この作品のあらすじ
トップページ > 記事閲覧
ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間
日時: 2010/02/11 15:22
名前: SORA

SKYWIND第3章突入ーーーーーー!!というわけで・・・この4人にタイトルコール言ってもらいましょう!


空「さぁ!始まるざますよ!」

ハヤテ「行くでガンス」

刹那「ふんがー!」

姫神「マジメに始めろ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第3章プロローグ[やっとけ!初デート]

表紙:ベッドで爆睡の空


第3回執事バトル大会翌日の三千院家の一室・・・


空「・・・ふみ・・・」

現在の時刻は現在の時刻はAM8:29。学校は休みだが、空にしては寝坊もいいとこである。


空「・・・んあ・・・」

起きる気配まったく無し。しょうがない・・・起こすか・・・


ドタドタドタドタドタ・・・・!

空「・・・んあ?」



ナギ「おっはよー、空!!」

勢いよく開いたドアと共に、ナギが爽やかな笑顔で入ってきた。

空「・・・ほへ?おじょーさま・・・きょーははやいっすね・・・」

ナギ「速いに決まっているだろうが!さぁ、速く起きろ!そして着替えろ!」

空「ほぇ・・・すんません・・・もーちょっとでいいんでねかせてもらえませんかね・・・?
なんかもー、さっきから羽毛布団女王陛下との蜜月が、もう・・・」

ナギ「寝ぼけてる暇があるのなら、起きろ!」

そう言い、強引に空の布団を剥ぐナギ。

空「はうっ・・・」

ナギ「まったく・・・今日は私とデートの約束だろう?」

空「・・・でーと・・・?」

そこまで聞いた瞬間、空の脳裏に一つの会話が流れる。









ナギ「じゃ・・・じゃあ・・・埋め合わせって言うなら・・・/////」

空「はい」

ナギ「・・・デ・・・/////」

空「デ?」

ナギ「・・・デート・・・一回・・・/////」








空「・・・あー・・・そういやしてましたね、そんな約束・・・」

ナギ「なっ!忘れてたのか!?」

空「いえいえ、そういうわけではなく・・・」

ナギ「・・・まぁいい。私は部屋で待ってるから、着替え終わったら、私の部屋に来い。
あ。それと、ちゃんと私服で来いよ?もし執事服だったりしたら・・・・地獄を見せてやる」

そう言い捨て、ナギは部屋を出て行った。

空「・・・ふぁ・・・あ〜あ・・・・・まふぅ・・・」

その時の空の仕草は、そこら辺の小動物より可愛かったという(ナギ談)

























空「くぁ・・・・はふぅ・・・」

ナギ「・・・お前はどれだけ寝不足だったのだ?」

街中を歩きながら、ナギが空に訪ねる。

空「いや・・・・寝不足ってわけじゃ・・・ただ昨日、物凄く疲れたんで・・・」

ナギ「・・・ああ・・・そう言えば、そうだな・・・」

空「おかげで、眠いったらないすよ、もう・・・」

ナギ「ふぅ・・・それで?」

空「へ?」

ナギ「デートって行っても、どこに行くのだ?」

空「・・・お嬢様、決めてるんじゃないんですか?」

ナギ「そんなわけないだろう。私はてっきり、お前が既に予定を決めているのだと・・・」

空「昨日の今日で、疲労困憊の俺に決めれるわけないじゃないですか」

ナギ「むっ・・・それもそうか・・・って!じゃあ、どうするのだ!」

空「そう言われましても・・・」

2人が立ち往生していると・・・


「ほらほら!速く来なよ、雌龍(しりゅう)君!」

空・ナギ「ん?」

「西沢。俺が低血圧だという事を忘れたか?」

「わかってるって!だから、こうして私がリードしてるんじゃないかな!?」

「すまん。これはもう、迷惑以外の何者でもない」

空「あれって、確か・・・」

歩「ん?あっ、ナギちゃん。それに確か・・・早乙女君だったかな?」

空「どうも」

ナギ「お前は何をしているのだ?こんな所で」

歩「なんだっていいでしょ!悪いけど、私達は急いでるの!」

ナギ「・・・デートか?ハムスターのクセに」

歩「ぬっ!うるさーい!ハムスターって言うな!」

空「・・・・」

ナギ「?空?」

空「・・・あんた・・・」

「ん?」

空「・・・・」

歩「え・・・と・・・雌龍君?この子と知り合い・・・?」

雌龍「・・・・」

空「・・・あんた・・・まさか・・・!」

ナギ「・・・空?」

空「・・・うえっ・・・!」

瞬間、空の目から突然涙が溢れ出た。

ナギ・歩「ええっ!?」

空「うっ・・うぅ・・・」

ナギ「そ・・・空?おま、何を泣いて・・・」

空「・・・い・・の・・・」

雌龍「・・・・」

ナギ「ちょ・・・え?」

空「にい・・・ん・・・」

歩「え・・・あ・・・あれ?」

空「・・・!」

そして、空は雌龍と呼ばれた男をにらみつけ・・・


空「兄さんの・・・・・・バカァアアアアアアアアアアアア!!!!」


バッキィィ!!

雌龍「がふぅっ!?」

全力でぶん殴った。














































歩「・・・え〜と・・・話を整理すると・・・」

ナギ「ハムスターと一緒にいたそいつは、昔死んだと思われてた空の兄貴で・・・」

歩「偶然再会したから、思わず殴っちゃったと・・・」

空「・・・兄さんが悪いんだ。生きてるなら生きてるって、もっと速く教えてくれればよかったのに・・・」

大地「・・・すまん」

空「・・・まぁ、いいけど」

歩「それにしても・・・ちょっと意外だったな。雌龍君と早乙女君が兄弟だったなんて」

ナギ「でも、名字違うな。なんでだ?」

大地「雌龍ってのは、お袋の旧姓だ。早乙女って名乗るのも、なんかあれだったからな・・・」

空「・・・・」

大地「?・・・どうした?」

空「・・・父さんや母さん達には会いに行かないのかな〜・・・と思ってさ」

大地「・・・もう行ったよ」

空「え?そうなの?」

大地「ああ」

空「・・それで・・・どうなったんだ?」

大地「全員に一発ずつ殴られた」

空・ナギ・歩(うわぁ〜お・・・)

大地「まぁでも・・・あれで良かったのかもな・・・」

空「・・・そっか・・・」

大地「それより、お前等は何をしていたんだ?」

空「へ!?それは・・・その・・・」

ナギ「・・・・」

大地「・・・ま。大方、遊びに出かけたはいいけど、どこに行けばいいのかわからなくなったってとこだろ?」

空・ナギ「うっ・・・」

大地「まったく・・・だったら、ほれ」

そう言い、大地は空に何かのチケットを渡す。

空「これは・・・」

大地「最近オープンした、テーマパークのチケットだ。暇なら2人で行ってこい」

空「でも・・いいのか?こんなの・・・」

大地「ああ」

ナギ「・・・だったら、遠慮なくもらっていくぞ」

空「サンキュー、兄さん」

そう言い、2人はそのテーマパークへと向かった。


大地「・・・さ。俺達も行こうぜ」

歩「・・・・」

大地「?・・・どうした?」

歩「・・・なんで、あんなチケット持ってる事黙ってたのかな?」

大地「言う理由がなかったからな」

歩「もー!」

大地「はっはっは。怒るな怒るな」




































ナギ「・・・ここか?」

空「・・・みたいですね」

2人は、かなりの規模の大型テーマパークの入場口前に立っていた。

ナギ「・・・・」

空「さてと・・・それじゃ、混んでこない内に入りましょうか」

ナギ「ああ。だが、その前に・・・」

空「?」

ナギ「人が多すぎる。なんとかしてくれ」

空「我慢してください」

何とかナギをなだめ、テーマパーク内に入る2人。



ナギ「おおー!すごいな!中はこのようになっているのか!」

空「お嬢様。あんま離れないでくださいよ?」

ナギ「むっ・・・わかってるよ・・・」

空「ふぅ・・・・それじゃ。まずは、あれに乗りましょうか」

まずは、普通のアトラクションを指差す空。

ナギ「あれか・・・よし、行こう」


その後も、ジェットコースターやらフリーフォールなど、色々乗っては絶叫した2人。




ナギ「はむっ」

そんなこんなで、現在昼食タイム。

テーマパーク内にあったファーストフード店で腹ごしらえしているとこである。

空「あぐっ・・・む。結構うまいな・・・」

ナギ「むぐむぐ・・・」

空「・・・お嬢様、あまりこういうの食べないから、新鮮に感じるでしょ?」」

ナギ「むっ・・・まぁ、そうだな・・・」

空「・・・フフッ・・・はぐっ」

ナギ「はむっ・・・むぐっ・・・」

空「・・・お嬢様。そんなにがっつかなくてもハンバーガーは逃げません」

ナギ「むっ・・・////」

空「ははっ」

ナギ(くっ・・・悔しい・・・空のクセに・・・こうなったら・・・)

空「むぐむぐ・・・」

ナギ「・・・空。頬についてるぞ」

空「む?」

と、空が顔を上げた瞬間・・・













































ぺろっ


空「!!?///////////」

ナギが、空の頬についていたハンバーガーのタレを舐め取った。


空「なっ、ななななななななななななななななな!!///////」

ナギ「・・・・どうした?/////」

空「・・・いえ・・・なんでも・・・/////」

そう言い、静かに座りなおす空。

ナギ「・・・・//////」←自分でやっておいて、恥ずかしくなってきた。

空「・・・・///////」




(クッソォォォォォォ!!なんだよその、初々しさ抜群のやりとりはぁぁぁぁ!!)

ツッコむ人がいなかったので、ファーストフード店店長(♂43歳独身)にツッコんでもらいました。












その後も、色々なアトラクションに乗った2人・・・

気づけば、あたりはすっかり暗くなっていた。



ナギ「ん〜・・・はぁっ。楽しいな、こういうのも」

空「そうっすね・・・」

ナギ「・・・なぁ、空」

空「はい?」

ナギ「最後は・・・あれに乗らないか?」

そう言い、すぐ傍にある観覧車を指差すナギ。

空「・・・いいですね。乗りましょうか」

ナギ「うむっ!」






























ナギ「・・・おお・・・」

空「・・・・」

観覧車から見る外の景色は、かつてないほどに幻想的だった。

空「・・・綺麗ですね・・・」

ナギ「ああ・・・そうだな・・・」

今2人は、隣同士で座っている状態である。

空「・・・お嬢様・・・今日、楽しかったですか?」

ナギ「え・・・?」

空「ほら・・・お嬢様って・・・あんまり外に出ないから・・・もしかしたら・・・」

ナギ「・・・」

ナギはゆっくりとかぶりを振った。

ナギ「そんな事はない。楽しかったぞ?」

空「・・・本当ですか?」

ナギ「ああ。お前のおかげだ」

空「え?」

ナギ「・・・ハヤテや姫神が執事だった頃とは違う・・・歳の近い奴・・・伊澄や咲とは違う感じでさ・・・
なんか、こう・・・・胸の辺りがポワポワしてて・・・すごく楽しかった」

空「お嬢様・・・」

ナギ「・・・だから・・・お前のおかげなんだ・・・こんなに・・・毎日が楽しいって思えるのって・・・」

空「・・・・」

ナギ「・・・・」

空「・・・俺も・・・毎日・・・楽しいです・・・お嬢様や・・・みんながいるから・・・」

ナギ「・・・空・・・」

空「・・・・」

ナギ「・・・・」


やがて、ナギが少しずつ空の顔に自分の顔を近づけ、眼を閉じる。

空「・・・!」

それを見た空も、目を閉じ、少しずつナギに顔を近づけていく。

空「・・・・」

ナギ「・・・・」






やがて、2人の唇は・・・・









































































ガシャンッ!!

空・ナギ「!?///////」


重ならなかった。


空「・・・な、なんだ・・・?」


『申し訳ありません。メンテナンスのため、少しの間、運転を停止します。まことに申し訳ありません』



空「・・・は・・ははっ・・なんだよ・・・//////」

ナギ「・・・・//////」




やがて、メンテナンスも終わり、観覧車から降りた2人。


空「ふ〜・・・ビックリしましたね、いきなり止まった時」

ナギ「・・・」

空「・・・お嬢様?」

ナギ「・・・空・・・さっき、観覧車で・・・」

空「・・・・」

ナギ「・・・・あれって・・・もしかして・・・」

空「お嬢様」

ナギ「え?」

そうして、ナギが顔を上げた瞬間・・・














































ちゅっ

ナギ「・・・・・」

空が、ナギの頬にキスをした。

空「・・・・」

ナギ「・・・な・・・お・・お前・・・!/////」

空「・・・昼飯の時の仕返しです」

ナギ「・・・!!」

空「・・・・さ。速く帰りましょう」

そう言い、歩き始める空。

ナギ「・・・空!」

空「?・・・はい」

ナギ「・・・お前・・・・お前は・・・いなくなったりしないよな?」

空「え・・・・」

ナギ「お前だけは・・・私の傍にいてくれるよな・・・・ずっと・・・ずっと・・・!」

空「お嬢様・・・」

ナギ「・・・なぁ・・・空・・・」

空「・・・何、わかりきった事を・・・」

そう言うと、空はナギに歩み寄り、そっとナギを抱きしめる。

ナギ「・・・!////」

空「・・・言ったでしょう?何があろうと・・・俺はお嬢様から離れないと・・・」

ナギ「・・・空・・・」

空「・・・守り続けます・・・俺が・・・いつまでも・・・・」

ナギ「・・・そう・・・だよな・・・」

空「・・・・」

ナギ「・・・ありがとう・・・空・・・」

空「・・・いえ・・・」

そして、ナギは空の前に立つ。

空「・・・?」

ナギ「・・・空・・・私とお前は・・・・ずっと一緒だ」

空「・・・・はい・・・・お嬢様・・・・」

ナギ「・・・・・」

空「・・・ずっと・・・一緒です・・・」















マリア「あら。お帰りなさい、2人とも」

ナギ「うむ。ただいまだ、マリア」

空「ただいま帰りました」

マリア「どうでした?早乙女君とのデートの感想は」

ナギ「・・・今までで一番楽しかったかも知れんな」

マリア「あら、以外」

ナギ「ふっふ〜ん、私ももう、大人だからな」

マリア「はいはい」

などと話していると・・・

空「お嬢様」

ナギ「ん?何だ、空?」

空「いやですね、今日、お嬢様が髪下ろしてるとこ見て思ったんですけど・・・」

ナギ「?」

空「・・・お嬢様って・・・ツインテールよりストレートの方が可愛いと思いますよ?」

ナギ「んなっ!?///////」

空「いやいや、冗談抜きで・・・ってあれ?お嬢様、顔が赤いですけど・・・」

ナギ「はぇっ!?みっ、見るなバカァァァァァァ!!/////////」


ドゴォッ!

空「がふぅっ!」

空の鳩尾に一撃を叩き込んだナギは、そのまま逃げるように部屋へと入っていった。











そして、翌朝・・・

空「さて、と・・・今日からまた、執事としてがんばりますか」

そう言い、空は部屋を出る。

ハヤテ「あ、おはよう、空」

空「おう、おはようさん、ハヤテ」

ハヤテ「あ・・・そう言えば、なんか三千院さんが髪形変えてたけど・・・」

空「え?」

ハヤテ「何かあったのかな・・・」

空「・・・・俺、ちょっと行ってみるわ」

ハヤテ「え?空?」

そのまま、ナギの部屋に向かう空。


マリア「ナギ・・どうしたんですか?いきなり」

ナギ「なんだっていいだろ。私だって髪形を変えたい時だってあるのだ」

マリア「けど・・・」

中からは、そんな感じの声が聞こえてきた。

空「・・・お嬢様。空です、入ってもよろしいでしょうか?」

ナギ「ん?あぁ、別にいいぞ」

空「・・・失礼します」

そう言い、部屋に入る空。その時、空の目に飛び込んできたのは・・・・




ナギ「・・・なんだ?」

髪をほんの少しだけ切り、ツインテールではなく、ストレートヘアにしたナギの姿だった。

空「・・・・」

マリア「・・・・」

横では、マリアが苦笑していた

ナギ「・・・勘違いするなよ?これは、その・・・・単なるイメチェンだ」

空「・・・・ははっ・・・・」

その光景に、空も思わず苦笑してしまった。











































































十六夜の復活まで、残り7日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうも。第3章第1話目終了です。如何だったでしょうか?デートパートって上手く書けない・・・
皆様的にはどうでした?なにかあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください

Page: 1 |

Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 ( No.1 )
日時: 2010/02/11 15:28
名前: 武蔵


第三章これからもがんばってください
 とっても応援しています
  なのでこれからもがんばってください
  お体に気をつけて頑張ってください☆
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 ( No.2 )
日時: 2010/02/11 16:52
名前: 咲雷


二章完結&三章突入おめでとうございます。

どうも、咲雷です。

タイトルコールのつっこみが姫神で来るとは思わなかったので

思わず笑ってしまいました。

そして、空とナギのデート

と、思ったら西沢さんに遭遇。

しかも、相手が死んだと思われた空のお兄さんだとは。

そして、空とナギはテーマパークへ。

ものすごいラブラブっぷりですね。

もし相手がハヤテならこうはならないでしょうね。

そして、ナギが髪型をチェンジ。

すごいですね空は。

ところで、ハヤテは執事になったのにナギのことを

お嬢様と呼ばないのですか?

長くなってしまいましたが、三章も頑張って下さい。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 ( No.3 )
日時: 2010/02/11 19:35
名前: SORA

どうもです。早くも2名の方からコメが!早速レス返しへGO!


武蔵さん・・・

>第三章これからもがんばってください
とっても応援しています

ありがとうございます。がんばります。


咲雷さん・・・

>二章完結&三章突入おめでとうございます。

ありがとうございます!第2章の終盤からお世話になってます!



>タイトルコールの突っ込みで姫神が来るとは思わなかったので
思わず笑ってしまいました。

・・・あれは別に、笑いをとるためにやったつもりはなかったんですが・・・
どうやら咲雷さんには、ウケたようですね(笑)


>そして、空とナギのデート
と、思ったら西沢さんに遭遇。
しかも、相手が死んだと思われた空のお兄さんだとは。

フッフッフ・・・空の兄の登場も、立派な伏線なのだよ・・・


>そして、空とナギはテーマパークへ。
ものすごいラブラブっぷりですね。

そうですね。ですが、空とナギは、互いに惹かれあってるのに、いまいち押しが弱いんですよ。


>もし相手がハヤテならこうはならないでしょうね。

ハヤテは健全ですから(笑)


>そして、ナギが髪型をチェンジ。
すごいですね、空は。

空にとっては、あの一言は無意識も同然なんですよ。思った事をそのまま言っただけなんで。


>ところで、ハヤテは執事になったのにナギのことを
お嬢様と呼ばないのですか?

これはですね・・・ハヤテは執事になったわけではないんですよ。ええ。
また三千院家で暮らすようになったってだけで、執事に戻ったわけではありません。


武蔵さんも咲雷さんもコメをありがとうございました。それでは、本編をどうぞ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第158話[ザキ君の誕生日]


刹那「ハァ・・・ハァ・・・」

7月6日の早朝、刹那は日課のジョギングをこなし家に入るところだった。

刹那「ハァ・・・ハァ・・・ふぅ・・・」

一息つき、家に入ろうとすると・・・

「あれ、刹那君?」

刹那「え?」

声がしたほうを向くと、そこにはヒナギクがいた。

刹那「ヒッ・・・ヒナギク・・・さん・・・?//////」

ヒナギク「どうしたの?こんな朝早く・・・」

刹那「へっ!?あ、いや・・・ジョ、ジョギングの帰りでして・・・」

ヒナギク「あ、そうだったんだ。言ってくれれば、私も付き合ったのに」

刹那「あ、いえ・・・別に気を使う必要は・・・//////」

ヒナギク「?・・・刹那君、どうしたの?顔、赤いけど・・・」

刹那「はへっ!?き、気のせいです!//////」

ヒナギク「あ。ちょっと、動かないでよ」

そう言うと、ヒナギクは自分の手を刹那の額に当てる。

刹那「!!?/////////」

嫌が上にも刹那の鼓動は高まる。

ヒナギク「う〜ん・・・やっぱり、少し熱が・・・」

刹那「気のせいです!!///////」

そう言うと、刹那は逃げるように家の中に飛び込んだ。

ヒナギク「あっ、ちょっと・・・なんなのよ、もぉ・・・」

・・・ハヤテの事鈍感って言う資格、あんたに無いよね。




刹那「ハァ・・・ハァ・・・・////////」

家の中に飛び込んだ刹那は、早まった鼓動を必死に落ち着けていた。

刹那「・・・・やっべ〜・・・・ガチじゃねぇかよ、俺・・・・//////」

そう言い、床に座り込む。

刹那「・・・俺・・・マジでヒナギクさんに・・・・////////」






























その後、白皇学院3年1組・・・・


刹那「・・・ふ〜・・・」

と、刹那が教室で沈んでいると・・・

「ふぁい!どうかしましたか、ザキ君!」

突如、威勢のいい声が。

刹那「んあ?」

顔を上げると、そこには白皇学院生徒会長、日比野 文が立っていた。

刹那「ああ、文か。なんでもねぇよ」

文「嘘です!文の「面白そうな事、探しまレーダー」がビンビンしてるんですから間違い無しです!」

刹那「何が間違い無いんだよ」

文「そんな事よりもなんですかその、近所に住んでる年上で自分が密かに想いを寄せている女性と
偶然ジョギングの帰りにバッタリ会ってしまって、熱でも測るかのようにその女性の手が自分のおでこにくっつけられてしまって、
そのまま逃げるように家に飛び込んでしまって、その時の事が今になって
物凄く恥ずかしくなってしまったかのような落ち込みっぷりは!」

刹那「お前見てたろ。絶対、あの時間にあの場所にいただろ」

文「人聞きの悪い事を言わないでください、ザキ君!文はただ、
早くに目が覚めてしまったので散歩ついでにザキ君をからかいに行こうと思ったら、
偶然ザキ君と桂さんがいい雰囲気になっている所を通りがかっただけですから!」

刹那「やっぱ見てたんじゃねぇか!てか確信犯だろ、テメェ!」

文「はっ!なぜそれを!?まさか、ザキ君とテレパシー開眼・・・!?」

刹那「勝手に人に超能力を押し付けるな・・・」

そんな事をしていると・・・

ぽかっ

文「あうっ!」

「文ちゃん、いい加減にしなさい」

文「あぅ〜・・・痛いです、シャルナちゃん・・・」

そこには、白皇学院副会長、シャルナ・アーラムギルが拳を構えて立っていた。

刹那「ハァ・・・助かったよ、シャルナ。こいつは、一度調子に乗ると手が付けられねぇから」

シャルナ「いえ、別にいいのよ、刹那君。それよりも、聞きたい事があるのだけど」

刹那「?なんだ?」

シャルナ「明日、あなたの誕生日だそうね」

刹那「・・・あぁ・・・そういや、そうだったな」

そう。この日の日付は7月6日。刹那の誕生日である7月7日はもう翌日に迫っていた。

刹那「それで?なんで、俺の誕生日なんか確認するんだ?」

シャルナ「ええ。クラスメイトのよしみって事で、私達から何かプレゼントをと思って」

刹那「え?いいのか?」

シャルナ「ええ。あなたには、生徒会役員でもないのに、色々と助けてもらってるから、そのお礼も兼ねて」

刹那「そうなのか・・・別に気を使わなくてもいいんだけど・・・そういう事ならありがたく受け取るよ」

そう言い、笑いかける刹那。

シャルナ「うっ・・・ま、まぁ・・・そういう事ですから、何か欲しい物を・・・//////」

文「シャルナちゃん、顔赤いです」

シャルナ「・・・・ぷちっ」


ぽかぽかぽか ぺくっ


文「はうぅ・・・・」

シャルナ「こほっ・・・それで?欲しい物は?」

刹那「ん〜・・・欲しい物って言われてもな・・・・まぁ、シャルナのセンスに任せるよ」

シャルナ「そう。それじゃあ、期待しててね」

刹那「おう。期待させてもらうぞ〜」

文「文からも何か、気の利いた物をプレゼントしまっす!」

刹那「おう。サンキューな」








そんな時間と並行し、空達、2年4組では・・・


空「・・・てなわけで・・・俺達も刹那に誕生日プレゼントを渡そうと思うのだが・・・」

海「・・・・」

椿「・・・・」

空・海・椿の3人が一斉に陸の方を見る。

椿「・・・とりあえず・・・」

海「まずはさ〜・・・」



































空「皐月。甘えたい気持ちもわかるが、とりあえず陸から離れようか」

陸の方を見ると、陸に後ろから抱きつき、猫のように甘えている皐月の姿があった。

陸「・・・だ、そうだけど?」

皐月「却下。あたしはここがいいんだも〜ん・・・」

陸「・・・だ、そうだけど?」

空「ハァ・・・ったくよ・・・いくら頼まれてた仕事が終わって、陸と思う存分いちゃつけるからって学校でまでいちゃつくなよな」

皐月「独り身の寂しい男に言われたくな〜い」

空「なっ!」

海・椿「ぶふっ・・・!」

空「笑ってんな、そこ!」

海「いや・・・すまん・・・」

空「ていうか、日向!お前、生徒会だろ!こういう連中を注意するのが普通なんじゃね!?」

日向「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて地獄に堕ちるって言葉、知らねぇのか?」

空「何言ってんだよ。恋路も何も、初恋真っ只中のお前が・・・」


(空、日向退場)


日向「・・・貴様、どこでそれを知った/////」

空「見てればわかる。いやでもな」

日向「・・・誰にも言うなよ?特にあの、関西女には」

空「え〜?どうしよっかな〜?」

日向「もし誰かに喋ったら・・・」

空「喋ったら?」

日向「・・・お前のお嬢様に、お前の服と同じサイズのゴスロリ服とお前の女装写真(アゲハver)を大量に送りつけてやる」

空「オーケー、取引成立だ」

日向「ったく・・・」

空「ていうか・・・なんでそんなに知られたくないんだ?咲夜さんならまだしも、ほかの連中にまで・・・」

日向「・・・いつもの、俺達のやり取りを思い出せ」

空「・・・ああ・・・お前と咲夜さん、いっつも罵りあってんもんな・・・」

日向「・・・・そういう事だ」

空「・・・咲夜さんも、お前に気があるとは思うけどな・・・」

日向「バカ言うな。んなわけ、あるか」









咲夜「ふあ・・・あ〜あ・・・なんやろなぁ・・・」

椿「どうしたの、咲夜ちゃん?」

咲夜「ん〜?いや、別に・・・ただ・・・九条と喧嘩してへんと、退屈やなぁ、思うて・・・」

椿「・・・へぇ・・・」

咲夜「・・・なっ・・・なんや、その眼は・・・」

椿「・・・ここだけの話さ・・・」

咲夜「・・・なんや?」

椿「咲夜ちゃんって・・・日向の事、好きでしょ?」

咲夜「んな!/////」

椿「やっぱり」

咲夜「あ、アホな事ぬかすなや!誰があないな貧乏人・・・!」

日向「貧乏人で悪かったな、こんちくしょう!!」

瞬間、日向がドアを勢いよく開けて入ってきた。

咲夜「・・・・!」

その瞬間、咲夜の表情が一瞬だけ明るくなったのを、空と椿は見逃さなかった。

咲夜「・・・なんやねん!貧乏人を貧乏人て呼んで、何が悪いねん、貧乏人!」

日向「テメ、ちょっと金持ちだからってあんま調子にのんなよ、似非関西人が!」

咲夜「なんやとぉ!?」



海「・・・お似合いだよな、あの2人」

空「いやもう、ホントに」

この2人の言い争いは、雪路が来るまで続いたという。






































空「ただいま帰りました〜」

帰ってきた報告をし、荷物を部屋に置いてナギがいるであろう部屋に向かう空。

空「お嬢様、空です。入っても・・・」

そこまで言った瞬間・・・


ハヤテ「ちょっ・・・ダメですよ、2人とも・・・そんなもの、僕は・・・!」

ナギ「フッフッフッ・・・よいではないか、よいではないか・・・」

マリア「そうですわ、ハヤテ君。2年前に戻ったと思って・・・さぁ・・・♪」

ハヤテ「いや、だからダメですって・・・!」


空「・・・?失礼しま・・・」

そう言い、ドアを開けた空の目に飛び込んできたのは・・・・

空「・・・・・」


























































































バタン

姫神「ふぅ・・・」

ドアを閉め、姫神がトイレから出てきた。

そのまま、ナギ達がいる部屋へと向かうと・・・

姫神「ん?」

空「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツ・・・・・・・」

壁に体育座りで寄りかかりながら、何やら言っている空の姿があった。

姫神「・・・早乙女?」

そうして、空の言葉に耳を傾けると・・・

空「フフフフ・・・・落ち着け・・・落ち着くんだ、俺・・・・いいか・・・ハヤテは男なんだ・・
ハヤテは男・・・ハヤテは男・・・ハヤテは男・・・ハヤテは男・・・・・・!」

姫神「・・・?」

頭に疑問符を浮かべながらドアを開ける姫神。

姫神「おい。今部屋の外で、早乙女が自己暗示を・・・・・あぁ、そういう事か」

部屋に入った姫神が見たもの、それは・・・・・

























































ハヤテ「うっ・・・うぅぅ・・・」

ナギ「ほほぅ・・・体格が良くなったハヤテがやるというのも、なかなか・・・」

マリア「これはこれでありかもしれませんわね♪」

完全にナギとマリアに着せ替え人形にされてるハヤテの姿だった。

姫神「まったく・・・いい趣味してるな、お前等」

ナギ「おお、姫神。どうだ?このハヤテは」

姫神「・・・ノーコメント」

マリア「どうしてですか!?こんなに可愛いのに!」

姫神「・・・ノーコメント」

ナギ「まったく・・・面白くない奴だな」

姫神「ていうか、ナギ」

ナギ「ん?」

姫神「綾崎の女装を見て、早乙女がそっちの道に走りかけているが止めなくていいのか?」

見ると、飢えた狼のような目でハヤテを凝視している空の姿があった

ナギ「うわああああ!待ってくれ、空!お前はそっちに堕ちてはいかん!」

その後、ナギの懸命な処置のおかげでなんとか自我を保つ事に成功した空だった。







ナギ「あ〜・・・ごほん。それで?話とは何だ、空?」

空「ええ。刹那の事なんですけど・・・」

ハヤテ「刹那?」

空「ああ。あいつ、明日誕生日らしいから、なんか気の利いたものでもと思ってさ。
幸い明日は、白皇五つの伝統行事、「七夕祭り祭り」があるって、日向が言ってたし」

姫神「七夕祭り祭りね・・・」

ナギ「ん〜・・・まぁ、私は別に構わんのだが・・・」

空「?」

ナギ「お前・・・プレゼントを買うだけの金があるのか?」

空「・・・・」

ナギ「・・・・」

空「・・・・いっけね」

ナギ「無いんかい!」




















































その日の夜・・・・

刹那「ふぁ・・・あ〜あ・・・」

自室で勉強中の刹那。

刹那「・・・ふぅ・・・明日は俺の誕生日・・・か・・・誰かから祝ってもらうのって、久しぶりだな・・・」

そう言いつつ、勉強を続ける刹那。すると・・・


コンコン
何かが窓を叩く音が。

刹那「ん?」

椅子から立ち上がり、窓を開ける刹那。そこには・・・

ヒナギク「こんばんは」

刹那「ヒナギクさん・・・」

ヒナギク「聞いたわよ。明日、誕生日なんだって?」

刹那「え?ええ・・・まぁ・・・」

ヒナギク「それじゃあ・・・私からも、なにかプレゼント贈りたいんだけど」

刹那「・・・いいんですか?」

ヒナギク「当たり前じゃない。私の誕生日の時のお礼するなら、今だしね♪」

刹那「・・・ははっ・・・ありがとうございます・・・」

ヒナギク「どういたしまして」

刹那「・・・それじゃ・・・楽しみにしてますから」

ヒナギク「うん。おやすみ」

刹那「あ、はい。おやすみなさい」








神崎 刹那・・・もうすぐ18歳・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第158話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 ( No.4 )
日時: 2010/02/12 20:14
名前: SORA

第159話[七夕祭り祭り]

表紙:物思いにふける刹那


刹那「くぁ・・・・はふぅ・・・」

今日は7月7日。この日は、白皇5つの伝統行事、「七夕祭り祭り」と並行して、
刹那の誕生日会が開かれる予定である。

刹那「ったく・・・文の奴、なにが「今日の夜7時、白皇の隅っこにある会場まで来てください!」だよ・・・」

そう言いながら白皇に向かう刹那。現在の時刻はPM6:52。刹那の家から白皇まではだいたい1〜20分。
そして、白皇は既に目と鼻の先であった。

刹那「会場って・・・なにするつもりなんだ・・・?」

そんな事を言いつつ、校門まで移動すると・・・

刹那「・・・・なんじゃこりゃあ・・・・」

校門から続く道には所狭しと出店が並び、それはまさにひな祭り祭りを髣髴させた。

刹那「・・・流石白皇・・・」

そんな状況に驚いていると、来訪者が・・・

空「おっ!来たな、刹那!」

刹那「え?」

それは、空やナギ、ハヤテに姫神やマリアといった、メインキャラ達がそこにいた。

刹那「みんな・・・」

海「・・・そんじゃ・・・」

刹那「?」

陸「・・・せーの・・・」







一同「18歳の誕生日、おめでとう!!」



その言葉と同時に、複数のクラッカーが鳴り響く。

刹那「・・・・」

ハヤテ「おめでとう、刹那。はいこれ」

そう言うと、ハヤテは縦長の小包を渡す。

刹那「?なんだ、これ?」

ハヤテ「開けてみなよ」

刹那「・・・?」

そうすると、刹那はその包みを開ける。すると・・・

刹那「・・・おお・・・」

それは、ジーンズなどに付ける、チェーンアクセだった。

刹那「すっげぇな、これ・・・」

ハヤテ「どうかな?気に入った?」

刹那「ああ。サンキューな、ハヤテ」

ハヤテ「・・・よかった」

マリア「それじゃあ、私とナギと姫神君からはこれを」

刹那「え?」

そう言い、やや大きめな箱を渡すマリア。

刹那「?」

そのまま箱を開ける刹那。

刹那「・・・!・・・・この服・・・」

箱の中身は、かつての執事バトル大会で刹那が着用した執事服だった。

刹那「・・・よく覚えてましたね、このデザイン」

ナギ「服の仕立てやらなにやらは、マリアの得意分野の一つだからな」

刹那「・・・え?ちょっと待て。てことは、1日でこれを?」

姫神「そうだが・・・まぁ、マリア1人じゃ無理があったから、俺もそれなりに手伝ったぞ」

ナギ「・・・おい、姫神。それじゃ私が手伝わなかったようではないか」

姫神「・・・あれは手伝ったと言えるのか?」

空・ハヤテ・マリア「さぁ〜・・・?」

ナギ「うおぃ!空まで気まずそうな顔をするな!」

空「安心してください、お嬢様。人間誰でも、得手不得手ってのがありますから」

ナギ「うぅぅ・・・うるさーーーい!!」

刹那「はははっ・・・」

と、ここで、刹那はある違和感に気づく。

刹那「ん?・・・なぁ、三千院」

ナギ「む?」

刹那「今気づいたんだけど・・・お前、髪形変えたんだな」

ナギ「ん?あぁ、この間な」

刹那「ふ〜ん・・・なんで?」

ナギ「なっ、何でって・・・それは・・・その・・・//////」

言いつつ、ナギはちらりと空の方を見る。

空「?何ですか、お嬢様?」

ナギ「!なっ、なんでもない!//////」

刹那「・・・あ〜・・・なるほど・・・」

ナギ「うぅっ・・・//////」

海「まぁ、その話は置いといて」

陸「ほれ。これは、俺達から」

刹那「・・・結構でかいな・・・」

やたら縦長の箱を手渡される刹那。

刹那「それに、重っ」

陸「まぁまぁまぁ、開けてみんさい」

刹那「・・・・」

そのまま、無言で箱を空ける刹那。その中身は・・・

刹那「・・・・ベース?」

箱の中身は、よくロックバンドなどで使われる、ベースギターだった。

日向「前にミコノスで、ベースが欲しいみたいな事言ってたろ?だから、それだ」

刹那「・・・ああ・・・そういや言ったな、そんな事・・・」

空「んじゃ。最後は俺からだな」

刹那「そうだな。アクセ、執事服、ベースって来たんだから、地味な奴だったら殺すぞ」

空「まぁまぁ、そう言わず。たぶん、お前にとって一番最高のプレゼントになるはずだから・・・」

そう言い、やたら小さな箱を渡す空。

刹那「?小っちゃ・・・」

空「まぁまぁ、そう言わず・・・」

刹那「・・・・」

そのまま紐を解き、箱を開ける刹那。

刹那「・・・・目を瞑って歯を食いしばれ」

するとそのまま、流れるような動きで空の胸倉を掴み、拳を構える。

空「はっはっはっ。やだなぁ、刹那。眼が怖いぞ?何か不満でもあったのか?」

刹那「おおありだよ!何でロケットストラップ!?しかも、女物!」

箱の中身は、いつかヒナギクにあげた物と同じタイプのロケットだった。

だが、そんな事は露知らずの刹那。

ハヤテ「まぁまぁ、いいじゃない。貰えるだけでも」

刹那「絶望した!俺はこいつの、あまりのセンスの無さに絶望した!」

空「はっはっはっ。まぁ、ありがたく受け取っときなさいって」

ナギ「そうだぞ。プレゼントの価値は、お金ではないのだから」

刹那「ぐっ・・・それを言われると、反論できん・・・」

そう言った時、ふと何かを思い出した刹那

刹那「・・・・ああ!!しまった!俺、クラスの連中とちょっと約束してたんだった!」

マリア「え?」

姫神「お前・・・なんで今になって・・・」

刹那「時間は・・・げっ!あと2分しかねぇ!!」

陸「だったら急げよ!遅れるぞ!!」

刹那「誰のせいだと思ってんだよ、チクショー!」

そう言い捨てると、刹那はダッシュで会場へと走っていった。

空「ああ、刹那!今日の夜9時に、ヒナギクさんが生徒会室まで来てくれとよ!」

刹那「ああ!わかった!」

そのままスピードを緩める事無く、パーティ会場へと向かう刹那。

空「・・・・さて。俺達は帰りますか」

海「ていうかあいつ、プレゼントここに置きっぱだぞ?空の奴以外」

ハヤテ「・・・僕達で刹那の家まで運んでおくよ」

空「だな・・・」















































刹那「ぶはっ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・よし・・・時間ギリギリ・・・」

約束の時間直前、刹那はパーティ会場に到着した。

刹那「・・・よし・・・」

そのまま、刹那は会場の扉を開けた。その瞬間・・・



「誕生日、おめでとー!」

一斉にクラッカーが鳴り響き、つい数分前のデジャヴを感じる刹那。

刹那「・・・ははっ・・・」

文「ふぁい!時間ギリギリでしたね、ザキ君!」

刹那「ああ、悪い悪い」

シャルナ「さ。それじゃ、主賓も来た事ですし、始めましょう」

文「ふぁい!それではザキ君、こちらへ・・・」

そう言い、刹那を引っ張っていく文。

刹那「・・・おお・・・」

そこには、少し派手なケーキと、いくつかの料理が置いてあった。

刹那「スゲェな・・・これ、みんなが?」

シャルナ「ええ。これだけ、あなたはみんなから頼りにされてるって事よ」

刹那「・・・・」

文「それでは、改めて!」


「誕生日おめでとう、神崎(刹那、ザキ)君!!」


刹那「・・・ははっ・・・・ありがと、みんな・・・」

そう言う刹那の目には、うっすらと涙が滲んでいた。























それからは、クラスのみんなと楽しく誕生日パーティを満喫した刹那であった。


時間も経ち、雰囲気もそれなりに落ち着いてきた頃・・・

刹那「・・・っと・・・そろそろだな・・・」

現在の時刻はPM8:49分。ヒナギクが9時に生徒会室で待っているとの事なので、
そろそろ向かわなければならない頃合である。

刹那「文。俺、ちょっと用事あるから抜けるけど、いいか?」

文「へ?そうなんですか?だったら、ちょっとその前に・・・シャルナちゃーん?」

シャルナ「なに?文ちゃん」

文が呼んでから少しして、シャルナがこちらに歩いてきた。
そのまま、文はシャルナと隠れて話をする。

刹那「?」



文「・・・だそう・・・ら・・・・きっ・・・ザ・・・んは・・・もどっ・・・」

シャルナ「そう・・・ない・・・しょ?たぶ・・・・ったら・・・・」

文「な・・・るんです・・・・もいを・・・・えるなら・・いま・・・・ない・・・よ・・・」

シャルナ「・・・・ったわ・・・・かく・・・きめ・・・・」


隠れて小声で話しているため、何がなにやらさっぱり意味不明な刹那。

文「ふぁい!ザキ君!シャルナちゃんが話があるそうなので、少しだけ時間をもらえますか?」

刹那「え?・・・まぁ、別にいいけど・・・手短に頼むぜ?」

シャルナ「大丈夫よ。すぐに済むから。じゃあ、ちょっとこっちに・・・」

そう言い、刹那を会場の外に呼ぶシャルナ。


刹那「んで?何だよ、話って」

シャルナ「・・・ええ・・・//////」

刹那「?」

シャルナ「・・・まずは、これを・・・」

刹那「?これは・・・」

シャルナ「プレゼントよ。誕生日の」

刹那「ああ・・・ありがとな」

シャルナ「・・・いえ、別に・・・/////」

刹那「開けていいか?」」

シャルナ「ええ」

そうして、包みを開ける刹那。

刹那「・・・へ〜・・・リングか・・・純銀製?」

それは、月明かりに照らすと、綺麗に反射するリングだった。

シャルナ「・・・どう?」

刹那「ああ。気に入ったよ、ありがとう」

シャルナ「・・・い・・・いえ・・・//////」

刹那「・・・綺麗だな・・・・ああ、これだけか?」

シャルナ「・・・いえ、もう一つ、大事な話があるわ」

刹那「へ?」

さっきまでとは違い、急にマジメなトーンになったシャルナに面食らい間の抜けた声を出す刹那。

シャルナ「・・・・」

刹那「・・・」

シャルナ「・・・刹那君・・・」

刹那「・・・はい・・・」








































































シャルナ「・・・・・好きです」
























































刹那「・・・・・え・・・・・?」

シャルナ「・・・私・・・シャルナ・アーラムギルは、神崎 刹那の事が・・・好きです」

刹那「・・・・・」


















































































ヒナギク「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

白皇までの道を、ヒナギクは息を乱しながら走っていた。

ヒナギク(くっ・・・不覚・・・一生の不覚!まさかお義母さんが、あそこまでしつこく突っかかってくるなんて!
ただ単に、刹那君に誕生日プレゼントを渡すだけだっていうのに!!)

どうやら、ヒナママに刹那の事で長い時間絡まれたらしく、自分が設定した待ち合わせの時間に
すっかり遅れてしまったようである。

ヒナギク(もぉ〜・・・自分で9時だって言っておきながら、すっかり9時30分じゃないの!お義母さんのバカ!)

そんな事を思っていると、やがてヒナギクは時計塔に到着。そのままエレベーターに乗り込んだ。

ヒナギク(・・・刹那君・・・いるかな・・・?もし、いなかったら・・・)

やがて、エレベーターは最上階・・・生徒会室に到着した。

ヒナギク「・・・・」

決心を固め、ヒナギクはドアノブに手をかける。すると・・・


カチャ・・・

ヒナギク「・・・開いてる・・・」

そのまま扉を開き、中に入るヒナギク。

ヒナギク「・・・・」

そして、中を見渡していると、テラスに一つの人影を見つけた。

ヒナギク「あっ・・・」

「・・・・」

意を決し、その人影に近づく。



ヒナギク「・・・・刹那・・・・君・・・?」

刹那「・・・・!・・・・ヒナギク・・・さん・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第159話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 ( No.5 )
日時: 2010/02/13 13:57
名前: SORA

第160話[彼への想い]


刹那「・・・待ち合わせ、30分遅刻です」

ヒナギク「うっ・・・第一声がそれ?」

刹那「ええ。提案した本人が設定した時間に遅れるなんて、中々ありませんよ?」

ヒナギク「うぅ・・・しょうがないじゃない・・・お義母さんがしつこかったんだから・・・」

刹那「・・・ま。いいですけどね」

そう言った刹那の指にはめられているリングに気づくヒナギク。

ヒナギク「?・・・そのリング・・・誰かからの誕生日プレゼント?」

刹那「え?・・・ええ・・・ほら。今の副会長の、シャルナっていたでしょ?」

ヒナギク「ああ、彼女。あの子からのプレゼントだったのね」

刹那「・・・ええ・・・」

ヒナギク「?・・・何かあったの?」

刹那「・・・ここに来るちょっと前・・・」

ヒナギク「・・・?」

刹那「・・・告白されたんです。あいつ・・・シャルナに・・・」

ヒナギク「・・・・え・・・・?」















































遡る事、数十分前・・・・


刹那「・・・・俺の事が・・・・好き・・・・?」

シャルナ「・・・ええ・・・」

刹那「・・・・」

シャルナ「・・・やっぱり・・・迷惑だったかしら?」

刹那「ああいや、そういう訳じゃねぇんだ・・・何て言うか、その・・・」

シャルナ「・・・・」

刹那「・・・・何で・・・・俺なんだ・・・?」

シャルナ「・・・・最初は、あなたの事を、単なる馴れ馴れしい転校生だとしか思ってなかったわ」

刹那「・・・いきなりキツッ・・・」

シャルナ「けれど、あなたが初めて、生徒会の仕事を手伝ってくれた時から、少しずつだけれど気にはなってきていた。
それからしばらくして、気づいたの・・・私は、この人の事が好きなんだな、と・・・」

刹那「・・・・」

シャルナ「・・・・」

刹那「・・・俺・・・俺はさ・・・シャルナの事も・・・文の事も・・・
それ、クラスのみんなの事も、それなりに・・・友達以上には好きだ・・・けど・・・」

シャルナ「他に好きな人がいるんでしょう?」

刹那「え・・・・」

シャルナ「・・・なんでそれを・・・って、言いたげな表情ね」

刹那「・・・・」

シャルナ「・・・相手が誰だか想像ついてるわ。けど、これでいいの。
叶わない恋だとしても、せめて告白だけはしたかったから」

刹那「シャルナ・・・・」

シャルナ「・・・・待ち合わせの時間はいいの?」

刹那「え?あっ・・・!」

時間は既にギリギリだった。

シャルナ「フフッ。さぁ、これで私の話は終わりよ」

刹那「・・・・」

シャルナ「・・・また、明日」

刹那「・・・ああ」

そう言い、走り出す刹那。が・・・

刹那「・・・シャルナ」

立ち止まり、振り返る刹那。

シャルナ「・・・・?」

刹那「・・・嬉しかったよ。告白されたのなんて、生まれて初めてだったから」

シャルナ「・・・いいから・・・速く行ったらどうなの?」

刹那「・・・そうだな」









































































刹那「と、まぁ・・・そんな感じでしたよ」

ヒナギク「・・・・」

刹那「ヒナギクさん?」

ヒナギク(・・・何かしら、この気持ち・・・刹那君が誰かから告白されただけだっていうのに・・・
なんか・・・妙にムカつく・・・・)

刹那「・・・・?」









































その頃、文とシャルナの2人は・・・・


シャルナ「・・・はぁ・・・」

文「シャルナちゃん・・・」

シャルナ「・・・これでよかったわ。ごめんね、文ちゃん。私のわがままに付き合わせちゃって」

文「何行ってるんですか、シャルナちゃん!親友じゃないですか!」

シャルナ「・・・そうね。ありがとう、文ちゃん」

文「・・・シャルナちゃん・・・」

シャルナ「なに?」

文「文で良ければ・・・いつでもお嫁にもらってあげますからね」

シャルナ「・・・・ありがとう、文ちゃん・・・その気持ちだけで・・・」

文「シャルナちゃん・・・・」















































































シャルナ「吐き気がするわ」

文「傷つきました!今の一言で文は、毎晩枕を濡らすぐらいに傷つきました!」

シャルナ「クスッ・・・さ。バカな事ばかり言ってないで、帰りましょ」

文「うぅ・・・シャルナちゃんの意地悪・・・」

シャルナ「それはそうと文ちゃん。例の件、ちゃんと進んでる?」

文「・・・例の件・・・といいますと・・・ああ!次の生徒会長の件ですね?」

シャルナ「ええ。私が挙げた2年の生徒達。あの中からみんなで選んでおけって言うの・・・」

文「ふぁい!言われずとも、文がきちんと選んでおきましたとも!」

シャルナ「そうなの?文ちゃんにしては仕事が速いわね」

文「文はやれば出来る子なのですよ、シャルナちゃん。はいこれ、結果です」

シャルナ「どれどれ・・・・やっぱり、彼がダントツね」

文「ふぁい。強く優しく、顔も良い上にテストは常に上位をキープ!人望も厚いですしね」

シャルナ「これなら、やっぱり副会長は九条君が適任でしょうね」

文「文としては、会計職には宮森さんを推薦しまッす!」

シャルナ「そうね。彼女ほどの頭脳なら、会計ぐらい難なくこなすでしょうね」

文「上位の役職は決まりましたから、あとは適当に役員を決めるだけですね、シャルナちゃん」

シャルナ「そうね。まぁこの件は、明日の生徒会でゆっくり話し合いましょうか」

文「ふぁいです!」































































刹那「・・・えっと・・・ヒナギクさん?顔が怖いんですけど・・・」

ヒナギク「・・・別に・・・」

刹那「・・・・」

ヒナギク(あ〜、もう!なんなのよ、このイライラ!自分でもわけがわからない!)

刹那「・・・・」

ヒナギク「・・・はいっ」

そう言い、少し小さめの袋を渡すヒナギク。

刹那「え?」

ヒナギク「私からのプレゼントよ。クッキーだけど」

刹那「え?あ・・・はぁ・・・」

ヒナギク「・・・なによ。クッキーじゃ不満だとでも言いたいの?」

刹那「ああ、いや、そういう訳では・・・」

ヒナギク「ふーんだ。まぁ、そうよね。そんな綺麗なリングをアーラムギルさんから貰ってるんだもんね。
手作りとは言え、クッキー程度じゃ全然勝ち目ないもんねー」

刹那「いや、だから・・・」

ヒナギク「いいわよ。私はどうせ、こんな地味なプレゼントしか・・・」

刹那「・・・いい加減にしてください・・・!」

ヒナギク「・・・え?」

刹那「さっきから黙って聞いてれば、好き放題言ってくれやがって・・・」

ヒナギク「・・・・」

刹那「・・・例え地味でもね・・・俺にとっては最高のプレゼントなんですよ!
兄さんがいなくなってからの9年間・・・誰かから誕生日を祝ってもらった事なんてなかったから!」

ヒナギク「刹那君・・・」

刹那「・・・それに・・・それに俺はね・・・」

ヒナギク「・・・・?」

刹那「・・・なんだって嬉しいんですよ!ヒナギクさんからのプレゼントだったら、何でも!!」

ヒナギク「え・・・・/////////」

刹那「・・・・・あ・・・・・//////////」

ヒナギク「・・・・///////」

刹那「・・・・//////////////」

ヒナギク「・・・わ・・・私からのなら、何でも嬉しいって・・・////////」

刹那「・・・あ、いや・・・今のはその・・・・///////」

ヒナギク「・・・・///////」

刹那「えっと・・・その・・・・・はぅ・・・・/////////」

ヒナギク「・・・ごめんね・・・?なんか、勝手な事ばかり・・・」

刹那「あ、いえ・・・俺も、その・・・怒鳴ったりとか・・・・」

ヒナギク「・・・・」

刹那「・・・・」

ヒナギク「・・・えっと・・・じゃあ、私これで・・・」

そう言い、生徒会室を出ようとするヒナギク。

刹那「あ、ちょっと!」

止めようとするが、後一歩間に合わず、そのままヒナギクは生徒会室を出て行った。

刹那「・・・・」







ヒナギク「ハァ・・・ハァ・・・///////」

エレベーターの中、ヒナギクは息を落ち着けていた。

ヒナギク「・・・危なかった・・あのままいたら、間違いなく刹那君に抱きついてた・・・///////」

それはなぜか、理由は自分が一番よくわかっている。

ヒナギク「・・・やっとわかった・・・なんであの時、刹那君にイラついちゃったのか・・・」

言いながら、エレベーターの天井を見上げる。







































ヒナギク「・・・刹那君のことが、好きだったんだな・・・私・・・//////」

そう言い、自分の胸に手を当てる。

ヒナギク「・・・今度こそ・・・叶うかな・・・?」

脳裏によみがえるは、叶わなかったハヤテへの想いという苦い記憶。

ヒナギク(・・・大丈夫よね、きっと・・・・いつか・・・その時が来たら、今度こそ・・・
ちゃんと私自身の口から伝えよう・・・手遅れにならないように・・・この気持ちを・・・)

そんな事を考えている内に、エレベーターは一番下に到着。ヒナギクはそのまま時計塔を出た。すると・・・



「・・く・・・ーん!」

どこからか声が聞こえてきた。

ヒナギク「ん?」

「ヒナ・・・さ・・・!」

ヒナギク「・・・どこから・・・?」

「ヒナ・・・クさー・・・!」

ヒナギク「・・・・上・・・?」

そうして、時計塔を見上げるヒナギク。すると・・・

刹那「あっ。やっと、気づいた!」

ヒナギク「刹那君・・・」

刹那「・・・俺!まだ言いたい事あったんです!」

ヒナギク「・・・・?」

刹那「・・・俺は感謝してますよ!空やみんな、ヒナギクさんと出会えた事にね!!」

ヒナギク「・・・・」

刹那「・・・へヘッ・・・」

ヒナギク「・・・・可笑しな事言ってるんじゃないわよ、バカ!!」

刹那「なにおぅっ!?」

ヒナギク「・・・プッ」

刹那「・・・くっ」

ヒナギク「あはっ、あはははははははは!!」

刹那「くはっ、はっははははははははは!!」

距離を置きながら、笑いあう2人。すると・・・・



ひゅ〜・・・るるるるる・・・

刹那・ヒナギク「ん?」






ズドォォオオオオオオオン!!!

夜空に花火が炸裂した。

刹那「おお・・・」

ヒナギク「誰が上げてるのかしら・・・」















花火の打ち上げ地点・・・・


海「・・・上手くやってるか?刹那の奴・・・」

陸「だといいけどな」

海「んじゃ。あんま長くやってるとばれそうだし、後1、2発打ち上げて終わりにしようぜ」

陸「だな。んじゃ、点火!」

海「ラジャー!」






















































同時刻、三千院家・・・・

空「おうおう、やってるやってる」

海と陸の打ち上げ花火は、三千院家からでもよく見えた。

姫神「あいつ等に、怖い物とか無いのか?」

ハヤテ「無いんじゃないでしょうか?彼等の性格はほら・・・あれですし」

空「ま。あいつ等はああじゃねぇと」

姫神「・・・だな」

ハヤテ「・・・それじゃ。僕はそろそろ仕事に戻りますか」

姫神「お。じゃあ、俺も・・・」

空「・・・俺もそうすっかな」

そう言い、空が立ち上がった瞬間・・・




ズキッ・・・

空「んっ・・・!?」

突如、空を頭痛が襲う。

ズキン・・・・

空「ん・・・ぐぅ・・・はっ・・・」

ズキン・・・ズキン・・・

空「うっ・・・くぅ・・・いってぇ・・・!」

ズキン・・・ズキ・・・

次第に、頭痛は収まっていった。

空「・・・・」

ハヤテ「?・・・空?どうかしたの?」

空「え?あぁ、いや・・・なんでもねぇ」

ハヤテ「・・・そう・・・」

そう言い、ハヤテは部屋を出て行った。

空「・・・わかる・・・時間が無い・・・俺の心が・・・十六夜の闇に食われてる・・・」
























































































十六夜の復活まで、残り3日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第160話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 ( No.6 )
日時: 2010/02/13 20:05
名前: SORA

第161話[三柱の神]


ここは、東京のどこかにあるとある大富豪の屋敷。そこの一室に、数名の人間がいた。

1人は30代前半ぐらいの女性で、鮮やかな金色のストレートヘアを惜し気も無く晒している。

その女性に向かい合うように、彼女の子供と思しき3人の子供が座っていた。


「・・・とまぁ、現実味を帯びた第3章はここまでだな」

「へ〜。お母さんにも、そんな可愛い時期があったんだ」

からかうように、長女と思われる銀髪の少女が言う。

「むっ・・・でもまぁ、あの時は結構奥手だったからな・・・//////」

「今じゃ俺達の目の前でも、俺達が引くくらいのイチャつきっぷりだよな」

そう、真ん中に座る黒髪の少年が言う。

「悪いかよ。堂々とイチャつく事が」

「う〜ん・・・私は、2人の仲が良いのは嬉しいんだけど・・・」

そして、その隣に座る、母親譲りの金髪をシングルテールにしている少女が言う。

「だいたい、私達がイチャつく事で引かれるんだったら、あいつ等はどうなるのだ?」

「「「・・・あ〜・・・」」」

「だろ?」

「確かに、あの2人は凄まじいもんね・・・」

「2人っきりの時の、あの人のデレっぷりを見たか?」

「あれに比べれば、お父さん達の方がマシかも・・・」

「ほら見ろ」

「ま。そんな事より、早く続き話してくれよ、母さん」

「む?そうだな。じゃあ・・・」

と、母親がそこまで言った時・・・


ガチャ

突如、部屋のドアが開いた。

「あれ?何だ、お前等。ここにいたのか」

すると、肩まで届く銀色の髪に吸い込まれるような蒼色の瞳を持ち、左目に眼帯を着用した男性が入ってきた。

「「「おかえり〜」」」

「おかえり」

子供達の声がハモり、それに遅れて女性も彼を迎える。

「おう、ただいま」

話し方から、この男性は子供達の父親らしかった。

「で?どうだった?下っ端の連中は」

「なんとかケリついたよ。手間かかったけど」

そう言い、女性の隣に座る男。

「ねぇねぇ、お父さん。続き話してよ、続き」

「続き?・・・ああ・・・・お前、どこまで話したの?」

「ん?ああ、刹那の誕生日が終わったあたり」

「そっか・・・じゃあ、現実味を帯びる話はそこまでだな・・・」

「・・・さっきから気になってたんだけど・・・」

「ん?なんだ?」

「そこからの第3章って・・・」

「現実味、帯びてないわけ?」

「・・・ああ。凄まじくな」

そう言い、怪しく笑う男。

「「「・・・・」」」

「刹那の誕生日後となると・・・やっぱ、あの日だろうな」

「だな。あの日はビックリしたな。あれからお前、2週間ぐらい意識不明になってさ」

「意識不明!?」

「ちょっ・・・それどういう意味だよ、父さん!」

「大丈夫だったの!?」

一斉に詰め寄る子供達。

「あ〜、だいじょぶだいじょぶ。現に、今こうしてピンピンしてんだからさ」

「「「・・・・」」」

「・・・さて・・・んじゃあ、その日の始まりから話しますか・・・・」
















































































刹那の誕生日から数日後の三千院家・・・

空「・・・うっ・・・くぅ・・・うあぁ・・・!」

自室で、悪夢にうなされる空の姿があった。

空「ぐっ・・・うぅ・・・!」







お前じゃ無理だ・・・・俺に・・・闇に身を委ねろ・・・・


俺がお前になってやる・・・・


俺達は同じだ・・・・お前は・・・・俺なんだ・・・・


さぁ・・・・スサノオの誕生に・・・・お前の力を・・・・!






空「うわああああああああああああああああ!!!」

夢の全てが闇に飲まれた瞬間、空は飛び跳ねるように目覚めた。

空「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

空の額からは滝のように汗が流れている。

空「ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・・クソ・・・あの日・・・ハヤテと闘った日から・・・
いっつも同じ夢ばかり・・・・・なんなんだよ、チクショウ・・・・!」

言いつつ、額の汗を拭う空。

空「・・・・とりあえず、着替えるか・・・・」

そう言うと、空はベッドから降り、執事服に着替えて部屋を出た。





空「ふぅ・・・・」

そのまま、ナギの私室へと向かう。


コンコン
ナギの部屋のドアをノックする。

空「お嬢様?起きてますか?」

ナギ「へっ!?ちょっと待て、そr・・・」

空「?入りますよ〜・・・・」

そう言い、ドアを開けた空の目に飛び込んできたもの。それは・・・・































































ナギ「・・・・」

空「・・・・・」


お約束的展開。


ナギ「ぬああああああああああああああああああああああ!!!!!//////////////////」

空「がふぅっ!?//////////」













































ナギ「まったく!待てと言ったではないか!///////」

空「・・・申し訳ありません・・・」

そう言う空の顔には大きな痣が。

ナギ「まったく・・・空はホントにまったく・・・///////」

空「ていうか・・・今日はやけに速くないですか?」

ナギ「・・・まぁな」

と明らかに不機嫌なナギ。

空「?・・・どうかしたんですか?」

ナギ「まぁ・・・ちょっとな・・・」

そこに・・・


ハヤテ「あ。空も起きたんだ」

ハヤテ達が入室してきた。

空「ん?おう」

マリア「よしよし。ナギも準備が出来たみたいですし、そろそろ行きましょうか」

空「へ?行くって・・・どこにですか?」

ナギ「・・・昨日の夜、ジジィの奴に呼ばれたんだよ」

空「・・・・え?」

そう言い、不意にハヤテと姫神の方を向く空。そのまま、アイコンタクト会議開始。


空(・・・なぁ・・・ジジィが用って事は・・・)

姫神(ああ・・・間違いなく、この間の件だろうな)

ハヤテ(恐らく、向こうではそれなりの準備をしているはずです)

姫神(だろうな・・・一応警戒はしておいた方がよさそうだ・・・)

空(関係ねぇよ。誰か来たなら、それ相応のお出迎えをするだけだ)

ハヤテ(・・・君のその、ポジティブさがうらやましいよ)

姫神(それに、それがこいつの強さだからな)

ハヤテ(・・・ですね)

空(・・・・決まりか?)

ハヤテ(うん)

姫神(おう)

アイコンタクト会議終了。


空「なるほど。ジジィに呼ばれたから、お嬢様は不機嫌だと」

ナギ「・・・まぁな」

空「ま。そういう事ならしょうがありませんし・・・行きましょうか?」

ナギ「・・・ああ」

マリア「では、行きましょう」




















































そして一行は、たいした問題も無く無事本宅に着いた。

ナギ「ふぅ・・・なんだかんだで久しぶりだな、ここも・・・」

マリア「最後に来たのは、1月でしたからね。丸々半年来なかった計算に・・・」

空「・・・・」

ナギ「?・・・空?どうかしたのか?」

空「え?あ、いえ・・・なんでも・・・」

ナギ「ふ〜ん・・・」

空(・・・なんか手厚い歓迎でもあると思ったけど・・・大して何も無さそうだな・・・)

ハヤテ(でも、まったく意識されてないってわけでも無さそうだよ。ほら)

空(・・・なるほど。確かに、よく見るとどいつもこいつも殺気立ってやがんな・・・)

姫神(まぁ、あんだけ正面切って三千院家のトップに喧嘩売ったんだ。睨まれて当然だろ)

空(突っかかってきたら、ぶっ飛ばすだけだけど)

ナギとマリアに聞こえない声で会話しながら歩く一同。すると・・・・


「おい!そこの不良少年、1号2号3号!」

一同「?」

声のした方を向くと、そこには三千院家使用人頭、姫神 誠が険しい顔つきで立っていた。

空「げっ・・・」

ハヤテ「?・・・あの人は?」

姫神「・・・姫神 誠・・・・俺の親父だ・・・」

ハヤテ「あの人が・・・?」

誠「・・・お前等3人はこっちだ。ついてこい」

そう言い、空・ハヤテ・姫神の3人を先導する誠。

姫神「・・・・」

ナギ「・・・なんなんだ?」

空「・・・それじゃあ、お嬢様にマリアさん、またあとで」

そう言うと、空は誠の後についていく。

姫神「・・・まぁ、悪いようにはされないと思うがな・・・」

ハヤテ「すぐに済ませてきますよ」

そして、姫神とハヤテも続く。

ナギ「・・・・」

マリア「・・・大丈夫でしょうか・・・3人とも・・・」

ナギ「・・・ま。あいつ等なら、そう簡単にくたばらないさ」

マリア「はぁ・・・」

「お2人は、我々が」

ナギ「ん。ほら、行くぞマリア」

マリア「あ、はい・・・」



































空「はぁ〜あ・・・俺達はどこに連れてかれるんでしょうねぇ・・・」

姫神「静かにしてろ」

空「んな事言われてもよ〜・・・」

誠「・・・・」

不意に誠が立ち止まり、じっとハヤテの顔を見据える。

ハヤテ「・・・なんですか?」

誠「・・・・」

ハヤテ「えっと・・・・」

誠「・・・・すまない。君の顔が私の友人に似ていたものだから、つい・・・な・・・」

ハヤテ「?・・・はぁ・・・」

誠「・・・時間をとらせてすまない。急ごう」

そう言うと、誠は再び歩き始める。

ハヤテ(・・・空。この人の友人って・・・?)

空(・・・たぶん、お嬢様の親父さんの事だろうよ)

ハヤテ(三千院さんの?)

空(ああ)

姫神「・・・・」

誠「・・・・」

やがて、一行は1つの部屋の前に着いた。

空「・・・ここは・・・」

姫神「・・・帝の私室・・・だな・・・」

誠「私が案内するのは、ここまでだ。私はお嬢様達の所に行くが・・・」

空「別に変な気は起こしませんよ」

誠「・・・ならばいい」

そう言い、誠はその場を去った。

空「・・・・」

ハヤテ「・・・空」

空「わかってる。そんじゃ・・・」


コンコン

帝「・・・入れ」

空「しっつれいしまーす」

帝が言ったと同時に、空は入室。

姫神「失礼する」

ハヤテ「・・・失礼します」

帝「ふむ・・・来てくれてなによりじゃ、ガキども」

空「本日は何の御用でしょうか、おじい様?」

ハヤテ「空」

帝「・・・そっちの・・・綾崎ハヤテじゃったか?」

ハヤテ「・・・・ええ」

帝「ナギからクビを宣告されたと聞いたが・・・」

ハヤテ「・・・ええ。されましたよ。ですが、僕は今こうしてここにいる。執事ではないですけど」

帝「ふむ・・・」

姫神「・・・それで?本当に何の用なんだ?あんたが用があるのは、ナギじゃなくて俺達なんだろう?」

帝「・・・お前は頭の回転が速くて助かるわい」

空「・・・・」

帝「・・・先日の、おぬし等がわしに言った、「あんた達と喧嘩する覚悟は出来ている」・・・あれはどういう意味かのぅ?」

空「・・・そのまんまだよ。刹那の兄貴・・神崎 大和の、2回もの白皇襲撃・・・あれは、奴等の気まぐれとは思えない」

帝「・・・裏で、それを指示した人物がいると?」

空「あんた以外に、それは考えられない」

帝「どこに、それを証明するものがある?」

姫神「・・・紅月 茜」

帝「・・・・」

姫神「12年前、あんたと天王洲の2人と共謀し、神の力を手に入れようとした「姫神」・・・親父の弟だ」

帝「・・・ふむ・・・」

姫神「奴は、神崎 大和の味方になった様子は無かった。という事は・・・紅月の裏に、奴に指示を出した奴がいるという事だ」

帝「・・・・」

姫神「・・・帝。俺は既に、俺の生まれの秘密を知っている。今度は、あんた達の目的を教えてもらおうか」

帝「・・・・」

ハヤテ「・・・・あなたが一体、何をするつもりかは、僕達は知りません。
ですが、そのくだらない思想のおかげで、傷ついている人達が何人もいる。そんな事で・・・」

帝「・・・アテネの事か?」

ハヤテ「・・・!」

帝「哀れな娘じゃよ・・・早くに両親を亡くし、それまで誰に頼る事も無く・・・」

ハヤテ「・・・・」

帝「挙句の果てには、自らの闇に食われて死を待つだけの娘じゃ。なんとも哀れで悲しい・・・・愚かな娘なのかのう?」

ハヤテ「・・・貴様ぁ!!」

空「落ち着け。今ここで暴れたら、俺達の負けだぞ」

ハヤテ「・・・くっ・・・!」

帝「・・・・」

空「・・・まだあんたに聞きたい事がある」

帝「?」

空「・・・・スサノオって、何だ?」

帝「・・・・」

姫神「スサノオ・・・確か・・・」

ハヤテ「・・・ミコノスの壁画にあった、三柱の神の一つ・・・」

帝「・・・そこまで知っておったか・・・」

空「いいから答えろ。スサノオって何だ?三柱の神って・・・」

帝「・・・遥か古・・・・この世界がまだ、神話の時代だった頃の話じゃ・・・」

空「・・・・?」

帝「この世界には、この世の全てを支える3つの神がいた」

姫神「・・・・」

帝「1つは、遥か大空に座し、天よりその光を用いて世を照らした、大いなる神・・・」

ハヤテ「・・・・」

帝「もう1つは、人の世に生き、光と闇・・・即ち、人の心そのものを支配した、人の世の神・・・」

姫神「・・・・」

帝「最後の1つは、天でも人の世でもない、地獄よりも遥か下・・・奈落に座し、その身に宿した闇で全てを手にした、最強の異能・・・」

空「・・・・」


帝「・・・天に座したは天照(あまてらす)、人の世に生きたは月読(つくよみ)、奈落に座したは凄王(すさのお)・・・それが、三柱の神と呼ばれる物じゃ」


空「・・・・」

帝「まぁ、所詮は神話上の話じゃ。信憑性は低いがの・・・」

ハヤテ(・・・空、凄王って・・・)

空(・・・間違いない・・・十六夜が言ってた奴だ・・・最強の異能・・・大いなる闇・・・)

帝「・・・知りたかった事実を知った割には、浮かない顔じゃの」

空「・・・気が動転してるだけだ」

そう言い、部屋を出ようとする空。

姫神「おい・・・」

帝「もう良いのか?他に聞きたい事もあるだろうに・・・」

空「今はな。この辺でいい」

帝「・・・・」

ハヤテ「空・・・」

空「・・・あんたに1つ言っておく」

帝「・・・・」

空「前にも言った通り、ここにいる俺達3人はあんた等と喧嘩する覚悟は出来てる。
けどな・・・もし、俺達との喧嘩でお嬢様やマリアさん・・・関係無い人間を巻き込むつもりなら・・・」

帝「・・・・」

空「・・・全力で捻り潰すから、そのつもりでな」

振り向きながらそう言う空の眼には、僅かながら怒りや憎しみ・・・闇の想念がこもっていた。

ハヤテ「・・・空・・・」

空「・・・・行くぞ」

そう言い、空は部屋を出て行った。

ハヤテ「・・・・」

それを追い、ハヤテも部屋を出る。

姫神「・・・・もう一度聞く」

帝「・・・・?」

姫神「・・・親父は・・・あんたの味方なのか?」

帝「・・・少なくとも、あの男本人はそう思っておる」

姫神「・・・そうか・・・」

そう言うと、姫神も部屋を出て行った。

帝「・・・・」

1人部屋に残った帝は、しばらく何かを考え込んでいると、やがて不敵な笑みを浮かべだした。

帝「・・・フフッ・・・あの小僧・・・良い眼をしておった・・・見事に、心が闇に染まっておる・・・」

そう言うと、椅子の背もたれに寄りかかり、天井を見上げる。

帝「・・・その日も近いぞ・・・キング・ミダス・・・・」

そのまま、帝は天井を見上げながら不適に笑い続けていた・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第161話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 ( No.7 )
日時: 2010/02/14 13:36
名前: SORA

第162話[最強と呼ばれた男]

表紙:どこぞの部屋に飾ってある、半分が破れた紫子と誰かの写真


空「・・・・」

ハヤテ「・・・空?どうかしたの?」

空「・・・・なんでもねぇ・・・・」

ハヤテ「・・・・」

姫神の案内で、3人はナギとマリアがいるであろう部屋に向かっていた。

姫神「・・・ここだな」

空「・・・・」


コンコン
そのままドアをノックし、部屋に入る。

空「・・・失礼します」

ナギ「ん?おお、お前等」

マリア「お疲れ様でした。何のお話だったんですか?」

ハヤテ「・・・・」

空「・・・くだらない与太話でしたよ」

ナギ「?・・・そうか・・・」

誠「・・・・」

姫神「それで?お前等は何があったんだ?ナギがやけに嬉しそうだが・・・」

ナギ「ん?ああ。お前の父親に、私の父について聞いていたのだ」

ハヤテ「三千院さんのお父様?」

空「・・・そっか・・・誠さんって、お嬢様の親父さんの親友だったんだっけ」

誠「・・・どこでそれを?お前達に話した覚えは・・・」

空「咲夜さんの親父さんに聞きました」

誠「・・・愛沢か・・・余計な事を・・・」

姫神「・・・どういう奴だったんだ?ナギの父親って・・・」

誠「・・・どうしようもないバカだったな」

空・ハヤテ・姫神「ええ・・・・」

誠「いつも通り暮らしてた私達の前にひょっこり現れて、そのままあっさり紫子様の執事になって・・・」

ハヤテ「・・・・」

姫神「・・・親父は・・・確か、子供の頃帝に引き取られたんだよな?」

誠「ああ。私がまだ8歳の頃だ。親が無くなり、身寄りの無くなった私を、帝様は引き取った。
三千院家に行った直後、私は紫子様に出会った。初めて会った時から、魅力的な人だったよ、彼女は」

ナギ「・・・・」

誠「それからしばらくして、私はこの本宅で使用人をする事になった。といっても、
適当に掃除をしたり、紫子様と子供らしく遊んだり・・・」

マリア「・・・・」

誠「・・・だが・・・私達が、ちょうど今のお嬢様と同じくらいの頃、あいつが現れた」

ナギ「・・・父・・・か・・・?」

誠「ええ。2人の馴れ初めは、ただ単純に彼が紫子様を助けたのがきっかけでした」

空「・・・・」

誠「恐らく一目惚れだったと思いますよ、紫子様は。その後帝様の意見を跳ね除けて彼を執事にしたんですから」

ナギ「そんな事が・・・」

誠「・・・今でこそ親友だと思われてますが、私は最初、彼が嫌いでした」

姫神「え?」

誠「ここだけの話、彼が現れなければ、私が紫子様の執事になるはずだったんです」

ナギ「そうだったのか?」

誠「ええ。当時の私は紫子様を一途に想っていましたから、そこにいきなり現れて、
その上、紫子様の執事になった彼が許せなかったんです」

空「・・・・」

誠「まぁ、それから色々あって、紫子様の執事の座をかけて私達は勝負をするハメになりました」

ナギ「・・・結果は?」

誠「・・・私は負けました。恐らく、心のどこかで彼を認めていた事が敗因でしょう」

姫神「・・・・」

誠「その後、私と彼は次第に交流を深め・・・気づけば彼は、私にとってかけがえの無い友となっていました」

マリア「・・・・」

誠「それからは・・・知っての通り、2人は互いに想いを伝え、恋人になり・・・
そして、結婚・・・やがて、お嬢様・・・あなたが生まれました」

ナギ「・・・・」

誠「・・・ですが、あなたが生まれた直後でした。彼は、三千院家の遺産を狙う者の奇襲を受け・・・」

ナギ「・・・・」

誠「それからしばらくの紫子様は、生きた屍同然でした。誰とも口を利く事も無く、
ただ1人、部屋に閉じこもり・・・」

ハヤテ「・・・・」

誠「・・・ですが、そんな紫子様を救ったのはあなたですよ、お嬢様」

ナギ「・・・私が?」

誠「ええ。赤ん坊だったあなたの無邪気な笑顔が、紫子様を救った。
そして、紫子様は、彼の分まであなたと共に生きると決意したのです」

ナギ「・・・・」

誠「・・・今でも時々、夢に見ます。彼と過ごした日々の事をね」

そう言い、誠は微かに眼を細める。









「るせぇよ、姫神。誰が何と言おうと、お嬢様の執事はこの俺だ」


「小せぇ事気にすんなよ。俺達もう・・・友達だろ?」


「お嬢様の婚約者?・・・ハハッ、ますます燃えてきたな」


「お嬢様が望んでねぇ結婚なんざ、ぜってぇにさせねぇ・・・行こうぜ、誠」


「誠・・・あいつ等を・・・・俺の・・・家族を・・・・」








誠「・・・・」

姫神「・・・親父?」

誠「・・・・すまない。歳のせいか、涙脆くなってな・・・」

ナギ「・・・私の父は・・・凄い人だったのだな・・・」

誠「・・・ええ・・・色んな意味で凄い奴でしたよ・・・あいつは・・・」

マリア「・・・・」

空「・・・・」

ハヤテ「・・・あの・・・」

誠「ん?」

ハヤテ「あなたはさっき・・・僕が、三千院さんのお父様に似てると言いましたよね・・・」

誠「・・・ああ。だが正確には、彼ではなく、彼の兄だろうな」

ナギ「兄?という事は・・・私の伯父?」

誠「ええ。彼も紫子様達が結婚する数年前に結婚していましたが・・・不慮の事故で、
彼は妻を亡くし・・・そして、その人の中に宿っていた命までも・・・」

ハヤテ「・・・・」

誠「・・・恐らくは、他人の空似だろうな。紫子様達の子供はお嬢様しかいないし、
彼の兄の子供も、生まれる前にその命を散らしているのだから」

ハヤテ「・・・そう・・・ですか・・・」

空「・・・その、お嬢様の伯父は・・・今、どこで何を?」

誠「・・・さあな・・・妻と子を亡くして以来、彼は18年間行方知れずだ・・・」

空「・・・・」

姫神「・・・なぁ・・・親父・・・」

誠「?」

姫神「なんて・・・名前だったんだ?ナギの父親は・・・」

ナギ「・・・そうだ・・・教えてくれ・・・私の・・・父の名前を・・・!」

誠「・・・彼の名を語るのはいつ以来だろうか・・・・」

ナギ「・・・・」

ハヤテ「・・・・」

空「・・・・・」

マリア「・・・・」

姫神「・・・・」


誠「・・・・彼の名は・・・・」



























ドガアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

一同「!?」

誠が名を言おうとした瞬間、突如、謎の爆発音が聞こえてきた。

空「なんだ!?」

誠「これは・・・敵襲・・・?」

すると、使用人の1人が傷だらけの状態で入ってきた。

誠「!どうした!?」

「ぐっ・・・刀を・・・」

誠「刀・・・?」

「長い・・・刀を持った男が・・・この屋敷に・・・一刻も早く・・・帝様・・・を・・・」

そこまで言ったとき、その使用人は事切れた。

誠「・・・!」

空「・・・その人は?」

誠「・・・・」

誠は黙って首を横に振る。

姫神「・・・!」

マリア「そんな・・・」

誠「・・・・せめて汝に、光の導きがあらん事を・・・・眠れ、安らかに・・・・」

そう言うと、誠は立ち上がり、部屋にある額縁の方へと向かう。

ナギ「・・・?おい、何を・・・」

誠「長い刀・・・・まさか・・・」

額縁の前に立つと、誠はその額縁を壁から外す。するとその裏には、横長の金庫のような物が合った。

姫神「・・・これは・・・」

誠「・・・あいつが死んでから、私には封じた物がある」

言いながら、その金庫のボタンを押していく。すると、無機質な音と共に、金庫の扉が開いた。

空「・・・・刀・・・?」

その中には、普通のサイズだが、特殊な装飾が施された日本刀が納められていた。

ハヤテ「・・・・」

誠「・・・・久しぶりだな・・・・こいつを手に取るのも・・・・」

空「あれは・・・・」

姫神「・・・草薙・・・」

ナギ「・・・くさなぎ?」

空「・・・草薙って確か・・・」

ハヤテ「兄さんが言ってた、聖剣の一つ・・・?」

誠「・・・お前等はここにいろ。ここでお嬢様とマリアを守れ」

空「俺達も・・・」

誠「ダメだ。今回の敵は強すぎる。私で無ければ話にならない」

空「・・・・」

誠「・・・頼んだぞ」

そう言うと、誠は草薙を腰に差し、部屋を飛び出していった。

空「・・・・」

ハヤテ「・・・空・・・どうするの?」

空「・・・言われた通り、ここで待つ・・・」

姫神「・・・・」

空「・・・って言いてぇとこだけどよ・・・」

そう言うと、空はナギの方を向く。

空「・・・お嬢様。しばらく離れますけど・・・構いませんね?」

ナギ「・・・・ああ。行って来い」

空「はい!」

そう言い、空はダッシュで部屋を出て行った。

姫神「なっ、おい!」

ハヤテ「・・・ああ、もう!」

それに続き、ハヤテも部屋を出る。

姫神「・・・・ハァ・・・・すまん。必ず戻る!」

姫神もそれについていった。

ナギ「・・・さて。気長に待とうではないか、マリア」

マリア「はぁ・・・でも、良かったんですか?私達だけじゃ・・・」

ナギ「心配ない。空達は戻ってくるさ」

マリア「・・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第162話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 ( No.8 )
日時: 2010/02/15 20:05
名前: SORA

第163話[混沌の覇者]

表紙:麒麟を挟んで左に空、右に十六夜


誠「おおおおおお!!」


ギィン!
前回の後、誠は本宅に攻め込んできた男・・・九頭神 隼人(くずがみ はやと)と剣を交えていた。

誠「くっ・・・ぬおぉ・・・!」

隼人「・・・フン・・・」

ギャンッ!
隼人はその刀で誠の草薙を弾くと・・

ドガァッ!
そのまま、誠を蹴り飛ばした。

誠「ぐぅっ・・・!」

蹴り飛ばされた誠は、なんとか空中で姿勢を直し、着地する。

隼人「・・・・」

誠「くっ・・・やはり生きていたか、隼人!」

隼人「ああ。おかげさんでな」

誠「・・・貴様・・・なぜ、聖剣を己が私欲に使っている!」

隼人「知れた事・・・俺はぶっ壊したいんだよ・・・俺から全てを奪った、この世界をなぁ!!」

そう言うやいなや、隼人は刀を構え誠に突っ込む。

誠「くっ・・・!」

隼人「はぁああああ!!」

ガギィンッ!

誠「ぬっ・・ぐぅ・・・!」

隼人「・・・・?」

一気に押し込もうとした矢先・・・




ズガァンッ!
隼人に向かって、一筋の雷撃が走ってきた。

隼人「チッ・・・!」

それに気づいた隼人は、誠から距離をとる。

誠「・・・・?」

「待たせましたね、誠さん!」

誠「なっ・・・!」


振り向くと、そこにはそれぞれの聖剣を構えた空達が立っていた。

空「へへっ」

誠「お前等・・・・お嬢様とマリアを守れと言っただろうが!」

空「お嬢様の許しが出たんですよ。というわけで・・・真打ち登場だ」

ハヤテ「はは・・・まぁ、そういう事なので・・・」

誠「・・・・」

姫神「ま。あんたは少し休んでろよ。あとは・・・俺達に任せな」

誠「お前等・・・」

隼人「・・・・」

空「・・・ハヤテ」

ハヤテ「うん・・・わかってる・・・あの人、普通じゃない・・・」

空「こいつぁ、腹括らねぇとな・・・」

ハヤテ「・・・・」

隼人「・・・お前・・・あいつに似てるな・・・」

ハヤテ「・・・?」

隼人「あいつの1人目・・・って事か・・・?」

ハヤテ「・・・何が言いたい・・・!」

隼人「・・・いや・・・まさかな・・・」

空「何をゴチャゴチャ言ってんだ!わけのわからねぇ事をよ!」

隼人「・・・なるほど・・・あいつの言った通りだな・・・」

空「あ?」

隼人「いや、なんでもねぇ」

空「・・・・」

隼人「・・・一応・・・お前等の名を聞いておこうか」

空「人に名前を尋ねる時は、自分から名乗るのが礼儀じゃねぇのか?」

隼人「礼儀・・・?ハッ。道具に礼儀もクソもあるかよ」

空「・・・んだと・・・!?」

隼人「・・・まぁいい・・・一応は名乗っておいてやる」

そう言うと、隼人は一旦刀を鞘に納める。

ハヤテ「・・・・」

隼人「・・・我が名は九頭神・・・九頭神 隼人。9つの聖剣が1つ、村正を持つ男だ」

空「九頭神・・・だと・・・!?」

ハヤテ「村正・・・あの刀が?」

誠「・・・そうだ・・・聖剣の中で、最も闇に近づきすぎた、呪われた聖剣・・・」

姫神「闇に近づいたって・・・それじゃあもう、聖剣とは言わねぇんじゃ・・・」

隼人「くっはっはっはっはっは!」

空「!?」

隼人「・・・何も知らないんだな、お前等は・・・」

ハヤテ「・・・どういう事だ・・・」

隼人「・・・・聖剣・・・・その名前だけ聞けば、誰もが聖剣を形作るのが光だけだと思い込むが・・・実際、そんな事はない」

空「・・・・」

隼人「この世に生きる全ての生き物は、みな必ず光と闇を抱えて生きている・・・お前等もそうだし・・・俺もそうだ」

ハヤテ「・・・・」

隼人「人間はみな光と闇で出来ている・・・それは、聖剣も然りだ・・・
ただ、この村正は・・・・お前等の持ってる聖剣よりも、ちょっとばかり闇が強いってだけの話さ」

姫神「・・・・」

隼人「・・・お前は残念だったよな、誠・・・」

誠「・・・・」

隼人「本来なら最も強き聖剣である、天叢雲はこの世で最も強いお前が手にするはずだったのに・・・」

誠「くっ・・・黙れ!」

隼人「なのに、天叢雲はお前ではなく、あいつを選んだ・・・お前に与えられたのは、
最も脆弱な聖剣・・・・その草薙だった」

誠「・・・・」

隼人「・・・あいつは、天叢雲の真の使い道もわかっていなかった・・・愚かな奴だよ、あいつは・・・」

誠「黙れ!俺の友を愚弄するな!!」

そう言い、誠は再び隼人に突っ込む。

誠「おおおおおおお!!」

隼人「・・・・」
















ザンッ!

誠「がっ・・・!?」

姫神「親父!!」

空「誠さん!」

ハヤテ「・・・!」

隼人の一撃を受けた誠は、静かにその場に崩れ落ちた。

空「・・・この野郎おおおおおお!!」

ハヤテ「空!」

空「はぁああああああ!!」


ギィンッ!
空の一撃を、難なく片手で受け止める隼人。

空「くっ・・・!」

隼人「・・・・いい眼だな、凄王」

空「えっ・・・」


ドゴォッ!
その瞬間、空は隼人の蹴りを食らい、吹っ飛ぶ。

空「がはぁっ!」

ハヤテ「くっ・・・・はぁっ!」

それに合わせ、ハヤテも突っ込む。


ガァンッ!

ハヤテ「くっ・・・!」

隼人「・・・見れば見るほど似ている・・・」

ハヤテ「・・・何を・・・!」

隼人「・・・・」

ギャリィンッ!
そのまま、隼人はハヤテを押し返す。

ハヤテ「ぐっ・・・」

隼人「・・・・」

空「姫神!誠さんは!?」

姫神「・・・峰打ちだったみたいだ・・・気を失ってる・・・」

空「・・・そっか・・・」

隼人「・・・・」

空「姫神。そのまま、誠さんを頼むぞ。あいつは俺達で何とかする・・・」

姫神「・・・大丈夫なのか?」

ハヤテ「・・・何とかなりますよ」

そう言い、構えを取るハヤテと空。

空「・・・・」

ハヤテ「・・・・」

隼人「・・・・そろそろだな」

空「あ?」

ハヤテ「え?」

その時・・・・


























ブオォンッ!

空・ハヤテ・姫神「!?」

突如、空達の前にサイドカー付きのバイクが走りこんできた。

空「・・・なんだ?」

隼人「・・・ちょっと遅いな」

「悪ぃ悪ぃ。途中で、こいつが暴れだしたもんでよ」

そう、フルフェイスヘルメットを被った男が言う。

姫神「・・・その声・・・まさか・・・!」

「ん?おお、姫神か。久しぶりだな」

そう言い、ヘルメットを外した男は、紅月 茜その人だった。

姫神「紅月・・・!」

紅月「・・・兄貴は?」

隼人「安心しろ。殺しちゃいねぇさ」

紅月「・・・ならいい」

そう言うと、紅月はサイドカーに乗っている銀髪の男を降ろす。


ドサッ・・・

意識が無いのか、降ろされるとその男・・・というより、青年はその場にへたり込んでしまった。

空「・・・・?」

紅月「よっ・・・と・・・」

その後、紅月はサイドカーにしまってあった、やや大きめの両刃の剣を取り出し、その青年の前に突き刺した。

紅月「・・・さ。これでいい」

隼人「こんなんで、本当に目覚めるのか?」

紅月「問題無いさ。肉体と魂は自然に引かれ合うからな」

そう言った瞬間、へたり込んでいた青年の瞼が微かに開き、そのまま突き刺してあった剣の柄を掴むと、それを支えにして立ち上がった。

「・・・・」

青年の紅い瞳は酷く虚ろで、その青年は、ただまっすぐ空だけを見つめていた。

「・・・・」

空「・・・・十六夜みてぇな面しやがって・・・」

ハヤテ「空・・・・」

空「・・・ハヤテ。どうやら、俺の相手はあいつみてぇだ」

ハヤテ「・・・らしいね」

紅月「じゃ。あの時の続きと行こうぜ、姫神」

姫神「くっ・・・!」

「・・・・」

空「・・・・?」

ハヤテ「・・・空・・・?」

空(なんだ・・・こいつ・・・初めて会った気がしねぇ・・・どこかで会った事がある・・・・?)

「・・・・」

ヒュッ

空「!?」

次の瞬間、青年はかなりの重量があるであろう剣を振りかぶり、空に斬りかかっていた。

空「くっ・・・!」

ギィン!
その一撃を何とか受け流すも、青年は既に次の攻撃の構えに入っていた。

空(・・・は・・・速ぇ・・・!)


ハヤテ「空!」

隼人「余所見をしてる暇があるのか?」

ハヤテ「!」


スパァッ!
瞬間、ハヤテの胸に浅く切れこみが入っていた。

ハヤテ「くっ・・・!」


紅月「おお!」

姫神「はぁっ!」

ガキィンッ!

姫神「ぬぅ・・・!」

紅月「・・・もう迷いは無いみたいだな?」

姫神「・・・まぁな・・・」

そう言うと、2人は互いに距離をとる。

「・・・・」

空「くっ・・・あんまり調子に・・・乗んじゃねぇぞ、ゴルァッ!」

空が横一文字に薙いだ剣を、ジャンプしてかわす青年。

空「もらった!」

すかさずそこに突っ込み、剣を振り上げる空。

「・・・・」

が、青年は慌てた様子も無く、ゆっくりと左手を前にかざす。

隼人「・・・決まったな」

紅月「ああ・・・これで目覚めるぞ・・・・十六夜が」















































バリィンッ!!


空「!?」

その時、青年の手から巨大な雷撃が放たれ、それはそのまま空に直撃した。

空「がぁっ・・・!?(バカな・・・これは・・・俺の・・・)」

「・・・・」

空「・・・なんで・・・・テメェが・・・!」

そのまま、空は仰向けに倒れた。

「・・・・」

空「ぐっ・・・(ダメだ・・・身体が・・・!)」

ハヤテ「空!」

隼人「おっと、行かせねぇぜ?」

ハヤテ「・・・!」

姫神「くっ・・・どけ!」

紅月「そう言われてどくバカがいるか?」








ナギ「空!」

空「!・・・お嬢様・・・・なんで・・・」

マリア「もう、ナギ!」

空「マリア・・・さんまで・・・」

紅月「・・・マリア?」

マリア「!・・・姫神君が・・・2人・・・?」

姫神「くっ・・・!」

ナギ「空!お前・・・」

「!・・・・ナ・・・・ギ・・・・?」

ナギ「え・・・・?」

空「!?・・・お嬢様を知ってる・・・?なんなんだ、こいつ・・・!」

「・・・・」

そうすると、青年は空の胸の前に剣先を向ける。

空「くっ・・・・!?」

「・・・・して・・・らう・・・」

空「・・・な・・・に・・・!?」

「かえ・・・して、もら・・・う・・・・おれ・・・・の・・・・たま・・・しい・・・・を・・・・」

空「・・・何を・・・」









ズオォッ!

空「!?」

次の瞬間、空の身体からどす黒い波動が放たれ、それはやがて、空と青年を包み込んでいく。

ハヤテ・ナギ「!空!!」

姫神「早乙女・・・・!?」

マリア「早乙女君!」


「・・・・・」

空「ぐあ・・・がっ・・・・あああああああ!!」

隼人「・・・凄まじいな・・・あんなガキの身体に、これほどの闇が収まっていたとは・・・これが、凄王の闇って事か・・・」

ハヤテ「空!クソ・・・どけぇっ!!」

ハヤテは隼人をどけると、そのまま空の下へ走り出す。

「・・・・」

ハヤテ「空から・・・離れろ!!」

そのまま、ハヤテは飛燕を振るう。





バチィン!
が、周りのどす黒い波動に阻まれ、弾き飛ばされる。

ハヤテ「くっ・・・!?」

隼人「無駄だよ」

ハヤテ「!?」

隼人「覚醒が始まってんだ。もう、誰にも止められない」

ハヤテ「そんな・・・・空・・・・!」



空「ぐあああああ!くっ・・・ぐぅ・・・ああああああ!!」

「・・・・・」

空「がっ・・は・・・・あああああ・・・!」

ナギ「空・・・・空ぁ!!」






空「ぐっ・・・・がああああっ!!」

ズゥッ・・・・

瞬間、周りの黒いオーラが晴れたと同時に、空の身体から小さな光を放つ、光体が出現した。

空「かっ・・・は・・・・ああ・・・・あ・・・・」

そのまま、空の手から麒麟は消え、空の眼はそのまま閉じられた。

ナギ「空!!」

ナギはそのまま空に駆け寄る。

ナギ「空・・・空!しっかりしろよ!!」


「・・・・」

青年は、剣を取り落とすと、空の身体から出てきた光体を恍惚の表情で眺めている、

「・・・・」

そのまま、青年は光体を抱きしめるように、自分の胸へと押し込んだ。

「・・・・」

ハヤテ「・・・何を・・・」

隼人「・・・さぁ・・・目覚めるぞ・・・」

紅月「2千年の時を経て・・・思念と肉体だけで今この時まで生き残った男・・・」



隼人「混沌の覇者・・・・十六夜が・・・・!」


「・・・・」

ドクン・・・・

「・・・・!」

ドクン・・・・

「・・・・・」

すると、徐々にその青年の髪が黒く染まり始める。

ハヤテ「・・・・」

姫神「・・・・?」

ナギ「・・・・!」


「・・・・くっ・・・・くっくっくっくっくっくっ・・・・・」

次の瞬間、その青年は空を仰ぎ・・・・




































十六夜「あっはははははははははははははははははははは!!!」

そのまま高々と笑い始めた。

ハヤテ「・・・空・・・?いや、違う・・・この邪気・・・・!」

十六夜「いい!実に良いぞ!やはり、自分の身体というのは、実に居心地が良い!最高だ!最高の気分だ、はっははははははははは!!」

ナギ「・・・お前・・・!」

十六夜「さあ!2千年ぶりのこの身体・・・・改めて試させてもらうとするか!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第163話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.9 )
日時: 2010/02/16 19:12
名前: SORA

どうもです。皆様、見た瞬間わかったと思いますが、第3章のタイトルを変更しました。
・・・え?なんで2週間かって?それはですね・・・まぁ、いずれ。それでは。第164話、どうぞお楽しみください
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第164話[突きつけられた真実]


十六夜「・・・・」

ハヤテ「くっ・・・!」

隼人「やめとけ、十六夜」

十六夜「あ?」

隼人「目覚めたばっかの状態で天照とやるのは、いくらお前でもキツイだろ」

十六夜「・・・誰か知らねぇが、お前の忠告を聞く義理はねぇな」

隼人「・・・・自分の力に自信を持つのと、自分の力を過信するのは紙一重だ。やめとけ」

十六夜「・・・チッ・・・まぁ、俺を目覚めさせたのはお前等みたいだし・・・ここは大人しくするか」

ナギ「空・・・おい、空!」

ハヤテ「貴様・・・・答えろ!空に何をした!!」

十六夜「フッ・・・なに。そいつから、俺の魂を抜き出しただけだ」

ハヤテ「なんだと・・・!」

十六夜「そいつの心の奥底には、そいつ自身の魂と共に、俺の魂も眠っていた。
だが、俺の魂はかなり脆弱な状態でな・・・そいつの中に潜む闇を食いつつ、俺は密かにそいつの心を侵食して行った」

ハヤテ「闇・・・だと・・・!?」

ナギ「闇って・・・嘘だ・・・空の中に、そんなもの・・・!」

十六夜「事実だよ。現に、今俺の身体に溢れる闇は、本来ならこの3分の1程度で済むはずだった・・・
だが、そいつの闇の深さと大きさが俺の予想を遥かに上回っていた。
つまり・・・そいつの心には闇しかなかったわけだし・・・その闇と同時に俺という存在が抜き出た事で、
その男は今、心が欠けた状態にあるという事だ」

ハヤテ「戯言を・・・空の心に闇があってたまるか!!」

紅月「何度も言ってるだろ?全ては事実だ。そいつの心に潜む闇は、お前らとは比べ物にならないほどの質量だ。
まだ16歳程度のガキがそれだけの闇を有せる理由はただ1つ」

隼人「そいつの心に眠る、三柱の神が一つ」

紅月「大いなる闇の象徴であり、この世で最強の異能」

十六夜「・・・鬼神・・・凄王だ」


ハヤテ・姫神「!!」

ナギ「・・・凄王・・・?」

マリア「それって確か・・・ミコノスで・・・・」

姫神「・・・凄王が・・・早乙女の中に・・・?」

ハヤテ「それじゃあ・・・本当に、空の心には・・・」

十六夜「ああ。俺と同じく、闇しかない」

ハヤテ「・・・・」

ナギ「・・・さっきから好き放題言いおって・・・」

十六夜「?」

ナギ「だいたい!十六夜とか言うお前!お前は一体何なのだ!いきなり現れて、空をこんな目に合わせて!」

十六夜「・・・その威勢・・・ますます、あいつを思い出す・・・」

ナギ「・・・?」

十六夜「知ってるだろう?俺は十六夜。2千年前、天上院を守護した、守護者の1人だ」

ハヤテ「守護者・・・?」

ナギ「天上院って・・・」

姫神「2千年だと・・・?どういう事だ・・・!」

隼人「そいつの肉体は、2千年前に魂を抜き取られて以降、その長い間ずっと眠り続けてた」

マリア「そんな・・・人間の身体が、2千年間も残されるわけ・・・」

紅月「・・・コールドスリープってのを知らねぇのか?」

マリア「・・・・」

隼人「2千年も前じゃ、そんな技術は無くて当然・・・だが、その時代には、呪術ってのが存在してた」

ハヤテ「・・・じゃあ・・・その呪術とやらで、2千年間ずっとコールドスリープを・・・?」

紅月「ああ。それも、絶対に誰にも侵される事のない場所でな」

姫神「・・・・?」


隼人「・・・・王族の庭城」

ハヤテ「!!」

隼人「あの城の地下で、こいつの肉体はずっと眠り続けてた。文字通り、凍りついた状態でな」

ハヤテ「そんな・・・なんで、城に・・・!」

十六夜「決まってる・・・俺の魂が奪われた場所が、その城だったからだ」

ハヤテ「・・・・」

隼人「見つけたのは、15年前・・・ひょんな事から、俺が城に入った事がきっかけだ」

姫神「・・・・」

隼人「・・・まぁ、語れるのはここまでだな」

ハヤテ「・・・・」

十六夜「・・・これ以上の真実を知りたいのなら、伊豆とかいう場所に行くといい。
そこに勇人と言う、お前等にとって最も有利になる味方がいるからな」

そう言うと、十六夜はナギ達に背を向ける。

ナギ「!・・・おい!」

隼人「どこに行く気だ?」

十六夜「色々だ。なにせ、2千年ぶりだからな。世界がどうなってるのか興味が沸いてきた」

隼人「・・・・それだけか?」

十六夜「・・・あと・・・石だな」

隼人「・・・そうか。なら、俺が止める理由は無い。行け」

十六夜「止められても行ってるよ」

そう言い残し、十六夜はその場から消え去った。

ナギ「くっ・・・!待て!!」

紅月「さてと・・・んじゃ、俺達も帰ろうぜ。目的は達成したしな」

隼人「だな」

姫神「・・・俺達が、このまま貴様等を黙って帰すと思うか?」

ハヤテ「そうだ・・・答えろ。貴様等の目的は何だ?三柱の神とやらを使って、何をするつもりだ?」

紅月「・・・良い眼だな、お前も。アテネが羨ましいぜ」

ハヤテ「!・・・なに・・・!?」

ナギ「アテネって・・・天王洲アテネか・・・?」

紅月「一度はお前等と仲良くやってたアテネが、どうしてまた闇に堕ちたと思う?」

ハヤテ「・・・・」

紅月「理由は簡単・・・綾崎ハヤテ。アテネを救った張本人であるお前が、再びアテネを闇に堕としたんだよ」

ハヤテ「・・・・!」

紅月「・・・いや・・・正確には、お前と三千院ナギだな」

ナギ「え・・・」

紅月「半ばボロボロだったアテネの心を、綾崎ハヤテ・・・お前は修復した。
だが、三千院ナギ。お前の身勝手で、治りかけていたアテネの心は再びぶっ壊れた。
それが、あいつが今尚闇に染まってる証拠だ」

ハヤテ「・・・う・・・嘘だ・・・そんな・・・!」

紅月「・・・信じられないか?だったら、何度でも言ってやる」

そう言い、紅月はハヤテに指を突きつける。


紅月「綾崎ハヤテ・・・・アテネを闇に堕としたのは、お前だ」

ハヤテ「・・・・!!」

その言葉に、ハヤテはその場にへたり込む。

姫神「綾崎・・・」

ハヤテ「ハァ・・・ハァ・・・ち・・・違う・・・僕は・・・僕は・・・!!」

紅月「・・・苦しみ続けろ・・・愛した女を闇に堕とした自分の罪にな・・・」

ハヤテ「くっ・・・・!!」

隼人「・・・お前等に伝言を預けてもいいか?」

マリア「伝言・・・?」

隼人「ああ。もし伊豆いる勇人と言う男に会いに行くつもりなら、伝えておけ」

姫神「・・・・」

隼人「・・・「気は熟した。満月の夜、俺とお前が別たれた地にて待つ」・・・ってな。俺の名を出せば問題無い」

姫神「・・・・」

隼人「それだけだ」

そう言うと、隼人はサイドカーに乗り込む。

紅月「んじゃあな。また会う日を楽しみにしてるぜ?」

そう言い、紅月と隼人を乗せたバイクは走り去っていった。

姫神「・・・・」

ナギ「・・・・」

マリア「・・・なんだったんでしょう・・・彼等は・・・」

ハヤテ「・・・・」

姫神「・・・大丈夫か?」

ハヤテ「・・・ええ・・・僕は大丈夫ですが・・・空は・・・」

ナギ「・・・空・・・」

見ると、そこにはピクリとも動かない空の姿があった。

姫神「・・・・これからどうする?」

ハヤテ「・・・そうですね・・・彼等が言った通り、伊豆に行くのも手かもしれません」

ナギ「なっ・・・!あんな奴等の言う事を信じるのか!?」

ハヤテ「それでも。その、「勇人」とか言う人なら、もしかしたら空を助ける手段を知っているかもしれません」

ナギ「・・・・」

姫神「・・・行くのか?」

ハヤテ「・・・それしかないと思います」

マリア「ですが、早乙女君はどうするんですか?一緒に連れて行くわけには・・・」

ハヤテ「・・・とりあえず、一旦屋敷に戻りましょう」

ナギ「・・・・」

姫神「・・・じゃ。俺は、親父を寝かせてくる」

そう言うと、姫神は誠を担いで、本宅の中へと入っていった。

ハヤテ「・・・・」

マリア「・・・・」

ナギ「・・・空・・・」













































































帝「・・・ふむ・・・彼奴等は、上手くやったようじゃの・・・」

そう言うと、自分の机の上においてあるチェス版のような物に駒を並べていく帝。

帝「・・・・早乙女 空・・・・綾崎ハヤテ・・・・姫神 煉・・・・神崎 刹那・・・・
九条 日向・・・・天王洲アテネ・・・・鷺ノ宮 伊澄・・・・姫神 誠・・・・」

そこまで言いながら駒を並べると、9つの角の一箇所に隙間が出来た。

帝「・・・・あと、1人・・・・あやつ等兄弟のどちらか・・・か・・・」

そう言い、帝は無言でそのボードを睨み続けていた・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第164話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.10 )
日時: 2010/02/17 20:19
名前: SORA

第165話[哀しき瞳]


ハヤテ「・・・空・・・」

屋敷に戻った一行は、ひとまず空をベッドに寝かせ、これからを考えていた。

姫神「・・・早乙女はどうする?今日はもう遅いし、伊豆に行くなら明日だが・・・」

ハヤテ「そうですね・・・もし本当に、凄王が空の中に眠っていて、
奴等がそれを利用するつもりなら、空が狙われないとも限りませんし・・・」

姫神「そうだな・・・俺が残ってもいいんだが・・・」

ハヤテ「・・・背に腹は変えられないか・・・それじゃあ、マリアさんと一緒にお願いできますか?」

姫神「ああ。なら、伊豆に行くのはお前とナギという事になるな?」

ハヤテ「ええ。あの人の性格なら、意地でも空を救う方法を聞きに行くでしょうね」

姫神「だが、その・・・「勇人」・・・だったか?その男が早乙女を助ける方法を知っていなければ意味が無いぞ」

ハヤテ「・・・まぁ、その時はその時ですよ」

姫神「そうだな・・・ところで」

ハヤテ「?」

姫神「お前・・・本宅から戻ってきてからおかしいぞ?」

ハヤテ「・・・・!」

姫神「・・・紅月が言った事が引っかかるか?」

ハヤテ「・・・別に・・・そんな事・・・」

姫神「・・・・アテネの事なら気に病む必要はないと思うが」

ハヤテ「・・・けど・・・」

姫神「?」

ハヤテ「もし・・・もし本当に・・・僕の・・・僕のせいで、彼女が闇に堕ちたのだとしたら・・・」

姫神「・・・だったら、お前が救えばいい」

ハヤテ「・・・え?」

姫神「お前が闇に堕としたかどうかは、この際どうでもいい。そうだったとしても・・・お前は一体、どうしたいんだ?」

ハヤテ「・・・・」

姫神「あいつとお前がただならぬ関係だというのは、見てればわかる。
だからこそ・・・・アテネを闇から救うのは、お前の仕事だ。わかるな?」

ハヤテ「姫神さん・・・」

姫神「・・・・さ。もう寝ろ。明日は速いんだろ?」

ハヤテ「・・・ありがとうございます」

姫神「なに、気にするな。じゃあ、俺は先に寝てるぞ」

ハヤテ「はい・・・」

そうして、姫神は部屋から出て行った。

ハヤテ「・・・アーたんを闇から救うのは僕・・・・か・・・・」

























マリア「あ、姫神君・・・」

姫神「おう。話は纏まった」

マリア「そうですか・・・それで?」

姫神「伊豆の方には、綾崎とナギが向かう。俺とお前で早乙女の護衛だ」

マリア「わかりました。それじゃあ、ナギに伝えてきます」

そう言うと、マリアはナギの部屋へと向かう。

姫神「・・・ふぅ・・・」

一つ息を吐くと、姫神は窓から夜空を見上げる。

姫神「・・・月が赤い・・・・鮮血の月って奴か・・・災厄の前触れ・・・余計な事が起きなきゃいいけどな・・・」






































































そして、翌日・・・

ハヤテ「それじゃあ、僕達は行ってきますね」

姫神「ああ」

マリア「道中、くれぐれもお気をつけて」

ナギ「ああ。お前等も、空を頼むぞ?」

姫神「任せておけ」

ハヤテ「では、行きましょう」

ナギ「ああ」

そうして、ハヤテとナギは、一路伊豆へと向かった。

マリア「・・・2人共、無事だといいんですけど・・・」

姫神「綾崎がいるなら、問題は無いだろう。さ。俺達もやるべき事をやるぞ」

マリア「・・・そうですね」

そう言い、2人は屋敷の中へと入っていった。









































































ナギ「・・・ふぅ・・・なんだかんだで久しぶりだな、伊豆も・・・」

ハヤテ「そうですね・・・」

駅から電車に乗って数時間。2人は何の問題も無く、伊豆に到着した。

ナギ「さてと・・・伊豆に着いたはいいが、その「勇人」とか言う奴はどこにいるのだ?」

ハヤテ「さぁ?」

ナギ「さぁって・・・どこにいるのかわからんのか!?」

ハヤテ「まぁ、詳しい情報を貰ったわけではないですし・・・そこら辺の人に片っ端から聞けばいいんじゃないですか?」

ナギ「おまっ・・・正気か!?」

ハヤテ「それ以外に方法がありませんからね。さ、行きましょう!」

ナギ「うぉい!ちょっと待て!」

















































































ナギ「ハァ・・・ハァ・・・こ・・・ここか?」

ハヤテ「ハァ・・・ハァ・・・ええ・・・恐らく・・・」

聞き込み開始からしばらくして、2人は幾つかの情報から特定した場所・・・

「紫宝院」と表札に書かれた、大きな施設の前にいた。

ナギ「・・・本当にここにいるのか?」

ハヤテ「有力な情報を照らし合わせた結果がここですからね・・・可能性は高いと思います」

ナギ「そうか・・・じゃあ、速く入るとしよう」

ハヤテ「そうですね」

そう言い、施設に入ろうとする2人。その時・・・











「ばーん」

バシャッ!

ナギ「ぷぁっ!?」

突如、ナギの顔に水がかけられた、

ハヤテ「あっ。だ、大丈夫ですか?」

ナギ「・・・・誰だぁ!?」

「キャハハ!おねーちゃん、おもしろーい!」

見るとそこには、4、5歳ぐらいの男の子が水鉄砲を持って立っていた。

ハヤテ「・・・子供?」

ナギ「おいコラ!いきなり人に水をかけるな!」

「え〜?でも、おねーちゃんがゆだんしてるからわるいんでしょ?」

ナギ「なにおぅ!?」

ハヤテ「まぁまぁ、落ち着いて」

「それに、「このよはじゃくにくきょーしょくだ」って、ゆうとおじさんが言ってたもん!」

ハヤテ「!ゆうと・・・?」

すると、そこに・・・

「コラ!なにしてるの!」

20代半ばぐらいの女性が走ってきた。

「ごめんなさい・・・この子が迷惑をかけませんでしたか?」

ナギ「ああ。顔に思いっきり水をかけられた」

「まぁ・・・人に迷惑かけちゃダメって、言ってるでしょ?」

「う〜・・・でも・・・」

「でもじゃありません!」

「・・・ごめんなさい・・・」

ナギ「むっ・・・ま、まぁ・・・謝ったから、よしとするか」

「それじゃあ、あっちに行ってみんなと遊んできなさい」

「は〜い・・・」

そう言うと、その子供は遠くにいる他の子供達の所に走っていった。

ハヤテ「・・・・」

「本当にごめんなさい・・・ところで、あなた達は・・・?」

ハヤテ「ああ、すみません。僕達は、この施設にいる人に会いに来たんです」

「まぁ、そうなんですか?ここに知り合いでも?」

ハヤテ「いえ、そういうわけでは・・・」

「それで・・・誰を探してるんですか?」

ハヤテ「はい。あの・・・「勇人」という名の方は、ここにいらっしゃるでしょうか・・・?」

「・・・え・・・勇人さん・・・ですか・・・?」

ハヤテ「はい・・・あの・・・いないんですか?」

「・・・・いるにはいますよ?ですが、その・・・」

ハヤテ「・・・?」

「・・・あなた方は・・・勇人さんとどういったご関係で・・・?」

ハヤテ「あ、別に関係は無いんです。ただ、ある人からその人に会いに行けと・・・」

「・・・・わかりました・・・・それじゃあ、別の人に案内を頼むので、少し待っててください」

そう言うと、その女性は急いで施設内へと走っていった。

ハヤテ「・・・・?」

ナギ「・・・なんか、そいつの名前を出した途端によそよそしくなったな」

ハヤテ「その勇人って人と何かあるんでしょうか・・・?」







































シャアアア・・・・

施設内のシャワールーム。その一室に、蒼い髪の男・・・九頭神 勇人(くずがみ ゆうと)はいた。

勇人「・・・ふぅ・・・」

勇人の身体には、銃創や切創、その他にも大小様々な傷跡が生々しく残っていた。

勇人「・・・・」

「勇さん。ちょっといいかい?」

すると、やや老けた感じの男の声が聞こえてきた。

勇人「?なんだ?」

「珍しい事に、あんたに客だよ」

勇人「俺に客・・・?」

「ああ。若い男と女が1人ずつ」

勇人「追い返せ。向こうに用があっても、俺には無い」

「そう冷たい事言わさんなって。面白いぜ?その2人」

勇人「?・・・どういう意味だ?」

「男の方は、あんたにそっくりな蒼い髪の男。女の方は金髪ツインテールのチビッ子だ」

勇人「!・・・蒼い髪に・・・金髪のツインテール・・・!?」

「ああ、そうだ・・・もしかして、知り合いかい?

勇人「・・・いつか来るとは思っていたが・・・まさか、今とはな・・・」

「え?なんか言ったかい?」

勇人「・・・気が変わった。会おうじゃないか、その2人に」

「わかった。んじゃあ、あんたの部屋に通せばいいね?」

勇人「ああ。頼むよ」

そう言うと、勇人はシャワーを止め、脱衣所に向かう。




































ナギ「・・・長い。どれだけ待たせるつもりなのだ?」

ハヤテ「まぁまぁ。気長に待ちましょうよ」

ナギ「しかし、いくらなんでももう、十分もこのままだぞ?」

ハヤテ「待ちましょうよ。その内来ますって」

ナギ「・・・フン・・・」

すると、そこに・・・

「よう。あんた達かい?勇さんの客ってのは」

2人の所に初老の男性が歩いてきた。

ハヤテ「えっと・・・あなたが案内の人ですか?」

「ああ。俺が案内するよ。着いてきな」

ハヤテ「はい。さ、行きましょう」

ナギ「あ、ああ・・・」


そうして、施設の中を歩き始める3人。

ハヤテ「・・・・」

「どうした?」

ハヤテ「この施設・・・随分と年齢層が広いですね・・・」

ナギ「・・・確かに、そうだな・・・赤ん坊から年寄りまで・・・」

「ははっ。それがこの施設の魅力さ。親の都合でここに預けられる子供や
身内の勝手で介護しきれなくなった年寄りなんかは、みんなここに来るんだ。
まぁ、それだけじゃなく、何かしらの理由で表じゃ生きられなくなった人間なんかもここに来るんだ」

ハヤテ「表じゃ・・・」

ナギ「生きられない?」

「ああ。俺もそうだし・・・あんた等が今から会おうとしてる、勇人って男もな」

ハヤテ「・・・・」

「・・・さ。ここが勇さんの部屋だ。すぐに来るだろうから、中で待っててくれや」

ハヤテ「あ、はい。わかりました」

「・・・にしても、あんた・・・」

そう言う男は、まじまじとハヤテを見つめている。

ハヤテ「?・・・なにか・・・」

「・・・見れば見るほど勇さんに似てるなぁ・・・」

ハヤテ「・・・・?」

「・・・まぁ、いいか」

そう言い残し、男はその場を去っていった。

ナギ「・・・なんなのだ?」

ハヤテ「さぁ・・・?とりあえず、中で待ってましょう」

ナギ「・・・だな」

そう言い、2人は部屋の中に入る。

ナギ「・・・うわ」

ハヤテ「・・・殺伐としてるな・・・」

部屋の中は、応接用のテーブルに来客用のソファ、それ以外にはテレビとベッドが一つずつという、生活感の欠片も無い部屋だった。

ナギ「まったく・・・ここまで来ると、尊敬の念が湧いてくるな」

ハヤテ「確かに・・・この生活感の無さは以上ですね・・・」

そう言いつつ、部屋の中を散策する2人。すると・・・・


「人の部屋を何勝手に探索してるんだ?」

ハヤテ・ナギ「!?」

声のした方を振り向くと、そこには壁に寄りかかっている、紺色で身体にフィットするスーツのような服の上に黒のベスト、
それに合わせるかのような黒のジーンズを穿いた、蒼い髪に、青い眼を持つ男が立っていた。

ナギ「・・・・」

ハヤテ「・・・あなたは・・・?」

勇人「俺に用があるんだろう?速く話したらどうだ?」

ハヤテ「・・・それじゃあ・・・あなたが・・・?」

勇人「ああ。よく来たな、客人・・・」

そう言うと、勇人は壁から離れ、ハヤテ達に近づく。

ハヤテ「・・・・」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・俺が九頭神 勇人だ。よろしくな」

そう言った勇人の瞳は、2人が見た事の無いほどの深い哀しみを帯びていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第165話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.11 )
日時: 2010/02/18 10:44
名前: SORA

第166話[2千年]


ハヤテ「・・・九頭神・・・?」

勇人「そうだ。九頭神 勇人。それが、俺の名だ」

ナギ「・・・・」

ハヤテ「九頭神って・・・本宅にいた、あの人と同じ・・・」

勇人「本宅・・・?ああ、隼人の事か」

ハヤテ「!知ってるんですか?」

勇人「知ってるも何も・・・九頭神 隼人・・・奴は、俺の双子の兄だ」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・そんな事より、座ったらどうだ?立ち話もなんだしな」

ハヤテ「え?あ、はい・・・」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・どうした?俺の顔に何かついてるか?」

ナギ「・・・あんた・・・前にどこかで会ったか?」

勇人「・・・会ったと言えば会ったな」

ナギ「だが、私にはあんたと会った記憶が無い」

勇人「無理も無い。俺達が会ったのは、君が生まれたばかりの時だからな」

ナギ「・・・え?」

勇人「・・・君の両親は、俺の古い友人だ」

ナギ「えっ!?」

勇人「・・・それについても、詳しく話そう。まずは座れ」

勇人に促され、ソファに座る2人。

勇人「さて・・・俺に話があるようだが?」

ハヤテ「はい。実は・・・」

そうして、ハヤテは事の顛末を述べる。




















勇人「・・・なるほど・・・隼人の奴、思い切った行動に出たな・・・」

ハヤテ「十六夜という男はその時、自分の事を2千年前の人間だと言っていました。これはいったい・・・」

勇人「・・・ふぅ・・・それについて話すのは、かなり長くなるぞ?」

ハヤテ「構いません」

勇人「・・・ま。それは後にしよう。それよりも、三柱の神について聞きたくは無いのか?」

ハヤテ「・・・それもそうですね・・・」

勇人「・・・今眠っている、君達の仲間・・・早乙女 空だったか?」

ハヤテ「ええ」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・その男の中に凄王が眠っているというのは、事実だ」

ハヤテ「・・・!」

ナギ「そんな・・・じゃあ、空は本当に・・・」

勇人「・・・代々、凄王を心の中に宿す者は、決まって深い闇を背負っていた。
だから、その男が心の中に深い闇を宿していても、なんら不思議な事はない」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・だが、今君等が置かれている状況は極めて稀なケースだ」

ハヤテ「え?」

勇人「なにせ、凄王のすぐ近くに天照がいるんだからな」

ナギ「天・・・照・・・?」

ハヤテ「光を司る・・・三柱の神?」

勇人「ああ。凄王と対極に位置する大いなる神。それが凄王・・・早乙女 空の近くにいる」

ナギ「・・・・」

ハヤテ「・・・それは・・・いったい・・・?」

勇人「・・・・」

そうすると、勇人は自分の目の前にいる人物・・・
























































ハヤテを指差した。

ハヤテ「・・・・」

勇人「お前だよ、綾崎ハヤテ」

ナギ「・・・・」

ハヤテ「・・・え?・・・僕が・・・天照・・・?」

勇人「ああ。間違いない。君からは、他の者からは感じられないほどの特殊な光を感じる」

ハヤテ「・・・けど、僕は一度、闇に身を堕としました。そんな僕が天照だなんて・・・」

勇人「それは、お前等が闇に堕ちたと思い込んだだけだ。心を闇に染めようが、天照の本質は光以外の何者でもない」

ハヤテ「・・・・」

ナギ「・・・それで、その・・・天照とか凄王とか・・・そんな事よりも」

勇人「?」

ナギ「あいつを・・・空を助ける方法は無いのか?」

勇人「・・・あるとするなら、一つだけ」

ナギ「・・・あるにはあるんだな?」

勇人「まあな」

ナギ「教えてくれ!いったい、どうすれば・・・!」

勇人「十六夜と再び同化させればいい」

ナギ「・・・そんな事でいいのか?」

勇人「ああ。ただし、条件がある」

ナギ「・・・条件?」

勇人「・・・凄王を構成するのは、大いなる闇。そして、今はその闇が2つにわかれている」

ハヤテ「・・・・?」

勇人「仮に、この2つの大きな闇が再び1つになった場合、何が起きると思う?」

ナギ「・・・・!」

ハヤテ「・・・凄王が・・・覚醒する?」

勇人「・・・・」

その言葉に、勇人は黙って頷く。

ナギ「・・・でも、それぐらい・・・空なら・・・」

勇人「いや、可能性は低いだろうな」

ナギ「どうして!」

勇人「十六夜の精神力があまりにも強すぎるからだ」

ナギ「・・・・」

勇人「仮に早乙女と十六夜が融合し、早乙女の精神が回復したとしても、凄王の闇と十六夜の精神力に食われて終わりだ」

ナギ「・・・そんな・・・」

勇人「選択肢は2つ。十六夜を消して早乙女を一生寝たきりにするか、一か八か早乙女の精神力に賭けて十六夜と融合させるかだ」

ナギ「・・・・」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・まぁ、それについてはゆっくり決めればいいさ」

ハヤテ「・・・大丈夫ですか?」

ナギ「・・・ああ・・・」

勇人「それより、2千年前について聞かなくていいのか?」

ハヤテ「え?ああ、そうでした・・・十六夜の言っていた、2千年前というのは?」

勇人「・・・今から約2千年前、この国に9人の若者達がいた」

ハヤテ「・・・?」

勇人「その内の1人は、まだ最年少の少女でありながら残りの8人の長である男を父に持ち、
その8人はその少女を守る剣であり、盾でもあった」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・少女とその父の姓は天上院。今の三千院家の祖となった家だ」

ハヤテ「!・・・という事は・・・!」

ナギ「その少女って・・・」

勇人「ああ。三千院ナギ・・・君の直系の先祖にあたる」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・そして、その天上院の少女を守り続けた者達を・・・」

ハヤテ「・・・守護者達・・・?」

勇人「そう。風牙、棗、鳳凰、雪螺、龍妃、光謁、紫苑、そして十六夜。
そういった異名を持った8人が、「天上院の守護者達」・・・そう呼ばれていた」

ハヤテ「・・・・」

勇人「その中でも、十六夜は天上院の幼馴染で、彼女に最も近く、そして彼女が誰よりも愛した人だった」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・だが、十六夜は裏切られた。信じていた、他の守護者達にな」

ハヤテ「え・・・・?」

勇人「きっかけは、天上院の父親だった。奴は自らの野望のために自分の娘を利用し、
それにより守護者達を内側から崩壊させた」

ハヤテ「・・・・」

勇人「自分達が利用されているとも知らない守護者達は、逆賊とされた十六夜を襲撃した。
その後、捕らえられた十六夜は、光謁の呪術により魂を抜かれ、そのままコールドスリープ状態で眠り続けていたわけだ」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・十六夜の憎しみは果てしない・・・1人の男のくだらない野望のおかげで
信じていたもの達に裏切られたと思い込み・・・一度はその憎しみの思念が、魂の抜かれた彼の身体を動かしたほどだ」

ナギ「・・・・」

勇人「そして2千年経った、今この時。奴の復讐は自分の血縁を利用した上で果たされる」

ハヤテ「・・・血縁・・・?」

勇人「ああ」

ナギ「・・・それは・・・どういう・・・」

勇人「・・・十六夜が襲撃される少し前、天上院は自分の中に新たな命が宿っている事を知った」

ハヤテ「・・・それってまさか・・・!」

勇人「・・・そう・・・十六夜との子だ」

ナギ「・・・・」

勇人「彼女に宿った子供は双子だった、1人は十六夜に似た少年。もう1人は彼女に似た少女だった」

ナギ「・・・それが・・・空とどういう関係が・・・?」

勇人「・・・逆賊の血を継ぐ子には、死刑を。それが彼女の父の意見だった。
だが、真実を知った他の守護者達は彼女の父を暗殺。
双子の妹の方だけを天上院の元に残し、もう1人・・・少年の方を別の場所にて育てた」

ナギ「・・・・」

勇人「そして、その双子の兄妹は2度と出会う事は無かった・・・2千年経つまではな」

ナギ「・・・まさか・・・!」

勇人「そうだ。天上院と十六夜の子供達の子孫・・・それが、君と早乙女 空だという事だ」

ナギ「・・・・!」

ハヤテ「・・・!」

勇人「遥か遠い昔、君達は兄妹だった。血を分けた実のな」

ナギ「・・・・」

勇人「とはいえ、もう2千年も前の話だ。この事実を知るものは少ない。
君と早乙女 空が添い遂げようが、君達に文句を言える奴は1人もいないさ」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・まぁ。十六夜と他の守護者達について知ってるのはこれだけだ」

ハヤテ「・・・ありがとうございました。そこまで教えていただいて」

勇人「別に構わない。俺としても、こんな話を理解してくれて感謝してるくらいだ」

ハヤテ「理解・・・といっても、結構頭の中グチャグチャですよ?今」

勇人「ははっ。だろうな」

ハヤテ「・・・ああ、それと」

勇人「?」

ハヤテ「あなたのお兄さんから伝言を預かってました」

勇人「伝言?隼人から?」

ハヤテ「ええ・・・「機は熟した。満月の夜、俺とお前が別たれた地にて待つ」・・・と」

勇人「!・・・そうか・・・決着を付ける時が来たようだな」

ハヤテ「・・・・」

ナギ「・・・なぁ・・・九頭神・・・」

勇人「?なんだ?」

ナギ「私の父や母について・・・知ってる事は無いか?」

勇人「・・・・」

ナギ「昔の友達だったんだろ?何か知らないか?」

勇人「・・・友人といっても、一緒にいたのはほんの短い間だ。あまり知らないな」

ナギ「・・・そう・・・か・・・」

勇人「・・・だが」

ナギ「え?」

勇人「君の父親について、俺は一つだけ知っている事がある」

ナギ「そうなのか?頼む、教えてくれ!」

勇人「・・・ああ・・・教えてやるよ・・・」

ナギ「・・・・」









































































































勇人「君の父親は生きている」












































































ナギ「・・・・え?」

勇人「嘘だと思うだろ?だが、事実だ。君の父親は、今もどこかで生き延びている」

ナギ「・・・・そんな・・・・父が・・・・?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第166話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.12 )
日時: 2010/02/18 13:02
名前: SORA

第167話[封印されし聖剣]

表紙:どこかしらに鎖で縛られた天叢雲


ナギ「・・・父が・・・生きている・・・?」

勇人「ああ。15年前、テロリスト連中の襲撃を受けて瀕死の重傷を負った彼は、そのまま死を待つばかりだった」

ナギ「・・・・」

勇人「だが、そこに1人の男が現れた。その男は、人知れず彼を移動させ、そして完璧な治療を施した」

勇人「その後彼がどこにいたのかは知らないが・・・10年ほど前・・・君の母親が亡くなったのと同じタイミングで
彼は再び現れた。だが、彼の生存を知る者は極めて少ない。俺以外に、2人しかいないからな」

ハヤテ「2人・・・?」

勇人「俺の兄、隼人と・・・三千院帝だ」

ナギ「!・・・ジジィが・・・!?」

勇人「ああ」

ナギ「・・・ジジィの奴・・・知ってて黙ってたのか・・・父が生きている事を・・・!」

勇人「・・・まぁ、そういうわけだ。それで?お前等はこれからどうするんだ?」

ハヤテ「とりあえず、戻ります。聞きたい事は聞けたので」

勇人「そうか・・・なら、俺も一緒に行っていいか?」

ハヤテ「え?」

勇人「・・・隼人との決着を付けるために・・・」

ハヤテ「・・・・」

ナギ「・・・・」

勇人「・・・頼む・・・俺も一緒に連れて行ってくれ・・・俺は、隼人に伝えたい事もあるんだ・・・!」

ハヤテ「・・・どうします?」

ナギ「・・・まぁ、色々教えてくれた礼だ。いいんじゃないか?」

勇人「・・・本当か?」

ナギ「ああ」

勇人「・・・感謝する。ありがとう」

ナギ「・・・いや、別にいいんだが・・・」

勇人「・・・だったら、先に施設の外で待っててくれ。俺もすぐに行く」

ハヤテ「わかりました。それじゃ・・・」

ナギ「ああ」

そう言い、ハヤテとナギは勇人の部屋から出て行った。

勇人「・・・もうすぐだ・・・もうすぐ・・・」

1人部屋に残った勇人はそう呟くと、そのまま部屋を出た。














































ハヤテ「・・・そろそろ来るはずですね」

ナギ「・・・長い」

ハヤテ「あはは・・・」

などと話していると・・・

勇人「すまない。待たせたな」

ナギ「・・・遅い」

勇人「ははっ。それに関しては謝るよ。なにせここに来る途中、告白されたものだからな」

ハヤテ・ナギ「告白!?」

勇人「ああ。この施設にいる、君と同じくらいの子なんだが・・・」

言いながら、ハヤテを指差す勇人。

ハヤテ「・・・断ったんですか?」

勇人「当たり前だ。18歳の子供とじゃ歳の差がありすぎる」

ナギ「歳の差って・・・お前、一体いくつなのだ?」

勇人「俺か?俺はもう、38歳だが」

ハヤテ・ナギ「・・・・・・はぁ!!?」

勇人「・・・・なんだ?」

ハヤテ「さ・・・38歳!?」

勇人「あ、ああ・・・」

ナギ「嘘だッ!どう見ても、20代終盤にしか見えん!!」

勇人「そう言われても、事実なんだから仕方がない」

ハヤテ「・・・・」

ナギ「・・・・」

勇人「さ。そんな事より、速く行こう」

ハヤテ「・・・そんな歳なのに・・・結婚とかしてないんですか?」

勇人「・・・していたさ。ほんの昔まではな」

ハヤテ「・・・・」

勇人「俺にも・・・三千院ナギ。君と同い年ぐらいの子供がいるんだが・・・今は何をしているのか、わからない」

ハヤテ「わからない?」

勇人「ああ。俺は・・・自分の妻も、子供も捨てた・・・夫としても、父親としても失格だよ・・・俺は・・・」

ナギ「・・・・」

勇人「妻には、会いたくても会えない・・・謝る事も・・・償う事も出来ないんだ・・・」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・すまない。気分を害したなら、謝る」

ハヤテ「あ、いえ・・・そんな事は・・・」

勇人「・・・時間を取らせたな。すまない」

ナギ「・・・別にいい。速く行こう」

勇人「・・・っと・・・その前に、もう1つだけいいか?」

ナギ「・・・なんなのだ?」

勇人「ちょっと寄りたい所があるんだ。いいか?」

ナギ「・・・手短に頼むぞ」

勇人「すまない。すぐに済ませる」








































































ナギ「・・・・って、ここはうちの別荘ではないか。どうしてここに?」

勇人の寄りたい場所・・・それは、伊豆にある三千院家の別荘だった。

勇人「ここに、必要な物がある。ちょっと取ってくるから、待っててくれないか?」

ハヤテ「いや、ちょっと待ってください。それ泥棒なんじゃ・・・」

勇人「安心しろ」

ハヤテ「え?」

勇人「俺は生まれてこの方、犯罪という物を気にした事がない」

ハヤテ「いやそれ、思いっきり犯罪者の台詞じゃないですか!」

勇人「それでは、失礼する」

気づけば、勇人の姿は既に屋敷の中にあった。

ハヤテ「あっ!待ちなさい、犯罪者!おーい!」

ナギ「意外とぶっ飛んだキャラだったな・・・」































































ナギ「・・・で?ここから一体、何を持っていくつもりなのだ?」

勇人「・・・確か、この辺に・・・」

ナギ「おい、聞いているのか?」

勇人「・・・あった」

するとそこには、大きめの扉が。

ハヤテ「・・・こんな部屋、あったんですか?」

ナギ「さぁ?少なくとも、私は知らん」

ハヤテ「・・・ご自分の屋敷ですよね?」

ナギ「だから、前にも言っただろ?ここやあの屋敷は私のではなく、ジジィの物だ。
こんな部屋の事、ジジィや母は知っていただろうが・・・」

ハヤテ「なるほど・・・」

勇人「・・・・」

ハヤテ「ところで・・・あなたはさっきから何を?」

勇人「・・・ピッキング」

ハヤテ「・・・物凄い犯罪の臭いがしてきたんですけど・・・」

勇人「・・・・」




ガチャッ

勇人「開いた」

ハヤテ・ナギ「開いちゃった!?」

ギィィィ・・・

ハヤテ「・・・うっ・・・」

ナギ「うぇっ・・・カビ臭い・・・」

勇人「・・・・」

臭いをものともせず、勇人はずんずんと部屋の中を突き進む。

ハヤテ「・・・凄い・・・」

ナギ「もはや、なんでもありだな・・・」

勇人「・・・・見つけた」

すると、勇人が部屋の一番奥で何かを見つけた。すると・・・・





カッ!

ハヤテ・ナギ「!?」

勇人がそれを手にした瞬間、突如その物体がまばゆい光を放ち始めた。

ハヤテ「な・・・なんだ!?」

勇人「・・・・」

やがて、光は収まっていった。

ナギ「な、なんだったのだ・・・?」

勇人「・・・これでいい」

そう言うと、勇人は部屋の奥から戻ってきた。

勇人「もういい。さ、行こう」

そう言う勇人の手には、淡い光を放つ巨大な剣が握られていた。

ハヤテ「・・・あの・・・それは・・・?」

ナギ「そんな剣・・・私は見た事無いぞ?

勇人「・・・これは、君の父が使っていた剣・・・9つの聖剣が一つ・・・天叢雲だ」

ハヤテ「天叢雲・・・それが・・・!?」

ナギ「父が・・・使っていたのか?」

勇人「ああ」

ハヤテ「ですが、その・・・そんな物を持っていたら、かなり目立つ気が・・・」

勇人「ん?ああ、問題ない」

そう言って、天叢雲を軽く持ち上げる勇人。すると・・・




ぱしゅっ

そんな音を立てて、天叢雲は勇人の手から消えていた。

ハヤテ「え?」

勇人「まぁ、こんな感じだ」

ナギ「・・・・」

勇人「さ。行こうか」

ハヤテ「・・・本当に何でもありですね」

ナギ「そろそろこれが、本当に現実かどうか怪しくなってきたぞ・・・」


























































ハヤテ「ただいま帰りました」

姫神「ん?おう、帰ったか」

マリア「お帰りなさい、2人共」

ナギ「ん。ただいま」

姫神「・・・収穫は?」

ハヤテ「ええ。空を助ける手段や、その他にも色々知っていたので、本人に来てもらいました」

姫神「本人って・・・その、勇人って奴か?」

ハヤテ「ええ」

すると、そこに・・・

勇人「む?なんだ、もう入っていいのか?」

ハヤテ「あ」

勇人「?」

ナギ「・・・お前・・・SPの連中がいたはずだが・・・」

勇人「SP?・・・ああ、あそこで寝てる連中か?」

勇人が指差した場所を見ると、そこにはあっけなく気絶してるSP部隊の姿が。

姫神「・・・・」

マリア「・・・あの、ナギ・・・あの人は・・・・?」

ナギ「ん?ああ。父と母の古い友人なんだと。あまり手荒にするなとSPの連中に伝えておいてくれ」

マリア「はぁ・・・」

ハヤテ「は・・・はは、は・・・」

勇人「?」























































































そして、それと同時刻・・・

刹那「ふぅ・・・今日、空の事見かけなかったけど・・・休んだのか?あいつにしては珍しい・・・」

そう言いつつ、帰宅途中の刹那の姿があった。

刹那「しょうがねぇな・・・後で様子見に行ってやるかな・・・」

そう言い、自宅への角を曲がった刹那。すると・・・

「ハロー、雪螺の末裔君」

刹那「!?」

見るとそこには、腕を組み不敵な笑みで刹那を見ている十六夜の姿があった。

刹那「・・・テメェ・・・確か・・・!」

十六夜「早速で悪いんだが・・・」

刹那「・・・・・」

十六夜「・・・お前の持ってる王玉・・・・俺に渡してくんねぇか?」

刹那「・・・あ?何言ってんだ、テメェ・・・」

十六夜「石だよ、石。持ってんだろ?お前が自分の兄貴から受け取った石が」

刹那「!・・・テメェ・・・なんでそれを・・・!」

十六夜「お前と話してる暇はねぇ。さっさと石を渡せ」

刹那「断る。テメェなんかに簡単に渡せるほど、安くはねぇぞ」

十六夜「・・・そうか・・・だったら・・・」

そう言うと、十六夜は自分の背中に背負ってある剣を引き抜く。

刹那「・・・・」

十六夜「お前を殺して奪うまでだ」

刹那「・・・やってみろよ、クソ野郎。俺ぁ殺されたくらいじゃ死なねぇぞ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第167話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.13 )
日時: 2010/02/21 13:23
名前: SORA

第168話[孤独な雷]


刹那「・・・ま。ここなら問題ねぇな」

前回の後、街中では他の人が被害が被るという事で、2人は誰もいない廃ビルに移っていた。

十六夜「・・・甘いな。俺達の戦いに巻き込まれて死んだら、巻き込まれたそいつ等が悪いだろう?」

刹那「・・・クソだな、テメェ・・・」

十六夜「フッ・・・何をふざけた事を・・・」

刹那「・・・・」

十六夜「・・・関係ない人間なら、殺しても構わないだろう」

刹那「・・・チッ・・・救いようのねぇクズだな、テメェは・・・」

十六夜「フン・・・そんな事より、石は持っているのか?」

刹那「・・・まぁな」

そう言い、首に提げてある王玉を見せる刹那。

十六夜「・・・ならばいい」

刹那「・・・テメェが何の目的でこれを狙うが知らねぇけどな・・・」

そう言うと、刹那は右手に意識を集中させる。

十六夜「・・・・」

刹那「テメェにこれは渡さねぇ!」

そうして、刹那の手に淡く輝く氷の聖剣・・・偉天が出現した。

十六夜「・・・お前に渡す渡さないの権利は無い」

そう言い、十六夜は自分の剣を構える。

刹那「・・・・」

十六夜「・・・俺がお前を殺して石を奪う。それだけだ」

刹那「・・・上等」

十六夜「・・・・」

刹那「・・・・」

十六夜「・・・おぉっ!」

刹那「はぁっ!」




ギィンッ!

































































同時刻、三千院家・・・・


勇人「・・・・」

勇人は、十六夜により心が欠け、今は昏睡状態になっている空の様子を見ていた。

勇人「・・・・」

ハヤテ「・・・どうですか?」

勇人「・・・やはり、心が欠けてるな。それも、大部分が持ってかれている」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・以前、これと同じ状況になった人を見た事があるが・・・」

ハヤテ「・・・その人は・・・?」

勇人「・・・・2度と回復する事なく、一生寝たきりになった」

ハヤテ「・・・そんな・・・!」

勇人「だがその人と違って、この子には回復する手段があるだけマシだろう?」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・十六夜と同化すれば、この子の心は回復する。だが、それは同時に凄王の覚醒も意味する・・・ここまでは話したよな?」

ハヤテ「・・・はい・・・」

勇人「・・・この子が十六夜に取り込まれると?」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・では聞くが、君は彼をどう思っている」

ハヤテ「え・・・?」

勇人「・・・・」

ハヤテ「・・・・友達・・・です・・・僕を救ってくれた・・・僕の、大切な・・・」

勇人「・・・なら、信じてやる事だ。お前等がこの子を信じれば、やがてその努力は報われる」

ハヤテ「・・・九頭神さん・・・」

勇人「・・・勇人でいいさ」

ハヤテ「・・・ありがとうございます・・・勇人さん・・・」





























































刹那「おおおおおおお!!」

ガギィン!

刹那「くっ・・・!」

十六夜「・・・中々やるじゃねぇか・・・!」

刹那「・・・そりゃどうも・・・!」

そうして、2人は距離をとる。

十六夜「・・・・」

刹那「ハァ・・・ハァ・・・」

十六夜「・・・・どうした?もう終わりか?」

刹那「・・・・!」

十六夜「来ないのなら・・・こっちから!」

そう言い、十六夜は刹那に突っ込む。

刹那「くっ・・・!」

十六夜「らぁっ!」

ブンッ!

十六夜が振るった剣を避ける刹那。

刹那「・・・これで・・・!」

十六夜「・・・・!?」

見ると、刹那の左腕は槍上に形成された氷に包まれていた。

刹那「はぁあああっ!!」

十六夜「くっ・・・・!」



ズバァッ!

その槍の一閃は、十六夜の身体を容赦なく切り裂いた。

十六夜「・・・・!」

刹那(・・・・浅い・・・・!)



バキィッ!

刹那「がぁっ!」

そのまま、十六夜は刹那を蹴り飛ばした。

十六夜「・・・今のは危なかった・・・まさか、自分の力をこうも上手く使うとは・・・」

刹那「くっ・・・!」

十六夜「だが・・・まだまだだ」

刹那「・・・ふ〜・・・」

すると、刹那は左腕を頭上に掲げる。

十六夜「・・・・?」

刹那「・・・来い・・・正宗」

次の瞬間、刹那に左腕に木刀・正宗が握られた。

十六夜「・・・あれは・・・」

刹那「偉天と正宗。聖剣2本相手にどう戦う?」

十六夜「聖剣が2本・・・?ははははははははは!!」

刹那「?・・・何が可笑しい?」

十六夜「聖剣が2本だと?バカが。お前、そんな木刀が聖剣だと本気で思っているのか?」

刹那「・・・なんだと・・・!?」

十六夜「本物の聖剣を知らないという事は、石の真の役割も知らないわけか・・・」

刹那「・・・・?」

十六夜「・・・・真実を知らない愚か者は死ね」

次の瞬間、十六夜は眼にも留まらぬ速さで刹那の目の前に移動していた。

刹那「なっ・・・!?」

十六夜「・・・・!」


ガァンッ!

十六夜が振り下ろした剣を咄嗟に正宗でガードする刹那。

刹那「くっ・・・!」

十六夜「・・・・」

刹那「・・・おらぁっ!」

ブンッ!

刹那は右手にある偉天を振るうが、十六夜はこれをかわす。

刹那「チッ・・・」

十六夜「・・・・」

刹那(・・・この正宗が聖剣じゃないなら・・・聖剣としての正宗はどこに・・・?)

そんな事を思いつつ、自分が握っている正宗を見る刹那。すると・・・

刹那「・・・なっ!?」

正宗から、闇のオーラに似たどす黒い波動が放たれていた。

刹那「な・・・何なんだよ、これは・・・!」

十六夜「あの波動は・・・闇・・・いや、少し違う・・・あれは・・・」

刹那「・・・薄気味悪ぃ・・・この感じ・・・」

十六夜「・・・なるほど、そういう事か。考えたな、"黒椿"」

刹那「え?」

次の瞬間、十六夜は刹那に向かって剣を振り下ろす。

刹那「ぐっ・・・!?」

刹那はそれを、偉天と正宗の2本で受け止める。

十六夜「・・・さぁ・・・目覚めろ!」





ガキィンッ!!

十六夜の剣が正宗に触れた瞬間、正宗から膨大な量の黒いオーラが放たれた。

刹那「・・・な、なんだ・・・!」

十六夜「・・・・!」




ビシィッ!

刹那「!正宗・・・!」

見ると、正宗の刀身にヒビが入っていた。

刹那「ぐっ・・・!」

そうして、刹那は十六夜から距離をとる。

刹那「・・・・」

正宗を見ると、正宗の刀身はヒビ割れ、邪悪なオーラを放っていた。

刹那「・・・お前・・・正宗に何を・・・!」

十六夜「フッ・・・なに。そいつが真の姿に覚醒する手助けをしてやっただけだ」

刹那「なんだと・・・!」

十六夜「さて・・・そろそろ終わりにしようか」

刹那「・・・・!」



ヒュッ

刹那「!?」

次の瞬間、刹那の首元から王玉が無くなり、それは十六夜の手に握られていた。

刹那「!テメェ!!」

十六夜「予想外の収穫があったんでな。俺はもう帰るぜ?」

刹那「ざけんな・・・俺を殺して奪うんじゃなかったのか!?」

十六夜「石さえ手に入れば、殺そうが殺さまいが関係無い」

刹那「・・・・」

十六夜「じゃあな。他の奴等によろしく言っとけ」

刹那「!待ちやがれ!!」

そう言い残し、十六夜はどこかへと去っていった。

刹那「・・・クソ・・・石が・・・・兄さんの・・・・!」

その言葉と同時に、刹那はその場に崩れ落ちた。






































































十六夜「・・・これで、まずは1つか・・・・」

日が沈みかけた暗い通りを、十六夜はゆっくりと歩いている。

十六夜「・・・次は奴だ・・・・待っていろ、光謁・・・・光の巫女・・・・!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第168話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.14 )
日時: 2010/02/23 14:53
名前: SORA

第169話[白い花、黒い花]

表紙:交差して地面に刺さる2本の剣


ピンポーン♪

マリア「あら、お客様?」

ある日の三千院家に、来客が訪れた。


ピンポーン♪

マリア「はい、ただいま」

そう言い、扉を開けるマリア。するとそこには・・・

マリア「・・・神崎君?」

刹那「・・・ども」

剣道部が木刀をしまっている袋を持った刹那が立っていた。

マリア「これはこれは・・・今日は、どんなご用で?」

刹那「はい・・・空の奴、機能だけじゃなくて、今日も学校来てなかったみたいなんで・・・」

マリア「え?・・・あ〜・・・それなんですけど・・・」

刹那「?なんかあるんですか?」

マリア「え・・・え〜と、その・・・」

刹那「?」

言いあぐねるマリア。そうこうしていると・・・


「あれ?お前も来たのか?」


刹那・マリア「え?」

見るとそこには、海や陸たちが立っていた。

刹那「お前等・・・」

マリア「えっと・・・皆さんも、早乙女君に?」

椿「はい。空が学校を休むなんて珍しいですから」

皐月「空、カゼでも引いたんですか?」

マリア「カゼ・・・え、えぇ!そうなんです!早乙女君、最近体調の方を崩してしまって、それでちょっと・・・」

刹那「だったら、さっき俺の時言いよどんでたのは何でですか?」

マリア「そ、それはその・・・だいぶ酷いので、お会いさせてもいいのかどうかと・・・」

海「・・・そこまで酷いんすか?」

マリア「ええ、それはもう・・・」

日向「・・・・」

マリア「あははは・・・」

陸「・・・ま。そういう事ならしょうがねぇな。じゃ、空によろしく言っといてください」

マリア「え、ええ。必ず伝えておきますわ」

そうして、陸達は帰っていった。

マリア「・・・ふ〜・・・」

刹那「・・・・それで?」

マリア「ひゃあっ!?」

刹那も帰っていたと思い込んでいたマリアは、本気で驚く。

マリア「か、神崎君!?あなたも帰ったのでは・・・!」

刹那「いや、俺はまだここに用がありますから」

マリア「は、はぁ・・・そうですか・・・」

刹那「・・・まぁ、とりあえず・・・ハヤテと姫神呼んできてくれますか?」

マリア「え?ハヤテ君と・・・姫神君ですか?」

刹那「はい。すぐに」

マリア「・・・わかりました」

そう言うと、マリアはすぐに2人を呼びに行った。

刹那「・・・・」




































































やがて別室に案内された刹那は、その部屋でハヤテと姫神の2人と話していた。

ハヤテ「・・・どうしたの?わざわざ君が来るなんて」

姫神「何かあったのか?」

刹那「・・・まぁな。とりあえず、これ見てくれ」

そう言うと、刹那は持っていた袋からある物を取り出す。

ハヤテ「・・・・?」

姫神「・・・・!これは・・・」

刹那が袋から出した物・・・・それは刀身の至る所がヒビ割れ、どす黒いオーラを放つ正宗だった。

ハヤテ「正宗・・・?一体、何が?」

刹那「・・・その前に俺の質問に答えてくれよ」

姫神「・・・?」

刹那「・・・空に何があった?」

ハヤテ「・・・・!」

刹那「・・・・」

姫神「・・・どうする?」

ハヤテ「・・・全部話すしかないでしょうね」

刹那「・・・・?」




































刹那「・・・なるほど・・・そういう事か・・・」

ハヤテ「黙っていた事には謝るよ。けど、信じてもらえる保証が無かったから・・・」

刹那「いや、いいよ」

姫神「・・・・」

刹那「けど・・・そういう事なら納得いくな」

姫神「え?」

刹那「・・・実は昨日・・・十六夜が俺の所に来たんだ」

ハヤテ「十六夜が!?」

姫神「・・・・」

刹那「ああ。あいつが自由に動いてたって事は、空に何かあったって事だからな。
今、正宗に起こってる事について聞きに来るついでに、空についても聞きに来たんだ」

ハヤテ「・・・・」

姫神「・・・で?それはなぜ、そうなったんだ?」

刹那「・・・わからねぇ。十六夜と闘ってたら、いきなり・・・」

ハヤテ「いきなり?」

刹那「ああ」

姫神「・・・奴は何か言ってなかったか?」

刹那「・・・特に何も・・・」

姫神「・・・そうか・・・」

ハヤテ「・・・姫神さん。あなた、何か知ってるんですか?」

刹那「え?」

姫神「・・・知ってるには知ってるが・・・確証が持てない。なにしろ、信憑性が低い事だからな」

ハヤテ「・・・?」

刹那「・・・・"黒椿"」

ハヤテ「え?」

姫神「・・・お前・・・今、何て?」

刹那「黒椿・・・そうだ・・・十六夜の奴正宗がこうなった時、
「なるほど、そういう事か・・・考えたな、黒椿」・・・・そう言ってたんだ」

ハヤテ「・・・黒椿って・・・」

姫神「・・・おい、それはかなり重要な事だぞ。なんですぐ言わなかった?」

刹那「・・・お前、やっぱりなんか知ってんだな?」

ハヤテ「姫神さん・・・!」

姫神「・・・・綾崎。お前は知っているな?・・・"白桜"を」

刹那「・・・白桜?」

ハヤテ「・・・はい。以前、何度か目にした事があります」

姫神「なら、白桜と黒椿が対を成している事も?」

ハヤテ「ええ」

姫神「・・・そうか」

刹那「・・・ちょっと待ってくれ。その・・・白桜だの、対を成してるだの・・・一体何の事なんだ?」

ハヤテ「・・・・白桜は、この世に1本だけ存在する、正義を為すための王の剣・・・いわば、光に属する物」

姫神「逆に、黒椿は白桜と対を成す、邪を解き放ち聖を打ち消す魔の剣・・・これはまぁ、言わずもがな闇に属する物だ」

刹那「そうなのか・・・でも、それが正宗とどう関係が?」

姫神「・・・俺が以前聞いた話では・・・黒椿は、この世にある一般的な物を鞘にして眠っているらしい」

ハヤテ「一般的な物を・・・」

刹那「鞘・・・?」

姫神「ああ。それも・・・・刀の形をした・・・な・・・」

ハヤテ「・・・じゃあ・・・まさか・・・」

姫神「ああ・・・恐らく、黒椿が自分の鞘にした物というのは・・・」















刹那「・・・・正宗の事か・・・・!?」




姫神「・・・可能性は高いだろうな・・・」

ハヤテ「・・・・」

姫神「・・・ところで綾崎。白桜が今、どこにあるかわかるか?」

ハヤテ「・・・すみません・・・どこにあるかまでは・・・」

姫神「・・・そうか・・・」

刹那「・・・すまん。頭がこんがらがって来たんだが・・・」

姫神「まぁ、無理も無いな。現実味が皆無なんだから」

刹那「・・・とりあえず、正宗・・・いや、黒椿って奴は、ここに置いてってもいいか?」

姫神「?別に構わないが・・・」

刹那「こういうのは、詳しいお前等が持つのが一番だからな」

ハヤテ「・・・・」

刹那「・・・ああ、それと」

ハヤテ「?」

刹那「・・・それが聖剣としての正宗じゃなくて、黒椿とか言う奴なら・・・
本物の聖剣としての正宗は・・・・どこにあるんだろうな?」

ハヤテ・姫神「・・・・!」

刹那「・・・それだけ気になってたんだけど・・・お前等も知らないか?」

ハヤテ「・・・・」

姫神「・・・そうか・・・そう言う問題もあった・・・」

刹那「・・・ま。なんか進展あったら連絡くれよ。俺でよければ力になるからさ」

ハヤテ「・・・うん。ありがとう、刹那」

刹那「いいよ。それよりも、空が起きたら真っ先に教えろよ?」

ハヤテ「うん。わかってるよ」

そうして、刹那は自分の家へと帰っていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第169話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.15 )
日時: 2010/02/24 19:59
名前: SORA

・・・なんだろう。最近、物凄い疎外感を感じるよ・・・
・・・・ハッ!まさか、これが倦怠期とか言う奴か!?
・・・・・・・・なんて、冗談はさておき。第170話が始まりますよ〜
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第170話[決戦の時]


ハヤテ「・・・聖剣としての正宗・・・か・・・」

姫神「まぁ、そうだな・・・俺達が今まで聖剣だと思ってた正宗は、黒椿だったという事だから・・・」

ハヤテ「今までで、8本の聖剣が見つかってますから、その最後の1本もどこかにあると思うんですけど・・・」

姫神「だが、その手がかりがどこにも無いからな・・・」

ハヤテ・姫神「う〜ん・・・・」

悩む人間、約2名。すると・・・・



ガチャ

ハヤテ・姫神「?」

勇人「?お前等、ここにいたのか」

勇人が部屋に入ってきた。

ハヤテ「勇人さん」

勇人「どうした?その様子だと、随分悩んでるみたいだが」

姫神「・・・まぁ、俺達でも悩む時ぐらいあるさ」

勇人「そうか・・・それで?何に対して悩んでいたんだ?」

ハヤテ「ええ。実は・・・・」

























































勇人「・・・聖剣としての、正宗・・・か・・・」

ハヤテ「ええ。この正宗が、黒椿という剣である以上、どこかに聖剣としての正宗が存在するはずなんです。何か知りませんか?」

勇人「・・・そうだな・・・」

姫神「・・・・」

勇人「・・・確かに、聖剣としての正宗は存在している。今もこの世にな」

ハヤテ「本当ですか!?」

勇人「ああ。だが、俺達には入手できない」

ハヤテ「え・・・・」

姫神「なんでだ?」

勇人「・・・正宗は、その黒椿と同じように、別の物に姿を変えている。
その上、それが俺達とは無縁の場所にあるからだ」

ハヤテ「・・・そんな・・・」

姫神「・・・いったい、どんな物に形を変えているんだ?」

勇人「ああ。それは・・・まぁ、世に言う「妖刀」という奴だな」

ハヤテ「・・・妖刀?」

勇人「ああ。何百年か前に作られた刀で、当時の武将の恨みや怨念が籠められた刀だ」

ハヤテ・姫神「・・・・」

勇人「おまけに、その妖刀は邪気が強すぎてな。俺ですら、扱えるかどうか疑わしい」

ハヤテ「・・・・」

姫神「・・・・」

勇人「まぁそんなわけだから、最後の1本は諦めるしか・・・」

ハヤテ「・・・あの・・・勇人さん・・・」

勇人「?」

姫神「今の話を聞いていて思ったんだが・・・」

勇人「・・・なんだ?」

ハヤテ「その妖刀ってもしかして・・・」

勇人「・・・?」

ハヤテ「・・・「幸村」って名前じゃ・・・ありませんか?」

勇人「・・・・」

ハヤテ「・・・・違ってましたか・・・?」

勇人「・・・なんだ・・・知っていたのか」

ハヤテ「・・・・」

勇人「そうだ。その妖刀は、真田幸村の名をとって、幸村・・・そう呼ばれている」

ハヤテ「・・・あの・・・それで、なんですけど・・・」

勇人「?・・・なんだ、まだ何かあるのか?」

姫神「・・・その幸村なんだが・・・」

勇人「?」

ハヤテ「・・・実は・・・僕、持ってるんですよ」

勇人「・・・・は?」

ハヤテ「・・・・」

そうして、右手を前に差し出すハヤテ。すると・・・





















しゅぱっ

次の瞬間、ハヤテの手に、妖刀・幸村が握られていた。

・・・え?屋内でどうやって幸村が入ってきたのかって?


それは、禁則事項☆




勇人「・・・・」

ハヤテ「・・・まぁ・・・こんな感じで・・・」

姫神「・・・・」

勇人「・・・・綾崎」

ハヤテ「はいっ」

勇人「・・・・それ持って、表出ろ」

ハヤテ「・・・・・え?」
























































































ハヤテ「え〜と・・・僕はこれから、何をされるんでしょうか?」

勇人「安心しろ。殺すつもりは無い」

ハヤテ「はぁ・・・」

勇人「ただ、お前をちょっとボコにするついでに、正宗を呼び起こすだけだ」

ハヤテ(正宗の覚醒がついでなんですか!?)

勇人「というわけで・・・さぁ、歯を食いしばれ」

ハヤテ「え!?いや、ちょっ・・・何をそんなに怒ってらっしゃるんで!?」

勇人「黙れ。今のお前に口を利く権利は無い」

ハヤテ「そんな、理不尽な!」

勇人「くたばれっ!」

ハヤテ「ひぃぃっ!」

勇人「・・・とまぁ、冗談はこのくらいにして。速く幸村を構えろ」

そう言うと、振りかぶった拳を引っ込めてハヤテから離れる勇人。

ハヤテ「・・・あれ?何もしないんですか?」

勇人「・・・何かして欲しいのか?」

ハヤテ「いえ、別に」

勇人「・・・なら、さっさと構えろ」

ハヤテ「はぁ・・・」

そう言い、ハヤテは鞘から幸村を引き抜く。

勇人「・・・よし。そのまま正面に構えてろ。動くなよ?」

言うと、勇人は天叢雲を両手で握る。

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・行くぞ」

言った途端、勇人はハヤテに向かって走り出していた。

ハヤテ「ええっ!?」

勇人「・・・・!」

ハヤテ「・・・・うわぁっ!」






















バキャアアアンッ!

勇人が振りぬいた天叢雲は、吸い込まれるように幸村に直撃した。


ハヤテ「くっ・・・!?」

勇人「・・・・」

ハヤテ「・・・・!これは・・・・」

幸村を見ると、刀身に少しずつヒビが入り、そこから欠片が一つ、また一つと零れていた。

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・もう一度だ」

ハヤテ「へ?」

勇人「むんっ!」

















バギャアアアンッ!

もう一度幸村に天叢雲をぶち当てると、先程ヒビ割れた箇所は、多くの欠片となって一斉に吹き飛んだ。


ハヤテ「うわっ!?」

勇人「・・・これでいい」



見てみると、そこには複雑な波紋が入った、赤黒い刀身の幸村ではなく、滑らかな波紋と淡い光を放つ、綺麗な刀身を持つ刀があった。

ハヤテ「・・・これが・・・幸村の・・・」

勇人「・・・そうだ。「宝刀・正宗」・・・最後の聖剣だ」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・これで、こちら側の聖剣は何本だ?」

ハヤテ「え?あ、はい・・・えっと・・・飛燕、麒麟、天狼、偉天、竜胆、正宗、天叢雲ですから・・・7本ですね」

勇人「7本、か・・・」

ハヤテ「・・・・どうかしたんですか?」

勇人「・・・いや。・・・・・今日は、満月だな」

ハヤテ「へ?・・・・ああ、この様子だとそうみたいですね」

勇人「・・・・」

何を思ったか、勇人は屋敷の中へと戻っていく。

ハヤテ「え?ちょっ、勇人さん?どこへ・・・」

勇人「・・・・・寝る」

ハヤテ「はぁ?」

ハヤテの疑問もよそに、勇人は早足で屋敷の中へと入っていった。

ハヤテ「・・・・?」





























































同日の夜、白皇学院。



「・・・・」

そこの一室・・・生徒会室に、1人の男の姿があった。

「・・・・」

男――――九頭神 隼人はソファにもたれかかり、聖書のような物を読んでいた。

隼人「・・・・」

そのまま聖書を黙読していると、1人の来客が訪れた。



「聖書とは、また似合わない物を読んでいるな」

隼人「?」

顔を上げると、そこには彼の双子の弟――――九頭神 勇人がいた。

隼人「フッ・・・悪いか?聖書ぐらい、誰でも一度は読むだろう?」

勇人「残念だが、俺は聖書を読んだ事は無いし、神の存在を信じた事もない」

隼人「・・・果たして、一概に「神様なんていない」・・・なんて言えるかな?」

勇人「・・・・」

隼人「・・・15年前、俺は神の存在をこの目で確かめた・・・俺自身の、この目でな」

勇人「・・・・」

隼人「・・・おっと。悪いな、15年前はお前にとって思い出したくないか」

勇人「・・・・」

隼人「・・・・まぁ、いい。今言った通り・・・俺は神の存在を信じてる」

勇人「・・・だから帝に協力しているのか?」

隼人「協力?違うね」

勇人「・・・・」

隼人「奴が俺をそうしているように・・・俺もあいつを利用させてもらってるだけだ」

勇人「・・・なんのためにそんな?」

隼人「・・・勇人ぉ。10年前も言っただろ?」

勇人「・・・・」

隼人「・・・俺はな。ぶっ壊したいんだよ、この世界を。俺から家族を奪ったこの世界を」

勇人「・・・18年も前の事を、まだ・・・!」

隼人「・・・・血縁がこの世に生きているお前に、何がわかる」

勇人「・・・残念だが、俺に家族はいない」

隼人「ハッ!この10年で、現実逃避も身につけたみたいだな、勇人?」

勇人「・・・・」

隼人「・・・・」

勇人「・・・教えてもらうぞ。あんたや帝の目的は何だ?あの城を使って、お前等は一体何をするつもりだ?」

隼人「勇人ぉ。お前はここに、お喋りをするために来たのか?」

そう言うと、隼人はソファから立ち上がり、腰に差してあった村正を抜き、鞘を投げ捨てる。

勇人「・・・・」

隼人「・・・抜けよ。天叢雲を」

勇人「・・・・是非も無しか」

そうして、勇人が意識を集中させると、やがて勇人の右手に光の渦が発生し、そしてその手の中に、天叢雲が現れた。

隼人「お前が俺に勝てたなら、俺達の目的でも何でも教えてやるよ、ただし、お前が負けたら・・・」

そう言い、隼人は村正を構える。

勇人「・・・ああ。あんたの言う事に従おう」

そう言い、勇人も天叢雲を構える。



隼人「・・・・九頭神 隼人」

勇人「・・・・九頭神 勇人」






隼人・勇人「いざ、参る」
























ガギィンッ!

瞬間、2人の刃が衝突。白皇学院が、そして夜空の全てがその衝撃に震えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第170話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください、それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.16 )
日時: 2010/02/27 14:09
名前: SORA

第171話[片翼の天使]


勇人「・・・・」

隼人「・・・・」

2人が剣を交えてから数十秒・・・そのまま互いに身動き一つとらなかった。

勇人「・・・・!」


ギャリンッ!

やがて、勇人が隼人の剣を弾き・・・

勇人「はああああっ!!」

そのまま、天叢雲を横に薙ぐ。


ドガアアアアアアン!

が、隼人はそれをかわし、天叢雲の衝撃が生徒会室のテーブルやソファを薙ぎ払う。

勇人「チッ・・・!」

隼人「おいおい。勝手に学校の部屋を破壊するなよ」

嘲るように言うと、隼人はテラスから外へと飛び出す。

勇人「やかましい!」

すぐに隼人を視界に捉え、勇人もそれを追う。

隼人「ふん・・・」

隼人が刀を真横一文字に構えると、次第に刀に青白い光が宿り始める。

勇人「!・・・あれは・・・!」

隼人「はぁあああああ・・・・っ!」

勇人「くっ・・・!」



隼人「うらぁっ!!」

ズバァッ!

そして、隼人が刀を振るった瞬間、刀の剣先から青白く光る、刃状の衝撃波が放たれた。

勇人「・・・ナメるなっ!」

言いながら、勇人はそれを弾き飛ばす。

隼人「へへっ。そうこなくっちゃな」

地面に着地した隼人は、そのまま校舎の方へと走る。

勇人「くっ・・・待て!」

同じく地面に着地した勇人は、間髪入れずに隼人を追う。







































































雪路「あ〜、まったく・・・ホントに宿直とか無いわ・・・」

そうぼやきながら真夜中の廊下を歩く雪路。

雪路「瀬川さん達も卒業しちゃって、今じゃだ〜れも宿直室に遊びに来る人も居ないし、暇でしょうがな・・・ん?」

窓を見ると、こちらに向かってくる2つの人影に気づいた。

雪路「・・・人?こんな夜中に、白皇で何やってんのかしら・・・」

そう言うと、雪路は窓を開け、その人影に呼びかける。

雪路「ちょっと、そこのお2人さん!この時間、この学校は立ち入り禁止・・・」

が、次の瞬間・・・・














ガシャアアアアアアアン!

男の内の1人が、窓ガラスをぶち破り、校舎の中に飛び込んできた。

雪路「・・・・え?」

勇人「・・・あんた、ここの教員か?」

雪路「へ?あ、まぁ・・・一応・・・」

勇人「そうか・・・だったら、速く・・・マズいっ!」

雪路「へ?」

隼人「はぁっ!」



ギィンッ!

瞬間、隼人が勇人に斬りかかり、勇人はそれを受け止める。

雪路「うっきゃあああああ!?」

隼人「・・・・」

勇人「くっ・・・何をしている、速く逃げろ!」

雪路「へっ!?いや・・・えぇ!?」

勇人「逃げろと言っている!速くしろ!」

雪路「・・・・え、あ・・・はい・・・」

勇人「・・・・ああ、ちょっと」

雪路「はい!?」

勇人「・・・ここの評判に関わる・・・警察には連絡するなよ?あと、誰にも口外するな・・・!」

雪路「・・・・」

勇人「・・・いいな!?」

雪路「は、はいっ!」

そう言うなり、雪路は速攻でその場から逃げ出した。

勇人「・・・ぐっ・・・!?」

隼人「フフッ・・・関係無い一般人を逃がすとは・・・相変わらず優しいな、お前は・・・」

勇人「・・・黙れ・・・!」

隼人「けどまぁ・・・それがお前の弱さでもあるんだがな」

勇人「黙れ!」

ガキンッ!

勇人は隼人の村正を弾き飛ばす。

隼人「ふははははは!面白いなぁ、勇人!!」

勇人「くっ・・・!」

隼人「・・・けど、まだだ・・・まだ、こんなもんじゃない・・・」

勇人「・・・・」

隼人「・・・夜は長いんだ・・・まだまだ楽しませてもらうぜ、勇人ぉ」

勇人「・・・貴様・・・!」

隼人「・・・・」

不敵な笑みを浮かべると、隼人はそのまま白皇の校庭から、未だ明かりの消えない街中へと走っていった。

勇人「街へ・・・!?どれだけ関係ない人を巻き込めば・・・十字架を背負うのは、俺達だけで十分だろうが!!」

そう言うと、勇人はズボンのポケットから、小さなアクセを取り出す。

勇人「・・・俺は・・・あんたに伝えなきゃいけない事もあるのに・・・」

そう言い、アクセをポケットにしまうと、勇人も街へと駆け出す。


































































































ドガアアアアアアアアン!!

突如、街の中心部で建物の倒壊が起きた。


「なんだぁっ!?」

「おい、誰かいるぞ!」


隼人「ふははははははは!」

起こしたのは、言うまでも無くこの男・・・九頭神 隼人である。

隼人「さて・・・あいつが来るまでに、いくつ破壊できるかな・・・っとぉ!!」

そう言うと、今度は別の建物に向かって村正を振るう。


ズガアアアアアアアアアン!!

村正から放たれた数発の衝撃波は、容赦無くまだ人がいるであろうビルを切り裂き、崩壊させた。


隼人「くっはははははははははははは!!ホラ、速く来いよ勇人!でねぇと、どんどん人が死ぬぜ!?」

そう言うなり、今度はあたりで逃げ惑う人達に村正を向ける。

隼人「例えば・・・そこら辺の奴とかなぁ!!」

そうして、隼人は村正を振り上げる。






















勇人「やめろぉっ!!」

が、次の瞬間、勇人が天叢雲を隼人に向かって振り下ろしていた。

隼人「・・・来たな」


ガギィンッ!


勇人「・・・・・!」

隼人「・・・・」

勇人「ぐぅっ・・・・!」

隼人「・・・勇人。周りの連中の面、見てみろよ」

勇人「・・・・?」

隼人「どいつもこいつも・・・俺とお前を人じゃない物を見るみたいな目で見てやがる・・・」

勇人「・・・・」

隼人「・・・わかっただろ?これが俺がこの世界を嫌う理由だよ」

勇人「・・・・」

隼人「・・・俺達は、普通とはちょっと違う・・・普通よりちょっと外れた人間だ・・・
だが、それだけだ・・・普通よりちょっとだけ違う・・・ただそれだけのはずなのに・・・
奴等は・・・世界はそれを・・・俺達を認めようとしない・・・いや、認めないだけでなく、俺から大事なものをことごとく奪っていきやがった!!」

勇人(くっ・・・!なんだ・・・急に重く・・・!?)

隼人「お前にわかるか、勇人・・・家族に・・・友に恵まれたお前に・・・」

勇人「・・・・!」

隼人「・・・俺の苦しみが、お前にわかるかぁ!!」


ギャリンッ!

隼人は勇人の剣を弾くと・・・



ドゴォッ!

そのまま、勇人を蹴り飛ばした。

勇人「がはぁっ!」






ゴシャアアアアアアアアッ!!

蹴り飛ばされた勇人は、そのままどこかの店の中まで吹き飛ぶ。

勇人「ぐっ・・・!」

隼人「・・・・まだだぜ、勇人?」

勇人「!!」

気が付いた時には、隼人は勇人の目の前まで移動していた。

勇人「チッ!」


ドガァッ!

勇人は隼人を蹴り飛ばすと、そのまま店から出て、その向かい側のビルの屋上まで壁伝いに上っていった。

隼人「・・・上か・・・」

そう言うと、隼人は人とは思えない跳躍でそのビルの屋上まで跳んだ。

勇人「ぐっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

隼人「・・・体力なくなったな、お前」

勇人「!?」

勇人が屋上に着いた頃、隼人はその場に座っていた。

勇人「・・・フン・・・もう・・・歳だからな・・・」

隼人「・・・んな、見え見えの嘘なんかいらねぇっつーの」

勇人「・・・・」

隼人「・・・お前の体力の低下は、老いなんかじゃねぇ。もっと別の理由がある・・・そうだろ?」

勇人「・・・そうだとしても、あんたには関係ないね」

隼人「フン・・・ま、そうだけどよ・・・」

そう言うと、隼人は立ち上がる。

勇人「ふぅ・・・ふぅ・・・」

隼人「・・・・」




ギィンッ!

勇人「ぐっ・・・!」

隼人「・・・・」

勇人「くっ・・・おおあっ!!」



ガァンッ!

勇人は、隼人の刀を弾き飛ばすと・・・


ゴガッ!

そのまま、天叢雲の柄で隼人を吹き飛ばした。

隼人「・・・・!」

吹き飛ばされた隼人は、そのまま手摺りを乗り越え、ビルの下へと落下していった。

勇人「・・・終わりなのか・・・こんなあっさりと・・・」

ビルの屋上に立ちすくむ勇人。だが・・・







「人を勝手に殺すな」




勇人「!?」

そんな声が聞こえたかと思った瞬間、突如、勇人の真下から刃状の衝撃波が飛んできた。

勇人「なっ・・・なんだ!?」

その衝撃波は留まる事を知らず、何発も続けて真下から襲い掛かり、ビルを切り裂いていく。

勇人「くっ・・・!」

ビルが崩れる事を悟った勇人は、そのまま隣の建物の屋根へと飛び移る。

勇人「・・・・」

その時、上空から凄まじい殺気を感じ、空を見上げる勇人。

勇人「・・・・!」

するとそこには、電柱に座り、勇人を見下ろす隼人の姿があった。

隼人「・・・あれぐらいで、俺が死んだと思ったか?甘いな・・・俺の体の頑丈さはお前もよく知っているだろう?」

勇人「・・・ああ。高校生の頃、旅行先であんたがトラックに轢かれても平気な顔していたのを覚えてるよ」

隼人「あー、あれか。面白かったな、あの時は」

勇人「・・・俺達は、本当に殺し合うしか道は無いのか?」

隼人「・・・あ?」

勇人「本当に・・・あの頃のようには戻れないのか?」

隼人「・・・無理さ」

そう言うと、隼人は立ち上がる。

勇人「・・・・」

隼人「・・・俺はもう・・・人間じゃなくなっちまったからな」

勇人「・・・・なに?」

隼人「・・・・見るがいいさ」

そう言い、隼人は自分の顔の前に左腕を持っていく。

勇人「・・・・?」

隼人「・・・これが・・・俺の18年間の集大成だ」

そして、隼人が左腕を振るった瞬間・・・














バサァッ!

勇人「・・・・!」

隼人の背中の左側から、悪魔のような黒い翼が生えたのである。

隼人「・・・・」

勇人「・・・兄さん・・・・そこまで闇に堕ちたのか!?」

隼人「・・・ああ、そうさ。さぁ・・・構えろ、勇人。これで・・・もう俺が人じゃないって事がわかっただろ?」

勇人「・・・・」

隼人「・・・来いよ・・・人間のお前と化け物の俺・・・どっちが上か・・・白黒ハッキリつけようぜ!!」

勇人「・・・・!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第171話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.17 )
日時: 2010/03/01 19:40
名前: SORA

どうも。今回は、キャラ紹介に行きたいと思います。3名ほどの。では、どうぞ。



 [名前]雌龍 大地

[年齢]18歳 [誕生日]10月10日 [身長]177cm [体重]61kg [家族構成]父・母・兄(氷牙)・妹(奈々)・義弟(空)

作中時間の10年前に、交通事故で亡くなったと思われていた、空の兄。
容姿は、黒髪に蒼の瞳。性格は至って冷静。でも人見知りが激しく、感情をあまり表に出さない。
現在は大学に通っており、西沢さんとはクラスメイトでその大学で知り合った。
2人がたまに遊びに行ったりするようになった原因は、西沢さんが彼に言った、ある言葉が原因。
彼もまた、空やハヤテのように特殊能力を備えているが、それはまた後筆。
ちなみに、空が自分と血が繋がっていないというのは、既に知っている。




 [名前]姫神 誠

[年齢]38歳 [誕生日]1月7日 [身長]194cm [体重]82kg

現三千院家執事長、姫神 煉の義父で、三千院家使用人頭。また、かつての姫神、紅月 茜の実兄でもある。
容姿は、紅い髪に紅い瞳。38歳という高齢ながらも、老いを感じさせない身体つきと身体能力を有している。
聖剣の一つ、草薙を持つ。幼い頃、弟と共に帝に引き取られ、以降、帝を信頼している。
故に、帝に最も近い位置ながらも、帝の目的を見抜けないでいる状態にある。
だが、薄々は感づいていると思われるが、本人はその可能性を否定している。
また、ナギの実父の親友であり、彼の頼みを果たすため、密かにナギを守ろうと思っている。
聖剣使いであるが、空やハヤテのような特殊能力は持っていない。
自分にも他人にも厳しい性格と、それに匹敵する優しさを持ち合わせているため、
彼の息子たる煉や、弟の茜、そして、空も密かに彼に尊敬の念を持っているなど、色んな人から慕われる存在。
作中ではまったく触れられないが、実は既婚者で娘が1人いる。
その娘は現在、彼の妻と共にイギリスで暮らしている(決して離婚などではない)





 [名前]十六夜(本名、天)

[年齢]不明(見た目は20代前半) [身長]181cm [体重]71kg

空の直系の先祖にして、前世。空以上の戦闘能力と雷を操る技術を持つ、空の血筋、最強の男。
戦闘能力だけなら、間違い無く作中屈指の実力。相手には一片の慈悲も見せず、闘う。
容姿は空と真逆で、真っ黒な髪に赤い瞳を持っている。
本来は、仲間を大切にする性格で、一度忠節を誓った相手には、全力で仕える程忠義に厚い。
2千年前、ある1人の男に利用され、彼の仲間達に深い憎しみの念を抱えたまま肉体だけがこの世に残っていた。
空が帝から譲り受けた王玉の中に彼の魂が眠っており、執事登竜門(第1章参照)の折、
空が初めて自分の電撃の力を使った時に覚醒、その後ミコノス島で、空と対峙した際に、完全に空の精神に寄生した。
自分の精神と空の精神を融合させ、かつての鬼神、凄王の覚醒を画策している。
各地に散らばる王玉を集めているが、彼が王玉を狙う理由は不明。






・・・・まぁ、こんな感じです、何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.18 )
日時: 2010/03/03 20:07
名前: SORA

第172話[生きている]

表紙:冬服で街中に佇むハヤテ


勇人「・・・・!」

隼人「さ・・・行くぜ?」

勇人「くっ・・・!」

次の瞬間、隼人の身体は空を裂き、勇人に向かって突っ込んでいた。


ギィンッ!

そして、2人の刃がぶつかる。

勇人「ぐぅ・・・」

隼人「・・・・」


ズドォッ!

一瞬の隙を突き、隼人は勇人の腹に膝蹴りを叩き込む。

勇人「ぐぅっ!?」

そのまま、隼人は村正を大きく振りかぶる。

勇人(!マズい・・・!)

それを見た勇人は、咄嗟に天叢雲でガードに入る。























ズガァアアアアアアアアアン!!!

天叢雲でガードしたにも関わらず、勇人はそのガードごと遥か後方に吹き飛ばされた。





勇人「ぐおおおおおおおお!?」

隼人「・・・・フッ」

すると、隼人は翼を羽ばたかせると、猛スピードでそれを追う。

























































勇人「・・・チィッ!」

吹き飛ばされた勇人は、そのまま空中で姿勢を正し、そのまま着地する。

勇人「・・・ここは・・・」

辺りを見回すと、そこは見知らぬ森の中だった。

勇人「こんな都会のど真ん中でこれだけの森林・・・まさか、三千院家に・・・?」

そんなことを言いながら、勇人はしばらく辺りを見回す。すると・・・

勇人「!?」

上空から、隼人が剣を振りかぶりながらこちらに落下してきた。

勇人「バカな・・・こんな短時間であの距離を・・・!?」

隼人「おおおおおおおお!!」

勇人「くっ!」



ガキィンッ!

隼人「・・・・!」

勇人「・・・・!」

隼人「・・・どうした、勇人?さっきから防戦一方じゃねぇか。もっと楽しもうぜ・・・!」

勇人「・・・兄さん・・・」

隼人「あ?」

勇人「・・・何をそんなに焦っている?」

隼人「・・・・何?」

勇人「何か、速く俺と決着を付けたい理由でもあるのか?」

隼人「・・・・」

勇人「・・・さっきに比べて、僅かだが息が荒いな。まるで、物凄い勢いで体力を消耗してる感じだ」

隼人「・・・・」

勇人「つまり・・・結論は、こうだ」

隼人「・・・・」

勇人「・・・あんたのその翼・・・長くは使えないんだろう?」

隼人「・・・・!」



ガァンッ!

そう言うと、勇人は隼人の刀を弾く。

隼人「・・・・」

勇人「・・・・」

隼人「・・・タネがわかった所でなんだ?例えそうだとしても、俺達の殺し合いには何の関係も無いだろう」

勇人「・・・嘘だな」

隼人「・・・あ?」

勇人「あんたは、本気で俺と殺し合おうなんて思っていない。むしろ・・・俺を守るために闘っているように思えるぞ?」

隼人「・・・・」

勇人「今のあんたには、10年前のような重苦しい殺気が感じられない。
強いて言うのなら・・・猛獣がよくやる、威嚇に似た感じだ。そこまで畏れる物でもない」

隼人「・・・・」

勇人「・・・あんたは俺を殺すつもりは無い・・・違うか?」

隼人「・・・くっ・・・」

勇人「・・・・」

隼人「くっくっくっくっ・・・何を言い出すかと思ったら・・・」

勇人「・・・・」

隼人「・・・大した戯言をありがとうよ、勇人」

勇人「・・・・!」

隼人「俺がお前を殺すつもりが無い?俺がお前を守るために闘う?本ッ当に戯言だな、勇人。
何回も言っただろ?俺はただ、この世界を壊したいだけだ。そのためなら、俺は何だってやってやる」

勇人「・・・・」

隼人「・・・例えば・・・・この近くの屋敷にいる、お嬢様・・・とかな」

勇人「なっ・・・!」

隼人「・・・これでわかっただろ?俺はもう、お前の知ってる優しい兄貴じゃねぇんだよ・・・」

勇人「くっ・・・させるか!」

屋敷に向かおうとする隼人に突っ込む勇人。








ズバァッ!

勇人「!?」

だが、一瞬で数発の斬撃を叩き込まれる。

勇人「ぐっ・・・!」

隼人「・・・そこで黙って待ってな。すぐに、お前の大事な存在の首を持ってきてやるよ」

勇人「・・・!」

隼人「・・・苦しめばいいさ。俺と同じだけ・・・苦しめばいい・・・!」

そう言い残し、隼人は屋敷の方向へと飛んでいった。

勇人「クソ!待て!」

そう言うと、勇人も屋敷の方へと走り出す。


































































ハヤテ「・・・ふぅ・・・」

夜遅くまでトレーニングを積んでいたハヤテは、これから就寝に入るところだった。

ハヤテ「・・・空・・・十六夜なんかに頼らず、速く目覚めてくれればいいんだけど・・・」

そんな事を言いつつ、ハヤテはベッドに入り込む。その時・・・・











ガシャアアアアアアアアアアアアアン!!

突如、どこかの部屋の窓ガラスが割れる音が聞こえてきた。

ハヤテ「!?」

その音を聞いた瞬間、ハヤテはすぐに部屋を飛び出す。

ハヤテ「今の音・・・方向は、三千院さんの部屋!?」

そう言うと、ハヤテはすぐさまナギの部屋へと向かった。



































































ハヤテ「三千院さん!マリアさ・・・!」

部屋に入ると、そこには・・・・








隼人「ん?」

そこには、村正をナギに向けている隼人と気絶しているマリア、そして隼人を睨む姫神の姿があった。

ハヤテ「あなたは・・・!」

隼人「フンッ。またお前か・・・」

ハヤテを一瞥すると、隼人はすぐにナギに視線を戻す。

ナギ「・・・・」

姫神「貴様・・・なぜ、ナギを狙う・・・!」

隼人「・・・そいつを狙った方が、あいつが苦しむ」

ハヤテ「・・・あいつ・・・?」

隼人「ああ。あいつにも、俺と同じ苦しみを味合わせてやろうと思ってな」

姫神「ふざけた事を・・・」

隼人「・・・悪いが、お前等の相手をしてる暇は無いんだ。大人しく・・・寝てろ!!」

そう言い放つと、隼人は姫神を蹴り倒し、ハヤテに向かって衝撃波を放つ。

姫神「ぐおっ!」

ハヤテ「があっ!」

ナギ「ハヤテ!姫神!」

姫神「かっ・・・は・・・!」

ハヤテ「ぐっ・・・うぅ・・・」

隼人「・・・さ。次はお前だ」

ナギ「うっ・・・」

姫神「くっ・・・ナギ・・・!」

ハヤテ「はっ・・・あぁ・・・く・・・!」

ナギ「う・・・うぅ・・・」

隼人「・・・・死ねぇ!!」

ナギ「・・・・!」

そうして、隼人は刀を振り下ろした・・・・



















































































バキィッ!

隼人「!?」

が、その瞬間、何者かが隼人を蹴り飛ばしていた。

ナギ「え!?」

隼人「なっ・・・!?」


ブオッ!

その人影は、着地と同時に隼人に殴りかかった。

隼人「くっ・・・!」


ビュッ!

隼人は刀を振るうも、彼はその刀をあっさりとかわし・・・




ドゴォッ!

隼人の脇腹に鋭い蹴りを決めた。

隼人「ぐっ・・・!」

その後、その人物はかばうようにナギの前へと立つ。




姫神「・・・お前・・・」

ハヤテ「・・・そんな・・・」












































ナギ「・・・空・・・?」

空「・・・・」

ナギの目の前に立つ空は、ひどく虚ろな、しかし明らかな敵意を持った目で隼人を睨みつけていた。

ナギ「・・・空・・・お前、大丈夫なのか・・・?」

空「・・・・」

ナギ「・・・空?」

隼人「フンッ・・・どうやら、心が元に戻ったわけじゃないみたいだな・・・」

ハヤテ「なら・・・どうして・・・」

隼人「・・・2千年前の十六夜と同じって事か・・・」

空「・・・・」

隼人「・・・このタイミングでこいつが目覚める・・・って事は、どこかで十六夜が・・・」

姫神「・・・何を・・・ぶつぶつ言っている・・・」

隼人「・・・まぁ、いいさ。いずれにしろ、お前等全員殺せばいいだけだ」

ハヤテ「・・・果たして・・・そう上手くいきますかね?」

隼人「・・・・」

ハヤテ、姫神、空の3人は、隼人を囲むようにそれぞれ陣を取る。

隼人「・・・・」































































勇人「悪いが、それは俺の役目だ」

ハヤテ・姫神・ナギ「!?」

見ると、そこには息を切らした勇人が立っていた。

ハヤテ「・・・勇人さん・・・」

隼人「・・・勇人・・・」

勇人「ハァ・・・ハァ・・・待たせたな・・・兄さん・・・」

隼人「・・・お前・・・あの距離を走ってきたのか・・・」

勇人「ハァ・・・は・・・ああ・・・まぁな・・・」

隼人「フン・・・」

勇人「・・・さぁ・・・続きといこうか」

隼人「・・・いいだろう」

勇人「・・・ここじゃ迷惑がかかる。表だ」

隼人「・・・・」

そうして、2人は割れた窓から外へと出て行った。

ハヤテ「・・・・」

姫神「・・・なんだったんだ・・・?」








ドタッ

突如、2人の後ろで何かが倒れる音が聞こえた。

ナギ「!空!」

ハヤテ「え?」

見ると、そこには空が気を失って倒れていた。

ナギ「空・・・空!」

空「・・・・」

ハヤテ「・・・さっきまでと同じ・・・眠ってる・・・?」

姫神「・・・とりあえず、マリアと早乙女を寝かせよう」

ナギ「・・・・」

ハヤテ「・・・・」









































































隼人「・・・皮肉だよな」

勇人「何がだ?」

隼人「俺達が、互いに「幸せになってやる!」・・・って誓った場所で、俺達が殺しあうことになるなんてよ」

勇人「・・・ならないさ」

隼人「・・・あ?」

勇人「俺達の闘いは、もう終わりだ。これ以上、不毛な争いはやめて・・・また共に生きよう、兄さん」

隼人「・・・ふざけるな・・・」

勇人「・・・・」

隼人「今になって、闘いをやめる?共に生きる?ふざけんな・・・そんな事を言う資格が、お前にあるとでも思ってんのか!?」

勇人「・・・思ってないさ。だが俺は、これ以上あんたと闘う理由が見当たらない」

隼人「戯言を・・・そんな事は、俺に勝ってから・・・俺を殺してから言え!!」

そう言うと、隼人は勇人に向かって突っ込む。

勇人「・・・迷いがある内は・・・あんたは俺には勝てない」

















ズバァッ!

突っ込んできた隼人を、勇人は一瞬で弾き飛ばした。

隼人「がっ・・・!?」

勇人「・・・・」

そのまま、隼人はその場に崩れ落ちた。

隼人「がっ・・・は・・・テ・・・テメェ・・・何、しやがった・・・」

勇人「・・・何もしていない。ただ、あんたの体力に限界が来ただけだ」

隼人「ぐっ・・・何を・・・!」

勇人「・・・もう終わりにしよう、兄さん・・・」

隼人「・・・・」

勇人「これ以上、俺達が争う必要も・・・あんたが世界を壊すために闘う必要も無い」

隼人「・・・何・・・言ってやがる・・・」

勇人「・・・あんたにも、大切な物が残ってるからだ」

隼人「・・・黙れ・・・そんなくだらねぇ事・・・ほざくな・・・」

勇人「・・・あんたには・・・俺が捨ててしまった物がまだちゃんと残ってる・・・」

隼人「・・・黙れ!テメェに何がわかる!!」

勇人「・・・・」

隼人「・・・妻を・・・子供を・・・俺が、心から本気で愛したものを一瞬で亡くしたんだぞ!!くだらない、不慮の事故なんかでな!
それを起こした奴も死んで、怒りの矛先も見当たらねぇ!
だったら、その怒りはこの世界に向けるしかねぇだろうが!!」

勇人「・・・そうだな・・・あんたの怒りは底知れない・・・」

静かに目を閉じ、隼人の言葉に耳を傾ける勇人。そこに・・・










ハヤテ「勇人さん!」

ハヤテが駆け寄ってきた。

勇人「・・・・」

隼人「・・・・」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・兄さん」

隼人「・・・?」

勇人「18年前のあんたの怒りが凄まじい事は、よく知ってる。だが、あんたは怒りのあまり、
他の何より・・・あんたの復讐の念なんかよりも大事なものを見落としていた。

隼人「・・・何・・・?」

勇人「・・・あの事故の後・・・俺はあの場所で、一つの奇跡を見た」

隼人「・・・奇跡・・・?」

勇人「ああ・・・あれはまさに、奇跡としか言いようが無かった。
凄惨な事故現場で、微かに震えていた小さな命・・・」

隼人「・・・何を言ってる・・・」

勇人「まだわからないのか?いいか、兄さん・・・












































































あんたの息子は生きている」






隼人「・・・・!!」

ハヤテ「・・・・」

隼人「・・・息子・・・?」

勇人「・・・そうだ・・・あいつ・・・愛理香(えりか)に宿っていた子は・・・男の子だった」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第172話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.19 )
日時: 2010/03/05 18:59
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!
随分と久々のレスになってしまいましたが
お久しぶりです、PNKです!!!

2章の後半からここまで一気読みさせていただきました。
どんどんと明らかになる謎と深まる謎の黄金比。
さすがSORAさんですね、バランスがよくて読んでいて飽きが来ませんね!
あと行間の使い方が個人的には大好きです。

さて、隼人と勇人の戦いの中で出た息子の生きている発言。
これが物語の中に一体どう影響するのか!!!
今後の展開に注目しています!

それではまた!!!
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.20 )
日時: 2010/03/06 14:08
名前: SORA

どうも。よくよく考えたら、第3章でコメが来たのって、これで3つ目ですぜ?では、レス返し・・・


>どうも!
随分と久々のレスになってしまいたが
お久しぶりです、PNKです!!!


師匠ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
おっ、おひっ、お久しぶりです!!ホンットーーーーーーーーに、お久しぶりですぅ!!
感激です!この第3章、始まってから全然コメが来なかったから、尚更!
しかも、久しぶりのコメが師匠って・・・・感謝してもしきれませんよ!これからもよろしくお願いします!!




>2章の後半からここまで一気読みさせていただきました。
どんどんと明らかになる謎と深まる謎の黄金比。
さすがSORAさんですね、バランスがよくて飽きが来ませんね!
あと行間の使い方が個人的には大好きです。


いやいやいやいや、そんなそんな・・・・そこまで言われてしまうとなんかもう・・・調子に乗ってしまうじゃないですか。
こんな、第1章や2章と違って中二病満載の第3章をそこまで・・・
まぁ、師匠にそんなに褒めて頂けるのは、僕としては嬉しい限りですけど・・・


>さて、隼人と勇人の戦いの中で出た息子の生きている発言。
これが物語の中に一体どう影響するのか!


・・・・まぁ、ね。息子の生きている発言は、今回で明かしますし・・・物語に影響は・・・あるのかな?




それでは、師匠。本当にコメをありがとうございました。第173話、始まります
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


第173話[少しずつ、だが確実に]

表紙:隼人と勇人の背中合わせ


隼人「・・・・生きてる・・・だと・・・?俺の子が・・・?」

勇人「・・・ああ。間違いなく、今この世にな」

ハヤテ「・・・・?」

隼人「・・・ふざけんな・・・そんな嘘・・・俺が信じると思うか?」

勇人「信じる信じないは、あんたの勝手だ。だが、俺が言ってる事は事実だ」

隼人「・・・嘘だ・・・そんなの・・・」

勇人「・・・・あの時、俺も自分の目を疑ったよ。あんな激しい事故の中、
母親は死んだにも関わらず、その中に宿っていた命は生まれ落ちていた。
この世に生を受けたばかりでありながら、必死に生きようとしていた・・・」

隼人「・・・・」

勇人「当然、俺はすぐにその子を病院に連れて行った・・・まぁ、その時にはあんたはもう、俺達の前から姿を消していたが・・・」

隼人「・・・・」

勇人「病院に連れて行ったはいいが、父親は姿を消し、母親は死んでいる。
生まれながらに両親のいない、不憫な赤子・・・それに当時、俺やあんたはちょっとした連中に狙われていた。
この子もいつか狙われる・・・そう考えた俺は、ちょうどその頃、その病院にいたある夫婦にその子を預ける事にした」

ハヤテ「・・・・」

勇人「その夫婦は、こっちの事情を聞く事もなく、快く引き受けてくれた。
だが・・・その夫婦に預けてしまったせいで、その子に辛い人生を歩ませる羽目になってしまったがな・・・」

隼人「・・・・」

勇人「・・・それが・・・今から18年前の・・・・11月11日の事だ」

ハヤテ「!?」

勇人「・・・・」

ハヤテ「・・・勇人さん・・・それってまさか・・・!」

隼人「・・・で?」

勇人「・・・?」

隼人「それがどうしたよ。俺の息子が生きてるからって、どこで何をしてるかわかんねぇじゃねぇか・・・」

勇人「・・・ああ・・・そうだな・・・」

隼人「どうせ、俺を引き込むための戯言だ・・・そんなもん・・・」

勇人「・・・・兄さん。ここにいる、ハヤテのフルネームを知っているか?」

隼人「・・・?」

勇人「・・・こいつの名は、綾崎ハヤテ。そして、俺が18年前あんたの息子を預けた夫婦の姓は・・・



































































































綾崎だ」































隼人「!?」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・・ここまで言えば・・・・あんたなら、わかるだろ?」

隼人「・・・まさか・・・・嘘だ・・・・そんな・・・・」

勇人「・・・・」

隼人「・・・・まさか・・・・」

勇人「・・・・ああ。あんたの息子は・・・・


































































































そこにいる、ハヤテだよ」






































隼人「・・・・!!」

ハヤテ「・・・・この人が・・・・僕の・・・・?」

勇人「・・・そうだ。この人・・・九頭神 隼人が・・・・お前の実父だ」

ハヤテ「・・・・兄さん・・・・嘘じゃないか・・・僕に血縁がいないだなんて・・・」

隼人「・・・・・」

勇人「・・・これでわかっただろ?あんたが憎しみに駆られてまで闘う必要はないんだ」

隼人「・・・・ざけんな・・・・」

勇人「・・・・え?」

隼人「ふざけんな・・・ふざけんなよ・・・?こいつが・・・このガキが俺の息子・・・?」

勇人「・・・・」

隼人「冗談じゃねぇぞ・・・こいつが・・・・こいつが俺の息子なら・・・」

ハヤテ「・・・・・」

隼人「・・・・なんだったんだよ・・・!」

そう言い、顔を上げた隼人の眼からは涙がこぼれていた。

勇人「・・・・」

隼人「勇人ぉ・・・俺の息子が生きてたんなら・・・俺が今までやってきた事は・・・・俺の18年間はなんだったんだよぉ・・・!」

勇人「・・・・」

隼人「・・・なぁ、勇人!なんだったんだ!俺の18年間は!俺の今までの苦しみは!闘いは!!」

勇人「兄さん・・・」

隼人「・・・俺は・・・この18年間・・・何のために・・・闘って・・・無駄に苦しんで・・・生きてきたんだよぉ・・・」

勇人「・・・すまない・・・本当なら、10年前のあの日に伝えるつもりだったんだ・・・」

隼人「・・・うっ・・・・うぅ・・・!」

勇人「・・・・」

隼人「・・・・」

ハヤテ「・・・・あの・・・・」

すると、ハヤテが隼人に近づく。

隼人「・・・・」

ハヤテ「・・・実際・・・あなたが僕の父親だなんて・・・実感が湧きません・・・けど・・・」

隼人「・・・・」

ハヤテ「・・・僕は・・・少しだけ嬉しいです・・・実の父親が生きていてくれた事・・・
そして・・・・その人が、やり方は間違っていても、自分の家族のために闘っていた事が・・・」

隼人「・・・・」

ハヤテ「・・・今はまだ・・・あなたの事を父とは呼べませんけど・・・」

隼人「・・・・」

ハヤテ「・・・けどいつか・・・あなたの事を、心から素直に・・・「父さん」と・・・」

隼人「・・・・」

ハヤテ「そう呼べる日が来るまで・・・僕・・・いや、僕達と、一緒にいてくれませんか?」

隼人「・・・・!」

勇人「・・・・どうだ?これが、あんたの実子の本心だ」

隼人「・・・・」

ハヤテ「・・・ね?」

隼人「・・・俺を・・・許すって言うのか・・・?」

ハヤテ「・・・・」

隼人「俺はあいつを・・・お前の友の心を欠けさせたも同然なんだぞ?」

ハヤテ「・・・確かに・・・空の心を奪った事には怒ってます・・・けど、それとこれとは話が別です」

勇人「・・・・・」

ハヤテ「僕はただ・・・純粋に、あなたと絆を深めたい・・・この18年分・・・ずっと・・・」

隼人「・・・お前・・・」

勇人「・・・・どうする?」

隼人「・・・バカ野郎が・・・この頃の俺とそっくりじゃねぇか・・・」

ハヤテ「・・・・」

隼人「・・・勇人」

勇人「?」

隼人「・・・俺が間違っていた、認めるよ」

勇人「・・・じゃあ・・・」

隼人「ああ・・・俺がこの世界を壊すために闘う理由はなくなった・・・これからは・・・」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・・」

隼人「・・・俺の家族が生きている・・・この世界を守るために闘う」

勇人「・・・兄さん・・・」

隼人「・・・まぁ・・・すぐには無理かもしんねぇけどな」

勇人「・・・大丈夫さ。時間はまだ、たっぷりあるんだ」

隼人「・・・いや・・・そう悠長な事も言ってらんねぇぞ」

勇人「え?」

ハヤテ「・・・・?」

隼人「・・・・今からちょうど、2ヶ月ぐらい前・・・白皇が襲撃されたのは知ってるか?」

勇人「・・・・!」

ハヤテ「・・・そういえば・・・」

隼人「あれのおかげで、ジジィが行動を起こす日が一気に縮まるハメになった」

勇人「・・・なんだって?」

隼人「本当なら、あいつが行動を起こすのは、今年の冬のはずだった。だが、あいつ等・・・
神崎 大和が勝手に行動を起こしたせいで、それが半年近く縮まっちまった」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・・いつなんだ?」

隼人「・・・・恐らく・・・・7月の24日・・・・来週の日曜だ」

勇人「・・・・!」

ハヤテ「・・・・」

勇人「・・・そうか・・・」

隼人「・・・そういう事だ」

勇人「・・・・」

ハヤテ「・・・あの・・・それで。お2人はこれから・・・」

勇人「ん?ああ・・・そうだな・・・兄さんはどうする?」

隼人「そうだな・・・もうあのジジィの所にいる理由も無くなったし・・・まぁ、野宿でも・・・」

ハヤテ「・・・あの・・・」

隼人「?」

ハヤテ「・・・僕が・・・ここに泊めて貰えるかどうか・・・頼んでみましょうか?」

隼人「え?」

勇人「・・・だが、厳しいんじゃないのか?あのお嬢様は、相当神経過敏になってるだろうし・・・」

ハヤテ「・・・なんとかしてみます」

勇人「・・・・」

隼人「・・・・」













































































その後、ハヤテが必死で頼み込んだ事もあってか、全部事が済んだ後にハヤテがナギとマリアの着せ替え人形になる事を条件に、隼人も三千院家に居候する事になった。






























そんな激しい闘いがあった翌日の朝・・・















『・・・次のニュースです。昨夜12時頃、練馬市内で複数のビルが倒壊するという事件が起こりました。
目撃者の証言によると、大きな剣を持った身長2m近くの男と、長い日本刀を持った同じく身長2m近くの男の2人が
何か言いながら斬り合っており、この2人が原因であるとの事で、警察は、この2人の身元の確認を急いでいます』




隼人「・・・ものすげぇニュースになってんな」

勇人「まぁ、街中であれだけの騒ぎを起こしたんだ。ニュースに取り上げられてもおかしくはない」

ハヤテ「・・・どうするんですか、こんな騒ぎになって」

隼人「ま。バレたらバレたで別に構わねぇけどな」

ハヤテ「ええ・・・」

隼人「それに、これとは別にもう一つ俺達にとってありがたくねぇ話もあるしな」

そう言い、テーブルに置いてある新聞を手に取る隼人。

ハヤテ「・・・?」

隼人「・・・・」

隼人は、まじまじとその新聞の一面を見つめる。
























































































そこには、「鷺ノ宮家にて、謎の爆発」という見出しがでかでかと書かれていた。






そして話は、隼人と勇人の闘いと同時刻まで遡る・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第173話終了です。今回は、隼人のキャラ紹介に行きたいと思います。では・・・




 [名前]九頭神 隼人

[年齢]38歳 [誕生日]12月29日 [身長]197cm [体重]82kg

今作におけるハヤテの実父という設定のキャラ。九頭神 勇人の双子の兄。だが、二卵性。
闇が強い、2m以上はある聖剣、村正を巧みに扱う。
容姿は、腰まで届く蒼い髪に、蒼い瞳。勇人や誠と同様、38歳とは思えないほど若く見える。
身体が物凄く頑丈で、その頑丈さはハヤテや空を軽く凌駕する。そして、その頑丈さもしっかりとハヤテに受け継がれている。
元々、両親は隼人と勇人が生まれた時に他界しており、2人共施設育ち。
その施設は結構裕福で、隼人と勇人は2人揃って白皇に通っていた。
今は亡き、隼人の妻である綾瀬 愛理香(あやせ えりか)は、彼等と同じ施設出身で、九頭神兄弟の幼馴染。
ハヤテの髪と眼の色は父親譲りだが、顔立ちは完全に母親の遺伝。
昔は、今のようにクールで残忍な性格ではなくまったくの真逆。ハヤテのようなお人好しで純粋な性格だった。
ちなみに、マジメな性格でもなかったため、白皇在学時の成績はかなり下の方。



・・・こんな感じです。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください、それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.21 )
日時: 2010/03/06 14:35
名前: てぃが

どうもてぃがです。

三章まで来ましたね。
そろそろクライマックスというところでしょうか?

ていうか空があああああああ!!!
心の大半持ってかれるとか”ええ!?”ですよ!!
しかしナギのピンチに一時的とはいえ起き上がったのは凄いです。
流石は空ですね。

勇人VS隼人、最初は勇人さんと全力で応援させてもらいました。
隼人が翼を生やした辺りからは勇人さんが負けるのではと不安でしたが・・・
隼人がハヤテの父親と聞いてもうビックリです。
まあ、ハヤテに実の肉親がいて安心しましたが。

続きも楽しみにさせてもらいますよ、それでは!
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等 ( No.22 )
日時: 2010/03/06 15:42
名前: 咲雷

 
お久しぶりです。

どうも、咲雷です。

では、感想です。

それにしても、137話はびっくりしました。

まさか、隼人がハヤテの本当の父親とは・・・。

なるほど、勇人がハヤテと似ていたのも、このことの伏線だったのですね。さすがです。

ハヤテも良かったですね。あの親が本当の親でなくて。

そして、ラストの鷺ノ宮家のことも気になります。

これからの展開も楽しみにしています。

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.23 )
日時: 2010/03/06 18:24
名前:

はじめまして。連と言います。

僕はこの小説を一章から読みましたが、オリキャラの使い方がうまいと思います!

僕が書いている小説でもオリキャラを出しているのですが、どうもSORAさんのようにうまくいきません。

だからめちゃくちゃ憧れます。

いろいろと展開がすごすぎて、おもしろいです!!

まさかハヤテと隼人が親子だったとは・・・・・。

最後の鷺宮家爆発についてもめちゃくちゃ気になります!!

それでは今後ともよろしくお願いします。

僕の「吹雪のごとく」も気が向いたら読んでください。

まだ始めたばかりですが。

それでは!!
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.24 )
日時: 2010/03/07 18:53
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!

レス返しのレス返しになりますが、調子に乗りすぎるのは色々まずいですが、
SORAさんは十分な自信を持つだけの力がありますよ!
なので自分の作品を中二病なんて言っちゃダメですよ!!!
僕はこの作品好きですし・・・ねっ♪

では感想です!!!
なんと!隼人の息子はハヤテでしたか!
驚き全開です!しかし、今後の彼の人生には守るものができたということでしょうかね?
これまでの彼の苦しみが報われる事を祈ります。
そして、そんな彼を受け止めたハヤテ、かっこよかったです!!!

ただ今回気になったのが、ニュースの2人の戦いについて・・・
「あんな簡単な取り上げでいいのか!?普通にもっと大問題な気が・・・!!!(笑)」
と1人で寂しく突っ込ませていただきました!

そして最後の鷺ノ宮家炎上・・・これはまたまた一波乱の予感ですね!



それから誤字報告ですが、上から31行目、

勇人「・・・こいつの名は、綾崎ハヤテ。そして、俺が18年前あんたの息子を預けて夫婦の姓は・・・
                                             ↑

となっていますが、ここは、


勇人「・・・こいつの名は、綾崎ハヤテ。そして、俺が18年前あんたの息子を預けた夫婦の姓は・・・
                                             ↑



ではないでしょうか?


それでは次回も楽しみにしています!!!



[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.25 )
日時: 2010/03/08 16:08
名前: SORA

すげぇ・・・前回の師匠のコメを皮切りに、一気に4名もの方からコメが・・・では、レス返し。


>てぃがさん


>三章まで来ましたね。
そろそろクライマックスというところでしょうか?

お久しぶりです、てぃがさん。クライマックスまでもう少しかかりますが、どうぞよろしくお願いします。


>ていうか空があああああああ!!!
心の大半持ってかれるとか”ええ!?”ですよ!!
しかしナギのピンチに一時的とはいえ起き上がったのは凄いです。
流石は空ですね。

・・・まぁ、ね。心が持ってかれるっていうのは、とあるゲームをパk・・・・元にさせてもらってるだけですが・・・
空が動けたのは、「どんな時でもナギを守りたい」っていう、ナギへの想いの強さ故ですね。
なんかにもありましたよね?友達を守りたいっていう想いの強さだけで自然と身体が動いた・・・みたいなのが。


>勇人VS隼人、最初は勇人さんと全力で応援させてもらいました。
隼人が翼を生やした辺りからは勇人さんが負けるのではと不安でしたが・・・

おぉふ・・・まさか、登場してからほんの少ししか経っていない勇人さんを、応援する方が・・・
なんか、感激です。ありがとうございます、てぃがさん。




>咲雷さん


>お久しぶりです。
どうも、咲雷です。

お久しぶりです、咲雷さん。これからもよろしくお願いします。


>それにしても、137話はびっくりしました。
まさか、隼人がハヤテの本当の父親とは・・・。
なるほど、勇人がハヤテと似ていたのも、このことの伏線だったのですね、さすがです。

いえいえいえ・・・こんなベッタベタな展開、誰でも思いつくと思いますよ?


>ハヤテは良かったですね。あの親が本当の親でなくて。

あのクソ共がハヤテの実の両親だなんて、僕は認めません。




>連さん


>はじめまして。連と言います。

はじめまして、連さん。これからもよろしくお願いします。


>僕はこの小説を一章から読みましたが、オリキャラの使い方が上手いと思います!
僕が書いている小説でもオリキャラを出しているのですが、どうもSORAさんのようにうまくいきません。
だからめちゃくちゃ憧れます。

いやいやいやいや、そんなそんなそんなそんな・・・・憧れられるほど、僕には技術も文才もありませんから!


>師匠

レス返しのレス返しになりますが、調子に乗りすぎるのは色々まずいですが、
SORAさんは十分な自信を持つだけの力がありますよ!
なので自分の作品を中二病なんて言っちゃダメですよ!!!
僕はこの作品好きですし・・・ねっ♪

しぃしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
うっ・・・うぅっ!!そんな・・・・そんな事言って頂けるなんて!!
どうしてくれるんですか!惚れちまったら、どう責任とってくれるんですか!!
いえ、わかってます・・・口調や一人称の時点で、師匠が男だというのはわかってます・・・
けど、それを踏まえた上で、惚れてしまうじゃないですか、師匠!!
・・・・くっ・・・チクショー!色んな意味で涙が止まらねーよ!!


>なんと!隼人の息子はハヤテでしたか!
驚き全開です!しかし、今後の彼の人生には守るものができたということでしょうかね?
これまでの彼の苦しみが報われる事を祈ります。
そして、そんな彼を受け止めたハヤテ、かっこよかったです!!!

ありがとうございます、師匠。
悲劇の主人公たる、今作品のハヤテへの、僕からのささやかな贈り物だったんですが・・・
師匠に褒められていただけて、感激です。
これからは、少しずつ溝は埋まっていきますよ。ハヤテと隼人・・・そして、隼人と勇人の溝も・・・ねっ♪


>それから誤字報告ですが、上から31行目、
勇人「・・・こいつの名は、綾崎ハヤテ。そして、俺が18年前あんたの息子を預けて夫婦の姓は・・・                                  
となっていますが、ここは、                               ↑
勇人「・・・こいつの名は、綾崎ハヤテ。そして、俺が18年前あんたの息子を預けた夫婦の姓は・・・                                  
ではないでしょうか?                                 ↑


・・・・あ。気づかなかった・・・・すみません、師匠。しっかり修正しましたので。



それでは。皆さん、コメをありがとうございました。第174話、どうぞお楽しみください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第174話[光の巫女と闇の想念]

表紙:部屋に静かに座る伊澄


これは、隼人と勇人の死闘と同時刻に行われた、もう一つの闘い・・・


初穂「・・・あら」

伊澄「?どうかなさったんですか、お母様?」

初穂「それがね、伊澄ちゃん。今、占いをやってみたんだけど・・・」

伊澄「?」

初穂「ちょっと気になる結果が出ちゃったのよ」

伊澄「気になる・・・ですか?」

初穂「ええ。その結果がね・・・・なんだったかしら?」

伊澄「お母様?」

初穂「あはは、冗談よ。えっとね・・・「遠くない未来、全ては闇に消え失せる」・・・って、出たんだけど・・・」

伊澄「・・・全ては闇に消え失せる・・・」

初穂「所詮は私の占いだし、これが何を意味するのかわからないんだけど・・・ちょっと気になっちゃって」

伊澄「・・・・」

初穂「?・・・伊澄ちゃん?どうかしたの?」

伊澄「!いえ、なんでも・・・」

初穂「・・・?」

伊澄(・・・先日、どこかでとてつもなく大きな闇が出現した・・・
大おばあさまは気にする必要はないと仰っていましたが・・・
気になる・・・あの闇の気配は・・・かつての英霊より凄まじかった・・・
それに、その日を境に早乙女様から感じられた闇がぽっかりと消えている・・・
一体・・・何が起こっているの・・・?)

と、先日現れた闇の気配について考える伊澄。すると・・・







ピンポーン♪

伊澄「?」

初穂「あら・・・こんな時間にお客様かしら?」



ピンポーン♪

初穂「・・・どうやらお急ぎの用ね。誰か、相手をしてくださるかしら?」

そう、使用人に言う初穂。



ピンポーン♪

「まったく・・・何度の何度も、いい迷惑だ」



ピンポーン♪

伊澄「・・・違う・・・」

初穂「え?」



ピンポーン♪

「わかったわかった。今、開ける」



ピンポーン♪

伊澄「ダメ・・・扉から離れて!!」

言ったと同時に、伊澄は札を構えて扉に向かって走り出した。

「え?」

そして、使用人が扉に手をかけた瞬間・・・・・















































































ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

「うわあああああああああああ!!?」

突如、使用人を巻き込んで扉が吹き飛んだ。


伊澄「くっ・・・!」


「なんだよ・・・中にいる連中を呼び出すやつじゃなかったのか?」

伊澄「・・・この邪気・・・間違いない・・・先日の・・・!」

「ん・・・?・・・ほぉ・・・やはり、ここにいたか・・・光謁・・・」


煙が晴れるとそこには、剣を肩に担いだ十六夜が立っていた。


伊澄「・・・・!」

十六夜「フッ。昔と変わらずいい屋敷だな、ここは。」

伊澄「・・・八葉・六式・・・」

十六夜「ま。そんな事はどうでも・・・」

伊澄「撃破滅却!!」

十六夜が言い終わらない内に、伊澄は赤く光る球体を十六夜に向けて放っていた。

十六夜「・・・どうでもいいか・・・っとぉ!!」



ズガァンッ!

が、十六夜はその球体を剣で弾き返す。

伊澄「なっ・・・!?」




ズドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

そして、弾き返された球体はそのまま屋敷の屋根へと直撃、爆発を引き起こした。


十六夜「・・・・」

伊澄「くっ・・・・!」

十六夜「・・・石はどこだ?」

伊澄「・・・石・・・?」

十六夜「ああ。お前等で言う所の、「絆の石」って奴だ・・・ここにあるんだろ?」

伊澄「・・・・!」

十六夜「大人しくそれを渡せ。そうすれば、この場は退いてやる」

伊澄「・・・何のために石を?」

十六夜「答える義理は無いな」

伊澄「・・・そう・・・ですか・・・」

十六夜「・・・・」

伊澄「・・・理由は何であれ・・・」

十六夜「・・・?」

伊澄「あなたのような闇の化身に・・・石を渡すわけには行きません!!」

十六夜「・・・そう・・・か・・・だったら・・・お前を殺して、ゆっくり探すさ」




伊澄「はぁあああああ!!」


ブワァッ!

伊澄が札を振るうと、そこから獣を象った複数の光体が現れ、まっすぐ十六夜に向かっていった。


十六夜「フンッ・・・」



ズバァッ!

が、十六夜はそれを一体ずつ斬り裂いていき、同時に伊澄との距離を詰める。

伊澄「うっ・・・・!」

十六夜「・・・死ね」

そうして、伊澄との距離を完全に詰めた十六夜は、何の躊躇いも無く伊澄に剣を振り下ろした。
































































































ドスッ!

十六夜「!?」

が、次の瞬間、十六夜の腕に一本のくないが刺さっていた。

伊澄「・・・これは・・・」

十六夜「・・・チッ・・・」

ただならぬ雰囲気を感じ取った十六夜は、一旦伊澄と距離をとる。

銀華「大丈夫か、伊澄!」

少し遅れて、伊澄の曾祖母・・・鷺ノ宮銀華が現れた。

伊澄「大おばあさま・・・」

銀華「まったく・・・ただならぬ邪気を感じて来てみれば・・・よくもまぁ、厄介な奴が来たもんじゃのう」

十六夜「・・・・」

伊澄「・・・大おばあさま・・・あの男を知っているのですか?」

銀華「・・・そうか・・・お前には、話しておらなんだな・・・」

伊澄「・・・?」

銀華「・・・あやつ・・・名を、十六夜と言うてな・・・わしらのご先祖様が、遠い昔に封じた男じゃ」

伊澄「え?」

十六夜「・・・・」

銀華「まぁ、詳しい話は後じゃ。まずは・・・」

十六夜「・・・フン・・・お前等程度の脆弱な力で・・・」

そう言う十六夜の身体から、少しずつ闇のオーラが漂い始める。

伊澄「・・・あれは・・・!」

十六夜「・・・今の俺に勝てると思ってんのか!!」

瞬間、十六夜から膨大すぎる量の闇の波動が発せられた。

銀華「伊澄!今すぐ、この屋敷を結界で囲むのじゃ!!」

伊澄「はいっ!!」

言ったと同時に、伊澄は札の一枚を頭上に掲げる。すると・・・







カッ!

以前、白皇で張った時と同じような結界が、鷺ノ宮の屋敷全体を包み込んだ。

十六夜「・・・無駄な事を・・・」

銀華「伊澄!こやつを外に出すでないぞ!こやつは何としても、ここで討ち取る!!」

伊澄「はいっ!」

十六夜「・・・・」















銀華「はぁあああああ!!」

そうして、銀華は鎖鎌やくないを一斉に構え、十六夜に突っ込む。


ジャラッ!

そして、十六夜の腕に一本の鎖が巻きつく。

十六夜「・・・・」

銀華「天に滅せい、2千年前の亡霊!!」

そう言い、銀華は無数のくないを投げつけ、十六夜に鎌を振り下ろす。

十六夜「・・・お前はバカだろう」




































































バヂィンッ!

が、その瞬間、十六夜の周りを強烈な雷が駆け抜けた。

銀華「がぁっ!?」

伊澄「大おばあさま!!」

十六夜「フン・・・」




ズバァッ!

そして、十六夜が振り抜いた剣は、容赦無く銀華の身体を斬り裂き、そのまま銀華を吹き飛ばした。

伊澄「大おばあさま・・・!」

銀華「ぐっ・・・!」

十六夜「・・・・」


バキィッ!

そのまま、十六夜は腕に巻かれた鎖を壊す。

伊澄「・・・術式・八葉・・・!」

瞬間、伊澄の周りに強烈な電撃が走る

銀華「!待て、伊澄!奴相手に、それは・・・!」


伊澄「建御雷神・四面!!」



次の瞬間、数本の巨大な雷が十六夜に向かって走っていった。

十六夜「・・・・」

伊澄(・・・避けない・・・なぜ・・・!)















ドギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

その雷は、そのまま吸い込まれる様に十六夜に直撃した。

伊澄「・・・・」

銀華「・・・・」


しゅううううう・・・・・・

十六夜がいた場所には、濃い土煙がまっている。

伊澄「・・・倒したの・・・でしょうか・・・」

銀華「・・・いや・・・まだじゃ・・・!」











パリッ

伊澄「!?」

瞬間、土煙の中から、微かに電気が走った。

十六夜「・・・・」

やがて煙が晴れると、そこには何食わぬ顔をした十六夜が立っていた。

伊澄「・・・そんな・・・なんで・・・」

十六夜「・・・知らないようだから教えてやる。俺は雷を使役し、自在に操る事が出来る」

伊澄「・・・・」

十六夜「つまり、電撃や雷なんてのは、俺にとっては俺が闘うための素材・・・・今の術、どうやら素体は雷のようだな」

伊澄「・・・それじゃあ・・・」

銀華「そうじゃ・・・建御雷神は、基本雷の部類・・・奴には、何一つ効かん・・・」

伊澄「・・・・」

十六夜「・・・良い物を見せてくれた礼だ・・・」

すると、十六夜から膨大な量の雷が発生し、十六夜の腕へと収束していく。

伊澄「・・・・!」

十六夜「・・・本物の建御雷神・・・最強の雷って奴を、見せてやるよ・・・」

銀華「ぐっ・・・・!」

伊澄「・・・大おばあさま・・・私から離れないでくださいね・・・」

銀華「・・・?・・・伊澄・・・まさか、あれを・・・・!」




十六夜「猛御雷神(たけみかづち)・・・・轟天!!」











































































ズギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!





十六夜が放ったどす黒い雷は、伊澄と銀華を容赦無く飲み込み、その後ろに建つ鷺ノ宮家をも崩壊させた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第174話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.26 )
日時: 2010/03/08 17:17
名前: ゆーじ

こんにちはー♪

お久しぶりのコメント(だっけ?)です!!

3章でコメントを書いた記憶があるようでないので、もしかしたら同じコメントがあるかもしれませんがご了承下さい!




まず、三千院家に戻ってきたハヤテを襲うのは・・・ナギとマリアの女子高生のノリ!!すなわち着せ替え人ぎょ・・・ごほん、・・・女装!!

そしてそんなハヤテのあるまじき姿を見た空に何かが芽生える。

空ぁああああっ!!そっち(BL)は行っちゃらめぇえええええっ!!!

・・・・・ま、ナギの必死の説得で戻ってきたようなので一安心。

確かにハヤテはまぁ、秀○のごとく可愛いから分からなくもないですが・・・、さすがにダメですよ!!ダメダメ!!(お母さん!?)

そして十六夜に心を持ってかれた空。

空ぁああああっ!!そっち(闇)は行っちゃらめぇええええええっ!!

・・・と、まぁ同じようなコメントですいません。





そして何より一番感想を書こう!!と思ったパートが、勇人と隼人。

まさかハヤテの本当の親が隼人と愛理香さんだったとは・・・まぁあんな外道からあんなにいい子が生まれるわけもないですからね!(ぇ

という事は、あの外道2人は自分の子でもない子供(ハヤテ)にあんな過酷労働を・・・?

・・・・・・・・・・・・・・・、・・・よしっ、ちょっくら行ってくっかァ!!

え?どこに?・・・・・・・・・・・・・想像にお任せいたします♪

とにかく、本当の親を見つけることが出来てよかったね、ハヤテ☆

いやまぁそんな事を言うような状況じゃないんですけど、最近のSKY&WINDのハヤテは徐々に幸せをつかめている気がして少し顔が綻んでいます(笑)

この調子でアテネと早く和解しろよなっ♪(どんだけ見たいんだ

・・・・あ、別にSORAさんに早く書けって言っているわけじゃ全っ然ないですからね!?ホントですよ!?

・・・あと、まぁいつかは知らないけどナギとマリアに着せ替え・・・ごほん、女装をさせられるフラグが立ったみたいですが、どんまい!お父さんのためだよ!





そして十六夜の鷺ノ宮家襲撃・・・。

伊澄ぃいいいいい!!それから銀華大ばぁさまぁああああああ!!

てんめっ!!いくらロリ容姿だからってご老体なんだぞ!!

・・・・・・あ、ごめんなさい。そんなこと言って通じる相手ではない事くらい分かっていますよ?はい。



少し興ふ・・・ごほん、長くなってしまいましたね・・・すいません。

まぁとりあえず今後の展開に期待です!!

では、シーユーアゲイン!!

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.27 )
日時: 2010/03/09 14:33
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!

えっと・・・またまたレスへのレス返しになりますが・・・

とりあえず、ありがとうございます!!!
人に好かれて嬉しくない人は、あまりいませんからね。
僕は嬉しいです!!!ただ、責任はとってあげれませんので、
その気持ちを、いつかSORAさんの小説に登場するであろう虎鉄君に生かして下さい(笑)
あとできる事として、SORAさんの小説を読み続けますね♪




それでは感想です!!!

初穂さん・・・こんな時に占い当てちゃ、ダメじゃないか〜!!!

見事に当たってしまいましたね。十六夜の出現。
伊澄・銀華の能力をもってしても歯がたたないとは・・・!
さすが、先人さまは伊達じゃない!!!ですね。

伊澄の結界のおかげで外に被害はないでしょうが、家が崩壊してしまいましたね。
はたして伊澄達の運命は!?

よくありそうで、あまりうまく締まらない次回予告タイプの締めですが、
しっかり締まっていますね!さすがです!!!


それではまた!!!

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.28 )
日時: 2015/11/17 15:19
名前: SORA

実に五年と八ヶ月、それだけの時間が流れました

待ちに待った時が来たのだ……若き時の無念を晴らすために
作品完結の悲願を果たすために!

ひなゆめよ!私は帰って来たァ!!!!

……はい、すみません
とりあえず、この作品は上記の通りの間更新できず、その間に原作も新アニメなど色んなことがありました

とっくの昔に原作の展開からかけ離れたこの作品ですが、変にいじらず当時の設定や展開そのままで進行したいと思っています
ですので、色々原作にそぐわない展開が多々あると思いますが、どうかご容赦いただきたいと思います

あ、ちなみに今回はリハビリを兼ねていますので、かなり短い上に前回と繋がりはありません

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

夕暮れに染まる草原に、三人の少年と一人の男が佇んでいる

一人は白銀の髪を短く切り揃えた、蒼く、力強い瞳を持つ少年

一人は蒼い髪と瞳、静かな激情を気配と共に放つ少年

一人は浅黒い肌に白い髪、どこか無機質な感じを思わせる少年

最後の一人は、漆黒の短髪を持ち、蒼い瞳に歪んだ色を纏わせた長身の男


二人の少年と、もう一人の少年と男が別れて向かい合っている


「……やっと、ケリ着ける時が来たな」

銀髪の少年が言う

「長かった……やっと、全てが終わる」

蒼い髪の少年が続き、眼前の二人を睨む

「……くだらん」

「まったくじゃ」

白い髪の少年が、黒髪の男がそれに続く

「終わりではない。むしろ……今日、この瞬間から始まるのじゃ……新しい世界がな!!」

男の叫び応えるように、灰色の波動が周囲を覆っていく
傍らの少年は悠然と佇み、静かにその時を待つ


「……行けるな、ハヤテ?」

「もちろんだよ、空。終わらせよう……そして、帰ろう!」

「おおよ。お嬢様や、みんなが待ってる場所に!!」

銀髪の少年――早乙女 空の言葉に、蒼髪の少年、綾崎ハヤテが応える

空は身体から漆黒のオーラを放ち、ハヤテは全身に眩い輝きを纏わせた

空「俺に力を貸せ、スサノオ!」

ハヤテ「人の心の光、消させはしない……そうだろう、アマテラス!」

「……往くぞ、ミダス。契約の時は来た」

「ああ」



世界に走る緊張が限界に達した時

四つの拳が、炸裂した



これは、終わりへと至る、小さな神話

人に宿った神々と、心のままに生きる子供達

―――さぁ

終わりの、始まりだ
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND 第3章 奴等と俺等の2週間 ( No.29 )
日時: 2021/05/10 17:45
名前: DARKNESS
参照: http://darkness

SORAさんSKY&WIND、読ませて頂きました!
175話目、楽しみにしています!
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください

Page: 1 |

題名 スレッドをトップへソート
名前
URL
パスワード (記事メンテ時に使用)
文章チェック ミスがあったら教えてほしい  ミスを見つけてもスルーしてほしい
コメント

   クッキー保存