Re: 女神と共に第四部 (11月12日更新) ( No.56 )
日時: 2018/11/12 18:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、雪山でのオリエンテーションは無事に?終わり、次の場所にやって来た。


第2回オリエンテーション終了まで、後1時間になった頃

「うわあああああ」

千桜達は逃げていた。ただ只管に。

「これは洒落になってないぞ〜」

一方。

「う〜ん。今日も綾崎は素晴らしいぞ〜」

どっかの変態はハヤテを撮っていた。

「いや、綾崎はどんな時も素晴らしい」

さて、状況を説明する為には、10時間程時間を戻す必要がある。


                   × ×


最初のオリエンテーションが行われたニュージーランドから14時間の移動時間(飛行機)の後

「いやはや。ファーストクラスは快適だな」
「僕のお金、勝手に使うの止めてもらえません?」

理沙は昨夜同様ハヤテが獲得したお金を勝手に使っていた。
勿論ハヤテの反論を完全に無視して。

「何を言うんだ、ハヤテ君。「富める者は奉仕する義務がある」だぞ」
「僕はどれだけ富めていても、貴方に奉仕するのは嫌ですけど」

「・・・」

ハヤテの文句を理沙が無視している一方、

「エコノミーっと言うのは初めて乗ったが、こんなにもキツイとは」

美希は相変わらず文句を言っていた。

「もう、美希ちゃん。文句ばっか言って情けないよ。これ位で文句言ってたら、優勝出来ないよ」
「そうよ。優勝したいなら、文句は言いっこなしよ」
「(私は別に優勝したい訳じゃ)」

美希同様ファーストしか乗った事が無い泉と愛歌さんは原作と違って文句は言って無かったが、辛そうな表情は浮かべていた。

「別に普通だよな」
「ああ。文句言ったり辛そうな表情を浮かべる理由はあるまい」

千桜とカユラはエコノミーしか乗った事が無いので、特に感想無しだった。

「皆様、長旅ご苦労様でした。どうですか?南米に来た感想は」
「下にアマゾン川が見えたから、まさかとは思っていたが」
「まさか、ここ危険地帯なんじゃ」

黒服の言葉にナギと悠太が感想を言うと

「いえいえ。ここからが修学旅行の楽しい所ですよ。ただ、この先もお金の無い参加者は苦労する事になると思いますがね」

黒服は含みを持たせた口調で返し、

「では、これからそういう参加者が泊まる一番グレードの低いホテルにご案内いたします」


                   × ×


一行はジャングルの中に建つ、結構ボロイ高床式の倉庫の様なホテルの前に連れて来られ

「こちらが本日泊まる一番グレードの低いホテルでございます」
「これは、何というか」
「随分とベッドが固そうなホテルですわね」

外観から、ハヤテとアテネを含めて殆どの参加者がこんな感想を持っていた。

「因みに、こちらは無料でお泊りになれます。ただ、食事は無しで、水はペットボトル1本だけ。まあ、野生動物との楽しい触れ合いはあるかもしれませんが」

黒服の説明に

「いやいや、触れ合いって」
「私、流石に虫とかは嫌よ」

ヒナギクと愛歌さんは文句を言った。

「でしたら、一泊30万以上のホテルをお勧めします。まあ、お金があれば、ですが」

試す様に言い、更に

「因みにですが、こちらには野生動物の他に野生のゲリラや野生の麻薬カルテル等が生息していますので、やはりホテルに泊まる事をお勧めしますね。危険かもしれませんので」

「(全く。金庭さんは何を考えてるんですの?いくら勉強の為とは言え)」

黒服の説明にアテネは呆れていた。

「あの、そんなのがいるんじゃ今も危ないんじゃないっすか?」
「ご安心を。野生のゲリラは夜行性ですから、昼間である現在は寝ております」
「安心出来ないんだが。まあ、夜までには何とかすればいいんだろうけど」

悠太の質問に黒服が答えると、ナギはツッコんでも無駄なので適当に折れた

「これは、やっぱり」
「金の無い奴は死活問題、だよな」

千桜とカユラは優勝へ向けて決意を新たにしていた。

「説明は以上でございます。なのでお待ちかねのオリエンテーションを始めます」

全員身構えた。

「参加されない方はあちらに・・全員参加のようですね」

昨夜の事もあり、不参加を申し出るものなど居る訳無かった。

「ここで勝たなきゃ、優勝は難しいわね」
「うん。命に係わったら、リタイアしちゃうかもしれないし」

優勝したい愛歌さんと泉は険しい表情であるであろう説明を待ち

「参加者は皆オリエンテーションの重要性に気付いている」
「勝つのは困難になって来たな」

最初からオリエンテーションの重要性に気付いていた悠太とナギは一層身構えた。

「では、今回のオリエンテーションの説明を、金庭様より行っていただきます」

黒服が持ち込んだモニターに金庭が映し出され

「生き物との触れ合いは、情操教育に良い」
「へ!?」

何の前触れも無く言った金庭にアテネが間の抜けた声を出すと

「周りを御覧なさい。見ての通りの緑の楽園。まさに生物のカーニバルだと思わない事?」
「まあ、正論と言えば正論なんだけど」
「虫が苦手な愛歌にはきつそうですわね」

金庭の言葉にハヤテとアテネはこんな感想を漏らした

「っと言う訳で、今回のオリエンテーションはそんな生物たちとの触れ合いを増やす企画。 その名も「動物ウォッチ」です」
「動物ウォッチって」
「似たような名前のアニメが大流行しましたわね」

ドヤ顔で言い切った金庭にまたハヤテとアテネが感想を漏らし

「この生物たちの楽園にて、珍しい生き物の写真を撮ったものが勝者となるルールです」
「え!?写真!?」
「そんなの、どうやって順位付けするんっすか?」

説明されたルールに千桜が驚き、悠太がツッコむと

「それに関しては、審査委員として白皇を辞めた橘ワタル君とそのメイドである貴嶋サキさんに来てもらいました」
「ワタルにサキさんか」
「なんか、身内がよく出るな、この旅行」

画面に映し出されたワタルとサキさんに悠太とナギがツッコミを入れた。

「たった今、順位付けについての言及がありましたが、その辺りはどうですか?」
「愚問だな。そんなものは、一目見れば分かる」
「でも、甲乙つけがたい時はどうするんだ?」
「あ、そうだよ。微妙な差になったら審査する人の趣味になっちゃうよ」

千桜と泉の言葉にワタルはやれやれっと言った感じで首を数回横に振り

「例えばだ。甲子園で「あの時エラーさえしなかったら勝ててた」みたいな展開あるだろ?その時は「あと少しだったのに」とか「勝負は紙一重だ」何て言うだろ?」
「まあ、確かに」
「だろ?漫画やアニメだったら、殆ど必ずと言ってもいい程そんな展開になる。ウケもいいし、盛り上がるからな。だが、現実に置き換えて考えてみろ」

ワタルは一旦間を空け

「そんなエラー一つで負ける様な試合してないで、10点でも20点でも多く取ればいいだけだ。勝ちたいなら微差で勝つんじゃなく、圧倒的に勝てばいい。甲乙つけがたい写真じゃなく、誰もが「この写真の勝ちだ!!」って納得する写真を撮ればいいんだよ。それなら文句は無い。以上だ」

ワタルが言い切ると、金庭に変わり

「納得いきましたか?」
「正論だね。漫画的盛り上がる展開なんて無視して、物凄く良い写真を撮ろう」

文句を言いたそうな美希に対し、泉は完全に納得していた。

「ところで。参加者の中には貴方が大恩を感じている人がいますが、それに関しては」
「審査はあくまでも公平にする。有利になる様な審査をすれば八百長だのなんだのと文句を言われる。その人はそれを凄く嫌う人だから、余計にしない」
「なら安心だな」

2人のやり取りが終わるのを待ち

「因みに、今回は3位の方までにしか賞金は出ません。1位は一千万円、2位は500万円、3位は100万円、4位の方にはうしじまカードです」
「だから、それ使う奴なんかいねえって」

黒服の説明に悠太がツッコミを入れた

「では、オリエンテーション開始は1時間後になります。それまでは下準備などしてください」

黒服が言うと、各々話し始めた。

「写真か」
「厄介なもんだな」

悠太とナギは考え始め

「残りの人数を考えて、その中で3位以内に入るとなると」
「やっぱ、チーム戦だよな」

ナギと悠太の考えに頭の回る面々は同時にその考えに至っており

「一泊30万円もするホテルに泊まるには、3人で1つのチームを作って3位以内に入れれば、野生のゲリラに襲われないホテルに泊まれるね」
「ええ。そうなると、やるべき事は一つですわ」
「カメラの上手な人と組む事。そうすれば、勝てる確率が飛躍的に跳ね上がるって訳だね」

ハヤテとアテネがこんな風に話していると

「〜♪」

自作の鼻歌を歌いながらどっかの変態が現れた。

「よう綾崎、奇遇だな。偶然にも俺はカメラが上手い。組む価値はあるぜ」


「なあ悠太、お前カメラ詳しいよな」
「前も言ったが、親父がカメラオタクだからな。知識や技術を叩きこまれたよ。プロ程じゃねえが、それなりの技術はあるぜ」
「決まりだな。後は」

ナギは大急ぎで周囲を見渡し

「ハヤテ、一緒に組まないか?」
「え!?えっと・・良いですよ」

ハヤテ・ナギ・悠太組が決まり

「我々は組むか」
「だな。後は・・なあ仮面の戦士、一緒に組まないか?」

カユラと千桜は組む事に決め、仮面の戦士に提案すると仮面の戦士は無言で頷いた。

「あいつ、全然しゃべらないな」
「なんか不気味だな。っとはいえ近寄りがたい感じは全くないがな」

仮面で表情が分からず、ここまで一切声を発しない仮面の戦士に違和感を感じつつも、千桜・カユラ・仮面の戦士組が決まり

「なんで貴方なんかと組まないといけないんですの!!!」
「それはこっちのセリフですわ!!!」

やっぱりアテネと綾子は喧嘩していた

「天王州さんが私の邪魔をするからハヤテ様と組めなくなったんですのよ!!!」
「何を言ってるんですの!!!神尾崎さんが大人しく引き下がればハヤテと私が組めたんですのよ!!!」

喧嘩しつつもアテネと綾子、究極の犬猿の仲の2人が組む事になった。

その後もなんだかんだありつつもチームは決まって行ったが・・

「泉、お前も残ったのか?」
「え!?虎鉄君も?」

虎鉄は話しかけても話しかけても全員に無視され続け、残されていた。

「じゃあ組むか?残ってるのは俺達だけみたいだし」
「う〜〜〜ん。 良いよ、組んであげる」

瀬川兄妹組も決まり、全てのチームが決定したのであった。


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以上です。

次回は続きです。

では。