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ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス)
日時: 2023/03/24 01:04
名前: きは

<おことわり>


・本作は、はまじあき先生連載の『ぼっち・ざ・ろっく!』(以下ぼざろ)とのクロス作品となります。

・クロス作品のため、時系列にゆがみが生じます。
 2020年ごろの話を想定してますが、ハヤテのごとく!のキャラクターが大人になっている……とかではありません。

・ぼざろはアニメ版視聴程度、原作未読、キャラの解像度粗めです。予めご了承ください。

・なお、お話の都合上、登場キャラクターの年齢を調整しています。
 そのため、原作IFの扱いになります。


それでは、次のレスより本編です。
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Re: ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス)) ( No.1 )
日時: 2023/03/24 01:05
名前: きは

ふたりぼっち東京



「ねぇ、ヒナさんって、もしかしてギターヒーローなのかな?」
「ギターヒーロー……?」

西沢歩の唐突な質問に、桂ヒナギクは気になる単語を口に出すことに留まった。
そのか細い呟きはカフェの店内に流れるポップなBGMに溶け込み、テーブルの反対側に座る歩の耳には届かなかった。
ヒナギクからの返答を待つ歩は、注文していたガトーショコラを口に運び、「おいしー」と率直な感想を口にする。

「それで、ギターヒーローってなに?」
「ぶぶー。質問に質問で答えるとテストでは0点になりまーす。受験控えてるから、そういうところ気をつけていかないと」
「……冗談はいいから。だから、ギターヒーローって何なのよ?」

フォークと人差し指を使ってバツマークを作る歩に対し、ヒナギクは語気を強めて再度質問する。
傍から見れば凄い剣幕で詰められているように見えるが、歩は笑顔のままで相手をなだめた。
受験勉強の息抜きとして、週に1回はカフェを巡る気心の知れた2人である。
このようなやり取りもおどけたものであると、お互い理解していた。

「知らないものに『ハイそうですよ』なんて、答えられるわけないじゃない」
「しょうがないなぁ」と、歩は空いた手で制服のポケットからスマホを取り出す。

「最近、ユートーベーで流行っているギタリストのことだよ」
「ユートーベーということは……ストリーマー?」
「顔出しはしていないけどね。学生に人気の曲をアレンジして配信してる人なんだ」

フォークを握ったまま、歩はスマホを片手で操作する。ヒナギクはその様子を注視しながら、注文していたカプチーノを口にした。
何度かスワイプを繰り返し、歩はスマホの画面をヒナギクに見せる。
その画面は、上下ピンク色のジャージを着た人が軽快にギターをかき鳴らしている映像だった。
和室のふすまを背景に、画角は顔が映らないように肩から膝下まで収めている。ギターが画面の中心になることで、コードを押さえる左手の動きもはっきりと見える動画であった。


「音も聞いてみる?」

歩はイヤホンの片側を差し出す。ヒナギクは受け取って、右耳に宛がった。

「……上手いわね。素人目に見てもそう思えるわ」
「でしょー!登録者10万人超えてて、私的に今イチバン注目してる人なんだ!」

自分の推しが友人にも理解してもらえて、歩の声は弾む。

「ギターヒーローのことは分かったわ。で、その人がどうして私……ということになるのかしら?」

当初の疑問が解消され、新たな疑問が生まれる。質問した張本人が、戸惑いを隠しきれていない。
歩は待ってましたと言わんばかりに、スマホの画面を操作し始めた。
今度は慎重に行う必要があるらしい。フォークを皿に置き、その手でしっかりとスマホを保持してから、もう片方の手で画面をゆっくりなぞっていく。

「このシーンなんだけどさ」

歩は動画のワンシーンを拡大して、静止画状態でテーブルの中央に置く。
画面に映るのは左腋の下の空間。胴体とギターと左腕の3辺で出来る小さな三角形の内側であった。
本来は後ろのふすまが映るはずの空間に、ジャージとは異なるピンク色の何かがひょっこり映りこんでいた。
ヒナギクは食い入るようにスマホを見つめ、思ったことを口にする。


「これは……髪の毛?」
「たぶんそうじゃないかな」歩は首肯する。
「いつもは髪をまとめ上げて撮っていると思うんだけど、最近アップされたこの動画のこの一瞬だけ、ちょこっと見えちゃってて。きっと、髪のこと忘れてたのかなって気がするんだ」
「なるほどね。でも、顔バレしたとかじゃないから、そこまで問題にはならないと思うけど……」
「コメント欄で触れてる人もいなかったから、ほとんどの人はギターの音や指の方に注目してると思うよ。スロー再生でようやく見れるものだし、私じゃなきゃ見逃しちゃうもんね」

得意顔でスマホを手元に戻す歩。再度フォークを手に取り、ガトーショコラを食べ始める。
一方のヒナギクは、カップをテーブルに置き、口元に手を当てて考え始めた。
ギターヒーローとやらが、ピンク色の髪の人であることは分かった。映りこんだ場所からも、髪の長い女性である可能性は高いだろう。
ここからどうやって私に結び付けるのだろうか。ヒナギクの関心はその一点において、相手からの説明を期待していた。

「あれ?ヒナさん食べないの?」

デザートに手をつけず、考え込むヒナギクを見た歩は、怪訝な顔をして尋ねる。

「いや、今ので説明終わりなのかなって……?」
「どういうこと?」
「だって、この人を私だとする根拠が、髪の色一つしかないじゃない」

店内のBGMがバラード調の曲へと変わっていた。
周りに意識を向ければ他の座席の会話が聞こえてしまうほど、二人の座席には急な沈黙が訪れる。
先に観念したのは歩の方だった。バツの悪そうに後ろ髪を掻いてごまかす。

「えーっと、ピンク色の髪の人って、ヒナさんしか居ないなあって思うから……」

ヒナギクは呆気にとられる。案の定とは思っていたが、予想通りの返答に面食らってしまった。

「ユートーベーって、世界的な動画サイトよね?」
「そうだけど?」
「世界中の誰でも投稿できるのに、髪の色一つで私だと決めつけるのは無理があるんじゃない?」

ヒナギクの指摘は尤もな話である。歩はフォークの先端を唇に触れ、「うーん」と考え込む。

「なんでそう思ったんだっけ……。あ、そうだ。投稿者のチャンネルが日本の学生なんだよ。和室で撮影してるっぽいし」

歩の提示したスマホの画面に、投稿者コメントが表示される。
内容は『学校帰りに皆でカラオケで歌った曲〜』といったような、学生生活が充実していることを示唆するものがほとんどであった。
ヒナギクはそれらの文章を斜め読みし、歩の主張を肯定する。

「たしかに、機械翻訳のような不自然さはないから、ギターヒーローは日本の学生でしょうね」
「それにね!」歩は手を打つ。「日本でイチバン人口が多いのは東京でしょ?」
「……そう、だけど?」ヒナギクは首を傾げた。「割合で言えば、10人に1人は東京都民ということになるわ」
「で、その東京に住んでいる私が、ピンク色の髪の人をヒナさん以外見たことないから、ヒナさんしか存在しないはず!!」
「……最後、主観に基づくのズルくないかしら?」

親指の代わりにフォークを立てて、自信満々なドヤ顔をする歩。
それを見たヒナギクの反応は冷ややかなものであった。

「そんな解答の仕方だと、記述式のテストなら0点ね」
「私の受験する大学はマーク式なので、そこらへんは問題ありませーん」
「いや、解答も間違っているけどね……」

肩をすくめるヒナギクと対照して、歩は口を尖らせる。

「じゃあ、ヒナさんはどうやって自分の身の潔白を証明するのかな?」
「身の潔白って……。そんなの、あなたのスマホにちゃんとあるじゃない」

ヒナギクに言われて、歩はスマホの画面とにらめっこをする。
何度かスクロールを繰り返し、ある箇所に目が留まりハッとした。

「あっ、生徒会や部活で忙しかったから、”学校帰りにカラオケ”なんて行く余裕がなかったとか?」
「そこじゃない。生徒会はもうやってないし、部活も引退したわ。
というより、この前カフェの帰りに2人でカラオケ行ったでしょう?」
「じゃあ、やっぱりギターヒーロー……」
「なんでそっちに誘導したがるかな?」

ヒナギクは歩に手を差し出した。その意図を理解した歩はスマホを渡す。
他人のスマホをそつなく操作し、ヒナギクは演奏画面を拡大した状態で歩に見せる。
まるで印籠のように右手でスマホを持ち、左手は掌を返してスマホの隣に寄せていた。

「ギターヒーローの爪をよく見て。一目瞭然でしょう?」

白磁と見間違うほどスラリとしたヒナギクの指先には、シアードピンクのマニキュアが塗られている。
一方、画面上のコードを押さえる指先には、そういった化粧が施されていなかった。
歩は二つの違いを見比べて、がっくりと項垂れる。

「マニキュアかぁ。そこまでは気づかなかったな〜。でも、ヒナさんにピッタリな色でイイね!」
「ありがとう。最近始めたけどね」ヒナギクははにかんだ。「今まで剣道一筋だったから全然やってこなかったけど、意外と楽しかったりするわ」
「いいなぁ、ヒナさんがオシャレに目覚めたら敵無しだね」

歩に褒められ、上機嫌になるヒナギク。
疑問も解消されて、彼女はようやくガトーショコラに手をつけることにした。
フォークを手に取り、いざ切込みを入れようとしたところで、ヒナギクは歩の熱い視線に気付く。

「どうしたの?まだ、ギターヒーローが私とでも……」
「――そのマニキュア、彼には気付いてもらえたのかなあって?」
「うっ……。」ヒナギクの動作が硬直した。「――こ、ここのガトーショコラはおいしいわねー。わざわざ隣の下北沢に来た価値があるというものよねー」
「いやいや、ヒナさんまだ食べてないでしょ。目だけでなく話題も逸らしちゃって〜」

歩はここぞとばかりに追及する。肘で小突く素振りをしながら、その表情はニヤニヤしていた。
そんな期待もどこ吹く風で、ヒナギクは切り取ったガトーショコラにフォークを突き立てる。

「塗ったその日に気づいてくれたわ。けど……」
「けど?」

続きを促す歩に、一度言葉を濁したヒナギクはガトーショコラを口に運ぶ。
ほとんど噛まずに嚥下して、カプチーノを2口飲み小さく溜息を吐いた。

「うわずった声で、『どういう心境の変化があったんですか?』って聞いてきたわ」
「あー……」

カップをテーブルに置く音は、静かな店内にその存在感を示すほど大きく響いた。
その音に反応して何人かの客が目線を向けるものの、剣呑とした雰囲気にすぐさま元の向きへと戻していた。

「歩、聞いてよ。この前だってさ――」

話は片思いの相手への恋バナに移ったところで、歩はヒナギクのグチの聞き役になっていた。
思わぬところで虎の尾を踏んでしまったか、微笑みを顔に貼り付けた歩は内心後悔するのであった。
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Re: ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス)) ( No.2 )
日時: 2023/03/24 01:06
名前: きは



「動画ばっかり見てないで、ちゃんと勉強しなさいよー!」
「分かってるってー!ヒナさん、またねー!」

カフェの入口前で、ヒナギクは歩を見送った。
交差点の角を曲がる前に、歩は後ろを振り返り、大きく手を振った。ヒナギクも手を振り返す。
息抜きとしてのティータイムは、最後はヒナギクの一方的なグチ零しの時間であった。
声のトーンだけ抑えた、普段のヒナギクらしからぬ投げやりな話し振りであった。
帰ってからでも改めて電話で謝っておこうと思いながら、ヒナギクは駅へと歩き出す。

最寄りの下北沢駅前の大通りは、夕暮れ時もあって多くの人が行き交っていた。
そのほとんどがヒナギクと同世代の若者たちである。学校帰りの制服姿の者もあれば、私服姿に黒のギターケースを背負う者たちなど様々であった。
特に、自己表現の一環なのか、私服姿で染髪している人の多いことにヒナギクは気付く。

――ピンク色の髪の人って、ヒナさんしかいないんじゃないかなって――

カフェでの友人の何気ない一言が、彼女の脳裏に蘇った。
本当にそうなんだろうか、と、カフェの時と同様ヒナギクは懐疑的であった。
手近な例として、自分と関係のある人たちの髪色を思い浮かべる。

最初に思い浮かべたのは、天高く澄み渡った秋晴れの空のような水色。
――自分の姉、同人活動でアドバイスした現役アイドル、そして片思いの相手。

次に思い浮かべたのは、夕陽に照らされる収穫期の稲田のような黄金色。
――自分の通う学校の理事長、手のかかる引きこもり気味の友人。かつて住んでいたアパートの押入れの同居人。

最後に思い浮かべるのは、刺々しいイガの隙間から見える艶やかな栗色。
……具体的な人を思い浮かべようとして、ふと、ヒナギクは素朴な疑問を抱いた。
(ちょっと水色多くない?)

思考のバイアスは先入観を生み、そのまま視野にも影響される。
ヒナギクは何度か頭を振って脳内のイメージを振り払い、駅前の人々の髪色を注目した。
とりわけ彼女の目を引いたのは、肩を並べて歩く3人組の女子たちの後ろ姿であった。
髪色は赤、黄、青、とまるで信号機のような並びであった。そのうち2人はギターケースを背負い、バンド活動をしている人たちだと一目で分かった。
ヒナギクは他の人々を見回すものの、自分と同じ髪色をした人がいるべくもない。
(歩の言うとおり、この色って私だけなのかな……?)
寂寞とした感情が胸を去来して、ヒナギクは自嘲気味に友人の主張を肯定した。

もう帰路に就こうと、駅へと踵を返すヒナギクの視界の端を掠めた。ピンク色の何かであった。
そのことを知覚したときにはもう視界から消えており、心の弱さが見せた幻のような一瞬の出来事であったのかもしれない。
ヒナギク自身半信半疑で、消えた場所へと駆け寄っていく。大通りに面する建物の角からその先を覗き込むと、1本の細い路地が続いていた。
ビルとビルの間を伸びる細い路地は薄暗く、日没の頃を早めているような錯覚をヒナギクに抱かせる。
ヒナギクが目を凝らした先に、自分と同じ髪色をした少女がいた。ヒナギクは見失わないように、距離をとりながら彼女の後ろを着いていく。
交差点のない細い道で彼女ら以外誰もいない。だが、ヒナギクは自身の行動の後ろめたさからか、路肩に等間隔に並ぶ電柱の陰を利用しながら進んでいった。

ヒナギクと同じ髪色をした少女は、黒いギターケースを背負っていた。少女は覚束ない足取りで、一方通行の狭い道を蛇行している。
進行方向につられて、上半身も大きく揺れ動きながら歩いている。黄色と水色のジェム付きのヘアゴムもぴょこんぴょこんと跳ねている。
ヒナギクはその後ろ姿に、自分の姉の日常を重ねた。泥酔した状態で一升瓶を抱えながら、千鳥足で徘徊する姿と酷似していた。
自分の姉ならば放っておいても問題ないが、ヒナギクはなぜか、奇行のように映る少女のことが心配になってきた。

注意深く見守っていると、少女のギターケースから何か白いものが落ちた。
バサリ、と遠くから眺めるヒナギクの耳にも聞こえてきた。
しかし、当の落とし主は意に介さず、そのまま歩き続けている。
ヒナギクは落とし物の所へ近づき、白い紙束を拾い上げた。所々にシワがあり、端はボロボロである。特に一部の角が欠けているほど劣化が著しかった。
(これは……楽譜かしら?)
見て見ぬふりのできないヒナギクである。ヒナギクは大きな声で、前方を歩く少女に声をかけた。

「そこの、ギターケース背負った人ー!」

少女はぴたりと立ち止まる。そして、半身で振り返り声の主を確認した後、即座に逃げ出すことを選択した。
ヒナギクに声をかけられた少女――後藤ひとりは戦慄した。
街角で滅多に声をかけられることのない彼女にとって、背後から知らない人に呼びつけられることは恐怖でしかなかった。
両手でギターケースの肩ひもをそれぞれ掴み、全力で駆け出す。

「ちょっと!待ちなさい!」

何の返事もなく走り出したものだから、ヒナギクも咄嗟に追いかける。
ただこの場合、追う者の方が圧倒的に速かった。
部活動を引退したとはいえ、今でも早朝のランニングを日課とするヒナギクである。
難なく2人の差は縮み、もう少しで肩に手が掛かろうかというところで――。

「あっ、前!」

脇目も振らず逃げることに必死だったひとりは、前方を確認しないまま遮二無二走っていた。
後ろからの警告で顔を上げた彼女の目前には、電柱がそびえ立っていた。
気付いたときにはすでに遅く、両手も塞がっていたために額を強く打ち付けてしまう。

衝突の反動で後方に吹っ飛び、ひとりの視界は一転して空一面に移っていた。
夕焼けが鮮やかに映える茜色の景色。その両側から黒く塗りつぶされた物が迫ってくる。
それは自分のまぶたであり、目の前が真っ暗になる時にはもう、ひとりは自分の意識を手放していた。
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Re: ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス)) ( No.3 )
日時: 2023/03/24 01:08
名前: きは

3(前半)

気絶から目の覚めたひとりは、公園のベンチで寝かされていることに気付いた。
慌てて体を起こすも、頭部に鈍い痛みが残っていた。思わず顔を歪めて、額を押さえる。
(あれ?ギターは?)
辺りを見回して、ギターケースの所在を確認する。彼女の探し物は、足側のベンチの背もたれに立てかけられていた。

「もう大丈夫そう?」

ホッと安堵したひとりは、不意に声をかけられ小さく悲鳴をあげた。
声のする方を向くと、先ほど自分を追いかけてきた人がこちらに近づいてくる。
ひとりは恐怖におののき、ベンチの端まで後ずさった。立ち上がって逃げ出したかったが、体が言うことを聞かない。
ひとりは観念して、両目を瞑った。
両手を膝に置いてプルプル震えるひとりを見て、ヒナギクは彼女の隣に腰掛ける。

「びっくりさせてごめんなさい。とても怖かったでしょう?」

ヒナギクは声色柔らかく話しかけるも、ひとりは震えたままであった。

「――私はね、高い所が大の苦手なの。高所恐怖症っていうのかな?」

突然の一人語りをするヒナギクに、ひとりは耳だけ傾ける。
相手からの無反応も一つの合いの手だと捉え、ヒナギクは正面を向いたまま話し続けた。
幼子におとぎ話を聞かせるように、ゆっくりと自分のことについて語りだす。

「家のベランダなら大丈夫だけど、高い所から下を眺めるのがすごく怖くて、テラスとかに出ようとしただけで足が震えて動けなくなるの。
私の通う学校は杉並区の小高い山の上にあって、しかも生徒会室がその頂上に建つ高い建物の最上階にあるから、そこからの眺めは一度しか見たことないの」

「一度……だけ?」ひとりは姿勢そのままに、ぽつりと呟く。

「ええ。誕生日の時に彼に手を引かれて、ね。怖いことに変わりはなかったけれど、とても安心したことは覚えてるわ」

ヒナギクは自分の右手をひとりの左手に重ねる。傍目で見てとれるほど震えていたのが、いつの間にか止まっていた。

「初めて会った人にこんなこと言うのヘンだけど、私は同じ髪色をしたあなたと出会えて安心してるの。
たくさん人のいるこの東京で、ピンク色の髪って私だけなんだって思ってたから」
「あんしん……?」

人との干渉を避け、自分の世界に引きこもろうとするきらいのあるひとりは、奇妙な感覚を抱いていた。
彼女の数少ない対人関係を省みたとき、自分の奇行に対して心配されることは度々あった。
しかし、今の彼女の隣で話しかける人は、自分から弱さを曝け出し、相手の苦しみに共感しようとしている。

ひとりは目を開けて、ゆっくりとヒナギクの顔を見た。
鏡に映したような髪色に、瞳と同じ色をした黄色いヘアピンが印象的であった。
互いの視線が交錯し、ひとりは気恥ずかしくなって顔を逸らす。

「ふふっ、やっと目を開けてくれた。――私、桂ヒナギクっていうの。白皇学院3年生。あなたは?」
「……後藤ひとり、です。秀華高校2年生、です」
「秀華高校といえば、ここの近くの学校よね?周りに自分と同じ髪の人とか居たりするのかしら?」
「いえ、あの、学校とかには居ないんですが、お母さんと妹が私と同じ色で……」
「あら、そうなの?私のお姉ちゃんは水色だから、遺伝しないものだと勝手に思っていたわ」

ヒナギクからの質問に答える形で、なんとか会話は成立していた。
だからといって、ひとりの方から話を切り出すことはなく、ヒナギクが話し出すまで押し黙ったままであった。

「――あとピンク色の髪といえば、ギターヒーローぐらいかしらね……」
「…………ギターヒーロー!?」ひとりの返事は悲鳴に近かった。
「あっ、やっぱりバンドしてる人には有名な人なのかな?私は今日までその人知らなくて、友達に教えてもらって――」

ヒナギクはギターヒーローを知った経緯を説明していたが、ひとりの耳にその内容が入ってくることはなかった。
むしろ、相手からギターヒーローのことを切り出されたことで、ひとりの思考は暴走していく。

(私を追いかけてきた人がギターヒーローの話をしている?ギターヒーローが私だって知っている?
 私がギターヒーローだと知っていてアカウントに偽りがないかを調査しに来たのかもしれない。
 この前銀の盾も届いて住所押さえられているから、家から私のことを調べていたのかも……。
 このままじゃ私のチャンネルがリア充を騙った嘘吐き詐欺ギタリストとして運営に報告されちゃう!
 そうなればチャンネルはBANされて、私はウソだらけの広告収入でギターを買った詐欺罪で有罪に!)


「――だからって、髪の色一つで私だと決めつけるあの子も……あ、あれ!? 私、また怖がらせることを言ったかしら?」
「わ、ワタシハ、ギターヒーローデハナク、タダノウソツキサギギタリストデ……」
ひとりは先ほどと同様に全身を震わせ、うわ言のように呟く。
「と、とにかく、これでも飲んで落ち着いて!」

ヒナギクは近くの自動販売機で購入したスポーツドリンクをひとりに手渡した。
ひとりは受け取って一口飲み、ふぅと一息吐く。

「……すみません。取り乱しました……」
「いきなりでびっくりしたわ。――でも、もう大丈夫そうね」
「……?」ひとりは首を傾げた。
「特にケガもなさそうだし、電柱に頭をぶつけたときはどうなることかと思ってたから」

ヒナギクの言葉に、ひとりは気絶する直前の状況を思い出した。
全力疾走で電柱に激突し、ひっくり返って意識を失った。つまり、背中から倒れたということになる。
そのことに思い至ったとき、ひとりの血の気がさぁっと引いていく。

「ギターは?!」

突然の大声にヒナギクは驚いた。
ひとりは自分の後ろに立てかけられていたギターケースを持ち上げ、足元に立て直す。
ひとりの表情は、絶望に染まっていた。自分の体に押し潰された愛用のギターがそこにあるのだ。
中を確認しなければならないが、惨状を目にするのを逃避したく、薄目になってチャックを開く。
しかし、ひとりの予想は裏切られる。ケースの中に入っていたギターには、傷一つ付いていなかったのだ。
(あれ?なんともない……?)

ひとりの記憶の中には、目の前の結果に対する答えを持ち合わせていない。
いったい何があったのか。ひとりは言葉ではなく、視線でヒナギクに問いかけた。

「簡単な話よ。ギターケースは『地面に着かなかった』。それだけよ」
ヒナギクの回答に、ひとりは目を白黒させる。
「私すぐ傍にいたでしょう?宙に浮いて背中から倒れていくあなたの、ギターケースと背中の間に両手を差し込んで、持ち上げただけ」
手振りを交えながら、ヒナギクは事も無げに言った。
「あなたが落とした楽譜の束を見て思ったの。これだけボロボロになるのには年月と、相当な練習時間が必要なんじゃないかなって。
そんな物が入っていたケースだったから、きっと大事なものに違いないと思っただけよ」

公園の街灯に明かりが灯る。
古びた電燈が点くときに鳴る音も明瞭に聞こえるほど、2人の間に長い沈黙が続く。

「……あの?」
「なあに?」
「……聞かないんですか?」
「なにを?」
「……いえ、『なんで楽譜を落としたことに気付かなかったのか』とか……」
「そのこと?うーんとね……」

ヒナギクは両腕を組んで、一度天を仰ぐ。
「うーん」と、わざとらしく唸り声を上げてから、正面に向き直った。かといって、何かを話すわけでもない。
他人の感情の機微に疎いひとりでも、ヒナギクの焦らすような態度をとる目的を理解する。
(私が話し出すのを待ってくれている……?)

ひとりは幼稚園時代の苦い記憶を思い返していた。
「かくれんぼする人このゆびとまれっ!」というかけ声とともに、周りの人が集まってわいわい騒いでいる光景であった。
自分もあの輪に参加しても良いものか、と逡巡するうちに時間切れとなり、気付けばいつも一人であった。
消極的な遠慮と選択への躊躇が相乗に働いて、後藤ひとりの孤独は形成されていったのだ。

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Re: ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス)) ( No.4 )
日時: 2023/03/24 01:09
名前: きは

3(後半)

ひとりは違和感を覚える。
(私、この人に、自分のことを知ってほしいと思ってる……?)
胸中に芽生えた疑問は、今までの人生への問いかけに等しかった。
基本的に他人から声を掛けられることもなければ、仮に声を掛けられてもその返答は吃ってしまう。
稀に自分のことについて問われることもあるが、そのときはその場しのぎのウソを吐いてしまうこともある。
人と交わる頻度が少なければ少ないほど、自分のウソがバレることもない。一期一会なら尚更だ。
対人関係に免疫のない彼女にとって、自分を見せないことは立派な自衛手段であった。

顔だけヒナギクに向け、目をじいっと見つめる。
ヒナギクはその視線を躱さず、堂々と見つめ返す。

ひとりには初めての経験だった。ヒナギクの姿勢は、同じ髪色の母や妹とも全く異なる反応であった。
ひとりは、その姿に安心感を覚えた。余計な心配をかけまいと、母の前で見栄を張ったり、妹の前で強がる必要もない。
ただただ、ひとりの目にはヒナギクが、”姉”のように映っていた。

長い沈黙の果てに、ひとりは自分のギターケースを抱え込み、俯いたままぽつりぽつりと話し始める。

「……うまく、弾けなくなったんです。毎日できたことが昨日できなくなってて。
今日は皆で合わせるから迷惑かけられないと思ってもっと練習したんですけど、やっぱりできなくて。
練習で下手になったの他の皆が知ったらがっかりするのかなとか考えだしたら眠れなくなって。
それでも今日はやってきて。ライブハウスの前まで行ったけど怖くなってとりあえず別の道に行こうとして……」

「そこで、私に声を掛けられた、ということ?」
「……はい」
「そっか……」

黙り込むヒナギクを見て、ひとりは次に投げかけられる答えを想像した。
『そんなの気にしすぎよ』と、無責任な楽観主義を押し付けるのか。
『わかるわかる同じ気持ちさ』と、安っぽい同情論を示してくるのか。
ひとりは期待してしまった。初めて出会った人であるはずなのに。
大切なギターを守ってくれたときのように、自分の悩みにも救いの手を差し伸べてくれるのではないかと。

太陽はすっかりと落ち、虫の鳴き声がそこかしこに聞こえてくる。
自動販売機から発する光はますます存在感を増し、人けのない公園の一つの光源となっていた。
ヒナギクは左手を差し出した。ひとりはヒナギクの掌に視線を落とし、その意図を解しかねて困惑する。

「……飲み物のお金ですか?」
「違う違う」ヒナギクは笑って否定する。「――私の手、触ってみて?」

突然の提案に、ひとりはますます困惑した。視線を彼女の顔へと移す。
ヒナギクの表情は、持ち前の内気さで人の目を見る機会の少ないひとりでも、十分に伝わった。
からかう訳でも心配するわけでもなく、ただただ真剣な眼差しでひとりを見つめていた。

おそるおそる、ひとりは左手の指先で、ヒナギクの掌の中央に触れる。
他人との接点が極端に少ないひとりにとって、初めての経験であった。
皮膚に食い込む柔らかさと、張りのある弾力を感じ、ひとりは恥ずかしさでいっぱいであった。

「他の所も触ってみて?」

ヒナギクの指示に、言われるがままのひとり。
掌を2、3回触り、その次に指の付け根へと触れる。その感触の変化に、ひとりは思わず手を引っ込めた。
(岩!?ここだけすごく堅い!)

「ふふっ。気づいてくれた?」

ひとりの表情の変化を見て、ヒナギクは微笑む。

「私ね、剣道部だったんだ。この前引退したけどね。朝練や放課後の部活で竹刀を振り続けてたら、指の付け根のところだけ皮膚が固くなっちゃって。
現役の頃はそんなこと気にならなかったけど、引退してからふと自分の手を見たら、こんな感じだったんだって気づいたの」

ヒナギクは左手をかざし、指を広げて街灯の光に透かす。
ひとりはその様をまじまじと見つめていた。

「努力していることなんて他人には分かりっこないし、周りから見られるのはいつも結果だけ。
もちろん調子の良いときも悪いときもあるから結果も左右されるけど、周りがそんなこと知る由もない。
……でも、努力してきたことは必ず自分の物になる。積み重ねたものは消えやしない、ゼッタイにね」

自身に満ちた表情で、ヒナギクは掲げた手を掌握した。

「それにね、お姉ちゃんが昔ギターやってて言ってたんだ、『指先が固くなるのは相当練習してる証拠だ』って。
……あなたの指先が触れたことで、そのことがしっかりと伝わったよ」

満面の笑みでひとりのことを称賛するヒナギク。
ひとりは、ぎこちない笑顔で「ありがとうございます」と答えた。

「さてと、すっかり暗くなったし、私は先に帰るわ」
ヒナギクはベンチから立ち上がり、一度背伸びをする。
「あなたは……バンドの練習に行くのでしょう?」
顔だけ振り向いて尋ねるヒナギクに、ひとりは力強く頷く。
「よろしい。――また逢えたら、今度はゆっくりお茶でもしましょう」
最後にそう言い残して、ヒナギクはその場から立ち去ろうとする。

「あ、あの!」

背後から呼び止められ、ヒナギクは振り返る。
ベンチから立ち上がったひとりは、頭を下げたまま大声で叫んだ。
「わ、私……結束バンドというバンドをしています。ここから近くの”STARRY”というライブハウスで、今度ライブをします。ぜ、ぜひ、聞きに来てください!」

悲鳴でしか大きい声を出せないひとりにとって、声を張り上げることは慣れないことであった。
言い終わった後、何度か荒い呼吸を繰り返す。
呼吸も落ち着きふと顔を上げると、そこには不敵に笑うヒナギクの姿があった。

「いつかライブする日まで、私に毎日来てってことかしら?」
「い、いや、それは、今度のライブの日にちも、き、決まってなくて……」
「ふふっ、冗談よ。イジワルしてごめんなさい」

ヒナギクは再度、ひとりの所へ近づいてくる。
反射的に後ずさりしようとしたところで、ひとりは何とか踏みとどまった。
身構えるひとりに対し、ヒナギクが差し出したのは自分のスマホであった。

「連絡先交換しましょう?」
「……はい。あ、でも、私そういうの慣れてなくて……」
「大丈夫。細かいことは私がやるから」

ヒナギクの手ほどきを受けながら、ひとりはメッセージアプリを起動させる。そして、そのままヒナギクに手渡した。
ヒナギクは2台のスマホを器用に扱って、友だち登録の手続きをスムーズに行なっていく。
その間手持ち無沙汰となったひとりは、スマホを操作するヒナギクの指先に焦点を合わせた。
そのときになってようやく、ヒナギクの指先にマニキュアが塗られていることに気付く。

「ハイ、これでオッケーよ」
「あ、ありがとう、ございます」
「それじゃ、ライブの日にち決まったら連絡してね、ゼッタイ観に行くから!」

ヒナギクは大きく手を振り、颯爽と去っていく。
ひとりはその後ろ姿を目に焼き付けていた。

(すごい、立派な人だったな)
ひとりが抱いたのは、尊敬と憧憬。
(キレイで、オシャレもしてて、カッコよくて、優しくて、素敵な彼氏もいる)
(いつか、なってみたいな、桂さんみたいなすごい人に)
ひとりの胸の内に秘めるは、羨望と大望。
(今までの私なら、コンプレックスを感じるだけだったけど……)
(何かできることから、始めてみよう!)
遠くなっていく同じ髪色の姿を見ながら、ひとりはとある決心をするのであった。
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Re: ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス)) ( No.5 )
日時: 2023/03/24 01:11
名前: きは



1週間後。同じカフェにて。

「やっぱり、ヒナさんがギターヒーローなんじゃないかな!?」
「……まだ言うの、それ?」

店員に注文を伝え、メニュー表を畳むなり歩は話題を切り出した。
ヒナギクは呆れた風体で呟き、お冷を1口含む。

「今回は、動かぬ証拠があるんだから――ほらっ!」

歩はスマホを取り出し、画面をヒナギクに突きつける。
ヒナギクはその画面を見つめ、瞠目する。

「これは昨日上がったギターヒーローの新作動画。これでもう、ヒナさんは言い逃れできないよねっ!」
「あー、そういうことかぁ……それでかぁ……」

息巻く歩とは正反対に、ヒナギクは腹を抱えて笑い始める。
屈託なく笑うヒナギクの態度に、歩は狼狽えた。

「えっ、なんで笑っているの!?これはヒナさんじゃないの!?」

歩は思わずスマホを机の上に投げ出し、両手でヒナギクの肩を揺さぶる。

「ハイハイ、始めから説明するわ。――この前の帰り道にね……」

一頻り笑い終わってから、ヒナギクはとつとつと語りだした。

テーブルの中央に放りだされたスマホには、ギターヒーローが映っていた。
上下ピンク色のジャージ姿で、肩から下だけが画面に収まっている。
軽快な演奏、カッコよさを追求したアレンジ。演奏の質にますます磨きがかかっていた。
そんなヒーローの細やかな変化がもう一つ。
ピックを摘まみコードを押さえる指先に、シアードピンクのマニキュアが塗られていることであった。(了)
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Re: ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス)) ( No.6 )
日時: 2023/03/24 01:13
名前: きは

<あとがき>

アニメ作品に登場するキャラクターの髪色が多彩なのは、アニメーターの人がキャラを描き分けられるようにするためだと聞いたことがあります。(ソース不明)
つまり、キャラクターにとっての髪色は、その人を認識するための重要なファクターであり、髪の色一つで認識があいまいになることだってあります。
今作に登場した「桂ヒナギク」と「後藤ひとり」を含め、様々な作品の中で1人は、ピンク色の髪をしたキャラクターが登場するのかもしれません。
しかし、そのキャラクターが2人登場する作品となれば、その候補はかなり絞られたものになると思われます。(ラ〇スとミ〇ア、とか)

どちらかと言えば今作は、メタ認知によるところが多いのかもしれません。
作品中では言及されにくい髪色を、目の前の現実と照らし合わせたりバイアスにかけてみたり、そういった手法でふたりぼっちとなる状況を作ってみました。
文字数は約13000字。そのうちの約半分が、主人公2人の掛け合いとなります。
しかも1人は完璧超人(ヒナギク)に対して、もう1人はコミュ障のぼっち(ひとり)という両極端な存在です。
似通った外見的特徴を持つ2人がどのような関わり方をするのかというのも、クロス作品の醍醐味の一つと言っても良いのでしょう。



……とまぁ、もっともらしくあとがきを考えてみましたが、上記の部分は全て後付けですw
本作の着想はシンプルに、冒頭のヒナと歩のやり取りから始まっています。ですので、この作品のテーマはあまり決まっておりません。
「もしも、ハヤテのごとく!の世界観にギターヒーローが存在していたら、こんな会話してるやろうなぁ」というささやかな妄想から始まったものです。
そこに歩のギター譲り受けたという設定、杉並区(白皇学院所在地)と世田谷区(下北沢)が隣接してることから、「イケるやん!」と始めたのがそもそもの話。
10000字を越えるとはつゆにも思わず、最後の方は描写のストックも尽きてヒィヒィ言いながら書いてましたw
社会現象をも起こした「ぼざろ」とのクロスは今だからこそできることであり、それゆえに強い人気を博している時期に投稿しようと、着想から3週間でここまで漕ぎつけました。
お時間ある時に読んでいただけると望外の極みであります。

きは
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Re: ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス)) ( No.7 )
日時: 2023/03/26 22:33
名前: ロッキー・ラックーン

にゃんぱすー、RRです。

ぼっち・ざ・ろっく見てないけどオモロかった!
ソシャゲのきららファンタジアで、実装後にすぐサ終が決まってしまうという悲しき運命を背負った作品だったけどそっちでは「けいおん」とのコラボしてて楽しそうだった(こなみ

ヒナギクがラブコメのコメをしてないあたりが新鮮。てか白皇って杉並だったんか…。練馬だと思ってた。新たな発見に感謝。

自分では合同本でしか他作品との絡みやってなくてご無沙汰だったけど書きたくなったわー。
ちゅうわけで、刺激をありがとうございました。
サンキューキッハ
この作者は、誤字脱字の連絡を歓迎しています。連絡は→[チェック]/修正は→[メンテ]
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Re: ふたりぼっち東京(ぼっち・ざ・ろっく!クロス) ( No.8 )
日時: 2023/04/09 23:16
名前: 双剣士

 きはさん、投稿ありがとうございます。遅くなりましたが拝読しました。
ちょうど感想キャンペーン中ですので、読後感を少々。

「ヒナギクめちゃくちゃ成長してね?」
 失礼ながらこれが第一印象でした。44巻8話を例に挙げるまでもなく、学園では憧憬の的だけど1on1になると
的外れのポンコツムーブをかますイメージが自分には有ったもので。やっぱ彼氏をもって自信をつけると違うのかな。
 ひとりの悩みや逡巡に具体的に答えてあげているわけではないのだけど、他人の視線をあれこれ気にしてるのが
彼女だけではないこと、ひとりの秘かな努力が形になって表れていることを初対面でありながら教えてあげることなど、
他人の気持ちに寄り添うのがここまで上手になっていることに感心しました。

 ただ読んでいて気になったのは、三人称という体裁ですけどヒナギク視点の描写とひとり視点の描写が文中に入り混じって
いるようで、それが章区切りでも段落区切りでもないところでスイッチしている箇所が随所に見受けられたところですね。
 そのせいかイマイチ登場人物の気持ちに同調しづらかった気がしました。あくまで個人的な印象ですけど。

 あらためまして、ご投稿ありがとうございました。
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