セイバーマリオネットJ SideStory
胎動
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第0幕.登場人物の紹介
この物語は、1998年10月〜1999年3月にわたってTV東京系列で放映されたアニメーション「セイバーマリオネットJtoX」の世界観を引き継ぎ、そのラストシーンの2年後と言う設定になっています。
しかし、小説版セイバーJしか知らない人やアニメのラストシーンを見ていない人にとっては、
「あれ、ライムたちがどうして?」
「ローレライがなんでここに居るの?」
「セイバードールズって誰? セクサドールズじゃなくって?」
など不可解な点が感じられることでしょう。
そこで、本編に入る前に、登場人物たちの現在の状況を説明しておくことにします。なるべくアニメ本編のネタばれにならないよう心掛けますので、不十分な表現になる点はあるかと思いますがご容赦のほどを。
ファウスト
- 移民惑星テラツーに降り立った最初の6人の一人である初代ファウストの純正クローンであり、ガルトラント帝国(小説版ではゲルマニア帝国)の元総統。衛星軌道上に回遊している移民船メソポタミア号に閉じ込められ300年のあいだ眠りつづける“唯一の女性”ローレライを取り戻すべく、配下のセイバードールズを率いてライムたちジャポネス側マリオネットと死闘を繰り広げる。だが予想以上に成長したマリオネットたちの心と間宮小樽の振る舞いに胸を打たれ、改心してテラツーの平和を守るための旅に出る。
300年越しの恋人であるローレライが地上に降臨してからも、贖罪の意識の強い彼はローレライを奪い取ろうとはせず、ローレライや小樽たちを陰ながら支える役目を黙々と果たす。しかしDr.ヘスの陰謀が解決し、テラツーに平和が戻りつつある今‥。
セイバードールズ
- ファウストに付き従う3体のセイバーマリオネットの総称(小説版ではセクサドールズ)。ティーゲル・ルクス・パンターという巨乳お姉さん3人組。彼女らはマリオネットに感情を与える「乙女回路」を内蔵した数少ないマリオネットであり、主人であり恋人であるファウストを心の底から崇拝している。
当初は類まれな戦闘能力を発揮してライムたちを苦しめていた彼女らだったが、ファウストが改心してからはすっかり打ち解けて、一時期は小樽たちと同居していたこともある。だが諸国のたびを続けるファウストに呼び戻されてからは、彼の手足となって働くことに喜びを見出している。
しかしまさか、こんなことまですることになるとは思わなかっただろう‥。
ローレライ
- 移民船メソポタミア号の生き残りのうち唯一の女性であり、乙女回路を設計した科学者。300年ものあいだコールドスリープで船内で眠っていたが、ライムたちの活躍により惑星テラツーに降りてくる。
彼女が降りてきたことで男性ばかりだったテラツーに人間の女性が加わることになったが、ローレライの細胞から生まれた女の子クローンが成長し生殖可能になるのはまだ先の話。当分のあいだローレライは「唯一の女性」であり、「テラツーの至宝」として軟禁生活を余儀なくされることになった。そしてジャポネス城の中から、彼女の心の分身である乙女回路を搭載したライムたちを襲う悲劇を見て胸を痛め続けた。
そして現在。女児クローンの第一世代が生まれて5年たった今、人間の女性の細胞を求めてローレライを襲う者は激減した。軟禁を解かれたローレライはテラツー最初の女性から、テラツー最初の妻となり、そして今また新しい称号を手にしようとしている‥。
間宮小樽
- ジャポネス生まれの青年。女性の代用であるマリオネットに心を注ぐことの出来る彼は、ひょんなはずみで初代徳川家安の作った3体のセイバーマリオネットを目覚めさせてしまい、乙女回路を搭載した彼女らと同居することになる。小樽の愛を受けて3体のマリオネットの心はすくすくと成長するが、それはやがて破局へと向かう道であった‥。
数々の苦悩と戦いを経て、彼は命より大事なマリオネットたちを失ってしまう。しかし彼女らは女の赤ん坊として転生を果たし、それに気づいた小樽は父親として彼女たちを養育することにする。
「今度は俺が、おめぇらを幸せにする番でぇ」
結婚もしないまま3児の父親になってしまった小樽。彼と彼の娘たちに幸あれ!
ライム、チェリー、ブラッドベリー
- 間宮小樽の娘たち。以前は同名のセイバーマリオネットとして小樽に出会い、小樽の家族として幸せな日々を送っていた(小説版と異なり、一時期を除いてはセクサドールズたちと同居はしていなかった)。人間になって小樽のお嫁さんになりたい、という想いを悪用されて陰謀に巻き込まれるが、最後に身を持ってそれを阻止。だがそれは大きな代償を伴った‥小樽の元に帰れないという、大きな代償を。
だが、彼女らの心はローレライの細胞から作った女児クローンの中に転送された。人間の女の子として人生を再スタートさせた彼女たち。彼女たちはマリオネットだった頃の記憶を失っていたが、それでも長じるにつれてマリオネットだった頃の外見に似てくるのはお約束か?
この物語では、彼女たちは揃って5歳。優しい父親の元で、元気いっぱいに暮らしている。
その他の人たち
- 花形美剣、白髪源内、梅幸、玉三郎などは小説版と同じ位置づけ。ただし花形は、小樽との仲を邪魔するライムたちが消えて青春を謳歌‥しているわけではなく、小樽のよき友人としてライムたちの成長を見守る役を果たしている。
まぁ、この物語では彼らの出番はほとんど無いのだが‥。
どうですか? えっ、分からない?
でしたら、以下の状況だけ飲み込んでおいてください。
「女性が復活し、女の子供たちを見かけることも珍しくなくなった惑星テラツー。わずか3体となった乙女回路搭載のマリオネットたちは、女性の代用として作り出された自分たちの身の置き場所に困惑し始めていた。そんなおり、クローンによらぬテラツー最初の“出産”が彼女たちの眼の前で起ころうとしていた」
それでは、お話の第1幕へどうぞ。
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