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大乱闘ハヤテオールスターズ〜夏休みを制すのは誰だ〜
日時: 2014/06/03 20:13
名前:
マスケット@私ってほんとバカ
はじめまして、マスケット@私ってほんとバカと申します。気軽にマスケットさんとお呼びください。
ここで書くのははじめてなんで温かい目で見守って頂けると幸いです。
一つだけ注意点を挙げると、この作品で使われてる設定はあるマンガの設定を用いています。あくまで設定を使わせてもらっただけなのでそのマンガのストーリーとは無関係です。もしそのマンガがわかっても言わずにそっと心に留めておいてください。
◯○
三千院家
「あ〜暇だな〜」
ソファに寝転がり足をパタパタさせて呟く。
「お嬢様、いつも言ってますがだらしないのはいけませんよ」
いつものように注意する私の執事。そんな事は日常茶飯事だったので空返事で返す。
「まったく」
私の執事は呆れたようにため息をつき無理やり私のそばに来て私の姿勢を正す。これもいつも通りだった。
「ハヤテぇ、何か面白いことはないのか? もう夏休みだぞ、何かこう日常を覆すようなものはないのか」
「はあ、日常を覆すようなものと言われても……」
返事に困っているハヤテ。それでも頑張ってい考えているので気分は悪くない。
「また無茶苦茶な事を言ってハヤテ君を困らせてるんですか」
後から紅茶の香ばしい匂いとともにマリアがやってきた。有能ではあるが何かと私にうるさいので母親のような存在でもある。
「でも実際マリアも暇なんだろ?」
「まあ確かに少し退屈はしてますね〜」
やはりマリアもそう思ってるようだ。やはりそこで頭を抱えているハヤテに打開策を考えてもらうしかないだろう。
そんな時に呼び鈴が鳴った。
「あ、誰か来たみたいなので一旦失礼します」
そう言って私の執事は考えを中断して逃げるように去っていった。
「旅行も飽きたし、やりたいこともない中で夏休みという長丁場を乗り切るのは無理なのだ〜」
そう言って私が駄々をこねているとハヤテが小包を抱えて戻ってきた。
「お嬢様宛にお届け物ですが」
「私宛に? 誰から?」
「それが……」
少し間を空けて言うハヤテに嫌な予感が頭をよぎる。私の取り越し苦労であればいいのだが。
−−−−−−−三千院帝様からです。
私の予感は意外と当たるらしい。
【大乱闘ハヤテオールスターズ〜夏休みを制するのは誰だ〜】
○○
「あのジジイか……じゃあその箱は捨てていいぞ」
ま、それを捨てれば一件落着な訳で。さて重要なのは今年の夏休みをどう過ごすかだな……
「ちょ、ちょっと待ってくださいよお嬢様、折角なんで中身だけでも確認しましょう!」
「でもあいつからの贈り物なんて絶対ろくな物じゃないし」
「その時は捨てましょうよ。だから開けてみましょうよ」
「むう、そこまで言うなら開けてみるか」
渋々箱を開ける。しかし入っていたのは驚くような物ではなかった。
「これは……」
「3つの腕時計と、DVDですねぇ」
「まあとりあえず観てみるか」
ディスクを入れると大きなテレビに三千院帝が現れた。
『あーだるいのぉ、スイカバー食べたい。まあいいや、そろそろ撮るから準備しといて。え?もう始まってるって?ちょっとタイム!撮り直して!え、できないって!?なんでそういうところ融通聞かないんだよバカ!わかったから少し待って、気を落ち着かせるから!』
「相変わらずボケてるな家のジジイかは」
隣で観ているハヤテとマリアも苦笑いで返すことしかできなかった。全く、こいつの寿命はあとどれくらいだろうか?
『えーごほん、これを観ているという事は小包を開けたとううことじゃな。ならば話は早い、端的に言うと夏休み暇そうだから面白いゲームを用意してやったぞ。名づけて【大乱闘ハヤテオールスターズ〜夏休みを制するのは誰だ〜】じゃ!』
「何一人でテンション上がってるんだ、このジジイは?」
「そろそろ末期かもしれませんねぇ〜」
紅茶を番茶の様に持って遠い目をするマリア。ジジイはもう末期だな。
『これからお主達はその腕時計をつけてバトルロワイヤルをしてもらう。細かいルールは紙に書いておるがまあ簡単に言うと一つだけ黒い腕時計があるじゃろ?それを破壊すれば勝利じゃ』
「紙? あ、これの事か。どれどれ」
【ルール】
・戦闘は腕時計をつけた物同士でしかしてはいけない。
・戦闘開始の合図はこちらから指定し、それ以外で戦闘を行ってはいけない。
・黒い腕時計が破壊されるとそのチームは全員が負けとなりそのチームの腕時計は自動的にすべて破壊される。
・状況を見て後々補足、追加する。
・制限時間は夏休み一杯
「うわ〜随分本格的ですねぇ」
「本格的も何も私はやるとは言ってないんだが」
『このゲームに参加するかしないかはお主達の自由じゃ。ただし!優勝者、つまり最後まで黒の腕時計をつけていた者には褒美を用意しておる。何でも一つだけ願いを叶えてやろう。どんな不可能な願い事だろうと叶えてみせる』
「なんだと!?」
「まあ」
「それは凄いですね」
「はっ、どうせハッタリだろう。あのジジイがそんな事できるわけがない」
『もう一度言う、やるかやらないかはお主達の自由じゃ。ただ人生最大の好機がきたときそれに乗っかる事のできない奴は一生変われない。じゃあの』
それを最後に映像は途切れてしまった。
「どうしますかお嬢様?」
「私はどちらでも構いませんよ?」
ハヤテとマリアが私に優しく問いかける。それがこのまま意地を張ってチャンスを逃すのとジジイの戯れに乗っかるのとどちらが正しいのかを私に言っているようだった。
「仕方ない、どうせ夏休みやることもないしジジイの遊びに付き合ってやるか」
「やるのはいいですけどこの3つの腕時計は誰が付けるんですか?」
「そうですねぇ。三人一組で行うようですしこういうのは慎重に決めたほうが良さそうですね、ナギ」
はぁ、全くこいつ等は駄目だな。
「何を言っている!私が黒をつけてお前らが残りを付けるんだ、わかったらさっさと付けろ!」
私の言葉に2人はお互いに顔を見合って微笑む。
「ま、私がいないとナギは何もできませんからね」
「どこまでもついて行きますよお嬢様」
私達三人は腕時計を身に着けた
『プレイヤー名、三千院ナギの参加を確認しました。現在、黒い腕時計は9つです』
続く
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Re: 大乱闘ハヤテオールスターズ〜夏休みを制すのは誰だ〜
( No.1 )
日時: 2014/06/04 17:03
名前:
マスケット@私ってほんとバカ
「さて、腕時計を身に着けたら次はどうするのだ?」
「戦闘開始の合図があるまでは普通に生活しててもいいんじゃないでしょうか」
ふむ、少し拍子抜けだ。やる気満々で腕時計を着けただけに気持ちが不完全燃焼だ。
「それよりも腕時計は残り9個って音声が出たが、残りは誰が着けてるのだ?」
二人は確かにといった表情で返す。いくら参加したところで相手もわからなければ意味がない。
「ギルバートみたいな刺客じゃないんですかね?」
「それだったら全員が私を狙うからバトルロワイヤルも何もないだろう」
「そうですねぇ、このまま考えても埒が明かないんでとりあえず外に出てきませんか?」
ハヤテが私に拷問を強いる。気温30度、天気は晴れ、地面からは熱気が立ち込める。そんな未知の世界に私を連れて行こうというのか……。
「お嬢様、何もそんなこの世の終わりみたいな顔しなくても」
「ハヤテぇ、落ち着いて考えるの……」
「ナギ? まさか暑いからとかいう理由で外に出たくないという訳ではないですよね?」
マリアが私の言葉を遮り核心をついてくる。
「ははは、私がそんな軟弱者なわけ無いだろうマリア? 私ぐらいになると地図を見るだけで脳内でその場所に行くことができいだだだだだだ! わかった、行く、行くから! 耳を引っ張らないで!」
マリアの後押し?もあり外に出ることにした。準備も終わり門の前で軽く準備運動をする。
「私は夕飯の準備があるので屋敷に残りますがくれぐれも気をつけてくださいね」
「だがもし急に戦闘が始まったら」
「その時はその時ですよ。安心しなさいナギ、そもそも屋敷には簡単には入れないんですよ? 残ってたほうが安全とも言えます。だからハヤテ君と二人で行ってください」
自身に満ちた表情をみて安心する。マリアなら一人でも大丈夫だろう、そもそもマリアが何かで負けるところなど見たこともないしな。
「じゃあハヤテ、どこに行く?」
「そうですね、とりあえず白皇に行ってみますか?」
夏休みに学校に行くとは何たる暴挙、愚挙にすら等しい! しかし隣にマリアがいる手前断るわけにもいかないな。
「仕方ない、では行くぞハヤテ!」
「わっかりました! しっかり捕まっててくださいよお嬢様!」
「うむ、では行ってくるぞマリア」
マリアの気をつけてと言う声を聞くと同時に疾風の如く自転車は動き出した。
○○
「さあ着きましたよお城様」
「なんだ、もう着いたのか」
休日に二人で乗る自転車は普段の登下校よりも心地よく、爽やかな風を感じながら流れゆく景色を眺めていると時間はあっという間に過ぎていった。
「着いたはいいがこれからどうするのだ?」
「とりあえずヒナギクさんの所へ行きましょうか」
「え〜あそこに行くのか」
「そう言わずに行きましょうよ。ね?」
そう言ってハヤテは私に手を差し出して手を繋ぐように促す。私もそれに応えて二人並木道を歩く。正直な所ハヤテと一緒なら行くところなんてどこでもよかった。ハヤテがいればどんな場所でも退屈はしないから。こんな機会は滅多にないので外出も悪くないものだな、と一人考える。
並木道を少し歩くと生徒が何人か集まって何かをしていた。その中には特徴的な桃色の髪をしている生徒の姿もあった。
「そんな所で何をやっているのだヒナギク」
「あら、休日に登校なんて珍しいわね」
ヒナギクは少し驚いたような顔をするが手を休める様子はない。
「休日はこうやって並木道を綺麗にするのも生徒会の仕事の一つなのよ」
「生徒会も大変なんだな」
「そうでもないわよ。ちょうどこれが終わったらあなたの家を訪ねようと思ってたから運がいいわ」
「それってどういう……」
私の言葉を遮って木陰の中から大きな声を出す三人組が現れた。
「これはこれは誰かと思えばナギちゃんじゃあないか」
「しかも執事を連れて校内デートとは中々大胆だな」
「休日に来るなんて珍しいね〜」
美希、理沙、泉の生徒会三馬鹿が陽気にやってきた。
「ちちち違うわ! これはハヤテがどうしても行きたいといったから来たまでで……」
「そうやって必死に隠す所が怪しいな理沙」
「言ってやるな美樹。きっとこれは二人でイチャイチャしてる所をヒナに見せつけることでハヤ太君の浮気を発覚させ修羅場を作り出そうとする気だ」
「これは動画研究部として収めなきゃね!」
「さり気なく私を巻き込まないでよ!」
「なんで僕が浮気した設定になってるんですか!」
ヒナギクとハヤテのツッコミも虚しく三人は次々とストーリーを並べていく。よくそこまで思いつくものだ。
「ところでさっきヒナギクが私の家に来ると言っていたがなぜだ?」
まさかな、と思いつつ聞いてみる。
「それが昨日あなたのお爺さんから腕時計が届いて」
それを聞いた瞬間私とハヤテはお互いに顔を見合わせる。
「もしかしてその腕時計ってこれの事か?」
私は腕につけてる時計をみせる。するとヒナギクはそれよそれ、と反応する。
「あれ? それなら家にも来たよ〜」
腕時計をみた泉も反応を示す。ヒナギクだけじゃなく泉までもとなると偶然ではないらしい。
「じゃあ二人ともDVDは観たのか?」
「ええ、これはナギが企画したものだと思ったんだけどどうやら違うみたいね」
「うん、見たよ〜。中々面白そうだったね」
どうやら二人ともDVDは観ているようだ。
「おお、それなら私達も泉と一緒に見たぞナギちゃん」
「こんな面白そうな企画を思いつくなんてナギちゃんのお爺さんは凄いな」
理沙と美希も楽しそうに言うがあのジジイがただ楽しいだけの企画なんて作るだろうか?
「それで、お前らは参加するのか?」
「そうねぇ、折角あなたのお爺さんが企画したものだし参加してみようかな」
「私は参加するよ! だって面白そうだもん!願い事が何でも一つだけ叶うなんて最高じゃん!」
「しかも! 私と美希も泉の相棒として参加するのだ」
「ああ、私達が集まれば怖いもの無しだ! 私達にはどうしても叶えたい願い事がある!」
「「「だから参加しないでくれヒナ(ちゃん)」」」
潔い。バカが三人揃うとここまで綺麗に駄目になるのか。あらかじめ練習していたかのような息の合い方、きれいなお辞儀、コンビネーションの良さだけはわかる。いっそチーム名は生徒会三馬鹿にするといいんじゃないだろうか。
「ダメよ、こういうのは正々堂々とやらなきゃ。だからあなた達も頑張りなさい」
三人はですよね、といった表情だ。
「仕方ない、ならば私達はのんびり作戦会議でもするか」
「そうだな、そういえばまだ観てない映画があったな」
「それは大変だね、早く観なきゃ」
そう言って三人は何処かへ去っていった。そしてヒナギクは
「ちょっと待ちなさいあなた達! まだ仕事の最中でしょうがああああああああ」
どさくさに紛れて去っていった三人を追いかけていった。
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