ハヤテのごとく! SideStory(桂雪路のお誕生日記念SS)  RSS2.0

ぷらいすれす(上)

初出 2007年11月19日
written by 双剣士 (WebSite)
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 この作品はゆきヤミに寄贈しました。



************* 上編 *************

 平凡な日常の崩壊は、ある日突然やってくる。そして日常に慣れきってる私たちは、崩壊が始まってることになかなか気づかない。父さんと母さんが姿を消した日の晩も、私はあまり深刻に考えていなかったような気がする。
「ただいま〜、あー疲れた……」
「お姉ちゃん! お父さんとお母さんが居ないの、どこにも居ないの!」
 バンドの練習から帰ってきた私を待ちかねたように、玄関に飛び出してくる妹のヒナ。心細さで半泣きになってた妹の頭を、根拠のない気休めの言葉を吐きながら私は丁寧になでてやった。借金をしてる父さんたちが毎日夜遅くまで金策に走り回ってたのは18歳の私でも知っている。でも父さんと母さんは私たちの前では優しく振舞ってくれていたし、どんなに遅くても毎日帰ってきてくれた。今夜だってきっとそうだろう。
「あはは〜、ヒナは泣き虫さんだねぇ〜? 心配ないって、ちょっと遅くなってるだけだから」
「でも……」
「お腹すいたでしょ? 今日はお姉ちゃんが晩御飯を作ってあげるわよ。オムライスでいい?」
「……お母さんのがいい。お姉ちゃんが作ると殻だらけで美味しくない」
「あーっ、言ったなぁ! それじゃヒナの分は卵なし!」
 私は妹の髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜると、手をつないで台所へと向かったのだった。


 結局その日は、父さんも母さんも帰ってこなかった。翌日もその翌日も戻っては来なかった。
 不安がり寂しがる妹に向かって私は言った。父さんたちはきっと帰ってくる、それまで元気にお留守番してよう。学校にも通って喫茶店もいつもどおりやろう。そして帰ってきたら思いっきり甘えてやろう……連絡のない両親の態度に不安がないといったら嘘だったけれど、それでも私はいつか日常が戻ってくると信じていた。両親がこのまま帰ってこないなんて完全に想像の枠外だった。だって今まで、一度だってそんなことは無かったんだから。
「ねっ、ヒナ、頑張ろ?」
「……うん」
 信じられなくても信じたい。幼いながらも私の気持ちが伝わったのか、ヒナは涙をぬぐって頷いてくれた。両親の居ない喫茶店を姉妹2人で回すというのは意外と大変で、忙しさと充実感のおかげで暗い思考に陥らずに済んだことも大きかった。バンドの仲間も時々手伝いに来てヒナのことをからかったり励ましたりしてくれた。まったく、父さんたちが居てくれたらこんな苦労をしなくて良かったのに……そんな風にぼやく私の言葉も、この時点では単なる冗談に過ぎなかった。

 そう、1週間後にヤクザがお店までやってきて、両親の蒸発と8千万円の借金のことを告げるまでは。


「おうおう、借りたもんは返さなきゃいけないって教わらなかったのか? この際だから姉ちゃんには風俗にでも行ってもらおうか、その身体だったらガッポガッポ稼ぐのも夢じゃ……」
 荒っぽい台詞で取り立てに来たヤクザたちを丁重に店外に叩き出した私にとって、8千万円などという金額はまるで現実感が無かった。それより心配なのは妹のヒナのことだった。両親に捨てられて毎日のようにヤクザに脅される……5歳の女の子には辛すぎる境遇。いまはお客さんやバンド仲間がなぐさめてくれているけれど、夜になって私と2人きりになったら現実が小さな肩にのしかかってくる。そしてそれは今日からずっと、借金を返し終わるまで続く。
「どうしようか……」
 借金のことではなくヒナの身の振り方について、私は思いをめぐらせた。いくら私でも四六時中ヒナの側にいてやることはできないし、そんなことをしたら借金が雪だるまのように膨らんでいく。かといって頼れそうな祖父母や叔父叔母はいない。遠縁の親戚は居るけれど借金に追い立てられてる現状では手を貸してくれそうにない。私でもどうにもならないことを、薫のバカや友人たちに押し付けるわけにも行かない。
「お姉ちゃん……」
 ふと気づくとヒナが私の足にしがみついて、不安そうに両目に涙を溜めていた。そうだ、両親が戻ってこないと聞いて一番不安がってるのはヒナなんだ……私は将来の心配をひとまず夜空に放り出して、目の前の心配事に向き合うことにした。
「あはは、大丈夫だって。父さんたち、きっと帰ってくるからさ」
「だって……」
「大丈夫よ、ヒナのことはお姉ちゃんが守ってあげるから。あんな変な奴らになんか絶対負けたりしないから」
 前半は気休めだけど、後半は紛れもない本心だった。その誓いを自ら破るときが来るなんて、このときの私は夢想だにしなかった。


                 **


 両親に捨てられた美人姉妹が身を粉にして働いて借金を返す。そんなドラマのようなハッピーエンドを迎えられるほど現実は甘くない。
 決意を新たにして喫茶店経営に乗り出した私たちだったが、暗礁に乗り上げるのに時間はかからなかった。まず借金取立てのヤクザたちが押し寄せるようになったせいで客足がめっきり減ってしまった。最初のうちはヤクザと戦う私に喝采を送ってくれていたけれど、入れ替わり立ち代り訪れる荒くれ者たちにコップを割られ椅子を壊され続ければ、係わり合いになりたくないと思うのも無理はない。ただでさえお客が多いとはいえないお店だったのに、今では1日の来客が片手で足りるくらい。勇気とお財布に冷たい隙間風が吹くようになり、忙しさに気を紛らわせていたヒナの表情も沈んだままになる日が増えていった。
 問題はそれだけじゃなかった。高校を卒業した私はともかく、ヒナは小学校に通わなきゃならない。ヤクザたちはそっちにも押し寄せるようになっていた。喫茶店で私の鉄拳制裁を受けたヘタレどもが、無力で怖がりな妹の方に照準を移したらしい。直接危害は加えないとはいえ、校門を出たところで待ち伏せて大人数人で取り囲むとか『お金を返さない悪い子』と拡声器で騒ぎ立てるといった卑劣な手段に出てるらしい。私はその事実をヒナの口からではなく、心配して家まで送ってくれた小学校の先生から聞いた。
「雪路、なんで辛抱してるんだ? 困ったことがあったらいつでも来いって昔から言ってるじゃないか、お前は遠慮なんかする奴じゃなかったはずだろ」
「……ん。まぁ気が向いたらね」
 送ってくれたのは偶然にも、私が小学生のときに担任だった桂先生だった。悪戯したり荷物を持たせたりとさんざん迷惑をかけた先生なのに、卒業後も何かと私たち姉妹に気をかけてくれる。お礼の言葉なんかじゃ済まされないくらい感謝してるけど、だからこそ借金で困ってるときに頼りになんかできない。8千万円の借金があるなんて話したら、この人は自宅を売り払ってでもお金を作りかねない人だから。
「なんなら明日から、先生が学校まで送り迎えしてやろうか? 車だからすぐだぞ」
「いやいや、いいっていいって」
 ヒナのことを脅したヤクザどもは今夜シメに行くから……そんな理由を小学校の先生に漏らすわけには行かない。曖昧に笑って誤魔化すしかない私のことを、桂先生は心配そうに見つめていた。涙が出るほど嬉しかったけど、そんなそぶりを先生に見せるつもりは毛頭ない。出来の悪い生徒にだってプライドはあるんだから。


 このときの私は勘違いをしていた。私たちの敵はヤクザではなく、借金の元締めのほうだってことに気づかなかった。潰しても潰しても便所虫のように沸いてくる借金取りのヤクザどもとの戦いはどこまでも果てしなく続き、喫茶店の閑古鳥ともあいまって私は心身ともに疲れ果てていた。勘のいいヒナは私が何をしてるか薄々感づいてるらしく、私を困らせない聞き分けのいい子になろうと無理してる様子が見て取れるようになった。
《このままじゃ、いけない》
 たった1人の妹なのに、まだ6歳になったばかりなのに、無邪気に泣いたり怒ったりしない子になりつつある。外の敵と戦うことばかり考えていた私は、そのことに気づいてショックを受けた。そしてヒナのフォローに気が回らない自分の限界を痛切に感じた。借金取りの攻勢を防ぐことは出来ても、妹が内部から壊れていくのを止められないようでは姉として失格。私はプライドを捨てることに決めた。


 その日はきれいな夕焼けだった。リュックを抱いたヒナの手を引いて、私は線路沿いの小道を歩いていた。肩に背負うのは愛用のギター。なにか思い出になるようなものを、ヒナの側に置いといてあげたかったから。
「お姉ちゃん、私やっぱり……」
「心配ないって。桂先生のとこだったら学校から近いし、怖い連中も近寄ってこないからさ」
 桂先生には電話でアポを取ってある。子供の居ない奥さんの喜びようは大変なもので、美味しいケーキとフリフリのお洋服を用意して待っていると連絡があった。正直ヒナの趣味に合うか不安ではあるけど、こういう普通の女の子らしい歓迎の仕方をしてくれるのは本当にありがたい。今のヒナにはこういう平凡な幸せが必要なんだから。
「お姉ちゃん……お姉ちゃんまで、いなくなっちゃうの?」
「そんなことないって。約束したでしょ、ヒナのことは私が守ってあげるって」
「だったら毎日喫茶店に会いに行ってもいい?」
「それはダメ。先生の家をヤクザに突き止められたら困るからね。私のほうから時々遊びに行くわよ」
 桂先生に頼んだのはヒナの身辺警護と情操教育。ヒナが通ってる小学校の先生の家なら、これほど安全な場所はない。でもそれ以上の迷惑はかけられなかった。借金の始末とヤクザの応対については私が責任を持ってやるしかない。喫茶店だけで稼ぐのが無理なことは分かっていたから、少々荒っぽいやり方をするつもりだった。そのためにはヒナは傍に置かないほうがいい……ヒナにも奥さんにも内緒だけれど、桂先生にはそう話してある。先生は止めてくれたけど、これだけは譲れない。
「私、お姉ちゃんと離れるのイヤだ……」
「なにバカなこと言ってんの、私がヒナのこと置いてく訳ないでしょ? ヒナは世界一大切な私の妹よ、これからもずっと」
「本当?」
「ほんとほんと」
 小道を曲がると住宅街が見えてくる。先生の家の玄関先では奥さんらしき女性が千切れんばかりに手を振っていた。今夜だけは私も先生のお宅に上げてもらって、新しい家族と一緒に御馳走を食べることになっている。大事な妹を預けるために演じる一夜限りの家族団欒。これから修羅の道に足を踏み入れる私にとっての、最後の人間らしい思い出として。


                 **


 あれから数ヶ月。私は『伝説の女』として、東京裏社会の中で一目おかれる存在になっていた。
 私を脅しに来たヤクザどもを逆にたどり、幹部クラスのやつにケンカの腕を売り込んだのは我ながら慧眼だったと思う。さんざん痛い目にあわされてきた女を身内にすることに下っ端どもは激しく抵抗したが、幹部の親父はさすがに計算のできる奴だった。売り飛ばすより飼って働かせるほうが金になる、そう思わせるだけの実力はイヤというほど見せ付けられている。鉄砲玉役として囲われている荒くれどもの一員として、ケンカや麻雀代打ちや用心棒代わりとして東奔西走させられる日々がこうして始まった。
 私はヒナへの追及が止まるのなら一生飼い殺しにされても構わない覚悟だったんだけど、いざ極道の世界に入ってみると8千万円の借金なんて可愛いものだってのがじきに分かってきた。とにかくこの世界には小銭という概念がない。客から巻き上げるときは諭吉さん単位だし、ヤクザ同士で交渉や落とし前をつけるときには100万円の札束単位。使い方も荒っぽい。下っ端でも雇われ用心棒でも万札より小さい金額のお釣りは受け取ったりせず、その日のうちに飲み明かし使い切ってしまう。使いっ走りに過ぎなかった私の懐にも、喫茶店をやってた頃とは比較にならないお金が回ってくるようになった。
 私はそのすべてを借金返済にあてた。実績を上げるにつれて割り振られる仕事の規模も大きくなり、動く金額も増えていく。名指しで私を指名してくる依頼人も現れ、袖の下を受け取ることも珍しくなくなっていた。この分だったら数年のうちに完全返済できちゃうかも……返済完了後のことはなるべく考えないようにしながら、私は次第に極道の流儀に染まっていった。


 そんなある日。私は歌舞伎町のジャズバーに、舎弟たちと一緒に張り込んでいた。今夜の獲物は中堅の区議会議員。スキャンダルをネタにして脅し、依頼人である某企業に有利な口利きをさせるのが目的。さすがに議員の事務所に乗り込むわけには行かないから、息抜きに訪れるというジャズバーで身柄を押さえて脅迫するというのが今回の計画だった。当然ながら1人で来るわけないので、家族や護衛役を黙らせるのも仕事のうち。
「姐さん、今日は来ますかね、あいつ?」
「さぁね」
 耳打ちしてくる年上の子分に生返事をする私。警戒されたらお終いなんだから、とにかく薄く広く網を広げて待つしかない。こうして張り込みをするのも5日目を数えていた……そんな私の耳に、なんだか聞きなれた楽器の音色が飛び込んできた。
「えっ……?」
 ふと視線をステージに向ける私。そこには若々しいバンドの連中が上がり、ジャズバーには似合わないラブソングを演奏していた。そこでベースを鳴らす青年の顔に、私の視線は釘付けになった。
《薫……?!》
 髪型も服装も変えていたが見間違えるわけもない。そいつは高校まで一緒にバンドを組んでた、幼馴染でバカの薫だった。あいつまだバンドやってたんだ……驚きとともに懐かしさが胸に込みあげる。すると私の視線に気づいたのか、演奏したままの薫の目が一瞬こちらのほうに向いた。
《あっ……》
 とっさに目をそらす。薫に分かるわけがない、今の私は厚化粧に虎縞のジャケットを羽織った、どこから見ても堅気に見えない格好をしてるんだから。数秒我慢してからおそるおそる顔を上げると、薫はまた何事もなかったように視線をベースの手元に戻していた。ほっと息をつくとともに一抹の寂しさを感じた私は、ほんの数メートルしか離れてない薫との距離がいつのまにか手が届かないほどに離れてしまったことを、これでもかと言うほど痛切に感じた。
 薫は何も悪くない。こんな道を選んだのは私の罪。あんたはずっとバカのまんまで、光の当たる道を歩いてちょうだい……。
「姐さん……来ました」
 舎弟の1人に肩を叩かれて、私は現実に意識を戻した。そして店の奥のVIPボックスに向かう集団に目を向けると、その後を追うために静かに席を立ったのだった。


 ヒナの顔が見たかった。
 仕事が終わった翌日の朝、尾行がないことを何度も確認しながら私は桂先生のお宅へと向かっていた。あの日からヒナには会ってない。週に1回くらいは電話で声を聞いてるけど、直接に顔を合わせる勇気は今までなかった。ヒナを怖がらせたくはなかったし、こんな私をヒナが見慣れてしまうのも別の意味で怖かったから。声だけでも繋がってれば姉妹のままで居られる……ゆうべ薫と会うまでは、そう思ってた。信じ込もうとしていたんだ。
《どんな格好してても……私は私のままだよね?》
 そんなか細い希望の糸を信じたくて、確かめたくて。なるべくおとなしめの服装を選んだ私は朝陽に照らされた住宅街を、どこか居心地の悪さを感じながら歩いていた。ヒナの手を引いて先生の家を訪れたときとはまるで違う、別の街に来てしまったような感覚。先生の家に近づくにつれて見えない空気の重りが私の背中にのしかかり、足取りを重くする。大丈夫、気後れしてるだけ。ヒナの顔を見れば一瞬で吹き飛ぶに決まってるんだから……そう頭の中で決め付けて最後の角を曲がろうとした、その瞬間。
「おかあさん、行って来ま〜す♪」
「はぁい、気をつけてね、ヒナちゃん」
 私はとっさに電信柱の陰に隠れた。おそるおそる覗きみると、可愛いランドセルを背負ったヒナが先生の奥さんに見送られ、満面の笑みで手を振っていた。そこにはヤクザに脅えていた頃の暗い表情も、両親が蒸発したころの不安げな陰もなかった。幸せに包まれた子供ってこんな顔をするんだ、誰もが胸を温かくするような理想的な家族の光景が、そこにはあった。
 朝陽にも負けないヒナの表情がすごく可愛くて、だけどたまらなく眩しくて。
 ……私は懐に隠していた黒いサングラスをかけなおすと、何も言わずに桂家に背を向けたのだった。


「もしもし、先生? 私」
「……雪路か? どうしたこんな真夜中に。待ってろ、今ヒナちゃんを起こしてくるから」
「あ、いいよ先生。先生に用があってかけたんだから」
 その日の夜。冷たい雨の降る路地裏の電話ボックスから、私は桂先生に電話をかけていた。決心を固めるのに丸一日かかったけど後悔はしない。きっとこうするのが、ヒナにとっての幸福なんだ。
「どうした、元気にやってるのか? たまには顔を見せろ、ヒナちゃんは楽しみにしてるんだぞ」
「……ごめん、当分いけそうにないんだ。外国に逃げることになったから、私」
 絶句する先生に向かって、私は何度も書きなおしたメモを読み上げた。借金は半分ほど返済を終えたものの、残りは厄介な奴らばかり。このままじゃ拉致されて腎臓を切り取られかねないから、ほとぼりが冷めるまで日本を離れようと思う。心配しないで、私はどこだってやっていけるから。
「そんな、だったらヒナちゃんも一緒に連れて行ってやれ! いつ飛び立つんだ、明日か、明後日か?」
「ヒナにまで苦労はかけられないよ、せっかく新しい家族と仲良くやってるんだし。それより私が居なくなった後のヒナのことが心配で」
 先生の叫びに乾いた笑いを返す私。いま話したことはデタラメもいいところだった。借金取りの傘下の組織に私が身をおいている限り、ヒナに取立てが行くことはありえない。さんざん荒稼ぎしたおかげで借金は残り3百万円を切っていて、あと2回も大仕事をこなせば負債はすべて無くなる。だからもっと楽しげに、もうすぐ迎えに行くからと伝えてもいい状況だった。だけど私が口にしたのは、それとは正反対のことだった。
「ヒナに危害が及ばないようにするには……外国に逃げる前に、私は天涯孤独になっておいたほうがいいと思うのよ。書類の上だけでも」
「なんだって?!」
「それでさ」
 お姉ちゃんお姉ちゃんと私の後を追いかけてきていたヒナ。世界で一番大切な最愛の妹。ずっと守ってあげるからと約束した、その妹の小さな手を。
「この際だから、ヒナのこと正式に養女にしてやってもらえない?」
 血痕と泥汚れに手を染めきってしまった私に出来ること。それは妹の手をそっと離して、もっとふさわしい人たちへと譲り渡すことだった。


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