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寡黙な執事は笑わない【オリ主注意】
日時: 2012/12/26 23:29
名前:
榊原 圭
お久しぶりです。
榊原圭と名乗っておりますが、以前は白夜、神威という名義で活動しておりました。
2年ぶりくらいなので、覚えてる人は皆無だと思います。自分でも覚えてる人は数人程度です……。
久々にひなたのゆめにやってきたところ、閉鎖ということをしって驚きを隠せませんが、こちらで作品を書けると聞いて嬉しい限りです。
注意
この作品ではオリジナル主人公が登場いたします。
そんなもんゆるせん!と言う方はブラウザの戻るをワンクリックすることを推奨いたします。
カップリングは正直悩んでおります。
主人公設定
【名前/よみ】長門昴/ながとすばる
【性別】男
【誕生日】8月10日
【容姿】
中世的な容貌で線が細いため女性のように見える。肌は少し焼けた色。髪は色素が薄い茶。
【備考】
11歳の時、両親の仕事で滞在していた中東にて内戦に巻き込まれる。両親は死亡してしまう。
生きるために仕方なく少年兵になるという暗い過去を持つ。
性格はとても優しい。理由は彼曰く「自分が傷つきたくないから」である。笑うととてもかわいいらしい。
間違って内戦中の国に踏み入れた名家の当主の命を助けたことをきっかけに養子となり、日本に帰国した。
勉強などはあまり好きではないが出来ないわけではない。
趣味は料理。特技は狙撃と地雷処理。
ナイフを使った格闘をはじめ戦闘に関する能力はとても高い。
モデルは漫画、ヨルムンガンドのヨナ。……あまり面影ないけど。
次からはプロローグから書いて行きたいところです。
それでは。
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Re: 鬼神の瞳は何を見る【オリ主注意】
( No.1 )
日時: 2012/12/27 16:22
名前:
榊原 圭
2002年8月 中東某国――――
俺の名は昴。もうすぐ14歳となる今現在、他人からすればとてもアブノーマルな生活を送っている。
俺は少年兵なのだ。この中東の地で、元々そうだったわけではないが。
この国に来たのは両親の海外出張について行ったのがきっかけで住み始めた。その時はまだこの場所も平和だった。
しかし俺が11歳の時、この国で内戦が勃発した。理由は独裁者の政府に反体制派がクーデターを図ったというものだ。
俺たちが暮らしていた比較的発展した都市のビル群も「反体制派への報復」という大義名分で唐突に爆弾の雨が降らされ、瞬く間に火の海となりそして一面焼野原と化した。
都市に住んでいた住人の殆どはその爆撃で焼け死んだ。俺の両親もその例に漏れない。
俺だけ運よく生き延びたものの、生き長らえる術が残されていなかったために、俺が反体制派の少年兵となるのはそれ以外に選択肢がなかったから。
「おーい、スバル! 見回り交代の時間だぞ!」
「ああ、わかった」
味方の同い年の少年兵に言われ、俺は自分の愛銃のアサルトライフルを手に、ストラップを肩に引っ掛ける。
初めて手にしたときにはおぞましく恐ろしい人殺しの道具だったものが、今ではすっかり最も頼れるものになってしまった。……皮肉なものだ。
外はやっぱり夏ということもあってとても暑い。乾いた熱風と薄い土煙が手荒く髪を撫でつけた。
政府派と反体制派の境界線付近に陣取っているため、こうして見回りに出なければいけないのは当たり前だが……何時になったらこの戦いが終わるのだろう。
…………戦争が終わるより先に俺が戦死する方が先だろう。そうに違いない。
「なんだありゃ」
隣国の国境の方から小さな機影が見えた。音から察するに――ヘリだろうか?
しかしガンシップとか、軍用ヘリみたいに大きなものでもない。
じゃああれは民間のヘリ……。しかしなんでこんな内紛中の国に?
俺がそんなことを考えているうちに間もなく、ヘリは俺の比較的近くに着陸した。
降りてきたのは東洋系の黄色人種の中年の男だった。
男は俺の右腕にあるアサルトライフルを見て蒼ざめ、俺には聞こえない程度の大きさで幾つか呟いている。
まあヘリを降りれば目の前に少年兵が居るのだから、そうなるのも無理はないだろう。
「しょ、少年兵……?」
まだ戸惑いを隠せていない声だったが、初めてはっきりと聞き取れる声だ。
ん? この言葉は……
「……おっさん。アンタ日本人か?」
「!?」
明らかに驚いた様子で男は俺を見た。
「……ああ、確かに私は日本人だ。しかし驚いたよ。君こそ日本人かい?」
「ああ、一応はな。しかし内戦中のこんな地に踏み入れる日本人が居るとは、こちらも驚いた。一体どうして――」
こんな所に来たんだ? と続けようとした刹那。
少し離れたところに1個小隊ほどの人数の集団が見えた。……敵兵の小隊だ。
「おっさん。今すぐここから離れろ。そこまで敵が来てる」
「……!? わ、分かった。君はどうするんだ?」
「仲間と連絡取って殲滅してくる」
そう言い残してから、俺は二言三言無線で連絡しつつ敵小隊に見つからないように隠れながら近づく。
幸い仲間の持ち場も近くだったため、小隊を挟撃することとなった。
政府軍の武装は旧式装備のものが多く、武装の性能から言えばこちらが有利。
「では……状況開始だ!」
俺は無線に言うと同時に走り、一気に小隊に攻勢をかけた――――
……。
戦闘はこちらは何人か負傷者が出たものの敵小隊を全滅させる形に終わった。
最近読んだ新聞では各地の反体制派が政府軍を圧倒していると言う。この戦争が終わるのは、案外もうすぐなのかもしれない。
いよいよ寝ようかという時、昼間に聞いた覚えのあるヘリの音がした。
…………まさか。
飛び起きてすぐさま外に出てみると案の定だ。
「なにやってんだおっさん! 夜は奇襲とかもあるんだぞ、さっさと帰れよ!」
ヘリから昼間のおっさんの顔を見るなりきつめに言う。
「昼間はありがとう。要件はすぐに済ますよ」
「一体何のつもりだ?」
「君、日本に来る気はないか?」
「何を言って――――!?」
おっさんは俺に答えを言う間もなしにヘリに引っ張り込んだ。かなり強引に。
「養子を探していたんだ。間違って踏み入れたのはとんだ災難だったが、代わりにとてもいい人材を見つけることが出来たぞ」
心底嬉しそうな表情で俺の隣に座ったおっさんはけらけらと笑う。……正気か?
「君は良い執事にきっとなる。いや、妻や霞さんのお宅も喜ぶぞ!」
執事って何のことだ、霞さんと言うのも誰だ!? それよりそもそも。
「アンタは誰なんだよ!」
「私は長門優大。これからよろしく、息子、スバルよ!」
「だからまだアンタの息子になるとは決まってねえ! んでなんで俺の名前知ってんだよ!!」
かくして、誠に不本意ながら俺は長門家の嫡男に迎えることとなり、2度と踏むことはないと思っていた祖国、日本の土をもう1度踏みしめることとなるのである……
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