Re: 三角定規(ヒナギク誕生日記念 一話完結) ( No.1 ) |
- 日時: 2013/03/04 20:58
- 名前: きは
- 参照: http://soukensi.net/perch/hayate/subnovel/read.cgi?no=92
- こんばんは、きはです。
ヒナギク誕生日記念ということもあって、楽しく読ませて頂きました。 それでいて、ピアノフォルテさんの一人称小説を読むのは新鮮なので、その部分でも楽しませて頂きました。
知的、ですなぁ。 一読して話の全容を踏まえてから読み直すと、そのような嘆息が漏れてしまいそうです。 特に最後の部分。練りに練っているなぁと感じずにはいられませんでした。 ポイントは、題名にもある三角定規ですね。最後のシーンで三角定規の形が変わっていることが、この小説で伝えたい恋愛の要素なのかなぁと。
ヒナギクは自分の恋愛の形を、直角二等辺三角形を用いて説明しました。
「今の好意の位置」をαとし、この点0、X、αを結んだ時に出来る平面の形は、常に直角二等辺三角形の形を維持し続けるのだ。
この時、「今の好意の位置」αと「好きだという思いが彼に伝わる座標」xをx軸に限定してみると、距離の比は1:1となります。 伝わりたいがために近づこうとすると、限りなく遠ざかってしまう。そんな現状を表している例えでした。 それに対し、最後に登場した三角定規は、30度の勾配と表現しています。この三角定規は、直角二等辺三角形じゃないんですよねぇ。 三辺の比が、1:2:√3という直角三角形になります。
少し深読みをして、最後に見つけた三角定規でヒナギクの仮説(?)に当てはめてみましょう。 すると、αとxをx軸に限定してみた二つの距離の比は、3:1になるのです。 1:1の時と比べると、かなり彼に伝わる座標へと近づいているのです。 ――それでも、遠のいていってしまう分には、変わりませんが……(笑)
以上の部分を暗示させているのが、以下の一文であると私は考えています。
自分の不甲斐なさに腹が立つ。鈍感な彼にはもっと腹が立つ。
この一文には、伝えられない自分よりも、伝わらない彼(ハヤテ)の方に腹を立てている描写があります。 言葉を換えると、好意を伝えられない事実よりも、好意が伝わらない現状にヒナギクは腹を立てているのでしょう。 それはきっと、思いが伝わる座標に近づいているからだと思います。 1:1だった距離の比率は、3:1へと変わりました。 この度合いの変化が、「もっと」という三文字で暗示されていることに思わず感心しました。 うん。すばらしい作品でした。ありがとうございました。 ……次は、漸近線を取り上げてくれるのかなと思っていたりします。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください |
Re: 三角定規(ヒナギク誕生日記念 一話完結) ( No.2 ) |
- 日時: 2013/03/05 22:57
- 名前: ピアノフォルテ
- >きはさん
一人称小説は、きはさん含む、ひなゆめ止まり木作家の偉大な方々へのオマージュでもあります。なので、きはさんにお誉め頂けるのは光栄の極みです。
……とこどでじつは、三月三日の誕生日、当日まで忘れていました(笑) なので、練ってあったプロット(元は三人称でした)を慌てて一人称小説に置き直して投稿しました。朝から始めて、推敲を繰り返し、なんとか滑り込みで間に合いました。 結果としての出来は上々。一人称初小説「まつり」で得たコツを、ちょっとは活かせたのかなと。
考察に関しては、私からは突っ込むところがありませんね。相変わらず見事。どこまで読み込んだらそんなに解るのか。恐ろしい限りです(笑)
……それにしても、漸近線ですか。ほう、これはまた良いネタを頂きました(←次を全く考えていなry)。 形になるかはまだ解りませんが、アイディアは浮かんできたので、またのんびり練っていこうと思います。
それでは、有難うございました。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください |