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play the game
日時: 2013/10/06 18:46
名前: kull

ども、初めまして、kullです。
先日書き方スレで書いた二次創作が面白く、自分でも書いてみることにしました。
拙い文章ですが、読んでもらえると幸いです。

オリキャラがメインになっていくと思うので、オリキャラ無理!って人は気をつけてください。

小説の時間軸としては、1学期の終業式スタートです。
アパートには既に全員入居しているという設定でお願いします。












世間はもうすぐ夏休み。
一般には名門と言われる白皇も例には漏れず、今日は終業式前の午前授業だった。

「・・・っ!・・・・・っよし!」

you win

学校帰りには近くのゲームセンターによって帰る。それが俺、立花亮介の日課だった。
入ってから一時間ほど経っただろうか。まだ社会人の来る時間ではないので、店内に人は少なかった。

「この格ゲー、面白いのにプレイしてる人あんまりいないなぁ・・・・。」

『ライト&ダークネス』と書かれたゲームをプレイしてる人は自分だけだった。
友人に勧めてもなかなかプレイしてくれず、仕方なく1人でやることが多いゲームだった。

(CPUとやるのも飽きてきたし・・。対人戦してみたいなー。)

人気のない隅っこにある筐体から立ち、帰ろうとした時、対面に誰かが座ったことに気づく。

(あれ、珍しい・・・。)

あまりプレイする人を見ないゲームだったので、どんな人がプレイしているのか少し気になった。

(あれ、女の子だ・・・。しかも小さい・・・・。)

(あれってウチの制服だよな・・・・。確か同じクラスの、春風・・・さん?)











「はーい、じゃあこれで終業式のホームルームは終わり!解散!」

担任の桂先生が教室から出て行くと、生徒達は各々席を立ち始める。

(やっぱ、昨日ゲーセンにいたのって春風さんだよなぁ・・。)

昨日は結局対戦を申し込まずに帰ってしまったのだが、あれからずっと気になっていた。
聞いてみたかったのだが、今日は朝から掃除、全校集会、そしてホームルームと話しかけるチャンスはなかった。

(でもなぁ・・・。あのマジメな春風さんがゲーセンなんて行くかな・・?)

生徒会書記をやっていて成績も優秀。
もの静かで誰かの陰口をたたくことも無く、誰にでも優しい。
それが自分の周りの春風千桜の評価だった。

(でも確かに春風さんだったと思うんだよなぁ・・・・。うちの制服だったし。)

(聞いてみようか?・・でも、ちょっと近寄り難いし。)

1学期の間に話した回数はゼロ。
女子と話すことは苦手ではないが、初対面の女子にいきなりゲームの話を持ちかけるには勇気がいた。

そうこうしてる間に春風さんは席を立った。帰りの準備が出来たようだ。
今話しかけなければもうチャンスは少ない。勇気を出すことにした。



「あの、春風さん!」



少し緊張して声が強張ってしまった。
春風さんは不思議そうな顔をしてこちらを見る。


「ん?君は確か・・立花君だよね?どうしたの?」

良かった。名前くらいは覚えてくれていたようだ。
すこし安心したので直球で聞くことにする。

「春風さん、。昨日ゲーセンで『ライト&ダークネス』やってなかった?」

「『ライト&ダークネス』?・・・・確かにやっていたけど、それがどうかした?」

驚いた。
いや、別に何ら問題は無いんだけど、春風さんがゲーセンに行くことが意外だったから。

「いや、あのゲームやってる人珍しいからさ・・。」

「そうなのか?面白いゲームだと思うけど。」

「だよね!あれ面白いよね!」

いきなり大声を出してしまったので春風さんは少し驚いたようだ。
今まで自分しかやってなかったので、共感を得られたことが嬉しく、つい大声を出してしまった。

「あ、ああ・・・。そんなに言うなら、帰りに対戦するかい?」

「・・・え、いいの!?俺、ずっと対人戦してみたかったんだ!」

「別に構わないさ。私もCPUには飽きていたところだから。」

予想外の反応だったが、対人戦は前からの念願だったので嬉しかった。





「じゃあ、ゲーセンに向かおうか。」













以上で第一話は終了です。
少し短かったかな?
一応補足しておくと、『ライト&ダークネス』は自分が勝手に作りました。
伏字を使うのが面倒だったので。
主に「ライダー」と略されてたりします。
話が短かったので、ついでにオリキャラのプロフィールを載せておきます。
感想等貰えると嬉しいです。



立花 亮介(タチバナ リョウスケ)

身長175cm
体重65キロ
好きなこと ゲーム、漫画、友人といること。
嫌いなこと 勉強、嘘

白皇に通うごく普通の男子生徒。
イケメンではないが、爽やかな顔立ちをしている。
家は白皇に通うくらいのお金持ちだが、そんな豪華ではなく、あくまで一般レベル。
なので100円ショップとか普通に行ったりする。
一応お金持ちなのでお小遣いはそれなりに多く、ゲームをしたりするのには苦労はしない。
性格は素直で人懐っこく、裏表が無い。
なので思ったことをそのまま口に出すことが多く、若干天然な面も見られる。
一人称は「俺」だが、あまり乱暴な言葉使いはしない。
子供のころからゲームと漫画に囲まれて育ったので、その方面はそれなりに詳しい。
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Re: play the game ( No.1 )
日時: 2013/10/07 21:11
名前: kull

どーも、kullです。
二話目です。






「春風さんって、ゲーセンいったりとかするんだねー。」

ゲームセンターに行く途中で、さっき感じた驚きを伝えてみる。

「なんていうか、マジメな人を想像してたからさ。驚いたよ。」

「まぁ、ストレス発散くらいには。君はよく行くの?」

「俺は暇なときには結構行ってるよ。『ライト&ダークネス』は最近見つけたけど。」

他愛も無い世間話をしながら歩いていると、目的地のゲームセンターについた。
今日も相変わらず人は少ない。
俺と春風さんはゲームの筐体に座り、コインを入れてキャラ選択をする。

「んー、とりあえずいつも使ってる主人公キャラでいくか・・。お、春風さんはライバルキャラか。」

get ready?go!の合図で対戦が始まる。
CPUとの戦いならもうほとんど負けなくなっていたが、やはり対人戦は違った。

お互い対人は経験したことが無かったため技術に差はなく、試合は接戦だ。
でも、春風さん妙に慣れてて動きが良いような・・。

「・・・ん、あー。負けちゃった。」

結局3本勝負の2本を取られてしまい、1回目の対戦は俺の負けに終わった。
とりあえず感想を伝えにいくため対面に回り込む。

「春風さん強いね!なんか動きが良いっていうか・・。」

「いや、私も最近始めたばかりで上手くはないよ。でも一応、前作の家庭版をやったことがあるから・・。」

「・・・え?前作の家庭版って『ライト&クロニクル』?あれ生産が少なくて、すっごいレアじゃなかったっけ!?」

最新の『ライト&ダークネス』でさえ人気が無いので、前作は更に人気が無く、家庭版は激レアだった。
俺も手に入れようとはしたことはあるが、どこにも在庫が無かったのを記憶している。
目をキラキラさせて聞いていると、春風さんが嬉しい提案をしてくれた。


「今住んでいるアパートにたまたま凄いオタクがいてね。・・・良かったらウチに来てやってみる?」

「え、本当!?でも、いきなりそんな・・・・」

ヴヴヴ・・ケータイのバイブ音が聞こえた。
春風さんのケータイが鳴ったらしい。春風さんは失礼、と言ってスマートフォンを取り出した。

「あ、どうもマリアさん。・・・・はい、分かりました。えっと、ちょっとお客さん連れてきてもいいですか?・・・はい。どうも。では。」



「アパートのメイドさんが昼食が出来たとさ。君が来る許可も取っておいたよ。」

アパートにメイドさんがいるなんて凄い・・・と思いつつ、結局お呼ばれすることになった。














「ここが春風さんの家?」

「いや、違うよ。ちょっと事情があって、アパートを借りてるんだ。普通とはちょっと違うけどね。」

今時珍しい木造のアパートを目の前に、俺と春風さんは話していた。

「ただいまー。」

「えと、お邪魔しますー。」

扉を開けて中へ入ると、中から茶髪のメイドさんが出迎えてくれた。

「お帰りなさい、千桜さん。・・あなたがお客さん?ゆっくりしていってくださいね。」

「え・・・・・・あ、はい・・・・」

「なに緊張してるんだい、立花くん?」

「いや、すっごいキレーで大人っぽい人だから・・・。」

「マリアさん17歳だけどな。」

マリアさんって名前なんだー・・って、ええ!?同い年!?
あんな大人っぽい人見たことないよ・・・と驚きながら食卓へ向かうと、同じクラスの三千院さんと綾崎くんが座っていた。
テーブルの上には美味しそうな食事が並べられている。

「千桜お帰りー。・・・む?お前は誰なのだ?」

「初対面の人に向かってそれは失礼ですよ、お嬢様。っていうか同じクラスじゃないですか。・・確か、立花君でしたよね?」

「ど、ども・・。そうです、立花です。」

名前を覚えられていなかったことに若干ショックを受けたが、綾崎君がフォローしてくれた。
評判通り、優しい人だなぁ。

「ウチにあるゲームがやりたいっていうから連れて来たんだ。他の住人はどうした?」

「部活やら、秋葉のイベントやら、補習やら、買い物やらで今いるのは僕らだけです。」

「そうか、じゃあ私達だけで先に食べてしまおう。・・立花君も遠慮せずにどうぞ。」

「そ、そう?・・じゃあ、お言葉に甘えて・・。いただきます。」












「ご馳走様でしたー。・・凄い美味しかったよ!これ、綾崎君が作ったの?」

「いやいや、僕がやったのは仕上げだけですよ。ほとんどはマリアさんです。」

あんなにキレーで料理も上手いなんて、理想のメイドさんだなぁ・・・と台所にいるマリアさんを見る。

「いくらマリアが美人だからって、手を出すんじゃないぞ!・・・ところで立花と言ったな?お前、さっきの話は本当か?」

「え?前にゲームで全国大会出たって話?あれは運が良かっただけだよー。」

以前に一度、宇宙やら地球やらを舞台とする某有名ロボのゲームで全国大会に出た話をしたのだが、興味をもってくれたようだ。

「運でも何でも構わん!私とゲームで勝負しろ!私が勝てば私は全国クラスのゲーマーということになる!」

「言われなくても、彼は『ライト&クロニクル』やるために来たんだが・・・。ごめんな立花くん、ナギの変なスイッチ入ったみたい。」

「いや、別に構わないよ!・・・ゲーム違うから、別に全国クラスじゃないけどね。」

「早くこっち来い!すぐに始めるのだー!」

よく分からないけど張り切っている?らしい三千院さんが急かすので、俺と春風さんはゲームを始めることにした。

「んー、どのキャラ使おうかなぁ・・・。やっぱゲーセンでも使っている主人公の「光 京介」かな!」

「主人公だと!?軟弱な!このゲームで一番魅力的なのはラスボスの「闇川 茂」だろうがぁ!」

「何言ってるんだナギ!誰がどう見たって一番はライバルの「新城 圭吾」だろ!?」

「いやいや主人公かっこいいじゃん!・・・こうなったら実際に勝負だ!」

激しい口論と、何戦にも渡る『ライト&クロニクル』の試合は何時間も続いた。
気づいた時には外は暗く、時計も7時を回っていた。




「はぁ、はぁ・・・・・。結局、決着はつかなかったな、立花よ・・。」

「そうだね三千院さん・・・。てか、やっぱ春風さん強いね・・。」

「ふふ、やっぱライバルキャラが一番かっこいいってことなのさ!」

その一言でまた口論が始まりそうだったが、自分のケータイが鳴っていることに気づいた。
画面には「父親」と出ている。

「ん、なに父さん?・・・・・ええ!?今日から海外旅行!?仕事どうした!?・・・・夏休みって、ええ!?」

話を聞くと両親は今海外にいるらしい。
なんでも俺がなかなか帰ってこないので置いていったとか。

「いやちょっと待って!いつ帰るの?・・・九月!?・・いや、ご飯とかどうすんの!?」

様々な疑問を投げかけるが、親はお金は家に置いといたから、と言って電話を切ってしまった。

「立花さん、どうしたんですか?何やら大変みたいですが。」

お茶を入れてくれた綾崎君が不思議そうな顔でこちらを見る。
俺は呆れた顔で今の用件を説明する。

「そ、それはまた自由な親御さんですね・・・・。」

「うん、まぁここまでとは思わなかったけどね・・・。夏休み中、1人暮らしかぁ・・・。」

ため息をつきながら俺は途方に暮れる。




「そうですね・・・・よかったら、このアパートに住みます?」




「え、綾崎くん、今何て?」

「いや、一人暮らし嫌なら、このアパートに住んだらどうかなーって。」

さりげなく凄い提案をしてきた。
住めるなら、それはもう有難い話だけど・・・。

「でもハヤテ、部屋はもう埋まっているぞ?」

「大丈夫です、女の人ならともかく、立花さんなら僕の部屋に来れますから。・・・相部屋になっちゃいますけど、大丈夫ですか?」

「いやいや、全然いいよ!むしろ綾崎君こそごめん!」

「僕は気にしませんから。」

「ふーん・・・・私としては別に構わんが・・・家賃4万、ちゃんと払えよ?」

「家賃はいいんだけど・・三千院さんとか、春風さんとか、大丈夫なの?」

「まだゲームの決着がついていないからな!・・それに、遊ぶやつは多いほうがいいし・・。」

「私も歓迎だよ。・・君とは仲良くなれそうだしね。」

「ありがとう!春風さん、三千院さん!」

「その三千院さんという他人行儀な呼び方はやめろ。・・・ナギで、よい。分かったな、亮介!」

「同じアパートに住むんだし、私のことも苗字ではなく千桜って呼ぶといい。・・・いいな、亮介くん?」

「え、あ、うん・・。よろしくね。・・・・ナギと、千桜。」

女子を名前で呼ぶなんて、いつぶりだろう。
少し慣れないが、距離が縮まった気がして、嬉しかった。
















どうも、ありがとうございました。
よかったら感想等いただけると幸いです。


どーでもいいんですが、度々ゲーセンが出てくるのは、僕がゲーセン好きだからだったりします。
エクバとかガンストとか好きですね。

今回もゲームの名前とか、キャラの名前とかはテキトーです。




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Re: play the game ( No.2 )
日時: 2013/10/08 00:33
名前: プレイズ

初めまして、プレイズといいます。

小説の方、なかなか面白いです。

まだ最初ですが、オリキャラの男の子がどんな感じのキャラクターなのかが、キャラとのやり取りや文章から感じられて、良いと思います。
セリフや一人称の文章の部分で彼がどういう感じの人なのかが感じられます。

あと、キャラとのやり取りが個人的に読みやすかったです。
そして、合間に入る一人称の文章が文章調から彼のキャラを表せていますね。

最初にキャラのプロフィールが書かれているのも、キャラのステータスがわかって、読む上でどういうキャラかが理解しやすく良いと思いました。


千桜達ハヤテキャラも皆ちゃんと原作のような性格が感じられるし、読んでいて面白いです。


これから、オリキャラの立花君がどういった感じにハヤテキャラ達と絡んでいくのか楽しみに読みたいと思います。
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Re: play the game ( No.3 )
日時: 2013/10/08 19:41
名前: kull

こんばんわ、kullです。
毎日更新できるといいですが、そう出来るとは限らないので、毎日更新しなくても許してください。

>プレイズさん
感想ありがとうございます!やっぱり、感想は貰えると嬉しいですね!
オリキャラなので人物像が伝わるか不安でしたが、伝わったようなら幸いです。
普通の男子生徒がハヤテ達と関わったらどんな反応するんだろう、って想像しながら書いてます。
プロフィール、書いて良かったです!
これからもお願いします。



「・・・よし。これで荷物運びは完了っと。」

アパートに住む、という決定の後、俺はすぐに家に戻り荷物を持ってきた。
着替えなどは結構な量があったのだが、綾崎君が手伝ってくれたおかげですぐに終わった。

「綾崎くん、凄い力あるんだね!体は細いのに。」

「いやいや、そんなこと無いです。・・・僕ってそんな細いですかね?」

あれ、細いっていうのは余計だったかな?
褒め言葉のつもりだったんだけど。とりあえず話題を変えよう。

「ねぇ、このアパートって他に誰が住んでるの?」

「あ、まだ紹介がまだでしたね。夕飯が出来るまでまだありますから、案内しましょうか。」

綾崎君に連れられて部屋が固まっている2階へ上る。
未知の場所で感じる好奇心から、案内されるまでも無く俺は適当なドアを開けた。

「こんにちわー!・・・・・・・ってあれ!?」

ドアを開けた先にはピンク色の髪をした女の子が着替えていた。
って、よく見たら生徒会長の桂さんじゃ・・・・!
俺はとっさにドアを閉め、隣で苦笑いしている綾崎君を見た。

「ねぇ、今のって・・・」

「えぇ、まぁいつものことなんですけどね・・。」

いつものこと?
綾崎君は生徒会長の着替えをいつも見てるのか!?
・・と驚いていると中から部屋着を着た生徒会長が出てきた。

「ハヤテ君!!何回言ったら分かるの!?」

「いやー、今のは僕じゃないんですけどねぇ・・・。」

「言い訳なんて聞いて・・・・・・あれ?あなたは?」

「すみませんすみません・・」

あの生徒会長の着替えを見るなんて、一般人にはとても許されないことだ。
このことを話したらクラスの男子共はこぞって食いつくだろう・・・。

「・・・あれ?・・・ちょっと、ハヤテ君!!」

「何で僕に振るんですか・・。立花さん、大丈夫です。大したことじゃありませんから。」

「ハヤテ君は女の子の着替えを何だと思っているの!!・・・立花くんは初めてだし、許してあげるわ。でも、何故君がここに?」

「いや、ちょっとかくかくしかじかで・・。もしかして、桂さんはここに住んでるんですか?」

「ええ、そうよ。じゃああなたは同居人ってことになるのね。よろしく。」

マジ!?あの誰もが憧れる生徒会長と一つ屋根の下!?
なんかすっごいナチュラルに出てきたけど、これって凄いことだぞ?
てか、俺の名前覚えててくれたんだ!

「・・こ、光栄です!桂さん!是非よろしくお願いします!」

「・・・・いや、そんな敬語とか使わなくていいわよ。・・それに、同じアパートに住むなら苗字じゃなくてヒナギクって呼ぶといいわ。」

「・・・え!?いやでも、そんな、名前で呼ぶなんて・・。」

「いいから呼びなさい!・・・・分かったわね?」

人差し指をピン!とこちらに伸ばし、笑いかける生徒会長。
ああ、これは好きになる人が多いのも分かるなぁ・・・。

「・・でもやっぱり呼び捨ては恐れ多いんで、ヒナギクさん・・・だと長いから、ヒナさんは?」

ヒナさん、と言った瞬間に生徒会長は笑い出した。
な、何かおかしいこと言ったかな?

「・・・ふふっ、その名前はもう呼んでいる人がいるけど、別にいいわ。よろしくね、亮介くん。」

さりげなく俺のことも名前で呼んでくれた。
なんて可憐で凛々しい人なんだ・・・・今の数分で惚れてしまいそうだったよ。

「えっと、ところで、後ろにいる小さい金髪の女の子は・・・?」

気づくと、ヒナさんの後ろに小さい女の子が立っていた。
端正な顔立ちで、人形のようだ。

「わたしはアリス。とある事情でここに住んでいますわ。」

「えっと、俺は・・」

自己紹介をしようとすると、パッ!と手のひらをこちらに向け、静止された。

「話は後ろで聞いていました。よろしくですわ。」

「あ、うん・・・。」

「じゃあ亮介くん、また後でね。」

ヒナさんとアリスは軽く挨拶し、下に行ってしまった。

「それでは、次の住人を紹介しますね?」

綾崎君が次のドアを開けようとすると、綾崎君が開ける前に中から開かれ、中から水色の髪の女の子が出てきた。

「あれ、ハヤテ君じゃない。・・そっちの君は?」

「ええ、彼は立花くんと言ってここの新しい住居人・・・」

「す、水蓮寺ルカ!?なんでアイドルが!?」

綾崎君が紹介し終わる前に、俺の口から驚きが漏れていた。
ヒナさんにも驚いたのに、それ以上の驚きだった、

「あら、知ってるの?ありがとう。・・今はちょっとお休みをもらってここに住んでるのよ。」

「やっぱルカさんって有名人なんですねー。」

「いや、そりゃ知ってるよ!『ライト&クロニクル』の主題歌も歌ってたし!ここ、凄いなぁ・・・。」

「それより君!ここに住むんでしょ?・・よろしくね。」

ちょっと上目遣いの笑顔で挨拶された。
俺は今日、死ぬんじゃないだろうか。

「よよよ、よろしくお願いします水蓮寺さん!」

「たー!!」

「いてっ!」

水蓮寺さんのいきなりのチョップ。
俺は無警戒だったので、クリーンヒットしてしまった。

「私に敬語は必要ないわ。名前もルカと呼びなさい。・・・・さもないと、私のカブトムシ拳法が炸裂してあなたは死ぬわ。」

「え、ええ!?・・わ、分かりました・・・・」

「とーう!」

「った!」

「分かりました、じゃなくて分かった、でしょ?」

「わ、分かったよ、ルカ・・・・・。」

「ならいいのよ。・・じゃ、先に下にいるわね。」

ウインクして、下に行ってしまった。

「す、凄い・・・。凄いよこのアパート・・・。次は一体どんな人が出てくるんだ・・・?」

「あ、その部屋は・・・・。」

俺がガチャリ、とドアを開けると、そのさきにいたのは特に名前も知らない普通の子だった。
総理大臣でも出てくるんじゃないか、と思っていた俺は若干の期待はずれ感に襲われた。

「ハヤテ君、どうしたのかな?・・む?そこの期待はずれみたいな顔した男の子は・・・?」

「彼は立花亮介さんと言って、新しい住居人ですよ。・・・・立花さん、こちらは潮見高校の西沢さんです。」

「ああ、どうも、こんばんは西沢さん。よろしくね。」

さっきの人達と違って普通に挨拶できた。
よかった、この人は普通みたいだ。

「な、なんか失礼なことを思ってるんじゃないかな・・?。ま、まあ、よろしくね。」

西沢さんは不服そうな顔をして下へ行ってしまった。
しまった、態度に出しすぎたかな?

「それで、この部屋は?」

「ああ、そこはカユラさんの部屋です。・・・・カユラさん?入りますよー。」

ドアを開けるとそこは漫画とグッズでいっぱいの部屋だった。
千桜が言ってた凄いオタクってこの人かな・・・?

「・・・む?君は誰だい?」

「ああ、今日からここに住む立花です。よろしく。」

「・・・そうか。私は剣野カユラ。よろしくな。」

漫画を片手に、どこか独特の雰囲気を持った女の子だ。
ほんとに、ここは色んな人がいるなぁ・・・。

「あれ、その持ってる漫画・・・・あ○るの空?」

「うん。最近スポーツ物がマイブーム。」

「俺もそれ好きだよ。最新刊見た?」

「毎回毎回・・・・名言が多い・・。」

「だよねー!いや、ほんとあそこのゴールはシビれたよ!いやぁ、カユラは分かってるなあ!」

「おまえも、なかなか・・・・な。」

二人で漫画の話に盛り上がっていると、綾崎君が申し訳なさそうに話に入ってきた。

「すいません・・盛り上がってるところ悪いんですが、そろそろ夕飯が・・・。」

「あ、ごめん綾崎君。今行く!」

















「立花さん、本当にありがとうございます。」

「え、何が?」

夕食を食べ終わり、ナギと適当にゲームして風呂に入り、もう寝るか、といった時、綾崎君がお礼を言ってきた。

「お嬢様、あまり学校へ行かれないので友人が少なくて・・。お嬢様の友達になってくれて、ありがとうございます。」

「いや、、そんなお礼なんていらないよ。ナギだって、ふつーに面白いから俺も友達になれてよかったなーって思ってるし。」

「そういってくれるなら、ありがたいです。」

「じゃあ、もう寝よ?今日は色々あって疲れたから。」

「あ、僕はまだやることがあるので、お先にどうぞ。」

「え、そうなの?・・・じゃあ、部屋の電気も消さなくて大丈夫。俺、アイマスクつけるからさ。」

俺はバッグから愛用しているアイマスクを取り出した。
これで電気がついていても眠れる。
綾崎君はおやすみなさい、と言い残し部屋を出て行ってしまった。
働きものだなぁ、と関心し俺は目をつぶる。






(ナギに、千桜、ヒナさん、ルカ、西沢さん、カユラ、マリアさん、綾崎くん・・・あと、アリスだっけ?)

(楽しくなりそうだな・・・・)

その日はいつもより、早く眠れた気がした。

















どうも、ありがとうございました。
感想等頂けると幸いです。

少し長くなってしまいました。本当はもう少し短いつもりだったんですが・・・。

アイマスクって、実際どうなんでしょうね。




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Re: play the game ( No.4 )
日時: 2013/10/09 21:23
名前: kull

どうも、ハヤテはコミックス派のkullです。
ですが、今日発売のサンデーはハヤテが巻頭カラーだったのでつい読んでしまいました。
ここでは場違いなので感想等は書けないのですが・・・。

千桜はやっぱり魅力的で、好きだなぁと感じる回でした。
では、本編どうぞ。










チュンチュンチュン・・・・。
スズメが鳴く音で、俺は目が覚めた。

「ふわぁ〜ぁ・・・・まだ八時か。」

このアパートに来てから既に数日が経過していた。
初めは慣れなかったアパートでの暮らしも、今ではすっかり定着している。

「ここ、皆生活習慣がいいからあんまり寝坊とかしないなぁ・・・。」

夏休み、家なら10時に起きているところが、生活習慣の良い他の住民に影響され俺も早起きになっていた。
たまにナギとゲームに夢中になり遅くなってしまうが、マリアさんが止めてくれるためにそれもそんなに遅くない。

「・・・あ!今日、数学の夏期講習の日じゃん。急がないと。」

白皇が行っている自主参加の夏期講習が開始するまであと一時間を切っていた。
特に焦る必要はないが、もたもたしていると遅刻してしまうので、俺は下へ降りて朝食を取ることにした。


「おはよ、綾崎くん。マリアさんも、おはようございます。・・朝食、ある?」

「おはようございます、立花さん。すぐに作りますね。トーストでよろしいですか?」

「うん、大丈夫だよ。」

返事してから間もなく、綾崎君がバターを塗ったトーストを持ってきた。
こんがり茶色に焼けていて、自分が作るより何倍も美味しそうに見える。

「あれ、起きてるのは俺だけ?」

「ヒナギクさんが朝早くに学校へ行かれましたよ。千桜さんも、生徒会だとかで学校へ。他の方はまだお休みしています。」

「ふーん・・俺は夏期講習だけど、綾崎君は講習とってないの?」

「僕はアパートでの家事があるので。講習に出るって、立花さん、真面目なんですね。」

「いや、勉強は嫌いだよ?・・でもまあ、家でやるよりは学校でやったほうが楽だからね。・・・ごちそうさま。じゃ、行って来る。」

やはり美味しかったトーストを2枚食べ、俺は着替えて学校へ向かった。

















「〜・・・の式はさっき言った公式を使って〜〜〜」

数学教師が長々と例題の説明をしている。
特に集中するわけでもなく、俺は授業をテキトーに聞き流していた。

「・・・・・はい、じゃあ今日はこれで終わりだ。元々の宿題が多いんで課題は出さないが、ちゃんと復習しろよ?」

数学教師はそういい残し出て行った。
課題を出されなかったのは救いだが、まだ俺には「夏休みの敵」という宿題が残ってるため、安心は出来ない。
ため息をついていると、同じクラスの男子が何人か固まって話しかけてきた。

「おーい、立花!この前貸したゲームどこまで進んだ?」

「ああ、あれ?一応ストーリーはクリアしたんだけど、まだアイテム集めてないや。」

「あ、お前あれ知ってるか?5面のステージに宝箱があってな・・・」

特に変わったことも無い男子トークをしていると、ヒナさんが教室のドアを開けて入って来た。
その容姿の美しさから、クラスの目線は一瞬彼女に集中される。

「あ、いたいた。亮介くん、私今日は生徒会の仕事で残らなきゃいけないから、昼食はいらないってハヤテ君に伝えてくれる?」

「了解ー。夏休みも学校に残るなんて、ヒナさんも大変だねー。」

「これも生徒会長の仕事よ。・・書記の千桜はもう仕事が無いから、一緒に帰ったら?」

「あ、そうなの?じゃあ千桜と帰るよ。」

「千桜は生徒会室にいるから。・・・じゃ、また後でね。」

そう言い残し、ヒナさんは去っていった。

「・・じゃ、俺帰るから。またね!」

「おい待てよ!何でお前桂さんと普通に話してんの!?」

「しかもヒナさんって何だよ!お前も名前で呼ばれちゃってさあ!」

さっきまで仲良く話していた男子達から大ブーイング。
当たり前か。学園のアイドルと普通に話したのだから。

「んー、まあ成り行きかな?」

「成り行きって何だよおい!」

「詳しく説明しろ!」

「詳しくって言われても・・・・・・・まあ、『ライト&ダークネス』のおかげ、かな?・・・・・じゃね!」

適当に誤魔化して時計台へ向かう。
男子達はまだ何か言っていたが、無視して教室を出て行った。















「んー、時計台って一回も来た事ないんだよなぁ。」

俺は最上階の生徒会室へ向かうエレベーターの中で独り言を呟く。
生徒会なわけでも無い俺は、時計台に近づいたことすら無かった。

「ヒナさんって呼ぶのも、ここに来てるのも俺だって信じられないからなぁ。あいつらが怒るのも当然か。・・・お、着いた。」

ピンポーン、と音が鳴り、エレベーターのドアが開く。





「禁則事項です♪」





「・・・・え?」

ドアが開いた瞬間、千桜がウインクを決めて有名なセリフを放ってきた。
片手にはあの有名なラノベが握られている。
不覚にも、可愛いな、と思ってしまった。

「・・・・・え、えーと、これはだな亮介君・・・・。」

顔を赤くして慌てながら千桜が言い訳をしようとしてきた。
大方ラノベのキャラのセリフを真似していたのだろう。俺もよくやる。

「・・まあ、何してたかはなんとなく分かるから。・・でも、千桜って意外と隙だらけなんだね。」

「な、何を言う!・・ヒナのほうが、ああ見えてよっぽど隙だらけだ!」

「・・それ、ナギも言ってたよ。・・仕事、無いんでしょ?一緒に帰ろう。」

「そうだな・・・。帰ろうか。」

「あ、やっぱ待って。俺、ここからの景色見たことないから、一目見てみる。」

時計台から見る景色は絶景だということを聞いたことがある。
せっかくここまで来たのだから、一度は見てみたいと思い、テラスへ向かった。

「へー、やっぱ凄い景色だねぇ。」

「だろ?・・・・でも、そんな遠くで見てていいのか?もっと手すりのほうまで行ったらどうだ?」

「いや、俺ちょっと高所恐怖症だからさ。・・・昔よりは良くなったんだけど、まだちょっと怖い。」

「そのことを聞いたらヒナは喜ぶだろうな、仲間が出来たって。」

「え、ヒナさんって高所恐怖症なの!?」

「知らなかったのか?今の亮介くんと違って、景色を見ることすら出来ないぞ。」

そりゃまた重症な・・・・。
ていうか、あの無敵の生徒会長にそんな弱点があったなんて驚きだ。

「そうなんだ・・・。意外だなぁ。」

「まぁ、一般には無敵で知れているからな。」

「いいんじゃない?・・・ちょっと弱点とか隙とかあったほうが可愛いよ?・・・千桜も、ね?」

「そ、そうか・・・・?別に、そんなことないと思うけど・・。」

千桜は否定しつつも、恥ずかしそうに目を逸らしてしまった。

「じゃ、景色も見たことだし、帰りますか!」






ヒナさんが高所恐怖症だったり、千桜が隙だらけだったり。
同じクラスにいただけじゃ分からないことがたくさん分かって、俺は少し嬉しくなっていた。















どうも、ありがとうございました。
感想等頂けると幸いです。
今回は若干短いかな?
ラノベのネタが分からない方はすいません。
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Re: play the game ( No.5 )
日時: 2013/10/10 19:17
名前: kull

こんばんわ、先日テキトーにシャーペンを買ったら850円もして驚いたkullです。
500円くらいかと思っていたのに・・・・。

今回は少し短め。

















TGS。
それは東京某所で行われるゲームに関する大きいイベントで、俺が毎年楽しみにしているものであった。
実際は楽しみにしているだけで実際には行った事が無く、ネットなどで情報を見るだけだったのだが。

「今年こそは行ってみたい・・・・。でも、一人はなぁ。」

新作のゲームが発表されたり、実際にプレイ出来たりするゲームの祭典。
ゲーマーの俺としては是非行ってみたいのだが、中々実行に移せなかった。
周りの男友達は全員海外へ行ってしまうため、一緒に行く友人がいないのだ。

「どうしようかな・・・。とりあえず、ナギでも誘ってみるか!」

ナギなら食いつくだろう。
そういう考えに行き着き、黙々と部屋でゲームをしていると、綾崎君が呼びかける声が聞こえた。
どうやら夕食が出来たらしい。
俺はゲームを中断し、食卓へ向かった。

「・・・ん、今日は何?」

「海老が安かったので、エビフライにしてみました。どうでしょうか?」

「やった、俺エビフライ好きなんだよね。・・・・あれ、千桜は?」

「千桜さんは確か、バイトだと言っていましたよ。もうすぐ帰ってくるんじゃないでしょうか。」

まーたバイトか。
この前も行っていたし、そんなにバイトして何か欲しいものがあるんだろうか?

「じゃ、冷めると悪いから先に食べるね。」

俺は適当な場所へ座り、エビフライを食べ始めた。
綾崎君の料理は本当に美味しくて、毎回楽しみにしている。

「ヒナさん今日も部活?大変だねー。」

「そんなこと無いわよ?亮介くんは部活動、してないの?」

「んー、中学はバスケしてたんだけど・・。高校は何もしてないや。」

「バスケなんてよく出来るな。あんなの漫画の中だけだと思っていたぞ。」

「・・それはナギが体力無さすぎるだけじゃないか?」

「そうよ。ナギもたまには剣道部に来たら?

「ただでさえ暑いのに、あんな防具着れるか!」

「剣道の防具って本当に暑そうだよね・・・・。」


何の変哲も無い普通の会話。
だが、家で一人で夕食を食べることが多かった俺にとってはこんな会話でも充分に楽しかった。



「ナギ、TGSって知ってる?」

食後、テレビの前で横になってケータイをいじっているナギに聞いてみる。

「あのゲームのイベントか?それがどうした?」

「今週の土曜にあるんだけど・・・一緒に行かない?」

「嫌だ。」

「ええ!即答!?」

まさか即答で断られるとは思っていなかった。
ナギなら興味あると思っていたのに・・。

「だってあのイベントって何千人も来るんだろ?この暑い中、そんなところへ出かけられるか!」

「んー、そりゃそうだけど・・・。でも新作とかプレイできるよ?」

「私は今はモンスターを狩るのに忙しい。」

「ちぇー。ナギなら行ってくれると思ったのにー。」

「悪かったな。カユラでも誘ったらどうだ?」

「カユラは別のイベントがあるから行けないって。・・・あーあ、今年も駄目か・・。」

「なら、千桜はどうだ?」

千桜!
食卓にいなかったのですっかり忘れていたが、まだ千桜が残っていた。
『ライト&ダークネス』をやっているほどの千桜なら来てくれるかもしれない。

「そーだ、千桜がいた!・・・どこにいるかな?」

「さっき帰ってきて部屋に戻って行ったぞ。」

その言葉を聞き、俺はダッシュで千桜の部屋へ向かう。
ノックしてドアを開けると、ラノベを読んでいた千桜が顔をあげた。

「あれ、亮介くん、どうした?」

「ねえ!土曜日ヒマ!?」

「え、土曜日?・・・・・確か、空いていたと思うけど。」

「だったら、一緒にTGS行こうよ!」

「TGS?・・あのゲームのイベント?・・・・んー、まぁ別に構わないけど。」

「ほんと!?良かった、一緒に行く人探してたんだ。」

「確かゲームの新作とかプレイ出来るんだろう?私も少し興味あったんだ。」

さっすが千桜!
暑いからって断ったどこかの金髪ツインテールとは大違いだ。

「じゃあ、土曜日ね!」

「あ、ちょっと待って亮介くん!・・・・行くのって、君と私だけ?」

「そうだけど、それがどうかした?」

「・・・・いや、別に何でも。」

「そっか。じゃーね!」

俺は挨拶を残し部屋を出て行った。
特に問題は無いと思うが、千桜は何を気にしたんだろうか?

何にしても、初めてイベントに行けることで俺の胸は高鳴っていた。



















ありがとうございました。
感想等頂けると幸いです。

TGSっていうのは略称で、詳しくは言えないんですけど、大きいゲームのイベントです。
色々な会社が次回作を発表したり、新作ゲームがプレイできたりする、というのものです。
本当は夏よりもう少し後なんですけどね。

TGSっていう略はそのままなので、気になった方はググッて見てください。
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Re: play the game ( No.6 )
日時: 2013/10/12 00:21
名前: kull

こんばんわ。そろそろ中間テストが始まるkullです。
世界史は覚える量が多くて大変ですね。
作中で亮介が数学をやっていましたが、僕は数学が大嫌いです。

では、本編どうぞ。













土曜日。
待ちに待ったイベントの当日、俺はいつもより早く目が覚めていた。

「早く目が覚めすぎちゃったな・・・。」

こんな朝早く、誰も起きていないだろうと思いながら居間へ向かうと、綾崎君が掃除をしていた。
綾崎君、こんな早くに起きてるのか。早起きだなぁ。

「おはよー、綾崎君。ずいぶん早いんだね。」

「家事がありますからね。何か、お作りしましょうか?」

「ありがとう。何でもいいよ?」

「では、すぐにお持ちしますね。」

そう言い残し、綾崎君は台所へ。
特にやることも無い俺は外で日光を浴びていると、誰かが近づいてくる音が聞こえた。

「おはよ、亮介くん。早いのね。」

「あれ、ヒナさん?随分早いね。いつもこの時間なの?」

「朝はちょっと体を動かしたいから。・・早朝のランニングも気持ちいいわよ?」

よく見ると少し汗をかいているようだ。
なんていうか、健康の塊みたいな人だなぁ・・・。
感心していると、綾崎君が呼びかける声が聞こえた。

「あ、綾崎君が朝食を作ってくれたみたい。一緒に食べる?」

「そうね、じゃあご一緒させてもらうわ。」




「今日はサンドイッチを作ってみました。どうでしょうか?」

綾崎君の持ってきた皿には色々な具材が挟まれたサンドイッチが並べられていた。
一つ取って食べてみる。
カリカリに焼かれたベーコンと爽やかなレタスが見事にマッチしていて、売っていてもおかしくない美味しさだった。

「うん、おいしいよ!これならいっぱい食べられそう。」

「なら良かったです。沢山作りましたので、いくつ食べても大丈夫ですよ。」

「相変わらず、憎たらしいくらいに料理が上手いのね、ハヤテ君は。」

「いやいや、それほどでも。」

相変わらず、謙虚な人だなぁ。
このアパートに来てから綾崎君の様々な凄いところを見ているが、彼が自慢しているところを見たことは無かった。

「亮介くんは、どうしてこんな時間に起きたの?」

「あ、今日は千桜と出かける約束をしてて・・・。」

「あら、千桜と?・・・・もしかして、デートだったりして?」

予想外の問いかけに食べていたサンドイッチを吹き出しそうになってしまった。
な、何を言い出すんだヒナさん!

「ち、違うって!そんないきなり・・・・!」

「え〜?亮介くん、ちょっと顔赤くなってるんじゃない?」

「そ、そんなことないって!」

デートってそんな・・・・。
もしかして、昨日千桜が気にしていたのはそういうことだったのだろうか?
構わないって言ってたけど、大丈夫かな・・・。

「ふふ、冗談よ、冗談!でも、千桜ってあんまり男の子と遊びにいかないから、ちゃんとリードしてあげるのよ?」

「まぁ、出来る限りは・・・。」




















「・・・結構人がいるんだな。」

「まぁ、大きいイベントだからね。」

10時過ぎ、俺と千桜はイベント会場にいた。
混むと面倒なので出来るだけ早く来たのが幸いしたのか、入場はすぐにすることが出来た。

「・・・あ、あそこに『ライト&ダークネス』の新作の試遊台あるよ!」

「ほんと?私の使ってるキャラどうなるんだろうなー。」

表面上はクールに装っているが、千桜はどことなくいつもより興奮しているように見える。
ゲームの祭典と呼ばれているだけあり、ゲーマーの血が騒ぐのだろうか。
・・まぁ、俺もワクワクしてるんだけど。







「・・・あっち、行ってみないか?何かステージでやってるみたいだぞ?」

「あー、新作ゲームの発表かな?」





「おいおい、さっき試遊したゲーム難しすぎじゃないか?」

「最近簡単なゲームが多いからあのくらいのほうが良いかも。」






「ライトノベルに出てくるキャラを使える格ゲーか・・・・斬新だな。」

「千桜が好きなあのキャラも出るかもね!」












「・・・・ふぅ。今回ったとこで全部かな?」

ふと時計を見ると、既に夕方だった。
俺も千桜も夢中になっていて、時間が経つのを忘れてしまっていたようだ。

「もう大体見たし・・・そろそろ帰る?」

「そうだな・・・・でも、まだ少し早いぞ?」

「んー・・・じゃあ、帰りアキバ寄っていい?欲しい漫画があるからさ。」

「アキバ?・・・まあ、いいけど。」

俺と千桜は会場を出て、アキバへ向かうことにした。
別にアキバじゃなくても良かったんだけど、このまま早く帰るのは少しもったいないような気がしたから。
それくらい、楽しんでいた。









「・・・・やっぱアニメイトは凄いな!何でもあるし。・・・・・・さっき話してたのって、バイトの先輩?」

「ああ、そうだよ。頼りになる先輩だ。」

「やっぱ色々なバイトしてるだけあって知り合いも多いなぁ・・でも、俺が挨拶したら落ち込んでなかった?」

「そうか?多分、アニメの録画予約でも忘れたんじゃないか?」

目当ての買い物を終え、駅へ向かって歩いているとなにかの宣伝をしているゲームセンターが見えた。
どうやら、オリジナルのぬいぐるみをプレゼントするキャンペーンをやっているようだ。


「へー、オリジナルのぬいぐるみかー。・・・・・ってあれ、千桜?」

「欲しい・・・・。」

独特なデザインのクマのぬいぐるみだったのだが、千桜は興味津々のようだった。
意外とぬいぐるみとか好きなんだな・・・。

「そんな欲しいなら貰ってこようか?・・・・・えと、これってどうすれば貰えるんですか?」

ゲーセンの入口の店員さんに聞いてみると、店員さんはボードを指差しながら説明してくれた。

「はい、こちらはカップルで来場されたお客様にプレゼントしています!証拠として、ツーショットのプリクラなどをお見せいただければ、プレゼント出来ます!」

カップル。
そう聞いた瞬間、俺と千桜は固まってしまった。
いや、別にそんなんじゃないんだけど!

「え!?カップル・・・?・・・千、千桜、どうする・・?」

「い、いや!別に私達はそんなんじゃないからなぁ!」

俺も動揺しているが、千桜も少なからず動揺しているようだ。
ちょっと顔が赤くなっているのが俺でも分かる。

「で、でもいいの?ぬいぐるみ・・・。」

「う・・・それは・・。」

やっぱりちょっと欲しいらしい。

「・・・・・プリクラくらいなら別にいいけど・・・。」

「え、いいの?・・・じゃあ、その、よろしく。」




「こんな感じかな・・・?」

「これじゃちょっと距離が離れすぎててカップルに見えないんじゃないか・・・?」

「じゃあ、これくらい・・?」

「わ!ちょ、ちょっと近いぞ・・。」

「ごめん!・・でも、今のならオッケーじゃない?」





結局、適度な距離で撮ったプリクラを店員に見せ、ぬいぐるみを貰った。
基本的に格ゲーやらガンシューやらばかりの俺にはプリクラは不慣れなものだった。
そして、多分それは千桜も同じだろう。
ツーショットのプリクラを見た店員は、俺達のことをカップルだと思ったのだろうか。
だとしたら、千桜には悪いことをしたかもしれない。


(彼女なんて、いたことないからなぁ・・・・。)


帰りの電車の中、俺は考えていた。
千桜は疲れてしまったようで、眠ってしまっている。
普通にしているとあまり気づかないが、よく見ると千桜も美人の部類に入るようだ。


(女の子と遊ぶよりはゲームしてるほうがいいと思ってたけど・・・)



(千桜が彼女だったら、楽しいかも・・・・。)
















どうも、ありがとうございました。
場面転換が多くて、分かりづらいかもしれません。
もっとスムーズにいけばいいのですが・・・。


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Re: play the game ( No.7 )
日時: 2013/10/15 22:09
名前: kull

明日台風らしいですね。
どうも、試験やらでなかなか更新出来ないkullです。
今までは構想を大体固めてあったので更新頻度が高かったのですが、これからはそうもいきません。
更新が遅くてもお許しください。













夏もそろそろ中盤。
毎年毎年宿題は進まないが、今年はナギや千桜というゲーム友達が増えて例年にも増して進んでいなかった。

「さて・・・・・どうしますか。」

朝起きたものの、眠気がまだ覚めていないと朝食を食べ、食休みと言ってゲームをし、昼食まで食べ終わってしまった。
我ながら勉強へのモチベーションが全く感じられない生活だと思う。
宿題をやらなければ・・と感じながらも俺はまだ居間でゴロゴロしていた。

「・・・ていうか、何で千桜はそんな進んでるの?」

隣で宿題を進めている千桜を見る。
ページ数からみるに、どうやらもうほとんど終わっているようだ。

「何でってそりゃ、日頃からコツコツやっているからだろ?」

「毎日一緒にゲームしてたじゃん!」

「一緒にやってたって言われてもな・・。一応その日のノルマをこなしてからやってるし、寝る前も少しやってるし。」

確かに千桜がゲームをするのは夕食後すぐでは無いし、俺やナギのように夜更かしをすることもあまりない。
千桜が進んでいて俺が進んでいないのは、至極当然のことだった。

「う〜・・ずるいぞ・・・ところで、他の皆は?」

「出かけてしまったよ。残っているのは私と亮介くんだけだ。」

そんな・・・。
これじゃあ綾崎君を頼ることも、マリアさんに勉強を教えてもらうことも出来ない。
これは、今日も進まないパターンだな・・・。

そう考えていると、不意に玄関のインターホンが鳴った。

「・・?。誰だろ。」

暇だった俺はすぐに反応し、扉を開けてみる。
そこにいたのはウチのクラスの瀬川さん、花菱さん、朝風さんのいわゆる3バカと言われている人達だった。

「やっほ〜!遊びに来たよ!」

「違うだろ泉。私達は宿題を教えてもらうために来たんだ。」

「そうそう美希の言う通りだ。・・・・って、君はうちのクラスの立花君じゃないか。何故ここに?」

「いや、まあ色々あって・・・。三人はどうしたの?」

「さっき言った通り、宿題を写しに・・いや、教えてもらいに来たんだ。ハヤ太君とヒナと千桜はいるかい?」

「千桜だけならいるけど・・・・。」

「なんだと・・・・!?予定外だ、どうする理沙!」

「二人もいないのは痛いが・・・仕方ない、我慢するしかないな。」

「えっと、私達、一応教えてもらう立場だよね・・・?」

相変わらず見てて面白い人達だなぁ・・と感心していると、後ろで千桜がため息をついていた。

「もうそろそろ来ると思っていたけど・・・。」

「あ、ちーちゃんだ!今日もよろしくね♪」

「宿題を手伝うのは構わないんだけど・・・・この前から、少しは進んだのか?」

「ふ!勉強大嫌いな私達が自主的に宿題を進めるとでも!?」

「否!進めるはずがないだろう!?」

「だから何でそんな偉そうなの二人とも!」

「まぁいい・・・。とりあえず中にはいろうか。」




















「ビザンツ帝国の首都はローマだっけ?」

「違うんじゃないか?確か、ロンドンだった気が・・・・。」

「花菱さん、朝風さん、それどっちも違うから・・・。ビザンツ帝国の首都はコンスタンティノープルだよ。」

「むむっ、本当だ!やるな、立花くん!」

三人が宿題をやるというので俺も一緒に宿題をやろうと思っていたのだが、突っ込み所が多すぎる三人のおかげで全く進んでいなかった。
いや、まあとても愉快で楽しいんだけど。

「亮介君、悪いな。バカの相手を手伝ってもらっちゃって。」

「誰がバカだ!」

「そうとも、この中だったら私が一番頭が良いはずだ!」

「美希ちゃんも理沙ちんもそこまで変わらないんじゃ・・・・」

「はは・・・・まさか、この俺が教える立場に回るなんてね。・・あれ、でも瀬川さん、ここの問題全部正解だよ。」

「ほんと?やったあ!」

「バカな!あの泉が・・・・!?」

「泉!一体どんな裏技を使ったというんだ!」

「裏技じゃないもん!放課後にハヤ太君と一緒に勉強した成果だよ!」

「綾崎君、相変わらずお人好しなんだな・・・。」

千桜は呆れていたが、俺は内心感心していた。
貴重な放課後の時間を使ってまで人に勉強を教えるなんて、そうそう出来ることではない。

「あーもう、やる気が・・・・。」

「うむ、なんだかんだ結構勉強したしな・・・。」

「そうだね・・じゃあ、ここらで少し休憩する?」

「亮介君、そんな甘いことは・・・・」

「休憩さんせーい!」

「休憩賛成!」

「やる気の無い私達に休憩は必要だ!」

「三人もこう言ってるし・・・。ちょっと位ならいいんじゃない?」

「・・・・仕方が無い、少しだけだぞ?」

千桜は不満そうにしていたが、実際には俺も少し疲れていた。
授業の60分ですら集中することが困難な俺には、長時間机に向かうことは中々にハードである。

「じゃあ、私は紅茶でも入れてきてやるから・・・大人しくしてろよ?」

千桜はそう言い残し、台所へ向かう。

「うーん、久々の勉強はやっぱ疲れるなー・・・・って、ちょっと!それ俺のケータイ!」

少し目を離した隙に、花菱さんと朝風さんは充電してあった俺のケータイを覗き込んでいる。
俺は面倒なのでパスワードを設定していない。
まぁ普段は人にケータイを勝手にいじられることは無いんだけど。

「ふむふむ・・・・これが一般男子のデータフォルダか・・。」

「いやあ、ハヤ太君はバカみたいに健全だから、たまにはこういう普通の男子も面白いな。」

「ちょっと!勝手にデータフォルダ見ないで!てか俺そんな面白いの無いよ!」

少し慌てたが、女の子が相手なので乱暴に取り戻すわけにもいかず、別に見られて困るものも無いので好きにさせることにした。
どうせ漫画のキャラの画像ばかりだし、すぐに飽きてくれるだろう。

「なら別にいいじゃないか。・・んー、女の子とのメール履歴は無いようだな。」

「私の情報によると、立花君はいまだに彼女がいたことは無いようだぞ。」

「花菱さん、何でそんな情報を・・・。」

「・・・あれ?このメール、プリクラの機械からじゃない?」

・・しまった。
この前、千桜とプリクラを撮った時にケータイにデータを送信したのを忘れていた。
瀬川さん、そんなとこに気づかないで!

「ふむ、彼女のいない君がプリクラ・・・。よし、見てみよう。」

「え、ちょっと待って花菱さ・・・・!」

「・・・・・千桜とのツーショット?」

時既に遅し。
パスワードくらい設定しておくべきだった。

「おいおい、千桜のやつもスミに置けないな。まさか男子と二人でプリクラを撮るなんて。」

「ち、違うんだ!それはその、ゲーセンでそういうキャンペーンがあって・・・!」

慌てながらも俺は当時の状況を説明する。
焦っていたので上手に説明出来なかったが、なんとか分かってもらえたようだ。



「・・・ふむ。それでそのぬいぐるみを手に入れるために仕方なく二人でプリクラを撮った、と。」

「・・そういうこと!だからほら、仕方無かったんだ!花菱さん、分かってもらえた?」

「うむ。・・・でもその割には、まんざらでもないようだが?」

「う・・まあ確かに、千桜みたいな可愛い女子と一緒に写れるのは嬉しかったけど。」

「そこは素直に認めるんだな。・・・まあいい。君の事情は分かった。」

「ほんと?良かった、説明した甲斐があったよ。」



「うむ。つまり君は・・・千桜が好きってことだな!」



「・・・え?ど、どうしてそうなるの?」

「だってそうだろ?事実、君は一緒に写れたのを嬉しがっていたし。」

「千桜を可愛いとも言っていたじゃないか。」

「いや〜、ちーちゃんも意外にモテるんだね〜!」

「ちょっと!話を勝手に進めないで!」

「おいおい、大人しくしていろと言ったじゃないか。」

紅茶をいれ終わった千桜が台所から戻ってきた。
幸い、今までの会話は聞かれていないようだ。

「いや〜それがさ、立花くんがさ・・・」

「花菱さん!ほら!勉強再開しよ!」

「・・・?何を慌てているんだ、亮介君。とりあえず、紅茶でも飲みなよ。」

千桜に勧められて紅茶を口にする。
動揺して熱くなっていた俺には、その紅茶は普段以上に熱く感じられた。


















「今日はありがとね〜!」

「いやあ、今日はマジメに勉強したなぁ!」

「マジメっていっても、途中ふざけてたじゃん・・。」

夕方。
とりあえず妥協点まで宿題を進めたので帰る三人を見送りに、俺は玄関へ来ていた。

「おや?いいのか?そんなこと言っていると、千桜にあのこと言っちゃうぞ?」

「いや、確定事項にしないでよ!別にそんなんじゃないからね!」

「まあ、そう熱くなるなよ。我々とて、人の恋路を邪魔するほど野暮ではないからな。」

「せいぜい頑張るんだな。」

「・・あーもう!ほら、帰った帰った!」

からかってくる三人を俺は強引に外に追い出す。
全く、とんだ勘違いをされてしまったものだ。
こういう時は格ゲーでもして気分を変えよう。







ん、まあ、勘違い、・・・だよな?



















どうも、ありがとうございました。
夏休みの宿題って、本当に進みませんよね。
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Re: play the game ( No.8 )
日時: 2013/10/22 20:38
名前: kull

どうも。中間試験は無事に終了しましたkullです。
最近やっとハヤテの0巻を買ったのですが、面白いですね。
千桜の着替えを見たハヤテは万死に値すると思います。

それでは、本編どうぞ。














「綾崎君ってさぁ、好きな人とかいるの?」

「・・・・へ?」

勉強会の夜。皆が寝静まったであろう深夜にたまたま目が覚めていた俺は、机で勉強している綾崎君に質問した。
俺が起きているとは思わず、しかも予想外の質問に綾崎君は驚いている様子だ。

「それはちょっとどういう・・・」

「いや、だから好きな人だよ。英語で表すとLOVE。誰かいないの?」

「いや、僕はそういうのはちょっと・・。お嬢様にお仕えする身ですから。」

苦笑いして綾崎君は否定する。正直、俺は信じられなかった。
このアパートに住み始めてから数週間が過ぎたが、彼に好意を持っている女の子は少なくないはずだった。
別に本人から聞いたわけでは無いが、恐らく西沢さんとルカは確定だろう。もしかしたらヒナさんも。
本人から聞かなくても、綾崎君に対する仕草とか、表情とかでなんとなく分かるものだ。

「このアパートに住んでる女の子って結構レベル高いと思うけど、それでもいないの?」

「いや、ですからいませんって・・・。」

「へーえ・・。珍しいね。こんなに可愛い子がたくさんいたら、誰か一人は好きになっちゃいそうなもんなのに。」

「そうですか?確かに、皆さん美人ですが・・。」

「まあ、いないなら別に構わないんだけどね。」

「はあ・・。ですが、どうして唐突にそんな話を?」

「いや、深い意味は無いんだけどさ。たまにはこういう男子トークもしてみたいなーって。」

実際にこのアパートには俺と綾崎君しか男はいない。
必然的に話す相手は女子に限られるので、こういう恋愛話はあまりしなかった。
(実際には話そうとするとヒナさんも西沢さんも顔を赤らめて話にならないのだが。)

「なるほど・・。ちなみに、立花さんは彼女とかはいらっしゃらないんですか?」

「いたらこんな毎日ゲームばっかしてないって。俺、別にモテないしさ。」

別に女子が苦手なわけではない。
だが、幼いころからゲームと漫画とアニメで過ごしてきた俺は女子と遊んだ経験も少なく、彼女がいたことも無かった。

「そうですか?僕から見たら、立花さんは充分魅力的だと思いますけど?」

「・・・綾崎君、まさか男が好きなんじゃ・・・」

「違います!それは断言させてもらいます!・・・・でも立花さん、千桜さんとかと仲良く話されてるじゃないですか。」

「そう?・・そんな仲良さそうに見えるかな?」

「ええ、もぉ。お二人で下校されてるところとか、もうカップルみたいでしたよ。」

「ちょ、やめてよ綾崎君!そんなんじゃないって!」

「はは、冗談ですよー。」

否定しながらも、俺は別に悪い気はしなかった。
花菱さんにも言ったが、千桜のような女子と恋人同士に間違われるのなら構わない。
ただ、その、嬉しいって表現すると俺が千桜を・・・好きみたいになっちゃうのが問題だけど。

「ですが、お嬢様とも仲良くされて頂いて本当に感謝しています。なんせ友人が少ないもので・・。」

「ああ、ナギ?前も言ったけど、ナギは普通に遊んでて楽しいよ。なんか妹が出来た気分だ。」

「妹っていうには少し違う気がしますが・・・。」

「・・話を戻すんだけどさ、綾崎君に好きな人がいないっていうのは分かったんだけど。それじゃあ、綾崎君は人を好きになったことあるの?」

「・・・好きになったこと、ですか。」

その質問はさっきの話の延長上で、単なる俺の好奇心だったのだが、なんとなく彼の表情が暗くなったような気がした。
・・・あれ、なんか地雷踏んだ?

「・・・一度だけ、ありますよ。ただまあ、振られちゃったんですけどね。」

「へ、へー。それは残念だったね・・。」

顔は笑顔だったのだが、それでもやっぱり触れちゃいけなさそうだったので、深く突っ込むようなことはやめることにした。

「変なこと聞いちゃってごめんね。・・ただ、人を好きになるのっていうのはどんな感じなのか知りたくて。」

「それは人それぞれだと思いますけど・・。でも、明確な答えは無いんじゃないでしょうか。」

「そうなの?」

「その人と一緒にいて楽しかったり、その人が大事だったり。そういう色んな感情が合わさって『好き』っていう感情になるんじゃないでしょうか。」

「・・そっか。なんか深いね。」

「いやいや、僕も恋愛経験はそんなに無いですから。あんまり分からないです。」

「うん。答えてくれて、ありがとね。・・・じゃあ、俺もう寝るから。」


時刻は既に2時を回っていた。
いい加減俺も眠くなってきたので、俺は横になって目を閉じた。




















いつもより短いですが。
ありがとうございました。
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Re: play the game ( No.9 )
日時: 2013/10/31 20:03
名前: kull

どうもお久しぶりです。kullです。
前回から間が空いてますが、忘れてるわけじゃありません。
年内には終わらせたいです。

リレー小説大会4位でした。光栄です。














「・・・・暇だなー。」

日曜日の昼間。
俺は特にやることも無く、ゴロゴロと居間で寝転がっていた。

「宿題も順調、やるゲームも無し、テレビも見たいものは無い・・暇だ。」

ナギとルカは部屋で漫画らしきものを描いているし、ヒナさんは部活、西沢さんと千桜はバイトで、暇人は俺くらいなものだった。

「誰か相手してくれる人はいないものか・・・。」

横になって唸っていると、何やら綾崎君が出かける準備をしているのに気づいた。

・・・これはチャンスだ。暇なので綾崎君に着いていくことにしよう。

「綾崎君、どこ行くのー?」

「ああ、お嬢様がこの前お友達の家に忘れ物をしたらしいので、それを取りに。」

「ナギの忘れ物を綾崎君が取りに行くの?執事って大変だねぇ。」

「お嬢様は漫画を描くのに忙しいですから。」

「ね、ね、俺も一緒に行っていい?暇で仕方が無いんだ。」

「え、でも結構遠いですよ?港区まで行きますし・・・。」

「遠いならなおさら行きたいよ!時間が有り余ってるからね。」

「ならまあ、別に構いませんが。」




















「・・・・ここがナギの友達の家?」

電車で数十分揺られ、数分徒歩で歩いた先には愛沢と書かれた見たこともないような豪邸が建っていた。
さすが三千院家の友人、半端な金持ちじゃない。

「なんか、凄い豪邸だねー。」

「まぁ、普通に見たらそうなりますよね。前にお嬢様が住んでいたお屋敷も、こんな感じでしたよ?」

「そりゃ三千院家だからね。今のアパートに住んでるほうが不思議だよ。」

何故三千院家のお嬢様があんな木造アパートに住んでいるのかは以前から気になっていた。
しかし何か複雑な事情があるようだし、あまり聞かないことにしている。

「もしもし、咲夜さん?綾崎ですけど。」

綾崎君がインターホンでそう告げると、門が開いたので俺達は屋敷の中へ入っていった。

「おお、来たな借金執事!」

屋敷から出てきたのはナギと同い年くらいの少女だった。
しかし、全体的に見ればナギよりも大人っぽく見えるだろうか。

「どうも、咲夜さん。先ほど電話でおっしゃられていたお嬢様の忘れ物を取りに伺いました。」

「おう。ところで、隣にいる貧相な兄ちゃんは誰や?見ない顔やな。」

「貧相って・・。確かにイケメンではないけど・・・・」

「ああ、この人はウチのアパートに新しく入居された立花さんです。立花さん、この方がお嬢様のご友人の愛沢咲夜さんです。」

「そうか、あのアパートの住人か!はっは、悪かったな、兄ちゃん。」

「うん、まあいいよ・・・。それより俺、関西の人って初めて会ったんだけど。」

「そうなん?でも、大して珍しくもないで?」

「ねぇねぇ、大阪ってどんなところなの?」

「大阪はな、コンビニで買い物をする時、レジでボケるのが基本的なマナーなんやで。」

「・・ええ!そうなの!?・・俺、コンビニ行けないな・・・・」

初めて聞く大阪の話に驚きショックを受けていると、咲夜というらしい少女が笑い出した。
どうも予想してなかった反応らしい。

「・・冗談や、冗談!いやー、自分、素直で面白い奴やなー。」

「なんだ、冗談か・・。」

「咲夜さん、お嬢様の忘れ物を・・。」

「・・ああ!この兄ちゃんが面白くてすっかり忘れてたで。まぁ、立ち話も難やし、奥へ行こうやないか。」

そう言われて豪邸の中の客間へ案内される。
屋敷の中はところどころに高級そうな物が置いてあったり多くの使用人が働いていたり、金持ちであることを実感させられた。

「うわー、高そうなソファーだなぁ・・。ねぇ、これ座っていい?」

「ええけど、大阪ではソファーには常にブーブークッションが仕掛けられとるで。」

「え?・・そんなんじゃ大阪の人は毎回座るとき大変だな・・・。」

「立花さん、嘘です・・・・。」

またも驚いている俺に呆れていた綾崎君が教えてくれた。

関西人は話の要所要所に冗談を入れてくるのか・・・。

「兄ちゃん、少しは疑うことも覚えたらええで?」

「そんなんじゃ疲れちゃうって・・・。」

「あのー、忘れものを・・。」

「分かってるって!・・・・・ハルさん!ナギの忘れ物を!」

咲夜が呼び声と一緒に手を鳴らすと、客間のドアから若いメイドさんが入ってきた。
凄く笑顔の可愛いメイドさんだ。

「はーい、持って来まし・・・た・・・。」

「ん?どうしたハルさん?何かおかしいで?」

「い、いや、何でも!」

「ねぇねぇ綾崎君、やっぱお金持ちの家のメイドさんは美人だね!マリアさんも美人だけど!」

「あかんで、立花の兄ちゃん。ハルさんがいくら美人だからって手をだしちゃ。」

「ハルさんって名前なんだー。・・どうもこんにちは、立花です。」

「は、はーい。メイドのハルです♪」

無難な挨拶をしたはずだが、何故かハルというメイドさんは焦っているように見える。

まずい、大阪式の挨拶は違ったのかな。

「ん?よく聞くと、その声どこかで聞いたことあるような・・・。」

微妙に違うが、ハルさんの声はどこか千桜に似ているような気がした。
注意して見ると背丈や髪の色も同じである。

「どこかでお会いしたことありましたっけ?」

「・・・いやいや!これが初対面です!」

「なんか千桜に似てるような・・。」

「いや!多分別人です!」

「・・・そっか、世の中には似てる人もいるんですね。」

「そうだと思いますよ!・・・それで、これが忘れ物です。」

ハルさんが渡してきたのは漫画の原稿らしきものだった。
絵柄からして恐らくナギの描いたものだろう。

「綾崎君、それナギの原稿?」

「ええ。この前お嬢様が咲夜さんに見せに行かれた時にお忘れになられたものです。それじゃ立花さん、帰りますよ。」

「もうちょっと見ていきたかったなー。」

「別にいつ来ても構わんで。兄ちゃん面白いから気に入ったわ!」

「ほんと?嬉しいなぁ。・・・なら、今日はもう帰るね。」

















夜。
愛沢家から戻って少し時間が経ち、夕飯を待っていると玄関のドアが開く音がした。

「ただいまー。」

「あ、千桜お帰り!バイトも大変だねー。」

「そ、そうだな。今日は一段と大変だったよ。」

「ねぇ聞いてよ!今日さ、千桜に似たすっごい可愛いメイドさんに会ったんだ!」

そう話すとビクッ!!っと千桜が固まったような気がした。
自分に似てるメイドさんが可愛いって言われたから照れているのだろうか。

「そ、そうかー。いやー、世の中には似てる人がいるからなー。」

「ん・・・何か千桜おかしくない?」

「いやいや!いやぁ、そんなに似てるなら会ってみたいものだな!・・ほら、夕飯出来たみたいだぞ!」

「・・・やっぱ何かおかしい気が・・。まぁ、いいや。」

何処かいつもより慌てているような千桜を横目に、俺は今日も美味しそうな夕飯を食べることにした。













ありがとうございました。
咲夜の関西弁が非常に難しいです。

ハヤテってどれくらい敬語を使うんでしょうか・・。
本編だと丁寧語が基本ですが、尊敬語も使ってますよね・・。
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Re: play the game ( No.10 )
日時: 2013/11/24 21:27
名前: kull

どうも、お久しぶりです。kullです。
前回から大分間が開いてしまいました。すいません。

しかし残念ながら、高校3年という立場から、やらねばならないことがあるので更新は遅くなってしまいます。
どうかお許しください。

さて、今回の話は亮介の日常です。

夏休みにイベントがあるのなんてほんの数日。
大体は決まった毎日を過ごすものですよね。















AM8時。




ピピピ ピピピ ピピピ

「ん〜・・・・朝か・・・・」

真夏日の朝。

朝8時にセットしてあったケータイのアラームが鳴り響き、俺は目を覚ました。

「んー、今日もいい天気だな・・・」

窓を開けて天気を確かめ、俺は居間へ向かった。
この時間だと、大体は綾崎君とマリアさんが家事をしている。
千桜やヒナさんは学校に行ったりしてるし、他の人はまだ寝てるから、朝食は一人だ。

「あ、立花さん、おはようございます。朝食、何になさいますか?」

「んー、今日はご飯が食べたい気分かな。」

「わかりました。では、すぐにお持ちしますね。」

朝は基本的にこのやり取りから始まる。
希望を言うと綾崎君は何でも用意してくれるし、言わなかったら言わなかったで美味しいものを出してくれるので、毎朝感謝している。

「えーと、今日の朝は何がやってたかなーっと・・」

テレビをつけ、適当にチャンネルを回す。
世界の情勢やらスポーツの特集やらを見ていると綾崎君が料理を運んできてくれたので食べる。

「また千桜とヒナさんは学校?もう八月も中盤だっていうのに、大変だね。」

「お二人は生徒会ですから。二学期は色々と行事もありますし、忙しいみたいですね。」

「しっかし、夏休みもあと十日くらいしか残ってないね。んー、早かったな・・。」

「夏休みなんてそんなものですよ。長いと思っても、すぐ終わってしまうものです。」

「ま、分かってるんだけどね。」





AM11時


「ハーヤーテー!明日から早起きするって言ったのに何で起こしてくれないのだー!」

「起こしたじゃないですか!あと十五分・・・って何回も言われましたよ。」

居間でぼーっとしていると、ナギの大声が聞こえてきた。
今日は十一時か。結構早く起きたなぁ。遅いときはお昼ご飯終わってるから。

「亮介!ハヤテは本当に起こしてたのか!?」

「えー、多分起こしてたんじゃないかなぁ。見てないけど。」

「ほらー!亮介も見てないって言ってるぞ!」

「いや、起こしましたよ!何度も!ね、マリアさん!」

「あれ〜、ハヤテ君、起こしてましたっけ〜?」

綾崎君は通りすがりのマリアさんに必死に助けを求めたようだが、逆効果だったみたいだ。
マリアさんは楽しそうに知らんぷりをしている。

「そ、そんなマリアさん・・・・・」

「やっぱり起こしてないじゃないか!私が今日寝過ごしたのはハヤテのせいだ!」

「・・・・えっと、朝食は何にします?」

周りに誰も味方がいないので、もうスルーすることにしたようだ。
このパターン、三回目くらいかなぁ・・。



「ナギー、食べ終わったらモンスター狩りに行こうよ。」

「えー、またやるのか?今日は格ゲーがしたい気分だぞ。」

「格ゲーは千桜が帰ってきてからにしない?二人だとすぐ飽きちゃうんだもん。ナギが。」

「それはお前が同じキャラばっかり使うから悪いのだ!真のゲーマーは全キャラを使いこなすものだ!」

「一つのキャラを最大まで極めるのも真のゲーマーだと思うけどなぁ。」





PM1時



お昼。
なんとかナギを言いくるめて携帯ゲーム機でモンスターと戦っていると、玄関の扉が開く音がした。


「ただいまー。」

「あ、千桜お帰り。今日は早いねー。」

「仕事はまだ残ってたんだけど、ヒナが全部やってくれるってさ。本当に働き者だよ。」

「おお、千桜帰ってきたか!これで格ゲーが出来るな!」

「昼食が終わってからな。」

「いやー、ナギがさっきから格ゲーやりたいってうるさくて。早く帰って来てくれて助かったよ。」

「ところで千桜、お前が持ってるそのチラシは何なのだ?」

「ん、ああこれ?なんか商店街で配ってた、花火大会のチラシだよ。ほら。」

そう言って千桜は手に持っていたカラフルなチラシをこちらへ見せた。
『8月30日 大花火大会』と書かれている。

「結構近くでやるみたいだから、行ってみないか?」

「夏に花火!いいね、風流あるじゃん!」

「えー、夏の終わりくらい家でゴロゴロしたいのに・・・」

「お前はほんとに引きこもり精神だな・・・。」








PM4時


波動拳!流星拳!流星胡蝶拳!ゴッドフィンガー・ヒートエンド!
you win

「うー、疲れた・・・。もう夕方か。」

「亮介!もう一回!今のは偶然なのだ!偶然!」

「今日だけで偶然が10回以上起きてるんだけどそれは・・・・。」

「とりあえず、私はもう抜けるからな。色々とやることがあるし。」

「千桜おつかれー。」

「どうせお前のやることなんて勉強かラノベを読むことくらいだろ?」

「お前は私を一体なんだと思っているんだ・・・・」

「俺もちょっと眠くなってきた・・・・。夕飯まで寝ようかなぁ。」

「むむむ・・・。仕方ない、ここは一時休戦だな。」











AM7時



「お嬢様、立花さん、夕飯出来ましたよー。」

「あれ、もうそんな時間か・・・。ナギ、ご飯出来たってさ。」

「ん・・・まだ眠いのだ・・・」

「お嬢様、そんなに寝てると夜眠れなくなっちゃいますよ?起きてください。」

「うぅ・・・わかった・・・」




「今日はハンバーグ?これ絶対ヒナさんの希望でしょ?」

「私がいつもハンバーグとカレーばっかり食べてると思わないで!・・・・・確かに今日は希望したけど。」

「大丈夫ですよ、ちゃんと毎回味を変えてますから。今日は前回と違って和風に仕上げてあります。」

「もぐもぐ・・・ほんとだ、ポン酢の味がする。前回のも良かったけど、これもいいね!」

「ハヤテが作ってるんだから当たり前なのだ!なー、ハヤテ!」

「お褒めの言葉、光栄です。」

「えーっと、今日のアニメはと・・・・・」

「わ、千桜流石だね!深夜だけじゃなくてゴールデンのアニメも抑えてるんだ。」

「ち、違うぞ!?これは見る番組が無いからたまたまであってだな・・・・」

「お前、いい加減自分がオタクだって認めるのだ。」











AM11時



「マリアさん、もう全員お風呂入りました?」

「はい。あとは立花さんとハヤテ君だけですよ。」

「分かりました。・・じゃ、俺入ってきます。」

「亮介ー、風呂から出たらゲームの続きやろー」

「お嬢様、もう寝なきゃダメです。また明日起きれなくなっちゃいますよ。」

「大丈夫!気合で起きるのだ!」

「ナギ、ちゃんと寝ないとヒナさんみたいになっちゃうよ?」

「亮介君?・・・・それ、どういう意味かしら?」

「あれ、ヒナさん、いつの間に・・・・・・・じゃ、風呂入ってくるから!」

「あ、こら!待ちなさい!」










AM0時


「さて、そろそろ寝るか・・・・。」

「おやすみなさい、立花さん。」

「綾崎君も早く寝なよ?夏休みくらい、長く寝ても構わないと思うけど。」

「大丈夫です。これでも、体は丈夫なほうですから。」

「そっか。・・・じゃ、おやすみ。」


















ありがとうございました。

今回は会話文が多くなってしまいましたね。

誰が話してるかわかりづらかったらすいません。

あの技名、分かる人いるかなぁ。
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Re: play the game ( No.11 )
日時: 2013/11/24 21:52
名前: プレイズ

お久しぶりです。
会話が多めとの事でしたがなかなか面白かったです。

個人的に
>「ナギ、ちゃんと寝ないとヒナさんみたいになっちゃうよ?」「亮介君?・・・・それ、どういう意味かしら?」
のとこのやりとりがウケましたw

あと、今回はハヤテのセリフが敬語調ばかりでなく感嘆符が結構あったりしてハヤテっぽさが出てたのが良かったです。


更新の時間がなかなか取れないのは自分もですね。余裕のある時に自分のペースで更新していかれたら良いと思いますよ。
お互い、執筆の方頑張りましょう(*^▽^*)
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Re: play the game ( No.12 )
日時: 2014/02/23 15:17
名前: kull

お久しぶりです。kullです。
受験は無事に終わりました。ぼちぼち更新していこうと思います。
とりあえずコメ返し。

>プレイズさん
コメント返しすら遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。
コメントもらえるの非常に嬉しいです。
ハヤテだっていつも敬語ばっかり使ってるわけじゃないですよね。たまには感情的にもなったりします。
あと、多分亮介は悪気はないんだと思います。ただ素直なだけ、素直なだけ・・・・。



一応久しぶりなので設定再確認しておきます。
あと若干補足も。

・話は始業式スタート。ルカは入居済み。
・話の都合上、ルカは夏休み最後までアパートにいることになってます。
・ナギとルカは漫画を描いていますが、結婚をかけた勝負はしていない、ということで・・・。

そのうち原作と若干被る話が出ると思いますが、「ああ、こいつこれ予想してなかったな」って思って見てください・・・。
まさか花火大会出るとは思わなかったんだ・・・・。













「いいか?このxに3を代入して微分すると・・・」

夏休み終盤。
俺、立花亮介は数学の講習を受けていた。

(あー、早く終わらないかなー・・・)

やる気はあまり無かったので、俺は申し訳程度に板書をし、新作のゲームのことなどを考えていた。
夏休み前は気合を入れて講習をとるが、大体面倒になってあまり勉強しない。いつものことだ。

(まあ、この講習が最後だし、宿題も皆のおかげで終わってるからあとはゴロゴロできるな。)

なんてことを思っていると、数学教師から驚きの一言が発せられた。

「ああ、言っておくけど明日の確認テストに合格しなかったら夏休み終わりまで補習だからなー。」

その一言でクラス中の皆の表情が変わった。

「先生!そんなの初耳ですよ!」

「鬼!魔人!外道!」

「うん、今初めて言ったからな。講習のプリントにも書かなかったし。まあ、マジメに授業受けてれば簡単さ。」

(・・・・・え?)

板書だけして授業は大して聞いていなかったので、これは大ピンチだ。
調子乗って数学の講習なんて受けるんじゃなかった・・。

「じゃあ、これで今日の講習は終了!明日の確認テストを欠席したやつは問答無用で補習だぞー」

恐ろしい捨て台詞を残して教師は教室から出て行った。
バックれる、という選択肢も無くなってしまった・・・・。

「おい亮介ェ、どうする?これヤベーよ。」

「まさかこんなことになるなんてなー。」

話しかけてくる友人達も驚いているようだ。
確かにこれは大変だ。ゲームのことを考えている場合ではなかった。
こうなったらもうあの手しか・・・・。

「亮介、お前どうすんの?」


「ああ、俺は・・・最後の手段をとるしかないみたいだよ。」

俺はそう言って荷物を持ち駆け足で教室を出た。

















「勉強を教えてください。」

「・・・・は?」

教室を出た俺は真っ直ぐ生徒会室へ向かった。
正直一日という時間は自分で勉強するには足りないので、千桜かヒナさんに勉強を教えてもらおうという考えに至ったのだ。

「いや、実は明日の確認テストに合格しないと補習になっちゃうんだよ・・・。」

「大変だな亮介くん。私達なんて講習を一つもとらなかったから、最低限の補習で済んだのに。」

「ああ、美希の言うとおりだ。これは私達の戦略勝ちと言えるな。」

「・・・・ただ面倒だっただけなんじゃ・・・・」

花菱さん、朝風さん、瀬川さんの三人は余裕の表情だ。

流石、歴戦の勇者は違うな・・・。

ヒナさんと千桜はなにやら作業をしていた手を止めてこちらへ向き直る。

「そう言われてもなぁ・・・。一応私達も二学期に向けて色々あるわけだし・・。なあ、ヒナ?」

「そうねぇ・・・。」

「お願い!少しだけでいいから!」

「少しだけって・・・」

「・・・亮介くん、確認テストの範囲って分かる?」

「え?これだけど・・・」

ヒナさんに尋ねられたとおりに講習のプリントを渡す。
教師は講習の範囲しか出さないと言ってたので、間違いは無いはずだ。

「・・うんうん、なんだ、ちょっとだけじゃない。これなら大丈夫よ。千桜、教えてあげたら?」

「え?でも、まだ仕事残ってるけど・・。」

「大丈夫。千桜の分は私がまとめてやっておくから。それならいいでしょ?」

「そうだけど、まだ結構な量が・・・。」

「いいわよ。困っている人を助けるのも生徒会の役目、でしょ?」

「・・・・分かった。じゃあ亮介くん、早速図書館でも行くか。」

「やった!ヒナさん、千桜、ありがと!」

先導する千桜を前に、俺は生徒会室を出た。




「しかし、よく引き受けたね〜!いつものヒナちゃんなら、『自業自得よ。ちゃんと自分で頑張りなさい。』って言いそうなのに〜!」

「私は泉ほどバカじゃないが、同じことを思っていた。珍しいな。」

「バ、バカって・・理沙ちんちょっとヒドイ・・・」

「あら、私はそんなに鬼じゃないわ。友達が困っていたら助けるのは当然でしょ?それに・・・」

「それに?」

「千桜と亮介くんって良い雰囲気じゃない?だから、これを機に二人がもっと距離を近づけないかな〜って♪」

「ほう、それは面白そうだ。例の件もあるしな。」

「例の件って何、美希?」

「ああ、ヒナは知らないんだっけか。立花くんのケータイに千桜と立花くんのツーショットがあったって話だ。」

「ほんと?なんだ、思ってたより全然仲良くなってるじゃない。」











白皇図書館。

俺と千桜が勉強を始めて、既に何時間か経っていた。外はもう暗い。

「違う違う、そこは少し公式を変化させなきゃ。」

「あ、そうか・・・。やっぱ数学は難しいな・・・。」

「テンプレート通りに考えるからダメなんだ。もっと発想を柔軟にしないと。」

「へー、そういうところはゲームと同じなんだね。」

「まあ、一つのやり方でダメなら色んな角度から試すのは大事だ。さあ、次の問題いこう。」

「うん、分かった。」


(おい、亮介が春風さんと勉強してるぞ・・・・!)

(ああ、あの野郎いつの間に春風さんと仲良くなったんだ・・?)

(女子と二人で勉強だと・・?あの野郎、もうゲーム貸してやらないからな・・・!)


「・・・ん?」

「どうした、亮介くん?」

「いや、誰かに名前呼ばれたような・・・」

「そうか?でも今はそんなのを気にしてる場合じゃないぞ。時間が無いんだから。」

「うん。でも千桜の教え方がいいせいか、もうほとんど基本は分かるようになった気がする。」

「油断するなよ。数学は復習が大事だからな。・・・でも、もうそろそろアパートに戻るか。一回休もう。」

「そうだね。ふー、疲れた・・・。」











コンコン、コンコン

「はーい、どうぞー。」

「あ、千桜、この問題なんだけど、この解き方で合ってるかな?」

夜。
俺はアパートに戻って夕飯を食べ終えた後、最後の確認をしに千桜の部屋を訪れた。
勉強とはいえ、女の子の部屋に入るのはちょっと緊張する。

「どれどれ・・・・ああ、この問題か・・・。」

ノートを見るために千桜が近づく。
風呂上がりなのか、少し熱気があって温かい感じがする。

(ん、良い香りがする・・。シャンプーの香りかな・・。)

「・・・・・っていう感じだと思うけど。・・・って、聞いてたか?」

「・・・ああ!うん、大丈夫大丈夫、ちゃんと聞いてたよ。」

千桜の香りに若干気を取られていたが、話は聞いていた。
風呂上りの女の子と接する機会なんてあまりないので、不覚にもちょっとドキドキしてしまったのだ。

「ったく・・・。でもまあ、ここまで出来たなら付け焼刃としては充分だな。これに懲りたら次からちゃんと勉強しろよ?」

「うん、分かった!千桜、ほんとにありがとね。千桜がいなかったら危うく補習になるところだったよ。」

「別にいいよ。そもそも手伝えたのはヒナのおかげだし。・・・・それにまあ、残りの夏休みを補習になって、キミと遊べないのもちょっと寂しいし・・・///」

「ん・・?ごめん、最後のほうあんまりよく聞こえなかった、何て言ったの?」

「・・大したことじゃない。それより明日、ちゃんとテストに合格しろよ?」

「分かってるって!」


千桜の力があれば、百人力なのだ。













最後まで読んでいただき感謝です。
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Re: play the game ( No.13 )
日時: 2014/03/19 14:33
名前: kull

こんにちは。
大学に入るまでの期間、中々に暇です。
なにやればいいかわかりません。



今回はちょっと雰囲気を変えて、千桜視点のお話です。
亮介以外の話もたまーにやるかもしれません。











「んー、今頃亮介くんはテスト中かな?」


朝の生徒会室。
私はヒナの仕事の手伝いをしていた。
・・・と言っても昨日ヒナが私の分もまとめてやってしまったので残りは少なく、今はもう美希、泉、理沙も含めておしゃべりの時間となっていた。

「そうね。それで結局、亮介くんは大丈夫そうなの?昨日勉強教えてあげたんでしょ?」

「ああ、まあ大丈夫だろう。一応基礎はそれなりに覚えたみたいだから。やれば出来るみたいだよ、彼は。」

私がそう言いながら横で遊んでいた三人組をジロリ、と横目で睨み付けると三人は笑顔で言い返してきた。

「むむ?私達の顔に何かついているのかな?」

「言っておくが、私達は勉強する気はないぞ?なにしろ勉強は大嫌いだからな!」

「美希ちゃんも理沙ちんもよくそんなに胸を張れるね〜・・・・でも、私は二人と追試とか補習を受けるの、好きだよ!」

「「補習を受けるのは嫌いだ!!」」

どっちにせよ勉強する気がないような三人を見て、私はため息をついた。

「まったく・・・お前達も亮介くんくらいやる気があればいいのにな。」

「そうそう。なんなら、あなた達も千桜に勉強を教えて貰ったら?」

「ヒナ・・私に押し付けないでくれよ・・・。」

私に三人の世話を投げるヒナに呆れていると、美希の口から驚きの言葉が飛び出してきた。

「それはダメだ。だって私達と亮介くんに教えるのでは千桜のモチベーションが違うじゃないか。亮介くんは彼氏だろ?敵うわけがない。」

「うんうん!二人とも仲良しだって、皆が噂してるの聞いたよ〜!」

「・・・・は?」

「昨日だって図書館で仲良く勉強してたらしいじゃないか。」

「ゲームセンターで一緒にゲームしてるのを見た人もいる。」

「有名なイベントでも二人を見かけたって人いたよ〜!」

確かにそれらは全て真実なのだが・・・・・。

「違う違う!全然違うよな、ヒナ!」

慌ててヒナに助けを求めると、ヒナもこっちをニヤニヤ笑っていた。

「そんな謙遜しなくてもいいのに。昨日だって夜、千桜の部屋で何かしてたみたいじゃない。私、亮介くんが千桜の部屋から笑顔で出てくるの、見たわよ?」

ヒナの言葉を聞いて美希と理沙が興味を持つ。

「むむ、それはそれは・・・・。」

「何かやましいことがあったに違いないぞ。夜に男女が同じ部屋・・・・」

「だから違う!昨日の夜に亮介くんが質問しに来たから教えただけ!それだけだ!」

「千桜、顔赤くなってる、可愛い〜♪」

「茶化すな!・・・もう、全く皆してからかうんだから・・・!」

愛歌さんがいなくて本当に良かった。彼女がいたらもっと大変なことになっていたに違いない。

「私と亮介くんはそういう関係では・・・・ん?」

私はポケットの中で携帯が振動していることに気づいた。メールが来たようだ。

(どれどれ・・・・愛歌さんから?)

『 To 春風千桜 From 愛歌さん
 
  どうも千桜さん、こんにちは。
  突然なんですけど、この前電車で千桜さんと最近千桜さんが仲良くしている男の子が一緒に乗っているところを見たので、思わず写真を撮ってしまいました。
  
  自分だけ持っているのが勿体無い一枚なので、千桜さんにも送りたいと思いました。』


(仲良くしてるって、亮介くんのことか?・・・それにしても電車って、いつのことだ?)

不思議に思いながら添付ファイルを開く。
出てきた写真は日付からしてTGS(5.6話参照)の日、時間はちょうど帰りの電車・・・

「わー!!この写真、すごーい!」

背後からの突然の泉の大声。どうやら後ろから携帯を見られていたようだ。

「よし、『千桜のケータイをこっそり覗いちゃおう作戦』成功だな、泉!」

「それで、写真って何だ!?」

「うん、なんかね、立花くんとちーちゃんが電車の中で二人で座ってるんだけど、ちーちゃんが立花くんに寄り掛かりながら寝てるの!」

「なんだそれは!我々も気になるぞ!」

「っておい!勝手に人の携帯を除き見るんじゃ・・・・うわっ!」

叱る隙もなく美希と理沙がもの凄いスピードで私の手から携帯を奪っていった。
こういう時だけ素早い。

「本当だ・・・。千桜、ずいぶん寝てるな、疲れてたのか?」

「寄り掛かられてる立花くんがビミョーに赤面してるのがまた面白いな。」

「三人とも、勝手に人の携帯を見たらダメじゃない。・・・・・私にも見せて?」

「ヒ、ヒナまで・・・・。」

「・・・・あら、これ良く撮れてるわねー。これだけ見たら完全にカップルよ?」

「だから違うんだって・・・・。」

「ふふ、分かったわ。そこまで言うなら、付き合ってないってことにしておいてあげる。」

必死の説得に一応ヒナは納得してくれたようだ。
三人はまだニヤニヤ笑っているが・・・。

「あ、もう亮介くんのテスト終わってる時間よ。迎えに行ってあげたら?」

「・・・まあ、ここにいるよりはマシだな。」

このままだと延々とからかわれるのが目に見えていたので、ヒナの言うとおりにすることにし、私はエレベーターに乗った。










「しっかし、本当にあの二人は付き合ってないのか、ヒナ?」

「うーん、まだだったみたいね。そろそろだと思うんだけど。」

「でもほんと仲良しだよね〜。いつもどんな感じなの〜?」

「まあ、大体は亮介くんが千桜を慕ってる感じ。でも、千桜もまんざらじゃないみたいよ。」

「でも二人で一緒にいたら大体は付き合ってると勘違いされるよな。」

「私もそう思うが、千桜は男性経験に疎いし、気づかないんじゃないか?」

「・・・まぁ、これから先に期待ね。」











以上です。ありがとうございました。

新しいPC買ったので次からそれを使おうと思います。
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Re: play the game ( No.14 )
日時: 2014/03/20 00:22
名前: プレイズ

こんにちは。プレイズです。

今回は千桜視点の話ですね。
生徒会メンバーの会話がキャラのらしさが良く出ていて、なおかつ絡みが面白かったです。

理沙達が勉強をサボリたがってたり、亮介との仲の事で千桜をちゃかしたりしてるところが、キャラのらしさが出ているなあと。
真面目な千桜とおちゃらけた3人娘の対極的な絡みでもう、それぞれの良さが明瞭に発揮されていますね。
千桜と同じく真面目な側のヒナまで、美希達に乗っかって少し千桜を囃してるのがまた面白いです。
ヒナギクが人の携帯を見たらダメと言いつつ自分にも見せて、と言うとこで笑いましたw

kullさんの小説は、各キャラの描写というか、キャラ同士の絡みが魅力があって面白いと思います。
私は最近自分の小説でキャラを描写する時に、魅力あるキャラ描写をするのがなかなか難しいなあと感じているので、kullさんの描くキャラの魅力さを見習いたいですね。
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Re: play the game ( No.15 )
日時: 2014/07/14 02:07
名前: kull

お久しぶりですkullです。
元気に大学生やってたら時間が無くて更新できませんでした。放置じゃないです、すいません・・・・。

これを書きながらチャットしてたら2時になってしまいました。
なので短めです。久しぶりなのに申し訳ないです。


















コンコン

「はい、どうぞ。・・あら、亮介くんじゃない。どうしたの、こんな時間に?」

「ん、実はヒナさんにちょっと相談があってさ。」

テストの日の夜、俺はヒナさんの部屋に来ていた。
時計は既に11時を回っている。

「あら、珍しいわね。千桜じゃなくて私に相談?」

「・・もう、茶化さないでってば。」

妙に含み笑いをしながら、ヒナさんが体をこちらに向けた。

「ふふ、ごめんなさい。・・それで、どんな相談かしら?」

「いやまあ、大した相談じゃないんだけどさ。テストのことで千桜にお礼として何かあげたいから、何がいいかなぁ、って。」

「あら、そんなの千桜に直接言えばいいじゃない。何が欲しいの?って。」

「・・・それも考えたんだけどね。でも多分千桜はお礼なんていらない、って言いそうだからさ。」

「それもそうね。・・うーん・・・、何がいいかしら。」

「女の子が喜びそうなものが欲しいんだけど・・・。そういうの、あんまり分からないから。」

「そうね・・・明日日曜日だし、一緒に買い物に行ってみる?」

「え?・・・いいの?」

唐突な提案に少し驚く。
どうせ日曜はゲームして過ごすだけだし、こっちとしては大歓迎だ。

「全然構わないわよ。明日は生徒会の仕事も無いし。・・・一緒に千桜を喜ばせましょ?」

「うん!・・・・ありがと。」

「・・・別にいいわ。その言葉は千桜に言ってあげなさい。」

軽く頷いて、俺は部屋を出た。

























「おーい、亮介くーん、入るぞー?・・・・・あれ、いないな・・。」

「あれ、千桜さん。どうしたんですか?」

「ああ、綾崎くん。いや、折角の日曜で生徒会もないから、今日は一日中亮介くんとゲームしようかなーって思ってたんだけど・・」

「手に持ってるゲーム機はそのためですか。・・ついさっき出ていったので、まだ玄関にいると思いますよ。」

「分かった、ちょっと行ってみる。」






「よっと・・・。新しい靴、買おうかなぁ。」

「亮介くん!」

「・・あれ、千桜。どーしたの?」

「いやまあ、別に用があるとかじゃないんだけど・・・。一緒にゲームしようと思ってたんだけど、どこか出かけるのか?」

「え!?・・・・・いや、まあちょっと買い物に・・・。」

「そうなのか・・・・。」

千桜が残念そうな顔をする。
最近忙しいらしくて、あんまり一緒にゲームする機会がなかっただけにちょっと可哀想だ。
でもさすがにお礼のプレゼント買いに行くなんて言えないし・・・と考えていたら、先に外に出ていたヒナさんが玄関に戻ってきた。

「亮介くん、何やってるの?・・・あれ、千桜じゃない。」

「ヒナ?・・・・亮介くん、ヒナと二人で出かけるの?」

「え!?・・・・まあ、一応・・・・。」

「ごめんなさいね、千桜。今日一日、亮介くん借りるわね?さ、早く行きましょ?」

笑顔でそういうとヒナさんが俺の服の袖を引っ張る。

「・・へぇ、そうか。まあ楽しんでこいよ。じゃ。」

よくわからないけど、千桜は何故かムッとして戻ってしまった。
もう、ヒナさんが変な態度とるから・・・!

「もう、いきなりどうしたの、ヒナさん?」

「別に?この前、似たようなことされたからお返ししただけよ?(コミックス40巻の最後の方参照)」

「・・・まあいいや。行こうか。」






「まったく・・・・!」

「あら、どうしたの千桜?しかめっ面しちゃって。」

「・・・ルカか。別に、何もない。」

「本当かしら?・・お気に入りの亮介くんをヒナに取られちゃって悔しいんじゃなくて?」

「・・・・っ!!いや、そんなんじゃなくてだな・・・!」

「手に持ったゲーム機は何かしら?」

「・・たまたま一人でやろうと思ってただけだ!」

「まーた、強がっちゃって。・・・ま、そんな時は一緒にモンハンよ?ついでに話も一緒に聞いてあげるわ。」

「・・すまない。ありがとう、ルカ。」

「拗ねてる親友の相手をするのもアイドルの仕事よ。別に構わないわ。・・・さ、ひと狩りいきましょ?」












以上です、ありがとうございました。
夜に悩み相談してくれる生徒会長のいるアパート、住みたいですね。






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Re: play the game ( No.16 )
日時: 2014/07/14 08:26
名前: kull

スマホから。
大変申し訳ありませんでした、プレイズさんへの感想返しを忘れていたのでここで返しておきます。

>プレイズさん
感謝ありがとうございました。
キャラのらしさがでていたようで、安心しました。書いてる方はよく分からないので。
一応「このキャラならこうするかなー」っていうのは考えているんですけど、人それぞれの捉え方ありますからね。
本当はやっちゃいけないことなんですけど、人のメール履歴とかアルバムって見たくなるものじゃないですか。
学生なら特に。
ヒナもやっぱり興味はちょっとあるんでしょうねww

キャラに魅力があると言ってもらえて光栄です。
ですが自分はまだまだですよww亮介の行動を考えるだけで精一杯です。
プレイズさんも自分の小説頑張ってください。
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Re: play the game ( No.17 )
日時: 2014/08/03 11:49
名前: kull

こんにちは。
世間は夏休みですね。自分もこの夏休み、何か大きなことがしてみたいです。
実際はバイトと遊びで終わりそうですが。

今回は亮介が買い物で悩むお話です。
イメージとしては7〜8巻くらいでハヤテがヒナへのプレゼントを悩んでるところに近いでしょうか。

あと数話なので、今月の終わりくらいまでには完結させたいです。







「・・で、実際さ、女の子って何を貰ったら喜ぶの?」

商店街までの道を歩きながら俺はヒナさんに尋ねた。
妙にはしゃいでスキップしていたヒナさんは足を止め、こちらに振り向く。

「それを今から見つけに行くのよ。」

「今から見つけに行くって・・・。曖昧だなぁ。」

適当にはぐらかされた感じがして納得出来なかったが、ヒナさんはどんどん前へ進んでいくので俺も仕方なく付いていく。

(ま、学校で人気No1のヒナさんならプレゼントとかたくさん貰ってそうだし、心配ないかなぁ。)

友人から聞いた話によるとバレンタインも誕生日もたくさん贈り物があったらしい。
やっぱり目の前にいる人は凄い人なんだなー、と改めて認識する。

「亮介くんこそ、千桜の好きなものたくさん知ってるじゃない。何か案は無いの?」

「うーん、確かに漫画とかゲームとかでも千桜は喜びそうなんだけど、今回はあんまそういうのに頼りたくないんだよね。」

「へぇ、そうなんだ。」

俺も漫画やゲームには詳しいっちゃ詳しいが、そういう知識では千桜の方が上だし、既に持っていたりしたら最悪だ。
となると、やっぱり他の物をあげたい。

「・・ほら、ついたわよ、亮介くん。」

考えながら歩いていると、ここらで一番大きな商店街に着いた。
休日だけあって、人もなかなか混雑している。

「とりあえずショーケースを眺めながら考えよう・・・。」

「そうね。・・・あ、あのぬいぐるみ、可愛くない?」

ヒナさんはいきなりぬいぐるみ屋のショーケースに飾られた大きいクマのぬいぐるみに夢中になっている。

「ああ、ぬいぐるみね。俺も一回考えたんだけど、千桜って実は数えきれないほどぬいぐるみ持ってるんだよね。ゲーセンとかで取るやつ。」

「あら、そうなの?今の千桜の部屋にはあんまりないけど。」

「うん、なんか実家にはたくさんあったらしいよ。この前一緒にゲーセン行ったときも限定のぬいぐるみ貰ってたし。」

「・・あら、やっぱり一緒にそういうところ行ったりするの?」

「へ?そりゃまあ、家じゃ出来ないゲームもあるからね・・・。なんか不思議だった?」

「・・・・いーえ。やっぱり二人は仲良しなんだなぁって思って。」

「・・別に、普通だと思うけど。」

ヒナさんはなにやら意味深な笑いを浮かべたように見えたが、すぐに次の店のショーケースへ走って行ってしまった。

「この服、可愛くない?」

「どれどれ・・・・確かに似合いそうかも・・・。」

(値段は・・・三万二千円!?・・まったく、どうして女の子の服はこんなに高いんだ・・。)

「どう、亮介くん。これにする?」

「・・・いや、まだ他にいいのがあるかもしれないよ!もうちょっと見て回ろう!」

「そう?まぁ、構わないけど。」














「うーん。なかなか良いもの見つからないなぁ・・・・。」

二時間ほど歩き回り、これといったものも見つけられ無かった俺とヒナさんは喫茶店で一息ついていた。
もう夕方に差し掛かっているが、夏の残暑はまだ激しく、コーヒーの氷はすっかり溶けてしまっている。

「・・ふふっ。」

「・・・・・どうしたのヒナさん。いきなり笑い出して。」

「大したことじゃないわ。・・ただ、前にもこうやって商店街でプレゼントに悩んでる人がいたなぁーって。」

「・・ヒナさんはその人も助けてあげたの?」

「・・いいえ。その人には特に何もしなかったわ。他に可愛い女の子がついていたし、そもそも私へのプレゼントだったしね。」

「そうなんだ。で、その人は結局何をプレゼントしてくれたの?」

「・・ちっちゃいクッキーと・・・少しの勇気、かな。」

どこか遠くを見るような顔でヒナさんは呟く。
その表情を見て、俺はその人物が誰だがなんとなく分かってしまった。

「・・・・その相手、綾崎君でしょ?」

その名前を言った瞬間、ヒナさんは飲んでいたアイスコーヒーを吹き出しそうになり、むせる。
ああ、やっぱりそうなんだ。

「な、何で?何で分かったの?」

「秘密。ついでに言うと、ヒナさん、綾崎君のこと好きでしょ。」

ヒナさんは飲み直したコーヒーをまたも吹き出しそうになる。
今度は顔も赤くなっているようだ。

「何で!?ねえ何で!?もしかしてエスパー?エスパーなの?」

「はは、落ち着いて、ヒナさん。別にエスパーじゃなくてもそれくらいは分かるよ。」

「・・・・何で分かったの?」

コーヒーを一気に飲み干して少しは落ちついたようだ。
完璧超人と言われる生徒会長も、恋愛の話題には弱いらしい。

「別に大した理由もないけどさ。なんとなく、あのアパートでヒナさんと綾崎君のやりとり見てたらそんな気がしただけ。それで言ってみたら、この通りだよ。」

「・・そんなに分かりやすいの?私。」

「そんなことはないけど、流石に一か月くらい一緒に生活してればね。ま、綾崎君は気づいてないみたいだけど。」

「・・・・・やっぱりそうよね。」

「でもさ、ヒナさんほどの美人が告白すれば、綾崎君も一発でOKするんじゃないの?」

素直に疑問に思ったので、口に出してみる。
実際、ヒナさんに告白されたら白皇の男子生徒の95%は喜んで受け入れるだろう。

「・・・そう上手く行けば、良かったんだけどね・・・・。」

ヒナさんはいきなりしゅんとしてしまった。
もしかして、地雷だったのだろうか。

「え!?ちょ、ちょっと、ヒナさん・・・?」







「何やら面白い話をしているみたいだね。」





急に後ろから女の子の声がする。
振り向くと、いつの間にか花菱さん、瀬川さん、朝風さんの三人組が背後に立っていた。

「にははー、こんにちは、立花くん。元気ー?」

「若い男女が二人で喫茶店って・・・。まさか、千桜を置いてヒナとデートか?」

「ち、違うよ朝風さん!これは千桜へのプレゼントを買いに来てるだけ!そういうのじゃないから!」

「そうよ理沙。私は亮介くんにアドバイスをしてるだけ。」

いつの間にか平常に戻っていたヒナさんが後ろからフォローしてくれる。
落ち込んでないみたいで、少しほっとする。

「なんだ、つまらないな。それで、プレゼントは何にしたんだ?」

「それが、まだ決まっていなくて・・。」

「あ!そうだ!私いいお店知ってるよ!」

「え、瀬川さんほんと?是非案内して!」


自信ありげに提案した瀬川さんの向かった先は、いわゆるネックレスなどを扱う貴金属の店だった。
見るからに高級感漂ってるんだけど・・・。


「ほら!ここのネックレスならちーちゃんも喜ぶと思うよ!」

「そ、そんなこと言ってもなぁ・・・。値段が高すぎるって・・・。」

「おや、立花くん、君の千桜への感謝の気持ちはそんなものなのかい?」

「いや、そういうことじゃなくて・・・。」

色々な言葉を背中に受けながら、なんとか買えるレベルのネックレスを探す。
最終的にたどり着いたのは、特に飾りのないシンプルな銀のネックレスだった。

「・・・店内を見た感じ、これが一番安いみたいだけど・・・・。」

値札にはやはり払えない金額が書かれている。
店内で一番安いとはいえ、店自体が普通のショップより遥かにレベルが高い。

「そちらをお求めですか?」

横から話しかけて来たのは初老の紳士風の店員だった。
お求めですかと言われても、値段はこちらのキャパシティを上回っている以上、迂闊にはいとは言えない。

「え、いや、あの、えーっと・・・。」

ちらっと瀬川さん達の方を見たが、既に三人は別のネックレスの前ではしゃいでいる。

「えと、まだ決めていなくて・・・。」

「お客様、あちらのお嬢様方のお知り合いですか?」

「え?まあ、そうですけど・・。」

「あちらのお嬢様達、特に瀬川お嬢様にはいつも大変お世話になっております。ですから、少しお値段を下げることも可能でございますよ。」

「ほ、本当ですか?助かります・・。」

「それにお客様、こういった場所は不慣れなようで。そのようなお客様に、このお値段は少し厳しいかと。」

「そういうの、やっぱり分かるんですか?」

「長年勤めておりますので。・・・・・では、こちらのお値段でいかがでしょう。」

電卓に打たれた数字は最初のものよりもずっと安く、ギリギリ手が出せるレベルまで落ちていた。

「・・・・ありがとうございます。買わせてもらいます。・・プレゼント用の包装してもらっていいですか?」

「承りました。」


「・・助かった。瀬川さん、ありがとう。」

会計を済ませ、無事にネックレスを買うことが出来た俺は瀬川さんにお礼を言った。
瀬川さんはいつも通りの笑顔で、

「ううん、全然いいよー!ちーちゃんへのプレゼントだもんね!良いもの買わなくちゃ!」

「我々と来てよかっただろ、亮介くん。」

「泉も美希も私も、この店の常連だからな。店員も少しは気を利かせてくれただろ?」

「うん、すっごい助かったよ・・・。あれ、ヒナさんは?さっきもいなかったけど。」

「ああ、ヒナなら先に帰ると言っていたよ。何か用事があるんじゃないか?」

「・・そうなんだ。ありがと。じゃ、俺も帰るね。三人とも、今日はありがとう。助かったよ!」

三人に別れを告げて店を出ると、外はもう夕焼け空になっていた。
ヒナさんはやはりまだ落ち込んでいたのだろうか。だとしたら悪いことをしてしまったな、と少し罪悪感を感じる。
しかし、良い感じのプレゼントが見つかったのはなによりだ。

(買ったのはいいけど、いつ渡そうか・・・)

バッと買ってバッと渡すのはなんだか面白く無い気がする。
・・・ま、とりあえずそのことは置いといて、帰ってヒナさんの機嫌を直すことから考えよう。















誤字脱字等あったらお願いします。
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