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誕生日と繋がりと(春風千桜誕生日2026記念)
日時: 2026/08/30 11:09
名前: 日向

どうも、日向です

8月30日は千桜の誕生日
今年の記念はSSを書いてみました。

SSなんて久しぶりに書きました。


それでは、どうぞ






「ハルさん、誕生日おめでとう!」
 愛沢邸。バイトのために訪れた私を出迎えた咲夜さんに手を引かれて、入った一室。そこは私の誕生パーティー会場だった。
 咲夜さんだけでなく日向さん、朝斗さんたちご兄弟も。更には執事の巻田さんや国枝さんもいる。
「どうしたん、ハルさん?」
 黙ったままでいたことで心配になったのだろう。咲夜さんが不安そうに顔を覗き込んできた。
 いけない、いけない。
「いえ、少し驚いただけです」
 そう、これは本心だ。
 自分の誕生日を忘れていたわけではない。それぐらいはちゃんと覚えている。
「私の誕生日を、咲夜さんたちが知ってしかも祝ってくださるなんて」
 半ば自虐じみた調子で口にしてしまう。私など、そこまでしてもらう人間ではないと思っていたから。
「当然やないかい!」
 しかし咲夜さんは、そんな私に対して怒った調子で反発した。
「ハルさんはウチらにとっては大切なメイドさんなんやで。いろいろとお世話になっていて、本当に感謝しているんよ」
 咲夜さんの本心の言葉。それが心にひしひしと伝わった。他の皆さんも咲夜さんと同じ気持ちなのがわかった。
「咲夜さん」
 だから私は、思わず顔が綻んでいた。
「素敵なパーティー、ありがとうございます」
 心からの笑顔を、自分は見せていた。

 パーティーは楽しかった。
 咲夜さんたちとたくさん笑いあって、いい思い出になった。咲夜さんにこれからもよろしくといわれた時には特に。
 それは単にバイトを続けられるという金銭的な意味よりも、咲夜さんとまだ一緒にいられるという嬉しさが強かった。
 そんな楽しい時間も終わり、帰り道。
 私はふと今までの自分の誕生日について思い返していた。
 私は人付き合いというものをそれまで避けていた。別に人が嫌いとかじゃなく、単に騒がしいのが苦手なだけ。
 そういうキャラで通していただけに、特に親しい友人というのもいなかった。誕生日を祝ってくれる人なんて、家族ぐらいだった。最も、その家族も離婚し離れ離れとなり、私は一人でいることが多くなった。
 学費も払えなくなった以上白皇も自主退学せざるをえなくなった。現在はライトノベル作家も密かに目指しながら生活費を稼ぐために様々なバイトを掛け持ちしている。そんな生活の中で、人間関係が希薄になってしまっていた。
 だから、先ほどのようなパーティーは心が温まるのを感じた。騒がしいのは苦手なのは事実だが、それ以上に楽しかったのも事実だ。咲夜さんと会えてよかったと思うほどだ。
 あまり人付き合いをしなくなったが、それでも人とのつながりがあったのはよかったと思えた瞬間だった。

 そして、それはもうひとつ。

「おかえり、おそかったな」
「私たちがお祝いに来たぞ」
 アパートに帰ってきた私を迎えたのは、カユラとナギ。
 白皇からの腐れ縁二人は、私の部屋で待ち構えていた。合鍵を渡しているから、部屋に入ること自体は簡単だ。
「今日はおまえの誕生日だろ?」
 だからサプライズとして待ち構えていたというわけか。
 ナギの考えそうなことだな。まったく、綾崎君と離れてから少しは成長したと思っていたが、こういうところは変わらない。
 それでも。
「ありがとう」
 感謝している。このサプライズだけじゃない。そしてナギに対してだけでない。
 この私と今もつながっている人たちに向けて。
 自然と、私は顔が綻んでいた。それは、作り笑顔ではないものであった。
 大切な人たちとの繋がり。それを思い出させてくれた今年の誕生日は、素晴らしい思い出となった。


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Re: 誕生日と繋がりと(春風千桜誕生日2026記念) ( No.1 )
日時: 2026/09/12 21:52
名前: 双剣士

日向さん、久しぶりのご投稿ありがとうございます。
感想を書くのがすっかり遅れてしまい、すみませんでした。
※ どうせなら感想キャンペーン中にと欲張ってしまいました

さて、本作は高校中退して小説家の卵になった千桜さんのお誕生日エピソードですね。
現役JKだったころから人づきあいが苦手で孤立しがちな彼女ではありましたが、中退して残った縁が彼女の乾いた心を満たすという素敵なほのぼのストーリーだと思いました。
某マンガのようなサプライズやバトル展開は起こらなかったようですが・・・非日常の住人だった彼女らが原作完結を経て日常での暮らしに馴染んでいく、アフターストーリーなのですからそういう静かな情景を描くのも一興なのかもと感じました。よりによってナギがそんな日常の1ページになっているのを千桜視点で描くというのも面白い試みですね。

あらためまして、ご投稿ありがとうございました。
短いですが、これにて失礼いたします。
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