コメント返信 |
- 日時: 2014/12/08 14:00
- 名前: 春樹咲良
- >>19 プレイズさん
お世話になります。春樹咲良です。 いつもありがとうございます。 コメントへの返信が大変遅くなり,こちらこそ申し訳ありません。
・明智君の態度と伏線について 飛行機事故の件で飛行機嫌いになった,という点については結構早い段階で仕込んでいた伏線だったので,回収するタイミングを見極めるのがなかなか難しく,苦労しました。 鮮やかに伏線が回収される小説というのは読んでいてとても楽しいので,その辺りを多少意識しつつ書いていきましたが,技術的に未熟な点が多く,割と見え見えの伏線だったのではないかなとも思っています。 実は,スウェーデンへの乗り継ぎのシーン(>>1 #1)を書いた時点では,あれが「誕生日祝いが流れたことへの不満の態度」というミスリーディングを発生させることは予想していませんでした。 プレイズさんにコメントを頂いて初めて,「あぁ,なるほど,そういう読み方があるのか」と思った次第です。 結果的に,後のシーンでの「誕生日の件でうやむやになっていたと思っていた」という明智くんのセリフ(>>16 #10)にも深みが出ることになったのではないかと今は考えています。 小説は読んでくださる読者の方あっての表現作品なのだなと,改めて思いました。
・美希と明智君の会話について フィクションであるからこそ出来る,二人の息の合った,そして微妙に斜に構えた会話のやりとりというのが,私の位置づけたこの小説のテーマの一つでした。 お互いはっきりと表には出さないけれど,心のなかでは分かり合っている,ということが会話のやりとりから表現できたのであれば,今回の作品はそれだけでも私にとっては満足かなと感じています。 ユーモアのセンスについては,書いている当人もまだまだかなと思っているところではあるので,これからも磨いていけたらと思っています。
・タイトルについて 作品のタイトルについては毎回結構悩んでいるのですが,今回は話の大まかな骨格が定まった段階で,割とすんなりとこれに落ち着きました。 この作品では,もちろん「愛」をテーマとして位置づけてタイトルにも意識させているのですが,一般的に考えられるものである重力や磁力についても,作品の中でそれとなく触れてみたりしています(電気力だけはちょっとねじ込めなかったのですが)。 また,ラストシーンの描写についてもギリギリまで悩みました。 明智君が「運命」を挙げたことについては,もう少し説明を加えても良かったのかなという反省がありますが,このシーンの最後のテンポを出すためには,それを入れる隙間がなかった,といった感じです。 ある程度は説明を省いても問題はなかったのかなと,プレイズさんのコメントを見て考えました。
・二人の関係について あとがきで余計な補足をしてしまったかなと感じつつ,さらに補足をしますと,一切の恋愛感情を持っていない,というわけでもないのではないかと個人的には考えています。 ただ,それをお互いに交換し合って,恋人同士の関係になる,あるいは結婚する,といったところまで進める必要性をお互いが感じていない,ということだろうと思います。 或いはそれはもう恋愛感情とは違うものなのかも知れないですが,とりあえずこの二人には現状,「恋愛」は必要ない気がするというのが,作者としての見解です。 恋愛的にくっついても不自然さはない,ということはその通りかも知れないと私も思っています。 ただ,自分のオリジナルキャラクターがハヤテ作品内のキャラクターと恋愛的にくっつく話を書くというのは,微妙に抵抗があるというのも,個人的な感覚として持っています。 また,このお話では明智君の側の事情しか書かなかったのですが,美希は美希で明智君に積極的に踏み込んでいかない理由のようなものがあると考えています。 それは,美希にとっての「恋愛」絡みの問題として,もしも余裕ができれば今後,別の作品で補っていければいいなと思っています。 現状ではちょっと,いつになるのか分かりませんけれど。 「二人の関係が,このお話を通じて一歩進んで,より大切な存在として再認識した」という考察については,まさにその通りで,そこまでこの作品を読み込んでくださっていることに大袈裟ではなく感動しています。 書き手冥利に尽きます。本当に有難うございます。
・美希メインとしての今作について 自分でもまさか美希を主役にここまで長い話を書くとは,少なくとも去年の段階では考えていませんでした。 キャラクターとしては魅力的だと思いますし,設定も色々なところに活かせそうな割に,生徒会三人娘としてまとめてバカ扱いされている上,その中では泉がスポットライトを浴びやすいという,基本的に脇役に甘んじている印象でした。 そこで三人娘というグループから離れて,美希個人に焦点を当てた話を構想してみたとき,思い切ってずっと未来の話を書いてみようかと思ったのが,このシリーズのきっかけの一つです。 本編から20年後の政治家としての美希のキャラクター造形については,ハヤテ以外の色々な作品の影響を受けています。 そんな中で,多少なりとも美希の魅力を引き出すことができていたのなら,作者にとっては望外の幸せといったところです。 もともとは脇役に留めるつもりだったオリジナルキャラクターの明智君を,美希と同じくらい大きな扱いにしてここまで長い話を書いてしまったのは,去年の段階からするとさらに予定外だったのですが,この二人のやり取りを書くのが私としても楽しかったし,プレイズさんはじめ読者の方々に楽しんで頂けたなら,もう何も言うことは無いかなと思います。 会話と会話の間を結ぶ描写については,読み返すたびに修正を入れ続け,投稿する直前までしっくり来るものを探す,ということの繰り返しで,まだまだ精進が足りないかなと思っているところなのですが,頂いた言葉を励みにしながらこれからも表現を追求していければと考えています。
前作から含めて,長い間お楽しみ頂き,本当にありがとうございました。 上でも述べましたが,この作品を深く読み込んでくださっていることがコメントから伝わり,感激です。 長文に渡るコメントを頂き,返信もそれに応じてかなり長くなってしまいましたが,改めて御礼申し上げます。 これからもまた,いつかの機会に,作品をお届けできたらと考えています。 それまでは,私も一読者として,プレイズさんの連載を楽しみにしながら過ごそうかなと思っています。 これからもよろしくお願い致します。
それでは。
|
|