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ハヤ☆すた (4月13日更新) 続く オマケ追記
日時: 2015/09/20 15:57
名前: masa

初めての方は初めまして。ご存知の方はこんにちはmasaです。

今回は、タイトルで予想可能な人も多いでしょうが、らき☆すたとのクロス?です。

作者は原作本を持ってますが、アニメ基準で執筆します。
しかし、アニメ版は何度も見ましたが、意外とおぼろげな部分も多いです。

一応の補足ですが、らき☆すたを知っているという大前提で見てください。
補足も殆ど入れませんので。

色々問題点も多そうですが、許せるという心の広い方は、本編どうぞ。
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「さあ始まるザマス」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ」

なんとなく入れたかった。後悔はない。


                   × ×


ここは陵桜学園。

「おっす」
「おおーかがみ」
「お姉ちゃん」

お昼の時間になり、ほぼいつも通り、かがみがこなた達のクラスにやって来た。

「ねえこなた」
「んあ?」

食べようと口を開けた瞬間だったので、間の抜けた声になった。

「あんたいつもチョココロネね。飽きないの?」
「フッ。かがみよ」
「何よ」
「愛だよ愛。愛があれば飽き等来ないのだよ」

こなたの言葉に突っ込む気が失せたのか、この話題は打ち切り、

「そう言えば、あんた私たち以外に友達いるの?」
「かがみは?いっつもこのクラスに来るけど」
「いるわよ。あんたじゃあるまいし」

こなたは1口牛乳を飲み

「まあ、一応いたよ」
「へ〜。まあどうせ類友でしょうけど」

かがみの言葉にこなたは何かを含んだ笑みを浮かべ

「いやさー。殆どはそうなんだけど、1人だけいたんだよねー。そうじゃないけど、知識を仕入れてくれて、話を合わせてくれる人が」
「そ、そんな人いたんですか?」

みゆきさんの言葉にこなたは頷き

「小学校の頃の友達だけどね。引っ越しちゃってから、それっきりだけど」
「へ〜。こなちゃんにもそんな人いたんだね」
「まあね。因みにだ、諸君。その子は「男友達」だぞ」

こなたの言葉に全員絶句し

「そ、そんな馬鹿な。あんたみたいな変わり者に」
「おやおや〜?失礼な言葉に聞こえたんだけど〜」
「こなちゃん、どんな人だったの?」

かがみの言葉を特に気にせず

「一言でいうなら、優しい人かな。後、笑顔が凄かった」
「そうなんですか。泉さんがそこまで言う方に私も会ってみたいものですね」
「私もできればね〜。でも、どこに引っ越したか知らないし」


                     × ×


で、翌日。

「みんな、今日は転校生が来るで〜」

担任の黒井先生がそう言うと、こなたが

「先生、男ですか〜?女ですか〜?」
「男や。ウチの目に狂いが無ければまあまあのイケメンやで」

クラスが沸いたので、黒井先生は宥め

「じゃあ入って来てや」

すると、教室のドアが開き、1人の男子生徒が入って来た。

「初めまして。綾崎ハヤテです。よろしくお願いします」
「質問タイムなどは後でしてや。じゃあ、空いとる泉の隣に座ってや」

ハヤテはこなたの隣に座り

「じゃあホームルーム始めるで」

で、ホームルームが終わり

「久しぶりだね、こなた」
「やっぱりハヤちゃんか〜。久しいね〜」

何時ものように世間話をしに来たつかさとみゆきさんは驚き

「こなちゃん、知り合いなの?」
「親しい関係に見えますが」

聞かれたこなたは

「昨日言ってた小学校の頃の男友達だよ。名前は・・さっき言ってたからいいか」
「こなた〜。まあ、君は色々と変わってないね」
「あのさ〜。一応は気にしてるんだけどね〜」

つかさとみゆきさんは置いていかれてたが

「あ、そうそう。紹介するね。私の友達のつかさとみゆきさん」
「友達出来たんだ」
「まね」

紹介された2人は

「初めまして。柊つかさだよ」
「初めまして。高良みゆきです」
「初めまして」

それぞれ挨拶を交わし

「柊さんに、高良さん。よろしくお願いします」
「いやいやハヤちゃんよ。堅苦しくなるでない。つかさとみゆきさんでいいのだよ」
「で、でも」

不安がるハヤテに

「私は良いよ。っていうか、こなちゃんの友達なら私も友達になりたいし」
「私もかまいませんよ。つかささん同様、泉さんの友達ならば、私も友達になりたいですし」

そう言われ、ハヤテは

「じゃあ、つかささんとみゆきさんで」
「敬語癖は抜けないね〜」
「ほっといてよ」


                    × ×


その日のお昼。

「おっす」
「お姉ちゃん」

いつも通り鏡がクラスにやって来た。
すると

「ねえつかさ、こなたと楽しそうに話してる男の子って誰?」
「あ、紹介するよ。ハ〜君」

つかさに呼ばれ振り向いた。

「今日うちのクラスに転校してきた綾崎ハヤテ君」
「あ、初めまして。えっと」
「私は柊かがみ。クラスは違うけど、よく来てるのよ」

自己紹介され、ハヤテは

「あれ?柊って」
「ああ。私とつかさは双子なのよ」
「そうでしたか」

話を中断させられていたこなたが

「ハヤちゃんも一緒に昼食どうだい?」
「いいの?」
「私は良いわよ」
「私もぜひ、一緒がいいかな」
「私も願いします」

全員に同意され、席を囲んだ。

「ねえハ〜君。こなちゃんとはどういうきっかけで仲良くなったの?」
「まあ、成り行きですね。小学生1年から3年の途中まで一緒でしたが、何度席替えしても隣通しの席でしたから」
「そうなんですか」

「まあ、私がアニメの話題とか振りまくってたしね。隣だから」
「あんた、それでよく友達になれたわね」
「優しいから、ハヤちゃんは」

かがみはため息をつき

「ハヤテ君も大変だったわね」
「まあ、嫌じゃなかったですから。その頃僕も友達いなかったので、隣の席ってだけで話しかけてきてくれて嬉しかったもので」

その後世間話をしていたら

「ねえねえハヤちゃん。ハヤちゃんはチョココロネどっちから食べるの?」
「あんた、またその話題?前してなかったっけ?」
「細かい事は気にしない。で?」

聞かれたハヤテは

「う〜ん。気分次第かな。細い方からだったり、太い方からだったり」
「ふ〜ん。でさ、どっちが頭だと思う?」
「太い方かな」
「何で?」

こなたはチョココロネを食べつつ聞き

「チョココロネって縦ロール髪に似てるでしょ?その理論で、太い方が頭側だからかな」
「へ〜」
「縦ロール髪って。そんな髪形の人いるの?」
「まあ、知り合いに」
「やっぱ類友だわ」


                   × ×


それから数日後。

「そう言えばさ、ハヤちゃんって今何してるの?」
「今?執事だよ」
「ハヤテ君までこなたと同じ?」

首を傾げるハヤテに

「こなたもコスプレ喫茶でバイトしてるからよ。ハヤテ君も執事喫茶で働いてるんでしょ?」
「違いますよ。「本当の」執事です」
「はいはい。身も心もなりきるタイプでしょ?」

かがみは適当にあしらっていたが

「あ、いえ。ある財閥のお嬢様に仕えるコスプレなどではない本物の執事です」

ハヤテが譲らないので

「え!?みゆきみたいなお金持ちの家にいる執事さん?「これ執事や、お茶を淹れてくれ」とか言われお茶を淹れる」
「あ、はい。総資産数兆円の財閥の子女の方に仕えてます」

この数日でハヤテがこなたに話を合わせることもあるが、ここまで言う以上嘘を言うタイプでないと分かっていたので

「ほ、本当にいたのね。そんな人」
「ええ。目の前に」

で、学校に着き

「執事さんですか?」

今朝の話題をつかさがみゆきさんに振っていた。

「私の家にはいないですけど、別の学校に通っているお友達の家にはいるみたいですよ。日雇いらしいですが」
「そうなんだ」
「なぜそんな話題を?」
「ハ〜君がね、執事さんなんだって。こなちゃんみたいにバイトでやっているんじゃなくて」
「そうだったんですか」

するとみゆきさんはハヤテに話しかけ

「ハヤテさんは、どんな人に仕えているんです?」
「練馬区に住んでる、お嬢様です」
「練馬。ああ、あのお屋敷の」
「お知合いですか?」
「はい。パーティに何度かお呼ばれされたことがあるので」

話を聞いていたこなたは

「ほほう。ブルジョワ同士の会話ですな〜」
「ブルジョワ?」
「よくあるシチュエーションですな〜。金持ち同士が一般人には理解不能な領域の話で盛り上がる」
「あんたね。少しはその手の話題から離れなさいよ」

いつの間にかかがみがいた。

「あれお姉ちゃん、次は別の教室で授業じゃ」
「先生が休みで自習よ」
「ほほう。流石はウサちゃんですね〜。暇と見るやここに来る」
「う、うるさい。どうせ私はウサギですよ」


                     × ×


また別の日。

何時ものようにこなたがオタクならではの話をし、かがみがそれに突っ込んでいると

「な、何よ。私何かおかしなこと言ってる?」
「すみません。かがみさんが優しくて魅力的な方に見えたので」
「うえ!?//////////////////////」

赤くなったかがみに気付かず

「こなたのボケに的確なツッコミを入れ、宿題を写させてとこなたやつかささんが言っても、文句を言いつつ写させてあげてるので」
「あ、いや。それは////////////////////////////」
「ほほう。かがみにも春が来たみたいですな〜」
「う、うるさい//////////////////////////////」

ツッコミに何時ものキレがなかった。

「ハヤちゃんや、かがみを恋人にしてみてはどうかな」
「お姉ちゃんとハ〜君が?私似合うと思うよ」
「あ、あんたら〜///////////////////////////////」

いまだ顔が赤いかがみに

「ほほう。満更じゃないと」
「こ〜な〜た〜」
「うわ。かがみが怒った」

こなたは身構えたが

「だ、第一さ。ハヤテ君が良いっていう訳ないでしょ」
「僕は別に良いんですが」
「「「へ!?」」」

予想外の言葉にこなたもつかさもかがみも驚いた。

「かがみさんでしたら、恋人にしたいぐらいです」
「ほ、本当?」
「ええ。何でしたら、今からでも恋人になってほしいぐらいです」

からかっただけのこなただったが思いがけない展開に

「ま、またまた。今日は4月1日じゃないよ」
「嘘じゃないよ。かがみさんだったら、「自慢の恋人」って紹介したいし」

ハヤテの言葉にかがみは

「う、嘘じゃないわよね?嘘だって言ったら今なら許すわよ」
「僕がうそを言うとでも?」

ハヤテの真剣なまなざしに

「じゃ、じゃあさ」
「恋人になってください。これは男が言うべき言葉です。なので、今言いました」

かがみは顔を輝かせ

「じゃあ、よろしくね」
「うん。よろしくね、かがみ」

笑顔を向けあう2人

「つかさ、ここに春が来たよ」
「そうだね。お姉ちゃんとハ〜君なら似合うし、良いと思うよ」
「うむうむ」

こなたとつかさは黙って誕生したてのカップルを見守り、みゆきさんは小さく拍手を送っていた。


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以上です。

一話完結のわりに長くなってすみません。

続きに関しては、もし好評だったら、描くかもしれません。短編という形で。

では。
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Re: ハヤ☆すた (一話完結) ( No.1 )
日時: 2015/10/10 15:41
名前: 双剣士
参照: http://soukensi.net/ss/

ハヤテがこれくらい如才ない性格だったら、原作は2巻くらいで終わってただろうな・・・

・・・と野暮なことを思ってしまいました。こんにちは、双剣士です。
「らき☆すた」は全巻初版本を揃えるほどのファンですので、それとハヤテとのクロス小説ということで
キャラの表情や空気を思い浮かべながら楽しませていただきました。
こなた繋がりの転校生と言うことでからかいネタにしていたつもりのかがみんが唐突な告白を受けて
口をアワアワさせながらも顔を真っ赤にして照れ笑いするところが目に見えるようで、
読んでる側もニヤケ笑いが止まりませんでした。

個人的な要望ですが、かがみんに彼氏が出来た後の4人がどういう関係になるか
見たいような見たくないような気分になりましたので、これは1話完結でいいと思います。

以上、拙い限りですが感想とさせていただきます。面白かったです。ありがとうございました。
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Re: ハヤ☆すた (一話完結) レス返し ( No.2 )
日時: 2015/10/12 16:15
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●双剣士さん

 感想ありがとうございます♪

 >>ハヤテがこれくらい如才ない性格だったら、原作は2巻くらいで終わってただろうな・・・

 一話完結に納めるため、ちょっと駆け足にしましたからね。まあ、おっしゃることも確かにその通りですよね。

 >>・・・と野暮なことを思ってしまいました。こんにちは、双剣士です。

 再度、感想ありがとうございます♪

 >>「らき☆すた」は全巻初版本を揃えるほどのファンですので、それとハヤテとのクロス小説ということで
  キャラの表情や空気を思い浮かべながら楽しませていただきました。

 ありがとうございます♪自分もすっかり魅了され、原作本もそろえ、アニメも何度も全話見ましたからね。楽しんでもらええ光栄です♪

 >>こなた繋がりの転校生と言うことでからかいネタにしていたつもりのかがみんが唐突な告白を受けて
  口をアワアワさせながらも顔を真っ赤にして照れ笑いするところが目に見えるようで、
  読んでる側もニヤケ笑いが止まりませんでした。

 かがみんは純情ですからね。 好印象をもってた異性にああいわれれば、なっちゃうと思ったので。

 >>個人的な要望ですが、かがみんに彼氏が出来た後の4人がどういう関係になるか
  見たいような見たくないような気分になりましたので、これは1話完結でいいと思います。

 正直に言うと、まだ迷ってるんですよね。 幾つか話の候補や結末候補も用意はしてますから。
 ご意見は参考にさせていただきます。ありがとうございます。

 >>以上、拙い限りですが感想とさせていただきます。面白かったです。ありがとうございました。

 いえいえ。こちらこそ感想をいただけて、光栄の極みです。

 感想ありがとうです〜♪
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Re: ハヤ☆すた 短編 ( No.3 )
日時: 2015/11/01 19:22
名前: masa

こんにちはmasaです。

色々と考えた末、この小説は短編として連載していく事にしました。
一応、一話完結の続きになっています。

上にも書きましたが、「原作基準」ではなく、「アニメ基準」で執筆していきます。

物語の構成上アニメ版と話が前後することもあるかと思いますが、ご了承を。

後、らき☆すたの世界観が再現できるかも微妙なので、そこもご了承を。

では本編どうぞ。
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「さあ始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」

これが無いと始まらない。


                    × ×


ここは陵桜学園。
ある日のお昼時。

「ねえねえハヤちゃん」
「何?」
「前にさ、チョココロネの話したでしょ?」
「ああ、そうだね」

第1話参照で。

「こなちゃん、その話前にも」
「まあまあつかさ。無駄話に花を咲かせるのも、高校生らしいじゃん」
「そ、そうだよね」

一応正論なのでつかさはこれ以上反論せず

「ハヤちゃんはシュークリームどうやって食べるの?」
「う〜ん。普通にそのままかな」
「割ったりしないんですか?私は2つに割って蓋部分にクリームをつけながら食べるのですが」

みゆきさんの言葉にハヤテは少し言葉に詰まりつつ

「僕はそう言うちょっと高めのシュークリーム食べた事無いんですよね。主にコンビニとかの割れないタイプを買ってますから」
「成程。それならそのまままですね」

「じゃあさ、カスタードと生クリーム両方入っているのは?やっぱりそのままかぶりついちゃう?」
「そうですね。僕は男なので、お淑やかさは不要なので」
「ふ〜ん」
「そう言えば、つかささんが「混ぜるか?」って聞いてましたよね?」

つかさが頷くと、

「あれってできると思います?」
「まあ、「お行儀悪い」って怒られる方法なら」

期待を込めた目で見られたハヤテは

「箸とか楊枝を用意して、割れるタイプなら蓋部分を取って、割れないタイプは刺して。で、ぐちゃぐちゃっと」
「そ、それならできるね。怒られるけど」
「まあ、美味しさが落ちる可能性もあるので、お薦めはしませんけど」

ハヤテが弁当を食べてると

「あ、そうだ。ハヤちゃんは、イチゴショートの上のイチゴとかモンブランの栗っていつ食べるの?」
「僕は最後かな」
「あ、私と一緒だ」
「僕、ビンボー性だからね。余韻含めて楽しみたいって思うから」

ハヤテが言うとつかさが感心したように

「へ〜。余韻か〜。考えた事無かったな」
「確かに盲点だった。好きなものは先って考えは改めるか?」
「別にいいんじゃない、改めなくても。こなたの食べたいように食べれば」

今度はつかさが思い出したように

「ねえねえ。ハ〜君は棒アイスってうまく食べれる?」
「まあ、それなりに」
「ほら、上手く食べないと落ちちゃうし」
「落ちそうだったら、手で受け止めるとか、落ちることを想定してお皿を用意するとかありますよ」

「成程。ハ〜君はそうやるの?」
「あ、いえ。少なくなって落ちそうになったら、口には入りきりそうなら一気に食べちゃいますし」
「冷たくないの?」
「平気ですよ」

つかさが感心すると、みゆきさんが

「ハヤテさんは、ソフトクリームって食べます?」
「偶になら」
「私好きじゃないんですよね。最後にコーンだけ余っちゃうので」

「僕はコーンも好きなので、余っても美味しく食べますね。サクサクした食感とあの香ばしさが好きなんですよ」
「そうなんですか」

今度はこなたが牛乳を1口飲んでから

「ハヤちゃんはカレーはどうやって食べる?」
「バランス良くだね。ルーだけならまだしもごはんだけ余ったら流石に味気ないし」
「成程。ソースや生卵は?」
「やらないかな。カレーのうまみだけ味わいたいし」
「ほうほう」

「ねえねえ。ハ〜君は目玉焼きって何かけて食べるの?」
「基本は醤油ですね。塩コショウだけの時もありますが」
「塩コショウだけ?」
「卵自体が美味しいときは、そうやりますよ。他の調味料だと、もったいない気がして」

話を一旦切るとつかさが

「ハ〜君はさ、親戚丼ってどう思う?」
「親戚・・なんですかそれ?」
「親子丼にマヨネーズをかけるんだよ。美味しいよ」
「へ〜。今度やってみようかな」

考え始めたハヤテに

「ハ〜君は、焼き鳥ってどうやって食べるの?」
「あ、すみません。外食とかの話題はちょっと」
「え!?」
「僕、長い事1人暮らしで。学費や生活費をバイトで稼がなきゃいけなかったので、余裕なくて」

「友達とかと外食しなかったの?」
「ええ。生活費も少しとはいえ切り詰めてたので。誘いは断ってて。執事になってようやく余裕が出たので」
「ほほ〜。お涙頂戴ですな〜」

泣く演技をしたこなたにハヤテは乾いた笑みを浮かべるだけだった。

「じゃあさ、「残って乾いちゃった最後の1っこ」ってどうする?」
「許可をもらって食べちゃうかな。皆が食べなさそうなら。もったいない精神が強いからね」
「ほほう。焼き肉の焦げたのも?」
「残すくらいならね」


                    × ×


また別の日。

「監禁事件とか増えてるわね」
「そう言えば」
「女の子に「ご主人様」って呼ばせたりさ」

かがみの言葉にハヤテは

「まあ、現実がうまく行ってないとかさ、ゲームやりすぎて「仮想と現実」の境目がおかしくなったりとかが原因なんじゃない?」
「それもそうね」
「な、なんでこっち見るの」

ハヤテの言葉を聞き、かがみはこなたを見ていた。

「あんたなら境目を壊しそうだし。差別するつもりはないけど、ゲーム好きだから」
「私は愛があるからね。大丈夫だよ」
「ま、そこは信用しておくわ」

すると、何かを思いついたのか

「ねえねえかがみん、仮にさハヤちゃんに監禁されたりしたらどうする?「独占したかったから」って理由で」
「あんたね。人の恋人でおかしな妄想広げんじゃないわよ」
「仮にだよ。ifだよif」

こなたに言われ少し黙った後、かがみはみるみる真っ赤になった。

「ほほ〜う。妄想したな〜」
「うるさい!!!!この話題は終わりよ終わり!!!」
「ええ〜。聞かせてよ〜」


                      × ×


また別の日。

今日は小テストの結果が張り出されていた。

「ハヤちゃん凄いね」
「ゆきちゃんより成績がいいなんて」

ハヤテが1位でみゆきさんが3位だった。

「これでも努力してるんだよ。仕事の合間や寝る前に毎日ね」
「ふ〜ん。ハヤちゃんって弱点とかあるの?」
「まあ、なくすように努力してたから。あ、でも「女の子の気持ちを理解できないのが弱点だ」って言われたことあるけど」

「それは確かにね。小学校時代、もててたのに気付かなかったから」
「・・・そ、それより。みゆきさんならないんじゃない?弱点」
「お恥ずかしながら色々と」
「だ〜か〜ら〜。みゆきさんは「萌え要素」だって」

自身の欠点を言おうとしたみゆきさんを遮るように言ったこなたに

「こなた、何でもそっちに持っていくの止めなよ。一般受けしないから」
「そうかな。それより、ハヤちゃんはみゆきさんのコンタクト姿って似合うと思う?」
「似合うんじゃない?」
「え、えっと。ご期待に沿えなくて申し訳ないんですが、怖くて」

申し訳なさそうに言うみゆきさんにハヤテは

「まあ、一長一短がありますからね。コンタクトってモノにもよりますけど、目に負担がかかりますから」
「で、ですよね」
「眼鏡ならかけたり外したりも楽ですから、そのままでも」
「すみません。フォローしていただいて」

喜ぶみゆきさんだったが、こなたはハヤテの脇腹をつつくと、

「ハヤちゃん、かがみの前ではむやみに他の女の子を褒めないほうがいいよ」
「何で?」
「そのうち分かるって」

言葉を濁すこなたにハヤテは首を傾げるだけだった。

「(成程。ハ〜君が言われた弱点、あながち間違ってないかもね)」


                     × ×


また別の日。

「え!?かがみが風邪!?」

心配そうなハヤテに

「だ、大丈夫だよハ〜君。インフルエンザじゃないみたいだし」
「そ、そう」
「まあ、私の場合はバカだから心配ないし」

「こなたはバカじゃないって。仮にそうだとして話を進めると、「馬鹿は風邪をひかない」っていうのは間違いだって」
「じゃあなんでそんな事言うの?」
「え、えっと。ちょっと長くなるけど」
「構わんよ」

こなたが言うと、ハヤテは軽く咳払いし

「単純に「バカだから風邪をひいたことに気付かない」っていうけど、医学的根拠もあるみたい。それはストレスによる抵抗力の低下の有無だよ。そうじゃない人は過度のストレスとかで抵抗力が落ちて、そこに風邪菌が侵入してってなるけど、バカの人は「ストレスが無いから抵抗力が落ちない」って事みたいだよ」

ハヤテの解説にこなたもつかさも感心していた。

「まあ、こなたはバカじゃないから、あんま関係ないか」
「知識が増えたよ。ついでに風邪とインフルエンザの違いは?みゆきさんに教えてもらったけど、理解出来なくて」
「風邪の凄い版って言えなくもないって言ってくれたけど」

考え込む2人にハヤテは

「インフルエンザは「インフルエンザウイルス」によるものだよ。このウイルスは「風邪菌」と呼ばれるグループの一員なんだ。で、風邪はそれ以外のウイルスが原因。分かりやすい違いは「体温の変化度合い」かな。急激に体温が上がったら、「インフルエンザか!?」って疑った方がいいかもね。風邪の体温上昇は緩やかだから」

この解説に2人は感心しきりだった。


                     × ×


で、放課後。

「ただいまー」
「お邪魔しま〜す」

「おかえりつかさ。こなたちゃんいらっしゃい」

つかさとかがみの母、柊みきが出迎えた。すると

「あら?新しいお友達?」

ハヤテに気付き聞いて来た。

「あ、初めまして。綾崎ハヤテです」
「男の子の友達ね〜」
「あ、あの」
「クスッ。私は柊みき。つかさとかがみの母よ」

笑みを向けられ、とりあえずは安心した。

「えっと。かがみ・さんのお見舞いに」
「そうなの。さ、あがって」

許可をもらい3人でかがみの部屋に向かった。

「ほほ〜。相変わらず寝顔が可愛いですな〜」

「なんだよ何しに来たんだよ!!!!帰れよ!!!!!!!!!」

かがみは飛び起きながらこう言ったが

「え!?帰った方がいいかな」
「ハ、ハヤテ!?」

思わぬ恋人の訪問に驚き

「き、来てくれたの?」
「ま、まあ心配だったから。そ、その彼女が風邪ひいたって聞いたから」
「そ、そう///////////////////」

照れで頬を描きながら言ったハヤテにかがみも照れつつかえした。

「ほほ〜う。青春ですな〜」
「う、うるさい。余計なお世話だ」
「まあ、存分に青春したまえ。私は宿題をだね」
「お前(こなた)は帰れ!!」

見舞いに来てくれたのは分かってはいたが、からかわれたのでこう言っていた。

「まあまあ。宿題なら僕が教えるから、かがみに迷惑かけないでよ」
「でもさ〜」
「迷惑かけないでね」
「は、はい」

凄みのある笑顔にこなたは返事するしかなかった。

「じゃあかがみ、お大事に。お見舞いなら、さっきお母様に渡しておいたから。「要冷蔵」だし」
「ありがとハヤテ」
「気にしないで。恋人じゃん」

「つかさ、私たちは出ようか」
「そうだね。ハ〜君を「お兄ちゃん」って呼ぶ日も遠くないかも」
「つ、つかさ!?////////////////////////////」

照れるかがみを部屋に残し、ハヤテとこなたは帰ろうとしたが帰り際みき母に

「ねえハヤテ君」
「はい?」
「かがみをよろしくね。 あ、つかさも」
「は、はあ。勿論です」
「(お母さん、私はついで?)」


                    × ×


また別の日。

「おッす。来たよ」
「やあかがみ」

お昼時にかがみがクラスに来たのでハヤテは嬉しそうであった。

「そう言えばさ。ハヤテは私達以外に友達っているの?執事になる前は余裕が無かった聞いたけど」
「一応は何人かいるよ。事情を理解してくれてるね」
「ふ〜ん。因みに、男女比は?」
「不思議と女性が多くて。8対2かな」

心配そうなかがみに

「大丈夫だよ。全員「友達」だから」
「そ、そう」

話が終わるとこなたが

「そう言えば、昔は野球中継って多かったよね「試合終了まで延長」って殆ど当たり前だったのに」
「そうね。「深夜アニメの予約がめちゃくちゃになる」って嘆きそうよね」
「まあ、今は視聴率が低迷気味らしいから。「優勝決定戦」でも悪いみたいだし」
「「へ〜」」

少しの間沈黙ののち

「そう言えばさ、ハヤちゃんって友達と連絡って取り合ってるの?」
「無理だよ。携帯も「執事になってから」持ったし」

「そ、そう。なら安心ね」
「よかったね〜。修羅場無くて」
「・・・そうね」


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「おはらっき〜。らっきー☆チャンネルだよ〜」

「って始めたけどさ、出番あるの?私達」
「無さそうですね。今回限りの予定らしいですから」

「まあいいや。始まったね〜短編」
「ですね。俺は、出ないでしょうね。本編に。唯一に近い「同級生の男性」だったのに」
「まあいいじゃん。ここで終わりなのは同じだし」

「それで、どうなるの?この先」
「アニメ基準ってのは変わらず行くみたいです」
「あ、そう。え!?出番終わり!?」


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月5日更新) ( No.4 )
日時: 2015/11/05 01:46
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                   × ×


ゴールデンウイークも終盤のある日。ハヤテは柊家に遊びに来ていた。

「ねえねえハ〜君。ハ〜君は、宿題とか終わった?」
「へ!?」

ハヤテはかがみと話していたが、つかさが頃合いを見て話しかけていた。

「ほら、長い休みってさ、油断してついつい遊んじゃうよね」
「まあ、気持ちは分かりますよ」

照れで頬を掻きながらつかさは言っていた。

「分かるって。私は殆ど終わってるんだけど」
「すみません。僕はもう全部終わってるんですが」
「え!?ハ〜君はともかく、お姉ちゃんも?ずっと一緒に遊んでたのに」

「つかささん、どういう生活リズムなんですか?」
「えっと、お昼ぐらいにお母さんに起こしてもらって、その後こなちゃんやお姉ちゃん、ハ〜君とも遊んで、夜にちょっとだけ宿題するんだけど、9時には寝ちゃうんだよね」

「そうね。お母さんが起こさないと夕方ぐらいまで寝てるもんね」

「ハ〜君はどうなの?」
「僕はですね、5時には起きますね。それで、朝食の準備などをして、その後他の執事仕事をして、合間に宿題を含めた勉強をしてますね。夜は寝る前に勉強をして、3時には寝ますね」

さも当たり前のように自身の生活リズムを言ったハヤテに

「ハヤテ、恋人として言わせてもらうわ。早死にするわよ」
「ハ〜君、その生活リズム辛くない?」
「慣れてますから」


                    × ×


また別の日。

「かがみ〜。みゆきちゃんからお電話よ〜」
「ほ〜い」

『宿題の答え合わせを兼ねて勉強会を開きませんか?』
「いいわね。あ、じゃあさ、ハヤテも誘っていい?」
『構いませんよ。ハヤテさんがいると、心強いですから』

また別の日。

「かがみ〜。こなたちゃんからお電話よ〜」

『宿題の掃除を兼ねて勉強会をだね』
「あんたの場合、私の答えを写すだけだろうが!!!」

で、

「宿題写させてちょ」
「自力でやりなさい!!休み明けにテストがあるんだから、散々たる結果になるわよ!!」
「そ、そうだよね。自力でやった方がいいよね」

「大丈〜夫。私は一夜漬けとか慣れてるし」
「自力でやれ!!」

するとこなたは口を尖らせ

「いいもん。ハヤちゃんに聞くから」

こなたは部屋を出ようとした。だが、肩を強い力でつかまれた。
後ろから殺気が放たれている。こなたは振り返れない。

「ハヤテはね〜。普段執事の仕事とかで忙しいの。ハヤテは優しいから、あんたが「宿題教えて」って言えば、教えてくれるでしょうね。でもね、ハヤテの仕事の邪魔をすることに変わりはないの。ハヤテに迷惑がかかるような事したら、私許さないわよ」

後ろからの殺気が強まった。こなたは振り返れない。

「かがみん、落ち着いて」
「あら嫌だ。私はと〜っても落ち着いてるわよ。うふふ」

肩を握る力が強まった。こなたは振り返れない。

「ハヤちゃんには電話しないから、許して」
「よしっ」

ようやく手が離れた。

暫く勉強会をしていると。

「お邪魔します」
「「「いらっしゃ〜い」」」

みゆきさんが合流してきた。

「あら?ハヤテさんは来てないんですか?」
「一応は誘ったんだけどね。忙しいって」

「残念だね、かがみ。青春出来なくて」

からかうこなたを無視し

「全然やってないじゃない。連休中何やってたの?」

こなたとつかさは思い出すように上を向き

「私は、計画的にやろうとしたんだけど、なんだかんだで」
「計画倒れか」
「私はね、ネトゲして、寝て。ネトゲして、寝て。で、電話した」
「お前は、「罪悪感」って言葉を覚えろ!!!」

その日の夜。

トイレに起きたかがみがつかさの部屋の前を通ると、明かりが漏れていた。

「結局、自力で頑張ろうとしたのね」

机で居眠りする妹を見て、かがみはほほえましく見ながらそう判断した。

「根が真面目なのね。   でも、正解率は見るに堪えない」


                      × ×


休み明けの陵桜。

「皆、連休中は楽しく過ごせたか?まあでも、宿題やら休み明けのテスト勉強やらで楽しめんかったやろうけど」
「まあ、僕はいつも通りでした」

「ほうほう。期待しとるで、転校生」

「先生、私もいつも通り遊びまくりました」

「ほほ〜う。後でゆっくり話そうか」

こなたの言葉に黒井先生は怒りマークを浮かべていた。

放課後。こなた、かがみ、つかさ、ハヤテはゲームセンターに来ていた。

「そう言うのって、取れないようになってるんじゃないの?」

こなたはユーフォーキャッチャーに挑戦しようとしていた。

「物にもよるけどね。取れやすくなってたり、取りにくくなってたり」

こなたが挑戦すると、一発で成功していた。

「こなちゃん凄いね」
「これはねらい目だったし」

自慢気なこなたにかがみは

「(これだったら私がやっても取れるんじゃ)」
「って思ってない?」

図星なので顔を赤くしつつ

「まあ、1回だけやってみるわ」
「お姉ちゃん頑張って」

かがみが挑戦したが、取れなかった。

「取れたと思ったのに」

その後も5回くらい挑戦したが、取れなかった。

「偉い人は言いました。「ユーフォーキャッチャーは貯金箱である」と」
「上手いわね、その人」

落ち込むかがみにハヤテが

「取ってあげようか?」
「良いの?」
「任せてよ」

そう言うと、ハヤテは筐体と暫く睨めっこし、1回で人形を取った。

「凄いわね。私がやっても取れなかったのに」
「コツがあるからね。アームのパワーやバランス、景品の材質とかを考慮しないと」

「私が言うのもあれだけど、通だね、チミ」
「ま、まあ後は愛だね。「かがみの為に取りたい」って思ったら、思いのほか」
「うえ!?私の為!?///////////////////」

「かがみん〜。僻み受けるからここで青春しないほうが」
「うるさい!!」

その後も幾つかのゲームで遊び

「こなちゃん上手だね」
「凄いね。「才能云々」じゃないよ、これ。幾らつぎ込んだの」
「まあそれなりにね。私よりハヤちゃんだよ。上手じゃん」

「僕の場合、大会とかに出ると賞金とかもらえるでしょ?それが目的だったし」
「ハヤテ、貴方の場合、暗いわ」

「ま、まあでも。ゲームで鍛えたスキルって、日常生活じゃ役に立たないんだよね」
「そうね。あんたを見てるとよ〜くわかるわ」
「確かにね」

「あのね、ハヤテにも言えるんだけど、それ」
「ま、まあでも。僕は実益を兼ねてるし、今日はかがみの前でかっこ悪いところ見せられなかったしね」
「ハ、ハヤテ」

「お2人さ〜ん。ここでの青春はほどほどにね」


                    × ×


別の日の陵桜。

「泉〜。なんや、泉は今日は休みかいな」
「(こなたが?珍しいな)」

黒井先生が職員室に戻ると

「黒井先生、泉さんからお電話ですよ」

「はい、変わりました」
『あ、先生。今日病欠したいんですけど』
「何や珍しいな。風邪かいな?」
『いえ、五月病が酷くて』
「ええからはよ来んかい!!」


放課後。

「おーい、帰るわよ」

かがみ達が誘いに来ると、こなたが鞄に教科書類を押し込んでいた。

「どうしたの?そんな鞄をパンパンにして?」
「いやさ。明日からテストでしょ?だから一夜漬けしないと」
「あのね。テストの前日だけやっても間に合う訳ないでしょ」

「でも、私はこれでいつも乗り切ってるし」
「そう言えば、昔っからそうだね、こなたは」
「昔からって。筋金入りね。まあ、どこまでできるか楽しみにしておくわ」

そして無事にテストも終わり。

「まあまあね。ハヤテとつかさはどうだった?」
「き、聞かないでほしいかな」
「僕は、努力の結果が出せたかな」

「じゃあ、一夜漬けちゃんはどうだったかな?」
「お蔭さまでばっちり」

こなたはかがみと同じくらいの点数だった。

「納得いかねえ!!」


                     × ×


また別の日。

「うう〜。だるい」
「こなた〜。帰るよ〜」

ハヤテとこなたはかがみと共に近くの本屋に来ていた。

「ハヤテが「こなたがだるそうにしている」って言ってたけど、寄り道には付き合うのね」
「まあね。  お、コンプ祭りクオカード全種類そろえねば。バイト代突っ込むぞ」
「成程。こなたのバイトの理由はそこか。 相変わらずだね」

ハヤテは呆れるやらの突込みを入れた。

一行は本屋を出て、バスを待っていた。

「全く。「五月病で」病欠しようとするなんて、初めて聞いたわよ」
「まあ、こなたらしいけどね」
「だよね。でもさ、「病」っていうぐらいだから、認められてもいいじゃん」

「あのね、そんな事言ったら、「仮病」も認可されることになるでしょ」
「成程。だったら、仮病もお医者さんで処方箋を」
「出来る訳ないでしょ」

話題を切り替えるようにつかさが

「あ、あのさ。五月病ってどんなのだっけ?」
「はあ。ハヤテ」
「こ、この場合はみゆきさんに聞いた方が」

話を振られたみゆきさんは。

「入試や入社と言った大きな目標を達成した達成感や、4月から始まった新しい人間関係が思うように行かない、想像していた新生活とのギャップからくる無気力や倦怠感をさします。なので、体がだるいだけっていうのは、五月病と言えるかどうか」

「流石ですね。見事な知識量ですね」
「いえいえ」

ハヤテがみゆきさんを褒めると

「ん!?どうしたの、かがみ」
「別に」

ふくれっ面になったかがみに

「僕、何かしちゃった?」
「自分の胸に聞いたら」

不機嫌になったかがみにハヤテは首を傾げ、こなた達は気を使ったのか話題を振らなかった。


                   × ×


また別の日、陵桜。

「どうしたのゆきちゃん。ため息なんかついて」

元気が無いみゆきさんにつかさは話しかけ、ハヤテは心配そうな視線を送っていた。

「実は、歯医者さんが怖くて、逃げていたら益々虫歯が進行してしまって」
「ああ、前に言ってたね。こういうのってさ、何度話しても怖いよね」
「気持ちは分かりますが、「乳歯」ならまだ救いようはありますが、「永久歯」である以上出来るだけ早く手を打たないと」

「でもさ、なんでそこまでになるまでは医者さんに行かないの?」

突然現れたこなたを特に気にせず

「よくない事だとはわかっているんですが」
「やっぱり逃げちゃんだよねえ」
「我慢できるからっていう具合に」

「歯医者さんってそんなに怖いの?行った事無いから分かんないや」

首を傾げるこなたにみゆきさんとつかさは

「歯医者さん独特の薬のにおいとか、待っている間の緊張感とかが」
「それに一番、ドリルの回転音だよ」

「おお。 ねえねえハヤちゃん。ハヤちゃんは男子だから、ドリルの音とかあこがれるんでしょ?」
「あのねこなた。こなたが思ってるドリルの音と、歯医者のドリルの音は本質が違うって」

ハヤテの指摘にこなたはやっぱり首を傾げていた。

「何時も思うんだけど、歯科助手とか受付の人って美人の人とか多いよね」
「採用する方の基準でしょうかね?」
「多分、怖い人とかが受け付けとかにいると、その時点で委縮するからだと思いますよ。女性の患者さんでも、「怖い人」がいたら嫌だと思いますよ」

ハヤテが持論を言うと

「美人歯科助手とドリルか」

「こなた?そっち方面の妄想は止めてね」

「ハヤテさん、やっぱり男性は喜ぶんですか?」
「まあ、いると思いますけど、男でも歯医者は嫌な人は嫌ですよ」
「ふ〜ん。あ、じゃあさ、女性向けの歯医者さんってどんなのかな?」

つかさが聞くと、ハヤテ以外の女性陣は

「やっぱ、その匂いとやらを消してもらわないと」
「後、座る椅子はマッサージ付きのリクライニングチェアだね」
「でしたら、アロマテラピーもですね。治療開始と共に足裏マッサージをしてくれるとか」

「じゃあさじゃあさ、気を紛らわせるためにゲームもできるとか」
「口空けたままじゃゲームし難いんじゃ」
「ですが、気を紛らわせてくれるっていうのは良いですね」
「そうだね」

盛り上がる一方、ハヤテは沈黙を守っていたが

「あの、そこまでしたら治療費等々が大幅に増えちゃうと思いますが。それに「歯の治療」と言う本質は変わらないと思いますが」

的確なツッコミに

「やっぱり、歯医者さんは嫌ですね」
「だよね」


                    × ×


「何と」
「どうしたのよ?」

漫画雑誌を読んでいたこなたが突然声を上げ、かがみが聞くと

「いやさ、好きな作品がアニメ化する事になったんだけど、ドラマCD版とキャストが全然違うんだよ」
「そうなの?私はドラマCD買わないから、気にしないけど」

「いやいやかがみん。ドラマCDを聞きなれた人にはアニメ化した際どうしても違和感が拭えないのだよ」
「そうかしら?原作と声があってれば気にしないと思うけど」
「だね。でもさ、ドラマCD版とアニメ版。違う作品だと思えばそれはそれで楽しいと思うけどね、僕は」

「おお〜流石ハヤちゃん。気が合うね〜」
「そうだね」

すると

「ハヤテ、私もそう思うわよ。「私と」気が合うんでしょ」
「へ!?あ、うん」

「ヤキモチですか〜」
「なんか言ったかしら?」
「お気になさらず〜」
「???」


                     × ×


こなた達は放課後ファストフード店に来ていた。
補足すると、ハヤテとこなたが隣通しで、かがみとつかさが横並びです。
みゆきさんはこなたとは反対側のハヤテの隣です。

「さて、みゆきさんが余らしたナゲットを誰かがいただくのですが」
「まあ、この場合は無難にジャンケンじゃない?」

ハヤテの提案にこなたはチッチッチと指を横に揺らし

「ジャンケンだとさ〜遺恨とか残りそうじゃん?だからさ、睨めっこで勝負しよ」
「そんな子供じみた事を」
「まあまあ。睨めっこ面白そうだよ」

「かがみんが圧勝しそうだね」
「なんか言ったか?」

怒られそうになったので

「じゃあ早速。睨めっこしましょアップップ」

全員で変顔したすると

「ど、どうしたの?かがみもつかささんも爆笑じゃん」
「だ、だってさ」

笑いすぎて言葉にならず、説明不能だった。

「あら?どうしたんですか?」

トイレから戻ってきたみゆきさんが爆笑する柊姉妹に聞くと、少し落ち着き

「だってさ、こなちゃんが」
「面白すぎるのよ。ハヤテもこっち来て見なさいよ」

ハヤテは席を立ち、こなたと向き合う形となり、渋々こなたはさっきの変顔をした。

「す、すごいねこなた。面白すぎだよ」
「ホントですね。一芸入試に役立ちそうですね」
「こなた、やってみなよ。絶対に受かるって」

「なんか、複雑なんですけど」

大笑いする一行にこなたの心境は複雑のようだ。


                   × ×


「ねえねえハヤちゃん。ハヤちゃんは本読むの?」
「まあ、色々とね」
「へ〜。ハ〜君どんな本読むの?」

「えっと。勉強本もですし、お嬢様に合わせるために漫画やラノベも読みますね」
「へ〜。でさ、テレビとかでやる「漫画以外の読書時間の減少」ってどう思う?」
「どうって。それは事実なんじゃ」

「でもさ、活字本っていうけどさ、ラノベはどうなんだろ?」
「微妙だよね。漫画とラノベの境界線って僕の中じゃ曖昧だしね」
「同感だね。結論としては「活字離れ」って事らしいけど」

「でもさ、ネットで個人ブログとかで目にする機会は多いんじゃ」
「でしょ〜。分かんないもんだよね」
「まあ、テレビ番組は盛り上げるために「演出」と言う名の「嘘」も交えるからね」
「だね〜」

盛り上がる2人につかさはついて行けず、黙って聞くだけだった。
そして、ふと教室のドアを見ると、かがみが恨めしそうにハヤテと楽しそうに話すこなたを見ていたそうだ。


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月8日更新) ( No.5 )
日時: 2015/11/08 19:43
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」

うん、これやっぱ必要。


                      × ×


ある日の柊家の朝。

「あ、そう言えば。今日から夏服だったわね」

かがみはそう呟き、制服の夏服に袖を通した。

「こなた辺り、冬服のまま来そうよね。いるのよね、そう言う人」
「お姉ちゃんおはよう」

かがみが見ると、つかさ(冬服)が無言のまま部屋の入り口に立っていた。
そして無言のままドアを閉めた。

「うわあ。こんな身近にいるとは」


                    × ×


最寄り駅のホーム。

「そう言えばさ、ハヤテのご主人様に挨拶した事無かったわよね?」
「あ、そう言えば。忘れてた」
「折角だしさ。挨拶しておきたいんだけど。 そ、その「恋人」として」

照れつついうかがみにハヤテは

「聞いてみるよ。多分大丈夫だと思うよ」
「おおいいね〜。だったらさ、許可が下りたら、みゆきさん誘ってハヤちゃんのご主人様とやらに挨拶しようよ」

こなたの言葉にかがみは若干不機嫌になったが

「いいね、それ。私もハ〜君のご主人様に会ってみたいな」
「分かりました。今日帰ったら聞いてみます」
「ま、いっか。お願いね、ハヤテ」

かがみが言うと、こなたがにやけ顔で近付き

「ごめんねかがみん。両親へのあいさつみたいなものを邪魔して」
「う、うるさい!!!!!そんなんじゃないわよ!!!!」
「じゃあなんで機嫌悪いのかな〜」

にやけ顔のこなたを睨み付け、こなたはこの話題を止めた。

少しするとかがみの機嫌も直り。

「あ、しまった」
「どうしたの?」
「あ、いやさ。狙ってた懸賞に応募するのを忘れてたのよ。チェ」

残念がるかがみにこなたは

「かがみんの愛が足りなかったんだよ。だから忘れちゃったんだよ」
「いやいや。委員会とかテスト勉強とかで忙しかったのよ」
「何を言うのやら。愛があれば忘れたりしないのだよ。だから、私は忘れた事などないのだよ」

「遊びの事ばっかり考えてるあんたと一緒にすんな!!!後、言い方がむかつく」
「あはっ」

「そう言えばさ。懸賞ってどうやったら当たるんだろう」

つかさがこう言うと、こなたは

「ひとえに、愛だよ」
「あ〜はいはい」

「まあでも、一応は「運任せ」以外にもコツはありますよ」
「へ〜。ハ〜君教えて」
「つかさ、ここは私の専門なのだよ」

こなたは人差し指を立て

「字が上手いのは基本中の基本。抽選担当者が思わず手に取りたくなるような葉書を書くのだよ」
「例えば?」
「蛍光ペンで葉書を縁取り。後、プレゼントをモチーフにしたイラストを入れるとかね」

「イラストか〜。自信無いな」
「そういう時は、物量作戦も有効ですよ」
「物量作戦?」
「葉書を大量に描くんだよ」

「それならできそうかな」
「ただし、それを実行する場合は、プリンターとか使わず全部手書きで、勿論全部丁寧に書かないと。最低100枚だね」

「100枚!?」
「そんなの当たり前じゃん。少ない方だと思うよ」
「凄い投資になるじゃない」

「欲しい物を手に入れるんだよ。情熱も投資も必要だよ」
「で、でもさ。買った方が安くつく場合もあるんじゃないの?」
「甘いね〜かがみん。世の中お金じゃ買えないこともあるのだよ」

一応正論なので、かがみは言い返さなかった。

「100枚って、ポストに入るのかな?」
「全部いっぺんに応募するのはよくないですよ。数組に分けて、日も変えて応募しないと」
「へ〜」
「ただ、この物量作戦も、担当者によってははねられることもあるので、1枚を最高の出来にして応募することも有効ですよ」

「流石ハヤちゃん。分かってるね〜」
「まあ後は、「当たりたい」とか「当たれよ〜」みたいな邪念をもって書かない事ですね」
「駄目なの?」
「葉書越しでも伝わって「止めておこう」とか思われる可能性もあるので」

感心するつかさにハヤテは

「まあ、どうしても当選したい場合は、人気の低そうなものに応募するのも手ですよ」
「それって愛はあるの?」
「無いよね」

するとハヤテが

「そう言えば。昔テレビで「懸賞生活」ってのをやってた事あったな」
「それってどんな番組?」

「「懸賞で当たったものだけで」生活する企画ですよ。あるマンションの1室に監禁状態にして、ともかく葉書を書いて懸賞に応募して、当選したものの総額が100万円に到達するまで続けるものです。勿論食べ物は当選しないと、食べられません。水は水道があるので、大丈夫みたいでしたが」

「それって、凄いわね。今じゃ絶対に出来ないわね」
「規制が緩かった時代の番組だからね。食べ物が中々当たらなくて、ドックフード食べてた時期もあったし。まあでも、良かったことは「ギネス認定」になれた事かな?」

一応聞きますが、分かる人いますよね?

話が終わると、こなたがかがみとつかさを交互に見て

「かがみとつかさってさ、双子のわりに似てないよね?」
「ああ。私達二卵性双生児だからね。普通の姉妹程度の違いが出るのよ」
「一卵性の場合は、DNAまで同じに成る程そっくりになるからね」

「そう言う事。だから、容姿や性格も違いが出るのよ」
「成程。つかさはのんびりしてるけど、かがみは凶暴。・・あたっ」

こなたがかがみの性格を悪く言った途端、ハヤテがこなたにチョップを食らわせた。

「こなた、人の彼女を悪く言わないでよ。かがみは十分すぎるくらいに可愛いでしょ」
「ハヤテ///////////////////」

ハヤテが褒めると、かがみは顔を赤くして喜んだが、こなたは少し黙った後

「プッ駄目だ。かがみに可愛い系は似合わない」
「なんだと!!!  ってハヤテ、どうしたの」

ハヤテは顔に赤みを帯びさせて、頬を掻いていた。

「あっ、いや。かがみが目を輝かせて名前を呼んでくれるところを妄想・・想像したら照れちゃって」
「も、もう////////////////////」

照れる恋人同士を無視し、こなたは

「2人にはさ、テレパシーってあるの?」
「テレパシー?」

首を傾げるつかさに

「双子ってさ、離れて暮らしてても、趣味とかが似るじゃん?結婚相手も双子とか。後、どちらかに危険が迫るともう片方は離れててもその危険を察知できたりするじゃん?そう言う不思議体験とかがある訳よ。だからテレパシーがあるんじゃないかって」

「それはフィクションだって。まあでも、あるテレビドラマで「双子のテレパシーを物理学で証明できるか?」っていうのあったよね。結局あれも、「無い可能性は否定できない」って結論だったはずだし」

ハヤテがこういうと、照れから戻ってきたかがみが

「そう言えば、一卵性と二卵性の定義って結構最近変わったらしいわね」
「確か、ある専門機関で鑑定してもらえるはずだったような」

「成程。じゃあさハヤちゃん、かがみとつかさも一卵性双生児の可能性は否定できない訳だ。えっと、2人の共通点っと。あ、お菓子好き」

「うん、大好き」
「まあ、ね」

「2人とも左利きだ」
「うん」
「そうね」

「好きな色は?」
「白かな」
「黒よ」

好きな色を答えると、こなたは突然笑い

「心の色と一緒だ」
「なんだと!!!」

ハヤテが再びこなたに軽めに制裁を加えようとした瞬間、こなたのお腹が鳴った。

「卵とかソーセージの話してたらお腹へっちゃった」
「食べ物の話じゃなかったでしょ」

丁度そのタイミングで電車が来た。

「うわ、暑い」
「クーラーまだなんだね」

車両の中ほどのつり革らへんに来ると

「こなた、女の子がそんなはしたない真似を」

こなたは上着を見えない程度にめくって中に風を送っていた。

「だって暑いんだもん」
「もう。扇いであげるから、ほら止めて」
「おお。気が利くねハヤちゃん」
「友達がみっともない真似してほしくないだけだよ」


                       × ×


翌日。

「ねえねえハヤちゃん。昨日聞いたあれ、どうだって?」
「ああ。良いってさ、友達連れてきても」
「何の話ですか?」

つかさはみゆきさんに昨日の話をした。

「成程。私もご一緒していいのならぜひ」
「行こうよみゆき」
「じゃあ、明日休みだから、話通しておくよ。みゆきさん、場所とか覚えてます?」

「えっと、なんとなく程度に」
「じゃあ地図描いておきますよ」

そう言うと、ハヤテはメモ帳を取り出し、簡単で分かりやすい地図を書いてみゆきさんに渡した。

「すみません」
「お待ちしてますね」

そして翌日。
こなた達は最寄り駅で集合し、向かった。

「えっと、地図によるとこっちですね」
「どんなところなんだろうね。ハヤテが働いてるお屋敷」
「まあ、少々の事じゃ驚かんよ。私は」

しかし、実際に三千院家に着くとみゆきさん以外は口をあんぐりさせて固まっていた。

「こ、こんな漫画みたいな馬鹿みたいに広い家なんて実在したのね」
「す、すごいね、これ」
「こりゃ、想定の範囲外だよ」

驚く3人をしり目に、みゆきさんはチャイムを鳴らし、少しの応答の後門が開いた。

「行きましょう。ここに居ても迷惑ですから」
「そうね」

広すぎる庭を通り、屋敷の玄関の扉を開けると

「皆さん、いらっしゃいませ」

ハヤテが出迎えた。

「お嬢様はこちらです」

ハヤテの先導で廊下を歩いていた。

「ねえハ〜君、ご主人様ってどんな人なの?」
「13歳の女の子ですよ。後、素直じゃないところもありますが、基本は良い人です」
「ほうほう。ツンデレ属性ですか。かがみと被るね」
「まあ、髪形がツインテールってのも同じだけど」

話しているうちに居間に着き、ハヤテがドアを開けた。

「よく来たな。私がここの主、三千院ナギだ」
「ようこそ。私はハヤテ君同様お嬢様に仕えている、メイドのマリアです」

それぞれ自己紹介し、みゆきさんは手土産をマリアさんに手渡した。

「いや〜羨ましいですな〜。こんな馬鹿広い家に住めて」
「そうか?広すぎるとウザったいときもある」

室内を物色していたこなたが呟くと、ナギが返した。

「お!?これはマニアには大うけの漫画ではございませんか」
「ほう。その漫画の良さがわかると来るか」
「ふっふ〜ん。世の中の人々は分かってないのだよ。この漫画の良さが」
「気が合うな。では、これはどうだ?」

かがみ達を置いて、ナギとこなたは大盛り上がりだった。
そして

「よし、気に入った。またいつでもこの屋敷に来ていいぞ、皆の衆」
「え!?いいの?」
「勿論だ。また盛り上がろう」

仲良くなったナギとこなたを見てかがみは安心したようなため息をついた。

暫く世間話で盛り上がっていると、かがみはナギが自分を見る目が妙に冷たい事に気付き

「な、なに?」
「この際はっきり言わせてもらおう。私はお前(かがみ)が嫌いだ!!」
「ええ!?」

突然の事に全員驚いていた。

「ちょ、ちょっとお嬢様。なんでそんな事を」
「なんででもだ!!!!!」
「こなた達は好印象を持ったのに」
「関係あるか!!!!」

ハヤテがフォローしようとするたび機嫌が悪くなるナギにかがみ達は察し

「ごめんねかがみ。あ、お茶のおかわり淹れてくるね」

ハヤテが部屋を出ていくと、かがみが

「ナギちゃん、ハヤテの事好きでしょ」
「な!?ち、違う。私は///////////////////////////////」
「じゃあなんで、私を嫌いだなんて言い出したのかしら?」
「り、理由は無い!!!」

「ナギちゃんや。素直になりたまえ。ハヤちゃんもいない事だし」
「分かったよ。確かにハヤテが好きだ。だがな、諦めるつもりはない」
「ごめんあさばせ。ハヤテは私の彼氏だから」

唇をかみしめ、悔しさをかみ殺していた。

「(あらあら♪ナギはハヤテ君が好きなのに、ハヤテ君はかがみさんと交際中。おまけにナギの気持ちには気づいていない♪中々面白い展開ですね♪ああ)」

結局この日はナギとこなた中心に(一応かがみやつかさ、みゆきさんも)盛り上がってお開きになった。


                      × ×


翌日、陵桜。

「おっすこなた」
「どったの?」

かがみがこなたの前の席の椅子に座り

「この前借りたゲームで分からないところがあるのよ」
「おっとかがみんや。そう言うのは自分で解くのに意義があるのだよ」

「それもそうね。つまり、「自分で解く価値」を知ってるって事で、自分で宿題をやるって事ね」

かがみの言葉にこなたは言葉を失った。

「そう言えばさ、漫画やアニメの探偵って、妙に殺人事件に遭遇するよね」
「その方が盛り上がるからじゃないの?」
「でもさ、普通の事件を追っても面白そうじゃん?行方不明者の探索とか浮気調査とか」

「逃げだしたペットの捜索とかも?」
「尾行とかってゲーム性ありそうじゃない?」
「確かにそうね。でも、そう言うの見てて楽しいか?」
「多分全然」

かがみの指摘にこなたは直ぐに返した。

「そう言えばさ、漫画とかで見る様な巧妙なトリックって現実じゃ使われないよね」
「それってさ、下準備とかが大変なんじゃない?」

隣にいたハヤテは話に入って来た。

「氷の橋とか、部屋を水で充満させて高い位置にある柱に遺体をくくり付けるとか」
「確かにね」
「それに、そう言うのは報道規制かかってるんじゃない?」
「成程。現実に起こっても迷宮入りか」

「「それは色々な意味で不味い気が」」


                      × ×


休日の柊家。
遊びに来て漫画を読んでいたこなたが突然難しい顔をし始めた。

「どうしたの、こなた」
「いやさ。漫画とかで、「馬鹿っぽいキャラ」と「優等生キャラ」が同じ学校にいるのって不思議だなって」
「それを言うなら、どう見ても「見た目は小学生」っていうのが教師やってるってのもあるけど」

「まあ、ギャップ萌えっていうのがあるし、そう言うのが好きな人が沢山いるから、そこに触れるのはタブーなんじゃない?」
「流石ハヤちゃん。分かってるね〜。私が言いたいのは、「どう見ても偏差値が違う生徒」が一緒なのが不思議なのよ」

こなたの言葉にかがみが

「そうね。それは凄く同感だわ」

呆れツッコミを入れ

「そう言えば、こなたはよく陵桜に受かったわよね」
「まさか、得意の一夜漬けで乗り切ったのとか?」
「ハヤテ、いくらなんでもそれは無いわよ」

3人は笑ったが、こなたは妙な笑みを浮かべた

「ま、まさか事実なの!?」
「いやいや。幾らなんでもそれは違うよ。お父さんが条件付けてきたんだ。レベルに応じて買ってくれるゲームのランクも上げてくれるって」
「成程。流石そうじろうさん。こなたの扱いに慣れてるね」

ハヤテが感心していると

「でもさ。私としてはつかさが陵桜に受かったほうが驚きなんだけど」
「そ、そんな言いにくい事を」

「こ、こなた。つかささんも努力したんだって」


                    × ×


こなたとかがみはゲームしていた。

「クソッ、格闘ゲームじゃかなわん」
「こなたはやりこむタイプだしね」
「そう言う事。格ゲー以外でもかかってきたまえ」

「だったら、クイズゲームで勝負よ」

かがみは自信満々で勝負を吹っ掛けたが

「う、うそ。知識を競うゲームで私が負けた」
「こなた、出題パターン把握してるでしょ?」
「まあねん」

ハヤテとかがみはこなたの鼻が天狗みたいに伸びて見えた。

ゲームも一段落し、世間話に花を咲かせていた。

「あれ?かがみお菓子食べてないね?いつもは美味しそうに食べてるのに」
「べ、別に大した理由は無いわよ」

納得しかけたハヤテにこなたが

「ハヤちゃんや。かがみは夏に向けてダイエットしてるのだよ」
「そうなの?」
「そ、そう言う訳じゃ」

「今年はハヤちゃんと言う水着を見せる相手がいるもんね」
「う、うるさい!!!」
「僕はかがみがぽっちゃりしちゃっても気にしないけどな」
「だから、そんなんじゃないって」

ハヤテはほほえましくかがみを見た。

「そう言えばさ、2人は七夕生まれだよね?」
「そうよ」
「こなちゃん覚えててくれたんだ」

「(プレゼントか。考えてはいるけど、緊張するな。初めて彼女にプレゼントする訳だし)」

「そう言えば、17歳って前厄だね」
「前厄って?」
「本厄を前に縁起の悪い事が起こり始める年の事だよ」

「誕生日が近付いてくると、ついついお守りとか沢山買っちゃって」
「あれ?でも、お2人の家は神社だったはずでは」
「まあね。やけくそ守り、じゃなかった。厄除け守りが」

「やけくそ守り。色んなのを纏めて守ってあげようと」
「こなた。突っ込まないの。それに、なんか、面白そうじゃん」

笑いながら言うこなたにハヤテは窘めていた。

「そう言えば、かがみとつかささんの誕生日って「ポニーテールの日」なんだよね」
「なんでポニーテールの日なのよ」
「織姫がポニーテールだからだよ。ちゃんと日本ポニーテール協会ってのがあって、毎年ポニーテールが似合う有名人に日本ポニーテール賞を送ってるんだって」

こなたが代わりに説明すると、つかさもかがみを感心していた。

「でもさ、ポニーテールって誰でも似合う気がするんだけど」
「それはどうかな、かがみんよ」

こなたは櫛とヘアゴムを取り出しながら、かがみに言った。
で、

「私はギリギリだね」
「でも、小さ目のポニーテールってかわいいじゃん」
「こなちゃんも似合うよ。普段それでもいいじゃん」

こなたとつかさは互いに褒めあい、

「ハ〜君も中々似合うね」
「男で似合うってまれだね」
「そうかな?かがみは・・・」

ハヤテが言葉を切ったので、つかさもこなたもかがみを見た。

「な、何よ」

何も言わないハヤテにかがみは顔を赤らめつつ文句を言った。

「かがみんは武士みたい」
「う、うるさい!!!!ハヤテも同じようなこと思ってるんでしょ?」

ハヤテは暫くの沈黙の末

「あ、ごめん。かがみがあまりに可愛くて、つい見とれちゃって」
「え!?本当?////////////////////////」
「うん。とっても似合ってたよ」

「じゃあ、暫くはこの髪形でいようかな」
「その方がいいかもね」


                      × ×


別の日。

「クオカードプレゼント中なんだよね」
「でもさ、そう言うのって使ってるの?」

かがみの言葉にこなたは

「使っちゃダメでしょ。そう言うのはとっておかないと」
「そ、そうか?」
「ハヤちゃんなら分かるよね?」

「まあ、真のオタクは「保存用、観賞用、実用用」って分けるらしいけどね」
「そう言う事。私の場合、実用用じゃなくて布教用だけどね」
「成程ね。使用したりオークションに流す人を見たら怒るタイプなんだね」
「ハヤちゃん分かってるね」

意見の合うハヤテとこなたに嫉妬したが、かがみは意見を言えなかった。


                      × ×


別の日。こなた達はファミレスに寄り道していた。

「そう言えばさ、つかさって浮いた話無いよね。かがみんと違って」
「そ、そうかな?」
「つかささんは可愛らしいんですけど、その魅力に気付いていな人が多いからなんじゃないかな?」

ハヤテは何気なく言ったが、かがみの機嫌は悪くなった。

「私もそうだけど、こなちゃんやゆきちゃんも無いよね。浮いた話」
「そうだね〜。みゆきさんは魅力等々が沢山あるんだけどね〜」
「みゆきさんの場合、「高嶺の花すぎる」ってのがあるんじゃない?」

ハヤテの推論にこなた達は納得していた。

「後さ、「自信に対する恋愛感」が鈍いとか。ストレートに告白しても分かんなかったり」
「確かに、ゆきちゃんならありそう」
「鈍いからね、みゆきは」

勝手な推論で盛り上がり、勝手に納得していた。

「まあでも、みゆきさんを落とせれば男としては箔が付きそうだけどね」
「ハヤテ、まさかみゆきに」
「まさか。僕にはかがみがいるじゃん」
「そ、そうよね」

「かがみん〜。青春は私やつかさがいない時にしてよね〜」
「わ、悪かったわね!!」


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以上です。長くなってすみません。

かがみのポニーテール姿、「超可愛い」って思ったのは自分だけじゃない筈。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月11日更新) ( No.6 )
日時: 2015/11/11 22:07
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                    × ×


ある日の陵桜の授業中。
黒井先生が黒板に授業内容を書いているのをハヤテはノートに取っていた。
ふと気になり隣を見ると、こなたが必死で睡魔と戦っており、今にも負けそうになって行った。

「ふひゃ!?」
「寝ないの。授業中」

持ってたシャーペンのお尻の部分でこなたの頬をつつき、起こした。

「ほう、泉。寝とったんか。じゃ、この問題やってもらおうか」
「うえ〜」

助けを求めるように隣のハヤテを見たが、我関せずと言った感じで黒板に集中していた。


                    × ×


「あ、いけない。英語の教科書忘れちゃった」

休み時間鞄の中を見ていたつかさが困ったように言っていた。

「かがみに借りたらどうです?向こうも英語の授業あったはずですから」

ハヤテの提案通り、つかさはかがみに教科書を借りた。

「全く。あんたはそそっかしいんだから」
「ありがとうお姉ちゃん」
「つかささん、前日に確認して、家を出る前にも確認しておいた方がいいですよ」
「ハヤテの言う通りよ」

するとこなたが

「ほほ〜う。我が子に注意する夫婦みたいだね〜。かがみんとハヤちゃんは」
「「・・・///////////////」」

こなたのからかいにかがみは真っ赤になりつつ

「そう言えばさ、こなたは教科書の忘れ物少ないわよね。つかさと違って」
「まあね。私はそういう所しっかりしてるから」
「何言ってんの。こなたは教科書全部置き勉してるからでしょ」
「そうともいう〜」

ハヤテの指摘に直ぐに同意したこなたにかがみは突っ込む気が失せた。

「こなた、日常的に教科書持って帰って復習しないと」
「でもさハヤちゃん。私は家で勉強しないし」
「そうよね。テストの前日まで持って帰らないもんね」

「で、でもさ。こなちゃん一夜漬け得意だし」
「つかささん、フォローしないように」

「おおそうか。私が宿題忘れる要因は、そのせいか」
「あんたの場合は忘れるんじゃない。「やる気が無い」っていうのよ」

かがみのツッコミを気にせず

「と言う訳で、午後の国語の宿題見せてよ」
「早速かい」
「こなた、少しで良いから悪びれてよ。恋人としてかがみに申し訳が立たないから」

「ありがと、ハヤテ。そう言えば、同じクラスなんだからみゆきかハヤテに見せてもらえばいいじゃない」
「いやさ〜。みゆきさんは人が良すぎるから頼みずらいんだよね〜。ハヤちゃんは割とそういう所厳しいから、「解き方」は教えてくれるけど、「答え」は教えてくれないんだよね〜」

「当たり前でしょ。答えまで教えちゃ身に着かないって。ね、かがみ」
「そうね。今度から私もそうしようかしら」

思わぬ展開にこなたはピンチを感じていた。


                     × ×


別の日の朝。

「泉。泉〜。なんや遅刻かいな」

出席を取っていた黒井先生は返事が無いのでそう判断した。その時

「待った〜。遅刻じゃないですよ」
「ほう」
「人助けをしていたら遅れちゃいまして〜」
「へえ」
「その人はいつも行動を共にしてるんですけど、今日は分かれるに別れられなくて」
「へえ」

「俺は良いから解散しようって言ってくれたんですけど、その人だけ取れてなくて。他のメンバーはとれてるのに後味悪いじゃないですか。長く組んでるんだから皆で頑張ろうって励ましてたんですよ〜。仲間って人生を彩る大切なものですよね〜」

長々と言い訳するこなたに

「成程。ウチが落ちた後も徹夜でネトゲか〜。良いご身分やな〜」

鋭い指摘にこなたは言葉を失うしかなかった。


その翌日。

「泉。泉〜。なんやまた遅刻か?」

黒井先生が呆れながらこういうと、またこなたが駆け込んできた。

「今日はですね〜。商店街の入り口で女の子とぶつかりまして。その女の子がいきなり私の手を取ると走り出しまして〜。話を聞くとタイ焼きを盗んだので逃げてるらしいんですよ〜。巻き込まれたことに憂いてたんですが、ほっとくわけにもいかず喫茶店に」

言い訳を遮るように

「こなた。素直に遅刻を謝りなよ。アニメのセリフ丸パクリしてないで」

ハヤテに言われ、こなたは言葉に詰まった。

また別の日。

「うう〜風邪ひいた」
『おう、泉。どないしたんや?』

こなたは学校に電話していた。

「今日休みたいんですけど」
『何言ってるんや。何度も同じ手は通用せんで』
「あ、いえ」
『まさか夏風邪なわけないやろ。梅雨明けしてええ天気になってきてるんやから、だるいとか言わんではよ来い』

一方的に電話を切られてしまい、こなたは困るしかなかった。

で、翌日。

「いやあ。昨日はすっかりオオカミ少年扱いだよ」
「自業自得だよ。その手を使ってなければねえ」
「こなちゃんもう大丈夫なの?」

「熱は引いたみたい。まだ喉は痛いけど」
「じゃあこなちゃんは喉で息をするんだね」
「「「え"!?」」」

つかさのとんでも発言にこなたもかがみもハヤテも驚くしかなかった。

「喉は吸い込んだ空気などが通るくらいなので、喉で息をしてるわけじゃ」
「で、でもさハ〜君。鼻で息をする人は「鼻風邪」を引いて、喉で息をする人は「喉風邪」をひくんじゃ」

泥沼にはまるつかさにハヤテは

「喉が痛くなる原因は、風邪ウイルスが喉に入って炎症を起こしているせいですよ。同様に鼻に風邪ウイルスが入って炎症を起こしてるから、鼻が出るんです。鼻の場合は炎症を鎮めようとしているから、出てくるんですよ」

解説をしてあげて、つかさは感心していた。


                        × ×


「暑い〜。何もする気が起きないよ〜」

こなたはだらけながら

「あ、かがみ〜。今日の誕生会家でしない?暑さで動けなくて」

柊家に電話し、こう言った。

『ふ〜ん。今家でクッキー焼いてるんだけどな〜』
「・・・行く」

魅惑の言葉にこなたのやる気は急上昇した。

「いらっしゃい」

かがみとつかさが家で出迎えると、こなたとみゆきさん、ハヤテが一緒にいた。

「ハッピーバースデイ。つかさ他1名」
「略すな!!!」
「おめでと、かがみとつかささん」
「おめでとうございます」

ハヤテとみゆきさんはかがみとつかさそれぞれに花束を贈った。

「おおサンキュー」
「ありがと」
「これは私からです」

小さ目の袋を渡し、2人が開けると

「ペアのイヤリングだ」
「おお〜」
「色々悩んだんですが、中々決まらなくて」

喜ぶ2人に今度はハヤテが

「僕からもプレゼントです」

かがみは勿論つかさにも贈っていた。すると

「い、良いのかな、私も貰っちゃって」

つかさは申し訳なさそうに隣のかがみを見ると

「い、良いんじゃない?折角の誕生日なんだし」

あまり良さそうではなかったが、厚意を素直に受け取る事にした。

「わ〜。可愛いネックレス。ありがと、ハヤテ」
「結構悩んだんだからね、かがみ」

つかさも同様にネックレスで、かがみのに比べれば幾分かシンプルではあるものの、十分に可愛かった。

「早速つけようかな」
「あ、つけてあげるよ」

かがみはハヤテにネックレスをつけてもらい、つかさは気付かれないように急いで自分でつけた。

「では真打ち登場なのだよ、お2人さん」
「何だろう。不安しかないんだが」

こなたに袋を渡され、かがみがこういうと、こなたは開けるように促した。

「何よ、これ」
「団長腕章だよ。つけてみてよ」
「なんでこんなのつけなきゃいけないのよ!!!」

「かがみなら似合うと思ったんじゃがの〜」
「あんたの方が似合いそうだわ」
「あ、あの。じゃあこれは?」

こなた以外がつかさを見ると、ピンクのセーラー服を持って困っていた。

「それ高かったんだよね〜。大事に着てね」
「姉妹そろってコスプレさすな!!!」
「うちの制服と変わんないじゃん」
「こなた、だとしても自分の趣味に他人を巻き込まないの。嫌がる人もいるんだし」

一行はかがみの部屋に移動し

「あんた、人の誕生会なんだから、少しは遠慮しなさいよ」

会話に加わらず、黙々とクッキーを食べるこなたにかがみはツッコミを入れていた。

「いやあ。つかさの作るクッキーは美味しいねえ」
「ああ。今回は私も作ったのよ。教わりながら」

かがみがこういうと、こなたはクッキーを食べる手を止めた。

「な、何よ」
「そう聞くと美味しいのとそうじゃないのが混じってる気がしてくるよね」
「こなた、そう言う事言わないの。かがみも美味しくクッキー作れるって」

「そうかな?」
「文句言うなら食べないの」

ハヤテに叱られ、こなたはまた黙々と食べ始めた。

「そう言えばさ、ハ〜君もお菓子作り上手そうだよね」
「そうでしょうかね?」
「きっと上手だよ」
「では、機会があれば作ってきますよ」
「楽しみにしてるわ」

暫くすると、かがみがケーキを持ち出し

「どうせならケーキも食べて行ってよ」
「え!?いいの?」
「ハヤテなら食べて行ってほしいわ。勿論皆も」

そう言うと、かがみはケーキに包丁を入れ始めた。

「そう言えばさ、ホールケーキってさ分けるときってもめない?」
「何で?」
「いやさ、ハヤちゃんよ。上に載ってるイチゴの分配とかチョコプレートとか」

「そう言えば、お姉ちゃんたちプレート好きだよね」
「まあね」
「まあ、基本的に主役に委ねるのが一番だね。その方が遺恨とか残らないし」

ハヤテが持論を言うと

「あ、いけない。ずれちゃった」
「かがみんだと萌えないね・・・アウチッ」

ハヤテはこなたにチョップを食らわせた後

「かがみの新たな可愛さを発見できたから、来てよかったよ」
「も、もう。そんな事言っても喜んであげないんだからね///////////////////」
「ツンデレですな〜」

とりわけ終わり、それぞれ挨拶した後食べてると

「な、何よ」

こなたがかがみを見つめ、かがみが食べ終わっても見つめていた。

「だから何なのよ」
「かがみんの魅力にまた一つ気付いただけだゾ〜」←し○ちゃん風に。
「マジで似てるからやめい」
「こなたは物まねも上手なんだね。褒めてないけど」

全員ケーキを食べ終わるとつかさが

「そう言えばさ。ハ〜君って誕生日いつなの?聞き忘れちゃってたの思い出してさ」
「僕のですか?11月11日ですよ」
「ハヤちゃんは1がいっぱいか〜。めでたいような」

ハヤテは乾いた笑いをした後

「そう言えば」
「どったの、ハヤちゃん」
「大した事は無いんだけどさ。僕の誕生日って○ッキーの日なんだよね」

「それがどうしたんですか?」
「あ、いえ。かがみって○ッキーが好きだから、なんか運命感じるな〜って思っちゃって」

ハヤテが照れつつこういうと、かがみは

「か、関係ないでしょ/////////////ってかそう言う小さな共通点発見しても嬉しくないんだから////////////////////////////////」

「かがみさん、嬉しそうですね」
「みゆきさん、これがツンデレなのだよ」
「成程」

ハヤテとかがみに聞こえないようにヒソヒソと話していた。


                    × ×


別の日。登校中。

「今年ももうすぐ夏休みね〜」
「そうだね〜」

かがみが言い、つかさが同意するとこなたはにやけ顔になり

「夏休みに入れば、存分にハヤちゃんとデート出るね〜。かがみんや」
「そ、そうね///////////////」

軽めのデートならすでに何回もしてます。省いちゃっただけなので。

「海にプールに夏祭り。他に定番ってあったかしら」
「夏と言えば、年に2回の祭典。有明の戦場。コミケでしょ〜」

大げさな身振りでこう言い切ったこなたに

「いやいやいや。それは一部の人だけでしょ」
「コミケ?」

会話してると学校に着き、教室前にて

「まあでも、人によっては色々なイベントがありそうね。帰省とか」
「おはようございます」
「皆さんお揃いで。おはようございます」

みゆきさんとハヤテが合流してきた。

「みゆきはなんかある?夏休みの定番」
「そうですね。今年も海外に旅行に行く予定がありますね」

「今年「も」!?「も」って言ったか!?このブルジョワめ」
「ブルジョワ?」

つかさは首を傾げつつ

「ハ〜君は?夏休みの定番」
「今年は分かりませんが、今までは「バイト漬け」でしたね。普段学校で働けない分違法スレスレまで働きまくってましたから」
「そ、そう言えば。1人暮らしだったんだよね。ナギちゃんの執事さんになる前まで」

「ハヤテ、あんたの場合は重いわよ」
「でも事実だし」

重くなった空気にいたたまれなくなったのか

「そ、そう言えばさ。こなたって仮装喫茶でバイトしてるんだよね?」
「そだよ」
「気になってたんだけどさ。そういう所ってスタイルとかよくないと駄目なんじゃないの?」

かがみの指摘にこなたは

「いやさ〜。私もずっと胸が無いのを嘆いていたんだけど、とあるゲームで「貧乳はステータスだ。希少価値だ」って言ってんだよね。つまり私は希少なわけよ」

無い胸を張って自信満々に言うこなたにかがみは

「ゲームでなんでそこまで自信を持てるか知りたい」

呆れていた。

「ま、まあでも、「ちっぱい」なんて言葉が生まれるくらいですから、そう言うのが好きな人もいるのでは?確かそういう写真集が売り出されたら、あっという間に完売したはずですから」

ハヤテがフォローすると、こなたは自信を深めたようだった。

「ねえねえハ〜君。「ちっぱい」って何?」
「ちっちゃいおっぱい。縮めて「ちっぱい」ですよ。その手の人達が広めた言葉です」
「へ〜。そんな言葉あるんだね。じゃあ私も自信もっていいのかな?」

話のキリがよかったのでかがみは

「全く。こなた、そんな調子で期末テスト大丈夫なの?」
「ム〜」
「その情熱を少しでも勉強に回せば、成績も上がるのにね」
「そうだね。こなたの場合、「勉強をしよう」なんてゲームが出れば、凄かったりして」
「言えてるわね。萌えドリルなんてあるみたいだし」

ヒソヒソと盛り上がるかがみとハヤテにこなたは首を傾げていた。


                   × ×


「少年犯罪が増加傾向にあるらしいわね」
「そう言うのってさ、大体近所の人に聞くと、「普段大人しくて、そう言う事するように見えなかったんですよね」って言うよね」

こなたが言うと、

「まあ、「人は見た目で判断するな」ってよく言うからね。優しそうな人が極悪人だったり、見た目は怖いけど、とっても優しい人だったり。後、あんまりドギツイの、例えば「普段は猫かぶってるんですけど、ふとしたきっかけで怒りだしていつかはやるんじゃないかって思ってました」なんて放送に適そうにない物は編集でカットしちゃうとか」

ハヤテの推論にこなたもかがみもつかさも納得していた。

「それもあるわね。因みに、こなたが犯罪を犯した場合、「何時かそう言う事やるんじゃないかって思ってました」って証言してあげるわよ」
「か、かがみ。そう言うのはオブラートに包んだ方が」

指摘したハヤテも同感だったので、強くは反論できなかった。


                     × ×


またある日。
こなたが部屋で片付けしているとかがみから電話がかかって来た。

「ハローかがみ」
『テスト勉強捗ってる?』
「いやさ。実は今、部屋の片づけしてたんだよね」
『はあ!?』
「こういう時ってさ、ついついどうでもいい掃除とかしたくなるよね」
『気持ちは分かるが頑張れ』

かがみに言われ、電話を切ると勉強を始めた。

「よしっ、今日こそは勉強しよう」

気合を入れ、勉強を始めたが、1時間半ほど勉強し

「30分、休憩だ。集中力が持たないや」

しかし、30分どころか1時間しても勉強を再開しなかった。
すると、また電話が鳴り、

「どったの、ハヤちゃん」
『こなた、勉強してる?』
「実はさ〜。ちょっとした休憩のつもりがその休憩が長引いちゃって」
『だろうね。予想通りだよ』
「うう〜。要件は?」

『勉強した方がいいよ。こなたみたいなタイプは背中押されないとできないでしょ?だから電話したの』
「分かってるね〜。でもさ、そろそろアニメが」
『やれやれ。じゃあさ、見たらやりなよ。っと言っても、見終わったら、やらないだろうけど』

ハヤテの鋭い指摘にこなたは言葉を失い。

「そう言えばさ、ハヤちゃんは朝5時に起きてるんだよね?」
『そうだけど』
「モーニングコールしてよ。寝ちゃった場合、朝早く起きて勉強したいし」
『了解。起こした後二度寝しないでよ』

結局こなたは勉強せず、ハヤテのモーニングコールで起きて、少しとはいえ勉強したそうだ。

「いや〜。昨日は漫画やアニメで時間潰しちゃってさー。朝はハヤちゃんのおかげで少しは出来たんだけど」
「こなちゃんらしいね」
「二度寝はしなかったんだね。そこは感心しておくよ」

「そう言えばさ、あんたって漫画やゲームの趣味変わってるわよね。少年漫画とかギャルゲーとか」
「こなたの場合、父であるそうじろうさんの影響じゃない?あの人の場合、娘のこなたの前でも平気でギャルゲーとかしそうだし」
「その通り。流石ハヤちゃん」

当たってしまったハヤテの推理にかがみは呆れるしかなかった。

「そう言えばさ。ハ〜君って執事さんやってるけど、ご両親はどう思ってるの?ナギちゃんの屋敷に住み込みだし」
「そう言えばそうね。気にはしてたんだけど」

柊姉妹の質問にハヤテは

「ああ。僕の両親もう死んでますから」
「「「え!?」」」

「別に悲しくは無いですよ。僕の両親、ギネスに申請できるほどの物凄い駄目人間でしたから。働かないくせにギャンブル三昧で、息子である僕に愛情をかけらすら注ぎませんでしたから。僕が子供のころから年齢を偽って働いていたのも、それが理由です。小学校3年の時に突然転校したのも、「このまま両親の元に居たらだめになる」って思って家出したからですし」

凄すぎる過去暴露に3人とも唖然とし

「そ、そんな悲劇漫画の主人公みたいな過去、ほんとにあるのね」
「まあね。あ、因みに、福岡まで逃げて、その後1人暮らししてたんだよ。で、小5に上がる少し前に両親の事故死の知らせを聞いたけど、引き取りは拒否したよ。だから、両親のお墓は無いよ」

ハヤテの暴露に言葉を失っていたが

「ねえハ〜君。ついでだからナギちゃんとの出会いも聞かせて」
「僕が福岡で暮らしてたら、用事で福岡に来たお嬢様を誘拐犯から助けたのがきっかけです。お嬢様に気に入られて、こっちに戻って来たんですよ」

暴露話が終わり、重い空気を振り払うかのように

「ハヤちゃんが家事上手なのって、1人暮らし歴が長いのが理由なんだね」
「まあね。自炊の方が経済的だったから」
「みゆきさんはどうなんだろ。お金持ちだから苦手そうだよね」

学校に着くと、いの一番に聞いた。

「お料理ですか?時々お手伝いする程度なので、苦手なんですよ。お恥ずかしながら」
「おお、やっぱり」
「でも、みゆきの場合、他の事が出来すぎてて感覚が違うから、文字通り捉えないほうがいいかもね」

「確かにね。みゆきさん、凄い人だし」
「そ、そんな事は」
「じゃあさ、先生はどうかな?1人暮らしらしいし、ズボラなイメージあるよね」

確かめに行くと

「あっはっは。今の世の中料理なんてできんでも、何とでもなるで。コンビニもそこら中にあるしな」
「「「・・・」」」
「冗談や。自炊ぐらいできるって」
「先生、冗談に聞こえない冗談はやめてください」

ハヤテのツッコミに黒井先生は笑って返した。


                    × ×


ある日の陵桜。

「ねえねえハヤちゃん、バイト先の皆で夏の新メニュー考えることになったんだけどさ、アイディア出してよ」
「こなた、テスト勉強は?」
「まあまあ。で?」

ハヤテは溜息着きつつ

「まあ、夏らしい物とか?」
「激辛ラーメンとか?」
「専門店があるでしょ。第一、喫茶店らしいメニューにしなよ」
「じゃあ激辛パフェとか」
「売れないって、そんなの」


                     × ×


またある日。

「どうしたの、かがみ。眠そうだけど」

あくびをかみ殺しているかがみにハヤテが聞くと

「実はね、昨日なんか寝つきが悪くて。で、眠くなるまで本でも読もうって読みだしたら益々寝られなくて。で、明け方にようやく疲労感と眠気がね」

説明すると、欠伸した。

「そういう時は、ホットミルク飲むといいよ。良い具合に眠気を誘うから」
「成程。やってみようかしら」

で、翌日。

「ハヤテ、昨日はありがと」
「何が?」
「ハヤテが教えてくれたホットミルク、良い具合だったわ」
「お役に立てて光栄だよ」

仲良しカップルのような会話に聞いていたこなたはまたにやけ顔で2人を見ていたそうだ。


                      × ×


ある日の夜。

「ねえかがみ、かがみは初詣には巫女さんやるんでしょ?」
『まあね。こなた辺りに聞いたの?』

ハヤテとかがみは電話していた。

「そうだよ。でさ、そろそろ夏祭りの時期じゃない?その時もやるのかなって」
『夏はしないことになってるのよ。そう言えば、そういう時期ね、もう』

するとハヤテは電話越しにお菓子を食べる音を聞き、

「かがみ、ダイエットしてたんじゃ」
『ああ。テスト勉強疲れとかもあって、昨日量ったら減ってたのよ。だからいいかなって』
「油断大敵だよって言いたいけど、まあ、かがみのしたいようにしてよ」
『大丈夫だって』

しかし翌日。

「おはよーかがみとつかさ」
「おはよ、こなちゃんにハ〜君」

挨拶すると、かがみが俯いているのに気付いたハヤテは

「どうしたの?かがみ」

少しの間の後、突然かがみはハヤテに抱き付いた。

「か、かがみ?」
「うう〜。ハヤテ〜」

少しとはいえ、泣いているかがみにハヤテは頭を掻いて困っていた。

「つかさ、我々は先に行こうか」
「そ、そうだね」

空気を読んで、こなたとつかさは先に学校へ行く事にした。

2人が先に行った後、少しして抱き付いたままのかがみが

「た、体重が。あっという間に、また増えた」
「そうだったの。よし、よし」

ハヤテは優しくかがみの頭を撫でてあげていた。

「僕はかがみの体重が増えちゃっても気にしないって」
「私は気になるもん。ハヤテの彼女として綺麗でいたいんだもん」
「そう。だったらさ、間食を減らせばさ」
「で、でもお菓子好きだし」

ハヤテは少しの間考え

「分かったよ。協力する」
「協力?」
「任せて。とりあえず、学校行こ、ね」

やっと我に返ったかがみは、先に行った2人に心の中でちょっとした悪態をついたそうだ。

で、翌日。

「あ、かがみ。昨日のあれ、出来たよ」
「な、何かしら?」

身構えるかがみにハヤテは鞄の中から細長い箱を取り出した。

「開けていい?」
「勿論」

開けると中身は

「○ッキー?」
「○ッキーもどきだけどね。僕の手作りだし」

「でもさハヤちゃん、これ食べてたんじゃ一緒なんじゃ」
「大丈夫。研究して、味を追求しつつカロリーを1/4まで減らしたんだ。流石に食べ過ぎた場合は別だけど、これなら少しは手助けになるかなって」

「ほうほう。彼女へのご奉仕だね、ハヤちゃん」
「まあね」

かがみは1本取り出して食べた。すると

「あ、美味しい。買うより美味しいかも」
「それは良かった。言ってくれれば何時でも作るよ」
「ハヤテ、ありがと」

「つかさ、義兄が出来るのも時間の問題だね」
「あはは。ならうれしいかな」


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月15日更新) ( No.7 )
日時: 2015/11/15 19:49
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」

これが無いと、始まった気がしない。


                    × ×


ある日の陵桜の高等部の教室。

「え〜。明日から長い休みに入るが、学生の立場を忘れんと節度を持たなあかんで」

担任の黒井先生が注意を促した。
そう、陵桜はもう夏休みだ。

「はっきり言うで。浮ついて地位社会に迷惑かけたら、ウチにまで影響を及ぼすんや。仕事増やしたりしたら、長〜い「お話」することになるで〜。覚えとき」

こなたは一瞬先生が自分を見た気がしたが、「気のせいだよね〜」っと思う事にした。


                    × ×


「やっと夏休みね〜」

かがみが伸びをしながらこういうと、こなたはにやけ顔になり

「かがみん〜。これでやっとハヤちゃんと存分にデートできるね〜」
「う、うるさい!!/////////////////////あんたには関係ないでしょ!!!!!///////////////////////」

からかわれて、かがみは真っ赤になりつつ

「ともかく、毎日あんたの顔を見ないで済むと思うと、気が楽になるわね」
「お、お姉ちゃん」
「休みか。でも、先生とはほぼ毎日顔を合わせることになりそうだけどね」
「何で?補修かなんか?」
「こなたの場合、ネトゲでしょ。大方先生とパーティー組んでるとかで」

ハヤテの指摘にこなたは人差し指を立て

「その通り。先生はウィズ、私はタンカーだから、ペアして私がプロすると経験値とお金がウマウマなんだよ」

専門用語にかがみとつかさは暗くなるのと同時に首を傾げた。

「忙しいのは私だけで、先生ははんいけのスキルをクリックするだけなんだよね。この間なんか私が大量のもぐ引いたら先生寝落ちしててさ。リスペの回復に1日かかってさ」

「こなた。僕には一応通じるけど、一般対象じゃないからその辺でね」

話が長くなりそうなので、ハヤテは遮った。


                      × ×


夏休みに入り。

「こんなもんかな」

かがみは自室の鏡の前で何度も自身をチェックしていた。
洋服は自分が持ってる範囲内で一番おしゃれなのを選んだし、誕生日に貰ったネックレスとイヤリングもして、髪を結っているリボンも一番かわいいのを選んだ。

「じゃ、行ってきます」
「かがみ、今日はお洒落してるね。どこかにお出かけかい?」
「まあね。じゃ」
「行ってらっしゃい」

リビングにいた父に挨拶し、出かけた。

暫くすると

「ふあ〜。おはよ〜」

つかさが起きてきた。

「つかさ、もうお昼だよ。休みだからって、だらけちゃだめだよ」
「は〜い。それよりお父さん、今日お仕事おやすみ?」
「そうだよ。お母さんたちはそれぞれ個々の用事で出かけてるよ」

つかさは席に着くと、用意してあった朝食(すでに昼食)を食べ始めた。

「それより、つかさは一緒じゃないのかい?かがみがお洒落して出かけたから、てっきり一緒だと思ったんだけど」
「ああ。お姉ちゃん今日デートだから」
「そうだったのかい。・・・・・・って、え!?」

娘の口から思ってもみなかった単語が飛び出し、父・ただおは驚くだけだった。

「デ、デート!?かがみが!?」
「そうだよ」
「かがみ、恋人がいたのかい?」

「お父さん気付かなかったの?お母さんは勘付いてたみたいだけど」
「知らなかった。え、えっとさ。かがみの恋人ってどんな人だい?」

申し訳なさそうに聞いたが、つかさは特に気にせず

「私と同じクラスの綾崎ハヤテ君。私やこなちゃん、ゆきちゃんとも友達だよ。この家にも何度か遊びに来てるよ」
「もしかして、あの男の子かい?」
「そうだよ」
「そうだったのか。あの子が。てっきり友達かと」

驚きつつ、更に

「えっと、他に特徴とかは。あんまりちゃんと会話とかしてなくてさ」
「えっとね、優しくてあったかい雰囲気があるよ。そう言う意味ではお父さんに似てるかも」

「僕にかい?」
「うん。ハ〜君と一緒の時は、お姉ちゃん凄く幸せそうだよ」
「そうか。じゃあ、下手に口出しはしないほうがいいかな」

動揺はまだ消えないものの、冷静さはある程度戻っていた。

しかし、その日の夜。

「ただいま〜」
「お帰り。ちょっといいかな?」

帰ってきたかがみを父・ただおは引き止めた。

「大した事じゃないんだけど、確認しておきたくて」
「え!?うん」

かがみは父親と向き合う位置に座った。

「つかさに聞いたんだけど、恋人が出来たって本当かい?」
「「え"!?」」

父が聞くと、かがみの2人の姉、いのりとまつりが驚きの声をあげた。

「うん、本当。つかさやこなた、みゆきと同じクラスの綾崎ハヤテ君。その人と、お付き合いしてるの」
「やっぱりか」

「ほ、本当なのかがみ」
「嘘じゃないわよね」

詰め寄る2人の姉に驚きつつ

「本当よ。今日だってデートしたし」

「そう。まさか」
「妹に先越されるとは」

呆然とする2人にを気にせず

「お父さんが聞きたいのは、1つだけ。その人はかがみの事を大事にしてくれてるのかい?」
「勿論よ。じゃなきゃとっくに分かれてるわよ」
「ならいいよ。ごめんね、尋問する様な真似して」

「報告をしてなかった私にも非があるからね。じゃ、着替えてくるわ」

そう言うと、かがみは自室に戻って行った。

「かがみに彼氏か」
「あら?複雑そうですね」

妻であるみきに言われ

「そりゃあね。あの年の彼氏となると、将来的には」
「大丈夫ですよ。あなたも会ってるから分かるでしょ?誠実そうだって」
「そうだね。今は、黙って見守ろう」


                       × ×


「皆おそろいで浴衣ですね」

一行は夏祭りに来ていた。
一応補足すると、ハヤテも浴衣です(ナギに強制された)。

「私とつかさの帯はお手軽な完成品だけどね。直ぐにつけられるやつ」
「着付けって、浴衣でも難しいもんね」
「みゆきのはちゃんと結んだやつね。流石ね〜」

「いえ。これはお店の人に着付けてもらったんですよ。流石に自分で帯を結ぶのは難しくて」
「そうでもないですよ。練習してコツをつかめば結構簡単にできますよ」
「ハヤテ、何で知ってるのよ。女性用の浴衣の帯の結び方なんて」

ジト目で見てくるかがみにハヤテは

「勉強したからだよ。「仕事に生かせるかもしれない」って思ってね。マネキン相手なら何度かやってるけど、実践はまだだけど」
「ならいいわ。それで、こなたもちゃんとした帯ね」
「まあね」

「あんたもお店の人にやってもらったの?」
「いんや。お父さんに結んでもらったんだよ」
「流石と言うべきか。そうじろうさん、娘に着付けたくてこっそり練習したな」

ハヤテの推論にかがみつかさみゆきさんは納得していた。

「私の事より。かがみ、本当に私たちと一緒でよかったの?何だったら今からでもハヤちゃんと2人きりにしようか?」
「気を使ってくれなくて結構。ハヤテと話して、みんなで楽しもうって事にしたのよ」
「ならいいや。さ、行こー」

嬉しそうに先導するこなたの後ろを歩きつつ

「ねえねえハ〜君、ナギちゃんは?誘ったはずなんだけど」
「僕も家を出る前に誘ったんですけど、「あんな人がたくさん集まる場所に行けるかー」とか言われちゃいまして」
「ナギちゃんってインドア派なんだね」

「いやいやつかさよ。そこはHIKIKOMORIと言うんだよ」
「かっこよく行っても意味ないわよ」

つかさに言い切ったこなたにかがみは的確に突っ込んだ。

暫く夏祭りを堪能していると

「おーい。こなたじゃん」
「警察の人?」
「こなちゃん知り合い?」

「親戚のゆい姉さんだよ」

こなたが紹介すると、こなた以外は挨拶した。
すると、ゆい姉さんはハヤテを見ると

「成程〜。こなたにも春が来たか〜」
「ほえ!?」
「だって、こなたの彼氏でしょ?その男の子」

「違うよ。ハヤちゃんは友達。っていうか、ハヤちゃんにはちゃんと彼女がいるって」
「そうだったの。やはーごめんごめん」

悪びれる様子のないゆい姉さんにかがみは呆れて嫉妬などは飛んだ。

「おっ、射的じゃん。ゆい姉さん射的得意?」

こなたが聞くと、何時の間にかフランクフルトと焼きそばを買っていたゆい姉さんは

「フッフッフー。何を隠そう署内では「シャープシューターゆいちゃん」と言う異名があるのだよ。3秒で5発撃ってピンヘッドよ。マン・ターゲットにピースマークかけるよ」

自信マンに言い切ったゆい姉さんにハヤテとかがみ以外は目を輝かせた。

「じゃ、やってみてよ」

そう言って射的用の銃を手渡されたゆい姉さんは

「うっ、ライフル。私が扱うのは拳銃だしなあ」

親戚のこなたに期待のこもった目で見られ困ったが、今更できないとも言えず、様々な格好で試行錯誤して狙おうとしたが

「成美ー、仕事中だぞー」

同僚に連れていかれてしまった。

「さて。ねえ、ハヤちゃんはどう?射的」
「どうだろ。やってみないと」

ハヤテは銃を受け取ると

「景品どれでももらえるんですか?」
「倒せたらね」
「かがみ、どれかほしいのある?」

「え!?じゃ、じゃあね、あのクマのぬいぐるみかな」
「了解」

ハヤテは2発ほどでクマのぬいぐるみを手に入れた。

「はい、これ」
「あ、ありがと、ハヤテ」

いい雰囲気の2人に

「(ハヤちゃん、頼んだのは私なんだけど、って野暮か。これ言うの)」

射的も終わり

「夏祭りと言えばかき氷だよね」
「ま、定番だよね」

かき氷屋さんに来ると、こなたが

「そう言えばさ、イチゴやレモン、メロンは分かるんだけど、ブルーハワイってなんだろ?何味なの?」
「ブ、ブルーハワイ味じゃない?」
「成程〜。こういう時はみゆきさんだね」

こなたに聞かれ、みゆきさんは少しの間考え込んだ後

「すみません、よく分かりません」
「じゃ、ハヤちゃん」

「ブルーキュラソーってお酒がベースのカクテル「ブルー・ハワイ」が語源だよ。このカクテルは、同名の映画や曲があるけど、それが語源かどうかは定かじゃないみたい。何味かって聞かれると、厳密な定義はないみたい。だから、製造メーカーが力を入れてるんだって。ものによっては「ラムネ風味」とも言うみたい」

解説すると、こなたとみゆきさんは拍手し

「さっすがハヤちゃん。博識だね」
「そんな事は。偶々知ってただけだよ」

また暫く堪能していると

「あ、しまった。お金がもう残り少ない」

自分の財布を見て、つかさが困ったように言うと

「全く。出店の出費も安くないんだからね」
「計画的に使わないと、散財しちゃいますよ」
「そ、そうだよね。気を付けるよ」

注意されたつかさにこなたが

「気持ちは分かるなー。お祭りだと、その場の雰囲気に呑まれてついつい手を出しちゃうよねー」
「確かにね」
「コミケ会場で同人誌が高いと感じないのも、同じ感じだね」

「こなた、その手の人にしか分かんないネタ止めなって」
「いやいやハヤちゃん、分かる人には分かるって。後で気づいたら凄い出費になってるし、朝から並んでるからクタクタになるし、西館と東館遠いしで」
「だから、オタクネタは一般受けしないって」

こなたとハヤテの会話は、他3名には理解不能であった。

「綿あめって美味しいよねー。ふわふわで甘くて大好き」

つかさが美味しそうに綿あめを食べていると

「つかささん、ついてますよ」
「あっ、ありがとハ〜君」
「まあ、この方がつかささんらしいですけど」

ハヤテがつかさの鼻の頭に着いた綿あめを取ってあげて、こういうと

「ハヤテ、行くわよ」
「ちょ、ちょっとかがみ!?」

かがみがハヤテの腕をつかんでずんずんと行ってしまった。

「わ、悪い事したかな」
「気にするでない。ああなったかがみはハヤちゃんしか止められないって」

申し訳なさそうなつかさにこなたはにやけ顔で言った。

「そう言えば。かがみは出店で遊ばないの?折角なのに」
「そうね。金魚すくいでもやろうかしら」

ハヤテに言われ、かがみは金魚すくいをすることにしたのだが

「な、なんで逃げるのよ。何もしてないでしょ」

かがみが水槽の前でしゃがみ込むと、なぜか金魚達が奥に逃げた。

「ほほ〜う。かがみが凶暴だって本能で悟ったな・・アウチッ」

こなたがこういうと、ハヤテはチョップで制裁し

「そんな事無いよ。きっと、かがみが魅力的すぎるからだよ」
「そ、そうかな」
「そうだよ。あんまり魅力的すぎて、近寄りにくいのかもね」
「ハヤテ」

「お2人さん、青春するのは良いけど、お店の人に迷惑だよ」

こなたに窘められ、2人は

「あ、近くに来たよ」
「ホントだ」

かがみは慎重に狙いを定め

「ゲットだぜー」

網は破れてしまったが、上手く捕獲で来た。

「よかったねかがみ」
「うん。この子は可愛がるわ。ね、ぎょぴちゃん」

笑顔のかがみにハヤテも笑顔になった。

またしばらく遊んでいると

「ようお前ら。揃っとるな」

黒井先生と会った。

「いやあ。お祭り好きのウチとしては、参加せんと罰当たるからなあ」
「先生、彼氏と一緒ですか?」

こなたの質問に、黒井先生は笑った後

「そんなわけないって。そんなもんおる訳ないやろ」

先生は豪快に笑っていたが

「やっぱりね。かがみ以外なんで私達にはロマンスが無いのかなあ」
「こなちゃん、それを言わないでよ。むなしいから」

こなた達が落ち込んでいると

「やはー。また会ったねー」

ゆい姉さんとまた会った。

「人数が増えて賑やかになってるねー」
「どうもー」

黒井先生が挨拶すると、ゆい姉さんは

「こなた、同級生の子?」
「へ!?」
「違うよ。担任の先生」
「すみません。勘違いしちゃって」

謝るゆい姉さんに黒井先生は気にしてないと伝えた。

「親戚のゆい姉さんです。見ての通り、警官なんです」
「ほう」
「いやあ。今日は仕事なので、あんまり楽しめなくて」
「仕事!?むっちゃ楽しんどるやん」

お面やらヨーヨーやらをぶら下げるゆい姉さんに黒井先生はツッコミを入れた(心の中で)。

「先生はお仕事ですか?見回りとか」
「いやいや。暇やったから、楽しんでるだけですわ」
「羨ましいですねー。私も非番だったら、羽目を外してはじけるのにー」

ゆい姉さんは残念そうに言ったが

「だから、十分に楽しんでるやろ」

またツッコミを入れ

「もしかして、貴方も独り(独身)なんですか?」
「ええ。1人ですよ」
「せやったんかいな」

お互い笑ったが、微妙に会話がかみ合ってなかった。
しかし、大人なのでツッコミなど入れなかった。

その後は気を使ったこなた達がハヤテとかがみを2人にし、ハヤテもかがみをありがたく厚意を受け取った。


                     × ×


別の日。

「夏休みって暇だよねー。つい怠けっぽい生活しちゃうよね」
『だよねー。私もつい徹夜でネトゲしちゃんだよね』

つかさとこなたは電話で話していた。

『かがみに話したら、「後になって宿題見せてーとか言わないわよね」とか、「宿題もやりなさい」とか言いそうだよね』
「あ、あはは。気を付けてはいるんだけどねー」
『で、そのかがみは?』
「お姉ちゃんならデートだよ。今日は遊園地に行くんだって」
『青春ですなー』

「こなちゃんはどうしてるの?ネトゲ以外に」
『私はため込んだゲーム消費してるから、暇はあんまりないんだよね』
「そうなんだ。私も何かしようかな」
『おすすめのゲーム紹介しようか?』
「そうしようかな。あ、長電話してると怒られちゃう。じゃあこの辺で」

つかさは電話を切り、居間に行くと

「お姉ちゃんデートか〜。私も彼氏作ろうかな」

そう呟き

「バルサミコ酢〜」


                      × ×


「ハヤテ、待った?」
「待ってないよ」

ハヤテとかがみはデートのため、待ち合わせしていた。

「本当?こういう時って、決まって嘘つくものだと本で言ってたわよ」
「ま、まあ。待つのもデートの一環だから」
「やっぱりね。じゃ、行こうか」

2人は腕を組み

「今日は何処に行くの?」
「遊園地だよ。フリーパス手に入ったし」

つかさがこなたとの電話で暇つぶししている頃、遊園地デートしているのである。

移動割愛。

「ハヤテ、どれから乗る?」
「慌てないで。一応混む時間とか計算しておおよそのプランたててあるから」

はしゃぐかがみにハヤテは笑顔にこう言い

「フウー随分乗ったわね」
「喜んでもらえてるようでよかったよ」

「ハヤテのおかげね。そろそろお昼にしましょうか」
「そうだね。じゃあ園内レストランでも」
「お弁当作って来たわ。一緒に食べましょ」

ベンチに座り、お弁当を食べ、食事休憩の後

「さあハヤテ、まだまだ乗るわよ」
「了解。存分に楽しもうか」

2人のデートはまだまだ続く。


                        × ×


別の日。

「お邪魔しまーす」

こなたは柊家に遊びに来ていた。

「やあいらっしゃい、こなたちゃん」
「どうもー」

父・ただおに居間に案内され

「あ、扇風機だ。 あ"〜〜」
「ふふ。今朝かがみもやってたな」
「かがみが?意外ですな〜」

こなたはウンウンと頷き

「かがみかつかさは?」
「つかさなら」

説明しようとしたとき、つかさが起きてきた。

「あ、こなちゃん。ごめんね、来るって言ってたの忘れてたよ」
「おっす。かがみは?」
「デートだって。確か、今日は水族館デートって言ってたよ」
「ほうほう」

つかさは扇風機の前に座り

「あ"〜〜」
「やっぱ定番だねえ」

つかさも着替えてきて。

「コンプ祭り評判良いみたいだね」
「こなちゃん、それ何?」
「この雑誌関係の単行本についてる応募券を集めて送るともれなく限定のクオカードもらえるんだよね」
「へ〜」

「つかさ、こういうのは保存用、観賞用、布教用の確保は常識なのだよ」
「そ、そうなんだ」

かがみがいたら、「あんたは特殊なケースだ」って突っ込むところですね。

「そう言えば、かがみんいないんだよね」
「そうだけど」
「恒例のあれお願いしようと思ったんだけどね〜」

「宿題か。お姉ちゃんがいたら」

丁度そのタイミングで玄関の扉が開く音が聞こえ、かがみとハヤテの声が聞こえてきた。
少しすると居間に2人が顔を出した。

「お帰りお姉ちゃん。ハ〜君いらっしゃい」
「こんにちは」
「かがみん〜、デートじゃなかったの?」

「混んでて入れなかったのよ。で、自宅デートにしようって事になって戻って来たのよ」
「ほうほう。残念だね〜」
「ホントよ。日本人は長期休みになるとホント遊びたがるわよね」

ぶつぶつ文句言いつつ、腰を下ろし、ハヤテも座った。

「丁度良かった」
「何がよ」
「これだよ」

ノートを見せてきたこなたに

「あんたねえ。分からないところは教えてあげるから、自分でやりなさい」

つかさも宿題を持ち出し、こなたと一緒にやり始めた。
少しすると

「ねえハ〜君。ハ〜君はどれくらいやったの?」
「殆どやって無いんじゃないの?ハヤちゃん、執事業かデートだもんね〜」

にやけ顔のこなたにハヤテは

「えっと。もう終わってるんだけど」
「「「え"!?」」」
「終わってる!?まさか全部?」

「うん、全部」
「ハヤテ、あんた随分早いわね」
「昔からの癖でね。「夏休みの日記」みたいな毎日やらなきゃいけないもの以外は、夏休みが始まって直ぐ片付けちゃうんだよ」
「な、何でまた?」

首を傾げるつかさにハヤテはさも当たり前のように

「以前言ったと思いますが、夏休みは僕からすれば最大の稼ぎ時なんですよ。なので早めに片付けて残りは稼ぎまくってたんです」
「そ、そうなんだ」
「ハヤテ、暗いって」
「ごめんごめん」

これ以上話すと益々空気が悪くなるので話を止め、こなたとつかさは宿題をし、ハヤテとかがみはゲームなどで遊んでいた。

「ねえかがみ、これ分かんないんだけど」
「ああ、これね」

「ねえかがみ、これ分かんないんだけど」
「・・・」

「ねえかがみ、ここからここが」
「お前絶対考えてないだろ!!」
「考えてるよ。・・・でさ」

睨まれたので、

「えっと、ハヤちゃん」
「一生懸命考えて分かんなかったら、教えてあげるよ」
「うう〜。ケチ〜」


                     × ×


その日の夜。泉家。

「結局教えてもらえなかったよ」

こなたが苦労していると

「やっほ〜。遊びに来たよ〜」
「おおゆい姉さん。いいところに」
「数学の宿題か〜」

「ここ教えてちょんまげ」
「どれどれ?任せなさい」

しかし、ゆい姉さんは問題を少し見ると

「こなた、私は警察官なのだよ」
「分かってますよ」
「良い子の自主性を育む為、自分でやりなさい」

そう言って問題集を返した。

暫くすると

「うう〜。分かんない所だらけで嫌になっちゃうよ〜」
「大丈〜夫。そういう時は、「それっぽい答え」を書いておけばいいのだよ」
「ええ〜!?でも」
「宿題なんて、出せばいいんだって」
「成程。頭良い〜」

とは言ったものの、

「さっきの言葉が妙に薄っぺらく思えるんだが」
「いやあ。私もよくやったな〜それ」

ゆい姉さんが帰った後も、こなたは頑張っていたが

「もう駄目だ。30分だけネトゲやろう」

パソコンの電源を入れ、しばらく遊んでいると

「こ、これは「超ウルトラ極レアの剣」何兆分の1というとんでもない確率でしか手に入らない幻の武器」

興奮したこなたは掲示板に書き込んだ。
すると、あっという間に大盛り上がりし

「忙しくなるぞー」

結局、宿題は手付かずだった。


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月18日更新) ( No.8 )
日時: 2015/11/18 23:15
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                   × ×


「夏だ!!海だ!! っと言う訳で、先生も姉さんも引率兼運転手よろしくー」

いきなりこう言ったのはこなたで、かがみ、つかさ、みゆきさん、ハヤテもいた。

「「おー」」
「それにしても、2人とも結構暇なんだね」
「こなた、そこは禁足事項だよ」

ゆい姉さんも黒井先生もこなたの言葉にイラッとしたが、ハヤテのツッコミで不問にする気になれた。

「それにしても、僕も参加してよかったんでしょうかね?女性だけの旅行に」
「気にしなくていいよ〜ハヤちゃん。万が一のボディーガードにもなるし、それに〜」
「な、何よ?」

チラッっと見られたかがみが不機嫌そうに言うと、

「別に〜」
「フンッ」

「それよりハ〜君。ナギちゃんやマリアさんは?誘った筈だけど」
「え、えっと」

ハヤテは困ったように頬を掻きつつ

「「ハヤテよ、私はゲーム等々で途轍もなく忙しいのだ。だから旅行にはいかん」っとお嬢様がおっしゃられて。マリアさんは「お嬢様を残しておくと屋敷が幾つあっても足りないので、残ります」って言ったので、来てません」

「そうなんだ。でもさ、ハ〜君はナギちゃんの執事さんなのに良いの?」

かがみを気にしつつつかさが聞くと、

「お嬢様が「我々は気にせず楽しんで来い「恋人」とな」って言ったので、厚意に甘えたんです」
「ほう。ナギちゃんもかがみんの事を分かっていらっしゃる」

「おいお前ら、いい加減出発するで」

かがみは文句を言おうとしたが、黒井先生に遮られ、止めた。


                    × ×


移動中。かがみ、つかさ、ハヤテ車。

「お休みの所すみません」
「いやいや〜お構いなく〜」

ハヤテが代表してお礼を伝えたが、ゆい姉さんは楽しそうに笑っていた。

「成実さんは交通安全課の警官なんですよね?」
「そだよ〜。交通ルールは任せたまえ〜」

かがみに聞かれ、ゆい姉さんが答えた時、追い越し車がいて

「ほう。良い度胸しとんの〜」
「(おい、警察官)」
「(こなたが言ってたっけ。「ゆい姉さんはハンドル握ると性格変わる」って)」

後部座席のかがみと、助手席のハヤテには嫌な予感のみであった。


一方。こなた、みゆきさん車。

「いや〜。ハヤちゃん、かがみん、つかさには申し訳ないけど、人柱になってもらおう。性格変わるからね〜」
「警官やのに良いのか、それ。  って、しもた。はぐれてもうた」
「え"!? って先生違う道に入ってます。 ああ、ここは一方通行です」

この車はすっかり迷子(迷車?)になってしまったようだ。

「しまった。両方外れとは」


その頃、ゆい姉さんは

「凄いぜあの車、何者だ!?左のドリフトも完璧だ」

追い越し車とレースしていた。

「理不尽な突込みからの立ち上がりもうめえ。ガードレールギリギリもすげえな」
「しかけるタイミングは・・この先の5連ヘアピンカーブ」
「オーバースピードだー。ブレーキいかれたかー!?」

ガゴアアア

「抜いたー」

「何このチョメチョメD的な走りはー!!」
「いいのかな、こんな事して」

制限速度を守ったとしても、マネしないでください。←一応。
真似は自己責任で。当小説は事故等々は責任を負いかねます。

「ななこさんってさ、運転上手だよね」
「そうかー?」
「こなたね、車に乗ると酔っちゃうんだよ。だから酔い止め持ってきたんだけど、ななこさんの運転だと、ちっとも気持ち悪くならなかったよ」

「この状でツッコンどる余裕ないわー」

黒井先生は現在地が分からず、地図と睨めっこしている所だった。


まあ、色々ありつつ目的地に着いた。
とはいっても、こなた、つかさ、みゆきさんは呆然としてて、かがみはハヤテに抱きしめられながら、慰められていた。

「さ〜て」
「旅館でもさがそっか」


                     × ×


「わ〜。良く晴れてる〜。絶好の海水浴日和だよ〜」
「やれやれ。昨日はどうなるかと思ったわよ」
「まあ、かがみんはご褒美(ハヤテのハグ)があったけどね〜」

「うるさい!!///////////////」
「さて。私は最初っから水着着てっちゃお〜」
「あんたねえ、そんな子供みたい なあ!?」

かがみは振り返って驚愕した。なぜなら、こなたの水着はスク水だったからだ。

「こなたさんまじっすか!?  ってか、その年(高2)でスクール水着って聞いた事無いぞ」
「そう言うニーズもあるって。さ、行こー」

かがみは呆れてツッコミを忘れてしまった。

女性陣が着替えてビーチに行くと、ハヤテがパラソルなどの設置を終えて待っていた。

「お待たせ、ハヤテ」
「・・・」
「な、何よ?」
「あ、ごめん。かがみ、水着にあうね。勿論その髪型も」
「///////////////」

褒められてかがみが赤面していると、こなたが咳払いし

「ハヤちゃん〜。私たちは〜?」
「あっ、勿論つかささんも可愛らしいですし、みゆきさんもとってもお似合いですよ」
「おやおや〜?私をお忘れですよ〜」

「こなた、一応聞くけど、なんで「6−3泉」なんて書いてあるスク水なの?」
「そう言うニーズもあるって」
「あのね。そう言う人は、秋葉にいるか引き籠るかなんじゃない?「真夏のビーチ」にはいないって」

ハヤテの的確な指摘にこなたは黙り込んだ。

「ハヤテ、こなたが浮き輪持ってることに関しては突っ込まないのね」
「大方、「海に来たからって泳ぐわけじゃない。気分はレジャーなのだよ。それにスク水と浮き輪はセットなのだ」とか言うんでしょ?」
「ピンポンピンポ〜ン。大当たり〜」

「最も当たって嬉しくないクイズだよ、それ」

ハヤテがツッコムと、こなたは海岸を見渡し

「こういう所ってさ、漫画やアニメだとスイカ割りって定番だけど、実際は見かけないよね」
「確かにそうね。やっぱり勿体無いからじゃない?」
「それもあるだあろうけど、砂がついたり変に割れたら分配とかでもめるからじゃない?」

「そうだね〜。スイカを銃でぶっ放したら食べる所か全身スイカまみれだもんね〜」
「漫画やアニメの見すぎだ」
「みゆきさんはやった事無いの?お金持ちだし」

「私はやった事ありませんね」
「確かに、お金持ちはなおさらやらなさそうだもんね」
「だね。お嬢様も「そんな勿体無い事するか!!」って言ってたし」

ハヤテが言うと、全員ウンウンと頷いた。
すると、突然こなたがみゆきさんのメガネを取り

「あ、あの」
「分かってはいたけど、漫画みたいに目が3にはならないね」
「ご期待に沿えずすみません」
「みゆきさん、謝らなくていいですよ。こなた、困らせないの」

一方で、ゆい姉さんと黒井先生は大人の会話(と言うより先生の愚痴)をしていた。

暫くして

「見てごらん、つかさにみゆきさん」

波に揺られ楽しんでいた2人がこなたの指さした方を見ると、ハヤテとかがみが浅瀬ではしゃいでいた。
水をかけあうという定番のあれです。

「あれが俗にいうバカップルなのだよ」
「お姉ちゃん、楽しそうだね」
「ハヤテさんも、普段見かけない様な感じですね」

お昼になり、海の家で昼食にすることにした。

「よっこいショーイチっと」
「ん!?つかささん、どうしました?」
「濡れたまま座るのってなんか落ち着かなくて」
「私もそれ、分かります」

「じゃ、つかさは空気椅子だね」
「あんたは極端だな」

こなたは暫く壁に貼ってあるメニューを見て

「どうしたの、こなた」
「首がつかれた」
「適当に選びなよ」

で、注文の品が来て

「おお。期待通りだ」
「こなた、一応聞くけど」
「ハヤちゃん見給え、この具のないカレー。まさに海の家だよ」

「だよね。普段だとどうかなって思うものでも、こういう所で食べると美味しいよね」
「まあ、雰囲気もそうですが、「プラシーボ効果」っていう思い込みもあるんでしょうね」
「プ、プラ?」

「プラシーボ効果、例えば病気の人が「もう駄目だ」とか思ってると中々治らなかったり、逆に「治すぞー」とか思いこむと、早く治ったり。後、ラムネ等の薬効が無い物を「薬だ」と偽って飲ませたら病状が改善するなど、いわゆる「思い込みによるもの」ですよ」

ハヤテが解説すると、みゆきさんは手にメモするかのような動きを見せ、つかさは感心していた。

「成程。このビールがやたらうまく感じるのも、そのせいやな、綾崎」
「おそらくは」
「まあでも、フランクフルト300円は流石に」

その後、ハヤテとかがみ以外が「海の家の食べ物」の話題で盛り上がっていると

「ねえ、そんなに盛り上がるほどおいしい?」
「僕ならもう少し美味く作れそうな気がするし」

「いやいや。そこは雰囲気なのだよ。それにハヤちゃん、そう言うのは触れないのがマナーだよ」

夕方まで海を堪能し、後片付けはハヤテがやり、

「うう〜。飲み過ぎた。もう一泊しようか〜」

ハヤテに支えられている黒井先生がそう言うと、こなたが

「ゆい姉さん仕事大丈夫?」
「明日も有給取ってあるから大丈夫だよ」

一行はシャワーで軽く汚れを落とし、旅館の大浴場で(もちろんハヤテは別)あったまる事にした。


「そう言えばさ、海に行くと、なんでこんなに髪がギシギシするんだろう」
「塩分とかじゃない?ねえみゆき」
「そうですね。大体の理由は塩分と紫外線らしいですよ」
「じゃ、なんでそれが駄目なの?紫外線なんて日常的に浴びてるのに」

聞かれたみゆきさんは困ったかのように少し間を空け

「えっと、詳しく説明するとなると、長くなるのですが」
「「「うん」」」

全員が聞きたそうだったので、みゆきさんは3人の前に立ち、咳払いすると

「海で髪が痛む原因は海水や潮風に含まれる塩分が髪に付着して、水分を失った髪が強烈な紫外線を浴びて痛むのが原因らしいです。また野外で強い紫外線を浴びるとメラニン色素が変色して髪が茶色く変色する原因にもなります。また、髪に塩分や塩素などの不純物が付着したままでもパサついたり髪が茶色く変色したりする原因にもなったりします。特に夏に髪が痛みやすくなるのは紫外線や不純物のようですよ。これらはキューティクルが傷つけられることで生じてしまうようですよ。強い紫外線を浴びてしまうと髪の強さを保つシスチン結合と言うものが切断されて」

アニメ版もここまでなので、割愛。

「ねえねえ見て見て。 でもってー、でもってー」
「何それ」
「「???」」

「寂しいねえ」
「こなちゃん、それ何?」
「お風呂から出たら、ハヤちゃんに聞くといいよ」

体を洗い終わり、湯船につかっていると、こなたがまだ洗っているみゆきさんを見て

「う〜ん。マンダム」
「親父ネタはもういいから」
「どうしたの、こなちゃん」

「これフラグ立ってるのだよ」
「何の話だ?」
「ここでイベント発動だよ。とりあえずは、洗濯前は両方みられるようにセーブはこまめにね。石投げてるかーい」

こなたは誰かに向けて親指を立てた後、音もなく湯船から上がってみゆきさんの背後に回り、石鹸を仕掛け、何事も無かったのように湯船に戻った。

「これでよし」
「着いて行けん」

「それよりさ〜かがみん」
「何よ」
「今日はハヤちゃんと楽しそうだったね〜。私たちもいるのに」

「う"」
「バカップルの代表格みたいな楽しみ方もしてたね〜」
「わ、悪かったわね。ああ言うの憧れてたのよ。ハヤテは忙しいから、2人きりじゃ海に来れないだろうし、そ、その泊りがけだって」

「ぬふふ〜。ごちそうさまです」
「う、うるさい!!!フンダ」

拗ねてしまったかがみに

「やれやれ」
「後でハ〜君に機嫌直してもらおうか」
「そだね」

「きゃ〜」

「しまった見逃した」


                      × ×


入浴後、ハヤテも含めて一部屋に集まった。

「ねえねえハ〜君。でもってーって何?」
「へ!?」
「こなちゃんがこんな感じで」

つかさが実践すると

「こなた、なんで知ってるの?」
「まあまあ。で、ハヤちゃんや」

「正確には「ティモテ」ですね。日本では1984年に発売されたシャンプーですよ。好評だったので、ボディソープや洗顔フォームなどにも商品展開しましたが、1994年に撤退してます」
「成程。 ん!?」

ハヤテの説明が終わると、部屋の電気が消えた。

「夏と言えばこれだね」

こなたは部屋の真ん中に行灯を置き、その行灯を中心に円になるように促し、とりあえず全員従った。
それを確認すると、こなたは語り出した。

「これは、実際にあった話らしいんだけど、ある映像ソフト卸会社の人が仕事を終えて帰ろうとして何時もの様に夜遅くバスに乗ったったのね。その人の家は路線の終りの方にあったんだって。途中他のお客さんがだんだん降りて行って、ついに乗客はその人1人になったんだって。運転手さんは「もう誰も乗ってない」って勘違いしたみたいで、何と大声で「断然2人は○○」を歌いだしたんだって」

こなたがオチで大声を出すと、ハヤテと語り手のこなた以外は驚いた。

「どう?こんな噂があったって話だよ」
「なんだー」
「で、ハヤちゃんはなんかある?怖い話」

聞かれたハヤテは少し考え

「実体験でよければ」
「聞かせて」

こなたは補足時につけた電気を再度消し、こなたが座ったのを確認してハヤテは語り出した。

「これは、僕が実際に体験した話です。 以前、僕はバイトで夏休みに大きめのホテルで泊まり込みの仕事をしたことがあるんです。1日働いて、夜中に「もう寝るか」と思って布団に入ったんです。目を閉じて少しするとバタバタと子供が走り回る音が上の階から聞こえてきたんです。「もう真夜中なのに騒いでる子がいるな」って気に留めなかったんですが、直ぐに「あれ?今自分がいる部屋は最上階で、物置にするような屋根裏は勿論、屋上も無いはずだよね?」って思い直したんです。流石に怖くなって目を開けると、物音は止んだんです。すると、窓から何かの気配を感じたので「見てはいけない」と言う警鐘を無視してみると、ありえ無い位真っ白顔の子供が上から部屋の中を覗いてんです」

「「きゃああああああああ」」

ハヤテの話につかさとみゆきさんが悲鳴をあげた。

「流石に怖くて押し殺しつつ悲鳴をあげたら、その子供の顔は消えました。翌朝先輩に聞いたら、「このホテルは10年ぐらい前、お風呂の事故で子供が1人亡くなってる」って聞いたんです。流石に怖いので、部屋は変えてもらいましたが」

話し終えて電気をつけると、全員呆然としていた。

「あれ?どうしました?」
「怖すぎるよー!!」
「リアルに怖い話じゃないですかー!!」

詰め寄って来たつかさとみゆきさんに

「えっと、実体験の中では比較的怖くない話だったんですが」
「え!?ハヤテ、もっと怖い体験あったの?」
「まあ、シャレになら無い位。何だったら、話そうか?」

「もういいよー!!!」
「これ以上だったら夜寝られなくなりますー!!!」

涙目のつかさとみゆきさんにハヤテは話すのを止めた。


                     × ×


消灯時間になり、女子部屋は皆寝入っていた。
が、かがみは起き出し、全員寝ているを確認すると、枕をもって部屋を抜け出した。


一方のハヤテは今日の分の勉強を終え、

「さて、寝るか。ん!?」

寝ようと布団に入ろうとしたとき、扉がノックされ、入室を許可すると、かがみだった。

「どうしたの?」
「あ、あのさ。一緒に寝ようかと思ってさ」
「へ!?ああ、若しかして」

「違うわ。つかさと違ってお化け屋敷とかの怖いものは好きで、耐性があるから」
「じゃあどうして?」
「ああ、もう。恋人と一緒に寝たいって乙女の気持ち察しなさいよ!!」

可能な限り抑えた荒げ声にハヤテは

「そうだね。ごめんごめん。でも、僕は良いけど、かがみは」
「構わないわ」
「じゃあいいけど」

「こなた達なら平気よ。皆が起き出す前に、部屋に戻るから」

そう言うと、かがみは持ってきた枕をハヤテが今から使おうとした枕の横に置いた。

「じゃ、寝ましょ」
「そうだね」

2人で一緒の布団に(向かい合うように)入り、

「お休み、かがみ」
「お休み、ハヤテ」

暫くすると、ハヤテは目を開け、かがみの寝顔を見ると

「やっぱり、かがみは寝顔も可愛いんだね。僕は幸せ者だよ、こんな可愛い彼女が出来たんだから。ありがとかがみ、僕の恋人になってくれて。おやすみ」

そう呟くと、再び目を閉じて今度こそ寝入った。

「(ハ、ハヤテったら。私が寝てると思ってそんな恥ずかしい事を。わ、私だって恋人になってくれてありがとう。なんて言ってあげないんだからね)」

実はかがみは起きていて、ハヤテの囁きを聞いていたのだった。


                     × ×


かがみが部屋を出て暫くすると、つかさが起き出した。
びくびくしながら廊下に出て悩んでいると、別部屋だったゆい姉さんも出てきた。

「良かった。私怖かったんです」
「実は私もなんだよね」
「ハ〜君の話が怖すぎちゃって」

つかさがこういうと、

「助清です」
「「うわあああ」」

真っ白いお面を取ると、こなただった。

「どっから持ってきた、そんなお面」

「じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」

「犬神家」

「ひゃううう」

つかさが怖がったので、こなたは得意げだった。すると

「あれ?かがみは?」
「トイレにはいなかったよ」
「はは〜ん」

「ど、どうしたの?」
「別に〜。さ、もう寝よう」


                        × ×


翌朝。

「ん!?朝か」

ハヤテはいつもの習慣通り、5時に起きた。

「ホント、天使だよな」

隣で寝息を立てているかがみの寝顔を見てほほ笑んだ後

「かがみ、朝だよ」
「ん〜!?あ、そうか」

かがみは起きると、枕をもって

「じゃ、部屋戻るね」
「うん、また後で」

かがみが部屋に戻ると、まだ全員寝てた。


暫くして、全員起きて、チェックアウトの時間になった。

先生とゆい姉さんが車の準備をしているとき

「ねえねえかがみん」
「何よ」
「昨日の夜さ、何処にいたの?」

「ずっと一緒の部屋で寝てたでしょ」
「あれ〜?夜中に起きた時は居なかったよ〜」
「そ、それはあれよ。トイレに」

「つかさがトイレには居なかったって」
「そ、そん時は、目が覚めちゃって、寝れなかったから散歩に」
「ふ〜ん」

ニヤケ顔を向けてくるこなたに

「な、何よ」
「別に〜」

するとこなたは

「いいえ私は〜さ○り座のおんな〜。っと」

鼻歌交じりにスキップしながら先生たちの所へ行った。

「ま、まさか勘付かれた!?そ、そんなはずないわよね」

「どうしたの、かがみ」
「ハヤテ、昨夜の事、こなた達に話した?」
「ううん」

「じゃ、平気ね」


                      × ×


旅行から帰って来て。

「ねえねえハヤテ、見てよこれ」
「どれどれ?」

今日は柊家でデート?することになり、かがみがアルバムを見せていた。

「へ〜かがみは昔から可愛かったんだね」
「も、もう////////////////////////////そうじゃなくて、私が言いたいのは、昔使ってた教科書とか捨てられないわよね。って事よ」

「確かにね。僕も取ってあるし」
「そうなんだ。一緒だね」
「それでね、いのり姉さんが、洋服とか持ってきたのよね。まさかとは思うけど、私をごみ箱にしてるんじゃないかって」

「まさか。自分が使ってたのを、かがみに使ってもらいたかったんじゃない?引き継ぎってやうだよ」
「ならいいんだけどね」

「そう言えば、教科書とかで思ったんだけど」
「何?」
「こなたは、昔の教科書について聞いたら「そう言うのは思い出と共に母校に置いて来たよ」とか言いそうだよね」

「あり得るわね。でも、いくらこなたでも」

「あるんだな〜それが」
「「うわあああ」」

こなたが突然扉を開けて肯定してきたので、ハヤテもかがみも驚いた。

「ハヤちゃんの言う通りだよ。私の教科書は母校に置いて来たんだよね〜」
「いやいや。持って帰れよ。学校側に迷惑だ」

「こ、こなちゃん。お姉ちゃん達の邪魔しちゃ駄目だよ」
「いや〜。分かってはいるんだけどね〜。楽しそうな声が聞こえてつい〜。ばいちゃ」

こなたは何事も無かったかのように扉を閉めた。

「な、なんだったのよ」
「気にしない方がいいんじゃない」
「そうね」

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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月25日更新) ( No.9 )
日時: 2015/11/25 23:20
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                    × ×


「制服着るのも久しぶりね」
「そうだね」

陵桜は夏休みが終わり、新学期だ。

「あ、こなちゃんだ。おはよー」

つかさが挨拶すると

「あら〜。つかささん、かがみさん、ごきげんよう」

薔薇の背景が見えそうな挨拶をこなたはしてきた。

「まあ、つかささんッたら。リボンが曲がっていましてよ」
「あ、ありがとう」
「キショ」

「ど、どうしたのこなちゃん。急に」

「奇遇ですね。3人ともおはようございます」
「あ、ハヤテ。おはよ」
「ハ〜君おはよ」

「あら、ハヤちゃん。ごきげんよう」

こなたの様子にハヤテは動じることなく

「こなた、まりめたにはまってるでしょ?」
「流石ですね〜」
「あのね、そう言うのは秋葉でやりなよ」

「いいじゃないですか。おっほっほっほ〜」

暫くするとこなたも満足したのか、

「あんたねえ、そう言うの衣装まで着ないでよ」
「流石にそこまではしないって」
「えっと、コスプレだっけ?」

「ええ。秋葉に行けばたくさんいますよ。コスプレイヤーと呼ばれる人たちは」
「そうそう。第一、私の場合は仕事でやってるって」
「「そう言えば、そういう所でお勤めでしたね」」

ハヤテとかがみは同時にツッコミをした。

「そう言えばさ、ハヤちゃん。ここ最近は野球中継の延長が無くて助かってるよね」

「僕にしないでよ、そう言う話題。まあでも、お嬢様含め「深夜アニメファン」は嬉しいだろうね。一昔前は「試合終了まで延長」その次は「最大30分延長」今じゃ延長はおろか放送自体見合わせるもんね」

「そうそう。予約延長せずに済むし、家じゃケーブル引けないしね。ナギちゃんは何だって?」
「テレビ局は偉い!!!その都度圧力かけんで済む。大体野球なんぞ何が面白いんだ。あんなもんはテレビゲームで十分だ。だってさ」

「圧力って。そう言えば、三千院家はそれなりに権力持ってたわね」
「そうだよ。お嬢様は「うちのジジイだったらプロ野球自体を廃止させるだろうな」って言ってるぐらいだし」
「何よそれ。良かったわ、ナギちゃんのおじいさんがそんなんじゃなくて」

かがみの正論にハヤテは乾いた笑いを返すしかなかった。
そうこうしているうちに学校に着いた。


「おはよーゆきちゃん」
「おはようございます、みゆきさん」
「おはようございます、つかささん、ハヤテさん」

「暗いですね。どうしたんですか?」
「実は、この前虫歯の治療に行ったのですが」
「歯医者さん行ったんだ。偉いね」

「いやいや。治療に行かないと歯を抜く結果に」
「そ、そうなんですよね。ですから行ったのですが、なぜ何回も通院しなければならないんでしょうか」
「それ凄く分かるよ。1,2回で済んだためしがないよ」

「それはですね、色々理由があるみたいですよ」
「な、なんでしょう。教えていただけると、楽になる気がするので」

「まず、「患者さんへの負担軽減」ですね。他の治療と違って、口を開けてなきゃいけない歯科医院は1時間も2時間も治療してたら疲れちゃいますよね?それが理由です。一番の理由と言えるのが、「健康保険のルール」ですよ。これは法律で定められていて、一定以上の治療費を超えると、その医院に行政指導が入るんです。それを避けるためですね」

ハヤテが説明すると、つかさもみゆきさんも「おおー」っと感心し

「そうだったのですか。勉強になりました」
「いえいえ」

すると

「あら、みゆきさん。ごきげんよう」
「あら、泉さん。ごきげんよう」
「その後もお変わりなく」
「ええ。泉さんもお元気そうで」

「凄いねハ〜君。ゆきちゃんはこなちゃんと違って違和感ないね」
「ってか、こなたの言葉遣いに違和感を感じてませんね」

「私初めて見たよ。「ごきげんよう」って挨拶する人」
「そうでしょうか?お友達が通っている女子高では普通にこうやって挨拶するみたいですよ」

「礼儀作法を重んじる女子高ではそうみたいですね。所謂「大和撫子」を育むのに」
「リアルお嬢様学校は違いますね〜」
「こなた、似合わないし違和感あるから止めなって」


                     × ×


「え〜。休みが明けたばっかやけど、気抜いてる暇無いで。もっと先の事考えて勉学に励むように」

黒井先生がホームルームでこう言い、その後の休み時間

「先の事かー。進路の事よね。もう高校生活も折り返しかー」
「だね。僕の場合、あんまり考えてないんだよねー。就職するにせよ大学出てないと難しいしね。まあでも、お嬢様の執事はこのまま続けると思うし」
「ハヤテは考えてるのね」

「ぬっふっふ〜。その点かがみんは考えてなさそうだね〜。だって、皆と同じクラスになりたいからって、文系選んだくらいだしー」

「な!?つかさー喋ったなー。よりによってこいつにー」
「ま、まあまあかがみ。落ち着いて」

「落ち着けないわよ!!こ、こいつにだけはー」
「はいはい。でも、それを聞いてちょっと嬉しいよ、僕は」
「え!?なんで?」

「だって、そうじゃなかったら、かがみと恋人になれなかったかも知れないしね」
「な!?な、な、な!?そ、そんな事言っても、喜んであげないんだからね!!!!!」

「おやおや〜。かがみん、顔を赤くしちゃって〜。嬉しいんじゃないの〜」
「ううう、うるさい!!!!!」


                     × ×


夜、泉家。

「うう〜。ううう〜」

こなたが唸っていると、

「やほー。遊びに来たよ〜」
「あ、ゆい姉さん」

「どったの、こなた」
「姉さんが言ったとおり、夏休みの宿題分かんなくても適当に答え書いたら再提出食らった。手伝って〜」

こなたの懇願にゆい姉さんは

「で、でも。私が手伝っても結果は一緒だと思うけど」
「ウムムム」

で、

「ハヤちゃん〜。ヘルプミ〜」
『やれやれ。予想通りだよ、全く』
「冷たい事言わないでよ〜。友達を助けるのが紳士でしょ〜」

『そう言うと思って、もう迎えがそっちに向かってるよ。教えてあげるから、準備して待っててよ』
「助かるよ〜」
『ただし、かがみには内緒ね。僕まで怒られるし』
「ハヤちゃんは大丈夫だって。んじゃ」

こなたが準備を終えると、丁度迎えが到着した。


                      × ×


翌日。

「あれ、ゆきちゃん」
「眼鏡どうしたんですか?」
「実は今朝割れてしまいまして」

みゆきさんはノー眼鏡だった。

「椅子の上に置いておいたのを忘れていて、うっかり座ってしまって。申し訳ありませんが、今日のノートを後で写させてもらえませんか?」
「うん、いいよ」
「僕らでお役に立てれば」
「相変わらずのドジッ娘属性だねえ」

で、ノートを借りた結果。

こなたのノートは字が独特過ぎて(下手すぎて)判別不能であり、つかさは丁寧すぎて最後まで書き取れていなかった。

「(うう〜。お2人ともノートが独特過ぎます。ハヤテさんのは・・え!?)」

ハヤテに借りたノートを見てみゆきさんは驚愕した。
そこには授業内容などが丁寧かつ分かりやすく纏められていた。それこそ、商売にすれば問題なく繁盛出来そうなほどに。

「(す、凄いです。遥かに高度なノートの取り方です。泉さんに見せたら興奮しそうですね)」

で、お昼休み。

「みゆきさん」
「お弁当食べよー」
「あ、泉さん、つかささん、ノート有難うございました」

「いやいや」
「私がゆきちゃんの役に立てる日が来るとは思わなかったよ」
「ふ〜ん。あ、ハヤテも一緒よね?」

「一緒で良いのなら」
「ハヤテさんもノート有難うございます」
「いえいえ」

昼食を食べていると、こなたがみゆきさんの顔をじ〜っと見つめていた。

「あ、あの。私の顔に何かついてますか?」
「いやさ〜。眼鏡キャラが素顔で登校すると急にもてたりするじゃん?」
「な、無いですね。すみません」

「こなた、何でもかんでもそっち方面にもっていかないの」

「そう言えばさ、チョココロネってドリルにも見えるわよね」
「だね〜。今考えると、太い方がお尻に見えなくもないよね〜」

こなたの言葉にかがみは体形に当てはめたのか

「うわ、下半身太り」
「下半身太りって大変ですよね」
「だよね。ウエストに合わせるべきか、ヒップに合わせるべきか」

「ハヤテはどうしてるの?体形とか」
「僕は注意してるからね。食を我慢するとよくないから、食べた分は運動してるし」

「そう言えば、お姉ちゃん夏太りは解消できたんだよね」
「成程。だからより一層綺麗になったのか、かがみは」

「ハ、ハヤテ/////////////////////そ、そんな事言っても嬉しくないんだからね//////////////////////////////」
「あ、あのさ」
「あ、ああ。でも、ウエストやヒップはあんまり変わらなかったのよ」

「何を言うのだかがみんよ。私にははっきり分かるのだよ」
「え!?本当?」
「勿論だよ」

するとこなたはかがみの胸を見て

「そういう時ってさ〜痩せなくていい所から痩せるよね〜」
「もういい。みなまで言うな」

「ま、まあでも。内臓脂肪から燃焼して、皮下脂肪はその後に燃焼するからね。だから体形が中々変わらなくて、挫折しちゃうみたいだよ」
「成程ね。継続が重要なのか」

午後の授業中、みゆきさんは根が真面目なため、必死で黒板を見ようと努力していたのを見てこなたは

「目が悪い人って目つきが悪くなって怖がられるってよく聞くけど、人によるよね〜。・・アウチッ」
「こなた、今かがみ見たよね〜。なんでかな〜」

「うぐぐ。ハヤちゃん、段々と制裁強くなってない?」
「気のせいだよ。で、弁明は?」
「ありません。すみませんでしたっす」

「そう言えばさ、目を細めて斜め上を見るようにすると美人に見えるっていうよね〜。こんな風に」

つかさに影響されたのか、ハヤテ以外が実践した。

「かがみまで何やってるの。まあでも、お宝写真撮れたけど」
「な!?ハヤテ消してよ〜」

ハヤテは携帯でかがみの上目遣いの写真を撮影していた。


                   × ×


別の日の休日。

「あ、こなちゃん」
「ごめん遅れた」
「良かった〜。何かあったのかと思って心配しちゃったよ〜」

「めんごめんご。ここにかがみがいたら、怒られてたよ」
「そ、そうだね。で、どうしたの?」
「いやね。出かける準備が終わった時は時間にたっぷり余裕があってさ。で、ゲーム始めたら」

「こなちゃんらしいね」
「いや〜。で、かがみは?」
「デートだって。今日は「買い物デート」って言ってたよ」

2人は近くのファストフード店に入った。

「そう言えば、2学期はイベントが多いよね。体育祭とか、文化祭とか。テストも近いし」
「だよね〜。体育祭は疲れるからめんどくさいし、文化祭は準備でめんどくさいし」
「あはは。でも、文化祭何やるんだろうね、家のクラス」

「大抵そう言うのは言い出しっぺがやる事になるからね。めんどくさいよ」
「だ、だよね」


因みに

「ねえハヤテ、この服どうかしら?」
「う〜ん。確かに似合いそうだけど、こっちの方がいいと思うけど」
「そ、そう?じゃあ、試着してみようかしら」

ハヤテとかがみは仲良さそうにデートしていた。


                  × ×


別の日。

「今日は私が食事当番なんだ」
「へ〜何作るの?」
「皆大好きチキンカレー」

「カレーか。良いわね」
「カレーって一晩寝かせると美味しいってよく聞くよね」
「聞くねえ。だったら、多めに作って明日のお弁当にしよっと」

「こなた、そうするんだったら、冷めた後に鍋ごとかパックに移して冷蔵庫に入れておきなよ。じゃないとカビたりするよ」
「え!?そうなの? ハ〜君、カレーって一晩くらいじゃ腐らないんじゃ」

「そんな事ありませんよ。腐る時は直ぐに腐っちゃいますよ」
「で、でも。名店とかで何十年も継ぎ足して使ってるタレとかは平気じゃん」
「あれは定期的に加熱してるから平気なんです。なので、「カレーは腐らない」は迷信ですよ」

「そうなんだ。まあ、ハヤちゃんはプロだから、ここは素直に従っておきますか」

で、翌日。

「いや〜。ハヤちゃんのおかげでお弁当でも美味しくカレーが食べられるよ」
「そう。良かった」

「そう言えばさ、かがみとつかさのお弁当ってさ、おかずがちゃんとしてる時と、とても質素なときに分かれるよね」
「そ、それは。うちは交代でお弁当作ってるから。私は家事とか苦手だし、どうしても簡単なのになっちゃうのよ」

「そう、だったんだ」
「な、何よ」

考え出したハヤテにかがみは文句言ったが

「ねえかがみ、ちょっと」
「何?」

手招きされ、ハヤテに耳打ちされると

「え!?いいの?」
「僕がお願いしてるんだけど」
「じゃあ、頼むわ」

「ん〜!?どったの?」
「明日になればわかるよ」

で、翌日の朝。の柊家。

「あ、つかさ。私のお弁当、今日から作んなくてもいいから」
「え!?お姉ちゃん、私のお弁当嫌いになったの?」
「違うわよ。学校に行けば理由は分かるから」
「そ、そう」

で、

「あ、かがみ。はい、これ」
「あ、ありがと」

「ほほ〜う。そう言う事ですか」

ハヤテがかがみに四角い包みを渡したことで、こなたはにやけ顔になった。

「愛妻弁当ならぬ愛夫弁当ですか」
「う、うるさい!!!!////////////////////////////ハヤテが私の弁当を作りたいってお願いしてきたのよ!!///////////////////」
「そう言う事。僕から頼んだんだよ」

「そっか〜。だから朝「お弁当はいらない」って言ってきたんだね」
「そうよ」

で、お昼。

「おお〜。凄いね〜」

かがみが弁当箱を開けると、明らかにおかずは全て手作りだった。

「さっすがハヤちゃん」
「全部美味しそうだね」
「味はもちろん、バランスを考えて、カロリーも低めにしておいたよ」

かがみが食べると

「お、美味しい」
「ふ〜ん。かがみんは幸せ者だね〜」
「ねえかがみ、これからも、作ってきてもいいよね?」

「えっと。お願い出来るなら」
「彼女に喜んでもらえるなら勿論だよ」


                     × ×


またある日。

「おはよー、かがみ、つかさ」
「おはようございます」
「「おはよー」」

挨拶すると、つかさが

「見て見てー。携帯買ってもらったの」
「おお、凄いじゃん」
「珍しく実力テストの成績が良かったからなの」

「番号教えてよ。私も教えるし」
「うん、いいよ。あ、ハ〜君も教えて。そう言えば、教えてもらってなかったし」
「良いですよ」

つかさは携帯の電源を入れると、

「えっと、どうやるんだっけ。ええっと」

悪戦苦闘してて、暫くかかりそうなので

「ねえこなた、携帯持ってたっけ?番号聞いてない気が」
「大抵は家に置いてあるよ。だってお父さんしかかけてこないし」
「それって携帯持ってるって言わないんじゃないの?」

「そうだね。それじゃ家電と変わんないでしょ」
「まあまあ」

「あの、つかささん、出来ました?」
「ま、待ってね。ええと」
「やれやれ」

「あのさ、携帯っていつかかってくるか分かんないから、ドキドキするよね」
「そう?」
「まあ、少しは気持ち分かりますよ。僕の場合、お嬢様とマリアさん以外では、かがみしかかけてきませんから」

「ところで、番号は?」
「あ、待って」
「教えますよ」

結局、ハヤテが教えて番号を表示させられた。

世界史の授業中

「〜と言う訳や。それでやな・・・ん!?」

担当の黒井先生が教えていると、携帯の着信音が鳴った。

「あ、私だ。ご、ごめんなさい」

つかさは慌てて携帯を取り出し、

「あ、あれ?誰だろ」
「ほい、没収な」
「ふえええええ」
「放課後に職員室に取りに来い」

で、放課後。

「ちゃんと謝ったら返してもらえたよ」
「良かったですね」

「ん!?私だ。 あ、お父さん。今学校よ。 え!?デートじゃないって。こなた達と話してただけよ。うん、今から帰るから」

かがみが電話を切ると、今度はつかさの携帯が鳴った。

「あ、お父さん。うん、今学校だよ」

「片方にかければ済むのに」
「まあまあ。父親と言うのは娘を心配するのが仕事みたいなもんだよ」
「僕からすれば羨ましいよ。心配してくれる人が直ぐ傍にいるしね」


                   × ×


「そう言えば、迷惑メールって最近巧妙化してるみたいね」
「みたいだね。この前なんか、テレビでお笑いの人が「自分は数年にわたって訓練されたサルです」みたいなメールが来たって公表してたよ」

「まあ、そう言うのが嫌だったら、メルアドを分かりにくくすることだね」
「例えば?」
「良い質問だね、ハヤちゃん。私の場合、ローマ字で「meganekkogekilove」だよ」

「え"!?」
「本当はメイドさんとかがよかったんだけどね〜」
「こなた、そう言う話は秋葉か僕たちだけの時にしようね。迷惑メールならぬ迷惑会話になるから」

翌日。

「おはよー」
「あれ?つかささんどうしたんですか?」

こなたとハヤテがかがみとつかさと合流すると、つかさが泣いていた。

「うう〜。私の携帯が〜。携帯電話が〜。うう〜」
「ポケットに入れっぱなしで洗濯をね」
「お亡くなりになりましたか」

まだ泣くつかさに

「大丈夫ですよ。きっと、つかささんの携帯は許してくれますよ」
「え!?ハヤちゃん何言ってるの?携帯が許すって」

「別におかしな事じゃないよ。昔の人は「八百万の神」と言って、あらゆるものに神様や生命が宿ってるって考えてたんだ。時代の変化で今はそれが廃れちゃってるけど。だから、つかささんの携帯電話にも、そう言う神様が宿ってても不思議はないさ。だから、そうやって悲しんでくれてるって事で、許してくれると思いますよ」

「そ、そうかな?ありがと、ハ〜君。気が楽になったよ」
「いえいえ」

ハヤテがつかさに笑みを向けていると

ぐいっ

「ハヤテ、早く行くわよ」
「かがみ!?引っ張らないでよ」
「行くわよ!!!」

ぐいぐいっ

「悪い事しちゃったかな」
「気にしなくていいよ。ああなった以上放置が一番の適切な処置だよ」


                   × ×


別の日。の陵桜。

「こなちゃんありがと」
「ああ、その漫画」
「ん!?ハヤちゃんも読んだの?」

「まあね。お嬢様が持ってて「お前も読め」って言われたから」
「どうだった?馬鹿っぽくて笑ったでしょ?」
「え!?私は感動して泣いちゃったけど」

「そう言えば昨日泣いてたわね。で!?」
「えっと、僕は泣いちゃったんだけど」
「私と同じだね」

「かがみんも読みなよ」
「いいわよ」
「ふ〜ん。ハヤちゃんと同じ反応になれなかったら嫌だもんね」
「うるさい!!!!///////////////////////////////」

「そう言えばさ、こなちゃんは漫研入らないの?」
「まあ、入ってもいいんだけどね。時間の融通も利きそうだし」
「あ、そう言えば」
「ああ、ハヤちゃんは知ってたね」

こなたは白紙の紙に絵を描いた。

「「え"え"!?」」
「やっぱり」

こなたの絵は良く言えば独特、悪く言えば下手だった。

「これはつかさで」
「こ、これ私!?」

「これはみゆきさん」
「まあ、雰囲気は伝わってるわね」

「これはハヤちゃん」
「頭痛い」

「で、これはかがみん」
「ほほ〜う。火ぃ吹いてるな」

「かがみさんは凶暴・・アウチッ」
「こ〜な〜た〜」
「うう〜。鉄拳制裁」

「え、えっと。ハ〜君は絵描けるの?」
「まあ、昔は漫画賞取った事ありますが」

そう言うと、ハヤテは絵を描いた。

「あ、あのさあハヤちゃん、一応聞けど、これかがみだよね?」

ハヤテの絵は美少女漫画のような超をつけるほど可愛らしい絵だった。

「まあ、これが僕の画風だし」
「ハヤちゃん、これ違うって」
「僕の目にはかがみはこう見えてるの」

「ハ、ハ〜ヤ〜テ〜。私はこんな風にしてもらっても嬉しくないわよ!!!」

「ツンデレ〜、ツンデレ〜」
「こなた、ちょっと懐かしいボタンの真似しても分かんないよ」

で、放課後。

「あ、そう言えば。あれ新刊出てたわね」
「じゃあ丁度良いや。一緒にゲマズ行こ」
「無理よ。今日は用事があるし」

「ほほう。デートだね」
「違うわよ。ともかく、一緒には行けません」
「チェ〜。折角もう少しで欲しい景品貰えるのに」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月27日更新) ( No.10 )
日時: 2015/11/27 17:34
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                    × ×


ある日の夕方の情報番組を見ていると

「この秋、一番の陽気となった今日、各地で運動会が開かれました」

「いやー盛り上がってましたね〜。娘の頑張ってる姿、たっぷり写真に収めましたよ」

インタビューに答えている父・そうじろうを見たこなたは

「お父さん、その娘はどこのだい?」

因みに同じ番組を見ていたハヤテは

「やれやれ。あの人は本当に変わってないね」←褒めてない


                    × ×


ある日の陵桜。

「そう言えば、もうすぐ体育祭ね〜。それに向けて髪切ろうかしら。思い切ってショートヘアーとか」
「え!?お姉ちゃん髪切っちゃうの?折角伸ばしてきたのに?」

つかさのリアクションに言った本人であるかがみは

「え!?何気なく言ってみただけなんだけど」
「ほほ〜う。さてはハヤちゃんとなんかあったな〜」
「無いわよ。至って順調に交際してるわ」

「そうそう。それに、かがみがショートか。似合うよきっと」
「アカンよハヤちゃん。ツンデレはツインテールが基本なんや」
「なぜに関西弁!?まあでも、かがみは今のままが良いかもね。個人的な見解だけど」

「それにしても、体育祭か〜。めんどくさいな〜」
「こなた、若いんだから少しは前向きに」
「そうよ。若者とは思えないわよ」

「こなちゃんは良いよね。運動得意だから。私なんて」
「つかささん、そうやって自分を卑下しちゃ駄目ですよ。「楽しむ事」が大切だと思いますよ」
「そ、そうだよね。ハ〜君はどの競技に出るんだっけ?」

「クラス対抗リレーに選ばれてましたね。あと100mです」
「へ〜。ハ〜君足早いんだ」
「自慢に聞こえたら謝りますが、中学時代陸上部の顧問の先生からしつこい位スカウト受けてましたよ「君なら世界で戦える逸材だ!!」って」

「ふ〜ん。お姉ちゃんは、どの競技に出るの?」
「つかさ〜。それは無駄な質問だよ〜。かがみんは「パン食い競争」だって」
「あんた、ケンカ売ってんのか!!」

「まあまあかがみ落ち着いて。実際の所何に出るの?」

黙り込んだかがみに

「まさか図星?」
「い、良いじゃない別に!!」
「まあ、かがみは食べ物を美味しそうに食べるからじゃない?」

「ハヤちゃん、それは美化しすぎだよ」
「はいはい」


「へ〜。みゆきはリレーか」
「最初は障害物競走だったんだけどね〜」

「ほな、借り物競争は高良で決まりやな」
「精一杯頑張ります」
「駄目だよ〜みゆきさん。みゆきさんは体の凹凸激しんだし、引っかかっちゃうよ」

「って言ったら、リレーになったの」
「こなた、君だからギリギリセーフだったけど、場合によっては「セクハラ発言」で訴えられても文句言えないよ」
「その通りよ」

「そう言えばさ、ハヤちゃん。ハヤちゃんは「借り物競争」に出た事ある?」
「まあ、何回かね。昔「髪を止めるリボン」を借りようとしたら、クラスの殆どの女の子が「私のー」とか言って喧嘩になりかけた事あったけど。なんでかね」

「ほうほう。でさ、前に自分が呼ばれたこたるんだけど、なんで呼ばれたんだろ?借りる物を書いた紙見せてくれなかったし」
「(それは言えない要素が多すぎる)」

かがみは心の中でツッコミを入れていたが、

「ま、まあ「顔にほくろのある人」だったんじゃない?人によっては気にして切除手術受けるくらいだし」
「成程。みゆきさんにも聞いてみようかな」
「聞かないほうが」

結局こなたは質問していた。

「顔にほくろのある人だったんじゃないでしょうか?気にする人もいますから」

「「(流石2人。適当なかわし方を心得ている)」」


                    × ×


「体育祭は楽しみですけど、その後のテストが大変ですよね」
「体育祭が終わると、その後の行事が無くて寂しいよね」
「中間、実力、期末と言ったテストだけですもんね」
「やれやれ。文化祭やら体育祭でエネルギー使い果たすよね」

「中間テストが大変ですよね。準備と並行して勉強をしなければいけませんから」
「あ、そうそう。「読書の秋」っていうから、本読もうかな。普段読まない様な難しそうなの」
「そうですね。この季節はテスト勉強はしやすい気候ですね」

「ぬふふ〜。クリスマスは新作ゲームが目白押し」
「その前の期末テストが大変ですね」

「「あ、そうそう」」

「2人とも、現実から目を離さないの」
「テストは待ってくれないよ。問答無用でやってくるよ」

かがみとハヤテの指摘にこなたもつかさも暗くなった。


                    × ×


「そうか。ハヤテの所もそろそろ体育祭なのか」
「「も」!?お嬢様も体育祭なんですね」
「で、お前は何に出るのだ?」

「リレーと100mです。お嬢様は・・」
「なんだよ。期待通りかもしれんが、私は出んぞ。そんな死者が続出しそうな危険なイベント」
「そんなの出ませんよ」

「で、いつ開催だ?」
「今度の日曜日です」
「そうか。まあ、応援は行かんから、頑張れよ」

「は、はあ」

で、

「皆、ついに今日が本番やで。日頃の練習の成果見したれ」
「先生、練習はあまりしませんでしたが、本番には強いです!!」
「こなた、そう言うのははっきり言わないの」

「せやで」

黒井先生は咳払いし

「ともかくや、騎馬戦は目にものみしたれ。四方から囲んでタコ殴りや」
「先生、帽子を取るだけですよ。第一、そんな事したら反則負けですよ」
「綾崎、気にしたら負けや。そこは若さゆえの過ちっちゅうことや」
「若さって、僕らもう高2ですけど」

開会式などは割愛。

「まずはかがみだね」
「お姉ちゃん、頑張ってー」
「さあ、勝ちなさい。女の子はエレガントに」

「エレガントなパン食い競争なんかあるか」

「ねえねえハ〜君。あのパンってどうやってぶら下がってるの?」
「大きなクリップで止めてるんじゃないですか?あ、ほら」
「ホントだ。じゃあ、簡単にはとれないね」

しかし、他の出場者が苦戦する中、かがみは軽々と1等を取った。

「次はハヤテの100mね」
「ハ〜君どんな走りするんだろ」
「まあ、ハヤちゃんは昔もすんごく速かったけど」

実際に走るとぶっちぎりで、タイムを計測した人は

「9秒95!?これって日本記録じゃ!?」

非公式です。

「さっすがハヤちゃん。速いね〜」
「陸上部の先生からスカウト受けたのは伊達じゃないね」
「か、かっこよかったわよ///////////////////」

戻ってきたハヤテをそれぞれ褒めていると

「あ、あの。あの黒服の方々は何なんでしょう。凄いカメラがありますが」
「ああ。三千院家のSPの人達ですね。お嬢様、自分で来るのは照れ臭いのかな?」
「あ、あの。じゃああっちは」

みゆきさんが指さした方を見ると

「期待を裏切らないね〜」
「そうじろうさん、違う意味で気合入ってるね」

で、つかさのハードル走になり

「1,2,3っと」

「ハードルはリズムで飛ぶのがいいらしいですよ」
「リズム?」
「1,2,3です」
「まあでも、途中で崩れたら、あんまり気にしない方がいいと思いますけどね」

しかし、つかさは全てのハードルを倒しながら完走した。

「えへへ。全然駄目だったよ」
「まあ、つかささんらしかったですけどね」

色々割愛し

「いよいよ最後だね」
「フムフム。ハヤちゃんはどんなドラマを起こすのかな?」

アンカーのハヤテまでは接戦の連続で、ハヤテの組は最下位でハヤテにバトンを渡した。

「おおー」

ハヤテはぐんぐん追い抜き、1位でゴールした。

「流石高スペック。速いね〜」
「ホントだね。ハ〜君凄い」
「因みに、ここにうっとりと恋人の雄姿を見守った人もいます」
「な、何よ!!!」

因みに、女子の部はアニメ版にて。


                    × ×


ある日の柊家。

「えっと、ここがこうで」
「ここがこうだね」

ハヤテとかがみは一緒に勉強していた。
すると

「ん!?リコーダー?」
「つかさね。まあ、気にせず勉強続けましょ」

暫く一緒に勉強していたが、殆ど進展しない音色に

「ああ、もう」
「手伝おうっか、集中できないね」

下手すぎて集中力がそがれる結果になるので

「つかさ、もう少し何とかならないの?」
「あ、ごめん2人とも。音楽の授業でリコーダー四重奏(カルテット)でアルトを選んだんだけど、指がね」
「あの、なぜにアルトを!?」

「い、いやあ。簡単そうかなって」
「まあ、まずは簡単な曲で指慣らししてみては?」
「そ、そうだね」

しかし

「全部外してるじゃない」
「あ、あれ?」
「仕方ないわね。手伝うわ」

かがみは自分の部屋からリコーダーをもってきて、デュエットを開始したが

「あの、つかささんだけ見事なまでに外れてますが」
「ふえええ」
「まず、軽く指の運動をしてみては?後、吹く時に必要以上に息を強く吐くので、音が外れるのでは?」

「あ、そうか」
「深呼吸してから吹いてください」

ハヤテの助言でレベルは大きく上がったものの

「ハアッハアッ」
「適度に息を吸わないと酸欠で倒れちゃいますよ」
「ハヤテ、なんかごめんね」


                      × ×


別の日のお昼時。

「ハヤテに作ってもらってばりじゃ申し訳ないっていうんで、学食に来たけど」
「うう〜。先が思いやられるよ」

結構な行列にこなたはうんざりしていた。

「でもさ、こなた。イベントとかだともっと凄まじい行列かあるんだし、慣れてるんじゃないの?」
「そうね。あんたから文句が出るのは意外ね」
「その先にお宝が待ってないと嫌なんだよね〜」

「欲望に忠実だね」
「ホントね」

因みに、作者の自分は行列は大嫌いです(耐えられる時間は5分が限度です(買い物は除く))。

「そう言えば、以前テーマパークで、アトラクションの行列かと思って並んでいたら、トイレだったことがありまして」
「何の行列か確認しておかないとね」
「女性は大変ですからね。逞しいおばさまは男子トイレに行っちゃうらしいですが」
「2時間も並んで無駄になりました」

「あ、私は折角並んでたのに、目の前で売り切れになった事が何度かあったんだよね」
「つかさは運が無いだけよ」
「あ、あの。僕なんかそんな事「数えるのも馬鹿らしい」ってぐらい経験が」
「運のない人ここにもいたわ。我が恋人だが」

「あ、皆さんそろそろですよ。何になさるんですか?」
「私は味噌拉麺かなココーンとワカメ乗せて」
「私も拉麺かな」

「私はカレーかな。ハヤちゃんは?」
「かけ蕎麦かな。あれが一番安いし」
「流石、貧乏性だね」

「ほっといて」
「かがみんはプリンとエクレアを拉麺と共に、でしょ」
「そう言うおやつはハヤテが作ってくれる低カロリーのにするようにしてるの」

「・・フッ。惚気か」
「うっさい!!!!///////////////////////////」

「ゆきちゃんは?」
「私はサンドイッチですね。イチゴの」

「成程」
「ゆきちゃんらしいね」

「でもさ、イチゴのサンドイッチってデザート?それともご飯?」
「妙な所に拘るわね」
「あのね、こなた。そんな事言ったらこなたの好物のチョココロネもそう言う疑問点にあげられるけど」
「あ」

「それと、みゆきさん。サンドイッチはあっちの列ですけど」
「はう」

ハヤテに指摘され、恥ずかしそうにみゆきさんは並び直しに行った。
そしてちょうどその頃にみんなの順番が回って来た。

「カレーください。ルー多めで」
「ちゃっかりしてるわね」
「貰えるものはもらっておかないと」
「気持ちは分かるけど」

「あ、私醤油ラーメンで」

「はい、カレーお待ち」
「先行って席取ってるね」

「僕はかけ蕎麦で」
「はいはい」

「醤油ラーメンね。次は」
「味噌拉麺お願いします」
「ごめんなさいね。さっきの人で麺きれちゃって」

「あ、あのつかさ。私のでよかったら食べる?私は他ので良いし」
「あ、ありがとうお姉ちゃん」
「つかささんの気持ち、痛いほどわかります」


                    × ×


ある日の柊家の夜。

「ねえお姉ちゃん、この機に聞いておきたいんだけど」
「何?」
「ハ〜君とどんなデートしてるの?」

いきなりの質問にかがみは噴出した。

「な、何よいきなり」
「あ、あの。気になっちゃって」

かがみはため息をつき

「別に健全なお付き合いよ。手つないだり腕くんだり」
「へ〜。じゃあさ、デート代はハ〜君持ち?こなちゃんはああいう時は男が出すもんだって本で読んだって言ってたよ」

「ホントはね。ハヤテも「自分が出す」って言ってくれるんだけど、申し訳ないから割り勘にしてるのよ」
「へ〜」
「後、ハヤテは色々と私が楽しめるプランを大まかに考えてくれてるのよ。そのおかげで楽しくてさ」

暫くハヤテとのデート自慢が続き

「(お、お姉ちゃんがこんなに饒舌になるなんて。もうこの話題は振らないほうがいいかな)」


                     × ×


別の日。

「ねえねえかがみん。かがみんは「運命の赤い糸」って信じてる」
「何よいきなり」
「いや〜。そう言うのは漫画やアニメじゃお馴染みじゃん?その赤い糸の運命に導かれてさ」

「現実を見なさいな」
「まあまあ。で、信じてるの?」
「そ、それは//////////////////////////」

「ほほ〜う。信じてるって顔だね」
「うるさい!!!/////////////////////////////」
「かがみにロマンチストな一面があったんだね。可愛いな」

「ハヤテ、あんたまでうれs--からかうようなこといんじゃないわよ!!!!!//////////////////////////」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月29日更新) ( No.11 )
日時: 2015/11/29 18:43
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                    × ×


ある日の陵桜。

「読書の秋って事で、最近色んな本に手を出してるんだ」
「へえ。珍しいわね」
「いくら教養を得るためとはいえ、出費がかさむんだよねえ」

「教養って。こなたの場合、漫画でしょ」
「流石ハヤちゃん。分かってるね〜」
「へえ、「読書」ねえ。「読書」ねえ」


                    × ×


「う"〜。集中出来ない」

自宅の自室で勉強していたこなただったが、頭から湯気を出しながらこういうと、とあるゲームのようにこそこそと机を離れてパソコンの前に行き

「息抜きも必要だよね〜。っと」

電源を入れようとしたときに、電話が鳴った。

「どったの、ハヤちゃん」
『勉強してるかな〜って。まあ、殆どしてないだろうけど』
「ハヤちゃん、私には毒舌だね。まあ、当たってるけど」

『やれやれ』
「まあ、息抜きも必要でしょ。だからネトゲをだね」
『こなたの場合、息抜きに勉強してるんでしょ』
「うう〜」

『第一、多分だけどログインしたところで黒井先生に「勉強せい」って怒られてやる気が失せると思うけど』
「う"、的を射ているだけに反論できない」
『ま、頑張んなよ。僕も出来るだけ手伝うから』
「神様仏様だねえ、ハヤちゃんは。分かったよ、頑張るよ」

電話を切ると、勉強机に戻った。


                     × ×


ハヤテとこなたが電話している同時刻、柊家。

「今回こそは、目標立ててその通りにやろうと思うんだ。だからお姉ちゃん、分かんない所は教えて」
「じゃ、一緒にやるか」

一時間ほど勉強し

「そう言えばさ、お姉ちゃん。ハ〜君ってどうやって勉強してるんだろ」
「なんでまた」
「ハ〜君って執事さんとして忙しいのに、凄く頭良いでしょ?だからどうしてるのかな〜って」

「あやかりたいのね、ハヤテに」
「えへへ」
「確か、暇を見つけてはやってるって言ってたわ。後、寝る前にもって」

「へ〜」
「寝る前にやると、効率がいいから寝る前は集中的にしてるらしいわ」
「よしっ、私もがんばろっと」

しかし、
30分ほどで舟をこぎ始めた妹にかがみはシャーペンのお尻の部分で額を軽く押し

「早速寝てるわよ」
「えへへ、ごめんね。分からない所が連続すると、どうしても眠くなっちゃって」
「つまり、ずっと眠いと」

「せ、折角だからハ〜君にコツを教わろうかな」
「そうしな」


                      × ×


その頃こなた。

「う〜ん。やっぱり長続きしないな」

こなたは伸びをし、みゆきさんに電話した。

『テスト勉強を続けるコツですか?』
「ハヤちゃんにも聞こうと思ったんだけど、電話中だったから」
『そうですね。あまり意識しすぎると続かないので、「いつも通り」を心がけるのはどうでしょ?』

「成程」

電話を切るとハヤテにも電話し

『コツねえ。さっきつかささんにも聞かれたよ』
「へえ。で、その教えたコツとやらは?」

『時間を少しづつ延長するとかかな。最初は30分して、その後5分ぐらいづつ延長するんだよ。そうすれば、さほど苦にならずに2時間とか3時間とか勉強できると思うよ。まあ、こなたには無理だろうけど』

「フッ、その通り」


そして翌日。

「今回は自信あるんだよね。みゆきさんのアドバイス通り、「いつも通り」を意識したし」
「あんたのいつも通りって、やばいんじゃないの?」
「だね。こなたは日常的に勉強しないし」

そして放課後

「うっす」

こなた達が図書室で話していると、かがみが合流してきた。

「かがみ、今回はどうだったの?」
「今回は駄目だったわ。一応上位はキープしたけど」
「珍しいね。かがみんが調子落とすなんて」

「そういう時もあるでしょ。ね?」
「まあね」
「お姉ちゃんは、私に付き合ってくれたからだよ。そのおかげで私はいつもより良かったけど」

「成程」
「で、こなたはどうだったのよ」
「いやあ。不思議と駄目だったんだよね」

「あんたの場合、不思議でも何でもないわよ」
「まあ、それが何時ものこなたって言えてるけど」
「ム〜。そう言うハヤちゃんはどうなの?」

「僕もある意味いつも通りだよ。順位に変動なし」
「チェ〜。ハヤちゃんは頭良いよね〜」

こなたはブツブツと文句を言った後

「そう言えばさ。私とハヤちゃんが仲がいいのって不思議だよね。類は友を呼ぶって訳じゃないのに」
「何それ」
「だってさ、かがみとみゆきさんは学級委員って事で仲がいいのは納得できるし、私とかがみはゲーム好き」

「まあ、ジャンルは違うけどね。あんたはロープレやギャルゲーメインで、私はシューティングだし」
「んで、私とつかさは頭悪い者同士だし」
「え"!?」

「ここで疑問が生まれる訳よ。ハヤちゃんがかがみやみゆきさんと仲が良いのは納得なわけよ。真面目で博識だから」
「まあ、真面目ってところだけ肯定しておくよ」
「でさ、なんで私とハヤちゃんは仲良くなれたんだろ」

「「不思議と馬が合う仲」だからじゃない?こなたと話してると楽しいし」
「成程。まあ、成績に関しては悪くても気にならないよ」
「少しは気にしろよ」

無駄に自信のあるこなたにかがみは

「ハヤテはともかく、皆悪いからって油断してると、置いていかれるわよ」
「まあ、今回はお父さんとなにも賭けてないし、悔しさは無いよ」

「あんた、絶対まともな大人になれないわよ」
「まあ、あの人が父親じゃ無理もないけどね」

「全く。少しで良いからみゆきやハヤテを見習いなさいよ。普段から勉強するとか」
「みゆきさんもハヤちゃんも真面目だからね。典型的なA型だよね」

「良く言われますが、私はO型なんですよ」
「そうだったの?見えないわね」
「ええ。でも」

みゆきさんは立ち上がると血液型に関する本を持ってきて

「O型の特徴で当てはまるものは、結構あるんですよ。例えば、子供ぽくて単純ってところは凄く当てはまるんですよ」
「他には強引で所要力がありガメツイ。みゆきさんにそんな一面が」

「ハヤテは何型?」
「僕?A型だよ」
「こなたと一緒か。じゃあ、周囲や相手に気を配る。人間関係の平穏を望む。ハヤテは当てはまるけど、こなたは」

「思いやりがあって、よく気が付くじゃん」
「自分の興味のある事だけな」
「穏やかで人を立てるじゃん」

「こなたはかがみとかに宿題写させてもらう時だけでしょ」
「で、かがみんは何型なのさ」
「私?B型よ」

「マイペースで不作法。脱線ばかりして天邪鬼で考えが甘いお天気やか」
「かがみは、あまり当てはまらないね」

「で、つかさはAB型?」
「え!?なんで?」
「何となくね。性格的な事を考えると、つかさがA型でかがみがB型に見えるし」

「私たちは2人ともB型よ。第一双子なんだから血液型は一緒だって」
「あ、そっか」

「でもさ。水を差すようで悪いけど、血液型どうこうで盛り上がるのは日本人だけだよ」
「え!?なんで?」

「いい、かがみ。海外の人は輸血時や結婚する時以外は血液型は気にしないんだよ。だから、自分の血液型を知らない人も結構いるみたい。欧米では、あまり親しくない人に血液型を聞くのは失礼にあたるんだよ。それこそ、いきなり体重や結婚してるか否かを尋ねるのと同じだって」

「成程ね。血液型占いもそんなにあてにならないって訳ね」

「占いと言えば、動物やお寿司なんてのもありましたよね」
「寿司?」

気になったので、パソコンブースに移動し

「おお、これか。じゃあ早速みゆきさんは〜っと」
「へ〜。みゆきはイクラか」
「ムム。ここでも上ネタか」

「私イクラ大好きです」

「んじゃかがみとつかさ〜っと」
「「かっぱ巻き」」
「プッ。一応はお寿司だよね」

「こなた、かっぱ巻きが好きな人もいるんだから笑わないの」
「そう言うハヤちゃんは〜っと」
「え!?穴子!?」

「ほうほう。地味だが相性の合う人がいれば最大限効果を発揮できるか。当たってるね」
「ああ、そう。こなた、自分をやったら?」

「ガリ?」
「ガリか〜。アッハッハッハ」
「ガリを馬鹿にするな!!」

笑うかがみにこなたは文句を言った。

「まあ、お寿司には欠かせない存在ですしね」
「占いも良い事書いてあるよ」
「まあでも、地味なのは否めないけど」
「かっぱ巻きは一応お寿司だけどね〜」


                      × ×


その日の夕方。

「そう言えばさ、こなた。二卵性双生児は血液型違う事もあるわよ。一応言っておかないと、本気にしそうだったから」
『わ、態々どうも』

電話で報告してきたかがみにこなたは少しだけ呆れていた。

『そう言えばさ、テレビで時々やる心理テストだけどさ』
「ああ。ああいうのは当てはまるものとそうでない部分があるじゃない?それって、どんな人が来てもいいようにそれなりの事を言ってるだけなんじゃないの?」

『かがみ〜。そんな現実的な事ばっか言ってるとハヤちゃんに嫌われちゃうかもよ」
「そ、そんな事無いわよ!!!!!余計な事言うな!!!」


                      × ×


「チッ。ハヤテ、成績良かったんだな」
「まあ、努力してますから。ですがお嬢様、なぜ舌打ちを?」
「別に。意味は無い」

「あらあら♪成績が悪かったら「恋なんぞに現を抜かしてるからだ」とか文句を言えたんでしょうね〜♪そうすれば別れさせる口実で来たんでしょうけどね〜♪」

「ち、違う!!!私はハヤテのご主人様として成績をだな」
「あらあら♪」


                       × ×


「やっとテストも終わったわね。折角だし、気晴らしでもしましょ」
「良いねそれ」
「かがみんとハヤちゃんはデートかい?」

「・・折角だし、映画でも見ましょ」
「何が良いかな?えっと今やってるのは」

「ふっふっふ。皆の衆、今は凄いのをやっているのだよ」
「こなた、アニメじゃないよね?」
「ハヤちゃん、私はアニメ以外も薦めるのだよ。 今はある意味スプラットで、それでいてサイコショックサスペンスもある極上ホラーだよ」

「え"!?」
「良いわね、それ」
「よし、それで決まりだね」

「じゃあ、一旦家に帰ってから集合ね」
「おー」

盛り上がるかがみとこなただったが、つかさは暗かった。なので

「大丈夫ですよ。僕が隣に居ときますから」
「うう。ハ〜君」

それぞれ着替えてきて

「こなたの奴遅いわね」
「どうしたんだろ」
「あ、あのさ。かがみ」

「また遅刻ね。あいつ、私達より先に来るっては発想は無いのかしら」
「そ、そんな事無いよお姉ちゃん」
「だ、だからさ、かがみ」

「何よハヤテ」
「こなたなら、さっきからここに居るけど」
「「え!?」」

ハヤテが示した少女が帽子をとると

「ご、ごめん。アホ毛が無いから気付かなかったわ」
「ムウ。酷いな」
「時、時間ないし、もう入ろうよ」

「あ、そうそう。ハヤちゃん、私とは兄妹って事にしておいてよ」
「まさかこなた、自分の体格を利用して子供料金で入るつもりじゃ」
「その通り。じゃ、よろしくね、お兄ちゃん」

「こなた、黙認するけど、それ犯罪だよ」

で、映画も終わり

「お腹空いたわね」
「何か食べて行こうか」
「良いねハヤちゃん。つかさも結構叫んでたから、お腹空いたでしょ?」

「ハ〜君のおかげで怖さは軽減できたけど、お腹は空いたよ」
「じゃあ、ケーキバイキングでも行こうか」
「良いわね」

「女性はバイキングとか好きなんですね〜」
「まあね」

一行は近くのバイキングがやっているお店に行き

「なんか、場違いだな、僕」
「まあ、男はお兄ちゃんだけだしね」
「こなた、その兄妹設定まだ続けるの?」

「気持ちの問題だよ」

お店の人に説明を受け

「別料金発生システムか」
「食べ物を粗末にするなって事だね」
「そう言う事。行くわよ」

それぞれ思い思いにケーキを取り、

「「「う〜ん、美味しい」」」
「かがみは本当に幸せそうに食べるね」
「美味しいんだもん。じゃ、2回目行くわよ」

ハヤテは立たなかったが、3人は2回目を取って来た。
しかし、

「流石に苦しいね」
「一皿目の勢いで取りすぎたわね」
「で、でも。食べないと別料金取られちゃうよ」

つかさに言われ、こなたは何とか残っている分を口に運ぼうとしたが、

「うう、もう入らないよ」
「頑張って食べなさい」

叱り付けたかがみであったが、かがみも限界で

「やれやれ。ほら、皆渡して」
「ハヤちゃん食べれるの?」
「僕は二皿目取ってきてないし」

「だからって・・うお!?いつの間に」
「ハ〜君、食べるの速かったんだ」
「もったいない精神が働くと割と」
「凄いわね」


                     × ×


「いやあ、テストが終わって久々に思いっきりゲームしたよ。だから眠くて」
「それくらい熱心に勉強してればテストの成績は違ったんじゃないのか?」
「かがみ、言うだけ無駄だよ。こなたは割と昔からだし」

「そう言う事。それに、最近の美少女ゲーはセーブポイントが多いのはありがたいんだけど、切り時がね〜。一気にやるタイプだから、私は」

「いっつも思うんだけど、そう言うゲームって学生じゃ買えないんじゃないの?」
「こなたの場合、そうじろうさんが買ってくるんでしょ?」
「そう言う事」
「やれやれ。買う父も父だけど、頼む娘も娘だよ。もう」

学校に着くと、みゆきさんにも同じ話題を振っていた。

「みゆきさんはゲームとかやらないんじゃないの?」
「家庭用ゲーム機はありませんが、パソコンがあるので、それで少し」
「へ〜意外。どんなゲームやってるの?」

「ソリティアとかマインスイーパーですね。時々熱くなってしまって」
「成程。そう言う単純なのをやりこむタイプなんですね」
「ハ、ハ〜君はゲームやるの?こなちゃんやお姉ちゃんのゲームの話題について行ってるし」

「僕の場合、お嬢様の相手が殆どですよ。お嬢様もかなりのゲーマーですから」
「そうなんだ」
「まあ、こなたと違ってギャルゲーはやってませんけど。鉄壁のガードが働いてるので」

「ほうほう。マリアさんか。じゃあ、ナギちゃんを家に招待して私のとっておきを」
「こなた、お嬢様は13歳だから、刺激のあるものはまだ駄目だよ」
「興味ありそうだけどね、ナギちゃん」


                      × ×


「うう〜」
「あれ?みゆきさん目薬ですか?」
「あ、はい。でも」

「手伝いましょうか?」
「あ、すみません」
「じゃあ、あおむけになってください」

ハヤテが目薬を差そうとしたが、みゆきさんは避けてしまった。

「じゃあ、もう一回」
「あ、はい」
「うう〜。あれ?」

ついまた眼を閉じてしまったが、目薬の感触が無いので目を開けると、その瞬間に目薬を差した

「みゆきさんの事だから、そうだろうと思って対策を講じておきました」
「す、すみません。助かりました」
「いえいえ」

目薬を返し、みゆきさんが座り直すと、ハヤテは背中辺りをちょんちょんとつつかれ、見るとこなたで

「ハヤちゃん、ドアの方見ないほうがいいよ」
「何でまた」
「友達からの忠告だよ」

首を傾げるハヤテだったが、従う事にした。
で、つかさがドアを見ると

「お、お姉ちゃん」

かがみが恨めしそうにハヤテを見ていた。


                     × ×


ある日、ハヤテとかがみが仲良く校内を歩いていると、こなたが図書室の机に向かって熱心に何かを書いていた。
勉強かと思って2人が覗くと、ハガキであった。

「懸賞って、中々手元に商品が届かないのよね」
「そ、そうなんだ。僕は当たったためしがないからね」
「フッフッフ。そんなハヤちゃんに、当たった時の楽しみ方を伝授して差し上げよう」

「い、一応聞いておくよ」
「まず、当たった時にお祭り気分で楽しむ。で、その後で忘れた頃に商品が届くとまたうれしい。一粒で2度おいしい楽しみ方だよ」

「私は待たされるのが嫌なのよね。でも、こなたは好きな事にはホントにポジティブね」
「まあ、僕はそんな楽しみ方は一生出来ないだろうけどね」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (11月29日更新) ( No.12 )
日時: 2015/11/29 19:31
名前: 双剣士
参照: http://soukensi.net/ss/

masaさん、こんばんは。
ハヤ☆すたへの感想2回目です。
感想キャンペーン期間ではありませんが、黒マリアさんの登場が絶妙だったので
嬉しくなって書き込みさせていただきます。

完璧超人な主人公が不幸と借金を抱えずに普通の高校で暮らしたらどれほどのリア充になるか、を
存分に見せつけてくれる怪作・・・もとい、快作ですね。
原作が原作なだけに謎やら伏線が登場せず、羨ましいばかりの青春生活が続いているばかりですが
この平凡な日常がどれほど輝いたものであるかは、原作ファンの我々読者には説明するまでも
ないことなのでしょう。

とはいえ話が長くなってくるとその日常が当たり前のように錯覚し始めるわけで、>>1で一話完結を望んだのも
そういう危惧が一因にあったためなんですが、ナギ泣かせに牙を研ぐ黒マリアさんが>>11に出てくれたおかげで
あぁこれはmasaワールドだったんだなと実感させられました。
こういうスパイス的な役どころがお似合いですよね、あのメイドさん。

かがみんのジェラシーの炎がこれからどんな展開を見せるのか、怖いような楽しみなような複雑な気分です。
連載楽しみにしています。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月3日更新) ( No.13 )
日時: 2015/12/03 00:16
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●双剣士さん

 >>masaさん、こんばんは。
  ハヤ☆すたへの感想2回目です。

 感想ありがとうございます♪

 >>感想キャンペーン期間ではありませんが、黒マリアさんの登場が絶妙だったので
  嬉しくなって書き込みさせていただきます。

 マリア「あらあら♪誰が黒いんでしょうかね〜♪あらあら♪」
 ナギ「・・・」

 >>完璧超人な主人公が不幸と借金を抱えずに普通の高校で暮らしたらどれほどのリア充になるか、を
  存分に見せつけてくれる怪作・・・もとい、快作ですね。

 借金はともかく、不幸度はそんなに変えてないかと。 まあ、らき☆すたの世界観を崩さないようにしてるので、こういう作風になっているんですよ。

 >>原作が原作なだけに謎やら伏線が登場せず、羨ましいばかりの青春生活が続いているばかりですが
  この平凡な日常がどれほど輝いたものであるかは、原作ファンの我々読者には説明するまでも
  ないことなのでしょう。

 ですよね。これがらき☆すた。って感じを可能な限り出してるつもりだったので、伝わってるようでよかったです。

 >>とはいえ話が長くなってくるとその日常が当たり前のように錯覚し始めるわけで、>>1で一話完結を望んだのも
  そういう危惧が一因にあったためなんですが、ナギ泣かせに牙を研ぐ黒マリアさんが>>11に出てくれたおかげで
  あぁこれはmasaワールドだったんだなと実感させられました。

 マリアさんに関しては、幕間のつもりで入れたんですけどね。後、詳しくは控えますが、らき☆すたのキャラで、あるキャラの参入が少しとはいえ、ややこしくします。

 >>こういうスパイス的な役どころがお似合いですよね、あのメイドさん。

 ですよね。ハヤテ世界観でもそうですし(違うか?)。

 >>かがみんのジェラシーの炎がこれからどんな展開を見せるのか、怖いような楽しみなような複雑な気分です。
  連載楽しみにしています。

 そうですね、かがみんには嫉妬する場面は多々あると思いますよ。

 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月3日更新) ( No.14 )
日時: 2015/12/03 00:22
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                    × ×


ある日の柊家。

「携帯買い直してもらったの」
「今度は洗濯しない様にしなよ」
「うん。きっとこの携帯にもハ〜君の言ってたや、や」

「八百万の神、ね。うちは神社なんだから覚えておきなさいよ」
「そ、そうだね。神様、今度は大事にしますね」

自身の携帯に嬉しそうに話すつかさを見て、かがみは再度ハヤテの有能さを思い知っていた。

「バ、バ?バ。ル、ル?ル。サ、サ?サ。ミ、ミ?ミ。コ、コ?コ」
「ああ、もうじれったい。代打ちしてあげるから貸しなさいよ!!」
「だ、大丈夫だよ。自分でやるよ」

中々文字を打てないつかさにかがみは我慢の限界と言わんばかりに言ったが、つかさはこう返した。


                    × ×


一方。

「なあハヤテ」
「なんですか?」
「こなたの奴が言ってたんだが、ギャルゲーって面白いのか?」

いきなり聞いて来たナギにハヤテは呆れつつ

「お嬢様、そう言うゲームはまだ早いですよ。第一、年齢制限に引っかかりますって」
「そっか。こなたが「絶対に面白いからやってみてよ」って言ってな。ほら、あいつと私って趣味合うだろ?だからと思ったんだが」

「駄目です。少なくても7年くらいは我慢してください」
「チェ〜。じゃああいつの家に遊びに行った時も駄目か」

「(こなた、余計な知識をお嬢様に与えないでよ。人格形成に影響出るでしょ)」

「(あらあら♪ナギのゲームにそう言うゲーム混ぜてみようかしら♪面白そうですね♪)」


                      × ×


別の日。陵桜。

「あの、ハヤテさん。ちょっとご相談が」
「何でしょう?」

休み時間の次の授業の準備をしていたハヤテにみゆきさんが話しかけてきた。

「実はですね、先日の休みの時、風邪をひいていたので病院に行ったのですが、うっかり読書に集中して呼ばれたのに気付かなくて」

「み、みゆきさんらしいですね」

「幸い、診てもらえたのですが、帰りに「注意しよう」って思ってたのに、バスで乗り過ごして遠くに行ってしまいまして」
「こなたが言う萌え要素ってのも間違いではないですよね」

ほほえましい気持ちになったハヤテに

「どうすればこのようなミスをなくせるのでしょう?後、なぜにこんなミスをするのかも」

「みゆきさんの場合、「集中しすぎ」なのでは?」
「集中しすぎ、ですか?」
「本の世界に全ての神経を注いでしまうからですよ。だからそんなミスをするのでは?」

「成程。適度に集中力を弱めると」
「そうすればきっと大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。参考になりました」

嬉しそうに自分の席に戻ったみゆきさんと入れ替わるようにこなたが来て

「ねえねえハヤちゃん。ドア、見ないほうがいいよ」
「へ!?」

忠告を無視してみると

「か、かがみ!?」
「ほら、言ったじゃん」

今から子供を叱り付ける母親のように、不機嫌さを隠そうとしているが隠しくれていないかがみがいたのであった。


                      × ×


「この前さ、つかさにメールの打ち方教えたのよ」
「最近の携帯はややこしいから慣れないと難しい時もあるからね」
「だねえ」

「で、覚えた途端よほど嬉しいのか、ことあるごとにメールしてくるようになったのよ」
「姉妹で、一緒に住んでるのに?」
「ハヤちゃんの言う通りだね。受け取る方は大変でしょ?」

「まあ、気に病む必要は」

丁度そのタイミングでかがみの携帯が鳴り、相手はつかさであった。

「あの子、最初は張り切るのに段々バテテ行くタイプだから」
「まあ、つかささんらしいよね」
「ウンウン。子供っぽさが残ってるっていうかさ」

「「飽きる」ではなく、「バテちゃう」だね」
「でさ、最近は絵文字にも凝り出してるのよ。ほら」

かがみが見せてきた文面には、すべての絵文字を片っ端から並べたようにデコられていた。

「これじゃスパイ映画の暗号じゃん」
「じゃなかったら象形文字だね」

「まあ、つかささんみたいに絵文字に慣れてない人はこうなるらしいけどね」
「ハヤちゃん、これ慣れてないっていうのかな?」

その日の夜。

「ねえお姉ちゃん、ちょっといいかな?」
「何よ」

自室で勉強していたかがみの所につかさが来た。

「ハ〜君にメールしていいかな?折角覚えてきたから」
「別にいいんじゃない?なんで態々聞きに来たのよ」
「だ、だって。前にこなちゃんがハ〜君に電話しようとしたとき、お姉ちゃん凄く怒ったでしょ?」

>>4にて。

「あの時は「迷惑になる」と思ったからよ。メールだったら暇を見つけて返してくれるだろうし、私に許可を取らなくてもいいわよ」
「ありがと。じゃあさっそく」
「ただし、迷惑になりそうなほど沢山送っちゃ駄目よ。じゃないと怒っちゃうわよ」

「気、気を付けるよ」


                     × ×


ある日の陵桜の昼休み。

「へえ。家族以外ではハヤちゃんとの発着信が多いんだね」
「あ、コラ」

机の上に置きっぱなしだったかがみの携帯を勝手に見たこなただったが、直ぐに取り返した。

「ぬふふ〜。なんで慌ててるのかな〜?」
「べ、別にいいじゃない」
「ほほ〜う。「恋人ならでは」なメールだな〜」

「う、うるさいわね!!/////////////////そうよ。恋人同士だから出来るメールも交じってるのよ//////////////////////////」
「青春だね〜。ぬふふ〜」

その日の夜。

「あれ〜?こなた出ないな。仕方ない、家電にかけるか」
『やあやあハヤちゃん。ハヤちゃんから電話してくるなんて珍しいね』
「あのさ、携帯の方も出なよ。さっきかけたんだけど」

『いやさ〜。携帯は鳴らなくなってたんだよね〜』
「まさか、「どこに行ったけ?」とか言い出さないよね?」
『良く分かってるね〜。賞品出そうか?』

「いらんよ。で、次の休みだけどさ」
『あっ、ちょっと待って』

暫く電話口でもめている様子が伝わって来て、

「こなた、そうじろうさんと格ゲーかなんかで対戦してた?」
『ハヤちゃん、家に盗聴器とかしかけてないよね?』
「してないって。こなたの家は想像するのが容易な家ってだけだよ」

『褒めるな褒めるな』
「褒めてない。じゃ、切るね」


                     × ×


「ポイントカード。それは不思議な魔力を秘めたものなのだよ」
「そ、そうなんだ」

こなたに堂々と説明され、つかさは困り気味で返した。

「かがみんも誘えればよかったんだけどね〜。ポイント溜めに協力してもらえたんだけど」
「誘わなかったの?」
「どうせデートでしょ。だからハヤちゃんも」

「僕がどうしたの?」

「誘え・・え!?」

こなたとつかさが振り向くと、ハヤテとナギがいた。

「ハヤちゃん、デートじゃなかったの?」
「実はさ、最近あんまりデートできてないんだよね」
「そ、そうだったの?何時から?」

「夏休みのちょっと後ぐらいですよ」
「お姉ちゃん出かけることが多いから、てっきりデートかと」

「はは〜ん。成程」
「こなちゃん?」
「ハヤちゃん、これは調査しないとね〜」

「必要ないよ」
「なんでさ。若しかしたら浮気かもよ」
「そんな事無いよ」

「根拠は?」
「かがみはそんなことしないって信じてるからさ。何をしてるかは知らないけど、浮気などの裏切る様な真似じゃないって事だけは信じてるよ」

ハヤテの真っ直ぐな目は、純粋に「信頼の現れ」であった。

「ハ〜君とナギちゃんは何しに来たの?秋葉に」
「ハヤテがどうしても秋葉に行きたいって言ってきたから、仕方なくついて来てやったまでだ」

「あれ?お嬢様、「秋葉に行ってみたいんだ。だが、行き方とか分かんないから連れてってくれ」って言ったんじゃありませんでしたっけ?」

「な!?なな!? そ、そんな事は無い!!! こなた、私も買いたいものあるからポイントに協力してやる。ほら行くぞ」
「あ、お嬢様」

「こりゃハヤちゃんの言い分が正しいね」
「だね。でも、お姉ちゃん何してるんだろ?休みの日は割と早い時間に出かけること多いけど」
「ハヤちゃんが乗り気じゃない以上は調査は止めておきますか」


で、帰宅後。

「ただいま」
「あら♪おかえりなさい。どうでした、ハヤテ君とのデートは♪」
「な!?違うとあれほど」

「あらあら♪準備入念だったのはどこの誰でしょうね〜♪」
「と、ともかく。こなたとつかさも一緒だったのだ。デートではないのだ」
「あらあら♪」


                     × ×


「じゃ、土日は泊りがけで遊ぶか」
「うん」

「でもさ、僕も交じっていいのかな?泊りがけの女子会でしょ?」

「ハヤちゃん、それは今更だって。それに、ハヤちゃんがいないとかがみんの機嫌悪くなるし」
「そ、そんな事は」

「まあ、気にせず来なよ。私達誰も気にしないし」
「そうだよハ〜君」
「そうよ」

「それともナギちゃんの許可が下りないとか?」
「大丈夫だと思うよ」

「じゃ、決まりね。 でさ、遊ぶ時はいつも家でしょ?こなたの家は駄目なの?」
「別に駄目じゃないけど。うちのお父さん職業柄家にいること多いし」

「責任持てないと」
「そのと〜り」

肯定したこなたにかがみもつかさも呆れた。

で、休日。

「こなたの家ってどんなのかしらね」
「実はいうと、僕は久しぶりなんだよね」
「そうなんだ」

「「「お邪魔しま〜す」」」
「やあいらっしゃい」

泉家に上がった3人は今にいた父・そうじろうに挨拶した。

「「「今日はお世話になります」」」

「やあいらっしゃい。こなたから話は聞いてるよ。でだ、ハヤテ君はこうやって話すのは久しぶりだね」
「そうですね。お久しぶりです」

ガシッ。

「じゃ、おじさんの部屋行こうか。こなたには出来ない話がいっぱいあるんだよ」
「ちょ、ちょっと」

引っ張られていったハヤテを見送り

「あんたのお父さんとハヤテって知り合いだったのね」
「まあねん。私とハヤちゃんが親しくなったのって、小学校のころじゃん?で、何度か家に招待した事あるんだ」
「「へえ」」

「かがみならよく分かってるけど、ハヤちゃんって話しやすいでしょ?こっちに合わせてくれたり、適度な相槌返してくれたり」
「そ、そうね」
「だからお父さんも盛り上がっちゃうんだよね〜。あんなお父さんでも娘には出来ない話題もあるらしいし」

憐れむような目つきのこなたにかがみも心配になった。

「どぞー」
「わ〜。こなちゃんの部屋だ〜」

「何と言うか、「予想通りの部屋」ね」

漫画やアニメのDVDばかりだった。

「で、この扉の向こうには小説とはいえ、表現できないもので溢れてる「開かずの扉」でしょ」
「いや違うよ。そう言うのはたいていお父さんと共有だから、お父さんの書庫に保管してもらってるよ」

「へえ、共有してるんだ。  おい!!」

こなたが出したお茶とお茶菓子を食べつつ世間話してると

「そう言えばさ、あんたのお父さんって作家なんだよね?」
「そだよ」
「じゃあ、お父さんの描いたラノベやギャルゲーは見たりしてるの?」

「いんや。お父さんそう言うの描かないし」

「はあ、疲れた」
「ハヤちゃんお疲れ。大変だったね」

「そうでもないよ」

「ねえハヤテ。今さっき、こなたのお父さんはラノベとかは書かないって話になってんだけど」
「ああ。あの人は読み専だからね。実生活がそう言うのばかりだから、仕事にする必要が無いんでしょ」
「流石ハヤちゃん。あのお父さんが気に入る訳だ」

かがみは泉家の実情に呆れるやら感心するやらだった。

「そう言えばさ、この前お父さんがスキンシップが多めだったから、「お父さんウザイ」って言ってみたんだよね」
「え"!?そりゃ口悪すぎでしょ」

「そうでもないと思うよ。そうじろうさん、娘には何かとポジティブだし」
「そうそう。だから「せめてお父さん嫌いって言え」って怒られた」
「その正し方はどうかと」

「あの人らしいよ。「嫌いと無関心は違う」とか捉えるんだろうし」
「ほう」
「後、「嫌いと好きは変換可能だから萌える」とか言い出しそうだし」
「流石だねえ。ウンウン」

ハヤテの解説にかがみは突っ込む気諸々が失せた。

暫くゲームし、休憩することにした。

「そう言えばさ。あんたってディープな割に掲示板用語みたいなもの使わないわよね」
「まあ、普段はね」

こなたは普段使ってるチャットを見せ

「ここではこんな感じだよ」
「凄いわね、これ」
「悲しいかな。お嬢様もこんなの使ってるせいか理解できてしまう自分がいる」
「ハヤちゃん、気持ち分かるよ」

夕食時。こなたが手料理をふるまう事になった。まあ、ハヤテも手伝ってるが。

そこへ

「ねえこなちゃん、何か手伝おうか?」
「じゃあサラダ盛り付けてよ」
「うん」

準備も終わり、全員で食卓を囲い

「「「「「いただきます」」」」」

「あ、美味しい」
「流石ね」
「ハヤちゃんの手伝いがあったとはいえ、これ位は普通だよ。普段から家事やってるし」

自慢気に言ったあと

「かがみも普段からやれば・・必要ないか。ハヤちゃんが主夫になってくれるし」
「う、うるさい!!!////////////////」

「見てみろこなた。完璧じゃないか」
「・・・」
「夢にまで見た光景が広がってるじゃないか!!」

立ち上がって両手を広げつつ泣き出したそうじろうに

「男1人にJK3人の食卓ってギャルゲーじゃお馴染みだよね」
「そうですかい」
「まあ、一応僕もいるけど」

食後の運動がてら、外に出て歩いていた。

「ちょっと寒いね」
「上着着て来ればよかったよ」
「だから言ったでしょ。ほら」
「気が利くねえ。あんがと、ハヤちゃん」

ハヤテに上着をかけてもらい、こなたはホクホクだった。
すると

「あ、流れ星」

「ああ、流れ星が流れている間にお願いを3回言えると願いが叶うってやつですね」
「そうだよ。でも、難しいね」
「突然だからねえ」

こなたは空を見上げた後

「そう言えばさ、流れ星ってどれくらいで消えるの?」
「大体が1秒以内だね。夢のない話になっちゃうけど、3回言うとしたら、大体0.33秒に一回お願いを言わないと間に合わないからね」

「そ、そんなに早く!?早口言葉の練習しておこうかな」

「まあつまり、不可能なのが前提って事よね。0.33秒に1回って無理じゃない」
「かがみん、ハヤちゃんの前でそんな事言うと嫌われるよ」


                    × ×


「こなた、お風呂ありが・・」
「どったの?」

柊姉妹とこなたの後にお風呂にはいたハヤテが風呂上がりに部屋に行くと、ハヤテは部屋の入り口で固まった。

「ああ。かがみ達だね」
「どうかな、ハ〜君。遊びで髪形入れ替えてみたんだけど」

「か、可愛い」

「そ、そうかな」
「かがみ、本当に可愛いよ。普段それでもいいんじゃない?凄い可愛いから」
「も、もう////////////////////喜んであげないわよ、そんな事言っても///////////////////////」

「あ、あの」
「つかさ、こうなった以上ハヤちゃんの目にはかがみしか映んないって」

恋人同士の甘い雰囲気を気にせずつかさは

「アルバムだ。見ていい?」
「いいよ」

「こなちゃん可愛い〜」
「あんたんとこ、ほんとに仲良いわね」

「ん?ああ、それお母さんだよ」
「「え"!?」」
「ビックリするでしょ?僕も始めた見た時「犯罪じゃないだろうな」って思ったし」

「同感ね、それ」

「ねえねえハヤちゃん。ハヤちゃんは博識だから分かると思うけど、なんでお母さんはお父さんと結婚したんだろう」
「む、難しい質問だね」

答えに困るハヤテにかがみが

「こなただったら分かるんじゃないの?お母さんそっくりなんだし」
「うむむ」
「じゃあ、あんたのタイプってどんなのなよ」

「特にないような〜。まあ、強いてあげるとしたら、ハヤちゃんみたいなタイプかな。優しいし」
「あ、あんた」
「大丈夫だよ。ハヤちゃんは「友達」だから」

安心した?かがみに

「おお、そうか。可愛そうだから、か」
「こなた、その可能性否定できないからそれで結論付けるの止めなよ。まあ、ある漫画は「自分がいてあげないと不安だから」って理由で結婚したってあるし」

「そう言えばさ、ハヤちゃん。お母さん見てて思ったんだけど」
「ん〜?」
「最近の漫画って、「中学生なのに大人びてるキャラ」とか「間違いなく成人なのに幼く見えるキャラ」って多いよね」

「それ、ツッコミ待ち?まあでも、漫画化やアニメ化もしたあるラノベでは「23歳なのに小学生と大差ないキャラ」っていたよね」
「ああ。そのせいで「違う意味で子供好きの残念美人」に狙われてるんだっけ?」

「(この2人、気が合うんだか合わないんだかわからん)」

暫くすると

「そう言えば、ゆきちゃんも来れたらよかったのにね」
「確かにそうですね。みんな揃えばなお楽しかったでしょうけど、用事じゃ仕方ないですよ」

「じゃ、せめてものおすそ分けって事で、メールしよ」
「みゆきの事だから余計な気を使いそうだから止めておきなって」

「あ、返事来た。「楽しそうで何よりです。私は今宿題を」」

「「宿題あるの忘れてた」」
「かがみんヘルプ〜」
「私は無いわよ」

「ハ〜君」
「もう。手伝いますから、早くやっちゃってください」
「ハヤちゃん終わってるの?」

「来る前に終わらせたよ」

「あ、そうだ」
「つかさ、何やってるのよ」
「0.33秒で言えるお願い事を」
「つかささん、現実逃避は止めてください」

まあ、何とか宿題も終わり(ハヤテが8割強教えた)、

「あのさこなた、一応聞くけど」
「どったの、かがみん」
「何で1つの布団に枕が2つあるのよ」

ひかれた布団は3つでそのうちの1つは枕が2つだった。

「気にしない気にしない」
「で、僕はどこに寝るの?」
「この部屋だよ」

「え!?男が女子部屋に寝るのは不味いんじゃ」
「私は気にしないよ。ハヤちゃん人畜無害だし」
「私は平気だよ。ハ〜君良い人だから」

信頼されてるのは嬉しいのだが、やっぱりハヤテは不安だった。

「ささ、もう寝よ。こんな時間じゃ他の部屋に布団引き直す時間ないし」
「分かったよ。でもさ、僕はどの布団で寝るの?」
「決まってるじゃん。かがみと一緒だよ」

「え!?ど、どう言う事よ」
「おや〜?初めてじゃないと思ったのは私だけ?」
「その通りよ」

「まあいいじゃん。それともかがみんはハヤちゃんと一緒に寝るの嫌なの?」
「わ、分かったわよ」

結局、こなたの言う通りの寝方になった。


                     × ×


別の日。

「ねえつかさ。こなただから、こなちゃん。みゆきだから、ゆきちゃん。ハヤテだから、ハ〜君だよね」
「そうだけど、どうしたの、急に」

「いやさ。つかさだったらかがみにどんな綽名つけるのかなって」

「う〜ん。きょうちゃんかな。ほら、鏡って字は「きょう」とも読めるし」
「成程。「強」とも取れるし、「凶」とも取れるね。かがみの性格からして」
「そ、そう言う意味じゃ。お姉ちゃんやハ〜君の前じゃ言わないほうが」

「ん?何の話?」

トイレから戻ってきたハヤテが会話に加わって来た。

「皆の綽名だよ。あ、そうだ。ハヤちゃんもつけてみてよ」
「僕が?」

「じゃあまず、私」
「えっと、ごめん。「こなた」って呼び慣れてて。もう少し考えさせて」

「じゃあ、かがみ」
「う〜ん。「ミラちゃん」だね」
「ミラちゃん?」

「ほら、鏡はミラーでしょ?それをもじったの」
「ふ〜ん。じゃあみゆきさんは?」

「う〜ん。「スノプリ」とか」
「ス、スノプリですか?由来は?」

気になったのか、みゆきさんも加わって来た。

「みゆきさんのゆきの部分を取って、雪は英語でスノウ。で、みゆきさんは「お姫様」って感じなのでプリンセス。で、それを合わせて、縮めて「スノプリ」です。白雪姫はスノウプリンセスらしいので、それも含めて」

「ほうほう。じゃあ、つかさは?」

「う〜ん。あ、「つかリン」とか」
「つ、つかリン?」

「可愛らしい綽名をつけるとき、名前の最後に「ン」ってつけますよね?ですが、「つかさン」じゃ変なので、「つかリン」にしました」

「へ〜」
「つかささんは可愛らしい綽名の方が似合うと思ったので」

「で、私の綽名は?」
「じゃあ、「パ〜ちゃん」だね。こなたのこなを取って、粉は英語でパウダー。だからだよ」

「う〜ん。やっぱ今まで通りが良いや」
「だ、だよね」

と言ったが

「お〜い。ミラちゃーん」

隣のクラスに行き、暫く無反応だったが

「もしかして私か? 何よ」
「いやあ、別に」
「分かりにくいから止めてよね」

「でもさあ、綽名があってもいいじゃん。こなちゃんとかゆきちゃんとかハ〜君みたいなの」
「でもねえ」
「あ、ミラちゃんっていうのはハヤちゃんが考えた綽名だよ」

「そ、そうだったの」
「おやおや〜。名付け親がハヤちゃんだと知ると反応違うね〜」
「う、うるさい!!!!!!」

「で、どんな綽名で呼んでほしいの?」
「それより、あんたはハヤテになんて綽名つけてもらったのよ」
「パ〜ちゃんだよ」

「成程。パッパラパーのパ〜ね」
「ムウ。パウダーのパ〜だよ。それより綽名!!」

「もう。なんでもいいわよ。ミラちゃんでも普通にかがみでも」


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月6日更新) ( No.15 )
日時: 2015/12/06 19:25
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                     × ×


ある日の陵桜。

「この間流れ星が見れたんだけど、かがみが流れている間に願いを3回言うのは無理なんて言っちゃってさ」
「流れ星、良いですね。私殆ど見た事が無くて」
「そっか。みゆきさんの家都内だもんね」

こなたは納得すると

「因みにハヤちゃんは0.33秒に1回お願いを言えるのであれば、3回言い切れるって教えてくれたよ」
「0.33秒に1回ですか。私じゃそんなに早く言えませんね。それに、見惚れてしまって1回目すらいえないと思います」

みゆきさんは神に願うかのように手を組んで目を閉じ

「眩しく光り輝く星を見て、幸せな気持ちになれるから、「願いが叶う」と言う言い伝えが生まれたのかもしれませんね」
「私にはそんな気持ちを持てる貴方が眩しくて見れないよ」

純粋?なみゆきさんにこなたは思った。


                     × ×


「そう言えば、もうすぐハヤちゃんの誕生日だね」
「まあ、ね」
「なんかするの?誕生日に」

「お嬢様が誕生日会を開いてくれるって言ってくれたよ」
「へ、へえ」
「どったのかがみん」

「別に」
「一応断ろうかなって思ったんだけど、「内内で質素にやるから問題ない」ってさ。ああ、後、皆も誘っていいってさ。かがみは勿論、こなたやつかささん、みゆきさんも」

「折角だしお邪魔しようよ。ね、つかさ、みゆきさん他1名」
「略すな!!」
「ま、まあそう言う訳で、誕生日会は三千院家で開催だって」

結果、4人とも参加することにした。

「そう言えばさ、そろそろ冬休みだけど、かがみん達は予定あるの?」
「私は一応ね」
「ほほ〜う。デートだな。ハヤちゃんと」

「あ、あんたには関係ないでしょ!!/////////////////////」
「ぬっふっふ〜。因みに私はこの前浅草に行ったよ」
「へえ。こなちゃん浅草に行ったんだ」

「まあ、こなたの場合「乗り過ごし」だろうけど」
「まあねん。だって冬場の電車って眠くなるしね」
「で、でもさ。反対方向じゃなかったっけ?」

「終点で折り返してそのまま乗り過ごしちゃったみたい。「気付いた時は浅草だった」って感じだよ」
「おいおい。「乗り過ごし」って言ったって限度あるでしょ」
「で、でもさかがみん。久々に浅草に小旅行出来たんだよ。良い事じゃん」

「こなた、それはテスト期間が終わった時にしようよ、せめて」
「ムウ。セーラー服の女子高生が機関銃をもって一瞬ホームを通り過ぎた気がしたんだけど、あれは何だったんだろう」
「夢でしょ。こなたならそんな夢見てもおかしくないって」

「そ、それにさハヤちゃん。「寝る子は育つ」って言うじゃん」
「こなたの場合、見た目も精神も成長しとらんでしょ」
「ヌヌヌ。まあでも、もっと凄い人いるよ」

「どうせそうじろうさんでしょ」
「あったり〜。なんでも、徹夜明けで原稿を届けて、早朝の電車に乗ったんだけど、乗り過ごしては折り返し、乗り過ごしては折り返しを繰り返して、しまいには自分がどっち方面に進んでるか分かんなくなったんだって」

「あの人らしいというかなんというか」
「私は降りる駅の前で目覚められるから、信じられん」
「凄いねお姉ちゃん。なんでわかるの?」

「目覚まし時計内臓なんじゃない?腹時計は故障中だけど」
「こなた」
「だ、だってさ。かがみはいつも」

ハヤテの雰囲気にこなたは途中でやめた。

「そう言えばさ。電車って眠くなる時って多いよね。この時期は特に」
「だねえ。温かいからポカポカと」
「なんで眠くなっちゃんだろ」

「ああ。それにはもちろん理由ありますよ」
「へえ。ハ〜君教えて」
「1/fの揺らぎと言って、電車の「ガタンガタン」と言う不規則な音が眠りを誘うらしいですよ。ですから、眠くなっちゃうんです」

「成程ねえ」

話を一旦終え、放課後。

「そう言えばさ、「電車内で携帯使うなとか化粧をするな」ってよく言うけど、隣の人に寄りかかって寝られる方がよっぽど迷惑だよね」
「まあね。どうしてもいやだったら起こすとか、座らないとかあるけど」
「いやいやハヤちゃん。起こし辛い時もあるし、どうしても座りたいときもあるのだよ」

「まあ、ね」
「ついつい寝ちゃうときってさ、「こっち側に倒れよう」って思うんだけど、反対方向に寝ちゃうときってあるよね。開いてる方に倒れたいのに、人がいる方にね」
「まあ、こっちに倒れた方が楽ってのがあるんでしょうね」

「私なんか、隣の人に寄りかかられると、体を縮めるんですけど、そうすると肩が脇腹に当たってしまって」
「そう言う場合、本当は起きてるんじゃないの?」
「まあ、寝てたという大義名分が欲しい人もいるんだろうね。僕は無いけど」

会話していると、最寄り駅の上下線で分かれるところに着き

「そう言えばさ、家の学校って、上り電車で帰る人と、下り電車で帰る人に分かれるよね」
「場所柄でね。で、登り民の方が垢抜けてるって言いたいんでしょ?」
「そう言う事。登り民2人よ」

「はいはい」
「わ、私はその」
「さ、辺境の地へ帰るぞ。 ああ、誕生日会楽しみにしてるね、ハヤちゃん」


                    × ×


そして、11月11日。

「お誕生日おめでとー」

全員(こなた、かがみ、つかさ、みゆきさん、ナギ、マリアさん)一斉にクラッカーを鳴らしつつハヤテを祝った。

「早速だがプレゼントタイムだな。まずは私だな」
「ほほう。ナギちゃんは漫画か」
「ハヤテはオタク知識も豊富だが、これを読んでもっと深めるがよい」

「は、はあ」
「じゃあ、次は私かな。はい、これ」
「あ、手袋ですね」

「寒い時期が続くから、ハ〜君に丁度いいと思って」
「ありがとうございます。大切に使わせてもらいます」
「次は私ですね」

「ほう。ネクタイか」
「ハヤテさんは執事の時はネクタイをしてますよね?そう言う日常的に使える物が良いと思ったので」
「ありがとうございます」

「じゃ、じゃあ私ね」
「何だろ」

他の面々の時とは違い、かがみに貰った長細い箱の包装紙をハヤテは嬉しそうにはがしていった。

「わあ、綺麗なネックレス」
「ホントだ。お姉ちゃん、これ高かったんじゃ」
「だって。ハヤテが私の誕生日の時可愛いネックレスくれたでしょ?だ、だから私もちゃんとしたもんをあげたくて」

「え!?もしかしてかがみ」
「そうよ。お母さん達には話したけど、アルバイトでお金溜めて買ったのよ」
「ほほ〜う。ハヤちゃんが「夏休みの少し後からデートはあまりしてない」って言ってたのはこれが理由か」

「ありがと、かがみ」
「フ、フンッ///////////////////////////恋人なんだから当然でしょ//////////////////////////」

「・・ケッ」
「あらあら♪ナギったらつまらなさそうですね〜」

「ふっふ〜ん。ハヤちゃんや、ついに真打ち登場なのだよ」
「こなたの場合、不安しかないんだけど」
「気にしない気にしない。ホイ、これ」

「よ、予想通りだね。コスプレとは」
「高かったんだよ、それ。一応「中の人つながり」だよ」

どんなのかは想像にお任せします。

「じゃあプレゼントタイムは終了って事で〜。いただきま〜す」
「あんたねえ。ハヤテの誕生日なんだから少しは自重しなさいよ」

料理にがっつくこなたにかがみは注意した。

パーティが進んでくると

「どうしたのよ、ハヤテ」
「僕は幸せ者だなって」
「そうかしら?こなたとナギちゃんが騒いでて、ハヤテの誕生日って感じじゃないじゃない」

「僕からすればこんな何気ない幸福が無かったからね。両親から愛を貰えず、友達付き合いしようにも生活にさほど余裕がないせいで、そんなにできなかったし」

「そうだったわね」
「まあでも、一番の幸せは「かがみと言う恋人がいる事」だよ」
「ハヤテ//////////////」


                    × ×


ハヤテの誕生日も終わり、期末テスト。

「昨日は全然だったわ。あまり勉強できなかったし」
「へえ。かがみでもそんな事あるんだね」
「その点私は自信があるのだよ、ハヤちゃん」

「どのくらい勉強されたんですか?」
「4時間も」
「4時間しか」

「「・・あれ?」」

「同じ時間なのに捉え方が全然違うね」
「ぬう。ハヤちゃんはどうなのさ」
「昨日はいつも通りだよ。やり過ぎは良くないし」

色々割愛し、テスト返却され。

「かがみって、何でもそつなくこなすよね」
「ホントだよね」

かがみのテストは94点で見せてもらっていたこなたとハヤテは感心していた。

「まあ、勉強とか頑張ってるからね。ってかさ、そつなくこなすってハヤテに比べたら劣るわよ」
「へえ。ハヤちゃんは〜 100点!?」
「マジか。冗談のつもりだったのに」

「まあ、「努力する事」が好きだったしね。でも、かがみも十分凄いって」
「かがみは競争心強いからね」
「姉の威厳ってやつよ。つかさの一歩先を行きたいってのがあったのよね。普段は姉も妹も無いって言ってるのにね」

「でもさ、競争相手がつかさじゃ張り合い無いでしょ」
「まあ、ね」
「こなちゃんのくせに」

「こなた、つかささんも頑張ってるんだから、そんな事言っちゃだめだよ」


                     × ×


「もうすぐクリスマスだね」
「そう言えば、もうそんな時期ですね」
「今年は何貰えるんだろ」

「こなちゃん、まだプレゼント貰ってたんだ」
「そうじろうさん、娘の前で良い恰好したいですからねえ」

「こなちゃんとハ〜君は、いつごろまでサンタさん信じてた?」
「僕の場合、信じてた時期は無いですよ。貰ったためしがないですし」
「え!?サンタさんっていないの?」

「やれやれ。そうじろうさんらしいな。ずっと、貰ってたんでしょ?サンタからじゃなくて」
「そう言う事」


                     × ×


「最近虫歯が痛みだしちゃったんだよね」
「大丈夫なんですか、つかささん」
「大変ですね」

「そう言えば、ゆきちゃんこの前まで虫歯の治療行ってたんだよね?もう大丈夫なの?」
「歯医者さんっ1本の歯の治療に結構かかるうえ、1本終わるとまた次を指定されて結構長くかかるじゃないですか。なので逃げてしまたんですよ。色々理由つけて」

「みゆきさん、逃げちゃ駄目ですって」
「しかし」
「それに、「怖い怖い」と思っちゃうから、余計に怖く感じるんじゃないですか?」

「「え!?」」

「そういう時は、「怖くない」とか、「自分は大丈夫なんだ」みたいな、自己暗示に近い物をかけるようすれば大丈夫だと思いますよ」

「それって、以前教えていただいた「プラシーボ効果」ですか?」
「ええそうです。「怖い」と思えば余計に怖くなり、「怖くない」と思えば多少とはいえ大丈夫になると思いますよ」

で、後日。

「あ、ハ〜君」
「先日はありがとうございます」
「へ!?」

「思い込みだよ」
「歯医者は怖くないと思いつつ行ったり、治療中も「怖くない怖くない」と思い続けたら」
「何と平気だったんだよ。だからお礼にね」

「お役に立てて光栄です」


                     × ×


「ねえこなちゃん、クリスマスは皆でパーッと遊ぼうよ」
「ん!?あ、ごめん用事あるんだ」
「まさかこなちゃんまで男の子と!?」

「まあね」
「あ、おじさんとどっかでかけるのか」
「いんや。お父さんには「遅くなる」って言ってあるよ」

「ま、まさか本当に?」
「期待を裏切るようで悪いけどバイトだよ」
「よ、よかった。こなちゃんまで!?とか思っちゃったよ」

「つかさ、あのお店は男しかないからあながち間違いじゃないよ。ってか、私までって事は、やっぱりかがみは」
「あ、うん。お姉ちゃん、クリスマスはハ〜君とデートだってさ」

「やれやれ。あの2人は本当に仲が良いね〜」
「ホントだね」

「そう言えばさ、つかさや鏡の家って神社じゃん?クリスマスってやっていいの?」
「そう言えば。昔から普通にクリスマスプレゼント貰ってたよ」

つかさは少し考え込み

「でも、お寺にお参りに行ったり、教会で賛美歌歌ったこともあるよ」
「へえ。平和だねえ」
「あ、でも。いのりお姉ちゃんはウエディングドレスで披露宴やりたいって言ってたよ」

「そこまで行くと流石にややこしくない?」
「だ、だよね」


                     × ×


ある日の三千院家。

「なあハヤテ」
「なんですか?」
「ドラマ見てて思ったんだが、犯人の自白って、崖っぷちって多いよな」

「そう言えばそうですね。まあ、その方が盛り上がるからでは?」
「だがな、追い詰められた犯人が「捕まるくらいなら」ってな具合で身投げしたらどうするんだ?」
「そ、そうですよね。まあ、フィクションなので気にしない方が」

「だよな。後、取調室でかつ丼とかもの食わすシーンもあるが、あれも駄目なんだろ?」
「ええ。まあ、あれも「盛り上げるための演出と言う名の嘘」ですから」
「ま、面白きゃいいか」


                     × ×


「最近大人が子供狙う犯罪が増加傾向にあるわよね」
「そうですね」
「嘆かわしいよね」

「そこでだ諸君。私に名案があるのだが、ダンスみたいに格闘技を義務化したらどうかと思うんだよ」
「成程」
「名案かもね」

「でしょ?大山先生も苦労して牛を素手で倒せるようになったし、クマも1日10頭が目安とか」

「でもさ、こなた。何年かしたら「振出しに戻る」になると思うよ」
「そうね。その大人も強いわけだし」

「そ、それはあれだ。格闘技とかやってると、心も真っ直ぐに成長をだね」
「確かに良く言うけど」
「格闘技やってても精神不衛生な例が目の前にいるしな」

「な、なんて失礼な」
「かがみ、それは少し言い過ぎだよ。犯罪犯さないだけましでしょ」

「私にさ、ゆい姉さんの妹で来年高校生になる従姉妹がいるんだ」
「へえ。聞いた事無かったな」
「体は弱いけど凄くピュアで可愛らしいんだよね」

「こなたがそうやって褒めるなんて。ちょっと会ってみたいな」
「確かにね」
「私も会ってみたいな」

「でもさ、さっきの「健全な精神は健全な肉体に宿る」って事考えると、あの笑顔が腹黒い物に見えてくるよ」
「すべてが格言通りじゃないだろ」
「だよね。体が弱くても良い人や、強くても他人も敬えない屑もいるからね」

放課後。

「そう言えば。かがみとつかささんは今年も巫女さんやるんでしたよね?」
「そうよ」
「お御籤とか引きに来てね」

「楽しみだな。かがみの巫女さん姿」
「ハ、ハヤテ////////////////////」
「まあ、お嬢様とマリアさん誘っていきますよ」

「ねえねえハヤちゃん、お御籤ってさ、凶とか出ると嫌じゃん?」
「まあ、ね。新年早々幸先悪いなって思うし」

「でさ、大吉なんか出た日にゃ新年早々運使っちゃったよって思うよね」
「それは同意できないよ。僕は今までで、一番良くても凶だったし」
「そ、それは大変だね」


                   × ×


「ほ〜い。先生から一足早いプレゼントや。通知表返すでー」

返された通知表を見てこなたは

「先生、こんなプレゼントいりません」
「頑張りに応じて点数を贈るのがウチのサンタ道や。冬休みの宿題っておまけもつけたんやから文句言うな」

ホームルームも終わり

「今年のクリスマスケーキどんなのが良いかな?」
「ケーキ屋さんに行くだけでいろんなケーキがあって目移りしちゃいますよね」
「ねえねえハヤちゃん。クリスマスすぎて売れ残ったケーキってどうするの?」

「まあ、「売り物になる場合」は、安売りにするよ。そうじゃないとお店の人が持って帰るよ」
「で、でも誰も持って帰らなかった場合は?」
「僕がバイトした先ではそう言う事は。まあ、捨ててしまうかもしれませんね」

「そう言えばさ、クリスマスケーキって結婚適齢期に例えられるよね」
「まあね。25が目安っていうよね」
「だねえ。「ありがたいクリスマスケーキ」も25日過ぎちゃえば「豪華目の普通のケーキ」だからね」

こなたがこういうと、黒井先生が寂しそうに職員室に戻っていくのに、ハヤテは気付いてしまった。


                    × ×


「ねえゆきちゃん、この前こなちゃんやハ〜君とサンタさんの話をしたんだけど、ゆきちゃんは何時頃までサンタさん信じてた?」

「私は結構信じ込んでいまして。小さいころ、サンタさんへお礼の手紙を書きたくていろいろ調べたんですが、父や母に聞いても分からなかったので、さらに調べたら「サンタの元ネタ」や「サンタの起源」と言うフレーズに行きついてしまって、早いうちに夢破れて」

「「う"」」

「まあ、でも「サンタは居ない」って断言するのは違うと思いますが」
「そうなの?」
「ああ、そう言えば」

「サンタ協会っていうのがあって、「協会認定サンタ」っていう人がいるので、「サンタは居ない」っと断言するのは間違いでもないし正しいわけでもない気が」

「成程。ハヤちゃん博識だね。 ん!?みゆきさん成績見せてよ」

半ば強引にこなたとつかさがみゆきさんの通知表を見ると

「ムムム。これは」
「凄いね。私じゃありえないよ」
「僕は見てないから何とも言えませんが、みゆきさんは頭良いですから」

「へえ。じゃあハヤちゃんも見せてよ」
「良いけど、笑ったり怒ったりしないでよ」

「ぬっふっふ〜。それは成績次第・・・な"!?」
「どうしたのこなちゃん。・・な"!?」

ハヤテの成績は、ほんの1,2個「4」があるだけで、あとは「5点満点」だった。

「ハ〜君が頭良いの知ってたけど、ここまでとは」
「ここまで凄いと笑いや怒りがすっ飛んじゃうよ」
「そ、そうかな」


                    × ×


今日はクリスマスイヴ。

「じゃあ、行ってくるわね。遅くなるから、晩御飯いらないから」
「行ってらっしゃい。でも、朝帰りは止めてね」
「そこまでじゃないわよ。じゃ」

出掛けて行った娘(かがみ)を見て、父・ただおはため息をついた。

「寂しそうですね」
「みき〜。送り出してあげたい親心と止めたい父心に揺れ動く僕はどうしたらいいんだ〜」
「はいはい。ご馳走作りますから、それで寂しさを紛らわしましょ」

一方のかがみ。

「お待たせ、ハヤテ」
「やあかがみ。今日も一段と可愛いね」
「も、もう/////////////////////////そんな事で機嫌とっても無駄よ/////////////////////」

「じゃ、行こうか。この日の為に、良いお店予約したから」

ハヤテが案内した場所は、とても豪華だった。

「凄いわね。良く予約取れたわね」
「頑張ったんだよ。かがみに喜んでもらいたくてさ」
「フフ♪楽しみにしておくわ」

未成年なので流石にお酒は無かったが、それでも十二分に豪華で、満足いく内容だった。

「ありがとハヤテ。こんな楽しいのは初めてよ」
「良かった。ああ、はいこれ。クリスマスプレゼント」

「わあ、可愛いリボン」
「喜んでもらえて何よりだよ。結構時間かけて選んだんだよ」

「ありがと。じゃあ、私も」
「え!?誕生日に貰ったばかりなのに?」
「べ、別にいいじゃない。特別な日はさ」

「そうだね。ごめん、ありがと」
「私も時間かけて選んだのよ」

「え!?いいの、こんな高そうな腕時計」
「いいのよ。この日の為にバイトしたんだから」
「ありがと。一生大切にするよ」

「ハヤテ//////////////////////」

この日、2人の距離は更に近付いた。


「ありがとハヤテ、送ってもらって」
「当然の事だから気にしないで」

12時を過ぎてしまい、ハヤテはかがみを柊家に送っていた。

「ねえ、泊まって行ったら?もう遅いし、両親なら」
「流石に怒られちゃうからね。「デートは許すが泊りは禁止だ」って釘刺されてるし」
「そ、そう」

「雇ってもらってる立場だから、あんまり我儘言えないし」
「分かったわ。じゃあ、また明日」
「うん」

ハヤテを見送ると、かがみは家の中に入った。

「ただいまー。ってみんな寝てるか。静かに静かに・・あら?」

音をたてないように歩いていると、リビングに電気がついていた。

「誰か起きてるのかな?・・・あ、お母さん」
「お帰り、かがみ」
「ただいま」

「デートどうだった?」
「夢のような一時だったわ」

手洗いとうがいをしつつ会話し、席に着いた。

「お父さんは?」
「寝ちゃったわ。よっぽど寂しいのか、お酒飲んでたし」
「そうなんだ」

「仕方ないわよ。「お父さん」だからね」
「そう」
「大丈夫よ。貴方達の仲は認めてるんだし」

「明日話そ」
「ねえかがみ、寝る前にちょっといい?」
「何?」

「私ね、早く孫の顔が見たいわ」
「え!?」
「ああ、後。近いうちにまたハヤテ君連れてきてね」

「そ、そうね。結婚とかはまだ早いけど、ハヤテに遊びに来るようには言っておくわ」
「そう」
「じゃあ、もう寝るから」

「お休み」
「うん、おやすみ」

「(結婚、か)」


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月9日更新) ( No.16 )
日時: 2015/12/09 20:55
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                     × ×


ある日の陵桜の放課後。

「みゆきさん」
「あ、泉さん」

帰り支度をしていたみゆきさんにこなたが話しかけた。

「年末なんか用事ある?」
「年末ですか?」
「そう。お祭りがあるんだけど、みゆきさんもどうかと思って」

「暮れのお祭りですね。楽しそうですね」
「そりゃあもう。楽しいよ〜」
「雪まつり、のようなものでしょうか?ですが、私は田舎に」

みゆきさんが答えようとしたところにかがみがこなたの頭に両手を乗せ、

「私も夏に同じ名目で誘われたわよね?」
「こなたの言うお祭りは、「コミックマーケット」ですよ」

「かがみさんにハヤテさん」
「みゆきさんは、行かないほうがいいと思いますよ。買い出し要因の勧誘ですし、あそこはみゆきさんからすれば「大変」に着きますし」

「そうなんですか?」
「ハヤちゃん、祭りなのは事実でしょ?それにさ、1人じゃ大変だしつまんないんだもん」
「ともかく、みゆきさんは断ったほうが身のためですよ」

「そうなんですか。先程言いそびれましたが、年末は用事があるので。すみません」


                     × ×


年末も目前になった12月28日。

「ほ〜い、泉ですけど」
『おおこなた。私だ、ナギだ』
「おおナギちゃん。どったの?」

『こなたって喪中じゃないよな?年賀失礼来てないし』
「ん〜?違うよ」
『ん!?確かハヤテから「こなたが忌引きで休んだ」って今年聞いた気がするんだが』

「ああ。それは大丈夫だよ」
『人の事言える立場じゃないが、お前なあ』
「まあまあ。今大掃除の最中だったんだ」

『そっちもか。今ハヤテとマリアもやってるんだ。まあ、長電話する訳にもいかんから、切るぞ。じゃ』

こなたは電話を切ると少しの間電話を見つめ

「どうしてかな。掃除ってやつは他に用事があると無性にしたくなるのに、それが目的だとやる気が失せるんだよね」
「こなた〜、今年中に終わらないからやっちゃおうよ」


                      × ×


そして大晦日。

「「コミケ」っていうんだっけ?大きなお祭りって聞いたけど、随分朝早くからやるんだね」

初参加のつかさは嬉しそうだったが、

「何も知らないのね」
「つかささん、相当の覚悟が必要ですよ。こなたを含めてその手の人達はこう言う事には相当の行動力を見せますから。多分、終わった後「疲れた」って感想が第一だと思いますよ」

2回目のかがみと、数回目のハヤテは憂鬱そうだった。

「そ、そうなのかな」
「かなり、大変ですよ」
「じゃ、頑張るよ」

「ホントに分かってるのかしら?はあ」
「それよりハヤちゃん、ナギちゃんは?ナギちゃんみたいなタイプは絶対に参加したがると思ったんだけど」

「お嬢様は「行った事は無いけどどういうものか知ってる」らしいから、行かないって。でも、買い物リストは渡されたよ」

胸ポケットから大きめの紙を取り出し、3人に見せた。

「流石ナギちゃん。抜かりないね」

目的地が近付くにつれ、コスプレをしているなど「明らかにその手の人達」と言える人たちが乗って来て、それだけでかがみの憂鬱度は増していった。

そしていざ目的地に着くと、人人人人人。軽く見積もっても一万人以上は居そうだった。

「うう〜。ハ〜君、ここ怖いよ〜」
「つかささん、これで怖がってちゃ身も心も持ちませんよ」
「そうよ。これからが本番なんだから」

「おお、そうだ。今のうちに分担を説明しておかないと」
「「「分担?」」」

こなたは3人に地図を渡し、

「入場したらいったん解散してこの地図に従ってサークルを回ってね。かがみとつかさは東館の1〜3を回ってね。ハヤちゃんは体力あるからもっとね。私は4〜6。ただしこの赤い線のルートを通らないと壁際サークルの列に分断されて身動き取れなくなっちゃうよ。特に、こことここは人混みにつかまると30分以上はロスになるからね」

こなたの説明にハヤテは呆れかがみは

「なんでここまで必死になるのよ」
「いいからいいから」

「で、こなた。緑の所は午後に行っても大丈夫な所でしょ?」
「流石ハヤちゃん。そこは部数をたっぷり確保してくれてるから、完売の危険は殆ど無いからね」
「で、Sは新刊。Kは既刊だったよね?」
「そうそう。で、3人にはこれ」

こなたは3人に財布とペットボトルを渡した。

「軍資金と糖分補給用の飲み物。最終的な待ち合わせはここ、13時ジャスト。30分待っても来ないようだったら医務室に探しに行くから」

「こなた、そう言う行動力と頭の使い方を少しで良いから学校の勉強に回そうよ」
「そうね」

ついに開場し、お客たちによる戦争・・買い物が始まった。

かがみは2回目と言うのもあり、苦労はしつつ、お店の人に聞いて頼まれた物を買っていった。

一方、常連のこなたはさして苦労せずに望みの物を買っていった。

しかし、初参加のつかさは

「えっと、ここは東館で、向こうが北だから」

地図と睨めっこしつつ目的地に行こうとしたが、人波に巻き込まれ、どんどん遠ざかってしまい

「すいません、○○に行きたいんですけど」
「え!?それは東館ですよ。ここは西館なので、あっちの列に並んでくださいね」
「それってどれくらいかかります?」

「今の混雑状況を見ると、1時間はかかるかもしれませんね」
「ええ!? うう、はいそれまでよ」

こんなふうに、迷子とまではいかないものの、限りなくそれに近い状況に追い込まれていた。

一方のハヤテは

「執事忍法、人抜け」

物凄い速さで人混みの隙間と隙間を抜け、こなたとナギに頼まれた本を買っていった。

因みに、

「えっと、大体回れたかな」

かがみは頼まれた物の大部分を買い終え、集合場所に向かっていた。
すると、あるサークルの本が目に留まり、気になって試し読みをした。

その本はギリギリ規制がかからない少々過激な本で、男女の濃い恋愛模様を描いたものだった。

「いかがですか?1冊500円です」
「えっと、ください」

買ったことはこなたやハヤテには内緒にしようと、誓ったそうだ。


                   × ×


割愛し、集合時間。

「ごめんねこなちゃん。さっきやっと西館ってところから戻って来たんだ。人波に飲まれると遭難しちゃうよね、このイベント」
「私はトイレに並んだら1時間かかっちゃって」

「初参加の人にはつらいからね」
「大変でしたね。まあ、こなたがつかささんに頼んだ分は、僕が確保しておきましたよ」
「おお、流石ハヤちゃん」

「ハ〜君にも迷惑かけちゃったね。ありがと」
「いえいえ」
「っと言う訳で、午後はまったりとみんなでまわろっか」

「まだ回るんだね」
「まね」

ハヤテはこなたに貰った半分くらい残ってたカフェオレの残りを一気に飲み干した。

「そう言えばさ。ハヤちゃん、会場がこの有明になってから随分快適になったよね」
「そ、そうだね。 って思いださせないでよ。気分悪くなるから」
「な、何かあったの?ハ〜君」

「前に晴海会場で開催された時の話を聞かされたのを思い出したんですよ」
「そうそう。確か、○年前の話だったね」
「ちょっと待て。あんたその時幾つだ」

「5歳ぐらいだよ。お父さんに連れられてね。 その時は近くのホテルに泊まりこみで行ったんだけど、その時は凄かったよ。新刊の階なんか大量の参加者の汗で蒸気が」

「こなた、ご飯食べながらする話じゃないから止めて。食欲無くなるから」

「過剰が有明に移って便利になったはいいけど、イベントが大規模化してきて最近の若い参加者は自分を「お客さん」って思う人が多くてね」
「だよね。こういうイベントは「皆で作るから盛り上がる」なのにね」

「2人で盛り上がってるところ悪いが、分からんって」

休憩も終わり、皆で回る事になった。

「夏コミの時は来なかったけど、こういう所もあるのね」
「まあねん。めぼしい物は売り切れてるだろうけど」

4人が見てると、売り場でもめていた。

「やれやれ。ああいうのが・・あれ?ハヤちゃんが」

こなた達が気付くと、ハヤテがクレームを入れている客の所に行っていた。

「止めてください」
「なんだよ!!!折角来たのにほしいもんがよ!!!」
「それは早く来なかったあなたに責任があります」

「なんだと!!!客を満足させるのが商売人だろうが!!」
「浅はかな。良いですか、貴方のような人はこういうイベントには来るべきではないのです」
「な、なにぃ」

「他の皆さんはルールや秩序を守っています。貴方のような外道がいるから、ルールを守っている側まで悪く言われるのです。仲間意識を持てないようであれば、その手の道から永遠に手を引きなさい!!ここは、みんなで楽しくする場なのです」

「そ、そうだったよな。済まねえ、興奮して大事な事を忘れてた。これ、迷惑料だ」

ハヤテに諭され、クレーマーは紙幣を何枚かおいて去って行った。

「流石ハヤちゃん」
「かっこよかったね〜」

「ん!? ぬっふっふ〜。つかさや、ここにハヤちゃんの雄姿に見とれて呆然としてる人がいるよ」
「か、かっこよかったからね」


                      × ×


年が明け、柊家が治める鷲宮神社。

「お姉ちゃん眠いよ〜」
「私だって眠いわよ」

かがみとつかさは上2人の姉と共に巫女をしていた。

「有明から帰って来てすぐに家の手伝い。なんであの手のイベントってなんで大晦日にやるのかしら」
「ふあ〜」

「かがみ、つかさあけおめー」
「こなちゃんあけましておめでとー」
「あんたは朝からあんなお祭り騒ぎだったのに元気ね。寒いし、めんどくさがると思ってたのに」

「いやさ、一年の計は元旦にあるから、初詣に来て一年の英気を養おって」
「へえ。殊勝じゃない」
「ん!?私がじゃなくてお父さんがだよ」

「どうも」
「急に何かがひっかるわね」
「巫女服新鮮だねえ」

「やあ皆。そうじろうさんもおそろいで」
「あ、ハヤテ。ナギちゃんとマリアさんも」

「お前、我々はついでか?」
「そ、そんなつもりじゃ」

「かがみ、巫女服姿可愛いね。何時もだけど、なおさら可愛く見えるよ」
「も、もう/////////////////////////////褒めたって嬉しくないんだからね////////////////////////」

「ハ〜君、私は褒めてくれないんだね、こなちゃん」
「仕方ないよ。ああなったら、ハヤちゃんはかがみん以外は見えなくなっちゃうんだって」

こなたとつかさは恋人2人をほほえましく見ていたが、ナギは違い

「おいハヤテ、さっさと参拝済ませるぞ」
「ちょ、ちょっとお嬢様!?引っ張らないでくださいよ」
「うるさい!!!!私が行くと言ったら、行くのが理だ。マリアも行くぞ」

ハヤテは引っ張られながら

「じゃあかがみ、また後で。ああ、つかささんも巫女服似合ってますよ」
「あ、行っちゃった」
「じゃあお父さん、私達も参拝済ませちゃおうか」
「そうだな」

「(かがみさんには沢山感謝しないといけませんねえ♪私にこんな楽しい日々をくれたんですから♪このままハヤテ君との関係を続けてくれたらもっと楽しくなりますよね〜♪)」

一行は参拝を済ませ

「お祈りしてきたよ〜」
「はい、ごくろうさま」

「かがみは何かお願いしたの?」
「それがね、ハ〜君。さっきお姉ちゃん熱心にお願いしてたよ」
「ま、またあんたは///////////////」

「ねえかがみ、よかったら聞かせてよ」
「べ、別に。ただ、ハヤテは勿論つかさやみゆきと同じクラスになりたいってだけよ」
「かがみ。 僕はね、「何時までもかがみと仲良くできますように」ってお願いなんだ」

「ハ、ハヤテ/////////////////////////////もう、バカ//////////////////////////」

「そう言えば、お姉ちゃんだけ違うクラスだよね」
「私、黒井先生に嫌われてるのかな?」

「それは違うと思うよ。それに、かがみとつかささんが同じクラスになる事って多分無理だよ」
「な、なんでよ」
「ハ〜君」

「姉妹が同じ学年にいる場合、別のクラスになるように学校側が決めてるんですよ。なので、2人が同じクラスになる確率は「無い」と断言できるかもね」

「うう。だったらハヤテと同じクラスが良いわ」
「まあ、私からすればかがみんが別のクラスの方が助かるかもね。だって宿題を・・アウチッ」

「こなた、最初からかがみに頼る事だけを考えるのは止めなって再三忠告してるでしょ」
「うう。新年早々ハヤちゃんのチョップ。縁起がいいのか悪いのか」


「ねえハヤテ。折角神社に初詣に来たんだから、お御籤引いて行かないか?」
「そうですね」
「じゃ、私達も引いて行こうか」
「そうだな」

それぞれおみくじを引くと、こなたは「凶」、ナギとマリアさんは「中吉」、ハヤテとそうじろうは「大吉」だった。

「幸先良いですね」
「そうだね。良い物も見れたし」
「僕、初めてだ。「凶」以上を引いたのは。これもかがみのおかげかな」

「ナギちゃんとマリアさんは中吉か」
「良いんだか悪いんだか微妙だな」
「(あらあら♪「今年も1年楽しくなるでしょう。趣味運は最高です」ですか♪今年もナギを♪)」

「うう〜。凶とは」
「だ、大丈夫だよ。今悪かったら、後は上がるだけだし」

「こなた、そんなに気になるなら枝に結んで厄落とししたら?」
「そうだぞ。ハヤテの言う通りだ」

「そうするよ」

しかし、殆どの木はいっぱいで、開いていた枝に結ぼうとしたが、折れてしまった。
落ち込むこなたにかがみが戻って来て

「良い事が有るか無いかは本人の頑張り次第よ。お御籤は「所詮は運試し」だからね」
「そ、そりゃそうだけど」
「神社の娘の言葉じゃないぞ」

ナギのツッコミのハヤテは同意できてしまった。

「やれやれ。いっそのこと、大吉から大凶までコンプリートしてみようかな」
「トレーディングカードかよ」
「シークレットなんかあると集めがいがあるよね」

「お御籤のシークレットって何なのよ」
「例えばね」
「ん!?あるよ、一部の神社しかない「とても珍しい運勢」って」

「「「「え!?どんなの?」」」」

「「平」だよ。読み方は「たいら・へい」だね。意味合い的には「可もなく不可もなく」だよ」
「流石ハヤちゃん。博識だねえ。で、かがみ」
「無いわよ。うちの神社には」


「そう言えばさ。かがみの前の由来って「鏡」だよね?鏡には神様が宿るっていうし、三種の神器にも「八咫鏡」ってあるし」
「ええそうよ。「神様の恩恵が受けられる子になりますように」らしいわ。後、丸形には家庭円満の意味合いも含まれてるらしいわ」

「家庭円満かあ。かがみと結婚したら、すっごく幸せになれるかもね」
「も、もう、バカ/////////////////////////////////////」
「・・・チッ(私とすれば、一生金に困らん生活が出来るというのに)」


「なあハヤテにこなた。参拝客って、多いよな」
「お正月ですし」
「・・フッ。この中の何人くらいがお父さんと同じ「巫女さん目当て」なんだろうね」

「こなた、そんなのそうじろうさん位だよ」
「分からんぞハヤテ。そんな変人、探せばまあまあの確率で見つかるかもしれんぞ」
「あの、否定できるボケにしてください」


                    × ×


「おおそうだ。ハヤテ、私からお年玉だ」
「え!?いいんですか?」
「構わんよ。去年はいっぱい世話になったしな。それお礼もかねてだ」

「すみません」
「で、今日は年始デートだろ?」
「あ、はい」

「そのお年玉で買ってやれ。女ってやつは、「贈り物」は無条件にうれしいものだ。とんでもない物じゃない限りな」
「そうですね。じゃ、行ってきます」

「(私は、何がしたいんだろうな。でも、ハヤテを悲しませたくは無いし、かといって諦めたくもないし。はあ)」
「(ここで追い打ちかけましょう♪早速お御籤が当たりましたねえ♪)」


                     × ×


ほぼ同時刻。泉家

「いやさあ。うちのお父さん「お年玉が欲しくてソワソワ寄ってくる」のがたまらないらしくてさ、貰うの一苦労だよ」
『大変だね。でも、こなちゃんとおじさんて仲良いんだね』

「でさ、早速ゲマズに行こうと思うんだけど、かがみは?」
『お姉ちゃん年始デートだって。もう出かけちゃったよ』
「やっぱりか。そう言えばさ、かがみって「ハヤちゃんと言う恋人」が出来てからデートを優先するようになったよね。私達より」

『そう言えばそうだね。ってこなちゃん』
「いんや、怒ってないよ。むしろ、ハヤちゃんとのデートより私達を優先して、蔑ろにしたらそれこそ怒るよ」
『そうなんだ。良かった』

電話を切り、貰ったポチ袋を見て

「そう言えば。なんでこれってポチ袋っていうんだろ」
「おお。それは「これっぽっち」や「ぽちっと」から来てて、「小銭を入れる袋」らしいぞ。「これっぽっち」は関東で、「ぽちっと」は関西の言葉な」


「ん?電話だ。こなただ」
「何かしら?」

「もしもし?改めてあけましておめでと。で、何?」
『デート中めんごめんご。でさ、ポチ袋の由来なんだけど』
「ポチ袋?それはね」


ハヤテが説明しているとき、電話口でそうじろうが

「こなた〜。偶にはお父さんを信じようよ。せめて見えない所でさ〜」

娘に信頼されないことで泣いていたそうだ。


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月13日更新) ( No.17 )
日時: 2015/12/13 20:04
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                    × ×


陵桜は冬休みを終え、新学期だ。

「皆明けましておめでとう。去年はなんかあっちゅうまやったなあ。ま、ともかくや、今年もよろしゅうな」

黒井先生はクラスの面々を見渡し

「今年度も後3か月ちょいやけど、油断大敵やで。その3か月ちょいいかんせんで落第。なんてこともあり得る訳や。注意せいや」

「(3か月か。僕も注意しないとな)」

「ま、ウチはあんま関係ないけどな。留年したら、「おもろい話」として語り継いだるわ」

楽しそうに笑う先生ではあったが、生徒で笑っている人は誰もいなかった。


                    × ×


「お正月気分っていうけど、不思議な空気感だよね〜。でも、学校が始まったとたんその空気感が消し飛んじゃうと」
「まあね。「正月」は「1年の始まり」ってだけなのに、何というか不思議な気分に駆られるよね」

「・・フッ」
「どうしたの?かがみ」

「うう〜ハヤテ〜。三が日家の手伝いで忙しかったのに体重が増えちゃったのよ〜」
「お、お気の毒だったね。あれ?でも、年明けしてから新学期までの間に何回かデートしたけど、それでも?」
「だって〜」

「ぬっふっふ〜。ハヤちゃんや、忙しかったりデートしたりして動いても、それ以上にかがみんは食べたのだよ。巫女、おせち、巫女、お雑煮、巫女、お菓子お菓子お菓子お菓子、巫女、お菓子ってな具合に」

事実なのかかがみは言い返さず、ハヤテは雰囲気にのまれ、こなたに制裁出来なかった。

「ハヤちゃんは?年始デート以外でさ」

「まあ、僕は忙しかったよ。三千院家の傘下の企業の人達が年始挨拶に来てね。その人たちにお茶だったり、おせちやお雑煮などの料理も出してさ。かがみには悪いけど、僕はちょっと痩せちゃった」

「ふ〜ん。恋人でもこうも対照的か」
「う、うるさいわね」

「そう言えばさ。お正月の遊びって、羽根突きに百人一首、凧揚げが一般的にあげられるけど、あんま見ないよね」
「まあ、電線とか交通で危ないっていうからね。私もしなかったわ」
「あ、あの。私はしましたよ。羽根突きや百人一首、福笑いなどで楽しみました」

「へえ。意外ね」
「そうかな?僕はみゆきさんみたいなタイプがそう言うので楽しむイメージあったけどね。百人一首の大会で活躍する女性って、割と綺麗な人多いし」

「へえ。ハヤちゃん博識だね」
「そうですね。後、私は着物を着て初詣に行きましたし、従姉妹たちと遊びました」

「へえ〜。でさハヤちゃん、福笑いって何よ」
「福笑いは、おかめの顔に、顔のパーツを目隠ししておいて行くんだよ。で、目隠ししてるからおかしなことになるでしょ?それを見て楽しむの」

「成程。そう言えばさ、ナギちゃんやマリアさんはお正月の遊びってやらなかったの?あの家の広さなら十分でしょ」

「お嬢様はインドア派だからね。後、人見知りするから友達少ないし、身近な友達とかもそう言う遊びはやらない人だけだから、「ルールとかは知ってるが、そんなのやった事も無いし、やりたいとも思わん」だってさ。マリアさんもお嬢様がやんなきゃそれに付き合うし」

「ほえ〜。ナギちゃんらしいね。後、みゆきさん、百人一首って、全部和歌なんでしょ?」
「そうですよ。上の句を読み上げて、下の句を取り合う遊びですよ」
「良くできるよね」

「いえいえ。私なんかまだまだで。速い方なんてもうスパーンって」
「大会とかで優勝とかを経験している人なんて、ほんの2〜3文字読んだだけで正確に札を取りますよね」
「確かにそうですね。私もテレビで見た事ありますが、凄いですよね」

「お2人さん、私が言いたいのはね、そんな古典の勉強みたいなのでよく楽しめるよねって」

「そう言う知的遊戯をめんどくさがる奴が日本を駄目にしていくのよ」
「だ、だよね。まあ、好きな人もいるからバラスはとれてると思うけど」

「もうさ。どうせなら百人一首でカードバトルしたら?「俺のターン。坊主のピカピカ攻撃」「何をこっちは小野小町のラブリー攻撃」ってな具合に」

「こなた、遊○王じゃないんだから。百人一首の大会に人生賭けてる人もいるみたいだし、冒涜だよ」
「そうかな?でもさ、かがみもそう言う体を使う遊びをすれば体重も・・アウッ」

こなたがいじろうとしたとき、ハヤテはチョップで制裁した。

「もう。それもこれもお餅のせいだよ」
「お餅はカロリー高いですからね」
「確か、マッチ箱サイズでご飯だとお茶わん1杯分だったっけ」

「ほほ〜う。かがみは毎回どんぶり飯を・・アタッ」
「こなた、いい加減懲りようね」
「うう〜。ハヤちゃんきついね〜。そう言うハヤちゃんは、お餅食べるの?」

「去年までは正月だろうと何だろうと働いてたしね。お正月はどこも忙しくなるから稼ぎ時だし。それにさ、売れ残りとかも無いから、食べる機会は殆ど得られなかったよ。今年もお嬢様がお餅を好きじゃないせいで、お客様にお出しして終わっちゃったし」

「へ!?じゃ、じゃあおせち料理も?」
「そりゃあね。あんな高いのもったいなくて。お餅同様お客様にお出しして、食べなかったし」

「暗いよ、ハヤちゃん」
「こなたが聞いたんでしょ。そう言うこなたはどうなのさ、お餅」

「家はお母さんがいないからお雑煮とか殆ど食べた事無いよ。お餅自体あんま食べないし」
「え!?もったいないわね。お雑煮以外にもお汁粉にきな粉餅。お餅の美味しい食べ方はいっぱいあるのに」

落ち込んでいたかがみが話に割って入って来て言い切ったが

「あのさ。僕が言うのもあれだけど、気にしてるなら控えた方がいいと思うよ」
「う"」
「恋人に言われるのが一番効果的みたいだね」

「泉さんのお家ではお正月に何を食べるんですか?」
「ピザとかパスタだよ」
「ああ、そう言えば。そうじろうさんが大晦日にパスタマシン出すんだったっけ」

「そうそう。あれって暫く使ってないと錆びるんだよね。洗ったパスタマシンを使って生パスタとピザ生地を作るんだよ」
「本格的ですね」
「ま、かがみんの家じゃピザは宅配、パスタは乾麺だろうけど」

「あのね。お正月にピザやパスタ食べないわよ」
「嘘〜!?」
「おせちに合わないじゃない」

「合うよ〜。ローストチキンとか」
「おせちか、それ」
「おせちだよ」

「まあ、おせちと言っても、和風だったり洋風だったり中華風だったりと色んな種類があるし」
「ああ、そう」

「そう言えば。みゆきさんの家って、お正月は何を召し上がるんですか?」
「確かに気になるよね。みゆきさんの家って「洋風のお金持ち」ってイメージあるし」
「まさかとは思うけど、正月早々フランス料理のフルコースとか」

「そんな事無いですよ。おせちもお餅も食べましたよ。お餅なんて、伸びて「うにょーん」なんてありましたし」
「「あ、歩く萌え要素だ」」
「お餅うにょーん」

ハヤテとこなたがみゆきさんの天然萌えに呆れと関心が混じった感想を述べる一方、つかさは楽しそうだった。
で、そのつかさが

「そう言えばさ。お正月ってあっという間だったよね」
「そうだねえ。冬休みも短いよ。一応は「長期休暇」って事になってるけど、大掃除やら年賀状書やら宿題やらで休める期間少ないよね」

「ちょっと待て!!!年賀状貰ってないだろ!!」
「それに宿題だって昨日泣きついて来たじゃん。「終わらないから手伝って〜」って。昨日徹夜で手伝ったでしょ」
「へえ。「冬休みの宿題は自力でやった」って言ったわよね〜」

かがみのダークオーラにこなたは怯えるしかできなかった。

「そ、そう言えばさ。こなちゃんとハ〜君は初夢見た?」
「ああ。あの見ると縁起がいいやつね」
「一般的には一富士二鷹三茄子って言われてるわよね」

「正式には四扇五煙草六座頭と言うのもあるみたいですよ」
「へえ〜。六まであるんだ」
「でもさ。そんなのが出てくる夢って見ないよね」

こなたのほぼ正論に全員沈黙した。

「ねえねえハ〜君。一度に全部見なきゃいけないのかな?」
「まあ、全部出てきたら物凄い福が来そうですよね。ですが、どれか一つでもいいんですよ」
「そ、そうなんだ。私はてっきり鷹なら2つ、茄子なら3つ見なきゃいけないと思ってたよ」

「でもさ、ハヤちゃん。夢なんてものは大体忘れちゃうよね」
「そうだね。「なんでこんな夢を!?」ぐらいなインパクト性が強い物なら別だけど」

「私の初夢は、「靴箱を空けたら自分の靴が無くなっていて、仕方なく入っていた他の靴を履いて帰ろうとしたらサイズが合わなかった」って夢を見ました」
「ふ、不思議な夢ですね」

「ええ。なので夢占いの辞典で調べましたら、「社会的な実力を求めているが、その力がつくのはまだまだ先だ」と言う暗示らしいです」
「そう言えば、靴は「社会的地位」を意味するんでしたっけ」
「チーズケーキ?」

「みゆきさんの夢も気になるけどさ、ハヤちゃんの夢は?ハヤちゃんって、自分より他人を優先する人だからね」
「え、えっと。言わなきゃダメ?」
「ハ〜君の初夢知りたいな〜」

「え、えっと。内緒で」
「チェ〜。面白そうな夢見たと思ったのに」

「(かがみと結婚式を挙げた夢を見たなんて、恥ずかしくて言えないよ)」


                     × ×


ある日。

「そう言えばさ、成人式でふざけて壇上に上がったりはっちゃけたりする人って多いわよね」
「まあ、お酒で理性の堤防が壊れたり、なんかの記念になんて意図的に理性を壊すからだと思うけど」
「全く。日本の顔の一部になった自覚は無いのかしら」

「まあ、やっちゃった本人も後で反省する人もいると思うけどね」
「ハヤちゃん、そう言う事する人って、反省しないと思うよ、私は」

「で、でもさ。なんで会場に行ってやるんだろ」
「ホントよね」
「成人式なんてめんどくさくて行きたくないよね」

「こなた、君って碌な大人になりそうにないよね。まあ、あの人の血を受け継いでると言えば不思議はないけどさ」
「そりゃ同感だよ、ハヤちゃん」

家にいたそうじろうはクシャミしたそうだ。

「でさ、かがみ達は成人式何を着ていく予定なの?」
「まあ、折角だから振袖着ていくと思うわよ」
「かがみの振り袖姿か〜。そりゃもうたいそう可愛いんだろうな〜」

「も、もう///////////////////////////ハヤテのバカ//////////////////////////////」

「こなたはどうするの?」
「いやあ。多分お父さんの勧めで振袖着ると思うよ」
「あんたの場合、「成人式」と言うより、「七五三」になりそうね」

「ムウ」
「ごめんこなた。反論できそうにない」
「ハヤちゃんまで〜」


                      × ×


ある日の三千院家。

「そう言えば。マリアさんは子供の頃って正月は何して遊んでたんです?」
「そうですね〜」
「お嬢様の子供のころの話は聞きましたけど」

「(今でも十二分に子供ですけどね〜♪)」

「あ、あの」
「別に特別な事はしてませんよ。おじいさまに引き取られる前も後も」
「そうなんですか。僕はてっきり、百人一首とかで楽しんだと思ったんですけど」

「あらあら♪私がババくさいって意味ですか?」
「ち、違いますよ。マリアさん知的なので、楽しんでたかと」

「(あらあら♪とりあえずは許してあげますか)」


                      × ×


ある日、バス停で待っていると、こなたが風に身震いした。

「最近寒いですね」
「ホントだね」
「最近つかさはこたつから出ないもんね」

「だってハ〜君の言う通り寒いんだもん」
「分かるよそれ。こたつに入っていると、トイレすらめんどくさくなるよね〜」
「こなた。大衆の面前で女の子がそう言う話しない方が」

来たバスに乗りつつハヤテは注意した。

「気にしない気にしない。でさ、家に伝わる「こたつに籠ってる人に効く殺し文句」って分かるかな〜?」
「まあ、そうじろうさんの「こたつに籠ってばかりだと仕舞っちゃうぞ〜」だろうけど」
「ピンポンピンポ〜ン」

「おじさんはこたつ無くても平気なのね」
「好きは好きだけどね。閉めの為かな。2人して寝ちゃうこともよくあるし」
「風邪ひくよ。後、危ないし」

「だから気付いた時は消してるよ」
「ナギちゃんの家ってこたつあるの?」
「無いですよ。まあ、あの家は全館冷暖房完備ですから」

「羨ましいな〜」
「だねえ。「冬場の脱衣所の寒さ」とも無縁なんでしょ?」
「まあね。あ、蛇足だけど、「冬場のお風呂場」は家庭での死亡事故が最も多い場所なんだよね」

「え!?なんで?」
「急な温度変化で心臓がビックリして心筋梗塞起こすからでしょ?ニュースとかでやってるわよ」
「そ、そうなんだ。あ、でもさ。夜中にトイレに起きた場合は流石に寒いでしょ?」

「まあ、いくら三千院家でも夜中は冷暖房切っちゃいますから、寒いですよ」
「そうなんだ。でもさ、さっきからハ〜君寒そうにしてないよね」
「昔から寒さも暑さも我慢するしかない環境だったので、慣れちゃったんですよ」

「そ、そうなんだ」

話をしているうちに降りる停留所に着き

「2人とも、降りるわよ」
「早くしないとバス出ちゃいますよ」

「でもさあ」
「この時期教室に着くまでも地獄だよね」
「分からなくもないですけど、おりましょ。遅刻になりますし」


                    × ×


「そう言えば、もうすぐバレンタインだね。この時期になると空気が色めき立つよね」

つかさが言うと、かがみは強めに反応した。

「こういう特別な日に告白とかして恋人になれたら素敵だよね」
「つかささんは乙女チックですね」
「えへへ」

「まあ、今年のバレンタインはある意味特別だよね」
「なんでさ」
「ハヤちゃんは当日になるまで分かんないだろうね。ま、当日を待ちなさいな」

「そ、そう」
「後さ。残ったチョコがセールになるから、私ゃ嬉しいよ」
「ああ、そうですか」


「良くさ、「お金で愛は買えない」っていうけどさ、バレンタインチョコもお金で愛を買ってるって言えなくもないよね」
「まあね。要は「お金で愛は買えないが、かといってお金が無いと愛は得られない」でしょ」

「げ、現実的だね」
「まあ、ゲームじゃ当日まで好感度を上げておかないと、「貰えたとしても義理」だよね」
「こなた、もうちょっと現実的な話にしようね」

「そう言えばさ。ハ〜君は今までのバレンタインってどうだったの?」
「今まで、ですか?」
「この学校に転校してくる前だよ」

「まあ、不思議と貰えたんですよね、チョコ」
「え!?う、嘘」
「ホントだよ。でも、「全部義理」だから大丈夫だよ、かがみ」

かがみの不安は拭い切れなかったが、言ってもしょうがないので黙った。

「因みにだ諸君。私はモテモテだよ」
「はいはい。どうせゲームででしょ。全くフラグだとか好感度言ってるあんたの将来が時々本気で心配になるわよ」

「し、辛辣だね、かがみ。まあでも、こなただったらなんだかんだで逞しく生きそうだよ」
「ほう。ハヤちゃんは擁護側ですか」
「はいはい。でさ、こなた今年の予定は?男の僕が聞くのも変だけど」

「ん〜!?今年は人にあげる予定あるよ」
「え!?マジですか?」
「同じオンラインゲームやってる人にね」
「まさか手渡し!?」

「かがみ、冷静になりなよ。こなたの事だから、「自分は男キャラ使ってるから、そのキャラでチョコをあげる」だよ」
「ハヤちゃん、君は超能力者か!?」
「こなたが分かりやすいだけだよ。まあ、ゲーム内でとはいえ何かとややこしいね」

「まあともかく」
「「各個人型の知ればそれでいい」」

ハヤテとこなたは揃って言った。

「海外行きたいかも」
「こなた、随分唐突ね」
「どうしたの、こなちゃん」

「まあ大方みゆきさんの入れ知恵でしょうけど」
「ほう。その心は」
「2月14日に女性からチョコを渡すというのは日本独特の文化で、欧米では男女問わず好きな相手や友達にお菓子やカードを渡す。でしょ」

「流石だね。つまりだね、私もお菓子とか沢山もらえそうじゃん?」
「凄い自信だな。もてること前提の話かよ」
「大丈夫だよ。だって」
「こなた、その先は踏み込んじゃいけない領域だよ」


                       × ×


で、バレンタイン当日。

「ハッピ〜バレンタイン。はいこなちゃん」
「おお、これは凄い」
「ハ〜君にも」
「僕にもですか!?」

綺麗にラッピングされたハート形の箱を手渡され、ハヤテは驚きつつ開けると、大きなハート形のチョコが入っていて、ご丁寧に「ハッピーバレンタインハ〜君」とチョコで書かれていた。

「すみません。こんなすごいのを」

「つかさ、ハヤちゃん以外の男の子に義理とはいえ、こんなすごいのあげちゃ駄目だよ」
「え!?な、なんで?」

「まあ、それは置いておいて、ハヤちゃんに私からもチョコだよ」
「ありがと」

こなたのは「買った」とすぐに判断できる代物だった(スーパーのシールが貼ったままだったため)。

「あ、丁度良かったみたいですね。ハヤテさんに私からもチョコレートです」
「ありがとうございます、みゆきさん」

みゆきさんのはつかさほどではないが、手作り感があった。

「ハヤちゃんに一応忠告しておくけど、「我々のは義理」だからね」
「やっぱりね」
「で、真打ち登場なのだよ、ハヤちゃん」

こなたに促され、かがみは鞄からラッピングされた箱を取り出し

「は、はいハヤテ。私からの「手作りの」チョコ。い、言っておくけどね、「本命」だからね//////////////////////////////」
「ありがとかがみ。皆には悪いけど、人生最高のバレンタインチョコだよ」
「も、もう///////////////////////一生懸命作ったんだから、食べなかったお仕置きよ////////////////////////////////////」
「大事に食べるよ。当然じゃん」

「つかさ〜、みゆきさん〜。私達のは殆ど眼中にないみたいだね」
「まあ、分かったたけどね。お姉ちゃんとハ〜君にとって特別な日だって」
「ほほえましいですね」


「そう言えばさ。みゆきさんはハヤちゃん以外にチョコあげたの?」
「ええ。父と親戚のお兄さんに」

「つかさは?」
「普段仲良くしてる皆にあげたよ」

「一応聞けど、かがみは?」
「ハヤテだけよ。ああ、でも、お父さんには帰りに買って、あげるつもりだけど」

「やれやれ。かがみ以外はつまんないセントバレンタインだねえ」
「こなた、自分で言っててむなしくないの?」
「そうよ。肝心のあんたはどうなのよ?」

「私?ハヤちゃんとお父さんだけ」
「一緒じゃない」


                    × ×


ある日のファミレス。

「そう言えばさ。あんたの従妹、陵桜受験したんでしょ?」
「ああ、受かったって。で、実家からじゃ遠いから、来月から家に住むって。元々妹みたいなものだから、交流あったんだよね」

「へえそうなんだ。でも、あんたと並んだら、どっちが妹か分かんないんじゃない?」
「いやだから、「色んな意味で」妹みたいなものだって」
「そ、そんなのちっさいのか!?」

「でも、その従妹の人凄いよね。ここをすんなり合格って」
「取り方次第では自信過剰に聞こえるわよ、つかさ。在校生でしょ」
「で、でも。私はギリギリだったよ、絶対」

慌ててフォローを入れ、お茶を一口飲み

「そ、そう言えばさ。ハ〜君はなんで陵桜を選んだの?」
「そう言えばそうね。ナギちゃんの屋敷からじゃちょっと遠いし」

「そう言えば、言ってなかったっけ。福岡からこっちに引っ越してくるとき、お嬢様は「自分と同じ白皇に転入しろ」って言ったんだけどね」
「白皇!?お金持ちの子息子女が集まる超名門校じゃない」

「まあね。通える学力があるかは置いておいて、僕じゃ白皇の学費払えないし。あそこは他の学校に比べて3倍近い学費が必要だからね。お嬢様は「自分が出す」って言ってくれたけど、雇ってもらってる立場上甘える訳にはいかなくてね。で、「通える範囲で出来るだけレベルが高くて、学費も自分で払える学校」を幾つかピックアップして、この学校にしたんだよ」

「そうだったの。陵桜はレベル高いもんね」
「今となっちゃ陵桜選んでよかったって思ってるよ」
「何でよ」

「だってさ、かがみに出会えたもん」
「も、もう/////////////////////////////////////」

「そう言えばさ。私達も来年受験だね」
「大変ですね。勉強漬けの日々が待ってますね」
「うう〜。嫌だな」

「え!?受験!?勉強!?進路とか全然考えてなかった」
「おい」
「こなた、将来考えないと本気で不味い時期が来てるんだよ」

「いやあ。私の辞書には「労働」や「勉強」が無いんだよねえ」
「やれやれ。幾らそうじろうさんでも、高卒でいつまでも燻り続けてたら愛想尽かしちゃうかもよ」

「まあ、ゆっくり考えるよ」

-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月16日更新) ( No.18 )
日時: 2015/12/16 20:22
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                     × ×


ある日の泉家。

「やほ〜っ。ゆたかの合格の報告と挨拶に来たよ〜」
「やあ、いらっしゃい」

テンション高くやって来たゆい姉さんに、こなたもそうじろうもいつも通り迎え

「こ、これから色々とご迷惑かけると思いますが、どうぞよろしくお願いします」
「自分の家だと思って寛いでいいよ〜」
「あ、はい」

「まずは、合格おめでと〜」
「あ、ありがと〜」
「いやはや。あの陵桜に受かってよかったよ」

「ホントだね〜。例のハンカチも返せるね」
「うん」

ワイワイと楽しむ面々を見てそうじろうは

「(なんだろう。「オタクの勘」と言うべきなのかな?このゆーちゃんが新たな火種になる気が。まあ、ともかくだ、俺は勝ち組だよな)」


                   × ×


時間は少々遡り、ゆーちゃんの陵桜受験日。

元々病弱なのもたたり、入試と言う極度の緊張のため、気分が悪くなり、トイレにいた。すると

「あ、あの。大丈夫?」
「え!?」
「保健室まで一緒に行こうか?」

無事入試も終わり

「そんな感じで声をかけてくれて、ハンカチも貸してくれたんだ。仲が良い友達も出来そう」
「でもさゆたか。その人落ちてるかもよ」

ゆーちゃんは一瞬暗くなったが

「そ、そんな事無いよ。ああいう良い人は絶対に受かってるよ〜」
「そ、そうだね。ごめんごめん。でもさ」
「あ、頭だっていいに決まってるよ〜」

「でもさ、ゆーちゃん。その人はともかく、ゆーちゃんが落ちてる可能性もあるんだよ」
「うう。その可能性はあるかも」
「めんごめんご。ゆーちゃんは大丈夫だよ」

「あ、そうだ。合格発表の日なら、結果はどうあれ会えるかも」

ゆーちゃんは鞄の中を漁り、学校からもらったプリントを見た。
するとそこには「合否にかかわらず、郵送にて結果を通知いたします」と、今のゆーちゃんには少々酷な一文が書かれていた。

「うう〜」
「ドンマイドンマイ。きっと神様はゆーちゃんの味方だよ」

無事合格し、入学説明会。

「あ、あの」
「ん!?」

ゆーちゃんは無事にハンカチを貸してくれた女の子に会えた。

「合えて良かったです。ずっとこれを返そうと思ってて」
「態々これを届けに?」

女の子はハンカチを受け取りつつ聞き、

「ありがと。でも、これはあげたつもりだったの。会えると思ってなかったし」
「もしかして、私が落ちると思ってました?」
「あ、そっか。同学年か。ごめんなさい」

「あう。受験生の身内だと思ってたのか」

話ながら歩いていると、バス停に着き

「じゃあここで。私、今日家の車だから」
「あ、はい」

ゆーちゃんは少し間を空け

「あ、あの。これから3年間よろしくお願いします」
「うん」

去っていく少女を見送りつつ

「良かった。早速あんな良い人と友達になれて。これから楽しくなりそう。・・・って、あ!!名前聞いてない」


                    × ×


時間を戻し、現在。

「ゆーちゃんらしいねえ。今度会ったら名前聞きなよ」
「うん」
「ん!?ゆーちゃん若しかして、体調悪いの?」

「ちょっと車に酔っちゃって。ごめんね、早速心配かけちゃって」
「ゆたかは体弱いね〜」

「(いやいや。半分以上は貴方の運転のせいでしょ。少しは自覚しようよ)」

こなたは心の中でゆい姉さんにツッコミを入れていた。

「でも、出身中学から陵桜に行くの私だけだし、今日みたいに直ぐ体調悪くなっちゃうから、クラスに馴染めるか心配だな」
「ゆたかは良い子だから大丈夫だって」
「もう。また子ども扱いして」

するとこなたの脳内で、「病弱、妹属性、素直=歩く萌え要素」っという計算式が完成し

「ゆーちゃんはうちのみゆきさんと組んだら凄い事になりそうだ」
「???」

そして翌朝。

「ん〜。あ、ッそか。今日からこなたお姉ちゃんの家だっけ」

起床したゆーちゃんはそんな感想を漏らし、部屋から出て廊下を歩いていると、こなたの部屋から物音がするのに気付き

「お姉ちゃんおはよ。お休みなのに早いんだね」
「あ、おはよ〜。早いっていうかさ〜、徹夜してたから今から寝るんだよ、私」
「本当に環境変わったんだな〜」

本来なら呆れる行動に、ゆーちゃんは好意的に受け止めていた。


                    × ×


「私達も来年は受験なのよね」
「そうだね。デートの回数も減っちゃうね」

ハヤテとかがみはデートしてて、こんな会話をしていた。

「最近家に塾とか教材の勧誘が多くて困ってるのよね」
「気持ち分かるよ。僕の場合、中学上がる前とか、高校上がる前もそうだったし」
「あんた、その頃から頭良かったのね」

「まあでも、今は平気だけどね。三千院家は、未登録の番号からじゃかけられない仕組みになってるし」
「こなたじゃないけど、ナギちゃんたちが羨ましくて仕方ないわ。家じゃそんなセキュリティ望めないし」
「そっか。かがみの家は今じゃ絶滅危惧種って言える黒電話だったね」

「で、ハヤテは塾とかに行った事あるの?」
「無いよ。言ってるでしょ?執事になって余裕が生まれたって。塾代なんて出せる訳ないじゃん」
「そ、そうだったわね。じゃあ、教材も自分で探して?」

「そうだよ。本屋とかで安くても、効率が良いのを探して勉強してたよ」
「そう」


                    × ×


ある日の秋葉。

「ぬぐしゃあ」
「ど、どうしたのこなちゃん」

「つかさ〜この世は非情だよ〜。情け容赦なんかないよ〜。この前ちょっとほしいポイント景品があって、散々悩んだ末交換してもらったんだけど、今は即決で欲しい景品があるんだよ〜。全然ポイント足りないんだよ〜」

「あんた、人生楽しんでるわね」
「やれやれ。じゃあ、僕のポイント使いなよ。結構たまってるし」
「おお〜。神様仏様ハヤちゃん様〜。ってか、随分たまってるけど、どうしたの?」

「お嬢様の買い物だよ。ネットじゃつまんないらしくてさ」
「でもいいの?」
「「ポイントはハヤテの好きにしろ。私には不要だ。それに、欲しい景品があれば、駄賃変わりだ」って言われるから」

「助かるよ」

こなたは欲しい景品を手に入れた。

店を出た一行は近くのファミレスにやって来た。

「禁煙席と喫煙席、どちらになさいますか?」
「私たち全員未成年なので、禁煙席で」
「では、お席にご案内します」

「あ、私トイレに行ってからにするよ」

つかさがトイレから戻ってくると、こなた達は席についていた。

「あのさ、ハ〜君。こういうお店ってさ、トイレって喫煙席側にある事が多いよね?なんでかな?」
「ボヤとかが出た時に便利だからだよ」
「こなたの言う事も一理ありますね。火を使う関係上、万が一は初期消火が大切ですし。後、においの関係もあると思いますよ」

「流石ハヤちゃん。それに比べて社会貢献したことのない人は」
「う、うるさいわね。ってか、食事前に止めないか、この話題」
「た、確かにね。食欲失せるよ」


                       × ×


「なあハヤテ」
「はい?なんですか?」
「ニュース見てて思ったんだがな、子供を狙う犯罪も増えてるよな」

朝食を終え、ティータイム中にナギに言われ、ハヤテは

「そうですね。お嬢様も注意してくださいよ」
「分かってるよ」
「まあ、こなたの父であるそうじろうさんは「けしからん!!だが、羨ましいだろ」っていうでしょうね」

「まあ、私が言うのも変だが、こなたは小さいからな」
「確か、自分より小さい従妹がいるって言ってましたし」
「そっか」

「あの人の事ですから、危ない一線は越えないでしょうけど」
「友人の父が捕まったなんてニュース、私は聞きたくないぞ」

「(あらあら♪面白そうですから、警察に密告しようかしら♪面白そうなことになりそうですね〜♪)」


                     × ×


「ごめんくださ〜い」
「は〜い」
「遊びに来たよ〜」

こなたは柊家に遊びに来ていた。

「ねえつかさ、かがみは?」
「ハ〜君とお出かけ中。あ、デートじゃないって」
「やれやれ。青春してる人は違うね〜」

「こなちゃんは青春してみたいって思うの?」
「どうだろ。分かんないや。つかさは?」
「わ、私も分かんないや」

ゲームを止め、2人して日向ぼっこしていた。

「春だねえ」
「春だねえ」

「最近温かくなってきたねえ」
「そ〜だねえ」

「春休みは宿題が無くてのんびりできるね〜」
「そ〜だねえ」

「そう言うセリフは、何時も宿題を一生懸命やっている奴のセリフだけどな」
「「あ、あはは」」

「お姉ちゃん速かったね。後、ハ〜君いらっしゃい」
「こんにちは」

「今日はデートじゃなかったからね。だから早めに切り上げたのよ」


かがみがこなたのゲームを見ていると

「あんたさ、こういうロボットが出るゲームって、キャラ分かるの?」
「ある程度はね」
「ああ、そう。で、あんたの趣味っておじさんの影響だったわよね」

「そだよ」
「じゃあさ、小さい頃の女友達の話題って、着いて行けなかったんじゃない?」
「いんや。普通に着いて行けたよ」

「あ、あそう。あれ?」
「類は友を呼ぶ、か」


                    × ×


またある日。

「おっす」
「ヤフー。紹介するね、この子が従妹のゆーちゃん」
「初めまして。小早川ゆたかです」

「私の友達のつかさとかがみとハヤちゃんだよ」
「ああ。お姉ちゃんが良く話してる」
「へえ。なんて聞いてるのかしら」

返答に困るゆーちゃんに

「あんた、なんて教えてるのよ。なんとなくで察しはつくけど」
「か、かがみ落ち着いて。こなたのこういう所にいちいち突っ込んでたら身が持たないよ」
「全くもう」


「ゆたかちゃん卒業式は終わったの?」
「あ、はい。先日」
「卒業式か〜。懐かしいわね」

「私は卒業式覚えてないな〜。ハヤちゃんは?」
「一応覚えてるよ。小学校の時は、そうでもなかったけど、中学の時は泣き付かれた事あったけど」
「へえ〜。 ゆたかちゃんは、誰かから第二ボタン貰ったの?」

「いえ。うちはブレザーでしたから」
「そうなの。ハヤテはどうなの?あげる側だけど」
「中学の時も、前の高校の時もブレザーだったから、あげてないし、僕のを欲しい人なんていないでしょ」

居間に着き、くつろぎつつ話の続きをし、

「そう言えばさ。好きな人から何かを貰うって、今ではやって無いんじゃないかしら?」
「そうなの?私もやって無いけど、なんか寂しいね」
「まあ、ごく一部の人はやってるんじゃないんですか?噂は聞いた事ありますし」

「そうそう。偶にネットで見かけるよ。 でもさ、そう言うのって「好きな人のを」貰うんでしょ?」
「そうなんじゃない」
「まあ、違ったとしたら「憧れの先輩」とか「部活で世話になった部長」位だね」

「ハヤちゃんのあげた例はともかく、好きな人なら告白してその人をゲットした方が効率いいんじゃない?」
「それが理想だね」
「出来ないから、「せめてボタンくらいは」、なんでしょ。要は」
「成程。じゃあさ、ゆたかちゃん好きな人とかいたんじゃない?」

「いえいえ。私休んでばっかでしたし、行ったとしても気分悪くなっちゃって、周りのテンション下げちゃいますから。それに背も小さいですし、体形も子供っぽいので、誰かを好きになるとかなられるとかないんですよね」

「大丈〜夫。ゆーちゃんは相手を選ばなきゃ、需要はあるって」
「じゅ、需要?」
「まあ、「保護欲を掻き立てられる」っという意味では、恋愛とは違う意味の好意はあったでしょうけどね」


「あ、そうだ。ゆーちゃん卒アル見せてよ」
「わ〜。見たいみたい」
「な、なんか恥ずかしいな」

そう言いつつ、ゆーちゃんはアルバムを持って来て見せた。
こなたはパラパラとページをめくり

「ゆーちゃん何組?」
「今撮影の時の欠席者の丸いところ見てから聞いたでしょ」
「あ、やっぱりばれた?・・アウチッ」

「こなた、身内だからって失礼だよ」
「うう〜。ハヤちゃん、かがみの時以外の制裁は止めようよ」
「自業自得だよ」


「え!?高校と中学の違い?」

ゆーちゃんに聞かれたかがみは少し考え

「部活動が強制じゃない所とか」
「つかささん、それは違うんじゃないですか?中学でも強制じゃない所もありますし、高校でも強制の所はあると思いますよ」
「そっか」

「陵桜は進学校だから、学習内容は多くて速いかもね。後、通学時間もかかるから体力付くかもね」
「決定的な違いは小中高と上がるにつれて居眠りの時間が増えるところ。特に苦手科目」
「分かる分かる。先生の言ってることが外国語に聞こえたり」

「くれぐれもあんな風にはならないように」
「そうですよ。典型的な「反面教師」ですからね」
「は、はあ」

「まあ、ちゃんとした例を挙げると、「義務教育か否か」ですね。中学は全く行ってなくても、下手すればオール1でも卒業は可能ですが、高校じゃ出席日数が足りなかったり、成績不振で留年・退学もあり得ますからね」

「そ、そうなんですか。がんばろ」


「ん!?ゆたかさん、中学時代の制服取っといてあるんですね」
「あ、はい。うちの制服地味なので、私服に使えると思ったので。ここは地元じゃないので」
「成程。でも、地味じゃないと思いますよ。可愛らしいですって」

「そ、そうですかね?/////」
「ム〜」

「かがみ達は制服どうしてるの?」

悪くなりそうな雰囲気を察して、こなたが話題をそらした。

「私達は近所の年下の子にあげたわよ。あんたは?」
「私の?」
「まあ、あんたのじゃ貰い手居ないでしょうけど」

「うるさいな。失礼だな」

こなたはぶすっとしつつ

「私はゆーちゃんと同じで取っといてあるよ。「コスプレ用」にね」
「コ、コス」
「こなた。君とゆたかさんじゃ目的違うでしょ」

「いやいやハヤちゃんや。コスプレでしょ」
「それは君だけなの」
「だからさ」

「また制裁あげようか?」
「か、勘弁して」

「それにしても母校か。こういう話をしてると、小学校とか中学に顔を見せに行きたくなるわね」
「でもさ。乱入闖入事件が多いから、変な目で見られるかもね」
「まあでも。あんたの場合は大丈夫でしょうけど」
「それは若しかしなくても褒めてないよね」

「まあ、僕は簡単にはいかないけどね」
「な、なんで?」
「つかささん、僕が福岡から引っ越して来たって忘れてません?つまり、小中と母校は福岡にあります」
「あ、そっか。ごめんごめん」

「じゃあさ、ハヤちゃん。中学時代と前の高校の制服はどうしてるの?」
「取っといてあるよ。こなたと違って「思い出用」にね」
「ああ、そうですか」


「お休みって、過ぎるの速いよね」
「そうね。もう学校だもんね」
「春は身体測定とか体力測定とかあって面倒だよね」

「でもさ。こなちゃんは運動神経が良いからいいよね」
「ねえハヤちゃん、「運動神経」ってどこの神経なのさ」

「体や内臓の筋肉を動かす指令を伝えるための神経の総称だよ。頭は脳神経、体は脊髄神経・遠心性神経だね。体性運動神経は物を持つなど動く時のものだね。内臓運動神経は基本的には自律神経で自然とおこなわれてるね。これはストレスなどの影響を受けやすいのが特徴かな」

「へえ。ハヤテさんって博識なんですね」

ハヤテの解説にゆーちゃんが感心していると

「ハローエブリワン。遅くなったけど、ゆたか卒業おめでとー」
「おお姉さん。いらっしゃい」

ゆい姉さんがいつも通り?テンション高くやって来た。

「今日は卒業祝いって事で、飲みにいこー。おごっちゃうよー」
「お、お姉ちゃん。それは駄目だよ」

「お巡りさん、我々未成年なんですが」
「未成年に飲酒させたとなると、それはそれで大問題ですよ」

「お姉ちゃん、私たちはそう言うお店にはまだ入れないと思うけど」
「だいじょうびだいじょうび。堂々としてればばれないって。私だって学生時代ばれた事無いって」

「いやいや。主にあなたの身内のせいでばれますって」
「ばれなかったらそれは相当な奇跡ですって」

常識人2人(かがみとハヤテ)は呆れツッコミを心の中で入れていた。


かがみ達が帰った後

「ねえお姉ちゃん、お姉ちゃんとハヤテさんってさ」
「ん〜!?何を聞きたいか何となくで分かるけど、ハヤちゃんとは友達だよ〜。第一、ハヤちゃんには恋人がいるって」
「そ、そうなの?」

「かがみだよ。付き合って、そろそろ1年経つよ」
「そ、そうなんだ。ほ、ほら。ハヤテさんって、優しくてかっこいいし、博識だな〜ってちょっと思っちゃって」

誤魔化し気味に言ってきたゆーちゃんに

「(ゆーちゃんまさか。いやいやあり得ないって。ハヤちゃんが天然ジゴロだったとしてもね)」


                    × ×


別の日。

『もしもしこなた。どうしたのさ』
「いやさ〜。「姉としてのプレッシャー」が分かるようになってきてさ」
『へ!?もしかして、ゆたかさん絡み?』

「そうそう。ゲームやってたり、チャットやってたり、料理してたりすると尊敬の眼差しを向けられてねえ」
『ああ、そう。まあ、頑張ってとしか言えないよ。って事はさ、お昼は今まで通りにはいかないよね。こなたの事だから「お昼はお弁当作ってるのか?」っと聞かれて「うん」って答えそうだし』

「そうなんだよね。まあ、ゆい姉さんを見てると、人によりけりなんだけどさ」
『そう思うなら、こなたは頑張んなよ。勉強以外でも反面教師は嫌でしょ?』

「そうだね。でさ」
『な、何!?』
「なんでも無いよ。気にしないで」
『ああ、そう』

「(確証無いからね〜。まあ、あっても言うだけ無駄かな)」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月21日更新) ( No.19 )
日時: 2015/12/21 00:59
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」

今回からこれで行きます。あ、ツッコミはハヤテとかがみです。


                  × ×


ある日の朝早く。つかさ、かがみ、ハヤテ、こなた、みゆきさんは長い行列の割と前の方に並んでいた。

「いったい何の行列なのよ」
「ゆきちゃん知ってる?」
「さあ」

「ハ〜君は?」
「まあ、知ってますよ。多分ですけど」
「ハヤちゃんの予想は当たってると思うよ」

ハヤテの予想通り?あるライブの抽選会であり、こなたは少しでも当選確率を上げるために友人達を誘ったのであった。

「こういう言う事ね」
「うう〜、はずれたよ〜。かがみん〜」
「私もはずれよ」

「あ、あの。当たりました」
「私も〜」
「あ、僕も当たりだ」

こなたはつかさとみゆきさんの手を握り

「心の友よ〜」

「私は?」
「まあまあ。僕なんか当たったのにほっとかれてるし」
「全く」


そしてライブ当日

運悪くこなたの前の人は背が高く、音声は届いているがステージは見れなかった。

「こなた、替わるよ。ここなら十分見れるから」
「悪いね〜、ハヤちゃん。おお〜」

替わってもらったことでこなたはステージを見れた。

そしてライブも無事に終わり。

「凄かったね〜」
「感動しました」
「最初に出てきた人、かっこよかったね〜」

「つかささん、少しマニアックですね」
「そ、そうかな?」
「ん!?こなた、随分静かだね」

「ん!?うん」
「祭りの後の脱力感、って感じね。私も感動しちゃったし」
「それか、燃え尽きちゃったとか?」

「分かんない。なんなんだろう、この気持ち」

「そう言えば。ハ〜君、ナギちゃんは?」
「興味はあるが、あんな人が集まる所に行けるか!!らしいです。誘ったのですが」
「ふ〜ん」


                    × ×


こなたは桜散る中で天を仰ぎながら寝ころんでいた。

「こなちゃん、そんな所で寝てると汚れちゃうよ」
「ん〜!?」

こなたは立ち上がり

「桜が満開になったって事でお花見に来たけど、かがみは?」
「デートだって。朝出掛けて行ったよ」
「お花見デートか。青春してるね〜」


一方。

「綺麗だね」
「ええ。幻想的ね」

ハヤテとかがみは桜の花弁が舞う中、デートしていた。

「そう言えばさ、夏祭りの時の金魚ってどうしてるの?」
「あ、それは。実は可愛がり過ぎて、大きくなりすぎちゃって」
「かがみ、人間もだけど、太り過ぎは良くないよ。可愛がるのは大切だけど、限度ってもんが」

「わ、分かってるんだけどね」
「まあ、幸せ太りだと思うから、そう言う意味では良い事かもね。でもねえ」
「そうね。ダイエットさせようかしら」

「そうだね。あ、そう言えば。最近お嬢様が「可愛がってたペットが人間に転生して・・」みたいなアニメにはまってるんだよね」
「ナギちゃんマニアックなのね。 ってそれを考えたらやっぱり」

「ま、まあ。どう可愛がるかはかがみ次第だよ」


こなた達は。

「お花見ってさ、明日行こうかな?それとも明後日かな?とか思ってると、雨とか降って散っちゃうよね」
「だよねえ。おや?」

「え!?ど、どうしてここに?」

歩いていたら、かがみ達と合流してしまった。

「へ〜。かがみん達はここでデートしてたんだね〜」
「私達はお花見だよ。でもまさかお姉ちゃん達と同じ場所選ぶなんて」
「偶然ですね」

「やれやれ。折角こうやって集まったし、後は皆で回りましょ」
「良いの〜?ハヤちゃんとデート中でしょ〜」
「良いのよ」

皆で回っていると、辺りが暗くなってきた。

「結構寒くなってきちゃったね」
「あ、じゃあこれどうぞ」
「え!?いいの?」

ハヤテは着ていた上着をつかさに羽織らせていた。

「僕は平気なので」
「ム〜」
「ね、ねえハヤちゃん。夜桜見物ってさ、昼間の格好で来ると冷えちゃうよね」

嫉妬するかがみに気付き、雰囲気が悪くなる前にこなたが話題を振った。

「そうだね」
「座ってるとお尻冷たくなっちゃうもんね」
「3月の平均気温は12月の平均気温と同じくらいで、4月は11月と同じくらいだと聞いた事が有りますよ」

「うう〜。11月とか12月だと絶対もっと厚着するのに」
「昼間が温かいと、油断して上着などの寒さ対策を忘れがちですからね」
「ハヤちゃんの言う事以外にも、冬物に飽きちゃってるってのもあるだろうね」

「それ以外にも、早く春になってほしいというのもあるかもしれませんね」
「そう言えば、かがみん元気だね。若しかして」
「ああ。かがみには合流する前にカイロ渡しておいたんだよ。念のためにってね」

「へ〜。私はてっきり毛糸の」
「穿いてないわ!!」
「ほほ〜う。 「安心してください。穿いてないですよ」か」

「こなた。小説の時間軸とずれるから止めなよ」

帰宅後、かがみは飼っている金魚に餌をあげようとしていた。

「これくらいにしておこうね、ぎょぴ」

少な目に餌をあげた事で、ねだっているように動いたので

「分かってよ。太り過ぎは良くないのよ。あんたと少しでも長く一緒に居たいんだからね」
「(お姉ちゃん、可愛がってるんだね)」


                     × ×


「うう〜ヒリヒリする。俺って肌結構デリケートなんだな。この時期辛いよな〜」

そうじろうが花粉症で辛い様だ。

「大変だね」
「俺ほとんど家にいるのに」
「ハヤちゃんに花粉対策グッズ聞いておいたから、試してみたら?」

「そうだな、よしっ。  変身!!」

そうじろうはかっこよくポーズを決め、マスクとゴーグルを装着した。

「成程。これならばっちりだ。花粉99%カットだぜ」
「うわ。中身以外にも外見まで怪しくなったよ」
「ええ"!?」

「警察沙汰だけはホントに止めてね。身内に逮捕者がいるとゆい姉さんにまで影響及ぶんだから」

で、

「買い物行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「一緒に行くか?」

「いかない。  って、その格好で行くの?」
「当たり前だろ」

そうじろうはこなたが「怪しい」と引いた格好で外出しようとしていた。
結局そのまま出ていき

「ねえゆーちゃん」
「何?」
「この時期ってさ、花粉症を装った強盗って増えそうだよね」

「う〜ん。確かにいそうだね。ハヤテさんに聞けば、居たかどうか教えてもらえるかも」
「確かにね。ハヤちゃん博識だし」

因みに、家の外ではそうじろうがゆい姉さんに止められていた。

「(ここでハヤちゃんの名前を出すあたり、気になる存在になってるんだろうね)」

こなたは自室に戻ると、

「ねえかがみん、大事な話が」
『な、何よ』
「ハヤちゃんがさ、「かがみと別れたいんだけど、どう切り出したらいいかな?」って言ってたよ」

『う、嘘』
「ぬっふっふ〜ん。エイプリールフールの嘘だよ〜」

こなたが嘘だと伝えると、少しの間の末

『あんたね!!!!!!!!!嘘ついていい日だからってついていい嘘と悪い嘘があるでしょうが!!!!!!!!!!!!』

電話越しだったが、吹き飛ばされそうな覇気を感じ、こなたは受話器をできるだけ離して耐えた

「ごめんごめん。でもさ、ハヤちゃんがそんな事言う訳ないじゃん。それくらい考えなよ」
『うるさい!!!!!!あんたが言う資格ないだろうが!!!』

また怒鳴られ、一方的に電話を切られた。
その直後、電話が鳴り

「もしもし泉ですけど」
『黒井言います。泉さんのお宅でしょうか?』
「あ、先生」

『すまん泉。借りてたゲーム、お前のセーブデータに上書きしてもうた』
「うげ!?」
『アッハッハッハ。やーい引っかかったー。エイプリルフールの嘘やー』

「(いたよ。私以外にも嘘つくためだけに電話する暇人)」

こなたは呆れる一方、沸々と騙された怒りを感じ。

「先生、ハヤちゃんが「黒井先生の教え方じゃあ駄目だね。自分でやった方が身のためだよ」って言ってましたよ」
『ほう。あのがきゃ優しそうな外見に反して毒舌やったんか』
「あの、先生? 嘘ですよー」


                   × ×


こなたが黒井先生と嘘つき合戦をしている一方。

「こなたが態々嘘つくために電話してきたのよね」
「それでお姉ちゃんさっき怒鳴ってたんだ」
「つかさは誰かに嘘ついたの?」

「う、うん。ついたよ」
「へえ。誰にどんな嘘を?」
「え、えっと。今の。「嘘をついた」っていうのが嘘だったんだけど」

「分かり辛いわよ。そう言えば、ハヤテが教えてくれたのよね。外国では、地域によって「嘘をついていいのは午前中だけで、午後にはネタばらしをしないといけない」って」

「そうなんだ。こなちゃんの嘘ってどんなのだったの?」
「ハヤテが別れたがってるとかなんとか。全く、嘘で済んだとはいえ」
「そ、そうなんだ。で、でもさお姉ちゃん、私が言うのもあれだけど、ハ〜君が別れ話を切り出すはあり得ないんじゃ」

「それはそうなんだけどね。冷静に考えられなかったのよ」
「そ、そうだよね。お姉ちゃん、仲良いもんね」


                   × ×


一方その頃。

「なあ、ハヤテ。大事な話がある」
「何でしょうか?」
「今度、新しい執事を雇う事になった。だから、お前は首だ」

「そうですか。では、荷物を纏めて出ていきます」
「そうだろう。いきなりでビックリ・・・って、え!?なんでそんなあっさり」
「だって、クビですよね?僕がどうこう言える立場じゃないですよ」

「い、いやそれはだな。今日はエイプリルフールだろ?だからさ」
「(やれやれ。お嬢様は嘘つく時、分かりやすいぐらいの癖を出しますからね。それを見れば一目瞭然ですよ)」


                    × ×


別の日の三千院家。

「問題です。行くの謙譲語は何でしょう」

「簡単だな。「参る」だよ」
「基本問題ですね」
「こんなのが分かんないおバカさんなんていませんよね〜♪」

3人でかの有名な5時間半の生放送クイズ番組を見ていた。

「正解は参るです」

「全く。準備運動にすらならんではないか」
「まあまあ。この手の番組は視聴者でも分かりやすくしてるんですって」

「問題です。海に面していない都道府県は次のうちどれでしょう。茨城県、栃木県、京都府」

「栃木だ。また簡単な問題を」
「まあ、多少はレベルが上がってますね」

「答えは栃木県です」

「やれやれ。面白いとはいえ、間違える馬鹿な視聴者を見てみたいもんだ」
「(そうすれば、徹っ底的に追い詰めるんですけどね〜♪)」

「問題です。数学界の超難問と言われ、天才数学者ワイルズによって証明されたものは何でしょう? ピタゴラスの定理、テイラーの定理、フェルマーの定理」

「間違ってるよ。「フェルマーの最終定理」だよ」
「360年間解かれなかった超難しいやつですね」

「そう言えばさ、「フェルマーの最終定理」って言えば、ある漫画で「証明せよ」って出された事あるよな」
「ああ、ありましたね。出題者に「お前に分かる訳ないだろ!!」って超怖い顔で脅して問題変えさせてましたね」
「あれ面白かったよな。なんかあったけど、最終的には綺麗に纏まったな」
「ですね」


                     × ×


「折角だし、春休み中にみゆきさん家に遊びに行ってみようよ」
「良いわね。遠いから、行った事無いしね」
「確か、みゆきさんの家ってお金持ちなんだよね。でも、僕も行って良いのかな?」

「良いんじゃない?でもさ、みゆきさんの家ってどんなのだろ」
「流石ににナギちゃんの家ほどではないと思うわね」
「ナギちゃんの家って、「大富豪の家」だよね」

面々で勝手に考え

「庭にプールがあったり」
「いやいや。家の周りに警備員がいるんじゃない?」
「いや、もっと普通だろ」

「ペットとかも飼ってそう」
「お金もちと言ったら、大きな犬か、高そうな猫だね」
「いやいや。ハ〜君、私はフェレットだと思うよ」

「ハヤちゃんの犬と言うのは賛成だね。大きな庭にパラソル」
「犬ならいそうよね」

と、盛り上がり

「でさ、こんな感じに盛り上がったんだけど」
『ハヤテさん含め歓迎ですが、期待しないでください。すみません、ペットも飼ってなくて』

みゆきさんは申し訳なさそうに言うと、

『でも、家には大きな犬もパラソルもありませんが、近所にはそういうお宅はありますよ』

みゆきさんに教えられたこなたはゆーちゃんに

「でさ。その家の子が陵桜に受かったんだって」
「へ〜」
「その子呼んでもらって、ゆーちゃんも行く?」

一方その頃、みゆきさんは、話に出たみなみちゃんに話していた。

「私のお友達の従妹の子が陵桜に入学するらしいんですよ」

「「世間って狭い(ね〜)(ですね〜)」」

離れた場所で同じような話をしていた。


                    × ×


「うう〜。眠いよ」
「昼まで寝る癖つけるからよ」
「まあ、つかささんらしいけど」
「お、こなたじゃん」

かがみが声をかけると、こなたは今にも死にそうになっていた。

「こなた、君までつかささんみたいに眠り癖?」
「いやさ。3日徹夜でネトゲしてて、死にそう」
「こなた。ゲームするなとは言わないけど、限度ってもんを知りなさい。限度を」

「全く。2人して情けないんだから」
「やれやれ。こなた、おんぶしてあげよっか?」
「ほえ?」

「それだったら、学校に着くまでは寝れるでしょ? ってもう高3なのにそれは うわっ」

 がばっ

「助かるよハヤちゃん。おやすみ〜」

こなたはハヤテの背中に飛び乗ると、そのまま寝息を立て始めた。

「全くしょうがないわね」
「冗談のつもりだったのに。まあでも」
「何よ」

「いやね。こうしてると、娘を持った気になるよ」
「こなたの体格考えるとね」
「うう〜。良いな〜」

結局こなたは学校に着くまで起きなかった。

学校に着くと、クラス割りが張り出されていた。
そう、今日からこなた達は3年生だ。

「あ、つかさ、また同じクラスじゃん」
「良かった。ハ〜君も一緒だね」
「え、ええ」

「おはようございます」
「あ、ゆきちゃんも一緒のクラスだよ」
「本当ですね」

「皆、1年間よろしくね」
「お願いします」
「よろしく〜」


一方その頃、ゆーちゃんとみなみちゃんも同じクラスで喜び合っていた。

「同じクラスですね」
「うん」

「あ、1年間よろしくお願いします」
「よろしく」


各々喜ぶ中、

「また、私だけ別クラス。こなたやつかさ、みゆきは仕方ないと思えるわ。でも、ハヤテまで別なんて」
「かがみ」

「さっきからハ〜君が複雑そうだったのは、お姉ちゃんが別クラスだったからなんだね」
「ハヤちゃんとかがみんは仲良いからね」
「仕方ない事とはいえ、可哀想です」

「あ、あのさ。別のクラスになっちゃったけど、僕達の赤い糸は切れないよ」
「ハヤテ」
「元気出して。でないと、僕、泣いちゃうよ」

「ごめんね、ハヤテ。同じクラスになれなかった寂しさは私だけじゃないもんね」
「そう言う事。かがみんもハヤちゃんも元気だしなって」
「先行ってて。自分のクラス探してくるわ」

ハヤテ達は多少の後ろめたさを感じつつ、自分のクラスに向かい、かがみは自分のクラス割りを探しに行った。
すると

「おう、柊。クラス割りどう? おお、また同じクラスじゃん。中学時代も含めると、5年連続か?」
「またよろしくね」

日下部みさお、峰岸あやのに声をかけられ、こう言われると

「え!? あ、あれ!?」

「いるよなー。ああいう自分の目標以外目に入らない薄情な奴」
「まあまあ」
「さながらあたしらは背景ですぜ」

それぞれ自分のクラスに行き、チャイムまでの時間を準備などに費やしていた。

「ねえみゆきさん、クラス割りの基準ってどんなのだろ」

「成績が偏らないようにするとか、親類縁者はなるべく分けるとか、問題のある生徒はなるべく分けるようにしてるとかは、聞いた事ありますね。学校によって差はあると思いますが」

「でもさ、漫画とかだと問題のある生徒って、たいてい一つのクラスにまとまってるよね」
「盛り上がりますからね」
「でもさ。高校って、おんなじレベルの人達が集まってるはずだし、特別問題児都会なさそうだけどね」

「こなた、こういう場合「問題児は君だ。そこを自覚しろ」ってツッコミ入れた方がいいの?」
「そうね。ハヤテの言うとおりね。みゆきまで問題視されるわよ」
「かがみ。元気になってよかったよ」

「引きずっててもしょうがないしね」
「だね」

チャイムもなり、

「先生遅いですね」
「そうだね。どうしたのかな?」

ハヤテとつかさが心配していると

「皆席つけー」

黒井先生が大慌てで駆け込んできた。

「よしっ、ギリギリセーフや」
「(この場合、「アウトですよ」ってツッコミは駄目なんだろうな)」

ハヤテは呆れつつこう思っていた。
なぜなら、黒井先生は髪はぼさぼさで、いつもはまとめてあるのに、今日は纏められてなかった。

「担任の黒井や。よろしゅうな。皆学年も上がった事やし、休み気分はアカンでー。 うう」
「先生、保健室に付き添いましょうか?」
「綾崎、心配には及ばんわ。 うう」

まあ、先生も回復し

「勉強せなあかんけど、高校最後の年や。有意義に過ごすのも大事やで。 でや、前期の学級委員は綾崎、お前でええか?」
「僕ですか!?あ、あの。僕は執事の仕事で忙しいので、委員会は余裕なくて」

「そっか。じゃあ高良、頼めるか?」
「あ、はい」

「委員会とかって、一旦引き受けるとイメージがついちゃうよね」
「だね。よっぽどじゃないと、ずっとだね。まあ、みゆきさんに関しては相応しいし、問題は無いよね」
「ありがとうございます。私も嫌ではないので、良いのですが」

「1学期って、先生が決めちゃうことって多いよね」
「知らない人も多いですし、推薦とかもしにくいのかも」
「まあ、黒井先生の場合「みゆきさんのやらせておけば楽」なのもあるんだろうけど」

「泉、聞こえてるで」

こなたはクラス名簿で叩かれた(ツッコミを受けたともいう)。

ホームルームも終わり

「先生髪ぼさぼさだったね」
「でも、私は黒井先生で楽しいクラスになると思いますけどね」
「僕もそう思いますね。黒井先生は今時珍しい「楽しくて良い先生」ですからね」
「だよねえ。クラスのカラーって担任で決まる事もあるからねえ」

こなたが言うと、もう来ていたかがみが

「へえ。じゃあこなたとつかさの怠け癖は担任のカラーに似たのか」
「かがみ後ろー」
「聞こえてるで」


                    × ×


一方その頃、ゆーちゃんたちのクラスでは自己紹介会が始まっていた。

「岩崎みなみです。よろしくお願いします」

「おい、あの子中々可愛いよな」
「いんや。俺、同じ中学出身だが、暗いし、喋らないし、何考えてるか分かんないぜ」

クラスの男子のヒソヒソ話が聞こえたゆーちゃんは

「(本当はとってもいい人なのに。知ってるのは私だけなんだ)」

喜んでいた。すると、担任の先生に言われ、前に出つつ

「(こういうのは最初が肝心なんだよね。よーしっ)」

前に立つと深呼吸し

「小早川ゆたかです。こんななりですが、「飛び級小学生」じゃないですよ」

約2名に毒されたのか、周囲に多少の困惑を与えてしまったようだ。

「さて、学級委員なんだが、 立候補者はいないよな?」
「おい岩崎、中学時代に経験してるんだし、立候補したらどうだ?」
「そうなのか?じゃあ岩崎、頼んでもいいか?」

「あ、すみません。希望する委員があるので、辞退させてください」
「そうか?経験者がやるのが1番なんだがな」

ゆーちゃんはみなみちゃんに話しかけた。

「あ、あの。何の委員を希望してるの?図書委員?」

みなみちゃんは暫く黙った後

「保健委員、なんだけど」
「先生、私が学級委員やります」

心中を察し、ゆーちゃんは立候補した。


                    × ×


「春ってさ。何かが始まるような気がしない?新しい出会い、新しい生活、新しい恋。幼馴染のあの人と、憧れの先輩と、まさかのまだ見ぬあの人と。少しの不安と大きな期待、マジで恋する5秒前。ってな感じの爽やかなイメージあったけど、実際は違うよね。知らない人と一から出会うなんて鬱だし」

「こなた、現実を見ているようで見てないよね。某恋愛シミュレーションゲームじゃないんだから、こなたの言う良い出会いなんてそうそうないって。まあでも、僕はかがみと言う最高の出会いがあったけど」

「な!?もう、バカーーー!!!/////////////////////」


                    × ×


「お姉ちゃーん」
「おお、ゆーちゃん」
「あ、ハヤテさん。こんにちは」

「こんにちは、ゆたかさん。おや?そちらは?」
「もしかして、例の?」
「うん。前に話した助けてくれた人」

「おお、会えたんだ。初めまして」
「初めまして」
「ああ、僕も?初めまして、綾崎ハヤテです」

「岩崎みなみです」
「お話はこなたから伺ってますよ」
「お姉ちゃん話したんだ」

「まあね。良い話だったし」
「あ、でさ。私の言ったとおりだったでしょ?絶対に受かるって」
「良かったですね。神様は、ゆたかさんの味方だったんですよ」

「ハヤテさん///////」

「水を差すようで悪いけど、合格できたとしても、入学しなかった可能性もあったの見落としてたでしょ?」
「こなた、そこは触れないのがマナーなの。 ところで、お2人は何か用事があったのでは?」

「あ、そうでした。お姉ちゃん、保健室ってどこにあるの?これからお世話になるだろうし」
「保健室ね〜。どこにあったっけ?」
「やれやれ。僕がご案内しましょうか?」

「良いんですか?」
「人のお役に立つのが、僕の使命ですから」
「じゃ、ハヤちゃん頼むよ」


「おいおい。2年も通ってて、保健室分かんないって」
「だってさ、かがみん。それは2年間健康に過ごせてたって事じゃん」
「健康診断で行っただろ」

「そう言えば、私美術室行った事無いかも」
「音楽選択ですと、行く機会ありませんもんね。私は柔道場に行った事が有りませんし。ハヤテさんはどこかあります?」

「まあまあありますね、「場所は把握してるけど、行った事が無い場所」は。僕はつかさんとは逆で、音楽室に行った事ありませんし」
「そういやハヤちゃんの絵って話題になったよね。男なのに超可愛い絵って事で」
「それ、褒めてるの?」

「一応はね。まあ、私は茶室に行った事無いよ。存在自体知らんかったし」
「同じ学校に3年間通っててもね〜。用がある所にしか行かないって」
「本来はそうだと思うよ。違ったら、よっぽどの暇人か、探検好き、もしくは色々な事情で家に帰り辛いとか」

「そ、そうだよね。私は自習室あまり行かないな。ハ〜君は行くでしょ?勉強家だし」
「ええ、まあ。テスト前や、家での勉強不足の時には」
「ふっふ〜ん。ハヤちゃんや、私も行くのだよ、自習室」

「へ〜、あんたが?意外ね」
「こなたの場合、「静かだから寝るのに最適」って感じの理由でしょ」
「あったり〜」

直ぐに肯定したこなたに、ハヤテもかがみもため息をついた。

「そう言えば。さっきハヤちゃんとゆーちゃんを試験の時助けてくれた人と会ったんだけど、同じクラスになれたんだって。奇跡だよね」
「奇跡っていうか、僕の場合、それは「運命」って思うけどね」

「運命か。ハ〜君ロマンチストだね。 っという事は、こなちゃんやゆきちゃん、転校してきたハ〜君と出会って仲良くなれたのも、運命なんだろうね」
「え、えっと。じゃあさ、私がハヤテと出会って、恋人になれたのも運命よね」
「それはきっとじゃなくて、絶対だよ、かがみ」

「ここでこうして皆さんと一緒に過ごせるのも、あと1年なんですよね」

「1年か。長いようで短い、そんな時間ですね」


                     × ×


「っと言う訳で、この問題の答えはBや。 これ泉、寝るなや」
「ぽちゃまけ」
「何の夢見てんねん」

「いや〜。私も必死で睡魔と戦ってはいるのですが、奴らは強くて」
「ほう」
「睡魔と言うモンスターは強いんです。滅茶苦茶に強い癖に「逃げる」と言う選択肢を与えてくれないんです」

「こなた、先生に対して力説しても仕方ないでしょ」
「綾崎の言う通りやで。 これで眠気覚ましになったやろ」

黒井先生にきつい一撃を貰い、こなたは涙目になりつつ

「ハヤちゃん〜。君は居眠りしないよね〜。コツ教えてよ〜」
「へえ。執事しとる綾崎のコツとやら、ウチも興味あるなあ」
「先生、授業中ですよ」

「細かいこと気にすんなや。で?」
「僕の場合、黒井先生の授業含めて「楽しい」って思うからですよ。こなただって、好きなゲームしたり漫画読んでるときは、眠気なんか感じないでしょ?」

「成程なあ。授業楽しんでくれてるっちゅうのは先生も嬉しいわ。泉も見習わんかい」

授業に戻った黒井先生に対しこなたは

「私はハヤちゃんの真似なんかできないよ〜。他にコツは〜?」
「こなたの場合、夜更かししすぎだよ。30分でも1時間でも早く寝れば?」
「うう〜。努力します」


                    × ×


授業が終わり、休み時間。

「そう言えばさ、かがみ」
「何よ」
「かがみんってさ、ハヤちゃんとキスした事あるの?」

「ぶほっ!!!い、いきなり何の話題よ!!」
「だってさ、ハヤちゃんとかがみが恋人になってもう1年でしょ?したのかなって純粋な興味だよ」
「そ、そう」

「で?したの?」
「そ、それは。まだ、だけど」
「ええええ!?1年も付き合ってるのに!?デートも何回もしてるのに!?」

「う、うるさいわね!!そ、そう言うのはまだ早いかなって、思って」
「あのさあかがみん、「大人の階段」がまだ早いっていうのは納得だよ。でもさあ、キスはね〜」
「で、でも」

「ま、ともかく。ハヤちゃんが嫌がったのなら、話は別だけど、した方がいいよ、キス。じゃないと、本当に恋人同士なのか怪しく見えてきちゃうし」
「わ、分かったわよ。1年経つし、これからの事も踏まえて、真剣に考えておくわよ」
「そうそう。あ、結果の報告はいらないからね〜」

「ん!?何の話?」
「気にしない気にしない。ハヤちゃんには、近いうちに分かると思うし」
「ああ、そう。まあ、干渉はしないけどね」


「(キス、か。ハヤテはどう思ってるのかしら)」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回、割と重要。かも、です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月21日更新) ( No.20 )
日時: 2015/12/21 21:49
名前: ささ

ご無沙汰しています。
らき☆すたは正直知らないのですが(この小説をみてWikipedia講師に訊きました)
マリアさんのブラ…(間違えた、的確)な言動やかがみという天然のツンデレと
ハヤテという歩くかがみ嫉妬させ機…どうなることやら、楽しみにしています。
あっ、そうだ漫画とかでありそうなネタで姉妹で同じ人を好きになって…なんてあるけどつかさは大丈夫?
尤もナギとこなたの嘘は嘘に見えないって。(真に受けたハヤテを見たナギが慌てた姿はマリアさんにとって嬉しかったのでは?)
ハヤテの場合ナギの執事を首になったら鷹宮神社に住み込みで就職になりそうな気がする。
ハヤテ、エイプリルフールにかがみに嘘をつくとしたらどんな嘘をつく?

ハヤテとかがみが白皇に在籍していたら、ナギの手によって二人は離れ離れになりましたってなりそうですよね、マリアさん。(あっ、ナギはHIKIKOMORI(一応not in education,employment or trainingではないからね)だから大丈夫か。)
(このカップル、バカップルにならないかなぁ)
次回楽しみにしています。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月24日更新) ( No.21 )
日時: 2015/12/24 01:27
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ご無沙汰しています。

 感想ありがとうございます♪

 >>らき☆すたは正直知らないのですが(この小説をみてWikipedia講師に訊きました)

 そうでしたか。態々ありがとうございます。

 >>マリアさんのブラ…(間違えた、的確)な言動やかがみという天然のツンデレと
  ハヤテという歩くかがみ嫉妬させ機…どうなることやら、楽しみにしています

 マリア「あらあら♪私は普通ですよ〜♪あらあら♪」

 かがみ「べ、別に私はツンデレって訳じゃ」
 こなた「十分ツンデレだって。 まあ、ハヤちゃんはジゴロだからね〜。かがみんからすれば大変かも」

 >>あっ、そうだ漫画とかでありそうなネタで姉妹で同じ人を好きになって…なんてあるけどつかさは大丈夫?

 つかさ「私?大丈夫だよ〜。ハ〜君は友達、もしくは将来のお兄ちゃんだから」
 こなた「あの2人の仲の良さを見ればそんな気はおきんよ」

 >>尤もナギとこなたの嘘は嘘に見えないって。(真に受けたハヤテを見たナギが慌てた姿はマリアさんにとって嬉しかったのでは?)

 こなた「だってさ。どうせつくなら騙せそうな嘘が効果的でしょ?」
 かがみ「こなた?何度も言うけど、ついちゃいけない嘘もあるのよ?」

 ナギ「わ、私の場合はだな、あれくらいが、その」
 マリア「(私からすれば、あのナギも面白かったんですが♪そのまま出て行ってくれた方がもっと面白かったんですけどね〜♪)」

 >>ハヤテの場合ナギの執事を首になったら鷹宮神社に住み込みで就職になりそうな気がする。

 ハヤテ「流石にそう言う訳には。まあ、本当に首になったりしたら、どっか安い所さがして、バイトも学業と両立できそうなものを探しますよ」

 >>ハヤテ、エイプリルフールにかがみに嘘をつくとしたらどんな嘘をつく?

 ハヤテ「僕は大好きなかがみに嘘なんかつきませんよ。なので考えません」
 かがみ「も、もう////////////////」

 >>ハヤテとかがみが白皇に在籍していたら、ナギの手によって二人は離れ離れになりましたってなりそうですよね、マリアさん。

 マリア「それはどうでしょ〜?嫌われたくないからって、そんな事はしないと思いますよ〜」
 ナギ「当たり前だ。やるとしたら、ハヤテに私の方が魅力的だと分からせる位だ」

 >>(あっ、ナギはHIKIKOMORI(一応not in education,employment or trainingではないからね)だから大丈夫か。)

 マリア「そうですね〜♪学校もたまにしか行きませんし〜♪」

 >>(このカップル、バカップルにならないかなぁ)

 こなた「いやいや。半分バカップルだって。やたらにイチャイチャしないだけで」
 つかさ「だ、だよね。デートもしょっちゅうしてるし」

 >>次回楽しみにしています。

 ありがとうございます。頑張ります。  感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月24日更新) ( No.22 )
日時: 2015/12/24 01:33
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                   × ×


「ぬっふっふ〜ん。かがみにハヤちゃん、おはよ〜」
「おっす」
「どうしたの?ご機嫌だね」

「私もついに携帯を新しくしたのだよ」
「へえ。じゃあこれからは色々と楽しめるようになったのね」
「まあねん。因みに、着信音は既にお気に入りに設定されてあるのだよ」

こなたが設定してある着信音を流すと、割とマイナーな曲だった。

「流石と言うべきか。その筋の人にしか分かんない曲をチョイスするなんて」
「でしょ?でもさ、ハヤちゃん。サビに入る前に電話に出なきゃいけないし、かといって待ってると切られちゃうしで、意外とストレスなんだよね」

「だったら違うのにすればいいでしょ」
「そう言えば。ハヤテはどんな着信音なのよ」
「僕?「着信音1」だよ。ピリリリ〜ってやつ」

「ハヤちゃん渋いね〜。まあ、ハヤちゃんらしいけど」


                    × ×


ある日。

「えっと。お姉ちゃんとおじさんに頼まれた物はこれで全部かな?」

ゆーちゃんはこなたとそうじろうに頼まれ、買い物(全年齢対応の漫画)に来ていた。

「さ、早く帰ろ」

「ようよう、そこの彼女」
「え!?」

声をかけられ、振り向くとガラの悪そうな男たちが数人いた。

「君1人?俺たちと遊ばない?」
「あ、あの」
「その制服、陵桜のだね。あんな名門校、俺たちじゃ無縁だよな」

「あ、あああの」
「大丈夫。俺たち、ロリコンでもあるだから。乱暴したりしないって」
「い、嫌です」

「そんな事言わずにさ〜」

からまれ、ゆーちゃんは

「(ハヤテさん、助けて)」

「さ、行こうぜ」

ガシッ

「あん?」
「何してるんですか?」

ゆーちゃんの肩をつかもうとしたリーダー格の男の腕をハヤテがつかんで止めた。

「は、ハヤテさん」

「なんだてめえは」
「この子の知り合いです」
「ッチ。見て分かんねえのか?ナンパだよ、ナンパ」

「僕の目には嫌がっているようにしか見えませんが?」
「関係ないだろ。痛い目見てえのか?あん?」

男がハヤテを睨んだが、

「お、おいてめえら。行くぞ」
「へ!?あ、ちょっと」

逃げるように去って行ったリーダー格の男に仲間はついて行き

「な、なんで止めるんです?」

「あいつはやべえ。握力もすげえが、何よりあいつの目だ。まるで「お前たちを殺すのに、こちらは何の躊躇も無い」っと言わんばかりの目だった。実際はそんな事無いだろうが、底知れない恐怖を感じた。あいつには手を出さない方が賢明だ」


一方。

「全く。あ、大丈夫でしたか?」
「は、はい」
「ああ。怖かったんですね」

「こ、腰が抜けちゃって」
「えっと。じゃあ」

ハヤテはゆーちゃんをおぶった。

「あ、あの」
「嫌でした?もう高校生ですからね」
「そ、そんな事は。迷惑じゃ」

「そんな事ありません。家まで送りますね」
「は、はい/////////////////////////」

ハヤテの背に揺られ、ゆーちゃんは

「(ハヤテさんの背中、優しくて温かいな。それに、さっきはかっこよかったな)」


少しし

「ん!?ゆたかさん?」

ふと気になりおぶってるゆーちゃんを見ると、幸せそうな寝息を立てていた。
ハヤテをそれを見ると、父親のような顔つきになり、泉家に出来るだけ急いだ。


「ん!?ハヤちゃんじゃん。お〜い」
「シッ」
「ほえ? ってゆーちゃん」

帰宅したこなたがハヤテを見つけ、声をかけると静かにするように言われ、近付くとゆーちゃんがハヤテの背中で眠っていた。

「ど、どったの?」
「説明するよ。でも、今は」
「ゆーちゃんを部屋に運ぶのが優先だね。上がって」

ハヤテは泉家に上がり、ゆーちゃんを部屋のベッドに寝かせると、居間に通された。

「で、どったの?」
「実は」

「そうだったの。ハヤちゃん、ゆーちゃんを守ってくれてありがと」
「僕は当然のことをしただけだよ」
「全く。幾らゆーちゃんが可愛いからって、けしからん」

「ホントだよ。ハヤちゃんがいなかったらと思うと」
「そうだね。じゃ、僕もう帰るよ」
「そんな。お茶でも飲んでってよ」

「遅くなると、お嬢様を怒らせちゃうよ」
「そっか。ハヤちゃん、改めてありがとね」
「ありがとな」


                      × ×


陵桜にて昼休み中、こなたのからかいにかがみが怒り気味でツッコムと、かがみの電話が鳴り

「はい、柊です。 ああ、家電の癖よ。で?」
「凄いねえ。直前まで私に対して怒りをぶつけてたのに」
「別に普通なんじゃない?直前に何かあったとしても、電話の相手に感情をぶつけないでしょ」

「あ、いえ。ハヤテさん、うちの母はこの間」


「ただいま戻りました」
「アー、もう。はいもしもし? え?みゆき?」

「はい、こなたちゃんから電話よ」
『あ、あああの。私何か粗相を?』
「あ、いえ。私の母は裏表がないので、怒っているときに電話に出るとああなるんです。どうも、机の角に足をぶつけたみたいで」


「ってな事がありまして」
「あの方らしいというかなんというか。そんな話ですね」
「でもさあ、ハヤちゃん。それって裏表がないっていうのかな?」

「そうなんじゃない?」
「見ての通りの人なので」


「みゆきが物知りでお母さん助かってるわ。分かんない事が有るとすぐに聞けるし」
「お母さんに褒められるが嬉しくて、調べるのが癖になってまして。 今じゃ調べるのが好きだからですけど」
「それはつまり、私の育て方が良かったのね」


「こんな事もあったんです」

「ねえねえハヤちゃん。こういう場合、育て方は関係ないんじゃ」
「ま、まあツッコムのは野暮でしょ」

こなたとハヤテはヒソヒソと話した後

「みゆきさんは、あの人から生まれたってのは本当に間違いないですよね」
「そ、そうですか?」
「DNAは受け継がれるってのが確認できるくらいに」

電話を終えたかがみが戻って来て会話に加わって来た。

「でもさ。みゆきは勉強できるだけじゃなくて、本当にものをよく知ってるわよね」
「そうだね。頼りがいもあって「困った時のみゆき様」ってな具合に」

「ありがとうございます。今は情報源も豊富ですし、色々学べて楽しんです。ハヤテさんも本当に物知りですよね」
「僕も、「知る事の、知識を得る事の楽しさ」がありますから」

「うげー。私には2人の真似は出来ない〜。やる気でなーい。遊びたーい。困った時の人頼みー」
「こなた。少しは自力で努力しなさい」
「ホントよね。一人っ子や長男長女は我儘になるって事ね。 そう言えば、みゆきも一人っ子だったわね。 同じ一人っ子でも人によりけりよね」

「あ、いえ。うちには長女と言いますか、見本となる人がいますから」
「成程。みゆきさんの頼りがいのあるところは、それで養われたんですね」

「家は上に2人も姉がいるから、食事も取り合いになって、逞しくなるのよ。 この前も、すき焼きの時もねえ」
「そう言えば。私がお父さんと話し込んじゃって、お姉ちゃんがお肉譲ってくれたんだよね」

「「姉妹が多い人あるある」だね。僕からすれば羨ましいけど」
「そう言えば。ハヤテに兄妹って居るの?」
「聞いた事無かったね」

「ああ。年の離れた兄さんが1人居るよ」
「お兄さんが?そうだったの」
「まあでも、兄さんは基本的に家にいなかったし、両親も前に話した通り究極の駄目人間だったから、自然と逞しくなるしかなかったんだよね」

「ハヤちゃんのお兄さんって今何してるの?全然聞かないし」
「兄さんは、今どこにいて何をしてるのかも、生死すらも不明なんだ」
「そ、そうなんだ」

「まあでも、きっと生きてるよ。僕と同じでしぶといし」

「そ、そう言えばさ。ゆきちゃんってボーッとすること多いよね」

微妙な空気になりそうなので、つかさは慌てて話題をそらした。

「ボーッですか?」
「ほら、この前も「考え事をしていたらドアにぶつかっちゃった」ってあったでしょ?」
「ああ、ありましたね。その後こなたが「みゆきさんの集中力」についてごちゃごちゃと考えて」

「みゆきらしいエピソードね」
「そうですね。この前も、飲み物を温めていたら、忘れて、温め直して・・を何回も繰り返してしまいましたし」
「集中力が高すぎるのも、考え物ですよね」

「だねえ。そう言えば、みゆきさんっていつから眼鏡かけてるの?」
「小学校の中高学年位でしょうか」
「生まれつきそんなの目が悪かったわけじゃないのね」

「もしかして、勉強のし過ぎとか、ですか?テレビで見る「細かい作業を得意とする人」って高確率で眼鏡かけてますし」
「当たらずとも遠からずですね。小さい頃、寝る前に母が読んでくれる本が大好きで。でも、先に母が寝てしまうので、続きが気になって暗い部屋で頑張って読んでいたら自然と目が」

「成程。みゆきさんらしい理由ですね」
「そうね。まあ、みゆきの所みたいに、親子で仲が良いのが一番よ。最近の子供が淡泊・ドライなのは親の愛情と言うか、スキンシップが足りないのが一因らしいじゃない」

「そう言えば。最後にお母さんにギューッって抱っこしてもらったのっていつだろう」
「つかさは甘えん坊だったから、中学1年までべったりだったじゃない」
「そ、そうだっけ」

「家はいまだにお父さんがぺったぺたひっついてくるよ」
「だからあんたは育ってないのね。・・ん!?どうしたのよ、ハヤテ」

かがみ達が見ると、ハヤテは頬杖をついてぶすっとしていた。

「親の愛情を全くもらったことのない僕からすれば、つまんないなあって」

「「「「あ」」」」

「まあ、気にしてないけどさ」

「ねえハ〜君。ハ〜君に愛情をくれた人っていたの?お、追い打ちかけるつもりはないんだけど、気になっちゃって」
「そうだね。ハヤちゃんって間違いなく「良い人」だよね。普通そんなとんでも環境に育ってたら、ドラマとかじゃ「犯罪を平気で犯す悪い人」になるのに」

「一応は居ましたよ。身内で僕に愛情をくれた人が。兄さん以外で」
「へえ。誰よ」

「父方の祖母だよ。生きている間は凄く愛してくれたし」
「へえ。ハ〜君のおばあちゃんってどんな人だったの?」

「優しくて、とても温かい人でしたね。なんというか、「優しい気持ちになれる」温かさですね。 何というか、みゆきさんに通じるところのある人でした」

「私、ですか?」

「ええ。声も似てますし、安らげるところとかも」
「へえ。素敵な人だったんでしょうね」
「まあね。だから、お婆ちゃんのお墓はあるよ。こっちにね。福岡に引っ越した後もお盆の時はお墓参りしてたよ」

ハヤテは少しの間しんみりした後。

「あ、暗くしちゃいましたね。 そう言えば、そろそろこなたのアルバイト歴も一周年みたいだね」
「ん!?ああ、そうだよ。バイト先の皆がお祝いしてくれるって」

「そう言えば、こなたのバイト先って行った事無かったわよね。今度覗きに行こうかしら、正月の仕返しに」
「あ、いいよ〜」
「良いの?こなた、こういう場合、普通は嫌がるんじゃ」

「見られるのが半分商売だし」
「ああ、そうですか。 あ、そろそろチャイムなるね」
「あ、ほんとね。じゃ、私は戻るわ」

「じゃに〜。来るときは連絡頂戴ね〜」


                      × ×


ある日のデート中。

「ね、ねえハヤテ」
「ん!?何?」
「ハヤテってさ、「恋人同士のキス」ってどう思うの?」

「へ!?なんでまた急に」
「い、いいじゃない。純粋な興味よ。で、どうなのよ」
「う〜ん。まあ、好き同士ならすべきなんじゃない?やたらにチュッチュするのはどうかと思うけど」

「そ、そう。ハ、ハヤテはキスしたいと思う?」
「え!?ま、まあ相手次第だけど」

ハヤテが答えると、かがみは唇をかみしめ、

「ハヤテ」
「え!?」

ハヤテの両頬を両手で挟み、唇を奪った。
それは、唇同士を合わせるだけ、時間にして3秒ほどだったが、「世界一長い3秒」に感じた。

「か、かがみ!?////////////////////」
「嫌、だった?私に突然キスされて//////////////////////////////」
「嫌、じゃないよ。ビックリしただけだよ///////////////////////////」

ハヤテの顔には嫌がってる感は全く無かった。

「言っとくけどね、初めてだからね、私//////////////////////////////」
「そ、そう」
「ハヤテも初めてでしょ?」

「へ!?も、もちろんだよ」
「怪しい。正直に答えなさい」

「え、えっと」

ジ〜ッ

「ごめんなさい。2回目です」
「へ〜。その初めてとやらを聞かせてもらいましょうか?相手と共にね」

かがみは怒っているというか、怖かった。

「前に縦ロール髪の知り合いがいるって言ったでしょ?」
「ああ、そう言えば」

第一話参照で。

「その子だよ。っと言っても、僕が幼稚園のころだよ」
「詳しく教えなさい」

「偶然と言うべきか、まあ色々あってその「縦ロール髪の女の子」と仲良くなったんだよ。その子とは暫くの間仲良くしてたんだけど、その子の都合でお別れする事になってね。で、出発前の挨拶する時に「お別れじゃない。何時か会うから「またね」だ。だから、その約束の握手しよう」って言われて、握手したら、手を引っ張られてキスしたんだ」

「へえ」
「あ、あの。怒ってる?」
「怒ってないわ。ハヤテからしたんじゃなくて、奪われたって分かったから」

「そ、そうですか」
「ああもう、止め止めこんな話。さ、デートの続きしましょ」
「そうだね」

デートをしつつハヤテは

「(そう言えば、あれっきりだけど、元気にしてるかな、アーたん)」


                     × ×


また別の日。

「あ、もしもし?今最寄り駅から出たところよ。 え!?はいはい、分かったわよ買ってあげるわよ。 分かってるわよ。は〜い」

かがみが電話を切ると

「こなた大丈夫だって?」
「ええ。でも、買い物を頼まれたわよ」
「直ぐに分かりますでしょうか?」

「僕がいるので、大丈夫ですよ。で、後日のポイント加算用のハンコを忘れないでって言われたんでしょ?」
「ええそうよ。じゃ、行こっか」

一行がこなたが指定したお店に行くと

「あ、あの1枚良いですか?」
「え!?あ、あの」

オタクの人がつかさを撮影し始めた。

「駄目ですよ」
「え!?」

「いいですか?撮影時には相手の了承を得る。嫌がってたら撮影をしてはいけない。もしOKを貰えて撮影したら、相手にお礼をきちんと伝える。これが我々の常識です。お忘れですか?」

「すみませんでしたッス。あ、あの1枚だけ、笑顔で」
「え、えっと。1枚だけなら」

「ありがとうございましたっす」

ちょっとした撮影会を終え、店内に入り

「ありがと、ハ〜君。ちょっと怖かったよ」
「いえいえ。僕は常識を解いただけですし。それで、こなたの頼んできた本って?」

「ああ。○○と○○よ」
「じゃあ、こっちだね」

ハヤテの先導で歩きはじめ

「こういうお店って始めてきましたけど、とても広くておろおろしちゃいますね」
「こなたは行けば直ぐに分かるって言ってたけど」
「ハ〜君のおかげで分かるけど、私じゃ迷っちゃうよ」

ハヤテは一行を案内し、割とすぐに買い物を済ませた。

「やれやれ。ハヤテのおかげで分かったけど、タイトル位私達に分かるようにしてほしかったわ」
「まあまあ。こなたらしいじゃん。さ、お店行こ」
「えっと、地図はっと」

「ああ、いいよ。どうせ適当でしょ。「分かるか!!」ぐらいに」

実際、ハヤテの言う通り、超大雑把だった。

「ホント、ハヤテは頼りになるわよね」
「ですね」
「ハ〜君、こなちゃんが働いてるお店、行った事あるの?」

「無いですよ。場所を知ってるだけです」

少し歩き、迷うことなくお店に着いた。

「ここよね?」
「ここの3階だよ」

お店の入り口のドアを開けると

「おかえりなさいませ、ご主人様」
「ああ、成程」

「こちらにどうぞ」

席に案内され、お店のシステムを説明された後、店内を見渡していると、アニメお馴染みの光景があり

「あんなんで商売になってるのか?」
「かがみ、これが仕様なんだよ」

「あんたたち、飲み物何にする!!」

「ちょ、ちょっと待ってよ」

「早くしなさいよ!!遅いと罰金よ、罰金」

「それが客に対する態度か」
「かがみ、ここはそう言うお店なの。だから突っ込まないの」

「私メロンソーダ」

「ただのメニューには興味ありません!!」

「私はミルクティーをお願いします」
「あ、僕もそれで」

「あんたは何にするの?」

「今選んでるじゃない」
「全く。団員にあるまじき遅さね」
「誰が団員か」

「かがみ、そう言う仕様。ツッコミは無しだって」
「そう言う事よ!!団長に逆らうなんて100年早いわ」
「やれやれ。じゃアイスコーヒーよ」

「団長命令よ。待ってなさい」

「やれやれ」
「かがみ、こういうお店に来る以上仕様に合わせなきゃ。ね?」
「はいはい」

暫くすると、こなたが席に来て

「今からステージやるから見ててよ」

ステージが始まり、かがみ達のテーブル以外は大盛り上がりであり、最初は引いていたかがみも笑みを浮かべた。

「この子は留学生で、うちの学校の1年生なんだ」
「パトリシア・マーティンです。よろしくです」
「パトリシアさん、お似合いですね。格好とぴったり合ってますね」

「サンキューネ、ミスターハヤテ」
「え!?僕のこと知ってるんですか?」
「こなたから聞いてるネ」

「ふっふ〜ん。ハヤちゃん、私達CD出してるんだよ。ほら」
「ああ、それ。聞いた事あるよ」
「そ、そうなの?」

「お嬢様が持っててね」
「感想聞きたいネ」
「良い曲でしたよ」

「あんがと。でさ」
「ああ、こなたもその格好ぴったり似合ってるよ。お2人とも可愛らしいです」
「サンキューネ」

挨拶を終え、

「ん!?かがみ、どうしたの?」
「別に」

かがみは明らかに機嫌が悪かった。

「お姉ちゃんヤキモチ妬いてるんだよ。ハ〜君がこなちゃんたちを褒めたから」
「ああ、成程」

ヒソヒソとつかさに教えられ。

「大丈夫だよ、かがみ」
「何がよ」
「僕の一番は、かがみだから」

「フ、フンッ//////////////////////////////そんな事言っても嬉しくないわよ////////////////////////////////」


                     × ×


ある日の休み時間。こなたとハヤテが廊下で話していると

「お姉ちゃーん」
「あ、ゆーちゃん」

「あ、ハヤテさん。この前はありがとうございました///////////////////////////」
「いえいえ。僕は当然のことをしただけですから」

「どうしたの?」
「この前ね、ハヤテさんに助けてもらった事があって。あの時のハヤテさん、かっこよかったんだよ」

「(ゆーちゃんのこの態度。やっぱり)」

「それより、何かご用だったのでは?」
「あ、そうでした。お姉ちゃん、高校生になってからどれくらい身長伸びたの?」
「いんやー高校に上がっても、縦も横もさっぱりでねー」

「ゆたかさん、人間の値打ちは中身ですよ。それにゆたかさんの場合はそのままの方が可愛いですって」
「そ、そうですかね?////////////////////////////////////」

こなたは胸を気にしてるみなみちゃんに

「病まない病まない。需要はあるって」
「そ、そうですよ。男の僕が言うのもあれですが、気にしすぎるってのが一番駄目な場合もありますって」
「・・そう、ですね」

こなたは教室に戻った後、

「つかさとみゆきさんってさ、同窓会ってしたことあるの?」
「私は無いですね。まだ」
「私も無いかな」

「ハヤちゃんは?」
「無いよ。ってか母校が福岡にある僕じゃ参加は難しいかも」
「あ、そう。でさ、「変わってないよね」って褒め言葉って、あるよね?」

「まあね。でもさ、そう言うのって、ある程度年を重ねないとありがたみが分かんない褒め言葉だよね」
「だよねえ。今じゃ悪口に聞こえそうだよ私ゃ」


                    × ×


「ほ〜い。もうすぐゴールデンウイークやけど、休み明けのテストもそうやけど、受験生やっちゅう自覚をもって節度ある休みを過ごすように」

「(ゴールデンウイークか。まあ、僕には何もなさそうだけど)」

「因みにや。合間の平日は、休みにならないで。風邪で休む予定も認めんで」

「(気のせいかな。こなたに言った気がするんだけど)」
「(気のせいだよね。先生が私を一瞬見た気がするのは)」


                    × ×


ある日の調理実習の時。

「ほえ〜。流石ハヤちゃんだね」
「流石の手際だね」
「そ、そうですかね?」

「プロの料理人の方みたいで見惚れちゃいますね」
「いやいやみゆきさん。ハヤちゃんはプロだって」
「まあ、一応執事だし」

「ハヤテさん、色々と教えてもらえます?」
「ああ、いいですよ」

「ぬっふっふ〜ん。残念だねえかがみん、みゆきさんにハヤちゃん取られちゃって」
「う、うるさいわね///////////////////////////」
「ハヤちゃんの手際見てかがみんも見惚れてるんでしょ?」

「か、関係ないでしょ///////////////////////////」
「大丈夫だって。後3〜4年経てば毎日でも見れるかもしれないんだし」
「ま、毎日って。っは」

「ぬっふっふ〜」
「笑ってないで自分の料理に集中してろ!!!!」
「はいは〜い」


                      × ×


ある日の放課後。

「柊ちゃん、助け合いも兼ねて、図書室で勉強会していかない?」
「ああ、いいわよ」

峰岸あやのと日下部みさおがかがみを誘いに来た。

「ああ。試験前って、急にいつもの部活がなくなって、やる事ねえんだよな」
「だから勉強するんでしょ」
「分かってんだけどさ。普段部活してる時間が自由だと、違う世界のような気がして勉強なんか出来ねえんだよね。なんかこう、ふわふわするっての?」

「日下部、この勉強会は半分あんたの為なんだからね」

3人は図書室に移動し、勉強会を始めた。
しかし、ものの数分で

「疲れたー。休憩しようよー」
「早いわよ。目的意識が無いから、長持ちしないんじゃないの?将来の夢とかないの?」
「夢かー。 まあ将来のって訳じゃねえけど、この時期「宝くじでもあたって楽したいなー」とか思わね?」

「峰岸、あいつ何とかしろ」
「まあまあ」

「(全く。少しでもいいからハヤテを見習ってほしいわ。ハヤテも具体的な夢が無いのに、勉強会では1時間とか2時間でも、勉強するのに)」

「あう〜。頭使ったら甘いものが欲しくなったぜ」
「帰ったらこの前作ったクッキー持っていくから、頑張ろうよ」
「ホントか?じゃ頑張るぜー」

「(クッキーか。ハヤテも時々作ってくれるし、あれも定期的に作ってくれるのよね。ハヤテと比べてどうなのかしら? って、直ぐにハヤテが出るわね)」

「ん!?どうした、柊」
「なんでも無いわよ」
「そっか」


                    × ×


ある日。

「ん〜。リラックスできるな〜」

ハヤテはテスト勉強の休憩に、三千院家近くの公園で気分転換していた。

「よしっ、休憩終わり」

約3分の休憩を終え、帰ろうとした、その時

「ハ、ハヤテ、ですよね」
「え!?あっ!!」

声がした方を見ると、黒いドレスを着た女性が立っていた。
ハヤテからすれば、一目でわかる懐かしい人だった。

「アーたん、だよね?」
「ええ。天王州アテネ、アーたんで間違いありませんわ」
「久しぶりだね。10年ぶりくらい、だっけ?」

「ええ。あの時以来ですから、それ位ですわ」

ハヤテもアテネも、お互いに笑みを向けあっていた。
そしてすぐにベンチに座り。

「ハヤテ、今何をやってるんですの?」
「今?執事やってるよ。三千院家でね」
「そう。あ、じゃあ」

「ああ。学校は陵桜に通ってるよ」
「陵桜って埼玉にある名門校の?」
「そうだよ。白皇を進められたけど、僕じゃ通えなくって」

「そう、ですの。あ、私は当主になりましたわ。天王州家の、ね」
「そうなんだ。色々大変だと思うけど、頑張ってね」
「え、ええ。そ、それで、ハヤテ。そ、その」

アテネは少しの間モジモジした後

「ハ、ハヤテ。単刀直入に聞きますが、恋人は、いるんですの?」
「恋人?うん、いるよ」
「え!?いる? ど、どなたですの?」

「同じ学校に通ってる同級生だよ。クラスは隣だけど」
「そ、そう、ですか」
「付き合って、もう1年以上経つよ。デートも何回かしたし、キ、キスもね」

「ハ、ハヤテ。あの時の約束は」
「え!?それなら果たしたでしょ?「再会しよう」って」
「だ、だって。キスなら私とでも」

「あ、あれはアーたんが半ば無理やり」
「そ、そう、ですわね」

俯いてしまったアテネに、ハヤテは首を傾げつつ

「えっと、話は終わりかな?僕、戻って勉強しないと。あそこは進学校だから、テストとか難しいんだよね」
「そう、ですか。私も用事がありますから」

アテネがそう言うと、ハヤテは帰路に着いた。

暫くしてハヤテが見えなくなると、アテネは崩れ落ちるかのように泣き始めた。

「私が、いけないんですよね。その気になればハヤテを何時でも迎えに行けたというのに」

自分に言い聞かせるように言うが、涙は止まらなかった。

「私は、なんで飛び級で卒業したんですの?そうでなかったら、無理やりでもいいから転校してハヤテを奪う算段を立てられたというのに」

アテネは後悔の波が次々に押し寄せて行った。

「ハヤテは、気付いてないんでしょうね、私の気持ちに。こんなにもハヤテが好きなのに、今のハヤテには恋人がいて、その恋人とは、仲が良さそうですわね」

「うう〜、ハヤテ〜」


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月24日更新) ( No.23 )
日時: 2015/12/25 22:14
名前: ささ

かがみは大変だなぁ、将来の伴侶が身内含め他の女の子に優しくする姿に嫉妬したり、過去のキス(高々一回それも幼稚園のころの)に気になったり…。あっ、やっぱり天然のツンデレは貴重だとふと思ったささです。
ハヤテのジゴロはデフォルトか。(つかさが指摘しなきゃ死ぬまで気づかないっか?)
ようやく接吻したか。ところでかがみ、結婚式はやっぱ自分のとこでやるの?(服装は、白装…間違えた白無垢でする?)
でもハヤテの(鉄拳制裁)おかげでこなたに対するかがみの気疲れが減っているような気がする。
心なしかハヤテの前とこなたの前とでかがみの表情に大きな差が…(こなたがかがみを凶暴化にし…違うか)

>>4 でもあったけどかがみってハヤテを困らせるってことには容赦ないね。(きっと身内でも容赦なさそう。)
そして、こなたによるかがみのイメージダウンにつながる発言に対してはハヤテの制裁…
そこだけでもお互い好きあっていることは自明だね(何人たりとも入れさせない桃色空間を二人で形成ってわけだ)
ゴールインは近いと見受けられる、こなたどう思う?(このカップルできちゃった婚とかしそうなイメージだけど)

二人ともお幸せに、そして次回楽しみにしています。思う!


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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月27日更新) ( No.24 )
日時: 2015/12/27 23:18
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>かがみは大変だなぁ、将来の伴侶が身内含め他の女の子に優しくする姿に嫉妬したり、過去のキス(高々一回それも幼稚園のころの)に気になったり…。

 つかさ「ま、まあ。お姉ちゃんはそれ位ハ〜君が好きなんだよ」
 こなた「だねえ。あれ位で機嫌悪くなるくらいだし」

 >>あっ、やっぱり天然のツンデレは貴重だとふと思ったささです。

 感想ありがとうございます♪かがみはあああるべきですね。

 >>ハヤテのジゴロはデフォルトか。(つかさが指摘しなきゃ死ぬまで気づかないっか?)

 ハヤテ「あ、いえ。かがみに対しては、分かるんですよね。・・少しだけ」
 こなた「ま、あれがハヤちゃんだよ。ま、でも、ヤキモチだって少しは分かってたみたいだよ」

 >>ようやく接吻したか。ところでかがみ、結婚式はやっぱ自分のとこでやるの?(服装は、白装…間違えた白無垢でする?)

 かがみ「そ、そんなのまだ分かんないわよ/////////////////////////」
 ハヤテ「そ、そうだよね/////////////////////////////」

 >>でもハヤテの(鉄拳制裁)おかげでこなたに対するかがみの気疲れが減っているような気がする。

 かがみ「そうね。ハヤテがいれば、こなたに突っ込んでくれるし、楽は楽ね」

 >>心なしかハヤテの前とこなたの前とでかがみの表情に大きな差が…(こなたがかがみを凶暴化にし…違うか)

 こなた「いやあ。かがみんはハヤちゃんの前じゃ恋する乙女だしねえ」
 ナギ「だよな。まあ、かがみの奴がああなるのは、こなたのせいも少しはあるだろうな」

 >> >>4 でもあったけどかがみってハヤテを困らせるってことには容赦ないね。(きっと身内でも容赦なさそう。)

 かがみ「さ、流石に身内は。まあでも、こなたは例外ね。あいつは宿題とか自力でやる気を殆ど感じないし」
 こなた「これでも頑張ってるんだけど」

 >>そして、こなたによるかがみのイメージダウンにつながる発言に対してはハヤテの制裁…

 ハヤテ「まあ、つい、ですよ。こなたへの場合、制裁と書いてツッコミと読みますし」
 こなた「ハヤちゃん、あれがツッコミじゃ私の身が持たないよ」

 >>そこだけでもお互い好きあっていることは自明だね(何人たりとも入れさせない桃色空間を二人で形成ってわけだ)

 こなた「あの2人、デート中はそんなんだよ」
 つかさ「お姉ちゃんもハ〜君も、凄く幸せそうだし」
 みゆき「お互いに大好きな証拠ですね」

 >>ゴールインは近いと見受けられる、こなたどう思う?(このカップルできちゃった婚とかしそうなイメージだけど)

 こなた「いんや。その辺2人ともしっかりしてるし、出来ちゃった婚はしないでしょ。ゴールインは割とすぐだと思うよ」
 つかさ「ハ〜君がお兄ちゃんか。待ち遠しいな」

 >>二人ともお幸せに、そして次回楽しみにしています。思う!

 ありがとうございます。 ご期待に添えるか分かりませんが、頑張ります。

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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月27日更新) ( No.25 )
日時: 2015/12/27 23:21
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                     × ×


ある日の陵桜。

「おっす」
「あ、お姉ちゃん」
「やあ、かがみ」

「テストどうだったのよ、3人とも」
「え、えっと。いつも通りで」
「相変わらずボロボロだよ」

「僕は、いつも通りかな」
「ハ〜君は、「優秀な意味で」だよね。いつも通りって」
「だねえ。でさ、テスト期間って、いつもに比べて時間があったけど、気が付くとついいつも通り一夜漬けになっちゃうよねえ」

「あんたはもう少し「受験生」と言う自覚を持った方がいいと思うぞ」
「そうだよ、こなた。「後悔先立たず」って諺を身をもって知りたくはないでしょ?」


                  × ×

別の日の昼。

「そう言えば、昨日のニュースでまたこなたみたいのが出てたわよね」
「ああ。「その手の人が捕まって、自宅を調べたらその手の漫画が押収された」ってやつだね」

「2人とも、私は不公平だと、毎回思うのですよ。その手の漫画は直ぐにやり玉にあげられるのに、良い漫画だって沢山あるのに全然取り上げてくれないんだよね。はあ」

「まあ、それは同意できるよ。でもさ、仕方ないともいえるよ。芸能人だって、「こんな風な良い事しました」って話題は下手すればその日に忘れられるのに、「こんな風に悪い事しました」って話題は下手すれば1年経ってても話題にあげられるでしょ?要は、そう言うマイナスイメージの方が好きな人が多いって事だよ」

「ハヤテの言う通りかもしれないわね。マイナスイメージの方が好きなのかもね、大多数の人が」

「いや〜。ハヤちゃんもそうだけど、かがみもいい人だよね。こうやって擁護発言してくれるし。普通なら、「オタク必死ww」とか笑いネタにするのにさ」


一方その頃、同時刻。1年生の教室

「今朝ね、こなたお姉ちゃんと「姉妹って片方が片方の何かを吸収してる」って話になったんだ。確かに私とゆいお姉ちゃんってそうだなって。私は丈夫じゃないけど、お姉ちゃんは凄く強いし、発育とかもね」

「そうなんだ」

ゆーちゃんに言われ、みなみちゃんは子供のころの自分とみゆきさんを思い返し

「成程。吸収、ね」

自分の胸を触りながら。嘆いていた。


                     × ×


別の日。

「こなちゃん、お誕生日おめでとう。はいこれ、プレゼント」
「おお」
「はい、私からもよ。あげとかないと、色々言われそうだし」

「ふふっ。おめでとうございます。私からもです」
「僕からも、はい。おめでとうね、こなた」
「良いの?ハヤちゃんから貰っても」

こなたはかがみをチラチラ見つつ聞き

「友達に誕生日プレゼントを贈るのに、特別な理由とか無いでしょ。ああ、それと、こっちはお嬢様とマリアさんからだよ」
「おお。後でお礼の電話しておかないと。 で、皆ありがとね」

「祝ってもらえるのは嬉しいけど、これくらいの年齢になると、年とっても嬉しくないわよね」
「そうかな?僕は一昨年まで誕生日なんてないのも同然だったけどね。まあ、気持ちは理解できるけど、僕は嬉しいかな」

「ハヤちゃんの言う通りだねえ。私もすご〜く嬉しいよ」
「へえ。なんでよ」
「運転免許とかとりたいんですか?」

「こなたの事だから、「堂々と18禁のゲームが出来るから」って理由だと思いますよ」
「ピンポンピンポ〜ン。ハヤちゃん大当たりだよ」
「あんたね。今までも堂々とやって来たでしょ」

「確かにね」
「・・フッ」

「年食っただけで、外見も中身も全く変わってないわよね」
「ホントだよ」
「う〜。離せ〜」

かがみに頭をつかまれたこなたは文句を言ったが、かがみは気にせず

「みゆきは年上に見られたりするんじゃない?」
「ゆきちゃん大人っぽいもんね」
「貫禄がある、とも言えますね」

「え、ええ。実は私服で出かけると、たまにOLさんに間違われる事がありますね」
「ふ〜ん。大学生通り越しちゃうんだ」
「実年齢を考えたら、そこまで行ったら流石にみゆきさんに失礼ですけどねえ」

「こなたの場合、小学生の逆走だけどね」
「ふっふ〜ん。なんと言われようとも、私は今日から大人なのだよ」
「何言ってんだか」

「だね。中身は完全に中学生男子だよ」
「そうね。「良い大人」になったのなら、ゲームや漫画に熱をあげないんじゃないの?」

「かがみ、それは偏見だよ。家の外じゃ何人もの部下を持つお偉いさんでも、家に帰ったら漫画を読みふけったり我が子以上にゲームに熱中する大人だって、絶対って断言できるくらいいるって」

「そう言う事。「子供心」も大事なのだよ」

こなたとハヤテの意見が同じだったことにかがみを嫉妬を感じたが、反論できる材料が無いので、諦めるしかなかった。


一方その頃、ゆーちゃんは自分の教室で紙を切り抜いて何かを作っていた。

「何してるの?」
「これはね、今日こなたお姉ちゃんが誕生日だから、こっそり準備してパーティしようと思ってるんだ。今日はアルバイトだって言ってたから、その間にね」
「へえ」

しかし、こなたが帰りが遅くなるので夕飯はいらないという報告を忘れていたため、無駄になってしまったそうだ。


                    × ×


別の日。

こなた、みゆきさん、ハヤテは柊家に集まり、かがみ、つかさと共に勉強会を開いていた。
テストは終わったものの、受験生だからだ。

「ハヤテさん、ここなんですが」
「ああ。これはですね」

「ハヤちゃん、ここなんだけど」
「そこはだね」

「ねえお姉ちゃん、ここ分かんないんだけど」
「そこはね」

みゆきさんは偶にではあるが質問し、こなたとつかさはほぼ毎回かがみかハヤテに聞いていた。

「うぐ〜っ。疲れたよ〜」
「あんたねえ。まだそんなにやって無いでしょ」
「ま、まあ。こなたにしたら1時間ぶっ通しってのは珍しんじゃない?」

「ハヤちゃん擁護してくれるの?」
「呆れてるだけ」
「チェ〜。まあ、休憩って事で、テレビON」

こなたがテレビをつけると、偶々歌番組だった。

「そう言えばさ。このアイドルの人って最近凄く見かけるようになったね」
「確かにそうね。歌番組でもバラエティでも見かけるわね」
「えっと。確か名前は」

こなたが今歌を歌っているアイドルの名前を思い出そうとしたとき

「へえ。ルカさん本格的にデビュー出来たんだ」
「そうそう。水蓮寺ルカだ。・・・ってあれ?」

「へえ。ハヤテ、あの子とはどういう関係なのかしら?」
「あ、あの、かがみ?顔が怖いんだけど」
「気のせいよ〜。で、どういう関係なのかしら〜」

かがみはハヤテにずいずいっと迫っていた。

「正直に答えなさい〜」
「べ、別に。「中学時代の友達」だよ。ご両親が元芸能人で、娘であるルカさんを「一流のアイドル」にしたくて芸能事務所を立ち上げたんだって」

「馴れ初めを聞こうかしら〜」

「馴れ初めって。中学の時、クラスで孤立してたみたいだから、僕から声をかけたんだよ。最初のうちはちょっとした拒絶があったけど、割とすぐに打ち解けて友達になれたんだよ。僕経由で他の友達も出来たし。ルカさんの両親の話とかは仲良くなって聞いたんだよ。ここまで来たからには打ち明けるけど、家に遊びに行った事もあるよ」

「へえ」
「だ、大丈夫だよ。友達であって、それ以上の関係ではない。だから」
「まあいいわ。信頼しとくわ」


「かがみさん、必死ですね」
「仕方ないよ、みゆきさん。かがみんはハヤちゃん絡みだとああなるし」
「お姉ちゃん、ハ〜君の事大好きだもんね」



一方その頃。

「はあ」
「ルカ、いくら楽屋だからって、アイドルがため息なんかやめなさい」
「あ、ママ」

ハヤテ達が話題にしていたルカがマネージャーをしてくれてる母親に注意を受けていた。

「だってさ、パパとママ、そして私の夢だった「トップアイドルになる」って夢は取り敢えずは叶ったよ。でもさ、こう、「心にぽっかり穴が開いてる」っていうのかな」
「もしかして、例の男の子?中学の時の」
「うん。今何してるか知らないけど、すっごく会いたいんだ」

「全く。その事をマスコミに嗅ぎ付けられないでよ。アイドルは基本的に「恋愛禁止」なんだから」
「分かってるけどさ。はあ」
「やれやれ」

「(ハヤテ君、会いたいよ。再会出来たら、今度こそ私の気持ちを)」


                    × ×


陵桜はハヤテ達3年生は進路相談が始まっていた。

「ウ〜ム。進路希望か」
「夢とかはあるけど、実際考えると難しいよね」
「そうですね。進学となると、選ぶ学部とかでその後の進路にも係ってきますし」

みゆきさんが言うと、こなたはつかさの進路希望の紙を除き

「第一希望が栄養学科で、第二が服飾デザイン科。第三がマーケティング学科。か」
「うん。お料理とかお裁縫するの好きだし」
「つかさらしいねえ。夢を書くなんて」

こなたは感想を漏らし、

「みゆきさんの進路希望は?」
「私は医者志望なので、大学は違いますが全て医学部にしました」
「流石みゆきさん。目的がしっかりしてるね」

「医学部は基本的に難しいですが、みゆきさんなら大丈夫ですね」
「そ、そんな事は。油断大敵って言いますし」
「みゆきさんはよっぽどの油断が無ければ大丈夫ですって」

「ね、ねえかがみん。かがみんの希望は?」

お決まりのジゴロが発動し、こなたは慌てて話題をそらした。

「私は、第一が法学部、第二が経済学部。第三が文学部よ」
「なんだあ。面白くないの」
「面白くなきゃダメか?」
「こなた、大喜利じゃないんだからウケ狙ってどうするの」

「ホントよ。そう言うあんたはどうなのよ」

かがみはひったくる様にこなたの進路希望所を取ってみると

第一が団長、第二が北斗○拳継承者、第三がコンテマンだった。

「こなた、お笑い番組じゃないんだから、ウケ狙ってどうするの」
「ホントね。ってか、「睨めっこ」以外にあんた特技あるの?」
「特技か〜。  あっ、ポ○モン全部言えるよ」

「そ、それは素で凄いな」
「まあ、進路等々には一切影響なしだけど」

「ム〜。そう言うハヤちゃんの進路はどうなのさ」
「やっぱ、気になる?」
「勿論」

こなたがハヤテの進路希望所を見ると

「あれ?これって、かがみと大学も学部も全部一緒じゃん」
「ホントだ。ハ〜君の字で間違いないよね、これ」
「え、えっと。折角進学するんだから、大学もかがみと同じところが良いかな〜って」

「な!?/////////////////////////////も、もう/////////////////////////////////////」

「はいはい。リア充ですね〜」
「リア充?」
「うるさいわね!!!/////////////////////////////////////////////人の進路をどうこう言われたくないわよ!!!!////////////////////////////////////」


                    × ×


また別の日。こなた、かがみ、ハヤテは本屋に来ていた。

「おお、あったあった」

目的のものを取ると、レジに行き

「あんた、いつも雑誌とか買う時下からとるわね」
「上の方のは皆が触ってそうじゃない?だから出来るだけきれいなのが良いわけよ」
「ああ。気持ちは分かるわね」

「そうだね。カバーがかかってないと何となくね」
「そうね。回転寿司で「回っている寿司」じゃなくて「注文してきた寿司」ばかりを取るのと同じ理論ね。回ってるのだと乾いてたりしててね」

「うわっ。かがみんそんな事してるんだ」
「え!?違うの?」
「なんかセコイよ。ね、ハヤちゃん」

「こなた、僕が執事になる前は外食経験が殆ど無いの、忘れてない?」
「あ」
「まあでも、かがみみたいな人は多いんじゃない?なんかヤダってな理由でさ」
「そう言うもんかね」


店の外に出て、かがみが買ったものを見てこなたは

「何時も思うんだけど、かがみってよくそんな字ばかりの本読めるよね。眠くならないの?」
「私のはラノベだからね。漫画と似たような感覚よ」
「確かにね。字だけの漫画って思うし」

「うげ〜。私はそんなふうに思えないよ」
「そう?挿絵もあるし、難しい表現も使ってないから、あんたも読んでみたら?」

かがみに勧められ、こなたは

「い、いやそれは。アニメ化もしてるし、そっちで補完って事で」
「原作には原作の良さがあるのよ」
「それに、こなたは漫画だったらアニメ化しても読むじゃん」

「そうよ。読んでみなさい」
「謹んでお断りします」

「やれやれ。そう言えば、ハヤテも何か買ってたわよね?」
「何買ったの」
「ん!?これだよ」

「うえ〜。参考書じゃん。そんなのよく買うね」
「持ってる参考書じゃ足りない気がしたからね。こなたも買えばいいのに」
「私じゃ真っ白のままと言う結果が見え見えだよ」
「だろうね」


「そう言えばさ、かがみもハヤちゃんもよく本を読んでるよね」
「僕の場合、知識を得ることが楽しいと思う人だし」
「私は、教養を蓄えると、心が豊かになるって思うからよ。心の栄養ってやつ」

「ほう。かがみはその延長で体も豊かに・・アタッ」
「こなた、いい加減懲りようね」
「うう〜。鉄拳制裁〜」

「そう言えばさ。こなたが読んでる雑誌にも連続ノベルって掲載されてるはずだよ」
「い、いやさ。挿絵はチェックしてるんだけどね〜」
「やれやれ。普段愛だのなんだのって人に普及してるけど、こなたの愛はその程度って事?お嬢様はラノベでも読んでるよ」

「ムググ。分かったよ。読めばいいんでしょ」
「そうした方がいいよ。じゃないと、「つまらない愛」とか言われても反論できないしね」


                    × ×


別の日。陵桜。

「ねえこなた、世界史の教科書貸してくれない」
「良いよ。忘れたの?」
「昨日復習したら、机の上に置きっぱなしにしちゃってね」

「珍しいね。じゃあ、僕のを貸すよ」
「ハヤテも置き勉してたの?」
「昨日あんま勉強できなかったから、教科書持ってきてたんだ」

「そうなんだ。じゃ、私の教科書は良いわけだ」
「え、えっと」
「こなたのは借りない方がいいと思うよ。「中学生男子か」ってツッコミ入れたくなるような落書きしてそうだし」

「まさか」
「そのまさかである」

結局、ハヤテに教科書を借りた。

その日の夜。

『あ、もしもしかがみ?』
「もしかして、勉強とかの邪魔しちゃった?」
『平気だよ。で、どうしたの?』

「実はさ、さっき勉強が捗らないからって気分転換しようとしたら、机の上の物落とすは、残ってたはずと思ってた飲み物ないは、買いに行ったらお店が休みでコンビニ行ったら財布忘れたはで」

『マイナススパイラルだね。大変だったね』
「まあね」
『そういう時は、深呼吸をゆっくりするといいよ』

「そうなの。まあでも、ハヤテと話せて気分転換出来たわ」
『ならよかった』


                      × ×


また別の日。

「えっと。これで全部かな」

ハヤテは秋葉に買い物に来ていた。
何故って?ナギの買い物である。

「さて、帰って勉強しないと」

ハヤテが歩きだすと、路地から飛び出してきた人とぶつかってしまった。

「あ、すみません」
「いえいえ。お気をつけて」

「え!?ハ、ハヤテ君、だよね!?」
「へ!?」

突然名前を言われ、困惑した。
目の前の人物は帽子に眼鏡と言った風貌で、ハヤテは見覚えが無かった。

「あ、あの。どこかでお会いしましたっけ?」
「あ、ああ。実は・・・って話してる場合じゃなかった。一緒に来て」

ハヤテは手を引かれ、少し走ると人気のない路地裏に連れ込まれた。

「ここまで来ればもう大丈夫かな」
「あ、あの。僕に何か?」

「そうだった。私だよ、覚えてない?」

そう言うと、帽子と眼鏡を取った。

「ルカさん。お久しぶりですね」
「覚えててくれたんだ。 やった」
「成程。変装して秋葉に来たが、見つかっちゃったって訳ですか」

「うん。漫画買いにね。ハヤテ君と再会出来るなんて夢にも思ってなかったけど」
「そうですね。中学の卒業式以来ですね」
「うん。あ、でさ。折角こうして会えたし、メルアドと携帯番号教えてよ」
「良いですよ」

「ありがと。あ、でさ。ハヤテ君って、今何やってるの?」
「今ですか?執事ですよ。ある財閥のお嬢様に仕えてます」
「そうなんだ。で、でさ。あ、あの」

ルカは少しの間モジモジした後

「ハヤテ君って、今恋人居るの?」
「恋人ですか?居ますよ」
「そ、そうなんだ。 じゃ、じゃあ---------え!?いるの?」

「ええ。もう1年以上付き合ってて、同じ学校に通ってる人です」
「そ、そうなんだ。その恋人さんとは、今でも仲良いの?」
「勿論です。受験生と言う立場上デートは減らしてますが」

「へ、へえ。その学校って、何処?」
「陵桜学園ですよ」
「あ、あの名門校の?凄いね」

「いえいえ。あ、それより、ここに居て大丈夫ですか?ファンの方たちに見つかってしまうのでは?」
「そ、そうだね。じゃ、もう行くね」

ルカは再度変装し、路地裏を出て行った。

「ルカさん、なんであんな事聞いて来たんだろ?恋人がいるかなんて。そう言えば、アーたんにも聞かれたな。謎だ」

「(ハヤテ君、恋人が居たんだ。こりゃ早急に手を打たないと。でも、あんな名門校じゃな)」


                    × ×


別の日の泉家。

ゆーちゃんは自室で寛いでいたところ、こなたに誘われてゲームしに居間に行った。
すると

「あ、ハヤテさん///////////////////////」
「こんにちは。お邪魔してます」
「私が誘ったんだよ。気分転換にって」

「こなたの場合、気分転換に勉強してそうだけどね。まあ、断る理由も無かったので、誘いに乗りました」
「そ、そうなんですか//////////////////////////////」
「じゃ、ゲームしよ」

3人で対戦プレイをしていると、暫くして

「やほー。梅雨だねー」
「あ、ゆい姉さん」
「お姉ちゃんいらっしゃい」

「おー。君も来てたのかー」
「こんにちは」
「梅雨ってジメジメしてて嫌だね〜」

「そうですね。あ、お茶でも淹れましょうか?」
「良いの?」
「ええ。こなた、ポットとか使わせてもらうね」

「どぞどぞ」

「そう言えば、姉さんもうすぐ結婚1周年だね」
「そうだよー」
「そうなんですか。おめでとうございます」

「でもさ、旦那は単身赴任で会えないんだよね」
「そ、そうなんですか。これでも飲んで元気出してください」

ゆい姉さんはハヤテが差し出したマグカップを受け取って飲むと

「あ、美味しい」
「良かったです。お茶も淹れ方次第では味が大きく変化するので」
「うう〜。姉さん人妻だぞ〜」

「口説くつもりはありませんよ。僕、彼女いますし」
「そだったね。でも羨ましいな〜。そう言う人に直ぐに会えるって」
「は、はあ」

「ゆい姉さん、慣れてるんじゃない?そう言う事に」
「慣れてないって」
「こなた、身内なんだから少しは慰めてあげなよ」

「そうだけどさー。ん!?」

電話が鳴り、ゆい姉さんが出ると

「帰って来られるんだー。直ぐ帰るー」

「ほら、慰めなくてよかったでしょ?」
「結果的にそうなっただけでしょ」

「(ハヤテさん、優しいな。お姉ちゃんとはほとんど面識ないはずなのに)」


                   × ×


ある日の下校中。柊姉妹の会話を聞いていたみゆきさんが

「かがみさんとつかささんには、お姉さんが2人もいて羨ましいですね」
「そうですね。僕には兄がいますが、語れるほどの思い出はありませんし」

「そうかしら。ハヤテはともかく、私からすれば一人っ子のこなたやみゆきの方が羨ましく思うけど。ね、つかさ」
「え、えっと。そういう時もあるかも」

「いやいやお2人さん。そうやってキャストが多いと、いろいろできそうじゃない?」
「一応聞くけど、例えば?」

「ハヤちゃんなら分かるでしょ?古きアメリカで出生した父の帰りを待つ母と四姉妹の物語とか、アート専門に狙う女盗賊とか」
「こなた、後者じゃ誰かが余っちゃうでしょ。あれ、三姉妹だし」
「四姉妹盗賊ってのも面白いんじゃない?」

「何でもそっちにもってかないの」
「そうよ。あ、そう言えば、お父さんとお母さんの旅行、今日だったわよね?」
「あ、そっか。今日は私達だけだね」

「へえ。なんか、妙な偶然ですね」
「ハヤテ、偶然って?」
「今日は、お嬢様もマリアさんもいないんだ。本宅に用があってね。つまり、今日は僕1人なんだ。ちょっと違うけど、そう言う意味で偶然かなって」

「そう。1人、なの」
「うん。明後日には2人とも帰ってくるけど」
「ハ〜君、一緒に行かなかったの?」

「お嬢様が「お前は受験生なんだから、こんなくだらない行事に参加するな。こんな地獄、私とマリアだけで十分だ」って言ったので」
「そうなんだ」

すると、考え込んでたかがみが

「ねえハヤテ、今日泊りに行ってもいい?」
「へ?いいと思うけど」
「じゃあ決まりね。つかさ、いのり姉さんとまつり姉さんにはうまく言っておいてね」

「で、でも。着替えとかどうするの?明日も学校あるし」
「着替えならあるでしょ?前に泊まった時に」
「あ、そっか。洗濯するからって置いて行った奴仕舞ってあるや」

「学校の準備なら、明日の分なら持って来てあるわ」
「ならいいか。じゃ、かがみはうちに泊まりだね」
「ぬっふっふ〜。ハヤちゃん、かがみ、今日はお赤飯?」

「違うわよ!!!!!!!」


                   × ×


「ただいま〜」
「遅い。って、かがみは?」
「え、えっと」

姉のまつりに問いただされ、つかさが答えに迷っていると

「もしかして、例の彼氏君の家?」
「えっと、いのりお姉ちゃんの言う通りなんだ。かがみお姉ちゃん、ハ〜君が今日は家に1人だって言ったら泊りに行くってそのまま」

「やれやれ。青春してるやつは違うね〜」

皮肉たっぷりに次女・まつりが言うと

「で、頼んだ買い物は?」
「あ。ごめん忘れてた」
「全く。まあいいわ、姉妹が揃ってないんじゃ腕を振るっても仕方ないし」

「ご、ごめんね」
「良いって」
「つかさ、まつり、冷蔵庫にあるもので済ませちゃいましょ」

長女・いのりの号令でキッチンに向かい、料理を作った。

「じゃ、いただきましょう」
「「いただきます」」

挨拶し、食べ始めようとしたとき

「あ、あれ?お父さんにお母さん」
「どうしたの?旅行だったはずじゃ」

「それがね。予約してたの来週だったみたいなの」
「何その、コントみたいな展開」
「いやあ面目ない」

「フフッ。それより、今からご飯みたいね」
「え!?食べてないの」
「ええ」

「じゃあ皆で食べようよ」
「そうだね。それより、かがみはどうしたんだい?」

「え、えっと」
「例の彼氏君の所よ。外泊だって」
「ま、まつり」

姉のいのりに言われ、父・ただおを見ると、明らかに暗くなっていた。

「そ、そうかい。かがみは綾崎君の所に」
「な、なんかごめん」
「いや、いいんだよ、まつり。それより、晩御飯だね」

その日の柊家の晩御飯は少しだけ寂しそうだったと言う。


                  × ×


一方、ハヤテとかがみ。

「じゃあ夕飯作ってくるからテレビでも見て待っててよ」
「手伝うわ」
「そ、そんな悪いよ。かがみはお客様なんだし」

「手伝いたいのよ。それとも、私じゃ不満?」
「そ、そう言う意味じゃ。分かった、じゃあお願いするよ」

かがみにエプロンを貸し、一緒に料理を作り始めた。

料理が中盤に差し掛かったころ

「な、何よ」
「い、いやさ。こうやって並んで料理してると、新婚さんみたいだなって」
「な!?な、な、な。何をバカな事言ってるのよ//////////////////////////ほら、料理完成させちゃいましょ///////////////////////////////////」

まあ、食事シーン等は割愛し

「かがみ、お風呂沸いたよ。先に入っちゃって」
「ああ、あのさ」
「何?」

「い、一緒に入らない?お風呂/////////////////////////////////////」
「へ!?//////////////////////////////////////////」
「だ、だって。私達付き合ってもう1年以上経ってるのよ。キ、キスもしたし。だ、だから一緒にお風呂も解禁してもいいかなって////////////////////////////////」

「え、えっと////////////////////////////////////////////」
「わ、私とじゃ嫌だって言いたいの?///////////////////////////////////」
「か、かがみが良いなら僕は別に/////////////////////////////////」

「じゃ、決まりね///////////////////////////////////」

結局一緒に入った。

「やっぱり、寝るのも一緒なんだね」
「当たり前でしょ。さ、明日も学校だし、寝ましょ」
「うん。おやすみ」

「あ、待って。んっ」
「お、おやすみのキス、ですか?/////////////////////」

ハヤテはキスされたのであった。

「そ、そうよ//////////////////////////////じゃ、おやすみ」


                   × ×


翌日、陵桜。

「おっす」
「ぬっふっふ〜。新婚さんのご登校〜。ってね」
「な!?バ、バカな事言うんじゃないわよ!!!ただ単にハヤテの所に泊まっただけでしょ!!!!!」

「なんだ。何もなかったんだ」
「当たり前でしょ」
「私はてっきり、ハヤちゃんと風呂に入るくらいはしたと思ったんだけどね」

「え!?」
「あれ〜?その顔は図星〜!?」
「ううう、うるさい!!」

「か、かがみ。落ち着いて」
「わ、分かったわよ」

「これ以上はハヤちゃんに制裁貰うね」
「へえ。分かって来たじゃん」

「そう言えばさ、最近って本とか読む時間へってるよね」
「そう言えばそうね。私も「買ったけど、まだ読んでない本」あるし」

「私もまだ読んでない本枕元にいっぱいあるんだよね。でも、つい新しいのに手を出しちゃうんだよねえ」
「それ少し分かる」
「新しいのを買わずにあるのを読めよ」

「そうだね。勿体無いでしょ」
「でもさあ。新しいのがあると落ち着くというか、物足りない気がしない?」

「私に同意を求めるな」
「僕は少しは分かるけど、やっぱ勿体無いって」

「でもさあ。後で読むって分かってるし」
「ああ、そうですか」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月27日更新) ( No.26 )
日時: 2015/12/30 06:49
名前: ささ

最近かがみとハヤテを見ていると黒井先生が哀しく思えるのは気のせいでしょうか?
かがみ、ハヤテがいて良かったね!(黒井先生に怒られずに済んで)
それはさておき、かがみとハヤテついに一緒にお風呂&一緒に寝る(あっ、それは解禁済みか)を解禁したか!
(ハヤテ1人の三千院家の方がハードル低いからね、でしょかがみ?柊家では当面先かな?)
でも、かがみ卑怯に思える。(ハヤテに「私とは嫌?」って聞いて嫌という訳ないじゃん!そのやり方じゃ[大人の階段を上る]もできちゃうじゃん!)
この流れだと、いつ結婚しても大丈夫だね!
かがみ、希望の結婚式の場所は?
それと、こなたは活字アレルギーって言うわけか!



(ルカさんの件は某写真週刊誌やゲ○ダイに持って行くと面白いかも!)

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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月31日更新) ( No.27 )
日時: 2015/12/31 08:06
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>最近かがみとハヤテを見ていると黒井先生が哀しく思えるのは気のせいでしょうか?

 黒井先生「気のせいや。超・気のせいや」

 >>かがみ、ハヤテがいて良かったね!(黒井先生に怒られずに済んで)

 かがみ「まあね。こなたの借りたらアニメ版みたいになってたかもね」
 こなた「それは私が保証しておくよ。本人が言うのもあれだけどね」

 >>それはさておき、かがみとハヤテついに一緒にお風呂&一緒に寝る(あっ、それは解禁済みか)を解禁したか!

 かがみ「べ、別にいいじゃない//////////////////////だって、もう1年以上経ってるわけだし/////////////////////」
 こなた「ニヤニヤ」

 >>(ハヤテ1人の三千院家の方がハードル低いからね、でしょかがみ?柊家では当面先かな?)

 かがみ「そ、それはね//////////////////ってか家じゃ無理でしょ。両親も、2人の姉もつかさもいるし。お父さん、ハヤテ絡みだと寂しそうになっちゃうし」
 みき「お父さん、だからね。私は良いけど」

 >>でも、かがみ卑怯に思える。(ハヤテに「私とは嫌?」って聞いて嫌という訳ないじゃん!そのやり方じゃ[大人の階段を上る]もできちゃうじゃん!)

 ハヤテ「ま、まあ一理ありますね////////////////////////////////流石に大人の階段はまだ早いって止めますよ////////////////////////////////」
 かがみ「あ、当たり前でしょ/////////////////////////////」

 >>この流れだと、いつ結婚しても大丈夫だね!

 こなた「だよねえ。私からすれば、半分結婚したも同然だけど」
 つかさ「もうお兄ちゃんって呼ぼうかな」
 かがみ「あ、あんたらね〜///////////////////////////」

 >>かがみ、希望の結婚式の場所は?

 かがみ「だ、だから。まだ分かんないって言ってるでしょ!!///////////////////////////」

 >>それと、こなたは活字アレルギーって言うわけか!

 こなた「そう言う訳じゃないんだけどねえ」
 ハヤテ「だよね。ゲームだったら字が大量に出てきても普通に楽しんでるし」

 >>(ルカさんの件は某写真週刊誌やゲ○ダイに持って行くと面白いかも!)

 マリア「あらあら♪何やら楽しそうなにおいがしますね〜♪あらあら♪」

 ま、まあその。  感想ありがとです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (12月31日更新) ( No.28 )
日時: 2015/12/31 08:10
名前: masa

こんにちはmasaです。

今年最後の更新です。

では本編どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                    × ×


ある日の陵桜。

「はあっ」
「どうしたの?」
「あ、岩崎さん。なんでもないよ」

「でも、ため息ついて悩んでるように見えた」
「そ、そうかな?大丈夫だから、気にかけてくれてありがと」
「悩みがあるなら、相談してね。出来る限りになるけど、乗るから」

この友人同士の微笑ましい光景を見て、

「(駄目っす。ただの友達同士の会話なのに腐った目で見ちゃ)」

とか悶える人(ひよりん)がいたそうだ。


                   × ×


ある日の泉家。
かがみ、つかさ、ハヤテは遊びに来ていた。

「お姉ちゃん」
「ゆーちゃん、どったの?」
「楽しそうな声が聞こえたから、つい」

「高校生らしく、無駄話に花を咲かせていたのだよ。どうせなら、ゆーちゃんも混ざる?」
「良いの?」
「断る理由なんかないって」

こなた以外の3人もこなたの言葉に頷いていたので、

「え、えっと。じゃあ」

トテトテ
ストッ

「あ、あの。ゆたかさん?」

ゆーちゃんはハヤテの膝の上に腰を下ろしていた。

「わ、私「お兄ちゃん」と言うのに憧れてて。それで、ハヤテさんは「お兄ちゃん」って感じがするので、甘えてみたくて//////////////////////////」
「成程。僕でよかったら、どうぞ」
「あ、ありがとうございます/////////////////////////////////」

「(ゆーちゃん、やっぱりハヤちゃんに恋しちゃったみたいだね。なんか複雑だな。親戚の姉としては応援したいんだけど、友達としては、かがみんに悪いし)」
「(ゆたかちゃん、ハヤテの事が。で、でも、ハヤテは私の彼氏だから、あげないわ)」
「(ゆたかちゃん、ハ〜君の事好きなんだ。でも、お姉ちゃんとはすごく仲良いから、可哀想だな)」

ハヤテ以外の面々は、この行動でゆーちゃんの気持ちに気付いた様だ。
一方のゆーちゃんは

「(田村さんのアドバイス通りにして良かったかな。寂しさもあるけど、満足だな)」


                  × ×


話は数日前。

「田村さん、ちょっといいかな?」
「私?良いけど」
「え、えっと。ここじゃアレだから、屋上で」

場所を変え、屋上(入れないんじゃないの?ってツッコミは無しで)。

「相談があるの」
「ま、まあ。私でよければ乗るけど」
「実は」

ゆーちゃんは悩みを打ち明けた。

「そう。彼女がいる男性を好きに。そしてその相手は、あのハヤテ先輩」
「うん。いけない事だとは思うんだけど、諦めるって出来なくて」
「漫画とかじゃ「略奪愛」って割とあるシチュエーションだけど、現実にそれをやると色々と問題がね」

「だ、だからその」
「う〜ん。じゃあさ、「兄に甘える妹」みたいな感じで甘えてみたら?」
「兄に甘える妹?」

「うん。でも、これじゃ寂しさと言うか、悩みを増大させちゃうかもだけど」
「ううん。やってみるよ」
「そっか。でもさ、なんで私に相談を?頼ってくれたのは嬉しいけど、岩崎さんに相談すれば」

「岩崎さんには心配させたくなくて。後、田村さんなら何となくそう言う事に詳しそうだったから」
「ああ、そう。まあ、小早川さんが私のアドバイスを実行するかは任せるわ」

こう言う事がありました。


                    × ×


話を現在に戻し。

「そう言えばさ。皆はウエハースチョコって好き?」
「私は、好きかな」
「私も好きだよ」

「私も」
「こなた、何でまた」

ハヤテが聞くと、こなたは袋に入ったまあまあの数のウエハースチョコを取り出し

「はい、これ。あげるよ」
「サンキュー」
「わ〜い」

それぞれ食べ始めた。まあ、ゆーちゃんが膝の上に座ってるハヤテは、取ってもらってだが。

「まだまだあるよ〜」
「ちょっと待て。なんでそんなにあるんだ」
「いやさ〜。食玩なんだけど、ああいうのって欲しい物が中々出ないでしょ?だからつい大人買いを」

「いるよな〜。景品ばかりに目が行ってお菓子を蔑ろにするやつ」
「こなた、食べきれないと思うんだったら開けないの。買わないか」

少しすると

「うんと、キツネでしょ、イヌにリス」
「いきなり何よ」
「いやね、皆を動物に当てはめたら何かなって」

「成程。こなたの考えは?」
「私は悪戯好きだからキツネ、つかさはイメージ的にイヌ、ゆーちゃんは小動物チックだからリス」
「成程ね。さしずめ、私は虎か狼か?」

「かがみは白鳥じゃない?綺麗だし」
「も、もう//////////////////////////////」
「いやいやハヤちゃんや。かがみんはウサギだよ。寂しがり屋だし、ツインも耳みたいだし」

「そ、それはそれで気恥ずかしいから止めてくれ」
「いやいや。その通りだって。ウサギも「可愛い動物」だしね」
「も、もう/////////////////////////////」

「でもさ、ハ〜君。身近な人を動物に例えるって面白いね」
「でしょ?えっと、ゆい姉さんは「元気に走り回ってる」って事でヒョウだね」
「岩崎さんは「クールでかっこいい」から鷹かな」

「みゆきさんは、イメージ的に羊ですね。あの「ふわふわした所」なんか」
「いや〜。ハヤちゃん、みゆきさんは牛でしょ。なんといっても胸が」
「セクハラオヤジじゃないんだから」

「ナギちゃんはお姉ちゃんと一緒でウサギかな」
「そうですね。寂しがりやも共通してますし」
「んじゃマリアさんは虎だね。「頭良いし、狙った獲物は逃がさないぜ〜」ってな感じで」

「こなた、本人の前で言わない方がいいと思うよ。 えっと、じゃあ僕は」
「ハヤちゃんはイルカでしょ」
「イルカ?なんでまた」

「優しいし、存在が癒しを与えるところとかさ」
「そうね。それは同感だわ」


                     × ×


別の日。陵桜。

「昨日、こなたの家で小学校の頃の文集とか見てきたのよ」
「そうなんですか」
「こなたって、ズボラな所あるけど、そういう所は結構しっかりしてるのよね」

「お父さんが「きっちり取っておくんだー」って」
「娘を溺愛しているあの人らしいね」
「そうね。でも、もっと意外だったのは、「将来の夢」ね。獣医とか弁護士みたいに一般職もあったのよね」

「そうなんですか」
「こなただって捻くれてない時期もあったって事か」
「ハヤちゃん、何気にひどくな〜い。気にしてないけど」

「ま、こなたらしいと言えるのは、「毎年夢が変わっているところ」だね」
「ハヤちゃんや、そう言うのを見るとその頃好きだった漫画やゲームが分からない?」
「成程。やっぱりそれか」
「だね」

「将来の夢に「お嫁さん」って書く人もいるのよね」
「聞いた事あるよ、それ。可愛らしいけど、職業って意味じゃ違うよね」
「つかさ、我関せずって顔してるけど、あんたの事よ」

「え!?そうだっけ?」
「やれやれ。これだから天然は」
「まあまあ。つかささんらしくて可愛らしいじゃん」

「でもさ、ハヤちゃん。天然って自覚無い人って多いよね」
「むしろさ、「自覚のある天然」ってちょっとおかしい気が。自覚してる時点で意味合いが大きく変わると思うけど」
「そうかもしれませんね」

「みゆきさん、貴方も天然のグループに入ると思うのですが」
「どうかなされました?」
「いえ、別に」

「そう言えばさ。ハヤテは小学校の頃の文集ってどうしてるのよ」
「一応は保管してあるよ。こっちに引っ越してくる時に持ってきたし」
「へえ。見てみたいわね」

「か、勘弁して。ちょっと恥ずかしい」
「良いじゃない。次ナギちゃんとこに遊びに行った時に見せてよね」
「分かったよ」


                     × ×


「みゆきさんってさ、裸眼だと視力どれくらいなの?」
「0.1も無いんですよ」
「へ〜。そう言えばさ、ブルーベリーって目に良いって聞いた事あるよ」

「そうですね。後、ビタミンAが含まれるニンジン、ホウレンソウなどの緑黄色野菜、ビタミンB群を含む豚肉、ゴマやレバーなどタンパク質が含まれる食品も、目に良いとされています。後、レーザー治療とかも話題になりましたね。流石に私では受ける勇気はありませんが」

「レーシックですね。視力矯正手術の」
「そうですね。そう言えば、一時問題になりましたね。レーシックを受けたら逆に目が悪くなってしまったって」
「腕のない医者に当たってしまったと」

「ハヤテさんならご存知でしょうが、視力回復に効果的とされるトレーニングもテレビで見かけますね」
「確かにそうですね。でも、あれは継続しないと意味が無いとも」
「で、ですね」

「そう言えばさ、ハヤちゃん。前に「物凄く視力のいい人」ってテレビに出た事あったよね」
「ああ。確か視力が10以上とかね。大草原に暮らす部族とか、1年の大半を海の上で過ごす漁師とか」

「普通の人じゃぼやけてすら見えない物を見たり」
「そう言えば。ある番組で実験してたね。視力は回復できるかって」
「どのような実験なのでしょう」

「目の悪い芸能人を無人島に連れて行って、眼鏡やコンタクトを没収したうえで、生活させるんです。期間は忘れちゃいましたが、それなりの時期住まわせて、視力が良くなるかと」

「どうなったんですか?」
「確か、かなり回復したはずですよ。目と鼻の先まで近づかないと見えなかったのに、普通に生活できるくらいに」

「流石ハヤちゃん。博識だね。って事は、みゆきさんもそんな風な生活すればあるいは」
「良くなる可能性もあるけど、流石に大変だって」


                    × ×


別の日、の昼休み。

「ねえこなちゃん、「萌え」って何?」
「う〜ん。私も改まって聞かれるとねえ」
「あんた、意味分かって無くて使ってたの?」

「まあ、代わりに説明しますが、感情表現ですね。「上手く説明できないが、高揚した時」に使うというか」
「そうなんだ」
「そうそう。自然に「萌え〜」って言えれば入門編かな。オタク道の」

「そう言えばさ、ハ〜君。昨日さ、テレビで子犬の特集を見て、私が「家でも飼おう」ってお父さんに言ったら、お姉ちゃんに色々言われちゃったんだよね」

「成程。まあでも、動物を飼うって事は「命を預かる」って事なんですよね。ですから、どんな事があってもその責任を全うできる覚悟が無いと、飼っちゃ駄目ですね。動物も限りある命を持つ者ですから」

「そ、そうだよね。ハ〜君は、動物飼ったことあるの?」
「ああ。今三千院家で猫を1匹飼ってますね。基本的にお世話係は僕ですね」
「猫ちゃんか。可愛いんでしょ?」

「ええ、まあ。さっき自分で言った責任は持ってるつもりです」


                    × ×


また別の日。

「ねえハヤテ、この本って読んだ?」
「ま、まだ読んでないけど。ってかかがみ、顔が近いんだけど」

かがみはキスが出来そうなほど顔を近づけていた。

「読んで無いなら、読んでよ。さ、さ」
「わ、分かったからちょっと離れて。照れちゃうから」

ハヤテはかがみに薦められたラノベを読み始めた。が

じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ

「あ、あの、かがみ」
「ん!?何?」
「そんなに見つめられたら、照れちゃって内容が頭に入ってこないんだけど」

「そ、それもそうね」

「(やれやれ。相変わらずリア充だねえ)」


                    × ×


ある日の放課後。

「あれ?こなたにつかささん、まだ残ってたの?」
「おおハヤちゃん。チミだって残ってたじゃん」
「僕は自習室で勉強してたの。で?」

「こなちゃんがね、選挙なんかつまんないって言いだしてさ」
「成程。そう言えば、時期ですね」
「ハヤちゃんなら分かるでしょ〜。選挙なんかあるせいで遅れるは変な枠のせいで見難いはどーでもいい速報で更に見難くするはで」

「分からなくないけどね。お嬢様も「あんなもんの何が良いんだ。今の政治家なんぞ目くそ鼻くそだ。誰が決まるかなんてくじ引きで決めろ!!そうすれば一瞬だ!!」って怒ってるし」

「流石ナギちゃんだよ。あーあー」
「あのさ。帰って勉強したら?受験生って立場忘れてない?」
「へいへい。あ、じゃあさ、家で勉強会しない?ゆーちゃんも喜ぶよ」

「なんでここでゆたかさんの名前出すか分かんないけど、ちょっと無理かな。これでも執事としても忙しいし」
「あっそ」


                     × ×


また別の日の放課後。

「おまたへ〜」
「こなちゃん、傘持ってきてないんだって」
「予報位見て来いよ」

「そうだよ。信頼するか否かは別として、見ときなよ」
「もうさ、男子みたいに濡れるの気にせず帰ろっかな」
「こなた、男子でも濡れるの嫌な人も結構いると思うよ。僕は大して気にしないけどさ」

「そう言えばさ、ハ〜君。男の子って、濡れるの気にしない人もいるけど、なんでなの?」
「簡単だよ、つかさ。ブラとか透けないからだって」
「こなた、君だって女性なんだからそう言う事は軽々しく言わないの」

「まあ、ともかくだ。かがみ、傘貸して」
「まあ、私たちは帰るところ一緒だから、1つでもギリギリ何とかなるけど」
「おやおや〜。変な事言うねえ、かがみんは」

「別に変な事なんて言ってないでしょ」
「ハヤちゃん、君の傘って大きいんでしょ?」
「まあ、少し大きい位のを持ってきてるけど」

「じゃ、ハヤちゃんとかがみんは相合傘だね。分かれるところまでは」
「な!?//////////////////////そ、それは///////////////////////////////」
「別にいいじゃん〜。恋人同士の相合傘なんてアニメじゃお馴染みでしょ〜」

「かがみ、僕は別に良いよ。かがみとなら相合傘したいし」
「わ、分かったわよ///////////////////////////」

「そう言えばさ、こなたって置き傘はしてないの?」
「いやさ〜。この前まではあったんだけど、1回使ったらまた持ってくるのがめんどくさくてさ〜」
「やれやれ」

帰路についていると

「そう言えばさ。合羽と長靴って自分で着るとなんかかっこ悪くなるよね」
「確かにね。子供っぽくなるっていうの?」
「でも、こなたは似合いそうだね。こんな具合に」

「確かに似合うわ」
「それ、褒めてる?」


                    × ×


「おい〜っす、こなた」
「おはよ〜」
「あれ?つかささんへこんでますけど、どうしたんですか?」

「実はね、「今月の携帯の使用量が多い」って怒られちゃって」
「女子高生らしいというかなんというか。ついつい使いすぎちゃったんですね」
「そうなんだよね」

「でもさ、ハヤちゃん。私は殆ど使わないから基本料金しか払わないよ」
「そうなんだ」
「経済的でしょ?」

「でもさ、殆ど使わないんじゃその基本料金すら勿体無くないか?」
「確かにね。意味あるの?って思っちゃうけど」
「お2人さん、細かい事は言いっこなしだよ」

休み時間になり、つかさの携帯に着信が入り、

「今のやり取りってさ、親子間のものでしょ?なんで敬語使うの?」
「メールになるとついね」
「その気持ち分かりますよ。僕も普段は敬語使わない相手にも、癖でメールの時は敬語になっちゃいますし」

「へ〜。かがみんの時もなの?」
「最初の頃は癖が抜けなくて、ついね。今は違うけど」
「ふ〜ん。そう言えばさ、つかさって今の携帯どれくらい使ってるの?」

「1年くらいかな」
「普通はどれくらいで機種変するの?」
「2年くらいじゃない?バッテリーの寿命次第だと思うけど」

「かがみんや、私はその3倍は持たせられるのだよ」
「へえ」
「私は現物を大事にするのだよ。物持ちが良いともいえるね」

「いるんだよね。趣味には金に糸目をつけないのに、それ以外にはケチな人って」
「確かにね」


                   × ×


ある日の1年生の授業前(体育)。

「岩崎さんって、良いよね」
「え!?何が?」
「背が高くてさ。なんでこんなに差があるのかなって」

「分からない。でも、牛乳を沢山飲むからかもしれない」
「そっか。日々の努力が実ったんだね」
「でも、上手くはいかない。もっと成長してほしい所もあった」

みなみちゃんはペタペタと胸を触りながらブツブツと悩んでいた。

「(私も岩崎さんみたいに背が高ければ、ハヤテさんの見る目が変わったのかな。でも、このままの方が保護欲を掻き立てられるって言われたしな)」

ゆーちゃんも別の悩みを持っていた。

ひよりんに授業内容の変更を教えられ、体育館の移動中

「そう言えばさ。岩崎さんって、ドッチボールで最後まで残れそうだよね」
「私も内野になると、なぜか最後まで残れちゃうんだよね」
「それはきっと、「当ててはいけない」って強い罪悪感が襲うんじゃない?」

「そ、そうかな」
「そうだよ。その可愛げでハヤテ先輩狙っちゃえ」
「そ、それはちょっと///////////////////」

「どうしたの?」

ヒソヒソと話す2人にみなみちゃんは首を傾げるだけだった。

授業は割愛し、休み時間にパティと話してると

「あっ」
「どうしたの?」
「風で目に埃が入っちゃったみたい」

「大丈夫?無理はしないでね」
「うん、ありがと」

「(って、駄目っす。微妙な三角関係とか喜ぶような腐った目で友達見ちゃ)」

約1名(ひよりん)事情を知っているだけに、悶える羽目になった。


                  × ×


休日。ゆーちゃん、みなみちゃん、パティはひよりんの家に遊びに来ていた。

「じゃ、寛いでてよ。飲み物持ってくるから」
「ありがと」
「サンキューネ」
「田村さんの部屋って本がたくさんあるんだね」

ひよりんが戻ってくると、皆が自分の描いた絵(落書きともいう)を見ていた。

「うう。もういっそのこと殺してください」

「ひよりンも、こういう時期あったのネ。最初の頃はあまりうまくないネ」
「で、でも今のは凄い上手だよ」
「ホント」

「ねえ田村さん、このキャラ、どことなく岩崎さんに似てるね」
「そ、そうかな〜」
「オ〜。これは良いネ」

「これ私?後、ハヤテさんにも似てるね」
「ゆたかがミスターハヤテを後ろから見つめてるネ。それをみなみが恨めしそうに見ているように見えるネ」
「これってさ、童話かなんか?」

「ま、まあそんなものです」
「出来上がったら見せてね」

「(駄目っす。こんな腐った感情で友達の関係を見てちゃ)」


その日の夜。

「あ、もしもしハヤテさん?今大丈夫ですか?」
『あ、大丈夫ですよ。仕事も勉強も一段落ついてるので』
「えっと。聞きたいことが」

『なんでしょう?』
「腐女子って何ですか?」
『へ!?』

「パティさんに聞いたら、「腐った女子」って言われて。あ、乙女ロードってところの話からそうなんたんですが」
『え、えっと。なんと説明したらいいのか。ま、まあともかく、「ごくごく一部の、とても変わった趣味を持った女性たち」っと言っておきましょうかな』

「そうだったんですか。ありがとうございます」
『いえいえ』

因みにハヤテは電話口で

「(幾らなんでも、本当の事は教えないほうがいいよね。刺激強そうだし)」


                   × ×


ある日。日下部みさおと峰岸あやのはかがみの所に遊びに来ていた。
そしておやつの時間なので、

「ん〜♪柊、このケーキうんめえな〜」
「そりゃどうも」
「これどこで買ったんだ。あたしもここで買いたいぜ」

「お店で買ったやつじゃないわよ」
「じゃ、おめえの妹作だな。腕あげたなー」

そう言うと、みさおは相変わらず嬉しそうにケーキをほおばっていたが、

「ほ、ほら。3秒ルールさ。落としても5秒以内なら大丈夫なんだってヴぁ」
「何も言ってないでしょ」

で、翌日の昼食。本日かがみはみさおとあやのと食べていた。

「そういやさ、前々から気になってたんだけどよ」
「何よ」
「柊、おめえの弁当って本当に美味そうだよな」

「あげないわよ」
「1口ぐらいいいじゃんかよ。本当に1口だってヴぁ」
「分かったわよ」

「ん!?なんだこの美味さは。家庭的だがプロの味もするぜ」
「当然よ」
「柊妹も随分料理上手になったもんだぜ」

「ああ。これはつかさが作ったものじゃないわよ」
「え!?じゃあ、誰が作ったんだ?」
「やっぱ、柊ちゃんの彼氏?」

「そうよ」
「なんだ。--------って、え!?柊、おめえ彼氏いたのか?」
「みさお、気付いてなかったの?確か、妹ちゃんと同じクラスの、綾崎ハヤテ君だっけ?」

「そうよ。昨日のケーキもハヤテが作ってくれたものよ」
「そうだったのか。ってかあやの、おめえ柊に彼氏がいるって知ってたのか?」
「私はてっきりみさおも知ってたと思ったんだけど」

「知らねえよ。 チェ〜。あたしの周りには彼氏持ちばっかかよ〜」
「はいはい」

つまらなさそうに弁当を食べるみさおに

「そう言えば。日下部の言ってた3秒ルールだけど、「食品にもよるが、3秒だろうが何だろうが、菌がつくのは一瞬で落とした以上は止めておいた方がいい」って言ってたわよ」

「へ〜、へ〜」
「柊ちゃんの彼氏、博識だもんね」

昼食も終わり、かがみはこなた達のクラスに世間話をしに行った。
みさおは少し後で後を追い

「おい、おめえ」
「僕、ですね。え、えっと」
「あたしは日下部みさお。おめえが柊の彼氏か?」

「柊、かがみですね。ええそうですよ」
「ふ〜ん」

「日下部、人の彼氏を品定めするような目で見ないでちょうだい」
「ま、おめえなら大丈夫そうだな。んじゃ」

何事も無かったかのようにみさおはクラスを出て行った。

「な、なんだったの」
「さあね」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月10日更新) ( No.29 )
日時: 2016/01/10 18:29
名前: masa

こんにちはmasaです。

今年最初の更新です。

本編どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                    × ×


ある日の陵桜。

「最近さー、ゲームの中でだけど、犬を飼ってるんだけど、可愛くてついつい話しかけちゃうんだよね〜」
「「「「へ〜」」」」

「動物に話しかける時ってさー、猫撫で声になっちゃうよね〜。ゲームなのに」
「まあ、気持ちは理解できるよ。うちにいる猫が甘えてくる時は、僕もついね」
「そうよね〜。私も金魚に話しかける時は、甘声になっちゃうのよ」

「・・フッ。犬とか猫ならともかく、魚に話しかける人ってすごく寂しい人ってイメージが、アタッ!!」
「こなた〜。それは偏見だよ〜。後、かがみに向けた憐れむような目はどういう意味かな〜?」

「うう〜。ハヤちゃん、今までで一番きつい鉄拳制裁じゃない?」
「気のせいだよ〜。で?弁解は?」
「ご、ごめんなさい」

割とお馴染みな光景なので、周囲は特に気にせず(かがみは照れてた)、

「そう言えばさ、犬の躾と言うか、芸の「ちんちん」ってどういう意味だろ」

つかさが聞くと、こなた以外の女性陣の顔が赤くなったので

「それは、元々「鎮座せよ」と言う意味から来てるんです。なので、別にそう言う意味では。それより、僕はともかく皆さん女性なのですから、そっち方面の想像はしない方が」

ハヤテが解説すると、気まずいのか、こなた以外は顔をそらした。


                  × ×


別の日の泉家。ハヤテは遊びに来ていた。

「そう言えばさ、ガン○ムって未だに凄い人気だよね」
「おう。お父さんも好きだぞ」
「まあ、僕は良さは知ってるけど、見た事無いよ」

「へ〜。でさ、ハヤちゃん。色んな種類あるよね」
「人気作だからね。某トーク番組でも、1時間その話題だけで放送したし」
「フッフッフ。おじさんは全シリーズをリアルタイムで見たぞ。ファン根性と言うか、使命感と言うかでな」

「じゃあさ、ガン○ム殺人事件とか、名探偵ガン○ムが開始されても見るって事?」
「ウ〜ム。ファンとしては見ないといけない気が」
「そう言えば、昔ファミ○ンで、ロープレのガン○ムって出た事あったね。あんま種類無いけど」

「ふ〜ん。でさ、私とハヤちゃんってさ、ガン○ムの登場人物の年齢を超えてたり、近かったりしてるね」
「まあ、時間経過があるからね。でも、そう言うのは考えない方がいいと思うよ」
「そうだぞ。と言うか、ハヤテ君はともかく、こなたはおさn・・若く見えるから、基準に考えん方がいいと思うぞ」

「お父さん、それ褒めてないよね?ってか、何か言いかけたでしょ」

話を打ち切り、3人でゲームしていると、来客があり、そうじろうが応対した。

「お隣さんから良い物貰ったぞ。旅行のお土産だそうだ」
「何?壺?」

「こなたー。お前はお父さん好みのいい子に育ってー」
「お父さん、いちいち抱き付かないで」
「ってか、まだそのパロディ続けてたの」

ハヤテは泉親子に呆れツッコミした。


                     × ×


また別の日。つかさとみゆきさんは廊下で話していた。

「最近夜もテスト勉強しようって思うんだけど、どうしても眠くなっちゃうんだよね」
「そうなんですか」

「でね、お姉ちゃんに相談したら「あんた、ホラー物って苦手でしょ?この前も私の布団に潜り込んできたし。だから、そう言うの見れば眠れなくなって丁度いいんじゃない?」って言われたんだ」

「流石はお姉さんですね」
「でもさ、いざ実行したら、後ろが気になったり、ほんのちょっとの物音にも敏感に反応しちゃって、今度はそのせいで勉強に集中出来なくなっちゃったんだよね」

「大変ですね」
「うん。だから寝不足で授業中も眠くて」

「おや?何の話ですか?」
「あ、ハ〜君。夜のテスト勉強のための眠気対策の話なんだ」
「かがみさんに、「怖い物を見た方がいい」とアドバイスを受けたそうです」

「かがみらしい的確なアドバイスですね。怖がりなつかささんにはぴったりですね」
「ハ〜君は何か知ってるの?」
「昔は「顔をしかめる位苦いコーヒーを飲む」とか、「尖らせた鉛筆を立てて勉強する」とかありましたけど、まあ、地道にやるしかないですね。後5分だけ頑張ろうと言い聞かせるとか」

「鉛筆を立てて勉強って、どのような効果があるのですか?」
「単純に、「居眠りしてしまうと、額に鉛筆が刺さって痛い思いをする」って追い込むんです」
「「な、成程」」

「そう言えば。つかささんは苦手とおっしゃる割りには怖い物って見てますよね」
「確かにそうですね」
「み、見たいわけじゃないんだけどね」

「家の母もそうなんですよね。この前も「借りてきたけど1人じゃ怖いから一緒に見てほしい」ってありましたし」
「あの人らしいですよね。皆で見れば怖くないという」
「ええ。そう言う人って、苦手と言う割には見るんですよね。怖いもの見たさと言うか」

「みゆきさん、つかささんの場合、ちょっと違うと思うんですが」
「ハ〜君の言う通りだよ。私は本当に駄目なんだよね」
「可愛らしいですね。僕は平気なので、どうしてもの時は頼ってくださいね」

ハヤテは「将来義理の妹になるかもしれない友人だから」的な意味合いで行ったのだが。

「ハ〜ヤ〜テ〜。まさかあんた、つかさを口説こうとしてるんじゃないわよね」
「か、かがみ!?僕は別にそう言う意味じゃ」
「じゃあどういう意味かゆ〜っくり聞きましょうか〜」

「か、かがみ、引っ張らないでよ〜」

「「行っちゃった」」


                    × ×


ある日の1年生の教室。

「ねえ岩崎さん、ここなんだけど、分かる?」
「私もそこで悩んでて。だから、自己解決出来なければみゆきさんに聞こうかと思ってたの」
「へ〜。こういう時と寄れる先輩が直ぐ身近にいる私達って、幸運だね」

で、

「っという話を話学校でしたんだ」
「(ゆーちゃん、それってハヤちゃんの事だよね!?我々の事じゃないよね!?)」
「(姉として期待に応えるべきか!?でも、我々じゃ応えられないと思うのですが)」

こなたとゆい姉さんは戦々恐々だった。

そんな話をした後、こなたは自室で勉強してた(ゆい姉さんはこなたの部屋で漫画読んでます)。

「ねえお姉ちゃん、ここ分かんないんだけど」
「「(来たか)」」

質問に来たゆーちゃんをまるで「ザコ敵だが、逃げる事を許されない厄介な相手」みたいに捉え

「わ、私はちょ〜っと忙しいから、ゆい姉さんに聞いてよ」
「うえ!?ずるいぞ〜」
「え、えっと」

「う〜ん。学校が違うせいかな!?私は習わなかったよ」
「そっか」

ゆい姉さんの明らかな逃げ口上をゆーちゃんは素直に信じたようだ。

「こういう時はハヤちゃんに聞きなよ。頭良いし、基本的に遅くまで起きてるらしいし」
「そ、そっか//////////////////////////で、でも、迷惑じゃないかな?////////////////////////////」
「大丈夫。ハヤちゃん優しいし、電話じゃ聞きにくいかもしれないけど、ゆーちゃんなら説明できるって」

「じゃ、じゃあ聞いてみよっと」

部屋を出て行った後、ゆい姉さんは

「ねえこなた」
「ん〜?」
「電話するってだけであの反応。もしやゆたかは」

「ハヤちゃんに恋情を抱いていますです。はい」
「でもさ、あの子って彼女持ちでしょ?」
「だから複雑なんだよね。その彼女は私の友達だし」

「姉としては応援したい。だが、友達としてはその恋路を邪魔できない。か」

暫くして

「ムグ〜。私も煮詰まったよ。姉さ〜ん」
「おいおい。頼りないって分かってて聞いてるのか?」
「私もハヤちゃんに聞こうかな」

「遅い時間だから迷惑だって」
「でもさ、ハヤちゃんは3時寝の5時起きだって、本人から聞いたけど」
「ず、随分な生活リズムの友達持ってるね」

「しょうがない。怒られるの承知で電話するか」


「こういう時って、どうして親ははなから戦力外通告なんだ。偶には頼っとくれよ」

そうじろうは自分が話題にすら出ない事に悲しんでいた。


                    × ×


また別の日。

「泉〜。授業中居眠りるな〜」

「ウググ。先生、体罰云々が異常に煩く言われるご時世に、普通に殴りますよね。別にいいんですが」
「せやな〜。まあでも、殴る相手は選んでるで。誰もかれもじゃ後々訴えられでもしたら面倒やろ」

「先生、それを普通に生徒の前で言いますよね」
「綾崎、それは言いこなしや。第一な、ウチは疑問に思うんや。体罰禁止の風習に。理由も無い理不尽な体罰はアカンけど、愛ある体罰は許容されるべきやろ。今、泉にしたようにな」

「先生、気持ちは理解出来なくもないですが、現役教師が言うべきじゃないと思いますよ」
「まあまあ。細かい事はツッコムべきやないで。じゃ授業もどろっか」

そして

「じゃ、今日はここまでや」

「みゆきさん、ここ分かんないんだけど」
「ハ〜君、ここ教えてほしいんだけど」

「(自分ら、高良や綾崎を頼らんと、分かんない所は先生に聞かんかい)」

教師なのに頼ってもらえない事に黒井先生が悲しんでいると

「黒井先生〜」
「お、なんや泉」
「聞きたい事があるんですけど〜」

「何や?先生がバ〜ンと答えたるで」
「今やってるゲームの極レアアイテムなんですけど」

「(違うんや。頼ってほしいのはそう言う意味やないんや)」
「先生???」


                     × ×


「は〜っ。台風の後は本当に暑いわよね」
「ホントだね」
「台風一過だけに多かったよね。家族が沢山」

「上手いわね」
「座布団あげてもいいかなってね」

「あれ?2人とも、上手いって?」
「こなた、ジョーク言ったんじゃないの?」
「ハヤテの言う通りよ。冗談かましたんじゃないの?」

その日の夜。

「電話?つかささんだ」

『あ、あのさハ〜君。今大丈夫?』
「大丈夫ですよ」
『今朝なんだけどさ。こなちゃんなんか面白い事言ったの?』

ハヤテは呆れつつ

「えっと。過ぎ去る時って「〜一過」って言いますよね?漢数字の一に過ぎると書いて」
『え!?  ああ』
「で、他の家族を差すときに何々一家って言いますよね?つかささん所を柊一家みたいな感じで」
『あ、そっか』

「一過と一家をかけた洒落だと思ったので褒めたのです」
『えっと。じゃあ座布団って?面白い事と関係あるの?』
「えっと。笑○って見た事無いんですか?」

『ああ、だからか。ごめんごめん。分かれてすっきりしたよ』
「そ、そうですか」


                   × ×


別の日。

「あのさ、ハヤちゃん。私は思うのですよ」
『何を?』
「野球中継の延長は殆ど無くなったわけよ。にも拘らず、他のスポーツ中継って延長あることが多いのはけしからんと」

『こなたもか。お嬢様も言ってたよ。「無駄な時間を徹底的に排除しろ」って』
「ナギちゃんは分かってるね〜。その無駄な時間をなくせば、延長なんか必要ないわけよ」
『こなた、気持ちは分かったから、勉強しようよ。宿題も受験勉強もあるのに』

「うう〜。もうちょっと付き合ってよ〜」


                   × ×


別の休日の泉家。 かがみ、つかさ、ハヤテは訪問してた。

「どう?もう学校生活は慣れた?」
「あ、はい。でも、宿題とか多くて大変です」

今は椅子に座ってるので、ゆーちゃんはハヤテの足の間に座ってます。

「ですが、その大変を乗り越えた時は、達成感があって、良いと思いますよ」
「えへへ。ハヤテさんの言う通りなんですよね。でも、3年生は受験勉強があるから宿題は少ないんじゃ」

「「え!?」」

ゆーちゃんの言葉にハヤテもかがみは少しの間沈黙し

「「こなた」」
「な、何のことでしょう」


                     × ×


別の日、陵桜。

「先日本を読んでいたら、電車を乗り過ごしてしまいまして」
「相変わらずみゆきさんはさり気ないドジが可愛いねえ」
「だね。らしいと言えるね」

「あんたたちねえ。私は大変なだけだと思うわよ」
「分かって無いねえ、かがみん。取り繕う時の仕草が萌えるんだよ。多少欠点があったほうが可愛いんだよ」
「まあ、確かにね」

「へ〜。じゃあこなたもバイト先で「ああ、こぼしてしまいました。お客様申し訳ありません」ってのをやってるの?」
「やって無いよ〜」

「まあ、かがみには悪いけど、そう言うのを実際にやられたらちょっとね。漫画やアニメじゃ「萌え〜」で済むけど」
「そうそう。店長にも怒られるし」

「ああ、そうかよ」
「それより、ほら見て。お宝動画ゲット〜」

ハヤテが見せてきた携帯には、先程のかがみのドジッ娘ぷりが修められていた。

「な!?ハ、ハヤテ、今すぐに消しなさいよ!!!!/////////////////////」
「や、やだよ〜。折角のかがみの可愛い瞬間を撮影できたのに」
「も〜。消しなさいって〜//////////////////////」

かがみがハヤテの携帯を奪おうとし、ハヤテは奪われないように遠ざける様子を見て

「やれやれ。なんでちょっとのチャンスでイチャイチャするかな〜」
「仲良いもんね。お姉ちゃんとハ〜君」
「ほほえましいですね〜」

結局動画は消せなかったそうだ。


                    × ×


ある日の三千院家。

「なあハヤテ。この手の「データ放送で視聴者も参加できるクイズ番組」を見てて思うんだが」
「何をですか?」
「当選者の数が少なすぎないか?だいだい多くて10名様じゃないか」

「まあ、番組の予算もあるんじゃないですか?」
「だったらさ、出演者を減らして、スタッフも必要最低限にすれば、その分視聴者プレゼントに回せて、「視聴率20%越え」なんて快挙達成しやすくなるんじゃないか?」

「ま、まあ。番組を盛り上げなきゃいけないってものあるんで、それは難しいんじゃ」
「そっか。じゃあ、家から寄付でもくれてやるかな」
「そ、そうですか」

「(あらあら♪その寄付を横流しさせるように脅そうかしら♪勿論、脅した証拠なんて残さないように♪そうすれば、色々面白そうですね♪)」


                     × ×


また別の日。

「おはよ〜」
「おっす、こなた」

「昨日さ、ゲームやってて思ったんだけど、ウチの「学園のアイドル」って誰だろ」
「学園のアイドルって「ミス・陵桜」とかか?」
「普通そうなるよね」

「まあ、陵桜じゃやりそうにないけどね。 でも、決めるとしたら僕の中じゃ「ミス・陵桜」はかがみだけどね」
「な!?ま、全くハヤテは////////////////////////」
「事実じゃん。かがみはとっても可愛いし、優しさもあるし」

「もう!!/////////////////////喜んであげないんだからね/////////////////////////」
「はいはい」

「つかさ〜。私達はお邪魔だね」
「み、みたいだね」


                    × ×


ある日の陵桜の1年生の昼時。

「あ、あの田村さん!?何してるの?」
「え!?ああ、絵を描く時って、キャラと同じ表情になっちゃわない?」

実際、ひよりんは色々表情を変えていた。

「そうなんだ。絵を描いてたんだね。 そう言えば、田村さんが漫画描いてるって私知らなかったよ」
「まあ、主に同人誌なんだけどね」
「どんな漫画描いてるの?」

ゆーちゃんの質問にひよりんは少しの間悩んだ後

「ハ、ハヤテ先輩に聞いてよ。ハヤテ先輩は私が書き手だって知ってたみたいだし」
「へえ」

答えにくい作品なので、委ねたようだ。 実際、ハヤテはひよりんがどんな漫画を描いてるか知ってます。


「そう言えばさ。この前お試しに買った宝くじで3000円当たったんだよね」
「わ〜。凄〜い」
「でもさ、通学中にパンクして、その修理代とお弁当ぶちまけちゃってせいで買い直すはであっという間に消えちゃったんだよね」

「た、大変だね」
「事実は小説より奇なり、ですね」
「でもさ、ハヤテ先輩に話したらさ「ま、まあ漫画のネタが手に入ったと思ってポジティブに行きましょ」ってアドバイス貰ったからいいんだけどね〜」

「「逞しいな」」


3人(ゆーちゃん、みなみちゃん、ひよりん)が歩いていると、ひよりんつまずいて転びそうになった。
だが、ひよりんは空中で姿勢を入れ替えて備えた。

「おっと。大丈夫ですか?」
「あ、ハヤテ先輩」

地面に激突する前に偶々通りかかったハヤテが受け止めた。

「助かりました」
「いえいえ。絵描きにとって聞き手は命ですもんね」

するとひよりんはゆーちゃんが羨ましそうに自分とハヤテを見ている事に気付き

「そう言えば、言ってなかったっけ?ハヤテ先輩は、私の良いアドバイザーなんだ」
「そ、そうなの?」
「そうですよ。お願いされて、手直ししたりしてますよ」

安心した様子のゆーちゃんにひよりんは

「大丈夫。恋路の邪魔はしないよ」
「///////////////////////////」

ヒソヒソと耳打ちした。


                      × ×


別の日。
ゆーちゃんは自習室で勉強をしてたハヤテを見つけ、話しかけた。

「田村さんが描いた絵を見せてもらったんですが、「失敗作だ」って言ったやつと、「上手く行った方」の違いが私には分かんない事があって」

「まあ、強いこだわりのある人にはあるんですよ。素人には気付きにくい些細な気に入らない点と言うのが」
「そうなんですか」
「拘ってるが故の、ですよ」

「後、シャーペン忘れたって言って、岩崎さんが「貸そうか?」って言ったら、「あの子じゃないと」みたいなこと言ってて」
「それは、やっぱり拘りですよ」
「拘り、ですか」

「愛用してて、手に馴染むというか、愛着があるというか。そんな感じです。「あの子じゃないと」みたいに」
「へ〜。私も好きな物とか長い間使ってると、使えないって分かってても捨てられないと、そう言う感じですか?」
「間違ってませんよ」

「そう言えば、なんか暑そうなコート着てる人たちを見て、熱心に写真撮ったりメールしてたりしてたんですよね」
「ああ。それはきっとコスプレですね。知ってるキャラだったので、思わず興奮したのでは?」
「成程。後、ファミレスに行ったときに田村さんが自分の名前じゃないのを書いた事もあって」

「好きなキャラを身近に感じたいって言ったんですよね?」
「あ、はい」
「分からないでもないですね。非現実である以上ちょっとでも現実味を帯びさせたいというかね」
「へ〜」

ハヤテとゆーちゃんが楽しそうに話している一方、自習室の外では・・

乗り込もうとするかがみをゆーちゃんを迎えに来たこなたが必死で抑えている。

・・と言った光景があったそうだ。


                   × ×


また別の日。

教室内の掲示板にプリントを貼ろうと苦労してたゆーちゃんをみなみちゃんが助けた光景を見てひよりんは

「ゆたか」
「駄目だよみなみちゃん。私には好きな人が」
「構わない。ゆたかが幸せなら、私も幸せだから」

「じゃあ。頑張って恋を実らせるよ」
「でも、少しで良いからは私にも向けてね」

みたいな妄想をしてしまい

「(駄目っす。友達でこんな妄想しちゃ。最近疲れ気味とはいえ、落ち着け私)」


「田村さ〜ん」
「ん!?」
「やおいって何?」

「あ、あの。それはだから」
「知らないの?」
「え、えっと」

「ハヤテさんに聞いてくるよ。ありがと」

知ってはいるのだが、応えられなかった。



「あ、ハヤテさん」
「何でしょう?」
「やおいって何ですか?田村さんに聞いても知らないみたいで」

ハヤテは驚きで暫く沈黙し

「えっと。やおいは「やまなし、おちなし、いみなし」の略で、漫画における起承転結って分かります?」
「あ、はい」

「やおいは、漫画の描き手が書きたいように描いた漫画の事なんです。つまり、大原則の起承転結を無視してるので、「山も無ければ落ちもないし意味も無い」なのでやおいなんです」

ハヤテの説明にゆーちゃんは目を輝かせ

「勉強になりました。じゃ、クラスに戻りますね」

ゆーちゃんが戻って行った後、背中をポンッと叩かれたので見ると、こなたで

「ハヤちゃんグッジョブ」グッ
「まあ、本当の事は刺激強いしね」
「だよね。嘘ではない誤魔化した説明が適格だよ」

本当の意味はググってください。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月10日更新) ( No.30 )
日時: 2016/01/11 07:48
名前: ささ

ホラーの件(こなたvoice)「かがみん地獄耳」
(あくまでこなたvoiceです。こなたの思考ではない(はず))
気を取り直して、かがみがヤンデレになりそうな気がするけどどう思う?
あと、>>4でかがみになんて怒られたか覚えてないの?
かがみならゆーちゃん相手に大人気ない対応はしない(はず)

アニメ版の同場面(黒井先生のげんこつ)を見て思ったことをなんかハヤテが代弁したみたいだな〜
金魚の件でのハヤテの制裁(ツッコミ)に照れたのはなぜなのかな?Mrs.かがみ(妥協してこの呼称っていえばハヤテ・かがみ・みゆきさんなら分かってくれるはず)
(面白がって付けてみました。是非こなたも言ってみよう。安心してください、からかう以外の意味はありません)
犬の芸の件でのハヤテの忠告を見るとアニメ版でのこなたの最後なセリフが単なる冷やかしに聞こえるなぁ。

ハヤテ、一応聞くけどつかさに手を出す気はないよね?(ジト目、最も手を出せば修羅場になって漫画的に面白いけどね。(某昼ドラもびっくりな修羅場の出来上がりになりそう(笑)))
何で所謂「刺激が強い」本のことも知ってるの?(やおい…確かに刺激が強い(調べた))
次も楽しみにしています。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月13日更新) ( No.31 )
日時: 2016/01/13 23:43
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>ホラーの件(こなたvoice)「かがみん地獄耳」
  (あくまでこなたvoiceです。こなたの思考ではない(はず))

 こなた「いんやー。私もそう思うよ。かがみん凄かったもんね」

 >>気を取り直して、かがみがヤンデレになりそうな気がするけどどう思う?

 こなた「大丈夫でしょ。ただのヤキモチ妬きってだけだよ」
 ナギ「一歩間違ったらなるがな」

 >>あと、>>4でかがみになんて怒られたか覚えてないの?

 こなた「だ、だから言ったじゃん。「怒られるの承知で」って」
 かがみ「・・・」

 >>かがみならゆーちゃん相手に大人気ない対応はしない(はず)

 かがみ「ま、まあゆたかちゃん相手なら、そんな事しないわよ」
 こなた「ゆーちゃんなら、ね」

 >>アニメ版の同場面(黒井先生のげんこつ)を見て思ったことをなんかハヤテが代弁したみたいだな〜

 ですよね。自分もああ思いました。

 >>金魚の件でのハヤテの制裁(ツッコミ)に照れたのはなぜなのかな?

 かがみ「だ、だって///////////////////////私の為に怒ってくれたし////////////////」

 >>Mrs.かがみ(妥協してこの呼称っていえばハヤテ・かがみ・みゆきさんなら分かってくれるはず)

 つかさ「あれ?女の人ってMissだよね、ゆきちゃん」
 みゆき「えっと。Mrsは既婚女性を指す言葉なのですが」

 かがみ「わ、私は「まだ」未婚よ!!!//////////////////////////」

 >>(面白がって付けてみました。是非こなたも言ってみよう。安心してください、からかう以外の意味はありません)

 かがみ「・・・」
 こなた「かがみ〜。落ち着こうよ」

 >>犬の芸の件でのハヤテの忠告を見るとアニメ版でのこなたの最後なセリフが単なる冷やかしに聞こえるなぁ。

 まあ、多分こなたは何となくで知ってて、ああいったのでは?っと思ってますけどね。

 >>ハヤテ、一応聞くけどつかさに手を出す気はないよね?(ジト目、最も手を出せば修羅場になって漫画的に面白いけどね。(某昼ドラもびっくりな修羅場の出来上がりになりそう(笑)))

 ハヤテ「無いですよ。つかささんは「将来義理の妹になるかもしれない人」ですよ」
 つかさ「えへへ。早くそうなってほしいかな」

 >>何で所謂「刺激が強い」本のことも知ってるの?(やおい…確かに刺激が強い(調べた))

 ハヤテ「まあ、色々と知識を得る過程で知っただけです」
 こなた「ハヤちゃん博識で、勉強家だしね」

 >>次も楽しみにしています。

 ありがとうございます。頑張ります。

 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月13日更新) ( No.32 )
日時: 2016/01/13 23:56
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                  × ×


ある日。スーパーに来たこなたは食玩を2つ手に取り、透かして見ようとしたり、振ったりしてた。

「こなた、それをやったところで分かんないと思うよ」
「確かにね。どれも同じようなものだと、私も思うわよ」
「あれ?皆これやらないの?常識だと思ったけど。だってお金がいくらあっても足りないよ」

「その常識は「その手の人達」の常識だよ」
「そうよ。一般人にはその常識は当てはまんないわよ」

「でもさ、カードとかも狙って買う人もいるんだよ」
「そんなのどうやって見分けんのよ。重さなんて同じじゃない」
「ああ、それは「都市伝説」だけど、あるんだよ」

「流石ハヤちゃん。知ってるのか」
「まあね。よく観察すると、レアカードが入っているのと、そうじゃないのは本当にちょっとだけど、「見分けポイント」があって、それを見つけられると、少ない出費で多くのレアものを揃えられるってあるんだよね」

「因みにだ、ハヤちゃん。私は特定の食玩であれば、高確率で狙ったのを引けるんだよ。パターンを見切ってるのだよ」

「普通に考えれば凄いんだけど、褒める気が全くしねえ」
「確かにね。自慢出来る事では無いよね。全くもって」

面々を店を出た。

「でもさ、そうやって「見極めるパターン」があるなら、レア度の高い物は直ぐに無くなっちゃうんじゃない?」
「そうなんだよね〜」
「お店やメーカー側も対応してるだろうけど、巧みな人はたとえ変えられたとしても、すんなりそのパターンを見極めちゃうんだよね」

「そうそう。だからそう言う人が多い地域は、レア度の高いカードやフィギアは直ぐに無くなっちゃうんだよ。お店に行って虫食い状態だと、絶望感すら感じちゃうんだよ」
「まあ、少しだけ分かるよその気持ち。お嬢様もその状態を見ると、怒っちゃって、宥めるの大変だし」

「ナギちゃん流石だねえ。でもさ、「若しかして」って淡い期待が生まれてついつい買っちゃうんだよ」
「お嬢様もそのパターンだよ」
「やれやれ。困った性分だわね。そういう人たちの中には、大量に買い込む人もいるんでしょ?」

「大人買いだね。財力のあるその手の人はやるみたいだよ」
「その方がコンプしやすくなるし、「見極めるパターン」も発見できるし」
「お嬢様もやるよ。「倉庫にあるものも全部持ってこい!!」ってね」

「ナギちゃんらしいわね」
「大人買いならぬ富豪買いだね」
「羨ましいよ、ほんとに」

「でもさ、そのお金を少しでもほかの事に使った方がいいと思うのは私だけか?」
「僕もそう思うよ。無駄遣いだもんね」


                     × ×


別の日、泉家。

「そう言えばさ。ゆーちゃんはハヤちゃんが務めてるところって、行った事無いよね?」
「うんないよ。そう言えば、ハヤテさんって普段は執事さんやってるんだよね。ご主人様ってどんな人なの?」
「年はゆーちゃんより1つ下で、私と同じオタクの女の子だよ」

「へ〜」
「折角だから行ってみる?仲良くなってるから話し通しておくよ」
「行ってみたいな。確か、凄い所だって」

「そだよ〜。初めて行ったときは驚くしか出来なかったもん」
「楽しみだな〜」
「じゃあ次の休みに友達誘って行きなよ。話はしておくから」

そして翌日。

「楽しみですネ。本物の大富豪の家なんて」
「ホントだね。桁外れって聞いてるし」
「・・楽しみ」

ゆーちゃんはパティ、ひよりん、みなみちゃんを誘って三千院家に向かっていた。

「えっと、ここで合ってる、よね?」
「「「・・・」」」

圧倒的な規模に、全員硬直していた。
そんな中、ゆーちゃんは呼び鈴を鳴らし、

「ここで合ってるよ。じゃ、入ろうよ」

先陣を切ったゆーちゃんに従い、広すぎる庭を通り、玄関の扉を開けた。

「いらっしゃいませ、皆さん」
「オー。ミスターハヤテ。こんな所で働いてたんですね」
「これは、予想外すぎますよ、ハヤテ先輩」

「こなた達と同じ反応ですね。まあ、無理はないですが」

「こんにちは。お土産です」
「これはどうも」

テンションが上がったひよりんとパティを置き、冷静になったみなみちゃんは持参した土産を渡した。

「じゃ、お嬢様の所へ案内しますね」

「ハヤテさん、ご主人様はちゃんと許可出してくれたんですか?」
「大丈夫ですよ、ゆたかさん。お嬢様は「こなたの従妹とその友達ならあってみたいものだ」って言ってましたから」
「良かったです」

暫く歩き、

「どうぞ、こちらです」

「ようこそ。我が三千院家へ」
「「「「こんにちは」」」」

居間に通された4人はナギに挨拶し

「小早川ゆたかです」
「岩崎みなみです」
「田村ひよりです」
「パトリシア・マーティンです」

「三千院ナギだ」
「マリアと申します」

自己紹介をし、ハヤテが淹れてきた紅茶とお茶菓子を囲み

「こなたの従妹はお前か」
「あ、はい。こなたお姉ちゃんから話は聞いてます」
「私も聞いてるぞ。歩く萌え要素とな」
「も、萌え!?」

「それより、お前たち(パティ・ひよりん)は私と同じ匂いがするんだが、気のせいではないよな」
「気のせいじゃないネ。私も漫画アニメ大好きね」
「私もそうです。私は書き手でもありますが」

「奇遇だな。私も漫画書いてるんだ」
「へえ。見たいみたいね」

「あの、止めておいた方がいいと思いますよ。お嬢様の漫画は誰にも理解でき無い位独創的ですから」
「何を言う!!ここに2人も同類がいるんだぞ!!理解できるわ!!」

ナギは予め用意してあったかのように自作の漫画を取り出し、4人に見せた。

「こ、これは何というか」
「時代を物凄く先取りしてるネ」
「物凄く、独特」
「わ、私には分かんないや」

4人の反応は鈍い物だった。

「まあ、いい」

その後はナギ、パティ、ひよりんを中心に話が盛り上がり

「そう言えば、ナギさんってどこの学校に通ってるんですか?」
「白皇だよ。年齢はおまえたちより1つ下だが、学年じゃ2つ上だ」
「「「「え!?」」」」

「お嬢様は飛び級生なんです。なので、もう高校三年生なんですよ」
「そうだったんですか。凄いですね」
「ま、まあな」

ゆーちゃんの純粋な目にナギは照れていた。

また暫く世間話に話を咲かせていると

「ん!?」
「どうしたの、岩崎さん。あ、猫ちゃんだ」

一行が見ると、黒い子猫がみなみちゃんの膝に乗り、寛いでいた。

「へえ。珍しいですね」
「何がですか?」
「この子、シラヌイって名前なんですが、女の人には一切懐かないんです。なので、お嬢様にもマリアさんにも懐いてませんし、獣医さんも男性の方を探すくらいなんです」

「へえ。  う」
「どうしたの?」
「私が撫でようとしたら、「自分に触るな」みたいな顔されちゃって」

「でも、私は平気。ほら」
「不思議だね。きっと、岩崎さんの何かを気に入ったんだよ」

「(まさか、私を女だと思わなかったんじゃ)」
「???」

因みに、4人ともナギに気に入られ、「何時でも遊びに来てもいい」と言ってもらえた。


                  × ×


別の日。陵桜。

「そう言えばさ。昔に比べて秋葉原がピックアップされること多いわよね」
「大変痛い内容でねえ。特集を組むのは良いんだけど、友好的なのを見た事が無いよ」
「そりゃ誇張もあるだろうけど、ベースもあるからじゃないのか?」

「まあ、少々独特な世界だし、仕方ないと言えば、仕方ないんじゃないの?」
「ハヤちゃんはそんな事言わないでよ。知ってるでしょ?ドラマや歌でオタク文化が先駆けだったりしてるよね」
「確かにね。一般人には気づかないだろうけど、ニュースや報道でも使ってるよね」

「全く嘆かわしい」
「それはさ、ハヤテの言う通り、気付かれないと思ってるからこそ、使ってるんじゃないの?」

「オタクと言えばさ。オタクの男子って、趣味趣向が合うオタクの女子を彼女にしたいって掲示板でよく見るけど、オタクの女子はオタクの男子を彼氏にしたいって聞かないけど、なんでだろ」

「まあ、偏見も入ってるけど、そう言う人って、働いてても仕事以外の時間や収入の殆どをそっちに費やしちゃうからじゃない?付き合ってても蔑ろにしそうとかあると思われるのかもね。実際、そう言う人多そうだし」

「へえ。ハヤちゃんは知識があるだけでそっち系ではないから、かがみと合うのかもね」
「・・・そうね」


                   × ×


別の日。陵桜の自習室。

「昨日の夕ご飯の時、おじさんが宮本武蔵って剣豪の人が蠅を箸でつかんだって教えてもらったんです」
「そうですね。そんな逸話残ってますよ」

ゆーちゃんとハヤテが勉強しつつ話していた。

「お姉ちゃんは、「良く食べ物をつかむものでそんなの捕まえる気になったよね」って言ったんですけど」
「気持ちは分かりますが、その逸話は「それ位できるほど高い集中力を持ってる」って事ですよ」

「でも、蠅ってなんであんなに素早んでしょうか」
「蠅には「複眼」と言うものがあって、それにより僕たち人間の動きはスローモーションに見えるからなんですよ」

「へえ。後、蚊も出たんですよね。あれって、刺されやすい刺されにくいの違いってあるんですか?」
「良く言うのは、血液型がO型の人が刺されやすいって言いますね。後は、運動直後で汗をかいてる人とか、妊娠中の女性も刺されやすいって言いますよ」

「へえ」
「因みに、血を吸うのは雌だけで、それも産卵期など大量の栄養が必要な時だけですよ」
「勉強になりました」

「いえいえ」

「ハ〜ヤ〜テ〜」
「か、かがみ」
「勉強のために、自習室に残ってるはずよね〜」

「い、いや。息抜きに世間話をだね」
「その割には随分楽しそうだったじゃな〜い」
「か、かがみ。こ、怖いんだけど」

「気のせいよ〜」
「な、なんかごめん」

こなたがいなかったので、止める人が居なかったのだ。


                   × ×


別の日の休日。かがみ、つかさ、ハヤテは泉家に遊びに来た。
インターフォンを鳴らすと、明らかに寝起き声のこなたが出た。

「ういーす。おはよー」
「今起きたのかよ。だらしないわね」
「こなた、いくら休みの日だからって、だらけちゃ駄目だよ」

「そうなんだけどねえ。そう言えばさ、最近思うのだよ」
「何をよ」
「間違いなく目覚ましかけたはずなのに、なったのかな?とか、他の人がとめたのかな?とかね」

「それ凄く分かるよ。気が付いたら止まってるよね」
「おいおい」
「まあ、無意識のうちに止めてるんでしょうね。止めて直ぐ寝るから、そんな事起こるんですよ」

「でもさ、昼頃には暑さで目が覚めちゃうんだよね」
「もう十分昼だぞ」
「受験生なんだから、今年位は生活態度改めなよ」

話を止め、こなたの部屋に上がった。

こなたはゲーム、かがみは漫画、つかさはハヤテに勉強を教えてもらっていた。
すると

「ねえこなた」
「ん〜」
「その手のゲームの主人公って、なんでそんな無条件にもてるのよ」
「さあ?ある程度もてないと、ゲームにならないからじゃない?」

「後さ、その手のゲームのヒロインって可愛くて性格もいいのに恋人が居ないのかしら」
「さあ?いたらゲームが成立しないからでしょ」
「ふ〜ん」

「そう言えばさ。この手のゲームの主人公を見るとさ、「ハヤちゃんに似てるな」ってここ最近思うのだよ」
「え"!?マジ!?」
「知らないの?ウチのクラスでハヤちゃんに好意持ってないの、私やつかさ、みゆきさん位って言えるほどだよ」

「し、知らなかったわ」
「まあでも、ハヤちゃんは気付いてないよ。鈍いもん」

「ん!?なに、かがみ」
「・・何でも、無いわ」
「???」

その日の夜。

「色々あってさ。家の中の体裁を保つために机に向かおうとは思うんだけど、ついつい休みがちになっちゃうんだよね」
『全く。普段から真面目にやって無いから、そうなるのよ。まあでも、その気持ちは分かるわね」
「かがみにも経験あるの?」

『休憩のつもりで本とか読むと、勉強を再開させてもつい休みがちになっちゃうのよ』
「そう言うのって、途中で止められないよね。漫画とかもつい何十巻もあるの一気に読んじゃうし」
『そうよね。借りてきた連ドラとかもつい見ちゃうのよね』
「見るとくだらなかったりするけどね」

『でもさ、ハヤテにこの話をしたら、怒られたのよね。「かがみ、こなたじゃないんだから頑張ろうよ。僕嫌だよ、恋人が留年とかになったら」ってね。それ以来少しは自制出来るんだけどね』
「成程ね。  リア充め」


                    × ×


ある日の陵桜。今日は夏期講習だ。

「ゆきちゃんおはよー。 ってどうしたの?」
「実は昨日、歯医者さんに行ってきたんです」
「そうだったんだ。大変だったね」

「「痛かったら手をあげてください」って言われたのに、手をあげてもやめてもらえなくて」
「そうだよね。聞くだけで痛いよ」
「幸い、ハヤテさんに教えてもらった自己暗示のおかげで逃げずに済みましたが」


「うう〜。ただでさえ夏期講習があるのに宿題まで出るなんてやってられないよね。折角の夏休みなのに」
「あんた、殆ど自分でやらないじゃない」
「そうだよ。かがみのを写すか、僕に頼るかじゃん」

「そうね。大体、小学校中学校と違って、自由研究や読書感想文とかないんだから、楽なもんじゃない」
「そうだね。問題を解きさえすれば、終わるもんね」
「そう言えばさ、ハ〜君。工作とかポスター制作もあったよね」

「ああ、ありましたね」
「そう言うのってさ、親に手伝ってもらったりするよね。結局熱が入って全部やっちゃうとか」
「私それで賞をもらったことあるもん」

「ああ、あったわね」
「お父さんのおかげでさ。見直しちゃったって言ったら喜んでくれて」
「そこは親なら怒る所じゃ。まあでも、僕はそんな事ありませんでしたね」

「あ、ごめんね。ハ〜君、1人暮らしだったもんね」
「もう、いいですよ」


                   × ×


「ねえつかさ、私は思ったのだよ」
『突然だね。何を思ったの?』
「夏休みの宿題ってやつは、後半で一気にやろうと思うから、大変なんだって」

『そうだよね。本当に大変だよね』
「最初からコツコツ少しずつやれば慌てなくて済むよね」
『そうなんだよね。でも、中々上手くいかないよね、それって』

「だね。でさ、かがみは?」
『えっと。今日は居ないんだ』
「そうなんだ。なんでまた」

『ほら、私達って高校最後の年でしょ?だから、ハ〜君と旅行に行っちゃったんだよね』
「やれやれ。青春してる人は高校最後でもそれか」
『帰ってくるのは明後日なんだ。だから、宿題で頼るのは無理かも』

「じゃあ、明々後日に行ってもいい?かがみに話し通しておいてよ」
『うん、わかった。じゃ明々後日に』

で、その明々後日。

「う〜。暑いね〜」
「おっす。いらっしゃい」
「かがみん日焼けしてるね。さては海に行ったな」

「こなた、ここで暑さと戦う?それともいじりを止めて冷房聞いてる部屋に来る?」
「すませんでしたッス。部屋入れて」

謝ったので、部屋に入れてあげた。

「いやー快適だね〜」
「こなた、よく人ん家でそこまで寛げるね」
「あ、ハヤちゃん来てたんだ」

「まあね」
「ハヤちゃん、毎年こんな風に何もせずに夏が過ぎると、私は思うのだよ。気付いたら夏休み終わってるって具合に」
「そんなだらけた事言ってる場合じゃないでしょ」

「ハヤテの言う通りよ。今年は計画立てて、ちゃんと宿題とかやりなさいよ」
「いやあ。毎年休みに入る前は頑張ろうと思うんだけどね」
「本当かよ」

「漫画とかだと、「宿題やって無いー」ってネタ多いじゃん?」
「こなた。だからと言ってやらなくてもいいって事は無いの。そんなセオリーは無視しなさい」

つかさも来て、宿題を始めた。

「そう言えばさ、ハ〜君。ハ〜君は宿題終わったの?」
「終わりましたよ。今日来たのは、手助けのつもりで」
「へ〜。じゃあさっそくだけど、ここ分かんない」

「ああ。それはですね」
「ねえねえハヤちゃん。かがみんとの旅行はどうだったの?2人きりだったんでしょ?」
「まあ、楽しかったよ。旅先で勉強と宿題したけどね」

「へえ。リア充だねえ」
「あんたには関係ないでしょ。宿題やりなさい」


                     × ×


翌日。かがみはみさおと共にあやのの家に来て、宿題をすることになった。

「そういえヴぁさ、柊」
「何よ」
「おめえ、彼氏とはうまく行ってんのか?」

「まあね。ちょっと前にも高校最後だからって、2人きりで旅行行ってきたし」
「柊ちゃん、だから日焼けしてたのね」
「まあね」

「チェ〜。あやのと言い柊と言い、ずりいよな。青春しやがって」
「そう言うなら、あんたも彼氏作ったら?」
「相手が居ねえじゃん。誰か良いやつ紹介しろよ」

「知らないわよ、そんな人」
「まあ、いいや。それより、勉強しようと思うんだけどさ、ついつい眠くなっちゃうんだよね。だからさ、なんかいい眠気覚ましねえかな」

「無理に起きてるより、軽く仮眠取るのが効果的っていうけどね」
「いやさー。それはやるんだけどね、仮眠のつもりが本眠になっちゃうんだよね」
「意志を持てよ。意志を」


                     × ×


別の日、泉家。かがみとつかさが来て勉強会を開いていた。

「あの、ちょっといいかな」
「どったのゆーちゃん」
「え、えっと」

「ハヤちゃん?今日は居ないよ。忙しいんだって」
「そ、そうなんだ。ってそうじゃなくて、聞きたいことが」
「お姉さんたちに何でも聞き給え」

「中学の時の友達に恋人が出来たみたいで、「誕生日に何を贈るのがいいか」って聞かれたんだけど、私分かんなくて」

ゆーちゃんの質問に室内が一瞬凍りつき

「そ、そう言うのはさ、彼氏持ちであるかがみんに聞くのが一番なんじゃないかな」
「そ、そうだね。私達じゃ戦力にならないよ」

話を振られたかがみはため息をつき

「そういう時は、心を込めたものを贈るのが一番だと思うわよ。余程のものじゃない限り、恋人に贈られた物は嬉しい物だと思うわ。ハヤテはそう言ってるわよ」

「そうなんですか。そうアドバイスしてみます」
「役に立てたみたいで光栄だわ」


                    × ×


翌日。今日はみゆきさんも勉強会に参加していた(ハヤテは欠席)。

「そう言えばさ、かがみ達の所のお祭りっていつやるの?」
「何言ってるの?もう終わったわよ」
「な!?なんで教えてくれなかったかな」

「じゅ、受験勉強もあるし。教えたら絶対行きたがるだろうからって。私達も参加してないよ」
「別にこっちのお祭りに参加しなくても、地元のお祭りに参加すればいいじゃない。もう終わっちゃったの?」

「地元のお祭りカー。いつやるんだろ?」
「いるよなー。他のお祭りには参加するくせに地元のお祭りには無頓着な奴。あんた、地元の友達には会いたくないタイプか?」

「やれやれ。幾ら受験生だからって、勉強ばっかじゃ持たないよ」
「そう言えば。明日うちの近くで花火大会がありますが」
「それだー。ハヤちゃんやナギちゃん、マリアさんも誘ってみんなで行こうよー」

「そうね。息抜き位には良いわね」


ほぼ同時刻。ゆーちゃん、みなみちゃん、ひよりん、パティは集まって勉強会をしていた。

「そう言えば。明日みなみちゃんの家の近くで花火大会やるんだよね?」
「うん」
「へ〜。日本の花火見てみたいですね。皆で見に行こうよ、みなみ」

「みなみちゃん、明日あいてる?」
「大丈夫」
「じゃあ決まりネ、みなみ」

「行こうね、岩崎さん」
「うん」

「(ってあれ?「岩崎さん」!?)」

ゆーちゃんは自分だけ名字で呼んでいる事に気付き

「け、結構有名な花火大会なんだよね、み・・岩崎さん」

名前で呼ぼうとしたが、名字で呼ぶ方に慣れていて、変えにくかった。

「あ、でも。場所も遠いし、有名だから人も沢山来るから、ゆーちゃん大丈夫?この前まで風邪ひいてたんでしょ?」
「オー。明日は暑いそうですから、次の機会にしますか?」
「私の事は気にしないで。ハヤテさんも来てくれるみたいだから、安心だよ」

「保健委員の私もいるから、安心して。ゆたか」
「うん。ありがと、みなみちゃん」

その日の夜、泉家。

「花火大会に行く事になったんだけど、「受験生なんだから勉強もしなさい」ってハヤちゃんに怒られるから、あんまり遊べないんだよね」

「ハヤテ君は真面目だからな。でも、こなたはこなたでやりたいようにやればいいさ。俺もかなたを無理やり連れまわして、色々遊んだもんさ。怒られたが、青春と言うやつは待ってはくれんのだよ」

「じゃあ私もかがみみたいに彼氏作って思い出作りでもしますかな」

ピシッ

「それだけは絶対に認めませーん。彼氏なんてー」
「お父さん、支離滅裂だよ。 まあ、いいや。ゆーちゃんも一緒に行こうよ」
「私も行くんだ。みなみちゃんの家に集合してさ」
「そうなんだ」


                    × ×


そして花火大会当日。

「「じゃ、行ってきまーす」」

こなたとゆーちゃんは浴衣に着替えて家を出た。
そして最寄り駅で電車に乗り、一旦の集合場所である乗換駅に着いた。

「お待たせー」
「ゆたかちゃんも一緒なんだね」

「ん!?ねえハヤちゃん、ナギちゃんとマリアさんは?」
「何時もの事だよ。 それより、こなた浴衣似合うね」
「でしょ?」

「ゆたかさんも浴衣お似合いですよ」
「そ、そうですかね?//////////////////////」
「勿論。その浴衣のおかげで、ゆたかさんの可愛さがより一層引き出されてますよ」

「え、えへへ/////////////////////////ハヤテさんも浴衣お似合いですよ///////////////////////////」
「それはありがとうございます」

「ハ〜ヤ〜テ〜」
「え、えっと。ゆたかさん、お友達は」
「う〜んと」

「おーい。こっちだよー」
「おーい、おーいネ」

「パティさんにひよりんも一緒なんですね」
「皆さんも花火ですか?」
「浴衣似合うねー」

「ホントですね。お2人ともとてもお似合いですよ」
「ハヤテ、行くわよ」
「か、かがみ〜。引っ張らないでって」

その後は特に問題も無く、こなた達はみゆきさんの家に、ゆーちゃんたちはみなみちゃんの家に着いた。
すると、お互いの家が向かい合ってることを知り。

「こういう偶然もあるもんだね」
「ホントビックリだよ」
「うん」

全員でみゆきさんの家に集まり、お茶をしていた。

「いらっしゃい」
「あ、すみません」

みゆきさんの母・高良ゆかりがメロンを持ってきてくれた。そして全員に配った。

「あら?足りてるわよね?」
「あの、お母さん。自分を入れてるんじゃないですか?」
「えっと、1,2,3,4,5,6,7,8,9」

「10、ですね」
「あらやだ。ホントだわ」

笑う合う天然母娘を見てハヤテとこなたが

「こなた、流石と言うべき会話だよね」
「だね」

お茶を終え、向かいの岩崎家にも顔を出すことにした。

すると、庭に大きな犬が放し飼いになっていた。

「わ、大きな犬」
「大丈夫だよ。全然ほえないし、人懐っこいよ」

ゆーちゃんに撫でられて、嬉しそうなチェリーにひよりんは安心して近付いたが

「あ、あの。なぜか唸ってますが」
「ひよりんは、なぜか吠えられちゃうみたいですね」

ハヤテが近付くと、態度が急変し、甘えるようなしぐさを取り始めた。

「ハヤテ先輩にはこの態度」
「そう言えば、不思議と動物に好かれてましたね、昔から」

挨拶を終え、花火会場に行こうとしたが、チェリーがまるで「いかないで」と言わんばかりの寂しそうな声でハヤテにアピールしていた。

「また来ますから。ね」

ハヤテはチェリーの頭を撫でつつ宥めると、分かってくれたようだった。


                  × ×


「「「「「「「「「わ〜」」」」」」」」」

打ちあがる花火に全員感動していた。

「子供の時にさ、花火って横から見ても丸く見えるのか疑問だったんだよね」
「え!?平べったく見えるんじゃないの?」
「おいおい」

つかさの発言にかがみは呆れツッコミを入れた。

「テレビで偶に花火中継をやってますが、実際に見た方が雰囲気あっていいですね」
「そうだね〜」
「そうですね〜」

「でもさ、大きな花火が上がるたびに「○○の提供でした」って態々お店の名前出されると、雰囲気台無しだよね。綺麗なのにさ」

こなたの超正論にみゆきさん、ひよりん、パティは呆れつつも同意した。

「あれ?そう言えば、ハヤちゃんどこ行ったんだろ」
「ゆたかもいない」

「ん!?ハヤテからメールだわ「心配ないから花火が終わったら来て。地図添付」だって。地図では、会場の近くね」
「成程。ハヤちゃんなら大丈夫か。じゃ、我々は花火を楽しもうではないか」
「でも」

「大丈夫だよ、みなみちゃん。ハヤちゃんは信頼のおける人だから」

こなたに言われ、全員(2名不在)で花火を楽しんだ。

「素敵でしたね」
「これこそ「夏」って感じね」
「でもさ、漫画みたいに綺麗な思い出だけって訳にはいかなかったよ。凄い蚊に刺されちゃったし」

「かい〜の」
「掻くと余計にかゆくなるわよ」
「浴衣を脱いだら紐の後がまたかゆくて」
「そうだよね」

さて、ハヤテとゆーちゃんはどうしたかと言うと、少しだけ時間を巻き戻しましょう。

皆が花火に感動している頃、

「あれ?ゆたかさん、顔色が良くないですね」
「そ、そんな事は」
「う〜ん。ここじゃ良くないですね。こちらへ」

ハヤテとゆーちゃんは近くのベンチに来て

「ここからじゃ花火は見えませんが、ゆっくりできますよ」

ハヤテはゆーちゃんをベンチに座らせ、自身も横に座った。

「これどうぞ。元気が出ると思いますよ」

水筒を取り出すと、コップ部分に注いで渡した。

「あ、このミルクティー美味しい」
「甘めにしておきました。お口にあって何よりです」

「美味しかったです」
「まだちょっと顔色は良くないですね。横になったほうがいいですよ」
「え、えっと/////////////////」

「直接ベンチに寝るより僕の膝枕の方が多少はましだと思いますよ」
「じゃ、じゃあお邪魔します//////////////////////」

ゆーちゃんはハヤテに膝枕してもらい

「(ハヤテさんの膝枕、あったかいな)」

ハヤテはかがみにメールした。

「あ、あのハヤテさん」
「はい?なんですか?」
「すみませんでした。私の為に花火を」

「気にしないでください。人に役に立つことが、僕にとって最高の名誉なんです」
「そ、そうなんですか//////////////////////////」

「星も、綺麗ですね」
「え、ええ///////////////////////////」

ゆーちゃんは2人きりと言うこの状況を好機と考え

「あ、あの。ハヤテさんに聞きたい事が」
「何でしょうか?」
「ハヤテさんにとって、私ってどういう存在なんですか?」

「僕にとってゆたかさん、ですか。正直に言うと、妹みたいな感じかなって」
「妹、ですか」
「以前ゆたかさんが僕の事をお兄ちゃんみたいだって、言ってくれましたよね?」

「あ、はい」
「正直、そう言ってもらえて嬉しかったんですよね。あの日以来「妹を持った兄ってこんな感じなのかな」って思うようになったんです」
「そうなんですか」

「ですから、妹みたいに思えて。 もしかして、迷惑でしたか?」
「そんな事無いです。妹みたいって言ってもらえて嬉しいです」
「そうですか」

「あの、ハヤテさん。これからも、妹として、甘えていいですか?」
「こんな僕でよかったら喜んで」

その後、少しの間会話が無かったが

「ヤフー。ここに居たんだね」
「あ、お姉ちゃん」

「ハ〜ヤ〜テ〜。なんでゆたかちゃんを膝枕してるのかしら〜」
「べ、別に深い意味は無いよ。ゆたかさんが体調を崩しちゃったみたいだから、介抱してただけだって」
「ええ。ハヤテさんに介抱してもらっただけです」

「ふ〜ん」
「別に何もなかったって。持ってきたお茶をあげて、その後は膝枕した以外何もないよ」
「信用しとくわ」

「ねえかがみ、若しかしてヤキモチ妬いてる?」
「フンッ」
「大丈夫だよ。かがみと言う恋人が居るのに、他の女性に手を出す訳ないじゃん」

「フ、フンッ////////////////////////////////////////」

「(なんか、羨ましいな。ハヤテさんにあんな風に言ってもらえるなんて)」

「(ゆたかのさっき(膝枕してもらってた時)と言い、今のゆたかの表情と言い。まさかゆたか)」

ゆーちゃんの様子を見て、みなみちゃんは察した様だった。

-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月13日更新) ( No.33 )
日時: 2016/01/15 22:35
名前: ささ

ハヤテと少しでも一緒にいたいからって付き合って1年3ヶ月で二人きりで旅行か。
つかさ、もうハヤテをお兄ちゃんと呼んだら。
ハヤテとかがみ、前もって婚姻届にサインしちゃいなよ。
ハヤテとかがみは結婚したも同然だと思ったから、前回かがみの敬称をMrs.にしたんだけどね‥。
勝手にかがみの思考を分析しました。(私以外の女に無駄に笑顔振りまかないでよ)
歩く萌え要素のゆたかと歩くジゴロのハヤテか…
かがみ、ハヤテをゆたかちゃんに取られちゃうよ(棒読み)

こなた、かがみとハヤテが付き合ってて助かったね。(アニメ版では姉の威厳がズタボロだったからね)
あと、ハヤテがあの手のゲームの主人公に似ているなら、さしずめかがみはその手のゲームのヒロインってことか(かがみんが恐いから他に男が寄ってこないってのはなしね)

ところでハヤテ、柊家で外泊しないの?
それでは。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月17日更新) ( No.34 )
日時: 2016/01/17 22:14
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>ハヤテと少しでも一緒にいたいからって付き合って1年3ヶ月で二人きりで旅行か。

 かがみ「べ、別にいいじゃない////////////////////しちゃいけない決まりはないわよ///////////////////////////」

 >>つかさ、もうハヤテをお兄ちゃんと呼んだら。

 つかさ「えへへ。お兄ちゃん♪」←満面の笑み。
 ハヤテ「ま、まだ早いですよ////////////////」

 >>ハヤテとかがみ、前もって婚姻届にサインしちゃいなよ。

 ハヤテ・かがみ「そ、それは/////////////////////////////////」
 こなた「しないの?」

 >>ハヤテとかがみは結婚したも同然だと思ったから、前回かがみの敬称をMrs.にしたんだけどね‥。

 かがみ「そ、それは、その//////////////////////////////////////」
 こなた「あってるでしょ」

 >>勝手にかがみの思考を分析しました。(私以外の女に無駄に笑顔振りまかないでよ)

 かがみ「ち、違うわよ///////////////////////」
 こなた「ニヤニヤ」

 >>歩く萌え要素のゆたかと歩くジゴロのハヤテか…

 ひより「ハヤテ先輩がフリーだったら、お似合いだったかもね」
 パティ「その通りネ」

 >>かがみ、ハヤテをゆたかちゃんに取られちゃうよ(棒読み)

 かがみ「それだけは絶対にないわ!!!!断言するわ!!!!!!!!!!」
 つかさ「だ、だよね」

 >>こなた、かがみとハヤテが付き合ってて助かったね。(アニメ版では姉の威厳がズタボロだったからね)

 こなた「そうだね。彼氏持ちの人の気持ちは分かんないよ」
 かがみ「・・・」

 >>あと、ハヤテがあの手のゲームの主人公に似ているなら、さしずめかがみはその手のゲームのヒロインってことか(かがみんが恐いから他に男が寄ってこないってのはなしね)

 こなた「確かにね。ハヤちゃんもかがみんも素質は十分だよ」
 そうじろう「だな〜」

 >>ところでハヤテ、柊家で外泊しないの?

 ハヤテ「まあ、それはちょっと」

 >>それでは。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月17日更新) ( No.35 )
日時: 2016/01/17 22:20
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                   × ×


ある日。

「やあやあお3人がた。おはよー」
「おはよーこなちゃん」
「おっす」

「おはよ、こなた。ちゃんと冬服だね」
「いやいやハヤちゃん。ちゃんとしてるよ、つかさじゃあるまいし」
「なにー!?」

「こなた、親しき中にも礼儀あり、だよ。つかささんはそんな事しないでしょ」

実際は、未遂があったのだが、かがみは妹の名誉のため黙っておくことにした。

「でもさ、まだ暑い日も多いし、夏服のままでもいいよね。逆に夏服の時は寒い日もあったし。いっそのこと自由にしてほしいよね」
「ね〜」
「あのね。そうなってくるとだらける人も出てくるでしょ。寒かろうが暑かろうがずっと一緒ってぐらいに」
「ハヤテの言うとおりね」


                  × ×


別の日。今回は珍しく仲良い5人が集合していた。

「そう言えばさ、娘の携帯とかパソコンのメールチェックする親もいるらしいわね。うちは平気なんだけど」
「ええ。偶に聞きますね」
「まあ、「親」と言うのは「心配する事」が仕事みたいなもんだからね。若しかして〜ってのがあるのかもね」

「確かにね。あんたんところはどうなの?」

聞かれたこなたは少しの間を置き

「家もそれは無いかな」
「おじさん溺愛してるみたいだし、娘の嫌がる事はしないか」
「それもあるけど、家のお父さんもパソコン使うからね。Dドライブを覗かれる恥ずかしさを知ってるんだよ」
「確かにね。あれは個人の趣味がもろに出るし」

「ハヤテはどうなの?ナギちゃんはご主人様だから、「携帯見せろ」とか無いの?」
「主従関係があってもそこまではしないよ」
「成程ね」

「まあ、お嬢様は「マリアに監視されてる気がするんだか、気のせいか?」って割と口癖みたいに言ってるけど」
「ハヤちゃんや、それはきのせいじゃないと思うよ」

「そ、そうかな」

話にキリが出来ると、こなたは壁に寄りかかり

「は〜っ。今年の夏は夏期講習とかで忙しくて、遊びは花火と有明だけだったよ」
「十分でしょ。まあでも、気持ちは分かるよ。僕も忙しくてかがみとデートあんまできなかったし」

「な!?あ、あんたはまたそうやって照れる様な事を〜////////////////////////////」
「良いじゃん別に〜。僕達付き合ってるんだし」
「皆の前で言うのが問題なのよ!!/////////////////////」

赤い顔で抗議するかがみを気にせず

「こなたはやっぱりコミケに行ったんだね」
「まあね〜」
「コミケ〜!?」

「つかささんはトラウマになっちゃいましたか」
「だね〜」
「でさ、いくら使ったの?こなたの事だから懐が寂しくなるくらい使ったんだろうけどさ」

「そだね〜。1冊1000円だとして〜、大体4,5万円ぐらいかな」
「こなた、君は「限度」って言葉を覚えなよ。金銭感覚狂いすぎだって」
「ハヤちゃんも知ってるでしょ?自費出版ってのはさ、お金がかかるんだよ」

「そっちじゃないよ」
「そうよ。それだけの金額をつぎ込める感覚の事を言ってるのよ」

やっと照れから戻ってきたかがみもツッコミを入れた。

「やれやれ。もう9月になってるのに、暑いよね〜」
「そうだよね〜」
「今年は暖冬傾向になるそうですよ。地球温暖化とかで」

「ゆーちゃんは熱に中てられ易いからさ〜、冷房の効いた居間にいることが多いんだよね」
「そうなんだ。体調崩さないか心配だな」
「ム〜」

「わ、私も冷房の効いた部屋に入り浸っちゃうんだよね。だらけちゃうんだけど」
「まあ、私はお父さん共々混じって小の字になってゴロゴロしちゃんだけど」
「小!?普通は川でしょ」

「そうじろうさんが真ん中に来るからでしょ?だからほら、小の字に」
「成程ね」
「ゆたかさん適応能力高いですね」


                   × ×


一方。
みなみちゃんは泉家に遊びに来ていた。

「そう言えば、ゆたか」
「ん!?何?」
「ゆたかって、若しかしてハヤテさんを」

「はう〜。やっぱり気づいちゃった!?」
「うん。でも、ハヤテさんは」
「分かってるよ。だから、妹として甘えてるんだ」
「そうなんだ」

話していると、車の急ブレーキ音が聞こえ、少しした後

「ヤフー。ゆたか遊びに来たよ〜。って、そちらさんは?」
「友達の岩崎みなみちゃんだよ」
「おお〜。君がか〜。んで、何の話してたの?」

「・・恋バナ」
「ほう〜。って事は、ゆたかか」
「お姉ちゃんも知ってたの?」

「こなたからね」
「それで、ゆたか」

「正直、ハヤテさんは好きだよ。でも、あの2人の関係は壊したくないんだ。だから、私は「妹として」で満足だよ」
「そうなんだ。ま、ゆたかがそれでいいなら、お姉ちゃんは何も言わないよ」
「私も。ゆたか、頑張ってね」
「2人とも。うん、頑張ってみるよ」


                   × ×


ある日の夜。

「夜にごめんね。ハ〜君、今大丈夫?」
『大丈夫ですよ。どうかなさいましたか?』
「勉強の事なんだけどさ。夜にやろうと思うんだけど、どうしても眠気に勝てないんだよね。ハ〜君は夜遅くでも起きてられるみたいだし、なんかコツあるのかな?」

『まあ、無理して起きてるより、早寝早起きする方が効率的ってのもありますよ』
「そっか。じゃあそうするよ」

しかし、目覚ましを早めにかけたものの、習慣からかいつも通りの時間に目覚めてしまい

「ハ〜君、今度は早起きのコツ教えてよ〜。目覚ましかけても起きられなかったよ〜」
『まあ、癖がついてしまうと中々ね』
「やっぱり、夜中まで起きてた方がいいのかな?」

『眠気を我慢しながらではよくないと思いますよ。早起きのコツでしたら、朝早く起きる事が習慣付いてる人に起こしてもらうってのも手ですよ』

「そうなんだ。じゃ、お母さんに頼んでみよ」

しかし、起こしに来てはもらえたのだが、起きられずにいつも通りになってしまったそうだ。


                   × ×


ある日。ゆーちゃんはこなたの忘れ物を届けようと、3年生の教室があるフロアに来ていた。

「おや?ゆたかさん、こんな所で奇遇ですね」
「あ、ハヤテさん//////////////////」
「どうかなさいましたか?」

「お姉ちゃんの忘れ物を届けに」
「そうでしたか。では、ご案内しますね」

ハヤテはゆーちゃんの歩くペースに合わせて先導し

「サンキュー。ハヤちゃんも案内ありがとね」
「いやいや」

「違う学年の廊下って、なんか不思議な感じがするよね。「威圧されている」っていうのかな」
「ゆたかさんの場合は、ゆたかさんが可愛いから思わず見てしまったのでは?」
「そ、そうですかね?//////////////////////////」

「きっとそうですよ」
「(いやいや。ハヤちゃんは割と有名人だし、「妹っていたっけ」みたいな視線だと思うよ)」

こなたはこう思い、

「大抵は本人の気のせいなんだけどさ、上級生の所に行っても、下級生の所に行っても異質の空気を感じるよね」
「私は元々ちっちゃいから注目を浴びるんだけど、上級生からって思うと重圧感じちゃって」

「気のせいですよ。ゆたかさんの場合は、「可愛いから」ですよ。皆さんが注目しちゃうの」
「そ、そうですかね?//////////////////」
「きっとそうですよ」

「因みにだ、私は注目浴びるの好きだよ」
「そうなんだ」
「でもさ、1年生の所に行ってもあんま注目浴びないんだよね。上級生だと思われなくて」

「まあ、こなたはちょっと特殊だしね」

因みに、ハヤテがゆーちゃんを褒めた事でかがみは不機嫌だったが、つかさが必死で宥めていた。


                    × ×


別の日、放課後。

「あ、パティちゃん」
「オ〜。どうもです」
「これからバイトですか?」

「そうです。今週はシフトを入れすぎました」
「あんたも続けてるんでしょ?」
「そうだよ。私たち結構人気あるんだよ」

「確かに、噂をよく聞くからね」
「流石ミスターハヤテ。Aボーイも萌え萌えです」

こなたとパティは2人でハートを作った。

「Aボーイ?」
「秋葉原にいる、「如何にもな」男性を指す言葉だよ」
「成程」

「ミスターハヤテ、貴方なら分かるはずです。「ちょっと違う」が多くなりつつあるのを」
「フムフム。パティもだいぶ日本に慣れてきたか」
「随分とピンポイントな、慣れですね」

ハヤテは皮肉を込めてこなたに返した。


                     × ×


ある日の夜。

「ハヤテ先輩、ご相談が」
『なんでしょう』
「ここ最近スランプ気味で」

『いいネタが思い浮かばないんですか?』
「そう言う訳では。お風呂に入ってるときに思いついたんっすが、出たら忘れてて」
『まあ、そう言う場合、防水処理がしてある電子メモ帳を用意するか、忘れないように反芻しておくとかありますよね』

「寝る直前に良いネタ思いつくんっすが、起きたら忘れてて」
『そう言う場合、直ぐに書いちゃうしかないですよ』
「でも、夢でネタになりそうなことを見て、起きて直ぐにメモしようとしたんですが」

『やっぱり忘れちゃうと』
「そんなこんなでスランプ気味で」

『まあ、夢に関しては仕方ないとして、そういう時はいつでもメモできる状況を作っておくことをお勧めしますよ』
「相変わらず頼りになります。ありがとうございましたっす」
『いえいえ』


                     × ×


ある日の陵桜。

「っと言う訳で、皆ちゃんと話して決めておくんやで。折角京都・奈良に行くんやこれやっちゅう観光スポット決めておくんやで」

そう、陵桜は間もなく修学旅行だ。

「先生、観光地は全員でバスで行くんじゃないんですか?」
「あっはっは。全員で行くんはお決まりの所ばかりやから、おもろないで」
「先生、教師であるあなたがそれを言うべきじゃないと思いますよ」

こなたの質問に返した黒井先生にハヤテはツッコミを入れた。

色々割愛し、修学旅行当日。京都駅。
駅構内を見渡した後、こなたが

「ここにイリスが入ったのか」
「こなた、それはその手の人達にしか分かんないよ」
「ねえハ〜君、イリスって?」

「ある特撮に登場した怪獣ですよ」
「へ〜」

また割愛し、バス移動中

「これから皆さんを古都奈良へとご案内いたします。平城京遷都から歴史ある街並みを。奈良ならではの歴史ロマンをお楽しみください」

バスガイドさんが駄洒落を言うと、車内が静まり返り

「山○君、座布団持っていきなさい」
「あら、お上手ね」

ハヤテの切り返しに、車内は何とか持ち直した。

また割愛し、バスは目的地に着いた。

「お待たせ」

別のクラスのかがみが合流してきた。

「ねえねえハヤちゃんにかがみん、本当に2人きりにしなくてよかったの?「修学旅行デート」出来るじゃん」
「余計な気を遣わんでよろしい」
「そうだよ。まあ、ちょっと魅力的だけど、皆で回ろうよ。その方が楽しいしね」

こなた達は仏像を見に来ていた。
すると

「フムフム。このおっきいのが本体で、周りのちっこいのはオプションか」
「こなた、罰が当たるから止めなさい」

ハヤテは軽くチョップしてツッコミを入れた。

次に来たのは鹿がいる公園であった。
つかさは鹿せんべいで餌をあげていた。すると、次々にシカが寄って来て

「ううー。ベトベトだよー」
「大丈夫ですか」

みゆきさんがつかさを労わっている一方で

「ホレホレ・・アタッ!!」
「こなた〜。今のはどういう意味かな〜?」

こなたは持ってた煎餅で餌付けするかのようにかがみに差し出していた。

「べ、別に深い意味は」
「じゃあどういう意味なのかな〜?説明してね〜」
「ご、ごめんなさい。謝るから2発目の鉄拳制裁は止めて」

因みにかがみはやっぱり?照れてます。

また別の場所に来ると、外国人がいて

「ええ!?えっと」

言葉が分からずつかさが困っていると

「シャッターを押してほしいんだと思いますよ」

ハヤテが英語で話すと

「写真を撮ってほしいって言ってますよ」
「え、えっと。ハ〜君、シャッター押すときはなんて言うの?」
「「say cheese」で通じますよ」

教えてもらったとおりにして、つかさはシャッターを切った。


                × ×


夜。こなた、かがみ、つかさ、みゆきさん、ハヤテは1部屋に集まっていた。
ハヤテは最初躊躇しましたが、「平気だから」っとみんなに言われたので、部屋にいます。

「そう言えばさ。修学旅行と言えば、カップルになったりする男女って多いわよね」
「修学旅行イベントは外せないね」
「やっぱり、学校から出た開放感がそうさせるのではないでしょうか?」

「それか、「高校最後だから」ってのもあるのかもね」
「ここぞって事ね」

間もなく消灯時間になるので

「お恥ずかしながら、枕が変わると眠れなくて」
「お恥ずかしながら、これが傍にいないと眠れなくて」
「お恥ずかしながら、1日1回は電源入れないと落ち着かなくて」

みゆきさん、つかさ、こなたの発言にかがみもハヤテも呆れていた。

「ハヤテもあるの?3人みたいのが」
「まあ、ある事はあるよ。1日1回は勉強しないと落ち着かないってのが」
「うげーっ。流石ハヤちゃんだねえ」

「もう消灯時間だし、部屋に戻るね」
「もう?ねえハヤテ、ハヤテの部屋は?」
「本当は白石君と同じだったんだけど、急病で来てないから1人部屋だよ」

「じゃ、じゃあさ。一緒の部屋で寝ようよ」
「そ、それは流石に不味いよ。ばれたりしたら」
「大丈夫よ。ばれない様に行動するから。それとも、私と一緒じゃ嫌なの?」

「そ、そう言う訳じゃ。わ、分かったよ」

「やれやれ。修学旅行とか関係なく、仲の良いカップルは出来上がってるよね」
「だね」

結局かがみとハヤテは同じ部屋で寝た。なんとかばれずに。


翌日。

「間もなく当バスは清水寺へと参ります。清水寺へと続く坂道は「三年坂」と言いまして、そこで転ぶと三年で死ぬと言われております。「三年坂」が「残念坂」にならないようにご注意ください」

前日同様空気が凍ったので

「山○君座布団全部没収しなさい」
「あら、お上手」
「このやり取り、2回もいるの?」

目的地に着き、黒井先生の注意を受けた後、かがみと合流して観光名所を回る事にした。

当然?清水寺からだ。

「「「「「わ〜」」」」」

かの有名な清水の舞台から下を見た5人は驚き

「高いですね」
「そう言えばさ。「清水の舞台から飛び降りたつもりで」ってあるけど、これじゃあ本当に飛び降りたら死んじゃうんじゃない?「もう後どうなってもいいや」って事?」
「かがみは夢が無いね」

「ではここで補足。 昔はここから飛び降りた人も結構いたんだよ。江戸時代に234人の人が飛び降りて、死んじゃったのは34人。生存率は約85%だね。本来は、願掛け、例えば、「自分の病気を治したい」「母の病気を治してください」みたいな。そう言う意味合いで飛び降りてたんだよ。つまり、篤き信仰心ゆえの行動だね。昔は木が生い茂ってたり、地面が柔らかかったから大丈夫だったんだね。今じゃとても無理だけど。で、1852年に京都府が飛び降りを禁止したから、沈静化したみたい」

ハヤテが解説すると、4人とも拍手し

「流石ハヤちゃん」
「博識だね」
「勉強になりました」
「か、かっこいいじゃない/////////////////////」

一行は次に縁結びで有名な場所にやって来た。

「ねえねえかがみん。「恋御籤」やって行こうよ」
「いいわよ、別に」
「なんでさ。ハヤちゃんとの今後を占うのに最適だよ」

「分かったわよ。引きゃ良いんでしょ」

それぞれおみくじを引き

「おお、大吉だ」
「待ち人来ます。恋をするなら今年でしょう。だって」

「私は吉ですね」
「十分いいじゃない。じゃあ私は・・「半吉」!?」
「良い事と悪い事が半分ずつって事だね。因みに、5番目の運勢だよ」

「ねえねえハヤちゃん。ハヤちゃんのは?」
「えっと。僕も半吉だね」
「神様は分かってるねえ。待ち人は、「恋人が居る場合、その人と生涯共に過ごせるでしょう」だってさ」

かがみのお御籤にも、全く同じ事が書いてあったそうだ。

一行はお土産が売っている所に来た。

「わ〜可愛い」
「良いわね」

ゆるキャラ風のストラップを柊姉妹が褒めていた。

「いやいや。かがみんはこっちでしょ・・アターッ」
「こなた、いい加減懲りようよ」

こなたが大きなお菓子を勧めた事で、鉄拳制裁が下った。

「ううッ。ハヤちゃん、最近鉄拳制裁が強くなってない?」
「気のせいだよ。それよりかがみ、それ買うの?」
「どうしようかなって思ってるのよ」

「じゃあ、僕が買ってあげるよ」
「い、良いの?」
「一足早い僕からのお土産って事でね」

「ハヤテ////////////////////////」
「やれやれ」
「さてと。後はお菓子でも買っていくか」

「ハヤちゃん食べるの?」
「お嬢様たちへのお土産だよ。「買って来い」って釘刺されてるし」
「成程」

その後、幾つか回り、バスに戻った。

ホテルに戻ると、

「え!?」

かがみの鞄に手紙が挟まってて、「9時にホテルの前に来てください」と言うものだった。

昼食後の観光ではかがみは気が気でなかった。

「どうしたの?なんか様子がおかしいよ」
「な、何でもないわ」
「そう?」

「銀閣寺って地味だね。銀色じゃないし」
「金閣と対比されるので、そう呼ばれてるだけみたいですよ。ですので、元々銀色じゃなかったんですよ」
「ふ〜ん。ポ○モンみたいにルビーとかサファイヤってのは無いのかな」

「ある訳ないでしょ。その時代の日本にそんなもんないって。第一あったとしても、価値分かんない筈でしょ」
「そだね」

「ねえかがみ、本当に大丈夫?様子変だよ」
「だ、大丈夫だから」
「無理しないでね」

観光を終え、ホテルの部屋に戻り

「あと1日になってしまいましたね」
「自由行動の計画はばっちりなんでしょ?」

「こなたのおかげで色々大変でしたが、一応は」
「我々の本当の修学旅行は明日なのだよ。いざゆかん、聖地へ」
「・・・そう」


そして、約束の9時。
指定された場所でかがみが待っていると、陵桜の制服を着た男子生徒がやって来た。

「指定された場所ってここで良いの?」
「ああ。待った?」
「ううん」

車のライトが男子に当たると

「あ、同じクラスの」
「覚えててくれたのか。ありがとな」
「ううん。それより、何の用?」

「あ、あのさ。柊、好きだ!!俺と付き合ってくれ!!」
「え!?」
「同じクラスだが、伝えるチャンスは無かったんだ。だ、だから修学旅行と言うチャンスを生かそうと思ってたんだ」

「そう」
「柊、答えを聞かせてくれ」
「ごめんなさい。貴方の気持ちには応えられないわ」

「な、なんでさ。お互いの事ならこれから」
「私ね、彼氏いるの。付き合って、もう1年以上経つね」
「ま、マジかよ」

「大マジよ。私は、その人が大好き。仲だってとってもいいわ。だから、応えられないの」
「そっか。じゃあな、呼び出して悪かったな」

そう言って、男子生徒は帰って行った。

一方その頃。

「あの、呼び出したのはあなたですか?」
「は、はい」

ハヤテもかがみ同様呼び出されていた。

「確か、かがみと同じクラスの方ですよね?僕に何かご用ですか?」
「綾崎君、私はあなたが好きです!!お付き合いしてください」

「・・・。ごめんなさい」
「え!?」
「僕には、お付き合いしている人が居るんです」

「そ、そうなんだ」
「付き合って、もう1年以上です。僕は、その人を愛しています。なので、貴方の気持ちには応えられません」

「分かりました。じゃあ」

振られてしまった女子生徒は、部屋で泣いたそうだ。


                    × ×


翌日。

「場所はバッチリ調べてあるよ」
「調べたのは僕でしょ」
「そうともいう〜」

「でもさ、ハ〜君。本当に行ってもいいのかな?」
「大丈夫じゃないですか?なんか言われたら、僕が何とかしますから」
「そうそう」

「ねえかがみ、本当にどうしたの?  ングッ」
「「「!!!」」」
「ど、どうしたのさ。い、いきなりキスしてきて///////////////////////////」

「なんでも無いわ。ほら、行きましょ」

「な、なんかよく分かんないけど、元に戻ったのならいいや」

「お姉ちゃんどうしたのかな」
「さあ。まあでも、良い物見れたよ」
「フフッ。ほほえましいですね」

その後、こなた曰く「聖地」を回り、

「こなた、京都に来てもそうなんだね」
「態々アニ○イトに来るなんてね」

「あ、そうだ。ハヤちゃんとかがみん、プリクラ撮りなよ」
「ええ!?2人で?」
「そうそう。ほら早く」

こなたは半ば無理やり2人を押し込み、撮影させた。

「デコるのは任せてよ」

「な!?そ、そんな恥ずかしいの止めなさい!!/////////////////」
「記念記念」
「止めなさいって!!!////////////////////////」

「あ、あのこなた」
「残念でした、ハヤちゃんにかがみん。もう「プリントする」って押しちゃったし」
「「///////////////////////////」」

その後は特に何もなく

「私もつかさも無事に帰って来てるわよ。つかさは寝てるけどね」
『そっか。でさ、あのプリクラ貼ってる?』
「は、貼る訳ないでしょ!!//////////////////////////」

『なんでさ〜。折角の記念なのに』
「あんたが勝手にデコったんでしょうが//////////////」
『まあいいや。じゃ、大事にしてね』

電話が切れ、机の引き出しの中からプリクラを取り出した。

「悪くは無いのよね」

ハヤテとかがみのツーショットで、周りに「marriage is hayate&kagami」と書かれていた。


一方。

「はい、ゆーちゃん。お土産」
「わ〜。可愛いな」

こなたはゆーちゃんに例の「八つ橋君」を渡していた。

「お姉ちゃんありがと」
「いやいや。それはハヤちゃんからだよ」
「え!?ハヤテさんから?」

ゆーちゃんが改めて見ると、裏に「K.YUTAKA」と刺繍が施されていた。

「こんなの売ってたんだね」
「違うよ。市販の人形に態々ハヤちゃんが手縫いで名前を入れてくれたんだよ」
「そ、そうなんだ/////////////////////」

「「世界で一つだけのものにしたいから」って言ってたよ。大事にしなよ、それ」
「うん////////////////」

ゆーちゃんは大事なものをを抱きしめるように抱いていた。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

あの八つ橋君、なんか不細工だなって思ったのは自分だけでしょうかね?

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月17日更新) ( No.36 )
日時: 2016/01/18 19:39
名前: ささ

(お二人の赤い糸は予想以上に固く結ばれていたのだった)

かがみ、プリクラで恥ずかしいとか言っているけど、規則を無視して恋人と二人きりで「一夜」を過ごしたり、街中で白昼堂々とキスしたりする人の言うことじゃないから!(彼氏の方は正常(鈍感)だけどね)
つかさ、ハヤテが義理の兄になる日が近いね。
こなた、そろそろ披露宴用にビデオ撮り始めたら?
かがみ、いい彼氏持ったね。(ジゴロで鈍感だけど博識だし、こなたの弄りに制裁を加えてくれるしetc.流石にかがみ程は言えないや)
恋人取られないようにね!(お二人とも)
ハヤテ、かがみ I wish you both happiness forever.(ちょっと早いけど)

なる程、彼女以外にもこういう無駄に優しいところがかがみを悩ませているのか(嫉妬ともいえる)
でしょ、こなた。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月21日更新) ( No.37 )
日時: 2016/01/21 03:24
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>(お二人の赤い糸は予想以上に固く結ばれていたのだった)

 こなた「だね。「地球破壊爆弾」でも壊せないよ、きっと」
 かがみ「////////////////////」

 >>かがみ、プリクラで恥ずかしいとか言っているけど、規則を無視して恋人と二人きりで「一夜」を過ごしたり、街中で白昼堂々とキスしたりする人の言うことじゃないから!(彼氏の方は正常(鈍感)だけどね)

 かがみ「そ、それは。その/////////////////////////////////////////////////」
 こなた「ぜ〜んぶ、事実でしょ」
 つかさ「だ、だよね」

 >>つかさ、ハヤテが義理の兄になる日が近いね。

 つかさ「もう「お兄ちゃん」って呼ぶ練習しておこうかな」
 かがみ「つ、つかさ/////////////////////////」

 >>こなた、そろそろ披露宴用にビデオ撮り始めたら?

 こなた「はい、お2人さん。笑って〜」
 かがみ「は、早過ぎるわよ!!!!!!!」
 ハヤテ「あ、あはは」

 >>かがみ、いい彼氏持ったね。(ジゴロで鈍感だけど博識だし、こなたの弄りに制裁を加えてくれるしetc.流石にかがみ程は言えないや)

 かがみ「そ、そうよね。ハヤテは最高の彼氏よ//////////////////////////////////」
 こなた「後の「最高の旦那」である」

 >>恋人取られないようにね!(お二人とも)

 かがみ・ハヤテ「それは勿論!!!」

 >>ハヤテ、かがみ I wish you both happiness forever.(ちょっと早いけど)

 つかさ「ゆきちゃん、訳して。分かんないよ〜」
 みゆき「お両人の幸せが永遠に、ですよ」

 かがみ・ハヤテ「////////////////////////////////」

 >>なる程、彼女以外にもこういう無駄に優しいところがかがみを悩ませているのか(嫉妬ともいえる)
  でしょ、こなた。

 こなた「だよね〜。ハヤちゃんは万人に優しいもんね。かがみんの悩みは尽きそうにないよね」
 かがみ「・・・そうね」


 ま、まあその。感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月21日更新) ( No.38 )
日時: 2016/01/21 03:28
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                × ×


ある日の陵桜の自習室。

「昨日、ゆいお姉ちゃんとこなたお姉ちゃんと回転寿司に行ってきたんです」
「そうですか。良かったですね」
「帰りにゆいお姉ちゃんが、「ガソリン代が値上がりしてる」って悲しんでたんですよね」

「まあ、それは仕方ないのかもしれませんね。ガソリン代は変動が割と激しい物なので。入れないと車は動きませんしね」
「そうなんですか。あ、そう言えば。あのお店卵が美味しかったんです」

「成程。「卵が美味しい寿司屋は当たりだ」ってよく言いますから、美味しかったんでしょうね」
「え?どうして、そう言うんですか?」
「お店にもよると思いますが、お寿司屋さんの卵は手間がかかるんです。なので、美味しいと当たりっていうんですよ」

「へ〜。勉強になりました」
「いえいえ」

因みに、やっぱり?自習室の外では「乗り込もうとしたかがみを必死で食い止めるこなた」と言う光景があったそうだ。


                    × ×


ある日の陵桜。

「そう言えば、この前貸した本、ゲーム化するみたいね。私は買わないけどさ」
「かがみは情報古いな。私なんか情報をゲットした瞬間、限定版を予約したよ。アニメのDVD-BOXやグッズも買っちゃったし」
「こなたも?お嬢様もだよ」

「へ〜」
「お嬢様はこう言う事に関しては「恐ろしいほどの地獄耳」だからね」
「まあ、ナギちゃんはともかく、こなたは勧めた私以上にのめり込んでるわね」

「勧めた人よりハマっちゃう事って訳あるよね。ゆい姉さんなんかそれで車買っちゃったし」
「車!?」
「き、規模が凄いね。ゲームやアニメのDVDならともかく」

「レース物の漫画貸したらそうなったんだよ」
「趣味のエネルギーって怖え」
「まあ、でも。こなたやそうじろうさんの親戚って考えれば、割と納得だね。確か血の繋がりがあったはずだし」


                    × ×


またある日の陵桜。

「黒井先生、最近調子いですよね」
「おう。ずっとずっと燻っとったが、これからは時代やで〜」

「何の話?」
「多分、先生ご贔屓のプロ野球チームの事だと思いますよ」
「確か、先生は千葉○ッテのファンでしたよね?」

「せやで、綾崎。そもそもやな」

贔屓チームの歴史を語り出した先生を気にしつつも

「そう言えば、俳句で有名な正岡子規は病気で続けられなくなるまでキャッチャーでプレイするほど、野球が大好きだったみたいですよ。雅号を「野球」と書いて「のぼーる」にするくらいに」

「ところで、メジャーリーグの総合優勝って、「ワールドチャンピオン」って言うんですよね?日本シリーズで思い出したんですけど」
「せやな。アメリカ国内だけやのにな」
「まあ、野球の発祥はアメリカなので、そう呼ぶのでは?」

「関係あらへん、そんなん。「世界一」を名乗りたいんやらな、家の球団を倒してからやにちゅうねん」

楽しそうに笑う先生にこなたもハヤテは少し呆れていた。


                  × ×


かがみ、みゆきさん、ハヤテが廊下で話していると

「丁度良かった3人とも。この問題教えてほしいんだけど」

こなたがノートを見せてきたので3人で覗くと

「あんたが私達に勉強の質問なんて珍しいわね」
「これ、結構難しい問題も交じってますね」
「ねえこなた、これってもしかして、アーケードのクイズゲームの問題じゃない?」

「そだよ。私は学問とか苦手で」
「あんたはまた。ってかもっと勉学に身を入れなさいよ」
「受験生って自覚足んないよね、こなたは」

「ハッハッハ。こっちじゃこんなんだけど、向こうじゃ賢者と呼ばれる存在なのだよ」
「あんたはもうその「何とかアカデミー」に入学しちゃいなよ」
「確かにね。こなただったら似合うだろうし」

「まあ、そう言う訳で寝不足気味なんだよね」
「やれやれ。もはや呆れを通り越しちゃうよ」

「そう言えばさ。みゆきさんは寝るのって11時だよね?」
「ええ」
「成程」

「こなた、「寝る子は育つ」って思ったでしょ?」
「まあねん」

で、その日の夜。

「ってな事が今日学校であってさ。ゆーちゃんってよく寝るけど、諺通りにはいってないよね」
「はうっ?!」

で、

「って昨日お姉ちゃんに言われたんだよ。気にしてるのに〜」

ゆーちゃんの言葉にみなみちゃんが胸を気にしてると

「おい岩崎、お客さんだぞ」
「私に?」

みなみちゃんとゆーちゃんが見ると、ハヤテだった。

「ハヤテさん」
「みなみさん、これ」
「あ、どうもありがとうございます」

「いえいえ。では」

ハヤテに手渡された紙を見て

「ね、ねえみなみちゃん」
「あ、これ?ゆたかには、話す。こっち来て」

2人は近くのトイレに入った。

「さっきハヤテさんに貰ったのはこれ」
「な、なにこれ?」

見せてもらった紙には、恋文ではなく幾つかのリストが書かれていた。

「ハヤテさん博識だから、調べてもらったの」
「何を?」
「・・「バストアップに効果があるとされているマッサージ」」

「な、なんだ」
「ごめん、誤解させるようなことして。でも、自分じゃ恥ずかしくて調べられなくて、ハヤテさんだったら絶対に口外しないと思ったから」
「ううん。恥ずかしい事なのに、教えてくれてありがと」

その日の夜。

「夜分遅くにすみません。小早川と言いますが、岩崎さんのお宅でしょうか? あ、はい。えっと、みなみちゃんは?」

「え!?もう寝ちゃったんですか? (こんなに寝ちゃうの速かったっけ?)」

電話できなかったゆーちゃんは、自室でヘッドフォンで音楽を聴いていた。

「ピッタン、らんら文字ピッタン♪」
「ほほー。楽しそうに歌ってマスネ」
「うひゃう!!!」

こなたに聞かれていたことでゆーちゃんは赤面し

「ハヤちゃんにゆーちゃんの歌声聞かせてあげたかったよ」
「や、止めてよー!!はずかしいよ〜////////////」
「良いじゃん。上手だったんだし」

「それでもやめてよ〜////////////」


                   × ×


また別の日(休日)。

こなた、かがみ、ハヤテは勉強会を開いていた。休憩中にかがみの携帯が鳴り、相手は柊家がお世話になっている人のようだった。

「かがみさ〜。ジェスチャーをつけても電話じゃ相手には見えないよ〜」
「こなた、そう言う事言わないの。それにさ、可愛かったじゃん、かがみ」
「な!?///////////////////////あんたはまたそうやって//////////////////////////」

照れるかがみを特に気にせず

「そう言えばさ、電話の最中って流石にゲームは出来ないけど、開いてる手は妙に寂しいよね」
「確かにね」
「だからさ、この前も電話中はコロコロする粘着ローラーで自分の周り掃除してたんだけどね」

「ああ言うのってハマるのよね。無意味な落書きとか単純作業がね」
「そう言えば、前に電話中落書きしてたら訳分かんない象形文字書いた事あったよ」
「ハヤちゃんは落書き派か。私はさ、掃除派でさ。でもさ、電話が切れた途端やる気が無くなってさ。なんか、自分の周りだけ綺麗になった床とか見ると切なくなってさ」

「最後までやればいいじゃない」
「そうだね。中途半端はむしろ気持ち悪いと思うけど」
「でもさ、会話と共に情熱がね」

「「やれやれ」」


                   × ×


また別の日。陵桜。
今日かがみはあやのとみさおと昼食を食べていた。

「ほらほら、○ッキー、○ッキー」

みさおがストローで途中までコーヒー牛乳を飲んで、自慢?してきた。

「ああ、やったな。小学生の頃に」

かがみは呆れていたが、あやのは「しょうがないな」的な笑顔だった。

「全く。子供か、あんたは」
「ブー」
「あ、でも。「子供の時にやった」と言えば、ヨーグルトをかき混ぜて「パン工場〜」とかもやったわよね」

同意を得られると思ったやったかがみだったが、友人2人のリアクションは薄かった。

「え!?パン工場!?」
「え!?やらない?」
「うん」

するとみさおが

「ふっふ〜ん。柊、おめえの彼氏に今の見せてやれよ」
「そ、それは/////////////////」
「んじゃ、あたしが教えてやんよ。見たがると思うぜ」
「や、止めて////////////////////////恥ずかしいから////////////////////////////////」

昼休みは終わり、次の休み時間。

「1学期に貸したゲーム、他にやりたい人が居るから返して」
「はいよ、あのちっこいやつな」
「そう言えば、あいつにも幾つか貸してたな。そろそろ返してもらうか」

「でもさ、柊。おめえすげえな」
「何がよ」
「いやさ、この前誰に借りたか分かんねえソフトがいくつか出てきてさ。よく思い出せんなあって」

「おいおい」
「自分で誰に貸したか分かんなくなっちまったソフトもあるしさ」
「どんだけズボラなのよ」

「いやいや。「貸借主忘却の法則」はあるって。これ、宇宙の真理な」
「そんな訳あるか」
「分かんねえぞ」

「貸借主忘却の法則、ですか」
「おめえ博識なんだろ?あんだろ、その法則」
「ハヤテごめんね、くだらない事に巻き込んで」

「下らねえとは何だよ」
「まあまあ。でも、そんなのないですよ」
「そっか?」

「でも、「お互いの了承」があれば話は別ですが、そうでないと「窃盗罪」が適用される場合もありますよ」
「うげ〜っ。それって早い話泥棒だろ?」
「そうですね」

「注意しねえとな」

その日の夜

「はいもしもし」
『あ、柊?あたし、みさお』
「ヘイヘイ」

すると、電話越しに豪快に物が倒れる音が聞こえてきた。

「どうしたのよ」
『悪い悪い。積んでた本が崩れた』
「ああ、そう。で、何の用よ」

『あ、なんだっけ?』
「知らないわよ」
『いやさー。大事な事だった気がすんだけどね』

「大事な事なら忘れるな」


                    × ×


ある日の三千院家。

「ん?ハヤテ、気になるニュースでもあったのか?」

新聞を熱心に見ていたハヤテにナギが話しかけた。

「あ、いえ。何気なく買った宝くじ当たってないかな〜って見てたんです」
「ほう。結果は?」
「はずれちゃいました」

「ま、気に病む必要はないさ。私もこの前の懸賞全部はずれたし」
「そうですか」
「そう言えばさ、前に「懸賞雑誌で商品を応募者に贈らなかった」ってニュースあったな」

「ああ。確か、「適当に名前をでっちあげて、誰にも当選しないようにした」でしたね」
「あれ許せないよな。そんなことするならはなから「これが当たりますよ」なんて書かなきゃいいのに」
「まあ、雑誌の売り上げを伸ばしたくて必死だったんですよ」

因みに、作者は1回だけ「現金1万円」が当たった事あります。


                  × ×


ある日のつかさ。

「うう〜。もう駄目だ。寝ちゃおう。でもその前に」

トイレに行ってから布団に入り

「死語が多いって言われるよ。でもそんなの関係ねえ」

部屋の電気を消すと

「あれ?なんでこんな古臭いネタやっただけで眠気が飛んじゃうんだろ」

翌日の深夜。

「うう〜。また駄目だ。寝ちゃおう」

部屋の電気を消すと

「うう。布団が冷たいせいで眠気が飛んじゃったよ」

さらに翌日の深夜。

「うう〜。またまた駄目だ。寝ちゃおう」

部屋の電気を消すと

「うう。今度は足だけが温まってるせいで寝られないよ」


                    × ×


別の日。

「焼き芋の美味しい季節になったわね」
「あのさ、かがみん」
「いい。みなまで言うな。食べる?」

「あんがと。食べ過ぎて太っちゃうと、ハヤちゃんに嫌われちゃうかもよ」
「フ、フンッ。ハヤテは「私が太っても気にしない」って言ってくれたもん」
「だからってさ」

「で、でもさ。おじさんと目があっちゃってさ。「買ってくれないのかな〜。買ってくれないと傷つくな〜」みたいな視線感じちゃってさ」
「いや〜分かるよ。コミケとかでも本を戻し辛いよね」

「こなた、その手の話題は分かる人が居る時にしなよ」
「おお、ハヤちゃん」

ハヤテは軽くチョップしながらツッコミを入れていた。

「でもさ、ハヤちゃん。サークルの前で物色中に売り子さんと目が合うと、戻し辛くない?」
「まあ、少しは気持ち分かるけど、こなたの場合、結局は戻すんでしょ?」
「まあねん」

別の日。

「そう言えばさ。ラノベって最近アニメ化されるの増えたよね」
「そうね」
「確かに増えてるね」

「この前こなたに貸したラノベも3回くらいアニメ化してるのよ」
「ああ、あれだね」
「あれは面白かったよ」

「こなた、君の場合は「アニメは見たけど、小説はまだ読んで無い」なんじゃないの?」
「ピンポンピンポ〜ン」
「またそれか」

「ってかさ、こなたが普段やってるゲームの方が、文字数多いんじゃないの?」
「そうだよ。でも不思議だよね。いっそのことギャルゲー形式で出してくれればいいのに」
「それじゃあ、小説の醍醐味が台無しでしょ」


                    × ×


ある日。

ハヤテは泉家に泊まりに来ていた。なぜかというと、ハヤテ達が普段生活している三千院家が改装工事に入り、一時的に退去しているからである。

ナギとマリアさんは友人宅に泊まりに行ったが、ハヤテはそのナギの友人と親しくなってないのもあり、遠慮したためだ。
何故にかがみの所じゃないかと言うと、

「柊家は家族が多いので、遠慮しました」

だそうです。


挨拶などは割愛し、夕食時。

「あれ? あれれ?」
「ゆたかさん、どうしました?」
「瓶のふたがどうしても斜めになっちゃうんです」

「そう言う不器用な所もあるのが、ゆたかさんの可愛い所ですね」
「え、えっと///////////////////」
「はい、閉まりましたよ」

「ありがとうございます。ハヤテさんって、やっぱり頼りになりますね//////////////////」
「そんな事は。 それに、ゆたかさんはそういう所が、保護欲を掻き立てられるんですよね」
「えへへ///////////////////うう〜。今度は開きません」

「すみません。つい癖で強く閉めちゃいました」

食事も終わり

「う〜ん。うう〜ん」
「お菓子の袋開かないんだね?開けてしんぜよう」
「お姉ちゃんありがと」

「フンッ。フン〜ッ」
「ギザギザの所から開けちゃおうよ」
「いや待って。ちゃんと開けるから」

「な、何してるの?」
「この袋を開けてあげようとしたんだけど、開かないんだよ」
「ああ、これはちょっとコツがいる奴だね。どれ」

ハヤテは受け取ると、気合を入れて綺麗に開けた。

「どうぞ」
「わ〜。ありがとうございます//////////////」
「いえいえ」
「ヌグ〜ッ。姉として負けた気がする」

翌日。

和室で踊ってる?こなたを見て

「お姉ちゃん蚊?」
「そう。刺される前であっても倒したくなるのが狩人の本能なのだよ」

「そう言えばさ。生類憐れみの令ってあったよね」
「何それ」
「勉強したでしょ。「殺生してはいけない」って住民を苦しめた江戸時代の法律だよ。その時代だったら、こなたは処罰されてたね、今の」

やり取りは終わり、今に移動してこなたはゲームしてた(ゆーちゃんとハヤテは見学)。

「ふと思ったんだけどさ。私やゆーちゃんが同学年の人に告白されたら、その人はロリコンって事になるのかな」
「ウ〜ム。同じ学年なんだし、違うんだろうが。いや、2人は見た目にウエイトがかかってるだろ?だから」

真面目に考えるそうじろうに

「そうじろうさん、真面目に考えてどうするんですか。見た目にギャップがあっても同い年なんですから、違うでしょ」
「流石だね。的確なツッコミ」
「はあっ」

「じゃあさ、お父さんはどうなの?あのお母さんにベタ惚れで、この娘を溺愛してるって事は、ロリコン何でしょ」
「いやいや。それは間違ってるぞ。俺は、「普通の子」も好きだ。だから「ロリコンでもある」が正しいんだ」
「どっちにしろ駄目人間じゃないですか」

「だね」
「ふと思ったんですけど。もしこなたが男だったら、今みたいなスキンシップってしたんですか?」

妙な間を置き

「あ、当たり前じゃないか。こなたが男だったとしてもだな」
「はいはい。私が女でよかったね」
「ま、まあなんだ。そろそろお風呂も沸いた頃だな。ゆーちゃん先に入っちゃいなよ」

「うん。えっと」
「ん!?何か?」

モジモジしながらゆーちゃんがハヤテを見たので聞くと

「あ、いえ。じゃ、失礼しますね」
「(ゆーちゃん、若しかしたら、ハヤちゃんと一緒に入りたかったんだろうね)」

ハヤテは首を傾げるだけだったが、こなたは(そうじろうも)理由を察した様だった。

「ねえお父さん」
「ん!?」
「お母さんってさ、背小さいし、お父さんの幼馴染だし、ギャルゲーのキャラみたいだよね」

「だろ?かなたは昔から可愛かったんだよ」
「お父さんがベタ惚れなのはわかるけど、お母さんは何で結婚したんだろ」
「確かに不思議だよね。「世界七不思議のひとつ」って言い切ってもいいよね。写真で見る限りじゃ物凄くいい人そうなのにさ」

「手厳しいなあ、ハヤテ君は。まあでも、「お前が振り向いてくれなかったから俺はこんなギャルゲー好きな男になったんだ」と言ったら割とすんなり」
「「貴方は最低だ」」
「でも、本当の事だし」

「それって脅迫じゃないの?」
「まあ、でも。「死んでやる」って言ったわけじゃないし、セーフじゃない?超ギリギリだけど」
「そう言う事さ。それにだ、それだけじゃないさ。勿論、こなたが生まれた時は凄く喜んでたさ」


回想

「あら、この目元の黒子、そう君似かしら」
「いやいや。そこ以外の目元なんかかなたそっくりだぞ。どう見ても、俺達2人の子だな」
「でも、成長は私達とは別であってほしいわ。背は私に似ず、性格はそう君に似ませんように」

「手厳しいなあ」

回想終了。


「でも、どうして急にかなたの事を?」
「う〜ん。私お母さんの事よく知らないし」

こなたの言葉にそうじろうは少しの間沈黙し

「こなた、お母さん居なくて寂しいか?」
「別に。お父さん1人で2人分賑やかだし、今はゆーちゃんもいるしね」
「そっか。 こなたは良い子に育ってるよな」

「まあ、かなたさんの期待はもろくも崩れ去ってますがね」
「そ、そうだな」

そうじろうは立ち上がるとこなたの頭に手を置き

「頼むから、こなたは俺より先に死なないでおくれよ」
「取り敢えずはそんな気はさらさらないよ」
「かなたは若くして逝っちまったが、最期は「幸せだったよ」って笑ってたよ。俺も最期はそうありたいよ」

「笑いながらッて。どんな死に方さ」
「そうだな。「萌え死」とかかな」
「貴方、絶対まともな死に方出来そうにないですよね」

「だったら、ハヤちゃんは「良い死に方」出来そうだね。凄くいい人だし」
「そう?」
「ウンウン。ってかさ、ハヤちゃんからすればさっきからこの話題つまんないんじゃない?」

「そっか。ハヤテ君は親の愛情を貰った事無いんだったよな」
「平気だよ。慣れたし」

「そっか。あ、そうそう。今日仕事の資料用にカメラ買ったんだ」


泉家でこんな風に3人が話し込んでいる頃

「美しい花々が咲き乱れ、その近くを幻想的な川が流れる場所」

そこから、誰かが泉家に降り立った。


そう、こなたの母・泉かなたさんである。

「(ここに帰るのも久しぶりね。あの人たちはどうしてるのかしら)」

かなたさんは物音を立てずに(霊体なので立てられないが)居間に来た。

「もう、しつこいよ」
「はいはい」
「ゲーム途中なの」

かなたさんが居間に入ると、そうじろうが呆れるこなたと無理やり?撮影会をしていた。

かなたさんが呆れていると、呆れ気味で見ていたハヤテがかなたさんの方へ向き、驚いた様子で飾ってある写真を見た後、再度かなたさんを見た。
そして「ああ、成程」っと納得していた。

「(私が見えるの?)」
「(ええ。見えますよ、かなたさん)」

ハヤテは幼少期などの「シャレにならない体験」などで霊視能力を得ていた。
ハヤテ以外の2人は当然?気付いていない。

そんな風にハヤテとかなたさんが交信している一方

「もう。お父さん引っ付きすぎだよ」
「冷たいぞ。折角新しいカメラでの記念撮影なのに」
「資料用じゃなかったの?」

「(そう君は相変わらずね。人の都合とか考えない所とか、全然変わってない)」
「(そうじろうさん、昔からなんですね。大変でしたよね)」
「(そうね。ちょっとね)」

2人が交信していると、こなたがそうじろうを蹴り飛ばして引きはがした。

「いやあ。抱っこした感じがどんどんかなたに似てきて、ドキドキするなあ」
「そう言う発言を堂々としないように!!」
「そうじろうさん、父親な以上は少しは発言に気を付けてくださいよ」

「全くだよ。お母さんの苦労がしのばれるよ」
「なにおう」

「(ほんとね。お父さんあんなんだけど、非行に走っちゃ駄目よ)」
「(きっと大丈夫ですよ。保証はしかねますが)」
「(ありがと。そう言えば、こなたと仲良くしてくれてありがとね、ハヤテ君)」

「(天国から見てたんですね)」
「(ええ。貴方が娘を大事にしてくれてることも、恋人と仲良くやってるところもね)」

「おお、そうだ。こなた、この前のゲーム、クリアしたらお父さんにも教えてくれな」
「良いけど」

「(親子でゲームしてんだから、仲はいいのね)」
「(ええ。そうじろうさんの一方的な時もありますがね)」
「(そうなの)」

「あのゲーム難易度高いのな。狙ってキャラのエロシーンになかなか行けなくてな」
「(娘に何をやらしてるんですか貴方は)」
「全く。いくらこなたが「そう言うゲーム」をしてもいい年齢だからって、やる娘も娘だけど、やらせる父も父だよ」

「(ホントよね。情操教育間違ってないの?)」
「(否定も肯定も、しないでおきます)」
「(やれやれ、ね)」

「ねえ。お母さんはどうしてお父さんを選んだの?」
「え!?」
「だって、「オタクで、ロリコンのエロオヤジ」は普通は選ばないよ」

「こなた、そうじろうさんにも「良い所」はあるって」
「例えば?」
「え、えっと」

「つまらないでおくれよ、ハヤテ君」
「す、すみません」
「でも、そうだな。かなたは勘の鋭いところがあったからな」

「(忘れかけちゃうのよね。なんでこの人と一緒になったのか)」
「(そうなんですか。でもきっと)」

「きっと見抜いてたんだよ。駄目人間な俺でも、絶対の自信を持っていた所をな」
「絶対の自信を持っていたところ?」
「あるんですか?そんなの」

「「俺が世界中でかなたを一番愛してるって事」だよ」
「(!!!)」
「成程」

「(そう、よね。やっぱり敵わないわね。私の良い所も悪い所も全部認めてくれる。自分の良い所も悪い所も全部見せてくれる。私が一番安心できる場所。私を一番、安心させてくれる場所)」

「(成程ね。僕もかがみと結婚したら、そう言う存在になりたいな)」

「ってな。懐かしんだところだし、もう1枚行ってくか」
「1枚じゃ済まないでしょ」
「やれやれ。やっぱそれ趣味用じゃないんですか?」

「おじさんはだな。使い慣れておこうとだな」

「(あの場に居られないのは悔しいけど、私の中にそう君達がいるように、そう君達の中に私がいるのなら、これからも見守りましょ)」

「おう、そうだ。ハヤテ君を一緒に写ろうじゃないか」
「僕もですか?家族写真に僕が混じるのは」
「気にしない気にしない。「記念」なんだからな」

ハヤテは立ち上がると、並んで座る泉親子の後ろにかがんで立った。
すると、横にかなたさんが来たので、気付かれないように少しスペースを譲った。

「(フフッ。ビックリするかな)」

こなたは撮った写真を確認していた。すると

「うおっ、お父さん。この写真」
「ん!?うおっ」
「人の影みたいなのが映ってる。ハヤちゃんの横に」

驚く泉親子の元へ、ゆーちゃんがお風呂から戻って来た。

「ゆーちゃん大変だよ」
「うわああ。人が映ってる」

「全く。そうじろうさん、よく見なさいな」

慌てる一行をよそに、ハヤテはあくまでも(一部始終を知ってるから)冷静に

「よく見るって」
「見・な・さ・い!!」

怖い顔のハヤテにそうじろうは写真を見た。

「え!?かなた?」
「しっかりしてくださいよ。さっき見直したのを返してもらいたい気分になりますから」
「そ、そうか。かなただったら、「心霊写真」でも歓迎だよ」

「(ありがと、ハヤテ君)」


                    × ×


翌日、陵桜。

「ハ〜ヤ〜テ〜。こなたの家に泊まったみたいだけど、何も無かったでしょうね〜」
「な、無いよ。普通に泊めてもらって、報告するようなことは何もないって」
「ふ〜ん」

「(強いてあげるなら、ゆたかさんが僕の布団に潜り込んできたけど、それは言わない方がいいかな)」

「信用しておくわ。ハヤテがそう言う以上ならね」


一方その頃、1年生の教室。

「いやさー。「良い人」ってのは分かってるんだけどさー。みなりんって、「ちょっと怖い」ってイメージがあるのよね」
「本当に優しいのに」

ひよりんとゆーちゃんが話していると、みなみちゃんが教室に戻って来た。
すると、ゆーちゃんとみなみちゃんが話している所を見て

「ゆたか」
「だ、駄目だよみなみちゃん。私には好きな人が」
「構わない。その人からゆたかを奪うから」

ってな妄想をしてしまい、悩んでいる人(ひよりん)がいた。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月21日更新) ( No.39 )
日時: 2016/01/23 13:42
名前: ささ

(写真の件はやはりと言うべきか…個人的にはアニメ版で慌てるかなたさんも乙でしたが…)
ゆーちゃん冷静に考えてみ、普通恋文を直接渡す人なんかいるわけ…あるけど(ハヤテなら100%ないよ)
折角最愛の彼女の家で外泊する機会だったのに遠慮すんなやハヤテ(お義父さんと話をするとかかがみの部屋で一緒に寝るとかしてれば良かったのに)
いずれは「かがみさんをください」とただおさんにいうのだろうから。
みさおの言うとおりあれはハヤテ見たがるだろうな〜
ところでハヤテ、かがみのかわいい(恥ずかしい)画像・動画は結構貯まったんじゃない?(電話中ジェスチャー姿も撮っていたりして)
かがみ、ハヤテの恋人として綺麗でありたいのじゃなかったのでは?
(高校生らしい健全なカップルなのか?)
それでは。

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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月25日更新) ( No.40 )
日時: 2016/01/25 01:35
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>(写真の件はやはりと言うべきか…個人的にはアニメ版で慌てるかなたさんも乙でしたが…)

 ですよね。あのオチがらき☆すたらしいと思ってますよ、自分は。

 >>ゆーちゃん冷静に考えてみ、普通恋文を直接渡す人なんかいるわけ…あるけど(ハヤテなら100%ないよ)

 ゆたか「そ、そうですよね。ハヤテさんは彼女さんがいますもんね」
 みなみ「・・そうだね」

 >>折角最愛の彼女の家で外泊する機会だったのに遠慮すんなやハヤテ(お義父さんと話をするとかかがみの部屋で一緒に寝るとかしてれば良かったのに)

 ハヤテ「ま、まあそうなんですけどね。あの家は6人家族なので流石に」
 みき「来てくれたら私は歓迎だったんだけど」
 ただお「・・・」
 かがみ「・・・」

 >>いずれは「かがみさんをください」とただおさんにいうのだろうから。

 ハヤテ「そ、それは////////////////////////////」
 かがみ「///////////////////////////////////////」
 ただお「・・・・・」
 みき「あなた、気を確かにね」

 >>みさおの言うとおりあれはハヤテ見たがるだろうな〜

 ハヤテ「何を、ですか?」
 かがみ「な、何でもないわよ///////////////////////」
 みさお「あとで教えてやろうか?」

 >>ところでハヤテ、かがみのかわいい(恥ずかしい)画像・動画は結構貯まったんじゃない?(電話中ジェスチャー姿も撮っていたりして)

 かがみ「え!?撮ってたの?//////////////////////////」
 ハヤテ「ま、まあ。正直に言うとね。画像や動画もバックアップ含めて大事にとってあるし」
 かがみ「も、もう////////////////////////////」

 >>かがみ、ハヤテの恋人として綺麗でありたいのじゃなかったのでは?

 かがみ「そ、そうなんだけどさ。言ったとおり、悪いかなてのがあって」
 こなた「だからってさ、矛盾してるよ」

 >>(高校生らしい健全なカップルなのか?)

 ハヤテ「まあ、健全だと思いますよ」
 かがみ「デートは普通の場所だし。キ、キスはするけど」

 >>それでは。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月25日更新) ( No.41 )
日時: 2016/01/25 01:38
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                  × ×


ある日の泉家。
かがみ、つかさ、ハヤテは勉強会を開いていた。

「あ、そうだ。こなた、パソコン貸してよ。委員会の資料を纏めておきたいのよ」
「うん、いいよ」

かがみはパソコンを借りて文章を打ち始めたが、おかしな変換ばかりになり

「なあ。このパソコンの性能について少し語らないか?」
「ハッハッハ。人のパソコンは使い辛い物なのだよ、かがみ」
「こなたの場合、かなり特殊なケースでしょ」


                   × ×


夜。

「うおっ。2,3日放置しただけでメールがたまってる」
「へえ。こなたってメール来るんだね」
「姉さん、何気に傷付く事を平気で」

こなたは呆れつつも特に気にせず

「まあでも、「そういう所」に行ってるから、9割以上が迷惑メールだけどね」
「こなた、どうリアクションしていいか分かんないから警察官の私にそう言うの言わないでね」

ゆい姉さんがこなたのパソコンのメールホルダーを見ると

「私は常々思うんですよ。こういう迷惑メールの題名ってよく考えるよね」
「だね〜。そう言えば、ハヤちゃんが「自分は数年にわたって訓練を受けたサルです」って迷惑メールを受けた芸能人がいるって教えてくれたんだよね」

「そ、そんなの信じる人いるの?」
「さあ。私は信じないけどね」


                    × ×


別の日。

「どもー」
「やあ、いらっしゃい」
「こなたとゆたかが同時に風邪ひいたって聞いたもんで」

ゆい姉さんは、まずゆーちゃんの部屋に行き

「大丈夫かい?ゆたか」
「久々にやっちゃった。ごめんね、お姉ちゃん」

思ったより顔色は良かったので、こなたの部屋に行くと

「へ〜。「ゲームする元気」はあるんだね。「授業受ける元気」は無いのに」
「い、嫌それは。姉さん、ハヤちゃんには黙っておいてよ」
「なんでさ」

「だって怒られるんだよー。前に同じような口実で休んだら10分以上は小言食らったんだよ〜」
「はいはい。でもさ、ばれてるんじゃない?あの子、ある分野以外では勘が鋭いんでしょ?」
「うう〜」

暫くすると

「「「こんにちは」」」
「やあやあ皆の衆。我が妹の為にお見舞いに来てくれてありがとね〜」

みなみちゃん、ひよりん、パティが来てくれた。

「今回は寝込んじゃったけど、ゆたかがこんだけ長く元気なのは初めてなんだよね。だから、みなみちゃんには感謝してるんだよね」
「そんな。私は」
「いやいや。中学時代にも仲のいい友達は居たんだけど、相性の問題っていうのかな?君の話題はよく聞くし、学校が楽しいんだよ」

みなみちゃんは少し照れてたが

「このお姉さん、我々の事は無視ネ」
「仕方ないよ。まあ、この小説の作者は我々を気に入ってる見たいだけど」

結局ひよりんとパティの話題はゆい姉さんからは出ず、ゆーちゃんの部屋に行き

「みなみちゃんに田村さん、パティちゃんもいらっしゃい」
「大丈夫?」
「早く元気になってネ」
「でも、無理はしないでね」

「ありがと。でも、なんで私こんなに体弱いんだろ。心配させちゃうから嫌だな」
「いやいや。そこが良いって人もいるんだよ」

なぜか部屋にいるこなたが言うと、

「でもさ、人から見たら良くても、本人は嫌だってことよくあるよ」
「つまり、例えるならば「実際に妹がいる人は、妹萌えしにくい」って事ですね」
「「それだ」」

ひよりんの例えにオタク組(こなたとパティ)は同調してたが、そうじゃない組は目をぱちくりさせるだけであった。

「そう言えばさ。みなみちゃんは胸が無い事を気にしてたね「弱点を気にしてる」で思い出したんだけど」
「そ、それは」

こなたのストレートすぎる発言に、みなみちゃんは軽く落ち込んでしまった。

「それに関してはハヤちゃんに聞いてみたら?きっと、「胸を大きくするマッサージ」も知ってるよ」
「(実はもうハヤテさんに相談してて、調べてもらってるってお姉ちゃん達には言わない方がいいかな)」
「(ハヤテさんに調べてもらった方法、実践してるけど中々実を結ばない。「継続が大事」って言われたけど)」

ゆーちゃんとみなみちゃんがこんな風に思ってる一方、ひよりんは

「ゆたか、教えてもらったマッサージ、やってほしい」
「良いの?」
「ゆたかじゃないと、嫌」
「じゃ、じゃあするね」

と言う妄想をしてしまい、頭を抱えていた。

「そう言えばさ。ひよりんって、ハヤちゃんにアドバイザーになってもらって漫画描いてるんだよね?」
「ええ。○○ってサークルで同人誌も書いてますよ」
「そうなんだ。そこなら何冊か持ってるよ」

「いやあ。恐縮です」
「へえ。田村さんの描いた漫画、私も見てみたいな」
「じゃあ私が貸して」

「先輩、それだけは勘弁してほしいっす」
「なんでさ」
「見せるのは良いっす。せめて「一般向け」にしてください」
「往生際悪いネ、ひよりん」

3人が帰って少しすると

「やあやあ。いらっしゃい、綾崎君」
「こんにちは」
「ゆたかとこなたのお見舞いに来てくれたんだね」

「ゆたかさんはか弱いので、心配だったんですよ」
「ん?こなたは心配じゃないの?」
「まあ、いつもの事ですから、心配はそこまでしてないですよ」

ゆーちゃんの部屋に行く道すがら

「そう言えばさ、こなたが「10分以上叱られた」って言ってたんだけどさ」
「そうじろうさん甘いですからね。まあ、今回も叱り付ける事になりそうですよ」
「そっか。じゃ、お姉さんからも頼むよ」

丁度部屋に着き

「ゆたかーお客さんだよー」
「あ、ハヤテさん////////////////////////」
「こんにちは」
「じゃあ後は若い者に任せて、お姉さんは退散するよ」

ゆい姉さんは部屋を出て行った。

「心配してましたが、思ったより顔色が良くて安心しました」
「すみません、心配かけちゃって」
「いえいえ、お気になさらず。あ、これお見舞いです」

「ありがとうございます」
「あ、起き上がらない方がいいですよ。病気は治りかけが肝心ですから」
「は、はい」

ハヤテは持ってきた花を花瓶に活けていた。

「あ、あの。ハヤテさん」
「はい?」
「私って、なんでこんなに体が弱いんでしょうね」

「それは、「体質」ですよ。僕は生まれつき頑丈ですが、そうじゃない人も沢山います。ゆたかさんは、その一人ってだけですよ」
「で、でも」
「大丈夫ですよ。ゆたかさんを守ってくれる人は沢山います。僕も、「兄みたいな存在」として、ゆたかさんを守りますから」

ハヤテに頭を撫でてもらいながら慰められ、ゆーちゃんは心から安らげた。

「さ、もう寝た方がいいですよ。こういう時は、眠くなくても寝た方がいいですからね」
「は、はい」
「では、僕はこれで」

「帰っちゃうんですか?」
「長居して、悪化させちゃったら申し訳ないですから」

帰ろうとしたハヤテの袖をつかんで、ゆーちゃんは引き止めた。

「帰らないで。まだ、居て」
「・・了解しました」

ハヤテはゆーちゃんの頭を再度撫でた。

「大丈夫ですよ。ゆたかさんが眠るまで、こうしてますから」
「は、はい////////////////////」

「(私、いけない事してる。ハヤテさんには彼女がいるのに、引き止めたり、こうして撫でてもらったり。でも、少しくらいは我儘言ってもいいよね)」

ゆーちゃんが安らかな寝息を立て始めた事で、ハヤテは撫でるのを止め、帰ろうと振り返った。

「ヌッフッフ〜。見てたよ〜、一部始終」
「こ、こなた」
「この事をかがみんに話したらどうなるかな〜」

「や、止めて、それだけは。大変な事になるから」
「どっしよっかな〜」
「お、お願いだから」

「分かったよ。「かがみには」黙っておくよ」
「た、頼むよ」

しかし、翌日陵桜。

「ハ〜ヤ〜テ〜。昨日の事なんだけどさ〜」
「か、かがみ!?」
「ゆたかちゃんと、なんかあったんでしょ〜」

「こなた、喋ったの?」
「かがみには話してないよ。つかさには言ったけど」
「な、何も無いよ。看病しただけだって」

「そう。じゃあ、ゆ〜っくり話しましょうか〜」
「か、かがみ、引っ張らないで〜」

「「行っちゃった」」


                  × ×


別の日。

「昨日、「キシリトールは歯に良い」と言うテレビを見まして、それでガムを噛んでいたら歯の詰め物が取れてしまって歯医者さんに行く事になってしまったんです」

「そ、そうだったんですか。大変でしたね。ま、まあでも、それ位ならくっ付けるだけでしょうから、みゆきさんの嫌いなドリルも無いでしょうし、「虫歯になってないか」も見てもらえるでしょうから、検診に行く機会を得たと、プラスに捉えましょ」

「そ、そうですね」
「苦手な事はプラス思考で乗り越えましょ」
「そうですね。ありがとうございます」

「ハヤテ〜。あんたはまた」
「かがみ、関節極めないで」
「やれやれ。何でイチャイチャするかな〜」

こなたはこの事を家でゆーちゃんに話し、翌日

「ってな感じで昨日お姉ちゃんが言ってたんだ」
「だからみゆきさん暗かったんだ」

すると、この話を聞いたひよりんのメガネが光り、

「そのみゆきさんには悪いけど、そのネタ貰ったー」

いきなり叫んだので2人がひよりんの元に来た。

「いやさー。良いネタが中々思い浮かばないんだよね」
「確か、ハヤテさんにアドバイザーになってもらってるんだよね?」
「そうだよ。ハヤテ先輩に聞いたら「北枕で寝るのも有効」って教えてもらってさ」

「北枕って、よくないって聞いたけど」
「日本じゃね。でも、風水的には健康運とかあげるからいいんだって」
「そうなんだ」

「それ以外にも、「実体験で面白かった事をネタにする」ってのも教えてもらったんだ」
「じ、実体験なんだ」

赤面したゆーちゃんに

「読んだのね」
「え、えっと」
「読んだのねー」
「だ、だから」

「ゆたかさん、「実体験を元にすることもある」だからね。全部が全部じゃないからね」
「そ、そうなんだ。で、でも面白かったのも結構あったよ」
「ありがと〜」

「デジャヴっていうのかな?なんか体験した事がある気がすることもあったよ」
「そうなんだ。私も読んでみたい」

「(ごめんッス。それ、2人とハヤテ先輩との事っす)」
「「???」」


                    × ×


また別の日。

「ふゃ〜。先生、おはようございます」
「何や泉、また徹夜でゲームか?それとも深夜アニメか?」
「最近は深夜アニメが多くなりましたよね〜。良い時代ですよね〜」

「嘘でもいいから「勉強してたって」言うてくれへんかな。 全く少しは綾崎を見習ってほしいわ。最近は割と遅くまで自習室で勉強しとるし、勉強してて寝不足っちゅうのもあるみたいやし」

「先生、私にはハヤちゃんの真似は出来ないですよ。ハヤちゃんは「勉強することが習慣付いてる人」ですからね。私には無理ですよ」
「泉、それ教師に言う事やないで。「分かりやすい嘘」でもええから「勉強で寝不足」って事態を作ってくれ」


                    × ×


別の日、

「ハヤテ、最近私達あまりデート出来て無いわよね。殆ど「気分転換に」って感じよね」
『そうだね。でもさ』
「今日は駄目なの?」

『忙しいんだ。勉強もしたいし』
「何でよ。勉強なら」
『分かってよ。僕たち受験生でしょ?だからさ』

「わ、分かるんだけどさ。でも」

急に電話が切れ、かがみはかけ直した。

「ごめん、アンテナ立ってるのにきれちゃって」
『良かった。嫌われちゃったと思ったよ』
「そ、そんな訳無いじゃない。偶々よ」

『でさ』
「さっきはごめんね。私が大人げなかったわ」
『ううん、良いよ。かがみ、「受験生」と言う立場から解放されたら、存分にデートしよ。大学に上がったらそれはそれで忙しいだろうけど、受験生に比べれば楽だろうし』

「そうね。ハヤテ、大好きよ」
『僕もさ』

今度はちゃんと切った。


                    × ×


ある日の三千院家の朝。

「なあハヤテ」
「なんですか?」
「このペット特集を見て、ハヤテはどう思った?」

「どうって。可愛いな〜とか愛らしい仕草だな〜。って思いましたが」
「だよな。私もそう思ったんだが、こなたやあいつの父親だったら、飼い主を見てあれこれ妄想を広げそうだよな」
「た、確かにそうですね。あの2人なら十二分にありますね」

「だろ?」
「ハアッ」


                    × ×


またある日。

「おおー、パトリシアさん」
「こんにちは」
「どうもです、かがみさん、ミスターハヤテ」

こなたとパティが話していた所にかがみとハヤテがやって来た。

「何話してたの?」
「パティに日本文化の神髄を享受してたのだよ」
「あんたの場合、日本文化のごく限られた文化しか教えられないよな」

「ま、まあでも。パティさんもそっち系なので、話は合うでしょうね」
「流石ミスターハヤテ。オタク文化こそ、日本の誇りです。ありったけのものを吸収してアメリカに帰る事こそ、使命なのです」

「その心意気だけは感心するけど」
「オタク文化以外も吸収してくださいね。日本人全員がそうだと誤解されかねないので」
「確かにそうね。 そう言えば、パトリシアさんは、こっちでどんな曲を聴いてるの?」

「そうですね。色々ですね。例えば」

パティが色々あげたアーティストを聞いて

「あの、それって全部アニソンを歌った歌手じゃないですか?」
「流石ミスターハヤテ。博識ネ」
「おそらく、アニソンに選ばれた曲以外は聴いてないんでしょうね」

「大正解ね。今度お店に来てくれればサービスするね」
「いいです。行く予定無いと思うんで」
「来てくれれば楽しいのにネ」

内容が内容なので、かがみは呆れるのみだった。


                      × ×


別の日。

「あ〜っ。私もメイドさん欲しいです」
「え!?」
「メイドさんです」

「ああ、メイドさんね」
「パティさんは一人暮らしですから、家事もそうですけど、パティさんは漫画やアニメを見るという忙しさもありますもんね」
「な、なんか大変そうね。家政婦さんを雇いたくなるのも分かるわ」

「ノンノン。「家政婦さん」ではなく、「メイドさん」です」
「ど、どっちも同じようなものじゃ」
「貴方はこの日本で何を学んできたんですか!!ミスターハヤテなら分かるはずです!!」

「そ、そんな無茶ぶりな。 ま、まあでも家政婦さんは「落ち着いた雰囲気がある、居てくれると助かるお母さん的存在」で、メイドさんは「若さがある、居てくれると楽しいお姉さん的存在」ですかね。個人的な推論ですけど」

「流石ネ。あのこなたが褒め称えるだけはあるネ。今度家で語り明かすネ」
「え、遠慮します」


                    × ×


ある日の岩崎家の夜。

「ねえお母さん、最近チェリーがあまり元気が無い」
「そうなのよね。一応検査してもらったんだけど、「何も問題が無い。健康そのもの」って言われたのよね」
「そう。ならよかった」

「若しかしたら、寂しいのかもね。綾崎君が来てくれた時から少しずつ元気ないし、玄関で待ってることもあるし」
「そうなんだ」
「今度誘ってみてよ。そうすればはっきりするからね」

「(もしそうなら、なんか寂しい。私の方が長く一緒にいるのに)」

少しヤキモチを妬いていた。


                    × ×


またある日。
みなみちゃんは高良家に来ていた。

「「無口で怖いってクラスで思われちゃってますけど、本当は優しくて、クールでかっこいい」って泉さんの所の小早川さんに言われてるんですよね」

「そうなの」

「泉さんは「凄いクールで隙が無いってイメージだけど、ゆーちゃんと一緒にいるところを見るといい人だって分かるね」って言ってまして」

「へえ」

「かがみさんとつかささんは、「みなみちゃんはなんでもテキパキ完璧にこなしてるって感じよね」「みなみちゃんって、出来ない事が無さそう。かっこよくて憧れちゃうな」ってかがみさんからもつかささんからも憧れの柾差しで見られるんです」

「そ、そうなの」

みゆきさんの母・ゆかりが笑いをこらえ始めると

「あ、でも。ハヤテさんは「一見隙が無さそうですけど、意外な所で隙だらけだったり、少し抜けてる可愛らしい所もありそうですよね」って、少し違う意見なんですよね」

「(流石みゆきより頭がいいだけあるわね。みなみちゃんのそういう所を正確に見抜いてるんですもの)」

ゆかりさんは、自身が目撃した「みなみちゃんがチェリーに芸を仕込んでいる所や、買い物で少々悪戦苦闘しているところ」を思い出し、笑いをこらえつつ感想を思っていた。


                    × ×


別の日、泉家。
かがみとつかさは遊びに来ていた。

「おっす」
「ちぃーす」
「いらしゃー。 あれ?ハヤちゃんは?」

「忙しいんだって。それより、何見てるの?」
「借りてきたメカ物のアニメだよ」
「そう。相変わらずこういうのが好きね」

「いんや。ハヤちゃんならメカとか好きだろうけど、私はメカには興味ないし」
「じゃあ何を見てるのよ」
「最近のこういうのは幅広いニーズに合わせてほぼ確実に可愛い女の子や男の子がね」

「それはメカ物っていうのか?」
「やれやれ。ハヤちゃんなら、分かってくれるだろうにねえ。「そう言うのを排除しちゃうと、みんながみんな同じようなものになっちゃうから、飽きられちゃうんじゃない?」的な事をだね」

「確かにハヤテなら言うでしょうね。ってか人の恋人を私以上に理解しないでよ」
「ヘイヘイ」


                    × ×


ある日の陵桜。の放課後。

「かがみ様〜」
「ゲッ」
「帰りにゲマズ寄って行こうよ〜」

「行かないわよ。買う物ないし、ちょっと用事あるし」
「いいじゃん。寄って行こうよ〜」
「髪をいじるな。行かないわよ。 それに、あんたの地元にも本屋位あるでしょ」

「だってさ、そう言うお店に1度でも行くと、普通の本屋じゃ物足りない気がしてくるんだよね〜」
「あんたの欲しい本が特殊過ぎるからでしょ。ともかく、今日は行きません」
「チェ〜。あ、そうだ。ハヤちゃん誘ったら来てくれるって言ってたよ。ナギちゃんに買い物頼まれたって」

「え!?ハヤテも来るの?」
「そだよ」
「じゃ、じゃあ行くわ」

「(ハヤちゃんが来ると分かったとたんこれだもんな。ま、いいけどさ)」

結局3人でお店に来た。

「こなたはどれ買うの?お嬢様はこれだけど」
「成程。私はこれだよ」
「やっぱ幅広いんだね」

「いんや、アニメは見てないよ」
「ああ、そう」
「このジャケを見た時から気になってたんだよね。他人の様な気がしなくてさ」

「よう分からんわ」
「まあ、否定はしないでおくよ」
「流石ハヤちゃん。私はさ、最近ジャケ買いの心理がわかって来たんだよ。かがみだって、ラノベは表紙で選んだりするでしょ?」

「まあ、否定はしないでおくわ」
「そう言うのってさ、当たりだとうれしいし、はずれでも「軽い気持ちで買ったから」って諦め着くじゃん」

「まあ、一理あるよね」
「でしょ?つまりだ、「人生一期一会」って事だよ」
「こなた、名言っぽく言ってるけど、無理があるよ」

ハヤテのツッコミを気にせず、こなたは会計に向かった。
後を追おうとしたかがみの目にあるDVD飛び込んできた。

「どうしたの?買うの、それ」
「う〜ん。どうしようかしら」
「じゃあ買ってあげるよ。お給料もらってからあんま経ってないし」

「いいの?」
「別にいいよ。さっきのこなたじゃないけど、外れだったとしても、「どうせ貰い物だから」って痛手ではないでしょ?」
「じゃ、買うか。でも、お金は自分で出すわ」
「ああ、そう」


                     × ×


ある日。

「は〜っくしょん」
「随分豪快なクシャミだな」
「こなた、女の子なんだから気をつけなよ」

「でもさ、ハヤちゃん。クシャミって加減は出来ないでしょ」
「はいはい」

「くしゅん」
「みゆきさんはこなたと違って可愛いクシャミですね」
「ホントだよ。良いな〜」

こなたは猫みたいにすりすりしてた。

「変なからみ・・クシュ」
「うう〜。男くせに可愛いクシャミなんてずるいぞ〜」
「べ、別に意図的にこういうクシャミしたわけじゃ」

「こなた、早くハヤテから離れないと」
「うわっ。離れますです、はい」


                   × ×


ある日。

「そう言えばさ、日下部と峰岸って、ケンカとかしたことあるの?仲良いけど」
「おう、あるぜ。あやのが怒ったら怖えぞ」
「もう」

「確かに、峰岸が本気で怒れば怖いかもね」
「もう、柊ちゃんまで」

「そういやさ。柊、おめえ彼氏と付き合ってもう結構経つんだろ?」
「まあ、1年半ぐらいね」
「喧嘩とかしたのか?おめえの彼氏は怒りそうにないけどさ」

「喧嘩か。した事は無いわね。ハヤテが本気で怒ったところは見た事無いわね。こなたを叱ったところは割と見るけど」
「そっか。ま、あたしが思うに、おめえの彼氏が怒ったら凄そうだよな」
「確かにそうかもね。綾崎君みたいに温厚そうな人こそ、凄く怖いかもね」


                   × ×


ある日。

「みなみちゃんって結構足が速くて、お姉ちゃんとタイム同じなんだよ」
「そうなんだ。でもさ、実際に競争したら胸の差で私の勝ち」

 「げんこつ」ポカ〜ン

「こなた、それは凄く失礼なんじゃない?」
「ヌググ。かがみの時に比べれば弱いけど」
「まあ、実際の所は、競争してみないと分かんないよね。タイムって競争者によって変わる事もあるみたいだし」


                   × ×


ある日の泉家。
ハヤテはこなたに勉強を教えに来ていた。
その休憩中。

「いやー。日本のゲームのキャラには萌えがありますね」
「そうだね〜」

遊びに来たパティと一緒にゲームしてたが、

「こなた、パティさん、高校生がそんなゲームしちゃ駄目でしょ」
「ハヤちゃん、細かい事は気にしない」
「そうです。気にしないです」

「ハアッ。頭痛い」

「あれ?こなた、この画像バグってませんか?」
「ああ。これでいいんだよ。仕様だし」
「これはこれで背徳感が」

「だから、高校生なんだから」

「あれ?みんなで何してるの?」
「「わーっ」」

突然のゆーちゃんの出現にこなたとパティはパソコンの画面を隠し、ハヤテはゆーちゃんを急いで振り向かせ

「あ、あっちで僕と遊びましょ。ね」
「は、はい//////////////////」

2人が部屋を出て行ったあと

「ハヤちゃんがいてよかったよ」
「ですね。でも、ゆたかはミスターハヤテとは相変わらずネ」
「まあ、ゆーちゃんはあれで満足みたいだし、良いんじゃない?」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月25日更新) ( No.42 )
日時: 2016/01/26 10:02
名前: ささ

パソコンの変換の件はこなたらしいけど、普段こなたがどんな書き込みをしているかよくわかるわ〜。

つか、こなたゆーちゃんが見るかもしれないなかよくその手のサイト見れるね。
(ゆーちゃんに一般人向けのもの見せるのは当然でしょ、てか純真無垢のゆーちゃんを赤面させるとかどんなの見させたんだよ。純真無垢だからこそ妹キャラが活きるのであってそうじゃなかったら単なるしたたかな女じゃん(以下略)かがみ、気をつけないとゆーちゃんに取られるよ)

家政婦とメイドの違いはハヤテの解説があるまでわからなかったわ。(そうするとハヤテはマリアさんを家政婦さんと思っているのかな)

ぺったんガールズの会話でハヤテの鉄槌がやはり下ったか。(誰もがやらないことをやる(主に非常識な方向に)、それがこなたクオリティ)
やっぱりデートできなくて寂しいんだ。(でも寂しいのはハヤテも同じだと思うよ) 
2人きりの勉強会(≒デート)という図は思い浮かばないのだろうか。(2人とも優秀だし真面目だし)
(かがみのハヤテ依存度が高まっているのは気のせいでしょうか?)

それでは。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月28日更新) ( No.43 )
日時: 2016/01/28 21:06
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>パソコンの変換の件はこなたらしいけど、普段こなたがどんな書き込みをしているかよくわかるわ〜。

 こなた「ふっふ〜ん。自慢のパソコンなのだよ」
 かがみ「自慢しても仕方ないでしょ」

 >>つか、こなたゆーちゃんが見るかもしれないなかよくその手のサイト見れるね。

 こなた「いんや〜。普段はゆーちゃんが見ないように気を付けてるんだよ」
 ハヤテ「まあ、あの時は不意を突かれたというべきですね」

 >>(ゆーちゃんに一般人向けのもの見せるのは当然でしょ、てか純真無垢のゆーちゃんを赤面させるとかどんなの見させたんだよ。純真無垢だからこそ妹キャラが活きるのであってそうじゃなかったら単なるしたたかな女じゃん(以下略)かがみ、気をつけないとゆーちゃんに取られるよ)

 こなた「見せたのは規制がかかる奴じゃないよ。ちょ〜っと刺激が強いだけだって」
 ゆたか「ちょ、ちょっとじゃなかったかも//////////////////////////////」

 かがみ「だ、大丈夫よ。ハヤテは私の恋人なんだから、浮気や心変わりはしないわよ」

 >>家政婦とメイドの違いはハヤテの解説があるまでわからなかったわ。(そうするとハヤテはマリアさんを家政婦さんと思っているのかな)

 ハヤテ「あれは僕個人の勝手な推論ですよ。ってかマリアさんは立派にメイドさんですよ」
 マリア「ニヤニヤ」←取り敢えずは怒ってない。

 >>ぺったんガールズの会話でハヤテの鉄槌がやはり下ったか。(誰もがやらないことをやる(主に非常識な方向に)、それがこなたクオリティ)

 こなた「ふっふ〜ん。良く分かってるね〜」
 ハヤテ「こなた、少しは自重しようね」

 >>やっぱりデートできなくて寂しいんだ。(でも寂しいのはハヤテも同じだと思うよ)

 かがみ「そ、それはそうだけど。で、でも」
 こなた「寂しさで言えば、かがみんの方が上だと思うよ」
 つかさ「だ、だよね」

 >>2人きりの勉強会(≒デート)という図は思い浮かばないのだろうか。(2人とも優秀だし真面目だし)

 かがみ「まあ、それはしてるわ。でも、やっぱり2人きりで出かけたいのよ」
 ハヤテ「まあ、それが僕達にとってのデートだしね」

 >>(かがみのハヤテ依存度が高まっているのは気のせいでしょうか?)

 かがみ「そ、そんな事は」
 こなた「違うの?その通りだと思うよ〜」

 かがみ「・・・」

 >>それでは。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月28日更新) ( No.44 )
日時: 2016/01/28 21:09
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」

アニメ版の24話はこれがありませんでしたが、入れておきます。


                 × ×


ある日の陵桜。
掲示板には「桜藤祭」と言う大きな張り紙が張り出されていた。

「文化祭か〜。そんな季節なんだね」
「はあっ。テストも近いし、2学期は本当にやる事が多くて面倒だね」
「こなた、高校最後の文化祭なんだからさ、元気良く行こうよ、元気よく」

「ホントよ。そう言えばさ、ハヤテ。ナギちゃんは文化祭見に来るの?」
「去年は行かなかったみたいだから、今年は興味あるみたいだよ」
「ふ〜ん」

ほぼ同時刻、1年生の廊下でも同じ張り紙をゆーちゃん、みなみちゃん、パティが見ていた。

「このオープニングセレモニーって何ですか?」
「桜藤祭では、毎年有志を募って、当日トップでパフォーマンスを披露する枠があるの」
「(オー。良い事思いつきました)」

突然目を輝かせたパティにゆーちゃんもみなみちゃんも首を傾げた。


                   × ×


「えー、では。僕たちのクラスは「占いの館」をやる事に決定したので、次回のホームルームまでに各自のやる占いを決めておいてください」

ハヤテの号令で、各自席を立ち始めた。
一方、みゆきさんは落ち込んでいた。なぜなら、自分が提案した「桐箪笥と歴史と作り方」が自分自身の表以外入らなかったためである。

「ま、まあ。平等に多数決なので、こればっかりは仕方ないですよ。元気出してください」
「は、はい」


                   × ×


一方の1年生組。

「っと、言う訳で、「チアダンス」をやろうと思うのです」
「チア?」
「今朝のオープニングセレモニーです。祭りを盛り上げるのに、ベストなパフォーマンスですよ」

「へ〜。確かに派手で楽しそうね」
「でしょ〜?私達で話題独占です」
「ちょっと待って。私「達」!?私達3人もメンバー入りしてるの?」
「そうです。先生に聞いたら「参加者も含め企画としてある程度纏まってないと駄目」って言われました」

パティは乗り気だったが、みなみちゃんとひよりんの反応はかなり鈍かった。

「オー。ゆ、ゆたかはどうですか?」
「え!?えっと」
「ゆーちゃんは体力的に無理なんじゃない?」

こう言われたが、肝心のゆーちゃんは

「ゆたかさん、お綺麗でしたよ」
「ハヤテさん////////////////////////」
「ゆたかさんの魅力、再発見しちゃいました」

こんな感じのロマンスを妄想し、赤面しつつ

「やってみたいな」
「「え!?」」
「迷惑かけちゃうかもしれないけど、やってみたいなって」

「大丈夫です。皆でフォローします」
「大丈夫?」
「うん。大変だと思うけど、やってみたいんだ。それに」

「それに?」
「あ、ううん何でもない」

「みなみとひよりんはどうですか?」
「私は、ゆたかがやるなら」
「皆がやるんじゃ、私だけってのはね」

「皆サンキューネ。私は良い友達を持ったね」

はしゃぐパティをよそに

「(ゆたか、ハヤテさんに褒めてもらいたくて)」
「(ゆーちゃん、ハヤテ先輩に見てもらいたいからだろうな)」

2人(みなみちゃん、ひよりん)はゆーちゃんの様子から察した様だった。


                   × ×


「へえ。占いねえ。でも、あんた占いなんてできるの?」
「いんや。全然」
「な"!?」
「どんだけ〜」

「発案者だろ」
「文化祭でやるような占いなんて適当でいいんだよ」
「やれやれ」

「あ、でも。ハヤちゃんの手相占いは本格的そうだよ。聞いた時に見てもらったら、細かく教えてくれたし」
「ハヤテが手相占い」
「かがみん〜。占いなんだから、ハヤちゃんがお客さんの手に触れるのくらい大目に見なよ」

「そ、そう言う意味じゃ」
「じゃ、なんで嫌そうな顔したの?」
「う、うるさい。関係ないでしょ」

「あ、そうだ。お姉ちゃん達のクラスは何やるの?」

かがみが怒りだしそうなので、つかさが慌てて話題を変えた。

「まあ、ベタだけど「お化け屋敷」よ」
「へえ」
「ふ〜ん。王道だね」

「他に面白いアイディアが出なくてね。  って何よ」
「いや〜。ピッタリだなって」
「何が言いたい!!」

「うわぁ。リアル鬼ごっこ」
「絶対言うと思った」
「(ここにハ〜君が居たら、こなちゃんに鉄拳制裁してるだろうな)」

帰宅後、ゆーちゃんが教室での話をしてきた。

「私ね、パティちゃんがやりたいって言ってたチアに参加しようと思うの」
「ねえゆーちゃん、若しかして、ハヤちゃんに見てもらいたいから?」
「うえ!?//////////////////////////そ、それは///////////////////////////////」

「図星か」
「う、うん//////////////////////私も「やれば出来るんだよ」ってとこ見てもらって、褒めてもらいたくて////////////////////////////」
「そっか。でもさ、大変なんじゃない?」

「うん。でも、頑張りたいんだ」
「恋はいつでもハリケーン。か」

「あ、でも。人数が全然揃わないんだ。だから、お姉ちゃん達も参加してもらえないかってパティちゃんが」
「う〜ん」
「お姉ちゃんやみなみちゃん達がいてくれたら、最後まで頑張れると思うんだ」

「分かったよ。ゆーちゃんの応援のためにも、私は参加するよ」
「本当?」
「うん。 ん!?電話だ」

『グッドイブニングね、こなた』
「ああ、パティか。丁度良かったよ。ゆーちゃんと話してた所だったし」
『オー。それで?』

「私は参加することにしたけど、かがみ達は明日誘ってみないと分かんないよ」
『そうですか。もし「誘うクエスト」に成功したら、私が今持ってるチケットを差し上げます』
「ま、まさか。例の握手会の?」

『ザッツライト。生ハルヒとシェイクハンドしたいですよね?』
「そのクエスト、意地でも成功させますとも」

で、翌日。

「唐突だが、時代はチアなのだよ、皆の衆」
「確かに唐突だな」
「パティがね、文化祭のオープニングセレモニーでチアやるって言いだしてね」

「チアか。物にもよるだろうけど、大体は凄いもんね」
「でしょ?ハヤちゃんは参加するの?」
「いやあ、遠慮するよ」

「なんでさ」
「男の僕が混ざっちゃ良くないでしょ。参加するとしたら、裏方として支えさせてもらうよ」
「そっか。じゃあ、かがみとつかさは?」

「私は嫌よ」
「わ、私は。そう言うの出来なさそう」
「大丈夫だよ。見知ったメンバーでやるんだし、「一生に一度のチャンス」じゃん。こんな機会は二度と来ないよ。それに、お祭りなんだから、皆でワイワイやらないと」

「う〜ん。そうだよね」
「ウンウン」
「つかさは直ぐに乗せられるんだから」

「かがみのクラスで参加できそうな人は?」
「さあね。ってか、私はやらないわよ」
「え!?かがみやらないの?」

「ハ、ハヤテ!?」
「僕は見たかったな。リアリーダとして生き生きとパフォーマンスするかがみの雄姿をこの目に焼き付けたかったのに」
「ほ、本当?」

「本当だよ。でも、かがみが嫌がってるんじゃ無理強いは良くないからね。諦めるよ」
「ハ、ハヤテが見たいっていうなら、参加するわよ」
「良かった。かがみの雄姿を見れるみたいで」

「つかさ〜。なんで私が頼むと駄目なのに、ハヤちゃんが頼むとほぼ即決なのかな〜」
「しょうがないよ。お姉ちゃん、ハ〜君の事大好きだし」

「あ、そうだ。ねえハヤちゃん、水蓮寺ルカと仲良いんでしょ?」
「まあね。再会して、その時にメアド交換したよ」
「へえ」

「今では時々メールでやり取りしてるよ」
「へえ」
「文化祭に「ゲスト出演枠」ってあるでしょ?ハヤちゃんなら頼めるんじゃない?」

「そ、そんな無茶な。まあでも、頼んではみるけど、9割9分無理だと思っててよ」
「了解〜。学校への申請は私がしとくよ」

「ねえハヤテ、水蓮寺さんとはどんなメールしてるの?」
「ど、どんなって。かがみや皆とするような「他愛もない世間話」だよ」
「そうなの」

「お、怒ってるの?」
「何で怒る必要があるのかしら〜?」
「気、気のせいならいいんだけど」

「(ハヤちゃん、それは気のせいじゃないよ)」

学校に着くと、みゆきさんにも話した。

「チアリーディングですか?上手く出来る自信が無いのですが」
「大丈夫ですよ。別に「プロレベルの優れたパフォーマンス」が要求されてるわけではないので、ある程度は気軽にやるべきですよ」
「そうそう。みゆきさんに参加してもらえると色々助かるんだよ」

「わ、分かりました。私でお役に立てるのでしたら」
「おおー。ありがとうみゆきさん」

「じゃあ、僕は裏方として参加だね」
「頼むよ〜。特にかがみとゆーちゃんはハヤちゃんがいてくれれば乗り気になるし」


                     × ×


その日の夜。
ハヤテはまず、「今電話に出られますか?」とだけメールし、返事を待った。
すると、ものの数秒で電話が鳴った。

『もしもしハヤテ君?電話なら大丈夫だよ』
「ああ、よかった」
『珍しいね。いつもはメールなのに。それで?』

「実は、頼みがありまして」
『何々?「ハヤテ君の彼女」なら喜んでなるよ』
「ち、違いますよ。実は」

ハヤテは出来るだけ詳しく話した。

『そう。ハヤテ君の通ってる学校にゲストで』
「無理ですよね?」
『それっていつ?』

「えっと。〜〜ですけど」
『ちょっと待って。 ママ』

暫く電話口の奥でやり取りが聞こえ

『その日ならスケジュールの調整聞くよ』
「え!?良いんですか?」
『いいよ。ただし、一つだけ条件があるよ』

「え!?えっと」
『そんな身構えなくてもいいよ。別に危ない事じゃないし』
「えっと。出来る限りでよければ」

『ハヤテ君の彼女を紹介して。そうすれば、ギャラの請求は一切しないよ。ノーギャラで出てあげる』
「僕の彼女を、ですか? え!?ノーギャラ!?」
『そだよ。簡単でしょ?』

「分かりました。ルカさんが学校に来たときに、紹介しますよ」
『良かった。じゃ、よろしくね』

翌日。

「あ、そうだ。こなた、昨日頼まれた件だけど」
「ああ。水蓮寺さんね。どうだった?」
「出てくれるってさ」

「おお。流石ハヤちゃん」
「でもさ、一つだけ条件出されたんだ。それを飲めば、ノーギャラで出てくれるって」
「ほう。その条件とは?」

「かがみを紹介してほしいんだって」
「え!?私?」
「うん。「ハヤテ君の彼女を紹介して」って言われたんだよね。理由は分かんないけど」

「(成程。若しかしたらその水蓮寺さんは)」
「(へえ。でも、ハヤテはあげないわよ)」

「まあともかく、学校への申請は僕がしとくよ」


                     × ×


ある日の陵桜。

「えー。テストも終わってこれから本格的な文化祭の準備やけど、気を緩めすぎひんように」

ホームルームが終わると、こなたは机に突っ伏した。

「全く。学校行事が多い時くらいテストの数減らしてくれてもいいのに」
「まあ、陵桜は進学校だから仕方ないよ」
「ハアッ〜」

「おっす」
「やあかがみ」
「ねえこなた、チアリーディングどうなってるのよ」

「そう言えば」
「僕も聞いてないな。「裏方として参加する」って伝えておいたはずだけど」
「いやさ。テスト前は「企画が通りました」って言ってたけど」

「まさかそれから音沙汰無いとか言わないよね?時間もあんま無いんだし、練習始めないと」
「そうよ。むしろ遅い位よ」
「じゃ、聞きに行こうか」

「ソーリー。まだ振り付けとかちょっと決まってないですね」
「決まってないって。どうすんのよ」
「曲目選びとかに時間をですね。 中々ハレハレの様には」

「やれやれ。悩んでたんだったら、ハヤテとかに相談したらよかったじゃない。発起人な以上はそのあたりは責任持ってよね」
「オー。難しい日本語分かんないね」

「それだけ流暢に話しておいて何を言うか!!取り敢えずある程度の振り付けは今日中に決めておくこと!!おかしなところは練習しながら適宜修正!!分からない所はハヤテとかに聞く!!大まかなスケジュールとか練習場所の確保とかはやっておくから、本当に頼むわよ!!」

「まあまあかがみ、そんな興奮しないで」
「で、でも」

「ともかく、振り付けや衣装に悩んでるんだったら、相談に乗りますし、練習場所の確保とかは裏方の僕がやっておくので、パティさんは早く決めちゃってください。でないとぶっつけ本番でやる羽目になりますよ」

「サンキューネ。じゃ、じゃあ放課後残ってほしいネ」
「了解です。もっと早く相談してほしかったですよ」
「そだね。ハヤちゃんはそっち系の知識も豊富なんだし」


                   × ×


文化祭の準備も進んできたある日。

「みゆきさんはどんな占いをやるの?」
「私はタロット占いを」
「「「へ〜っ」」」

「つかささんはどんな占いを?」
「そ、それがまだ決まって無くて」
「そうですか」

「ハ〜君はどうするの?」
「以前話した通り、手相占いを。以前占いの館でアルバイトしたことがあるんで」
「へ〜」

「自慢に聞こえたら謝りますが、その時は「預言者」なんて異名貰ってたんですよね」
「そんなに凄いんだ。あ、前に占ってもらったとき、あれ当たってたな」
「そうなんだ。ねえハ〜君、私でも出来るような占い無いかな?」

「う〜ん。何でしたら、僕のアシスタントでもします?それなら、あれこれ悩まなくてもいいと思いますが」
「そっか」

で、その日の夜の柊家。

「でね、私はハ〜君のアシスタントして、文化祭に出るんだ」
「そうなの」
「ハ〜君に何かしないように見張っておくね」

「それは本当に頼むわね。ハヤテが自覚無いだけで、ハヤテはかなりの人気者みたいだしね」
「そ、そうだね」


                    × ×


別の日、陵桜。
チアに参加する面々は一堂に会し、ようやく決まった振り付けを見ていた。

「ちょ、ちょっと。これを今からやるの?」
「いけませんか?」
「いけないというより」

「かなり大変」
「まあ、厳しい所は練習で修正していくしかねえんじゃねえの?」
「どんだけ〜」

「しかし、その大変を乗り越えた先に」
「あんたが言うな!!」

「でもさ、流石ハヤちゃんだね。衣装は着てなかったけど、振り付けの完成度は流石だよね」

映像で踊っていたのは、体操着にポンポンを持ったハヤテだった。

「私も驚きました。ミスターハヤテはものの10分ほどでこの完成度に辿り着きました」
「10分!?ハヤちゃん、どんだけ凄いの」
「あ、あはは」

「ね、ねえパティちゃん、後でこのテープをコピーしてほしいんだけど///////////////////」
「了解ね。かがみさんはどうしますか?」
「も、貰っておくわ//////////////////////」


時間も進み、各々のクラスは色々ありつつも準備を進めて行った。

「ヤフー」
「あ、お姉ちゃんにハヤテさん」
「ゆーちゃん達のクラスは何やるんだっけ?」

「えっと。「ヅカ喫茶」」
「あ、ある程度は予想できますが、一応は聞きますが」
「基本的には「ヅカ」のような簡単なショーを楽しめる喫茶店ッス。「艶やかな衣装の子」や「凛々しい男装の子」をウエイトレスとして指名できるッス」

「だ、男装」
「ま、まあ。そう言う衣装は似合う似合わないがありますからね。似合うと思ったから、みなみさんが男装をする人に選ばれただけですよ」
「そ、そう、ですね」

「あ、そうそう。ゆーちゃんとみなみちゃんはトップを務めるっすよ。めくるめく美の世界」

ひよりんはノリノリだったが、肝心の本人たちは乗り気でなかった。
が、

「そうなんですか。僕も見にこようかな。暇を見つけて」
「は、ハヤテさん来てくれるんですか?/////////////////////////////」
「ええ。その時は、ゆたかさんを指名しましょうかね、暇であれば」
「が、頑張ります////////////////////////」


                    × ×


チア組はついに練習を始めた。

「あの2人(みゆきさんとみなみちゃん)は流石だね〜」
「そうっすね〜。息もぴったりッス」

「所でさ、あれはみゆきさんのSプレイなのかな?みなみちゃんのMプレイなのかな?」
「確かに、高良先輩のダイナミックなダンスはみなみちゃんにとってはプレッシャーかも知れないっすね」

「「あたっ」」

「2人とも、さぼってアホな妄想広げてないで練習しなさい」
「「は〜い」」

ハヤテに軽くチョップされ、2人も練習に混ざった。


                    × ×


「チアの衣装が完成したッス」

ひよりんが見せてきた衣装に全員(ひよりん、ハヤテ以外)感心していた。

「素敵ですが、少々照れてしまいますね」
「因みにッス。デザインは違いますが、製作はハヤテ先輩ッス」
「なんでこのデザインにしたのか敢えて触れませんが、強度に関しては折り紙付きですよ」

「ハヤちゃんや、こういうのは見てる方が嬉しいデザインになってるんだよ」
「実際、見て喜ぶ人がデザイン担当ッス」
「成程。噂通りだな、田村兄」

「ヅカ衣装の方はハヤテ先輩はノータッチっすから、期待してほしいっす」
「まあ、楽しみにしておきます」
「(ハヤテさんに見てもらえるんだ、あんまり変なのじゃないと良いな)」


                    × ×


夜、泉家。

「そう言えばさ、ゆたか達ってチアやるんだよね?」
「う、うん」
「おお。それってさ、撮ってもいいんだよな?」

「常識の範囲内でね」
「ぜ、善処します」
「ハヤちゃんが細かく訂正してくれるから完成度は上がって来てるんだけど、まだ成功はしてないんだよね」

「あの子か。まあ、あの有能な子が監督してくれてたら平気か」
「まあね。あ、そう言えば。本当は内緒なんだけど、文化祭であの水蓮寺ルカが来るんだよ」
「な、何!?あの超人気者の?」

「そだよ。パニックになっちゃうから、内緒ね」
「でも、なんでそんなすごい人が?」
「ハヤちゃんだよ。水蓮寺さんと友達で、そのコネだよ」

「あのこ、そんなに凄かったのね」


                    × ×


柊家、高良家はそれぞれ親たちの思い出に花を咲かせていた頃、三千院家では

「そう言えば。お嬢様の所はどんな文化祭だったんですか?」
「知らんよ。そんなメンドクサイもん、準備の段階から参加しとらんよ」
「そ、そうですか。マリアさんは?」

「意外とベタでしたよ〜。出店とかも他で見かける様なものばかりでしたから。でも、私のクラスはなぜかトラブル連発で3年間すべて中止でしたから」
「そ、そうなんですか」

「(本当は私が裏で妨害しまくったからなんですが、その時の落ち込む皆さんの顔を思い出すだけで楽しくて仕方ないですね〜)」


                     × ×


別の日。

「はい、いったん休憩で〜す」
「ほえほえ〜」
「どうにか気合の入ったパフォーマンスが出来そうネ」

「まだですよ。完成したわけではないので、油断大敵ですよ」
「いや〜。柊の彼氏、おめえがいてくれるおかげで色々とスムーズに進むよな」
「僕も皆さんの思い出作りに協力したいですからね。僕がこのチアでできる事と言えば、これ位ですから」

「ふ〜ん。おめえずげえな。柊がベタ惚れなのも納得だな」
「な、何よ!!////////////////////悪い?//////////////////////////」
「別に〜」

「まあ、僕もかがみにはベタ惚れですから、お相子ですけど」
「な!?/////////////////////////あ、あんたはまたそうやって!!/////////////////////」
「いいじゃん。事実なんだし」

「皆の前で言うのが問題なのよ!!!////////////////////////////」
「おめえら、こんなとこでいちゃつくな〜」


                    × ×


文化祭当日。と言っても、一般公開前日だが。

「いや〜。中々の仕上がりですな〜」
「まあな。それよりちびっこ、おめえその格好でうろついてんのか?」
「この方が宣伝になりまして」

「こなちゃんの衣装可愛いね〜」
「形から入るのだよ、私は。それより、かがみは?」
「用事があるとかで抜けてるの。そっちも、綾崎君いないみたいね」
「ハヤちゃんは忙しいですから」

「おお〜。先輩たちも流石っす」

ひよりんとパティがやって来た。

「こっちも負けてないっすよ。ギリギリになりましたが、完成しましたっす」

ひよりんが退くと、豪華な衣装に身を包んだゆーちゃんとみなみちゃんがいた。

「おおー」
「可愛い〜」
「とても素敵ですね」

「この衣装で歩き回るの、なんか恥ずかしいな」
「すげえ衣装だな。あ、褒めことヴぁだぜ」

「先輩、例のトップアイドルのステージ、そろそろっすよ」
「お、そっか。行くよ〜」

その頃、舞台裏。

「水蓮寺ルカです。今日はよろしくお願いしますね」
「黒井や。よろしゅうお願いします。今日は生徒だけの日やさかい、気軽にお願いしますわ」
「はい」

「綾崎、後は頼んだで。ウチはまだ仕事があるさかい」
「了解です」
「細かい事はこの綾崎に頼んでください。ほな」

黒井先生が出ていくと

「ここが陵桜なんだね。全部見たわけじゃないけど、良い学校だね」
「ええ、まあ」
「それより、あの約束は?」

「そうです。紹介します」

ハヤテが合図すると、かがみが舞台裏に入って来た。

「初めまして。「ハヤテの彼女の」柊かがみです」
「初めまして〜。水蓮寺ルカです」

ハヤテは気付いていないが、2人の笑顔はどこかぎこちなかった。

「(この人がハヤテ君の彼女。そして、私のライバル)」
「(実物の方がいい人そうね。でも、ハヤテの恋人は私よ。絶対に渡さないわ)」

「えっと。この後ですが、3曲ほど歌っていただいて、その後フリートークですね。明日の本番では専用の衣装なども用意してあるので、今日はウォーミングアップだと思ってくださいね」

「了解。じゃ、頑張るね」



「皆さんお待たせいたしました。今年の桜藤祭のスペシャルゲスト、水蓮寺ルカさんです」
「皆〜。集まってくれてありがと〜」

思ってもみなかったゲストに見に来てた生徒は活気づいていた。

「ではまず最初に、「僕ら、翔けゆく空へ」です」

ルカのステージは当然盛り上がり、生徒だけの文化祭も盛り上がった。
そして放課後。

「さあ皆さん、これが最後の通し練習です。練習とはいえ、気合入れてください」
「思い付きで出したアイディアでしたが、今はこうやって皆さんで何かを出来るチャンスに恵まれてうれしいです」

「そうですね。成功も失敗も考えず、楽しく生きましょう。さあ、行きますよ」

ハヤテが合図すると整列し、整列が完了したのを見計らってハヤテは曲をかけた。

最後まで踊りきり、一呼吸置き

「はい、オッケーです。皆さん完璧じゃないですか」

ハヤテが褒めると、少しの間の末、全員の歓声が上がった。
そして着替えも終わり

「ねえハヤテ、どうだった?」
「凄かったよ。かがみは勿論皆さんも」
「わ、私はどうでした?」

「勿論凄かったです。頑張りましたね、明日もこの調子で」
「はい///////////////」

ハヤテがゆーちゃんの頭を撫でながら褒めたので、かがみは不機嫌になった。
こんな風に談笑していると

「丁度良かったみたいだな」

声が聞こえ、体育館の出入り口を見ると

「お嬢様。なぜここに?」
「学校側に無理言って入れてもらった。丁度最後の練習が終わったところか」
「ナギちゃん、さっきの見てたの?」

「練習か?見てないよ。着いた時にはハヤテの「完璧だ」という言葉しか聞こえんかったよ」
「それよりお嬢様」
「おお、忘れるところだった。おい」

ナギが合図すると、数人の黒服の男たちが入って来て、クーラーボックスを幾つか置いて行った。

「喉渇いたと思ったから、差し入れだ」

クーラーボックスの中にはよく冷えた飲み物が入っていた。

「おう、サンキューな」
「初めて見る顔だな」
「あたしは日下部みさお。おめえの話は聞いてるぜ」

「そっか。さて、明日の本番楽しみにしてるぞ。ハヤテ、校門のところで待ってるから、一緒に帰るぞ」
「あ、はい」

差し入れの飲み物も飲み終わり、帰路に就くことにした。

その途中、まだ準備中のクラスを見て

「どうしました、つかささん」
「あ、うん。なんて言うのかな。なんか不思議な気分だなって」
「そうですね。私も少ししんみりしています。お祭りは準備をしているときが一番楽しいと言いますからね」

「そうだよな。明日が本番なんだよな」
「そうよね。もうこんなに遅くなるまで学校に残る事も無いかもね」

「そう思うと、少し寂しい気がするわね」
「確かにね。僕たちは「高校最後の文化祭」だからね。1年生や2年生は来年や再来年があるけど、僕たちは無いもんね」


そして、翌日。

チアの本番直前。

「田村さん、顔引きつってる」
「い、いやあ。お腹痛い」

「つかさ、カチコチだね」
「うう〜」

「き、緊張した方が集中力がですね」
「緊張しすぎて動けないかも」

「あれ?かがみ、落ち着いてるね」
「ハヤテに教えてもらったのよ。「落ち着ける呼吸法」を」
「そんなのあるの?」

「あるわよ。ハヤテは「トップアスリートは、呼吸を大事にしてる。それにより、適度な緊張状態にしてる」って」

かがみは教えてもらった呼吸法を実践し、全員それを真似した。

「流石ハヤちゃんだね。なんか、楽になったよ」
「私たち、最後までハヤテさんの世話になっちゃったね」
「ゆたか、そのためにも成功しよう」

皆が適度にリラックスすると

「え〜、これより桜藤祭を開催いたします。今日最初に披露しますのは、留学生のパトリシアさんの発案で仲のいいメンバーが集まって結成したリアリーディングです」

「さ、本番よ。こんな時まで支えてくれたハヤテの為にも、もちろん私達も、見に来てくれた皆さんも楽しめるように頑張りましょ」

「では、「もってけセーラー服」です。どうぞ」

ゆっくりと幕が上がった。

蛇足だが、あえて入れたい。 「チアリーディングは大成功だった」っと。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

アニメ基準は今回で終了です。

次回は、OVA基準です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (1月28日更新) ( No.45 )
日時: 2016/01/31 18:23
名前: ささ

かがみ、彼氏信用してないね(あくまでも「その手」のことでは…。ハヤテがかがみと別れるなんて到底考えられないのだが)
何だろ、将来かがみがハヤテを束縛しそう。
たぶんハヤテとかがみが付き合ってなくてもチア引き受けたんじゃない?(こなたの日頃の行いが悪いということだな)
百…一万歩譲ってかがみとハヤテが分かれたとして陵桜内にはハヤテを狙う生徒(?)がたくさんいるからね〜
ハヤテ、文化祭デートはどうだった?

パトリシアの無計画の時はかがみの真面目さが見事に出て、なおかつ裏方のハヤテの仕事を奪おうとしたのだった。それでは、次回楽しみにしています。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月7日更新) ( No.46 )
日時: 2016/02/07 20:55
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>かがみ、彼氏信用してないね(あくまでも「その手」のことでは…。ハヤテがかがみと別れるなんて到底考えられないのだが)

 かがみ「し、信用してるわよ。た、ただ」
 こなた「ヤキモチ妬きなだけだよ。まあ、分かれる可能性は無いと断言できるだろうね」

 >>何だろ、将来かがみがハヤテを束縛しそう。

 かがみ「そ、そんな事は」
 こなた「ありそうだよね。「引くほど」じゃないと思うけど」

 >>たぶんハヤテとかがみが付き合ってなくてもチア引き受けたんじゃない?(こなたの日頃の行いが悪いということだな)

 かがみ「まあ、引き受けたと思うわ。保証はしないけど」
 みゆき「かがみさんはお優しいですから」

 >>百…一万歩譲ってかがみとハヤテが分かれたとして陵桜内にはハヤテを狙う生徒(?)がたくさんいるからね〜

 つかさ「結構いると思うよ。お姉ちゃんと交際中だからって諦めてる人もいるみたいだし」
 こなた「ゆーちゃんがその代表格だね」

 >>ハヤテ、文化祭デートはどうだった?

 ハヤテ「楽しかったですよ♪ただ、そんなに出来ませんでしたが」
 かがみ「ハヤテの占いが人気過ぎて、時間取れなかったもんね」

 >>パトリシアの無計画の時はかがみの真面目さが見事に出て、なおかつ裏方のハヤテの仕事を奪おうとしたのだった。

 かがみ「あの時は興奮してたし、つい、ね」
 ハヤテ「かがみは責任感強いもんね」

 >>それでは、次回楽しみにしています。

 ありがとうございます。ご期待に沿えるように頑張ります。

 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月7日更新) ( No.47 )
日時: 2016/02/07 20:58
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回基準とするOVA編での時系列は基本気にしないでください。

本編どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                   × ×


ある日の岩崎家。

「チェリー、おはよう。おはよう」

みなみちゃんは何度か愛犬のチェリーに呼び掛けたが返答がなく、ようやく目だけ開けてきた。

「今日は皆が来るからお利口さんにしててね」

みなみちゃんが立ち去ると、チェリーは欠伸をしてまた寝入った。

暫くすると来客を知らせるチャイムが鳴り、

「あ、みゆきさん」
「こんにちは。昨日クッキーを焼いたので、みなみさんにもどうかと思いまして」
「ありがとうございます」

「あ、チェリーちゃん。チェリーちゃんも、クッキー食べますか?」

みゆきさんが聞くと、チェリーが駆け寄ってきて

「あ、あの/////////////////」
「こ、こらチェリー。何やってるの」
「ワンちゃんってたまにやりますよね」

愛情表現なのか、みゆきさんの足の間の顔を埋めていた。

「クッキーあげてもいいですか?」
「あ、はい」
「はい、どうぞ」

チェリーはみゆきさんがあげたクッキーを銜えて外に出てしまった。

「隠しに、行っちゃいました」
「後で食べるつもりなんでしょうね」

外に出たチェリーはお休みタイムに入った。

「あ、チェリーちゃんだ。鼻が黒いね」

割とすぐに柊姉妹が戻って来て

「おかしいな。私の携帯どこに行っちゃったんだろ」
「早く探しちゃうわよ」
「う、うん」

「やれやれ。あんたは平和そうね。つかさは携帯落とすし、こなたは時間過ぎても連絡ないし。ハヤテは「遅れる」って連絡来たのに」

また少しすると

「いいえ私は〜さそり座の女〜。お気のすむまで〜笑うがいいわ〜♪」
「遅刻したくせにのんきだね〜こなたは」
「ハヤちゃんだって遅れたじゃん」

「僕は連絡入れておいたの」
「私は入れなかったよ〜」
「やれやれ。 あ、チェリーちゃん」

チェリーはハヤテを見つけると、駆け寄って来た。

「こんにちは。遊びに来ましたよ」
「なんだかうれしそうだね」

ハヤテに頭を撫でられ、チェリーは目を細めて喜んでいるように見えた。

また少しして

「「「こんにちは」」」

ゆーちゃん達1年生組も遊びに来た。

「みなみ、チェリーはどこネ」
「チェリーなら」

3人が居間に行くと、こなた達3年生組がすでに来ていた。そしてチェリーは

「オー。ミスターハヤテの傍に寄り添ってるね」
「(う、羨ましいな)」

パティはチェリーの前足を持ちあげ、肉球をプニプニし始めたが

「肉球、硬いです。漫画みたいにプニプニしてない肉球に、絶望した!!」
「まあ、それは仕方ないんじゃないですか?犬の肉球は室内のみの場合は柔らかいですが、庭など外を出歩く場合、鍛えられて硬くなっちゃうんですよ」

「成程。しかし、この犬全く反応が無いですね」
「呼んでも起きない時は起きないから」
「チェリー、馬鹿犬。おバカさん」

「チェリーはバカじゃないよ」
「そうですよ。チェリーちゃん」
「オー。ミスターハヤテが呼んだら反応したネ」

「そ、そんな。私の時は呼んでも起きないのに」
「ハヤテ先輩には、本当によく懐いてるっすね」

夕方になり

「チェリーちゃん、ハヤテさんの傍から本当に離れないですね」
「きっと、ハヤちゃんの何かを気に入ったんだよ」
「まあ、昔から動物には懐かれやすかったけどね」

「ホント、可愛いな〜。 チェリーちゃんは可愛いな〜♪」
「歌、お上手ですね、ゆたかさん」
「ひゃあ//////////////////////き、聞こえちゃいました?」

「まあ、こんな近くにいますし」
「うう////////////////あ、みなみちゃん、トイレ借りるね」

「ホント、ハヤテ先輩に付きっきりっすね。ハヤテ先輩がトイレに行った時も、ついて行きましたし」
「出たらドアの前で待ってました」
「それに引き換え、私にはそっけないな」

「犬は縄張り意識が強いですからね。ひよりんから別の犬のにおいを嗅ぎつけてるからでは?」
「成程。ま、それならしゃあないっすね」

時間になり、それぞれ帰る時になったが、ハヤテが帰ろうとすると、チェリーが上着を噛んで「帰らないで」っと訴えかけているようだった。

「また遊びに来ますよ」
「ハヤちゃんハヤちゃん」
「何?」

「後ろ見なよ」
「後ろ? か、かがみ」
「ハヤテ、帰るわよ」

不機嫌さ全開のかがみが強引にハヤテを帰路につかせた。

「あ、お邪魔しました。 かがみ、引っ張らないでよ〜」

夜。

「お母さん、チェリー、元気ないよ」
「綾崎君が帰っちゃって寂しいみたいね」
「私の方が、長く一緒にいるのに」

少しすると、まるで主の帰りを待つ忠犬の様に玄関傍で寝ていた。

「チェリー、ハヤテさんは忙しいから、直ぐには来ないよ。ごはん、食べてね」

お風呂上がりにチェリーの元へ行くと、前足と鼻先が汚れていた。

「チェリー、若しかして隠したもの食べたの? でも、元気出たみたいで良かった」

今日もチェリーは平和だ。


                   × ×


またある日。

「しかしいきなりやなあ。なんでオンラインなんか始めようと思ったんや、柊姉」
「え、えっと」
「先生、私が代わりに説明しよう。このゲームのコラボアニメの脚本の小説家さんのファンなんですよ、かがみは」

「成程なあ。柊姉も、こっちの世界の住人入りって訳やな」
「こなた、余計な事言うな!!」

「それより、見いひん顔やな」
「あ、初めまして。三千院ナギです」
「おお。あんさんが、綾崎の雇い主か。よろしゅうな。噂は聞いとるで」

「私も聞いてますよ。黒井先生の噂」
「ほう、どんなや」
「ハヤテが言ってましたよ。「今時珍しい楽しくていい先生」って。話を聞くうえじゃ家の担任に見習ってほしいですよ」

「ど、どんな担任なんや?」
「酒好きのグータラで、給料の殆どを酒に費やし、金に異常に煩く、学校の宿直室に住んでて、生徒からは「取り敢えずの信頼」は得ているが、「駄目人間の駄目教師」と周知の先生ですよ」

「よくそんな人が教師やれてるなあ」
「皆思ってますよ。間違いなく99.9%の人がね」

一行はダンジョンに入った。

「そう言えば、ナギちゃんってオンライン禁止じゃなかったっけ?」
「やっと許可をもらったんだよ。15歳になったからって」

こなたの攻撃。モンスターにダメージ。
ななこの攻撃。モンスターにダメージ。

「そう言えば、柊姉妹は、アニメの真似したいんやったら、ミスキャストやろ。逆やし」

モンスターの攻撃。こなたはダメージを受けた。

かがみは回復魔法を使った。こなたは体力を回復した。

「サンキューかがみ」
「良いって事よ」

つかさは肉を食べた。

「黒井先生、私は思うのだよ。かがみとつかさは逆じゃないと生き延びられないんじゃないかと」
「成程な。三千院の言う通り、その方が被害少ないわ」

パーティはダンジョンを出た。

「ねえこなた、アニメでやってたジョブと私達のジョブが違うみたいなんだけど」
「ああ。あれは上位職だよ」
「今やってるジョブが転職したらなれるぞ」

「おお。ナギちゃん初めてなのに詳しいね」
「当たり前だ。始めるにあたって、基本的な事は調べつくした」
「じゃあさ、ナギちゃん。どうやって転職するの?」

「無理だよ。アニメとゲーム連動って謳ってるものはアニメが終わらんと実装されんよ」
「な、何よそれ」
「ま、我慢しなよ」

一行は集会所にやって来た。

「そう言えば、こうやってゲーム世界に入り込んで妄想しとると、某ゲームアニメを思い出すなあ」
「ああ。オンラインに見せかけて実はオフラインだった」
「何であれ、オンラインにしなかったんだろうな。最近ようやくオンラインを許してもらった私が言うのもあれだが、残念極まりないぞ」

「その通りやな。ウチは必死で探したのに」
「よくあるパターンですね」

「おいつかさ、Enterキー押さないと、会話できんぞ」
「あ。あー、あー。やっと話せたよ。ありがと、ナギちゃん」
「さっきから一言もはなさいと思ったら」

「「Enter押さないと会話できない罠」」←注:ナギとこなた。

「しかし、三千院は流石やな」
「何がですか?」
「いやな。初めてやのに、昔からの知り合いみたいでやりやすいからや」

「ナギちゃんと黒井先生なら、そうなりますよ。相性の良さっていうのは助かりますよね。ノラパーティは当たり外れが博打ですから」

「じゃあ、いつもはこなちゃん達はどうしてるの?」
「ノラ落ちしながら生成とか。でも、拾ってもらえずポツーンな時も多いよ」
「時間帯外すと夜中までソロプレイコースとかな」

「誰もリーダーやりたがらないし、拾ってちゃんばかりや余ったジョブばかりだと悲惨ですし」
「かといって、あいたたた〜。な所に当たると時間の無駄なだけやし」

「何言ってんのかさっぱりだわ」
「私ですらかろうじてだ」

「そう言えば、つかさの魔法、攻撃力が上がんないわね」
「おっかしーな。メイジはソロ狩り出来る位になるはずやのに」

「つかさ、ステブリしてるか?」
「ナギちゃん、ステブリって?」

「・・レベルが上がった時にどの能力値に数字を割り振るか決める事だよ。知らないでプレイしてたのか」
「そ、そうなんだ。他のゲームだと、レベルが上がった時に自然と上がるからてっきり」

「「「「・・・」」」」

パーティは再びダンジョンに入った。

「キターーー。レベルうpで1ターンに2回攻撃。このまま上がれば3回攻撃とか」
「3回って「天地魔闘の構え」じゃないんだから」
「お、懐かしいな。良く知っとるな、三千院」

「知り合いに同じようなのがいるからな。借りたんですよ」
「あれ、アニメ版は残念やったなあ。変に中途半端な形で終わらしたし」
「ですね。最終回らへん以外は名作なんですが」

「3人とも(ナギ、黒井先生、こなた)何言ってるか分かんないわよ」

一行は再び集会所にやって来た。

「このゲーム、エモにやたらおもろいの多いな」
「先生!我々パーティも勝利の時の決めポーズ決めましょうよ」

パーティはポーズを決めた。

「これ、○ニュー特選隊の決めポーズじゃないか」
「流石ナギちゃん。詳しいねえ」
「懐かしいんだか新しんだかのネタはしないでちょうだい」

「かがみ、それは言いっこなしだよ」

パーティはこなたの解説で幾つかのイベントとダンジョンをクリアし

「こなちゃん詳しいんだね」
「最近じゃネットに転がってるからな。凄いやつだと発売日当日にも拘らず、攻略法が乗ってるのもあるぞ」
「そ、そうなんだ」

「私が言うのもあれだが、そう言うパワーを世の中に使うべきだよな」
「そうね」

パーティは別のダンジョンに行き

「どうや?ウチの○ザーラ盾は。無敵やろ」
「な、何よそれ」
「ゲーム連動アイテムだよ。ピザを頼むともらえるんだよ」

「なんか、躍らされてない?」
「いやさ〜。分かっては言うんだけどついね」
「あんたもか!!」

「私も欲しいな。またキャンペーンやらんかな」
「ナギちゃん、ハヤテに叱られちゃうんじゃない?ほどほどにしないと」


「え?来られへんの?」
「ええまあ」
「何や、柊姉。デートかいな」

「え、えっと//////////////////」
「そうだろうな。ハヤテが「久しぶりに本格的なデートだ」って張り切ってたし」
「なんや。青春しとるのお」

「あの、先生。私も用事で来れないんですけど」
「柊妹もか」
「私もゆーちゃんと出かけますよ」

「泉もか」
「私も出掛けますよ」
「三千院もか」

で、休日明け。
殆どのモンスターを一撃で倒す黒井先生に驚き、一行が見ると、結構なレベル上げが行われていた。


                      × ×


ある日の夜。

「じゃあお母さん達「ぶとうかい」に行ってくるわね。お留守番頼んだわよ」
「は〜い」
「かがみ、あんた本当に行かないの?」

「行かないわよ。めんどくさいし」
「折角の機会なのに」
「私、ちょっとドキドキしてきちゃった」

「つかさ、思い切って参加しちゃえば?」
「む、無理だよー」

「戸締り、忘れないでね」
「はいはい。行ってらっしゃい」

かがみは戸締りをしっかりとおこない、テレビを見て寛いでいた。
すると

「そなたの願い叶えてしんぜよう」
「うわっ、ビックリした。あんた何処から入って来たのよ」

コスプレした?こなたが突然現れた。

「私の設定は魔法使いだよ」
「何よ、設定って」
「そうかそうか。意地悪な継母や姉にいじめられておるのか」

「はあ!?」
「「ぶとうかい」に行きたいとな?」
「言ってないから」

「つまり、あんたは魔法使いで、私はシンデレラ。これから馬車に乗って「ぶとうかい」に行かなきゃいけないの?」
「その通り。って事で、ホイ」

こなたが杖?を振ると、今にあった立派な神棚に座席と車輪がついた。

「馬車じゃないじゃん」
「細かい事は言いっこなしだよ、かがみん。出発するから、かがみも乗って」
「嫌よ」

「そんなに馬車がいいの?」
「違うわよ!!設定とか言われても知らないし、私は「ぶとうかい」にも行きたくないの!!」
「またまた」

「本心見抜いてるっぽく言うな。ともかく、私は行かないわよ」
「絶対?」
「絶対よ」

「何があっても?」
「クドイ」
「チェ〜」

こなたは落ち込みつつ、出て行った。

「全く。って戻してもらってないじゃない。  うわっ、地震!?」

家が突然揺れ出し、かがみは慌てて居間を飛び出すと、玄関の扉を開けた。

「な、何!?」
「やーかがみ。今出てくると危ないよ」
「これあんたの仕業?」
「そだよ」

柊家にキャタピラが生え、家ごと移動していた。

「早く止めて!!!」
「だってかがみ、家から出てくれないし」
「行きたくないって言ってるでしょ!!」

「じゃあこのまま会場まで直行だね」
「もう!!!!行けばいいんでしょ!!!」

完全にやけくそで言うと、納得したのかこなたは家を止め、馬車?で移動を始めた。

「楽しみだね〜」
「全然」
「本当は嬉しい癖に。このツンデレ」

「ツンデレいうな」
「あ、相応しい恰好に着替えないと」

こなたが杖?を振ると、かがみの格好が変わった。

「何よこれ!!」
「デフォでしょ」
「「ぶとうかい」に行く格好じゃないでしょ」

「でも、その筋の認知はだね」
「いいから戻せ!!」
「折角変えたのに」

今度は巫女服になり

「戻ってないだろうが!!」
「これもデフォでしょ」
「戻せ!!」

幾つかの格好をさせられ

「げんこつ」ポカ〜ン、「げんこつ」ポカ〜ン

「グヌヌ」
「これ以上痛い目見たくなかったら戻せ!!」
「わ、分かったから怒らないで。 あ」

こなたの杖?の先にある星が取れてしまい

「残念!!このままで過ごす斬り!!」
「そんな古臭いネタやってどうする。ってか戻らないの!?」
「そうだね」

「げんこつ」ポカ〜ン。

「グヌヌ〜。あ、会場着いたよ」
「ここまで来た以上行けばいいんでしょ」

会場内に入ると、すでに佳境だった。
因みに、「舞踏会」ではなく、「武闘会」である。

「盛り上がってるね〜」
「どうでもいいわよ」

「おお〜柊。おめえも来てくれたのか」
「日下部、抱き付くな」
「その格好はわたすの為か?」

「違う」
「おめえも出場するんだろ?」
「しない」

「なんだよ。全部八百長にしてやんぜ」
「出ないって。あんたの嫁にはならないわよ」
「なんだよ。冷てえな」

「今はツン成分がだね」
「違う!!!!第一、私には彼氏がいるだろうが!!」
「そうだけどさ」

「「ハヤテの嫁」にならなるけど、あんたの嫁はごめんよ」
「ブー」
「ともかく、帰るわよ。この格好をハヤテに見られたら」

「僕がどうしたの?」
「恥ずかし---え!?」

振り向くと、ハヤテがいた。

「ハ、ハヤテ!?/////////////////////////来てたの?/////////////////////////////////」
「お嬢様の付き添いでね。それよりその格好」
「わ、笑いたければ笑えばいいじゃない///////////////////////////////全部こなたのせいよ」

「笑わないよ。とっても似合ってるよ」
「ほ、本当!?////////////////////////////」
「うん、可愛いよ」

「も、もう////////////////////////////」

「ちびっこ、なんであたしたちの時とこうも反応が違うかね」
「しょうがないよ。かがみんはハヤちゃんの前じゃデレデレだし」

「それより、さっき何話してたの?」
「え!?どこから聞いてたの?」

「僕に見られたらどうとからへん」
「ならいいわ。なんでもないわよ」
「そう?」

「あたしが教えてやんぜ、柊の彼氏。実はな」
「わ〜〜〜〜っ//////////////////////ともかく帰るわよ!!!!途中で魔法解けちゃうし」

結局直ぐに帰路につき、戻って来た

「ちょっと、家動いたままじゃない」
「大丈夫。「スターリングインフェルノ」は直してあるから戻せるよ」

明らかにセロテープで直してあったが、本人が大丈夫と言う以上は信じるしかなかった。


「時間切れだね」
「う、嘘!!」

煙が出て、家も神棚もかがみとこなたの格好も元に戻ってしまった。

「家とかどうなるのよ!!」
「このままだね」
「元に戻してよ」

「私も魔法がかけられてたみたいなんだよね。だから無理だよ」
「そ、そんな」
「あ、そうだ。全部リセットする呪文は思い出したよ」

「じゃあ早く言ってよ」
「この呪文はかがみが言わないと効力が無いよ」
「じゃあ早く教えて」

こなたに呪文を教えられたかがみは

「な、なんでそんな事言わなきゃいけないのよ!!//////////////////////////」
「でもさ、言わないと元に戻んないよ」
「わ、分かったわよ///////////////////////」

「あ、大声じゃないと意味ないよ」
「あ〜、もう////////////////////////////言うわよ!!///////////////////////」

かがみはため息をつき、大きく息を吸うと

「ハヤテ愛してる〜!!!!!----------っは」
「ぽっぽぽぽぽぽ」

かがみは真っ赤になりつつも周りを見ると、いつも通りの居間だった。つまり、全部夢だったのだ。
つまり、つかさからすれば、かがみがいきなり飛び起きたかと思えばハヤテへの愛を叫んだ。つまり「柊家の居間で愛を叫ぶ」状態だったのだ。

「大丈夫だよお姉ちゃん。私口が堅いから」
「ち、違うの。違わないけど違うの」
「あ、そうだ。私ハ〜君に電話する用事があったんだった」

「つかさ、これは。色々と事情がってか。ハヤテには言わないでよ」
「イワナイヨ〜」
「だ、だからこれは」


                     × ×


また別の日。
今日はバレーボールの大会?が開催されていた。

かがみのアタックを捌こうとしたつかさだったが、転んでしまってできなかった。

「うう〜。あんなの取れないよ」
「柊の妹、それでいいのか?」
「日下部さん」

「あそこ見てみな。将来おめえの兄になるかもしれねえあいつの心配そうな目つきを」
「ハ〜君」

審判と言う立場上贔屓は出来ないため、ハヤテはつかさに心配そうな視線を向けるだけだったが

「そうだよね。お兄ちゃん優しいから、妹の私が情けなかったら、心配ばっかしちゃうもんね「妹をほっとけない」みたいに」

つかさは立ち上がり

「私やるよ。お兄ちゃんに良い所見せて、お姉ちゃんと仲良くするのを邪魔しないようにする」
「おうよ。あたしも背景キャラの意地見せてやんぜ」

「懐かしいスポ根だねえ」

試合は再開し熱戦は続いた。

「こうなったら、ジェットストリームアタックをかけるぞ」
「おう」
「うん」

「って、ジェットストリームアタックってなんなん?」
「それを言っちゃ駄目だよ〜」
「おい柊の彼氏、解説しろ」

「元々はガ○ダムで出たもので、「3人が縦に並んで波状攻撃を仕掛ける物」です。前の人が目隠しになるので、後ろの人の攻撃などを悟られない利点があるんですよ」

「成程な。でも、あたしらじゃ無理じゃね」
「そ、そうだよね」
「夢が無いね〜」

その後も熱戦が続き、試合も終盤

かがみが放ったサーブがつかさの顔面に直撃してしまった。

「あんなの無理だよ」
「だけど、涙が出ちゃう。女の子だもん」
「何よそれ」

「ええ〜。日本人の常識でしょ」
「ハヤテ、解説して」
「昔やってたバレーボールのアニメだよ。確か、1969年から全104話に亘って放送されてたよ。実写ドラマ化もされたよ」

「そ、そんな古いのよく知ってたわね」
「まあね」

こんな風な一幕の一方、

「妹、本当にこのままでいいのか?心配かけたくねえんだろ?」
「そうだよね。お兄ちゃん、優しすぎるところもあるから、将来の妹の私が情けなかったら、私ばっか構っちゃうもんね。私、それ嫌だよ。お兄ちゃんは、お姉ちゃんと幸せな家庭を築いてほしいもん」

「「//////////////////////////////」」

つかさのモロ聞こえの独り言にハヤテもかがみも真っ赤になっていた。

そしてついにマッチポイント。

「いけえ妹」

こなたがサーブを捌き、みさおがトスした。

「やあ〜」

かがみ達がブロックの為に飛び上がったが

「ぶつかってるやないか〜い」

空振りした上にネットにぶつかり、結局つかさのいるチームは負けてしまった。

「負けちゃった。でも、これでちょっとはお兄ちゃんの心配事は減らせたかな。ね、お兄ちゃん」


                      × ×


また別の日。

「天は我らを見放した〜」

「何やってるのよ」
「あ、ごめん。やってみたかったんだ」
「全く。こなたじゃないんだから」

ハヤテ達は「秋の紅葉キャンプ」に参加しており、遭難してしまっていた。

「全く。遭難するはこなた達とは逸れるはで散々よ」
「まあ、今は歩くしかないよね」

事の発端はこなたがバスの中に地図もコンパスも忘れてきてしまったためだ。おまけに、適当に道を選んだせいで、状況が悪化していた。
更に言うと、何時の間にかこなた、つかさ、みゆきさんと何時の間にか逸れ、ハヤテとかがみは2人きりになってしまっていた。

「こなたはともかく、ハヤテまで忘れるなんてね」
「いやね。言い訳に聞こえたら謝るけど、こなたが「私が責任をもって地図などを持っていくからハヤちゃんはバスに置いて行きたまえ」って言ったから」

「やれやれ。こなたのせいね」
「まあ、責任を押し付け合っても仕方ないし、歩こ」

歩き出した2人の近くに

「い、良いのかな。こんな事して」
「黒井先生に怒られてしまうと思いますが」
「良いの良いの。そうじゃなきゃ態々遭難した意味ないって」

「え!?こなちゃん、態と道間違えたの?」
「そだよ。2人きりにしたのも態と」
「あ、後でかがみさんとハヤテさんに知られたら、怒られちゃいますね」

「な、なんでこなちゃん」
「遭難した山の中。付き合ってる男女2人きり。最高のシチュエーションじゃん。えっと、つ、つ」
「吊り橋効果、ですか?」

「流石みwikiさん。今の2人をこっそりつければ、キスの現場位抑えられるでしょ?それを撮るのが今回の目的なのだよ。前(修学旅行の時)に私達の前でキスしたのに突然だったから撮り損ねたし」

そう言うと、こなたはリュックからカメラを取り出した。

「お父さんから借りてきたんだ。これで撮影して」
「どうするの?」
「からかうの。ほら、見失っちゃう」

3人はハヤテとかがみの後をつけた。

「なんか、同じような所を歩いてない?」
「まあ、山の中なんて同じようなものだしね。こういう所で迷うのは「方向感覚が狂うから」らしいし」

「何処をどう歩いてるか分からなくなるのね」

暫く歩いたが、状況は変わらなかった。

「冷えてきたわね」
「日が暮れてきたからね。今日は夕方から寒くなるって言ってたし」
「うう〜」

かがみが身震いすると、

「これを着て」
「で、でも」

ハヤテは自分が着ていた上着をかがみに羽織らせていた。

「僕は平気だからさ。さ、早くしないと益々状況が悪化しちゃうよ」
「ハヤテ/////////////////////」


「う〜ん。中々いい雰囲気にならないね」
「こなちゃん、怒られる前に止めた方が」
「何言ってんの。ここまで来たら根競べだよ」


「流石に、疲れてきたわね」
「休もうっか」

2人は木の傍で座った。

「やっぱ、携帯は圏外か」
「私もよ」
「星を見れば方角が分かるけど、方角だけじゃね」

夜空を見上げ、方角は分かるのだが、地図が無いので意味は無かった。

「ねえハヤテ」
「何?」
「今、2人きりよね」

「そう、だけど」
「最近の私達、デート出来て無いわよね。キ、キスも」
「そうだね。でもさ」

「分かってるわ。でも、受験生だからってデートできないのは結構なストレスなのよ」
「分かるよ。僕もだもん」
「じゃ、じゃあさ」

「え!?ま、まさかここで?」
「2人きりじゃない。キス位なら」
「わ、分かったよ。1回ね」


「おお〜。いよいよか〜」
「お、お姉ちゃん」

みゆきさんはドキドキしていた。そしてこなたはカメラを構えた。

「さあ、さあ、さあ」

2人の距離が1cmを切ったその時

「「うわああ。な、何!?」」

「こ、これは。こなたの携帯の着メロ」
「あ。あそこに3人ともいる」
「まさかこなた」

「か、かがみ、落ち着こ」


「あとちょっと。チャンスを って、何!?」
「こなちゃん、携帯なってるよ」
「あら。かがみさんもハヤテさんもこちらに気付いてしまいましたね」


結局、キャンプ場に着いた5人は黒井先生にこっぴどく叱られてしまった。

同然?帰宅後にもこなたはかがみにこんこんと説教された。

肝心のこなたは「折角あと少しだったのに」っと、反省の色は全くなかった。


                    × ×


ある日の放課後。

「ねえかがみ、寄り道していこうよ」
「道草食わずにまっすぐ帰りなさい」
「良いじゃん。少しだけだし」

「嫌よ」
「ええ〜」
「まあいいじゃん。受験勉強の息抜きにさ」

「分かったわよ。ハヤテがそう言うなら」
「まあ、切っ掛けはどうあれ、サンキュー」

「こなちゃん、何処に寄り道するの?」
「最近できたペットショップだよ」
「ペットショップですか。久しぶりです」
「そう言えば、シラヌイのトイレ用の砂とか買い置き無くなってたな。買っておくか」

5人はこなたの言ったペットショップにやって来た

「犬でも飼うの?」
「私ウサギさん見たいな」
「可愛い子犬さんがいいです」

「見るのはこれだよ」
「毛並みの良い猫さんですね」
「まあ、家のシラヌイの方が可愛いですけど」

「こなた、言っとくけど、この猫は決して魔女じゃないからね。イタズラしたら駄目よ」
「分かってるよ。魂までは取らないよ」

すると店員さんが来て。

「ここまでのセリフの数、ゼロ!私は帰って来た」
「お前をボロ雑巾の様に使ってやる」
「2人してここでパロディしなくても。まあ、いいや」

「毛並みの良い猫さんですね」
「ゆきちゃんも毛並みの良い家柄だよ」
「コラコラ。それを言うなら、毛並みじゃないでしょうが」

「いやいや。みゆきさんは今や銀河の歌姫。もってけ違いなのだよ」
「やれやれ。パロディ連発で分かるのかな」

「ええ〜。これがペコポンで一番有名なカエルだ」
「「「「おお〜」」」」
「カエルか。興味ないや。えっと、猫用のグッズはっと」

ハヤテは店の奥の方へ行ってしまったが、4人はカエルを見ていた。
すると

「っは。私、トノサマガエルだ」
「私アマガエルみたい」
「私はウシガエルのようです」
「イボガエルって、おい」

「ん!?みんなどこ行ったんだ? おや?」

「ハヤちゃん〜」

「へえ。このイボガエル可愛いな。すみません、おいくらですか?」

「フフッ。ずっと可愛がってあげるね。 あれ?なんか忘れてる気が」

このネタ、アニメを見ると不気味さがあります。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

最後でこなた達はカエルになりましたが、夢オチです。

次回からは「原作基準」になります。
そして、大幅に短くなると思います。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月13日更新) ( No.48 )
日時: 2016/02/13 22:42
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回から「原作基準(4巻以降)」となります。

本編どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」

やっぱ、これは必要ですね。


                   × ×

ある日の泉家。

「ただいまー。ゆーちゃん、これお土産」
「わーっ。可愛いクマさんのぬいぐるみ。ありがと」
「こなた、これどったの?」

「あ、ゆい姉さん来てたんだ。帰りに受験勉強の息抜きにゲーセン行った時にUFOキャッチャーで取ったんだ」
「へえ。こなた得意だったんだね、そう言うの」
「ん?違うよ、取ったのはハヤちゃんだよ」

「ハヤテさんが?」
「いやさ〜。ゆーちゃんへのお土産にそのぬいぐるみを取ろうとしたら中々取れなくてね。で、500円くらい使ったときにハヤちゃんに声かけられて、取ってくれたんだよ」
「へ〜。あの子はなんぼで取ったの?」

「1回で、だよ」
「へえ。あれ?これ」

ぬいぐるみの腕の所に「K.YUTAKA」っと刺繍が施されていた。

「お分かりの通りハヤちゃんが縫ってくれたんだよ。そのままじゃ味気ないからって」
「ハ、ハヤテさん////////////////////////」
「ゆたかー。あの子は彼女持ちだよ」

「わ、分かってるもん。妹として喜んでるだけだもん」
「はいはい。あの子の妙に優しい所が、モテモテの要因なんだね」
「かがみの嫉妬の元でもあるよね」

翌日の放課後。

「また随分買ったわね」
「だってさ、アニメ化した漫画は欲しくなるじゃん?」
「まあ、こなたの気持ちは分かるよ。お嬢様も「これは原作を読まねば」ってネット通販で買うし」

「でもさ、ハヤちゃんにかがみん。既刊数が少ないと「もっと読みたい」ってなるよね」
「まあ、そうね」
「でもさ、既刊数が多いといくら読みたくても手が出にくいよね。「こんなに出てるのか」って具合に」

「まあ、確かに」
「でもナギちゃんは関係なさそうだね。財閥だから200巻近く出てても買うんじゃない?」
「その通りだよ。で、マリアさんに怒られてるよ。「またこんなに買って」ってね」

「ナギちゃんらしいね。そう言えば、「オタクは犯罪者予備軍」ってよく言われるよね」
「確かにね。そうじゃない人も沢山いるのに不公平だと、僕は思うけど」
「でしょ?でさ、警察や教師もその予備軍なんじゃないかと思うのだよ」

「こなた、そう言う危険発言は止めなさい。怒られるよ」
「そうよ」


                  × ×


ある日の休日。

「そう言えばさ、こなた。このアイドルの子、この前のこなた達の高校の文化祭に来てたよね」
「ああ、ルカさんね。実はさ、私も友達になったんだよね。コンサートの後に話す機会があって」
「へえ。アイドルの子と知り合いって何か羨ましいね」

「そうかな。中身は私と同じオタクだよ、ルカさんは」
「そ、そう聞くと尊敬度が薄まるね」
「姉さん、少し失礼なんじゃない?」


                  × ×


ある日のホームルーム。

「皆さん、静かにしてください。進行が」
「何や小学校みたいやな」

ガヤガヤとしてて、学級委員のみゆきさんの話を殆ど聞いてなかった。

「みゆきさん、私達はただ黙って言う事だけを聞く大人にはなりたくはないのだよ!!」

  「げんこつ」ポカ〜ン

「何言ってんの、こなた。世間に出れば色々と我慢しなきゃいけないことだらけなんだから、そんな事通じないよ」
「お、綾崎。ええ事言ったな」
「は、ハヤちゃん〜。だからってぶたなくても」

「もう一発欲しいの?」
「ご、ごめんなさい」

「話が纏まったようなので、続けますね」

ホームルームも終わり

「そう言えば、高良と綾崎が政治家とその秘書になったら凄そうやな。どっちが秘書かは置いておいてや」
「先生、秘書と言ったら美人秘書でしょ」
「泉、今はそっち方面の話しとらんで。ともかくや、色んな画期的な法案作りそうやな」

「「そ、そんな事は」」
「あるやろ。さっきのまとめ方もええ具合やったし」
「まあ、力尽くは時々にしてほしいですけどね」

話を終えると、黒井先生は職員室に戻って行った。

「あ、そうそう。これなんだけどさ、どっちだっけ?」

こなたが見せてきたノートを見ながら

「えっと、確かこっちだと思いましたけど」
「あ、これこっちだよ」
「ああ、それはこっちだよ」

「じゃあみゆきさんとハヤちゃんの方だね」
「ええ〜」
「つかさには悪いけど何となくね」
「こなた、そう言う失礼になりそうなことは心に秘めておきなさい」


                    × ×


ある日の三千院家。

「おおそうだ。私も宝くじ買ったんだぞ」
「へえ。珍しいですね」
「ハヤテが時々買ってるだろ?だから真似してみたんだ」

「そうですか。でも、当たった時はどうするんですか?」
「そりゃあ、まあ。全部アニメ関連につぎ込むさ」
「は、はあ。まあ、そう言うのは夢を買う物なので、当たるかどうかは二の次ですね」

「だな」
「フフ♪当たらない確率の方が高いので無駄なんですけどね〜♪」
「「・・・」」


                   × ×


ある日の休日。

「ねえかがみん、なんか面白い本無い?」
「ん〜。あ、これなら面白かったわよ」
「ウ〜ム」

こなたは少しの間悩んだ後

「これはまた今度にするよ」
「おま、絶対今表紙の絵で決めただろ!!」
「ああ、それね。絵はイマイチだけど中身は面白いよ」

「今度で良いって」
「こなた、聞いておいてそれは駄目でしょ。読まないんだったらはっきり断りなさい」
「じゃあさ、ハヤちゃんお薦めの本は?」

「〜って本は面白かったよ」
「ええ〜。それって難しそうじゃん」
「まあ、ちょっとね。でも、読むと面白いよ」

「私は遠慮するよ。一々調べながらじゃ大変だし」
「ああ、そうですか」


                   × ×


ある日の泉家。今日は勉強会を開いていた。
その休憩中。

「最近さ〜私のパソコン調子がイマイチなんだよね」
「確かに遅いわね」
「ツン状態だね」

「あれ?早くなったわよ」
「デレ状態だね」
「こなた、パソコンでもそっち方面にもってかないの。ただ単に、色々やり過ぎて処理落ちしてるだけじゃないの?」

「まあねん」

「そう言えばさ、こなたって新しい3DS買うんでしょ?」
「そうだよ。あれは2機以上あると楽しそうだし」
「私的にはあの色は違うわね」

「〜に見えるもんね」
「で、買うとしたら〜ね」
「ああ。それなら〜に見えるもんね」

「こなた、さっきから例えが限定的すぎない?」
「細かい事は気にしない。その筋じゃこれの方が分かりやすいでしょ」
「やれやれ」

「あ、ゲームで思い出したんだけどさ、ギャルゲーって「明らかに間違った誘い」ってあるよね」
「そうね。あんたがやってるのを見てる限りじゃね」
「でさ、ハヤちゃんって、そう言う選択肢間違えないよね」

「そ、そうかな。間違える方が多いと思うけど」
「いやいや。それはかがみが一番分かってるって」
「そ、それは/////////////////////////////////」

「照れさせたり嫉妬させたり。完璧な選択だよね」
「否定しないでおくわ/////////////////////////////」


                    × ×


ある日。

「今日さー。色々な所で「宝くじを買った」って話題を出したんだけどね」
『そうなんだ。当たったら教えてよ。祝福したいから』
「ハヤテは皆と違う反応でよかったわ。「ありがとう」が第一声だったからね、皆」

『そう言う「思わぬ収入」が入った人には思わずたかっちゃうんじゃない?してもらえるか否かは置いておいてさ』
「まあ、確かにね。私も日下部が「買った」って言ったらそう言ったし」
『最近の宝くじは当選金額が引き上げられてるもんね』

「でも、ハヤテは違ったわよね」
『まあ、僕はお金に関してはしっかりしてる方だし』
「そうね。あ、それより、次のデートなんだけどさ」


                   × ×


ある日の陵桜の休み時間。

「へ〜」
「ん!?どったの、かがみん」
「あんたが「憂鬱」みたいな難しい漢字をすらすら書けるなんてって思ったのよ」

「まあ、それは漫画やアニメの影響だろうけどね」
「そだよ〜。ああいうのって不思議だよね。普段は覚えられないような事でも、スラスラ覚えられちゃうからね」

「悲しいかな。あんたのその意見を真っ向から否定できない自分がいる事に」
「ははっ。そう言えば、難しい漢字で思い出したんだけど」

ハヤテは許可を得てこなたのノートの端に何やら書き込んだ

「な、なにこれ。暗号?」
「見た事無いわね、それ」
「たいと、って読むんだよ。それで一つの漢字なんだ。「最も画数の多い漢字」だよ」

どんな漢字かはググってください。

「流石ハヤちゃん。こんなのよく知ってるね」
「まあ、知らなくても恥にはならないし、知ってても得はしないけどね」
「確かにね。 ん?」

「どうしたの、こなちゃん」
「なんか、良い匂いがするな」
「え!? あ、ほんとだ。香水じゃないよね」

「ああ。僕だね。昨日から洗剤が変わったんだ」
「へえ。う〜ん。良い匂い」
「ホントだ〜」

「2人とも、抱き付かなくても」
「だって〜」
「良い匂いなんだもん」

「(ハ、早く離れてくれないと、かがみの機嫌がどんどん悪くなるんですけど)」

察したのか、ギリギリで2人が離れた。

「そう言えばさ、犬の嗅覚は人間の一万倍ってよく言うけど、お兄ちゃ--ハ〜君は、どうしてそう言うのか知ってる?」
「ああ。匂い分子と呼ばれるものがあって、空気中のその成分を1とした場合、それを一万倍に薄めても嗅ぎ分けられたので、そう言うようになったんですよ」

「成程ねん」

そして放課後。

「こなた、またほしい懸賞でもあるの?沢山同じの買い込んだけど」
「そだよ。でもさ、こういう買い方をするといつも思うんだけどさ」
「何よ。悦に入ってるというんじゃないでしょうね」

「店員さんに、「同じものですけどよろしいでしょうか?」って聞かれるけどさ、2冊ぐらいはともかくこれだけ買い込むと、間違わないよねって」
「まあ、それはマニュアルに組み込まれてるからね。「似たような別々の雑誌を買おうとしたが間違えた。変えてくれ」みたいなクレーム対策でしょ?」

「ああ、成程」


                   × ×


ある日の泉家。例によって勉強会である。

「あれ?こなた、カレンダーめくり忘れてるわよ」
「ああ。それ態とだよ」
「何でよ」

「いやさ〜。好きな絵描きさんの月から変え辛いじゃん」
「カレンダーの意味ないじゃない」
「それならさ、めくった後、飾っとけばいいじゃん絵の部分だけ切り抜くなりして」

「あ、そっか。じゃあさ、雑誌や同人でも絵付きのカレンダーが出てもそうすればいいわけだ」
「まあ、好きにしなよ」
「でさ、そう言うので自分の誕生日の月が好きな絵描きさんの絵だとささやかな幸せを感じない?」

「まあね。こなたは相変わらず悩みが少なさそうだね」
「褒めるな褒めるな」
「褒めてない」

「あ、そうそう。つかさにお勧めのページがあるよ」

こなたはパソコンを起動させ、お薦めをつかさに見せた。

「へえ。便利そうだね」
「じゃあ登録しなよ。簡単だから」

その後、5分ぐらいして

「え!?つかさ、若しかして利用規約全部読んでるの?」
「う、うん。読み飛ばしちゃったら、大切な事を見落としちゃうかもしれないし。頭には入らないんだけどね」

「いや〜。まさか全部読むとは」
「で、でもさ。そう言う詐欺って流行らなかったっけ?お兄ちゃ--ハ〜君」

「ああ、ありましたね。読み飛ばすことを見越して長々と書いたり、言われなきゃ気付かないほど小さく書いて、法の抜け穴を掻い潜ろうとした詐欺が」

「だよね。こなちゃんは読まないの?」
「読まないね〜。でも、ハヤちゃんの話を聞くうえじゃ読んだ方がいいよね」
「まあ、その手の詐欺は最近は見かけなくなりつつあるけどね」

「でも、その油断に漬け込むこともあるから、注意は必要よね」
「だね」
「でもさ、かがみんも読まないんじゃないの?」

「い、一応は読んでるわよ」
「どうせ適当にでしょ」
「う、それは」

「図星か」
「う、うるさいわね」


                      × ×


また別の休日。
ハヤテ以外のいつもの3年生組と、1年生組は泉家に集まっていた。

「そう言えばさ。ひよりん最近漫画の具合はどう?」
「実は、ネタに詰まり気味でして」
「どんな漫画描くの?」

「日常のあるあるってネタを使った四コマ何っすけどね。ハヤテ先輩にアドバイスを貰おうとしたんっすが、今日は居ないんっすね」
「忙しいんだって。一応は誘ったよ」

「あ、じゃあさ、私のはどうかな?」

つかさのネタを幾つか聞いたひよりんは

「さ、参考にさせてもらうッス」
「そう」

正直、漫画のネタとしては使えない物ばかりなのだが、善意な以上無下に出来なかった。


                    × ×


ある日。

「見てみて、こなちゃん。昨日お風呂に入った時、長い毛を見つけたんだ」
「へ〜。そうなんだ」

 ぷちっ←その毛を抜いた音

「あう〜。幸運のお守りが〜」
「ご、ごめん。大事にしてたんだ。そう言うのってつい抜きたくなっちゃって」
「こなた、そう言うのは聞いてからにしなさい。つかささんが優しいから良い物の」

「ごめんごめん」
「全く。あれ?このベル、あんたの部屋にあるなんて珍しいわね」
「良いでしょ〜。鳴らしたいなら鳴らしてもいいよ」

「良い音ね。でも、なんであるのよ」
「いやさ〜。ナギちゃんが持ってて、それを鳴らすとハヤちゃんかマリアさんが来るでしょ?」
「まあね。態々大きな声で呼んだり、電話したりする手間を省くのにね」

「だからさ〜。羨ましくてついね。後、鳴らしたらメイドさんが来る気がして」
「あんた、本当に単純ね」

翌日。

「う〜ん」
「どうしたの?」

かがみ達は放課後本屋に来ていた。

「この本なんだけどね、買おうかどうか悩んでるのよ」
「買えばいいじゃん」
「止めておくわ。持ち合わせ少ないし」

しかし、翌日には心変わりしたのか

「やっぱ買う事にしたわ」
「心弱いね〜」

ニヤケ顔のこなたを無視して売り場に行ったが

「う、売り切れ」
「かがみ、こういうのは欲しいと思ったときに買うのが常識なのだよ」
「まあ、こうなる事を想定して買っておいたけど、いる?」

「ハヤテ〜。ありがと〜」
「ハヤちゃんは流石だね。ある分野以外では勘が鋭いよね」

店を出ようとすると、偶々ひよりんとばったり会った。

「奇遇っすね」
「まあ、我々じゃ行くところは限られてるし」
「そう言えばさ。ひよりちゃん、漫画のネタって浮かんだ?」

「いや〜。ボチボチってところっす」
「じゃあ丁度良かった。私考えてきたんだ〜」

嬉しそうにノートを取り出したつかさに

「つかささん、勉強は」
「べ、勉強の合間に考えたんだよ」
「ならいいですが」

「でさ、どうかな」
「え、えっと」
「何と言うか」

ネタ帳を見たひよりんとハヤテは固まるのと苦笑いをするしかなかった。

「こ、今度参考にさせてもらうッス。次の漫画は別の感じにすることにしたんで」
「じゃあさ、それを使った漫画が出たら見せてよ」

「ハヤテ先輩、これを使わなければならない事態が来るんでしょうか?」
「ま、まあ。いざとなったら誤魔化しておきますよ」

ヒソヒソと、つかさには聞こえないように相談した2人であった。


                    × ×


ある日。

「あ、ハヤテさ〜ん」
「おや、ゆたかさんにみなみさん、ひよりんも。おそろいでどうかしました?」
「聞きたい事があって。ハヤテさん博識だから」

「何でしょうか?僕の知ってる範囲でよければお答えさせてもらいますよ」
「買ってきた果物の種って、庭とかに埋めたら生えてくるんですか?」
「物にもよりますが、育てる事は出来ますよ」

「「「へ〜」」」

「ただ、真面目な話になってしまいますが、現在は品種改良されたものが主流なので、たとえ成長しても美味しくなかったり、病気に弱いなど「収穫して食べる事」を目的にした場合、無理でしょうね。「育てて観察する事」が目的ならやる価値はありますが」

3人はハヤテの解説に感心し

「後、スイカの種とか間違って飲みこんじゃった時って、お腹の中で芽が出ちゃったりすることってあるんですか?」
「私は虫垂炎になりやすいとも聞きましたが」

「答えは「どちらも迷信である」ですね。虫垂炎に関しては「可能性が全くない訳では無いが、限りなく低い」ですね。なので神経質になる必要はないですよ。芽が出る可能性に関しては「全くない」ですね。スイカの種は頑丈なので、消化されることは殆どありませんし、たとえ消化されても問題は無いですよ。それに、胃液はとても強力なので、芽を出せって方が無理ですよ」

「そうなんですか」
「勉強になりました」
「いえいえ」


                      × ×


また別の日。

「ウ〜ム。う〜〜む」
「何漫画と睨めっこして唸ってるのよ」

「いやね、この漫画を買おうかどうか悩んでるんだ」
「珍しいね。いつもだったらスパッって決めて買うのに」

「実はいうと、これ持ってるんだよね」
「成程。応募券がついてるが、買ったときの状況をキープしておきたいと」
「ピンポンピンポ〜ン。だから悩んでるんだよね」

「やれやれ。じゃあ僕がそれ買うから、応募券はあげるよ」
「え!?いいの?」
「買おうかどうか悩んでたやつだからね。こなたの役に立てるなら一石二鳥だから買うよ」

「サンキュ〜ハヤちゃん」

因みに、かがみの機嫌が悪くなったのは言うまでもない。


                     × ×


また別の日。

「へ〜。みゆきさんでもそう言う流行りものの本を読むことあるんだね」
「そうですね。私はあるものは読む方なんですよ。かがみさんの言うラノベも少しですが読みますし」
「まあ、でも。みゆきさんの場合、あのお母様のお下がりでしょうけど」

「んなバカな」
「実はいうと、ハヤテさんの言う通りなんですよね。うちの母は流行してるからと買うんですが」

「結局は読まずに娘のみゆきさんが読むと」
「ええ、そうなんですよ」
「流石あのおばさんだね」


                     × ×


同じ日、1年生の体育の授業。

「うう〜。今日は豪い目にあったよ」
「ごめんね。大丈夫だった?」

授業でドッチボールをやり、開始早々ひよりんはみなみちゃん中てられてしまったのである。

「今日は頑張ろうと張り切った結果はこれだよ」
「頑張ろうとするほど、結果はついてこないよね。でも、田村さんはなんで今日は張り切ってたの?」
「いやね、昨日某番組で運動神経の悪い芸人さんたちが色々な競技に挑戦するのを見たんだよね」

「あれだね。昨日お姉ちゃんとおじさんと見て大笑いしちゃった」
「私も見た。私も笑っちゃった」
「でしょ?でさ、私も運動は得意じゃないんだけど、「あそこまで酷くはないな」って思ったからね。だから張り切ったんだよね」

「確かに。あれを見ると、「自分はもっと出来る」って思っちゃう」
「でも、結果は伴わなかったんだよね。トホホ」


                      × ×


ある日の放課後。
ハヤテとかがみは2人で帰っていた。こなたとつかさが気を使って2人きりにしたためである。

「そう言えば、今年ももう終わりだね」
「そうね。なんか、あっという間だったわね」
「こうやって「高校生として」かがみといられるのも終わっちゃうんだよね」

「何言ってるのよ。大学に上がっても、私達の関係は続くわよ」
「当然でしょ。あ、そうだ。今年のクリスマスなんだけどさ」
「な、何!?」

「レストラン、予約取れたよ。今年も一緒に過ごそうね」
「勿論よ。今から楽しみだわ」

恋人たちのクリスマスは特別なのである。←こなた


                   × ×


ある日の陵桜。

「そう言えばさ、かがみん」
「何よ」
「最近ハヤちゃんとデートしてるの?」

「・・・」
「なんか気になっちゃってさ。ハヤちゃんって妙な所でも真面目だから、どうなのかなって」
「して、無いわよ」

「へ!?なんだって?」
「デート出来て無いわよ!!!!!!悪いの!!!!!!」
「お、怒んなくても。悪か無いけど」

「フンだっ。変な事聞くあんたが悪いのよ!!!」

「つかさ、かがみの機嫌悪いね」
「ごめんね、こなちゃん。お姉ちゃん、この話題になると直ぐに機嫌悪くなっちゃうんだ」
「ストレスが溜まってるんだね」

「何よ!!!2人でコソコソ」
「「な、何でもありません」」

「こりゃクリスマスが来るまでは触れないのが大正解だね」
「お兄ちゃ--ハ〜君じゃないと機嫌直せないね」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月13日更新) ( No.49 )
日時: 2016/02/14 00:00
名前: ささ

ささです。
いかにハヤテとデートしていないかがよくわかるな〜
つかさからついにお兄ちゃん発言、これはあれだ今夜にもかがみ夫人実家で大人の階段を…(違うか)
かがみ夫人、つかささんに物理的なお説教をしないようにね(笑)
ハヤテもみきさんをお義母さんと呼んだら?
こなた、ハヤテがらみでツンになったかがみの扱い方は?
そういえば、「ツンデレ女子の心得」というWebサイトがあることを見つけたのですが…ハヤテには必要ないね。
それでは。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月15日更新) ( No.50 )
日時: 2016/02/15 23:51
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 感想ありがとうございます♪

 >>いかにハヤテとデートしていないかがよくわかるな〜

 かがみ「だ、だって」
 こなた「お〜。怖い」

 >>つかさからついにお兄ちゃん発言、これはあれだ今夜にもかがみ夫人実家で大人の階段を…(違うか)

 かがみ「そ、そんなのまだ早すぎるわよ/////////////////////////」
 ハヤテ「だ、だよね//////////////////////////////////」

 >>かがみ夫人、つかささんに物理的なお説教をしないようにね(笑)

 かがみ「しないわよ。こなたなら話は別だけど」
 つかさ「よ、よかったよ」
 こなた「不公平だ〜」

 >>ハヤテもみきさんをお義母さんと呼んだら?

 みき「・・・」←期待を込めた目
 ハヤテ「え、えっと。お義母さん」
 みき「あら、何かしら♪」

 ただお「・・・」

 >>こなた、ハヤテがらみでツンになったかがみの扱い方は?

 こなた「まあ、ほっとくか、ハヤちゃんに任せるよ。じゃなきゃ無理だし」
 つかさ「だ、だよね」

 >>そういえば、「ツンデレ女子の心得」というWebサイトがあることを見つけたのですが…ハヤテには必要ないね。

 ハヤテ「ま、まあ、そうですね。多分、大丈夫ですよ」
 こなた「ハヤちゃんなら「多分」じゃないよ」

 >>それでは。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月15日更新) ( No.51 )
日時: 2016/02/15 23:55
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                      × ×


ある日の陵桜。

「あれ?」
「どったの、かがみ」
「あんたって両利きなのね。左利きだと思ってたわ」

「まあねん」
「こなちゃん両方の手で字とか上手にかけて凄いね」
「でしょ〜?」

「でもさ、こなたの場合、元々字はあまり上手じゃないから「宝の持ち腐れ」だよね」
「ハヤちゃん〜。字なんてものは自分が分かればいいのだよ」
「そう言えば、お兄ちゃ--ハ〜君は右利きみたいだけど、こなちゃんみたいに両手で書けたりするの?」

「ええ、まあ。基本右利きですが、両利きでもありますよ。因みに」

ハヤテは左右両方の手でペンを持ち、別々の文を書いた。

「こんな事も出来ますよ」
「へえ。流石ハヤちゃん。高スペックだね」
「尊敬しちゃうな」

「僕は「何かに使えるかもしれない」って思って訓練しただけだけどね」
「それでも凄いよ、お兄ちゃ--ハ〜君」

「ねえつかさ、気になってたんだけどさ」
「何、お姉ちゃん」
「何でハヤテを「お兄ちゃん」って言いかけてるのよ」

「愚門なのだよ、かがみん。ハヤちゃんとかがみんが結婚すれば、つかさから見ればハヤちゃんは「義兄」になるからなのだよ」
「そ、そうなんだよね」
「ま、まだそういう段階じゃないでしょうが!!/////////////////////////」

「まあまあ、気にしない事だよ。それより、かがみは最近ダイエットしてるの?聞かないけど」
「なんか納得いかないわね。まあ、良いわ。ダイエットならしてないわよ」
「そうなんだ。前までは割としょっちゅうしてたのに」

「する必要が無いからよ。間食はハヤテが作ってくれる「低カロリーのお菓子」しか食べてないし、作って来てくれるお弁当も低カロリーだから、太らなくなったの」

「ヘイヘイ。惚気話ご馳走様でしたっと」
「な、何よ」
「別に〜」

「そう言えば、こなたって進路決まったの?前(>>25)の時は真面目に書いてなかったけど」
「進路ね〜。決まってないや」
「流石に駄目でしょ。進路を決めて、それに向けて勉強しないと。「皆に寄生」は駄目だよ」

見抜かれたこなたは少しの間を置き

「それより、かがみはともかくハヤちゃんも法学部だよね?一緒に居たいからって意味あるの?」
「まあね。三千院家に顧問弁護士さんはいるけど、執事の僕が弁護士の資格を持ってたら何かと便利かなって思うからね。財閥って割とそう言う事態多いみたいだし」

「そうだったのね。私も持ってたら鬼に金棒かもね」
「まあ、ともかく、2人ともその折の時はよろしくね」
「「・・・」」

こなたの言葉にハヤテもかがみも突っ込む気が失せたのか、黙り込んだ。


                      × ×


別の日。一年生の教室。

「ねえ田村さん、漫画描いててお話に詰まっちゃう時ってあるの?」
「そりゃもう、しょっちゅうだよ。「どうすればいいんだ〜」って頭抱えるのなんて日常化してるよ」
「じゃあさ、そういう時ってどうやって解決してるの?」

「考える場所を変えたりするけど、最終的にはハヤテ先輩を頼るよ。あの人、的確なアドバイスくれるから」
「へえ、そうなんだ」
「それで、ひよりん。危機的状況になったらどうするネ?」

「その時もハヤテ先輩だよりッス。あの人の「しっかりしろ」はなぜか物凄く沁みるっす。すると、スラスラと漫画が」
「ハヤテさんって、やっぱり凄いんだね」
「ミスターハヤテは超人ネ」


                    × ×


ある日。

「つかささん、大分携帯に慣れたんですね。以前(>>9)は苦戦してたのに」
「うん、結構使ってるから」
「でもさ、そう言うのって、つかさのイメージじゃないからなんかヤダ」

  「チョップ」ビシッ

「こなた、それは凄く失礼だよ。優しいつかささんでも怒るよ」
「お、怒っては無いけど、ちょっとショックだったかな」
「つかささん、こういう時は怒ったほうがいいですよ」

「そうよ。じゃないとこなたを調子付かせるだけよ」
「あ、お姉ちゃん。えっと、頑張るよ」

「そう言えばさ、昨日新しくゲームをした時なんだけどさ、IDを設定する時、重複が何度もあったんだよね」
「な、なんて入力したのよ」

「「meido」とか「miko」でしょ。どうせ」
「流石ハヤちゃん。使おうと思ったんだがね〜」
「そう言うのって、売り切れるのが早いのね。名前もそうなんだけど」

「私は常々思うのだよ。そういう時に「分かってはいたが、この駄目人間どもめ」って」
「こなた、そう言うIDを設定しようとした段階で人の事言えないでしょ」
「そうね」

「後さ。スパムメールの題名もさ、「昔の友達の名前」だとさ、疑いはするんだけど、開いちゃう事って多いよね」
「確かにね。本人の可能性もあるからね」
「でもさ、いざ開くと出会い系とかに繋がると、思わず笑っちゃうよね」

「私はウザったいだけだけどな」
「だよね。身に覚えのない請求が来たり、裏マーケットで売り買いされたりする可能性もあるし」

放課後、泉家に集まり勉強会をすることになった。

「こなた、また随分散らかってるね」
「まあ、最近忙しくてさ」

「あ、このゲームのサントラ出てたんだ。聴いていい?」
「良いよ〜」
「かがみ、勉強は?」
「き、聴きながらやるわ」

気まずそうに返してケースを開けると、中身は無かった。

「こなた」
「まあよくある事だって。どっかにあるよ」

1時間ほど勉強し

「ちょっと休憩ね。あ、このゲームやっていい?」
「良いよ〜」

中を見ると、別のゲームのディスクだった。

「こなた」
「入れ直しておいてね〜」
「全く。僕がやっておくよ」
「サンキュ〜ハヤちゃん」

結局ハヤテは部屋の片づけの殆どをやった。


                 × ×


ある日の休日。

「そう言えばさ、ひよりん。連載の長い漫画って、途中で初期に比べて作画が変わる事ってよくあるよね」
「そうっすね。良くありますよね」
「でさ、どんどん下手になる時もあるよね」

「そうっすね。贅沢は言ってられないんすけど、ある程度のクオリティーは保ってほしいっす」
「だよね。でさ、逆に上手くなる人もいるよね」
「そうっすね。慣れてキャラが固まると、経験の差でしょうね」

「でもさ、その荒っぽさが好きな人もいて、「前の方が好きだった」って言われる事あるよね」
「そ、そうならないように将来気を付けるっす」

「そう言えばさ、ひよりんってイベントとかでコスプレってするの?「メイドで売り子」みたいな」
「いや〜。私じゃ。 それに、人の趣味をとやかく言うつもりはないっすが、「コスプレは素材が良くないと楽しめない」って思うッスからね。超個人的意見っすが」

「フッ。意見が合うね〜」

話を聞いていたゆーちゃんは置いてけぼりを食らうだけだった。

「あ、テレビに袴が映ってますよ」
「お〜。袴もいいもんだね」
「で、男子なのが残念っすね」

「やっぱさ「袴と眼鏡は女子に限る」だよね」
「あ、いえ。私的には男子もありだと思うッス」
「う〜。意見が合わんの〜」


                   × ×


ある日の休日。

「ごめ〜ん。遅れちゃって」
「良かった〜。ただの寝坊で」
「本当に申し訳ない。で、かがみは?」

「出かけちゃったよ」
「デートか」
「ううん。そろそろクリスマスでしょ?そのための服を買うんだって」

「結局はデートじゃん。そう言えばさ、携帯の便利さに慣れてくるとさ、持ってなかった頃の待ち合わせってどうしてたっけ?って思うよね」
「ホントだね。あ、そう言えば。テレビで芸能人の人が「携帯を取り上げたらどうなるか」って実験してたよね」

「ああ、あれか。あれは中々面白かったよね」
「うん」

その頃のかがみは

「う〜ん。これはちょっと派手だし、かといってこれじゃ大胆だし。う〜ん」

洋服(ドレス)選びに悪戦苦闘してた。


その日の夜。

「なあハヤテ」
「なんですか、お嬢様」
「普段何気なく使うもので、何かがきっかけでブームになる事あるだろ?」

「そうですね。食べ物でも「これはこういう感じで良いですよ」って特集されると我も我もと飛びつきますからね」
「でさ、「〜仕様の高級品」ってのが出る事あるだろ?でもさ、いくらブームでも馬鹿らしく感じる時ないか?普段500円位のものでも何万もしたり」

「ですね。 おや?お嬢様もそう思う時あるんですね」
「まあな。こなた達との交流で、思うようになったんだよ」
「成程」

「後さ、なんかの事件で「犯人は〜歳前後で」ってあるだろ?」
「ああ、はい」
「でもさ、それって正しいのかって思うんだよ。いざ捕まえたら20近く誤差があったり」

「まあ、その可能性もありますね。しかし、なぜそんな話を?」
「こなたやゆたかを見ると、毎回思うんだよ。「見た目で年齢は判断できない」って。まあ、私もチビだから、人の事言えんが」

ハヤテは否定も肯定も出来なった。

「あらあら♪自分でコンプレックスを口にするなんて♪録音したこれで暫くは虐めちゃいましょう♪」


翌日の陵桜。

「おはよ〜。近頃本当に寒いね〜」
「おはよ〜こなちゃん。ホント、寒いよね〜」

すると、つかさが思い出したように

「そう言えば、この前夜勉強が寒くて集中し難いって話したら、ホットカーペット買ってもらったんだよね」
「へえ。椅子における奴だね?良かったじゃん」
「でもね、温かいと、眠くなっちゃって今度はそっちで集中出来なくなっちゃったんだよね」

「流石つかさ。期待を裏切らないね」
「いやいや。集中しなきゃダメでしょ」
「だよね」


                   × ×


ある日の放課後。
ハヤテとゆーちゃんは自習室で話していた。

「昨日お姉ちゃんと、自転車で家に帰った時の話なんですけど、お姉ちゃんが突然「あ、死んだ!!」とか言い出したことがあったんですよね」
「ああ、成程」

「ハヤテさん、お姉ちゃんがそんな事言いだした理由分かるんですか?」
「小学生の男子がやりそうな事ですよ。「白線の上を走って、はみ出したら死ぬゲーム」ってやつですよ」
「そんなのあるんですか?」

「まあ、所謂「暇つぶしのゲーム」ですね。特に意味は無いので、気にしない方がいいですよ」
「そうなんですか」

因みに、自習室の外では「乗り込もうとするかがみをこなたが抑えてる」っと言う光景があったそうだ。


翌日の休日。

「お邪魔します」
「みゆきさんいらっしゃー」

泉家での勉強会に都合がついたみゆきさんが参加していた。

「へえ。みゆきさん、そのお洋服お似合いですね」
「ホントだー。高いんでしょ?」
「あ、いえ。これは何となくで買ったものなので、そんなに高くはありませんよ。2千円ぐらいです」

「でもさ、服って着る人によってイメージ変わるわよね。みゆきじゃないとその服は似合わないでしょうね」
「そうだよね。あ、そう言えば、前にテレビで「競馬場にいるダサい洋服来てるおじさんの洋服をモデルの人が着たらどうなるか」ってやってたよね」
「ああ、あれですね。やっぱり、洋服は人を選ぶのかもしれませんね」

「だよね〜」
「ん!?こなた、さっきから黙ってるけど、どうしたの?」
「あ、いやさ。みゆきさんの洋服「3万円位かな」って思ったんだよね」

「まあ、みゆきが着るとそう見えるわよね」
「「写真付きでね」って思っちゃった私は我ながら汚れてるなって思ったから黙ってたんだよね」
「こなた、少し頭の中をリフレッシュした方がいいんじゃない?」
「そうね」

翌日。

「もうすぐクリスマスだね」
「だね〜。でも私は今年もバイトだけどね」
「でね、「また来年も皆で楽しく過ごせたらいいね」って去年言ったら上の2人のお姉ちゃんに嫌な顔されたんだよね」

「そ、そうなんだ」
「まあ、でも大丈夫よ。今年も集まるんじゃない?」
「でもさ、かがみは違うんでしょ?今年もハヤちゃんと過ごすんでしょ?」

「ま、まあね」
「はいはい、リア充リア充」

その日の夜。

「かがみ、ちょっといいかな」
「何?お父さん」
「今年のクリスマスなんだけどさ、予定はあるのかい?」

「ま、まああるわ。ハヤテがレストランを予約してくれたみたいだから、イブも当日もハヤテと過ごすつもりよ」
「そ、そうかい。なら、楽しんできなさい」
「う、うん」

父・ただおはかがみの部屋を出た後、居間に行き

「みき、かがみは今年も綾崎君と過ごすんだって、イブも当日も」
「そう。やっぱり、寂しいの?」
「そりゃあ、ね。でも、かがみが幸せなら、良いんだけどね」

「今年は晩酌、私もお付き合いしますよ」
「みき〜」

翌日(イブとかではない)。

「そう言えば、日下部と峰岸はクリスマス一緒だったりするの?」
「一緒にあそぼってみさちゃんを誘ったんだけどね」
「あたしは断ったぜ。だって、高校最後の年じゃん?」

「ああ、成程」
「あたしが邪魔する訳いかねえじゃん?だから断ったんだってヴぁ」
「もう」

「それより、柊はどうなんだ?やっぱおめえも彼氏と過ごすのか?」
「まあね。その日に着るドレスも買ったし、予約もハヤテがしてくれたし」
「おーおー。あたしを貰ってくれる奴はいねえもんかね」


                    × ×


そしてクリスマスイブ。

「じゃあ、行ってくるわね」
「行ってらっしゃい。去年も言ったけど、朝帰りは止めてね」
「分かってるわ。じゃ」

娘を見送った後、父・ただおはテーブルに突っ伏した。

「寂しそうね、お父さん」
「いのり。そりゃあ、寂しいさ。綾崎君なら「義理の息子」にしてもいいと思ってるよ。でも、ね」
「父親としては複雑な感情は拭えないのね」
「うん」


その頃、かがみは

「お待たせ、ハヤテ」
「・・・」
「な、何?」

「ごめん、そのドレス姿が凄く綺麗だったからさ」
「もう//////////////////////でも、時間をかけて選んでよかったわ」
「さ、行こうか」
「うん」

2人はレストランに来た。

「凄いわね。去年より」
「頑張りましたから」

2人は食事を楽しんだ。未成年なのでお酒は無いが。

「大満足だったわ」
「良かった。機嫌は直ったみたいだね」
「え!?」

「あ、何でもないよ。それより、これ」
「た、高そうなプレスレットだけど、良いの?」
「お嬢様がボーナス出してくれたからね。それで買ったんだ」

「そう。じゃあ、私からも」
「た、高そうな懐中時計だけど」
「アルバイトしたのよ。だから、平気よ」

プレゼント交換も終わり、時間も時間なので帰宅することにした。

「ありがと。今年も送ってくれて」
「きにしないで。じゃ、また明日」
「待って。っん」

キスをし、ハヤテを見送った後、家に入った。

「あれ?誰か起きてる。 あ、いのり姉さん」
「かがみ、お帰り」

手洗いと嗽を済ませ、長姉・いのりと向かい合うように椅子に座った。

「お父さんとお母さんは?」
「お父さんはお酒飲んでたわ。お母さんもその付き合いでね」
「そう」

「ねえかがみ、綾崎君とはどうなの?」
「どうって、仲良しよ」
「私が聞きたいのは、性格的な事よ。将来、私の義弟になる子だし」

「とても優しいのよ。私以外にその優しさを向けるのが玉に瑕だけど、それでも大好き」
「後、あんたを大切にしてるの?あんまり面識ないから分かんないのよね」
「勿論、大切にしてくれてるわよ。今日も家の前まで送ってくれたし」

「そう。姉として聞いておきたかったから、待ってたのよ。じゃ、先寝るわね」
「うん、おやすみ」

自室に戻る道すがら、長姉・いのりは

「かがみはあのまま結婚まで行くでしょうね。私も見つけないとな」

そう呟いたそうだ。


                   × ×


翌日(冬休みは?ってツッコミは無しで)。

「そう言えばさ。ゆーちゃんが昨日学校で「友達になった切っ掛け」を話したんだって」
「へえ」
「今の私達もそこまで気にした事無いよねって言いたいんだよね」

「確かにそうね」
「意外と忘れちゃいがちだよね」
「そうですね」

「あ。ねえこなちゃん。こなちゃんがお兄ちゃんと仲良くなった切っ掛けって、こなちゃんが話しかけたからだったよね?」
「そだよ〜」
「こなちゃんが話しかけようと思った切っ掛けって何なのかな〜って思って」

「まあ、ぶっちゃけ「この人は話しやすそう」って思ったからなんだよね。話してみたら間違ってなかったし」
「そうなんだ」
「それより、ハヤちゃんがかがみを好きになった切っ掛けって何なの?かがみは何となくで分かるんだけど」

「う〜ん。ぶっちゃっけ分かんないんだよね」
「「え!?」」
「僕の場合、「気が付いたら好きになってた」だから。何時?とか、なんで?は分かんないんだ」

「ハ、ハヤテ」
「でもさ、かがみは嫌かもしれないけど、どうでもいいでしょ?大事なのは今だよ。今の僕はかがみを愛してる。それで許してほしんだ」

「勿論よ。私も愛してるわ」
「かがみ」

「お2人さ〜ん。我々もいて、ここは学校だって忘れてない?」
「「・・・」」

ちょっとの間、気まずい空気が漂ったそうだ。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月17日更新) ( No.52 )
日時: 2016/02/17 23:08
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                    × ×


ある日の泉家。かがみ、つかさ、ハヤテ、ひよりん、パティは遊びに来ていた。

「昨日さ、回した人のバトンの回答見てたら、とある設問で同じ答えの人が多かったんだよね」
「どんな質問なのよ」
「朝起きたら最初に何をする?なんだけど」

「私は顔を洗いに行く事が多いかな」
「私も〜」
「私はお手洗いが多いかも」
「僕は執事服に着替えた後、顔を洗ってそれから仕事に取り掛かるよ」

柊姉妹、ゆーちゃん、ハヤテが答えると、かがみが

「で、あんたたち3人は?」
「「「パソコンの電源を入れる」」」

3人同時に全く同じ答えを言った事に一瞬静まり返り

「3人とも、「良い意味でも悪い意味でも」予想を裏切らない答えですね」
「別にいいじゃん、ハヤちゃんや」
「そうっす。大事な事っす」

「日本の文化を知るには必要な事です」
「ヘイヘイ。悪うござんしたね」

その日の夜。
ニュースで小学生の女の子がさらわれそうになったというニュースを見て

「こりゃまた、例のメールが来るかな」
「何かあったの?」
「いやな、学生時代の友人が---こなた、携帯なってるぞ」

「あ、ナギちゃんだ」
「へえ」
「ねえお父さん、さっき言いかけたのって、これ?」

こなたが見せてきた携帯には「さっき小学生がさらわれそうになったニュースやってたが、お前の父親、犯人じゃないよな?」と、出ていた。

「ああ、まさに同じようなメールだよ。後は、「大人しく自首しろ」かな」
「ああ、やっぱか」
「わーお。娘から納得したような目線。 お父さんでも泣いちゃうよ?」


                   × ×


ある日。こなたとかがみは珍しく三千院家に遊びに来ていた。

「ナギちゃん家は本当に羨ましいよね。色んなゲームを普通のテレビでもシアターでも遊べて」
「まあな。でも最近じゃ一人では飽きてるんだよな。もっと定期的に遊びに来いよ。最近のハヤテは仕事か勉強で相手にしてくれないし」
「出来る限りそうするよ。しょっちゅうじゃハヤちゃんに怒られるし」

ナギとこなたが話していると

「なあかがみ、年寄じゃないんだから、ゲームと会話するなよ。ボイス対応ならいざ知らず」
「そうだよ〜」
「わ、分かってるわよ。ついよ、つい」

「まあ、僕からすればお宝動画獲得で嬉しいですけど。ほら、かがみ」

ハヤテはこっそり撮ったかがみがゲームに文句を言ってる一部始終が修められていた。

「ハ、ハヤテ〜」
「け、消さないよ」
「私が消すから携帯渡しなさい!!」

逃げたハヤテをかがみは追いかけて行った。

「あの2人、相変わらずだね〜」
「・・・ハヤテ、私の相手もしろよ」

結局携帯の動画は消せず、ハヤテとかがみはハヤテの部屋で勉強を始めたので、こなたはナギとテレビを見ていた。

「ねえナギちゃん」
「ん〜?」
「芸能人って、羨ましいって時々思うよね。有名店の料理だったり有名観光スポットの温泉を殆ど無料で入れるうえに出演料も貰えて」

「まあ、確かにな。でも、北海道だったり沖縄だったり。簡単にはいけない場所じゃ羨ましさは半分以下だがな」
「だよね」
「ってかこなた、お前は勉強しないのか?ハヤテとかがみは勉強してるのに」

「2人の邪魔しちゃ悪いでしょ」
「まあ、そうだな」

「それより、「当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます」ってあるけど、これってインチキしてても分かんないよね」
「こなた、ギリギリな発言は止めておいた方がいいぞ。 って、お前も受験生なんだから勉強せい!!」

テレビを消され、ナギに頼まれたマリアさんに監視され、こなたは勉強する羽目になった。


                     × ×


ある日の陵桜。

「う〜。おはよ〜」
「「おはよー」」
「あれ?こなた、珍しく元気ないね」

「いやさ。昨日深夜番組を見逃したんだよね」
「珍しいわね。「勉強」なわけないし、居眠り?」
「違うよ。新聞のテレビ欄なんだけどさ、略しすぎて何の番組か分かんないんだよ〜」

「知らんがな」
「少しは勉強で悩んでよ。まあ、昨日のあれならお嬢様が録画してたから、明日持ってこようか?」
「おお〜。ハヤちゃん様ナギちゃん様〜」
「拝むな!!」

その日の朝のホームルーム終わり。

「あ、黒井先生」
「お、なんや泉」
「私の日記にレスをつけてくれる件なんですけど」

「なんや?別に邪魔に成る程じゃないやろ」
「いえ、ありがたいんですが、早くないですか?レスつけてくれるの。暇なんですか?」
「あ、いや。そう言う訳やないんやけど、ああいうのってつい「気が付いたらチェックしてる」って感じやん」

「先生、先生は社会人なんですから、少しは自重しましょうよ」
「うう〜。綾崎の説教は身に沁みるの〜」

先生が職員室に戻った後、こなたはゲームを始めた。

「ムグググググ」
「こなちゃんどうしたの?熱中してるけど。でも、先生に見つかったら没収されちゃうよ」
「あ、うん。これさ、前にみゆきさんに何気なく薦めたゲームなんだけどね」

こなたはため息をつき

「記録更新された上にその記録を更新できないんだよ〜。自分の名前を載せられないんだよ〜」
「す、すみません」
「ビギナーズラックかもね。普段ゲームしないから」
「それでも〜」

何事も無く放課後

「あ、雨だ」
「どうしました?」
「傘なら私が持ってるわよ」

「あ、うん。雪にならないかな〜ってワクワクしちゃって」
「でも、こっち(埼玉)じゃめったに雪にはならないわよ」
「そ、そうだけど。振ったらちょっとうれしいよね」

「そう言えばさ。雪が降ると子供のころ「かまくら作りたいな〜」とか「大人くらいの大きな雪だるま作りたいな〜」って思ったことあるよね」
「確かにね。ちょっと憧れてたわね」

「でも、ここ(埼玉)じゃ難しいよね。そんなに降らないし」
「「「だよね〜」」」


                   × ×


ある日の泉家。ハヤテは勉強を教えに来ていて、昼休憩中。

「そう言えば、随分増えましたよね。教師だったり警察官などの「電車内での痴漢行為」のニュースが」
「そうだよな。「自分は大丈夫」って思うんだろうな」
「幾らそうじろうさんでも、痴漢はしないですよね」

「それは大丈夫だ。おじさんは自宅作業だからね」
「お父さん、その言い方だと「電車通勤だったらしたかもしれない」って聞こえるよ」

「あ、でも。前に泊まった時や遊びに来る時もそうじろうさん、こなたやゆたかさんに「スキンシップ」の名目で抱き付いたりしてますから、捉え方次第では「セクハラ」になりますよね」

「あ、確かに」
「ゆいさん、逮捕〜」
「お〜」
「おじさんは愛情表現なのに〜」

ゆい姉さんに手の手錠をされ、そうじろうは泣きそうに反論した。

「まあ、こなた達が本気で嫌がってない以上はセーフなんでしょうが、ゆたかさんには必要以上にスキンシップしちゃ駄目ですよ。そうじろうさんの「あれ」が感染するかもしれないので」

「そうだね〜」

ハヤテとゆい姉さんから少し怖いオーラが出ていた。
因みに、ゆーちゃんはハヤテに心配?されて照れていた。

翌日

「こなた、こなた」

英語の授業中に居眠りするこなたに

  「げんこつ」ポカ〜ン。

「授業中寝ないの」
「だ、だからって鉄拳制裁で起こさなくても」

何とか怒られずに授業も終わり

「ハヤちゃん、私は一応は寝ないように努力はしてるんだよ」
「その努力は実を結んでないじゃん」
「でもさ、意味分かんない言葉を連続で聞いてると「ラリホーマ」かけられてる気がするんだよね」
「やれやれ」

その日の放課後。

「あれ?私の携帯が無いな」
「じゃあ一緒に探そうか」

かがみとこなたは今日行ったところを見ながら歩いていた。

「ならしながら歩いた方が良さそうね〜。こなた」
「それは良いけど、かがみがトイレ行ってる間に壁紙と着信音アニメの奴に変えちゃったよ。驚かせようと思って」

  「げんこつ」ポカ〜ン

「全く。鳴らす前でよかったわよ」
「ハヤちゃんじゃないんだから鉄拳制裁しなくても〜」

「あ、かがみ。はい、これ落としてたよ」
「あ、ハヤテが拾ってくれたのね」
「まあね。で、こなた〜」

「な、何!?」
「拾ったのが僕だったからよかったものの、人の携帯に悪戯するのは止めなよ」
「え!?見たの?」

「かがみのかな?って思ったけど、確認のためにね」

「かがみん〜。もう許してよ〜」

睨まれたこなたは「蛇に睨まれた蛙」状態だった。


                 × ×


翌日。

「いや〜。最近忙しいせいでご無沙汰だ〜」

こなたはかがみとハヤテと一緒に(半ば強引に、ともいう)アニメショップに来ていた。

「この独特なにおい、独特な空気。これを感じると故郷に帰ってきた感じがするよね〜」
「生憎、私にはそんな感情は無い」
「僕も無いよ。それより、こなたは実家出た事無いでしょ」
「まあね〜」

こなたの買い物を終え

「じゃ、帰ろっか。重いからハヤちゃん持って」
「持ってあげるけどさ、少しは自重しなよ」

3人が乗ると、エレベーターのブザーが鳴った。

「これ、置いて行こうか」
「勘弁してよ〜」

その日の夜

「やほ〜っ。こなた〜漫画買ってきたよ〜」
「あ、姉さんありがとうございます〜」

買ってきてもらった漫画を読み始めたが、

「前の巻探そう。ちょっと忘れてる」

翌日。

「昨日さ〜。漫画の前の巻を見ようとしたら、ハヤちゃんが整理してくれたのが目に留まってね」
「あれ?分かりやすいようにしたはずだけど」
「そうだけど、分かりやす過ぎて、つい最初から読み直しちゃってさ〜」

「だから寝不足なのね。勉強かもって一瞬でも思ったよ」


                     × ×


翌日。

「見ろよ柊、宝くじ買ったんだぜ〜」
「また買ったのか。いいわね〜のんきで」
「なあ柊、おめえが三億円当たったらどうすんだ?」

「まあ、貯金するわね。将来の事考えて」
「おめえは現実的だな。あの彼氏との生活を考えてんだな」
「い、良いじゃない別に////////////////ってかあんたはどうするのよ」

「一億円分の宝くじ買えば当たんじゃね?だから買うんだってヴぁ」
「あんた、本当にのんきね」

当たり前のように言うみさおにかがみは呆れていた。

「はあ〜」
「ん!?柊、ため息なんかついてどうしたんだってヴぁ」
「別にいいでしょ」

「若しかして、彼氏と喧嘩でもしたのか?」
「違うわよ。クリスマスにはデートしたけど、それ以外ではあんまりデート出来て無くて、それでため息ついたの」

「なんだ惚気か」

みさおはつまんなさそうにそう呟くと

「てっきりあたしはこっちの悩みだと思ったぜ」

むにっ←かがみのお腹をつかんだ音。

「ひゃあああ」

ぱしぃいいんっ←ビンタされた音。

「ご、ごめん。つい」
「な、なんだよー。太ってねえんだから叩くなよ〜」
「だから、ごめんって」

騒動が終息すると、廊下に出た。

「かがみー。最近悩んでるんだって〜」
「こなた、そんな大声で」
「あ、こっちの悩みでしょ」

むにっ←こなたがかがみのお腹をつかんだ音。

  「げんこつ」ポカ〜ン

「こなた、それは失礼なんじゃない?」
「ヌググ。い、いつもより強い」

「なああやの。あたしも柊の彼氏に叩かれたと思うか?」
「さあ。面識は薄いからそこまではしないと思うけど」

「あれ?どちらさん?」
「おま。ちびっ子、一緒にチア踊ったり、バレーで同じチームだっただろ」
「そうだっけ?」

「こなた、君ってやつは。日下部みさおさんに、峰岸あやのさんでしょ」
「柊の彼氏、おめえはちゃんと覚えてんだな」
「まあ、人の顔と名前を覚えるのも、羊の仕事の一環ですし」

「いやいや。面識薄いやつはしっかりは覚えねえもんだよ。柊がベタ惚れするのも納得だよな」
「な!?/////////////////////////////////////」

「それより、ウチのかがみがいつも世話になってるね、みさきち」
「いやいやちびっ子。ウチの柊が世話になってんな」

「いやいやウチのだよ」
「ウチのだってヴぁ」

「あんたら、好き勝手に言うんじゃないわよ。第一私はどっちのでもないわよ。しいて言うなら「ハヤテの私」よ」

かがみが言い切ると、全員口をぽかんと開けてかがみを見た(ハヤテは照れて顔をそらしてる)。

「へえ。柊は既に所有物か」
「かがみは大胆だね〜。こんなとこで「自分はハヤちゃんのだ〜」って宣言するなんて」

「///////////////////////////////」

自爆に気付き、かがみは真っ赤になった。


                     × ×


ある日。

「あ、ハヤテさん。おはようございます。最近寒いですね」
「おはようございます。確かに寒いですね」
「私、手とか冷えやすくて」

「大変ですね。僕は反対なので、「湯たんぽ替わり」にされがちなんですよね」
「どう言う事ネ?」
「僕は平熱が36度8分と高めなので、「温かいから」っと湯たんぽ替わりに」

「それなら凄く温かいネ」
「どれくらいなんだろうね?」

ゆーちゃんがそう言うと、ハヤテに抱きしめられた。

「ふえっ!?///////////////////////////////////」

「ほら、温かいですよね?」
「は、はいっ//////////////////////////////////////////////」


「ハ〜ヤ〜テ〜」
「か、かがみ」
「何で廊下でゆたかちゃんを抱きしめてるのかな〜」

「さ、最近寒いでしょ?それで僕の平熱は高めだから湯たんぽ替わりにされるって話から」
「へえ、そうなんだ〜。詳しい話はゆ〜っくり聞きましょうか〜」

「か、かがみ〜。引っ張らないで〜」

「行っちゃったね」
「う、うん////////////////////////////////////まだドキドキするよ/////////////////////////////」

ゆーちゃんの顔は真っ赤だった。

「ひよりん、この状況どう思うネ」
「あの3人には申し訳ないけど、ネタ提供感謝ッス」


                     × ×


ある日。

「ねえ田村さん、パティちゃん」
「ん!?何?」
「私ね、漫画を描いてみたんだ」

「へえ。ゆーちゃんが漫画を」
「面白そうネ」
「2人とも詳しそうだから、評価してほしんだ」

数枚の原稿用紙を受け取り、

「絵とかあまり上手じゃないから、笑わないでほしんだけど」
「大事なのは絵だけじゃないよ」
「絵が上手でも、中身が駄目じゃ楽しめません」

「と、ともかく。嘘とか気を使ったりとかしないで感想を言ってね」

「「どれどれ?」」


「昔々、とあるところに小さな国がありました。その国のお姫様は国の人達を第一に考え、少しでも生活が豊かになるように政治を行う人でした。それこそ、自分の生活を切りつめてまで。そのため、国民たちからとても慕われていました。
 でも、そのお姫様には人には言えない秘密があったのです。それは隣国の王子様に恋している事です。その隣国の王子さまには婚約者がいるのです。王子様とその婚約者の人はとても仲が良く、冷やかされる事もあるほどラブラブなのです。
お姫様は王子様の事がとても大好きでしたが、2人の関係を壊したくないと、内に秘めるだけで満足していました。
 そんなある日、王子様が婚約者の人と結婚する事を聞いたのです。結婚式は親交のある国の偉い人たちも招いて盛大に執り行われることになりました。勿論、お姫様の元にも招待状が届きました。
 でも、お姫様はその知らせを聞いてから自分の部屋に閉じ籠るようになってしまいました。側近の人達がどんなに扉の外から呼び掛けても、決して返事をせず、扉を開けませんでした。
 そんなある日、お姫様が恋する王子様が様子を見に来てくれるようになりました。王子さまはお姫様が聞いているかもわからないのに、扉の外で何気ない世間話をし、「出てきてくれ」とは一言も言わず、ただただ話しかけてくれるだけでした。
 そんな生活が続いたある日、お姫様は王子様を自分の部屋に招き入れました。そして「どうして毎日自分の所に来てくれるのか?」「結婚するのに自分の元へきていいのか?」っと尋ねました。
王子さまは
「会いに来る理由に特別な意味はありません。僕は、姫と話したいから来てるだけです。心配してないと言えば嘘になりますが、それでも只々会いたいだけです。深い意味などありません。姫に会いに来ることは、僕の結婚相手も理解してくれています。ご心配には及びませんよ」
そう優しく言ってくれました。そのとてもとても優しい笑顔にお姫様はついに自分の心の内を話しました。引き籠るようになった理由も。
 お姫様が心の内を告白したある日、王子さまは色々と働きかけて法律を変えたのです。それは「重婚を許可する」と言う物でした。そう、王子さまがお姫様の為に動いてくれたのです。
王子さまは周りの人達、自分の結婚相手を必死で説得し、お姫様を迎えに来てくれました。
こうして、お姫様も王子様と結婚し、王子さまは平等に愛してくれました。その後、3人は末永く幸せに暮らしましたとさ。
   おしまい」


「ど、どうかな?」

読み終わる頃合いにゆーちゃんは2人に感想を求めた。

「凄くいいじゃん」
「メルヘンチックネ」
「えへへ//////////////////」

「これてさ、若しかして」
「ミスターハヤテ、かがみ、ゆたかがモデルね?」
「え、えっと////////////////////////////」

答えなかったが、様子を見れば一目瞭然だった。

「これさ、製本しないの?」
「是非ともするべきネ」
「そ、それは、ちょっと」

「じゃあさ、私とパティ、ゆーちゃんだけの秘密にするからさ」
「私も、欲しい」
「オーみなみ」

「じゃあ、4人だけの秘密だから。ね」
「そ、それだったら/////////////////////////////////」

その後、ゆーちゃんの漫画は製本化され、世界にたった4冊しかない本(+原稿)になった。

ゆーちゃんはこなたやそうじろうにばれない様に自室に隠し、時々見るようになった。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月17日更新) ( No.53 )
日時: 2016/02/20 23:40
名前: ささ

ハヤテとかがみ、あなた方のlovelove惚気話甘すぎです。(ブラックコーヒーが欲しいorz)
愛する彼女の容姿に関するこなたの弄りには強めの鉄拳制裁で対応っと。(fianseとした方が良いかな?)
そりや、いくら湯たんぽの件といえども廊下でゆたかちゃんを抱きしめていたら彼女からのお説教という名のお話しがあるでしょ!
次回楽しみにしています。
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Re: ハヤ☆すた 短編 (2月17日更新) ( No.54 )
日時: 2016/02/25 18:21
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>ハヤテとかがみ、あなた方のlovelove惚気話甘すぎです。(ブラックコーヒーが欲しいorz)

 こなた「だよねえ。かなり苦めじゃないと帳尻合わないよ」
 つかさ「そうかな?お姉ちゃん幸せそうだから私は嬉しいけど」

 >>愛する彼女の容姿に関するこなたの弄りには強めの鉄拳制裁で対応っと。(fianseとした方が良いかな?)

 ハヤテ「そ、それは////////////////////」
 かがみ「/////////////////」

 つかさ「ゆきちゃん、fianseって?」
 みゆき「婚約者、許嫁と言う意味ですよ」

 >>そりや、いくら湯たんぽの件といえども廊下でゆたかちゃんを抱きしめていたら彼女からのお説教という名のお話しがあるでしょ!

 ハヤテ「あ、あれは別に深い意味は。ただ単純にゆたかさんをですね」
 かがみ「ハヤテ、もうちょっと話そうか?」

 >>次回楽しみにしています。

 ご期待に添えるか分かりませんが、頑張ります。

 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた (2月29日更新) ( No.55 )
日時: 2016/02/29 02:02
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                    × ×


ある日の日下部家。

「ムグ〜ッ。分かんね〜」

みさおは宿題をやっていたが、あっという間に行き詰まってしまった。

「あたし1人じゃ限界だぜ。かといってやらねえで出す訳にはな〜」

少し(1秒切るか切らないか)だけ考え

「おう柊、今電話平気か?」
『平気だけど、何の用?』
「実はさ、おめえの彼氏の携帯番号教えてほしいんだよね」

『ハヤテの?なんでよ』
「いやさ〜。宿題やってたんだけどね、あたし1人じゃどうにもなんねえのよ。だからさ、おめえの彼氏に聞こうと思ったわけよ」
『成程ね。でも、なんでハヤテなのよ。別に私だって』

「おめえの彼氏って、教えんのもうめえんだろ?柊に教えてもらうのもいいんだけどさ、おめえの彼氏がどれほどか確かめたいわけよ」
『そう言う事。まあ、あんただったら悪用とかしないから、信用して教えとくわ』

みさおはメモを取りながら番号を教えてもらい、電話を切るとすぐに教えてもらった番号に電話した。

『はい、綾崎ですけど』
「お、柊の彼氏か?あたし、みさおだ」
『ああ、日下部さん。あれ?番号教えてましたっけ?』

「柊に聞いた。それよりさ、宿題で分かんねえとこあってさ。教えてくんね?」
『はあ、良いですよ』

みさおが分からなかったところを聞くと、分かりやすく解き方のヒントを教えてもらえた。

「いやあ、流石だな。あの柊がベタ惚れなのを何度目か分かんねえが納得だぜ」
『はあ。じゃあ、もう切りますね』
「おう、サンキューな」

因みに、みさおは先生に「よく出来てる」っと褒められたそうだ。


                     × ×


ある日の陵桜。

「あ」
「んあ!?どった、柊」
「ボールペンのインクが切れちゃったのよ。ほら」

「へえ。柊、おめえすげえな」
「何がよ」
「そう言うのってさ、使い切る前になくすか書けなくなるかしねえ?使い切る所なんて初めて見たぜ」

「そう言えば、つかさも言ってたわね。 あ、でもハヤテはボールペンとかチェック用のマーカーを何本も使い切った事あるって言ってたわよ」
「へえ」
「凄いわよね。普段ハヤテが勉強用に使ってるノートを見せてもらったことあるんだけど、分かりやすく纏められてて、凄かったのよね」

「柊、惚気話は要らねえよ。おめえの彼氏の有能さは知ってるし」
「い、良いじゃない別に///////////////////」


                      × ×


ある日。かがみ、つかさ、ハヤテは買い物に来ていた(たまたま一緒になっただけ)。

「ん!?どうしたの、かがみ」
「あ、いやさ。セット販売されてる商品ってさ、単価は下がってるって思っちゃう私ってずれてるのかな?って」
「あ、確かにあるね。後、セットの場合は単価にするといくらかな?とか、単品のを同じ数買ったらどっちの方が安いのかなと考えちゃうよね」

「確かにそうね。ケチケチする訳でもないのに」
「だね」

買い物を終え、それぞれ別々に会計することになった。

「あ、あれ?」

つかさはお釣りのお札が上手く財布に入らずに苦戦していた。

「つかささん、落ち着いて」
「はう〜」

何とか無事にお釣りも受け取り

「ねえお兄ちゃん、ああいう時って、焦っちゃって全然うまく行かないよね」
「まあ、どんな事でもそうですよね。焦れば焦るほど、普段何気なく出来るような事でも出来なくなるという」
「そうだよね。み、皆怒ってないかな」

「よっぽど急いでる人じゃない限りは、怒ったりしませんよ。気にしすぎです」
「良かった〜」

「そう言えばさ、狙ったわけでもないのに、会計で綺麗な数字が出るとなんかうれしくなるわよね」
「確かにね。777円とかぞろ目でも、小さな幸せ感じるよね」


                   × ×


別の日。

「今日は調子いいな。今の所COM相手に一本も取られてない」

八坂こう(初登場)はゲーセンで格ゲーをしていた。

「(ん?あの女の子、乱入するのか。ちょっとくらいは手加減してやるか)」

しかし、相手(こなた)に瞬殺された。

「(くっそー。年下っぽいのに負けた。ん!?知り合いの男?彼氏持ちか)」

翌日。

「昨日は散々だったよ。年下の女の子に瞬殺されるわ、その女の子はそいつの彼氏っぽいやつに瞬殺されて、悔しくてその彼氏に乱入プレイしてやったら完敗食らうわで」

「た、大変でしたっすね。若しかしたらその彼氏っぽい人、大会の常連とかじゃないっすか?」
「そっか。ひよりん、次は勝利のニュースを届けてやるぜ。次は油断とかしないで全力だ」

だが、数日後

「ひよりん〜聞いてくれ〜」
「ど、どうしました?部長」
「昨日前に言った女の子と彼氏に会ってさ、また乱入プレイされて、しかも相手は「殆どのプレイヤーが敬遠するいい所が殆ど無い癖の強いキャラ」を使ってきたから、楽勝と踏んだわけよ」

「へえ。どうだったんっすか?」
「もうボッコボコ。清々しい位に」
「そ、そうだったんすか」

「何時かあいつにリベンジしてやる〜」
「が、頑張ってください」

ひよりんは、この時何となく八坂こうの言う男性が分かったが、確証などないので、黙っておくことにした。


                     × ×


別の日。

「ん!?ひよりん、今回は珍しく順調だな」
「あ、部長。実は、私のアドバイザーにお願いして、ネタ出ししてもらったッス」
「へえ。途中とはいえ、面白そうだな」

「ホント、様様っすよ」
「そう言えば、ひよりんてある時を境に急激にレベルアップした事あるよな?」
「ああ。そのアドバイザーが付いた頃っすね」

「へえ」
「その人は凄いっすよ。的確なネタ出ししてくれたり、手直ししてくれたり」
「会ってみたいな。ひよりんのアドバイザーに」

「それはちょっと難しいかもしれないっすね。忙しい人ですから。ネタは基本電話かメールですし、手直しも締め切りの2,3日前っすから」
「そっか。まあ、出来る限り近いうちに紹介してくれよ」


                     × ×


別の日。

「歯の治療が先日ようやく終了したんですよね」
「大変でしたね。仕方ない事とはいえ、苦手な事ですし」
「ハヤテさんに教えていただいた「思い込み」である程度は平気でも、歯医者さんはこりごりです」

すると、口の中で鈍い音がし

「も、若しかして」
「ゆきちゃん」
「取れちゃったみたいですね」

「っという夢を今朝見てしまいまして」
「よ、予知夢にならないと良いですね。まあ、気にしすぎなのは良くないですよ」

昼食を終えるころ

「お、揃っとるな。お前ら5人、ホンマ仲ええな」
「まあ、ハヤちゃんとかがみんは交際中だからですけど」
「ッケ」

「そ、そう言えば、黒井先生って関西出身なんですか?」
「柊姉、お前だけや。ここ数年でプライベートな質問したんわ」
「そ、そうですか。まあでも、先生は多分ですが違うと思いますけどね。微妙にイントネーションが違いますし」

「ほう」
「おそらく、「関西弁に憧れて、暫く関西に住んで鍛えた」ってところだと思いますけど」
「正解や。ウチは神奈川出身やさかい。綾崎の言う通り、関西弁は練習の成果や」

翌日。

「おーいっ大臣」

ハヤテとかがみが2人で廊下を歩いていると、こなたがやって来て

「ねえ大臣ってば〜」
「こなた?」
「かがみ総理大臣〜」
「総理大臣?」

無視を続けるかがみにこなたは

「綾崎かがみ総理大臣〜」
「な!?////////////////////////////////あ、あんた〜/////////////////////」
「うわっ。に、逃げろ〜」

逃げたこなたは追わず

「ねえかがみ、こなたが言ってた総理大臣って?」
「つかさが小学校の時の文集を見せたんでしょ。多分将来の夢の項よ」
「へえ。かがみは昔から可愛かったんだね。アルバムを見せてもらった事はあったけど、再確認出来ちゃった」

「も、もう//////////////////////////////」
「そ、それにしても「綾崎かがみ」って/////////////////////////////////嬉しいけど照れちゃうな//////////////////////////」
「後でこなたにお仕置きしないと」


                       × ×


別の日。

「かがみ様〜。かがみ様のクラスで世界史の宿題でた〜?」
「出たけど見せないからな」
「ま、まだ何も言ってないじゃん」

「あんたが言いたそうなことは大体で分かるわよ」
「チェ〜。でもさ、宿題を理由に、毎回のように女の子が来てくれるって嬉しくない?」
「そうね。でも、あんたも私も女でしょ。それにあんたじゃイマイチうれしくないわよ」

「辛辣だね」
「まあ、会いに来てくれるのがハヤテだったら、物凄く嬉しいけどね」
「へ、へえ//////////////////////////そ、そうだったんだ/////////////////////////////////////」

「おや、ハヤちゃん」
「ちょっと用事があってね。かがみは僕が来ると嬉しいんだね//////////////////////////」
「と、当然でしょ//////////////////////////恋人なんだし////////////////////////////」

「お〜お〜。惚気ちゃって」

「そう言えばさ、かがみってその髪型って何時からやってるの?ツインテールって呼ばれるさ」
「へえ。そう言う呼び名があるのね。この髪形は、最初にやった時に「可愛い」って言ってもらえたのが嬉しくてね。それ以来何となくね」

「え!?い、いつ!?だ、誰に!?」
「幼稚園の頃に近所の人からよ。こなたが想像するような事じゃないわ」
「な、なんだ。良かった」ホッ

「あれ〜!?ハヤテ、まさか嫉妬したの?」
「そ、それは。す、するよ。だって、愛する彼女だし」

照れで、頬を掻きつつ目線をそらすハヤテに、こなたはつまらなそうになり、かがみは嬉しそうに笑みをこぼした。

「そう言えばさ。こなたって髪形変えないよね。普段キャラがどうのこうのって言ってる割りに」
「まあね。だって、そう言うのは自分でやるんじゃ面白くないでしょ?」
「ああ、そうですか。予想通りのお答えどうも」

「じゃあさ、ハヤちゃんはどうなの?髪形とかさ」
「僕は男だからね。そんなに拘りないよ」
「そうかしら。ハヤテだったら色々似合いそうなのに」

「う〜ん。ごめん、やっぱいいや」
「まあ、ハヤテは今が一番だからね」
「かがみもね」

笑顔を向けある2人に

「(やれやれ。私は完全に蚊帳の外だね)」


                    × ×


ある日。

「うう〜」
「おや?つかささん、どうしました?」
「黒井先生に怒られちゃって。この前のテストの時、時間余ったから裏に落書きしたら「そんなの各時間があったら見直せ」って」

「ま、まあ。それは仕方ないですよ。追い込みの時期ですから」
「そ、そうだよね」

つかさは涙をふき

「そう言えばさ、お兄ちゃん。私が好きになった商品って直ぐにコンビニで売られなくなっちゃうんだよね。なんでかな」
「う〜ん。人気が出なかったか、人気が出過ぎたか。だと思いますよ。「売れすぎて製造中止」ってたまに聞きますし」

「でも、そんな話は」
「じゃあ皆さんがつかささんが薦める商品の良さを理解してないからじゃないですか?だから見かけなっちゃうとか」
「そっか。そうだよね」

笑顔になったつかさにハヤテも笑みをこぼした。

「あ、あのハヤテさん」
「みゆきさん、どうしました?」
「昨日の事なんですが、私が電話やインターフォンに出ると母に間違えられて」

「みゆきさんは落ち着いた雰囲気がありますからね」
「ですが、母の時は私に間違えられて」
「あのお母様は無邪気な方ですし」

「間違えられるとショックなんですよね。フォローは嬉しいんですが」
「ま、まあ。機械越しの声って何となくで雰囲気替わるので、間違えられたのでは?それにそう言うのは気にしてたら余計に悪い方に進んじゃうと思いますよ」

「そ、そうですよね。ハヤテさんに相談すると、悩みが晴れるので助かります」
「いえいえ」

「ハヤちゃんハヤちゃん」
「な、何?」
「ん」

こなたが指さした方を見ると、

かがみが不機嫌そうな顔と雰囲気でハヤテを睨んでいた。


                   × ×


ある日。

「ようちびっ子、柊の彼氏。2人きりで浮気か〜!?」
「えっと、どちらさんでしたっけ?」
「おま。自己紹介したしチアやバレーで」

「こなた〜。バイトとはいえ接客業してるんだから覚えようよ」
「いやさ〜。キャラとかお客さんは覚えるの得意なんだけどね〜」
「やれやれ。 で、日下部さん」

「なんだ〜。柊の彼氏」
「僕は浮気なんかしませんよ」
「そっか。そうだよな」

「そう言えばさ、ハヤちゃん。私って、漫画やアニメ、バイト先の常連さんって直ぐに覚えられるんだけど、それ以外じゃ何度も会わないと覚えられないんだよね〜」
「こなた、自分で言ってて恥ずかしくないの?」
「別に〜」

溜息をつくハヤテに対し

「いやあ。聞いてはいたんだけど、こーゆ奴って本当にいたんだな」
「まあ、覚えるように努力はするよ〜」
「でもさ、私も英単語とかはさっぱりなのに、スキルや呪文は覚えられんだよね」
「分かる分かる」

「ねえかがみ、こなたと日下部さん、仲良くなれそうだね」
「そうね。何かと共通点多いし」

その日の夜。

「今日さ、クレカの明細が届いたんだけどさ」
『まさか、使いすぎたとか?』
「流石ハヤちゃん。ああいうのって、凄い便利だけど、いつ何に使ったのとか、どれくらい使ったのかわかんなくなっちゃうよね」

『まあ、何んとなくしか分かんないよ。僕はクレカは持たない主義だし』
「あ、そっか」
『ともかく、「カード破産」とかあるんだから気をつけなよ。じゃないと払えなくて大変な目に会っちゃうかもよ』

「ハヤちゃんの言葉は身に沁みるね。ありがと、決心付いたよ」
『役に立てたみたいで良かったよ。じゃ、切るよ』
「ええ〜。もうちょっと話そうよ」

『僕たち、受験生。以上』

電話を切られ、かけなおすと怒られると悟り、勉強机に向かった。


                  × ×


別の日。

「つかさ〜、かがみ〜、ハヤちゃん〜おはよ〜」
「おはよ。今日はいつも以上にテンション高いね」
「まあね〜。だってさ、好きな漫画がアニメ化したんだよ〜」

「成程。語れる同士が増えてうれしいって訳ね」
「でもさ、元々のファンからするとな〜んか複雑なんだよね」
「気持ちは理解できなくはないけどさ、進路とかで悩みなよ。もうすぐそこなんだよ」


翌日。かがみ、つかさ、ハヤテは勉強会の為に泉家に来ていた。

「クレヨンなんて懐かしいわね」
「ん!?昨日勉強の息抜きに部屋の掃除してたら見つけたんだよね」
「見せてみなよ〜」

「ハヤちゃんは良いけどかがみは嫌だよ。かがみは笑うし」
「ああ、そう。別にいいし」
「そう言えばさ、ハヤちゃん。この絵の女の子って、なんで怒ってるように見えるんだろうね」

「そう見えるだけで、実際は違うんでしょ。あ、因みに、男の子の方がペペで、女の子の方はルルって名前なんだよ」
「へえ〜。名前付いてたんだ」

「そう言えばさ、2人とも。子供の時って金色とか銀色が入ってるやつに憧れるわよね」
「確かにね〜。優越感感じるし」
「でもさ、勿体無くて使えないわよね」
「だね。使ってないのに折れてたらショックだよね」

ふと気になりハヤテを見ると、少し悲しそうだった。

「盛り上がってるところ悪いんだけどさ、僕は買ってもらえなかったんだよね。両親働いてなかったし」
「「・・・」」
「だからしょうがないから近所の個人経営のお店に行って「お手伝いするからそのお駄賃としてクレヨンが欲しい」ってお願いしたんだよね」

「「な、なんかごめんなさい」」
「こっちこそゴメン。さ、勉強はじめよっか」


                  × ×


ある日。

「そう言えば、みなみさんってピアノ弾けるんですよね。昨日久しぶりに聞かせてもらいました」

昼食時、みゆきさんが思い出したかのように話した。

「へえみなみちゃんが。なんか、クラシックのイメージあるわね」
「なんかかっこいいよね」
「あの、みゆきさん。失礼を承知で聞きますが、若しかして「〜引いて」みたいな無茶振りをあのお母様がした気がしたんですが」

「お恥ずかしながら、その通りなんですよね」
「なんか、その光景が浮かぶよね」
「みなみさんには申し訳なくて」

「そう言えばさ。お兄ちゃんもなんか楽器弾けそうだよね。色んな事出来るし」
「まあ、ピアノは弾けませんが、バイオリンはある程度ならできますよ」
「へえ。ハヤテがバイオリン」

「じゃあさ、ハヤちゃん」
「漫画で見る様な人を眠らせたり攻撃したりする音楽は出来ないよ」
「なんだ」

「当たり前でしょ。それが普通なの」
「ねえお兄ちゃん、私聞いてみたい」
「私も聞きたいわ」

「私もぜひ」
「興味あるな〜」
「確か音楽室にバイオリンがあるって聞いた事ある気が。放課後先生に許可を貰えたら弾きますけど」

で、放課後。
音楽担当の先生に許可を貰え、音楽室に向かっていた。

「お、ゆーちゃん達丁度良かった」
「え!?何が?」
「ハヤちゃんがバイオリン弾けるらしくてさ。これから音楽室でお披露目会なんだよね」

「へえ〜」
「ゆーちゃん達も来る?」
「是非聞きたいネ。ミスターハヤテのバイオリン」

「私も聞いてみたいっす」
「私も」
「私も聞きたいな〜」

「僕は別に構いませんよ」

1年生組も加わり、音楽室に着き、ハヤテは仕舞ってあったバイオリンを調律すると、

「えっと。弾けると言っても、ある程度の曲しか弾けないので、選曲は僕がやってもいいですよね?」

全員が頷いたので、ハヤテは弾き始めた。

「「「「「「「「おお〜」」」」」」」」

とても美しい音色を奏で、全員が息をのんだ。

「ねえゆきちゃん、この曲って何だっけ?知ってるんだけど」
「アメイジング・グレイスですよ」
「コ○ンの映画で歌ってたね、これ」

その後は只々圧倒された。
そして曲が終わると、全員で拍手喝采だった。

「流石ハヤテね。感動しちゃった」
「ホント、凄かったです」
「ありがとうございます。もう1曲ぐらい弾きましょうか?」

「「「「「「「「お願いします」」」」」」」」

ハヤテが演奏を始めると、その美しき音色に全員が自然と目を閉じ、聞惚れた。
ゆーちゃん、つかさ、みゆきさんに至っては涙を流すほどだった。

演奏が終わると、また拍手喝采だった。

「凄かったです」
「感動しちゃいました」
「お兄ちゃんって、本当に凄いんだね。今の曲知らなかったけど、感動しちゃった」

「アヴェ・マリアと言う曲ですよ。これもコ○ンの映画で出てきた曲です」
「ハヤちゃんって、本当に有能なんだね。もうちょっと聞きたいよ」
「是非是非聞きたいっす」

「もう時間も時間何で、次の機会に」

ハヤテが指さした時計を見ると、最終下校時間も迫っていた。

「じゃあ、今度はナギちゃんの家で演奏会してよ」
「そうね。ハヤテの演奏もっと聞きたいわ」
「私も聞きたい〜」

「では、次の休みの日、皆さんの都合が良ければ」

その休みの日に演奏会は開かれ、みなみちゃんのピアノとデュエットも行った。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた (2月29日更新) ( No.56 )
日時: 2016/03/02 18:35
名前: ささ

かがみだけじゃなくてハヤテもちゃんと嫉妬するんだ!(微笑ましいことですね)
「綾崎」かがみよりもやっぱ柊かがみの方がいいよ(もちろん柊ハヤテ でわかってくれるはず)
かがみ「夫人」は…休み時間にハヤテに会いにきたらみゆきさんやつかささんといい雰囲気になっているのが気に入らなくてイライラしていたんでしょ(照れない照れない)
この作品の時系列から考えて一応ハヤテとかがみは結婚できるわけだ(受験が終わったらいっぱいいっぱいいちゃいちゃしてください)
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Re: ハヤ☆すた (3月3日更新) ( No.57 )
日時: 2016/03/03 17:39
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>かがみだけじゃなくてハヤテもちゃんと嫉妬するんだ!(微笑ましいことですね)

 ハヤテ「そ、そりゃあ当然ですよ。愛する彼女ですし」
 かがみ「////////////////////」

 こなた「ニヤニヤ」

 >>「綾崎」かがみよりもやっぱ柊かがみの方がいいよ(もちろん柊ハヤテ でわかってくれるはず)

 ハヤテ「え、えっと//////////////////」
 みき「私はどっちでもいいのよ♪義理の息子になり事実は変わんないし」

 ただお「・・・」
 いのり「お父さん、よしよし」←慰めてる。

 >>かがみ「夫人」は…休み時間にハヤテに会いにきたらみゆきさんやつかささんといい雰囲気になっているのが気に入らなくてイライラしていたんでしょ(照れない照れない)

 かがみ「そ、それは。えっと」
 こなた「事実じゃん〜。じゃなかったら機嫌悪くなったりしないでしょ」

 >>この作品の時系列から考えて一応ハヤテとかがみは結婚できるわけだ(受験が終わったらいっぱいいっぱいいちゃいちゃしてください)

 黒井先生「そうやな。柊姉も綾崎も18歳越えとるわけやし」
 こなた「結婚式は呼んでもらいたいですね」

 ハヤテ・かがみ「////////////////////////////////////」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた (3月3日更新) ( No.58 )
日時: 2016/03/03 17:48
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                   × ×


ある日の朝。

「こなた、おはよ〜」
「こなちゃんおはよ〜」
「おはよ、こなた」
「お3人方(かがみ、つかさ、ハヤテ)おはよ〜」

朝から妙にテンションの低いこなたに

「ど、どうしたのよ朝っぱらから」
「い、いやあ。ははは」
「大方、深夜アニメの録画を失敗したんでしょ?」

「大正解。だから、朝からやる気が起きないんだよね〜」
「あんたのその情熱は時々感心するわ。尊敬は一切しないけど」
「ハヤちゃん〜。昨日のアニメ、ナギちゃん録ってないの?」

「してたみたいだよ。こなただったら、お嬢様も貸してくれると思うよ」
「助かるよ〜」
「そう言えばさ。ナギちゃんって、そう言うアニメのDVDって買ってるの?放送された奴は欠かさず録画してるみたいだけど」

「買ってるよ。お嬢様曰く「テレビ放映版とDVD版は細かい所で違う。それを楽しむために買うのだ」だって」
「ナギちゃんは分かってるね〜。ま、見れるみたいだからいつも通りに行こ〜」

元気になったこなたにかがみもハヤテもため息をついた。


                   × ×


別の日。
ハヤテは陵桜近くのゲームセンターに来ていた。
なぜなら、ナギが「ハヤテ、幾ら受験生でも、勉強のし過ぎは良くない。小遣いやるかゲーセンででも遊んで来い」っと言ったためだ。

折角の厚意なので、ハヤテはゲームしているのだ。

「(お?この前のチビの彼氏(多分)この前は全くダメージを与えられないほどの完敗だったが、今度こそ)」

八坂こうがハヤテを見つけ、格ゲーに乱入してきた。

「この、くそ。ああ、またか」
「(え!?また乱入?)」
「ああ、もう。こいつ異常に強いな。まだまだ」

「(あの、お金が勿体無い気が。ってまたですか!?)」
「きえええ。こうなりゃ今日の持ち合わせ使い切るまで」

八坂こうの独り言は筐体を挟んで反対側にいるハヤテに丸聞こえで

「ん!?なんか見切り始めたぞ。これで、どうだ」

ようやく勝利をおさめ、反対側を見ると、悔しそうなハヤテが見えた。


「ひよりん、聞いてくれよ〜」
「まさか、また負けたんっすか?」
「白熱の熱戦だったが、勝利をもぎ取ったぜ。・・・2000円位使ったけど」

「(何となくっすけど、「接待プレイ」な気がするッス)」
「いやあ。大会の常連者であろうあいつに勝てるとはな〜」

嬉しそうな先輩に、ひよりんは敢えて持論を言わなかった。
実際のところ、ハヤテは「ばれない様に態と負ける接待プレイ」が得意だったので、ひよりんの推論は当たっていたのである。


                     × ×


ある日。

「あ、ゆたかさん。こんにちは」
「こ、こんにちは」

お昼時、ハヤテは自習室へ行く途中、ゆーちゃんに会った。

「おや?ゆたかさん顔色が良くありませんよ」
「そ、そんな事は」
「ありますって。保健室行きましょ。付き添いますから」

ハヤテはゆーちゃんを支え、保健室へ歩き出した。

到着すると、ドアをノックし

「すみません。ゆたかさんが体調を崩しちゃったみたいなので休ませてもらいたいのですが」
「あら、小早川さん。大丈夫ですか?」

ハヤテはゆーちゃんを椅子に座らせて、

「ベッド、空いてないみたいですね」
「そうなのよ。それより、貴方は小早川さんの知り合い?」
「あ、はい。友達の従妹で、親しくもしてもらってるんです」

「貴方、若しかして綾崎ハヤテ君?」
「あ、はい」
「噂は保険医の私の耳にも届いてるわよ。「モテモテなのに自覚一切なしの天然ジゴロ」って」

「は、はあ。僕も先生を知ってますよ。天原ふゆき先生ですね」
「ええそうよ。それより、困ったわね」
「そうですね。そう言えば、漫画やアニメでは「仮病を使って保健室でさぼる光景」って割とありますよね。こういう環境なら、なんとなく気持ちは分かりますね」

「まあ、実際のところそう言う人もいるから困ってるのよ。綾崎君は違うの?」
「僕は勉強の方が好きですから。それより、もし今ベッドを使ってる方々がそう言う仮病者だったら」
「だったら?」

「ぶっとばしちゃうかもしれませんね。今のゆたかさんみたいに本当に使いたいのに、使えない状況になっちゃいますし」
「物騒な事は言わないでね。ここ、一応保健室だから」

ハヤテの言葉が聞こえたのか、カーテンが開き

「先生、体調が戻ったので教室戻りますね」
「あら、良いの?顔色良くないけど」
「だ、大丈夫ですから」

逃げるように男子生徒は出て行った。

「さ、ゆたかさん。ベッド開きましたよ」
「え!?ハ、ハヤテさん!?/////////////////////////////」

ハヤテはゆーちゃんをお姫様抱っこで運び、ベッドに寝かせ、布団をかけてあげるとカーテンを閉めた。

「寝た方がいいですよ。眠くなくても」
「そうですね。そうします」
「では、僕はこれで」

「行っちゃうんですか?」
「僕が居たら、寝難いと思うので」

帰ろうとしたハヤテの服をつかみ、引き止めた。

「ハヤテさんがいてくれた方が、安心するんです。で、ですから」
「分かりました。お兄ちゃんがいた方がいいって事ですね」
「あ、はい」

ハヤテはベッド傍の椅子に座り

「昼休みが終わるまで、ここに居ますから」
「ありがとうございます。我儘を聞いてもらって」
「お気になさらず。以前も言いましたが、人の役に立つことが、僕の使命ですから」

体調が悪いのもあったが、ハヤテが傍にいるという安心感もあり、ゆーちゃんは緊張はしたものの、直ぐに眠りの世界に旅立った。
ハヤテは約束を守り、昼休みが終わるまで、傍にいた。

因みに、教室に戻るとかがみが待ち構えていて、何処にいたのとか追及されたのは、言う必要はないのかもしれない。


                    × ×


ある日の夜。

「かがみ、あんたの携帯なってるわよ」

かがみがお風呂に入っていると、脱衣所から姉のまつりが声をかけてきた。

「メールか着信か見てくれる?」
「あ、メールだったわ」
「そっか。出たら見るわ」

「へえ。あんた、彼氏君とこんなメールしてたんだね」
「な!?姉さん、何勝手に見てるのよ!!」
「良いじゃない。あの子は私の義弟になる子なんだから、妹と義弟がどんなメールしてるかチェックしたって」

「良くないわよ!!」

ハヤテとかがみは至って真面目なメールをしてるが、時々「恋人同士だからこそできる、他人に見られると恥ずかしいメール」もしてるのである。
今回姉・まつりに見られたは偶々そう言う恥ずかしいメールだった。

「かがみってこういうメールもするんだね〜。あの彼氏君とは結構進んでるんだね〜」
「な、何過去の奴も見ようとしてるのよ!!」
「ついでよついで」

「返してよ!!」

「何騒いでるのよ。かがみ、裸で何してるの?」
「お母さん、まつり姉さんが私の携帯勝手に見たのよ」
「駄目じゃない。まつりが全面的に悪いわ」

「でもさ、お母さん。かがみが彼氏君とどんなメールしてるか気になるでしょ?」
「・・・確かにそうね。私も見せてもらおうかしら」

味方がいなくなり、急いで体をふいて携帯を取り返すまでに、殆どの恥ずかしいメールを見られてしまった。

翌日。

「かがみ、どうしたの?」
「ハヤテ、私達恥ずかしいメールするの控えない?」
「へ!?」

「昨日見られたのよ。まつり姉さんとお母さんに」
「ああ、成程」
「でさ」

「ごめん、嫌かな。愛する彼女とそう言うメールしたいお年頃ですから」
「まあ、私もそうだけどね。まあ、ロックかけるわ」


                    × ×


別の日。

「また虫歯が出来てしまったかもしれなくて、凄くショックなんです」
「大変ですね、みゆきさん」
「朝晩きちんと磨いてるんですが」

「でもさ、磨き方が悪かったり、時間が短いと効果ないらしいよ」
「一応は医者さんに習った方法で、毎回15分程磨いてるんですが」

「ハヤちゃん、みゆきさんって時間を操る能力者なの?私の感覚じゃ朝って5分でも貴重なんだけど」
「まあ、気持ちは分からないでもないけど、余裕をもって起きてるからでしょ」

「ハヤテさん、虫歯になりやすいとかなりにくいの違いって何なんでしょう」

「歯の強さなど遺伝的な要因も多少はありますが、一番は唾液の質や量、後は噛み合わせのバランスですね。
唾液が少なく、粘ついていると、口の中が唾液で洗い流されにくくなるんです。つまり、虫歯菌や歯周病菌が増えてしまうんですよ。そして、口の中が酸性状態が長く続くので、歯のエナメル質が溶かされる時間が長くなり、唾液による再石灰化が間に合わなくなり、虫歯になってしまいます。
噛み合わせのバランスが悪いと、通常よりも強い力が歯の表面にかかり、エナメル質に細かいヒビが入り、そこから虫歯になってしまうんです。
虫歯になりにくい人は、噛み合わせのバランスが良く、唾液がサラサラなのですよ」

ハヤテの解説にこなたは?マークでいっぱいになり、みゆきさんはメモを取りつつ聞いて感心していた。

「勉強になりました。ありがとうございます」
「いえいえ」

その日の放課後。かがみ、つかさ、ひよりん、パティは泉家に集まっていた。

「ハヤちゃんは本当に流石だよ。専門家ぐらいしか知らなさそうな虫歯のなりにくさを解説してたし」
「ハヤテ先輩は博識っすからね。私にわかるのは、「虫歯菌が口の中に入ると虫歯になる」ぐらいっすから」
「私もそれ位なら知ってるよ」

「じゃあさ、お姉ちゃんが高良先輩とチューしたら、お姉ちゃん虫歯になっちゃうかもね」
「そうかもね〜」

ゆーちゃんの何気ない一言にひよりんは
「こなたが恥ずかしがるみゆきさんにキスする光景」
を妄想してしまい

「(駄目っす。こんな穢れた妄想しちゃ)」
「ひよりん、何を妄想したか私には分かるネ」

「そう言えばさ、ひよりちゃんは次の漫画ってどうするの?またお兄ちゃんに頼るの?」
「今回はアニ研の部長が原作の合作本の予定ッス。なので今回はハヤテ先輩には迷惑をかけなくて済みそうっす」

「へえ。原作付きの漫画かー」
「楽しみしてるよ」

「っは、なんか地雷踏んだ気が」
「きっと気のせいネ。気にしてるそぶりは無さそうネ」

話も一段落し、こなたはゲームを始めた。

「ねえこなた。RPGのキャラネームってどうやってつけてるの?」
「デフォのままだったり、適当にかな。かがみは?」
「まあ、私は自分だったり、友達の名前つけるわね」

「私もそうだよ〜。後、好きな子の名前つけたりするよね〜」
「へえ。じゃあ今度遊びに行った時、つかさのセーブデータ漁ろうっと」
「ええ!?///////////////」

「若しかしてさ、つかさが付けた好きな子の名前ってハヤちゃんだよね?」
「ち、違うよ。お兄ちゃんの名前つける事も確かにあるけど、そう言う意味じゃないって」
「つかさ、本当よね?信じていいのよね?」

「も、もちろんだよ。お兄ちゃんに対する「好き」の意味は「兄妹愛」だから」
「ならいいわ」

「ひよりん、こういうシチュエーション萌えるネ」
「つかさ先輩、そのネタいただきっす」

ひよりんとパティはヒソヒソと話していた。


                    × ×


ある日の朝。

「昨日さー、スポーツ漫画を読んでて思ったんだけどね。「こういう漫画って、知らないからこそ楽しめるな」って」
「確かにそれはあるかもしれないわね。知らないからこそ憧れるっていうの?」
「それもあるけど、へたに細かいルールとか知ってると、「あれ?なんか違うよ。あ、また少しルール無視してる」とか余計な事考えちゃってこともあるんだよね」

「そんな事あるの?」
「盛り上げるために、多少ではありますが、ルールを無視する場合もあるんですよ。本当はこうなのに漫画の中じゃこうしてるって」
「頭のいいお兄ちゃんならではの悩みだね」

「でもさ、ハヤちゃんはそう言うのを特に気にせず読むでしょ?」
「まあ、実際の所ね」


                    × ×


ある日。こなたとハヤテはゆい姉さんが運転する車に乗っていた。

「お?新しい標語だ。どれどれ?」

運転中、最近設置された標語を結い姉さんは見ていた。
すると

「ゆいさん、前前。信号赤!!」
「ふおおう。サンキュー、危なかったよ」
「仮にも警察官なんですから、脇見運転は止めてくださいよ」
「ごめんごめん」

少しすると

「やれやれ。人の気も知らずすやすやと」
「まあ、徹夜でネトゲーでもしてたんでしょうね」

助手席のこなたが気持ちよさそうに寝息を立てていた。

「隣で寝られると、こっちまで眠くなるんだよね」
「こ、怖い事言わないでくださいよ。命預けてる身なんですから」
「分かってるんだけどね〜」

「運転中は緊張して眠気なんか感じないと思うんですが」
「お姉さんは慣れてるからね」
「なんか、心臓痛くなってきましたよ」


                   × ×


ある日。

「私の好きなアニメのOPがオリコンにランクインしたんだよー」
「ああ、あれね。いい曲だよね」
「でしょ〜?でもさ、世間の風当たりは厳しんだよね」

「そうなの?」
「音楽番組で扱いが酷かったり、オタクはまとめ買いしてキモイって言われたりさ」
「まあ確かに、見てて凄いエネルギだな〜って思う事もあるわね」

「でもさ、アイドルオタクの人だっておんなじCD何枚も纏め買いしてるじゃんって思うよ」
「確かにね。握手券とかほしさに何十枚も同じCD買って、CD自体は転売したりね」

「不公平でしょ?アニメファンは叩く癖にアイドルファンはさほど叩かれないって」
「仕方ないよ。「オタクは犯罪者予備軍」って考えてる人が多くいるのも事実だし、その手の犯罪はそう言う人たちが起こす確率が高いのも事実なんだし。気持ちは理解できるけどね」

「流石はハヤちゃん。かがみだったら現実的な事ばっか言って話し合わせてくれないし」
「べ、別に合わせてるわけじゃ。  ま、いっか」


                    × ×


ある日の泉家の夕食時。

「ん!?ゆーちゃんどったの?」
「あ、ううん」

食事中に手を止めて考え込むゆーちゃんにこなたは聞いたが、答えなかった。

「悩みでもあるの?それとも美味しくなかった?」
「悩みは無いよ。いつも通り美味しいし」
「じゃあ何?お姉さんに聞かせてごらん?」

ゆーちゃんは少しの間黙り込んだ後

「ハヤテさんの手料理、食べたいな〜。って思っちゃって」
「ハヤちゃんの手料理?」
「前にハヤテさんがこの家に泊まった時あったでしょ?」

「ああ、あったな。あの時はハヤテ君洗濯以外の家事はしてくれたんだよね」
「うん。その時に食べたハヤテさんの手料理って凄く美味しかったから、また食べたいな〜って」
「成程。じゃあ明日学校行った時にでも頼んでみるよ」

「良いの?」
「ハヤちゃんならオーケーしてくれると思うよ」
「うん。楽しみにしてるよ」

翌日

「ねえハヤちゃん、ちょっといい?」
「ん!?何?」
「実はさー」

「成程、ゆたかさんが」
「頼める?」
「良いよ。何だったら、今日行こうか?」

すると話を聞いていたかがみが

「ハ〜ヤ〜テ〜。こなたの家に行くのは良いけど、料理作りに行くだけよね〜?」
「そ、そりゃそうだけど。ってか、こなたの家なら何回も遊びに行ってるじゃん」
「そ、そうよね。ならいいわ」

放課後。

「ただいま〜。あれ、良い匂い」

「あ、ゆたかさん。おかえりなさい」
「ハ、ハヤテさん!?/////////////////////ど、どうして」
「どうしてって。ゆたかさんがですね」

「あ、そうでした」
「完成まで暫くかかるので、お待ちください」

暫くすると、

「後は食べる時に温め直すだけだから、もう帰るね」
「帰っちゃうの?折角だから食べていくなり泊まって行くなりすればいいじゃん」
「申し訳ないよ。泊まって行ったら、かがみに何言われるか分かんないからね」

「あ〜。それは確かにね」

こなたとゆーちゃんはハヤテを見送った。

そして普段の夕食の時間。

「流石はハヤテ君だよな」
「美味しいね〜」
「どうやったらこの味出せるんだろ」

3人はハヤテの手料理に大満足した。

まあ、翌日ハヤテがかがみに問いただされたのは言うまでもないだろう。


                  × ×


ある日。

「おう柊。どっか行くなら飲み物買っちきちくりー」

昼休み、教室を出ようとしたかがみにみさおが声をかけてきた。

「それくらい自分で行きなさいよ」
「まーまー。ジャンケンで決めようぜ」

「ま、横着しないで自分で行けって事ね」
「・・・」

ジャンケンの結果、かがみが勝った。

「こ、今回は買ったやつが行くルールなんだってヴぁ」
「子供か、あんたは」

「ん!?どうしたの?」
「おお、柊の彼氏。丁度良かった。飲み物買ってきてくんね?金は出すからさ」
「はあ、良いですけど」

「ハヤテ、こいつを甘やかすんじゃないわよ」
「別にいいって」

翌日。

「お、柊。どっか行くならパンをだな」
「だから、自分で」
「今回もジャンケンで決めようぜ。負けた方が行くルールで」

「若しかして、昨日と同じ状況?」
「ちょうどいいぜ、柊の彼氏。パン買っちきちくりー」
「あんた、昨日もハヤテに頼んだでしょうが」

「良いじゃねえか。嫌なら断ればいいだろ〜」
「分かりました。行ってきます」
「ハヤテ、行く必要はないわよ。こいつを甘やかしてたらキリないわよ」
「まあまあ」

翌日。

「おうちびっ子。おめえオタクってやつなんだろ?萌えーってか」
「何か一般人が強調してると馬鹿にされてる気がする」
「試しに、あたしらを萌えーで言うとどんな感じなんだってヴぁ?あ、柊の彼氏も入れて」

「こなた、気にしない方がいいよ。そう言う人みたいだし」
「かがみは「釣り目 ツンデレ ツインテール」。峰岸さんは「オデコ 絶対領域」。ハヤちゃんは「優しい 天然ジゴロ」」

「僕って、天然ジゴロなのかな?確かにかがみはおとしたけど」
「そりゃもう、物凄いね」
「あたしを忘れてねえか?」

「日下部さんは「八重歯 ボーイッシュ」後は「バカキャラ」だね」
「何よ。事実じゃない」

「でもさ、バカキャラって可愛いよ」
「そうか〜?じゃあさ、この中で彼氏持ちはあやのと柊だろ?どっちの属性が最強なんだ?」

みさおの質問に沈黙が訪れ。

「ガキっぽいってのも属性だね」
「だから、事実でしょ」

「くしょ〜。好き放題言いおって〜」
「まあまあ。分かり易さってのが魅力って場合もあるんですよ」
「ハヤちゃんの言う通りだよ。みさきちって、小学校のころ赤白帽立てて「ウル○ラマンだ〜」ってやったでしょ?」

「え!?普通にやんだろ」
「やらないわよ」
「柊の彼氏、おめえはやったろ?」

「幼稚園の頃に同級生がやってましたね。勿論男子が」
「ほら見ろ」
「日下部さん、確か貴方は女性だったはずでは?」


                    × ×


ある日。

「お前らホンマ仲ええな。学校の中でもデートか?」

かがみとハヤテが廊下で話していると、黒井先生が話しかけてきた。

「まあ、僕たち恋人同士ですからね。仲が良いのは当然ですよ」
「でも、デートじゃありませんけどね」

「2人を見てると思うやけど、若さってええなって思うんや。自分らからすれば高校生は結構年行った感じするやろ?結婚できる年齢になる訳やし」

「「は、はあ」」

「でもな、ウチ位になると高校生がガキに見えるんや」
「な、なんかあったんですか?」

「まあな。綾崎なら分かってくれると思うけど、年齢は1つしか違わんでも、「社会に出てるか否か」で大きく変わるんや」
「確かにそうですね。大学に行った人と就職した人って個人的な感想ですが、イメージ違いますもんね」

「やれやれ。ウチも年取ったんかな?こんな感想を若いカップル見るだけで持つなんて」
「先生、本当に何かあったんですか?」
「若しかして、ご両親に「結婚しろ」とでも言われたんですか?」
「まあ、な」

暗くなった黒井先生に、正解を出してしまったハヤテは罪悪感を感じた。

一方その頃。

「ういーっす」
「あら、桜庭先生」

「なあふゆき」
「なんですか?ここは学校なんですから、一応先生はつけてくださいね」

「結婚してくれ」
「桜庭先生、その台詞は私じゃなくて異性の方に言った方が」
「でもさ、男で色々と面倒を見てくれる人っていないからな」

「そう言えば、先生が担任をしている学年に綾崎ハヤテ君って居ますよね?」
「ああ。知ってるよ。あいつは有名人ってのもあるしな」
「彼なら世話好きみたいですし、丁度いいのでは?」

「あ〜、駄目駄目。あいつは彼女持ちだ。噂通りなら、呆れるほどラブラブだろ」
「そうなんですか」
「まあでも、綾崎がフリーだったら考えたかもしれんな。先生と生徒と言う禁断の関係をな」


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた (3月3日更新) ( No.59 )
日時: 2016/03/04 12:40
名前: ささ

姉妹で同じ人を好きになって…なんてのが漫画やアニメにはあるんだよなぁ〜(つかささん白状しなさい、そして姉妹で勝負したらいいじゃないか)
こなたが原作のようなメールを送っていたら…面白い方になればかがみの二股疑惑、そうでなかったら 今回と同じか。いずれにしろかがみがゆっくり服を着る暇はないということか。
改めてこなたの周りをみると個性的な天然キャラが勢揃いだな(ツンデレのかがみ、ジゴロのハヤテ、ドジっ娘のみゆきさん、癒し系ゆーちゃん、その手の事件が報道されるといの一番に疑われるそうじろうさん…つかささんのキャラを改めてこなた解説お願い)
というより独身の女性教師まで落とすとは恐るべしハヤテ。
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Re: ハヤ☆すた (3月7日更新) ( No.60 )
日時: 2016/03/07 02:37
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 感想ありがとうございます♪

 >>姉妹で同じ人を好きになって…なんてのが漫画やアニメにはあるんだよなぁ〜(つかささん白状しなさい、そして姉妹で勝負したらいいじゃないか)

 かがみ「ジロリ」
 つかさ「ち、違うってば。お兄ちゃんが好きなのは本当だよ。で、でもそれはお姉ちゃん達やお父さんお母さんが好きって意味と同じだってば」
 かがみ「・・・ならいいわ」

 こなた「(まあ、本当に競い合ってくれたら面白くなりそうだけどね。ハヤちゃんはかがみしか見ないと思うけど)」

 >>こなたが原作のようなメールを送っていたら…面白い方になればかがみの二股疑惑、そうでなかったら 今回と同じか。いずれにしろかがみがゆっくり服を着る暇はないということか。

 かがみ「そうね。でも、今回は偶々そうだっただけよ。普段はゆっくりお風呂に入ってるし」
 まつり「まあ、私も偶々なった瞬間に居たしね」

 >>改めてこなたの周りをみると個性的な天然キャラが勢揃いだな(ツンデレのかがみ、ジゴロのハヤテ、ドジっ娘のみゆきさん、癒し系ゆーちゃん、その手の事件が報道されるといの一番に疑われるそうじろうさん…つかささんのキャラを改めてこなた解説お願い)

 こなた「確かにね。退屈はしないね。私は恵まれてるよ。 つかさ? つかさは「お人よし 料理上手 天然」だね」

 >>というより独身の女性教師まで落とすとは恐るべしハヤテ。

 桜庭先生「あ〜、違う違う。私は「かも」と言ったんだ。綾崎はただの教え子だよ。恋愛感情は無い」
 かがみ「・・それは良かったです」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた (3月7日更新) ( No.61 )
日時: 2016/03/07 02:46
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                  × ×


ある日。

「昨日家に帰ったら、母がエアパッキンで遊んでいまして。私も何気なく一緒に始めたらはまってしまいまして」
「へえ」
「そうなんだ〜」

反応の鈍いこなたとつかさを見て

「エアパッキンは俗にいうぷちぷちですよ」
「あ、成程」
「流石お兄ちゃん」

「ああいう地味なのって、つい夢中になっちゃうんだよね」
「だよね」
「私も気付いたら母と共に結構な時間を費やしてしまったんです」

「そう言えばさ、お兄ちゃん。無限ぷちぷちって流行ったよね」
「ああ、ありましたね。好評で色んなシリーズを出してましたね」
「その無現ぷちぷちって今でも売ってるのかな?」

「売ってるんじゃないですか?ただ、ブームが去ってるので探すのは少し大変かもしれませんね」
「そっか」


                    × ×


ある日。

「そう言えばさ。歌詞が英語の歌ってあるよね?」
「ああ、うん」

登校中、つかさが話を切り出した。

「そう言うのとか、洋楽を聞く人って、意味を分かってて聞いてるのかな?」
「さあ?訳してる人もいるみたいだけど」
「はっはっは。歌と言うものは魂で感じる物なのだよ」

「へえ。こなたにしてはまともな事言うじゃない」
「確かにね。それに、意味が分からなくても名曲は名曲ですよ。まあ、日本語に訳しちゃうと「なんか嫌だ」って感じになっちゃう曲も幾つかありますし」

「へえそうなんだ」
「それに、以前「英語交じりの日本の歌を、英語の部分を全て日本語に訳したうえで歌う」って言うテレビを見た事ありますが、個人的な感想ですが「名曲台無し」って感想持ちましたし」

「お兄ちゃんって何でも知ってるんだね。って事は、お兄ちゃんは洋楽を聞く時ってどうするの?」
「何も考えず、聞く事に集中しますよ」
「そうなんだ」

「でもさ、全部日本語でも分かんない時ってあるよ」
「どうせ「最近のアニソンは歌詞カードが無いとさっぱり」って言いたいんでしょ?」
「あったり〜」

嬉しそうに肯定したこなたにハヤテもかがみもため息をついた。


                    × ×


ある日。

「今年の誕生日プレゼントなんだけんどね、色々あってあやのと一緒に行ったんだってヴぁ」
「へえ」
「でもさ、みさちゃん。あんなボロボロのGパンでよかったの?」

「あ、あれはだな。 おう柊の彼氏丁度良かったぜ」
「な、何がですか?」

かがみに会いに来たハヤテだったが、いきなり話を振られ、驚くだけだった。

「Gパンだよ。あやのはボロボロだとかいうんだぜ」
「ああ、ヴィンテージジーンズですね。物にもよりますが、好きな人からすれば、100年近く前のものでも、何十万でも何百万出してでも買う人いますからね」

「そうなんだ。私はみさちゃんが言う良さは分かんないわね」
「柊の彼氏、あたしは今、「趣味が人に理解されない辛さ」ってのが分かった気がするゼ」
「まあ、個人の趣味は分からない人からすれば、「何がいいの?」って思われがちですし」

「そっか。実はさ、前についうっかりあやののぬいぐるみを汚しちまった事があるんだけんどね、そん時は普段怒んねえあやのがすげえ怒ったんだよね」
「日下部、あんた酷いわね」

「な!?反応違くね」
「一言に趣味と言っても、人から理解されるものと、理解されにくいものがありますから」
「ブー。不公平だ」


                     × ×


ある日の夜。

「うう、眠い。勉強しなきゃいけないのに」

つかさは勉強中に睡魔に襲われていた。

「追い込みの時期だから勉強しないと。でも、眠い〜」

睡魔の攻撃。 つかさは今にも負けそうだ。

つかさの攻撃。 睡魔は一旦退いた。

「よ〜し。勉強勉強っと」

睡魔の攻撃。 つかさの命(我慢)は風前の灯火だ。

つかさの攻撃。 睡魔は平気な顔している。

「どうしよう〜」

つかさの目に自身の携帯が目に入った。


「あ、もしもしお兄ちゃん?今大丈夫?」
『大丈夫ですよ。どうしました?』
「勉強中に睡魔に襲われちゃってね。なんとか追い払おうと思って、お兄ちゃんに電話したの」

『成程。僕も勉強中で、ちょっとした息抜きをしようとしたときに電話がかかって来たので丁度良かったです』
「そうなんだ〜。邪魔しなくてよかったよ」
『つかささんの役に立てるなら、出来る限りは時間を割きますよ』

「もうちょっといいかな?眠くなくなってきたから」
『了解しました』

つかさは楽しそうにハヤテと電話していた。

すると

「っは!!」
『ど、どうしました?』

背後に物凄い殺気を感じ、ゆっくり振り向くと、かがみがかなり怖い顔でつかさを睨んでいた。

「ご、ごめんお兄ちゃん。もう切るね」
『あ、はい』

電話を切ると、かがみがゆっくりドアを開け、ゆっくり部屋の中に入って来た。


                  × ×


ある日。

「うーす」
「あ、桜庭先生。珍しいですね」

アニ研部室に八坂こうがいると、顧問の桜庭先生が来た。

「そう言えば、先生はお洒落とかしないんですか?似合うと思うんですが」
「別に興味ない。人間は中身だ」

「そう言えば、先生に対するある噂を耳にしたんですけど」
「なんだよ」
「3年の綾崎ハヤテって先輩に好意を抱いてるって噂ですよ」

「レス返しの時も言ったが、興味ないよ。あいつはただの教え子だ」
「そうですか。もし噂が本当だったら、切ないですね。綾崎先輩には恋人が居るらしいですから」
「知ってるよ。その恋人も教え子だ」

「へえ。所詮は噂か」
「そう言う事だ」


                   × ×


ある日。

「うう〜。ネタが出ないよ〜」

ひよりんは自宅の自室で机に向かって頭を抱えていた。

「締め切りなのに〜。原稿は真っ白だよ〜」

必死で頭をひねっても、何も出ず

「ハヤテ先輩〜、夜分遅くに申し訳ないっす。漫画のアイディアが全く出ないっす」
『そ、そうですか。まあ、時間は平気ですよ。それで、締め切りは?』
「今日っす。なのに原稿真っ白っす」

『アイディアさえ出れば、間に合いますか?』
「あ、はい。ギリギリっすが」

すると、電話口のハヤテが数秒黙った後

『では、幾つかネタ候補を言うので、メモしながら聞いてください』
「了解っす」

ハヤテが出した候補はどれも「流石っす」と言えるものだけで、

「助かりましたっす。これで何とか間に合いそうっす」
『それは良かった。もう切りますよ?勉強があるので』
「はい。失礼するッス」

アイディアを貰ったひよりんは大急ぎで書き、催促の電話がかかって来た時は、何とか完成した直後だった。

ハヤテがひよりんに提供したネタ?それは想像にお任せしよう。


                    × ×


ある日。

「昨日手押し式の信号での事なんですが、車両信号が赤に変わる頃に車が右からも左からもたくさん来てしまいまして」
「あ〜そういう車をいっぱい止めちゃったときって」

「気まずいよね〜」
「気持ちいよね〜」

つかさとこなたの意見が違ったことにみゆきさんは

「(一つの事象でも、人によって捉え方が違うんですね)」

「ん!?何の話ですか?」

かがみに会いに行ったハヤテが戻って来て、盛り上がる3人に話しかけた。

「手押し信号だよ。ハヤちゃんは、車をいっぱい止めちゃったときって、どう思う?」
「どうって。「申し訳ないな〜」って罪悪感感じるよ。渡った後「もう渡ったから早く変わって」とも思うけど」
「お兄ちゃんは私とほぼ一緒だね。こなちゃんは気持ちいいみたいだけど」

「成程。同じ事でも、人によって感じ方が全然違うんですね」
「そうみたいですね」


                     × ×


ある日。こなたは勉強会を兼ねて柊家に来ていた。
ハヤテは多忙で欠席である。

「インターフォンなんだったの?」
「葉書とかいろいろよ」

届いた葉書は剥がして捲れるタイプだった。
ゆっくり剥がしていたはずだったが、真ん中のミシン目で綺麗に真っ二つになってしまい

「かがみ〜。ハヤちゃんとデート出来て無くてストレス溜まってるからって、落ち着こうよ」
「う、うるさいわね!!普通にやっただけでこうなっちゃったのよ。たまにあるじゃない」
「まあね〜。 でもさ、「デート出来て無くてストレス溜まってる」って部分は否定しないんだ」

「ええそうよ!!!悪いの?」
「別に〜。クリスマスにデートしてストレスは無くなったんじゃないの?」
「だ、だって。それ以降デートしてないし。デートに誘っても「一緒の大学に行きたいでしょ?」って言われてデートしてくれないし」

「やれやれ」
「え〜い。うるさ〜〜〜い!!!!!!」


                      × ×


ある日。

「ゆたかさん、愛してます」
「ハ、ハヤテさん!?////////////////////////////////」
「初めて会ったあの時から、僕はあなたに夢中なんです」

「だ、駄目ですよ。ハヤテさんには恋人が」
「僕にそんな人いませんよ。今からゆたかさんになっていただくつもりです」
「え!?あ、あれ?///////////////////////////////////」

「僕の事、お嫌いなんですね」
「そ、そんな事は///////////////////////////////」
「では、僕の気持ち受け取ってください」

抱きしめられ、今から何をされるか直ぐに分かった。

「ハヤテさん///////////////////////////////////」
「ゆたかさん」

ハヤテの顔がどんどん近付き、距離はもう1cmを切ろうとした。


「ゆーちゃん、朝だよ〜」
「うひゃう//////////////////////////////」
「起きたね〜。遅刻しちゃうよ〜」

「お、お姉ちゃん///////////////////////」
「どったの?体調すぐれないの?」

周囲を見渡すと、いつもの自分の部屋だった。

「学校休む?連絡入れておくけど」
「ううん。元気だから行くよ」
「朝ご飯出来てるから着替えたら来てね」

こなたは部屋を出ていき

「夢、か。そ、そうだよね」

ゆーちゃんは着替えつつ

「でも、どうしてあんな夢を。も、若しかしてお姉ちゃんの部屋で偶々見ちゃったちょっとエッチなゲームのせいかな」


学校へつき

「こなた、ゆたかさんおはようございます」
「おはよ〜ハヤちゃん」
「お、おはようございます////////////////////////////////」

「こなた、ゆたかちゃんの顔赤いけど、体調悪いの?」
「本人は元気だって言ってるけど」

「あ、あの。つかぬことを聞きますが、ハヤテさんの恋人って」
「僕の恋人ですか?ここに居るかがみじゃないですか。ど、どうしました?」

「あ、何でもないです」

ゆーちゃんは急ぎ足で自分の教室に行った。

ハヤテは(つかさも)首を傾げるだけだったが、こなたとかがみは察した様だ。


                   × ×


ある日の柊家。

「小腹空いたな〜。お、○ッキーじゃん」

次女・まつりは小腹を満たすためにキッチンに来ると、○ッキーが机の上に置いてあった

「1本くらいなら分かんないよね」

箱から1本だけ拝借し、

「あ、あれ?美味しい。どこのかしら」

1本のつもりが2本、3本と増えていき

「あ、全部食べちゃった」

結局一箱全部平らげてしまった。
流石に不味いと思い知らんぷりしてると

「まつり姉さん、私の○ッキー知らない?」
「あ、かがみのだったんだ。お腹空いたから、食べようかと思ってた所だったんだ」

妹のかがみが来て、空になった箱をを見て問いただしてきた。

「食べてないわよね?」
「食べてないよ。かがみが来る少し前に来たし」

ジ〜ッ

「ほ、ホントだって。お姉ちゃんを疑うの?」

ジ〜〜ッ

「あんた、自分で食べたんじゃない?」
「そうかもね。疑ってゴメンね」
「良いって事よ」

「ところで美味しかった?」
「そりゃあもう。私も今度から・・・あっ」
「やっぱり姉さんじゃない」

「こんな古典的な方法に引っかかるとは」
「全く」
「ごめんごめん。買って返すから、どこで売ってたの?」

「売ってないわよ。どこにも」
「へ!?ま、まさか限定商品!?」
「違うわよ。あれはハヤテが作ってくれたのよ。「私の為に」カロリーを限界まで抑えた、ね」

「へえ。彼氏君お菓子作り上手だったんだ」
「まあね」

「あ、あれ?怒ってないの?」
「別に。メール見られた時に比べたら、ね」
「ま、まだ根に持ってたんだ」

「そりゃあね」
「ま、まあ。勝手に食べてゴメンね」
「もういいわよ」

喧嘩にならず、部屋の前で聞いていたつかさはほっとしていた。


                      × ×


ある日の昼休み。

「日下部、何時の間にか寝てるわね」

みさおが机に突っ伏して寝ていた。

「やあ、かがみ」
「あ、ハヤテ♪」

「ん?日下部さん、寝てるね」
「コートかけてあげなきゃね」
「峰岸さん、こんにちは」

「こんにちは」
「日下部さん、子供のような無邪気な寝顔ですね」
「そうね」

「ん〜。柊の彼氏か」
「寝言、ですね」

「なんだ、柊と・・・か」
「!?」
「へ!?」

「うお。 なんだ、さっきのは夢か」
「ねえ日下部、あんたどんな夢見てたの?私とハヤテに関する夢よね?」

「な、な、な、な、なんだよ。覚えてねえよ」
「本当に怒らないから、正直に言いなさい」
「本当に覚えてねえんだってヴぁ」

「へえ」
「柊の彼氏、助けろよ」
「かがみ、抑えて抑えて」

「ハヤテ、味方するの?」
「そ、そうじゃなくて。夢の内容を怒ってもしょうがないでしょ?」
「・・・確かにそうね」

かがみからの殺気が消え、みさおは心から安堵した。


                  × ×


ある日。

「ただいまー」
「お邪魔しまーす」

ハヤテはこなたと一緒に泉家に来ていた。
こなたに「勉強教えて」っと頼まれたからだ。

「いや〜。寒いね〜」
「こなた、勉強は?」

着替えもせずにこたつに入ろうとしたので言うと

「折角だし、こたつに入りながら勉強しようよ。部屋じゃ寒いよ」
「はいはい。だったら、先着替えてきなよ」
「了解。ハヤちゃんは先に寛いでててよ」

部屋に行ったこなたに対し、ハヤテはこたつを暖めておこうと

「あれ?スイッチ入れたままだ。そうじろうさんあたりが切り忘れたのかな?」

そう思いつつ、コートを脱いでこたつに入った。
すると

「ん!? って、ゆいさん?」
「やほ〜。おお、君か」
「な、何やってるんですか?」
「こなたを驚かせようと隠れてたんだ」

ハヤテが勉強の準備をしていると、こなたが着替えて戻って来た。

「姉さん居たんだ。ってかどうしたの?」
「驚かせようと隠れてたんだって。・・こたつの中に45分程」
「そりゃまた随分長く」

「それより、今から勉強会かい?」
「まあね〜。一応受験生ですから」
「じゃあ私は邪魔だね。こなた、部屋の漫画勝手に借りて読んでるよ」
「どぞ〜」

その後、ハヤテがいるおかげか、比較的真面目に勉強をしたのだった。


                 × ×


ある日。

「おい綾崎」
「何、白石君」
「お客さんだぞ」

ドアの方を見ると、みなみちゃんだった。

「みなみさん、どうしました?」
「あの、ハヤテさん。今日って用事ありますか?」
「今日ですか?特別は無いですね。執事の仕事と勉強する位ですけど」

「じゃ、じゃあ。今日家に来てもらえませんか?」
「みなみさんのお家に、ですか?」

「へえ。みなみちゃん、ハヤテを自宅に連れ込んでどうするつもりかしら?」
「あの、かがみ?顔怖いよ」
「気のせいよ。で、みなみちゃん」

「べ、別に深い意味は。ただ、チェリーがハヤテさんに会いたがってるみたいなので」
「成程」
「駄目よ」
「駄目よ〜ダメダメ。って?」←こなた

「理由は分かったわ。でも、駄目」
「え、えっと。皆さんもご一緒なら」
「そうね。私も一緒って条件なら、良いわよ」

「あのさ〜かがみ。相手は女の子とはいえ犬だよ?みなみちゃんからすれば家族だけどさ」
「こなた、今何か言ったかしら?」
「な、何でもないです」

かがみの怖い顔にこなたはからかえなかった。

そして放課後。

みなみちゃんが玄関のドアを開けると、

「え!?うわ!!」
「こ、こらチェリー」

まるで分っていたかのように、チェリーが真っ先にハヤテに飛びつき、ハヤテの顔をペロペロと尻尾を振りながらなめていた。

「もう、くすぐったいですよ」

「か、かがみ。どうどう」
「お、お姉ちゃん。あ、相手はチェリーちゃんだよ」
「か、かがみさん」

「あらあら。何やら賑やかね」
「あ、お母さん」
「こんにちはお邪魔してます」
「いらっしゃい、皆。お茶を淹れるから、奥へどうぞ」

5人は(ハヤテは涎でベトベトなので洗ってから)居間に通された。

「チェリーが元気なかったのは、やっぱり綾崎君に会いたかったからなのね」
「チェリーが、玄関で寂しそうだったから、若しかしてと思ってハヤテさんを呼んだんです」
「そうでした」

こなた、つかさは久しぶりの訪問で喜んでいて、みゆきさんも楽しそうだった。
かがみはまだ不機嫌だったが、幾分か機嫌が直っていた。
ハヤテはチェリーの頭を撫でていた。

すると、チェリーはハヤテの元を離れ、少しすると

「チェリー、若しかしてハヤテさんと散歩に行きたいの?」

散歩のときに使うリードを銜えて戻って来たのでみなみちゃんが聞くと、肯定するかのように吠えた。

「え、えっと」
「申し訳ないんだけど、綾崎君頼める?近所を歩くだけでいいから」
「あ、はい」

チェリーに首輪とリードをつけ、ハヤテは出発した。

「複雑」
「みなみも皆さんとお茶して待ってなさい」
「ここに居る」
「そう」

一方のハヤテは散歩していた。
チェリーは忠犬の様にハヤテの直ぐ真横を歩き、普段の散歩コースをハヤテに教えるように歩いていた。

「チェリーちゃんは良い子ですね。引っ張りまわしたり、無駄吠えとかしませんし」

ハヤテが撫でてあげると、嬉しそうに尻尾を振った。

「みなみさんやみなみさんのお母様の躾の賜物ですね」
「ワン♪」

暫く散歩し

「さ、もう帰りましょうか」
「ワン」

岩崎家に辿り着くと、みなみちゃんが門の前で待っていた。

「お帰り、チェリー。ハヤテさん、ありがとうございました」
「いえいえ。僕も楽しかったので、むしろ光栄でしたよ」

家の中に戻り(チェリーは足をふいて)

「今日はありがとね、綾崎君」
「いえいえ。では、お邪魔しました」

今回は、チェリーは引き止めなかった。

因みに、かがみの機嫌はかなり悪くなり、ハヤテに猫のように甘えてようやく機嫌は直った。
怖かったのか、こなたは携帯で撮影したり、のちにいじったりはしなかったそうだ。


                  × ×


別の日。

「ねえねえハヤちゃん。前にさ、チョココロネの話したでしょ?」
「ああ。僕が転校して来た頃にね」
「でさ、その前にも「チョココロネの頭はどっちか」と言う論議が行われたんだよね」

「そうなんだ。なんか、今更感が凄いんだけど」
「まあまあ。でさ、つかさが「貝に見えるから細い方が頭」って言ったんだけど、貝ってさ、太い方が頭だよね?」

「まあ、ヤドカリはね。太い方から頭出すし。でもさ、「生物としての巻貝」はどちらが頭か議論は難しいかもね。呼吸する時とかは太い方からそう言う器官を出すし、移動する時もそう言う器官をそこから出すし」

「ふ〜ん」
「まあ、どう思うかは、その人次第だよ。タイ焼きみたいにはっきり分かれてるわけじゃないし」
「そっか」

「そう言えば、数日前から家の冷蔵庫にヨーグルトがあるんですよね。母が「体にいいと聞いたから買った」と言ったんですが、へらないんですよね」
「まあ、あのおばさんは「買って満足するタイプ」だからね。食べる事まで考えないんじゃない?」
「そ、そうですね」

「そう言えばさ、お兄ちゃん。ヨーグルトって、たまに水が出る時ってあるよね?あれって大丈夫なの?」
「それはホエーと言うんですよ。それってどうしてるんです?」
「怖いから捨てちゃうんだよね」

「あー。勿体無いですね。ホエーには栄養がたっぷりあるので、ヨーグルトと一緒に食べた方がいいんですよ」
「そうなんだ。賞味期限は過ぎてないけど。って思ったけど捨てちゃってたのは駄目だったんだね」
「まー。駄目とまではいきませんが」

「そう言えばさ。昨日「賞味期限が過ぎたものを食べるか?」って話をお父さんとしたんだけどね、あれってどれくらいなら平気なの?」
「まあ、あんまり過ぎたものは止めた方がいいよ。説明する前に、流石に「消費期限」と「賞味期限」の違いは知ってるよね?」

「まね。過ぎたら駄目なのが「消費期限」。少しくらいなら平気なのが「賞味期限」でしょ?」
「正解だよ。その賞味期限は、物にもよるけどまあ、1ヶ月位が目安だね。それ以上は保証できないよ」
「そっか」


                    × ×


ある日の三千院家。

「お嬢様、なんか最近機嫌良くないですね」
「まあ、な。別に誰かのせいではないが、しいて言うなら選挙のせいだよ」
「ああ、成程。こなたと同じっと」

「そうだよ。放送を遅らせたり、へたすればなかったり。あっても「選挙速報」と言う訳分からん枠で画面を小さくするし」
「まあ、政治に興味が無いアニメファンからすれば「邪魔以外何物でもない」なんでしょうね」

「そうだよ。おまけに選挙カーはうるさいし、電話は勝手にかけてくるしで。この家には大事な受験を控えてる受験生がいるというのに。全く」
「あ、あの。若しかして」
「私はハヤテの為に怒ってるのだ。私の個人的な理由で怒ってるのもあるがな」

「ありがとうございます、お嬢様」
「まったく。受験と就職は一生を左右する超重要イベントだというのに」

イライラするナギにハヤテは嬉しさで笑みをこぼした。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた (3月7日更新) ( No.62 )
日時: 2016/03/08 20:00
名前: ささ

あれ、三千院家の電話は未登録の番号からは掛からないのではなかったのか?
夜中の電話、背後のかがみ…つかささんご愁傷様です。
いくらハヤテとデートできていないとはいえ、最近殺気を立てすぎでは?
こなた、ゆーちゃんの為にも規制のかかりそうな作品はそうじろうさんのところに避難させといたら。
つかささんが気づかないとはな〜(かくいう私も実際の場面なら気付かないけど)
(かがみとハヤテのラブラブメールをネットに流出させたいな)…冗談です。でもいのりさんだけ知らないというのもどうかな。
チェリーの変わりよう…理由がはっきりした。かがみが妬くわけだ。
猫のように甘えるかがみかぁ、(見てみたいな)なんか今後随所で見られる気がするなぁ〜。
(結婚して娘ができたら将来大変だなぁ)
あれ、お2人さんどうしましたか?
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Re: ハヤ☆すた (3月10日更新) ( No.63 )
日時: 2016/03/10 13:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 感想ありがとうございます♪

 >>あれ、三千院家の電話は未登録の番号からは掛からないのではなかったのか?

 ナギ「ああ。最近になってその設定を解除したんだよ。交友関係が広がって、登録とかするのめんどくさくなったし」
 マリア「(その登録も後で消しちゃえば面白くなったんですけどね〜)」

 >>夜中の電話、背後のかがみ…つかささんご愁傷様です。

 つかさ「うう〜。怖かったよ〜」←泣いてる
 みき「よしよし」←慰めてる

 >>いくらハヤテとデートできていないとはいえ、最近殺気を立てすぎでは?

 かがみ「う、うるさいわね!!!別にいいでしょ!!!!」
 ハヤテ「かがみ、抑えて抑えて」

 >>こなた、ゆーちゃんの為にも規制のかかりそうな作品はそうじろうさんのところに避難させといたら。

 こなた「いや〜。普段は気を付けてるんだけど、あの時は集中しててゆーちゃんが部屋に来てることに気付かなかったんだよね。おまけに割とやばめなシーン見られたみたいだし」

 >>つかささんが気づかないとはな〜(かくいう私も実際の場面なら気付かないけど)

 つかさ「お姉ちゃん、あの時なんでゆたかちゃん様子おかしかったの?」
 かがみ「良いのよ。知らなくて」

 >>(かがみとハヤテのラブラブメールをネットに流出させたいな)…冗談です。でもいのりさんだけ知らないというのもどうかな。

 かがみ「・・・」

 いのり「妹とはいえ、プライベートな事に首を突っ込む訳行かないしね。お母さんは別だけど」
 まつり「あの時も私は偶々その現場に居合わせただけだしね」

 >>チェリーの変わりよう…理由がはっきりした。かがみが妬くわけだ。

 かがみ「そ、それは」
 こなた「事実でしょ。あの時すんごい機嫌悪かったじゃん」

 >>猫のように甘えるかがみかぁ、(見てみたいな)なんか今後随所で見られる気がするなぁ〜。

 かがみ「そ、そんな事は」
 こなた「否定できる要素は皆無でしょ」

 >>(結婚して娘ができたら将来大変だなぁ)

 かがみ「け、結婚!?///////////////////////////」
 ハヤテ「///////////////」

 みき「2人が結婚したら、女の子の可能性は高いでしょうね。家は皆女の子だったし」
 ただお「・・・」

 >>あれ、お2人さんどうしましたか?

 2人?誰と誰かは何となくで分かりますが、特別誰も怒ってませんよ。


 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた (3月10日更新) ( No.64 )
日時: 2016/03/10 14:04
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

「あ、3年B組〜」
「「「黒井先生〜」」」
「「はいはい」」


                    × ×


ある日。

「昨日さ、ハヤテと一緒に喫茶店に行ったんだけどね」
「へえ。デートか」
「ま、まあ。ちょっとした、ね。で、その時なんだけど、注文間違えられたり、水こぼされたりで散々だったわよ」

「確かにね。妙にかがみの機嫌が悪かったせいで、僕が宥めなきゃ店員さんに説教食らわせてるところだったよね」
「そうだったんだ。でもさ、話を聞くだけじゃ萌えるよね」
「萌えるって。男の人よ」

「そりゃ駄目でしょ。もう全然」
「私からすればあんたが駄目だ」

「でもさ、ハヤちゃんだったら話は別だよね。普段ほぼ完璧な分そう言う可愛いところ見せられたら萌えるんじゃない?」
「・・・そうね」

「そう言えばさ、あの時なんでかがみ機嫌悪かったの?」
「別に深い意味は無いわよ。虫の居所が悪かっただけ」
「そうなんだ。僕はてっきり受験ストレスかと思ったよ」

「(ハヤちゃん、かがみの機嫌が悪いのは君のせいだよ〜)」


                      × ×


ある日。

「昨日の事なんですが、母とピザを食べていたんです。1枚食べ終わった時、私はお腹いっぱいだったのですが、母が「もう1枚焼いてるのにもう食べないの?」っと言ったので1切れだけと言うと、その1切れは1枚の半分だったというトンチのやり取りがあったんです」

「なんか、みゆきさんの所らしいエピソードだね」
「確かにね」

「みゆきさん、それはトンチじゃなくて、「子供の発想」って言うんだよ」
「もしくは「屁理屈」とかね」
「そ、そうですよね」

「そう言えばさ、ハヤちゃん。あるアニメで「ケチなお金持ちが自分の土地を畑にすることは許可したが、そこで実ったものはあげるとは言ってない」って言うのがあったよね」
「ああ。で、「じゃあ一束だけくれ」って言って、了承したら「畑の稲穂をすべてまとめて「これで一束だ」って言い訳返してたね」

「確かあれの結末は、奉行所のお奉行様が「半分こしろ」って裁きして、「上半分を育てた人間に。下半分を土地の持ち主に分ける」ってやつだっけ?」
「細かい所は忘れちゃったけど、ケチな人はそれで改心しただっけ?」
「そうそう」

盛り上がる2人にみゆきさんが

「泉さんとハヤテさんって馬が合いますよね。私じゃ分からない事でも盛り上がれて」
「まあ、ハヤちゃんはこっち系の知識も豊富だし、基本的に人の意見は否定しないし」
「僕もこなたと話してると何となく楽しいですし」

「前々から思っていたのですが、泉さんはハヤテさんに恋情を抱いていないんですよね?」
「ハヤちゃんは友達だよ。それ以上は無いよ」
「僕もこなたは友達ですよ」

「まあでも、ハヤちゃんにかがみが居なければ、恋人にしたかもね。ハヤちゃんの子供だったら、産んでもいいし」

「こ〜な〜た〜」
「か、かがみ」
「今の、冗談よね〜?」

「と、当然じゃん」
「ならいいわ。ハヤテは私のだし、私はハヤテのなんだから、へたな感情は持たない事ね〜」
「わ、分かってるって」

「(2人とも、気付いてないよね。結構大胆な事「遠回しのプロポーズ」って捉える事が出来る事言ったの)」

ハヤテは照れていた。


                    × ×


ある日。
こなた、かがみ、つかさ、みゆきさんは泊りがけの勉強会の為に三千院家に集まっていた。

「ゆきちゃん、ここなんだけど」
「ねえハヤちゃん、ここなんだけど」

サボり癖のあるこなただったが、追い込みの時期と言うのもあり真面目に勉強していた。
と言うのも、ナギが「ゲームは隠した。私も我慢するからこなたも我慢しろ」と言ってゲームを貸してくれないのも要因なのである。

「う〜ん。疲れたよ〜」
「こなた、まだ1時間程しか勉強してないでしょ」
「私からすれば長時間だよ」

「全く。あんたは普段から勉強してないからでしょ。まあ、最も、あんただけ「受験も就職も失敗して高卒どまり」ってなったら、笑い話として受け継いであげるわ」
「ム〜。分かったよ、勉強するよ」
「頑張りなよ。分からない所は教えるからさ」

「ハヤちゃんは優しいよね〜。かがみと違ってからかわないし」
「悪かったわね。こうでも言わないと勉強しないでしょ?」
「まあね〜」

また暫く勉強してると

「失礼します。お客様がお見えになりました」

マリアさんが案内してきたのは

「日下部、峰岸も」
「お邪魔します」
「おう、諸君」

「どうしたのよ」
「いやね。勉強会でも開こうと柊のとこ行ったら「泊りがけの勉強会に行ってる」って言われてさ、折角だからあたしらも混ぜてもらおうとここに来たんだってヴぁ」
「ごめんね、突然」

「構わんよ。皆で勉強した方が捗るじゃん」
「あんたが言うか、それ」
「まあまあ。お2人も座ってください」

「でもさ、柊の彼氏。おめえの働いてるとこって、ひれえんだな。驚いたゼ」
「ホント。こんな大富豪の家なんて実在したのね」
「そう言えば、2人は初めてだったわね。ナギちゃんの家」

「まあな。なあちびっ子。探検しようぜ」
「お、いいね。じゃ、レッツゴー」

出て行ってしまったこなたとみさおに対し

「峰岸、私達は気にせず勉強しましょ」
「そ、そうね」

その後は(こなたとみさおは30分ほどでナギに怒られて戻って来た)休憩をはさみつつみっちり勉強し、夜。

「おお〜。豪華だゼ」
「皆さんが集まったので、腕を振るいました」
「流石本物のメイドさんは違うゼ」

子供のようにはしゃぐみさおに対し、他の面々は割と普通だった。

「ん〜。うんめえな」
「ホント。私じゃかなわないわね」
「いやいや。あやのが作る料理もうめえぞ」

「ありがと、みさちゃん。でも、マリアさんの料理は明らかに私以上よ」
「そっか?いい勝負だってヴぁ」

食事中も盛り上がり、食後

「皆さん、お風呂沸きましたよ」
「じゃあさ、こうやって集まったわけだし、皆でお風呂はいろー」
「良いね。こなちゃんの意見にさんせ〜」

「皆でお風呂ですか。去年の旅行を思い出しますね」
「でもさ、皆で入れんのか?」
「私達は6人だから、順番に入ったほうがいいんじゃない?」

「それは大丈夫よ、峰岸。この家のお風呂は旅館並みに広いから」
「そう言う事。じゃ、決定だね」
「私は後ででいいわ」

「何でだよ、柊。背中流したるぜ」
「そこ以外は私が〜」
「良いわよ。後で入るわよ」

「ノリわりいな。ま、いいか」

結局、皆で(勿論ハヤテは違う。ナギはこなたが無理やり誘った)お風呂に入り、大部屋でパジャマパーティ化していた。

すると、かがみは隙を見て抜け出し

「あ、ハヤテ」
「あれ?かがみはお風呂まだだったんだ」
「ま、まあね。ハヤテもまだでしょ?」

「僕は基本的に最後だからね」
「じゃ、じゃあさ。一緒に入らない?お風呂」
「へ!?//////////////////」

「ま、前だって一緒に入ったんだし、良いじゃない」
「ま、まあ。かがみがいいなら別に」
「じゃ、決まりね」

結局ハヤテとかがみは一緒にお風呂に入った。

2人が入浴中

「あれ?柊が居ねえぞ」
「え?」
「姉の方だよ。いねえゼ」

「トイレかな?広いから、トイレの往復にも時間かかるし」
「そっか。きっとそれだってヴぁ」
「いやいやみさきち、それは違うよ」

「じゃあ何処だよ」
「暫くすれば戻ってくるから、問い詰めるべきだよ」
「そっか」
「(かがみさん、若しかして)」

暫くすると、かがみが部屋に戻って来た。

「おう、柊。なんだ、風呂に行ってたのか」
「そうよ。1人でゆっくり入りたかったから、皆と一緒に入らなかったの」
「へえ。私はてっきり「ハヤちゃんと一緒に入りたいから」だと思ってたよ」

「違うわよ。幾ら恋人とはいえ、流石にそこまでではないわよ」
「そっか。あやのも兄貴と入った事ねえみたいだし、普通か」
「そうよ」

「じゃあさ柊、おめえは彼氏とはどこまで進んでんだ?」
「な、なんであんたにそんな事を」
「みさきち、私の調べじゃキスはしたことあるみたいだよ」

「へえ。詳しく聞かせろー」

結局質問攻めにあい、夜が更けた事でようやく解放され

「皆寝たわよね。よしっ」
「(かがみん、やっぱり部屋でたな〜。狸寝入りを見抜けぬとは)」

部屋を出たかがみは当然?ハヤテの部屋に行き

「ねえハヤテ」
「来ると思ってたよ。だから準備しておいたよ」
「流石ね。今日の分の勉強は良いの?」

「もう少し勉強してから寝るよ。なんか落ち着かないからさ」
「ハヤテは本当に真面目なのね。まあ、そこが大好きなんだけど」
「後10分位で終わるから、待っててよ」

勉強机に向かうハヤテをかがみは後ろから優しく見守り

「お待たせ。じゃ、寝よっか」
「じゃあ。 っん」
「や、やっぱりお休みのキスはするんだね」
「当たり前でしょ」

2人で一緒の布団に入り

「おやすみ、かがみ」
「おやすみ、ハヤテ」


ハヤテとかがみが夢の世界に旅立った数分後

「おはようございます」
「寝起きドッキリの時間だってヴぁ」

こなたとみさおがハヤテの部屋の前で一昔前のドッキリ番組のようなノリをしていた。

「なあちびっ子。柊は本当にここに居んのか?さっき部屋に居ねえのは確認したんだけど」
「間違いないよ。ハヤちゃん大好きかがみが「一緒に寝よう」って提案しない訳無いんだから」
「でもさ、鍵かかってんじゃね?」

実際、みさおが部屋のドアを開けようとしたが、鍵がかかっていた。

「抜かりはないよ。マリアさんに借りといた」
「すげえな、おめえ」

こなたは鍵を開け、物音を限界まで殺して室内に入った。室内は月明かりのみだったが、見渡す事は出来た。

「おめえの言う通りだったな。一緒に寝てるぜ」
「今度こそ証拠をつかんどかないとね」
「すげえカメラだな。暗視カメラか?」
「お父さんに借りたの。フラッシュも音も出ない優れものだよ」

こなたがシャッターを切ると

「んん」
「お、起きたんじゃねえか?」
「大丈夫だよ」

寝ている事を確認し、また何枚か撮影すると、2人とも部屋を出た。勿論鍵をかけなおして。

「なあちびっ子。後であたしに写真くれねえか?」
「良いよ〜」

翌朝。

「柊、おはよー」
「おはよ。 な、何よ?」
「おめえにおもしれえもん見せてやんよ」

みさおが見せてきた写真には、ハヤテとかがみが一緒に寝ている瞬間がおさめられていた。

「な!?な、な、な!?」
「柊は彼氏とここまで進んでたんだな」
「その写真渡しなさい!!」

「やだよ〜。折角の記念なのに」
「分かったわよ。ネットとかに流さないでよ」
「わ〜ってるよ」

因みに、こなたにもいじられたのは言うまでもない。


                   × ×


ある日。

「ねえお兄ちゃん。昨日瓶のコーヒー牛乳飲んでて思ったんだけど、普通のコーヒー牛乳より美味しく感じるんだよね。なんでだと思う?」
「個人的な推論ですが」
「聞かせて。お兄ちゃん頭良いから説得力出ると思うし」

「見た目だと思いますよ」
「見た目?」
「例えば料理でも、フランス料理は味は勿論見た目も重視してるんですよ。料理はまず見た目で味わってから舌で味わんです。つまり、目から入る情報が第一なんですよ」

「へえ」
「味は良いんだけど、見た目が悪い料理。って敬遠しがちですよね?」
「あ、うん。食べれば美味しいけど、見た目はちょっと。って嫌だと思うもん」

「ですよね?以前食欲減退色を使ったダイエットが流行ったように、やっぱり見た目も大事なんです。なので、「瓶のコーヒー牛乳は美味しい」って感じるのはそのせいだと思いますよ」

「流石お兄ちゃん。すっきりしたよ」
「いえいえ。お役に立てて光栄です」


                   × ×


ある日。

「そう言えばさ、峰岸って何時も前髪あげてるわよね」
「うん。おろしてると、目に入ったりするし」
「ああ、それ少し分かるわ。じゃあさ、髪切ったりしないの?」

「え!?あ、うん」
「何でよ」
「だ、だって。この位の方が好きって言ってくれたし」

「惚気話だったのね」
「もう。柊ちゃんが振って来たんでしょ。じゃ、じゃあさ。柊ちゃんはどうなのよ」
「え!?私?」

「綾崎君はなんて言ってるの?髪形とかさ」
「え、えっと。ポニーテールにした時は「可愛くて見とれちゃった」って言ってくれたし、この髪形だって似合うって言ってくれたし、この髪形にした切っ掛けを話したらヤキモチ妬いてくれたし」

照れて自身の髪の毛をいじりながら言うかがみに

「柊ちゃんだって惚気じゃない」
「だ、だって。ハヤテが好きなんだもん。褒めてくれると嬉しいんだもん」
「気持ちは分かるけどね。「彼氏に褒められる」って他の人に褒められるのとはわけが違うもんね」

「でしょ?「全く同じ内容」で褒められても、彼氏か否かで変わるもんね」
「そうよね」

「お、なんだ?2人して彼氏自慢か?」
「そうよ。日下部も彼氏自慢に加わるか?」
「柊、それ嫌味か?あたしにそんなのいねえよ」

その後、2人の「彼氏あるある」をみさおは物凄くつまらなさそうな顔で聞いていた。


                    × ×


ある日。

「この前お姉ちゃんに田村さんが書いた同人誌を見せてもらった事があるんですけど」
「へ!?変なのじゃないですよね?」
「あ、はい。身近な体験をネタにしたってやつです」

「な、ならいいですけど」
「それでですね、田村さんじゃない名前が書いてあったんですよね」
「ああ。それはペンネームってやつですね」

「へえ。ペンネームなんて田村さんプロの人みたい」
「ゆたかさん、ペンネームに関しては本人に聞いちゃ駄目ですよ」
「え!?何でですか?」

「一生懸命考えたんでしょうが、説明するのは恥ずかしいって場合もあるんです。漫画を描きたいが、本名じゃ恥ずかしいって場合もあるので、聞くのはマナー違反って場合もあるので」

「そうだったんですか。ハヤテさんに聞いてよかったです。田村さんに聞く前に」


                    × ×


ある日。

「ハヤテ先輩〜。原稿が出来上がったから見てほしいっす」

昼休みに談笑していると、ひよりんが来た。

「流石ひよりんですね。これなら問題ないですよ」
「良かったっす。後は印刷所に持って行くだけっす」

「ねえちょっといい?」
「なんすか?かがみ先輩」
「ハヤテって、ひよりちゃんの事だけ「ひよりん」って綽名で呼んでるわよね?他の皆はさん付けで呼ぶのに」

「そう言えばそうだね。ハヤちゃんが綽名で呼ぶのはひよりんだけだね」
「ああ。もちろん理由はあるよ」

「私が説明するッス。私が中学の時、小さなイベントで自作の同人誌を売ってたっす」


回想入ります。

「あんまり売れ行き良くないな。今回はそれなりの出来だと思ったんだけどな」
「あの。いいですか?」
「あ、いらっしゃいませ」

目の前のお客はひよりんの同人誌を数ページ読み

「ど、どうっすか?」
「本人を目の前に言うのも気が引けるんですが」
「構わないっす。ズバッと言ってくれた方が助かるッス」

「イマイチですね。悪くは無いんですが」
「そ、そうっすか。自信はまあまああっただけに売れ行き良くなくて泣きそうっす」
「泣かないでください。改良点があるので、そこを直せばもっと良くなると思いますよ」
「申し訳ないっすが、教えてほしいっす」

お客さんはひよりん自身が気付かなかったような細かな修正点を指摘した。

「た、確かにそうっすね。言われてみれば、盲点だったッス」
「すみません。生意気言って」
「いえいえ。むしろ嬉しいっす。こんな風に直してもらえて」

「ならよかったです」
「あ、私、田村ひよりです。良ければお名前を」
「綾崎ハヤテです」

「あの、イベント終わりに話せますか?○○で落ち合えますか?」
「良いですよ。今日は特に用事が無いので」

イベント終わり、集合場所。

「お待たせしましたっす。後片付けに時間かかっちゃったッス」
「いえいえ。それよりお話と言うのは」
「あ、あの。不躾なのは分かってるっす。でも、それを承知で言うッス。私のアドバイザーになってほしいっす」

「ア、アドバイザーですか?」
「あの時のアドバイスはとても参考になったっす。だ、だからその」
「ですが、僕たち知り合って間もないですよ」

「確かにそうっす。でも、関係ないです」
「・・・。分かりました。田村さんが良ければ」
「じゃ、じゃあ。これから家に来てほしいっす。早速お願いします」

「え!?家に、ですか?」
「ご都合悪いですか?」
「そんな事は。分かりました」

で、田村家。

「幾つか書きかけがあるので見てほしいっす」

ハヤテは原稿に目を通し

「改良点はありますね。修正すればもっと良くなると思いますよ」
「じゃ、じゃあお願いするッス」

ハヤテのアドバイスは的確で、ひよりんの個性を最大限に引き伸ばしつつ、直すべきところは指摘していた。

「頼りになるッス。これからもお願いできますか?」
「僕でよければ」
「助かります。じゃあ、メルアドとか交換お願いします」
「良いですよ」

「これから何度もお世話になると思いますが、お願いします」
「こちらこそ、田村さん」
「私の事は名前を呼び捨てで良いっす。敬語も不要です。私の方が年下ですし」

「それは。僕の癖みたいなもので、出来ないかと」
「じゃ、じゃあ敬語はそのままでいいので、「ひよりん」って呼んでほしいっす」
「それ位なら」


回想終わり。

「これが理由ッス。それ以来、私はハヤテ先輩って呼んでますし、私はひよりんって呼ばれてるっす」
「成程ね。そう言えば、ひよりんの同人誌って、飛躍的にレベルが上がった時期があるけど、ハヤちゃんがアドバイザーに着いたからだったんだね」

「ええ。おかげで売り上げが鰻登りッス」
「良かったね、かがみ。ハヤちゃんらしいエピソードで。フラグ立ってなくて」
「そうね。色々とすっきりしたわ」


                      × ×


ある日。

「ねえこなた」
「んあ?」

休日、泉家に遊びに行ったかがみがゲームをしているこなたに話しかけた。

「あんたがやってるそのゲーム、3Dゲーム機でしょ?」
「そだよ」
「今考えると、ゲーム機の進化って凄いわよね。確か最初はモノクロ画面だったはずよね?携帯ゲーム機って」

「ゲーム○ーイだね。確かにそれから比べると進化してるよね。このまま行くと、空中にゲーム画面映し出して、超リアルな立体映像ゲーム機って出そうだよね」

「確かに、あんたみたいのが沢山いる限り、ありえない話じゃなさそうね」
「でしょ?そうなったら私は予約して、行列に何日も並んで買うよ」
「あんたならやりかねないわ。でも、学校や会社休むなよ」
「さあ、どうかな」


                      × ×


ある日。

「そう言えば、黒井先生って○ッテファンですよね」
「せやけど。なんや綾崎、今更やな」
「先生って熱狂的ファンっぽいので、球場とかに応援に行ってるのか疑問に思いまして」

「応援なあ。行きたいんやけど、あかんねん」
「禁止されてるんですか?ありえないと思いますけど」
「いやな。うちが応援に行くとなぜか負けるんや。せやから自粛してるんや」

「そうだったんですか。黒井先生にはお世話になってるので、お嬢様に頼んで特等席を手配できるように、っと思ったんですが」
「ナギちゃんそんな事できるんか?」
「財閥の令嬢ですから」

「綾崎、頼むで。そんな高級な所で見た事無いんや」
「分かりました。今シーズンは終わっちゃってるので、来シーズン始球式付を手配できるように頼んでみます」

「来年が楽しみや。でも、来年は卒業しとるのにええのか?」
「まあ、僕個人のささやかな恩返しですから」
「お前ええ奴やな。まっとるで」


                    × ×


ある日。

「そう言えばさ。ふと思い出したんだけど、ハヤちゃんのお婆ちゃんの写真って見せてもらったことあったっけ?」
「そう言えば、そうね。優しかったって話は聞いてるけど」
「じゃあ今見せるよ。携帯にとってあるから。まあ、遺影の写真だけど」

ハヤテが見せた写真は、とても優しそうな和服の女性が映っていた。

「この人が」
「綾崎鈴音っていうんだ。僕のお婆ちゃん」
「確かに、雰囲気的にみゆきに似てるわね」

「うん。ゆきちゃんに似てるね」
「そ、そうですね」

「ねえハヤちゃん、この人に会いたい?」
「ちょっとはね。でも、会えたとしてもお化けになっちゃうよね」
「まあ、そうだね」

「(綾崎鈴音さん、か。ハヤテのお婆様なら、会ってみたかったわね)」


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた (3月10日更新) ( No.65 )
日時: 2016/03/12 06:58
名前: ささ

峰岸が彼氏と経験していないとこまでかがみは経験済みとは(意味深)。でも仮にしていても普通人に暴露しないよ。(大人の階段を登っていたとしても)
寝起きドッキリの場面で、そうじろうさんが危ない人に感じたのは私だけでしょうか?(こなた、その要領のよさを勉強にも活かしなさいよ)
かがみ、こなたの「ハヤテを恋人にしてもいい」という冗談は「億が一」ハヤテと別れたら奪いまっせということだよ。(つまりかがみが付き合っている間は友達の一線を越えないということだよ)
日下部の目の前で2人が彼氏自慢とか…原作よりも彼氏持ちが1人増えただけでこうも雰囲気が変わるとは。
以上です。次も楽しみにしています。
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Re: ハヤ☆すた (3月14日更新) ( No.66 )
日時: 2016/03/14 17:42
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 感想ありがとうございます♪

 >>峰岸が彼氏と経験していないとこまでかがみは経験済みとは(意味深)。

 みさお「あの2人は仲良いからな」
 こなた「だねえ」

 >>でも仮にしていても普通人に暴露しないよ。(大人の階段を登っていたとしても)

 かがみ「それはそうよ。ってか、大人の階段は上ってないわよ」

 >>寝起きドッキリの場面で、そうじろうさんが危ない人に感じたのは私だけでしょうか?

 こなた「いや〜。私も思ったよ。借りたとはいえなんで持ってるんだろうって」
 そうじろう「あ、あれはだな。こなたが子供のころ「起こさないように寝顔を撮る為」だ。危ない意味ではない」

 >>(こなた、その要領のよさを勉強にも活かしなさいよ)

 かがみ「ホントよ。そうすればもっといい大学狙えるのに」
 こなた「細かい事は言いっこなしだよ」

 >>かがみ、こなたの「ハヤテを恋人にしてもいい」という冗談は「億が一」ハヤテと別れたら奪いまっせということだよ。(つまりかがみが付き合っている間は友達の一線を越えないということだよ)

 かがみ「・・・」ジロリ
 こなた「違うって。だから睨まないでよ。怖いから」

 >>日下部の目の前で2人が彼氏自慢とか…原作よりも彼氏持ちが1人増えただけでこうも雰囲気が変わるとは。

 みさお「だよな〜。あたしはつまんなくてしょうがないゼ」

 >>以上です。次も楽しみにしています。

 ありがとうございます。精一杯頑張ります。

 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた (3月14日更新) ( No.67 )
日時: 2016/03/14 17:46
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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こなた「執事、それは使える者」
みゆき「執事、それは傅く者」
つかさ「執事、それは主の生活全てをサポートするフォーマルな守護者」

こなた「まあ、ここじゃ「何気ない日常」を」
みゆき「ゆる〜く描くだけの」
つかさ「事件は特に起こらない小説なんだよね」

かがみ「なんか、不思議な気分ね」
ハヤテ「ホントだね」

今回からこれです。


                  × ×


ある日。

「う〜ん」
「お、ひよりん。またネタ詰まりか?」

アニ研部室でひよりんが唸っていると、部長の八坂こうが声をかけてきた。

「いやー。一応ストックはあるんっすけど、何というか、自力で頑張りたいというか」
「ふ〜ん。でもさ、変に拘るより、ストックしてあるネタを使った方がいいんじゃないの?」
「そうなんっすけどね。プライドみたいなものが。「今回こそは」って」

「あっそ。因みにそのネタのストックとやらはどんなのなんだ?」
「これっす」

こうはひよりんのネームを見ると

「な、なんだよこれ。プロが必死で絞り出すような凄いネタじゃん。これでいいじゃん」
「それ、私のアドバイザーの提供っす。頼りっぱなしは良くないので、「今回こそ」って思ってるっす」
「成程な。こりゃあ益々そのアドバイザーに会いたいよ」
「そうっすね。近いうちに」

こうは用事で部室を開け、戻ってくると

「おや?書いてるじゃん」
「まあ、何とかネタが出たので」
「お?ゲームのキャラ使ってるのか。実はさ、そのキャラを愛用してるんだけど、良いコンボ知らない?」

「申し訳ないっすが、そう言うのは分かんないっす」
「なんでさ」
「実の所、「ビジュアルとキャラ設定が好きだから」使用してるっす。ゲームその者はやった事無いっす」
「なんだ」


                    × ×


ある日。

「昨日さ。買い物した時小銭でピッタリ出せると思って出そうと思ったらちょっと足りなかったんだよね」
「あ〜。ありますね。ああいうのって大体1円2円足りなくて結局小銭がどんどんたまっちゃうんですよね」
「だよね、お兄ちゃん。だからさ、私のお財布がこんな風にパンパンになっちゃって」

「でもさ、つかさ。そういう状態って「お金持ちっぽい」ってなるから得じゃない?」
「だ、だよね」
「でも、お財布の留め金とかが壊れやすくはなりますね」

「それはやだな。 あ、でも。ピッタリ出せた時は「今日は良い事あるかも」って思うよね」
「何か幸せな気分になりますよね」
「僕も「小さな幸せ」を感じますよ」

「いや〜。私は「今日の運は使い切った」って思うけどね〜」
「こなちゃんはそう思うんだね」

「ねえハヤテ。私達って本当に何気なさすぎる話題で盛り上がるわよね」
「確かにね」
「ハヤちゃんが元々出てる方からすればあり得ないよね」
「こなた、ややこしいからそう言う話題は出さないでね」


                    × ×


ある日。

「おや?ひよりんどうしました?元気ないですよ」
「ああ、ハヤテ先輩。昨日親戚のおじさんに私が書いた漫画を見られてしまいまして」
「そ、それは気まずいですね」

「まあ、「漫画は面白い」って言われたんですが、キャラの判別は出来ないらしくて」
「そ、そうですか」
「どれだけ落差をつければ分かってもらえるんっすかね。一応はプライドはあるッス」

「まあ、普段漫画を読まないから方すれば、「それは分かるでしょ」ってのも分からない場合もあるので、「万人受け」は相当高い技術が必要ですよ」
「そう、っすよね」

ひよりんが元気を取り戻すと

「おー、ひよりんじゃん」
「あ、部長」
「ん!?どちらさん?」

「紹介するっす。前々から話してた、私のアドバイザーっす」
「(あれ?この人って、ゲーセンでたまに見かけるチビの彼氏か?)」

「初めまして。綾崎ハヤテです。一応、ひよりんのアドバイザーやってます」
「ああ、貴方が噂の。私は八坂こう。ひよりんも在籍しているアニ研部の部長です」
「あの。僕って噂になってるんですか?」

「それはもう。「3年の綾崎先輩は同学年の女子生徒の殆どをおとしてる」って」
「そ、そうですか。まあ、そんな事無いので所詮は噂ですよ。僕も八坂さんの事は聞いてますよ。「頼りになる2年生の先輩」って」

「へえ。 ところで、つかぬ事を伺いますが、「恋人が居る」って噂は本当なんですか?」
「それは本当ですよ。心から愛してる恋人が、ね」
「(成程ね。って事は、その噂の彼女はあのチビと見て間違いはなさそうだな)」

「まあ、こんな時期ですが、お見知りおきを」
「こちらこそ」


                    × ×


ある日の昼食時。

「みゆきさん、今日は酢豚なんだね。また凝ってるね」
「ああ。これは昨日の残りなんですよ」
「そう言えばさ。酢豚とかカレーに、偶にパイナップルとか入ってるよね」

「うん、あるね」
「私さー、ああいう料理に入ってる果物ってあんま好きじゃないんだよね」
「あー、何となく分かるかも」

「私もそのままがいいわね」
「でもさ、ソーメンの蜜柑は好きなんだよね」
「あ、私もー」

「あれは取り合になるわね。家は特にね」
「ねえお兄ちゃん。酢豚のパイナップルって、なんで入ってるの?」
「お肉を柔らかくするためでしょ?」

「かがみ、それは違うんだよ。パイナップルに入ってる「お肉を柔らかくする酵素」は熱に弱いんだ。だから加熱した段階で殆ど働かないんだよ。だから「お肉を柔らかくする目的」でパイナップルを使うんだったら、仕込みの段階で入れないと。後、缶詰のパイナップルじゃ効果は薄いよ」

「じゃあさ、お兄ちゃん。なんで入れるの?」
「酢豚の美味しさは甘酸っぱさなので、パイナップルを入れるのが一番いいので入れるんですよ」
「そうなんだ。流石お兄ちゃんだね」


「そう言えばさ。今度公開が始まる映画の最新作の一作目がテレビでやってたからさ、つい見ちゃったのよね。でさ、キャストが今と比べて若かったのよね」
「まあ、年月には逆らえないよね」
「ハヤちゃんや、ゲームやアニメなら二期、三期があったとしても年を取らないから安心して見られるよ」

「まあね」
「そう言うのは、「イラスト」の特色なのかもしれないわね。年を取る事が悪いわけじゃないけど」
「まあ、迂闊に年齢をあげるとモノによっては猛烈な反響がある事もあるしね」

「だよね。何十年も年を取らなければ、物凄くゆっくりでも年を取るものもあるしね」
「10年くらいかけて作品内の時間を1年経過させるとかね」
「そうなってくると、時間経過があるんだか無いんだか判別は大変だね」

盛り上がるこなたとハヤテを見て、かがみの機嫌が一気に悪くなったのは言うまでもないだろう。


                    × ×


ある日。

「じゃーん。年末ジャンボ宝くじ買ったゼ」
「日下部、また懲りずに」
「良いじゃんかよ。それにさ、今度のはただの籤じゃないゼ。「この売り場で一等が出ました」ってとこで買ったんだってヴぁ」

「でもさ、そう言う籤って、1回高額当選が出ると暫くは当たりが出ない気がしない?」
「なああやの、柊はあたしが嫌いってねえよな?」
「大丈夫よ」

「そう言うジンクスって、大事だったりしますからね」
「おう、柊の彼氏。また柊に会いに来たのか?」
「ええまあ」

「ジンクス、ねえ」
「大事にしてる人って多いみたいだよ。「大きな勝負する朝はかつ丼を食べる」とか「賭け事に行くときは決まった靴しか履かない」もあるし。宝くじも「高額当選が何度も出てる売り場で買う」ってのは有名だね」

「そう言う事だ。柊より柊の彼氏の方が分かってくれるゼ」
「ハヤテ」
「ぼ、僕はジンクスの話をしただけで深い意味は」

「柊、おめえは相変わらずだな」
「私は少しだけ分かるけどね」


                     × ×


ある日。

「うう〜。原稿が終わらない〜。締め切りまで時間無いのに〜」

相変わらずひよりんは頭を抱えていた。

「ひより〜。お客さんよ〜」
「え!?誰〜」

母親が答える前に、ドアがノックされ、入室を許可すると

「ハヤテ先輩」
「お手伝いに来ました。大変そうなので」
「申し訳ないっす。大切な時期なのに」
「息抜きにちょうどいいのでお気になさらず」

暫く2人でやっていたが

「うう〜。ゆーちゃん、急ぎの用事じゃなかったら明日で良い?」
「約束があったんですね」
「この状況じゃ電話でてる余裕はないっす」

また暫くして

「ひより〜、ご飯よ〜」
「ごめん、私今日は要らない」
「食べないんですか?体に悪いと思いますが」

「手伝ってもらってるとはいえ、余裕ないっす。それにお腹が膨れたら眠くなるっす」
「無理は止めてくださいよ」
「ハヤテ先輩は夕食は」
「食べてきました」

また暫くして

「中々捗らない〜。あ〜もう、12月なのに蚊が煩い!!」
「癇癪起こさないでくださいよ。ほら」

ハヤテは殺虫スプレーで蚊を退治した。


「はう〜。なんとかノルマに追いついた」
「ご苦労様です。まだ残ってますが」
「後は自力で出来るっす。ご迷惑おかけしました」

「いえいえ。では、帰りますね」
「お疲れさまっす」


                   × ×


ある日。
みなみちゃんが帰路についていると

「あ!!危ない」

男の子が信号無視の車に轢かれそうになっており、気付いたみなみちゃんは走り出そうとした。が

「あ、あれは」


「全く。乱暴だな」
「え〜ん怖かったよ〜」
「大丈夫?」

「あ、お母さん」
「すみません。危ない所を助けていただいて、何とお礼を言ったらいいか」
「いえいえ。当然のことをしたまでで」

「ほら、泣いてないでお礼言いなさい」
「だっで〜」
「男の子が泣いちゃ駄目ですよ。男だったら強くないと、大好きな人を守れませんから」

「うん、もう泣かない。お母さんを守れるようになりたいもん」
「その意気です。では、僕はこれで」
「あ、あのお礼を」
「お構いなく」


「ハヤテさん」
「みなみさん。見られてたみたいですね」
「かっこよかったです。名も名乗らずに立ち去ったのも」
「僕は当然のことをしただけなので。では」

「かっこ良かったな。ゆたかが好きになったのも、頷ける」


                   × ×


ある日の夜。

「お兄ちゃん、今大丈夫?」
『大丈夫ですよ』
「勉強の息抜きににちょっとね。今日ね、コンビニに私が好きな商品を買いに行った時なんだけど、近くのお店にはなかったのに遠くに行くとあったんだよね。○○店って違いだけなのに」

『それは、売り上げの違いだと思いますよ』
「売り上げ?」
『同じ商品でも、売れる地域と売れない地域があるんです。注文する店員さんが、「この店では売れ行きが良くない」と判断すれば、売ってるお店と売ってないお店が出来るんです』

「そうなんだ。近くのお店でも売ってくれればいいのに」
『お店の人に頼んでみるって手もあると思いますよ。まあ、受け入れてもらえるかは分かりませんが』
「じゃあ、頼んでみるよ。 あ、もう切るね。またお姉ちゃんに怒られちゃう」

今回は、ギリギリセーフだったそうだ。


                    × ×


ある日。

「お、新しいゲーム入荷してるじゃん」

八坂こうがゲーセンに入ると、「新台入荷しました」と言う張り紙が筐体に貼ってあった。

「(ちょっと難しいな。でも、慣れれば)」

苦戦しつつも楽しんでいた。
すると、乱入プレイされ

「くっそー。明らかに不慣れなの分かってるんだから、「接待プレイ」ってやつを心がけろよ」
「あの、先輩。手加減されるのはお嫌いじゃありませんでしたっけ?」

一方的に叩きのめされたことで、翌日の学校で愚痴っていた。
で、その日の放課後

「あのチビ。今に見てろよ」

また練習してると。

「(あのチビじゃん。ん!?友達か?)」

こうが2人の話に聞き耳を立てていると、ゆーちゃんと呼ばれているほうは、明らかな素人だった。

「(仕方ねえ。ここはお姉さんとして、多少の手加減を見せつつ実力の差を見せてやるか)」

しかし

「うう〜。ガチャプレイに翻弄されて負けると、虚しさでやる気起きねえよ」
「た、大変っすね」

やっぱり翌日の学校で愚痴っていた。

「(綾崎先輩は、あんなチビと付き合ってるのか。まあ、優しいと噂の先輩だから、出来るんだろうな)」


                    × ×


ある日の三千院家。

「ん!?お嬢様、どうしました?」
「いやな。蚊が飛んでる気がしてな」
「では、蚊取り線香つけときますね」

「最近は冬でも見かけるよな。刺される訳じゃないが、なんかウザったいよな」
「ですよね。羽音も耳障りですし」
「いなくなったか。やれやれ」

ナギは紅茶を飲もうとしたが

「こいつは〜。よりによってハヤテが淹れてくれたお茶に〜」
「新しいの淹れてきますね」

蚊が入ってしまった紅茶を下げ、新しいのを淹れる為に居間を出て行った。

「こうなったら退治してやる」
「(あらあら♪ナギごときが退治できるとは思いませんがね〜♪)」

「敵将打ち取ったり〜」

ナギが退治しようとした蚊は、マリアさんの飲みかけの紅茶に入ってしまい

「す、すまん。態とじゃないぞ」
「ワカッテマスヨ〜♪」
「(そ、その笑顔が怖い)」


                    × ×


時間を少し戻しクリスマス。
意味はありませんよ。

「何やろな〜。教え子どもはそれぞれで楽しんでるんやろうけど、この差は」

黒井先生は愚痴りながら一人寂しくネトゲしていた。

「つまらんの〜。普段は邪魔な実家からの連絡でもええからこんかの〜」

黒井先生の独り言は段々と声量が上がっていた。

「やれやれ。平静を装いつつ連絡を期待しとる弱い自分に嫌気が差しとるけど、それでも・・ん!?メールや。 え!?綾崎? メアド教えてない筈やけど」

一応は迷惑メールかと警戒しつつ見ると

「黒井先生へ 
 メリークリスマス。知っている人を頼って教えてもらいました。先生にお世話になる時間は残り少なくなってますが、よろしくお願いします。
 残り少ない時間を一生懸命楽しみつつ学んでいきます。
          綾崎ハヤテより」

内容からハヤテ本人からだと理解でき

「綾崎、お前、ホンマにええ奴やな。先生と生徒と言う関係でしかないのにな。 あかん、画面が見えへんわ」


                    × ×


お正月(やっと? ってツッコミは無しで)。

「なあこなた」
「何、お父さん」
「こなたって、今テレビに出てる水蓮寺ルカさんと友達なんだよな?」

「まあ「一応は」ってレベルだよ。相手は超忙しいトップアイドルだよ。電話は勿論メールすら遠慮しちゃうよ。基本的に向こうがしてきたメールに返信するだけ」
「そうか」

泉家はお正月の歌番組(生放送)を見ていて、ルカが登場したことでこの話題になっていた。
ルカが何曲か歌った後

『ここで皆さんにお知らせがあります。今日をもって私、水蓮寺ルカはアイドルを引退します』

「「ええ!?」」

突然の発表に番組の出演者と共にこなた・そうじろう親子は驚いていた。

『驚かせてごめんなさい。でも私、大学へ行きたいの。大学に行って、学業に集中したい。それが引退理由です』
『大学、ですか?しかし、アイドルを続けながらでも』
『ううん。それも考えました。でも、「両立は不可能だ」と結論付けました。だからこそ、引退するんです』

『そうですか。頑張ってくださいね』
『はい。一応志望学科もありますが、内緒にしますね』

「驚いたな。こなた、知ってたか?」
「全然。ハヤちゃんなら知ってたかもしれないけど」
「大学か。若しかしたら、こなたと同じ大学かも知れんぞ」

「まさか」
「何が起こるか分からんのが人生だ。可能性はゼロじゃないさ」


                     × ×


ある日。

「失礼します。ゆーちゃんの様子はどうっすか?」
「今は落ち着いて眠ってますよ」

体調不良で保健室で休んでいたゆーちゃんの元にひよりんとみなみちゃんがお見舞いに来た。

「・・・良かった」
「そうだね」

「そうそう。この機に聞きたい事があるんだけど」
「何っすか?」
「何でしょう?」

「若しかしてなんだけど、小早川さんって、3年生の綾崎ハヤテ君に恋心を抱いてるんじゃないかしら」
「「え!?」」

「この前綾崎君が小早川さんをここへ連れてきてくれた事があったんだけど、その時の小早川さんの様子で「若しかして」って思ったのよね。「恋する乙女」って言うのかしら」

天原先生の推理にひよりんもみなみちゃんも少しの間言葉を失い

「ゆーちゃんが聞いてるかもしれないので、言い辛いっすが」
「それは、事実です。ゆたかはハヤテさんに好意を抱いてます」
「そう。でも、確か綾崎君には「呆れるほどラブラブな恋人がいる」って噂あるけど」

「その噂は事実っすよ。ハヤテ先輩ともその恋人さんとも私達は知り合いっす」
「そうなの。それは」
「でも、ゆたかは「妹として甘えるからそれで良い」って言ってます」

「複雑よね。私としては、恋路を頑張ってほしいんだけど」
「「・・・」」

事情を知っているひよりんとみなみちゃんは返事が出来なかった。


                    × ×


ある日。

「あ、雪だ」
「わぁ〜。積もるといいな〜」
「でもなあ柊妹、こっちではあんま降らんからなあ」

「でも、何となくでワクワクしちゃいますよね」
「まあね。振り過ぎは嫌だけど、適度ならね」
「だよね。でさ、こういう日って小学校の時は次の時間が雪合戦になったりするよね」

「ええ。そうですね」

「ねえねえハヤちゃん。そういう時って一番張り切るのが担任の先生だったりするよね」
「まあね。黒井先生みたいなタイプは「やったるで〜」ってノリでね」

話が終わると、こなたが腕を組んで考え始めた。

「どうしたの、こなちゃん」
「まあ大方「みゆきさんが他に人に雪玉をぶつけてる所を想像できない」って考えてるんだと思いますよ」
「まあね。2人は想像できるの?みゆきさんが嬉々として雪玉をぶつけているところ」

「「で、出来ない」」
「でしょ?」
「まあ、「どうしようか悩んでいたらノリノリの黒井先生にぶつけられた所」は想像できるけど」

「「た、確かに」」


「あ〜。今年のお正月は何もなくてつまらなかったよ」
「当たり前だ」
「僕たち受験生だよ」

「私達も今年は自分の所で初詣した位よ。今年はね」
「そうなんだ。かがみとつかささんは何をお願いしたの?」
「大学の合格よ」

「お兄ちゃん、私は「今年も皆で仲良く過ごせますように」だよ」
「私もそれを願ったよ。でも、かがみは冷たいね〜」
「悪かったな」

「かがみはそれはお願いしなくても叶うって思ったんだね」
「ま、まあね」

ヒソヒソとハヤテとかがみが話していると

「あ、でも。かがみは「今年もハヤちゃんと恋人同士でいられますように」ってお願いしたんじゃない?」
「・・・。回答を拒否するわ」
「私はさっき言ったお願い以外にも「今年もお姉ちゃんとお兄ちゃんが仲良く過ごせますように」ってお願いしたよ」

「「///////////////////////」」

つかさの正直な発言にかがみもハヤテも照れていた。

「あ、そう言えば。正月で思い出したんだけど。水蓮寺さんが引退発表してたね」
「あれは驚いちゃったよ」
「私もつかさも突然すぎて思わず声をあげちゃったもんね」

「ハヤちゃんは聞いてたの?元々はハヤちゃんと友達だから私達は知り合えたし」
「内容は知らなかったよ。「お正月の生の歌番組で重大発表するから見てね」とは聞いてたけど」
「へえ。じゃあ」

「どこの大学で、どこの学部を志望してるかは聞いてないよ。聞かなかったし」
「そっか。どこなんだろうね」
「さあ?」


                  × ×


ある日の昼時。

「あ、ハヤテさん。お姉ちゃんいますか?お弁当届けに来ました」
「おやゆたかさんにみなみさん。こなたでしたら、お弁当を忘れたとかで購買に行ってますよ」
「ただいま〜っと。寒いから肉まん買ってきたよ〜。お、ゆーちゃん達やっほ〜」

「ねえねえかがみ。ほらおっぱい」
「こなた、友達とはいえ男の僕がいるんだから止めなさい」

こなたは買ってきた2つの肉まんを胸に中てて嬉しそうに言っていた。

「私は気にしないよ〜」
「気にしなさい!!」

弁当を届けたゆーちゃん達は教室に戻った。

「ゆーちゃんはさ、「恋愛を抜きにした男女の友情」ってありだと思う?」
「う〜ん。ありなんじゃないかな?お姉ちゃん達とハヤテさんは仲良いよね。かがみさんは友達として仲が良いわけじゃないけど」
「だよね。じゃあさ「男同士」とか「女同士」ってどう思うの?」

ひよりんの質問にゆーちゃんもみなみちゃんを首を傾げるばかりだった。

「パティちゃんや、私はもう駄目なのかな。仲良さそうに見える同性同士を見るとそう見えちゃうって」
「大丈夫ネ。私もそう見えるネ」

因みに、放課後。みなみちゃんは帰りがけに肉まんを買って帰り、散々悩んだ末こなたみたいに「ほらおっぱい」ってのはやらず、匂いを嗅ぎつけてやって来たチェリーにおすそ分けしただけだった。


                    × ×


ある日。

「おーいこなた」
「ん?あ、ごめん。先生とネトゲのバレンタインイベントの話してたんだ」
「そう言えば。去年も同じ様な事言ってたわね」

「まね」
「ところで、黒井先生はこなたみたいに結婚してるんですか?」

かがみが聞くと、明らかに空気が凍り付いた。

「ねえハヤテ、若しかして私地雷踏んじゃったの?」
「若しかしなくてもね」
「あ、あれですよね。ネット内での結婚は」

「かがみ、フォローはドツボにはまるだけだよ」
「せやな。もうえーねん。リアルバーチャル関係なくウチは結婚できへんねん」
「先生話し方結構きついですからね」

「そーか?」
「言いたい事はズバズバ言いますから」
「それはあんたも同じじゃない」

「かがみ、世の中にはロールプレイと言う言葉がだね」
「こなたとそう言う話を真面目にしても疲れるだけだよ」
「せやせや。適当に受け流すのが正解や」
「やれやれ」

「あーあ。ウチにどっかええ話でも転がってへんかな」
「先生はお見合いしないんですか?」
「柊妹、そう言うのはめんどくさくてなあ」

「でしたら、三千院家のSPさんでしたら紹介しましょうか?」
「せやなあ」
「先生と同年代で、独身・彼女無しって方結構いますよ。性格的にも問題なしなのに」

「まあ、考えとくわ」
「そうですか」

黒井先生が職員室へ戻って行ったあと

「バレンタインと言えばさ、かがみは義理とはいえ、ハヤちゃんと家族以外の男性にチョコをあげちゃ駄目だよね」
「何でよ」
「ねえねえハヤちゃん。かがみんが義理とはいえ自分と家族以外の男にチョコあげたらどう思う?」

「ま、まあ。それは凄く嫌かな。気分悪いし」
「も、もう///////////////////////」

若干不機嫌気味になったハヤテにかがみは照れていた。

その日の柊家。

「「ただいま〜」」
「お帰り。あらかがみ、そんなにお菓子買い込んで」
「太ったらあの彼氏君にフラれちゃうんじゃないの?」

からかい気味に言ってきた次姉のまつりに

「そんな事無いわよ。ハヤテはそんな事で私を嫌いにならないわよ」
「あのね。合格祈願のお菓子があったから買ってきたんだよ」

「へ〜。今は色々あるのね」

う○〜ルなどのあれです。

翌日。

「なあ柊。今年のヴぁレンタインどうすんだ?」
「どうって。今年もハヤテにあげるつもりよ。勿論本命のね」
「そっか。今年はあたしも柊の彼氏にやるかな」

「え!?」
「義理だぜ、義理。それ位弁えてるってヴぁ。家族以外の男にチョコやる気持ちを味わってみたいだけだってヴぁ」
「なら、良いけど」

「あやのはどうすんだ?柊の彼氏にチョコやんのか?」
「う〜ん。あげるとしたら「友チョコ」かな。本命チョコをあげる相手は決まってるし」
「そっか」

一方、1年生の教室。

「そう言えば。ゆたかたちのバレンタインはどうするネ?」

パティが聞くと、3人とも少し黙り込み

「私は、ハヤテさんにあげようかな。お世話になってるし」
「私も、あげようと思ってる。チェリーの事でも世話になってるから」
「私もあげるつもりだよ。ハヤテ先輩には散々すぎる位に世話になってるし」

「パティちゃんはどうするの?」
「勿論私もミスターハヤテにあげるネ。日本のバレンタイン楽しみネ」

今年のバレンタイン、少しだけ荒れそうである。

-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた (3月17日更新) ( No.68 )
日時: 2016/03/17 19:59
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

こなた「執事、それは使える者」
みゆき「執事、それは傅く者」
つかさ「執事、それは主の生活全てをサポートするフォーマルな守護者」

こなた「まあ、ここじゃ「何気ない日常」を」
みゆき「ゆる〜く描くだけの」
つかさ「事件は特に起こらない小説なんだよね」

かがみ「なんか、不思議な気分ね」
ハヤテ「ホントだね」


                    × ×


ある日。

「う〜〜ん」
「田村さんどうしたの?」
「イベントに出るから、2月っぽい絵の構図を考えてたんだ」

「2月か。節分かな?」
「あ、そっか。節分もあったね」

適当に相槌を打ったひよりんだったが、

「(素手バレンタイン関連のネタしか出なかった私って、もうすっかりギャルゲー脳なのかな)」

とか思った。

「(節分のネタか)」

真面目に考え始めたが

「鬼は外ー」
「わ〜。ハヤちゃんが怖いー」
「お兄ちゃんから逃げろ〜」

「さ、これで僕達を邪魔する鬼は居なくなったよ。やっと2人きりだね、かがみ」
「ハ、ハヤテ/////////////////////だ、駄目よ/////////////////」
「もう我慢できないんだ」

ってな妄想が浮かんでしまい

「(駄目っす。お世話になってて尊敬する先輩でこんな妄想しちゃ)」

自身の妄想を必死で振り払おうとしたとき

「そう言えば、昨日お姉ちゃんが「節分と接吻って似てると思わない?」って言ってたんだよね」
「言われてみれば、似てるかも」


「僕の豆を食べるかい?」
「もう、ハヤテったら。普通に食べさせてくれればいいでしょ」


「(こんな妄想を浮かぶなんて、私はもう駄目かもしれない)」

ひよりんはまた頭を抱える羽目になった。


                    × ×


ある日。

「「お邪魔しまーす」」
「お、来た来た。昨日さ、面白い動画を見つけたんだよ」

勉強会(一応)の為、かがみとつかさは泉家に来ていた。

「あんたね、受験まで日が無いのよ」
「べ、勉強の合間の息抜きで見つけたんだよ。だ、だからハヤちゃんには言わないで」
「はいはい。で、その動画とらやはどんなのよ」
「これだよ」

こなたは自信満々に見せたが、柊姉妹の反応はイマイチで

「あれえ?なんか不評ですね。すみませんねえ、つまんなくて」
「そ、そうじゃないのよ。あんたが持ち上げるから変に期待値が上がっちゃっただけよ」

翌日。

「お2人さん来たね〜。今日のは間違いないよ〜」
「だから、あんたねえ」
「べ、勉強の合間です。ハヤちゃんには」

「分かったわよ。で?」
「これだよ〜」

見せようとしたが、「著作権侵害の恐れがあるため、削除されました」っと出ていた。

「しょ、しょんな〜。まだ途中だったし、面白いはずなのに〜」
「まあ、世の中こんなものよ」


                     × ×


ある日。

「お?2人で何してるんだ?」
「見れば分かるでしょ。チョコだよ」
「そっか。明日はバレンタインだもんな」

泉家ではゆーちゃんがチョコを作っていた。

「ん!?こなたは作らんのか?」
「私は買うだけ。ゆーちゃんの手伝いだよ」
「ああ、そう。で、ゆーちゃんは誰にあげるんだい?」

「ハヤテさんに。お世話になってるから」
「そっか。頑張りなよ」

一方の柊家。

「へえ。かがみがキッチンに立つなんて珍しいわね」
「あのね、まつり姉さん。私だって料理する事あるわよ」
「へえ。まあ、彼氏君へのチョコ作りだろうけど」

「ま、まあね」
「しっかりしなよ。数えるほどしか会ってないけど、彼氏君みたいなタイプは少しの油断で奪われちゃうから」
「分かってるわよ」

で、当日。

「ハッピーバレンタイン。はい、お兄ちゃん」
「ありがとうございます。去年に引き続き」
「良いの良いの。お礼も兼ねてるんだから」

「ハヤちゃんや。私からもだよ〜」
「ハヤテさん、私からもどうぞ」
「こなたにみゆきさん、ありがとうございます」

「んで、メインイベントだよ〜」
「はい、ハヤテ。私からの「本命の」チョコよ」
「ありがと、かがみ」

因みに、こなた以外は全員手作りである(こなたは市販品)。

「今年も味に拘ったわ。レシピググったり、つかさに教わったり」
「ありがと。やっぱりかがみのが一番だよ」
「良かったね、ハヤちゃん」
「勿論」

ハヤテは嬉しそうに皆からもらったチョコを見ていると

「おう、柊の彼氏」
「こんにちは、綾崎君」
「日下部さんに峰岸さん。何か」

「何かじゃねえよ。ほれ、チョコだ」
「私からもどうぞ」
「え!?いいんですか?」

「言っとくけど、義理だぜ。勘違いはしねえだろうけど、念のためな」
「私のは友チョコよ」
「ありがとうございます。大切に食べさせてもらいます」

「綾崎、お前すげえな」
「白石君。えっと」
「客だよ。4人程な」

ドアの方を見ると、ゆーちゃん達だった。

「私からチョコです。ハヤテさんにはお世話になってるから////////////////////」
「私からもです。チェリーが世話になったので」
「私からもっす。沢山沢山世話になってますから」
「私からもネ。一応義理ね」

「皆さんありがとうございます。お返しは必ずしますから」

ハヤテが受け取って礼を伝えると、それぞれ帰って行った。

「ねえハヤテ」
「か、かがみ」
「一応聞いておくけど、貰って一番嬉しいのは誰なのかしら?」

「そ、そりゃあかがみだよ。皆さんには申し訳ないけど」
「ならいいわ」

やり取りを見ていた3年生たちは分かっていたため、特に何も言ってこなかった。

「にしてもさ、かがみん」
「何よ」
「かがみ以外(ゆーちゃんも)は義理なんだし、チョコ貰ったぐらいで怒んなくても」

「そうだぜ、柊。最近じゃ友チョコみたいな世話になった人にあげんの流行ってんだからさ」
「わ、分かってるわよ。で、でも、嫌なのは変わんないんだもん」
「「ニヤニヤ」」←こなたとみさお。


                      × ×


ある日。

「さっきの授業でさ、黒井先生に「授業聞かんでも余裕ってか?泉ぃ」って鉄拳制裁を受けて言われたんだよね」
「毎度お馴染みってな具合に、ね」
「ま、まあね。でもさ、分からないからこそ、眠くなるってあるよね」

「あんたの場合、いつもの事でしょ」
「でも、逆に楽勝でも眠くなるよね。レベル上げの為に淡々と同じような戦闘ばっかしてる時とかさ」
「そうかもしれませんね。簡単すぎるっていうのも要因に絡んでくるかもしれませんね」

「じゃあさ。難しくても簡単でも眠くなるってどうしたらいいんだろうね」
「それは勉強に対する姿勢の違いでしょ」
「ハヤちゃんはどうなの?ハヤちゃん凄い博識だから、授業でも「知ってる」って場合もあるでしょ?」

「まあ、否定も肯定もしないでおくよ。でも、僕は授業自体が楽しいから、眠くならないよ」
「それ見なさい。こなたもハヤテをほんのちょっとでもいいから見習いなさい」
「チェ〜。それは無理ゲーだよ」


                      × ×


ある日。

「第一回らき☆すたチキチキ「言われたら傷付く言葉」選手権〜」
「あんた、また唐突だな」
「まあまあ。これはさ、誰にどんな事を言われたら傷付くかを考える企画だよ」

「まあ、比較的まともだよね。こなた発案にしては」
「でしょ?例えば、私だったら「キモイから近寄らないで」って皆から言われたらショックかな」
「こなた、少しはブラックジョークっぽいの言おうよ。リアル過ぎ」

「じゃあ、まずかがみ」
「えっと」

ほぼ無茶振りにかがみは真面目に考え

「ハヤテに「別れよう」なんて言われたらショック死しちゃうかも」
「か、かがみ。そんな事言わないから。現在進行形で大好きだから」
「じゃあ、ハヤちゃんはどうなの?」

「え、えっと。皆に「あんたなんか最初から友達じゃない」って言われたら引き籠りになるかな」
「ハヤちゃん、人の事言えないじゃん。まあでも、ハヤちゃんは「大切な友達」だから言わないよ。絶対に」
「私もハヤテさんは「大切なお友達」ですよ。なので泉さん同様絶対に言いません」

「えっと。私はちょっと違うかな」
「つかさ、どういう意味よ」
「今でこそお兄ちゃんは「大切なお友達」だけど、将来的には「本当の意味でのお兄ちゃん」になるから、違うって言ったんだけど」
「「・・・」」

つかさの説明にかがみもハヤテも照れて言葉を失った。

「じゃあさ、つかさはどうなの?言われたら傷付く言葉」
「えっと。色々あるけど、お兄ちゃんに「そんな風に呼ばないで」って冷たく言われたら泣いちゃうかな」
「ハヤちゃんじゃ言わないよ。第一、それならとっくに否定してきてるじゃん」

「そ、そうだよね」
「あ、そだ。ハヤちゃんはさ、かがみに「別れて」って言われたショックじゃないの?」
「かがみはそんな事言わないって分かってるからね。まあ、もし本当に言われたらショック死しちゃうかも」
「も、もう////////////////////」

かがみが照れていると

「お姉ちゃん」
「おー、ゆーちゃんにみなみちゃん。どったの?」
「聞きたい事があって。それより、何の話してたの?」

「言われたら傷付く言葉選手権だよ。みなみちゃんはある?」
「私は、ゆたかに「友達じゃない」って言われたら」
「そ、そんな事言わないよ。みなみちゃんは大切な友達だよ」

「じゃあ、ゆーちゃんは?」
「う〜ん。私は「チビ」って言われたら嫌かな」
「ゆーちゃん、諦めも肝心だよ」

 「げんこつ」ポカ〜ン

「こなた、それは凄く失礼なんじゃない?成長期はまだ終わってないんだし」
「ヌググ。なんか久しぶりな気がする」

ゆーちゃんは照れてます。

みゆきさんに関しては原作参照で。


                    × ×


ある日。

「そう言えばさ。かがみとつかさは前にやってたネトゲはどうしたの?全然見かけないけど」
「えっと。私じゃいろいろ大変だから」
「私は何となく熱が冷めたっていうのかしら。急にやる気が起きなくなったのよ」

「なんだ。先生も心配してたから、そう言う理由なら安心したよ」
「そう言えばさ。そう言うゲームで「有名人や好きなキャラの名前を使ってる人」って見かけるみたいなんだけど」

「まあね。そう言う人もいるのだよ。でも、そう言う人に限って「なりきってない人」が多いんだよね。名付けるんなら徹底しろっていうの」
「うわあ。重度のオタクって怖いわね。そう言うのが「犯罪者予備軍」って言われるのよ」
「何気に否定できないのが、痛いよね」


                     × ×

ある日。

「第31回らき☆すたチキチキ。テキトウなりきり選手ケーン」
「こなた、暇なら勉強すれば?」
「っと言う訳で、みゆきさんかがみをやってみて」
「え!?えっと」

無茶振りされたみゆきさんは無視することなく少し考え

「こなたー。ちょっと消しゴム取ってくんない?」
「(なんだろう。みゆきさんにタメ口聞かれると「馬鹿にされてる感」が拭えない)」

こなたがこんな感想を持っている一方

「同じ台詞でもいう人によって印象が違うんだね」
「む、難しいですね」
「んじゃ気を取り直して、ハヤちゃんはみゆきさんやってよ」

「え!?僕が?」
「良いからいいから」

「えっと。泉さんの発想はユニークなのですが、急に振られると緊張して言葉が出ない物ですね」

ハヤテが真似ると少しの間静まり返り

「ハヤちゃん。ハヤちゃんがみゆきさんやるとリアル過ぎて笑えないよね」
「こなたがやれって言ったんでしょうが!!!」

ハヤテは文句を言っていたが、かがみはこっそり携帯で「ハヤテがみゆきさんの真似をした所」を撮影して、喜んでいた。


                     × ×


ある日。

「ヌググ。またネタが」

ひよりんは相変わらず?悩んでいた。

「う〜ん」

数日前にも同様の悩みでハヤテに相談し、ネタのスットクは貰っていた。
しかし

「ここにきてプライドが邪魔をする。ハヤテ先輩が卒業してしまえば気軽に相談できなくなる。だから。ウ〜ム」

30分ほど考えたが、やっぱりネタが思い浮かばず

「先輩、今回も頼らさせてもらうっす」

結局ハヤテのネタ帳からネタを拝借することにした。


                     × ×


ある日。

「昨日な、ビックリしたんや。メールチェックしとったら、学生時代の友人から「結婚した」ってメールが届いててな」
「へえ。あれ?若しかして」
「その若しかしてや。スパムでな。安心したやら残念やらやで」

「その手のものは有名人だったり知り合いにいそうな名前を使いますからね」
「まあでも、最近のは「誰が引っかかんねん」ってのもあるわな。貴方は大金持ちの跡取りで、遺産2500兆円を相続権があるので下記のメルアドに返信せよみたいな」

「まあ、分かってはいるけど、面白そう。みたいな物もありますけどね」
「せやなあ」
「ハヤちゃん、この手の話題何回か出なかったっけ?」

「泉、細かい事は言いっこなしや」
「そう、ですね」


                     × ×


ある日。

「桜庭先生、卒業アルバムの原稿出来上がりました」
「どれ?」

かがみ達のクラスはアルバムを作っていた。

「色々出揃ってきましたね」
「ああ。こういうのを見ると思うんだが、卒業アルバムは各委員のセンスで大分変わるよな。一生モノだけにな」
「「確かに」」

するとあやのが写真の1枚を見て

「こういうのを見ていると、卒業までのカウントダウンは、確実に進んでるんだなって思っちゃいますよね」
「まあな。長く感じたが、振り返ってみるとあっという間だったよな」

「まあ、大体はそんなもんだな。だがな日下部、学生の間は流れるように過ぎた時間はたとえどんな些細なものであっても、その質は深く、重い。その間に育んだ友情は代えがたい一生の宝になるんだ。だから大事にしろよ」

「なんか、先生に言われると説得力と言うか、重みがありますよね」
「まあな」


                     × ×


ある日。

「はあ」
「どうしたの、こなた。珍しくため息なんかついて」
「ん!?いやね、最近妙に寂しくてさ」

「そうね。私達が卒業するまでもうすぐだもんね」
「いやいや。番組改編で楽しみにしてたアニメが続々と最終回を迎えちゃってさ」
「そっちかよ」

「予想通りとはいえ、「こなたもそう言う事で寂しさを感じるんだな」って思った瞬間を返してほしいよ」
「分かってたんだったら思わなきゃいいじゃん」
「やれやれ」

ハヤテが呆れてると

「おう、柊の彼氏。ナギっちに借りたゲーム、返しといてくんね?」
「あ、はい。 おや?同梱されてた葉書は?」
「ほえ?入ってねーか?」

「無いですけど」
「すまねえな。無くしちまったかもな」
「お嬢様はそういう所に凄い拘る人ですからね。僕から何とか言っておきますよ」

「すまねえな。謝っといてくれ」
「了解しました」

「そう言えばさ、みさきち。何年か前に「飼い切れなくなった凶暴な亀を逃がした」ってニュース話題になってたよね」
「そう言うやそうだな。そう言うのって、最近じゃ聞かねえけど、生態系がどうとかいうよな」
「話題になってる以上責任持ってほしいわよね」

「でもさ、人間に限らず日本の遺伝子って、外国のに比べて弱くね?そう言うの聞いてるとさ」
「まあ、外国って響きがそうさせてるんでしょうけどね」


                     × ×


ある日。

「ふあ〜。皆おはよー」
「つかささん、もうお昼過ぎてますよ」
「あれ?お兄ちゃん来てたんだ」

「来てたんだって、もう僕はこの家の家族の一員になったじゃないですか」
「へ!?」
「寝ぼけてるんですか?僕はかがみと結婚して、両親の勧めでこの家に住むことになったんじゃないですか」

「そ、そうだったね。じゃ、じゃあさ」
「今の僕は柊ハヤテですよ。昼まで寝てるから、寝ぼけちゃうんですよ」
「そ、そうだね」

「ただいまー」
「あ、お姉ちゃんおかえりー」


「って夢だったんだよね」
「夢オチですか」
「作者が割と使う手法だね」

「でさ、夢の最後の方に出てきたお姉ちゃん、お腹が大きかったんだよね。妊娠してるんじゃないかって思うぐらい」
「わ、私が////////////////」
「つかさ、きっとその夢は正夢になると思うよ。ハヤちゃんが名字を変えるか分かんないけど」

「だよね。お兄ちゃん、楽しみにしてるね」
「は、はあ」


                      × ×


ある日。

「ふ〜む」
「あ、桜庭先生」

ひよりんが部室で雑誌を読んでいると、顧問の桜庭先生が来て

「田村もそう言うファッション雑誌見るんだな。てっきり流行には無頓着化と思ってたよ」
「そりゃあまあ、見ますよ。だって」
「だって?」

「自分の漫画のキャラにくらいお洒落させたいじゃないですか」
「お前はどうなんだよ。私が言うのもおかしいかもしれんが、女だろ。一応」
「まあ、見せる人もいませんし。家族以外の身近な男性は尊敬するアドバイザーだけっすから」
「そっか」


                      × ×


ある日。

「高良先輩大学に受かったんだ」
「うん。でも、「自分だけ先に推薦で合格した事」を申し訳なく思ってるみたいだった」
「そ、それはしょうがないんじゃ」
「ハヤテさんが、同じような事言って宥めたって。だから、帰りにお祝い買っていくの」

で、学校終わり

「あらみなみちゃん」
「これ、お祝いのケーキです」
「あら、おばさんの誕生日覚えててくれたのね。ありがと〜」

喜ぶゆかりさんにみなみちゃんは正直に言うべきか悩んだ。

結局正直に話し、翌日に誕生日プレゼントを届けたのだった。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた (3月17日更新) ( No.69 )
日時: 2016/03/17 23:44
名前: ささ

「相変わらず」ハヤテはチョコ貰うね〜。(意味深)
個人的にはハヤテが婿入りして欲しいけどね。柊家娘だけだからかがみが嫁入りしちゃったら柊家断絶の危機になっちゃうから。
なりきりは、ハヤテがみゆきさんやったら面白くないのは当たり前だよ。どうせならハヤテにかがみ(つかささん)やってもらうとか、つかささんにみゆきさんやってもらうとか(かがみは…原作でみたからいいかな)
かがみの携帯にはハヤテのかっこいいところが満載何だろうな〜(かがみ照れない、照れない)
傷つくことは、かがみが「ハヤテとは友達じゃない」っていうのも普通だよね。(友達じゃない、fianseだ…あれ、そこまでまだいっていないか?)それはさておきハヤテ何学校(?)で桃色空間形成しているの?
夢オチねぇ、ハヤテに怒られるのを承知で言えば、「妊娠じゃなくて食べ過ぎで太ったのでは?」
以上です。次も楽しみにしています。

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Re: ハヤ☆すた (4月4日更新) ( No.70 )
日時: 2016/04/04 18:06
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●ささ さん

 感想ありがとうございます♪

 >>「相変わらず」ハヤテはチョコ貰うね〜。(意味深)

 かがみ「・・・」
 ハヤテ「ま、まあそうですね」

 >>個人的にはハヤテが婿入りして欲しいけどね。

 ハヤテ「ま、まあ。その辺はまだわかりませんが///////」
 かがみ「////////////」

 >>柊家娘だけだからかがみが嫁入りしちゃったら柊家断絶の危機になっちゃうから。

 いのり「・・・」
 まつり「・・・」

 つかさ「お、お姉ちゃん2人もいるから大丈夫だと思うけど」

 >>なりきりは、ハヤテがみゆきさんやったら面白くないのは当たり前だよ。どうせならハヤテにかがみ(つかささん)やってもらうとか、つかささんにみゆきさんやってもらうとか(かがみは…原作でみたからいいかな)

 こなた「だよねえ。っと言う訳で」
 かがみ「ここでやる事じゃないでしょ」
 ハヤテ「だよね」

 >>かがみの携帯にはハヤテのかっこいいところが満載何だろうな〜(かがみ照れない、照れない)

 かがみ「そ、そんな事は//////////////////////」
 こなた「事実でしょ〜♪」

 >>傷つくことは、かがみが「ハヤテとは友達じゃない」っていうのも普通だよね。(友達じゃない、fianseだ…あれ、そこまでまだいっていないか?)それはさておきハヤテ何学校(?)で桃色空間形成しているの?

 かがみ「ま、まあそれはそうよね。私からすればハヤテは「彼氏」だし」
 ハヤテ「え、えっと/////////////////////」

 >>夢オチねぇ、ハヤテに怒られるのを承知で言えば、「妊娠じゃなくて食べ過ぎで太ったのでは?」

 ハヤテ「ま、まあ。つかささんの夢ですからねえ。細かい事は」
 つかさ「妊娠だと思うよ。そうじゃないとあの大きさはおかしいし。 ・・・夢なんだけど」

 >>以上です。次も楽しみにしています。

 ありがとうございます。精一杯頑張ります。

 感想ありがとうです〜♪

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Re: ハヤ☆すた (4月4日更新) ( No.71 )
日時: 2016/04/04 18:12
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

こなた「執事、それは仕える者」
みゆき「執事、それは傅く者」
つかさ「執事、それは主の生活全てをサポートするフォーマルな守護者」

こなた「まあ、ここじゃ「何気ない日常」を」
みゆき「ゆる〜く描くだけの」
つかさ「事件は特に起こらない小説なんだよね」

かがみ「なんか、不思議な気分ね」
ハヤテ「ホントだね」


                    × ×


ある日の柊家。
居間でテレビを見ていると

「あれ?かがみ、今の見ないの?」
「あ、ごめん姉さん。見てたの?」

かがみがチャンネルを変えると、次姉・まつりが聞いて来た。

「いや、別に見てないけど。今の「ダイエット特集」だったから、あんたは見ると思ったんだけど」
「見ないし、興味無いわよ」
「ふ〜ん。そう言えば、最近あんたダイエットしてないわね。前まで割としょっちゅうしてたのに」

「最近はお菓子はハヤテが作ってくれる低カロリーのものしか食べないし、何より気を付けてるからね。太らなくなったのよ」
「ふ〜ん」
「な、何よ」
「何でもありませ〜ん」

そして夜。

「ただいま〜」
「「「「「お帰り〜」」」」」

出張に行っていた父・ただおが帰って来た。

「これ、お土産だよ」
「鱒寿司ね」
「これ、食べてみたっかったのよ〜」

盛り上がる面々だったが、かがみは時計を見て

「私は今日は止めておくわ」
「あら、食べないの?」
「明日食べるわよ。私の分は取っておいて」

「かがみお姉ちゃん、どうして」
「この時間に食べるのは良くないからね。太っちゃうかもしれないし」
「成程ね〜。前までのあんただったら気にせず食べてたのに」

次姉・まつりのからかいを特に気にせず

「じゃあ私は勉強してくるわ」
「そうかい。じゃあ、かがみの分は取っておくから、僕たちは先にいただいておくね」
「は〜い」


                    × ×


ある日。

「お?こなたとハヤテ君、ストUやってるのか」
「うん。ハヤちゃんとWで対戦したら昔のをやりたくなってね」
「まあ、本来は今日は勉強を教えるために来たんですが、今は休憩中です」

「そっか。こなたはバイ○ンか。当時M・タイ○ンがかっこよかったんだよな」
「ねえお父さん、誰、それ」
「知らんのか。ハヤテ君は?」

「昔活躍したボクサーですね。こなたが使ってるバイ○ンのモデルになった人ですね」
「流石だな。所でだ、悪いがこなた交代してくれ。ハヤテ君と対戦をだな」
「はいはい」

丁度決着したので、こなたはそうじろうと交代した。

「しかし、初代が発売してもうずいぶん経ってるんだよな」
「ですね」
「でもさ、このころから国際色豊かなのは良いけど、ヨガだから手足が伸びる、アマゾンだから電気ウナギみたいに発電って今じゃ苦情来そうじゃない?偏見だ〜って」

こなたの発言に2人は言葉を失い

「昔のゲームって怖いもの知らずだよね」
「お父さんはこなたの方が怖いもの知らずに思えるがな」
「確かにそうですね。どういう曲解だよって」

因みに、対戦成績は「接待プレイ」を除けばハヤテの全勝です(2人は接待プレイだと気付いてない)。


                     × ×


ある日の柊家。

「ただいま〜」
「お帰りつかさ」

「あ、お兄ちゃんいらっしゃい」
「お邪魔してます」
「見て見て。新しい傘とレインコート買ったんだ」

「へえ。つかささんらしい可愛らしいデザインですね」
「えへへ。でもさ、お兄ちゃん。なんか不思議なんだけど」
「はい?」

「普段だと雨は嫌なのに、こういう時って待ち遠しくなっちゃうよね」
「まあ、新しい道具って使いたくなるわよね」
「だね」

数日して

「雨、中々降らないね、お兄ちゃん」
「そうですね。あ、でも、明日は確か予報通りなら雨ですよ」

で、翌日雨が降り

「おはよ〜、お兄ちゃんにこなちゃん」
「おはよ〜」
「おや?つかささん、新しい傘は」

「えっと。いざ使おうと思ったらなんかもったいなくて」
「まあ、気持ちは分かりますけどね」

「そう言えばさ。つかさってもうすっかりハヤちゃんの事を「お兄ちゃん」って呼ぶよね」
「うん。その方がなんか落ち着くっていうかさ」
「まあ、僕は別に嫌じゃないですけど」

「私はまだ少し違和感があるわね。つかさがハヤテを「お兄ちゃん」って呼ぶことに」
「慣れるしかないのだよ、かがみん」

別の日。休日に雨が降り

「よ〜しっ。今日こそ新しい傘使おう。皆で出かけるからね」
「そうね。 ん!?電話だわ」
「今日は〜♪傘さんの誕生日〜♪っと」
「あのさ、つかさ。こなたが「今日は雨が結構降ってるから延期したい」って言ってるんだけど」

つかさの新しい傘の出番は暫く先になりそうだ。


                    × ×


ある日。

「ん〜っ♪柊の彼氏、おめえは本当に料理がうめえな」
「ありがとうございます」
「正直言うとさ、あやのの料理もうめえんだけどさ、柊の彼氏はそれ以上だゼ」

ハヤテはみさおのおねだりで、かがみの分と共にみさおとあやのの分のお弁当も作って来ていた。

「ホントよね。どうしたらここまでの凄い料理が作れるか知りたいわね」
「まあ、ほぼ毎日料理してますし、「食べてもらう以上は出来るだけ美味しく作りたい」ってのもありますから」
「成程。綾崎君の「優しさと言う名の真心」が最高の調味料なのね。私も見習わないと」

「いやいやあやの。おめえは十分だよ。柊の彼氏が特別過ぎなんだってヴぁ」
「そ、そんな事は」

「なあ柊、おめえは幸せだよな。あと何年かすればこんなすげえうめえ料理を3食毎日食えんだからよ」
「そ、それは//////////////////////////」

「柊、おめえは彼氏に感謝しねえといけねえゼ」
「そりゃあね」

「気になったんだけどさ。柊の彼氏は良く柊とこんな長く交際してられるよな」
「何が言いたいのよ」
「だってさ、柊は」

「みさきち、その先は言わない方が」
「だ、だよな」

ハヤテから発せられる独特な雰囲気にみさおは咳払いをし

「ともかくだ」
「かがみといると楽しいですよ。「自分は今幸せなんだ」って毎日思いますから」
「そっか。まあ、あたしには関係ねえけどさ」

飽きたのか、その後は黙々と弁当を食べた。


                    × ×


ある日。

「お〜柊。どったの〜」
『日下部、受験も目前なのにだらけてるわね』

みさおの声はだらけ全開だった。

「まあ、なるようになるよ。で、なんだよ〜」
『日曜日の勉強会忘れてないわよね?』
「あ〜。それ次の日曜か〜。忘れてはねえよ」

『ならいいわ』
「所でさ、今日何曜だ?」
『あんたねえ。学校行ってるのに曜日の感覚無いのかよ』
「まあな〜」

一方同時刻。

「お〜ハヤちゃんか〜」
『こなた、受験がだね』
「はいはいっと。で?」

『で?じゃないよ。勉強会をさ」
「覚えるよ〜。明後日の日曜でしょ?ナギちゃんを講師にお願いしてさ」
『こなたはちゃんと曜日分かってるんだね』

「まあね〜。ネトゲだと曜日出るし」
『こなたらしいね。まあいいけどさ』

似た者どうしても理由はどうあれ違う物である。


                     × ×


ある日。

こなたはいつも通りネトゲをしていたすると電話が鳴り

「どったの〜ハヤちゃん」
『一応聞いておくけどさ、今日でた宿題やった?』
「あ、忘れてた」

『やれやれ。お嬢様がネトゲしてたらこなたを見かけたから「今日陵桜は宿題無いのか?」って聞いて来たから、若しかしてって思って聞いたら』
「いや〜めんごめんご。今からやるよ」

『分かんないとこは教えるから、ちゃんとしなよ』
「あいよ〜」

しかし、ネトゲが気になり、イマイチ集中出来ずハヤテに怒られる羽目になったそうだ。


                     × ×


ある日の昼時。

「ねえかがみ、ここ最近ずっと思うんだけどさ」
「何よ、こなた」
「かがみが料理作ってハヤちゃんに食べさしたら、ハヤちゃん卒倒しちゃうのかな?」

「あんたねえ失礼な事言うな」
「そうだよ。まあ、今回は鉄拳制裁は許すけど」
「まあ、実際なったら面白いだろうけどさ」

「こなた」
「ひい、ごめんなさい」

「でもさ、どうしてそう言うキャラって味見しないのかしら?私だったら彼氏に食べてもらう以上「美味しく作りたい」って思うんだけど」
「かがみ、萌えに現実は求めるべきではないのだよ」

「あ、でも。作者さんが好きな漫画にも「壊滅的に料理下手」っているんだよね。まあ、その人は「味見はするが自分も気絶し、気絶中に「美味しく出来た夢」を見るから下手な自覚は無い」ってあるけど」
「ああ、あれだね。サ○デーで連載してた」

「まあ、実際にそんな人はいないし。第一、かがみは料理上手だよ。バレンタインのチョコ凄く美味しいし」
「さいですか。 惚気話はリアルでされるとつまんないよ」
「わるうござんしたね」


                       × ×


ある日。

「ふ〜っ」
「あの、黒井先生」
「おお綾崎。なんや?」

「顔色が良くないので心配して声をかけたのですが」
「おお、サンキューな。ここ数日体がだるいんや。まあ、風邪やと思うけどさ」
「病院で診てもらった方がいいのでは?」
「そうなんやけどな。来週健康診断があるからそん時でええかなって」

「先生、本格的に発症する前に診てもらった方がいいと思いますよ。何でしたら三千院家かかりつけの腕のいいお医者さん紹介しましょうか?お嬢様に頼めば診察代出してくれると思いますし」

「そうやな。まあ、やっぱ来週でええわ」
「気をつけてくださいね」


                     × ×


ある日。

「おう柊。何やってんだ?」
「先生に頼まれてポスター貼ってるのよ」
「そっか」

するとみさおはかがみが使おうと置いてあった画鋲(学校で見かけるような平たいやつではなく、持つところが球体になってるの)を見て

「日下部、「独楽みたいに回して遊びたい」って思ったでしょ?」
「ソ、ソンナワケナイジャナイデスカ〜」
「全く。あんたは本当に分かり易いわね」

「ふ〜んだ。別にいいだろ〜」

するとみさおはかがみが目を離したすきに画びょうを一つ手に取り

「(遊んじゃお〜)」

針の方をもって回そうとしたが

「何やってるんですか?」
「おわあああ。なんだ、柊の彼氏か」
「まあ大方その画鋲を独楽代わりにして遊ぼうとしたってところでしょうね」

「ナ、ナンノコトカナ〜」
「かがみに怒られますよ。そう言うのは「回して遊ぶこと」を想定してないので、予想外の軌道を取ると思いますし」
「まあいいじゃねえか。1回だけだってヴぁ」

みさおは遊ぼうとしたが

「ナハハ。どっか飛んでちまった」
「何やってるんですか」
「へえ。日下部、ちょ〜っといいかしら?」

結局怒られた。


                     × ×


ある日の放課後。
こなた達5人は自習室に残って勉強会をしていた。

「そう言えばさ、みゆきさん」
「はい?」
「前にさ、私が「ハヤちゃんにかがみが居なければ恋人にしたかもしれないし、ハヤちゃんの子供なら産んでもいい」って話したでしょ?」

「ええ、しましたね」
「みゆきさんは実際の所どう思ってるの? ハヤちゃんがフリーと言う仮定の上で、「ハヤちゃんの恋人になる事。ハヤちゃんの子供を産むこと」について」

こなたはかがみの機嫌が悪くなっている事に気付きはしたが、敢えて無視した。

「そうですね。泉さんの言う「恋人になる事」についてはあまり分かりませんが、ハヤテさんでしたら恋人として過ごす日々はきっと楽しんでしょうね。そして将来的に私がハヤテさんとの子供産むことに関しては、ハヤテさんでしたらできますね」

「み、みゆき!?」
「ですが、ハヤテさんにはかがみさんがいますし、今の所ハヤテさんを「大切なお友達」と言う関係以外では見れませんね。ハヤテさんとかがみさんが破局することは「絶対」ありえない事だと思いますから」

みゆきさんが答えると、こなたは聞いたくせにつまらなさそうに相槌を打ち

「つかさは?同じ仮定の上でさ」
「私もゆきちゃんと同じで、お兄ちゃんだったら「恋人。そして子供を産む事」は出来るよ。でも、お兄ちゃんとお姉ちゃんが別れるなんてありえない事だと思うよ。私が東大に合格する位」
「そっか」


                      × ×


ある日。

ハヤテとひよりんは自習室にいた(ハヤテは勉強、ひよりんは漫画描き)。

「(あ、失敗した)」

するとひよりんが机の上で何かし出したので

「な、何やってるんですか?」
「あ、いえ。パソコンの癖が。文明の利器に侵されてますね。素でやってましたし」
「注意した方がいいですよ。何かしらの弊害が出るかもしれないので」
「気を付けるっす」


                    × ×


ある日の夜。

「あ、もしもしお兄ちゃん?今大丈夫?」
『ええ、大丈夫ですよ』
「実はさ、お願いがあるんだ」

『なんでしょう?』
「明日の朝6時にモーニングコールしてほしいんだ。大事なようがあってさ」
『了解しました。では、朝6時に電話しますね』

「お願いね。お兄ちゃんのモーニングコールだとなんでか直ぐに起きられるから」

電話を切ると、直ぐに寝床に入ったが

「うう〜。起こしてもらえるって安心したら寝付けないよ〜」

寝不足だと支障が出るので何とか寝ようとしたが

「寝ないと〜。寝ないと〜」

羊を数えるように言い聞かせたが、寝付けず

「はわっ。 もしもし?」
『おはようございます。6時になりましたよ』
「もうそんな時間〜!?」

結局一睡もできなかったつかさであった。


                     × ×


ある日。

「あう〜。また宝くじが外れちまったゼ」
「またあんたは懲りないわね」
「残念でしたね。あ、お嬢様は10万円当たったって言ってましたが」

「ナギっちはすげえよな。あたしにも景気のいい話はねえもんかね」
「そんなうまく行かないわよ」
「でもさ、せめて日本1周出来るだけの金額が当たればな」

「日下部さんは旅行が目的だったんですか?」
「いんや違えよ。柊の彼氏も考えた事あんだろ?日本国民全員から1円ずつ貰えば結構な金額になんじゃねって子供の頃から思っててさ」

「まあ、幼稚園入った位の時は思いましたが」
「だろ?」
「あんたの場合は子供の頃から成長してないだろうが」

「まあ、それが日下部さんの良さみたいなもんだけどね」
「お、柊の彼氏の方があたしの事理解してくれてんな」
「分かり易いだけですよ」


                       × ×


ある日。

「昨日なんだけどね、ついコタツで居眠りしちゃった時なんだけど」
「気持ちは分からなくはないですが、良くないですよ」
「うん。お母さんやお姉ちゃん達にも言われたんだ。でさ、何とか起きて部屋に行こうとしたら皆で寝てたんだよね」

「なんか、ほほえましいような。まあ、こたつには魔力があるとも聞きますからね」
「そうだよね。良くないって分かっててもつい寝ちゃうよね」

「ハヤテ、何楽しそうに話してるのかしら?」
「か、かがみ」
「お、お姉ちゃん落ち着いて」


                    × ×


ある日。

「わ〜。もうこんな時間だ」

つかさが起きると、起きようと思っていた時間を過ぎていた。

「まつりお姉ちゃん、起こしてってお願いしたのに〜」
「起こしたわよ。つかさだって返事したでしょ」
「え!?そうなの?ゴメンね、ともかく行ってきます」
「行ってらっしゃい」

つかさを見送った後

「(ごめんよ我が妹よ。本当は起こすのを忘れてたんだが、普段起きないから良いよね)」

こう思っていたそうだ。

で、

「ってな事があってさ」
「姉さん、つかさが可哀想じゃない」
「悪いとは思ってるし、反省もしてるんだよ。だから今日は断ったし」

「ああ、そう」
「だからあんたの彼氏君に頼んだみたいよ。彼氏君は絶対に忘れないし」
「・・・へえ」

明らかにかがみの機嫌が悪くなり、まつりは「地雷踏んだか」っと思った。


                    × ×


ある日。

「そう言えば、ひかる先生は今年のバレンタイン誰かにあげたんっすか?」

アニ研部の部室で八坂こうが顧問の桜庭先生に聞いていた。

「ふゆきに貰ったよ。後はいつも通りだ」
「あ、いえ。あげたかどうかを聞いたんですが」
「あげてないよ。あげる相手もいないし」

「ああ、そっすか」
「そう言う八坂はどうなんだよ」
「あげてません。すみませんでした」

「似た者同士じゃないか」
「あ、でも。ひよりんはあげたみたいですよ。自分のアドバイザーに」
「そっか。でも、青春とは言えないがな」

「ん!?何の話っすか?」
「「別に」」
「???」


                    × ×


ある日。

「失礼します。あの、気分が優れないので休ませてもらいたいのですが」

ゆーちゃんが保健室に来ると先生はいなかった。

「天原先生もこんな本読むんだ」

ゆーちゃんが机の上に置いてあった「グリム童話」を読もうとすると

「失礼します」
「あ、ハヤテさん。あれ?顔色良くないですよ」
「ええ。ちょっとクラクラしてて」

「大丈夫ですか?」
「休ませてもらおうと来たんですが、先生いないみたいですね」
「ええ。あ、先生もこんな本を読んでるみたいですよ」

ゆーちゃんが指さしたグリム童話を見てハヤテは

「あの、中身見ました?」
「まだですけど」
「じゃあやめておいた方がいいですよ。「原作」と呼ばれる童話は割と残酷な描写もあるので、綺麗なイメージが壊されちゃいますから」

事実です(ググった)。

「あら?2人揃ってどうしましたか?」
「あ、先生」
「綾崎君も小早川さんも顔色が良くないですね。大丈夫ですか?」

「いえ、あんまり。休ませてもらえるとありがたいのですが」
「幸いベッドは2つ開いてますから、休んでください」

ハヤテとゆーちゃんはベッド(もちろん別)に入ると、直ぐに寝入った。

一方。

「綾崎。ん?綾崎おらんのかいな」
「あの、先生」
「何や柊」

「お兄ちゃん、じゃなくて、ハ〜君「体調が優れないから保健室で休む」って伝えてほしいって」
「珍しいな。あの綾崎が。じゃあ、休みやな」

出席を取り終わり

「ところでや、柊」
「あ、はい」
「なんで綾崎を「お兄ちゃん」って表現したんや?」

「べ、別に深い意味は」
「興味あるな〜。聞かせてもらうで」

結局質問攻めにあった。

そして放課後。

「失礼します」
「あ、黒井先生。どうかされましたか?」
「綾崎がここにおるって聞いて、様子見に来たんですわ」

黒井先生は保健室に来ていた。

「ぐっすり寝てますよ。さっきも様子を見に来た人が居て、まだいますよ」
「成程なあ」

黒井先生がカーテンを開けると

「やっぱ柊か」
「あ、黒井先生」
「彼氏の心配か?青春やな」

「は、はあ」
「で、どうなんや?綾崎は」
「顔色はだいぶ良くなったみたいですよ」

「そっか。なら安心やな」
「ハヤテは無理する事もあるので、それが祟ったみたいです」
「さよか。それにしても、寝顔は可愛いもんやな」

「ですね。ハヤテの寝顔は何回か見てますけど、見るたびに思いますから」
「へえ。柊は綾崎と寝た事あるんかいな」
「ま、まあ何回か」

「そっか。ま、後は任せても平気そうやな」

そう言うと、黒井先生は出て行った。

「全く。無理するからよ」

かがみはハヤテが起きるまで傍にいた。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回はおそらく短いです。

では。
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Re: ハヤ☆すた (4月9日更新) ( No.72 )
日時: 2016/04/09 17:12
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

こなた「執事、それは仕える者」
みゆき「執事、それは傅く者」
つかさ「執事、それは主の生活全てをサポートするフォーマルな守護者」

こなた「まあ、ここじゃ「何気ない日常」を」
みゆき「ゆる〜く描くだけの」
つかさ「事件は特に起こらない小説なんだよね」

かがみ「なんか、不思議な気分ね」
ハヤテ「ホントだね」


                    × ×


ある日の昼時。

「そう言えばさ。昨日、ハヤちゃん午後の授業休んで保健室で寝てたみたいだけど、もう大丈夫なの?」
「うん、おかげさまでね」
「全く。心配かけないでよね」

「ヌッフッフ〜。旦那だから心配って?」
「そうよ。・・・って、恋人だからよ!!////////////////////」

「でもさ、珍しいよね。ハヤちゃん体力あるのに」
「それに、お兄ちゃんの今の生活リズムは昔からって」
「最近忙しくて。受験まで佳境だし、勉強も仕事もあったし。まあ、一番はこれかな」

そう言うと、ハヤテは制服の内ポケットから何かを取り出した。

「へえ。ハヤちゃん免許取ったんだ」
「普通自動車免許みたいですね、これ」

「勉強や仕事と並行して教習所に通ってたんだ。元々二輪の免許は持ってたから、割と早く取れたんだよね。まあ、お嬢様のおかげもあるんだけどね」
「ナギちゃんの?どう言う事」

「三千院家の敷地内に練習所を作ってくれたんだよ。隣に二種免許を持ってるSPさんに乗ってもらってね。だから毎日練習出来てね。あ、法律上は平気だよ。一応調べたし」

「成程ね。練習疲れや勉強疲れが蓄積した結果なのね。全くハヤテは休むことを覚えた方がいいわよ」
「み、耳が痛いよ」
「まあでも、これでハヤちゃんに運転手お願い出来るね」

「そうだね。僕が本免許取って以来お嬢様は僕に運転させたがるんだよね。乗り心地がいいらしくてさ」
「へえ。機会があったら乗せてよ」
「了解」


                     × ×


ある日。

「今年は凄いみたいですね」
「あ、お兄ちゃんにゆきちゃんおはよ〜」
「つかささんは大丈夫ですか?花粉症」

みゆきさんが何気なく聞くと、つかさは大げさ目に反応し

「はう〜。忘れてたのに思い出しちゃった。うう〜目が痒くなってきた」
「いやいや。忘れてたからって平気なわけは」
「ああ、こなた。おはよ」

「でもさ、こなちゃん。こういうのって意識したりした途端そうなる気がしない?」
「あ〜〜」
「そうですね。何時の間にかしてた怪我も「あ、血出てる」っと認識した途端痛み出すってありますし」

「だよね〜。「繊細過ぎる攻撃」って言うの?」
「またパロディを。まあ、僕もそれを少し考えたけどさ」


                     × ×


ある日。

「な、何やってるんですか?」
「おお、柊の彼氏。いやね、プリンをこうやってプチッと皿に出すと美味そうに見えるな〜って」

実際、みさおは小さい子がやるようなお皿の上のプリンをプルプルと揺らして嬉しそうだった。

「おめえ博識なんだし、知ってんだろ?こうすると美味そうに見える理由」
「まあ、個人的な推論ですが、パッケージなどのプリンはカラメルが上になってますし、「プリンのイメージ」って聞くと大体の人がお皿に乗っている状態を思い浮かべるので、美味しそうに見えるんだと思いますよ」

「成程な。説得力抜群だゼ」

みさおがプリンを食べ終わる頃合いにかがみが

「もう本格的な受験シーズンなのよね」
「だね。本番じゃなくても緊張したり胃が痛みだすよね」
「眠れなくなる日も出てきそうよね」

「そう言えばさ、柊の彼氏。この前のテストで気になって考えてたとこがあったんだけどさ」
「そう言うのって、へたに時間かけるより飛ばした方がいいんじゃないの?」
「そうなんだけんどね、英語の例文で中国人がどうたらってあったじゃん?」

「ああ、ありましたね」
「何で漫画の中国人は「〜アル」って喋んだ?」
「テスト中に考える事か?私も気にはなるけどさ」

「それはですね。諸説ありますが、昔華僑の人達が商売の為に速習で使ってた日本が由来だとか、戦前満州国で使われていた「協和語」の名残だとか、中国語で「ある・居る」などの存在を意味する「有(ヨウ)」と言うのがあるんですね、この漢字は日本語じゃ「ある」と読むので、中国人が日本語を勉強する際にそれがあるので「〜アルよ」になってしまうからではないかっと、様々な説があり、「これで合ってる」っという明確な答えは無いんですよね」

ハヤテが解説すると、かがみ・みさお・あやのは感心し

「流石ね」
「柊の彼氏は相変わらず博識だな」

みさおが褒めると、

「ねえ日下部、ちょっといいかしら」
「なんだ、柊」
「何でハヤテを「柊の彼氏」なんて呼んでるのよ。気になってたんだけどさ」

「なんだよ。事実なんだしいいじゃねえか」
「そうだけどさ。ってまさか、フルネームが」
「綾崎ハヤテだろ?分かってて呼んでんだよ。あたし的にはその方がしっくりくんの」

「まあ、ハヤテが嫌がってない以上は良いんだけどさ」
「だろ?」


                    × ×


ある日。

「昨日お姉ちゃんとおじさんとテレビを見てた時なんですけど」
「はいはい」
「クイズでブルマに関して出たんです」

「ああ、あの番組ですね」
「答えを聞いたらおじさんとお姉ちゃんが落ち込んじゃったんですけど、なんでかよくわからなくて」

ゆーちゃんは自習室にいたハヤテに聞きに来ていた。

「う〜ん。まあ、オタクならではの「間違った方向」の答えが真っ先に思い浮かんだからですよ」
「え!?それってどんな答えなんですか?」

純粋に知識を得ようとするゆーちゃんにハヤテは悩みつつ

「フェチズムって言うんですかね。まあ、一般受けはしにくいが、そう言うのが大好きって人もいるので、そう覚えれば正解ですよ」
「へ〜。ブルマを穿くのが好きな女の人もいるんですね」
「え、ええまあ」

間違いはあるものの、ゆがんだ回答に至らなくて安心したハヤテであった。


                    × ×


ある日。

「またえらくストレートな本を読んでるね、こなたは」
「ん〜?ハヤちゃん勉強中じゃ」

ハヤテが自習室で勉強していると、こなたが来て本を読み始めたので、話しかけたのである。

「でもさ、オタクが主役の本って増えたよね。昔に比べて」
「まあね」
「でさ、こういうのって、オタクの主人公と完全一般人が友達だったりするけど、リアルじゃこんなの中々ないよね」

こなたが言うと、ハヤテは複雑な表情をし

「ねえこなた、それは君に当てはまるんだよってツッコミ待ち?つかささんやみゆきさんは「完全一般人」じゃん。オタクのこなたと友達でしょ」
「まあねえん」

「って、自習室に来たんだったら勉強しなさい!!!受験日までカウントダウンは残り少ないんだから!!」
「あ〜。まだ途中なのに〜」

ハヤテに本を没収され、勉強する羽目になったこなたであった。


                     × ×


ある日。

「やほ〜っ。こなた〜、遊びに来たよ〜」
「あ、姉さん居らっしゃい」

「あのさ、こなた。ネトゲしてて良いの?大学の受験日まで時間無いんでしょ?」
「そ、それは」
「ハヤっちに電話しちゃうよ〜。こなたが勉強もせずに遊んでま〜すって」

「か、勘弁して」
「まあ、休憩も必要だけどね〜」
「でしょ?でさ、「か弱い年下のキャラ」もいいけど、「お姉さんキャラ」もいいもんですよね〜」

「でもさ、こなた。やってる人からすれば、そのキャラは年下って事が多いんじゃ」
「姉さん、我々の心はいつでも少年少女なのだよ」
「ヘイヘイ」

「でもさ、姉さんが言うようなことも、偶に思う事もあるだけどね」
「へえ」
「やってた頃は年上だったのに、気付いたら同い年になって不思議に感じたり、憧れのキャラより年上になって複雑な気分になったり。そうすると、「リアルの私は何をやってんだ」って複雑な気分に」

「まあ、気持ちは分からんでもないけど、勉強しよ。ハヤっちに電話しちゃうよ」
「ヘ〜イ」


                      × ×


ある日。

「お、柊の妹じゃん。どったん?」
「あ、日下部さん、お姉ちゃんは?」
「柊なら彼氏とどっか行ったぞ」

「あ、そうなんですか。お姉ちゃんに世界史の教科書借りようと思ったのに」
「なんだ忘れたのか。あたしのでよければ貸すゼ?」
「あ、ありがとうございます」

「姉の方とは違っておっちょこちょいなんだな〜っと。 ん!?」
「どうしたの、みさちゃん」
「わりいけど、あやのの貸してやってくんね?

「みさちゃんも忘れたのね。はいどうぞ」
「お借りします」

借りて行ったつかさを見て

「あたしはどっすかな。柊の彼氏にでも借りっかな」
「柊ちゃんに怒られるんじゃない?内緒で借りないと」
「だな」


放課後

「そう言えばさ。こなたも自由登校になってもずっと来てるわよね」
「まあねん。幾ら私でもずっとネトゲとかする訳じゃないんだよ」
「へえ」

「あのさ、かがみ。感心するのは時間の無駄だと思うけど」
「そうそう。一応大学受けるから、形だけでもね。私1人じゃどう勉強したらいいか分かんないし」
「そうですか」

「まあでも、皆も来てるんだからってのもあるよ」
「取って付けたみたいに言っても説得力がねえ」
「ホントだってば〜」

「まあ、理由はどうあれちゃんと来てることは評価するよ」
「あんがと」


帰宅後。かがみがお守り等を売っている所に顔を出すと

「あ、ゆたかちゃん」
「かがみ先輩こんにちは」
「なんだ、かがみの知り合いなの」

応対していた長姉・いのりが感想を漏らした。

「今日はどうしたの?」
「お姉ちゃんの受験が直ぐそこまで来てるので、お守りを買いに来たんです」
「そっか。偉いわね」

「えへへ」


で、夜。

「ゆーちゃんがお守りくれたんだけどさ、間違えたのか「健康祈願」だったんだよね。「学業成就」じゃなくてさ」
『ああ』

こなたの言葉で、かがみはゆーちゃんがお守りを買いに来た時を思い返していた。

「じゃあお守りは学業成就でいいのかな?」
「あ、いえ。無病息災みたいなのあります?」
「え!?あるけど」

「お姉ちゃん、肝心な時に体調崩すこともあるので。お姉ちゃんならやる時は凄いんで、当日元気なら大丈夫なんです」
「そう」

こう言う事があったので

『こなた、あんたも受験頑張りなさいよ』
「え!?うん」


                     × ×


ある日。

「「はあっ」」

朝からため息をついているのは、かがみとつかさである。
なぜなら、今日が第一志望の大学の受験日だからだ。

「2人とも、食欲ないのは分かるけど、朝ご飯食べちゃいなさい」
「そうだよ。お腹空いてると頭働かないよ」
「「分かってるんだけど」」

溜息の連続と、ミルクや水で朝食を流し込む娘2人を見て、両親ともにため息をついた。

「あら?お客さんね」

「かがみ、つかさ。お父さんにも経験あるから分かるけど、リラックスしなきゃ」
「「は〜い」」

客の応対をしていた母・みきが戻って来て

「かがみ、お迎えよ」
「え!?私に?」
「綾崎君よ。受験するところは一緒なんだから迎えに来たって」

「分かったわ。すぐ行く」
「あ、つかさにもお迎えよ」
「え!?お兄ちゃんと私じゃ違うんじゃ」

「玄関行けば分かるわ」

急いで朝食を済ませ、歯磨き等を終えて出ると

「やあ、待ってたよ」

母・みきの言っていた意味をすぐに理解した。
黒塗りの車2台が待ち構えていて、それぞれに三千院家SPと思わしき人が立って待っていた。

「かがみは僕と一緒。つかささんは後ろですよ」

2人が近付くと、SPらしき人は深々と頭を下げ

「柊かがみ様ですね?私、三千院家SPのこういうものです」
「柊つかさ様ですね?私、三千院家SPのこういうものです」

柊姉妹は名刺を受け取り、それぞれ車に乗り込んだ。

各車SPの合図で発車し

「流石ナギちゃんね。まさか迎えに来てくれるなんて」
「お嬢様が言ってたんだ。「公共交通機関じゃ何があるか分からん。ウチの車を使え。受験校には話をつけておいた」って」

「受験が終わったらちゃんとお礼言わないとね」

一方のつかさ車

「ありがとうございます。態々」
「いえいえ。お嬢様の命令もありましたから。安全確実に受験会場までお届けいたします」
「ナギちゃんにお礼言わないと。 大変ですね」

「そんな事ありませんよ。 まあ「3人に何かあった時は覚悟しろ。徹底的にでっち上げて死刑にしてやるからな!!!」って脅されてますが」
「あ、あはは」

何事も無く、余裕をもってそれぞれの試験会場に着き

「行ってらっしゃいませ。私は駐車場で待機してますので」
「「行ってきます」」

ハヤテとかがみ、そしてつかさは心臓の音が煩く聞こえるほど大緊張したが、試験自体は落ち着きを持って挑め


「「ただいま」」
「「お帰り」」

「どうだったんだい?試験は」
「出来る限りの事はしたわ。結果は分かんないけどね」
「私も出来る限りは。自信は全然ないけど」


「ただいま戻りました」
「お帰り。どうだったのだ?」
「分かりません。取り敢えずは全問解いて、何度も見返しましたが」

「ハヤテなら大丈夫なのだ。自信持て!!」
「は、はあ」

その後、第二、第三志望校も受験し、それぞれ結果待ちとなった。


一応補足しますが、こなたの元にも三千院家の迎えが行きました。


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以上です。

次回、ついに最終回!!

では。
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Re: ハヤ☆すた (4月13日更新) 完結 ( No.73 )
日時: 2016/04/13 20:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回で最終回です。

どうぞ。
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こなた「執事、それは仕える者」
みゆき「執事、それは傅く者」
つかさ「執事、それは主の生活全てをサポートするフォーマルな守護者」

こなた「まあ、ここじゃ「何気ない日常」を」
みゆき「ゆる〜く描くだけの」
つかさ「事件は特に起こらない小説なんだよね」

かがみ「なんか、不思議な気分ね」
ハヤテ「ホントだね」


                   × ×


「「うう〜っ」」

ある日の朝。こんな風にお腹を摩りながら起きてきたのは柊姉妹である。

「今日だったね。2人の受験校の合格発表は」
「ええそうよ。だから」
「昨日の夜から胃が痛いんだよね」

「「はあ〜っ」」

「2人とも、朝ご飯は?」
「要らない。流石に全く食欲が無いわ」
「私もいいかな。食べられそうにないし」

「そう。 あら?お客さんね」

「2人なら大丈夫だよ。自信持って行くといいさ」

慰めたが、娘2人の反応は皆無だった。

「2人とも、お迎えよ。受験日と一緒でね」
「「は〜い」」

かがみとつかさはミルクを1杯だけ飲むと、支度をすぐに済ませて出かけた。

「かがみ、元気ないね」
「ハヤテだって人の事言えないでしょ」
「あ、あはは」

目的地へ向かう最中の車内で、緊張を誤魔化すかのように話していた。

「昨晩からずっと胃が痛いのよね。試験は終わってて、結果を聞くだけなのに」
「僕もだよ。お嬢様に「今日は仕事しなくていい。その代わり、明日は今日の分も働いてもらうからな」って昨日昼位に言われてね」

「なんか、流石ね」
「まあね。まあでも、たとえ不合格でも、かがみと一緒ならそれでもいいかなって思うのも本音だけど」
「も、もう/////////////////////それは私もよ////////////////////////////////」

一方のつかさ車は気を使ったSPが僅かでもいいから緊張を解そうと、話しかけていた。

特に何事も無くかがみとハヤテは第一志望だった法学部に着き、合格者が張り出されている掲示板の前に立った。
勿論他の受験者で混雑していたが、ハヤテの万能スキルで割とすぐに辿り着けた。

2人は呼吸すら忘れて自身の受験番号を探した。

「あっ!!!有ったよ!!!!!僕は合格だ!!」
「・・・」
「か、かがみ?」

無反応の恋人を心配し、見ると泣いていた。

「ま、まさか」
「ううん。私の番号もあったわ。私も合格よ」
「良かった。じゃあ若しかして」

「うん。嬉しさと緊張が解けたからついね」
「気持ち分かるよ」

ハヤテは最愛の彼女に笑みを向け

「これで大学でも一緒だね」
「うん。うん!!」
「これからも、よろしくね」
「当然よ」

しばし、周囲を気にせず甘い雰囲気を出していると

タッタッタ

「ハヤテく〜ん」ガバッ
「うわああ。な、何!?  ル、ルカさん!?」

突然後ろから抱き付かれ、驚いてみると、ルカだった。

「えへへ〜。やっぱり会えた〜♪ハヤテく〜ん♪」ギュウ
「水蓮寺さん?何をしてるのかしら?」
「なんだ。柊さんいたんだ」

「そりゃいるわよ。で、なんでここに居るのかしら?」
「簡単だよ。私もここの法学部を受験したからだよ。今日が合格発表だから見に来たの」
「へえ」

かがみの機嫌は明らかに悪く、

「あの、ルカさん。離れてもらえませんか?」
「い〜や〜だ〜♪」
「離れろと言ってるのよ」

「嫌だって言ってるでしょ」
「離れなさい!!!ハヤテは私の彼氏よ!!」
「だったら、私の彼氏でもあるよ。恋人に抱き付くのに何の問題も無いよ」

「勝手な事言わないで!!!水蓮寺さんはハヤテの彼女じゃないでしょ!!」
「だったら、柊さんだってハヤテ君彼女じゃないじゃない」
「な、何よそれ」

「簡単じゃん。柊さんがハヤテ君の彼女だっていうなら、私も彼女だし。私がハヤテ君の彼女じゃないっていうんだったら柊さんだって彼女じゃないよ」
「な、何よその滅茶苦茶な理論は」
「事実だよ」

「あの、ルカさん?かがみは僕の彼女ですよ。ルカさんは友達じゃないですか」
「ハヤテ君、このやり取りは無駄なのだよ。さっきの理論通りなのだよ」

諭すようにルカに言ったが、一切聞く耳を持たなかった。

「ハヤテく〜ん」
「だから!!!離れろと」
「だから、 うわっ、な、何!?」

突然強い力で引きはがされ、ルカが後ろを見ると、怖い顔をした女性が立っていた。

「な、何!?」
「貴方、何様なんですの?ハヤテに抱き付いて」
「アー・・アテネさん!?なんでここに」

「あらハヤテ♪別に昔の呼び方のままでもいいんですのよ♪」
「そ、そう言う訳には」

ハヤテと親しげに話す縦ロール髪のアテネを見て、かがみはハヤテが前に言ってた「縦ロール髪の知り合いがいる」と言う言葉を思い出した。

「貴方は」
「柊かがみさんね?「一応」ハヤテの彼女の」
「え、ええ」

「私は天王州アテネ。「ハヤテの嫁」となる者の名前ですわ。覚えておきなさい」
「な!?「ハヤテ君の嫁」は私だよ!!!勝手な事言わないでよ!!!」
「貴方、水蓮寺ルカさんね。勝手も何も、事実を言ったまでですわ」

「フン。ハヤテ君の嫁は私だと運命で決まってるんだから、勝手な事だよ!!」
「貴方こそ何を寝言と言ってるんですの?運命が決めたハヤテの嫁は私ですわ。「ハヤテの嫁」でググりなさい」

一応検索できます。

睨み合う2人に

「あ、あの。アテネさんは何故ここに?」
「愚門ですわ、ハヤテ。私もここの法学部を受験したからですわ」
「へ、へえ。じゃあ結果は?僕は合格できたけど」
「聞くまでもありませんわ。勿論合格ですわ」

アテネが見せてきた受験者番号を探すと、当然あった。

「私も合格だよ。ほら」

ルカの受験者番号もあった。

「春からよろしくね。ハヤテ君」
「無駄な努力はおよしなさい。ハヤテとの運命は決まっているんですから」
「そうだね。私と結ばれる運命だね」

また睨み合い始めた2人を見ながら

「なんか、大変なキャンパスライフになりそうだね」
「そうね。ねえハヤテ」
「大丈夫だよ。僕の恋人はかがみだけだよ」
「ならいいわ」

一応補足しますが、第二・第三志望も合格し、2人とも第一志望に大学を決め、手続きを済ませた。

更に補足ですが、つかさも合格できました。

合格の知らせを聞き、かがみとつかさの両親も、ナギも喜んでくれた。


                    × ×


ある日。

「え〜。皆の大学受験終了並びに合格を祝して」
「「「「「「カンパ〜イ」」」」」」

三千院家でささやかなパーティーが開かれる事になった。

「皆、大学合格おめでとうなのだ。みゆきさんも少し遅くなったが、おめでとう」
「ありがとうございます」
「いやいや良かった。みんな無事に終わって」

「まあね〜ナギちゃんは大学は?」
「私は行かないよ。高校を卒業したら三千院家当主になる事が決まってる」
「そっか〜」

「一応聞くが、こなたは受かったのか?」
「一応ね〜」
「ならいいか。あ、でも。確かつかさは専門学校だったよな?」

「そうだよ。楽しみなんだ」
「そっか。頑張れよ」
「うん」

「ねえナギちゃん。日下部と峰岸は呼ばなかったの?」
「呼んでないよ。2人とはさほど親しくなってないし、連絡先も知らんし」
「そう」

暫く談笑していると

「でもさ、良かったねかがみん」
「何がよ」
「ハヤちゃんと大学でも一緒になれて」

「まあ、ね」
「煮え切らないね」
「お姉ちゃん、嬉しくないの?」

「嬉しいわよ。でも、不安材料が」
「何それ」
「気にしないで。私とハヤテだけの問題だし」

「あっそ。あ、それと、これでやっとハヤちゃんとデートできるね、かがみんや」
「あんたには関係ないでしょ」
「ヌッフッフ〜」
「フンッ」

「そう言えばさ。受験も終わったし、学校もあと少しで卒業だね」
「そうですね。私も分かってはいたんですが、複雑です」
「卒業しない訳にもいかないから、ね」

「卒業したらバラバラになっちゃうよね。こうやって集まれるとはいえ」
「そうですね。寂しいですね」
「う、うん」

「つかささん、その涙は卒業式の時まで取っておいてください」
「そうする」

目を潤ませたつかさにハヤテは優しく諭した。


                    × ×


ある日。

「ハヤテ先輩、これ見てほしいっす」
「どれどれ? 暗号ですか、これ」
「やっぱハヤテ先輩でも解読は無理っすか」

「ひよりん、何それ」
「昨晩パッと目が覚めて、書き留めていたネタっす。今朝起きたらこんな風に本人ですら解読不能の暗号になってたっす」

「で、「博識王」のハヤちゃんなら解読できるかもって、持ってきたんだね」
「そっす。いやあ、眠い時は抵抗しても無駄っすね」
「それ凄く分かるよ。授業中に眠くなっちゃった時のノートもそうだよね」

駄目な話題で盛り上がるひよりんとつかさを見てかがみは

「またあんたらは」
「まあまあ。ああいう駄目な可愛らしい部分があるのが2人の魅力だし」
「まあ、ね」

「ひよりちゃんの漫画ってさ、小さい所で「ウンウン分かる」って頷けるところもあるよね」
「まあ、そうですね」
「え、ええ。私もそう思います」

「あー、ゆーちゃんや」
「何、お姉ちゃん」
「ピンと来ない話には無理に同意しなくてもいいよ」

「そ、そんな事無いよ」
「でもさ」
「こなた、本人がそう言う以上は突っ込まないの。ゆたかさんは頭良いんだから理解できるでしょ」

「でもさ」

 「げんこつ」ポカ〜ン

「なんか反論あるの?」
「な、無いです。すみません」

擁護してもらい、ゆーちゃんは照れていた。


                   × ×


ある日。

「あんま漫画を読まないかがみんには分かんないかもだけどさ」
「何よ」
「漫画ってさ、雑誌によって方向性と言うか「色」があるよね」

「あー。まあ何となく分かるわね」
「確かにあるよね。冒険物が多かったり、日常に何かしらのエッセンスを加えた物が多かったり」
「ハヤちゃんなら分かってくれると思ってたよ。でさ、その雑誌に明らかに「色」が違う物が混ざってると浮くよね」

「なぜここでそんな話題をする!?」
「確かにね。なんか複雑だよ」


                   × ×


ある日。

「パティや。私は思うのだよ。何かあると直ぐに漫画やアニメのせいにされる報道が増えた事にさ」
「ホントでス。しかもそう言うのに限って偏見の入った報道が多いでス」
「まあでも、当たってる部分も多いんだし、仕方ないんじゃない?」

かがみが言うとパティは

「漫画だって十分人を裏切りまス。見てくださいこの超展開!!」
「まあ、日本に大変馴染んでるようで何よりだわ」
「ミスターハヤテなら分かるはずです!!我々の気持ちが!!」

「まあ、理解はできますけどね。「あ、これ。明らかにフラグが立ったな」って思ったらそれを潰されたり、「え!?今まで関係なかったじゃん」ってな具合にフラグが全く立ってないのにそれが成立されたり」

「そうデス。分かりにくくてもいいから、伏線貼ってほしいです」
「そうですね。作者さんにも意図があるんでしょうけど、回収された際に「あ、これ伏線だったの!?」って展開が欲しい所ですね」


「そう言えばさ、パティさん。向こうの学校とこっちの学校はやっぱ結構違う物なの?」
「そうです、かがみ。パッとミで違うのはやっぱ制服です。アメリカじゃ殆ど私服です」
「へー、そうなんだ。いいわね、私服」

「かがみは分かってないデス!!制服だからいいんじゃないデスか!!」
「(なんで私は怒られてるんだろう)」
「ミスターハヤテなら分かるはずです!!」

「ええ!?ま、まあ「学園もの」である以上は男女問わず制服であってほしいものですけどね。基本的に高校か中学が舞台ですから。私服の学生じゃ「なんか物足りない」は拭えませんね」

「流石です!!分かってマス」
「あんまりうれしないですね、褒められても」


「しかし、パティさんは知れば知るほど秋葉系よね」
「私はそうでもないデス。秋葉系はこなたです」
「私から見れば結構濃いめだけどね」

「どちらかと言えば、私はブクロ系です」
「ハ、ハヤテ」
「ブクロ系は「乙女ロード」に好んでいく人の事だね。俗にいう「腐女子」だね」

「へえ。流石ね」
「ミスターハヤテは本当に凄いです。ブクロ系はBLつまり男の子萌えがメインデス」
「なんか、男の子萌えって聞いても、やっぱりピンと来ないわ」

「勿体無いデス。ニポンに生まれ育ったのに。人生の半分くらい損してマス」
「ねえハヤテ。私が間違ってるの?」
「そんな事は無いよ。オタクじゃない人も沢山いるし。オタク文化が日本で根付いているのは事実だけどね」

「ミスターハヤテは優しいです。かがみと別れて私のボーイフレンドになりますか?」
「・・・」
「お断りします。かがみを愛しているので」

「も、もう////////////////////////」
「ジョークネ、ジョーク。かがみ、怖い顔しないでほしいネ」


                    × ×


ある日。

「そう言えばさ。久しぶりにTYPE-MOONのゲームした時なんだけどね。結構私達に似ているキャラがいるよねって」
「確かにそうっすね」

「まず、かがみは秋葉だね」
「ツリ目、ツンデレ。共通点は多いっすね」

ひよりんは少し考え

「となると、泉先輩はアルクェイドっすね。性格的に」
「そうかな?似てないと思うけど」
「後、髪の長さとかクールな感じで岩崎さんは翡翠で、つかさ先輩は琥珀っすね」

言い切った後で、ひよりんは琥珀の性格を思い出し

「ハ、ハヤテ先輩。わ、私は別に」
「つかささんは知らないと思いますし、知ったら知ったでフォローしときますよ」
「すみません」

ひよりんは咳払いをし

「後は、高良先輩はシエル先輩っすね」
「確かにね。気さくな所とか眼鏡キャラとかで」

「で、ハヤテ先輩は間違いなく」
「志貴だね。ビックリするくらい共通点あるよ」
「そ、そうかな。違うと思うよ」

「イヤイヤ。ハヤちゃんのそういう所が」
「似てると断言できる要因ッス」

知っているハヤテは複雑だった。


                    × ×


物語はついに、卒業式。

式が終盤に近付くにつれ、つかさとみゆきさんが涙を流した。

そしてついに卒業式も終わり、教室に戻る途中

「いやー。不思議な感じはするけど、「感動する」って感じは無いね」
「あんたねえ。まあ、そう言う物なんじゃない?人によるけどさ」
「僕は胸の奥が熱くなってるかな。涙が出るまではいかないけどさ」
「まあ、私もジンと来てるんだけどね」

「でもさ、漫画とかだと卒業式って「感動のクライマックス」じゃん?何かあるかもって期待しちゃうよね」
「あのね、こなた」
「いやいや。この分じゃ数年後にはよく覚えてないって事がある気がするよ」

「冷たいねえ。僕は覚えてるけど」
「ごめんハヤテ。私もツッコミたいんだけど、私も小中の卒業式は覚えてないわ。その後の事は覚ええるんだけど」
「かがみまで。はあ」

「あーあ。なんかこう、無い物かな」
「あのねこなた、「卒業式の日に告白」なんてイベントは普通は無いの。ギャルゲーじゃないんだから」
「でもさ、ある事を期待しちゃうよ」

「あんたはその手のものに毒され過ぎだ」
「そうだね」

「所でさ、皆はこの後の予定は?」
「まあ、今日「は」この後家族で外食よ」
「家もそうですよ」

「僕はお嬢様が卒業記念してくれるって。何してくれるかは知らないけど」
「ふ〜ん」


一方。

「(お?ゲーセンでたまに見る綾崎先輩の彼女(違う)のチビか。学校で見るのは初めてだな。今日あたりまた来たら今度こそ大人の怖さを分からせてやるか)」

八坂こうは仕事中にこなた達を見かけ、こう思うと仕事に戻ろうとしたが

「(って待て。あのチビがここに居るって事は卒業生!?私より年上なのか!?)」

こうはここにきてこなたが年上であることをようやく知った。


こなた達は教室に戻って来た。

「もう本当に終わりなんだね」
「黒井先生のお話を聞いて終わりですね」
「お兄ちゃん、私また泣いちゃうかも」

「でもさ、つかさ。黒井先生の事だから、案外さらっと終わって泣く時間無いかもよ」
「それは、分かんないけどね」

で、先生が教室に来た。

「HRもこれで最後やけど、先生から贈る言葉は特に無いで。こんな時に長話しても無駄なだけや。大事なもん、言葉や感動などは3年間の学生生活の中で皆がそれぞれ手にしてるはずや。ウチなんかのくだらん話聞いとる時間があるなら、少しでも仲間と話とき。以上や」

話を聞き終え、みゆきさんが起立の号令後

「黒井先生、私達は先生の元気で明るい人柄に何度も励ましていただきました。今日までのご指導ご鞭撻、本当にありがとうございました」
「ありがとうございました」

クラス一同からのお礼に黒井先生は

「な、なんや突然。 もう、ホンマに卒業おめでとうな」

お礼を言い、教室を出た。

「全くあいつらは。ホンマにもう」
「おや、黒井先生。どうされましたか?」
「さ、桜庭先生。これはチャウんです。目にゴミが」

言い訳しつつ振り返ると

「なんや。桜庭先生も目にゴミが入ったんでっか?」
「まあ、そんな所で」
「さよか」

「黒井先生」
「なんでっか?」
「教師って、良いもんですね」
「せやな」


                     × ×


それぞれが帰宅していく中、

「おう、柊の彼氏。残っててよかったゼ」
「日下部さん。峰岸さんにかがみも」
「折角だから、記念写真でも、って思ったんだってヴぁ」

「そうですか。ですが、お3人は中学高校と卒業式を一緒に向かえた仲ですが、僕は」
「気にすんなって。柊に彼氏が出来ての卒業式なんだし、記念だ記念」
「分かりました」

セルフタイマーで4人で写り、みさおの勧めでかがみとハヤテ2人きりの写真も撮ったが

「折角だし、キスしてる写真も撮っとこうゼ」
「な、なんでそんな写真撮んなきゃいけないのよ!!!!」
「良いじゃねえか。記念だってヴぁ」

「そんな記念要らないわよ!!!」
「チェ〜」

みさおはごねたが引き下がり、あやのと共に帰って行った。

「ハヤテ、一緒に帰りましょ」
「あ、ごめん。もう少し残ってたいんだ。だから」
「分かったわ」

かがみも帰り、ハヤテは座っていた席に再度座り

「本当に終わりなんだな。小中と卒業してるのに、複雑だな。これだけ濃密な学生生活は初めてだよ。大学行くとはいえ、寂しい」

ハヤテが座ったまま天井を見上げつつこう思っていると

「おい、綾崎」
「あ、白石君」
「残ってたんだな。良かったよ」

「どうしたの?」
「話、したくてさ」
「そう」

「お前、法学部に行って弁護士目指すんだろ?」
「まあね。白石君は声優だっけ?」
「ああ。綾崎、頑張れよ」
「白石君も、ね」

2人はがっちり握手し、白石は帰って行った。

「さて、僕も帰るか。・・・ん!?」


こうして、こなた、かがみ、つかさ、みゆきさん、ハヤテ、みさお、あやのは卒業した。
大事な思い出は残して。


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以上です。

では。
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Re: ハヤ☆すた (4月13日更新) 完結 オマケ追記 ( No.74 )
日時: 2016/04/16 17:13
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回は前回の時に入れようと思っていたおまけです。

では本編どうぞ。
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おまけなので、いつものあれは無しです。


                 × ×


おまけ、ではなく書き忘れた話。


卒業式を終え、教室に戻る途中。

「お姉ちゃーん」
「おー、ゆーちゃん。どったの?」
「直接お祝い言いたくて。皆さん卒業おめでとうございます」

「サンキュー」
「ありがと、ゆたかちゃん」
「「ありがとうございます」」

こなた、つかさ、みゆきさんハヤテは礼を伝え

「あ、後。もう一つだけ用事があるの」
「ん!?何?」
「ハヤテさんの願いが」

「僕に、ですか?なんでしょう?」
「あ、あの。ハヤテさんの制服の第二ボタンを貰えたらな〜って」
「え!?」

「あ、いえ。以前(>>18)「憧れの先輩の第二ボタンを貰う」って話したじゃないですか」
「ああ」
「あ、あの。それをやってみたいかな〜って」
「成程」

ハヤテは意味を理解してなかったが、こなた、つかさ、みゆきさんは真意を察していた。

「どうぞ、僕のでよければ」
「あ、ありがとうございます//////////////////////////////////////」

ハヤテは第二ボタンを取ると、ゆーちゃんにあげた。
ゆーちゃんは大事に胸に抱き、教室に戻って行った。

「良かったの?」
「構わないさ。記念だし、無くても困らないよ」
「そうじゃなくて」
「へ!?・・・あ、ああ。そう言う事ですか」

後ろから猛烈な殺気を感じ、こなたの心配を理解した。


                    × ×


おまけ1。

柊みきさん、お幾つですか? by作者

「柊みき。 四・・・・・十七歳です」
「とてもサムイ上に、お母さんもっと年行ってるよね? 四十七歳?サバ読みじゃん」
「お約束の可愛いジョークじゃない」

娘のまつりに言われ、いじけたが

「そ、そうなんですか?そうは見えませんね」
「あら、ハヤテ君」
「三十、いえ二十代後半って言っても普通に信じますよ。とても若く見えますし」

「あら、ありがと」
「あ、あの」

突然ハグされ、ハヤテは困惑した。

「やれやれ。(未来の)息子は理解してくれるのにね。 私が生んだのに娘は冷たいわね」
「悪うござんしたね。 彼氏君はお世辞が上手っと」
「べ、別に正直な気持ちを言ったまでで、お世辞を言ったつもりは」

「やれやれ。 ってかがみ、まさかお母さんに嫉妬してないよね?」
「シテ、ナイワヨ」
「(怖いよ。説得力ないよ)」


                      × ×


おまけ2。

ある日の陵王の職員室。

「はあっ」
「おや?黒井先生どうされました?ため息なんかついて」
「ああ、桜庭先生。いえ、人に言ってもどうにかなるわけでは」

「まあまあ。私でよければ聞きますぞ」
「最近、出来てないんですわ」
「何が?」

「デートですよ。ウチもそうですが、相手も忙しいのは分かってるんですが」
「へ!? ああ、ゲームの話ですね」
「ちゃいます。リアルでの話でっせ」

「黒井先生、恋人が!?」
「ごく最近出来たですわ。ネトゲ好きのロッ○ファンって事で話が合う合う。なので付き合う事になったんですわ」

「へ、へえ。因みに相手は?差支えなければ聞きたいんだが」
「ある財閥に勤めとる人です。まあ、言っても分からんと思うので、明言は避けますが」
「へえ」

話が終わり、溜息をつき始めた黒井先生に

「(ある財閥? 確か、綾崎も財閥の令嬢の執事だったはず。 まさかな)」


                    × ×


おまけ3。

「なあ柊、おめぇ彼氏のどこが好きなんだ?」
「何よ、突然」
「いやね、気になっちまってさ。だって2人は仲良いだろ?」

「確かにね。柊ちゃんと綾崎君は仲良いもんね」
「ちょっと呆れる位な」
「かっこいいし、優しいし。後、私の事を純粋に愛してくれるし。後」

かがみのハヤテ自慢を聞きながら、みさおとあやのは

「なああやの。柊ってこんなにペラペラしゃべるっけか?あたしらのこと気にせず」
「気持ちは分かるけどね。私も「彼氏自慢」を始めたら途中で終われる自信無いし」
「おーおー。お熱いこって。あたしには当分縁のない話だよな」

まだ続くかがみの自慢にみさおは分かり易い「飽きてます」って顔をしたが、かがみは暫く気付かなかった。


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「おはらっき〜。らっきー☆チャンネルだよ〜。ナビゲーターの古神あきらだよ」
「アシスタントの白石みのるです」

「は〜っ。つまんないわね」
「えっと、いきなりっすか?」

「あんたは良いわよね。ちょっととはいえ、本編に出番があって」
「そ、それは」
「私なんかさ、アイドルの地位を奪われたんだよ」

「水蓮寺ルカさんですね。可愛いですよね」
「そう〜?私の方がずっと可愛いでしょ」
「そ、そうですね。水蓮寺さんは引退しましたが、あきら様は現役ですもんね」

「あ〜あ〜。おまけでもいいから私の出番作ってくれないもんかね〜」
「まあ、作者さん次第っすね」

「え!?もう終わり!?っと言う訳で、らっきー☆チャンネルでしたー」


「あんたさ、本編に出番があったこと、どう思ってるの?」
「ありがたかったっすね。無いと思ってましたから」
「良いわね〜。私なんかここで2回目だし」

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以上です。

では。
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