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女神と共に第二部 (4月27日更新) 第三部へ
日時: 2013/12/03 16:07
名前: masa

こんにちはmasaです。

新スレ一発目の投稿です。

どうぞ。
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今回は第二部の初めと言う事で、この小説に登場するオリキャラ達のプロフィール紹介にします。





  天王州瑞希(てんのうす みずき)

性別 女
年齢 80歳
身長 160cm
体重 内緒
誕生日 9月3日
家族 孫娘・アテネ。それ以外は死別
好きな物・事 アテネ、ハヤテ、庭いじり
嫌いな物・事 自分の信念を貫けない人、他者を見下している人

 アテネの祖母。髪の毛は昔はアテネ同様金色だったが、今では殆ど白くなっており、僅かに昔の金色が残っている。瞳の色はアテネと同じ赤。
 ゆっくりめに話す(某戦場カメラマンより少し遅いぐらい)のが特徴で、声は聞いている者に癒しを与えるほど綺麗。
 足腰が少し弱っているため、杖をついて歩いているものの、強さはかなりのもの。アテネ曰く「厳しくも優しくもある人」との事。
 ハヤテを可愛がっており、自身の孫のアテネと変わりない愛情を注いでいる。
普段はアテネ達とは別の豪邸に住んでいるが、時々アテネやハヤテと電話で話している。










  真山悠太(まやま ゆうた)

性別 男
年齢 16歳
身長 180cm
体重 60kg(体脂肪は一桁)
誕生日 7月12日
家族 父、母、姉・美緒
好きな物・事 ナギ、ナポリタン、ハンバーグ
嫌いな物・事 不正義、コーヒー

 完璧という言葉を擬人化したように何でもできる人。ただし、強さはハヤテやアテネには遠く及ばない。
 真山物産と言う不動産で財を成したグループの跡取りであり、ナギの執事をしているのは勉強のため。
 顔も性格も良い。髪の毛と瞳は茶色。
 ナギの事が好きだが、「ナギが幸せならそれで幸せ」と考える事が出来、ハヤテに振り向いてもらおうと努力しているナギを応援している。










  神尾崎綾子(かみおさき あやこ)

性別 女
年齢 16歳
身長 175cm
体重 秘密
誕生日 8月15日
家族 父、母、祖父、祖母
好きな物・事 ハヤテ、勉強、家事
嫌いな物・事 アテネ、ハヤテを誘惑する人、ハヤテに好意を持つ人

 基本的に何でも人並み以上にでき、強さもアテネとほぼ互角。戦闘時には本気を出す際は二刀流で闘い、武器は四神剣の内の2本、青龍と朱雀で戦う。ちなみに、右手で青龍、左手で朱雀を持つ。
 神尾崎グループと言う天王州家、三千院家と互角の財力と権力を持つグループの跡取り娘。
 髪の毛は流水が髪の毛になったの比喩されるほど綺麗で、色は水色。瞳も水色である。ちなみに、スタイルもアテネと互角である。
 ハヤテの事が大好きで、抱きつくのは日常茶飯事。時々「ストーカーではないのか?」と思われるような行動もあるが、本人は否定している。
ハヤテに振り向いてもらいたいがために、最初は悪かった人付き合いが良くなり、周囲を驚かせた。この事で、神尾崎家の傘下の企業や神尾崎家の面々はハヤテを婿に迎え入れたいと本気で思っている。










  城山強(しろやま つよし)

性別 男
年齢 21歳
身長 170cm
体重 75kg
誕生日 12月3日
家族 父、母、妹
好きな物・事 綾子(恋愛的な意味では無い)、家族
嫌いな物・事 酒、タバコ、ギャンブル、アテネ

 綾子の専属執事兼ボディーガード。髪の毛の色は赤で、瞳は藍色。髪はショートカットにしている。ちなみに、結構イケメンである。
 普段は綾子の命令に忠実であるが、自身の判断で従わなかったり、綾子を抑止したりもする。
 強さはかなりの物ではあるが、悠太には及ばない程度。
 ハヤテには主人を変えてくれた恩義があり、本気で綾子の婿になってほしいと願っている。
 ちなみに、白皇OBで、頭が良い。










  崎山道子(さきやま みちこ)

性別 女
年齢 20歳
身長 170cm
体重 内緒
誕生日 12月31日
家族 母、兄
好きな物・事 綾子(当然主人としてという意味)、メイド服
嫌いな物・事 アテネ

 綾子の専属メイド。仕事はしっかりできるが、天然な部分も多々ある。勉強は苦手。
髪の毛、瞳共に紫。髪の毛は肩にかかるほどで、三つ網にしている。
 潮見高校のOGであり、補習組に常にリストアップされるほど、常に落第ギリギリであった。
 ハヤテには主人を変えてくれた恩義があり、ハヤテに直接「お嬢様と結婚してくれませんか?」と言っているらしい。










  時任麗(ときとう れい)

性別 女
年齢 16歳
身長 160cm
体重 内緒
誕生日 6月7日
家族 弟
好きな物・事 アテネ、ハヤテ、紅茶
嫌いな物・事 コーヒー、悪人

 アテネの幼馴染。海外生活が長く、日本で暮らしてた時期は短い。学生だが、時任グループという大企業の社長。両親と死別したため、後を継いだ形となっている。
 髪の色は黒で、腰に届く長さ。瞳は金色。頭は良いが、天才レベルでは無い。スタイルは普通。強さは大したレベルでは無い。
 日本に戻って来たのは幼馴染のアテネをメロメロにしたハヤテに興味を持ち、調べている間に自身もハヤテの人間性に惹かれ、ハヤテと恋仲になるためである。
 ちなみに、ハヤテには「アテネの執事を辞めて自分の執事にならないか?」と何度か誘っている。










  時任勝(ときとう まさる)

性別 男
年齢 13歳
身長 150cm
体重 56kg
誕生日 2月29日
家族 姉
好きな物・事 ハヤテ、正義、紅茶
嫌いな物・事 悪人、苛め、喧嘩

 麗の弟で、学生ながら時任グループの副社長をしている。アテネとは顔なじみではあるが、姉同様海外暮らしの方が長い。
 髪の色は黒で、短く刈り込んでいる。瞳は金色。強さは姉以上ではあるが、悠太には劣っている。ちなみに、勉強は苦手で、白皇には何とか着いて行ってる。
 日本に戻って来たのは姉に着いてきたため。ハヤテに関しては姉の好きな相手であるため、「お兄ちゃん」と呼び、慕っている。ちなみに、本心では本当の兄になる事も望んでいる。









  ???

未だ本編で出ていない最後のオリキャラ。詳しい詳細などは内緒だが、第二部では出番はなし。



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続いて用語解説へ。


 四神剣(しじんけん)

 神尾崎家が代々伝えてきた魔剣。全部で四本あり、青い刀身に龍が刻まれている「青龍」、赤い刀身に鳥が刻まれている「朱雀」、白い刀身に虎が刻まれている「白虎」、黒い刀身に尾が蛇の亀が刻まれた「玄武」がある。
神尾崎家の血筋のものはそのうちの選ばれた2本を武器として扱い、悪しきものを倒す宿命を背負っている。
魔剣はいかなるの(悪霊でも)切る事が出来る切れ味を誇っているため、使用は厳しく制限されている。
普段は主に選んだものと同化しており、呼ばれれば参上する。



 守護光速拳(しゅごこうそくけん)

 ハヤテが会得した神尾崎流の秘術の最強奥儀。「守りたい気持」を「肉体強化」に変換する秘術。
守りたい気持を高めれば高めるほど、無限に肉体を強化でき、体への影響は無しという無類の強さを誇る技。ただし、守りたい対象に自分は入らず、守りたい対象がいなければ発動不能になる。
しかし、技の便利さで会得しようとした神尾崎家のものは多い。



 神尾崎流の秘術(かみおさきりゅうのひじゅつ)

 神尾崎家が独自に開発し、守り抜いてきた技の数々。全ての技が強力であるため、神尾崎家の物以外にはむやみに教えてはいけないとういう掟がある。
神尾崎家の者の許可があれば、その人に一番合った必殺技を1つだけ会得できる。と言うより、1つしか会得できない。
ただし、神尾崎家の血筋のものであれば、修行次第でいくつでも会得できる。



 村正(むらまさ)

 その昔、無意味な殺し合いを嫌った木刀職人最後の一品。極めて強い力を持ち、刀自身が主と認めない限り触る事さえ難しい。神尾崎家が代々守って来たが、現在はヒナギクが主である。



 叢雲(むらくも)

 強い力を持つ日本刀。ただし、妖刀。刀自身が主と認めたもの以外には鞘から抜く事が出来ず、抜かれた状態を触ろうとすると、弾かれる。現在は悠太が主人。


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 おまけ(更新日がナギの誕生日だから)

「ナギさん、誕生日おめでとうございます」
「ハ、ハヤテ//////////////////////////////////////」

花束を持ち、かっこいい顔を向けてくるハヤテにナギは真っ赤になった。

「ナギさん、貴方の記念すべき日に何をプレゼントするか迷いました」
「そ、そうなのか////////////////////////////////////////////」

花束を受け取ったナギはさらに真っ赤になった。

「考え抜いた末、1番いい物を思い付いたんです」
「な、なんだ?/////////////////////////////////////////」

ハヤテは一呼吸置き

「ナギさん、結婚してください」
「へ!?//////////////////////////////////////////」
「ナギさんが僕の事を好きだという気持ちは伝わってました。なので、これが1番の選択肢だと思ったので、プロポーズしました」

ナギは今まで以上に真っ赤になった。

「ナギさん、お返事を聞かせてください」
「も、もちろんいいぞ///////////////////////////////////////」

ナギは赤くなりながらも笑顔になった。
すると、

「ナギさん」
「お、おいハヤテ?///////////////////////////////////////////」

ナギが返事した途端、ハヤテがナギをベッドに押し倒した。

「僕達もう夫婦ですよね?でしたら、大人の階段を上りましょう」
「わ、分かった////////////////////////////////////ハヤテの好きにしろ//////////////////////」

ナギの返事を聞いたハヤテはナギに大人のキスをした。





「っは」

飛び起きたナギはいつもの寝室が目に入り、当然ハヤテは居なかった。

「バ、バカか私は/////////////////////////////////////////////なんて夢を見てるのだ/////////////////////」

そうは言ったものの、ナギは夢を思い返し、

「で、でもいい夢だった。ハヤテと結婚できるとはな//////////////////////////////////」

その日、ナギは異常に機嫌が良かった。

ちなみに、なぜかマリアさんは1日中黒い笑みを浮かべたままだった。

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以上です。

さて、第二部に関してですが、大きく分けて前半、後半に分かれてます。
そして、前半部分にはハヤテとアテネはほぼ出ません。なのでご了承を。

次回より、本格的に第二部が始まります。
では。

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Re: 女神と共に第二部 ( No.1 )
日時: 2013/12/03 17:11
名前: ささ

お久しぶりです、ささです。
改めて、オリキャラの詳細を見てみると…悠太はハヤテほどではないにしろ高スペックですね。さすが真山物産の後継者。
それと、
綾子の変わりようは、神尾崎グループ傘下の経営者が驚く程とは…(というか公の場では取り繕っていたのでは?)
それから、
ハヤテ好き(依存症も方も含むって、全員か)を書き連ねたら、それこそ小説一話分になりそうですね。(キャラ紹介だけで)
アテネ、綾子、麗、ナギ、泉、ヒナギク、千桜、愛子、伊澄など。アテネ市でも誑かしたりして。(^o^)
キャラ紹介へのコメントは、これくらいにして、…★★
ナギ、ハヤテだったら大人の階段を今すぐ上るのも悪くないなとでも思ってる?(でもまだ13だよね、)
悠太、なんとか手が後ろにまわるような事態は避けてね。
マリアさん、絶好の機会ですね。(^o^)これは、黒いうちに入らないよと念押しして退散します。
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Re: 女神と共に第二部 ( No.2 )
日時: 2013/12/03 18:54
名前: ハデス

お久しぶりです。ハデスです(^-^)/

いろいろありまして、学園祭やテストがありまして、大変でした。

久しぶりに見てやっぱりすごいです。

アテネより綾子の方が強いですね。

しかし、ハヤテとキスをしていない人は、ナギと愛歌と千春と泉ですね〜。

ありがとうございました。
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Re: 女神と共に第二部 ( No.3 )
日時: 2013/12/04 15:54
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回はレス返しのみにします。

 ●さささん

 >>お久しぶりです、ささです。

 悠太「感想感謝するぜ♪」

 >>改めて、オリキャラの詳細を見てみると…悠太はハヤテほどではないにしろ高スペックですね。さすが真山物産の後継者。

 まあ、ハヤテが有能なので、隠れがちですが、悠太も有能なんですよ。覚えててくださいね。
 悠太「まあ、親父に相当扱かれたからな」

 >>それと、
  綾子の変わりようは、神尾崎グループ傘下の経営者が驚く程とは…(というか公の場では取り繕っていたのでは?)

 綾子に関してはナギににも共通する部分が無くもないんですよ。なんせ超大企業の跡取りな訳ですから、1人の人間としてみた人は少なかったんですよ。でも、ハヤテは違ったので、ああいう性格になった訳です。と言うより、元々の性格に直ったと言った方が正しいですが。

 >>それから、
  ハヤテ好き(依存症も方も含むって、全員か)を書き連ねたら、それこそ小説一話分になりそうですね。(キャラ紹介だけで)

 あ、そう言えば。11人も居ますからね、現時点で。

 咲夜「妹の名誉のために言うけど、日向は依存しとらんで。まあ、毎日会いたがってるのは事実やけど」
 日向「・・・」
 
 悠太「まあ、依存に関しては天王州だけだと思うぜ」

 >>アテネ、綾子、麗、ナギ、泉、ヒナギク、千桜、愛子、伊澄など。アテネ市でも誑かしたりして。(^o^)

 詳しい事は言えませんが、後半部分はシリアス色が強いので、恋愛面は少ないかも。
 愛歌「訂正ね。私は愛歌よ」
 千桜「それと、私は原作同様海外にはいかないらしいぞ」

 >>キャラ紹介へのコメントは、これくらいにして、…★★

 ナギ「・・・」←嫌な予感がしてる。

 >>ナギ、ハヤテだったら大人の階段を今すぐ上るのも悪くないなとでも思ってる?(でもまだ13だよね、)

 ナギ「ま、まあハヤテが相手だったら良いかなって思ってるさ//////////////////////////年齢は関係ないだろ」

 補足すると、現在は記録が抹消されてますが、5歳7カ月で出産した女性もいるらしいですよ。

 >>悠太、なんとか手が後ろにまわるような事態は避けてね。

 悠太「まあ、そこは大丈夫だよ。お嬢様は分かんねえが、ハヤテはまだ時期ではないと思ってるみたいだし、マリアさんと言う鉄壁があるから平気さ」

 >>マリアさん、絶好の機会ですね。(^o^)これは、黒いうちに入らないよと念押しして退散します。

 マリア「あら?何のことでしょうか♪逃げなくても追いませんよ♪」

 まあともかく、感想ありがとうです〜♪










 ●ハデスさん

 >>お久しぶりです。ハデスです(^-^)/

 アテネ「お久しぶり、ですわね。感想ありがとうございます♪」

 >>いろいろありまして、学園祭やテストがありまして、大変でした。

 そうだったんですか。お忙しかったんですね。

 >>久しぶりに見てやっぱりすごいです。

 そうですかね?ありがとうございます♪

 >>アテネより綾子の方が強いですね。

 正確に言うのであれば、アテネのあの敗戦はアテネが言っていた通り、アテネの慢心が敗因です。なので、本来ならばアテネの方が強いんですよ。

 アテネ「当然ですわ。私があの女に負けるはずがありませんから」
 綾子「負けたくせに」

 >>しかし、ハヤテとキスをしていない人は、ナギと愛歌と千春と泉ですね〜。

 ソニア「一応私も口にはしてないわよ。頬にはしたけど」
 アテネ「・・・」←怒ってます。

 >>ありがとうございました。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪





ここでご報告です。書きたい短編があるので、一時休止にします。ご了承を。

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Re: 女神と共に第二部 (12月21日更新再開) ( No.4 )
日時: 2013/12/21 15:52
名前: masa

こんにちはmasaです。

書きたい短編が終わったので、連載再開です。

では本編どうぞ。
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ここはお馴染みな平和な三千院家。


悠太は庭掃除をしていた。

「良い天気だな。すごしやすい気温だし、良い事がありそうだな」

思わずそう呟き、仕事をしていると来客を知らせる呼び鈴が鳴り、悠太は急いで玄関に向かった。

「は〜い。どなた、で・す・か」
「はぁ〜い悠太。遊びに来たわよ」
「ね、姉ちゃん!?どうしたんだ急に」

来客は悠太の姉・真山美緒。有名な声優だ。

「何よ。お姉ちゃんが遊びに来ちゃだめだっての!?」
「そ、そうは言ってねえけどよ」

一応補足すると、悠太にとって姉は苦手な相手である。

「まあ良いわ。上がらせてもらうわよ」

そう言うと美緒は門を開け、中に入って行った。

「ほら、案内しなさい」
「ヘイヘイ」

屋敷に向かう道中、庭にて

「そう言えば、ナギちゃんは?」
「ゲームだよ。何でも、良いゲームが手に入ったらしいぞ」
「ふ〜ん」


                    × ×


屋敷に着くと、悠太は姉を客間に通し、お茶を淹れに行った。

「暇ね。そう言えば、ナギちゃんのゲーム部屋は隣なのよね」

そう思うと、部屋を出て隣のゲーム部屋を覗いた。
すると、ナギは美緒がよく知っているゲームをしていた。

「ちょっと失敗だったな。このゲーム面白いくせにボイス対応してないんだよな」

おもわずボヤキながらプレイするナギに、美緒はある思い付きが浮かび

「この戦いに勝たねば、この世界は終わる」
「ん!?急にボイスが入ったぞ」

ナギは疑問に思いつつもゲームを続けた。

「黙れ。我らの命でこの世界何億人の命が救えると言うなら安いものだ」
「凄いな。まるですぐ傍で生声を聞いているような臨場感だ」

ナギは興奮し始めた。

「お前達は命を捨てる覚悟でこの戦場に立っているのではないのか!?お前達の覚悟はそんなものだったのか!?」

あまりの臨場感に、流石のナギも違和感を感じ始め、後ろを振り向いた。

「はぁ〜いナギちゃん。お邪魔してるわね」
「み、美緒さん!?いらしてたんですか」

ナギは立とうとしたが、美緒は止めて座らせたままにした。
そしてナギの隣に座り

「ナギちゃんが手に入れたゲームって「女流戦士のRPG」だったのね」
「ええ。世間ではこのゲームの評価はいまいちですが、私は好きです」

一応補足すると、女流戦士のRPGは登場人物が全員女性と言う変わったロープレです。

「このゲーム、アニメ化もしてるけど、見てくれた?」
「あ、はい。ブルーレイも購入しました」

補足すると、アニメの方は評価が高いそうです。
更に言うと、美緒は主人公の勇者の声を担当しています。

「そ、それで。今日は何をしに?」
「悠太には遊びに来たって行ったけど、本当は仕事ぶりを見ようかと思ってね」
「へ!?」
「姉として弟がどんな仕事をしているか気になってね。休日を利用して見に来たのよ」

美緒がそう言うと、悠太が来てお茶を淹れて部屋を出て行った。それと入れ替わりにマリアさんが部屋に来た。

「丁度良かったわ。悠太の仕事ぶりってどうなの?パパへの報告では優秀だって聞いてるけど」

美緒がそう聞いた瞬間、マリアさんに黒い考えが浮かんだ。ここで嘘八百を報告し、悠太の評判をガタ落ちさせようと思い付いたのだ。
そして一瞬で、ありとあらゆる悪評を浮かべ、言おうとした瞬間、ナギが

「優秀ですよ。悠太は執事として一生懸命ですし、私や友人の為に命を捨てられる男です。悠太のおかげで楽しい日々が送れているのも事実ですし、私の恋だって応援してくれてますから」

そう報告し、美緒は喜んでいたが、マリアさんは違い

「(余計な事を!!!!徹底的に悪評を吹き込もうとしたのにつまらん真似を。くそが)」

そう思っていたそうだ。

「じゃあ、今日は悠太の仕事ぶりを観察しようかしら。良いわよね?ナギちゃん」
「勿論ですよ」

ここでマリアさんはまたしても黒い考えが浮かんだ。

「(そうだわ。悠太君を徹底的に邪魔して、評価を下げさせれば良いんだわ。なら早速)」

そう思って行動に移ろうとしたが、またナギが

「じゃあマリア、美緒さんに協力して悠太の仕事ぶりを見せてやってくれ」
「分かりました」

笑顔で言ったが、内心は

「(また邪魔しやがって。使えねえ奴だな)」

とか思っていたそうだ。


                      × ×


その後はナギと遊びつつ、悠太の仕事を見ていた。
掃除や昼食時の料理の様子、美緒を交えたナギの相手、そしてナギの家事修行の師として。

観察するうちに美緒は

「(なるほどね。パパが行ってた通り、優秀ね。鍛練を見る限りじゃ強さもかなりの物みたいね)」

本心では心配していた美緒だったが、安心できたようだった。

そして時間は進み、夜

「姉ちゃん、今日はどうするんだ?結構遅くなっちゃったけど」
「そうね。ナギちゃん、泊めて貰っても良い?」
「良いですよ。その代わり、アニメ談議してくださいよ」
「望むところよ」

2人のアニメ談議は白熱した。時に同調し、時に意見がぶつかり、食事の間も一緒に入浴している間も白熱していた。

ちなみに、夕食を作っている時、マリアさんは

「(そうだ。美緒さんの食事に声が出なくなる薬でも仕込もうかしらね。そうすれば、ナギをはじめ多くの人が悲しむ姿を見れますよね〜♪)」

そう思ったそうだが、

「(あっ、その薬、今は無いんでした。私とした事が失敗しましたね)」

そんな事で未遂に終わったそうだ。


そんなこんなで夜も遅くなった。

ナギとマリアさんが寝静まった頃、美緒はナギから借りた客室を出て、悠太の部屋に来た。

「ねえ悠太、ナギちゃんが言ってたんだけど、恋を応援してもらってるってあれ、どういう意味なの?」
「ああ、それか。なんだ、そんな事が聞きたかったのか?」

夜に部屋に来て、「大事な話がある」と言った姉に身構えていたが、安心していた。

「大事な話じゃない。あんた、ナギちゃんが好きなんでしょ?」
「まあな」
「一応聞くけど、相手は誰なの?あんたは本当にそれでいいの?」
「いっぺんに聞くなよ」

悠太は姉を落ち着かせ、

「お嬢様の恋の相手は俺の親友だよ。お嬢様をアフターケアまで考えて、助けたんだ」
「ふ〜ん」
「その事で、お嬢様はあいつにメロメロだよ。あいつ自身のかっこよさもあったんだろうけどな」

そして悠太は嬉しそうに話を続け

「お嬢様は恋して変わったよ。家事だってするようになったし、学校だって毎日行ってる」
「そうなの。で」
「俺は別にかまわないさ。お嬢様とそいつがくっついてもさ」
「なんで?」

不思議がる美緒に悠太は

「俺が望むのは「お嬢様の幸せ」だからだ。確かに、俺自身の手でその幸せを作ってやりたいのは事実さ。でも、そいつはお嬢様を大切にしてくれるだろうし、そう言う意味では「お嬢様の幸せ」は作られる。だからだよ」

そう言い、美緒はそれを聞いて

「あんた、成長したわね。私が知ってる悠太はそんな強い考えをできる子じゃ無かったのに」
「それも、親友のおかげさ」

美緒は弟の成長を素直に喜び、客室に戻った。


                      × ×


そして翌日。
美緒は仕事のため、早めに出る事になった。

「ナギちゃん、お邪魔したわね」
「またいつでも来てくださいね」

ナギに笑顔を向けると、美緒は悠太に

「悠太、頑張りなさい。お姉ちゃん、応援してるから」
「ああ」

美緒は帰って行った。

「悠太、何の話だ?」
「姉弟だけの話さ」
「ふ〜ん」

ナギは興味なさそうにそう言うと、屋敷に戻って行った。


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以上です。
次回はラスベガス組の話です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (12月21日更新再開) 最新話に少し追記 ( No.5 )
日時: 2013/12/22 13:19
名前: ささ

ささです。こんにちは。
現役の声優さんとアニメ談議かぁ〜羨ましい。
意外とマリアさんは抜けているところがありますね。(ナギの前で悠太の嘘評価を言おうとしたり、邪魔をしようとしたらバレませんか?)
それと、礼儀正しいナギかぁ〜成長が見られるよ。ハヤテも感心するかもね。ほとんど勝ち目がないライバルに囲まれていますがどう奮闘するか楽しみです。
それでは(今回は弄らずに帰ります。)
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Re: 女神と共に第二部 (12月24日更新) ( No.6 )
日時: 2013/12/24 18:27
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの投稿です。

 ●さささん

 >>ささです。こんにちは。

 美緒「感想ありがとね♪」

 >>現役の声優さんとアニメ談議かぁ〜羨ましい。

 ナギ「だろ?しかもだ、美緒さんは私以上にアニメ知識に詳しかった。勉強にもなったさ」
 美緒「私も楽しかったわよ」

 >>意外とマリアさんは抜けているところがありますね。(ナギの前で悠太の嘘評価を言おうとしたり、邪魔をしようとしたらバレませんか?)

 マリア「あら?抜けてるって、どういう意味ですか♪」
 ナギ「(「♪」が怖い)」

 補足すると、僅かの間でもナギや美緒、悠太が驚いたり、困惑する表情を見たかっただけなので、嘘や邪魔がばれるのは承知の上です。

 >>それと、礼儀正しいナギかぁ〜成長が見られるよ。

 ナギ「そうか?美緒さんは目上の人だし、それなりの礼儀はあるよ」

 >>ハヤテも感心するかもね。ほとんど勝ち目がないライバルに囲まれていますがどう奮闘するか楽しみです。

 ナギ「フンだ。これでも私は毎日努力してるの。勝ち目だって少しはあるの」
 マリア「(フフフフフフフフフフフフフフフフフ♪その努力が無駄になれば面白いんですけどね〜♪ああ♪)」

 >>それでは(今回は弄らずに帰ります。)

 マリア「チッ」←つまらなさそう
 クラウス「・・・」

 ま、まあともかく。感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (12月24日更新) ( No.7 )
日時: 2013/12/24 18:30
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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現在、ワタルとサキさんは咲夜にお金を借りてラスベガスに向かう飛行機に乗っていた。


「旅費、2人合わせて約50万円か」

ワタルは目の前の明細書を見ながら思わず呟いた。

「思いのほか掛かりましたね」
「まあ、な」

サキさんは心配そうだったが、ワタルは意外に冷静だった。

「あの、本当に良かったんですか?海外旅行なんて」
「お前が心配する必要はねえよ」

それでも心配そうなサキさんにワタルは

「勝てばいいんだよ、カジノでな。だから心配するな」
「で、ですが。もし負けたらどうするんですか?」

不安そうなサキさんにワタルは

「大丈夫だよ。言ったろ?俺が責任取るって。なあに、俺はまだ13だ。50万くらいなら何とかできるよ」
「若」

嬉しくなったサキさんは窓の外を見た。すると、

「若、見えてきましたよ。あれがアメリカじゃないですか?」

窓の外にはアメリカの大地が写っていた。

そして、まあ特別何もなく空港。

「若、外国人の方がいっぱいいますよ〜」

嬉しそうに言うサキさんにワタルは

「あのな。ここは海外なんだから、俺達が外国人なの」
「あっ、そうでした」
「それより、サキは海外初めてじゃないんだろ?」

聞いてきたワタルにサキさんはあからさまに嫌な顔になり、

「若、あれは「旅行」ではなく、「遭難」です。そんな過去は忘れたいんです」
「そ、そうだったな。俺が悪かったよ」

謝ったワタルにサキさんは普段の表情に戻り

「まあ、そんな事は置いておいて、少しは楽しみましょ」
「まあ、勝てなきゃ楽しめねえけど、そうするか」




                    × ×


時を同じくして、日本の三千院家。

「そう言えばさ、カジノって勝てるもんなのか?」

悠太の質問にナギは冷静に

「勝てるのはカジノ経営者だよ。普通は無理だよ」
「じゃあ、カジノで旅費を賄うってワタル達の考えは、無謀ってことか?」

悠太は心配そうだったが、ナギは

「そうでもないさ。何千万単位の儲けを期待するなら、無謀だが、50万円ぐらいなら何とかなるだろ。運次第で」
「結局運かい」
「ああ」

悠太は心配そうだったが、マリアさんは

「(ワタル君達が負けて破綻してくれれば面白い展開になるんでしょうけどね〜♪ああ、負けてくれないかしら♪そうすれば、フフフフフフフフフフフ♪)」

こんな事を考えていた。

「あ、そう言えば」
「ん!?」
「ワタル達、忘れてるんじゃないか?」
「何を?」
「ワタルにとって、会わない方がいい人の事さ」


                     × ×


場所は戻してロスの空港。

「でも、ロスの空港って、日本の空港とあんまり変わらない様に見えますね」
「まあな」
「日本語の案内も沢山ありますし」
「日本人観光客もがいっぱい来るからだろ?確か、ハワイ辺りの観光地は日本語が話せる現地人も結構いるらしいからな」
「へ〜」

事実らしいですよ。作者の自分は日本を出た事が無いので、分かりませんが。

サキさんは辺りを見渡し、お土産コーナーに目をやり

「ここではアメリカらしいお菓子が沢山ありますね。なんて書いてあるか読めませんが」
「そこまで親切じゃないってことか」

色々しているうちにラスベガス行きの飛行機に乗る時間になり、移動した。

まあ、飛ばしてラスベガスの空港。

「あの、ここって空港ですよね」
「多分な」

サキさんが驚いている理由は、空港内にスロットマシンが置いてあるからです。しかも結構な数。

「でも、空港に置いてあるような機械でコインって出るんでしょうか?」
「さあな。出ないんじゃねえの?」
「出るわ」

声のした方へ向くと、咲夜がいた。

「全く、チェックアウトに時間かけ過ぎやで」
「仕方ねえだろ。こっちはエコノミーなんだから、時間はかかるんだよ」
「それより、あの機械が出るって本当なんですか?」

聞かれた咲夜は思い出すように上を見上げた後、

「確か、昔ナギのおかんのゆっきゅんが、1時間で3千万当てた事もあるらしいで」
「え!?じゃあ、私達もお店を大きくするぐらい」
「待てって。そんなもん「神に愛された運を持つ人」だけだって。普通はそんなに出ないの。冷静になれって」

ワタルに宥められたサキさんは冷静になり

「そうですよね。「欲張ると破滅を導く」ってよく言いますよね」
「そうだよ。俺たちに必要なのは旅費だ。それで十分だよ」

それを聞いていた咲夜は

「(つまんない奴やな。まあでも、賭け師としては優秀かもな)」

そう考えていた。

「ま、ここで色々言っててもしゃあないわな。自分らの泊るホテルに連れてってやるから、車に乗り」
「すまねえな。色々と」
「ええって」

そしてホテルに向かう車中。

「わー。ラスベガスって豪華ですねー」

嬉しそうにはしゃぐサキさんにワタルは

「はしゃぐのは大いに結構だが、落ちるなよ」
「お、落ちませんよ」

呆れから溜息をついたが、嬉しそうなサキさんを見てワタルは

「なんや?来て良かったって思ったやろ?」
「まあな。普段からサキには世話になりっぱなしなんだ。そのサキがああやって喜んでいる以上は来た価値は十二分にあるな」

素直に認めたワタルに咲夜は驚いたが、

「ま、折角や。楽しみや」
「ああ」

ホテルに着くと咲夜は「約束がある」と言って行ってしまった。

「さてと」
「若、若」
「なんだよ」
「このホテルってすごいですね。外観もそうでしたけど、中も綺麗ですし、部屋も凄いですよね」

サキさんの言う通り、ホテルには豪華感が満載だった。

「ここは一流ホテルだからな。当然だろ」

ワタルは部屋に荷物を置くと、前来た旅行の事を思い返していた。
するとそこに

「2年ぶりですね。こうして旅行するのは」
「そうだな」
「楽しい旅行になると良いですね」
「ああ」

今なお嬉しそうなサキさんにワタルは

「(どうなるか分かんねえが、サキにだけは迷惑かけねえようにしねえとな。何かあったら、俺だけ責任取ればいいわけだしな)」

そう思っていた。





一方その頃、ラスベガスの別の場所。

「さ、行きましょうか。彼を迎えにね」

ある人が少し不気味な笑みを浮かべながらそう言っていた。


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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (12月27日更新) ( No.9 )
日時: 2013/12/27 15:36
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返し投稿です。

 ●さささん

 >>ささです。

 ワタル「感想ありがとな」

 >>マリアさんが今回も黒いなと思うのは私だけでしょうか?

 マリア「あらあら♪誰が黒いんでしょうかね〜♪フフフ♪」
 ナギ「(こ、怖い)」

 >>ワタル君が冷静だ。

 ワタル「そうか?あれでも結構楽しんでたぜ」

 >>それと、サキさんに旅行をプレゼントして、ハヤテの影響が出ていますね。

 ワタル「まあな。あの人ならきっとそうするって思ったからな。目標に少しでも近づくためには、真似から始めねえと」

 >>悠太に、ナギさん、綾子さん、ソニアさんも、、(ある意味愛歌さんも)

 悠太「他はともかく、俺もか?ハヤテと出会う前と今じゃ対して差はねえと思うけどな」
 愛歌「わ、私だって。変わって無いと思うわよ」

 >>そういえば…三千院御一行もギリシャだったね‥‥★★面白い否、痴話喧嘩(ぽいのが)ありそうです。

 詳しい事は内緒ですね〜。本編が進めば、何が起こるか明かしますが。

 >>個人的には旅先で完膚なきまでにハヤテに振られると面白いのですが(マリアさんどう思いますか?)

 マリア「そうですよね〜♪そうすれば私のコレクションが増えますからね〜♪」
 クラウス「・・・」

 >>それでは。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (12月27日更新) ( No.10 )
日時: 2013/12/27 15:39
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ワタルとサキさんはラスベガスに旅行に行き、楽しむことにした。


その一方、日本の三千院家。

「なあお前、今度ギリシャに行くらしいな」
「おいおい。この小説では初めてに近いのに、いきなりしゃべるなよ、タマ」

悠太と会話しているのは話せる虎・タマ。悠太はタマが話せる事は知っているが、それ以外の面々は知っているのは伊澄かワタルぐらいである。

「それは良い。で、どうなんだよ」
「まあな。お嬢様と一緒に行く事になったよ」
「なんだよ。旅行だってのに、いつもと変わんねえな」

悠太は軽く溜息をすると

「それはそうだよ。「旅行」は初めてだけど、海外自体初めてじゃないよ。第一、ギリシャには知り合いがいるし」
「そうなのか?」
「親父の友達だよ。紹介されて親しくなった」

相変わらずのテンションにタマは

「大丈夫なのかよ。海外だぜ?言葉の壁は」
「問題無い。天王州やハヤテと言った超人レベルの天才に隠れてるが、俺も頭が良いって設定だ。一番上のキャラ紹介にも書いてあるぜ」

タマはつまらなくなったのか、悠太と話を止め、屋敷に入って行った。

「ったく、人間様はしょっぱい水のどこがいいのかね〜。第一海外なんて危険な場所が多いって言うじゃねえか」

そんな事はありません。海外でも安全で楽しい場所は多いです。
っと言うより、日本でも危ない場所は沢山あります。

「全く貧乏人は・・・あいつは金持だった。と、ともかく、旅行のどこがいいんだ。家に籠るのが一番じゃねえか」

ペットは飼い主に似ると言うのは事実のようだ。

「そう言えば、お嬢は最近構ってくれなくなったよな。学校だって行ってる、友達だって増えたって聞いてるし」

タマは最近のナギを改めて思い返し

「それに、昔は絶対にやろうとしなかった家事だって頑張ってるし、何と言うか雰囲気が変わってるし」

そう思うと、寂しくなった。

「お嬢、恋してるらしいよな。ま、まさか今回の旅行は婚前旅行!?相手は何となくでしか知らないけど、その可能性は十分にある」

無いって。

「作者よ。可能性はゼロと断言できる証拠はない。ど、どうすりゃいいんだ」

悩むタマの眼に机の上に置きっぱなしになっていたパスポートが写り、

「(これだ)」


                     × ×


そんな事は知らないナギと悠太。

「お嬢様、旅行の準備は終わったのか?」
「準備ね〜」

ナギは自分で作った鍋焼きうどんを食べながら話していた。

「別に特別は無いよ。向こうにも家があるし、持って行くとしたらゲームと携帯の充電器、パスポートだけだよ」
「あ、っそ」

ナギはうどんを一口食べ

「人に聞く前に、悠太はどうなんだ?準備は終わってるのか?」
「まあな」
「パスポートは?無きゃ留守番だぞ」
「パスポート?ああ、それなら」


場所は変わり庭。
タマは焚き火をしていた。もちろん、持っているパスポートを燃やす為である。

「このパスポート、きっとお嬢のだろう。これが無ければ海外になんて行けねえ。悪いなお嬢。婚前旅行なんて阻止だ」

そう呟き、火の中にパスポートを投げ入れた。
当然、紙の束であるパスポートは激しく燃えだした。


それを知らないナギ達

「ほれ、ここにあるよ」
「持ち歩くって。どんだけだよ」

ナギは少し呆れてたが、悠太は

「仕方ねえだろ。親父が「海外に行く以上パスポートだけは肌身離さず持ち歩け!!!無くしたら手続きとかめんどくさいからな」って煩いぐらい何度も言ってたからな。その習慣が染み付いてるんだよ」

ナギは少しだけ感心していた。

「で、お嬢様はパスポートをどうしたんだ?流石にお嬢様が留守番って訳にはいかねえぞ」
「パスポートな。えっと、何処だっけ?」
「お、おいおい。まさか無くしたのか?」

悠太は少し焦っていたが、ナギは

「ま、待て待て。確か、何日か前にいつもの引き出しから何処かに移したんだ。無くなると悠太やマリアに悪いから。えっと、何処だっけ?」

ナギは記憶の引き出しを必死で漁っていた。
するとそこに

「ナギ、ナギのパスポートならここですよ。「無くしたくないから預かっててくれ」っていたのはナギじゃないですか」
「あ、そうだった」

悠太は少し呆れていた。それと同時に少しだけ不安に駆られた。
ちなみに、悠太の不安は当たっている様で

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギのパスポート、無くしたふりして隠しちゃおうかしら。いや、それでは面白みが欠けますね。あ、そうだ。海外に行ってから、無くしたふりして隠せば、もっともっと面白い展開が期待できますね。でも、どちらにしろ面白そうですよね〜♪ああ♪)」

マリアさんはこんな事を考えていたので、悠太の不安は当たっていたと言えば当たっていた。


                    × ×


一方その頃。麗やヒナギク達。

「ヒナ、折角の飛行機なのに、何でアイマスクして、布団かぶってるのよ」
「う、煩いわね」

ヒナギクは布団から出ずに答えた。

「全く。外の景色を楽しむって発想は無いの?」
「無い!!!!!!!!!!!!!」

断言したヒナギクに麗は呆れた。

「姉ちゃん、景色綺麗だよ」
「勝、何であんたはテンション高いのよ」
「だって、旅行なんて久しぶりだし」

嬉しそうな勝はヒナギクに

「ヒナギクさん、景色見た方がいいですよ」
「で、でも」
「人間チャレンジ精神が大切ですって。苦手から逃げてばかりじゃ何も解決できませんって」

勝にそう言われ、ヒナギクは布団をどけ、アイマスクを外してから窓の外を見た。

「どう?最高でしょ?」

返事が無いヒナギクに麗は顔を覗きこみ

「き、器用ね〜。窓の外見たまま気絶してるわ」

呆れるやら感心するやそんな顔で見ていた。


                      × ×


そして三千院家。

「ま、何はともあれ、旅行には皆で行けるってことか」
「そうだな。クラウスもつれて行ってやるか。唯でさえ出番なくて可哀想だし」

偶々用事があって来たクラウスはそれを聞いて感動していた。

「で、クラウス、パスポートは?」
「ありますぞ。真山同様持ち歩いています」
「理由は一緒か?」
「はい」

こうして、三千院家は旅行の準備は整ったようだ。


ちなみに、タマが燃やしたのは、マリアさんが用意した偽物のパスポートです。

なぜそんな物があるかって?

「あら?ナギを空港で困らせる為に用意した偽物のパスポートがありませんね〜。あれがあればナギが拘束されて、尋問されて困る様子を撮影出来たんですけどね〜」

これが理由である。


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以上です。
次回はワタルがあの人と・・・
では。
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Re: 女神と共に第二部 (12月30日更新) ( No.11 )
日時: 2013/12/30 18:34
名前: masa

こんにちはmasaです。

年内最後の更新です。

どうぞ。
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前々回、ワタルとサキさんはラスべカスに旅行に来ていた。


2人がラスべカスに来た翌朝。

「(なんだか、懐かしい夢を見たな。きっと、あれが無ければ今頃は)」

ワタルは夢の内容を思い出しながら眼を開けた。
すると

「サ、サキ!?何で一緒に!?」
「あ、朝ですか〜?えっと、メガネメガネ」
「昭和のボケかますなよ。頭の上だ」

サキさんは眼鏡をした。

「昨日の夜、ツインルームのはずなのに、ベッドが1つだから一緒に寝る事になるが、良いか?っと聞いたのは確かに俺さ」
「そ、そうですよ////////////////////」
「でも、何で抱きしめてたんだ?」

聞かれたサキさんは赤くなりつつも弁解の言葉を探し

「だ、抱き枕と間違えたんですよ」
「は!?」
「ゆ、夢の中で、抱き枕を抱いてたんです。だ、だから、傍にいた若を間違えて抱いてたんです///////////////////////////////」

嘘っぽかったが、ワタルは信じることにした。
ちなみに、真実はと言うと

「(まさか、先に寝入った若をつい我慢出来なくなって抱きしめたら、そのまま寝てしまいました。なんて言えませんもんね)」

これである。

「まあ、ともかく。今日はグランドキャニオンに行くんだ。早めに準備して行こうぜ。咲夜を待たせると悪いしな」
「そうですね。送ってもらう立場ですからね。私達」

2人とも着替えて朝食を済ませてから、迎えに来た咲夜と共に目的地に向かった。


                   × ×


グランドキャニオンに着いた一行は見晴らしのいい場所に行き、ワタルはそこで大きな声で叫んだ。

「ったく。いくら壮大な景色やからって叫ばんでもええんとちゃう?」
「良いじゃないですか。山に着いたら叫びたくなる精神と一緒ですよ」
「そんなもんか?」

咲夜はグランドキャニオンに何度も来た事がある様で、大したリアクションはしていなかった。

「ですが、この景色はさすがアメリカですよね。日本じゃこうは行きませんよね」
「まあな。来たかいがあったよ」
「ちなみに、この崖は2500mもあるんやで」

咲夜の豆知識にワタルもサキさんも感心していた。

「若、見てください。栗鼠がいますよ。可愛いですね〜」

たまたま見つけた栗鼠にサキさんは嬉しそうだったが

「サキ、触んねえほうがいいぞ。ここの栗鼠に噛まれると、死ぬぞ」
「え!?」
「この辺の栗鼠は狂犬病ウイルスを持ってる事もあって、死者も出てるらしいからな」

そう聞かされたサキさんはゆっくり後退していた。

「詳しいな自分」
「ガイドブックに載ってたんだよ。危ないって」

「危ない」という言葉が止めになったのか、サキさんは悲鳴を走り去って行った。

「お、おい。どこ行くんだよ」
「お、置いて行くなやー」

追いかけたワタルを咲夜も慌てて追いかけた。

「さ、咲夜さん。そう言う大事な事は先に行ってください!!!若もです!!!!」
「悪かったよ。でもな、説明しようとした矢先に出会ったんだから仕方ねえだろ」
「せやせや。ワタルを責めるのは筋違いでや。まあ、ウチもやけど」

2人の言葉にサキさんは冷静になった。

「しっかし。普通なら滅多に出会わん野生の栗鼠に出会うなんて自分ら運無いで」
「うるさいな。でもよ、栗鼠は可愛かったんだから、少しはプラスだろ」
「まあ、な」

咲夜に運が無いと言われたワタルにある嫌な予感が生まれた。

「若、どうしました?」
「い、いやな。嫌な予感がするんだよ」
「猛獣にでも会うとかか?」
「そうじゃなくて。あれだよ」

ワタルが説明しようとした瞬間

「あれが何なのか気になるわね」

声のした方へ3人が向くと

「女豹とアホウドリ、かしら?」

そこには1組の男女がいた。

「そうよね、一条君」
「ええ。アホウドリ担当の美琴様」
「殴るわよ」

女性の方を見たワタルは自分の嫌な予感が中ったと思い

「ゲッ、母ちゃん」
「久々の母親に「ゲッ」は無いでしょ」
「一条さんも久しぶりですね」

女性の方はワタルの母・橘美琴。男性の方は執事の一条である。

「3年ぶり、ね」

美琴ママはワタルを見ると

「この3年で見違えるほど男前になったわね」
「身長は変わってない様に見えますがね」
「う、うるせいよ」

一条は冷静そうだったが、美琴ママは嬉しそうだった。

「折角こうして母と息子が再会したんだもの。私の手料理を御馳走するわ。一条君、あれを」
「はい」

一条はバスケットを取り出し、ワタルに手渡した。
中を見ると、サンドイッチが入っていた。

「食べて感想を聞かせてちょうだい」

ワタルは言われたとおり、1つ取り出して食べた。

「どう?」
「まあ、旨いよ」
「良かった。それ、お母さんの手作りよ」

サキさんと咲夜は一条が作ったものだと思ったが

「(まあ、母ちゃんが作ったのは事実だろうな。野菜と言いサンドイッチと言い、切り口が歪だし、卵サンドも卵の殻が混じってるし)」

ワタルは見抜いた。

「そ、それより。親父はどうしたんだ?」
「ハワイでモツ鍋屋を開くって張り切ってたわ。レイちゃんも一緒みたいだけどね」

それを聞いたワタルは

「ハワイで鍋って。しかも日本人ですら好みがはっきり分かれるモツかよ。流行るのか?」
「まあ、無理でしょうね」

ワタルは呆れつつ

「で、母ちゃんは何でここに?」
「何となくよ。お弁当持参も何となくよ」

ワタルは自身の母の勘の鋭さを知っていたので、今回ばかりはそれを恨めしく思った。

「ねえワタル君、貴方はいつまであのレンタルビデオ店を経営するつもりなのかしら?」
「そんなの分かんねえよ」
「正直に言うわ。あのお店じゃお金持ちになるのは難しいわよ」

そう言われたワタルは少し苛立ち、

「良いか母ちゃん、お金なんてものは地道に稼ぐものだ」

ワタルがそう言ったとたん、一条がかなりの量の札束が入ったアタッシュケースを見せてきた。

「このお金を見ても、「地道に稼ぐもの」なんて言えるの?」
「あのな。ギャンブルとかでそうやって稼げるのは母ちゃんみたいに博才がある奴だけだよ。俺は地道に稼ぐ方を選ぶぜ」

ワタルの強い意志に美琴ママは

「相変わらずの強固な意志ね。安心したわ」

一条にお金を片付けさせると、美琴ママは意を決したように

「ワタル君、さっき、私がここに来た理由を聞きたがってたわよね?」
「あ、ああ」
「何となくと言ったのは本当よ。でも、更に言うと、ワタル君がラスベガスに来たと情報を仕入れて、会えるかもしれないと思って、ここに来たのも本当よ」

ワタルは大きく身構えた。

「ワタル君、「あの時の約束」を果たして貰いに来たわ」
「な!?母ちゃん、未だにあれを」
「私は本気よ。ワタル君、約束は守るためにするのよ」

母親の真剣な眼差しにワタルは

「母ちゃん、あれはだな」
「何?約束を簡単に破る様な男じゃないでしょ?ワタル君は」

睨みあう親子にサキさんは

「あの若、「あの時の約束」ってなんですか?」
「悪いな、サキ。今は黙っててくれ」
「あ、はい」

ワタルは再度母の方へ向き

「ともかくだ。約束は守るものだが、「あの時の約束」は無効だ」
「駄目よ。私は「あの時の約束」が生きる糧にもなってるんだからね。もう待てないわ」

話し合いがいつまでも平行線を辿りそうになったその時

「美琴様。このまま話し合いをしていても無駄になりそうですよ」
「な、なんだよ。一条は母ちゃんの味方なのかよ」
「それはそうです。私はどんな時でも美琴様の味方です」

ワタルは少し歯を食いしばった。

「ワタル君、ここはギャンブルの町。だったら、賭け事で決着をつけましょ。それなら私も何も言わないわ」
「わ、分かったよ。その勝負、受けるよ」

こうして、親子対決が行われる事になった。


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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月3日更新) ( No.12 )
日時: 2014/01/03 18:51
名前: masa

明けましておめでとうございます。masaです。

新年一発目の更新です。

本編どうぞ。
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前回、ワタルは母・美琴と再会し、勝負することになった。


グランドキャニオンを後にした2人はホテルに戻ってきた。
そしてサキさんはシャワーを浴びながら悩んでいた。

「(若とお母様の勝負、か。まあ勝負自体は未成年の若に代わって私がする事になった訳ですが)」

アメリカとはいえ、未成年のギャンブルは禁止です(たぶん)。

「(若は「あの時の約束」については教えてくれませんし、勝負自体若は私とお母様、どっちに勝って欲しいんでしょうね。恐くて聞けませんが)」

サキさんはお風呂からあがり、ワタルに知らせた。

「(若、貴方はどう思ってるんですか?私と暮らしたいんですか?それともお母様と?)」

サキさんは不安そうな顔だったが、ガイドブックを読んでいるワタルは気付いていない。

「(そう言えば、何で若はお母様と別れて暮らしているんでしょうね?それについても若は教えてくれませんし)」

サキさんは不安げなまま冷蔵庫に入っていたビールを飲み始めた。
すると、酔いが回り始めたのか、

「若、私とお母様、どっちと暮らしたいんですか?」

殆ど酔い任せで聞いた。

「は!?」
「は!?じゃありませんよ。どっちなんですか?はっきりしてくださいよ」

酔っ払っているサキさんに呆れつつも

「俺がアメリカで暮らす理由はねえよ。第一、母ちゃんとは離れた方がいいんだよ」
「つまり、私と暮らしたいって事ですか?」
「そ、それは・・・」

ワタルは答えを濁した。
そんなワタルにサキさんは

「はっきりしてくださいよ。でないと、明日の勝負に勝っていいのか負けた方がいいのか分からないじゃないですか」

酔っ払っていながらも真剣な表情のサキさんにワタルは

「どっちと暮らしたいか。それは今の俺には答える事が出来ないさ。でもな、俺はサキに勝って欲しいと思ってるぜ。今の生活が好きだからな」

そう言ったワタルにサキさんは突然抱きつき、

「若、勝ちましょう、明日」
「ああ。勝とうな」


                     × ×


翌日。ワタル達はラスベガスでも有名なカジノにやってきた。
勝負の舞台にカジノが全面協力し、貸し切りにしてくれた。

「レディースアンドジェントルメン。やってきましたスペシャルな勝負の夜が」

会場には多くの現地人がやってきていた。

「親と子。意地がぶつかりあう激しいギャンブルと言う名の戦争が起ころうとしています。司会はこの私、橘家の執事、一条がお送りします」

一応言いますが、一条はノリノリです。

「「あの時の約束」を果たす為に戦う魔女・橘美琴。相対しますは日本の文化、メイドさんの貴島サキ。勝負の女神はどちらに微笑むのかー」

一条の煽りに会場はさらに盛り上がった。

「一条はん、あんなキャラやったっけ?」
「さあな。ああいうのが好きなだけじゃねえの?」

2人はノリノリの一条に少し呆れていた。

「でも、ええのか?金やったら」
「そこまで頼る訳にはいかねえよ」

2人の会話にサキさんは違和感を感じ

「あの、何の話ですか?この勝負に使うお金は咲夜さんが出資してくれてるんじゃないんですか?」
「違うで。この金はワタルの貯金や」
「な!?良いんですか、若。もし負けたら」
「俺の貯金はほぼ無くなる。でも良いさ。サキを信用してるからな。それに勝てば、貯金も減らず、咲夜にも金を返せるから、一石二鳥じゃねえか」

そう、この勝負に使う50万円はワタルが出していた。
なぜ旅費も出さなかったって?旅費にお金を使ってしまえば、観光などに使うお金がなくなるからである。

「さて、状況説明を作者さんがしてくれたので、ルール説明と行きましょう。ルールは簡単。相手の50万円を0にし、自分の手持ち金を100万円にした方が勝ちと言うものです」

一条の説明に咲夜は

「なんや分かりやすいなあ」
「その方が盛り上がりやすいからだろ」

咲夜とワタルは殆ど蚊帳の外だった。

「さて、まずは」
「あの」

勝負を開始しようとした一条に、サキさんは手を上げて制した。

「勝負の前に、「あの時の約束」を教えてくれませんか?誰も教えてくれなくて、気になっていたんです」
「あら。ワタル君に教えて貰ってないのね」

そう言うと、美琴ママは笑みを浮かべ、

「私とワタル君が結婚すると言う約束よ。それが「あの時の約束」よ」

その発言にサキさんは大いに驚き、

「若、そんな約束してたんですか?」

サキさんの剣幕にワタルはビビりながらも

「したさ。でもな、それはずっと前だぜ。俺がまだ2歳ぐらいの時の話だぜ」
「え!?」
「ほら、子供の時って「お母さんと結婚する」とか、女の子なら「お父さんと結婚する」とか言う事あるだろ?それだよ」

その説明にサキさんは安心した。

「そう言う事って普通は「子供の言う事だ」と思って、真に受けないだろ?でも母ちゃんはそれを大真面目に受け取ったんだよ」
「じゃ、じゃあ若がお母様と離れて暮らしてるのは」
「実の息子に迫ってくる母ちゃんから逃げるためだよ。離れれば大丈夫かと思ったのもあるがな」

サキさんは色々と納得がいき、美琴ママに

「何で実の子供にそんな事を?第一、親子で結婚だなんて許される訳が」
「そうね。世界中どこの国でも親子婚なんて許されないわ。でも、私は事実婚でも満足よ。それに、ワタル君との子供なら喜んで産むわ」

逆マザコンにサキさんは呆れ

「そ、そんな事道理的に許されませんよ」
「私は本気よ。ワタル君が「お母さんと結婚する」と言ってくれたあの日から今日まで、私はそれが最大の目標であり生きる糧でもあるの邪魔しないで」

サキさんも実の父の事は好きだが、それは「家族として」と言う意味であり、美琴ママの気持ちは理解出来なかった。
だが、「あの時の約束」の正体を知り、負ける訳にはいかないという気持ちが強まった。

「さて、勝負の理由もお互い理解した事だし、勝負と行きましょ」
「そうですね。では、まずはポーカーです」

一条がそう言うと、トランプが運ばれてきた。

「サキさん、ポーカーのルール知ってるんか?」
「さっき本で読んで、大体は分かります」
「それはアカンやろ。作者はん、頼むで」

ポーカーは手持ちのカードで決められた「役」を作り、その強さを競う勝負です。
まず、お互いに5枚ずつ配られ、1回だけ手持ちのカードを5枚までチェンジできます。勿論配られた時点で良い「役」が完成していれば、チェンジ無しも可能です。
その後、賭け金を増やすか、そのままで勝負するかを決めます。相手が賭け金を増やした場合、その勝負に乗るか、下りるかを決めます。
勝負した場合、お互いの手持ちを公開し、より強い方が勝者となります。

強さは弱い順でノーペア(ブタ)、ワンペア、ツーペア、スリーカード、ストレート、フラッシュ、フルハウス、フォーカード、ストレートフラッシュ、ロイヤルストレートフラッシュ。となり、ジョーカーありの場合、ファイブカードが最強の「役」となります
「役」の作り方は、各自検索していただくか、39巻限定版のトランプの中に入っていた説明書を読んでください。

「さて、作者さんの説明も終わった事だし、行きましょうか」
「勝負です」


「はい、私の勝ちね」
「ってたった2行で負けんなやー」

美琴ママの「役」はロイヤルストレートフラッシュ。サキさんはワンペアであった。

「だ、大丈夫ですよ。もう1回チェンジすれば」
「作者はんが言ったやろー。チェンジは1回だけやー」

ワタルは頭を抱えていた。

「サキさんは大丈夫なんか?」
「俺は信じるよ。最後の最後まで」
「さあ、勝負はまだ始まったばかりよ」


                        × ×


そんな事を知らない三千院家。

「なあお嬢様、ワタルにとって会わない方がいい人って誰なんだ?」
「あいつの母親だよ。「実の息子を本気で愛してる」母親さ」
「な、なんか。色々問題がありそうな人だな」
「まあな」

悠太は呆れつつも

「で、どんな人なんだ。ワタルの母親って」
「一言で言うなら、ギャンブルで生活している生粋のギャンブラーだよ」
「ふ〜ん」

すると、ナギは思い出したように

「ただな、昔はあんな性格じゃ無かったらしいぞ。昔は私の母に着いて行くだけの弱弱しい子供だったらしい。だが、ある日を境にだんだん変って行って、子供(ワタル)が生まれたのを機に加速して行って、母が亡くなったのが最後の起爆剤になったかのように今の性格になったそうだ」
「成程な〜」

悠太は気になっていた事を聞くことにした

「もしだけどよ、何らかの理由で勝負する事になったら強いってことか?」
「まあな。ジジイの英才教育のおかげもあるが、鬼の様に強いよ」


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以上です。
次回は不明です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月3日更新) ( No.13 )
日時: 2014/01/03 19:37
名前: ささ

masaさん、明けましておめでとうございます。 
いろんな意味で、衝撃を受けました。(約束だったり、ワタル君の貯金だったり)
と言うより、親子婚は、多分遺伝上も問題ありだったはず。
それと、しれっとロイヤルストレートフラッシュを作るとは…畏るべし
さて、勝負の行方はいささか気になります(サキさんの、この小説ではなりを潜めていたドジッ子ぶりは絶賛作動中ですし)
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Re: 女神と共に第二部 (1月6日更新) ( No.14 )
日時: 2014/01/06 17:12
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの投稿です。

 ●さささん

 >>masaさん、明けましておめでとうございます。

 明けましておめでとうございます。感想ありがとうございます♪

 >>いろんな意味で、衝撃を受けました。(約束だったり、ワタル君の貯金だったり)

 ワタル「そんなに驚く事か?まあでも、旅費を出してもらったんだ。流石に賭け金まで頼る訳にはいかねえと思ったからな」
 美琴「約束に関しても驚く事はないわ。私からすれば普通よ」

 >>と言うより、親子婚は、多分遺伝上も問題ありだったはず。

 美琴「ええそうね。障害などがでやすいらしいわね。でも、私とワタル君の遺伝子なら問題ないし、何より愛があるから問題なんて怒らないわよ」
 一条「その自信は何処から来るんでしょうね」

 >>それと、しれっとロイヤルストレートフラッシュを作るとは…畏るべし

 美琴「持っている人は持ってるってことよ」

 ちなみに、ロイヤルストレートフラッシュが作れる確率は、約65万分の1らしいですよ。

 >>さて、勝負の行方はいささか気になります(サキさんの、この小説ではなりを潜めていたドジッ子ぶりは絶賛作動中ですし)

 サキ「ドジッ子って。私は別に」
 ワタル「まあな。最近は変な失敗も減ってきてるし」

 勝負の結果は見ててください。

 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (1月6日更新) ( No.15 )
日時: 2014/01/06 17:14
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、サキさんはワタルの母・美琴とポーカーで勝負することになった。


「はい、ストレート。また私の勝ちね」
「そ、そんな」

サキさんの「役」はスリーカードと悪くなかったが、相手がそれを上回る強さの「役」を完成させていた。

「どうするの?連敗中で手持ちのお金がずいぶん減っちゃてるけど」

実際、残金は20万円を切っていた。

「見ろよ。ミセス・タチバナはやっぱり強いな」
「あの相手も運が無いよな。この辺じゃ有名なミセス・ミチバナが相手だもんな」

美琴ママはこのラスベガスでも有名なギャンブラーであった。
なんせ、圧倒的な強さを持っているからである。

「俺、大穴狙いでミス・キジマに賭けたけど、失敗だったかな」

そう、この勝負は賭け事にされていた。当然、どちらが勝つか当てると言うものだ。
ちなみに、オッズは美琴ママが1,1倍。サキさんが9,7倍である。


そんな会場を尻目に美琴ママは

「大人しく負けを認めるなら、お金を返すし、なんだったら咲夜ちゃんへの借金を私が出してあげるわよ」
「で、ですが、負けを認めれば」
「そうね。私とワタル君は結婚することになるわね。勿論邪魔は許さないわ」

サキさんとしては負けたくはないが、現状では勝てる見込みが殆どないのも事実であり、

「あの、いったん勝負を中断して聞きたい事が」
「何かしら?勝つ方法なら教えてあげないわよ」
「それではありません。それにたとえあったとしても、私には実践できなさそうですから」

サキさんは一呼吸置くと

「なぜ、実の息子に対してそんな感情を持つようになったのですか?」
「どういう事?」

「親子愛と言うのはよく聞きますが、それはあくまでも「家族として好き」と言う意味です。しかし、美琴様のは明らかに「異性として好き」と言う意味です。普通なら実の息子にそこまでの感情を抱くことはあり得ない事です」

サキさんの質問に美琴ママは暫く黙りこんだ後

「昔、私には崇拝している人がいたの。神の様に、いいえ「神そのもの」と言っていいぐらいに崇拝していたわ。でも、ある日その人は結婚したわ。出会いとかは知らないけど、シン・ハイエックと言う男と結婚したの。ショックだったわ。神様と崇拝し、そんな事とは無縁の崇高なる存在だと思ってたから。だから私も「幸せなんだよ」と言いたくて陽一君と結婚したの。でも、それは失敗だったわ。あの人に才能は無かったわ」

美琴ママはここまで一気に言うと、一呼吸置き

「でも、結婚してたった一つだけ良い事があったわ。それがワタル君よ。ワタル君が生まれて来てくれた瞬間、神様が私に最高のプレゼントをしてくれたと思ったわ。かっこよさと可愛さが同居した赤ん坊だったわ。はっきり言って、私の最高の好みの男性が縮んだかのようにね。そんなワタル君は成長するたびにかっこよさに磨きがかかって行ったわ。そしてある日、ワタル君が私に可愛らしい人形をプレゼントしてくれて、「僕、大きくなったらお母さんと結婚するよ。だから待っててね」って言ってくれたわ。その瞬間悟ったの。ワタル君は神様が「貴方の幸せは今の男とは作れない。だから、この子と結婚し、真の幸せを作りなさい」そう言う意味で授けてくれたとね」

美琴ママは再度一呼吸置き、

「だから私はワタル君を息子としても異性としても愛するようになったわ。別れて暮らすのを許可したのも、ワタル君が「一流の男になるために修行する」と言ったからよ。でも、別れて暮らしてみてワタル君への想いは募る一方だったわ。はっきり言えば、もう我慢出来ないわ。本当なら今すぐにでも結婚式を挙げたいぐらいよ。この勝負を仕掛けたのも、それが理由よ」

母親の思いを聞いたワタルは

「母ちゃん、それは間違ってるよ。息子の俺をそこまで思ってくれているのは確かに嬉しいさ。でもよ、母ちゃんの幸せは俺と結婚する事じゃ」
「黙りなさい!!!」

怒鳴られて、ワタルは黙り込んだ

「私の幸せはワタル君と結婚して家庭を築く以外にないの!!!そのためなら、たとえ何者の妨害もはねのけて見せるわ!!!!」

美琴ママの眼には圧倒的に強い決意が宿っていた。

「話は終わりよ。掛かってきなさい。私はサキちゃんを倒してワタル君と結婚するわ」

美琴ママがそう言うと、一条がトランプを配った。

「(お母様がそこまで思っていたなんて。でも、親子婚なんてやっぱり間違ってる。負ける訳にはいかないけど、私がお母様に勝つ方法なんてあるのでしょうか)」

サキさんは考えを巡らし、

「(そう言えば、ポーカーの最大の醍醐味は心理戦だと聞いた事がある気がします)」

その通りです。ポーカーは確かに運の要素も必要ですが、それ以上に必要なのは「相手の心理を的確に読む事」にあります。
相手の心理状態を的確に読み、「どの程度の手札を持っているのか?」「その手札は自分の手札より強いのか弱いのか?」「はったりなどで相手をどこまでだませるか?」これが大事になってきます。
つまり、運に恵まれてなくても、心理戦さえ強ければ、ポーカーで勝つ事が出来ます。

「(で、でも。私がお母様に対して心理戦を仕掛けても勝てる見込みはありませんよね)」
「どうしたの?自分の手札を見ないの?」
「(そう言えば、お母様の様に心理戦にも長けている人は意外な行動に動揺しやすいって聞いたこともありますね。だったら)」

サキさんはトランプを裏返したまま自分の直感を信じて2枚選び

「2枚チェンジです」

サキさんの行動に会場に居たサキさん以外の全員が驚いた。

「な、何言ってるの?自分の手札を見ずに勝負だなんて」
「ルール違反にはなりませんよ。「手札を見ずに勝負をしてはならない」と言うルールはありませんから」

実際その通りなので、一条は何も言わずにトランプを2枚渡した。

「無謀や。唯でさえ負けとるのに、あんな作戦」
「いや、意外と効くかもしれねえぜ」
「え!?」
「母ちゃんは普段冷静な分、「意外な行動」に弱い。実際問題、母ちゃんが動揺してるのは事実だ」

そう言われ、咲夜が美琴ママを見ると、明らかに動揺していた。

「さあ、勝負です。私は掛け金を増やします」
「な、なら。その勝負乗るわ」

美琴ママは動揺しながらも、勝負に乗り、お互いの手札を公開した。
その結果、サキさんはフォーカード。美琴ママはストレートで、サキさんの勝ちだった。

「私の勝ちですね」
「ま、まだまだこれからよ」


                       × ×


さて、そんな事が起こっている事を全く知らないトルコのとある空港。

「やは〜。やっとトルコに着いたね〜」
「全くだ」
「13時間もかかったな」

美希と理沙はくたびれ気味だったが

「でも、これからの旅行の事を考えると、テンションあがっちゃいますよ〜」

勝は全く逆だった。
で、一方のヒナギクは

「大地って素晴らしいわね〜。普段当たり前に踏みしめてた分、ありがたみはこう言う時に分かるのよね〜」

こう言っており、それを聞いた麗は

「何言ってるのよ。高々飛行機に乗ったぐらいで。宇宙に行って、たった今帰って来たのならその台詞は分かるけどね」

麗の皮肉は大地に感動しているヒナギクの耳には届いていない様だった。

そんなヒナギクを尻目に泉は

「折角トルコに来たんだし、ハヤテ君にメールしよっと」

それを聞きつけた麗は反応し

「泉、ハヤテ君のメルアド知ってるの?」
「うん♪この前ハヤテ君が家に来た時に教えて貰ったんだ」

当然、麗もハヤテのメルアドと携帯番号を知ってはいたが、泉まで知っている事は知らなかった。

「そうなの。でも、メールとかは止めておいた方がいいわ」
「ほえ?何で?」
「アテネが言ってたのよ。ハヤテ君は調べ物がしたいから、アテネより先にギリシャに行くって」
「だから?」

鈍い泉に麗は呆れつつ

「忙しいかもしれないでしょ?そんなときにメールなんかしたら迷惑じゃない」
「そうなの?」

未だ理解出来ない泉にヒナギクが

「ハヤテ君はいい人だから、どれだけ忙しくても、メールの返事はしてくれるでしょ?忙しい時にメールが来たら迷惑でしょ?」
「あ、そうか」

泉はようやく理解した。なので、携帯を仕舞った。

ちなみに、ヒナギクは泉がハヤテにメールしようとした事に

「(羨ましいな。私もハヤテ君のメルアド知ってるけど、中々メールできないのに、あんなに軽々と)」

そう思っていた。
ちなみに、麗が泉にメールを止めさせたのは

「(何とか誤魔化せたわね。ハヤテ君へのメールは私が最初なんだから)」

これが理由である。
更に補足すると、麗は旅行を楽しむ以外に別の事も楽しみにしていた。

「(今はトルコだけど、もしかしたらハヤテ君に会えるかもね。そうすれば「運命だね」とか言って、2人の関係が進むわね)」

こんな事も楽しみにしていた。


                      × ×


一方のラスベガス。

「さあー。勝負も大詰め。どちらが勝つのかー」

「負けないわよ。私は意地でも勝って、ワタル君と結婚するわ」
「私だって負けません。意地でも親子婚なんて阻止します」



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は続きです。
そして、ラスベガス編はラストです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月6日更新) ( No.16 )
日時: 2014/01/07 23:20
名前: ささ

ささです。
サキさんの分析能力に(少し)驚きました。
まぁ人間には、よくわからない能力があるかもしれませんから。健闘を祈ります。
それにしても、ヒナギクもなぁ〜。これに関しては麗の意見に賛同です。これは、飛行機に負けたと見なしてよろしいでしょうか?麗さん、勝くん(村正で成敗されることも覚悟して、)
それと、★★意外とヒナギクもハヤテのメアド知っているのか。でも、好きな人へのメールは、ハードル高いですよね。
次に★★ナギはハヤテのメアド知っているのか?(知っていたとしたら、送ろうか、送るまいか悶々としているのだろうなぁ、どうですかマリアさん)
そういえば,ナギに質問だけど、(安心して、弄りはしないから)
美琴さんとギャンブルで勝てそうなのは、誰?
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Re: 女神と共に第二部 (1月10日更新) ( No.17 )
日時: 2014/01/10 18:09
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●さささん

 >>ささです。

 綾子「感想ありがとうございます♪」

 >>サキさんの分析能力に(少し)驚きました。

 サキ「す、少しですか」
 ワタル「まあまあ。褒められたんだし、喜んどけ」
 サキ「そうですね」

 >>まぁ人間には、よくわからない能力があるかもしれませんから。健闘を祈ります。

 サキ「はい、勿論です。親子婚なんて絶対阻止です」
 美琴「フン」

 >>それにしても、ヒナギクもなぁ〜。これに関しては麗の意見に賛同です。

 麗「そうよね。飛行機に乗ったぐらいであのリアクションは無いわよね〜」
 ヒナギク「う、煩いわね。感動のしかたなんて人それぞれよ」

 >>これは、飛行機に負けたと見なしてよろしいでしょうか?麗さん、勝くん(村正で成敗されることも覚悟して、)

 麗「別に負けてないんじゃない?」
 勝「実際、飛行機には乗りましたから」
 ヒナギク「でしょ?」←勝ち誇ってる

 >>それと、★★意外とヒナギクもハヤテのメアド知っているのか。

 ヒナギク「え、ええ。私の誕生日の日に教えて貰ったの」

 >>でも、好きな人へのメールは、ハードル高いですよね。

 ヒナギク「そ、そんな事は////////////////////////////」
 美希「赤い顔で言っても説得力無いぞ、ヒナ」

 >>次に★★ナギはハヤテのメアド知っているのか?

 ナギ「え、えっと////////////////////////////////////知ってるぞ」

 >>(知っていたとしたら、送ろうか、送るまいか悶々としているのだろうなぁ、どうですかマリアさん)

 マリア「そうですね〜♪何かと理由つけて、メールをしたがってますね〜♪でも、中々送れないんですよね〜♪ホント、そんなナギは・・・ああ♪」

 >>そういえば,ナギに質問だけど、(安心して、弄りはしないから)

 ナギ「な、なんだよ」←少し安心している

 >>美琴さんとギャンブルで勝てそうなのは、誰?

 ナギ「う〜ん。ジジイぐらいだろうな。あの人を鍛えた張本人だし。まあ、他を上げるとしたら、母かな。生きてさえいればな」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (1月10日更新) ( No.18 )
日時: 2014/01/10 18:12
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、サキさんは奇策に打って出て、美琴ママに逆襲を開始した。


「サキちゃん、貴方中々やるわね。結構盛り返したじゃない」

実際、奇策を打つ前は20万円を切っていたが、現在はサキさんが60万円、美琴ママが40万円と勝っていた。
そして勝率も驚異の9割越えであった。

「でも、そんな運任せな奇策がいつまでもつかしら?」
「(そうですよね。ポーカーにおける心理戦は封じましたけど、私のは運のみ。いつかは運を使い果たす時が来ますよね)」

試合を見守っていた咲夜とワタルは心配していた。

「サキさん、大丈夫なんか?」
「分かんねえ。でも、俺はサキを信じる。信じた結果、破滅を導いたとしてもな」

咲夜はワタルとサキさんの絆に感動していた。

「(ワタルには悪いけど、実際問題微妙やな。現時点ではサキさんの勝率は9割越えや。でもな、運任せ戦法が何時までも通じる相手やない。サキさん、どうするんや?)」

2人の心配をよそに勝負は続いた。
勿論と言うか、サキさんの勝率は下がり始めた。人間、そんな運に恵まれてばかりではない。
なので、サキさんには良い手が入り辛くなった。

「(まずいですね。一時は72万あった現金がもう55万にまで減ってしまいました。このままじゃ勝てないです)」

サキさんの焦りをよそに、勝ちが多くなってきた美琴ママは余裕が出てきた。

「どうするの?いい加減諦めたら?サキちゃんの運じゃそこまでなのよ。私とあなたじゃ根本的な運の差があるんだからね」

サキさんはまた負け、ついに50万円ずつになってしまった。

「ついに並んだわね。もう終わりよ」
「(若)」

サキさんは不安になり、後ろに居るワタルを見た。
それに気付いたワタルは

「心配するな」
「え!?」
「俺は、サキが負けても何も言わないよ」

驚くサキさんにワタルは

「俺はサキを信じるって決めたんだ。だから、大切な貯金も託した。万が一負けたとしても、文句は言わねえし、恨んだりもしねえよ。俺はサキを信じてる。だから、サキも自分自身を信じてくれ。この勝負における、俺からのたった一つのお願いだ」

ワタルの台詞にサキさんは感動していたが、美琴ママは違い、持っていたパイプを握り折った。

「憎らしいわね。私の愛しき人からそんな事を言われるなんて」
「美琴様」
「もう終わりにしてあげるわ。この勝負に勝って、私はワタル君と結婚し、貴方を解任するわ」

ワタルがサキさんにかっこいい事を言った事がよほど気障ったのか、サキさんを解任する条件まで付け加えた。

「一条君、ゲームを続けなさい」
「あ、はい」

流石の一条も鬼気迫る美琴ママに恐れをなしているようだった。

「(勝利の神様、この先の私の運気を全て捧げてもかまいません。なので、この勝負に勝利をもたらしてください)」

サキさんはそう祈ると、配られたカードをチェンジしなかった。
そして

「私は、この勝負に残りのお金を全額賭けます」

そう宣言したサキさんに会場はどよめいた。

「あ、あかん。サキさん、無謀すぎや。ワタル、お前なら止められる。止めたれや」
「・・・」
「ワタルのおかんにキスでもすれば許してくれるわ」
「俺は、サキを信じる。何があろうとも」

心配する咲夜に美琴ママは

「(私の「役」はロイヤルストレートフラッシュ。負ける確率は低いわね)」

そう思うと

「良いわ。その勝負、乗ってあげるわ」

美琴ママも残金を全部かけた。

「さあー。泣いても笑ってもこの勝負で決着です。お互いの「役」はー」
「私はロイヤルストレートフラッシュよ。しかもマーク自体も最強。どうするの?」

挑発する美琴ママに対し、サキさんはカードに手を置いたまま目を閉じ

「(神様、私にご加護を)」

そう願い、裏返した。
すると

「「!!!!!!!!ファイブカード!!!」」

サキさんの「役」は美琴ママより強いファイブカード。つまり

「私の、負け?」

その瞬間、会場は歓声に包まれた。

「す、すごすぎやろ。この土壇場で最強のファイブカードを完成させるとはな」
「俺は信じてたぜ」

盛り上がる会場を尻目に、美琴ママは僅かに涙を見せ、会場を立ち去った。

「(母ちゃん)」
「若、私やりましたよ」
「ああ。凄かったぜ」

喜び合う2人に一条がやってきて

「坊ちゃん、今回は我々の負けです。サキ、坊ちゃんを頼むな」
「ええ」

一条は美琴ママの後を追った。


                     × ×


ワタルとサキさんはカジノを後にし、ホテルに戻ってきていた。

ワタルは1人で人気のないホテルの庭に居た。

「(今回、サキのおかげで助かったな。でも、次はどうなるか分かんねえよな)」

ワタルがそう考えていると、美琴ママがやってきた。

「なんだよ」
「ワタル君、今回は素直に負けを認めてあげるわ。そして約束通り、「あの時の約束」は無かった事にするわ」

実母の言葉にワタルは安心したが、

「でもね、私はワタル君の事、諦めないわ」
「な、なんだよそれ」
「「諦める」って約束はしてないわ。屁理屈かもしれないけど、私の気持ちはそれくらい真剣よ」

ワタルは溜息をついた。

「ワタル君、覚悟しておいてね。私は必ず、貴方と結婚するから」

そう言うと、美琴ママはワタルの頬にキスし、立ち去った。

「ったく。母ちゃんには困ったもんだぜ」

するとそこにサキさんがやってきた。

「あの、若」
「見てたんだろ?」
「え!?」
「俺と母ちゃんの会話だよ」

サキさんは気まずそうにモジモジすると、

「えっと、はい」
「そうか」

それ以上追及してこないので、サキさんはワタルの隣に立ち

「若、良かったんですか?」
「何が?」
「何がって。理由はどうあれ、お母様と暮らせたんですよ。折角親子水入らずで暮らせたかもしれないのに」

サキさんの質問にワタルは暫く目を閉じて考え事をした後

「良いんだよ。実の息子を真剣に愛してしまった母親となんて暮さない方がいいんだよ」
「で、ですが」
「それに、俺はサキと暮らしていたいからな」
「え!?わ、若。それってどういう」

驚くサキさんにワタルはサキさんと向き合い

「サキ、今の言葉の続きは「今の俺」には言えない。でもいつか、「今の言葉の続きを言える俺」になる。だから、それまで待ってて欲しんだ」
「若」
「サ、サキ?」

サキさんは嬉しそうに笑みを浮かべると

「分かりました。お待ちしています」
「どれ位待たせるか分かんねえぞ」
「たとえ何年だろうと、何十年だろうとお待ちしますよ。若から先ほどの言葉の続きを聞けるその日まで」

ワタルは少し俯いた後

「分かった。でも、そんなに待たせるつもりはねえよ。安心しろ」
「はい」


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以上です。
次回から三千院家に戻ります。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月12日更新) ( No.19 )
日時: 2014/01/12 15:11
名前: masa

カービィ最新作、トリプルデラックス面白いですね。あ、masaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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とある商店街。ここをある少女が歩いていた。
少女は春風千桜。ご存知生徒会書記にして咲夜のメイドさんだ。

「(はあ。今頃皆は海外か。良いよな金持ちは。人生に余裕があってさ)」

千桜は旅行などにはいかず、連休でもいつも通りであった。

「(家は貧乏では無いけど、休みのたびに旅行に行けるほど余裕は無いよな)」

千桜は暇そうに心の中でぼやいていた。

「(咲夜さんも居ないし、それに・・・)」

その瞬間、千桜の頭にハヤテの顔が出てきた。

「(って待て待て。何で君が出るんだよ。さ、寂しいとか思った訳じゃ無いぞ。ええい、こんな時こそ、短期バイトするべきだ)」

千桜は頭に浮かんだハヤテを無理やり消し、バイトを探しに行った。


                    × ×


一方その頃、三千院家。

「機動戦艦ナデカタ。ブルーレイBOXにて発売」

ナギがテレビを見ていると、こんなCMが流れて来て、ナギは食い入るようにCMを見た。

「あの往年の名作、ナデカタがブルーレイで発売。先行発売につき、数量限定です。お早めにお買い上げください」
「こ、これは買わないと損だ」
「本日よりア○メイトにて発売。ブルーレイの高画質で楽しもう」

ナギはCMが終わった途端悠太を呼び

「悠太、ア○メイトに行くぞ!!!今すぐに!!」
「な、なんだよ急に」
「ア○ゾンを始め、通販が便利になり、それに頼ってばかりの自分が間違っていた。人間、外に出て店頭で買った方がいいと気付いたのだ」

力説するナギに悠太は少し呆れていた。

「どれだけ通販が便利になろうとも、店頭販売には通販では味わえない醍醐味がある。だからこそ、ア○メイトに行くべきなのだよ」

悠太は呆れつつ

「分かったよ。時間もあるし、行くか」
「そうだよな」
「で、お嬢様は何処のア○メイトに行ってるんだ?」

悠太の質問にナギは少しの間口籠り

「行った事無いよ」
「まあ、予想通りと言えば、予想通りだな。お嬢様の引きこもりが直ったのはここ最近だしな」

納得する悠太は別の疑問も浮かび

「って事は、コミケにも行った事無いのか?」
「無いよ」
「ま、無理もないか。お嬢様には刺激が強いからな」

悠太の言葉を聞いたマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギが行って人格形成に影響が出るのも、刺激の強さのあまり倒れるのも面白いんですけどね〜♪ああ♪)」

こんな事を思っていた。

「ま、折角の機会だし、秋葉に行くか」


                      × ×


ナギと悠太は秋葉のア○メイトにやってきた。

ナギは売り場を見渡すと

「こ、ここは宝島か?」
「まあ、気持ちはわかるよ」
「こんなに凄かったのか。来てみるもんだな」

ナギは興奮していたが、悠太はいつも通りであった。

「なんだ、冷めてるな。もしや、初めてじゃないのか?」
「まあな。姉ちゃんがオタクだったせいで、連れてこられた事も何回もあるよ」
「成程な」
「ま、荷物持ちとして、だったけど」
「へ〜」

ナギは悠太の話を聞きながら辺りを見渡していると、ある看板が目に入った。そして、その看板に強烈に惹かれ

「ゆ、悠太。トイレに行きたくないか?」
「別に行きたか無いけど」

すると悠太は何かを考えながら自分を見つめてくるナギに何かを察し

「はいはい。じゃあ、トイレ行ってくるから、動くなよ」
「お、おう」

悠太が見えなくなったのを確認し、ナギは

「よ、よし」

ポケットに入っていたねんどろいどを階下に(態と)落とした。

「わ、私ったらドジだな。大事な人形を階段の一番下まで落とすとはな。そ、それで、ここはどういうフロアなんだ」

明らかにバレバレの芝居をしながら下りてきたフロアを見ると

千桜がいた。

「何下手な三文芝居してここにきてんだよ。ここがどこか分かってるんだろ?」

ナギが目にした看板には「18歳未満の人は立ち入りできません」と書かれていた。
ナギは年代もあるのか、ハヤテに恋して以来こう言う事に興味を持ち始めていた。

「べ、別に芝居なんかしてないさ」
「嘘つけ。素人にも分かるほどの芝居だったぞ」

図星を衝かれ、ナギは誤魔化すかのように

「お、おまえこそここで何してるのだ。お前だって18歳未満だろうが」
「私は仕事だよ」

ナギは納得いかなさそうだった。

「それより、ここは13歳のお前じゃ刺激が強すぎるんじゃないのか?」

千桜にそう言われ、ナギが辺りを見渡すと、ここでは書けない様なものがたくさん売られていた。

「お、おまえは平気なのか////////////////////////////」
「仕事と思えば平気だよ」
「ま、まさかこういう経験があるのか?」
「バ、バカを言うな。キスすらないわ」

千桜は「キス」と言う言葉を口にした瞬間、ハヤテの顔が浮かび、更には自分とキスしている瞬間も浮かんできた。

「と、ともかく。早く出るぞ」
「あ、ああ」

千桜はハヤテとのキスを妄想してしまって動揺していたが、何とか顔に出さずにナギを18禁コーナーから連れ出した。

「で、ナギはなんでここに来たんだよ」
「え?ああ、ナデカタのブルーレイを買いに来たんだ」
「成程な。あの名作を」
「ああ。名作だよな」

2人とも名シーンを浮かべていたが、別々のシーンを浮かべていた。

「でも、買うなら早くした方がいいぞ。あれ、人気があるし」
「な、なに!?何処で売ってる!!」
「確か、7階だよ」

千桜が売っている階を教えたとき、悠太が戻ってきて

「悠太、急いでナデカタのブルーレイ買ってこい」
「へ?あ、ああ」

悠太はナギに急かされたが

「でも、混んでるぜ。これで急げって難しいぞ」
「な、なんなのだ。この人だかりは」
「連休中だから仕方ないよ」

落ち込むナギを見て悠太は

「大丈夫。任せろ」

悠太はそう言うと、人ごみの隙間隙間を縫って前に進んで行った。

「凄いな」
「だてに「何でもできる人」って設定されてないってことか」

ナギと千桜が感心している隙に悠太は目的の売り場に着いたが

「悪い。売り切れだ」

「完売いたしました。次回の入荷は未定です。」と言う立て札が立っていた。

「ま、仕方ねえさ。本場のオタクは開店前に既に並んで、いの一番に買うからな」
「そうか」

落ち込むナギを悠太は何とか宥めていた。

すると

「なあ真山君」
「ん?」
「ナギはともかく、何で君は色々と詳しいんだ?ナギの影響じゃ無さそうだけど」

千桜の質問に悠太は

「ああ、知らないのか。姉ちゃんの影響だよ。俺の姉ちゃん、凄いオタクで、知識を叩き込まれたのさ」
「へ〜。どんなお姉さんなんだ」
「今は声優やってるよ。名前は真山美緒だよ」

悠太が姉の名前を言った瞬間、千桜の表情が変わり

「あ、あの美緒さんの弟だったのか?凄いな」
「バ、バカ。声がでかいよ。こんなとこでそんなこと言ったら」

悠太の心配通り、千桜の声を聞いた周りの人間は当然の様に反応し

「おい、ここに美緒様の弟君がいるぞ」
「なんだと。これは大変だ」

当然のように群がり、「美緒様に会わせくれ」だの「美緒様のサインを代わりに貰ってくれ」だとせがまれた。
悠太は何とか頼みごとを引き受けずに逃げられた。


そして帰り際。

「はあ。ブルーレイ買えないわ人混みに飲まれるわ散々だったな」
「まあ、仕方ねえよ。有名な姉を持った宿命みたいなもんだよ」

ナギは落ち込み、悠太は疲れていた。
すると、そんな2人に

「待てよ」
「ん?」

千桜はナギに欲しがっていたナデカタのブルーレイを差し出した。

「私のでよければ譲ってやるよ」
「い、良いのか?」
「折角のお客様をがっかりさせたまま帰す訳にはいかんからな。それに、余計な混乱を巻き起こした詫びもあるよ」

千桜の言葉にナギは素直に喜び

「ありがとな。そうだ、私の家で一緒に見よう」
「良いのか!?」


                       × ×


で、三千院家。

「だから、このストーリーこそが」
「いいや。キャラの可愛さだろうが!!!」
「(やれやれ。この2人の意見は合わねえな)」

意見がぶつかる2人を見て悠太は呆れていた。

ちなみに

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギったら下手な芝居で18禁コーナーに行ったりして♪しかも、あんな反応するなんて。これは面白くなりそうですね〜♪ああ♪)

こんな事を思っている人もいたそうだ。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は未定です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月15日更新) ( No.20 )
日時: 2014/01/15 16:06
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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「ナギさん、愛してますよ」
「ハ、ハヤテ!?///////////////////////////////////////」

ここは何処かの花畑。そこでナギはハヤテに突然告白されていた。

「(そ、そうか。これは夢か。で、でも例え夢でも)」

ナギはそう思うと

「私もハヤテを愛しているぞ///////////////////////////////////」

ナギがそう言うと、ハヤテが顔を近付けて来て

「ナギさん、僕は貴方への愛が止まりません」

そう言うと、ナギを押し倒した。

「ハ、ハヤテ!?///////////////////////////////な、何を!?///////////////////////////」

混乱するナギにハヤテは

「僕じゃ嫌なんですか?」
「そ、そんな事は無い。ちょっとビックリしただけだ///////////////////////////////////////」
「ナギさん」

すると、ハヤテはナギの服を脱がしにかかった。
当然ハヤテの温もりを感じ

「(ま、まさか夢じゃないのか!?で、でもどっちにしろついにハヤテと///////////////)」


                    × ×


「っは」

ナギが飛び起きると、いつもの寝室であった。

「バ、バカか私は。あんな夢を/////////////////////////////し、しかも前も似たような夢を見たではないか//////////////////////////////」

ナギが照れていると、扉がノックされ、悠太が入ってきた。

「あれ?お嬢様、起きてたのか」
「あ、ああ////////////////////////////////////////////」

未だ夢の内容に照れているナギに気付かず、悠太は部屋のカーテンを開けた。

「そう言えば、俺達の旅行は明日からだよな」
「え!?あ、ああ」
「楽しみだよな、旅行」
「なに言ってるんだよ。悠太は海外は初めてじゃないだろ」

ナギの言葉に悠太は軽く笑みを浮かべると

「海外じゃ親父と仕事漬けだったからな。遊んだりする時間が無かったから、楽しみなんだよ」
「あ、そう」

会話が終わると、ナギは夢を思い出してしまい、赤くなった。
すると

「お嬢様、顔が赤いけど、大丈夫か?」
「問題無い」

ナギはそう言ったものの、悠太は少し心配になり、ナギの額に手を当て

「う〜ん。まあ、熱は無いみたいだな。なら平気か」
「だ、だから、平気だといいただろうが。ほら、着替えるから部屋を出てろ」
「はいはい」

悠太が部屋を出たのを確認し、ナギは着替え始めた。

「(しかし、何で私はあんな夢を?以前のは「誕生日記念だ」と作者が言ってたが、今回のは違う。やっぱり、あんな所に行ったせいか?)」

まあ、それしかないですよね。

「(で、でも悪い夢じゃ無かった。もし、ハヤテが迫ってきたら)」

そこまで思うと

「私は受け入れるな。なあ」
「なにが、なあなんですか〜♪」

ナギが振り向くと、なぜか笑顔のマリアさんがいた。

「マ、マリア!?何でここに?」
「悠太君が言ってたんですよ〜。ナギの顔が赤かったって」
「悠太にも言ったが、体調は万全だよ」
「なら良いんですかね〜♪」

ちなみに、マリアさんが笑顔なのは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギの顔が赤かったって事は、ハヤテ君関連の夢を見たからでしょうね〜♪ナギの夢を記録できたら、私のコレクションの中でも最強の部類に入るものだったんでしょうけどね〜♪ああ♪)」

これが理由である。


                      × ×


一方、旅行中の麗組。

「朝はイスタンブールで、その日1日観光。そして明日はミコノスにギリシャか〜。楽しみですよね〜」

テンションが上がっている弟の勝に麗は

「あんたねえ。イスタンブールとかは初めてじゃないのに、よくテンションがあるわよね」
「だって、旅行は何回行っても楽しいもん」

実際、麗もそうだったが、勝ほどはテンションは上がらなかった。

「でも、流石は麗君だな。効率よく観光できるスケジュールを組むとは」
「慣れてるだけよ」

理沙達はスケジュールを組んだ麗には感心していたが、

「しかし、今乗ってる寝台車と言い、ミコノスでの船での移動と言い、ヒナは態々陸路とはな」
「飛行機の方が早いのにな〜」
「う、煩いわね〜。折角観光に来たんだから、ゆっくり行きたいのよ」

ここにいる全員は、ヒナギクが陸路に拘る理由が分かっていたが、敢えて口にしなかった。

「で、麗君と勝君はどうするんだ?我々は早くリゾートと決め込みたいから、飛行機で行くが」
「私と勝はヒナと一緒よ。ヒナを誘ったのは私だしね」

麗が自分達の予定を伝えると、理沙と美希が

「そう言えば、ギリシャと言いミコノスと言いリゾート言えば」
「良い雰囲気になること間違いなしのスポットだ」
「「「だから?」」」

首を傾げる麗、ヒナギク、泉に2人は

「つまりだ。泉よ、ハヤテ君にファーストキスをあげるチャンスってことさ」
「な、なんでそうなるの〜////////////////////////////////////////」
「良いじゃないか。折角の機会なんだし、あげちゃえよ」

迫ってくる2人に泉は

「そ、そう言うのは相手の気持ちだって大事だよ//////////////////////////////////////」
「ほほ〜う。つまりはだ、ハヤテ君がキスを迫ってきたら、受け入れるってことか」
「そうなんだろ〜」

追及に泉は

「も、も〜//////////////////////////////私寝る〜/////////////////////////////////」
「待て〜」
「逃がすか〜」

3人は出て行った。

「やれやれ。騒がしいわね〜」
「そうね」

すると麗が

「そう言えば、ヒナはキスした事あるの?」
「あると思うの?」
「ま、無さそうね」

すると、麗に疑問が浮かび

「で、ハヤテ君がヒナにキスを迫ってきたらどうするの?私なら喜んで受け入れるけど」

麗の質問にヒナギクは暫く考え

「殴っちゃうかも」
「(ヒナならやりかねないわね)」

心の中で呆れる麗であった。


                        × ×


そして。

「では、良い旅を」

ナギ達は受付を済ませ、後は飛行機に乗るだけとなった。

「空港か。なんだか久しぶりな気がするな」
「そうなのか?」
「少なくても、執事になってからは初めてだよ」

悠太が執事に着いて以来、国内旅行はあったものの、海外は初めてであった。

「ミコノスか。楽しみだな」
「ああそうだな。良い旅が出来ると良いな」


こうして、三千院一行(ナギ、悠太、マリアさん、クラウス)の旅行も始まった。



----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回からミコノス編です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月18日更新) ( No.21 )
日時: 2014/01/18 16:32
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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前回、ナギ達三千院組はミコノスへ向けて出発した。


さて、物語の前に飛行機の料金に関して知識を(漫画のみの知識)。
一番安いのはエコノミーであり、次にビジネス。そして最高席がファーストクラスである。
エコノミーを3万円とすると、ビジネスは15万円、ファーストクラスは30万円もするのである。

ちなみに、三千院家組は---


「・・・」
「ん?どうした、悠太」
「い、いやな」

悠太は辺りを見渡した後

「お嬢様は相変わらずすげえなって」
「そうか?」

ナギ達はプライベートジェットで移動していた。

「まあ、この飛行機なのは、楽だからだよ。ミコノスの空港に直接乗り入れられるしな」
「やれやれ。同じ財閥でもこうも違うもんかねえ」

悠太は呆れるやら感心するやらしていた。

「悠太は飛行機初めてじゃないんだろ?いくらプライベートジェットでもそんなに驚く事か?」
「家は金持とはいえ、基本的にエコノミーかビジネスなんだよ。まあ、取引先がファーストを用意してくれることもあるけど、殆ど乗らねえし」
「ふ〜ん」

ちなみに、飛行機の安い席に座るのは、真山家の伝統みたいなものです。

「ちなみにだ、私達は普通の飛行機にはあんまり乗らないんだよ」
「ああ。ハイジャックとかの犯罪に他の人たちを巻き込むかもしれねえからな」
「そうだよ」

すると、ナギと悠太の会話を聞いていたマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ハイジャックに会って恐がるナギも、ハヤテ君に助けて貰って、照れるナギも見たいんですけどね〜♪ああ♪)」

とか思っていたそうだ。

すると

「あ、そうだ。悠太、旅行中は執事服じゃ無くても良いし、何なら好きにしてていいぞ。変に離れなければな」
「あ、そう。じゃあお言葉に甘えようかな」
「それが良いよ。イタリアマフィアも廃業してるだろうし、平和らしいからな」

悠太が色々考えてるとき、ナギは

「(旅先でハヤテと会えればこれはまさに赤い糸によって導かれた運命。それにバカンス中と言うのもあるから、気分が盛り上がってそのまま私とハヤテが)」

そんな風にハヤテとのロマンスを考えていると

「お嬢様、エーゲ海が見えてきたぜ。綺麗なもんだよな」
「まあ、日本の物とは違うからな」
「これだけ綺麗な海が見れたんだ、なんだか、運命が起こりそうだな」
「そ、そうだな」

悠太に言われ、ナギはハヤテとの赤い糸の運命を強く感じ始めた。


                     × ×


飛行機は無事に空港に降り立った。
すると

「あれ?悠太君に、ナギちゃん。偶然だね〜」

泉達と会った。

「あれ?瀬川達、ここにいたのか」
「まあね〜」

普段通りの悠太に対し、ナギは

「(お、おいおい神よ。まさかこれが運命だなんて言うんじゃないんだろうな?それなら呪うぞ)」

こう思っていた。

「ほう。こんな所で偶然出会うとは」
「運命ってやつか?」

美希と理沙の言葉にナギが恨めしく思っていると

「奇妙な偶然だろ」
「そ、そうだぞ」
「「運命」だなんて軽々しく口にしない方が良いぜ。じゃないと、本物の運命が薄れるぜ」

悠太の言葉に全員が納得していたが、

「だがな、ヒナと麗君も夜に来るんだぞ。これは運命ではないのか?」
「さあな。少なくても、俺は偶然だと思うぜ」

ナギは悠太と同意見であった。


                      × ×


ナギ達は泉達と別れ、三千院家の別荘に来ていた。

「お嬢様、身近で見るエーゲ海も綺麗だぜ」

悠太はテラスに出て、ナギのテンションを少しでも上げようとしたが

「私のノートパソコンの方が綺麗だから、別に見なくてもいい」
「おいおい。旅先に来てまでそれかい」

ナギのテンションが低いのは、会いたくもない泉達に会った為です。もちろん、夜にヒナギク達が合流すると言う事もナギのテンションを低下させている要因です。

「(全く。折角の旅のテンションが台無しではないか。ハヤテと会えればテンションはウナギ登りだったかもしれんが、よりにも寄ってあいつらとは)」

ナギとしては恋のライバルの麗とヒナギク、泉が来る事は勿論嫌な事です。なぜって?「運命が薄れるから」です。

「まあ折角だ。外に出ようぜ。な?」
「暑いし、日焼けする」
「暑さは別に。ってか日焼けは気にしなくても」

悠太の言葉にナギは

「日焼けをすれば肌が荒れる」
「そ、そんな事は」

するとマリアさんが

「フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪肌が荒れちゃえば、唯でさえ勝ち目が無い戦いに、追い打ちがかかりますからね〜♪」

マリアさんの声は小さめだったが、ナギと悠太には聞こえていた。

「と、ともかく。私は行かんからな」
「分かったよ。じゃあ、俺1人で行ってくるよ」

悠太が1人で外出しようとした所に

「良いんですかナギ」
「なにが?」
「もしかしたら、ハヤテ君に会えるかもしれませんよ〜」

マリアさんの言葉にナギは全神経を耳に集中した。

「ハヤテ君に会えれば、「ナギさん、こんな所で会えるなんて運命ですね」って言われて、「ナギさん、折角の運命です。僕とお付き合いしてください」ってな展開になるかもしれませんよ〜♪」

そう言われたナギは慌てて悠太を呼び止め、

「悠太、私も外に行くぞ」
「へ!?あ、ああ」

帽子を被り外に出ようとしたナギにマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪あの程度で気持ちが変わるなんて可愛いものですね〜♪ハヤテ君はギリシャに居るのに、会える訳無いのに。会えなくてがっかりするナギを撮影できますよね〜♪ああ♪)」

そう思いながら喜んでいた。


                      × ×


そして。

「ったく。悠太の奴、どこに行ったのだ」
「さあ〜♪」

なぜだかマリアさんは嬉しそうだった。

「飛ばされた帽子をどこまで追いかけて行ったんだあいつは」
「何処でしょうね〜♪」

ちなみに、マリアさんが嬉しそうなのは

「(なんだか分かりませんけど、面白そうな展開が起ころうとしてますよね〜♪これは期待できますよね〜♪)

とか思っていたからである。

「まあ、悠太は強いから、そんなに心配はしてないが、不安だよな」
「ですね〜♪」

すると、マリアさんに名案が浮かんだ。

「もしかしたら、ナギといるのが嫌になったのかもしれませんよ〜♪」
「な、何でだよ」
「さあ♪ただ単にナギと居たくないって思っただけかもしれませんよ♪」

マリアさんのからかいにナギは俯き

「(悠太、お前はあんな嘘つきとは違うよな。私の前から理由も無くいなくならないよな?)」

そんなナギを見てマリアさんは

「(ナギったらこんなに落ち込んで♪ただの冗談を真に受けるなんて面白いですわね〜♪ああ♪)」

とか思っていた。

すると

「わ、私、悠太を探してくる」

そう言って駆け出した。
マリアさんは敢えて後を追わなかった。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は悠太が何処に行ったか触れます。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月18日更新) ( No.22 )
日時: 2014/01/18 20:46
名前: ささ

ささです。
泉たちと会ったとき「運命をバカにするな」とか当たり散らすナギだったとしてもコレクションの対象になりますか?マリアさん
ナギを敢えて追わないマリアさんの考え?が分かるような‥。
さてと、★★★
ナーギさん★★★
そりゃハヤテと会えたら運命ですよね、国連加盟国だけでも260カ国以上確かあるから、一致する確率は単純に…(動研の三人娘以外は分かるはず)
とはいえ、13歳で肌荒れ云々言うのは早いのでは?
体のある一部分が薄い生徒会長や理事長に勝った人だとか、ハヤテを追って白皇に編入した人だとかなら、まだしも。(後ろから思いっきりとびきりの笑顔で睨みつける人がいますので退散します。)村正投げないでください。
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Re: 女神と共に第二部 (1月21日更新) ( No.23 )
日時: 2014/01/21 17:16
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの投稿です。

 ●さささん

 >>ささです。

 悠太「感想ありがとな♪」

 >>泉たちと会ったとき「運命をバカにするな」とか当たり散らすナギだったとしてもコレクションの対象になりますか?マリアさん

 マリア「そうですね〜。正直言うと、コレクションとしては弱いでね〜♪」
 クラウス「・・・」

 >>ナギを敢えて追わないマリアさんの考え?が分かるような‥。

 マリア「ですよね〜♪後を追えば、面白い展開が起こりませんからね〜♪」

 >>さてと、★★★

 ナギ「!!!!!!」←逃げようとした。
 マリア「・・・」←逃げようとしたナギを捕まえた。

 >>ナーギさん★★★

 ナギ「な、なんだよ」←逃げられない。

 >>そりゃハヤテと会えたら運命ですよね、国連加盟国だけでも260カ国以上確かあるから、一致する確率は単純に…(動研の三人娘以外は分かるはず)

 理沙「バ、バカを言うな。一緒の国行ける確率はえっと」
 美希「100分の1ぐらいか?」
 泉「1000分の1じゃない?」
 麗「260以上分の1よ」

 >>とはいえ、13歳で肌荒れ云々言うのは早いのでは?

 ナギ「う、煩いな。テレビで言ってるだろ。若いうちからの手入れが大切だって」

 >>体のある一部分が薄い生徒会長や理事長に勝った人だとか、ハヤテを追って白皇に編入した人だとかなら、まだしも。

 ヒナギク「・・・」
 綾子「私だって若いですわよ」
 麗「私もね」

 >>(後ろから思いっきりとびきりの笑顔で睨みつける人がいますので退散します。)村正投げないでください。

 ヒナギク「大丈夫よ。投げずに斬るだけよ♪痛くないから安心して♪」
 美希「その顔で安心しろって。無理があるぞ」


 まあ、あの。 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (1月21日更新) ( No.24 )
日時: 2014/01/21 17:19
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、悠太達はミコノスへバカンスにやってきた。


三千院家の別荘にやってきた悠太はナギを外に誘ったが、「暑いし、日焼けで肌が荒れる」と断られ、1人で行こうとしたところ、ナギが一緒に行くと言い出し、3人で出かけることになった。

「この街は相変わらずだな」
「ん!?悠太はここへ来た事があるのか?」
「まあな。一応この街にも知り合いがいるしな」

ナギは感心していた。

「この街は何回来ても変わらないよな。まるで魔法で時を止めて、景色を保ち続けてる。そんな感想が出るよな」
「悠太、お前にもロマンチストな一面があったんだな」

ナギは悠太の意外な一面に驚きつつ

「でも、その意見は同感だな。私が住んでた頃とちっとも変って無いもんな」
「へ〜」
「フフフフフフフフフフフフ♪その頃も引きこもってましたけどね〜♪」

マリアさんは楽しそうだった。

「お嬢様、ちゃんと外に出た方が良いぜ。でないと成長しねえぞ」

悠太の言葉にナギは悠太を見つめ

「ん!?どうした?」
「いやな。昔、お前と同じ事を言った奴がいたなーって」
「へ〜。どんな奴だ」
「顔も覚えてないし、名前も知らないけど、嘘付きで約束の守れない奴。ってだけは覚えているよ」

ナギが浸っていると、風が吹いて

「あ、帽子が」
「任せな」

悠太はジャンプして、飛ばされた帽子をキャッチした。


                      × ×


「ほら、もう飛ばされるなよ」

そう言ってナギがいた方へ向くとナギそっくりな小さい子がいて

「お嬢様、縮んだか?」

悠太がそう聞くと、目の前のナギに似た少女は悠太を殴り

「初対面の相手に失礼な奴だな!!こう見えても毎日成長してるわ!!!!」
「ひ、人違いだったいたいだ」

悠太がそう言って謝るとナギに似た少女が

「ったく。返せ!!これは私の帽子だ」
「へ!?」
「だから、この帽子はこの私、三千院ナギの帽子だと言ってるんだ!!」

少女が名乗ったことで、悠太は混乱し

「(このチビッ子がお嬢様!?って事は俺はタイムスリップしたってことか!?)」

そうは思ったが

「(待て待て。SFじゃねえんだからよ、いきなりタイムスリップってありえねえだろ)」

そう思って、近くのお店らしき場所に駆け込み

「す、すんません」

悠太が声をかけると、店員らしき人が振り向いた。

「(えっと、ここは海外だから)」

悠太はイタリア語で今は何年何月何日かと尋ねた。
すると、相手の答えを聞いた悠太は。

「(ゲッ。思いっきり過去じゃねえか)」

悠太が落ち込んでいると

「じゃあな。もう迷惑かけるなよ」

そう言って過去のナギが帰ろうとした。

「ま、待ってくれ」
「なんだよ。まさかお前、誘拐犯か?」
「ち、違うよ」

悠太は何とか冷静さを取り戻そうとした。

「全く。お前みたいに変な奴とかに会うから、外に出たく無いのだ」

悠太が冷静さを取り戻した所に過去のナギがそう言ったので、悠太は

「(待てよ。お嬢様の引き籠りが治ったとはいえ、ハヤテ関連じゃないと治ったとは言えねえ。だったら、今の内に矯正しておけば、ハヤテが係わらなくても、外に出るようになるかもしれねえな)」

そう思い、

「お嬢さん、俺に付き合ってくれないか?」
「は!?」

驚く過去のナギに悠太は

「ちゃんと外に出た方が良いぜ。でないと成長しねえぞ」

悠太の言葉に過去のナギは反応し

「別に良いけど、大丈夫か?」
「何がだ?」

悠太は過去のナギが指さした方へ向くと、

「人攫いのマフィアに狙われてる最中なんだけど」

ナギがそう言った瞬間、マフィアの皆さんが銃を取りだしたので、悠太は慌てて過去のナギを抱えて逃げ出した。

「やれやれ。マフィアに命を狙われるなんて、どんだけなんだよ」
「私に言われても。私が望んで狙われてる訳じゃないし」

過去のナギは寂しそうになると

「だから、外に出たくないんだ。命を狙われるからな」

ナギの呟きに悠太は

「なあ。今夜星を見に行こうぜ。一緒にな」
「馬鹿を言うな。命を狙われるのがオチだ」

寂しそうな過去のナギに悠太は

「大丈夫だ。俺が守ってやる。だから安心しろ」

そう言われた過去のナギは

「そうか。なら、一緒に星を見に行こう。約束だぞ」
「ああ」


2人は路地裏の様な場所に逃げ込んだ。

「さてと。あいつらを倒してくるか」
「大丈夫なのか?」
「問題無い。俺は強いからな」

悠太は叢雲を召喚すると、マフィアを倒そうと飛びだそうとした。その瞬間

「貰ったー(イタリア語)」
「ちぃ」

悠太はとっさにナギの帽子で相手の視界を塞いだ。
その事で相手は銃を外し

「終わりだ」

悠太に倒された。

「お、おい」
「峰内だ。死んでないよ」

確かに相手は気絶しているだけだった。

その後悠太は先ほど襲いかかってきたマフィアも倒した。


                      × ×


悠太と過去のナギは近くの海岸にやってきた。

「すまねえな。とっさの事だったとはいえ、帽子に穴を開けちまって」
「良いさ。お前が私を守ってくれた証だからな」

過去のナギは嬉しそうだった。

「ありがとな。お前がいなければ、私は死んでいた」
「(そっか。俺が過去に飛ばされたのは、お嬢様を守るためか)」
「さ、約束通り、星を見るか」

過去のナギがそう言った瞬間、帽子が飛ばされた。
その瞬間、過去のナギの眼の前から悠太が消えた。


                      × ×


「(戻ってきたのか?)」

悠太は過去でも飛ばされた帽子を追いかけた。
その瞬間に辺りの景色が一変していた。

「(戻ったみたいだな。役目を終えた俺は過去には要らないもんな)」

そう思うと、防波堤に腰かける見慣れた人物が腰かけていた。

悠太は帽子を持ったままその人物に近付いた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は前回の続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月24日更新) ( No.25 )
日時: 2014/01/24 21:09
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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前々回、ナギは突然いなくなった悠太を探しに行った。


時は戻り、紫子が存命で、ナギが小さかったころのミコノス。

「あ、流れ星。ねえナギ、何かお願いした?」
「別に。あんなの宇宙に浮かぶ塵が落ちてくるだけの大したものじゃないだろ」

冷静に言う我が娘に紫子は。

「ロマンの欠片もない子ね。たとえ迷信でもいいから、お願いしようって思わないの?」
「母よ。それは流れ星が消える前に願いを3回言えると、叶うってやつだろ?無理だよ。早すぎて」

あくまで現実的なナギに紫子は

「ホント、ロマンが無いわねえ。親の顔が見たいわ」
「なら鏡を見る事を勧めるよ」

紫子は感心しつつ

「昔の人はね、星の力を信じていたものよ。本当か嘘かなんて欠片すらも思わずにね」
「そんなもんかねえ」

話をしていると、また流れ星が流れた。

「母よ、今お願いしたか?」
「して無いわ。今の私には叶えて貰いたいお願いなんて無いもの」

そう言うと、紫子は自分が掛けていたストールをナギに掛け、

「でもね、その内星の力を沢山使う時が来ると思うの。その時までとっておくわ」

紫子がそう言うと、2人は帰る事にした。


                    × ×


時を戻し、現代。

マリアさんは町はずれで黒い笑みを浮かべながら

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪悠太君がいなくなった理由は厄介事に巻き込まれたのが理由でしょうね〜♪それにナギのあの様子からすると、とてもとても楽しい事が起こりそうですよね〜♪準備をしておかないと、損ですよね〜♪ああ♪)」

とか思っていた。


そんな事を知らないナギはあちこち探していた。

「ったく悠太の奴、どこに行ったんだ?」

ナギは色々と考え

「そう言えば、この街に知り合いがいるって言ってたなあいつ。でも、私はその知り合いを知らないしな」

ブツブツと囁きながら歩いていると、自然と街の景観が目に入り、昔出会った青年(悠太)の事を思い出した。
少し思い出に浸り、

「癪だが、あいつらの所に言ってみるか。手掛かりがつかめるかもしれんし」

ナギは泉達の元へ行く事にした。


                     × ×


一方の泉達はと言うと

「泉〜。お腹すいたからランチ行くぞ〜」
「起きろ〜」

泉はベッドで気持ちよさそうに寝言を言いながら眠っていた。

「やれやれ。アテネ市であれだけ寝たのに、ここに着いた途端昼寝か」
「ま、ここまでハードスケジュールだったしな」

すると、美希と理沙は泉の寝顔を見ながら

「折角だ。このまま寝かせておいて」
「我々は我々で楽しもうではないか」

そう言うと、2人は油性ペンで泉の顔に落書きを始めた。
すると、

「お〜い。誰かいるか〜」

玄関から声が聞こえて来て、行くとナギがいた。

「なあ2人とも、悠太を知らないか?見かけないんだが」
「悠太君?」
「知ら---」

そう言いかけた途端、美希と理沙に悪知恵が働き

「悠太君は知らん。だが、ハヤテ君はさっき来たぞ」
「ああ。今は泉と2人きりだ」

2人の嘘にナギはショックを受けていた。
その事で、2人の悪知恵はさらに働き

「今頃2人は燃え上がる様な事をしているに違いない」
「泉は見かけによらないからな」
「ど、どんなふうにだ」

嘘を信じていると確信した2人は一瞬のアイコンタクトで意見を揃え

「気になる異性を部屋にあげると、いきなり裸になり」
「抵抗する間も与えず、相手も裸にするんだ」

想像したのか、ナギの顔が赤くなった。

「そうなった泉はだれにも止められない」
「抵抗する相手に対してもあんなことやこんな事を-----」

「するかー」

突然飛んできた箒が美希と理沙の頭にクリーンヒットし、涙目の泉が投げたとすぐにでも分かった。

「人が寝ている隙に何出鱈目吹き込んでるのー。私はそんな事しないよ〜」

呆気にとられているナギに泉は

「ナギちゃんは信じないよね?私はそんな事をする女の子に見えないよね?」

落書きだらけの泉の顔を見て、「信じれる」と思い、これから美希と理沙の事は殆ど信じない様にしようと決意した。


                     × ×


街に出たナギは再び悠太を探していた。
そして、街の景観でやっぱり過去の事を思い出し

「(あいつに出会ったのも確かここだったよな)」

見覚えのある路地にナギは顔を思い出せないが、言われた事を思い出していた。

「(守ってやるとも、星を見に行こうとも言われた。でも、そいつは約束を守らなかった。そして突然いなくなった)」

浸りながら歩いていると、何時の間にか海岸に来ていた。

「ここ、だったよな。あいつが消えたのは」

ナギは防波堤に腰かけた。

「悠太、お前は私に言ったよな?一緒にいるって。あいつみたいに嘘はつかないよな?」

ナギの問いかけに答えるのは波だけだった。

「っは惨めだな。身近な執事を信じないとはな。ハヤテに知られたら怒られるよな」

そうは思ったが、やはり寂しく、俯いた。
すると、突然帽子がかぶせられ、ナギが上を見ると、悠太がいた。

「お嬢様、こんな所で何やってんだ?」
「そ、それはこっちの台詞だ。今までどこにいたんだ」

ナギの問いかけに、悠太はナギの隣に座り

「不思議な体験をしてたんだ。体験しておいてあれかもしれんが、今でも信じられない体験だったよ」

考え込んでいる悠太にナギは

「きっとそれは、誰かが星の力を使ったんだろ」
「なんだそれ」
「流れ星に3回願いを言うと、叶うってあれだよ」

ロマンチックな迷信を言ったナギに悠太は

「そうかもな。それだったら、俺の体験にも説明が付くよな」

そう言って、星空を見上げ

「お嬢様、その内俺はお嬢様のもとを去る。でも、その日まで「俺が守るよ。安心しろ」」

その言葉にナギにはある疑惑が浮かんだが、すぐにでも疑惑を否定し

「頼むぞ。まあ、正直に言うと、その台詞はハヤテに言ってもらいたかったがな」
「手厳しいな。ま、いいか」

その後、2人は暫くの間、星空を眺めていた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回で麗とヒナギクが合流する予定です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月28日更新) ( No.26 )
日時: 2014/01/28 16:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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前回、ナギは悠太を探しつつ過去の思い出に浸った。


夜。ヒナギクと麗と勝の時任姉弟は船でミコノスへ向かっていた。

「ねえヒナ、今何考えていたの?」
「ナギ達もこの星空を見てるのかなって」

そう答えたヒナギクに対し、麗は

「私は、ハヤテ君ね。ハヤテ君ともこの星空を見たかったなって」
「そ、そう」
「ん!?ヒナも思ったの?」

黙り込んだヒナギクに、麗は肯定と捉えた。

「でもさ、こうやって2人きりになるのって、この旅行では始めてよね」
「確かにそうね。勝君や泉達がいたもんね」

するとヒナギクにある疑問が浮かび

「そう言えば、勝君は?」
「船の中探検してくるってあちこち回ってるわ。降りる頃には戻ってくるそうよ」

少しの間、2人の間に沈黙が訪れたが、ヒナギクが意を決したように

「ね、ねえ麗。昨日の夜に言ってたあれって事実なの?」


                      × ×


時間は戻り、昨日の夜。
泉は列車内で「ハヤテとキスしたいのか?」とか「ハヤテに付き合ってくれと言われたらどうするのか?」と言う質問攻めにあっていて、降りた後

「ところでだ、麗君はキスの経験はあるのかな?」
「あるわよ」

即答かつ当然のように言った麗に全員が驚き

「そ、それって子供の時の話だよね」
「まあ、財閥のお嬢様だ。不思議はないか」

そう言った泉と理沙に対し麗は

「ここ最近よ。ちなみに、相手はハヤテ君よ」

そう言った麗に泉が涙目になりつつ

「な、何で?何時したの?」
「ハヤテ君が家に来て、泊った時よ。おやすみとおはようのキスをしたの。ちなみに、私のファーストキスだったわ」

ショックを受けている泉に麗は

「大丈夫よ。キス以上の事は無かったわ。今のとこはね」

麗の言葉に泉は表情が和らいだ。


                     × ×


「ああ、あれね。あれは事実よ」
「そ、そうなんだ」

ヒナギクは麗が羨ましいと思っていた。

「ねえヒナ。ヒナはハヤテ君とキスしたいって思う?」

麗の質問にヒナギクは真っ赤になり

「そ、それはその。れ、麗はどう思うのよ」
「私?そりゃしたいわ。もちろん、ハヤテ君がキスを迫ってきたら喜んで受け入れるわ」

黙り込んだヒナギクに麗は質問を変えた方がいいと悟り

「そう言えばさ、ヒナはなんでハヤテ君を好きになったの?」
「そ、それは」

答えそうにないヒナギクに麗は

「正直に言うとさ、天下の白皇生徒会長と有名な財閥の使用人長ならバランス取れると思ったのは事実よ。だからこそ、気になったのよ」

ヒナギクは悩みつつ

「れ、麗が教えてくれれば、私も教えるわ」

ヒナギクの言葉に麗は隠す必要もないだろうと思い

「最初はただの興味だったわ。私の知ってる幼馴染のアテネはあんな性格では無かったわ。でも、ハヤテ君と出会って大きく変わったって聞いて、ハヤテ君の人間性とかを調べてたの。そうしたら、ハヤテ君の魅力に魅了され、恋に落ちた。それが理由よ」

麗の説明にヒナギクは感心しつつ

「私の場合、後になって色々と考えて、思い当たる理由は1つしか無かったのよ」
「へ〜。なんなの?」
「一目惚れよ。それしか思いつかなかったの」

麗は自分に近い理由に笑みを浮かべた。

「ぜ、絶対に言っちゃ駄目よ。特にハヤテ君には知られたくないんだから」
「はいはい」

すると、麗に疑問が浮かび

「ヒナは告白とかしないの?私はしたも同然だけど」
「そ、それは。綾にも言ったけど、自分から告白したら負けな気がするのよ」

麗はヒナギクの言葉に呆れ

「ああ、そう。まあ良いわ。私がハヤテ君を貰うから」
「フン。私は負けないわ」

そうこうしているうちに勝が戻ってきて、船もミコノスに到着した。


                     × ×


港に着いてそうそう

「あれ?時任達じゃないか」

ナギと悠太に会った。

「あれ?悠太君とナギちゃんは何でここにいるの?」
「旅行だよ。港に居たのは偶々さ」

すると、ナギの機嫌が悪くなり

「悠太、さっさと帰るぞ」
「へ!?あ、ああ」

帰ろうとしたナギを麗を呼び止め

「なんだよ」
「折角こうして出会ったライバルを邪険にしないでよ。ここは1つライバル同士交流を深めようじゃない」
「な、何でだよ!!」

機嫌の悪いナギに悠太は

「まあまあ。お嬢様、こうして会えたんだし、三千院家の別荘にぐらい招待したらどうだ?時任の言ってる通りの理由で」
「フンッ。まあいい」


                      × ×


場所は変わり、三千院家別荘。

「は〜。三千院家の規模は相変わらずね。家にも別荘はあるけど、ここまででは無いわね〜」

驚く麗にナギは

「まあな。時任なら「恋のライバル」と言う関係上招待してやるよ。ヒナギクは、まあ友達みたいなものだし、勝の奴はライバルの弟だからな。お茶して行けよ」

ナギの言葉に悠太は顔を綻ばせた。
しかし、

「あ、遅かったな」
「待ちくたびれる所だったぞ」

別荘に入ると、生徒会三人娘がいたことで、治まったナギの怒りが再び頂点に達し

「何でお前らがいるのだ!!!お前らは招待した覚えは無い!!!」
「良いじゃないか」
「仲間だろ」
「仲間になった覚えは無い!!!!」

怒っているナギは電話の所に行こうとした。
その事で、悠太は慌ててナギを止め

「な、何をしようとしたんだよ」
「警察に電話するんだよ。見ず知らずの他人が家に不法侵入してるってな」

ナギの言葉に3人は慌てたが

「何もそこまでしなくてもいいだろ。折角こうしてクラスメイトと会ったんだ。少しぐらい交流を深めようぜ。な」
「フンっ。悠太に免じて警察への連絡は止めてやる。だがな、次は無いぞ」
「「「は、はい」」」

ナギの剣幕に泉達は敬語になった。


ちなみに、3人がここに居る理由は

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪あの3人を別荘にお入れして正解でしたね〜♪ナギがあそこまでの反応をするなんて♪でも、悠太君がナギを止めたのはむかつきますね〜。警察が来てあの3人が慌てた所は見たかったんですけどね〜♪ああ♪)」

マリアさんがこんな事を思ったからである。

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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月28日更新) ( No.27 )
日時: 2014/01/30 19:34
名前: ささ

ささです。
先日は悪ふざけが過ぎました。ヒナギクさん申し訳ありません。ただ、ヒナギクさんも含めナギよりは年上だし、青春真っ盛りなんだから美容に気を使うのは当然でしょ。
只でさえ難攻不落のハヤテくんだから
確かに三人娘を受け入れて、面白いものが見れました。
ナギ以外でも面白いコレクションを収集していたのですね。
ナギと悠太は悉くマリアさんの計画を妨害しますね。
でも、ナギが通報使用としたときハヤテが突然入ってきたらどうなっていただろうな?それこそ良いものが得られる気がします。どうですか、マリアさん?
それと、叢雲は過去でも引き出せるのか〜。
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Re: 女神と共に第二部 (1月31日更新) ( No.28 )
日時: 2014/01/31 18:05
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの投稿です。

 ●さささん

 >>ささです。

 麗「感想ありがとうね♪」

 >>先日は悪ふざけが過ぎました。ヒナギクさん申し訳ありません。

 ヒナギク「分かればいいのよ♪痛い目に会いたくないものね♪」
 美希「恐いよ」

 >>ただ、ヒナギクさんも含めナギよりは年上だし、青春真っ盛りなんだから美容に気を使うのは当然でしょ。

 ヒナギク「まあ、そうなんだけどね」
 麗「一応気を使って入るけどね」

 日向「ウチを忘れないでや。ウチはナギ姉ちゃんより年下の10歳やで」

 >>只でさえ難攻不落のハヤテくんだから

 麗「そうよね。ハヤテ君はあらゆる手を使わないと難しいわよね」
 ナギ「理事長と言う付き合いの長い強力なライバルもいるしな」
 ヒナギク「かなり積極的な綾もね」

 >>確かに三人娘を受け入れて、面白いものが見れました。

 マリア「ですよね〜♪フフフフフフフフフフフフフ♪」
 クラウス「・・・」←一応いました。お忘れなく。

 >>ナギ以外でも面白いコレクションを収集していたのですね。

 マリア「そうですよ〜♪面白いもの全般が私のコレクションですから〜♪」

 >>ナギと悠太は悉くマリアさんの計画を妨害しますね。

 マリア「ホントですよね〜。邪魔すんじゃねえよったく」
 ナギ・悠太「・・・」

 >>でも、ナギが通報使用としたときハヤテが突然入ってきたらどうなっていただろうな?それこそ良いものが得られる気がします。どうですか、マリアさん?

 マリア「確かにそうですね〜。ナギならうろたえつつ、「そ、そんな事しようなんて考えてないぞ。ほら、皆で遊ぶぞ」って赤くなりながら言うでしょうね〜♪ああ♪」

 >>それと、叢雲は過去でも引き出せるのか〜。

 悠太「まあな。叢雲は常に俺の傍に居るからな。時間は関係ないんだと」
 伊澄「あの妖刀は結構万能らしいですよ。扱いが難しいだけに」


 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (1月31日更新) ( No.29 )
日時: 2014/01/31 18:07
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、三千院家の別荘に麗、ヒナギク、勝。そして生徒会三人娘が集まった。


三千院家の別荘のバルコニー。ここに時任姉弟が2人だけでいた。

「ゴルディオン、カッパドキア、そしてイスタンブール。色んな町に色んな歴史があったね、姉ちゃん」
「まあね」

勝のテンションは未だ高かった。

「色んな歴史に触れられて、将来歴史の先生になろうかなって思えたよ」

弟の言葉に麗は

「勉強嫌いのあんたが何言ってるのよ。それに、時任グループの副社長と言う立場があるんだし、それでいいじゃない」
「そ、そうだけど」

麗に言われ、勝は少し黙った後

「ゴルディオンにあったフリギアって国には王様の神話とかがあって、興味深かったのは本当だよ」
「そう言えば、ミコノスの隣にあるデロス島には太陽神アポロが生まれたって神話もあったわね」
「この国に来たのは初めてじゃないけど、こうやって歴史探訪をしてみて、歴史の先生に興味が生まれたんだよね」

勝の言葉に麗は

「勝、あんたが本気で歴史の教員を目指すなら、お姉ちゃん応援してあげるけど」

そう言われた勝は少し考え

「やっぱいいかな。僕は姉ちゃんと一緒に時任家を支えてる方が楽しいから」
「あ、そ」
「そこにハヤテお兄ちゃんも加われば無敵だね」
「そ、そうね//////////////////////////////////////」


                       × ×


そんな風に姉弟が話している頃、屋敷内では。

「なあ悠太君、シーフードカレーが食べたいんだが」
「ほい。ハヤテに教わった配合のスパイスで救ったカレーだ。魚介の風味が引き立つそうだぜ」

美希の注文をこなすと、次は理沙が

「なら私は美味いパスタを頼もうか」
「良いトマトとエビがあったから、アラビアータ風に仕上げたぜ」

注文をこなすと、次に泉が

「じゃあ私は美味しいケーキが食べたいな」
「これもハヤテに教わったもんだが、旨いぜ。何でも、甘さを砂糖じゃなくて、水飴で引き出すのがポイントだそうだ」

悠太が出したケーキはテレビに出るような有名パティシエが作ったかのような出来で、見た目の煌びやかさも当然ながら、味も抜群だった。

「悠太君は高性能だったんだな。感心したよ」
「そうでもねえよ。さっき出した料理のレシピは全部ハヤテが考案したもんだしな」

ちなみに、悠太は執事服に着替えていた。

「事のついでだ。このケーキに会うコーヒーもお願いしようか」

悠太が動こうとした時、ヒナギクが部屋に来て

「貴方達、悠太君に頼り過ぎよ」
「別にいいじゃないか。彼は執事なんだし」
「まあ、俺としても、喜んでもらえて光栄だよ」

そう言った悠太にヒナギクは軽く溜息をつき

「コーヒーなら私が淹れるわ。悠太君に働かせてばかりじゃ悪いし」
「そうか?すまんな」

ヒナギクは部屋を出て行った。

「しかしだ。こうして異国の地でクラスメイトと夜を明かすのも悪くないよな」

理沙はそう言ってさっきから黙ったままのナギの方へ向くと

「人○ゲームは何度やっても面白いな。本当に」

本来なら2,3人でやるゲームを1人でやっているナギに生徒会三人娘は

「まずいぞ。古来京都では、ぶぶ漬けを出されると、帰れという合図」
「現代では1人でパーティーゲームを始めると言う事が帰れと言う合図だ」

感情をこめて解説する美希と理沙に悠太は

「(まあ、あんた達3人がお嬢様のテンションを下げている要因なんだがな)」

心の中で毒づいていた。

「ここは1つ、ナギちゃんのテンションアップのため」
「とっておきの花火セットを」
「持ってこようではないか」

そう言うと、3人は立ち上がり

「今すぐに持ってくる。行くぞ、弟君」
「え!?僕もですか!?」

偶々戻ってきた勝を連れ、出て行った。

「やれやれ。騒がしいな」
「まあ、良いじゃない」

同じように戻ってきた麗が

「でもさ、あの3人ここが分かるのかしら?暗いけど」
「あ、そうか」

するとマリアさんが

「じゃあ、私が行ってきますよ」
「じゃあ頼みますね」

ちなみに、マリアさんが名乗りを上げたのは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪出鱈目な場所に誘導して迷わせてから、置いて来ようかしら♪それとも、不法侵入者として警察に突き出そうかしら♪迷いますね〜♪ああ♪)」

こんな事を考えていたからである。

マリアさんが出て行った後、麗が

「ねえナギちゃん、お手洗い何処にあるの?広くて迷っちゃいそうで」
「ここからだと遠いぞ」

すると悠太は

「じゃあ地図でも書こうか?この別荘はそんなに複雑じゃねえから、あれば迷わねえと思うし」

そう言った悠太にナギは

「良いよ。私が連れて行く」
「あ、そ」
「ほら行くぞ、時任」

ナギと麗が出て行った事で、悠太は1人になった。
そのタイミングでヒナギクが戻ってきて

「あれ?皆は?」
「なんだかんだで出て行ったよ」
「静かになったのはそれが理由ね」

すると悠太は

「まあせっかくだ。冷める前にそれ飲んでいいか?」
「あ、どうぞ」

受け取った悠太は1口飲むと

「お、美味いな。流石と言うべきか」
「まあ、両親が喫茶店やってたからね」
「ふ〜ん」

ヒナギクは今は2人きりだと言う事に気付き

「ねえ悠太君」
「ん〜?」
「好きな人と良い雰囲気になるコツってなんだと思う?」

聞かれた悠太は少し考え

「自然に任せればいいんじゃねえの?」
「自然に?」
「ああ。下手に意識とかすればかえって悪くなると思うしな」
「そう」


                     × ×


一方、ナギと麗。

「ナギちゃんって桁外れのお金持なのね。別荘でもこの規模だもんね」
「まあな」

するとナギは

「なあ。何で時任は旅行に来たのだ?飛行機嫌いのヒナギクを誘ってまで」
「そうね〜」

麗は少しの間考えた後

「特に理由は無いわ。ヒナを誘ったのは、その方が楽しいからと思ったからよ。いつもは勝と2人だし」
「ふ〜ん」
「でも、来て良かったと思ってるわ。勝も楽しんでるみたいだし、何より「恋のライバル」のナギちゃんに会えたしね」

麗の言葉にナギは

「嫌じゃないのか?ライバルがいない方が、好きな相手とイチャイチャ出来るかも知れんのだぞ」
「そうは思わないわ。確かに、負けたくない気持ちも好きな人を独占したい気持もあるわ。でもね、所詮恋愛関係になれるのは1人。だったら、負けた時に傷を癒し合う人が1人でも多くいた方が思うもの」

大人な言葉にナギは感心し

「なあ、ギリシャってまだ回って無いんだろ?」
「パルテノン神殿には行ったけど、それ以外はまだよ」
「じゃあ、案内してやるよ。弟も一緒に」
「ありがと。勝も喜ぶわ」

廊下に出た麗が

「ねえナギちゃん、あの扉って何?」
「ああ、あれか?確か、宝物庫だよ」


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は未定です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (1月31日更新) オマケ追記 ( No.30 )
日時: 2014/02/01 18:01
名前: masa

こんにちはmasaです。

オマケと言う名の特別編を更新します。
理由としては、シスターことソニア・シャフルナーズの誕生日だからです。

特別編なので、短めです。

ではおまけどうぞ。
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「う〜ん」

シスターと呼ばれる事が多いソニアは目を覚ました。
すると、ある事に気付いた。寝心地が普段寝ているベッドではなく、椅子の様で、座って寝ているように思えた。

違和感を感じつつ目を開けると、見覚えの無い部屋だった。

「あれ?私ったら、何でここに?」

まだ寝ぼけている頭で周囲を見渡すと、あまり大きくない部屋であり、ある壁一面にはとても大きな鏡があった。
その鏡が気になり、見ると映っているのは純白のウエディングドレスを身につけた自分であった。

「な、何よこれ。壊れてるの?」

鏡の映像が信じられず、自分自身の眼で見ると、やっぱりウエディングドレスであった。

「な、何で!?どうなってるの?」

ソニアが混乱していると、ドアがノックされ、誰かが部屋に入ってきた。
その誰かは彼女の祖父であった。

「ソニアや、ついにお前も結婚か」
「(結婚!?私が!?)」
「不安があるかもしれんが、あの青年ならソニアを間違いなく幸せにしてくれる。だから大丈夫じゃ」

ソニアには何が何だか分からず、混乱していると、係りの人らしき人が来て

「時間です。お2人とも、式場へ来てください」
「ほら、行くぞ」

係員の先導で祖父と並んで歩いて行くと、ある扉の前で立ち止まり、係員が扉を開けると、バージンロードが目に入り、結婚式の音楽が流れてきた。
ソニアは混乱しつつも歩いて行くと、神父の前に純白のタキシードを着たハヤテが立っていた。

そこでようやく

「(そっか。今日は私とハヤテ君の結婚式だったわね)」

ソニアはハヤテの隣に立ち、祖父は自分の席に座った。

音楽が止むと神父は本を開き

「新郎綾崎ハヤテ。そなたはいかなるときでも新婦を愛する事を誓いますか?」
「誓います」
「新婦ソニア・シャフルナーズ。そなたはいかなる時も新郎を愛することを誓いますか?」
「誓います」

2人が宣言すると、

「では、誓いの口付けを」

神父がそう言うと、2人は向き合い、ハヤテはベールをめくった。

「幸せにするよ、ソニア」

そう囁いて、キスした。

「(私、幸せ)」

キスを止め、参列者の席を見ると、アテネ達が悔しそうに睨んでいた。

「(私、勝ったんだね。幸せなんだね)」

そう思うと、自然と笑顔になった。


                       × ×


「っは」

ソニアが飛び起きると、いつもの部屋で、当然と言うか、自分はウエディングドレスを着ていなかった。

「ゆ、夢?にしてはリアルだったわね」

ソニアは夢の内容を思い返し

「でも、例え夢でも最高だったわね。いずれそうなるといいわね」

そう思うと、ベッドから出て着替えた。

この日、ソニアは機嫌が良かったそうで、理由を知らない周囲は首を傾げていた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
毎度のオチですみません。

ちなみに、シスターは後10話位で本編に出ます。

では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月3日更新) ( No.31 )
日時: 2014/02/03 16:33
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ナギと麗は三千院家の別荘の宝物庫を見つけた。


ナギも麗も好奇心に負け、宝物庫の中へ足を踏み入れた。

「は〜、流石ね〜。ここも凄い規模ね」
「そうか?物置代わりに使ってたぐらいだと思うぞ」

ナギはそう言ったが、歩き回れるぐらい広く、部屋として使用しても何の問題もなさそうった。

すると麗が、一際大きい箱を指さし

「あれは何が入ってるの?大人が5〜6人は入れそうだけど。
「さあ?」
「さあって」

呆れる麗にナギは

「私はここに殆ど入った事が無いからな」

納得している麗にナギはさらに続けた。

「ここは電気が付かないんだよ。だから私は近付かないんだ」
「へ〜。つまりは、暗所恐怖症ってことね」
「そ、それは」

言うかどうか悩むナギに麗は

「大丈夫だって。苦手がある方が、ハヤテ君の保護欲が駆り立てられて、恋に落ちるかもよ」
「そ、そうだよな///////////////////////////////////////////////」

顔を赤くしたナギに麗は

「(まあ、私としてはその方が困るんだけどね。私も苦手を作った方がいいかもね)」

そう思った。

「さて。この箱開けていい?暗所恐怖症ならそこの扉を開けておけば平気だし、さっき見つけた懐中電灯もあるから平気だよ」
「開けるのは構わないが、金銀財宝を期待するのは止めておいた方がいいぞ。その手の物はここには無いと思うし」
「最初から期待してないから平気よ」

麗が蓋を開けると、何も入って無くて、スイッチがあっただけだった。
そのスイッチの傍には紫子と思わしきイラストと「押しちゃ駄目だぞ♪」と書かれた張り紙があった。

「何、これ?」
「私に聞くなよ。入った事無いって言っただろ」

2人は顔を見合わせ

「でもさ、このスイッチ「押すな」って書いてあるわよね」
「ああ、書いてあるな」

また顔を見合わせると、

「でもさ、バライティ的なノリだと、「押せ」って事じゃない?」
「そうだよな」

2人はノリを優先し、箱の中に入って同時にスイッチを押した。
すると、箱の底が抜け、落ちた。

「何が「バライティ的なノリ」だー」
「ナギちゃんだって押したじゃんー」


                     × ×


一方その頃、悠太とヒナギク。

「どうしたの?」
「いやな。お嬢様の悲鳴のような声が聞こえた気がしたんだが」

気のせいと言う可能性もあったが、悠太は気になり

「俺、ちょっと見てくるよ」
「あ、私も行くわ」

2人は急いで部屋を出た。


                      × ×


そして、ナギと麗。
落ちた2人は着水し

「まさか床が抜けるなんてね。しかもウォータースライダーにもなってたし」
「まあ、ここは浅いから助かったがな」

実際、水深は2人の踝ぐらいしかなかった。

「でもどうするの?あの勢いじゃ登って行くのは無理よ」
「私に聞くなよ。まあでも、この手の地下洞窟的なものは出口か非常用の出入り口があると思うから、それを探せば大丈夫だと思うぞ」

ナギがそう言った瞬間、真っ暗になり、ナギは麗に抱きついた。

「い、いきなり電気を消すなよ」
「ゴメンゴメン。間違えて消しちゃっただけよ」

麗はすぐに電気をつけた。

「さて、出口でも探しましょうか。まさか「ありません」ってな展開は無いでしょうし」
「そうだな」


                       × ×


一方の悠太とヒナギクは先ほどまで2人がいたトイレに来ていた。

「2人ともいないな」
「ええ。中もみたけど、いなかったし」

悠太は腕を組み

「まあ、この別荘を出た可能性は無いだろうし、かといって迷った可能性も無いだろうからな」
「でも、ここまでほぼ一本道だったけど、会わなかったわよ」
「じゃあ、こっち行ってみるか。会わなかったってことは、反対方向に行ったとしか考えられないし」

2人とも来た道とは反対の方へ歩き出した。
すると、開けっぱなしのドアが目に入り

「ねえ悠太君、このドアって普段から開いてるの?」
「俺がここに来た時は閉まってたぜ」

悠太はそう言った瞬間

「って事は。お嬢様と時任はこの中か?お嬢様は暗所恐怖症だし」
「きっとそうね」

2人が中に入ると開けっぱなしの箱が目に入った。

「多分、これを開けたのはお嬢様か時任だな。多分だが、このスイッチを押して、何かが起こったんだろうよ」
「何かって?」
「床が抜けて落ちるとかか?下から水音が聞こえるし、何かが反響する音も聞こえる。多分スイッチを押すとこの箱の床が抜けて、落っこちて地下洞窟みたいな場所に誘われる仕掛けになってるんだろうぜ」

悠太の解説にヒナギクは

「でもさ。ナギはともかく、頭の回転が速い麗が押すかしら?」
「好奇心に負けたんだろ。ともかく、防水仕様の懐中電灯を持って下に行こうぜ」
「そうね」


                      × ×


そしてナギと麗。

「ホント、ここって迷路みたいね」
「そうだな。まあ、島自体が遺跡みたいなもんだし、こんなのがあっても不思議はないよ」

暫く無言だったが、不意に麗が

「でもさ、この手の地下迷宮って怪物の1匹や2匹が出て来てもおかしくは無いわよね」
「嫌な事言うなよ。本当に出たらどうするんだよ」

2人して嫌な予感が生まれたが、無視した。

すると、水のあふれる場所に行きつき

「ねえナギちゃん、この水潮の香りがするし、海なんじゃない?」
「多分な。それに、明るさもあるから、ここを潜れば出られるかもな」

麗はナギの言葉に

「でも大丈夫?ナギちゃん泳げるの?」
「馬鹿にするなよ。前までは泳げなかったけど、悠太の特訓を受けて泳げるようになったよ。着衣水泳の訓練だって受けたよ」

麗はナギに感心し

「私はてっきり、負けず嫌いが発動して、泳ぎの訓練とか受けてないと思ってたんだけどね」
「前まではな。でも、前にハヤテが家に泊まった時、泳げなくてかっこ悪い所を見せちゃったから、ハヤテに褒めて貰いたくて、訓練を受けたんだよ」

麗は詳しい事を知りたかったが、止めておくことにした。

「それより、時任は平気なのか?」
「プロのコーチに訓練を受けたから平気よ」

2人は準備体操を入念に行い、水に入って行った。


                       × ×


その頃、悠太とヒナギク。

「よみ通り、地下があったな」
「そうね。さ、ナギ達を探しに行きましょ」
「ああ」

悠太達も地下洞窟に来た。

----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月6日更新) ( No.32 )
日時: 2014/02/06 15:51
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ナギと麗は水中の外に繋がっていそうな場所に潜って行き、悠太とヒナギクは地下迷宮に着いた。


悠太は辺りを照らしながらナギと麗を探していた。

「しっかし。この別荘にこんな地下迷宮があるなんて驚きだよな」
「ホントよね。でも、何のためにあるのかしら?」
「さあ?」

悠太はこの別荘は初めてなので、地下迷宮の存在自体も知らなかった。

「お嬢様達、どこに居るんだろうな」
「こう広くちゃ探すのは困難よね」

暫く歩くと、悠太は何かの気配を感じた。その気配の元を探していると

「どうしたの?」
「何かの気配を感じるんだ」

ヒナギクには分からなかったが、身構えた。

「なんの気配?」
「流石にそこまでは。でもよ」
「でも?」
「いやな。この手の地下迷宮って、ゲームや漫画だと、化け物の1匹や2匹出てもおかしくないよなって」

悠太がそう言うと、2人の間に沈黙が訪れ、先ほどの気配はヒナギクでも感じれるほど近付いてきていた。

「ま、まさか本当に化け物か?」

悠太は叢雲を、ヒナギクは村正を召喚した。

「かかってきなさい!!たとえ相手が化け物でも---」
「誰が、化け物かー!!!!」

その空間に少しの沈黙の後

「伊澄?」
「鷺ノ宮さん?」

悠太が感じていた気配は伊澄であった。

「悠太さん、生徒会長さん。ここってどこなのですか?」
「何処って。ってか何でここに?どうやってここに入ったんだ?」

首を傾げる悠太とヒナギクに伊澄は当たり前のように

「散歩に出かけて家に帰ろうとしたら、ここに居たんです。それより、ここはどこなんです?」
「ミコノスにある三千院家の別荘の地下だよ。なんて言うか、相変わらずだよな」

悠太は頭を抱えていたが、伊澄は平然としていた。

「まあともかくだ。伊澄も一緒にお嬢様達探しと出口探しをしようぜ」
「そうですね。お供します」

3人はまた暫く無言で歩いていた。
すると

「ねえ悠太君、この壁画って何?」
「へ?」

悠太が見るといかにも古そうな壁画が描かれていた。

「俺は知らねえな。でも、遺跡だらけのこの島だ。こんなのがあっても不思議はねえよ」
「ふ〜ん。あ、こっちには文字みたいな物が書いてあるわ」

ヒナギクが指さした場所にはスパイ映画などで使いそうな崩した文字の様なものが描かれていた。

「なんなのかしら、これ」
「えっと確か」

悠太は自分の記憶を探り

「フリギア語だったと思うけど」
「それってゴルディオンの古代王国にあったあれ?」
「多分な」

悠太は自分の知識が中っているか自身が無かった。

「でも、なんて書いてあるの?」
「分かる訳無いだろ。もうとっくの昔に失われた文字だし」

悠太とヒナギクがそんな風に話していると

「アブラクサスの森、剣を以て正義を示せ。さすれば道は開かれる」

突然聞こえた訳しに悠太もヒナギクも驚いて伊澄を見た。

「伊澄、これ読めるのか?」
「何となく、ですが」
「そう。それで、他にはなんて書いてあるの?」

伊澄はヒナギクの質問を半ば無視するかのように

「行きましょう。良い事は書かれていません」
「ああ、そう」

悠太とヒナギクは気になりつつ、壁画から離れた。
ちなみに、伊澄がフリギア語を読めたのは、鷺ノ宮家の特殊能力のおかげです。

しかし、この壁画を伊澄以外に読めた者がいた事など悠太達は知らない。


そして、また暫く歩いたが、出口らしき場所もナギ達も見付からなかった。

「ナギと麗は何処に居るのかしらね?」
「フッ。それなら問題は無いさ」

悠太は自信満々の表情で

「伊澄、お嬢様達は何処だ?頼むぜ」

頼まれた伊澄はしばらく目を瞑り

「こっちです」
「よし、こっちだな」

悠太は伊澄が指さした方角とは真逆の方角を指さし

「こうすれば、あっという間さ」
「ああ、そう」

伊澄は抗議で悠太をポコポコと叩いていたが、悠太は無視した。

その後は分かれ道に着くたびに先ほどの作戦を実践して行った。

暫く歩くと悠太は天井を見上げた。

「どうしたの?」
「いやな。この手の迷宮って、歩いていると崩れだしたりするもんだよな〜って」

悠太がそう言った瞬間、壁にひびが入り崩れ始めた。

「嘘だろー」
「余計な事言わないでよー」

悠太は伊澄の手を取ると走り出し、ヒナギクも同時に走り出した。

少し走ると、先ほどナギと麗が潜って行った場所に行きついた。

「ここか?」
「ええ。ナギと時任さんの気配を感じます」

悠太は水面を見て

「どうやら、ここを潜ると、外に出られるみたいだな。海水の匂いもするし、明るさもあるし。きっと、お嬢様と時任はここから出たんだろ」
「え!?ナギってカナヅチじゃなかったっけ?」

驚くヒナギクに悠太は

「前まではな。でもある日、お嬢様が「悠太、泳げるようになりたいから訓練してくれ。理由を聞くのは無しだ」って言ってきたから、鍛えたんだよ。おかげでお嬢様は泳げるようになったぞ」
「ふ〜ん」

話が終わると、悠太は準備体操を始めた。
すると

「そうだ。伊澄は大丈夫か?」
「私は平気です。イルカさんがいますから」

何時の間にか、伊澄はイルカに乗っていた。
すると、ヒナギクは納得がいかなさそうに

「私には聞かないの?」
「聞かなくても大丈夫かと思ったんだが。まさか、泳げないとか言わないよな」
「失礼ね。泳げるわよ」
「じゃあ問題無いだろ」

悠太は準備体操を終えると、水に飛び込んだ。伊澄もイルカに乗って潜って行った。
ヒナギクも後に続いた。


                     × ×


3人が水から上がると、近くの海岸だった。

「おや?お3人さん、何でそこから?」
「さっきはナギちゃんと麗君が出てきたがな」

悠太が見ると、ナギと麗はすでにいた。

「成程。我々の花火が待ち遠しかった訳か」
「ナギちゃん達と言い、君達と言い早く言えばいいのに」

変な方向へ話を持って行ってる美希と理沙にヒナギクは

「それより、貴方達は何でここに?」
「いやな。花火を取りに行ったはいいが」
「マリアさんの案内にしたがっていたら、迷ったのか変な所に着いたんだ」
「偶々私達はここに土地勘があったから、ここに来れたけどね」

悠太はその話を聞いて、ある予感が生まれた。

「そうなの。マリアさんは?」
「さあ?急に消えて、どこに行ったかは知らないよ」

悠太は自分の予感が確信に変わりつつあった。


ちなみに、マリアさんは泉達を陰ながら見ていて、

「(つまんねえな!!!!変な所に誘いこんで、置いてけぼりにして、困っている所を撮影する作戦も、ここに残して日本に帰る作戦も、不法滞在で逮捕されて、困っている所を撮影する作戦も台無しじゃねえか!!!!!くそが!!!!!)」

とか思っていたそうだ。


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以上です。
次回は未定です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月6日更新) ( No.33 )
日時: 2014/02/08 22:53
名前: ささ

ささです。
原作みたいな状況で麗と悠太が遭遇するとか言うのも絵になりそうだな。
それと、日本からミコノスにいっているとは流石鷺ノ宮クオリティー
原作同様のコント(?)も起きたし。
ごちそうさんでした。
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Re: 女神と共に第二部 (2月9日更新) ( No.34 )
日時: 2014/02/09 15:36
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの投稿です。

 ●さささん

 >>ささです。

 ナギ「感想ありがとうなのだ♪」

 >>原作みたいな状況で麗と悠太が遭遇するとか言うのも絵になりそうだな。

 麗「止めてよ。気まずくなるわ」
 悠太「そうだよな。それは俺も嫌だ」

 >>それと、日本からミコノスにいっているとは流石鷺ノ宮クオリティー

 伊澄「な、何がですか??私はただ、歩いていただけですよ」
 ナギ「歩いていただけで、日本からミコノスに来れないよ」←呆れてる

 >>原作同様のコント(?)も起きたし。

 ああ、あの伊澄との一幕ですね。まあ、あれはやっておきたかった事なので。

 >>ごちそうさんでした。

 いえいえ。こちらこそ、感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (2月9日更新) ( No.35 )
日時: 2014/02/09 15:39
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、地下迷宮に迷い込んだ面々は無事に脱出できた。


悠太は現在、三千院家の別荘のバルコニーに1人でいた。

「やれやれ。今日は本当に色々あったもんだよな。まあでも、花火大会は悪くなかったな」

悠太は昨日、地下迷宮から出た後の事を思い返した。


                      × ×


悠太達は地下迷宮から出た後、着替えてから海岸に集まり、小さな花火大会を開いていた。
とはいっても、悠太は少し離れた場所で見ているだけだが。

悠太が見ていると、泉がやってきて

「悠太君、花火の追加を取ってきたいから、手伝ってくれる?」
「ああ、良いよ」

悠太は泉の後にしたがった。

「こうやって小さな花火大会を開くのも悪くねえな」
「そうだね〜♪まさにバカンスって感じだね♪」

泉は嬉しそうにそう言い、

「この旅行に来て、本当に良かったと思ってるんだよね♪皆と沢山話が出来たし」
「そうなのか。ちなみにだが、どんな話をしたんだ?」
「え、えっとね」

泉は正直に言うか悩み、

「悠太君はさ、キスってした事あるの?」
「は!?何で急に?」
「い、いや。気になったからさ」

慌てる泉に、言及はしない方がいいと悟り

「無いよ」
「無いの!?」
「ああ。と言うより、恋だってまだ1回だし」
「って事は、ナギちゃんが初恋の相手?」
「まあな」

泉は驚きつつ

「あのさ、キスってしたいと思う?」
「分からんよ。でも、状況次第ではしたいと思うかもな」
「そうなんだ。私はね、したいと思ってるよ。出来れば毎日」

そう言われた悠太は

「(ハヤテの奴、罪だな)」

とか思っていた。

一応補足すると、泉は「美希と理沙以外には気付かれていない」と思ってますが、実際は「ハヤテ以外は泉がハヤテに恋してると気付いている」と言う状態です。


                     × ×


悠太と泉が花火の追加を持って戻ってくると、ナギが必殺技の様な台詞で花火を振り回していた。
それにつられて、勝も新体操のリボンのように花火をくるくるとまわしていた。

「おお、悠太君。ナギちゃんと勝君の花火曲芸は素晴らしいぞ」
「我々も見習わないと」

そう言って、美希も理沙も悠太と泉が持ってきた花火で遊び始めた。

「2人とも、花火をそんな風に扱うなよ。危ないだろ」
「分かってますけど、楽しくて」
「安全には配慮してるから大丈夫だ」

ナギも勝も止める気はないようだ。

「でも、こう言うのも悪くないよな」
「ここにハヤテが居ればもっと最高ってか?」
「そ、そうだな///////////////////////////////////」


                       × ×


丁度その頃、日本の春風家。

「皆で旅行か。きっと楽しんだろうな」

千桜は自室で夜空を眺めていた。
すると、

「待て待て。何でここに君が出るんだよ/////////////////////////////////た、確かに君と2人だけで旅行は魅力的だが///////////////////////」

千桜は自分自身の妄想に

「って、私は何を言ってる。あいつに関しては特に何も」

しかし、ハヤテの顔が浮かぶたびに、顔が赤くなったり、変な妄想をしてしまうのである。

千桜は必死で浮かんだ事をかき消し

「まあでも、私には縁が無いだろうな。お金持とも縁遠そうだし」

この時の千桜は知らなかった。自分が金持ちたちと色々とかかわってくる事を。


                       × ×


時間は現在に戻り、三千院家別荘のバルコニー。
悠太が1人で夜空見物していると、

「おい悠太」
「お嬢様、寝てなかったのか」
「まあな」

ナギは悠太の隣に立った。

「今日は楽しかったな」
「まあな」
「悠太、ここで何してたんだ?」

悠太は夜空を見上げ

「今日の事を思い返してたのと、これからの事を考えていたのさ」
「これからの事?」
「お嬢様をどうやって守っていくかとかだよ」

悠太は一呼吸置き、

「お嬢様を守るのは執事たる俺の使命だからな」
「そうか。まあ、頑張れよ」
「それと、お嬢様とハヤテの恋が成就する様に支える事もな」
「そ、それも頼むぞ//////////////////////////////////////////」


そして翌日。

「ここが有名なヌーディストビーチですかー。でも、ヌードの人なんていませんよ」

首を傾げる勝に麗は

「そんなの1部の人よ。普通は居ないの」
「ああ、そうなの」

時任姉弟の話を聞きつつ、悠太は

「お嬢様は泳がないのか?水温と言い、天気と言い、最適だと思うぜ」
「悠太よ、言っただろ?肌が荒れると」

ナギは眼鏡をずりあげる動作をした後

「水着になり、泳いだりしたら日焼けする。その日焼けから肌荒れを起こす。だから私は泳がないよ」
「でもよ、日焼け止め塗れば」
「海に入れば落ちるじゃないか」

悠太はこれ以上この問答を続けても無駄だと悟り

「ところでだ、ヒナギクを見かけないんだが、知らないか?」
「さあ?あ、でも昨日」

理沙は昨日の事を語りだした。


                      × ×


「明日はビーチで水泳か」
「ここは一つ、水着で魅了合戦と行こうじゃないか」

美希も理沙も何かを含んだような顔になった。

「で、ヒナは参加するのか?」
「しないわよ。第一、誰が審査員なのよ」
「それは簡単さ。悠太君だ」

美希の言葉にヒナギクは

「だったら、なおの事ね」

そう言って立ち去った。


                       × ×


「って事があったんだが、何かしたのか?」
「思い当たる節はねえんだがな」

悠太が考えていると

「女性と言うものは、些細なことで傷つくものなのよ」

さも当然の用に居る愛歌さんに

「霞さん、何でここに?」
「旅行よ」

と言ったが、本当は

「(まさか、ハヤテ君に会いたくなって、日本に戻ってくるのが待ち遠しくてここに来た。なんて言えないわよね)」

これが真実である。

「ともかく、真山君の何かしらの言動がヒナを傷つけたのかもね」
「そうっすね。俺、行ってきます」

真面目にアドバイスをした愛歌さんに泉達は驚いていた。
ちなみに、愛歌さんが真面目なアドバイスを送った理由は

「(真山君はハヤテ君の親友。こうしておけば、ハヤテ君の中の私への評価は上がるわね。少しでもいいから、稼いでおかないとね)」

これが理由である。


                       × ×


悠太は美希に教えられたヒナギクが居る場所へ急ぎ、林の様な場所で休憩しているヒナギクを見つけ、声をかけた。

「悠太君、どうしたの?」
「いやな、謝ろうと思ってな」

悠太は一呼吸置き

「俺自身、何が理由でヒナギクを傷つけたのか分かんねえんだ。だから、教えてくれ。その上で、謝らせてほしい」

そう言ってきた悠太に、ヒナギクは気になっていた事をぶつけることにした。

「ねえ悠太君、昨日の地下迷宮で、何で私に大丈夫とか聞いてくれなかったの?」
「ああ、それか。それはだな、ヒナギクを頼れる人だと信頼しているからだ」
「え!?」
「確かに、伊澄には不思議な力がある。でも、それ以外では年相応の体力だ。だが、ヒナギクは頼れるから、聞かなかったんだ」

悠太の言葉にヒナギクは

「それって、私がか弱くないって事?」
「違うよ。ヒナギクには女の子らしい可愛さとともに、頼れる部分がある。そう言いたいのさ」

悠太にそう言われ、胸のつっかえが取れた。

「そうだったの。ごめんね。昨日の事が気になってたの」
「俺もすまなかったな。説明不足で」

話した事でお互いすっきりし、ヒナギクはしばらくここに居ると言い、悠太はナギ達の所に戻る事にした。


                      × ×


悠太が戻ってくると

「どうだ悠太君」
「ヒナとは話せたか?」
「どうだったの?」

悠太は泉達の恰好を無視し

「話せたし、解決もできたよ」

そう言うと、ナギの元に行った。
すると、愛歌さんが

「そうそう。真山君に手紙よ」
「手紙?誰からっすか?」
「見ればわかるわ」

愛歌さんは手紙を手渡すと、パラソルの下で寛ぎ始めた。

「悠太、誰からだ?」
「三千院帝って書いてるよ」
「誰なのだそれ。作者が作ったオリキャラか?」
「自分の祖父を忘れんなよ」

悠太は呆れつつ、封筒を開き、中の手紙を見た。

「なんて書いてあるのだ?」
「えっと。9割以上は要らねえ部分だな。最後の追伸の部分だけ読めばいいだけだ」

悠太への手紙を覗いたマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪この下らない小説をネットに流そうかしら♪そうすれば、徹底的に酷評されるでしょうね〜♪ああ、そうだ♪私も究極的に罵倒しましょう♪そうすれば♪ああ♪)」

とか思っていたそうだ。


「悠太、その肝心の部分にはなんて書いてあるのだ?」

「えっと、「遺産相続の条件が正式に決定したので、報告します。ナギの執事、真山悠太の持つ王玉を破壊するか、奪ったものに相続します。なお、真山悠太が執事を卒業するまで守りきった場合、ナギに相続されます。 帝」って書いてあるぜ」

読み上げた文章にナギは驚いていた。

「王玉って、これだよな」

悠太は首から下げていたペンダントを見せた。

「何でそれを悠太が?」
「前に帝の爺さんの家に行った時に貰ったんだ」
「ふ〜ん。まあようは、それを奪われなければいいってことか」
「まあな」

すると、マリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪悠太君の王玉を奪っちゃいましょうかね〜♪そうすれば、色々できますよね〜♪悠太君に土下座させてそれを撮影するのも、ナギが困っている所も撮影できますよね〜♪ああ♪)」

とか思っていた。


っとそこに

「その王玉、この私が貰いマ〜ス」

変な声が聞こえてきた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月9日更新) ( No.36 )
日時: 2014/02/10 21:56
名前: torbion

初めまして、torbionです♪
最初の方から読ませていただきました。

第二部に入ってから、ハヤテとアテネが出てこないのは残念ですが、
他キャラの妄想がすごいですね(笑)
恥ずかしくないんだか……
いや、これはハヤテに罪がある…かも?

そういえば、クラウ…ス…さん?はどうしました?
パスポートはなくなってないみたいですが…

マリアさん!
とりあえず帝の小説は酷評します!
罵倒する手伝いします!

でも、黒いですね〜マリアさんは。
黒すぎてマリアさんの将来が心配です
特に恋人とか…今のままでは無理かな〜


………マリアさんが怖いので、逃げます!
では、失礼します!
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Re: 女神と共に第二部 (2月12日更新) ( No.37 )
日時: 2014/02/12 18:32
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの投稿です。

 ●torbionさん

 >>初めまして、torbionです♪

 初めまして。感想ありがとうございます♪

 >>最初の方から読ませていただきました。

 ありがとうございます、長いのに。

 >>第二部に入ってから、ハヤテとアテネが出てこないのは残念ですが、

 それはすみません。ですが、最初に書いた通り、後半に入れば、アテネもハヤテも出ますよ。

 >>他キャラの妄想がすごいですね(笑)

 千桜「だ、誰の事だよそれ」
 愛歌「貴方の事じゃ無い?最近多いみたいだし」

 >>恥ずかしくないんだか……

 ヒナギク「し、したくてしてる訳じゃないわよ/////////////」
 千桜「わ、私だって勝手に出てくるだけだ」

 >>いや、これはハヤテに罪がある…かも?

 悠太「まあ、そうだろうな。あいつは罪な奴だよ」

 >>そういえば、クラウ…ス…さん?はどうしました?
  パスポートはなくなってないみたいですが…

 クラウス「い、一応あの別荘に居ましたぞ。ただ、仕事で出番が・・・」

 まあ、それは仕方ないですよ。ね。

 >>マリアさん!
  とりあえず帝の小説は酷評します!
  罵倒する手伝いします!

 マリア「あら、良いです〜♪二度と立ち直れないほどに酷評しましょう♪」
 帝「・・・」

 >>でも、黒いですね〜マリアさんは。
  黒すぎてマリアさんの将来が心配です
  特に恋人とか…今のままでは無理かな〜

 マリア「あらあら。それはどういう意味ですか〜♪そ・れ・に♪私は黒くないですよ〜♪失礼な方ですね〜♪」
 クラウス「(こ、怖いぞ)」

 >>………マリアさんが怖いので、逃げます!
  では、失礼します!

 マリア「あら〜♪逃げられると思いですか〜♪フフフフフフフフフ♪」

 ナギ「止めろ」
 悠太・クラウス「無理!!!」


 ま、まあ。そ、その。  感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (2月12日更新) ( No.38 )
日時: 2014/02/12 18:35
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、悠太達の元に三千院家の遺産相続の条件が伝えられ、王玉を奪うという声が聞こえた。


ドガッ

「お嬢様、今やってるゲームってどこまで進んだんだ?」
「もう少しでエンディングだと思うよ」

悠太もナギも何事も無かったかのように会話していたが

「ま、待ちなサ〜イ」
「なんだよ。見ず知らずの馬鹿に費やす時間はねえんだよ」

悠太は明らかに怒っている声だった。が、相手は無視するかのように

「我こそは三千院家の遺産を狙うギルバートデ〜ス。お前の持つ石を---」

ドカッバキッ。

「そう言えば、今も昔も洋ゲーはすげえよな。グラフィックと言い、操作性と言い」
「まあ、開発費の違いがあるからな。某番組でやったスーファミのパズルゲームは攻略に24時間費やすほどだしな」

悠太もナギもギルバートを無視していたが

「この。少しはミーの話を」

そう言って、金属バットを取り出した瞬間、悠太の眼光が光り、ギルバートをボコボコにした。

「で、てめえはあとどれ位殴ったら帰るんだ?それとも、叢雲の錆びにしてやろうか?」
「ノーノー。暴力アンド殺生良くないデ〜ス」
「容赦ないな、お前」

ナギは呆れていたが、マリアさんは

「(悠太君ったら、もっと徹底的に殺ればいいのに♪そうすれば、色々と面白んですけどね〜♪ああ♪)」

とか思っていた。

「ってかあんまりしつこいと、こっちも滅入るぞ。キリもないし」

ナギの文句に悠太は

「俺は別にいいけどよ、あんましつこいと、ハヤテや天王州が黙って無いと思うぞ」
「まあ、ハヤテはそう言う事には容赦ないしな」
「そ。そうなって困るのはお前だぞ」

ナギと悠太の言葉にマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪本当にそうなれば、面白そうですね〜♪一財閥を敵に回し、人生を滅茶苦茶にされた人を見てみたかったんですよね〜♪ああ♪)」

こう思っていた。

そして、ナギと悠太の脅しにギルバートは

「そ、そうデ〜ス。腕力勝負その他諸々ではミ〜に勝機はありませ〜ん。なので、ハンデをいただきたいデ〜ス」

その発言にナギも悠太も呆れ、

「何言ってやがんだ、この屑は」
「相変わらずだが、少しはプライド持てよ。無いなら無いで困るぞ」

悠太は大きく溜息をついた後

「で、そのハンデとかやらは何なんだよ」
「おお〜。乗り気ですね〜」
「社交辞令で聞いたまでだ」

悠太の「社交辞令」の部分を無視し、説明しだした。

「ここはビーチ。なので、ビーチバレーで勝負デ〜ス」
「ビーチバレーかよ」
「そうデ〜ス。一回限りの真剣勝負。ミ〜が勝てば石を渡してもらいマ〜ス。ユ〜達が勝てば、ミ〜は二度と襲いまセ〜ン」

あまりに一方的な条件にナギは

「くだらないな。そんなのこっちには何のプラスも無いじゃないか」
「ア〜ハ〜。負けるのが怖いんですか〜」
「違うよ。こっちが負ける要素は無だが、条件が一方的すぎだって言ってるんだよ」
「その程度で勝負を渋るなんて意気地がありませんね〜」

ギルバートの台詞にナギは

「悠太、帰るぞ。こんな奴の相手なんて時間の無駄だ」

この台詞にギルバートは焦り始めた。ナギの負けず嫌いな性格を逆なでしたつもりだったが、完全に失敗したからだ。

ちなみに、ナギの負けず嫌いは恋愛関連と自身の趣味ぐらいにしか反映されなくなってます。

焦るギルバートを哀れに思ったのか、悠太は

「ったく。分かったよ。その勝負受けてやるよ」
「ゆ、悠太!?」
「大丈夫だよ。負けねえから。それに、このウザい屑が来なくなるのは僅かだがプラスじゃねえか」

悠太の言葉にナギも渋々了承した。
その事で、ギルバートは一気に元気になり

「フッフッフ。では、石を賭けて二対二の勝負です〜」
「お前なあ」
「ミ〜の相棒はこの2000GTデ〜ス。そしてユ〜の相棒ミ〜が選びマ〜ス」

ギルバートは大型のロボットを出したうえに、悠太の相棒は適当に選ぶと言った台詞に悠太は

「お嬢様、こんな大人になったら駄目だぞ」
「当たり前だ。ハヤテに嫌われる」

すると、話を聞きつけた泉達が来て

「ほう。面白そうだな」
「私もやる〜♪」

面子を見た悠太は

「(勝負を受けたのは失敗だったか?)」

少しだけ後悔していた。


                       × ×


一方のヒナギク。

「悠太君は、私を信頼してくれてたのね。友達として、ね」

するとヒナギクは先ほどの悠太の台詞をハヤテに変換し、

「ハヤテ君が「ヒナギクさんは女の子らしいですし、頼りにしてますよ。僕、ヒナギクさん好きですから」なんて言ってくれたら//////////////////////////////キャ〜///////////////////////」

自分で妄想しておいて、悶え始めた。

「って、私ったらなにを。変な妄想するなんて天下の白皇生徒会長らしくないわね」

自分の妄想を無理やり消し、皆が居る海岸にやってきた。
すると、何やら揉め事が起こっているようなので、近くに居た理沙に

「ねえ、何やってるの?」
「何でも、悠太君が誰かと組んで、あの駄目外国人とビーチバレー対決をするらしいぞ」
「ふ〜ん」

ヒナギクが現状を飲み込むと、

「さあ、準備完了デ〜ス。これからミ〜がユ〜のパートナーを選びマ〜ス」
「(まずいな。あの屑の事だ。弱そうな人間を選ぶに違いない。この中じゃお嬢様や霞さんが弱そうな人間だし、弱ったな)」

悠太がそんな風に悩んでいると
ギルバートはヒナギクを指さし

「ユ〜の相棒はその赤毛の女デ〜ス。そいつが弱そうデ〜ス」

ギルバートの台詞にここに居た面々は

「あいつ、馬鹿だな」
「ヒナを選ぶとはな」
「ホント、駄目人間の最上級よね」

すると、発せられる雰囲気にギルバートは

「ま、まさか、ミ〜の人選は失敗だったのですか〜」
「そんな事ねえよ」

悠太はヒナギクに一瞬でアイコンタクトをし

「きっと、成功だと思うぜ(こっちがな)」
「分かりました。では勝負デ〜ス」


ヒナギクは事情は殆ど理解出来なかったが、流れに乗る事にした。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月12日更新) ( No.39 )
日時: 2014/02/12 23:04
名前: ささ

ささです。
なんかかわいそう(ギルバートを治療する医者が)
原作同様ギルバートは勝負捨てたな(自分から振りながら)まぁ結果は普通なら…ね(ギルバートを哀れみの目で見る)
ヒナギクさん、旅の恥は掻き捨てですよ。今は白皇生徒会長であることは忘れて。妄想の一つや二つ恋する乙女ならきっとしますよ。
でもこの状況をもっと面白くしたいな〜。そうだ、このこっそり録音したテープ…(背後をちらっとみて、慌てて)はこちらですダビングはしていません。(汗)ヒナギクさんすみませんでした。(川沿いの花畑は見たくないです)(土下座)
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Re: 女神と共に第二部 (2月15日更新) ( No.40 )
日時: 2014/02/15 16:34
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの投稿です。

 ●さささん

 >>ささです。

 泉「感想ありがと〜♪」

 >>なんかかわいそう(ギルバートを治療する医者が)

 悠太「確かにな」
 ナギ「あんな馬鹿でも、来た以上は治療してやらないといけないしな」

 マリア「(フフフフフフフフフフフフフ♪色々と手をまわして、病院が受け入れ拒否する様にしちゃおうかしら♪ああ♪)

 >>原作同様ギルバートは勝負捨てたな(自分から振りながら)

 麗「そうよねえ。ホント、馬鹿よねえ」
 美希「まあ、そう言うキャラみたいだから、仕方ないみたいだがな」

 >>まぁ結果は普通なら…ね(ギルバートを哀れみの目で見る)

 ナギ「あんな馬鹿を哀れる必要はないさ」
 悠太「だよな」

 >>ヒナギクさん、旅の恥は掻き捨てですよ。今は白皇生徒会長であることは忘れて。妄想の一つや二つ恋する乙女ならきっとしますよ。

 ヒナギク「そ、そうだけど。い、威厳と言うのは普段から心掛けるべきじゃない?」
 愛歌「折角の旅行なのに、拘り過ぎじゃ無い?」

 >>でもこの状況をもっと面白くしたいな〜。

 ヒナギク「・・・」←黙って村正を召喚した。

 >>そうだ、このこっそり録音したテープ…(背後をちらっとみて、慌てて)はこちらですダビングはしていません。

 ヒナギク「そう♪素直に渡してくれて嬉しいわ♪」
 泉「「♪」が怖いよ〜」

 >>(汗)ヒナギクさんすみませんでした。(川沿いの花畑は見たくないです)(土下座)

 ヒナギク「良かったわね〜。綺麗とはいえ、見ない方にこした事は無いから♪」

 マリア「(チッ)」


 ま、まあ。 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (2月15日更新) ( No.41 )
日時: 2014/02/15 16:41
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、悠太は三千院家の遺産相続の条件である王玉を賭けて、ヒナギクと組んでビーチバレーで勝負することになった。


勝負するに当たり、ギルバートはロボット共にコートの準備をしていた。

「なあお嬢様。俺さ、ビーチバレーの細かいルール知らないんだが、大丈夫か?」
「大丈夫だろ。作者だって知らないし」
「ああ、そう」

まあ、大まかで行きましょう。

一方、美希はカメラの準備をしていた。

「美希、何でカメラの準備してるんだ?」
「愚問だな。ビーチバレーは水着でやるのが基本。つまりはだ」
「ヒナも水着。だからカメラに収めようという魂胆ね」

麗の言葉が図星なのか、美希は黙り込んだ。
すると

「へ〜。何を収めるの?」

ヒナギクの声が聞こえ、美希は慌ててカメラを向けたが、

「動きやすい恰好に着替えてきたわ。こっちの準備は整ってる?」
「まだみたいよ」

ヒナギクの恰好に美希は

「おい。何で水着じゃないんだ」
「別にいいじゃない」
「良くない!!!!!!!常識を守れよ!!!!!!!!」

必死の美希を無視し、悠太の元に行き

「悠太君、別にこの格好でも問題無いよね?」
「無いと思うぜ。あっちだって水着着てねえし」

話が決着すると、

「さ、準備完了デ〜ス。行きましょうか、真剣勝負を」

ヒナギクも悠太もコート内に入った。

「(悠太君のさっきの感じだと、この勝負は負けられないみたいね。最初から全開で行った方がいいわね)」

ヒナギクがそんな事を考えていると、

「フッフッフ。この勝負、ミ〜の勝ちは決定的デ〜ス」
「なんでだ?」

悠太の質問に、ギルバートは勝ち誇った顔になり

「ユ〜のパートナーは明らかに虚弱だからデ〜ス」
「だ・か・ら、何でだ?単刀直入に言えよ」
「だって、そのガールの栄養の行ってない胸を見れば明らかデ〜ス。ユ〜がいくら優秀でも、カバーしきれませ〜ん」

ギルバートの言葉に周囲は

「(あいつ、馬鹿だな)」
「(触れては行かん所に触れたな)」
「(まさに逆鱗に触れたわね)」
「(俺、知〜らね)」

自信満々のギルバートは高笑いし

「さあ、これをくらいなサ〜イ」

ロボットから打ち出された高速のボールをヒナギクは難なくさばき、悠太がトスした。

「フンッ。そんな虚弱ガールのアタックなど---」

そう言いかけたギルバートのすぐそばを先ほどロボから打ち出されたボールとは比較にならない速さでボールが通り過ぎた。
ギルバートは恐る恐る後ろを振り向くと、大破したロボが目に入った。

「ホ、ホワ〜イ。何が起こったんですか〜」

動揺するギルバートにヒナギクは

「この私を敵に回した事を後悔させてあげるわ。さあ、かかってきなさい!!!」

ヒナギクは明らかに怒っていた。
そこに悠太が

「おっと。メンバーチェンジは認めねえぞ。そっちの理不尽な要求を呑んでやったんだ。こっちのメンバーちゃんじは無しだぜ」

悠太の言葉が止めになったのか、ギルバートは

「こうなったら。いでよ、バレーロボ軍団!!!あいつらを倒すのデ〜ス」

大量のロボ軍団が現れ、ギルバート側のコートに次々と入って行った。

「無駄よ。その程度じゃ私の気は治まらないんだから!!!」

悠太もヒナギクも次々にロボを破壊して行った。

「ねえ作者さん、ビーチバレーって相手を倒すスポーツだっけ?」

まあまあ麗さん、細かい事は言わないのがマナーですよ。

「まあ、面白いからいいけどね」

一方のナギは目の前の光景にワクワクしていた。

「さあ、貴方ご自慢のロボはあと1体。観念なさい!!!」
「(クッ。こうなったら)」

ギルバートは最後の足掻きと言わんばかりに

「この試合には重大なルール違反がありま〜す」

その言葉に全員が沈黙し

「それをてめえが言うか?ロボット使ってる時点でルールも何も無いだろ。第一、最初から現時点までルール通りの試合してたか?」

悠太の言葉にギルバートは暫く黙りこんだが、

「じゅ、重大なルール違反。それは」
「誤魔化すなよ」
「そのガールが水着じゃありませ〜ん」

ギルバートのその言葉に美希の眼光が鋭く光った。

「ビーチバレーは水着でやる物。なので、水着じゃ無いユ〜はルール違反デ〜ス」
「そうだそうだ!!!水着でやってこそのビーチバレーだ!!!」
「美希、貴方はどっちの味方なのよ!!!」

悠太は呆れを通り越して、頭を抱えた。

「あのなあ。それを言ったら、俺もあんたも水着じゃねえだろ。そんなこと言ったら、全員ルール違反じゃねえか」
「お、女の子のみに適用されるルールデ〜ス」

悠太のツッコミにギルバートは慌てて誤魔化した。

「さあ、どうするのですか?ユ〜が水着にならないのなら、ミ〜の勝ちデ〜ス」

勝ち誇るギルバートにヒナギクは

「そんな事で勝ち誇るなんて、貴方は救いようが無いわね」

そう言って、上に着ていた服を脱ぎ捨て、水着になった。

「これで文句ないでしょ?さあ、再開と行きましょうか」
「フンッ。その姿で実力を発揮できますかね〜」

まあ、当然無駄に終わり、最後のロボも破壊された。

「助かったよ。この勝負には三千院家の遺産がかかってたから」
「遺産?まあ、事情は呑み込めないけど、お役にたててよかったわ」

ヒナギクは事情を聞かない事にした。

「あ、そうだ。このお礼をさせてくれよ。何がいい?」
「そんな別にいいわよ」
「そうはいかねえよ」

悠太の言葉にヒナギクはどうしようか迷っていると

「だったら、食事がいいんじゃない?」

愛歌さんが話に入ってきた。

「女性は景色のいいレストランでおもてなしされると、無条件で嬉しいものよ」
「そうなのか?」
「まあ、そうね」

ヒナギクが同意したことで愛歌さんは

「決まりね。なんだったら、私がいい所を紹介してあげましょうか?」
「それには及びませんよ。アテネ市に、知り合いが経営しているレストランがあるので、そこに招待しますよ」
「え!?大丈夫なの?」
「その人は、親父の友達だが、俺とも仲良くさせて貰ってるんだ。電話すれば、少しぐらいは無理を通してもらえるよ」

そう言った悠太にヒナギクは

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「おう。最高に景色がいい部屋を用意してもらうぜ」

こうして、ビーチバレーは決着した。

ちなみに、

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ヒナギクさんったら、あんな豪快に脱いで♪これはネットに流さない手は無いですよね〜♪あ、そうだ♪映像を加工して、水着を着てないバージョンも流しちゃいましょう♪そうすれば色々と面白い展開が期待できますよね〜♪ああ♪)」

こんな事を考えている人も居ました。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回はあの人が登場。

ちなみに、前半はあと8話位です。
そして、次回より更新頻度を早めます。

では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月15日更新) ( No.42 )
日時: 2014/02/15 17:49
名前: ささ

ささです。
悠太の誘導尋問(になっていないか。単に馬鹿が自爆っただけか。)
勿体ないけど財閥の力でこの馬鹿路頭に迷わせたら。
愛歌さんが優しい。
それと、勝君は?
それと、ヒナギクさんは原作みたく「か弱い女性」を演じる必要がなくなっていたからね。
最後にヒナギクさん、怒らないで聞いてください。
あんな風に服を脱ぐとは、羞恥心を持つべきです。
ハヤテ・アテネがいてもやれますか?
では失礼します。(ピユー)
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Re: 女神と共に第二部 (2月15日更新) ( No.43 )
日時: 2014/02/15 21:03
名前: torbion

torbionです♪

前回はマリアさんから逃げ切ることに成功しました…

とりあえずギル○ートよ、帝と逝ってこい
……なんで伏字かって…そりゃ、放送禁止だからなんだけど…

ビーチバレーの服装なんですが、
「ユニホームは、パンツとタンクトップの上下分かれたもので、チームの2人は同じ色を着用する。パンツは男子ひざ上10センチ以上、女子がサイドが7センチ以下のビキニタイプと定められている。」
だそうです。

ヒナギクさんは羞恥心というものがないんですか??
それとも、この場にいた男性陣を全員男と見てないんですか??
いくら栄養がいってないとしても、もっと周りを考えないと…

……えっと、ヒナギクさん、その手にあるものはなんですか(汗
なんで、マリアさんと握手して…

こりゃ今回も命が危ないな…
では、更新頑張ってください!!

ぎゃああああああああぁぁ・・・
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Re: 女神と共に第二部 (2月16日更新) ( No.44 )
日時: 2014/02/16 17:42
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●さささん

 >>ささです。

 ソニア「感想ありがとね」

 >>悠太の誘導尋問(になっていないか。単に馬鹿が自爆っただけか。)

 悠太「まあなあ。俺はただ単に、理由を聞いただけだしな」
 麗「だから、私も馬鹿だと言ったのよ」

 >>勿体ないけど財閥の力でこの馬鹿路頭に迷わせたら。

 咲夜「そうした方がええんとちゃう?その方が世のため人のためやろ」
 ギルバート「ノ〜。マイシスター。そんなこと言わないでくださ〜い」

 >>愛歌さんが優しい。

 愛歌「あら?どういう意味?私は最初から優しいわよ」
 美希「(よく言うよ。ハヤテ君絡みじゃ無きゃ意地悪言うくせに)

 >>それと、勝君は?

 勝「海で遊んでました。楽しくてつい」
 麗「良いのよ。貴方には関係に無かったしね」

 >>それと、ヒナギクさんは原作みたく「か弱い女性」を演じる必要がなくなっていたからね。

 ヒナギク「そ、そうよね。ハヤテ君は、私を「可愛い女の子」って言ってくれたたし」
 理沙「そんな事あったか?妄想じゃないのか?」

 >>最後にヒナギクさん、怒らないで聞いてください。

 ヒナギク「へ〜。何?」
 泉「ヒナちゃん。その木刀しまった方が」←怯えてる。

 >>あんな風に服を脱ぐとは、羞恥心を持つべきです。

 ヒナギク「うるさいわね。あのときは興奮してて、忘れてただけよ」
 美希「(まあ、おかげでいいものが見れたがな)

 >>ハヤテ・アテネがいてもやれますか?

 ヒナギク「そ、それは/////////////////////////////////出来ないかも////////////////////////」

 >>では失礼します。(ピユー)

 ヒナギク「フッ。言いたい放題言っておいて、それは駄目でしょ」←追いかけた。

 行っちゃった。ま、まあ 感想ありがとうです〜♪










 ●torbionさん

 >>torbionです♪

 悠太「感想感謝するぜ♪」

 >>前回はマリアさんから逃げ切ることに成功しました…

 マリア「フン。逃げ切りやがって。くそが」

 >>とりあえずギル○ートよ、帝と逝ってこい
  ……なんで伏字かって…そりゃ、放送禁止だからなんだけど…

 ギルバート「ノ〜。名前ぐらいちゃんと出してくださ〜い」
 帝「ってかワシはこんな奴と一緒はごめんじゃ。死にたくもないしな」

 >>ビーチバレーの服装なんですが、
  「ユニホームは、パンツとタンクトップの上下分かれたもので、チームの2人は同じ色を着用する。パンツは男子ひざ上10センチ以上、女子がサイドが7センチ以下のビキニタイプと定められている。」
  だそうです。

 あ、そうだったんですか。成程。
 悠太「まあ、あんな展開じゃルール要らねえしな」

 >>ヒナギクさんは羞恥心というものがないんですか??

 ヒナギク「失礼ね。あるわよ」
 美希「まあ、あのときは興奮してただけだしな」

 >>それとも、この場にいた男性陣を全員男と見てないんですか??

 理沙「まあ、見てない可能性はあるな。多分、「友達」として見てるんだろ」

 >>いくら栄養がいってないとしても、もっと周りを考えないと…

 ヒナギク「へ〜。どこに、栄養が行ってないって言うの?それ次第では」
 泉「こ、怖いよ〜」

 >>……えっと、ヒナギクさん、その手にあるものはなんですか(汗

 ヒナギク「ああ、これ?私の愛刀・村正よ」

 >>なんで、マリアさんと握手して…

 ヒナギク「同盟を結んだからよ♪」
 マリア「これで逃げられませんね♪」

 >>こりゃ今回も命が危ないな…
  では、更新頑張ってください!!

 あ、はい。頑張ります。

 >>ぎゃああああああああぁぁ・・・

 悠太「だ、大丈夫かな?」
 平気だよ。止めるから。

 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (2月16日更新) ( No.45 )
日時: 2014/02/16 17:46
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、悠太はヒナギクの協力でビーチバレー対決に勝利し、そのお礼にヒナギクに食事を奢る事になった。


現在、悠太はナギとマリアさんと共に昼食後のティータイムをしていた。

「そう言えば。悠太、レストランの予約は取れたのか?」
「さっき電話したら、取っておいてくれるってさ。しかも、1番良い貸し切り部屋を用意しておいてくれるってさ」

ナギはアイスティーを1口飲み

「でも、予算は平気か?」
「向こうは俺の経済状況を知ってるからな。その辺は合わせてくれるってさ」
「ふ〜ん」

すると、マリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフ♪電話して悠太君の出せる金額以上の物を出すように言いましょうかね〜♪あ、でも、向こうは悠太君とも仲がいいんでしたよね〜。つまんねえな、クソが)」

こんな事を思っていた。
そんな事は当然知らない悠太が

「なあお嬢様、ちょっと散歩してきていいか?」
「良いけど、何でだ?」
「久しぶりにこの島に来たからな。見て回りたいんだ」
「あ、そ。好きにしろ」

ナギの許可を得た悠太は三千院家の別荘を出て、島内を歩いて回る事にした。


                   × ×


悠太は、人気のない林に来ていた。

「ホント、ここも変わんねえよな」

悠太が浸っていると

「日本では、「渡りに船」とでも言うのかしら?」

悠太は急に聞こえた声の方へ向くと

「お久しぶりね。三千院家執事・真山悠太君」
「あんたは確か、地下迷宮の時のシスター」

ソニア・シャフルナーズ。通称シスターが居た。

「何でここに居るんだ?そして何の用だ?」
「質問が多いわね。ここに居る理由はただの里帰りよ」

要件を言わないソニアに悠太は

「まさか、まだ復讐を」
「そんなのもうどうでもいいわ。私に憎しみの感情は無いもの」
「じゃあ、何の用だって言うんだよ」

悠太が聞くと、ソニアの目つきは鋭くなり

「要件はただ一つ。貴方の持つ王玉を渡してもらうためよ」
「ま、まさか。だ、だが、遺産相続の権利が無いあんたが手に入れても無駄だろうが」
「そうね。「遺産相続」と言う意味では不必要なものだわ」

ソニアは一呼吸置き、

「でも、それを欲しがる人は沢山いるでしょ?総資産は数兆とも数十兆ともいわれ、現在も増え続けている三千院家の遺産を相続できるとなれば、ほんの数億なんて安いものだと思って払ってくれる人も沢山いるはずよ」

ソニアの言葉に悠太も目つきが鋭くなり

「やっぱ金か。なんでそんなに欲しんだよ。あんただってそれなりに持ってるはずだぞ」
「理由?そんなの「あの人」に近付くためよ」

悠太はソニアの言う「あの人」はすぐにでも察せた。

「フンッ。そいつの心を金の力で射止められると、本気で思ってるのか?」
「思ってないわ。でもね、彼に近付くのにはお金が必要なのよ。沢山ね」

シスターは眼鏡をずり上げ

「彼に近付くチャンスが増えれば、私の魅力を伝えるチャンスも増える。そうすれば、私自身の魅力で彼を射止めることも可能なのよ。だから、王玉を渡しなさい!!!」
「そうは行くかよ。これは大事なもんだ。渡すかよ」

ソニアは想定内だと言いたげにトンファーを取り出し、

「だったら、実力行使よ。覚悟なさい!!」

ソニアがかかってきた事で、悠太は叢雲を召喚し、鞘から抜いて攻撃を受け止めた。
そして素早くはじき返すと、斬りつけた。が

「バ、バカな。叢雲で斬れねえだと!?」
「無駄よ。確かにその刀は業物みたいね。でもね、この鋼精のトンファーは切れないわ」

確かに、トンファーには傷一つ付いていなかった。

「痛い目に会いたくないのなら、王玉を渡しなさい」

そう言って、再び襲いかかってきた。
悠太は何とか捌いていたが

「(強い!!あの地下迷宮の時よりはるかに強くなってやがる。勝てなくはないが、きついぞ)」
「フンッ、私の強さに驚いているようね。それはそうよ。彼自身も、彼の周りに居る奴らも化け物並みの強さを持つ奴も多いわ。だから、負けないために私も強くなったのよ」

悠太には少しだけ焦りが強まった。

そして、悠太は戦いながら

「なんで金の力に頼ろうとしたんだよ。そんな事しなくたって」
「黙れ!!!!彼の周りには桁外れの金持ちが多い。そんな奴らを相手にするのはこっちも金の力に頼るしかないでしょうが!!!!」
「だからって」
「私には手段を選ぶ余裕は無いのよ!!私のこの気持ちはだれにも邪魔はさせないわ!!!」

ソニアは僅かだが涙目であった。そして、鬼気迫るものもあった。
そんな姿を見た悠太は。

「情けねえな」
「な、何ですって」

悠太の言葉にソニアは攻撃を止めた。

「何回でも言うよ。情けねえって言ったんだよ」
「それは、どういう意味だー」

悠太は攻撃を受け止め

「確かに、好きな奴を射止める方法は「魅力を伝える」だ。だがな、近付く方法は不純じゃねえか」
「黙れ!!!私には手段を」
「それは分かってる。だがな、結果はどうあれ、所詮は金の力で手に入れた関係性じゃねえか。そんなもん長持ちしねえよ」

悠太の言葉はソニアに深く刺さっているようだった。

「黙れ!!!!黙れ黙れ黙れ!!!!彼の周りには金持ちが多いのよ!!!貴方のご主人様だって、その1人じゃない!!!!!そいつらと私、どう違うのよ!!!!!」

取り乱すソニアに悠太は冷静に

「はっきり言うぜ。お嬢様は「三千院家の力」を使ってねえよ。使ってるのは「お嬢様自身の力」だ」
「ど、どういう事よ」
「お嬢様は恋して変わった。滅多な事じゃ学校に行きたがらなかったお嬢様は毎日行くようになった」

悠太は一呼吸置き、

「しかもだ、プライドの塊。いや、プライドって言葉を擬人化したらお嬢様になる。ってぐらいプライドが高かったお嬢様が、そのプライドのほとんどを捨て、自分磨きしている。人に教わろうとしなかったお嬢様が、俺やマリアさんに頭を下げて、家事修行してるのさ。家事修行だけじゃねえ、いろんな努力をしている。全ては「好きな人に好かれるため」だ」

ソニアはナギの現状を聞かされて、驚いていた。

「それにだ、あんたの言う「彼」を好きな奴は、自分の力しか使ってねえぞ。財閥で力も金もあるはずなのにな」
「そんな。嘘よ。そんなの嘘よ」
「嘘じゃねえよ。誰一人として、金も権力も使ってねえよ」

悠太にこう言われ、ソニアはひざから崩れ落ち、トンファーを落とした。
そんなソニアに悠太は

「あんたはプライドが捨てられず、金の力に逃げた。そこが、お嬢様達との決定的な違いだよ」

悠太の言葉が止めになり、

「間違っていたの?私は」
「ああ」
「じゃあ、どうすればいいのよ。私は。彼を諦めたくない。でも」

泣き始めたソニアに悠太は

「だったら、全部のプライドを捨ててみろよ」
「え!?」
「そして、素直な自分の声に従ってみな。そうすれば、答えは出るはずだぜ」

悠太に言われ、ソニアは俯いた

「そ、そんなの」
「出来ないってか?そんな事は無いはずだ。あのお嬢様が出来たんだがらな」

俯いたままのソニアに悠太は

「きっと、方法はあるよ。金持ちじゃ無くても、あいつに近付き、自分の魅力を伝える方法が」
「お金無しでも?」
「断言するよ。絶対にあるとね」

ソニアは落としたトンファーを拾い、仕舞った。
そして立ち上がり

「迷惑かけたわね。私、探してみるわ。プライドなんか捨てて」
「まあ、頑張れよ」

ソニアは立ち去って行き、悠太は三千院家の別荘に戻る事にした。


                     × ×


悠太が戻ると、ナギはテラスで寛いでいた。

「お。お帰り。どうだった?」
「悪くなかったよ」
「あ、そ」


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は未定です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月16日更新) ( No.46 )
日時: 2014/02/17 08:19
名前: ささ

ささです。自業自得とはいえ地獄でした。これに懲りて─なんて思ってはいませんが。
ハヤテラバーズの皆さん、金や権力以外にハヤテとくっつく方法がありまっせ。
それは…既成事実を作ること(それっぽい写真を撮影するとか)だ。そういった面では一緒に住んでいるアテネが有利か。
(ありゃ、皆さん一斉に何処へ行くのか、何人か死人がでなければよいが)
でもソニアさん、原作みたく社会的抹殺はしなかったのですね。
ただ一つ気になったことが綾子の持つ朱雀・青龍だったらどうなのか。
(あっ、トンファー無視して斬りつけるのはなしで。)
ほっほーアテネ市か〜楽しみだなぁ。
(さすがに二度連続で火遊びしたら身体が保たないので失礼します。)
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Re: 女神と共に第二部 (2月18日更新) ( No.47 )
日時: 2014/02/18 18:09
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●さささん

 >>ささです。

 綾子「感想ありがとうございます♪」

 >>自業自得とはいえ地獄でした。

 ヒナギク「フンッ。当然よ」

 >>これに懲りて─なんて思ってはいませんが。

 ヒナギク「・・・」
 泉「お、抑えて抑えて」

 >>ハヤテラバーズの皆さん、金や権力以外にハヤテとくっつく方法がありまっせ。

 ハヤテ好き一同「・・・」←期待している

 >>それは…既成事実を作ること(それっぽい写真を撮影するとか)だ。そういった面では一緒に住んでいるアテネが有利か。

 アテネ「それがありましたわね。では早速」

 >>(ありゃ、皆さん一斉に何処へ行くのか、何人か死人がでなければよいが)

 千桜「え、えっと私は///////////////////////////////」
 愛歌「(私は、悩むわね)」
 ナギ「////////////」←悩んでる。

 >>でもソニアさん、原作みたく社会的抹殺はしなかったのですね。

 ソニア「あっ」
 悠太「その、「忘れてた」みたいな顔止めろよ」

 >>ただ一つ気になったことが綾子の持つ朱雀・青龍だったらどうなのか。
 (あっ、トンファー無視して斬りつけるのはなしで。)

 綾子「真山君の叢雲で切れなかったとなると、難しいかもしれませんわね。まあ、勝負自体は私の完勝でしょうが」

 >>ほっほーアテネ市か〜楽しみだなぁ。

 詳しい事は完全黙秘します。

 >>(さすがに二度連続で火遊びしたら身体が保たないので失礼します。)

 ヒナギク「フッ。それがいいわね。私も手加減できなくなると思うし♪」
 美希「(だから、「♪」が怖いって)」

 ま、まあ。  感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (2月18日更新) ( No.48 )
日時: 2014/02/18 18:12
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、悠太はシスターを退ける事が出来た。


夜になり、悠太はマリアさんとテラスに居た。

「夜になると、波の音が気持ちい物っすね」
「そうですね〜」
「こうしてると、まさにリゾートって感じですよね」

悠太は波の音を楽しんでいたが、マリアさんは悠太の恰好に

「それにしても、悠太君はなぜ執事服を?」
「最近、この格好の方が落ち着くんすよ。マリアさんもあるんじゃ無いんすか?メイド服の方が落ち着けるみたいな事」
「まあ、そうですね〜」

すると、マリアさんに黒い思い付きが浮かび

「って事は♪私の私服は似合わないと♪そういいたんですか〜♪」
「そ、そうじゃないっすよ。私服もお似合いですよ」

慌ててフォローする悠太にマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフ♪悠太君の恥ずかしい写真や秘密を暴露しようとしましたが♪フォローしたので♪勘弁してあげますか♪)」

奇妙な空気に悠太は眼をそらすように室内に居るナギに目をやり

「お嬢様、だらけすぎじゃねえか?」
「そんなことより、悠太水〜」

悠太はミネラルウォーターに氷を入れてナギに出し

「お嬢様、折角の旅行なのに、この家に来た途端テンション低くするのは止めろよ」
「悠太よ、それはなぜだと思う?」
「まあ、なんとなくではわかるが、ここはミコノスだぜ?世界有数のリゾート地なんだから少しでもいいから旅行のテンションになれよ」

悠太の言葉にナギは上半身を起こし、

「悠太、お前は私がここに長年住んでたと聞いただろ?」
「やっぱか。実家みたいなものだから、実家に帰ってきて、テンションは上がらねえと。そう言う事か」
「ああそうさ。実家に戻って、テンションの上がる奴は居ないだろ?」

いや、居ると思いますが。

「作者よ、例えば新潟生まれの新潟育ちの奴が1年ぶりに帰って来たとする。そんな奴が、子供のころから見慣れてた神社などの歴史的建造物でテンションあがるか?否、上がらない」

ナギの力説に悠太は

「まあ、気持ちはちょっとだけ分かるな。俺も実家帰ってもそこまでテンションは上がらないよ」
「だろ?」
「でも、姉ちゃんは嬉しいみたいだぞ。休みがとれて実家に帰ると、嬉しそうに母さんや親父と話してるらしいし」

悠太の言葉に、ナギは暫く沈黙し

「美緒さんはそうかもしれんが、私は上がらないの。折角の旅行なのに、実家に帰ってきて失敗だと思ってるの!!!」

そう言うと、別荘にあったレトロゲームをやり始めた。
そんなナギに悠太は

「じゃあさ、俺を案内してくれよ」
「へ!?」
「この島には何回か来た事あるが、観光はした事無いからな。だから、案内してくれ」

悠太の言葉にナギは少し考え

「まあ、それならいいか。良い暇つぶしになるし」
「ははは。頼むよ」


                     × ×


翌朝。

「さて。暖かい紅茶と弁当を持ったし、行くか」
「フフフ。かつては観光王を目指した私の案内に酔いしれるがいい」
「(何時目指したんだよ。そんなの)」

悠太は呆れつつ

「なあお嬢様、その帽子で行くのか?」

つばの部分に穴があいている帽子を指さしながら聞いた。
それに対しナギは

「これは私のお気に入りだからな。だからこれでいいんだよ」
「あ、そ」

マリアさんの見送りを受けて、2人は出発した。


「さて、ミコノスと言えば、まずはこれからだ。カト・ミリの風車」
「ほ〜。これがね〜」

悠太は少しの間見て

「でも、小さくねえか?」
「オランダの風車小屋とは違うからな」
「で、これは現役じゃ無さそうだな。骨組みしかねえし」
「大昔には粉ひきに使ってたが、今は意味無いもんな」

するとナギは昔を思い出し

「そう言えば、昔、母が回って無いことが不満だったのか、ストールで一生懸命風を送ってたな」
「そ、そんなので回らねえだろ」

悠太の指摘にナギも

「まあな。だから、「セイルウング型と言って、帆をはらないと回らないぞ」って指摘したら、この世の終わりと言いたげにビックリしてたよ」

ナギの思い出に悠太は

「愉快な人だったんだな。紫子さんって」
「ああ。愉快な母だったよ」

懐かしむナギの元に

「ん!?なんだ、このペリカンは」
「確か、ペン太だな」
「ペン太!?」
「ミコノスには観光客に餌を貰うペリカンが居るだろ?こいつはその1匹だよ」

ナギは屈むと

「ペン太、私の事覚えているか?」
「あのさ、今のこいつはこっちに夢中みたいだが」

ペリカンは悠太の持つ、弁当の入ったバスケットを見ていた。

「コラ、お前。昔沢山遊んでやったのに、忘れたのかよ!!!」

ナギは怒っていたが、ペン太は昔を思い出していた。


                  × ×


「見て見てナギ。可愛いペンギンが居るよ」
「母よ、それはペリカンだ」

しかし、紫子はテンションが上がっているためか、ナギの言葉は届かない様で

「このペンギン嘴大きいね」
「だ・か・ら、ペリカンだって」

やっぱりナギの言葉は届かず

「も〜。可愛いから私が名付け親ね。ペンギンだからペン太。もう決まりね」

紫子の命名にペン太はショックを受けているようだった。

「皆さ〜ん。ペンギンのペン太をよろしくね〜」


                   × ×


ペン太はこの過去を思い出し、大きな鳴き声を上げた。

「な、なんなのだ、お前」
「なんかしたのか?こいつに」

驚く2人にペン太はナギの帽子を盗り

「あ、私の帽子」

そのまま走って行ってしまい

「お、追うぞ悠太」
「え!?あ、ああ」

ナギも悠太も慌ててペリカンを追った。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月18日更新) ( No.49 )
日時: 2014/02/18 19:39
名前: ささ

ささです。
ヒナギクさん、手加減していたのですか?どうやら傷一つないわけです。
この光景だけでは面白い資料になりませんよね、マリアさん。(ペリカンを追いかけて道に迷ったなんてことがあれば別ですが)
それと、後日悠太君の秘密について教えてください。
それと、ナギさん、(今回は大丈夫)
こんな間違え鷺ノ宮家と、紫子以外でしますか?
今回はこれにて、masaさん頑張ってくださいね。
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Re: 女神と共に第二部 (2月19日更新) ( No.50 )
日時: 2014/02/19 18:54
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●さささん

 >>ささです。

 麗「感想ありがとね♪」

 >>ヒナギクさん、手加減していたのですか?どうやら傷一つないわけです。

 ヒナギク「それはそうよ♪でも、次はね〜♪」
 理沙「(だから、「♪」が怖いって)」

 >>この光景だけでは面白い資料になりませんよね、マリアさん。(ペリカンを追いかけて道に迷ったなんてことがあれば別ですが)

 マリア「そうですよね〜♪こんなことなら、飼い慣らしておいて、徹底的に悲しませた方がよかったかも知れませんね〜♪フフフフフフ♪」
 クラウス「・・・止めておけ。お嬢様が可哀想だ」←勇気を出して言った。

 >>それと、後日悠太君の秘密について教えてください。

 マリア「それはですね〜♪」
 作者権限で、それは言わせません。

 >>それと、ナギさん、(今回は大丈夫)

 ナギ「ホッ」
 マリア「チッ」

 >>こんな間違え鷺ノ宮家と、紫子以外でしますか?

 ナギ「まあ、しないだろうな。そんな馬鹿居ないし」

 >>今回はこれにて、masaさん頑張ってくださいね。

 ありがとうございます。頑張ります。 感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (2月19日更新) ( No.51 )
日時: 2014/02/19 19:10
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、ナギは紫子が名付けたペリカンに帽子を盗られてしまった。


「ったく。あのペリカン、どこに行きやがったんだ」

悠太はそうやって呟いてナギを見ると、俯いていた。

「あの帽子はお嬢様にとって大事なものだったんだな」
「それはそうだ」

ナギは顔を上げ、

「顔は覚えてないし、名前も知らない奴だったけど、あの帽子には私を守ってくれた証が刻まれてるんだ。ずっと、ずっと探しててやっと見つかったと思ったのに」

必死で訴えるナギに悠太は

「そうか。宝物、なんだな」
「当たり前だ。私からすれば、あの帽子は世界で一番価値のあるものなんだよ」

悠太は笑みを浮かべ

「大丈夫だよ。大切なものって言うのは、そうそう簡単には無くならない様に出来てるんだよ」
「本当か?」
「こんな状況で嘘を言う理由がねえだろ?」

悠太の言葉に、ナギは明るくなった。

「でもさ、あのペリカン何処に行ったか皆目見当もつかないよな」
「う〜ん」

悠太は腕を組んでしばらく考え

「まあ、ある程度の予想はつくよ」
「本当か!?何処だ?」

悠太はまた少し考え

「ああいう感じのペリカンなら、何処か人気の多そうな海岸辺りに居るんじゃないか?餌を貰おうと思ってな」
「成程。なら、善は急げだ」

走り出したナギを悠太は慌てて追った。


                      × ×


暫く走ると、スタミナが切れたのか、ナギは歩き出した。
そして

「なあ悠太」
「ん?」
「色々あって言いそびれてたんだが、昨日はありがとな」

少し驚く悠太を尻目にナギは言葉を続けた

「もし、あの馬鹿に負けていたら、三千院家の遺産は奪われていた。あの後お礼を言う機会が無かったから、今言ったのさ」
「そうか。まあ、正直言うと、あの後も王玉を奪おうとした奴は来たけどな」
「え!?大丈夫だったのか?」

驚くナギに悠太は笑顔を向け

「問題無いよ。石は守った。安心しろ」

王玉を見せてきた悠太にナギは笑みを浮かべ

「よかったよ。その石を奪われていたら、あの屋敷に住めなくなっていた」

悠太は驚いてナギを見つめた。

「私には個人資産はあるが、あの屋敷は維持できない。第一、あの屋敷は私のじゃ無い」
「お嬢様?」
「今までの私は金に守られていた。だから、それが無くなると思うと、不安になるよ」

不安そうなナギに悠太は

「大丈夫だ。実家が金持ちの俺が言うのもあれだが、お嬢様は大丈夫だよ。お嬢様は、金に縁のある人だ。お嬢様には貧乏は似合わないよ。それにだ、言ったろ?大切なものは簡単には無くならないって」
「悠太」
「それにだ。俺が居るし、俺以外にもお嬢様を守ってくれる人は沢山いる。だから、安心しろ」

悠太の言葉にナギは

「そうだよな。下手に貧乏していると、ハヤテを狙えなくなるもんな」
「ま、まあな。それは金があろうが無かろうが、お嬢様が頑張らないとな」
「ああ」

こんな風に話していると、海岸に着いた。

「さてと」

悠太は急いで海岸を見渡し

「あ、居たぞ」
「帽子も無事なのだ」

ペリカンは未だにナギの帽子を銜えたままであった。

ナギは慌てて駆けて行き

「おいお前、私の帽子を返せ!!!」

ナギが大声を出すと、ペリカンは飛んだ。

「ま、待て。飛ぶなんて卑怯だぞ」
「任せな」

そう言うと、悠太は持っていたバスケットからパンを取り出し

「これでも食らえ」

態とペリカンに掠る様に投げた。するとペリカンはパンを取るために帽子を離した。
悠太は急いで帽子が地面に落ちる前に受けた。

「ほら、大事なものならもう無くすなよ」
「分かってるさ。これは私の宝物だからな」

そう言って、ナギは帽子をかぶりなおした。

「さあ悠太。観光王を目指した私の案内はまだまだこれからなのだ」
「はいよ」

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短いですが、以上です。
次回で、遂にナギ一行がアテネ市に到着の予定です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月20日更新) ( No.52 )
日時: 2014/02/20 15:29
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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ここはとある豪華客船の船上。


「え〜。それではみなさん、ミコノスへの別れと、今後の旅の無事を祈って」

泉が乾杯の音頭を取ると、

「かんぱ〜い」

全員で乾杯した。

「見えなくなっちまったな。ミコノス島」

そう呟いた悠太にナギは

「なんだよ。まだ居たかったのか?」
「まあ、な。楽しかったから、名残惜しくはあるよ」

少しだけ寂しそうな悠太にナギは

「そんな顔すんなよ。旅はまだまだこれからでもあるんだぞ」
「そうだよな。アテネ市にも楽しい事は沢山待ってるよな」
「ああ、そうさ」

すると、ここで

「さあ、楽しいパーティと言えば定番の、王様ゲーム」

泉の宣言にヒナギクは過剰に反応し

「何よ、王様ゲームって」
「クジを引いて、王様って書いてある人が番号を持っている人に何でも命令できるってゲームだよ」
「私が言ってるのはルールじゃないわよ!!!何でやるのかって事よ!!!」

興奮するヒナギクに麗は

「まあまあ。折角なんだからやりましょ。ね」
「で、でも」
「じゃあ、こうしましょう。「エッチなのは禁止。もちろん、「キスしろ」の命令も含む」っていうルールを設ける。これで文句ないでしょ?」

麗にこう言われ、ヒナギクは渋々了承したようだった。
そして全員にクジが配られ

「じゃあ、ルールも決まった所で、王様だ〜れだ」

全員が自分のクジを見て

「あら、私みたいですね」

最初の王様はマリアさんであった。
そして、暫く考え

「3番が6番にロシアンルーレットをするってどうです?」
「「え!?」」

3番の麗と6番の泉を含めて全員が当然驚き

「「じょ、冗談ですよね」」

焦る麗と泉に

「冗談ですよ〜♪」

っと笑顔で言った。
その事で麗も泉も安心したが

「(なんだよ!!!やんねえのかよ!!!つまんねえなクソが!!!!この臆病者どもめが!!!!!!!!)」

マリアさんはこう思っていたそうだ。

仕切り直しになり、再びクジを引いて

「お、王様だ〜れだ」
「あら、また私みたいですね」

またしてもマリアさんが王様であった。
そしてまた少し考え

「4番が9番に火を放つってどうです?」

当たり前のようにこんな事を言ったマリアさんに全員が沈黙し

「「ま、また冗談ですよね?」」

4番の理沙と9番の勝は焦りながら言った。

「冗談ですよ〜♪一々本気にしてたら身が持ちませんよ〜♪」

この言葉に理沙も勝も安心していた。だが、

「(なんだよ!!!!またやんねえのかよ!!!いい加減にしろよ!!!この臆病者どもめが!!!!!!!!)」

マリアさんはこんな事を思っていた。

結局、王様ゲームはこれでお開きになった。


                      × ×


暫くすると、ヒナギク、泉、美希、理沙は寝てしまい、勝は船内探索に行き、麗は勝に着いて行った。

「まあ、色々あったが、こう言うクルージングも悪くないな」
「そうだな。今はちょっと寂しいがな」

ナギと悠太は楽しそうだったが、マリアさんは先ほどの王様ゲームでの命令を実行されなかったので、笑顔だったが、つまらなさそうであった。
まあ、そんなマリアさんの様子には誰も気付いていないが。

「そう言えばさ、この王玉って何のための石なんだ?」
「知らなかったのか?」
「まあな。貰ったはいいけど、知らねえんだ」

するとナギ何かを思い出すように眼を少し閉じた後

「それは、絆の石だ」
「絆の石!?」
「それは、遥か大昔、神様が作り出した願いの石だ。そして、強欲を試す為の石でもある」

ここまで言うと、月を見上げ

「己の全てを犠牲にしてまで人々の為に尽くしたい。そう考える事が出来れば、万物をも捻じ曲げる力を得る事が出来る。ただし、それは光を失わずに持ち続けられた者のみだ」

ここまで一気に言ったナギに悠太は

「それ、どういう意味だ?ってか、誰から聞いたんだ?」
「意味、か。私は知らないよ。なんか、意味がありそうだから覚えてただけだ。教えてくれた人も、覚えてない。性別すら覚えていない奴だよ」

ナギは少ししんみりしたが、

「さ、そろそろ下船の時間だ。準備するぞ」
「ああ」


                      × ×


一行は船を降りると、アテネ市の三千院家の別荘に来ていた。

「ねえナギちゃん、私達ここに泊っていいの?」

聞いてきた麗に

「構わないよ。ここはアテネ市の端っこだし、明日迎えに行くのが面倒になるし、こうして皆で居るんだ。泊ってって欲しいってのもあるよ」

ナギの言葉に麗は

「じゃあ、お言葉に甘えるわね」

一行はもう夜も遅いので、寝ることにした。

しかし、悠太は部屋で着替えた後、バルコニーに1人で居た。
するとそこにヒナギクがやってきて

「眠れないの?」
「そう言う訳じゃないよ。ただ単に、夜景を見たかっただけさ」
「ふ〜ん」

ヒナギクは悠太の隣に立った。

「ヒナギクはどうしたんだ?俺と一緒で夜景見物か?」
「私は、船で寝ちゃったせいで、寝付けなくてね」
「ふ〜ん」

2人とも暫くアテネ市の夜景を楽しんでいたが、

「こうしてアテネ市の夜景を見ていると、なんだか、ある予感がするんだ」
「予感って?」

悠太は少し間を開け

「俺達だけじゃなく、この世界そのものの命運をかけた、でっかい事件が起こるような気がするんだよ」

悠太の言葉にヒナギクは軽く笑うと

「そんな事、起こる訳無いでしょ。ファンタジーじゃないんだから」
「そうだよな。そんな事、現実で起こる訳ねえもんな」

話が終わると、2人とも挨拶をして、部屋に戻って行った。





しかし、悠太の予感は的中することになる。


悲劇のカウントダウンまで、一刻の猶予も許されていなかった。


それは、この時、誰一人として知らなかった。





----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は未定です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月20日更新) ( No.53 )
日時: 2014/02/20 21:47
名前: torbion

どうも!
どうにかしてマリアさんの弱点をつかみたい、torbionです♪

今回は原作に沿っていて(沿っているはず…!)、
原作と比べながら読みました〜。

王様ゲーム……
王様ゲームはこんなゲームじゃないはずだー!!
簡単に財閥潰しするなー!!
誰がそんな命令聞き入れるんだー!!
どうしてこうなった!!
いや、理由は1つなんですけど…
真っ黒m…
……マリアさんと呼ばれる悪の女帝のせいですよね…

マリアさん、まだ感想あるのでそれ置いてください。いや、ホントに。お願いします。

そして今回、王玉の正体が少し分かって…
あれ、原作通りだとやばい気が…
まあ、その辺は楽しみにしておきます。

そして悠太くんとヒナギクさんは、夜景を…
……平和ですね〜
アテネの夜景は綺麗なんだろうな〜


では、この辺で失礼します!
更新頑張って下さい! (ピュー
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Re: 女神と共に第二部 (2月23日更新) ( No.54 )
日時: 2014/02/23 16:20
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●torbionさん

 >>どうも!
  どうにかしてマリアさんの弱点をつかみたい、torbionです♪

 マリア「・・・」
 ナギ「か、感想ありがとうな」

 >>今回は原作に沿っていて(沿っているはず…!)、
  原作と比べながら読みました〜。

 まあ、自分のは基本的に原作を参考にしつつ、執筆してますからね。大体原作に沿ってますよ。

 >>王様ゲーム……
  王様ゲームはこんなゲームじゃないはずだー!!

 悠太「ま、まあ確かにな」

 >>簡単に財閥潰しするなー!!

 麗「ほ、ホントよね」
 泉、美希、理沙「・・・」←恐さで思考停止中

 >>誰がそんな命令聞き入れるんだー!!
  どうしてこうなった!!

 ナギ「ほ、ホントだよな。あんな危ないの聞き入れないよな」
 マリア「・・・」

 >>いや、理由は1つなんですけど…
  真っ黒m…
  ……マリアさんと呼ばれる悪の女帝のせいですよね…

 マリア「誰が悪の女帝なんですか〜♪♪♪失礼な方ですね〜♪♪♪」
 クラウス「(こ、怖すぎる〜)」←泣いてます

 >>マリアさん、まだ感想あるのでそれ置いてください。いや、ホントに。お願いします。

 マリア「大丈夫ですよ〜♪この拳銃で撃たれても痛くありませんから♪「痛い」と感じる前に死ねる破壊力ですからね〜♪♪」

 >>そして今回、王玉の正体が少し分かって…
  あれ、原作通りだとやばい気が…
  まあ、その辺は楽しみにしておきます。

 原作で少し明かされた王玉の正体とは、違いますよ。この第二部内で王玉の正体にも触れますから、待っててください。

 >>そして悠太くんとヒナギクさんは、夜景を…
  ……平和ですね〜

 悠太「まあな」
 ヒナギク「確かに平和ね」

 でもその平和も

 >>アテネの夜景は綺麗なんだろうな〜

 悠太「綺麗だったぜ」
 ヒナギク「思わず見とれちゃったわ」

 >>では、この辺で失礼します!
  更新頑張って下さい! (ピュー

 マリア「逃がしませんよ〜♪待ちなさ〜い♪」

 ナギ「行っちゃったけど、大丈夫かな」
 悠太「さあ。作者が何とかするだろ」


 か、感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (2月23日更新) ( No.55 )
日時: 2014/02/23 16:23
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ナギ達はアテネ市に到着した。


翌朝。

「そう言えば。ヒナ、今日なんでしょ?お礼ディナー」
「まあね」

洗面所でヒナギクと麗は歯を磨きながら会話していた。

「良いわよね〜。聞いた限りじゃ高級レストランらしいじゃない」
「そうだけど。って麗、貴方なら好きな時に行けるでしょ?」
「それはそうだけど、例えお金持でも奢ってもらえるのは嬉しいものよ」
「ふ〜ん」

すると、麗は

「そう言えばさ、相手がハヤテ君の方がヒナ的には嬉しいんじゃない?」

麗の言葉にヒナギクは口を漱いでいた水を盛大に噴き出した。

「そ、そんな訳」
「そんなに動揺してると説得力皆無よ」

実際、事実であった。
麗はヒナギクの反応ににやけながら

「まあ、相手がだれであれ、楽しみなさい」

麗は洗面所を出て行ったが、からかわれたヒナギクは麗が出て行った方を暫く睨みつけていた。


                    × ×


「うわー。パルテノン神殿だー」

パルテノン神殿前の広場で両手を広げて喜ぶ勝に麗は

「あんたねえ。ここには来たばかりなのに、何でテンション高いのよ」
「だって。こう言う世界遺産は、何度見ても感動的なものだから」

勝は素直に感動していたが、麗は感動は薄い様だった。

「そう言えば、あの3人はどうしたの?居ないけど」
「明け方まで起きてたらしいからな。電話したら、夕方まで寝てるってさ」

悠太の報告に麗は少し呆れていた。

「で、ヒナは?」
「ん」

悠太が指さした方を見ると、ヒナギクはただひたすらに神殿を見ていた。
麗はすぐにでも理由を察した。

「ナギさん、僕もっと見て回りたいです」
「じゃあ、移動するか。遅めの朝食でもとりながら」

ナギの言葉に勝は少し焦り

「そんなゆっくりで平気なんですか?確か電車で3時間ぐらい」
「問題無い。ヘリを呼んだ」

ナギがそう言った瞬間、ヘリの音が聞こえ、ナギ達の近くに着陸した。

「流石ね」
「ナギさんて、本当にすごいんですね」

時任姉弟に褒められ、ナギは照れつつ、

「デルフィにはどれ位なのだ?」
「30分ほどです」

パイロットのクラウスが答えた。

「じゃあ、乗るか。朝食はヘリの中だな」

悠太に促され、一行はヘリに乗り込んで行った。
すると、勝は心配でヒナギクを見ると、

既に固まっていた。
その後、少し苦労しつつヘリに乗せた。

ちなみに、

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ヒナギクさんったらヘリごときにあんなに怯えて♪これは私のコレクションに加えない手は無いですよね〜♪ああ♪)」

マリアさんはこんな事を思ってました。


                    × ×


「わ〜。デルフィ遺跡も壮大だー」

勝はここでも両手を上げて喜んでいた。

「神域だからかな。空がとても綺麗だー。姉ちゃん、ここは大地のヘソと呼ばれた世界の中心だった場所なんだよね」
「ええそうよ。ちゃんと勉強してたみたいね」
「うん」

喜ぶ弟に、麗も素直に喜ぶ事にした。
一方

「ヘリなんか。ヘリなんか〜」

ヒナギクはテンションだだ下がりであり、まるで呪いの言葉でもかけるように呟いていた。

「あのなあ。あのヘリは世界中の政財界の重鎮も乗ってるヘリだぞ。落っこちる確率なんて限りなく無いに等しいよ。宝くじで100回連続で1等を当てる確率の方が高いぞ」

悠太としてはヒナギクを安心させるためにそう言ったが、ヒナギクには届かず

「フンだ。そんな確率より、私はヘリが地上を飛んでくれた方が信用するわよ」
「車じゃないんだ。それじゃあヘリの意味無いだろ」

テンションの低いヒナギクに対し、勝は

「ナギさん、あのヘリっていくらだったんですか?」
「確か、改装費も含めて30億円だったな」

凄いけたに勝は少し驚き

「ね、姉ちゃん。30億って家にある?」
「あるけど、気軽にそんなの買えるお金は出せないわよ」

時任家も財閥だが、桁違いと言う訳ではありません。

「それより、デルフィ遺跡は満足したか?」
「はい。次は何処に行くんですか?」

ナギが行き先を言うより早く

「言っとくけどね、私はヘリには乗らないわよ!!!」
「ほう。「ヘリには」乗らないのか」
「そうよ」

ナギは意地悪そうにほほ笑むと

「安心しろ。次はジェット機だ」

無理やりジェット機に乗せられたヒナギクは、機内で声にならない悲鳴を上げていた。


                    × ×


「わ〜。ここが断崖の修道院・メテオラか」
「あんたは、本当に感情に素直ね」

嬉しそうな勝に麗もつられて嬉しくなっていた。

「やれやれ。あの2人は嬉しそうなのに、お前は」

体育座りでいじけるヒナギクを見て、悠太は溜息をついた。
そんなヒナギクを見てマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ヒナギクさんったらジェット機の中でもあんなに震えて♪しかも、呪うように何かを呟いて♪また私のコレクションが♪今回のコレクションは、私だけではもったいないですよね〜♪休み明けに白皇内のヒナギクさんのファンクラブ全員に配っちゃいましょう♪)」

こんな事を考えていました。


一方のナギは、写真を撮りつつ

「なあ悠太、今日はやけに口数が少なくないか?」
「まあな。今晩のディナーで、どうやって喜んでもらおうか考えてたんだよ」
「そうか。まあ、私は頑張れとしか言えないよ」
「十分だよ」

その後も、ナギの案内で出来るだけ観光地を回った。


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以上です。
次回は続きです。

ちなみに、第二部前半は、後2話です。

では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月24日更新) ( No.56 )
日時: 2014/02/24 17:31
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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前回、ナギ達はアテネ市を観光した。


夜になり、ナギは時任姉弟とティーブレイクしていた。

「勝、今日はどうだったのだ?」
「とっても楽しかったです」

最高の笑顔の勝にナギも笑顔になり

「この後、とっておきの場所に案内してやる予定だが、行くか?」
「勿論です。どこに行くんですか?」
「それは着いてからのお楽しみだ」

ナギ達はお茶を飲み終えると、出かける準備をして、別荘を出た。


                     × ×


ナギ、マリアさん、麗、勝はある建物の前に来ていた。

「ナ、ナギさん、ここってギリシャ最大の博物館の国立考古学博物館ですよね」
「ああ、そうだよ」

勝は暫く呆気にとられた後、

「で、でも、この博物館ってもう閉館時間を過ぎてるはずじゃ」
「本来はな。でも、勝が見たいって言ってたって麗から聞いて、開けて貰ったんだよ」

ナギにそう言われ、勝は最上級の笑顔になり

「ナギさん、ありがとうございます。さ、行きましょう」

嬉しそうに博物館に入って行った。

「悪いわね、ナギちゃん。勝の為に」
「気にするな。それに、麗の為でもあるんだぞ」
「私?」

首を傾げる麗にナギは

「折角こうして旅先で出会えたんだ。旅行を少しでもいいから楽しいものにしてほしかったからな」
「ナギちゃん」
「さ、行こう。勝の奴が待ってるぞ」
「ええ」


                      × ×


一行は博物館内に入っていた。

「これがポセイドンの像なんですね」
「そうよ」
「姉ちゃん、折角だから記念写真撮ってよ」

勝は携帯を姉に手渡した。
すると

「勝、ギリシャでは石像と同じポーズで写真を撮ると犯罪なのよ」
「え、そうなの!?」

石像と同じポーズをとっていた勝は慌てて違うポーズにした。

「勉強しておきなさい。日本じゃ普通な事も海外じゃ罪になる事もあるんだからね」
「は〜い」

姉に怒られた勝は少しの間しょんぼりしたが、すぐに立ち直った。
ちなみに、マリアさんは

「(何で教えるんだよ!!!!!!!写真を警察に突き出して困っている所を撮影出来たのに台無しじゃねえか!!!!!!クソが!!!!!!!)」

とか思っていたそうだ。

「ナギさん、まだまだ案内してくださいよ〜」
「分かってるから、焦るなよ。今は貸し切りなんだし」
「あ、そうか」

嬉しそうに色んな展示物を見ている勝を見て麗は

「ナギちゃん、色々とありがとね。勝の普段見れない姿を見れて、私もうれしいわ」
「そうか」

ナギは勝を見て

「あいつを見ていると、弟を持った気になるんだ」
「え!?」
「あいつとは同い年だが、弟の様な気がしてな。だから、可愛がりたくなるんだ」
「そうなの。ありがと」

その後もナギ達は博物館の展示物をナギのと麗の解説で見て回った。


                      × ×


一方の悠太。

悠太は約束のレストランの前で待っていた。

「(さてと。このディナーは俺の執事力が試されるな。最上級のおもてなしをしてこその執事だからな)」

悠太があれこれプランを練っていると、リムジンがやってきて、店の前で止まった。
として後部座席から、お洒落したヒナギクが出てきた。

「ようこそ。今日は最高の夜にしてやるつもりだぜ」
「ええ。期待しているわ」

悠太はヒナギクの隣に並んでレストランの中に入って行った。

入口の扉を開けると、誰かが待っていた。

「おお悠太。待ってたぞ」
「お久しぶり、だな」

2人はハグで挨拶した。
そして離れると

「悠太、久しぶりに電話してくれたかと思ったら、急に予約を入れたいなんて言ってビックリしたんだからな」
「それは悪かったと言っただろ。まあでも、無理を聞いてくれて感謝しているよ」
「気にするな。ほかならぬお前さんの頼みだ。少しなら無理も聞くさ」

話を終えると、オーナーはヒナギクに気付き、

「ん!?恋人か?」
「違うよ。話していた友達だよ」

悠太と親しげだった人物はヒナギクの前に立ち

「初めまして。このレストランのオーナーです。よろしくね」
「あ、はい」

悠太とは違い、握手での挨拶だった。

「お嬢さん、今日は楽しんで行ってね。悠太に頼まれたとおり、最高の部屋を用意しておいたから」

そう言うと、オーナーさんは2人を用意していた部屋に案内し、オーナー自身は引っ込んで行った。

「見ろよ。最高の夜景だぜ」
「ホント。最高のテーブルクロスね」

悠太は少し溜息をつき

「そこからでもいいから夜景見ろよ。綺麗だぜ」

ヒナギクは窓から離れた位置で夜景を見て

「綺麗ね。ナギの家で見た夜景も綺麗だったけど、ここも綺麗ね」
「ここは景色が最も奇麗に見えるように設計されているらしいからな」

夜景に見とれるヒナギクに悠太は

「夜景もいいが、ここの料理はもっと最高だぜ。楽しんで行ってくれよ」
「勿論よ。期待してるって言ったでしょ?」

そう言われ、悠太は緊張したが

「(そう言えば、お嬢様は「悠太らしくあればいいんだよ。そうすれば、最高のもてなしが出来る筈だからな」って言ってな)」

そう、悠太はここに来る前に、ナギのアドバイスを受けていた。

「(ま、下手に色々考えずに、自分なりのもてなしをするか)」

そう思う事にした。


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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (2月25日更新) ( No.57 )
日時: 2014/02/25 15:39
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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前回、悠太はヒナギクへのお礼のためのディナーで自分なりのもてなしをする事にした。


「前菜はどうだった?」
「ええ、とっても美味しかったわ」

悠太はヒナギクが食べ終わったのを見計らって、聞いていた。

「でも、私はてっきり一緒に食事をする物だと思ってたんだけど、違うのね」

そう。ヒナギクに出す食事は、悠太がお店の食材を使わせてもらって、作っていた。

「俺は執事だからな。主従が一緒に食事はとらないのさ。まあ、ハヤテの所は違うみたいだが」

悠太は前菜のお皿を片付け終えると、

「次はスープだな。地中海でとれた魚介から取ったスープだ」

ヒナギクは出されたスープを飲みながら悩んでいた。
ヒナギクは旅の中で自らが抱えるハヤテへの想いをどうすればいいのか悩んでいたのであった。

「(今は、悩むのは無しよね。食事を楽しまなきゃ)」

そう考え、スープ、メインと楽しみ

「このデザートでラストだぜ」

綺麗に着飾れたデザートに舌鼓を打ち、

「どうだった?今日のディナーは」
「大満足だったわ」
「それはよかった。無理を聞いて貰ったかいがあったぜ」

ヒナギクは悠太が片付けを終えるのを見計らって

「ねえ悠太君、悪いけど、座ってくれる?」
「なんでだ?」
「大事な話があるからよ」

ヒナギクの真剣な顔を見て、悠太はヒナギクの向かいの席に腰かけた。

「何だ?大事な話って」

ヒナギクは呼吸を整えると

「私自身の恋愛に関する事よ」

悠太は驚いたが、顔には出さなかった。

「私は、ハヤテ君が好き。でも、どう気持ちを伝えるべきか分からないのよ」

悠太は間を開けてから

「素直に告白するのが一番じゃねえのか?色々言うよりも、「好きです」って気持ちを伝えれば、十分だと思うぜ」
「そう、なんだけどね」
「何か問題でもあるのか?」

悠太の問いにヒナギクは間を開けて

「自分から告白したら、負けだと思わない?だからよ」

当然の様にそう言ったヒナギクに対し、悠太は眼を閉じて暫く考えた後

「ヒナギク、恋愛に関する勝ち負けってなんだ?」
「そ、それは」
「「意中の相手が自分と恋愛関係になる」これが勝ちで、「意中の相手が自分以外の誰かと恋愛関係になる」これが負けじゃねえのか?」

悠太の正論にヒナギクは黙り込んだ。

「正直に言うぜ、ヒナギクの考えている勝ち負けの基準は、俺からすれば「ふざけるな」だぜ」
「な、何ですって」

ヒナギクは怒って立ち上がったが、すぐに冷静になってすわりなおした。

「はっきり言うぜ。その勝ち負けに拘ってる様じゃ、「二度と拭えない屈辱的な敗北」が待ってるだけだぜ」
「ど、どういう事よ」
「勝負すらせずに負けると言うのはどうしようもないってことさ」

悠太は水を飲み

「全力で勝負して負けた場合は、相手の力が勝っていたとか自分の努力が足りなかったという理由を見つける事が出来る。だが、何もせずに負けた場合はどうだ?理由なんか分からず、悩み続ける結果が待ってるだけだ」

悠太の言葉は確実にヒナギクの心に刺さっていた。

「全力勝負で負けた場合、悔しさは残っても、後悔は残らないはずだ。でも、勝負しなかった場合は、違う。悔しさも後悔も抱え続けることになるぜ。「何で勝負しなかったのか」とか、「素直に告白していれば、結果は違ったかもしれない」と言う考えばかりが支配すると思うぜ」

ヒナギクはせめてもの反乱に

「ゆ、悠太君だって告白してないじゃない。ナギが好きなくせに」
「したぞ、告白」
「え!?」
「でも、「趣味の合う友人兼執事としてしか見れない」って断られたのさ」

悠太が既にナギに告白していたと知ったことで驚き

「悠太君はいいの?ナギはハヤテ君が好きなんでしょ?」
「別にいいと思ってるぜ。俺が望むのは「お嬢様の幸せ」だからだ。ハヤテだったら、お嬢様を間違いなく幸せにしてくれる。確かに、俺自身の手でお嬢様を幸せにしたいのは事実だ。でもな、お嬢様が幸せなら、俺は満足だよ」

ヒナギクは悠太の強さに感心していた。

「でもな、ヒナギクはどうだ?俺みたいに、「意中の相手が自分以外の誰かとくっついても幸せ」と考えられるか?」

悠太はヒナギクの顔を見て

「出来ないって顔だな」
「そ、そうね」

悠太は水を飲み

「ヒナギク、お前さんの勝ち負けの基準に則って話を勧めるが、ヒナギクはハヤテに「もしかしたら、この人は自分の事が好きなのでは?」と思ってもらえる態度をとってるか?」

「して無い、わね。ハヤテ君には私の仕事を手伝ってもらう事は多いけど、そう言う態度は取った覚えは無いわ」

描写こそして無いだけで、ハヤテは生徒会の仕事も手伝っていたのである。

「なら、なおさら「二度と拭えない屈辱的な敗北」が待ってるぜ。それでもいいなら、俺はもう何も言わないよ」
「良い訳無いわよ。私のハヤテ君に対する気持ちは真剣よ。天王州さんや親友の綾、貴方のご主人様のナギ、それ以外にも誰にも負けたくないわ。それくらい、私の恋愛感情は強いわ」

そう言って俯いたヒナギクに

「だったら、素直になれ。それしか道は無いよ」
「で、でも」

まだ俯くヒナギクに悠太は

「それでも、自分の考える勝ち負けにこだわるなら、「勇気を持って負けを選ぶ」これを選択したらどうだ?」
「勇気を持って負けを選ぶ?」
「ああ、そうさ」

悠太は一呼吸置き、

「確かに、「勝ち」にこだわる事はとても大切さ。そうすれば、成長の速度も速いからな」
「そ、そうよ」
「でもな、「負け」から学びとれる事は沢山あるのさ」

ヒナギクは黙り込んだ。

「負けることで、現時点での自分の力量や心構えなどを知れる。その上で、更なる向上心も生まれる。「負け」から学びとれる事は、「勝ち」から学べることよりはるかに多くの事を習得できると、俺は思うよ」

悠太は残っていた水を飲み干し

「人間、時に「負け」を選択し、立ち止まることも大切だと思うよ。少年漫画の主人公だって、負けて自身の力量を知り、さらなる向上を目指す。と言う展開は王道だろ?」
「そ、そうかもね」
「ヒナギク、お前さんが自らが考える勝ち負けを捨てられないなら、「負け」を選べ。そうすれば、自分の中の何かが変わるはずだ」

ヒナギクはまた少し俯き

「出来るかしら。私に」
「出来るよ。あのお嬢様が「プライドを捨てる」と言う「負け」を選べたんだ。ヒナギクにだって、「負け」を選ぶことは容易のはずだぜ」

悠太の言葉にヒナギクは

「ありがと。何かが晴れた気がするわ」
「そうか。でも、悪かったな。お礼のはずが、生意気なこと言って」
「ううん。悠太君は、私の中の天の邪鬼を退治してくれたわ。だから、お礼になってるわよ」
「ならよかった」


                     × ×


2人は店を出た。

「じゃあ送るよ。別荘まで」
「そう?別にいいのに」
「折角のお礼のためのディナーなんだ。最後まで全うさせてくれよ」

2人が歩き出そうとした瞬間、悠太の携帯に着信が入り、悠太は出た。

「はい、どうした? え!?それマジかよ。 わ、分かった。すぐ行く」

悠太は携帯を切り

「すまねえ。急用が出来ちまった。送る事が出来なくなった」
「気にしないで。言い出せなかったけど、美希達に迎えに来てもらうように言っておいたから」

ヒナギクがそう言うと、ヒナギクが乗ってきたリムジンが再びやってきて、2人の前で止まり、後部座席のドアが開いた。

「悠太君、今日はありがと。大満足だったわ」
「そうか。またな」

挨拶を済ませると、車は発車して行った。

悠太は車が見えなくなったのを見計らい、軽めの準備体操をした後、走り出した。


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以上です。
今回で、第二部前半は終了です。
次回より、後半に突入です。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (3月18日更新再開) ( No.58 )
日時: 2014/03/18 17:03
名前: masa

こんにちはmasaです。

短編が終わったので、連載再開です。

では本編どうぞ。
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前回、悠太はヒナギクとのディナーを終えた後、誰かからの電話を受け、何処かに向かった。


結構速く走ったため、目的地には比較的すぐにつけた。
そしてそこには呼びだした張本人が待っていた。

「真山君、思ったより早かったですわね」
「早めに走ったからな」

悠太は呼びだした人物の前で立ち止まった。

「それより、電話で言ってた事は本当なのか、天王州」

そう、悠太を呼びだしたのはアテネであった。
悠太はアテネにアテネ市にある天王州家の別荘に呼び出されていたのだ。

「私も今着いたばかりですので、真偽のほどは分かりませんが、使用人の報告通りかと」
「そうか」

心配そうな悠太にアテネは

「まあ、ここで話してても仕方ありませんわ。中に入りましょう」
「そうだな」

アテネに従って門をくぐろうとした時

「あれ?伊澄じゃねえかあれ」
「え!?」

アテネが振り向くと、伊澄がこちらに向かって歩いて来ていた。
そして2人の近くに来ると

「天王州さんに悠太さん。今晩は」
「「今晩は」」

お互いに挨拶を済ませ、

「伊澄、何でここに?」
「何となく歩いていたら、ここに来たんですよ」
「あ、そう」

悠太は相変わらずだと呆れていた。

「鷺ノ宮さん、折角ですから、お茶でもして言ってくださいな」
「そうですね。お言葉に甘えさせてもらいます」

アテネの先導で鷺ノ宮家に別荘の庭を歩いている途中伊澄は

「(私がここに来たのは何者かの気配を察知したからなのですが、言わない方が得策ですよね)」

こう思っていた。


                      × ×


3人は何時の間にか先頭になっていた伊澄と歩いていた。
そして、大きめのホール(原作参照)に着いた。するとそこに

「アーたん今来たんだね。それに悠太と伊澄さん、いらっしゃい」

階段の上にハヤテが居て、3人に言葉を投げかけた。

「ハヤテ!?何ともないのか?」
「何が?僕は健康そのものだよ」

ハヤテにそう言われ、悠太は安心の溜息をつき

「なんだよ。天王州に「ハヤテの様子がおかしくなった」って言われて慌ててきたんだが、取り越し苦労か」
「そうだね。僕はいつも通りだよ。アーたん心配させるような事言っちゃ駄目だよ」
「そうですわね。真山君、ごめんなさい」
「気にしてねえよ」

話も終わり、ハヤテは振り向くと

「じゃあお茶淹れるから、客間に行ってて。アーたんも」

そう促され、アテネも悠太も歩き出そうとしたが、伊澄が両手を上げて制した。

「な、何だよ伊澄」
「鷺ノ宮さん?」

伊澄は後ろの2人が立ち止まったのを感じると、手を下し、鋭い目つきになった。

「貴方、誰ですか?」

伊澄の問い掛けに、ハヤテは立ち止まった。

「何言ってるんだよ。どこからどう見てもハヤテじゃねえか」
「そうですわ。私の執事で愛しき人、綾崎ハヤテじゃないですか」

アテネと悠太の言葉に伊澄は

「もし、貴方がハヤテ様ならこんな邪悪な気配を出したりしません。隠しているようですが、私には分かります」

伊澄の言葉をハヤテは振り向きもせず聞いていた。

「ハヤテ様は独特の優しくて、人を惹き付けるオーラが出ています。しかし、貴方から出るオーラはどす黒く、禍々しい邪悪なオーラです。だからこそ問いかけたのです」

伊澄の言葉にアテネも悠太も困惑しかしなかった。

「今一度問います。貴方は誰ですか?」

伊澄の問い掛けに、ホール全体に不気味な静けさが暫く訪れた後。

「フッ。フフフ、ハァーハハハ」

突然の笑い声が聞こえた。その声は地獄の底から聞こえてくるような暗く、禍々しい殺気に満ちた声であった。
その笑い声が止んだ後、ハヤテが振り返り

「小娘が、余計な事を」

地獄の底から聞こえてくるような声は間違いなくハヤテの口から発せられていた。

「知られたからには生かして返す訳にはいかん。全員死んでもらうぞ」

そう言うと、ハヤテ?は階段を下り、距離はあるものの、同じ高さ内に立った。
そして、刀の様な物を召喚した。

「な、何だよあれ」

見た目は白桜に似ていたが、白桜独特の白く、神々しいオーラは無かった。
色は黒い。いや、黒と言うより、「闇を固めて白桜に似た刀に仕上げた」と言う感じであった。そして、何より見たものに恐怖心を与える禍々しいオーラが出ていた。

「覚悟しろ。誰も生かして返さん」

この言葉に、殺気しかない事を感じた悠太は

「てめえ、何者だ!!!!」

そう叫ぶと、臨戦態勢を取った。

「今から冥土に越す貴様らに答えても仕方ないだろう。我も暇ではない」

ハヤテ?のこの言葉に悠太も伊澄も身構えた。が

「ハ、ハヤテ!?何を言ってるんですの。そんな事言うなんて、貴方らしくありませんわよ」

アテネがヨロヨロとハヤテ?に近付き

「そうですわ。冗談ですよね。そうだ、お茶を淹れてくださいな。私は貴方が淹れたお茶で無いと、満足できないんですわ」

ゆっくりとハヤテに近付き、ハヤテにしがみ付いた。

「私寂しかったんですわ。ハヤテ」
「我に触るな!!!邪魔だ」

そう言われたがアテネは離れず

「ハヤテ!?どうしちゃったんですの」
「天王州、離れろ!!!!」
「私を忘れちゃったんですの?」

アテネの問い掛けにハヤテ?はアテネの両腕を掴んで少し離し

「覚えているさ。あの時」

そう言うと、黒い白桜に似た刀を振り上げ

「殺し損ねた小娘だ!!!」
「あぶねぇ天王州!!!」

とっさの事でアテネは回避できず、悠太が慌てて、攻撃からアテネを抱えて避けた。

「ま、真山君。背中が」
「大丈夫だ。傷は浅えよ」

悠太の背中は切られ、多くは無いが、出血もしていた。

「フンッ。余計な事を。どうせ全員死ぬのに」

ハヤテ?は冷たい目つきで、冷たい言葉を投げかけていた。

「これで分かったろ?あいつはハヤテじゃねえ。もし、あいつがハヤテだったら、たとえどんな理由があったって、天王州を本気で殺そうとはしねえよ」

悠太の言葉に、アテネの眼から生気が消え、俯いた。

「いいから離れてろ。今の天王州じゃ足手纏いだ」

そう言うと、悠太はすぐそばの柱の陰にアテネを運び、叢雲を召喚し、抜いてからハヤテ?に向き合った。

「てめえは何者だ!!!ハヤテは何処にやったんだ!!!!」

悠太の問いにハヤテ?は暫く黙った後

「そう、だな。冥土の土産に教えてやろう」

そう言って、手に持った刀を下し

「我は貴様らの知る「綾崎ハヤテ」と言う男ではない。だが、この体は正真正銘貴様らの知る「綾崎ハヤテそのもの」さ」
「どういう意味だ」
「これ以上知っても意味は無かろう。かかってくるなら早くしろ。先ほども言ったが、我は暇ではない」

これ以上語らないと思った悠太はハヤテ?に斬りかかった。


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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (3月21日更新再開) ( No.59 )
日時: 2014/03/21 16:47
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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前回、悠太達は様子のおかしいハヤテ?と対峙し、悠太は勝負を挑んだ。


悠太の切りつけをハヤテ?は表情一つ変えずに受けた。

「オラオラオラ」

悠太の連続攻撃をハヤテ?は捌いていた。

「どうした?その程度では我には勝てんぞ」
「分かってるよ」

挑発された悠太は更なる連撃を与えたが、ハヤテ?は全て捌いていた。

「(おかしい。何でこいつは反撃してこねえんだ)」

悠太は戦いながら、自身の中にある強烈な違和感とも戦っていた。

「(こいつはさっき、「体はハヤテだ」とか言ってた。だとしたら、俺なんかじゃ足元にも及ばないはずだ。まさか、反撃すらできないって言うのか。ありえない話だが)」

悠太は攻撃を一旦止め

「てめえ、戦う気があるのか!!!」

悠太の質問にハヤテ?は答えなかった。

「答えろ!!」

悠太は再度攻撃しつつ

「もう一度聞く。てめえは何者だ。ハヤテはどうしたんだ!!!」
「知りたいのか?ならば我を倒してみろ。そうすれば、答えてやる」

その言葉に悠太は

「(倒せって?冗談きついぜ)」

ハヤテ?は暫く悠太の攻撃を受けていたが、

「弱い。弱過ぎるぞ」
「な、何だと」

ハヤテ?がついに反撃を始めた。
その攻撃は恐ろしく正確で、なおかつ重かった。

「(やべえ。何時までしのげるか)」

いっぱいいっぱいの悠太にハヤテ?は

「下らん。この程度で我に勝負を挑んだのか。我からすれば余興以前の問題だぞ」

悠太もそれを感じていたが、認めれば全てが終わる様な気がして、認められなかった。

「まあ、いい。ならば貴様らを更なる地獄に導いてやろう。我の優しさでな」

そう言うと、ハヤテ?の体から黄金のオーラが出た。

「バ、バカな。それは。その技は」
「「守護光速拳!?」」

驚きのあまり、今まで沈黙を守っていた伊澄も技を口に出した。

「その通りさ。我ならばこの力に頼らずとも、貴様らを冥府に導くのは容易だ。だが、これは我なりの余興なのだよ」
「余興だと」
「そうだ。貴様らを更なる地獄にたたき落とす為のな」

強い黄金のオーラに悠太の全身は「逃げろ!!!」と叫んでいたが、気合で耐えてえいた。
それは伊澄も同様で、初めて「自分の力が及ばないかもしれない」とも思わせていた。

「さあ行くぞ。念仏なら今の内に唱えておけ」

飛びかかろうとしたハヤテ?に悠太は

「どういう事だ!!!その必殺技は「守りたい対象に自分が入らない」という弱点があったはずだ。今のてめえに「自分以外の守りたい対象」は居ねえ筈だ!!!」

悠太はせめてもの抵抗で、ハヤテから教えて貰った守護光速拳の弱点を問いただした。そんな様子を察したハヤテ?は

「そうだな。折角の余興だ。このからだの記憶を聞かせてやろう」

そう言うと、ハヤテ?は語りだした。


                      × ×


話はハヤテが神尾崎家で必殺技の修行をしていた頃にまで遡ります。

「ハヤテ様、貴方が守護光速拳の修行をしているにあたって、話しておくべき事がありますわ」
「なんでしょう」
「守護光速拳の隠された秘密ですわ」

綾子にそう言われ、ハヤテは身構えた。

「何度か申し上げていると思いますが、守護光速拳は神尾崎流の秘術の最強奥儀。つまり、この技には奥儀たる理由があるのですわ」
「な、何ですか、それ」

綾子は一呼吸置き

「守護光速拳は全部で3つの段階に分かれているのですわ」
「三段階制、ですか」
「ええ。第一段階は、いうなれば「必殺技を自由に使える状態」を指すのですわ。この状態なら、説明した通り、「守りたい対象に自分が入らない」と言う弱点があります」

綾子はここまで一気に言うと一呼吸置き、

「ですが、第二段階に覚醒すると、その弱点が無くなるんですわ」
「じゃ、じゃあ」
「「自分を守りたい」これでも発動可能になるんですわ」

ハヤテは息をのんだ

「ですが、それは不可能かもしれませんわ」
「え!?」
「だって、第二段階に覚醒させられた人物は存在していないからですわ」

ハヤテは首を傾げた。

「この技の開祖ですら、「第二、第三段階の存在は知っていたが、覚醒させられなかった」と言う状態でしたから」
「成程。ちなみに、第二段階への覚醒条件って何なんですか?」

ハヤテの質問に綾子は一瞬迷った後

「「第一段階を完璧に使いこなした状態で、第一弾化の時同様強いきっかけ」これが第二段階への覚醒条件ですわ」
「成程」
「まあ、「殆どあり得ない」と言うのが現状なので、気にしない方がいいですわ」

綾子にこう言われたが、ハヤテはどうしても気になったので、

「じゃあ、第三段階への覚醒条件って何なんですか?」
「別に知らなくても問題はありませんわ。それより、必殺技の元の会得の方が先ですわ。さ、修行の再開ですわ」


                    × ×


ハヤテ?が語り終わると、ホールには沈黙が訪れた。
その沈黙を破ったのは悠太であった。

「じゃあ何か。てめえはその「第二段階」とやらに覚醒したと言うのか」
「そう言う事だ。話は終わりだ。さあ、冥府に行くがいい」

ハヤテ?はそう言うと、黄金のオーラをまとった状態で悠太に斬りかかってきた。

悠太は何とか捌いたが

「(や、やべえ。やばすぎる。さっきに比べて威力が段違いだ。一撃で手が痺れやがった)」

悠太は今、気合のみで叢雲を握っていたが

「ぶっ飛べ」

ハヤテ?の攻撃で悠太は吹っ飛ばされ

「ガハッ」

円柱に思いっきり強くたたきつけられ、大量の吐血をし、床に倒れ込んだ。

「弱い。弱き事は罪だな」

動けなくなっている悠太を見て、冷たい言葉を投げかけ

「止めだ」

ハヤテ?は飛びかかったが、何かを察し、すぐに後ろに飛んだ

「流石ですね。完全な不意打ちだったはずなのですが、避けるとは」

伊澄はお札を投げていた。あのままハヤテ?が突っ込んで居れば、間違いなく命中していたが、当たらなかった。

「何のつもりだ、小娘。まさか貴様が我の相手をすると?」
「その通りです」

そう言うと、伊澄から圧倒的なオーラが出た。

「ほう。そこの小僧より楽しめそうだ」

ハヤテ?は伊澄の方へ向いた。
そこへ

「ま、待て伊澄。いくらお前でもあいつには」

悠太は叢雲を杖代わりにして、何とか伊澄の元に来ていた。

「勝てない、かもしれませんね。ですが、やるしかありません」
「駄目だ!!下がってろ」
「この状況じゃ下がるのは悠太さんの方です。私に任せてください」

今まで見たこと無いオーラを出す伊澄に、悠太は黙ったしたがった方がいいと悟り、伊澄から距離を取った。

「さあ行きます」
「来い!!」

ハヤテ?は僅かな笑みと共に伊澄を挑発していた


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以上です。

う〜ん。バトル描写が上手くいかない。
努力はしますが、ご勘弁を。

次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (3月21日更新) ( No.60 )
日時: 2014/03/21 19:18
名前: 壊れたラジオ

どうも、壊れたラジオです

さっそく感想を……
更新が再開されたと思っていたら、なんかもうエライ事に……

ハヤテ?はもうチートと化すし……
だいたい元々あの必殺技の時点でチートだったのに、さらにインフレーション化するとは……

登場人物は皆、セ○じゃ無いんですから……



あ、こんなときに不謹慎ですが、
あれからマリアさんのコレクションに進展はあったんでしょうか?

個人的に、ツンデレキャラが思い届かず、想い人を奪われるのを見るのが好きです

で、この作品のアテネのように、大事な人にすっかり依存してしまうくらいの愛情を持てて、しかもそれを恥ずかしがることもなく表現してあげられる人に幸せになって欲しいなぁとも思っています
頑張れ!


えと……原作でツンデレの皆様はその……えっと………




……と、とにかく……これはただの私の独断と偏見に満ちた意見ですので、聞きのがして下さって結構です

本当に面白く、とても良い作品なので、どのようなストーリーになろうと、一人のファンとして読ませて頂こうと思います




長文、お目汚しすいませんでした


では…………………










ps

マリアさんへ
前から思っていましたが、あなたの(多分)ご主人に対する意見では気が合いそうですね……

面白映像が手に入ること、心よりお祈りしますよ



では…………………………★

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Re: 女神と共に第二部 (3月24日更新) ( No.61 )
日時: 2014/03/24 16:08
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●壊れたラジオさん

 >>どうも、壊れたラジオです

 アテネ「感想ありがとうございます♪」

 >>さっそく感想を……
  更新が再開されたと思っていたら、なんかもうエライ事に……

 悠太「まあ、作者はこう言う展開に力を入れたかったみたいだぜ」

 >>ハヤテ?はもうチートと化すし……

 伊澄「まあ、ハヤテ様はもともと強い方でしたから」

 >>だいたい元々あの必殺技の時点でチートだったのに、さらにインフレーション化するとは……

 アテネ「まあ作者さんは、「圧倒的に強いハヤテ」と言うのがお望みみたいでしたから、ああなったんですわ」

 >>登場人物は皆、セ○じゃ無いんですから……

 悠太「まあ、な。俺達、人間だし」
 ナギ「何言ってんだ。お前だって人間離れしてるだろうが」

 >>あ、こんなときに不謹慎ですが、
  あれからマリアさんのコレクションに進展はあったんでしょうか?

 マリア「私のコレクションですか〜♪それはもう♪結構たまってきましたよ〜♪ああ♪」

 >>個人的に、ツンデレキャラが思い届かず、想い人を奪われるのを見るのが好きです

 ナギ「・・・」
 ヒナギク「・・・」
 悠太「落ち着けって。な」

 >>で、この作品のアテネのように、大事な人にすっかり依存してしまうくらいの愛情を持てて、しかもそれを恥ずかしがることもなく表現してあげられる人に幸せになって欲しいなぁとも思っています
  頑張れ!

 アテネ「そうですわ!!!ハヤテと結ばれるのは私ですわ」
 アテネ以外のハヤテ好き一同「いいや、私だ!!!」

 >>えと……原作でツンデレの皆様はその……えっと………

 ナギ・ヒナギク「・・・」
 悠太「だから、冷静にな。な」

 >>……と、とにかく……これはただの私の独断と偏見に満ちた意見ですので、聞きのがして下さって結構です

 感想をいただけるだけで嬉しいので、そんな事しませんよ。

 >>本当に面白く、とても良い作品なので、どのようなストーリーになろうと、一人のファンとして読ませて頂こうと思います

 ありがとうございます。そう言っていただけると励みになり、頑張れるんですよ。

 >>長文、お目汚しすいませんでした


  では…………………

 いえいえ。こちらこそ、感想ありがとうです〜♪

 >>マリアさんへ
  前から思っていましたが、あなたの(多分)ご主人に対する意見では気が合いそうですね……

  面白映像が手に入ること、心よりお祈りしますよ



  では…………………………★

 マリア「フフフフフフフフフフフフフフフ♪ありがとうございます♪コレクションはこれからも増やしますよ〜♪ああ♪」
 クラウス・帝「・・・」


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Re: 女神と共に第二部 (3月24日更新) ( No.62 )
日時: 2014/03/24 16:10
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、悠太はハヤテ?と対決したが、圧倒的な力でほぼ戦闘不能になり、伊澄が戦う事になった。


伊澄とハヤテ?はお互い鋭い目つきで睨みあっていた。
するとハヤテ?が沈黙を破り

「小娘、貴様はよいのか?」
「何が、ですか」
「貴様にとってこ奴は愛しき人間ではないのか?そんな奴と戦えると言うのか?」

ハヤテ?は自分の胸に手を当てながら伊澄を挑発していた。
その挑発に伊澄は暫く目を閉じて、考え込んだ後

「確かに、私はハヤテ様の事を深く深く愛しています」

伊澄の言葉に悠太はハヤテに対し、呆れるやら尊敬するやらになっていた。

「ですが、だからこそ貴方を倒します」
「ほう」
「貴方を倒し、ハヤテ様を取り戻す。唯それだけです」

伊澄の目つきは、いつもの仕事の時以上に鋭かった。

「なあ伊澄、あいつはいったい何なんだ。ハヤテじぇねえって事だけは分かるが」
「私も詳しい事は分かりません。ですが、微かですが英霊の様な気配もします」
「英霊?」

悠太の問い掛けに伊澄はハヤテ?から目を離さず

「詳しい事は不明です。ですが、神話を紐解けば、必ず名前が出てくる高名な英霊です」
「な、何でそんなのの気配が?」
「私にはちょっと。ですが、今は悠長に会話している場合では無いようです」

話している間、ハヤテ?は何もしてこなかったが、

「終わった様だな。最期の会話が。安心しろ、全員冥府に送ってやる。寂しくは無い」
「私は、負けません!!!!!」

そう言った伊澄から異様なオーラが出て、悠太は慌てて更に距離をとり、生気を宿していないアテネを自分のすぐそばまで運んだ。

「最初から全開で行かせてもらいます。術式・八葉 建御雷神」

伊澄がそう唱えると、稲妻が発生し、まるでレーザーの様に真っ直ぐハヤテ?に向かった。
しかし、ハヤテ?は手に持った黒い刀で、まるで当たり前のように横に弾いた。

「あ、あんなすげえのを弾くってのか!?」

悠太は驚いていたが、伊澄はそれ以上に驚いていた。

「は、弾かれた!?そ、そんな馬鹿な」
「ぬるい。その程度の技では我には勝てんぞ」

伊澄は歯を食いしばると

「ならば、これでどうです。術式・八葉 建御雷神四面」

先ほどの稲妻が四つ現れ、その全てがハヤテ?に向かった。

「これで、どうです」
「回避は出来ねえ筈だ」

そんな2人をあざ笑うかのようにハヤテ?は手に持った黒い刀で4つの稲妻を全て伊澄達に跳ね返した。

「どわーっ。こっち来たー」
「クッ」

伊澄は慌てて半球状の結界を張り、跳ね返された稲妻から身を守った。
稲妻は結界にぶつかって消え、結界にはひびはおろか傷一つ付かなかった。

「つ、強すぎねえか、あいつ」
「通用しないだろうとは思いましたが、あそこまでとは」

すると、稲妻が消えた瞬間、ハヤテ?が手に持った黒い刀で切りつけてきた。
当然伊澄が張った結界にぶつかり、ぶつかった場所からは激しい火花が出ていた。

「お、おい。まずくねえか」
「大丈夫です。いくら強くてもこの結界は---」

破れない。そう言いかけた瞬間、結界全体に大きなひびが入り、

「そ、そんな!!!!」
「う、嘘だろ!?」

2人が驚く暇さえ与えずに、結界は崩壊し、まるで衰えていない切りつけが迫り

「終わりだ。死ねい、小娘」
「クソッ」

悠太は慌てて叢雲で受け止めたが

「ゆ、悠太さん傷が」

踏ん張る事で斬られた背中から血が噴き出していた。

「グググ」

それでも悠太は何とかこらえ

「貴様の目的はなんだ。何がしたい」
「貴様らに応える義理は無い。大人しく死ね!!!」

悠太は力尽くでハヤテ?を弾いたが、ハヤテ?にはダメージは全くなく、悠太の方は立っている事すらできず膝から崩れ落ちた。

「フンッ。立つ事すらままならん小僧は邪魔だ。死ぬか距離を取るかどっちかにしろ」

非常に荒い息をする悠太に伊澄は

「悠太さん、ここは退きましょう。我々では勝てません」
「仕方ねえか」

撤退しようとした悠太達にハヤテ?は

「逃がすとでも。我が逃げる事を許すとでも」
「出来なさそうですね」
「お、おいおい」

再度ハヤテ?に向き合った伊澄に

「貴様程度の小娘なら、「逃げる」という選択は最良だろう。だが、許さん」
「ならば、奥の手を使うまでです」

今まで以上の圧倒的なオーラに悠太は体を無理やり動かし、アテネを連れて更なる距離を取った。

その瞬間、呪符の様なものが書かれた柱が多く出現し、

「術式・八葉神巻」

その瞬間、伊澄の後ろに巨大な黒い穴が出現し

「神世七代!!!」

その穴から頭だけとはいえ、巨大な竜が出現し、その竜にも呪符が書かれていた。

「な、なんて技だ。ってか、これ俺達も危ないんじゃ」

技の威力が高いからなのか、大量の土煙を立てながら頭だけの竜がハヤテ?に迫った。

「い、幾らあいつでもこれは」

迫りくる竜に、ハヤテ?は不気味な笑みを浮かべると、竜に飛びあがって突っ込み

「バ、バカな!?突っ込んだ!?」
「終わりです」

しかし、ハヤテ?は手に持った黒い刀を振り上げると、

「そ、そんな。神世七代が」
「真っ二つだと!!!」

ハヤテ?によって縦に真っ二つに切り裂かれた竜は当然ハヤテ?に当たることなく後ろの床に墜落し、さらに大量の土煙を上げて消滅した。

暫くすると、土煙もある程度晴れ

「逃げた、か。まあいい」

そう言うと、ハヤテ?は黒い刀を仕舞い、両手を顔の高さにあげ、両手を何度か開いたり閉じたりした後

「ついに、ついに手に入れたぞ!!!これで世界は我の物だ」

そう言うと、高らかに笑いだした。
その、地獄の底から聞こえてくるような笑い声は暫くの間ホールに響き渡っていた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

バトル描写が読みにくかったらすみません。

次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (3月24日更新) ( No.63 )
日時: 2014/03/24 23:35
名前: ささ

ささです。
原作のアテネの役をハヤテにしたということのようですね。
ただ‥ハヤテの能力(白桜を除く)を存分に使えるハヤテ?
を倒すのは難しそうですね。(よりによって守護光速拳の制約を乗り越えているし) 
これにて
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Re: 女神と共に第二部 (3月27日更新) ( No.64 )
日時: 2014/03/27 17:47
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●さささん

 >>ささです。

 伊澄「感想ありがとうございます」

 >>原作のアテネの役をハヤテにしたということのようですね。

 詳しい事はまだ内緒です。近いうちに書く、謎解き編で明らかにします。

 >>ただ‥ハヤテの能力(白桜を除く)を存分に使えるハヤテ?
  を倒すのは難しそうですね。

 悠太「そこに関しても、内緒だそうだ。まあ、「待っててください」って事だろうな」

 >>(よりによって守護光速拳の制約を乗り越えているし)

 守護光速拳に関しては、最初からこう言う設定でした。説明されてきた制約は、第一段階限定だったっと言う事です。

 >>これにて

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (3月24日更新) ( No.65 )
日時: 2014/03/27 17:54
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、悠太と伊澄はハヤテ?に勝負を挑んだが、伊澄の力でさえ全く通用せず、撤退を余儀なくされた。


ドバーン。

「ここは、近くの海の様ですね」

伊澄は着物を海水で濡らしながらも冷静に状況を判断し、

「あ。悠太さんは」

慌てて振り向くと、痛そうに顔をしかめる悠太が居た。
伊澄は慌てて駆け寄り

「悠太さん、大丈夫ですか?」
「そ、それより、ここはどこなんだ?」

伊澄は悠太を心配しつつ

「恐らく、ここはギリシャの何処かの海でしょう」
「何でここに?」
「鷺ノ宮家の秘術「強制転移の法」を使いました。使わなければあの場からの脱出は不可能でしたから」

伊澄の解説に悠太は少し考え

「要するに、瞬間移動して逃げたってことか」
「分かりやすくするのであれば」

悠太は納得した

「ですが、これは秘術なので、1日1回しか使えませんし、どこに飛ぶかも運任せなので、使いたくは無いんですよ」
「ああ、そう」

残念がる悠太に伊澄は

「そんなことより、大丈夫なのですか?」
「傷口に海水がすっげーしみるけど、平気だよ。俺より、伊澄は平気か?」
「私は平気です。濡れてる事を除けば、いつも通りです」
「そっか。でも」

悠太は顔を伊澄とは違う場所に移し

「こっちは重症か」

アテネの眼には生気が宿っておらず、口も半開きのままであった。

「それより-----伊澄、お前」

悠太が伊澄の方へ再度向くと、伊澄の綺麗な黒髪が今は真っ白になっていた。

「力を使いすぎました。すぐにでも元に戻るので、ご安心を」
「そっか」

3人は(アテネは悠太に運ばれながら)海から上がり

「これからどうするよ」
「とりあえず、近くに家の別荘があるので、そこに行きましょう。海水を洗い流したり、悠太さんの怪我を治療しないと」
「そう、だな」


                       × ×


一行は鷺ノ宮家に移動し、風呂に入っていた。まあ、当然男女別に。
伊澄とアテネはお湯につかっていたが、背中を斬られた悠太はタオルで汚れを落とす程度にしていた。
幸い、悠太の傷は思ったより浅く、「数日で治り、傷跡は残らない」という診断を受けた。

「なあ伊澄、あいつ強すぎねえか?あんなすげえ技をいともたやすく一刀両断するなんて」
「確かに異常な強さですね。私自身神巻が通用しない相手は初めてでしたから」
「気になってたんだが、神巻って何なんだ?」

悠太の問い掛けに伊澄は一呼吸間を置き

「神巻と言うのは、術式・八葉の奥儀です」
「奥儀か。ならあの威力にも納得だな。でも、あいつには効かなかった」
「ええ。私でも、あれ以上となると、神世七代と同じくらいの威力の「別天津神」か、最終奥儀である「大神」しかありません」

伊澄は解説後少し間を置き

「ですが、今あげた2つともあのハヤテ様には通用しないでしょう」
「そうか。でも、何であんなに強いんだ?ハヤテは確かに恐ろしく強かったが」
「詳しい事は分かりません。私が未熟な性もあるかもしれませんが」

こう言われ、悠太は少し考え

「伊澄は「微かだが英霊の気配がした」って言ってたよな?それってどういう事なんだ」
「自信を持って言えるかどうか。英霊の気配も「気のせいかな?」と思えるほど微かでしたし」
「八方塞がり、か」

話は一旦切り上げ、風呂から上がった。
ちなみに、未だ生気のないアテネは鷺ノ宮家のメイドさんが世話しました。


場所は縁側に移し、先ほどの話を続ける事にした。

「正直なところ、今のままでは再戦を挑んだとしても、結果は変わりません」
「じゃあヒナギクに助力を仰いでも、日本から神尾崎を呼んだとしても変わらないってことか?」
「ええ。生徒会長さんも神尾崎さんもお強いですが、戦力差を埋めるのには力量不足です」

悠太は髪を掻きながら考えていた。
そんな悠太に伊澄は

「今の私達に不足している物、それは情報です」
「そっか。ハヤテがああなった理由や、あいつの目的とか何にも分かんないもんな」
「ええ。ですから」

伊澄はアテネの方へ向き

「天王州さん、我々に教えていただけませんか?貴方なら全てが分かるはずです」

伊澄の問い掛けにアテネは何の反応を見せず、未だに生気の宿らない目と半開きの口のままであった。

「頼むよ、天王州。今の俺達には情報がなさすぎる。このままじゃ何回どころか何十回、何百回勝負を挑んだ所で「負け」は決定事項だ。それどころか、今度こそ俺達は殺される。情報さえあれば、僅かでも勝率は上がるかもしれねえ。だから頼む」

悠太の問い掛けにもアテネは反応しなかった。
すると悠太は

「しっかりしろよ!!!」

アテネの胸倉をつかんで持ち上げた。

「今の天王州を見たら、ハヤテはなんて言うと思う?「しっかりしてよ、アーたん」って、間違いなく言うぜ」

悠太の言葉に、僅かだかアテネの眼に生気が戻った。
悠太はアテネを下し

「すまなかったな。いきなり胸倉つかんで。でもよ、今の俺達には情報が足りなさすぎる。ハヤテを助けるのには天王州の情報が必要不可欠なんだ」

悠太の言葉にアテネは遂に泣き出し

「ハヤテぇ。ハヤテぇ」

アテネはまるで子供のように泣きじゃくった。

「天王州、話してくれ。ハヤテがああなった理由、そしてあいつの目的を」
「・・・」
「天王州!!!」
「天王州さん」

悩むアテネに

「話しておやり、アテネや」

ゆっくりとした、綺麗な声が聞こえ、振り向くと廊下の角から女性が杖をつきながらゆっくりと歩いてきた。

「あ、あんたは?」
「お婆様」
「え!?って事は」
「アテネの祖母、天王州瑞希じゃ」

自己紹介をし、瑞希は縁側に腰かけた。

「お邪魔して居るよ、伊澄ちゃん。一応使用人の人に許可を貰っておる」
「あ、いえ」
「お婆様、話せって」

迷うアテネに瑞希は

「アテネや、よもやお主1人の力だけで何とか出来るとは思っておらんじゃろ?」
「そ、それは」
「全てを話し、この子たちに助力を仰ぐんじゃ。この子たちには、全てを知る権利がある」
「で、ですが」

未だ渋るアテネに瑞希は優しい目付きで

「大丈夫じゃ。この子たちならむやみやたらに口外したりはせん。じゃから、全てを話すんじゃ」

瑞希にこう言われ、アテネは暫く俯いた後

「分かり、ましたわ。全てをお話ししますわ」

悠太も伊澄も息をのんだ。

「全てをお話しするにあたり、遥か大昔の昔話をする必要がありますわ」
「「・・・」」
「お願いがあります。私の話を、途中で遮らないでください」
「分かった。全部黙って聞く」
「私も了解です」

悠太と伊澄の言葉を聞き、アテネは空を見上げた後、

「物語は、遥か大昔。私たち人類が神によって統率されていた時代にまで遡ります」


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回はアテネの昔話。そして次々回はこの小説の中枢を担うであろう全ての謎を明らかにします。

では。
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Re: 女神と共に第二部 (3月30日更新) ( No.66 )
日時: 2014/03/30 15:34
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回は前回の予告通り、昔話となります。
次回への伏線にもなるので、入れてあります。

では本編どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

時は大昔。人類がまだ、1人の女神によって統率されていた時代。

その頃の人類は今で言う「国」と言うものは無く、「大きな集落」と言う状態であった。

その集落間では言葉の違いはあったものの、お互いに「攻めず攻め込まれず」と言う状態を保ち、誰1人としてその状態に不平不満を洩らさなかった。

女神はその状態を喜び、自らの力で言葉の壁を可能な限り取り除いたり、干ばつや飢餓、流行病などを無くしていた。
そして、「争ってはいけない」と言う「平和の心得」を人間達に説いた。

しかし、その状態が長く続いたある時代。

人間の中に野心を抱くものが出てきた。
それは「支配欲」と言えるものであり、他の集落を自らの領土にしたり、その集落に住まう者達を取り込んだり、奴隷にしようと動きだす者達が出てきた。

その支配欲はまるで伝染病のように人々に広まり、多くの人間が支配欲に支配されるようになっていった。

女神も当然その事に心を痛め、人間から支配欲を取り除く作業に追われた。
だが、一度広まってしまった「支配欲」はそこ無しで、女神の力を持ってしても、きりが無かった。

そしてついに、人間は女神の「平和の心得」を破り、争うための武器の精製や今で言う兵器の開発に乗り出した。
女神は当然止めたが、「女神様、これは戦うためではなく、守るための物でございます」と言う人間の言葉を信じ、黙認する事にした。

だが、それは間違いだと、すぐに気付かされた。

人間達は自分達の領土拡大や他の部族の支配のため、「戦争」と言える物を始めてしまった。

女神は当然止め、人々から争う心も取り除いて行った。

だが、「争う心」もそこ無しであったため、きりが無く、女神がただただ疲労し、衰えるばかりであった。


女神は心を痛め、「自分の力だけではどうにもならない」そう悟った。

そこで女神は心清き若者を探し出し、自らの住まいにてその若者に自分の力の一部を与え、「この力を正しく使い、混乱に満ちてしまった世の中を正してほしい」そう頼んだ。
頼まれた若者は快く快諾し、人間世界に戻ると、「女神の力」を行使し、戦乱に満ちた世の中を平和にした。

若者のおかげで世の中に争いは消え、差別や貧困と言ったものは消え去った。

女神は自らの行いは間違っていなかったと心を休め、衰えつつあった体を休めるために、人間世界を静観し、隠居の身となった。


だが、平和はまたしても長く続かなかった。


そう、「人間の支配欲」の再来であった。

「女神の力」を与えられた若者は「正しい事」のみに力を行使し、時折来る「悪しき願い」を叶えようとする邪な人間は撥ね退け、時折きつい罰を与えることもあった。

だが、「悪しき願い」を叶えようとする邪な人間はきりが無く、若者も、隠居中の女神も心を痛めるばかりであった。


そしてついには「女神の力」を奪おうとする人間が現れ始め、若者が命の危険に晒される事も多々あった。
そして終いには「女神の力」を巡る大戦争まで勃発し始めた。

女神は隠居を辞め、若者と共に戦争を無くして行った。
だが、それはいたちごっこであった。
無くせど無くせど人間は争いを起こし、「女神の力」をめぐる戦争は激化の一途を辿るばかりであった。


若者は「争いが無くなるのであれば」と考え、「女神の力」で自らの命を絶った。

だが、争いは無くなる事は無く、「次に女神の力を手に入れるのは自分だ」と言う争いの火種になってしまった。

女神は激昂し、人間達から「女神の力」を取り上げた。

だが、衰えてしまった女神に「女神の力」を自らに戻す事も無くす事も出来なかった。

そこで女神は考えぬき、「女神の力」をある場所に封印し、「女神の力」自身にも封印した場所にも様々な仕掛けを施し、人間達には「心清き者」のみに存在を教え、それ以外の人間には消滅させた。と教えた。

そしていつの日か人間がその力を欲した時を想定し、「封印を破り、封印場所に入れる石」を全部で12個精製し、人間世界にばらまいた。


全てが終わった時、女神の命は尽きようとしていた。
女神は神様とはいえ生きる事に限界はある。その限界が来ようとしていた。

そこで女神は最期の力で自らの力を封印し、人間に転生出来る力を使った。

自分が人間になれる時は遥か未来であろうが、「1人の人間」として幸せになる事を願い、女神は命の灯を終えた。



女神が居なくなった事で人間世界の均衡は崩れ去り、「大きな集落」は姿を消し、「国」と言う形に変わった。


そしていつの間にか、女神がこの世残した「女神の力」は一部の人間だけが知り、一部の文献のみに残される状態になり、何時の間にか「女神の力」は忘れ去られた。

それは死した女神が唯一、人間社会への最後の感謝であった。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
続きは出来るだけ早く更新します。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (3月31日更新) ( No.67 )
日時: 2014/03/31 17:04
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回は重大な謎解明と行きます。

では本編どうぞ。
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悠太も伊澄もアテネの話を聞き終わった後も暫くの間沈黙していた。
そして悠太は意を決し

「なあ天王州、その女神が残した力って一体何なんだ?それに封印した場所ってのも気になるし、封印を破る石ってのも気になる。それにハヤテがああなった理由ってのもまだ説明されてねえし、あいつの持ってた黒い刀ってのも気になる」

結構な剣幕の悠太にアテネは

「そ、そんないっぺんに聞かれても、困りますわ」
「あ、ああ。すまねえ」
「順番にお話しいたしますわ」

アテネは一旦深呼吸し

「まず、女神の力。これは現代では「王族の力」と言われていますわ」
「「王族の力」」
「ええ。その力が封印されし場所こそが、女神が作りし「王族の庭城と書いてロイヤル・ガーデン」と名付けられた城ですわ」

悠太は息をのんだ

「ってあれ?確か「女神が作った」って言ったよな?何で王族なんだ?」
「それは簡単ですわ。女神の名前がロイヤル・クイーンだったからですわ。ですから、ロイヤル・ガーデンなのですわ」
「「女神の力」が「王族の力」と呼ばれる様になった理由も一緒か?」

アテネは黙ってうなずいた。

「では天王州さん、「女神が施した仕掛け」と言うのは何なのでしょう?」
「王族の力は万能の力。ですから、「己の全てを犠牲にしてでも他人に尽くしたい」と言う「純粋な正義の心」と言うのが無いと、手に入れる事が出来ないようにしたんですわ」

アテネの言葉に悠太は腕を組み

「じゃあ、「純粋な正義の心」と言うのが無い奴が「王族の力」を手に入れようとしたらどうなるんだ?」
「閉じ込められますわ。そのために、ロイヤル・ガーデンは作られたんですから」
「成程な。閉じ込められても生活できるようにするためか」

アテネはまた黙って頷いた。

「閉じ込められた場合、誰かが外から助けに来てくれない限り、でる事は出来ませんわ。勿論、死してなおも」
「「な!?」」
「仕掛けはそれだけではありません。城の内部は時間が緩やかに流れていますわ。それは、罪の意識を強く確認させるため、ですわ」

アテネの説明に悠太は

「成程な。力を手に入れるのに相応しくないのに、手に入れようとしたっていう罪を長い時間をかけて味わせるってことか」
「ええ」

悠太は間をおいて

「じゃあ、どうやってロイヤル・ガーデンに入るんだ?誰でも入れてたら意味無いだろ?」

悠太の質問にアテネは一呼吸置き、

「入る方法はただ1つ。「光を失っていない王玉を手に入れ、何かしらの強い目的持つ」これが城に入るために条件ですわ」
「王玉を、か?」
「ええ。真山君、貴方の持っている王玉ならば、入れますわ」

悠太は首からかけてある王玉を無意識に触った。

「王玉こそが女神が人間界にばらまいた「封印を破る石」なのですわ」
「成程な。でも、光を失っていないってどういう意味だ?」
「単純に、邪気に塗れていないって事ですわ」
「確かに、俺の王玉の邪気は伊澄が祓ってくれたもんな」

アテネはしばらく間を置き

「王玉は、かつては全て光を失ってはいませんでした。ですが、長い歴史の中で、邪な人間が石を手に入れ、その者が持っていた石は再び世間に出回ると言う事を繰り返しているうちに、王玉はその者達の邪気によって穢され、大部分が穢れてしまった。だからこそ、「不運を呼ぶ石」になり果ててしまったんですわ」

「って事は、城に入る時に持ってた石は何処かに行っちまうってことか?」

アテネは黙って頷いた。

「一体「王族の力」って何なんだ?話を聞くうえじゃ、多くの人間が危険を冒してまで手に入れようとしたんだ。よっぽどの物じゃねえと、割に合わねえぞ」

アテネは眼を閉じて暫く考えた後

「王族の力、それは」
「「それは」」

「「如何なる願いをも叶える事が出来る」と言う「願望現実化」」

「「願望現実化!?」」

予想を遥かに超える情報に、悠太も伊澄も驚くしかなかった。

「その力があれば、昔話に出た若者のように「世界から争いを無くしたい」とか、「貧困で苦しむ人々を救いたい」という願いが叶うんですわ」
「ま、待てよ。じゃあ、万が一悪い奴が手に入れたら、「世界を支配したい」というバカげた願いも叶えられちまうってことか?」

アテネはゆっくりと頷いた。

「願望現実化は万物をも超越した力。だからこそ、世界を平和に導くであろう人間にしか手に入れられないようにしたんですわ」
「成程な」

アテネはまた一呼吸置き、

「願望現実化を手に入れられたとしても、代償はありますわ」
「「え!?」」
「一度願いを叶えると、力を使った者の寿命を1年削るんですわ」
「寿命を!?」
「それだけでなく、1カ月は封印されて使えなくなるんですわ」

代償を説明された悠太は

「まあ、当然だよな。そんな凄い力をむやみやたらに使われたら、世界のバランスなんてあっという間に崩れちまうもんな」
「ええ。ですから、代償に関係する願い、例えば「使えなくなる期間を無くしたい」とか、「寿命を削る行為を無くしたい」もしくは、「代償そのものをなくしたい」と言う願いは叶わないんですわ」

悠太も伊澄も納得していたようだった。

「ですが、「不老不死になりたい」と言う願いは叶えられるんですわ」
「え!?じゃ、じゃあ寿命に関する代償は無いに等しいじゃないんですか?」
「ええ、まあ。だからこそ、万能の力なんですわ」

悠太も伊澄も驚くばかりであった。
すると

「ん!?でもよ、そんな凄い力があるんだったら、世間に出まわるか、歴史の表舞台に出たっておかしくないだろ?何で出てねえんだ?」
「願望現実化の力を手に入れられた人間が居ないからですわ。ただ1人を除いて」

悠太も伊澄も驚きつつ、新たな疑問が浮かんだ。そこにアテネが

「歴史上唯一、願望現実化の力を手に入れる事が出来た人間。それは」
「「それは!?」」
「真山君、貴方のご主人様の三千院さんの実母、三千院紫子さんですわ」
「お嬢様の母親だって!!!」

意外な名前に悠太は驚いて大声を出した。

「真山君、貴方はとても不思議な体験をしたんじゃありませんか?過去に飛ばされ、用事が終わったら、元の時代に戻れたというような」
「た、確かにあったぜ。飛ばされたお嬢様の帽子を追いかけたら、過去に行き、お嬢様をマフィアの魔の手から救ったら、元の時代だったぜ」

悠太の話にアテネは特に驚きもせず、

「それこそ、紫子さんが願った「自分の代わりに娘のナギを救ってくれる誰かを、たとえ過去や未来でもいいから呼びだしてほしい」と言う願いが叶ったからですわ」
「じゃあ、元の時代に戻れた理由は!?」
「紫子さんは、先ほど言った願いと共に、「救いに来てくれた人が過去か未来から来た人ならば、娘の命の安全が確認されたら、元の時代に戻してあげてほしい」これも叶えていたんですわ」

悠太は自分がした不可思議な体験の謎が解け、スッキリしたようだった。

「真山君、貴方は紫子さんが若くして亡くなった理由を疑問に思った事があるんじゃありませんか?」
「え!?まあ、あるよ」
「その理由は、願望現実化の代償に関係してるんですわ」
「は!?だってさっきは、削られる寿命は1年だって」

驚く悠太に、アテネは宥めてから

「本来なら、削られる寿命は1年なんですが、あまりにも大掛かりな願いを叶えた場合、削られる寿命が多くなるんですわ」
「って事は、「元々長くない寿命を削り過ぎた」が本当の死因ってことか?」

アテネは首を横に振り

「紫子さんは元々命そのものが弱かったんですわ。それなのに、願望現実化の力を手に入れ、大掛かりな願いを願ってしまった。つまり、「紫子さんの命が、寿命を削る行為に耐えられなかった」これが本当の死因ですわ。まあ、帝お爺様は世間にはうまく誤魔化した様ですが」

悠太は複雑な思いに駆られた。

「紫子さんが亡くなったことで、願望現実化は再びロイヤル・ガーデンに戻りましたわ。つまり、王族の力は現在もロイヤル・ガーデン内に封印されているんですわ」

衝撃の事実の連続に悠太も伊澄も混乱し始めたものの、

「疑問はまだある。ハヤテがああなった理由だ」
「ええ。理由が無いと、ハヤテ様が私達の命を狙うなんて考えられませんから」

2人の質問にアテネは俯いた。
そして長い沈黙の末

「ハヤテは、ある英霊に乗っ取られているんですわ」
「「英霊に!?」」
「その英霊の名はキング・ミダス。かつては人間でしたが、「世界を支配したい」「世界中の人間を全て自分の奴隷にしたい」と言うようなあまりにも強い強欲を持ち、願望現実化の存在を知ると、当然のように手に入れようとしました」

アテネは一呼吸置き、話を続けた。

「ですが、そんな強欲を持っている以上は当然城に閉じ込められましたわ。キング・ミダスは外から誰か来るだろうと思っていたようですが、誰も来るわけありませんわ。そして、閉じ込められたまま死を迎えた。ですが、キング・ミダスの強欲は深く、死してなおも強欲を持ち続け、英霊となった。英霊となったミダスは人の心の闇にとりつく力を得ました。そしていつの日か自らが得た力で誰かを乗っ取り、再び世界を支配する日を待ち続けたんですわ」

悠太はキング・ミダスに呆れるとともに、憎しみを持つようになった。それは当然伊澄も。

「私も願望現実化の力を欲し、城へ赴いた事もありましたわ。ですが、私は閉じ込められた。そしてキング・ミダスは私を乗っ取って支配に乗り出そうとしましたが、私との相性は悪く、入る事すらできなかった。そんなある日、ハヤテが城にやってきて、キング・ミダスは倒されましたわ」

アテネはここまで一気に言うと、しばらく間を開け

「私自身、キング・ミダスはその時に完全に死んだと思ってましたが、違った様ですわね。恐らく、キング・ミダスは何十年もかけてハヤテの心を侵食し、支配した。だからこそ、ハヤテはああなってしまった。それが貴方方の質問の答えですわ」

悠太は一応は納得した。

そして、

「なあ天王州。色々と満たされるであろうお前さんが、願望現実化の力を欲した理由ってなんだ?出来ればでいいから、教えてほしいんだ」

アテネは悩んだが

「私の、両親を生き返らせようとしたんですわ」
「親を、か?」
「ええ。私の両親は病死してしまいました。私はその寂しさに耐えきれなかったんですわ」

悠太には疑問が浮かんだが、それを察したのか

「確かにお婆様は居ます。ですが、両親も居てほしいと言う寂しさと言うか欲求と言うものがあったんですわ。ですから、お婆様に禁止された願望現実化について調べ、光を失っていない王玉を見つけ出し、城に行ったんですわ」

アテネは一呼吸置き、

「結果、私は「力を手に入れるに相応しくない者」と判断され、神様の怒りと言える仕掛けで閉じ込められてしまったんですわ」
「で、ある日来たハヤテに助けて貰ったっと」
「ええ」

悠太はアテネに同乗していた。
しかし、自分の中にある疑問を解消したいと思い

「まだあるぜ。あいつの持ってた「白桜に似た黒い刀」の正体をまだ聞いてねえぜ」

アテネは一呼吸置き、

「伝承には、こうあります。「白桜は正義を成す為に剣である。正義に生きる者を主として、その主の生涯が終えぬ限り、忠誠をつくす。だが、その主に選ばれし者が、悪の心に染まりしとき、悪を成す為の魔剣・黒椿となり果てる」と」

聞き終わった伊澄は驚きつつ

「じゃ、じゃああれは悪の剣、黒椿なんですか?」
「ええ。白桜の裏の顔。と言える形態ですわ」

悠太は驚きで混乱しつつある頭を切り替え、

「ある程度は答えが出た。でもよ、その英霊が何十年もかけてハヤテを乗っ取った理由は何なんだ?ハヤテは「自分は究極の努力型人間だ」って言ってたぜ?天王州を乗っ取るのはまだ分かる。それにだ、ハヤテみたいに心も強い人間が乗っ取られるなんて考えられねえんだが」

悠太の疑問にアテネは

「それは私にも分かりませんわ。私自身、あの城を出てから今日までハヤテの傍に居ましたが、そんな素振りは全くありませんでした」

悠太は腕を組み

「まあでも、英霊をハヤテから引き剥がせばいいんじゃねえか?俺と天王州、そしてヒナギクにも手伝ってもらえば、倒すのは無理でも時間を稼いで、その間に伊澄が引き剥がせばいいんだからよ」

その提案に伊澄は「あ、そうですね」と納得したようだったが、

「それは、出来ませんわ」
「「え!?」」
「ハヤテとミダスの融合率は100%。引き剥がすと言う事は、ハヤテ自身の魂をも、追い出す結果と同意。そんな事をすれば、ハヤテは死んでしまいますわ」

悠太と伊澄は必死で考えていた。

「ミダスに乗っ取られたハヤテ。まあ、ミダスハヤテとでもいいましょう。ミダスハヤテの目的は「世界の支配」そして「永遠の命」でしょうね。そんな事、絶対に阻止しなければなりませんわ」

アテネの言葉に伊澄が

「天王州さん、貴方の言葉通りであるのなら、ミダスハヤテ様はお城に閉じ込められるのではないのでしょうか?」
「ああ、そうだよ。今は解決法が浮かばねえが、とりあえずは城に行かせて、閉じ込めた後に対処法を見つけ、その後で迎えに行かばいいじゃねえか」

アテネも2人の提案に忘れてたみたいな顔をした後

「そう、ですわね。いくらハヤテでも力を手に入れて戻ってくるなんて出来ませんよね。今のハヤテはミダスハヤテですし」

話が決着しようとしその時

「それは、旨くは行かんじゃろう」

今まで沈黙を守り続けていた瑞希さんが声を発した事で全員が瑞希さんを見た。

「お婆様、旨く行かないってどういう意味ですの?」
「そうですよ。俺達の提案に何か問題でも?」

瑞希さんは少しの沈黙の後

「アテネや。お主は疑問に思った事はないかい?王玉が無ければ入れぬ城にハヤテ君が王玉無しでやってきた事を」
「そ、それは。確かに思いましたわ」
「その答えは、悠太君の「キング・ミダスがハヤテ君を乗っ取った理由」にも答えを出せるのじゃ」

瑞希さん以外は息をのんだ

「まずは謝らせてほしい。今回の一件はすべて私の責任じゃ」
「「「え!?」」」
「10年前、ハヤテ君とアテネが城から出たすぐ後に、私はハヤテ君と会ったんじゃ。そのときすでに、ミダスがハヤテ君の中に居る事は気付いておった」

瑞希さんは気まずそうに間を開け、

「その時ならば、多少なりともハヤテ君を傷つける事にはなるじゃろうが、ミダスを追い出す事は出来た」
「じゃ、じゃあ何でやらなかったんだ?」

「恐かったんじゃ。私にはもう、家族は孫のアテネしかおらんかった。そんな唯一の家族を救ってくれたハヤテ君を傷つけるのが怖かったんじゃ。ミダスを追い出す際、ハヤテ君に致命的なダメージを与える可能性もあった。じゃから、追い出す策は実行できなかったんじゃ」

杖を持つ手が震える瑞希さんをだれも責めなかった。

「私はハヤテ君に「アテネの傍を離れないでくれ」とお願いした。そうすれば、追い出せなくともミダスがハヤテ君を支配するなど出来んと思ったからじゃ。アテネと一緒におるハヤテ君は私から見れば満たされておった。つまりは、心の闇に巣食うミダスがこれ以上侵食する事は出来んと思った」

瑞希さんは一呼吸置き

「じゃが、ハヤテ君の心の闇は私の想像を遥か超えておった。ハヤテ君の心の闇はミダスからすればあまりにも居心地のいい場所じゃったんじゃ。じゃから、力を少しずつつけ、乗っ取りに成功したんじゃろ」

泣きそうな瑞希さんに悠太は恐る恐る

「で、でもミダスがハヤテを乗っ取れた理由って一体。あの強いハヤテの闇って一体」
「ハヤテ君は言ったんじゃ。「アテネと出会うまで、自分を愛してくれた人はいなかった」と」
「「「え!?」」」
「生まれてからずっと、両親を含め、周りの人間はハヤテ君を愛さんかった。甘えたい盛りの時に甘えられず、ただただ耐える日々。そんな日々がハヤテ君の心の闇を作りだしたんじゃろう」

瑞希さん以外は驚くしかなかった。

「ハヤテが乗っ取られた理由は分かりました。ですが、ミダスがハヤテを乗っ取った理由と、俺達の作戦が上手くいかない理由は何なんですか?」

瑞希さんは一呼吸置き、

「アテネが語った昔話に「女神が人間に転生した」とあったじゃろ?」
「「「ま、まさか」」」
「そうじゃ。女神の転生体こそが、ハヤテ君なんじゃ」

瑞希さんは驚く一同の顔を見た後

「ハヤテ君は人類の歴史上初めて誕生した「例外」なんじゃ」
「「「例外!?」」」
「ハヤテ君は女神の転生体。つまりは、「いかなる邪悪な心を持とうと、力を手に入れる事が出来る存在」なんじゃ」

瑞希さんの言葉に瑞希さん以外の面々は驚き

「だからこそ、ミダスはハヤテを何十年もかけて乗っ取ったんですのね。女神の転生体ならば、「女神の仕掛け」も作動しませんから」

「その通りじゃ。恐らく、十年前、ハヤテ君に倒された直後、死ぬ前に自分の一部をハヤテ君に乗り移らせ、隙を見てアテネを乗っ取る算段じゃったんじゃろう。じゃが、ハヤテ君に乗り移った際に、ハヤテ君が「女神の転生体」だと気付いたんじゃ。じゃから、計画を変更し、ハヤテ君を乗っ取った」

悠太は驚くとともに、最悪の予想が浮かび

「じゃ、じゃあ。城に行かせてしまったら」
「力を手に入れ、支配に乗り出すじゃろう」

誰も言葉を発せなくなった。

「アテネや。私が言うのもおこがましいかもしれんが」
「な、なんでしょう?」
「ミダスハヤテ君をどうするか、お主1人で決めるんじゃ」

そう言われたアテネは驚いていた。

「選択肢は2つ。1つはミダスをハヤテ君の魂ごと封印する事じゃ。そうすれば、この世は支配されんで済む。じゃが、ハヤテ君は別の何者かになるじゃろう」
「・・・」
「もう1つはこのままにする事じゃ。乗っ取られとるとはいえ、ハヤテ君はハヤテ君じゃ。支配はされるじゃろうが別の何者かにはならんで済む」

悠太と伊澄には瑞希さんの提案はアテネには残酷な2択に思えた。

「アテネや、今夜までに答えを出すんじゃ。他の誰かに相談を持ちかけてはいかん」
「そ、そんな」
「ハヤテ君の主はお主じゃろ?じゃから、お主自身が決めるんじゃ」

俯いてしまったアテネを尻目に、瑞希さんは悠太達の方へ向き

「すまぬが、今夜知った全ての事実は口外せんで欲しい。こんな事が世間に知られれば、大混乱を生んでしまう」
「別にいいぜ」
「私も。何があっても言いません」

どうした2人に安心しつつ

「それと、アテネにはアドバイスをせんで欲しい」

2人は悩んだが

「分かったよ。俺は、天王州の決定に従うよ」
「私は・・・そうですね。天王州さんに従う事にします」
「すまぬ」



こうして、長い長い夜が明け、連休は終わりに近付いて行った。

だが、まだ事件は終わった訳ではない。

大波乱の事件はまた起こるであろう。


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以上です。

長いうえに、色々詰め込んですみません。

次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月3日更新) ( No.68 )
日時: 2014/04/03 16:53
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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前回、悠太と伊澄は衝撃の事実を知り、アテネは究極の選択を迫られた。


悠太達に色んな事があった夜は明け

「はあ。折角の旅行もそろそろ終わりか」

洗面所でぼやいた弟の勝に麗は

「あんたねえ。まあでも、寂しさを感じている以上は充実度は高かったってことでしょ」
「そうだけど〜」

残念がる勝だったが、そこへ

「そんな弟君へ朗報だ」
「今日はみんなで派手に行くぞ」
「楽しいよ〜」

楽しそうな泉達が入ってきた。


                   × ×


一方の悠太は自室で着替えていた。

「天王州の奴、大丈夫かな。あんな選択迫られて」

心配はしつつも、こればかりはアテネに任すしかないとも思っていたので、これ以上気にするのは止め、部屋を出た。

すると

「おはよう、悠太君」

誰かに後ろから押された。と言う事は、偶発的に背中の切り傷に触れられてしまう訳で

「お、おいどうした」

痛そうに蹲る悠太に、押し飛ばした張本人である理沙は心配していた。

「い、いやな。背中を怪我しててな。まだ痛いんだ」
「そ、そうだったのか。すまなかったな」
「気にするな」

立ちあがった悠太はそう言ったものの、理沙達の傍に居たナギは心配そうに

「大丈夫なのか?かなり痛そうだったが」
「大丈夫だよ。医者には見せたし、数日で治るって医者の太鼓判があるから心配するな」
「そ、そうか」

気を使ったのか、ナギ達はなぜ悠太が怪我をしたのか聞かなかった。
でも、マリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフ♪悠太君の傷に薬と偽って塩でも塗りましょうかね〜♪それとも芥子にしましょうかね〜♪それとも両方を混ぜたものを塗りましょうかね〜♪悩みますね〜♪ああ♪)」

とか考えていた。


                     × ×


一行は全員で待ちに来ていた。

「旅行は2,3日で終わるのに、買い物なの?」

事情を一切説明されずに連れ出されたヒナギクは呆れるやら、感心するやらであった。

「ああそうさ。まずは、な」
「まずは?」

話そうとしない美希にヒナギクは詮索を諦め、

「でも、海外での買い物って楽しいものなの?」
「それはね」

麗は少し嬉しそうに

「海外では日本には無い物、日本には無いデザインの物が、日本より安い値段で売られているのよ。楽しむ価値は十二分にあるわよ」

麗の言う通り、お店のショーウインドウには日本円に換算すると、かなり安い物が並べられていて、デザイン的にもかなり良いものであった。

「まあでも、そんな楽しみが分かんない人もいるけどね」

ヒナギクは麗が向いている方を見ると、とても退屈そうにしている勝が居た。

「勝君、楽しそうじゃないわね」
「まあ、元々勝はお洒落とかには一切興味が無いからね。洋服だってスーパーのセール品を好んで着てるし」
「そうなの」

ショッピングに興味が無い勝は荷物持ちになり、ヒナギク達はショッピングを楽しむことにした。

一方のナギ、悠太、マリアさんはと言うと

「あいつら、楽しそうだな」
「まあな。よく言うだろ?旅のテンションは恐いって」
「なんだそれ」

あまり旅行に行かないナギは悠太の言葉に首を傾げた。

「友達がよく言うんだよ。「旅先では良さそうと思って買ったが、帰国したら何で買ったか分かんない物が多い」って」
「成程な。あいつらもその口か」

すると、悠太の言葉を聞いたマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフ♪あの子たちを誘導して無駄遣いをさせまくりましょうかね〜♪そうすれば色んな不要物を徹底的に買わせる事が出来ますもんね〜♪ああ♪)」

こう言う恐い事を思い付いていた。

「まあ折角だ。我々もその旅のテンションとかになろうではないか」
「そうだな。でもさ、俺私服だがいいのか?」
「気にするな。羽を休めるのには執事服は鬱陶しいだろ?」
「あ、そ」

悠太はナギに付き添って買い物を楽しむことにした。
と言っても、悠太は殆ど荷物持ちであったが。

ちなみに、マリアさんもナギに付き合っていた。その事でマリアさんは

「(またこいつは邪魔しやがって。あいつらに余計な物を徹底的に買わせる計画が全滅じゃねえか。しかも変なテンションにならねえおかげでこっちでも余計な物を買わせられねえじゃねえか。クソが!!!)」

とか思ったそうだ。


そして悠太はナギの買い物に付き合いつつ

「(天王州は大丈夫かな。あいつがどんな決定を下すかは分かんねえ。でも、「戦う」って決定を下した場合、ミダスハヤテと再度死闘を繰り広げる事になるんだよな)」

そう思いつつ楽しそうなナギを見て

「(その戦いで下手すれば俺は死ぬかもしれねえ。そうなれば、こうしてお嬢様と過ごす日々も最後になるかもな)」

そんな風に考え事していると

「なあ悠太」
「ん!?何だ?」
「楽しくないのか?表情が硬いぞ」

心配そうなナギに悠太は

「すまねえ。考え事してたんだ。買い物自体は楽しいから、心配するなよ」
「そうか。なら悪かったな。変なこと聞いて」

楽しそうに駆けて行ったナギを見て悠太は

「(覚悟を決めるしかねえか。戦うかどうかは分かんねえけど、死ぬ覚悟だけはしておくか)」

決意を新たにした。


                      × ×


そして買い物が終わり、全員三千院家の別荘に戻ってきた。

そして悠太は

「ヒナギク、ちょっといいか?」

偶々1人でいたヒナギクを人気のないテラスに連れ出した。

「何?悠太君」
「大事な話がある」

そう前置きし、悠太は昨日の夜の話を手短にした。
と言っても、「ハヤテが英霊に乗っ取られた事」「このまま野放しにすれば世界が支配されるかもしれない事」そして「今夜にでも再戦するかもしれない事」だけを伝えた。
当然約束通り「王族の力」の事も「王族の庭城」についても一切話さなかった。

「そうだったの。昨日の夜、私と別れた後そんな事があったの」
「ああ。ミダスハヤテの強さは異常だ。俺はともかく、伊澄の全力でさえも容易く退けたんだ」
「あの鷺ノ宮さんを?」

伊澄の強さを知っていたヒナギクは驚いていた。

「天王州がどんな結論を下すかはまだ分からない。でも、あいつが「戦う」と言う結論を出した時は協力してほしい」

すぐにでも返事しそうなヒナギクに悠太は

「でも、その戦いでは下手をすれば死ぬかもしれない。あいつに俺達を殺すことへの躊躇いは微塵も感じなかった。俺自身、死への恐怖はあるが、覚悟は出来てる」

「死」と言う言葉にヒナギクは驚いて言葉を失っていた。

「ヒナギク、協力を願い出たが、よく考えてほしんだ。中身は違うが、見た目はハヤテのあいつと戦う覚悟はあるか?「死ぬ覚悟」はあるか?」

悠太の問い掛けにヒナギクは少しの間俯いていたが

「悩まないわ。大切な人を守る為なら、「死ぬ事」なんか恐くないわ。勿論、ハヤテ君と戦う事にも悩みは無いわ」
「そっか」
「夜に行くんでしょ?私も準備しておかないとね」
「すまねえ」

謝ってきた悠太にヒナギクは

「何言ってるのよ。困った時はお互いさまよ。私達、友達でしょ?」
「ああ。生きて帰って来ような。勿論ハヤテを連れて」
「ええ」

ヒナギクは部屋に戻って行った。

「(天王州、こっちの準備は終わった。後は、お前次第だ)」

悠太は赤みを帯び始めた空を見ながらそう思い、自室に戻って行った。


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以上です。
次回はアテネサイドです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月6日更新) ( No.69 )
日時: 2014/04/06 15:43
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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前々回、アテネは祖母の瑞希さんにある選択を迫られた。


アテネは現在、鷺ノ宮家の一室を借りていた。
なぜなら、当然天王州家に戻ればミダスハヤテに殺されてしまうし、ホテルも急な事であったので、借りられなかった。
それに、万が一が発生した時も伊澄が対応できるようにするためだ。


アテネは部屋の隅で座り込み、周囲を寄せ付けない様な暗い雰囲気を出していた。

「(ハヤテ、ハヤテぇ)」

アテネは昨夜から泣き通しであった。

「(私は、どうすればいいんですの。ハヤテぇ)」

瑞希さんに迫られた究極の2択が今のアテネを締め付けていた。

「(ハヤテを犠牲にすれば、世界は救われる。ですが、そんな事をすればハヤテがハヤテでなくなる。世界を犠牲にすればハヤテはあのままでいられる)」

アテネにとって、ハヤテは絶対の存在。そのハヤテが別の何者かになる事はとても耐えられない事であった。

「(ハヤテぇ。教えてよ。私がどうすればいいのか)」

ずっと泣いているアテネを心配した伊澄や鷺ノ宮家の使用人の人たちに何度か声をかけられたが、アテネは返事が出来なかった。
当然と言うか、食事にも手をつけてなかった。

「(こんなに苦しいなんて。いっその事、あの場でハヤテに殺されていた方が)」

一瞬そんな事が過ったが、

「(私らしくありませんわね。ハヤテは私を殺す事など望む訳でないと言うのに。でも)」

今のアテネにはネガティブな発想しか出なかった。

「(ハヤテ)」

そしてアテネはロイヤル・ガーデンでハヤテと出会ってから現在に至るまでの日々を走馬灯のように思い出していた。

「(会いたい。本当の貴方に会って抱きしめて貰いたい。優しく頭を撫でて貰いたい。美味しいご飯を作ってもらいたい。一緒にお風呂に入りたい。ハヤテぇ)」

アテネはハヤテに会いたいと言う思いを募らせ、更に涙した。
すると

「アテネちゃん」

伊澄の母・初穂さんが声を掛けてきた。

「私には貴方が何に苦しんでるか、何を悩んでいるのか皆目見当が付かないわ。でもね」

初穂さんは後ろから優しくアテネを抱きしめた。

「私は貴方の力になりたいの。詳しい事は聞かないわ。でも、悩んでいる事を少しだけでもいいから教えて」

アテネは母親に抱かれてるような感覚になり

「私は、どうすればいいのか分からないんですわ」
「え!?」
「今の私には、ある2択が迫ってるんですわ。ですが、今の私はどちらも選べないんですわ」

初穂さんは更に優しい目つきになり

「どちらも選ばない。と言う選択は出来無さそうね」
「ええ」
「だったら、自分に素直になるか、周りの人がどう思うかを考えた方がいいんじゃない?」

アテネは驚きで黙り込んだ

「貴方を悩ませている2択が何なのか聞かないわ。でもね、どうしても答えが出ないんだったら、自分だけじゃ無く、相手若しくは他の第三者がどう思うかを、考えてみたら?そうすれば、ちょっとだけ楽になるかもね」

母親の様に優しく諭してくる初穂さんに、アテネは別の意味の涙が流れ始めた。

「伊澄さんのお母様」
「初穂でいいわ。堅苦しいの嫌なのよ」
「初穂さん、ありがとうございます」

だいぶ表情が和らいだアテネに初穂さんは笑顔を向け

「良いのよ。だって私は「お母さん」だからね。普段お母さんが出来ない分こう言う時にお母さんしないとね」

アテネは自分の中にある母・静葉さんの思い出が蘇ってきた。

「「お母さん」からは以上よ。アテネちゃん、ちゃんとご飯食べないと伊澄ちゃんが心配するわ。勿論私もね」

そう言うと、初穂さんは部屋を出て行った。

アテネは持ってきてもらった食事を食べ、

「(私は、間違っていましたわ。悩んでいるのは私だけでなく、真山君や伊澄さんも同じだと言うのに)」

アテネは半ば巻き込むかのように事件に関わった悠太と伊澄を考えつつ

「(それに、ハヤテですわね。恐らくでしかありませんが、残っているハヤテの自我が「自分の体で世界の支配」なんて絶対に臨んでなどいませんわね)」

ハヤテのどうしようもない優しさはアテネには百も承知であり

「(こんな簡単な事に気付けないなんて、私らしくありませんね。なら、取るべき道はただ一つ)」

アテネはもう泣いていなかった。
そしてアテネの眼には強い決意が宿っていた。

「(ハヤテ、私はもう迷わない。私はただ、貴方が望む事をするだけですわ)」

アテネは別の部屋に居た伊澄に今夜何時に集まるのかを伝え、電話で悠太にも伝えた。
当然悠太はアテネがどんな答えを出したか聞いてきたが、「会った時に伝える」とだけ言い、悠太もそれ以上は聞いてこなかった。

「(この答えを出したことで、私自身も色んな覚悟を決めねばなりませんわね。フッ、安いものですわね、覚悟する事など)」

アテネは精神統一をし、自分の中の覚悟を高めて行った。



そして、再び悲劇の大事件が起こるであろう夜がやってくる。



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以上です。

初穂さんのキャラが違うと思いの方も居るでしょうが、この小説では「良いお母さん」と言う感じなので、こう言うキャラ性になってるんですよ。

次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月9日更新) ( No.70 )
日時: 2014/04/09 17:18
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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ここはアテネ市の三千院家の別荘。の客間。

「旅行もあと少しで終わりかー」

勝は思わず残念そうに、そう呟いた。

「まあ、そう思えるって事は充実してたって事だから、よしとしなさい。それに、何時までもこっちに居る訳にはいかないでしょ?」
「そうなんだけどさー」

残念がる弟に麗は

「うだうだ言ってても、終わりは終わりよ。今日と明日はこっちに泊まるんだから、楽しみなさい」
「そうだね。ごめんね、姉ちゃん。変な事言って」

元気を取り戻した弟に麗は安心し

「そう言えば、美希達が送ってきたこの招待状ともとれる手紙って何なのかしら?」

麗が持っている手紙には「19時にホテルの屋上に集合。水着持参ね」と言う明らかに泉の字と分かるものが書かれていた。

「楽しそうだし、行こうよ」
「そうね。一応車も手配しておいたし」

時任姉弟は車に乗って指定されたホテルに着き、エレベーターで最上階に着いた。
すると

「おかえりなさいませ」

2人にとってはほぼお馴染みと言える使用人一同によるお出迎えがあった。

「姉ちゃん、これって」
「あの3人でしょうね」

使用人達の間を抜け「ようこそ♪」と書かれた張り紙があった扉を開けると、盛大に飾られた屋上が目に飛び込んできた。

「わ〜。凄い」
「ホントね〜」

2人が驚いていると、

「ようこそ、お2人さん」

2人を出迎えたのは、なぜか水着姿の泉達であった。

「フッフッフ。今夜は楽しんで行ってくれたまえ」
「このホテルは我々の貸し切りだからな」

自慢げな2人に勝は

「でも、大丈夫なんですか?ホテル貸し切りなんてすごい費用がかかるんじゃ」
「そこは平気さ」
「このホテルは三千院家の経営。つまり、ナギちゃんの協力さえあれば、無料さ」

そう言われ、勝は近くに居たナギに

「そうだったんですか。ナギさん、ありがとうございます」
「気にするな。折角の旅行だ。交流を深めるのも含めて、派手に行こうじゃないか」

嬉しそうな勝にナギも顔を綻ばせた。
すると麗は

「でも、最終日は明日よ。何で今日結構派手目のパーティーを開くの?」
「明日が最終日だからこそさ。つまり、前夜祭と言う訳さ」
「ああ、そう言う事」

納得したようで、麗も楽しむことにした。

暫くプールで遊んでいると、勝が

「あれ?ナギさんは泳がないんですか?」

ナギが答えようとした瞬間、

「愚問だな、弟君」
「ナギちゃんが泳げるわけないじゃないか」
「そうだよ」

そう言った3人に対しナギは勝ち誇った顔になり

「残念だな。私は泳げるさ。ただ、泳がないだけだよ」

泳げると言ったナギに3人は驚き

「う、嘘だ」
「人は浮かない様に出来ているなんて言って、泳ごうとし無かったナギちゃんが」
「泳げるの?」

驚いている3人に、麗は驚き

「知らなかったの?ってか、ミコノスの時、海から泳いで出てきたじゃ無い」
「そ、それは麗君が手を引いたものだと」
「フンッ。何時までも馬鹿やってるお前達とは違い、私は成長しているのだよ」

ない胸を張っているナギに美希も理沙も悔しそうだった。

するとそこへ

「皆さん、料理が出来ましたよ」
「おー。ありがとうマリアさん」

何時の間にかメイド服に着替えていたマリアさんが料理を運んできた。

「すまんなマリア。折角のパーティーなのに、給仕させて」
「気にしなくていいですよ♪」
「そ、そうか」

妙に笑顔なマリアさんに、ナギは底知れない不安を覚えたが、気にするのは止めた。
ちなみに、ナギの不安は当たらずとも遠からずで、

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪本当は料理に猛毒でも盛ろうと思ったんですけどね〜♪それか、超強力な下剤を盛ったうえで、トイレを封鎖しようとも考えたんですけどね〜♪でも、その楽しみは明日に持ち越しましょう♪ああ♪)」

こんな事を考えていた。ちなみに、料理は普通に作った様です。多分。

すると

「あ、姉ちゃん胡桃があるよ」
「ああ、そう」

勝は殻付きの胡桃を見つけ

「フン、フーン」

手で割ろうとしたが

「無理よ。ハヤテ君やヒナならともかく、普通の人間には割れないの」
「ちぇ。でもいつか割れる様になって見せるぞー」

悔しそうな勝に麗は笑みを浮かべつつ

「そう言えば、ヒナは?招待してないの?」
「したんだが、「大事な用があるからいけない」って断ってきた」
「ふ〜ん」

美希の答えを聞きつつ、麗は1人で給仕しているマリアさんを見て

「ねえナギちゃん、悠太君はどうしたの?マリアさんに1人で仕事させて」
「居ないよ。何でも「大事な用があるんだ。だから、今夜一晩だけ休みをくれ」って言ってきたから、許可したんだよ」
「よかったの?前夜祭だって知ってたんでしょ?」

ナギは悠太に頼まれた時の事を思い出しつつ

「あいつからただならぬ雰囲気が出てたからな。漫画で言う「二度と戻れないかもしれない決意が出ていた」って感じだったから、許可したんだ」
「な、何それ」
「知らないよ。聞いても教えてくれなかった」

未だに疑問を浮かべている麗にナギは

「気にするな。あいつにはあいつの事情ってもんがあるんだ。余計な詮索は無用だよ」
「そうね。悠太君だったら、話せる事情なら話すしね」

麗は気になりつつも、前夜祭を楽しむことにした。

ちなみに、プールで楽しむ一行を見てマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪プールにセメントを流し込んで、全員を固めて閉じ込めちゃいましょうかね〜♪それとも服が溶けちゃう特殊な薬品でも入れましょうかね〜♪それか強硫酸でも流し込んで、全員に大やけどさせましょうかね〜♪どれにしようか悩みますね〜♪ああ♪)」

こんな事を考えていました。


                    × ×


一方。

「天王州さん、どんな結論を出したのかしら」
「分からんよ。でも、覚悟は出来てるんだろ?」
「ええ」

悠太もヒナギクも別の場所でアテネを待っていた。


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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月12日更新) ( No.71 )
日時: 2014/04/12 17:59
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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前回、ナギ達は前夜祭を楽しみ、悠太とヒナギクはアテネを待っていた。


悠太達が待っていると、暫くしてアテネがやってきた。
悠太が見る限りじゃ昨夜見た時とは違い、悩みなど無い、決意に満ちた顔であった。

「よう天王州。その顔じゃ答えは出たみたいだな」
「ええ。それより、桂さんはなぜここに?」

聞かれたヒナギクは真っ直ぐにアテネを見ながら

「悠太君に協力をお願いされたのよ。ハヤテ君が悪い英霊に乗っ取られて、世界を支配しようとしてるからって」

一瞬不安そうになったアテネに悠太は

「大丈夫。王族の力についても城についても話して無いよ。ヒナギクなら知っても口外はしないと思ってるが、念のためにだ」

そう耳打ちし、アテネは安心したようだった。

「天王州さん、貴方はの答えは何なの?」
「お教えする前に、鷺ノ宮さんはまだですの?出来れば全員が揃ってからの方が」

アテネがそう言いかけた時、伊澄がゆっくりやってきた。

「遅れて申し訳ありません。準備に時間が掛かってしまったものですから」

全員がそろったのを確認したアテネは深呼吸すると

「私は、英霊をハヤテの魂ごと封じますわ。それが、私が出した答えですわ」

アテネの出した結論に悠太は少しだけ驚きつつ

「いいのか?それをするって事は」

「ハヤテが別の何者かになる可能性が高い。それは分かってますわ。ですが、皆さんも知っている通り、ハヤテはどうしようもないほどに優しい人。ですから、自分の体で世界が支配されるなんて望まないと。そう考えたら、自ずと答えはすぐに出ましたわ」

アテネの強い目に迷いはないと悠太達は確信し

「分かった。俺達でよければ全力で協力するぜ」
「私も、出来る限りの事はするわ」
「私もです」

悠太、ヒナギク、伊澄の言葉を聞き、アテネは顔を綻ばせ、

「さあ行きましょうか。死闘しに」

歩き出そうとしたアテネを悠太は呼びとめ

「なあ伊澄、お前の大お婆様って強いんだろ?協力してもらうって出来ないのか?」
「大お婆様は確かに強いです。しかし、大お婆様は今日本。今夜の戦いには間に合いませんよ」
「そっか。俺達だけで何とかするしかねえか」

話が済んだので、アテネを先頭に歩き出した。
少し歩いて悠太がアテネに追い付き

「なあ天王州、昨日から考えていたんだが」
「なんですの?」

念のため、ヒナギクには聞こえないように小声で話していた。

「王族の力をあいつより先に手に入れて、「ハヤテの魂をそのままに、英霊だけ追い出してほしい」って願いを叶えれば、万事解決なんじゃねえか?」
「確かにそうでしょうね。ですが、その心が「純粋な正義の心」と判断されるかは分かりませんわ」
「そ、そうかもしれねえけどよ」
「そんな危険すぎる賭けは実行に移さない方が得策ですわ」

アテネの正論に悠太は黙り込み、以後天王州家に着くまで口を開く者はいなかった。


                    × ×


天王州家に着くと、異様な静けさに包まれていた。

「こ、怖いぐらいに静かね」
「確かに、雰囲気的には抜群すぎだな」

緊張しつつ前回戦った大広間に着くと、部屋の真ん中あたりでミダスハヤテが座禅を組みように座っていた。

アテネ達が部屋の中に入ると、扉が独りでに閉まり

「やはり来たか。貴様らが来る事は分かっていたぞ」

ミダスハヤテが立ちあがりながらそう言った。

「あれがハヤテ君なの?」
「見た目はハヤテだが、中身は違う。今のあいつはミダスハヤテだ」

悠太は叢雲を、ヒナギクは村正を召喚し、身構えた。

「戦うのか?無駄だと以前の戦いで学んだはずだが?それともそんな事も分からん愚か者なのか?」
「黙りなさい!!!私達は、貴方を倒す!!!」
「フン。威勢のいい子娘1人増えた所で、我の勝利は揺るがぬぞ」

そう言うと、ミダスハヤテは黒椿を召喚し、身構えた。

「伊澄、あいつを封印する準備はどれ位で出来るんだ?」
「正確には分かりませんが、時間が掛かります。皆さんは出来るだけ時間を稼ぎ、あ奴の動きを封じてください。準備が出来たら声を掛けます」

アテネも持ってきた日本刀を抜いた。

「封印の儀式には高い集中が必要です。出来る限りでいいので、こちらに来させないでください」
「「「了解」」」
「人生最期の相談は終わった様だな。さあ来い、全員冥府に送ってやろう」

アテネを中心にミダスハヤテに飛びあがり攻撃を開始した。
しかし

「なんてやつだ。3人がかりの攻撃でもものともしねえのか」

ミダスハヤテは1歩も動かずにアテネ達3人の攻撃を捌いていた。

「ぬるい。これでは前回同様敗走が結末だぞ。まあ、それはさせぬがな」

攻撃を捌きつつ、余裕たっぷりにそう言われ

「ふざけないで!!!!意地でも倒すわ!!!」

むきになったのか、ヒナギクが単独で攻め込み

「止めろ!!!1人で何とか出来る相手じゃ」
「はああああ」

ヒナギクは聞く耳を持たず、1人でミダスハヤテと戦っていた。

「弱い。欠伸が出るほどに弱いぞ、小娘」
「な、何ですってー」

更にムキになって攻撃を繰り返していたが

「飽きた。死ね、小娘」
「え!?そ、それは!!!」

ミダスハヤテは守護光速拳を発動し、ヒナギクを吹っ飛ばした。

「カハッ」

壁に叩きつけられたヒナギクは吐血し、反撃の間を与えずにミダスハヤテがヒナギクを連続で黒椿で切りつけた。

「つ、強すぎる」
「止めだ。死ね」
「させるかよ」

止めを刺そうとしたミダスハヤテの一撃を、悠太は止め

「分かったろ。俺達が束になっても叶わないあいつに1人で挑んだ所で無謀でしかないって事が」
「ごめんなさい。頭を冷やすわ」
「フン。どうせ全員死ぬのに無駄な事を」

悠太との鍔迫り合いを見たアテネは音も無くミダスハヤテに斬りかかったが、ミダスハヤテは振り向きもせずにアテネの一撃を片手で受け止め

「下らん。その程度では我に一撃を入れる事は出来んぞ」

その後も3人がかりでミダスハヤテへの攻撃を繰り返したが、全て受け止められ、

「弱い。罪なほどに弱いぞ貴様ら」

一方のミダスハヤテの攻撃はアテネ達に確実にヒットし、体力は一方的に削られるばかりであった。

「もういい。貴様ら全員死ね!!!」

そう言うや否や眼にも映らぬ速度でそれぞれの間合いを詰め、アテネ、悠太、ヒナギクの全員を吹っ飛ばした。

「終わりだ。安心しろ、全員同じ地獄に送ってやるから寂しくは」

そう言いかけた瞬間、ミダスハヤテは伊澄が淡い光を放ちつつ何かを詠唱している事に気付き

「フンッ。我を倒せぬから封印という道を選ぶか。そうはさせん!!!」

完全に無防備な伊澄に飛びかかろうとしたが

「させねえよ」

悠太が立ちはだかった。

「伊澄を攻撃してえなら、俺を殺してからにしろ。まさか、出来ねえなんて言わねえだろ」

悠太の言葉にミダスハヤテは鼻で笑い

「そんなに死に急ぎたいのなら望み通りに殺してやろう」

ミダスハヤテの攻撃を悠太は何とか捌いていたが、やはり勝負は一方的であり、何度も悠太は攻撃を受けていた。

「終わりだ。死ね、小僧」
「させないですわ」
「その通りよ」

アテネとヒナギクがミダスハヤテの両手にしがみ付き、動きを封じた。

「真山君、今ですわ」
「こいつを倒して」
「ああ」

悠太は渾身の力を込めて斬りかかったが。

「無駄だ!!!」

ミダスハヤテは右手にしがみ付いていたアテネを盾代わりに自分と悠太との間に立たせた。
悠太はギリギリで攻撃を止められた。
そして、ミダスハヤテはアテネを突き飛ばした。

「ひ、卑怯よ。こちら側の人間を盾にするなんて!!!」

ミダスハヤテは左手にしがみ付いていたヒナギクを突き飛ばし

「くだらぬ事を言うな、小娘よ。勝てばいいんだよ、戦いなんて。卑怯なんて言葉あるか!!!」

そう言い、ヒナギクを攻撃した。ヒナギクは攻撃を受け止めたが、うけきれずに吹っ飛ばされ、円柱に強くたたきつけられた。

「つまらん。余興にすらならぬわ」

そう言うと、伊澄を睨みつけ

「貴様らへの止めなど後でよいわ。今はあの子娘を殺してやる。そうすれば、貴様らには絶望しか残るまい」

そう言って、再度飛びかかったが、

「させませんわ」
「邪魔だ!!!」

立ちふさがったアテネをあっという間にふっ飛ばし、

「死ねい!!!!」

無防備な伊澄は避ける事も受ける事も出来ずに死を覚悟したが

「き、貴様ら、まだ無駄な足掻きを」

悠太が後ろから羽交い絞めにし、アテネとヒナギクが足と腰にしがみ付き動きを止めていた。

「無駄だと言っているのが分からんのかー」

ミダスハヤテは守護光速拳の力を高め、振りほどきにかかったが、「死んでも離さない」と言う気迫の3人は意地でも離れなかった。

そして

「キング・ミダス。貴方を封印します」

丁度詠唱を終えた伊澄がミダスハヤテに近付き

「止めろ!!!我は世界を支配」

伊澄は自分の全力が込められたお札をミダスハヤテの額に貼り

「今こそ、邪悪なる力を封じ、支配されし者を解放します」

伊澄の呪文にお札がまぶしいぐらいに光り、それと同時にミダスハヤテも苦しみ始め

「お・・覚えて・・おけ・・・我は・・死な・・ぬ・・何時の日か・・・必ず・・・世界を・・・我が支配下に・・・グオオオオオオオ」

地獄の底から聞こえてくるような断末魔を上げ、ミダスハヤテは動かなくなった。

「お、おい」
「もう大丈夫です。拘束を解いてください」

アテネ、悠太、ヒナギクの3人が離れると、力無くハヤテは倒れた。
悠太は慌てて地面にぶつかる前に、受け止めた。

「い、伊澄まさか」
「ご安心を。封印が成功し、気を失っただけです。ハヤテ様をベッドへ」

伊澄はそう言って歩き出そうとしたが、ふらついて倒れそうになった。
ヒナギクは慌てて伊澄を抱きとめ、

「だ、大丈夫?って鷺ノ宮さん、髪が」

伊澄の髪は前回の戦い同様白くなっていた。

「力を使いすぎました。天王州さん、何処か横になれる場所を貸していただけませんか?」
「ええ。真山君、ハヤテはハヤテの部屋へ。桂さんは鷺ノ宮さんを客間へ運んでください。案内しますわ。その後で、治療しましょう」

悠太とヒナギクは怪我で痛む体を引きづりつつ、部屋へと運ぶ事にした。



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以上です。

また長くてすみません。
そして、バトル描写が分かりにくかったら、すみません。

次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月15日更新) ( No.72 )
日時: 2014/04/15 22:02
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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前回、アテネ達は死闘の末、ミダスを封印する事に成功した。


キング・ミダスとの対決後、伊澄以外の面々は治療してもらい、仮眠を取った。
まるで気を失う様に眠りについた伊澄と、目を覚ました時にどうなってるか分からないハヤテは別荘に居た使用人に任せ、アテネは自室で、ヒナギクと悠太はナギ達に連絡した上での仮眠である。

仮眠と言っても、激しい死闘の後であったので、目を覚ました時には朝になっていた。

アテネ、悠太、ヒナギクが目を覚ました時には伊澄は完全に回復しており、昨夜の事については

「力を使いすぎただけです。ご心配をかけてすみませんでした」

と、説明され、安心できた。
一方のハヤテは起きてきた面々には「一度も目を覚まして無い」と報告を受け、見張りは悠太達が変わった。

「ハヤテ、起きねえな」
「ええ。ハヤテ、起きなさい」

アテネが母親の様に優しく囁いたが、効果は無い様だった。

「ハヤテ君って、寝顔までかっこよかったんだね」

ヒナギクは若干顔を赤くしつつ、ハヤテの寝顔を見ていた。
すると、

「ね、ねえ。今凄く嫌な予感がしたんだけど」
「な、何だよ。不吉な事じゃねえだろうな」
「や、止めてくださいね、桂さん。特にハヤテ関連の事は」

ヒナギクも言い辛そうに悩んだ後

「ハヤテ君がこのまま目を覚まさないんじゃないかって予感がしちゃったんだけど、そんな事無いよね、鷺ノ宮さん」

藁にもすがるような気持ちで伊澄に尋ねていたが、伊澄は笑顔で

「そんな事はありません。ただ単に「眠っているだけ」です。「二度と目を覚まさない」なんて事はありませんので、ご安心を」

そう言われ、伊澄以外の面々は安心の溜息をついた。

すると悠太にちょっとした悪戯心が芽生え、

「今ふと思ったんだが」
「「「???」」」

首を傾げる3人に悠太の悪戯心は加速し、

「目を覚まさぬ王子様にキスするってどうだ?」
「「「!!!!!!」」」
「昔話だとよくあるだろ?眠れる姫に王子様がキスして、目を覚ますって展開。立場が逆とはいえ、以外の今の状況がそうなんじゃないのか?」

悠太としては「何を馬鹿な事を」と否定される前提の悪戯であったが、

「そ、そうですわね。眠れる王子にキスするのも悪くは無いですわね」
「そ、そうですね。でしたら、誰がハヤテ様にキスします?」
「・・・」

ヒナギクは参加すべきか真っ赤な顔で悩んでいた。

「キスする役目は私に任せて貰いますわ。私はハヤテのご主人様ですから」
「そ、そんなのずるいです。私だって、ハヤテ様を想う気持ちは天王州さんにも負けません。ですから、私がキスします」

言い合うアテネと伊澄を尻目にヒナギクは

「(ど、どうしよう。私もキスしたい。で、でも恥ずかしくて言えない。ってそんな事言ってる場合じゃないわよね。今こそ「負けを選ぶとき」よね。って事は、2人が揉めている隙に私がキスしちゃおうかしら)」

そんな風に3人の思惑がぶつかり合っている時

「お、おい。ハヤテが目を覚ましそうだぞ」

ハヤテの瞼が僅かに動いたのを確認した悠太が3人に声をかけ、3人ともハヤテを見た。
すると、

「う、うう〜ん」

ハヤテが目を開け、上半身を起こした。

「よかった。起きたか」
「ハヤテ、大丈夫ですの?」
「ハヤテ様」
「ハヤテ君」

それぞれが声をかけると、ハヤテが全員を見るや否や、まるで怯える子供の様な顔になり

「だ、誰なの?そ、それに僕は誰?ハヤテって誰の事?」

ハヤテの口調はまるで言葉を覚え始めた幼子のようにあどけなかった。

「わ、私達が分からないんですの?」
「し、知らないよ。お姉ちゃん達の事だって、僕のことだって分かんないよ」

ハヤテは涙目になりながらアテネの質問に答えていた。そんなハヤテにアテネは必死になり

「私ですわよ。貴方の主人で恋人の天王州アテネですわよ!!!」
「し、知らないったら」
「そんなはずありませんわ!!!ハヤテ!!!!」

必死の形相で迫るアテネにハヤテは遂に泣き出し

「恐いよ〜。お姉ちゃん怖いよ〜」

まるで子供の様に声を上げて泣き出してしまった。悠太は慌ててアテネを宥めた。

「よしよし。恐かったわね」
「ごめんなさいね」

ヒナギクは優しくハヤテの頭を撫でながら宥め、伊澄もハヤテの手を優しく握りながら宥めていた。
しかし

「み、皆怖い。い、嫌だ、触らないで〜」

伊澄とヒナギクの手を子供が手を振り回すように弾き、益々泣き出してしまった。

「恐いよ〜。皆悪い人だよ〜」

子供の様に怯え、大泣きするハヤテに一同は驚くばかりであったが、唯一悠太は僅かだけ冷静さを保ち

「皆、部屋を出よう」
「「「そ、そんな」」」
「俺達がここに居れば、ハヤテを混乱させるだけだ」

悠太に諭され、渋々アテネ達は部屋を出た。


                     × ×


ハヤテの事は使用人に「部屋から出ない様に扉の前で見張っててくれ」と言って任せ、今でお茶を飲みながら話し合う事にした。

「恐れていた事が起こった、と言うべきですね」
「どういう事ですの、鷺ノ宮さん」

伊澄は出されたお茶を(伊澄は日本茶で、後のメンバーは紅茶です)1口飲み

「ハヤテ様は封印の影響で全記憶が消えてしまったんでしょう。そして、子供に退化してしまったのでしょうね」

伊澄の言葉にアテネは大いに焦り

「ど、どうすればいいんですの!!!ハヤテは元に戻るんですの!!!!」
「落ち着け天王州」
「落ち着けませんわ!!!!」

伊澄の着物の胸倉をつかむアテネを悠太は宥めたが、アテネは冷静になれない様で

「こんな時だからこそ、冷静になるんだ。焦った所で、何も生まれねえ。冷静さこそが、現状打開の唯一の手だ」

悠太の言葉にアテネは幾分か冷静になり

「そう、ですわね。ごめんなさい、鷺ノ宮さん」
「いえ、仕方ない事ですから」

アテネは紅茶を飲み

「それで、ハヤテはどうなるんですの?」
「私達が知っているハヤテ様になる可能性は無いと断言してしまっても問題は無いでしょう。ですから、これから「新しいハヤテ様」として付き合っていくしかないでしょうね」

伊澄の言葉は伊澄自身を含めて、全員への死刑宣告に聞こえてしまっていた。

「仕方ねえか。これからのハヤテは落ち着いて付き合っていくしかねえか」
「そうですわね。元に戻る見込みがない以上はそうするしかありませんわね」
「じゃあ、皆にはどう説明するの?事情を説明するのはややこしいうえに、余計な心配を与えちゃうだけだと思うけど」

ヒナギクの疑問に全員が腕を組んで考え

「事故で記憶が消え、幼児化してしまった。と説明するしかねえな。それなら掛ける心配も減るだろうし」
「そうね。それしかなさそうね」

話し合いは決着し、「そろそろ落ち着いているだろう」と言う結論が一致し、ハヤテの部屋に戻る事にした。


                      × ×


「ハヤテは部屋から出てませんわよね」
「ええ。見張ってましたが、大丈夫でした」

使用人の報告を聞き、念のためにノックした。しかし

「あれ?返事がねえな」
「寝てるんでしょうか?」

不安要素はあったものの、扉を開けた。
すると

「ハ、ハヤテが居ねえぞ」
「しまった。窓から外に出る事を考えていませんでしたわ」

先程は開いていなかった窓を見てアテネはそう結論付け

「急いで探さないと、混乱しているハヤテが何をしでかすか分かりませんわ」
「そうだな。天王州は使用人の人たちを動かしてくれ。俺達も手分けして探すから」

悠太達は慌てて部屋を出ようとしたが

「い、伊澄は待機しててくれ」
「な、何でですか。私も探したいんですよ」

納得がいかなさそうな伊澄に悠太は

「いいか。もしハヤテがここへ戻って来た時に、誰も居なかったらまずいだろ?待機役を伊澄に任せたいんだ」
「そ、そうですか?分かりました」

伊澄を椅子に座らせ、アテネ、悠太、ヒナギクは天王州家を出た。

一応補足すると、悠太が伊澄をとどめた理由は

「(危ない危ない。伊澄まで散策に参加したら、二次被害は免れないからな)」

こう言う思いがあったためです。


                     × ×


アテネ、悠太、ヒナギクは天王州家の使用人の人たちも加えて、手分けしてハヤテを探し始めた。
ハヤテが遠くに言った可能性もあるので、一番体力のある悠太が遠くまで探しに行く役を買って出た。

「(ハヤテの奴、どこに行っちまったんだ。今のハヤテを1人にするのは危険すぎる)」

道行く人に聞きながら探していたが、「見ていない」と言われ、手掛かりは無かった。
念のためにアテネ達とは定期的に連絡を取っていたが、アテネ達も収穫は無しだった。

「(クソ。見つけられねえ自分に腹が立つぜ)」

悠太は自分に苛々していた。そのせいなのか、最悪の予感がよぎり

「(まさか、早まった真似してねえだろうな)」

悠太は地元に人に「崖は無いか」と尋ね、一番近い崖の場所を聞き、そこへ駆けつける事にした。


悠太が近くの崖に着くと

「い、いた。ってまさか」

急いでアテネ達に「見つけた」と報告し、場所も報告した。

「お、おいハヤテ」

悠太に声をかけられ、ハヤテは振り向きはしなかったが、反応した。

「何をするつもりだ!!!!」
「来ないで!!!!僕は、僕は」

先ほど以上にハヤテは取り乱していた。

「恐い。全部が怖いんだ」
「大丈夫だ。自分で言うのもあれだが、俺達はいい奴だ。安心しろ」
「信用できないよ!!!!!!」

ハヤテの叫びに悠太は自分の無力さを恨んでいた。

「恐い。全部が怖い。こんな思いするぐらいなら、死んだ方がいいんだ」
「バ、バカ言うな!!!!!!!そんなことして何になる!!!!」
「恐さから逃げられる。だから、死ぬんだ!!!!」

そう言って、飛びおりようとしたハヤテを悠太はギリギリで止めた。

「何で助けるの!!!死なせてよ!!!!!!!!」
「出来ねえよ」

更に言葉を続けようとしたハヤテだったが、悠太が泣いていたため、言葉を失った。

「お前を死なせるなんて真似、出来る訳ねえだろ」
「な、何でよ」
「必要なんだよ、お前が。俺だけじゃねえ。色んな人が、お前の事が必要なんだ。お前が死んだりしたら、いろんな人間が壊れちまう。だから、止めてくれよ」

泣きながら説得する悠太にハヤテは少しずつ落ち着いて行き

「僕が必要な訳、無いよ。僕は何も分からないから」
「分からなくてもいい。ただ、いてくれれば、だれしもが満足だよ」

悠太も泣くのを辞め、ハヤテに笑顔を見せた。

「ほ、本当なの?僕は必要とされているの?」
「ああ」
「僕は、愛されているの?」
「当たり前だ!!!!」

語尾を強くした悠太にハヤテは驚きつつ

「愛、されているのか」

ハヤテがそう呟いた瞬間、

「う、うううう」
「ど、どうした!?」
「あ、頭が痛い」

ハヤテは頭を抱え苦しんでいた。
悠太は当然心配し

「だ、大丈夫か!?待ってろ、今医者を」
「ううう」

悠太が立とうとした瞬間、ハヤテのうめき声が消え

「お、おいハヤテ?」
「もう、大丈夫よ、悠太」

突然名前を呼ばれ、悠太は驚いたものの

「ハヤテ、俺の事がわかるのか?」
「真山悠太。真山物産跡取りで、三千院ナギさんの執事でしょ?」

喜ぶ悠太にハヤテは

「そして、僕のとても大切な親友。ごめんね、忘れてて」
「ハヤテ」

今度は嬉しさで涙が流れ始めた。

「もう。泣かないでよ」
「す、すまん」

そんな風に友情を確かめ合っていると

「ハヤテ!!!」
「ハヤテ君!!!」

アテネとヒナギクが駆けつけた。

「アーたん。ヒナギクさんも」
「「!!!!!!」」
「大丈夫。記憶は戻ったよ」

ハヤテがそう言うと、2人とも泣き出し

「ハヤテ、ハヤテ〜」

アテネはハヤテを押し倒し、大人のキスをした。

「ちょ、ちょっとアーたん」
「ハヤテ、ハヤテ〜」

アテネは今まで我慢した分を取り戻すかのようにハヤテにキスしまくっていた。

「俺達は戻るか」
「ええ〜」
「ほら行くぞ」

悠太は渋るヒナギクを半ば無理やり連れて天王州家に戻って行った。


                   × ×


1時間ほどすると、ハヤテとアテネは戻ってきた。
まあ、アテネはハヤテの背中に乗り、子猫の様に甘えていたが。

「伊澄さんも、ご心配をおかけしました」
「き、記憶が戻ったんですか!?」
「ええ。全部、思い出しました」

伊澄は驚いて

「そ、そんな。ありえません。奇跡以上の奇跡が起こったとしか」

と、ブツブツと呟いていた。

「ハヤテ、話を聞かせてくれ。ミダスについてだ」

悠太に聞かれ、ハヤテは暫く迷った末

「最初は、自覚は無かった。でも、必殺技を覚えた後あたりかな?時々酷い頭痛がする様になったんだ。その頭痛はだんだん周期が短くなっていった。それと共に、意識が途絶える時もあったんだ。そして、ゴールデンウイーク前には意識がある時が殆どなくなって、ある時、完全に途絶えたんだ。その途絶えてから今まで、記憶は一切ない。でも、僕の中に何かが居るかもしれないとは結構前から思い始めてたんだ」

ハヤテの話を聞き、全員が驚きつつ

「何で言ってくれなかったんだ。若しかしたら」
「ごめん。でも「気のせいだ」って言われれば反論できなかったし、心配掛けたくなかったんだ」

俯いたハヤテに、悠太達は「またハヤテの悪い癖が出たか」と思い

「仕方ねえ奴だな。まあでも、ハヤテが戻って来てくれてよかったよ」
「心配かけてごめん。こればっかりは謝るしかないよ」

ハヤテ以外の面々は溜息をつきつつ

「もういいよ。もう謝るな」
「で、でも」
「そうですわよ。悪いのはハヤテじゃありませんわ」
「そうよ。悪いのは全部、キング・ミダスなんだからね」
「そうですよ。ハヤテ様は悪い事なんてしてませんから」

皆に擁護され、ハヤテも笑顔になり

「皆ありがと。もう大丈夫だよ」

ハヤテの笑顔に皆も笑顔になったが

「でも、完全には安心できないんですよね、伊澄さん」
「ええ。水を差すようで申しわけありませんが、キング・ミダスは封印されただけです。何時、封印を破るとも限りません」

伊澄はそう言ったが

「大丈夫だよ。根拠はねえが、俺達がハヤテを支えれば、ミダスの奴も悪さは出来ねえよ」
「そうよ。根拠なんかいらないわ」
「そうですわね。ハヤテには私と言う愛すべき存在が居ますからね」

アテネの発言に伊澄とヒナギクは異を唱えかけたが

「止め止め。折角旅行に来てるのに、しらけちまうよ」
「そうだね」

伊澄もヒナギクも納得がいかなかったが、この場は我慢する方がいいと思い、我慢した。

「さ、ハヤテ。お前も天王州も遊ぼうぜ。お前が居た方が、みんな喜ぶと思うし」
「分かった。明日帰っちゃうけど、残された時間名いっぱい遊ぼう。ね、アーたん」
「そう、ですわね」



こうして、とりあえずは決着した。

しかし、ハヤテの中にミダスが居る以上は完全には安心できないが、今それを言うのは野暮であろう。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

第二部はそろそろ終わりです。

次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月15日更新) ( No.73 )
日時: 2014/04/16 08:37
名前: ささ

ささです。お久しぶりです。
タイトルが意味するところはそういうこと立ったのですね。
なんとか世界もハヤテも無事ですみましたね。
ということは、白桜は再び使えると言うことでしょうか?
ふと思ったことがあります。
ミダスを封印したいまハヤテが城にいって女神の力でミダスを追い出すことができるのでは?
悠太も悪戯をしたくなるときがあるのですね。(そのまま昼ドラ並みの修羅場になったらマリアさんに送れるのに、それと真山父・美緒さん‥マリアさんあと誰に送ったら面白いですか?)
これで失礼します。
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Re: 女神と共に第二部 (4月18日更新) ( No.74 )
日時: 2014/04/18 19:37
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●さささん

 >>ささです。お久しぶりです。

 アテネ「感想ありがとうございます♪」

 >>タイトルが意味するところはそういうこと立ったのですね。

 意味としては、「アテネと言う女神と一緒」と言う意味と、明かした謎の2重の意味があるんですよ。

 >>なんとか世界もハヤテも無事ですみましたね。

 伊澄「現状では、ですけどね。油断は大敵ですよ。本編でも言いましたが、ミダスが封印を破る可能性も十分にあるのですから」

 >>ということは、白桜は再び使えると言うことでしょうか?

 ハヤテ「ええ。記憶を取り戻した後、僕に話しかけてくれました。なので、白桜も元通りです」

 >>ふと思ったことがあります。

 おや?なんでしょう?

 >>ミダスを封印したいまハヤテが城にいって女神の力でミダスを追い出すことができるのでは?

 アテネ「確かに可能でしょうね。ですが、あの力はむやみに外に出すべきではないのですよ。悪用しようとする輩が出てきたり、ミダスが封印を破って、力を使ったりする可能性もあるので、手に入れるべきではないんですわ」

 >>悠太も悪戯をしたくなるときがあるのですね。

 悠太「まあ、偶にはな」
 美緒「私の弟だもんね」

 >>(そのまま昼ドラ並みの修羅場になったらマリアさんに送れるのに、それと真山父・美緒さん‥マリアさんあと誰に送ったら面白いですか?)

 マリア「あら♪何やら楽しそうな予感ですわね〜♪ああ♪」
 悠太「(止めてくれ。色々と大変だ)」
 ナギ「代わりに応えると、神尾崎か?あいつもハヤテが大好きだから、過激な手段に出るかも」

 >>これで失礼します。

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (4月18日更新) ( No.75 )
日時: 2014/04/18 19:39
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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前回、魂を封印されたはずのハヤテが記憶を取り戻し、平和な日常が取り敢えずは戻ってきた。


悠太とヒナギクはハヤテとアテネと話を終えると、三千院家に戻る事にした。
戻った後、悠太もヒナギクも結構な怪我を負っていた事で問いただされたが、事情が事情なだけに説明できず、誤魔化した。
でも、悠太はナギにだけは「世界を救う戦いをしてきた」と、やんわりと事情を説明しておいた。


悠太達三千院家に居た一行はアテネ市のビーチに来て遊んでいた。
とはいっても、怪我をしている悠太とヒナギクは海に入れないので、砂浜で遊んでいる面々を見るだけだが。

「やれやれ。お嬢様も遊んだらどうだ?気持ちよさそうだぜ」
「くだらん。なぜ私が。第一」
「はいはい。じゃあ俺は昼食の手伝いがあるから、行くな」

ナギは相変わらずで、水着に着替えず、パラソルの下で寛いでいるだけであった。
すると

「ナギさんは泳がないんですか?」
「だから言ってるだろ。水着に着替えたりしたら日焼けする。そして日焼けが原因で肌荒れを起こすから着替えないって」
「残念ですね。ナギさんの泳ぎを見たかったのに」
「だから------------!?」

会話はしていたものの、悠太の声で無いとようやく気付いたナギが振り返ると、ハヤテが居た。

「こんにちは、ナギさん」
「ハ、ハヤテ!?///////////////////////////////////来ていたのか/////////////////////////////」
「ええ」

ハヤテの笑顔にナギの胸は高まった。

「そ、それより。さっき言ったよな?私の泳ぎが見たいって//////////////////////////////////」
「そうですね。悠太に聞いたんですよ。ナギさんが泳ぎの訓練をして、泳げるようになったって」
「あ、ああ/////////////////////////////////////////」

ナギは赤くなりつつ

「み、見たいのか?私の泳ぎ///////////////////////////////////」
「ナギさんの水着姿も、ですが」

ハヤテにこう言われたナギは立ち上がると

「着替えてくる。一応水着は持って来てあるから/////////////////////////////////」

ナギは大急ぎで三千院家の別荘へ戻って行った。
すると、このやり取りを見ていたマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギったら、あんなに嫌がっていた水着に着替えたりする事をハヤテ君に言われただけで実行するなんて♪これはチャンスですね〜♪ああ♪)」

こんな事を思っていた。

すると、ハヤテの元へナギとは入れ違いに悠太が来て

「ハヤテ、お前も来たのか」
「まあね。折角皆さんが居るから、来ようかと思ったからだよ」
「成程な」

すると悠太は、ナギが気付かなかったであろう事を悩んだが聞く事にし

「なあハヤテ、背中のそれ、どうしたんだ?」

ハヤテの背中にはアテネがしがみ付いていて、子猫の様に甘えていた。

「いやね、さっきから離れてくれないんだよ。無理やり離そうとしても、無理だし」
「そうか?」

悠太はハヤテの背中にしがみ付くアテネを引き剥がそうとしたが、アテネは意地でも離れようとしなかった。それどころか、まるで猫の様に威嚇してきた。

「成程なあ。ってか天王州、恥ずかしくないのか?」
「フンッ。私は連休の初めから今朝までハヤテと会えなかったんですのよ。我慢の限界ですわ」

そう言うと、また子猫の様に甘え出した。

「(成程な。不足したハヤテ分を補おうってわけかい。ハヤテも大変だな)」

悠太はアテネのハヤテへの依存度を知っていたので、これ以上の言及は無駄だと悟った。
少しすると、水着に着替えたナギが戻ってきた。

「ど、どうだ?ハヤテ//////////////////////////////////////////」

ナギの水着は可愛らしい花柄のビキニであった。
ハヤテは少しの間無言でナギの水着姿を見た後

「すみません。ナギさんの水着姿が可愛すぎて、つい見とれちゃいました」
「そ、そうか////////////////////////////////////////」
「お似合いですよ。水着のおかげで、ナギさんの可愛らしさがより際立って見えますよ」
「/////////////////////////////////////////////////////////」

褒め言葉の連続にナギはさらに真っ赤になりそれを誤魔化す為に準備運動を始めた。

すると、ハヤテが来ている事に気付いた麗と泉が来て

「ハヤテ君、来てたんだ」
「ひ、久しぶり?だね/////////////////////////////////////////」

ハヤテとしては、泉の顔が赤い理由は分からなかったが

「本来は一足先にアテネに来てたんですが、色々あって、合流が遅れてしまったんですよ」
「そうだったんだ」

するとハヤテは麗と泉の水着姿を見て

「お2人とも、水着お似合いですよ」

突然褒められた2人は一気に顔が赤くなった。
ハヤテはそれに気付かず

「時任さんは、その可愛らしいワンピースタイプの水着のおかげで、普段は目立たなかった可愛さを引き出せていますし、瀬川さんはビキニタイプの水着にプリントされた可愛い柄のおかげで瀬川さんのあどけなさと隠れがちな大人っぽさが引き出せてて、とってもお似合いです。あ、お世辞じゃないですよ」

ナギ同様、褒め言葉の連続に、ハヤテに好意を寄せる2人には効果覿面であった。
そんなハヤテに当然アテネは納得いかず

「い、痛い痛い。アーたん、何で締め付けるの?」

アテネは力を入れて、ハヤテに締め技を掛けていた。

「フンだ。私以外の女を褒めるからですわよ」
「い、良いじゃん別に。怒らなくても----痛いって」

このとらえ方次第ではカップルがじゃれている様子に麗も泉も納得がいかず、ふくれっ面になっていた。

っと、そこへ

「ハヤテ、準備運動が終わったから、見てくれ」
「勿論です。頑張ってくださいね」

ハヤテの笑顔に赤面しつつ、ナギはゆっくり海に入り、ある程度の深さの所まで移動すると、泳ぎ始めた。

ナギの泳ぎはクロールではあるものの、結構綺麗で、「ナギは泳げない」と言う思い込みがある人間を驚かせるのには十分であった。

暫く泳いだ後、ナギはハヤテの元へ来て

「ど、どうだった?///////////////////////////////////////////」
「綺麗でしたよ。おもわず魅了されちゃいました」
「そ、そうか////////////////////////////////////////」
「正直に言うと、「ナギさんは泳ぐ姿も可愛く、可憐だ」と思いました」

ハヤテがナギを褒めたことで、アテネ、ナギ、泉は不機嫌になったが、ハヤテとナギは気付かず

「ハ、ハヤテ。私は毎日悠太にお願いして頑張ったんだ。だ、だからその/////////////////////////////////////」

モジモジと何かを言いたげなナギに、ハヤテは何となくで言いたい事を察し

「頑張りましたね。ご立派でしたよ」

ハヤテはナギの頭を優しく撫でた。
その事で、ナギは目を細めて嬉しそうであった。

「ず、ずるいよ。わ、私だってハヤテ君に撫で撫でされたい」
「な!?なら私だって頭を撫でて貰いたいわよ」

突然そんな事を言い出した泉と麗に、ナギは嬉しそうな顔から一転、一気に不機嫌になり

「ふざけるな!!!!お前達は何も努力してないではないか!!!!私は毎日毎日頑張って、泳げるようになったんだぞ!!!!」
「関係ないよ!!!!ここは平等に撫で撫でされるべきだよ!!!!」
「そうよ!!!不公平よ!!!!!!」

ハヤテは更に反論しようとしたナギを宥め、

「お2人とも落ち着いて。ナギさんに関しては、「頑張ったご褒美」ですから。ここはナギさんに譲りましょうよ。ね」

麗も泉も口をとがらせて不機嫌になったが、ハヤテがこう言う以上は我慢するしかなかった。
その事でナギは勝ち誇った顔になり、ハヤテの頭撫で撫でを独り占め出来た。

ちなみに

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギったらあんなに嬉しそうに♪しかも、独占するなんて♪これはもうかなりの傑作ですね〜♪ああ♪)」

マリアさんは、別の意味で喜んでいた。

その後はナギと麗と泉の泳ぎ対決があったり、その対決で勝った人がハヤテに甘えたりと言った色々な事がありつつも、楽しく遊んだ。

ちなみに昼食はバーベキューで、ハヤテも手伝った。

更にちなみに

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフ♪皆さんのハヤテ君を巡っての戦いは見物でしたね〜♪ナギも必死で無理しちゃって♪これはもう最高ですね〜♪ああ♪)」

こんな風に、別の意味で喜んでいる人も居ました。



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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月21日更新) ( No.76 )
日時: 2014/04/21 18:16
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
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連休もついに最後の夜。ここは三千院家の別荘の一室。

「はあ。昨日もパーティをやったのに、今日もやるのね」
「まあいいじゃん。パーティなら、家でも結構やるじゃん」

話しているのは時任姉弟。弟の勝はパーティへの出席を楽しみにしている様だが、姉の麗は違うようで

「そうなんだけどさ」
「姉ちゃん。だったら、姉ちゃんは出なければいいんじゃない?」
「出ないとは言ってないでしょ」

麗は溜息をしつつも

「でも、あのナギちゃんが主賓を買って出るなんて珍しいわね」

そう、このパーティはナギが開き、全員を招待していたのだ。

「さて、時間だし、行くわよ」
「うん♪」


                     × ×


麗と勝が会場に着くと、殆どのメンバーが参加していた。
ちなみに、悠太とマリアさん以外は全員パーティドレスに身を包んでいます。

「よく来たな。まあ、今夜で旅行は終わりだ。せいぜい楽しんで行けよ」

時任姉弟がテーブルに近付くと、ナギがそう言ってきた。

「招待ありがとね」
「気にするな」

そう言うと、ナギは行ってしまった。

そのナギは主賓席と思わしき所に着くと、準備をしていた悠太に

「な、なあ悠太。あ、あのさ」
「ハヤテならまだだよ。ちゃんと来てくれるから安心しろ」

悠太にそう言われたが、ナギは落ち着かなさそうにそわそわと歩き回っていた。
そんな様子を見たマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフ♪ナギったらハヤテ君の事が待ちきれないのね♪あ、そうだ♪来れなくなったと嘘でもついて落ち込ませようかしら♪ああ♪)」

そんな事を考えていると、入り口のドアが開き、ハヤテとアテネがやってきた。
ナギはハヤテが着た瞬間に、ものすごい勢いでハヤテの元へ行き

「ハ、ハヤテ////////////////////////////来てくれたんだな///////////////////////」
「ええ。折角ナギさんが招待してくれたので、来させてもらいました」

ナギはハヤテの笑顔と、普段は見れないハヤテのお洒落着に頬を染めていた。

「じゃ、じゃあ全員そろったし乾杯しよう」

ナギが乾杯の音頭を取ると、それぞれ食事を取りながら談笑し始めた。

「あ、あのさハヤテ///////////////////////////////////」

ハヤテはナギが何を言いたいのか何となくで察し

「そのパーティドレス、お似合いですよ」

ナギのドレスは肩などが露出した、少しだけ大胆なドレスです。

「そのドレスのおかげでナギさんの可愛さがより一層引き出されてて、つい見とれちゃいますよ」
「そ、そうか///////////////////////////////////////////」

ナギは照れつつも

「な、なあハヤテ。ハヤテにとって私は「可愛い奴」なのか?」

不安そうなナギにハヤテは

「すみません。気に障ったのなら謝ります。ですが、僕の中でナギさんは「可愛い女性」何ですよ」

そう言われたナギは少しだけ考え

「(ん!?可愛い「女性」?ハヤテは間違いなくそう言ったよな。「女の子」じゃなくて)」

そう考えると、また真っ赤になり

「(そ、そうか。ハヤテは私の事女として見てたのか。なら、可愛いって言葉も悪くないな)」

ナギは照れたのか、ハヤテから離れて行った。
このやり取りを見ていた悠太は

「(やれやれ。流石と言うべきか。ハヤテはああいう照れる様な事を言える天才だよな)」

呆れるやら感心するやらであった。

と、そこへ

「あ、あのハヤテ様/////////////////////////////////////」

今度は伊澄がやってきた。

「あ、伊澄さんいらしてたんですね」
「は、はい////////////////////////////////////////」

なぜ伊澄が赤いのかと言うと、

「伊澄さんも、お洒落してるんですね」
「あ、あの。変じゃないですか?ナギにプロデュースしてもらってんですが/////////////////////////」

恥ずかしそうにしている伊澄にハヤテは笑顔で

「お似合いですよ。普段の和服姿の伊澄さんも可愛らしいですが、そう言う格好も新鮮で、可愛らしいですよ」
「//////////////////////////////////////////////////」
「いっその事、日常的にお洒落してみては?きっと、似合うと思いますよ」
「み、見たいですか?そんな私を//////////////////////////////////////」
「それは勿論」

ハヤテの笑顔に伊澄は

「(ハ、ハヤテ様がそう言うなら、咲夜にでも頼んで和服以外も着てみようかしら)」

とか思いながら、ナギの元へ向かった。

その後もナギ達を褒めた事を聞き付けたハヤテに好意を寄せる女性陣がハヤテの元へ来て、意見を求めた。
当然ハヤテは全員を別々の言葉で褒め称え、全員を真っ赤にさせた。
勿論、ハヤテは女性陣が赤くなった理由は分からない。

ちなみに、全てのやり取りを見ていたマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギを含めて皆さん可愛らしいですね〜♪ハヤテ君に褒められて真っ赤にして♪さっきは邪魔されましたが、不問にしましょう。だって♪私のコレクションが増えまくりましたからね〜♪ああ♪)」

こんな事を思ってました。

そして

「ハヤテ」

一通り終わったのを見計らい、悠太が声をかけた。

「悠太、今日はありがとね」
「いいって。礼ならお嬢様に言えよ」

それでもハヤテは悠太に頭を下げた。

「でもさ、僕もお手伝いしなくていいの?」
「気を使うな。このパーティじゃハヤテは「お客様」だ。俺とマリアさん。ついでにクラウスさんに任せておけばいいんだよ」

一応言いますが、クラウスも居ます。忘れないで上げてくださいね。

「そう。だったら、楽しませてもらうよ」
「それはいいんだけどさ」
「何!?」

悠太は言うべきか少し悩んだ後

「天王州は、まだその状態なのか?」

ナギ達はあえて触れなかったが、未だにアテネはハヤテの背中にしがみ付き、子猫の様に甘えていた。

「流石に着替える時は離れてくれたけど、それ以外の時はずっとなんだ」

流石のハヤテも疲れた様子でそう言っていた。

「なあ天王州、いい加減離れたらどうだ?食事とか出来ねえぞ」

そう言われたアテネは悠太を睨みつけるように鋭い視線を送り

「嫌ですわ♪私が満足するまではこのままですわ♪」
「アーたん、食事はどうするの?折角悠太やマリアさん、クラウスさんが作ってくれたんだから、食べないと」
「大丈夫ですわ♪ハヤテに食べさせてもらいますから♪」

最上級の笑顔でそう言い切ったアテネに、ハヤテには「諦める」と言う選択肢以外は無い様だ。

その後はアテネの存在を無視したナギや麗、ヒナギク達と話しながら食事を楽しんでいた。


                   × ×


ある程度楽しんだ後、ハヤテは1人でテラスに出ていた。
当然と言うか、アテネはごねたが、何とか説得して1人になった。

ハヤテがテラスで風に当たっていると

「ハヤテ君」

綺麗な声が聞こえ、振り向くと、瑞希さんがハヤテの隣に腰かけた。

「瑞希さんも参加してたんですね」
「まあの。私もナギちゃんに招待状を貰ったからの」

瑞希さんはハヤテをとても優しい目つきで見ていた。
ハヤテは心の奥底まで見られているような感覚になっていた。

「ハヤテ君、お主はこの先どうするつもりじゃ?自らの中に世界を支配へと導かねぬ爆弾を抱えている状態で」

ハヤテは夜空を見上げ、暫く考えた後

「出来る事なら、皆さんの傍で過ごしたいですよ。皆さんが僕を必要としてくている限りは」
「そうか」
「でも、僕の中にある爆弾が破裂しそうな時は、この命を絶つつもりです」

瑞希さんは目を閉じて考え込んだ後

「それでよいのか?ハヤテ君を大切だと思う子たちを悲しませる事にはならぬか?」
「そう、かもしれませんね。ですが、「世界の支配」なんて事が起これば、多くの人々を苦しませ、悲しませてしまいます。そんな事になるぐらいなら、大人しく死を選びますよ」

瑞希さんはゆっくりと立ち上がり

「私としては、そんな事は起こってほしくは無い。私自身も、ハヤテ君が居なくなれば悲しむ事を忘れないでおくれ」

パーティ会場に戻って言った瑞希さんを見送った後

「(白桜、再び悲劇が起りそうなときは、頼むよ)」
「(マスター、私は何も言いません。私は、貴方の決定に従うだけです)」
「(そう。だったら、------------)」
「(そんな事にならない事を私は願いますよ)」

ハヤテは暫く物思いに耽った後、会場に戻った。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。
次回は続きです。

ちなみに、後2話か3話で第二部は終わりです。

では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月24日更新) ( No.77 )
日時: 2014/04/24 18:17
名前: masa

こんにちはmasaです。

早速本編です。

どうぞ。
----------------------------------------------------------------------------------

前回、ハヤテとアテネは三千院家の別荘で開かれたパーティに出席した。


パーティもお開きになり、2人とも天王州家の別荘に戻ってきた。
とは言っても、未だにアテネはハヤテの背中にしがみ付いていたが。

「はあ。ねえアーたん」
「なんですの♪」

ハヤテは溜息をつきつつ

「いい加減降りてよ。もう十分でしょ?」

アテネは暫く考えた後

「そう、ですわね。満足できましたわ」

そう言うと、ようやくハヤテの背中から離れた。と思いきや、今度は腕に抱きついてきた。

「今度はこっちですわ♪」

嬉しそうに腕に抱き付くアテネにハヤテはこれ以上の言及は無駄でしかないと判断した。

「そう言えば、お風呂どうするの?沸かしておいてくれたみたいだけど」
「何を言ってるんですの?一緒に入るに決まってるじゃありませんか」

答えの予想が付いていたからなのか、ハヤテは特に驚かず

「一応聞くけどさ、何で?」

ハヤテが聞いた途端、アテネは抱き付く力を強めた。

「ハヤテが先に行ってしまってから、私はずっとずっと寂しかったんですわ。一緒にお風呂に入れなくて、満足できなかったんですわ」
「あのさ、何回も言ってるけど、もう一緒に入らなくても」

ハヤテの言葉は途中で遮られた。なぜなら、アテネがキスしてきたからだ。

「黙りなさい。ハヤテは私と一緒にお風呂に入る。これは絶対的な決定事項なのですわ」
「で、でもさ」

思春期のハヤテからすれば、アテネとの入浴は恥ずかしいので、何とかしてアテネを説得しようとしたが

「私に寂しい思いをさせた罰ですわ。今日は絶対に一緒ですわ」

目を潤ませているアテネにハヤテはここでも諦めると言う選択肢以外は見いだせなかった。


                    × ×


「アーたん、痛くない?」
「大丈夫ですわ」

ミダスとの戦いで怪我を負っているアテネはお湯につかる事は出来ないので、ハヤテに体を拭いてもらうだけにしていた。

「それにしても、ハヤテは相変わらず上手ですわね」
「そ、そう?ありがと」

ハヤテからすれば、子供のころからアテネの体を洗わされ続けてきたため、こう言う事には慣れていた。
とはいえ

「(うう//////////////////////////もういい加減勘弁してほしいよな////////////////////スタイルのいいアーたんにこう言う事するのって、どれだけ年月を重ねても、慣れないんだよな////////////////////////////////)」

やっぱり照れちゃうのである。

ある程度体も拭き終わり

「さて、じゃあ今度は私がハヤテの体を洗ってあげますわ」
「い、いいよ」
「遠慮は無用ですわ♪」

最上級の笑顔のアテネに、ハヤテは嫌な予感以外はせず、抵抗を試みようとしたが、無駄に終わった。

「さあハヤテ、洗ってあげますわよ〜♪」


この先はカットで。


                        × ×


風呂から上がった後、2人とも疲れていたのもあり、すぐにでもベッドに入る事になった。
勿論一緒のベッドだ。
一応補足すると、ハヤテは一緒に寝る事自体は反論しませんでした。

「あのさ」
「なんですの?」

ハヤテは頭を数回掻いた後

「少しでいいから離れてくれない?寝にくいんだけど」

アテネはハヤテにしっかりと抱き付き、密着状態であった。

「嫌ですわ♪こうやって一緒に寝る事も出来ず、我慢してたんですから、これが当然ですわ♪」

ハヤテはこの日何回目になるか分からない溜息をついた。

「フフ♪ハヤテ〜♪」

とはいえ、嬉しそうなアテネに、ハヤテは嫌な気はしなかった。

「連休も明日で終わりだね」
「なんだか、あっという間でしたわね」
「色々あったもんね」

その色々はミダスのせいもあったが、アテネは何も言わなかった。

「ねえハヤテ」
「何?」
「このままこっちで過ごしましょうよ」

突然そんな事を言い出したアテネにハヤテは驚き

「な、何で?どうした、急に」
「日本に帰れば、あの忌々しい小娘が居るからですわ」

ハヤテは直感的に

「(神尾崎さんの事だな)」

と思った。

「でもさ、そう言う訳にはいかないでしょ。日本ではやる事あるし」
「で、ですが」

不安そうなアテネにハヤテは

「大丈夫だよ。今度ばっかりは、離れないよ。ずっと」
「ハヤテ」

優しく諭したが、まだ不安そうなアテネに

「僕はアーたんの前から居なくならないよ。約束する」
「ハヤテ〜」

アテネはまた泣き出した。

「もう。泣き虫だな〜」
「ハヤテのせいですわ」
「僕は、何回でも約束するよ。「ずっと一緒だよ」」

子供のころに交わした約束を再度聞かされたアテネは涙が止まり

「ハヤテ」
「ん!?って、寝ちゃったのか」

ハヤテに抱き付いたまま眠ってしまった。

「(「ずっと一緒」か。出来れば、そうありたいよな)」

しかし、自らの抱える爆弾で死を覚悟しているハヤテは

「(何時の日か、僕の爆弾は破裂しちゃうかもしれない。その時は永久に居なくなる決断をするしかないんだよね)」

幸せそうな寝息にハヤテは決意が揺るぎかけたが

「(ごめんね。何時の日か絶対、約束を破る時がやってくる。その時まで、一緒だよ)」

自らにそう言い聞かせ、ハヤテも眠りについた。


----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

なんだか、最近微妙ですみません。

次回で第二部はお終いです。
では。
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Re: 女神と共に第二部 (4月24日更新) ( No.78 )
日時: 2014/04/25 16:20
名前: 氷結アイスブリザード

こんにちは!
ハヤテはアテネにベタボレされていていいの〜
お風呂もいっしょでアテネも満足ですね
大人の一線こえないハヤテはすごい精神力です
アテネさんはいつでもばっちこいなのに
長編の更新いつもはやくてうらやましいです
わたしもダンガンロンパのクロス早く更新できたい
それではまた
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Re: 女神と共に第二部 (4月27日更新) ( No.79 )
日時: 2014/04/27 18:38
名前: masa

こんにちはmasaです。

レス返しの更新です。

 ●氷結アイスブリザードさん

 >>こんにちは!

 アテネ「こんにちは。感想ありがとうございます♪」

 >>ハヤテはアテネにベタボレされていていいの〜

 ハヤテ「え、ええ。まあ、そうですね」
 アテネ「♪、♪、♪」←甘えてる

 >>お風呂もいっしょでアテネも満足ですね

 アテネ「ええ♪一緒に入れなかった期間、寂しくて寂しくて」
 ハヤテ「だからって。一緒はそろそろやめようよ」

 >>大人の一線こえないハヤテはすごい精神力です

 ハヤテ「昔から、ですからね。もう慣れちゃいましたよ」

 >>アテネさんはいつでもばっちこいなのに

 アテネ「勿論ですわ♪何なら今からでも」
 ハヤテ「止めてね」

 >>長編の更新いつもはやくてうらやましいです
  わたしもダンガンロンパのクロス早く更新できたい

 更新速度は結構普通な気が。まあでも、速度はそれぞれなので、頑張ってくださいね。

 >>それではまた

 はい〜♪感想ありがとうです〜♪

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Re: 女神と共に第二部 (4月27日更新) ( No.80 )
日時: 2014/04/27 18:45
名前: masa

こんにちはmasaです。

第二部最後の更新です。

本編どうぞ。
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アテネ達は連休最終日にアテネ市のビーチに来ていた。

「うひゃあ。気持ちいい」

昨日同様みんなして泳いでいた。
とは言っても、まだ怪我の治っていないアテネ、悠太、ヒナギクは着替えておらず、おもにビーチバレーで遊んでいた。

今回は、ナギは最初は泳いでいたが、疲れと飽きで止めて伊澄と共に砂で色々と作っていた。

ハヤテは悠太、マリアさんと一緒にお昼や帰りの準備などで忙しく動いていた。

それもひと段落つくと

「そう言えばさ、天王州の奴落ち着いたみたいだな」

パラソルの下で寛ぐアテネを見た悠太はハヤテに話しかけた。

「昨日は大変だったよ。ず〜っとくっついてくるし、キスだって昨日だけで何回された事か」

疲れた様子で話すハヤテに悠太はハヤテの背中を軽くたたき

「まあ、あいつのあの性格は今に始まった事じゃ無さそうだし、「諦める」以外は無いんだろ?」
「まあ、ね」
「なら頑張れよ。悪いが俺は応援しか出来ねえがな」
「ははは。十分だよ」

こんな風に話していると

「あ、あのハヤテ君」

声を掛けられ振り向くと、愛歌さんが居た。勿論と言うか、水着姿であった。

「あ、あの。どうかしら?//////////////////////////////////」

赤い顔で照れつつハヤテに勇気を出して聞いていた。
ちなみに、愛歌さんの水着は紫のワンピースタイプの水着です。

ハヤテは少しの間黙り込んだ後

「すみません。つい見とれちゃいました」
「き、気にしてないわ////////////////////////それより、感想は?/////////////////////」
「そうですね」

ハヤテは僅かに間を開け

「水着のおかげで愛歌さんの大人っぽさと、内包されている可愛さが見事に引き出されてますね」
「そ、そう?//////////////////////////////////////」
「お世辞抜きにお似合いですよ」

笑顔を向けてきたハヤテに愛歌さんは真っ赤になった。

それを見ていた悠太は

「(ハヤテめ、相変わらずだな。女性が喜ぶであろう言葉を的確に読み、的確な順番で言いやがる。何時か大変な目に会わなきゃいいけどな)」

呆れつつも心配もしていた。

そんな悠太を尻目にハヤテはさらに

「ですが、大丈夫ですか?か弱い貴方じゃ日焼けや日射病などが心配なのですが」

心配された愛歌さんはまた真っ赤になり

「だ、大丈夫よ////////////////////////日焼け止めは塗ったし、パラソルの下からあんまりでない様にするから」
「そう、ですか。ですが、少しでも不調を感じたら言ってくださいね。1秒以内に駆けつけますから」
「わ、分かったわ///////////////////////////」

愛歌さんは照れを誤魔化す為に、少し離れた位置のパラソルの下で寛ぎ始めた。

「(全く。何かあっても俺知らねえぞ)」

悠太はもはや呆れるのみであった。

っとそこへ

「悠太〜。喉乾いた〜」
「あ、でしたら、これどうぞ」

悠太が飲み物を渡すより先に、ハヤテがナギに飲み物を出した。

「お、美味いな」
「僕のお手製です。今日は暑いので、少しでも涼しくなれる物を用意しました」
「そうか。ありがとな」
「いえいえ」

するとハヤテは、ナギと伊澄が完成させた砂の像を見て

「ナギさん凄いですね」
「何が?」
「あの像ですよ」

ハヤテは像を見ながら少し間を開け

「ナギさんらしいアニメ物ですね」
「そうか?」
「ナギさんの凄さと言うか愛情みたいのが伝わってきますね。勿体無いから、いつまでも残しておきたいぐらいです」

ハヤテにここまで言われ、何となくで作ったナギは照れまくった。

「僕、ナギさんの事を改めて凄いと思いますよ。ああいう物を作れる器用さがあるのであれば、お嫁に行っても苦労はなさそうですね」

「お嫁」と言う言葉にナギは過剰に反応し

「(嫁か。も、もちろん婿はハヤテだよな////////////////////////////////ハヤテと結婚か〜/////////////////////////////////)」

ナギはハヤテとの結婚生活を妄想し始めた。
そんな様子を見たマリアさんは

「(フフフフフフフフフフフフフフフフフ♪ナギったらあの様子だと、ハヤテ君との結婚生活を妄想してますね〜♪妄想内容を録画出来たら良いんですけどね〜♪そうればまたコレクションが♪ああ♪)」

こんな事を考えていました。


                     × ×


そしてついに帰国の時間。

三千院家のプライベートジェット機と天王州家のプライベートジェット機のどちらに乗るかもめたが、行きは三千院家のものだったので、帰りは天王州家の方を利用する事にした。

当然、ハヤテの隣に誰が座るのか大いにもめたが、ナギとアテネがじゃんけんで勝ちとった。
麗と泉、愛歌さんは少しでも近くへと言う思いですぐ後ろに座った。
ちなみに、ヒナギクは勝と美希が慰めています。

「では皆様、出発します。シートベルトをしっかりとお締めください」

クラウスの言葉に全員が従い、シートベルトを締めた。

「ナギさん、色々ありましたが、旅行楽しかったですね」
「ああ。ハヤテにも会えたしな」
「ええ。またこうして旅行できるといいですね」
「ああ」

楽しそうに会話するハヤテをアテネはアホ毛で攻撃し、邪魔されたナギと口論になった。

「(旅行も楽しかったけど、日本に戻ってからも楽しいだろうな。まあ、嫌な予感もしないでもないけどね)」

ナギとアテネの言い争いを見ながら、ハヤテはそう思っていた。






一方。日本。

「綾子、例の件。準備終わったぞ」
「ありがとうございます、お父様」

綾子は笑みを浮かべ

「これで、ハヤテ様は私の物に♪フフ♪」

綾子はハヤテの写真を見ながら嬉しそうに更なる笑みを浮かべた。



更に、日本の別の場所。

「(やれやれ。やる事が無いからって、また同人誌即売会に来てしまった)」

千桜は溜息をつきつつも

「まあいいか。新人発掘でも楽しむか」

すると、千桜は初めて見たサークルに前で足を止め、売っている同人誌を見てみた。

「(あ、面白いな。まだまだ荒削りだが)」

千桜が読んでいると

「あ、あの」

売り子の子が声をかけてきた。

「これ、面白いですよ。幾らですか?」
「買っていただけるんですか?」
「勿論」

千桜が答えると、売り子の人は嬉しそうに

「300円です」


この2人の少女の出会いが後に色々と影響を与えて行く事をこの時はまだ2人とも知らない。







そして、同時刻のある場所。

「これで、情報はすべて揃いました」

書類に改めて目を通し

「待っててね、ダーリン」








様々な事が起こったゴールデンウイークも終わり、日常が戻ってきた。


しかし、また新たな戦いが起こる事はこの時は誰も知らないのである。







            第二部 〜アテネ市の死闘〜 完



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以上です。
次回から第三部になります。
では。
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