回り込んだだけですよ。残像を残してね」
「す、凄いわね」

ハヤテの強さを十二分に知っていたつもりだが、実際目の前にすると感心するやら呆れるやらだった。

「それより。この人達は本当に桂先生の仲間なんでしょうか?」
「え!?」
「マシンガンは本物ですし、明らかに殺す気で発砲してきましたし」

ハヤテの言葉にヒナギクは一瞬だけ考え

「なんか、やりかねない気がしない?殺す気なのはただの演技ってな具合で」
「た、確かに」

雪路の性格を考えると、ヒナギクの考えは正論だった。

「まあ、兎も角。各階を確認しつつ上に行ってみましょう」
「そうね。こういう時は基本的に「最上階に集まってる」って定石だし」


                   × ×


一方。

「ボス。また連絡が取れなくなりました」
「やれやれ。子猫ちゃんじゃなくて、小虎ちゃんの様だね。困ったちゃんだよ」



「なんか、向こうもなんかあったみたいよ」
「・・これはチャンスね。私に対する」


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月30日更新) ( No.62 )
日時: 2018/11/30 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、テロリスト達と色々あった。


「おい、15階応答しろ!!おい!!」

ボスと一緒に人質の傍にいるテロリストの一味が無線機で連絡を取っていたが

「駄目です、ボス。連絡取れません」
「やれやれ。どうやら、小虎ちゃんには正義の牙が生えている様だね。困ったものだ」

ボスは首を横に振りつつこう言い、

「だが、その牙を圧し折るのも面白そうだ。我らの理想の為、折らせてもらおうかな、正義の牙とやらを」

ボスはあくまでも冷静に、淡々と言っていた。


その一方、屋上から様子を見ていた雪路は

「どうするのよ。冷静そうに見えるけど、かなり怒ってるわよ、あのボス」
「問題ないわよ。このチャンスは活かすわ」

雪路の目は「金」に見えていた。

「それより、あのボスの声、銀河万丈に似てるわね」
「だ、誰、それ」
「なんでも鑑定団の男性ナレーターよ。本日のお宝は〜って」

流石の雪路も分かったようで、「ああ、成程」っと言う顔をしていた。

「って、そんな事はどうでもいいわ。これは強敵をやっつけるチャンスよ」
「・・何それ。分かるけど一応聞いておくわ」

雪路が何かの機械を持っていたので、ソニアが聞くと、雪路は答える代わりに

「やあ、ボス。私からのプレゼントは気に入って貰えたかな?」
「ボス、敵からの通信です」
「ッシ。聞いてやろうじゃないの」

雪路が持っていたのは、倒した敵が持っていた無線機です。

「素敵なプレゼントだったよ、小虎ちゃん。だからお返しがしたい」
「礼には及ばないよ」
「そう言えば、名前を聞いて無かったね。何時までも「小虎ちゃん」じゃ失礼だし」

聞かれた雪路は意地悪そうに笑みを浮かべ

「私の名前は綾崎ハヤテ。日本の「最強の執事」さ」
「ほう。で、君は今どこにいる?断られたが、やはりお礼をしたい」
「・・今、15階にいる。来たければ来るがいいが、その時はあんたたちの最後だ」

そう言うと、雪路は通信を切った。

「貴方、やっぱり最低ね。そんなにお金が欲しいの?」
「当たり前じゃない!!給料減らされまくって、全然お酒とか飲めないのよ!!」

ソニアは「この人を殺しても罪には問われ無さそう」っと思っていた。

一方の、テロリストは

「どうします、ボス。これは」
「明らかに、罠だな。敢えて罠に飛び込むって事も作戦だが、それはやらない。恐らく、通信してきた相手は直ぐ近くにいる。警戒を怠るな」
「はっ!!」

当然このやり取りを聞いていた2人は

「見抜かれてるけど」
「お、おかしいわね」
「幾ら私でも、あの人数はきついわよ」

ソニアが見ると、雪路は明らかに動揺していたが

「なんで作戦に乗らないのよ!!!私があいつらのボタンを押せないじゃない!!」
「貴方、やっぱり最低ね。おまけに私のハヤテ君の名前を勝手に使って」

救出より賞金を優先させまくってる雪路にソニアは毒づきつつ

「(良い事思いついたわ。あいつらを私が倒し、この駄目人間を突き出せば、ハヤテ君への好感度を上げられるわね。そうすれば、結婚に大きく近付くわね)」

とか思っていた。


                   × ×


一方、ハヤテ・ヒナギク組は

「やっぱり、何かがおかしいですね」
「何かって?」
「静か過ぎると言うか、何というか。さっき僕が倒した人達も、やっぱり違和感がありますし」

ハヤテが言うと、ヒナギクも考えだした。

「僕の勘が正しければ、あの人達はテロリストの一味ではないかと思うんです」
「そ、そんな馬鹿な」
「その可能性は高いと思いますよ。さっきの感じからすると、ホテルが占拠されていて、人質がいる可能性があります」

冷静に分析するハヤテにヒナギクは

「・・根拠はあるの?」
「ありませんよ。ですが、あの手の人達とは散々戦ってきてますし、ほぼ間違いないかと」

当然の様に言って来たハヤテに

「そう言えば、ハヤテ君は天王州さんの執事を10年以上やってるんだったわね。ならその勘は当たってそうね」
「・・急ぎましょう。人質になってしまった人達に強い人がいない可能性もありますし」
「そうね」

2人は最上階へ駆けだした。


                   × ×


一方、最上階。

雪路とボスが話している隙に

「神尾崎綾子、私に協力なさい」
「・・貴方なんかと共闘するのは嫌でしかないですが、他の皆さんを助ける為には、仕方ないですわね」

アテネと綾子がコソコソと話していた。

「私が合図を出しますから、そしたらそれぞれ散って一気に倒しますわよ」
「・・それに乗ってあげますわ。手間取ったら、我々は兎も角皆さんに被害が出ますからね」

アテネも綾子も身構えており、雪路との通信が終わった一瞬の隙を見逃さず

「今ですわ」
「・・了解」

綾子は青龍と朱雀を召喚しつつ、アテネは隠し持っていた日本刀を鞘から抜きつつ飛び掛かり

「四神剣舞」

「な!?本物のマシンガンがまるで飴細工みたいに」
「我が四神剣に、切れぬ物などありませんわ」
「クソ。撃て撃て〜」


「う、嘘だろ。そんな刀で俺達のマシンガンが」
「優れた業物の名刀と、優れた剣腕。それが揃えば、そんな銃等豆腐も同然ですわ」
「クソ。こっちも負ける訳にはいかんのだ」

普段は最悪の犬猿の仲の2人だが、いざ共闘すれば非常に強く、テロリストは一切発砲出来ず、銃を斬られて気絶させられていった。
それこそ、一瞬の出来事っと比喩出来るほど。

「まさか、抱えた人質の中にこれ程の手練れがいるとは」
「後は貴方だけですわ」
「観念なさい」

2人に詰め寄られ、

「そこまで強いんだ。俺達と組まないか?共に理想を実現させよう」
「「生憎ですが、お断りですわ」」
「・・何故だ」

2人はボスに警戒しつつ

「貴方の御大層な理論では、平和等ありえないからですわ」
「むしろ、より戦乱の世の中になると、容易に想像出来るからですわ」
「・・意見は食い違うようだね。だが、俺の理想は間違ってなど居ない!!」

ボスは銃を取り出し、2人に向けた

「避けられるなら、避ければいい。後ろの人質に中るからね。避けなかったとしても、この銃の殺傷力は高い。君達が強くても、無事じゃ済まない」

ボスが引き金に手をかけようとした瞬間

「四神十字剣」
「グフッ」

綾子が銃毎ボスを斬り、無事に制圧した。

「おお〜。流石理事長と神尾崎さん」
「噂に違わぬ強さだ」

人質になっていた生徒達から歓声があがる中。

「あ、あら。もう片付いたの」
「・・桂先生」

雪路が現れた。

「何をしに、来たんですの?」
「せ、生徒達が捕まったって聞いて、駆け付けたのよ。もう終わった後みたいだったけど」

雪路の言葉にアテネも綾子も雪路を睨んでいた。

「本当ですの?」
「あ、当たり前じゃないですか。私はこれでも教師よ。生徒に危機に駆け付けるのは当然じゃない」
「「へ〜」」

アテネも綾子も全く信じておらず

「ところで。さっきこいつらと通信していたのは貴方ですわね?ハヤテじゃなく」
「ソ、ソンナワケナイジャナイデスカ〜」

明らかに動揺する雪路に

「この私が愛する執事の声を聴き間違えるとでも?」
「私だって、愛しき旦那様の声を聞き間違える訳無いじゃないですか」
「ア、アハハ〜」

必至で目を逸らす雪路に畳みかけた。

「それに。このホテルに着いた後、参加者を襲撃して失格させていったのも貴方ですわね?」
「ソ、ソンナワケナイジャナイデスカ〜。ソンナコトシテナイデスヨ〜」
「・・正直に話して、楽になった方が良いですわよ」

口を割らない雪路に

「全部本当よ。アテネお嬢様達の推理通り」
「ソニア。貴方、何故ここに」
「まあ、ちょっと。それより」

ソニアは雪路の首根っこを掴み

「ハヤテ君の名前を勝手に使ってテロリスト達と通信してたのはこいつよ。それに、参加者を失格させたのもこいつ。この目で見たから間違いないわ」
「な!?う、嘘ですよ、理事長。信じないでください。こいつは」
「信じますわよ、ソニアを。寧ろ、桂先生は信用出来ませんわ」

アテネの言葉に雪路以外は頷いていた。

「おまけにこいつは失格させて行っている事を私が咎めたら「邪魔じゃなくて襲撃だから平気だ」とか屁理屈こねてましたよ」
「こ、これも嘘ですからね」
「そうですわね。ソニアが正しくて桂先生が嘘だと、思いますわ」

完全に追い詰められ、項垂れた。
すると

「「来月の給料査定、楽しみにしていてくださいね」」

アテネと綾子に同時に言われ、雪路は完全に静かになった。

するとそこに

「あれ?もう全部終わってるみたいだね」
「ハヤテ様〜」

ハヤテとヒナギクが来て、綾子はハヤテを見るなりハヤテに抱き着いた。

「フフッ♪少し怖かったですわ」
「は、はあ」
「コラ、神尾崎綾子!!ハヤテに抱き着くんじゃありませんわ!!」

アテネは引き剥がしにかかったが、綾子は意地でも離れなかった。

「ハヤテ様〜♪」
「えっと。 皆さん無事ですか?」

アテネと綾子を気にしつつ、ハヤテは人質になっていた人達を確認していた。

「大丈夫だ。誰も怪我してない」
「天王州さんと神尾崎さんが制圧したので、逃げられた人達を含めて全員無事ですよ」

カユラと伊澄の言葉にハヤテもヒナギクも胸を撫で下ろした。

「ハヤテ様は大丈夫でしたの」
「ええ、まあ。途中で戦いになりましたが、僕もヒナギクさんは掠り傷一つ負ってないので、ご安心ください」
「旦那様が無事で安心しましたわ♪」

綾子は子猫の様に甘えていた。
勿論アテネは必至で引き剥がそうとしたが、不可能だった。

っと、そこに

「あれ?若しかして俺、最高にかっこ悪いタイミングで来たか?」
「悠太」

悠太が叢雲片手にやって来た

「悠太は大丈夫だった?」
「まあな。一旦外に避難したんだが、ハヤテ達が戦ってると思って、助太刀の為にホテルに戻ったんだ。でも、全部終わった後だったか」

叢雲を鞘に納めた後、気まずそうに頭を掻きつつ言い、

「まあ、ここに来るまでテロリストと戦ってたからなんだが、完全な言い訳だな」
「大丈夫?怪我とかは」
「無いから安心しろ」

ハヤテ達が話している一方、

「あの仮面の戦士、微動だにしないな」
「ええ。テロリストがいる間も、天王州さん達が戦っている間も、動揺等は感じられませんでしたし」

カユラと伊澄の言う通り、仮面で表情が見えないのもあるが、動揺等は一切感じず、堂々とした振る舞いだった。

「なんか、不気味だな」
「まあ、近寄り難い感じは一切ありませんが」
「それは同感だが」

カユラも伊澄も首を傾げるばかりであった。

「それより、後の事は現地の警察に任せた方が良いんじゃねえか?こいつらが気絶している間によ」
「だね」

警察は直ぐに駆け付け、テロリストを一人残らず逮捕し、軽く事情聴取を受けた。


                   × ×


全部が片付いた後、逃げ出した組と合流し

「あ、ナギさん達も無事だったんですね」
「ああ、まあな。ハヤテも大丈夫そうだな」
「ええ、まあ。色々ありましたけどね」

気にはなったものの、聞く勇気が出ず、敢えてスルーする事にした。

「それよりだ。修学旅行はまだ続けるのか?色々あったのに」
「続けると思いますよ、あの人の事ですからね。人数もまだ残ってますし」

ハヤテが言うと

「その通りよ。まだ続けるわ」
「金庭理事」
「集会以来だな。直接会うのはな」
「ええ、そうね」

金庭は返しつつ

「決着は、もうつけてもらうわ。最終目的地のラスベガスでね」
「「・・・」」


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (11月30日更新) ( No.63 )
日時: 2018/12/02 23:15
名前: ささ

クズ教師じゃなかった雪路を殺しても罪には…天王州夫妻が何とかしてくれるよ!
(えっ、なにか間違ってる?皆さん、タイトルをお読みになりましたか?)
(ソニアとLv5存命中のハヤテ好きの皆さん)1番ハヤテが喜んでくれる方法があるよ
虎徹とかいう変態にあの世への片道切符を進呈することだ!
というのは置いといてアテネと綾子、雪路が楽しみにするのは給料査定だけじゃなくて理事会もじゃないの?(アテネはもとより綾子は親父さんに泣きつけば…)でも、このクズ教師を元白皇教師の肩書き付きで世間に放り出すというのもなぁ
アテネ、もう給料全カットでいいんじゃない?
というより綾子、雪路にO☆H☆A☆N☆A☆S☆H☆Iがいるよ、四神剣で
雪路が英語喋れなくても違和感がないけど(中学時代某駅前留学に通ってるという噂がたった英語教師がいたから)
>>59-60での千桜、ちょっと無防備過ぎません?(確認しているかもしれないがその格好で応対するとか)
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Re: 女神と共に第四部 (12月3日更新) ( No.64 )
日時: 2018/12/03 17:50
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ● ささ さん。

 カユラ「感想感謝するぞ♪」

 >>クズ教師じゃなかった雪路を殺しても罪には…天王州夫妻が何とかしてくれるよ!

 綾子「あら。天王州さん、別の方と結婚するんですのね」
 麗「ハヤテ君は私と結婚するからね。夫妻って事は、そういう事よね〜」

 アテネ「何を言ってるんですの?ハヤテ以外とは結婚しませんわ。 まあ、桂先生の事でしたら、喜んで揉み消しますわ。

 >>(えっ、なにか間違ってる?皆さん、タイトルをお読みになりましたか?)

 綾子「関係ありませんわ。ハヤテ様の結婚相手は私ですから、間違ってますわ」
 クリス「mistaken. ダーリンの結婚相手は私よ」

 >>(ソニアとLv5存命中のハヤテ好きの皆さん)1番ハヤテが喜んでくれる方法があるよ

 ソニア「あら、何かしら。朗報だと良いけど」

 >>虎徹とかいう変態にあの世への片道切符を進呈することだ!

 ソニア「良いわね。では、早速」
 虎鉄「お、おい泉」
 泉「止めないよ〜。賛成だし」

 >>というのは置いといてアテネと綾子、雪路が楽しみにするのは給料査定だけじゃなくて理事会もじゃないの?(アテネはもとより綾子は親父さんに泣きつけば…)

 アテネ「確かにそうですわね」
 綾子「お父様〜」
 雪路「・・・」

 >>でも、このクズ教師を元白皇教師の肩書き付きで世間に放り出すというのもなぁ

 悠太「どうだかな。「あの天下の白皇をクビになった」っとなれば、風当たりはきついと思うぜ」
 ナギ「雇ってもらえると良いけどな」

 >>アテネ、もう給料全カットでいいんじゃない?

 それに関しては、後々

 >>というより綾子、雪路にO☆H☆A☆N☆A☆S☆H☆Iがいるよ、四神剣で

 綾子「ですわね。愛しのハヤテ様に色々とね♪」
 雪路「ひい」

 >>雪路が英語喋れなくても違和感がないけど(中学時代某駅前留学に通ってるという噂がたった英語教師がいたから)

 ナギ「だよな〜。「世界史教師としては」優秀のはずだがな」
 悠太「ってか、そんな噂あったんだな。驚きだぜ」

 >> >>59-60での千桜、ちょっと無防備過ぎません?(確認しているかもしれないがその格好で応対するとか)

 千桜「別に、タオル巻いて隠してたし、変な奴もいないから、平気だと思ったからな。変な意味とかは無いぞ」
 カユラ「結果的には綾崎君がいて、プラスに働いたわけだがな」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (12月3日更新) ( No.65 )
日時: 2018/12/03 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、テロリストを撃破し、最終目的地であるラスベガスに向かう事になった。


「着いたね〜、ラスベガス」
「ええ。着きましたわね」
「なんか、あっと言う間だったね。あらすじで「向かう事になった」って言ってたのに」
「そこはご都合主義ですわ」

そこはハヤテも同感なので、言い返したりせず

「そう言えば。残り107時間あるんだよね」
「ええ。色々あり過ぎて、まだそんなにあるんだって、思いますわね」
「金庭理事は、ここで決着をつけるって言ってたけど、何をさせるつもりなんだろうね」

ハヤテが言うと、アテネは盛大に溜息をつき

「どうせ、碌な事じゃありませんわ」
「た、確かに」

今迄が今迄なので、「良い予感」をする方が無理があった。

「ですが、残りの人数も大分絞られて来ましたわ。ここから残り1人にどうやってするのか」
「ま、何とかなるよ。・・・たぶんね」

アテネは「やれやれ」と言った感じで息を吐くと

「ハ〜ヤテ君♪」
「愛歌さん」
「無事なんですの?確か貴方は、虫が駄目だったはずですわ」

ただ1人、ジャングルに残った愛歌さんが現れたので、アテネが心配そうに聞くと

「だから大丈夫だって言ったでしょ?こうして元気な姿を見れたし」
「・・ですわね」

ハヤテが代わりに答え、アテネが納得していると

「ね、ねえハヤテ君。ジャングルでは色々あったわ。でも、私は頑張ったわ。だ、だからその」
「ご立派でしたよ、愛歌」
「へへ////////////////////////////////////」

ハヤテに頭を撫で撫でされ、愛歌さんは顔を赤くしつつ笑顔だった。
アテネは当然納得いかなかったが、リタイアする事無くここに居る事に免じて我慢する事にした。

「天王州さん、私は意地でも優勝するわ。付き合いの長い貴方であっても、負けないからね」
「別に譲るつもりはありませんわ。そこんとこ、忘れない様に」

アテネと愛歌さんは少しの間睨み合った後、そのまま無言で愛歌さんは立ち去った。

「愛歌さんは強敵だよ。覚悟しないとね」
「分かってますわよ」

戦闘力では比べるまでも無いが、策略の面では互角と言えるので、アテネであっても注意は必要だった。


                   × ×


愛歌さんはホテルのロビーに生き残った参加者数人を集めていた。

「ねえ皆。提案なんだけど、一時的に協力しない?」
「え!?協力って?」

泉に聞かれ、愛歌さんは少し間を空け

「私を含め、意地でも優勝したい人って、いるでしょ?」
「「そりゃあ、まあ」」

千桜とカユラが代表する様に言うと、集まった面々の大部分が頷いていた。

「だからこそ、同盟を組むのよ。裏切りは勿論無しで」
「でもさ、愛歌ちゃん。サバイバルじゃ裏切りとかの危険がある協力や同盟は止めておいた方が良いと思うよ。足を掬われる可能性の方が高いと思うし」

泉の言葉にこの場に集まった大部分の参加者は頷いていたが、

「良い?このサバイバルも残りの人数は大分少なって来てる。だけど、天王州さん・神尾崎さん・鷺ノ宮さんは圧倒的な強者だし、三千院さん・真山君・ヒナは強者。この人達に真正面からぶつかったんじゃ、絶対に勝てない」

愛歌さんの言葉に全員黙り込んだ。

「確かに瀬川さんの言う通り、危険もあるわね。でも、この6人に勝つには、危険を承知でやるしかないのよ」
「・・うん。確かにそうだね」
「でしょ?で、さっき言った6人以外にも厄介なのがいる。その人を確実に潰す方法なら、あるわ」

愛歌さんが言うと

「それって、雪ちゃん?」
「ええ。取り敢えず、誰かオリエンテーションで得たお金が残ってる人、いる?」
「あ、私残ってます」

第1回のオリエンテーションでお金を得られたモブが手を挙げた。

「悪いんだけど、1万円貸してくれないかしら。日本に帰ったら、10倍にして返すからさ」
「え!?そんなに!? 別に其処までじゃなくても、お貸ししますけど」
「ありがと。貴方には日本に帰ったら、10万円にして返すわね」

愛歌さんは1万円を借りると、行動を起こした。


                   × ×


一方その頃、駄目教師。

「フッフッフ〜。ついに来たわ、ラスベガス」
「なんでそんなにテンション高いのよ」

アテネの命令で雪路を監視しているソニアが聞くと

「ラスベガスよ、ラスベガス。ラスベガスっと言ったら」
「連想ゲームやってないで早く言いなさい」
「カジノに決まってるじゃない」

雪路が言い切ると、ソニアは呆れ

「本場のカジノ、やってみたかったのよ」
「止めときなさい。どうせ両さんみたいに「最後はパンツ一丁にさせられる」ってオチになるんだから」
「大丈夫。可愛いの穿いてるから」
「そう言う問題じゃ」

聞く耳を持たない雪路にソニアはまた呆れ

「第一、カジノに行こうにもお金ないじゃない」
「そこなのよね〜」
「・・貸さないわよ」

先手を打たれた雪路は黙り込んだ。
するとそこに

「お困りの様ね、桂先生」
「あ。愛歌様」
「あら、ソニアさん」

愛歌さんはソニアがアテネのメイドをしているのを知っているので、挨拶しつつ

「そんな桂先生に、施しをして差し上げましょう」
「「え!?」」
「ここに、1万円があります。これをあげるわ」

愛歌さんが言うと、雪路は目を輝かせた

「何故、そんな事を!?この人は」
「ソニアさんも知ってるでしょ?天王州さんを怒らせちゃったせいで、来月のお給料が減らされちゃったって。それに対する施しよ」
「良いの?じゃ、ありがたく」

貰った1万円札にキスしつつ踊る雪路を気にしつつ

「どう言うつもりなんですか?あんな駄目人間に施し何て」
「作戦よ。あの人を潰す為のね」

ソニアは察した。
なので

「どうするのよ、それ」
「決まってるじゃない。折角もらったんだから、カジノに行かないと」
「止めなさいって。折角の施しなんだから、大事に」
「大丈夫。大事にカジノで使うから」

駆け出した雪路にソニアは呆れ

「折角言ってあげたのに。もう知らないわ。あんな奴の監視なんてバカらしいし、ハヤテ君の所にでも行きましょ」

こう愚痴り、雪路とは別の方向へ歩き出した。


                   × ×


一方の雪路は、当然の様にカジノに来ており

「ああ、もう。なんで出ないのよ」

スロットをプレイしており、スロットマシンにあたっていた。

「あ〜あ〜、カジノで1万円なんてあっと言う間ね。もう少しで勝てそうだったのにさ」

大きめの声で愚痴り、更に

「全くもう。これ以上は施し何て貰えないしな。要求なんてすれば、理事長の耳に入って今度こそクビになるし。やれやれね」

その時、雪路にある閃きが降って湧いた。

「そ、そうよ、そうだわ。私の手には「うしじまカード」があるじゃない。これさえあれば」

雪路は策士が閃いたような笑みを浮かべ

「あのさ。このカードで本当にお金って借りられるのよね?」
「ええ、勿論」

同行している黒服に聞くと、直ぐに答えが帰って来て

「上限はありません。お幾らにしますか?」
「そうね〜。じゃあ、10万円程借りようかしら」

すると、直ぐに指定の10万円が用意され

「(す、凄い。こんな簡単にこんな大金が)」
「え〜、改めて説明しますが。 こちらのお金は10日で5割の複利計算になっており、明日返済される場合でも1万円につき日割りで500円の利息が付きますので」
「そんなの、何の問題も無いわ」


一方。

「あの、愛歌さん」
「何かしら、千桜さん」
「なんで桂先生に1万円もあげたんですか?あの人はあのアテネを怒らせまくってる駄目人間ですよ」

聞かれた愛歌さんは意地悪そうに笑みを浮かべ

「作戦だって言ったでしょ。あの人の事だから「1日500円の利息なんて、カジノで勝てばはした金」って思うでしょうね。でも、それが甘いのよ」
「ああ。10日で5割って事は、年利に直せば2億6千万%以上の複利計算になるって」
「って事はだよ。1年借りたら1万円でも200億円以上返さなきゃいけないって事だよね!?」

千桜と泉の補足に愛歌さんは頷き

「複利の恐ろしさ、とくと味わうと良いわ」


                   × ×


時間を飛ばし。

「今、何て言ったの?」
「だ、だから」

ヒナギクに睨まれ、雪路は言葉を失った。

「私の耳には「十五で借りた2千万円をカジノで溶かした」って聞こえたんだけど?」
「ま、間違っておりません。私はその通り言いました」

ヒナギクの殺気は凄まじく、殺気だけで人を殺せそうな程だった。

「分かってるの?お姉ちゃん。十五って事は、十日後には元金と合わせて3千万円返済するって事なのよ?もっと言えば、明日返済したとしても1日の利息だけで100万円もあるって事よ?」

ヒナギクの殺気はレベルアップし、「周囲の建物にはヒビが入り、植物は枯れる」っと言う比喩が当てはまりそうだった。

「わ、悪かったわよ。こうなったらもう1千万円借りて一発逆転するしかないわね」

正座していた雪路がこう言って駆けだそうとした所に、ヒナギクは村正を雪路の首筋に当て

「これ以上借りたりしたら、本気で殺すわよ。我が姉とは言え」
「うう〜。ヒナ〜、何とかして〜」
「嫌よ」

助けを求めた雪路をヒナギクは一瞬で突き放した。

「私達は姉妹なんだぞ〜。助けてくれたっていいじゃない〜」
「姉妹だからこそ、下手な慣れ合いはしないのよ。自分で蒔いた種なんだから、自分で何とかしなさい」

殺気を撒き散らしながらヒナギクは行ってしまった。

一方の雪路は暫く項垂れた後、猛スピードでホテルに行き

「霞さん!!!」
「あら、桂先生。何か御用ですか?」
「御用も何も」

雪路はかなり怒っており

「貴方のせいよ!!」
「・・何が?」
「な、何がって」

愛歌さんは氷の様な冷静さのまま

「私が貴方に施した1万円は、何か意味があった訳じゃ無いわ。貴方に説明した通りの理由以外何もないわ。その1万円をカジノに使ったのも、その後「うしじまカード」で借金したのも、全部自己責任じゃない。私に責められる理由なんて、一切無いわ」

正論以外何物でも無く、雪路は黙り込んだ

「言っておくけど、助けないわよ。折角あげた1万円を無駄にされたわけだし、そんな人を助けるなんて、嫌よ。自分で何とかなさい」
「ウググ〜。鬼〜、悪魔〜。綾崎様に言いつけてやる〜」
「どうぞご勝手に」

あくまでも突き放す態度の愛歌さんに雪路は文句を言いながら去って行った。

そんな光景を見ていて

「成程、考えたものだな」
「ああ、まあな」

カユラが言うと千桜が同意し、

「あの人の事だから、1万円を渡せばほぼ間違いなくカジノに行く。「カジノでの1万円はあっと言う間」って聞いた事があるから、あの人は直ぐに使い切って新たな元手を求めて借金する事は容易に想像がつく。当然文句を言って来るが、それを突き放せば焦って勝負を決めようとする。時間が経てば経つ程借金は膨れ上がるからな」

「だが、そんな事をすればアテネは当然の様に怒り狂い「今直ぐボタンを押さないとクビ」っと厳命し、あの人はそれに従うしかない。つまり、桂雪路はその時点で失格っとなる」

カユラと千桜の推理には、泉も行きついていた。

「つまり、厄介者の雪ちゃんは戦うまでも無く消せるって訳だね。でも、大丈夫かな?愛歌ちゃん、ハヤテ君の中の自分へのイメージダウンは怖いはずだけど」
「大丈夫だろ。あの人の信頼度を考えてみろ」
「あ、そうだね。例え本当の事でも信じて貰えないよね。ハヤテ君は「愛歌さんの方を信じます」って言うだろうし」

千桜の言葉に直ぐに同意した。


                   × ×


一方。

「ここで何をしてるんですの?あなたには桂先生の監視を頼んだはずですわ」
「幾らアテネお嬢様の命令でも、それは嫌。あんな人の監視なんてね」

アテネも同意出来るので言い返したりしなかった。

「そんな事より。ハヤテさんは何処にいるんですか?折角会いに来たのに」
「ハヤテならいませんわ。何でも「大事な用がある」っとの事ですわ」
「ああ、そう」

つまらなさそうに言うと、アテネにお茶を出す為の準備を始めた。



一方。

「あら、久しぶりじゃない」

ラスベガス在住の橘美琴はある人物と会っていた。


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月6日更新) ( No.66 )
日時: 2018/12/06 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、雪路は自業自得で借金を背負う羽目になり、ワタルの母・美琴は誰かと会っていた。


「久しぶりね。貴方が私に会いに来るなんて、珍しいじゃない」
「まあ、ちょっとね」
「で?何の用なのかしら、金庭さん」

そう、美琴に会いに来たのは金庭理事である。

「ちょっと、聞きたい事があってね」
「・・・」
「お時間良いかしら?ミコにゃ〜」

すると美琴は少し間を空け

「話は聞くけど、昔の綽名で呼ばないでくれる?」
「あら、それはごめんなさい」
「さっさと用件を言ったら?じゃないと追い返すわよ」
「これについて、聞きたいだけよ」

金庭は自身の耳にぶら下がっている王玉を示しながら聞いていた。
聞かれた美琴は暫く黙り込み

「答える前に、聞いておくわ。貴方はそれについてどの程度知っているの?」
「詳しい事は全然。ただ、これがあれば「万物をも捻じ曲げる力」が手に入る事位は知ってるわよ」
「・・そう」

美琴はまた黙り込み

「私もそれについては知らないわ。お役に立てなくて申し訳ないけどね」
「・・貴方も同じ物を持っているのに?」
「だから、貴方が知っている事以上の事は知らないって意味よ。お分かり?カネゴン」

美琴の呼び方に

「・・昔の綽名で呼ぶの、止めてくれない?」
「仕返しよ。嫌なら私を昔の綽名で呼ばない事ね」
「・・フンッ」

そっぽを向いた金庭に

「いったい、何が目的なの?」
「簡単な事よ。私は、この石で手に入る力が欲しい。ただそれだけよ」
「何処でその石を手に入れたか知らないけど、止めておきなさい」

美琴に言われ、金庭は睨み付けるような鋭い目付きになった。

「その力は、万物をも捻じ曲げる。むやみやたらに欲したりしない方が良いわ」
「・・貴方と言い帝お爺様と言い、隠し事が好きみたいね」
「・・どういう事かしら?」

金庭はニヤリと笑い

「数日前も、同じ話を帝お爺様としたからよ」
「・・・」


                   × ×


話は遡り、数日前。

「いったい何の用じゃ」
「これについて、知っている事を聞きたくて」
「そ、それは王玉」

帝は金庭の耳にぶら下がっている物に驚き

「き、貴様。どこでそれを」
「まあ、いいじゃないですか。それより、私の質問に答えてくれます?」
「・・答える気はない」

そう言うと、沈黙を守った帝に

「貴方なら、知ってるんじゃないの?王族の力について」
「・・何処まで知ってる」
「残念ながら、王族の力の詳しい事は知らないわ。ただ、万物をも捻じ曲げる、っとだけ」

帝の見抜く様な鋭い目つきを無視しつつ

「その昔、貴方もあの天王州さんも手に入れようとした。それだけで、とんでもない物だって事は、容易に想像出来るわ」
「・・・」
「でも、手に入れられなかった。力を手に入れるに必要な王玉は、2人とも入手は出来た。でも、お爺様の王玉は邪気で穢されていて、天王州さん方は平気だったけど、何かがあって手に入らなかった。それ位は掴んでいるわ」

帝の様子を見つつ、続けた。

「天王州さんは王族の庭城に閉じ込められてしまい、お爺様はそれを恐れたが自身の王玉の邪気を祓う研究を始めた。天王州さんの方は何とかなったけど、お爺様の方は上手く行かなかった。まあそれでも、貴方は諦めなかったみたいだけどね」

皮肉を込めて言う金庭に

「何が目的じゃ」
「・・私も欲しいだけよ。王族の力とやらをね」
「・・止めておけ。永遠の後悔をしたくなければな」

帝の言葉に金庭は

「・・やっぱり知っているのね。王族の力を」
「・・知っている。じゃが、死んでも教えん」
「その答え、想定の範囲以内ね」

また皮肉を込めて言い、

「言いたくないなら、それでもいいわ。某海賊漫画の不思議な果実みたいに「手に入れて見れば分かる」だからね」
「・・止めても無駄、か」
「ええ」

無言の牽制の後

「お爺様の事だから、今でも狙ってるんでしょ?王族の力を」
「さあ、どうだかな」
「手に入れたいのであれば、早急に手を打つ必要があるのでは無くて?私が知らないとでも思っているの?」

ニヤリと笑みを浮かべつつ金庭は続けた。

「天王州さんが味方を引き入れて、回収・破壊を達成しようとしているって。普通じゃ破壊出来ないけど、あの人達は破壊する方法を知っている。だからこそ、もう幾つも破壊されている」

金庭は思い出すように少し間を空け

「天王州さん達が見つけ、破壊した王玉は五つ。それに加えお爺様が邪気を祓おうとして失敗し、壊してしまった王玉が一つ。計六つがこの世から消えている。全部無くなってしまえば、幾ら欲しても不可能。何か間違いでも?」

「無い。ワシの調べでも、六つ破壊されていると情報が来ている」

「ならば残りは六つ。しかし、私のを含めて所在が判明しているのは三つ。真山悠太君が持っている奴と、橘美琴が持っているであろう奴。真山君のは兎も角として、残りは帝お爺様であっても回収できるのかしら?」

挑発的な態度に帝は黙り込んだ。

「お爺様と違って私は手に入れ様と思えば直ぐにでも手に入る立場。お爺様が王玉を手に入れる前に、王族の力を私が入手する事も可能。そこんとこ、お忘れない様に」

「・・無駄じゃ。お前とワシ、そこまで立場は変わらん」
「確かに、私の王玉は邪気で穢されている。でも、それを祓う方法を、一つ知っているわ」

黙り込む帝に

「でも、教えてあげない。まあ、どうせ知っているでしょうけどね」
「さあ、どうだかな」
「フンッ。まあ兎も角、私も王族の力を狙う一人だと言う事、心にとどめておく事ね」

そう言い残し、金庭は帰って行った。

それから暫くしてから

「アテネよ、お主の目的、果たせると良いがな」


                   × ×


「って訳よ」
「ふ〜ん」

美琴はパイプをふかしつつ

「帝お爺様は兎も角、私は知らないわよ。貴方が知っている事以上の事は」
「ま、信じてあげるわ。隠し事はなさそうだし」

そう言いつつ金庭は

「で、実際のところどうなのよ。王玉、持ってるの?」
「教えてあげない」
「まあいいわ。貴方が王族の力を欲するとは思えないし」

そう言うと

「あら、もう帰るの?」
「これでも忙しいのよ。貴方と違ってね」

そう言い残して帰って行った金庭に

「王族の力は、貴方なんかじゃ手に入れられないわ。  紫子お姉さまは別だけどね」

そう呟いてパイプをふかしていると

「美琴様、お客様です」
「あら、また?まあ、通して」

すると、執事の一条が連れて来たのは

「こんばんは、橘美琴さん」
「綾崎君じゃない。何か御用?」
「とても大切な用事、ですよ」

そう前置きし、直ぐに

「貴方が持っている王玉を、譲ってほしいんです」
「・・私が持っているかどうか、分からないじゃない」
「分かりますよ。貴方が持っている事も、それは光を失っていない事もね」

ハヤテの鋭い目付きに美琴は軽く息を吐いた後、

「確かにあなたの言う通り、私は光を失っていない王玉を持っているわ」
「・・やっぱり」

首から下げていた王玉を見せつつ言い、

「私には必要無い物だから、あげてもいいけど、条件があるわ」
「・・分かりました。条件次第では飲みましょう」
「あら、身構えないのね。まあ、別に危ない事や法律に反する事じゃないから、良いけどね」

美琴はパイプの火を消しつつ

「私の出す条件はね、ワタル君を説得してほしいのよ」
「え!?」
「私は近い内に日本に戻るわ。その時に、私と一緒にお風呂に入るよう、ワタル君を説得する事。これが条件よ」

ハヤテは美琴の逆マザコンを知っているので、特に驚かなかった。

「一緒にお風呂に入るからって、変な事はしないわ。それに、1回だけよ。別に悪い条件じゃないでしょ?」
「しかし」
「私、知ってるわよ。ワタル君は貴方に大恩を感じてる。だから、相当な事じゃない限りは貴方に逆らわない。貴方がお願いすれば、これ位なら聞き入れるはずよ」

ハヤテは頭を数回掻き

「分かりました。説得してみます」
「上手く行ったら、交渉成立ね」

ハヤテは携帯を取り出し、ワタルにかけた

『なんだよ、何か用か?』
「ええ。その前に、今大丈夫ですか?」
『平気だよ。だから用件を言ってくれ』

了解が取れ、ハヤテは少し間を空けてから

「実はですね、お願いがあります」
『あんたが俺に?珍しいな。 まあ、よっぽどじゃなきゃ聞き入れるよ』

美琴の期待の籠った目を気にしつつ

「貴方のお母様である美琴さんと、一緒にお風呂に入ってほしいんです・・2人きりで」
『は!?俺が母ちゃんと!? な、なんでだよ』
「ま、まあ。色々と事情がありまして」

濁した言い方のハヤテに

『あんたも知ってるだろ?俺の母ちゃんが俺に対してどんな感情を持っているのか』
「ええ、知っています。ですから、お願いをしているんです」
『だ、だがな』

渋るワタルに、ハヤテは美琴が変わる様に無言で伝えて来たので、変わった

「お久しぶりね、ワタル君」
『か、母ちゃん。いたのか』
「ええ。それより、貴方は綾崎君に大恩を感じているのよね?」
『そ、そりゃ、感じてるけど』

口籠る息子に畳みかけた

「そんな人のお願い、聞けない程男が小さいの?別に変な事じゃないし、危ない事でもないし、法律に反する事でもないじゃない。それに、一緒にお風呂に入ったからって、何もしないわよ。1回だけで良いし」

『で、でもよ』
「貴方が了承すれば、綾崎君も助かるのよ?貴方の綾崎君に対する借り、一つ位は返した方が良いんじゃない?私とお風呂に入るだけで少しとは言え返せるんだし、悪い話じゃないと思うけど?」

電話口のワタルは長めの沈黙の末

『わ、分かったよ。母ちゃんが日本に戻って来た時に、1回だけ母ちゃんと2人きりで入るよ』
「素直でいいわね。あ、でも」
『水着着用は無し、だろ?分かってるよ。約束もちゃんと守る』
「ならいいわ」

美琴は電話を切らずにハヤテに返した

「すみません。詳しい事はちょっと言えないですが、お願いを聞いてもらっちゃって」
『気にするな。他ならぬあんたの頼みだ。聞き入れられる類のお願いだから、聞き入れた。それだけだ』
「・・そうですか」
『言っとくが、借りを返したなんて思ってねえぞ。それだけは忘れるなよ』

その後、もう少しだけ会話し、電話を切った。

「交渉成立って事で、あげるわ」
「では有り難く」

ハヤテは王玉を受け取ると、

「(やっぱり、光を失っていないね)」
「(まだあったんですね。もっとも、鷺ノ宮様が祓った可能性がありますが)」
「(まあ、きっと伊澄さんが祓った可能性の方が高いだろけどね)」

こんな風に会話していると

「それ、壊すんでしょ?なら誰かに奪われる前に壊した方が良いんじゃない?」
「あ、知ってたんですか」
「まあね」

ハヤテは気にしつつも白桜で王玉を壊した。

「では、お邪魔しました」
「ありがと、綾崎君。ワタル君とのお風呂、今から楽しみだわ」

ハヤテは苦笑いをしつつ、アテネの元へ少し急いだ。


                   × ×


一方。
金庭はホテルの自室に戻り

「やはり、生き残りはこのメンバーになったか」

金庭は現在生き残っているメンバーの写真を見ながら言っていた。

「猛獣やらテロリストやらを嗾けて、強き者を探したけど、当初の予想通りの結果になったわね」

金庭は何かを含んだような笑みを浮かべ

「王玉の邪気は、誰かに移す事が出来る。そうすれば、邪気を移された者は死んでしまうが王玉は光を取り戻す。邪気を移せる器はこの中に居そうね。そうすれば、私が王族の力を手に入れられる」

軽く笑うと

「へ〜。こいつは良い事を聞いちゃったな」
「!?」



王玉の残り・・・4個



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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月9日更新) ( No.67 )
日時: 2018/12/09 12:25
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテは王玉を新たに破壊する事が出来、金庭はホテルの自室で計画を呟いた所、誰かが現れた。


「お、お前は。 真山悠太」
「こんばんは、金庭理事」

悠太は腕を組んで窓にもたれかかっていた。

「こんな時間に女性の部屋に無断で入って来るなんて、不法侵入で捕まっても文句言えないわよ、真山君」
「別に心配はいらねえよ」

怪しむ様な目付きの金庭に対し、悠太はあくまでも余裕で

「俺、熟女に興味ねえし」
「私はまだ28よ!!」
「え!?姉ちゃんとそんな変わんねえの!?そりゃ失礼した」

悠太は一旦頭を下げ

「まあでも、警察に来られたら困るのは俺だけじゃねえぜ」
「そ、それはどういう」

悠太は答える代わりに手に持ったICレコーダーを再生させた。
そこには先程の金庭の独り言が録音されており

「こいつはあんたがテロに関与した重要な証拠じゃねえのか?むしろ「首謀者」っと言えるな」
「・・何が目的なの?」

悠太は少し間を空け

「目的は金とかじゃない。あんたが俺のお願いを聞いてくれるって言うなら、こいつはあんたに渡すし、聞いた事は死んでもしゃべらない。それだけさ」
「・・お願いって」
「もし聞いてくれないって言うなら、こいつは然るべき所に持って行くぜ。そうすればあんたは破滅だろ?」

挑発的な態度の悠太に金庭は

「お願い、次第ね。危ない事や犯罪なら」
「そんな事、頼む訳ねえだろ。安心しろよ」
「じゃあ、聞かせて貰おかしら」

聞かれた悠太はまた少し間を空け

「お願いは、幾つかある。あんたの事だから、「最後のオリエンテーション」を用意してるんだろ?それで優勝者が決まる様な」
「まあ、ね。教えないけど」
「現在生き残ってる参加者は結構多い。だから「最後のオリエンテーションへの参加権をかけた予選会」を開催する事だ。これからな」

悠太の提案に金庭は沈黙を守っていた。

「ゲームの内容や何人残すかは、あんたに任せるぜ。ただ、戦闘力の優劣があまり関係無い物にしてもらうぜ」
「他は?「幾つかある」って言ったでしょ?」
「もう一つは予選会にあんたも参加してもらうぜ。あんたが持ってる王玉を懸けてな」
「な!?」

驚く金庭に。

「言っただろ?聞いてくれないならこの録音を然るべき所に持って行くって」
「クッ」
「もし逮捕されれば、間違いなくそいつは没収される。そんな事になれば天王州が裏から手を回して回収しちまうぜ。おまけにあんたには前科が付く。マイナスしかねえって訳だ」

黙り込む金庭に悠太は続けた。

「第一だ。王玉を奪われたくねえなら、予選会に勝てばいい。そうすれば王玉は手元に残るし、録音も回収出来るし、俺を黙らせる事も出来る。悪い取引じゃねえ筈だぜ?」
「・・・」

悩む金庭に

「一応言うが、あんたが言ってた王玉の邪気に関する事も、聞いてたぜ」
「な!?」
「邪気は人に移せばそいつは死ぬが消える。だったか?」

絶句する金庭に

「お願いを聞き入れないって言うなら、俺は「王玉の邪気をハヤテに移そうとした」って嘘をつく。分かってると思うが、ここには三千院家・天王州家・神尾崎家がいる。そいつらを敵に回せば、「何の罪も犯していない人間」を死刑にする事も簡単だぜ?その体験者になりてえのか?」

脅すような口調の悠太に

「分かったわよ。ただ、少し時間を貰うわ。予定外のゲームだから、考えておかないと」
「・・信じるぜ」

悠太はICレコーダーを渡し、

「バックアップはねえから、安心しな。ただし」
「ちゃんとやるから安心して」
「・・悪かったな。脅すような事をして」

深々と頭を下げた後、部屋を出て行った。

「さてと」


                   × ×


それから数十分後。
生き残った参加者は全員ホテルのカジノスペースに集まっていた。

「あの、金庭さん。全員招集をかけて、これから一体何を」

ヒナギクが代表して聞くと、全員集まっている事を確認した金庭が

「明日、「最後のオリエンテーション」を開催するわ。ただ、それには生き残りが多すぎる。だから、今から予選会を開催するわ」

金庭の言葉に悠太以外はざわついた。

「予選会は「強制参加」拒否したり辞退したら、その時点でその人は失格。勿論レベル5からって意味よ」

驚く面々を無視する様に続けた。

「予選会で行うゲームは「ポーカー」よ」
「ポ、ポーカー!?」
「ええ。一斉参加のポーカーを行い、配られたチップが尽きた者は失格。こちらが定めた人数に減るまで、続けるわ」

様子を見つつ金庭は続けた。

「予選会を突破し、「最後のオリエンテーション」に参加出来る人数は・・・」

指で数を示すと、またざわついた。

「そう、5人よ。この中の5人だけが予選会を突破出来る。つまり、優勝したければこの5人に入る事ね」
「な、なんか、少なすぎませんか?」

ヒナギクが苦言を呈したが

「別にそうでもないでしょ?妥当だと思わない? 何かしらのランキングでも「トップ5」が基本的に多い。それを適用しただけよ」

正論なのだが、

「だ、だがな。ポーカーって」
「それって何というか」

不満そうなカユラと泉に

「俺は良いと思うぜ」
「「え!?」」
「落ち着いて考えて見ろよ。お前さん達2人が天王州や神尾崎達とまともにやり合って、勝つ見込みはあるか?」

悠太の言葉にカユラも泉も黙り込んだ

「他の奴らだってそうさ。ここには圧倒的な強者が何人か残ってる。そいつらと正面からだろうが不意を突こうが、戦って勝つには難しすぎる。寧ろ不可能な領域だと、俺は思うぜ」

アテネや綾子の強さを十二分に知っている面々は黙り込んだ。

「だがポーカーなら、白皇に通っている以上見込みは大いに出て来る。 ポーカーは運の要素も確かに必要だが、それ以上に「心理戦を制する事」にある。普通に戦うより、勝率は上がるって訳さ。戦闘力が無い面々でもな」

悠太の言葉に同調する面々も出てきて

「悠太君の言う通りだよね。私じゃ理事長さんや綾子ちゃんと普通に戦うんじゃ絶対に勝てない。でも、ポーカーを頑張れれば、勝てる気がする」
「ま、悠太っちの言う事も一理ある。やってやろうじゃないか」

泉とカユラの言葉を発端に全員が同意した。

「ってな訳だ。仮面の戦士、その仮面を外してくれ。仮面をしたままじゃ、さっき言ったポーカーの醍醐味が無くなるだろ?」

悠太に言われた仮面の戦士は少しの間迷った素振りを見せた後、仮面を外した。
すると

「す、水蓮寺ルカだ!!!」
「やっぱお前だったか、ルカ」

仮面の戦士の正体はルカであり、一部の参加者以外は驚いていた。

「やっぱり、ナギ達には気付かれたみたいだね。結構自信あったのにな。しゃべらない様にしてたし」
「気付くよ。仮面以外の変装してないし」
「ま、そりゃそうだね」

楽しそうに話すナギとルカに対し、ルカと親しくて変装を見破ってた参加者以外は驚きから少しだけ回復し

「ど、どうしてここに居るんですか?確か、「遅めで長めの夏休みを取った」はずなのに」
「まあ、ちょっとね。詳しい事は内緒」
「は、はあ」

納得出来ない面々にルカは

「後でサインと握手してあげるから、詳しい事を聞くのは無しね」
「え!?じゃあ、分かりました」

この場にはルカのファンも多くいるので、ルカへの追及は終わった。
すると

「話は纏まったみたいね。では、例の物を」

金庭が指示すると、黒服の皆さんがかなり大きな円卓を運び入れた。
その準備中

「ねえ悠太」
「何だ、ハヤテ」
「あのテーブルにある王玉、金庭さんのだよね」

ハヤテが指さす先のテーブルには、金庭が耳につけていた王玉が厳重に置かれていた。

「みたいだな」
「まさか、この予選会って、悠太の発案なんじゃ」
「お、流石だな。その通りだよ」

ハヤテは「やっぱり」と言った顔をした。

「ちょっと強引な手を使ったが、提供してもらった。まあ、回収するには勝たなきゃいかんがな」
「ああ、そう。ま、頑張ろうよ」
「おう」

話し終わると、丁度準備が終わった。

「さあ、それぞれ席についてください。「予選会ポーカー」を始めます」

参加者は1人1席に座った。
それぞれの席はボードで仕切られていて、直ぐ隣の人でも手元以外は見える様になっていた。

「ポーカーのルールを知らない人は居ますか?まあ、いないと思いますが」
「あの。ルールは知ってるけど、役があんまり」
「ああ、それなら平気よ」

泉が手をあげて質問すると、金庭が1人分のスペースの端を指さし

「そこに簡単な役の例が出てるわ。それを参考にして」
「あ、はい」

もう質問は無いようなので、黒服がチップを配った後、ディーラーの人が来た。

「因みに、このチップはボードゲームのチップよ。つまり、こっそり持って帰っても「価値はゼロ」だから、意味は無いわ」

この言葉に雪路が不満そうにチップをポケットから出した。

「さあ、始めましょうか」
「え!?あ、あの」
「何かしら?」

席に座っている金庭にヒナギクが声をあげた

「金庭理事も参加するんですか?」
「ええ、そうよ。今までは見てるだけか、裏から指示を出すだけだった。私も参加したくなったのよ。悪い?」
「そ、そう言う訳では」

しどろもどろになるヒナギクに対し、雪路は焦り始めていた。


「因みに、私が5人に残っても、賞金の獲得権は無いわよ。だから安心して」

この言葉に明らかに安心していた。

「さあ、始めるわよ」

そこから息をのむようなポーカー大会が始まった。
全員鬼気迫る物があった。なぜなら、トップ5に入れないと失格になってしまうからだ。
それはつまり、「賞金獲得の可能性がゼロになる」っと言う事だからだ。

長めの戦いとなったが、決着はついた。
果たして生き残った5人とはだれなのか?

それは・・次回にて


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月12日更新) ( No.68 )
日時: 2018/12/12 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、最後のオリエンテーションへの参加権をかけた予選会が開催され、無事に決着がついた。


生き残った5人。
それは、チップが多い順にハヤテ、アテネ、綾子、悠太、そしてルカである。

「何と言うか、あれだな」
「ああ。妥当と言うべきメンバーが残ったな」

見物に来ていた美希と理沙が何とも言えない気持ちで感想を述べていた。


「流石ハヤテ様ですわ♪予選会をトップで突破だなんて」
「コラ、神尾崎綾子!!ハヤテに抱き着くんじゃありませんわよ!!」

綾子は当然の様にハヤテに抱き着いており、アテネは怒りつつ引き剥がそうとしていた。しかし、綾子は意地でも離れなかった。

「運や心理戦でも強いなんて、流石ですわ。ハヤテ様が私と神尾崎家のトップに立てば益々安泰ですわ♪」
「何を言ってるんですの!!ハヤテは私と天王州家のトップに立つんですわ!!」

何を言っても無駄なので、ハヤテは無言を貫いていた。

その一方。

「金庭理事」
「・・何よ、真山君」

不機嫌そうな金庭に悠太が話しかけていた。

「約束は約束だ。この王玉はいただくぜ。文句はねえだろ?」

聞かれた金庭は少しの間無言を貫き

「私は今年、12年も付き合った彼氏にフラれたわ」
「え!?」

「結婚準備雑誌まで買って、本気だった。でも、フラれた。そんな時に、王玉が手に入った。王族の力があれば、現状を何とか出来ると思ったわ。詳しい事は知らないけど、天王州アテネや三千院帝が手に入れようと必死になった物だから、きっとね」

金庭は一旦切り

「私はどうしても力が欲しかった。例え、どんな犠牲を払ってでも。万人に憎まれ、蔑まれたとしても、力をね」
「なんであんたはそこまで王族の力を」

金庭は答える代わりに視線をある所に向けた。
その先には未だに喧嘩しているアテネと綾子がいた。だが、金庭の視線は明らかにハヤテに向けられていた。

「彼氏にフラれ、悲しみのどん底にいる時、理事の仕事で彼に会ったわ。彼は私が悲しみに暮れている事を本能的に感じ取り、優しくしてくれた。心がボロボロだったから、物凄く沁みたわ。元々ほんの少しだけ気になる存在だったってのもあって、気付いたら好きになってたわ」

「ま、まさかあんた」

「競争率が高すぎる。でも、王族の力があれば。そう思ったけど、もういいわ。その王玉は壊すなりなんなり、好きにしなさい。私には必要無いもの」

悠太は頭を掻きつつ

「まあ、何だ。あんたの恋が上手く行くと良いな」
「・・フンッ。また新しい恋を探すわよ。きっとどこかにあるはずだからね」

そう言うと、予選会の会場から出て行った。

その後、なんだかんだありつつ予選会の参加者達は各々散って行った。


                   × ×


場所は変わり、ホテルの外。

「ついにあと5人。明日で決着か」
「まあ、私達は既にリタイアしてるから、見守るだけだがな」

美希と理沙は話していた。
すると

「納得いくか〜〜〜」
「「うわっ、ビックリした」」

突然茂みから雪路が飛び出してきた。

「なんで私の負けなのよ!!!そのせいで2千万以上の借金を背負う羽目になったのよ!!」
「「そんな事我々に言われても」」

文句を言う雪路に呆れつつ

「雪路が悪いんだろ。ポーカーは心理戦だって、言われてたじゃないか」
「なのにお前は分かり易過ぎだよ。良い手が来ればニヤニヤし、悪い手が来れば落胆し。それが態となら立派な作戦だが、100%の確率で分かるんだもんな」
「そりゃ一番最初に失格するのも頷けるわな」

そう、予選会で一番最初に失格したのは雪路である。

「泉は分かり易い奴だと思っていたが、それ以上とはな」
「ま、金に貪欲になり過ぎたって事だ。頑張って借金を返すんだな」

2人の正論連発に雪路は

「こうなったら、誰かを不幸の巻き添えにしなきゃ気が晴れないわ!!!」
「「おいおい、止めておけ」」
「これはもう、綾崎様を不幸の巻き添えにしてやるわ!!!でないと納得いかないもの!!!覚悟しろ〜〜〜!!!」

そう言って駆けて行った雪路に

「終わったな、あいつ」
「ああ。ただでさえ理事長を激怒させまくってるのに、ハヤテ君に何かしようだなんて」
「理事長はハヤテ君に依存している。そんなハヤテ君に何かして無事で済む訳無いだろ」

2人で合掌し

「さて。私達は泉を慰めに行ってやるか」
「だな。優勝したがってたのに予選会で負けちゃったもんな」

2人はホテルにいる泉の元へ急いだ。


                   × ×


一方。

「まさか、神尾崎綾子まで生き残るとは」
「まあ、あの人も強いからね」

アテネとハヤテは一緒の部屋で話していた。

「明日のオリエンテーションで完膚なきまでに叩きのめしますわ。優勝は私ですわ」

メラメラと闘志を燃やすアテネに

「随分やる気だね。そんなに優勝したいの?」
「勿論ですわ!!!」
「ああ、そう」

闘志全開のアテネに

「まあ、頑張ってね。勝ち残っておいてあれだけど、僕は優勝する気はあんまりないし」
「フフッ♪ありがとうですわ」

綾子がいないので、アテネは全力でハヤテに甘えていた。

「(正直、賞金はどうでもいいですわ。優勝してハヤテにいっぱい褒めて貰うのは、私ですわ)」

ハヤテに子猫の様に甘えつつ、こんな事を思っていた。


                   × ×


一方。

「まさか悠太が生き残るとはな」
「なんか、すまねえな。サポートするって言っておきながら」

ナギと悠太も話していた。

「別に謝る必要はあるまい。精一杯やった結果だ。大人しく受け入れるしかないだろ」
「そうか」

「でも、悔しいです。ナギだってそうでしょ」

急に声がしたので、声のした方を見ると伊澄がいた。

「お前、何時の間に」
「負けは認めるけど、やっぱ悔しいわ。だって」
「お嬢様が7位で伊澄が6位だからか?」

伊澄は頷き

「ギリギリで負けるなんて、悔しさは一入よ。優勝したかったのに」
「まあ、お前の事だ。私と一緒で金が目的ではないんだろ?」
「ええ」

悔しさを滲ませている伊澄に

「結果は結果だ。私達は悠太かハヤテを応援しよう。な?」
「分かってるわ。頑張ってくださいね」
「ああ。ここまで来た以上優勝を狙ってみるか」


                   × ×


一方。

「まさかルカがこの修学旅行に参加してるなんてな」
「しかも「仮面の戦士」としてな」
「まあ、ちょっとね」

千桜、カユラ、ルカは集まってお茶しながら話し込んでいた。

「ってか2人は気付いて無かったの?ナギや悠太君達は気付いてたのに?」
「いや、気付いてはいたさ。謎の「仮面の戦士」はルカじゃないかって」
「でも、「まさか」ってのが強かったから、確証が無かっただけさ」
「ふ〜ん。ま、良いけど」

多少の不満は残るものの、嘘は言って無さそうだったので、不問にした。

「でも、どうやって参加したんだ?お前、白皇生じゃないし」
「アテネにお願いしたんだよ。修学旅行の話を聞いて、参加したいって言ったら「理事長権限の特別枠」を用意してくれたから、それでね。色々な所に働きかけて、仕事の都合もつけてくれたし」

千桜の質問に答えると2人は納得し

「でも、何で参加を表明したんだ?巨乳先輩に頼んでまで」
「・・お金」
「「え!?」」

カユラに聞かれたルカの答えは予想外で、驚いていると

「賞金が1億5千万円って聞いたから、無理を承知でアテネに頼んだんだよ。他にも目的はあるけど、やっぱりお金が欲しかったから」
「「な、なんでまた」」
「幻滅するのは勝手だけど、私利私欲の為じゃないよ。どうしても必要な理由があったから」

ルカの表情から、2人は何となくで「ルカが大金が必要な理由」を察した。

「じゃあ、頑張れよ。応援してるぞ」
「本当は私も千桜も優勝したかったが、仕方ない。私達はお前さんを応援してる」
「目指せ優勝だ」

千桜とカユラに激励され、

「頑張るぞ〜。負けないよ。特にアテネと神尾崎さん!!」

闘志を燃やすルカに千桜もカユラも笑みをこぼした。


                   × ×


一方。

「「残念だったな、泉」」
「うん。でもしょうがないよ」

予想に反して、泉は何時も通り笑顔だった。

「一生懸命やった結果だし。悔しいけど、仕方ないもんね」
「そっか。でも、お前は凄いよ」
「ああ。なんたって8位だもんな」

そう、泉は強者達に食らいつき、予選会8位と言う結果を残していた。

「極めて僅差だったが、愛歌さんに勝ったんだ。そこも誇っていいと思うぞ」
「ああ。愛歌さんは9位だったからな」
「エヘヘ//////////」

照れつつ喜ぶ泉だったが

「でも、やっぱり勝ちたかったな。優勝したかったから」
「「元気出せ。幾らでも慰めてやる」」
「ありがと。でも、大丈夫だよ」

落ち込んだ様子は無いので、

「そう言えばさ。お前は何で優勝したかったんだ?何となくで分かるが」
「あれ?言わなかったっけ? まあ、いいや。優勝してハヤテ君にいっぱい褒めて貰いたかったからだよ。優勝すればいっぱい褒めて貰えるし、私への好感度も上がるし。だからだよ」

泉が言うと美希が

「やっぱお前もか」
「「え!?」」
「私の調べでは、この「修学旅行レベル5」に参加した女子生徒の大部分が「ハヤテ君に褒めて貰い、見直してもらう為」って目的があるらしいからな。泉と一緒でな」

泉は「やっぱり」っと思っていた。

「まあ、流石に過酷だから「日本に帰ってからまた考えよう」ってリタイアしたみたいだがな」
「「ふ〜ん」」





こうして夜は更けて行った。
修学旅行レベル5もついに佳境だ。
果たして、生き残った5人のうち優勝するのは誰なのか!?


あ、因みに。
回収した王玉は悠太がハヤテに渡し、ハヤテが破壊しました。
更に、美琴が持っていた王玉を壊した事は、既に報告しています。


王玉の残り・・・3個。



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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月15日更新) ( No.69 )
日時: 2018/12/15 12:25
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、予選会後、各々の夜は過ぎて行った。


翌朝。

「参ったね、こりゃ」

悠太は空を見上げながら、途方に暮れていた。

「方向感覚には自信があったんだが。どこだ、ここ」

思わず呟きながらここに来る前の事を思い出していた。


                   × ×


「諸君、よくぞここまで生き残った。これから最後のオリエンテーションの説明をするわ」

金庭が昨夜泊まったホテルのロビーで生き残った5人に話していた。

「これから向かうのはグランドキャニオン。そこに1千万円の金貨が隠されてるから、それを探し出してもらうわ。その金貨を獲得した者こそ、「修学旅行レベル5」の優勝者よ。つまり、賞金1億5千万円の獲得者って訳ね」

5人の様子を見つつ、金庭は続けた。

「ある程度の公平さを出す為に、5人は別々の場所からスタートしてもらうわ。そこから金貨の隠し場所を探し出し、金貨を獲得する。それだけが最後のオリエンテーションのルールよ。勿論、途中でリタイアするのも自由だから、迷子になるなりしてリタイアすれば黒服の方々が迎えに行くわ。言っておくけど、それなりの仕掛けも用意してあるから、用心する事ね。以上」

説明を終え、外に出ると5台のヘリが待機していたのでそれぞれ乗り込み、出発した。


                   × ×


到着するとヘリを降ろされ、軽く労いの言葉をかけるとヘリは行ってしまった。
っと言う訳で、悠太はグランドキャニオンで迷っていたのである。

「こんなだだっ広い所からどうやって探せばいいんだ?手掛かりなんかねえし」

こんな風に考えながら歩いていると

「お嬢様か千桜辺りが生き残ってたら「フィールドだけが広いオープンワールドのゲーム何て苦痛なだけだ」って文句言いそうだな。・・俺も言いてえけど」

暫く歩いても変わり映えの無い景色に一旦立ち止まり

「一応グランドキャニオンの地図は予め貰ってるけど・・意味ねえな、こりゃ」

地図はグー○ルアースの様な航空地図で、結構上空からの地図なので現在地を把握するのは困難だった。

「やれやれ。退屈で眠くなってきたよ。金庭理事の言ってた仕掛けとやらに出会えれば、退屈も凌げるんだろうけどな」

退屈過ぎて大きめの独り言でも言わないと益々眠くなるので、こんな風にしゃべってます。

「っとはいえリタイアするのもな〜。「迷子になったからリタイアした」何てお嬢様に怒られそうだし。おまけにまだ誰もリタイアしてないし」

コンプレーターの数値は「5」のままなので、他の参加者も同じ様に探している事は容易に想像出来た。

「これがロープレのフィールドならどこかの評価サイトで「クソゲー」扱いされるな、こりゃ。敵味方問わず誰とも会わない広いだけのフィールドの中から重要アイテムを探すミッションがあるからって」

愚痴りつつも歩き続け、少しでも地図にある岩場に似ている場所を探し、途中でも愚痴も飽きたので無言で歩き続けた。


                   × ×


2時間程歩いたが、やはり手掛かりは得られず、

「太陽の位置と大体の時間で方角だけは分かるが、現在地が分からねえと無意味だよな〜」

流石に少しだけ疲れたので、座れそうな岩に腰かけて愚痴を再開していた。

「仕方ねえ。どこか登れそうな場所を探して、そこから現在地を把握してみるか」

こう決意し、登り易そうな場所を探して歩き始めると

「ん!?あいつは」

少し高い位置に人を見つけ、駆け寄ってから

「おい、ツグミ」
「ん!? ああ、あんたね。真山悠太君」
「何やってんだ、ここで」

聞いても答えないので、周囲を見ると

「まさかと思うが。「遭難してしまい、棒を立てて現在位置を知ろうとしたが、無意味なのが分かって途方に暮れていた」って言うんじゃ」

ツグミの傍に日時計があったので、一応聞いてみると、ツグミは益々黙り込んだ。

「・・図星か」
「煩いわね!!!そうよ、貴方の言う通りよ!!!文句あるの!!!」
「無いよ。俺も迷子だし」

謝りつつ悠太が言うと

「言っておくけど、一緒じゃないわよ。なぜなら、あそこ」
「ん!?ああ、栗鼠か。ここの栗鼠は狂犬病を持ってるから気をつけろよ。噛まれたりしたら6時間以内に血清をうたなきゃならんが、ここじゃ難しいから気をつけろよ」

悠太は注意のつもりで言ったが

「まさか、今の豆知識を言いたかったんじゃ」
「・・・」
「また図星か。なんか、すまん」

悠太が謝ると

「何なのよ、もう。折角目的があってこんな所まで来たのに。グランドキャニオンは広すぎよ」
「な、泣くなって。フォローになってねえけど、ここは毎年10人位行方不明になるらしいし」
「・・ならいいわ」

思いの外慰めになったようで、ツグミは元気になった。

「ってか、何だよ、目的って」
「・・終わったら話してあげるわよ。貴方だけに話してもしょうがないし」
「ああ、そう」

悠太はこれ以上追及せず

「で、なんか当てはあるのか?俺は今持ってない携帯とか」
「期待に反する様で悪いけど、無いわよ。携帯も当ても」
「八方塞がりか」

悠太は腕を組んで少し考えた後

「やっぱり、適当な所を登るしかねえな。高い所からだと、分かるかもしれねえし」
「・・そうね。それが一番ね」

辺りを見渡すと、丁度登り易そうな場所を見つけ

「大丈夫か?何なら俺がおぶって登ってもいいし」
「結構よ。1人で登れるわ」

そう言って登り始めようとしたので

「・・俺が先に登った方が良いと思うぜ」
「?? 何でよ?」
「だって、ほら」

言い難そうな悠太に、ツグミは自分がスカートなのに気付いた。
当然赤くなってスカートを抑え

「見、見たいの?」
「見ない為に言ったんだろ。これでも配慮したつもりだぜ」

ツグミは口を尖らせ、不満げな表情を見せたが、一応の配慮もあったので、文句を言わなかった。

結局、悠太が先に登り、その少し後をツグミが続いた。

「なんか、スルスル登るわね。断崖絶壁って訳じゃ無いけど、登り難いのに」
「まあ、鍛えてるからな。怪物クラスが多いせいで目立たないだけで、俺も一応は強い部類に入るし」
「ああ、そう」

半分ほど登ると、ツグミは嫌が追うにもある事に気付いた。
少しずれてるとはいえ、悠太は下にいるツグミに小石や砂ぼこりが落ちない様に配慮しつつ登っているのである

「・・あんた、天然何とかって言われるでしょ」
「それはあいつの専売特許だよ。あいつの影響を受けてる部分もあるけどな」
「ああ、そう」

ツグミは少し呆れつつも悠太に次いで登って行った。

話すと疲れるので、2人の会話は殆ど無く、悠太が文句や嫌な顔をしないので、ツグミも自然に文句が出なかった。

そして暫くの苦労の末、無事に崖を登り切った。
・・が

「何処よ〜、ここ〜」

ツグミは大声で文句を言うと、木霊して何度か聞こえた。
一方の悠太は予め貰っていた地図を取り出し、真剣に周囲と地図何度も見比べていた。

すると

「たぶん、現在地はここだな」
「え!?分かるの?」
「大体な。目印に出来そうな岩の形とかで判断した」

ツグミは地図の悠太が指さしている場所と周囲を見比べ、悠太の憶測は正しいだろうと思えた。

「でも、現在位置が分かってもゴールが分かんなきゃ意味ないんじゃないの?」
「それなんだよなあ」

悠太は頭を掻きつつ地図を見る角度を変えたり、日に透かしてみたりした。
すると

「ん!?」
「何よ」
「成程な。地図自体にも仕掛けがあったか」

地図を日に透かして見ると、ゴールを示す場所が浮かび上がっていた。
それは、日に透かさないと見えない仕掛けになっていた。

「良く考えたわね、こんなの」
「だな。で、どうする?」
「何をよ」

聞き返すと、悠太は少し間を空け

「一緒に来るかって意味で聞いたんだよ。ここに居てもまた迷子になるかもしれねえぜ。ゴールまで行けば誰かいるだろうし、ほぼ確実にグランドキャニオンから帰れるだろうし」
「・・エスコートしなさいよ。あんた、執事でしょ?」
「了解」

2人は判明したゴールに向けて歩き出した。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月15日更新) ( No.70 )
日時: 2018/12/18 08:00
名前: ささ

天然ジゴロはハヤテの専売特許って…、否定はしないが。もし、悠太がハヤテ並みだったら今頃「想い」は成就しているだろうしね。
ツグミあんただって「天然」じゃないか(自分がスカートであることを忘れている)誰かさんのようにスパッツを穿いているわけじゃあるまいし
まぁ、悠太は不動産屋の息子なだけあるね…地図読めなきゃシャレにならないし。

理沙と美希は>68の雪路の言動をアテネに報告すれば理事長権限で動画研究会の部費アップくらい出来たのでは…
(雪路に限らず)ハヤテを亡きものにせんとしてしているなんてデマを白皇で流したら首謀者闇に葬られるのでは?仮に雪路だった場合まず、天王州アテネ、神尾崎綾子、三千院ナギ、クリスティーナ・ディキソン、時任麗から命を狙われ、次に実妹から正宗片手に追いかけ回され、瀬川(兄)にも狙われる
だろうな。その気があればルカだってファンに首謀者襲わせることだって可能かもね。
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Re: 女神と共に第四部 (12月18日更新) ( No.71 )
日時: 2018/12/18 17:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 ルカ「感想ありがと〜♪」

 >>天然ジゴロはハヤテの専売特許って…、否定はしないが。

 ハヤテ「そ、そんな事は無いと思いますが」
 悠太「良く言うよ。色んな女性に好かれまくってるくせに」
 メイド長「少し位は自覚してほしい物ですね」

 >>もし、悠太がハヤテ並みだったら今頃「想い」は成就しているだろうしね。

 悠太「そうか?まあ、俺は好きな人が幸せならどっちでもいいけどな」

 >>ツグミあんただって「天然」じゃないか(自分がスカートであることを忘れている)誰かさんのようにスパッツを穿いているわけじゃあるまいし

 ツグミ「べ、別に私は天然じゃないわよ。焦ってたから忘れてただけよ」
 悠太「ヘイヘイ」

 >>まぁ、悠太は不動産屋の息子なだけあるね…地図読めなきゃシャレにならないし。

 悠太「まあな。でも、「何でも出来る人」って言う設定を活かした場面でもあったんだけどな」
 ツグミ「だからってあの場で分かるのは相当だけどね」

 >>理沙と美希は>68の雪路の言動をアテネに報告すれば理事長権限で動画研究会の部費アップくらい出来たのでは…

 理沙「別に報告せんでも大丈夫だろ」
 美希「あいつなら間違いなく行動するし、あの理事長がその手の事で感付かないのはありえないし」

 >>(雪路に限らず)ハヤテを亡きものにせんとしてしているなんてデマを白皇で流したら首謀者闇に葬られるのでは?仮に雪路だった場合まず、天王州アテネ、神尾崎綾子、三千院ナギ、クリスティーナ・ディキソン、時任麗から命を狙われ、次に実妹から正宗片手に追いかけ回され、瀬川(兄)にも狙われるだろうな。

 アテネ「誰であろうとも、ハヤテにそんな事をするなど、言語道断ですわ」
 綾子「一生をかけて、後悔させ続けて差し上げますわ」
 ナギ「だな。簡単には死なせはしないさ」

 クリス「I will show the hell to opponent(私は相手に地獄を見せるわ)」
 麗「まあ、私じゃちょっと難しいかもね」
 ヒナギク「私の武器は「村正」だからね。正宗なんて知らないわよ」

 >>その気があればルカだってファンに首謀者襲わせることだって可能かもね。

 ルカ「私はどうだろ。ハヤテ君との関係を聞かれたら誤魔化すの難しそうだし」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (12月18日更新) ( No.72 )
日時: 2018/12/18 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、優勝を懸けた「最後のオリエンテーション」が開始された。


「グランドキャニオンって、広いんだね」
「ええ」

ハヤテとルカは一緒にいて、歩いていた。

「こんなに広いのに、ゴール以外で会えるなんて、やっぱり運命だよね」
「は、はあ」

2人は間違いなく別々の場所からスタートしたのだが、偶然にも歩いていたら会ったのである。

「やっぱり、私達は結婚すべき運命だよね」
「は、はあ」

ルカはハヤテと出くわした時から現在進行形で抱き着いています。

「それにしても、地図はあるけどゴールは何処にあるんだろうね。書いてないし」
「地図の仕掛けならもう分かってますよ。なのでもう既にゴールに向けて歩いてますよ」
「え!?ど、どういう事?」
「地図を日に透かして見てみてください。謎が解けますよ」

言われた通り日に透かすと、ゴールを示す地点が浮かび上がっていた。

「ほえ〜。成程」
「実は言うと、地図を貰った時点で直ぐに分かっちゃったんですよね」
「流石ハヤテ君。有能だね」

感心しつつ

「それにしても、金庭さんが言ってた「それなりの仕掛け」って何だろうね」
「それは流石に分かりませんね。まあ、ゴールへ向けて歩いていればそのうち出くわしますよ」
「だね〜」

こんな風に話しつつ歩いていると

「な、何、あれ」

2人の目の前に橋が出現し、その直ぐ側に「金貨に続く橋はデポジット(1千万円)を置くと渡れるよ♪」と言う看板と共にデポジットを置く為であろう機械も置かれていた。

「ねえハヤテ君、デポジットって?」
「デポジットは保証金の事ですよ。何かサービスを利用する際、「預り金」っとして支払って、終了後に返還されるお金ですね」

説明した後、少し考え

「例えば、スーパーとかでカートを借りる際、100円硬貨を決められた場所に入れると借りられて、返すべき場所に返すと100円硬貨が戻ってくるって言うあれです」
「成程ね〜。それなら私も使った事あるや」
「まあただ、それはトラブルがあった際は戻ってきませんけどね」

一応注意しつつ

「って事は、この機械に1千万円を置いてもちゃんと帰って来るって事かな?・・なんか嫌な予感はするけど」
「恐らく、その予感は当たってると思いますよ」

そう言いつつハヤテは橋を見つめ

「たぶんですが、「どうせ返って来るから良いだろう」みたいなノリで借りて、渡り切った後で橋が壊れて「橋が壊れたらデポジットは回収します」ってなって「借金だけが残る」ってオチかと」

ハヤテの勘は良く当たる事をルカは知っているので、言い返したりしなかった。

「って事はさ、あそこにあるATMは完全な罠って事だね」
「ええ。恐らくは」

2人の視線の先にはコンビニとかに置いてあるATMが置かれていて、「このカードのみでご利用可能です」っと言う注意書きと共に「うしじまカード」が数枚置かれていた。

「じゃあどうするの?ジャンプして届くような距離じゃないし、この谷は深そうだから降りてまた登って何て事やってたら、日が暮れちゃうし」

ルカの言う通り谷はかなり深く、降りられなくはないが谷底まで下りて反対側を登るっと言う事をしてたら間違いなく負けてしまうっと容易に想像出来た。

「かと言って回り道はね〜」
「大丈夫ですよ。僕に任せてください」

ルカが首を傾げていると、突然ハヤテにお姫様抱っこされた。

「え!?え!?//////////////////////////////////」
「しっかり?まっててくださいね」
「は、はい/////////////////////////////」

ハヤテは助走をつけると思いっきりジャンプした

「うわああああああ。落ちる〜〜〜〜」

悲鳴を上げるルカに対し、ハヤテは特に表情を変えず、空中で守護光速拳を発動し、空中でジャンプした後見事に反対側に渡った。

「す、凄い。空中で跳ねた。 これって、ワン○ースでもあったよね」
「ええ。ただ、僕のは「2段ジャンプ」ですけどね。1回しか跳ねられませんし」
「こんな事出来るなんて、流石ハヤテ君」

降ろして貰った後再び抱き着きつつ褒め称えていた。

「まあ、この必殺技を発動中にしか出来ない荒業ですけど、何とかお金を使わずに進めましたね」
「だね。じゃ、急ごっか」

走り難いのでルカは離れ、2人は走り出した。


                   × ×


暫く走ると

「なんか、またあったよ」
「ええ」

2人の目の前に「バイナリーオプション風現金倍々ゲーム」っと言う立て看板と共に機械が置かれていた

「なんか、見た事あるよ、これ。確かこれって「矢印が上下どちらかに行くか当てるだけでお金がもらえる」だったかな」
「ええ。予想が当たればお金は倍になりますが、外れたら帰って来ないって言うあれです」
「また都合よくATMがあるよ。やれって事だね」

ルカは呆れつつ溜息もはき

「でもさ、「10回プレイすると金貨へと続く扉が開きます」って注意書きがあるけど、扉なんか無いよ。こう言うのって、誰かが開けた後その誰かが通過すればしまっちゃうはずなのに」

首を傾げるルカに対し、ハヤテは扉があるはずの場所の下に転がっている残骸を拾い

「(これは恐らく、注意書きにあった扉の残骸だろうな。この見事なまでの切り口、そして正確に切り裂かれてる所から察するに、神尾崎さんが先にここに辿り着いて、あの四神剣で壊したんだろうね)」

残骸の状態で全てを察し、

「まあ何はともあれ、先に行きましょう。また幸い、お金を使わずに済みましたし」
「そうだね。若しかしたら、もう誰かが来てるかもだし」

2人はまた駆けだした。

洞窟みたいな通路を少し進むと

「またまたあったよ」
「良く考えますね、これ」

2人の目の前にはカジノに置いてあるようなルーレット台が置かれていて、「レバレッジ100倍ルーレット」っと言う貼り紙が台に貼ってあった。

「ねえハヤテ君、レバレッジって?聞いた事あるんだけど」
「簡単に言うと、「少ない元手でも大きく投資出来る」って事です」
「って事は」
「1万円賭けた場合、負けたら100万円の借金を背負う羽目になる。って事です」

ハヤテに説明に身震いし

「こ、こんなの、やる必要は無いよね?」
「ええ、勿論」
「前2つは「勝つ為には必要」だったんだろうけど、これは流石に・・」

ルカは「やれやれ」っと言った感じで首を横に数回振り

「でもさ、仮に1千万円の金貨を手に入れて、これに挑戦したとしたら・・まあ、やらないけどさ」

ルカは一応考えつつ

「10億円分の勝負が出来ちゃうって事だよね?・・やらないけど」
「ええ。仮に挑戦した場合、赤か黒に賭ければ2倍、数字をピンポイントで狙った場合は36倍ですね。ただ、これには「100倍のレバレッジ」が懸かっているので」
「赤か黒に賭ければ200倍。じゃあ、1千万円を賭けて勝てれば・・やらないけど」

ルカに「ルーレットに挑戦する気」は全く感じられなかったが、驚いていた。
っとそこに・・

「1千万円賭けて勝つ事が出来れば、20億もの大金が転がり込むって事ですね〜♪」

突然した声に驚いて、声のした方をハヤテもルカも見ると

「「マ、マリアさん!?」」

日本の三千院家で留守番中のマリアさんが現れた。

「「な、何でここに」」
「フッフッフ〜♪RPG的に言うと、「ラスボス出現」って事ですよ〜♪」

なぜかノリノリで言い切った。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月18日更新) ( No.73 )
日時: 2018/12/20 08:22
名前: ささ

うっかり原作のヒナギクの武器と勘違いしていた。
とはいえハヤテに危害を加えんとするなら実姉といえども容赦なく村正で成敗するでしょ?
ルカに、ソニアが出てきているのだから、今更マリアが出てきてもおかしくはない。ていうより、ハヤテ・アテネ・綾子が残っている以上釣り合いの取れる相手はマリアくらいでしょ!
(既にリタイアしているであろうナギを罵るために来ているのでしょうが)
ルカが羨ましい(女性キャラの気持ちを代弁しました)
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Re: 女神と共に第四部 (12月21日更新) ( No.74 )
日時: 2018/12/21 17:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 ハヤテ「感想ありがとうございます♪」

 >>うっかり原作のヒナギクの武器と勘違いしていた。

 ヒナギク「へえ。そうだったのね。まあ、良いけど」

 >>とはいえハヤテに危害を加えんとするなら実姉といえども容赦なく村正で成敗するでしょ?

 ヒナギク「まあね。「死なない程度に」制裁を加えるわ」
 雪路「・・こ、怖い」

 >>ルカに、ソニアが出てきているのだから、今更マリアが出てきてもおかしくはない。

 ルカ「いやいや。ソニアさんが来た事自体完全に予想外だからね。マリアさんが来る事はもっと予想外なんだよ」
 ナギ「だよな〜。現役の白皇生ならまだ分かるがな」

 >>ていうより、ハヤテ・アテネ・綾子が残っている以上釣り合いの取れる相手はマリアくらいでしょ!

 ナギ「だよな。あんな化け物達とある程度渡り合えるのはマリア位だよな」
 悠太「だな。あ、でも、天王州のお婆様なら大丈夫じゃねえか?」

 >>(既にリタイアしているであろうナギを罵るために来ているのでしょうが)

 理由に関しては今回で触れてますよ。

 >>ルカが羨ましい(女性キャラの気持ちを代弁しました)

 ハヤテ好きの女性一同「確かに、羨ましすぎる」
 ルカ「ふっふ〜ん♪」←ドヤ顔。


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (12月21日更新) ( No.75 )
日時: 2018/12/21 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテとルカは困難を乗り越えつつ金貨へ続く洞窟に辿り着き、そこにマリアさんが現れた。


2人は驚きつつ

「マリアさん、何故ここに!?」
「確か、日本で留守番しているはずじゃ」

「(負けて悔しがったり悲しんだりする貴方達を見る為ですよ〜♪)」

っとか思った人がいたらしいが

「暇だったからですよ〜♪日本で待ってるのも飽きましたから」
「「ああ、成程」」

マリアさんの答えに2人ともなぜか納得し

「では、ルール説明と行きましょうか」
「あ、いえ。私達はこれは・・」

挑戦する気の無いルカは手間を省く為に遮ろうとしたが、謎の恐怖を感じて大人しくルールを聞く事にした。

「この「レバレッジ100倍ルーレット」に挑戦出来るのは1回こっきり。こんな高額ルーレットに何回も挑戦されたらたまりませんからね」

一旦切ると

「(何回も勝負されて勝ちまくられた方が面白いんですけどね〜♪そうすれば学校が破産してそれはそれは面白い事になりますもんね〜♪そうすれば私のコレクションが♪ああ♪)」

っとか思った人がいたそうだ。

・・マリアさんは説明を続けた。

「賭けられるのはコイン1枚だけ。しかも、優勝条件である1千万円の金貨のみです」
「「って事は、つまり」」
「この先にある金貨を手に入れた者、つまり優勝者のみがこのルーレットに挑戦出来るって事ですね〜」

言い切ったマリアさんにハヤテもルカも言葉を失っていた。

「50%の確率で1千万円が20億に。面白いと思いませんか〜♪」
「「(なんか、楽しそうだな)」」
「ああ、因みに。天王州理事長と神尾崎さんは、もう既に先に進んでますよ〜」

マリアさんの言葉にルカは強めに反応し

「やっぱり、あの2人は先に来てたか。ハヤテ君、急ぐよ!!」
「あ、はい」

マリアさんから少し離れた所でハヤテはルカを呼び止めた。

「一応聞きますけど、ルカさんはあのルーレットに挑戦は・・」

「する訳無いでしょ、あんな危ないの。知ってるでしょ?私がお金で物凄く苦労したの。つまりはお金の大切さを知りまくってるって事。お金はギャンブルで楽して稼いじゃ駄目だよ。破滅の道しかないし。だから、あんなルーレットに挑戦する程愚かじゃないよ」

ルカの言葉にハヤテは安心し

「それを分かっているなら、良かったですよ。強引にでも止める手間が省けました」
「へ!?」
「ナギさんから聞いたんですが、マリアさんはあの手のギャンブルには異常な強さを持っているそうです。つまり、まともに勝負すれば勝てる訳が無いって事です」

ハヤテの言葉にルカもある結論に辿り着いた。

「つまりは「金貨を手に入れて欲を出した人間を引きずり込む沼」って事だね。ハヤテ君の言う通りなら」
「ズバリその通りです。さ、先を急ぎましょう」

幸い、2人の会話はマリアさんには聞こえていなかった。
因みに

「(フフフフフフフフフフフフフフ♪この私がこういう勝負で負ける訳無いじゃないですか〜♪つまりは私のコレクションが確実に増えるって事ですね〜♪そうなればもう♪ああ♪)」

とか思った人がいたそうだ。


                   × ×


一方のハヤテとルカは洞窟を進んでいた。
そして少し進むと

「またまたまたまた、何かあったよ」
「ええ」

ゲートの様な縁取りされた入口があり、その直ぐ側には今迄と同じATMがあった。

「これも仕掛けなのかな?ATMがあるって事は。 でも、お金を入れなきゃならないような扉なんて無いよ」
「・・・」

入口らしき場所の足元には先程同様残骸があり、ハヤテは結論を出していた。
すると

「恐らく、そこに「入場料を入れないと開かない扉」があったんだろうな」
「悠太。それにツグミさんも」

声がして振り返ると、悠太とツグミもここへ辿り着いていた。

「見ろよ、この見事なまでの切り口」
「さっき同じ様な瓦礫を見たけど、何なの、それ」
「たぶん、先に来た神尾崎が「こんなのにお金を出すなんてバカらしいですわ」っとか言ってあいつが持ってる専用武器で扉をぶった切ったんだろうな。だからこんな事になってるんだろうぜ」

ルカは綾子の強さをよく知らないので、「まさか」っと言った顔だった。

「まあ何はともあれ、先に行こうぜ。あの2人なら、既に金貨を手に入れている可能性もあるし」
「そうだね。急ごう」
「ええ」

4人はゲートを潜り、その先の通路も駆けた。


                   × ×


少し走るとドアがあり、開けると半球状の部屋だった。

「アーたんに神尾崎さん」
「ハヤテ様〜♪」
「ハヤテ〜♪」

2人は当たり前のようにハヤテに抱き着いた。

「2人とも、私のハヤテ君に抱き着かないでくれる?」
「何を言ってるんですの?私のハヤテ様ですわ」
「貴方こそ何を言ってるんですの?私のハヤテですわ」

激しく睨み合う3人に悠太は大きめの咳ばらいをし

「2人は何をしてたんだよ」
「ああ、そうでしたわね。あれですわ」

アテネが上を指さしたので、ハヤテ・悠太・ルカは見上げた。
するとそこには紐で結ばれた金貨がぶら下がっていた。

「あ、あれって若しかして」
「ええ。優勝者を決める金貨ですね。あれを手に入れられれば、優勝賞金を受け取れるって」

ルカの言葉にハヤテが直ぐに肯定する意見を言ったが

「でも、あんなに高いんじゃジャンプしても届かないよ」
「それにだぜ。この壁ツルツルしてるし、湾曲してるから登れねえぞ」

壁を触りつつ悠太が言うと、

「壁に青龍と朱雀を刺して登る事も考えましたが、崩れてきそうで」
「「え!?」」

壁の一部には剣で刺した様な穴が2つ開いており、試した事が分かった。

「じゃあどうするの?」
「「ん」」

アテネと綾子が指さした方を見ると、今迄のような機械が置かれていて、今度は「入れた札束と同じ大きさのレンガ製造機」っと言う貼り紙が貼られていて、その横にこれまた今迄通りのATMが置かれていた。

「こ、これで台を作れって事!?」
「冗談じゃねえぞ。こんなの1億や2億じゃ足りねえぞ」
「だね。それこそ十何億なんて量が必要だよ」

3人が意見を言うと

「だからこそ、どうするか考え込んでいたんですわ」
「あの機械でレンガを出すなんて、馬鹿らしいですし」
「罠以外何物でも無いですからね」

アテネと綾子の言葉に全員(ツグミ含む)頷いていた。

「でも、何とかしないと優勝出来ないよ」
「ですが、優勝出来るのは1人だけですわ。協力は・・」

ハヤテと悠太は兎も角、後の3人が協力するなどありえなかった。3人とも優勝したい気がありまくるからだ。

「「「う〜ん」」」

優勝したい3人は金貨を見上げ、腕を組んで唸りだした。
優勝はしたいが、レンガ製造機を使うのは意地でも避けたかった。っとはいえ名案が浮かばず、堂々巡りを繰り返すばかりだった。

「俺達はどうする?あの3人と違って特別優勝したい訳じゃねえし」
「え!?ああ、そうだね」

ハヤテは生返事を返しつつ、口に手を当てて考え込んでいた。
そんな様子に悠太はこれ以上声をかける事を止め、室内は静まり返っていた。

そんな静けさを破ったのは・・

「あのルカさん、ちょっといいですか?」
「何?忙しいんだけど」
「僕に考えがあります」

4人はハヤテに注目した。

「ルカさんは、優勝したいんですよね?」
「うん。賞金がどうしても欲しんだ。勿論、私利私欲の為じゃないよ」
「そうですか」

ルカが答えると、ハヤテは金貨の真下に行くと、バレーのレシーブの格好になり

「・・お分かりですよね?」
「・・うん。ハヤテ君をジャンプ台替わりにして、金貨を取れ。って事だね」

頷いたハヤテに

「でも、良いの?ハヤテ君は優勝出来ないよ」
「勿論構いませんよ。僕には優勝する気がありませんから」

ルカは少し考え、

「じゃあ、行くよ」
「はい」

ルカはある程度離れ、ハヤテに向かて助走をつけた。
そして組んだハヤテの両腕に足をかけ飛び上がろうと力を込めた。
ハヤテは守護光速拳を発動し、完璧なタイミングでルカを押し上げた。

ジャンプしたルカは「天井にぶつかる」何てオチは無く、金貨を無事にキャッチし、落ちて来た所をハヤテにお姫様抱っこで受け止められた。

「おめでとうございます。ルカさんの優勝ですよ」
「うん、ありがと。ハヤテ君のお陰だよ」
「いえいえ。ルカさんの頑張りですよ」

2人の甘々な空気に

「コラ!!!私のハヤテ様に何時までお姫様抱っこされてるんですの!!」
「私のハヤテから離れなさい!!!優勝したんだからもういいでしょ!!」

綾子とアテネに文句を言われたが、ルカはもう少しだけ甘々な空気を堪能し

「これで私の優勝だね」
「ま、悔しいですが認めてあげますわ」
「おめでとうございます。1億5千万円はルカの物ですわ」
「おめでとうさん」

皆に祝福され、嬉しいはずなのだがルカの顔はうかなかった。

「ルカさん、どうしたんですか?嬉しくないんですか?」
「嬉しいよ。でも、優勝賞金とこの金貨じゃあと1千万足りないんだよね」

ルカの言葉に、ハヤテ以外の3人は気付いた。

ルカは俯いたまま暫く考え込み

「ねえハヤテ君。ハヤテ君にお願いがあるんだ」
「はい?何でしょう?」


「この金貨を預けるから、「100倍レバレッジルーレット」に挑戦してよ!!」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月24日更新) ( No.76 )
日時: 2018/12/24 12:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、「修学旅行レベル5」はルカが優勝したが、そのルカが意外な事を口にした。


「え、えっと。ルカさん」
「もう1回言おうか?ハヤテ君がこの金貨で」
「そうではなくて、ですね」

ハヤテは一旦頭の中を整理し、

「何故、ですか?ここに来る前は」
「かっこいい事言ったくせに?って思うよね。でも」
「はい?」

ルカは俯いて少しの間黙り込んだ後

「足りないんだよ、賞金+この金貨じゃ。どうしても、合計1億7千万円が必要なんだよね」

金額を言われ、ハヤテはルカがお金を必要としている理由を察した。

「だから、ここに来る前の言葉は撤回する。勝負して、ハヤテ君。あのルーレットに」
「・・・」
「本当は私自身が勝負するべきなんだけど、ギャンブルなんてやった事無いし、「120%負ける」って分かってるからさ」

ルカは申し訳なさそうに言い、

「ハヤテ君って、こういう事にも強そうじゃない?だから、頼んだんだ。お願いだよ、ハヤテ君!!!」
「し、しかしですね」
「大丈夫。責任は全部私が持つよ。万が一負けちゃって借金を背負う羽目になっても、私が背負うから。元々私のお金だしね。それに、借金を背負う事には慣れてるよ」

自虐気味に言うルカにハヤテは少しの間考え込み

「分かりました。ただ、そのお願いを聞くには条件があります」
「え!?な、何!?体なら差し出すよ。臓器は駄目だけど」
「違いますよ。僕はそんな外道じゃありません」

冗談半分だったのだが、真面目に返されて罪悪感を感じつつも条件を聞く事にした。

「条件は、もし失敗した場合の責任は僕が追う事です。つまり、借金は僕が背負う。それが条件です」
「そ、そんな」
「成功した場合の利益は全てルカさんの物です。元々ルカさんのお金ですし。別に悪い条件じゃないはずですよ?」

俯いたルカにハヤテは

「この条件を飲めないのであれば、ルカさんのお願いとはいえ聞き入れられません。危険な賭けをする以上仕方ないと思いますが?」
「・・・」

黙り込むルカに敢えて誰も助け船を出さなかった。理不尽な条件では全くないからもあるが。

「分かったよ。条件飲むよ」
「では、成立ですね。行きましょうか」
「うん」

歩き出した2人について、アテネ達も部屋を出た。


                   × ×


「あら、勝負は決したみたいですね。では、始めましょうか」
「その前に、幾つか話が」
「・・・」

ハヤテはマリアさんとルーレットテーブルを挟んで向き合い

「この「レバレッジ100倍ルーレット」の勝負を受けるにあたって、条件があります。それを飲めないって言うのであれば、この勝負はしません」
「・・何でしょう」

この時、誰かの雰囲気が変わった事に本人以外は気付かなかった。

「まず、一投だけお互いに何も賭けずに球を投げ込む事です。つまり、2球目からが勝負、っと言う事です」
「・・・」
「そして、もう一つが「0と00の禁止、並びにコール後のベット位置の変更の許可」ですよ。これらの条件が飲めないのであれば、僕らは帰ります。レベル5の勝負はもうついてるのでね」

ハヤテが言い切ると、マリアさんは少しの間黙り込み

「ルーレット勝負をせずに帰ったら、困るんじゃありません?だって」
「言っておきますが、この先の部屋で「レンガ製造機」は誰も使用してませんわ」
「つまり、この場に「修学旅行レベル5」で借金を背負った者など居ない、っと言う事ですわ」

アテネと綾子の補足にマリアさんは黙り込んだ

「あの2人の言った通りです。誰も大量の借金を背負ってない以上こんな危険な勝負をするメリット等、0.1%だってありません。勝負を避けるのが当たり前なのに、敢えて勝負をしようと言ってるんです。別に理不尽極まりない条件って訳じゃ無いので、飲んでも損は無いと思いますよ?僕らが勝ったとしても、マリアさんにマイナスは一切発生しないんですからね」

ハヤテが言い切ると

「(良い度胸してんじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!この俺様と取引だと!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そんな条件なんざ飲むのはごめんだが、飲んでやろうじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズ野郎どもの条件をよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!てめえらの負けは既に決まってんだからよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

とか思った人がいたらしい。

「良いでしょう。ただ、条件を飲む為の条件があります。それは「変更は一度のみ。更にコインに触れた以上必ず変更しなくてはならない。つまり、変更するふりしてやっぱしないは無しって言う事ですね」いかがですか?」

マリアさんが言い切ると、

「分かりました。ただ、「球を投げ込んだ後のベット位置の変更」では勝負の面白みがないので、「球がマリアさんの指を離れる直前までなら変更してもいい」で良いですよね?」
「ええ、構いませんよ」

マリアさんが返事すると

「(愚かですね〜♪そんな条件を出した所で貴方達の負けは絶対的な決定事項だというのに♪何にせよ私のコレクションが増えちゃいますね〜♪ああ♪)」

とか思った人がいたらしい。

「では、話も終わったようなので始めますね」

後ろで一部始終を見守っていた悠太はここに来るまでの道中での話を思い出していた。


                   × ×


回想入ります。

「なあハヤテ、本当に勝負するのか?」
「どうして?」
「知ってると思うが、マリアさんはああいう勝負には異常な強さも持ってるし、それに・・」

悠太は一旦を切り

「お前が凄い奴なのは重々承知だ。でもな、賭け事となると」
「大丈夫だよ。普通に勝負するんじゃ勝てないけど、方法はある」
「え!?」

ハヤテはマリアさんにもした条件を話した。

「成程な。それなら・・いや、それでも不十分だぜ」
「大丈夫だって。それに、僕には秘策があるから」
「な、何だよその秘策って」
「内緒。ただ、それには高い集中力が必要だから、勝負が始まったら話しかけないでね」

悠太は少し考え

「分かったよ。信じるぜ」
「ま、安心して見守っててよ」

回想終わります。


                   × ×


「(本当に大丈夫なのかよ、ハヤテ)」

信じてはいるが、不安は消えなかった。


「では、一つ目の条件を満たしますね」

マリアさんが球を投げ込むと、黒の17だった。

「ここからが勝負ですね。では、賭けてください」
「・・分かりました」

ハヤテはルカから預かったコインを赤に賭けた。

「(笑いを堪えるのが大変ですね〜♪そんな真剣な顔しちゃって♪負けるのは既に決まっているというのに♪何にせよコレクションが増えちゃいますね〜♪ああ♪)」

とか思った人がいたそうだが、本人以外には気付かず

「では、行きますね」

マリアさんが構えると、ハヤテも身構えた。

「(だから♪あなたは負けるんですって♪無駄に身構える姿は滑稽ですね〜♪ああ♪)」

マリアさんが球を投げ込もうとしたその瞬間、ハヤテは動き

「「「「「「赤の14!?」」」」」」

てっきり黒に変更すると思いきや、1点賭けに変更したハヤテにハヤテ以外は驚いていた。

そして・・・

「「「「「あ、赤の14だ!!!」」」」」

見事なまでに的中させ、

「ちょ、ちょっと待って。確か、ルーレットの数字1点賭けって36倍だよね!?」
「おまけにこれってレバレッジ100倍。って事は」
「儲けは360億円って事ですわね」

驚くルカとツグミにアテネは多少は冷静に言っていた。

「すげえな、お前。まさか勝つとは。おまけにまさかの一点賭けだぜ」
「偶々だよ」
「いや、偶然じゃねえって、絶対」

ただただ驚く悠太とツグミに、アテネ・綾子・ルカはハヤテの凄さにうっとりしていた。





「(ふざけんじゃねえぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!なんで俺様に勝ってんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!折角てめえらが絶対に負けるような仕掛けをしたのに無駄になったじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!てめえらが負けて大借金背負う羽目になって落ち込んでる所をコレクションしようとしたのに台無しじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!俺様の楽しみの邪魔すんじゃねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!クズが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」





-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月27日更新) ( No.77 )
日時: 2018/12/27 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ハヤテはレバレッジ100倍ルーレットに挑戦し、見事に的中させて大金を獲得出来た。


最後のオリエンテーションも終わり、一行はホテルに戻って来ていた。

「お受け取りください。水蓮寺様が獲得された賞金・361億5千万円が入金されたカードでございます」
「・・・」

黒服が差し出す箱には高そうな布の上に置かれたブラックカードが置かれており、

「既に獲得されたお金なので、修学旅行終了後も返却の必要はありません。持ち帰って好きに使ってください」

ルカがカードを受け通ると、黒服は帰って行った。
ルカはカードを少しの間見つめた後

「ハヤテ君、受け取って」
「・・・」

「私が無理を言ってこの修学旅行に参加したのは、ハヤテ君への借金・1億7千万円を返す為だったの。ハヤテ君は「返さなくていい」って言ってくれたけど、やっぱりね。このお金はハヤテ君のお陰で獲得出来たものだし、ハヤテ君が受け取るべきだよ。だから、受け取って。ね」

カードを差し出しつつこう言ったルカに対し、ハヤテは受け取らず

「これはルカさんの物ですよ。受け取れません」
「で、でも」
「多すぎるってお思いかもしれませんが、ルカさんの将来の為に使ってください。きっと、何かの役に立ちますから」

笑顔でこう言うハヤテにルカは

「(私の将来の為って事は、ハヤテ君との結婚生活・子育ての為に使えって事だよね?プロポーズみたいで照れちゃうな)」

突然モジモジし始めたルカにハヤテは首を傾げるだけだった。

「もう、しょうがないなあ。受け取ってあげる」
「それはありがとうございます」

ルカはハヤテに突然キスすると

「明日の朝には帰るんだったよね?じゃあ私は千桜達と話してくるね」

そう言うと、ルカは部屋を出て行った。

ハヤテは椅子に座り、一息ついた。
すると部屋に訪問者が来たので入室を許可すると、悠太だった。

「どうしたの?」
「ちょっとな」

悠太はハヤテの向かいの席に腰かけると

「あのルーレット勝負で聞きたい事があるんだ」
「へ!?」
「お前、何であの条件出したんだ?おまけにあのマリアさんに勝ったりして。それについてもだ」

聞かれたハヤテは頭を掻きつつ少し考え

「悠太には本当の事を話しておくけど。実は僕、ルーレットはほぼ確実に勝てるんだ」
「・・へ!?」
「勿論イカサマじゃないよ。高い集中力が必要だけど、一投でも見ればそのルーレットの目を見切れるんだ。執事修行の中で気付いたら手に入れてた「超感覚」なんだよね」

普通なら信じる訳無いのだが、ハヤテの超人的な凄さを知り尽くしているので、不思議と疑う気が起きなかった。

「お前、やっぱ凄えな。じゃあ、一投だけ投げさせたのは」
「うん。見切る為と、イカサマチェックの為」
「イカサマって・・」

無いと否定出来ない悠太だった。

「まあなんにせよ、今夜で終わりだな」
「うん。明日の9時には出発だもんね」

2人で少し感傷に浸り、

「じゃあ、僕は外の空気吸って来るよ」
「おお。俺も部屋に戻るかな。聞きたい事聞けたし」

2人で部屋を出て(勿論施錠してから)、各々目的地に向かった。


                   × ×


一方。
ルカは千桜・カユラと話していた。

「まさかルカが優勝するとはな」
「私はてっきり綾崎君が優勝すると思ってたよ」
「ま、一応頑張ったからね」
「「何はともあれおめでとうな」」

意外に思いつつも千桜もカユラも素直に祝福した。

「で。ルカがこの修学旅行に参加したのはハヤテ君にお金を返す為だったんだろ?」
「うん、まあね」

ルカは思い出すように天井を見上げた。


回想入ります。

「え!?修学旅行に参加したい!?」
「うん」

出発前、ルカは千桜に修学旅行の詳細を聞き、アテネの部屋に来ていきなり切り出していた。

「なんでまた」
「こう言うと、幻滅するかもしれないけどさ、賞金が目当てなんだよね」
「え!?   ああ、そういう事ですか」

ルカの様子でアテネは色々と察した。

「普通なら白皇の生徒じゃない私は参加出来ないけど、理事長であるアテネなら何とか出来るでしょ?だから頼みに来たんだ」
「まあ、理事長権限を使えば何とかなりますし、貴方の仕事も天王州家の力を駆使すれば、何とかなりますが」

アテネは腕を組んで少し考え

「大丈夫なんですの?あなたは今をトキメクスーパーアイドル。そんなあなたが参加したら・・」
「パニックになるよね〜。ま、それは考えてあるよ」

そう言うと、ルカは修学旅行中につけていた仮面を取り出し

「これつけて出る。これなら勘の鋭い人以外には分からないでしょ」
「・・」

アテネは少し呆れ

「ま、しょうがないですわね。参加を許可しますわ」
「本当!?やった」
「ただし、優勝は私の物ですわ。そこんとこ、お忘れなきよう」
「望むところだよ」

回想終わります。


「ってな訳で」
「「な、成程」」

モヤモヤしていた事が晴れ、2人とも頷いていた。

「でもさ。受け取って貰えなかったんだろ?お金」
「うん。「ルカさんの将来の為に使ってください」って言ってね」
「随分あっさり引き下がったな。なんでだ?」

カユラが聞くと、ルカは頬をほんのり赤く染め、モジモジしつつ

「だって、私の将来の為って事は、ハヤテ君と結婚して、その後は私がハヤテ君との子供を産んで、育てて行くための資金に、って事でしょ?だからさ〜」

嬉しそうに言うルカに千桜もカユラも不機嫌になり

「おい、ルカ。ハヤテ君と結婚するのは私だぞ。ハヤテ君との愛の結晶を授かるのも私って事だぞ」
「何を言う、千桜。綾崎君との結婚生活・愛の結晶を授かる・その後の子育ては私の物だ。夜でも寝ぼけた事をぬかすな」
「2人とも何を言ってるのかな〜。私が婚約者候補No.7兼結婚前提の恋人って忘れてない?結婚云々は私だって」

3人は激しく睨み合い

「ってかさ。私が正体明かせない事を良い事に、ハヤテ君に何かしてないよね?」
「してないよ。したかったが、色々あり過ぎてチャンスが無かった」
「わ、私も、無かったぞ」

千桜の様子でルカもカユラも察し

「千桜、正直にはいて楽になろうか」
「全部白状するまで寝かせんぞ」

こうして3人の夜は更けて行った。


                   × ×


一方。

「で。ツグミの目的は何だったのだ?」
「グランドキャニオンで聞いた時は「終わったら話す」って言ってたが」

ナギと悠太はツグミを部屋に呼び出して尋問していた。

「ま、話してあげるわ。目的は三千院さんを優勝させる事よ」
「私を!?なんでまた」
「ある人の以来よ。私は白皇生じゃないから、サポートしても平気だし」

一応納得しつつ

「で、その依頼人って誰なのだ?」
「う〜ん」

ツグミは少し考え

「ま、言っても良いって契約だし、教えるわ。 私の依頼人は橘美琴よ」
「そ、それってワタルの母親じゃねえか。なんでまた」
「順を追って説明するから聞きなさい」

口を挿んだ悠太を制しつつ、続けた

「良い?若し私のサポートのお陰で優勝すれば、「私のお陰で優勝出来たんだからお願いを聞いてもらおう」って言えば、聞き入れたでしょ?」
「まあ、お願い次第だがな」
「そのお願いって言うのは、「橘美琴と2人きりで一緒に風呂に入るよう橘ワタルを説得する」よ。これ位なら聞き入れるでしょ?」

ナギは少しだけ考え

「まあ、ツグミのお陰で優勝出来たし、ワタルを説得する位引き受けてたぞ」
「でしょ?まあ、その必要は無くなったみたいだけどね」
「ふ〜ん」

ツグミが暗躍していたのはこういう理由だったのです。


                   × ×


一方。
ハヤテはホテル前で夜風にあたっていた。
すると

「Darling」
「ん!? あ、クリスさん」

呼ばれた気がして振り返ると、クリスがいた。

「何故ここに!?レベル5には参加してないはずでは?」
「Because there was a purpose。だからSchool excursionには参加しないで、色々動いてたのよ」
「成程。それでその目的とは」

ハヤテが聞くと、クリスはポケットに手を入れて

「これよ」
「そ、それは、王玉。しかも本物の」

クリスの掌には2個の王玉が握られており、間違いなく本物であった。

「ど、何処でそれを」
「ディキソングループの力を駆使したわ。それで、何とか2個見つけたわ」

納得しつつハヤテは

「クリスさん、貴方は王玉について何処まで知ってるんですか?」
「I do not know detailed thing。 but.I was looking for because you have been looking for」
「そうでしたか。なんか、ありがとうございます」

ハヤテがお礼を伝えると

「Darling、貴方はこれが欲しいんでしょ?」
「ええ。出来れば両方」

ハヤテが答えると、クリスは笑みを浮かべ

「There is if you want ask」
「な、何でしょう?」
「私にキスして。勿論口に」

ハヤテは少し悩み

「え、えっと」
「嘘や冗談じゃないわよ」

ハヤテは更に考え始めた。
この場には他に誰もおらず、クリスにキスすれば目的を達成出来る。

「わ、分かりました」

ハヤテが答えると、クリスは目を閉じた。
ハヤテは1〜2秒のつもりでキスした。
だが、その瞬間クリスはハヤテの頭を抑え、おまけに大人のキスにした。

実に1分程のキスの後離れ

「ご馳走様」
「も、もう///////////////////////////」
「ダーリン、手を出して」

ハヤテが手を出すと、クリスは先程を王玉をハヤテの手に握らせ

「present for you. Leave if you want to」

そう言うと、クリスは去って行った。

ハヤテは王玉を大事にポケットにしまい、ホテルに戻った。

ハヤテはアテネ・悠太・伊澄を呼び出し、報告した。
当然、ハヤテがどうやって王玉を2個も手に入れたのか聞かれたが、誤魔化しておいた。
勿論、2個とも破壊しておいた。


王玉の残り・・1個


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以上です。

次回は続きです。

では。
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Re: 女神と共に第四部 (12月27日更新) ( No.78 )
日時: 2018/12/27 21:23
名前: ささ

ルカの勘違いがなかなか乙です。(長い間天王州家使用人長を務めているハヤテなんだし、そもそもルカだってハヤテの性格.財力知っているのだから新婚生活のためではないのは確実。1億歩譲ってルカがハヤテと結婚するとしてもそういう費用はハヤテが出すよ)
そう言えば、ルカが受け取った賞金ってハヤテが立て替えた借金を返済した残金だよね。
残りの王玉って悠太が持ってるやつか。
あっいいシーン見れた!ちょっと用事が出来たので失礼します。
(クリスティーナとハヤテのキス写真をハヤテ好き一同に配布
特に麗、ナギ、伊澄、ルカ、日向、ヒナギク、泉へは「あなたにはない魅力を持ってる私」とのタイトルを付ける)


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Re: 女神と共に第四部 (12月30日更新) ( No.79 )
日時: 2018/12/30 12:35
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 クリス「Thank you for impressions♪」

 >>ルカの勘違いがなかなか乙です。

 ルカ「か、勘違いって。何がさ」

 >>(長い間天王州家使用人長を務めているハヤテなんだし、そもそもルカだってハヤテの性格.財力知っているのだから新婚生活のためではないのは確実。1億歩譲ってルカがハヤテと結婚するとしてもそういう費用はハヤテが出すよ)

 ルカ「そ、そりゃそうかもしれないけどさ。ってか、私とハヤテ君が結婚するのは変えられない事実でしょ」
 ハヤテ好き一同「・・・」

 >>そう言えば、ルカが受け取った賞金ってハヤテが立て替えた借金を返済した残金だよね。

 ハヤテ「いえ、違いますよ。ルーレットで獲得した360億円と賞金の1億5千万円、合計361億5千万円なので、僕は1円も受け取ってませんよ」
 ルカ「せめて立て替えて貰った分くらいは受け取ってほしかったけどね」

 >>残りの王玉って悠太が持ってるやつか。

 悠太「いや、違うぜ。作者が書いてる「王玉メーター」は俺のを除いて、だぜ。つまり、「王玉の残り」には俺の持っているのは入ってねえぜ」

 >>あっいいシーン見れた!ちょっと用事が出来たので失礼します。

 ハヤテ「な、何でしょう。とっても嫌な予感が」

 >>(クリスティーナとハヤテのキス写真をハヤテ好き一同に配布
特に麗、ナギ、伊澄、ルカ、日向、ヒナギク、泉へは「あなたにはない魅力を持ってる私」とのタイトルを付ける)

 ハヤテ「か、勘弁してください。大変な事になっちゃいますから」

 麗「ってか私達は関係なくない?これでもハヤテ君には積極的に迫ってるし」
 ルカ「そうそう。私達のスタイルは「良い方」だよ」
 泉「ま、まあ。私には「積極性」は無いけどね」

 ナギ・伊澄・日向・ヒナギク「・・・」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第四部 (12月30日更新) ( No.80 )
日時: 2018/12/30 12:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回で、第四部前半は最後です。

では本編どうぞ。
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前回、修学旅行レベル5の最後の夜は色々ありつつも更けて行った。


翌朝。

「帰国はチャーター機の様だな」
「なんだかんだあったが、豪華な旅だったな」
「まあ、大変だったけどね」

美希、理沙、泉は空港でこれから乗るジェット機を見ながら言っていた。
すると

「はぁあああああああああああああ」
「どうしたんですのヒナ。そんな情けない溜息なんかついて」
「だって」

明らかに元気のないヒナギクを見て綾子は

「また「飛行機が怖い」なんて言い出すんじゃないですよね」
「だって」
「飛行機が落ちる可能性などかなり低いというのに。陸路を行けば交通事故で死ぬ確率の方が高いんですのよ」

綾子は慰めのつもりで言ったのだが、全く効果は無く、寧ろ

「綾は頭が良い癖に知らないの?」
「・・何をですの」

答えは出ていたものの、一応聞くと

「人類はアフリカで生まれ、その後文明を一切使わずにアフリカからヨーロッパやアジアに広がって行ったのよ。そして当時は陸続きだったロシアからカナダを経由してアメリカ大陸へと渡ったと言われているわ」

歴史を堂々と語るヒナギクに綾子は呆れつつ

「つまり、どういう事ですの?」
「そんな事も分からないなんて綾もまだまだね。 飛行機なんか使わなくても日本に帰れるって事よ」

ヒナギクの言った事は綾子には十分に想定内で、敢えて聞いただけなのだがこれ以上は言い返さなかった。

「まあ、ヒナの気持ちは理解出来ない訳じゃ無い。だがな」
「たかだか13時間の空の旅。何でもないじゃありませんか」
「13時間も乗るなんて「泳いで帰れ」って言われた方がましよ!!」

このやり取りの一部始終を聞いていたアテネは

「やれやれ。桂さんは相変わらずですわね」
「まあ、それがあの人の魅力だけどね」
「・・・」

ハヤテは何げなくヒナギクを褒めただけなのだが、修学旅行中十分に甘えられなかったアテネは機嫌が悪くなった。

「全く。ヒナ、そんなに飛行機が嫌なら車や船を手配してやろうか?」
「え!?出来るの?」
「まあな」

美希の提案のヒナギクは目を輝かせたが

「ただ、その場合は「飛行機に負けを認めた」って事になるぞ」
「おお、そうだぞ。前に麗君も言ってたじゃないか。飛行機が怖くて乗らないって事は「飛行機様、私は貴方様が怖くて乗れません。私の負けでございます」って認めてるようなものだって」
「そうだよ、ヒナちゃん。ヒナちゃんが飛行機への負けを認めるなら、私が理事長さんとかに頼んであげるけど」

3人に言われ、ヒナギクの目つきが変わった。

「馬鹿を言わないで、3人とも。なんで私が飛行機に負けを認めなきゃいけないの!?」
「「「だって」」」
「良いわ。13時間だろうが何だろうが、乗ってやろうじゃないの。勝つのは私よ」

燃えているヒナギクに

「まあ、理由はどうあれ貴方がやる気を出してよかったですわ」
「「「そうだね〜」」」

一方。

「長かった修学旅行もこれで終わりなんですね」
「そうね」

千桜と愛歌さんはロビーの椅子に座ってまったりしながら話していた。

「ホント、色々大変でしたね」
「ええ。「壮絶な旅路」って言えるわね。良い意味でも悪い意味でも」
「愛歌さんの一番の思い出って何ですか?」

聞かれた愛歌さんは少し間を空け

「優勝出来なかった事よ」
「まだ言ってるんですか」
「だって〜。優勝出来ればハヤテ君にいっぱい褒めて貰えたかもしれないのよ。それが無いのは嫌じゃない!!」

愛歌さんの気持ちは千桜には十分に理解出来た。

「まあでも、「夜のジャングル」をたった1人で切り抜けた事でいっぱい褒めて貰えたじゃないですか」
「足りないわよ。もっともっと」

気持ちが理解出来るだけに千桜も複雑な感情にみまわれた。


                   × ×


各々色々ありつつも過ごしていると登場の時間になり、

「どうやら。帰りは全員ビジネスクラス並みらしいぞ」
「そりゃ有り難いな」

カユラと千桜がこんな風に話していると、何やらもめている声が聞こえて来た。
行ってみると、当然だが「誰がハヤテの隣に座るか」の争奪戦だった。
勿論、千桜・カユラも参戦した。

「ハヤテは私の執事ですわ。主の直ぐ側に仕えるのは当然ですわ!!」
「何を言ってるんですの?ハヤテ様は私の旦那様ですわ。夫婦が隣同士なのは当然ですわ」
「You guys were together forever. So ceded me」

当然の様に参戦してきたクリスに

「貴方、レベル5には参加してないはずですわ」
「ハヤテ様の隣に座ろうなど、おこがましいですわ!!」
「It is not related. ダーリンの隣は私だってRed string of fateが決めてるのよ」

3人のやり取りに

「全く。お前らは婚約者候補の順位で良い思いをしてるんだ。ここは一つ、私がハヤテの隣で均衡が取れるっと言う物だ」
「ナギ、何を言ってるの?その理屈なら私がハヤテ様の隣よ。貴方は悠太さんの隣に座ってればいいじゃない」

ナギと伊澄の言葉に激しい睨み合いが発生し

「あ〜、諸君、不毛な争いは止めたまえ」
「ああ、そうだ。無駄な争いともいえる」

カユラと千桜の言葉に、全員が2人を見た。

「ここは私が隣っと言う手もある。諸君は「婚約者候補」っと良い思いをしている」
「つまり、この私が隣に座ればナギの言う均衡が取れると言う訳だ」

当然納得する者などおらず、言い争いは激化した。

決着の見えない言い争いに

「あの、ここは一つジャンケンで決めてみては?それなら後腐れ無く決められると思いますが」

ハヤテの提案に全員が賛同し、じゃんけん大会が始まった。


それも決着し、ハヤテが飛行機へ向けて歩いていると

「あの、ヒナギクさん?」
「ひゃあ!?な、何よ」
「何をしているのですか?」

答えないヒナギクにハヤテは

「ゆっくり歩いても、「飛行機に乗る」っと言う事実は変わりませんよ」
「分かってるわよ。私は飛行機なんかに負けないんだから」
「やれやれ。貴方のそう言う所が可愛くて魅力なんですよね」

ハヤテの褒め言葉はヒナギクには効果は抜群だった。

「僕が手を繋ぎますから、飛行機に乗りましょ。ヒナギクさんが飛行機に負けない為に」
「そ、そうね/////////////////////////」

ハヤテとヒナギクが手を繋いだ事で、ハヤテが好きな女性陣は機嫌が一気に悪くなった。

飛行機の席は、壮絶なジャンケンの末、

「フフ♪ダーリンの隣は私よ」
「じゃんけん強いんですね」

クリスが勝ち取っており、クリスだけは上機嫌だった。

「そう言えば。ダーリンのbirthdayはそろそろなのよね」
「ええ。日本に戻って、そんなに経たずに」
「Your birthday party is I'm looking forward to」
「気が早いですよ。少し」

楽しそうなクリスに対し

「お嬢様、狭くねえか?いつもはファーストかプライベートジェットだろ?」
「別に平気だよ。贅沢は言ってられん」

隣同士になったナギと悠太は話していた。

「ハヤテの隣じゃなきゃ、エコノミーだろうがビジネスだろうがファーストだろうが変わらんよ」
「ああ、そう」

ナギがかなり不機嫌なのを感じ、悠太は話しかけるのを止めた。

こんな風に各々が話しているうちにアナウンスが流れ、出発した。


                   × ×


時間を飛ばし、夜。
皆が寝静まる中、ハヤテは1人でラウンジにいた。

っと

「ハヤテ君」
「ルカさん、どうしました?」
「うん、ちょっとね」

ルカはハヤテの隣に腰かけた。

「お疲れのはずなのに、寝なくて平気ですか?」
「不規則な生活には慣れてるよ。それに、何となくで寝れなくてね」
「そうですか。 あ、コーヒーでも飲みますか?ここ、充実しているので」
「じゃあ、貰おうかな」

ハヤテはルカにコーヒーを淹れ

「どうでした?修学旅行は」
「大変だったけど、来てよかったよ。本当は楽しいだけのはずなんだろうけど、それもいい思い出だよ」

コーヒーを一口飲むと

「私の場合、「終わり良ければ総て良し」になったし」
「そうですか」
「それにさ。私はハヤテ君に「あれ」されたし」

少し照れつつ言うルカに

「えっと。何かしましたっけ?」
「もう嫌だなあ。照れるから言わせないでよ」
「は、はあ」

身に覚えのないハヤテは首を傾げるだけだった。

「まあでもさ、私は日本に帰ったらアイドルの仕事があるし、漫画家としても頑張らないといけないし。何時までも余韻に浸ってる場合じゃないんだよね」
「僕は応援と支援しか出来ませんが、出来る限りの事はしますよ」
「ありがと。 あ、そうだ。聞いておきたい事があるんだけど」

首を傾げるハヤテに

「ハヤテ君、私が正体を明かせないのを良い事に、浮気してないよね?」
「してないですよ。第一、大変過ぎてそんなのを考えている暇すらありませんでしたよ。するつもりもありませんし」

ルカはハヤテの顔をジッと見つめ

「ま、信じてあげる。ハヤテ君はね」
「は、はあ」

その後、少しの間会話が途切れると、ハヤテが溜息をついた

「どうしたの?」
「あ、いえ。こんな何でも無い日が何時までも続けばいいなって、そう思ったらつい」
「そうだね。ずっと、死ぬまで続くと良いね」
「ええ」

ルカはコーヒーを飲み終えると「眠くなった」っと言って自分の席に戻ってしまった。

一方のハヤテは窓から外の景色を眺め

「(ルカさんには言わなかったけど、何だろうね、この嫌な感覚)」
「(マスターのその感覚は基本的に当たりますからね。今回は外れると良いですね)」
「(そう、だね)」

ハヤテも自分の席に戻る事にした。





こうして「修学旅行レベル5」は終わりを迎えた。


だが、「最悪へのカウントダウン」は既に始まっていた。

それは、殆ど残されていなかった。


それはこの時、誰1人として気付いていなかった。





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以上です。

次回から第四部後半になります。

では。
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