ハヤテSS投稿掲示板
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タイトル 恋愛運のデフレスパイラル
投稿日: 2008/03/16(Sun) 20:52
投稿者jihad(ハイド)
参照先http://hmsa.blog61.fc2.com/blog-entry-6.html#more

* 6/1追記:投稿時「ハイド」と名乗っておりましたが、後に自分のブログに掲載する際別HNだと不都合だと気が付いた為本来のHNである「jihad」に修正しました。

『さて、今週最も運の悪いのは……ごめんなさ〜い、うお座のアナタです。特に3月3日生まれの、生徒会長をやっていて胸がぺったんこな女性のアナタは注意してくださ〜い』
「……この占い、私に何か恨みでもあるのかしら?」
 空気は澄み太陽が眩しく輝く、何とも気持ちの良いとある月曜日の朝。
そんな外とは対照に、この少女、桂ヒナギクはご機嫌斜めであった。
身支度も整え、丁度家を出る前の時間に流れている、ニュース番組の占いコーナー。
空になった飲みきりサイズの牛乳パックを握り潰し、怒りに任せスイッチに手を伸ばしたその時。
『特に恋愛運は注意です。モタモタしてると、意中のアノ人が誰かに取られちゃうかも?』
「え?」
『とりあえず、取られないにしても一波乱ありそうです、それではまた次回〜』
 その手は止まり、頭に浮かぶのは締まりの無い笑顔を浮かべた執事服の少年。
「……って、何でハヤテ君の顔が浮かんでくるのよ! そりゃあその、キライな訳じゃないけど……だからと言って……」
 以前観覧車の中では、友達兼ライバルの少女に自分の気持ちを話す事が出来たものの、中々素直になれない性格は相変わらず。
「ヒナちゃ〜ん、そろそろ学校に行かなくていいの〜?」
「あっ……行ってきます!」
 台所から響く母の声に気づき、慌てて家を出るヒナギクであった。



「はぁ〜、今日は授業も身に入らなかったわね〜」
 放課後の生徒会室。ホームルームが終わり生徒会室に入るなり、ヒナギクは机に突っ伏し小さくため息をついた。
「大体なんなのよ、あのピンポイントな占いは。頭おかしいんじゃないかしら? そもそも――」
「あの〜、ヒナギクさん?」
「へ? ……ひゃあっ!?」
 突然の声に振り向くと、そこに立っていたのはまさに今考えていた少年、綾崎ハヤテであった。
「ど、どうしたのよいきなり?」
「いや、瀬川さんが机の上に置きっぱなしだった日誌を届けに来たんですけど」
「あ、そうだったの。全く、あの子ったら」
 お決まりのような台詞を言いつつ受け取るヒナギクではあったが、内心は驚きと焦りでかなりうろたえていた。
何しろ、考えていた相手が気づかない内にいたのだからタチが悪い。
そして、この少年の間の悪さは更にタチの悪いものであった。
「でもヒナギクさん、どうしたんですか? 呼んでも中々気づかなかったですし」
「え?」
「いや、何かずっとブツブツ言ってましたし。これじゃあ春先に多い危ない人みたいですよ?」
「なっ……」
 ハヤテにとっては特に他意は無い言葉ではあったが、理由が理由だけにヒナギクの逆鱗に触れてしまった。
「だ、誰のせいでこんな事になってると思ってるのよー!」
「うわぁっ? すいませんすいません!」
何故怒られるのか、心を読める訳でも無いハヤテには当然見当もつかず、ただ謝って生徒会室を飛び出すしかなかった。



「はぁ〜、参ったな。またヒナギクさんを怒らせてしまった……」
 主が例のごとく欠席のため、一人で帰路についていたハヤテは、盛大にため息を一つ。
賑やかな商店街の喧騒の中、彼の周りの空気だけはやけに重いのであった。
「あれ、ハヤテ君?」
「あ、西沢さん……」
「何か元気無いみたいだけど……どうかしたの?」
 そこに偶然通りかかったのはハヤテの旧クラスメイト、西沢歩。
一瞬驚くハヤテであったが、これは相談のチャンスとばかりに口を開く。
「はい、実はまたヒナギクさんを怒らせてしまいまして……僕、やっぱり嫌われているんでしょうか?」
(あちゃ〜、どうしてこの二人、こんなすれ違ってるんだろう?)
 事の次第を聞いた歩は、心の中でやれやれとため息をつく。
「とりあえず、嫌われてるって事は無いと思うけど」
「そうですかねぇ……」
「そうだよ、ハヤテ君はちょっと悪い方向に考えちゃう癖があるんじゃないかな」
 そのまま歩はハヤテを近くにあったカフェに誘い、ゆっくりと相談に乗る。
マイナス思考の連鎖から中々抜け出す事の出来ないハヤテを元気付けるのはかなり骨の折れる仕事だが、歩は丁寧に話を聞き慰める。

「……っと、大分暗くなって来ちゃったね」
 話が終わる頃には、既に商店街の街灯が点るほどの暗さになっていた。
「あ、すいません。こんなに色々聞いてもらっちゃって……」
「いいのいいの、困った時はお互い様ってね。じゃあね、ハヤテ君!」
「はい、また今度」
 随分気が楽になったハヤテは、足取りも幾分軽く屋敷へと帰るのであった。
――カフェで歩に相談に乗ってもらっている最中、その光景をクラスメイトに目撃されていた事には当然気づく訳も無く。



 時刻はハヤテと歩が丁度別れる頃。愛沢邸の一室には、帰り支度をする愛沢家専属メイド、ハルこと春風千桜の姿があった。
「しかし、あの綾崎君が女の子とデートをしているとは……」
 脳裏に浮かぶのは、この愛沢邸へ向かう途中で見た光景。
偶然視界に入ったのは、カフェの窓際の席で話すクラスメイトの少年と、他校の制服を着た見知らぬ少女。
普段お堅いイメージで通っているため、学校の男子たちとは最低限度の会話しかしないような千桜。
そんな彼女にとって、男女が二人きりでカフェで会話しているなどデート以外の何物にも見えなかった。
「ハルさん、今綾崎君言わへんかった?」
「さ、咲夜さん? いつの間に……」
「いやな、着替えに入ってから中々出て来ぇへんから……それより、ハルさんあの借金執事と知り合いなん?」
「えぇ、まぁ……」

 その後、千桜が帰った後。
咲夜はソファに腰掛け、先程の千桜の話を思い返していた。
「ま、お茶してる所を見た言うても、あいつに限って彼女云々は無いやろな」
 ハヤテの性格を考えるに、大方ただ話をしていただけだろうという予測はついた。
そう結論付けた所へ、携帯電話が着信を告げる。
着信画面に表示された名前は、三千院ナギ。
「ん、どないしたん?」
『あぁ、この前一緒にやったゲームが見当たらないんだが、サクん家に忘れてないかと思って』
「アレか? いや、ウチには無いと思うけどな」
『そうか。まぁいい、後でハヤテに手当たり次第探させるか』
 その言葉を聞き、咲夜は一つため息をついたのだった。
物をきちんとしまわずにいるのはナギの悪い癖である。
あの広大な屋敷、あるいは他の家のどこにあるかも分からない物を、宛ても無しに探す羽目になるハヤテが不憫に感じたのであった。
「全く、しっかり管理しない自分が悪いんやないか。その内愛想尽かされても知らんで?」
 そして、何気なく放ったこの一言が、ナギに火を点ける。
『な、何だと? ハヤテはいつだって私にラブラブだ!』
(あちゃー……)
 よく考えるとかなり恥ずかしい台詞を電話越しに聞きつつ、肩を竦める咲夜。
これに振り回されているハヤテの様子が目に浮かぶ。
そしてその時、ふと思い出したのは先程の千桜との会話。
「まぁ、今日は女の子とお茶しとったらしいけどな」
『な、何をデタラメな……』
「いや、ウチのハルさんからそんな事聞いてな。何か気にしとったみたいやし」
『何!? 他の女に浮気して、あまつさえお前のとこのメイドまでたぶらかしているだと?』
 言ってしまってからふと気づいた時にはもう遅かった。
ナギという少女の思い込みの強さをつい失念していたのである。
「いやいや、浮気って……別にそんなんと違――」
『許さん、許さんぞ! 決定的証拠を押さえて問い詰めてやる!』
 最後に聞こえた怒りの雄叫びと同時に、電話は突如切られたのであった。



 翌日の放課後。
珍しく学校に来たナギは、更に珍しい事に動画研究部の扉を開く。
「あれ? ナギちゃんが部活に来るなんて珍しいねぇ〜」
「ちょっとモニターを借りるぞ」
 そう言ってナギは、何画面にも分割された巨大モニターの前に腰を下ろす。
ナギの狙いは、この白皇学院中に配置された動画研究部の監視カメラの映像だった。
昨晩、咲夜の話をロクに聞かずに電話を切ったナギ。
"女の子とお茶"しか聞いていない為、他校の生徒とは知る由もなく、ハヤテの相手は白皇学院生の中にいると考えたのである。
先に車を呼んで帰る、とハヤテに嘘をついておいたナギは、浮気相手が現れるのを見逃すまいと目を光らす。
入ってくるなり黙々とモニターにかじりつくナギに興味津々の瀬川泉、花菱美希、朝風理沙の三人組。
最初は後ろから様子を伺っていたものの、何をやっているのか一向に分からず、とうとう理沙が口を開く。
「なぁ、一体何をやってるんだ?」
「ハヤテが浮気をしているんだ。だからその証拠を押さえる」
「「「な、何だってー!?」」」
 とりあえずお約束のリアクションを取ってから、三人組はふと首を傾げる。
浮気というキーワードに。
「浮気って……一体どういう……」
「どういうも何も、私というものがありながら他の女と付き合っているんだ。加えて他の所のメイドまで手を出して……」
 もはやナギの中でハヤテの浮気は確定事項となっていた。
疑惑ではなく事実として言うナギの言葉に、三人組は驚きを隠せない。
そして、浮気という言葉よりも前にまず衝撃だったのは――
「私というものがありながら、って……もしかして、ナギちゃんとハヤ太君って付き合ってたのー!?」
「ま、まさかハヤ太君、そんな趣味が……」
「これは衝撃だな……」
 ナギの認識では、ハヤテとは恋人ということになっているため否定はしない。
再びモニターを見つめるナギと、緊急会議を開く三人組。
かくして時は過ぎて行くのであった。



 ナギの調査も三日目となったが、元々無い浮気の瞬間を押さえる事は当然出来る訳もなく。
怒りに燃えていたナギと、面白そうだと手伝っていた泉と理沙だったが、全く無い収穫に疲れは溜まるだけ。
最初の勢いはどこへやら、今は調査もそこそこに部室でぐだぐだとしているのであった。

 一方、三人が気づかない内に部室を出ていた美希は、広大な敷地内を歩いていた。
「これは随分深刻よね……」
 最初の内は泉や理沙と共に騒いでいた美希であったが、時間が経つにつれて冷静になっていった。
そして思い出すのは以前のヒナギクとの会話。
『あなたのクラスに、綾崎ハヤテ君って人がいると思うんだけど……ど、どんな人?』
 あの時、少なからず好意を抱いていたのはすぐに分かった。
普段一緒にからかっている泉と理沙はどう思っているか知らないが、美希は三人の中で一番ヒナギクと付き合いが長い。
だからこそ、ヒナギクがその想いをはっきりと自覚する前から感じ取っていたのである。
そこへ聞いた、ハヤテがナギと付き合っており、かつ浮気までしているという話。
浮気の証拠はまだ出ていないにせよ、この話が事実ならヒナギクの想いが成就する可能性は低い。
「まぁ何にせよ、問いただしてみるしかない、か」
 早ければ早いほど傷も浅かろう、とハヤテを探す美希であった。

「ハヤ太君、ちょっといいかな」
「あれ、花菱さん?」
 美希がハヤテを見つけたのは、敷地内でも奥の方、木が茂る人の気の無い場所であった。
「こんな所で何を?」
「いえ、ヒナ鳥が巣から落ちていたもので……」
「そう、まぁいいけど」
 怪訝な顔をするハヤテに、美希はしばし躊躇う。
どうやって切り出すものかと考えた末、率直に聞く事にした。
「ハヤ太君、君は一体誰が好きなんだ?」
「えっ?」
 ハヤテからしてみれば、いきなりもいい所である。
突然辺鄙な場所で呼び止められ、誰が好きなんだ、と聞かれるのだから。
質問の意図を測りかねていると、美希が更に問い詰める。
「聞くところによると、まだ十三歳の少女をモノにしただけでは飽き足らず、他の女と浮気をし、他所のメイドさんまで毒牙に掛けているとか」
「な、何ですかそれは! 全然意味が分からないんですけど……」
 勿論全く身に覚えの無いハヤテであったが、美希はナギが断言しているのを聞いているため、俄かには信じられない。
「しかし、そういう話を聞いているんだ。思えばヒナともよく一緒にいるし。男子の間では、あの難攻不落の生徒会長とイチャイチャしてるって評判だぞ?」
「そんな、イチャイチャだなんて――」
「そういえば、前会った……歩君だったっけ? あの子にも随分好かれてたみたいじゃない」
「そ、それは……」
 否定するハヤテに対し、次々と思い当たる節を述べていく美希。
一方ハヤテも、歩の話題が出たことでどう言っていいのか言葉に詰まり、それが更に美希を不審がらせる。
「そう言えば以前、牧村先生を押し倒していた映像もあったな……」
「だ、だからアレは誤解です! とにかく僕は知りませんっ!」
「あ、ちょっとハヤ太君!」
 その場を去ろうとしたハヤテを引き留めようと、慌てて袖を掴む美希。
そしてその時、事件は起こった。
「「うわぁっ!?」」
 急に袖を引っ張られ、その勢いのままバランスを崩したハヤテ。
その袖を掴んでいた美希も、そのまま後ろへ倒れてしまう。
かくして完成したのは――
「「あ……」」
 お約束の『色々あって男子が女子を押し倒した格好になってしまった図』である。
そしてお互い、どうしていいやら分からず、しばらくそのままで硬直していたのであった。



「た、たたた大変です! 事件なのです!」
「ええと、どうしたの? 文ちゃん」
「大変が大変で変態なんです!」
「とりあえず落ち着いて」
 バタバタと走ってきたと思えば、騒いで何を言っているのか分からない日比野文。
そしてそんな彼女を落ち着かせようと試みるのはシャルナである。
「実はかくかくしかじかで……」
「それじゃ分からないでしょ。いい加減にしないとグーで叩くわよ」
 こうしてどうにか文を宥め、事情を聞きだすシャルナであったのだが。
「前に会った女顔の執事服の人が、カチューシャの人を押し倒してました!」
「えぇっと、もう少し詳しく言ってくれないと……」
もちろん内容は半ば理解に苦しむ。絶賛混乱中の彼女の話は、断片ばかりでいまいち要領を得ない。
「それに聞こえたのです! メイドさんと浮気してるとか、あの生徒会の人と――」
「女顔の執事服だと? その話、詳しく聞かせてくれ!」
「「へ?」」
 そこに口を挟む人物が一人。
女顔の執事服、という言葉に反応して出現したその人物は、虎鉄その人。
そして、気迫に圧され文が話すや否や、虎鉄は猛スピードで消え去ったのであった。


「えぇっと、何か……すいませんでした」
「いや、こちらこそ……」
 一方、ハヤテと美希はと言うと。
とりあえず立ち上がる事は出来たものの、お互い顔は真っ赤、口はしどろもどろであった。
「じゃ、じゃあ、時間取らせて悪かったわね」
 何とかそれだけ言って立ち去っていく美希を見送り、ようやくほっとするハヤテ。
しかし、その安堵も束の間――
「綾崎ぃぃぃ!」
「うわぁぁっ!?」
 突然現れ、ハヤテの襟元を掴み揺さぶる虎鉄。
さすがのハヤテでも、動揺のため反応する事が出来ず、なすがままになってしまう。
「どういう事だ、綾崎ぃ!」
「ちょ、一体何なんですか?」
「私というものがありながら、十三歳の幼女に他の女生徒、メイドや生徒会役員とハーレムを作り上げ、それだけで飽き足らず更に愛人を作って白昼堂々押し倒していたそうじゃないか!」
「意味が分かりません!」
 当初の話に尾ひれ胸びれが付き、更に文の混乱により曲解されたそれらの言葉が早口で一気に捲し立てられる。
さすがに堪忍袋の尾が切れたハヤテが虎鉄を振り切ろうとするが、ここでまた転倒してしまう。
「綾崎ぃ!」
「うわぁ、離れろぉ!」
 もはや口調も乱暴となって来たハヤテが抵抗するが、虎鉄の力も伊達ではない。
丁度ハヤテの上に虎鉄が馬乗りになった状況。もはやどうにも出来ず。
「だ、誰かー!」
 何とかしてこの状況をどうにかしたいハヤテは、あらん限りの声で叫ぶ。
そして――

「何をやってるのかしら、綾崎君?」
「「な……」」
 ここで聞こえた、本来ハヤテにとっては救いとなるはずだったその声は。
「ヒ、ヒナギクさん!?」
「せ、生徒会長……」
 生徒会の仕事を終えたばかりのヒナギクであった。
「あの、これは……」
「綾崎君、ちょっといいかしら?」
「ひっ……」
 いつもの『ハヤテ君』から『綾崎君』へと戻っている上、その怒りのオーラを纏った笑顔に怯むハヤテ。
もちろん虎鉄も例外ではない。
「何やら騒がしいと思って来てみたら、何か色々凄い事が聞こえたんだけど?」
「い、いや、これは……」
「聞く所によると、十三歳の幼女を自分の物にした上に他の女子生徒と浮気をし、他所のメイドさんをたぶらかし、難攻不落の生徒会役員を攻略し、先生と禁断の愛を繰り広げた上昼間っからカチューシャの女の子を押し倒して、自分だけのパラダイスを作り上げているそうじゃない」
 指を一つずつ折り曲げながら、罪状の数々を述べていくヒナギク。
先程文が大声で騒いでいたため、何人かがそれを耳にしていたのだった。
ここへ来る途中で、その曲がりに曲がった噂を耳にしたヒナギクの瞳が、冷たくハヤテを射抜く。
「ご、誤解ですって!」
「じゃあ、この状況はどう説明するのかしら?」
そして今現在はハヤテの上に虎鉄が馬乗りになっている状況。
もはや言い逃れは意味を持たないのだった。
 


 その後、ヒナギクの誤解を解くのに陽が暮れるまで掛かり、話が伝わったルートを辿り一人ひとりの誤解を解くのには丸々一週間を要した。
そして最後になってようやく、ヒナギクの態度が発端であった事に行き着いた訳だが。
あれほど怒った手前何も言えず、もはやヒナギクはハヤテに逆切れするしかなかったとか。

「あの占い……結構当たってたのかもね……」
 逆切れによる説教も終わり、冷静になったヒナギクの頭に浮かんだのは、あの子憎たらしい占いであった。


Fin.

(3/19 0:53 一部修正致しました)


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