「……あ、お待たせしました、綾崎ですが……」
「何よ、いつまで待たせる気? ふざけんじゃないわよ、ウーィッ」
「あ、あの、どなたですか?」
「誰だっていいでしょ! いい、貧乏人のくせに夢なんか見るんじゃないわよ、あの子はあんたのことなんか、なんとも思ってないんだからね?」
「あの子って?」
「知らん振りしたって無駄よ! あの子はお金持ちになるんだからね、あんたとは住む世界が違うんだから! ちょっと甘い顔してもらってるからっていい気にならないでよ、あんたとあの子じゃ釣り合うわけないんだから!」
「……あ、あの、誰かと勘違いされてませんか? 僕はそんな……」
「とぼけるんじゃないわよ、あんた綾崎ハヤテでしょ! ヒィーック、とにかくね、金輪際あの子とは縁を切りなさい、いいわね?!(プチッ)」