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ハヤテのごとく!SKY&WIND第1章完結次スレより新章突入
日時: 2009/08/03 13:38
名前: SORA

どうも!SORAです!いや〜・・・第1章だけでスレを2つも使うとは・・・
これ、第3章まで持つか?なんてことを思っちゃってる今日この頃の僕。ま。
そんなことはさておき、今回から下田編に突入です。それでは、第54話、どうぞお楽しみください。
あ。第1部をまだ読んでいない方は、↑のURLからどうぞ。
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第54話[そして、動き出す(何が!?)]

マリア「それでは、よろしくお願いしますね。早乙女君。」

空「はい。わかりました。」と、マリアから土産物を受け取る空。

ナギ「伊澄のやつ、最近調子悪いみたいだから、それ届けて元気付けてやってくれ。」
と、ソファに寝転がりながらゲームをしているナギが言う。

空「了解です。けど、お嬢様・・・」

ナギ「ん〜?」

ヒョイ
ナギを抱えて、座らせる空。

ナギ「!?///////」

空「女の子がそんな格好でゲームをするもんじゃないっすよ?」

ナギ「うわああああ!!///////バカバカバカ!いいからさっさと行ってこい!!////」

空「はいはい。んじゃ、行ってきます。」

所変わって、ここは鷺ノ宮家・・・・・

空「・・・・・・・・・・でかくね?」そこには、三千院家と同じくらいの面積を誇る
巨大な家があった。

空「・・・・まさか、伊澄さんの家がこれほどの規模とは・・・」と、扉の前に移動する空。
そこには・・・

空「ん?」

「・・・・・・」一人の女性がポーっとしていた。

空「・・・・」

「う〜ん・・・」

空「・・・・?」

「インターホンって・・・・どのボタンを押すんでしたっけ・・・・?」

空「(ボタン、一個しかないっすよね?)あの・・・」

「はい?」

空「インターホンってボタン、一個しかないんですから・・・」と、インターホンを押す空。

ピンポーン♪

空「これ押せば、中の人が来ますから・・・」

「・・・・・・」

空「・・・・・?」

「・・・・残念ながら、それは嘘です。」

空「は?」と、その時・・・・

伊澄「お母様!」

空「え?」

伊澄「もぉ・・・何をしているんですか?初穂お母様。」

初穂「あら、伊澄ちゃん。ただいま〜。」

空「・・・え?お母様って・・・え?」

伊澄「はい。この方は私のお母様、初穂お母様です。」

空「・・・ええええええええええ!?伊澄さんの母親!?若!!え!?嘘!?若!!」

初穂「だから言ったでしょう?中の人はもう外に出ているからそれは嘘だと・・・」

空「・・・・・・・」絶句。

初穂「初歩的な推理なのだよ、ワトソン君♪」

伊澄「もう。コナン君の物まねはいいですから、速く中に入ってください。」

初穂「は〜い。」

空「・・・・・・・・マジで?」絶賛フリーズ中。

そして、鷺ノ宮家の中・・・

九重「あらあら。この方が三千院家の執事さん?」と、伊澄の祖母が初穂に向かって言う。

九重「初穂にそっくり・・・」

伊澄「それはお母様です。お祖母さま。」

初穂「まさか、私が三千院家の執事だったなんて・・・」

九重「何言ってるの?初穂。あなたが三千院家の執事な訳ないじゃない。」

空「・・・・・・ボケボケっすね。この家族。てかあの人、どうやったら
黒と白銀を間違えるんでしょう?」

伊澄「申し訳ありません。ウチの人は皆、ポーッとしている人ばかりで・・・」

空(そういや、いつだったかお嬢様が言ってたなぁ・・・)

回想・・・・

空「そういえばお嬢様。」

ナギ「ん〜?」

空「伊澄さんは迷子になるって分かってる筈なのに、なんでいつも一人で来ようとするんすか?」

ナギ「あぁ、それか?伊澄は自分ではしっかり者のつもりだから、「次は大丈夫」って言って
聞かないんだよ。」

空「え?それで迷子になるって・・・」

ナギ「ああ。だからあれで意外と、頑固者なんだよ。」

回想終了

空(なるほど。家族が皆こんななら、自分がしっかり物だと思い込むのも頷ける・・・)
と、遠い目をしながらそんなことを思う空。

所変わって、廊下・・・

空「そういや、お嬢様から、最近調子悪いみたいなことを聞いたんですけど・・・」

伊澄「あ・・・それは、その・・・体調の方は全然平気なのですけど・・・」

空「?」と、その時・・・

「ピキィィィ!」

空「おわ!」

伊澄「えっと、このようにですね・・・・」

「ピキィィィ!」

伊澄「その・・・」

「ピキィィィ!」

伊澄「力が・・・」

「ピキィィィ!」

伊澄「・・・・もー!」

「ピキィィィ!」

空「・・・そんなこともあるんですね。」

初穂「あの子はまだ若いから力にムラがあるんです。それを除けば最強なんですけど・・・」

空「えっと・・・力を戻すにはどうすれば・・・?」

初穂「はい。それは・・・年齢が16歳で執事をやっていて、結構美形な容姿をしていて、
体が頑丈で、喧嘩が強くて、名前が「そ」で始まって、二文字の少年の限界ギリギリの
生き血を吸えば元通りに・・・」

空「その条件・・・・・(丸っきり、俺じゃん!!)」

初穂「どうかしましたか?」

空「え!?いや、別に・・・(どうする・・・伊澄さんはお嬢様の親友・・・だったら、
素直に執事として名乗り出るか!?いやでも、限界ギリギリって何!?やばい臭いが
物凄いんですけど!!けど、やっぱり・・・)あの、伊澄さ・・・」

伊澄「それはダメです。」

空「え?」

伊澄「これは私の問題。関係ない早乙女様を巻き込むわけにはいきません。」

空「伊澄さん・・・」

伊澄「力が無くなった原因も自分が一番よく分かっています。ですので、この件はもう・・・」

空「伊澄さん・・・けど・・・・」と、伊澄の後ろを指差す空。

空「あれはどうしましょ?」

伊澄「あ。」

「キシャァァァァ!」

伊澄「キャ!」

空「あ!伊澄さん!」

伊澄「早乙女様!」

空「くっそ!どうすれば・・・!」

初穂「武器ならあるのですけど、私達の力では・・・」 

空「だったら、俺がやりますよ!!」

「!」その言葉に反応するひとつの影。

空(でも、どうすんだ・・・・登竜門の時みたいに、自由に力を使えそうにねぇし・・・
どうすれば・・・)と、その時・・・

『案ずるな。あれは幻。目を凝らせば本体が見えてくる。』

空「今の声・・・?てか、目を凝らせばって・・・!」

「〜〜〜♪」

空「・・・・」

見えた。

空「消し飛べ!!」

ズギャアアン!!

「ピギャアアアアアアア!!」

空「ったく・・・」

伊澄「ありがとうございました・・・」

空「いや、別に・・・それよりも。」

伊澄「?」

空「別に俺なら大丈夫ですよ?体はあれですけど、精神的にギリギリなら慣れてますし・・・」

伊澄「いえ。ご心配なく。」

空「そうですか・・・」そうして、空は帰っていった。

「そうかいそうかい。なら、手伝ってもらおうか・・・」そんなことを呟く影に、
空は気づいていなかった。

空(とは、言ったものの・・・やっぱどうにかしてやりてぇよな〜。)
と、そんなことを思っていると・・・

にゃ〜ん・・・

空「ん?」

にゃ〜・・・

空「え〜・・・」そこには、無数の捨てられた動物達がおり、その後ろの壁には・・・


    あなたが拾わないと

       全員死にます。


と、書かれた張り紙があった。

空(えーーーーー!!何、この脅迫じみた張り紙!!え〜と・・・
1,2,3、・・・・無理!十匹は軽く超えてる!スメラギ一匹でもきつかったのに・・・
こんな数、絶対に無理!!けど、拾わなきゃ死ぬって・・・あ〜・・もう!どうすれば・・・!)
と、その時・・・

コオオオオ・・・・・・!

空「!!」

ズバァ!!
誰かが後ろから切りつけてきた。

空「うお!?」

「・・・・チッ。外したか・・・」

空「・・・・・」あまりの出来事に情報が処理できていない空。

「しょうがない。行くよー。皆。」そうして、謎の集団は去っていった。

空「・・・・何?あれ。」
と、空が困惑していると・・・

マリア「あら、早乙女君。」

空「あれ?マリアさん。どうしてここに?」

マリア「いえ。ちょっと買い物に行くつもりだったんですけど・・・
知らずの内にこんなところまで来てしまって・・・」

空「あ。だったら、俺も今から帰るところですし。手伝いますよ。」

マリア「そうですか。助かります。」と、二人が歩き始めた直後・・・

ぐに

マリア「!!//////」

バッ

空「?どうかしたんですか?マリアさん。」

マリア「・・・・早乙女君?//////」

空「はい?」

マリア「その・・・いくらナギがいないからと言って・・・大胆すぎやしませんか?////」

空「え?何がですか?」

マリア「ですからその・・・//////」

空「・・・・?」

マリア「いきなり・・・・お・・・おしりを触って来るなんて・・・//////」

空「ハァ!?/////何、寝ぼけたこと言ってんですか!俺、触ってないですよ!?/////」

マリア「いや、でも!確かに誰かに触られた感触が・・・!」

空「いやいやいや!俺じゃないですって!」と、その時・・・・・

コオォォォォ・・・・!」

空「!!」

ビュン!!

空「おわ!」

「チッ。また外したか。仕方が無い。」と、その人物はマリアの後ろに回りこみ、

ぐに

マリア「あっ/////」

「だったら、もっかい・・・」そうして、どこかへ去っていった。

空「・・・・・ね?これで俺じゃないって分かりましたよね?」

マリア「・・・いいから、さっさとあれをどうにかしてきなさーーーーーい!!//////」

空「ハイィィィィ!!」そうして、謎の人物を追っかける空。

所変わって、ここは鷺ノ宮家・・・・

伊澄「あの・・・お母様・・・」

初穂「ん〜?なぁに?伊澄ちゃん。」

伊澄「先程から銀華大お祖母さまの姿が見えませんけど・・・どこに行ったのでしょうか?」

初穂「ん〜・・・あの人なら確か、伊澄ちゃんの力を取り戻してくるとか何とか言って
出かけてったわよ?」

伊澄「え?と、いうことは・・・」

初穂「早乙女君を・・・軽く殺そうとか思ってるんじゃないかしら?」

伊澄「・・・・私、ちょっと行って来ます!」

初穂「がんばってね〜。」

そして、空は・・・

空「待て、コラァ!」

「チッ。しつこい・・・」と、謎の人物は立ち止まる。

空「?」

「だったら、お前にこれをやろう。」と、札束を取り出す人物。

空「あ?」

「ウッソー。」と、札束を燃やす。

空「あ!何してんだ、テメェ!」と、空が一瞬油断したところへ・・・

「隙アリー!」
ハンマーを振り下ろす。

空「なーんて・・・同じ手が通じるとでも思ってんのか、ボケコラァ!」
そのハンマーを蹴りで粉砕する空。

「えぇい!だったら・・・!」と、猫やら犬やらをクナイに乗せて飛ばしてくる。

空「チッ!」それを難なくかわすが・・・

「殺ったぞ。」後ろに移動される。

空「殺られて・・・・・たまるかぁ!!」と、体を回転させ、側頭部に
踵を叩き込む空。

「ガッ!」そのまま、謎の人物は吹っ飛ぶ。

空「てか、さっきから、なんなんだ、テメェは!」

「・・・・・」

空「って・・・・ガキ?」

「・・・・頭蹴られた。」

空「は?」

「頭蹴られた・・・ちょっと殺そうと思っただけなのに頭蹴られた。」

空「いやいやいや・・・殺されるのに比べれば頭くれぇ・・・」

「お前は酷い奴じゃ!まったくもって酷い奴じゃ!」

空「んな、理不尽な・・・」

「もう、伊澄の事など関係ない!お前みたいな奴は・・・!」

空「・・・・・え?」と、周りのあらゆるものクナイを刺し、ブン投げてくるチビッ子。

「やっつけてやるーーーーー!!」

空「おいおいおい、マジで!?」と、その時・・・

「!」

空「?」

「ぬおぉぉぉ・・・こんな時に・・・・・」

空「・・・・・おい。だいじょう・・・」と、空がチビッ子に近寄ると・・・

「はー・・・・はー・・・」しわくちゃの老婆がいた。

空「・・・うおおおおい!!ホントに大丈夫かぁ!?」

「だ・・・大丈夫じゃないから・・・血・・・血をくれ・・・」

空「血?」と、その時後ろから・・・

伊澄「大お祖母さまは、人間の限界ギリギリの生き血を吸って若さを保っているのです。
ご心配なく。それが本来の姿ですから。」

空「あ。伊澄さん。」

伊澄「さ。帰りますよ。銀華大お祖母さま。」

銀華「う〜・・・・でも、血が〜・・・」

空「・・・あの・・・俺も頭蹴っちまったし・・・血ぐらいは・・・」

伊澄「え?」

銀華「ほ、本当か!?」

空「はぁ・・・あ。でも、限界ギリギリじゃねぇとダメなのか・・・どうしよ・・・」

銀華「問題ない。」

空「え?」

銀華「限界ギリギリまで、吸うから。」

空「・・・・・・え?」と、次の瞬間には、血は吸われ始めていた。

伊澄「えっと・・・大丈夫ですか?早乙女様?早乙女様?」

・・・・・薄れゆく意識の中で・・・・伊澄さんの声だけが鮮明に聞こえていた・・・

空「・・・・ただいま戻りました・・・・」

ナギ「おぉ、空。おそか・・・え?」

空「・・・・・・」

ナギ「・・・空。なんか、やつれたな。」

空「えぇ・・・・ちょっと、献血で・・・・」
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はい。第54話終了です。いかがでしたか?新スレに移して心機一転!
これからも、どうぞよろしくお願いします!それでは!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.1 )
日時: 2009/08/03 15:34
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!

前レスの感想もこっちに持ってきて書かせていただきます!!!

会ったとたんに一触即発のハヤテと姫神。
そしてマリアのひそかな恋心・・・

またまた謎が増えて、いつ明かされるのか楽しみです!!!

そして今回は伊澄の家へ〜・・・

空のツッコミに吹きました(笑)

空「・・・ええええええええええ!?伊澄さんの母親!?若!!え!?嘘!?若!!」

のところで腹筋が崩壊しました(笑)

空のツッコミはおもしろいです!!!

また新しい章になりましたが、
今後の展開が楽しみです!!!

それではまた!

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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.2 )
日時: 2009/08/04 12:54
名前: SORA
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3543

師匠!コメをありがとうございます!まさか、空のツッコミがここまでウケるとは・・・・
正直、ビックリしてます!これからも頑張ります!それでは!第55話、
どうぞお楽しみください!
あ。それと、今回辺りから、「もし、この作品に表紙があったら・・・」みたいな
感じをやってみようかと思います。気に入らなかったら、すぐに止めますので。
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マリア「ふ〜・・・着替えも終わりましたし・・・さ。行きますよナギ。
準備はできましたか?」

ナギ「いやいやいや。マリアも早く寝間着から着替えてメイド服の準備を・・・」

マリア「このおしゃれ服が寝間着に見えますか?」


第55話[思い出の地、下田へGO!]

表紙:メインキャラ、全員がおしゃれ服。


まぁ、とりあえず冒頭に至るまでの話を・・・・・

ナギ「・・・どうだ?この服は。」と、結構大人っぽい服を着たナギが空に聞く。

空「ん?あぁ〜・・・良いんじゃないですか?大人っぽくて。」
と、棚の上においてある貴金属を見ながらやる気無さそうに言う空。

ナギ「ちゃんと見て言え。そんな、ちゃんと見たのか見てないのか分からん態度はやめろ。」

空「いや、でも・・・言わせてもらってもいいですか?お嬢様。」

ナギ「何がだ?」

空「俺、自分のならまだしも、他人のファッションって別に興味ないんですよね。」

ナギ「な!」

空「ていうか、素直な感想言わせてもらいますと・・・」

ナギ「・・・・言ってみろ。」

空「別にそんな背伸びして大人っぽい服着なくても、お嬢様は元の素材がいいんですから
何着ても似合うと思いますよ?俺としては。」

ナギ「え・・・・/////そうか?//////」

空「はい。」その様子を見ていたマリアは・・・・・

マリア(ハヤテ君に続く天然ジゴロですわね・・・・)そんなことを思っていた。

空「てか、どうしたんですか?急にこんなに服出して・・・・」

ナギ「明日から旅行だからな。そのために着ていく服を選んでいるのさ。」

空「へ〜。てか、流石三千院家。ものっすげぇブランド物が勢揃いっすね。」

ナギ「そうか?どれもこれも安いもんだよ。それだけ揃えるのにかかった費用は
ほんの数十万だからな。」

空「数十万て・・・やっぱありえねぇ・・・・・って、ええ!?旅行!?明日から!?」

ナギ「遅い!!そんな反応速度では、最強にフリーダムな奴に二秒で落とされるぞ!!」

空「・・・旅行って・・・何処に行くんすか?」

ナギ「それか?それはな・・・スーパービュー踊り子号に乗って、伊豆旅行だ!」

空「伊豆?・・・・・」と、暗い顔になる空。

ナギ「ん?どうかしたのか?」

空「いえ、別に・・・伊豆っすか〜・・・俺も伊豆には結構思い出あるんですよね〜。」

ナギ「そうなのか?」

空「はい。知り合いが伊豆に居て、それで、中坊の頃よく遊びに行ってたんです。」

ナギ「・・・・・よくそんな金があったな。」

空「まぁ、なんだかんだ言っても、ウチも結構金持ちですから。」

ナギ「ふ〜ん・・・」

空「てか、何でいきなり伊豆なんですか?」

ナギ「え?それは・・・」と、ここでテレビにあるニュースが流れる・・・

「え〜。私は今、隕石が落ちたとされる、下田温泉に来ています。この温泉、
隕石の影響で不思議な効能があると言われているのですが・・・」

「え〜・・・まず、女性は胸が大きくなります。」

ヒナギク「!!」

「それと、女性としての魅力もかなり向上するとか・・・」

椿「!!」

空「・・・・・・・・」

ナギ「いや・・・違うぞ?こういうのは全然関係なくてだな・・・」

空「え〜・・・やっぱ、お嬢様は背伸びする必要はないんじゃないかと・・・」

ナギ「だから違うといっているではないかあああああ!!」

そして、3月12日、AM4:24分。椿の家では・・・・

椿「・・・・・よし。」椿が自分のバイクを出していた。

椿「・・・・んじゃ、行ってきます。」そうして、椿は走り出した。

下田温泉へ・・・・・・・

そうして、冒頭のシーンを通り越し、現在、電車内。

空「・・・・俺、これに久々に乗りますけど、やっぱ結構良いもんですね。」

マリア「そうですね〜・・・」

ナギ「ていうか、何か食べるもの持ってないか?お腹空いてきた・・・」

空「やっべ・・・やっぱさっき、駅弁買っとくべきだったか・・・」

ナギ「まったく・・・しょうがないな、空は・・・・」

空「う・・・・・」

ナギ「よし!一つ買ってくるか!」

空・マリア「!!」と、いつの間にか電車を降りていたナギ。

空「ちょ・・・!お嬢様!いつの間に下りてたんすか!?」

マリア「ていうか、戻って!昔と同じ過ちを繰り返すつもりですか!?」

ナギ「はっはっは。心配ないさ。昔とはちが・・・」と、言った瞬間・・・

プシュー・・・・・ピシッ
電車のドアが容赦無く閉まる。

ナギ「・・・・・・・え?」

空「お嬢様ーーーーーーー!!」

ナギ「・・・・・・あれ?」ただ一人見知らぬ地に取り残されたお嬢様。

ナギ「ど・・・どうしよう・・・ケータイも無い。財布も無い。これは・・・」

迷子!?

ナギ「ど・・・どうすれば・・・切符はマリアが持ってるし・・・」と、そこに・・・

椿「・・・・」

ナギ「・・・・」腹ごしらえをしている椿とばったり。

椿「あ!空のお嬢様の三千院!」

ナギ「お前は空の幼馴染の花子!」

椿「椿よ!!誰よ、花子って!!」

ナギ「ていうか、お前・・・!こんなとこで一体何を・・・!」

椿「私はただ単に腹ごしらえの最中よ!ていうか、あなたこそ何やってるのよ!こんなとこで!」

ナギ「わ・・・私は・・・・その・・・」

椿「・・・・もしかして・・・・空とはぐれて迷子?」

ナギ「!!」

椿「あ。図星?」

ナギ「な!違う!!迷子などではない!これは・・・そう!あれだ!免疫力をつけているのだ!
もし、迷子になった時のために!」

椿「今迷子なんだから、免疫力も何も無いじゃない。」

ナギ「だから、迷子ではないと・・・!」

椿「はいはい。で?迷子のお嬢様は何処に向かうつもりだったのかしら?」

ナギ「ぐ・・・・し・・・・下田温泉。」

椿「そうなの?だったら、私と一緒じゃん。」

ナギ「は?お前、徒歩で行くつもりか?」

椿「誰が徒歩って言った?私はコレ。」と、すぐ傍に置いてあった自分のバイクを見せる椿。

ナギ「・・・・・これ、お前のか?」

椿「そ。イカスでしょ?」

ナギ「・・・・ハムスターよりは賢いのだな。」

椿「ハムスター?」

ナギ「こっちの話だ。」

椿「・・・まぁ、いいや。早く乗って。」

ナギ「うむ・・・」

椿「あ。それと・・・」と、椿はおにぎりを取り出し、ナギに渡す。

ナギ「え?」

椿「お腹空いてるんでしょ?それ、あげるから食べていいわよ。」

ナギ「・・・・・・」

椿「いらないの?」

ナギ「いや!そうじゃなくて・・・・・あ・・・・ありがとう。」

椿「・・・・・どういたしまして。」そうして、ナギを乗せた椿のバイクは走り出した。

一方、そんなことは露ほども知らない主人公は・・・・

空「あるあああああああ・・・・・・!!」電車のドアをこじ開けようとしていた。

マリア「ちょっと!何してるんですか!早乙女君!」

空「止めんでください、マリアさん!お嬢様が!お嬢様が!」

マリア「だからって、飛び降りようとしなくても・・・・!」

空「お嬢様が通常の30倍のスピードで危険に巻き込まれるのはマリアさんが一番よく
分かってるでしょ!?大丈夫っす!俺ならこのスピードの電車から飛び降りても
問題ないっすから!」

マリア「ダメに決まってるでしょう!そんな非常識なこと、この小説で許されるとでも
思ってるんですか!?」

許されますよ〜。マリアさん。

空「じゃあ、どうしろってんですか!?」

マリア「だから、一旦電車を止めてもらって・・・!」

空「はぁ!?寝ぼけた事言わないでください!電車止めたりなんかしたら、
どれだけの賠償金請求されるか・・・!」

マリア「え?ほんの、数千万円位では・・・・」

空「・・・・・・」金銭感覚の根本的な違い。

空(・・・・・まずい!忘れてた!お嬢様もそうだが、マリアさんだって、一般常識には
程遠い存在だ!こんなとこで一人にしたら間違いなく電車を止める!
だめだ!こんなとこにマリアさんを一人にしたら絶対に怒られる!いろんな人に!)

マリア(なんかよく分かりませんけど、失礼なモノローグを流されている気がしますわ!)
と、二人が途惑っていると・・・・

ヒナギク「空君?それにマリアさんも。」

空「ヒナギクさん?」

マリア「こんな所で一体何を・・・・」

ヒナギク「へ?何って・・・・単なる家族旅行よ!?べ、別に温泉の効能とか
そういうのでは決して無くて・・・//////」

空「はぁ・・・・でも、良かったです。こんな所でヒナギクさんに会えるとは。」

ヒナギク「え?」

空「それじゃ、マリアさんをよろしく。」

ヒナギク「・・・・え?」

空「フン!」と、一気に電車を飛び降りる空。

ヒナギク「えーーーーーー!?」

マリア「ちょ・・・・早乙女くーーーーーーん!!」

良い子のみんなは真似しないでね?(だれがするか

空「おおおおおおお・・・・・・らぁ!」と、一気に着地する。が・・・

ブロロロ・・・・プチッ
轢かれた。

マリア・ヒナギク「!!」

空「・・・・・・」が、笑顔でマリアとヒナギクにガッツポーズする空。

ヒナギク「・・・・・だ・・・・大丈夫ですよね?」

マリア「まぁ・・・早乙女君ですから・・・」と、その時後ろから・・・

ジャー・・・ゴボゴボゴボ・・・・

「う〜・・・やっと収まった・・・」

ヒナギク「あ。落ち着いた?刹那君。」

刹那「はい。すんません、ヒナギクさん。せっかく連れて来てもらったのに、
こんなことに・・・」

ヒナギク「いや、別にいいんだけど・・・」

マリア「あの・・・ヒナギクさん?この方は・・・」

刹那「あ。すいません。」と、刹那はマリアの目の前に立つ。

刹那「俺、神崎 刹那って言います。よろしく。」

マリア「あ。私はマリアと申します。こちらこそ・・・」

ヒナギク「さ。刹那君?私はマリアさんとお話がしたいから、先にお義父さん達のとこに
戻っててくれる?」

刹那「え゛?」

ヒナギク「え゛?じゃないの。いいから早く戻りなさい。」

刹那「・・・俺、あの人苦手なんだよね〜・・・なんか俺の事、目の敵にしてるし・・・」
なんて事を言いながら、刹那は戻っていった。

マリア「・・・・・・良かったんですか?私は別に、あの人がいても・・・」

ヒナギク「いいんですよ。」

その頃、ナギと椿組みは・・・・

ナギ「・・・・・・おい。」

椿「何?」

ナギ「もうちょっとスピード出せないのか?」

椿「コレで法定速度ギリギリなの。文句言わない。」

ナギ「まったく・・・」

椿「それより、空かあのメイドさんに連絡入れなくていいの?」

ナギ「入れたいのは山々だ。けど・・・」

椿「・・・あ。そっか。ケータイも無いんだっけ。」

ナギ「そんな、はっきり言うな!」

椿「あ〜・・・もう、うるさいわね〜。だったら・・・・はい。」

ナギ「ん?」

椿「私のケータイ貸して上げるから、それで連絡入れなさい。」

ナギ「いいのか?」

椿「困ったときはお互い様。早くしなさい。」

ナギ「むぅ・・・」と、ナギはマリアに電話する。

その頃・・・・

ヒナギク「よくよく考えれば、こうしてお話しするのも久しぶりですよね。」

マリア「そうですね〜・・・ホントに久しぶりかも・・・」

ヒナギク「今回もまた、うちのお義父さんが誕生日祝えなかったからって・・・」

マリア「あはは。ホントに相変わらずですね。あの人。」

ヒナギク「ほんと。困ったもんですよ。ああいう親馬鹿な一面さえなければ、
完璧なんですけど・・・」

マリア「あ。そう言えば。」

ヒナギク「?」

マリア「先ほどの・・・神崎君・・・でしたか?彼は一体・・・あ。まさか、恋人とか?」
やりますね〜。と、肘で突く仕草をするマリア。

ヒナギク「ち、違います!//////ただの、ご近所さんです!ただの!//////」

マリア「そうやって必死に否定するところが怪しいですわね〜・・・」

ヒナギク「だから、違うんです!//////止めてください!//////」と、ここで・・・

ヴー・・・・ヴー・・・・ヴー・・・・

マリア「あら、電話?」

ナギ『おお。マリアか。私だ。』

マリア「ナギ?あなた今、何処に?」

ナギ『花子印のハイヤーを見つけて、それに乗って熱海へ移動中だ。』

椿『ハァ!?ちょっと待ってよ!もしかして、このまま私と二人乗りで熱海まで行くつもり!?』

ナギ『なんだよ!?私を置いて一人で行っちゃうつもりだったのか!?』

椿『あ〜・・・もう!分かったわよ!これだから温室育ちのお嬢様は・・・!』

ナギ『まぁ、そういう訳だから、空に伝えてくれ。海沿いの道をまっすぐ
熱海へ向かっていると。』

マリア「え?早乙女君が助けに行ったことわかるんですか?」

ナギ『まぁな。なんとなくだが・・・』

マリア「分かりました。伝えておきます。」

ナギ『ああ。それじゃあな。』そうして、電話は切れた。

椿「・・・・その口調だと空、来るみたいね。」

ナギ「ああ。よかったな。そんな可愛らしい格好で。」

椿「・・・・それ、嫌味?」今の椿の格好は、Tシャツにジーパンという、
結構気楽だがボーイッシュな服装だった。
と、まぁ、そんなことを話しながら進んでいると・・・

ナギ・椿「ん?」自分達の真横にぴったりくっついている車に気づいた。

ナギ・椿「・・・・・」やがて、ウィーン・・・と、車の窓が開く。
そこに見えたのは・・・

軽機関銃の先端・・・・

椿「うおおおおおおおおおお!!」と、一気にスピードを上げる椿。
もう、法定速度関係無しである。が、その拍子でナギが携帯を落としてしまった。

ナギ「何をする!携帯落としちゃったじゃないか!」

椿「んなもん、知るかーーーー!!何よ、アレーーー!」が、すぐに車が追いついてきた。
その中に居たのは・・・

「・・・・・」

椿(うわーい!ビックリするほど殺し屋ルックなんだけど、あれ、パーティーの帰りかな?)

ナギ(多分そうじゃない?手になんか、銃みたいなの持ってるけど、あれ、きっと
パーティー道具の一つだよ。)

「あの・・・一つお聞きしたいのですが・・・」

椿「はい!?」

殺し屋「我々、殺し屋なんですけども、三千院ナギさんはそちらの金髪の方で
よろしいでしょうか?」

椿(殺し屋って言ったー!)

殺し屋「でも、早合点で決めるのダメじゃね?」

殺し屋「特徴って言ったら、美人ぐらいしかないし。」

殺し屋「でも、どっちも美人じゃん。」

殺し屋「じゃ。とりあえず、両方いっとくか。」

椿「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」と、再びフルスロットル。

椿(流石三千院家のご令嬢!ほんとに殺し屋に命狙われてるなんて!)

ナギ「ていうか、ケータイ落としちゃったぞ。」

椿(うわーん!それも困った!どうしよう!)

一方、空は・・・・・

空「・・・・わかりました。この道をまっすぐですね。」

マリア『はい。お願いします。早乙女君。』

空「了解っす。」そうして、空はナギと椿の救出に動き出す。
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第55話終了です。如何だったでしょうか?何かあればコメをください。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.3 )
日時: 2009/08/04 16:25
名前: SORA

ここは下田温泉。そこの浴場の一つに、鷺ノ宮親子は居た。

初穂「今頃、ナギちゃん達も下田かしらね〜・・・」

伊澄「恐らく・・・ですがお母様。」

初穂「ん〜?」

伊澄「この温泉、今度こそ効きますよね?」

初穂「私が言うんだから間違いないわ。」

伊澄「でも、この間は早乙女様の血がどうとか・・・」

初穂「そうそう。その早乙女君って子。似てるわね〜。」

伊澄「何がですか?」

初穂「あの早乙女君って子の性格。あの、自分より他人を優先。考える前に行動して、
それで、いい結果残しちゃう、大胆不敵な所とか・・・あの人にそっくり。
多分、ナギちゃんは本能で分かってるのね。性格が似てるって事。だから、信じてるのね。彼の事。」

伊澄「誰に・・・・似てるんですか?」

初穂「ん〜・・・誰だったかしら?」

伊澄「お母様?」

初穂「あはは。冗談よ。え〜とね〜・・・・・・ナギちゃんのお父様に。」

その頃、何とか殺し屋から逃げ切ったナギと椿は・・・・

椿「あ〜・・・ビックリした〜・・・」

ナギ「まさか、こんなとこで襲われるハメになるとは・・・」

椿「ったく・・・冗談じゃないっつーの・・・」

ナギ「ていうか、お前、何でこんなバイクで下田まで行こうと思ったのだ?
私には理解できん。」

椿「こっちの方が電車使うより安上がりなの。」

ナギ「どっちも同じだろ。」

椿「一緒な訳ないでしょ?このバイクのガソリン代、満タンでも千円しないもん。」

ナギ「ふぅ・・・これだから庶民は・・・」

椿「世間知らずのお嬢様にはわかんないわよ。庶民の知恵ってのは。それに、
このバイクをそう簡単に捨てるわけにはいかないの。」

ナギ「・・・・・・お前、どうしてこのバイクにこだわるのだ?」

椿「え?そんなの、自分で苦労してバイトして買ったからに決まってるでしょ?」

ナギ「それだけじゃないだろ?」

椿「・・・中学の頃、空達と約束してたのよ。高校入る頃になったら、
自分達でバイク買って、免許とって、どっか4人で走りに行こうって・・・」

ナギ「・・・・・」

椿「だから・・・そんな単純な物じゃないの・・・これは・・・」

ナギ「・・・二回もフラれたくせによくもまぁ、そこまで空にこだわれるな。」

椿「!なんで、私がフラれたこと知ってんの!?」

ナギ「三千院家をなめるな。お前の恋愛事情如き、三分もあれば簡単に調べられる。
なんだったら、お前が毎晩部屋で何してるのかも調べてやろうか?」

椿「なにそれ!?誤解を招くような言い方やめてくんない!?」

ナギ「何、勝手に興奮しているのだ?お前は。」

椿「ぐあ!・・・最っ低!信じらんない!あなたの親、一体どういう教育してきたのよ!」

ナギ「・・・・!」

椿「・・・何?どうかした?」

ナギ「・・・・・止めろ。」

椿「は?」

ナギ「いいから、止めろ!」

椿「何よ、いきなり・・・」そう言われ、バイクを止める椿。

ナギ「・・・・もう、私のことは気にしなくて良いから、お前はさっさと行け。」

椿「は?どうしたの?急に。頭でも打った?」

ナギ「こんなことに巻き込んでしまった以上、もうお前のバイクには乗ってられん。
もう私を乗せる必要は無いぞ。」

椿「じゃあ、あなたはどうするのよ?もしかして一人で行くつもり?」

ナギ「私の事はどうでもいい。どうせ、もうじき空が来るからな。」

椿「・・・・あっそ。んじゃ、ヘルメット返してもらうわね。」と、ナギの頭から
ヘルメットを取って被る椿。

椿「それじゃ。精々死なないように気をつけなさいよ。恩知らず。」そう言い残し、
椿を乗せたバイクは走っていった。

ナギ「・・・・・親・・・・か・・・・」

その頃・・・・

ヒナギク「・・・・マリアさん。」

マリア「ナギの事なら心配いりませんよ。早乙女君が行きましたから・・・」

ヒナギク「いえ、そうじゃなくて・・・」

マリア「?」

ヒナギク「・・・・ハヤテ君のことなんですけど・・・」

マリア「え・・・?ハヤテ君がどうかしたんですか?」

ヒナギク「・・・私・・・会ったんです・・・ハヤテ君と・・・」

マリア「え!?本当ですか!?」

ヒナギク「はい・・・この間・・・私の誕生日に・・・」

マリア「・・・・・・」

ヒナギク「ひな祭り祭りで、私、生徒会室に行ったんです。」

マリア「生徒会室?」

ヒナギク「はい。二年前に、ハヤテ君がそこで私の誕生日を祝ってくれたので・・・」

マリア「そうですか・・・」

ヒナギク「もしかしたらハヤテ君が来てくれる・・・そんなことを思ってたら、
本当に来てくれて・・・嬉しかったんです・・・またハヤテ君に会えたことが・・・」

マリア「・・・・・そうだったんですか・・・・・」

ヒナギク「きっと、マリアさんも見たらびっくりしますよ?昔とは随分違って・・・
とても・・・大人びていて・・・・かっこよかったですから・・・//////」

マリア「・・・・・・」

ヒナギク「それで、ハヤテ君に聞いたら、「自分は今、葛葉キリカさんの執事をやってる」
って・・・言ってたんです。」

マリア「え?」

ヒナギク「・・・・・」

マリア「あの人の・・・・・」

ヒナギク「私、本当にハヤテ君のことが心配で・・・それで、どうして教えてくれなかったんだ。って、
思わず詰め寄っちゃって・・・そしたら・・・ハヤテ君に怒られちゃって・・・」

マリア「怒った?ハヤテ君が・・・ヒナギクさんに?」

ヒナギク「はい・・・同情や、哀れみなんかで優しくされたくないって・・・」

マリア「ハヤテ君・・・・そこまで変わってるなんて・・・」

ヒナギク「それで私、どうにかしてハヤテ君とまた一緒に笑えたら・・・って思って、
どうにかして理事長の執事を辞めさせようと思ったんです。けど・・・」

マリア「けど?」

ヒナギク「ハヤテ君・・・聞く耳持たなかったんです・・・私が何言っても、
なんて説得しても、ずっと似たような返事ばっかりで・・・それで・・・私・・・
思わず、叩いちゃいました。ハヤテ君のこと。」

マリア「・・・そしたら・・・?」

ヒナギク「・・・何も言わずに・・・」

マリア「・・・そうですか・・・」

ヒナギク「ショックでした・・・ハヤテ君があそこまで変わってるなんて・・・
・・・全部・・・ナギがハヤテ君をクビにしたせいなんですかね・・・」

マリア「え?」

ヒナギク「私がハヤテ君を説得した時、「皆歓迎しても、中には例外も居ますよね?」って
言ってて・・・・私、すぐにそれがナギのことだって分かったんです。」

マリア「・・・・・」

ヒナギク「それで・・・・ハヤテ君・・・・」

マリア「・・・ヒナギクさん・・・」

ヒナギク「マリアさん・・・教えてください・・・どうしてなんですか・・・?
どうして・・・ハヤテ君があんな辛い目にあわなくちゃいけないんですか・・・?」
声の震え方からして、ヒナギクは泣いている。

マリア「ヒナギクさん・・・」

ヒナギク「私・・・ナギに・・・ハヤテ君の事・・・・許そうと思ってたんです・・・
あれから随分と時間も経ってたし・・・」

マリア「許す?」

ヒナギク「でも・・・ハヤテ君と会って・・・すっかり変わったハヤテ君を見て・・・
思ったんです・・・・・」

マリア「何を・・・ですか?」

ヒナギク「私・・・・・やっぱり、ナギが許せません・・・・!」

マリア「ヒナギクさ・・・」

ヒナギク「ナギの勝手な勘違いのせいでハヤテ君があそこまで傷ついて・・・
ナギのせいであんなに辛い目にあってるのに・・・当の本人が我関せず見たいな顔して・・・」
と、そこに刹那が入ってきた。

マリア「ですが、ヒナギクさん?それを言い出せなかった私にも・・・」

ヒナギク「悪いのはナギです!!マリアさんもハヤテ君も悪くありません!!」

マリア「!!」

ヒナギク「・・・・マリアさん?いつまでナギの味方をするつもりですか?」

マリア「え?」

ヒナギク「周りの皆を見てみてくださいよ・・・皆、ナギに非難の目を向けてるじゃないですか・・・
今じゃ、ナギの味方といったら、マリアさんと鷺ノ宮さんくらいですよ・・・?」

マリア「・・・・・」

ヒナギク「・・・マリアさん。ハヤテ君によく、「ナギに対して甘すぎです。」って
言ってましたよね?」

マリア「それは・・・・」

ヒナギク「一番、ナギを甘やかしているのは誰ですか・・・?マリアさんですよね?」

マリア「ちが・・・」

ヒナギク「そうでしょう!?ナギが小さい頃に両親を亡くして一人ぼっちだからって、
マリアさんが親代わりみたいなものになって・・・」

マリア「あの子にはそういう愛情が・・・・」

ヒナギク「じゃあ、本当の両親に捨てられたハヤテ君や私は何なんですか!!」

マリア「!!」

ヒナギク「私は良いとしても・・・ハヤテ君は本当の両親から一切、愛情を受けずに
育ったんですよ!?それなのに・・・ハヤテ君が誰よりも愛されたいはずなのに・・・!
マリアさんは、愛情って物を知らないハヤテ君より、少しでも愛情を知ってる、
ナギなんですか!?」

マリア「・・・・・」
ここで、ようやく刹那が口を開く。

刹那「ちょっと、ヒナギクさん?それ、言い過ぎじゃ・・・!」

ヒナギク「刹那君は黙ってて!!」

刹那「な・・・!」

ヒナギク「・・・マリアさん。」

マリア「!・・・・はい。」

ヒナギク「自分のことは棚に上げて・・・他人ばかりに、「ナギに甘い。」なんて言わないでください。」

マリア「・・・・・・」

ヒナギク「マリアさんが一番ナギを甘やかしてるくせに・・・ハヤテ君や空君にばかり
ナギの事で偉そうにしないでください・・・・!」

マリア「・・・・・!」

刹那「ヒナギクさん・・・!」

ヒナギク「あなたが一番、何も分かってないくせに・・・年上だからって
分かった風な振りして、いつまでも、偉そうにしてるんじゃないわよ!!」

刹那「ヒナギク!!」

ヒナギク「!!」

刹那「・・・・・・・・言いすぎだ。」刹那の顔には、若干怒りが篭っていた。
そして、刹那は辺りを見回すと、頭を下げてこう言った。

刹那「・・・・皆さん。見苦しいとこを見せてしまい、本当に申し訳ありませんでした。」
そして、ヒナギクの方を見て言う。

刹那「・・・・・・行きましょう。」刹那はヒナギクの手を取り、ヒナギクの両親がいる
車両へと歩いていった。

ヒナギク「・・・・・ごめんね。刹那君。」

刹那「え?」

ヒナギク「わざわざ、頭まで下げさせちゃって・・・・」

刹那「別に・・・気にする必要ありませんよ。」と、車両と車両の間まで差し掛かる。

刹那「・・・・ヒナギクさんのご両親・・・ほんとの両親じゃなかったんですね・・・」

ヒナギク「・・・・・うん。」

刹那「・・・・それでも、羨ましいです。」

ヒナギク「え?」

刹那「もう、俺には親がいませんから・・・自分に愛情を注いでくれる親・・・
俺も欲しいですよ・・・今となっては、もう遅いですけど・・・」

ヒナギク「・・・・・・・」と、次の瞬間・・・・

刹那「・・・・え!?」ヒナギクがいきなり抱きついてきた。

ヒナギク「・・・・・・」

刹那「え・・・・?ちょ・・・・//////」

ヒナギク「ごめんね・・・少しだけでいいの・・・このままでいさせて・・・」
そう言うと、ヒナギクは声を押し殺して泣き始めた。

同時刻・・・

空「ん?」ナギと椿の後を追っていた空は、携帯が落ちていることに気づいた。

空「この番号・・・マリアさん・・・?このストラップ・・・!ガキの頃、俺が椿に
あげた奴・・・てことは、これは椿の・・・これが落ちてるってことは・・・!
二人が危ねぇ!」と、その時何かが空中から飛来する。

ズドォォォン!!

空「うお!!」

銀華「チッ。また外したか。」

空「あんた・・・伊澄さんの・・・!」

銀華「どうした?随分急いでいるようじゃないかえ?」

空「どけ!ナギお嬢様と椿がピンチかも知れねぇんだよ!アンタなんかに構ってる暇ねえんだ!」

銀華「ナギ?ああ。帝のガキの孫か。あんなクソガキの孫など知ったことか。
それよりも・・・」

空「!」

銀華「今日こそ、お前の血を伊澄のところへ・・・」

空(クソ!こんなとこで時間食ってる場合じゃねぇってのに!・・・しょうがねえ!
できるかどうかわかんねぇけど・・・・あれをやるしか・・・!)
そして、構える空。

銀華「さあ!では、一緒に来てもらうぞ!伊澄の居る・・・下田温泉まで!」

空「・・・・・えっと・・・・・俺等も今からそこに行くんだけど・・・」

銀華「え?」

その頃、椿と別れたナギは、一人黄昏ていた。

ナギ「・・・・・・・」と、その時・・・

ピトッ
頬にジュースを当てられる。

ナギ「ぬおおおおお!!」

椿「はい、これ。喉渇いてるでしょ?あげる。」

ナギ「ぬ・・・・」

椿「・・・飲まないの?」

ナギ「お前、人の話聞いてたのか?」

椿「なんで、私があなたの話聞かなきゃいけないわけ?」

ナギ「・・・・・」

椿「あなたみたいな人放っとくのって、嫌なのよ。」

ナギ「・・・・そんな真っ直ぐすぎる奴だから、空に受け入れられないんじゃないのか?」

椿「うっさい!」

ナギ「・・・・・」

椿「・・・・んじゃ、そろそろ行こっか?」と、椿がバイクに乗ろうとした瞬間・・・

パン
椿が持ってた缶が打ち抜かれた。

ナギ・椿「・・・・・・」

「あれ?」

「お前、どこ狙ってんだよ。」

「缶撃つ練習ばっかしてたから、缶の方撃っちゃったよ。」

椿「わーーーーーーー!!早く乗って!逃げるわよ!!」

ナギ「お!?おお!!」
再び逃げる二人。

その頃、ヒナギクに真実を突かれまくり、すっかり意気消沈したマリアは・・・

マリア「・・・はぁ。」さっきからずっとこの調子だった。そこへ・・・

刹那「ここ、いいですか?」

マリア「あなたは・・・」

刹那「・・・・」刹那は無言で、マリアの目の前に座る。

マリア「・・・あの・・・さっきは・・・」

刹那「さっきの事なら気にしなくてもいいっすよ。俺が勝手にやったことですから。」

マリア「そうですか・・・・あの・・・ヒナギクさんは?」

刹那「今はご両親の所で寝てますよ。なんか、疲れたらしくて。」

マリア「・・・・・・」

刹那「・・・マリアさん・・・でしたっけ?」

マリア「あ・・・はい。」

刹那「あんた・・・・親、居ないでしょ?」

マリア「!!」

刹那「やっぱり・・・」

マリア「どうして・・・」

刹那「俺と同じ眼、してますもん。」

マリア「眼・・・ですか・・・」

刹那「ええ。遠い昔に、親が居なくなって、それからずっと、孤独に生きてきて・・・
それでも前向きに生きて・・・でも、寂しさは消せない。そんな眼ですよ。俺も。」

マリア「すると・・・あなたも・・・?」

刹那「ええ。俺がガキの頃に親死んじゃいました。」と、笑顔で言う刹那。

マリア「なんで・・・笑顔でそんな事言えるんですか?」

刹那「え?だってもう、慣れましたもん。」

マリア「・・・・・」

刹那「・・・さっきの話・・・ハヤテ・・・でしたっけ?」

マリア「はい・・・」

刹那「そいつとあんた達の間にどんな事があったのかは知りませんけど・・・」と、
立ち上がりながら言う刹那。

刹那「よ〜〜く考えれば分かりますよ。誰が正しくて、誰が間違ってたのか。」
そう言い残し、刹那は戻っていった。

マリア「・・・・・・」

そして、椿とナギ・・・

椿・ナギ「うわああああああああああ!!」もう、え?法定速度?何それ?みたいなノリで
ぶっ飛ばす椿。

ナギ「おい!もう少しスピード出ないのか!?このままじゃ追いつかれるぞ!!」

椿「あ〜、もう!グチャグチャうるさいわね!私のバイクは燃費気にして、
スピードの方は気にしてないの!!」と、ここで・・・急に減速するバイク。

ナギ「なんだ!?」

椿「嘘!?ガス欠!?」

ナギ「何ィィィ!?」

椿「こんな時に・・・!」

「じゃ、そろそろ終わらせようか。」と、一気に差を詰められる。

ナギ(クソ!このままじゃ・・・!空!!)と、その時・・・

ヒョオオオオオオ・・・・

「ん?」

ズドオオオオン!!

「うおう!?」

空「お嬢様!!椿!!」

ナギ・椿「空!!」

銀華「言ったとおり、追いついてやったぞ。これで後で、嫌にでも伊澄の所へ血を・・・」

空「このゴタゴタが早めに終わればそれだけ時間も短縮できるって。」

銀華「フェッフェッフェ。そうかいそうかい。だったら・・・」

「・・・・ひぃ!」

銀華「こいつらの始末はこのオババに任せて、速く行くが良い。」

「ぎゃあああああああああ!!」

空「無事でよかったですよ。お嬢様。それと、椿も。」

ナギ「ああ。こいつのおかげでなんとかな。」

椿「こいつ・・・言っとくけどね、私には櫻井 椿っていうちゃんとした名前があるの。
覚えときなさいよね。お嬢様。」

ナギ「ナギでよい。」

椿「え?」

ナギ「私の名前は三千院ナギだ。だから、ナギでよい。」

椿「・・・・・」

ナギ「分かったな?花子。」

椿「な!」

空「ははっ・・・」

そうして、熱海に・・・

椿「ありがとね。空。」

空「ああ、気にすんなって。」

椿「それじゃ。ガスも入れたし、私、先に行くね。」

ナギ「待て。」

椿「え?」

ナギ「お前、ホントにそれで下田まで行くつもりか?」

椿「そうよ。何か問題でも?」

ナギ「あんな、とろとろした安全運転じゃ、夜になっても着かないんじゃないのか?」

椿「なんですって!?そう決まったわけじゃないでしょ!!」

ナギ「決まってるね!お前みたいな花子じゃ絶対に着かない!」

椿「着くね!!」

ナギ「着かない!!」

椿「着く!!」

ナギ「着かない!!」

椿「着く!!」

ナギ「着かない!!」

椿「着く!!」

ナギ「着かない!!」

空「だったら、俺が送って行こうか?」なんたる、KY発言!

椿「空?」

空「俺なら、別に法定速度関係無えし。」

椿「でも・・・・」

ナギ「名案だ。送ってってもらったらどうだ?花子。」

椿「でも、そうしたら、ナギちゃんたちはどうなるの?」

空「あ。そっか・・・」

ヒナギク「心配ないわ。マリアさんとナギは私達が送ってくから。」

ナギ「ヒナギク!!」

空「私"達"?」

ヒナギク「そ。この旅行限りの、我が家の優秀なボディガードさん。」
そう言い、刹那を指差すヒナギク。

刹那「・・・え?俺の事?」

ヒナギク「他に誰がいるのよ?」

刹那「・・・・・・あ。誰もいねぇや。」

ヒナギク「でしょ?」

空「え〜と・・・・誰?」

刹那「あ。悪い。神崎 刹那だ。よろしくな。」

空「俺は、早乙女 空。よろしくな、刹那。」

刹那「初対面で、馴れ馴れしいな。」

空「そうか?」

刹那「まぁ、いいけどよ。」

ナギ「それより、速く行ったらどうだ?」

空「それもそうっすね。んじゃ、椿。」

椿「あ・・・うん。」

ナギ「さ。私達も行くとするか。」

マリア「そうですね。」

ヒナギク「いや、その前にこっちで切符を・・・」そうして、電車は走り出す。

同時刻・・・

椿(・・・・フラれて・・・・もう忘れようとしたはずなのに・・・なんで・・・
でも・・・こういうのも悪くはないなぁ・・・ずっとこのままで居れればいいのに・・・
ずっと・・・このまま・・・この・・・ま・・・ま・・・)

ブオオオオオオン!!

椿「・・・って、空ーーーーー!ちょっと、スピード出しすぎじゃないのーーーー!?」

空「いや、でも、こんぐらい出さねぇと下田に着かねぇぞ?」

椿「だけどーーーー!!」

空「あ。お嬢様たちの電車だ。手ぇ振ってみるか?」

椿「つっても、追い抜いてるし!」

空「はは・・・しょうがねぇな・・・じゃ、スピード落として・・・」
と、その時、二年前にも居たカップルのオープンカーが空達を追い越す。

空・椿「あ!」

「HAHAHAHA!!そんなチンケなバイクで僕に勝てると思ったのかい!?」

椿「チンケ・・・!」

「だめよ、ダーリン!そんなことを言っては、運転手の方が良い様に聞こえてしまうわ!」

空「軽く馬鹿にされてる・・・!」

「HAHAHAHA!悔しかったら、追いついてみなーー!千年かかっても無理だろうけど!
HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!」そうして、そのオープンカーは走っていった。

空・椿「・・・ケホッ。」

椿「・・・・空。」

空「ああ・・・分かってる・・・振り落とされねぇようにしっかり捕まってろよ!!」
そうして、一気にアクセルを入れる空。

その頃、電車・・・

ヒナギク「・・・・・・」

刹那「もういいんですか?」

ヒナギク「・・・うん。さっきはごめんね。」

刹那「だから、いいですって。」

ヒナギク「ううん。そうじゃなくて・・・////」

刹那「?」

ヒナギク「だから・・・その・・・抱きついちゃったこと・・・/////」

刹那「あ・・・/////」

ヒナギク「・・・・怒ってる?/////」

刹那「いえ・・・別に・・・////」

ヒナギク「そう・・・良かった・・・」

刹那「まぁ・・・悪い気はしませんでしたし・・・/////」

ヒナギク「え?」

刹那「いや、なんでもないっす。/////」

ヒナギク「・・・・そう。」

そして、空達は・・・

椿「あははははは!スポーツカーって言っても、大したこと無くない!?」

空「ほんとだよ!チンケだの何だの好き放題言ったくせに、テメェ本人は大したことねぇじゃねぇかって、話!?うはははははははは!!」

椿「見た!?あの、抜かれたときの顔!!ザマーミロ!って感じじゃない!?」

空「ほんとだよ!隣の女も死んだ魚みたいな面してたしさ!もう、死ね!バーカ!!みたいな!?」

椿「・・・空。」

空「ん?」

椿「私ね・・・またこうして、空と笑って話せるの・・・ずっと楽しみだったんだ。」

空「椿・・・・・」

椿「今・・・すっごく楽しい。」

空「・・・なぁ、椿。」

椿「ん?」

空「なんか・・・欲しい物ってあるか?」

椿「え?」

空「ほら・・・ホワイトデーの・・・」

椿「・・・ああ・・・」

空「俺なりに考えてみたんだけどさ・・・やっぱ、こういうのって本人に聞いた方が
良いんじゃないかって思ってさ・・・」

椿「・・・・」

空「椿?」

椿(私・・・空の事が好きで・・・告白して・・・フラれて・・・・・あれ?
私、ほんとは空とどうしたかったんだっけ・・・・?・・・・・あぁ・・・そうか・・・
忘れてた・・・別に、恋人じゃなくていいんだ・・・私はただ、想いが届かなくても、
空と・・・陸と・・・海と・・・皆と一緒に居られれば、後は何もいらないんだった・・・)

空「なぁ、椿。聞いてる?」

椿「いらないよ。」

空「え?」

椿「大丈夫。何もいらないよ。」

空「けどよ・・・」

椿「・・・空。」

空「ん?」と、空が振向いた瞬間・・・

チュッ
椿が、空の頬にキスをした。

空「・・・・・え?」

椿「・・・・・・」

空「・・・つば・・・き・・・?」

椿「私からの今までのお礼・・・・ありがとう。空。」

空「・・・・・・」

椿「・・・・空・・・・もう一度だけ言わせて・・・・?」
と、空の背中に額を押し付けながら椿が言う。

空「・・・・・なに?」

椿「・・・・・・・・大好き。//////」

空「!・・・・・・・おう。」

椿「・・・・・さあ!下田まで全速前進!!」

空「・・・よっしゃあ!!」

第56話[桜が散るは、春の訪れ]

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第56話終了です。どうでした?こんな感じでサクサク進めてます。なにかあれば、
コメをいただけるとありがたいです。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.4 )
日時: 2009/08/04 19:48
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!

下田編が始まりましたね!
若干ハヤテよりキザな空がいいですね。

それから初めのころと違って、
同じ展開でも時間軸が違うのが分かりやすくていいと思います!!!

ヒナとマリアの話にはびっくりです!!!
ヒナギクがマリアにあそこまで言い切るとは・・・
ハヤテへの想いの強さが伝わった気がします!!!

URLの件が伝わったようで良かったです!
分かりずらい説明で、すみませんでした。
今まで投稿した本文・感想にもURLをつけられるので、
今度付けに回ってもいいかと思います。

それでは!次回も楽しみにしています!!!
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.5 )
日時: 2009/08/05 15:22
名前: SORA

師匠!毎度、コメをありがとうございます!おかげで小説運びも順調です!
これからもよろしくお願いします!それでは!第57話、どうぞお楽しみください!
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第57話[王族の庭園]

表紙:花畑に安置してある墓の前に佇む空


ナギ「・・・さ。着いたぞ。」

空「・・・・ここが・・・・下田の別荘って言うのはわかりましたけど・・・」

ナギ「どうした?」

空「なんか、屋敷に帰ってきた感じしかしないんですけど・・・」

ナギ「何を言う。気のせいに決まってるだろう。」

マリア「そうですわ。ちょっと、外観が似てるだけですよ。」

ナギ「その証拠に・・・見ろ!」

空「うお!太平洋が広がってる!てか、やっぱりそれだけ!?」

ナギ「それよりも・・・花子はどうしたのだ?」

空「椿っすか?椿なら、こっちに知り合いが経営してる旅館があるって言って
そこに行きましたけど・・・それを言ったら、ヒナギクさんは?」

ナギ「ヒナギクは家族で食事らしい。あの、一緒にいた神崎とか言う奴は
暇そうにしている所をヒナギクが誘ったそうだ。」

空「へ〜。」

ナギ「ま。せっかく温泉地に来たのだから、どっか温泉に入って疲れを取ってきたらどうだ?」

空「え?いいんですか?」

ナギ「ああ。私は疲れたのでお昼寝をする。」

空「はぁ・・・・」

マリア「では、早乙女君。行きましょうか。」

空「・・・・・・・」

マリア「早乙女君?」

空「・・・・すいません。俺、後でいいです。」

マリア「え?」

ナギ「なぜだ?」

空「先に、こっちにいる知り合いに挨拶しときたくて・・・あと、墓参りを・・・」

マリア「お墓参り・・・ですか・・・」

空「はい。中学の頃、仲良かった奴の墓がこっちにあるんで・・・それの・・・」

マリア「・・・・・」

ナギ「・・・そうか。なら、行ってきていいぞ。」

空「すいません、お嬢様。マリアさんも・・・」

ナギ「気にすることはないさ。友達の墓参りなら行かせねば。」

マリア「そうですよ、早乙女君。私なら一人でも平気ですから。」

空「・・・すいません・・・じゃ、行ってきます。」そうして、空はまず
知り合いの家へと向かった。

空が向かった知り合いの家。そこは、表札に「雪風」と書かれた、デカイ家だった。

空「・・・・・」空は、無言でインターホンを押す。

ピンポーン♪
と、次の瞬間・・・

ゴリ

空「・・・・」後頭部に銃を押し付けられる。

「なんか、用か?坊主。」

空「・・・・ここの若頭に挨拶に来た。通してくれないか?」

「若頭がお前みたいな坊主に会うわけねぇだろ。さっさと消えろ。」と、そこに・・・

「おい。どうし・・・って、そいつは!」

「ん?この坊主が誰か知ってんのか?」

空「へ〜。じゃあ、若頭にこう伝えてくれよ。「早乙女組の空が来た。」ってよ?」

「早乙女組・・・!龍真会の精鋭中の精鋭じゃねえか・・・!そこの空って・・・」

「じゃあ・・・お前が昔、組長を・・・?」

空「ああ。けど、今日来たのはここの若頭に挨拶がしたかっただけだ。
他は何もするつもりはない。」

「・・・・・わかった。」

「おい!いいのか!?」

「若頭なら事情は全部知ってる。ちょっと待ってろ。」そう言うと、男の一人は
家の中へと入っていった。

それから、数分後。先程の男が、20代前半・・・空の兄と同い年くらいの
男と一緒にやってきた。

「・・・・・久しぶりだな・・・早乙女・・・・」

空「・・・お久しぶりです・・・雪風 馨(ゆきかぜ かおる)さん・・・ですよね・・・?」

馨「ああ・・・・懐かしいよ・・・二年と・・・大体、半年位か・・・」

空「そうですね・・・」

「若頭・・・自分達は・・・?」

馨「お前らは下がっていい。こいつはそこまで危険な奴じゃないからな。」

「・・・・わかりました。」そう言い、二人は去っていった。

馨「・・・で?今日は何しにここへ?」

空「こっちには、旅行で来て・・・そのついでに、挨拶を・・・後、あいつの墓参りも・・・」

馨「・・・そっか・・・」

空「あの・・・・あいつの墓って・・・・」

馨「お前とあいつが初めて会った場所だよ。あそこは、あいつにとっても思い出深い場所だからな・・・」

空「・・・あそこですか・・・わかりました。」そう言って、空はその場所に向かった。

空「・・・・懐かしいな・・・・あの頃と何一つ変わっちゃいねぇ・・・」

昔感じた通り・・・そこはこの世の感じがしなかった・・・

春先だっていうのに、妙に暖かくて・・・・

立ち並ぶ木々は、全て桜で・・・枯れる事は無く・・・・

地面には、椿や、楓といった花が咲き誇り・・・それらみんな、枯れる事を知らず常に満開で・・・

あいつが他の何よりも、大好きで・・・一番のお気に入りだった場所・・・

俺が初めてこの場所に踏み込んだ時は・・・・・まだここには名前はなかった・・・

俺が、この庭園の美しさを見て、俺が付けた名前・・・・・・


























































































































空「・・・・・王族の庭園・・・・ロイヤル・ガーデン・・・・・」


それが・・・・・俺が、ここに付けた名前・・・最初はあいつに笑われたっけ・・・・

しばらく進んでみると、花畑の中に、安置されている墓を見つけた・・・

それがあいつの墓だと確信するのに・・・そう時間は要らなかった・・・・・

空「・・・これか・・・・」

俺は、あいつの墓に花を添えると、静かに手を合わせ、そして、口を開く・・・

空「・・・あれから二年以上経ったよな・・・・・墓参り・・・・ずっと、来れなくてゴメンな・・・」

俺は墓の前に座り、続ける・・・

空「・・・・久しぶり・・・・・・葵・・・・・」

その墓には・・・・



           AOI   YUKIKAZE

            1990〜2004


・・・・・と、記されていた。

・・・・雪風 葵(ゆきかぜ あおい)・・・・・

俺が・・・この世で初めて、 心の底から好きになった人・・・

俺が・・・・かつて、本気で守りたいと思った人・・・・・・

そして・・・・俺の罪の証であり・・・・14歳でその生涯を終えた人・・・

・・・葵は・・・俺のせいで死んだ・・・・あいつや、周りの皆がそう思ってなくても・・・

あいつは・・・・俺なんかのために・・・・・自分の命を犠牲にした・・・

何でだよ・・・・・あの時・・・・・死ぬのは俺だったはずなのに・・・

空「・・・・・・・」

俺は、無言でその場を立ち上がる。

空「・・・・じゃ・・・・また来るよ・・・・」

そう言い、俺はその場を立ち去ろうとする・・・

「・・・・・・空・・・・・・」

空「!!」

・・・・・・一瞬、あいつの声が聞こえた気がしたけど・・・・

空「・・・・・・気のせいか・・・・・・」そうして、俺はその場から立ち去った。

一方、昼寝中のナギは、また昔の夢を見て、母のことを思い出していた・・・

ナギ(・・・母よ・・あなたが亡くなって、今年で十年・・・父が亡くなって、
大体、15年になります・・・・あなたは今も、星だか空になって私を見守っているのでしょうか・・・?)
なんてことを考えていると・・・

咲夜「な〜んや〜。ま〜た、こんなとこでボーッとしとんのかいな?」

ナギ「うお!?咲!何で、ここに!?」

咲夜「いや、なんでて・・・・毎年恒例やないか。」

ナギ「・・・・あ。そっか。」

咲夜「で?また風呂にも入れず小汚いまんまか?」

ナギ「小汚い言うな!!」

咲夜「はいはい。文句は後でゆっくり聞いたるさかい、さっさと行こうや。」

ナギ「行くって・・・何処に?」

咲夜「決まっとるやろ・・・秘湯巡りや。」

ナギ「・・・・・・は?」

そして・・・・

咲夜「・・・・・・人がいっぱいやな。」

ナギ「なぜ、こんなめんどくさいことに・・・」

咲夜「ま。こっちにも、秘湯っぽいとこもあるみたいやし、とりあえず、こっちに・・・」

「ここから先へは行ってはいかん!!」

ナギ・咲夜「うわぁ!!」

「ここから先へは行ってはいかん・・・」

咲夜「あん?また、人ならざる物でもおんのかいな?」

「まぁ、そんなところじゃ・・・じゃが、どうしても通ると言うのであれば・・・」

ナギ「通ると言うのであれば・・・?」

「お一人様四千円です。」

咲夜「軽くぼったくられた気分やな・・・」

「いってらっしゃ〜い。」

ナギ「まぁ、別にいいけどな。」

咲夜「・・・・・」

その頃・・・・

空「・・・・それじゃ、俺はこれで・・・」

馨「ああ。あいつも喜んだと思うよ。」

空「はい。じゃ・・・」

馨「また、いつでも来てくれよ。」

空「はい。また来ます。」そうして、空は歩き出す。

空「さてと・・・俺もどっか温泉入るとするか・・・・・ん?」と、ある男と
すれ違った際、空はその男に、何か違和感を感じた。

空「・・・なんだ・・・?今の感じ・・・てか・・・あいつ、どっかで・・・」
が、振り返ったときには、もう男はいなかった。

空「・・・・・?」と、その時・・・

「あぁ!?何で、あの機体はあそこまでバーニア量が多いのだ!あれでは、
勝てる奴がいないのも、当たり前ではないかぁ!!」

空「この声・・・・お嬢様?」

その頃、ナギと咲夜は・・・

咲夜「ナギ?どないしたん?急に。」

ナギ「どうしたはこっちのセリフだ!なんで、咲夜が5人もいるのだ!」

咲夜「はい?」

ナギ「にょほおおお〜〜!」

咲夜(マズイ!これは、昔と同じパターンの奴や!だとしたら、借金執事が・・・!)
と、咲夜が何とかしようと動いた途端・・・

空「こいつぁ、確かにマズいっすね〜・・・//////」と、口元を抑えている空がいた。

咲夜「ぐぼっ!・・・なんで借金執事がここにおんのやぁぁぁ!!/////」

空「いや・・・ここ、一応混浴ですし・・・お嬢様の声も聞こえましたし・・・あ。溺れる。」
と、ナギの体にタオルを被せ、抱える空。

咲夜「うわぁ〜・・・/////」

空「大丈夫っすか?お嬢様。」

ナギ「・・・・・・・」

空「あれ?お嬢様?」

ナギ「・・・・・そら・・・・?」

空「あ。気づきました?」

ナギ「そら・・・・ん?空・・・・?・・・・・!!//////」

空「ん?」

ナギ「ぬおおおおおおお!!/////何をしているのだ、お前はぁぁぁぁぁ!!//////」

空「え!?ちょ、お嬢様!今、暴れたら・・・・!」

ナギ「うるさい!!//////いいから、さっさと、下ろせぇ!!/////」

咲夜「ま・・・・なんとなくこーなるとは思っとったけどな〜・・・」

その夜・・・・・

ナギ「・・・・・・」

マリア「それで・・・さっきから、この調子なんですか?」

空「はぁ・・・」

ナギ「もういい!!私は寝る!!」

バタン!!
と、勢いよくドアを閉め、そのまま閉じこもるナギ。

空「・・・あの、これ一体、どうすれば・・・」

マリア「どうせ、朝まで出てきやしませんよ。放っておきましょう。」

空「はぁ・・・」そう言い、ナギの部屋の前から離れる二人。

その頃、ナギはというと・・・

ナギ(まったく!一体、なんなのだ、空の奴は!この間は私の裸見て、
思いっきり顔赤くしてたくせに、なんで、今回はノーリアクションなのだ!
まったく!空はホントにまったく!)などといった事を考えていた。

ナギ「・・・・・・」何を思いついたか、ナギは部屋の外に出て、空を呼ぶ。

ナギ「空ー。」すると、ものの十数秒で空が来た。

空「はい?なんですか?」

ナギ「いや、お前は温泉入ったのか?」

空「へ?いや、俺は友達の墓参りに行ったすぐ後にあそこに行きましたから、まだ・・・」

ナギ「ふ〜ん・・・」と、ナギはどこかから水鉄砲を取り出し、空にかける。

パシャ

空「ぷあっ!」

ナギ「・・・・」と、ナギはその水を空の体に塗りたくる。

空「あの・・・」

ナギ「・・・・・女にならんじゃないか!」

空「何の話!?」と、敬語も忘れるくらいビックリした空。

ナギ「いや、あの温泉には、不思議な効果があると言ってたもんだから、
その温泉のお湯をかけたら、今度こそ女になるんじゃないかと・・・」

空「なりませんよ!」と、その時後ろから・・・

マリア「ていうか、ホントに隕石なんて落ちてきたんですか?」

空・ナギ「え?」

マリア「さっき、ニュースでやってましたけど、隕石のような物は何もなかったと・・・」

ナギ「え?ってことは・・・」

空「雷かなんかだったって事っすか?」

マリア「でも、何かが落ちるのが見えたって人はいっぱい・・・」

ナギ「・・・フフフ・・・・成程・・・そういうことか・・・」

空・マリア「え?」

ナギ「落ちた場所に何も無かったという事は、それが隕石ではなく、UFOだったという事!
つまり!これは、宇宙人による地球侵略の第一歩だったんだよ!!」

空・マリア「な!なんだってーー!?」

空「って、そんなことあるんすか?」

マリア「そんな事考え付くのは、ナギくらいだと思いますけど・・・」

空「てか、お嬢様は宇宙人に会いたいんすか?」

ナギ「あ?なんか文句でもあるのか?」

空「そんなん、会ってもどうしようもないって言うか・・・」

ナギ「誰のために会いたいと思っているのかーーー!!」
と、空の鳩尾に渾身の肘を叩き込むナギ。

空「はおっ!!」

ナギ「もういい!私は寝る!空は絶対に入ってくるな!!」

マリア「あ〜あ〜。鍵までかけて。」

空「ゲホッ!ゲホッ!い・・・・息が・・・」

ナギ「まったく・・・!空の奴・・・」と、ナギはテラスに出る。

ナギ(・・・母よ・・・星だか、空だかになっている母よ・・・聞こえているなら、
私にどうか、宇宙人を・・・・今度こそ、私をナイスバディにしてくれそうな宇宙人を・・・)
と、そんなことをお願いしていると・・・

ヒュオオオオ・・・・・

ナギ「ん?」

ドガラグシャア!!

空「!!」

マリア「また、派手に暴れてますわねぇ〜。」

ナギ「な・・・なんだ?窓の外から・・・」

「・・・・・」

ナギ「おい。お前。」

「・・・・・うり?」

ナギ「お前・・・・・マヤ?」

「マヤ・・・・・?」

ナギ「おお!マヤではないか!」

「・・・・違う。」

ナギ「違わないだろう!この二つの丸っこいのは目なんだろう?」

「そうだけど・・・・私はマヤじゃない・・・」

ナギ「え?」と、その時・・・

空「お嬢様!?今の音・・・!」

ナギ「え!?空!?」と、ナギは宇宙人の方を見る・・・

「う〜・・・・」涙目。

ナギ「・・・お前・・・」

空「お嬢様!?入りますよ!?」

ナギ「うえ!?ちょっと、待て!入るな!」

空「え?でも・・・」

ナギ「いいから!下がってろ!」

空「・・・はぁ・・・」そう言い、空は戻っていった。

ナギ「ふ〜・・・」

「あ・・・ありがと。」

ナギ「まぁ、別にいいが・・・お前。マヤじゃないって言ったけど、じゃあなんて名前なんだ?」

「マヤは私の双子の姉・・・」

ナギ「え!?マヤって姉妹がいたのか!?」

「うん。私はサヤ・・・お前は・・・?」
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第57話終了です。如何だったでしょうか?何かあるなら、コメをください。それでは。



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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.6 )
日時: 2009/08/05 16:46
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!

王族の庭園とは・・・
空にはなんてネーミングセンスが・・・(笑)
なんて冗談は置いておいて、
ハヤテと空、まだまだ見えないつながりがありそうですね!
続きが楽しみです!!!

そしてまたやっかりな事を持った宇宙人が降ってきましたが・・・
アステロイドベルトに行っても地球の引力にひかれてしまったのでしょうか?(笑)
(↑いままでの感じだと伝わりますよね?)

今度はどんな事件を巻き起こしていってくれるのか楽しみにしつつ・・・
それではまた!!!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.7 )
日時: 2009/08/05 20:30
名前: SORA

師匠!またまた、コメをありがとうございます!驚きました?まさか空の口から
あれの名前が出るとは・・・それとですね・・・師匠のコメの部分・・・
「アステロイドベルトに行っても地球の引力にひかれてしまったのでしょうか?(笑)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・笑ってしまいました。マジで。
ま。それはさておき、第58話、どうぞ、ご覧ください。
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第58話[アニメ第2期、第2クールのOPって、なんかエロくね?関係無いけど]

表紙:サヤを抱きかかえるナギ。

ナギ「・・・・・成程。マヤの時と同じように、宇宙船を無くしてしまったと。」

サヤ「うり・・・・」

ナギ「ま。マヤの妹なら仕方が無い。探すの、手伝ってやろう。」

サヤ「ほんとに!?」

ナギ「ああ。お前の姉にも同じ事をさせられたからな。これくらいお安いご用さ。」

サヤ「よし!それじゃあ、早速・・・!」と、サヤはテラスに飛び乗ると、
頭の二つの目を、羽に変化させる。

その頃、空とマリアは・・・

空「あ。」

マリア「どうかしたんですか?早乙女君。」

空「俺、伊澄さんの大祖母様とちょっと約束事があるんでした・・・」

マリア「まぁ、そうだったんですか?」

空「はい・・・」

マリア「だったら、行ってきてはどうですか?」

空「え?でも、お嬢様は・・・」

マリア「どうせあの子は、朝まで出てきませんよ。それよりも、大お祖母様との
約束の方が・・・」

空「・・・わかりました。じゃ、行ってきます。」そう言い、空は鷺ノ宮の別荘へ
向かった。

ナギ「ところで、宇宙船を探す手がかりとかあるのか?」

サヤ「今のところは何も・・・」

ナギ「よし。だったら、私が言う場所に向かえ。」

サヤ「うり?」

ナギ「私の知り合いに物凄いボケ方をする奴がいるから、そいつの所にある。」

サヤ「うり?ボケ?」

ナギ「ああ。一族全員、物凄いボケボケだから、きっとあるはずだ。」

サヤ「うり。」

空「・・・・・・あれが、伊澄さんとこの別荘・・・?宇宙船じゃん、あれ。」

それと同時に、ナギとサヤが到着した。

サヤ「あったーーー!!」

ナギ「な?だから言っただろ?」

サヤ「ありがと!これで私、星に帰れる!」

ナギ「そうか。じゃ、私はこれで・・・ん?」と、ナギが伊澄の家に入っていく
空を見かけた。

ナギ(空・・・?あいつ、伊澄の所に何しに・・・・・ハッ!まさか、あいつ・・・!)

サヤ「じゃ。私はこれで・・・」と、サヤが宇宙船に乗ろうとした瞬間、
ナギに頭を掴まれた。

サヤ「うり?」

ナギ「あんな宇宙船など後でどうとでもなる。だから、もう少し私に付き合え。」

サヤ「うり?」

そして、伊澄の所へ向かった空は・・・・

伊澄「そうですか。大お祖母様との約束で・・・ですが、心配には及びません。
力はじきに戻ります。ですから、早乙女様はお戻りください。」

空「けど、伊澄さん・・・」

伊澄「お戻りください。」

空「・・・・・・・」と、ここで空はナギの言葉を思い出す。

「だから、あれで意外と頑固者なんだよ・・・」

空「(確かにそうみたいっすね〜・・・お嬢様。)にしても、何で力が消えたんすか?
なんか、理由があるみたいなこと言ってましたけど・・・」

あからさまに凍る空気。

空(・・・・あれ?俺なんか、地雷踏んだ?)

伊澄「・・・十年前の一月、初めて友達ができました。」

空「え?」

伊澄「その子は私の母が姉のように慕っていた人の娘で・・・彼女とは、
その人の退院パーティで出会ったんです・・・お日様みたいに笑う・・・可愛い子でした・・・/////」

空「伊澄さん・・・(よかった・・・地雷は俺の勘違いか・・・)」

伊澄「けど、その年の3月、彼女は笑わなくなってしまいました。」

空(あ。やっぱこれ、地雷だ。)

伊澄「私は彼女の笑顔を取り戻したかったんです・・・けど、その頃の私は未熟で失敗して・・・
彼女の心を傷つけただけ・・・・・ですから、これは私の問題。ですから、早乙女様はお帰りください。」

空「(・・・・なんか、話が抽象的過ぎて、イマイチ飲み込めないけど・・・・・
とりあえず、無理っす!!大祖母様!!俺にはどうしようもできません!!)まぁ、
分かりました。じゃあ、俺はこれで・・・・・」と、空が帰ろうとした瞬間・・・・・

銀華「あきらめんなーーーーー!!」

ドグシャア!!

空「ぐは!!」

伊澄「はわ!」

銀華「そんな簡単に諦めて手に入る物があると思ってんのか、このボケーーー!!」

伊澄「大お祖母様!」

銀華「さぁ、どうじゃ?伊澄。早く吸え!こいつの血を!」と、血だるま状態の
空を差し出す銀華。

伊澄「早くするのは、止血です大お祖母様。・・・・第一、こんな事をして、
私が喜ぶとでも思ったんですか?」

銀華「!・・・あ・・・・う・・・」

伊澄「大丈夫ですか?早乙女様。」

空「ええ・・・・・なんとか・・・・・」

銀華「うわーーん!伊澄のバカーーーー!!」そう吐き捨て、銀華は走り去っていった。

伊澄「申し訳ありません。大お祖母様が・・・」

空「いえ、お気になさらず・・・あと一応、止血の方、お願いします・・・」

伊澄「わかりました。では、少しお待ちください。」

空「了解っす・・・・・ふぅ・・・・・」

拓海「やっと、二人っきりになれたな。」

空「おわ!・・・てめ、拓海!!どっから沸いて出た!!」

拓海「ははは。もちろん、お前の後を付け回してたに決まってるじゃん。」

空「ストーキングだ、それはああああ!!・・・って、あれ?」突如、空を
立ちくらみが襲う。

拓海「ははは。あんま、無理しない方がいいぞ。・・・心配すんなって。
俺が朝まで介抱してやるから・・・」

空「(これ以上、心配な事他に無えだろ!!)あー!もう、離れろこの野郎!!」

拓海「照れんなって。」

空「バッ!てめ・・・!殺す!マジで殺す!!」

ナギ「む?この声・・・こっちか!?」と、空の声がした方へ走るナギ。

ナギ「空!お前、こんな所でいったい何を・・・・」

空「お嬢様!?」

拓海「ったく、無粋な女だな。せっかくの恋人同士の語らいを邪魔するとは・・・」

空「誰が恋人同士だ!?誰の目から見ても、犯罪者と被害者じゃねえか!!」

拓海「ったく、照れちゃって、まぁ・・・」

空「その腐った脳みそ、掃除機で吸いだしてやろうか!?ああ!?」

ナギ「空・・・・お前、こんな所でそんな奴と逢引きを・・・」

空「ええ!?ちょっと、待ってくださいよ!何で今のでそんなことに・・・!」

ナギ「私の裸を見ても、なんとも感じなかったのは、そういう事だったんだな!!」

空「どういう事っすか!!ていうか、俺がお嬢様の裸見てもノーリアクションなのは、
俺の中じゃ、お嬢様はまだまだ子供だからだって言う正常な反応であって・・・!」

ナギ「!!」

空「断じて、こんな奴が気になってるわけじゃ・・・って、お嬢様?」

ナギ「だ・・・・・誰が、まだまだ子供だ、バカーーー!!」

空「え?」

ナギ「もういい!お前なんか、そんな奴と何処へなりと行け!!」
そう言うと、ナギは走り去っていった。

空「え!?ちょ、お嬢様!?」

拓海「じゃ。主の許可がでたということで・・・」

空「!!」
ブチィ!!

空「てめぇはもう、寝てろ!!永遠に!!」

ズドォォォォォォン!!

拓海「ギャアアアアアアアアアア!!」

サヤ「あの・・・私、そろそろ帰りたいんだけど・・・」

ナギ「連れてけ。」

サヤ「え?」

ナギ「私も連れてけ!!」

サヤ「いやいや、ダメダメ!!そんな事したら・・・!」

ナギ「うるさい!いいからさっさと、飛ばせ!!」と、ナギが宇宙船に乗り込んだ瞬間・・・・

ガコン!!

ナギ「え!?」

サヤ「ああ!」

空「!?・・・どうなってんだ?」

サヤ「早く!早く降りて!!そのままじゃ、ナギは一生地球に戻れない!!」
と、その時・・・

バタン!
宇宙船のドアが閉まる。

ナギ「な・・・・!おい!どうなってるのだ!」

空「地球に戻れないって・・・」

ナギ「おい!開け!開けよ!!嫌だ!地球に戻れないって・・・!そんなの・・・!
空ーーーーーーーー!!」

空「お嬢様!!」

サヤ「どうしよう・・・・」

空「おい!そこのお前!!」

サヤ「うり?」

空「どうなってんだ!?何で宇宙船が・・・・!」

サヤ「・・・私の宇宙船は、私以外の誰かが乗ったら、その時点で自動的に
大気圏外に離脱・・・そのまま自爆するっていうシステムになってるの・・・」

空「!!・・・・自爆・・・・?」と、空はその場にへたり込む。

空「・・・そんな・・・」

サヤ「私のせいだ・・・・どうしよう・・・・」

空「・・・けんな・・・・」

サヤ「え?」

空「ふざけんな・・・ふざけんな・・・・・・ふざけんなぁ!!」

ドゴン!!
と、空の髪が急激に逆立ち、全身に雷がほとばしり、執事登竜門の時とは別の、
荒々しい感じが漂っていた。

空「ふざけんな・・・・お嬢様が死ぬだと・・・?そんなこと・・・!おい!!」
と、空はサヤの胸倉を掴む。

サヤ「!」

空「どうにかなんねぇのか!?どうにかしてお嬢様を助ける方法はねぇのか!?」

サヤ「そ・・・それは・・・」

空「頼む!!なんかあるだろ!?なあ!!」

サヤ「・・・・・」

空「!・・・・頼むよ・・・・」と、空は再び膝をつく。

サヤ「・・・?」

空「頼む・・・・何か方法あるんだろ・・・?教えてくれよ・・・
もう・・・大切な人を失いたくないんだ・・・・本気で・・・お嬢様の事が・・・
大切だって・・・思えるようになったんだ・・・失いたくないんだ・・・だから・・・」
と、空の目からは涙がとめどなく溢れ出ていた。その様子を見ていた伊澄は、空に近づき・・・

そして・・・・・

チュッ
空の頭から流れ、頬にまで伝っている血を、キスをする形で飲んだ。

伊澄「・・・・・・」

キィィィィィン・・・・

空「・・・伊澄さん・・・?」

伊澄「・・・・早乙女様はナギにとってのヒーローですから・・・」

空「・・・・・」

伊澄「ですから・・・・私がナギの所へ送って差し上げます。ですから・・・
ナギを・・・・助けてあげてくださいね?」

空「伊澄さん・・・」と、その時・・・

「僕も手伝いますよ。」

伊澄「!!誰です!?」

空「・・・・ハヤテ・・・・来てたのか?」

ハヤテ「うん。理事長が、慰安旅行とか言って・・・でも、あの宇宙船が見えて・・・
もしやと思ってきてみたら、案の定。」

伊澄「ハヤテ様・・・」そう言う伊澄の目には、涙が溜まっていた。

ハヤテ「伊澄さん。お久しぶりです。でも、今は空を・・・!」

伊澄「・・・・はい。」

空「ハヤテ・・・お前は・・・」

ハヤテ「空。君が雷を操れるように・・・僕は・・・」と、急にハヤテを中心に、
風が巻き起こる。

空「え!?」

伊澄「これは・・・!」

ハヤテ「・・・・僕は、風を操れる。」

空「お前・・・・」

ハヤテ「・・・伊澄さん。僕が集めた風を使ってください。」

伊澄「・・・・はい。では、早乙女様。」

空「・・・・はい!」

ハヤテ「空・・・・がんばれ!」

空「おう!!」次の瞬間、空は宇宙船に向かって飛んでいた。

その頃、宇宙船内・・・・

ナギ「う・・・・・頼む・・・頼むから、止まってくれよぉ・・・・・嫌なのだ・・・
謝ってないのに・・・喧嘩したままで・・・・まだ、空に謝ってないのに・・・・
嫌なのだ・・・・謝ってないまま終わるなんて・・・そんなの・・・嫌・・・だ・・・
・・・う・・・・空・・・・空ーーーーーーー!!」

空「呼びましたか?お嬢様。」

ナギ「!!」ナギが振向くと、そこには、空がいつも通りの笑顔を浮かべて立っていた。

ナギ「・・・・・・空・・・・・?」

空「はい。お嬢様。」

ナギ「・・・ぅ・・・・空・・・」と、ナギの目から涙が溢れ、空に向かって走り出す。
が・・・

空「・・・・!」

ぎゅっ・・・・

ナギ「・・・・え?」その前に、空に抱きしめられていた。

ナギ「・・・・・そ・・・・ら・・・・?」

空「・・・・・お嬢様・・・・!」

ナギ「な・・・・何を泣いているのだ・・・私の執事ともあろう男が・・・」

空「良かった・・・!また・・・守れないんじゃないかって・・・失うんじゃないかって・・・!
良かった・・・・!ほんとに・・・・良かった・・・・・・!」

ナギ「・・・・空・・・・」と、ナギも、両腕を空の背中に回す。
二人はしばらく抱き合っていたが・・・・

空「・・・・お嬢様。時間がありません。」

ナギ「え?」

空「早くどうにかしてこの宇宙船を止めましょう。この宇宙船、大気圏から出たら、
自爆する仕組みになってます。」

ナギ「なにぃ!?」

空「急ぎましょう!!」と、空はナギの手を取り、操縦室に向かう。すると、
そこには先客が居た。

空「!・・・お前・・・!」

ナギ「サヤ!?お前、どうしてここに・・・!」

サヤ「うり。今、自爆装置は解除した。これでもう大丈夫。」

空「え?」

サヤ「後は二人を地球に戻すだけ。」

ナギ「けど・・・・どうやって?」

サヤ「大丈夫・・・・」と、その時辺りが光に包まれた。

空・ナギ「え!?」

そして、空が目を覚ますと・・・・

空「・・・・どこだ?ここ。」

本当にいつでも、あの子の事を守ってくれるのね。

空「え?」

あの子は本当に泣き虫で寂しがりやで・・・あなたみたいなのがちょうどいいのかしら?

空「誰だ・・・?この声・・・」

だから・・・・

空「・・・・・」と、空が後ろを振向くと、そこには、空にとって見覚えのある
女性が立っていた。

「ナギの事・・・よろしくお願いね。」

空「・・・あんた・・・確か・・・」と、そこで空の意識は途切れ、
次に目が覚めたのは、地球だった。

空「・・・・・・あの人・・・・・・確か・・・・・」そう言い、空は体を起こす。
すると、自分の隣にナギが寝ており、その横に墓標がある事に気づく。

空「・・・誰の墓だ・・・?」と、空はその墓に記されている名前を読み上げる。

空「・・・・紫子・・・・三千院・・・・!?」
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第58話終了です。如何でしたか?もうすぐ下田編もお終い。何かあれば、
コメの方よろしくお願いします。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.8 )
日時: 2009/08/06 18:13
名前: SORA

はい。SORAです。今さっき、気づきましたけど前のレスが6000HIT越えてたんですよね。
まぁ、今となってはあんまり関係無い気がしますけど・・・それでは、
第59話、どうぞお楽しみください。
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第59話[母]

表紙:墓前に立つ空とナギ。


ナギ「・・・これは、母のお墓だ。命日なんだ・・・今日は・・・」

空「え?じゃあ、下田に来たのは温泉に入ってナイスバディになるとかじゃなくて・・・」

ナギ「だから、最初から違うと言ってるだろ?」

空「・・・母親の墓参り・・・」

ナギ「ああ。母は一人っ子で、体も弱かったから私以外に兄弟は無い。だから、
墓参りに来るのは、せいぜい私と、後は咲や、伊澄達ぐらいだ。」

空「でも、何で墓が下田に?」

ナギ「ああ、それは・・・新婚旅行がこの下田の温泉で・・・二人にとって、
思い出の場所なんだそうだ。」

空「何で大富豪がそんな昭和のサラリーマンみたいなハネムーンを・・・」

ナギ「父の方は、私が生まれてちょっとした位に亡くなってたらしくて、
母が私の全てだったんだ・・・・母は病弱で、昔一度、体の調子が良くなったら
この思い出の場所で一緒に星空を見ようって約束して・・・けど、
母はまた体の調子が悪くなっていけなくなって・・・それで、私が一方的に
母を罵った・・・・その直後に、母は亡くなったんだ。」

空「・・・・・・」

ナギ「謝りたかった・・・・もし、母が亡くなるってわかってれば・・・・・
最後に、謝れたんだけど・・・・」

空「・・・・・俺も。」

ナギ「え?」

空「俺も・・・・そういうこと、ありました・・・」

ナギ「・・・空・・・も・・・?」

空「はい・・・昔・・・本気で大切に想ってた人が亡くなるってわかってたなら・・・
きっと、今はこんなに後悔してないと思います・・・」

ナギ「・・・・・似てるな。私達は・・・」

空「・・・・そうですね。」と、二人は黙っていたが、しばらくして後ろから・・・

咲夜「暗いわーーーーーー!!」

スパアアアアン!!
ナギが咲夜にハリセンで殴られた。

ナギ「きゃふん!!」

空「あ!」

ナギ「何するのだ、おまえはぁぁぁぁ!!」

咲夜「あほか、ボケェェェ!そんなしんみりしてたら、太陽もやりがいないっちゅーねん!!」

ナギ「太陽のやりがいなんて、知るかーーー!!」

マリア「まったく・・・二人とも心配しましたよ?」

空「あ。マリアさん。」

マリア「起きたら、二人ともいなくて・・・もしかしたら、よからぬ人たちに
さらわれたのかと思いましたよ・・・」

椿「でも。空ならそんな連中、一発なんじゃない?」

ヒナギク「でも、最後はどこかで事故って死んじゃうんじゃない?」

刹那「ヒナギクさん。そんな、リアルな話はやめてください。」

空「あれ?椿にヒナギクさんに刹那も・・・皆、なんでここに?」

ヒナギク「決まってるでしょ?あなた達がここにいるから迎えに行ってあげてって・・・」

椿「・・・あれ?誰に言われたんだっけ?」

ヒナギク「ん?」

刹那「そういや、誰に・・・」

美希「まぁ、いいじゃないか。」

理沙「人が集まってそこに花が咲いているのなら。」

泉「もう、お花見するしかないでしょー。」

ヒナギク「いたの!?あなたたち!」

拓海「当然、俺からの愛の篭った弁当がここに・・・」

空「・・・・」

泉「おー♪やるねー、東雲君。」

初穂「その前に・・・」

空「?」

初穂「みんなで・・・紫子姉さまにお花をそなえましょう・・・」

それからはもう、食えや飲めやの大騒ぎである。

空「・・・・なんか、すっかり花見モードっすね。」

ナギ「いいじゃないか。賑やかなのが好きな人だったし。」

空「はぁ・・・」と、ここで空が、何かに気づく。

空「・・・・ん?」ふと、見てみると、腰辺りにまで届く髪をなびかせ、
ナギと、紫子の墓を見つめている男がいた。

空「あいつ・・・確か・・・」

「・・・・・・」男はそのまま、その場を立ち去る。

空「・・・・お嬢様。俺、ちょっと行ってきます。」
と、空は男を追いかける。

ナギ「え?空?」

空「おい!アンタ!」

「・・・・・なんだ?」

空「あんた、昨日も会ったよな?」そう。この男は、第57話で空とすれ違ったあの男である。

「だから、何の用だと聞いている。」

空「それはこっちのセリフだ。あんた、お嬢様とお嬢様の母親の墓見てたみたいだけど・・・
なんか、関係あんのか?」

「・・・・三千院ナギと直接の関係は無い。」

空「じゃあ、なんなんだ。」

「なに。彼女の両親の旧い知り合いさ。」

空「お嬢様の両親の・・・?名前は?」

「・・・・・・九頭神(くずがみ)。」

空「は?バカにしてんのか?」

九頭神「バカにしてはいないさ。これが俺の苗字だからな。」

空「ふ〜ん・・・で?お嬢様の両親の知り合いっつーのはわかったけど・・・・・
墓参りしていかねぇのか?」

九頭神「・・・・しようと思っていたが・・・気が変わった。」

空「なんで?」

九頭神「・・・俺は・・・二人を救えたはずだった・・・だが、結局は二人を
見殺しにした。そんな男が、今更どの面下げて墓参りなんぞすれば良い?」

空「あんた・・・・」

九頭神「・・・・・フッ。」

空「?」

九頭神「俺にここまで話をさせたのはお前が初めてだ。気に入った。」

空「・・・・・?」

九頭神「せめてもの褒美だ。良いことを教えてやる・・・・綾崎ハヤテについてだ。」

空「!・・・お前・・・ハヤテを知ってるのか?」

九頭神「ああ・・・といっても、向こうは俺の事は何一つ知らないがな。」

空「・・・どういうことだ・・・?」

九頭神「言っておくが、この事を知っているのは、この世で俺だけだ。誰にも話すなよ?」

空「・・・・・・」

九頭神「綾崎ハヤテ・・・・・奴は・・・・・」

と、その時、風が吹いた・・・・

九頭神「・・・・・」

空「・・・・!!そんな・・・・!」

九頭神「・・・・そういう訳だ。」そう言うと、九頭神は背中を向けて歩き出す。

空「待てよ!!なんで、俺にそんなことを・・・!」

九頭神「言ったはずだ。お前が気に入った。それだけだ・・・・と、そうだ。
一応、念を押しておく・・・・誰にも話すなよ・・・絶対に・・・」そう言い残し、
九頭神は去っていった。

空「・・・・・ハヤテ・・・・・お前・・・・・・」そうして、空はナギ達の所へ戻る。

空「・・・・・・」

ナギ「空!」

空「あ・・・お嬢様。」

ナギ「何処へ行っていたのだ?」

空「いえ・・・なんか、怪しい奴見っけたんで、ちょっと追っかけてたんです。
そしたら、そいつ・・・・お嬢様の両親の旧い知り合いだって・・・」

ナギ「え!?じゃあ、何で連れてきてくれなかったのだ!?父や母も喜んだはずなのに!」

空「いや・・・そいつ・・・「俺は二人を見殺しにしたから、墓参りなんかできない。」
って言って・・・」

ナギ「・・・そっか・・・・」

空「・・・それとも・・・無理矢理にでも連れてきた方が良かったですかね?」

ナギ「・・・いや、本人が来たくも無いのに、無理矢理連れてきたのでは意味がない。」

空「・・・ですよね。」

ナギ「そういうことだ!では、私達も楽しむとするか!」

空「はい!」そうして、空やナギ、みんなは思う存分、花見を楽しんだ。

そして、夕暮れ・・・・

マリア「ナギー。そろそろ、帰りますよー。」

ナギ「おー・・・・って、あれ?空は?」

マリア「早乙女君ですか?早乙女君なら、もう一度、お知り合いの家に挨拶に行って来るから、
先に駅に行ってても良いと言ってましたけど・・・」

ナギ「ふ〜ん。じゃ、その間に私は、もう一度母のところに行ってくる。」
と、ナギは屋敷を出て、紫子の墓へと向かった。すると・・・・

ナギ「ん?」紫子の墓の前に、誰かがいる。

ナギ(・・・・・誰だ?母の墓の前に・・・)と、その人物が立ち上がった瞬間、
ナギの脳裏に、ある顔が浮かんだ。

ナギ「・・・・!!」と、そして、気が付けばナギはその人物に向かって
走り出していた。

ナギ(嘘だ・・・・・!まさか・・・・!嘘だ・・・・・!そんな・・・・!!)

「?・・・・・!」その人物は、ナギに気づくと、驚いた表情をした。

そして、屋敷に向かって歩いている空・・・

空「・・・ん?あれは・・・お嬢様と・・・・ハヤテ・・・・?」

ナギ「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第59話終了。今回は用事があるので、短めです。それでは、今回はこの辺で。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.9 )
日時: 2009/08/07 15:04
名前: SORA

第60話[あってはならぬ再会]

ナギ「・・・・ハヤテ・・・・!・・・・綾崎ハヤテか!?」

ハヤテ「・・・・三千院・・・・ナギ・・・・?」ナギはハヤテを睨み、
ハヤテは驚いた表情でナギを見ている。

ハヤテ「・・・・・大きく・・・・・なりましたよね?」

ナギ「なぜ、疑問系なのだ・・・・!」

ハヤテ「・・・・懐かしいですよ。あれから・・・・1年と、3ヶ月位ですか・・・」

ナギ「母の墓の前で何をしている・・・!」

ハヤテ「何って・・・・墓参りに決まってるじゃないですか。」

ナギ「そうじゃない!なぜ、お前が母の墓参りをしていると聞いているのだ!」

ハヤテ「・・・理由がなければしてはいけないんですか?」

ナギ「!・・・・」

ハヤテ「下田には、理事長が慰安旅行だと言って、連れてきてくれた・・・
そのついでですよ。」

ナギ「ついでだと・・・?」

ハヤテ「はい。昨夜、伊澄さんの別荘に宇宙船が見えて、もしやと思い行ってみたら、
案の定、あなたが宇宙船に乗り込んでいるところに出くわした。それで、空と伊澄さんに
力を貸したんです。」

ナギ「それで・・・!・・・待て。今、「理事長は連れてきてくれた。」と言ったな?」

ハヤテ「はい。」

ナギ「と言うことは・・・」

ハヤテ「ええ。僕は今、白皇の理事長・・・葛葉キリカさんの執事をやってます。」

ナギ「な・・・!」

ハヤテ「・・・・・ですが、なぜそこまで僕に関わろうとするんですか?
もう僕は、三千院家とは何も関係ないはず・・・」

ナギ「それは・・・・」

ハヤテ「・・・・まぁ、いいです・・・・・と、あなたの執事さんが来たみたいですよ?」
と、空がいる方向を見るハヤテ。

ナギ「空・・・・」

空「・・・・・・ハヤテ・・・・お前・・・・」

ハヤテ「やあ、空。」

空「・・・・・」と、そこに・・・・

マリア「ナギ。早乙女君は・・・・・!・・・・・ハヤテ君・・・・・?」

ハヤテ「あ。お久しぶりです。マリアさん。」と、マリアの方に笑顔を向けるハヤテ。

マリア(・・・ヒナギクさんが言っていたとおり・・・随分、違う・・・)

ハヤテ「そうだ。少し、彼を借りていきますが、構いませんよね?」

ナギ「な!空に何をするつもりだ!」

ハヤテ「何もしません。ただ、彼に聞きたいことがあるだけです。」

ナギ「ふざけるな!」と、ナギは止めようとするが・・・

空「お嬢様。」

ナギ「!」

空「大丈夫ですよ。こいつは嘘はつきません。」

ナギ「空・・・・・」

空「さ。行こうぜ、ハヤテ。」

ハヤテ「うん。」

ナギ「・・・・・・」

マリア「・・・・・ナギ・・・・・」

ナギ「・・・・・・」

マリア「・・・早乙女君。」

空「?」

マリア「私達は先に駅に行ってますから・・・早く来てくださいね?」

空「・・・はい。」そうして、ハヤテと空はどこかへと向かった。

空「・・・・・・ここなら、いいだろ。」

ハヤテ「うん。」

空「で?俺に聞きたいことって、何よ?」

ハヤテ「・・・・・・空。」

空「ん?」

ハヤテ「君は、何か罪を犯したことがある?」

空「罪って・・・・お前、俺がしたこと知ってるだろ?俺は・・・」

ハヤテ「そういうのじゃなくて・・・」

空「・・・・?」

ハヤテ「なにか、もっと・・・・忘れられない・・・忘れることも許されない・・・
自分が・・・一生、死ぬまで背負っていくような・・・そんな・・・・
思い出すのも嫌になる・・・そんな罪を・・・・」

空「・・・お前・・・」

ハヤテ「・・・僕はある。」

空「それって・・・あの、「アーたん」って、女の事か・・・?」

ハヤテ「・・・・・・・」その言葉に、ハヤテは黙って頷く。

空「・・・・そういう事なら、俺もあるよ・・・・」

ハヤテ「え?」

空「・・・俺も・・・スッゲェ、好きだった人が・・・俺のせいで・・・・・・死んだ。」

ハヤテ「・・・死んだ?」

空「ああ・・・俺のせいだ・・・・・あの時、俺がちゃんと考えて動いてれば・・・・
あいつは死なずに済んだ・・・大切な人の命を奪った・・・・それが・・・俺の罪・・・」

ハヤテ「空・・・・」

空「・・・俺・・・許されたいのかもしれねえな。けど・・・人の命を奪っておいて・・・
それで、自分だけが助かるなんて・・・そんな虫の良い事、許されるわけがねえ・・・」

ハヤテ「・・・・・・」

空「なんて・・・・柄にもねえ事、言っちまったな・・・」

ハヤテ「・・・ねぇ・・・空・・・」

空「ん?」

ハヤテ「君は・・・・報いを受ける覚悟はある?」

空「・・・・報い・・・・?」

ハヤテ「そう・・・・自分が犯した罪に対する報い。」

空「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・いつか・・・・・」

空「え?」

ハヤテ「いつか、罪を犯した人間が・・・その罪の報いを受けるとするなら・・・
それは一体・・・・・いつの事なんだろう・・・・」

空「・・・罪の・・・報い・・・・」

ハヤテ「・・・僕は・・・心の奥底で、僕自身に報いが訪れるのを待っている・・・・
そうしない限り・・・・僕は・・・死ぬまで、このままだ・・・・」

空「ハヤテ・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」そのまま、空を見上げるハヤテ。

ハヤテ「・・・・・この世界のどこかに・・・・僕に報いを受けさせる人がいる・・・
その人と出会うのを・・・・・心のどこかで待ってるんだろうな・・・僕は・・・」

空「・・・・・」

ハヤテ「・・・それじゃ・・・僕はもう、行くから・・・」

空「え・・・・・おう・・・・・」そうして、ハヤテは去っていった。

空「・・・・・・・・」一人残った空は、そのまま紫子の墓まで行く。

空「・・・・どうも。俺・・・・お嬢様の執事の早乙女 空って言います。
・・・・・お嬢様。あんたに謝れなかったこと、結構後悔してるみたいで・・・・・
・・・・支えてやりたいとは、思ってます・・・執事なんで・・・・・でも・・・・・
俺は、犯罪者・・・・絶対に、許されない罪を背負って生きてます・・・・・・
俺・・・・・あんたに比べれば、お嬢様から信頼されてないっすけど・・・・・」
と、その時、ナギが気になってやって来たが、空は気づいていない。

ナギ(空・・・・母の墓の前で何を・・・・?)

空「お嬢様は・・・・・・俺が守りぬいていきます。絶対に。」

ナギ「!?///////」

空「もう・・・・あんな思いは嫌だから・・・それに・・・約束してますから・・・
お嬢様と・・・・絶対に・・・いつまでも傍にいて、守り続けるって・・・」

ナギ「・・・・空・・・・//////」

空「だから・・・・安心して、旦那と見守っててください。あんた達が出来なかった事は・・・
・・・俺が受け継ぎますから・・・」そう言い、空は立ち上がる。と、その時・・・

ナギ「空。」

空「あれ?お嬢様。」

ナギ「あまり遅いから、来てやったぞ。」

空「あ・・・すいません。」

ナギ「別にいいがな・・・・母よ。彼が早乙女 空。この三千院ナギの・・・
新しい執事だ。」

空「・・・・・・」

ナギ「これからは、空が私の事をいつまでも守り続けて、支えてくれるらしいから、
星となり、空となって、安心して見守っていてくれ。」

空「お嬢様・・・・」そうして、ナギは空を見る。

ナギ「・・・じゃ、今度はエーゲ海の星でも見に行くか。」

空「・・・はい。お嬢様。」そして、二人は去っていった。



そして、その日の夜での、三千院家。空は、自室でハヤテが言ったことを思い返していた。

空(・・・・・罪の報い・・・・・ハヤテはそれを望んでる・・・・しかも・・・・
それが、自分が闇から抜け出す、最善の方法だと思ってる・・・・・俺も・・・・・・
俺も・・・・報いを受けたがってるのか・・・?だとしたら・・・・・俺は・・・・・)
そんなことを考えながら、空は眠りに付いた。

同時刻・・・・ここは、理事長宅・・・

ハヤテ「・・・理事長・・・本気ですか?」

キリカ「ああ。こんなこと、本気以外では私はやらん。」

ハヤテ「・・・・あの人に許可取らなくていいんですか?こんな無茶苦茶・・・・」

キリカ「心配ない。彼女の許可を得た上でのこの企画だ。」

ハヤテ「いつの間に・・・・」

キリカ「まぁ、お前や詩音にも参加してもらうつもりだが・・・まぁ、詳しいことは
いずれ伝える。」そう言い、キリカは一枚の紙をハヤテに渡し、部屋を出て行った。

ハヤテ「・・・・ふぅ・・・・これ、空にとっては試練かも・・・・」
と、その紙に書かれた内容に目を通すハヤテ。そこには、大きく、こう書かれていた・・・



















            
























 







            第2回 執事バトル大会
              
              開 催 決 定



と・・・・・
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第60話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをいただけると嬉しいです。
それでは。もしかしたら、今日中にもう一話更新するかも。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.10 )
日時: 2009/08/07 16:57
名前: SORA

第61話[第2回フツ話選手権]

表紙:マイク持った3人娘


美希・泉・理沙「第2回!!チキチキ!普通の話選手権!!」

空・陸・海・椿「・・・・・・・・・・え?」

美希「だから〜。」

泉「第2回!!チキチキ!普通の話選手権!」

理沙「だと、言っているではないか。」

空「休みに、学校まで呼びつけてなんの用だと思ったら・・・」

海「そんな、くだらなさMAXの選手権の為だけに俺等を呼び出したんすか?」

美希「くだらないとはなんだ!!」

泉「そうだ!」

理沙「私達、動画研究部にとっては、存続できるかできないかの瀬戸際なのだぞ!」

陸「いや、そんなん、俺等には関係無いじゃないっすか。」

椿「そうですよ。私達ならまだしも、空はそこまで暇じゃないんですから。」

美希「フッ・・・わかってないな、君達は・・・」

空・陸・海・椿「は?」

美希「いいかね?この動画研究部は、6年前の卒業生が作った、伝統の部。」

理沙「つまり。その部を廃部させると言うことは、それ即ち、その先輩達への
冒涜に等しい。」

空「んな、おおげさな・・・」

泉「つまりー、今日は君たち4人をテストしちゃおうって事なんだよねー(はぁと)」

陸「テスト?」

美希「その通り。そのための、第2回フツ話選手権なのだ。」

海「・・・まぁ、なんとなくわかりましたけど・・・何なんすか?その、フツ話選手権って・・・」

美希「ああ。それはな・・・・理沙。」

理沙「ああ・・・・・・・これは、私が小学生くらいの時の話なんだが・・・
私は、学校でとあるさびれた漁村に、臨海合宿に行ったんだ。その漁村はホントに
さびれてて・・・まるで、昭和で時が止まってるんじゃないかって思ったよ・・・
しかも、私達が泊まった民宿には、海に面して、二宮金次郎像が立っててさ・・・
民宿の女将が言うには・・・

「あの像は、子供が夜更かししてないかどうか確かめるために、こちらを振り返るんじゃ。
だから、夜更かししてはいかんぞ・・・・」

・・・・・って言う話らしい。」

椿「あ〜、あるある。」

空「なるほどね〜。そういうよくある話を集めようって事っすか。」

理沙「違う。話はこれから。」

空・陸・海・椿「え?」

理沙「そう言われると、確かめたくなるじゃん?子供って。だから、夜中に何人かの
子供たちと抜け出して、その像を見に行った訳よ。時刻はまさに、丑三つ時・・・
今思っても、止めときゃよかったって思うよ・・・・・・そうして待つこと、十分・・・二十分・・・
夏だっていうのに、妙に肌寒くてさ・・・そして、気づいた時・・・!私達は目を疑った!!」

空・陸・海・椿「!!」

理沙「・・・・・・いつの間にか寝てて・・・朝になっちゃってたんだよね〜・・・」

空・陸・海・椿「・・・・・・・・・・」

海「二宮金次郎像は!?」

理沙「いや〜。皆寝てたから、見損なっちゃって。」

椿「ええ!?10行以上も使っておいて、なに!?そのオチ!!」

美希「と、まぁ、こんなしょうもないオチの話を集めて、皆で無駄な時間を過ごそうという
趣旨で思いついた企画が、このフツ話選手権なのだよ。」

空「いやいやいや!いらないでしょ!!文字通り、ただの時間潰しじゃないっすか!!」

理沙「だが!人間誰しも、そういう無駄な話の一つや二つあるはず!!」

美希「乙女君にもあるんじゃないのかな〜?」

泉「そういう、無駄な話が・・・・」

空「・・・・・これ、俺が少年院にいた頃の話なんすけど・・・」

陸・海・椿「え!?あるの!?」

空「・・・俺がいた少年院って、皆が思ってるような、独房みたいな感じじゃないんすよ。
六畳一間位のスペースの部屋に、二段ベッドが部屋の両端に置いてあって・・・
そんで、後は窓と、脱獄しないように鉄格子。そんな、シンプルな部屋だったんです。
まぁ、その部屋は、結構風当たりが強くて、夜になると、何かが窓をバンバン叩く音が聞こえるんです・・・・
んで、ある日の夜なんですけど、その日はやけに風が強かったんですよ。で、消灯時間になって・・・・
と言っても、俺等はそういうの、全然関係無しに、その日あった事とか話してたんす。
そしたら、また例のあの音が聞こえてきて・・・「いつもより音、でかくね?」みたいな事を
話して・・・よ〜く耳を済ませてみたら・・・・本当にいつもより音が大きいんですよ。」

一同「・・・・・・・・・」

空「で、気になって窓を見てみても、そこには誰が作ったか分からない、
テルテル坊主が一つ、窓と、鉄格子の間にぶら下がってるだけで、後は何もない・・・
それが逆に不気味で・・・俺等、さっさと寝ようと思ったんすよ。けど、音は止まない。
だから眠れない。それで、もう一度、よ〜・・・・く聞いてみたら、その音・・・
テルテル坊主の所から聞こえてくるんです・・・・・・ちょうど、その頃・・・
少年院の間で、奇妙な噂が広まってたんです。」

陸「奇妙な・・・・・」

椿「噂・・・・・」

空「ああ。それが・・・・「444号室のテルテル坊主」って言う・・・
なんの捻りもない噂で・・・で、俺等が入ってた部屋が・・・ちょうど・・・・・・
その、444号室だったんです・・・・」

海「・・・まじで?」

空「ああ・・・・・そんな噂聞かされたら、気になってしょうがないじゃん?
俺、そういうのホント嫌いだし・・・だから、部屋の皆で、そのテルテル坊主を
見に行ったんだよ・・・・ゆっくりと、窓を開けて・・・ゆっくりと、そのテルテル坊主を外す・・・
そしたら・・・・普通のテルテル坊主よりも、重いんですよ・・・・・そして・・・
意を決して・・・そのテルテル坊主を見てみた・・・・!すると・・・・・!!」

一同「!!」












































































































空「・・・・・・綿や紙を丸めた奴じゃなくて、小石やら、ビー玉やらを詰め込んだ
頭の部分が、風で揺れて窓に当たってただけだったんすよ・・・・」

一同「・・・・・・」

ブチッ

陸・海・椿「それがどーしたああああああああ!!」

泉「なにも、起こってねーーーー!!」

空「え?え?」

美希「だがまあ、そういうことだ。」

理沙「流石、乙女君は三千院家の執事だな。筋がいいぞ。」

空「はぁ・・・ありがとうございます・・・」

美希「まぁ、他の方々の話も聞きたいところだが・・・」

理沙「トップバッターの乙女君がこれだとすると・・・」

泉「他の皆もレベル高すぎるかもしれないねー♪」

美希「と、言うわけで・・・・」

理沙「乙女君に免じて、テストは合格!」

泉「それでは・・・・・」

美希・泉・理沙「今日から君達は、動画研究部のメンバーだ!!」

空・陸・海・椿「はいぃ!?」

美希「本来ならば、部活相続に必要なメンバーは5人・・・」

理沙「だが、君達と同じ一年生をすでにゲットしてある。」

泉「だから、君達を入れれば、ちょうど5人なのだ(はぁと)」

空「そんな・・・・」

海「はめられた・・・・」

陸「俺等、なんもしてないのに・・・」

椿「こんなの、ありぃ・・・・?」

美希・泉・理沙「ありだ!!」こうして、空・陸・海・椿の4人は、
半ば強制的に動画研究部のメンバーにさせられてしまった。その帰り・・・・

空「はぁ・・・・」

陸「やられたなぁ〜・・・」

海「あんま面識ないけど、メチャクチャだっていうのはよく分かった。あの先輩達。」

椿「まぁ・・・・やられちゃったもんは、しょうがないよ・・・」
と、そんなテンションで4人が校門まで差し掛かった瞬間・・・

「HEY☆RIKU!!」と、何者かが陸に蹴りを食らわす。

陸「ぐは!」

空「あ!陸!」

「まったく・・・私が外国行ってる間に、随分面白い展開になってるじゃない。」

海「この声・・・」

椿「あなた・・・・まさか・・・・」

陸「いって・・・・いきなり、何すんだよ!絢姉!!」

空「やっぱり・・・・絢音(あやね)さん!?」

絢音「久しぶりね。空に・・・海・・・椿ちゃんに・・・陸。」そう。彼女は、
陸の姉。霧島 絢音である。仕事の都合で外国に行っていたが、帰ってきたのである。

陸「ったく・・・帰ってたんなら、連絡入れろって・・・」

絢音「ごめんごめん。ビックリさせてやろうと思ってさ。」

陸「いや、ビックリもするだろ。いきなり、顔面に蹴りいれられたんじゃ。」

空「久しぶりですね。絢音さん。」

絢音「うん。久しぶり・・・って、空。随分背ぇ、伸びたね。」

空「そうっすか?」

絢音「うん。伸びた伸びた。それに、海も随分ごつくなったし、椿ちゃんはもう・・・」
と、椿の目の前まで移動する絢音。

椿「?」

絢音「・・・・・ふむ・・・・」

椿「あの・・・・」

絢音「・・・上から、86・65・79・・・って所ね。随分、スタイルよくなっちゃって。」

椿「!?////////ひ・・・人のスリーサイズ勝手に判定するのやめてください!!
セクハラですよ!?//////」

絢音「あっはっは。ごめんごめん。でも、あんまり大人っぽくなってたからつい。」

椿「もぉ・・・・/////」

陸「で?今度はいつまでこっちに居んの?」

絢音「あれ?シスコン?」

陸「そんなんじゃねえよ!!」

絢音「な〜んだ。つまんないの。」

陸「・・・で?」

絢音「ん〜・・・結構暇だから・・・今度、日本発つのは、今年の冬かな?」

陸「ふ〜ん。」

空「あ。だったら、兄さんに挨拶したらどうっすか?」

絢音「!!」

空「・・・・あれ?」

陸「はぁ・・・・」

空「え?何?」

海「お前って、ホントに空気読めねえな。」

空「なんで?」

椿「絢音さんと氷牙さん。とっくに別れたって事、忘れたの?」氷牙とは、空の兄で
早乙女組の若頭、早乙女 氷牙のことである。・・・・皆さん、覚えてます?

空「あ。」

絢音「・・・行こうとは思ってるんだけどね〜・・・」

空「はぁ・・・」

絢音「まぁ、いいや。じゃ。私、先に帰るから。遅れんじゃないわよ、陸。」

陸「わかってるよ。」そう言い残し、絢音は帰っていった。

空「・・・・・」そして、屋敷・・・・・

空「ただいま、帰りました。」

ナギ「おー、おかえり・・・・なんか、あったのか?」

空「いえ・・・動画研究部とやらに入部させられまして・・・」

ナギ「え?動研に?」

空「はい。」

ナギ「そうか・・・・ま。いいんじゃないか?」

空「はぁ・・・」

ナギ「そんなことより、さっき理事長から電話が来てな、私とお前。二人そろって
白皇に来いとのことだ。」

空「え?でも、明日日曜日・・・」

ナギ「ああ。それが疑問なのだ・・・」

空「なんなんだ・・・・?」
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第61話終了です。如何だったでしょうか?今回にあった、空のフツ話。これ、
結構ずっと前から、やりたかった話なんですよね〜。・・・・どうでした?
それでは、陸の姉、絢音のプロフィールを。

   [名前]霧島 絢音

[年齢]24歳 [誕生日]11月27日 [身長]174cm [体重]58kg [家族構成]父・弟(陸)

陸の姉。結構有名なデザイナーで、その仕事柄、外国によく出張に行っている。そのため、
あらゆる有名人と知り合いであり、顔も広い。容姿は、かなりの美人。町を歩けば、
男女問わず、振り返るほど。髪と目の色は、陸と同様、明るい茶色。
ちなみに、空の兄である氷牙とは、同級生で、元恋人と言う間柄であった。が、
高校卒業後、氷牙は父親と同様、ヤクザの道へ、絢音はデザイナーとしての道を歩むため、
二人は別れる。が、お互い、今でも引きずっている模様。

こんな感じです。それでは、ここらでひな祭り編以降やってなかった予告を・・・


理事長から学校に呼び出された空とナギ。そこには、自分達だけではなく、

ヒナギクや3人衆と言った、馴染みの顔も会った。

そして、理事長、葛葉キリカによって伝えられる一つの大会の告知。

それは、空にとって大きな試練の一つとなる。

次回、ハヤテのごとく! SKY&WIND 通告。そして、開幕
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.11 )
日時: 2009/08/08 15:39
名前: SORA

第62話[通告。そして、開幕]

表紙:空とハヤテ


理事長から呼び出しを受けたナギと空は、言われた通り、学校まで来た。そこには・・・

空「あれ?ヒナギクさん?」

ヒナギク「空君?それに、ナギも・・・」

ナギ「お前も理事長に呼ばれたのか?」

ヒナギク「お前??も"ってことは・・・あなたたちも?」

空「そうなんですよ。」などと話していると、そこへ・・・・

美希「おや。乙女君。それに、ナギ君にヒナ。」

ヒナギク「あなた達。」

泉「ここにいるってことは、みんなも呼ばれたの?」

理沙「まぁ、なんとなくはおもってたがな。」

空「しかし、理事長も一体、何のようなんですかね?」と、その時・・・・・

・・・・・キィーーーーーーーーン!!
突如、拡声器から高音が鳴り響いてきた。

空「うお!」

ヒナギク「なに!?」と、皆が騒いでいると、拡声器から声が聞こえてきた。

キリカ『あー、あー・・・聞こえているな?生徒諸君。』

ヒナギク「この声・・・・!」

空「理事長!?」

キリカ『よく集まってくれた。今日皆を集めたのは、他でもない・・・空を見てみろ。』
と、言われた通り、集まった人達全員が上を見てみると、なにやらヘリが飛んでいる。

空「ヘリ?」と、次の瞬間、そのヘリから無数にビラがまかれ始めた。

空「なんだ?このビラ。」と、降ってきたビラの一枚を手にとって読む空とナギ。

空「・・・・第2回・・・・」

ナギ「執事バトル大会!?」

ヒナギク「あの人・・・・!また、こんなくだらない事して!!」と、キリカが居るであろう
生徒会室まで走っていくヒナギク。

空「あ!ヒナギクさん!」

ナギ「こら!待て、空!」と、ヒナギクを追う空と、その空を追うナギ。

そして、ここは生徒会室・・・・

ヒナギク「理事長!!」

キリカ「ん?速かったな、桂よ。」

ヒナギク「どういうことですか!?また、こんな事・・・!」

キリカ「別にいいだろう?最近、生徒も教師も暇そうにしていた所だったから、
ちょっとした余興だ。」

ヒナギク「ふざけないでください!こんな事して、あの人が黙ってませんよ!?」

キリカ「何を言っている?この件については、彼女の許可は得ている。」

ヒナギク「そんな・・・!」と、そこに・・・・

空「ヒナギクさん!」

ナギ「ヒナギク・・・空も・・・お前ら、速すぎだ・・・・」遅れて、
空とナギもやってきた。

キリカ「ふむ・・・・これで、役者は揃ったな。」と、再びマイクを手に取るキリカ。
そして、校庭に向かって言う。

キリカ『読んでの通りだ!私は、第2回執事バトル大会の開催を、ここに宣言する!!』

美希「執事バトル大会といえば・・・・」

泉「いつだったか、ハヤ太君が優勝したあれだよね?」

理沙「また、あれをやるのか・・・」

キリカ『開催は明日、午前10時!この学院に在籍する執事達よ!思う存分、闘うがいい!!』

うおおおおおおおお!!
と、校庭にいる執事たちは、嫌が応にも盛り上がる。

キリカ『ちなみに、優勝した暁には、以前と同様、百単位・・・そして・・・・!』

空「・・・そして・・・・?」

キリカ『・・・・現金、5000万円を贈呈する!!』

空「5000万!?・・・・俺の借金の半分・・・・」

ヒナギク「ちょっと、待ってください!5000万は良いとしても・・・!」

空「え!?いいの!?」

ヒナギク「百単位なんて・・・・!そんなふざけた事、許されると思ってるんですか!?」

キリカ「無論だ。」

ヒナギク「そんな・・・・」

キリカ「まぁ、どうしても気に入らないと言うのなら・・・大会に出場して、
優勝でもしてみたらどうだ?」

ヒナギク「その前に、力ずくで止めさせます!正宗!」と、木刀・正宗を呼ぶヒナギク。

キリカ「ふむ・・・・」と、何もしようとはしないキリカ。

ヒナギク「たああああああ!!」と、キリカに向かっていくヒナギク。だが・・・・

ヒュン!

ヒナギク「え?」

バキィ!!
と、どこかから現れた詩音に弾き返されてしまう。

ヒナギク「キャ!」

空「ヒナギクさん!」と、空はヒナギクに駆け寄ろうとするが・・・・

ブオ!

空「え?」走り始めた瞬間、何者かに、投げられる。

ドガァ!!

空「ぐあ!」そのまま、腕を捻られる。

空「いでででででで・・・!」

ナギ「お前・・・・!」

ヒナギク「ハヤテ君!?」そう。空を投げ、尚且つ空の腕を捻っているのはハヤテだった。

空「!・・・ハヤテ・・・お前・・・!」

ハヤテ「・・・・・」

キリカ「ハヤテ。構わん、放してやれ。」

ハヤテ「・・・・・・」その言葉に、無言で空の腕を放すハヤテ。

空「いって・・・・」

ヒナギク「・・・・・」

ナギ「・・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」

キリカ「まぁ、そういうわけだ。早乙女。お前も三千院家の執事なら、
参加するが良い。」

ヒナギク「だめよ!空君、絶対に参加しちゃ・・・」

キリカ「ふむ・・・では、そいつが意地でも参加するようにしてやろう・・・ハヤテ。」

ハヤテ「はい。」

キリカ「軽く相手をしてやれ。」

ハヤテ「・・・・わかりました。」と、空に近寄り始めるハヤテ。

ヒナギク「ハヤテ君・・・・」

ハヤテ「どいてください。ヒナギクさん。」

ヒナギク「・・・・・」と、ヒナギクは意地でもどくつもりはない。が・・・

空「・・・!」空が、ヒナギクの横を走り抜けていく。

ナギ・ヒナギク「空(君)!!」

空「おらあ!」と、空はハヤテに殴りかかる。が、ハヤテはそれを避ける。

ハヤテ「どうしたの?その程度?」

空「うるっせえ!!」と、空は次々に攻撃を加えるが、全て避けられる。

空(くそ!なんで、当たんねえんだ!)と、空が蹴りを出した瞬間・・・

ガシッ

空「な!?」

その脚と肩を掴まれ、そのまま投げられる。

バァン!!

空「がは!」

ヒナギク「空君!」

空「くそ・・・・!?」と、気づけば、空の目の前にはハヤテが居た。

ハヤテ「・・・・・・」ハヤテは、そのまま拳を振り上げ、空に向かって振り下ろす。

ナギ「空!!」

ブオン!!

空「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」ハヤテのパンチは、空の眼前で止まっていた。

空「く・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

ハヤテ「ふぅ・・・・」そして、空から離れるハヤテ。

キリカ「ご苦労だったな。」

ハヤテ「いえ・・・・」と、ハヤテが話していると・・・・・

空「・・・・!」空が立ち上がり、まっすぐハヤテに向かっていった。

キリカ「凄いな。まだやるか。」

空「ハヤテェェェェェェ!!」と、空はハヤテに向けてパンチを繰り出す。が、
それも避けられ、ハヤテに抱えられる。

空「な!」

ハヤテ「・・・・・」と、キリカの方を見るハヤテ

キリカ「ふむ・・・・いいぞ。やれ。」

ハヤテ「・・・・」その言葉に黙って頷くと、そのままテラスに向かって走り出すハヤテ。

空「おい・・・・何する気だ、お前・・・!」

ハヤテ「・・・・・・」

空「冗談キツイって・・・・なぁ・・・・!」

ハヤテ「・・・・・」

空「ちょ・・・マジで・・・・・!!」と、次の瞬間、ハヤテはテラスから跳んでいた。
それも、空を地面に叩き付ける様な体勢で。

空(おい・・・!ちょっと待てよ・・・・・!こっから地面まで、何十メートルあると思ってんだ!?)

ナギ「空!!」

ヒナギク「・・・・・・!!」

美希「おい・・・あれ・・・!」

理沙「乙女君と・・・・!」

泉「ハヤ太・・・・君・・・・?」

空「う・・・・・おおおおおおおおおおおお!!」そのまま、地面まで真っ逆さまに
落ちていくハヤテと空。

そして・・・・・・

ドォン!!

空「う・・・・・あ・・・・・は・・・・・」

ハヤテ「・・・・・」空の体は、地面の数センチ上で止まっていた。そのまま、
空を下ろすハヤテ。

空「は・・・・は・・・ぁ・・・・う・・・・」一歩間違えば死んでいた。
そんな考えが、空の思考を支配していた。何をしようとしても、恐怖による震えで、
空の身体は一切動かない。

空(・・・あれが・・・・あれが・・・・死ぬかもしれないっていう・・・感覚・・・・
・・・・・やべぇ・・・・・全身が震えて・・・・止まらねぇ・・・・・)

ハヤテ「・・・・空。」

空「・・・・・・?」

ハヤテ「・・・・・大会は明日・・・・・楽しみにしてる。」そう言い残し、
ハヤテは去っていった。

空「はぁ・・・・は・・・・ふ・・・・・」やがて、ナギとヒナギクがやってきた。

ナギ「空!!」

ヒナギク「空君!!」

ナギ「空!大丈夫か!?しっかりしろ!」

空「・・・は・・・・・お嬢・・・様・・・・・?」

ヒナギク「空君・・・・・・」

空「は・・・・・はは・・・・・」

ナギ・ヒナギク「え?」

空「あはは・・・・やべぇ・・・・あれが・・・・死ぬって・・・感じ・・・はは・・・」

ナギ「空・・・お前、大丈夫か?」

空「大丈夫ですよ・・・・ただ・・・・」

ヒナギク「ただ・・・・?」

空「・・・・やっぱ・・・・死ぬって怖いっすね・・・・身体中が震えて・・・・
止まんないっすもん・・・・」

ナギ「・・・・・・・」

そうして、その日空は、ナギがマリアに頼んで、休ませてもらった。


そして、翌日・・・・・・

キリカ『・・・・・それでは、これより・・・・・第2回!!執事バトル大会を始める!!』

うおおおおおおおおおおおおお!!

会場の熱気は早くも、最高潮である。

キリカ『それでは、今大会のルールを説明する・・・・まず・・・・

この大会は、A、Bの二つのブロックに別れて行われる、トーナメント形式だ。
Aブロックの優勝者、Bブロックの優勝者が最後に争い、そして、その勝者が優勝。
賞品をゲットできる・・・だが・・・その他にも特権がある・・・・』

ナギ「特権・・・・・?」

キリカ『優勝した者には、私の執事である、暮里 詩音。もしくは・・・・』
と、キリカの横にハヤテが来る。

キリカ『この、綾崎ハヤテ。この二人、どちらかへの挑戦権を与える!!』

ワタル「な!・・・・ハヤテ・・・・?」言い忘れていたが、この会場には
観客ということで、ワタルや伊澄もいる。

伊澄「ハヤテ様・・・・・」

空「・・・・・へぇ・・・・・」と、不敵な笑みを浮かべる空。

キリカ『それでは、ルール説明といこう。ルールはいたって簡単。
前回と同じように、相手が負けを認めるか、ネクタイを取られたらその時点で終了。
また、一流の執事の戦いならば、相手を場外へぶっ飛ばしてしまうこともあるだろう。
その事も踏まえ、場外による負けは無し。以上だ。それでは、抽選を始める。
各執事は、リング上にある箱の中からくじを引け。』
その言葉に、参加する執事達が、次々とくじを引いていく。

今回も、ヒナギクは花菱家の臨時執事ということで参加している。今回は、
ちゃんと瀬川家執事、虎鉄も居るようだ。理沙はまたしても、柏木に頼んでいる。
そして、百単位が欲しい。という理由から、海が椿の家の臨時執事として。
5000万円が欲しい。という理由から、日向が陸の家の臨時執事となった。


そして、くじの結果はこうなった。


Aブロック


花菱家臨時執事 桂 ヒナギク

田神家執事 阿久津 弘毅

東雲家執事 東雲 拓海

櫻井家臨時執事 水無月 海

あと、雑魚執事達が数名。


Bブロック

瀬川家執事 瀬川 虎鉄

朝風家臨時執事 柏木

霧島家臨時執事 九条 日向

三千院家執事 早乙女 空

あと、雑魚執事達が数名。

以上の結果となった。

ちなみに、レフェリーは雪路。


キリカ『よし・・・それでは!!まず、Aブロック第一回戦、第一試合!
花菱家臨時執事、桂 ヒナギク対雑魚執事Aの試合を始める!』

おおおおおおおおおお!!

試合結果・・・・・

試合開始の前に、相手が降参し、ヒナギクの不戦勝。

それからの一回戦の試合結果・・・・・

○阿久津 雑魚●必殺技で一撃

○拓海  雑魚●ネクタイ奪取

○海   雑魚●顎に蹴りで一撃

Bブロック

○柏木  雑魚●脅し

○虎鉄  雑魚●力押しで勝利

○日向  雑魚●ネクタイ奪取

そんな感じで終わっていき、第一回戦、最終試合・・・

雪路「んじゃ、始めるわよ。三千院家執事、早乙女空対雑魚執事H!始め!」

雑魚「一気に終わらせてやる!」と、空に向かって突っ込む雑魚執事。が・・・・

空「・・・・・・」

ゴキィ!!
突っ込んでいったまでは良いが、その瞬間、顎に空の蹴りが炸裂した。

雑魚「ぐえ!」が、それでは終わらず、空の怒涛の追撃が始まる。

空「・・・・おらあ!!」顎、腹に立て続けにパンチを浴びせ、
そしてとどめに、顔面に跳び膝蹴りを食らわせ、空のKO勝利となった。

海「・・・容赦ねぇな〜・・・・」ほとんどの人間がそう思っていたが、
ナギだけは違った。

ナギ(・・・・なんだ?・・・・この違和感・・・・あいつ・・・・空だけど・・・
空じゃない・・・・・)

空「・・・・・・・次。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
62話終了。如何だったでしょうか?執事バトル大会開幕です。この展開、
ほんとにもう、やりたくてしょうがなかったです。ええ。それじゃ、予告の方・・・・


ついに開幕した、第2回執事バトル大会。

この大会での一つの目標のために、ただひたすら勝ち進んでいく空。

そして、たどり着いた決勝。そこで空は、この大会に出場した理由を明かす!

次回!ハヤテのごとく! SKY&WIND 進む理由(わけ)
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.12 )
日時: 2009/08/08 17:05
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!
この更新スピードは・・・
僕の小説からみると、赤い彗星に感じます。
僕も見習わないといけませんね・・・

さて、色々と謎を含みつつ始まりましたね、バトル大会!!!
みんな思い思いの理由で出場していますが、
出場する以上どこかで戦わなければならないという事で・・・
そして前回ハヤテにコテンパンにやられた空でしたが・・・
ナギが感じた違和感とは一体・・・?
次回が楽しみです!!!

それではまた!!!

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.13 )
日時: 2009/08/09 15:58
名前: SORA

師匠!コメをありがとうございます!「この更新スピードを見習わないと」・・・と、
言っていましたが、別に気にする必要はないと思います。このスピードの理由は、
今学校が夏休みで、ただ単にやることなくて暇なだけですから・・・・・・・・ま。
そんなことはさておき、第63話。どうぞお楽しみください。
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第63話[進む理由(わけ)]

こうして、ヒナギク、阿久津、拓海、海、虎鉄、柏木、日向、空の8人は、
難なく一回戦を突破した。そして、Aブロック準決勝、第一試合。

雪路「え〜・・・赤コーナー!花菱家臨時執事!桂 ヒナギク!」と、雪路のコールで、ヒナギクが入場してくる。
その瞬間、会場からは、「え?ザ・ロ○クでも入場してきたの?」ってくらいの
爆発的な歓声が上がった。

雪路「んで・・・青コーナー!東雲家執事!東雲 拓海!」その瞬間、会場からは、それなりの
歓声が上がった。

拓海「悪いけど、俺はさっさと決勝終わらせて、早乙女と戦りたいからな。
速攻で行かせてもらうぜ?先輩。」と、構える拓海。

ヒナギク「その意気はいいけど・・・・隙だらけよ。」

拓海「え?」と、拓海が気づいたときには、すでにネクタイは奪われていた。

ヒナギク「残念でした。」

拓海「いつの間に!?」

東雲「はぁ・・・・だから、油断すんなっつったろ、あのバカ・・・・」と、呆れ顔の
兄兼主の東雲 和也。

雪路「え〜・・・勝者。ウチの妹〜。」

続いて、Aブロック準決勝、第2試合。

雪路「赤コーナー!田神家執事!阿久津 弘毅!
青コーナー!櫻井家臨時執事!水無月 海!」

阿久津「ま。気楽にやろうや、一年坊。」

海「あんまし、ナメねーでもらえません?」

阿久津「ていうか、お前は素手でいいのか?」そう。阿久津は竹刀を持っているが、
海は何も持たない、素手の状態である。ちなみに、日向と空もそう。

海「俺は、武器持つよか、素手の方が性に合ってるんすよ。」

阿久津「ふ〜ん・・・ま、そういうことなら別にいいが・・・」

海「んじゃ・・・・・行きますか。」と、いつもの軽い感じから、急にマジな雰囲気になった海は、
目にも留まらぬ速さでネクタイを奪いにかかる。

阿久津「な!?」

海「もらい!」

阿久津「させるか!」と、ネクタイを奪いに来た海の手をはたき落とし、そのまま距離をとる阿久津。

海「ちぇっ。惜しい。」

空「へ〜。それなりに速くなってるじゃん。海の奴。」

椿「海!しっかり頑張りなさいよ!?」

海「おー!任せとけ、椿!」と、椿の方を見た瞬間・・・

阿久津「牙突!!」と、竹刀による高速の突きが、海の胴に炸裂する。

海「ぐは!」

空「あ。」

椿「海!」

阿久津「一瞬たりとも、気ぃ抜くな。そうなるから。」

海「げほ!・・・かぁ〜・・・いって・・・」そう言いながら、立ち上がる海。

阿久津「へぇ〜。普通の奴なら、あれで一発KOなんだが。」

海「伊達や酔狂でガキの頃から喧嘩ばっかしてねぇっての。」

阿久津「タフだな。お前みたいな奴は嫌いじゃない。」

海「どうでもいいけど、あんなチマチマした攻撃じゃ、俺は倒れねえぞ?」

阿久津「俺に必殺技出させて、その隙突こうって腹か?」

海「う・・・・」

阿久津「・・・・わかりやすいな、お前。」

海「・・・うるせ。」

阿久津「ま。でも、ここまでタンカ切ってきた奴は初めて見た。その意気に免じて・・・」
と、構えを取る阿久津。

海「・・・・?」

阿久津「見せてやるよ・・・・俺の必殺技をな・・・」

海「・・・・・・・」

阿久津「国士無双!!」と、阿久津が地面に向かって振り下ろした瞬間、
赤黒い波動が、海に向かって一直線に地を走っていった。

海「い!」

ドギャアアアン!!

海「ぐおあ!!」

空・椿「海!!」

阿久津「・・・・終わりだ。」煙が晴れると、そこには海が倒れていた。

海「・・・・・・」

阿久津「正式な執事でないにしろ、ここまでやったことは誉めてやる。あとはゆっくり・・・」
そこまで言った瞬間・・・

海「・・・・いってぇ〜〜〜!!」

阿久津「!?」

空「おお・・・・・」

椿「海・・・・」

阿久津「国士無双をまともに食らって・・・まだ立つだと・・・?」

海「まともじゃねえよ・・・」

阿久津「なに?」

海「意外と素直な軌道だったぜ?あんたの技。おかげで道筋が読めたから直撃は避けられた。
でも・・・・意外と効くな。直撃じゃなくても。」

阿久津「・・・フッ・・・」

海「さーて・・・今度はこっちの番・・・!」と、海が突っ込む。が・・・・

阿久津「・・・・!」

シュン!・・・
阿久津が突っ込んできた海に向かって、竹刀を振り抜く。そして、次の瞬間・・・

海「・・・く・・・・そ・・・」

ドサッ・・・・・
海が倒れ、そして、阿久津は海のネクタイを奪う。

雪路「・・・・・あ。勝者!阿久津 弘毅!」

椿「・・・なに・・・?今、何が起こったの・・・?」

海「今のも・・・なんかの技かよ・・・?」

阿久津「・・・・今のは、ただの居合い切りだ。」

海「うそ・・・ただの居合いに俺、負けたの・・・?」

阿久津「まぁ、でも・・・」阿久津は海に手を差し伸べる。

海「?」

阿久津「いい勝負だったぜ。水無月。」

海「・・・・・海でいいっすよ。」そして、海もその手を握る。

おおおおおおおおおおお!!
その瞬間、会場からは大きな声援が上がった。

キリカ「フッ・・・・」その様子を、微笑みながら見るキリカ。

ハヤテ「・・・・あの、理事長・・・・」

キリカ「ん?」

ハヤテ「どうして・・・・この大会を開こうと思ったんですか?」

キリカ「・・・・あの、早乙女 空とやらがいるだろう。」

ハヤテ「はぁ・・・・」

キリカ「奴はまだ、自分以外の執事というものを知らん。」

ハヤテ「つまり・・・・これは、空のためだけに・・・?」

キリカ「まぁ、平たく言えばそういうことだ。」

ハヤテ「・・・・・・」

キリカ「それと。」

ハヤテ「?」

キリカ「お前のためでもある。」

ハヤテ「僕の?」

キリカ「ああ。」

ハヤテ「・・・・どういうことですか?」

キリカ「闘ってみたかったのだろう?早乙女と。」

ハヤテ「!・・・・・・はい。」

キリカ「そういうことだ。」そうして、リングの方へ視線を戻すキリカとハヤテ。

雪路「え〜・・・それでは、これより!Bブロック準決勝、第一試合を始めます!」

おおおおおおおおおおお!!

雪路「赤コーナー!朝風家臨時執事!柏木!」それなりの歓声。

雪路「青コーナー!霧島家臨時執事!九条 日向!」と、日向が入場してきた瞬間・・・・

キャアアアアアアアアアアアアアアアア!!

と、女性客から、黄色い声援が上がった。

柏木「へっ。モテるじゃないのよ、ガキんちょ。」

日向「は?なんだそれ?いつの言葉だよ、ガキんちょって。死ねばいいのに。」
と、吐き捨てる日向。

柏木「!!」

日向「どうした?ムカついたか?なら、かかって来いよ。ヤクザ者。」

柏木「上等だ、コラァ!!」と、ノーガードで突っ込んでいく柏木。だが、
この判断が仇となる・・・

日向「・・・・・!」

ドゴォ!!
柏木のパンチを避け、腹に膝蹴りを叩き込む日向。

柏木「げは!」ダッシュで勢いのついていた柏木の体は、若干前に傾いていたため、
その勢いもプラスした日向の膝蹴りの威力は、並大抵ではなかった。
そして、その隙を突き、後頭部に肘を落として気絶させる日向。

雪路「勝者!九条 日向!」

キャアアアアアアアアアアアアア!!
再び黄色い声援。

空「これで、Bブロックでの決勝は日向か・・・」

ナギ「・・・空。あと、一回あるってことを忘れてないか?」

空「え?あぁ、そうでしたね。」

ナギ「・・・・・・(やっぱり、なにかがおかしい・・・・)」と、いつもの空とは
違うと、直感で確信しているナギ。

そして・・・・・・

雪路「それでは!Bブロック準決勝を始めます!赤コーナー!三千院家執事!
早乙女 空!」
と、そのコールで空が入場してくる。その瞬間、ヒナギクに負けず劣らずの、
会場が割れんばかりの歓声が鳴り響いた。意外と、男女問わず空は人気者なのである。

雪路「青コーナー!瀬川家執事!瀬川 虎鉄!」と、虎鉄が入場してきた瞬間・・・・

Buuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!!
と、今までの歓声とは裏腹に、会場が一体となってのブーイングが巻き起こった。

虎鉄「ちょっと待て!なぜ、私の時だけこれほどまでにブーイングが!?」

空「それほど、お前が嫌われてるってことだろ?」

虎鉄「ぐっ・・・・・それよりも、貴様、三千院家の執事らしいな。」

空「あ?なに?今更。」

虎鉄「・・・・・・・・」

空「なんだよ?」

虎鉄「・・・・絶対に、綾崎は渡さん!!」

空「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

虎鉄「綾崎は俺の嫁だ!貴様のような、軟弱極まりない白髪野郎には、
綾崎はふさわしくない!綾崎にふさわしいのは、この私だあぁぁぁぁぁぁ!!」
と、勝手に吠える変態、虎鉄。やはり、兄妹揃って変態なのか・・・

泉「私、変態じゃないよ!!」

美希「どうした?泉。」

理沙「頭でも打ったのか?」

泉「ほえ?いや、なんか、失礼なこと言われた気が・・・・」
と、まぁ、そんなことを言っている3人娘はほっといて・・・・

美希・泉・理沙「ほっとくな!!」

・・・・・・・まぁ、虎鉄の叫びを聞いた空は・・・・・

空(・・・・・・ダメだ、こいつ。)呆れ果てていた。

虎鉄「行くぞ!白髪!!」と、一気に突っ込む虎鉄。だが・・・・

空「・・・・お前に一個教えてやる。」

ゴッ!

虎鉄「・・・・・・あれ?」

ドサッ
首に空の回し蹴りがクリティカルヒットし、あっけなく気絶する虎鉄。

観客「・・・・・・・・・・・・」

し〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・・・・

空「・・・・俺の髪の色は、白じゃなくて白銀だ。覚えとけ、バカ。」

雪路「・・・・・勝者。早乙女 空。」雪路の実況にもやる気が感じられない。

キリカ「これで、一通りは終了か・・・」そう言うと、キリカはマイクを手に立ち上がる。

キリカ『決勝まで残った諸君!よくぞ、ここまで闘った!決勝をフルで闘ってもらうため、
これより、十分間の休憩を取る!各自、しっかりと体を休めておくように!』
そう言い、キリカのスピーチは終わった。

・・・・・所変わって、ここは会場の外。そこのベンチの近くに、空とナギはいた。

空「・・・・・あとは、日向に勝って、ヒナギクさんに勝てば優勝ですね・・・」

ナギ「・・・そうだな・・・」

空「賞金は5000万かぁ〜・・・そうすれば、借金半分返済できますね。」と、
ナギに向かって、二カッと、笑いかける空。だが・・・・

ナギ「なぁ、空・・・」

空「はい?」

ナギ「お前、何か隠してることとかないか?」

空「隠してること・・・・?」と、顎に手を添えて考える空。

ナギ「・・・・・・」

空「・・・・いえ。特に何も・・・・けど、どうしたんですか?急に。」

ナギ「・・・いや、無いんならいいんだ。」

空「はぁ・・・・・」

ナギ「・・・決勝も頑張れよ。」

空「え?」

ナギ「お前が、カッコよく優勝するところを、私に見せてくれ!」

空「・・・・はい!」と、空が気合を入れたところで・・・・

キリカ『まもなく、時間だ。勝ち残った選手は、速やかに会場に戻るがよい。』

空「お。・・・んじゃ、行きましょうか。」

ナギ「うむ。」そうして、会場に戻る二人。

雪路「それじゃ・・・Aブロック決勝戦!!桂 ヒナギク対阿久津 弘毅!始め!!」

ヒナギク「お手柔らかにね、阿久津君。」

阿久津「・・・努力するよ。」ちなみに、この二人はクラスは違うが、同級生である。

ヒナギク「はああああ!!」

阿久津「ふっ!」

カン!
と、二人の竹刀がぶつかり合う。

ヒナギク「やあ!」

阿久津「らあ!」体格も腕力も違う二人だが、ヒナギクの剣道に関するセンスは
かなりの物であるため、パワーの差を、スピードやテクニックで補っている。

一進一退の激しい攻防。どちらもほぼ互角の実力である。と、ここで、阿久津が距離をとる。

ヒナギク(!まさか、あれ・・・?)と、国士無双が来るかと思い、
身構えるヒナギク。

阿久津「フッ・・・甘ぇ・・・・!」と、その瞬間、急に間合いを詰める阿久津。

ヒナギク「え!?」

阿久津「牙突・大牙!」と、勢いをつけ、威力を増した突きを繰り出す阿久津。

ヒナギク「キャ!」が、ヒナギクはそれを竹刀でガードする。

阿久津「チッ・・・・」

ヒナギク「危なかった・・・・」

阿久津「・・・・・」

ヒナギク「・・・・」そのまま、二人は間合いを取り合う。

阿久津「・・・・・・」

ヒナギク「・・・・・」数分間の睨み合いの末、先に動いたのは・・・・・

阿久津「・・・・・・・国士無双!!」阿久津だった。阿久津の竹刀から放たれた
波動が、ヒナギクに向かって飛んでいく。

ヒナギク「!!」が、ヒナギクはそれをギリギリでかわす。が・・・・

阿久津「もらった!」と、その瞬間には、阿久津は目の前まで来ており、
手はヒナギクのネクタイに迫っていた。

ヒナギク「まだまだね!」と、ヒナギクは自分の重心をずらし、
姿勢を崩してそれを回避する。

阿久津「しまっ・・・!」

ヒナギク「これで終わりよ!」と、ヒナギクは阿久津のネクタイに手を伸ばし、そして・・・!

バッ
それを奪う。

雪路「そこまで!勝者!桂 ヒナギク!」

わああああああああああああああああ!!

阿久津「・・・・ふぅ・・・・」と、阿久津がため息を付いていると、
ヒナギクは阿久津に歩み寄る。

ヒナギク「いい勝負だったわ。」と、阿久津に握手を求めるヒナギク。

阿久津「・・・・決勝。がんばれよ。」と、それに応じる阿久津。その瞬間・・・

会場中の男子一同(あの野郎!さりげなく、桂さんと握手なんかしやがって!!)
と、嫉妬オーラ全開のモテないチェリー共の殺気に気づいた阿久津は、

阿久津「・・・・国士無双。」と、会場の一部の、男子が密集している所に向かって、
国士無双を放つ。それは、殺気を放っている男子達に見事に直撃した。

ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

阿久津「ふー。すっきり。」そう言い、阿久津はリングを下りた。

ヒナギク「・・・・・」ヒナギクは、その様子を苦笑しながら見ていた。

そして、次はこの二人・・・・・魔王と夜叉の対決である。

雪路「それでは!Bブロック決勝戦!!九条 日向対早乙女 空!始め!!」

空「・・・まさか、こんな形でお前ともう一度やることになるとはな・・・」

日向「俺はずっと待ってたぜ。お前ともっかい闘うのをな・・・」

空「・・・じゃ、さっさと始めますか。」

日向「だな。」

空「・・・・・・・」

日向「・・・・・・・」しばしの睨みあい・・・・

この二人は直感で理解していた。この勝負は、長く続かない・・・一瞬の攻防で決まると・・・・

空「・・・・・・・」

日向「・・・・・・・」二人が動いたのは、ほぼ同時だった。

空・日向「おぉらあ!!」

・・・・・・・・・・・・・・

会場が静寂に包まれる・・・・・・

空「・・・・・・・・」

日向「・・・・・・・・」

空「・・・・・・・・・・・俺の勝ちだ。日向。」空の手には、日向のネクタイが
握られていた。

日向「・・・・くそ・・・・」と、日向はその場に膝をつく。

空「危なかったぜ。昔に比べて随分、速くなってたからな。」

日向「けど・・・・・はぁ〜〜〜・・・これで、二敗目か〜・・・」

空「気にすんなよ。今回はルールがルールなんだ。」

日向「・・・・・・ま。別にいいけどな・・・・」

空「でも、安心しろ。」

日向「なにが?」

空「お前からの再戦(リターンマッチ)は、最優先で受けて立つからよ。」

日向「・・・へっ・・・決勝。負けんじゃねぇぞ。」

空「わかってるよ。」

こうして、決勝戦は、桂 ヒナギク対早乙女 空に決定した。

数分後・・・・・
会場が真っ暗になり、リング上にいる雪路にスポットライトが当たる。

雪路「・・・この試合は、時間無制限、一本勝負・・・・・
第2回!執事バトル大会の優勝を賭けた一戦よ!!」

うおおおおおおおおおおおおおおおお!!
と、会場が熱狂に包まれた直後、ヒナギクのキャラソン、
「Powor of flower」が流れはじめ、その瞬間、会場から爆発的な歓声が上がった。

雪路「赤コーナー!花菱家臨時執事!桂 ヒナギク!!」

ヒナギク「はい!」そう言い、リングに立つヒナギクの顔には、いつも以上の凛々しさが伺える。

そして、ヒナギクの入場が終わり、しばらくすると、某外国プロレス団体の顔とも言える
スーパースターの入場曲が聞こえてきた。

ナギ「なんだ?この軽快なラップは。」

日向「・・・・あいつ、音楽のセンスあるな〜・・・」

陸「ま。小学校の頃の夢はミュージシャンだったらしいからな。」
そうしている内に、入場ゲート付近に空の姿が見えた。

空「・・・・・・・・」空は、熱狂する場内を見回すと、ナギの方を向く。

ナギ「・・・・?」

空「・・・・・・・」そして、前方に視線を戻すと、ナギや観客達に敬意をこめて、
軍隊や、海兵隊なんかがやるように、敬礼をし、リングに向かって走っていく。

ヒナギク「空君・・・・・」空は、リングに到達すると、もう一度場内を見回す。

空「・・・・・・・・」その時の空は、こう思っていた。

空(・・・・最っ高の雰囲気だ・・・・)と。そして、ヒナギクへと視線を移す。

ヒナギク「・・・・・・」

空「・・・・・・・」そして、入場曲も鳴り止み、今度はキリカの言葉が入る。

キリカ『桂 ヒナギク・・・・早乙女 空・・・・二人とも、よくここまで闘った。
この試合に勝った者が優勝。賞品を手にし、詩音もしくは、ハヤテへの挑戦権を得る。』

ヒナギク「理事長。」

キリカ『?』

ヒナギク「この大会・・・あなたがどのような意図でこの大会を開催したのか、
それはわかりかねますが・・・・ですが。あなたのやり方は気に入りません!こんなの、
生徒達にとっては、時間の無駄です。ですから・・・私と約束してください。」

キリカ『・・・・言ってみろ。』

ヒナギク「私が優勝して、あなたの執事である綾崎ハヤテに勝った場合・・・
金輪際、こんなふざけたイベントは開かないと!」

空「!」その言葉に、反応する空。

キリカ『ほう・・・・』

ヒナギク「この学校はあなたの物ではありません!この学院に通う生徒、皆の物です!
あなたのわがままで、その生徒達をないがしろにする事は、この私が許しません!」

キリカ『・・・・・・』

ヒナギク「会場の皆さん!私は、今度こそ理事長を倒します!」

観客「・・・・・・」

ヒナギク「そして、二度と、こんな馬鹿げた事は起こさないよう、この学院を根本から
改革します!」

空「・・・・・」

ヒナギク「皆さん!私に力を貸してください!!」と、竹刀を頭上高く上げるヒナギク。
その瞬間、会場は割れんばかりのヒナギクコールに包まれた。

が、そんな中・・・・・・・

パァン!
誰かの手を叩く音が聞こえた。その音に、会場は一気に静かになった。
その音は、やがて間隔が短くなっていき、拍手になっていた。その音の発信源は、
ヒナギクの目の前・・・・空から出ていた。

ヒナギク「・・・・空君・・・・・?」

空「いやいやいや・・・・名演説、ご苦労様です、ヒナギクさん。」と、拍手をしながら言う空。

ヒナギク「・・・・?」

空「流石は、元生徒会長・・・・演説(はなし)が上手い。」と、拍手を止める。

ヒナギク「何が言いたいの・・・?」

空「今の話聞く限りじゃ・・・・俺が負けるのが前提になってましたけど?」

ヒナギク「!それは・・・・」

空「ナメられたもんすね〜・・・俺も。・・・・言っときますけど。」

ヒナギク「?」

空「この試合に勝って、ハヤテと戦うのはあんたじゃない・・・・この俺だ。」

ヒナギク「どういうこと?」

空「なに・・・・簡単なことですよ・・・・」と、次の瞬間には、空はヒナギクの目の前に移動していた。

ヒナギク「え!?」そして・・・・・

シュル・・・・・・
躊躇無く、ヒナギクのネクタイを奪い、それを投げ捨てる。そして、理事長やハヤテがいる
場所に指を指して言う。

空「下りて来いよ、ハヤテ。でもって、俺と闘え。」

ヒナギク「え?」

ナギ「な・・・!」

ハヤテ「・・・・・」そう言われたハヤテは、ただ驚いている。

空「賞金なんざ関係ねぇ。俺はただ、お前と戦うためだけにこの大会に参加したんだ。」

ナギ「!・・・・そうか・・・・そういうことか・・・・!」

海「あ?なにが?」

ナギ(これだったんだ・・・!空に感じてた違和感は・・・空は、日向との試合以外は、
何一つ興味がなさそうだった・・・心がそこに無い・・・・ハヤテしか見てなかった・・・
だから、空だけど、空って感じがしなかったのか・・・)

空「さぁ・・・・・来いよ。」再び促す空。

ハヤテ「・・・・・クスッ。」その言葉にハヤテは微笑むと、一瞬でリング上に移動する。

空「・・・・・」

ハヤテ「・・・・空。僕も君と闘いたいって思ってたところだった・・・」

空「へぇ・・・・そいつぁ、好都合だな。」

ハヤテ「僕は、君を評価してる・・・・他の誰よりも・・・」

空「光栄だね。」

ハヤテ「・・・・言っておくけど・・・・」と、パキポキと指を鳴らすハヤテ。

空「・・・・・?」

ハヤテ「容赦しないよ。」そして、空を睨む。

空「・・・く・・・ん〜・・・・はぁ・・・・・」と、大きく伸びをする空。そして・・・

空「・・・・・・・行くぞ。」ハヤテに向かって歩き出す。ちなみに、ヒナギクは場外に移動済み。

ハヤテ「・・・・・」

空「・・・・ふん!」と、ハヤテの顔を狙って、左のパンチを繰り出す。が、
ハヤテはそれを右手で受け止め、左手で空の腹を殴る。

ドゴォ!

空「ぐお!・・・・・・」と、腹を押さえ、ハヤテを見る空。その瞬間・・・

ハヤテ「ふっ!」

バキィ!!
ハヤテの右のパンチが、空の頭に直撃する。

空「う゛ん!!」そのまま倒れる空。だが、それでは終わらず、ハヤテは空を引き起こし・・・

ズパァン!!
空に鋭い蹴りを叩き込む。

空「げほ!・・・は・・・ぅ〜・・・・」
蹴りを食らった空は、そのまま転がる。そして、もう一度ハヤテを見る。

ハヤテ「・・・・・・」ハヤテは、鋭い目つきで空を見据えている。

空「・・・ふぅ・・・」と、空は服に付いた埃を払うと、笑顔になり、そして・・・

空「・・・・おぉらっ!」と、ハヤテに向かって走り、そのままジャンプし、右腕を振り上げる。

ハヤテ「・・・・・!」ハヤテも、それを迎え撃とうと、右腕を引く。
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第63話終了です。如何でしたか?何かあれば、コメをいただけると嬉しいです。
それでは、予告を・・・・・

全ては、ハヤテと闘うため・・・その思いで勝ち上がってきた空は、

ついにハヤテと激突する。だが、

自分とは違う強さを持つハヤテに、圧倒される空。そして、

そのハヤテの姿を見たナギとヒナギクは・・・・

次回、ハヤテのごとく! SKY&WIND 非情
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ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.14 )
日時: 2009/08/10 10:47
名前: ゆーじ


こんにちは、初めましてです!

自分、ワタル以上にへタレな者で人様の小説は感想はあまり書けなかったんですけど、勇気を出して書いてみました。

結構前から読ませていただいてたのですが、とても面白い!ここに来る時に自分の小説に感想とかがないかと見る次にこの作品の更新がされてるかというのが楽しみになっています!感想がついてなくて、ちょっと残念になってる時にこの作品が更新されてると『お!ある!』って感じになって、さっきまでの残念が一気に吹き飛ぶくらいです!

空とハヤテがいい感じに絡んでて、しかもクビになっていてもハヤテが物語に絡んでくる所がとても好きです!

ハヤテをクビにしたからワタルとヒナギクの関係がギクシャクしてるとあったとき、ハヤテは愛されてるなと思いました。原作のベガスでハヤテに電話したのも不幸だからという意味での信頼だったのでしょうかね。

アニメの執事バトルは『えー・・何これぇ〜』みたいな感じだったんですけど、これの執事バトルだと『よし!!来た!!やべえ!!』って感じでした(笑)

ハヤテにはアテネと再度再会して、心の闇を晴らしてもらいたいです。そしてハヤテに対するナギの動きというのも期待したいです!

これからも楽しみに応援してます!頑張って下さい!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.15 )
日時: 2009/08/10 16:34
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!

執事バトル、やはり空とハヤテの対決になりましたね。
そしてどうなるのでしょうか・・・?
今のところハヤテの方が押しているようですが・・・?
今後の展開が楽しみです!!!
個人的には必殺技が「国士無双」だったのに吹きました(笑)
他の皆の試合もしっかりできていてよかったと思います!
今後も頑張ってください!

それでは!!!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.16 )
日時: 2009/08/12 16:49
名前: SORA

初めまして!ゆーじさん!それと、どうもです!師匠!お二人ともコメをありがとうございます!
ゆーじさん!結構前から読んでくれていたとは・・・それだけで十分、嬉しいです!
ありがとうございます!師匠も、ゆーじさんも、執事バトルの展開を、
楽しんで頂けたようでよかったです!お二人とも、これからもよろしくお願いします!
それでは!第64話も、どうぞお楽しみください!
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第64話[非情]

表紙:険しい目つきで何かを睨んでいるハヤテ


空「おぉらっ!」

ハヤテ「・・・・!」攻め入る空と、迎え撃つハヤテ。空はジャンプして右腕を振り上げ、
ハヤテはそれに合わせて右腕を後ろに引いている。行動としては空の方が速かったが、
ハヤテはすでに一流の執事の仲間入りを果たしているため・・・・

ドゴォ!!
ハヤテのカウンターが空の腹に直撃する。

空「ぐぅ!!」吹っ飛ばされた空は、そのまま空中で体勢を立て直し、
着地と同時にハヤテに突っ込む。

空「おおおおお!!」そして、ハヤテに向かって、素早い連続攻撃を繰り出すが、
ハヤテはそれを難なくかわしつづける。

空(くそ!くそ!くそ!なんで・・・なんで、一発も当たんねえんだ!)そして、
空が蹴りを出した瞬間、ハヤテは空の背後に移動。脚の間に手を入れ、腕を掴むと・・・

ハヤテ「・・・おおおおらぁ!」

バァン!
そのまま地面に思いっきり叩きつける。

空「ぐあ!・・・・く・・・・」と、地面に手を着き、空がハヤテを見上げた瞬間・・・・

ゴシャア!!
と、ハヤテに顔面を蹴り飛ばされる。

空「!!」そのまま、空は地面を転がる。

ハヤテ「・・・・・」

空「・・・・ぅ〜・・・・」と、そう言う空の鼻からは鼻血がでている。

ハヤテ「・・・・どうしたの?空。もう終わり?」

空「・・・へっ・・・余裕でいられんのも・・・今の内だ!!」再び突っ込む空。

だが・・・

ハヤテ「・・・・・!」

空「なっ!」ハヤテは一瞬で空の目の前に移動していた。

空「チィッ・・・!」と、空はパンチを出す。だが、ハヤテはそれを姿勢を低くして回避。
そして・・・

ゴキィ!!
空の顎に膝を叩き込む。

空「が・・・!」と、空が仰け反った瞬間・・・

ドドドド!
空の鎖骨、肋骨、骨盤、大腿の4箇所に一瞬で蹴りを入れる。

空「が・・・は・・・」と、空は倒れる。

海「・・・・強ぇ・・・・」

陸「空がこんな一方的に・・・・初めて見た・・・」

ハヤテ「・・・・・」

空「・・・・ふぅ・・・・」と、大きく息を吐くと、再び立ち上がる空。

ハヤテ「・・・タフだね。」

空「ま。ガキの頃からそれが取り柄だったからな。」

ハヤテ「そう・・・・それじゃ・・・ちょっとだけ本気で行くかな。」

空「初めっからそうしろよ、タコ。」そう言い、ハヤテに向かって歩き出す空。

空「らぁ!!」と、ハヤテに向かってパンチを繰り出す空。が、ハヤテはそれを回避。
空の腹にパンチを叩き込む。

ドゴ!

空「ふぅ!」と、空がうずくまった瞬間・・・

バキャア!!
と、空の顔面を蹴り上げる。そして・・・

ドガ!
空を蹴り飛ばす。

空「があ・・・・・!」と、蹴り飛ばされた空は、左目の辺りを押さえている。

ナギ「・・・空・・・どうしたんだ・・・?」

日向「・・・多分・・・今顔面蹴り上げられた時に、足が左目に当たったんだ・・・」

ナギ「え!?」

空「つ・・・・!」と、確かに空の左目からは血が流れている。

ハヤテ「・・・・空。」

空「あ・・・?」

ハヤテ「まだやるの?」

空「ったりめーだろ・・・こんなショボイ攻撃で俺が参るとでも思ってんのか?ああ?」

ハヤテ「・・・・・」その言葉を聞くと、ハヤテは空を引き起こし・・・

ドゴ!
と、空の腹に拳を入れる。

空「ぐ・・・!」が、それでは終わらず、空の胸倉を掴むと、

ガキィ!!
今度は頭突き。

空「くあ・・・!」そして・・・

バキィ!!!
全力で殴り飛ばす。

空「がっ!・・・くぅ〜・・・・いって・・・・」

ハヤテ「・・・・空・・・・もうやめよう。」

空「!・・・・何・・・・寝ぼけたこと言ってんだ、てめぇ・・・!」と、その時空の身体から・・・

パリッ・・・・
微かに電気が発生する。

ハヤテ「!」

空「散々やっといて・・・気が済んだらやめようだ?・・・ふざけた事言ってんじゃねぇ・・・!」
と、空の身体を走る電撃は、次第に大きくなっていく。

日向「おい・・・あれ・・・」

海「空・・・あいつ・・・」

陸「あれって確か・・・・・」

ヒナギク「あの時の・・・」

ナギ「執事登竜門で使った・・・」

ハヤテ(・・・制御できるの・・・・?あれを・・・・?)

空「今の発言はちょっとばかし、イラッと来たぜ?ハヤテ。」そう言い、握り拳を固め、
右腕を引く空。

ナギ「空・・・・!」

空「食らえ!!」

ハヤテ「・・・!!」

空「しで・・・・!」と、右腕を前に出そうとした瞬間・・・・

ドズン!
ハヤテの足が空の肩に乗る。その瞬間、空の肩に溜まっていた電撃は霧散した。

空「・・・・・え?」と、空が困惑した瞬間・・・

バキイ!!
空の首にハヤテの蹴りが炸裂し、そのまま空は吹っ飛んだ。

空「がは!!・・・なんで・・・・なんで・・・止められたんだ・・・?」

ハヤテ「・・・・君のその技は前に一度見た。」

空「!?・・・・どういう・・・ことだ・・・・俺は・・・お前に見せた覚えは・・・」

ハヤテ「君がそのつもりでも僕はある。あの時、あの迷宮で。」

空「!!・・・迷宮・・・・!」

ヒナギク「迷宮って・・・執事登竜門の事・・・?でも、あの時ハヤテ君は・・・」

日向「あの時あそこにいたのは、俺と空・・・三千院に桂先輩・・・・・!!」
と、何かに気づいた日向。

ナギ「!!・・・じゃあ・・・・まさか・・・・・!」

空「・・・ハヤテ・・・まさか・・・・お前が・・・・!!」

ハヤテ「・・・そう・・・・ウルブス・ガーレは僕だ。」

空「!!」

ヒナギク「え!?」

ナギ「ハヤテが・・・・あいつ・・・!?」

日向「成程・・・・だったら、あのバカみてえな強さも納得いく・・・」

空「・・・じゃあ・・・お前はあの時にはもう・・・お嬢様やヒナギクさんと・・・」

ハヤテ「・・・君のその技は、溜めた電撃を肩、もしくは全身に集めて、
肩から打ち出すか、自分が纏って相手に突っ込んでいく技。肩から打ち出す形なら、
溜めた電撃を打ち出す前に、電撃の流れを止めてしまえば、その電撃は打ち出される事無く、霧散し、消滅する。」

空「・・・ははっ・・・参ったな・・・一回見ただけでそこまで把握されるとは・・・」

ハヤテ「と言っても、一か八かの賭けだった。当たるかどうかは怪しいもんだったしね・・・」

空「それでも、スゲェよ・・・」

ハヤテ「・・・その技が、僕の必殺技に似ててくれて助かった。そのおかげで、
阻止することができたんだから。」

空「・・・・"紫電"が通用しないとなると・・・・俺の切り札はもう何も無い・・・・
つまり・・・・もう俺に勝ち目は無えって事か・・・・・どうしよ。」

ハヤテ「・・・・降参するつもりは?」

空「・・・・ヘッ。」と、空は微かに微笑むと・・・

空「・・・・・・無いね。」と、舌を出す。

ハヤテ「・・・そう・・・・なら・・・・仕方が無いな・・・・」そう言い、
ハヤテは空に歩み寄る。














・・・・・誰もが目を覆う展開になった。

試合と呼ぶには、あまりにも凄惨な光景だった・・・・

だが・・・空はどれだけ攻撃を受けても、決して負けを認めようとはしなかった。


海「・・・・おい・・・・誰か止めろ・・・・!死ぬぞ!!」

陸「おい!レフェリー!!何やってんだ、止めろ!!」

雪路「え!?私!?」

ナギ「当たり前だ!!このままじゃ、空が・・・!」そう言うナギは既に涙目になっている。
と、その時・・・・

空「外野ァ!うぜぇ!!」と、空が叫ぶ。

ナギ・陸・海「!!」

空「止めんじゃ・・・・ねぇよ・・・・」と、その時・・・

ガキィ!!
空の顎にハヤテは拳を入れる。

空「かっ・・・!」続けて、ハヤテは空の髪を掴むと・・・

グシャア!!
空の顔面に膝を叩き込む。

空「ぐ・・・・は・・・・」そして・・・

ドガァ!!
空を殴り飛ばす。

空「が・・・・つ・・・くぅ・・・は・・・」と、完全にグロッキー状態の空。

ハヤテ「・・・・・・」だが、ハヤテは追撃の手を緩めようとしない。

ヒナギク「・・・やめて・・・お願い・・・・・・ハヤテ君!もう、やめて!!」と、
涙を流しながら懇願するヒナギク。そこに・・・

キリカ「無駄だ。」キリカと詩音が下りてきた。

ヒナギク「理事長・・・」

ナギ「おい!ハヤテの奴を止めろ!このままじゃ・・・・!!」

キリカ「この試合が終わるまでハヤテは止まらんよ。」

海「何が試合だ!これじゃ、ただのリンチじゃねえか!!」

ヒナギク「理事長・・・ハヤテ君に何をしたんですか・・・?」

キリカ「私は何もしていないさ。ただあいつに色々と教えただけだ。」

ナギ「教えた・・・?」

キリカ「私は、三千院家時代のあいつを見てきたが・・・あいつは・・・三千院。
お前を守るためにいろんな奴と闘ってきたようだな。」

ナギ「?・・・・そうだが・・・」

キリカ「その過程で、あいつには何か足りない物があると私は常に思っていた。
私は、それをハヤテに与えたに過ぎん。」

ヒナギク「足りない物・・・?」

キリカ「ああ。今のハヤテにあって、昔のハヤテには無かった物だ。今の状況を見れば
一目瞭然だろう?」

ナギ「・・・・・」そうして、ハヤテのほうを見るナギとヒナギク。

ヒナギク「・・・・・!・・・・非情さ・・・・」

キリカ「そうだ。あいつはお前を傷つける者に対しては、一切の容赦が無かった。
だが、あいつは自分に対する者に対してはいまいち非情にはなりきれなった。だから、
私はあいつを鍛えるのと同時に、非情さも学ばせた。どんな奴が相手でも非情になりきる。
それを知っただけで、あいつは三千院家の執事をやっていた頃の、何十倍も強くなった。
そして・・・・その結果が今のこれだ。」

ナギ「・・・・じゃあ、空がこんな目にあってるのもあなたが・・・!」

キリカ「おや。私を責めるのはお門違いだと思うぞ?三千院。」

ナギ「な・・・・!」

キリカ「あいつが・・・ハヤテがなぜ、非情さを手に入れることを望んだと思う・・・?」

ヒナギク「え・・・?ハヤテ君が・・・?」

キリカ「ああ。あいつは自分から言ってきた・・・・
「僕はもっと強くなりたい。そのためには、今まで見たいな優しい綾崎ハヤテじゃダメなんです。
強くなるには、優しいだけじゃなく、非情さも持たなければ意味は無いんです。
ですから・・・僕に、非情さと言う物は何か、教えてください。」・・・・とな。」

ナギ「・・・・」

キリカ「あいつはそれまでの自分が嫌だったのだろう。幼少の頃、大切な人と別れ・・・
そして、挙句の果てには自分が守ろうと決めた人間に捨てられた・・・・・それが、
あいつが非情さを手に入れようと思った一番の理由・・・」

ナギ「・・・そんな・・・」
そして、ナギを睨みながらキリカは言う。

キリカ「・・・・恨むのならば、自分の行いを恨めよ、三千院。あいつに・・・
ハヤテに、この道を歩ませる原因を作ったのは・・・他ならぬおまえ自身なのだから。」

ナギ「・・・・・・!!」その瞬間、ナギの目から涙が溢れ、ナギはその場にへたり込む。

ヒナギク「ナギ・・・・」

ナギ「わ・・・・私は・・・・私は・・・・!」と、その場で泣きじゃくるナギ。

キリカ「・・・泣いた所で、最早ハヤテは昔のようにはならん。何も変わらない。
ハヤテを変えたのは、私ではなく・・・三千院。貴様だと言うことを肝に銘じておけ。」
そう言い、キリカはリングへと目を向ける。

ドゴォ!!
と、ハヤテは空の腹へパンチを入れる。

空「ぐぅ・・・!!」

バキィ!!
続けて、顔面を殴る。

空「く・・・はぁ・・・はぁ・・・」と、空がハヤテを見ると・・・

ハヤテ「・・・・・」ハヤテは足を小刻みに動かしている。

空「・・・・・!」

ハヤテ「・・・・・疾風の如く・・・!!」次の瞬間、ハヤテの拳は、空の腹を直撃した。

空「ぐ・・・・か・・・・」そして・・・・・

ドゴオオオオオン!!
空は吹き飛び、リングの下へと転がり落ちた。

ナギ「・・・空・・・・空・・・・!」と、ナギは空に駆け寄ろうとするが、
詩音がそれを制止する。

ハヤテ「・・・・・・・・」と、ハヤテは終わりを確信し、背を向ける。だが、
その時・・・・

ジャリ・・・・・・

ハヤテ「!!」と、その音にハヤテは振向く。

空「・・・・・おい・・・・・何処行く気だ・・・・・?こら・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・・」ありえない。ハヤテの脳内には、その言葉があった。
ハヤテだけではなく、ナギやヒナギクと言った、会場の観客達全員が驚いている。

空「俺は・・・・まだ・・・・終わっちゃ・・・・いねえぞ・・・・・」そう言いつつ、
空は這い上がるようにリングに上がっている。

ナギ「・・・空・・・・空!もういい!!やめてくれ!!」だが、その言葉も
届いていそうにない。

空「さぁ・・・・・続けようか・・・・・」そう言いつつ、おぼつかない足取りで
ハヤテに歩み寄る空。

ハヤテ「・・・空・・・」

空「・・・・!」と、空は右腕を振り上げる。が・・・・

ぺチッ・・・・
空のパンチには、力が篭っていなかった。それでも、空は続けて攻撃する。
その全てが弱々しく、その姿を見ている全員が悲しくなっていた。やがて・・・・

ハヤテ「・・・・空。」

空「・・・・・・あぁ?」

ハヤテ「君のそんな姿を見ているのは、僕としても辛い・・・・だから・・・・・」

空「・・・・だから・・・・?」

ハヤテ「・・・・・・もう終わりにしよう。」そう言うと、ハヤテは空を突き飛ばす。
そして、助走をつけ、身体を回転させ、そして・・・・・


バキィ!!
勢いをつけた回し蹴りが、空の首に直撃する。

空「・・・・・・」

ドサッ・・・・・・
空は倒れ、そのまま起き上がりはしなかった。

ハヤテ「・・・・・・・」

雪路「・・・・・・あ。しょ・・・・勝者・・・・・綾崎ハヤテ・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・・」そして、ハヤテは倒れた空に歩み寄る。

ナギ「!!おい!まだ空に何かするつもりか!!」

ハヤテ「・・・・・」ハヤテは無言で空をおぶると、そのまま退場していった。

そして、その道中・・・・

空「・・・・・・・ハヤテ・・・・・・・」

ハヤテ「!・・・・空・・・・」

空「ヘヘッ・・・・やっぱ、強ぇなぁ・・・・・お前・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」

空「・・・・・けど・・・・・」

ハヤテ「?」

空「いつか・・・・いつか・・・・絶対に・・・・お前の事・・・・越えてやる・・・・
・・・・・待ってろよ・・・・・」そう言い、空は気を失った。

ハヤテ「・・・・・楽しみにしてるよ・・・・空・・・・」



そして・・・・・・



空「・・・・・・んあ?」空はとある一室で目が覚めた。

空「・・・・・・どこだ?ここ・・・・病院っぽいけど・・・・・」と、辺りを見回していると・・・

「お目覚めか?寝ぼすけ。」

空「!・・・・・なんだ、日向か。」

日向「なんだとは、なんだ。せっかく来てやったってのに。」

空「悪い悪い。んで?ここどこよ?」

日向「白皇最寄りの病院だと。白皇生がなんか怪我とかした場合はここに運ばれるらしい。」

空「ふ〜ん。」

日向「ま。目ぇ覚めたみたいだし、俺はもう行くぜ?学校、春休みに入っちまったけど、
それでも生徒会はやることあるからな。」

空「あっそ。せいぜいがんば・・・・・って、え?今、「学校、春休み」っつった?」

日向「?・・・言ったけど・・・」

空「・・・・日向君。理事長が学校に来いって言ったのって何日だっけ?」

日向「・・・3月の14日だな。」

空「執事バトル大会の開催宣言したのって何日だっけ?」

日向「次の日の15日だな。」

空「それで、バトル大会本番って何日だったっけ?」

日向「・・・・その翌日の16日だな。」

空「それで、今日は何日だっけ?」

日向「・・・え〜っと・・・3月の・・・・28日。」

空「・・・・にじゅーはち・・・・・・えええええええええええええええ!?」

日向「バッカ!騒ぐんじゃねえ!」

空「28日って・・・・って事は、俺・・・・12日間も寝っぱなしだったのか!?」

日向「まぁ、そういう事になるな・・・その間に3年の皆は卒業しちまったし・・・」

空「そんなん、どうでもいんだよ!あぁ〜・・・!速く屋敷に帰らねえと・・・!」

日向「あ。だったら、着替えてけよ。おまえん所のメイドさんの・・・マリアさんだっけ?
その人がお前の執事服そこに置いてったから。」と、ベッドの横の袋を指差す日向。

空「流石マリアさん!!」と、その袋を掴み、急いで着替えを済ませる空。

空「んじゃ、ありがとな日向。」

日向「あ〜、別にいいよ。どうせ暇だったし。」

空「そっか。じゃな!」と、病室のドアに手を伸ばした瞬間・・・

スカッ
伸ばした手が空振る。

空「・・・・・あれ?」

日向「あ。そういや、忘れてたわ。」と、日向は病室の棚から鏡を取り出し、
空に見せる。

空「!・・・左目・・・・」空の左目には包帯が巻かれていた。

日向「あの試合で受けたのが結構痛かったみたいでな。5月位まで包帯取れねーってよ。」

空「・・・そっか。」

日向「三千院。結構、気にしてたぞ。左目の事も、お前の事も。」

空「え?」

日向「お前がそうなったのは、自分がハヤテをクビにしたからだって。」

空「・・・・・」

日向「空?」

空「え?いや、なんでもない。」

日向「・・・なら、いいけど・・・」

空「・・・じゃ、俺はそろそろ行きますか。」そう言い、空は病室から出て行った。

そして、屋敷・・・・・

空「・・・ただいま帰りまし・・・・」と、そこまで言った瞬間・・・・

ガバッ

空「・・・・え?」いきなりナギが抱きついてきた。

ナギ「・・・・・・」

空「え・・・・・?あの・・・お嬢様・・・・・?//////」

ナギ「・・・・すまん。」

空「え?」

ナギ「私のせいだ・・・私の・・・わがままのせいで・・・お前が・・・そんな怪我を・・・」
と、空の胸の中で泣きじゃくるナギ。

空「・・・・・・」

ナギ「こんな事になって・・・・私・・・空に嫌われたんじゃないかって・・・・・」

空「・・・そんな事ありえませんよ。」

ナギ「え?」と、ナギは空を見る。

空「こんな怪我、別に何ともないっすよ。それに、こんなもんでお嬢様を嫌いになってたら
この先執事なんてやっていけませんから。」

ナギ「空・・・・・」

空「ですから・・・・」と、ナギの涙を袖でぬぐう空。

ナギ「ぅっ・・・・」

空「俺なら大丈夫ですから。お嬢様も気にするのはやめてください。」と、微笑む空。

ナギ「空・・・・・//////」

空「ね?」

ナギ「・・・うむ!」と、笑顔になるナギ。

空「さてと!んじゃ、夕飯の支度でもしますか!」ちなみに、時刻は夕刻。

ナギ「そうだな。早くしてくれ。私はお腹がペコペコだ。」

空「了解です!お嬢様!」


こうして、後に執事達の間で語り継がれることになる、

[綾崎ハヤテと早乙女 空・伝説の3番勝負]その第1弾は幕を閉じた。

この時を境に、空は驚異的なスピードで成長し、あらゆる強豪執事達を次々と

撃破していく事になる。

そして・・・二人はいつか、再びあいまみえる・・・

今度は・・・・・互いに誰よりも認め合う好敵手同士として・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第64話、執事バトル編終了です。如何だったでしょうか?この次は咲夜の誕生日ですよ。
この時点で、空は第1章終了まで隻眼の状態です。その状態で、第1章の中で
二人の強豪執事とのバトルを予定しています。なにかあれば、コメをください。あ。
今更ながら、このスレが1000HITを突破しました。皆様、これからもよろしくお願いします。
それでは!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.17 )
日時: 2009/08/12 19:35
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!

「綾崎 ハヤテと早乙女 空・伝説の3番勝負」ですか!
かっこいいですね〜!
そして1本目はハヤテがとったわけですが、
空は今後どのように成長していくのでしょうか?
続きが気になります!

戦闘シーンは具体的に書いてあったので、
イメージ図を想像しやすく良かったと思います!

それでは次回からも頑張ってください!!!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.18 )
日時: 2009/08/13 13:49
名前: SORA

師匠!コメをありがとうございます!ハヤテと空の3番勝負ですが・・・・・・
この小説が最後まで続いたらやろうかと思ってます。ええ。出来るかわかりませんが。
そんな事はさておき、第65話、どうぞお楽しみください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第65話[一つの作戦]

表紙:顎に手を添えて何かを考える空


咲夜「4月3日はウチの誕生日やねん。」と、遊びに来ていた咲夜が空に向かって言う。

空「え?あ、そうだったんですか?」

咲夜「なんや〜、やっぱ知らんかったんかいな〜。もうすぐやから、期待しとるで〜?」

空「はぁ・・・でも俺、咲夜さんが喜びそうな物、買える金が・・・」

咲夜「んなもん、ハナっから期待してへんて。」

空「え?」

咲夜「ウチは空からの心のこもった・・・・「爆笑」があればええねん。」

空「・・・あの・・・乙女ちっくな表情と台詞が地味に噛み合ってない気がするんですけど・・・」

咲夜「そか?そんなことあれへんよ〜。」と、ケラケラ笑いながら言う咲夜。

咲夜「ウチは笑えればええねん。それ以外は何もいらんねん。せやから・・・」

空「?」

咲夜「期待しとるで?「愛と暴力沙汰の執事コメディ」主人公(はぁと)」と、
親指を見せて言う咲夜。

空(その期待のされ方はちょっと・・・・)

所変わって、ここはワタルのビデオ店

サキ「そう言えば、もうすぐ咲夜さんの誕生日ですよね。」

ワタル「そういやそうだな・・・・一昨年は散々な目にあった・・・」

サキ「・・・ま・・・まぁ、私の目から見れば面白かったですし・・・」

ワタル「同情ならいらねーや・・・」

サキ「あぅ・・・・」

ワタル「にしても・・・今年はどうすっかな〜・・・」

サキ「毎年頑張ってますけど・・・」

ワタル「なんかこう・・・一撃必殺みたいな感じで・・・・ん〜・・・・」

サキ「・・・・・」

ワタル「・・・イカが・・・怒らなかった。」

サキ「・・・・・・・・・・・・・・」

あからさまに凍る空気・・・・・

サキ「わ・・・・わー・・・・お・・・おもしろーい。流石若ですね・・・・
そ・・・そういう風にアレンジできるなんて・・・」と、若干顔を引きつらせて言うサキ。

ワタル「・・・・旅に出て来る。」と、店を出て行こうとするワタル。

サキ「あ!お・・・面白かったです!面白かったですから!若ーーーー!!」

その頃、三千院家・・・・・・

ナギ「成程、咲夜の誕生日に笑いを・・・」

空「そうなんすけど・・・どうすればいいんでしょうかね?」

ナギ「ふむ・・・やはり笑いと言う物は、人間観察から来るのだろう。」

空「人間観察?」

ナギ「ああ。だから、面白い人を見てれば、自ずと笑いは生まれてくるはず。」

空「成程。面白い人ですね。」と、掃除中のマリアを見る二人。

マリア「♪〜♪〜♪〜・・・・あの・・・・何か不快な視線を感じるのですけど・・・」

空「え!?いや、そんな事無いっすよ!?」

ナギ「そ、そうだ!マリアはいつも通り仕事をしてくれればいいのだ!」

マリア「・・・そうですか・・・では・・・」そう言い、マリアは別室に移っていった。

空・ナギ「・・・・は〜・・・・」と、安堵の息をつく二人。

空「でも、マリアさん単体じゃ笑いが生まれそうな感じは全然・・・・」

ナギ「わかっている・・・だからこそ!」と、指を鳴らすナギ。次の瞬間・・・

空「おお・・・・」

ナギ「マリアが面白くなりそうな要素をサンデーBOX風にしてみました。」
と、自分の目の前に置かれたサンデーBOXを指差すナギ。

空「それ、誰が用意してるんすか?・・・まぁ、いいや。それじゃ・・・サンデーのデを・・・」

ナギ「うむ!オープン・ザ・BOX!!」と、箱から出てきたのは・・・・

空「・・・・ハリセン?」

ナギ「またか・・・」

空「これでどうしろと・・・」

咲夜「それでツッコめっちゅーのと、ちゃうの?」

空「あ。咲夜さん・・・ってえぇ!?これでマリアさんに!?」

ナギ「なるほど。いつの世もお笑いの基本はツッコミと言う事か。」

咲夜「せや。ボケたら全力でツッコむ。精一杯フォローしてやらんと、
お笑いが可哀想やからな。」

空「いやいやいや!こんなんでツッコんだら、俺この屋敷じゃ生きていけませんよ!!」

ナギ「大丈夫だよ。その程度の事、マリアは許してくれるって。・・・・・
・・・加減さえ間違わなければ。」

咲夜「せやって。心配あらへんよ。・・・・・加減さえ間違わなければ。」

空(その加減ってのがわかんないんすけど・・・)

ナギ「よし!とにかく、行くぞ、空!」

咲夜「がんばりや!」

空「・・・マジっすか・・・?」借金執事の明日はどっちだ!?

マリア「それでは、早乙女君はそちらをお願いしますね。」

空「・・・了解っす。」そうして、掃除に取り掛かる二人。

マリア「♪〜♪〜♪〜」

空(にしても・・・ツッコめっつったって・・・何処にどうツッコんだら良いかなんて
わかんねーよ・・・・マリアさんは、ヒナギクさんと同じかそれ以上の最強超人・・・・
見てみろ。今歌ってるこの鼻歌だって、掃除によく似合う軽快な・・・軽快な・・・・!!)

マリア「♪♪〜♪♪♪♪〜♪♪〜♪♪♪♪♪〜」

空「(こ・・・この妙に年頃の男心をくすぐる軽快なテーマは・・・まさか・・・・
哀・○士!?・・・そ・・・そんな・・・マリアさんがこんな曲を知ってたなんて・・・
はっ!!まさか・・・本拠地に攻め込んできた敵軍を一掃するっていうのと、
ゴミの掃除を掛け合わせてのこれなのか!?ってか、いくら名曲つっても、選曲古くね!?
・・・ど・・・どうする・・・ツッコむか!?「選曲古いわー!」とか、言って・・・
どっかでお嬢様たちも見てるだろうし・・・ここは・・・ここは・・・!)マリアさん!」

マリア「はい?」

空「その曲、なんて曲なんですか?」

マリア「え?」

ナギ・咲夜「だぁー!」

マリア「これはこの前、ナギが夜中にずっと聞いてて、それでなんとなく耳に残っちゃって・・・
多分、何かのアニメの歌だとは思うんですけど・・・」

空(あっぶねー!あっっっっっっっぶねー!!危うく、誤爆すっとこだったー!!)

マリア「?」

ナギ「むぅ・・・お笑いって奥が深いな。」

咲夜「ああ。中々、ええ雰囲気や・・・」

空(しかし・・・以前、逆境には変わりない・・・こうなれば、掃除が終わるまでに
ツッコミ所を見つける他に手はない!)

ナギ(早く・・・!)

咲夜(早く・・・・!)

空(早くボケを・・・!)

マリア「(また何か不快な視線が・・・)あら?窓が壊れてるわ。"まぁど"うしましょう。」

ナギ(来た!天然!)

咲夜(ダジャレ!)

空「(窓!)マリアさん!!」と、背中に隠してあったハリセンを抜く空。

マリア「はい?」

空「今時、そのシャレって・・・!」と、ハリセンを振りかぶった瞬間・・・

ブチッ
靴の紐が切れる。

空「え゛!?」と、そのままバランスを崩し、マリアの方へと倒れる。

マリア「え!?」

空「うわわわわわわ!!」

ドサァ!!

マリア「・・・・あの・・・・」

空「・・・えっと・・・・」と、端から見れば、空がマリアを押し倒した体制になった。

ナギ「アホか、お前はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」と、ナギの蹴りが空の側頭部に炸裂。

空「ぐあぁ!!」そして、壁に激突する空。

ナギ「まったく!空はホントにまったく!」激怒するナギ。

咲夜「あはははははははははは!!」大爆笑する咲夜。

マリア「・・・・・?」いまいち状況が読み込めないマリア。

空「・・・・・・・!!」と、痛みに悶絶する空。どうやら左目に何かしらのダメージが
あった模様。

そして・・・・

空「・・・ひでぇ目に合いましたよ・・・」

咲夜「いや〜、でもかなり笑わしてもろたし。ウチは満足や。」

空「え?」

咲夜「ありがとな、空。」と、ウィンクする咲夜。

空「咲夜さん・・・」

咲夜「じゃ。本番当日もよろしゅうな。」

空「え?」

咲夜「だって、今日は3月の29日やん。ウチの誕生日は4月の3日ゆうたやろ?」

空「あ!」

咲夜「あはは。ほな、よろしく頼むでー。」そう言い残し、咲夜は帰っていった。

空「・・・・・」と、空がボーっとしていると・・・

マリア「早乙女君。」

空「あ。マリアさん。」

マリア「あの・・・さっきのあれは・・・」

空「あ・・・・その・・・すいません。」

マリア「いえ、別に良いんですけど・・・」

空「・・・・・」と、ここで何かを考える空。

マリア「早乙女君?」

空「・・・マリアさん。」

マリア「はい?」

空「間違ってたら謝りますけど・・・一つ聞いてもいいですか?」

マリア「はぁ・・・・」

空「マリアさんって・・・・姫神の事好きだったんすか?」デリカシー0の質問。

マリア「!?///////な・・・・なななななな、何を言ってるんですか、早乙女君!!/////
そそそそそそ、そんな事、ああああああああ、あるわけが・・・・・!!////////」

空「え?でもこの間、お嬢様が・・・」

マリア「!あ・・・・あの子・・・!///////」

空「・・・・違うんすか?」

マリア「違います!!///////そんな・・・姫神君なんて、お屋敷を壊してばっかりで、
いつも、人様に迷惑をかけて、それで人の苦労なんてこれっぽっちも気にしない
そんな朴念仁なんですよ!?///////だから、私は姫神君の事なんて、単なる
おバカさんとしか思ってませんし、それ以外に姫神君の事なんてなんとも思ってないんですからね!!///////」
と、顔を真っ赤にして否定するマリア。だが、そこに空の追い討ちが・・・・

空「そこまで知ってるって事は、よっぽど姫神の事見てたんですね。」

マリア「はうぅ!!///////」と、原作で西沢さんなんかがよくやるような
オタオタという動きをし、キュ〜・・・という効果音が付きそうな程真っ赤になり、
縮こまるマリア。

空「・・・・好きなんですよね?」

マリア「うぅ・・・・はい///////」と、三つも年下の少年に散々いじられ、
挙句の果てに自分の本心を聞きだされたことに屈辱を感じ、空を睨みながら言うマリア。

空「そっか・・・・だったら・・・・やっぱ、賭けてみるか・・・・」と、
顎に手を添えて、小声でそういう空。

マリア「・・・・?」

空「うっしゃ!」

マリア「!・・・どうしたんですか?急に・・・」

空「だったら、俺が姫神の野郎の目を覚まさせてやりますよ。」

マリア「え?」

空「ま。一か八かですけど、咲夜さんの誕生日当日になればわかりますよ。」そう言い、
屋敷に戻ろうとする空。が・・・

マリア(むぅ〜・・・このまま屋敷に帰られたのでは、負けた気がして仕方がありませんわ・・・
どうにかして・・・どうにかして早乙女君にも同じ屈辱を・・・・)と、
マリアの負けず嫌いモードのスイッチが入ってしまった。

マリア「早乙女君。」

空「はい?」

マリア「早乙女君にはいないんですか?好きな人とか。」と、笑顔で言うマリア。

空「(あれ?マリアさん、笑顔だけどなんか黒い・・・)・・・いえ・・・別に・・・」

マリア「あら?私には散々、姫神君がどうとか言ってたのに、自分だけ何事も無いような
顔してのこのこ立ち去るんですか?」

空(あ。なんか、変なスイッチ入った。)

マリア「いつだったか、ワタル君に言ってましたよね〜。好きな人がいるなら、
迷わず告白しろって・・・」

空「いや・・・あれは・・・その・・・」

マリア「そういえば、早乙女君にもそういう人がいたらしいじゃないですか。」

空「!!」と、空の脳裏に、自分がかつて想いを寄せていた少女の顔と言葉が浮かぶ。






ねぇ、空・・・・空には・・・・大切にしたい人とかっている・・・?

もぉ・・・ウジウジしない!好きな人がいるならいるで、きちんと、想いを伝える!

私ね、空のそういうとこ、結構気に入ってるよ?

・・・空・・・空は・・・・私と、ずっと一緒にいてくれる・・・・?

うるさい!もういい!もういいよ!!空なんて・・・・・空なんて、大っ嫌い!!






空「・・・・・・」

マリア「早乙女君本人が出来ないのに、他人にそれを強制するのはどうかと・・・」

空「・・・・うるせぇよ。」と、ドスの利いた声で言う空。

マリア「・・・・・・・え?」

空「うるせぇっつったんだよ・・・何も知らないくせに・・・・!」と、マリアを睨む空。

マリア「・・・・・・」

空「・・・・・・」そうして、空は屋敷に帰っていった。

マリア「・・・・・?」
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第65話終了です。如何だったでしょうか?何かあればコメをください。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.19 )
日時: 2009/08/14 13:16
名前: PNKJYNP
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3455

どうも!PNKです!!!
とりあえず「哀・○士」で爆笑しました!
せめて「君は僕に○ている」くらいならギリギリセーフなのに・・・

ということで感想です!
最後のマリアさんの負けず嫌いが思わぬ展開に・・・?
空の脳裏に浮かぶのは以前のお墓参りの時の方でしょうか?
そしてそれが関わると空は自分を抑えられないようですが・・・

空の過去に、少しずつ踏み込んできましたね。
続きを楽しみにしています!

あと是非最後まで書ききって、この小説を完成させてあげてくださいね!
どのように終わるのかも、楽しみにしているんですから!
応援してます!それでは!!!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.20 )
日時: 2009/08/14 15:34
名前: SORA

グスッ・・・・あ。すいません。SORAです。・・・師匠・・・そう言って下さって、
本当にありがとうございます・・・師匠の言葉を胸に刻み、これからも頑張っていきます。
それと、前回の空のあれですが・・・墓参りの時に名前を明かした少女、
雪風 葵との記憶です。ええ。いつかやります。空の過去編と言う形で。それでは、
第66話、どうぞお楽しみください。
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第66話[空が執事をやってて、初めて本気で驚いた事実]

表紙:とある店の前に佇む空


前回のあれから数日後の、三千院家・・・・・・

マリア「そう言えば、ナギ。」

ナギ「ん〜?」

マリア「最近行ってませんけど・・・・また始めたらどうですか?」

ナギ「やだよ。あれはハヤテの奴に腕時計をプレゼントするって言う目的があったから、
仕方なくやってたけど、もうする必要なんて無いだろ。」

マリア「そうですけど・・・・」と、ここでマリアが何かを思いつく。

マリア「あ。そうですわ。早乙女君の誕生日に何かプレゼントするというのは・・・」

ナギ「空の?」

マリア「はい。」

ナギ「・・・・・・」と、考えるナギ。そして、呼び鈴を鳴らす。

チリンチリーン♪

ナギ「空〜。」

空「はい?何ですか、お嬢様。」

ナギ「お前の誕生日っていつだったっけ?」

空「へ?誕生日っすか?」

ナギ「ああ。」

空「・・・12月の21日っすけど・・・」

ナギ「なんだ。私やマリアと同じか。」

空「はぁ・・・けど、俺の誕生日がどうかしたんすか?」

ナギ「いや・・・何かほしいものとか無いのかなと思ってな。」

空「・・・それって・・・・お嬢様が俺になんか、プレゼントしてくれるって事っすか?」

ナギ「まぁ、平たく言うと、そうなる。」

空「・・・・・・・・・・ええ!?」

ナギ「なんだよ。何か不満でもあるのか?いいから、何か言ってみろ。」

空「・・・そうっすね〜・・・・・懐中時計っすかね〜・・・」

ナギ「・・・さりげなく、高価な物を要求するな、空は。さすが、私達と
誕生日の月が一緒だな。」

空「あ!いや、別にそういうつもりで言ったんじゃ・・・」

マリア「ですが、早乙女君はすでに、懐中時計を持ってるじゃないですか。」

ナギ「そうなのか?」

空「あ・・・まぁ・・・そうなんですけど・・・・」と、ポケットからそれを取り出す空。

ナギ「それか?」

空「はい・・・これ、壊れてて動かないんですよ・・・だから、ちゃんと動く奴を・・・」
と、そこまで言った瞬間・・・

バッ
ナギが時計をひったくる。

空「あ。」

ナギ「・・・ふ〜ん・・・ホントに動かないな、これ。」と、時計を眺めるナギ。

空「はぁ・・・」

ナギ「壊れてて使い物にならないなら、何でいつまでも持ってるんだ?」

空「・・・それ・・・形見なんです・・・」

ナギ「形見?」

空「はい・・・この間、下田に行った時に、墓参りしたやつの・・・」

ナギ「あ・・・・そうか・・・・すまなかったな・・・」と、空に時計を返すナギ。

空「いえ・・・」

マリア「・・・・」と、マリアは前回の空の事を思い返す。

ナギ「まぁ、なんにしても。」

空「?」

ナギ「お前が誕生日に欲しいものはわかった。私がお前にそれをプレゼントしてやろう。」

空「はぁ・・・」

ナギ「ただし、それは・・・ただの懐中時計ではない。」

空「え?」

ナギ「それは私が、バイトして溜めたお金でお前にプレゼントしてやるのだ!!」

空「え・・・・・ええええええええええええええええ!?」

そして・・・・・・

空「・・・いきなり、バイトっつっても、そんな急に見つかるわけじゃ・・・・」

ナギ「ふっふっふ。甘いな、空は。」

空「え?」

ナギ「一つお前にいいことを教えておいてやる。聞いて驚け!」

空「はぁ・・・・」

ナギ「私は!!」

空「お嬢様は?」

ナギ「2年前から!!!」

空「2年前から?」

ナギ「すでに、バイトを始めている!!!!」

空「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

ナギ「ふふん。驚いたか?」と、自信たっぷりに空の方を見るナギ。そこには・・・・

空「・・・・・・・」放心状態で口をパクパクさせている空がいた。

ナギ「・・・・あれ?空?」と、空の前で手を振るナギ。だが、反応が無い。

空「・・・・・・・」

ナギ「おーい。」どうやら、ショックのあまり気絶したようだ。

空「・・・・・・・」

ナギ「こら!私がバイトしてたことがそこまでショックか!?」

空「・・・・・・・」


所変わって、ここは椿の家・・・・


椿「・・・・・・」椿は一人悩んでいた。

椿(う〜ん・・・・下田の時は往復バイクだったから別にいいけど・・・・
所持金が2472円て・・・・これが白皇通えるだけの財力のある家の娘のお小遣い?
どうしよ・・・お父さんに言えば何とかしてくれそうだけど・・・・
お母さん、守銭奴だしな〜・・・やっぱここは、バイトでもするしかないか。)と、
両親に相談に行く椿。

一方、ナギがバイトしている場所・・・・

喫茶「どんぐり」に到着したナギと空。

空「いや〜・・・バイト始めるってだけでも驚いたのに・・・まさかすでに経験済みとは・・・」

ナギ「まったく・・・失礼にも程があるぞ。」

空「う・・・すいません・・・」と、店に入る二人。

「いらっしゃ・・・あら、ナギちゃん。久しぶりね。」

ナギ「久しぶり、マスター。」

「あら。誰?その子・・・・あぁ、そういうこと。」

空・ナギ「?」そう言うと、ナギに耳打ちするマスター。

「ナギちゃんも隅に置けないわね。こんな美形な子を彼氏にしちゃうなんて。」

ナギ「ふぇ!?/////////」

「あら、真っ赤。」

空「?」

「あ。ごめんなさい。自己紹介がまだだったわね。」

空「え?あ、はぁ・・・」

「私はこの店のマスターの、加賀 北斗。よろしくね。」

空「俺、早乙女 空です。こちらこそ。」

北斗「それで?今日からまた、バイトしてくれるの?」

ナギ「ん?まぁ・・・」

北斗「頑張ってね。あ。そうそう。もう一人、新人さんがいるの。先に更衣室で
着替えてるから、ナギちゃんも早くね。」

ナギ「は〜い。」

北斗「それと・・・・早乙女君・・・だっけ?」

空「へ?はい。」と、北斗はいきなり空の肩を掴む。

北斗「・・・・ナギちゃんの事、幸せにしてあげなさいね?」

空「は?」

ナギ「マスター!私と空はそんな関係ではない!!///////」

北斗「そうなの?残念。」と、その時・・・・

カランカラーン♪
誰かが店に入ってきた。

北斗「いらっしゃ・・・・って、あら。」

空「ん?」

ナギ「あ。」

歩「ナギちゃん!?」

ナギ「ハムスター!!」

歩「な!誰が、ハムスターかな!?」

空「・・・・誰?」

ナギ「ああ。こいつはハヤテの元クラスメートで、西沢 歩こと、ハムスターだ。」

歩「逆!ハムスターこと、西沢 歩!って、自分でハムスターって言っちゃった!!」

ナギ「まぁ、こんな感じのバカヤローだよ。」

歩「バカって言うな!」

北斗「ははは。さ。これで人数も揃ったし。私はちょっと出てくるから、
みんなで店の方よろしくね。」

歩・ナギ「・・・は〜い・・・」

空「了解っす。」そうして、北斗は店を出て行った。

その道中・・・・

北斗「・・・あら?ハヤテ君じゃない。」

ハヤテ「あれ?マスター。」

北斗「随分と久しぶりね。ちょっと見ない間に、随分男前になっちゃって・・・」

ハヤテ「・・・そうですか?」

北斗「ええ。それで?こんな所でなにしてたの?」

ハヤテ「いえ。ちょっと暇をもらったので、この辺、ぶらついてるんです。」

北斗「へ〜・・・・」と、ここで何かを思いついた北斗。

北斗「そうだ・・・だったら、店の方手伝ってくれないかしら?」

ハヤテ「え?けど・・・」

北斗「いいから、いいから。訳有りっていうのはわかってるわよ。大丈夫。
今日はあなたの知り合い誰もいないから。」嘘である。

ハヤテ「・・・ほんとですか?」

北斗「ほんとよ。さ。早く、行った行った。」

ハヤテ「・・・・・わかりました。」そうして、ハヤテはどんぐりへ向かった。
これから起こることも知らずに・・・

その頃・・・・

ナギ「じゃあ、私はちょっと着替えてくるが・・・覗くなよ?」

空「大丈夫ですって。」そうして、ナギと歩は更衣室に入っていった。そこには・・・・

ガチャ

椿「え?」

ナギ「ん?」

歩「あ。」

椿「ナギちゃん?それに、西沢先輩も・・・」

歩「櫻井さん。白皇に転校したって聞いたけど・・・」

椿「それより、何で先輩とナギちゃんが・・・」

ナギ「たまたま、バイトが一緒なだけだ。」

椿「ふ〜ん。」そうして、着替えを始める3人。

その頃、空は・・・・

空「・・・・暇だ。」と、暇をもてあましていた。すると・・・

カランカラーン♪

空「あ。いらっしゃ・・・って、え?」

ハヤテ「・・・・・空。」

空「ハヤテ・・・・お前、なんで・・・」

ハヤテ「いや・・・表、ぶらついてたら、マスターが店の方よろしくって・・・」

空「お前・・・」

ハヤテ「まぁ、でも、よかった。君だけのところを見ると、ホントに知り合いは・・・」
と、そこまで言った瞬間・・・

ナギ「さーて・・・かったるいけど、始めるか。」

歩「じゃ、何で来たのよ・・・」

椿「あ。空・・・と・・・」

歩「ん?・・・・・!・・・・・ハヤテ・・・・・君・・・?」

空「あ・・・・」

ナギ「ハヤテ・・・・・!」

ハヤテ(ハメられた!!)


そして・・・・・・


ハヤテ「・・・・・・」

歩「・・・・・・・」

ナギ「・・・・・・・」
ハヤテはテーブルを拭き、歩は厨房で備品のチェック。ナギはカウンターでふんぞり返っている。
空は床を掃き、椿は厨房の雑巾掛けと、各々の行動をとっている中、空の精神状況は、
この上ない焦燥感に包まれていた。

空(・・・・・く・・・・・空気、重ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)」こういう状況で、
不穏な発言は一切してはならない。経験上、空はそれをよく理解していた。

空(だ・・・・誰か・・・・誰か、この空気を・・・・)と、救いを求めた瞬間・・・・

カランカラーン♪
来客が。

空「あ!(あぁ、ちょうどいいところに・・・)いらっしゃいませ!」それは、
見たところ空や椿と同い年くらいの、普通の女子高生二人組だった。

「あ。ここ涼しい。」

「いいとこにあってよかったね。」

椿「お好きな席へどうぞ。」と、この空気に耐えられなかった椿も、積極的に接客する。

椿「ご注文は?」

「アイスコーヒー2つ。」

椿「かしこまりました。」と、淡々とこなす椿。

空「・・・お前、中々やるな。」

椿「まぁね。はいこれ。」と、空に伝票を渡す椿。

空「おう。」それを受け取ると、空は厨房に入っていく。そうしていると、
女子高生二人が、なにやら話している。

「ねぇ。あの銀髪の人と、あそこの青い髪の人。どっちがいい?」

「やっぱ、銀髪の人かな。まだちょっと、子供っぽさが残ってる感じが良くない?」

「やっぱり?左目に包帯巻いてたけど、ああいう感じが良いのよね〜。」と、空の事を
色々話している二人を、椿は苦笑しながら見ていた。

椿(はは・・・空ってやっぱモテるな〜。)と、そんなことを思ってると・・

空「椿。これ、入ったけど・・・」と、空がアイスコーヒーを持ってきた。

椿「あ。だったら、空が持ってけば?」

空「え?なんで?」

椿「いいからいいから。」

空「・・・・?」そう言われ、空は二人にアイスコーヒーを持っていく。

空「お待たせしました。」そう言い、テーブルにアイスコーヒーを置いていく空。

「・・・・・//////」

「・・・・・//////」と、その様子をうっとりとした表情で見ている二人。

空「ごゆっくりどうぞ。」そう言い、席から離れる空。それを待っていたのは・・・・

ナギ「・・・ふん!」ナギの攻撃だった。

空「つう!!」ナギに思いっきり足を踏まれ、悶絶する空。

空「・・・・何するんですか、急に・・・!」

ナギ「・・・なんか、むかついた。」

空「んな、無茶苦茶な・・・」

ハヤテ「・・・・・」

歩「・・・・・・・」その様子を苦笑しながら見るハヤテと、そんなハヤテを見つめる歩。

そして、夕刻・・・・

空「じゃ。俺達はそろそろ帰るわ。」

椿「うん。じゃね。空。ナギちゃん。」

ナギ「ああ。つまみ食いとかするなよ、花子にハムスター。」

椿「花子言うな!」そうして、二人は屋敷へと帰った。

歩「・・・・・」

椿「・・・・先輩?」

歩「へ?あ、ううん。なんでもない。」

椿「・・・そうですか・・・それじゃ、私もそろそろ・・・」

歩「うん。それじゃ。」そうして、椿も帰っていった。

歩「・・・・・・ふぅ。」そうしていると、ハヤテがトイレから出てきた。

ハヤテ「ん?・・・まだ、いたんですか?西沢さん。」

歩「・・・うん。」

ハヤテ「これから暗くなりますから、早く帰ったほうがいいですよ。」と、
椅子をテーブルの上に上げ、掃除を始めようとするハヤテ。その瞬間・・・・

ギュッ・・・・

ハヤテ「・・・・・・・・西沢さん?」歩がいきなり、後ろから抱きついてきたのである。

歩「・・・ハヤテ君・・・」ハヤテの体に手を回し、絶対に放さないとでもいいたげに
ハヤテに抱きつく歩。

ハヤテ「・・・・・・・」

その頃、屋敷に帰宅途中の空とナギは・・・・

空「あ。そういや、今日は咲夜さんの誕生日でしたね。」

ナギ「ん〜・・・?そういや、そうだったな・・・」と、明らかに眠そうなナギ。

空「あの・・・大丈夫ですか?お嬢様。」

ナギ「うぇ?あぁ・・・大丈夫・・・ちょっと、疲れただけ・・・」

空「はは・・・なんだかんだ言っても、久しぶりでしたからね。それに、頑張ってましたし。」

ナギ「え・・・そうか・・・?」

空「ええ。」

ナギ「・・・そっか・・・」


その夜、とある迎賓館。


咲夜『さよか〜。バイト行って、疲れたか〜。』

空「ちょっと寝たら行くって言ってましたけど・・・この分だと起きそうにないっすね。」

咲夜『そか。じゃ、自分もナギもこられへんっちゅーことやな。』

空「はい。すいません。笑わせるとか言っときながら・・・」

咲夜『ああ、ええねんええねん。気にせんといて。』

空「はぁ・・・それじゃ。」そう言い、電話を切る。

咲夜「さ。と言うわけで、今年も来てくれたんは、お前だけっちゅー事やな。」

ワタル「悪かったな。」

咲夜「じゃ。時間も無いから、さっさと上がってくれへんか?」

ワタル「あ?どこに。」

咲夜「決まっとるやろ・・・あそこや!」と、特設ステージを指差す咲夜。

ワタル「・・・・・・え?」その日の事は、ワタルにとってトラウマになったという・・・
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第66話終了です。なにかあれば、コメをください。それでは。
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ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.21 )
日時: 2009/08/14 15:55
名前: ゆーじ


こんにちは、あまりにも面白い展開過ぎてまたしても感想を書かせていただきます。邪魔でしたら削除してくれても構いません・・・(汗)

とうとう空も原作14巻にまで突入しちゃいましたね、そしてめちゃ久々のハムスターこと歩も登場!なんか懐かしいですっ。

「西沢歩こと、ハムスターだ」ってところで笑ってしまいました(笑)そして笑ってはいけない所だと思っていますが失礼ながらハヤテの「ハメられた!!」にも笑ってしまいました。・・・スイマセン・・

そしてマスターの策略によりハヤテもその波(?)に巻き込まれたご様子。ある意味まだ不幸な人なんですね〜・・・。

ハヤテと歩のその後は!!そしてワタルはトラウマステージで何を披露して滑るのか!!次回が楽しみでなりません。

やっぱり歩もヒナギクみたいに何か言われるんでしょうか・・・・。

とりあえずこれからも応援してます!!この先チョクチョク感想を書いていこうと思っています!あ、でも邪魔と思ったら普通に消しても構いませんからね?

じゃ、そういうわけで更新頑張って下さい!

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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.22 )
日時: 2009/08/15 13:12
名前: SORA

どうもです!ゆーじさん!またまた、コメをありがとうございます!まず、一つ・・・
自分は、コメを消したりは、いたしません。ええ。折角コメを寄せてくれたのに、
それを消してしまうとは、どんな礼儀知らずだ、このヤロー。と言う、考えが自分の中に
ありますので。ですから、どんどんコメを寄せてくれて結構ですよ?ええ。例え、
批判であっても、自分は甘んじて受け入れる覚悟ですので。(まぁ、あまりにも酷けりゃ
それはさすがに消しますけど。)それと、「笑える」と、思った部分では、
そこは思う存分、笑ってくれて構いません。無理して笑わないほうが、作者側として、
心苦しくなってしまいますから。(新人がここまで言ってしまって、申し訳ありません!)
それでは!第67話、どうぞお楽しみください!
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第67話[歯車はゆっくりと・・・・]

前回のあれの後、ハヤテと歩は掃除を終わらせ、今は一息ついていた。

ハヤテ「どうぞ。」と、ハヤテが歩にコーヒーを差し出す。

歩「・・・ありがと。」

ハヤテ「いえいえ。」と、カウンターにもたれかかるハヤテ。

歩「・・・・あの・・・・」

ハヤテ「?」

歩「・・・・ごめんね?さっきは。」

ハヤテ「・・・・あぁ・・・・別に、もう慣れっこですよ。」

歩「慣れっこ!?慣れっこって、どういうことかな!?ハヤテ君!!」

ハヤテ「え!?いえ、別に何でも・・・」

歩「逃げないでよ!なに!?慣れっこって!!」

ハヤテ「いや、ですから、それは言葉のあやで・・・・」

歩「・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」

歩「・・・・まぁ、いいや。」

ハヤテ「ふぅ・・・・」

歩「・・・・・ハヤテ君。」

ハヤテ「はい?」

歩「よかったよ。ハヤテ君が、昔みたいに元気でいてくれて。」

ハヤテ「はぁ・・・・」

歩「会えて嬉しい。ヒナさんから、三千院家をクビになって、どこかに行っちゃったって
聞いた時は、結構ショックだったんだけど・・・」

ハヤテ「・・・・・」

歩「見たところ、もうナギちゃんには、一度会った感じだったけど・・・
ヒナさんには会わないのかな?」

ハヤテ「・・・・会いましたよ・・・先月・・・」

歩「え!?」

ハヤテ「ヒナギクさんの誕生日の時に・・・」

歩「・・・・へ〜・・・・」

ハヤテ「まぁ、それまでは会おうとは思わなかったんですけど・・・」

歩「へ?なんで?」

ハヤテ「・・・なんていうか・・・嫌われてるって、おもってましたから・・・」

歩「(うわーお・・・)・・・それで・・・なんで、会う気になったのかな?」

ハヤテ「・・・あの、三千院さんと一緒にいた、銀髪の人・・・わかります?」

歩「・・・あぁ、あの左目に包帯巻いてた人?」

ハヤテ「はい。彼が、今の三千院家の執事なんです。」

歩「そうなんだ・・・でも、彼がどうしたのかな?」

ハヤテ「彼のおかげなんです。僕が、ヒナギクさんに会う気になったのは。」

歩「え?」

ハヤテ「僕、彼に、「相手の気持ちを理解してるつもりでも、全然理解してない。」って
言われたんです。それで・・・」

歩「・・・へ〜・・・でも、ヒナさんの事だから、会うだけじゃ済まなかったんじゃないかな?」

ハヤテ「告白されました。」

歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

ハヤテ「その時、告白されたんです。ヒナギクさんに。」

歩「・・・・・・あ・・・・・・そう・・・・・・なんだ・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・・」

歩「・・・・それで・・・・二人は今・・・・・付き合ってたりするのかな?」

ハヤテ「いえ・・・・ふっちゃいました。思いっきり。」

歩「ええ!?なんで!?」

ハヤテ「それは・・・・・」

歩「ヒナさんをフッた!?どうして!また、甲斐性がどうとか・・・」

ハヤテ「それもあります。それに・・・・」

歩「・・・それに・・・・?」

ハヤテ「・・・今更・・・僕にどうしろと・・・?」

歩「え?」

ハヤテ「三千院家をクビになってから、ずっと、誰にも何も言わず、何をしてるのかさえ
言わなかった僕に、今更、誰かと付き合う資格なんて・・・・」

歩「でも!ヒナさんなら、そういう事は気にしないと思う!ヒナさんは・・・!」

ハヤテ「ヒナギクさんにも、同じようなことを言われました。けど、それでも僕は・・・」

歩「そんな・・・・ヒナさんが、どれだけハヤテ君の事好きだったか、わかってるの!?」

ハヤテ「・・・それは・・・」

歩「ヒナさんは、ハヤテ君がいなくなってから、ずっと悲しんでた!大丈夫そうに
振舞ってたけど、本当は誰よりもハヤテ君に会いたがってた!誰よりも、ハヤテ君の事を
心配して、大事に思ってた!ヒナさんはどんな時でも、ハヤテ君を忘れなかった!!
それを・・・・!」

ハヤテ「・・・・・だからこそだと思います。」

歩「・・・・・・え?」

ハヤテ「そこまで僕の事を心配してくれるからこそ・・・僕は皆の所へは戻れないんです。
それだけ・・・・心配すればするほど・・・それだけ、傷が深くなるから・・・」

歩「・・・・・」

ハヤテ「・・・・それじゃ、僕はこれで・・・」と、ハヤテが店を出ようとした瞬間・・・

カランカラーン♪
誰かが店に入ってきた。

ハヤテ「あ・・・・・」

歩「・・・・ヒナさん・・・・」

ヒナギク「・・・・ハヤテ君・・・・歩・・・・」

ハヤテ「・・・・チッ。」と、ハヤテは舌打ちすると、ヒナギクを押しのけ、足早に
店を出て行った。

ヒナギク「・・・・・・・」

歩「・・・・・・・・・」


所変わって、ここは咲夜の誕生日会が行われている迎賓館。そこのとある一室に、
ワタルはうずくまっていた。

ワタル「・・・・・・・」

咲夜「なんやねん。な〜にをイジケとんねん。」

ワタル「・・・・イジケもするだろ。あんなスベリ方したんじゃ。」

咲夜「まーまー。そー言わんと。」と、ワタルの隣に座る咲夜。と、そこに・・・

「あの・・・・咲夜さん。ご友人は・・・」一人のメイドがやってきた。

咲夜「おお、ハルさん。大丈夫やて。こいつはそう簡単にはへこたれへん男やから。」

ハル「はぁ・・・・」そう。彼女こそ、元白皇学院生徒会書記で、今や白皇OGで、
咲夜の専属メイドのハルこと、春風 千桜である。

咲夜「ま。こいつはウチにまかせればええから、ハルさんは適当に時間潰しとき。」

千桜「はぁ・・・それじゃ、私はこれで・・・」そう言い、千桜は部屋を出た。

千桜(ふ〜。時間潰せとは言っても、そう簡単には潰せないし・・・・・そういえば・・・
新しい三千院家の執事って、どんな人なんだろう・・・執事バトル大会があったらしいけど
その日は、私風邪引いて休んでたからな〜・・・)といったことを考えていると・・・

「あ!これは、ようこそいらっしゃいました!」使用人達がなにやら騒いでいる。

千桜「ん?」

ナギ「まったく・・・自分の誕生日くらい、家で慎ましくできんのか、あいつは。」

空「まぁ、確かにスゲェ規模ではありますよね。」それは、ナギと空だった。

千桜(あれは・・・三千院?てことは、隣にいるのが、新しい三千院家の執事・・・)
そうすると、千桜は空とナギに近づく。

空「ん?」

ナギ「どうした?」

千桜「どうも。あなたが、新しい三千院家の執事ですね?」

空「へ?はぁ・・・そうですけど・・・あなたは?」

千桜「申し遅れました。私、咲夜さんの専属メイドの、ハルと申します。」

空「咲夜さんのメイド・・・あ。俺、早乙女 空です。」

ナギ「それで・・・咲夜はどこに?」

千桜「咲夜さんなら、あちらの部屋でステージでスベッたご友人を慰めてますが・・・」

ナギ「なんだ。またやったのか、ワタルの奴。」

千桜「お呼びしましょうか?」

ナギ「いや、いい。自分で行く。」

千桜「かしこまりました。」そうして、ナギと空は咲夜の部屋に向かった。

コンコン

咲夜「おー。入りや。」

ナギ「よう。」

空「こんばんは。」

咲夜「ナギ。お前、寝てたんとちゃうんか?」

ナギ「ああ、寝てたさ。けど・・・お前の誕生日だし・・・祝わないわけにもいかんだろ?
だから・・・これ、プレゼント。」と、ポケットから小箱を取り出すナギ。

咲夜「・・・・ありがとうな。」

ナギ「別に。」

咲夜「まー、それはそれとして、空。」

空「はい?」

咲夜「自分もここに来たいうことは、何か面白いことでもしてくれるんやろ?」

空「・・・・・え?」と、気づけばステージに立たされている空。

空(・・・・・・・・なに?この状況。どうすればいいんですか!?神様!!)


その頃、どんぐりから出た、歩とヒナギクは、適当に町をぶらついていた。

歩「・・・・・・」

ヒナギク「・・・・・・」

歩「・・・・・ヒナさん。」

ヒナギク「・・・・・ん?」

歩「昔に比べて・・・随分変わってましたね・・・ハヤテ君・・・」

ヒナギク「・・・そうね・・・私も、先月会った時、ビックリしたもの・・・」

歩「・・・顔つきもそうだけど・・・なんていうか・・・雰囲気というか・・・そういうのが・・・」

ヒナギク「・・・・・・」

歩「・・・先月といえば・・・」

ヒナギク「?」

歩「ヒナさん・・・ハヤテ君に告白したらしいですね。」

ヒナギク「!!/////////ど・・・どこでそれを・・・/////////」

歩「え?さっき話してたら、ハヤテ君が自分で・・・」

ヒナギク「もー!なんで、ペラペラ喋っちゃうのよ、バカー!!///////」

歩「フフッ・・・」

ヒナギク「もぉ・・・・///////」

歩「・・・ねぇ、ヒナさん。」

ヒナギク「ん?」

歩「ヒナさんは・・・ハヤテ君を諦められます?」

ヒナギク「・・・どういうこと?」

歩「・・・私・・・さっき、わかったんです。ハヤテ君の心は・・・いつまでたっても、
私には向かないんだって・・・」

ヒナギク「歩・・・・」

歩「・・・やっぱり私、卑屈ですよね。大した努力もしてないくせに、
こんな簡単にいじけちゃって・・・」

ヒナギク「・・・・・」

歩「・・・・・何もしてないのに・・・口説き落とすだの、なんだのって
好き放題言ったくせに・・・こんな・・・・」

ヒナギク「・・・・・・」

一方、ステージに立った空は・・・

空「・・・・・ってさ。」

WAHAHAHAHAHAHAHA!!

空「そしたら、ジョンはポールにこう言ったのさ。「そんなに欲しけりゃ、取りに来い。」
・・・・・ってね。」

HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!

マリア「凄いですね、早乙女君。」

ナギ「こんな大観衆を前に、よくもまぁ、あんな流暢に喋れるもんだ。」

咲夜「ま。ネタが物凄く納得いかんけどな。」と、意外と出来ていた。
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67話終了です。なにかあれば、コメをください。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.23 )
日時: 2009/08/16 14:23
名前: SORA

第68話[少しづつ・・・]

前回のステージを終えた空は・・・・・迷っていた。

空(あれ?お嬢様にミルクティーでもと思って、厨房目指してたけど・・・
全然違うとこに出ちまったな・・・どうしよ・・・)と、そこに・・・

「・・・・・・」と、小さな子供がいた。

空「(ん?他の客の子供か?)ねぇ。」

「!」

空「もしかして・・・君も迷子?」

「あ・・・・・」

空「?」

「気安く話しかけんな。土でも食ってろ、白髪野郎。」

空「・・・・・・え?いや・・・・」

「やー!この人、チカンでーす!おまわりさーん!」

空「はい!?いや、ちょっ、ま・・・!」

「いやー!さーらーわーれー・・・・」と、勝手に騒ぐ少女、そこに・・・

「何をしとんねん、お前はー!」

スパァァァァァン!
と、その子にそっくりの少年のハリセンが入る。

「なにすんねん、朝斗のアホー!」

朝斗「なにや、ないやろ!日向!またお客様に迷惑かけて!」

日向「うっさい!あんたなんか、死んでまえ!」

朝斗「なんやと!?お前が死にさらせ!」

空「・・・あのさー・・・」

日向「なんや、まだおったんか。」

朝斗「どんくさいやっちゃのー。」と、この発言が空の逆鱗に触れた。

空「・・・・」
プチッ

ガシィ!
と、二人の頭を鷲掴みにする空。

空「いや〜・・・最近の子供は、礼儀正しくていいね〜・・・ご褒美に、
ゲンコツでいい子いい子してやろうか?ああ?」と、笑顔だが、血管が浮かび上がり、
怒り心頭の空。

朝斗・日向「ひぃ!!」と、ビビる二人。そこに・・・

「はは。すまないね、子供たちが迷惑をかけて。」と、30代半ばの男が
やってきた。

空「あ?」

「君が三千院家の執事君だね?さっきのステージは最高だったよ。」

空「はぁ・・・」と、二人から手を放す空。

「特に、あの事故現場の件は最高だった。まさか、あそこでマークが
南アフリカ出身だったとは・・・」

空「え?あったっけ?そんなん。」

「・・・・・・」

空「・・・・・・・」

「・・・・・なかったな。」

空(なに!?このオッサン!!)



時を同じくして、ここは迎賓館の外。ここに、一人の男がいた。

「・・・・・・・」男は迎賓館を見つめ、そこから微動だにしなかった。



そして・・・

空「え?咲夜さんの父親と兄妹だったんすか?」

咲夜「せや。あと、乳母と下の二人が来とんねんけど、二人は寝てもーてん。」

空「へ〜。」

咲夜父「まぁ、そういうことで・・・」

空「あれ?でも、お嬢様が言うには咲夜さんには、ギルバートとか言う
腹違いの兄貴が・・・」と、ここで辺りが静まり返る。

空「・・・・あれ?」

咲夜父「・・・・早乙女君。君はまだ若い・・・だから、知らないだろうが・・・」

空「?」

咲夜「・・・・」

咲夜父「・・・外国は・・・恐ろしい所なのだよ・・・」

空「・・・・へぇ・・・・(だめだ、こいつ・・・・・)」

所変わって、迎賓館の廊下・・・

空「いや〜・・・咲夜さんの父親って、だめっすね。」

ナギ「ああ。だめだな。」と、廊下を歩きながらそんなことを話す二人。そして、
廊下の角を曲がった瞬間・・・

ドン!
誰かとぶつかってしまう。

空「いって!」

「あ!すまん!大丈夫か?」と、相手が手を差し伸べる。

空「おお・・・なんとか・・・」と、空がその手を掴む。

「・・・・あなたは、三千院家の・・・」

空「え?お嬢様、知り合いですか?」

ナギ「いや。私は知らん。」

「まぁ、無理も無いですね。面識ありませんから。」

空「はぁ・・・」

「あ。紹介が遅れたな。俺、霞家で執事やってる、宝城 弥勒(ほうじょう みろく)。よろしく。」

空「え?ああ。俺は、早乙女 空。よろしく。」

ナギ「ん?霞家?」

弥勒「ええ。それで、腰辺りまで届く紫のロングヘアーで、和服来た女性を
見ませんでしたか?」

ナギ「霞家ってことは、愛歌さんのことか・・・悪いが、見てないぞ。」

弥勒「そうですか・・・ここに来たときは一緒だったんですけど・・・」と、
弥勒が辺りを見回していると・・・

「宝城君。」と、後ろから、誰かが話しかけてきた。

弥勒「あ。探しましたよ。愛歌お嬢様。」

空「この人が・・・」

ナギ「ん?あぁ、白皇学院元生徒会副会長、霞 愛歌さんだ。」

愛歌「あら。お久しぶりね、三千院さん。」

ナギ「え?はぁ・・・」

愛歌「・・・そちらの方は?」

ナギ「あぁ。私の新しい執事の・・・・」

空「どうも。早乙女 空っていいます。」

愛歌「霞 愛歌です。よろしくね、早乙女君。」

空「いえ、こちらこそ・・・」

弥勒「ていうか、今までどこに行ってたんですか?」

愛歌「ちょっとね。」と、多くは語ろうとしない愛歌。

弥勒「・・・まぁ、いいや。それじゃ、行きましょう、お嬢様。」

愛歌「ええ。それじゃ、ごきげんよう。三千院さん。それと早乙女君。」そう言い、
二人は去っていった。

そして、咲夜の父親がいる部屋に入る二人。

咲夜父「いや〜。わざわざ、来てくれてありがとう。お礼に、今朝捕れた
生ジャケをあげよう。中にイクラが入ってておいしいよ。」

ナギ「ですから、いりません。そんな生臭いもの。」

咲夜父「ははは。シャケだけに、遠慮し"マス"だって。面白いね。日向、朝斗。」

日向・朝斗「・・・・・・・」

咲夜父「よーし。だったら、父さんも張り切って、お得意の裸漫談を・・・」

咲夜「させるか、ボケーーーー!!」

スパアアアアン!!
と、咲夜の強烈なハリセンが炸裂。

咲夜父「い・・痛いじゃないか、咲夜!お父さんになんてことを・・・!」

咲夜「なんてことを、ちゃうわ!どんだけ恥ずかしい真似すれば気が済むんよ、
お父ちゃんはぁ!!おのれは、それでいつも失敗しとんのやろがい!」

朝斗「せや、せや!」

日向「そーや!恥ずかしいわ!」

咲夜父「しょうがないなぁ・・・それじゃ、漫談は止めにして、とりあえず父さん
裸になるよ。」

咲夜「させるかぁ!させて、たまるかぁ!!もうええ!朝斗、やってまえ!!」

朝斗「ラジャー!」と、咲夜父に襲い掛かる3人。

空「はは・・・たのしそ〜・・・」

ナギ「・・・・・・」と、その様子を見ていたナギは、突然背を向ける。

空「お嬢様?」

ナギ「・・・・少し疲れたから・・・寝る。」

空「はぁ・・・・」そうして、ナギは部屋を出て行った。

空「・・・・・」そして、制裁を加えられた咲夜父の所へ行く空。咲夜達は
すでに退室している。

空「あの・・・ちょっと、いいですか?」

咲夜父「ん・・・なんだね?」

空「・・・咲夜さんはお嬢様の従姉妹で・・・でも、母親の紫子さんには、
他に兄妹がいない・・・だとしたら、咲夜さんはお嬢様の、父方の従姉妹に
当たるわけですよね?」

咲夜父「ふむ・・・・まぁ、そうなるね・・・」

空「それで・・・・どういう人だったんですか?お嬢様の父親って・・・」

咲夜父「・・・聞いて、どうするんだい?」

空「知りたいんです。いや・・・・知らなきゃいけない気がして・・・」

咲夜父「・・・・そうか・・・・まぁ、彼を一言で表現するなら・・・」

空「?」

咲夜父「物凄い、向こう見ずで、破天荒な人だったね。」

空「・・・はぁ・・・」

咲夜父「容姿の方は、君の前任の綾崎君に・・・性格は・・・・君によく似ている。」

空「俺に?」

咲夜父「ああ。強く、優しく・・・誰からも信頼され、自分の大切な者を守るためには、
どんな事でもする・・・だからこそ、紫子さんも彼に惚れたのだろう・・・
主と執事という、大きく険しい壁を乗り越えてね・・・」

空「え?」

咲夜父「彼は元々、紫子さんの執事だったんだよ。」

空「そうなんすか!?」

咲夜父「ああ。その立場上、互いに中々踏み出せずにいたんだが・・・それでも、
二人は困難を乗り越え、結ばれた。そして産まれたのが・・・彼女、三千院ナギだ。」

空「・・・・・・」

咲夜父「けど、残念だったよ・・・彼が亡くなったのは・・・彼がいた頃が、
今までの人生で一番楽しかった。そして、彼と姫神君・・・その二人が、当時の
「三千院の双璧」と言われていたんだ。」

空「姫神って・・・誠さん?」

咲夜父「そう。姫神 誠。彼と、ナギちゃんの父親は唯一無二の親友だった。
彼が死んだ時、誠は、紫子さんと同じくらい悲しんでいた。」

空「そうか・・・だから、あの時・・・」と、空は三千院家の本宅に行った時、
誠が言っていた事を思い出す。

誠「なに。昔、私の友人が同じ様なことをしたのでね。それで、つい思い出してしまったよ・・・」

空(友人って・・・お嬢様の父親の事だったのか・・・)

咲夜父「まぁ、今となってはそれも過去の事だが・・・」

空「・・・そうですか・・・ありがとうございます。話してくれて。」

咲夜父「いや、別に構わないさ。」

空「・・・それじゃ。」そう言い、空は部屋を出て、そのまま前庭へと向かった。

空「・・・・・・・」と、無言で夜空を見上げる空。そこに・・・

咲夜「空?なにしとんねん。こんなとこで。」

空「あ。咲夜さん。」

咲夜「どないしたん?浮かない顔しとるけど・・・」

空「いえ、別に・・・ただ、咲夜さんも金持ちだったんだな〜って・・・」

咲夜「ほ〜・・・そうかそうか。そんなに、ウチが金持ちに見えへんか。」

空「いや、そういう意味じゃなくて・・・こんなでかい迎賓館貸し切って・・・
あんなアホかってくらいの人数集めて・・・おまけに、美人のメイドさんもいて・・・
それで、ちょっと・・・」

咲夜「・・・今、「美人のメイドさん」って件があったんやけど・・・おのれ、まさか
ハルさんに・・・」

空「いやいやいや!違います!そういう意味で言ったんじゃ・・・!」

咲夜「・・・ふ〜ん・・・まぁ、ええわ。ま。そりゃ、強くて、万能で、おまけに
美形の借金執事は、そらおモテになるんやろうけど、あんま調子にのんなや。」

空「いや、調子に乗ってるつもりは・・・それに・・・いまいち、苦手なんすよ・・・
女の子って・・・・仮に・・・・誰かを好きになったとしても・・・・」


空なんて・・・・・空なんて、大っ嫌い!!


空「・・・・・・・」と、険しい顔になる空。

咲夜「・・・・・どないしたん?」

空「へ!?あ、いや、ちょっと、昔の事思い出したって言うか・・・」

咲夜「ふ〜ん・・・そういや、ナギはどないしたん?」

空「あぁ、お嬢様ならさっき、「疲れたから寝る」とか、言ってましたけど・・・」
と、そこに・・・

マリア「早乙女くーん!」マリアが走ってきた。

空「マリアさん?どうしたんすか?」

マリア「ナギが何処に行ったか知りませんか!?」

空「え?」




ナギ「・・・・・・」と、ナギは迎賓館から少し離れた場所で夜空を見上げていた。

そこに・・・・

空「お嬢様。」

ナギ「空?」

空「探しましたよ。こんな所で、なにやってたんすか?」

ナギ「ん?いや、ちょっと星が見たくなってな・・・」

空「星?」

ナギ「ああ・・・小さい頃、母と二人で、よく星を見てたんだ。今年は、下田で
思い出しすぎてしまったからな。」

空「・・・・・」

ナギ「・・・・それと・・・」

空「?」

ナギ「家族ってのも・・・悪くはないなぁ・・・・っておもって・・・さ。」

空「・・・・・でも。」

ナギ「?」

空「咲夜さんのとこみたいに・・・いいとこだけじゃないっすよ・・・」

ナギ「それもそうだな。ハヤテの所なんか・・・」

空「それより性質悪いの、俺知ってます。」

ナギ「・・・・・え?」

空「自分の子供を捨てるじゃなくて・・・・自分の子供を・・・・殺す親。」

ナギ「!・・・・・そう・・・・・だな・・・・・」

空「・・・・・お嬢様。」

ナギ「ん?」

空「家族って言うなら・・・マリアさんがいるじゃないですか・・・それに・・・俺だって・・・」

ナギ「・・・・あぁ・・・・マリアは家族だ・・・・大切な・・・・けど・・・・」

空「けど・・・?」

ナギ「今・・・マリアは姫神の事を想ってる・・・だから・・・それで、マリアが
いなくなるかもしれないって思うと・・・私は・・・」

空「・・・お嬢様・・・」

ナギ「・・・・私は・・・・今まで・・・・色々失くしてきた・・・・
父も・・・・母も・・・・私のわがままで・・・・なにもかも・・・・」

空「・・・・・」

ナギ「私は・・・・一人になるのが嫌だ・・・・嫌なのだ・・・・他の何よりも・・・・
一人に・・・・・なるのだけは・・・・・」

空「・・・・・・・」と、空はナギの横に移動すると・・・

グッ
ナギの肩を掴み、自分の方へ抱き寄せる。

ナギ「!!」

空「・・・・それは・・・・人として、当たり前の反応だと思います・・・」

ナギ「え・・・・?」

空「一人になるのが嫌だ・・・・当たり前です・・・・人間は・・・・
一人じゃ生きていけないんですから・・・・・」

ナギ「・・・・・」

空「それに・・・無くしてるばかりじゃないでしょ?」

ナギ「え?」

空「無くして・・・・得る物だってあったはずです・・・・一つくらいは、あるでしょ?」

ナギ「・・・・あぁ・・・・失いたくなかった者の大切さ・・・・それに・・・・」

空「・・・お嬢様は・・・・一人じゃないです・・・これまでも・・・これからも・・・」

ナギ「・・・これからも・・・?」

空「はい・・・俺がいますから・・・」

ナギ「!・・・・・けど、それはあの約束までで・・・・」

空「・・・もう・・・俺の中で約束なんて関係無いです。」

ナギ「・・・・・・」

空「約束とか・・・そういうの関係無しに・・・俺は・・・お嬢様を守っていきます。」

ナギ「・・・空・・・」

空「これからも・・・ずっと・・・だから・・・自分は無くしてばかりだとか・・・
そういう事を言うのは、やめてください。」

ナギ「・・・・・・・」

空「お嬢様には・・・・・・いつまでも・・・・・・・・・俺がいますから・・・・・・」

ナギ「・・・・空・・・・」

空「ね?」

ナギ「・・・あぁ・・・そうだな・・・」そうして、ナギから離れる空。そこに・・・

マリア「ナギー!」

ナギ「おぉ、マリア。」

マリア「まったく。探しましたよ?」

ナギ「悪かったな。迷惑かけて。」

マリア「・・・まぁ、無事だったなら良しとしましょう。」

咲夜「よっしゃ。ナギも見つかったことやし。これからとっておきのもんを見せたるわ。」

ナギ「とっておき?」

咲夜「ま。みてからのお楽しみや。まずは戻るでー。」そう言い、迎賓館に
戻り始める一行。が・・・

ピリッ・・・

空「!!」と、何かを感じ取った空。

ナギ「?どうかしたのか?」

空「・・・・・・」

マリア「早乙女君?」

空「・・・まさか、ホントに来るとはな・・・」

ナギ「なにがだ?」

空「お嬢様。先に迎賓館に戻っててください。」

ナギ「え?」

空「やる事ができました。」

マリア「やること?」

空「はい。それで、俺が戻るまで・・・絶対に迎賓館を出ないでください。」

ナギ「え・・・なぜだ?」

空「後でわかりますよ。いいから、早く。」

ナギ「・・・・・」

咲夜「なんか、ヤバソーやし・・・いくで、ナギ。」と、ナギの手を引く咲夜。

ナギ「空!」

空「?」

ナギ「必ず、帰って来いよ!」

空「・・・わかってますよ!心配しないでください!」そうして、ナギたちは
迎賓館へ入っていった。

空「・・・・さて。人払いは済んだぜ。」と、落ちてた石ころを拾う空。

空「コソコソ隠れてねぇで・・・出て来い!!」と、自分の後方にあった木に向かって
その石を投げる空。

ギャン!
その石は、木の側面を掠め、そのまま飛んでいった。

空「あれ?木のど真ん中狙ったんだけど・・・まぁ、いいや。出て来いよ。姫神。」

「・・・・・・」と、その木の裏側から出てきたのは、元三千院家執事、姫神 煉だった。

空「ヒュウ♪ビンゴ。」

姫神「・・・よく、気づいたな。」

空「あんなビンビンに殺気張ってたら、誰でも気づくっつーの。」

姫神「フッ・・・・その目・・・・綾崎にでもやられたか?」

空「あれ?わかる?」

姫神「あいつにそこまでやられるか・・・じゃあ、お前は俺には勝てないな。」

空「・・・・はぁ?何言ってんだ、お前。」

姫神「?」

空「言っとくけどな、ハヤテは強かったぜ。お前の何十倍もな。」

姫神「・・・・・・」

空「ま。俺がお前を待ってた理由は一つ。」

姫神「?」

空「テメェをぶっ飛ばして、三千院家に連れ戻す。それだけだ。」と、
姫神に向かって指を突きつけながら言う空。

姫神「ぶっ飛ばすだと?この俺を?」

空「ああ。んでもって、テメェのイジけた根性を叩きなおす。」

姫神「・・・・・貴様・・・・・」

空「さ。始めようぜ、姫ちゃん。教育指導の始まりだ。」

姫神「ガキが・・・・返り討ちにしてやるよ・・・・!」
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第68話終了です。如何だったでしょうか?なにかあれば、コメをください。それでは。

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ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.24 )
日時: 2009/08/16 14:55
名前: ゆーじ

どうもSORAさん。私の小説にSORAさんの感想があったので、感想返しです。

まず朝斗と日向パート。ハヤテは少しオロオロしてましたが、空はぶち切れたみたいですね(笑)

「いや〜・・・最近の子供は、礼儀正しくていいね〜・・・ご褒美に、
ゲンコツでいい子いい子してやろうか?ああ?」

ここ、笑いました(笑)


そして原作では全然触れたことがないナギ父の話。たしかにベガス編を見る限りハヤテに似てましたよね、お父さん。


それからナギと空のパート。ハヤテ編(原作)ではあんなにニヤニヤシーンではなかったのに空編だとめちゃニヤニヤシーンですね。あ、指が・・・とかそういうのが全く無くて、すげっ!としか言いようがないです。

そしてまさかの空VS姫神!!?ハヤテ戦での傷だって癒えてない状態で平気なんでしょうか!

次回、めちゃ楽しみです!!応援してます!



PS:そういえばSORAさんってこの話が初投稿なんですよね?・・・・すげぇですね、いやホントに。





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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.25 )
日時: 2009/08/17 16:47
名前: SORA

ゆーじさん!コメをありがとうございます!自分が考えた展開を、
楽しんで頂けたようでよかったです!それでは!第69話、どうぞお楽しみください!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第69話[空VS姫神]

シュル・・・・
と、左目に巻いてある包帯を取り、右手にバンデージ状にして巻きつける空。

姫神「・・・いいのか?その包帯、見る限り今月中には取れそうに無いが・・・」

空「いらねぇ心配だ。それより、自分を心配しとけ、タコ。」そう言い、左目を開ける空。

姫神「・・・・・・」

空(・・・チッ。やっぱ、視界がボヤける・・・見にくくてしょうがねぇ・・・)
と、次の瞬間・・・・

ヒュッ

空「!」

ズガァン!!
と、姫神の蹴りが炸裂し、空は吹き飛んだ。

姫神「・・・・・」

空「・・・いって・・・」と、起き上がる空。

姫神「フッ・・・そう簡単に終わられちゃ、つまんねぇ。」

空「同感・・・・」そう言い、今度は空が突っ込む。

空「らぁ!」と、パンチを繰り出す空。

姫神「・・・!」が、姫神はそれを防ぐ。

空「・・・・・」次の瞬間、空は体を回転させ、その遠心力を利用した蹴りを繰り出す。

姫神「チッ!」と、姫神はそれを回避。その瞬間・・・

空「もらった・・・!」と、空が姫神の懐に回りこむ。そして・・・

パキィ!
と、空のアッパーが姫神の顎に炸裂する。が・・・

空(だめだ!浅ぇ!!)

姫神「・・・・」と、姫神は空の両足に右足を引っ掛け、腕を空の胸に押し付け・・・

姫神「・・・フン!」

バァン!
と、いわゆる、STOで空を叩きつける。

空「くっ・・・!」続けて姫神はパンチを繰り出すが、空は逆立ちしてそれを回避。

空「・・・おるぁあ!」と、そのまま逆立ちの状態からの連続蹴り・・・いわゆる・・・

姫神(カポエラ!?クソ!こいつ、こんな技術まで・・・!)

空「チッ・・・この・・・!」と、スピードを上げる空。

姫神「クソ・・・!捌きにきぃ・・・!」と、ここで・・・

バチィ!
と、空の蹴りが姫神の手を弾く。

姫神「しまっ・・・!」

空「もらった!」と、空は地面を思いっきりはたき、その勢いで姫神に強烈な蹴りを見舞う。

姫神「ぐぅ!」と、腹に強烈な蹴りを食らった姫神は、そのまま地面を転がる。

空(・・・・いける!嘘みてぇに、体が動く!痛ぇのを除けば今まで以上だ!)そうして、
立ち上がる空。

姫神「くっ・・・・」と、それと同時に姫神も立ち上がる。

空「どうした、どうした!そんなもんか!?ああ!?」

姫神「・・・・・・」

その頃、ナギたちは・・・・・

ナギ「・・・・・」

マリア「早乙女君・・・・・一体何が・・・・」

咲夜「そうやな〜・・・ま。空なら大丈夫やろ。な?ナギ。」

ナギ「当たり前だ。空が私を見捨てるはずが無い。」

マリア「・・・・・・」

ナギ(そうだ・・・・空は・・・・私と・・・・ずっと・・・・)

そして・・・・・

姫神「ふっ!」

バキィ!

空「ぐっ・・・!」と、やや押されぎみの空。

姫神「らぁ!」

空「そう何度も、食らうか!」と、姫神がパンチを繰り出したと同時に、
背後に回りこむ空。

姫神「!」と、そのままジャンプし、姫神の頭を掴むと・・・

空「・・・うるあ!」と、自分は背中から地面に落ち、姫神の頭を地面に叩きつける、
いわゆる、スローバックを敢行した。

ゴシャア!

姫神「ぐあ・・・!」と、姫神の額から血が流れ出る。

空「へへっ・・・」

姫神(早乙女 空・・・・こいつの戦闘センスはもしかしたら、俺や綾崎よりも
上かもしれない・・・・だとしたら・・・・こいつは近い内、俺達の誰よりも
強くなり・・・・そして、他の何よりも脅威となる・・・・三千院家ではこいつを
抑えられないほどに・・・・明らかに、以前会った時より強くなってやがる・・・・
あの時はせいぜい、いいとこ普通より強い奴程度・・・だったら、これを使うに不足なしか・・・)
と、構えを取る姫神。

空「・・・・?」

姫神「わかった。認めてやるよ、早乙女。お前は強い。」

空「へっ・・・そりゃ、どーも。」

姫神「だからこそ。お前は今ここで、潰す。」と、そう言った瞬間・・・

ゴウ!
姫神の身体から炎が上がる。

空「!」

姫神「お前の強さはいずれ、三千院家・・・いや、世界その物を脅かす。
その前に・・・・・俺がお前を滅ぼす!」と、姫神が纏う炎は、次第に大きくなっていく。

空(・・・・なんだ・・・・!?)

姫神「・・・・緋天・・・・」

空(!来る!!)

姫神「炎龍!!」

空「な!速・・・!」

ドギャアアアアアアアアン!!

空「が・・・は・・・!」空は吹っ飛び、そのまま倒れる。

姫神「・・・・・・」

空「ぐ・・・ふ・・・なんだ・・・・今の・・・」

姫神「・・・ナギやマリアから聞いたことぐらいはあるだろう・・・今のが、
三千院奥義の一つ、「緋天炎龍」だ。」

空「く・・・・なるほど・・・・」

姫神「・・・・ふぅ・・・・お前といい、綾崎といい・・・なぜそこまでタフなんだ?」

空「知るか。こういう風に出来ちまったんだよ。文句は神さんに言ってくれ。」

姫神「・・・まぁいい。」と、再び炎が上がる。

空「・・・やべ。」

姫神「緋天炎龍!!」

ズガアアアアアアン!!

空「ぐあああ!!」

ナギ「・・・・ん・・・・!?」と、いきなり席を立つナギ。

マリア「?・・・ナギ?どうかしましたか?」

ナギ「・・・・あれは・・・・」と、姫神の緋天炎龍の衝撃波が見えたナギ。

マリア「・・・・?」

ナギ「・・・・そうか・・・・空は、姫神の奴と・・・・」

マリア「え?・・・姫神君が・・・来てるんですか・・・?」

ナギ「ああ。間違いない。今、姫神の技が見えた。」

マリア「・・・・・」

そして・・・・・

空「・・・・・・・」

姫神「はぁ・・・・はぁ・・・・タフなヤローだ・・・・緋天炎龍を、3発食らっても
倒れねぇとは・・・・はぁ・・・・だが・・・・これで終わりだ・・・・」そう言い、
背を向け歩き始める姫神。だが、次の瞬間・・・・

空「・・・・・あぁ〜・・・・・」

姫神「!!」

空「くぅ〜・・・熱いし、痛ぇし・・・嫌な技だな〜、それ。」

姫神(・・・・馬鹿な・・・・緋天炎龍を3発もまともに食らったんだぞ・・・・なのに・・・・
なんて奴だ・・・・・早乙女 空・・・・)

空「・・・・どうした?もう、打ち止めか?」

姫神「・・・・しつこい奴だ・・・・これで終わりにしてやるよ・・・・!」と、
再度力を溜める姫神。

空(へっ・・・馬鹿な奴・・・・さぁ・・・・来いよ・・・・!テメェは俺の必殺技、
練習台第一号だ!!)

姫神「緋天・・・・・!」

空「・・・・・!」

姫神「炎龍!!」

ズギャアアアアアアアン!!

ナギ「!空!!」再び緋天炎龍が見えたナギは、迎賓館を飛び出す。

マリア「あ!ナギ!!」続いてマリアも飛び出す。

咲夜「ちょ、お二人さん!空が出るなゆうとったやん!」

ナギ「そんな悠長な事言ってられるか!!」そうして、ナギとマリアは空達のいる所へと向かった。



姫神「・・・・・・」
シュウウウウウウウ・・・・・

姫神(・・・・・・いない?消し飛んだか・・・・?)と、姫神が辺りを見回していると・・・

空「・・・・おい。お前が探してんのは、俺か?」

姫神「!!」と、振向くと、そこには空が立っていた。しかも、しっかりと姫神の肩を
掴んでいる。

空「いや〜。お前が単純な奴で助かったぜ。何発も撃ってくれたおかげで、
軌道や弱所なんかを見つけられたからな。」

姫神「・・・お前・・・今までわざと・・・」

空「ま。最初の一発は、結構マジで受けてたけどな。どんな技か知らなかったし。」

姫神「・・・・・・」

空「まぁ、なんにしても・・・・」と、空の身体に電気がほとばしる。

姫神「!これは・・・!」

空「充電完了だ。」

姫神「貴様・・・まさか・・・!」

空「感謝するぜ、姫神。お前が俺の必殺技、練習台第一号だ。ハヤテん時は
あっさり止められちまって、フルパワーがどれほどの威力かわからなかったけど・・・
今のこの状況なら、よ〜くわかりそーだ・・・」

姫神(クソ・・・!緋天炎龍の撃ち過ぎか・・・!体が動かん・・・・!」

空「ぶっ飛べ。」

姫神「・・・・・!」

空「紫電!!」次の瞬間、空の電撃の篭った全力のパンチが姫神の顔面を直撃した。

ズギャアアアアアアアアアン!!

姫神「ぐあああああ!!」そして、姫神はぶっ飛び、そのまま地面を転がる。

空「・・・・・・」

姫神「ぐ・・・・い・・・・今のは・・・・」

空「・・・・今のが、俺の必殺技・・・・「紫電」だ。紫電は、俺の身体の中で作られた
電撃を全身、もしくは身体の一箇所に集中させて打ち出す、または、俺自身が纏って
相手に突っ込んでいく技・・・・けど、打ち出すだけじゃなくて、身体の一箇所に電撃を留めて、
その部分に電撃を纏わせたまま相手に攻撃することも出来る・・・・・まぁ、
その分、その箇所にかかる負担も半端じゃねぇんだがな・・・実際、今の俺の右腕は
使い物にならねぇ・・・」と、空の右腕は痙攣している。

姫神「く・・・・・」

空「けど・・・・その分威力も、打ち出したり、突っ込んでいったりした時以上に高い。
てことで・・・・俺の勝ちだ。」

姫神「くっ・・・・」と、立ち上がろうとする姫神。

空「・・・・無茶すんな。下手に動こうとすれば、身体にかかる負担も倍になる。」

姫神「・・・ふざけるな・・・こんな・・・ことで・・・」

空「・・・はぁ・・・強情な奴・・・」

姫神「もう・・・俺には・・・帰る場所も・・・俺を待つ人間もいない・・・
こんなとこで・・・・躓いてる暇は・・・・俺には・・・・無い・・・・」

空「待つ人がいない・・・・・だ・・・・・?」と、姫神に近寄る空。

姫神「・・・・?」そして・・・・

バキィ!!
と、全力で姫神を殴る空。もちろん、左手で。

空「ざっけんな!!」

姫神「・・・・・・」

空「帰る場所が無い!?そりゃ、そーだろうよ!お前は執事をクビになった!
もし、あそこ以外に家が無いなら、お前には帰る場所は無い!!けどな・・・・
「俺を待つ人間もいない」だ!?ふざけた事、言ってんじゃねぇぞ!!いるに決まってんだろ!!」

姫神「・・・いるわけがない・・・そんな物・・・」

空「いるよ!!テメェは、自分の父親の事、忘れたのか!!」

姫神「・・・・!親父は関係ねぇ!!」

空「あるよ!!」

姫神「無いね!!血、繋がってねぇんだ!親父とは!!」

空「・・・え?」

姫神「・・・・ガキの頃・・・・俺は何処にでもいる、普通の小学生だった・・・
もちろん、三千院家とか、そういう富豪の話は一切聞かない・・・普通の・・・・・
ある日・・・いつも通り、学校から帰った俺が見た物・・・・なんだと思う・・・?」

空「・・・・・?」

姫神「・・・・・両親のバラバラの死体だよ・・・・・」

空「!!」

姫神「はっきり言って、トラウマだよ・・・・あの光景は・・・・それから、
何ヶ月かが過ぎたとき・・・・三千院帝が、俺を引き取りに来た・・・俺の事情を知った上でな・・・
そして、俺は親父・・・・姫神 誠の養子となり、姫神姓を名乗るようになった・・・・
楽しいもんだった・・・・三千院本宅での生活ってのは・・・親父は、厳しくも
俺に優しくしてくれてた・・・・そんな親父を尊敬していた・・・・やがて、
13歳になった頃、俺はナギの執事になった・・・だが、今となってはこのザマだ・・・」

空「・・・・・・」

姫神「あれだけ世話になっておいて・・・その恩を仇で返した俺だぞ?今更、
親父が俺を待ってるなんてことは・・・・」

空「・・・あるよ。」

姫神「・・・・あ?」

空「・・・誠さんは・・・きっとお前を待ってる・・・」

姫神「!・・・何を根拠に・・・!」

空「血の繋がりは無くても・・・お前と誠さんは、ちゃんとした親子だ・・・・
お前と誠さんが親子として過ごしてきた時間が・・・それを証明してる・・・」

姫神「・・・・時間・・・・」

空「・・・それに、お前を待ってるのは、誠さんだけじゃねぇよ。」

姫神「?・・・・どういう意味だ・・・?」

空「それは・・・・」と、そこまで言った瞬間・・・・

ナギ「空!!」

マリア「早乙女君!!」ナギとマリアが走ってきた。

空「お嬢様・・・はぁ・・・迎賓館で待っててって言ったでしょ?」

ナギ「はぁ・・・はぁ・・・姫神の・・・技が見えたから・・・気になって・・・」

空「え?」

マリア「はぁ・・・はぁ・・・この様子を見ると・・・早乙女君・・・」

空「あぁ・・・勝ちました。」

姫神「チッ・・・・」

マリア「・・・姫神君・・・」

ナギ「姫神・・・お前・・・!」と、文句を言おうとしたナギを空が制止する。

空「シ〜・・・」

ナギ「空・・・なんで?」

空「ここはマリアさんに任せましょう・・・」

姫神「・・・・フッ。無様だろ?笑いたきゃ笑え。」

マリア「・・・姫神君・・・教えてください・・・どうして・・・私やナギの前から
いなくなったんですか・・・?」

姫神「・・・・別に。ただ、ナギのわがままに愛想が尽きた。それだけ・・・」

マリア「嘘ですよね?」

姫神「!!」

マリア「姫神君が・・・そんな理由で執事を辞めるはずがありません・・・なにか・・・
なにか・・・理由があったんですよね・・・?」

姫神「・・・・・・」

マリア「・・・・・・」

空「・・・・・・」と、ここで空が姫神に向かって歩き出す。

ナギ「空・・・」

空「・・・マリアさん。」

マリア「はい。」

空「マリアさんは・・・・お嬢様や誠さん・・・帝のじい様が許してくれるなら・・・
姫神に・・・戻ってほしいですか・・・?」

マリア「・・・・・・」

ナギ「・・・・マリア・・・・」

空「・・・・・・」

マリア「・・・私は・・・」

姫神「・・・・・・・」

マリア「・・・・です・・・・・」

空「え?」

マリア「戻ってきて・・・・ほしいです・・・・姫神君に・・・・//////」

姫神「・・・・・・・」

ナギ「マリア・・・・お前・・・・!」

空「・・・・・・決まりだな。」そう言うと、空はナギの方を向く。

空「・・・お嬢様。」

ナギ「ん?」

空「もう一度・・・もう一度だけ・・・姫神にチャンスを与えてやってくれませんか?」

ナギ「チャンス?」

空「はい。もう一度・・・お嬢様のところで・・・姫神を・・・」

ナギ「な!お前・・・!本気で言ってるのか!?」

空「はい。」

姫神「馬鹿な・・・お前、本物の馬鹿か!?そんな事・・・!」

空「言ったろ?姫神。」

姫神「あ?」

空「テメェをぶっ飛ばして、三千院家に連れ戻すってよ?」

姫神「!・・・・お前・・・初めからそのつもりで・・・・」

空「・・・・お嬢様・・・・」

ナギ「・・・・なんで今更・・・・こんな奴・・・・ダメだ!」

空「お嬢様!」

マリア「ナギ・・・」

ナギ「だが。」

空「・・・・え?」

ナギ「・・・クラウスが、近々本宅勤務になるとかで、執事長の席が空いててな・・・・
執事としては却下だが・・・・・・ウチの執事長・・・・やってみるか?」

姫神「・・・・・いいのか?」

ナギ「・・・・・ああ。」

空「・・・・・最高です、お嬢様!!」と、ナギを思いっきり抱きしめる空。

ナギ「うえぇ!?//////ちょ・・・バカバカバカ!!何をこんな所で堂々と・・・!////」

空「くぅ〜!お嬢様って、ほんっと、最高っす!!」と、ナギの頭をくしゃくしゃしながら
言う空。

ナギ「か・・・勘違いするなよ!?//////今回は、マリアの気持ちを汲んだんだからな!
でなければ、誰がこんな奴・・・!/////」と、空を押しのけながら言うナギ。

姫神「・・・・・・」

マリア「ナギ・・・・」と、そこに・・・・

咲夜「なんや。終わったんかいな。」咲夜と千桜がやってきた。

空「あ。咲夜さん。それにハルさんも。」

咲夜「へ〜。何しとんかと思ったら、まさか姫神とやっとったとはな〜。」

空「はは・・・」

咲夜「ま。それも終わったみたいやし・・・ハルさん。あれの準備しに行こか。」

千桜「はい。かしこまりました。」と、千桜が向かおうとした瞬間・・・

ぐに
何かを踏む。

千桜「ん?」と、その何かを見てみると・・・・

「・・・・ぅ・・・・」人だった。

咲夜「行き倒れ!?」

空「なぜ、こんな所に!!」

千桜「あの!大丈夫ですか!?」

「・・・・め・・・・メシ・・・・」

空「メシ?」

姫神「腹減ってるみたいだが・・・」

咲夜「しゃーないな〜・・・とりあえず、迎賓館まで運ぶで。」

そして・・・・・

「・・・・・・助かりました。」と、ベッドの上で咲夜達に向かって土下座する男。

咲夜「いや・・・何もそこまで感謝せんでも・・・」

空「てか、なんであんなとこで行き倒れてたわけ?見た感じ18位じゃん、アンタ。」

「いや〜・・・高校も卒業したし、この辺から行ったほうが、大学近そうだから
出てきたはいいけど・・・・財布・・・失くしちゃって・・・」

一同(うわぁ・・・ベタ・・・)

千桜「ま・・・まぁ、なんにしてもご無事で何よりです・・・」

「はい。ホントに助かり・・・・・」と、千桜をガン見する男。

千桜「?・・・あの・・・・なにか・・・?」

「・・・・あんた・・・・春風 千桜?」

千桜「え!?なんで、私の本名・・・」

「・・・・やっぱそうか!!」と、いきなり千桜に抱きつく。

千桜「ええ!?/////」

「やっぱ、千桜か!懐かしー!!」

咲夜「なんや、ハルさん。知り合いか?」

千桜「違います!こんな人、知り合いな訳・・・!」

「忘れたのかよ!俺だよ!春間だよ!」

千桜「へ?・・・春間って・・・まさか・・・武内 春間(たけうち はるま)君!?」

春間「そうだよ!その春間!!」

千桜「・・・・全然わかりませんでした・・・・昔と随分違ったから・・・・」

咲夜「なんや。やっぱ知り合いなんか。」

千桜「はい。小学校の頃、半年間だけ一緒だったんです。」

空「へぇ〜。てことは、幼馴染ってやつですか。」

千桜「というよりは、腐れ縁ですかね。」

春間「なんだよ。冷てーな。」

ナギ「ていうか、一つ聞きたいことがあるのだが。」と、千桜に詰め寄るナギ。

千桜「・・・なんでしょうか?」

ナギ「今、春風 千桜って言ったよな?」

千桜「(ギクッ)え・・・そう・・・でしょうか?」

ナギ「そう言ったよな?武内とやら。」

春間「ん?あぁ、言ったけど・・・」

ナギ「・・・まさか・・・元白皇学院生徒会書記の・・・・」

千桜「!!」

春間「え?お前、白皇の生徒会書記なんてやってたの?あ〜・・・でもお前、
字ぃ綺麗だもんな〜・・・」

千桜「き・・・気のせいではないでしょうか・・・」

ナギ「・・・よくよく見れば似てる気が・・・」

空「まぁまぁ、お嬢様。あんま詰め寄っても、ハルさんが可哀想なだけっすよ。
それより、さっき言ってた、「とっておき」ってなんなんすか?」

咲夜「ん?あぁ、じゃあちょっと準備してくるから、外行っててくれや。行くで、ハルさん。」

千桜「あ、はい!」そうして、二人は部屋を出て行った。

空「・・・・・」

マリア「それでは。言われた通り、外に行きましょうか。」

外・・・・・

ナギ「・・・・・遅い。」

空「まぁまぁ。気長に待ちましょうや。」

ナギ「そうだが・・・・」やがて・・・・

咲夜「やー、スマンスマン。遅なったわ。」二人がやってきた。

ナギ「遅いぞ。」

咲夜「ええからええから。空、見とき。」

そして、次の瞬間・・・・・

ヒュ〜・・・・


ズドオオオオオオン!!

空「・・・・花火?」

咲夜「せや。」

姫神「この時期に花火とは・・・また粋なことするな・・・」

マリア「でも・・・綺麗です・・・」

姫神「・・・そうだな・・・」

空「花火か・・・・」

ナギ「・・・・・?」この時、ナギは気づいていた。空の顔が曇ったことに・・・
だが、その理由がわかったのは・・・この時から、約2ヵ月後の事だった・・・・・
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第69話終了です。如何でしたか?何かあれば、コメをください。それでは。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.26 )
日時: 2009/08/18 15:15
名前: SORA

どうも。今回は、ネタバレを含みますが、ご了承ください。あ。
2000HIT達成です。これからもよろしくお願いします。それでは。
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ナギ「執事服の新デザインを考えてみたのだ。」

空「・・・・・・・え?どうしたんすか?急に。」

ナギ「いや、最近はどのヒーローも2段階変身が常識だろ?だから空にもそろそろ・・・」

空「嫌な感じしかしないんで、別に良いです。」

ナギ「うおい!いきなり全否定かよ!いきなり!!」

空「嫌ですよ!そんな事言っといて、どうせまた女装させる気なんでしょ!?」

ナギ「いやいや、それも良いが今回はマジだって!!」

・・・・これは、今回の話とは一切関係ありません。


第70話[なんだかんだ言っても、子供は親が一番好き]

表紙:NEW執事服に身を包んだ空と、空にお姫様抱っこされて赤くなってるナギ


本当に・・・本当に色々あった、4月3日・・・

その翌日。

ナギ「はぁ・・・はぁ・・・//////」

マリア「・・・・・・・風邪ですね。」

お嬢様は、ぶっ倒れていた!

空「・・・・・・」

マリア「しかし、一日働いただけでこれとは・・・やはり、もう少し運動して
体力をつけないと・・・」

ナギ「う゛〜・・・うるさいな〜・・・見た目と裏腹に体力のあるお前らと違って・・・
私は繊細にできているのだ・・・」

マリア「まっ!」

空「はは・・・まぁでも、結構頑張ってましたし・・・」

マリア「あんまり甘やかさない方がいいですよ?」

空「そう言われましても・・・・」そうして、二人は部屋から出て行った。

マリア「それでは、私は買い物などで出かけますから、あの子をお願いしますね。」

空「わかりました。」

マリア「それにしても・・・倒れるくらい頑張ってたんですね。」

空「え?」

マリア「ありがとうございます、早乙女君。それでは。」

空「へ?あ、はぁ・・・」

ナギ「そら〜・・・そら〜・・・」

マリア「ほらほら。速く行かないと、か弱い声で呼んでますよ。」

空「あ!はい、只今!」と、部屋に駆け込んでいく空。

空「どうかしましたか?」

ナギ「喉がいがいがする・・・リンゴジュース飲みたい・・・」

空「わかりました。すぐに。」そう言い、ジュースを淹れ始める空。

ナギ「うん・・・ありがと・・・あれ?そう言えば、マリアは?」

空「マリアさんなら出かけましたよ。」

ナギ「・・・・・え゛?」

空「あと、姫神も新しい執事長としての挨拶と、誠さん達に
頭下げに行くとかで、本宅に行ってて夕方まで戻ってきませんし、
タマもシラヌイもスメラギもペットホテルで定期健診です。」

ナギ「・・・・え・・・・・・あ・・・・・・ふ・・・ふ〜ん・・・そうなんだ・・・」

空「ですから・・・二人きりっすね。」と、リンゴジュースを乗せたお盆を持ち、
ベッドの横に立つ空。

ナギ「!(・・・い・・・いかん・・・図らずも空と二人きりになってしまったが・・・
私が病気で動けないのをいいことに、空が襲ってきたりしたらどうしよう!
・・・あんなことや、こんなこと・・・ま・・・まさか、そんな事まで!?
いや・・・・でも、空になら・・・・//////って!何考えてるのだ、私は!!)」
と、そこに・・・

空「お嬢様。」

ナギ「ふぇ!?//////」

空「じゃ、俺はこれで。隣の部屋にいますから、何かあれば呼んでください。」そう言い、
部屋を出ようとする空。

ナギ「待てい!」

空「?・・・・なにか?」

ナギ「確かに何も無いのはいいことだが・・・もう少し気を使え、気を!」

空「はぁ・・・」

ナギ「とにかく、一人じゃ寂しいではないか。身体は動かなくても、眠くはないんだ。
だから・・・側にいろ!」

空「はぁ・・・そうは言っても、なにをすれば・・・」

ナギ「なにかあるだろ?眠くなるようなこと。」

空「んじゃ、俺が作ったオリジナルの子守唄を、初音ミクに・・・」

ナギ「回りくどいわ!そうじゃなくて、こう・・・もっとあるだろ!他に!・・・・あ・・・・」
と、めまいを起こすナギ。

空「だめっすよ。興奮しちゃ・・・それじゃ・・・」と、本棚から本を取り出す空。

空「絵本でも読みますか。」

ナギ「絵本?」

空「寝かしつけるには定番でしょ?」

ナギ「むぅ・・・また子ども扱いを・・・まぁ、仕方が無い。我慢してやる。けど
面白い奴を頼むぞ?」

空「はは。任せてください。・・・・じゃ・・・コホン。ベル○ルク。」

ナギ「待てい!!」

空「え?」

ナギ「あれか?そこまでこの作品を打ち切りにしたいか?お前は。」

空「けど、おもしろいですし・・・」

ナギ「だめだっつの。同じ理由でラ○ンバ○ルも黒○事も○レのち○ゥとアゲハ蝶も
だめだっつの。」

空「アゲハ蝶関係あるんすか?・・・ふぅ・・・しょうがない・・・じゃ、白雪姫
でも読みますか。定番だし。」

ナギ「ハヤテが言うにはアリスが定番らしいが・・・まぁ、いいや。」

空「まぁ、作者も白雪姫に関してはうろ覚えですけど。」

ナギ(えーーーーーーーー!!)そんなんで大丈夫なのか?」

空「大丈夫ですよ。じゃ、いきますか。」

そうして、読み始める空・・・・・

一方、本宅に単身向かった姫神は・・・・・

姫神「・・・・・」

「おい・・・あいつ確か、使用人頭の息子・・・なぜここに?」

「お嬢様の執事を辞めたのではなかったのか?」

「なんでも、クラウス殿の後任の執事長として復帰したらしい・・・」

「あれだけの事をしておいて、よくもまぁ、ここに顔を出せたものだ・・・」

姫神「・・・ふん。」と、そんな小言を聞きながら、屋敷へと向かっていく。
と、ここで・・・

「・・・よくここに顔が出せたな。姫神 煉。」

姫神「・・・新しい執事長として、おや・・・使用人頭と、頭首に挨拶に来た。
通してくれ。」

「・・・・・いいだろう。使用人頭は、中でお待ちだ。」そう言い、姫神を通す門番。

姫神「・・・・・」そうして、姫神はある部屋の前で立ち止まる。

姫神「・・・・・ふぅ・・・・・」そして・・・

コンコン

誠「・・・入れ。」

姫神「・・・・失礼します。」そうして、姫神は部屋に入る。

誠「・・・・・5年か・・・・・久しぶりだな・・・煉・・・」

姫神「・・・ご無沙汰しています・・・使用人頭・・・」

誠「そう硬くなるな。楽にしろ。」

姫神「いえ・・・あんな事をしておきながら、もうあなたの息子でいる資格は・・・」

誠「・・・まぁ、いい・・・座れ。」

姫神「・・・はい。」そう言い、ソファに座る姫神。

誠「何か飲むか?」

姫神「いえ・・・お構いなく。」

誠「・・・・そうか・・・・」そう言うと、誠は姫神と向かい側のソファに座る。

姫神「・・・・・・」

誠「・・・・昨夜、マリアから連絡があった時は驚いたよ。まさか・・・
お前が戻ってきていて、尚且つ、クラウスに代わっての執事長になるときたもんだからな。」
と、苦笑しつつ話す誠。

姫神「・・・・・・」だが、姫神はうつむいたまま。

誠「・・・・・・どうした?」

姫神「・・・なんで・・・」

誠「?」

姫神「なんで・・・あの事について何も言わないんだよ・・・」

誠「・・・・・・」

姫神「俺は・・・俺は、あんたや帝に、スゲェ世話になったんだ。親を殺されて、
身寄りの無い、クソガキだった俺を引き取って、養子にして・・・・本当の息子みたいに
育ててくれて・・・なのに・・・俺は、あんたや三千院家を裏切って、敵に回すような事をしたんだぞ!?
それなのに・・・なんで・・・こんなにも優しいんだよ・・・!」

誠「・・・・お前を罰したところで、罪が消えるわけじゃない・・・・だが、
お前のした事は、三千院家の使用人として許されるわけでもない・・・・
・・・帝様は、お前の罪を償わせるために、お前が執事長として復帰する事を承諾した。」

姫神「え・・・?」

誠「また、あんな事を起こせば、お前は辞職程度では済まなくなる。今度は、
命を狙われる羽目になる・・・その前に、帝様はお前にもう一度チャンスを与えた。」

姫神「チャンス・・・・」

誠「ああ・・・今度こそ、お前が自分のやるべき事を全うするためのチャンスを・・・」

姫神「・・・・・・」

誠「・・・・煉。」

姫神「え?」と、姫神が顔を上げた瞬間・・・・

バキィ!!!!

姫神「!!」

ドガラグシャアアアアアアアアアアアアアアアン!!
誠に全力で殴られ、そのまま部屋を幾つか貫通してぶっ飛んでいった。

姫神「ぐは・・・・!」

誠「・・・・・・」

姫神「・・・この威力・・・昔より強ぇ・・・あんた、ホントに38か!?」

誠「38だ。」そう言いつつ、姫神に歩み寄る誠。

姫神「げっ・・・!」

誠「今のは、使用人頭としてだ・・・・」と、姫神に手を伸ばす。

姫神「・・・・・!」と、目をつぶる姫神。が、次の瞬間には、何か暖かいものに
包まれていた。

姫神「・・・・・・・え?」

誠「・・これは、親として・・・・よく無事でいてくれた・・・」誠が姫神を抱きしめていたのである。

姫神「・・・・なに・・・・やってんだよ・・・・」

誠「この馬鹿息子が・・・・今までなにやってたんだ・・・」

姫神「・・・・・・・・・」

誠「・・・・心配させやがって・・・・」

姫神「・・・・!!」と、姫神は目頭が熱くなるのを感じ、気づけば涙を流していた。

誠「・・・・・・・・」

姫神「・・・・とう・・・・さん・・・・・」そう言うと、姫神は右腕を誠の背に回す。

誠「・・・煉・・・」

姫神「・・・うっ・・・くっ・・・・ごめん・・・・・父さん・・・ほんとに・・・・ごめん・・・・
・・・・う・・・・ひっ・・・く・・・・うぅ・・・・・うう・・・」そして、
姫神は泣き続けた。自分を大切に思ってくれる、父親の胸の中で・・・・・






誠「・・・・・落ち着いたか?」

姫神「・・・・あぁ。」

誠「・・・そっか。」

姫神「・・・・・・」そう言うと、二人は立ち上がる。

誠「・・・大丈夫か?さっき、思いっきりぶん殴っちまったけど・・・」

姫神「・・・あぁ、大丈夫だよ。殴られなれてっから。」

誠「・・・そうか。」

姫神「・・・・・・」

誠「・・・さっきの話・・・」

姫神「?」

誠「帝様の事だから、マリアの気持ちも汲んでの事だろうけどな・・・」

姫神「?」

誠「・・・くっ・・・ホントに鈍いんだな、お前。」

姫神「な・・・何のことだよ?」

誠「今は知らなくてもいいさ。」

姫神「ていうか、何でいきなりマリアが出てくるんだよ?」

誠「・・・・好きなんだろう?彼女の事。」

姫神「はぁ!?////////なんだよ、いきなり!!////////」

誠「私が知らないとでも思ったか?お前がマリアと、初めて会った時から惚れてるって事。」

姫神「な・・・!そんなわけねぇだろ!大体、あんな女のどこがいいんだ!!//////」

誠「はいはい。まぁ、そういうことにしておくか。」

姫神「な・・・!ムカツクから、やめろ!その言い方!」

誠「はっはっは。まぁ、せいぜい他の男に取られないよう、努力しろよ〜。」

姫神「だから、違うんだって!親父!!//////」と、そこに・・・・

「ほっほっほ。相変わらず仲が良いのう、二人とも。」

姫神「!!」

誠「帝様。」

帝「さて・・・久しぶりじゃのう、煉よ。」

姫神「・・・・・」

帝「ほっほっほ。そう構えんでもよい。それで・・・お前に一つ頼みがある・・・」

姫神「俺に・・・?」

帝「・・・お主がわしより奪っていった、王玉。返してはくれんかの?」

姫神「!!」

誠「・・・・・・」

帝「・・・・・・」

姫神「・・・・断る・・・・と言ったら・・・?」

帝「・・・・・フッ。」

姫神「!」

帝「・・・冗談じゃ。それは、お前が持ってて良い。」

姫神「・・・・・・」

帝「じゃが、奪われぬようにしろよ。それはいつか、お前にとってかけがえの無いものに
なるからの。」そう言い残し、帝は去っていった。

姫神「・・・・・なんだったんだ・・・・・」

誠「さぁ・・・・?」


所変わって三千院家・・・・・


ナギ「スー・・・・・スー・・・・・」と、ナギが規則正しい寝息を立てて寝ていた。

空「・・・・やっと寝付いたか・・・・」と、微笑みながらその様子を見る空。

空「・・・・さて。もう夕方だし、夕飯の支度でもするか・・・」と、部屋を出ようとする空。
そこに・・・・・

ナギ「ん・・・・・空・・・・・」

空「え?」

ナギ「・・・空・・・・私を・・・守って・・・・くれよ・・・・それで・・・・」

空「・・・・・・」

ナギ「・・・ずっと・・・・一緒だ・・・・・・・空・・・・・」

空「・・・・・・・はい。お嬢様。」そう言うと、空はベッドの前にしゃがむ。

空「・・・・ずっと・・・・一緒です・・・・・」

ナギ「へへ・・・・・・」

空「・・・・・・・」その様子を、扉の影から見守る二つの影・・・

姫神「・・・・しばらくそっとしといた方がよさそうだな・・・」

マリア「・・・・そうですね・・・・」そうして、厨房に向かう二人。

マリア「そう言えば、姫神君?」

姫神「ん?」

マリア「その顔・・・・どうしたんですか?」

姫神「・・・あぁ・・・親父に殴られたよ。思いっきりな。」

マリア「まぁ・・・そうなんですか?」

姫神「ああ・・・けど、嬉しかった・・・」

マリア「え?」

姫神「あそこまで、正面からぶつかってくれたのがさ・・・・早乙女の言うとおりだった。
親父は・・・・俺を待っててくれた・・・」

マリア「・・・・・・」

ナギ「・・・・・空・・・・・」

空「・・・・・・・」
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第70話終了です。何かあれば、コメをください。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.27 )
日時: 2009/08/19 16:34
名前: SORA

第71話[新学期。そして、白皇に新たなる生徒出没]

4月8日。今日から白皇は新学期に突入。

空「ん・・・・ん〜・・・・!今日から俺も、2年生かぁ・・・」と、
通学路を歩きながらそう呟く空。そんな感じで、空は学校に到着。

海「空!」

空「ん?おぅ、海。と・・・陸に椿も一緒か。」

陸「今日から俺等も2年だな。」

空「だな。まさか、進級できるとは思ってなかったけど・・・」

椿「はは。そういうマイナスな考え、やめれば?」

空「ん〜・・・けど、いまいち実感無いんだよな〜・・・だって、考えてもみろよ。
俺、少年院服役経験者よ?前科持ちよ?そんな奴がこんな名門私立で2年に進級?
何か陰謀めいたものがあるとしか・・・・」

椿「はいはい。そこまで。」

海「そうそう。速く行こうぜ。」

陸「愚痴なら後で幾らでも聞いてやるからさ。」

空「愚痴て・・・・」と、そんな空の後ろから・・・・

「おっす!」と、誰かが背中を叩いてきた。

空「いっ!・・・・・あれ?・・・・」

「な〜に、こんな朝っぱらからしょぼくれた面してんだよ。」

空「お前・・・・・刹那?なんで、ここに・・・」

刹那「なんでって・・・言ってなかったっけ?俺、今日から白皇の3年。」

椿「知り合い?」

空「ああ。こないだ、お嬢様の母親の命日だって、伊豆に行ったときに・・・」

海「伊豆・・・・」

陸「・・・・伊豆・・・・・か・・・・」

空「あ・・・・・・・」

4人「・・・・・」

刹那「・・・・・あれ?どしたの?」

空「いや・・・ちっと、約3年前の事を・・・・」

海「・・・・・」

陸「・・・・・」

椿「・・・・・」

刹那「?・・・まぁ、いいや。俺先に行ってるから、お前らも遅れんなよ。」そう言い、
刹那は校舎に向かった。

陸「・・・・ま。過ぎたことを悔やんでもしょうがねぇし・・・行くか?」

空「・・・・だな。」そうして、4人も校舎に向かった。

一方、職員室・・・・

雪路「・・・・新学期・・・・チョーダルい・・・・」

薫「お前なぁ・・・それが、教師の発言か?」

雪路「うっさいわね〜。ダルいもんはダルいのよ。」

薫「ふぅ・・・ほれ。生徒名簿。ちゃんと目ぇ、通しとけよ、給料泥棒。」そう言い、
薫は自分の机へと向かった。

雪路「生徒名簿・・・・ん?2年・・・・てことは、まさか・・・」

その頃・・・・・

空「そういや、クラス替えってどうなってんだろうな?」

海「クラス替え?」

空「ああ。一年の時はお前等が編入ってことだったから同じクラスだったけど・・・
さすがに、2年になったら同じクラスでつるめるって事もなくなるかも・・・・」

椿「ん〜・・・まぁ、どうなってるかはわからないけど・・・」

陸「ないんじゃね?それは。」

海「いろんな意味で。」

空(いろんな意味・・・)と、そこに・・・・

雪路「そんなに知りたいなら、教えてあげましょうか?」

空「あ。桂先生。」

雪路「この生徒名簿に、あなた達のクラスの人たちの名前が載ってるわ。」

陸「え?てことは、桂先生が担任なんすか?」

雪路「なによ!その嫌そうな顔は!」

海「まぁ、でも・・・」

椿「どんな人と一緒かは、気になるし・・・・」と、生徒名簿を開いて中を見る4人。

そこには・・・・


謎のマスクをつけた生徒達の顔写真がびっしりと・・・・

4人「うおい!!」

雪路「な・・・なに!?」

空「なんすか!この手抜き感満載の生徒名簿は!」

椿「もっと、魔法先生みたいな、気合の入った奴は作れないんですか!」

雪路「そういうのは、魔法先生・・・ていうか、牧村ちゃんに言ってよ。」
牧村ちゃん・・・・・というのは、白皇学院学年主任の、
牧村 詩織 24歳(独身)のことである。最初は終盤の方で誰かとくっつかせる予定だったが、
よくよく考えたら、サブキャラの中でも極めて出番の少ない・・・・って言うか、
今作品での、登場回数があるかないか位なので、その分を西沢さんに回しちゃおうっていう感じになった、
今作最も、憐れな人たちの一員である。

閑話休題。

なんやかんやで、教室に向かった5人。

雪路「ていうか、そんな事言ってないで、さっさと入るわよ。」と、勢いよく扉を開ける雪路。

そこには・・・・

クラスの皆「・・・・・・・」

空(友○党か!?友○党の本部か何かか、ここは!!)

椿(なんかもう、すごいヤダ・・・)

そんなこんなで、放課後・・・・・

空「・・・なんか、スゲェクラスだったな。」

椿「もう、なにがなにやら・・・」

海「てか、「クラスの親睦を深めるための高尾山遠足」て・・・・」

陸「随分と庶民的なイベントするんだな。白皇って・・・・・」と、ここで
空がある人物を見つける。

空「ん?あれは・・・・」

海「ん?あ。」

陸「あの人・・・・」

「ん?おぉ、空か。」

空「蓮次さん。」

椿「蓮次って・・・・天城 蓮次(あまぎ れんじ)さん?」

蓮次「はは。久しぶりだな、空。元気にしてたか?」

空「蓮次さん・・・なんでここに・・・」

蓮次「ああ。なんだかんだ言っても、俺もここのOBだからな。理事長様に呼ばれて・・・
ちょっとな。」

空「呼ばれて?」

蓮次「ああ。それで・・・お前等今、動画研究部に入ってるんだって?」

空「う・・・・」

海「まぁ、入った・・・って言うか・・・」

陸「入れられた・・・の方が正しいな。」

蓮次「ふーん・・・」

空「けど、それがなにか・・・?」

蓮次「ああ。これから、動画研究部の顧問、俺になったから。」

4人「ええ!?」

蓮次「俺も不本意なんだが・・・まぁ、俺学生時代、動研のメンバーだったから、
その時のでな・・・」

空「・・・・まぁ、何も知らない人よりは、俺等の事知ってる人の方がいい気が・・・」

海「まぁ・・・」

蓮次「ま。そういう事だ。じゃな。」そうして、蓮次は帰っていった。

4人「・・・・・・」

空「・・・俺等も帰りますか・・・」

陸・海・椿「・・・・・ですな・・・・・」そうして、4人も帰っていった。

この時、4人は気づいていなかった・・・校舎内のある一室から、
一人の少女が4人を見つめているのを・・・

「・・・・・・さて・・・・仕事始めますか・・・・」そう言い、
その少女はPCルームにある一台のパソコンに向かう。

・・・・・・その夜・・・・・・

空「ふぅ・・・今日も終わりか・・・さっさと寝ちまおう。明日も早いし・・・」と、
空がベッドに倒れ、眠りに着こうとした瞬間・・・・

ナギ「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ナギの叫びが響く。

空「!?お嬢様!?」と、空はすぐさまナギのいる、パソコン部屋へと向かう。

空「お嬢様!!どうしました!?」と、勢いよく部屋に入る空。

ナギ「空!私の・・・私のマイPCが!!」

空「え!?」と、パソコンの画面を見てみると、そこには、MとSの文字がでかでかと映っていた。

空「・・・これは・・・・!」と、すぐさまキーボードに何かを打ち始める空。

ナギ「空・・・・」

姫神「・・・なんとかなりそうか・・・?」

空「・・・・やっぱり・・・・」

マリア「あの・・・これ、何かのウイルスとか・・・」

空「いや・・・ウイルスじゃありません・・・ハッキングされてます。この近くの
どこかから。」

ナギ「ハッキング!?」

マリア「そんな!三千院家のセキュリティは、白皇以上なのに・・・・ハッキングなんて
できるわけが・・・・!」

空「いえ。俺、それを出来る人間を一人だけ知ってます。」

マリア「ほんとですか!?」

空「ええ。そいつ俺と同い年で、小学校の頃、農林水産省だか、どっかの
サーバーにハッキングして、そこのトップの汚職とか暴いた奴がいるんです。」

ナギ「農林・・・・」

マリア「水産省・・・・・」

空「・・・この近くで、一番まともなPC置いてある場所・・・・とくれば・・・・」

ナギ「・・・・白皇?」

空「・・・そうか・・・・あそこなら、それ相応のスパコンぐらい置いてある!!」

姫神「とくれば・・・・」

空「行くぞ!!」そうして、4人は白皇へと向かった。

その頃、白皇のPCルーム・・・・

「・・・あ〜あ・・・がっかり。三千院家のセキュリティっつっても、大した事ないのね。
よ〜し・・・このまま機密情報もざっくり・・・」と、その瞬間・・・・・

パチッ
突如、部屋の電気がつく。

「!!」

空「・・・思ったとおりか・・・」

「・・・・ふぅ・・・・流石空ね。あの短時間でこの場所。それに、犯人が私だってわかるなんて・・・」

空「天下の三千院家のネットセキュリティにハッキングできるハッカーなんて、
世界中探しても、お前以外に見つかるかどうかなんてわかんねーからな。」

「やっぱ、凄いわね〜・・・惚れちゃいそ。」

空「冗談はそこまで。さっさと盗んだデータ返せよ・・・皐月。」

ナギ「空・・・・誰だ?こいつ。」

空「こいつは、俺等が小2の時だけ、一緒だったやつで、宮森 皐月(みやもり さつき)っていうんです。」

皐月「よろしくね。三千院ナギさん。」

ナギ「!・・・なぜ、私の名前を・・・!」

皐月「私をなめないでくれる?5分もあれば、あなたの名前ぐらい簡単にわかるの。
それで・・・そっちの紅い髪の人が、執事長の姫神 煉で・・・・そっちのメイドさんが、
マリアさん。」

姫神「・・・全部正解してやがる。」

ナギ「ていうか、何で私のPCをハッキングしたのだ!」

皐月「言わなきゃだめ?」

ナギ「当たり前だ!」

皐月「・・・仕事のため。」

空「仕事?」

皐月「そ。私のハッキング技術見込んで、ある人からね。」

空「誰だ?」

皐月「そこまでは教えられない。」

ナギ「だからって・・・なんで私の・・・!」

皐月「三千院家のセキュリティがどれほどのレベルか知りたかった・・・それだけ。」

ナギ「なっ・・・・!」

皐月「それじゃ、これで終わりね。」そう言い、皐月は部屋を出ようとする。

ナギ「おい、待て!お前、ハッキングなんかしてただで済むと・・・!」

空「お嬢様。」

ナギ「なぜ、止めるのだ!」

空「あいつ。父親がアメリカ人で、アメリカ国防省勤務なんです。」

ナギ「え・・・・」

空「で。母親は名の通った政治家で、CIAなんかとも、繋がってます。もし、
警察に通報してあいつが逮捕されたりなんかしたら、あいつの両親黙ってないっすよ。」

皐月「そゆこと。じゃね。あ。安心して。恥ずかしいデータは盗んでないから。」

ナギ「ぬぅ〜・・・納得いかんのだ・・・」

空「まぁまぁ。さ。帰って寝ましょうか。」そうして、4人は屋敷へ帰っていった。
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第71話終了です・・・・・今回、結構グダグダでしたね。何かあればコメをください。
次回は、キャラ紹介です。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.28 )
日時: 2009/08/20 14:13
名前: SORA

どうもです。前回予告した通り、今回はキャラ紹介です。ではどうぞ。


 [名前]宝城 弥勒

[年齢]19歳 [誕生日]1月1日 [身長]179cm [体重]72kg [家族構成]兄が二人

霞家執事。元々は、とある大財閥の三男として暮らしていたが、早くに両親が他界し、
それからは、年の離れた二人の兄と暮らしていたが、三男という立場から疎まれ続け、
それが原因で家出。路頭に迷っていたところを愛歌の父に拾われ、愛歌の執事兼世話係として
霞家に居候することになる。愛歌と年が同じなためか、愛歌の許婚からはあまり良く思われてない。
容姿はそこそこ美形。髪と眼の色は両方紺。戦闘力も高い。愛歌ほどではないが、S。
実は愛歌に惚れている。


 [名前]武内 春間

[年齢]18歳 [誕生日]3月1日 [身長]175cm [体重]69kg [家族構成]父・母(別居中)

普通の青年。千桜とは幼馴染。(千桜曰く、腐れ縁)現在、大学一年生。
千桜に惚れており、どうにかして振り向かせようとする健気な人。かなり明るい。
鬱陶しがってはいるものの、千桜も満更ではない様子。アニメやゲームに物凄く詳しい。
容姿は普通に美形。黒髪で、碧の眼。都心の安アパートに一人暮らし。


 [名前]天城 蓮次

[年齢]24歳 [誕生日]11月29日 [身長]180cm [体重]79kg [家族構成]なし

白皇OBで、マリアや牧村とは同期。生徒会経験者。空達の良き相談役。動研にも所属していた。
動画研究部の顧問になったが、正教員ではない。本来は家の事業を継ぐ、若き会長。
容姿は、年相応。髪の色は紫で、眼の色は茶色。
空達とは、空の父親の仕事関連で知り合う。学生時代は牧村に惚れていたが、
今はどうか不明。


 [名前]宮森 皐月

[年齢]16歳 [誕生日]2月20日 [身長]161cm [体重]45kg [家族構成]父・母(別居中)

空の最後の幼馴染。日向と同様、白皇の特待生で、IQ200の超天才児。
美希達が言っていた、動画研究部最後の一人。頭脳明晰で、その実力はかなりの物。
ハッキング技術だけでなく、ピッキング技術も、そこらの鍵開け屋よりずっと上手い。
その技術の高さから、FBIやCIAの高官達にも信頼されている。
容姿は美人。髪の色はこげ茶で、シングルテール。眼の色は水色。眼鏡っ娘。
制服でも、どんな時でも常に首にゴーグルをぶら提げており、ハッキングの時は
眼鏡をかけたままで集中する、「ハッキングモード」。ピッキングの際には、
ゴーグルをかけて集中する、「ピッキングモード」と言う、二つの状態を使い分ける。
容姿端麗で、かなりモテる方。胸はヒナギク以上だが、椿以下。性格はヒナギク寄り。
陸に惚れているが、負けず嫌いで、ツンデレ気味であるため、中々素直になれない。
かなりの金持ちで、現在は都内のマンションに一人暮らし。海外旅行にも一人で行ける。


と、まぁこんな感じです。それでは。

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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.29 )
日時: 2009/08/21 18:10
名前: SORA

どうもです。無い知恵を搾り取っても、ハイキングからその後の話が思いつかないので、
今回は、14巻終盤から一気に飛んで、18巻からスタートのGW編に突入してしまいます。
ハイキング編や、その他の話を期待していた方々。本当に申し訳ありません。
ちなみに、ちょっとだけネタバレも含みます。ご了承ください。
それでは、第72話、どうぞお楽しみください。
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ギリシャ共和国、アテネ市、パルテノン神殿・・・ここに、一組の男女がいた・・・

「ふぅ・・・」と、黒いドレスを着た女性がため息をつく。

「どうした?腹でも下したか?」そこに、色黒の、執事服を着た男が近づく。

「黙りなさい。そんなくだらない理由だとでも、思ってますの?」

「冗談だよ。んな、睨むなって。」

(・・・・また、あの夢か・・・・しかも・・・今度は二年前の夢も・・・・
後悔よりも石を優先すると誓ったはず・・・なのに・・・・なぜ・・・あなたは・・・)

「・・・・・どうした?やっぱ、体調悪いのか?」

「・・・・馬鹿に言っても理解できませんわ。」

「なっ!馬鹿!?」

「ええ。」

「てめ・・・人がせっかく心配してやってんのに・・・!」

「大きなお世話よ。」

「この・・・へっ!んじゃ、勝手にしてろ!」そう言うと、執事と思われる男はどこかへ去っていった。

「・・・・・・・」と、一人残った女性は、何も言わず俯いている。

「(・・・・・三千院の遺産相続条件が、また変わった・・・執事が変わったのなら、当然か・・・
と言うことは・・・あなたはもう、三千院家とは何の関係も・・・・・?
もしそうなら・・・・もう一度、あなたと一緒に・・・・・・・いや・・・・・
今となっては、もう遅いか・・・・あなたを2度も否定してしまったのに・・・今更・・・
やはり・・・・今の執事を倒し・・・・石を手に入れるしかない・・・・
例え・・・・ハヤテ・・・・あなたと闘うことになったとしても・・・・もう私は・・・
後戻りできない・・・・今度こそ・・・・今度こそ、石を手に入れ、城に・・・・・
三千院帝の目的を・・・・・完全に阻止するために・・・・)今度こそ・・・・・
我が・・・・・王族の庭城(ロイヤルガーデン)へ・・・・」

そうして、女性・・・・天王洲アテネは、動き出す・・・再び、城に赴くために・・・


第72話[全ては、ここから始まる]


その頃、三千院家では・・・・

ナギ「いや〜、それにしても。夏コミが終わると・・・夏も終わりだって気がするよな〜。」
と、ほのぼのとした笑顔で言うナギ。

空「・・・あの・・・お嬢様。この小説は設定上、GW前なんで、そういう時事ネタはちょっと・・・」

ナギ「ん?そうなのか?私メインの話が全てすっ飛ばされると、そういうのも関係無くなってくるよ。あっはっは。」

空(・・・・おい、作者・・・・!)

だって、しょうがないじゃん!!速く、GW編、やりたかったんだもん!

姫神「ていうか、ハイキング翌日の安息日といい、今日といい・・・なんで白皇は
こんなにも休みが多いんだ?」

空「だよな〜・・・GW前だっつーのに・・・」

ナギ「そんなもの、決まってるではないか。」

空・姫神「え?」

ナギ「来るべきGWに備え、寝転んで体力を回復させたり、寝転んで体力を温存したり、
寝転んで休みを脳内でシミュレートするための休みなのだ。」

空・姫神(大丈夫か?この学校・・・)と、そこに・・・

マリア「まぁ、でも・・・休みが多いのは仕方が無いんですよ。」

空「あ。マリアさん。」

マリア「はい♪」と、無駄にキラキラしているマリア。

空・ナギ・姫神「・・・・・・・」

空「あの・・・マリアさん・・・今のは・・・」

マリア「ただでさえ出番が少ないのに、登場する話が全部すっ飛ばされるとなると・・・」

姫神「ああ、ストレスだな。わかる。」

ナギ「ま。最初予定していた、唯一の、姫神とのサウナ話も飛ばされたんじゃ、
ストレスも溜まるよな。」

マリア・姫神「!!」

空「それで・・・なんで休みが多いんですか?」

マリア「へ?あぁ・・・だって、考えてもみてくださいよ。基本的に体力が無くて、
自堕落な子が多いんですから、厳しくしても・・・」

空「・・・・・あぁ・・・・・」

姫神「なる・・・・」

ナギ「なぜ見る?」

空「ていうか、お嬢様はこのGWどうするんですか?」

ナギ「ん〜・・・・やっぱ・・・・海外旅行かな?」

所変わって、白皇学院、宿直室・・・・

ヒナギク『海外なんて・・・絶対行かないわよ。』

雪路「なんで!?行こうよ!行きましょうよ、ヒナギクさん!あなたのポケットマネーで!」
と、どうやら現在、大学にいるヒナギクと電話中の雪路。

ヒナギク『そんな下手に出ても、無理なもんは無理なの!』

雪路「そんな事言って〜。一昨年は行ったじゃない!だから、今年も・・・」

ヒナギク『とにかく!私は絶対、海外なんて行きません!!』

ブツン!!
切られた。

雪路「・・・・・・・・・」

同時刻・・・・・

海「海外旅行?」

陸「そ。行かねえ?俺等、仲間内でさ。」

海「仲間内ってーと・・・俺と、お前・・・椿に皐月だろ?それに・・・」

陸「日向も誘おうと思ってんだけど。」

海「日向もか・・・空は、三千院と一緒に行くだろうし・・・いいんじゃね?」

陸「おっし!椿と皐月にはもう、言ってあるからさ。あとは・・・」

海「日向か。」

陸「そういうこと。早速行くぞ!」ここにも、海外旅行を計画する人々が・・・・

そして・・・・

北斗「それで?神崎君は誰かと行くの?いつだったか、クイズ大会で賞品の
海外旅行ペアチケット、取ったんでしょ?」

刹那「そうっすね〜・・・・もう少しだけ、知っときたい相手がいるんですけど・・・
その人には、色々お世話になってますし・・・問題は、どうやって飛行機に乗ってもらうかなんすよね〜・・・」

北斗「え?」

刹那「ま。嫌だっつっても、無理矢理連れて行きますけど。」

北斗「・・・それで・・・どこに行くの?」

刹那「場所っすか?それは・・・・」

と、刹那も海外旅行へ向けての準備が着々と出来てきている。

日向「海外旅行?」

海「ああ。俺と陸にお前。それと、椿と皐月誘ってんだけど・・・」

日向「皐月?誰、それ。」

海「あ。そっか。日向は知らねぇのか・・・」

日向「?」

海「俺らの小学校の頃の友達。」

日向「ふ〜ん・・・けど俺、海外行く金なんて・・・」

陸「大丈夫だよ。お前の分も、俺が出す。」

日向「え?いいのか?」

陸「なんだかんだで、ウチが一番金持ちだからな。その辺は心配ねぇよ。」

日向「そっか・・・・だったら、行くか。どうせ暇だし。」

海「うし!決定!」

日向「つか、何処行くんだ?」

海「あ。そういや、俺も聞いてねぇや。どこ行くんだ?」

陸「それは・・・・」

その頃、ここでも・・・・・

弥勒「え?海外に?」

愛歌「ええ。ちょっと用事があるから。」

弥勒「はぁ・・・でも、なぜ俺に?」

愛歌「あら。宝城君は私の執事兼世話係でしょ?一緒に行くのは当然じゃない。」

弥勒「俺もですか?」

愛歌「ええ。」

弥勒「・・・それで・・・一体、何処に?」

愛歌「ええ。それは・・・」

さて、三千院家では・・・・・

空「計画するとは言っても・・・何処に行くんですか?」

ナギ「それをこれで決める。」と、壁に世界地図。ナギの手にはダーツが。

姫神「・・・・・これ、日○レなんかでやってなかったか?」

空「ああ。やってたな。」

ナギ「我々が行く場所は・・・ここだ!」と、ダーツを投げるナギ。

カッ!
刺さった場所は・・・・

空「・・・・ヒマラヤ山脈ですか・・・」

マリア「随分と、極寒ですわね〜。」

ナギ「む・・・い・・・今のは間違ったのだ。だから、もう一回・・・」

姫神「・・・・・」

ナギ「よし・・・行くぞ・・・」と、ちょっとだけ近づくナギ。

空「頑張ってください、お嬢様。」

ナギ「へや!」

ぺくっ

姫神「・・・落ちた・・・と言うことは・・・」

マリア「宇宙・・・ですかね・・・」

姫神「ヒマラヤ山脈に続き、宇宙とは・・・」

マリア「ハードな旅行になりそうですわね〜・・・」

空「で?結局はどこに行くんですか?」

ナギ「む・・・・わかったよ。行き先は・・・」

空「行き先は・・・?」

そして、同じ時間に、行き先を聞かれた人々は同時にこう答えた・・・

ナギ・陸・刹那・愛歌「ギリシャ、ミコノス島。」
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第72話終了です。なにかあれば、コメをください。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.30 )
日時: 2009/08/21 18:22
名前: ゆーじ


こんにちわ!久々のこっちのコメントです!

とりあえず今回の回で叫んだ事はもちろん・・・

アーたんキターーーーーーーーーーー!!でした(笑)

パソコンの電池が空前の灯火の最中に自分の小説の参照数を見て終わろうとして見に来たら一番上にSORAさんが更新してたので、「あ、やべ。読まなきゃ」と思い読みました、それで・・・

結果が、これだよ!!(←いい意味で)


というかまずGW編に入ると見た瞬間、アーたんフラグキターーーって感じでしたからね(笑)

やっぱナギのダーツのパートは原作でもこっちでも面白いですね(笑)

ヒナさん達も行くんでしょうか?

今後の展開、そしてハヤテのアテネの再会に大期待です!

頑張って下さい!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.31 )
日時: 2009/08/22 17:49
名前: SORA

ゆーじさん。コメをありがとうございます。期待に応えられるかわかりませんが、
これからも頑張ります。それでは。第73話、どうぞお楽しみください。
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第73話[先取り組、出発]

前回からたぶん、一週間かそこら・・・・

刹那「へ〜・・・俺、成田空港って初めて来たけど、こういう風になってんだな・・・
空も良く晴れてるし、まさに絶好の旅行日和って奴?なのに・・・・」と、
後ろを振り向いて言う刹那。

刹那「何でそんなくらい顔してるんですか?ヒナギクさん。」

ヒナギク「飛行機に乗るからじゃない?」

「まったく・・・往生際の悪い奴だ。」

「飛行機に乗るくらいで・・・」

「空飛ぶの楽しーのに。」

刹那「・・・まぁ、ヒナギクさんはいいですよ?誘ったの、俺ですし・・・
それはいい・・・・けど・・・・」と、なぜか来ていた3人娘に向かって言う。

刹那「なんで皆さんがここにいるんですか?」

美希「なんでって・・・我々も旅行に行くからに決まっているだろう。ザキ君。」

理沙「そうだぞ、ザキ君。」

泉「旅行は大勢の方が楽しいでしょ?ザキ君。」

刹那「そうですけど・・・ザキってなんですか?」

美希「君の苗字は、神崎だろう?それからとって、ザキだ。」

刹那「なんか、死の呪文みたいっすけど・・・それより、同じ時間の飛行機なんすか?」

美希「フッ。愚問だな、ザキ君。」

刹那「?」

理沙「そんなの、理由は一つしかないだろう?」

泉「だろう?」

美希・泉・理沙「私達も、トルコ・アテネコースを回り、ミコノスに行くからだ!」

刹那「・・・・へ〜・・・・」

美希「それとも、なにか?君はそこまでヒナと二人で旅行したいのか?」

刹那「いやいやいや。なんで、そうなるんすか?」

美希「いや、ふと思っただけだ。」

刹那「はぁ・・・」と、みんなが話しているところに・・・

「あれ?あいつ確か、空の・・・・」

「ああ。確か、刹那とか言ってたな。」

一同「ん?」それは、海達だった。

刹那「あ。お前等確か、空の・・・」

海「ああ。水無月 海だ。」

陸「俺は霧島 陸。よろしく。」

椿「櫻井 椿です。」

皐月「私は、宮森 皐月。よろしくね。」

日向「九条 日向だ。」

刹那「俺は神崎 刹那。よろしくな、皆。」

陸「ここにいるってことは、お前もミコノス行きか?」

刹那「まぁ、俺等5人はそのつもりだけど・・・」

海「じゃさ。どうせ目的地が一緒なら、俺等10人で一緒に行かね?」

椿「あ。それいいかも♪」

皐月「そうね。多い方が楽しくていいし。」

日向「異議なし。」

刹那「ふぅ・・・・じゃ。この10人で行きますか。文句無いですよね?皆さんも。」

美希「私は構わんぞ。」

泉「さんせー♪」

理沙「面白くなりそうだ。」

ヒナギク「・・・・・・」

刹那「ほら。ヒナギクさんもいつまでもうずくまってないで。」

ヒナギク「だって・・・・飛行機・・・・」

刹那「別に、一人で乗るわけじゃないんですから。俺達皆がいるでしょ?」

ヒナギク「・・・・・・・」

刹那「ほら、立ってください。これじゃ、何のために俺が誘ったかわからないじゃないっすか。」

ヒナギク「う〜・・・・」と、渋々立つヒナギク。

刹那「よしよし。んじゃ、行きますか!」

一同「おー!」

ヒナギク「・・・・ぉ〜・・・・」そうして、ゲートに向かう一同。その道中・・・

美希「・・・・ザキ君。」

刹那「はい?」と、刹那が美希の方を向いた瞬間、胸倉を掴まれた。

刹那「・・・え?」

美希「君がどういうつもりでヒナを誘ったかはどうでもいいが・・・・」

刹那「・・・・・・」

美希「ヒナは私の大事な親友だ。もし、手を出したりしたら・・・・私が許さんぞ。いいな。」

刹那「・・・・まさか。ありえないでしょ、そんなこと。」

美希「・・・なぜそう言い切れる?」と、手を放す美希。

刹那「・・・確かにヒナギクさんは、魅力的ですよ?はっきり言って、
俺の好みのタイプですし・・・」

美希「・・・・・」

刹那「けど。」

美希「?」

刹那「俺はそういうつもりでヒナギクさんを誘ったわけじゃないですし・・・
生憎、そういう感情も感じてはいないんで。」

美希「・・・そうか・・・なら、いいんだ・・・」

刹那「そういうことです。」

所変わって、三千院家・・・・

空「にしても、旅行楽しみっすね。」

マリア「そうですね。早乙女君は、海外初めてなんですか?」

空「はい。それで、どんなとこなんすか?ミコノス島って・・・」

マリア「ん〜・・・そうですわね〜・・・とっても星が、綺麗な所ですわ。」
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第73話終了です。如何でしたか?最近、短めですいません。時間があまり無いので・・・
ま。それはさておき。今回はこの辺で失礼します。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.32 )
日時: 2009/08/23 16:31
名前: SORA

第74話[アニ○イトへ行こう!んで、旅行にも行こう!]

表紙:鼻歌歌いつつ旅行の準備をする空


千桜(は〜・・・今年も、愛歌さんも咲夜さんも旅行だし・・・暇だな〜・・・
やっぱここは・・・ド短期バイトしかないか。)と、一人の少女が
そんなことを考えている中・・・・

旅行を間近に控えた、ある日の三千院家・・・・

『新○紀エ○ァンゲリ○ンが、ブルーレイで登場!』

ナギ「!」

『あの、社会現象を引き起こした不朽の名作、エ○ァがブルーレイで登場!
でも、この間新しい劇場版を公開したばっかだから、数に結構限りがあるぞ!
さあ!今すぐ君も、アニ○イトに行って、ブルーレイで観賞しよう!』

ナギ「空ー!空ー!!」

空「どうかしましたか?お嬢様。」

ナギ「今すぐ、アニ○イトに行こう!」

空「は?どうしたんですか?急に。」

ナギ「便利だからと言って、通販に頼っていた私が愚かだった・・・やはり人間、
欲しい物は外に出て、自分の力で手に入れなければならなかったのだ・・・
便利だからと言って、通販に頼りっぱなしではいけないと・・・・・
ナウ○カでクシャナも言っていた!!」

空「え〜・・・よくわかりませんが・・・たぶん言ってません。でもまぁ、
そういう事なら時間もありますし、ちょこっと行ってみますけど・・・
お嬢様は普段、どこのアニ○イトに行ってるんですか?」

ナギ「・・・・一回しか、行った事無いよ?」

空「え?」

マリア「超引きこもりのこの子がそんな所、滅多に行くわけ無いじゃないですか。
全部聞きかじり程度の知識ですよ。」

空「あ。マリアさん。」

ナギ「実はその・・・コミケとかも全然、行った事無くて・・・」

空「ええ!?そうなんですか!?」

マリア「ま・・・それは私が行かせてないんですけどね。」

空「ま・・・まぁ、15歳には刺激が強いですからね・・・じゃあ、とりあえず・・・
秋葉のアニ○イトにでも、行ってみますか・・・」

東京、秋葉原某所・・・・・

ナギ「・・・・・・・ここが宝島か!?」

空「まぁ、気持ちはわからなくもないですけど・・・」

ナギ「久々に来たが、やはり凄いなここは!てことは、今度こそ・・・今度こそ、
アニメ店長がここに!?」

空「アニメ店長とやらが何かは知りませんが、実在しないと思います。」

ナギ「これ程ならば、アニメの類で退屈は・・・・」と、ナギの目に何かが留まる。

それは、18禁コーナーへの入り口だった・・・・

ナギ「ほー・・・・なぁ、空。お前、トイレとか行きたくないか?」

空「え?いえ、別に・・・・」

ナギ「・・・・・」

空「?」

ナギ「あ!空、大変だ!8階で、MAEDAXのトークライブのチケットが先行販売している!」

空「え?」

ナギ「私の足では間に合わない!急いで、チケットを入手してきてくれ!」

空「あ!はい!」そう言い、空は8階まで走っていった。

ナギ「・・・ふ〜・・・・・さて・・・・」と、地下1階への階段の前に立つナギ。

ナギ「・・・あ。しまった。ねんどろいどルイズを落としてしまったぞ。」と、
持ってたフィギュアを、あからさまにわざと落とすナギ。

ナギ「いかんいかん。あれは大事な物だから取りに行かなくちゃ。」そう自己弁護し、
階段を下りていくナギ。

ナギ「お。あったあった。まったく・・・一番下まで落とすなんて、私もドジだな〜・・・
けど、偶然入った地下1階って・・・どんな所なんだろうな・・・?」と、ナギが正面を
見た瞬間・・・・

千桜「・・・・・・・」千桜がこちらをガン見していた。

ナギ「・・・・うおおおおおおお!何をしているのだ、お前はああああああ!」

千桜「それはこっちのセリフだ!何でこんなところに三文芝居で踏み込んでんだよ!性懲りも無く!」

ナギ「な・・・!芝居などではない!それを言うならお前こそ・・・!」

千桜「いいんだよ、私は。もう18になったんだから。」

ナギ「く・・・」

千桜「ていうか・・・・ここはまだ、お前には早いって・・・・」

ナギ「・・・・・あ・・・・・う・・・・・////////////」

ぷしゅ〜・・・
と、ショートするナギ。

千桜「だから言ったじゃないか・・・」

ナギ「て・・・ていうか・・・何でお前はこういうとこ、平気なのだ?/////」

千桜「まぁ、仕事だし・・・それに・・・見慣れると案外平気なもんだよ。」

ナギ「てことは、やっぱお前、こういう事した事あるのか!?///////」

千桜「バッ!あるわけ無いだろ!!///////」

じー・・・・
と、他の客からの冷たい視線。

ナギ「あ・・・すみません・・・/////」

千桜「すみません・・・・/////まぁとにかく・・・上行くぞ、上。」

ナギ「うむ・・・/////」

千桜「てかお前・・・今日は何しに来たんだ?」

ナギ「ああ。エ○ァのブルーレイを買いに・・・」

千桜「あ。あれか。あれ、相変わらず大人気なんだよね〜・・・」

ナギ「名作だからな。」

千桜「ああ。名作だな。けどあれ、午前中に物凄い勢いで売れてったから、
もうあまり残ってないと思うぞ。」

ナギ「なに!?こうしてはおれん!」と、走り出すナギ。

空「あ。お嬢様。MAEDAXのチケットは・・・」

ナギ「そんなん、どうでもいい!7階だ!急げ!!」そうして、7階のDVDフロアに
向かう3人。

ナギ「な!こんなにも人が!?」

空「お任せください!」と、人ごみに突っ込んでいく空。次の瞬間・・・

スススス・・・・

ナギ「おお!人ごみの間を流れる水のように!」

千桜「ジークンドーか・・・あいつプロだな・・・」

ナギ「そして一気に・・・ブルーレイの所へ・・・!」そこには・・・

売り切れ

もう入荷しません

空「・・・・・・・」と、そのまま崩れ落ちる空。

ナギ「・・・・・・」

千桜「・・・ま。名作はな・・・」そうして、店を出る3人。

空「すいません、お嬢様・・・俺の力不足で・・・」

ナギ「いや・・・欲に負けた私のせいだ・・・」

千桜「・・・おい。」

ナギ「ん?」

千桜「私が買ったやつでよければ・・・これ、やるよ。」

ナギ「え?いいのか?」

千桜「ああ。それに・・・」

ナギ「?」

千桜「せっかく来ていただいたお客様を、がっかりさせたまま帰らすわけにもいかないだろ?」

ナギ「・・・・・」

空「よかったですね、お嬢様。」

ナギ「よし!早速帰って見るぞ!お前も来い!」

千桜「え?」

ナギ「いいから!速く行くぞ!」

そして・・・・

ナギ「だから、この展開が・・・!」

千桜「レ○の可愛さの方が大事に決まってるだろ!」

空「・・・・・・」どこまでもかみ合わない二人。

それから数日後・・・・・・

空「お嬢様・・・愛しています。」

ナギ「は?空?//////」

あぁ・・・なんだ・・・なにかと思ったら、これは夢か・・・

まったく・・・空の奴め・・・//////

ナギ「お前・・・なにを言って・・・」

空「愛しています。」

ナギ「ふぇ!?ちょ・・空!//////」

空「お嬢様・・・」

ナギ「ばっ!お前、夢だからってそんな・・・!////////」

空「お嬢様・・・・・」

ナギ「ええ!?まさかこれ、夢じゃなくて現実!?んあ!!//////
だったら、余計にダメだって!あっ!ちょ・・・!やめ・・・・!//////」

空「どうしました?お嬢様。」

ナギ「・・・・・///////」

ま。当然夢オチですが何か?

ナギ「・・・おはよう空。」

空「おはようございます。つっても、もう昼ですけど。」

ナギ(・・・・先日、あんな所に行った影響か・・・なにを考えているのだ私は・・・)

空「いや〜。にしても、明日っから旅行ですね。」

ナギ「ん?あぁ、そうだな。」

空「俺、海外っての初めてなんで、結構ドキドキっす。」

ナギ「(私は今、お前のせいでドキドキしてるけどな・・・)けど、あんま期待してると、
がっかりするぞ。//////」

空「・・・・お嬢様・・・・もしかして熱っぽいんですか?」と、ナギの頬を触る空。

ナギ「ふぇ!?//////」

空「あ。やっぱちっと熱っぽいですね。」と、ナギの額に自分の額をくっつける。

ナギ「ひゃ!////////」

空「うわ〜。寝間着も汗でぐっしょりじゃないっすか。早く着替えないと・・・」と、
思う存分ナギの体を触りまくる空。

ナギ「だーーーーー!!もういい!出てろ、お前は!!///////」

空「え?でも・・・」

ナギ「でもも何もいらんから!もう、あっち行ってろ!空のバーーカ!!///////」

バタン!!

空「?」

ナギ「ふー・・・ふー・・・まったく・・・空はダメだな・・・ほんとに・・・/////」
そう言い、着替えを始めるナギ。

ナギ「(・・・けど・・・もし空が私の事を好きだったら、どうしよう・・・・/////
もしそうだったら・・・・)ま・・・まぁ、だったら別に・・・なぁ?//////」

姫神「なにが、「なぁ?」だ。なにが。」

ナギ「うお!姫神!?お前、なんでここに!!」

姫神「いや。早乙女からお前が熱っぽいと聞いたんだが・・・大丈夫か?頭の方は。」

ナギ「どういう意味だ!どういう!!」

その頃、アンカラエクスプレス・・・・

刹那「・・・朝、目が覚めたらイスタンブールで・・・んで、一日イスタンブールを観光して・・・
次の昼には、ギリシャ、ミコノスと・・・・アンカラ、ゴルディオン、カッパドキアと来て
結構、慌ただしく回りましたよね。」と、窓の外を見ながら言う刹那。
ちなみに、椿・皐月・日向・理沙の4人はすでに爆睡中。

美希「ま。とにかく、明日のイスタンブールで歴史探訪はひとまず終わりさ。」

泉「逆に、ミコノスはリゾートだから、ゆっくりできるよ。」

刹那「へ〜。」

陸「だから、この旅行プランは良く出来てるよ。旅慣れた奴の立てた緩急の付いた、
最高のプランだ。」

美希「まぁ、この寝台列車もそうだが・・・アテネからミコノスまで飛行機なら
一時間程度なのに・・・」

海「元生徒会長様は別手段で移動とはね。」

ヒナギク「うっさいわね〜・・・」

陸「ま。俺等も先輩方もさっさとリゾート決め込みたいから、ミコノスには
飛行機で行くぞ。」

海「そういや、空達も5月2日にミコノスに着くって言ってたな。」

刹那「へ〜。そういや、別手段って言ってましたけど、ヒナギクさんは何でミコノスに行くんですか?」

ヒナギク「あぁ、それ?・・・・・船よ。」

刹那「・・・・・・・・え?」

ヒナギク「それがどうかしたの?」

刹那「・・・今・・・不吉な単語が聞こえた気が・・・」

美希「?どうした?ザキ君。」

刹那「・・・いや・・・別に・・・・」

泉「もしかして・・・船が恐いの?」

海「え?そうなのか?」

刹那「・・・・・・・・・まぁ。」

ヒナギク「・・・・・乗りなさい。」

刹那「え?」

ヒナギク「私も苦手な飛行機、頑張って乗ったんだもの。だから刹那君も乗りなさい。船。」

刹那「え?いや、でも・・・」

ヒナギク「乗・り・な・さ・い。」

刹那「・・・・・・・」

海「・・・あきらめろ、刹那。」

陸「ああ。覚悟を決めろ。」

美希「どんな事が待ってるかはわからんが、幸運を祈る。」

泉「くじけず、ガンバ(はぁと)」

刹那「お前等・・・・!」

ヒナギク「さ。決まりね。」

刹那「・・・い・・・・・・・嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

そうして、日本での翌日・・・・

「ありがとうございます。では、良い旅を。」

空「いや〜。ついに来ましたね、この日が。」

ナギ「どんだけ楽しみにしてたのだ・・・」

空「だって、海外っすよ?海外。沖縄なんかには行った事ありますけど、
海外は初めてですもん。」

ナギ「そうなのか?まぁ、なんにしても・・・・楽しい旅になるといいな。」
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第74話終了です。如何でしたか?本格的にGW編突入です。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.33 )
日時: 2009/08/30 14:18
名前: SORA

ここは上空。三千院家、プライベートジェットの中。

空「・・・・いや〜・・・・」

姫神「・・・凄すぎて、声もでねぇな・・・」

ナギ「なにがだよ。これなら、ミコノスの空港に直接乗り入れられるから、
便利なんだよ。」

空「どんだけ金積めば、そんな事許されるんすか?」

ナギ「それに、普通の飛行機に乗るのって、気が引けるんだよ。」

マリア「ハイジャックとか・・・他のお客様を巻き込むかもしれませんし。」

姫神「なるほど・・・」

空(・・・だよな。旅行中だからって浮かれてる場合じゃなかった。場所は外国・・・
どんな危険が待ってるかわからねぇ・・・三千院家の執事として・・・一瞬たりとも、
気を抜くわけには・・・!)

ナギ「ああ、そうだ。空。姫神も。お前等、旅行中は執事服着なくていいからな。
好きな格好してていいぞ。」

空・姫神「え?」

ナギ「行けばわかると思うけど、ミコノスは安全なとこだからさ。」

マリア「もう何年も大きな事件が起こってない平和な島なんですよ。」

空・姫神「へ〜。」

ナギ「さすがにマフィアも解散してるだろうから、守ってもらう必要も無いし。
なにより・・・・これはバカンスなんだから・・・・」


第75話[めぐりあい]


空「ん?おおおおおお!!」

ナギ「!?どうした?急に。」

空「見てくださいよお嬢様!ほら!エーゲ海!!」と、窓の外にはエーゲ海が広がっている。

空「・・・綺麗だな・・・」

ナギ「まぁ、日本の海とはだいぶ違うな。」

空「・・・けど、ありがとうございます。お嬢様。」

ナギ「え?」

空「去年、お嬢様と出会って、その4ヵ月後にこんなとこ来れるなんて・・・」

ナギ「・・・・・・・」

空「これも、お嬢様のおかげです。本当に・・・ありがとうございます。」と、
ナギに微笑みかける空。

ナギ「え?/////あ・・・まぁ、その・・・なんだ・・・た・・・楽しい旅にしようじゃないか・・・/////」

空「はい。お嬢様。」そうして、飛行機は空港に到着。そこには・・・

海「お。やっぱ、空達じゃん。」

ナギ「!!」

空「あれ?海・・・それに皆も・・・・なんで?」

陸「なんでって・・・言ったろ?俺等もミコノス行くって。」

椿「けど。まさか空港でばったりとはね。」

ナギ(そ・・・そんな・・・なんでこいつらがここに・・・・)

空「で?お前等もミコノスでバカンスか?」

日向「ま。そういう事。」

皐月「あ。そうそう。さっきアテネで、ヒナギクさん達の船を見送ったから、
夜にはヒナギクさん達も来るよ。」

ナギ「!!」

空「へ〜。てことは、俺等の仲間内全員集合って事か。こんなとこで皆と会うって・・・
なんか、運命感じちゃいますね、お嬢様。」と、ナギの方を向いた瞬間・・・

ナギ「運命をバカにするなーーーー!!」と、ナギの投げたバッグが空の顔面に直撃した。

空「ぐあ!」

ナギ「ふんだ!空のバーカバーカ!!」

海「そうだよ、空!運命をバカにしちゃいけませんよ!!」

陸「あの時、余計な邪魔さえ入らなきゃ、運命は正義に勝ってたんですから!」

日向「お前らの言ってる運命とは違う気がするが・・・」

椿「・・・・大丈夫?」

空「おー・・・」

同時刻。ミコノス島のとある一角・・・

「・・・・・」ここに、一人の少年が立ち尽くしていた。

「・・・ミコノスに用事があると言って、付いて来て・・・ホテルにチェックイン。
自由にして良いと言われたから、暇つぶしに町に出たまではいい・・・・・・・しかし。
財布はホテルに置いてある荷物の中。携帯も、こういう時に限って充電が切れて使い物にならず。
土地勘も無いからホテルの場所も、現在地もわからない。これはつまり・・・」と、
少年・・・もとい、綾崎ハヤテは遠い目をしながら言う。

ハヤテ「迷った。」と、虚空を見つめながら言い切るハヤテ。

ハヤテ「・・・でも、ま。その辺ぶらついてればいつかは着くはず。」そう言い、
町の中を適当にぶらつき始めるハヤテ。

その頃、ミコノスの三千院家別荘。

空「ふおおおお!これがエーゲ海!ほら!お嬢様も早く!海、スッゲェ綺麗ですよ!」

ナギ「・・・・私のノーパソのクリアブラック液晶も綺麗だからいい。」

姫神「・・・・・・」

空「・・・・なんか、せっかくの旅行だってのにテンション低いっすね。」

ナギ「高くなる理由が無いからな。」

空「だったら、外行きましょうよ、外。外行けば、少しはテンションも上がりますって。」

ナギ「暑いじゃん。」

マリア「・・・・・・」

空「・・・じゃ、ずっとこのまま引きこもってるんですか?」

ナギ「当たり前だ。私はこう見えても、プロ。プロの引きこもり。例え旅行中であっても、
引きこもりを怠るわけにはいかんのだ。」

空「・・・・・・あっそ。」そう言うと、空はポケットからゴムを取り出し、
後ろ髪を結ぶと、そのままテラスを飛び越え、外に着地した。

姫神「どこ行くんだ?」

空「自由にしていいって言われてるから、その辺ぶらついてくる。」そう言い、
空は街中に消えていった。

姫神「あ〜あ。行っちまったぞ、早乙女の奴。」

ナギ「え?」

姫神「お前があんな態度取ったから、すねてどっか行っちまったよ。」

ナギ「・・・・」

マリア「・・・・・」

その頃、空は・・・・

空(はぁ・・・なんであんなヒッキーなんだろ・・・せっかくの旅行なのに・・・)と、
そんな事を思いつつ、角を曲がった瞬間・・・・

空「ん?」

ハヤテ「あ。」ハヤテと遭遇。

空「ハヤテ・・・お前も来てたのか?」

ハヤテ「空・・・・・」そうして、二人はしばらく話しながら街中をぶらつく。

空「で?お前、なんでミコノスにいるんだ?」

ハヤテ「理事長がミコノスに用事があるとか言って、それで、僕もそれに
付いてきたって事。」

空「んで。こんな所で、一人で迷子って事か。」

ハヤテ「うっ・・・」

空「はは。」

ハヤテ「それを言うなら、君はなにしてたの?三千院さんは?」

空「あ〜・・・いつも通り、引きこもってるよ。」

ハヤテ「ああ・・・」

空「困ったもんだよな〜・・・お嬢様のあれには。」

ハヤテ「確かに・・・僕も色々やってみたけど、結局無理だったし。」

空「どうにかできねぇかな〜・・・」と、しばらく歩いていると、ある場所に着いた。

空「あれ?」

ハヤテ「ここは・・・・!」そこには、辺り一面の花畑。そして、その向こうには大きな屋敷があった。

空「へ〜・・・花畑?それに・・・・・・デケェぞ、あの屋敷。三千院家と同じ位か?」

ハヤテ「・・・・・・」

空「ん?どうした?」

ハヤテ「・・・行こう、空。」

空「え?なんで?」

ハヤテ「ここは・・・あまり好きじゃない。」

空「・・・?」そうして、二人はそこから足早に立ち去った。その屋敷の一室から、
二人を見つめる影にも気づかず・・・

「・・・・あれが・・・・三千院家の執事・・・・そして・・・・」

それから暫くして、あたりはすっかり夕方になっていた。

空「お〜。もうすっかり、夕方だな。」

ハヤテ「時間が経つのって早いよね。なんか。」

空「・・・じゃ。俺はそろそろ戻りますか。お嬢様達に心配かけたくねぇし。」と、
そう言った瞬間・・・・

カチャーン

空・ハヤテ「え?」空のポケットから懐中時計が落ち、そのまま地面を転がっていった。

空「あ!待て!!」

ハヤテ「空!!」と、ハヤテもそれを追う。

空「くそ!無くしてたまるか!!」と、坂道の終わりぐらいで、それを捕まえる。

空「よし!」と、一息つく空。

空「ったく・・・にしても、何で急に・・・・」と、後ろを振り向くが・・・

空「あれ?ハヤテ?」いくら探しても、ハヤテの姿はそこにはなかった。

空「帰ったのか?まぁ、いいや。」と、近くに見える海辺に目をやる空。すると・・・

空「ん?」海辺近くの石垣に腰掛けている人物を見つけた。

空「あれは・・・・・」と、その人物に近づく空。

空「お嬢様。」

「!」

空「外、出てくれたんすね。よかっ・・・」と、空がナギに手を伸ばした瞬間・・・

チュン!
と、何かが空の髪を掠めた。

空「・・・・・え?」

「お嬢様から離れろ!この誘拐犯め!!」

空「え?誘拐犯・・・・・俺?」

「貴様以外に誰がいるか!」

空「いやいやいや、違うって!俺は、お嬢様の執事で・・・!」

「嘘をつくな!お嬢様は執事など雇ってはいない!」

空「そんなわけ・・・!」と、その時、SP達の後ろから・・・

「え?なぜここに・・・!」

「危険です!お下がりください!」そんな事も聞かず、その人物はSP達の前に出る。

「ナギ!」

ナギ「母!」

空「え?」

「下がってください!紫子様!」

紫子「けど、ナギが!」

「貴様!速くお嬢様から離れろ!!」

空「・・・・え?ちょ・・・え?は・・・母?え?でも・・・・母・・・・・え?」と、
完全に混乱状態に陥った空。

ナギ「母!」と、ナギは紫子の所へ走る。

紫子「ナギ・・・よかった・・・」と、ナギを抱きしめる紫子。

空「・・・・・・・・・・・・・・」絶賛フリーズ中。

「さあ。貴様はここで死んでもらうぞ、誘拐犯め。」

「なにか言い残すことはあるか。」

空「・・・・つかぬ事をお聞きしますが・・・」

「なんだ?」

空「そちらのお二人は、親子のようですが・・・お名前は?」

「・・・・貴様、知らないのに誘拐しようとしたのか?」

空「いや、誘拐しようなどとは・・・」

「こちらのお方は、三千院家当主、三千院帝様のご令嬢、三千院紫子様と、そのご令嬢である、
三千院ナギお嬢様だ。」

空「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

「?」

「・・・なぁ・・・」

「ん?」

「この男、本当に誘拐犯か?」

「ああ。俺も今、同じことを思った。」

空「(・・・・お嬢様の・・・・母親?え?でも、お嬢様って両親亡くなってるんじゃ・・・
てことは、まさか・・・・・俺・・・・・・・・!)あの・・・」

「ん?」

空「もう一つ質問してもいいでしょうか?」

「・・・・・言ってみろ。」

空「今は・・・・・何年の、何月何日でしょうか・・・?」

「・・・・・今日は何日だ?」

「確か・・・・・今年は、1995年・・・・」

空「・・・・・・・」

「日付は・・・・5月の2日だな・・・」

空「・・・1995年の・・・・・5月・・・・2日・・・・てことは・・・・・
12年前に・・・・・・・・・タイムスリップ・・・・・?」

「?」

ナギ「なぁ、母。あいつ、さっきから何を言っているのだ?」

紫子「さあ?」

空「・・・・・・ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」
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第75話終了です。如何でしたか?何かあればコメをお願いします。それでは。
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ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.34 )
日時: 2009/08/30 15:14
名前: ゆーじ


どうもです、久々にこっちの感想です。

まず1つ言いたいこと。それはもちろん

ハヤテキターーー!!ってことです。

まぁミコノス編ですしアテネも出てきたので、ハヤテがいなきゃ意味ないとは分かっていましたが、いざ出てくるとやっぱりキターーー!!ってなっちゃいます。というかこの作品上でハヤテが出てきたら絶対キターーー!!ってことになっちゃいます(笑)


そしてそんなハヤテがミコノスで迷子。・・・なんか可愛いですね(笑)

そしたら空と合流、しかも花畑に再到着。・・・やっぱりあの方のお花畑なんでしょうか・・・。


そしてまさかの空までタイムスリップ!しかもゆっきゅんまで居るという、まさかの展開!

驚きの続発です!!久々の更新でも展開が面白い方向にぶっ飛んでますね!!


夏休みも終わり、軽く鬱ですが・・・

これだけは楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!!


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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.35 )
日時: 2009/08/31 16:44
名前: SORA

ゆーじさん。コメをありがとうございます。そうですか〜・・・
ハヤテキターーー!!ってなっちゃいますか〜。まぁ、この作品をどう受け止めるかは
人それぞれですからね。あ。それと、SKY&WINDでのGW編では、サンデー本誌での
ネタバレがかなり含まれる時があります。ですので、単行本派の人はあまり読まないことを
お勧めします。ご了承ください。それでは。第76話、どうぞお楽しみください。
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第76話[過去での空の名。]

前回の後、空が誘拐犯ではないとわかった三千院家SP部隊は、行くあてが無い空を、
三千院家の別荘に泊める事にした。だが、突然のタイムスリップについていけてない空は、
体育座りしつつ、壁にもたれかかってフリーズしていた。

空「・・・・・・・・」

ナギ「・・・なぁ、母。」

紫子「ん?」

ナギ「あいつはいつまでああしているのだ?」

紫子「さあ?」

ナギ「・・・・・・」と、なにを思ったか、ナギは空に近づく。

ナギ「おい。お前。」

空「う?」

ナギ「いつまでそうしているつもりだ。」

空「いつまでって言われてもな〜・・・」

ナギ「ていうか、お前はなんて名前なのだ?いつまでも、「お前」じゃ可哀想だからな。」

空「え?あ〜・・・白(ハク)でいいよ。めんどくさい。」

ナギ「白か・・・じゃあ、白。そろそろ夕飯だぞ。そのフリーズをそろそろ止めろ。」

空「・・・・・へ〜い・・・・・」そう言い、立ち上がって厨房に歩き始める空。

ナギ「?おい。なにをするつもりだ?」

空「え?だって、ただ泊めてもらうだけじゃなんか悪い気がするから・・・
せめて、夕飯ぐらい俺が作ろうかと・・・」

紫子「別に、そこまでしなくていいのよ?白君。」

空「いや、でも・・・」

紫子「まぁまぁ、黙って座ってる。」

空「・・・・・・わかりました。」そう言い、ナギが座っているソファに座る空。

空「・・・そう言えば、なんで、あんなとこに一人でいたんだ?」

ナギ「え?」

空「海辺の石垣。なんであんなとこに・・・」

ナギ「・・・・・」

空「?」

ナギ「・・・・一緒に・・・・」

空「え?」

ナギ「一緒に・・・星を見ようといった奴がいたんだ・・・」

空「星を?」

ナギ「ああ・・・私を襲ったマフィアの連中から助けてくれて・・・
その後、一緒に星を見る約束をしてたんだ・・・けど・・・すぐにどこかへ行ってしまった・・・」

空「・・・・・・・」

ナギ「来てくれるって思って・・・それで・・・ずっと待ってたんだ・・・あの場所で・・・」

空「それで・・・?」

ナギ「けど・・・・結局は来てくれなかった・・・」

空「そこに、俺が来たと・・・」

ナギ「・・・・・」と、黙って頷くナギ。

空「・・・・悪いな、なんか。嫌なこと聞いちまったみたいで・・・」

ナギ「・・・・いや、いいさ。それより!お前、ゲームできるか!?」

空「へ?まぁ、そこそこ・・・」

ナギ「よし!ならばついてこい!私の相手をしろ!!」

空「へ?」

ナギ「早くしろ!行くぞ!」そうして、ゲーム部屋に向かうナギ。

空「あ!ちょっと!」と、空もそれを追う。

紫子「フフッ。」と、それを笑いながら見てる紫子。

それから二人は、夕飯の時間までずっとゲームをしていた。対戦成績は、空が15勝。
ナギが15勝のイーブンに終わった。

ナギ「中々やるな・・・こうなったら、夕飯の後も続けるぞ!」

空「はいはい。」と、食堂に向かいながら話す二人。その途中・・・

紫子「白君。」と、空を紫子が呼び止める。

空「はい?どうかしましたか?」

紫子「ありがとね。あの子の遊び相手してくれて。」

空「いえ。俺もやる事無くて、暇でしたから。」

紫子「・・・・・・」

空「?俺の顔に何か付いてます?」

紫子「ううん。ただ・・・似てるなぁって・・・」

空「似てる?」

紫子「うん。」

空「誰に似てるんですか?」

紫子「・・・亡くなった・・・私の夫に・・・」

空「あ・・・・・」

紫子「・・・・・」

空「えっと・・・・すみません・・・・」

紫子「ううん。いいの。あの人が亡くなって、もうすぐ3年になるけど・・・」

空「・・・・・・・・」

紫子「・・・暗い話しちゃったわね。食堂行こっか♪」

空「あ・・・はい。」

そうして、夕食が終わる。

ナギ「よし!白!早く続きをするぞ!」と、意気込むナギ。

紫子「ナギ。その前に、少し彼を借りていい?」

空「え?」

ナギ「む?なぜだ?」

紫子「彼に見せたいものがあるから♪」

ナギ「む・・・わかった。そのかわり、早めにな!」

紫子「はいはい。さ。行きましょ。」

空「はぁ・・・」そうして、空をある場所に連れて行く紫子。

空「あの・・・見せたい物って・・・」

紫子「付いてくればわかるわ。」

空「はぁ・・・」しばらく歩いていると、ある場所にたどり着く。

空「ここは・・・」

紫子「この屋敷の宝物庫。ここにあるの。」そう言い、中に入る二人。

紫子「え〜と・・・確かこの辺に〜・・・」

空「すげぇな・・・流石三千院・・・」

紫子「あ。あったあった。白君。こっち。」

空「あ。はい。」と、空が紫子の下へ行く。

空「一体なに・・・・これが・・・・見せたいもの・・・?」

紫子「そ。」宝物庫の一番奥。あまり触れられない場所に、それは置いてあった。

空「これは・・・・・大剣?」

紫子「そ。聖なる巨剣。名を・・・「天叢雲(あまのむらくも)」。・・・・私の夫が使ってたものなの・・・」

空「なんで・・・そんな物を俺に・・・?」

紫子「なんでだろう・・・あなたに見せなきゃいけないような気がしたのよ・・・」

空「・・・・・」

紫子「ま。これを見せたかっただけだから。速く、ナギの所へ行ってあげて。」

空「あ。はい!」そうして、空はナギの所へと向かった。

紫子「・・・・・・」残った紫子は、ただ天叢雲を見つめていた。

紫子「・・・ねぇ・・・あなたが亡くなって・・・もう3年だよ・・・?
ナギは・・・まだまだ誰かが支えてあげなくちゃいけない・・・本当は・・・・
あなたもここにいたはずなのに・・・・私達と一緒に・・・ここで・・・
私は・・・・いつまでもあの子の傍にいてあげられない・・・・もうすぐ・・・その時が来るから・・・
ナギは・・・あなたの事を何一つ知らない・・・ナギはあなたの事を知りたがってる・・・
それに・・・この間ね・・・「夢の中だけでもいいから、父に会ってみたい。」・・・って言ってたの・・・
だから・・・夢の中だけでもいいから・・・あの子に、会ってあげてくれない・・・?
一度でいいから・・・それに・・・私も・・・夢の中でいいから・・・もう一度だけ・・・
あなたに・・・・」
その時、紫子の目から、一筋の涙が零れ落ちた。

そうして、その日の真夜中・・・・

紫子「すー・・・すー・・・」

ナギ「ん・・・むにゅ・・・」と、誰もが寝静まっている中・・・・

空「・・・・」すぅ・・・と、空のまぶたが開く。

空「・・・・・」と、そのまま無言でベッドを下り、部屋を出る。

「ん?おい。白。どこへ行く。」

空「・・・・・便所。」

「なんだ・・・」

空「・・・・・・」だが、空はトイレには向かわず、さっき行った場所・・・
宝物庫へと向かう。その時の空は、何かに操られているかのようにボーっとしていた。

空「・・・・・」そうして、扉を開け、空は宝物庫に入る。

空「・・・・どこだ・・・・」と、何かを探す空。しばらくして・・・

空「フッ・・・これか・・・」と、何かを見つける空。そこには、一つのスイッチ。そしてそれには、


    押しちゃ
      だめだぞ♪


と、書かれた紙が貼ってあった。

空「はっ。馬鹿馬鹿しい。こんなもんで押さねぇ奴がいるか。」と、空はスイッチを押す。

カチッ
押した瞬間・・・・・

バコン!
と、床が抜け、空は下へと落ちていく。だが、慌てた様子は無い。やがて・・・・・

バシャア!
下に着水する。

空「ふぅ・・・ここのどこかにある・・・」そうして、歩みを進める空。

そうして歩いているうちに・・・・

空「・・・・・・ん?あれ?どこだ?ここ。俺、部屋で寝てたはず・・・」と、
キョロキョロと、辺りを見回す空。

空「暗いな・・・電気でもあればいいんだけど・・・あ。そうだ。」と、何かを思いついた空。すると・・・

空「ほっ。」

パチッ
と、自分の手の平から微弱な電気を発生させる。

空「お。見える見える。」そうして、再び進み始める空。すると・・・・・

空「ん?」何かを見つける。

空「これは・・・・壁画?でも、なんの・・・・」空の目の前には、
城や人間が書かれた壁画があった。

空「何の壁画だ?これ・・・」

「それは、世界の中心。カルワリオの丘に建つ神の棲む城さ。」

空「!!誰だ!?どこにいる!!」

「フッ・・・ここだよ。ここ。」

空「・・・・どこだ・・・・!」

「ここだよ。お前の中。」

空「え!?」と、空が自分の身体を見た瞬間・・・

カッ!
と、空の胸の辺りが突然光りだす。

空「・・・!これは・・・!」その光は、空の身体を離れ、空の目の前に留まる。

空「・・・・・!」

その光はやがて黒く変色し、徐々に人の姿を象っていく。

空「・・・・・・」その人物の髪は夜の様な漆黒色。眼の色は燃える様な紅色だった。
だが、空が驚いているのは、自分の身体から人が出てきただけではなく・・・・

「ん・・・・ん〜・・・・はぁ。やっと窮屈な石っコロから出られたぜ。」

空「なんだ・・・・」

「ん?」

空「なんだ・・・・お前・・・・!」

「俺か?」

空「お前は一体なんだ!なんで・・・・俺と・・・・・・同じ顔・・・!」

そう。空の目の前にいる男は、髪と眼の色こそ違えど、顔の形は空そのものであった。

「教えてほしいか?」

空「・・・・!」

「まぁ、回りくどい言い方は嫌いだから簡潔に言うと・・・・・」と、空に指を突きつける男。

空「・・・・・・・」

「俺はお前。そして、お前は俺でもある。」

空「・・・どういうことだ・・・!」

「そのまんまさ。それ以上でも、それ以下でもない。」と、壁画を見上げる男。

「・・・さっきも言ったが・・・この壁画に描かれている城は、世界の中心・・・・」

空「・・・たしかお前・・・カルワリオの丘に建つ神の棲む城・・・とか言ってたな。」

「ああ。この世の全てを手に入れた王が、最後に己の墓として創った城・・・・・それがこれだ。」

空「・・・・・?」

「・・・・・アブラクサスの柱の森・・・・・」

空「!」

「剣を以って正義を示せ・・・さすれば道は・・・・開かれる・・・」

空「・・・なんだ・・・?それ・・・」

「この壁画に書かれてる、フリギア語の一説さ。」

空「フリギア・・・どういう意味だ?その文章・・・」

「今のお前じゃわからないさ。」

空「・・・っていうか・・・その城・・・一体なんなんだ・・・?」

「・・・・この城は今も確かに存在している。だが、この世界とは切り離された、
まったく別の世界でな。そこは、普通じゃ入れない。だが、入り口だけならいくつも存在する。
お前は、その内の何箇所かに既に行った事がある。」

空「・・・・?」

「まぁいい。・・・この城の世界の中じゃ、なにもかもが違う。
時間の流れ・・・・昼夜の入れ替わり・・・・季節の移り目・・・そして・・・人の心。」

空「・・・・・」

「そこに棲む神がそうさせている。十二年前にも、一組の男女が別れたっけか。」

空「何が言いたい・・・!」

「・・・この城はお前等の物差しじゃ計れないって事だよ。」

空「・・・・・・」

「神の棲む城・・・またの名を・・・王族の庭城・・・・」と、空に振り返って言う。

「・・・・ロイヤルガーデン。」

空「!!ロイヤル・・・・ガーデン・・・?」

「・・・・・・・・」

空「・・・・そんな・・・・あそこ以外にも・・・そんな名前の場所が・・・」

「・・・今はわからなくてもいいさ。いずれわかる事だからな。」と、そう言った瞬間、
男の身体が光りだす。

空「!!」

「チッ。もう時間か。」

空「待てよ!お前は一体・・・!」

「我が名は十六夜。天上院を守護せし8人の守護神が一人。」

空「十六夜・・・守護神・・・?」

十六夜「そういう事だ。また会えるのを楽しみにしてるぜ・・・我が血を受け継ぐ男・・・」
そう言い残し、十六夜は再び空の中に入っていった。

空「・・・・血を・・・受け継ぐ・・・?」
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第76話終了です。なんか最近、自分の作品にグダグダ感を感じるのは自分だけでしょうか?
まぁ、それはさておき、なにかあれば、コメをお願いします。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.36 )
日時: 2009/09/01 19:03
名前: SORA

第77話[少しずつ、進む和解]

では、この辺で、空が別荘から出かけていった直後のナギ達に視線を移してみよう。

ナギ「まったく・・・空はどこまで行ったのだ・・・」と、街中を歩きながら
愚痴をこぼすナギ。その隣にはマリアがいる。

マリア「愚痴をこぼすのは勝手ですけど、そもそもあなたがあんな態度をとったのが原因でしょ?」

ナギ「うっ・・・」

マリア「まぁ、姫神君も探してくれていますから、きっとすぐに見つかりますよ。」

ナギ「・・・まぁ、そうだが・・・」

マリア「それとも・・・私達といるのが嫌だったんですかね〜・・・」

ナギ「な!そんなわけがないだろう!空に・・・限って・・・」

マリア「けど、いくら早乙女君の気が長いといっても、さすがに愛想が尽きたんじゃないですか?」

ナギ「・・・マリア。お前は私を苛めるのがそんなに楽しいか?」

マリア「いえいえ。そういうつもりじゃ。ただ、私はもう少しそういう部分を直せばいいのにな〜・・・
って思ってるだけです。」

ナギ「くっ・・・」と、ナギは昔の事を思い出す。

「・・・過去でも未来でも・・・僕が君を守るから・・・だから、安心して・・・」

「いつまでもずっとって訳にはいかねぇけど・・・守れる時は、俺が守っててやるよ。」

ナギ(・・・あいつといい、白といい・・・どいつもこいつも・・・それとも・・・
みんな・・・私と一緒にいたくないから・・・?・・・空・・・・お前もなのか・・・?)

マリア「・・・それとも。櫻井さん達とビーチにでも行ったんでしょうか?」

ナギ「!!」

マリア「ナギ?」

ナギ「それはいかん!それだけはいかんぞ、空ーー!!」と、走り出すナギ。

マリア「え?ナギ、どこへ?」

ナギ「空を探しに行ってくるのだ!」

マリア「あ。ナギ・・・もう。」呼び止めた頃には、ナギの姿は小さくなっていた。

マリア「ふぅ・・・それじゃ。私も別のルートで探しますか。」と、歩き始めるマリア。

そのすぐ後、別の路地から・・・

空「あれ?今、お嬢様の声が聞こえた気がしたけど・・・」

ハヤテ「気のせいじゃない?」

空「そうかな・・・」

どこまでもすれ違う二人。

ナギ「まったく!空の奴!」と、怒りながらも空を探すナギ。そうして向かった場所は、
海達が泊まってるホテルだった。

そこでは・・・

陸「おーい、椿ー。」

皐月「お腹空いたから、ランチでも食べ行こー。」

椿「ん・・・・あと、10分・・・・」

皐月「まったく・・・アテネであれだけ爆睡したのに、ミコノスに着いた途端これ?」

陸「ま。無理も無いんじゃね?ここまで結構なハードスケジュールだったし。」

海「それに、せっかく気持ち良さそうな顔して寝てんだから、起こすのも可哀想じゃん?」

皐月「ほんと・・・悔しいけど、寝顔じゃ、椿に勝つ自信無いなぁ・・・」

陸「このままそっとしとこーぜ。」

皐月「そうね。そうしましょ。」そう言いつつ、椿の顔に落書きする二人。

海「日向。お前、どうすんだ?」

日向「ん?ああ。腹減ってないから、いい。」

海「あっそ。じゃ、陸、皐月。お前等、下で待っててくれよ。俺、ちょっと着替えるから。」

陸「あいよ。行こうぜ、皐月。」

皐月「は〜い。」と、その瞬間・・・

ナギ「空はここかー!!」

一同「ん?」

陸「あれ?誰かと思ったら・・・」

皐月「三千院家のお嬢様ではないですか。」

ナギ「あ!ここに空が来なかった!?」

陸「空?」

皐月「さぁ、それは・・・」と、次の瞬間・・・

陸・皐月「!!」言葉を交わさなくても、悪知恵だけは伝わる二人。

陸「あ!そう言えば、椿もいねぇ!」

皐月「そう言えばさっき、こっそり出て行った気がする!」

陸「もしかしたら二人で・・・!」

皐月「浜辺にチューでもしに行ったのかもしれないわ!」

ナギ「!!(チュー・・・だと・・・?)」

陸「ああ!この数日間を総合するに!」

皐月「椿って、物凄いエロエロだということが発覚したのよ!」

ナギ「!・・・えっと・・・ちなみにそれはどのくらい・・・/////」

陸「そりゃもう、ひとたび男を部屋に上げれば、無防備を装って下着姿になり!」

皐月「そっからはもう、泣かすやら、燃やすやらのやりたい放題!!」

ナギ「やりたい放題!?」

陸「ああ!だからきっと、空も今頃・・・!」

皐月「椿に、あんな事やこんな事を・・・!」

椿「してるかーーーーーーー!!/////」と、椿の投げたイスが二人に直撃。

椿「なに、人が寝てる間に変な事吹き込んでんのよ!そんな事全然してないもんね!!////」

陸「ぐふ・・・」

皐月「う〜・・・・」

椿「ねぇ。ナギちゃんも私がそんな事しないって信じてくれるよね?ね?」

ナギ「え?」

椿「・・・・・・」と、落書きされた顔でナギを見る椿。

ナギ「・・・・・」大丈夫。これなら、信じられる。そう思ったお嬢様であった。

そうして、時刻は夕刻・・・・

ナギは、二年前と同じになると思い、浜辺に来ていた。

ナギ「・・・確か、ここだったよな。白の奴と会ったのって。」

もしかしたら・・・空はホントに、私の事が嫌いになったのだろうか・・・

そんな考えだけが、私の思考を占拠していた。

ナギ「・・・・・・・」

私は、昔と同じように、枝で浜辺に字を書いた・・・

「ウソツキ」

と・・・・・

ナギ「・・・・・空・・・・・」

・・・・・・・・来ない。

ナギ「空・・・・・・!」

・・・・・・まだ来ない。

ナギ「・・・・空ーーーーーーーーーーーー!!」

・・・・・・・・・・・・・・・

ナギ「・・・・・・ふんだ。空のバカ・・・・空のバーカ!バカバカ、バーーーカ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ナギ「・・・・なんだよぉ・・・・何で来てくれないんだよぉ・・・・」

とめどなく私の目からあふれる涙。止めたくても、止められない。否。止まらない。

ナギ「なんで・・・なんでだよぉ・・・ずっと一緒に居てくれるんじゃなかったのかよぉ・・・」

こんなに泣いたのは、いつ以来だろう・・・空に会えないのが、こんなにも辛く、切ない。

・・・・・ヒナギクも、ハヤテに会えない間、こんな気持ちだったのか・・・?

・・・あぁ・・・そういう事か・・・・・・

私は・・・・

ナギ「空・・・・・・空ぁ・・・・・・・」

私は・・・・・こんなにも・・・・・・

ナギ「空・・・・・どこに・・・行っちゃったんだよぉ・・・」

こんなにも・・・・・・空のことが・・・・・・

ナギ「空・・・・・会いたい・・・・・」

空のことが・・・・・・・・好きなのか・・・・・・・

ナギ「うっ・・・・ひっく・・・・・うぅ・・・・」

その時だった。

ジャリ

ナギ「!!」

「・・・・・・・・」

ナギ「・・・・お前・・・・!」

「・・・どうやら、僕の時とは違うみたいですね。」

ナギ「ハヤテ・・・・お前・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」

ナギ「・・・・なにしてるんだ?こんな所で。」

ハヤテ「・・・・理事長が、ミコノスに用事があると言ってましたから。そのお供です。」

ナギ「で?迷子ってか?」

ハヤテ「・・・・・・・・」

図星か、こいつ。

ナギ「・・・・・・」

ハヤテ「・・・きっと。」

ナギ「え?」

ハヤテ「きっと・・・空は帰ってきますよ。絶対に。」

ナギ「・・・・・」

ハヤテ「・・・あなたがかつて、僕を信じてくれていた時みたいに、
空の事を信じていれば、空は帰ってきます。絶対に。」

ナギ「・・・・・」

ハヤテ「・・・じゃ。僕はこれで。」そう言い、立ち去ろうとするハヤテ。

ナギ「おい。」

ハヤテ「?」

ナギ「お前・・・ホテルの場所、わかるのか?」

ハヤテ「・・・・・・・」

ナギ「・・・わからないのなら・・・うちに来たらどうだ?」

ハヤテ「え?」

ナギ「その・・・あれだ・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」

ナギ「帰れないのなら・・・今日くらいは・・・泊めてやってもいいぞ?」

ハヤテ「・・・・・・・」驚いた顔をするハヤテ。

ナギ「・・・えぇい!はっきりしろ!来るのか!?来ないのか!?」

ハヤテ「・・・・それじゃあ・・・・お言葉に甘えさせてもらいますね。三千院さん。」

ナギ「・・・・・よし。」
そうして、二人は歩き出す。その姿は、まるで2年前そのままだった。
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第77話終了です。如何だったでしょうか?ここからしばらく、現実サイドで話を進めます。
現実サイドでの主人公は、主にハヤテか刹那と思ってください。あ。それと、
3000HIT達成いたしました。これからもよろしくお願いします。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.37 )
日時: 2009/09/03 20:40
名前: SORA

第78話[主人公グループ、全員集合(約一名除く)]

表紙:過去で、地下迷宮からの脱出を果たした空。


ヒナギク達が乗ったミコノス行きの船。その船もミコノスに到着した。

ナギ「ん?」

ヒナギク「あら、ナギ。」

刹那「お。下田にもいた、チビッ子。」

ナギ「誰がチビッ子だ!!」

刹那「威勢いいな〜。」と、そこに・・・

ハヤテ「あれ?誰ですか?その人。」

ヒナギク「え?ハヤテ君?なんで、ナギと・・・」

ハヤテ「あ〜・・・それは〜・・・」

ナギ「理事長のお供でこの島に来たはいいが、迷子になったらしいから、
今晩だけでもうちに泊めてやるということになったのだ。」

ハヤテ「はは・・・まぁ、そんな感じで・・・」

ヒナギク「・・・へぇ〜・・・そうなんだ〜・・・」と、笑顔だが、目が笑ってないヒナギク。

ハヤテ「・・・・あれ?ヒナギクさん?何を怒ってらっしゃるんで?」

ヒナギク「別に?ただ、私や歩が説得した時は、聞く耳持たなかったくせに、
ナギに言われると、あっさり着いて行っちゃうんだな〜・・・って思って・・・さ。」

ハヤテ「・・・・いや・・・・その・・・・」

ヒナギク「どうしたの?ちゃんと私の目を見て言いなさい。・・・・・・・綾崎君。」

ハヤテ「う゛・・・・・」

ヒナギク「どうして、私や歩の時はNOだったのに、ナギの時はYESになるのかしら?綾崎君。」

ハヤテ「う゛う゛・・・・・」

ヒナギク「・・・・・ああ・・・・・やっぱり、綾崎君って・・・・・・・・
「ロリコン」なんだ〜・・・・・」

ハヤテ「!!」

刹那「え?そうなの?」

ヒナギク「そうみたいよ。第一、綾崎君ったら・・・」と、ハヤテの方に視線を戻すと・・・

ハヤテ「・・・・僕・・・・僕、そんなんじゃないのに・・・・・」と、体育座りをした状態で、
地面にのの字を書いているハヤテがいた。

刹那「お〜い・・・」

ヒナギク「フフッ。勝った・・・♪」

ハヤテ「・・・ていうか、ヒナギクさん・・・」

ヒナギク「なにかしら?綾崎君。」と、勝ち誇った顔で振り返るヒナギク。そこに、ハヤテからの予想外の反撃が。

ハヤテ「・・・・・・・・・それが、好きな人に対する態度ですか・・・・・・・・・」
と、ボソッと言うハヤテ。

ヒナギク「!!!!/////////////////////」

刹那「え?そうなんですか?」

ナギ「ヒナギク・・・!やっぱりお前・・・!」

ヒナギク「ちちちちちち、違うわよ!//////ななななな、何を根拠にそんな・・・!//////」

ハヤテ「あれ?でも、ひな祭り祭りの時、僕に告白したじゃないですか。」

ヒナギク「なは!////////////」

刹那「へ〜・・・・・」

ヒナギク「ちょ・・・刹那君!なによ、その目は!!//////////」

刹那「いえいえ、別に・・・」

ヒナギク「ていうか、私の事、フッたくせに、今更ほじくり返さないでよ!//////」

ハヤテ「・・・・僕が、理由も無いのに、こういう話をするとでも思いますか?」

ヒナギク「・・・・・え?それって・・・・・・///////」

ハヤテ「・・・・・・・・・・」

ナギ「ハヤテ・・・・・お前、まさか・・・」

刹那「おぉ・・・なに、この展開・・・」

ヒナギク「ハヤテ君・・・・・/////////」

ハヤテ「・・・・なんて事を言うと、女性は真に受けるんでしょうか?」と、デリカシー0の発言を、
笑顔で言ってのけるハヤテ。

ヒナギク「!!」

ナギ・刹那(うわぁ〜・・・・)

ハヤテ(フッ・・・勝った!)

ヒナギク「うう・・・・サディスト・・・・」

ハヤテ「いつぞやのお返しです♪」いつぞやと言うのは、単行本第5巻をお読みください。

ヒナギク「うぅ・・・・」と。完全に涙目のヒナギク。

ナギ「ふぅ・・・どうでもいいけど、さっさと行くぞ、ハヤテ。」

ハヤテ「あ。はい。」

そうして、別荘に向かう2人。

刹那「ほ〜。別荘でこの規模とは・・・」

ナギ「・・・ていうか!何でお前等まで来ているのだ!」

刹那「別にいいだろ。どうせ、暇だし。」

ナギ「まったく・・・・」そうして、中に入る4人。そこには・・・・

陸「おう。お帰り。」

海「遅かったじゃん。」

ナギ「・・・・・・」

陸「どうした?」

海「なに、呆けてんの?三千院。」

ナギ「だーかーらー!なんでこんなに人がいるのだ!!」

美希「はっはっは。照れるな照れるな。」

理沙「私達は、動画研究部の仲間であり・・・」

泉「彼等は、私達と先輩後輩の仲なのだ♪」

ナギ「お前等・・・!」と、騒ぐ一同。そこに・・・

ハヤテ「あ・・・・・・」

一同「・・・・・・」ハヤテが入ってきた瞬間、辺りが静まり返る。

ハヤテ「・・・・・・」と、ハヤテはしばらく俯くと、黙って部屋を出て行った。

ヒナギク「あ・・・」と、ヒナギクもそれを追う。

ナギ「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・・」ハヤテは、前庭で夜空を見上げていた。

ヒナギク「ハヤテ君。」

ハヤテ「・・・・ヒナギクさん・・・・」

ヒナギク「・・・・・・」

ハヤテ「・・・やっぱり・・・ダメですね・・・」

ヒナギク「え・・・?」

ハヤテ「さっき・・・僕が入った時の皆の顔、見たでしょう?あんな顔されちゃ・・・」

ヒナギク「ハヤテ君・・・・」

ハヤテ「やっぱり、ダメなんですよ。今更、僕なんかが皆の所へ戻るなんて・・・・
・・・・大切な人を傷つけてばかりの・・・・僕なんかが・・・・」と、自分の掌を見つめ、
握り締めるハヤテ。

ヒナギク「・・・それって・・・・天王洲さんの事・・・?」

ハヤテ「・・・・・やっぱり・・・わかっちゃいますか・・・・・」

ヒナギク「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」

ヒナギク「・・・・ねぇ。ハヤテ君。」

ハヤテ「はい・・・?」

ヒナギク「ハヤテ君って・・・・今でも、天王洲さんの事・・・・」

ハヤテ「・・・・・・・・」

ヒナギク「・・・・そうなの?」

ハヤテ「・・・・わかりません。」

ヒナギク「わからないって・・・・」

ハヤテ「・・・・・・・」

ヒナギク「・・・・・そう・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・」

ヒナギク「・・・私。」

ハヤテ「え?」

ヒナギク「私・・・前に、泉も、美希も、理沙も・・・皆がハヤテ君のこと心配してるって言ったよね・・・?」

ハヤテ「・・・そうですね・・・」

ヒナギク「だったら・・・皆の所へ行ってあげたらどうかな・・・?」

ハヤテ「・・・え?」

ヒナギク「皆・・・ハヤテ君の事・・・ホントに心配してたから・・・」

ハヤテ「・・・・・」

ヒナギク「だから・・・行けば・・・皆喜ぶと思う・・・」

ハヤテ「・・・・・・・」

ヒナギク「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・・わかりました。」そう言うと、ハヤテは屋敷に向かい始める。

ヒナギク「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・」そうして、ハヤテは屋敷に入る。その瞬間・・・

パン!パン!
クラッカーが鳴り響く。

ハヤテ「!?」

海「はい、遅ーい。」

ハヤテ「え・・・・・」

陸「はいはいはいはい、被って、主役。」と、ハヤテの頭に三角帽子を乗せる陸。

ハヤテ「え?え?なに?これ。」

刹那「なんか海の奴が、「湿気た空気、醸し出してんじゃねえ!!」とか言ってさ。」

日向「で。この有様。あ。俺、九条 日向。」と、自己紹介を付け加えて言う、日向。

ハヤテ「はぁ・・・」と、困惑するハヤテ。そこに・・・

姫神「綾崎。」

ハヤテ「え・・・姫神さん?なんでここに・・・」

姫神「クラウスの後任の執事長ってことで、三千院家に復帰した。」

ハヤテ「あ・・・そうなんですか・・・」

海「はいはいはいはい!!湿気た話はそこまで!パーティ開始じゃーーーーー!!」

陸・刹那・日向・椿・皐月・泉・美希・理沙「YEAHーーーーーーーーーー!!」

ハヤテ「・・・・・・」

姫神「・・・お前も楽しめよ。」と、そこに・・・

マリア「姫神君。」マリア(私服)がやってきた。

姫神「おう。どうした?」

マリア「あの・・・早乙女君は・・・」

姫神「・・・・・・」

マリア「・・・そう・・・ですか・・・」

ハヤテ「・・・・・」

そして、パーティもやや落ち着いてきた頃・・・・・

椿「あの・・・マリアさん。」

マリア「はい?」

椿「この屋敷・・・お手洗いってどこですか?」

皐月「あ。そういえば、私も。」

マリア「あ。それなら、私もご一緒しますよ。」

椿「いいんですか?ありがとうございます。」

マリア「それでは、私達はちょっと・・・」

姫神「おう。」そうして、トイレに向かう3人。

その帰り道・・・・

椿「ん?」

皐月「どうしたの?」

椿「いや・・あの部屋、何かな〜って・・・」

皐月「部屋?」

椿「うん。ほら、あそこ。」と、ある一室を指差す椿。

マリア「あ〜・・・あれは、宝物庫ですね。」

椿・皐月「宝物庫?」

マリア「はい。」

椿「へ〜・・・行ってみよ!皐月!」

皐月「ラジャー!」

マリア「あ!ちょっと!」と、宝物庫に向かう3人。

椿「へ〜。広いな〜・・・」

皐月「ん?」と、何かを見つける皐月。

マリア「どうかされましたか?」

皐月「いや・・・あの辺・・・」と、宝物庫の一番奥を指差す。

椿「なんだろ・・・」

皐月「なにかが、掛けてあったみたいだけど・・・マリアさん、何か知りませんか?」

マリア「さぁ〜・・・帝おじい様なら、なにか知っていたかもしれませんが・・・」

椿「帝?」

皐月「誰ですか?それ。」

マリア「ナギのお祖父様です。」

椿・皐月「へ〜。」そう言いつつ、再び探索を始める二人。すると・・・

椿「・・・・ん?」

そこには・・・・・

      
        押しちゃ
          ダメだぞ♪


と、書かれた張り紙とボタンがあった。

椿「・・・・ねぇ、皐月。」

皐月「ん?」

椿「これ、押しちゃダメって書いてあるね。」

皐月「書いてあるね。」

椿「じゃあ、絶対に押しちゃダメだね。」

皐月「そうそう。絶対に押しちゃダメ。」と、それに気づいたマリアは・・・

マリア「あ!二人とも!それは・・・!」と、止めに入るが、時既に遅し。

カチッ

マリア「あ・・・」

ガコン!!
床が大きく開き、3人はそのまま落下して行った。

椿・皐月・マリア「キャアアアアアアアアアアアアアアア!!」

姫神「ん?」

ハヤテ「・・・姫神さん・・・」

姫神「・・・お前にも聞こえたか?」

ハヤテ「はい。」

ヒナギク「え?」

ハヤテ「いえ。今、マリアさん達の声が聞こえたので・・・」

ヒナギク「・・・まさか・・・」

ハヤテ「そのまさかです。行きましょう!」と、ハヤテ・姫神・ヒナギクの3人は
部屋を飛び出す。

刹那「あ!ちょっと!わりぃ!後、適当に騒いでてくれ!」と、刹那もそれを追う。

その頃、地下では・・・

「・・・・・・・・・キャァァァァァアアアアアアアアア!!」

バシャア!!
3人揃って着水。

椿「つめた・・・」

皐月「ふ〜・・・ウォータースライダーみたいになってて、助かった〜。」

マリア「う〜ん・・・私としたことが・・・」

椿「大丈夫ですか?マリアさ・・・・」と、マリアの方を向いた瞬間、言葉を失くす椿。

皐月「・・・うわぁ〜・・・・////////」

マリア「?・・・あの・・・どうかしたんですか?」

椿「・・・マリアさん・・・////////」

マリア「はい?」

椿「なんていうか・・・・・その・・・・///////」

マリア「?」

皐月「・・・・・透けて・・・見えてます・・・色々と・・・・・/////////」

マリア「・・・・・・」と、自分の状態をようやく認識したマリア。

マリア「!!!?//////////////////////」

その頃、地上・・・・

ハヤテ「・・・・やっぱりですか。」

ヒナギク「やっぱりね・・・・」

姫神「なにがだ?」

刹那「てか、何?このボタン。」と、ボタンを押そうとする刹那。だが・・・

ハヤテ・ヒナギク「待った!!」

刹那「うお!」

ヒナギク「ハヤテ君。今すぐ、昔と同じ物持って来て。」

ハヤテ「了解です。」そう言い、部屋を出て行くハヤテ。

刹那「・・・どうなってんすか?これ。」

ヒナギク「ま。ハヤテ君が道具を持ってきてからのお楽しみよ。」

刹那「はぁ・・・」

姫神「・・・・・」

一方、地下・・・・

マリア「・・・あの・・・・/////」

椿「はい?」

マリア「ホントに・・・こんな格好でいいんでしょうか・・・////」

皐月「しょうがないじゃないですか。他に服が無いんですから。」

マリア「そうですけど・・・///////」

服がびしょ濡れになったマリアは、椿の上着を貸してもらい、何とか上を隠している状態。が。
下は下着以外、スカートも何も穿いていない為、下手をすれば見えてしまうという、
かなりギリギリの状態である。

椿「てか、ここも結構興味深い遺跡だな〜。」

皐月「そうと決まれば・・・」

椿「レッツゴー!」と、遺跡の中を走り出す椿と皐月。

マリア「あ!二人とも!」と、それを追いかけるマリア。

3人が見えなくなったと同時に・・・

刹那「へ〜。ウォータースライダーみたいになってたのか〜。」

ヒナギク「さ。早くマリアさん達を探しましょ。」

刹那「へ〜い。」

ハヤテ「それじゃ、二手に分かれましょう。僕と姫神さん。神崎君とヒナギクさんでお願いします。」

姫神「わかった。」

ヒナギク「それじゃ。後でね。」

刹那「・・・おい。」

ハヤテ「はい?」

刹那「・・・俺さ。男に神崎君とか言われんの、嫌なんだよね。」

ハヤテ「はぁ・・・」

刹那「だからさ。俺の事は、刹那って呼んでくんね?」

ハヤテ「・・・わかったよ。刹那。」

刹那「オッケ。んじゃ。後でな!」そうして、刹那はヒナギクの後を追う。

姫神「・・・行くぞ。綾崎。」

ハヤテ「あ。はい。」
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第78話終了です。如何だったでしょうか?何かあれば、コメをお願いします。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.38 )
日時: 2009/09/04 11:12
名前: ゆーじ


こんにちはです!

なんか前、会った時はハヤテとヒナギクがなんか険悪な雰囲気だったのになんか、何もなかったかのようになっててちょっと安心しました(笑)

そしてヒナギクの攻撃にまさかのハヤテの反撃!!・・・なんか今のサンデーを見るとこんな会話も懐かしい・・・・(涙)

あと「・・・・・・・・・それが、好きな人に対する態度ですか・・・・・・・・・」
で思ったんですが、ハヤテの鈍感スキル+天然はまだ健在なんですか?

前スレのハヤテのプロフィールを読み直しても、頭がナギ並によくなってるとは書いてありましたが鈍感スキルの方は書いてなかったので気になりました。まぁ↑の言葉は告白されたんだから鈍感も何も関係ないんですけど・・・何となく、まだ鈍感なのかな?と思いました。

あとちょっとだけでもいいので3人娘とハヤテのパートというのを期待したいです!

そういえば格好がちょっとヤバ気なマリアさんはやっぱり姫神&ハヤテチームと合流して「っ!!!?ひ・・姫神くん・・・!!?////////」的な感じになるんでしょうか?・・・気になります。


では来週に控えた期末試験と戦いながら待ってます!!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.39 )
日時: 2009/09/08 16:31
名前: SORA

ゆーじさん!コメをありがとうございます!早速ですが・・・
3人娘とハヤテのパートは、頭の中にありませんでした。(汗)ええ。
指摘されるまで、3人娘編は完全に消えていたので。それと、ハヤテの鈍感スキル・・・
これも完全に失念してました。(激汗)一応、鈍感傾向のつもりですが、
鈍感に見えているのかどうか・・・まぁ、それはそれとして、第79話、どうぞお楽しみください。
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第79話[誰もが持っている、思い出したくない過去。]

椿「ひゃ〜・・・まさか、屋敷の地下にこんな遺跡があったなんて・・・」

皐月「三千院さんは、知ってたのかな?これ。」

椿「多分、そうじゃない?あの・・・マリアさんはどう思い・・・あれ?」と、
椿が後ろを向くが、そこにマリアの姿は無かった。

皐月「マリアさ〜ん?」

椿「迷子かな?もしかして。」

皐月「まさか。」

椿「だよね〜。」と、そこに・・・・

ズァッ!
と、巨大な影が二人に襲い掛かる。

椿・皐月「・・・・・キャアアーーーーーーーーーーー!!!」

刹那「!この声・・・!」

ヒナギク「櫻井さん達ね!?」

刹那「こっちからだ!行きましょう!」

ヒナギク「ええ!」と、二人の声がした方へ走り出す二人。

一方、こちらも・・・

ハヤテ「!今の声は・・・」

姫神「櫻井達か?」

ハヤテ「恐らく・・・けど、音が反響して・・・!」

姫神「わかった。俺は右を行く。お前は左へ!」

ハヤテ「わかりました!」そうして、姫神は右、ハヤテは左へと走り出す。
だが、この時、姫神は気づいていなかった。この後おこる悲劇を・・・

その頃、椿達とはぐれたマリアは・・・

マリア「う゛〜ん・・・すっかり迷子ですわね〜・・・」と、とぼとぼと歩いていた。

マリア「さっき、櫻井さん達の悲鳴らしきものが聞こえましたし・・・大丈夫でしょうか・・・」
と、ここでふと立ち止まる。

マリア「それにしても・・・暑いですわね〜・・・この遺跡・・・」と、手をうちわの様にして
扇ぐマリア。

マリア「・・・・・ま・・・まぁ、他に誰もいませんし・・・いても、櫻井さん達ぐらいですし・・・
いいですよね?」と、椿に借りた上着のジッパーを下まで下ろすマリア。
絵が無いのが、非常に残念なサービスシーンである。

マリア「ふ〜。これで随分と涼しくなりましたわ。」そう言い、再び歩き出すマリア。

その頃、椿達は・・・

椿「何アレ!?何アレ!?」

皐月「私が知るわけ無いでしょ!!」

椿「てか、追っかけてくるんだけどー!!」

皐月「イヤァァァーーーーー!!」と、そこに・・・

刹那「櫻井!」

ヒナギク「宮森さん!」刹那とヒナギクが到着。

椿「あ!二人とも!」

皐月「なんか、後ろから化け物が・・・!」

刹那「ふざけやがって・・・!」

ヒナギク「例え、私達の後輩に手を出すのなら・・・!」と、正宗を振りかぶるヒナギク。

刹那「化け物だろうとなんだろうと・・・!」と、拳を振りかぶる刹那。

だが・・・

伊澄「誰が・・・化け物かーーーー!!」

一同「・・・・・・・」

ヒナギク「・・・・・鷺ノ宮さん?」

刹那・椿・皐月「・・・・・・・え?誰?」

伊澄「お久しぶりです。会長さん。」

ヒナギク「え・・・なんでまた、ここに?」

伊澄「実はですね・・・」と、話し始めようとした所へ・・・

ハヤテ「皆さん!」ハヤテがやってきた。

ヒナギク「あ。ハヤテ君。」

伊澄「どうも。ハヤテ様。」

ハヤテ「伊澄さん・・・」

刹那「あれ?姫神はどうしたんだ?」

ハヤテ「え?ああ。音が反響してたから、二手に分かれて探してたんだけど・・・
どうやら、僕の方が当たりだったみたいだね。」

伊澄「・・・あの・・・」

ハヤテ「はい?」

伊澄「もしかして・・・姫神様がいらっしゃるのですか?」

ハヤテ「え?あぁ・・・新しい三千院家の執事長として復帰したらしくて・・・」

伊澄「そうですか・・・」

椿「それより、姫神さんに連絡取らなくていいんですか?」

ハヤテ「へ?あぁ、そうですね。じゃ・・・」と、姫神のトランシーバーを呼び出すハヤテ。

姫神「え?櫻井達を見つけた?」

ハヤテ「はい。ですから、今から合流しようと思うんですけど・・・」

姫神「マリアは?」

ハヤテ「それが・・・どうやらはぐれてしまったみたいで・・・」

姫神『え?そう・・ザザッ・・・じゃあ・・・ザ・・・りあえず、俺も・・・』

ハヤテ「え?・・・すいません。ここ、電波悪いみたいで・・・」

姫神「だから。とりあえず、俺もそっちに行くから・・・」と、角を曲がろうとする姫神。

その、約数十秒前・・・

マリア「ふ〜・・・それにしても、櫻井さん達はどこに行ったんでしょう・・・・
流石にこれだけ時間がたてば、姫神君達が探しに来てるでしょうけど・・・・っていうか、
姫神君が来てるってことは、この格好を姫神君に?////////ど・・・どうしましょう・・・
ま・・・まぁ、でも・・・角を曲がった瞬間ばったり。なんてことはさすがに・・・」
と、マリアが角を曲がった瞬間・・・・

マリア「あるわけが・・・」

姫神「そこで待って・・・」

鉢合わせ。

マリア「・・・・・・//////////////」好きな人に際どい格好を見られてしまったマリア。

姫神「・・・・・・・・////////////」好きな人の際どい格好を見てしまった姫神。

コツーン・・・・
と、姫神の手から落ちるトランシーバー。

姫神『うおおおお!?ママママ、マリ・・・・!//////////』

マリア『ひひひひひひ、姫神く・・・!////////////」

ガシャーン

ハヤテ「!?・・・・・切れた・・・・(けど、一瞬マリアさんの声も聞こえたって事は、
マリアさんも無事か・・・)」

刹那「なんだって?」

ハヤテ「んっと・・・「俺も合流するから待ってろ。」って言ったのは聞こえたけど・・・」

刹那「ふ〜ん。じゃ。ここでのんびり待ちますか。」

椿「・・・・・」

皐月「・・・・・・」

ヒナギク「?どうしたの?」

椿「いや・・・その・・・」

ヒナギク「?」

皐月「マリアさん・・・今・・・結構きわどい格好なんですよね・・・」

一同「・・・・・え゛?」

凍りつく一同・・・・

ハヤテ「・・・ま・・・まぁ、姫神さんに限って、マリアさんを襲うなんて事は無いでしょうし・・・」

ヒナギク「そ・・・そうよ。姫神さんはそんな人じゃないし・・・」

刹那「・・・そうそう。ここで、気長に待とうぜ?な?」

椿「・・・・・・」と、明らかに不安な一同。そこへ・・・

皐月「ん?ねぇ、椿。」

椿「ん?」

皐月「この壁画・・・」

ヒナギク「あ・・・これ、まだ残ってたんだ・・・」

刹那「なんだ?これ・・・城っぽいけど・・・」

ハヤテ「これは・・・・・・・この城は・・・・・・・!」

伊澄「・・・ハヤテ様?」

ハヤテ「!・・・・なんですか?」

伊澄「もしかして・・・・この城の事をご存知なんですか?」

ハヤテ「!!」

ヒナギク「そうなの?」

刹那「だったら、話は早いな。なんなんだ?この城。」

ハヤテ「・・・・・」

椿「・・・・あの・・・・どうかしたんですか?」

皐月「どこか体調悪いとか・・・汗も酷いですし・・・」

ハヤテ「・・・大丈夫です・・・大丈夫・・・」

伊澄「・・・・・」

ハヤテ「・・・・この城は・・・・世界の中心・・・・」

刹那「・・・・は?」

ハヤテ「カルワリオの丘に建つ・・・・神様の棲む城・・・・」

ヒナギク「・・・・・」

ハヤテ「・・・・王族の庭城・・・・」と、ここで言葉を切るハヤテ。

一同「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・ロイヤルガーデン・・・・そう・・・・・呼ばれています・・・・」

刹那「・・・・ロイヤル・・・・」

ヒナギク「ガーデン・・・・」

椿「それがこの城の名前ですか?」

ハヤテ「・・・・・はい。」

皐月「へ〜・・・あれ?なんか文字が・・・・」

刹那「あ。ホントだ。」

ヒナギク「フリギア語・・・・でしたよね?鷺ノ宮さん。」

伊澄「はい・・・」

椿「なんて書いてあるんですか?これ。」

ヒナギク「え〜と・・・確か・・・「アブラクサスの柱の森。剣を持って正義を示せ。さすれば道は・・・開かれる・・・」
だったわね。」

刹那「・・・・どういう意味だ?」

椿「いや、私達に聞かないでくださいよ。」

ハヤテ「・・・・アブラクサス・・・・剣・・・・正義・・・・やっぱり・・・・」

伊澄「・・・・」

皐月「ていうか、続きがあるみたいだけど・・・なんて書いてあるの?これ。」

伊澄「・・・断片的には・・・「天照・・・凄王・・・月読・・・三柱の神が揃いし時・・・
全ては終わり・・・・全てが始まる・・・・」そう書いてあります。」

刹那「天照・・・」

ヒナギク「凄王・・・・」

ハヤテ「月読・・・・」

その頃・・・・

姫神「・・・えっと・・・・・なんて言うか、その・・・・スマン・・・・////////」

マリア「い・・・いえ・・・助けに来てくれて・・・ありがとうございます・・・//////」
どうしていいか、わからない二人。
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どうもです。時間が無く、書けなかった部分を修正しました。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.40 )
日時: 2009/09/10 16:43
名前: SORA

第80話[脱出]

前回の後、マリアと姫神はハヤテ達と合流。顔を真っ赤にしてた二人を、みんなが
からかってたのは言うまでも無い。

ハヤテ「それじゃ。そろそろここを脱出しましょうか。」

刹那「だな。」

マリア「幸い、昔と同じ脱出ルートもまだ使えそうですし。」

ヒナギク「・・・・・」

姫神「どうした?」

ヒナギク「いや・・・また、崩れる事になるんじゃないかって心配で・・・」

椿「・・・え?」

皐月「崩れるんですか・・・?ここ・・・」

ハヤテ「はは。さすがに二年も経ってて、崩れるなんて事は・・・」

ピシッ・・・・

一同「・・・・・」

刹那「・・・・・あれ?」

ハヤテ「は・・・はは・・・・」

姫神「・・・・まさか・・・」

刹那「・・・え〜・・・ハヤテ君?崩れる心配はないんじゃ・・・」

ヒナギク「・・・・・・」と、完全にブルーのヒナギク。

ハヤテ「だ・・・・大丈夫ですよ・・・そんなタイミングよく・・・」

ガラガラガラガラ!!
崩れ始める遺跡。

ヒナギク「ほら、やっぱりーーー!!」

刹那「なんなんだよ、この違法建築ーーーー!!」

一同「ギャーーーーーーーー!!」と、一目散に出口に向かう一同。

その最中・・・

ガッ!

ヒナギク「え!?」ヒナギクが石に躓く。その上・・・

ビシィ!!
ヒナギクの頭上の天井にヒビが入り、そこから岩が落ちてくる。

ヒナギク「!!」

ハヤテ「ヒナギクさん!」

刹那「お前等、先に行け!!」と、ハヤテと刹那が引き返す。

ハヤテ「はああああああ!!」

刹那「間に・・・合え・・・!」と、次の瞬間・・・

ドギャアアアアアン!!
ハヤテがヒナギクの上に落ちてきた岩を砕き、刹那がヒナギクを抱え、避ける。

ハヤテ「ヒナギクさん!」

刹那「大丈夫ですか!?」

ヒナギク「う・・・うん・・・なんとか・・・っ!」と、左足を押さえるヒナギク。

刹那「!・・・足・・・」

ヒナギク「・・・さっき転んだ時・・・捻っちゃったみたい・・・けど、大丈夫よ。」と、
立ち上がろうとするが、足に激痛が走るため、立ち上がれない。

刹那「・・・・」その姿を見た刹那は、ヒナギクに背を向け、しゃがむ。

ヒナギク「え・・・?」

刹那「乗ってください。俺がおぶって行きます。」

ヒナギク「な・・・別に平気よ!このくらい・・・!」

刹那「強がんないでください。女の子なんですから。」

ヒナギク「・・・・・え?」「女の子」と言う単語に、ヒナギクの思考は固まる。

刹那「さ。速く。」

ヒナギク「・・・・・・」と、ヒナギクは無言で刹那に捕まる。

刹那「・・・よし。しっかり捕まっててくださいね!」と、刹那は走り出す。

ヒナギク(・・・・あれ?・・・・もしかして私・・・・女の子扱いされてる?
・・・今まで、こんな事無かったのに・・・なんだろう・・・
嬉しいような・・・恥ずかしいような・・・こんな感じ・・・初めて・・・)

そうして、一同は原作にもあった、出口に着いた。

ハヤテ「・・・さて。問題はどうやってここを泳ぎきるかですね・・・」

マリア「ヒナギクさんは足を怪我してるみたいですから・・・」

皐月「・・・・・・」

椿「どうしたの?」

皐月「いや、その・・・」

椿「・・・あ。そう言えば皐月、カナヅチだったっけ?」

皐月「な!/////ち、違うわよ!ただ、ちょっと泳ぎが苦手ってだけで・・・!」

椿「はいはい。んじゃ、皐月は私が抱えてくから。」

皐月「人の話を聞け!!」

刹那「大丈夫かよ?見た感じ、そこまで身体強くなさそうだけど・・・」と、
海水に浸したハンカチをヒナギクの足に巻きつけ、応急処置をしながら言う刹那。

椿「大丈夫ですよ。私、こう見えても、合気道の有段者なんで。」と、自信満々に言う椿。

刹那「・・・なら、問題ねぇな。ヒナギクさんは、俺が抱えてきますよ。」

ヒナギク「へ?あ・・・・うん。ありがと・・・//////」

刹那「いえいえ。」と、微笑む刹那。

ヒナギク(・・・何、ときめいてるのよ、私!私には、年下趣味なんて無いんだから!)

刹那「・・・どうかしました?やっぱり、痛むとか・・・」

ヒナギク「へ?あぁ、大丈夫よ。」

刹那「はぁ・・・」

ハヤテ「と、なると・・・伊澄さんは・・・」

伊澄「ご心配無く。」と、伊澄の傍にはイルカが。

イルカ「もきゅ。」

ハヤテ「あ。そうですか・・・」

刹那「となると・・・マリアさんは・・・」

一同「・・・・・」と、全員揃って姫神に視線を送る。

姫神「・・・・俺か?」

ハヤテ「他に誰が?」

姫神「いや、でも・・・//////」と、マリアの方に視線を移す姫神。

マリア「//////////」と、顔を真っ赤にして俯いているマリア。

刹那「はい、決まり。んじゃ頼むな、姫神。」と、ヒナギクを抱え、海に潜る刹那。

姫神「あ!ちょ・・・!」

椿「頑張ってくださいね〜♪」と、椿と皐月も潜る。

姫神「いや、待て・・・!」

伊澄「では、お先に・・・」

イルカ「もきゅ。」と、伊澄を乗せたイルカも潜っていく。

ハヤテ「それでは、ごゆっくり。」と、ハヤテも潜る。

姫神「・・・・・・・」

マリア「・・・・姫神君。」

姫神「はい!?」と、声が裏返る姫神。

マリア「その・・・・お願いします////////」

姫神「・・・・・・おう/////////」そうして、姫神とマリアも皆の後を追う。

そうして、地上の海・・・

海「ん?」

刹那「お。着いた着いた。」

陸「お前等・・・見かけねぇと思ったら・・・」

美希「なぜ、海から上がってくるんだ?」

椿「ていうか、皆こそここで何やってんの?」

理沙「パーティもお開きになったから、ここで花火でもしようという事になったのだ。」

泉「ナギちゃんと日向(ひなた)君は寝ちゃったけどね。」

皐月「日向?」

陸「日向の事。」

皐月「・・・ああ・・・」

ハヤテ「さて。これで脱出できましたね。」

海「と言うわけで・・・花火、やっぞーーーーー!!」

ハヤテ・姫神・マリア・ヒナギクを除く一同「YAーーーーーーーーー!!」

ヒナギク「ケホッ、ケホッ。」と、むせるヒナギクに近寄る刹那。

刹那「あの・・・大丈夫ですか?」

ヒナギク「うん・・・ケホッ。ちょっと水飲んじゃったけど、なんとか・・・」

刹那「・・・・・」と、心配そうにみる刹那に微笑みかけながら、ヒナギクは言う。

ヒナギク「・・・・・ありがと。刹那君。」

刹那「え・・・・/////」と、その笑顔に、刹那は一瞬だけときめく。

ヒナギク「・・・・どうしたの?」

刹那「へ?いや、別に・・・・どういたしまして。」

その瞬間、夜空に大きな花火が炸裂した。
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はい、どうも。第80話終了です。如何だったでしょうか?今回でちょうど、
単行本20巻分が終了しました。ここからは、本誌でのネタバレありです。それはそれとして・・・
・・・・はやく、ハヤテとアテネを再会させてぇ・・・・
とか、思っちゃってる自分がいます。それと最近、本誌の方が色々あるので、
そろそろこの作品との相違点が見つかりそうです。はい。ま。例えそうでも、
あまり大きな相違がなければ、この作品は問答無用で突っ走りますけどね。
それと、もうすぐ空が再登場します。どうぞお楽しみに。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.41 )
日時: 2009/09/11 18:01
名前: マツ

久々にレスします。
ようやくアテネが、出てきて、とても
気になる展開なってきましたね。
自分的にも、ハヤテとアテネの再会を
速く読みたいですね。
これからも更新頑張って下さい。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.42 )
日時: 2009/09/12 16:34
名前: SORA

マツさん、お久しぶりです。コメをありがとうございます。一刻も速く、
ハヤテとアテネの再会までこぎつけられるよう、頑張ります。それでは。
第81話、どうぞお楽しみください。
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第81話[再会への足音]

ハヤテ「・・・・・」

トゥルルルルル・・・・
ハヤテは、三千院家の別荘の電話を借り、キリカの居るホテルへと電話をかけていた。

ハヤテ「・・・・」

ガチャ

『はい。こちら、−−−ホテルですが・・・』

ハヤテ「あ。夜分遅くに、申し訳ありません。そちらのホテルに、葛葉キリカさんと言う
女性はいらっしゃいますでしょうか?」

『葛葉様ですね?少々お待ちください。』

以上の会話は、全てその国の言葉で行われました。

それから、数分後・・・

キリカ『もしもし?』

ハヤテ「あ。理事長。」

キリカ『ハヤテか!?お前、どこで何をしているのだ!私と詩音がどれほど心配したと・・・!』

ハヤテ「すみません!あの後、街中で迷子になってしまって・・・」

キリカ『まったく・・・まぁ、お前の事だからそんな事だろうと思ったけどな。』

ハヤテ「はは・・・」

キリカ『それで?お前は今、どこに?』

ハヤテ「はい。その・・・三千院さんの別荘に・・・」

キリカ『・・・・・・ほう。』

ハヤテ「それで、その・・・今日はこのまま、ここに泊めて貰おうと思うのですが・・・
よろしいでしょうか?」

キリカ『ふむ・・・別に構わんぞ。』

ハヤテ「本当ですか?ありがとうございます。」

キリカ『ああ。別に、今日だけとは言わず、こちらに居る間は、ずっとそこに居てもいいぞ?』

ハヤテ「え?ですが・・・」

キリカ『まぁ、その辺は、三千院がどうするかだがな。』

ハヤテ「はぁ・・・」

キリカ『まぁ、そういう事だ。じゃあな。』そうして、電話は切れた。

ハヤテ「・・・・・・」

キリカ「・・・・」

詩音「あの・・・葛葉様。」

キリカ「なんだ?詩音。」

詩音「綾崎は・・・」

キリカ「ああ。しばらく、三千院の別荘に泊まらせる事にした。」

詩音「え!?」

キリカ「最近のあいつは、どこか思い詰めてる所があったからな。ちょっとした息抜きだ。」

詩音「はぁ・・・」

キリカ「それと・・・もう一つあるがな・・・」

詩音「え?」

キリカ「なんでもない。」そうして、キリカは部屋へと向かう。

キリカ(ハヤテよ・・・・自分を変えたいのなら・・・あの人がここにいる、
今しかチャンスは無いぞ・・・)

ハヤテ「・・・・」電話を終えたハヤテは、テラスに寄りかかり、海辺に居る皆の
様子を眺めていた。

ハヤテ「・・・・」

その時、後ろから・・・

美希・泉・理沙「ハヤ太君。」3人娘が声を掛けてきた。

ハヤテ「あれ?皆さん。花火をしていたのでは・・・」

美希「ああ。そうだが・・・」

泉「ハヤ太君に聞きたいことがあってね。」

ハヤテ「聞きたいこと?」

理沙「ああ。それで、ハヤ太君・・・」

ハヤテ「・・・・・」

美希「ヒナをフッたと言うのは、本当か?」

ハヤテ「!」

理沙「・・・・その反応・・・・」

泉「・・・本当・・・なんだね・・・」

ハヤテ「・・・・」

美希「・・・・なぜだ。」

ハヤテ「え?」

美希「なぜ、ヒナをフッたのだと聞いている。」

ハヤテ「それは・・・」

泉「・・・・」

理沙「・・・・・」

美希「・・・ヒナがどれだけハヤ太君のことを想っていたかわかるか?」

ハヤテ「・・・・・わかりません。」

美希「な!」

ハヤテ「皆さん、いつも僕に言ってたじゃないですか。「鈍感」だの、「天然ジゴロ」だの・・・
そんな僕が、他人からの気持ちになんて・・・気付けるわけ無いじゃないですか・・・」

泉「そんな・・・!」

理沙「ハヤ太君・・・君は・・・」と、その時・・・

スパァン!

ハヤテ「・・・・・!」

美希「・・・・」

美希のビンタがハヤテに炸裂した。

ハヤテ「・・・・」

美希「・・・・・甘えるな。」

ハヤテ「・・・・甘える・・・?」

美希「そうだ。君は、自分が傷つくのを恐れ、「鈍感」と言う単語を盾に、
ただ逃げているだけだ。」

ハヤテ「・・・・・・」

美希「・・・ヒナの気持ちを知らず、いや、知ろうとせず、ただ自分の殻に閉じこもっているだけだ。君は。」

ハヤテ「・・・・・違う・・・・・」

美希「違わないさ。君は、執事をクビになったと言う理由だけで、他人からの接触を恐れ、
ただ逃げているだけだ。」

ハヤテ「違う・・・・・・!」

美希「いいかげん、自分の殻に閉じこもるのはやめろ。そんな事だから、彼女も・・・」

ハヤテ「黙れ!!」

美希「!!」

ハヤテ「黙れよ・・・知った風な口を叩くな・・・僕の中に入り込もうとするな・・・!」

美希「・・・・」

泉「・・・・」

理沙「・・・・・」

ハヤテ「・・・・・」そうして、ハヤテは部屋から出て行った。

同時刻。ここは、昼間に空とハヤテが訪れた屋敷。そこの一室に、その人・・・
天王洲アテネと、その執事、マキナは居た。

アテネ「・・・その執事を倒せば・・・三千院家の遺産が手に入る・・・か・・・」と、
空の写真を見ながら、アテネが言う。

マキナ「・・・・また、そんな感じになったのか?」

アテネ「みたいですわね。まぁどうせ、以前と同じく変わるのでしょうけど。」と、
若干暗い顔になるアテネ。

マキナ「・・・・お前・・・・まだ、あいつの事ひきずってんのかよ。」

アテネ「・・・・・!」

マキナ「・・・いいかげん、忘れろよ。そのためにお前、自分の気持ち押し殺したんだろ?」

アテネ「・・・・・」

マキナ「後ろばっか見てねぇで、そろそろ前向けって。」

アテネ「少し黙りなさい、マキナ。」と、マキナを睨むアテネ。

マキナ「・・・・・」

アテネ「・・・わかっていますわよ・・・そんな事・・・」そう言い、アテネは寝室へと向かう。

マキナ「・・・・・」

アテネ「・・・・・」寝室に着いたアテネは、すぐにベッドに倒れこむ。

アテネ(・・・・昼間・・・・三千院家の執事と一緒にいたのは、間違い無く、ハヤテ・・・・
着ていた服が違ったと言うことは・・・やはり、今は三千院家とは何の関係も・・・)
と、そこまで思った瞬間、アテネは胸の辺りに手を添える。

アテネ(!・・・ダメ・・・やっぱり・・・あの日から・・・次第に大きくなってくる・・・・
身体が・・・熱い・・・心臓の鼓動が速いのが、よくわかる・・・・・
なぜ・・・・あの日・・・・全てにケリをつけたはず・・・・なのに・・・・///////)
と、両腕で肩を抱くアテネ。

アテネ「・・・・ハヤテ・・・・/////////」脳裏に思い浮かぶのは、一度も忘れた事が無い、
自分が愛してやまない人の事。そうして、女神の名を持つ少女は再び自分を抑えられなくなる・・・
愛する人の事を想い・・・そして・・・・・




その翌日・・・

海「・・・・・・」

陸「・・・・・・」

ビーチに立つ海と陸。

海「・・・・来たな・・・この時が・・・」

陸「ああ・・・来たな・・・」

海「・・・・・突撃ぃぃーーーーー!!」

陸「っしゃあーーーーーーーーー!!」と、海に向かって、突進する二人。

刹那「テンション、高・・・ふぁ・・・」と、欠伸をする刹那。無理も無い。
ここに居る一同は、半ば陸と海に叩き起こされた形にあるのだから。

椿「まったく・・・ほんと、いつまで経ってもガキなんだから・・・」そう言う椿も、
泳ぎたくてたまらない様子。

マリア「・・・あの・・・無理せず泳いできた方が・・・」

椿「行ってきまーーーーーーーーーーーす!!」と、さっきまでの躊躇はどこに行ったのか、
突進する椿。

日向「くぁ・・・」と、大きく欠伸をする日向。

刹那「あれ?お前は行かないのか?」

日向「水着、持ってきてねーもん。」

刹那「ああ・・・」

日向「てか・・・空の奴、結局戻ってこなかったな。」

ナギ「!!」

刹那「確かにな〜・・・どこ行ったんだろ?あいつ。」

ナギ「・・・・どっか行ったんだろ。私の事が嫌いになったから・・・

マリア「ナギ・・・・」

ハヤテ「・・・・・」

姫神「・・・・」

パン!
と、刹那と日向の頭を叩く姫神。

日向・刹那「た!」

姫神「言葉を選べ、バカ。」

マリア「ナギ・・・早乙女君がナギの事を嫌いになるなんて事は・・・」

ナギ「じゃあ、なんで帰ってこないのだ!」

マリア「・・・・・」

ナギ「私が・・・私が、こんなだから・・・空はきっと・・・私のせいで・・・
いっつも危険な目にあって・・・いっつも怪我させて・・・だから・・・
空はきっと・・・・私の事・・・・嫌いに・・・・」と、ぽろぽろと涙を流すナギ。

ヒナギク「・・・・・・」

日向「・・・ったく・・・あの、バカ・・・!」

ナギ「う・・・・・うぅ・・・・・」

と、その時・・・・・

「なんで俺が、お嬢様の事嫌いになんなくちゃいけねーんすか?」

一同「!!」一同が振り向くとそこには・・・・

空「・・・・・あれ?どしたの?皆。」空が何食わぬ顔で立っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第81話終了です。如何だったでしょうか?アテネのパートでは、「ちょっとまずいんじゃね?」
って思う所がありましたが・・・まぁ、大丈夫だと信じます。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.43 )
日時: 2009/09/13 11:33
名前: SORA

第82話[重なる罪]

ここは、12年前のミコノス。迷宮からの脱出を果たした空は、
例によって早くに目が覚めていた。

空「ん・・・・ん〜・・・・はぁ・・・・よく寝た。」と、大きく伸びをし、
ベッドから降りて、部屋を出る空。そこには・・・

空「ん?」

ナギ「あ・・・・」ナギ(過去バージョン)がいた。

空「・・・・随分と早いな。」

ナギ「目が覚めてしまっただけだ。」

空「ふ〜ん・・・」と、ここで空が何かを思いつく。

空「そうだ・・・なぁ。今から、海、行かね?海。」

ナギ「・・・・・は?」

空「だから、海だよ。海。」

ナギ「断る。なぜ、こんな朝っぱらから海になど・・・・」

空「いいから、いいから。ほら。行くぞ。」と、ナギを強引に肩に乗せると、
空は屋敷を出て行く。

ナギ「な!おい、待て!」が、ナギの叫びもむなしく、屋敷の外に連れ出される。

リビングのテーブルの上には、何時書いたか、


「ちょっくら二人で、海行ってきます。by白」


と言う置き手紙があった。

そして、海・・・・

空「やっぱ、こんな時間だから誰もいねぇな。」と、海に向かって歩き出す空。

ナギ「・・・・・・」

空「速く来いよ。冷たくて、気持ちーぜ?水。」

ナギ「・・・・こんな、いつ殺し屋共に狙われるかわからないのに、悠長に遊べるか。」

空「・・・・そんな心配してたのかよ?」

ナギ「だって・・・」

空「・・・・・安心しろ。」

ナギ「え?」

空「いつまでもずっとって訳にはいかねーけど・・・守れる時は、俺が守っててやるよ。」

ナギ「・・・・・・」

空「だから、ほら。お前も楽しめって。」と、ナギの手を引く空。

だが・・・・

空「・・・・・?」何かの気配に気付く空。

ナギ「?どうしたのだ?」

空「ひぃ、ふぅ・・・・・7、8人てところか・・・子供一人始末するのに、
随分と気合入ってんな・・・」

ナギ「え・・・・?」

空「捕まってろ。」と、一気に走り出す空。その瞬間・・・

ガガガガガガガガガガガ!!
突如、銃声が響き渡る。

空「ふお!来やがった!」

ナギ「・・・・・!」と、後ろを向くと、数人の黒服の男達が銃を構えて、
追いかけてきている。

空「う〜ん・・・まさか、本当に来るとは・・・」

ナギ「んな事、言っている場合か!」

空「しょうがねぇじゃん。来るとは思ってなかったんだから。」と、前を見ると・・・

「止まれ!!」新手が。

空「やべっ・・・」

ナギ「おい!どうするのだ、白!」

空「チッ・・・絶対に放すなよ!!」と、地面を踏み締め、大きくジャンプする空。

ナギ「おお・・・・」

空「・・・・」そして・・・・

ズダン!
着地し、それと同時に走り出す。

やがて・・・・・

空「ふぅ・・・なんとかまいたな・・・」と、崖際で一息ついている二人。

ナギ「まったく・・・だから、来たくなど無かったのだ・・・」

空「悪かったって。」むくれるナギと、謝る空。

ナギ「まぁ、でも・・・守ってくれたことには、感謝するぞ。」

空「・・・・・そ。」

と、しばしの時が流れる・・・・

空「・・・・・んじゃ。そろそろ戻るか。」

ナギ「うむ。」と、空が立ち上がった瞬間・・・・

ガァン!

空「!?」空の右肩を、銃弾が貫通する。

ナギ「白!」

空「つっ・・・・・!」と、後ろを向くと、そこには一人の青年が立っていた。

「チッ・・・・外したか・・・」

空「お前・・・・」

「・・・・・お前。そっちのガキを渡してもらおうか。」

空「・・・・やだね。」

「・・・・・」

ガァン!
と、今度は、左脚を撃たれる。

空「ぐあ!」

ナギ「白!」

「・・・・・もう一度言おう・・・・・そのガキをこちらに渡せ。」

空「・・・・・・」

「これは脅迫じゃない・・・命令だ。」

空「・・・・・」

ナギ「白・・・・・」

空「・・・断る。」

「・・・そうか・・・なら・・・・死ね!!」と、引き金に手をかける青年。

空「・・・・・!」その瞬間、空は青年の足を払い、その拍子で、青年は銃を落とす。

「しまった!」と、気が付くと、空は少年に馬乗りになっていた。

空「・・・ふん!!」

ゴキャア!!
と、空のパンチが、青年の顔面に直撃する。

「ぐふっ!」

空「・・・・・」と、空は落ちた拳銃を、海に投げ捨てる。

空「・・・・」

ナギ「白・・・大丈夫か?」

空「ああ。別になんとも・・・」と、その時・・・・

ナギ「!後ろ!!」

空「!」と、空が後ろを向いた瞬間・・・

「らぁ!」と、先ほどの青年が、ナイフをこちらに向けて突き刺してきた。

空「な・・・!」

「失敗できるか・・・あいつのためにも・・・!」

空「しつけぇ野郎だ・・・」

「おおおおおおおお!」と、まっすぐ空に向かう青年。

空「馬鹿野郎が・・・!」と、それをかわし、青年を蹴り飛ばす空。だが・・・

「・・・・・!」

空「!!」蹴り飛ばされた青年は、その勢いで崖から転落した。

「この・・・・クソが!!」と、青年は、懐に隠してあったもう一丁の銃を取り出すと、
空に向けて発砲した。

パァン!
が、その弾丸は、空の左頬を掠めただけだった。

そして・・・・・

ダパァァァァン!!

ナギ「・・・・・・・白・・・・・・・」

空「・・・・違う・・・・・そんなつもりじゃなかったんだ・・・!」と、空は
崖下をのぞくが、何も見つからない。

空「・・・違う・・・違うんだ・・・殺すつもりなんて・・・!」と、ここで空は、
ある人物の言葉を思い出す。

エルザ「兄は抹殺に失敗した・・・三千院家の執事であろう少年の反撃に遭い・・・・
崖から転落し・・・兄は死亡しました・・・」

空(!・・・そうか・・・シスターが言ってたのは・・・この事・・・・
じゃあ・・・・今のは・・・シスターの兄貴・・・・?シスターの兄貴を殺したのは・・・・・・・俺?)

ナギ「・・・・・」

空「(俺は・・・・また・・・・罪を重ねるのか・・・・また・・・・人の命を・・・・
俺は・・・どれだけ罪を重ねればいいんだ・・・いつになったら許されるんだ・・・・・・
なぁ・・・どうすれば俺は、許されるんだよ・・・なぁ・・・・・葵・・・・!)
・・・畜生おおおおおおおおおおおおおお!!」

やがて、三千院家SP部隊がやってきた。

「お嬢様!」

「ご無事でしたか!」

ナギ「それより・・・白が・・・・」

「え?」

空「・・・・・」

「おい。大丈夫か?」

空「ああ・・・」

「・・・・!お前・・・撃たれてるじゃないか!傷・・・」

空「いいよ。別に・・・」

「・・・・・」

空「・・・・俺、そろそろ行くわ。」

ナギ「え!?」

空「仲間の所に戻らねーとさ。皆、心配してるだろうし。」

ナギ「そんな・・・私の事、守ってくれるんじゃ・・・」

空「いつまでもずっとじゃねえって言ったろ?俺は戻る。」そう言い、空は歩き出す。

ナギ「おい!ちょっと、待て!」

空「来るな!」

ナギ「!!」

空「・・・心配しなくていいよ。」

ナギ「え・・・・?」

空「また・・・また・・・いつか会える。」

ナギ「・・・ほんとか・・・?」

空「ああ。」

ナギ「ほんとにか!?」

空「ホントさ。大体・・・・12年位したらな。」

ナギ「・・・・・」

空「・・・・じゃあな。」そういうと、空は歩き出し、そして、現代に帰っていった。

そして、現代・・・・

空「・・・・あれ?ここは・・・・」と、空が何かに気付く。

空「あれは・・・・お嬢様達・・・ハヤテやヒナギクさんがいるってことは・・・
現代に帰ってきたのか・・・・俺・・・・」と、ナギ達に向かって歩き始める空。

空「おじょ・・・」

ナギ「どっか行ったんだろ。私の事が嫌いになったから・・・」

空「・・・・え?」

マリア「ナギ・・・・」

ハヤテ「・・・・・」

姫神「・・・・」

パン!

日向・刹那「た!」

姫神「言葉を選べ、バカ。」

マリア「ナギ・・・早乙女君がナギの事を嫌いになるなんて事は・・・」

ナギ「じゃあ、なんで帰ってこないのだ!」

マリア「・・・・・」

空(お嬢様・・・・)

ナギ「私が・・・私が、こんなだから・・・空はきっと・・・私のせいで・・・
いっつも危険な目にあって・・・いっつも怪我させて・・・だから・・・
空はきっと・・・・私の事・・・・嫌いに・・・・」

空(そうか・・・お嬢様・・・ずっと自分を責めてたのか・・・
自分のせいで・・・俺が傷ついてるのが、耐えられなかったのか・・・
そうとも知らずに・・・俺は・・・・はっきり言わなきゃ・・・
俺がお嬢様を嫌いなはず無いって・・・ちゃんと・・・)

ヒナギク「・・・・・」

日向「・・・ったく・・・あの、バカ・・・!」

ナギ「う・・・・・うぅ・・・・・」

空「なんで俺が、お嬢様の事嫌いになんなくちゃいけねーんすか?」
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.44 )
日時: 2009/09/13 14:05
名前: SORA

第83話[出会い。そして、近づくその時。]

ナギ「・・・・空・・・・?」

空「はい。お嬢様。」

ハヤテ「・・・・・・」

姫神「・・・・・・」

ヒナギク「・・・・・・」

刹那「・・・・・・」

マリア「・・・・・・」

日向「・・・・・・」

空「・・・皆、どうしたんだよ?豆鉄砲食らった鳩みたいな顔してさ。」

刹那「・・・じゃ・・・」

空「え?」

刹那「どうしたじゃねーーーーーー!!」と、刹那のドロップキックが炸裂。

空「ぐあ!」

刹那「どうした!?どうしたっつったか、コラ!ああ!?」と、刹那のストンピング攻撃。

日向「どうしたじゃねぇんだよ!さんざ、人に心配かけといて、第一声がそれか!?ああ!?」
と、そこに日向も加わる。

空「うるせー!第一、テメェらが俺の心配するタマか!?」

日向「ああ、してねぇよ!?俺等はしてなかったけどなぁ・・・!」と、空を引き起こし、
ナギの方に向かせる日向。

ナギ「・・・・・・」

空「あ・・・・・」

ナギ「・・・・今まで、どこにいた。」

空「・・・いや・・・ちょっと、自分を見つめ直してたというか・・・」

ナギ「私達がどれだけ心配したかも知らずにか?」

空「いや・・・まぁ・・・なんていうか、その・・・」と、空が視線を逸らした瞬間・・・

ぎゅっ・・・

空「・・・・・・・・・・・え?」

ナギ「空・・・・!」ナギに抱きつかれていた。

空「え・・・・おじょ・・・・」

ナギ「バカ・・・・お前は・・・ホントにバカだ・・・」

空「・・・・・」

ナギ「空・・・・・」

空「・・・・すみません・・・・お嬢様・・・・」と、ナギの頭を撫でる空。

刹那「・・・・ま。なんにしても、これで一件落着だな。」

ヒナギク「・・・そうね。これでやっと全員集合ね。」

ナギ「・・・・・・」

空「・・・あの・・・・お嬢様・・・」

ナギ「なんだ?」

空「そろそろ、どいてもらえると・・・助かるんですけど・・・」

ナギ「あ・・・スマン・・・///////」と、空から離れるナギ。

空「ふぅ・・・・」と、空が辺りを見回すと・・・・

愛歌「・・・・・」と、愛歌がビーチに差したパラソルの下で座っていた。

ヒナギク「・・・何をしていらっしゃるのですか?愛歌さん。」

愛歌「ええ。ちょっと、三千院家の執事君にお届け物をと・・・」

空「俺に?」

愛歌「ええ。」

ナギ「ていうか、執事はどこに?」

愛歌「ああ。宝城君?宝城君なら・・・」と、愛歌はビーチに一角を指差す。

愛歌「あそこで、喧嘩売ってきた不良達を返り討ちにした上に、舎弟にしてるわ。」
と、そこには、顔がボコボコに腫れ上がった数人の男達が弥勒に土下座しているところだった。

ハヤテ「うわぁ〜・・・」

ヒナギク「・・・・・・」

空「それで?俺に届け物って一体・・・」

愛歌「ああ・・・はい、これ。」と、愛歌は空に一枚の紙を渡す。

空「・・・・これっすか?」

愛歌「ええ。」

空「・・・・・・」と、空はその紙を開き、読み始める。

空「え〜と・・・「三千院家の遺産相続条件を、早乙女 空の持つ三千院家の秘宝、
王玉を奪う、ないし、破壊した者に遺産を相続させるものとする。」って、これ・・・!」

ハヤテ「・・・やっぱり・・・・」

マリア「王玉って・・・早乙女君・・・王玉を持ってるんですか?」

空「え?あ・・・はい・・・」と、自分の首に提げてある王玉を見せる空。

ナギ「・・・それ・・・なんで空が持ってるのだ?」

空「え?それは・・・」と、その時・・・・

「ハハハハハハハハ!やはリそウ来ると、思いまシたー!」

一同「ん?」

「王玉を奪うか、破壊シタ者に遺産を相続・・・ならば!」

ハヤテ「・・・・・・・」

姫神「・・・・・・」

ヒナギク「・・・この光景、見たことがあると感じるのは、私だけ?」

マリア「安心してください。私もです。」

ギルバート「こノ、ギルバートが三千院家の遺産ヲいただきマース!」

ナギ「・・・・・・え?誰?」

空「さあ?誰なんでしょう?」

ギルバート「さア!私に石を渡しナサーい!」

空「嫌に決まってんだろ、ゲス。死ねよ、お前。」

ギルバート「そう言わずに!私に石を!」

空「うるっせぇな!グチャグチャ言ってねぇで、消えろ!!」

ギルバート「お願いデース!それがなきゃ、私・・・」

空「あーーーーー!!もう、グチャグチャうるせえなあ!!おら!欲しけりゃくれてやるぜ、こんなもん!!」
と、ギルバートに向かって、王玉を投げる空。

ナギ「ああ!」

マリア「早乙女君!」

姫神「お前、何を・・・!」

ハヤテ「空・・・!」

空「うるせ。」と、その瞬間、空はギルバートに向かって走り出す。

ギルバート「アア・・・これで、遺産は私のもの・・・」と、ギルバートは、
落下してくる王玉に手を伸ばす。

ギルバート「あト、ちょ・・・!」と、次の瞬間・・・・

メキャア!!
と、空の渾身の跳び膝蹴りがギルバートの顔面を直撃し、そのまま吹き飛ばす。

空「・・・・」着地した空は、そのまま落下してきた王玉をキャッチする。

ナギ「おお・・・」

空「そう簡単にくれてやるか、バカが。」

日向「・・・なぁ、空・・・」

空「ん?」

刹那「今、ヒドイ音がしたんだが・・・」

空「・・・・あぁ・・・・そういや、鼻の骨折れた感触したな。」

姫神「ええ・・・・・」

ギルバート「ぐふぅ・・・」

空「あ。生きてた。」

ギルバート「フッフッフ・・・まサかの不意打ちとハ・・・随分と、姑息ですね
三千院家の執事・・・・」

空「油断してる、そっちが悪いんだろうが。」

ギルバート「フッフッフ・・・ですが、所詮ハその程度・・・私の敵ではありませーん・・・」

空「・・・・・」と、空は仰向けに倒れているギルバートに近づく。

ギルバート「・・・・?」

空「・・・・」と、次の瞬間・・・

ガバッ
空はギルバートの両足を脇に抱え込むと、そのまま身体を捻り、エビ反り固めを決めた。

メキメキメキメキ・・・・
と、ギルバートの背骨が悲鳴を上げる。

ギルバート「ギャアアアアア・・・・・・!」

空「ほれほれ。さっきと同じ事言ってみろよ、オッサン。」

ギルバート「フフフフ・・・私はこれしきでは終わりませーン・・・
この程度の関節技でハ・・・私は到底・・・・」

空「・・・・ふ〜ん・・・・・じゃ・・・」と、日向の方を向く空。

空「日向。」

日向「ん?」

空「キャメルクラッチ、頼むわ。」

ギルバート「え゛?」

日向「・・・・・了解。」

ギルバート「え゛?ちょ・・・」

日向「よっこら・・・せっ。」と、日向もギルバートの背に乗り、ギルバートの顎を持つと、
そのまま上に引き上げる。

ギリィ!

ギルバート「あがぁ!!」

銀髪の美少年がエビ反り固めを決め、金髪の美少年がキャメルクラッチを決める。

端から見たら、結構シュールな絵である。

空「ほ〜れ、ほ〜れ。どうした、どうした?」

日向「抵抗してみろよ。できねぇだろうけど。」

ギルバート「か・・・・かは・・・・ぁ・・・」

海「いいぞ〜、二人とも。」

陸「へし折れ、へし折れ。」と、いつの間にか野次に加わった海と陸。

ナギ「いや、あの・・・もうその辺で・・・」

刹那「いや、お前は見ない方がいい・・・」と、ナギの目を塞ぐ刹那。

ギャアアアアア・・・・・・・・・・・

ある晴れた日のビーチに、ギルバートの叫びだけが響いたという・・・











































































































べキッ

日向「あ。折れた。」

何が折れたかは、ご想像にお任せします☆




































































































そうして、その後は散々ビーチで遊びまくった一同。

その帰り・・・・

刹那「楽しかったなぁ〜・・・今日は。」

海・陸「ほんとほんと。」

美希「明日は何をするか・・・」

ハヤテ「はは・・・」

ナギ「・・・・・ていうか、お前は理事長の所に戻らなくていいのか?」

ハヤテ「あ・・・それなんですけど・・・」

ナギ「?」

ハヤテ「理事長が、ミコノスにいる間は、戻ってこなくていいと言われまして・・・」

ナギ「え?」

ハヤテ「ですので・・・迷惑じゃなければ、ミコノスにいる間、泊めて貰えないでしょうか?」

ナギ「・・・・・」

マリア「いいんじゃないですか?ナギ。」

ナギ「な!マリア・・・」

姫神「俺は別にいいぜ?」

ナギ「姫神・・・お前まで・・・」

空「・・・・」

ナギ「・・・・わかったよ。」

ハヤテ「ありがとうございます。三千院さん。」と、笑顔になるハヤテ。

その時・・・・

バタッ・・・

一同「え?」

そこには、空が倒れていた。

ハヤテ「空!?」

ナギ「おい!どうしたのだ!しっかりしろ!」と、ナギがふと空の近くを見ると・・・

ナギ「!・・・血が・・・!」

そう。前回撃たれた、肩と脚からおびただしい量の血が出ていたのだ。

マリア「一体・・・・何をしていたのでしょう・・・」

姫神「そんなん、後だ!屋敷に運ぶぞ!」

そして・・・・

空「ん・・・・・」空は屋敷の一室で目が覚めた。時刻はすでに夜。

空「ここは・・・・っ!」と、肩と脚に痛みが走る。

空「・・・・ふぅ・・・・」と、痛みが落ち着くと、空は壁伝いに部屋を出る。

すると・・・・

ハヤテ「あ。空。もういいの?」

空「ハヤテ・・・・」

ハヤテ「驚いたよ。いきなり、倒れるんだもん。」

空「・・・わりぃな、なんか。」

ハヤテ「いや、いいよ。」と、そこに・・・・

海「お。なんだ、やっと起きたのか。」

陸「ふ〜。ったく、どんだけ迷惑かけりゃ気が済むんだよ、お前は。」

椿「ま。べつにいいでしょ?今に始まったことじゃないんだし。」

日向「そうそう。」

空「お前等・・・まだいたのか?」

海「なんだよ・・・いちゃ悪いのか?」

空「いや、そう言う意味じゃ・・・あれ?てか、皐月は?」

陸「皐月なら仕事中。」

空「仕事・・・あぁ、そういや、そんな事言ってたな。」

美希「おや。起きたのかね?乙女君。」

泉「心配したよ?乙女君。」

理沙「以後、体調管理には気をつけろよ、乙女君。」

空「先輩方も・・・」

ナギ「お。起きたのだな、空。」

空「お嬢様・・・」

マリア「まったく・・・心配しましたよ、早乙女君。」

空「マリアさん・・・」

姫神「あんま、心配かけんなよ。皆、お前のこと、大事に思ってんだから。」

空「姫神・・・」

海「まぁ、それはそれとして、空。」

空「ん?」

陸「お前に聞きたい事があるんだがよ・・・」

空「なんだよ・・・」

海「ズバリ。」

陸「丸一日眠りこけた感想は?」

空「・・・・・・・・・・・・・は?」

椿「言ったでしょ?気付くはず無いって。」

海「・・・ま。そりゃ、そうか。空だもん。」

陸「だよな。空だもんな。」

空「え?・・・ちょ、え?どゆこと?」

ハヤテ「あの後、空。丸一日寝ちゃってたんだよ。」

空「・・・・・・・マジで?」

姫神「ああ。」

マリア「極度の疲労と、貧血による立ち眩みだったんですけど・・・疲労が凄くて、
結局丸一日寝ちゃってたんですよ。」

空「そんな・・・」

美希「まぁ、それはそれとして。」

一同「?」

美希「乙女君が目覚めたことで、ようやく本題に入れる。」

空「本題?」

美希「ああ。これから、ここにいる全員で、ちょっとしたゲームをする。」

ナギ「ゲームって・・・」

ハヤテ「まさか・・・!」

美希「始めるぞ・・・」

泉「これから始まる、パーティゲーム!」

理沙「その名も・・・!」

美希・泉・理沙「王様ゲーム!!」

ハヤテ「やっぱり・・・」

空「・・・どうした?」

ハヤテ「・・・二年前も・・・王様ゲームやって・・・それで、僕・・・」

空「・・・まさか・・・女装?」

ハヤテ「・・・・」と、ハヤテは黙って頷く。

空「なんてこった・・・」

美希「さあ!始めるぞ、乙女君に、ハヤ太君!」

空・ハヤテ「・・・・はぁ〜・・・・」

そして、始まった王様ゲーム。

美希「さ。王様は誰かな?」

日向「・・・・俺だ。」

理沙「ほほぉ・・・日向君か。さて。どんな指示を?」

日向「そうだな〜・・・」と、空とハヤテの隣にいる、泉と陸にアイコンタクトを取る日向。

陸「・・・・ごほっ。」と、陸が咳払いをする。

泉「へ・・・へくしっ。」と、泉がくしゃみをする。

日向「・・・1番と、3番。」

空・ハヤテ「!!」

日向「・・・なんでもいいから、コスプレしろ。」

空「てめぇら・・・!全員揃って、ハメやがったな!?」

陸「いえいえ、とんでもなぁい・・・」

空「ぬ・・・ぐっ・・・」

ハヤテ「空。」

空「!」と、瞬時にアイコンタクトを取る二人。ハヤテから出された指示は・・・

「逃げよう。」

この間、約0,1秒。

バッ

一番テラスの近くに居た空はテラスから。ハヤテは俊足のスピードで、ドアから脱出した。

海「あ!逃げやがった!」

ナギ「逃がすな!絶対に捕まえろ!」

一同「ラジャー!」

ハヤテ「空!」

空「ハヤテ!まずいことになったな・・・」

ハヤテ「うん。けど、解決策は必ずある!そのためにも・・・」

空「ああ・・・生きてたら・・・」

ハヤテ「後で落ち合おう!」

空「おう!」と、そんなどこぞのバトル漫画よろしくの会話をし、二人は別々に逃げる。

そして・・・・

空「はぁ・・・はぁ・・・ここまでくれば、いいだろ・・・」何とか逃げ切った空。

空「ん?」と、何かに気付く空。

空「ここは・・・こないだ来た、花畑?」そう。そこは、以前ハヤテと訪れた花畑だった。

空「・・・スゥー・・・」と、大きく鼻で息を吸い込む空。

空「(・・・いい匂いだなぁ・・・この花・・・王族の庭園の花と似た匂いだ・・・
けど・・・なんだろ・・・いい匂いだけど・・・なんか、悲しい感じがする・・・)ん?」と、
再び何かに気付く空。ふと、そちらに目をやると、そこに、一人の女性が立っていた。

空「・・・・・」

一方、ハヤテは・・・

ハヤテ「はぁ・・・はぁ・・・」なんとか逃げ切っていた。

ハヤテ「・・・・あそこは・・・・」と、ハヤテのいる所の遠くに、空がいる花畑があった。

ハヤテ「空・・・はは・・・あそこに逃げ込んだのか・・・・・・・ん?」と、
ハヤテが何かを見つける。

ハヤテ「・・・・!!」ハヤテの目に入ったもの。それは空の目の前にいる女性。

かつて、永遠を誓った少女。二年前、この島で再会し、そして、それ以来、
ずっと自分の罪の証として、そして、誰よりも愛しい存在として想い続けてきた人。

ハヤテ「・・・・・・アー・・・・・たん・・・・・?」

空「・・・・あんた・・・・」

アテネ「・・・・・・」
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ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.45 )
日時: 2009/09/13 19:10
名前: ゆーじ


どうも、さっき某友民党映画の最終章を見てきましたゆーじです。

とりあえず1言・・・・・アテネキターーーーーーーーーーー!!!!!再再会キターーー!!!・・・・・・・・すいません、興奮してしまいました。でもそれくらい待ってたという事にもなります(笑)

では感想。

ギルバートはフルボッコでしたね、一体何が折れたんだろうか・・・(汗)そしてそれを見ていたハヤテは一体何を思っていたんでしょうか・・・やっぱ「懲りないなぁ・・・」的な感じだったんでしょうかね。


あと・・・「嫌に決まってんだろ、ゲス。死ねよ、お前。」この台詞が面白かったです(笑)空君のキャラは結構好みです、ぶっちゃけ原作で出てきても少なからず人気が取れるキャラだと思います。


それと王様ゲーム・・・サンデーでのアテネ編の一番最初にやったギャグパート(?)ですから懐かしいですねぇ・・・(遠い目)

とうとうこっちもアテネ編突入!!サンデーでは超展開!!アニメも3期フラグを立てて最終回!!でも自分の小説はダメ展開!!・・・・・なんか、比べるのも失礼ですね、スイマセン。

という訳で、次回楽しみにしまくってます!!では!!

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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.46 )
日時: 2009/09/14 12:09
名前: SORA

どうもです。ゆーじさん。コメをありがとうございます。今回は、第一章完結間近と言うことで、
真面目にレス返ししようと思います。ではでは・・・

>ギルバートはフルボッコでしたね、一体何が折れたんだろうか・・・

当然です。(笑)長い間待ち望んでいた展開ですから。ちなみに折れたのは・・・・・・背骨です。


>空君のキャラは好みです、ぶっちゃけ原作で出てきても少なからず人気が取れるキャラだと思います。

そんな・・・・・そう言われましても、そんな事地球が百回生まれ変わっても、ありえませんよ。


>自分の小説はダメ展開!

そんな事、言わないでください!(必死)僕はゆーじさんの小説を、楽しんで読ませてもらってるんですから!

アニメの方は、3期やるんですか?まぁ、それはそれとして、もうすぐ、第一章も完結!
それでは!第84話、どうぞお楽しみください!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

空「・・・・・・」

アテネ「・・・・・」


第84話[邂逅]

表紙:原作、233話のあれを想像してください。


空「・・・・・・」

アテネ「・・・・・三千院家の執事は。」

空「!」

アテネ「花畑に迷い込むように教育でもされているのかしら?」

空「・・・・?」

アテネ「・・・・まぁ、いいですわ・・・」

空「あんた・・・」

アテネ「・・・・あなたが三千院家執事・・・早乙女 空ね?」

空「!・・・そういうあんたはなんなんだよ。」

アテネ「・・・・アテネ。天王洲アテネ。」

空「・・・アテネ・・・?」

アテネ「そう。この世で・・・最も偉大な女神の名前よ。」

空「・・・気にいらねぇな。」

アテネ「?」

空「あんたのその眼だよ。気にいらねぇ・・・」

アテネ「・・・何が言いたいのですか?」

空「さぁな。けど、腹が立つんだよ。あんたの眼、見てると。」

アテネ「・・・・・」

空「・・・失くしちまったもんを、忘れきれてねぇって眼だな・・・それ・・・」
そう言うと、空はアテネに近寄る。

アテネ「・・・・!」

空「どうせあんたも、昔の事、ズルズル引きずって生きてんだろ?」

アテネ「・・・・知った風な事を言わないでくれます?」

空「知ってるから、言ってんだよ。あんたによく似た奴、一人知ってるし・・・俺もそうだからな。」

アテネ「・・・・・」と、アテネは後ろを振り向く。

空「チッ・・・眼ぇ、逸らしてんじゃ・・・!」

その時・・・

ドギャア!!

空「!?」突如、何者かに蹴り飛ばされる。

ハヤテ「!空・・・!」と、ハヤテもその花畑に向かって走り出す。

空「ガハッ!」蹴り飛ばされた空は、そのまま地面を転がる。

マキナ「・・・ったく・・・また勝手に出てたのかよ。」

アテネ「マキナ・・・」

空「・・・・・」と、空は何事も無かったかのように、起きる。

マキナ「・・・・タフだな。あいつ。」

アテネ「・・・・・」

空「・・・・・・・!」と、空はマキナの方を向くと・・・

空「なんだぁ、オラァ!!」と、マキナに向かって突っ込んでいく。

マキナ「・・・・」

空「・・・・!」と、空が拳を振りかぶった瞬間・・・

ハヤテ「ダメだ!」と、ハヤテに後ろから羽交い絞めにされる。

アテネ「・・・!」

空「くっ・・・!放せ!」

ハヤテ「ダメだ!ここは一旦、下がろう!ね?」

空「ぶ、ぶ、ぶ・・・ぶっ殺す!!」

マキナ「・・・・」

空「コラァ!そこの、色黒馬鹿面!てめ、ただで帰れると思うなよ!こっち来い!このヤロー!!」

マキナ「・・・・!」と、マキナは二人の方に突っ込む。

アテネ「マキナ・・・!」

ハヤテ「くっ!」と、ハヤテは空を突き飛ばし、マキナに備える。

空「おわ!」

マキナ「らぁ!」と、マキナはパンチを繰り出すが、ハヤテはそれを受け止める。

ハヤテ「・・・・!」

マキナ「・・・どうした?また俺に、やられに来たか?ああ?」

ハヤテ「やられる・・・?じゃあ、試してみますか?あの頃とは違うという事を・・・!」

空「コラ、ハヤテ!そいつは、俺の獲物だぞ!俺には手ぇ出すなとか言っといて、
テメェは思いっきり楽しんでんじゃねぇか!!」

ハヤテ「・・・・」

アテネ「マキナ!」

マキナ「・・・・」

アテネ「・・・・下がりなさい。」

マキナ「・・・・チッ。わかったよ。」そう言うと、マキナはハヤテから離れる。

ハヤテ「・・・・・」

アテネ「・・・・・」しばし、にらみ合うハヤテとアテネ。

空(・・・・なんだ?ハヤテの眼・・・天王洲を見る時の眼だけ・・・・
なんか、いつもと違う・・・なんて言うか・・・優しいって言うか・・・未練って言うか・・・
お嬢様やヒナギクさんなんかを見る時とは違う・・・・・なんなんだ・・・?
天王洲アテネ・・・こいつは、ハヤテのなんなんだ・・・)

ハヤテ「・・・・帰ろう、空。」

空「え?ちょ・・・なんで?」

ハヤテ「理由なんかどうでもいい。速く帰ろう。」そう言い、ハヤテは立ち去っていく。

空「え?あ・・・ちょ、おい!」と、空もそれを追う。

マキナ「逃がすかよ!」

アテネ「マキナ。構いませんわ。行かせなさい。」

マキナ「なんで・・・」と、マキナの疑問もよそに、アテネは屋敷の中へと戻る。

アテネ「・・・・・」

マキナ「なんで逃がすんだよ。あのまま石を奪っちまえば・・・」

アテネ「・・・・・・・」

マキナ「・・・・あいつがいたからか?」

アテネ「!」

マキナ「・・・・!」と、マキナはアテネを壁に押し付ける。

アテネ「・・・・」

マキナ「・・・・なんでだよ・・・!」

アテネ「え?」

マキナ「なんで・・・なんで、いつまでもあいつの影を追ってんだよ!」

アテネ「・・・・・」

マキナ「なんで俺じゃねぇんだよ!なんで近くにいる俺じゃなくて、
どこで何をやってるかもわからねえあいつなんだよ!」

アテネ「マキナ・・・・」

マキナ「・・・・クソ・・・!」そう言い、マキナは自室へと向かった。

アテネ「・・・・・・」

その頃、屋敷に向かう途中の空とハヤテは・・・

空「・・・・なあ。」

ハヤテ「・・・・・なに?」

空「なんでさっき、止めたんだよ。」

ハヤテ「・・・・・なにが?」

空「天王洲の執事とやった時だよ。なんで止めたんだ?」

ハヤテ「・・・・・」

空「あんな野郎に、俺が負けるとでも思ってんのか?」

ハヤテ「うん。」

空「・・・・・はっきり言いやがったな、この野郎・・・・・」

ハヤテ「ごめん。けど・・・彼は本当に強いから・・・」

空「ふ〜ん・・・お前がそう言うって事は、相当強えんだな、そいつ。」

ハヤテ「うん。なんと言っても・・・僕が半殺しにされるくらいだからね。」

空「半殺しにされた?お前が?」

ハヤテ「うん。」

空「・・・・・・」

ハヤテ「わかったでしょ?彼は本当に・・・」

空「そっか〜・・・」と、微笑を浮かべている空。

ハヤテ「・・・・どうしたの?」

空「いや。ただ・・・お前を半殺しにするくらい強えんなら、俺がそいつに勝てば、
少なくとも、俺はその頃のお前より強えってことだよな?」

ハヤテ「・・・まぁ、理屈的にはそうだけど・・・」

空「よっしゃ。俄然、やる気出てきた。」

ハヤテ「・・・・・・」と、苦笑いのハヤテ。

空「そうだ。それはそれとして。」

ハヤテ「?」

空「お前さ・・・」

ハヤテ「・・・・・なに?」

空「天王洲の奴と知り合いなのか?」

ハヤテ「!」

空「・・・・・・」

ハヤテ「・・・どうして・・・そう思うの・・・?」

空「いや、だってさ・・・あんな未練タラタラみたいな眼で天王洲見てたら、
そりゃ、気になるって。」

ハヤテ「・・・・・」

空「・・・・ハヤテ?」

ハヤテ「・・・知り合いって言えば・・・知り合いかな?」

空「ふ〜ん・・・」

ハヤテ「・・・・・ごめん。彼女の事は・・・あまり話したくないんだ。」

空「(彼女?)・・・・わかった。」

そうして、屋敷に到着した二人。

海「お。帰ってきた。」

空「!」

ハヤテ「・・・・・」

美希「まったく・・・王様の命令を無視するとは・・・」

理沙「君達は王様ゲームの趣旨をわかってるのかね?」

空「いやいやいや。コスプレしろって言われたら、誰だって逃げるでしょ。」そう言い、
部屋に入る空達。そこには・・・

刹那「・・・・・」

泉「・・・・・」

マリア「・・・♪」

空「・・・・・」涙目になった状態で、マリアたちに女装させられている刹那の姿があった。

刹那「空!ちょうどいい所に来た!助けてくれ!」

空「・・・ごゆっくり〜・・・」と、退散しようとする空。だが・・・

どん
美希に押される。

空「え?」

美希「フッフッフ・・・今度は逃がさんぞ、乙女君。」

ナギ「まったく・・・私達の楽しみを奪いおって・・・罰はしっかり受けろよ?空。」

空「え?いや・・・あの・・・」

ナギ・マリア・美希・泉・理沙「フフフフフフフフ・・・・・♪」

空「あの・・・ちょ、まっ・・・!」



キャーーーーーーーーーーーーー!!



その頃・・・・・

ハヤテ「・・・・く・・・・」と、ハヤテはどこかの部屋の壁に寄りかかり、
胸の辺りを押さえている。

ハヤテ「んぐ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・///////」脳裏に浮かぶのは、
二年前より艶やかに成長していた自らの想い人。

ハヤテ「はぁ・・・クソ・・・なんで・・・なんで・・・彼女の事ばかり・・・!/////」
消そうとしても、消えはしない。アテネの事が頭に浮かぶ度、
胸が締め付けられるような苦しみがハヤテを襲う。

ハヤテ「く・・・はぁ・・・・・・アー・・・たん・・・////////」


同時刻。ここにも、忘れることの出来ない人の事を想い、悶え苦しむ人がいた。

アテネ「はぁ・・・はぁ・・・あくっ・・・・ん・・・はぁ・・・//////」
全身が熱に包まれ、脳裏に浮かぶのは、二年前より逞しく成長していた自らの想い人。

アテネ「ふぅ・・・くっ・・・つ・・・はぁ・・・・あ・・・・/////」
触れられたい。名前を呼ばれたい。他の誰よりも、彼に愛されたい。そんな考えだけが
彼女の脳内を支配していた。

アテネ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!///////////」その瞬間、またしても
胸が締め付けられる苦しみがアテネを襲った。

アテネ「・・・はぁ・・・・はぁ・・・・//////」そして、またしてもハヤテの顔が頭に浮かぶ。

アテネ「・・・・・・・ハヤテ・・・・・・///////////」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第84話終了です。如何だったでしょうか?何かあればコメをください。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.47 )
日時: 2009/09/14 13:00
名前: ゆーじ

こんにちは!!

とりあえず・・・ありがとうございます、あんなダメ小説を楽しんで読んでくれて・・・(泣)

あと・・・・・折れたの背骨!!?もう殺人レベル!!そして生きてるギルバートはハヤテ以上の化け物だ!!(笑)

では感想

まず、気になった点が。・・・半殺し!!?あのハヤテが半殺しってマキナどんだけ強いんスか!!?時系列的には今のサンデーらへんですよね?その辺の回想シーン的なのが見たいです!!そしてそれを聞いた空はなんか喜んでる様子。・・・どこの土曜7時半から再放送をしてるアニメの主人公!!?って思いました(笑)

あと・・・最後のハヤテ&アテネパート。・・・・・ひたすらエロい!!ハヤテはともかくアテネがエロい!!まさにこのアテネには1期のED木の芽風がピッタリですね!
読んでる時に1人でよかったです(汗)


今後、2人はどうなるのか・・・期待大です!!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.48 )
日時: 2009/09/14 14:33
名前: SORA

どうもです。ゆーじさん。本当に毎度、コメをありがとうございます。
では、レス返しを・・・


>半殺し!!?あのハヤテが半殺しってマキナどんだけ強いんスか!!?時系列的には今のサンデーらへんですよね?その辺の回想シーン的なのが見たいです!

え〜とですね・・・半殺しはあくまで予想です。はい。
この辺は、今週、もしくは来週発売のサンデーを見れば真実が明らかになると思います。
故に、回想シーンもありませんです。期待してたのなら、ごめんなさい・・・(汗)


それでは。第85話、どうぞお楽しみください。
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第85話[んじゃ、行きますか]

表紙:ページを左右に二分割。右:ハヤテ 左:アテネ


前回の翌日。一行はパルテノン神殿にいた。

刹那「ふおおおーーーーー!ここが、パルテノン神殿・・・・・って、ここにはもう、来たって言ったろ?」

ナギ「ん〜?いいじゃないか。同じ物でも二回見れば、随分印象が違うものだぞ。」

刹那「・・・・まぁ、そうだけどさ。」

ハヤテ「・・・・・・」

空「・・・・どうした?」

ハヤテ「え?・・・いや、なんでもないよ。大丈夫。」

空「・・・・あっそ。」

ナギ「さて。それじゃ、次に行くとするか。」

刹那「次?」

ナギ「ああ。」

刹那「つっても、どうやって行くんだ?こっからだとすると、電車乗るしか・・・」

ナギ「・・・はぁ・・・」

刹那「・・・・なんだよ・・・・」

ナギ「お前・・・私達が電車に詳しいとでも思ったのか?」

刹那「え?」

ヒナギク「・・・・・まさか・・・・・」

と、その時・・・・

バババババババババババ
と、ヘリのプロペラの音が聞こえてきた。

空「・・・・・・・・・・・え?」

ハヤテ「・・・・・・・・」

ヒナギク「・・・・・・・・・・」

刹那(チイィ!甘く見ていた!金銭感覚が違いすぎる!)

マリア「では、行きましょうか、皆さん。」

ヒナギク「・・・・・・・」絶句とフリーズの相乗効果。

刹那「・・・・・あれ?ヒナギクさん?ヒナギクさーん?」

ナギ「気絶してるようだな。好都合だ、連れてくぞ。」と、無理矢理ヒナギクをヘリに押し込むナギ。

ヒナギク「−−−−−−−−!!」

注:この場にはちゃんと、姫神や陸や海なんかもいます。

そして、一行はデルフィ遺跡に到着。

刹那「ふおおおお!ここがデルフィ遺跡って奴か!ほら!見てくださいよ、ヒナギクさん!
これが地球のへそとまで言われた世界の中心・・・!」と、ヒナギクの方をむくと・・・

ヒナギク「フフフフ・・・・ヘリなんて無くなっちゃえばいいんだ、ヘリなんて無くなっちゃえばいいんだ、
ヘリなんて無くなっちゃえばいいんだ、ヘリなんて無くなっちゃえばいいんだ、ヘリなんて無くなっちゃえばいいんだ・・・・」

刹那「世界の中心でヘリを呪った元会長!?」

ナギ「まったく・・・いつになっても治らないな。」

空「ここまで来ると、さすがに病気・・・」

ヒナギク「うるさいわね!誰が何を言おうと、恐い物は恐いのよ!」

ハヤテ「はは・・・」

と、ここで空はおろか、姫神やハヤテまでもが気を抜いたのが間違いだった。

その次の瞬間、その場に居た全員が招かれざる客に気付けなかった。

ヒュッ

ナギ「・・・・!」

一同「・・・・・・・え?」

ハヤテ「あなたは・・・!」その中で、真っ先に反応したのはハヤテだった。

その次に、姫神、空、刹那と続く。

だが、突然すぎる襲撃に、流石のハヤテも反応できず・・・

ガッ!

ハヤテ「ぐあ!」

ドゴッ!

姫神「つう!」

バキッ!

刹那「ぐっ!」

ドギャ!

空「がは!」と、その4人の実力者達が、一瞬で叩き伏せられる。

姫神「ゲホッ、ゲホッ!」

刹那「ぐっ・・・何が起こったんだ・・・?」

ハヤテ「く・・・!僕とした事が・・・!」

空「はぁ・・・・?お嬢様は?」辺りを見回すと、そこにはナギの姿は無かった。

その時、空達の頭上から声が聞こえてきた。

「お前が探してるのは、こいつか?」

一同「!!」と、全員が遺跡の上を見ると、そこにはナギを脇に抱え、こちらを見下ろしている
マキナの姿があった。

空「テメェ・・・昨日の・・・!」

ハヤテ「マキナ・・・!」

ナギ「空・・・!」

マリア「ナギ!」

空「お嬢様を返せ!!」

マキナ「やだね。こいつには、交渉の道具になってもらう。」

姫神「交渉だと・・・?」

マキナ「・・・・・三千院家の執事。」

空「・・・?」

マキナ「今日の、夜8時。昨日の屋敷に王玉を持って来い。一人でな。」

空「なんだと・・・!」

マキナ「このガキと交換だ。こいつの命が惜しけりゃ、変な気は起こすなよ?」

空「ふざけんな・・・!喧嘩なら、今ここで買うぞ、コラァ!!」

マキナ「今の俺の目的は「三千院ナギをさらってこい。」って事だけだからな。」

空「ふざけやがって・・・!」

マキナ「じゃあな。今夜8時だ。遅れるなよ。」そう言い、マキナは去っていく。

ナギ「空!!」

空「お嬢様!!」

姫神「クソ!完全に、俺のミスだ!!」

マリア「ナギ・・・・」

ハヤテ「・・・・・」

姫神「・・・天王洲・・・あいつがこんな手を取るとは・・・!」

空「・・・姫神・・・お前、天王洲の奴と知り合いだったのか・・・?」

姫神「・・・昔、ちょっとな・・・」

空「・・・・・・」

ハヤテ「・・・空・・・どうするの・・・?」

空「決まってんだろ。」

ハヤテ「え?」

空「天王洲ん所に殴りこむ。でもって、お嬢様を取り返す。」

ハヤテ「そんな・・・無茶だよ!君一人で・・・!」

空「じゃあ、お嬢様が死んじってもいいのかよ!!」

ハヤテ「!」

海「まあまあ。とりあえず、落ち着けって。」

陸「そうだよ。まだ、三千院が殺されるって決まったわけじゃねえだろ?」

空「わかんねえだろ、そんな事!」

日向「落ち着けよ。らしくねえぞ?」

空「らしい、らしくないの問題じゃねえんだよ!これは!!」

海「・・・」

陸「・・・・・」

日向「・・・」

空(クソ・・・!クソ・・・!クソ!!チキショウが!!俺が・・・俺がもっとしっかりしてりゃあ・・・!
このままじゃ・・・お嬢様を守れねえ・・・!また大切な人を失っちまう・・・!クソ・・・・!)
と、歩き始める空。

刹那「おい。どこ行くんだよ?」

空「さっきから言ってんだろ。天王洲ん所に殴りこみ行くんだよ。」

ヒナギク「空君・・・落ち着きなさいよ!」

マリア「そうですよ。第一、罠かもしれないのに・・・!」

空「じゃあ、このまま黙って見てろって言うのかよ!!」

ヒナギク・マリア「!!」

空「奪われたのは、お嬢様だぞ!?俺にとって、石なんかよりも、よっぽど大切な・・・!
そのお嬢様が誘拐されたってのに、なんで落ち着けるんだよ!?ああ!?
これが落ち着いていられるか!!」

海「空・・・」

空「俺程度の命と石っころ一個のためだけに、お嬢様を見殺しにしろっていうのか!?」

ハヤテ「・・・・・」と、ハヤテは空に歩み寄る。

空「さっきから、ふざけた事ばっか言ってんじゃ・・・!」と、ハヤテは空の肩を掴み、
こちら側に向けさせる。そして・・・

バキィ!!
思いっきりぶん殴った。

一同「!!」

空「ぐっ・・・!」

ハヤテ「・・・・・・」

空「・・・・テメェ!!」と、空はハヤテの胸倉を掴む。

ハヤテ「とりあえず、落ち着いたら?」

空「落ち着いたら、お嬢様を助け出せんのかよ!第三者が口出ししてんじゃ・・・!」

ハヤテ「勝手に暴走しても意味なんか無いだろ。」

空「!」

ハヤテ「僕の事、絶対に越えるって言った張本人が・・・昔の僕と同じ考えでどうすんだ。」

ヒナギク(・・・今の・・・ハヤテ君・・・?)

ハヤテ「その状態で助けに行ったとしても、返り討ちに遭うのは目に見えてる。」

空「そんなの・・・そんなの・・・わかんねえだろ・・・!」と、手を放す空。

ハヤテ「・・・・・・」

空「・・・いや・・・・違うな・・・」

ハヤテ「?」

空「目的あって暴れるんだったら、頭冷えてた方がずっといいわ。」

ハヤテ「・・・空・・・」

空「悪かったな、ハヤテ。それに・・・みんなも・・・」と、皆の方を見て言う空。

刹那「・・・ま。気にすんな。こっちは気にしてねえからよ。」

姫神「だが。依然、ナギが向こう側にいる限り、こっちの逆境は変わらない。」

刹那「石を奪われてもダメなんだろ?」

空「そうなんだよな・・・どうすれば・・・」

ハヤテ「・・・それなんだけど・・・」

空「ん?」

ハヤテ「・・・僕に一つ、作戦があるんだ。」

一同「作戦?」


そして、その日の夜・・・・・・

空「・・・・・」空は、昨日も訪れた天王洲家の屋敷の前まで来ていた。

空「・・・・・・・・」と、空は先ほど、ハヤテが言っていた作戦を思い出す。



空「・・・なぁ、ほんとにそんな作戦成功すんのか?」と、執事服に着替えながら
空が言う。

ハヤテ「まぁ、確率は低いけど・・・なんとかなると思うよ。」

姫神「しかし、いいのか?そんな事したら・・・」

ハヤテ「僕はいいんです。」

刹那「ふ〜ん・・・ま。成功することを祈るよ。俺等も出来るだけすぐに行くからさ。」

空「ああ。・・・その前に・・・日向。」と、着替え終わった空は、日向の方を向く。

日向「ん?」

空「お前確か、整髪料持って来てたよな?」

日向「ああ・・・持ってるけど・・・」

空「ちょっと、貸してくれ。」

日向「・・・・おう。」と、日向はバッグからジェルを取り出し、空に渡す。

空「よし・・・」と、空はそのジェルを、手に付け、両手に広げる。

ハヤテ「・・・空・・・昨日も言ったけど、彼・・・マキナは・・・」

空「わかってる。強えんだろ?」

ハヤテ「・・・・うん。」

空「大丈夫だよ。」

ハヤテ「え?」

空「今までで俺が負けたのは、中学の頃の二個上の先輩と・・・お前だけだ。」

ハヤテ「・・・・・」

空「それに、俺は三千院家の執事。お嬢様に手ぇ出す奴がいるのなら、相手が誰だろうと・・・」と、
ジェルをつけた両手で髪をかき上げ、オールバックにしながら続ける空。

ハヤテ「・・・・・」

空「・・・・潰すだけだ。」



空「・・・・・んじゃ、行きますか。」そう言い、空は屋敷の中へと入っていった。
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第85話終了です。如何だったでしょうか?何かあればコメをください。
あ。このスレが4000HIT突破いたしました。これからもよろしくお願いします。
ちなみに、空の髪型は、現在オールバックになってますが、そこまでピタッとした
オールバックではなく、若干浮いた感じ・・・イメージ的には、
PS3版ガン○ム○記のジ○ン側主人公である、エ○ク様と思ってくれれば結構です。
それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.49 )
日時: 2009/09/15 19:25
名前: SORA

第86話[謀略]

天王洲家の前に立つ空。しばらく立ち尽くしていると・・・・

ギィィィイイ・・・・
と、屋敷の扉が開く。

空「・・・へっ。いらっしゃいませ・・・ってか?上等・・・!」そう言い、
空は屋敷の中へと入っていく。

屋敷の中は電気が点いていないせいか、予想以上に暗かった。

空「・・・・暗。電気点けろよ・・・」そんな事を言いながら進んでいると・・・

「お前が三千院家の執事か?」突如、男の声が聞こえてきた。

空「!!」

「そう構えるな。私はこの屋敷の一使用人にすぎない。」

空「・・・・・その使用人が何の用だ?」

「アテネ様から、貴様が来たら客間へ通すようにとのお達しがあった。」

空「・・・・・・そこで待ってりゃお嬢様は来んのか?」

「無論だ。」

空「・・・・連れてけ。」

「・・・・・いいだろう。ついて来い。」そう言い、男は空を誘導する。

その頃、天王洲の屋敷から少し離れた場所・・・

ハヤテ「・・・・空・・・・大丈夫かな・・・・」ハヤテは、ここの物陰に身を隠していた。

ハヤテ「・・・・・最悪の可能性は、否定したいけど・・・・・」と、ハヤテは
考えうる限り、最悪のシチュエーションを想像していた。

その頃、屋敷の客間・・・

空「・・・・ズズ・・・・」と、空は呑気にも、使用人に淹れてもらったコーヒーを飲んでいた。

「どうだ?」

空「・・・俺が淹れた方が美味えや・・・」

「な!」

空「けど、不味くは無い。」

「・・・・そうか・・・・」

空「・・・・ていうかさ〜・・・」

「?」

空「さっきから気になってたんだけど・・・」

「・・・なんだ?」

空「・・・・使用人の数、増えてね?」そう。さっきまでは一人だけだった使用人が、
時間が経つに連れ、少しずつ増えていっているのだ。

「念のためだ。」

空「なんだよ、それ・・・」と、再びコーヒーをすする空。

空「てか、お嬢様はまだかよ?」

「もう少し待ってろ。すぐに来る。」

空「速くしてくれよな。そのためにこっちは、わざわざ石を持ってきてやってんだから。」

そんな中、使用人の一人が仲間に耳打ちしていた。

「・・・・どうした?」

「準備が整った。そろそろ始めろ・・・とのことだ。」

「そうか・・・わかった。」

空「・・・どったの?」

「!・・いや、なんでもない。」

空「・・・・もう、隠す必要ねぇよ。」

「!!」

空「あの女の目的は、石の他にもう一つ・・・」と、コーヒーのカップを置きながら続ける空。

空「・・・・俺・・・・いや、俺とお嬢様を潰す事・・・だろ?」

「・・・貴様・・・気付いていたのか・・・!」

空「やっぱりな・・・最悪の可能性の一つって事で視野に入れておいたんだが・・・
まさか事実とは・・・」

「そうか・・・なら、話は早いな・・・」と、その瞬間、使用人達が一斉に部屋に入ってきた。

空「・・・ヒュウ♪執事一人潰すのに、随分とご苦労なこった。」

「何か遺す言葉はあるか?」

空「・・・・・なあ。」

「?」

空「このコーヒーだけでも飲ませてくんね?結構美味かったからさ。」

「・・・・・いいだろう。」

空「サンキュ。」そう言い、残りのコーヒーを一気に流し込む空。

「・・・・かか・・・!」かかれ!と言おうとした瞬間・・・

空「・・・!」

ブシュウ!
と、空は口に含んだコーヒーを、使用人達に向かって吹きかける。

「ぬあ!」

「貴様・・・!」と、使用人達がひるんだ瞬間・・・

バキィ!
と、使用人の一人に、空の跳び膝蹴りが炸裂した。

「ぐあ!」

空「・・・潰されるってわかってて、大人しくやられるか、コラァ!!」そう叫ぶと、
一番近くに居た使用人の腹に拳を叩き込む。

ドゴォ!

「ぐは!」

空「オラァア!」そして、その使用人の襟とベルトを掴むと、窓に向かって投げつける。

ガシャアァァァアン!!
投げられた使用人は、窓ガラスをぶち破り、そのまま外へ落ちていった。

その様子を見ていたハヤテは・・・

ハヤテ「空からの合図・・・!やっぱり・・・!」と、屋敷に向かおうとするハヤテ。
だが・・・

ハヤテ「!!」と、何かを見つけ、すぐに隠れる。

ハヤテ「あれは・・・三千院さん・・・マキナ・・・それに・・・アーたん・・・!」

屋敷ではなく、街中にいる3人を見つけたハヤテ。

ハヤテ「やっぱり・・・空はハメられた・・・?空・・・!」

その頃・・・

ゴシャアアァァアア!!
と、使用人をぶん投げ、客間のドアを破壊する空。

空「ザコ共が、ガン首揃えただけで、俺に勝てるとでも思ったか!ああ!?」

「くっ・・・!こんなに速く気付かれるとは・・・!」

「気をつけろ!この男、相当出来るぞ!」

空「今更、遅えんだよ・・・俺のお嬢様を潰そうとした罪・・・とくと味わえ、クソ共が!!」
そう言い、使用人達の群れに突っ込んでいく空。

「ひるむな!囲んでしまえば、こちらの物だ!」

空「うらぁぁぁああ!!」と、空は圧倒的な不利の状況でも、決してひるむ様子を見せない。
当然といえば当然である。こういった、数で不利な喧嘩は今まで何度も経験してきたのだから。

「くそ・・・強いぞ!こいつ!」

「気圧されるな!勝機はある!」

空(チッ・・・!やっぱ数が多い・・・!キリがねぇ・・・!)と、その時・・・

ドゴッ!
と、後頭部に衝撃が走る。

空「ぐっ・・・!?しまっ・・・!」

「今だ!一気に討ち取れ!」

「「おお!」」

空(クソ!ヤベェ・・・このままじゃ・・・・!)と、その時・・・・

ピシッ・・・

「ん?」

ドゴオオォォォォオオン!!
突如、空達の目の前の壁が吹き飛んだ。

「なんだ!?」

空「・・・・?」

「なんだ、貴様・・・!」

バキィ!

「ぐあぁ!」

「クソ!こいつは・・・!」

ドゴォ!

「ぐは!」

「止めろ!誰か、こいつを・・・!」

ゴシャア!

「ぬあぁ!!」

「なんだ・・・一体、何が・・・!」土煙が酷く、何が起こっているのか、
まったくわからない。

やがて、煙も晴れてきた頃・・・

「な・・・!これは・・・!」使用人が見た物。それは、そこにいたはずの無数の使用人達が
皆、戦闘不能の状態で地面に横たわっている場面だった。

「な・・・なんという事だ・・・!」

空「・・・ふん!」と、一瞬の隙を突き、空が自分を羽交い絞めにしていた
使用人の鳩尾に肘鉄を叩き込む。

「ぐあ!」

空「うらぁ!」そして、蹴り飛ばす。

「ぶるあ!」蹴り飛ばされた使用人は、そのまま壁に激突し、気を失った。

空「・・・・・」と、空は後ろを向く。

「危なかった・・・大丈夫?空。」

空「・・・ったく・・・遅えんだよ!合図から何分経ったと思ってんだ、ハヤテ!」

ハヤテ「ごめんごめん。どうやって乱入するか、迷っちゃって。」

空「チッ・・・はぁ・・・」と、そこに・・・

「そこまでだ!」新手が。

空「・・・まだこんないんのかよ・・・スゲェな、天王洲家・・・」

ハヤテ「予想外だ・・・」

空「・・・・・けど。」

ハヤテ「?」

空「俺とお前なら、突破できる。」

ハヤテ「空・・・・」

空「だろ?」

ハヤテ「・・・・そうだね。」

空「うし。じゃあ、行くか!俺とお前の最強コンビ!」

ハヤテ「止めれるもんなら・・・」

空・ハヤテ「止めてみろ!!」そう言い、二人は使用人の塊に突っ込んでいく。

そして・・・・

空「はぁ・・・はぁ・・・お。見えたぞ、ハヤテ。」と、出口までたどり着いた二人。

ハヤテ「うん。これで後は・・・・・・・!」と、何かに気づいたハヤテ。

空「?どうした?」

ハヤテ「空!下がって!!」

空「え?」その時・・・

ビュオ!

空「!!」何かが飛んで来た事に気付き、咄嗟に下がる空。

ドゴオオォォォン!

空「・・・・!」

ハヤテ「・・・・」

「・・・・へ〜・・・・お前も避けれるんだ。」

空「!この声・・・まさか・・・!」

ハヤテ「・・・マキナ・・・・!」

マキナ「ご名答。」

空「テメェ・・・お嬢様をどうした!!」

マキナ「今来る。そう叫ぶな。」

空「んだと・・・!」

ハヤテ「・・・・」その時・・・

アテネ「マキナ。下がりなさい。」

空・ハヤテ「!!」

土煙の中から、ナギを捕まえているアテネが現れた。

アテネ「・・・綾崎・・・ハヤテ・・・」

ハヤテ「・・・・天王洲・・・アテネ・・・・・・」

マキナ「・・・・ていうか・・・一人で来いって言ったよな?」

空「けっ。俺とお嬢様を潰すつもりだったくせに、よく言うぜ。」

マキナ「・・・まぁ、そうだけどよ・・・」

ナギ「空・・・」

空「お嬢様・・・」

マキナ「・・・このガキを返してほしいんなら、石を渡すことだが・・・
その前にお前は、俺とやりたいんだろ?」

空「!・・・・わかってんじゃねえか。」

マキナ「フッ・・・」

空「・・・ハヤテ。今回は止めんじゃねえぞ。こいつは、俺の獲物だ。」

ハヤテ「・・・空・・・」

アテネ「マキナ・・・5分で始末をつけなさい。」

マキナ「・・・5分もいらねぇよ・・・1分だ。」

空「・・・・ほぉ〜・・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第86話終了です。如何だったでしょうか?何かあればコメをください。それでは。
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ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.50 )
日時: 2009/09/16 09:08
名前: ゆーじ


こんにちは!!

空VSマキナ・・・・めっちゃ期待です!!

そして2人が戦っている間にハヤテがアテネの所に行くんでしょうか?・・・期待です!!

てかちょっとサンデーを買う前に色々と調べて今週のハヤテを知ったのですが・・・・

ハヤテ君、マジで半殺しになってました・・・ハヤテVS空の空以上にヤバいです・・・(汗)軽く涙が出ました。
それを見て思いました、SORAさん予言者じゃね!?(驚)みたいな・・・

という訳で、続き・・・期待しています!!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.51 )
日時: 2009/09/16 14:14
名前: マツ


 こんにちわ!
遂にハヤテとアテネが、再会
しましたね。
自分的には、早く、ハヤテとアテネが、
結ばれる展開になってほしいですね。
 続きを期待してます。 これからも
頑張ってください。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.52 )
日時: 2009/09/16 16:38
名前: SORA

どうもです。ゆーじさん。それと、マツさん。お二人とも、コメをありがとうございます。
では、レス返し・・・

まず、ゆーじさん・・・

>SORAさん預言者じゃね!?

・・・・自分でも驚いてます。まさかガチで半殺しとは・・・

それと、マツさん・・・

>早く、ハヤテとアテネが結ばれる展開になってほしいですね。

・・・・結論から申し上げますが・・・・まだ、和解はありません。ええ。
まず第一に、ハヤテの方の問題にケリをつけなければいけませんので。

それでは。第87話、どうぞお楽しみください。
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第87話[勝てるわけねえだろ、バカヤロー]

ナギ「空・・・・」

空「・・・・」

マキナ「・・・・・」

ハヤテ「・・・・」

アテネ「・・・・・・・」

空「・・・そういや、天王洲。」

アテネ「?」

空「姫神の野郎がお前と知り合いだっつーからよ、色々聞いてみたんだけど・・・
おめー、両親の遺した物がどうだの、罪やら罰やらがどうだの言ってんだって?」

アテネ「・・・・それがどうかしまして?」

空「ったく・・・冗談じゃねーぞ、テメー・・・!そんな超個人的な理由で、
お嬢様を・・・・・この、クソアマァ・・・・!」と、ここで、ふ〜・・・と、
ため息をつく空。

空「・・・・結局、どうしようもねえ位、暇なんだろ?おめー等。」

アテネ「・・・・?」

空「だってそうだろ?俺やハヤテみたいな無駄に強い奴や、お前やお嬢様みたいな
アホかって位の財力持ってる奴等のキーポイントは、「力は有り余ってんのに、とにかく退屈だ!」って
ことだからな。」

アテネ「・・・・・・」

空「だったら、最初っからそう言ってこいよ。暇でしょうがねーから遊んでくれってよ。
なのに、死んだ人間の事や、とっくの昔の話持ち出して、関係無え人達まで巻き込みやがって・・・
ムカつくんだよ、てめー・・・!」

アテネ「・・・・・」

マキナ「テメェ、いい加減にしとけよ。アテネの苦しみがどんなもんか、お前なんかに・・・!」

空「うるせー!黙ってろ!!」

マキナ「・・・・・」と、ここで、また一つため息をつく空。

空「・・・んな事言われなくても、その女の眼ぇ、見てりゃわかんだよ。」

アテネ「・・・・・」

空「そいつの眼は失くしちまったもんを忘れられねーでその場にしゃがみ込んじまって・・・
前向いて歩くこともやめちまった・・・そんな眼、してるぜ。」

アテネ「・・・・・」

空「気が付いたら、周りに信頼できる奴は誰もいねー。あるのはただ、
退屈や空しさだけで・・・そういうもんを、また失くしちまった物のせいにしてる・・・
どうせ、そんなとこだろーが。」

アテネ「・・・・・」

マキナ「・・・・テメェ・・・・・!」

空「そんなイジけちまった野郎には、何言ってもわかんねーからな・・・」と、左目の包帯を外し、
姫神の時と同じように右腕に巻きつける空。

空「・・・・いっぺん、死んでこい。このクソバカタレが。」

マキナ「・・・・・・!」

アテネ「・・・・・」

ナギ「・・・・・」

ハヤテ(油断しちゃ、ダメだよ・・・空・・・!)

そして・・・

ビュッ!
と、マキナが空に向かって跳び蹴りを仕掛ける。

空「!」が、空はそれを回避し、マキナに向けてパンチを繰り出す。

ブオ!
が、マキナはそれを回避。崩れた姿勢のまま、空に蹴りを炸裂させる。

バキィ!

空「ぐあ!」

ナギ「空!」

ハヤテ(あの体勢から蹴りを・・・!)

マキナ「フッ!」と、続けて空にパンチを食らわせるマキナ。

ゴキィ!

空「がっ!」

ドゴォ!
と、空の腹にパンチを浴びせる。そして・・

ドギャ!
蹴り飛ばす。

空「ぬが!」

ナギ「・・・・」

アテネ「・・・・」と、冷徹な微笑を浮かべて見守るアテネ。

空「つっ・・・!いっ・・・・てぇな、このヤロー!」と、マキナに突っ込んでいく空。

空「おらあ!」と、パンチを繰り出すが、マキナはそれをジャンプで回避。
そのまま空の背後に回りこむ。そして・・・

ドガア!
と、空を蹴り飛ばし、壁まで追い詰める。

空「くっ・・・!?」と、空が振り向いた瞬間・・・

ハヤテ「(あれは・・・マズイ!!)空!!」

マキナ「遅ぇよ・・・消えろ。」と、マキナは力を溜め、そして・・・

ドドドドドド!!
と、超高速かつ、強力な連続蹴りが空に全弾炸裂。壁に激突し、
空の全身から鮮血が吹き上がる。

空「がはっ・・・!」

ハヤテ・ナギ「空!!」

ドサッ・・・・
と、空は崩れ落ちる。

ナギ「う・・・うそだ・・・空・・・」

ハヤテ(・・・やっぱり・・・空にはまだ荷が重すぎた・・・)

マキナ「・・・・散々能書き垂れた割には、大した事無かったな・・・」そう言い、
マキナはハヤテに向き直る。

ハヤテ「・・・・」

マキナ「さて・・・昔とは違うって事見せてくれるんだっけ?」

ハヤテ「・・・・・・・?」と、何かに気づくハヤテ。

アテネ「・・・・?」

ハヤテ「・・・ふふっ。」

マキナ「あ?」

ハヤテ「どうやら・・・僕は彼を過小評価していたようです。」

マキナ「なんだと・・・?」と、その瞬間マキナの後ろから・・・

空「・・・・ん〜・・・・」

マキナ・アテネ「!!」

ナギ「・・・空・・・?」

空「・・・・・プッ。」

一同「・・・・・・・は?」

空「プッ・・・クックック・・・アッハハハハハハハハハ!」と、高笑いを続ける空。

ハヤテ「・・・・空?」

アテネ「殴られすぎて・・・頭おかしくなったのかしら?」

マキナ「それとも笑って誤魔化してんのか・・・」

空「・・・・」と、笑いをやめ、マキナのほうに向き直り、血反吐を吐き捨てて
立ち上がる空。

空「頭おかしくなったわけでもねぇし、誤魔化したんでもねーよバカ。
大した事ねーんだよ、テメー・・・」

アテネ「!」

マキナ「なんだと?」

空「ハヤテを半殺しにしたって言うからよ、どんな奴かと思ったけど・・・
ハハッ。気合入れて、損したよバカヤロー。」と、肩の埃を払い落としながら
続ける空。

マキナ「・・・・・」

空「確かに、お前のスピードの速さとか、蹴りやパンチの強さは認めるぜ?
けどな・・・ハヤテに比べりゃ全然大した事ねぇよ。ハヤテの方がずっと速えし、
ハヤテは三分の一も出してねえのに、テメエの攻撃の百倍は強烈だったしな。」
そう言いながら、マキナに近づく空。

マキナ「何が言いたいんだ、お前。」

空「・・・・鈍い野郎だな、オメーも・・・」と、マキナの目の前で立ち止まる空。

マキナ「・・・・」

空「・・・もし今ハヤテとやったら、半殺しにされるのは、オメーの方なんだよ!
三分の一の力も出してねえハヤテに勝てねえ奴が、俺に勝てるわけねえだろ、バカヤロー!!」

マキナ「!!」

空「・・・・・」

アテネ「マキナ!構う事はありませんわ!速く始末をつけなさい!!」その言葉に、
マキナはパンチを繰り出す。

ブオ!
が、空はこれをかわし・・・

ブオン!
と、その二撃目もかわし、マキナの懐にもぐりこむ。

マキナ「!」

空「・・・」と、空は不敵な笑みを浮かべ、そして・・・・

ドガァ!
と、マキナの顔面に空の拳が炸裂する。

マキナ「・・・・・!」

ハヤテ「・・・・!」

アテネ「・・・・!」

ナギ「・・・・!」

空「・・・・・」マキナは数mほどぶっ飛び、そして・・・

ドサッ・・・
倒れた。

空「な?言ったろ?」

アテネ「・・・・そんな・・・マキナが・・・一撃で・・・」

ハヤテ「・・・・」

マキナ「・・・・ぐ・・・・」

アテネ「!・・・な、何をしていますの、マキナ!速く立ちなさい!」

マキナ「くっ・・・(な・・・なんつーパンチだ・・・!)」と、かろうじて立ち上がるマキナ。

マキナ「はぁ・・・はぁ・・・」が・・・

バキィ!
と、空の二発目が直撃し、またしてもぶっ飛ぶマキナ。

ドサッ・・・

アテネ「・・・・マキナ・・・・」

ハヤテ「・・・空・・・いつの間にこんな・・・」

マキナ「・・・うぐ・・・」

ナギ「・・・まだ立つのか・・・?」

マキナ「くっ・・・ま・・・まだだ・・・まだだぞ、チキショウ・・・!」と、空の方を向く。

空「・・・・・」ニッ。と空は微笑むと・・・

バキャア!
と、とどめの一撃をマキナに叩き込む。その拳が打ち込まれた瞬間・・・

ドサッ・・・・・
マキナは崩れ落ち、起き上がりはしなかった。

空「・・・・・」

アテネ「・・・そんな・・・あのマキナが・・・」

ナギ「・・おお・・・・」

ハヤテ(・・・空・・・たった一ヶ月ちょっとでここまで成長してるなんて・・・
これなら・・・次に闘う時は、僕も本気でやれるかもしれない・・・)

空「・・・・・・」
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第87話終了です。如何だったでしょうか?何かあればコメをください。それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.53 )
日時: 2009/09/17 15:59
名前: SORA

第88話[ハヤテの作戦]

空「・・・さ。これであんたの執事は戦闘不能。てことで・・・俺達の勝ちだ。」

アテネ「・・・・マキナを倒した所で、三千院ナギはまだ、こちらにいますのよ?」

空「うっ・・・」

ハヤテ「・・・・・」

アテネ「・・・石を渡しなさい。」

空「・・・・・」

ナギ「空!何があっても渡すなよ!石だけは・・・!」

アテネ「少し黙りなさい。」と、ナギを睨み、黙らせるアテネ。

ナギ「う・・・」

空「お嬢様・・・」

ハヤテ「・・・・・・・」

空「・・・石を渡せば・・・お嬢様を返してくれんだな・・・?」

アテネ「・・・・ええ。」

空「・・・・そうか。」そう言い、首から王玉を外す空。

ナギ「空!」

空「すいません、お嬢様・・・・お嬢様の命には・・・代えられない・・・!」

アテネ「・・・・・」

空「受け取れ。」と、アテネに王玉を投げつける。そして・・・

パシッ
アテネはそれを掴み取る。

アテネ「・・・・確かに頂きました・・・・」

ナギ「・・・空・・・お前・・・」

空「・・・・さぁ・・・・お嬢様を返してもらおうか・・・」

アテネ「・・・・行きなさい。」と、ナギを押すアテネ。

ナギ「・・・・」

空「お嬢様・・・」

ナギ「・・・・・!」と、ナギはそのまま空に駆け寄り、抱きつく。

空「・・・・・」

アテネ「これで、石は私の物・・・そして・・・・」

ハヤテ「・・・・?」と、周りの空気の変化に気づくハヤテ。

アテネ「・・・・貴方達は用済みよ。」そう言い、指を鳴らすアテネ。

その瞬間・・・・

空「!」

ナギ「え!?」

ハヤテ「これは・・・!」空達は、天王洲家の使用人達に囲まれていた。

空「天王洲・・・テメェ・・・!」

アテネ「石が手に入った今、もう貴方達をこのままにしておく理由も無い・・・
だから・・・貴方達には、ここで潰れてもらうわ。」

ナギ「・・・空・・・」と、空にしがみつくナギ。

ハヤテ「くっ・・・!」

空「・・・・天王洲・・・・・!」

アテネ「・・・・・・・やりなさい。」

おおおおおおおお!!
と、その言葉に、使用人達は一斉に空達に襲い掛かる。

空「・・・・・!」

ハヤテ「・・・・・?これは・・・・」と、何かに気づくハヤテ。

空「?・・・どうした?」

ハヤテ「・・・・・・・伏せて!!」

空「え!?」と、空とナギを伏せさせるハヤテ。そして・・・

ドギャアァァァァァアアン!!」
と、屋敷の壁を突き破り、巨大な炎の波動が使用人達を巻き込んだ。

ナギ「え!?」

空「・・・・この炎・・・・」

ハヤテ「・・・・やっと来てくれた・・・」やがて、炎も収まってきた頃・・・

「おいおい。ちょっと、やりすぎじゃね?」

「花火は派手な方がいいと言ったのは、お前じゃなかったか?」

「・・・・・まぁ、そうだけどさ・・・・・」

ナギ「・・・この声・・・」

ハヤテ「・・・・・」

空「・・・遅えんだよ、お前等!」

「ハハッ。わりぃ、わりぃ。けどさ・・・」

姫神「ヒーローってのは・・・」

刹那「遅れて登場するもんだろ?」そこには、姫神と刹那が立っていた。

ナギ「お前等・・・」

刹那「助太刀参上・・・って、空!お前、血ぃスゲェぞ!大丈夫か!?」

空「ん?あぁ・・・大丈夫だよ、こんくらい。」

刹那「・・・・・」

姫神「・・・・・よう。天王洲・・・・」

アテネ「・・・・姫神・・・・」

姫神「何時だったっけな・・・最後にお前と会ったのは・・・」

ナギ「・・・・こいつと知り合いだったのか・・・姫神の奴・・・」

姫神「・・・この様子を見ると・・・随分復興できたみたいだな。天王洲家は。」

アテネ「・・・・」

姫神「誇らしく思うぜ?旧友・・・いや・・・共犯者としてな・・・」

ハヤテ「・・・・・」

空(共犯者・・・?)

姫神「・・・・それで?石は?」

空「え?あぁ・・・あの女に渡したよ・・・」

姫神「・・・そうか・・・・」

アテネ「・・・・・」

刹那「・・・・プッ。」

アテネ「?」

刹那「ブフッ・・・くっ・・・え?あの女、マジで気付いてないわけ?」」

アテネ「・・・?」

姫神「ぷくっ・・・」

ナギ「・・・・え?」

刹那「ぶふっ・・・ふ・・・だ・・・だせぇ・・・まじ、だせぇ・・・くっくっく・・・」
と、腹を抱えて笑い出す刹那。

姫神「くふっ・・・この何年かで・・・相当鈍くなったみてぇだな・・・あいつ・・・」
と、姫神も同じように笑っている。

アテネ「・・・な・・・何がおかしいのですか・・・」

刹那「いやいや、なんでも・・・ぶふっ!」

空「・・・ブハッ!バッ・・・テメェら・・・せっかく・・・我慢してたのに・・・
笑わすんじゃ・・・ぶくっ・・・」

ハヤテ「・・・ふっ・・・ふふっ・・・」

ナギ「え?え?」

刹那「いや・・・ワリ・・・つい・・・あまりにも・・・あまりにもだから・・・」

アテネ「・・・・・?」

刹那「くっ・・・ごめん、空・・・俺もう無理・・・笑っていい?」

空「・・・あぁ・・・いんじゃね・・・?俺もそろそろ・・・限か・・・い・・・」

刹那「・・・・・ブァッハッハッハッハッハ!!」

空「・・・クハハハハハハハハハハ!!」

姫神「くっ・・・ぶふっ!ふ・・・」

ハヤテ「くっ・・・んくっ・・・くふ・・・!」と、空と刹那ほどではないが、
姫神とハヤテもかなり笑っている。

アテネ「・・・な・・・なにがどうなって・・・」

刹那「いやいやいや・・・もうちっと、鋭い奴かと思ってたけど・・・」

空「まさか、ここまで鈍いとは・・・ぶふっ!」

アテネ「・・・・?」

空「・・・はぁ・・・お前、俺の王玉を奪ったと思ってんだろ?」

アテネ「?・・・当たり前でしょう。貴方が持っていた物を私が・・・」

空「ぜ〜んぜん、ハズレ。それは、俺の王玉じゃねえ。」

アテネ「!」

ナギ「え!?」

アテネ「・・・な・・・何を負け惜しみを・・・!」

空「負け惜しみじゃねえって。俺の王玉は・・・」と、その時・・・

刹那「空。」と、刹那が、持っていた王玉を空に投げる。

空「・・・・」

パシッ
と、その王玉をキャッチする空。

ナギ「・・・・空・・・・」

アテネ「・・・まさか・・・」

空「・・・・俺の王玉は、こっち。」と、キャッチした自分の王玉を見せる空。

アテネ「!!・・・じゃあ、これは・・・」

ハヤテ「その王玉は、僕の物ですよ。天王洲さん。」

アテネ「!」

空「これ、み〜んな、ハヤテの作戦。」

刹那「あんた等の狙いが石だってわかってるんなら・・・」

姫神「他の誰かが持っている石を代理にすればいい。」

ハヤテ「そうすれば、三千院さんは取り戻せるし・・・」

空「お嬢様も遺産の相続権を失わずに済む・・・・ってわけ。」

アテネ「・・・・」

ナギ「・・・お前等・・・」

空「つまりだ。」

アテネ「・・・・」

空「最初っから罠にはまってたのは、俺等じゃねえ・・・お前なんだよ。天王洲。」

アテネ「くっ・・・・!」

空「にしても・・・持つべきはやっぱ、友達か・・・」

アテネ「・・・・」

空「・・・おめーも・・・信じられる友達、見つけろよ。」

アテネ「・・・・何を知った風なことを・・・!」

空「・・・ま。嫌なら嫌でいいよ。一生孤独に生きてけば?」

アテネ「・・・・」

空「そういう事。じゃ。俺等はこれで退散させてもらうわ。」

そう言い、空達は姫神が壊した壁から外へ出て行った。

アテネ「・・・・・・」

そして・・・

空「ただいま帰りましたー!」

マリア「ナギ!」と、その瞬間、マリアがナギに駆け寄ってきた。

ナギ「うお!マリア!」

マリア「ナギ・・・良かった・・・無事で・・・」

ナギ「う・・・うむ・・・」

空「・・・・」

ハヤテ「空。」

空「ん?」

ハヤテ「手当てするから、こっち来て。」

空「おう。サンキュー。」

そうして、二人は部屋へと入っていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第88話終了です。如何だったでしょうか?次回、もしくは、その次の回で第一章は
完結を迎えます。長いなぁ・・・まぁ、そんな事を思いつつ、これからも頑張ります。
それでは。
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.54 )
日時: 2009/09/17 17:37
名前: SORA

第一章エピローグ[SKY&WIND]

表紙:拳を向け合う空とハヤテ。


空「・・・・痛!」

ハヤテ「ほら。動かないでよ。」

空「そう言われても・・・いづぅ!」

ハヤテ「はいはい。・・・ほら。終わったよ。」と、空の頭に包帯を巻くハヤテ。

空「くぅ〜・・・痛かった・・・」

ハヤテ「他は何とも無い?」

空「ああ。サンキューな、ハヤテ。」

ハヤテ「ううん、別に。じゃ。」そう言い、部屋を出ようとするハヤテ。だが・・・

空「そういやさ。」

ハヤテ「ん?」

空「・・・・天王洲の事だろ?」

ハヤテ「!・・・・なにが?」

空「なにって・・・・アーたん。」

ハヤテ「!!」

空「やっぱり・・・」

ハヤテ「・・・・なんで・・・・それを・・・」

空「確信が持てたのは、ついさっき。帰ってくる途中で、お前が何度も
天王洲の屋敷の方見てて、それでわかった。」

ハヤテ「・・・・」

空「・・・・そんなに好きだったのか?天王洲の事。」

ハヤテ「・・・・・・」

空「・・・その様子だと・・・今でも好きなのか?」

ハヤテ「・・・・わからない。」

空「は?」

ハヤテ「わからないんだ・・・自分の気持ちが・・・」

空「わかんねえって・・・そんなこと、あるわけねえだろ・・・」

ハヤテ「わからないんだよ。何が何なのか・・・」

空「・・・ったく・・・だから、わからないんじゃなくて・・・」

ハヤテ「わからないんだって言ってるだろ!!」

空「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・ごめん・・・・けど・・・本当なんだ・・・本当に・・・わからないんだ・・・」

空「・・・・・」

ハヤテ「・・・・」そうして、ハヤテは部屋を出て行った。

空「・・・・ハヤテ・・・・」

翌日・・・・

空「ん・・・ん〜・・・」と、空はベッドの上で目が覚めた。

空「・・・はぁ〜・・・今日でミコノスともおさらばか・・・」

そう。昨日、あんなことが起きた以上、またいつ狙われるか分からないということで、
空やナギ。それに、海や刹那達も今日帰国することにしたのだ。

姫神「お。起きたか。」

空「お嬢様は?」

姫神「あいつがそう簡単に起きると思うか?」

空「あぁ・・・」と、そこに・・・

ナギ「誰がいつまでも寝てるって?」

空「お嬢様!」

姫神「珍しいな・・・お前がこんな速く起きるとは・・・」

ナギ「いくら私でも、速く起きることもあるさ。」

マリア「さて。準備も出来ましたし・・・空港に行きましょうか。」

そして、空港・・・・

海「お。遅ぇぞ。」

空「別に待ってる事ねぇのに・・・」

陸「別にいいだろ。」

マリア「・・・あの・・・ヒナギクさん達は・・・」

日向「ああ・・・あの二人なら、ほらあそこ。」と、空港の隅っこを指差す日向。

刹那「・・・・ヒナギクさん・・・・いつまでも沈んでないで・・・」

ヒナギク「うるさい!何が何でも飛行機には乗らないの!」

刹那「じゃあ、どうやって帰るんですか・・・」

空「・・・・」

ナギ「病気だな。」と、そこに・・・

キリカ「おや。三千院ではないか。」

空「理事長。」

キリカ「今回は、ハヤテが世話になったな。」

ナギ「あ、いえ、別に・・・」

ハヤテ「あの・・・理事長。速くしないと・・・」

キリカ「ん?あぁ、そうだったな。では、私達はこれで。」そう言い、
ゲートに向かうキリカたち。

空「ハヤテ。」と、空がハヤテを呼び止める。

ハヤテ「?」

空「・・・・・またな。」と、拳を突き出す空。

ハヤテ「・・・・うん。また。」と、ハヤテも拳を突き出す。

空「・・・・・・」

ハヤテ「・・・・・」

キリカ「ハヤテ!何をしている!」

ハヤテ「あ!すいません!」と、キリカの元へ急ぐハヤテ。

空「・・・・」

ナギ「空。」

空「?」

ナギ「私達も行くぞ。」

空「・・・はい。お嬢様。」

そうして、空達も飛行機に乗り込み、日本へと帰国した・・・



こうして、彼等の第一の戦いは終わりを告げました。

続きは、またいずれ・・・


「・・・・ふぅ。」と、ため息をつくと、少女は本を閉じる。

「・・・・お父さん達・・・・・ハードすぎ・・・・」と、そこに・・・

「おーい!メシだぞ!速く来い!」

「・・・・やっば・・・・お父さん呼んでる・・・急がなきゃ!」そう言い、
少女はあわてて部屋を出る。


この少女は、今から数年後に生まれる少女・・・・

この物語の主人公達が経験した物語を・・・

後世に語り継いでいくために、自分の両親から聞いた話を日記に記している・・・

そして・・・それがいつか・・・次の世代に引き継がれるだろう・・・

と、まぁ・・・

第一章はここまで・・・

そう遠くないうちに・・・第二章が語られるであろう・・・

それまで・・・どうぞお楽しみに・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第一章・・・・・・・完結じゃあああああああああああああ!!って、ことで・・
第一章完結です!ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!
第二章もお楽しみに!それでは!
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Re: ハヤテのごとく! SKY&WIND 第1章 第2部 ( No.55 )
日時: 2009/09/17 17:42
名前: マツ

こんにちわ!

 まさか、ハヤテの王玉を渡すとは、
意外な展開ですね。 今後のハヤテとアテネの
関係が、どうなって行くのかとても気になります。
ハヤテとアテネが、いつ和解するのか、とても気に
なりますね。 続きを楽しみにしてます。
これからも頑張って下さい。
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Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND第1章完結次スレより新章突入 ( No.56 )
日時: 2009/09/17 18:00
名前: ゆーじ

1章完結おめでとうございます!!

そしてまさかの子供フラグ!!?これはヤバいです(いい意味で)

アテネとハヤテは一番報われてない子たちなので、早く和解してほしいですね。

そしてハヤテのキャラが最初のほうより丸くなってることに安心しました。

では2章頑張ってくださいね!!これからも読み続けますよ!!

あと出来れば・・・出来ればでいいので、SKY&WIND内でのハヤテが半殺しにされた後のことを書いてほしいというのが欲だったりします。あ、でも普通にスルーでもいいですからね?一応回想シーンはないって言われましたし・・・
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Re: ハヤテのごとく!SKY&WIND第1章完結次スレより新章突入 ( No.57 )
日時: 2009/09/18 18:40
名前: SORA

どうも。感想があったので返信します。

それではまず、マツさん・・・


>ハヤテとアテネが、いつ和解するのか、とても気になりますね。

そうですか〜・・・まぁでも、ハヤテの方を先に何とかしないと、
二人の和解は永久に来ないので、しばらく二人の絡みはありません。
ご了承ください。

それと、ゆーじさん・・・

>まさかの子供フラグ!!?

子供フラグです。(笑)と言っても、空達の時代から何年かしたのが、
最後のアレですから。誰と誰の子供かは・・・・言わずもがなですよね?


>ハヤテのキャラが最初のほうより丸くなってることに安心しました。

そりゃそうですよ。簡潔に言えば、それだけ空の存在がハヤテに影響を与えてるって事ですから。


では、この辺で、第二章の大まかな予告・・・と言うより、
第二章で活躍予定のキャラ達のセリフの一部を公開しちゃおうと思います。

それでは・・・



刹那「時々わからなくなるんですよね〜・・・自分がなんなのか・・・」


「いいか、ハヤテ。お前の本質は、光じゃない・・・闇だけだ。」


ハヤテ「僕には何も無い・・・僕は・・・空っぽの存在だから・・・」


氷牙「もう俺達じゃ無理だ・・・・頼む・・・あいつを・・・空を救ってやってくれ・・・」


「お前には大切な物を守る力・・・そして、持つための覚悟はあるのか?」


空「父さん・・・母さん・・・教えてくれ・・・俺は本当に・・・二人の・・・」


乞うご期待。

              
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