このスレッドはロックされています。記事の閲覧のみとなります。
この作品のあらすじ
トップページ > 記事閲覧
女神と共に第三部 (2月12日更新) 次スレへ
日時: 2014/04/28 15:56
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回から第三部となります。

では本編どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

今回、第三部の初めなので、第二部の時同様、オリキャラ達のプロフィール紹介にします。
正直に言うと、第二部の時の丸写しです。





  天王州瑞希(てんのうす みずき)

性別 女
年齢 80歳
身長 160cm
体重 内緒
誕生日 9月3日
家族 孫娘・アテネ。それ以外は死別
好きな物・事 アテネ、ハヤテ、庭いじり
嫌いな物・事 自分の信念を貫けない人、他者を見下している人

 アテネの祖母。髪の毛は昔はアテネ同様金色だったが、今では殆ど白くなっており、僅かに昔の金色が残っている。瞳の色はアテネと同じ赤。
 ゆっくりめに話す(某戦場カメラマンより少し遅いぐらい)のが特徴で、声は聞いている者に癒しを与えるほど綺麗。
 足腰が少し弱っているため、杖をついて歩いているものの、強さはかなりのもの。アテネ曰く「厳しくも優しくもある人」との事。
 ハヤテを可愛がっており、自身の孫のアテネと変わりない愛情を注いでいる。
 普段はアテネ達とは別の豪邸に住んでいるが、時々アテネやハヤテと電話で話している。










  真山悠太(まやま ゆうた)

性別 男
年齢 16歳
身長 180cm
体重 60kg(体脂肪は一桁)
誕生日 7月12日
家族 父、母、姉・美緒
好きな物・事 ナギ、ナポリタン、ハンバーグ
嫌いな物・事 不正義、コーヒー

 完璧という言葉を擬人化したように何でもできる人。ただし、強さはハヤテやアテネには遠く及ばない。
 真山物産と言う不動産で財を成したグループの跡取りであり、ナギの執事をしているのは勉強のため。
 顔も性格も良い。髪の毛と瞳は茶色。
 ナギの事が好きだが、「ナギが幸せならそれで幸せ」と考える事が出来、ハヤテに振り向いてもらおうと努力しているナギを応援している。










  神尾崎綾子(かみおさき あやこ)

性別 女
年齢 16歳
身長 175cm
体重 秘密
誕生日 8月15日
家族 父、母、祖父、祖母
好きな物・事 ハヤテ、勉強、家事
嫌いな物・事 アテネ、ハヤテを誘惑する人、ハヤテに好意を持つ人

 基本的に何でも人並み以上にでき、強さもアテネとほぼ互角。戦闘時には本気を出す際は二刀流で闘い、武器は四神剣の内の2本、青龍と朱雀で戦う。ちなみに、右手で青龍、左手で朱雀を持つ。
 神尾崎グループと言う天王州家、三千院家と互角の財力と権力を持つグループの跡取り娘。
 髪の毛は流水が髪の毛になったの比喩されるほど綺麗で、色は水色。瞳も水色である。ちなみに、スタイルもアテネと互角である。
 ハヤテの事が大好きで、抱きつくのは日常茶飯事。時々「ストーカーではないのか?」と思われるような行動もあるが、本人は否定している。
 ハヤテに振り向いてもらいたいがために、最初は悪かった人付き合いが良くなり、周囲を驚かせた。この事で、神尾崎家の傘下の企業や神尾崎家の面々はハヤテを婿に迎え入れたいと本気で思っている。










  城山強(しろやま つよし)

性別 男
年齢 21歳
身長 170cm
体重 75kg
誕生日 12月3日
家族 父、母、妹
好きな物・事 綾子(恋愛的な意味では無い)、家族
嫌いな物・事 酒、タバコ、ギャンブル、アテネ

 綾子の専属執事兼ボディーガード。髪の毛の色は赤で、瞳は藍色。髪はショートカットにしている。ちなみに、結構イケメンである。
 普段は綾子の命令に忠実であるが、自身の判断で従わなかったり、綾子を抑止したりもする。
 強さはかなりの物ではあるが、悠太には及ばない程度。
 ハヤテには主人を変えてくれた恩義があり、本気で綾子の婿になってほしいと願っている。
 ちなみに、白皇OBで、頭が良い。










  崎山道子(さきやま みちこ)

性別 女
年齢 20歳
身長 170cm
体重 内緒
誕生日 12月31日
家族 母、兄
好きな物・事 綾子(当然主人としてという意味)、メイド服
嫌いな物・事 アテネ

 綾子の専属メイド。仕事はしっかりできるが、天然な部分も多々ある。勉強は苦手。
 髪の毛、瞳共に紫。髪の毛は肩にかかるほどで、三つ網にしている。
 潮見高校のOGであり、補習組に常にリストアップされるほど、常に落第ギリギリであった。
 ハヤテには主人を変えてくれた恩義があり、ハヤテに直接「お嬢様と結婚してくれませんか?」と言っているらしい。










  時任麗(ときとう れい)

性別 女
年齢 16歳
身長 160cm
体重 内緒
誕生日 6月7日
家族 弟
好きな物・事 アテネ、ハヤテ、紅茶
嫌いな物・事 コーヒー、悪人

 アテネの幼馴染。海外生活が長く、日本で暮らしてた時期は短い。学生だが、時任グループという大企業の社長。両親と死別したため、後を継いだ形となっている。
 髪の色は黒で、腰に届く長さ。瞳は金色。頭は良いが、天才レベルでは無い。スタイルは普通。強さは大したレベルでは無い。
 日本に戻って来たのは幼馴染のアテネをメロメロにしたハヤテに興味を持ち、調べている間に自身もハヤテの人間性に惹かれ、ハヤテと恋仲になるためである。
 ちなみに、ハヤテには「アテネの執事を辞めて自分の執事にならないか?」と何度か誘っている。










  時任勝(ときとう まさる)

性別 男
年齢 13歳
身長 150cm
体重 56kg
誕生日 2月29日
家族 姉
好きな物・事 ハヤテ、正義、紅茶
嫌いな物・事 悪人、苛め、喧嘩

 麗の弟で、学生ながら時任グループの副社長をしている。アテネとは顔なじみではあるが、姉同様海外暮らしの方が長い。
 髪の色は黒で、短く刈り込んでいる。瞳は金色。強さは姉以上ではあるが、悠太には劣っている。ちなみに、勉強は苦手で、白皇には何とか着いて行ってる。
 日本に戻って来たのは姉に着いてきたため。ハヤテに関しては姉の好きな相手であるため、「お兄ちゃん」と呼び、慕っている。ちなみに、本心では本当の兄になる事も望んでいる。









  ???

未だ本編で出ていない最後のオリキャラ。詳しいプロフィールなどは内緒だが、この第三部にて登場します。



----------------------------------------------------------------------------------
続いて用語解説へ。


 四神剣(しじんけん)

 神尾崎家が代々伝えてきた魔剣。全部で四本あり、青い刀身に龍が刻まれている「青龍」、赤い刀身に鳥が刻まれている「朱雀」、白い刀身に虎が刻まれている「白虎」、黒い刀身に尾が蛇の亀が刻まれた「玄武」がある。
神尾崎家の血筋のものはそのうちの選ばれた2本を武器として扱い、悪しきものを倒す宿命を背負っている。
魔剣はいかなるの(悪霊でも)切る事が出来る切れ味を誇っているため、使用は厳しく制限されている。
普段は主に選んだものと同化しており、呼ばれれば参上する。



 守護光速拳(しゅごこうそくけん)

 ハヤテが会得した神尾崎流の秘術の最強奥儀。「守りたい気持」を「肉体強化」に変換する秘術。
守りたい気持を高めれば高めるほど、無限に肉体を強化でき、体への影響は無しという無類の強さを誇る技。ただし、守りたい対象に自分は入らず、守りたい対象がいなければ発動不能になる。
ただし、それは第一段階での条件であり、第二段階へ覚醒させる事が出来れば、その条件は無くなり、「自分を守りたい」と言う気持ちでも発動可能になる。
第二段階への覚醒条件は、「第一段階を完全に使いこなした」状態で「強いきっかけを与える」が条件である。
ちなみに、第三段階もあるが、詳細不明


 神尾崎流の秘術(かみおさきりゅうのひじゅつ)

 神尾崎家が独自に開発し、守り抜いてきた技の数々。全ての技が強力であるため、神尾崎家の者以外にはむやみに教えてはいけないとういう掟がある。
神尾崎家の者の許可があれば、その人に一番合った必殺技を1つだけ会得できる。と言うより、1つしか会得できない。
ただし、神尾崎家の血筋のものであれば、修行次第でいくつでも会得できる。



 村正(むらまさ)

 その昔、無意味な殺し合いを嫌った木刀職人最後の一品。極めて強い力を持ち、刀自身が主と認めない限り触る事さえ難しい。神尾崎家が代々守って来たが、現在はヒナギクが主である。



 叢雲(むらくも)

 強い力を持つ日本刀。ただし、妖刀。刀自身が主と認めたもの以外には鞘から抜く事が出来ず、抜かれた状態を触ろうとすると、弾かれる。現在は悠太が主人。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

なんか、丸写しですみません。

次回より第三部のスタートです。
では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください

Page: 1 |

Re: 女神と共に第三部 (4月28日更新) 更新無期延期 ( No.1 )
日時: 2014/06/13 20:30
名前: WING

お久しぶり?です。WINGです

この第三部で登場する最後のオリキャラというのは

クリスマスにハヤテがコートをかした少女だとと予想します

後第2部に「待っててね、ダーリン」と言っていた少女も同一人物だと勝手に思っています

話は変わりますがmasaさんのオリキャラの声のイメージに近いと思う声優さんはいますか?

もしいましたら教えていただけるともっと楽しめると思います(脳内再生によって)

自分勝手なことばかり言って申し訳ありません

これからも応援しています。ありがとうございました
Re: 女神と共に第三部 (4月28日更新) 6/27更新再開予定 ( No.2 )
日時: 2014/06/20 18:43
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編再開前にレス返しです。

 ●WINGさん

 >>お久しぶり?です。WINGです

 お久しぶりですね。感想ありがとうございます。遅くなってすみません。

 >>この第三部で登場する最後のオリキャラというのは

  クリスマスにハヤテがコートをかした少女だとと予想します

 それに関しては、今はお答えできませんね。本編が進めば出てきます。

 >>後第2部に「待っててね、ダーリン」と言っていた少女も同一人物だと勝手に思っています

 すみません。こっちもお答えできません。

 >>話は変わりますがmasaさんのオリキャラの声のイメージに近いと思う声優さんはいますか?

  もしいましたら教えていただけるともっと楽しめると思います(脳内再生によって)


 具体的にあげるのは難しいですね。ただ、イメージとしては、瑞希さんは「とても綺麗で癒しを与える声」、悠太は「大人っぽいかっこいい声」ですね。
綾子は「落ち着いた雰囲気のお嬢様の声」、麗は「お姉さんタイプの声」、勝は「子供っぽさが残る声」、城山は「落ち着いた男性の声」、崎山は「天然さが滲み出る声」ですね。

 こんな感じなので、お任せします。

 >>自分勝手なことばかり言って申し訳ありません

 いえいえ。出来る限りで良ければ、お答えしますよ。

 >>これからも応援しています。ありがとうございました

 ありがとうございます。精一杯頑張ります。

 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月24日更新) ( No.3 )
日時: 2014/06/24 15:03
名前: masa

こんにちはmasaです。

充電完了したので、戻ってきました。

では本編どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み天王州家。


ハヤテもアテネも旅行を終え、戻ってきた。

「お帰りなさいませ、アテネお嬢様、ハヤテ坊ちゃん」

家に居た使用人総出で迎えてくれた。

「こうしてると、帰って来たって気がしますわね」
「そうだね--------------ん?」

ハヤテは自分の足に何かがすり寄ってきたのを感じ、下を見ると、シラヌイがハヤテの足に頬擦りしていた。

「ただいま、シラヌイ」

ハヤテがあいさつしながら抱っこすると、シラヌイは甘え声を出し始めた。

「ハヤテ坊ちゃん」
「あ、師匠」

この人はハヤテの師匠で、天王州家のメイド長である。

「大変でしたよ。ハヤテ坊ちゃんが居ない事で、シラヌイは寂しがっちゃって」
「そうだったんだ」

確かに、シラヌイはハヤテが帰ってきた事で、いつも以上に甘え声を出していた。

「ごめんねシラヌイ」

ハヤテが背中を撫ででやると、とてもうれしそうだった。
ちなみに、アテネはシラヌイを睨みつけていた。


                    × ×


ハヤテはシラヌイを抱っこしたまま居間に着き、床に下ろした後椅子に座った。
が、シラヌイはすぐにハヤテの膝の上に乗った。

「やれやれ。甘えんぼだね」
「ム〜」

羨ましそうな声を上げたアテネにハヤテは

「な、何?」
「ハヤテ、シラヌイを甘やかすなと何度も言ってるでしょ」
「甘やかして無いって。第一、寂しい思いをさせちゃったし、今日ぐらいは大目に見てよ」

そう言われてなおもシラヌイを睨みつけるアテネにハヤテは

「嫉妬してるの?」
「し、してませんわよ!!」

そうは言ったが、どう見ても嫉妬していた。

「(やれやれ。なんで猫に嫉妬するかな。それに、何で嫉妬なんか?まあいいや)」

ハヤテは深くは考えずにシラヌイの喉辺りを撫でで上げた。
すると、今度はシラヌイはハヤテの指をしゃぶり始めた。

「もう。僕の指を吸っても何も出ないって」
「コ、コラ〜。流石に許しませんわよ〜」

アテネからの殺気をハヤテは無視し、シラヌイの好きにさせてあげる事にした。


                     × ×


そして昼時。

「はい、お待たせ」

ハヤテはアテネの昼食を済ませた後、シラヌイの昼食も作ってあげて、出した。
すると、ハヤテが出した途端、シラヌイは勢いよく食べ始めた。

「お腹空いてたんだね」
「それはそうですよ」

メイド長がキッチンに来て、元気にご飯を食べるシラヌイを見て安心の溜息をつきながらそう言ってきた。

「シラヌイはハヤテ坊ちゃんが作ったご飯以外は食べませんからね」
「え!?」
「つまりですね、連休中は殆ど食べなかったんですよ。正直、心配してたんですよ」

そう言われたハヤテが改めてシラヌイを見ると、確かに少し痩せていた。

「ホントにごめんね、シラヌイ。今度旅行に行くときは、一緒に行こうね」
「ニャ〜♪」

ハヤテにそう言われたシラヌイはとてもうれしそうに返事した。

「(シラヌイは本当にハヤテ坊ちゃんが大好きなんですね。ハヤテ坊ちゃんが居ない間は本当に元気が無かったのに、帰って来たとたん一気に元気になりましたからね)」

メイド長は食事を終え、またハヤテに甘え始めたシラヌイを見て、改めてそう思った。

ちなみに、

「(シ〜ラ〜ヌ〜イ〜。私のハヤテにあんなに甘えて〜。私だってあんなに甘えさせてもらった事無いのに〜)」

アテネはキッチンの入り口で柱が割れそうなほどの力で柱をつかみながらそう思っていた。


                     × ×


そして夜。

「さて、ハヤテ」
「何?」

夕食お終え、食後のティータイムを終えた頃に、アテネは立ち上がりながら

「お風呂に行きますわよ」
「ごめん、今日は1人で入ってよ」
「な、何でですの」

急に泣きそうになったアテネにハヤテは

「だってさ。シラヌイ最近お風呂に入ってないんだってさ。少し汚れとかも目立ってるし」
「だ、だからなんですの。それと私と一緒にお風呂に入らない事は関係ありませんわ」
「あのね。今日はシラヌイをお風呂に入れてあげるために、僕も一緒に入ろうかと思ってるんだよ。だから、1人で入ってって言ったの」

子供を諭すようにアテネの説得を試みたが、無駄であり

「嫌ですわ。ハヤテと一緒にお風呂に入るのは私ですわ。シラヌイは他の使用人に任せればいいじゃない!!!!!」

意地でも譲ろうとしないアテネにハヤテはまた子供を諭すように

「それじゃ駄目なんだ。シラヌイは、僕以外の人に洗ってもらう事も、ブラッシングしてもらう事も凄く嫌がるんだ。と言うより、威嚇してくるからね。だから駄目なんだ」

諭されたアテネは泣き出してしまった。

「だったら、アーたんも一緒に入る?」

ハヤテは半ば冗談のつもりでそう言ったが、アテネは即答で

「勿論一緒に入りますわ」

こう答えた。


お風呂に皆で入り、ハヤテはまずアテネの体を洗うはめになった。

「ハヤテ、私の体を洗いなさい」

っと、ものすごい笑顔でそう言われ、ハヤテも断れなかったためである。

その後、シラヌイの体を洗う事にした。
シラヌイは洗ってもらってる間、とても気持ちよさそうだった。

「ハヤテは猫を洗うのも上手なんですのね」
「まあね」

気持ちよさそうなシラヌイを見てアテネは羨ましそうにそう言っていた。

「(全く。私と言う愛すべき存在が居るのにハヤテは)」
「(な、なんだろう。アーたんの視線が怖い)」

ハヤテは恐がりながらもシラヌイを洗い終え、自分の体も洗い終えると、シラヌイを専用の浴槽に入れ、自分も湯船につかった。
その瞬間、アテネが抱きついてきた。

「もう。私の事、ほったらかしすぎですわ」
「やれやれ。離れてよ」
「嫌ですわ♪」

アテネの声色にハヤテは諦めるしかなかった。

一応補足しますが、本来は猫をお風呂に入れるのはあまり良くない事らしいです。
中にはお風呂が好きな猫もいるようですが、大体は嫌なようです。なので、汚れているからと言って、無理に入浴させてはいけないみたいです。

ですが、シラヌイは綺麗好きでお風呂好きなので、特別問題は無いのです。


                      × ×


入浴後、ハヤテはシラヌイの体をきちんと乾かし、ブラッシングもしてあげた。
まあ、嫉妬したアテネの髪の手入れもしたが。

そして

「さあハヤテ、寝ますわよ」

夜も遅くなり、寝る時間になった。

「あ、ごめん。今日は1人で寝て」
「な、何でですの」

また泣きそうになったアテネにハヤテは

「ほら、連休中はシラヌイを寂しい思いさせちゃったでしょ?師匠はシラヌイはあまり寝てなかったって言ってたし」
「だ、だからって」
「罪滅ぼしみたいなものかな。シラヌイも一緒に寝たがってるしさ」

ハヤテがそう言った瞬間、シラヌイが鳴き、ハヤテの言葉を肯定しているようだった。

「今日だけだよ。ね」
「ハヤテぇ」
「じゃ、お休み」

泣き出したアテネを置いて、ハヤテは自室に行ってしまった。

「ハヤテぇ」

アテネは暫く立ちつくしたまま泣いていた。


                      × ×


ハヤテはシラヌイを自分のベッドに乗せ、すぐ隣に寝転んだ。

「(なんでアーたんはあんなに泣いてたんだろう?何かしたっけ?)」

暫く考えたが、答えは出ず。

「(まあいいや。どうせ分かんないし)」

そう結論付け、シラヌイにも布団を掛けてやり、眠りについた。

ちなみに、シラヌイはハヤテが寝入ったのを確認すると、ハヤテの体に乗り、そのまま寝た。
翌朝目覚めたハヤテは驚きはしたが、「甘えん坊だなあ」と思っただけだった。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回、ある事件が!?
では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月24日更新再開) ( No.4 )
日時: 2014/06/24 19:06
名前: 壊れたラジオ

どうも、壊れたラジオです。

更新再開を首を長くして待ってました。
第三部の初っ端はシラヌイですか。ほのぼのとした始まり方で和みました。

ライオンとか虎とかは2〜3ヶ月くらいは断食(と言うか獲物が捕らえられない)しても大丈夫だそうですが、イエネコはどうなんでしょうね。
とはいえ、ハヤテの作った食事しかとらないとは何たる執着心……
ま、それはアテネも同じか。
(猫と同レベルって……威厳(笑)と言われても仕方がない気が……)


お風呂に関してはもう突っ込まない事にします。
キリがないんで。

あとずっと気になっていたことがあるんですが、ここでのハヤテは『男らしい体つき』と言う表現が出てきていましたが、身長とか体重はどんなもんなんでしょうか。
神尾崎さんが175pと言うモデルのような高身長なので、その隣にいても違和感ないくらいの身長なんですかね。

個人的な期待としては、180p後半から190p前半くらいの高身長だといいなあと思ってます。
イメージとしては原作のイクサ兄さんみたいにハヤテが成長した姿をイメージして持っています。

とはいえ、只の期待なので構想にぶつからない事を祈りますが……


あ、次からこちらの『疾風の狩人』の登場人物を連れてきても構いませんか?
駄目なら駄目で諦めますが……。


では、次の更新を首を長くして待ってます。



###############################################
このあとに書かれていた追伸の内容が
感想と呼べる範囲を超えたレス催促にあたると
判断しましたので、管理人権限で削除しました
###############################################
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月27日更新) ( No.5 )
日時: 2014/06/27 16:04
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新からです。


 ●壊れたラジオさん

 >>どうも、壊れたラジオです。

 アテネ「感想ありがとうございます」

 >>更新再開を首を長くして待ってました。

 お待たせしてしまってすみませんでした。充電が必要な気がして、休んでたんですよ。

 >>第三部の初っ端はシラヌイですか。ほのぼのとした始まり方で和みました。

 ハヤテ「それは良かったです。やっぱり可愛いですもんね♪シラヌイは」
 アテネ「(ハヤテのバカ)」

 >>ライオンとか虎とかは2〜3ヶ月くらいは断食(と言うか獲物が捕らえられない)しても大丈夫だそうですが、イエネコはどうなんでしょうね。

 それは分かりませんね。でも、ほんの数日ぐらいなら大丈夫だと思いますよ。

 >>とはいえ、ハヤテの作った食事しかとらないとは何たる執着心……

 メイド長「シラヌイの場合、ハヤテ坊ちゃん以外に懐いている様子はありませんからね。つまり、それほどまでにハヤテ坊ちゃんが好きなんでしょうね」

 >>ま、それはアテネも同じか。

 アテネ「そ、そんな事ありませんわ」
 悠太「よく言うよ。前に俺が行った時は食べなかったじゃねえか」

 >>(猫と同レベルって……威厳(笑)と言われても仕方がない気が……)

 アテネ「だ、黙りなさい!!!!!威厳は原作通りですわ」
 ナギ「何処がだよ。いwwげwwんwwwとも言われてただろ」

 >>お風呂に関してはもう突っ込まない事にします。
  キリがないんで。

 ハヤテ「いやいや。ツッコンでくださいよ。僕だって照れ臭いんですからね」
 アテネ「関係ありませんわ♪」

 >>あとずっと気になっていたことがあるんですが、ここでのハヤテは『男らしい体つき』と言う表現が出てきていましたが、身長とか体重はどんなもんなんでしょうか。
  神尾崎さんが175pと言うモデルのような高身長なので、その隣にいても違和感ないくらいの身長なんですかね。

 その事ですが、ここでのハヤテは前に言ったと思いますが、女装よりもかっこいい服が似合う大人の男に成長しています。つまり、きつい修行を10年以上続けているので、身長も原作より高いですよ。体重は筋肉などで重いですが。

 >>個人的な期待としては、180p後半から190p前半くらいの高身長だといいなあと思ってます。
  イメージとしては原作のイクサ兄さんみたいにハヤテが成長した姿をイメージして持っています。

 イメージはどうかは分かりませんが、180cmの悠太より少しだけ低い178cmぐらいです。

 >>とはいえ、只の期待なので構想にぶつからない事を祈りますが……

 まあ、実は言うと、「大人の男に成長したハヤテ」ってだけ考えていたので、細かい構想を練って無かったんですよね。なので、自由に思ってもらってもいいですよ。

 >>あ、次からこちらの『疾風の狩人』の登場人物を連れてきても構いませんか?
  駄目なら駄目で諦めますが……。

 別にかまいませんよ。ただ、感想になってない場合は、通報されちゃいますからご用心を。

 >>では、次の更新を首を長くして待ってます。

 ありがとうございます。頑張ります。

 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月27日更新) ( No.6 )
日時: 2014/06/27 16:11
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み平和な天王州家。


アテネは朝食後のティーブレイクをしていた。

「そう言えば、明日から学校だね」
「そうですわね」

するとハヤテはアテネの声色に違和感を感じ

「どうしたの?楽しみじゃないの?」
「そ、そんな事、ありませんわ」

実際、学校へ行けば綾子や麗、ナギに会うため、アテネとしては面白くないのである。

「まあ、僕は楽しみだよ」
「そうですか」

ハヤテとしては「クラスメイトと久しぶりに会える」と言う意味で言ったのだが、アテネは別の意味で受け取ったようで、少しだけ機嫌が悪くなった。
まあ、ハヤテは気付かないが。

話が終わった頃合いに部屋の外が騒がしくなった。

「なんだろう」
「さあ?様子から察するに、来客じゃないんですの?」

ハヤテはすぐにドアを開け、直ぐ傍を通った使用人を呼び止め、何があったのかを尋ねた。

「瑞希様がいらしたんです。なので我々一同でお出迎えです。もう行かなければなりませんので、失礼します」

そう言って使用人は走って行ってしまった。

「瑞希さん、どうしたんだろう?」
「さあ?何か事情がありそうですわね」

ちなみに、瑞希さんは旅行の時はハヤテ達より先に帰ってました。


                   × ×


瑞希さんは屋敷に来るとすぐにアテネ達が居る居間に来て座った。

「アテネ、ハヤテ君。お主たちに大切で、急ぎの話があるんじゃ」

いつも通りの綺麗で遅めの口調でそう言われ、ハヤテもアテネも身構えた。そしてハヤテは飲みやすい温度の紅茶を出した。
瑞希さんは紅茶を1口飲むと、懐から1枚の紙を取り出した。

「これを見ておくれ」

ハヤテとアテネが覗き込むと、そこには

No.1 神尾崎綾子
No.2 時任麗
No.3 ???
No.4 天王州アテネ

とだけ書かれていた。

「お婆様、なんですの?このリストみたいのは」

聞かれた瑞希さんは紅茶を1口飲み、少しの間黙った後

「これはの、「ハヤテ君の婚約者候補」のリストなんじゃ」

そう言われた2人は当然暫くの間思考が追い付かず、黙り込んだ。
そしてようやく整理できたアテネが

「な、なんですの。その婚約者候補って」
「そのままの意味じゃよ。ハヤテ君に婚約できる候補者じゃ」

ハヤテはただただ驚くばかりで何も言えなかった。

「お、お婆様。これは冗談ですよね?」
「残念な事に、本当の話じゃ。しかもこれは法的拘束力のある本物じゃ」

実際、そんな物があるかどうかは不明ですが、ここではある事にしておいてください。

ここにきてハヤテも頭の中を整理でき

「ま、待ってくださいよ」
「なんじゃ?」
「皆さんそれなりに権力のある財閥じゃないですか。僕みたいなどこまで遡っても一般の出身の僕が候補者を立てられる訳ないじゃないですか」

アテネはそれは同感だった。

「そう、じゃな。じゃがな、神尾崎家とその傘下のグループがその権力を使い、黙らせたそうじゃ。じゃから、この候補者リストには法的拘束力があるんじゃ。じゃから、むやみに取り消しは出来んのじゃ」

アテネは血が出そうなほど歯を食いしばり

「(神尾崎綾子。何を考えているんですの。憎らしい。しかもしっかり自分を候補者No.1に設定するとは)」

アテネの心境を察したのか、瑞希さんは

「候補者の情報が私の元に来てすぐに、私はアテネを候補者に名乗りを上げさせた。じゃが、少し遅かった様じゃ。アテネはかなり不利なNo.4になってしもうた」

アテネの中にある予感が浮かんだ。
瑞希さんはそれも察したようで。

「恐らくじゃが、神尾崎家が意図的に私らの元にくる情報を遅らせたんじゃろう。じゃから、こうなったのじゃろうな。根拠も証拠もないがの」

アテネは遂に泣き出してしまった。

「あの瑞希さん」
「なんじゃ?」
「これってやっぱり無しに出来ないですよね?僕はあくまでも財閥の使用人長ってだけを理由に」

アテネは僅かに反応したが、瑞希さんを首を横に振り

「それは出来ん。勿論私もそれは考えた。じゃが、幾ら天王州家が権力のある財閥とは言え、強い法的拘束力があるこの婚約は無しに出来ん。勿論、繰り上げなどものお」

ハヤテもアテネもこれ以上の反論は見付からなかった。

「大丈夫じゃよ。あくまでもこれは候補ってなだけじゃ。ハヤテ君がアテネを選べば万時解決じゃ」
「で、ですがお婆様」
「そうじゃな。上3人を納得させねば結婚などを阻止されてしまうがの。でも大丈夫だと、私は信じるよ」

アテネは僅かばかり希望が出てきた。

「それより気になってるんですが」
「なんじゃ?」
「このNo.3って誰なんですか?名前が書いてませんが」
「そうですわね。名乗りを上げておいて、名を伏せるなどおかしな話ですわ」

瑞希さんはまた少し間を開け

「私も不思議に思ったのじゃ。じゃがの、「本人の意向で内密にしたい」と言われたのじゃ。調べたのじゃが、情報が規制されておって分からなかったのじゃ」

アテネもハヤテも首を傾げるばかりだった。

「推測にすぎぬが、情報を規制でき、候補者に名を連ねる事が出来ると言う事は、それなりの権力を持つ財閥じゃろう。でなければ説明できんからのお」

こればかりはアテネもハヤテも同意見だった。


                     × ×


色々あった日も終わり、夜。

「ハヤテ、貴方は私の元から居なくなりませんよね」

既に泣いているアテネをハヤテは頭を撫でて宥め、

「大丈夫だよ。僕は居なくならないよ。約束したでしょ?」
「そうですわね。ですが」
「大丈夫だから。信じてよ」
「分かりましたわ」

そう言うと、アテネは涙をふき、眠りについた。
ちなみに、今はベッドの上です。勿論?アテネとハヤテは一緒に寝てます。

「(やれやれ。神尾崎さんはなんであんな事を?権力を利用すると言う危ない橋を渡ってまで)」

暫く考えたものの、答えは出なかった。

「(考えても仕方ないか。多分聞いても教えてくれないだろうしね)」

そう結論付け、

「(でも、明日学校へ行ったら大変だろうな。それだけは不安だよ)」

不安に思いつつもハヤテも眠りについた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は続きです。
では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月27日更新) ( No.7 )
日時: 2014/06/28 14:13
名前: ささ

ささです。
まさに事件ですね。これは早速白皇内で号外を…(例の三バカ・雪路(報酬;ピンドン(予定))に命じよう。♪)
綾子が休みにハヤテとのイチャイチャを我慢してまで企んだのはこのことか。(笑)
なるほど、フラグ一級建築士が鈍感(high)があるとこうなるのか。(原作よりもヒドいのでは?)
もしかしてこのNo.3の人が…

というより、これって女性陣を拘束するもんだよね。(意味あるの?)
スキンシップは元から綾子の専売特許では?
ヤバい、アテネのオーラが怖い…
ハヤテ、後は頼む!

これにて。(ピュー)
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月27日更新) ( No.8 )
日時: 2014/06/28 15:15
名前: 壊れたラジオ

どうもこんにちは、壊れたラジオです。
先日はご迷惑をおかけしました。

今度からは節度を守って、ちゃんとした感想を書こうと思います。
失礼しました。







今回はこちらのキャラを連れてきました。

ハ「どうも、ハンターをやってるこちらの世界のハヤテです。前回はアホな作者がご迷惑をおかけしました。」

ハ「今回は僕だけですが、さっそく感想を言わせていただきたいと思います。」






ハ「この世界の僕はすっごい人に好かれてますねぇ……同じ人間としては誇らしいですが、少しうらやましいですね。スペックもとんでもないですし。」

ハ「ですが、いきなり婚約者とは……この世界の僕はすごく周りの人から信用されているんですね〜。そうなれるように頑張りたいです。でも立派なのはいいけど、アーたんの前でみんなに会えるからうれしいなんて事言っちゃダメでしょ。この話の内容からして、また大変な事態になる事は避けられそうにないですね……」

ハ「でもリスト化されるってことは、結構な人数が軒を連ねているんでしょうか……何人くらいなんでしょうね。そんなに人に好かれていない僕からすればうらやましい境遇ですね♪僕だったら……やっぱり小さいころからの誓いを守りますが……この世界の僕はどんな決断を下すのか、楽しみですね。」







ハ「では、失礼しました。」















こちらのハヤテくんでした。
私個人としては、夜にアテネを慰めるハヤテくんがツボでした。

すっかり泣き虫になってしまったアテネは、原作や冒頭の一人でいられる強さと引き換えに誰かと共に過ごせる幸せと弱さを手に入れたんでしょうか。



このまま幸せになって欲しいですね。
しかしそのためには、ハヤテがそばを離れてはいけないのであって……?








次を楽しみにしています。
では………










[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月27日更新) ( No.9 )
日時: 2014/06/30 18:31
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 アテネ「感想ありがとうございます♪」

 >>まさに事件ですね。これは早速白皇内で号外を…(例の三バカ・雪路(報酬;ピンドン(予定))に命じよう。♪)

 ハヤテ「止めてください。唯でさえ大変なのに」
 アテネ「ですわね。まあ、桂先生はやらないでしょうね。報いを受けると分かってるはずですから」

 >>綾子が休みにハヤテとのイチャイチャを我慢してまで企んだのはこのことか。(笑)

 綾子「勿論ですわ♪本当はハヤテ様と旅行先でイチャイチャとをしたかったのですが、我慢しましたわ」

 >>なるほど、フラグ一級建築士が鈍感(high)があるとこうなるのか。(原作よりもヒドいのでは?)

 はい、そうですね。ここでのハヤテは原作より色々と成長しているので、こうなってるのです。

 >>もしかしてこのNo.3の人が…

 No.3の人に関しては物語が進めば明かします。なので、今は内緒で。

 >>というより、これって女性陣を拘束するもんだよね。(意味あるの?)

 綾子「ありますわ。こうすれば、余計な害虫がよってきませんから」
 麗「有利になる。ってのもあるわよ」

 >>スキンシップは元から綾子の専売特許では?

 一応言いますが、アテネもしてますよ。

 綾子「フフフ♪私以外の人にはさせないでくださいね」

 >>ヤバい、アテネのオーラが怖い…

 アテネ「・・・」←無言で刀を持ってる。

 >>ハヤテ、後は頼む!

 ハヤテ「そ、そんな無茶な。精一杯はやりますが」

 >>これにて。(ピュー)

 アテネ「あらあら♪逃がすとでも♪」
 ハヤテ「止めてね」

 ま、まあ。感想ありがとうです〜♪










 ●壊れたラジオさん

 >>どうもこんにちは、壊れたラジオです。

 悠太「感想ありがとな」

 >>先日はご迷惑をおかけしました。

  今度からは節度を守って、ちゃんとした感想を書こうと思います。
  失礼しました。

 そこまで言われると、こちらも恐縮しちゃいますね。通報されると言う事は、いただいたこちらも気分悪い物で。

 >>今回はこちらのキャラを連れてきました。

 アテネ「誰ですの?」←期待してる

 >>ハ「どうも、ハンターをやってるこちらの世界のハヤテです。前回はアホな作者がご迷惑をおかけしました。」

 いや、そんなことは。

 >>ハ「今回は僕だけですが、さっそく感想を言わせていただきたいと思います。」

 はい、ありがとうございます。

 >>ハ「この世界の僕はすっごい人に好かれてますねぇ……同じ人間としては誇らしいですが、少しうらやましいですね。スペックもとんでもないですし。」

 悠太「よく言うよ。そっちのお前も化け物クラスじゃねえか」

 >>ハ「ですが、いきなり婚約者とは……この世界の僕はすごく周りの人から信用されているんですね〜。そうなれるように頑張りたいです。でも立派なのはいいけど、アーたんの前でみんなに会えるからうれしいなんて事言っちゃダメでしょ。この話の内容からして、また大変な事態になる事は避けられそうにないですね……」


 悠太「そっちにハヤテも相変わらずか。ある意味では安心だが」

 ハヤテ「僕としては、悠太を含めたクラスの友達と会えるから嬉しいと言っただけなんですが」
 色々大変なのは、今までと変わらず、ですよ。

 >>ハ「でもリスト化されるってことは、結構な人数が軒を連ねているんでしょうか……何人くらいなんでしょうね。そんなに人に好かれていない僕からすればうらやましい境遇ですね♪僕だったら……やっぱり小さいころからの誓いを守りますが……この世界の僕はどんな決断を下すのか、楽しみですね。」

 現時点では、4人までですよ。この先増えるかもしれませんが。

 ハヤテの決断はずーっと先です。

 >>ハ「では、失礼しました。」

 アテネ「フフ♪ハーヤテ♪」←向こうのハヤテに会えて、機嫌が良くなってる。

 >>こちらのハヤテくんでした。
  私個人としては、夜にアテネを慰めるハヤテくんがツボでした。

 それは良かったです。このシーンを入れたかいがありました。

 >>すっかり泣き虫になってしまったアテネは、原作や冒頭の一人でいられる強さと引き換えに誰かと共に過ごせる幸せと弱さを手に入れたんでしょうか。

 アテネに関しては、色々とすみません。ですが、原作でも10年前のアテネはハヤテが居ないと寂しがってましたよね?ここではそれが濃縮されてるだけなんですよね。

 >>このまま幸せになって欲しいですね。
  しかしそのためには、ハヤテがそばを離れてはいけないのであって……?

 それについては言えませんね。内緒が多くてすみません。

 >>次を楽しみにしています。
  では………

 ありがとうございます、精一杯頑張ります。

 感想ありがとうです〜♪

 
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月30日更新) ( No.10 )
日時: 2014/06/30 18:35
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、瑞希さんの知らせでハヤテに婚約者候補が出来たことが判明した。


衝撃の事実が知らされた翌日。

「アーたん朝だよ」
「眠いですわ〜」

そう言って二度寝しようとしたアテネに

「駄目だよ。今日から学校でしょ?」
「うう〜ん」

そう、連休は昨日で終わり、本日から学校なのだ。

「眠いですわ〜」

一向におきそうにないアテネにハヤテは

「もう、しょうがないなあ」

そう言うと、アテネにキスした(勿論口に)。

「ハ、ハヤテ!?////////////////////////////」
「あ、起きたね」

覚醒直後にキスされた事で、アテネは真っ赤だった。

「着替えたら、食堂に来てね」

少しだけ意地悪そうにそう言うと、ハヤテは寝室を出て行った。

「ハヤテのバーーーカ/////////////////////////」

ハヤテに聞こえたかは定かではないが、照れ隠しにアテネは叫んだ。


                   × ×


いつも通り、使用人の見送りを受けた後、2人は学校へ向かっていた。

「連休も良かったけど、学校もいいね」
「そう、ですわね」

アテネとしたら、綾子をはじめとする余計なのに会うため、気は進まなかったが、理由も無いのに休む訳にはいかないので、渋々登校していた。

暫く歩くと、

「ハヤテ、天王州、おはよ」

振り向くと、悠太とナギが居た。

「おはよ、悠太。ナギさんも、おはようございます」
「あ、ああ/////////////////////////////////」

ナギは朝からハヤテに会えた事で、少しだけ照れていた。

「(ハヤテは朝からかっこいいな。ダルイ連休明けなのに、登校してよかったのだ)」

ナギは密かにこう思っていたそうだ。

その後は世間話をしながら4人で登校した。


                    × ×


教室についた4人は自分の席に着き、授業の準備をしていた。
すると

「ハ〜ヤ〜テ〜様♪」

もはや恒例となった綾子がハヤテに抱きついてきた。

「か、神尾崎さん」
「連休会えなくて、寂しかったですわ〜」

そう言うと、綾子はハヤテに大人のキスをした。

「な、何をしてるんですの〜〜!!!!!」
「朝からうるさい事」

アテネは怒っていたが、綾子は特別に気にしていない様だった。
そしてアテネを無視し

「ハヤテ様〜♪」

子猫の様に甘え始めた。

「離れなさい!!!」
「そうだぞ!!!!!!!」

ナギが不機嫌全開で、綾子に文句を言い始めた。

「そんなうらやm---けしからん事許せんぞ!!!朝ぱらの学校で抱きついたり、キ、キスするなんてうらやm---けしからんぞ!!!!!」

ハヤテからすれば、ナギがここまで怒っている理由は分からなかったが、理由などは効かない方がいいと本能的に悟った。

「今ばかりは三千院さんに同感ですわ!!!!離れなさい!!!!!」

怒り狂うアテネに綾子は勝ち誇ったような顔で

「フンッ。No.4の貴方が、No.1の私に偉そうな事を言わないでほしいですわね」

アテネは何とか反論しようと言葉を模索したものの、中々見つからなかった。

そんな中、当然綾子の言葉を理解出来ないクラスの面々は静まり返り、誰もが意味が気になりだした。

「な、なあハヤテ」

悠太は僅かだけ勇気を出して聞く事にした。

「神尾崎の言ったNo.1とか、No.4ってどんな意味なんだ?まさか成績じゃねえだろうし」

ハヤテは悩んだ。この場で真実を言えば、大混乱になると本能が訴えていた。
だが、余計な憶測や噂が広まる前に真実を話すべきだとも本能が訴えていた。

1分ほど悩んだ末、真実を話す事にした。

当然と言えば当然で、ハヤテが話した真実でクラスは更に静かになった。

「な、なんだそりゃ。そんなの-----出来ても不思議はねえか」

悠太は無理やり納得していたが、ナギは違った。

「(ハヤテに婚約者!?そ、そんな。じゃあ今まで私が「ハヤテの為に」努力してきた事は何だったのだ!?)」

静かになったナギを悠太は心配したが、今は声をかけない方が正解だと悟っていたため、何も言わなかった。
そのナギは今自分がすべき事を必死で模索していた。

「諦める」べきなのか、それとも。なのかを

そして

「おい悠太、帰るぞ!!!!!!」
「は!?来たばかり、なのにか?」
「良いから帰るぞ!!!!!」

鞄を持って教室を出て行ったナギに悠太は少し悩んだが、自身もカバンを持って追いかけた。

「お、おいどうしたんだよ」
「決まってるだろ。私もハヤテの婚約者候補に名乗りを上げるんだよ」

悠太は「ああ、なるほど」と、ナギの行動を理解した。

「こう言う事は本人が居ないと色々とめんどくさい。だから少しでも早く名乗りを上げるために、帰ると言ったんだよ」
「分かったよ。でも、帰る前にマリアさんに電話しておいた方がいいんじゃねえか?出かける準備とかしておいてもらうために」
「あ、そうか」

ナギはすぐに携帯を取り出し、マリアさんに電話を掛けた。

電話を受けた後マリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギに嘘を言って候補者にリストアップされてないのに、されたと嘘を言おうかしら♪それとも、ナギでは出来ないと言おうかしら♪どちらにしろナギの悲しむ顔が♪ああ♪)」

こんな事を考えてました。


                     × ×


色々あり、放課後。

「(そう言えば、ナギさんも悠太も戻ってこなかったな。僕、ナギさんの機嫌を損なう様な事言ったかな?)」

両腕にアテネと綾子、背中に麗に抱きつかれ、困りながらもハヤテなりにナギと悠太が帰った理由を考えていた。

しかし

「(分かんないや。そ、それより、今はこっちをどうするか考えないと)」

相変わらず綾子とアテネは喧嘩しており、今回ばかりは麗も参戦していた。

「ハヤテ様、今日は家に泊ってくださいな♪大歓迎しますわ♪」
「何言ってるのよ。家に来なよ」

自分の家に誘う2人にアテネは

「そ、そんなの許しませんわーーーー」

大声を上げたが、

「アテネ、うるさいわよ。別にいいじゃない。普段からイチャイチャしてるんだから、今日ぐらい」
「フンッ何を。私は連休中ハヤテ様に会えなかったんですのよ。イチャイチャする権利は私にありますわ」

激しく口論する3人にハヤテは溜息しか出なかった。

「(やれやれ。仲良くするって選択肢は無いのかな)」

とは考えたが、

「(無理か。出来る事なら仲良くしてほしいけど)」

ハヤテのこの願いは永遠に敵わないだろう。



ちなみに、ナギは無事にハヤテの婚約者候補No.5になる事が出来ました。


更にちなみに、無事に出来た事でマリアさんは

「(つまんねえなクソが。あのクソジジイ(帝)が。少しはナギを悲しませろよ。コレクションが増えねえじゃねえか。使えねえクソが)」

とか思ったそうだ。





----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回、あの人登場。
では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (6月30日更新) ( No.11 )
日時: 2014/07/02 17:02
名前: ささ

ささです。
なんとか傷一つなく生き延びました。ハヤテありがとう!
マリアさん、これからナギはよりいっそう花嫁修業に取り組みますよ。
ということは煽りに煽って崖からつきおとす勢いで落胆させれば…。
帝の行為も無にならないでしょう。
この三人がハヤテがらみで仲良くするのは、某サッカーくじで6億当てるよりも遥かに難しいのだろうな。
罪なやっちゃ。



[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月3日更新) ( No.12 )
日時: 2014/07/03 15:39
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 綾子「感想ありがとうございます♪」

 >>なんとか傷一つなく生き延びました。ハヤテありがとう!

 ハヤテ「抑えるのは大変でしたよ。機嫌取りも」
 アテネ「・・・」

 >>マリアさん、これからナギはよりいっそう花嫁修業に取り組みますよ。

 マリア「でしょうね〜♪フフ♪」

 >>ということは煽りに煽って崖からつきおとす勢いで落胆させれば…。

 マリア「ああ、成程♪それはそれは面白い事になりますね〜♪ああ♪」
 悠太「・・・」
 クラウス「・・・」

 >>帝の行為も無にならないでしょう。

 帝「止めてくれ。結構大変じゃったんだぞ」

 >>この三人がハヤテがらみで仲良くするのは、某サッカーくじで6億当てるよりも遥かに難しいのだろうな。

 悠太「だろうな。やれやれ」

 一応補足しますが、アテネと麗は幼馴染なので、ハヤテが係わらなければ、仲は良いですよ。

 >>罪なやっちゃ。

 悠太「全くだよ。いつか死ぬぜ、ハヤテ」
 ハヤテ「ぼ、僕のせい?」


 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月3日更新) ( No.13 )
日時: 2014/07/03 15:42
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み平和そのものの天王州家。


現在、天王州家の門の前ではある人物が立っていた。そしてその人物は少し悩んだ末、呼び鈴を鳴らした。


                     × ×


場所は少し変わり、天王州家の居間。
アテネはいつも通り、食後のティーブレイクをしていた。

「今日は学校も無いですし、良い日になりそうですわね」
「え!?あ、うん」

昨日のアテネはハヤテに異様に甘えたり、学校の話題を出すと不機嫌になったりしたため、ハヤテとしてはアテネの方から学校の話題が出て身構えていた。

「なんですの?」
「あ、何でもない」

声のトーンでアテネの機嫌は良い事を察知し、ハヤテはすぐにでも安心できた。

「確かに今日は良い日になりそうだね。根拠は無いけど」
「フフ♪そうですわね」

2人が話していると、ドアがノックされ、

「ハヤテ坊ちゃん、お客様です」
「僕に?誰だろ」

メイド長が居間に客人を通した。

「お久しぶりね、ハヤテ君」
「あ、貴方」

客人にアテネが驚く一方ハヤテは違い

「ソニアさん、どうしたんですか?急に」

そう、客人はソニア・シャフルナーズ。通称シスターだ。

「今日は大事な話があって来たの」
「な、なんでしょう」

ソニアは少しだけ間をおき

「私を、ここで雇ってほしいの」

その言葉を聞いた瞬間、アテネもハヤテも沈黙した。

「ど、どういう事ですの、それ」
「えっと、メイドさんをここでするって事ですよね?」

2人の質問にソニアはまた少し間を開け

「そうね。正確には「アテネお嬢様の専属メイド」になりたいってところかしら」

ソニアの宣言にアテネは睨みつけるかのような鋭い目つきになり

「なぜ、ですの?」
「お金が無くなってきたからよ。ここを選んだ理由は、何かと世話にもなったから。かしらね」

アテネからの殺気を特に気にせず、ソニアは淡々と答えていた。

「別に貴方ほどの方ならば、態々私のメイドになる必要はないのではなくて?雇ってくれる所は沢山あるはずですわ」
「そうね。でも、安全かつ効率的に稼げると思ったから、お願いに来たのよ」

ソニアは間を開けずに

「お願いよ。私をここで雇って」
「嫌ですわ」

アテネは食いぎみに断った。

「な、何でよ」
「貴方からは危険な匂いが満載だからですわ」

当たり前のように言うアテネにソニアは

「(相変わらず鋭いわね。でも、ここで簡単に諦めたら、何のためにここまで来たのか分からないわ)」

そう思い、

「お願いよ。ここがいいの」
「だから」

また反論しようとしたアテネにハヤテが制止し

「ソニアさん、いくつかの質問に答えてもらえますか?」
「え!?良いけど」

ハヤテは深呼吸をし

「ソニアさん、貴方は誰かに雇われてアーたんの命を狙ってますか?」
「違うわ。誰にも雇われてないわ」
「メイドをしたい。それは貴方の心からの声ですか?」
「勿論よ」
「大変な仕事だけど、逃げたり投げたりしませんか?」
「しないわ」

ハヤテは鋭めの眼をソニアに暫くの間向けた後笑みを浮かべ

「嘘はついてないみたいですね」
「・・・」
「アーたん、ここまで言ってくれてるし、雇ってあげようよ」

ハヤテの言葉にソニアは驚きつつも喜び、アテネは驚きのみであった。

「な、何でですの?」
「特に理由は無いよ。雇ってほしいって言ってるし、「命を狙う」って事はしないって言葉に嘘も無かった。だからかな」

ハヤテの言葉にアテネは震えていた。

「大丈夫。何かあったら僕が責任取るよ。だから、ね」

ハヤテのこの言葉にアテネは悩み

「分かりましたわよ。使用人に関しては「天王州家使用人長」である貴方の責任ですものね。任せますわ」
「じゃ、じゃあ」
「雇ってあげますわよ。ハヤテに感謝なさい」

ソニアは嬉しそうに笑みを浮かべ、感謝を述べた。


                    × ×


ソニアはその日の内にハヤテにメイド服を繕ってもらい、部屋も与えられた。
そして早速仕事に取り掛かる事になった。

「えっと、ここはこうしてっと」

ソニアの教育係もする事になったハヤテはソニアの手際を見て

「へ〜。良い手際ですね。仕事も完璧ですし」
「まあね」

ハヤテに褒められたことで、ソニアは照れつつ

「(勉強した甲斐があったわね。ハヤテ君に褒められたもの)」

こっそり笑みを受けべ仕事を続けた。

「アテネお嬢様、お味はどうですか?」

アテネの昼食はソニアが作っていた。

「悪くはありませんわね」

そう言いつつ食べ終わると

「ただ、ハヤテの方が何倍も美味しいですわ」

そう言うと、機嫌悪そうに食堂を出て行った。

「あ、あのハヤテさん」
「あの場合、ほおっておくのが正解ですよ。下手な刺激は逆効果ですから」

ハヤテは長年の付き合いで、アテネの機嫌取りの方法を大体で熟知していた。

「それより、僕達も昼食にしましょ」
「あ、はい」

ハヤテとソニアの昼食もソニアが作り

「あ、美味しいですね」

ハヤテはソニアが作った料理を素直に褒めていた。

「ほ、本当?」
「本当ですよ。ソニアさんって料理もお上手だったんですね」
「え、ええ//////////////////////////」

褒め言葉と笑顔にソニアは真っ赤になった。

「これなら良いお嫁さんになれますよ」
「//////////////////////////////」
「あ、お世辞じゃありませんよ」

ハヤテとしては普段通りの褒め言葉であったが、ハヤテに好意を持つソニアには効果は抜群であった。


                      × ×


そして夜。

夕食もソニアが作り、機嫌の悪いアテネは一足先に寝室に行っていた。

「ソニアさん、どうでしたか、メイドの仕事は」
「思ったりより大変ね。でも、やり応えがあるわ」

現在2人はキッチンで2人きりで話していた。

「ソニアさん、これからも大変でしょうが、頑張ってください」
「え、ええ///////////////////////////」

ソニアはハヤテの笑顔に照れつつある決意を固めた。

「ハヤテさん、私がここに来たのはある理由があるからなの」
「え!?」

首を傾げるハヤテにソニアは

「実は言うと、お金には困ってないの。馬鹿な事しない限りはかなり長い事もつ蓄えはあるわ」
「じゃ、じゃあどうして」

ハヤテの質問に、ソニアは少し間を開け

「ゴールデンウイークに実家に帰った時、私はある計画を実行に移そうとしたの。でも、それは失敗に終わった」
「・・・」
「その時に言われたの。「金の力に頼るのは情けない」って」

ハヤテは何の事か分からないものの、黙って聞く事にした。

「そしてこうも言われたわ。「プライドを捨てれば、方法はある」と」
「そ、ソニアさん!?」
「私ね、貴方が好き。どうしようもないほどに、好きなの」

ハヤテは驚くばかりで言葉が出なかった。

「私はお金をたくさん手に入れて、貴方に近付くチャンスを作ろうと思ったの。でも、それは情けないと言われ、プライドを捨てろとも言われたの」

ソニアは間を開け

「私はその日以来必死で考えたの。どうすれば、貴方に私の魅力を伝えるチャンスを作るかを」
「ま、まさか」
「そして、ある名案が浮かんだの。「天王州さんのメイドになればいいんだ」とね。そうすれば、形はどうあれハヤテ君と暮らす事も出来るし、チャンスだってたくさん出来る。だからこそ、「雇ってください」ってお願いに来たのよ」

ここまで一気に言うと、呼吸を整え

「正直言うと、あの人に忠誠を誓うのは嫌だったわ。でも、そのプライドはくだらないって思ったの。大事にするべきプライドは「ハヤテ君を手に入れることへのプライド」だけだってね」
「そ、ソニアさん」
「私の気持ちは本気よ。何なら証拠を見せるわ」

そう言うと、ソニアはハヤテにキスした(口に)。

「これが証拠よ。一応言うと、ファーストキスよ」

ハヤテはただただ驚くばかりだった。

「覚悟しておいてね。貴方を狙う事に関してはプライドなんかないから。卑怯な手段を取らないけど、出来る限りの手には出るからね」

そう言うと、キッチンを出て行った。


「やれやれ。ハヤテ坊ちゃんは、本当に罪な人ですね。これから先、大変でしょうね」

陰ながら見ていたメイド長は溜息をついた。


ちなみに、「これから先は大変だろうな」と言う事は、ハヤテも思っていた。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

シスターファンの方々には「なんか違う」って思った方も居るかもしれませんが、すみません。

ちなみに、シスターのメイド服姿は各自ご想像ください」

次回はあの人登場です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月6日更新) ( No.14 )
日時: 2014/07/06 15:17
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここはこの小説でも原作でも殆ど出ていない春風家。


千桜の両親は連休明けに娘に対しこんな事を言い出した。

「海外赴任?急に?」
「そ。海外で仕事をする事になったんだ」
「父さんと母さんの2人でね」

千桜は突然の事に驚きと呆れが混じりつつ

「急な事に関しては、突っ込まない事にしておいて、どんな仕事するんだよ」

聞かれた父親は少し嬉しそうに

「父さんの友人に、やり手の企業家が居てね、そいつと一緒にハワイでモツ鍋屋を開く事にしたんだ」

父親の言葉に呆れ過ぎて暫く黙りこみ

「ハワイでモツ鍋屋って。大丈夫なのか?大失敗の匂い以外はしないが」
「大丈夫だって。確かにそいつは何度も企業を失敗しているが、そのたびにまた企業する凄い奴なのさ」

千桜には呆れ以外無くなり

「本当にすごい奴なら、企業を何度も失敗しないって。それくらい気付けって」

千桜の言葉は父親の耳には殆ど届かない様で

「根拠は全くないが、賭けてみようと思うだ。人生をね」
「訳の分からんもんに大事な人生かけるなー!!!!!!!」

千桜の怒りは遂に爆発したが、

「大丈夫よ。女の勘がハワイでモツ鍋屋は成功するって言ってるわ」
「しないって!!!!!勘という不確かな物に頼るなー!!!!!!」
「何言ってるのよ。「人生はギャンブルだ」って言うでしょ」
「言うかーー!!!!!!!!」

あまりの両親の駄目発言に千桜は遂に

「もういい!!!!そんな思い付きでしか行動しない2人が居る家なんて、出て行ってやる!!!!」


                    × ×


感情に任せて家出したものの、千桜は途方に暮れていた。

「(はあ。家出したは良いが、どうしよう)」

家出自体に後悔は無いものの、困っているのは事実であり。

「(咲夜さんに頼めば泊り込みを許してくれるだろうし、むやみに詮索はしてこないだろうけど、心配かけたくないしな)」

雇い主である咲夜には恩義があるので、余計な事は考えさせたくない様だ。

「(やれやれ。身近に頼れる人は居ないもんかね)」

そんな風に考えた瞬間、千桜の頭の中にはハヤテが出てきた。

「(って、何で君が出てくるんだよ!!!!そ、そりゃ確かに「頼れる人」と言う意味では適任だが)」

必死で否定しようとしたが、千桜の頭の中は「執事ハヤテにご奉仕してもらってる」と言う光景(妄想)に満たされていた。

「(で、でも。彼は天王州理事長の執事だし、第一住まわせてもらえるって事になったら、居候と言う肩身の狭い立場になるし)」

悩んではいたが、依然として「執事ハヤテに身の回りの世話をしてもらっている」という妄想は消えていなかった。

「(確かに、頼れる人は何故か他に思いつかないし、彼ならご主人様を説得したり、詮索を避けてくれそうだからな。ここはプライドは捨てるか)」


                     × ×


千桜は道中散々悩みつつも天王州家にたどり着き、呼び鈴を鳴らした。
すると、すぐにでも人が出てきた。

「どなたですか」
「え、えっと。私はここの主の天王州理事長と、執事の綾崎ハヤテ君の同級生で、用事があって来たのですが」

目の前のメイドさんは千桜を怪しみつつ

「ご案内しますので、ついて来てください」

千桜はメイドさんに案内され、アテネ達が居る居間に通された。

「アテネお嬢様、ハヤテさん、お客様です」
「お客?誰ですの?」

居間に入ってきた千桜を見てハヤテとアテネは

「確か、生徒会書記の春風さんでしたわね」
「どうしたんですか?」

どうしようか悩む千桜にアテネは椅子に座るように促し、ハヤテは

「ソニアさん、案内ありがとね」
「い、いえ////////////////」

補足しますが、千桜を案内したのはソニアです。

「要件を聞かせてもらえます?」
「く、詳しくは言えないけど、ここに居候させてもらいたいんです」

突然の事にハヤテと千桜以外は驚いていた。

「な、なぜですの?」
「確か、貴方にはそれなりのお金持ちの家があるはずですが」

言及するアテネとソニアであったが、ハヤテは

「まあまあ2人とも落ち着いて。あまり言いたくないって顔してるよ」

見抜かれた千桜は驚いていた。

「言いたくなったら言えば良いですよ。ね」
「あ、ああ//////////////////////////////」

一瞬千桜の顔が赤くなったのをアテネもソニアも見逃さなかった(ハヤテは見逃した)。

「お断り、ですわね」
「私も反対ですね」

断られた千桜は半ば覚悟していたとはいえ、ショックだったが

「まあまあ2人とも、そんな事言わないで」

擁護してくれたハヤテに対し、また一瞬顔が赤くなった。

「アーたんいつも言ってるじゃない。「困ってる人は助けなさい」って」
「う」
「ソニアさんも、困ってる人はほおっておけないでしょ?」
「そ、それは」

アテネは事実だけに言い返せず、ソニアも基本ハヤテの意見には従おうと思っていたので、反論できず

「見た限りじゃ千桜さんは「困っている人」だから、助けてあげようよ」
「しかし」
「部屋ならいっぱい余ってるでしょ?それともアーたんは今まで僕に言ってきた事を自分自身で否定するの?」

ここまで言われては、流石のアテネも折れるしかなく

「分かりましたわ。この屋敷にすむのを許可しますわ」
「い、良いんですか?」
「ええ。「お客様」として優遇しますわ」

千桜は喜んだ(何で嬉しいか分からずに)が

「ただし、理由はきちんと説明してもらいますわ。出来ないのであれば、幾ら愛しいハヤテの頼みとはいえ、断りますわ」
「わ、分かりました」
「それと、私に対して敬語の使用も禁止ですわ。私達は年齢は一緒なんですから」

千桜は悩んだが、

「わ、分かったよて------」
「名前で呼びなさい」
「了解だ、アテネ」

ここに一応は解決した。

するとハヤテが

「話す前に、お茶でも飲んで一息入れたらどうですか?」
「あ、ああ。すまんな」

千桜はハヤテが淹れてくれた紅茶を1口飲むと

「あ、美味しい」
「当然ですわ」

自慢げなアテネを半ば無視するように

「千桜さんお疲れなようなので、濃いめのミルクティーにしました」

千桜はバイトでメイドをしているので、ハヤテの有能さをすぐに見抜いた。
それと同時に、正体不明の猛烈な嬉しさが出てきた。

「(凄いな。表情を少し見ただけで、見抜くとは)」
「ハヤテ、あんまり気を使う必要はありませんわ」
「そうですよ」

アテネとソニアにそう言われ、一瞬落ち込んだが

「千桜さんはお客様だからいいじゃん」

ハヤテの擁護発言に胸が高まった。

「(な、何なんだ。さっきから綾崎君が擁護してくれるたびに込み上げてくる嬉しさと、高まる胸は何でなんだ)」

千桜は胸の高まりの正体に気付かない様だった。

落ち着いた頃、千桜は気になっていた事を聞く事にした。

「あ、あのさ。さっき「優遇してくれる」って言ったけど、具体的には何をしてくれるんだ」
「まあ、執事の僕が身の回りのお世話をするぐらいですね」
「具体的には?」

悩むハヤテに千桜は

「じゃ、じゃあさ。「肩を揉んだください」ってお願いしたら、してくれるのか?」
「「な!?」」

怒りだしそうなアテネとソニアにハヤテは気付かず

「良いですよ。では早速」
「ま、待て。冗談----」

冗談だと言う前に、ハヤテがマッサージを開始した。

「(こ、これは。何と言うか上手すぎる)」

アテネとソニアは殺気を向けていたが、気持ちよさに夢中で気付かなかった。

「(絶妙の力加減だし、そ、それに綾崎君、男の子なのになんていい匂いなんだ)」

気持ちよさに千桜の思考能力はどんどん削ぎ落とされていった。

「(こ、これは。こんな事毎日してもらえるなら、「居候」と言う肩身の狭い立場でも何も思わなくなる)」

未だ悩んでいた千桜の悩みは殆ど消え去ったようだ。

「(ハヤテったら。あのマッサージを受けて良いのは私だけですのに)」
「(クッ。羨ましすぎる。あのハヤテさんにあんなことしてもらって)」

アテネもソニアも考えている事は同じようだ。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は続きです。
では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月6日更新) ( No.15 )
日時: 2014/07/07 19:50
名前: ささ

ささです。
そりゃライバルが一つ屋根の下で暮らすなんて許せませんね。(想い人と)
折角のアドバンテージだというのに。
マッサージかぁ〜全くうらやm…けしからんなぁ〜。
ソニアにしろ千桜にしろことごとく女を連れ込むとは…(ナギに伝えようかな♪GW編並みにヒワイ色を強めて♪。マリアさん、協力してください。)
千桜さん、
三千院家は候補にならなかったの?(執事悠太に身の回りの世話をしてもらう)
春風両親
ハワイでモツ鍋なんて…常夏の島で鍋は流行らんらろうよ。(90%ほど)
宝くじと酒片手に生活する某教師並だな!(きっと宿直室でくしゃみをしているはず)

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月9日更新) ( No.16 )
日時: 2014/07/09 19:57
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 ソニア「感想ありがとうございます」

 >>そりゃライバルが一つ屋根の下で暮らすなんて許せませんね。(想い人と)

 ハヤテ「へ!?何の事ですか???」
 アテネ・ソニア「・・・」

 >>折角のアドバンテージだというのに。

 ソニア「そうですよ。プライドを捨てた意味が半減しちゃうじゃない」

 >>マッサージかぁ〜全くうらやm…けしからんなぁ〜。

 アテネ「全くですわ!!!!!」
 ソニア「私もしてもらいたいわよ!!!!!」
 ハヤテ「言ってくれればするのに」

 >>ソニアにしろ千桜にしろことごとく女を連れ込むとは…(ナギに伝えようかな♪GW編並みにヒワイ色を強めて♪。マリアさん、協力してください。)

 マリア「良いですね〜♪なんだったら、徹底的に捻じ曲げて」
 悠太「・・・止めてください。お嬢様、何をしでかすか分かりませんから」

 >>千桜さん、
  三千院家は候補にならなかったの?(執事悠太に身の回りの世話をしてもらう)

 千桜「た、確かにな。だがな、なぜか他の候補が全く出なかったんだ。何故か」

 悠太「(ハヤテ、お前ってやつは)」

 >>春風両親
  ハワイでモツ鍋なんて…常夏の島で鍋は流行らんらろうよ。(90%ほど)

 千桜父「いや、分からんぞ。海外では日本食が人気だと聞いた」
 千桜母「冒険する価値はあるんじゃない?」

 ナギ「無理だろ。その日本人でさえ好き嫌いが強めに分かれるのに」
 悠太「だよな。暖かい所で暖かい物。売れる予感はしねえな」

 >>宝くじと酒片手に生活する某教師並だな!(きっと宿直室でくしゃみをしているはず)

 その教師「誰か噂してるわね。まさか、「先生は可哀想だから、1兆円ほど寄付しようか」という噂かしら」
 教師の妹「そんなわけないでしょ。寝言は寝てるときにいなさい」


 と、ともかく。感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月9日更新) ( No.17 )
日時: 2014/07/09 20:01
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、千桜は両親と喧嘩の末家出して天王州家に居候させてもらう事になった。


千桜は現在、グッタリしていた。
なぜなら、ハヤテのマッサージがあまりにも気持ちよくて、骨抜きにされたからだ。

「アテネ、君の執事はやっぱり優秀だったんだな。再認識させられたよ」
「当然ですわ」

アテネは何故か笑みを浮かべ

「ハヤテは私の知る限り「世界最高の執事」ですわ」

千桜としては否定しようと思ったが、今日の事や噂に聞く有能さを考慮すると、アテネの言い分も満更では無いと思った。
そして何より、不思議な事にそれなしでも否定しようと言う気が起こらなかったのだ。

「(あの人は本当に不思議だよ。何でも万能だし、それを絶対に自慢しないし、人に尽くせる人だ。何よりかっこいいしな)」

千桜はハヤテの事を考えると、やっぱり胸が高まった。しかし、現在の千桜はなぜ自分にこんな感情が起こるのか分からなかった。

「それで、貴方が家出した理由は何なのですか?」

ソニアが痺れを切らしたように話を切り出した。
千桜は少しだけ悩んだが、居候をさせて貰う条件に「家出の理由を話す」と言うのもあったので、話す事にした。

「成程、そうだったんですか」

ハヤテは同情しているようだったが、アテネとソニアは違うようだった。

「まあ、事情は概ね理解しました。とりあえず、お部屋に案内しますね」

ハヤテは半ば強制的に話を終わらせ、千桜を居間から連れ出した。


                   × ×

千桜は案内してもらう最中、気になっている事を聞く事にした。

「なあ綾崎君、あの2人は私の家出理由を聞いて良くない感じだったが、君だけは同情してくれた。なぜなんだ?」
「少しだけ、気持ちがわかるんです」

首を傾げる千桜にハヤテは少しの間をおいて、話を続けた。

「僕の両親も思い付きのみで行動する人でした。後先考えず、失敗しても「次は何とかなるでしょ」と考えて、反省すらしない。そんな両親だったからこそ、千桜さんの気持ちが少しだけ分かったんですよ」

千桜は複雑だった。

「そう、か。似たようなものなんだな。まあ家は反省するみたいだけどな」

千桜はハヤテと似た所があり嬉しかった。

「(待て待て。何で少しだけ共通点があって喜んでるんだ私は。しっかりしろ)」

千桜がこんな風に考えていると、部屋についた。

「へえ。広いな」
「本来はお客様をお泊める部屋なのですが、今日からはこの部屋をお使いください。あ、これどうぞ」

ハヤテは何時の間にか作った「千桜's ROOM」と書かれたプレートを差し出した。
そのプレートは明らかに女の子が作ったと思えるほど可愛らしい装飾が施されており、千桜の趣味に合っていた。

「ああ、すまんな」
「いえいえ。ただ、申し訳ありませんが、家具はのちほど用意しますので、今日の所は簡易家具で我慢してください」
「なに言ってるんだよ。十分だよ」

部屋の中には1人用であるが、高そうなベッドと大きくは無いが、箪笥が置かれていた。

「夕食の時間になったらお呼びしますので、お寛ぎください」

そう言うと、ハヤテは部屋を出て行った。

「そうか、今日からこの部屋は私の部屋か」

実家の自室より広く、豪勢な部屋を見て喜んでいた。
そしてさっそく、部屋のドアにさっき貰ったプレートをぶら下げた。

「部屋はもとより、綾崎君と同じ家に住めるか」

と思わずつぶやいた瞬間、

「(ってだから、何で綾崎君と同じ家に住めるってだけで喜んでんだよ。第一、アテネも他の使用人の方々も居るじゃないか)」

とは思ったものの、やっぱり

「(嬉しいのは事実だ。なんて何で思うんだよ。馬鹿か私は)」


                    × ×


そして夜。

部屋でこれからどうするか考えていると、ハヤテが来て、夕飯が出来たと知らせてくれた。

千桜はすぐにでも部屋を出て、食堂に赴いた。

食堂に着くと、家庭的ではあるが、豪華目の料理が並んでいた。

「おお凄いな」
「当然ですわ」

アテネはここにきても自慢げだった。

「じゃあ、いただきましょう」
「「「「いただきます」」」」

ハヤテの号令で、全員であいさつし、食べ始めた。

補足しますが、アテネと千桜、ハヤテにソニアも一緒に食べています。

「なあアテネ」
「なんですの?」
「こう言う家の食事って、主人と執事って一緒には食事しないはずだろ?なんでだ?」

聞かれたアテネは「なぜそんな質問をするのか分からない」といった顔になり

「私が嫌がったからですわ」
「へ!?」
「私はハヤテと食事を取りたいからですわよ。それ以外にはありませんわ」
「成程」

アテネは苦虫をかみつぶした顔になり

「ソニアが一緒なのは、立場上は「私の専属メイド」だからですわ。ハヤテは許してソニアは許さないとなれば、贔屓とみられるから、許可してるんですわ」

千桜は苦笑いしつつ納得した。

その後は世間話しつつ、食事を終えた。


                     × ×


食後の休憩を終えた千桜は入浴していた。

「(やれやれ。部屋といい食堂といいこの風呂といい、広すぎるよな。私じゃ持て余すよな)」

ホテルの大浴場並みの広い湯船につかりつつ、感想を漏らしていた。

すると、誰かが入ってきた。

「あら、入ってたのね。ごめんなさいね」

入って来たのはソニアであった。
千桜とは違い、眼鏡を外していたので、誰だか一瞬分からなかったが、声などですぐに分かった。

2人には会話が無かったが

「な、なあ」
「はい?」
「1つ聞いていいか?」
「答えられる限りでよければ」

千桜は一呼吸間をおき

「貴方って、ナギが言ってたシスターだよな」
「そうですよ。三千院家に私怨で復讐を果たそうと元シスターです」
「何でここでメイドをしているんだ?確かそれなりに金を持ってるはずだって聞いたが」

ソニアは「なんだそんな事か」という顔になり

「ハヤテさんが好きだからですよ」
「え!?」
「ハヤテさんが好きで、こうやってメイドをしていれば、一緒に居る機会も格段に増える。そうすれば、私の魅力を伝える機会も格段に増える。だからこそ、色んなプライドを捨ててここに仕えているのよ」

千桜は無言で頷いた。

「もう終わりですか?」
「へ!?あ、はい」

その後は上がるまで2人の間に会話は無かった。


「(な、何で私は「素直にあんなこと言えて羨ましいな」なんて思ったんだ)」

千桜は悩んでいた。

「(ここ最近の私はどうかしてる。綾崎君の事を考えると、どうしようもなく胸が高まる。そして褒められたりさっきみたいに些細な共通点を見つけては喜んでる。しっかりしろよ、私)」

こうも思ったようだ。


                     × ×


そして夜は更け。

「やっぱり千桜はここに住むんですのね」
「正直、居候という立場は肩身が狭いが、それを感じさせないほど、ここは居心地がいいからな」

アテネは複雑そうだったが、千桜の悩みは消えたようだった。

「まあ、ハヤテを襲うなどの変な事をしない限りは追い出しませんから、好きなだけいなさい」

そう言って、アテネは割り当てられた千桜の部屋から出て行った。

「さてと、そろそろ寝るか。あ、そう言えば、綾崎君が布団持ってくるって言ってたな」

千桜が思い出すと、丁度のタイミングでドアがノックされ、入室を許可すると、ハヤテが掛け布団などを持ってきた。

「お布団お持ちしました」
「すまんな」

ハヤテは早速ベッドメークを開始していた。
すると、千桜の携帯に着信があり、みると着信が100件近くあった。
みると、全て両親からだった。

「あ、終わりましたよ」

ハヤテが振り向くと、千桜が携帯の画面を見ながら複雑な顔をしていた。

「千桜さん、帰った方がいいですよ」
「え!?」
「着信、ご両親からなんですよね?」
「あ、ああ」

ハヤテは間を開けた後

「いつでも両親に会える。これは当たり前のようでとても贅沢な事だと思うんです」
「・・・」
「僕やアーたんみたいに「親に会いたくても永遠に会えない人」も居るんです」

千桜はハヤテが普段見せない様な顔をしている事に気付いた。

「親というのは「いて当たり前」なんて考えていたら、「気付いたら永遠に失ってしまう」というのが起こるらしいです。僕はともかく、アーたんはそれが起こって寂しいみたいですよ」
「綾崎君」
「後悔する前に、帰った方がいいと思いますよ。ね」

そう言われた千桜は

「分かった。今日は帰るよ」
「ええ」

千桜は部屋を飛び出して帰って行った。

すると、ソニアが来て

「ハヤテさんも親が居ないんですね」
「まあ、ね。でも、僕は「親が居なくなって寂しい」って思った事は無いよ。あんなの、親と思いたくないし」

ソニアはハヤテの家庭事情を知らないので、気にはなったが、聞かないのが常識。と思ったので、何も言わなかった。


                     × ×


一方の千桜は帰路についていた。

「(綾崎君の言う通りだよな。横暴でも、親は親だもんな)」

そう思いながら走っていた。

「(もうすぐ着くな。ただいまと当たり前の挨拶をするか)」

そう思いながら家の近所に着くと、


千桜の家は火事になっていた。

「ご、ごめん千桜」
「モツ鍋の練習をしてたらコンロの火が」



で結局。

「お世話になります」
「「「あ、はい」」」

こうして、天王州家に新たな住人が誕生した。



ちなみに、引っ越しはアテネが全面出費し、ハヤテが手伝ってくれた。

幸い、千桜の私物は全部無事だったそうだ。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回はあの人が出ます。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月12日更新) ( No.18 )
日時: 2014/07/12 18:40
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは何度か登場している愛沢家。

そこに悩みを持つ少女が居た。

「はあ」

少女は数えるのが面倒なほどの溜息をついていた。

「ハヤ兄」

少女の名は愛沢日向。咲夜の妹でハヤテに恋する女性の1人だ。

「ハヤ兄に婚約者、か」

悩みは当然?ハヤテに婚約者候補が出来た事だった。

日向が部屋で悩んでいると、部屋のドアがノックされた。

「咲夜や。入ってええか?」
「あ、ええで」

許可すると、咲夜が部屋に入ってきた。

「悩んでいる見たいやし、ねーちゃんが相談に乗ったるで」
「あ、いや」

日向は相談すべきか悩んでいた。

「なんや?こう言う時は話した方が楽になるで」

それでも悩む妹に咲夜は

「大方、ハヤテお兄ちゃんの事やろ」

日向は否定も肯定もしなかったが、僅かな反応で、肯定と捉えた。

「何を悩んでいるんや?好きならアタックせい」
「せ、せやけど」

実のところ、咲夜にはなぜ悩んでいるのかは分かっていた。

「婚約者候補の事か?」
「・・・」
「関係ないやないか。ホンマに好きなら、無視せい」

日向は暫く黙り込んだ後

「もうええわ。ハヤ兄の事は諦めるわ」
「なんでや?」

理由を言おうとしない妹に咲夜は

「せめて理由だけは聞かせてや。気になってしゃあないから」

日向は長めの沈黙の末

「ウチは只でさえ「年下」というでっかいハンデに加え、何かとチャンスは少ないんや。そんな所に婚約者候補の話や。名乗りを上げようにもウチじゃ年齢的にまだ無理や。「諦める」という選択肢を選択するのは自然というものや」

補足すると、ナギは帝が圧力に近い物をかけたので、13歳という結婚できない年齢にもかかわらず名乗りを上げる事が出来たのです。

「それだけか?」
「え!?」
「そんなくだらん理由で「諦める」という選択肢を選んだんかと聞いてるんや」

咲夜の声には僅かに怒りが込められた。

「十分すぎやないか。ウチはナギ姉ちゃんより年下なんやで。不利過ぎやわ」
「だからこそ、諦めたんか?」
「そうや」
「じゃ聞くけどな、ハヤテお兄ちゃんの事は何とも思ってないって事やな?」

咲夜の問い掛けに日向は俯いて黙り込んだ後

「そんな訳、無いやろ」
「なんや?言いたい事はもう全部吐き出せい」

咲夜の言葉についに日向の感情が爆発した。

「大好きや!!!!!!ハヤ兄の事は大好きや!!!!!!でも、諦めるしかないんや!!!!!!!ウチじゃ他の奴らに比べて勝ってる物は無いんや!!!!!!こんなに辛いなら、諦める以外にないんや!!!!!!!」

感情を爆発させる日向に対し、咲夜はあくまでも冷静に

「情けないわな」
「な、なんやて!!!!!!!」
「たったそれだけを理由に諦めるなんて情けないといったんや」

感情が爆発したままの日向は咲夜に掴みかかった(身長差の関係で胸倉ではないが)。

「もういっぺん言ってみい!!!!!!!!咲姉ちゃんといえども容赦できないで!!!!!」
「何べんでも言うわ。ウチはそんな情けない妹を持った覚えは無いで」

咲夜は殴りかかろうとする日向に言葉を続けた。

「そんな強い気持ちを持っとるのに、何で諦めるんや?そんだけ強ければ、死ぬ気でアタックできるはずやろ?」
「で、でも」

咲夜は今度は慈悲深い声になり

「方法はあるはずや。日向にはプライドは無いんやろ?だったら、通報されるような手段はあかんけど、それ以外なら、何でも出来るやろ?」

日向は黙って頷いた。

「せやったら、悩むなや。日向が悩んでると、ウチまで悲しくなるから」
「咲姉ちゃん」

遂に泣き出した日向に咲夜は優しく頭を撫でで上げた。

「さ、一緒に方法考えようか。忙しくなるで」
「そ、そうやな」

その日、日向は部屋から出てこなかった。愛沢家のメイドが夕食だと言っても「要らない」といったし、咲夜が何か言っても「忙しいから邪魔せんといてや」と、部屋の鍵を開けなかった。


                     × ×


そして翌朝。

「日向〜。もう朝やで〜。いい加減部屋を出たらどうや〜」

しかし、中からは応答がなかった。

「寝とるんか?」

咲夜はドアに耳を当てて室内の物音を聞いたが、何も聞こえてこなかった。

「あ、開けるで」

ドアには鍵が掛かっておらず、室内は蛻の殻だった。

「ひ、日向!?」

誰も居ない事に咲夜は焦りつつ室内を見渡すと、机の上に置手紙があり、

「家を出ます。時々連絡を入れるから心配せんといてや。   愛沢日向」

とだけ書かれていた。

「成程な。そう言う手段に出るか」

手紙の内容と昨日の出来事で日向の行方が分かったようだ。

「ホンマ罪な男やで。ハヤテお兄ちゃんは」


                     × ×


一方の日向はというと。

「久しぶりな気がしますね。日向さんがここに来るなんて」
「そ、そうやな/////////////////////」
「で、何の用ですの?」

天王州家に大きめの荷物を持って訪れていた。

「ウチをここに住まわせてほしいんや」
「「え!?」」

アテネもハヤテも驚いていた。

「えっと、また家出とかですか?」
「そ、そう言う訳やないんや。まあ、家の人間にはまだ言っとらんけど、手紙は残してきた」

理由を考えているであろうアテネとハヤテに日向は

「理由は、聞かんで欲しいんや。でも、どうしてもここに住みたいんや。頼むわ」

頭を下げてきた日向にアテネが

「分かりましたわ。事情は気になりますが、聞かない事にしますわ」
「じゃ、じゃあ」
「住むのを許可しますわ。ただし、家の人には事情を説明する事。これが条件ですわ」

日向は笑顔になり

「すまんな」
「あ、それと。名前で呼びなさい。他人行儀な気がして気持ち悪いですから」
「これからよろしくな、アテネお姉ちゃん、ハヤ兄」

お姉ちゃんと言われ、アテネは嬉しそうだった。

「ハヤテ、部屋に案内してあげなさい」
「了解」

ハヤテは日向の荷物を持つと、居間を出て部屋へと案内した。

「ここが家の部屋か」
「お気に召しました?」
「十分や」

ハヤテは千桜の時同様日向に女の子が装飾したとしか思えないプレートを手渡した。そこには当然「日向's ROOM」と書かれていた。

「では僕はこれで」

ハヤテが部屋を出た後、日向は簡単な荷解きをし、部屋を出た。

ハヤテに会おうと廊下を歩いていると千桜に会い

「あれ?確か咲姉ちゃんの」

日向がそう言いかけた瞬間、千桜は慌てて日向の口を塞ぎ、自分の部屋に連れ込んだ。

「な、何するんや」
「あ、あの場で私が咲夜さんのメイドをしてるって事は言わないでほしかったんだ」
「なんや。秘密やったんか」
「綾崎君にはばれてるが、アテネ達にはばれてないから、秘密のままにしておきたいんだ」

日向には事情は一切不明だが

「ま、ええわ。人には秘密の1つや2つあるわな」
「す、すまないな」
「で、何でここにおるんや?」

千桜は事情を説明した。

「成程な」
「日向ちゃんは何でここに?」
「企業秘密や」


                       × ×


そして夜。

日向はハヤテが作った夕食に大満足し、おかわりまでした。

そして

「な、何を悩んでいるんや。恥なんか捨てる時やろ」

ある扉の前で少しだけ悩んだ後、扉を開けて中に入った。



一方。

「ふう。やっとゆっくりできるよ」

ハヤテは1人で入浴していた。

実は、アテネとソニアがどっちがハヤテと一緒に入浴するか大いにもめ、結局決着はつかなかったので、ハヤテ1人になったのだ。

ハヤテが体を洗っていると、扉があく音がした。

「(またアーたんかな?それともソニアさん?)」

誰が来たのか考えながら扉の方を見ると、日向が裸で(バスタオル無しで)立っていた。

「ひ、日向さん!?」
「ハ、ハヤ兄の背中でも流そうと思ってな/////////////////////」

まだ恥ずかしいのか、日向は顔が赤かった。

「えっと//////////////////////////」
「厚意はうけるべきやで/////////////////////」

悩んだが、ハヤテは背中を流してもらう事にした。

「ど、どうや力加減は///////////////////////」
「えっと、良い具合です////////////////////////////////」

ハヤテが照れている理由は、日向はまだ10歳とはいえ、女性に変わりは無い。だからこそである。

「なあハヤ兄」
「はい?」

日向はハヤテの背中にもたれかかり

「ウチな。ハヤ兄の事が好きやで」
「え!?」
「ハヤ兄の事が好きやから、ここに住まわせてもらう事にしたんや」

突然の告白にハヤテはより一層動揺していた。

「ウチの年下というハンデを乗り越えるのにはこれしかないと思ったんや」
「日向さん!?」
「ホンマかどうか疑ってるんか?なら証拠を見せるわ」

そう言うと、素早く前に回り込み、ハヤテにキスした。

「これが証拠やで。ハヤ兄覚悟してや。こんな事までするウチは本気やから」

この会話を脱衣所で聞いていたソニアは

「やれやれ。ハヤテさんはあんな年下にももてるんですね。これは私もうかうかしてたら、負けるわね」

そう決意を新たにした。


風呂を出た後、日向はハヤテに体を拭いて貰ったり、ハヤテが寝ているベッドに潜り込んで一緒に寝たりしたそうだ。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

そう言えば、更新日は悠太の誕生日ですね(ついでに言うと、作者の自分もですが)。
悠太、誕生日おめでとう。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月12日更新) ( No.19 )
日時: 2014/07/13 12:16
名前: ささ

ささです。
ついに日向も居候かぁ。
天王州家メイド陣を除きハヤテLoversが三人も屋敷にいるのか。
作者さんが偽名で執筆された作品の妹キャラがいたら、その場は文字通り血で血を洗う戦いになっているでしょうね。
帝へ、
そんなに大変だったのですかぁー。
だったら手続きしなければ良かったのに。


ハヤテへ、
そんなんじゃ、アテネとの間で娘ができたら大変だよ!
(あれっ、気絶者数名にキレた人数名発生した。)
それと天王州家屋敷をハーレム御殿にする気か?

日向へ、
スキンシップ(過激な)はまだ早いよ!昨夜、手綱を頼む!
あなたは他の人(ナギを除く)以上に通報されることは避けないといけません!
ハヤテを誑かしていることはアテネには内緒にしておきます。

マリアさん、
これを(ハヤテのようにNAGI’s roomと書かれたプレート)ナギに渡してください。
良いコレクションができますよ。(伝え方は任せます)

そうそう悠太、お誕生日おめでとう。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月15日更新) ( No.20 )
日時: 2014/07/15 17:06
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの投稿です。


 ●さささん

 >>ささです。

 日向「感想ありがとな♪」

 >>ついに日向も居候かぁ。

 まあ、こう言う展開を書きたかったのもので。

 >>天王州家メイド陣を除きハヤテLoversが三人も屋敷にいるのか。

 アテネ「3人?私とソニアだけのはずですが」

 アテネは日向の好意に気付いてませんよ。

 千桜「・・・」←何かを言うべきか悩んでる。

 >>作者さんが偽名で執筆された作品の妹キャラがいたら、その場は文字通り血で血を洗う戦いになっているでしょうね。

 ああ、姫ちゃんですね。まあ確かに、凄い事になるのは間違いないですね。

 >>帝へ、
  そんなに大変だったのですかぁー。
  だったら手続きしなければ良かったのに。

 帝「仕方あるまい。プライドの高いナギが素直に頭を下げてきたんじゃ。そこで断るほど、ワシは鬼ではないよ」

 >>ハヤテへ、
  そんなんじゃ、アテネとの間で娘ができたら大変だよ!
  (あれっ、気絶者数名にキレた人数名発生した。)

 ハヤテ「娘って。何言ってるんですか」

 アテネ以外のハヤテ好き「・・・」

 アテネは気絶中です。

 >>それと天王州家屋敷をハーレム御殿にする気か?

 ハヤテ「ぼ、僕が望んでそうしてる訳じゃ無いので、どうしろと?」
 メイド長「ハヤテ坊ちゃん、少しでもいいので、自覚してください」

 >>日向へ、
  スキンシップ(過激な)はまだ早いよ!昨夜、手綱を頼む

 咲夜「無理や。妹の幸せを願う姉としては、放置するのが一番や」

 >>あなたは他の人(ナギを除く)以上に通報されることは避けないといけません!

 日向「なんでやねん。言ってるやろ?ウチにはハンデがあると。それを乗り越るには手段なんか選んでる場合ではないんや」

 >>ハヤテを誑かしていることはアテネには内緒にしておきます。

 日向「アテネお姉ちゃんに知られても、別に関係ないで。ウチがライバルなのは変わらんから」

 >>マリアさん、
  これを(ハヤテのようにNAGI’s roomと書かれたプレート)ナギに渡してください。
  良いコレクションができますよ。(伝え方は任せます)

 マリア「ナギ〜♪これがあれば、ハヤテ君と同棲出来ますよ♪」
 ナギ「/////////////////////////////////」←受け取ったプレートを凝視し、どうするか悩んでる。

 マリア「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギったら真っ赤になってプレートを凝視して♪これでコレクションが♪ああ♪)」

 >>そうそう悠太、お誕生日おめでとう。

 悠太「ああ、ありがとな」


 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月15日更新) ( No.21 )
日時: 2014/07/15 17:10
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み三千院家。


「なあ悠太」
「ん〜?」

ある休日の朝、ナギは何の前触れも無く話しだした。

「最近になって私は思うんだ」
「何を?」
「これまで以上に花嫁修業をしないと勝ちがますます遠のくのではないかと」

言われた悠太は首を傾げ

「何でまた急に」
「そ、それは」

ナギが理由を言うべきか悩んでいると

「フフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪スタイルは他の方々には負けてて♪体力も負けてますからね〜♪家事力だって他の方々の方がはるかに高いですからね〜♪」

マリアさんの言葉は確かに独り言だったが、悠太とナギの耳には届いていた。

「と、ともかくだ」
「あらあら♪聞こえないふりとは♪ああ♪」

「本格的な料理は今からじゃ無駄だ」
「で?」
「私が作るべきなのは「本格的な家庭料理」なのではないのか?」

ナギの言葉に悠太は納得していた。

「確かにな。家庭料理というのは難しいくせに習得は意外とすんなりいくもんだもんな」
「だろ?だからさ、もっともっと家事力を上げたいんだ」

ナギがそう言った瞬間、マリアさんは

「(そうだ♪ナギを鍛えるふりして徹底的に家事力をと落そうかしら♪そうすればますます不利に出来ますよね〜♪そうすれば私にコレクションが♪ああ♪)」

こんな事を考えていたが

「という訳だ。悠太、今まで以上に難しい家庭料理を教えてくれ」
「お、俺か!?」

嫌な予感がする悠太は断ろうとしたが、

「頼むよ。婚約者候補になれたとは言え、相当不利なNo.5なんだ。勝つには家事力を上げ、見返す以外に方法は無いんだ。頼むよ」

頭を下げてきたナギに悠太は

「分かったよ。ならさっそくやるか」
「すまんな」

ちなみにこのやり取りを見てたマリアさんは

「(ふざけんじゃねえぞ。何で私に頼まねえんだ。これじゃ計画が台無しじゃねえか。クソが)」

とか思っていたらしい。


                     × ×


キッチンにやってきた悠太とナギは何をすべきか悩んでいた。

「本格的な家庭料理か。色々あるんだよな」
「何でもいいよ。「挑戦することに意義がある」って言うだろ?」

ナギは何でもいいと言ったが、悠太は悩んでいた。
確かにこれまでで色々と教えてきたおかげでナギの家事力はかなり上がっている。とはいえ、難しいと思われるものには挑戦させてなかった。

暫く悩んだ末、

「だったらさ、煮物に挑戦するってのはどうだ?」
「煮物?何でまた」

悠太は軽く咳払いをすると

「煮物ってのはな、どうしたって個々の味が出るんだ」

首を傾げるナギに悠太は続けた。

「全く同じ材料、全く同じレシピ、全く同じ方法で作ったとしても、人によって僅かな違いが出ちまう料理。それが煮物なのさ」
「そんなものか?」

実際どうかは分かりませんが、そう言う事にしておいてください。

「俺とマリアさんが作った煮物は、味が違うだろ?レシピ自体に大した違いはないのに」
「そう言えば、そうだな」
「だからさ。良く言うだろ?「煮物はおふくろの味」って」

ナギも聞いた事があった。

「母親から聞いたレシピで作ったのに、「何かが違う」ってのもよく聞くだろ?」
「まあ、ホームドラマとかじゃお馴染みみたいだよな」
「煮物は難しいが、「お嬢様にしか出せない味」を出す事が出来るのさ。それさえ習得出来れば、ハヤテの心を引き寄せる事に近付くと思うぜ」

悠太の言葉にナギは

「よしっ、早速頼むぞ。ハヤテに「三千院ナギ流のおふくろの味」を食べさせてあげたいんだ」
「了解」

この光景を見ていたマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギの作った煮物を徹底的に酷評しましょうかね〜♪そうすれば、ショックを受けて落ち込むナギも撮影出来ますし♪挫折してくれればなお一層面白いですね〜♪ああ♪)」

こんな事を思ったそうだ。

こんな事を知る由もなかったが、ナギは煮物の調理に取り掛かった。

それは思ったより大変だった。微妙な火加減の調節だったり、煮込む物によっては味がしみ込む度合も違うため、染み込みやすくする切り方などにも気を配らければならなかった。
そして、複数の食材を煮込む際、味を邪魔し合わない様に調和させる事にも気を配った。

一番大変だったのは出汁だった。

最初は悠太に教わった出汁で作ってみたのだが、「所詮は真似事」と思えてしまい、ナギは納得できなかった。

「焦るなよ。言っただろ?難しいって」

悠太はこんな風に慰めてくれたが、ナギには効果は薄かった。


そして、何回も失敗(味はいいが、ナギが納得しなかった)し、何日もかけてナギ自身が思う理想のおふくろの味が出来あがった。

しかし、出汁自体は出来たのだが、煮込む物を選ぶのも時間がかかった。

だが、

「出来たぞ悠太。「三千院ナギ流おふくろの味」だ。食べてみてくれ」

出された悠太は箸をつけようとしたところ

「気を使うなよ。正直な意見が聞きたいんだ」

そう言われ、元から正直に感想を言うつもりだったので、安心して食べた。

「どうだ?」

ゆっくりと味わい

「美味いな。何と言うか「懐かしい味」だ」
「ホントか?良かった」

喜ぶナギに悠太は

「(不思議だな。お嬢様の煮物を食べると、心の奥底から「懐かしい」という感情があふれ出てくる。母さんの味とは違うのに)」

そう思いつつ完食した。

ちなみに、マリアさんは

「(何で失敗しねえんだよ!!!!!ふざけんなよ!!!!!!!!!コレクションが増えねえじゃねえか!!!!!クソが!!!!!!!)」

とか思っていたそうだ。


                     × ×


そして。

「な、なあハヤテ、どうだ?」

ナギはハヤテを招いて試食してもらっていた。

「美味しいですよ。「懐かしい味」これがナギさん流の味なんですね」
「そ、そうか//////////////////////////////////////」

照れるナギにハヤテは

「これだけおいしい物を食べられるんですから、ナギさんのお婿さんは幸せですね」
「////////////////////////////////////////////////////」

ナギの顔はもう真っ赤っかだ。






「お嬢様、本当に成長されてますね」

そう呟き、静かにキッチンから離れて行った人物が居た事は誰も気づいていない。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

なんか、微妙かもしれませんね。料理の出来ない作者が書いたので、その辺はご了承を。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月15日更新) ( No.22 )
日時: 2014/07/17 23:13
名前: ささ

ささです。
一部誤植があったようです。すみませんでした。
咲夜、このままだと日向この歳で大人の階段登るかもしれないよ!
(咲夜さんのメ…)千桜さんすみません、カウント忘れていました。計4人ですね。
ところでハヤテ、機密事項でなければ答えてほしいけど、
天王州家の男性使用人の割合は、どれほど?
(ハヤテも含め)

さすがマリアさん、私の案よりも遥かにniceなやり方ですね。笑いすぎて腹が痛くなりました。 マリアさんと波長が合いますね!これからもよろしくお願いします。
ナギが現段階でハヤテと同棲できる訳ないのに必死にプレートを見るとは!
苦労して作った甲斐がありました。料理は
塩と砂糖を敢えて間違えるように仕組むとか、
油と洗剤を間違えさせたり、
ハヤテの料理に下剤を仕込むとか
体力を極端に低下させる薬とか
そのような準備が必要だったのでは?そうすれば面白コレクションが生成できたのでは?
それと、ナギ♪♪
「お袋」とするのは、また早いよ!
それは…ハヤテとの子どもから言われなきゃ。
この日も三千院家は平和だなぁ〜。
悠太は複雑だろうな。
これにて。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月18日更新) ( No.23 )
日時: 2014/07/18 19:16
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 クラウス「感想感謝しますぞ」

 >>一部誤植があったようです。すみませんでした。

 自分は気にしないので、気になさらないでください。

 >>咲夜、このままだと日向この歳で大人の階段登るかもしれないよ!

 咲夜「まあ、それに関しては大丈夫やろ。ハヤテお兄ちゃんは、しっかりしとるし」

 >>(咲夜さんのメ…)千桜さんすみません、カウント忘れていました。計4人ですね。

 千桜「な、何の事だ?わ、私は別に綾崎君の事なんか・・・なんか」

 >>ところでハヤテ、機密事項でなければ答えてほしいけど、
  天王州家の男性使用人の割合は、どれほど?
  (ハヤテも含め)

 ハヤテ「大体半分ずつですね。男性使用人と女性使用人は。まあ、女性の方が若干ではありますが、多いですよ。それ以上は個人情報に触れかねないので、言えませんが」

 >>さすがマリアさん、私の案よりも遥かにniceなやり方ですね。笑いすぎて腹が痛くなりました。 マリアさんと波長が合いますね!これからもよろしくお願いします。

 マリア「そうですね〜♪よろしくお願いしますね♪」

 悠太「(この作品じゃお嬢様はすっかりいじられキャラだよな)」

 >>ナギが現段階でハヤテと同棲できる訳ないのに必死にプレートを見るとは!
苦労して作った甲斐がありました。

 マリア「そうですよね〜♪あの天王州さんが絶対に許可しないですよね〜♪それくらいすぐに分かりますよね〜♪ああ♪」
 ナギ「・・・」

 >>料理は
  塩と砂糖を敢えて間違えるように仕組むとか、
  油と洗剤を間違えさせたり、
  ハヤテの料理に下剤を仕込むとか
  体力を極端に低下させる薬とか
  そのような準備が必要だったのでは?そうすれば面白コレクションが生成できたのでは?

 マリア「確かにそうですよね♪でも、ナギの家事力は上がってますし、料理中は悠太君がほぼ付きっきりなんですよね〜。チッ」
 帝「(・・舌打ちするでない)」

 >>それと、ナギ♪♪
  「お袋」とするのは、また早いよ!

 ナギ「い、良いではないか。「そう言う味を目指した」ってだけだ!!!」
 悠太「だよな」

 >>それは…ハヤテとの子どもから言われなきゃ。

 ナギ「子、子供!?//////////////////////ハヤテとの!?/////////////////////////////」

 マリア「あらあら♪気絶するなんて可愛らしいですね〜♪ああ♪」

 >>この日も三千院家は平和だなぁ〜。

 悠太「まあ、基本的に三千院家では事件は起こらないからな。天王州家は違うみたいだが」

 >>悠太は複雑だろうな。

 悠太「そうでもないぜ。オリキャラ紹介に書いてあるだろ?お嬢様が幸せならそれで幸せって。だから素直に喜んでるよ」

 >>これにて。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月18日更新) ( No.24 )
日時: 2014/07/18 19:24
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

今回はある人が中心のお話です。興味ないかもしれませんが、お付き合いを。


ある場所のある部屋。そこの主は窓から外を眺めつつ物思いにふけっていた。

「お嬢様はここ最近本当に変わられた。勿論とてもいい意味でな」

彼の名はクラウス。三千院家の執事長だ。
ちなみに、現在はナギ達が暮らす日本別宅の彼の部屋である。

「まず第一に学校だ。以前ならば「行き無くないから行かない」と堂々と宣言して休んでいた」

補足しますが、全部クラウスの心の声です。

「マリアや真山少年が幾ら説得しても、お嬢様自身の気分が乗らない場合は無駄であった。無論私自身も説得を試みた事も何度もある。だが、結果は一緒であった」

クラウスはここまで一気に思い返すと、椅子に座った。

「だが、最近になって変わった。学校には必ず毎回行くようになった。それだけでは無く、あの朝が苦手であったお嬢様が休日平日関わらず起床しておる。人に調べさせたが、それは「恋」という名の変化の様だ」

クラウスはナギの恋に関してはとても複雑な感情を抱いた。

「相手はどこの馬の骨かと思ったが、現在は帝様が当主の三千院家と互角以上の財力と権力を持つ天王州家の使用人長をしている少年であった。報告によれば好青年であり、嫉妬を除けば彼を悪く言う輩はおらん」

嫌な奴ならたとえ相当な痛手を負ったとしても潰すつもりでいたが、そうでもなく、クラウス自身も「いい人」という印象をハヤテに抱いたため、出来なくなった。

「幸いというべきか、彼は主人である天王州嬢とは「恋仲」と言えるぐらい親密な関係だ。私個人としてはお嬢様の初恋と言える物が成就してほしいものだが、複雑だ」

執事としては応援したいのだが、ある別の感情が邪魔をし、完全には応援する気持ちになれなかった。

「まあ、こればかりはお嬢様や周りの人間性などで変わる。未来は無限に存在する不確定要素だけであるから、私としては見守るのみだ」

ここまで思うと、机に置いてあった紫子、シン・ハイエック夫婦が写った写真を見てまた複雑な顔をした。

「だが、私個人として1番の問題点はそれでは無い。引き籠りに関しては治ったと思えば、無理もあるが納得できる」

クラウスは眼を閉じて更に思考の深い所へ向かった。

「あのお嬢様が「花嫁修業」をしている事だ。人に教わる事を嫌い、「自分がするから間違いはないだろう」という思い込みがあるお嬢様がマリアや真山少年に教わっている。料理を始め掃除や洗濯といった家事だ。私自身が見た訳ではないが、もう自慢できるレベルに達していると聞いている」

クラウスは今まで以上に複雑な感情を抱いた。

「それに、お嬢様は「自分磨き」というのも頑張っていると聞く。僅かな違いとは言え、自分を磨き、必死でよくなろうとしているとも聞いている。シャンプーや化粧水を自分に会う物や不自然さを与えない物を選んでいるらしいからな」

暫く考えるのを止め

「正直な事を言うと嬉しい。だが、お嬢様は私とは関係ない所で成長して行ってる。頼るのは私では無く、マリアや真山少年。そして、あの綾崎という少年だ。昔は紫子様を喪った時は私に甘えたり時にはうるさく言われたりなど主従としてそれなりに近しい関係であった。だが、もはや忘れられたように何も言ってこない。寂しい様な嬉しい様な複雑な感情だな」

クラウスは再び立ち上がり、窓の外を眺めた。

「もう、引退をすべきなのかもしれんな。全てを若い物に任せて、隠居を考えた方がよいかもしれんな」


クラウスが思わず寂しそうにそう呟くと、ドアがノックされた。

入室を許可すると、ナギだった。

「これはお嬢様。何か御用ですかな?」

クラウスが見てると、ナギは無言で手に持ったお盆を机に置いた。お盆の上には小鉢と箸が一膳だけ置かれていた。
小鉢の中には煮物と思わしきものが入っていた。

「クラウス、何も聞かずにこれを食べてくれ」
「私が、ですか?」
「お前は色々と美味しい物を食べて来てるはずだ。つまり舌は肥えているはずだ。そんなお前なら、この料理の正当な評価を出来る筈だ」

ナギの真剣な表情を見てクラウスは椅子にすわり、何も聞かずに煮物を食べた。

「こ、これは」
「ま、不味いのか?」

クラウスはゆっくり噛みしめてから飲み込み

「美味しいですよ」
「本当か?嘘だったら」
「嘘なんかではありません。本当においしいです。そして、何故か「懐かしい」とも思えます」

クラウスの言葉にナギは顔を緩ませ

「良かった。実は言うと、それは私が作ったものなのだ」
「お、お嬢様がですか!?」

クラウスはてっきりマリアさんが悠太、もしくは何処かのスーパの惣菜かと思っていたので、驚いていた。

「ああ、そうさ。悠太に教わり、自己流の出汁で煮たものだよ」
「そうでしたか」
「クラウスまでそう言ってくれて自信が付いたよ」

ナギは嬉しそうだった。

クラウスはまた1口煮物を食べた。
すると

「なあクラウス」
「はい!?」

ナギはクラウスをしばらく見つめ

「なんて言うか、辞めるなよ」
「え!?」

ついさっき引退を考えていただけにナギの言葉にクラウスは驚くばかりだった。

「気のせいと言われれば謝るが、引退しそうな雰囲気だったからな」
「お嬢様」

ナギの指摘にクラウスは俯くしかできなかった。

「クラウス、お前は私が母を喪った時献身的に支えてくれた。時には口うるさい時もあったが、私からすれば嬉しかったよ。「1人じゃ無い」そう思えてな」

クラウスは黙ってナギの言葉を聞いていた。

「お前からすれば、私が「ご主人様だったから」かもしれんな。支えてくれたのは」
「そ、そんな事は」
「でもな、私からすればお前は「育ての親」と言いきってもいい存在なんだ。たとえどんな理由があったとしても離れないでくれ。普段は仕事などなんだの言って家にいなくても良い。でもな、クラウスには「育ての親」として私を支えてほしいんだ」

ナギの温かい言葉にクラウスは必死で涙をこらえた。

「ただ、それだけだ。色々とやって自分の成長を感じて行くなかで、お前の大切さに今更になって気付いたんだ。だから、辞めるなよ。それだけだ」

そう言うと、ナギは部屋を出て行った。

「お嬢様、私の事をあんな風に」

クラウスはナギ作の煮物を食べると、今まで我慢していた涙があふれ出した。

ナギの言葉に加え、ナギの煮物の「懐かしい」という思いが、子供のころの母親を思い出したからだ。

「母さん。私は、幸せ者だ。執事をやっててこれほどまでに嬉しい事は初めてだよ」

その後は泣きながら煮物を食べた。


そして翌日、クラウスはキッチンの陰から、ナギがハヤテに自作の煮物をふるまう光景を見て、余計に嬉しさをかみしめていた。




----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

いかがでしたか?クラウス視点から見たナギの成長は。

一応言いますが、ナギがクラウスに言った言葉に嘘などはありません。ナギが心から思った言葉です。


次回ついに・・・

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月21日更新) ( No.25 )
日時: 2014/07/21 16:52
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは白皇学院の理事長室。朝、授業前にハヤテとアテネは理事の仕事をしていた。

暫くやっていると、アテネがある書類を強烈な憎しみが籠った様な目で睨んでいた。
それに気付いたハヤテが

「どうしたの?」

アテネは答えず、暫く書類を睨みつけた後

「今日、転入生が来るらしいですわ」
「へえ」
「し・か・も、私達にクラスに、ですわ」

ハヤテはアテネが一気に不機嫌になった理由を察知し

「もしかして、転入生が来るって情報以外はない。とか?」
「ご名答ですわ」

アテネは書類を机に叩き付けた。

「(やれやれ。何も起きなきゃいいけど)」

ここ最近、アテネは機嫌が悪くなり、ハヤテに甘える行為が増えてきたので、ハヤテは何かと大変だったので、何も起こらない事を祈るばかりだった。


                    × ×


時間は飛び、朝のホームルーム前。
ハヤテが授業の準備をしていると

「ハ〜ヤ〜テ〜様♪」

綾子が抱きついてきた。

「神尾崎さん、おはようございます」
「もうハヤテ様、私は貴方の妻なんですから、名前で呼んでくださいな」

そう言って、綾子はハヤテにキスした。

「貴方、ハヤテから離れなさい!!!」

アテネの怒号に綾子はキスを止め

「うるさいですわね。私の勝手ですわ」
「違いますわ!!!第一、貴方が妻などと決まってませんわ!!!!」
「そうだぞ!!!!!」

ナギが超不機嫌な顔で立っていた。

「まだ婚約者候補ってなだけじゃないか!!!!まだ決まってないわ!!!!!」
「フンッ。私はNo.1なんですわ。貴方達にとやかく言われる筋合いはありませんわ!!!」

綾子達がにらみ合っていると、チャイムが鳴り、殆ど直ぐに担任の薫先生がやってきたので、睨み合いは中断となった。

「さて、今日このクラスに転入生がやってくる事になった」
「先生、男ですか?女ですか?」

突然の質問に薫先生は特に驚きもせず

「女の子だ。俺が見た限りでは可愛かったぞ」

この言葉にハヤテ、悠太、虎鉄を除いた男性陣が歓声を上げた。

「ま、何はともあれ紹介するぞ。入って来い」

先生がそう言うと、1人の女子生徒が入ってきた。

「自己紹介してくれ」
「皆さん初めまして。クリスティーナ・ディキソンです。よろしくお願いします」

自己紹介すると、歓声が上がった。

「父の仕事の都合で日本に来たので、このクラスに転入してきました」

質問される前に、クリスはこのクラスに来た理由を説明した。

「さて、クリス君の席は」

薫先生がそう言うより早く、クリスは駆け出し

「ダーリン♪」

ハヤテに抱き付いた。

「な、何ー!!!!!!!!!」

突然の行動にクリス本人以外全員が驚いていた。

「ダーリン、やっと会えた♪ダーリン♪」

クリスは子猫のようにハヤテに甘えていた。

「お、おい」
「あ、ミスター・カオル。私はこの人の席の傍がいい♪」
「しかし」

偶々ハヤテの周りの席は空いてなかった。が

「あ、俺変わりますよ」

ハヤテのすぐ近くだった悠太が席を立ち、別の開いていた席にうつった。

「すまないな、真山。じゃあ、そこに座ってくれ」
「オーライ」

クリスはそこの席に着いた。

朝のホームルームが終わると、終わった瞬間にクリスは席を立ってハヤテに抱き付いた。

「ダーリン♪アイラブユーね♪」

抱きついているうえに堂々と教室で告白するクリスに

「貴方、何様のつもりですの」
「そうですわ。許せませんわ」
「ホントよ」
「離れろ!!!」

綾子、アテネ、麗、ナギが怒り心頭でクリスに文句を言っていたが無視していた。

「ダーリン、学校が終わったらマミーとダディに会ってほしいの。紹介したいわ」
「あ、い、いやその」

アテネ達からの殺気にハヤテはただただ怯えるしかなかった。

「そんな事、許しませんわよ」
「そうですわ。ハヤテ様は私の旦那様ですわよ」
「貴方ねえ。何の権限があって、ハヤテ君を「ダーリン」だなんて呼んでるの?」
「うらやm---けしからんぞ」

アテネ達の殺気を少しでも消そうとハヤテは

「あ、あの。僕達って知り合いでしたっけ?」
「覚えてないの?私を助けてくれた事」

アテネは「またハヤテの悪い癖ですか」と思いつつも話に集中した。

「い、いや。覚えてないですよ」

ハヤテとしては、人助けは日常茶飯事なので、覚えてられないのだ。

「まあ、予想通りと言えば予想どおりね。でも、私は嬉しかった。ダディに無理言って日本に来たのはダーリンに会うためなんだよ」

クリスのこの言葉にハヤテは首を傾げていたが、綾子達は違い

「フンッ。たとえ貴方がそうやって無理をしたとしても、私達にはかないませんわ」
「そうですわね。私達にはある強力な力がありますからね」
「そうね。帰れとまでは言わないけど、諦めなさい」
「そうだぞ」

クリスはこの言葉にようやくアテネ達の方へ向き

「関係ないわ。少なくても、私からすればライバルは2人だけよ」
「な、何ですって。どういう意味ですの?」
「教える義理はないわ。ダーリンになら後で教えるけど」

栗の言葉で一触即発の事態だったが、チャイムによって救われた。


                   × ×


その後も大変であった。

休み時間に入るたびにクリスはハヤテに抱きついてきたし、昼食も一緒に食べようと誘ってきた。
当然アテネ達は拒否したのだが、優しいハヤテは拒まず、その事が余計に油を注ぐ結果となった。

当然ハヤテも朝に言った「ライバルは2人だけ」という言葉の意味を尋ねたが、「後で教えてあげる」とだけ言われ、教えてくれなかった。

そして放課後。

「ダーリン、家に来て♪両親に紹介したいから」
「え、えっと」

ハヤテがどうするか悩んでいると

「許しませんわよ」
「ミス・天王州には関係ないわ。私とダーリンだけの問題よ」
「ハヤテは私の執事ですわ。主の許可なくそんな事許しませんわよ!!!!」

綾子達も加勢しようと集まってきた。

「しょうがないわね。貴方達もうちに来れば?少なくても、ミス天王州、ミス神尾崎、ミス時任、ミス三千院には関係ある話でもあるからね」

そう言われたアテネ達は少し悩んだが、クリスの従い、彼女の家に行く事にした。

その道中も結構大変だった。
当然と言うか、クリスはハヤテに抱きついてきたし、綾子まで抱き付いたので、出遅れたアテネ達と喧嘩になっていた。


そして、ディキソン家に到着し、

「お、大きいですねクリスティーナさんの家って」
「ダーリン、クリスでいいわ。長いでしょ?」
「しかし」
「そう呼んで。ね」

そう言われたハヤテは

「わ、分かりましたクリスさん」
「フフ♪」

門をくぐり屋敷に向かう最中

「そう言えば、クリスさんってもしかして、ディキソングループの?」
「ええ。1人娘よ」

ハヤテ達の言葉にナギが反応し

「確か、アメリカと日本を中心に勢力を持つ大企業だったよな。ディキソングループって」
「そうよ。今の総帥は私のダディよ」

話をしている間に屋敷に到着し、中に入った。

「ただいま」

クリスが声をかけると、使用人の何人かが出迎えた。
そして

「おおクリス。帰ったか」
「ただいま」

クリスの父親らしき人がやってきた。

「ん!?そうか、その人か」
「そうよ」

男性はハヤテを見つけると、ハヤテに近寄り

「娘をよろしくな。君になら我がグループを任せてもいいからな」

そう言うと、何処かに行ってしまった。

「ダーリン。ダディ公認になったね」

クリスは嬉しそうだったが、ハヤテは後ろから発せられる殺気に冷や汗を流すばかりだった。

一行はクリスの部屋に行く事になり、向かう道中にクリスの母親にも会い、ハヤテに「娘をお願いしますね」と言った。
当然アテネ達は猛抗議したが、クリスは無視した。

部屋に到着すると、ハヤテはすぐに

「あの、クリスさんいい加減色々と説明してもらえますか?家に招待した理由とか、皆さんに負けないと言った理由とか」

ハヤテの言葉に綾子が

「そうですわ。私達には負ける理由なんてありませんわよ。だって」
「婚約者候補だから。でしょ?」

クリスが知っていた事に綾子達は驚き

「な、何でそれを」
「順を追って話をするわ」

クリスはクローゼットの前に立ち

「ハヤテ君、私の事本当に覚えてない?」
「え、えっと」

ハヤテは必死で記憶を漁ったが

「すみません。覚えがありません」
「そう。だったら、これを見れば思い出すでしょ?」

そう言うと、クリスはクローゼットの中から1着のコートを取りだした。

「そ、それはハヤテのコート。なぜ貴方が」
「それは、ハヤテ君が分かるでしょ」

ハヤテはコートを見た瞬間ある記憶がよみがえり

「も、もしかして去年のクリスマスの?」
「そうよ。あの時、貴方が貸してくれたコートよ」

事情が分からないアテネは

「ハヤテ、事情を説明なさい」
「ほら、去年のクリスマスの日に、出掛けて帰ってきたら、コートを着てなかったときあったでしょ?」
「ええ。貸したと言う理由で着てなかったはずですが」

その時の事は第一部の第一話を見てください。

「私、あの時とっても嬉しかったの。嫌な人から助けてくれたし、寒がってた私にコートを貸してくれたし」

頬を染めるクリスにアテネ達の怒りゲージが増えて行った。

「あの時は、「またあったらその時に帰してくれればいい」って言ってたけど、貰っていい?ずっと宝物にしたいから」
「あ、良いですよ」

ハヤテはすぐに了承し、クリスはコートをクローゼットの中に戻した。

「で、もう一つの質問にも答えてもらえますか?」

綾子の殺気に気付かないふりをして

「そう、ね。私のライバルと言えるのは、神尾崎さん、そして時任さんだけよ」
「どういう事ですの?私や三千院さんは眼中にないんですの?」

睨みつけるアテネに

「そうね。眼中にないって言うのは言いすぎだけど、ライバルとは言いにくい部分が多いわね」
「どういう意味だ」

ナギの不機嫌な目つきにクリスはしばらく間を置き

「教えるのがフェアよね」

そう言うと、クリスはまた間を置き

「改めて自己紹介ね。 私はクリスティーナ・ディキソン。 綾崎ハヤテの婚約者候補No.3よ」

クリスがそう言った瞬間、全員驚き

「あ、貴方が謎だったNo.3ですの?」
「ええそうよ。驚かせようと思って内緒にしてたのよ」

驚く一行を尻目にクリスは

「だからこそ、ライバルと言えるのは、私より有利な神尾崎さんと時任さんだけと言ったのよ」

未だ驚きで沈黙していたが、ハヤテが

「あ、あの」
「何?」
「ど、どうして婚約者候補に?」

ハヤテの質問にクリスは驚きつつ

「あの時は私を助けてくれたのが貴方だと知らなかったわ。どうしてもお礼がしたかったから、調べて貰ってたの。そうしたら、貴方が人間的にとても素晴らしい人だと知って、あの時に湧き上がった感情が恋だと気付いたの。そんなときに婚約者候補の話を聞いてすぐに名乗りを上げたわ」

そこまで一気に説明すると、クリスはハヤテに近付き

「分かる?私は貴方が好き。だからよ」

そう言うと、ハヤテにキスした。

「私のファーストキスよ。それをあげたんだから、私が真剣だって分かったでしょ?」

ハヤテにキスしたことで、アテネ達もついにキレたが

「覚悟してね。私は貴方と絶対に結婚するからね、ダーリン♪」

そう言って抱きついてきたクリスにハヤテは頭を掻き

「(こ、これからもっと大変になるだろうな。何も起きなきゃいいけど)」

そう思うしかなかった。


----------------------------------------------------------------------------------

  オリキャラ


 クリスティーナ・ディキソン

性別 女
年齢 16歳
身長 180cm
体重 内緒
誕生日 2月2日
家族 父、母
好きな物・事 ハヤテ、ハヤテがくれたコート、日本食
嫌いな物・事 アテネ、綾子、麗、脂っぽい物

 アメリカと日本をまたにかける大企業ディキソングループの一人娘。天王州家、神尾崎家、三千院家ほどではないが、かなりの財力の権力を持っている。
 髪は夕日の様な橙色。瞳は青空の様な空色。スタイルはアテネや綾子レベルである。
 ハヤテにクリスマスの日に偶然出会い、その時に助けてもらった事と、調べる中でハヤテへの絶対的な好意に気付き日本にやってきた。
 ハヤテの婚約者候補No.3である。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月24日更新) ( No.26 )
日時: 2014/07/24 15:57
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは鷺ノ宮家。そこにここ最近ずっと悩んでいる少女が居た。

少女の名は鷺ノ宮伊澄。ナギの幼馴染で、ハヤテに恋する光の巫女だ。


伊澄を悩ませているのは言うまでも無く、ハヤテの婚約者候補の話である。

伊澄自身ハヤテへの強い恋心を自覚してはいるが、微かではあるがナギへの遠慮もある。
だからこそ、自分も婚約者候補へ名乗りを上げるべきか悩んでいるのだ。

「ハヤテ様」

描写こそしてないが、連休明け後も伊澄はハヤテに仕事を手伝ってもらっていた。その中で伊澄の悩みを加速させていた。

「ハヤテ様、私はどうしたらいいんでしょう。ハヤテ様〜」

名乗りを上げたいという気持ちは確かにあるのだが、ナギが候補者になるのに苦労したという話も聞いているので、母親をはじめとする家族や信頼する咲夜にも相談出来ないでいた。


悩んでいたある日

「伊澄ちゃん」

一児の母とは思えないほど若々しい母の初穂さんが伊澄の部屋に来て声をかけた。
伊澄は返事はしたが、振り返らなかった。

「最近悩んでるでしょ?」
「そ、そんな事は」
「嘘ね。こんなでも私は伊澄ちゃんのお母さんなのよ。娘の様子ぐらい分かるわよ」

悩んでいる事を見抜かれていた事に驚きつつも、相談するかはまだ悩んでいた。
すると、

「ハヤテ君の事でしょ?伊澄ちゃんを悩ませているのは」
「・・・」

悩んでいる内容まで見抜かれ、伊澄は完全に黙り込んだ。

「何で悩むの?伊澄ちゃんはハヤテ君の事が好きなんでしょ?だったら」
「お母様」

話を遮る様に声をかけてきた娘に初穂さんは話を中断し、聞く事にした。

「ハヤテ様に婚約者候補が出来た事は知っていますよね?」
「ええ。咲夜ちゃんとナギちゃんから聞いたわ」
「ナギは、苦労しつつも候補者になった事は?」
「聞いてるわ」

伊澄は少し間を置き

「だから、悩んでいるのですよ」
「どうして?」
「私も婚約者になりたいと言う気持ちもあります。ですが」

言葉を切った伊澄に初穂さんは

「遠慮してるの?ナギちゃんに」
「・・・」
「そんな事、ナギちゃんに言ったら怒るわよ。ナギちゃんに言ったんでしょ?「自分達はライバルだ」って」

初穂さんの言葉に伊澄の心は少しは楽になったものの、

「で、でも」

取り乱し始めた我が娘に初穂さんは伊澄を抱きしめ

「ハヤテ君への気持ちが本気なら、悩んじゃ駄目。本気で諦めると言うなら、お母さん何も言わないけど、違うでしょ?」
「・・・」
「だったら、何も考えずに走り続けなさい。ナギちゃんを始め、他のライバル達に遠慮しちゃ駄目。恋と言う名の戦争に遠慮は邪魔なだけよ」

優しい言葉、そして母の温もりに伊澄の心は楽になった。

「確かに、伊澄ちゃんはナギちゃん同様結婚できる年齢じゃないから、苦労も多いだろうけど、お母さん頑張るから、伊澄ちゃんは安心して」
「お母様」
「それに、ハヤテ君なら息子にしてもいいから、伊澄ちゃんもハヤテ君をお婿さんにするための努力をしなさい」

ここまで言われ伊澄もついに

「私、ハヤテ様の婚約者候補になりたいです。今からじゃかなり不利なNo.6になりますけど、そんなの関係ないと思えるほど、私はハヤテ様が好きです」
「よく言えました。じゃあ、私はやる事が出来たから、行くわね」

そう言うと、初穂さんは部屋を出て行った。

「お母様、ありがとうございます。私が間違っていたんですよね」

伊澄はそう呟いた。


                   × ×


それから数日後。

「なあ伊澄、大事な話ってなんだ?」

伊澄は三千院家を訪れ、ナギに「大事な話がある」と言って居間に通されていた。

伊澄は少し間を置き

「ナギ、これを見て」

伊澄は懐から一枚の書類を取りだした。ナギも悠太もその書類を見ると、

婚約者候補No.6 鷺ノ宮伊澄

と書かれており、ナギも悠太もそれがどんな書類なのかすぐに理解できた。

「伊澄、お前」
「正直、悩んだわ。でもね、私は「ハヤテ様が好き」この気持ちに嘘はつけないの。だから、ナギに嫌われるんじゃないかって少し怖かったの。でも、お母様に言われて、悩みは消えたわ」

伊澄は間を開け

「だから、少し大変だったけど、私も名乗りを上げたわ。ハヤテ様の婚約者候補に」

ナギは少し間を開けてから、手を差し出した。

「待ってたぞ。我がライバルよ」
「ナギ」
「伊澄の事だから、必ず名乗りを上げてくると思ってたさ。ようこそ、恋という名の戦場に」

伊澄はナギと握手した。

「だがな、私は負けんぞ。私はNo.5、伊澄はNo.6状況的には大して変わらん」
「そうね」
「伊澄、お前は確かに親友だ。だがな、だからこそ、負けたくないと言う気持ちがより一層強い」
「私もよ」

2人は握手を止め

「これから大変だぞ。私も伊澄も他のライバル達から見れば、年下というハンデがあるからな」
「関係ないわ。「恋に年の差は関係ない」ってよく言うでしょ」
「ああ」

2人のやり取りを見ていた悠太は

「(天王州には悪いが、俺としては2人に頑張ってほしいな。特にお嬢様にな)」

そう思い

「(さて、俺もお嬢様の援護に尽力しねえとな。それが俺の役目だ)」

こう決意した。





ちなみにマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフ♪色々と手をまわして、ナギと伊澄さんが共倒れになるように仕向けようかしら♪それとも、徹底的に邪魔しようかしら♪そうすれば、私のコレクションが♪どっちにするか悩みますね〜♪ああ♪)

とか考えていた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

初穂さんのキャラが違うとお思いでしょうが、何度か言ってますが、この小説内では「良いお母さん」というキャラなので、今回みたいな感じになってます。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月27日更新) ( No.27 )
日時: 2014/07/27 16:13
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み天王州家。

今日も今日とで最近はお馴染みの言い争いが起こっていた。

「今日はウチやで」
「いいえ、私です」
「フンッ。この家の主たる私ですわ」

言い争っているのはアテネ、ソニア、日向である。なぜ争っているのかというと、「誰がハヤテと一緒に風呂に入るのか」そして、「今日は誰がハヤテと一緒に寝るのか」である。

以前まではハヤテはアテネと寝ていたし、時々は1人であった。だが、ソニアや日向が越して来て以来こんな言い争いは日常化してきていた。

「昨日はアテネお姉ちゃんやったんやで。年上としてウチに譲るべきや」
「いいえ。この場合年は関係ありません!!!私なんか最近一緒に入ってないんですよ。だから私です」
「貴方達、何をさっきから勝手な事を。ハヤテのご主人様は私ですのよ!!!!だからこそ、私ですわ」

ハヤテとしては思春期なため、出来れば1人がいいのだが、当然のように反論は許されず、以前反論した際は3人そろって

「「「反論する権利は(無いですわ)(無いですよ)(無いで)」」」

と言われ、ハヤテとしてはこれ以上余計な争いを増やさないため、我慢していた。

睨み合う3人をハヤテ以外に複雑な感情でみていた人物が居た。
この屋敷のもう1人の住人、千桜である。

「(な、何でだ!?なんで私はこの言い争いに参戦したいと思ってるんだ??)」

千桜はこの争いに参加し、「自分もハヤテと一緒に風呂に入ったり、寝たりしたい」という強烈な欲求が出ている事の理由が分からないでいた。
とはいえ、理由が不明な以上は参戦は控えていた。

この日、隙を見たハヤテは1人で入浴および就寝した。


                   × ×


そして翌日。

「皆さん、ウチからの大事な話や」

朝食を終え、食後のティーブレイク中に日向が突然話を切り出した。

「ここ最近、ウチらは不毛な戦いをしとるんやないかと」
「どういう事ですの?」
「最近のウチらはハヤ兄と誰が風呂に入るとか一緒に寝るかという争いをしとるやろ?」

アテネもソニアも頷いた。

「ウチは最近になって思ったんや。こんな争いはだれの得にもならんと」

アテネもソニアも驚いていた。

「じゃ、じゃあ日向さんはもう参戦しないと言う事ですのね?」
「アホな事ぬかすなや。ウチが言いたいのはやな、順番を決めたらどうやって事や」

日向の提案にアテネもソニアも(千桜も)

「成程。そこは盲点でしたわね」
「確かに、順番を決め、ローテーションを組めば、争いをしなくても済む」
「せや。それなら、優しいハヤ兄を困らせんで済むやろ?」

日向の提案に全員(ハヤテ除く)が納得していた。

「あ、あの。僕の拒否権などは?」
「無いで」

予想通りの答えだったのか、ハヤテは溜息をついた。

「早速、今夜から実施や」
「そうですわね」
「じゃあ順番決めと行きますか」

ソニアがそう言った途端、

「どうやって決めるんですの?」
「まあ、ここは王道のジャンケンやろ。勝ったもん順で決めればええやないか」

この提案に全員納得していた。

「じゃあ行くで」

アテネ、ソニア、日向がジャンケンしようと構えた

「あ、せや。千桜お姉ちゃんはどうするんや?参戦するんか?」
「え!?あ、いや。わ、私は。そ、その」
「なんや。なら、ウチら3人で決めよっか」

3人がジャンケンしようとした瞬間

「ま、待ってくれ」
「な、なんやねん」
「や、やっぱ参加する」

結局、千桜を含めて4人でジャンケンする事になった。

「(な、何で私は「参加する」なんて言ったんだ?なんでだよ)」

千桜は自分の言葉に混乱しつつもジャンケンした。

その結果、アテネ、日向、千桜、ソニアという順番になった。

「納得いかないわ。やり直しを要求するわ!!!」

最後になってしまったソニアが文句を言っていたが

「公平なジャンケンの結果や。諦めてや」

不正が無かった以上は諦めるしかなかった。


                    × ×


まずはアテネから

「フフ♪ハ〜ヤテ♪」
「もう、くっつかないでよ」

アテネは風呂場でハヤテに密着していた。

「ハヤテがいけないんですわ。私が居るのに、あの3人を止めないからですわ」
「だからって」

当然、ハヤテはアテネの体を洗うように命令され、照れつつも従った。

そして、寝るのも一緒であり

「ハヤテ〜♪」
「・・・アーたん、そんなにくっ付かれると、寝にくいんだけど」
「嫌ですわ〜♪」

アテネの声色から、アテネはあまり機嫌がよくないと悟り、下手な反論は避けない争いの種になると思い、止めておく事にした。


                    × ×


次に日向。

「ハヤ兄は女の体洗うの上手いなあ」
「ありがとうございます」

日向はハヤテにお願いして、洗ってもらっていた。

「なあハヤ兄」
「何でしょうか?」
「ローテーションとか勝手に組んで、ウチらの事怒ってないか?」

不安そうな日向にハヤテは

「大丈夫ですよ。怒ってません」
「ホンマか?こう言う時のハヤ兄は決まって嘘つくって聞いたで」
「嘘じゃありませんよ。て、照れますけど、怒ってません」
「さよか」


そして

「ハヤ兄と一緒に寝るの久しぶりやな」
「そうですね」

一緒のベッドに入りながら日向は

「(ハヤ兄と一緒におると、心から休まるわ。そして、いつまでも一緒に居たいとも思うわ。ハヤ兄、ウチは諦めんで)」

そう思っていた。


                    × ×


次は千桜。

「あ、あの千桜さん?」
「な、なんだ?////////////////////////////////////」
「大丈夫ですか?真っ赤ですよ」
「へ、平気だ/////////////////////////////////////」

心配するハヤテに千桜は平然を何とか装った。
が、

「(や、やっぱ緊張するな////////////////////////////////同年代の男の子と風呂なんて初めてだ//////////////////////////////////////)」

やっぱり緊張していた。

「(男と風呂なんて、小さいときに父さんと風呂に入って以来だよな////////////////////)」

緊張はしていたものの、

「(で、でも悪い気は一切しないんだよななんでだ?)」

嫌な気持ちが一切起こらない理由は分からない様だった。

それは寝る時もであり

「じゃ、じゃあおやすみなさい」
「あ、ああ。お休み」

千桜はハヤテと一緒のベッドに入っていた。

「(まただ。普通ならいくら親しいとはいえ、同年代の異性と一緒に寝るなんて嫌なはずなのに、そんな気が全く起こらないなんでだ?)」

千桜はこの時も嫌な気が起こらない理由は分からない様だった。


                      × ×


最後にソニア。

「やっと、ハヤテさんと一緒に風呂に入れるわ」
「そ、そうですか」

やっと自分の番になったソニアはアテネみたいにハヤテに甘えていた。

「な、何よ。ハヤテさんからすれば「たった3日」でしょうけど、私からすれば「3日も我慢した」なのよ」
「な、なんかすみません」

我慢していたせいか、ソニアはハヤテに甘えまくっていた。

「あ、そうだ。ハヤテさん、私が洗ってあげるわ」
「い、いやそれは」
「拒否権はないわよ」

ソニアは半ば強引にハヤテを洗い場に引っ張って行った。


そして就寝時

「フフ♪やっとハヤテさんと寝れるわ」
「は、はあ」

ソニアも結構美人なので、ハヤテは今日も照れていた。

「ハヤテさん、私嬉しいわ」
「そ、それは良かったです」

照れはあるものの、ソニアが嬉しそうなので、反論は止めようと思い、寝る事にした。



実のところ、ハヤテは女の子が交代交代で自分と寝たり風呂に入ったりする事に精神的に疲弊していたが、顔には出さない様にしていた。

だが、女の子達が喜んでくれている以上はハヤテとしては無下にできないので、断ったり嫌な顔をするのは止めようとも思ったのであった。




----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月30日更新) ( No.28 )
日時: 2014/07/30 17:02
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ある日の夜。

「ふう。少し遅くなっちゃったな」

ハヤテはアテネのお使いで出掛け、今は帰路についていた。
歩いていると、公園に差し掛かり

「近道、するか。遅くなると大変だし」

公園を直進する事で、数分ではあるが短縮出来るので、近道する事にした。


                  × ×


ハヤテは公園を小走りしていたが、ある違和感に襲われた。

「幾ら夜でも人の気配が無さすぎるな。どうしたんだ?」

気になりつつも走っていると、

ヒュルル

こんな音が聞こえ、ハヤテのすぐ近くにロケット花火が撃ち込まれた。

「(誰かが花火をしているのかな?ここへ飛んで来たのは偶然?)」

しかし、偶然などではなく、再び3本ほどロケット花火が飛んできた。

「(狙われている。誰が何の目的で僕を狙うんだ?)」

ハヤテはすぐに戦闘モードに切り替え、花火が飛んできた場所から犯人の大体の場所を絞り始めた。
そして、再び花火が飛んできた事で場所を特定し

「そこだ!!!」

ハヤテは特定した場所に急行すると、そこには1人の女の子が居た。

「僕を狙うのは、貴方ですか?」
「え!?」
「目的を聞かせてもらえますか?」

ハヤテの問い掛けに相手はキョトンとしつつ

「あ、あの。私は偶々犬の散歩でここを通りかかっただけなんだけど」

ハヤテが見ると、女の子は小型犬を連れていた。

「そうでしたか」
「勘違い、だったみたいだね」

女の子はそう言ったが、ハヤテの目つきは変わらなかった。

「勘違いですか」
「な、何!?」
「では、お尋ねしますが」

ハヤテは体制を整えると

「なぜ、貴方の手から火薬の匂いがするんですか?」
「・・・何の事?」
「僕は五感が鋭いんですよ。微かですが、貴方の手からは花火独特の火薬の匂いがします」

相手は何も言ってこなかったが、ハヤテは話を続けた。

「それに、貴方が連れている犬からは霊的な雰囲気が出ています。使い魔、とでもいえますね」

ハヤテがこう言うと、相手は暫く何も言わず

「流石、ね。だてに天王州家の使用人長をしている訳じゃないのね」
「なぜ、それを」
「さあね」

嫌な予感がし、ハヤテは距離を取った。

「貴方の目的はなんですか?」
「言うと思う?」

雰囲気から、言わないと思ったが

「まあ、いいわ。私は法仙夜空。目的はね、貴方よ」

夜空の言葉にハヤテは身構えつつも首を傾げた。

「別に変な意味じゃないわ。我々の目的には貴方が必要なのよ」
「どういう意味ですか?」
「分からないの?貴方が居れば王族の力を手に入れるのは容易だから、必要だと言ったのよ」

夜空の言葉にハヤテは驚くしかなかった。

「な、なぜそれを」
「さあね。でもね、私はいいえ、我々は王族の力の正体も知ってるわ」

ハヤテは冷や汗が流れるのを感じた。

「一緒に来て頂戴。我々には王族の力が必要なのよ」
「断る!!!!!あの力は決して世に出してはいけない力だ!!!!!」

ハヤテが断ると、予想通りとでも言いたそうな顔になり

「そう。なら、力尽くで行くわ」
「出来れば、貴方の様な女性に手を出したくはないですが、仕方ないですね」

ハヤテは白桜を召喚した。

「無駄よ」

そう言うと、夜空はポケットから水晶の様な物を取り出し、先端をハヤテに向けた。その瞬間、水晶の様なものが光り出し

「あ、う、うぐぐぐ」
「(マ、マスター!?まさか)」
「私、知ってるのよ。貴方の中に爆弾があるって」

ハヤテは激しい頭痛に屈みこみ、ミダスが出ない様に抑え込むので精一杯だった。

「無駄よ。大人しく私と来るのね」
「そ、それは」

出来ないと言いたかったが、もはや意識を保つのさえ難しくなっていた。

「フンッ。中々厄介な封印を施してくれたみたいね。でもいいわ。力尽くで破らせてもらうから」

夜空は水晶の様なものから発せられる光を強くした。

「無駄な抵抗は止めなさい。苦しいだけよ」

夜空が力を強めようとしたその時、何者かの気配を感じ、避けた。

「クッ。何奴」
「完全に不意打ちだと思ったんだが、避けたか」
「ゆ、悠太」

夜空に急襲を仕掛けたのは悠太であり、手には既に叢雲が握られていた。

「そんなので襲いかかったら危ないじゃない」
「鞘に納めたままだから、「痛い」で済むよ」

悠太は構えた。

「てめえの目的はなんだ?なぜハヤテを苦しめる?」
「そんなことより、なぜあなたがここに?人払いはしたはずだけど」
「偶々用事があって近くにいたんだよ。そしたらハヤテとあんたが見えてな。良からぬ雰囲気だったから乱入したのさ」

悠太も夜空も睨み合っていた。

「邪魔が入った。今日の所は退散しよう」

立ち去ろうとした夜空に悠太は

「ま、待て!!!!逃げるのかよ!!!!」
「好きに捉えろ。だが、私は諦めないから」

そう言うと、ほぼ一瞬で消えた。

「な、何だったんだ?-----って、そんな事よりハヤテ!!!!!」

悠太が慌てて振り向くと、ハヤテは大量の脂汗を書いた状態で気絶していた。

「おい、しっかりしろ!!!!」

抱き起したが、意識はなく、このままでは良くないと瞬時に悟り

「とりあえず天王州家に運ぶか。後、伊澄を呼んどくか」

悠太はハヤテをおんぶし、天王州家に急いだ


                   × ×


現在、天王州家の居間には異様な静けさが訪れていた。

悠太がハヤテを運び込んだとき当然のようにアテネ達に責められたが、事情を説明するとアテネ達も理解し、悠太を手伝った。

現在ハヤテは悠太が呼んだ伊澄が看ている。

「真山君、一体ハヤテに何があったんですの?」
「詳しくは分からねえ。だが、あいつの目的が何であれ、「敵」と言っても過言ではねえな」

再び静けさが訪れたとき、伊澄が戻ってきた。

「伊澄姉ちゃん、ハヤ兄は?」
「もう大丈夫ですよ。それより、天王州さん、悠太さん、ちょっと」

伊澄はアテネと悠太を連れ出し、別の部屋に行った。

「鷺ノ宮さん、ハヤテは?」
「とりあえずは安心できます。ですが、強力な力でミダスの封印を破ろうとした形跡がありました」

伊澄の言葉に悠太が

「だからか。あのハヤテがあんな簡単に負けるとは思えねえ。だが、伊澄の封印を無理矢理破ろうとしたせいであんな状態になったのか」

そう言い、アテネは心配で言葉が出ない様だった。

「ですが、大丈夫です。以前より強力な封印を施しておいたので、破られる可能性は低くはなりました」
「そう、ですか」

アテネも悠太もとりあえずは安心できたようだった。

しかし

「(お2人には「あの事」は今は言わない方がいいですね。心配を増やすだけでしょうから)」

伊澄は密かにこう思っていた。


                    × ×


同時刻、別の場所。

「分かってるよ。今回は思わぬ妨害があったから、失敗しただけだ」

夜空はある人物と電話していた。

「重々承知してるよ。今度は失敗しない」

相手の言葉を暫く聞き

「次は期待しててよ。作戦は考えてある。じゃあね、ヒスイ」

そう言い、電話を切った。

「綾崎ハヤテ、我々のため、王族の力を手に入れる駒になってもらうぞ」




----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

原作上では夜空の目的は断片的ぐらいにしか語られてませんが、一応目的などは独自ではありますが、用意してあります。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (7月30日更新) ( No.29 )
日時: 2014/07/31 21:19
名前: ささ

ささです。
美(少)女(少女は日向のみなので)四人と混浴だと〜
マリアさん、号外発行しませんか?(天皇州家使用人長、主人以外の女性(生徒会書記)
と同衾?)

no3(クリスティーナ)はかなり押しの強い女性だな。
綾子・麗・アテネ・ソニア・千桜(あと、ナギと日向も)まだ有利なんじゃ?

だって、裸を見せているジャン。

ところ変わって、夜空の強さは(原作とはわからないが)なかなかだな、伊澄の封印を解こうとするのだから(ミダス相手なのだから、強力なもののはず)
波乱の幕開けかなぁ。色々な方面から刃その他武器(殺気含む)の気配が・・・
ちなみにみなさん何をお持ちで?
降参です。計画は全て破棄します。(黄泉の国まだ行きたくない)
(ジャンピング土下座)
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月3日更新) ( No.30 )
日時: 2014/08/03 15:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 クリス「感想サンキューね♪」

 >>美(少)女(少女は日向のみなので)四人と混浴だと〜

 アテネ「そんな言う事ですの?」
 日向「別に普通の事やで」
 ソニア「そうですよ」
 千桜「・・・」

 >>マリアさん、号外発行しませんか?(天皇州家使用人長、主人以外の女性(生徒会書記)
  と同衾?)

 マリア「あら♪良いですね〜♪どうせなら、徹底的に悪評を加えておきましょう♪」 

 悠太「・・・」
 アテネ「・・・」

 >>no3(クリスティーナ)はかなり押しの強い女性だな。

 そうですね。クリスは初恋というのもあるので、積極的なんですよ。

 クリス「当然です」

 >>綾子・麗・アテネ・ソニア・千桜(あと、ナギと日向も)まだ有利なんじゃ?

 名前を言われた人(千桜以外)「な、何で!?」

 >>だって、裸を見せているジャン。

 一同「あ、そうか」

 千桜「わ、私は別に」

 >>ところ変わって、夜空の強さは(原作とはわからないが)なかなかだな、伊澄の封印を解こうとするのだから(ミダス相手なのだから、強力なもののはず)

 夜空は結構強いですよ。原作でも、伊澄の攻撃を防いだり、ハヤテの急襲も防ぎましたからね。
 ある程度は原作通りです。

 >>波乱の幕開けかなぁ。色々な方面から刃その他武器(殺気含む)の気配が・・・

 悠太「まあ、気のせいじゃねえだろうな」

 >>ちなみにみなさん何をお持ちで?

 綾子「私は青龍と朱雀ですわね。ハヤテ様を困らせるなんて許しませんわよ」
 アテネ「私は業物の日本刀ですわね」

 >>降参です。計画は全て破棄します。(黄泉の国まだ行きたくない)
  (ジャンピング土下座)

 アテネ「まあ、止めるなら、許してあげますわ」

 マリア「(チッ。邪魔しやがって。まあいい。こっちで流せばいい)」


 ま、まあその。 感想ありがとうです〜♪


[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月3日更新) ( No.31 )
日時: 2014/08/03 15:47
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み三千院家。


「なあ悠太、私は最近になって思うのだよ」

朝食後のティータイム中にナギは突然話を切り出した。

「思うって何をだよ」
「フッフッフ。それはだな」

ナギは掛けてない眼鏡を上げるしぐさをした後

「ここ最近、私は家事修行のおかげでずいぶんレベルが上がってきている」
「ああ、そう」
「だから、私の漫画もそれに比例してレベルアップしていると」

悠太は同調も否定できなかった。なにせ、ナギの漫画のレベルは全く変わってないからだ。

「だから、持ち込みをすれば、採用されのではないかとな」
「何処にだ?」
「小○館か集○社だな。確か、持ち込みオーケーのはずだ」

ナギは嬉しそうに語っていたが、悠太には不安しかなかった。

すると、このやり取りを聞いていたマリアさんは

「(あ、そうだ♪採用されたと嘘の手紙が届くようにして、ナギを行かせましょう♪そしてそんなの知らないと言われるでしょうし♪馬事雑言を言う様に買収しましょう♪そうすれば♪ああ♪)」

とか思っていた。


                     × ×


そして翌日の夕方。
ナギも悠太もバイトの日だったので、喫茶どんぐりに来ていた。

「なあお嬢様、漫画の調子はどうだ?」
「まあ、あと少しで完成だよ」

眠そうなナギに悠太は

「まあ、無理はすんなよ。体が資本だからな」
「ああ」

悠太は店番をしつつある事を考えていた。

「(正直に言うと、お嬢様の漫画がプロの世界で通用するかは分からない。プロに見てもらえれば速いが、居ないしな)」

そんな事を考えていると、来客があり、お客さんは足橋先生だった。

「足橋先生、いらっしゃいませ」
「やあ」

接客しているナギを見ながら悠太は

「(そう言えば、この人はプロなんだよな。見てもらえれば、お嬢様にもいい経験かもな)」

そう思い、調理場に来たナギに

「なあお嬢様、持ち込みする前に、足橋先生に見てもらったらどうだ?」
「な!?馬鹿な事言うなよ。あの人は本物のプロだぞ。畏れ多いと言うか、厚かましいと言うか」

予想通りの反応に悠太は

「まあ、聞くだけ聞いてみろよ。駄目なら駄目でいいじゃねえか。それにさ、挑戦する事に意義があるともいうだろ?」

悠太の言葉にナギも納得している様だが、やっぱり言いにくいようなので、

「足橋先生、ちょっといいすか?」
「ん?なんだい?」

代わりに悠太が聞く事にした。

「お嬢様、実は漫画家を目指してるんですよ」
「ほう。そうだったのか」
「それでですね、お嬢様の漫画を見てもらいたいんですよ」

悠太の問いにナギは緊張していたが、先生は笑顔で

「別にいいよ。あ、なんだったら、僕の仕事場に来るかい?厚かましくなければ、教える事もするよ」

先生の言葉にナギは

「い、良いんですか?」
「良いよ〜」
「あ、あのお邪魔なんじゃ」

恐縮するナギに先生は笑顔で

「気にしなくてもいいよ。それにさ」

先生はナギを見ると

「将来、ライバルになるであろう漫画家の作品に興味があるからね。少しくらいなら時間ぐらい割くよ」
「先生」
「じゃあ待ってるよ。何時来れる?」
「あ、明日でいいですか?」

先生は少し考え込み

「明日は平気だな。じゃあ待ってるね」

ナギは感動したまま悠太の傍に来て

「聞いて良かったろ?」
「あ、ああ。悠太もありがとな」
「良いって。それより、ちゃんと完成させろよ」
「当たり前だ」


                     × ×


そして翌日の早朝。

「完成だ。最高傑作の完成だ!!!!!」

ナギは自分が書きあげた漫画に感激しているようだった。

「へえ、出来たのか」
「ああ。悠太、見てみろ!!!」

そう言われ、悠太はナギの原稿を軽く読み

「どうだった?」
「あ〜。うん」
「なんだよ。まあいい。これなら足橋先生も認めてくれる」

喜ぶナギに悠太は

「(やれやれ。あんなので大丈夫か?)」

不安に駆られていた。
一方マリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪足橋先生がナギの漫画を酷評してくれれば面白いんですけどね〜♪そうすれば、色々と楽しそうですね〜♪ああ♪)」

こんな事を思っていたそうだ。


                     × ×


そして、先生の仕事場があるマンションの前。

「ついに、ついにこの日がやってきた」
「まだ午前中なのにテンション高いな」

ナギは興奮しっぱなしだった。

「いいか。プロに見てもらえるんだぞ。しかも今回のは最高傑作。プロに認めてもらえるって事は、事実上デビューと言えるだろうが」
「はいはい」

悠太はナギとは違い、冷静だった。

「見てろよ。足橋先生に見てもらい「これは凄いね。僕の知り合いの編集者さん紹介しようか?」とか言われ、ついに私もデビューだ」

興奮しているナギに悠太は

「(お嬢様は自信たっぷりだが、正直に言うと、不安でしかない。お嬢様が精神的に打ちのめされなきゃいいけどな)」

心配していた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月6日更新) ( No.32 )
日時: 2014/08/06 17:48
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ナギは足橋先生に自分の漫画を見てもらえる事になり、自信作を仕上げ、持参した。


ナギは悠太の心配をよそにテンションが高いままマンション内を進み、教えてもらった足橋先生の仕事場がある部屋についた。

「ついに来たぞ。前人未到の1兆部を売り上げた漫画家への第1歩をな」

そう宣言すると、チャイムを鳴らした。

しかし、待ってみても応答はなかった。

「あれ?留守か?」
「おかしいな。今日は時間があるって言ってくれてたのに」

チャイムを3回ほど鳴らしたその時

「うるせいぞ!!!こっちとら客の応対している暇はねえんだよ!!!」

出てきた人物と微妙な空気を少しの間出した後

「あれ?東宮じゃねえか」
「真山、それに三千院。何でここに?」

応対に出てきたのは悠太達のクラスメイトである東宮であり、今日は何故か鉢巻をしていた。

「お〜い東宮君、お客さんは誰だったんだい?」

3人がどう対応していいのか困っている所に足橋先生が奥からやってきた。

「ああ、君達か。いらっしゃい」
「あ、こんにちは」

やってきた先生に東宮は

「先生!!こんな所で油売ってないで、仕事してくださいよ!!!!」
「大丈夫だって。それより、ナギちゃん、漫画出来た?」
「あ、はい。ここに」

持ってた鞄を差し出したナギを東宮が睨み

「後にしろ!!!!」
「「え!?」」

驚くナギと悠太を尻目に東宮は先生を振り向かせ、

「事情は後でゆっくりと聞きます!!!!今は仕事です!!!!」
「しかしだね。約束は」
「こっちの約束が先です!!!!!!」

呆然とするナギと悠太を置いて、東宮は先生を奥へと連れて行き、すぐに

「入るならさっさとしてくれ。何時までもそこにいたんじゃ近所迷惑だ」
「「あ、うん」」

ナギと悠太は少し悩んだが、上がらせてもらう事にした。


                   × ×


先生は仕事場に行ったが、ナギと悠太は東宮に客間に通された。

「で、何の用だよ」

東宮は妙に不機嫌だったが、ナギは特に気にせず

「足橋先生に私の書いた漫画を見てもらうって約束したんだよ」
「成程な。でも悪いが、それは後だ」
「な、何でだよ」

引き下がろうとするナギを東宮は不機嫌な目つきで見た後

「締め切りだよ。プロを目指してるんなら、締め切りに追われる漫画家がいかに大変か少しぐらいわかるだろ」
「ま、まあな」
「ちなみにだ。その締め切りとやらは何時だ?」

悠太の問い掛けに東宮は溜息をつき

「4日前だよ
「「4日・・・前!?」」

予想してなかった答えにナギも悠太も驚くしかなかった。

「だ、大丈夫なのか?」
「大丈夫な訳無いだろ。今日も朝早くから催促の電話が何回もかかってきてるよ」

流石のナギも現状では漫画を見てもらえないと悟り、諦めた。

「それより、お前さんはなぜここに?」
「ああ、言ってなかったな。うちは母親と姉が漫画家なんだ」
「そうだったのか」

感心するナギに東宮は話を続けた。

「そのせいか、小さい頃から色々と叩き込まれたんだよ。だからアシスタントが出来るんだ」
「へえ。悠太みたいだな」
「まあ、な」

話をしていると、そこに

「東宮君、悪いが手伝ってくれ」
「あ、はい」

東宮は立ち上がって客間を出て行こうとしたが、出入り口近くで立ち止まり

「そう言えば、お前ら背景描けるか?」

突然の問い掛けに驚きはしたものの

「一応はな。これでも漫画描いてるし」
「まあ、俺も少しでよければかけるよ」

悠太からの予想外の言葉にナギも東宮も驚き

「か、書けるのか?」
「まあな。少しだけど」
「な、何でなのだ?」

驚く2人に悠太は

「お嬢様知ってるけど、東宮は初めてだっけ?俺の姉ちゃん凄いオタクなんだ。だから、漫画を描く事もごくたまにあったんだよ」
「美緒さんが?初耳だな」

東宮は悠太の姉を知らないので、詳しい事は分からない様だった。

「で、姉ちゃんが書くときは俺に手伝いをさせてたんだよ。だから手伝い程度は少しならできるってわけだ」
「じゃ、じゃあ」

ナギは期待していたようだが

「まあでも、姉ちゃんは「書いて満足」ってタイプだったから、持ち込みとか同人誌販売会とかには参加しなかったみたいだけどな」

悠太の言葉に少し落ち込んだ。
すると東宮は

「お、おまえの姉ちゃんってどんな人なんだ?」
「声優の真山美緒だよ。って知らないか」

悠太が姉の名を出すと、東宮は驚き

「あ、あの美緒さんか!?これは驚きだな」
「知ってたのか」
「当たり前だ!!うちの母親も姉も大ファンだよ」
「あ、そ」

すると東宮は話をしている場合でない事に気付き

「そ、そんな事より手伝ってくれ。今は大ピンチなんだ」
「あ、ああ」
「分かった」

ナギも悠太も仕事場に赴き、事情を説明して手伝い始めた。

「真山君はこっちを。ナギちゃんはこっちだ」
「了解っす」

ナギは初めてプロの原稿が見れると期待して差し出された原稿を受け取った。

「!!!!!!」
「どうした?」
「なんか誤字とかあったかい?」
「あ、いえ」

ナギは何とか誤魔化しつつ手伝いを始めた。

「(お嬢様、まさか)」


                      × ×


原稿も無事に仕上がり、全員一息入れていた。

「いやはや。今週も危なかった」
「先生、計画的に進めた方がいいっすよ」
「無駄だよ。俺も何度か指摘してけど、治らないよこの人は」

すると悠太はずっと静かなナギに

「お嬢様、どうしたんだ?元気ねえな」
「何でもないよ。それより悠太、帰るぞ」
「え!?折角書いた原稿を見て貰わなくていいのか?」

悠太の言葉にナギは過剰に反応し

「今日は、いい」

そう言って帰ろうとしたが、東宮が

「別にいいじゃねえか。見て貰えって」

そう言ってナギの鞄を取ろうとしたが

「さ、触るな!!!!」

慌てて取り返そうとしたせいで、鞄の中身が飛び散ってしまった。

「コラコラ。嫌がってるのに無理強いはいけないよ」

そう言ってる先生の元に原稿の1枚が飛んでき、それを見ている先生の顔がナギには曇って見えた。

そして

「う、うわああああああ」
「あ、お嬢様!!!!」

ナギは飛びだして行ってしまった。

「ったく。しょうがねえな」

悠太は携帯を取り出し、何処かに電話をかけた。


                    × ×


ナギはただひたすらに翔けていた。どこをどう走っているかもわからず、無我夢中だった。

そして、ナギは三千院家に戻ってきた。

門の鉄柵にもたれかかり、荒い息をしていると

「ナギさん」
「ハ、ハヤテ」

ハヤテが優しい顔でナギの傍に来た。

「どうしたんですか?悠太が心配してましたよ」

ハヤテの優しい顔と優しい声にナギの感情は遂に爆発し

「落書きだったんだ!!!!」
「・・・」
「私が今まで漫画だと思っていたのは落書きだったんだ!!!」

ハヤテはナギの叫びをただ黙って聞いていた。

「今日本物のプロの原稿を見て分かったんだ!!!!私はそこらの凡人だったと!!!!!」
「ナギさん」
「私は今まで自分が天才だと信じて疑わなかった。だが、どうだ。違ったじゃないか!!!!」

感情が爆発するナギをハヤテはただ黙って抱きしめた。

「ハ、ハヤテ!?」
「ナギさん、落ち着いてください」

ハヤテに抱き締められ、ナギは少しずつだが落ち着き始めた。

「ハヤテ。私は天才じゃないのか?努力をしなくても夢が叶う天才じゃ無かったのか?」
「ナギさん、僕はそう思いませんよ」
「私には才能は無いのか?」
「大丈夫です。ナギさんには才能はありますよ」

ハヤテの優しさと温かさでナギの涙腺は緩み

「ハヤテ〜」

遂に泣き出してしまった。

「ナギさん、僕の胸でよかったら幾らでもお貸しします。なので、今は泣いてもいいんですよ」
「ハヤテ〜」

ハヤテの励ましにナギは只管に泣いていた。



この光景の一部始終を見ていたマリアさんは

「(ふざけんじゃねえぞ!!!!!!!!!!何でナギを慰めんだ!!!!!!!!!!!徹底的に落ち込ませてコレクションする計画が台無しじゃねえか!!!!!!俺様の計画の邪魔してんじゃねえぞ、クズが!!!!!!!!!!!!!!)」

とか思っていたそうだ。


                     × ×


一方の悠太はというと

「しかし、これは近年稀に見る酷さですね」
「これがナギちゃんの漫画か。1ページしか見てないから何とも言えないけど、理解が難しそうだね」

悠太は何も言わずに散らばった原稿を集め終わると

「先生、今日の所は退散します」
「・・・」
「でもいつの日か、お嬢様が「先生に見せてもいい漫画」を仕上げてまた来ます。その時改めて、見てもらえますか?」
「勿論だよ。その時が来るのを楽しみにしてるよ」

先生は笑顔で快諾してくれた。

「じゃあ、俺達はこれで」
「ああ」

悠太はマンションから出ると

「(予想は最悪の形で中ったか。後はお嬢様次第だが、俺が出来る事は全部やらねえとな)」

悠太は人知れず決意した。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は、結構重要な話です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月9日更新) ( No.33 )
日時: 2014/08/09 17:03
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ナギはプロの原稿を見て自分のレベルを知ってショックを受けた。


ナギが足橋先生の元を訪れてから2日ほどが経った。

現在は昼休みでありハヤテと悠太は2人で白皇内の庭で昼食を取っていた。
普段ならハヤテの周りにはアテネ達が居るのだが、ハヤテが説得して悠太と2人になったのだ。

「悠太、あれからナギさんはどう?」
「取りつかれた様に家事修行に明け暮れてるよ。まるで「自分にはもうそれしかない」って感じでな」
「そう」

悠太は溜息をつき

「今回ばかりはお嬢様自身の手で何とかして貰わねえとな」
「そうだね。でも、一応は手を打っておいたよ」
「そうか。すまねえな」
「良いって」

その後は軽い世間話をしつつ昼食を食べ終え

「そう言えばさ、機会が無くて聞けなかったんだが」
「何?」

悠太はハヤテの方へ向き、真面目な顔で

「ハヤテ、色んな女の子に好かれるってどんな気分なんだ?」
「え!?」

ハヤテはキョトンとしていたが、悠太は悪戯っぽい顔になっていた。

「それにさ、お前さんには婚約者候補が6人もいるだろ?どうなんだよ」

悠太はからかい半分、もう半分は本気で聞いていた。
しかし、ハヤテは相変わらずキョトンしていて。

「な、何の事?僕を好きな人って居る訳無いじゃん」
「は!?」
「それにさ、婚約者候補の話だって「無理矢理」でしょ?」
「え!?へ!?は!?」

今度は悠太がキョトンとする番だった。

からかうのが目的の半分だったとはいえ、予想していない反応に悠太は頭が追い付かず、暫く考え込んだ後

「な、何言ってんだよ。無理矢理な訳無いだろ」
「悠太こそ何言ってるの?「親が勝手に婚約者にした」でしょ?僕なんかの婚約者候補になって嬉しい訳無いじゃん」

悠太はハヤテがふざけてるか、からかいに気付いて自分をからかっているのかと思ったが、ハヤテは大真面目な顔だった。

「お、おいどうしたんだよ」
「何が?」
「何って。6人の婚約者候補は「自分の意志」で婚約者になったんだぞ。お前、どうしたんだよ」

焦る悠太に対し、ハヤテは驚くばかりだった。

「しっかりしろよ。お前と天王州の絆はどうなったんだよ。あれは明らかに「主従関係」によるもの以上だったぞ」
「・・・」
「ハヤテ、お前どうしたんだよ。好きな女の子は居ない!?そんな訳無いだろうが」

悠太の言葉にハヤテは悩み始め

「僕を好きな人が居る?な、何の事なんだ?いったい何の事」
「どうしたんだよ。ハヤテ!!」

悠太はもうからかっていなかった。ハヤテが好きで頑張っているナギを応援している以上は結果がどうあれナギを最後までサポートしたかった。
しかし、肝心のハヤテが先程からおかしいため、真剣に心配していた。

「ぼ、僕は。僕は」

俯いてブツブツと何かを呟いていたその時!!!

「う、グググ」
「ハ、ハヤテ!?」

突然ハヤテが頭を抱えて苦しみ出した。
そしてすぐにでも息が荒くなり始めた。

「ま、まさか!?ハ、ハヤテしっかりしろ!!!!」
「グウウウ」

悠太は心配でハヤテに寄り添い声をかけ続けていたが

「ゆ、悠太。離れて」
「出来るかよ!!!ハヤテ!!!」
「ゆ、悠太。ごめん!!!」
「へ!?って、うわ」

ハヤテが突然悠太を突き飛ばした。

「な、何を---ってハヤテ!!!!」

突き飛ばされた悠太が慌ててハヤテの方を見ると、ハヤテは頭を抱えて蹲っていた。
それだけならまだしも、ハヤテの体からは真っ黒い煙の様なものまで出ていた。

「こ、これは。やっぱり」

悠太は冷や汗が流れるのを感じた。

悠太が感じでいたのはゴールデンウイークでアテネ市で戦った際に感じた物そのものだった。

「ミダスの奴が封印を破ろうとしてやがるのか!?し、しかし。って違う!!!ハヤテ!!!」

悠太は慌てて駆け寄ろうとしたが、あまりの邪気に近寄り辛かった。

「ハヤテ!!!!!」

それでも何とか近寄ろうとした瞬間、突然何かが飛んで来て、ハヤテに中り、白い光が出た後、黒い煙の様なものは消えたが、ハヤテは蹲ったままだった。

「これって」
「間に合ったみたいですね」

伊澄が仕事モードの顔つきでやってきた。

「大丈夫ですか?」
「お、俺はな。で、でもいったい」
「話は後です。ハヤテ様を」

悠太は気を失ったハヤテを抱き上げ、保健室に運ぶ事にした。


                  × ×


悠太はハヤテを保健室に運んだあと、アテネを呼び、保健室の前の廊下で話しこんでいた。

「真山君、貴方ハヤテに何をしたんですの?」

悠太は先ほどの出来事を事細かに話した。勿論、半分冗談だったとはいえ、ハヤテに好意を寄せられている事をどう思っているのかと聞いた事も正直に話した。

2人が廊下に居るのは「集中したいから2人きりにしてくれ」と伊澄に言われたからだ。

「し、しかし。なぜハヤテはそんな話だけで?」
「分からない。今は、伊澄が診ているが、それが終わるのを待って聞くしかないよ」

悠太とアテネの間にはそれっきり会話は無く気味の悪い静けさが訪れた。

暫く待つと、ドアが開き、伊澄が出てきたが

「伊、伊澄お前」

伊澄の髪は真っ白に染まり、足元もふらついていた。

「だ、大丈夫です。力を使いすぎただけです」

大丈夫とは言ったが、悠太の支えなしでは立てないほどであった。

「それより、大事な話があります。理事長さんと悠太さん以外に聞かれない場所がいいですね」
「では、理事長室に行きましょう。そこなら、余程の事が無い限り人は来ませんわ」

3人は理事長室に移動する事にした。とは言っても、伊澄は自力では殆ど立てないので、悠太がおんぶした。


                    × ×


理事長室に来た3人は伊澄がある程度回復するのを待ってから

「悠太さん、もしかして、ハヤテ様に恋愛観連の話をしたんじゃありませんか?」
「え!?あ、ああ。したよ」

伊澄には話していなかった話を指摘され、悠太は驚きつつも肯定した。

「やはり、ですか」
「鷺ノ宮さん、一体どうなってるんですの?」

伊澄はお茶を1口飲み

「お2人には話しておいた方がいいですね。実は、私は2つの隠し事していたんです」

伊澄はそう前置きをし、

「1つ目は、ハヤテ様はミダスの封印の影響で「恋愛」の言う感情が欠落しているんです」
「「な!?」」
「つまりですね、ハヤテ様は「恋」という物が分からないのですよ」

伊澄の言葉に悠太は

「だからか。「好かれている気持ちはどうだ?」と聞いても首を傾げたのは」
「ええ。現在のハヤテ様は「恋愛」というものが全く分からないのです。ですから「好きです」と告白してもそれが「恋によるもの」とは気付くかどうか」

ハヤテに強い好意を寄せるアテネからすればかなりショックな事実だった。

「そしてもう1つ。これは話すべきか悩みましたが、今回の一件でお2人は知っておいた方がいいと悟り、お話しします」

アテネも悠太も息をのんだ。

「ミダスの封印はだんだんと効かなくなっているんです」
「「な!?」」
「以前お話したと思いますが、ハヤテ様とキング・ミダスは良すぎると言えるほど、相性がいいんです」

伊澄の言葉に悠太は

「そう言えば、言ってたな。ハヤテの心の闇はミダスの野郎にはあまりにも居心地がいい場所だって」
「ええ。ですから、その心の闇を栄養とし、現在でも少しずつではありますが、力をつけて来ています」
「で、では」
「私の力が効かず、封印を破る時が間違いなく、いずれ来ます」

衝撃としか言えない事実にアテネも悠太も黙り込んだ。

「そうなった以上もはや「倒す」という選択肢以外は存在しなくなります。その時は覚悟するしかありません」

伊澄の告白に悠太は

「封印を破る時は来ない。なんて無いよな」
「ええ。絶対に、と断言できます」
「だったら、やるしかねえな。その時は色んな人間に協力を仰ぐしかねえか」

悠太とは違い、アテネは暫く俯いていたが

「覚悟を決めるしかありませんわね」
「ああ」

アテネも悠太も決意した。

「なあ伊澄、この事は俺たち以外には言わない方がいいよな?」
「そうですね。特にナギには言わない方がいいですね。ナギにはショックが大きすぎでしょうから」
「分かった」
「私も了解ですわ。話すときは「万が一」の時だけにしますわ」

3人とも誓った。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

色々と詰め込みすぎましたかね?すみません。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月12日更新) ( No.34 )
日時: 2014/08/12 16:58
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは三千院家。

ナギは現在自室で考え事をしていた。

「(自分の夢は叶わないかもしれない。いや、「叶わない」だろうな)」

ナギがこんなネガティブな考えなのは先日の足橋先生の原稿を見て、自分のレベルを知ったからだった。

「(疑う事すらしなかった未来が無くなり、真っ暗になった。これしかないと思って家事修行に打ち込んだが、何かが物足りない)」

悠太が言っていた通りナギは自分の心の隙間を埋めようと、家事修行を取り疲れた様にしていたが、物足りなさを感じていた。

「(どうすればいいんだ。どうすれば)」

ナギが落ち込んでいると、部屋のドアがノックされ、入室を許可すると、悠太だった。

「お嬢様、客だぞ」
「客?まあいい、通してくれ」

客が誰かは気になったが、思考の深みにハマるよりマシだと思い、聞かずに通した。

「なんだ、思ったより元気そうだな」

客は最近ナギが仲良くなった千桜であった。

「なんだよ」
「落ち込んでるって噂で聞いてな」
「慰めに来たのか?」

ナギの問い掛けに千桜は敢えて答えず

「持ち込みとか行かないのか?漫画家になりたいんだろ?」
「行かないよ、もう」
「そう、か」

千桜は理由を聞かなかった。

「ナギ、とりあえずこれを読んでみろよ。今のお前はこれ以下か?」

ナギは受け取った同人誌を読んだ。すると、数ページで

「馬鹿言うなよ。これには勝ってるよ」
「成程な。自信をまるっきり失った。って訳じゃないのか」

千桜は安心したように笑みを浮かべ

「だったら、明日手伝ってくれ」
「な、何をだ?」
「同人誌即売会だよ。友達に頼まれたんだ。「当日外せない用事が出来たから、代わりに売って欲しい」ってな。それの手伝いだ」

ナギは黙り込んでいた。

「で、どうする?お前が嫌なら真山君か綾崎君に頼むけど」
「い、いや。行く。行かせてくれ」
「そうか。分かった」

すると千桜は

「そう言えば、同人誌即売会に行った事あるのか?」
「な、ない。でも、頑張る」
「分かった。じゃ明日8時な」

帰ろうとした千桜にナギは呼びとめ

「2人なのか?売り子は」
「ああ。入場が出来るチケットが2枚しかないからな」

そう言うと、部屋を出た。

部屋を出ると、悠太が居た。

「なんか、すまねえな。色々と」
「気にするな」
「それより、何でお嬢様を誘ったんだ?」

悠太としては人見知りするナギを誘った理由が気になっていた。

「綾崎君に頼まれたんだよ。「ナギさんが落ち込んでるので、慰めてあげてください」ってな」
「成程な。ハヤテが「手は打っておいた」って言うのはこれか」

悠太はハヤテが言っていた事を理解し

「でも、何で春風なんだ?」
「さあな。でも、「僕や悠太が慰めても効果は薄いと思うんです。ですから、千桜さんなら、千桜さん流の慰めが出来ると思うんです。だからお願いします」って言ったぞ」

悠太は千桜が隠れオタクだと知っているので、正しいと思った。

「分かった。じゃあ俺からも頼むな」
「でもいいのか?」
「何を?」
「綾崎君にも言ったが、このまま夢を諦めさせた方が、辛い思いをしなくて済むかもしれないんだぞ?」

千桜の言葉に悠太は

「姉ちゃんが言ってたんだ。「夢は叶っても叶わなくても、同じだ。違うのは後に残る物だけだ」って」
「そうか。君のお姉さんは「夢をかなえた人」だもんな」
「ああ。それに------いや、何でもない」

千桜は疑問に思いつつ

「明日は任せろ。ナギが立ち直るといいな」
「ああ」

千桜は帰って行った。

すると、このやり取りを見ていたマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギが徹底的に打ちのめされれば面白んですけどね〜♪ああ♪)」

とか思っていた。


                    × ×


一方その頃。

「私だ、夜空だ」

法仙夜空が何処かに電話した。

「どうやら、こちら側にチャンスが回ってきたようだ」

向こうの返答を待ってから

「分かってる。今度はちゃんとやるよ。じゃあね、ヒスイ」


                     × ×


そして翌日。

「池袋駅から歩いて10分。乙女ロードを抜けてアニ○イト池袋店の前。あれこそがサンシャイン60だよ」

ナギと千桜はすぐに中に入り

「ここのホールAが今回の即売会。コミックサンデー略してコミサンそのメイン会場このが我々の戦場だよ」

ナギは会場内を見て。

「ここが即売会か」

会場内はにぎわっており、様々なサークルがすでに準備していた。

「会場って結構広いんだな」
「そうでもないよ。8月に有明のビックサイトで開催される物なんかこれの何倍もあるぞ」
「まじで!?」

こんな会話している内に

「ほら着いたぞ。ここの机半分と椅子2個。これが我々のサークルの場所だよ」
「え!?長机1個分じゃなくて、半分なのか?」
「まあな」

ナギは会場全体を改めて見渡し

「ここには沢山の素人が居るってことか!?」
「ここにはセミプロもプロもいるよ。特に「壁」と呼ばれる大手サークルの奴らは殆どプロだよ」

千桜の解説にナギは

「こんなに漫画家っていたのか」
「週刊誌や月刊誌の連載が全てって訳じゃないよ。こう言う世界が日本の漫画文化の根底を支えているんだろ」

解説を終えた千桜は持ってたキャリーバックを机の上に置き

「ほら、設営準備に取り掛かるぞ」
「あ、ああ」

手伝い始めたナギに

「忘れる所だった。隣の人とのコミュニケーションも大切な要素だぞ。きちんと挨拶し、見本を渡すのが礼儀だ」
「分かった。で、その隣はっと」

ナギは今日参加するサークルの一覧を見て

「隣も初参加か。挨拶なら任せろ」
「あ、そう。あ、来たみたいだぞ」

2人が挨拶しようと隣に来た人を見ると

「「・・・」」
「・・・」

偶然なのか、隣のサークルの人は2人のクラスの担任の薫先生だった。
恐ろしいほどの奇妙な沈黙の末

「は、初めましてだな。隣の物だ。よろしくなのだ」
「は、初めまして。よろしくお願いします」
「あ、ああ。初めまして。こちらこそよろしく」

全員初めて会った他人のふりを通す事にし、お互いのサークルの本を渡し合った。


                  × ×


一方その頃。

「ここにナギさんが」

ハヤテが会場があるサンシャイン60の前に居た。

ハヤテがここに居る理由は、昨日に時間を戻して説明しよう

「ナギさんの様子を?」
「ああ。お前が見てほしいんだ」

悠太は千桜が帰った後、ハヤテに電話し、事情を説明したうえでお願いしていた。

「俺が行ってもいいんだが、お嬢様にそれは止められてな。ハヤテだったら、偶然が言い訳に出来る。だからだ」
「分かった。僕でよかったら」
「すまねえな。このお礼は絶対するから」
「いいよ。ほかならぬ悠太の頼みじゃん。無償でするよ」
「すまん」

こんな事を頼まれたからである。


「さてと。僕も会場に」

そんな風に考えながら会場に入ろうとした時

「おや?綾崎じゃないか」

変態---じゃなくて、虎鉄が現れた。

「その様子から察するに、「会場に入りたいが、サークルチケットが無いから入れない」ってところか?」

ハヤテは虎鉄をまるで害虫を見るかのような目つきで睨み、無視して歩き出した。

「ま、待て。そのまま行ったら私がでかい声で独り言言う危ない奴みたいじゃないか」

虎鉄がひきとめたが、それでもハヤテは無視し続けた。

「待てって」
「何だよ、ゴミ」
「私はゴミじゃ無い!!!!」
「じゃあ変態!!!!!」

騒ぎになりそうな雰囲気に虎鉄は焦り

「と、ともかくだ。会場内に入りたいんだろ?だったら」
「うるさいな。この会場の責任者とは知り合いだし、話は通してあるんだよ。貴方に頼らなくても入れるの」

そう言うと、ハヤテは虎鉄を再度睨みつけ足早にサンシャイン60に入って行った。

「フッ、綾崎め。だが、あの冷たい目つきもたまらん」

虎鉄は虎鉄で嬉しさで身震いしつつ会場に急いだ。


                    × ×


そして、少し離れた別の場所。

「言われたとおり、サンシャイン60のロッカーに頼まれた物を入れておいたわよ」

ある人物が目の前の人にロッカーの鍵を渡しながらそう言った。

「で、そんな所で何するの?」
「私の、可能性を見に行きたいから」



様々な思惑がありつつも、ついにコミサンが始まる。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月12日更新) ( No.35 )
日時: 2014/08/13 15:44
名前: ささ

このクズ執事をに黄泉の国への片道切符を進呈したいと思っているささです。
(なんで名を出さないか・・それは放送禁止用語だということにしてください。ほんとは書きたくなかった)
それは置いといてクズ執事へ
大丈夫、お前は既に危ない人だ。自信を持ちなさい。
このネタでSO○Yの空売りをしたかったのだが。(ちぇ)

ナギへ

漫画も料理と同じで初めからプロ級は無理なのでは?
一歩ずつがんばって。ハヤテや悠太も(美緒さんもきっと)応援しているし



(ハルさん・・じゃなかった)千桜に質問


どこからナギに見せた同人誌を入手した?
やっぱり同人即売会で知り合いに遭遇するのは恥ずかしい?



マリアさんへ
足橋先生にナギが見せようとした漫画を入手しました。webで酷評しましょう。

これにて退散。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月15日更新) ( No.36 )
日時: 2014/08/15 16:56
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>このクズ執事をに黄泉の国への片道切符を進呈したいと思っているささです。

 アテネ「そうですわね」
 綾子「手伝いますわ」

 泉「あ、あの、それはその。と、ともかく、感想ありがとね」←怯えてる。

 >>(なんで名を出さないか・・それは放送禁止用語だということにしてください。ほんとは書きたくなかった)

 ナギ「良いんじゃないのか。誰も困らないよ」
 悠太「だよな」

 >>それは置いといてクズ執事へ

 虎鉄「な、何だよ。ってか私はクズじゃ無い!!!」

 >>大丈夫、お前は既に危ない人だ。自信を持ちなさい。

 虎鉄「違うわ!!!!そんな自信なんかもてるか!!!!!」
 ストリンガー「え!?違ったのか?息子よ」

 >>このネタでSO○Yの空売りをしたかったのだが。(ちぇ)

 泉「や、止めてよ。お父さん困っちゃうよ」←半泣き

 >>ナギへ

  漫画も料理と同じで初めからプロ級は無理なのでは?

 ナギ「料理はともかく、漫画だけは生まれついた天才だと思ってたんだよ」

 >>一歩ずつがんばって。ハヤテや悠太も(美緒さんもきっと)応援しているし

 美緒「私?応援してるわよ。何時かでいいから、ナギちゃんの漫画が原作のアニメの声を当てたいと思ってるしね」

 >>(ハルさん・・じゃなかった)千桜に質問

 アテネ「ハルさん!?貴方やっぱり」
 千桜「違うって。で、質問は?」

 >>どこからナギに見せた同人誌を入手した?

 千桜「鞄だよ。作者が省いただけで、持ってたんだよ」

 >>やっぱり同人即売会で知り合いに遭遇するのは恥ずかしい?

 千桜「あ、当たり前だろ。しかも担任の先生だぞ。気まずさは倍増だよ」

 >>マリアさんへ
  足橋先生にナギが見せようとした漫画を入手しました。webで酷評しましょう。

 マリア「あら♪いいですね〜♪では早速♪」
 クラウス「・・・止めてくれ」

 >>これにて退散。

 ナギ「逃げるなよ」

 ま、まあその。 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月15日更新) ( No.37 )
日時: 2014/08/15 17:02
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

更新日の今日は綾子の誕生日なので、特別編をお送りします。


ここは神尾崎家。そこの1人娘の綾子の誕生日を翌日に控えているため、使用人達は忙しく動き回っていた。
神尾崎家は大財閥であるため、神尾崎家の傘下の企業を含め、様々な人が招待されていた。

当然と言うか、ハヤテも招待されていた。ちなみに、アテネには招待状は出していない。綾子としてはアテネに来られて気分を害したくないからだ。

「フフ♪明日ですわ」
「綾子、準備は出来てるのかい?」

自信の父の問いに綾子は

「勿論ですわ♪ハヤテ様は明日来てくれると言ってくれましたし、この日の為にドレスも用意しましたわ」
「そうか。私としても将来の義理の息子がパーティーに参加してくれるのは嬉しい限りだからな」

一応補足しますが、綾子の両親は「ハヤテなら息子にしてもいい」と思ってます。つまり、ハヤテと綾子の結婚は大歓迎なのである。

「さ、明日は少し忙しいんだ。後は私達に任せて綾子はもう寝なさい」
「分かりましたわ」

綾子は自室に戻ると、明日着るドレスを再確認し、パジャマに着替えてからいつものようにハヤテの写真に挨拶した後、眠りについた。


                    × ×


「愛しき姫よ、お目覚めください」

眠りに入ってから暫く経つと誰かに起こされた。

「んん〜。何ですの?」

綾子が目を開けると

「お目覚めですね、愛しき姫よ」

かなりの近距離でハヤテが覗き込んでいた。

「ハ、ハヤテ様?//////////////////////////」
「どうしたんだい?愛しき姫、綾子よ」

綾子は驚きつつも頭を整理し

「ハヤテ様、なぜここに?」
「綾子、今日は君の誕生日じゃないか。だから祝いに来たんだよ」

綾子はハヤテを離し、枕元に置いてある時計を見ると、12時を過ぎており、既に誕生日の日となっていた。

「嬉しいですわ♪ですが、ちゃんとしたパーティーを開くのに、なぜこんな時間に?」
「分からないのかい?2人きりで愛する君を祝いたかったからさ」

ハヤテの答えに綾子は最上級の笑顔になり

「ハヤテ様」
「そうそう。君にプレゼントを贈らないとね」

ハヤテの言葉に綾子の胸は高まった。綾子からすればハヤテからならば何を貰ってもうれしいのだが、やっぱり何を貰えるのか気になった。

そのハヤテは少しの間沈黙すると

「君へのプレゼント、それは」
「そ、それは?」
「僕さ」
「え!?」

驚く綾子にハヤテは

「正直、君へのプレゼントは何にするか悩んだ。悩み抜いて「一番良い物」は何なのか結論が出たんだよ」
「そ、それが」
「そう、僕自身さ。嫌かい?」
「そんな事ありませんわ。嬉しいですわ」

綾子がそう答えると、ハヤテはゆっくりと綾子を押し倒した。

「ハヤテ様?//////////////////////////////////////」

綾子としてはこれからハヤテが何をするのかすぐにでも分かったのだが、答えを待った。

「君の全てが欲しい。僕は君の物になったんだ。だから」
「良いですわ。今日と言う記念すべき日に私の全てをハヤテ様に捧げますわ」

綾子が答えると、ハヤテがキスしてきた。当然と言うか、大人のキスだ。

実に数分にも及ぶキスの後

「綾子、愛してるよ」
「私もですわ」

この日、少女は大人の階段を上った。


                     × ×


それから1カ月ほど経ったある日

「綾子、結婚しよう」

アテネの執事を辞め、綾子の執事となったハヤテが唐突にそう言ってきた。

「結婚、ですの?////////////////////////」
「綾子は出来るが、僕はまだでしょ?」
「ええ。ですから、尋ねたんですわ」
「大丈夫さ。お義父様が日本政府に掛け合って、「僕達は特例」という許可が下りたよ」

ハヤテのこの言葉に綾子のほんの僅かな迷いは消え

「ハヤテ様、不束な娘ですが、お願いしますわ」
「勿論さ、綾子」


そして結婚式当日。

「綾子、綺麗よ」

花嫁控室で綾子は母親にウエディングドレス姿を褒めてもらっていた。

「本当に良かったわ。ハヤテが息子になってくれて」
「ええ」

綾子は緊張していたが、しっかりとした顔つきになっていた。

母親と軽めの世間話をしていると

「花嫁様、お時間です」

式場の人が入ってきて時間を知らせた。


そして綾子は父親に付き添われて式場入りをし、純白のタキシードを着たハヤテの隣に立った。
そして神父に誓いの言葉を言い

「一生幸せにするね、綾子」

誓いのキスも済ませた。

綾子が参列者の方へ眼をやると、

アテネは泣きながら綾子を睨みつけてたし、ナギも同様だった。
麗は諦めたのか、素直に拍手していて、クリスも同様だった。

後ろの方へ眼をやると、虎鉄が柱に鎖で縛られていて、猿轡までされていた。「暴れたからこうされたんだろう」とすぐに理解できた。

更に目をやると、綾子の元に入っていた「ハヤテに好意を寄せる女性陣」の何人かが参列しており、全員睨んでいた。

「ハヤテ様」
「大丈夫。僕が守るよ」
「私、幸せですわ」

ハヤテに抱き付き、幸せをかみしめていた。


                    × ×


「お嬢様、お嬢様朝ですよ」

呼びかけられて、綾子は飛び起きた

「お嬢様、今日はお嬢様の誕生日なんですから、早く起きてくださいと言っておきましたよね?寝坊しないでくださいよ」

綾子に文句を言っていたのは普段自分についている崎山であり、辺りを見渡してもハヤテはいなかった。

「どうしたんですか?」
「ハヤテ様は?」
「寝ぼけてるんですか?綾崎様ならまだというか、来てませんよ」

カレンダーは自身の誕生日を表示しており、すなわち

「夢、ですの」
「何がですか?」
「何でもありませんわ」

崎山は首を傾げながらも部屋を出て行った。

「ずいぶんリアルな夢でしたわね。現実と錯覚しちゃいましたわ」

夢の内容を思い返しつつふとある考えが浮かび

「まさか、正夢?きっとそうですわ」

綾子はにやけ顔になり

「パーティーの時、「僕を貰ってください」なんて宣言するんですわ。そして、参加している傘下の企業の人たちに発表するんですわー」

妄想を広げつつも夜に控えたパーティーの準備に取り掛かった。


                    × ×


そして夜になり参加者も続々集まってきた。

そしてついに

「ハヤテ様♪」
「お招きありがとうございます」
「いえいえ♪--------------------------って何で貴方が居るんですの?」

喜ぶ綾子だったが、ハヤテのすぐ隣にアテネが居たことで、一気に不機嫌になった。

「フンッ。貴方がハヤテにちょっかいを出さないための監視ですわ」

アテネも綾子も睨み合っていたが、

「まあまあ。今日はおめでたい日なんですから、止めましょ。そう言うの」
「そうですわね」

綾子は笑顔に戻すと、2人を会場に案内した。

そしてパーティーが始まり、順調に進み、プレゼントタイムとなり

「綾子さん、僕からのプレゼントはですね」

ハヤテがプレゼントを渡そうとした瞬間

「分かってますわ。ハヤテ様のプレゼントは」
「え!?」
「ハ〜ヤ〜テ〜様♪」

突然抱きついてきた綾子にハヤテは困惑するしかなかった。

「ハヤテ様〜」
「(僕のプレゼントは手作りのビーズアクセサリーなんだけど、渡し辛いな)」

アテネは必死になって綾子を引き剥がそうとしたが、無理だった。



ちなみに、ハヤテのプレゼントがビーズアクセサリーと分かると、一瞬だけ残念そうな顔になったのは話すまでも無いだろう。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

どうでしたか?綾子の誕生日記念の特別編は。

次回は、前回の続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月19日更新) ( No.38 )
日時: 2014/08/19 00:17
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前々回、ナギと千桜は友人の頼みで同人誌をコミサンで売る事になった。


ナギと千桜が自分のブースで同人誌を売り始めた一方ハヤテはというと、

「(白桜、お願いね)」
「(了解しました)」

多くのコスプレイヤーが着替えなどを行うロッカールームである準備をしていた。

ハヤテは人気の少ない端っこに行くと、白桜に呼びかけ、白桜がそれに応えると、ハヤテの体が淡い光に包まれた。
すると、顔が女性っぽい感じになり、髪は腰まで伸び、胸もアテネほどではないがそれなりの大きさに膨らんだ。そして、雰囲気もハヤテを知る人物でないと分からない感じとなった。
つまり、可愛らしい女性が執事のコスプレをしていると言う感じになったのである。

「(おお。流石だね)」
「(お褒めに与り光栄です)」

ハヤテがこうなったのは、白桜が一時的に主導権を代わったためであった。

「(さてと、ナギさん達の様子を見に行かないとね)」
「(了解です)」


                     × ×


一方の千桜は薫先生に見本として貰ったフィギア付きの同人誌のフィギアを見ていた。

「(これって、ヒナの姉の桂先生だよな?)」

千桜は雪路とは殆ど面識が無いので、確信は持てなかったが、ある程度の予感は出来た。

「(なんでまたあんな駄目人間を?アテネの逆鱗に触れまくって「フリーの副担任」に降格されたのに)」

雪路の処遇に関してはハヤテから聞いていたので、知っていたのである。

千桜があれこれ考えていると、ナギの笑い声が聞こえてきた。
隣を見ると、売っている同人誌を見て笑っていた。

「面白いか?フライ・ドルフィンの新作は」
「ん?ああ」

ナギはまた少し読み進め

「この作品は私の作品にどこか似ているのだ。何と言うか、「熱い魂の迸り」というのがあるんだ」
「そうか」

ナギは読み終えた同人誌を置くと

「でも、こっちにお客さんは殆ど来ないぞ」
「それは仕方ないよ。開場して間もないから、壁を回って欲しい本を確保し終わらない限りこっちには来ないよ」

ナギは納得しつつも

「この同人誌ってどれ位買ってもらえるかな?」
「さあな。でも、この即売会に来る人たちは面白ければ買うよ」
「ふ〜ん。でもさ、ここに来るって事は「重度のオタク」なんじゃないのか?そう言うのって理屈を色々言ったり、偏った愛しか持たないんじゃないのか?」

ナギの指摘に千桜は大真面目な顔になり

「買うよ。確かに理屈を言ったり偏った愛を持つ連中が多いのは事実だ。だが、「面白い」と思えば愛情を注ぐ事も金をつぎ込む事も厭わないのも事実だ。実際作者も「面白い」と判断すれば周りの意見なんか無視してのめり込むからな」

ちなみに事実です。


                  × ×


一方、ハヤテが使ったのとは別のロッカールーム。

「よし、これで何とかなるね」

ある人物がビーバーの様な着ぐるみを着て、自分の姿を確認していた。

「動きにくいのが難点だけど、ばれないからよしとしないと」

その格好のまま外に出ると

「よしっ、行こう」


                  × ×


時間は少々飛び。

「まだお昼だけど、誰も読んでもくれないぞ」
「仕方ないよ気長に待てよ」

フライ・ドルフィンの本はまだ売れておらず、手に取ってくれた人もいなかった。

しかしその一方で

「3千円もするフィギア付きの同人誌だが、43冊も売れたぞ」
「隣は絶好調か」
「だな」

薫先生の同人誌は売れ行き好調だった。

「何でこれだけ差があるんだ?こっちだって面白のに」

ナギのボヤキに薫先生は他人のふりを忘れて

「それは愛の差さ」
「「へ!?」」
「俺の同人誌やフィギアにはめいっぱい愛憎を注いでいる。それがクオリティーなどにはねいされている。だから差が出てるんだよ」

薫先生の力説にナギは僅かだが感心していて、千桜は

「(お、おいおい。なんで「偏ってても愛情を貰えるのは羨ましい」なんて思ったんだ?しかも、綾崎君に愛情を注がれたいとも思ったんだ?しっかりしろよ、私)」

千桜が悩んでいると、ナギの眼の前にお客さんが来て、同人誌を読み始めた。
するとその人は数ページほど読んで

「これ、君が書いたの?」
「あ、いえ。これを書いたのは私じゃないんですよ」
「そう。でも、これ面白いね。幾ら?」
「300円です」

ナギが金額を言うと、お客さんはポケットから300円出し、ナギの手に渡した。

「あ、ありがとうございました」

ナギが感傷に浸っていると

「嬉しいだろ?」
「え!?」
「もしこれが「自分の書いた同人誌」だったらもっと嬉しかったんじゃないのか?」

ナギは間を開けた後

「そうだな」

嬉しそうなナギを陰ながら見ていたハヤテは

「(どうやら、ナギさんは大丈夫そうですね。悠太に良い報告が出来るな)」
「(そうですね。帰りましょうか、マスター)」

ハヤテは帰ろうと振り向いた。
すると

「あ、あの。ハヤテさん、ですよね?」

サキさんが居た。

「な、何か雰囲気が違いますね。良く似た他人だと思っちゃいましたよ」
「あ、いやこれは」

ハヤテ(白桜)が言い訳を考えていると

「あ、分かりました。外でやるコスプレ大会に出るんですね?」

ハヤテ(白桜)は悩んだが


「写真お願いします」
「喜んで〜」

外でやっていたコスプレ大会に出る事にした。

「(流石白桜。アドリブもうまいね)」
「(マスター、勘弁してくださいよ。これでも無理してるんですよ)」

周りからは褒められていたが、ハヤテ(白桜)は複雑だった。


                  × ×


ハヤテ(白桜)がある意味大変な目に合っている一方。

「よし、これで7冊だ」
「良い感じだな」

ナギ達の方は売れ始めていた。

「(7冊か)」

先ほどのビーバーが離れた位置でナギ達を見ていた。

「これなら50冊完売も夢じゃ無いな」

ナギが意気込んでいると

「これは、駄目だな」
「なんだと!!!!!!!!!!!」

突然批評が聞こえ、ナギは怒りながらその方へ向いた。

「「幼女が同人誌を売っている」と噂を聞いて来てみたが、この程度か」
「な、何だと!!!!お前に何が分かる!!!!!!」

接客中というのを忘れてナギは声を荒げていた。

「分かるさ。この本は「流行」というの反映させていない。つまりだ、読む側が何を求めているか分かってない証拠だよ」

相手はここまで言うと、本を戻し

「まあ、流行無視を気にしないほどの才能や画力があれば別だが、これには無いよ。つまりだ、結論は「読む価値が無い」という事さ」

相手の持論をビーバーの人は全て聞いていた。

「次会う事があれば、50部売れる漫画を書いてくる事だな」

そう言って立ち去ろうとした相手をナギは強い口調で呼びとめ

「この本は流行を抑えていないかもしれない。だがな、この本には熱い魂が籠められているんだよ!!!!!」

ナギの言葉に批評した相手は

「ほう。つまりだ、君は「熱い魂」とやらで我が「真泉研究所」より売れる同人誌が書ける。といいたいのか?」
「(真泉研究所?って確か、あの本の)」


                      × ×


ナギ達が一触即発になりそうな一方。

「さてと。今度は失敗しない様にしないとな」

少し前ハヤテを襲撃した法仙夜空が近くに居たのだった。

「やはり、か。我々の計画を実行に移すのには丁度好さそうだ」

夜空はこの前伊澄の封印を破ろうとした水晶を取り出し

「これで、今度は失敗しない。覚悟してもらおうか」


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月21日更新) ( No.39 )
日時: 2014/08/21 17:12
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ナギと千桜は売っている同人誌を酷評され、一方では夜空が動き出そうとしていた。


夜空は手にした水晶を光らせた。すると、建物などの陰から何かが出てきた。
その何かは粘土細工の様に形を変えて行き、何処かのロボットアニメに出てきそうな形態に落ち着いた。

「この前は思わぬ妨害があったが、今度はそうはいかない」

夜空は会場を見渡し

「それに、今回はこちらに有利だ。さ、行こうか。我々の目的のために」


                   × ×


一方の会場のナギ・千桜。

「熱い魂とやらでウチの本より売れる本を作れるのか?」
「な、何だと」

これがアニメならば、火花が散っていた。

「お前さんに、我が真泉研究所より売れる漫画が書けるのかと聞いているんだよ」

相手は余裕たっぷりだった。

「フンッ。出来ないって言うのか?口だけなんだなお前さんは」

ナギは罵声を浴びせられても挑発されても冷静だった。ここで怒って反論するのはとても簡単だが、感情に任せて言葉を紡ぐのは良くないと一瞬で悟っていた。

しかし、自分が「面白い漫画」と高く評価した漫画を酷評されたのも事実なのである。
なので、ナギは心を落ち着かせたまま

「分かった。その勝負、受けてやろうじゃないか」
「ほう、そうか」
「お前より面白い漫画を描く。そして、この漫画を批判したお前の価値観をすべて否定してやる」

ナギの言葉を聞いたビーバーは感動していた。

「そこまで言うか。ならば、次の6月12日のコミサンで勝負だ」

そう言うと、相手は少し考えてから

「対決法は、お互いオフセ本を100冊作ってくる。それがどっちがより多く売れるかだ」
「負けた場合はどうするのだ?」
「本来ならば罰ゲームを設ける所だが、必要はないだろう。売れなかった在庫を抱えて帰るという屈辱を味わうのだからな」

そこまで言うと、真泉は帰って行った。

「対決、か」

ナギが複雑そうな顔をしたので、千桜は

「どうするんだ?」
「書くさ。売れる漫画を」

ナギの顔を見た千桜は

「もう、大丈夫みたいだな。折れた心は回復したみたいだな」

千桜の言葉にナギは

「そう、だな。プロの原稿を見てショックを受けたのも、信じていた未来が見えなくなったのも、自分の中にあった自信がすべて消失したのも事実だ。だが、今は違うよ」

ナギの顔はショックを受ける以前の顔に戻っていた。

「そう、か。でもさ、お前の言う「熱い魂の迸り」って何なんだよ。そんなのあっちだってあるはずだろ?」

千桜の問い掛けにナギは眼を閉じて暫く考え込んだ。

「情熱だよ」
「・・・」
「漫画に人生を懸けていると言う情熱だよ。この本から熱い魂が伝わってくるのは、作者が漫画に人生を懸けているからだ」

ナギの言葉にビーバーが先ほど以上に反応した。

「千桜、お前は気になっていたんじゃないのか?あいつの挑発に敢えて乗る様な態度を取った理由を」
「まあ、な」

ナギは同人誌を1冊とって表紙を見つめながら

「私は、あいつの批判を聞いてこう思ったんだよ。「この漫画の作者の人生そのものを全否定されている」とな。だから、あいつに分からせたかった。この漫画の作者は熱き魂を持ち、人生を懸けているってな」

ビーバーは泣きそうだった。

「だから、きっと同じ熱き魂を共有できそうな私が分からせたかった。だから挑発に乗ったんだよ」
「そう、か」

千桜はナギをここに連れてきた事に間違いはなかったと思い、自分に頼んできたハヤテに感心していた。

「頑張ろうな。そして、あいつに分からせてやろうな」
「当然だ。私は書くぞ。っとその前に、この同人誌を売る事に集中しないとな」
「ああ」


一連のやり取りを聞いていた作者であるビーバーは

「(こんなに褒めてくれるなんて初めてだな。それに褒めてくれたのも2回目、か)」


                     × ×


時間は戻り、ゴールデンウイーク最終日。

「そ、それはその。私が初めて書いた同人誌なんです」
「それにしては、才能と情熱がとてもよく伝わってきますよ」

千桜の褒め言葉に売り子は

「う、嘘。じゃないですよね?」
「こんなつまらない嘘なんか言いませんよ」

すると、売り子の人は俯き

「あ、ありがと」
「え!?」
「私、この前初めてプロの原稿を見て強いショックを受けたんです。自信を喪失してたんですけど、貴方の言葉で救われた気持ちです」
「・・・」


                      × ×


時間は戻り、現在。

「(あの時も褒めてくれた。でも、今回はそれ以上に褒めてくれた。私も頑張らないと)」

そう感傷に浸っていると、

「(あ、いけない。私には時間が。急がなきゃ)」

そう思い、ビーバーは会場を後にした。


                      × ×


一方その頃、ハヤテ(白桜)。

「そう言えば、ハヤテさんのその変わり様はいったい?知らなかったら絶対に他人だと思いましたし」
「き、企業秘密です」

流石に真実を話しても信じてもらえそうになかったので、濁した。

すると、

「これより、コスプレイヤーによりパフォーマンスタイムです」

と場内アナウンスが流れてきた。

「あ、見てください。あっちで踊ったりしてますよ」

サキさんは嬉しそうだったが、ハヤテ(白桜)は少し複雑だった。

「ハヤテさんは出るんですか?」
「出ませんよ」

そう言ってから辺りを見渡した。

「(マスター。コスプレというのはレベルが高い物が多いみたいですね)」
「(まあね。技術とか向上してるみたいだし)」

ハヤテ(白桜)がふと見ると、

「(あれなんてすごいですね)」
「(そうだね。どうやって中に入ってるんだろう)」

2人が感心していると、

「ギギギ」

突然襲ってきた。

「(な、何ですか突然)」
「(わ、分からない)」

ハヤテ(白桜)が見てると

「キテ、モラウ。モクテキ、ノタメ」
「(マスター。まさかこいつ)」
「(法仙さんの刺客、みたいだね)」

お分かりでしょうが、先ほど夜空が作ったロボみたいのです。

ハヤテ(白桜)が睨み合っていると、騒ぎを聞きつけたのか、会場にいた人たちが集まってきた。

「(不味いですよ。ここじゃ暴力沙汰はご法度)」
「(問題になれば中止になっちゃう。そんな事になったらナギさんが立ち直ったのに台無しにしちゃう)」

そう思うと、再度襲撃してきたロボを蹴り飛ばし

「さあ、この美少女執事がお仕置きですよ」

ほぼやけくそで白桜がそう言うと、

「うおーすげー」
「あの可愛い執事コスプレの女性のパフォーマンスだ」

思惑通り?周囲はイベントの一貫だと思ってくれたようだった。

「さあ行きますよ。執事のお仕置きの時間です♪」

白桜の演技にハヤテは

「(凄いね。流石の演技力)」
「(う、嬉しくないですよ。こんな状況じゃ)」

現状じゃ主導権を戻す訳にはいかないので、白桜が対応するしかなかった。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月25日更新) ( No.40 )
日時: 2014/08/25 17:00
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテ(白桜)は夜空が放った刺客のロボットと誤魔化しながら戦う事になった。


ハヤテ(白桜)が戦っている一方、ナギと千桜が売っている同人誌の作者は

「さてと。走って戻ってもギリギリだな」

ビーバーの変装を解き、心の中でそう思っていた。

「急がないといけないんだけど、これどうしよう」

変装に使っていたビーバーの着ぐるみを見つめながら思わずそう呟き

「ロッカー使いたいけど、お金ないしな」

色々悩んだが、

「悩んでる時間ないよね。一先ず人気のない所に行かないと」


                  × ×


一方その頃。色々と起こっている事を知らないナギ、千桜。

「そう言えばさ、同人誌ってどんな感じのを書くんだ?」
「細かいところまでは考えてないよ。でも」

ナギは少し間を置き

「出来るだけ、オリジナルティーがある物を書きたいよ」
「オリジナル、ねえ」
「似たり寄ったりな物じゃあいつに分からせるなんて出来ないからな。まあ、ネタ詰まりを起こしたら分からないけどな」

千桜が感心していると

「おい聞いたか。コスプレ広場で美少女執事がパフォーマンスしてるらしいぞ」
「ああ。しかもその人はかなりの美人らしいからな」

この話を聞いた2人は興味が出たが、

「店番あるし、止めとくか」
「そうだな」


                   × ×


その噂になっているハヤテ(白桜)は

「美少女執事キーック」

白桜はロボを蹴り飛ばした。
とは言っても、本気でやれば周りに被害が出るので、抑え目だったが。

すると

「おお。かなりの揺れを観測」
「震度2か3だな」

一応補足するが、現在のハヤテの体つきは女性の物だ。まあつまり、胸があり、大きさもアテネほどでは無いがあるので…

「も、もう」
「(まあまあ。今は目の前のに集中しようよ)」
「(マスター)」

ハヤテ(白桜)はハヤテに不満を持ちつつも、ロボの方に目をやると、

「(結構頑丈ですね。抑え目だったとはいえ、かなりのダメージを与えたはずですが)」
「(どうやら、只者じゃないみたいだね)」

ハヤテと白桜が冷静に分析している一方

「おおおお。今回は例年になく凄いな」
「美しき執事とロボット。一見ミスマッチと思えるが、それがいい」

回りはハヤテと白桜の思惑通りただのショーだと思っていた。

「ギギギ。ツレテイク。ケイカクノタメニー」

そう言ってロボはロープの様なものを幾つもとりだした。

「おおおお。これが触手攻撃」
「リアルで初めて見た」

観客は興奮し、カメラを持つ人たちは夢中でシャッターを切っていた。

「(マスター。皆さんを楽しませるのはもう十分ですよね?)」
「(そうだね。本当は許可を得てから撮影というのがルールだけど、いいか)」

そう相談すると、

「おおおお。あれは」
「まさか!?」

ハヤテ(白桜)は守護光速拳を発動し、体を縛りつけていた触手を引きちぎった。

「さあ、これからはスーパー美少女執事がお相手ですよ」
「すげー。サ○ヤ人みたいだー」
「どうなってるんだあれー」

驚く面々に白桜は

「聞かないのが、礼儀ですよ」

ウインクしつつそう答えると

「さあロボットさん、場所を変えましょう」

白桜は全力で戦うため、人気のない場所に移動する事にし、会場を後にした。


白桜が立ち去った後の会場では

「凄かったな」
「ああ。正体は不明だが、凄かった」

身に来ていた人たちは感傷に浸っていた。

「しかし、あの金色のオーラはどうやって出してたんだ?」
「さあな。でもよ、マジックと一緒でタネが分かっちゃ面白くないだろ?」
「だよな。マジシャンにタネを聞かないのが礼儀なのと一緒か」

会場に居る殆どの人間を虜にしたようだった。


ここで補足しますが、白桜がハヤテの必殺技である守護光速拳を使えたのは、体はハヤテなので、使用出来たのである。


                    × ×


ハヤテ(白桜)は少し離れた場所にある倉庫の様な場所に来ていた。

「さあ来い、周りに影響を与えないから、こっからは本気で行きます」

ロボットが襲ってきたが、ハヤテ(白桜)は殴り飛ばした。その事で、ロボットは数メートルも吹っ飛んだ。

「どうしました?もう終わりですか?」

ハヤテ(白桜)が挑発すると、背負っていたバズーカ砲の様な物を取り出し

「ケイカク、ノタメ。アヤサキハヤテ、ツレテイク」
「やっぱり目的はマスターでしたか。あの法仙夜空とか言う人の刺客だったんですね」

ハヤテ(白桜)はバズーカ砲はどうせ偽物だろうと余裕だったが

「クラエ」

当然?の様に発射された。

「(あ、あれは偽物じゃなかったみたいですね)」
「(発射してるのが空気の塊とはいえ、あれだけの密度と速度じゃ「痛い」じゃ済みそうにないね)」

連続で発射されていたが、全てかわしていた。

「無駄です。威力はあっても私には-----」
「キャア」

突然悲鳴が上がり、慌ててそちらへ向くと


                      × ×


番組の途中ですが、ナギと千桜はというと

「そう言えば、聞くのを忘れてたんだが」
「なんだ?」
「この漫画の作者ってどんな奴なんだ?」

ナギの問い掛けに千桜は

「作者、か」

千桜は少し考え

「会いたいか?」
「え!?」
「フライ・ドルフィンの主宰者に、会いたいか?」

問い掛けにナギはすぐにでも

「ああ、会いたい」


                      × ×


さて、ハヤテ(白桜)は。

悲鳴のした方へ向くと、女の子が頭から血を流して横たわっていた。

「(しまった。巻き込まないために移動したのに)」

そう思いつつも女の子に近付き

「だ、大丈夫ですか?しっかりしてください」

心配するハヤテ(白桜)に先ほどのロボが近付いて来たが

「邪魔を、するな!!!!」

守護光速拳を一気に高め、ロボをバラバラ壊した。
そしてすぐにでも

「しっかりしてください。ねえ!!!!!」


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月27日更新) ( No.41 )
日時: 2014/08/27 18:24
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテ(白桜)はロボとの戦いに女の子を巻き込んで怪我をさせてしまった。


ハヤテ(白桜)は横たわる女の子に必死で呼びかけていた。

「ねえ君、しっかりして」

ハヤテ(白桜)の呼びかけに女の子は答えず、気絶しているように見えた。

「(大丈夫、じゃないですよね)」
「(そうだよ。早く対処しないと)」

そう相談すると

「早く病院に連れて行かないと」

ハヤテ(白桜)がそう言ったとたん、気絶していたと思っていた女の子がハヤテ(白桜)の胸倉をつかみ

「病院は、駄目だよ」
「で、ですが」

心配するハヤテ(白桜)に女の子は立ち上がろうとしていた。

「だ、駄目ですよ。出血もしてますから、お医者さんに診て貰わないと」
「平気だって」

女の子はあくまでも平然を装うとしていた。

「ありがとね、心配してくれて」

ハヤテ(白桜)に笑顔を向けると

「本当に大丈夫だよ。こう見えても鍛えてあるんだ。だから、痛いのなんて慣れてるよ」

そう言って歩き出そうとしたものの、

「あ、う。い、痛い!!!」

激痛に襲われ、倒れこんでしまった。

「全然大丈夫に見えませんよ。早く病院に行きましょうよ」
「で、でも」

女の子は言いにくい事を言おうとするように申し訳ない顔になり、

「私、保険入ってないもん」
「そういう問題じゃ。第一、お金なら僕が出しますよ」

ハヤテ(白桜)の提案に女の子は一瞬だけ嬉しそうになったが

「で、でも私はこの後」

女の子が何かを言おうとした瞬間、女の子の携帯に着信があり

「は、はい。もしもし」
『ちょっとルカ、休憩時間は終わってるのに、何処に居るのよ』
「す、すみません今すぐに仕事に戻ります」

電話の内容が聞こえていたハヤテ(白桜)は

「そ、そんな。怪我し」

ハヤテ(白桜)が怪我の事を言おうとした瞬間、女の子がハヤテ(白桜)の口を手で塞いで制した。

「(マスター。このルカと呼ばれた人震えてます)」
「(どうやら、怪我した事を知られたくないみたいだね)」

そんな風に相談している間にも電話の相手にルカと呼ばれた女の子は電話を続けていた。

「あ、いえ。何でもありません。すみません」
『ルカ、まさかあなたまた面倒事に巻き込まれてるんじゃないわよね』
「だ、大丈夫ですよ。い、今すぐに戻るので、ご心配要りません。では」

女の子は電話を切り

「じゃ、私はこれで」
「あ、君」

女の子は立ち去り際に

「じゃあまたね。心配してくれてありがと」

そう言い残そうとしたが、やっぱり?倒れこんでしまった。

「や、やっぱり大丈夫じゃないですか」
「そ、そんな事言うなよ〜。私は急いでるの〜」
「そ、そんな状態じゃ説得力皆無ですよ」

相手の様子にハヤテ(白桜)は

「急いでいるなら、僕が何とかしますよ」

その言葉に女の子は

「そ、そんな優しい言葉掛けないでよー。心折れちゃうでしょー」
「いいんですよ。少なくても現時点では」

ばかばかと軽く叩く仕草をしている女の子にハヤテ(白桜)は

「話を聞くうえでは、どうしても行かなければならず、急がなきゃいけない場所なんですよね?だったら、僕が間に合わせますよ」

再度優しい言葉を掛けて貰った事で女の子は

「本当に?」
「勿論ですよ」
「信じていいの?」

不安そうな女の子に白桜(ハヤテ)は笑顔を向け

「信じてください。会って間もないですけど」

三度優しい言葉に女の子は

「じゃ、じゃあここに連れて行って」

小さいメモを差し出した。

「え!?なぜここに?」
「事情は話す時間はないの。急いで欲しいの」

女の子は少しだけ間を開けた後

「執事さんなら、私を助けて。ね」
「お任せを」

そう言うと、ハヤテ(白桜)は女の子をおんぶし、走り出した。


ハヤテ(白桜)達が立ち去った後

「やるわね。でも、まだ私達に運は向いているみたいね」

夜空がハヤテに壊され、砂の像の様に崩れて消えて行くロボを見ながらそう呟いた。


                   × ×


一方のハヤテ(白桜)は女の子を背負い、走っていた。

「目的地まで結構ありますけど、どうします」
「ど、どうって」
「タクシー使うとか、色々あるじゃないですか」

その言葉に女の子は

「タクシーは、乗れない」
「な、何でですか?」
「私、12円しかないもん」

ハヤテ(白桜)は呆れつつも

「じゃあどうやってここに行くつもりだったんですか?」
「そ、そんなの。走っていくしか無いじゃん」
「は、走ってって。結構な距離があるのに女の子の貴方がですか?」

心配する言葉に女の子は

「私、元気があるから平気だもん」
「(弱弱しく見えるって言わない方がいいよね)」
「(ですね。私もそう思います)」

2人がそう言っていると

「でもさ、女の子がって私に言ったけど、貴方も女の子でしょ?」

この言葉に白桜は

「(しまった。今はマスターと主導権を代わってて、女性の体つきだったんでした)」
「(忘れないでよ。でも、ごめんね)」
「(な、何がですか?)」
「(白桜まで僕の不幸に巻き込んで)」

謝ってきた主人のハヤテに

「(マスター、それは言わない約束です。私もマスターも主導権がどっちにしろ、感覚は共有してるんですから、変わりませんよ)」
「(そうだね)」

ハヤテと白桜が話しているうちに、目的地周辺に着いた。

「あ、もうこのあたりですね」
「もうここでいいよ」

ハヤテ(白桜)は女の子を下した。

「い、いたた」
「だ、大丈夫ですか?」
「うん、平気。貴方のおかげで大分早く来れたしね」

女の子はハヤテ(白桜)に笑顔を向け

「本当にありがとね」
「いえいえ。当然の事をしたまでです」

ハヤテ(白桜)も笑顔を返し

「では、僕はこれで」

立ち去ろうとしたが、女の子に呼び止められ

「お礼、させて」
「いいですよ。元々僕が巻き込んじゃったんですから」
「ううん、違うよ」

女の子はハヤテ(白桜)に真面目な顔を見せ

「ここまでかなりの速さで運んでくれたでしょ?そのお礼させて」
「しかし」
「ほら早く。こっちだよ」

半ば強引にハヤテ(白桜)の手を掴んで引っ張って行った。



一方。

「ここね。待ってなさい、綾崎ハヤテ。我々の計画の為に来て貰うから」

夜空も動き出そうとしていた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月30日更新) ( No.42 )
日時: 2014/08/30 17:23
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテは女の子・ルカを目的の場所に送り届け、「お礼がしたい」と言われた。


一方その頃、コミサン会場のナギと千桜。

「そっか。ありがとな」

千桜は電話を切ると

「了解が取れたよ。で、確認だが、会いたいか?この同人誌の作者に」

この問いかけにナギは一瞬さえも迷わず

「会いたいさ。ライバル候補に」
「そっか。じゃあ行くか」

会えると決まり、ナギは同人誌を再度読み返した。

ここで内容を軽く触れておこう。

主人公は1匹のイルカである。そのイルカは出来そこないと言われていて、早く泳げず、超音波によるコミュニケーションも出来ない。
水族館で1番の曲芸師を目指したが、何故か警備員になり、襲われたと思ったら別の星。
「おかしい」と思いつつも流れに逆らえず、戦場に駆り出され、気付けば借金まみれ。
そんな不幸なイルカの人生を面白おかしく描いた漫画である。

「人間は1人も出てこない。出演者は表情のない動物ばかり。確かに「独特な世界観」と言えるが、私は好きだ。でも、どんな人生を歩んだら、こんな世界観を思い付くんだ?」
「色々あるんだよ、彼女は」

ナギは感心しつつも

「で、どんな人なんだ?作者は」
「それは会ってからのお楽しみだ」
「な!?」

内緒にしてきた千桜に不満を抱きつつも

「まあ、いいか。言えない事情でもありそうだし」
「まあな」

話が終わった所で、ナギは

「そう言えば、聞き忘れてたんだが」
「何を?」
「なんで千桜は代理で同人誌を売ってあげたり、気を使ったりしてるんだ?」
「ああ、その事か」

聞かれた千桜は少し考え

「彼女が好きだから、かな」
「成程な。まあ、じゃ無きゃここまでやらんもんな」
「ああ」


                 × ×


一方、ハヤテ・ルカ。

「本当に大丈夫なんですか?」

ルカはハヤテ(白桜)に軽めの治療を施してもらっていた。

「仕事だから仕方ないよ。それに、私のミスで飛ばすわけにもいかないよ」
「見た感じじゃ骨折とかの心配は少なそうですが、靱帯損傷の可能性も捨てきれないんですよ」

ハヤテ(白桜)の物騒な発言にルカは

「も〜バカバカ。そんな事言ったら余計に痛くなるでしょ」
「す、すみません」
「とにかく、やれるだけやらないと」


                  × ×


話は戻し、ナギと千桜。

「結局、売れたのは9冊か」
「仕方ないさ。この手の本は手に取ってもらえる可能性が低いから、認知されるのにも時間がかかるんだよ」
「チッ。見る目が無いな、世間の奴らは」

ナギは自分が高い評価を出した同人誌が認知されない事に苛立っていた。

「ま、今日はこれまでか。荷物をまとめるぞ。配送の手配もするぞ」
「ああ」

千桜は片付けながら

「出来るだけ急げよ。彼女に会う時間が少なくなるから」
「そんなに忙しいのか?同人誌の作者は」
「今日は特にな」

するとナギは

「やれやれ。言っておくが、お前の態度で私の中のハードルは上がってるぞ」
「へ!?」
「それだけお前が色々やってるって事は「相当な奴」って事だ。出来る事なら期待を裏切って欲しくないよ」

ナギの言葉に千桜は

「大丈夫だよ。ナギもすぐに好きになるさ。それに、裏切るとしたら「良い意味で裏切る」だからな」
「あ、そう。じゃあ早く撤収だ」
「ああ」


                    × ×


話は再びハヤテ・ルカ。

「無茶をしてでも、それはやらないといけないんですか、水蓮寺さん」

ハヤテ(白桜)の問い掛けにルカは一瞬笑顔を向けたと思いきや

「そうだよ〜。だから優しくしないでよ〜」

ルカはまたバカバカといった仕草をしていた。

「でもね、会いに来てくれた以上は、行かないと」

ルカの確固たる意志に

「(仕方ないね。僕に良い案があるよ)」
「(あ、それがありましたね)」

ハヤテと白桜は相談し

「分かりました。僕に任せてください」


                     × ×


また話はナギ・千桜。

「なあ千桜、この人混みは何なのだ」

だいぶ治ってきたとはいえ、ナギは基本人見知りなので、人混みは苦手なのだ。

「仕方ないだろ。ほら、迷子になるなよ」

千桜はナギと手を繋いで先導して行った。

「なあ、こんな所じゃないと駄目なのか?あの同人誌の作者と会うの」
「まあな。彼女には仕事があるんだよ」

千桜はナギをある場所に引っ張って行った。

「な、何なんだよ、ここ」
「いいから、黙ってろ。すぐにわかる」

すると、周囲が薄暗くなり、その瞬間周りにいた人々が活気だった。

「な、何なのだ」
「見てろって。分かるから」

その一点張りの千桜にナギが呆れ始めたその瞬間、会場は一気にヒートアップし

「来たぞ。あいつが、お前が会いたがってた同人誌の作者・水蓮寺ルカだ」

ステージには綺麗な衣装を着たルカが立っていた。

そしてナギはルカを見た瞬間、

「(神様、みたいだ)」

そう思った。




この出会いが、後々様々な出来事を引き起こしていく事は、この時、ナギも千桜も、そしてもちろんルカも知らなかった。




----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (8月30日更新) ( No.43 )
日時: 2014/09/03 17:10
名前: ささ

ささです。
なんだよこのラッキーな状況は!国民的アイドルと一緒
に舞台入りとか、全くうらやm、けしからん。どうせならハヤテ、白桜の主導権のまま全裸も見ちゃえ!ここに書けないこともしちゃえ!(ヤケ)
本当下のタイトルで号外出したいくらいだよ!(殺気がとんでもないからしないけど。)
「天皇州家使用人長国民的アイドルの着替えを覗く!」
ところでナギ、人見知り治ってきたんだ。恋の力は凄いな〜(笑)
じゃあね〜退却〜
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月3日更新) ( No.44 )
日時: 2014/09/03 19:53
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 ルカ「感想ありがと〜♪」

 >>なんだよこのラッキーな状況は!

 ハヤテ(白桜)「えっと、ラッキー何でしょうか?」

 >>国民的アイドルと一緒
  に舞台入りとか、全くうらやm、けしからん。

 アテネ「ですわね〜。ねえハヤテ」
 ハヤテ「・・・」

 >>どうせならハヤテ、白桜の主導権のまま全裸も見ちゃえ!ここに書けないこともしちゃえ!(ヤケ)

 ハヤテ「や、止めてください。主導権を代わってても感覚は共有してるんで/////////////////////」

 >>本当下のタイトルで号外出したいくらいだよ!(殺気がとんでもないからしないけど。)

 綾子「あら〜。内容は知りませんが、この私がそんな事を許すとでも?」
 麗「同感ね」

 >>「天皇州家使用人長国民的アイドルの着替えを覗く!」

 ハヤテ「の、覗いてませんよ」

 どうだか。

 >>ところでナギ、人見知り治ってきたんだ。恋の力は凄いな〜(笑)

 ナギ「だ、だって。社交的な所を見せれば、その/////////////////////////////////////」
 マリア「無駄に終わればいいんですけどね〜♪ああ♪」

 >>じゃあね〜退却〜

 アテネ「まあ、今回は許してあげますわ」
 綾子「ですわね」


 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月3日更新) ( No.45 )
日時: 2014/09/03 19:55
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテ(白桜)はルカと共に会場へ、ナギと千桜はライブに来ていた。


「行くよー、皆ー」

ルカが合図すると、曲が始まり、それと共にファンの人たちも一気に盛り上がった。

ルカの歌が始まると、さらに盛り上がり、ワンフレーズいや、一言毎に盛り上がっていると言い切れるほどだった。
当然振り付けでも盛り上がり、もはやルカの全てが盛り上がりの要素と言える状況だった。


盛り上がる一方、舞台袖のハヤテ(白桜)は

「(良かった。無事に成功したみたいだね)」
「(マスターに限って失敗はありませんよ。まあ、一時凌ぎにすぎませんが)」


                  × ×


話を少し戻し、ハヤテ(白桜)がルカを送り届けた直後。

「水蓮寺ルカ、LOVE Live may。ってもしかして」
「うん。私のお仕事だよ」

当然?ハヤテ(白桜)は驚き

「ア、アイドルだったんですか?」
「一応ね」

ハヤテ(白桜)には当然疑問が浮かび

「こ、こんな所でライブが出来るのにお金持ってないんですか?」
「つ、突っ込む所そこ!?」

ルカはツッコミを返しつつ

「ま、まあともかく。はい、通行証。これがあれば裏からは入れるよ」
「え!?良いんですか?僕、全くの部外者ですよ」
「大丈夫だよ」

心配そうなハヤテ(白桜)にルカは

「「私は関係者ですが何か?」という態度と顔で居れば、怪しまれないよ」
「は、はあ」

不安に思いつつもハヤテ(白桜)は裏口から中へと入って行き

「は、入れちゃいましたね」
「言った通りでしょ?」

ルカは自信満々だったが、

「(大丈夫なんでしょうか?ここの警備体制は)」
「(まあ、水蓮寺さんに危害が及ばなければ大丈夫なんじゃない?たぶん)」

ハヤテと白桜は心配していた。

「そう言えば、お礼がまだだったね」

そう言って考え込んだ瞬間

「ルカ、戻ってきたなら早くステージに行きなさい!!!最終リハの時間が無くなるわよ」

マネージャーらしき人が入ってきて、急用を伝えたが、すぐにハヤテ(白桜)に気付き

「だ、誰よそれ」
「あ、そ、その」

当然の疑問にルカは1秒ほどで作戦を立て

「じ、実は私の親戚なんですよ。コスプレ広場で偶然再会して、今日のライブが終わったら、語り合おうって事になって」
「そう。で、何で貴方の楽屋に?」
「手伝いを申し出たんですよ。忙しいって聞き付けたので」

ハヤテ(白桜)も慌てて話を合わせた。
しかし、マネージャーらしき人は疑っていた。が、

「集さん、まだですか!!!」
「あ、すぐに」

スタッフらしき人が駆けつけて来て、マネージャーらしき人を急かしたので、

「まあいいわ。すぐに2人とも来て」
「「はい」」

マネージャーらしき人は出て行った。

「ごめんね。急ごしらえで」
「いえ、助かりましたよ」

笑顔を向けるハヤテ(白桜)にルカは申し訳なさそうに

「申し訳ないんだけどさ、誤魔化しを本当にするために、手伝って」
「あ、良いですよ」

ハヤテ(白桜)が返事すると、ルカは楽屋を出て行こうとしたが

「あ、待ってください」
「ごめん、急いでいるの」
「すぐに終わります」

ルカはすぐに向き直った。

「水蓮寺さん、今あなたを襲っている痛みを無くす方法があります」
「ほ、本当?そんなのがあるの?」
「針治療って知ってますよね?医療用のきわめて細い針を打つあれです」
「だ、大丈夫なの?」

心配そうなルカに

「僕、免許持ってますから。それに針を刺される痛みはありませんよ」
「そう。ならお願いしようかな」
「ただですね、あくまでも「一時的に痛覚を麻痺させる」だけです。痛みを完全に無くすわけではありません」
「問題無いよ」

平然としているルカにハヤテ(白桜)は

「麻痺が解ければ、今まで抑えていた分が一気に押し寄せます。恐らく想像を絶する痛みだと思いますが、それでも針治療を受けますか?」
「ライブが終わるまでは持つんでしょ?なら問題ないから打って」

迷いがなさそうなので、ハヤテ(白桜)は針治療を施した。


                    × ×


「新入り、こっちの照明頼む」
「はい喜んで」

ハヤテ(白桜)は現状の仕事を素早く片付け、頼まれた仕事に向かった。

「こっちも頼む」
「最後に使う着ぐるみ集めておいてくれ」
「お任せを」
「それが終わったら、エキストラのアドリブダンスを」

圧倒的な速さかつ正確な仕事に見ていた現場監督らしき人は

「凄いね。ルカちゃんが連れてきた新入り。あの若さで正確で早い仕事をするなんて。どこで鍛えたんだろ」

言うまでもなく10年以上に及ぶ執事修行のおかげです。

現場監督らしき人は感心していたが、マネージャーらしき人は違い

「ルカに親戚、ねえ」

疑い深い顔で考え込んでいた。

一方のハヤテ(白桜)は殆どの仕事を終え

「でも、良かったんですか?僕が手伝って」
「あ、うん。問題無いよ」

そう返事しつつ、

「でも、凄いよね。痛みを全然感じないんだもん。あれって高度な治療法だったんだね」
「水蓮寺さん、あれはあくまで「一時的な麻痺」ですよ。治った訳じゃないんですよ」
「分かってるよ。それよりも、さっき頼んだあれだけど」

ハヤテ(白桜)はすぐにでも思いだし

「3曲ごとに衣装を替えるってあれですよね?」
「うん。あれも手伝って」
「な、何でですか?」
「痛くないとはいえ、怪我が治った訳じゃないでしょ?早着替えの時に見られたくないから」

ハヤテ(白桜)は納得し、受ける事にした。


                   × ×


話は現在に戻し

「さあ皆、まだまだ行くよー」

ルカの盛り上げにファン達はまた一層盛り上がった。

「凄いな」
「だろ?」

見ていたナギはただただ驚くばかりだった。

「あの人が、あの同人誌の作者。そして、私のライバル候補」
「どうだ?裏切った結果になったか?」
「ああ。「良い意味で」裏切ってくれたよ」


感動している一方。

「次の曲まで3分、早着替えお願いします」

ルカがハヤテ(白桜)の待機している舞台袖に駆けてきた。

「お願い」
「はい。これが次の衣装です」

ハヤテ(白桜)が差し出した瞬間、ルカは一気に衣装を脱ぎ去った。
まあつまり、ハヤテ(白桜)はルカの下着姿を見てしまった訳で

「え!?ちょっと/////////////////////////////」

動揺しているのは、白桜は人間で言えば女性だが、主人であるハヤテと感覚を共有しているので、照れてしまうのだ。

「は、早くして。怪しまれちゃう」
「あ、はい////////////////////」

ハヤテ(白桜)は

「(マスターの主人である天王州様を接していると思おう)」

と思い、何とか正常を保つことにした。

「ごめんね、こんな事まで頼んで」
「気になさらないでください」

ハヤテ(白桜)の言葉にルカは

「ホント、貴方が心優しい「女性」でよかった」

そう言うと、ハヤテ(白桜)の頬にキスした。

「じゃ、行ってくるね」

その後もハヤテ(白桜)の手伝いで衣装チェンジをしつつ、ライブは進んで行った。

「(次で最後ですね)」
「(針治療による麻痺も何とか持ちそうだね)」

安心しかかったその時、背後に殺気を感じ

「クッ」

ギリギリで攻撃を受け止めた。

「へえ。不意を突いたはずなんだけど、流石ね」
「あ、貴方は」

ハヤテ(白桜)が振り返ると、先ほど壊したはずのロボと、マスクをした女性が立っていた。

----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月6日更新) ( No.46 )
日時: 2014/09/06 16:58
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテ(白桜)はルカのライブが終わる直前に何者かの襲撃を受けた。


「貴方は確か、法仙夜空さん。でしたね」

ハヤテ(白桜)が指摘すると、相手は少しの間黙り込んだ後

「見抜くとは流石ね。「最強の執事」という異名は本当の様ね」

夜空はつけていた大きめのサングラスの様なマスクを外しながらそう答えた。

「いったい、何の様ですか?」
「ここなら、多少の大きな物音はかき消されるわね」

そう呟くと、夜空は

「目的?そんなの貴方に決まってるじゃない」

当然の様にそう言い

「言ったでしょ?我々の目的のためには貴方が必要なのよ。「王族の力を手に入れる」という目的のためにね」

夜空の言葉にハヤテ(白桜)は夜空を睨みつけ

「何の目的で王族の力を狙う。あの力は「万能」であるとともに「世界を破滅に導く」力を持ってるんだぞ!!!!」
「そうね。教えてあげてもいいけど、秘密は多い方が盛り上がるじゃない?だから今は秘密よ」

語りそうにない夜空にハヤテ(白桜)はこれ以上の言及は無駄だと悟り

「何度来ても答えは同じだ。一緒に行く気はない!!!!」
「あら?そんな反抗的な態度でいいのかしら?」

夜空はロボを生み出した時にも使った水晶の様なものを取り出し

「(チッ。封印を強めているわね。私やこの水晶の力じゃ破れないわね。余計な事を)」

そう思ったがすぐにでも

「まあ、いいわ。私と来ないと言うなら、このライブを滅茶苦茶にしてもいいのよ」
「な、何だと」
「その上、スタッフやあのアイドルの子、更には会場のお客さん。多くの被害者を出す事になるわよ。私にはそれくらいならできるから」

夜空の顔は明らかに本気の顔だった。

「貴方が来ると言うなら、止めてあげるけど」
「残念ですが、どちらも阻止させてもらいます」

そう言うと、素早く主導権を戻し、白桜を召喚したのち、残っていたロボを一瞬で切り裂き、倒した。

「な!?」
「大人しく、引き下がってもらいます」
「チイ」

夜空は水晶でロボを召喚し様としたが、ハヤテに水晶をバラバラに斬り裂かれた。

「クッ」
「チェックメイト、ですね」

ハヤテが夜空に白桜をつき付けると、騒動を聞きつけたのか、スタッフの人が来る足音が聞こえてきた。
ハヤテは大急ぎで白桜を仕舞い、主導権を代わった。

「おい、何の騒ぎだ」

主導権の交代が完了した瞬間にスタッフの人は来たので事無きを得て、そのスタッフはハヤテと夜空を見つけると

「おい新入り、誰だその子は」
「さあ?ファンの人が勝手にここまで来ちゃったんじゃないですか?」
「本当なのか?」

尋ねられた夜空はどうすればいいのか迷っていると

「ちょっと警備員室に来て貰おうか」
「あ、え!?ちょっと」

夜空はスタッフに両脇を抱えられて、連れて行かれた。

「(何とか、誤魔化せましたね)」
「(よかったよ。追い払う事も出来たしね)」

ハヤテも白桜も安心し、ステージの方を見ると、ルカが着ぐるみ達と踊っており、最後の曲に入っていた。

「(水蓮寺さんって凄いね)」
「(ええ。存在は知ってましたが、ここまで凄いとは知りませんでした)」

2人とも感心しているうちに最後の曲は終わった。


                    × ×


ステージが終わり、スタッフ+ハヤテ(白桜)はほぼ総出でルカを出迎えた。

「お疲れさまでーす」

スタッフの挨拶を受けながら、ルカは歩いて行き、ハヤテ(白桜)を見つけ、

「お疲れ様です」

親指を立て、ハヤテに挨拶を送った瞬間

「うわあああああ。ルカー」
「ルカさーん」

倒れてしまった。

「(どうやら、麻痺が解けちゃったみたいだね)」
「(ギリギリ、でしたね。ステージの上じゃ無かったのが幸いでしたね)」

大慌てのスタッフの中、冷静だった。


                    × ×


暫くして、ルカは医務室で目を覚ました。

「目を覚ましたみたいね。大丈夫?」
「あ、えっと。一応」

ルカはマネージャーに怒られると思ったが、雰囲気で違うと悟れた。

「あ、あの。私が連れてきた」
「ああ、あの子?帰ってもらったわ。親戚なんだから、また会えるでしょ?」
「あ、はい」

ルカはハヤテがどこの誰で、名前すら知らないので、難しいと思ったが、口には出来なかった。

「それより、聞きたい事があるわ」

ルカは怪我の事を聞かれると思い、身構えた。

「貴方に針治療を施したのは誰?」
「え!?」
「なに鳩が豆鉄砲食らった様な顔してるのよ。怪我の事聞かれると思ったの?」
「あ、はい」

マネージャーは溜息をつき

「怪我の事は敢えて聞かないわ。どうせ言わないでしょ?」

ルカは肯定も否定も出来なかった。

「針治療については聞きたいのよ。お医者さんが言ってたわ「ここまで完璧な針治療は初めて見た。こんな高度な治療できる人に会ってみたい」ってね。だから聞いたのよ」

ルカはまた迷ってしまった。正直に言うのは構わないのだが、言えばハヤテの事を調べられ、親戚という嘘がばれてしまう。
なので、

「ト、トラップカード「黙秘権」発動です」
「何よそれ。 まあ、いいわ。治療費を請求されたらたまんないもんね」

呆れつつもマネージャーは言及を止め、医務室を出て行った。

暫くしてルカは窓越しに空を見上げ

「(名前、聞けなかったな。また会えるかな)」

と物思いにふけった。


                     × ×


一方その頃、ナギと千桜は一緒に帰っていた。

「すまんな。体調不良とかで会えなくなって」
「いいさ。大きな収穫はあったし」

ナギは少し間を開け

「失ったと思った自信、そして情熱は取り戻せた。何より、多くの経験をえる事が出来た。だから」

また間を少し開け

「私は漫画を描くよ。次のコミサンに向けてな」
「そうか。頑張れよ」
「ああ」

2人は分かれ道で別れ、ナギは三千院家に、千桜は天王州家に帰った。


                     × ×


ハヤテは家に戻る前に主導権を戻し、帰宅した。
まあ、当然アテネに飛びつかれ、泣かれると言うちょっとしたハプニングはあったが。

ハヤテは現在、自室で着替えていた。

「はあ、疲れた。色々あったけど、悠太に良い報告が出来て良かったよ」

そう呟きながら着替えていると

「(マスター)」

白桜に声を掛けられた。

「(どうしたの?)」
「(あの、法仙夜空って人です。また襲ってくるのでしょうか?)」
「(分かんない。でも、諦めてくれた雰囲気はなかったよね)」
「(ですね。今度はどんな手で来るか分かりませんから、気をつけた方がいいですね)」
「(分かってるよ。王族の力を手に入れる事だけは絶対に阻止しないとね)」

相談を終え、寝ようとしたが

「ハヤ兄。今日はウチと寝る日やで。忘れんといてや」

日向が部屋に来て文句を言ってきた。

「(静かに寝れないか)」

そう思ったものの、口には出来なかった。


ちなみに、夜空は連れていかれた後、警備員室でこっぴどく叱られたが、お咎めは受けなかった。


更にちなみに、元気になって帰ってきたナギを見てマリアさんは

「(ふざけんじゃねえぞ!!!!!!!!!何で元気になってるんだよ!!!!!!!!!!徹底的に追い詰めてコレクションする計画が台無しじゃねえか!!!!!!!!!俺様の計画を邪魔するなんて、使えねえご主人様だな!!!!!!!!!!!)」

とか思ったらしい。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月6日更新) ( No.47 )
日時: 2014/09/09 17:23
名前: ささ

最近ハヤテが女性の下着姿や裸を見過ぎているのではと思ってきたささです。
アテネ、10年前のように調教がが必要では?
主導権を白桜に戻す前にスタッフに見つかればおもしろかったのに!
ところでルカ、
トラップカードって…確かにマネージャーのターンだから間違ってはいないけど、なんかツッコミどころ満載って感じだよ。
それと、舞台で倒れないとか、さすが、プロのアイドルだね。(アイドルにアマチュアがあるのかとか褒めるとこそこ?とかいうツッコミは無視して)
これで失礼します。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月9日更新) ( No.48 )
日時: 2014/09/09 17:54
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>最近ハヤテが女性の下着姿や裸を見過ぎているのではと思ってきたささです。

 ハヤテ「か、感想ありがとうございます」
 アテネ「フフ♪確かに最近のハヤテはそうですわね♪見て良いのは私だけですのに」

 >>アテネ、10年前のように調教がが必要では?

 アテネ「そうですわね♪ねえハヤテ♪」
 ハヤテ「ぼ、僕のせいじゃないでしょ。や、止めてよ」←怯えてる。

 >>主導権を白桜に戻す前にスタッフに見つかればおもしろかったのに!

 ハヤテ「ま、まあ万が一そうなったとしても、誤魔化す方法は幾らでもありますよ」
 悠太「まあ、そうだな。ハヤテは優秀だし」

 >>ところでルカ、

 ルカ「な、何!?」

 >>トラップカードって…確かにマネージャーのターンだから間違ってはいないけど、なんかツッコミどころ満載って感じだよ。

 ルカ「だ、だって。他に思いつかなかったし、下手な事言うとボロ出しそうだったし。大目に見てよ」

 >>それと、舞台で倒れないとか、さすが、プロのアイドルだね。(アイドルにアマチュアがあるのかとか褒めるとこそこ?とかいうツッコミは無視して)

 ルカ「そ、そうかな?まあ、アイドルにアマチュアとかプロってあると思うよ」

 ちなみに、舞台を終えて、ハヤテにあった途端、ハヤテが行った「痛覚の麻痺」が解けたので、気絶した。が正確な理由です。

 >>これで失礼します。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月9日更新) ( No.49 )
日時: 2014/09/09 17:56
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ありがたい事に、今回で第200話です。感想を頂いたり、参照が増えて行った事で、ここまで来れました。

今回は第200話記念という事で、オリキャラ達の誕生秘話みたいのをやります。
紹介する順番は作者である自分の好きな順です。


                     × ×


 神尾崎綾子。

綾子に関しては「アテネの最強のライバル」を生み出そう。という考えから誕生させました。
最強のライバルという位置付けなので、天王州家に匹敵する大財閥でないと、弊害が出るだろう。そう思い、アテネやナギに匹敵する大金持ちにしました。
更に言うと、アテネの基本データを大元に肉付けして行ったので、スタイルと強さが互角で、お嬢様言葉を使う。これも付加しました。
ハヤテにデレデレ。というのもアテネが大元だからという理由と、最強のライバルだからこれくらいさせよう。という感じで設定を生み出しました。
「人付き合いが悪かったが、ハヤテのおかげでよくなった」この設定は、「大財閥ともなれば、婚約者が居るか、居なくても相手選びは超慎重だろう」と思い、綾子の周りの人間をすぐに納得させる理由が必要という考えに至ったため、この設定を付け足しました。

以上が綾子の誕生秘話です。





 天王州瑞希

瑞希さんは「アテネの肉親」が居た方が良い。と思い誕生させました。
「アテネの祖母」なのは、両親は既に亡くなってると言う話が原作でも出てまし、従姉妹やその他の血縁者では重要性に欠けるので、祖母にしたのです。
「鍵は握っているが、後ろから優しく見守る」という位置付けにしたかったので、祖父だと当て嵌まり辛いと言う感じで祖母なのです。
「高齢だが強い」というのは「アテネの祖母だから強くて当然だろう」という思いつきで付加しました。
優しくも厳しいと言う設定は「あのアテネを育てたので、これが当然」という考えで、付加し、「ゆっくりめに話し、声は綺麗」という設定は某戦場カメラマンが全盛期の時に考えだしたので、この設定が生まれました。

以上が瑞希さんの誕生秘話です。





 真山悠太

悠太は「ハヤテはアテネの執事なので、ナギの執事が他に必要」という考えで誕生させました。
最初は「原作のハヤテみたいに貧乏で、ナギに拾われた」にしようかと思いましたが、ほぼ丸被りなので、止めて「家はお金持で、修行のためにナギの執事をしている」に変えました。
「ナギの事が好き」これは後程説明しますが、原作上の西沢一樹の設定を流用しました。
ナギの悠太に関する態度は、最初は「心を開いていない」という設定でしたが、殆ど完成した時に「それじゃ物語への重要性が足りない」と思い、「息は合うが、恋愛対象では無い」に変更しました。
姉が居るのは、上に兄弟が居るが、その兄弟は夢を追うために跡取りにならなかった。これがあると面白いかもしれない。という思いつきで付加したのです。

以上が悠太の誕生秘話です。





 時任麗

麗は「アテネの幼馴染が居て、その幼馴染もライバル」という考えで、誕生しました。
学生だが、時任グループという大企業の社長。という設定はアテネやナギが大元です。アテネもナギも両親がおらず、ナギには帝が居ますが、アテネにはいません。そしてアテネは現在当主で、ナギはいずれ当主になる。これを混ぜて割ったのがこの設定です。
海外に居たと言う設定は物語の途中から登場させるために考え出しました。戻ってきた理由は、一番上の記事通りです。
強さやスタイルが普通なのは、アテネや綾子といった最高レベルが居るので、せめて少しは常識レベルが居た方がバランスがとれると思ったので、こうしました。
弟が居るのは「1人だと寂しいだろうし、精神的に辛いだろう」と思ったので、弟を誕生させました。

以上が麗の誕生秘話です。





 クリスティーナ・ディキソン

クリスは「原作も含めて外人が少ない」という思いと「その外人もライバルの方が面白くなる」という思いで誕生させました。
第3部まで出番が無かったのは、原作の始まりである「クリスマスイブの出来事」を何かしらの形で再現したかったのと、「それを伏線にしよう」と思った為、長らく出番が無かったのです。
スタイルが良く、大金持ち。というのは綾子以外のアテネの強力なライバルが居た方がいいと思ったので、この設定にしました。

以上がクリスの誕生秘話です。





 時任勝

勝君に関しては「ライバルに兄弟が居て、ハヤテに懐いている」と思ったので誕生させました。
中学生なのは、離れ過ぎていると上で書いた麗の設定に合いませんし、小学生は大河坊ちゃんが居るので、中学生という設定にしました。
ハヤテを「お兄ちゃん」と呼ぶ事に関しても一番上に書いてある理由と「懐いている」という感じを分かりやすくするためにこうしました。

以上が勝君の誕生秘話です。





 城山強

城山は「綾子に専属執事が居た方がいいだろう」と思い誕生させました。
「基本は忠実だが、従わない事もある」これは原作上のハヤテを大元にした為です。勿論、強さやかっこいいと言うのもハヤテが大元だからです。
ハヤテへの感謝は上記した綾子が変わった理由に繋がっています。つまり、「自分が出来なかった事をしてくれた」と思ったから。こう言う設定があるためです。

以上が城山の誕生秘話です。





 崎山道子

崎山は「綾子に専属メイドが居た方がいいだろう」と思い誕生させました。
崎山に関しては原作のマリアさんとサキさんを足して2で割った感じかな。と思い、「仕事はできるが、天然。勉強も苦手」にしたのです。
潮見高校OGなのは、せめて潮見高校の名前は出そうとと思ったからです。
ハヤテへの感謝は城山と同じです。

以上が崎山の誕生秘話です。


                        × ×


次にキャラ以外の原作とは違った設定誕生秘話です。

西沢歩を削除したのは、最初は登場させる予定でしたが、物語へ絡めるのが難しく、出会いも難しいと思ったのと、ライバルは十分に多いので、思いきって削除しちゃいました。
西沢一樹を削除したのもほぼ同じ理由で、歩を削ったのに登場させるのは不可能。と思ったので、「ナギが好き」という設定を悠太に回しました。

マキナを削ったのは「アテネの執事はハヤテで十分だろう」と思ったので、削除しました。この小説の前提が「10年前、ハヤテとアテネが別れなかったら」のもあります。

ハヤテの設定を色々と弄ったのは「ミダスがハヤテに取りついていて、それが理由で大事件が起こる」という話を考えてあったので、弄ったのです。
1人っ子なのも「ミダスがとりつく理由」を作ったためです。
ハヤテが異常に強いのは第二部への伏線のつもりで設定しました。
ハヤテの必殺技も原作が微妙なので、ここでは凄い物にしておきました。

「王族の力」と「王玉」を独自設定したのは、この小説では超重要事項なので、何日も考えぬいて設定しました。
「王族の力」を語られたとおりにしたのは、原作でアテネや帝があれほどまでに執心しているので、物凄いのにしようと思い、「願望現実化」という凄いものにしました。

ハヤテの婚約者候補は物語を激化させようと作りました。順位に関しては殆ど思い付きです。


まあ、大体こんな感じですね。他の変更した設定は本編で出ています。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月12日更新) ( No.50 )
日時: 2014/09/12 20:16
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み天王州家。


アテネ達は朝食後のティーブレイクをしていた。
すると

「失礼します。ハヤテ坊ちゃんにお客様です」

天王州家のメイドが、そう言いながら居間にやってきた。

「お客?誰だろう」

ハヤテ達が首を傾げていると、メイドに案内され、居間に入ってきた

「はあいダーリン。グッドモーニングね」
「クリスさん。どうしたんですか?急に」

ハヤテは普通に接していたが、その場にいたクリス以外の女性陣はクリスがハヤテをダーリンと呼んだ事に強く反応していた。

「(あの人、またハヤテをダーリンだなんて呼んで。何様のつもりですの)」
「(何よあの女。ハヤテさんをそんな風に呼んで。私だって呼ばせてもらった事無いのに)」
「(ハヤ兄、また余計なトラブルを〜。ウチがおるのに〜)」

アテネ、ソニア、日向は素直にそう思っていたが、

「(な、何だよ。何で綾崎君をダーリンって呼んだ事に対してこんなに醜い感情が起こるんだよ)」

千桜だけは困惑していた。

そんな風に考えている事など半ば気付いてはいたが、無視したクリスは

「ダーリンにこの辺を案内してもらいたいと思ったの」
「え!?僕が、ですか?」
「イエス。私はこの辺に土地勘が無いから、みて回りたくて」

ハヤテはある程度納得していたが、アテネ達は違い

「そ、そんなの許可できませんわ!!!」
「そうや!!!!許さんで!!!」

反論してきた2人にクリスは

「ユー達に聞いてないわ。ハヤテ君に聞いたのよ」
「え、えっと」

喧嘩になりそうな雰囲気にハヤテは悩みつつ

「僕でよかったら、ご案内しますよ」
「「「な!?」」」
「お役にたつのも、執事の仕事ですから」

猛烈な殺気を出し始めたアテネ達を無視するようにクリスが

「ダーリン♪」

ハヤテに抱き付き、キスした。

「アイラブユーね」

強烈な殺気にハヤテは冷や汗を流しつつ

「じゃ、じゃあ行きましょうか」

これ以上状況が悪くなる前に、クリスを連れ居間を出た。


                  × ×


急いで天王州家を出た2人は少し離れ場所で止まり

「それで、何処か行きたい場所ありますか?」
「ん〜。日本の商店街ってところに行ってみたい」
「え!?行ったこと無いんですか?」
「日本は何度も来てるけど、ダディの仕事の時以外は来ないの。観光地は行った事あっても、そうじゃ無い商店街はまだなの」

クリスの説明にハヤテは納得し

「じゃあ行きましょうか。すぐ近くに良い商店街があるので」
「お任せするのね」

クリスがそう言った後、ハヤテはクリスと手を繋いだ

「ダ、ダーリン!?」

突然の事にクリスは動揺していたが、

「あ、すみません。逸れない様にと思ったんですが。嫌でした?」
「ノー。ビックリしただけです。手、このままがいいです」

そう言われ、ハヤテも安心して手を繋いだまま案内する事にした。


                   × ×


「ここが日本の商店街ですか」

ハヤテはクリスを銀杏商店街に連れてきた。

「ここは地域密着型の、日本らしい商店街だと思いますよ」
「フフ♪楽しみです。案内よろしくです」

ハヤテは商店街を案内し始めた。

ハヤテからすれば何げない風景だったが、クリスからすれば新鮮だったようで、幼子の様にはしゃいでいた。

「ハヤテ君、あのお店はホワイね」
「ああ、お惣菜屋さんですよ」
「聞いた事あります。確か、食べたい分を取って、会計するお店ですよね?」
「ええ。入ってみます?」

ハヤテが聞くより先に、クリスはお店の中に入って行った。

「どれもおいしそうです」
「好きなもの選んでいいですよ。お金なら僕が出しますから」
「良いの?」
「ええ」

クリスは嬉しそうに選び始めた。
ハヤテは後ろからまるで娘を見る父親の様な目で見ていた。

「これで良いです」
「じゃあお会計ですね」

選んだ物を持ってレジに並んだ。
すると

「おや?いらっしゃい。久しぶりだね」
「こんにちは」
「お知り合い?」
「あ、はい。この商店街には知り合いが多いんですよ」

お店の人はハヤテと一緒にいるクリスを見て、

「あれ?ご主人様やあの水色の髪の女の子じゃないんだね?新しい彼女かい?」
「ち、違います」
「そうです。私はガールフレンドじゃなくて、ワイフね」

英語に疎い店主は首を傾げていたがハヤテはどきりとした。それと共にお店の人が英語に疎い事に感謝していた。

「まあいいや。食べて行くでしょ?今なら空いてるよ」
「あ、じゃお願いします」
「oh。隣の食事スペースで食べられるあれですね」
「そ」

2人は食事スペースにすわり、クリスは食べ始めた。

「あ、クリスさん、何が飲みたいですか?」
「ジャパニーズティーが飲みたいです」

ハヤテはお願いされたとおり、日本茶を買って持ってきた。

「そう言えば、クリスさんって日本食が好きなんですね」
「なぜそう思うですか?」
「だって、勝ったものは全部和食ですし、飲みたいものに日本茶を真っ先にあげましたし」

ハヤテの言葉にクリスは

「イエス。私、アメリカ人ですがアメリカの食事あんまり好きじゃないです。日本食、ヘルシーなもの多くて好きです。京料理なんか特にです」
「へ〜。京料理の繊細な味が好きなんですね。ちょっと意外です」
「そうですか?初めて食べたとき、衝撃受けました。「この方が私の舌に合うと」」
「なんか、クリスさんに親近感がわきますね。日本人としてなんかお礼言いたいです」
「ダーリン/////////////////」

親近感がわくと言われ、クリスは顔を赤くして喜んだ。

「(ダーリン、やっぱり優しいです。婚約者候補になって正解でした)」

買ったお惣菜を食べながらクリスは他の意味でも喜んでいた。

「あ、クリスさん」
「何?」
「日本食が好きなら、近くに良いお店知ってますよ。お昼にどうですか?」

ハヤテの提案にクリスは眼を輝かせ

「行きたいです。あ、でも商店街をもっとみてからにしたいです」
「じゃあ、そうしましょうか」
「イエス」

クリスは急いで食べ、お店を出た。

その後もクリスは日本の商店街を嬉しそうに見て回った。

そして、丁度お昼時になったので、近くの和食レストランに入る事にした。

「ハヤテ君、私こう言う所初めてで、分からない」
「大丈夫ですよ。僕お勧めのメニューがあるので」

ハヤテは注文を取りに来た店員さんに注文を伝え、店員さんは確認すると、厨房に注文を伝えに行った。

「何を頼んだの?」
「来てからのお楽しみですよ」

そう言われたクリスは言及を止め、ハヤテとの世間話に花を咲かせた。
暫くすると

「お待たせしました。京御膳二人前でございます」
「どうも」

店員さんは料理を2人の前に置くと、去って行った。

「ハヤテ君これ」
「クリスさんが京料理が好きだと言ってたので、これにしました」

クリス喜び、食事の前の挨拶をすると、すぐに食べ始めた。

「oh。デリシャス」
「お口に合ってよかったです」

ハヤテは料理がクリスの口に合うか不安だったが、嬉しそうに食べるクリスを見て安心し、自分も食べ始めた。

その後は2人とももくもくと食事を済ませ、会計はハヤテがした。


                    × ×


「ハヤテ君、今日はサンキューね」
「いえいえ。楽しんでいただけて良かったです」

ハヤテの笑顔を見ると、クリスの胸の鼓動は自然と早まった。

「ダーリン、お礼したいです」
「良いですよ。気持ちだけで十分です」
「そう、ですか」

クリスは一瞬残念そうな顔になったが

「だったら、家に来てください。マミーもダディも歓迎します」
「あ、いや。それはその」
「問題あるの?」

ハヤテは暫くしどろもどろになった後

「まあ、お邪魔するだけなら」
「ノンノン。泊ってって欲しいです」
「そ、それは」

ハヤテは益々困惑し

「それに関してはアーたんの許可を取らないと」
「ノープロブレムね。説得は使用人に任せるね。そう言うの、得意な人多いね」
「え、えっと」

まだ渋るハヤテにクリスは

「レッツゴー」

半ば無理やり腕を組み、引っ張って行った。

「(だ、大丈夫かな。波乱が起きなきゃいいけど)」

クリスに従いながら不安に思っていた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月15日更新) ( No.51 )
日時: 2014/09/15 18:33
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテはクリスに町案内し、半ば強引ではあるが、ディキソン家に招待される事になった。


ハヤテはクリスに腕を組まれたままディキソン家の前に着き

「あ、あの」
「何?」
「大丈夫でしょうかね?急にお邪魔しちゃって」

ハヤテとしてはせめてもの抵抗ではあったが

「ノープロブレム。ダディもマミーも「ハヤテ君は次の来るのは何時なんだ?」って聞いてくるし、さっき電話したら「歓迎の準備して待ってるぞ」って言ってたわ」
「あ、そうですか」

希望が打ち砕かれたハヤテは諦めて、クリスと共にディキソン家に入って行った。


                   × ×


広いディキソン家の庭を通り、家の中に入る、使用人総出とも思える人数が待機しており

「お帰りなさいませお嬢様。そしていらっしゃいませ」

使用人達は声を揃えてそう挨拶し、深々と頭を下げていた。

「さ、ダーリン。ダディとマミーが待ってるわ」

クリスはハヤテと腕を組んだまま、使用人の間を通って、ハヤテを案内し、居間に着いた。
中に入るとクリスの両親がお茶しており

「いらっしゃい、ハヤテ君」
「待ってたわ」

そう言うと、クリスの両親はハヤテとハグし、ハヤテはこれが挨拶だと知っていたので、特には驚かなかった。

「ダーリン、座って」
「遠慮は無用だ」

そう言われ、ハヤテは静かにクリスの両親と向かい合うようにソファーに腰掛けた。
ハヤテが座ったのを確認すると、クリスの母親が廊下に向かって何かを言うと、使用人がすぐにでも来て、ハヤテには紅茶、クリスには日本茶を出し、クッキーを置いて居間から出て行った。

「さて、ハヤテ君。いきなりだが本題と行こうか」
「な、何がですか?」

紅茶を飲みつつ落ち着こうとしているハヤテにクリスの父がいきなり切り出した。
その事で、ハヤテは身構えた。

「何、そんなに重い話じゃないよ。だから気を楽にしてくれ」
「は、はあ」

そう言われたものの、ハヤテとしてはそこまで楽になれなかった。

「ハヤテ君、君はディキソングループをどこまで知ってるんだい?」
「へ!?えっと、僕のご主人様が当主の天王州家や三千院家、神尾崎家に匹敵できるほどの大企業だってことは知ってます。後、拠点が日本とアメリカって事ですね」

ハヤテは自分が知っている情報を全て言い、言われたクリスの父は少し黙った後

「そうか。分かってると思うが、私達の娘は将来の当主だ。だがな、君になら任せてもいいと、私も妻も思ってるよ」
「え!?」
「つまりだね、ハヤテ君になら娘と我がディキソングループを任せられると言ってるんだ」

突然の事にハヤテは混乱し、言葉が出てこなかった。

「ハヤテ君、クリスティーナをよろしく頼むよ」
「ハヤテ君なら、義理の息子として大歓迎よ」

両親にそう言われたクリスは照れてはいたが、同時に嬉しそうだった。

一方のハヤテは何とか混乱から立ち直り

「ま、待ってくださいよ」
「なんだね?」
「なあに?」

首を傾げるクリスの両親にハヤテは

「僕とクリスさんは、会って間もないんですよ。そんな他人に程近い僕に」
「それなら問題ないよ。信じられる人間だと、調べは付いてる」

ディキソン家は財閥なので、規制が掛かって無ければ情報収集はお手の物なのだ。

「だ、だからって」
「大丈夫だって。一財閥である以上人付き合いは慎重になるしかない。そんな我々が「信じる」と言ってるんだ。信じてもらいたいよ」

そう言われては、人の良いハヤテは何も言い返せなかった。

その後、少しの間居間に沈黙が訪れたが、ハヤテはこの際だから気になっていた事を聞き出そうと思い

「あ、あの」
「なんだい?聞きたい事があるなら、答えるよ。知ってる範囲に限られるが」

こう言ってもらえてことで、ハヤテは安心し

「クリスさんの婚約者候補についてです」
「・・・」
「調べて「信頼できる」とか「良い人」だと思えても、婚約者となれば話は全く別の物です。しかもそれが法的拘束力のある物ならなおさらです」

ハヤテが話している最中、クリスの両親は無表情だった。

「どうして、クリスさんを婚約者候補にしようと思ったんですか?クリスさんは貴方方の一人娘なのに」

ハヤテの質問にクリスの両親は笑みを浮かべ

「なんだそんな事が聞きたかったのかい?」
「こ、こっちは真剣ですよ」

真顔のハヤテに笑みを止め

「クリスティーナが信じたからさ」
「え!?」
「クリスは私達の一人娘でしょ?だから我儘に育てちゃった所もあるのよ。特に、異性関係はね」

両親の話にクリスは気まずそうな顔になった。

「この子はこんな顔だから、告白してきた男性は結構いたらしいんだ。でも、強気な態度で突っぱねたらしいんだ」
「ダ、ダディ。昔の話よ」

「一応友達は居るが、恋人はおろか「友達以上恋人未満」な子は居ないんだ。そんなクリスが惚れた相手だ。ダディとしてはとても寂しいが、君なら良いと思った。だから、クリスの「ハヤテ君の婚約者候補になりたい」という我儘を聞いてあげたのさ」

真剣な表情にハヤテは「嘘は無い」と思えた。

「そうだったんですか」
「ハヤテ君、君がどんな結果を出すにしろ、娘の真剣な気持ちを無下にはしないでくれ。君へのたった1つのお願いだ」
「分かりました。お応えできるか保証はできませんが、頑張ります」
「ダーリン」

ハヤテが返事すると、クリスがハヤテに大人のキスをした。

「ダーリン、アイラブユーね」

ハヤテに抱き付き、甘える娘にクリスの両親は

「クリスティーナは変わったな」
「ええ。出来る事なら、ハヤテ君が息子になってくれると良いんだけど」

そう思っていた。


                      × ×


その後はクリス一家と話に花を咲かせ、夕食の準備に取り掛かる時間になったので、ハヤテが

「お夕飯、僕が作りますよ」
「そんな悪いよ。君はお客様なんだから、寛いでてくれ」
「いえいえ。お邪魔させてもらっている以上はこれくらいさせてください」

このやり取りがあり、ハヤテはディキソン家のキッチンを借りて料理を作っていた。
リクエストを聞いたところ、クリスもクリスの両親も「日本食で」と言ってきたので、出来るだけヘルシーな日本食を作る事にした。

途中、ディキソン家の使用人の人に「手伝いますよ」と言われたが、断った。

出来上がった料理を食べたクリスとクリスの両親は

「「「oh。デリシャス」」」

と驚いていた。

「ハヤテ君と行った日本食のレストランもデリシャスだったけど、それ以上だわ」
「凄いな。比べる様で悪いが、家の使用人以上だ」
「ホント、凄い美味しさね」

喜んでもらえた事で、ハヤテもうれしかった。

一応補足しますが、レシピは教えておきました。


                   × ×


時間は飛び、夜。

ハヤテは風呂で寛いでいた。

夕食後、ハヤテは帰るつもりでいたが、「泊ってってくれ」と凄い気迫で言われ、断れなかったため、泊る事になり、「先に風呂に入っていいよ」と言われ、1人で入っていた。

「ここのお風呂も広いな。お金持って何で広いお風呂を作りたがるんだろ」

愚痴に近い独り言をつぶやいていると、誰かが入ってきた。
クリスの父親か、使用人の人かなと思いつつ入口を見ると

「はあいダーリン。一緒に入りましょ」
「ク、クリスさん!?///////////////////////////////」

当然の様にクリスが入ってきた。勿論?タオルとか無しでだ。

「な、何してるんですか?//////////////////////////////////」
「一緒に入浴よ。それがどうしたの?」

軽くお湯を掛け、ハヤテの隣でお湯につかりながらそう答えた。

「ぼ、僕もうでます」
「ホワイ?ミス天王州や他のライバル達とは入った事あるんでしょ?」
「ど、どうしてそれを」
「不公平よ。私と一緒に入らないのは」

そう言われた以上は諦めるしかなく、一緒に入るはめになった。

「私は平気よ。ハヤテ君になら、裸を見られても」
「え、えっと///////////////////////////////////」
「結婚後は当然なんだし、今からこうしても何の疑問も無いわ」

一切照れずにそう言うクリスにハヤテは戸惑うしかなかった。

「ダーリン、体洗ってあげるわ」
「も、もう洗ったのでいいですよ/////////////////////」
「遠慮しないで。その後私の体洗ってもらうけど」
「そ、それは/////////////////////////」
「ほらほら」

この先はカットで。


                     × ×


「フフ♪ダーリン♪」

入浴後、少しの休憩をはさみ、寝る事になった。
当然と言うか、ハヤテはクリスの部屋でクリスと一緒に寝る事になり、ハヤテは照れていた。

「ダーリンと寝れるなんて、夢の様だわ」
「い、良いんですか?//////////////////////////////////////////」
「ノープロブレム。ダーリンとなら、一緒に寝たいから」

当然の様にそう言うクリスにハヤテは「諦める」という選択肢以外選択出来ないと悟った。

「じゃ、じゃあもう寝ましょ」
「オーライ。あ、その前に」
「はい?」

クリスはハヤテに近付き、大人のキスをした。

「おやすみのキス忘れてたわ」
「も、もう//////////////////////////」

ハヤテは照れたが、怒ったりはしなかった。

その日、照れたハヤテはすぐには寝付けなかったが、クリスはすぐに寝付いた様だった。



ちなみに、翌日帰ったハヤテが、アテネに抱き付かれ、10分以上大人のキスされた事は言うまでも無いだろう。




----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月15日更新) ( No.52 )
日時: 2014/09/18 17:01
名前: ささ

ささです。
ハヤテの押しの弱さが非常に気になります。(アテネ、やっぱ調教いるよ!)
他の女性への対応をあのくずへの対応並みにすれば、アテネとくっつけるのでは?
しかも、唯一のアドバンテージであった、入浴もしちゃったし。
綾子と麗にこのこと伝えとこかな?
これにて。(しゅた)
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月18日更新) ( No.53 )
日時: 2014/09/18 17:55
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 クリス「感想サンキューです♪」

 >>ハヤテの押しの弱さが非常に気になります。(アテネ、やっぱ調教いるよ!)

 アテネ「ですわね♪」
 ハヤテ「ぼ、僕のせいじゃないって。強く反発したら傷つけちゃうかもしれないので、してないだけですって」

 >>他の女性への対応をあのくずへの対応並みにすれば、アテネとくっつけるのでは?

 ハヤテ「まあ、あの野郎はともかく、他の女性陣にそれは。可哀想ですよ」
 虎鉄「お、俺は違うのか?」
 ハヤテ「当たり前だ、ゴミ!!!!!!」

 >>しかも、唯一のアドバンテージであった、入浴もしちゃったし。

 まあ、これに関しては、あんまり不公平なのもあれなので。

 >>綾子と麗にこのこと伝えとこかな?

 綾子「ハヤテ様」
 麗「ハヤテ君」
 ハヤテ「ぼ、僕のせいじゃないですって」

 >>これにて。(しゅた)

 ああ、はい。 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月18日更新) ( No.54 )
日時: 2014/09/18 18:01
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み天王州家。


ハヤテは朝食も朝食後のティータイムも終わり、寛いでいた。
しかし

「はあ」

ハヤテが溜息をついた訳は

「ゴロニャ〜ン♪」

子猫であるシラヌイの様に甘えてくるアテネのせいだった。

「アーたん、離れてよ」
「嫌ですわ♪」

更に甘えてきたアテネにハヤテは

「今日はまた一段と甘えてくるね。どうしたの?」
「ハヤテのせいですわ。無断外泊なんかするからですわ」

それについては前回の話を見てください。

「で・す・か・ら。甘える権利はあるんですわ♪」
「もう。僕やる事あるから、離れてって」

半ば強引にアテネを引き剥がし、居間を出た。


                  × ×


「全くアーたんは。もし僕が死んだりしたらどうするんだろ」

ハヤテは自分が死んだ後のアテネの姿を想像し

「まあ、想像は難しくないか。止めとこ」

考えるのを止め、廊下を歩いていると

「あ、ハヤ兄丁度良かったわ」
「日向さん、どうしました?」
「実はな、宿題に行き詰っててな、教えてほしいんや」

日向のお願いにハヤテは

「分かりました。では部屋に行きましょうか」
「ほな頼むで」

ハヤテは日向の部屋に行き、宿題を教え始めた。

「(ハヤ兄、やっぱかっこいいわ。無理矢理理由作って部屋に連れ込んでよかったわ)」

実は言うと、学校で出された宿題は全部自力で解ける問題だったが、「分からない」と嘘をつき、2人きりになりたかったのだ。

「もうこんなもんですね」
「ありがとな、ハヤ兄」
「いえいえ。お役に立てて光栄ですよ」

ハヤテの笑顔に日向は赤面し、ハヤテにキスした。

「教えてもらったお礼や//////////////////////////////ありがたく思う事やな/////////////////」
「あ、はい」

微妙な雰囲気になりそうなので、ハヤテは急いで日向の部屋から出た。

「さてと、そろそろ頃合いかな」

腕時計で時間を見て、そう呟くと、ハヤテはキッチンに行き、お茶を淹れて、キッチンを出た。

そしてある部屋のドアをノックし

「ん!?どなた?」
「ハヤテです」
「入っていいぞ」

許可が出たので入室し

「お茶を持ってきました」
「すまんな。丁度休憩しようと思ってた所だ」

ここは千桜の部屋であり、千桜は生徒会の書類を片付けていた。

「どうですか、進み具合は」
「まあまあだよ。仕事は溜めない様にしているんだが、量が量だけに気をつけてても多くなるんだ」

ハヤテが淹れてくれた紅茶を飲みながら、愚痴を言っていた。

「じゃあお手伝いしますよ」
「そんな悪いよ。私の仕事だし」
「お手伝いこそが執事の職務ですから、気にしないでください」

そう言って笑顔を向けてきたハヤテに千桜は

「(全く。ここ最近の私は本当におかしいな。綾崎君の笑顔を見たりするだけでこんなに胸が高まるなんて。病院に行った方がいいかもな)」

そんな風に考え、折角なので仕事を手伝ってもらう事にした。

すると、暫くして

「(しっかりしろ。綾崎君と部屋で2人きりだからって同様とかする必要はないんだ。集中だ、集中)」

変に動揺し始め、仕事の能率が落ちたが、無理矢理集中して能率を戻した。


                    × ×


時間は飛び夕方ぐらい。

ハヤテがキッチンで勉強していると

「ハヤテさん」
「あ、ソニアさん。どうしました?」
「買い物があるので、手伝ってもらえますか?」
「分かりました。お手伝いします」

ハヤテは勉強道具を片付けるとキッチンをソニアと共に出た。

2人は近くのスーパーにやってきて、特売品など買う物を選んでいた。

「(ハヤテさんと買い物////////////////これってデートよね////////////////////////)」

そんな風にソニアは喜んでいたが、

「(えっと、買うものは大体買ったし、他に買う物は無いかな)」

ハヤテは普通に買い物だと思っていた。

まあ、こんな風に考えが行き違いながらも買い物を終え、帰路についていた。

その最中でも

「(ハヤテさんって流石よね。さりげなく道路側歩いているし、速度も私に合わせてくれるし、重い方を持ってくれてるし)」

ハヤテの何気ない気遣いにもソニアは喜んでいた。

「ハヤテさん♪」

その事でソニアはハヤテを腕を組んだ。

「ソ、ソニアさん!?」
「フフ♪最近甘えられてなかったから、今は甘えさせてもらうわね♪」
「は、はあ」

ソニアは嬉しそうだったが、

「(どうしたんだろ。アーたんじゃあるまいし、急に甘えて来て)」

ハヤテは考え込んでいた。

「(まあ、良いか。甘えたい時もあるんだろうし)」

深くは考えるのは止めた様だ。


                      × ×


そして夜。

「アテネ、何でお前さんがここに?」

風呂場で軽く言い争いが起こっていた。

「千桜、それは愚問ですわね。私がハヤテと一緒に入りたいからに決まってるからですわ」

当然の様にそう言うアテネに千桜は

「や、約束が違うだろ」
「関係ありませんわ」
「関係あるわ!!!!!!幾らこの家の主人だからって、約束は守れよ!!!!!!!!」

2人の言い争いにハヤテは敢えて口を挟まなかった。言っても無駄だと分かってるからだ。

「あら、随分必死ですわね。何故かしら」
「そ、それは」

千桜はなぜ自分がここまで必死になるか理解できず

「と、ともかくだ。アテネは出て行けよ。今日は私の日だ」
「うっさいですわ!!!!!!!!文句なら甘えさせてくれないハヤテに言いなさい!!!!!!」

一瞬ハヤテに文句を言いそうになったが

「ああ、もう良い。ほら行くぞ」

ハヤテを半ば強引に引っ張って行き、風呂場の鍵を掛けた。

「クッ。勝手な真似を!!!!開けなさい!!!!!」

しかし、ドアは開かなかった。


そして、

「おいアテネ、いい加減にしろよ」
「何がですの?私はハヤテと寝たいんですわ」

当たり前の様にハヤテと自分のベッドに居るアテネに千桜は文句を言っていた。

「自分の日があるんだから、待てばいいじゃないか!!!!!」
「黙りなさい!!!!!!!!今日はとことんハヤテに甘えると決めてるんですわ!!!!!!!邪魔はさせませんわ!!!!!!!!!!」

睨み合う2人にハヤテは

「な、仲良くしましょうよ。ね」
「「ム〜」」

ハヤテに諭され、結局3人で寝る事になった。

「(全くハヤテは。何で甘えさせてくれないんですの。全く)」
「(何で私はアテネとあんなことで言い争ったんだ?別にアテネが居ようが関係ないじゃないか)」

アテネと千桜は別々の理由で暫く寝付けなかったそうだ。





今日も今日とで、天王州家は平和なのである。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月18日更新) ( No.55 )
日時: 2014/09/22 08:43
名前: ささ

ささです。
確かにハヤテ亡き後のアテネの様子は想像するのは難しくないな。
(あと麗や綾子・クリスも)
千桜、あんた結局権利堪能しているじゃないか!
ハヤテのことなんとも思ってないならアテネに譲ってもいいじゃん!
それとハヤテ、鍵のかかった浴室に思春期を迎えている男女が…って、この小説では書けないことでもしていないでしょうね?(ジト目、女性陣の声を代弁)
これにて。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月24日更新) ( No.56 )
日時: 2014/09/24 18:32
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 日向「感想ありがとな♪」

 >>確かにハヤテ亡き後のアテネの様子は想像するのは難しくないな。

 ハヤテ「ですよね。色々大変ですよね」
 アテネ「そ、そんな事あ、ありませんわよ」
 悠太「・・・嘘つけ」

 >>(あと麗や綾子・クリスも)

 麗「わ、私は平気よ」
 綾子「わ、私もですわ」
 クリス「私は、分かんないわね」

 >>千桜、あんた結局権利堪能しているじゃないか!

 千桜「な、何がだ!?」

 >>ハヤテのことなんとも思ってないならアテネに譲ってもいいじゃん!

 千桜「そ、そうなんだが。ゆ、譲りたくないって思ったんだよ。何故かな」

 >>それとハヤテ、鍵のかかった浴室に思春期を迎えている男女が…って、この小説では書けないことでもしていないでしょうね?(ジト目、女性陣の声を代弁)

 ハヤテ「し、してませんよ。一緒にお風呂に入っただけですよ」
 千桜「そ、そうだぞ。それだけだ」

 >>これにて。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月24日更新) ( No.57 )
日時: 2014/09/24 18:34
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは白皇学院。お金持の子息子女が通う名門校である。

本日は珍しくお昼で全授業が終わり、生徒達は帰宅していた。

そんな中、ハヤテは仕事があったため、夕方まで学校に残っていた。そして、帰宅するために教室に戻ってきた。

すると

「あれ?忘れものだ」

机の上に1冊のノートが置かれていて、「忘れ物」と判断するのは十分だった。

「確かここは愛歌さんの席だったな」

そう思いつつノートの裏を見ると「霞愛歌」と書かれており、愛歌さんの忘れ物であるのは間違いなかった。

「ついでだから届けてあげるか」

ハヤテはそう思うと、鞄を持って帰路に就いた。


                   × ×


学校を出た後、暫く歩き霞家にやってきた。

「そう言えば、久しぶりだな。ここに来るの」

霞家と天王州家は昔から交流があったので、ハヤテも何度も霞家を訪問していた。

ハヤテが呼び鈴を押すと、すぐにでも返答があり、用事を伝えると、すぐに中に通しもらえた。


ハヤテが居間で待っていると、すぐに愛歌さんが居間に来た。

「ハ、ハヤテ君!?お客さんってハヤテ君だったのね」
「はい、お邪魔してます」

ハヤテは気付かなかったが、来客がハヤテだと知って、一瞬だけ愛歌さんは嬉しそうになっていた。

「それで、何のようかしら?」
「あ、これをお届けにまいりました」

ハヤテは鞄から愛歌さんの忘れ物であるノートを取り出し、手渡した。

「あら、ありがと♪帰って来てから忘れてる事に気付いて、どうしようかと迷っていた所だったの」
「そうだったんですか。お役に立てて光栄です」

ハヤテからすれば当然の事だったが、ハヤテへの厚意を隠し持つ愛歌さんからすれば嬉しかった。

「お礼にお茶でもしてって」
「そんな良いですよ。お礼が欲しかった訳では」
「良いの。厚意は受け取っておくべきよ」

そう言われ一瞬悩んだが、厚意を受ける事にした。

「分かりました」
「良かった。丁度いいお茶が届いたばかりなのよ」

愛歌さんが合図すると、すぐにでも使用人の人が来て、お茶を淹れて行った。

「あ、美味しいですね」
「でしょ?」

その後は一緒にお茶を飲みながら世間話に花を咲かせた。

「お茶、ごちそうさまでした」
「改めて言うわ。ノート届けてくれてありがと」
「いえいえ」

愛歌さんは2つの意味でありがとうと伝えたが、ハヤテにはノートを届けてくれた事へのお礼のみ伝わっていた。

「じゃあ、僕もう帰りますね」
「帰っちゃうの?夕飯食べて行かない?」
「遅くなると怒られちゃいますから」
「そ、そうよね」

アテネとは付き合いが長いため、アテネがいかにハヤテに執心しているか十分すぎる位に知っているので、これ以上の引き留めは出来ないと分かってはいたが

「(ホント、私は馬鹿よね。「ハヤテ君は天王州さんの王子様」。これが分かっているはずなのに、自分の気持ちに決着をつけられないなんて)」

自分のハヤテへの好意はいけない事だと十分すぎる位に理解しているのだが、心がそれを一切許さなかった。

「(私はどうしたいのかしらね。婚約者もいる、しかも好意を持つ相手は手を出しちゃいけない存在。分かっているのに、心は「諦めるな。全てを捨てて素直になれ」そう叫んでいるのよね)」

愛歌さんが色々考え込んでいると、

「けほ、けほ」

せき込んでしまった。すると直ぐにハヤテが引き返してきた。

「だ、大丈夫ですか?まさかまた発作でも?」

走って戻ってきたらしく、少し息切れしていた。

「だ、大丈夫よ。最近は元気だから」
「無理は絶対に駄目ですよ。愛歌さんはとてもか弱いんですから」

心配してくれるハヤテに愛歌さんは喜び

「ベッドへお運びしましょうか?横になった方がいいと思いますが」
「大丈夫よ。ちょっと咳き込んだだけだから」

愛歌さんの様子から、無理している訳ではないと分かったのか

「良かったです。何かあったら直ぐに呼んでくださいね。たとえ宇宙の端っこに居たとしては1分以内に駆けつけてみせますから」
「フフフ。そんなの無理よ。でも、うれしいわ」

ハヤテの笑顔に愛歌さんは

「あ、あの愛歌さん!?」

ハヤテに抱き付いた。

「ごめん。さっき嘘ついたわ。落ち着くまでこうさせて」
「幾らでもどうぞ。僕でよければ」

ハヤテも愛歌さんを抱き返した。

「(私は本当に愚か者よね。こんな事許されない、やってはいけない事。それが理解できてるのにこんな事して)」

愛歌さんはこう思っていたが、

「(でも、背徳感も罪悪感も感じないのよね。いけない事って分かってるくせに)」

ハヤテに抱きついていると、高い安心感と共に胸が高まるのも同時に感じていた。

「(これ以上は罪よね。でも、今はもう少しだけ)」

本当は抱き合う以上の事もしたかったのだが、流石に自制心が押し留めた。


「・・・やっぱり、か」


                    × ×


ハヤテは霞家の門の前まで愛歌さんのお見送りを受けていた。

「本当に大丈夫ですか?外に出て来て」
「ハヤテ君のおかげでね。ありがと」

本当は名残惜しかったが、抑えていた。

「早く帰った方がいいわ。大変な目に会うから」
「そう、ですね。ではこれで」

ハヤテが見えなくなるまで見送った後屋敷内に戻った。

そして自分の部屋に戻り、ベッドに寝転んだ。

「私は何がしたいの??ハヤテ君に抱きついたりして。しかもそれを喜んだりもして」

愛歌さんは先ほどの行動を僅かだが悔いていた。
しかし

「私のバカバカ。ハヤテ君の優しさに甘えちゃ駄目じゃ無い。あの人の優しさは万人向けなのに。でも、でも」

僅かだが着ていた着物に残るハヤテの温もりに

「何でよ。何で「諦めるな」なんて叫ぶのよ。私の心は。いけない事って言ってるでしょ!!!!!!」

頭では理解していた。だが、心が許さなかった。

「私、どうすればいいのよ。あの人の王子様にこんな気持ち持っちゃって」

愛歌さんの悩みは尽きそうにない。



丁度その頃

「あらハヤテ、遅かったですわね」

ハヤテが帰りつくと、アテネが玄関で待っていた。

「わ、忘れ物を届けてたんだ」
「誰にですの?」
「愛歌さんに」

届けた相手を告げると、アテネは突然ハヤテに抱き付いた。

「ア、アーたん!?」
「愛歌の着物の匂いがしますわね。忘れ物を届けたりお茶しただけじゃ着きませんわよね」
「い、いや。その」

アテネの鋭さにハヤテは内心焦っていた。

「ハヤテ、今日も覚悟なさい」

この日、ハヤテはアテネに目茶苦茶甘えられた。その事で、アテネとソニアが大喧嘩になったのは想像できるであろう。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

愛歌さんの性格が原作と色々違いますが、「ハヤテ絡みでなければ原作通り」です。
ファンの方々はすみません。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月27日更新) ( No.58 )
日時: 2014/09/27 18:25
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは何処にでもありそうな公園。

そこにあるベンチにハヤテは1人で座っていた。
なぜハヤテが公園に1人でいるのかというと、予想通りかもしれないが、アテネのせいである。

今日も今日でアテネに思いっきり甘えられた。
そのせいで、アテネは日向とソニアと大喧嘩になっていた。ハヤテとしては千桜に助け舟を依頼したものの、不機嫌そうな顔で自室に戻ってしまい、助けを依頼できなかった。
なので、「逃げる」という選択肢以外は選択できなかったのだ。


「はあ、どうしよう」

ホトボリが冷めるまで家に帰れないものの、何時冷めるかハヤテには皆目見当もつかないので、困っていた。

「しょうがない。悠太に頼るか。万が一の場合はナギさんにお願いして泊めてもらえばいいんだし」

そう考えて、立ちあがって歩き出したその瞬間。

「ダーリン♪」
「うわああ。ってクリスさん!?」
「ハロー、ダーリン♪」

クリスは嬉しそうにハヤテに抱きついていた。

「困ってるみたいね。私でよければヘルプするわ」

悩んだものの、話そうとしたが、

「ハ〜ヤ〜テ〜様♪」

今度は綾子が現れた。

「こんな所で会えるなんて運命ですわ♪ハヤテ様〜♪」

綾子は嬉しそうだったが、突然現れて、しかもハヤテに抱き付く綾子にクリスは不機嫌全開だった。

「こら〜。ダーリンから離れなさい」
「あ、貴方。居たんですのね」

ハヤテに夢中で気付かなかった綾子がようやくクリスに気付き、綾子も不機嫌になった。

「ユー、邪魔よ。どっかに行きなさい!!!!」
「貴方に指図される覚えはなくてよ」

喧嘩する2人にハヤテは静観を決め込むしかなかった。止めた所で「黙ってて」と言われるのが分かっているからだ。
そして同時に自分の不運を恨んでいた。

「この際だから言わせてもらいますわ」
「ホワイ?聞いてあげるわ」
「ハヤテ様を「ダーリン」だなんて呼ばないでくれます。ハヤテ様は私の旦那様ですわ」

綾子の宣言にクリスは

「違うわ!!!!!ハヤテ君は私のダーリンよ」
「何ですって〜。ハヤテ様をダーリンって呼んでいいのは私だけですわ〜」

興奮しているせいか、クリスは英語だった。しかし、綾子もハヤテも頭がいいので、内容はきちんと理解していて、綾子も英語で返していた。

「貴方ねえ、たかがNo.3のくせにNo.1である私に対し生意気ですわよ!!!!!!」
「シャラップ!!!!!!立場上はそうだったとしても、関係ないわよ!!!!!!ハヤテ君の妻は私よ」
「フンッ。妻なら私ですわ!!!!!!例え言葉だけでもそんな身勝手は許しませんわ!!!!!!!!」

激しい口論にハヤテは嵐が過ぎ去るのをただただ祈るのみだった。それが今のハヤテに出来る唯一の事だからだ。

「こうなったら、勝負ですわ」
「望む所よ。どっちが「良き妻」なのか証明してあげるわ」

激しく睨みあった後

「ハヤテ様、天王州家をお借りしますわ」
「そこで勝負するから」

突然話を振られたハヤテは一瞬で考え

「そ、それはまずいかと。ぼ、僕、今家に帰れないので」
「そうだったんですの」
「だったら、良い所があるわ」


                     × ×


「な、何でここに?」

ハヤテ達3人が来たのは三千院家であり、喧嘩してた公園から一番近かったため、やって来たのだ。

ハヤテは悠太達に簡潔に事情を説明した。

「成程な。ハヤテ、お前は相変わらずだな」
「あ、あははは」

もはや笑うしかなかった。

「(やれやれ。俺もそうかもしれねえが、ハヤテは厄介事を引き込む天才だよな。ギネスに申請しても問題ないかもな)」

そう思いつつ、綾子とクリスの喧嘩を眺めていた。

「(そう言えば、お嬢様の機嫌は--------すこぶる悪いか)」

気になってナギを見ると、ナギは喧嘩している2人以上に機嫌が悪かった。
ナギからすれば、ハヤテが来てくれた事自体はとてもうれしい事なのだが、余計なのが2人も居たことと、喧嘩の理由がハヤテを巡るものだと言う事で機嫌が悪くなっていた。

「(ふざけるな!!!!!ハヤテの妻は私だ!!!!!!2人に何か負けるか!!!!!!!!!)」

話術では対抗できなさそうなので、心の中でのみ喧嘩を売っていた。

「あーもう。こんな所で喧嘩するな。勝負ならさっさと終わらせて早く帰れ」

悠太としてはこれ以上ナギの機嫌が悪くなる前に何とかしたかったのだが、

「ほう。ならその勝負、私も参戦しよう」

話を余計にややこしくしたようだった。

「良いでしょう。勝つのは私ですわ」
「私よ」
「私だ」

睨み合いにナギまで参戦し、悠太は溜息をつくしかなかった。

しかし

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪これはこれは面白い展開ですね〜♪誰が勝とうが負けようが面白いのは事実ですよね〜♪あ、そうだ♪全員の妨害しましょうかね〜♪全員負けてハヤテ君に嫌われれば面白いんですよね〜♪ああ♪)」

とか考えている人もいた。


                   × ×


場所を三千院家のキッチンへと移し、勝負する事になった。

話し合いの末、それぞれの得意料理で勝負する事になり、勝敗はシンプルに「ハヤテが一番おいしいと思った料理を作った人が勝ち」という物になった。
特料理が被らないようにあらかじめ料理内容を話し合い、作る料理を決めた。

それぞれが料理している最中、

「なあハヤテ、どうするんだ」
「ど、どうしようか」
「俺に聞くな。正しい答えなんか分かるか」

頼みの綱の悠太でさえどうにも出来ず、

「(白桜、何とかしてよ)」
「(無理です。意志があるとはいえ、一介の剣に頼らないでください)」
「(そんな〜)」

白桜でさえ、答えは出せなかった。

そんな風にハヤテが悩んでいるうちに3人の料理が完成した。

「まずは私からだ」

そう言うと、ナギはハヤテの前に煮物を出した。

「あれから更に修行し、私にしか出せない領域に突入した。さあ、食べてみろ」

ハヤテはナギの煮物を食べ、素直に感動していた。しかし、予め「感想を後で言ってくれ」と言われていたため、可能な限り無表情を貫いた。

「次は私ですわ」

綾子はハヤテの前にシチューを出した。

「昔からこれだけはだれにも負けた事はありませんわ。ご賞味あれ」

綾子のシチューもかなりの美味で、ハヤテはまた感動していた。とはいえ、約束通り無表情を貫いたが。

「ラストは私ね」

クリスが出したのはすき焼きで、本格的と言える見た目だった。

「日本食、食べるのも作るのも好きなの。さあ、食べて」

クリスのすき焼きもお店で出しても十分通じるレベルで、ハヤテは三度感動していた。まあ、無表情であったが。

「さてと。ハヤテ、誰のが一番だったんだ?」

悠太に聞かれハヤテは悩んでいた。本当なら1番は決めたくないのだが、下手に「皆が1番だった」なんて答えを出せば、余計ややこしくすると思い、

「分かりました。1番は」

全員息をのんだ。

「クリスさんですね」
「ワオ」
「「な、何で」」

喜ぶクリスと、呆然とするナギと綾子に

「クリスさんのは一番シンプルでしたが、味の深みみたいのが段違いに凄かったんです。だからです」

綾子はショックからから、暫く俯いていたが、

「ま、まだですわ。こうなったら例の勝負ですわ」


                     × ×


時間は飛び、夜。

「どうですの、ハヤテ様」
「私が一番よね」
「な、何を言う。私だ」

綾子の提案したのは「一緒に風呂に入り、誰がハヤテの体を気持ちよく洗えるか」だった。
ナギは少し渋ったが、参戦する事にした。

「あ、あの。この勝負だけはノーカウントで」
「「「えええええ!?」」」
「こ、こんなの駄目ですよ//////////////////////////////////」

納得いかなさそうだったが、3人とも渋々了承した。

「(クソッ。たった3つ年が違うだけでここまで違いが出るのかよ。神様は不公平だぞ)」

クリスと綾子の体を見て、ナギは自分の体の発育の悪さを恨んでいた。

「(こうなったら、今まで以上に牛乳飲んでやる。胸の成長を促すマッサージだって増やしてやる)」

密かに決意していた。


「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギったら、あんな風に睨んで♪ナギの体が成長しなければもっと面白くなりそうですね〜♪成長を阻害する薬でも仕入ましょうかね〜♪そうすれば♪これでまた私のコレクションが増えましたね〜♪ああ♪)」

誰かは喜んでいた。


                      × ×


そして。

「うう//////////////////////////何でこんな事に//////////////////////////////////」

様々の理由でハヤテも綾子もクリスも三千院家に泊っていく事になり、ハヤテと同じベッドで寝る事になった。

ちなみに、ハヤテの右隣に綾子、左隣にクリス、そしてハヤテの上にナギだった。

ナギが上なのは体格の問題である。

「それでハヤテ様、誰が1番ですの?」
「聞きたいわね」
「そうだぞ」

ハヤテは沸騰しそうな頭で必死で考え

「い、今は決められないですよ///////////////////////////////////////////////////」
「まあ、良いですわ。その内決着はつきますわ」
「誰かがハヤテ君の奥様になる事でね」
「そうだな」

その日、ハヤテは緊張でなかなか寝付けなかった。勿論?ナギもである。

「(ハ、ハヤテの上で寝てるぞ、私は。ず、ずいぶん大胆だが、一番得してるのは私か?//////////////////////////////////////////////)」

こんな風に緊張していたからだ。



「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギったら、ハヤテ君の上で寝て♪これはすごいお宝ですね〜♪これで私のコレクションがまた増えちゃいましたね〜♪ああ♪)」

また喜んでいる人もいたそうだ。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月30日更新) ( No.59 )
日時: 2014/09/30 16:21
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み天王州家。


ある日の夜、夕食も終わり、寛いでいた。
するとそこに、

「失礼します」

メイドの1人が入ってきた。

「申し訳ございません、お風呂のボイラーが壊れてしまい、本日は入れないんですよ」
「直ぐに直らんのか?」
「はい。修理しようにも部品が足りず、明日になると」

メイドの言葉にアテネは

「でしたら、水風呂になりそうですわね」
「アーたん、5月とはいえそんな事したら風邪ひくよ」

ハヤテは呆れながらも突っ込んだ。

「すみません。我慢していただくか、近くの銭湯に言っていただくしかありませんね」
「銭湯ですの?」
「あ、行った事無かったっけ?近くにあるよ」

天王州家には広い広い風呂があるので、アテネは銭湯経験が無かった。

「銭湯か。結構前だが、私は行った事があるな」
「ウチもあるで。結構最近やけど」
「私は、無いですね」

千桜、日向、ソニアがそれぞれ経験を話した。

アテネはそれを聞いて少し悩んだが、

「まあ、風呂に入らないのは気持ち悪いですし、行きますか」
「じゃあ、皆さんで行きましょうよ。ね」

ハヤテの誘いに千桜以外の面々は賛同したが

「悪いな。入浴料を払う金が無いよ」
「僕が払いますよ」
「い、良いのか?悪いよ」
「お気になさらずに」

ハヤテの説得に千桜は折れ、皆で行く事になった。


                    × ×


一同は近くの昔ながらの銭湯にやってきた。

「なんだか、懐かしいと錯覚しそうな趣ですわね」
「周辺住民の皆さんが昔から贔屓にしてるらしいからね」

あまり乗り気じゃ無かったアテネは気に入ったようだった。

「ではハヤテ、行きましょうか」

アテネはいつもの調子で言ったが

「何言ってるの?男湯と女湯は別だから一緒には入れないよ」

ハヤテの発言に、アテネ、千桜、日向、ソニアは驚き

「こ、混浴出来なんですの!?」
「知ってたけど、つまらんな」
「じゃあ銭湯に入る理由は無いですよ」
「(お、おいおい。何で私まで残念な気持ちになってるんだよ)」

それぞれ感想を漏らしたが

「まあ、1日ぐらい良いじゃないですか」

ハヤテの説得に渋々ながらも全員したがった。


                    × ×


女湯の方は---

「へ〜。中も趣がありますわね」
「久しぶりだな」
「せやな」
「ここが銭湯なのね」

それぞれ感想をもらしながらロッカーを決めた

「アテネお姉ちゃん、何かウチら注目浴びてへん?」
「目立つからでしょうね」

一番目立つのはソニアである。なんせ彼女はメイド服だからだ。

「(何でメイドさんがここに?)」
「(メイド喫茶って近くにあったかしら)」

アテネ達は注目を浴びつつも服を脱いで風呂場に入った。

「えっと、体を洗ってからお湯につかるんですよね?」
「そうやで。そうやなかったら嫌がる人もおるからな」
「まあ、一応入浴マナーは書いてあるぞ」

千桜の言う通り、壁に「入浴の心得」が張ってあり、外国人用に英語表記もあった。
女性陣が体を洗っていると、日向は皆の体つきを見た後、自分を見ていた。
それに気付いたアテネは

「どうしたんですの?」
「いやな」

再びアテネの体を見た後

「千桜お姉ちゃんやソニアお姉ちゃんは普通や。だがな、どうすればそんなに大きくなるんや」
「し、知りませんわ」
「私も気になるわね。そんだけあったらハヤテさんを誘惑するのに有利よね」
「せやせや。まあでも、咲姉ちゃんも結構な大きさやから、家には有望な未来があるがな」

日向の言葉に千桜が反応し

「上の姉妹が大きいからって、大きく成長するとは限らんぞ」
「な、何でや」
「身近にいるからだよ。姉は無駄に大きいのに、妹はペッタンコの人がな」

誰の事か分かりますよね?

「ま、まあ努力次第や。ウチはまだ10歳や。これからや」
「クゥ。私はもう19歳だから見込みは無いのに」

ポジティブな日向と悔しがるソニアにアテネが

「まあ、大きさは関係ありませんわ。いかにハヤテを誘惑できるかはね」

ドヤ顔で言いきったが

「(アテネお姉ちゃんが言っても説得力皆無やで)」
「(ホントよ。自分は大きいくせに)」
「(だ、だから。何で私まで悔しがってるんだよ。いい加減にしろ)」


                    × ×


一方の男湯。

「随分久しぶりだけど、やっぱりいいもんだな」
「(銭湯ってこんな感じなんですね。良い気持ちです)」

白桜はハヤテと感覚を共有しているので、分かるのである。

「癒されるな」
「本当だな、綾崎よ」

突然抱きついてきた虎鉄にハヤテは驚きつつも、

「何で貴様がここにいる」
「フッ。相変わらず冷たいな。なぜ?愚問だな。ストーキングしているからだ」

堂々とそう言った虎鉄にハヤテは

「お、おいおい。そんな物騒なの仕舞えよ」

白桜を召喚し、虎鉄の喉元に突き付けていた。

「安心しろ。苦しまない様にしてやるし、お湯を赤く染めるのは後から来るお客様に迷惑だ。だから流血も無い」

ハヤテの殺気のみの声に虎鉄は恐怖を感じ、その瞬間に虎鉄は声にならない断末魔を上げて気絶した。

「全く。あの屑野郎は。死んで詫びやがれ」
「(マスター、キャラ変わってます。冷静に)」
「(分かってるよ。でも、あの屑のせいでしょ)」
「(そうですね)」

そんな風に会話していると、

「おや。やっぱりいましたか」
「あれ?城山さん。どうしたんですか?」

綾子の執事、城山が入ってきた。

「あ、このゴミ片付けておきますね」

そう言うと、城山は虎鉄を蹴り飛ばして脱衣所を超えて道路にまで飛ばした。

「あ、質問にお答えしますね。お嬢様が「私のハヤテ様センサーが働いてますわ」とか言ってこの銭湯に来たんですよ。まあ、混浴じゃないと知って文句を言いましたが」

ハヤテは呆れるやら感心するやらだった。


                     × ×


その頃女湯。

「ふーっ。お湯は熱めですが、気持ちいいですわ」
「せやな。日本人ならこれくらいやで」
「同感だ」

日本人じゃ無いソニアは少し我慢していた。

すると

「あら、偶然ですわね」

綾子が入ってきた

「何で貴方がここに?」

アテネが綾子を睨みながら聞いていた。

「銭湯という文化に触れてみたかったからですわ」

綾子はそう言いつつも体を洗い始めた。

「フンッ。貴方なんかと話は無駄ですわ」
「同感ですわね」

相変わらずの2人に対し、日向は

「あんさんも大きいなあ。どうやってるんや?」
「誰ですの、貴方」
「愛沢日向や。よろしゅうな」

名乗ったことで、綾子は日向の家柄を理解した。

「さあ?私は特別な事はしてませんわ。体質じゃないですの?」
「さよか」

日向は努力を決意した。


                    × ×


その頃男湯。

「そう言えば、この機会に聞きたいんですが」
「何でしょう」

ハヤテの問い掛けに城山は答えた。

「城山さんって何で神尾崎さんの執事に?」
「その事ですか。私の場合は、旦那様のスカウトですよ」

感心するハヤテに城山は続けた。

「私が白皇のOBって事は知ってますよね?」
「ああ、はい」

「私は親の援助と自分で働いた分で学費を賄っていたんですが、正直ギリギリだったんですよ。つまり家に余裕が無い状態だったんです。そんなときに旦那さまが「私の娘の執事をしてくれないか?」と誘っていただいて。それ以来、執事をしているんです」

「成程」
「まあ、正直、最初は大変でしたよ。私の事を執事としては認めてくれましたが、我儘で振り回されたり、お嬢様の「何者を寄せ付けない刺々しい雰囲気」にも苦労しましたし」

ハヤテはデレデレの綾子以外はあまり知らないので、想像がつかなかった。

「ですが、綾崎様のおかげであんなに刺々しかったお嬢様が変わったんです。お嬢様の刺を見事に砕いてくれました。今後ともお嬢様とより良いお付き合いをお願いします」

城山のお願いに

「当然ですよ」

ハヤテはそう答えた。
すると

「あ、でも。出来る事ならお嬢様と結婚してくださいね。つまり、私に「旦那様」と呼ばれる様にしてください」
「そ、それはちょっと」

女湯とは違い、和やかだった。


                    × ×


アテネ達が外に出ると、ハヤテと城山はもう待っていた。

「ハヤテ様〜♪」

ハヤテを見つけた綾子はすぐに抱き付いた。

「ハヤテ、待たせちゃいましたか?」
「ううん。さっき出たばかりだよ。それより、はいこれ」

ハヤテは上着を全員(綾子は予想してなかったのでない)に渡した。

「湯冷めする良くないからね。用意しておいたよ」
「流石やな、ハヤ兄」
「用意周到ですね」
「(またか。こんな事で喜ぶなよ、私)」

ハヤテは用意してなかった綾子の分の上着を渡そうとしたが、城山が用意していたので、必要なかった。

「ハヤテ様〜♪家に来ません?」
「あ、いや。勘弁してください」
「仕方ないですわね。「今日は」引き下がりますわ」

そう言うと、綾子はハヤテから離れて城山と共に帰って行った。

「どうでした、銭湯は」

ハヤテの質問に

「たまにはこういうのも悪くないですわね」
「せやな」
「ですね」
「ああ」

それぞれこう答えた。

「ですが、ボイラーが直り次第家で、入りますわよ」
「せやで。明日には直ると言ってたから、明日は皆で入るで」
「名案ですね」
「(だ、だから。何で私まで同意を?いい加減にしろ)」

皆の提案にハヤテは「ボイラー、直らないと良いな」とか思ったそうだ。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (9月30日更新) ( No.60 )
日時: 2014/10/01 22:57
名前: ささ

ささです。
このくず執事はその後車に轢かれお陀仏になりました。めでたしめでたし。ってなったらどんなに良いかって正直思ってますよね、ハヤテ。というより男性一人蹴り飛ばして道路に送るとは、城山どんな脚力を持ってるんだよ!そもそも白桜で仕留めたら、ついでに成仏も完了という特典付きだね。
くず執事ウザい!天皇州家・三千院家・神尾崎家・ディキソングループの力でこいつを潰して(社会的に)。
あっハヤテ、王族の力でくず執事を黄泉に送れば良いじゃん!
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (10月3日更新) ( No.61 )
日時: 2014/10/03 18:07
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 日向「感想ありがとうな♪」

 >>このくず執事はその後車に轢かれお陀仏になりました。めでたしめでたし。ってなったらどんなに良いかって正直思ってますよね、ハヤテ。

 ハヤテ「ええ、そうですね。運転手の方も「殺人罪」は適応されないでしょうし」
 アテネ「仮になったとしても、揉み消しますわ」

 >>というより男性一人蹴り飛ばして道路に送るとは、城山どんな脚力を持ってるんだよ!そもそも白桜で仕留めたら、ついでに成仏も完了という特典付きだね

 城山「まあ、私も綾子お嬢様の執事ですからね。鍛えてあるんですよ」

 ハヤテ「あの場で白桜を使ってもよかったんですが、お湯が血で汚れるので、止めただけですよ。やる気はありましたけど」
 虎鉄「・・・」

 >>くず執事ウザい!天皇州家・三千院家・神尾崎家・ディキソングループの力でこいつを潰して(社会的に)。

 アテネ「そうですわね。それが一番ですわね」
 ナギ「だがな、あいつはしぶといからな」
 綾子「「社会的地位は無いから、狙い放題だ」、とか言い出しそうですからね」
 クリス「死んだ方がましだと思えるほど追いつめるのがベストですね」

 悠太「(フォローは・・・要らねえか)」

 >>あっハヤテ、王族の力でくず執事を黄泉に送れば良いじゃん!

 ハヤテ「まあ、その案もありますけど、あの力は「世界を滅ぼす可能性」を秘めてるので、止めておきます。非常に残念ですが」
 悠太「だよな。残念だよな」

 泉「(虎鉄君、嫌われてるね。まあ、フォローする気は無いけど)」


 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (10月3日更新) ( No.62 )
日時: 2014/10/03 18:10
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度毎度の天王州家。


朝食も終わり、アテネ達は寛いでいた。
するとそこに

「失礼します。アテネお嬢様とハヤテ坊ちゃんにお客様でございます」

メイドが部屋に入ってきてそう告げると、客人を部屋に案内してきた。

「遊びに来たで、あっつあつのお2人さん」

客人は咲夜で、突然そんな事言われたものだから、アテネは飲んでた紅茶を吹き出した。

「な、何をいきなりそんな事を言ってるんですの」
「なんや?事実やないか」
「事実無根です!!!!!!!!!!!」

突然の大声に咲夜は驚きつつ、

「な、何であんさんがここに?」
「そんな事はどうでもいいんです。ハヤテさんとラブラブなのは私です!!!」
「違いますわ!!!!!!!私ですわ!!!!!!!!!」

睨み合うアテネとソニアに咲夜は

「(あちゃ。冗談のつもりやったんやけど、火に油を注ぐ結果になったか)」

自分の軽率な発言に後悔していた。

「あ、あの咲夜さん」
「ん!?なんや?」

ハヤテが声を掛けてきた。

「なぜここに?」
「ナギの所に遊びに行ったんやけど、ナギも悠太はんもマリアさんもおらんかったんや。家に帰っても暇やから、ここに来たんや」
「成程」

こんな風にハヤテと会話していたが

「それより、止めんでええのか?」
「ほっときましょ。無駄ですよ」
「さよか」

咲夜とハヤテが話している間もアテネとソニアは言い争っていた。
すると

「ふあああああ。朝っぱらから騒々しいなあ。うるさいで」

今日は寝坊してきた日向が起きてきた。
当然?咲夜は日向が天王州家に居る事に驚き

「ひ、日向!?何でここにおるんや?」
「ゲッ。咲姉ちゃん」

愛沢姉妹の間に微妙な空気が暫く漂った後

「さ、咲姉ちゃん、ちょっとこっちへ」
「・・・分かったわ」

咲夜を居間から連れ出した。


                    × ×


日向は咲夜を自室に招いた。

「さて、説明を要求するで。電話じゃ「友達の家に寝泊まりしてる」やったはずやで」
「そ、それは」

日向がどうするか悩んでいると

「ま、事情はどうあれ安心はしたわ」
「え!?」
「学校へ電話したら、「きちんと来てますし、いつも通りですよ」と言われたし、朝斗も「いつも通りやったで」って言ってから、心配はあんまりしとらんかったけど、どこにおるか分からんかったからちょっとだけ心配してたんや」

日向は姉の咲夜に少しとはいえ心配をかけていた事に罪悪感を感じた。

「じ、実はな」

日向は自分がここにいる理由を可能な限り詳しく話した。

「成程な。予想通りやったわ」
「え!?」
「実は言うとな、日向が手紙を残して出て行った時から、「ハヤテお兄ちゃんの所におるやろうな」って思ってたんや。まあ、確信は無かったけどな」

意地悪そうな笑みの姉に日向は

「(さっきの罪悪感返してほしいわ)」

とか思った。

「で、どこまで進んだんや?一緒の家におるんやから、少しは進展あるんやろ?」
「え、えっと」
「なんや?手作りのネームプレート貰っといて、「何も進んでません」は聞き入れられないで」

咲夜の言葉に

「な、何でわかるんや?」
「ドアに掛かってたプレートの字は明らかにハヤテお兄ちゃんの物や。あんな独特の優しい字は誰にも出せんからな」

姉の鋭さに日向は観念し

「キ、キスと、4日にいっぺん一緒に風呂に入ったり、一緒に寝たりするぐらいや」

正直に告白すると、咲夜は

「なんやそれだけかいな。何で毎日やないの?」
「や、約束仕方からや。ローテーション組んで、その通りにしようって」
「成程な。罪な男や」

咲夜は溜息つきつつ

「で、それ以上は無いんか?」
「な、何の事や?」
「「大人の階段」や。登らんのか?」

咲夜の言葉に日向は顔を赤くしつつ

「ア、アホな事ぬかすなや。ウチはまだ10歳やで。そんな事したら色々と問題が起こるやろ」
「ま、せやな。確認しただけや。理性が消し飛んでなくて安心したわ」

日向は姉の言葉に呆れていた。

「でも、頑張ってる様やな。出来る範囲でハヤテお兄ちゃんを誘惑しとるみたいやし」
「当たり前や。そうやなかったら、ここに越してきた意味無いやないか」

妹の強い目に咲夜は安心していた。

「ま、頑張る事やな。ウチはなハヤテはんやったら、「義理の弟」にしてもええで」
「あ、そ、そうやな//////////////////////////////」

咲夜にとって義理の弟=ハヤテと日向の結婚を意味するので、顔が赤くなった。

「ところで、や」
「な、なんや?」

嫌な予感がし、日向は身構えた。

「この事お父や家のもんには黙っておいた方がええか?」
「へ!?あ!!!!!」

今更になって重大な事実に気付いた様だった。

「一応言うけどな、心配しておったで。あんなんでも「父親」やからな」

日向は少し迷い

「だ、黙っててくれるか?お父の事や。乗り込んできて、無理やり連れ戻されるのが見えとるから」
「ま、せやな。一応確認のために聞いただけや。勿論内緒にしとくで」

日向は安心した。

「あ、せや。昼飯食べてったらどうや?ハヤ兄に頼んでおくで」
「お。ありがたいわな。ハヤテお兄ちゃんのご飯は上手いからな」

話が終わったので、2人は部屋を出た。


                  × ×


暫く廊下を歩いていると、

「ん!?ハル-----」

千桜に会い、彼女のメイド名を言おうとした瞬間、日向に服を引っ張られた。

「なんやねん」
「ハルさんがメイドなのは内緒らしいんや」
「なんやそうやったんか」

ひそひそと内緒話を終え

「初めましてやな。こいつの姉の咲夜や」
「あ、えっと。初めまして、春風千桜です」

お互い初対面で通す事にした。

「妹が何かと世話になるやろうけど、よろしくな」
「あ、はい」

適当な挨拶を終えると、咲夜は千桜に

「事情は聞かんとくわ。ハルさんにも秘密の1つや2つあるやろうから」

そう耳打ちした。

「た、助かります。ばれたら色々と恥ずかしいので」
「了解や」

相談を終え、居間に戻った後、ハヤテ達の雑談に加わった。

昼食はハヤテが作ったのを食べ、夕方まで遊んだそうだ。


----------------------------------------------------------------------------------
短めですが、以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月9日更新再開) ( No.63 )
日時: 2014/11/09 15:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

諸事情で更新が滞り、すみませんでした。

では本編どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは白皇学院の生徒会室。

そこの主人とも言える生徒会長のヒナギクは超を付けてもいいほどの大量の書類と格闘していた。

「あ〜、もう。何時になったら終わるのよ!!!!」

なぜ、ヒナギクをイラつかせるほどの書類の束があるのかというと、予想通りかもしれないが、美希と理沙のせいである。

放課後、ヒナギクは学院のお偉いさん(アテネでは無い)に呼び出され、「提出期限が過ぎても提出されていない書類が山ほどある」と言われ、追及を受けた。

ヒナギクはまさかと思いつつ、問いただされた書類の担当だった美希と理沙を呼びつけ、厳しく追及した結果、真っ白の書類を見せられたのだ。
当然強く叱りつけ、片付ける事にしたのだが、開始1秒で2人ともいなくなってしまい、止む追えずヒナギク1人で片付けているのだ。

ちなみに、念のため泉にも聞いたが、「自分の分は出してるよ」と言われ、調べた結果ちゃんと提出期限は守られていた。

補足すると、泉はヒナギクの助力を仰ぐ事もあるが、基本的には自分の仕事はきちんとこなしていた。まあ、理由としてはハヤテは5人いる理事の1人でもあるため、仕事をしないとハヤテに嫌われるかもしれないから。である。


「全くあの2人は〜。泉を見習いなさいよ〜」

終わる気配を欠片も見せない書類の束を片付けていると、当然苛々は募り、ぶつけずにはいられなかった。
ヒナギクがいらついていると、

「理事会の書類を持ってきました」

ハヤテがやってきた。
するとハヤテはいらついているヒナギクを見て

「あ、あの。ヒナギクさん?」

恐る恐る声をかけた。

「何よ」
「ヒイ。ごめんなさいごめんなさい」

ヒナギクの凄まじい殺気に謝るしかなかった。

「あ、ごめんハヤテ君。つい苛々してて」

ヒナギクから殺気が消えたことで、ハヤテは安心して話しかけた。

「凄い量の書類ですね。また、花菱さんと朝風さんですか」
「ええ、そうよ。全くあの2人は」

ハヤテは美希と理沙が仕事をため込む事も、泉は真面目に仕事をしている事は知っています。まあ、泉が真面目な理由は知りませんが。

「量が量ですし、手伝いますよ」
「そんな悪いわよ」
「お気になさらずに。第一、幾らヒナギクさんでも、1人じゃ明日になっても終わらないと思いますが」

ハヤテの正論にヒナギクは黙り込むしかなく、

「そ、そうね。お願いするわ」

量が量だけにこちらが意見を曲げるしかなかった。

「では、頑張りましょうか」
「え、ええ/////////////////////////」

ハヤテの笑顔にヒナギクは赤面しつつ仕事に戻った。


                    × ×


時間もかなり経ち、書類はあと少しにまで減っていた。

ヒナギクは勿論のこと、ハヤテも流石と言える能率だった。
下敷きになれば圧死出来そうなほどの書類の束をかなり短い時間で片付けた。

ヒナギクは時々「ハヤテと2人きり」という事を意識しそうだったが、書類の束が現実に引き戻した。

そして

「はあ、終わった」
「お疲れ様です」

ようやく終わり、ヒナギクが机に突っ伏していると、ハヤテが紅茶を出した。

「ありがと」

ヒナギクが紅茶を飲むと

「あれ?甘い」
「お疲れのようなので、甘めのミルクティーにしました」

ハヤテは紅茶は不思議なもので、疲れが消えて行くようだった。
ヒナギクはハヤテのあまりにも何気ない気遣いに、現在2人きりという事を意識せざるをえず

「ねえハヤテ君」
「はい?」
「良かったの?こんなに長い時間拘束しちゃって。時間も結構遅いし」

心配そうなヒナギクにハヤテは

「大丈夫ですよ。ちゃんと理由を説明すれば、アーたんも分かってくれますよ」
「そ、そう」

ヒナギクは後片付けしているハヤテを見ていると、連休中に悠太に言われた事を思い出した。

「(チャンス、なんじゃないかしら。今こそ「負け」を選択して、告白するべきなんじゃないの?)」

そう思ったが、やはりここにきて自分の負けず嫌いが発動したが

「(何をくだらないプライドにこだわってるの?あのナギでさえ捨てられたのよ。私が出来なくてどうするのよ)」

ヒナギクは眼を閉じて決意を固め、紅茶を飲みほした後

「ねえハヤテ君」
「何でしょうか?」
「テラスに出たいんだけど、お願いできるかしら」

ヒナギクの申し出にハヤテは

「え!?でもヒナギクさんは」
「分かってるわ。だから、お願いしてるのよ」

ヒナギクの眼に強い決意が宿っている事に気付いたハヤテは

「分かりました。ではこちらへ」

ヒナギクの手を取り、テラスに出た。

「綺麗ね。恐いけど、見とれちゃうわね」

暗くなり始めた街に灯る明りに美しさを感じ

「ねえハヤテ君、私が何で怖い思いをしてまでここに連れてきてってお願いしたか分かる?」
「あ、いえ。さっぱり」
「そう。相変わらず鈍感ね」

ヒナギクは分かっていたため、呆れたりはしなかった。
そして、ハヤテと向き合い

「私ね、ずっと勘違いしてたみたい」
「な、何をですか?」
「ううん。逃げてたのかもね。色んな事を言い訳にして」

ハヤテにはヒナギクが何を言いたいのかさっぱり分からなかった。

「でも連休中に気付かされたの。だから、逃げる事も言い訳する事も、まして間違った勝敗にこだわる事も止めたわ」

ヒナギクは眼を閉じて間を開けた後

「私ね、ハヤテ君が-----」

ヒナギクがそう言いかかったその時

「なんだ、まだ居たのか」

扉が突然開き、千桜が入ってきた。

「あれ?ヒナ、そんな所にいて平気なのか?」
「え!?あ、うん。今の所は」
「あ、そう」

雰囲気は微妙なものになっていた。
気まずそうなヒナギクに、首を傾げるハヤテ。そして、千桜。

「あ、あの。ヒナギクさん?何を言いかけたのですか?」
「あ、ごめん。忘れて」

そう言うと、ヒナギクは生徒会室に戻り、自分の鞄を持って大急ぎで帰ってしまった。

「なあ綾崎君、ヒナと何しようとしてたんだ?」
「さあ?全く分かりません」
「あ、そ。早く帰らないと、アテネに怒られるぞ」

千桜は一緒に帰ろうと誘おうとしたが

「じゃあ先に帰っててください。僕はまだ片付けがあるので」
「分かった。じゃあな」

そう言うと、千桜は持ってきた書類を机に置くと、部屋を出て行った。

そして、1人きりのエレベーター内で

「(なんでだよ!!!!!!!何で私はヒナの告白の邪魔をしたんだ!?別に告白した後で部屋に入ってもよかったじゃないか!!!!!!!何で雰囲気を台無しにして、告白しにくい空気を作りだしたんだよ!!!)」

そう、千桜は生徒会室の扉の前で、ヒナギクがハヤテに告白しようとしている事を聞いていた。
しかし、いざ告白という所で乱入したのだ。

「(私は本当にどうかしている。綾崎君を意識したり、挙句にヒナの告白を邪魔したり。私は、どうしちゃったんだよ。本当に)」

自分の現状を理解出来ず、下に着いている事に暫く気付かず、悩んでいた。

その日、悩みすぎたせいで部屋から出れず、夕食ものどを通らなかったそうだ。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月12日更新) ( No.64 )
日時: 2014/11/12 18:51
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは何度か登場している鷺ノ宮家。

そこに悩みを持つ少女が居た。そう、伊澄である。

「ハヤテ様」

伊澄は婚約者候補No.6になったは良いが、目立ったアピールなどは出来ていなかった。

「私は、何をすればいいんでしょうね」

思わずそう呟き、考えたが

「思い付きませんね。お色気で勝負しようにも、この体じゃ」

伊澄は自分のまだ成長していない胸を見ながら溜息をつき

「なんだか、ナギが羨ましいですね。なまじ料理などが出来てしまうと、修行とかで頑張るとかできませんし」

伊澄はプロレベルほどではないが、料理が出来るため、修行で磨くなどは必要なかった。

「はあ」

伊澄の悩みは尽きそうになかった。


                    × ×


数日後。

「ふう。中々手強かったですね」
「ええ。強さもですが、数がありましたからね」

伊澄はハヤテにお願いして悪霊退治していた。

「でも、被害が全くなかったのは幸いでしたね」
「あの強さですから、被害が出なかったのはもはや幸運としか言えませんね」

後処理しつつ話をし、

「じゃあ送りますよ。もう遅くなってるので」
「あ、ええ////////////////////////////////////」

理由はどうあれ、ハヤテが家に来る事に伊澄は嬉しさと共に照れが出た。

その後は何事も無く鷺ノ宮邸につき

「では僕はこれで」
「あ、あの」

伊澄が何とか引き留める口実を考えていると、門が開き

「あら、ハヤテ君。いらっしゃい」

伊澄の母である、初穂さんが顔を出した。

「あ、こんばんは」
「こんばんは。今日もありがとね、伊澄ちゃんのお仕事手伝ってもらって」
「いえいえ。僕からすれば当然の事ですよ」

ハヤテからすればいつも通りの言葉だったが、伊澄には効果は抜群だった。

「折角来たんだし、お茶でもしてってよ」
「しかし」
「ほらほら。それとも、お礼をさせてくれない冷たい執事さんなの?」

初穂さんの言葉にハヤテは

「わ、分かりました。お邪魔します」

初穂さんに従って、既に開いてた門から邸内に入った。
初穂さんは門をくぐる前に伊澄にウインクをし、「上手く言ったでしょ」と言っているようだった。


                    × ×


ハヤテは鷺ノ宮家の客間に通され、日本茶をふるまわれていた。

「どう?最近変えてみたお茶っぱなんだけど」
「美味しいですよ。僕は普段紅茶なんですが、日本茶もいいもんですね」

ハヤテの褒め言葉に伊澄も初穂さんも笑顔になった。

「折角だし、ゆっくりしてってよ」
「あ、いえ。遅くなると怒られるんですが」

ハヤテの言葉を半ば無視するかのように

「あ、そうだ。ハヤテ君、私の料理食べて行ってよ」
「え!?あ、いや」
「遠慮しないの。「お母さんの味」を御披露するわ」

そう言うと、ハヤテの反論などを聞かずに部屋を出て行ってしまった。

「すみません、ハヤテ様。お母様、あれで強引な所があるもので」
「あ、あはは。でも、良いお母様じゃないですか」
「ええ。それだけは間違いありませんよ」

すると伊澄は広い室内とはいえ、2人きりという事実にようやく気付き、顔が赤くなり、頭の中真っ白になってしまった。
しかし、部屋を沈黙に支配させると、空気が悪くなると察し、何とか話題を考え

「あ、あのハヤテ様」
「はい?」
「我が家がどうですか?聞く機会が無かったので忘れてたんですが」

伊澄は何とか話を続けようと必死だった。

「この家って、ハヤテ様が普段生活している天王州家やナギが住んでる三千院家とは違うじゃないですか。そ、それでその」

ほぼ必死の伊澄にハヤテは

「そうですね、この部屋からも見える日本庭園に、温もりさえ感じる畳部屋、どれをとっても僕は好きですね」
「そ、そうですか」
「出来れば住みたくなる位素晴らしい所ですね」
「は、はあ///////////////////////////////////////////////」

ハヤテからすれば何げない一言だったが、伊澄は

「(ハ、ハヤテ様が住みたいって。それってけ、結婚!?///////////////////////////////)」

ちょっと違う意味で捉えていた。

伊澄がそんな風に妄想の世界に入りそうになった所へ

「おや、あの時の小僧が来ておると言う話は本当じゃったか」

伊澄の曾祖母・銀華さんが部屋に入ってきた。

「あ、どうも」

あまりいい思い出の無いハヤテは身構えていた。

「そう身構えるな。お主の血などは狙っておらぬ」
「あ、そうですか。なら、何のようでしょうか」
「挨拶じゃ。後、顔を見に来ただけじゃよ」

様子から嘘を言っている訳ではないと、ハヤテはすぐに分かり、

「えっと。こんばんは」
「うむ。ゆっくりしていくとよいぞ。後、足を崩せ。疲れるぞ」

銀華さんに言われ、ハヤテは正座していた足を崩した。
すると、

「ウム。中々良い心地じゃ」

ハヤテの足の間に銀華さんが座ってきた。

「お、大お婆様!?」
「なんじゃ?ワシとて年を取ろうともおなごじゃ。こうして男に触れたいと言う欲求ぐらいあるわ」

伊澄は少しは納得できたが、ハヤテにしていると言う事が納得できず、たとえ大規模な戦いになるのを覚悟で宣戦布告したくなったが、

「ま、まあまあ落ち着いて。これくらいいいじゃないですか」

ハヤテに宥められ、「これ以上はしないだろう」と思ったので、言い争いなどは止める事にした。


                    × ×


ハヤテは現在、1人で入浴していた。

「やれやれ。またこのパターンか」

初穂さんの作った夕食は家庭的な日本食で、正直な事言うと、あまりいい出来ではなかったが、家庭的な味にハヤテは満足していた。

そして夕食後、

「あ、そうだ。ハヤテ君、今日は泊って行きなさいよ」

そう言われ、ハヤテは断ろうとしたが

「もう遅いし、幾らハヤテ君が強くても心配だからね。それに、泊ってってくれればこっちも何かと嬉しいし」

そう言われ、更に

「は、もう決まりね。じゃあ私はアテネちゃんに電話してくるから」

ハヤテの意見などは一切聞かずにハヤテの宿泊を決めてしまった。

「帰ったら、大変だろうな。はあ」

溜息をつきつつも現状は諦めるしか選択肢は無かった。

「それにしても、ここも凄いな」

鷺ノ宮家のお風呂は古来からある純日本風の旅館にある様な露天風呂で、日本庭園と見事にマッチしていた。
そして、雨の日でも入れる様に屋根が付いてて鷺ノ宮家の規模を示していた。

「さてと、さっさと体洗って、暖まって出よ」

外泊時の入浴では良い思い出の無いハヤテは急ごうとしたが、

脱衣所の扉が開く音で

「(ま、まさか)」

ハヤテの予感は見事に当たり、タオルすら着てない伊澄が居た。

「い、伊澄さん!?////////////////////////////////」
「お、お背中流しにまいりました///////////////////////////////////////////」

伊澄は照れているのか、真っ赤だったが、確固たる意志が目に宿っていた。

「あ、いや、その。お願いします//////////////////////////////////////////」

今までの経験上、断っても無駄だと分かっていたので、伊澄の申し出を受ける事にした。

「じゃ、じゃあ頑張ります///////////////////////////////////////////////」

伊澄は持ってきたタオルでハヤテの背中を洗い始めた。

「お、お加減はいかがですか?」
「い、良い具合です」

お互いに緊張しているのか、しどろもどろだった。
すると、再び水を差す様に、脱衣所の扉が開き

「やっぱりいたか。どれ、オババも洗ってやろうかの」

銀華さんが伊澄同様裸で風呂場に入ってきた

「大お婆様」
「こ奴にはいつかの礼をせねばと思ってたのじゃ。丁度いい機会じゃから、こうしてまいったのじゃ」

ちなみに、下田編を見てください。

「遠慮は無用じゃぞ」
「あ、はい」

伊澄とは喧嘩になったが、ハヤテは静観を決め込んだ。


                  × ×


「大お婆様、いい加減にしてください」

なぜ伊澄が怒っているのかというと、伊澄は母の初穂さんに唆されて、ハヤテと一緒に寝る事になった。
しかし、そこへ銀華さんがまたしても乱入し、「自分もハヤテと寝る」と言いだしたからだ。

「良いではないか。寂しいオババを放り出すでない」
「しかし」
「問答無用じゃ」

そう言うと、強引にハヤテ(ついでに伊澄)を布団に入れ、3人で寝る事になった。

「男と寝るなど旦那以来じゃ」
「なんか、納得いきません」

それぞれ感想を言いつつ眠りの世界に旅立って行った。

ハヤテは

「はあ。なんか疲れた。明日、どうしよう」

アテネへの対応を考えていて、中々寝付けなかったそうだ。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月15日更新) ( No.65 )
日時: 2014/11/15 18:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここは天下の名門校・白皇学院。


現在泉は委員長の仕事のため、高等部の職員室に来ていた。

「ほい、瀬川。これ配っておいてくれ」

担任の薫先生にプリントの束を渡され、

「人数分しか刷ってないから、無くすなよ」
「も〜。こんなの無くさないよ〜。信用ないな〜」
「信用はしてる。だが、お前さんはうっかり者だ。だから釘を刺したんだよ」

泉は薫先生の皮肉を特に気にする事も無く、教室へ向けて庭を歩いていた。

「私って、そんなにうっかり者かな〜?」

泉は超が付くほどお気楽にそんな事を考えながら歩いていた。
すると

「あ、ネコちゃんだ♪」

子猫が日向ぼっこしてた。

「可愛い〜♪」

泉は触ろうと、手を伸ばしたが、子猫は無視するかのように行ってしまった。

「行っちゃった。でも、首輪してたし、飼い猫かな?」

そう考えたが、自分が仕事中なのを思い出し、急いで教室に向かった。


                  × ×


時間は飛び、放課後。

「しかし、職員室から教室の短い間にプリント無くすかね」
「だ、だって〜」

言い訳しようとしたが、

「1枚か2枚ならともかく、10枚以上無くなるなったら気付くだろ」
「うっかり者を返上できんな」

友人2人に責められ、泉は言い返せないでいた。

「まあ、自業自得だと思って、罰の掃除頑張れよ」
「ちなみに、我々は忙しいからあてにするなよ」

そう言うと、美希も理沙も帰って行った。

「も〜、冷たいな〜。手伝ってくれたっていいじゃん」

不満を言いつつ、泉は1人で掃き掃除していた。
すると

「あ、落としちゃった」

誰かの机にぶつかり、中に入っていたカメラを床に落としてしまった。

「だ、大丈夫かな?たぶん美希ちゃんのだと思うけど」

普段美希が使っているカメラに似ていたため、そう判断した。

「壊れてないよね?映るかな」

そう思い、とりあえず撮影してみた。

「あ〜あ〜、テストテスト」

とれたか確認すると、きちんと記録されていた。

「良かった〜」

安心すると、現在1人きりで、廊下などにも人の気配がしない事に気付き

「皆さんこんばんわ、クリス・ペプラーです」

物真似(下手)を撮影し、再生して喜んでいた。

しかし、廊下から物音がして泉に緊張が走った。

「ニャ〜」

「ああ、さっきのネコちゃんか。こんな所見られたら、恥ずかしくて学校はおろか外も歩けないよ」

安心すると、今度は

「うお〜。綾崎発見だ〜。愛してるぞ〜」

虎鉄のまねをし、再生すると

「うん。我ながら似てるな〜。兄妹ってのも満更嘘じゃないよね〜」

完成度が高めの物真似に自画自賛していた。
すると、

「ど、どうせなら大胆なのもいいよね?」

そう思うと、少しの間シナリオを考え、録画状態でカメラを机に置き、

「ど、どうしたの?こんな時間にこんな所へ呼び出して」

演技を始めた。

「な、何かな。黙っちゃってるけど」

そう言うと、自分で自分の手を掴み

「な、何!?急に手なんか握って。ってニャ!?何で急に顔なんて近付けて来て・・・」

そう言うと、キスされた演技をし

「も、もう。したいなら行ってよ///////////////こっちにも心の準備が・・・え!?もう1回!?分かった。良いよ」

そう言うと、再度キスされた演技をし

「も、もう。私初めてなのに大人のキスまでして〜。大丈夫、怒ってないよ。む、寧ろ嬉しいよ//////////////////////////////」

自分で考えたシナリオなのに、泉は真っ赤になり、ノリノリだった。

「え!?だ、駄目だよ幾ら誰も居ないからって教室だよ。で、でもねしたいなら、幾らでも受け止めるよ」

そう言うと、泉はカメラを下向きにし、押し倒された演技をした。

「わ、私ね、当然かもしれないけど、初めてだよ。だ、だからね、優しくしてね、ハヤテ君」

そう言って、自分で服を脱ごうとした瞬間

「ニャー」
「ニャハ〜」

先ほどの猫が足元に居た。

「な、なんだ。ネコちゃんか。良かったよ見られたのがネコちゃんだけで」

安心すると、

「さ、もう帰らないと」

夕暮れに染まる外を見て急いで帰路についた。


                      × ×


そして翌日。

「やっぱりあのカメラ美希ちゃんのだったんだ」
「まあな。ついうっかり忘れちゃったんだよ。ってか気付いてたんなら届けてくれればよかったのに」
「ごめんごめん。美希ちゃんのだって確証なかったから」

美希は納得したのか、それ以上言及してこなかった。

「それよりだ、まさか「人に見られたら、恥ずかしくて死ねる物」を撮影してないだろうな?」
「と、ととと撮ってないよ。何言ってるの/////////////////////////」
「だよな」

反論したものの、泉は

「(あ、あれ?昨日撮ったやつ、消したっけ?)」

消去した記憶が無く焦り始めた所に

「あれ?このカメラ」

美希の言葉が追い打ちになり

「(あ、あんなの見られたら大変だよ)」

そう思い、

「み、美希ちゃん、それは」
「記録が全部消えてるぞ。なんでだ?」
「え!?」

すると、様子のおかしい泉に美希は

「泉〜、お前落としたろ?」
「あ、ごめん。掃除中にね」

取り敢えずは安心し

「(消えてたんだ。良かったけど、何でだろう)」

考えたものの、結論は出ず

「(まあ、いいや。見られるより遥かにましだよ)」

解答探しは止めたようだった。


                    × ×


読者の皆さんには答えをお教えしよう。

昨日の放課後

「あ、居た居た。家出なんかして、心配してたんだよ、シラヌイ」

ハヤテは白皇内の庭に居たシラヌイを抱き上げた。
そう、泉が見たのはシラヌイだった。

「も〜。何で家出なんかしたの?」

普段とは違い、甘え声を出さないシラヌイにハヤテは

「ごめんね。最近忙しくて、あんまり構ってあげられなかったもんね。ごめんね」

ハヤテが謝ると、シラヌイはいつも通り、甘え声を出し始めた。

「でも、だからって家出は駄目だよ。心配してんだから」

ハヤテはきちんと叱り、

「さて、早く用事を済ませないと」

ハヤテは教室に向かった。


ハヤテが教室に着くと、泉が居て、

「(あれ?瀬川さん1人でなにしてるのかな?)」

ハヤテが見ていると、泉が1人で撮影してた事をやり始め、

「(な、何してるんだ?)」

驚いて物音をたててしまったが、猫の真似で誤魔化した。
すると

「(な、なんだあれは。なんで瀬川さんはあんな大胆な事を!?)」

泉はキスされた揚句、押し倒される様な演技をし始めたので

「行け、シラヌイ。止めて来たら、今日はずっと抱っこしてあげるから」

ハヤテが小声でそう言うと、シラヌイは一直線に泉の元へ行き、泉は演技を止めた。

そして泉は、ハヤテに気付くことなく、帰って行った。

「やれやれ。瀬川さん、消し忘れてますよ」

ハヤテはそう思いながら、カメラの記録を全て消し、本来の目的である千桜の忘れ物を持つと、シラヌイを抱っこしたまま帰路に就いた。


これが、記録が消えていた真相である。


ちなみに、

「(瀬川さん、何で押し倒された演技の後、僕の名前出したんだ?他にも居るのに)」

ハヤテはハヤテで、別の疑問を持つ事になった。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月15日更新) ( No.66 )
日時: 2014/11/17 19:21
名前: ささ

こんばんわ、ささです。
美希、カメラのデータを復元してみたら。面白いものがみられるかも。(技術的に難しければマリアさんが協力してくれると思うよ。)
泉、誰が通るかわからない教室内で、そんなことをしようとするとはまったく兄妹揃って「変態」の気(兄の方は現にそうだが)があるんだな・・・
もし、「あの」映像が万一にも流出したら、外出できないよね。(質問:もしハヤテに見られていたらどうする?)
ナギ・麗・綾乃・アテネ・クリスティーナ
このままだとハヤテがアブナイから見せしめに変態(兄)に死よりも恐ろしいことを体験させたら?(超法規的にできるでしょう?)
これにて失礼する。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月18日更新) ( No.67 )
日時: 2014/11/18 17:14
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>こんばんわ、ささです。

 泉「感想ありがとね♪」

 >>美希、カメラのデータを復元してみたら。面白いものがみられるかも。

 美希「そうか?ならやってみるか」
 泉「や、止めてよ/////////////////////////」

 >>(技術的に難しければマリアさんが協力してくれると思うよ。)

 マリア「あら♪面白そうですね〜♪ああ♪」
 クラウス「・・・止めておけ」

 >>泉、誰が通るかわからない教室内で、そんなことをしようとするとはまったく兄妹揃って「変態」の気(兄の方は現にそうだが)があるんだな・・・

 泉「そ、そんな事無いよ。虎鉄君に関しては完全肯定だけど」
 虎鉄「否定しとけ。妹として」

 >>もし、「あの」映像が万一にも流出したら、外出できないよね。

 泉「ほ、ホントだよ////////////////////思いだすだけで恥ずかしいよ///////////////////////」

 >>(質問:もしハヤテに見られていたらどうする?)

 泉「そ、そんなの/////////////////////////////死んじゃうかも」
 美希「いや、待て。「恥ずかしい所を見たんだから、責任取って結婚して」って言えば良いんじゃないか?」
 理沙「そうだぞ。そうしろ」
 泉「/////////////////////////////////////」←少し悩む。

 >>ナギ・麗・綾乃・アテネ・クリスティーナ
  このままだとハヤテがアブナイから見せしめに変態(兄)に死よりも恐ろしいことを体験させたら?(超法規的にできるでしょう?)

 綾子「だから綾子ですわ。 そうですわね。いい案ですわね」
 アテネ「我々の権力を持ってすれば、揉み消す事も用意ですわ」
 ナギ「そうだな。あいつが居なくなって悲しむ奴なんか居ないだろうからな」
 麗「ありがと。いい案考えてくれて」
 クリス「早速実行ですね」

 虎鉄「い、泉!?」
 泉「あ、止めないよ。大丈夫。最高のお葬式用意してあげるよ」

 >>これにて失礼する。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月18日更新) ( No.68 )
日時: 2014/11/18 17:17
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

ここはお馴染み三千院家。

ナギは現在書斎で悩んでいた。

「う〜む」

ナギを悩ませているのは目の前の真っ白い紙が原因だった。

「どうしよう。とりあえず目標みたいのは書いてみた。だが」

ナギが書いたのは「誰も見た事が無いストーリー、多くの人を魅了する漫画、たとえ何年たっても薄れる事のない人間性」だった。
目標を高くは設定したが

「こんなの、直ぐに書けたら苦労は無いよな〜」

ナギが思わずぼやくと

「こう言うのを「机上の空論」って言うんでしょうね〜♪」

マリアさんのこの言葉は確かに独り言だったが、ナギにはきちんと聞こえていた。

「で、どうするんだよ。対決まで2週間、これは勝敗以前の問題だぞ」
「わ、分かってるさ。でもな〜」
「まあ、ネタに関しては作者も頭を悩ませる事も多いし、頑張るしかねえよ」

そう言われたナギは少し考え込んだ後

「と、とにかくだ。胸が熱くなる様な何かがあれば、書ける様な気がするんだ」
「胸が熱く、ねえ」

悠太は腕を組んで考えたが

「俺は特別はなあ。姉ちゃんだったら、「脇役でも良いから、初めて声優オーディションに受かった時」という話あるだろうがなあ」
「それは確かに面白い。だが、インパクト性はなあ」

ネタで悩むナギを見てマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪こうなったら徹底的に妨害しましょうかね〜♪そうすれば面白い事になりそうですね〜♪それとも、裏に手をまわして選考落ちするようにしましょうかね〜♪ああ♪)」

こんな事を考え始めていた。

「ここでうだうだしてても仕方ない。悠太、ハヤテの所に行くぞ」
「へ!?あ、ああ」

駆け出したナギに悠太は急いで追いかけた。


                    × ×


「胸が熱く、ですの?」

ナギにいきなり聞かれたアテネは悩んだが

「あったとしても、三千院さんが求める様なインパクト性はありませんわよ」
「え!?あるのか?」
「マフィアだったり殺し屋だったり、命を狙われる事が」
「重いよ!!!!そんな大冒険ものはどっかの海賊漫画で十分だ!!!」

ナギが止めたことで、アテネは語るのを止めた。

「ハヤテはどうだ?何かあるか?」
「昨晩なら「面白いかな?」って出来事はあったよ」

ハヤテの言葉にナギが興味を持ったようなので、ハヤテは語りだした。

「昨日、アーたんと一緒に寝てたら」
「何!?昨日一緒に寝たのか!?」
「当然ですわ」
「・・・ハヤテ、続けてくれ」

喧嘩しそうな2人を無視して、悠太は先を促した。

「真夜中にふと目を覚ましたんだ。そしたら、アーたんが涎たらしながら物凄い笑顔だったんだよね。アーたんの寝顔を見慣れてる僕ですら引くぐらいの笑顔だったよ」

想像できてしまった悠太は呆れていた。

「成程な。ギャグ漫画は意外と長持ちする事も多い」

ナギが感心していると

「おもろい話ならあるで」

突然声が聞こえ、ナギと悠太が振り向くと、日向が居た

「お前、確か咲夜の妹の」
「日向や。それより、おもろい話や」

何でここに居るのかとか気にはなったが敢えてスルーする事にした。

「何日か前かやな。一旦家に帰った時、お父が居たんや。そのお父がな、バナナの皮で思いっきり転んだんや。この平成の時代にやで。どや?おもろいやろ?」

場は白けていた。

「なんや。ノリ悪いなあ」
「ノリ云々じゃないだろ」

悠太だけが的確に突っ込んだ。

「なんか面白そうな話してるな」
「え!?千桜?何でここに居るのだ?」

居間にやってきた千桜を見たナギは驚いていた。

「色々あったんだよ。で、今はここに居候させてもらってるんだよ」
「ああ、そう」

ナギは疑問を残しつつも、話の顛末を簡潔に話した。

「胸が熱くねえ。悪いが私には無いよ。結構平々凡々な生活してたし」
「そうか」

ナギが再び悩みだした所に

「あ!!!ありましたわ。漫画に出来そうな話題が」
「なんだよ」
「私がまだ小学生だった頃の話ですわ」

アテネは自慢げに話しだした。

「私はあるマフィアに浚われたんですわ」
「重いのは勘弁しろよ」
「黙って聞きなさい!!!!!!」

睨まれたナギは黙り込んだ。

「流石の数に私も死を覚悟しましたわ。ですが、そこへ颯爽とハヤテが現れて、私を攫ったマフィアをあっという間に全滅させましたわ。その時のハヤテはもう」

思いだしたのか、アテネは顔を赤くしていた。

「成程な。「攫われたヒロインを、ヒーローが助け出す」という王道中の王道か」
「しかしだな悠太、そんなの典型的すぎないか?」

文句を言うナギに

「そんな事無いわ!!!!かっこいいヒーローに救われるヒロイン。面白いじゃない」

また新しい声にナギと悠太が振り向くと

「あ、あんた地下迷宮の時のシスター!?何でここに???」

メイド服のソニアにナギも悠太を首を傾げたが、ソニアは

「そんな事はどうでもいい。それより、王道こそが人々を惹きつけてやまない物じゃ無い」
「確かになあ。そのヒーローが苦戦すればするほど手に汗握るものだ」

同意してきた千桜にソニアは

「ですよね。分かってるわ」

嬉しそうに笑みをこぼした。

「しかしだな」
「お嬢様、この際我儘言ってる場合じゃねえって。どうしても駄目なら、敢えて王道で勝負するって選択肢を考えておいた方がいいって」

悠太の説得にナギは

「分かったよ。考えとく」

不本意ながら、自分の中の選択肢に加えたようだった。

「(とは言ってもなあ。あんまり王道すぎると、つまらなくなるのも事実だよな。こう、強いインパクトがある様な話題ねえかな)」

悠太は説得しつつも、取り敢えずは考えていた。

「(そう言えば、知り合いから聞いたあの話題があるよな。聞いてみるか)」

数日前に知り合いから聞いた話を思い出し、話を切り出そうとしたが

「悠太、帰るぞ」
「え!?もうか?」
「ああ。なんかこう、今なら書けそうな気がするんだ。少しずつだが、何かが来そうなのだ」

そう言ってきたナギに

「(まあ、良いか。明日辺りにもでも聞きに来れば)」

そう思い、

「邪魔したな。騒がしくてすまんな」
「気にしないで。またいつでも来てよ」
「おう」

ナギと悠太は帰って行った。

「ナギの奴、大丈夫なのかな?」
「さあ。でも、悠太が居れば大丈夫ですよ」
「そうか」

仲良くなったナギに千桜は心配していたが、ハヤテの言葉に安心したようだった。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回、あの人再登場。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月24日更新) ( No.69 )
日時: 2014/11/24 16:54
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ナギは漫画のネタ探しをし、結局結論には至らなかった。


ナギ達が帰った後、ハヤテは自室で寛いでいた。
すると

「(マスター、漫画のネタなら、我々の事を提供すればよかったですね)」
「(主導権を代わると、体が変わるあれ?勘弁してよ)」
「(良い案だと思ったんですが)」

白桜の意見に、ハヤテは否定的だった。

「(そうかもしれないけどさ。あれって結構恥ずかしいんだよ)」
「(まあ、それは否定しませんが)」

感覚を共有しているので、理解できるのだ。

「(そう言えば、以前会った水蓮寺ルカさんでしたっけ?)」
「(ああ、交代してるときに会ったあの子?もう会う事も無いだろうけど、どうしてるだろうね)」

出会いが衝撃だっただけにきちんと覚えていた。


                  × ×


一方その頃。話題に出たルカ。

ルカはあるスタジオで写真撮影をしていた。

「はい、お疲れ様〜」
「お疲れ様です」

無事に終わったようだ。

「ルカちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様です」

撮影を終えたルカは私服に着替え、マネージャーの集さんの運転する車で送ってもらっていた。

「お疲れ様」
「お疲れ様です」

ルカは一息つくと

「あの、お腹空いたんで、どっかスーパかなんかに寄ってもらえませんか?」
「あ、良いわよ」

集さんは少し間を開けると

「でも、そんな半額弁当ばかりじゃなくて、栄養のある物摂ったら?あんまりよくないわよ」
「そうなんですけどね。作ってくれる人とか居ないんですよ」
「この前ライブに来てた親戚の子とかは?有能そうだったけど」

親戚というのは嘘な以上、ハヤテに連絡するのは不可能だった。
ルカが返答に困っていると

「でも、ビックリよね。親御さんが借金抱えて逃げたとき、親戚付合いが無くなったと思ってたけど」
「あの子は・・優しんですよ。一切の見返りを求めないぐらい」

たった数時間の交流で、ハヤテの性格を読んでいたようだった。

「それで、名前は?親戚な以上分かるでしょ?」

名前を聞きそびれていたため、知らなかった。しかし、正直に言う訳にもいかず

「ひ、久しぶりに会ったので、忘れちゃったんですよ」
「ああ、そう」
「つ、次までに思い出しておきます」
「まあ、良いわ」

集さんはこれ以上の言及を止めた。


                    × ×


自宅に戻ったルカは直ぐにベッドに横たわった。

「(は〜、疲れた)」

ベッドに横になっていると

「(まずい、睡魔が。寝る前にシャワー浴びないと。でも、このまま)」

睡魔の波に身を任せようとしたその時、携帯に着信があり、見ると千桜からのメールだった。

「(同人誌の売上を渡しにか。そう言えば、まだ直接会ってお礼言ってなかったっけ)」

すると、こっそり聞いたナギの褒め言葉を思い出し

「(明日は夕方からオフだし、よし)」


                     × ×


時を同じくして三千院家。
ナギが漫画を書いていると、携帯に着信があり、千桜からだった。

「なんだよ。これでも私は忙しいんだぞ」
『それはすまんな。でもな、明日ルカに会いたいだろ』
「それは会いたいが」

色々あって会えなかったため、気にはなっていた

『明日、同人誌の売上を渡す為に会う事になったんだよ。だから電話した』
「そうか。なら頼むよ」
『了解。ただ、皆には内緒な』
「そうだな。大人気アイドルが作者なんて知られない方がいいもんな」
『じゃ明日な。明日は真山君とは別行動で、生徒会が終わったら、一緒に帰ろう」
「了解」

ナギは携帯を切ると

「明日、か」


そして翌日。

「珍しいね。悠太が1人で来るなんて」
「まあな」

ナギより先に帰った悠太は天王州家を訪れていた。

「それよりだ。知り合いから貰った写真なんだけど、聞きたい事があってな」

悠太が見せてきた写真を見て、ハヤテは眼を見開いた。
なぜなら、以前コスプレイベントに参加した時の写真だったからだ。

「雰囲気とか体つきとか違うけど、お前だよな、これ」
「あ、そ、それは」

ハヤテが悩んでいると

「大丈夫だよ。知り合いは「どっかの美少女の写真があるぞ」って言ってて、知らないから。それに言いふらしたりしねえって」

悠太を信用しているため、真実を言う事にした。

「成程な〜。あの白桜と交代か」
「まあね」

すると悠太は

「悪いんだけどさ、見せてくれねえか?」
「え!?」
「1回だけで良いから。な?」

ハヤテは悩んだが、頼みを断れない性格のため、見せる事にした。

「おお〜。これは凄いな」
「や、止めてよ/////////////////////////」
「確かに、ハヤテを知らなきゃ、いや、知ってても無理か。ともかく、ハヤテには見えねえな」

褒め言葉なのだが、照れしかないハヤテ(白桜)は赤くなるばかりだった。

「ものは相談なんだが」
「しゃ、写真は勘弁して」
「違うって。折角女性の体つきなんだし、可愛い恰好したらどうだ?あるだろ?」

悠太の提案に

「い、嫌だよそんなの」
「まあ、良いじゃねえか。興味ない訳じゃないだろ?」

白桜は人間の性別で言えば女性なので、

「ま、まあ確かに」
「(白桜!?)」
「(すいませんマスター。1回だけですので)」
「(分かったよ)」

話は終わり、用意してもらった服に着替えた。

「すげえな。ハヤテって分かってなかったら恋しそうだ」

ハヤテ(白桜)の恰好はミニスカートに、上は可愛らしいデザインがプリントされていて半ば胸を強調した服で、、恐ろしいほどに似合っていた。

「も、もう。止めてよ//////////////////////////」
「あ、すまん。でも折角だし写真を」
「それだけは絶対に勘弁して」

必死のハヤテ(白桜)に悠太は撮影を止めた。

「なあハヤテ、これならお嬢様の漫画のネタにぴったりなんじゃないか?」
「恥ずかしいので、勘弁して」

悠太が残念がっていると、悠太の携帯に着信があり、出ると姉の美緒だった。
少しの間会話すると

「悪い。もう帰らねえと」
「なんか合ったの?」
「姉ちゃんが、「実家に帰るから、あんたも戻ってきなさい」だってさ。だから実家に戻るの」
「ああ、そう」

用件を伝えると、悠太は帰って行った。


                     × ×


一方その頃。

「(まずいな。ここまで会議が長引くとは)」

千桜は予想以上に会議が長引いてる事に焦りを感じていた。

「(書記だから、携帯打つ訳にもいかんしな。早いとこ連絡入れないと)」

約束していたため、遅れる事を連絡したかったが、難しかった。


                     × ×


ハヤテは。

「(もう着替えてもいいですよね)」
「(そうだね。早くしよ)」

着替えようとしたその時、来客を知らせるチャイムが鳴り

「(こ、このままでも良いですよね)」
「(し、仕方ないね)」

着替える暇が無いので、急いで部屋を出て玄関に向かった。

そして

「あ、貴方は」
「あ」

来客はルカだった。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月27日更新) ( No.70 )
日時: 2014/11/27 15:07
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、主導権を交代中にルカと再会したハヤテ。


ルカがハヤテ(白桜)と再会する少し前。

「こ、ここだよね!?千桜の言ってた家って」

ルカは予め千桜に「今は凄い家に居候させてもらってる」という情報を教えてもらっていたが、ルカの想像を遥かに超えていた。

「い、家っていうか豪邸だよね、ここ」

天王州家の規模に暫く呆然とした後、呼び鈴を押した。

そして前回の最後の再会場面に繋がります。


驚くルカを尻目に取り敢えずハヤテ(白桜)は門を開けた。
すると、その瞬間にルカがハヤテ(白桜)を押し倒した。

「え!?ちょっと、水蓮寺さん!?」
「良かった。もう会えないと思ってた」

ハヤテ(白桜)を抱きしめるルカの力は「もう二度と放さない」と言わんばかりに強かった。

「何で、何で何も言わずに居なくなったの?」

ルカの顔からは本気の心配が読みとれた。

「す、すみません」
「駄目、許さない」
「ええ!!」

ルカの真面目なのかふざけてるのか分からない態度にハヤテ(白桜)が困惑していると、ルカの携帯が鳴った。

「あ、もしもし?」
『ルカ、私だ』

電話の相手は千桜だった。

「どうしたの?」
『すまないな。会議が長引いてて抜けられそうに無いんだ。申し訳ないが、後1〜2時間は帰れそうに無いんだ』
「あ、そうなんだ」

ルカは少し間を開けて、

「分かった。じゃあ、終わったら連絡してね」
『え!?ちょっとルカ!?』
「じゃあ待ってるよ〜ん♪」

そう言うと、ルカは電話を切った。切られた千桜は驚きつつも、会議が終わってないため、急いで戻った。

「さてと」

ルカが一息入れていると

「あ、あの水蓮寺さん?」

下から声が聞こえ、まだハヤテ(白桜)を押し倒したままなのにようやく気付いた。

「あ、ごめん。重たかった?」
「あ、いえ」

ルカはやっとどいた。

「こんな所じゃなんですし、上がっていきます?」

補足すると、まだ門の直ぐ傍です。

「え!?ここに住んでるの!?」
「ええ、一応」

驚きつつもルカは

「えっと、ちょっと遠慮するよ。凄過ぎて何と言うか」

気持ちが分からないでもないので、これ以上は勧めず

「そう言えば、どうしてここに?」
「ああ、友達にお礼をしにね」

ハヤテはすぐにその友達が千桜の事だと分かった。

「そう言えば、貴方にもお礼がまだだったね」
「そんな。良いですよ」

ハヤテ(白桜)が謙遜していると

「何を〜。私のお礼は受け取れないのか〜」

酔っ払い親父のような絡みにハヤテ(白桜)は微笑んだ。

「任せてよ!!!こう見えても一兆万人のファンが居るアイドルちゃんなんだから」

胸を張って堂々と宣言したが、

「あ、でも。常識の範囲以内でね。ね」

少し焦っているルカに

「(だ、大丈夫なんでしょうか)」
「(まあ、折角なんだし、厚意を受け取っておこうよ)」
「(そうですね)」

そう、相談し

「だったら、歌」
「え!?歌!?」
「ええ。あのライブの時のCDとかブルーレイなんかを貰えます?」

ハヤテは買おうと思えば十分に買えるだけのお金があるのだが、敢えてこんな提案をしていた。

「良いけど、どうして?」
「あの時の水蓮寺さんの歌、凄く素敵だったからですよ」

ハヤテ必殺のキラースマイルにルカは顔を赤くして俯き

「そっか。じゃあ、任せてよ」
「え!?」
「アイドルちゃんからの歌のプレゼント」


                    × ×


場所は変わり、近くの大通り。

「これで買い物は終わりですね」

天王州家のメイド長は用事を終え、歩いていた。

「さてと。後は」

帰ろうと、街並みを見ると、カラオケボックスが目に入り

「ちょ、ちょっとぐらい寄り道してもいいですよね」

心の中でそう思うと、そのカラオケボックスに入って行った。

補足すると、メイド長はカラオケという密かな趣味があります(知っているのはハヤテだけです)。


                     × ×


一歩その頃。

「(す、凄いですね)」
「(ここで聞くと、段違いだね)」

ハヤテと白桜は圧倒されていた。
誰もが使用するカラオケルームでルカの歌を聞くと、歌の上手さが際立ち、レベルの高さを知らしめていた。

「いえーい♪」

歌い終わると、ルカは決めポーズをした。

「凄いですね。まさかここまでとは」
「ありがと」

ルカは既に次の唄の準備をしていた。

「実はね、私の両親が小さな芸能事務所やってたんだ。だから、物心つく前から芸能界にいて、話せると同時に歌を習って、歩けるようになったと同時にダンスを習ったんだ」

ルカの話にハヤテ(白桜)は疑問を持ち

「「やってた」って事は、今はやってないんですか?」

正直、聞くのは失礼だと分かってはいたが、聞く事にした。

「うん。色んな人に騙されて、事務所は無くなっちゃったんだ」

ルカは俯きながらこう言い、

「私も両親も駄目なんだよね。嘘を見抜くのが凄い苦手なんだ。だからね、騙されるのは本当に苦手なんだ」

ルカの言葉に

「(だから、あの時「信じて良いか?」と聞いてきたんですね)」
「(そう、だね)」

2人はそう思った。

「あ、ごめんね。急に暗い話しちゃって」
「あ、いえ」
「さ、もうこんな話止めてデュエットしよ。ね」

渡してきたマイクを受け取りつつ

「(マスター、これは早いとこ我々の事を説明した方がいいですね)」
「(そうだね。1曲ぐらい歌ってから説明しようか)」
「(分かりました)」

相談し終わり、ふと出入り口のドアを見ると、

メイド長が驚きながらこちらの部屋の中を見ていた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月27日更新) ( No.71 )
日時: 2014/11/27 22:48
名前: ささ

ささです。
まったくハヤテは・・・・罪なやっちゃ。
ますます告白し辛いじゃん。綾子と麗とクリスに匿名で伝えとこ。(アテネ、調教いるよ)
それから原作でのタマのごとく某掲示板に書き込んで
何しようかな?(背後に殺気が)何やら皆さん集まっているし。
しかも朱雀・青龍があるし、何時ぞやのハヤテを巡っての決闘で使用した名刀があるし、というよりクリス、何もってるの?
(ギャー…)
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月30日更新) ( No.72 )
日時: 2014/11/30 14:46
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。

 ルカ「感想ありがとね♪」

 >>まったくハヤテは・・・・罪なやっちゃ。

 悠太「ホントだよな。 お前、いつか死ぬぜ」
 ハヤテ「そ、そんな事言われても」

 >>ますます告白し辛いじゃん。

 ハヤテ「あ、いや。その。何とかしますよ」

 >>綾子と麗とクリスに匿名で伝えとこ。(アテネ、調教いるよ)

 綾子「別に怒りませんわ」
 麗「ライバルになりそうにないし、ハヤテ君なら全部受け止められるし」

 アテネ「ハ〜ヤテ♪私以外の女と♪」
 ハヤテ「ゆ、許して」

 >>それから原作でのタマのごとく某掲示板に書き込んで

 そ、それは止めた方が。

 >>何しようかな?(背後に殺気が)何やら皆さん集まっているし。

 悠太「何とか出来るか?」
 ハヤテ「無理」

 >>しかも朱雀・青龍があるし、何時ぞやのハヤテを巡っての決闘で使用した名刀があるし、というよりクリス、何もってるの?
 (ギャー…)

 クリス「これ?ダディに用意してもらった軍隊が使用しているピストル」
 綾子「威力は抜群ですわ」

 悠太「止めとけ。リアルに死ぬから」

 まあ、作者権限で止めといて、


 感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月30日更新) ( No.73 )
日時: 2014/11/30 14:49
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテ(白桜)はルカと再会し、カラオケの最中にメイド長に見られてしまった。


ハヤテ(白桜)とメイド長は無言で見つめ合った。

なぜなら、メイド長は良く知るハヤテが女装で女の子と仲良さそうにカラオケをしている光景が目に入っていたためで、ハヤテ(白桜)は必死で言い訳を考えていたからだった。

時間にすればほんの数秒だったが、ハヤテとメイド長からすれば長い長い時間に思えた。

そしてメイド長は「自分は何も見なかった。でなければ、疲れていたから幻覚を見たのだ」といった感じで立ち去って行った。

1秒に満たない時間でハヤテ(白桜)は思考を落ち着け

「ま、待ってくださいよー」
「え!?あ、ちょっと」

大慌てで部屋を出て行ったハヤテ(白桜)にルカは首を傾げるばかりだった。

廊下に出たハヤテ(白桜)は急いでメイド長を探したが

「居ない。師匠は一瞬で姿を消せるスキルを待ってるのか!?」

ハヤテ(白桜)がそんな事を呟くと

「そんなスキル持ってませんよ」

後ろから声が聞こえ、振り向くとメイド長が立っていた。

「そんな恰好で何をしてるんですか?しかも女性と2人きりって」
「あ、これはその」

ハヤテ(白桜)は必死で考え、自分の現状を正直に話そうとしたが、メイド長の後ろには既にルカが来ていた。

「(ど、どうしましょう。正直に話すのは簡単ですが、水蓮寺さんを傷つける可能性が)」
「(だ、だからって誤魔化すのは)」
「(マスターの師匠なら理解してくれるでしょうが、やはりここは)」
「(しょうがないね。水蓮寺さんにはもう少し傷つかない様に説明しよう。後でね)」

1〜2秒で相談し

「ま、まあ色々ありますよ」
「はあ」

口ではそう言いつつアイコンタクトで

「詳しい事情は後で家で説明します」
「分かりました。ここでは聞かない事にします。後、アテネお嬢様達には内緒にしておきます」
「お願いします」

そう会話し、メイド長は指定された部屋に入って行った。

「ねえ、今のメイドさんは?」
「あ、いや。今のは」

ハヤテ(白桜)は考え、

「今のは僕の師匠ですよ」

嘘ではないが、多くを語らない感じで説明しておいた。

「え!?師匠!?って事は、あの凄い豪邸で働いてるの?」
「えっと、そうですよ」

嘘にはならないので、やんわりと答えた。

「そう言えば、あの時執事さんだったもんね。って事は普段はメイドさんか〜」

これに関しては返事できず、沈黙を守った。

「じゃあ貴方も若いのに働いてるんだね。女の子同士頑張ろうね♪」
「あ、はい」

返事はしたものの

「(まずいですね。ますます泥沼化してきました)」
「(これは一刻も早く事情を説明した方がいいかもね)」
「(そうですね。じゃあ、先ほどの部屋に戻ってからにしましょう)」

そう相談し、部屋に戻ろうとしたその時、ルカの携帯に着信があった。

「もしもし、水蓮寺です」

相手は仕事関連の人の様だ。

「え!?撮影の一部撮り直し!?」
『ええ。ごめんなさいね、折角休みなのに。でも、悪いけど赤坂のスタジオまで来てくれる?』
「で、でも」

ルカはハヤテを見て悩んだが

「分かりました。今直ぐに行きます」

そう言うと、電話を切った。

「あ、あの」

声をかけたハヤテ(白桜)にルカは申し訳なさそう顔になり

「ごめんね。デュエットしたかったんだけど、急用が出来ちゃった」
「そうですか。頑張ってください」
「うん。ありがと」

そう言うと、ルカは急ぎ足でカラオケボックスを出て行った。

「(結局説明出来ませんでしたね)」
「(仕方ないよ。また次の機会に説明しよ。まあ、会う可能性は低そうだけど)」
「(そうですね)」

ハヤテ(白桜)は会計を済ませ、帰路に就いた。


                   × ×


天王州家に戻ったハヤテは自室に赴き

「(もういい加減に着替えて主導権を戻した方がいいですね)」
「(そうだね。アーたん達に見つかったら色々と大変だし)」

ハヤテはすぐにでも着替えようとしたが、ドアがノックされ

「あ、どうぞ」

習慣ですぐに返事してしまったが、気付いた時は既に遅かった。

「綾崎君、用事が・・・あるんだけど」

部屋に入って来たのは千桜で、ハヤテの恰好を見て固まっていた。

「な、なんだその格好!?」

千桜は「聞かない方がいい事を好奇心に負けて聞いている」と言うオーラで聞いて来ていた。

「こ、これはですね」

ハヤテは正直に全てを説明した。とは言っても、ルカとの一件は全て隠したが。

「成程な。そんな事が出来たのか」
「ええ、まあ」
「まあ、この事はアテネ達には内緒にしておくよ。その方がいいんだろ?」
「あ、はい」

千桜からすれば、ハヤテに自分の秘密を内緒にしてもらってる立場なので、こうした。

「でもさ、本当に凄いな。折角だから、もっと可愛い恰好してみるか?」
「や、止めてください」

断られる事前提で提案したので、直ぐに止めたが

「(しかし、何で私は「こんな綾崎君も受け止められる」なんて思ったんだ!?本当に私はおかしい。何で綾崎君なら全ての事を受け入れられるなんて思うんだ?)」

こんな風に悩んでいた。

「あ、あの。もう着替えたいんですが」
「あ、すまんな。もう出るよ」

部屋を出ようとしたが、出る前にドアがノックされ

「千桜さん、お客さんですよ」
「私に?誰だ?」

ソニアはハヤテの恰好に気付かず、ハヤテの部屋に客人を案内してきた。

「やっほ〜。来ちゃった」
「あれ?ルカ、仕事だったんじゃ」
「直ぐに終わったからね。だから来たの」

部屋の中のハヤテに気付かずルカは話をしていた。

「それより、本当にここに住んでたんだね」
「まあな」
「ここが千桜の部屋だね?見せて見せて」
「あ、ここは私の部屋じゃ」

千桜が止める前に、ルカが部屋に入ってきた。

「あ」
「あ」

泥沼化しそうな再々開が起こってしまった。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (11月30日更新) ( No.74 )
日時: 2014/12/04 16:35
名前: ささ

ささです。ちょっと調子に乗りすぎたわ。
久し振りに死の淵をさまよい(そうに)なった。(自業自得なのは分かっているが)
それはともかく
もし、着替え中にルカが乱入するという展開はハヤテ、一番恐れているのでは?
そもそも千桜いやー凄いわ、
性別を超えてそのような感情になれるとは。
これぐらいにしといて失礼する。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月12日更新) ( No.75 )
日時: 2014/12/12 18:19
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ささです。ちょっと調子に乗りすぎたわ。

 クリス「感想サンキューね。で、自業自得です」

 >>久し振りに死の淵をさまよい(そうに)なった。(自業自得なのは分かっているが)

 綾子「当然ですわ♪」

 >>それはともかく

 悠太「おいおい」

 >>もし、着替え中にルカが乱入するという展開はハヤテ、一番恐れているのでは?

 ハヤテ「そうですね。着替えの最中なら確実にばれますから」

 >>そもそも千桜いやー凄いわ、

 千桜「は!?なんでだ?」

 >>性別を超えてそのような感情になれるとは。

 千桜「だ、だから、私も何でそんな事思ったのか分かんないんだって」
 日向「(ええ加減素直になればええのに)」

 >>これぐらいにしといて失礼する。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月12日更新) ( No.76 )
日時: 2014/12/12 18:21
名前: masa

こんにちはmasaです。

新しいパソコンでの最初の更新です。

本編どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ルカと偶然再々開してしまった、ハヤテ(白桜)。


ハヤテ(白桜)を見つけたルカは直ぐに駆け寄り

「わ〜、また会えた〜。貴方もここに住んでるってやっぱり本当だったんだね♪」
「あ、はい」

ルカは嬉しそうだったが、ハヤテ(白桜)の心境は複雑だった。

「そういえば、この部屋って貴方の?千桜は自分の部屋じゃないって言いかけたような」
「あ、はいそうです。ここは僕の部屋です」
「へ〜」

ルカは部屋を見渡した後

「ずいぶんシンプルだね」
「このほうが好きなもので」
「ふ〜ん」

2人のやり取りを黙ってみていた千桜は

「あれ?2人は知りあいだったのか?」
「まあね。この前偶然ね」
「ああ、そう」

ハヤテと自然体に接しているルカを見て千桜は

「(な、なんだ!?なんで私はあんな普通に接せられるルカに嫉妬してるんだ!?しっかりしろ)」

こんな風に考え込んでいた。
すると今度はソニアが

「貴方、ハヤテさんとどういう関係なんですか?」
「え!?」
「答えてください!!!!」

かなりの剣幕のソニアにルカはビビりながらも

「この前色々と助けて貰っただけですよ」

睨み付けるかのような鋭い視線に

「ほ、ホントですよ〜」

必死なルカにソニアは信じる事にした。
すると、ここに来てようやくハヤテの格好に気付き、茫然となった。そこへ

「事情は後で話します。今はお茶をお願いします」

ハヤテからのアイコンタクトでそう言われ

「まあ、折角いらしたんですし、ごゆっくり。私はお茶を淹れてきます」

そう言って部屋から出ていった。
ハヤテ(白桜)は気付かれない様に溜息をついた。

すると

「ねえ」
「あ、はい」
「貴方って、ハヤテって名前なの?今まで聞きそびれてたけど」

ルカの質問に

「(不味いですよ、マスター。名前で性別の秘密がばれたんじゃ)」
「(た、多分。こうなったら、千桜さんが居ても説明したほうが)」

こんな風に相談していると

「へ〜。女の子なのにハヤテって名前なんだ〜。かっこいいね」

笑顔でこう言ってきた。

「(だ、大丈夫みたいだったみたいですね)」
「(まあ、今のところは安心だね)」

安心していた。
一方

「(女の子なのに!?綾崎君、また厄介事引っ張り込んだな。やれやれ)」

千桜は何かを察したようで、呆れていた。

「かっこいい貴方には、ハヤテっていうかっこいい名前がお似合いだね」
「かっこいいですか?」
「だって、私のこと沢山助けてくれたじゃん」

それについてはルカとの出会い編にて。

「私ね、貴方が男の子だったら良かったかな。なんて思うよ」
「え!?それって」
「だって、本気で好きになれたかもしれないもん」
「ま、またまた」

ハヤテ(白桜)はルカが自分のことをからかっているのかと思ったが

「本当だよ」

そういうと、ルカが抱き付いてきた。

「だって、かっこよくて凄く優しくて、それでいて素敵だもん」
「水蓮寺さん」
「ルカでいいよ」

ハヤテ(白桜)に抱き付くルカを見て千桜は

「(お、おいおい。なんで私は「羨ましい」なんて思うんだ!?しかも、嫉妬もして。いい加減にしないか、私)」

こんな風に自分の心理と戦っていた。
それを尻目に

「世の中って非常だね。好きかもしれないって子が同性だから」
「じょ、冗談きついですよ」
「そうだね」

そう言ってルカは離れた。

「まあ、ハヤテさんへのお礼はまた今度だね」
「あ、はい」

困り顔のハヤテ(白桜)との話を終え

「さて千桜・・どうしたの?」
「な、なにがだ!?」
「様子おかしいけど」
「き、気のせいだ」

実際気のせいではないのだが、誤魔化すことにした。

「そ、それより、時間大丈夫か?」
「平気だけど」
「じゃあ、この前言ってた友達紹介するな」
「へ!?あ、そうか」

ルカがそういうと、千桜は半ば強引にルカの背中を押しながら

「この屋敷には居ないから、案内するな」
「あ、うん」

ルカは流れに身を任せたほうがいいと思ったのか、黙って従っていた。
ルカ達が出て言った直後

「お茶をお持ちしました」

ソニアが戻ってきた。

「あれ?もういないんですね」
「あ、はい」
「では、事情を聞かせてもらいますよ」

ハヤテはソニアの機嫌が悪くなった理由が分からなかったものの、事情を話した。まあ、ルカの一件は出来るだけ隠したが。

「なるほど。まあ、あの方とのことはアテネお嬢様には内緒にしておきますね」
「お願いします」

そう言うと、ハヤテは主導権を戻し、ソニアを部屋から出して執事服に着替えた。

「さてと」

ハヤテが部屋から出ると

「ハ〜ヤ〜テ〜」

この声にハヤテは恐る恐る振り向いた。

「ア、アーたん」
「ハヤテ、また私以外の女と仲良くしたらしいわね」
「そ、それは」

アテネには事情はよまれてないようだが、ルカと仲良くしてたことはばれてたようだった。

「私がいるのにどういう事ですの?」
「だ、だから、あの」
「フフフ♪覚悟してもらいますわ♪」

アテネは「甘える」を繰り出した。
ハヤテは回避できず、直撃を受けた。

この日、アテネの「甘える攻撃」にハヤテは苦労する羽目になった。


ちなみに、ルカはナギとも直ぐに仲良くなったそうだ(原作通りの絡みで)。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月16日更新) ( No.77 )
日時: 2014/12/16 17:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここは神尾崎家。そこの令嬢である綾子は自室にて考え事していた。

「(ここ最近、ハヤテ様に接近する女が増えた。納得いきませんわ)」

考え事というのは、当然?ハヤテのことである。

「(主人である天王州さんなら百歩、いえ、千歩万歩譲っていいとしますわ。ですが)」

綾子は拳を握りしめ、

「なんであの家に憎らしきライバルが住んでるんですのー」

我慢できなくなり、叫んだ。

「手始めにあの地下迷宮の時に戦った元シスター。メイドとなりハヤテ様に近付くとは。さらに愛沢家の次女。あの女、年下なのにハヤテ様を狙い、誘惑するなんて」

綾子は怒りからか、震えていた。

「しかもハヤテ様と一緒に寝たり風呂に入ったりして。羨ましい、ではなくて、憎らしいですわ」

綾子自身は、まだ数回しか一緒に寝たり一緒に入浴したりしてないので、羨ましいようだった。

「まあ、春風さんは一緒に住んでますが、警戒の必要性は無しと判断しますわ」

千桜も他の住人同様なのだが、綾子は「警戒対象」から外しているようだった。

「まあでも、私は婚約者候補No.1。絶対的有利なのは変わりませんわ」

そう。綾子には候補者No.1という自信があるのだ。とはいえ

「最近、ハヤテ様に接近しようとする愚か者が居るようですわね。まずは情報が必要ですわね」

綾子がそう呟いているとドアがノックされた。

「お嬢様、頼まれた資料お持ちしました」
「ご苦労様ですわ」

執事の城山に頼んでおいた資料を受け取り、早速見ることにした。

「成程。これがハヤテ様に近付く愚か者、水蓮寺ルカですか」

城山が持ってきたのはルカのライブ映像で、綾子はしっかり見て

「確かに、レベルは高いようですわね。ですが、私には及びませんわ。スタイルといい、歌の上手さといい、恐れるに足りませんわ」

綾子は自慢のスタイルを眺めながら堂々と宣言した。

「ですが、ハヤテ様に迫るにあたって私には何かが足りない気がしますわ」

綾子は部屋の中をウロウロしながら再度考え始めた。

「あれだけ積極的に行っているというのに、一向にハヤテ様は私の虜になりませんわ。いったい、何が足りないというんですの」

綾子には財力もあり、スタイルも間違いなく抜群。それだけではなく、強さも兼ね備えてあり、足りないものを見出せないでいた。

「そう、きっとそうですわ。積極性が不足してたんですわ。だったら」

密かに決意したようだ。


                   × ×


そして翌日。

「ハ〜ヤ〜テ〜様♪」

いつも通り、ハヤテに抱き付いた。

「神尾崎さん、おはようございます」
「もうハヤテ様、妻である私は名前で呼んでくださいな♪」

綾子の言葉にハヤテは苦笑いで返した。

「ハヤテ様」

すると、綾子はいきなりハヤテにキスした。しかも大人のキスだ。

「ハヤテ様♪」

キスを終えると、子猫のように甘え始めた。

「あ、あの」
「愛してますわ、ハヤテ様♪」

当然のようにアテネ達から殺気をを向けられたが、無視した。

「ハヤテ様、あの人たちや最近になって近付こうとしているアイドルなんか無視して私と愛し合いましょうよ」
「え!?どうしてルカさんのことを?」

ハヤテがルカのことを名前で呼んだことにイラついたが、

「私はハヤテ様に関することなら何でも知ってますわ。妻ですから」

綾子の妻発言にハヤテは少し呆れつつ

「まあ、それより。離れてくれません?」
「嫌ですわ♪」
「あ、あの///////////////////////////////////」

ハヤテが照れているのは綾子の胸が当たっているためである。

「も、もうホームルーム始まりますし、ご自分の席に///////////////////////////////////」
「で・す・か・ら、嫌ですわ♪」

綾子は離れるどころか抱き付く力を強めた。

「も、もう/////////////////////////////////」
「フフ♪」

ハヤテが諦めたことで、綾子はより一層笑顔になった。

「(こうやって今まで以上に積極的になれば、ハヤテ様は私の魅力に釘付けですわ♪そうすれば、結婚ENDへ一直線ですわね♪)」

ハヤテと自分が結婚することに一切の疑いはないようだ。

「ハヤテ様〜♪」
「はあ」

ハヤテはアテネ達からの殺気に溜息をつくしかなかった。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月18日更新) ( No.78 )
日時: 2014/12/18 17:21
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここはレンタルビデオ橘。一般的なものからマニアを唸らせるような物まで幅広く取り扱う店だ。

そこの店主であるワタルは売上表をを見ながら悩んでいた。

「はあ。また赤字か」

ワタルは溜息交じりでそう呟いた。

「あの、若」
「ん!?ああ、大丈夫だよ。俺が何とかするからサキは心配しなくていいぞ」

そう言われたものの、ワタルの様子を見ていると、「心配するな」というほうが無理だった。

「(何とか若の力になりたいですが、私じゃ無理ですよね)」

サキさんは自分の無力さを嘆いていた。

「(こうなったら、あの方に頼るしかないですね)」


                   × ×


「成程。事情は分かりました」
「それで、良い案はありますか?ハヤテさん」

サキさんは天王州家を訪れ、ハヤテに事情を説明して助力を仰いでいた。

「いい案はありますが」
「な、なんですか?」
「ここじゃなんですし、ワタル君を交えて話し合いましょ」
「そ、そうですね」

ハヤテはアテネに許可をもらい、一緒にお店に戻ることになった。


                   × ×


「いらっしゃい。ってサキか」

サキさんがハヤテ同伴で戻ってきたことにワタルが問いかける前にハヤテは

「ワタル君、話は聞きましたよ」
「サキか。余計な事を」
「余計な事って」
「心配かけるだろ?人がいいこの人ならなおさらだよ」

指摘され、サキさんはようやく気付いた。

「まあまあ。それより、お困りなんですよね?」
「まあな」

誤魔化してもしょうがないので、正直に答えた。
するとハヤテは少し考えた後

「だったら、思い切って新事業に手を出してみてはいかがですか?」

ハヤテの提案にワタルは

「な、何を言ってるんだ?そ、そんなの」
「大丈夫ですよ。僕が見る限りワタル君に商才はありますよ」

尊敬するハヤテにこういわれ、不安は少しは消え去ったが

「しかし、金は?赤字でどうのこうのって悩んでるのに」
「そんなの、僕が出しますよ」

まるで当たり前のようにそう言ったハヤテにワタルは

「な、何言ってやがる。そ、そんなの出来るか!!!!!」
「なぜですか?」
「返す充てもないのに借りられないってことだよ!!!!!!!!」

声を荒げたワタルに対し、ハヤテはあくまでも冷静に

「それなら問題ありませんよ。返せるようになったら返していただければ」
「しかし」

新事業を始めるとなれば相当な額が必要である。当然ワタルは素直に厚意を受け取れず

「万が一だぜ。失敗して返せないって事になったらどうするんだ?」
「その時は、お貸ししたお金は差し上げますよ。あくまでも、失敗したとき限定ですが」

まだ悩むワタルにハヤテは

「ワタル君、男なら思い切ってぶつかってみるのも大切ですよ」
「・・・」
「たとえ砕ける結果になったとしても、挑戦すること自体に意味があります。挑戦した果てに、「成功」という結果が待っていたとしても、「失敗」という結果が待っていたとしても」

ハヤテの説得に

「(そうだよな。男を磨くためには「挑戦すること」が大切だよな)」

ワタルはサキさんをチラリと見て

「(「あの答え」を言えるようになるには男を磨かないといけない。よし)」

決意を固めると

「分かった。お金を貸してくれ。「絶対に返す」から」

そういい土下座した。

「分かりました。準備が必要なので、また明日伺います」
「ああ」

ハヤテは帰って行った。

「良かったんですか?」
「構わないよ。責任は俺がとる。お前はただ、「俺のそばに居ろ」分かったか?」
「そうですね。その言葉の意味も何れ伺います」
「すまん」


                     × ×


そして翌日。

「こんにちは」
「ハヤテか」

店を臨時休業にし、ハヤテを出迎えた。

「お持ちしました」

そういうと、ハヤテは懐からメモ帳のようなものを取り出した。

「それって小切手帳か?」
「ええ、そうです」

ハヤテはさらさらと何かを書き込み、その書いた1枚をワタルに手渡した。
そこには「現金一億円也」と書かれていた。

小切手を見つめて固まるワタルに対しサキさんは

「あ、あのなんで小切手なんですか?」
「そのほうが安全だからですよ。僕は「いきなり1億円の現金を送り付ける」ような空気の読めないマネはしませんよ」

ハヤテの説明にサキさんは納得したようだった。

「さて、手続きと参りましょうか」
「「手続き!?」」
「ええ。この手のことは法的にきちんとしたほうが安心できますよね?」

ワタルはその通りだと思い、異議を唱えなかった。

「弁護士の方に頂いた書類です。これにサインしてください」

ハヤテが差し出してきた書類には様々なことが書かれており、昨日約束した「返せる際は返却し、出来ぬ場合は返却は求めない」事も書いてあった。
もちろんそれ以外にも細かく契約内容が書いてあった。

「分かったサインする」
「若」
「分かってる。でも、これは決めたことだ」

そういうと、ワタルはサインし、ハヤテもサインした。

そして現金を預けるために銀行に行くことにした(ハヤテの護衛付きで)。


                  × ×


銀行まで警戒したが、特に何も起こらずあと少しという時

「金の匂いはここかー」

突然雪路が現れた。

「な!?なんでここに!?」

突然のことにワタルはただただ驚くばかりであった。

「お金の匂いがしたのよ」
「き、気のせいだよ」
「そうかしら?」

すると雪路はまるで警察犬が匂いを追跡するように鼻を動かし

「貴方の懐から現金1億円の小切手の匂いがするよのね」

ワタルは無反応であったが

「やっぱりね。お店やってるんだからよこせー」

雪路が襲い掛かってきた。

ワタルの攻撃

「関係ないだろ!!!!!第一、持ってないって言ってるだろ!!!!!」

雪路には全然効いてない。

「よこせ。給料減らされて酒を減らすしかないんだ」

雪路の攻撃。しかしハヤテが庇った。

「先生、こんなことして唯で済むとお思いですか?」

ハヤテの攻撃。雪路はかなりのダメージを受けた。

「生徒を襲撃し、根拠もないのにお金を奪おうとするなんて、理事会で問題にすれば、貴方は破滅ですよ」

会心の一撃!!!

「まあ、このことは理事長のアーたんへの連絡で済ませてあげますよ」

会心の一撃!!!! 雪路は倒れた。

「さ、行きましょ」
「あ、ああ」

戦闘に勝利した。



その後は特に何も起こらず、無事に手続きは澄んだ。


「若、大丈夫でしょうか」
「問題ないよ。俺が何とかする」

ワタルの頼もしい雰囲気にサキさんは笑みを浮かべ

「分かりました。私も精一杯支えさせていただきます」
「ああ。ありがとな」

ここにワタルの新たなる挑戦が始まった。

-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

ワタルが言ってた「あの答え」に関してはラスベガス編を見てください。

雪路はアテネに思いっきり怒られましたが、お咎めは無しで済みました。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月21日更新) ( No.79 )
日時: 2014/12/21 19:13
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここは毎度お馴染み三千院家。

「お嬢様、同人誌完売おめでとう」
「おめでとうございます」

ナギは突然、悠太とマリアさんに祝福されていた。

「おめでとう。よく頑張ったな」
「悠太」

皆からの祝福に素直に喜んでいた。

「ありがとう皆。そうか、私の漫画はやはり面白いんだな。そして、やれば出来る子だったんだな」

ナギは嬉しそうにそう宣言した瞬間、なぜかマリアさんに黒い影が生まれ

「そんな訳ねえだろうが!!!!!!屑は何処まで行っても屑なんだよ!!!!!!!てめえはその屑だ。夢なんか見てんじゃねえよ!!!!!!」

そう罵られた。


「っは」

ナギは慌てて飛び起きた。

「夢、か」

そう、同人誌完売もマリアさんの強烈な罵りも夢であったのだ。

「嫌な夢だな。こんな時は」

ナギは机の上に置きっぱなしになっていた書きかけの原稿に向かい、漫画を描き始めた。

すると数十分後に悠太が部屋に来た。

「あれ?もう起きてたのか」
「まあな。同人誌対決まで時間はない。だから仮眠が終わったらすぐにでも書き始めないと」
「あ、そう」

悠太は直ぐに部屋を出ていった。


                    × ×


ナギに部屋を出た悠太はキッチンでマリアさんと会話していた。

「そう、ナギが」
「ええ。なんかこう、今まで以上にやる気を感じたんすよね」

悠太はナギに感心していた。

「まあでも、無理して体壊さないといいですけどね」

悠太のこの言葉にマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギの体調が悪化して、不戦敗なんて結末になったら面白いんですけどね〜♪そうだ、そうなるように誘導しようかしら♪ああ♪)」

こんなことを思ったそうだ。

「(そういえば、お嬢様はどんな同人誌を書いてるんだ?お嬢様は「少し前にいいヒントを貰ったから、それに則って書く」とか言ってたが)」


                     × ×


その少し前の出来事。

「で、書くことは決まったのか?」

千桜はナギに呼び出され、近くの駄菓子屋に来ていた。

「それがまだ。だから、相談しようと思って呼び出したんだよ」

ナギはラムネ片手に真剣な目付きでそう言った。

「相談ねえ」
「それよりさ、同人誌を50部売るってそんなに難易度が高いのか?サークルによっては何百部、へたすれば何千部って売るらしいが」

ナギの疑問に千桜はラムネを一口飲み

「そんなの、ほんの一部だよ」
「え!?」
「いいか?同人誌は売れるなんていうのは嘘だよ。大部分が50部以下だったり、赤字だったりするんだ。現実は相当厳しいんだよ」

千桜の言葉にナギは暫く俯いた後

「だったら、私は「本気の情熱」を見せるしかなさそうだな」
「そうだな」
「だから、一緒に考えてくれよ。1人じゃ限度がある」

そう言われ、千桜が考えていると

「あれ?ナギちゃんに千桜じゃない」

2人が声のしたほうへ向くと、麗が居た。

「こんな所でどうしたの?」
「丁度良かった。時任も協力してくれ」
「え!?何を?」

ナギは簡潔に事情を説明した。

「成程ね。でもねえ、私は漫画をあんまり読まないし、頼りにならないと思うよ」
「それでもいいよ」

そう言われた麗は少し考え

「時間も無い様だったら、前に書いた漫画のリメイク作品なんてどう?それならそこまで頭を悩ませることもないと思うけど」
「しかしなあ」
「良いんじゃないか?高名なネコ型ロボットが出るアニメだって、声優一新後何本かリメイク作品を世に出してるじゃないか」

千桜にそう言われ、ナギは

「そう、だよな。色々あって仕舞い込んだ作品に手を加えたり、悪い所を直すのも手だよな」

そう納得した。

「しかしだな、自分じゃどこがどう悪いとか分からんしな」
「まあ、何を書き直すかわからんが、協力はするよ」
「私も、及ばずながら頑張るわ」

そして3人で考え始め

「まあでも、改めて見返して、「これは自分的にないな」とか、「なんでこんな事書いたんだ?」って思うところから手を出してみたら?」

麗の提案に

「そうだな。そうすれば、新しい世界が見えるかもな」

ナギは乗り気だった。


                    × ×


一方その頃、ルカは。

「前回は9冊。その前は2冊だったから、売り上げは伸びた。と断言できる」

そう思ったものの、

「でも、たったの9部じゃ意味はあんまり無い」

やはり売り上げが少ないことは気になるのである。

「何千部も売り上げる同人誌があるのに、何が違うんだろ」

ルカは認めなくない現実を受け入れるようにし

「理由は、やっぱり面白くないから。なんだろうな」

これしか理由は思い浮かばず、認めるしかなかった。

自分の考えで落ち込んだルカは携帯を取り出した。


                    × ×


一方その頃、天王州家。

「成程。そういう事情でしたか」

ハヤテはメイド長にカラオケボックスでの出来事を説明していた。

「実は男です。って告白したいんですが、同性だから見せられるって感じの恥かしい所を見ちゃってるので、言えなくて」
「全く。厄介事を引き込む天才ですね」

メイド長の毒にハヤテは苦笑いするしかなかった。

「ともかく、傷が大きくなる前に、きちんと説明するしかありませんよ」
「そうなんですが」

ハヤテが言い出せない事情を話そうとしたその瞬間、ハヤテの携帯にメールが入り

「どうしました?」
「あ、あの。また厄介事が」

ハヤテは引き攣った顔でそう言った。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月21日更新) ( No.80 )
日時: 2014/12/22 19:34
名前: ささ

なんかハヤテに女難の相があるのではと前回の話を見て思ったささです。
ハヤテ、たぶん正直に話しても大丈夫だと思うよ(結婚ENDに終わるだけだから)
ところで綾子に一言
そんなにルカを敵視するなら、事務所を神尾崎グループの力で潰せば?
(今なら金をかけずにやれるのでは?傘下に報道機関持っているでしょ?)
マリアさん、コミケの常連を買収してナギの作品を罵倒してもらえば?
ついでにその様子をWEBにアップして広く罵倒してもらうとなおよいかと。
ナギに命を狙われる前に離脱します。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月24日更新) ( No.81 )
日時: 2014/12/24 19:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>なんかハヤテに女難の相があるのではと前回の話を見て思ったささです。

 悠太「ホントだよな。あ、感想ありがとな」

 >>ハヤテ、たぶん正直に話しても大丈夫だと思うよ(結婚ENDに終わるだけだから)

 ハヤテ「それってあまりよくない気が。と、ともかく一番の理由を今回で説明してますから」

 >>ところで綾子に一言

 綾子「な、なんですの?」

 >>そんなにルカを敵視するなら、事務所を神尾崎グループの力で潰せば?
 (今なら金をかけずにやれるのでは?傘下に報道機関持っているでしょ?)

 城山「言われてますが、どうし・・・あれ?お嬢様?」

 とりあえず、止めておきます。

 >>マリアさん、コミケの常連を買収してナギの作品を罵倒してもらえば?

 マリア「あら♪いい案ですね〜♪では早速♪」
 クラウス「・・・止めろ」←勇気を出して言った。

 >>ついでにその様子をWEBにアップして広く罵倒してもらうとなおよいかと。

 マリア「なるほど〜♪名案ですね〜♪ああ♪」

 ナギ「・・・」

 >>ナギに命を狙われる前に離脱します。

 ナギ「逃がさない。殺してやる」

 クラウス「い、行ってしまった。 と、ともかく。感想ありがとうございます」

[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月24日更新) ( No.82 )
日時: 2014/12/24 19:53
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ナギは新たに漫画を描き始め、ハヤテはメイド長への説明中にメールが入った。


「は!?話題にしてたアイドルの方と今から会いに行くんですか?」
「ええ、まあ」

ルカからのメールは今から来てほしいと言うものだった。

「確かに、何れは僕の正体を明かすつもりです。ですが時期尚早な気がするんです」
「それで、今から女装して会いに行くおつもりですか」
「はい」

ハヤテの表情からは仕方ない感がかなり出ていた。

「でしたら、会いに行くなら尚更ですよ。会って、「大事な話がある」とでも言って切り出せばいいじゃないですか」

メイド長の提案にハヤテは

「先程も言いかけたんですが、アイドルと言うのはメンタルが大事です。もしいきなり教えたりしたら、「絶望した!!!!!女の子だと思ったのに騙すなんて」ってな具合になって、「もう、お嫁に行けない。だから死のう」なんてことになると思うんです」

ハヤテの言葉は確かに正論だった。
だが

「(そんな事言い出したら、アテネお嬢様をはじめとするハヤテ坊ちゃんに好意を持つ方々の殆どが亡くなると思うのですが)」

メイド長はこう思ったが、言っても無駄だと思い、敢えて言わないことにし

「まあ、お相手は大人気アイドル。精神的ショックで仕事に支障が出たら困りますもんね」
「はい」

メイド長は溜息をつくと

「分かりました。洋服などはこちらで用意します」
「すみません」
「後、アテネお嬢様たちにも内密にします」
「本当に、すみません」

ハヤテは白桜と主導権を代わり、着替えて出かけた。


                      × ×


一歩その頃、ルカ。

「さて、今日のゲストは大人気アイドルの水蓮寺ルカさんでーす」
「はいどうも〜水蓮寺ルカで〜す」

ルカはラジオ番組に出ていた。

「今日は予算のない中無理して私を呼んでいただきありがとうございます」
「いやいや。無理なんかしてないって」
「そうですか?私を呼ぶのに予算使い切って、こんな小さいスタジオにしたのかと思いました」
「小さくて悪かったわね」

DJの人はルカとの掛け合いを少し行い

「ほら、今日もルカさん見たさにファンの人たちが集まってるわよ」

確かに、スタジオの周りにはルカファンの人たちが集まっていた。

「本当に、ありがたいですね〜」

そういうとルカは笑顔をファンに向け

「プレゼント忘れた人は死刑にしちゃうぞ〜♪」
「こらこら。可愛い顔して酷い事言わないの」

ルカに悪意が欠片も無い事はファンは周知なので、特別なリアクションは誰も取らなかった。

「さて、新曲のことなんだけど」
「あ、はいそうなんですよ」

無事にラジオも終わり、ルカは裏方の人たちへ挨拶に行った。

「お疲れ様です」
「お疲れ様。今日もよかったよ」
「そんな。生意気な事言っちゃったのに」

申し訳ない顔になったルカにプロデューサーの人は

「良いって。番組盛り上がったし、あれくらい許容範囲だよ」

ルカは番組を盛り上げるためにあんな事を言ったのは全員分かっていた。

「私でよかったらまた呼んでくださいね」
「ああ。またよろしくね」
「はい、ありがとうございます」

ルカは笑顔を向けると、出て行った。

「良い子だね」
「はい」


                    × ×


ルカはスタジオを出ると、出待ちしていたファンに笑顔を向けながら車に乗り込んだ。
そして車が発車して少し経つと溜息をつき

「お疲れ様」
「あ、お疲れ様です」

車を運転している集さんに挨拶し

「(昨日は夜更かしして漫画のこと考えてたから、疲れちゃった)」

ルカがこんな事を考えていると

「ねえルカ、最近疲れすぎじゃない」

ルカは不味いと思いつつ

「そ、そんなことないですよ」
「そう?ならいいんだけど、夜更かしは止めてよね。貴方の場合、体が資本なんだから、夜はしっかりと休まないと駄目よ」
「もちろん分かってますよ」

返事したものの、ルカは

「(言えない。内緒で漫画描いてるなんて知られたら、止められちゃう)」

そう思い、内緒にしておこうという決意を新たにした。


                    × ×


「ごめんね。急に呼び出しちゃって」
「いえいえ。お役に立てるなら何時でも駆けつけますよ」

ハヤテ(白桜)はメイド長に用意してもらった服を着てルカに会いに来ていた。

「へ〜。今日はまた可愛らしい格好だね」
「あ、どうも」

どんな格好かはお任せします。

「まあいいや。入って」

そういうと、ルカはオートロックを開け、ハヤテ(白桜)を案内し始めた。

「そう言えばさ、ハヤテさんって私と同い年ぐらいに見えるけど、高校は行ってるの?」
「あ、はい。白皇に通ってます」
「あ、あの名門校の!?凄いね」

当然、ハヤテ(白桜)にも疑問が浮かび

「ルカさんは高校は?」
「高校、ね。行って無いの」

ルカは少し暗くなり

「あ、私馬鹿じゃないよ。行けるだけの学力はあるよ。でもね、内定貰ってて奨学金も受けられることになってたんだけど、色々遭って行けなくなっちゃったんだ」

素直に告白した後

「あ、ごめん。急に暗い話しちゃって」
「いえ。聞かせて貰って良かったですよ」

ルカは悪くなりかけた雰囲気を誤魔化すかのように

「さ、こんな話はもうお終い。さ、ここが私の家だよ」

ルカは鍵を開け、ハヤテ(白桜)を室内に通した。

「好きに座っていいよ。と言っても何にもないけど」

必要最低限の家具以外はなく、「質素」という言葉が適格だった。

「今日呼んだのはほかでも無いの。これよ」

ルカはナギと千桜に売ってもらった同人誌を取り出した。

「初めは2冊。次は9冊。売り上げは確かに上がった。でも、これじゃあ売れてないのと同意義。私はね、売れる漫画家になりたいの」

ルカは少し間をあけ

「そのためにはもっと面白い漫画を描かないといけない。だから、この漫画がどこがどう面白くないか教えてほしいの」

ルカに言われ

「(マスター、どうしましょう)」
「(う〜ん。正直に言うべきか、ある程度ぼやかすか。とりあえずは褒めてみたら?)」

相談した後

「独創的で面白いと思いますが」
「そーじゃなくて、ちゃんとした素直なの」

ルカの真剣な眼差しに

「(どうやら、正直に色々と言った方がいいですね)」
「(だね。誤魔化しは駄目みたい)」

再度相談し

「分かりました。正直に言います」

ルカは息を呑んだ。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月27日更新) ( No.83 )
日時: 2014/12/27 18:47
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテ(白桜)はルカに漫画のアドバイスを求められた。


「ルカさん、正直に言うにあたって、先に行っておくことがあります」
「な、何!?」

不安そうなルカにハヤテ(白桜)は

「具体的なアドバイスが欲しいんですよね?そうなると、僕は容赦出来ないと思いますよ?それでも良いですか?」

そう言われ、ルカは少しだけ間を開けると

「お願いするよ。千桜みたいに気を使った意見とかは一切いらないよ。じゃないと、成長は望めない気がするから」

ルカの強い目にハヤテも白桜も相談せずとも決意を固めた。

「イルカが主人公だと感情移入しにくいです」
「うっ」

ハヤテ(白桜)の言葉にルカは四つん這いになり、震えていた。

「犬や猫と言った身近にいる動物ならともかく、イルカは海か水族館にしかいないので、感情移入が難しいですよ」

正直な感想にルカは

「わ、分かってたよ。薄々は理解してたさ。でも、結構来るね」

声まで震えだしたルカにハヤテ(白桜)は

「だ、大丈夫ですか?」
「気遣い無用だよ。そんな物あったら成長は出来ない。だから、続けて」

そう言うと、ルカは軽めの準備運動をし、

「さあ、どうぞ」
「えっと、じゃあ。 ストーリーが分かりにくいですね」

今度のも会心の一撃だったようで、涙目で倒れてしまった。

「ライフはもう0のようですし、止めましょうか?」

倒れるルカは答えられないようで、沈黙したままだった。

「ルカさん、僕は身近で貴方の歌と踊りを見ました。貴方の年齢であれだけのレベルに達するには「才能」や「努力」では言い表せないことをしてきたんでしょうね」

ハヤテ(白桜)の言葉に幾分か持ち直したようで、起き上がった。

「つまりですね、貴方には心の痛みを乗り越える才能があると思うんです」
「そう、だよね。さあハヤテさん、続きをどうぞ」

続けても大丈夫そうになったので、ハヤテ(白桜)は

「正直、見辛いですね」
「はうっ」


                    × ×


ルカがダメージを受けているその頃、ナギ達は。

「そういえば、同人誌を出すならサークル名を決めておいた方が良いんじゃないか?」
「サークル名って、同人誌を出すときに使う企業名よね?」
「ああ、そうだよ」

麗もそれなりに知識があるので知っているのだ。

「サークル名か。どうせ名付けるなら、オリジナルティーあふれるかっこいい名前が良いな」

考えるナギに麗が

「だったら、「calm princess」なんてどう?」
「由来は?」

ナギが食いついたので、麗は

「calmは英語で凪のことでしょ?つまりナギちゃんの名前。で、スポーツ界で誰かが活躍すると、何とかプリンスって言うでしょ?アラサーのおじさんでも。だから、それをもじって、princessってつけたの。どう?」

麗の解説にナギは

「おお、中々良いな。でも、もっとこうインパクト性が欲しいな」
「そうねえ。ってか、ナギちゃんも考えなさいよ」

叱られ、ナギも考え始めたが

「別に何でもいいだろ。サークル名なんて」
「ほう。だったら、千桜が考えた最高にかっこいいサークル名を聞こうじゃないか」
「そうね。私も興味あるわね、千桜の考えた最高にかっこいい名前」

無茶振りされ、千桜は必死で考え

「メ、メガネドライブ」
「パクリだよ」
「しかも、まあまあマイナーハードを」

文句を言われ、千桜は赤面した。


                    × ×


話はルカとハヤテ(白桜)に戻し。

「今日はありがとね」
「いえ。それより、色々と言ってすみませんでした」
「良いよ。私が言ってって言ったんだから」

ルカは気にしてないようだった。

「新しいの書けたらまた頼ることになると思うけど、よろしくね」
「僕でよかったら、いつでもどうぞ」

約束の握手をし

「ルカさん、貴方なら立派な漫画家になれると思います。だから頑張ってください」
「ありがと。頑張る」
「ただ、無理だけは禁物ですよ。アイドルでも漫画家でも体が資本ですから」
「分かってるって」

そういうと、握手を止め、ハヤテ(白桜)は帰路に就いた。


                    × ×


「(マスター、結局秘密を話せませんでしたね)」
「(そうだね。仕方ないよ)」

帰りながら、相談していた。

「(ルカさん、大丈夫でしょうか)」
「(大丈夫だよ。僕の見立てが正しければ、成長途中ってだけで、まだまだ伸びしろはあるよ)」

ハヤテにそう言われ、白桜も心配を止めた。

「(これからも、たくさん応援できるといいですね)」
「(そうだね。って、そろそろ戻った方が良いんじゃ)」
「(あ。で、では、人気のない所で)」


                   × ×


その頃、ルカ。

「ふう。自分で望んだ事とは言え、結構きつかったな。でも、こういうアドバイスは貴重だよね」

自分に言い聞かせ、前向きになることにした。

「解決法はまだこれから模索していかないといけないけど、今はこれを参考にして、次の作品に」

そう思った瞬間、体に激痛が走り、耐えようと思たのだが

「た、助け」

激痛に耐えられず、気を失った。


                   × ×


一歩その頃、ハヤテ(白桜)は人気のない場所に行き、主導権を戻そうとした。

しかし

「(マスター、主導権を戻す前にいいですか?)」
「(何?)」
「(やはり、ルカさんに話した方が良いと思うんですよね)」

白桜の提案に

「(そうだね。これから交流していくにあたって、秘密は無い方が良いよね。これ、かなり重要なことだし)」
「(そうですよね。では、主導権を戻すのはそのあとですね)」

相談を終え、ハヤテ(白桜)はルカのマンションへ引き返した。


                    × ×


「(あれ?応答がありませんよ)」
「(もう出かけちゃったのかな?)」

オートロックの前でルカの部屋番号を押しても応答はなく、首を傾げた。

「(仕方ない。事情が事情だから、入らせてもらおう)」

すると、ハヤテ(白桜)はオートロックの機械のところについた鍵の部分を少しいじり、扉を開けた。

「(真似は禁止、ですね)」
「(犯罪だからね)」

本当なので、真似しないでね。

ハヤテ(白桜)は急ぎ足でルカの部屋の前についた。
すると

「!!!!ルカさん!!!」

ルカが扉のところで倒れていた。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月30日更新) ( No.84 )
日時: 2014/12/30 16:26
名前: masa

こんにちはmasaです。

今年最後の更新です。

本編どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテ(白桜)は自身達の秘密を明かそうとしたが、ルカが倒れているところを発見してしまった。


ハヤテ(白桜)は直ぐに救急車を呼び、悪いとは思いつつルカの携帯でマネージャーの集さんに連絡し、病院で診て貰う事になった。

そして診断が終わり、

「過労ですね」

ルカを診断してくれた先生がハヤテ(白桜)と集さんを診察室に呼び、病状を伝えた。

「一応点滴打っておいたので、目が覚め次第帰宅してもいいですよ」
「「ありがとうございました」」

先生にお礼を言い、2人で診察室を出て、ルカの病室に向かった。

「ありがとうね。貴方のおかげで騒ぎにならないですんだわ」
「いえいえ。僕は当然のことをしたまでで」

病室につき、ルカの寝顔を見て

「体力のある子だから、油断してたわ」

心配そうな集さんに

「やっぱり、ルカさんの仕事ってハードなんですか?」
「トップアイドルだからね。馬鹿な昔ほどじゃないけど、ハードなのは確かよ」

ある有名歌手は、本番の少し前に「振付と歌を教えるから覚えて」と言われ、大急ぎで覚えたという逸話があるそうです。

「まあでも、流石に倒れるようにはなんて無かったはずだけど、どうして?」

集さんは首を傾げていたが、

「(マスター、これはやはり、漫画のせいでしょうね)」
「(きっとね。ルカさんは、自分の体のこととか顧みないみたいだから)」

ハヤテ達は見抜いていた。

「こうなった以上、1人暮らしは駄目ね。お金はかかるけど、一緒に住んで体調管理出来る人をつけないと」

集さんがこう言った直ぐ後に

「だったら、お願いしたい人が」

声が聞こえ、ハヤテ(白桜)は直ぐに

「ルカさん、気が付きましたか」

声を掛けながらルカに駆け寄った。

「もう大丈夫だよ。ヘヘヘ、また助けて貰っちゃったね」

ルカは可能な限り明るく答えていた。

「で、体調管理をお願いしたい人って誰なの?」

聞かれたルカは上半身を起こし、

「この子です」

ハヤテ(白桜)を指さしながら答えた。

「この子なら親戚ですし、気兼ねしなくて済みそうですから」

そう言ってきたルカにハヤテ(白桜)は

「僕は構いませんが、大丈夫なんですか?」

そう囁いた。

「大丈夫だよ。もし、漫画が原因で倒れて、誰とも知らない人をつけられたら、もう二度と書かせてもらえなくなるから」

ハヤテ(白桜)は納得できた。

「迷惑になっちゃうけど、話を合わせて。今は、こんな所で足踏みしている訳にはいかないの」

ルカは必死な顔で

「頼めるのは貴方だけなの。お願い、助けて」

そう言われ、

「(マスター、ここはやはり)」
「(僕たちの力が必要みたいだね。だったら)」

相談を終えると

「分かりました。僕に任せてください」

集さんに向けてそう言った。

「僕が二度と、彼女が倒れないようにしっかりと体調管理をします」
「ありがと」

話を合わせてくれたことに感謝を述べていた。
一方の集さんは、暫く沈黙を守り

「大丈夫なの?形だけの管理なんて、逆に迷惑よ」
「え、えっと」

ルカが返答出来ず困っていると

「だったら、試してみますか?」
「「え!?」」
「少しの間、試用期間みたいのを設けてみてはどうです?上手く行けば僕は継続。駄目だったら・・・」

ハヤテ(白桜)の挑発的な態度に

「ご大層な自信ね」
「以前僕は執事の格好をしてましたよね?あれが唯のコスプレじゃないってことを見せてあげますよ」

呆れすら感じる自信に集さんは

「(この圧倒的な自信。余程の事じゃないと出ないわよね)」

まあ、10年以上の実績がありますから。

「(まあいいわ。この子に任せてみて上手く行きさえすれば経費は掛からないしね)」

そういう考えに行き付き

「分かったわ。お願いするわね」

同調されたことでルカは

「ありがとね。そして、お願いね」
「はい、お任せください」

ハヤテ必殺のキラースマイルをルカに向けた。

こうして、ハヤテに大人気アイドルの体調管理と、アテネを始めとするお嬢様方の執事業という激務が始まった。

「(マスター、大丈夫ですか?)」
「(何とかなるよ)」

白桜は主のハヤテが心配だったが、ハヤテの言葉を信じるしかなかった。


                    × ×


時間を少し戻し、ナギ達。

「そう言えばさ、今から頑張れば、オフセ本が出せるんじゃないか?」
「え!?いきなりオフセ本出すのか?」

2人の話に麗は

「オフセ本って、オフセット印刷っていう印刷所に頼んで作ってもらうあれ?」
「そうだよ。まあ、解説は作者がするさ」

了解。 オフセ本は、皆さんがよく見る薄い本のことです。自分たちで作るコピー本より綺麗に仕上がりますが、当然お金もかかります。さらには締め切りも守らないといけないので、大変なのだ。

「成程ね。で、ナギちゃんは何部刷るの?」
「とりあえず、50部くらいだよ。それの完売を目指すよ」

ナギの言葉に麗は

「大丈夫なの?確か、同人誌で50部って結構大変って聞いたけど」
「フッ。難しいからこそ、挑戦する価値が生まれるのだ」

ナギは自分のこの言葉に

「待てよ。挑戦するのに50なんて中途半端すぎだな」

そう呟き

「よしっ。思い切って1000部刷ろう」
「「な!?」」

突然そんな事言い出したナギに千桜も麗も驚き

「な、何言ってるんだ!!!そんなの売れるわけないだろうが!!!」
「そうよ。50部でさえ大変なのに」

焦る2人にナギは

「何を言う。そんなの逃げに過ぎない。1000部完売が難しいなら、1000部売れる漫画を描けばいい。ただそれだけだ」

ハヤテが激務が始まった一方で、ナギは不可能な挑戦を始めた。

「大丈夫なの?」
「ほっとけ。ああいうのは痛い目に合わないと駄目なんだよ」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では、また来年。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月30日更新) ( No.85 )
日時: 2014/12/31 22:24
名前: ささ

ほんと、ハヤテ大丈夫なの?あ、ささです。2014年最後のコメントです。

ハヤテ、ますます正体明かせないじゃん(メイド長、どうする?)
いっそのこと天王州家にルカを引き入れちゃえ。
アテネ、落ち着いて。作者さん困っちゃうよ。
ナギもナギだし
漫画家に見せて落ち込んだくせにオフセ本1000冊作るとか無謀だろ?
売れ残りは持って帰るのでしょ?
なんかマリアさんにネタを提供しているようにしか見えない。

ナギも落ち着いて。
こうやって地雷を踏むときに思うのは、「時を止める魔法がほしい」(あ、絶対中二病だと思ったでしょ。逃げる時間がほしいだけだよ、どっかの変態と一緒にしない!)
これで、退散する。masaさん今年一年ありがとうございました。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (12月30日更新) ( No.86 )
日時: 2015/01/03 14:59
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。


 ●さささん

 >>ほんと、ハヤテ大丈夫なの?あ、ささです。2014年最後のコメントです。

 ハヤテ「まあ、なんとかなりますよ。たぶん。 あ、感想ありがとうございます」

 >>ハヤテ、ますます正体明かせないじゃん(メイド長、どうする?)

 メイド長「まあ、その辺はハヤテ坊ちゃんに任せますよ」
 ハヤテ「まあ、そのうち何とかなりますよ」

 >>いっそのこと天王州家にルカを引き入れちゃえ。

 まあ、これについてはノーコメントで。

 >>アテネ、落ち着いて。作者さん困っちゃうよ。

 アテネ「フッ。作者の予定がどうなろうと」
 ハヤテ「止めてね」

 >>ナギもナギだし

 ナギ「何がだよ」

 >>漫画家に見せて落ち込んだくせにオフセ本1000冊作るとか無謀だろ?

 ナギ「フッ。挑戦は無謀であればあるほど意味が出てくるのさ」

 >>売れ残りは持って帰るのでしょ?

 ナギ「売れるさ。だから、持って帰る必要は無い」
 千桜「その自信は何処から出てるんだよ」

 >>なんかマリアさんにネタを提供しているようにしか見えない。

 マリア「そうですね〜♪1部たりとも売れなければ面白いですね〜♪ああ♪」
 ナギ「・・・」

 >>ナギも落ち着いて。

 ナギ「安心しろ。落ち着いてるから」

 >>こうやって地雷を踏むときに思うのは、「時を止める魔法がほしい」(あ、絶対中二病だと思ったでしょ。逃げる時間がほしいだけだよ、どっかの変態と一緒にしない!)

 虎鉄「誰の事だ?」
 泉「虎鉄君だよ。妹の私ですら引くのに」

 >>これで、退散する。masaさん今年一年ありがとうございました。

 ナギ「逃げるな!!!!!!」←悠太に抑えられてる。

 感想ありがとうございます。とても励みになってます。
 では。

 
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (1月30日更新) ( No.87 )
日時: 2015/01/30 17:22
名前: masa

こんにちはmasaです。

書きたい短編を終えたので、連載再開です。

では本編どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテはルカの体調管理を任され、ナギは同人誌1000部完売と言う無謀な賭けに挑戦することになった。


さて、ハヤテが支える事となったルカの普段の食生活を触れておこう。

まずは朝食だが

「よしっ、じゃあ行くか」

10秒ほどで終れる栄養補助のゼリー飲料で済ませてしまう。
基本的にルカの朝食はこれだ。


次に昼食。

手早く済ませられるように有名ファストフードでテイクアウトしてきたもので終らすことが多いが、

「撮影準備が出来たので、よろしくお願いしまーす」
「はーい、ただいま」

食事が中断させられることも多々あるが、ルカはプロだ。つまり、笑顔で現場に赴き、不満等を一切悟られないようにする。

「申し訳ないね。機材の調子がね」
「いえいえ。大変なのに、呼んでもらえて光栄ですよ」


そして夕食。

芸能人である以上夕食会や飲み会に誘われることもあり、当然参加する。
だが、ここで進められたとき以外は手を付けない。沢山食べるのは三流だからだ(恐らく)。

「ルカちゃん食べてる?」
「はい、勿論」

当然というか、手を付けたふりだ。

「今日はお招きいただきありがとうございます」

軽く挨拶すると

「あ、飲み物空いてますね。取ってきます」
「そうかい?すまないね」

スタッフの人は、持って来て貰った飲み物受け取ると

「そう言えば、家の娘がファンなんだ。悪いんだけど、サインお願いできる?」
「わー、光栄です。喜んで書かせてもらいます」

ルカは色紙を受けよると、手早くサインした。

そして

「じゃあ、ルカちゃんに歌ってもらおうかな」
「了解しましたー。マイクかもーん」

ルカからすれば、こういう場は次の仕事へ繋げる大事な場だ。自らを売り込みために食事は食べているふりのみだ。

よって、本当の夕食は安いコンビニ弁当かスーパーの弁当で済ませてしまう。

群雄割拠のアイドルの世界は毎日が闘いである。つまりだ、健康や栄養に気にかけている暇ないのだ。

そんなアンバランスな生活を続けていれば当然身も心も擦り減ってしまう。


こんな感じだ。


                   × ×


では、ハヤテ就任後を見てみよう。

「出来ましたよ。オムレツサンドに温野菜のスープ。それに自家製のピクルスです」

食卓に並べられた食事にルカは

「こ、これ全部あなたが作ったの?」
「ええ、勿論」

驚くルカにハヤテ(白桜)は

「低カロリーで栄養満点。勿論味は保証いたします」
「そ、そう?じゃあいただきます」

ルカは温野菜のスープを1口飲み、

「にゃあああ」
「え!?どうしました?」

口に合わなかったのではないかとハヤテ(白桜)は焦ったが

「あまりの美味しさに前世に戻りかけたわ。ちなみに、私の前世はドリキャスだったわ」
「ず、随分最近ですね」

ボケに突っ込みつつ、安心していた。

「でも、こんなに美味しい料理作れるなんて流石メイドさんだね」

メイドさんと言う言葉に複雑な感情を抱きつつ

「大した事はありませんよ」

こう答えてきたハヤテ(白桜)にルカは

「で、でもさ、本当にご飯作ってもらう必要は。あの場で誤魔化せれればよかったんだけだったのに」

不安そうなルカにハヤテ(白桜)は

「ルカさんの体調が心配ですから、お気遣いなく」
「あ、ありがと//////////////////////////」

ハヤテ必殺のキラースマイルにルカは赤面し

「(わ、私ったら何照れてるんだろう。確かに前、「男の子だったら良かったのに」って言ったけど、あれは冗談なのに。そ、それにあの子は女の子だよ)」

複雑な感情に襲われていた。


食事も終わり

「ご馳走様。本当に美味しかったよ」
「お気に召したようで、光栄です」

笑顔のルカにハヤテ(白桜)は

「お昼はお弁当を作っておいたので、よかったらどうぞ」
「え!?お弁当まで? 本当にありがと」
「夕飯は、後でマンションの宅配ボックスに入れておきますね」

こう言い、付け加える様に

「ああ。明日からは早朝毎日宅配ボックスに朝食とか入れておくので、チンしてください」

至れり尽くせりにルカは

「え!?そこまで?」

凄く驚いていた。

「では、僕はこれで」
「あ、ま、待って」

帰ろうとしたハヤテ(白桜)を呼び止め

「今すぐ着替えるから、一緒に出よ」

目の前で服を脱いで着替え始めたので、

「ぼ、僕、玄関のところで待ってます」
「え!?あ、うん」

大慌てで部屋を出た。


                   × ×


「なあ綾崎君、ルカはどうだ?」

夜、千桜が部屋に来て聞いてきた。

「伸ばし方さえ間違わなければ、ルカさんは大成すると思いますよ」
「そうか」

千桜は少し間を開け

「まあ、君が何をしようとしているかは分からんが、頑張れよ。支える側が支えられる側にならないようにな」
「勿論ですよ」

しかし、千桜はハヤテの部屋を出た後

「(わ、私はおかしいのか?綾崎君が倒れれば、私が看病して、それがきっかけで・・・なんて考えたんだ!?しっかりしろよ、私)」

こんなことを思ったそうだ。


                    × ×


ハヤテの激務はと言うと、

まず朝は

「これで良し。ルカさんのお弁当を冷ましている間に、アーたんたちの朝食を作っちゃおう」

今まで通り、アテネ達の朝食は勿論、ルカの朝食と昼食作りをしていた。

「ルカさんには冷めても美味しいもので、皆さんには温かくて美味しいものだな」

食事作りを終えると、ハヤテは屋敷を飛び出し

「(これで良し)」

ルカと朝食アンド昼食の弁当を宅配ボックスに入れ、ルカの携帯に

「宅配ボックスの12番に入れておいたので、後でちゃんと食べてくださいね」

と、メールしておいた。

そして屋敷に戻り

「ハヤテの朝食は相変わらず美味しいですわね」

アテネに甘えられつつ、天王州家の住人の朝食を済ませ

「ハヤテ〜♪」

いつも通り、登校し、休み時間に

「ルカさん、朝食はどうでした?」
『美味しかったよ♪お昼も楽しみ♪』

ルカの体調管理も忘れず


「ハヤテ様〜♪」
「ハヤテから離れなさい!!!」
「そうだ!!」

相変わらずの綾子たちとの絡みをし、

「全くあの女は!!!」
「うらやm・・・けしからん!!!」

不機嫌になったアテネ達と帰宅し、帰宅後は

「(ルカさんは野菜不足みたいだし、多めに入れてっと)」

ルカの夕食を作り、夜中には

「ハヤ兄、何作ってるんや?」
「明日の朝食の下準備ですよ」
「そうなんか」

翌朝の準備をしていた。

「あ、つまみ食いは駄目ですよ」
「な、何言ってるんや?」

実際日向はつまみ食いしようとしていた。

「太っちゃいますよ」
「なら止めとくわ」

そして深夜には

「ハヤテさん、勉強はもうやめて寝ましょうよ」
「そうですね」

勉強後、天王州家の誰か(今日はソニア)と一緒に寝て、僅か2時間ほどの就寝後

「さて、今日も仕事がんばろ」

朝の修業後、いつも通り住人+ルカの食事の支度をするのである。


こんな風な激務である。


激務が続いたある日。

「(いつも通り、宅配ボックスに食事を入れてっと)」

いつも通り、ルカに朝食と昼食を届けたある日

「え!?」


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (2月3日更新) ( No.88 )
日時: 2015/02/03 17:50
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテが激務を続けていたある日、いつも通りルカに食事を届けたある日にルカはあるものを見た。


ルカが何かを目撃する前日。

「(は〜。ご飯ってこんなにも美味しい物だったのね)」

ルカは自身の控室でハヤテが作ってくれた弁当を食べながら、しみじみとそう思っていた。

「(でも、こんなに美味しいご飯貰ってばかりじゃ悪いな)」

そう思い、

「(ヨシッ、明日の朝待ち伏せして、直接お礼を言おう)」

そう決意した。

そして翌朝に、宅配ボックスに食事を入れているハヤテを見て

「(なんで、また執事服なの!?それに、雰囲気が違う!?)」

疑問に思っている間に、ハヤテは帰って行ってしまった。

捕捉すると、ハヤテはルカと会う際、主導権を交代し、女装していました。


                   × ×


そしてその日の昼。

「やれやれ。ハヤテ坊ちゃん達が居ないと、この屋敷は静かですね」

メイド長は庭掃除をしながらそう呟いていた。

「ソニアもハヤテ坊ちゃんが学校に行ってると、大人しいですし、ホント、平和ですね」

ハヤテがいれば、なんだかんだで色々ともめるので、いないと静かになるのである。
すると、来客を知らせるチャイムが鳴り、メイド長は急いで門へ向かった。

「あら?あなたは確か」

門に着くと、来客の顔を見てメイド長は見覚えがあり

「私、水蓮寺と言います。初めまして」
「ああ、ハイハイ。千桜様のご友人でしたね」
「あ、はい。何時も世話になってます」

お互いに軽くお辞儀すると

「それで、何のご用でしょうか?千桜様なら、学校ですが」
「あ、いえ。今日は千桜じゃなくて、ハヤテさんに用があって」

メイド長は事情を知っているので、

「(やれやれ。また厄介事ですか)」

と、心の中で呆れていた(顔には出していない)。

「それで、そのハヤテさんと何かあったんですか?」
「あ、いや。そんな特別ご報告するようなことは特に。でも」

ルカは少し悩み

「ハヤテさんには沢山世話になってて、こんな事言うのは失礼と言うか無遠慮と言うか、デリカシーが無いというか」

またルカは少し間を開け

「で、でも。もしかしたら」
「??? なんですか?」

首を傾げるメイド長にルカは

「ハヤテさんって日常的に男装の趣味があるんじゃないかって」
「え!?」
「し、しかも、男装するときは超本格的にやるんじゃないかと」

ルカの独創的すぎる推理にメイド長は

「へ!?」

間の抜けた声を出してしまった。

「あ、分かります。私が変な事を言ってるって。で、でもあんなに美人な人が、男の子なわけないですよね」

ルカは慌てつつも自身の推理を続けた。

「今朝、ハヤテさんが執事服を着てて。それ自体に驚きは少なかったんですが、なんかこう、雰囲気が大分違ってて。間違いなくハヤテさんなのに」

ルカはここまで一気にいうと、呼吸を整え

「だ、だから。男装するときには雰囲気さえも変える超本格派なんじゃないかと」

自信の推理を披露し終え、ルカが反応を窺っている時、メイド長は

「(成程。普段は女装かつ体付きを変えている状態で会ていて、ハヤテ坊ちゃんは会う事を想定してなかったから、普段のままで見られたと。だから、「超本格的に男装する」と言う飛躍した発想に至ったと)」

ルカの推理をこう分析し

「(この方、天然なんですかね?あの状態のハヤテ坊ちゃんは周囲が羨むイケメンなのに)」

多くの女性人を魅了しているかっこよさなのに、「本当は男!?」と言う推理ではなく、「超本格的に男装する」と言う推理に行き付いていたため、そう思ってしまった。

「や、やっぱり私、変な事言ってますよね」

何も言ってこないメイド長にルカはおどおどしていた。

「(ここで真実をお伝えするのは簡単ですが、こういう問題はハヤテ坊ちゃん自身が解決しないと駄目ですよね)」

そう思うと、

「そんなにご自身の推理が不安なら、ご自身で確かめた方が良いですよ」
「た、確かめるって、どうやって?」

不安そうなルカにメイド長は

「では、暫くお待ちください」
「へ!?あ、はい」

メイド長はルカを門の前に待たし、屋敷に戻って行った。
その道すがら

「(水蓮寺様は、天然で素直なんでしょうね。アテネお嬢様を始め、多くの女性人を魅了している普段の状態のハヤテ坊ちゃんを見ても、飛躍した発想に至っても、疑わないんですから)」

ルカが待っていると、数分後にメイド長が戻ってきて

「どうぞ。これで、確かめて来てください」

そういうと、ルカに白皇の制服と通行許可証を差し出した。

「こ、これは」
「これがあれば、白皇に入れます。そうすれば、学校に居るハヤテさんに確かめる事が出来ますよ」


                    × ×


ルカは制服に着替え(流石に道端では着替えられないので、屋敷内の一室を借りて着替えました)、白皇にやって来た。

「ここが白皇学院か」

門をくぐり、周囲を見渡した後、制服を着ている自分を見て

「私が、高校生か」

感傷に浸っていると、野球のボールが転がって来た。

「すいませーん。ボール取ってくださーい」
「ハーイ♪」

ルカはいつも通り営業スマイルを向けると、練習中の野球部員に向けてボールを投げ

「じゃあこれで」

そういうと、去って行った。

「あ、あんな可愛い子居たっけ?」
「うんにゃ。初めて見たよ」

一方のルカは敷地内の庭を歩き

「(あんまり歩き回ると、ファンの人に会って大変かも)」

そう考えていると、ある事を思い出した。

「(そう言えば、千桜は生徒会の役員だっけ)」

そう思うと、教えて貰っていた生徒会室に行くことにした。


                     × ×


一方その頃、ハヤテは

「で、逃げて来たってわけね」

アテネ達から逃げ、生徒会室に来てヒナギクに事情を説明していた。

因みに、アテネが異様に甘え、綾子はいつも通りハヤテにかなり迫り、ナギと麗が嫉妬で殺気を向けるなど、まあいつも通りになってしまい、今日に限っては結構な口喧嘩になり、隙を見て逃走したわけだ。

「ここに居れば、暫くは見つからないだろうし、居てもいいわよ」
「すみません」

ヒナギクはハヤテが自分を頼ってくれた事に喜びを感じていたが、表面上は平静を装っていた。

「ああ、そうだ。折角だから仮眠室で休んで来たら?」
「え!?あ、いや。そんなのいいですよ」
「駄目よ。ハヤテ君は普段から忙しいんだし、休めるときに休みなさい」

ハヤテは反論しようとしたが

「(マスター。ここはお言葉に甘えておくべきです)」
「(で、でも)」
「(マスターは、最近水蓮寺さんの体調管理と言う激務までしているんですから、お言葉に甘えて休んでください)」

白桜にこう言われ

「じゃあ、折角ですから仮眠室をお借りしますね」
「そうしなさい」

ハヤテを見送った後ヒナギクは

「(あ、後でハヤテ君の寝顔見ちゃおうかしら)」

そう思ったが

「(で、でも。いや、罰は当たらなそうだし、良いわよね)」

そう思い直したそうだ。


一方、ハヤテは生徒会室を出ると、仮眠室への道すがら、時計塔の案内板が目に入り

「へえ。ここには大浴場なんてあるんだ」

生徒会室にのある時計塔には殆ど来ないので、知らなかったようだ。

「折角だし、入っていくかな」

そう思うと、進路を変えた。


一方。

「ここが時計塔か」

丁度その頃、ルカが時計塔の真下に到着した。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (2月6日更新) ( No.89 )
日時: 2015/02/06 17:32
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ルカは真相を確かめるために白皇へ潜入し、ハヤテはヒナギクの勧めで休むことにした。


ハヤテは時計塔内の大浴場へとやって来た。

「これは、凄いな」

大浴場は時計塔の中にあるとは思えないほど広く、ハヤテが普段入浴している天王州家の浴室ぐらいあった。

「ヒナギクさんに休めって言われたし、お言葉に甘えるか。っとその前に」

ハヤテは浴室から脱衣所を隅々まで見て回り

「誰もいないっと。僕の事だから、誰かが入ってて鉢合わせって事も考えたけど、大丈夫だったか」

そう言うと、ハヤテは安心して服を脱ぎ、お風呂に入る事にした。


                   × ×


一方その頃、時計塔にある一室。

「そろそろ、下書初めの時期だな」

美希が突然友人2人にそんな事を言った。

「何、それ」
「なんだか知らんが、ワクワクするフレーズだなそれ」

泉は首を傾げるだけだったが、理沙は目を輝かせていた。

「だろ?ワクワクするだろう?」

美希は無い胸を張りながら誇らしげだった。

「で、下書初めって何なんだ?」
「気になる〜」

急かす2人に美希は

「知らないか。なら教えてやる」

美希は敢えて間を置き

「年の初めに書初めってやるだろ?1年の目標を書くあれ」
「ああ」
「やるね」

「年の初めと言うのは色々と舞い上がったり、何だかんだで新鮮な気持ちだったりで、叶わないであろう目標を書いてしまう。そこでだ、1年も半分になろうとしているこの時期に目標の再設定をしよう。それこそ無理のない設定をな」

美希の説明に理沙は

「つまりだ、目標の下方修正か」

っと、ノリノリだったが、泉は呆れ気味だった。

「準備も出来たことだし、早速始めよう」

そう宣言したが、直ぐにでも

「だが、墨で制服を汚さないようにな。注意しろよー」

そう言い、習字を始めた。
まあ、お分かりだと思うが、美希と理沙は態と泉に墨が飛ぶように筆を走らせた。

「よし、完成だ」
「どうした泉。真黒だぞ」
「もー。2人のせいでしょー」

一応補足すると、美希も理沙も「忘れ物を減らす方向に努力するように努力する」と書いていた。

「そんな真黒じゃ午後の授業受けられないだろ?着替えて来いよ」
「新しい制服用意しておいたし、風呂で墨を落としてこい」
「言われなくてもするもん」

そう言うと、泉は直ぐに新しい制服を持って部屋を出た。

「全く。あの2人悪戯ばっかりして」

愚痴りながら廊下を走っていると、

「あ、危ない」
「え!?」

急いでいたため、廊下の角から出てきた誰かとぶつかってしまった。

「ご、ごめんなさい。大丈夫?」
「あ、うん。私は平気」

泉はぶつかってしまった相手を見ると

「ごめんね。制服汚しちゃって」

泉の制服には美希と理沙がつけた墨がまだたっぷりついていたため、相手にも移ってしまっていた。

「貴方の分の制服も用意するから、一緒にお風呂にいこ」
「え!?あ、うん」


                    × ×


一方その頃、ハヤテは。

「ふう。1人で風呂なんて久しぶりだな」

のんびり寛いでいた。

「ってあんまりゆっくりしてられないよな。僕が風呂に入っていると、決まって誰か、まあ女の子だけど。が、入ってくるんだよな。早く上がらないと」

そう思い、風呂から上がろうとしたその瞬間、

「あれ?ハヤテさん?」

声が聞こえ、振り返ると、ルカが居た。
当然?風呂場なので、バスタオル1枚だけだ。

「ル、ルカさん」

そう。泉がぶつかってしまい、服を汚してしまったのはルカだった。

「な、なんでルカさんがここにー」
「な、何でそんなに後ずさるの?」

ハヤテは慌てて水深が深い所へ移動していた。

「(マスター、不味くないですか?この状況)」
「(あ、当たり前じゃん。幸いお湯が乳白色だから、体付きでばれるとかないけど、誤魔化すのは至難だよ)」

ハヤテが白桜と相談している間、ルカは立ったままだった。

「(ってか、早くお湯につかってほしいよ。マナー云々は置いておいて)」
「(ですね。女の子が男のマスターの前であられもない姿を晒すのはよくないですね)」

こんな風に話し合っていると

「こんな所で会うなんて奇遇だね」

ルカが笑顔全開で近付いてきた。

「(ま、不味いですね。本格的に不味いですね)」
「(ど、どうしよう)」
「(水蓮寺さんはマスターを女性だと思ってますからね)」

焦るハヤテに白桜は

「(いっそのこと、この場でばらしちゃえば)」
「(そ、それは不味い気が)」
「(まあ、そうですね。でしたら、主導権を交代しましょう)」

一見名案に思えたが

「(駄目だ。変わるときに光を発するでしょ?それを不審がられて言及されたら誤魔化せないよ)」
「(そ、そうですね)」

あれこれ相談していると

「わー。ハヤテさんの肌綺麗」
「ひゃあ」

ルカがハヤテの背中を撫でながらそう言った。

「私もアイドルって職業柄気を付けてるけど、ハヤテさんは凄いね。それに、なんだか引き締まって見えるし」

そう言いながら、ルカはバスタオルを外した。
ハヤテからすれば、そのままで居て欲しかったが、当然届かぬ願いだった。

ハヤテが必至であれこれ策を練っているのを尻目にルカはハヤテに密着し

「女同士でも、恥ずかしさは出るね。でも、いいお湯だねー」

背中越しでも十分に感じるルカの体温や気配にハヤテは

「(も、もうこうなったら全部を打ち明けるしかないよ)」
「(そうですね。下手な誤魔化しはもう不可能ですよ)」

そう相談し、

「あ、あのルカさん」
「な、何!?」
「大事な話が」

そう言って思い切って振り返ったその瞬間、

「ハ、ハヤテ君!?なんでここに///////////////////////////////////////」

泉が居てややこしくなりそうと思う間もなく

「ラ、ラッキーだよね?混浴は////////////////////////////////////////」

現状には十分過ぎる位の破壊力を持った爆弾を投下してくれた。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (2月9日更新) ( No.90 )
日時: 2015/02/09 15:16
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテは1人で入浴中ルカが入ってきてしまい、話をしようとした矢先に泉まで入ってきてしまった。


時間を少し飛ばし、時計塔内の医務室。

「本当にすみませんでした。偶然とはいえ瀬川さんの」
「良いって。私は気にしてないよ」

ハヤテは只管に謝っていたが、泉は裸を見られたことは気にしていないようだった。

「む、寧ろ混浴できなくて残念だったけど」
「へ!?何かおっしゃいました?」
「は、はわ///////////////////何でもないよ///////////////////////////」

自分の大胆発言がハヤテに聞こえてなくて、安心したような残念なような気持ちになり

「と、ともかく。この一件は不問。ね」

ハヤテは泉の優しさ(実際は違うが)に感動し、この話題を出すのは止める事にした。

「それより、何であの子と一緒にお風呂入ってたの?」

ハヤテは悩んだが、全ての事情を話すことにした。

「そうだったんだ。事情があったとはいえ、ハヤテ君をずっと女の子だと思ってたんだね。ショックで倒れちゃうのも仕方ないよね」

泉はそんな感想を漏らした後

「(ってことは、ライバルになる可能性は低そうだね)」

そう思ったそうだ。

因みに、ルカの服は泉が着せました。


                   × ×


気絶したルカは夢を見ていた。

「う、嘘よねハヤテさん」
「ご安心を。貴方が見た光景は全て夢ですよ」

目の前のハヤテはこう言い、

「そっか、夢だよね。全部」


                   × ×


「ん!?」
「あ、気が付いた?」

目を覚ましたルカは上半身を起こし

「ここは?」
「医務室だよ。ルカちゃん、お風呂で気を失っちゃったんだよ」

泉の説明にルカは

「そっかお風呂で」

自分がここにいる理由を理解し

「(やっぱり、さっきのは全部夢だったんだ。疲れを溜めこんで、お風呂で気絶するなんてプロ失格だな)」

そう反省し

「ありがと。服着せてくれたの貴方?」
「うんそうだよ♪」
「本当にありがと。もう大丈夫だよ」

ルカは泉に笑顔を向け

「そう言えば、ハヤテさんは」

そう聞くと、直ぐにハヤテが来て

「あ、あの」
「ねえ、さっきお風呂で言いかけた、「大事な話」って何?」

首を傾げるルカにハヤテは

「(どうしよう。このまま誤魔化すのは正直簡単だ。でも、これ以上騙し続けるのは)」

悩んでいる所に

「(マスター。もう全部話しましょ。いい機会です)」

白桜に後押しされ

「ルカさん、実は」

そう前置きし、語り始めた。実は男である事、今までルカが見てきたのは不思議な力で変わっていた姿だった事。

そこまで言った時、ルカは

「そうだったんだ」

更なる事情を説明しようと、顔を上げると

にーっ

「あ、あのルカさん!?」

ハヤテが声を掛けるとルカはベッドから飛び退き

にーっ

ハヤテの目には頭は猫耳が生えたルカで、首から下はピンクの体毛の猫に見えた。
そして、威嚇しているように見えた。

にーっ、ふしゅー。

少しの間奇妙な睨み合いをしていると、ルカの携帯が鳴り、

「はいもしもし、ルカです。あ、お仕事ですね」

少し応対の後

「分かりました。18時に新宿のBスタですね。よろしくお願いします」

そう言うと、電話を切った。
因みに、電話の間もネコルカに見えていた。

「じゃあ私、お仕事だから」
「あ、お送りしますよ」
「いい。気にしないで」

そう言うと、ルカは医務室を出て行った。

暫く茫然としていたが、

「(って、こんな事している場合じゃない)」

ハヤテは慌ててルカの後を追い医務室を出た。

が、

「おいおい。そんなに慌てて私の胸に飛び込まなくても逃げやしないさ」

虎鉄が抱きしめてきたので、

ドカドゴバキッ、ズバズバッ

「この屑が。邪魔すんじゃねえ」

因みに、何かを斬った音がしたのも、ハヤテが持っている白桜に赤い液体が付いているのも気のせいです。
もう一度言います、気のせいです。


                   × ×


ハヤテはルカを追いかけて庭に出たが

「あのゴミ屑の邪魔のせいで見失った」

辺りを見渡したが、ルカはいなかった。

「(仕方ない。こうなったらマンションに行くか、さっき言ってた新宿のBスタに行くしかない)」

こう思い、向かおうとしたが、

「(大丈夫ですか?そんな行動して。また天王州さんに甘えられるんじゃ)」

白桜の指摘は尤もだったが

「(今はそんな事気にしてる場合じゃないよ。そうなったら、甘んじて受けるしかない)」
「(まあ、マスターがそうおっしゃるなら、私は止めませんが)」

話しを終え、ハヤテは駆け出した。


                    × ×


一歩その頃、ルカは。

「(そっか、ハヤテさんはハヤテ君だったんだ)」

そう思うと、自分がしてきた言動の数々を思い出し

「(恥ずかしい。もう会えないよ)」

そう思うと、益々顔を赤くした。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください
Re: 女神と共に第三部 (2月12日更新) ( No.91 )
日時: 2015/02/12 14:27
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテは半分事故だったとは言え、ルカに男だとばれてしまった。


「現在、おかけになった電話は電源が入っていないか、電波の届かないところに」

電話口からこう聞こえ、ハヤテは電話を切り

「(やっぱり、電話に出てくれないか)」

電話を仕舞うと、少し考え

「(やっぱり怒ってるよね)」
「(事情があったとはいえ、騙してた訳ですからね)」

白桜の言葉に、ハヤテはまた少し考え、

「(やっぱり、何とかしないと。そして、謝らないと)」


                   × ×


一方その頃、ルカは。

「それでは、今日は新商品の応援ゲストに素敵な方をお呼びしました。大人気アイドルの水蓮寺ルカさんです」
「どうもー、水蓮寺ルカでーす」

あるイベントに参加していた。

当然?ルカが舞台に上がったことで、会場は一気に盛り上がった。

「水蓮寺さんは今回、この商品のイメージキャラとして」

司会の人の言葉は今のルカの耳には届いてなかった。
勿論、ハヤテの事を考えていた為だった。

「(ハヤテさんは、本当は男の子)」

ルカは今までハヤテと接してきたこ事を思い返し

「(正直、恥ずかしさはある。でも、でも、そんな事はどうでもいい)」

以前ハヤテに言った冗談交じりとはいえ、告白とも取れる言葉を思い出し

「(ハヤテ君だったって事は、変に悩む必要は無い?でも、分かんないよ)」

ルカが考え込んでいると

「あ、あの水蓮寺さん??」

司会の人に話し掛けられている事に気付き

「あ、ごめんなさい。試食した時の事を思い出したら、感傷に浸っちゃって」
「成程、それほど美味しかったと」

何とか誤魔化せた。


                    × ×


イベント終了後、楽屋で集さんに

「駄目じゃない、舞台の上でボーッとしちゃ」
「す、すみません。考え事しちゃってて」

怒られてしまい、ともかく謝っていた。

「まだ返さなきゃいけないご両親の借金があるんでしょ?」

こう指摘されたルカは強く反応した。

「気をつけなさい。このアイドル戦国時代、新しい子なんてすぐに出てきちゃうし、言い方は悪いかもしれないけど、掃いて捨てるほどアイドルが居るのよ。つまり、仕事なんて少しの油断で全部無くなっちゃうって事よ」

集さんの言葉にはとても重みがあり、確実にルカの心に刺さっていた。

「ともかく、気持ちを切り替えて、次の仕事ね。私は別の仕事でいけないから、1人で行ってね」

そう言うと、集さんは楽屋を出て行った。

「そう、だ。悩むなんて後ですればいい。私はプロだ」

そう自分に言い聞かせ

「辛い事や悲しいこと、ショックだったことなんて沢山あった。だから、心を閉じよう」

更にこう言い聞かせ、仕事に打ち込んだ。


                    × ×


この日の仕事が終わり、変装をして街を歩いていた。

すると

「あれ?水蓮寺ルカさん?」
「あっ、はい」

振り向くと、見るからにガラの悪い2人組が居た

「本物じゃん」
「うひょー。超可愛い」
「あ、ありがとうございます」

本来、返事をするべきでは無かったのだが、考え事をしていたため、返事をしてしまった。

「あ、私急いでるので」
「そんな事言わないで、俺たちと遊ぼうよ」

そう言うと、ガラの悪い2人組のうちの1人がルカの手をつかみ、引っ張ろうとしたので、

「ほ、本当に急いでるので」

そう言うと、手を振りほどいて、駆け出した。

走りながらルカは考え込んでいた。

「(私は、誰の力も頼らない。そう決めたじゃない。両親が借金を押し付けて消えたあの日から)」

そう、ルカは両親に1億5千万円ほど借金を押し付けられていた。

「(もう、泣くのは止めよう。誰かを信じるのは止めよう。そう思ったじゃないか)」

走りながらもそう思ったが、ハヤテと初めて会った時を思い出していた。つまり、あの時ハヤテにかけて貰った優しい言葉である。

「ハヤテ君」

立ち止まってハヤテの事をまた思い返していると

「え!?」

立ち止まった場所が運悪く道路のど真ん中で、速度が一切緩んでいないトラックが目前に迫っていた。

「(は、ハヤテ君)」

心の中でハヤテを呼ぶと

「ハヤテ君」

金色のオーラに包まれたハヤテに助けて貰えた。


場所は変わり、どこかのビルの屋上。

「すみませんルカさん。騙すつもりは無かったんです」

ハヤテはそう前置きし、

「あれは、色々と事情があったんです。だから、あんな変身みたいなことをしてたんですよ」

ルカの反応が無かったがハヤテは

「本当に、すみませんでした」

再度謝ると、ルカは少しの沈黙の末

「いいの。悪いのは私だから。だから、怒ってないよ」

ルカは振り返らずに、言葉を続けた。

「悪いのは私。色々と勘違いして、言い辛くしたんだから。だから、私もごめんね」
「そんな事ありません!!!悪いのは全部僕なんです。もっと早く打ち明けていれば」

そう言うと、突然ルカが振り返り

「うん、そうだね。私もそう思うよ」
「あ、はい」

急に全肯定され、ハヤテは驚きつつも同調した。

「私に非があるとすれば、全体の約1割なのですよ。だから裁判沙汰になれば私の勝ちなのですよ」

まあ、本当に裁判になれば、天王州家を敵に回すのも同じなので、勝訴は無理であるが。

「フンだ。もう9割悪い人となんか口を利かないもん」
「そ、そんな」
「いっぱい、は、裸とか見たの許してほしい?」
「も、勿論ですよ。その為なら何でもしますよ」

ハヤテの言葉にルカは暫く考え込み

「じゃあ、いつかでいいから、私のお願いを1つだけ聞いてくれる?」
「勿論」
「い、言っとくけどね、空気なんか読まないからね。理不尽極まりないお願いだからね!!!!」

そう言ってきたルカにハヤテは

「勿論、聞き入れますよ。僕が出来る事であれば、何でも」

必殺のキラースマイルを向けられ、ルカは少し赤面しつつ

「今度こそ、嘘つかない?」
「神に誓って、嘘つきません」

向けられるキラースマイルにルカは少し赤面したまま間を開け

「じゃあ、信じるね」
「ありがとうございます」

こうして、誤解は解け、和解が成立した。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回以降は新しいスレで更新します。

次回は未定です。

では。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください

Page: 1 |