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『支天輪の彼方で』10万〜20万ヒットの読者傾向分析

初出 2007.08.13
written by 双剣士 (WebSite)
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1.アニメ化に伴うヒット数の急増


 2007年8月5日に「支天輪の彼方で」は20万ヒットを達成しました。更新の遅いSS専業サイトがここまで来られたのも、愛読してくださっているみなさんのお陰です、どうもありがとうございました。
 前回の10万ヒット企画は1998年12月25日〜2004年7月22日の6年半についての振り返りでした。今回は約3年で10万ヒットの上積みに成功したことになります。3年前から今日までのヒット数の推移をここで振り返ってみましょう。

累積ヒット数のグラフ  右に示したグラフは、10万ヒットから20万ヒットまでの伸び方を示したものです。字がつぶれている場合はグラフをクリックすると拡大画像が見られます。
 10万ヒットの直後にサイト休止期間があり、それ以後はゆるやかにヒット数が増加してきた……遠目ではそう見えるでしょう。しかしこれを毎月あたりのヒット数に換算すると、ダイナミックな傾向が浮かび上がってきます。

月間ヒット数のグラフ  続いて示しましたのは1ヶ月あたりのヒット数の推移です。豪快なU字カーブを描いていることが分かります。
 まずU字カーブの冒頭(2004年7〜8月)はCLANNADの毎日更新SS連載をやっていたころで、明らかにKeyゲームファンの殺到によるものです。前回の10万ヒット企画ではこの時期を葉鍵期と称しています。10万ヒットを達成したのはこうした絶頂期の期間だったわけですが、残念ながら家庭の事情により8月〜11月にかけて更新休止をせざるを得なくなり、Keyゲームファンの底力を見極めずに終わってしまいました。
 それ以後、2005年5月までは月間1000〜1500ヒット(30〜50ヒット/日)、ハヤテのごとく!のSS執筆に着手してから2006年秋までは月間2000〜3000ヒット(60〜100ヒット/日)程度のヒット数が続いています。これは10万ヒット企画で述べた不惑期のヒット数とほぼ同じであり、うちのサイトの実力は本来このくらい、と私自身が認識している数値でもあります。 このペースが続けば20万ヒット到達は2008年の末ごろ、そのころにはハヤテのごとく!も終了して当サイトも無くなってるかも知れないな……去年秋に総括文を書いたころには、そんな認識で居たわけです。
 ところがそれ以後。2006年暮れにアニメ化が決まり、TV放映に先立ってアニメ雑誌などへの露出が増え始めてからヒット数の急増が始まります。あれよあれよと言う間に月間1万ヒット(300ヒット超/日)に達し、予定より1年半も早く20万ヒットに到達してしまいました。おかげさまで大慌てです、なんにも準備してないんですもの。とりあえず10万ヒットのときと同様の感想文(この文書です)を公開するのはデフォルトとしても、それだけで終わらせるには勿体ない数字であります。なにか記念になるものを、と考えあぐねて

などと無い知恵を絞っては見たのですが、読者への感謝企画であるのに読者の皆さまに労力を強いるような案はやっぱり良くない。今のところ以下のような案の間で揺れています。
(a)お題提示方式の小説投稿掲示板の創設
長所:読者の志向にマッチしやすい
短所:投稿者がいなかったら悲惨なことになるし、お誕生日SSですら追いついてない現状に新たなノルマを加えるリスクもある
(b)オリジナル長編による記念同人誌発行。オンライン無料配布、PDF形式
長所:形として手元に残りやすい、時期的にも夏コミケの盛り上がりに合わせやすい
短所:公開までに時間がかかる(下手すりゃ秋以降?!)
 とにかく、もうしばらく考えてみます。


2.検索サイト頼りの集客構造、しかし常連さんも徐々に増加中


 さてヒット数に話を戻しましょう。2006年秋以降の右肩上がりなヒット数急上昇は当サイト始まって以来の現象です。駄文にゅうすなどで記事を紹介されて△型の来客急増を迎えたことはありました。また原作のアニメ放映期間にあわせて台形状の来客増も経験しています(詳しくはぴたテン特需を参照)。しかし半年以上にわたって指数級数的に上昇したことなど過去に一度もありません。
 いったい何事が起こっているのか? これ以降の文章ではアクセス解析の結果を元に、それを推測してみたいと思います。

リンク元サイトの累計  まずは読者の皆さんがどういう方法で訪れているのかを解析してみました。読者は必ずしも正門から入場してるとは限らないので、ここからは正門ヒット数(正門を開いたときのみ加算される数値、リロード不可)ではなくPV数(ページビュー数=任意のページを開いたときに加算される数値、リロード可)を縦軸に用いています。
 まず分かるのは、ブックマークとYAHOO!Googleからの来客が多く、個人サイトやブログのリンクページからの来客数を圧倒しているということです。調べてみるとこの3者で全体の7割〜8割を占めています。これは検索サイトを通じてピンポイント的に当サイトを訪れる方々が来客の大半であり、おそらくはヒット数急上昇の主要因であることを示しています。逆に言えば、同ジャンルのサイトやブログが相互リンクやコメント・トラックバックなどで相互交流を深めている状況に対して、当サイトが完全に乗り遅れているという構造的問題の証左でもあります。
 ただし明るい材料はあります。「ひなたのゆめ」は4%程度、「ハヤテのBlogリンク集」は3%、そのほかのサイトからの来客はいずれも3%未満なのですが、それらを累計した「その他」からの総来客数が今年4〜6月期に急増しているのです。7〜8月期はグラフでは少なく見えますが集計期間が他の半分以下(7/1〜8/5)なので、夏休み効果も考えれば4〜6月期を超えるのはほぼ確実。まめにSS投稿やブログコメントをしてURLを書き残してきた効果が現れ始めているということでしょうか。

リンク元サイトの百分率  明るい材料をもうひとつ。検索サイトを通じてきてくれたお客さんが、もう1度ここに来たいと思ってくれるかどうか。全体に対するブックマークの比率を調べることでそれが大まかに把握できます。右のグラフはその結果で……行ったり来たりを繰り返してきたブックマーク比率が最近1年間にかけてぐんぐん上昇している様子が分かります。「せっかく来たのに期待はずれじゃん」という方が多ければブックマーク率は来客増に反比例して減少するはずなのですが、解析結果はむしろその逆。ありがたやありがたや。


3.検索キーワードから見る期待分野の変化


 では次に、検索サイト経由で来られたお客さんが何に期待して当サイトを訪れたのか、を検索キーワードを解析して調べてみました。
 検索キーワードの上位20傑を選び出すと右表のようになりました。右の表には代表的な3期分しか載せていませんが、以下の考察では全ての期間の解析結果を視野に入れて話を進めていきます。

順位2005.04〜062006.04〜062007.04〜06
1MADムービー1460ハヤテのごとく3175ハヤテのごとく11956
2SS721SS845小説4394
3小説616小説596SS2187
4守護月天599ヒナギク372ヒナギク1218
5ぴたテン404三千院ナギ221支天輪の彼方で456
6ハヤテのごとく388ぴたテン174マリア445
7まもって334セイバーマリオネット165瀬川泉440
8璃樹無210エロパロ160愛沢咲夜418
918禁187支天輪の彼方で147三千院ナギ401
10わーきんぐDAYS172マリア140セイバーマリオネット205
11Kanon169MADムービー135わーきんぐDAYS204
12作り方142守護月天127鷺ノ宮伊澄158
13ハーレム133わーきんぐDAYS85ぴたテン156
14セイバーマリオネット102綾崎ハヤテ72守護月天153
15キリュウ91まもって71キャラクタ―117
16三千院ナギ79藤林杏57ひなたのゆめ117
17みずいろ71朋也49エロパロ109
18ダウンロード70エロ47綾崎ハヤテ102
19朋也68クロスオーバー46虎鉄90
202次小説66支天輪44藤林杏88
代表的な3期分のみ抜粋。全ての解析結果はこちら
 まず驚いたのは、「ハヤテのごとく!」がコンテンツに加わり認知されるまでの間、検索キーワードのトップを占めていたのは「MADムービー」だったということです。MADムービーとはアニメやゲームのCGや動画を利用して別の音楽と組み合わせたムービーのことで、もちろん著作権違反。一時期これの収集にハマってた時期がありまして、戯言欄で何度か有名サイトを紹介したものです。公開場所がWinnyやYouTubeに移ってからはきっぱりと足を洗ったのですが、公開場所が地下に潜ったぶん、飢えた収集家たちの目が当サイトに向けられていたんですね。メインコンテンツよりこっちのほうが要望が大きかったというのは複雑な気分です。
 そして2005年7月から「ハヤテのごとく!」が王座に君臨、2位と3位には「SS」「小説」が座り込む体勢が確立して、それは現在まで続いています。ようやくSSサイトらしい認知のされ方をしてもらえたんですね。そして旧コンテンツ「守護月天」「セイバーマリオネット」「ぴたテン」も地味ながらしっかりと中盤を固めています。サイト名「支天輪の彼方で」で検索する方も一定数いらっしゃるようです。なんか嬉しい。

 さて4位以下ですが、ハヤテの人気キャラである「ヒナギク」が磐石の4位キープ。5位以下との差が極めて大きいことが公式人気投票ぶっちぎりトップの貫禄を如実に示しています。うちのサイトではヒナギクSSって基本的にネタ扱いなんだけどなぁ☆ その下では「ナギ」「マリア」「咲夜」「泉」の4人が熾烈なデッドヒートを繰り広げています。いいんちょさんの人気には正直驚きです、現時点で17位タイの泉ちゃんですが、これからは出番を増やしてあげなくてはなりません。しかしその反面、作者イチオシの伊澄ちゃんは浮き沈みを繰り返しています。愛ですか、愛が足りないせいですか?


4.ついに発表、最多人気コンテンツの座は?


PV数の累計  この検索キーワードを見れば、読者の多くがハヤテ関連小説を目当てにして当サイトに来てくれていることが分かります。では当サイト内にて、皆さんはどのページを読んでくれているのでしょうか?
 ……集計してみて驚きました、これほどにハヤテ関連ページが圧倒的だとは。総PV数の増加だと思っていたのは大半がハヤテSSページのアクセス増加で、それ以外はほとんど不変、そう解釈してもおかしくない結果です。すっかりハヤテSSサイトとして定着してしまってるみたいですね。
 こうなると詳細解析も、ハヤテ関連ページだけに絞って行ったほうが良さそうです。

各SSページPV数の比較  お待たせしました、では読者からのアクセス数に基づいた、ハヤテSSの人気ページ集計結果です! 「めいどさん☆すぴりっつ」や「タンケンジャー」のように複数ページにまたがる小説は、1ファイルあたりに平均化してから比較しています。
 栄えある第1位は……「呼称一覧表」。そこ、ずっこけないの! tanabeebanatの日記など大手の同ジャンルブログから期待されてるコンテンツなので突出するのは当然なのです。やっぱり直接リンクを張られてる爆発力は侮れませんね、他のSSと比較してもぶっちぎりのPV数です。悲しいのはこの呼称一覧表を目当てに来場したお客様は、ほとんど他のSSには見向きもしないで帰ってしまう傾向が強いってことなんだけど……期待されてるのに文句を言っちゃいけませんね。
 気を取り直して2位以下を見てみると……2位に座ったのは「お姉さま以上、ヒロイン未満」。意外にもヒナギクSSではありませんでした。未完結ってことで「まだかな、まだかな」と見返してくれる方が多いんでしょうか、それともユニゾン形式という珍しい構成が受け入れられたってことなんでしょうか? なかなか後編が書けなくてご迷惑をおかけしていますが、この結果を見て元気が沸いてきました。
 3位と6位にはヒナギクいじりSS「乙女の逆鱗」がランクイン。感想の手ごたえからしたら「3」の方が人気かと予想していましたが、やはりシリーズものとなると1巻目から読む人が多いのか、それとも曲がりなりにもハヤテ×ヒナギクの組み合わせになってるのが効いたのか。一方で虎鉄との競演作「2」はランク外(PV数553で21位)です。「だまれ超平面!」は自分では気に入ってるんだけどなぁ。
 4位には出世作「その日が来たら」。アクセスの少なかった2年前からのPV数まで含めての平均値なのに、この順位は立派です。そういえば昨日のアニメ20話はちょうど「できる必殺技」の回でしたっけ。あれから2年も経ってるのにまったく増えない姫神の情報、やきもきしてる方も多いのでは?
 5位以降は比較的最近の作品が並んでいます。来客数の増えた時期に公開開始した作品は平均値的に有利に働くようです。そんな中で上位に食い込んだ「妹はスナイパー」「眠り姫」には正直驚きました。13歳組の人気、いまだ健在。というか検索キーワードの上位陣の面目ってことでしょうかね。
 ちなみに最下位には「Innocent Hearts (193)」、その周辺には「メカの一分 (242)」「飾りじゃないのよブログは (248)」「ファンタジック・エイト (253)」「シスターの野望 (272)」など脇役メインの話が固まっています。やっぱりアニメに登場しないキャラは不利なんでしょうか。頑張れしおりん、ファイトだシスター!

目次ページのPV数  さて、上であげたPV数の順位表ではわざと除外したページがあります。SSのタイトルとリンクを並べている目次ページです。こちらの集計結果は右のとおり。呼称一覧表など顔負けのPV数を誇っていますね。目次ページのPV数がSSページのそれを大幅に上回っているということは、目次だけ見て「新作まだ出来てないのか……」と帰ってしまう来場者の方が数多くいることを物語っています。
 しかし面白いことに、全体に対する目次ページのPV数比率は40%をがっちりキープ、ヒット数の少なかったころから現在まで比率がほとんど変わっていません。これは「読者の期待を裏切る度数」が今も昔も違いがない、つまり「ここはこのくらいの更新ペースのサイトだ、ゆっくり待ちましょう」という認識が定着していることの現れでしょうか。プレッシャーに弱い性格なので、願望も込めてそう解釈しておきたいと思います。

 読者傾向分析の結果は以上です。
 今後とも「支天輪の彼方で」をよろしくお願いいたします。


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