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幸せを望む青い鳥
日時: 2013/01/27 16:25
名前: 道草

どぅも★道草です!

アニメ3期が終わってだいぶ経ちましたが、あのキャラメインの小説を書いてみました♪

当然のごとく、アニメのネタバレ全開になっています。

それでもよろしければご覧ください♪





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――幸せを運ぶ青い鳥。

人々は皆その鳥に自身の幸福を願い、すがり、追い求める……

だが青い鳥自身の幸せは、一体だれが運んできてくれるのだろうか?







「あなたの名前は『ツグミ・ルリ』……」

砂塵が渦巻く広大な砂漠。そこにそびえる一本の大樹。

本来ありえないその光景の中、月明かりに照らされながら、女性は木に止まる一羽の鳥を指差した。

ルリツグミ……アメリカに生息する、鮮やかな青色の鳥だ。

「あの鳥のように、大空を自由に羽ばたく青い鳥……」

そばには一人の幼子が眠っていた。

木の幹の中にゆりかごのように抱かれて、安らかな寝顔をうかべる女の子。

女性はその子の頭を優しくなで、あやすような口調で語りかける。

「だから私の代わりに……幸せを運んできてね、ツグミ……」



*   *



――それから十数年の歳月が流れ……

かつての幼子は都会の摩天楼の上、一人まばゆい街を見下ろしていた。

顔を上げるとネオンで彩られた地上とは裏腹に、薄汚れた空が星影一つ見せずに淋しく広がっている。

「・・・・・・」

少女は独りだった。

それは何も今に始まったことではない。

顔も知らない実の両親には、物心がつく前に砂漠の真ん中に捨てられた。

そして少女は人ならざるものに拾われ育てられた。

ある使命を果たす為に。

そこに愛はあったのか……いまとなっては定かではない。

しかし少女はそれで良かった。

必要とされている、それだけが彼女の生きる意味であり喜びだった。





……だが永遠と思われた母の運命も、ある日大きく狂った。

あるいは本来あるべき形に戻ったというべきだろうか。

時の流れに抗い続けた罰であるかのように、その命は脆く儚く潰えた。

そして少女はまた独りになった……

「・・・・・・」

少女は飛び方を忘れてしまった鳥の様に、ただ空を仰ぐ。

夜風に吹かれ、紫がかった深い青色の髪がなびいた。

時間が経つにつれ、少女は実感を強めていく。

もう私には家族と呼べる人はいないんだ……







……いや、もう一人。

家族と呼んでくれた人がいた。

偽りの関係ではあったけれど、それでも彼女は確かに自分の事を心配してくれていた。

遠い空を眺め、少女は届くはずもない声を異国の地へと送る。

「お姉ちゃん……」



*   *



「……ツグミの奴、元気にしてるかなぁ」

豪華なつくりのソファーの上、薄い本を掲げて寝そべりながら、三千院ナギはふと呟いた。

なぜか唐突に脳裏に浮かんだのは、かつて妹と名乗って近づいてきた少女の顔だ。

「・・・・・・」

ナギは読んでいた本をテーブルの上に放る。

それは自身が書いた同人誌。

かつて、ある一人の少女が面白いと言ってくれた作品だ。

「お嬢さま。やっぱり心配ですか、ツグミさんのこと?」

そう声をかけるのはナギの執事、綾崎ハヤテ。

手に持つトレイの上ではグラスに注がれたアイスカフェオレが氷を揺らし、涼しげな音を奏でていた。

ハヤテがテーブルにグラスを置くと、ナギはひったくるように取り上げて、そっぽを向く。

「ふ、ふん!別に心配なんかしてないのだ。ただ、ちょっと気になっただけというか……」

口ごもりながらナギはストローをすする。

それを見て、相変わらず素直じゃないな……とハヤテは苦笑する。

まぁそこが可愛らしいところでもあるわけだけど。

「ところでお嬢さま。明日は学校に……」

「いかん」

みなまで言わさず即答するナギ。

いつもながらのこのやりとりにハヤテはハァとため息をつき、そしてこう切り出した。

「もー……ちゃんとするって約束したじゃないですか……」

「は?私がいつそんなこと……」

「――わがままも言わない。早起きもする。学校もちゃんと行く」

そこまでハヤテが口にすると、ナギはピシッと硬直する。

そしてある記憶がフラッシュバックしてきて、顔を真っ赤に染めた。

「おおお、お前、ど、どこでそれ!!?/////」

確かに言った、言ったけれども……

そのときハヤテはいなかったはず……

……いや、実際には物凄い近くにいたのだけれど。

「いや〜、お嬢さまを泣かせてしまって、執事としては心苦しくありましたが……」

困ったような素振りを見せつつも、どこか意地悪な口調でそう言うハヤテ。

どうやらナギの叫びはしっかりとハヤテに届いていたらしい。

それはそれで嬉しいことだが、ある意味では物凄い拷問である。

「う、うっさい、ハヤテのバーカ、バーカ!!行きゃいいんだろ、行きゃ!!/////」

ナギはハヤテの顔面にクッションを叩きつけると、逃げ出すように自室へと戻っていった……



*   *



翌日、約束通りナギは早く起きて学校へと赴いた。

それを見て彼女のメイドやクラスメート達は相当驚いたものだ。

一方、ハヤテはその日一日ずっと上機嫌で、終始ニコニコと笑っていた。







そして屋敷へと帰ってきた二人。

「あ〜……久々の学校は疲れるな……」

「そうですか?僕は久しぶりにお嬢さまとご一緒できて楽しかったですよ♪」

気だるそうなナギに対して、満面の笑みをむけるハヤテ。

その笑顔をナギは小憎らしく思う。

しばらくはこのネタで登校を強要されるかと思うと気が滅入った。

だがあの時の自分の言葉に偽りはないので約束は守ることにしよう。

……とりあえず今日だけは!

そんなふうにナギが考えていると、ハヤテはふと立ち止まった。

「ん?どうしたハヤテ」

「いえ、なんだか背後に気配を感じて……」

「ゴ○ゴかよ、お前は……」

ツッコミながらナギは周りを見るが、別に誰もいない。

マリアだって屋敷内にいるはずだ。

「気のせいだろ?」とナギは結論付けて先を歩くが、ハヤテはまだ気になるのか屋敷を取り囲む塀を眺める。

そのとき、ハヤテの視界の端で何かが動いた。

目を凝らすと、塀の向こうで細い一束の髪の毛がピョコピョコ揺れている。

「・・・・・・」

それを見て、ハヤテはくすりと優しく微笑むのだった。



*   *



一方、その塀の向こう側では……

「ふぅ、あぶないあぶない……危うく見つかるとこだった……」

一人の少女が塀に両手でぶら下がって、中の様子をうかがっていた。

どっからどう見ても弁明不可能なほどの不審者である。

見つかれば即確保される状況のはずなのだが、三千院家のSPは一体何をやっているのだろうか?

それはさておき、少女は懸垂の要領で体を持ち上げ、中にいるナギのことを見つめる。

「あ、お姉ちゃん屋敷の中に入っていく……ってあれ?」

そのとき、少女は監視対象が一名消えていることに気が付いた。

一瞬目を離しただけなのに、ハヤテの姿がどこにもない。

首をかしげていると……

「こんなところで何やっているんですか、ツグミさん?」

「うにゃあっ!?」

下から聞こえてきた声に、少女はビクッと体を震わせ、その拍子に塀からずり落ちる。

だが地面に落ちる前にハヤテがその体を受け止めた。

「大丈夫ですか?」

「あ、綾崎ハヤテ……!」

少女はハヤテの腕を振りほどき、警戒するように距離をとって身構える。

精一杯威嚇しているが、背は小さくて体型も小柄。

紫に近い深い青色の長い髪に、頭の上には後ろに反り返った長いアホ毛が飛び出している。

服装は短めのスカートをはいていて、首に巻かれたオレンジのストールが印象的だ。

その懐かしい姿に、ハヤテは穏やかに微笑んだ。

「お久しぶりですね、ツグミさん♪」

温和に接してくるハヤテに、ツグミはわたわたと動揺していた。

頭のアホ毛もブンブンと左右に大きく揺れ動き、その心情を如実に表している。

一体どういう仕組みになっているのだろう?とハヤテは気になったが、似たような人を一人知っているので、深くは考えないことにした。

「あ、綾崎ハヤテ!どうしてここがわかったの!?」

「いや、まぁそれは……」

ツグミとしてはうまく隠れていたつもりらしいが、彼女の髪は本人の意思とは裏腹に自己主張が強いらしく、その存在を大きくアピールしていた。

頭隠してアホ毛隠さずである。

「それよりツグミさん、お嬢さまに会いに来たんですよね?」

「べ、別に!たまたま通りかかっただけよ!!/////」

……いや、流石にそれは無理があるだろう。

ラスベガスから日本まで、一体どうすれば通りかかれるというのか?

いやまぁ、伊澄さんになら可能かもしれないけど……

しかし……素直じゃないところがお嬢さまに似ていて、ホントに姉妹みたいだなぁ。

そう思いながらハヤテは笑った。

「ちょ、何がおかしいのよ!?」

「ハハハ、いえ……とにかく、せっかくいらしたんですから中に入ってくださいよ。お嬢さまも喜びます♪」

ハヤテは正門へ案内しようと歩き出す。

しかし数歩歩いても、ツグミがついてくる気配がしない。

振り返ってみると、ツグミは立ち止まったまま顔をうつむかせていた。

「……いかない」

「え?」

「……だって私………どんな顔して会えばいいのか、わかんないもん……」

「……ツグミさん」

ツグミは消え入りそうな声で呟き、拳を震わせていた。

勢いでここまで来てしまったものの、実際ナギと顔を会わすのが怖いのだ。

妹と偽り、騙し、危険な目に遭わせ、大切なものまで奪おうとした……

そんな自分が今更のこのこやってきたところで、拒絶されるだけだろう……

「……大丈夫」

ハヤテはそんなツグミの手を優しくとる。

ツグミは叱られる前の子供の様な怯えた表情のその顔を上げた。

「何も心配いりませんよ♪」

「・・・・・・」

ツグミはなおも不安を抱いていたが、ハヤテに手をひかれるまま三千院家の門をくぐった……



*   *



「おお、ツグミではないか!一体どうしたのだ?」

屋敷に入ると、ナギはハヤテの後ろに隠れるツグミにいち早く気づいて驚きの声を上げた。

ツグミは恐る恐る出てきて、ナギの顔をうかがう。

「お、お姉ちゃん……」

言ってからツグミはしまったと思った。

もう妹ではないことは分かっているのに、まだ『お姉ちゃん』と呼んでも許されるのだろうか?

だがナギはそんなことを気にすることなく、ツグミを見て言った。

「しかし……相変わらずちっこいなお前は」

「何ですって―――!!久々に会った妹に何てこと言うのよ!?」

「そのバカな顔も久しぶりだな」

「人の事をバカっていうな―――――――!!」

さっそく始まる姉妹ゲンカ。

ナギのあまりにいつもどおりな対応に、ツグミの不安もすっかり吹き飛んでいた。

はじめから杞憂だと分かっていたハヤテは、二人を見て微笑ましい気持ちになる。

それはマリアも同じようだ。

「なんだか本当の姉妹みたいですね〜♪」

「そうですね、マリアさん♪では僕、紅茶でもいれてきます」

「あ、私も手伝いますよ」

そしてハヤテとマリアはぎゃあぎゃあ騒ぐ二人を残して席を外し、しばらく姉妹水入らずの時間を作るのだった……







「……でホントは何しに来たのだ」

「いや、その、だから、あの……/////」

ハヤテ達がお茶をいれて戻ってきて、落ち着いたところでナギはツグミに問う。

本当はナギにも答えなんかわかっているのだが、あえての尋問だ。

しかしツグミは正直な気持ちを口にするつもりはないらしい。

いつまでもモゴモゴしているのをみて、ナギはふぅとため息をついた。

「……まったく、素直じゃない奴だな」

それお嬢さまが言うんですか?とハヤテは思ったが口にはしない。

……口にはしていないはずなのだが、察しのいいナギはハヤテの顔をギロリと睨んでいた。

そしてその間に、ツグミは出来の良い言い訳を思い付いたようだ。

「そ、そう!荷物……アパートに置いてあったままの荷物を取りに来たのよ!」

「……ほう」

即興にしてはよく考えたな、とナギは少し感心する。

実際、ゆかりちゃんハウスに置かれたままのツグミの私物をどうするか考えあぐねていたのも事実だ。

「そういうわけだから、アパートの荷物とりに行ったらすぐに帰るから!」

「……そうか」

そのときナギが少し淋しそうな顔をしたのを、ハヤテは見逃さなかった……



*   *



そしてハヤテ・ナギ・ツグミの三人は、ゆかりちゃんハウスへとやってきた。

玄関を開けて中に入るとそこには……

「そこで微笑っててくれないか〜〜〜♪」

西沢歩がギターを手に熱唱していた。

「うっさ――――――――い!!」

「へぶ――――――――っ!!?」

ナギはどっからともなく取り出したタヌキのぬいぐるみを歩の顔面に叩きつける。

それを見たツグミは入居一日目を思い出していた。

「お前何をアニメ2話と同じことしてんだよ!!」

「い、いいじゃない別に!!私はミュージシャンとかになりたいの!!」

歩はナギに文句を言いながら立ち上がると、そこでようやくツグミの存在に気がついたようだ。

「あれ、ツグミちゃん!?」

「ど、どうも……」

「わー、帰ってきてたんだ♪どうしたのかな?またここに住むの?」

歩が声を上げると、騒ぎを聞きつけて他の住人達も奥の部屋からぞろぞろとやってきた。

「どうしたー?」

「ん、ツグミ?」

カユラと千桜が目を丸くする。

そしてツグミはみんなに取り囲まれた。

「なんだなんだ、帰ってくるなら連絡ぐらいくれたらいいのに」

「そういえば、まだシステマ教わってないぞ」

「やっぱりちっちゃくてカワイイねぇ♪」

頭を撫でられたり、抱きつかれたり、あっちこっち引っ張られたり、もみくちゃにされるツグミ。

見かねたナギがパンパンと手を叩いて、助け船を出した。

「おーい、人の妹で遊ぶのもそこまでにしとけー。そいつは用事があってここにきたんだから」

一同は「ちぇー」と呟きながらツグミから離れる。

解放されたツグミは髪はぐしゃぐしゃになり、ひざをついて呆然としていた。

「ほら、ぼけっとしてないでさっさと行くぞ」

「あっ、待ってよお姉ちゃん!」

足早に廊下を歩いていくナギにハヤテも続き、ツグミは急いで立ち上がって二人の後を追う。

途中振り返ると、歩が「またね♪」と言って手を振り、千桜とカユラも目で挨拶を送り、それぞれ自室へと戻っていった。

「・・・・・・」

ツグミはハヤテの背後に駆け寄ると、乱れた髪を手ぐしで直しながら、彼にしか聞こえないよう小声で訊いてみた。

「ねぇ、綾崎ハヤテ……」

「はい、どうしました?」

「……なんでここの人達はあんなにお人好しなの?」

千桜も、カユラも、歩も、マリアも、ハヤテも……そしてナギも。

誰一人としてツグミを責めるものはいなかった。

散々迷惑をかけ、罵倒されることも覚悟していたのに、皆あまりにも自然に迎え入れてくれて、ツグミは拍子抜けすると同時に不思議でならなかった。

それに対してハヤテは笑ってこう答える。

「ツグミさんもこのアパートの住人ですし、お嬢さまの妹ですから♪」

「……ウソだったのに?」

「例えウソや誤解から始まったとしても……いまここにある『絆』は本物ですよ」

「・・・・・・」

今まであまり人との関わりがなかったツグミには、正直よく分からなかった。

けれどもなんとなく、それは自分がずっと追い求めていたものに近い……そう思えた。

「おい、何をやっている?ついたぞ!」

ナギが『ツグミ・ルリ』と書かれた表札を掲げている部屋の前で立ち止まり、二人を振り返る。

ハヤテ達が追い付くと、三人は部屋の中に入った……







ツグミの部屋は思ったほど荷物は置かれていなかった。

あるものと言えば、必要最低限の衣服とちょっとした小物やマンガ、雑誌……

あとは千桜達の謀略によって買わされた、一度もプレイしていないゲームぐらいか……

しばらくの間、ツグミは久々に訪れたこの部屋を懐かしそうに眺めていたが、やがて気持ちを振り切ったのか、持ち帰るものの選別を始めた。

「・・・・・・」

カバンの中に荷物を詰め、自分がここにいた痕跡を消していく……

ハヤテもツグミを手伝い、ナギはどこか寂しげな表情でそれを眺めていた……

「あとはこれと、これと……あ、そうだ!」

ツグミは何かを思い立ったようで本棚へと駆け寄り、そこから一冊だけを取り出した。

それを見てナギは思わず声を漏らす。

「……あ」

ツグミが手に取ったのはナギも見覚えのある……というかナギ自身が苦心して作りあげた同人誌だ。

ツグミはその本をカバンへとしまう。

「お前……それも持ってくのか?」

「うん。面白いからこれだけは持って帰りたくて」

「……そっか」

ツグミ自身はこれを描いたのがナギだということには気づいていない。

ナギは嬉しそうにフッと微笑み、ツグミは不思議そうに首をかしげ、そしてハヤテはそんな二人を優しく見守っていた……



*   *



荷造りを終え、三人は玄関の前に立っていた。

ツグミはカバンを持ってアパートの方を振り返り、並んで立っているハヤテとナギに向き合う。

ナギはツグミの顔を見つめて、名残惜しそうに言った。

「……ホントに帰るのか?」

「うん……シドウも心配してるし」

ツグミはアメリカに置いてきた無駄にイケメンな青年のことを気にかける。

彼もまた、ツグミにとって大事な仲間だった。

それを聞いてナギは「そっか……」と呟いて視線をそらし、それから少し顔を赤らめて頭をかきながら言った。

「あー、まぁなんだ……今度来たときは、その同人誌を描いた作者の新作を読ませてやるよ/////」

「ホント!?じゃあ楽しみにしてるね♪」

無邪気な笑顔を見せるツグミ。

ハヤテはナギとツグミを見比べて、温かい目で見守っていた。

「ではツグミさん、お元気で。また会いましょう♪」

「またな」

「……うん、また」

ツグミが手を振って去っていくのを見送るハヤテとナギ。

そしてナギは最後に一つ、言い忘れていたことをツグミに告げた……













「……ところでお前、帰りの飛行機代あるのか?」

「……あ」



*   *



後日、喫茶店『どんぐり』にて。

「今日からお世話になります、ツグミ・ルリです!よろしくお願いします!!」

「「・・・・・・」」

エプロンを着て元気に挨拶する新しいバイト仲間にハヤテと歩は苦笑する。

結局、帰りの飛行機代がなかったツグミはそのままアパートに残留することとなった。

そしてこの店のマスターに頼み込んで、お金が貯まるまでここでバイトすることになったのである。

ナギは椅子に座り、カフェラテを飲んだ後フゥと息を吐いた。

「……まったく、世話の焼ける妹だ」

「うっさいわね!ていうかお姉ちゃんもここの店員でしょ!?何くつろいでんのよ!!」

「いーんだよ、私は。その分お前が働けばいいんだから」

「いいわけないでしょ―――――!!!」

客がいないことをいいことに、店内で騒ぎ立てる二人。

ハヤテと歩は苦笑しながら、その様子を眺める。

「あはは……ほんとに仲がいいね、二人とも」

「そうですね〜、まぁなにはともあれ……」

ハヤテはナギにつかみかかっているツグミを引きはがし、改めて向き直る。

「これからも……よろしくお願いしますね、ツグミさん♪」

「……うん♪」

ツグミは嬉しそうにアホ毛を揺らし、ガッツポーズをとる。

やる気満々といった感じだ。

「よーし!じゃあ私、表の掃除でもしてくるね♪」

そう言ってツグミは勢いよくドアを開けて外に出る。

顔を上げると、清々しい青空が広がっていた……







――天国にいるお母様。

幸せを運ぶことも、運んでもらうこともできなかった私ですが……

もう少し、あがいてみようと思います。

大空を飛び立って辿り着いたこの地で、

幸せをつかむその日まで……


Fin


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はい、ここまで読んでくださりありがとうございました!!

ツグミのモチーフは『瑠璃鶫』という鳥だと聞いて、青い鳥を題名につけてみました。

しかし……ツグミは健気で良い子なのに、終始不憫だったなぁ……

ハヤテには自転車から放り出されるわ。

マリアには寒空の下放置されるわ。

千桜には金むしり取られるわ。

伊澄には病院送りにされるわ。

結果的に母と姉を失うことになってしまうわ……

いかん……涙出てきた……

原作でも登場するらしいので、そのとき何らかの救済があることを祈ります!!

ではありがとうございました!!
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