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ハヤテ×トニカワ (一話完結)
日時： 2021/04/27 18:00
名前：
masa
初めての方は初めまして。ご存知の方はこんにちはmasaです。
トニカクカワイイは、司の正体や壮絶な過去が明らかになりましたね。
それに、由崎夫婦の初めての危機も何とか乗り越えましたね。
それを記念して?｢ハヤテのごとく!｣と｢トニカクカワイイ｣のコラボ小説を書いてみる事にしました。
最初に言いますが、｢トニカクカワイイ色｣が強めなので、ご了承を。
｢ハヤテのごとく!｣の方は細かい部分は違いますが、それは本編にて触れてます。
では本編どうぞ。
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｢だんな様の・・・バカ｣
何処にでもある様な公園の何処にでもありそうなブランコに揺られ、寂しそうに呟いている人物がいた。
彼女の名は由崎司。一見万能だが、何処か抜けている由崎ナサの妻である。
｢こんなに可愛い新妻ちゃんにこんな思いさせるなんて、本当にだんな様はバカだわ｣
司がこんなに愚痴り、寂しそうなのには勿論理由がある。
ナサが仕事の都合で一週間の出張に行ってしまい、｢スマホ禁止の職場だから｣っと言う理由でスマホを家に置いて行ってしまった。つまり、連絡手段が殆ど無いのである。
おまけに｢定期的に連絡する｣って言ってくれたのに、未だ連絡なしなのである。
｢だんな様は仕事に集中しちゃうとブレーキ壊れるからなぁ｣
前科があるだけに、司の心配は尽きなかった。
｢はあっ。寂しさや孤独には慣れてる筈なんだけどなぁ｣
こんな調子だが、実はまだ三日目なのは内緒である。
すると
｢な、なあ｣
｢ん!?｣
声をかけられた気がしたので顔をあげると、自分とさほど変わらない年頃の女性が居て
｢ああ、すまんな。だが、凄く寂しそうだったから、思わず声をかけてしまったんだ｣
｢ああ。何かごめんなさいね｣
見ず知らずの人を心配させる程の自身の雰囲気に反省しつつ
｢何でも無いわ。ありがと｣
｢・・そう見えないんだが｣
鋭い指摘に司は思わず黙り込んでしまった。
｢家に来ないか? なんか、放っておけなくてな｣
｢・・・｣
｢って、従う訳無いか。会ったばかりの人間にいきなり家に誘われて。このご時世的にな｣
申し訳無さそうな相手に司は軽くため息をつき
｢良いわ。折角のお誘いだし、お邪魔させてもらおうかしら｣
｢え!?いいのか? 私は一向にかまわないんだが｣
｢貴方は信用出来そうだもの｣
笑顔で言うと、相手もつられて笑顔になり
｢じゃあ、案内するぞ｣
相手に従い歩き始めて少ししてから
｢ああ。お互い自己紹介がまだだったな。 私は三千院ナギって言うんだ｣
｢私は由崎司よ。よろしくね｣
｢ああ｣
立ち止まって握手をしてから、再び歩き始めた。
× ×
暫く歩くと大きな屋敷にやって来て、ナギはそこへ入って行った。
｢ここが貴方の家なのね｣
｢ああ、まあな。ってか驚いて無いな。初めて家に来る大概の奴は、驚くもんだが｣
｢前にお世話になってた家も大きかったからね。流石にここほどの規模じゃ無かったけどね｣
司が説明するとナギは納得し、再び案内を始めた。
暫く歩いて居間に通され、メイド服の女性に紅茶を淹れて貰い、一息ついていると
｢差支えなければ、聞いて良いか? 何であんなに寂しそうだったのか｣
｢ん!?ああ、そうね。声をかけてもらったお礼と、美味しい紅茶のお礼に話すわ｣
そう言うと、司は左手薬指に光る指輪を見せてから
｢実は私、結婚してるの。おまけに新婚なのよ｣
｢へえ｣
｢でも、だんな様が仕事で一週間も留守にするし、｢スマホ禁止の職場だから｣って連絡の手段も限られててね。だからよ｣
司が説明するとナギは笑みを浮かべ
｢あんたの気持ち、少し分かるよ｣
｢え!?｣
｢私の場合は婚約者なんだが、同じ様に仕事で一週間も留守にするんだ。だから、寂しい気持ちは分かるよ。私も連絡の手段が限られてるし｣
ナギが言うと、司も笑みを浮かべ。
｢そう。似た者同士なのね、私達｣
｢ああ｣
お互いに笑いあい、
｢じゃ、寂しい者同士、語り合うか｣
｢そうね｣
暫く世間話に花を咲かせていると
｢おお、そうだ。あんたはゲームってするか?｣
｢え!?｣
｢ってする訳無いよな。そんなタイプには見えんし｣
申し訳なさそうにナギが言うと、
｢言っておくけどね、私とゲームで対戦しない方が良いわ｣
｢何でさ｣
｢私、強いわ。謙遜抜きにね｣
司の言葉にナギは目を光らせ
｢そんな事言うなら私だって強いぞ。何だったら、どっちが強いか決めようじゃないか｣
｢望む所よ｣
紅茶を飲み干し、ゲーム部屋に移動した。
× ×
｢今日は楽しかったわ、ありがと｣
｢私もさ｣
対戦成績は五分五分で、お互いに認め合っていた。
｢夕食までご馳走になっちゃって、悪かったかしら｣
｢気にするな。私が引き止めたようなもんだし｣
申し訳無さそうな司にナギは直ぐに言い、
｢あ、あのさ｣
｢司で良いわ。だって、友達でしょ?｣
｢じゃ、私はナギで良いよ｣
お互いの呼び方を決め、ナギは自身の連絡先を教え、司は帰路に着いた。
｢良い友達が出来たな。何とか寂しさをしのげそうだ｣
× ×
司が帰宅すると、要が出迎えてくれた。
｢何か楽しそうっすね。良い事あったんっすか?｣
｢ああ、まあな。新しい友達が出来たから、な｣
｢へえ｣
要は感心しつつ
｢そう言えば、センパイから電話あったっすよ｣
こういうと、司が一気に距離を詰めて来た。
｢何て?だんな様は何って｣
｢ち、近いっすよ。特に何も。 ｢つかっさんは?｣って聞いて来たので、｢今いないっす｣って言ったら、｢じゃあまた連絡する｣って言ってすぐ切っちゃったっす｣
｢な、なんて事｣
司はまるで｢絶対に消してはいけないセーブデータを消してしまった｣様に言い
｢私は何てバカな事を。出掛けなければだんな様と話せたのに｣
｢あの。つかっさんはスマホ持ってましたよね?何で家の銭湯に電話を?｣
｢ああ。私のスマホは今壊れてて、修理に出してるんだ。だからだよ｣
司が説明すると、要は何故かニヤニヤ顔になり
｢だから｢この世の終わりみたいな寂しそうな顔｣してたんっすね｣
要の指摘に司は真っ赤になり
｢う、うるさいな。私達は新婚で、この前ちょっとした危機を乗り越えたばかりなんだぞ。それ位の権利、あるはずだ｣
｢そうっすね〜｣
ニヤニヤと笑う要に司はそっぽを向き
｢こりゃ楽しみっすね〜。センパイが帰って来る日は私、寝ないっす｣
｢な、何もある訳無いだろ!!//////////////////////////｣
要にニヤニヤ攻撃に司はナサがいない間また間借りする事にした離れに向かった。
｢はあっ。やっぱり寂しいわね｣
入浴等を済ませ、何時もの習慣でナサの分の布団を敷いてしまい、その隣を眺めつつ呟き
｢ナサ君、早く帰って来てよ｣
ナサに｢寝つきが良い｣っと言われているが、ここ数日は寝つきが悪く、殆ど寝れていなかった。
× ×
翌日。
銭湯が定休日なので、司は離れで愛猫のトーストと遊んでいたが、やっぱり寂しく
｢・・ナギに連絡とってみるか｣
有栖川家の電話を借り、教えて貰ったばかりのナギに電話した。
『おお、司か。どうしたのだ?』
｢別に、大した用事じゃないわ。でも｣
『ああ、成程な。私もそうだし、話し相手になるか、お互いに』
その後、暫く話し込み
｢あ、長電話すると迷惑ね。もう切るわ｣
『なあ。家に泊まりに来ないか?』
｢嫌よ｣
『ええ!?』
即答した司にナギは驚いていた。
｢だんな様から電話があった時、家に居なきゃ電話に出られないわ。だから、帰って来る日まで家から出ない事にしたからよ｣
『ああ、成程な。じゃあ、良いよ』
｢ごめんなさいね、折角誘ってくれたのに｣
『気にするな。じゃ、切るぞ』
電話を切ると、視線を感じたので見ると、要がニヤニヤしており
｢センパイが帰って来るまで家から出ない、っすか｣
｢な、何だよ｣
｢いえ、別に〜｣
要はニヤニヤ顔のままで去って行った。
｢全く｣
翌日、司が番台で店番をしていると
｢よう、司｣
｢ナギ。どうしたの?｣
｢お前の事情は理解した。だから、私がこっちに泊めて貰おうと思ってな｣
ナギが言うと、司は笑みを浮かべ
｢そうして貰えると、嬉しいわ。今は奥にある離れに住んでるから｣
｢お、良いのか?じゃ、荷物取って来るよ｣
司が直ぐに肯定したので、ナギは直ぐに踵を返した。
そして数分後には大きめのバッグを持って戻って来たので、司は綾に店番を任せ(ほぼ強制的に)、離れにナギを案内した。
｢へえ。趣のある良い家だな｣
｢そうでしょ?じゃ、寛いでて。お茶を淹れるから｣
｢おお、すまんな｣
ナギは淹れて貰ったお茶を飲み
｢店番はもう良いのか?｣
｢自分の家だし、綾も文句は・・あるでしょうけど、ちゃんとする時はするでしょ｣
｢あ、っそう｣
さっき会った感じだとちゃんとし無さそうだとナギは直感していたが、敢えて言い返さなかった。
｢ところで｣
｢ん!?｣
｢なんか、やたらに懐かしい物があるな。お前のか?｣
部屋の隅に置かれたレトロゲーム機を見ながらナギが聞くと
｢ここの元々の住人の物よ。まあでも、その人は既婚者のくせに駆け落ちしたらしいから、気にしない方が良いわ｣
｢そ、そうか｣
気になるワードが司の口から出たが、ナギには受け止める器量が無いので、スルーした。
｢見ていいか?｣
｢どうぞ。押し入れにもまだまだあるし｣
ナギは子供の様にお宝ゲームの山に目を輝かせ、司はそれを微笑ましく見ていた。
すると
｢さて、司。いきなりなんだが｣
｢良いわ。決着を付けようじゃないの｣
｢望む所だ｣
ナギが言いたい事を直ぐに理解し、司は対戦を始めた。
× ×
｢いや〜っ。私は銭湯は初めてなんだが、良いもんだな｣
｢でしょ? 因みに、ここは私のだんな様が立て直したのよ｣
｢へ、へえ｣
超ドヤ顔の司にナギは呆れつつも特に言い返したりせず
｢しかし、司は料理が上手だったんだな｣
｢ええ。だんな様も｢美味しい｣って言ってくれるのよ｣
｢ああ、そう｣
また超ドヤ顔の司にナギはまた言い返さず
｢じゃ、もう寝るか。遅いし｣
｢そうね｣
ナギはナサが使ってた布団を借り、
｢普段はこうして一緒に寝てるのか?お前の旦那と｣
｢ええ、そうよ。今日は久々にちゃんと寝れそうよ｣
｢・・私もさ｣
とは言った物の、ナギは直ぐには寝付けず、寝返りを打ちつつ眠りに入ろうとした。
すると
｢(司って、寝相が悪かったのか)｣
布団が乱れ、パジャマも多少は乱れていたので、ナギは溜息をつきつつ治してあげ
｢(やれやれ。こいつの旦那の苦労が浮かぶよ)｣
そう思い、眠りの世界に旅立った。
翌日。
今日は要が学校休みなので、朝から語り合っていた。
すると
｢ところで。ナギは映画とか見るの?｣
｢ん!? まあ、色々とな。アニメから邦画、色々とな｣
｢へえ。具体的には!?｣
身を乗り出してきた司にナギは身動ぎつつ、自身のお薦めを話した。
｢分かってるじゃない、ナギ。やっぱり私達、気が合うのね｣
｢ああ。お、そうだ。 私のお薦め、一緒に見ないか?使用人に持ってこさせるし｣
｢良いわね。私のお薦めも紹介したいし｣
ナギが電話すると、三千院家の使用人が直ぐに色々と持って来てくれて、2人で色々と見た。
その後、お薦め作品について語り合った。
× ×
その後、ナギも司も寂しさを忘れ、楽しい日々を送った。
ゲーム対決には綾も参戦し、千歳やシャーロット・アウロラとも交流を深めた。
｢お互いの伴侶は明日帰って来るか｣
｢ええ、そうね。ナギのお陰で耐えられたわ｣
｢例を言うのは私もだよ｣
お互いに笑顔を向けあっていたが、人間というのは些細な事で大なり小なり争いは起こる物である。
それはナギが何気なく言った事を発端とした。
｢ところで。司のだんな様って、どんな人なのだ｣
｢・・何で聞くのかしら?｣
｢な、何でって｣
司の雰囲気が変わった事に驚きつつ
｢今迄散々自慢して来たし、どんな人なのかな〜って、純粋な興味だよ｣
｢・・そう｣
｢出来れば紹介してほしんだが｣
｢嫌よ｣
喰い気味に拒否してきた司に驚き
｢な、何で｣
｢だんな様は宇宙一かっこいいもの。ナギが惚れちゃったら、嫌だもの｣
氷の様にクールに言う司にナギは
｢いや、私には婚約者が｣
｢作者さんの好きなスカッとする話に、そう言う話があるからよ。婚約者がいるくせに人の旦那に惚れ、寝取ろうとしたってね｣
司はこう言い、更に
｢だんな様が浮気とかするような人じゃないって信じてるけど、何があるか分からないじゃない?ナギがだんな様に惚れない保証は無い訳だし｣
｢あのなあ。 私は婚約者一筋だぞ。無いって｣
｢兎も角嫌なの。だから紹介しないわ｣
頑なな司にナギは溜息をついた。
｢じゃあ、ナギの婚約者を紹介してよ｣
｢嫌なのだ｣
｢・・何で?｣
即答したナギに司が聞くと
｢理由はお前と一緒だ。私の婚約者は宇宙一かっこいい。あいつがそんな奴じゃないって分かり切っているが、司が惚れてしまう可能性が0.1％でもある限り、紹介しない｣
｢私はだんな様一筋よ。別にいいじゃない｣
｢嫌なものは嫌なのだ。紹介は絶対にしない｣
お互い頑ななので、お互い諦め
｢ま、喧嘩は止めてこれからも仲良くしような｣
｢ええ、勿論｣
× ×
翌日、ナギの婚約者こと綾崎ハヤテは帰って来た。
｢僕が居ない間、何かあった?｣
｢いや、特には無いよ。強いて言うなら新しい友達が出来たよ｣
ナギが言うと、ハヤテは笑みを浮かべ
｢ナギの新しい友達って、どんな人なの?｣
｢ん!? そうだな。 私と同じオタクで、見た目は何となくヒナギクに似てるかな｣
｢へえ｣
ハヤテは感心しつつ
｢会ってみたいな、そのお友達に｣
その瞬間、ナギは不機嫌になり
｢何で、なのだ｣
｢な、何でって。ただ単に挨拶したいだけだよ。ナギの婚約者として｣
｢駄目だ｣
否定の意見を言われ、ハヤテが驚いていると
｢理由は言わん。だが、｢偶々街中で会った｣程度ならいいが、私自ら率先して紹介はしないよ｣
｢あ、あっそう｣
ナギの頑固さを知っているので、食い下がっても無駄なのも分かっているので、これ以上は言及しなかった。
その日の夜
｢ハヤテ、今日は一緒に風呂に入らないか?｣
｢へ!?ま、まあいいけど。何で｣
｢・・寂しかったから｣
モジモジと言うナギにハヤテは溜息をつき
｢じゃ、一緒に入ろっか｣
｢ああ｣
2人は一緒にお風呂に入り、一緒に寝る事にもした。
｢ハヤテ、出張は程々にしろよ。未来の妻である私をあまり寂しがらせるなよ｣
｢分かってるよ｣
そう言うと自然にキスし、眠りについた。
因みに、由崎夫婦もほぼ同じ事をしており、翌朝要に問い詰められる羽目になったそうだ。
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以上です。
いかがでした?一応なコラボ小説は。
納得が行かなかった方はすみません。
では。
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