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Straw hat
日時: 2013/05/22 19:50
名前: 唐笠

1日ぶりにこんばんは。唐笠です。

今回は原作のもしもあの時○○だったらという、俗に言う原作IFですね。
どこがどう変わったかまでは、最期まで明言しませんのでそこも一興としてお楽しみください。

では、どうぞ
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Re: Straw hat ( No.1 )
日時: 2013/05/22 19:51
名前: 唐笠


燦然と輝く星空。
きっと、それ以上にこの世にきれいなものなんてない…
無条件にそう思えてしまう。


「なぁ、ハヤテ?」


「どうかしましたか、お嬢様?」


その星空を僕の隣で眺めている、小柄な少女の問いかけに僕は振り向かずにこたえる。


「もしもこの先の未来、お前がいなくなってしまったら私はどうすればいいんだろうな?」


夜空の静寂を崩さぬその問いは僕の僕の胸をわずかに痛めた。
それは一度、僕が果たせなかった約束だから…

僕が果たすことのできなくなってしまった約束だから……

でも、いつか僕はまたこの約束をするのだろう…
次こそはと願いながら、きっとそれは叶わない。


「大丈夫ですよ。
僕はお嬢様を見捨てたりしませんから…」


だからだろうか…
僕はそれをごまかすように穏やかな口調でその言葉を紡ぐ。

いつもと同じように…
変わらずにその言葉を……


「そうか。なら、安心だな♪」


きっと、少女は笑顔なんだろう…
僕なんかでも傍にいてくれることが……

でも、ここから約数年後、僕はウソつきになる。

何度でもウソつきになる…

もう、何度もウソつきになった……


「でも…もしハヤテがいなくなっちゃたら……
私の前からいなくなっちゃたら…
それがハヤテの意志ならば…私は止めないよ…」


夜風に乗る小さな声。
どうしてそんなことを言うのだろう…

何十年にもわたる記憶を探っても少女がこのようなことを言った試しがない。
まぁ、少しの変化が大きな変化をもたらすのが世の常だから今さら気にしても仕方ないのだが…

だが、変わらないものもあった…
どれだけ足掻こうとも届かないものがあった…

それでも、僕は手を伸ばすことをやめない。
何度も繰り返し、何度も届かなったそれを求め続ける。

きっと、これから先も変わることはない。
きっと、届くことは永遠にない…

そう頭で理解していても、僕はそれをやめなかった。
なぜなのか。無駄なことをなぜ繰り返すのか…
その理由を僕は知っているようで解らなかった……

唯一言えるとすれば、ただ少女の悲しむ顔が見たくないから…
僕ならば自分の期待に応えてくれると信じている少女を裏切りたくなかったから……

そう願いながらも僕は少女を裏切り続ける。
たった今した約束をウソにする…

結局、僕はどう足掻こうとも少女を裏切る形になってしまうのだ。
それは、僕が少女の傍にいる事が相応しくないという神からのお告げだろうか…
それとも、己の無力さを知らしめ、どこかで嘲笑っている悪魔のいたずらだろうか……

どちらにしても、僕は運命に翻弄され続けていた。
終わることのないループを繰り返し続ける僕はどこへ向かっているのだろう?
いつ終わるのだろう…?

もう、何回繰り返したかもわからない。
もう、数える事すら億劫になってしまった。
もう……少女を裏切りたくないのに……

それでも、時間は進んでいく…
刻一刻と、始まりと終わりの交わる場所へと向けて…











































―――――――――今から数年間。またおまもりしますから…
















































――――――――――せめて僕がいる間だけは笑っていてください……




















































―――――――――――それが僕のたった一つの願いだから



















































初夏に差し掛かる前のある日、僕は麦わら帽子へと手を伸ばした


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