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【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章【完結】
日時: 2021/05/14 18:21
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

この小説は「紅kure-nai」という作品を元にしたものです。
内容は所々しか覚えていないので、自分のアレンジで作り上げていきます。

主な人物役割:登場人物

【紅 真九郎】:綾崎ハヤテ

【九蓬院 紫】:天王州アテネ

【崩月 夕乃】:桂ヒナギク

【村上 銀子】:南野宗谷

EXTRA:三千院ナギ
    春風千春 
    西沢歩
    マリア
    綾崎イクサ
    綾崎鈴音 
    桂雪路     
    マキナ等々 

色々追加していく予定

こんな感じ製作していきますので、新参者ですが一章完結まで頑張って参ります!

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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.1 )
日時: 2021/05/14 18:28
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

 新しく作り直すに辺り、謝罪の文章をさせていただきます。
前回は記事メンテ時に使用する為のパスワードを打ち込み忘れてしまって、修正も削除も出来ない状態で投稿してしまい、誠に申し訳ありませんでした。次回からは、慎重に進めさせていただきます。
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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.2 )
日時: 2021/05/14 20:27
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

第一話「運命」
揉め事処理屋を営む少年綾崎ハヤテの元に兄のイクサが一人の少女を連れてムラサキノヤカタに訪れた。

イクサ「ハヤテ、お前には彼女の護衛を任せようと思う」

ハヤテ「ちょっと待ってくださいイクサ兄さん!僕に彼女の護衛を任せると言われてハイそうですかって納得出来るわけないでしょう」

彼女―天王州アテネは静かにハヤテをじっと見つめていた。

イクサ「これはお前にしか頼めない事なんだよ...!」イクサはハヤテの両肩に手を置き静かにしかし力強く言葉にした。

ハヤテ「何かいい感じに纏めようとしてますけど、やってる事は仕事放棄とかわりませんから」

イクサ「チッ」

ハヤテ「今、舌打ちしましたね!?」

イクサの悪態に全力で突っ込むハヤテに、

イクサ「兎に角、俺では彼女の護衛を勤められんのだ!」とイクサの返答に何故とハヤテは聞き返すと帰ってきた答えが

イクサ「...女の相手が面倒だから」イクサの返答にハヤテは呆れた表情を贈る。

ハヤテ「...えっと、揉め事処理屋の綾崎ハヤテです」柔らかな笑顔を向け右手を彼女の前に差し出す。

アテネ「...天王州アテネ、です」彼女は自信の右手で握手を交わす。

□□□□□□□□□

取り敢えず彼女を風呂に入れるハヤテだがここで問題発生。戸を開けると―

ヒナギク「…ハ、ハヤテくん///」ハヤテの目の前に今から入浴しようと衣服を捲り腹を晒す桂ヒナギクが立っていた。

ハヤテ「うわあぁぁぁっ!す、スミマセンでしたぁっ!!」ハヤテの謝罪の言葉が廊下に響く―





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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.3 )
日時: 2021/05/15 06:31
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

先程投稿したオチは、此処等でハヤテの不幸体質を発動させたい一心で書き込んだものです。スミマセン。
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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.4 )
日時: 2021/05/15 07:28
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

風呂での一件でハヤテとアテネは着替え終わったヒナギクと共に彼女の部屋へと連行され、事情を洗いざらい伝えた。

―深夜ヒナギクの部屋―

ヒナギク「成る程、彼女はお兄さんからの依頼でここに居ることになったのね。でも、この事を私にじゃなく先ず鈴音さんに伝えたほうが良かったんじゃないのかしら?」

ハヤテ「そうですよね。では今すぐこの事をお祖母ちゃんに伝えにいって来ます!」

踵を返したハヤテの襟をヒナギクは掴み静止させた。

ヒナギク「待ちなさい、私も一緒に行くわ。ハヤテ君一人じゃ何かと面倒な言い方をして混乱させかねないから」

彼女が居れば心強い。早速ハヤテはヒナギクと共に部屋を出ようとした時、

鈴音「あら、ハヤテにヒナギクちゃん。そちらの娘はどなたかしら?」

戸を開けた矢先にハヤテの祖母である綾崎鈴音と出くわした。

。。。。。。。。。

鈴音「成る程、彼女を此処に泊めさせてほしいのね。分かったわ、お祖母ちゃんに任せなさい」

ハヤテ「ありがとうございます。お祖母ちゃん!」

鈴音「取り敢えず、ハヤテはアテネちゃんと一緒に居なさい。くれぐれも失礼のないように」

そう言うと鈴音はヒナギクの部屋から出ていった。

ヒナギク「それじゃあハヤテ君、お休みなさい」

ハヤテ君「はい、御休みなさい」

ヒナギク(それにしても、彼女はずっとハヤテ君の方を見てた気が...気のせいかしら)

この後、彼女の不安が的中する出来事を目の当たりにするのだった。

。。。。。。。。。

スミマセン。此処で一旦切ります。次回はハヤテが過去に出会った少女との記憶を思い出す話です。



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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.5 )
日時: 2021/05/15 08:01
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

第二話「蘇る記憶」

深夜、ハヤテは一人夢をみていた。

十年前、両親が事故で帰らぬ者となった事実を受け入れられなかったハヤテは泣きながらただ走り続けた。

両親を目の前で亡くしたハヤテは、見知らぬ花畑に辿り着くと同時に小石に躓き地面に倒れ込んだ。

ハヤテ(幼少)『こんな人生は嫌だ...、いっそ此所で死んだ方が楽になれる...』花畑に俯せになっているハヤテに、

『そんな悲しい事を言わないで』一人の少女が現れる。

???(幼少)『とても辛い事があったのね。ですが此所で泣いていても何も変わりませんわよ。立って前を向きなさい』

ハヤテ(幼少)『放っといてよ!なにも知らない癖に!!』話し掛けてくる彼女に僕は大声で拒絶の言葉をかけてしまった。

けれど彼女は、

???(幼少)『確かに私は、貴方に何があって此所で泣いているのかは知りません。ですが―』

僕は声のする方へと顔を上げたと同時に、彼女は左手を僕の目の前に差し出しながら言った。

アテネ(幼少)『―けれど貴方の心が『助けて』って叫んでいるのだけは聞こえていますわ』

女神と思わせる慈愛に満ちた表情で僕に語りかけた。

それが彼女との『出会い』だった―

□□□□□□□□□

幼い頃の夢から覚めた僕の目に、薄暗い天井の他に左側に一つの影が映った。その影が僕の名前を呼び続けていた。

???「ハヤテ…、ハヤテっ!」視界がクリアになると同時に自信の名を呼ぶ存在を認識したハヤテは上体をゆっくり上げた。

ハヤテ「…僕の名前を覚えてくれていたんですね、アーたん…いえアテネさん」名前を読んだと同時に彼女は僕に抱きつく。

アテネ「良かった...、ハヤテが魘されていたから心配で私―」

僕は抱きつく彼女の両肩に手を置くと、それに習い彼女も抱擁を解き僕に向かい合う形になってくれた。

ハヤテ「大丈夫…、僕は居なくならないから。此れからはずっと君の傍に居続けるよ」

アテネ「ええ、私達はずっと一緒よ。ハヤテ…」

僕の言葉に彼女は涙を流しながら微笑んでくれる。

彼女の笑顔に愛しさを感じ自信の顔を彼女に近づける。

それに習うように彼女も瞳を閉じ、僕らは唇を重ねあった。

夜空に上がる月と瞬く星の光が二人の再会を祝福するかの様に部屋を照らしていた―




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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.6 )
日時: 2021/05/15 17:00
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

ハヤテ(幼少)の父親が他人の物を盗んでいた事実を知った絶望で王族の庭城へ迷いこむという内容を、謎設定でハヤテの両親が事故で居なくなったという事実を知りただひたすら走り続けたハヤテは彼女の城の花畑に迷いこみ、泣いている所で彼女と出逢ったという形にしてみました。想像で全く異なった内容に話を作りましたが取り敢えずは、二人がケンカ別れするような流れにしたくないなぁと思いながら作りました。
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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.7 )
日時: 2021/05/16 08:48
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

アテネ「私達の出会いが根本から修正されていますわね」

ハヤテ「でもその事で僕がサンタ姿の帝お爺様に利用された上で君に出会う形じゃなくなったし、またアーたんもあの城に縛られながら暮らすという事実が無かった事になったんだから、良かったんじゃないかな?」

アテネ「ですがその過去があって、今(原作)の私達の関係があるのではなくて?」

ハヤテ「確かにそうだね。だけどこの話のような出会い方は、僕は好きだよ(笑顔)」

アテネ「確かにこの話ではあの英霊の介入がなかったことになっていますが、ですがその代わりハヤテとのあの運命的な出会いもなかったことになってしまうだなんて、それこそ私達との関係を全否定されてるも同然ですわ///!」

ハヤテ「僕は君の傍に居られたら、それ以上は何も要らないよ(微笑+熱い眼差し)」

アテネ「ハヤテ…(泣)」互いに向き合い見つめあう二人。

darkness(そうだよ。自分は二人のこう言ったやり取りが見たくて、この話を投稿した。)

darkness(そしてさらに、原作で苦しみ続けた二人にはこの小説内でそれ以上を超える幸福の海に溺れてほしいのだーーー!)

darkness「げほっげほっ、しまったつい興奮の余り咳が...」

ハヤテ「あの〜、先程から其所で一体何を...?」

darkness「気にするな。二人のラブラブっぷりを見て胸焼けを起こしているだけだから」

ハヤテ&アテネ『余計気になりますよ(ますわ)!!』

darkness「まあぶっちゃけ二人にはまだまだ頑張ってもらうわけですが、ハヤテまだ戦ってすらいないし」

ハヤテ&アテネ『それならもっと努力しろーーーー!!!』

darkness「次回第三話『作戦会議』執筆致します!」
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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.8 )
日時: 2021/05/16 18:47
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

第三話『作戦会議』

AM5:00

桂ヒナギクの朝は早い。ランニングに適したシャツとスポーツパンツを着て早速玄関へと向かった彼女だが―

ヒナギク「あれ?」

何時もなら自分よりも早くに起床し、シューズの準備をして待機する彼の姿は何処にもなかった。

ヒナギク(ハヤテ君の姿がない...まだ寝ているのかしら)

気になったヒナギクは彼が寝床に使っている屋根裏部屋のドアの前へと足を運んだ。

ヒナギク(でも昨日、ハヤテ君は色々あって疲れてるだろうから少し寝かせてあげようかしら)

そう思い踵を返したヒナギクだが

ヒナギク(でも...)

ここで彼女の心に邪な念がうっすら浮かぶ。

ヒナギク(ハヤテ君の寝顔...す、少しだけよ、少しだけ///!)

邪念に揺らいだヒナギクはそっとドアノブに手を掛けて慎重に回し、ゆっくりとドアを隙間だけ開けた。

自信の目に映る光景にヒナギクは凍りつく。

ヒナギク(...い、一緒に寄り添って寝ている...ですって!?)

彼女の目には、互いに寄り添い合いながら眠るハヤテとアテネの姿があった。

そして二人の表情は、10年間の歳月を経て再び巡り会えた感動に満ちたものの様に目撃者のヒナギクには見えたのだ。

ヒナギク(た、確かにハヤテ君を見る彼女の眼は何かを思い出した時の驚いた顔の様に見えなくもないわ...この二人の間には―)

考察をするヒナギクの後ろから読み取ることの出来ない気配が流れてきた。途端に振り返るヒナギクの背後に、

鈴音「あら、どうかしたのヒナギクちゃん?」微笑んだ表情を向ける鈴音が立っていた。

ヒナギク「す、鈴音さん!?」突然の出来事に背後が疎かになっていたヒナギクは横に移るように尻餅をついた。

ヒナギクが横に移ったことで鈴音は流れに乗るようにスルーっとハヤテの寝室へと入り、

鈴音「起きなさい、ハヤテ」ハヤテの側に行き、身体を優しく揺すりながら声を掛けた。

ハヤテ「うぅ〜ん...、おはようございます、お祖母ちゃん」

鈴音「眠っている所で悪いのだけど、そろそろ仕度しないと困る人も出てくるわよ」

ハヤテ「...はっ!もうこんな時間!?い、今すぐ準備します!!」

慌ただしくしているハヤテの横で未だ夢の中へ旅立っているアテネはぐっすり眠っていた。

アテネ「ハヤテぇ…zzz」

□□□□□□□□□□□□□

ハヤテの担当する教師がある人になります。

□□□□□□□□□□□□□

場所は変わり潮見高校。

ハヤテは自分の席に座り空を眺めていた。

ハヤテ(まさか彼女との出会いを今まで忘れていたなんて、僕はなんて薄情ものなんだろう...)

そう思っている中―

宗谷「…い、おい聞いてんのかハヤテ!」

僕のクラスメイトであり、腕利きの情報屋の南野宗谷が何度も呼び掛ける。

ハヤテ「ゴメン、なんだっけ?」

僕の生返事に呆れ顔を向け、溜め息を漏らす。

宗谷「お前なぁ、人の話はきちんと聞くもんだって何度も言ってるだろ。それだから何時も何時もいらない厄介事を―」

ハヤテ「あはは...」

彼女は大人しくアパートで待ってくれているのだろうか、その事だけが気がかりだ。

何なら、今すぐ学校をほっぽり出してでも彼女の側に居たい。そんな感情に飲まれそうになったが、そうはいかなかった。

宗谷「お前の兄貴からの情報だと、色んな奴等が彼女の命を狙ってるって話だそうだな」

勿論、目の前にいる彼も色々と事情を把握している。心強い味方であり、唯一無二の親友だ。

ハヤテ「うん。宗谷君に頼みたい事は、その連中が一体何の目的で彼女を狙うのかを調べて欲しいんだ。」

宗谷「わかった。任せろ」親指を立て頼もしい表情を向ける宗谷に頷いた。

宗谷「それと別件なんだが、今日ここの教室に転校生が来るらしいぞ」

何時の間にか眼鏡を着けパソコンに向き合う宗谷に聞き返す。

ハヤテ「こんな時期に転校生?」

聞き返そうとした直後、タイミング良くチャイムがなり、そのあと戸が開きそこから担任の桂雪路が入ってきた。

雪路「御早う諸君!早速HRを始める前に、まずは転校生を紹介するわ!!」

「転校生!?」「こんな時期に!?」教室内が一気にざわめきだした。

モブ男「先生、男子と女子どっちですか!?」いきなり男子生徒の一人が質問を投げ掛けた。

雪路「フッフッフッ、喜べ男子共!ここに入る生徒は...女子よ!!」

男子'S「ウォォォォォォォッ!!!」

教室の男子生徒(ハヤテと宗谷以外)は歓喜の声を上げた。

雪路「シャラーーーップ!!今から紹介するから静かにしなさい!」

転校生...あぁ、だから僕の隣の席が空席なのかと思った時、

宗谷「多分だが俺らと関係が大いにあるぜ」

ハヤテ「え?」

彼の意味深な台詞が的中したのは、

ガラッ

目の前の壇上に、

カツ、カツ、カツン。

登る人物だった。

僕は目蓋を全開に見開いた。

アテネ「初めまして、白皇学院から転入して参りました。綾崎アテネと申します」

そう、ムラサキノヤカタで待機している筈の天王州アテネその人だったのだから。

僕の名字を名乗って。

生徒諸君「えぇぇぇぇーーーーーー!!!?」

目の前に立つ彼女は満面の笑みを向けたと同時に僕の姿を視認した直後、僕の席の横まで行き、

アテネ「宜しくね、ハヤテ」

僕の左腕に抱き着いてきた。

その直後、教室内は嫉妬と怒りの空気に支配されたーーー

―放課後―

彼女との関係やその他諸々を根掘り葉掘り聞かれる羽目になったハヤテだが、そろそろ帰らないと夕食の準備がー

ヒナギク「ハヤテ君、綾崎さん!そろそろ帰りましょ。」

今まさに天からの救いが訪れたかのように、ヒナギクが廊下から顔を出して助け船を寄越してくれた。

ハヤテ「ヒナギクさん、ナイスタイミングです!」

僕らが教室を出ると同時に宗谷君も教室を後にした。

−校庭−

ヒナギク「ハヤテ君、最近揉め事処理屋としての仕事しかやってないから部活とか出てないでしょ」

ハヤテ「ギクッ」

アテネ「ハヤテは、部活は何処に所属しているの?」

興味を示したアテネはヒナギクに聞いた。

ヒナギク「剣道部よ。私と同じね」

宗谷「と言う事は、ハヤテの剣の師匠は此処にいる二人ってことになるのか」

ハヤテ「元々僕に剣を教えてくれたのがアー...アテネさんで、基本や型はヒナギクさんに教えて貰ったんだ」

宗谷に経緯を語っていた時、アテネに袖を引かれた。

ハヤテ「ん?」

振り返ってみるとアテネは疑問の表情を浮かべていた。

アテネ「何故小さい頃の様に名前を呼んでくれませんの?」

アテネは上目遣い+潤めを使ってハヤテに問い質すとハヤテは顔を紅くして、

ハヤテ「だ、だってこの歳であだ名なんて恥ずかしいじゃんか...///」

答えたハヤテにアテネは、

アテネ「私はハヤテになら子供の頃の呼び名でも...構いませんわ///」

アテネも顔を紅くし、もじもじしながらも昔の呼び名でも良いとこの場で言い切った。

ハヤテ&アテネ「///」

沈黙が気まずいと思ったヒナギクは瞬時に話題を替えた。

ヒナギク「そ、そう言えば!確か宗谷君、今日はムラサキノヤカタに寄るって言ってなかったかしら!?」

宗谷「あぁ、そうだった。そうだった」

顔をひきつりながらも宗谷が返答をする。

宗谷「まぁ取り敢えず、ハヤテは久し振りに部活に顔を出したらどうだ?」

ここのところ、ハヤテは揉め事処理屋としての活動を主に日常を過ごすため、学生の本分を謳歌出来ていなかったのだ。

ハヤテ「でも良いんですか?僕は一度辞めた身ですし」

ヒナギク「ハヤテ君にその気があるのなら、何時でも大歓迎よ!寧ろもう一度副主将を勤めてほしい所なんだから」

ハヤテ「副主将は流石に無理ですけど、もし宜しければ寄らせていただきます」

この時のハヤテはSモードで部員達をしごき倒したと言う噂が剣道部で今も語られている。(SS補正)

−剣道部−

道場には数人の部員達が打ち合いをしていた。

部員A「あ、桂さん!こんにちは!」

ヒナギク「こんにちは。」

部員B「ん、綾崎じゃんか。お前もやるのか?」

ハヤテ「話の流れで少しね」

部員C「ん?」

すると部員Cがハヤテの腕にくっつくアテネの存在に気づいた。

部員C「お前の側にいる女性(ひと)は...、か、彼女なのか!?」

ハヤテ「ま、まぁ...そんな感じかな」

アテネ「御紹介に預かりました、綾崎アテネと言います。ハヤテが何時もお世話になっております」

アテネは柔らかな笑顔を向けながら挨拶をする。

部員C(う、美しい...)

アテネの笑顔に部員Cの心が陥落した。

ヒナギク「ハヤテ君の防具は手入れして置いてあるから」

ハヤテ「ありがとうございます、ヒナギクさん」

ハヤテの着替えはスキップして−

ハヤテ(胴着)「何だか久し振りに防具を着けた気がしますよ〜」

ヒナギク(胴着)「久し振りも何も、貴方高校一年の頃の数回しか着てないじゃない」

幽霊部員にも程があるハヤテの防具には余り傷が無く、新品のように綺麗だった。

ハヤテ(胴着)「そ、その頃は揉め事処理屋としての活動があってですね...」

ヒナギク(胴着)「幾ら身体を頑丈にしてるからってハヤテ君は無茶しすぎなのよ。もう少し柔軟に−」

二人のやり取りを見ていた宗谷と部員達は−

宗谷&部員'S(いいからさっさと始めろよ...)

10分後−

ハヤテとヒナギク両名での練習試合が始まった。

先ずはハヤテが先手を打った。

素早さを生かした正面打ちをヒナギクは竹刀で受け鍔ぜり合いに持ち込む。

ヒナギク(防具)「流石に速いわね、ハヤテ君」

ハヤテ(防具)「ヒナギクさんこそ、凄い反射神経じゃないですか」

ヒナギク(防具)「伊達に剣道部主将をつとめてる訳じゃないからね」

それから10分後−

二人とも決定打に至らなかったため、延長戦に持ち越しでヒナギクの一本勝ちと言う形で幕を閉じた。

アテネ「ハヤテはあともう少しで桂さんに一本取れていた所まで来ていましたわね」

宗谷「あの二人に追い付く部員が果たして要るのかが気になるところだな」

アテネと宗谷は互いに思った事を言い合っていた。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

−帰り道−

ハヤテ「いやぁ〜、やっぱりヒナギクさんには勝てませんねぇ〜」

ヒナギク「ハヤテ君こそ、いい動きしてたじゃない。あれなら私位を簡単に追い抜く事が出来ると思うけど」

ハヤテ等は帰路を歩きながら部活での反省会をしていた。

ヒナギク「基礎は出来ているんだから、後は自信を持って取りにいけばハヤテ君は問題ないわよ」

ハヤテ「ですが−」

ハヤテの次の一言はヒナギクの人差し指により静止させられた。

ヒナギク「何よ〜、ハヤテ君は私からのお墨付きは嫌だって言うのかしら?」

ハヤテ「べ、別にそう言った訳じゃないですけど...」

ヒナギク「なら素直に受け取りなさい。じゃないとハヤテ君、幸せ掴み損ねちゃうわよ―」

そう言ったヒナギクは何かの気配を察知したのか、急に立ち止まり黙り混んだ。

ハヤテも彼女の動きを読み取り周囲を警戒した。

ヒナギク(殺気...)

ハヤテ(一体、何処から―)

宗谷(彼処か!)

遠くのビルから光るものが見えたハヤテは瞬時にアテネに向かい、彼女を抱えながらその場から距離を取った。

同時に離れた場所から衝突した際に発せられる火花が散った。

そう、殺し屋が放ったライフル弾が撃ち込まれたのだ―

宗谷「皆、此処は一旦散ってムラサキノヤカタで落ち合おう!ハヤテ。」

ハヤテ「何?」

宗谷「俺はさっきの建物へ行って確かめてくる。お前は彼女たちを頼む!」

ハヤテ「解った。無茶しないでね、宗谷君」

宗谷「ああ!」

そう言い合った後、宗谷は先程狙撃場所と思われるビルへ向かい、

ハヤテは、アテネとヒナギクを連れて建物の陰を利用しながら移動する。

宗谷「さてと、俺も少し身体を動かすとするか」

数十分後−

無傷でスナイパーを制圧した宗谷はスマホを取り出しハヤテに連絡を入れる。

宗谷「ハヤテ、此方は終わったぜ。」

ハヤテ『大丈夫?怪我はしなかった?』

宗谷「大丈夫、無傷ですんだよ」

ハヤテ『良かった。ムラサキノヤカタで待ってるから』

宗谷「ああ、すぐにいくよ」

宗谷はスマホをしまいこんだ。

宗谷(初日から襲撃してくるなんて思わなかったな...、まさか!)

宗谷はハヤテ達の元へと急いで向かった−

−ムラサキノヤカタ前−

宗谷「ハヤテ!無事かー」

ハヤテ「あ、宗谷君!」

宗谷の目に映った光景は−

無傷のハヤテが殺し屋どもをボコボコにして縛り上げた状態で警察に身柄を渡すという光景だった。

−玄関−

鈴音「三人とも、お帰りなさい。それといらっしゃい、宗谷君」

宗谷「お久し振りです、鈴音さん。今日は訳あって暫くは此方に泊めさせて貰ってもいいですか?」

鈴音「ええ、わかったわ。暫くと言わず何時でも泊まってらっしゃい。歓迎するわ」

宗谷「ありがとうございます。お邪魔します」

歩「あ、ハヤテ君にアテネさんにヒナさんお帰り〜。それと何で宗谷君が来てるのかな?」

ハヤテ「実はー」

宗谷「実は鈴音さんの手料理をまた食いたいな〜、と思ってな」

歩「そうなんだ〜」

マリア「皆さん、お帰りなさい」

『ただいま〜』

〜夕食スキップ〜

夕食後、ハヤテら四人は屋根裏部屋へ移った。

宗谷「まさか初日から襲ってくるなんてな」

ハヤテ「でも町に被害が出なくて良かったよ」

ヒナギク「でもこの状況が続くのなら、一刻も早くこの騒動を収拾しなくちゃ」

ハヤテ「それについてなんですが−」

思案顔のハヤテはある案を皆に提示する−

第三話、終了です。

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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.9 )
日時: 2021/05/23 09:04
名前: DARKNESS

第四話「護り護られ」

宗谷「ハヤテ、お前自分が何を言ってるか解ってるのか?」

アテネ「そんな危ない賭けに、貴方を危険に晒したくありませんわ!」

ハヤテ「でもこうするしか他にないんだよ、アテネさん」

アテネ「ですが−」

三人の間にヒナギクが割って入り、ハヤテの頬に平手打ちをお見舞いした。

ハヤテ「ヒナギクさん...?」

呆気にとられたハヤテに向かいヒナギクは言葉を発した。

ヒナギク「ハヤテ君、あの時私がいった言葉を理解していなかったの?無茶しちゃダメだって」

ハヤテ「...彼女を護るためなら」

ヒナギク「自分の命だって賭けられるとでも言いたいの?バカな事を言うのも大概にしなさい!」

目に涙を浮かばせたヒナギクはハヤテの襟を掴み寄せ、怒気の籠った言葉を言い放った。

ヒナギク「いい?今のハヤテ君の命は貴方一人だけのものじゃない、ここにいる全員のものなのよ。例え一人でも欠けてしまったら意味を成さない大切な繋がりを貴方は自分で断とうとしている。その事を解って今の発言をしたの?」

彼女の言った言葉の意味に気付き顔を俯かせるハヤテに凭れかけヒナギクは言う。

ヒナギク「もう少し自分を大事にしなさいよ、バカ...!」

ハヤテ「...スミマセン、ヒナギクさん」

ヒナギクは凭れかけた頭を上げ、ハヤテに向き合った。

ヒナギク「ハヤテ君は私が護る。だからハヤテ君は私達のことを護って、一緒にこの事態を解決しましょう」

ハヤテ「...はい、よろしくお願いします。ヒナギクさん」

ハヤテの目は覚悟を決めた意思に変わった−

−夕刻/街外れ−

建物の屋上で、スコープ越しに標的を探す一つの影があった。

殺し屋(標的は天王州家の令嬢。それ以外は殺さず、邪魔者がいたらソイツを排除する。それが今回の俺のミッション...)

−自信の依頼内容を脳内で反復しながらターゲットと三人をスコープ内に捉えた殺し屋は−

一呼吸を入れてスナイパーライフルの引き金に指を掛けた。

スコープにターゲットの頭を捉え引き金を引いたと同時に銃口から弾丸が放たれ、標的の脳天へと−

突然、殺し屋の周囲に強風が吹き荒れ放たれた弾丸は軌道を変え数メートルのコンクリートへと着弾した。

殺し屋(強風で軌道がずれたか...。奴等なかなか運がいい)

次弾を再装填しもう一度スコープでターゲットを視界に捉えた殺し屋の背後に一つの影が立っていた。

「ここで一体何をなさっているんですか?」

突然背後から声をかけられた殺し屋は反射的に振り返った。

そこには、空色の髪をした少年が立っていた。

殺し屋「...一体何時から其所にいた?」

殺し屋は冷静に空色の髪の少年に質問で返す。

「先程、貴方の周囲に強風が発生した時です」

殺し屋「先程の強風をお前が?」

「ええ、先程の風は僕が起こしたものです。僕には何故かそれが出来るんですよ」

殺し屋(成る程、真に警戒しなければならない獲物を見落としてしまっていたのか)

殺し屋は銃口を少年に向けながら質問を投げた。

殺し屋「少年、名は?」

ハヤテ「揉め事処理屋、綾崎ハヤテ」

格闘家特有の構えをしながら少年は答える。

最初に動きを見せたのは殺し屋の放った銃弾だった。

殺し屋(この距離なら奴はかわせない。これでー)

だが殺し屋の視界には少年の姿は見当たらなかった。

殺し屋(消えた?...一体何処に−)

周囲を見渡す殺し屋の死角から蹴りが入った。

殺し屋(し、下だと!?)

咄嗟に気付いた殺し屋だったがハヤテの繰り出す右アッパーによって身体は宙に舞った。

殺し屋「くっ!」

宙に上がった状態で殺し屋はジャケットの裏側から拳銃を取り出しハヤテに向けて数発放った。

咄嗟にハヤテは急所となる頭と心臓部に両腕で覆い隠し防御した。

右腕に銃弾がめり込んだ痛みに耐えながら、ハヤテは殺し屋に一気に詰め寄り渾身の一撃を入れた。

殺し屋「グハッ」

ハヤテの一撃により意識を失った殺し屋はその場に倒れ込んだ。

ハヤテ「ハァ、ハァ...」

右腕を抱えながらハヤテは夜の帰路を歩く−

























































アテネは一人、玄関でハヤテの帰りを待っていた。

ガラッ

玄関の戸が横に滑り、その奥から右腕から血を垂らすハヤテの姿があった。

ハヤテ「ただいま」

右腕の苦痛に顔を歪ませながら、ハヤテは笑顔を向けた。

アテネ「ハヤテ!」

アテネは直ぐにハヤテの元へ向かい、彼を抱きしめた。

アテネ「ハヤテ、ハヤテぇ...!」

アテネはハヤテの胸に顔を埋めて泣きじゃくった。

その声を聞きつけ、ムラサキノヤカタの住人が玄関に集まってきた。

千桜「一体どうしたんだ!?」

歩「ハヤテ君、怪我してるんじゃないかな!」

ナギ「誰にやられたのだ!」

皆に一斉に詰め寄られ後退りするハヤテ。

ハヤテ「え、えっと...」

ヒナギク「皆、一旦落ち着きなさい!ハヤテ君が困ってるじゃない」

大騒ぎする全員をヒナギクが言った言葉で落ち着かせた。

ヒナギク「取り敢えずハヤテ君はマリアさんに怪我を見て貰いなさい。天王州さんも一緒に着いていってちょうだい」

アテネ「...えぇ」

−居間−

マリア「全く、ハヤテ君はどうして何時も怪我をした状態で帰ってくるんですか?」

マリアはハヤテの右腕に撃ち込まれた銃弾をピンセットで抜き取った。

ハヤテ「あはは、スミマセン...」

ハヤテは乾いた笑いをするしかなかった。

マリア「笑い事ではありません。ハヤテ君にもしもの事があった時、その人が悲しむことを考えたことはあるんですか?」

そう言うとマリアは、後ろに控えているアテネに目をやった。

ハヤテは申し訳ない表情をしながらマリアに向き合う。

ハヤテ「スミマセン」

ハヤテの謝罪の言葉にマリアは消毒液が浸ったガーゼを押し付けながら否定の言葉を言った。

マリア「そもそもハヤテ君は謝る相手を間違っていますわ。貴方が謝るべき相手はこちらです」

マリアはハヤテの体をアテネの方に向けた。

マリア「...怪我の治療は済みましたので、後はお二人で話しあってください。それでは私はこれで」

そう言うとマリアは居間から退室した。

居間に残された二人の間に沈黙が流れる。

ハヤテ「え、えっと...」

彼女に気の聞いた言葉を探すハヤテだったが、その前にアテネはハヤテの前に近付きー

先程治療した右腕に手を添えた。

アテネ「私のせいで、ハヤテが怪我を負ってしまうのよね」

アテネの発した言葉にハヤテは彼女の肩に両手を置いた。

ハヤテ「怪我を負ったのは君のせいじゃない。単に僕の実力不足だからこうなってしまったんだ」

そう言うと、ハヤテはアテネの体を引き寄せ、彼女を両腕で優しく包み込んだ。

ハヤテ「だから、君が罪の意識を感じる必要なんてないんだよ」

ハヤテのその一言を聞いたアテネの目蓋から涙が一雫こぼれ落ち、ハヤテの肩を濡らす。

アテネ「うぅ...」

アテネはハヤテを抱き締める力を強めたので、ハヤテは彼女の体をほんの少し強めに抱き締め返す。

ハヤテ「大丈夫だから...ね?」

アテネの抱き締める力が緩んだので、互いに体を離し向き合う形になった。

そのあとー

アテネ「ハヤテ」

ハヤテ「なに?」

アテネはハヤテを見上げる形で今の気持ちを言葉にして伝える。

アテネ「...今夜は一緒に寝ても宜しいですの?」

アテネの言葉に少し思案顔になりつつも−

ハヤテ「...うん、いいよ」

ハヤテは彼女の出した提案を飲んだー



























































ー深夜:屋根裏部屋−

一つの蒲団に、ハヤテとアテネは天井に向かう形で横になっていた。

左側にハヤテ、右側にアテネという形に入っていた。

ハヤテ(う〜ん、やっぱり二人だと蒲団が狭く感じるな)

そう思ったハヤテは、自信の体を蒲団から出そうと動いたら−

突然、アテネに寝間着の左腕部分を摘ままれた。

アテネ「...何故離れようとするんですの?」

ハヤテ「いや、二人で入るとやっぱり狭いんじゃ...」

すると、

アテネ「...こうすれば、狭くありませんわ」

彼女はそう言うと、ハヤテの体に密着する形になるように彼の背中に腕を回す。

ハヤテ「...あの」

アテネ「...なんですの」

ハヤテ「これはこれで、寝苦しいのでは...」

アテネ「し、仕方がないでしょう!こうでもしないと貴方、一緒に寝てくれないのですから!!」

ハヤテ「だからって一つの蒲団に二人ってのはどうかと」

アテネ「私は朝が弱いのよ!だからハヤテが側に居れば多少は良くなる...筈ですわ」

ハヤテ「...わかったよ」

そう言うと、ハヤテはアテネの背中に自分の腕を回す。

ハヤテ「えっと...これでいい?」

アテネ「...ええ、これで良いですわ。」

だがこのあとハヤテは重大な事実に気づく。

ハヤテ(この状態では余計、眠れないのでは...)

そう思ったハヤテはアテネに視線を向けると−

アテネ「すぅ...すぅ...」

アテネは無防備な寝顔をさらしながら寝息をたてていた。

彼女は寝つきが良さそうだった。

ハヤテ(明日はいつも通りに4時に起きよう...)

そう思い意識を闇に手放したハヤテも眠りについたー



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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.10 )
日時: 2021/05/25 08:01
名前: DARKNESS

第四話、終了です。次回は「彼」を出します。
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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章 ( No.11 )
日時: 2021/05/25 18:51
名前: DARKNESS

第五話「来訪者」

ハヤテは朝4時に起床し、いつもと変わらず執事としての仕事をこなしていた。

玄関を掃いているとー

ハヤテ「ん?」

庭の茂みから顔を出し、此方を見つめる一匹の白い大蛇がいた。

ハヤテ(何だろう...。ずっと此方を見てる気が)

ハヤテが気付くと同時に、大蛇は喉を鳴らしハヤテに向かって威嚇をした。

表情からは、来るものなら巻き付き首に噛み付くと何故かそう読み取れた気がしたハヤテは作業を辞め、その場を離れた。

−屋根裏部屋−

5時30分になったので、ハヤテは寝ているアテネを起こそうと彼女に近付く。

ハヤテ「アテネさん、起きて。朝だよ」

ハヤテの呼びかけに応じアテネは蒲団から上体を起こす。

ハヤテ(フフッ、相変わらず可愛い寝ぼけ顔^^)

などと思いながら彼女を眺めていると−

アテネ「ん」

彼女は目蓋を閉じ唇を此方に向けてきた。

ハヤテ(え、えっと...)

何をしてほしいか察したハヤテは自信の唇を近付け彼女の唇と重ね合わせた。

数秒後、唇を離すと−

アテネ「...おはよう、ハヤテ///」

先程の行為が功を成したか、アテネは完全に意識を覚醒させていた。

彼女は柔らかな笑顔を向けてくるのと対象的に−

ハヤテ「...お、おはよう///」

ハヤテはぎこちない態度で朝の挨拶を交わした。

着替え終えた彼女と共に、居間に向かい朝食の準備をしていると−

ガサッ

突然茂みから一人の浅黒い肌をした少年が立っていた。

ハヤテ「えっと、君は?」

アテネ「!」

マキナ「俺はマキナ。アテネの今の執事だ」

そう言ったマキナは土足で居間に乗り込んできた。

ハヤテ(彼女の執事...)

ハヤテは一度、彼女に視線を向ける。彼女は縦に頷き肯定をした。

ハヤテ「...その執事さんが、何のご用ですか?」

問い掛けるハヤテの言葉にマキナはー

マキナ「決まってるだろ。彼女を連れ戻しに来たんだよ」

そう告げるとマキナはアテネの前まで歩いてきた。

マキナ「さぁ、戻りましょう。お嬢様」

マキナは彼女の前に右手を差し出した。

アテネ「嫌」

アテネは怯えながらマキナの発した言葉を拒絶した。

マキナ「...フー、この手は使いたくなかったんだけど」

そう言うとマキナはハヤテの胸ぐらを乱暴に掴み上げた。

ハヤテ「グッ」

アテネ「ハヤテッ!」

アテネが駆け寄る間もなく、ハヤテを掴んだままマキナは姿を消した。

アテネの声を聞きつけ居間にヒナギク達が集まる。

ヒナギク「なにがあったの天王州さん!」

震えるアテネに問い掛けるヒナギク。

アテネ「ハヤテが...!」

一方-

ハヤテを連れたマキナは、誰も居ない野原に立っていた。

マキナ「此所でいいか」

そう言いマキナは、ハヤテの胸ぐらを乱暴に手離した。

ハヤテ「...一体何の真似ですか」

マキナ「何って、此所をお前の死に場所に選んだだけだ」

マキナは余裕を見せながら説明をする。

マキナ「まあ場所が変わろうが変わるまいが−」

一瞬だけマキナの姿が視界から消え、

マキナ「お前が俺に殺される事実に変わりはない」

目の前に現れ、右足を振り上げた。

マキナ「シッ!」

ハヤテ「ッ!」

咄嗟に反応したハヤテは、右手でマキナの蹴りを受け止めた。

マキナ「何!?」

ハヤテ「...貴方はそれでいいんですか」

マキナ「...何だと?」

ハヤテ「アテネさんの意思を無視して、縛り付けてそれで彼女が幸せになれるとでも貴方は言うんですか!」

ミシッバキッ

マキナの右足を受け止めたハヤテの右手に力が入る。

マキナ「...離せ!」

マキナは力任せにハヤテの右手から足を引き戻し距離をとった。

マキナ(俺の蹴りを受け止めた...?)「アテネの意思なんて関係ない。アテネを連れ戻す、それだけだ」

ハヤテ「戻るか残るかは彼女自信が決めることです。貴方が決めることじゃない」

ハヤテは格闘家特有の構えをとった。

マキナ「...いいぜ、お前を殺した後アテネを力ずくで連れていく」

二人の間に沈黙が続く。

痺れを切らしたかのようにマキナが先制を打った。

マキナの右回し蹴りをハヤテは見切り攻撃を避けた。

ハヤテ「ハァッ!」

マキナの隙を見逃さず、ハヤテは右ストレートを打ち込む。

マキナは身体を左に傾け回避した。

互いに拳を上げ、同時に打ち込みぶつけ合った。

マキナ「へぇ...中々やるな」

ハヤテ「...敗けられない」

マキナ「は?」

ハヤテ「彼女が泣いている、助けを求めてる。だから僕は−」

ハヤテは叫ぶ。

ハヤテ「全ての欲望から彼女を護ると誓ったんだ!」

ハヤテの周囲を風が包み込み竜巻を起こす。

マキナ(なんだ?)

ハヤテの決意に呼応するかのように、竜巻が霧散する。

ハヤテ「揉め事処理屋、綾崎ハヤテ」

マキナ「天王州アテネの執事、マキナ」

『いくぞ!』

大地を全力で蹴って、互いに距離を縮める。

激しい撃ち合いをする度に、大地が抉られその場に傷跡が入る。

マキナ(何だ?ただの人間が出せる威力じゃない...こいつは一体)

撃ち合いをする中、マキナは自信の脳内に疑問を浮かばせた。

ハヤテ(彼の打ち込みが速い!それに重い!骨にヒビが入りそうだ。だけどー)

ハヤテの脳内に涙を流すアテネの顔が横切った。

ハヤテ「大切な人を苦しめることは僕が許さない!」

ハヤテの打ち込む正拳突きを懐に食らい後退するマキナ。

マキナ「グハァッ!」

マキナがよろめいた隙を逃がさずハヤテは連撃を繰り出した。

マキナ「調子にのるんじゃねぇ!」

体制を崩しながらもマキナはハヤテに向かって素早く蹴りを回し、

ハヤテ「フッ!」

ハヤテは体制を低くし、蹴りを回避する。

ハヤテ「うおぉぉぉぉっ!!」

ハヤテの放つ回し蹴りが、マキナの顎を捉えた。

マキナ「しまっー」

ハヤテの攻撃により、マキナの体は宙を舞った。

マキナ「がはっ!」

ハヤテの戦闘基準は「相手が戦意喪失するまで攻撃を辞めない」という単純な理論だった。

相手が自信より上の場合、尚更自信の全てを出して相手を捩じ伏せるという行為はただの喧嘩と変わらない。

けれど、護るものがある場合は普段のハヤテの実力は大幅に跳ね上がる。

マキナ(この俺が、敗ける?こんな...こんな奴に...!)

アテネ「ハヤテえぇぇぇっ!!」

ハヤテ「うおぉぉぉぉっ!!!」

ハヤテの右ストレートがマキナの左頬を捉えた。その瞬間、マキナは後方に吹っ飛んだ。

マキナはそのまま吹っ飛んだ勢いでコンクリートの壁にめり込んだ。

マキナ「...」

マキナ(俺にはなくて、アイツに有るもの。何となく...わかった気がする...な)

マキナの目には、ハヤテの側に寄り添うアテネが映った。

其所には言葉にならない繋がりが二人にはある。そうマキナは核心を持った。

翌日−

早朝4時、ハヤテは準備の為に屋根裏から降りたら、

マキナ「よう!」

何故か居間にマキナが座っていた。

ハヤテ「な、何故貴方が此所に!?」

驚くハヤテに呑気にマキナは答えた。

マキナ「アテネを連れ戻す役目を全う出来なかった俺が戻ったら殺されるからなー」

ハヤテの前に立ち、こう伝えた。

マキナ「だから暫くの間、俺も此所に住まわせてもらう!」

未だ混乱するハヤテにマキナは何かを思いだすかのような態度を見せた。

マキナ「そう言えば、ハヤテはアテネの事はどう思ってるんだ?」

ハヤテ「うぇえっ!?」

突然の質問にハヤテは解りやすく取り乱す。

ハヤテ「そ、その...彼女の事は、好きだよ。僕の人生でかけがえのない女性(ひと)、だから///」

そう答えたハヤテにマキナは、

マキナ「へぇ〜」

と感心を抱く反応を示した。

マキナ「まぁ暫くの間、宜しくな。ハヤテ」

ハヤテの前に右手を差し出した。

ハヤテ「うん、宜しく。マキナ君」

ハヤテもマキナの差し出す右手をとり、握手を交わす。

こうしてムラサキノヤカタに新たな住人が加わった。

第五話「来訪者」終了します。


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Re: 【紅クロス】ハヤテ×アテネ リメイク 第1章【完結】 ( No.12 )
日時: 2021/05/30 16:33
名前: DARKNESS

話の内容を紅っぽくしてみました。

とまぁ、なんやかんやあってマキナ君もアパートの住人として迎える話に持ち込んでみました。

(マキナ君の性格やハヤテに対する気持ちがわからなくて色々と弄りましたが)

私の心が割れない程度のコメントお待ちしています。
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