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[茶会企画短編] あなたの夢、かなえます(レス返し)
日時: 2014/06/29 17:20
名前: RIDE
参照: http://soukensi.net/perch/hayate/subnovel/read.cgi?no=23

どうも。

今回は茶会での企画で選んだネタ「誰かがコンビニまで走る途中でサライを合唱する物語」を基に短編を書きました。

6月末に何とか出来上がりました。

どうぞ楽しんでください


  あなたの夢、叶えます


「ハムスター、おまえミュージシャンになりたいとか言っていたな」

 始まりはこのナギの一言だった。

「それが、どうかしたのかな?」
「そのためにやるべきことを、教えてやらなくもないぞ」

 それを聞き、歩は顔を輝かせた。

「ほ、ホントなのかな!?」
「ああ、これをやればおまえはミュージシャンどころか、みんなに好かれるスターになること間違いなしだ」

 ミュージシャンどころかスターになれる。

 これを聞いて、歩は食い付かずにはいられなかった。

「何をすればいいのかな!?」

 将来の夢はミュージシャンと語る彼女にとっては、夢の第一歩を踏み出せるとしてやる気が満ちていた。

 まあ、まずは音痴を直せというのは隅に置かれているが。

「よし」

 ナギはどこか我が意を得たりといった顔したような気がするが、熱中している歩はそれを見逃す、気がつかず。

「では、ミュージシャンになるために…」

 次の一言を、歩は固唾を飲んで待つ。

「まずはちょっとコンビニに行って、お菓子買って来い」
「…え?」

 一拍待って、歩の口から出てきたのは間抜けな声であった。そんな彼女にナギは変わらぬ調子で話しかける。

「聞こえなかったのか?」
「って、ちょっと待って!」

 ようやく、歩は思考停止から帰ってきた。

「これ、ミュージシャンになることと関係あるの!?どう考えてもただパシリとして使われているだけなんじゃないかな?」

 確かに、コンビニの買い物とミュージシャンになることと何の結びつきがあるのだろうか。普通に考えてもわからない。

「コンビニの買い物といって侮るなよ」

 ナギは一つ咳払いをしてから話した。

「これはルカが言っていたことなんだけどな」

 今をときめくアイドルの名前が出てきたので、自然と歩も集中する。

「人目が着くようになるとコンビニの買い物にも気をつけなくてはいけないらしい。だから、目立たず迅速に、適切なものを買う必要があると言っていた」
「そう、ルカが…」

 現役アイドルの言葉なので、説得力があるように感じた。

 ちなみに、これはコミックスのドラマCDに収録した豆知識だとかなんとか、詳しいことはナギもよくわかっていない。どうでもいいと捉えているのかもしれない。

 とにかく、これで歩は動く気になった。

「わかったよ。コンビニに行って買い物してくればいいんでしょう」
「うむ。これは準備運動みたいなものだからな。ちゃんと走って行き帰りするのだぞ」



 文とシャルナは、いつものように二人仲良く散歩していた。

「もうすぐ24時間テレビが始まるわね、文ちゃん」
「今年のテーマは何ですかね」

 そして、いつものように雑談をしているのである。

「24時間といえば、文ちゃんは何かボランティアしたことはある?」
「ふぁい!文は自作の募金箱で文の家庭を救うためのお金を集めようとしました!」

 それを聞き、シャルナは文を一発殴る。

 これは立派な犯罪だ。

「いたたた…でも結局誰も募金してくれませんでした」
「まあ、そうでしょうね」

 いつもと変わらぬ調子。そんな文が見たものは。

「おや、あれは…」

 どこかを目指して走っている歩の姿であった。

「もしかして、マラソンの特訓中ですか?」

 そう思いこんだ文は、ある行動に出た。

「文も応援するのです!」



「さくら〜ふぶ〜きの〜♪」
「…あの、文ちゃん何してるのかな?」

 走っている自分の隣で、文が走りながらサライを歌っている。

 この光景が、訳がわからず歩は文に問いかける。

「もちろん、あなたの応援です!」

 それで、サライを歌っているのだろう。彼女は恐らく24時間テレビのマラソンの様なことをやっているのだと勘違いしているのだ。

 気持ちは嬉しい。だが、鬱陶しいことこの上ない。けれどそれを口にするのは何か悪い気がする。

「それにしても、走りながら歌って苦しくない?」

 あれ、歌いながら走るだっけ?あ、どっちも同じだということに気づかない歩は既に苦しいのだろう。

「こんな辛さ、ランナーに比べたらどうってことはありません!」

 それを聞き、歩は彼女に激励を受けたような気がした。走りながら歌っている彼女の方が辛いだろうに、こうして自分のために応援してくれているとは…

 ならば自分も、足を緩めるわけにはいかない。

 文と一緒にスピードを緩めることなく走り、目的のコンビニへとたどり着いた。

「さらい〜のそらへ〜♪」

 コンビニの中に入っても文は歌い続けている。しかし、周りにいる客にとってはうるさいことこの上ないので…

「ちょっと、迷惑なんで止めてもらえます?」

 店員に注意されるのであった。



「まぶた〜とじ〜れば〜♪」

 そして、コンビニでお菓子を買ってきた歩は尚もサライを歌い続ける文と共にようやくムラサキノヤカタの前へと帰ってきた。

「おお、帰ってきたかハムスター」

 ナギが玄関の前で歩を出迎えていた。

 歩は嬉しかった。普段不愛想なナギがこうして自分のことを待ってくれていたとは。

「これでようやく…スターへの一歩が…」

 そう呟きながら一歩踏み出した時であった。

 突然、足元の地面が崩れてしまう。

「わー!」
「ぎゃー!」

 当然、重力に逆らえるはずもなく歩は文と共にそのまま落ちてしまう。

「な、なんなの?」

 どうやら、進もうとした先に穴が開いていて、自分たちはそれに落ちたのらしい。しかし、穴に落ちたショックで混乱していて、何が何だか分からない。

「ふっふっふっ、それはだな」

 ナギが自分たちを見下ろしている。いや、ナギだけではない。

 泉、理沙、美希の3人もいる。その手にはビデオカメラと…

 大成功、と書かれていたプラカードが。

「えっ、何?どういうことなのかな?」

 歩の混乱はますます深まっていく。そんな彼女に、ナギが説明を始めた。

「いやな、この3人が人が落とし穴にかかるところを動画に取りたいと言ったので、おまえをモデルにしたということだ」
「え?じゃあミュージシャンになるのとは関係ないのかな?」

 歩はショックを受けたみたいでナギにそう問い質す。

「なにを言う」

 しかしナギは指を振ってそれを否定した。

「これはスターなミュージシャンになるための立派な特訓だ。よく落とし穴に落ちるスターに…」
「って、私そんなスター目指していないから!」

 そして歩と一緒に落ちた文は、別の曲を歌い出した。

「そらに〜、たいようが〜、あるかぎり〜♪」
「もう歌はいいから!」

 なんにせよ、ミュージシャンを目指す歩と、アイドルを目指す文はその一歩を上手く?踏み出せたのであった。




 おしまい



どうでしたか?
なんかネタを上手く消化できたかどうか不安…

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Re: [茶会企画短編] あなたの夢、かなえます ( No.1 )
日時: 2014/06/30 03:36
名前: ロッキー・ラックーン
参照: http://soukensi.net/perch/hayate/subnovel/read.cgi?no=25

にゃんぱすー、RRです。

その昔、ワイが小学生の時の話。
スターの入ってるドッキリ露天風呂の底が抜けて全裸で特設ステージに滑ってったというヤツがありました。(検索したら「伝説の温泉ボウリング」とか出てきたww
呼吸困難になるほど笑ったのを思い出させて頂きました。ありがとう。
歩さんにも、是非露天風呂に入って欲しいですね(直球

それでは失礼しました、にゃんぱす。
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Re: [茶会企画短編] あなたの夢、かなえます ( No.2 )
日時: 2014/07/06 19:12
名前: RIDE
参照: http://soukensi.net/perch/hayate/subnovel/read.cgi?no=23

感想が来るとは思っていなかった!

それでは、レス返しです


ロッキー・ラックーンさんへ

>にゃんぱすー、RRです。

こんばんは、感想ありがとうございます。

>その昔、ワイが小学生の時の話。
>スターの入ってるドッキリ露天風呂の底が抜けて全裸で特設ステージに滑ってったというヤツがありました。(検索したら「伝説の温泉ボウリング」とか出てきたww

こちらも検索したら出てきました。
スターいいですね。同じ番組で今回の小説のようなドッキリが行われていた記憶があったので、ネタが出てきたときこれだと思いました。

>呼吸困難になるほど笑ったのを思い出させて頂きました。ありがとう。
>歩さんにも、是非露天風呂に入って欲しいですね(直球

露天風呂のほかにも、熱湯風呂にも入ってほしいと思います。
タレントの宿命ですからねぇ。

>それでは失礼しました、にゃんぱす。
お互いに色々頑張りましょう


RRさん、感想ありがとうございました。

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