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Breath〜君と息衝く日々〜 3
日時: 2012/06/15 00:05
名前: 道草

どぅも★道草です!

はい、ついにというかようやく3スレ目に突入しました!!

これもひとえに読んでくださる皆様のおかげ、ありがとうございます!!

これを機に、初心に戻って頑張ろうと思います。

ちなみに前回の感想のレス返しは前スレで行っているのでそちらをご覧ください。



さて、この作品は基本的にはなんでもない日常をコメディっぽく書いたものになります。

少しでも楽しんでもらえたら幸いです♪

では、改めまして今後ともよろしくお願いします♪


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◆オリジナルキャラクター・プロフィール

【名前】紫藤 息吹 (シドウ イブキ)

【性別】 女

【年齢】 17歳

【誕生日】 9月1日

【身長】 162cm

【体重】 42kg

【好き】 親友、甘いもの、ハヤテの盗撮

【嫌い】 両親、自分自身、雷


ハヤテの中学時代の同級生であり親友。

瞳の色は紅で、顔立ちはやや童顔。胸は某生徒会長並み。

黒髪で初登場時はショートヘアだったが、現在は肩よりすこし下の長さ。

翼をモチーフにした銀のバレッタ(髪留め)を首すじあたりにつけている。

男勝りな性格で男口調。身体能力と人生経験はハヤテ並み。

現在は様々なバイトをこなしながら生活している。

今スレで遂にハヤテとの過去が明らかになったり、ならなかったり……
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Breath ? (6/15 更新) ( No.1 )
日時: 2012/06/15 00:05
名前: 道草

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第五十八話 『一応言っておくと女装ではない』


天下に轟く名門校、白皇学院。

その敷地内の一角に、風変わりな建物が建っている。

ここは動画研究部。

最新の技術を用い、現在の情報化社会の要ともいえる記録映像を日夜研究し、更にはその中に芸術性をも見出すという、高尚な部活動。

……という建前のもと、実際はダラダラと一日中動画を眺めていたり、テキトーに変なものを撮影していたりするお遊びクラブである。

その部室で、今日も部員達は活動に励んで……





「あ〜、退屈だな〜……」

……いなかった。

前髪をカチューシャで後ろに上げ、某映画では『オールバック先輩』と呼ばれたこともある少女『花菱美希』は、机に突っ伏しだらけきった声をあげた。

それを見ていたもう一人の部員、某映画ではある意味一番はっちゃけていたと思われる少女『朝風理沙』は、同感だとうなずく。

お前らちゃんと活動しろ。

「またハヤ太君でも呼んで女装させるか?」

ヒマをもてあまし理沙がそう提案するが、美希のテンションは上がらない。

「う〜〜〜ん……それも悪くないが、たまにはもっと別なものがみたいな」

この会話だけで、ハヤテがいつも女装させられているということがわかる……ご愁傷様だ。

美希は手持ちぶさたでスマホをいじりだす。

その時、彼女の頭にピコーンとあることが閃いた。

マンガなら電球が光る描写が入るとこだろう。

美希はニヤニヤしながらメールを打ち出した。

文面はこうだ。



『緊急事態発生!ハヤ太君がピンチ!!至急応援求む(笑)』



「……送信っと♪」

宛先を確認し美希が送信ボタンを押した、その2秒後……

「ハヤテは無事かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

「・・・・・・」

扉を豪快に蹴破りマッハの速さで登場したのは、ハヤテの中学時代の同級生であり親友である『紫藤イブキ』だ。

「……早かったな」

「……救急車も真っ青だな」

驚きを通り越して若干呆れる美希と理沙。

そんな二人の様子はお構いなしに、イブキは周りをきょろきょろと見回しハヤテを探している。

「で?ハヤテはどこだ!?」

「あー、スマンスマン。あれは嘘だ」

「は!?」

美希は悪びれた様子もなく軽い調子で謝った後、話を続けた。

「今日呼んだのは他でもない。イブキ君にこれを着てもらおうと思ってな!」

その声を合図に、理沙はいつの間にか用意していた服を広げた。

恐ろしい手際の良さだ。

そして差し出されたのは、美希と理沙も着ているピンクを基調とした白皇の制服だ。

「……帰っていいスか?」

イブキはあからさまに白けた様子で出口へと向かう。

だがここで「はい、そうですか」と帰すほど、この二人はバカではあるが甘くはない。

「いまだ、やれ理沙!」

「イエッサー!!ポチッとな♪」

理沙がなにやら怪しげなボタンを押すと、イブキの真下の床がすっぽりと抜けた。

「にゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」

ドスンと落下したイブキ。

さいわい下にはクッションが敷いてあって痛みはない。

見上げると美希と理沙が顔を覗かせていた。

「ふふふ、逃げても無駄だぞイブキ君!」

「この部室には設立者である初代部長が作った様々な罠が張りめぐらされているのだ!」

「誰だよ、そんなもん作ったのは――――――――――――――――――――――!!」



*   *



「くちゅん!」

白皇学院職員室。

眼鏡をかけ白衣を着た高等部二年学年主任こと『牧村志織』は、可愛らしくクシャミをした。

それを見て、ジャージを着た体育教師『薫京ノ介』は気遣って声をかける。

「風邪ですか?牧村先生」

「いえ、そういうわけではないと思うんですけど……」

「何があっても風邪をひかないであろうあのバカと違って、牧村先生は天才で繊細なんですから気を付けてくださいよ?」

そう言って京ノ介は自分の後ろにいる人物を親指で指し示した。

ゴッ!

鈍い音が職員室に響き、京ノ助は声にならないうめきをあげ、床を転げまわる。

その様子をダメ人間こと『桂雪路』は額に青筋を浮かべ見下ろしていた。

その右手にはビール瓶。これで被害者を殴打したものと思われる。

「誰がバカだこの野郎!」

「真っ昼間から職員室でビール瓶持ち歩いている奴はバカ以外の何物でもねぇよ!!」

京ノ介は頭をさすりながら顔をあげて叫んだ。

まごうことなき正論である。

だがそれが火に油を注いだようだ。

「なんだとー、この二次元ジゴロ!!そんなこと言うから女にモテないんだよ!!」

「いででででででで!!?ギブギブ!!」

雪路のコブラツイストがきまる。

京ノ介が降参しても止めることはなく、むしろさらに力を入れていた。

そんなプロレスリングと化した職員室で、志織はのほほんとお茶をすする。

「二人とも仲がいいですね〜♪」



*   *



戻って動画研究部部室。

美希達に拉致られたイブキはどうなったかというと……

「おお、似合うぞイブキ君!」

「うむ、これは思った以上だな!」

「・・・・・・」

白皇の制服を見事に着こなしていた。アクセントにリボンまでつけている。

普段は男物の恰好ばかりしているイブキだが、やはり彼女も女の子。

こうして見ると、十分美少女と呼べる。

「意外なほどカワイイな、イブキ君♪」

「よし、これはさっそく動画におさめねば♪」

美希と理沙が褒め称える。

その賞賛の声にイブキは……





ゴゴッ!!

ゲンコツをかました。

美希と理沙は頭を押さえ、涙目で訴える。

「うう、殴ることないだろ〜……」

「女の子を殴るなんて男として最低だぞ〜……」

「誰が男だ!!もう帰る!!」

イブキは息を荒くし、出口へと向かう。

そして登場時に自身が破壊した扉をくぐろうとしたそのとき……

「あ、花菱さん達。ヒナギクさんが生徒会室に来きてくれって……」

「・・・・・・」

バッタリ。

そんな言葉がふさわしい状況であろう。

現れたのはご存じ我らが主人公。間がいいのか悪いのか絶妙なタイミングで登場することに定評のある少年『綾崎ハヤテ』である。

「あれ?あなたは……」

「・・・・・・」

目の前で硬直している少女を見て、ハヤテは首をかしげる。

そしてその少女、イブキは……







「きゃる〜ん☆どうも初めまして〜♪」

はっちゃけた。

そりゃもうどっかのメイド並にはっちゃけた。

イブキ的には自分がこんな恰好をしているとバレるよりも、別人を演じてごまかすほうがマシだと判断したのだ。

それを後ろから見ていた美希と理沙はあぜんとする。

「あたし今日転校してきたんですけど、この学校広いから迷子になっちゃいました〜。てへっ♪」

……イブキの中で『女の子』のイメージというのはこういうものなのだろうか?

もうバレたくないあまりに必死だった。

だが確かにここまでやれば誰もイブキだとは気づかないだろう……







「こんなとこで何やってるんですか、イブキさん?」

「・・・・・・」

……努力のかいなく完全に見破られた。

というかハヤテは最初から気づいていた。

「……う」

「う?」

「うにゃあああああああああああああああ!!」

「ぐはぁっ!!」

イブキのねこパンチが炸裂した……



*   *



―数分後。

そこには仁王立ちするイブキと、その前に正座する三人の姿があった。

イブキは怒り冷めやらずといった様子だ。

ハヤテは小声で理沙に耳打ちする。

「あの……なんで僕まで怒られてるんですか?」

「……同じ動画研究部の仲間じゃないか」

「意味がわかりません……」

イブキはそんな二人をキッとにらみつける。

「そこっ!おしゃべり禁止!」

「「はいっ!!」」

ハヤテと理沙はすかさず姿勢を正す。

一方、美希はビクビクしながら手を挙げて懇願した。

「あの……教官。そろそろ足崩してもいいですか?」

「却下。あと一時間」

「・・・・・・」

美希涙目。

すでに足がしびれていた。

たまらず美希と理沙はハヤテに泣きつく。

「なんとかしてくれハヤ太君!!」

「もう足が限界だ!!」

「僕はまだ全然平気ですけど?」

「「お前と一緒にするな!!」」

仕方なくハヤテはイブキの機嫌をうかがう。

「というか何でそんなに怒ってるんですか、イブキさん?」

「やかましい!!こんな恰好、恥ずかしくてしょうがないわ!!」

「そうですか?」

ハヤテはイブキの制服姿をまじまじと眺めて言った。

「とってもよく似合っていて、可愛いですよ♪」

それはお世辞ではなく、本心からの言葉。

ハヤテは満面の笑顔を向ける。

その笑顔にイブキは……







ジャキン!

ライフルを取り出し、その銃口を向けた。

「ちょ―――――――!!イブキさん、そんなのどこから!?というかなんで!?」

「いや、むやみやたらにフラグを乱立させようとするお前に、全男性読者と作者に代わって制裁を加えようかと……」

「いやいや、なんですかそれ!?」

「じゃかあしい!!ハチの巣にしてくれる!!」

「ぎゃああああああああああああああああ!!」

青い空に響き渡る、銃声と悲鳴。

白皇学院は今日も平和です。


第五十八話 END


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ハヤテにはなぜかイブキの変装は効きません。

同時にイブキにはハヤテの天然ジゴロは効かない……そんな話でした。

ちなみに今回、泉がいないのは理由があります。

ではまた次回♪

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Re: Breath ? (6/15 更新) ( No.2 )
日時: 2012/06/16 00:14
名前: 匿名

初めまして♪道草さん♪匿名と言います♪
最近いろんな人の作品を見てて楽しんでいたら何と!今も作品を継続してて中身も面白いので感想に来ちゃいました♪
で、早速感想を。
イブキさんですか〜。不思議なキャラですね〜。ハヤテには好意を持ってるのは間違いなさそうですけど、恋愛面ではない。どちらかというとお姉さん的立ち位置(個人的主観)。
ハヤテに一行に落ちる気配も無し。でも特別な感情は持っている。
・・・やべー。すげー続き気になる。
では次に本編の感想を!!
・・・あの三人は懲りるってことを知らないのかな?特にイブキさんにやるとか、ハッ!(笑)ハヤテは女の子には攻撃できないから大人しいのにイブキさんにやったらどうなるかは目に見えているって言うのに。
でも以外(でもないか?)なのがイブキさんが必死の形相で来たってことですね〜。彼女はハヤテにどういう感情を抱いているのやら。
そしてハヤテ。お前は〈タイミングを計る〉スキルか〈空気を読む〉スキルが必要だと思うよ?マジで。
最後に道草さん!これからも時間があれば更新されたらすぐ感想に行きたいと思います!
匿名でした♪
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Re: Breath ? (6/15 更新) ( No.3 )
日時: 2012/06/16 14:35
名前: すーさん2012


お久しぶりです、道草さん。すーさん2012です。


今回もいい話でした。

相変わらずハヤテとイブキは、対となってるのがミソッスね。

イブキの制服姿も、………似合うと思いまッス。いっそ、裏入学とかしてはイカガデショウカ?

そーいえば、レッドはどこに?次回も待ってます。

それではまた。
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Re: Breath ? (6/15 更新) ( No.4 )
日時: 2012/06/16 15:34
名前: キー

 どうも〜。キーなり。
先スレはお世話になりまして。今スレもしっかり感想を書いてハヤテのせいにしまくりますよ。

 早速、記念すべき今スレ最初の「♪ハヤテの責任♪」(fromキー)で〜す。

 ・ハヤテ、こういうときはイブキさんの事を考えて知らないふりをしろ。…自然にな。
……ってことで♪、「イブキが辱めを受けて怒ったのはハヤテのせいだぁぁぁぁぁ。」(ついでに美希たちもな。)

 ってことで「♪ハヤテの責任♪」第1回でした〜♪

 では、感想を、

 ナオ「どうも、ナオっちです。・・・ハヤテくん、天然ジゴロを治した方が身のためですよ〜。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 「♪ハヤテの責任♪」で言いたいこと言ったから書くことがなくなったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。ハヤテのせいだぁぁぁぁぁ。(理不尽。どっかのぐうたらお嬢様より理不尽。)

 ってことでまた次回も楽しみにしています。
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Breath ? (6/23 更新) ( No.5 )
日時: 2012/06/23 22:57
名前: 道草

どぅも★道草です!

新スレ早々、感想いただけてうれしい限りです♪

ではレス返しをば。


◆匿名さんへ

>初めまして♪道草さん♪匿名と言います♪


初めまして、匿名さん!!感想ありがとうございます!!

ハヤテ「初めまして。お越しいただきありがとうございます♪」

イブキ「ちーす!感想サンクス♪」


>最近いろんな人の作品を見てて楽しんでいたら何と!今も作品を継続してて中身も面白いので感想に来ちゃいました♪


ありがとうございますぅぅぅぅぅぅっ!!そう言っていただけて本当に嬉しいです♪

これからも少しでも皆さんに笑ってもらえるような作品を目指して頑張ります!!


>で、早速感想を。
>イブキさんですか〜。不思議なキャラですね〜。ハヤテには好意を持ってるのは間違いなさそうですけど、恋愛面ではない。どちらかというとお姉さん的立ち位置(個人的主観)。


バレましたか……。そう、実はハヤテとイブキは姉弟だったんだよ――――――!!

ハヤテ&イブキ「「な、なんだって―――――――――!!?」」

ウソです。


>では次に本編の感想を!!
>・・・あの三人は懲りるってことを知らないのかな?特にイブキさんにやるとか、ハッ!(笑)ハヤテは女の子には攻撃できないから大人しいのにイブキさんにやったらどうなるかは目に見えているって言うのに。


美希「分かっていてもあえてやる!!」

理沙「それが我ら動画研究部!!」

ハヤテ「(懲りてくださいよ……)」


>でも以外(でもないか?)なのがイブキさんが必死の形相で来たってことですね〜。彼女はハヤテにどういう感情を抱いているのやら。


イブキ「親友だから」


>そしてハヤテ。お前は〈タイミングを計る〉スキルか〈空気を読む〉スキルが必要だと思うよ?マジで。


ハヤテ「そうでしょうか?」

女性陣「そうだよ!!」


>最後に道草さん!これからも時間があれば更新されたらすぐ感想に行きたいと思います!
>匿名でした♪


匿名さん、ありがとうございました♪今後ともよろしくお願いします!!


◆すーさん2012さんへ

>お久しぶりです、道草さん。すーさん2012です。


神さま「ども〜♪『マジカル☆チェンジ女神ちゃん♪』ことオルムズト・ナジャです!!いろんな意味でお久しぶり〜♪」

愛歌「ふふっ、霞愛歌です。感想ありがとうございます♪」

なぜに出番のない君たちが!?……それはともかく感想ありがとうございます!!


>今回もいい話でした。
>相変わらずハヤテとイブキは、対となってるのがミソッスね。


イブキは当初『女ハヤテ』というコンセプトから生まれたキャラですからね。

イブキ「初耳なんだけど!?」


>イブキの制服姿も、………似合うと思いまッス。いっそ、裏入学とかしてはイカガデショウカ?


イブキ「まてコラ。なんだ今の間は?」

まぁまぁ……。ちなみにイブキは頭は悪いので裏入学できたとしても、すぐに退学になると思いますよ?


>そーいえば、レッドはどこに?次回も待ってます。


それは今回明らかに(笑)

ではすーさん2012さん、ありがとうございました♪


◆キーさんへ


> どうも〜。キーなり。


千桜「いつも感想ありがとうございます」

キーさん、前スレではありがとうございました!今スレでもよろしくお願いします♪


>先スレはお世話になりまして。今スレもしっかり感想を書いてハヤテのせいにしまくりますよ。


ハヤテ「なんでですか!?」


> 早速、記念すべき今スレ最初の「♪ハヤテの責任♪」(fromキー)で〜す。
> ・ハヤテ、こういうときはイブキさんの事を考えて知らないふりをしろ。…自然にな。
>……ってことで♪、「イブキが辱めを受けて怒ったのはハヤテのせいだぁぁぁぁぁ。」(ついでに美希たちもな。)


イブキ「まぁ大体は事実だな」

美希「あ〜らら、こ〜らら♪」

理沙「い〜けないんだ♪いけないんだ♪」

ハヤテ「小学生のイジメか!!」


> ってことで「♪ハヤテの責任♪」第1回でした〜♪


ハヤテ「シリーズ化する気ですか!?」


> では、感想を、
> ナオ「どうも、ナオっちです。・・・ハヤテくん、天然ジゴロを治した方が身のためですよ〜。」


天然ジゴロ治ったらハヤテじゃない!!

ナギ「ここでまさかの道草の熱弁!?」

イブキ「まぁあたしには効かんけどな」


> 「♪ハヤテの責任♪」で言いたいこと言ったから書くことがなくなったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。ハヤテのせいだぁぁぁぁぁ。(理不尽。どっかのぐうたらお嬢様より理不尽。)


ナギ「この『ぐうたらお嬢様』って誰の事だ?」

マリア「・・・・・・」


> ってことでまた次回も楽しみにしています。


キーさん、ありがとうございました♪



では本編に参ります!!



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第五十九話 『いいんちょさんの悩ましい一日』


―瀬川家。

ここは日本大手電機メーカーの会長宅。

その名に恥じぬ立派な豪邸がそびえている。

しかし中ではなにやら不穏な空気が漂っていた。

「う〜〜〜〜〜〜〜〜む……」

一人の男性がその体格に似合わぬそわそわした様子で、ある部屋の前で右往左往していた。

彼こそ瀬川家の当主であり、ソ○ーの看板を背負って立つ男。

肩書きよりもその個性的なヒゲの方が目立つ、瀬川ストリンガーである。

そんな彼がさっきから何をしているかというと……

「ああ、最近泉の様子がおかしい……。一体どうしたというのだ……」

実の娘の心配をしていた。

娘がいる部屋の前でうろうろするも、嫌われるとマズいので中までは踏み込めない。

娘を溺愛する父親の典型的行動である。

そのとき、執事服を着た一人の少年が廊下を歩いてやってきた。

この家の長男、瀬川虎鉄だ。教育の一環として自分の妹の執事をしている。

虎鉄は父親の様子を見て呆れた様子で言った。

「まったく……。心配しすぎなんですよ。どうせそのうちひょっこり出てきますって」

その発言は執事としてはどうかと思われるが、兄としては妹の事を信頼しているともとれる。

だがストリンガーは……

「シャラ――――――――ップ!!」

「ぐはぁっ!!」

回し蹴りを喰らい、虎鉄は床に倒れ伏した。

「貴様に何が分かる!!娘に何かあったらどうするんだ!!」

「じ、実の息子にはもう少し優しくできないのか……?」

双子の兄妹だというのに、このあからさまな男女差別に虎鉄は真剣に悩んでいた。

なんで男だというだけでこんな目に遭わなきゃならないんだ!

父親には蹴られるし、綾崎とは結婚できないし……

ああ、綾崎と結婚したいなぁ……

虎鉄の思考はだんだんそれていき、いつの間にかハヤテとの新婚生活を妄想してニヤついていた。

そんな虎鉄はほっといて、ストリンガーは叫ぶ。

「うおおおおおおおお、泉―――――――――!!でてきてくれ――――――――!!」



*   *



そんなふうに外野が騒がしい中、部屋の中では……

「はうぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」

理沙と美希と大の仲良しで、生徒会三人組の良心ともいえる少女、瀬川泉は枕に顔を埋めベッドに横たわっていた。

もう三学期も始まって数日経つというのに泉は学校に行かず、こうして部屋の中に引きこもっている。

これがナギだったら別に驚くことではないが、あの泉がである。

落第ギリギリで、サボリ常習犯の泉が!







……うん、やっぱ驚くほどのことじゃないですわ。

それはさておき、泉はゴロンと寝転がり、自分が腕に抱いているのものを見つめる。

それは古いぬいぐるみ。

もうボロボロであちこち縫い目がほつれている。

それでも泉は捨てることなく、直して大事に持っていた。

それは彼女の宝物であり、思い出の品だったからだ。

泉はその遠い日の記憶に思いを馳せる。

幼稚園の頃、学校見学にやってきた白皇の森の中で迷子になったあの日。

危ないところを一人の男の子に助けられた。

幼い頃の私の目にその子はとてもかっこよく見えた。

そして私はその子に……

「……にゃあああああああああああああ!!/////」

両足をばたつかせ、悶える泉。

無邪気にその子にファーストキスを捧げてしまったことを思い出し、顔を真っ赤にする。

だが、問題はここからだ。

実は最近、泉はその男の子と再会を果たした。

いや、正確には思い出した。

なんとそれはクラスメートのハヤテの事だったのだ。

泉がそれに気づいたのは、以前ハヤテがどういうわけか幼児化した姿を見た時だった。(第49話参照)

以来、泉はハヤテと会っていない。

「……うう、もう恥ずかしくてハヤ太君の顔見れないよ/////」

というのが、泉の不登校の理由である。

だがそんな乙女心など、白皇の教育制度は知ったこっちゃない。

ただでさえ成績が悪いのに、これ以上休み続けるのはそろそろマズイ。

既に学校側からも催促がきている。ヘタしたら退学だ、マジで。

「・・・・・・」

泉は気持ちの整理がつかないまま、登校の準備を始めるのであった。



*   *



―翌朝、白皇学院。

天を突き刺すようにそびえる時計塔を見上げ、泉は深呼吸する。

通い慣れたはずの風景なのに、少し緊張していた。

そのとき、聞きなれた声とともに後ろから誰かが飛びついてきた。

「泉〜♪」

「よお、久しぶりだな〜♪」

「ふぇ!?」

美希と理沙が抱きついてきて、髪をグシャグシャと撫でたり、ほっぺをつねったりしてきた。

泉はしばらくそうやってイジられていたが、なんとか抜け出すと二人の顔を見てほっとした。

いつも通りのやりとりに、先ほどの緊張もどこかにいってしまった。

「しかし、ずいぶん休んでいたな?」

「風邪でもひいていたのか?」

「にはは〜、ごめんね」

美希と理沙の問いに、泉は笑ってあいまいに返事をする。

「お前がいない間、こっちは大変だったんだぞ」

「ああ、部室の扉ぶっ壊されるわ、ゲンコツくらうわ、説教されるわと散々だったんだからな」

「ふぇ?」

訳が分からずキョトンとする泉。詳しくは前回参照の事。

そのとき、理沙が何かに気づいて手を大きく振った。

「あ、お〜い!ナギちゃ〜ん、ハヤ太く〜ん!!」

「!?/////」

泉はビクッと反応する。

そして後ろから、二人組がやってくるのがわかった。

一人はもちろんハヤテ。

そしてもう一人はハヤテの主であり、金髪ツインテールのメインヒロイン(笑)、三千院ナギだ。

「おい待て。なんだ今の(笑)は?」

「まぁまぁ、お嬢さま」

物凄い不機嫌になったナギをハヤテがなだめる。

それはさておき、ハヤテ達が近づいてくると理沙と美希は挨拶した。

「やぁ、おはよう二人とも」

「おはよう」

「おはようございます♪朝風さん、花菱さん。……それと」

ハヤテは背を向けたままの泉にニコッと笑いかける。

「おはようございます、瀬川さん♪なんだかお久しぶりですね」

「……お」

泉はビクッと体を震わせると、けっして振り返らず……

「おはよ―――――――――――――!!/////」

そう叫び、真っ赤な顔で一目散に駆けだした。

その様子を一同は唖然と眺める。

「……どうしたんですか、瀬川さん?」

「「さぁ?」」

理沙と美希は首をかしげる。

「……むぅ」

一方、ナギは面白くなさそうに頬を膨らませていた。



*   *



それからも泉は気が気でなかった。

今は世界史の授業中。

黒板には世界各地で起こった出来事や、その年号、詳細などが書かれている。

なぜか隅っこに『酒の歴史&私のおすすめ』とかどうでもよさそうな情報も書かれているが……

生徒たちはみな黒板の内容をノートに書き留めている。もちろん『酒のなんたら〜』のところはスルーだ。

ちなみに美希と理沙は爆睡中。

そんななか、泉の意識は黒板にもノートにも向いていなかった。

その視線の先にあるのは自分の斜め前の席。

泉はハヤテの横顔をじっと眺めていた……

ガスッ!!

「ふにゃ!?」

突然の痛みに、泉は思わず声を上げた。

振り返ると、世界史教師の雪路が立っていた。

教科書で泉の頭を叩いたのだ。

「委員長……あんたさっきからどこ見てるのよ?」

『委員長』というのはもちろん泉の事だ。

彼女は驚くことにこのクラスの学級委員長を務めている。通称いいんちょさん。

もっともその責務をしっかり全うしているとは言い難いが……

雪路はじとっと泉を見下ろす。

「まったく……ラブコメってるヒマがあったら、ちゃんと勉強しなさい!」

「そ、そんなんじゃないよ―――――――!!/////」

教室中に笑いがもれる。

一方、ハヤテは不思議そうな顔をしてナギに尋ねた。

「今日の瀬川さん様子がおかしいですけど、どうしたんですかね〜?」

「知るか」

ナギはフンとそっぽを向いた。



*   *



そんなこんなで放課後。

「ふぅ、終わった〜〜〜〜〜〜……」

泉は机にだらっと突っ伏す。

「結局、意識しちゃってハヤ太君とまともに話せなかったな〜……/////」

ハァとため息をつき、泉は思う。

これから一体どうしたものだろう?

「お〜い、何やってんだ泉?」

「そろそろ帰るぞ〜」

「あ、うん」

美希と理沙に呼ばれ、泉は立ち上がって教室を出ようとする。

そのとき、教室のスピーカーから校内放送が流れてきた。

『高等部2年7組、瀬川泉さん。至急、理事長室まで来てください』

「・・・・・・」

その放送を聴いて、美希と理沙は怯えて震えだした。

「泉……お前、一体何をやらかしたんだ!?」

「しかも、理事長直々って……何をやらかしたんだ!?」

「な、何もやらかしてないよぉ!?……たぶん」

泉は否定するが、どこか自信なさげだ。

『繰り返します。高等部2年7組、瀬川泉さん。至急、理事長室まで来てください』

「うう、美希ちゃん、理沙ち〜ん……」

泉はうるうるとした瞳で親友二人に助けを乞う。

その声に二人は泉の肩にポンと手を置き……

「「ガンバ」」

親指をおっ立て他人事なエールを送った。

「えええええええ!?一緒に来てくれないの!?」

「だって怖いし……」

「私だって怖いよぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

『繰り返します。高等部2年7組、瀬川泉さん……』

「……うう」

泉はあきらめたように肩をがっくりと落とし、トボトボと理事長室に向かい歩き出した。

その後姿を、美希と理沙はびしっと敬礼して見送る。

「生きて帰ってこいよ、泉!」

「もし退学になってもずっと友達だぞ!!」

「不吉な事言うな―――――――――――――!!!」



*   *



―理事長室前。

見るからに重々しい雰囲気の扉で閉ざされている。

泉は緊張で震える手で、その扉をノックした。

「……入りなさい」

「は、はい!!」

凛とした声が中から響き、泉は心臓の鼓動を押さえながら部屋の中に入った。

その様子を廊下の角から窺がっている不審な人物が二人。

美希と理沙だ。

二人は扉が閉まったことを確認すると、コソコソと音をたてないように部屋の前まで移動し、扉に耳をあてた。

なんだかんだ言いつつも泉の事が心配なのだ。

一方、部屋の中では……

「・・・・・・」

長い沈黙。張りつめた空気。

理事長は背もたれを見せる形で椅子に腰かけていて、顔が見えない。

こういう場に慣れてない泉にとって、ここにいるだけで苦痛だった。

「……座りなさい」

「は、はい!」

泉は近くにあった椅子に腰を下ろす。

すると理事長は椅子ごとゆっくりと振り返り、泉と対面した。

黒いドレスに、金色になびく長い髪。

理事長といっても、まだ泉と同年代の少女。

しかしその佇まいや仕種からは、大人な雰囲気を感じる。

それが彼女、天王州アテネだ。

アテネはティーカップを手に取り、紅茶を口にする。

そしてカップを机の上に戻すと、泉の顔を見据えて言った。

「単刀直入に聞くわ」

「は、はい!!」

泉は緊張で体がガチガチになっていた。

そしてアテネは本題を切り出した。







「貴方、ハヤテの事好きなんでしょ?」

「ぶふぉっ!!?/////」

これには泉をはじめ、外で盗み聴きしていた理沙たちまで吹いた。

いきなりそんな爆弾発言が出るとは思っていなかったのだ。

「なななな、なにをいって……!?/////」

軽くパニック状態であたふたする泉。

だがなおもアテネの追及は続く。

「隠しても無駄ですわ!私はすべてお見通しなんですからね!!」

先ほどまでの理事長の威厳はどこへやら……

完全に嫉妬に燃えていた。

「貴方が昔ハヤテをたぶらかしてキスしたことも、もちろん知ってますわ!!」

「な、なんでそれを!?/////いや、べつにたぶらかしてないよぉ!!?」

泉の言葉は無視し、アテネはビシッと扇子とアホ毛で泉を指し示し宣言した。

「ハヤテを賭けて私と勝負よ!!」

「えええええええええええええええええええええ!!?」

かくして、理事長VSいいんちょさんの戦いの火蓋が切って落とされた!!



第五十九話 END


===============================================================================



いいんちょさん勝ち目ね――――――――――――――――――――――――!!!

泉「ちょおおおおお!!道草ちゃんがそれ言っちゃダメでしょ―――――――!!?」

まぁ、とにかく勝負の行方は次回に続きます。

アテネVS泉というのは、ハヤテの過去編読んだ時からずっと見てみたかったので自分で書いちゃいました(笑)

ではまた次回♪
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Re: Breath ? (6/23 更新) ( No.6 )
日時: 2012/06/24 05:41
名前: 匿名

どうも〜♪匿名っす♪
感想に来ました〜♪
では早速感想に行きます♪
泉・・・・・・・まあ、しょうがないよね。初恋の人が実は親しい間柄でそこそこ好意も抱いていた女たらしだもんね。そりゃ驚くし恥ずかしいよね・・・。
・・・しかもファーストキスの相手だし。幼かったとは言え。
そして、理事長!原作ではチビ化した理事長!急にどうした!?泉を呼び出しハヤテとの過去を調べ上げ泉の恋愛感情を確認し、そして最後は・・・抹殺?・・・(ブルッ!)
勝手に想像しといて寒気がした。まあ、大丈夫か。
道草さん♪次回も凄く楽しみです♪
これからも頑張って下さい♪匿名でした♪
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Re: Breath ? (6/23 更新) ( No.7 )
日時: 2012/06/24 16:19
名前: キー

 キーでし。

 まずは……

 調「アテネ、少しはハンデをくれてやれよ。ふつうに考えたら泉が勝てるわけなかじゃけ
ぇ。」

 リン「『普通に考えれば』・・・ね。」

 というわけで…

シリーズ化する「♪ハヤテの責任♪」(fromキー) 第2回で〜す。

 今回は…

 ・アテネが泉に『普通に考えれば泉が勝てるわけがない勝負』を仕掛けたのは、ハヤテの
せいだぁぁぁぁぁぁぁ。

 調「・・・今回はなんか…ふつうよのォ。」

 奏「まぁ、事実しか言っていないから反論できないけどね。」

 リン「まぁ、まともな勝負で負けたら理事長の面目丸つぶれね、…こちらで指揮者をやっ
ている理事長さん♪」(ニコッ)

 調「それと・・・」

 リン「差支えなければ一度『酔いどれダメ教師の桂ゆk・・・以下省略』を殺s…調教した方がいいんじゃないの?・・・私でよければやってあげるわよ。」

 奏「いや、省略するなら『酔いどれダメ教師』を省略しましょうよ。」

 調「それより勝手に人の作品に割り込むな。」

 リン「あんなダメ人間は肩書ではなく名前を省略するのがふつうよ。あと、良ければ・・・と言っているから勝手ではないわ。」

 奏「あと、ストリンガーさんはそろそろ泉に嫌われるわね。」


・・・・・・・・・・ここでやっているのって感想なのか?・・・ハヤテたちの悪口だよな
ぁ。



 今回はここまで。また次回もきます。
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Re: Breath ? (6/23 更新) ( No.8 )
日時: 2012/06/25 20:31
名前: 紅雪

いつのまにか三スレ目…だと…
どうも紅雪です。三スレ目突入おめでとうございます!

早速感想行きたいと思いますが…泉、勝ち目ねぇ…
勝ってるのものといえば…誕生日くらいでしょうか…?

いや、何か…何かあるはず…!

〜一時間後〜

何も思いつきませんでした☆

お嬢様だからアテネは料理が出来ないはず!とか思ってたら泉も十分お嬢様でした。

でもきっとハヤテのことだから、どう転んでも面白くなる予感が…ハヤテのことだから。

ちょっと短いですが今日はこの辺で失礼します。
レポートが…

では、次回も楽しみにしてます。紅雪でした。
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Breath ? (7/8 更新) ( No.9 )
日時: 2012/07/08 16:50
名前: 道草

どぅも★道草です!

ハヤテ新アニメおめでとぉぉぉぉぉう!!!

畑先生いわく第三期という扱いではない、ということはオリジナルなのかな?

できれば動くアテネが観たい!!

では少々落ち着きがありませんが、レス返しをば。


◆匿名さんへ

>どうも〜♪匿名っす♪
>感想に来ました〜♪


ナギ「うむ、感想ありがとう!」

ヒナギク「ありがとうございます♪」

匿名さん、また来てくださりありがとうございます!!


>泉・・・・・・・まあ、しょうがないよね。初恋の人が実は親しい間柄でそこそこ好意も抱いていた女たらしだもんね。そりゃ驚くし恥ずかしいよね・・・。
>・・・しかもファーストキスの相手だし。幼かったとは言え。


泉「にゃあああああああああ!!それ言わないでよぉぉぉぉぉぉっ!!!/////」


>そして、理事長!原作ではチビ化した理事長!急にどうした!?


実はアテネのこの行動は、すでに第49話で伏線が張られていました!!

イブキ「だれも覚えてねぇよ、そんなの!!」


>泉を呼び出しハヤテとの過去を調べ上げ泉の恋愛感情を確認し、そして最後は・・・抹殺?・・・(ブルッ!)
>勝手に想像しといて寒気がした。まあ、大丈夫か。


アテネ「さぁ、それはどうかしら★」

泉「えええええええええええ!!?」


>道草さん♪次回も凄く楽しみです♪
>これからも頑張って下さい♪匿名でした♪


匿名さん、ありがとうございました♪


◆キーさんへ

>キーでし。


ハル「おかえりなさいませ、ご主人様〜♪」(きゃる〜ん♪)

ちが――――――――――う!!!

泉「にはは〜、感想ありがとう♪」


>調「アテネ、少しはハンデをくれてやれよ。ふつうに考えたら泉が勝てるわけなかじゃけぇ。」
>リン「『普通に考えれば』・・・ね。」


ですよね〜。

泉「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

まぁ、泉にも勝機があるよういろいろ考えてはいます。


>シリーズ化する「♪ハヤテの責任♪」(fromキー) 第2回で〜す。
>今回は…
>・アテネが泉に『普通に考えれば泉が勝てるわけがない勝負』を仕掛けたのは、ハヤテのせいだぁぁぁぁぁぁぁ。
>調「・・・今回はなんか…ふつうよのォ。」
>奏「まぁ、事実しか言っていないから反論できないけどね。」
>リン「まぁ、まともな勝負で負けたら理事長の面目丸つぶれね、…こちらで指揮者をやっている理事長さん♪」(ニコッ)


アテネ「もちろん負けませんわ!!」

泉「わ、わたしだってガンバルもん!!」

個人的にはここでハヤテに『やめて!!私の為に争わないで!!』と言ってほしい。

イブキ「乙女か!!」


>調「それと・・・」
>リン「差支えなければ一度『酔いどれダメ教師の桂ゆk・・・以下省略』を殺s…調教した方がいいんじゃないの?・・・私でよければやってあげるわよ。」
>奏「いや、省略するなら『酔いどれダメ教師』を省略しましょうよ。」
>調「それより勝手に人の作品に割り込むな。」
>リン「あんなダメ人間は肩書ではなく名前を省略するのがふつうよ。あと、良ければ・・・と言っているから勝手ではないわ。」


どうぞご自由に★

ダメ教師「許可するな道草ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!そして私の名前がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」


>奏「あと、ストリンガーさんはそろそろ泉に嫌われるわね。」


ストリンガー「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


>今回はここまで。また次回もきます。


キーさんありがとうございました♪


◆紅雪さんへ

>いつのまにか三スレ目…だと…
>どうも紅雪です。三スレ目突入おめでとうございます!


アテネ「感想いただき、感謝いたします♪」

マリア「それとお祝いの言葉ありがとうございます♪」

お久しぶりです、紅雪さん!!ようやく3スレ目ですが今後ともよろしくお願いします♪


>早速感想行きたいと思いますが…泉、勝ち目ねぇ…
>勝ってるのものといえば…誕生日くらいでしょうか…?


泉:6月21日、アテネ:11月30日で確かに泉の方が早いですね。

まぁ精神年齢は明らかにアテネの方が上でしょうけど……


>いや、何か…何かあるはず…!
>〜一時間後〜
>何も思いつきませんでした☆


泉「うおぉい!!?」


>お嬢様だからアテネは料理が出来ないはず!とか思ってたら泉も十分お嬢様でした。


さて、どうなるかは本編にて♪

ちなみに畑先生のTwitterによると、アテネはハヤテ並に料理ができるそうです。


>でもきっとハヤテのことだから、どう転んでも面白くなる予感が…ハヤテのことだから。


ハヤテ「何でしょう……なんか嫌な期待をされている気が……」


>ちょっと短いですが今日はこの辺で失礼します。
>レポートが…
>では、次回も楽しみにしてます。紅雪でした。


紅雪さん、わざわざお忙しい中ありがとうございました!

またいつでも好きな時にいらしてください♪



では以下から本編です。



===============================================================================


第六十話 『ハヤ太君争奪戦・第一回戦』


「第一回!!」

「ハヤ太君争奪戦!!」

ドンドンパフパフ〜♪

周りの音響装置がこれでもかと言うほど大音量で室内を満たす。

ここは動画研究部、こういった機器には不自由しない。

そういう意味では場を盛り上げるにはうってつけである。

「司会はわたくし花菱美希!」

「解説は朝風理沙でお送りいたします♪」

効果音のボリュームを下げ、マイクを片手にしゃべる二人。

そのまま楽しそうに話を進めていく。

本来こういった司会進行は泉の方が得意なのだが、その彼女はというと……

「では選手の登場です!赤コーナー、いいんちょさんレッドこと瀬川泉―――――――――――!!!」

美希の叫びと共にスポットライトが輝き、泉の姿が照らし出された。

無駄に凝った演出だ。

だが泉は状況についていけず、あたふたしている。

「対して青コーナー!原作と違い幼児化しておらず、作者も『アリスも書いてみたいなぁ……』とか今更ながらに思っている白皇学院理事長、天王州アテネ―――――――――!!!」

「なんですか、今のぼやきは……」

同じく理沙の紹介で登場してきたアテネ。

こちらは泉と違いすまし顔だ。

「では役者もそろったところで」

「うむ、さっそく競技の方へ……」

「ちょっと、まってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

当然のように話を進めようとする美希と理沙に対して、今までずっと流されてきた泉がようやくツッコミにはいった。

「なんなのこれ!どういう状況!?なんでこんな大会みたいになってるの、美希ちゃん、理沙ちん!?」

「いや、お前と理事長が対決するって聞いて……」

「おもしろ……じゃなかった、大変そうだからこうして対等に戦える場所を設けて、応援してやろうと思ったんじゃないか」

「いま絶対『面白そうだから』って言おうとしたよね!?ふえ〜ん、他人事だと思って〜〜〜!!」

泣きべそをかく泉だが、実際他人事なので仕方がない。

それに、もし逆の立場だったら泉だって同じようにしていただろう。

なにせ『面白そうなことには乗っておく』のが動画研究部のモットーらしい。

「貴方たち、何でもいいから早くしてくださる?」

アテネが待ちくたびれて話を促す。

彼女は今回の企画に特に不満はない。

確かに平等に決着をつけるには第三者の介入が必要だと判断したからだ。

美希と理沙はビシッと敬礼し返事をする。

「はい、理事長!」

「というわけだ泉。あきらめろ」

「どっちの味方なのよ――――――――――――!!」

こうして泉とアテネの戦いの幕があがった……



*   *



「ではさっそく始めたいと思います。ちなみに今回は三本勝負。そして第一回戦の内容は……これだ!!」

美希が叫ぶと、天井から長い垂れ幕が下りてきた。

ずいぶんと長い割には余白が多い。

なぜならそこにはたった二文字しか書かれていなかったからだ。



『   料   理   』



「・・・・・・」

泉は冷や汗を浮かべる。

一方アテネはふっと笑みを浮かべた。

「さぁ出ました!!この手の対決ではもはや定番ともいえる『料理対決』!!解説の理沙さん、どう思われますか?」

「そうですね〜。この時点ですでにオチが読めた気がします」

「どういう意味よ―――――――――!!!」

あごに手をそえ偉そうなポーズで解説(?)する理沙に、泉が叫んだ。

だがここでツッコムということは、泉にもどうなるか見当がついているということである。

「つべこべ言ってないで、さっさと調理に入ってください。準備はできています」

美希が指差すと、そこにはすでにあらゆる調理器具と古今東西の食材がそろっていた。

相変わらず無駄なところに気合とお金がかかっている。

さすがはお嬢さま達だ。

「ちなみに今回は『ハヤ太君争奪戦』なので、味うんぬんよりもハヤ太君への愛情が審査基準になります」

美希が補足的にルールを説明する。

「なので当然、審査員もハヤ太君です。ハヤ太君に食べてもらって、反応が良かった方が勝ちです」

私達が食べてお腹壊すのはやだし……とは言わない。

「ふっ、ハヤテへの愛なら誰にも負けませんわ!」

さらっとすごいこと言っとるアテネ。

一方、泉は絶望的な顔をしている。

味は関係ないと言いつつも、美味しいほうが有利なのは当然だ。

そんな泉の不安はお構いなしに、美希と理沙は声をそろえて宣言した。

「「それでは第一回戦、スタート♪」」

戦いのゴング(機械音声)が鳴る。

すかさずアテネは食材を選びにかかった。

数ある食材の中から品定めし、同じ種類のものでもより良いものを選り分けていく。

その様子を美希達は実況中継していた。

「さっそく理事長が食材を見て回ってますね、理沙さん」

「実にいい目利きですね。どれがいいのかさっぱりわからないけど」

アテネは食材をそろえると、エプロンを身に着け下ごしらえを始めた。

テキパキと無駄のない動きで作業をこなしていく。

「さすが理事長は料理もお手の物ですね!!」

「すばらしい手際ですね!何やってっかわかんないけど!!」

そして始まる本格的な調理。

包丁の音が心地よいリズムを刻み。

鍋からの香りが室内を漂う。

「おお!こっちまで美味しそうな匂いがやってきました!!」

「これはすごい!!何作ってんのかわかんないけど!!」

さっきからただ感嘆の声をあげてるだけの理沙。

解説役の意味がまったくない。

「さて、そろそろ泉選手の方も見てみましょう」

美希達が反対側の泉サイドを振り返ると……





「・・・・・・・」

立ち昇る黒煙。

散乱する凶器。※包丁

はびこる死体の山々。※食材

さながら戦場のような光景が広がっていた。

「……え〜と、解説の理沙さん、これはどういう状況なのでしょう?」

「私に訊くなよ……。私は戦場カメラマンじゃない」

二人ともある程度の予想はしていたが、現実はそれを見事に裏切ってくれていた。悪い意味で。

そんななか泉は孤軍奮闘していた。

たった一人で懸命に戦うその姿は、見る者の涙を誘う。いろんな意味で。

「終わったな、ハヤ太君……」

「ここは二人でハヤ太君のご冥福を祈ろう……」

そこはせめて無事を祈ってやれよ……

まぁ、そんなこんなで料理対決(?)は続いた……



*   *



そして一時間後。

場所は変わって、ここはナギの管理するアパート『ムラサキノヤカタ』。

通称『ゆかりちゃんハウス』。

その庭先で、今回勝手に賞品&審査員にされているハヤテは鼻歌交じりに掃除をしていた。

「ん〜〜〜〜〜!今日も平和だなぁ♪」

箒を片手に背伸びをしながらそうつぶやく。

その平和が今まさに崩れ去ろうとしていることを、彼はまだ知らない……

「ハヤテ♪」

「ん?」

名前を呼ばれて振り返ると、アテネが縁側から手招きしていた。

「あれ、アーたん。一体どうしたの?」

「いいから、ちょっとこっちに来なさい」

「?うん」

靴を脱ぎ部屋に上がると、ハヤテは促されるままテーブルの前に座らせられた。

そしてアテネは奥からお皿を持ってきてテーブルの上に前に置く。

芳ばしい香りが広がる。

「アーたん、これは?」

「魚介類の地中海風パエリアよ。ちょっと作ってみたの♪」

「へぇ、美味しそうだね♪」

「それでその………えっと……」

そこでアテネは言いづらそうに、もじもじと指をいじる。

料理対決の事はハヤテには秘密だからだ。

「そ、そう!ハヤテに味見してもらいたいの!!」

「え?僕が?」

「ええ、食べて感想を聞かせてくださる?」

「?うん、わかったよアーたん」

若干アテネの態度が気になりつつも、ハヤテはアテネの手料理を口に運んだ。

「わぁ!美味しいよ、アーたん♪」

「そ、そう……それはよかったわ/////」

ハヤテの笑顔に、アテネはほっと胸をなでおろす。

これならこの勝負、私の勝ち……







「でももう少し薄味でもいいと思うな」

「え、そうかしら?私はこの味付けでちょうどいいと思うけど?」

「でも塩加減とか、下ゆでの時間をもう少し……」

「わかってないですわね。こちらのほうがより食材の風味が……」

そしてしばらく議論する二人。

お互い料理が上手な分、変な所でゆずらなかった。

まぁこういうやり取りがあってこそ向上心が生まれるのだが。

そんな二人の様子を美希達は庭の茂みに隠れながら見ていた。

「……なんかハイレベルな料理談議が始まったぞ」

「……ここまでくるともう素人はついていけないな」

「ていうか、この後に私の料理ださないといけないの!?自殺行為なんだけど!?」



*   *



そんでもって泉のターン。

アテネが去った後、今度は窓掃除をしているハヤテの後姿に声をかける。

「お、お〜い、ハヤ太く〜ん!」

「あ、瀬川さん。珍しいですね、何か御用ですか?」

雑巾をしぼりながらハヤテが振り返る。

そして泉は先ほどのアテネと同じように本題を切り出した。

「え、え〜とね……。ちょっと料理を作ってみたから味見してほしくて/////」

「え゙!?僕がですか!?」

「何かなその『え゙』って!?さすがにちょっと傷つくよ!?」

どう考えても泉がまともな料理を作れるとは思えない。

ハヤテは自分の未来を悟った。

「わ、わかりました。ちょっと片づけてきますので、待っててください……」

「う、うん……」

ハヤテは覚悟を決めたのか、ひきつった笑顔で掃除用具を片づけるのであった……





そして、居間のテーブルの前へと座ったハヤテ。

彼の前に出された泉の料理は……

……うん、なんて形容したらいいんだろう?

ちょっと筆舌に尽くしがたい。

ここは皆さんの想像力にゆだねるとしよう。

「あ、あの……瀬川さん、これは……?」

「え、え〜〜〜〜〜と、『いいんちょさんスペシャル白皇風』……みたいな?」

どんな料理だ。

ハヤテは恐る恐るスプーンで口に運ぶ……













「……どう、ハヤ太君?」

「・・・・・・」

「ハヤ太君?」

「――――――」

「ハヤ……」

「      」

「ハヤ太く〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!?」

泉は叫びながら、ぴくりとも動かなくなったハヤテの体をガクガクと揺する。

するとハヤテははっと気が付いた。

どうやらマジで意識が飛んでたらしい。

「だ、大丈夫ハヤ太君?」

「ちょ、ちょっと目の前が真っ白に……」

「うう、ごめん……。もう捨てるね、こんなの……」

泉はしょんぼりして、皿を取り上げようとする。

だがその手をハヤテが制した。

「いえ、せっかく瀬川さんが作ってくれたんですから、全部いただきますよ♪」

「……ふぇ?」

そしてハヤテは笑顔でスプーンを手に再び食べ始める。

途中何度も気を失いそうになりながらも、なんとか食べ進めていた。

そんなハヤテの姿に泉は……

「……ありがとう/////」

小さくお礼を述べた。





その様子をまたしても隠れて覗いていた美希達。

「おお、あれを完食するとは……」

「さすがだな、ハヤ太君」

「……むぅ」

アテネは面白くなさそうに頬を膨らませた。



*   *



「というわけで結果発表〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」

動画研究部に戻り、美希が高らかに宣言した。

『ワァ―――――――――!!』という歓声がわく。録音した声だけど。

「さぁ一回戦『料理対決』!厳正なる審査の結果、勝利したのは―――」

美希はそこで言葉をためる。

小刻みなドラム音が間をつなぐ。







「天王州アテネ選手―――――――――――――!!!」

どっと拍手喝采が巻き起こる。もちろんこれも録音したものだ。

「・・・・・・」

だがアテネは勝ったというのにあまり嬉しそうじゃなさそうだ。

一方、泉はそれなりに落ち込んでいる。

「うん、まぁわかってたけどね……」

「いや、でもこれけっこう接戦だったぞ?」

「ああ、理事長はダメ出しくらってたのに対し、お前のは体張ってまで食べてくれてたからな」

「ホント!?」

予想外の高評価。

試合に負けて勝負に勝ったという感じだろうか。

「でもやっぱり気絶したから、マイナスだけどな」

ですよね〜……

泉はがっくりと肩を落とす。

「さて、本来ここで二回戦といきたいところですが……」

「本日、ハヤ太君が再起不能なのでまた明日仕切り直しです」

「ていうかまだやるの!?」

「当然ですわ。納得いくまでやります」

アテネはまだやる気満々のようだ。

泉は正直もう逃げ出したい心境だ。

「というわけで……」

「ハヤ太君争奪戦……」

美希と理沙は最後、声をそろえて締めくくった。

「「次回に続く♪」」


第六十話 END


===============================================================================



はい、予想通りベタな展開でしたが、だからこそ書いてみたいと思いこうなりました。

そして勝負はまだすこし続きます。

ではまた次回♪
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Re: Breath ? (7/8 更新) ( No.10 )
日時: 2012/07/08 17:13
名前: キー

 キーだったりします。

 調「いや、『だったりします。』ってどういうことだ。」

 まぁ、気分♪さて、もう言わなくてもわかります。これだぁぁぁぁ。

 ・第3回「ハヤテの責任♪」(from キー)……いやぁ、これももう3回目かぁ。

 リン「いや、まだ3回目だし。」←キーの気分であることはわかっているが、あえて突っ込む。

 さて、

 ・アテネが若干拗ねているのは…ハヤテのせいだ。

 奏「ふつう過ぎる。ついにこのバカのネタが切れたか?

 調「いや、今回は・・・2本立て。」

 ・今回、……………イブキが出なかったのはハヤテのせいだ。……個人的にイブキがこの
作品で1番好きなのに。

 奏「地味に理不尽ね。道草さんに言うのがふつうでしょ。」

 調「わかってないね。これは『ハヤテの責任♪』(from キー)なんだからすべてがハヤテ
のせいになるに決まっているじゃないか。♪」

 リン「まぁ、当然のごとく勝ったのはアテネね。」

 調「いや、理沙たちは泉の『料理解説』をしてたか?泉のキッチンは曰くつきなのか?」

 奏「絶対料理じゃなくて、殺人現場の報道だね。♪」

 ま、何にしても次回も楽しみにしています。
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Re: Breath ? (7/8 更新) ( No.11 )
日時: 2012/07/08 18:01
名前: 匿名

どうも〜♪匿名っす♪感想に来ました♪
早速感想に・・・
泉よ・・・食材に謝れーーーーーーーーー!!!!!(怒)
食材は命ですよ!僕たち人間は他の命を食べて生きてるんですよ!
その料理を捨てるとか言うな!!!作った事に関しては言わないけど。
まあ、ハヤテドンマイ(笑)
アテネはアテネでハヤテと料理談義してるし。楽しそうだな。
まあ、泉とハヤテのやり取りを見てヤキモチしてたけど。
そして次回は第二回戦!?一体どんなバトルが。
言えることはただ一つ、死ぬなよ泉。
と!いうことで次回も楽しみにしてます♪
匿名でした♪
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Breath ? (8/19 更新) ( No.12 )
日時: 2012/08/19 22:38
名前: 道草

どぅも☆道草です……

長い間更新できなくてすみません!

ではレス返しをば。


◆キーさんへ

>キーだったりします。


神さま「どうも〜♪みんなのアイドル、オルムズト・ナジャです★」

愛歌「霞愛歌です。感想ありがとうございます♪」

ていうかなんで君たちが!?

神さま「うっさい!出番がないからこういうとこで乱入するしかないのよ!!」

愛歌「という訳で、道草さんの過去を大暴露〜★」

タンマ!!マジでタンマ!!


>・第3回「ハヤテの責任♪」(from キー)……いやぁ、これももう3回目かぁ。
>リン「いや、まだ3回目だし。」←キーの気分であることはわかっているが、あえて突っ込む。
>・アテネが若干拗ねているのは…ハヤテのせいだ。


ハヤテ「え?なんで??」

アテネ「ふん。ハヤテのバーカ」


>奏「ふつう過ぎる。ついにこのバカのネタが切れたか?
>調「いや、今回は・・・2本立て。」
>・今回、……………イブキが出なかったのはハヤテのせいだ。……個人的にイブキがこの作品で1番好きなのに。


マジですか!?唯一のオリキャラなので嬉しいです!ありがとうございます♪

イブキ「今回はちょっと出番あるぜ」


>リン「まぁ、当然のごとく勝ったのはアテネね。」
>調「いや、理沙たちは泉の『料理解説』をしてたか?泉のキッチンは曰くつきなのか?」
>奏「絶対料理じゃなくて、殺人現場の報道だね。♪」


理沙「あの状況をどう解説しろと?」

美希「キッチン自体は普通のものだったのに……。ホント一体何したんだ、泉!?」

泉「ひ、必死でやってたらいつの間にかああなってたんだよ〜……」


>ま、何にしても次回も楽しみにしています。


キーさん、ありがとうございました♪



◆匿名さんへ

>どうも〜♪匿名っす♪感想に来ました♪


千桜「感想ありがとうございます」

泉「にはは〜♪いつもありがとう!」

匿名さん、ありがとうございます!


>泉よ・・・食材に謝れーーーーーーーーー!!!!!(怒)
>食材は命ですよ!僕たち人間は他の命を食べて生きてるんですよ!
>その料理を捨てるとか言うな!!!作った事に関しては言わないけど。


泉「うにゃああああ!!ごめんなさ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!」←マジ泣き

料理はあの後ハヤテがおいしく(?)いただきました。


>アテネはアテネでハヤテと料理談義してるし。楽しそうだな。


アテネ「ですからそこで火を弱めた方がいいといってるのよ。ハヤテのバーカ!!」

ハヤテ「いやいや、それだと食材が味を殺し合うことになっちゃうじゃん、アーたん!!」

……実際はこんな風にちょっと熱いトークでした。

どっちかというと口喧嘩一歩手前です。


>そして次回は第二回戦!?一体どんなバトルが。
>言えることはただ一つ、死ぬなよ泉。


泉「そんな危険な勝負しないよ!?」

それに今回はどっちかというとアテネの方がピンチですね。

アテネ「え!?」


>と!いうことで次回も楽しみにしてます♪


匿名さん、ありがとうございました♪



では以下本編です。


===============================================================================


第六十一話 『ハヤ太君争奪戦・第二回戦』


アテネと泉の壮絶な死闘(死にかけたのはハヤテ)から一夜明け。

本日は土曜日、白皇も休日である。

こんな日に学校を訪れる生徒はよほど勉強熱心な者か、部活動に励む者か、

「「ハヤ太君争奪戦、二回戦〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」」

……このようなヒマ人ぐらいのものである。

動画研究部にて、相も変らぬテンションで叫ぶ美希と理沙。

今日も今日とて女の戦いは続いていた。

「で、今度は何で勝負するの?」

泉が挙手して質問する。

ここまできたらもう彼女もヤケになっていた。

「そうですわね。早く決めてくださる?」

アテネも先を促すと、理沙は「ふっふっふ……」と不敵な笑みを浮かべ、もったいつけながら言った。

「では発表しよう!二回戦のテーマは…………これだぁ!!」

その声を合図にジャジャーン!!という効果音が鳴り、部室内の巨大特設モニターの電源が入った。

そこに映し出された文字は……





『動画対決』





「……え?」

アテネの目が点になる。

「さぁ、でました動画対決!!」

「やはりここは動画研究部ですからね!お二人には今からハヤ太君の動画を撮ってきてもらいます!」

「ていうかそれ普段やってることと同じじゃない!?」

盛り上がっている動画研究部一同。

しかしアテネは一人オロオロしていた。

「え?いや、あの……」

「さぁ、お二人ともこれをどうぞ」

何か言いよどむアテネの声をさえぎり、理沙は押し付けるように二人にあるものを手渡した。

それは最新のビデオカメラ。高級・高画質・高性能な一品だ。

「ではこのカメラでハヤ太君の勇姿をバッチリと収めてください!」

「あ、これウチで開発したカメラだ〜」

さすがは大手電器メーカーの令嬢。泉は慣れた手つきでビデオカメラをいじる。

「?????」

一方、アテネはこういうものを触るのは初めてなのか、ハテナマークをいくつも浮かべカメラをいろんな角度から眺めまわしていた。

「さて、ではここで審査員としてスペシャルゲストの登場です♪」

「「……ゲスト?」」

美希の発言に、アテネと泉は声をそろえ視線を向ける。

そしてリズミカルな音楽が鳴り、スポットライトが輝いた。

「ハヤ太君を撮り続けること幾数年……盗撮の達人、イブキ君だ―――――――――――――!!!」

「人聞きの悪い紹介すなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

怒鳴り声をあげながら登場するイブキ。

だが実際、美希の言うことは事実である。

「ていうかイブちゃんなんでここに!?」

泉が驚きの声をあげる。

実は生徒会三人組とイブキは結構仲がいい。なぜなら……

「いや〜、なんかアテ姉とスマイルがハヤテを巡って面白いことになってるって聞いたから♪」

「・・・・・・」

このように割と同類だからだ。

類は友を呼ぶというやつか。

「……というか白皇は部外者立ち入り禁止なんですけど、どうやって入ってきたんですか?」

無粋とは思いつつもアテネは現実問題を口にする。

立場上、生徒の安全を守る身としては決して無視できない問題だからだ。

この前といい、こう何度も侵入を許すとは白皇のセキュリティを疑う。





……ちなみに校門の警備担当は雪路だ。

「あのテンション高い先生なら、小銭に見せかけたビンのフタを囮にしたらラクラク突破できたぜ?」

「……桂先生クビにしようかしら」

知らず知らずのうちに雪路に無職の危機が迫っていた。

まぁそんなことはどうでもよいが。(雪路「よくねぇぇぇぇぇっ!!」)

「とにかく、ハヤ太君争奪戦・二回戦スタート!では、いってらっしゃ〜い♪」

「……も〜、いってきま〜す」

「あ、ちょ、ちょっと待って……」

泉はやれやれといった様子で部屋を後にし、アテネはなにやらアタフタしながらその後を追う。

そんな二人を美希は手を振りながら見送ると、隣の理沙に意見を訊いた。

「さぁ、二回戦始まりましたね。今のところ理事ちょ……アテネ選手が1勝してリードしていますが、今後どうなると思いますか?解説の理沙さん」

「そうですね〜。お約束的にはここで1勝1敗になって三回戦にもちこむ流れですが……。あえて三回戦を待たずに泉が惨敗するという展開も面白いかもしれませんね」

「勝手なことを言うなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

先ほど出て行った泉が舞い戻ってきてツッコミを入れた。



*   *



そしてここは『ゆかりちゃんハウス』(アパート)。

ハヤテは今日も仕事に精を出していた。

昨日泉の手料理(?)を食べてグロッキー状態だったのにも関わらず、一日で回復しているあたりは流石である。

掃除・洗濯・炊事・買い物と、自分からやることを次々と見つけ、それを苦にすることもなくむしろ楽しげにこなしていた。

『やってること執事というよりお母さんじゃね?』とか、『いいお嫁さんになりそうですね』とかいうツッコミはやめてあげてほしい。

そんなハヤテの様子を、泉はなかば見惚れながら、草陰から隠れて撮影していた。

「・・・・・・/////」

「・・・・・・」

箒で庭を掃除していたハヤテは視線を感じたのかクルリと振り返った。

慌てて泉は身をかがめて息をひそめる。

「誰かそこにいるんですか?」

ハヤテが警戒態勢で近づいてくる。

泉の胸に緊張が走る。このままでは見つかってしまう。

そこで泉はだいたんにも一か八かの賭けに出た。

「にゃ、にゃ〜……」

「なんだ……ネコか」

「(えええええええ!?)」

うまくいったことに泉自身も驚く。

私って結構演技の才能があるのかも……

「……なんて言うとでも思いましたか?」

「にゃあああああああああああああ!!?」

いつの間にか目の前に回り込んでいたハヤテに声をかけられ、泉は跳び上がった。

「は、ハヤ太君!?」

「瀬川さん……さっきからここで何してるんですか?」

ハヤテはじとっとした目つきで泉を見つめる。

泉はハッと我に返ると、ごまかしモードに入った。

「や、やぁやぁハヤ太君。こんなところで奇遇だねぇ!」

「奇遇も何も僕ここに住んでるんですが」

「うぐ……わ、私はそのたまたま通りかかって……」

「人ん家の庭先にですか?」

「うぐぐ……」

厳しい追及に、もはや泉はぐうの音も出なかった。

ハヤテは泉の肩に手を置き、笑顔をむける。

顔に影が差していてちょっと怖い。

「ちょっと中で事情聴取しましょうか?」

「あ、できればカツ丼を」

「お茶で我慢しなさい」

「はい……」

こうして泉はアパートの中に連行されるのであった……







「で、本当は何やってたんです?」

居間に泉を座らせ、問い詰めるハヤテ。

テーブルの上にはお茶と自室から持ってきた電気スタンドが立てられ、取調室っぽい雰囲気にしてある。

ハヤテも変なところで形から入るタイプである。

「も、黙秘します……」

「では持っていたこのビデオカメラは何ですか?」

ハヤテはテーブルの上にカメラを置く。

証拠を突きつけられ、泉は軽く涙目だった。

「そ、それはその……いま部活で政治・経済・環境問題をテーマにしたドキュメンタリー動画を撮影中で……」

「ウソつけぃ」

バッサリと切り捨てるハヤテ。

彼女たちがそんな小難しいものを撮るはずがないことは分かりきっていた。

「どーせまた朝風さん達に『ハヤ太君の恥ずかしい動画を撮ってくるのだー』とか言われたんでしょ?」

「ぎくっ!……ソ、ソンナコトナイヨー」

大体あっていた。

泉はごまかそうとするが、完全に声が上ずっていて分かりやすい。

「・・・・・・・」

ハヤテはしばらくじとーっと泉の顔を見ていたが、なにを思ったのか急に話題を変えた。

「そういえば瀬川さん、最近勉強の方はどうですか?」

「え?あ、うん。前に比べたら結構よくなったとおもうけど?」

「そーですか〜、それはよかったです♪」

ハヤテは放課後、よく泉に勉強を教えている。

その指導のかいあって、泉も少しづつだが成績が立ち直りつつあった。

といってもまだ平均以下だが。

「そういえば僕、瀬川さんの為に用意したものがあるんですよ〜♪」

「ふぇ!?わ、私の為?/////」

「はい、ちょっと待っててくださいね♪」

そう言ってハヤテは部屋をでて、階段を上がっていった。

泉は一体なんだろうとドキドキしながら待つ。

「お待たせしました♪」

そして戻ってきたハヤテが抱えていたものは……







「え〜と……何かなハヤ太君これは……」

厚いプリントの束だった。

なにやら問題文がいっぱい書き込まれている。

勉強が苦手な泉にとっては見ているだけで頭が痛かった。

「はい♪今度のテストで出そうなところを僕なりにまとめて問題集にしてみました。瀬川さんの為に♪」

「あ、ありがとう……」

ハヤテ、自分の勉強の合間にここまでするとはマメな男である。

まぁもらって嬉しいかと訊かれれば、『否』であるが。

「ではちょうど時間もありますし、今ここで勉強しましょうか♪」

「え!?今、これ全部!?」

「はい♪どうせヒマですよね?」

「あ、いや、今忙しいっていうか……」

「ビデオカメラもって、アパートの庭にたまたま通りかかるぐらいですから♪……ヒマですよね?」

「………………はい」

にっこりと微笑むハヤテ。

いつもなら癒される笑顔だが、今日ばかりは怖い。

「あ、せっかくビデオカメラがあるんですからサボらないよう……じゃなかった、集中して勉強できるようカメラ回しておきますか!では始めましょう♪」

「にゃ、にゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」

こうして泉は、ちょっとSモードに入ったハヤテの個人授業を受けるハメになるのだった……



*   *



一方、その頃のアテネはどうしているかというと。

「これ、どうやって動かすのかしら?」

ビデオカメラとにらめっこしていた。

大抵の事は何でもできる彼女だったが、こういう電子機器の扱いには慣れていなかった。

普段こういった機械関係は、彼女の執事であるマキナが得意としている。

だがあいにく彼はいま近くにはいない。

その為アテネはこうして悪戦苦闘しているわけだ。

早い話が機械オンチである。

「え、え〜と……このボタンかしら?」

アテネは恐る恐るビデオカメラのボタンを押す。

すると……

ビ――――ビ――――!! ※変な警告音発生

「ええ!?じゃ、じゃあコレ?」

ブ〜〜〜〜〜ブ〜〜〜〜〜〜!! ※なんか突然振動を始めた

「ええええ!!ちょ、どうしたら!!?」

ボシュ〜〜〜〜〜〜…… ※なぜか煙が噴き出した

「けほっ、けほっ!!……マキナ〜〜〜〜、ハヤテ〜〜〜〜……」

アテネはいつになく弱々しい声で執事達の名を叫ぶのであった……



*   *



「という動画になっちゃったんだけど……」

「「「・・・・・・」」」

戻って動画研究部。

まずは泉の審査ということで、美希・理沙・イブキの三人は泉が撮ってきた(?)動画を観ていた。

そこに映っていたのは、眠気に耐えながら問題を問いている泉と、笑顔で厳しく指導しているハヤテの勉強風景。

「……いや、これ延々と勉強してるだけじゃん」

「まぁ、これはこれでハヤテの貴重な一面が見れて面白いけどな」

つまらなさそうにあくびする理沙だったが、イブキはそれなりに楽しんでいるようだった。

ハヤテの少しイジワルな笑顔を眺めている。

「まぁ、いいや。じゃあ次は理事長、お願いします」

美希が話を振って、一同はアテネの方に視線を向ける。

だがアテネは気まずそうな表情で、後ろ手に何かを隠していた。

「理事長?」

「・・・・・・」

アテネは観念して隠していたものを机の上に広げた。

「……え〜と、理事長。なんスか、このスクラップは?」

「ちょ、ちょっと操作を誤ってしまいまして……」

それはビデオカメラのなれの果て……

もはや原型を留めることなく部品がバラバラになり、しかもなぜか焼け焦げていた。

一体どうやったらこんなことになるのか摩訶不思議だ。

「どんだけ機械オンチなんだよ」

「うぐっ!」

イブキが率直な感想を述べる。

白皇の生徒ではないので、理事長相手にも遠慮はなかった。

そのストレートな物言いにアテネはぐさっとくる。

「じゃあ二回戦『動画対決』は不戦勝ということで、勝者・泉――――――――――――――!!!」

美希の叫びと共に、クラッカーと拍手の音がモニターから流れる。

「か、勝っちゃった……」

泉は勝利に驚きを隠せない様子だ。

一方、アテネはがっくりと肩を落としていた。

美希と理沙はマイクを手にさらに盛り上げる。

「さぁ、これで両者一勝一敗。どうですか解説の理沙さん」

「白熱した戦いですね。まぁお約束的にこうなることは分かりきってましたが」

身も蓋もないことを言う理沙。

そのとき、イブキが理沙からマイクをひったくって勝手にしゃべりだした。

「では三回戦に入る前に、さらに盛り上げるためにここで賞品を発表します!!」

「「賞品?」」

アテネと泉は顔を見合わせる。

美希と理沙もどうやら知らないようだ。

「勝者には……『ハヤテのチュー』をプレゼントだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「「えええええええええええええええええええ!!?/////」」


第六十一話 END


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久々に書いたら、なんだかハヤテが少し黒くなってしまった……

そしてアテネがだいぶ残念な感じに……(笑)

では長引いてしまったこの勝負も次回決着です!

ハヤテの唇は誰の手に?

ではまた次回♪

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Re: Breath ? (8/19 更新) ( No.13 )
日時: 2012/08/20 03:41
名前: 匿名

どうも♪匿名っす♪感想に来ました♪
アテネさんよ。あんたは天才じゃ無かったんかい。
というより、どういう操作をしたらスクラップするのか甚だ疑問です。マキナの事をバカという事はできませんね♪
今回泉圧勝!でも、今回理事長があれだったから動画さえ撮ってれば勝ちだよな。
イブキさんも来ましたね。あの女のオリキャラで、ハヤテと近しい存在で、でもハヤテには絶対に落ちない新感覚のヒロイン、イブキさんが。投稿者多しと言えどイブキのようなヒロインはそういないでしょう。道草さん。あなたは(いい意味で)何てキャラを作り出したんだ。尊敬に値します。てかします。
最後は王道の一勝一敗での最終決戦。今からとても楽しみです♪
それでは、匿名でした♪
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Re: Breath ? (8/19 更新) ( No.14 )
日時: 2012/08/20 11:25
名前: キー
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=9051

 はい、では…………ネタがないからこれでいいや。

 ・なんだかよくわからないけど多分ハヤテのせいだぁぁぁぁぁ。

 調「何がハヤテのせいだ。」

 χ「いや、なんか全体的に。あぁ、それと…」

 ・「ハヤテの責任♪」(from χ)のネタが尽きたのは…ハヤテのせいだ。」

 奏「確かにそうね。はやてが何かやらかさないからネタが尽きるのよね。」

 χ「さて、……泉のところは何を開発したんだ?」

 調「振動はともかく、煙や警告音を出すボタンっているか?」

 奏「最悪の場合ヒナギクとかに教えてもらって……」

 調「泉がアレだからなぁ。……ハヤテ(もしくは似たようなもの)が移っていれば猫とかの
動画でも勝てそうなんだが。」

 χ「そして、イブキだぁぁぁぁ。よし、記念に調、イブキに『イブキック』をもらってこ
い。調だったら大丈夫だろう。作者代理だし。」

 調「じゃぁ、行ってくるぜ。って、何のきねんだぁ。」

 χ「いいから逝ってこい。行くぞぉぉぉ、イブキっちぃぃぃぃ。」←調をイブキに投げ
る……ソフトに。

 奏「……じゃぁもう行こうか。」

 χ「そうだな。」

 χ・奏「では、また来ます。」

 調「おいていくなぁぁぁ。……ちょ、待て、2発目かよ。しかも『アヤサキック』も同時
とか僕死ぬよ。……ぎゃぁぁぁぁぁぁ。」
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Re: Breath ? (8/19 更新) ( No.15 )
日時: 2012/08/24 13:14
名前: 紅雪

どうも、紅雪です。前回は感想書けずにすみません…

では早速感想を。

前回の泉の料理の副作用でしょうか…?ハヤテが黒い…まぁ黒いのも面白いのでいいんですが。イブキもそこらへんを楽しんでましたしね。

そしてアテネはどうやったら触っただけでビデオカメラを壊せるんだろう…?

ある意味ナギよりも酷いかも…ナギでも機械(主にハードディスクとかパソコンとか)は使えるはずですからね…

けど結局はそのお陰で泉が勝って対決がより面白くなりそうなので結果オーライかな…?

何はともあれイブキから(恐らく本人の許可などなく)賞品の発表もあったことなので、きっと次回は血で血を洗う壮絶な戦いが…!

多分死人(ハヤテ)とかも出ますね、えぇ。誰とは言いませんが。

では次回の決着を楽しみにしてます。それでは。
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Breath ? (9/2 更新) ( No.16 )
日時: 2012/09/02 21:45
名前: 道草

どぅも★道草です!

去年の今頃は劇場版ハヤテを観て超テンションあがってたなぁ……

今年も新アニメ楽しみだぜ♪

ではレス返しをば。


◆匿名さんへ

>どうも♪匿名っす♪感想に来ました♪


ハル「きゃる〜ん♪おかえりなさいませ、ご主人様〜♪」

オルムズト・ナジャ「お待ちしておりました〜、きらっ☆」

なんやねん、この空気……それはともかく匿名さん感想ありがとうございます!!


>アテネさんよ。あんたは天才じゃ無かったんかい。
>というより、どういう操作をしたらスクラップするのか甚だ疑問です。マキナの事をバカという事はできませんね♪


アテネ「うぐ……」

まぁ原作ではここまでではないと思いますが、アテネは機械に弱そうなイメージがあったので……

それにしてもこの作品でマキナは一体どこにいってしまったんだろうか……(汗)


>今回泉圧勝!でも、今回理事長があれだったから動画さえ撮ってれば勝ちだよな。


ほかに泉を勝たす方法が思いつかんかった!!

泉「なんだか素直に喜べないんだけど!?」


>イブキさんも来ましたね。あの女のオリキャラで、ハヤテと近しい存在で、でもハヤテには絶対に落ちない新感覚のヒロイン、イブキさんが。
>投稿者多しと言えどイブキのようなヒロインはそういないでしょう。道草さん。あなたは(いい意味で)何てキャラを作り出したんだ。尊敬に値します。てかします。


いえいえ、滅相もない!!もったいないお言葉ありがとうございます!!

しかしイブキはヒロイン?……なのか???


>最後は王道の一勝一敗での最終決戦。今からとても楽しみです♪
>それでは、匿名でした♪


匿名さん、ありがとうございました♪


◆キーさんへ

アテネ「感想ありがとうございます」

マリア「お越しいただき感謝します♪」

キーさん、ありがとうございます!!


>はい、では…………ネタがないからこれでいいや。
>・なんだかよくわからないけど多分ハヤテのせいだぁぁぁぁぁ。


ハヤテ「なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


>調「何がハヤテのせいだ。」
>χ「いや、なんか全体的に。あぁ、それと…」
>・「ハヤテの責任♪」(from χ)のネタが尽きたのは…ハヤテのせいだ。」
>奏「確かにそうね。はやてが何かやらかさないからネタが尽きるのよね。」


……だってさ、ほらハヤテあやまって。

ハヤテ「誠に申し訳……ってなんでですか!?」


>χ「さて、……泉のところは何を開発したんだ?」
>調「振動はともかく、煙や警告音を出すボタンっているか?」


泉「いや、そんな機能ついてないよ!?」

あれはカメラではなく、アテネの方に問題があるのです。

イブキ「それでもあんなことになるのはありえないけどな」

アテネ「ううう……」


>奏「最悪の場合ヒナギクとかに教えてもらって……」
>調「泉がアレだからなぁ。……ハヤテ(もしくは似たようなもの)が移っていれば猫とかの動画でも勝てそうなんだが。」


アテネ「ハヤテが猫と戯れる動画……いいわね」

ナギ「ありだな」

ルカ「ありね」

歩「ありなんじゃないかな」

ヒナギク「べ、べつにいーんじゃない?」

泉「そういうの撮りたかったなぁ……」

需要高いな……

イブキ「じゃあこないだあたしが撮った、ハヤテとシラヌイが遊んでる動画観る?」

女性陣一同『みる!!!!』

ハヤテ「うぉおおおおおおおおおおい!!?」


>χ「そして、イブキだぁぁぁぁ。よし、記念に調、イブキに『イブキック』をもらってこい。調だったら大丈夫だろう。作者代理だし。」
>調「じゃぁ、行ってくるぜ。って、何のきねんだぁ。」
>χ「いいから逝ってこい。行くぞぉぉぉ、イブキっちぃぃぃぃ。」←調をイブキに投げる……ソフトに。


イブキ「イブキィィィィィィック!!!」

容赦ないね!?


>奏「……じゃぁもう行こうか。」
>χ「そうだな。」
>χ・奏「では、また来ます。」
>調「おいていくなぁぁぁ。……ちょ、待て、2発目かよ。しかも『アヤサキック』も同時とか僕死ぬよ。……ぎゃぁぁぁぁぁぁ。」

はい、ではキーさん、ありがとうございました。

調さんはあとで郵送で返しておきます。


◆紅雪さんへ

>どうも、紅雪です。前回は感想書けずにすみません…


伊澄「感想ありがとうございます」

歩「きてくれて嬉しいんじゃないかな♪」

紅雪さんありがとうございます!!お気になさらずホント気が向いた時で結構ですよ!


>前回の泉の料理の副作用でしょうか…?ハヤテが黒い…まぁ黒いのも面白いのでいいんですが。イブキもそこらへんを楽しんでましたしね。


イブキ「たまにはそんなハヤテもいいよな♪」

泉「よくないよぉ〜……。ハヤ太君厳しいし、しかもなんだか少し楽しそうなんだもん……」

ハヤテ「やだな〜、そんなことないですよ〜♪」


>そしてアテネはどうやったら触っただけでビデオカメラを壊せるんだろう…?
>ある意味ナギよりも酷いかも…ナギでも機械(主にハードディスクとかパソコンとか)は使えるはずですからね…


ナギ「そこで私の名前が出ることに納得いかないが、まぁ確かに酷いな」

アテネ「うう……」

でもたまに触るだけでよく機械壊す人いるよね?

ナギ「いねーよ」

……え?僕だけ?


>けど結局はそのお陰で泉が勝って対決がより面白くなりそうなので結果オーライかな…?


アテネ「そうですよね♪ここで私が勝ったら話が終わってしまいますし、瀬川さんにもあまりに気の毒なので、ここは空気を読んであえてああいう形に……」

イブキ「アテ姉ちょっと黙っててください」

アテネ「…………はい」


>何はともあれイブキから(恐らく本人の許可などなく)賞品の発表もあったことなので、きっと次回は血で血を洗う壮絶な戦いが…!
>多分死人(ハヤテ)とかも出ますね、えぇ。誰とは言いませんが。


イブキ「言うとるがな」

実際ある意味そうなってますしね(笑)


>では次回の決着を楽しみにしてます。それでは。


紅雪さん、ありがとうございました♪



では以下から本編に参ります!



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第六十二話 『ハヤ太君争奪戦・最終戦』


晴れやかに空が澄み渡る日曜日。

アテネと泉の激戦も今日で三日目。

遂に決着の時が訪れた。

「さぁ、やってきました『ハヤ太君争奪戦・最終戦』!!果たして勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか!!」

動画研究部にてイブキはマイクを片手に熱く語る。

「イブキ君、司会は私なんだが……」

「細かいことは気にするな!!」

完全に御株を奪われている美希。

イブキのあまりのハイテンションっぷりに、さすがの動画研究部の面々もついていけなかった。

周りが置いてけぼりになっているのを尻目にイブキは話を進める。

「では最後の勝負を発表します!最後の勝負は………………宝探しゲェ――――――――――ム!!!」

「「宝探し?」」

アテネと泉は少し拍子抜けした。

最終戦の割にはいまいちピンとこない内容だ。

理沙と美希も初耳らしく、理沙が興味深そうに内容を尋ねた。

「ほう……で、その『宝』とやらは一体なんなんだい?」

「ふっ、よくぞ訊いてくれた……」

イブキはもったいぶった態度で不敵に笑うと、茶目っ気たっぷりに言った。

「昨夜ハヤテを殴って気絶させ、そのまま拉致ってある場所に監禁しました♪」

「あんた何してくれてんだ!?」

さらっととんでもない犯行を自供するイブキに理沙がつっこむ。

イブキ、やることがいちいち過激である。

「なのでアテ姉とスマイルはハヤテを探してください。制限時間は今日中まで、それ以上は命に関わるので。見つけたらそのままお持ち帰りして構いません♪」

「『宝』ってハヤ太君の事かよ!?」

「たぶんしばらくは起きないと思うので、後はもうチューしようが寝込みを襲おうが自由です。煮るなり焼くなり好きにしてください♪」

「イブキ君、ハヤ太君のなんだったっけ!?親友だよね!?」

こうして文字通り賞品と化したハヤテ。

それによりいろんな意味で泉とアテネの士気があがる。

「た、大変!早くハヤ太君見つけてあげないと!!/////」

「そ、そうですわね!事態は一刻を争いますわ!!/////」

そう建前を口にする二人。

だがちょっと顔を赤らめていて、内心何を想像しているかわからない。

だいじょうぶかコイツら?

「んじゃあ、ミッキーとリーさんはこのカメラで中継してね」

そういってイブキはカメラを美希と理沙に手渡す。

このカメラで撮った映像はリアルタイムでこの動画研究部のモニターに映し出される仕組みだ。

「ああ、了解したが……」

「イブキ君はどうするんだ?」

「あたしはここで高みの見物させてもらうよ♪」

イブキは椅子に座り、机の上に両足を乗せた。

そして手を頭の後ろで組んで、ゆりかごのように椅子ごと体を揺らす。

その様子に美希たちは少々不満を感じたが、ここは指示に従うことにした。

「じゃあ私は泉の方を担当するから、お前は理事長の方な」

「ああ、わかった」

こうして美希は泉と、理沙はアテネと行動を共にすることとなった。

そしてイブキが宣言する。

「んじゃあ、『ハヤ太君争奪戦・最終戦』スタート♪」



*   *



「それで、これからどうします理事長?」

アテネサイド、理沙がカメラを構えながら尋ねた。

『ハヤテを探す』と一口に言っても、手がかりも何もない。

アテネはあごに手をそえ、しばらく黙考した後、口を開いた。

「こういう時は『現場百遍』ですわね。まずは犯行現場に向かいましょう」

「犯行現場?」

そうしてアテネ達が向かったのは……







―ムラサキノヤカタ。

昨日二回戦が終わった後、アテネとイブキはこのアパートに帰ってきた。

その時にはハヤテの姿も確認している。

つまりハヤテはこのアパートの中で誘拐された可能性が高い!

そう思ってアテネはアパートの捜査を始めた。

「まずは……ハヤテの部屋ですわね」

上へと続くはしごを登り、ハヤテの部屋に入る。

だが部屋と言っても屋根裏だ。

天井は低く、屋根の形に合わせて傾いている。

スペースも狭いため、必要最低限のものしか置いていない。

ハヤテの机。

ハヤテのタンス。

ハヤテの布団。

ハヤテの枕。

ハヤテの匂い……





「(って今はそんなこと考えてる場合じゃない!!/////)」

どうにか理性を保ちつつ、アテネは捜査を続ける。

そして床を調べているとき、あるものを発見した。

「これは……!」

「なにか見つかりましたか理事長?」

理沙はアテネがしゃがみこんで注視しているところをカメラで撮る。

そこには赤黒い染みができていた。

「……血痕よ」

アテネは染みを手でなぞりながら静かに言った。

血は乾いていたが、まだ新しい。

「やはりハヤテはここで襲われたのね」

「いや、こんだけ血が出てるって、どんだけ強く殴ったんだよ……」

血の痕は致死量とまではいかなくても、結構大きく広がっていた。

その惨状を前に理沙は呆れやら恐怖やらを感じる。

まぁ、ハヤ太君のことだから大丈夫だろうけど。

「凶器はこれね」

アテネが手にしたのは、近くに転がっていた何のひねりもないハンマー。

床同様、べったりと血がついている。

シティ○ンターやギャグマンガなどではツッコミの定番アイテムだが、これで殴られたらマジで痛いよ。

「・・・・・・」

次々と明らかになる犯行の様子に、理沙はもはやつっこむ気も失う。

一方、アテネは冷静に推理を続ける。

「昨日ハヤテは三千院さんに付き合って夜中の3時までゲームをしていたから、犯行時刻はおそらくハヤテが起床する4時までの間……」

「犯行時刻の前に、ハヤ太君の睡眠時間にツッコミを入れていいですか!?」

ハヤテの日常は執事の仕事、学校生活、バイトと恐ろしく過密スケジュールだ。

わずかに残された自由な時間も勉強に費やし、実質1時間弱しか寝ていない。

毎日こんな生活でよく倒れないものだ……

それはさておき話を戻す。

「つまり……その時間帯アリバイがない人間が犯人!」

「まぁ犯人イブキ君ですけどね」

推理するのはいいが、答えはすでに分かりきっていた。

問題はこの後。イブキがハヤテをどこにやったかだ。

「コホン……とにかくイブキさんといえど、人一人を抱えて誰にも見られずに遠くまで運ぶことは不可能。すなわちハヤテはこの近辺に隠されているはず!」

「なるほど」

「次は目撃者探しね。時間的に一番可能性があるのは……マリアさんかしら」



*   *



「うお〜い、ハヤ太君〜〜〜!」

一方、こちらは泉サイド。

泉はあてもなくしらみつぶしにハヤテを探し続けていた。

今は通学路を捜索中だ。

「泉、もっと効率的に探せないのか?」

美希は呆れながらカメラを回す。

これでは日が暮れてしまいそうだった。

「ん?二人ともこんなところで何してるのかな?」

そんなとき、聞き覚えのある声がして二人は振り返る。

そこにはマウンテンバイクを手で押しながら歩いてくる一人の少女の姿があった。

彼女は西沢歩。

ハヤテの元クラスメートにして、ハヤテに恋する乙女。

他には特に書くことが思いつかないほど特徴がないのが特徴の普通の人だ。

「あ、歩ちゃん、こんにちは〜♪」

「やぁやぁ歩君。こんなところで奇遇だな」

「あ、うん。こんにちは」

挨拶を交わす三人。

そこで美希はちょうどいいとばかりに歩に訊いてみた。

「ところで歩君。どこかでハヤ太君を見なかったか?」

「え、ハヤテ君?今日は見てないけど……」

「そうか……」

「あ、でもイブキちゃんなら今朝見かけたよ?」

「「それだ!!」」

美希と泉は顔を見合わせる。

思わぬところで有力な情報が入ったものだ。

「それで歩ちゃん!そのときのイブちゃんの様子を詳しく!!」

「あ、うん……」

泉に詰め寄られて少し驚きつつも、歩は宙に視線をやり、今朝の出来事を思い返していた。

「今朝早く起きて新聞取りに外に出たら、ちょうどイブキちゃんがサンドバッグを担いで歩いてたから声をかけたの」

「サンドバッグ?」

「うん、しかもそのサンドバッグなんだか動いてたような気がしたんだけど、イブキちゃんが二、三発パンチしたらまた動かなくなったかな」

「・・・・・・」

「鬼か、あの人は……」

泉と美希はサンドバッグ(の中身)に同情する。

「それで、そのあとイブちゃんどこ行ったの?」

「え〜と、あの方向は……」



*   *



―白皇学院。

アテネと泉はちょうど同時刻に校門前で鉢合わせした。

別にあきらめて戻ってきたわけではない。

マリアと歩の目撃証言により、イブキが白皇にやってきてたことが分ったからだ。

スタート地点がゴールとは、イブキの考えそうなことである。

「ふっ、ここまでくるとはやりますわね」

「わ、私だって負けないもん!!」

アテネと泉、両者の間に火花が飛ぶ。

ここまできたら後はスピード勝負だ。

「よーし、それじゃあ片っ端から捜索開始だ〜♪」

「だからお前はもうちょい考えて動けよ!!」

考えるより行動派の泉はだっと駆けだす。

美希はカメラを片手に急いでその後を追った。

「……で、理事長。ウチらはどうします?」

理沙が尋ねると、アテネは余裕をもった表情で言った。

「ふ……慌てることはないわ。こんな時の為に秘密兵器を用意してあるわ」

「秘密兵器?」

「ええ……アルマゲドン!!」

アテネがパチンと指を鳴らして叫ぶと、どこからともなく一匹の大型犬が走ってきた。

「バウバウ!!」

「あはは、よしよしイイ子ね♪」

アテネはすり寄ってきた犬の頭をなでる。

この犬の名は『アルマゲドン』。

なぜかアテネになついている、自由を愛する一匹狼……じゃなくて一匹犬である。

アテネは懐から一枚のハンカチを取り出すと、アルマゲドンの鼻先に突き出す。

「さぁアルマゲドン、この匂いを嗅いでハヤテを探すのよ!」

「ワン!!」

アルマゲドンはハンカチの匂いをクンクンと嗅ぐ。

そして今度はきょろきょろしながら周りの匂いを嗅ぐと、やがて目的を見つけたのか一直線に走りだした。

「ワンワン!!」

「さぁ追いますわよ!!」

「あ、はい!!」

アテネと共にアルマゲドンを追いながら、理沙は一つの疑問を口にした。

「どーでもいいんですけど理事長、なんでハヤ太君のハンカチを持ってたんですか?」

「こ、これは捜査の為にさっきハヤテの部屋で拝借したのよ!捜査の為に!!」

「あ、そうっスか……」



*   *



一方その頃、負け犬公園でもある事件が起きていた。

「事件です、シャルナちゃん!!文の愛犬アルマゲドンが謎の失踪を遂げました!!」

「へー」

(゚Д゚)な顔をした少女の騒がしい声に、インド人の少女は淡白な反応を返した。

彼女たちの名は日比野文とシャルナ・アーラムギル。

白皇の一年生で、ハヤテ達の後輩にあたる。

「薄い!!薄いですよ、シャルナちゃん!?リアクションがキッチンペーパー並みの装甲です!!」

「だっていつものことじゃない」

意味の分からない例えを持ち出す文に、シャルナは冷ややかな視線を返す。

「さすがシャルナちゃん。無駄のない的確なツッコミ……やはりツッコミの国インドの人は一味違いますね」

「文ちゃん、勝手に人の国の名物を増やさないでくれる?」

かみ合ってるんだか、かみ合ってないんだかよく分からない凸凹コンビの二人。

彼女たちの日常会話はたいていこんなものだ。

見てるぶんには割と楽しい。

「とにかくです。ここは二人で捜索隊を結成し、アルマゲドンの行方を追いましょう!」

「わかったわ、文ちゃん」

なんだかんだ言いつつも協力するシャルナ。

こうしてアルマゲドン捜索隊が結成された。

「それで文ちゃん。最後にアルマゲドンを見たのはいつ?」

「さぁ?そういえばここ数日見かけてなかったので、まったく覚えてないです!」

「・・・・・・」

ポカッ!!

「いたっ!!痛いです、シャルナちゃん!!ゴメ、ゴメンナサイ……」

シャルナのゲンコツが降り注いだ……



*   *



戻って白皇学院。

「「あ」」

時計塔の入り口前で、アテネと泉&おまけどもは再度鉢合わせした。

アテネはアルマゲドンの追跡でここまでやってきたが、奇跡的に泉も偶然ここに辿り着いたのである。

泉、かなりの強運の持ち主である。

「ワンワン!!」

アルマゲドンは上を見上げて吠える。

「あそこね。待っていてハヤテ、今行くわ!!」

「え?あ、わ、私も乗る〜!!」

いまいち状況が呑み込めていない泉だったが、先を越されるのはマズイ気がしてアテネと同時にエレベーターに乗りこむ。

理沙と美希も一緒だ。

こうしてエレベーターは時計塔最上階へと昇って行った……



*   *



その頃、最上階生徒会室では。

「あら?何かしらコレ?」

実質この部屋の主にして、白皇学院生徒会長、桂ヒナギクは見慣れないものを前に首をかしげた。

部屋の片隅にあるロッカー。

今までこんなものは置いてなかったはずだ。

ヒナギクは中身を確認しようと扉に手をかける。

「「ちょっと待った――――――――――!!」」

そのとき、生徒会室の扉を勢いよく開いて、アテネと泉が飛び込んできた。

「い、泉!?天王州さん!?」

突然の乱入者にヒナギクは驚いて、思わずロッカーを開いてしまった。

そしてロッカーの中にはやはりハヤテがいて、直立姿勢で眠っている。

「は、ハヤテ君!?」

その姿を見て声をあげるヒナギクだったが、驚くのはさらにここからだった。

ロッカーが開いた勢いで、眠っているハヤテの体がぐらりと傾く。

「あ、ちょっ!!」

他にどうすることもできず、ヒナギクは倒れてくるハヤテを抱きとめる。

そのとき……





チュ……

「!!!???/////」

ハヤテの唇がヒナギクの右頬をかすめた。

二人はそのままバランスを崩して床に倒れる。

「は、ハヤテ君……/////」

ヒナギクの上にハヤテが倒れ、まるで押し倒されているような姿勢になった。

この状況にヒナギクは思考回路がショートし、やがてボンと顔から湯気を出して気絶した。

この羨ましい光景をみたアテネと泉は叫ぶ。

「「コラ―――――――――――――――!!!/////」」







こうして無駄な戦いは終わった……

ちなみに動画研究部部室にてモニターの前で約一名爆笑していたのは言うまでもない。


第六十二話 END


===============================================================================



はい、最後ヒナギクにおいしいとこ持ってってもらいました!

普段報われてない彼女なので、たまにはいいかなと。

結局、アテネと泉の決着はつきませんでしたが……ゴメンナサイ……

次回からはまた別の話です。

ではまた♪
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Re: Breath ? (9/2 更新) ( No.17 )
日時: 2012/09/03 00:15
名前: 匿名

どうも♪匿名っす♪
和也「和也だ」
輝雪「輝雪です♪」
・・・もういいけどさ。来ることに関しては言わないけどさ。せめて予告編させろや!
輝雪「こんな面白・・・じゃなくてハヤテくんをかけた大事な勝負。見逃せるわけないじゃない!」
私情が入ってるよね?どう考えても面白そうだから来たよね?
輝雪「・・・悪い?」
開き直りやがった!?
和也「うるさいぞ。感想しないなら帰すぞ」
二人「「ごめんなさい」」
和也「それじゃ感想だ。今回は最終決戦か。天王州も瀬川も気合がはいるな」
輝雪「天王州さんが勝った場合、ハヤテくんの貞操の危機。泉ちゃんが勝った場合、変態が襲う」
どっちにしてもデメリットしかない!?
和也「宝探し・・・ハヤテそのものか」
輝雪「お兄ちゃんなら一秒あれば特定できるわね」
泉は直感で、アテネは推理で。う〜ん、どちらも侮れん。
輝雪「というかイブキちゃん。あなたには容赦が無いの?」
和也「一応あるんじゃないか?ハヤテが死なないって事は手加減したって事だろ?」
俺はそんな事より、なぜアテネがハヤテの生活の事を知ってるか気になる。何で起床時間とかわかるんだよ。ていうか、何でナギに付き合わされた事を知ってるんだよ。
和也「ハヤテから直接聞いたのか?それとも隠しカメラか?」
寝てるとこ襲われてるから直接は無理だろ。
輝雪「でも、隠しカメラもいつ仕掛けたのかわからないわよ?」
・・・何でハヤテの生活を知ってるんだ!?
和也「まあ、とりあえず、だ。二人はついにハヤテの場所を突き止め向かうと」
輝雪「白皇生徒会長・桂ヒナギク登場!て感じかしら」
で、二人が止める暇なくヒナギクは・・・
輝雪「//////////////」
好い加減治れや!
輝雪「無茶言わないでよ!///」
和也「やれやれ。まあ、素直になれない生徒会長にはちょうどいい思い出になるんじゃないか」
ハヤテの顔をまともに見れなくなるだろうけどね。
輝雪「結局、今回の戦いで誰が一番得したのかしら?」
和也「とりあえず瀬川と天王州が損したのは確かだな」
ははは・・・。では、そろそろ終わりたいと思います♪匿名でした♪
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Re: Breath ? (9/2 更新) ( No.18 )
日時: 2012/09/03 11:59
名前: キー
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=9051

 χ「どーも。」\(゜ω\)

 調「・・・・・・・・・・」←体中に痣

 χ「そろそろ作者代理権限で治せば?」

 調「もういいや。…で、今回は……」

 χ「さてハヤテ、今回は言わずともわかるはずだ。最期の1段落。」

 調「まて、今ハヤテの話題で『最期』って言ったな……」

 χ「今回はぁぁぁぁ亜ぁ亜

 ・ハヤテのせいだぁぁぁぁぁぁぁ。なお、今回は『B?』のアテネと泉に処刑を依頼する
ことにする。

 さぁ、好きなだけ処刑するんだ。手段は問わん。アテネもやりたいことを好きなだけやる
んだ。」

 調「人の作品を勝手に『B?』と略すなぁぁ。しかもそんなことを言うとハヤテが……」




 χ「さて、アテネはハヤテのストーカーだったという……」

 サラ「どうでしょうかね。」

 χ「ヒナギクにとられたアテネと泉。……いやぁハヤテ、死ぬなよ。」

 サラ「死ななくてもいろいろな『何か』を失ったりするんでしょうかね。」

 χ「アテネと泉次第。」




 χ「ところで、道草さんも仲間だぁぁぁぁぁ。」(>ω<)

 奏「何の?」

 χ「小説の本編で顔文字を使った。」

 奏「あぁ、『(゚Д゚)』の事ね。」

 χ「いやぁ、本編で顔文字を使う人が見つからなくて。」

 χ「しかもイブキは何より面白キャラだね。……またハヤテ×イブキ×雷の展開を見たい
ものです。いやぁ、あの時のイブキは……」←逃亡

 奏「イブキさんにボコボコにされる前に退散したわね。……次回以降どうするんだろ
う。……あぁ、雷を持ってこれば……とりあえず私も逃げるわ。……また次回来ます。怖い
けど。連れてくるキャラでリクエストが有ればどうぞ。」
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Re: Breath ? (9/2 更新) ( No.19 )
日時: 2012/09/19 20:40
名前: 紅雪

どうもです、紅雪です!

もう少し先ですが、いよいよアニメ三期始まりますね…なんか白皇学園の校歌(今は歌詞変わったんでしょうかね?)通りになってて凄い気もしますが…

さて、それでは今回の感想へ行きたいと思います。

まずやはりというべきか、ハヤテ犠牲になってましたね。
あのハヤテの後ろを取るとは、さすがイブキ姐さん…(恐らく)慣れたものです。

それにしても、アルマゲドンがちゃんと仕事をしたことに驚きですよね。
いつもは飼い主に似てめちゃくちゃしてるのに…

というか今回一番良い思いをしたのはヒナギクですが、一番楽しんでたのはイブキという…人生ってホント理不尽。

さて、本当に不毛な戦いの結果は結局うやむやになってしまいましたね…
はっ、まさかヒナギクも巻き込んで三つ巴の戦いになったりするんでしょうか!?

まあ多分そんなことはないでしょうが、アテネとヒナギクが今回の様な戦いをしたらどうなるのかっていうのも、考えてみるとちょっと面白そうでした(作文風に)。

ではまた次回も来ますね。紅雪でしたノシ
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Breath ? (9/23 更新) ( No.20 )
日時: 2012/09/23 02:28
名前: 道草

どぅも★道草です!

新アニメのCM観たら、テンション上がってきた!!

それはさておき、レス返しをば。


◆匿名さんへ

>どうも♪匿名っす♪
>和也「和也だ」
>輝雪「輝雪です♪」


愛歌「どうも皆さん、感想ありがとうございます♪」

アテネ「お越しいただき感謝します♪」

皆さん、ありがとうございます!!


>和也「それじゃ感想だ。今回は最終決戦か。天王州も瀬川も気合がはいるな」
>輝雪「天王州さんが勝った場合、ハヤテくんの貞操の危機。泉ちゃんが勝った場合、変態が襲う」
>どっちにしてもデメリットしかない!?


アテネ「誰がそんなことしますか!!//////」

泉「ちょっと待って!!私が勝った場合の内容おかしくない!?なんで虎鉄君!?」


>和也「宝探し・・・ハヤテそのものか」
>輝雪「お兄ちゃんなら一秒あれば特定できるわね」
>泉は直感で、アテネは推理で。う〜ん、どちらも侮れん。


ホントはアテネサイド、もうちょいミステリーっぽくしたかったんですが僕には無理でした!!

あっ、そうだ!!これを機にアテネを幼児化させて見た目はチャイルド、頭脳はアダルトな名探偵に……

アテネ「いろんな意味でアウトですわ」


>輝雪「というかイブキちゃん。あなたには容赦が無いの?」
>和也「一応あるんじゃないか?ハヤテが死なないって事は手加減したって事だろ?」


イブキ「もちろん手加減してるよ?HP1だけ残る程度に」

逆に残酷だろ……


>俺はそんな事より、なぜアテネがハヤテの生活の事を知ってるか気になる。何で起床時間とかわかるんだよ。ていうか、何でナギに付き合わされた事を知ってるんだよ。
>和也「ハヤテから直接聞いたのか?それとも隠しカメラか?」
>寝てるとこ襲われてるから直接は無理だろ。
>輝雪「でも、隠しカメラもいつ仕掛けたのかわからないわよ?」
>・・・何でハヤテの生活を知ってるんだ!?


アテネ「は、ハヤテの事ならなんでもお見通しですわ……/////」

とか言ってはぐらかした!?

イブキ「ちなみに隠しカメラならあたしが既にセットしています」

ハヤテ「セットするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


>和也「まあ、とりあえず、だ。二人はついにハヤテの場所を突き止め向かうと」
>輝雪「白皇生徒会長・桂ヒナギク登場!て感じかしら」
>で、二人が止める暇なくヒナギクは・・・


ヒナギク「いやぁぁぁぁぁぁっ!!思い出させないでぇぇぇぇぇぇっ!!!/////」


>輝雪「//////////////」
>好い加減治れや!
>輝雪「無茶言わないでよ!///」
>和也「やれやれ。まあ、素直になれない生徒会長にはちょうどいい思い出になるんじゃないか」
>ハヤテの顔をまともに見れなくなるだろうけどね。


ヒナギク「落ち着きなさい……落ち着くのよヒナギク!あんなのただの事故じゃない……/////」

ハヤテ「あ、ヒナギクさ〜ん♪」

ヒナギク「!?」←もうダッシュで逃走

ハヤテ「……え?僕また何か嫌われるようなことしたかな……」


>輝雪「結局、今回の戦いで誰が一番得したのかしら?」
>和也「とりあえず瀬川と天王州が損したのは確かだな」
>ははは・・・。では、そろそろ終わりたいと思います♪匿名でした♪


匿名さん、ありがとうございました♪


◆キーさんへ

>χ「どーも。」\(゜ω\)
>調「・・・・・・・・・・」←体中に痣


伊澄「感想ありがとうございます」

歩「来てくれて嬉しいんじゃないかな♪」

ありがとうございます!……そして調さんは大丈夫ですか?


>χ「さてハヤテ、今回は言わずともわかるはずだ。最期の1段落。」
>調「まて、今ハヤテの話題で『最期』って言ったな……」
>χ「今回はぁぁぁぁ亜ぁ亜
>・ハヤテのせいだぁぁぁぁぁぁぁ。なお、今回は『B?』のアテネと泉に処刑を依頼することにする。
>さぁ、好きなだけ処刑するんだ。手段は問わん。アテネもやりたいことを好きなだけやるんだ。」
>調「人の作品を勝手に『B?』と略すなぁぁ。しかもそんなことを言うとハヤテが……」


アテネ「やりたいことって……/////」

泉「・・・・・・/////」

イブキ「ハヤテいろんな意味で終わったな……」


>χ「さて、アテネはハヤテのストーカーだったという……」
>サラ「どうでしょうかね。」


アテネ「誰がストーカーですか!!」

ヤバい……この作品、完全にアテネのキャラが崩壊している……なんとかせねば……


>χ「ヒナギクにとられたアテネと泉。……いやぁハヤテ、死ぬなよ。」
>サラ「死ななくてもいろいろな『何か』を失ったりするんでしょうかね。」
>χ「アテネと泉次第。」


ハヤテ「『何か』って何!?」


>χ「ところで、道草さんも仲間だぁぁぁぁぁ。」(>ω<)
>奏「何の?」
>χ「小説の本編で顔文字を使った。」
>奏「あぁ、『(゚Д゚)』の事ね。」
>χ「いやぁ、本編で顔文字を使う人が見つからなくて。」


こういうことができるのもネット小説の特徴なので、今回使ってみました♪

原作でも言われてたしね(笑)


>χ「しかもイブキは何より面白キャラだね。……またハヤテ×イブキ×雷の展開を見たいものです。いやぁ、あの時のイブキは……」←逃亡
>奏「イブキさんにボコボコにされる前に退散したわね。……次回以降どうするんだろう。……あぁ、雷を持ってこれば……とりあえず私も逃げるわ。……また次回来ます。怖いけど。連れてくるキャラでリクエストが有ればどうぞ。」

では、紗桜と直桜でお願いします。キーさんありがとうございました!

あ、イブキが追いかけて行った……


◆紅雪さんへ

>どうもです、紅雪です!


咲夜「まいどおーきに♪」

紅雪さん、感想ありがとうございます!!


>もう少し先ですが、いよいよアニメ三期始まりますね…なんか白皇学園の校歌(今は歌詞変わったんでしょうかね?)通りになってて凄い気もしますが…


三期も劇場版も果たしましたからね♪

しかし改めて聞くと、あの校歌ほんとカオスですね……


>まずやはりというべきか、ハヤテ犠牲になってましたね。
>あのハヤテの後ろを取るとは、さすがイブキ姐さん…(恐らく)慣れたものです。


イブキ「ふっ、お褒めにあずかり光栄だよ♪」

ハヤテ「……イ〜ブ〜キさん★」←珍しく本気で怒ってます。

イブキ「・・・・・・(汗)」


>それにしても、アルマゲドンがちゃんと仕事をしたことに驚きですよね。
>いつもは飼い主に似てめちゃくちゃしてるのに…


文「はて、誰がめちゃくちゃなのですかね?」

シャルナ「あなた以外ありえないわよ、文ちゃん」

文「はうっ、痛烈!?痛烈ですよ、シャルナちゃん!!こうなったら文の底力を見せてやりましょう!!アルマゲドン、お手!!」

アルマゲドン「バウ!」

文「あはは♪違いますよアルマゲドン、かむんじゃなくてお手です!まったく甘えん坊ですね〜♪……いたい。痛いですよアルマゲド―――――ン!!?」


>というか今回一番良い思いをしたのはヒナギクですが、一番楽しんでたのはイブキという…人生ってホント理不尽。


イブキ「人生とは理不尽なもの……大切なのは立ち向かう心なのだよ」

ハヤテ「名台詞っぽくごまかすなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


>さて、本当に不毛な戦いの結果は結局うやむやになってしまいましたね…
>はっ、まさかヒナギクも巻き込んで三つ巴の戦いになったりするんでしょうか!?
>まあ多分そんなことはないでしょうが、アテネとヒナギクが今回の様な戦いをしたらどうなるのかっていうのも、考えてみるとちょっと面白そうでした(作文風に)。


どんどん激化するハヤテ戦線……これは元凶(ハヤテ)を絶たないと終わりそうにありませんね……

イブキ「……いっそ殺る?」

ハヤテ「?」


>ではまた次回も来ますね。紅雪でしたノシ


紅雪さん、ありがとうございました♪



では以下から本編です!


===============================================================================


第六十三話 『東宮君奮闘記』


―東京都新宿区。

立地条件から一部屋数億は下らない、とある新築マンション。

その上階の一室で、一人の男が窓辺に立ち物思いにふけっていた。

背格好は細身で、人の良さそうな穏やかな顔つき。

彼の名は足橋剛治。職業、漫画家。

年間一千万部超えを誇る、若手漫画家界のカリスマ的存在である。

足橋はじっと動かずに眼下の街並みを眺めていた。

もっとも彼の目は細いので、外の景色を眺めているのか、それとも立ったまま居眠りぶっこいてんのか傍目では分かりづらいが……

「はぁ、今日も平和だな〜……」

右手に持ったコーヒーを飲み一息つく。

空も晴れ渡り、本当に穏やかな一時だ……







「って、そんな呑気に言ってる場合かぁぁぁぁぁぁっ!!こっちはもう締切目前で戦場ですよ、先生ぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」

部屋の中にもう一人いた少年が力の限り叫ぶ。

その額には『価値ある努力!!』と書かれたハチマキが巻かれており、まるで勉強に必死な受験生のようだ。

まぁ、ハチマキつけて勉強する受験生が実際にいるかどうかは定かではないが……

この少年の名は東宮康太郎。

ハヤテ達のクラスメートであり、足橋剛治のたった一人のアシスタントである。

アシスタントが一人というのは明らかに少ないが、それでも(ギリギリで)なんとかしてしまうのが足橋のすごいところだ。

だが今回は締切間近だというのに原稿がほとんどできておらず、流石にヤバい。

しかし、足橋はなおもマイペースに笑っていた。

「あっはっは、慌てない♪慌てない♪」

「慌てるわぁぁぁっ!!!あと何枚白紙があると思ってんですかぁぁぁぁぁっ!!!」

今現在、作業は完全に停止していた。

足橋がページを描かない以上、アシスタントも先に進めようがないからだ。

「とにかく、急いで描いてくださいよ!」

このままではらちがあかないと、康太郎はせっつく。

「康太郎君……僕が何もしていないように見えるかい?」

「見えますけど、何か?」

足橋は「ちっちっち」と指を振り、諭すように言った。

「いま僕はね……こうやってマンガの神様が降りてくるのを待っているんだよ。もしくは宇宙からアイデアが電波に乗ってやってくるのを」

「そんな他力本願でどうするんですか!!」

「康太郎君……漫画家というのは絵を描いてるとき以外は大抵こうやってボーっとしているものなのだよ」

※ウソです。全国の漫画家の皆様ゴメンナサイ。

「でも、もう時間が……」

「まぁまぁ、もう少し待……」

そのとき、足橋は急に言葉を止め、そのまま硬直した。

「先生?」

康太郎は不思議に思い、顔を覗き込む。

すると次の瞬間……

「キタ――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!」

「先生!?」

足橋はその細い目をカッと見開き、咆哮をあげた。

だいぶ近所迷惑である。

それはさておき、足橋は急いで机に向かい、ペンを力強く握って原稿と対面する。

そして凄まじい勢いでペンを走らせた。

先ほどまで真っ白だった紙が、みるみる線で埋まっていく。

「先生!!」

その姿に康太郎は感激する。

このモードに入った足橋先生は、さっきまでとはもはや別人だ。

どうやら本当にマンガの神様が降りてきたらしい。

あるいは宇宙からアイデアを受信したのか。

……いやまぁ、どっちでもいいけど。

「康太郎君、ここ背景!!2ページ目にトーン、4コマ目はベタ!!」

「は、はい!!」

足橋から指示が飛び、康太郎も作業に取りかかる。

こうなると後は早い。

さっきまでとはうって変わって大忙しとなる。

仕事量にムラのある職場であった……





―数時間後。

「な、なんとか間に合いましたね……」

「いや〜、お疲れ♪」

ゼーハーと大きく息をはく康太郎を、足橋はポンと肩に手を置いて労う。

短時間で原稿を完成させ、どうにか締切には間に合った。

「お疲れ様です。じゃあ僕はこのへんで……」

「ああ、では気を付けて帰りたまえ!」

帰路につくべく、片付けを始める康太郎。

必要なものをバッグにつめこむと、出口へと向かう。

そしてドアノブに手をかけたところで、最後の挨拶をしようと振り返った。

足橋は窓辺に立って黙り込んでいる。

その様子を見て康太郎はくすりと笑った。

「先生、またアイデア待ちですか?」

今終わったばかりなのに仕事熱心だなぁ。

と康太郎は思ったが……

「……ZZZ」

「いや、今度は立ったまま寝てる!?」

足橋も疲労困憊だったようだ。

康太郎は大急ぎで足橋をベッドに運んだあと、部屋を後にした……



*   *



夕暮れ時、今日もまた沈みゆく太陽。

その残り火が空を茜色に染め上げ、生まれた影が大地を黒く塗りつぶしていく。

「……ふぅ」

帰り道、康太郎は歩きながら一人考えていた。

自分は本当に成長しているのだろうか?

執事である野々原がいなくなって、一人で生きていけるようになろうと決めた。

誰かに頼って甘えるのを止め、これからは自分の足で生きていこうと。

足橋先生のアシスタントを始めたのもその為だ。

けど僕は本当に変われたのかな?

答えを返してくれない空に向かい、そっとつぶやく。

「……野々原」

と、そのとき。

ドン!

「あっ!」

「いてっ!」

よそ見をしていたため、人にぶつかってしまった。

見るとガラの悪そうな男五人が道路の脇でたむろしていた。

康太郎は慌てて謝る。

「ご、ごめんなさい!!」

だがぶつかった男は納得せず、声を荒げる。

「ゴメンで済むなら警察はいらねぇ!!」

「ぷっ、お前がそれ言うのかよ?」

男の仲間たちがゲラゲラと下品な笑い声をあげる。

そして康太郎は男たちに取り囲まれてしまった。

「あー、いたいわー。骨折れたかもなー」

聞くに堪えないわざとらしい演技をする男。

康太郎は壁際に追い詰められ、怯えながらバッグを両腕で抱える。

「こりゃあ治療費もらわねぇとなぁ。ほら、金出せよ」

「そ、そんな……」

男たちはじりじりと迫ってきて、バッグを取り上げようと手を伸ばしてきた。

康太郎のひざがガクガクと震える。

「……うう」

痛い目に遭うくらいなら、言う通りにしよう。

そうすれば誰も傷つかない。

お金で解決するなら安いものだ。

そんな考えが頭をよぎる。







……だが違う。

ここで理不尽な事に屈したら、男じゃない!!

康太郎は勇気を振り絞って抵抗を試みた。

「うわああああああああああ!!!」

目をつぶって叫びながら拳を突き出す。

足が震えていて腰の入っていない弱々しいパンチ。

男たちはバカにして笑っていたが、次の瞬間……!!

「げふっ!?」

男たちの中の一人が吹っ飛び、後ろの壁に叩きつけられた。

「……え?」

突然の事態に唖然とする男たち。

吹っ飛んだ男は完全に気を失い地面に倒れた。

「こ、この野郎!!なにしやがった!?」

「わあっ!?」

訳がわからないまま、康太郎はつかみかかってこようとした男にもう一度パンチを放つ。

するとまたしても男の体が大きく吹き飛んだ。

「ぐあっ!?」

「お、おい!?」

次々と仲間が倒され、驚愕する男たち。

そして誰よりも康太郎本人が一番驚いていた。

これはあれか!?

僕の中の秘められた力が遂に覚醒したのか!?

「くそっ!!」

なんて厨二なことを考えてる隙に、後ろから別の男が殴りかかってきた。

「ひいっ!!」

康太郎は頭をかばい目を閉じる。

これはかわせない、そう思ったのだが……





ふわり……

体が急に軽くなった。

目を開けると天地が逆転し、足元に空、頭上に地面が広がっている。

今まさに宙に浮いているところだった。

えええええ!?なんだこれ!?

空中浮遊まで可能になったのか、僕は!?

と、一瞬思ったが……

「だれだテメェは!?」

「……え?」

男が自分ではない誰かを指差しているのに気付いた。

そして逆さになっていた視点が元に戻る。

だが足はまだ浮いていた。

いや……正確には誰かに持ち上げられていた。

康太郎は首を動かして、後ろを振り返る。

そこにいたのは自分と同じ年頃の黒髪の少年。

……と康太郎は思っているが、実際には少女。

そう、イブキである。

イブキは塀の上に立ち、子猫でも捕まえたかのように康太郎の襟をつかんで持ち上げていた。

さきほど康太郎が宙に浮いたような錯覚を覚えたのは、イブキがつかんでジャンプしたからだ。

その前に男二人を気づかれないほど素早く倒したのも、もちろん彼女の所業である。

「お前一体何者だ!?」

「・・・・・・」

男の質問にイブキは答えない。

そもそもさっきからずっと目をつぶっていて、相手を見てもいなかった。

眼中にないとはまさにこのこと。

しかも両耳にはイヤホンをつけてipodを聴いていた。

「ふんふんふふふ〜〜〜ん♪」

しまいには鼻歌を口ずさみ、トントンと足でリズムを刻んでいた。

これでは男たちが激昂するのも無理はない。

「くそっ!バカにしやがって!!」

「やるぞ!!」

「おう!!」

残った男三人が一斉に襲いかかってくる。

イブキは塀の上から降りて康太郎を安全なところに放すと、男たちの方へ向かって行った。

「ちょ、ちょっと!!」

康太郎の制止も聞かず突っ込んでいくイブキ。

この状況でも目をつぶっており、イヤホンも付けたままだ。

「うらっ!!」

「くらえ!!」

右から、左から、次々と男たちの攻撃が繰り出される。

だがイブキは見ることも聞くこともせずに、すんなりとかわしていた。

気配を肌で感じ取っているとでもいうのだろうか?

「ん〜〜ん〜〜んんん〜〜〜♪」

依然として鼻歌を歌い、敵の間を駆け抜けるイブキ。

康太郎は思わず見とれていた。

リズムに乗って軽やかなステップで舞うその姿は、ケンカしているというよりまるでダンスのようだ。

「〜〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜♪」

「ぎゃあっ!?」

「げほっ!?」

流れるようなイブキの連続蹴りが決まり、男二人がほぼ同時に倒れる。

とうとう残るは一人のみとなった。

「ひ、ひいっ!!」

勝ち目がないことを悟り、男は逃げに転じる。

だがイブキはそれを許さない。

「はや〜〜ての〜〜〜ご〜と〜く〜〜〜♪」

「ぐはぁっ!!」

最後のワンフレーズだけ歌詞を口にして、イブキはフィニッシュを決めた。

後には男たちの無残な姿が残るだけ……

イブキはパンパンと埃を払うように手を叩くと、康太郎の方へ振り向く。

そしてイヤホンを外して、初めて目を開いた。

深紅の瞳がきれいだ、と康太郎は思った。

「だいじょぶかね少年?」

「あ、は、はい!」

倒れている男たちをまたいでイブキが近づいてきて、康太郎は礼を述べる。

「あの、助けてくれてありがとうございます……」

「気にすんな、たまたま通りかかっただけだし。まったく、こういう奴らみるとホント気が萎えるわ〜」

イブキは足元に転がっている男たちを見下ろしてため息をつく。

一方、康太郎は自分が情けなくなった。

強くなろうと決めたのに、結局また他人に助けられてしまった……

これじゃあ何も変わってないじゃないか……

悔しさと憧れの気持ちが、思わず口をついて出る。

「僕もあなたみたいな強い男になれたら……」

「どーん」

「あうっ!?」

人差し指で額を軽く小突かれる。

痛くはないが、重心を崩され康太郎は二、三歩後ろによろめいた。

「もうちょい人を見る目を養いたまへ。あたしゃ女じゃ」

「えええええええええ!?ご、ごめんなさい!!」

「まぁ、いつものことだから別にいいんだけどね」

康太郎は二つの意味でショックを受けていた。

一つは、イブキが女だと知ってビックリしたこと。

そしてもう一つは女の子に助けられてしまったことだ。

康太郎はますます落ち込む。

「……ほんと情けないですよね。僕もあなたみたいに強かったら……」

「・・・・・・」

イブキはしばらく黙っていたが、やがてため息をついて言った。

「あのねぇ……暴力で物事解決したところで何の自慢にもならないんだよ」

「え?」

「あたしはただ『気に入らない』からコイツら殴っただけだ。自分勝手に人を傷つけて……結局あたしもコイツらと同類なのさ」

イブキは倒れている男たちを指差し、自嘲して笑う。

「そ、そんなこと……」

そのどこか淋しげな笑顔をみて、康太郎は異を唱えようとする。

自分を助けてくれた彼女が、このチンピラたちと同じとは思えなかったし、思いたくもなかった……

だが康太郎の言葉は、続くイブキの声にさえぎられた。

「あたしに言わせりゃ、君の方がよっぽど羨ましいよ」

「え?」

康太郎はイブキの言葉の意味が理解できずキョトンとする。

するとイブキは康太郎の右手をぐいと引っ張って目の前にもってきた。

「君のこの手……」

男の子にしては綺麗な掌。

しかしよく見ると指にペンだこができている。

マンガのアシスタント業で培われたものだ。

「何やってるのかは知らないけど、これは人を傷つける為のものじゃないよ。何かを作り……生み出すための手だ」

「作り……生み出す?」

イブキは手を放すと、くるりと背中を向けて続ける。

「傷つけたり壊したりすることよりも、作ることの方がよっぽど難しいさ。あたしにはできない、だから羨ましい。君のその手は、いつか多くの人を笑顔にする……そんな気がする」

「……僕が?」

康太郎は自分の手をじっと見つめる。

……本当にそんな日がくるのだろうか?

正直実感が湧かない。

だがそれでも、少し胸が軽くなった気がした。

「じゃあな、少年。今後は絡まれないように気をつけろよー!」

イブキはヒラヒラと手を振って立ち去ろうとする。

その後姿を見て、康太郎はあわてて呼び止めた。

「ま、待ってください!!まだ名前も……」

イブキはふっと笑うと、キザったらしく前髪をかきあげながら振り返った。

「名乗るほどの者じゃ「あ、イブキさんじゃないですか〜♪」…………」

そのとき、相変わらずの絶妙なタイミングでハヤテが登場した。

呑気に手を振りながら、笑顔で歩いてくる。

「あれ、東宮君も?どうしたんです、こんなところで?」

「は、ハヤテ……?」

「・・・・・・」

思わぬ知人の登場に驚く康太郎。

一方、イブキは髪をかきあげた仕草のまま硬直していた。

「どうしました、イブキさん?」

「・・・・・・」

「……あ、『イブキさん』って言うんですか?」

「・・・・・・」

イブキはばつが悪そうな顔をすると、キッとハヤテを睨みつけ……

「イブナックル!!」

「ぐはっ!!」

鉄拳をかました。

倒れたハヤテは右頬をおさえ、弱々しい声をあげる。

「うう、親父にもぶたれたことないのに……」

「お前の場合ただ育児放棄されてただけじゃねーか!!ていうかそのセリフ言いたかっただけだろ!?」

「まぁ、そうなんですけどね」

ハヤテはけろっとした様子で立ち上がる。

「ほら、人間誰でも一生に一度は言ってみたいセリフってあるじゃないですか」

「あたしはたった今、お前のせいでそれを言いそびれたよ!!ええい少年、こうなったらテイク2だ!!」

「ええ!?」







―テイク2。

「じゃあな、少年。今後は絡まれないように気をつけろよー!」

イブキはヒラヒラと手を振って立ち去ろうとする。

その後姿を見て、康太郎はあわてて呼び止めた。

「ま、待ってください!!まだ名前も……」

イブキはふっと笑うと、キザったらしく前髪をかきあげながら振り返った。

「名乗るほどの者じゃないさ……」

そう言い残し、イブキはまた背を向ける。

そして赤く輝く夕日の中へと、その姿を消していった……


―完―







「っていう感じで終わらせたかった!!」

「わざわざコピペしてまでやる内容ですか!?」

「うるせぇ!!お前がタイミング悪く出てくるのが悪いんだろうが!!」

「……あの〜、そろそろ話戻していいですか?」

ギャーギャーと騒ぐ二人に康太郎が割って入る。

「それで二人とも知り合いなの?」

「ええ、まぁ」

ハヤテがうなずくと、イブキはコホンと咳払いした。

「では改めまして……ハヤテの親友にして宿敵。あるときは弟子であり、またあるときは師匠であり、果たしてその実態は……姉弟分と言えなくもない?敵か味方か、イブキちゃんです!」

「スイマセン、イブキさん……ややこしいのでせめてどれか一つに統一してください」

「んじゃあ宿敵で」

「それを残すの!?」

と、このようにときにはボケたり、かと思えばツッコミにまわったりと、作者としてもいまだに立ち位置のよく分からないキャラであった。

「で、君は?」

「あ、はい。僕は東宮康太郎っていいます」

「ふ〜ん、コー君か〜。よろしくね〜♪」

「は、はい!よろしくお願いします!!」

初対面でいきなりあだ名をつけられて戸惑いつつも、康太郎は返事をした。

そして今度はイブキがハヤテと康太郎を見比べる。

「てゆーか、あんたらも知り合いだったのね」

「はい、クラスメートですよ」

「ふ〜ん、世の中せまいね〜」

「イブキさんと東宮君こそ、ここで何を……って大体見ればわかりますね……」

ハヤテは周りに倒れているいかにもチンピラ風な男たちを見て、状況を察した。

「イブキさんも女の子なんだから、あんまり無茶しちゃダメですよ?」

「アー、ハイハイ。ワカリマシタヨー」

イブキは指で耳をふさぎながら、棒読みで答える。

反省する気ゼロだ。

そんなやりとりをみて康太郎は、仲がいいなぁと微笑む。

ちょっと羨ましくも思う。

「じゃあ、東宮君、僕はこれで」

「あ、ああ、またな」

別れをつげるハヤテに、康太郎は手をあげて返す。

イブキもまた大きく手を振っている。

「達者でなハヤテ〜♪」

「あなたも一緒に帰るんでしょうが!?ほら行きますよ!!」

「ちょ、わかったから引っ張んなって!!じゃあまたな、コー君♪」

「は、はい……また」

そして康太郎はアパートへと帰っていくハヤテとイブキの後姿を見送る。

歩いている間もまだなにやら騒いでいた。

二人の姿が遠くなったところで、ふとつぶやく。

「イブキさん……か」

夕日に照らされて、二人の後を追うように影が長く伸びていた……


第六十三話 END

===============================================================================


たまにはハヤテ以外の男キャラを書いてみようという話。

そしてイブキの哲学というか、考え方が少し垣間見える感じ。

イブキはああ見えて、実は自嘲癖があるのです。

では、また次回♪
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Re: Breath ? (9/23 更新) ( No.21 )
日時: 2012/09/23 07:24
名前: 匿名

どうも♪匿名です♪
輝雪「輝雪でーす♪」
和也「和也だ」
感想に来ました♪
和也「・・・東宮も大変だな」
輝雪「というか、先生の仕事場・・・でもなぜかイメージにあってるのよね。不思議ね」
というか不良。くそ、何処かにヤンク○はいないのか!?
輝雪「まさかのごくせ○!?で、東宮くんは勇気を持って立ち向かうと」
吹っ飛んだ!
和也「実は紫藤の援護打撃」
射撃じゃなくて打撃。ここ重要。
輝雪「音楽聞きながら不良を倒す。まあ、そこまで難しいことじゃないわね♪」
マジで!?
和也「聞いてる音楽は、ハヤごと一期のOP【ハヤテのごとく!】か?」
輝雪「イブキちゃんかっこいい〜♪」
で、イブキは東宮に自分の考えを言うと。
輝雪「イブキちゃんはまだいい・・・てことも無いけど、私たちからしたら“まだその程度”の手よね。私たちのは“殺しの手”だから」
和也「すでに何百何千と命を刈り取ってるからな」
鬼狩りでな。まあ、東宮は自分の勇気と手を誇れるように頑張れよ。
和也「紫藤はそこでよくあるワンシーンを演じようとしたら・・・」
輝雪「あちゃ〜、ハヤテくん」
顔が微笑んでるぞ。
輝雪「!?こ、これはハヤテくんの行動がいつも通りでドキッとしたわけじゃ無いんだからね!?」
本音本音。
和也「だだ漏れだ」
輝雪「・・・」
ま、最後は皆和気あいあいと終わってよじゃったじゃん♪
和也「次回も期待だな」
それでは、匿名でした♪
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Re: Breath ? (9/23 更新) ( No.22 )
日時: 2012/09/23 16:53
名前: キー
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=9486

 ナオ「ナオッちです。リクサンキュッ!」

 サラ「リクエストありがとうございます。…私たちって、完全に桜以外は適当なので、漢
字で呼ばれることはあまりないですけどね。」

 ナオ「それはともかく……鉢巻…ねぇ、確か……」

 サラ「χは中学受験でハチマキをして居ましたよ。……面白半分のノリで。」

 ナオ「…χって、適当だもんね。…『受験するために塾に行ったのではなく、塾に行った
から受験したのだ』とか言っていたし。」

 サラ「受験性でもハチマキはありだと思いますよ。」

 ナオ「…足橋先生は……うん、突っ込んだら負けだね。」

 サラ「そうだ、…この企画をやらないといけませんね。」

 ナオ「χや調が居ないからってハヤテくんは油断してはいけません。

 『ハヤテの責任(桜姉妹版♪)』だよ。

 ・綾崎ハヤテくん、貴方は今回、イブキさんの決めポーズを踏みにじりました。…よって
私たちが直々に『死のワルツ』をやってもいいのですが、…やはり道草さんに任せます。


 というわけで、ハヤテくん作者や代理が居ないからといって油断は禁物ですよ。」

 サラ「……今度、雷を凍らせて持ってこようかな。」

 ナオ「いいね。…イブキさん(乙女 ver)もそろそろ見たいし。」

 サラ「さて、逃げましょうか。……前回はχだけが作者権限で逃げ切って、奏がイブキさ
んに襲われたので、…威嚇しつつ逃げましょう。奏の犠牲は無駄にはしません。」

 ナオ「次回もきますよ。…リクあればどうぞ。」←毒壁を作りつつ逃走

 サラ「ではまた。」←気温を大幅に下げつつ逃走
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Breath〜君と息衝く日々〜 3 (10/22更新) ( No.23 )
日時: 2012/10/22 22:59
名前: 道草

どぅも★道草です!

上記までが『ひなたのゆめ』からバックアップした内容になります。

今回からまたこの『止まり木』でお世話になりますので、改めまして宜しくお願いします!

このサイトを作ってくださった双剣士さん、本当にありがとうございます。

ではレス返しをば。


◆匿名さんへ

>どうも♪匿名です♪
>輝雪「輝雪でーす♪」
>和也「和也だ」


マリア「お越しいただきありがとうございます♪」

歩「来てくれて嬉しいんじゃないかな♪」

皆さん、感想ありがとうございます!


>和也「・・・東宮も大変だな」
>輝雪「というか、先生の仕事場・・・でもなぜかイメージにあってるのよね。不思議ね」


畑先生の仕事場もこんな感じかなぁ……

康太郎「いや、それはないだろ……」

足橋「だろうね」


>というか不良。くそ、何処かにヤンク○はいないのか!?
>輝雪「まさかのごくせ○!?で、東宮くんは勇気を持って立ち向かうと」


ハヤテ「ヤン○ミ先生と違って、こっちの担任はアテにならないですからね〜」

康太郎「確かに。力はあるけど、どっかで飲んでそうだ……」

雪路「うい〜、ひっく。よんだ〜?」


>輝雪「音楽聞きながら不良を倒す。まあ、そこまで難しいことじゃないわね♪」
>マジで!?
>和也「聞いてる音楽は、ハヤごと一期のOP【ハヤテのごとく!】か?」
>輝雪「イブキちゃんかっこいい〜♪」


やはり輝雪さんたちもさすがですね……。選曲についてはその通りです。

イブキ「あたしのipodにはハヤテのアニソンしか入ってないしね」


>和也「紫藤はそこでよくあるワンシーンを演じようとしたら・・・」
>輝雪「あちゃ〜、ハヤテくん」
>顔が微笑んでるぞ。
>輝雪「!?こ、これはハヤテくんの行動がいつも通りでドキッとしたわけじゃ無いんだからね!?」
>本音本音。
>和也「だだ漏れだ」
>輝雪「・・・」


輝雪さんも意外とわかりやすいですね♪(笑)


>ま、最後は皆和気あいあいと終わってよじゃったじゃん♪
>和也「次回も期待だな」
>それでは、匿名でした♪


匿名さん、ありがとうございました♪


◆キーさんへ

>ナオ「ナオッちです。リクサンキュッ!」
>サラ「リクエストありがとうございます。…私たちって、完全に桜以外は適当なので、漢字で呼ばれることはあまりないですけどね。」


咲夜「感想おーきに♪」

理沙「ふっ、感謝するぞ!」

皆さん、来てくれてありがとうございます♪


>ナオ「それはともかく……鉢巻…ねぇ、確か……」
>サラ「χは中学受験でハチマキをして居ましたよ。……面白半分のノリで。」


マジすか!?なんかスイマセン!!

自分はやってる人を見たことがなかったので、てっきり都市伝説かと……


>ナオ「…足橋先生は……うん、突っ込んだら負けだね。」


足橋「ええええええ!?むしろツッコミ待ってたのに!!」

康太郎「待ってたんですか!?」


>サラ「そうだ、…この企画をやらないといけませんね。」
>ナオ「χや調が居ないからってハヤテくんは油断してはいけません。


これは……

ハヤテ「まさか……」


>『ハヤテの責任(桜姉妹版♪)』だよ。


ハヤテ「やっぱりかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


>・綾崎ハヤテくん、貴方は今回、イブキさんの決めポーズを踏みにじりました。…よって私たちが直々に『死のワルツ』をやってもいいのですが、…やはり道草さんに任せます。


じゃあ、とりあえず女装させておきますか♪

ハヤテ「なんでまっさきに思いつく罰がそれなんですか!?」


>というわけで、ハヤテくん作者や代理が居ないからといって油断は禁物ですよ。」


ハヤテ「うう……いつまで続くのこれ?」


>サラ「……今度、雷を凍らせて持ってこようかな。」
>ナオ「いいね。…イブキさん(乙女 ver)もそろそろ見たいし。」


イブキ「やめんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


>サラ「さて、逃げましょうか。……前回はχだけが作者権限で逃げ切って、奏がイブキさんに襲われたので、…威嚇しつつ逃げましょう。奏の犠牲は無駄にはしません。」


奏は生きている……俺たちの心の中にな!

ハヤテ「勝手に人様のキャラを死んだみたいに言わんでください……」


>ナオ「次回もきますよ。…リクあればどうぞ。」←毒壁を作りつつ逃走
>サラ「ではまた。」←気温を大幅に下げつつ逃走


皆さん、無事逃げ切ってください。

ではキーさん、ありがとうございました♪


では本編に参ります。

ちょうど原作とモロにネタがかぶってしまいましたが、ご容赦ください……



===============================================================================


第六十四話 『綾崎ハヤテの休日』


それはとある休日の朝の事。

珍しく早く起きてきたナギはリモコンを片手にテレビを観ながら、こんなことを言い出した。

「ハヤテ、お前に暇を出す」

「……え?」

主の突然の宣言に、台所で洗い物をしていたハヤテは思わず皿を落としそうになった。

『暇を出す』……それは上流階級における使用人への遠回しな解雇宣告だ。

「そ、それはつまり僕はクビってことですか……?」

「は?いや、そういう意味ではなく……って、うおおおおい!!?何を泣いているのだ!?」

ナギがテレビから目を離して振り向くと、ハヤテは涙をにじませ肩を震わせていた。

ハヤテにとって、ナギに見捨てられるというのはそれほどまでにショックな事なのだ。

子犬の様に震えるハヤテの姿を見て、ナギは不謹慎にもかわいいと思ってしまう。

「だからそういうことではなく、普通に休みをやると言っているのだ!!」

「ぐすっ……お休み……ですか?」

早とちりに涙をぬぐいながらも、ハヤテは首をかしげた。

ハヤテが疑問に思うのも無理はない。

あの我儘で自分勝手で怠け者のナギがこんなことを言い出すなんて……今日、人類は滅亡するとでもいうのだろうか?

「……なんか今、ものすげー失礼な事言われた気がする」

「まぁまぁ……それはともかくどうして急に?」

「まぁ、その……なんだ」

ナギは指をもじもじさせ、言いづらそうに声を小さくする。

「ハヤテいつも頑張ってるから、たまにはゆっくり休んでもらおうというか……私からの感謝の気持ちというか……ごにょごにょ/////」

「え?なんですか?」

よく聞き取れなくてハヤテは聞き返すが、ナギは気恥ずかしくて二度は言わない。

「と、とにかく!!今日は仕事はいいからとっとと休めと言ってるのだ!!!/////」

「え……で、ですが……」

「うっさい!!さっさといけ、ハヤテのバーカ、バーカ!!」

「は、はいいいいい!!ではお言葉に甘えまして!!」

ナギの剣幕に押され、ハヤテはなかば追い出されるように部屋を後にする。

そして大声を出したことで肩で息をするナギに、一部始終を見ていた同居人二人が声をかけた。

「あらあら、珍しいですわね。ナギがハヤテ君に気を遣うなんて♪」

「どういう風の吹き回しだ?」

「ふっ……」

マリアと千桜の物珍しげな視線に、ナギはふんぞりがえって胸を張る。

「新アニメも始まったことだし、ここらでメインヒロインの器の大きさを見せつけてやろうと思ってな!」

「何の話をしてるんだお前は……」



*  *



「とは言ったものの……」

屋根裏の自室へと戻ったハヤテは、布団の上に座り暇を持て余していた。

毎日仕事に没頭していたことで、もはや休日の過ごし方というものを忘れてしまっている。

完全なワーカホリック(仕事中毒)である。

「思えば執事になる前からバイト三昧だったからなぁ……。せっかくお休みをいただいたのに、何すればいいのかわかんないや……」

仕方なく布団の上にゴロンと寝転がり、天井を眺める。

しかしまだ起きたばかりなので眠気はない。

「・・・・・・」

あ、あんなところに雨漏りが……。後で直さないとな……

あっちのシミはなんだか人の顔に見えるな。お嬢さまに話したら怖がりそうだ……

むこうには赤い手形が……。近くには血文字で『呪ってやる』って書いてある。

いや〜、さすがいわくありげなアパート。

こうしてみると新たな発見があるものだなぁ……







「なんてしみじみしてる場合か!!少しはツッコめよ!!」

そう言って壁をすり抜けて登場したのは、幽霊神父リィン・レジオスター。

彼を見るなり、ハヤテは露骨に嫌そうな顔をした。

「何か用ですか、神父さん?」

「何かじゃないよ!もうちょっと怖がれよ!!せっかく私が赤いペンキで演出してやったというのに!!」

「人ん家の天井に勝手に落書きしないでください」

ハヤテは上半身を起こし、ため息をつく。

「まったく、あなたの地味なドッキリにつきあってるヒマは……………あるけど」

哀しいかな、今はたっぷりと時間がある。

とはいえ、この幽霊神父相手に費やすのはすごい嫌だった。

「せっかく時間があるんだから勉強でもするか……。神父さんは邪魔なんでどっかいってください」

そのほうが有意義だと思い、ハヤテは机の前に座ると「しっしっ」と手で追い払う。

まるで虫扱いだ。

「ちっ、つまらんやつめ。まぁいい、私は録画した新アニメのチェックでもするか……」

そう吐き捨てながら神父はまた壁をすり抜けて消えて行った。

邪魔もいなくなったところでハヤテは教科書や筆記用具をとりだし、勉強に臨む。

「よし!じゃあこの前ヒナギクさんに教えてもらったところから……」

「だめよー♪」

その声と同時に、右手に持っていたはずのペンがふいに消えた。

振り返るといつの間にか後ろにヒナギクが立っていて、取り上げたペンを指でクルクル回している。

「ひ、ヒナギクさん!?ど、どうしてここに?」

「ナギに頼まれたのよ」

ハヤテの質問に、ヒナギクはどこか嬉しそうに優しく微笑みながら答えた。

「ハヤテ君がゆっくり休めるように協力してくれって♪」

「お嬢さまが……?」

その言葉にハヤテは感動する。

お嬢さまが自分の為にそこまでしてくれるなんて……

「と、いうわけで生徒会長がこんなこと言うのもアレだけど、今日は勉強禁止ね♪」

「……え?」

そしてヒナギクはペンに引き続いて、教科書や筆記用具まで没収してしまう。

「あの、ヒナギクさん……それじゃ僕やることが……」

「天気がいいんだから、部屋にこもってないで外で遊んでらっしゃい」

「なんだかお母さんみたいですね、ヒナギクさん」

「バッ……!?いいからいきなさ―――――――――い!!!/////」

「は、はいいいいい!!いってきま―――――――――す!!!」

こうして今度は自分の部屋から追い出されるハヤテであった……



*    *



そしてアパートの玄関前に出てきたハヤテ。

「う〜ん、やっぱり仕事してないと落ち着かないな〜……」

ふと目をむけると、脇にいつも使っている竹箒が立てかけてあった。

ハヤテは体がうずうずして堪えきれなくなり、気がつけば箒を握りしめていた。

「よし、やっぱり掃除しよう!!まずは玄関を隅から隅まで……」

「ダメですよ〜♪」

「・・・・・・」

デジャヴ。

今度はひょいと箒を取り上げられてしまった。

振り返るとマリアが満面の笑みで立っている。

「……マリアさんまでグルですか」

「まぁ、滅多にないあの子の厚意ですから、大人しく休んでいてくださいハヤテ君」

「それは本当に感謝しているんですが……逆に居場所を奪われてる気がするんですけど?」

「気のせいですわ♪ハヤテ君はただ何もせず、ニートのようにダラダラと寝ながらテレビでも観てればいいんですわ♪いつもお手本(ナギ)を見てるから簡単でしょう?」

「……は、はぁ」

「では仕事は私に任せて、自堕落な生活を満喫してください♪」

「・・・・・・」

マリアはハヤテの背中をぐいぐい押して、アパートの中へ戻す。

こうして更にいろんな意味で肩身の狭くなるハヤテであった……



*   *



そして居間。

勉強も仕事も禁止され、やることがなくなったハヤテは仕方なくマリアの言う通りにしようとリモコンを手に取る。

テレビをつけると、アニメがやっていた。

それはなんだかんだで借金を背負った少年が、なんだかんだで助けられ、なんだかんだで女の子たちにモテモテになり、なんだかんだする物語。

ハヤテはしばらく観ると、そのアニメの主人公に対し辛辣な感想を述べる。

「まったく優柔不断で鈍感な男だな〜。こんな男に振り回される女の子たちがかわいそうだよ……」

どの口がそんなこと言うんだこの野郎。

「……ふぅ」

ハヤテはテレビを消して寝転がる。

畳の匂いがなんとなく落ち着く。

「ふにゃ〜……」

「ぐお〜……がお〜……」

横をみるとシラヌイがあくびをし、タマは気持ち良さそうにうたたねしていた。

ハヤテもそんな二匹に混じって、ちょっとゴロゴロしてみる。

「・・・・・・」

ゴロゴロ……

ゴロゴロゴロゴロ……

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!

「ダメだ――――――――!!こんなにゴロゴロしてたらタマみたいにブタになってしまう!!」

「誰がブタだぁぁぁぁぁぁぁっ!!オレっちはネコだっつーの!!」

いや、トラだし。

「やはりここは執事として、仕事を……」

「だからダメだっつーの!!」

「おふっ!?」

突然、柔らかな衝撃と共にハヤテの視界が真っ暗になる。

座布団を投げつけられたのだ。

それをどけると、呆れた様子のナギの顔が目に入った。

「まったく、どうしてるかと思って様子を見に来てみれば……」

「お嬢さま……」

ナギはふぅとため息をついて、ハヤテに詰め寄る。

「お前は仕事以外にやることはないのか?趣味とか、どっか遊びに行きたいとか……」

「そう言われましても……」

ハヤテは頭をかく。

正直、お嬢さまのお世話をしてる方が楽しいんだけどな……

そう思った時、ある考えが浮かんだ。

「そうだ!それでしたらお嬢さま、僕とつきあってくれませんか?」

「……え?」

突然のハヤテの誘いにナギはおもわず戸惑う。

「いや、だから今日は仕事は……」

「仕事とかではなくて、僕がお嬢さまと一緒にいたいんです!……だから僕のわがままにつきあってくれませんか、お嬢さま?」

「・・・・・・/////」

左手を差し出し、まっすぐな瞳で見つめてくるハヤテに、ナギは思わず朱に染まった顔をそらす。

「ま、まぁ、ハヤテがそこまで言うならつきあってやらんこともない……/////」

口ではそんなふうに言いつつも、完全に頬がゆるみまくっている。

ハヤテはそんなナギの手を握って微笑んだ。

「ありがとうございます、では行きましょうか♪」



*   *



そして街へと繰り出してきたハヤテとナギ。

もう昼近く、日の光が二人を温かく迎える。

「いや〜、いい天気ですね、お嬢さま♪」

「・・・・・・」

ハヤテは手をかざして空を見上げると、ナギに笑いかける。

しかしナギはなぜか不機嫌そうな顔でハヤテを睨んでいた。

無理に外に連れ出したのがまずかったのかな?とハヤテは思ったが、そうではない。

ナギが不満に思っているのは……

「ハヤテ……なんだその恰好は?」

「え?別にいつも通りですけど?」

「だからそれがいかんのだ!今日は執事は休みだって言ってるだろうが!!」

ハヤテは休みを言い渡されてからも、ずっと執事服のままだった。

いまや彼にとってこの姿が自然体と言っても過言ではない。

しかし今日に限っては、ナギはそれが気に食わない。

「せっかくだし、たまには別の服も着ろ!ほらこい!!」

「あ、ちょっと、お嬢さま!?」

ハヤテはナギに手を引っ張られ、近くの洋服店に連れ込まれた……







―店内。

ナギはハヤテの為に、並んでいる色とりどりの服を物色する。

「これなんかハヤテに似合いそうじゃないか?」

ナギは一着の服を選んで、ハヤテの胸元に押し当てる。

「お!こっちも似合いそうだな♪……ううむ、こっちも捨てがたい」

とっかえひっかえ服を取り出しては、ハヤテに合わせてみる。

だがどれも似合いすぎていて、決めあぐねていた。

以前の金持ちだった頃なら店ごと全部買い占めたものだが、今はそうもいかない。

「さて、どうしたものか……」

「お嬢さま、毎度のことながら突っ込ませていただきます……なんでさっきから女性物ばかり持ってくるんですか!?」

さっきから着せ替え人形にされていたハヤテがようやく突っ込む。

ハヤテの言う通り、さきほどからナギが持ってくるのは全部フリルやらスカートやらばかりだった。

「す、スマン。つい、いつものクセで……」

「クセになってる時点で問題だと思いますけど……まったく」

そのとき一着の服がハヤテの目にとまった。

「あ、これお嬢さまに似合いそうですよ?」

「え?」

ハヤテはそれを手に取って、ナギに差し出してみる。

「ほら、可愛らしくてお似合いですよ、お嬢さま♪」

「そ、そうかな、えへへ♪……って違う!!今は私じゃなくて、お前の服を買いにきたのだ!!/////」

まんざらでもない気持ちを振り払い、ナギは話を戻す。

「ほら、今度はちゃんと選んでやるから試着室にこい」

「は、はい」



*   *



―数時間後、ハヤテはナギと並んで街中を歩いていた。

その身にはナギがコーディネートした服をまとっていて、なかなか貴重な姿だ。

「ほんとにいいんですか、お嬢さま?」

「いーんだよ、今日はお前のための休日なんだから♪」

ナギは楽しそうに軽やかなステップで前にでると、ハヤテの顔をじっと見つめる。

「しかし、まだ何か物足りないな……」

「何がですか、お嬢さま?」

「!……それだ!!」

ナギはひらめいたとばかりに、ビシッとハヤテの顔を指差した。

「お前は今は執事じゃないんだから『お嬢さま』じゃなくて、もっと親しい呼び方をしていいぞ!」

「えええええ!?いや、それはちょっと……」

「いいから呼べ!今日だけ許す!!」

「じゃあ……ナギ様?」

「なんで様付けなんだよ!?さらに距離感が遠のいたわ!!」

まったく……とナギは頭を抱える。

「そうじゃなくて、もっとこう……呼び捨てで構わないぞ?」

「ええええええええ!!?そんな命知らずなことできませんよ!!」

「お前は私をなんだと思ってるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

あまりの恐れられっぷりにナギは叫んだ。

そしてなおもためらっているハヤテを見て、地団駄を踏む。

「いいから呼べ!!今は私は主じゃないんだから!!」

「で、ですが……」

「主の命令が聞けないっていうのか!?」

「矛盾してますよ!?」

もはや言っていることが無茶苦茶である。

こうなると手がつけられないので、ハヤテは仕方なく承諾した。

「……わかりました。じゃあ一回だけですよ?」

「う、うむ。かかってこい」

なぜか身構えるナギ。

そしてハヤテはコホンと咳払いして、囁くように言った。

「…………ナギ」





――ナギ――

――ナギ――

――ナギ――



ハヤテは一度口にしただけだったが、ナギの脳内でその言葉が何度もリフレインする。

「……はぅ/////」

「お嬢さま!?」

眩暈によりふらりと倒れそうになるナギを、ハヤテは慌てて抱きとめる。

「ど、どうしたんですか!?」

「い、いや何でもない……。思ったより破壊力があっただけだ……/////」

「はぁ……?」

何を言っているのかわからないが、どうやらさっきの発言が原因らしい。

ハヤテはナギを優しく抱き起す。

「よくわかりませんけど、そんなふうになるくらいショックなら、もう呼びませんよ?」

「う、うむ。まぁ、仕方ないな……/////」

確かにあんなふうに何度も呼ばれたら、心臓が持たないかもしれん……

ナギはほっとしたような、残念なような表情を見せる。

「とりあえず、あそこでちょっと休みましょうか」

ハヤテはナギを気遣ってそう提案し、ある場所を指差す。

そこには入口のところに『負け犬公園』と刻まれていた……



*   *



「落ち着きましたか、お嬢さま?」

「ああ、なんとかな……」

しばらく公園のベンチに腰掛け、ナギはようやく心が落ち着いた。

そんなナギの顔をハヤテが覗き込む。

「ちょ……!?ハヤテ、近い!!/////」

「ほんとに大丈夫ですか?まだ顔が赤いですけど……」

「う、うっさい!ハヤテのバーカ、バーカ!!/////」

ナギは文句を言いながら立ち上がる。

静まった心臓の鼓動が、再び早まってしまった。

そのままナギはハヤテに背をむけ歩き出す。

「あ、お嬢さまどちらへ!?」

「頭を冷やすため、飲み物でも買ってくる」

「でしたら僕が……」

「それくらい自分でできるわ!いいからハヤテはそこで座ってろ!!」

そう命じてナギはジュースを買いに向かった……







そして公園内の自販機前。

「ふう……」

ナギは自販機から買ったばかりの缶を取り出し、自分の頬にあててみる。

火照った頬に、この冷たさが心地良い。

そしてなんとなく周りを見渡す。

「……そういえば、ここだったな」

ナギは思い出していた。

一人で寒さに震えるだけだと思っていた、

あのクリスマスの夜の事を……

ハヤテと初めて出会った、

あの運命の日の事を……

「・・・・・・」

ナギの顔が自然とほころぶ。

そしてナギは自販機からもう一本ジュースを買い、それを手に彼のもとへと戻っていった……







「おーい、ハヤ……」

ベンチに座るハヤテの姿を見つけてナギは声を上げたが、途中でとめた。

よくみるとハヤテは首を上下に揺らし、居眠りしていた。

今更ながらに日頃の疲れが出たのだろうか?

「・・・・・・」

ナギは少し呆れながらハヤテに近づき、その顔を覗き込む。

優しげな顔立ちが、静かに寝息を立てている。

「ふふっ、可愛い寝顔じゃないか♪」

これが車に轢かれても平気なほど頑丈だったり、化物のように怪力だったりするなど一体誰が信じるだろう?

コツンと額を小突いてみても起きる気配はない。

「・・・・・・」

ナギはまわりをキョロキョロと見渡す。

そして誰もいないことを確認すると、ハヤテの耳元に顔を寄せた。

「いつもありがとう、ハヤテ……」

その言葉と共にナギは唇を近づけ、ハヤテの頬に小さな『感謝の印』を残すのであった……


第六十四話 END

===============================================================================



はい、以上ハヤテとナギのデート(?)でした!

原点に帰ってみようと思い、書いた話です。

ではまた次回♪
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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.24 )
日時: 2012/10/22 23:24
名前: 匿名

匿名です!
和也「和也だ」
輝雪「輝雪です♪」
感想に来ました♪
和也「お久しぶりです」
輝雪「おひさー♪」
道草さんに会えて本当にマジで嬉しいです!何かこう、昔のメンツが段々と集まって嬉しいです!
輝雪「とりあえず感想ですね♪」
和也「ハヤテに休日を与えるという回か」
輝雪「ハヤテくんらしいわね♪」
というか、仕事しか無いのか?
和也「今までずっと仕事ばかりだったからな。そのせいでやりたい事があるが、それが何かわからないんじゃないか?」
輝雪「矛盾しまくりね」
ついでにお前らならどうする?」
和也「CD見にいく」
輝雪「アクセサリーとか?」
俺なら本屋orゲームor読書。結構あるもんだな。
和也「無い方が珍しい」
輝雪「あはは♪」
で、ナギとデート。
輝雪「………」ゴアッ!(←怒気)
和也「やめい」
輝雪「あ痛!?」
自業自得だな。ま、ナギ的にもハヤテ的にもいい休みになったね♪
和也「そうだな」
輝雪「それじゃあ、次回も楽しみにしてます♪」
匿名でした♪
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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.25 )
日時: 2012/10/23 21:13
名前: 風羅

どうもー♪お久しぶりです。何と一年ぶりとなる風羅です♪←土下座。

止まり木でも無事会えて良かったです!! ひなゆめ消えたときにはもう会えないかと思っていたので……!! 

そして早速更新されたので感想書こうかと思って前の感想の日付調べたら一年前……。本当に申し訳ない気分でいっぱいですね、はい。……で一応前回リクエストされた二名を連れてきました。

ミイサ「えーとリクエストどうも、ミイサ=ザ=フェルシェールだ。よろしく。」

シャルラ「同じくリクエストありがとうございます。シャルラ=ザ=フィリルです♪ 今回はよろしくー♪」

ふっ……とりあえず感想へ行きます♪ まずは…………暇ってハヤテまさかのクビですか!?

ミイサ「いや違うから。普通に休めって意味だから。」

シャルラ「ま、普段のナギちゃん見てたらハヤテ君が疑問に思ってもおかしくはないよねー……。」

ミイサ「……事実下心はきちんとあったわけだが。で、仕事中毒な綾崎は休日の使い方が分からないと。……まあ今までの人生で休日なんかほとんど無かっただろうから当然か。」

シャルラ「流石はハヤテ君……さり気無い一言に重みがあるね……! おまけに血文字で呪ってやるって……神父さんとはいえ幽霊にやられるとかなり怖いよそれ。」

それすらも新たな発見で済ませるハヤテ……。何か慣れている感がある……。

ミイサ「そして勉強を始めた綾崎だが……当然させてくれるわけも無く全部勉強道具没収。とことん疲れるような事はさせないわけか。徹底的だな。」

シャルラ「掃除もさせてもらえなかったしねー……、っていうか居間で見てるテレビ凄く見覚えがあるんだけど……! それに鈍感な男ってハヤテ君だけは言っちゃいけないよねぇ!?」

……と言っても恐らく彼は気づかないんだろうね……。天然ジゴロ恐るべし。

ミイサ「結局最後は三千院と外へ出かけることになったが……綾崎。もう少し言葉は考えて使うべきだと思うぞ。……今後のお前のためにも。」

シャルラ「それが彼の十八番だし無理じゃないかなぁ……? まずは執事服だと休んでいる感じが無いってことで洋服屋さんかー。やっぱり女性物が似合うんだねハヤテ君……。」

ミイサ「まあ最終的にちゃんと三千院のコーディネートした男性ものの私服になったわけだし問題はないだろ。で、次は呼び方か。」

でもハヤテは呼び捨てには抵抗があると……。確かに普段様付けだからそこら辺は難しいのかもしれませんね……。結局最後は言いましたが。

シャルラ「にしても凄い破壊力だね……!! 眩暈まで起こさせるって……。で、その休憩のために負け犬公園に行ったけど……本当に顔真っ赤だねナギちゃん。」

とりあえず頭冷やすために自動販売機に行ったけどそういえば最初に出会った思い出の場所ですねここ……。二人にとっては(それぞれ別々の意味での)運命の日という……。

ミイサ「そして飲み物買って自動販売機に戻ってきた三千院だが綾崎は寝てたな。なんだかんだ言いながらやっぱり疲れが溜まってるんじゃないかこいつ……。」

シャルラ「あはは……そんなハヤテ君の頬に感謝の印かー。うんうん。ハヤテ君も休めたようだし最終的に両者共に良い日になって良かったねー♪」

……ということで感想終了です。久々の感想で書き方に違和感バリバリですがお許し下さい……!

シャルラ「もしリクエストあったらよろしくお願いしますー♪ それでは♪」

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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.26 )
日時: 2012/10/23 23:27
名前: ゆーじ


お久しぶりです!
ひなゆめが消えた時は私ももう会えないかと思ってましたw

とりあえずまた道草さんの小説が読めるようになって良かったです!

ていうか私はTwitterで知りましたが、道草さんはどこでこのサイトの存在を知ったんでしょう?

まあそんなことより感想です。

こちらはひなゆめが消える前にもアップされていた回でしたね!

ハヤテが休む回…最初に読んだときから、その発想はなかった…!あ、やべえ同じ話書きたいうわああああみたいな気持ちしかありませんでしたw

確かに彼には休みが必要ですね!

寝ているハヤテにナギがキスするのはアニメ二期を思い出して思わずニヤニヤしてましたw

ちなみに今更ですがイブキのプロフィールにあるハヤテとの過去にも期待です!

では、次回も楽しみにしています!
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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.27 )
日時: 2012/10/24 18:53
名前: 迅風

|´・ω・`)ノ

うみゃーお久しぶりなのです、道草さん……!! 何か物凄く久々と相成りまして誠に申し訳ない次第なのですよー……!!

ひなゆめで感想書いていつ以来でしょうかね……凄く遠い気がします。

何か感想停滞しちゃって本当申し訳なかったのです……!!

リクエストうんぬんも誰やったかなー的に忘却しちゃってますし、私単体で現れる所存なのです……!! 何にせよ何かある意味心機一転な時期ですし、今を逃したら的な具合に現れる事をお許しくださいなのです……!!

という事で感想にゃいっ!!←先程のテンションどこ吹っ飛んだ。

今回はハヤテが上流階級的な解雇宣言される回ですかーへーっ。

まぁ唯のお休みで良かったねーな話ですが。にしても『暇を出す』うんぬん『卒業』うんぬん美的な解雇宣言は中々秀逸ですにゃ☆

でもダメだよ……!! マグロは泳いでないと死んじゃうんだよ、ウサギは寂しいと死んじゃうんだよ、ハヤテは働いて死んじゃうんだよ……!!

原作然り、働いてないと不安になるとかハヤテも凄いねーとか思ったりですが!!

しかし休みながらハヤテは何を恐ろしいものを発見したりしているのですかね……!? 誰が!? 誰が呪いの文章残したの!?

――と思ったら神父ってどゆことやねん!!

まぁ神父さんは置いといてヤカタの面々凄いね……!! ハヤテから仕事を何もかも奪ってゆくよ……!! ハヤテに休日しか残らなくなってゆくよ……!!

そしてテレビアニメに関して何を言ってやがるのですか、ハヤテ君。

君だけはその発言したらダメでしょうが……!! 刺されるよ……!! 挙句にはナギを落とし文句だよ、もう絶対アニメの主人公より厄介だよ、この子……!!

しかしまぁナギも散々デート出来た様だから良かったのです!! ……へっ、名前を呼んで更に親密に陥落度を上げてゆくたぁ……刺すべきか刺さざるべきか迷う次第ですたい……。

そして全体的に悶えるよね後半!! なんぞ甘酸っぱいんですが!!

色々な子に好かれて……最後にはハヤテは誰を選ぶのかにゃー? 誰を娶るのかにゃー? 気になるにゃー?

それじゃあ変な感想になった気もしたりしなかったりですが感想終了です!!

次回も楽しみにしているのです☆ そいではっ☆
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(11/11更新) ( No.28 )
日時: 2012/11/11 22:01
名前: 道草

どぅも★道草です!

ハヤテ誕生日おめでとう―――――――――!!

イブキ「ハヤテおめでとぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

なんとか間に合ってよかった……


(2012/11/17 追記)
皆さん、感想ありがとうございました!
すっかり返信遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
では『止まり木』初のレス返しをば……



◆匿名さんへ

>和也「お久しぶりです」
>輝雪「おひさー♪」
>道草さんに会えて本当にマジで嬉しいです!何かこう、昔のメンツが段々と集まって嬉しいです!


皆さん、お久しぶりです!こちらこそまたあえて嬉しいです♪

またこちらでも宜しくお願いします!


>和也「ハヤテに休日を与えるという回か」
>輝雪「ハヤテくんらしいわね♪」
>というか、仕事しか無いのか?


ハヤテ「うぐ……そう言われましても、本当に何も思いつかなくて……」

ナギ「……趣味を探せ」


>ついでにお前らならどうする?
>和也「CD見にいく」
>輝雪「アクセサリーとか?」
>俺なら本屋orゲームor読書。結構あるもんだな。
>和也「無い方が珍しい」


僕は休日はもっぱらこの小説書くことに費やしてますね……

まぁその割には進んでませんが……


>で、ナギとデート。
>輝雪「………」ゴアッ!(←怒気)


ハヤテ「ええええええ!?何、何で輝雪そんな怒ってるの!?」

イブキ「またコイツは……」


>和也「やめい」
>輝雪「あ痛!?」
>自業自得だな。ま、ナギ的にもハヤテ的にもいい休みになったね♪
>和也「そうだな」


ハヤテ「また行きましょうね、お嬢さま♪」

ナギ「う……ま、まぁ気が向いたらな/////」


>輝雪「それじゃあ、次回も楽しみにしてます♪」
>匿名でした♪


匿名さん、ありがとうございました♪



◆風羅さんへ

>どうもー♪お久しぶりです。何と一年ぶりとなる風羅です♪←土下座。
>止まり木でも無事会えて良かったです!! ひなゆめ消えたときにはもう会えないかと思っていたので……!! 


風羅さぁぁぁぁぁぁん!!お久しぶりです!!感想ありがとうございます!!

僕もあえて嬉しいです。前回のチャットではお世話になりました!

またこれからも宜しくお願いします♪


>ミイサ「えーとリクエストどうも、ミイサ=ザ=フェルシェールだ。よろしく。」
>シャルラ「同じくリクエストありがとうございます。シャルラ=ザ=フィリルです♪ 今回はよろしくー♪」


お二方も来てくれてありがとうございます!また小説で会える日を楽しみにしてます♪


>ふっ……とりあえず感想へ行きます♪ まずは…………暇ってハヤテまさかのクビですか!?
>ミイサ「いや違うから。普通に休めって意味だから。」
>シャルラ「ま、普段のナギちゃん見てたらハヤテ君が疑問に思ってもおかしくはないよねー……。」


マリア「正論ですわね」

ナギ「なんだとぅ!!」


>ミイサ「……事実下心はきちんとあったわけだが。で、仕事中毒な綾崎は休日の使い方が分からないと。……まあ今までの人生で休日なんかほとんど無かっただろうから当然か。」
>シャルラ「流石はハヤテ君……さり気無い一言に重みがあるね……! おまけに血文字で呪ってやるって……神父さんとはいえ幽霊にやられるとかなり怖いよそれ。」
>それすらも新たな発見で済ませるハヤテ……。何か慣れている感がある……。


ハヤテ「まぁ、あの神父の言動にいちいち付き合ってたらキリがないので」

神父「私に対してはほんと冷たいな、お前!!」


>ミイサ「そして勉強を始めた綾崎だが……当然させてくれるわけも無く全部勉強道具没収。とことん疲れるような事はさせないわけか。徹底的だな。」
>シャルラ「掃除もさせてもらえなかったしねー……、っていうか居間で見てるテレビ凄く見覚えがあるんだけど……! それに鈍感な男ってハヤテ君だけは言っちゃいけないよねぇ!?」


ハヤテ「?なんでですか???」

イブキ「……もうお前、いっぺん生まれ変わってこい」


>ミイサ「結局最後は三千院と外へ出かけることになったが……綾崎。もう少し言葉は考えて使うべきだと思うぞ。……今後のお前のためにも。」
>シャルラ「それが彼の十八番だし無理じゃないかなぁ……? まずは執事服だと休んでいる感じが無いってことで洋服屋さんかー。やっぱり女性物が似合うんだねハヤテ君……。」


もはやハヤテは執事服と女装以外の服を着てるのは貴重ですからね……

ハヤテ「僕だって、好きで女装してる訳じゃないですよ!!/////」


>ミイサ「まあ最終的にちゃんと三千院のコーディネートした男性ものの私服になったわけだし問題はないだろ。で、次は呼び方か。」
>でもハヤテは呼び捨てには抵抗があると……。確かに普段様付けだからそこら辺は難しいのかもしれませんね……。結局最後は言いましたが。
>シャルラ「にしても凄い破壊力だね……!! 眩暈まで起こさせるって……。で、その休憩のために負け犬公園に行ったけど……本当に顔真っ赤だねナギちゃん。」


ナギ「うぐ……だが、あれは本当にヤバかった……/////」

マリア「そんなんで、(仮に、万が一、奇跡的に)ハヤテ君と結婚することになったらどうするんですか?」

ナギ「けっこ……!?…………………ぷしゅ〜……/////」


>とりあえず頭冷やすために自動販売機に行ったけどそういえば最初に出会った思い出の場所ですねここ……。二人にとっては(それぞれ別々の意味での)運命の日という……。
>ミイサ「そして飲み物買って自動販売機に戻ってきた三千院だが綾崎は寝てたな。なんだかんだ言いながらやっぱり疲れが溜まってるんじゃないかこいつ……。」
>シャルラ「あはは……そんなハヤテ君の頬に感謝の印かー。うんうん。ハヤテ君も休めたようだし最終的に両者共に良い日になって良かったねー♪」


やっぱり二人の話を書くなら、公園と自販機は書きたかったので!

すれ違ってはいるけど互いに大切な運命な人であることには変わりない……そんな二人の関係性が好きです♪


>……ということで感想終了です。久々の感想で書き方に違和感バリバリですがお許し下さい……!
>シャルラ「もしリクエストあったらよろしくお願いしますー♪ それでは♪」


いえいえ、こちらこそ上手くレス返しできているか分からないので、お気になさらず……

リクエストはお任せします。では風羅さん、ありがとうございました♪



◆ゆーじさんへ

>お久しぶりです!
>ひなゆめが消えた時は私ももう会えないかと思ってましたw


ゆーじさん、感想ありがとうございます♪

先日のチャットではお世話になりました。僕もまた会えてよかったです♪


>とりあえずまた道草さんの小説が読めるようになって良かったです!
>ていうか私はTwitterで知りましたが、道草さんはどこでこのサイトの存在を知ったんでしょう?


やはり皆さんTwitterで知ったという方が多いんですね……僕はやってないんですが……

僕は『ひなゆめ』が消えた後、半ばあきらめモードで検索をかけて運よく辿り着きました。


>まあそんなことより感想です。
>こちらはひなゆめが消える前にもアップされていた回でしたね!
>ハヤテが休む回…最初に読んだときから、その発想はなかった…!あ、やべえ同じ話書きたいうわああああみたいな気持ちしかありませんでしたw
>確かに彼には休みが必要ですね!


ゆーじさんが書く話もぜひ読んでみたいです♪

しかし、ホントにハヤテの体は大丈夫なんですかね?


>寝ているハヤテにナギがキスするのはアニメ二期を思い出して思わずニヤニヤしてましたw


やはり『ハヤテのごとく!』の原点はこの二人なので、この話はとことんナギの独壇場にしてみました♪

ナギ「ほんのメインヒロインですから♪」


>ちなみに今更ですがイブキのプロフィールにあるハヤテとの過去にも期待です!


イブキ「予定は未定……」

コラ、なかったことにしようとすんな!!期待にそえるかどうかはわかりませんが、ちゃんと書きますよ!

イブキ「イヤだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


>では、次回も楽しみにしています!


ゆーじさん、ありがとうございました♪



◆迅風さんへ


>うみゃーお久しぶりなのです、道草さん……!! 何か物凄く久々と相成りまして誠に申し訳ない次第なのですよー……!!
>ひなゆめで感想書いていつ以来でしょうかね……凄く遠い気がします。


お久しぶりです、迅風さん!!感想ありがとうございます!!

こちらこそしばらく感想書けず、すみません……

また改めて、よろしくお願いします!


>今回はハヤテが上流階級的な解雇宣言される回ですかーへーっ。
>まぁ唯のお休みで良かったねーな話ですが。にしても『暇を出す』うんぬん『卒業』うんぬん美的な解雇宣言は中々秀逸ですにゃ☆


こういう表現の多様性は日本ならではですよね〜。

まぁだからこそ誤解とかも生じるわけですが……


>でもダメだよ……!! マグロは泳いでないと死んじゃうんだよ、ウサギは寂しいと死んじゃうんだよ、ハヤテは働いて死んじゃうんだよ……!!


ハヤテ「いや、勝手に殺さないでくださいよ!?それくらいじゃ死にませんよ!!」

イブキ「いや、常人なら過労死してもおかしくないレベルだから……」


>しかし休みながらハヤテは何を恐ろしいものを発見したりしているのですかね……!? 誰が!? 誰が呪いの文章残したの!?
>――と思ったら神父ってどゆことやねん!!


ハヤテ「ちなみにアレ、僕が気づかなかったらどうする気だったんですか?」

神父「いや、実はもう一ヶ月ぐらい前から書いてあったんだけどね……」

ハヤテ「……やってて虚しくないんですか?」

神父「自分でもうすうす感じてるんだから、ほっとけ!!」


>まぁ神父さんは置いといてヤカタの面々凄いね……!! ハヤテから仕事を何もかも奪ってゆくよ……!! ハヤテに休日しか残らなくなってゆくよ……!!


ハヤテ「正直、仕事奪われるのは軽い拷問でしたね……」

ナギ「だからお前は、仕事以外にやること探せよ!!」


>しかしまぁナギも散々デート出来た様だから良かったのです!! ……へっ、名前を呼んで更に親密に陥落度を上げてゆくたぁ……刺すべきか刺さざるべきか迷う次第ですたい……。
>そして全体的に悶えるよね後半!! なんぞ甘酸っぱいんですが!!


そう思っていただけたなら幸いです♪

やはりハヤテとナギのこの関係性が大好きなので!


>それじゃあ変な感想になった気もしたりしなかったりですが感想終了です!!
>次回も楽しみにしているのです☆ そいではっ☆


迅風さん、ありがとうございました♪



では以下本編です。

今回の主役は渦中のあの人……!



===============================================================================


第六十五話 『空色の影武者』


水蓮寺ルカ。

いまやその名はあちこちで目にすることができる。

広告で、雑誌で、テレビで。

何万もの人々を魅了するトップアイドル……それが彼女だ。

彼女はまさにアイドルになるために生まれてきた。

幼き頃から並々ならぬ努力で築き上げてきた実力。

愛くるしい容姿。

そして何より素直で明るく純粋な彼女の人柄は、多くの人の心を掴んできた。

まさに芸能界の期待の星。

そのアイドルが今……!







ズルズルズル……

……ソバをすすっていた。

「おいしいですか?ルカさん」

「うん!やっぱりハヤテ君の料理はどれもおいしい♪」

感想を求めてきた少年に、お世辞ではなく心からの言葉と笑顔を贈る。

それを受けて、ソバ打ち名人こと綾崎ハヤテは「それはよかったです♪」と嬉しそうに笑顔を返した。

壁に掛けられた時計の針は二本とも頂点を指し示している。

今ここムラサキノヤカタの他の面々は、皆出払っていた。

マリアは買い出し、ナギと千桜はアキバに遊びに……といった具合に。

よってルカはハヤテと二人で昼食を楽しんでいた。

アイドルといっても、ここでは一人の女の子。

仕事がない今は思う存分リラックスしている。

もっとも彼女が人前で……ましてや男の前でここまで無防備な姿を見せるのは、ハヤテだけなのだが。

「ところでハヤテ君、訊いてほしいことがあるの!」

「なんですか、ルカさん?」

ハヤテが訊き返すとルカは「ふふふ……」と不敵に笑い、すっくと立ち上がる。

そして右手を胸にあて、高らかに宣言した。

「水蓮寺ルカ!映画出演が決定しました♪」

「えええええ!!?すごいじゃないですか!!」

その朗報にハヤテもすこし興奮した声をあげる。

人気アイドルとはいえこんなにも早く銀幕を飾ることになるなんて、友人としてとても喜ばしい。

「あ、言っとくけど今回は主演だからね!オープニングだけ歌ってるとか、プロローグでスネてるだけとか、そういう役じゃないから!」

「いや、なんの話をしてるんですか……」

とりあえず蛇足な補足は聞き流しておくことにする。

何はともあれ実にめでたいことだ。

「スクリーンで舞う私の姿……乞うご期待♪」

くるりとターンし、お茶目な笑顔をむけるルカ。

そんな芝居がかった仕草も実に様になっている。

流石はアイドルといったところだ。

まぁ、どんぶり片手に持っていなければの話ではあるが……

「というわけで、完成したら絶対観に来てね♪」

「はい!楽しみにしてます♪」

笑顔でそう答えるハヤテをみて、ルカは嬉しそうに口元を緩ませる。

そして席に戻って再びソバを食べ始めようとしたそのとき……

ヴ〜〜……ヴ〜〜……

「あ、ちょっとゴメンね!」

ポケットから伝わる振動に気づき、ルカはケータイを取り出し耳にあてた。

「はい、ルカです!……はい。……はい。……ええ」

ハヤテは音を立てないようじっとして、ルカが電話先と会話しているのを見ていた。

相手の声は聞こえないが、ルカの口調から察して仕事の話なのだろう。

聞き耳を立てるわけにもいかないので、とりあえず今日の夕食の献立について思考を巡らそうとしていたが、ルカの声色の変化に思わず意識をむける。

「え!!今からですか!?……いえ、大丈夫です。……はい、わかりました」

ルカはケータイを切ると、申し訳なさそうな顔を向けてきた。

「ごめ〜ん、ハヤテ君!急にさっきの映画の撮影が入っちゃって……」

「今からですか?」

「うん。すぐに出ないと……」

そう言うと、ルカは急いで残りのソバをかきこんだ。

「……ごちそうさま!じゃあもう行くね!」

「あ、待ってください!」

せわしなく出発しようとするルカを呼び止め、ハヤテは申し出る。

「でしたら僕がお送りしますよ!」

「え……でもいいの?」

「もちろん!では行きましょうか♪」

「……ありがとう、ハヤテ君♪」

頼りになって優しい執事さんに、ルカは素直に甘えることにするのであった……







そしてルカが準備を終え玄関先に出ると、ハヤテはすでに自転車にまたがり待機していた。

「さ、ルカさん。後ろに」

「う、うん……」

正直、自転車にはちょいと嫌な思い出があるので、ルカは一瞬躊躇する。

何があったかは原作33巻、ハヤテのドSっぷりを堪能の事。

「どうしましたルカさん?」

「あ、えっとその……」

ルカはハヤテの事を全面的に信頼している。

信頼している…………のだが、やはりあの日の事はそれなりにトラウマなわけで……

なのでこう懇願する。

「……や、優しくしてね?」

「・・・・・・/////」

涙目上目遣いなその表情に、ハヤテはおもわずドキリとする。

なんだかものすごく誤解を受けそうなセリフだ。

「ハヤテ君?」

「あ……はい、お任せください!!/////」

妙な間が気になったものの、その言葉にルカは安堵する。

そして自転車の後ろに乗り込んだ。

「では飛ばしますので、しっかりつかまっててください!」

「う、うん……」

ルカは腕をまわしてぎゅっとしがみつく。

ハヤテが自転車をこぎ出すと、二人の空色の髪が風に揺れた。

見た目より大きくて頼もしい背中に体を預け、ルカはその体温を感じていた……



*   *



撮影現場である公園に到着すると、なにやらスタッフがざわついていた。

二人の到着にいち早く気が付いたのは眼鏡をかけた女性。

ルカのマネージャー、集だった。

「集さん!」

「来たわねルカ。……と」

集マネージャーはルカの隣に立つハヤテをじとっと見つめる。

「あなたは確か白皇の文化祭で女と偽ってルカをたぶらかしていた……」

「違います!!綾崎ハヤテです!/////」

ハヤテはルカと初めて会ったとき色々あって女装していた為、集には『女装マニア』と認識されているようだった。

必死に否定するハヤテを制して、ルカは現状を尋ねる。

「そんなことより一体どうしたんですか?なんだか慌ただしいですけど……」

「ああ、実はね……あなたのスタント役の子が来てないのよ。もう撮影だっていうのに連絡もつかないし……」

「えええ!?」

ルカは驚くと同時に納得する。

なるほど、それで撮影が滞っている訳か……

一方、内容を知らないハヤテは集に尋ねた。

「この映画ってスタント必要なんですか?」

「ええ、私もまだ詳しくは知らないけど、『愛と流血と笑い』がテーマらしいわ」

「よく分かりませんけど、ものすごい不安なテーマですね……。まぁ、それはともかく困りましたね……」

このまま待っていてもラチがあかない。

三人は何とか打開策を探そうと、う〜んと頭を悩ませる。

「じゃあ、私スタントなしでやってみますよ!運動神経には自信がありますし!」

「ダメよ。アイドルにケガをさせるわけにはいかないわ」

ルカの提案は即却下された。

そして集は現状で最善と思われる手を述べる。

「とにかく、急いで代役を探すしかないわね」

「そんな……運動神経が良くて、頑丈で、演技もこなせる女の子なんてそこらへんにいるはずが……」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

しばらくの間二人の視線は宙を泳いでいたが、やがてある一点に収束した。

その視線の先にあったのは……

「えっと……なんでしょうか、お二人とも?」

一応聞いてみるハヤテだったが、この流れでは答えはもはや聞くまでもなかった。

「じゃあ、とりあえず着替えましょうか?」

「えええええええええええええええ!!?」

ハヤテの映画出演が決定した瞬間であった……



*   *



「わ〜、とっても似合うよハヤテ君♪」

「まったく嬉しくありませんよ、それ……」

そこにはまったく同じ衣装をまとったルカとハヤテの姿があった。

当然ながら女の子の恰好だ。

ハヤテの髪はヘアスタイリストさんに頼んでウェーブをかけてもらい、できるだけルカに似せていた。

元々髪の色が同じな上、男の子にしては長いのでそれほど難しくはなかった。

並んで立つ二人の姿は、傍から見るとまるで姉妹の様である。

しかしハヤテは不安を隠せない。

「……ほんとに僕で大丈夫ですかね?」

「大丈夫、大丈夫♪どうせアクションシーンとかは動きが速すぎて顔とかわからないし」

「はぁ……」

だったら僕じゃなくても良かったんじゃないだろうか?とハヤテは思ったが、口にはしなかった。

引き受けたからにはしっかりやろうと腹をくくる。

「ところでこの映画、どういう話なんですか?」

「ん?え〜とね……ある日借金を押し付けられた少女が様々な不幸を乗り越え、トップアイドルを目指すお話」

「それ、ほとんどルカさんのヒストリーじゃないですか!?」

「まぁ、だから私が抜擢されたってのもあるんだけどね……」

ハヤテとルカが話していると、撮影機材に囲まれた席からいかにもな雰囲気の監督が声をあげた。

「おーい、準備はできたかー?」

「「あ、は〜い!!」」

ハヤテとルカは声をそろえて答える。

そして、映画の撮影はスタートした……







前半はハヤテの出番はなく、ルカの独壇場だった。

親に捨てられ、孤独から這い上がり、懸命に生きる少女の姿を見事に演じきっていた。

いや、ルカにとってはそれは実際に経験したことで、過去の再現に過ぎなかったのかもしれない。

だとしても、ここまでNG一つ出さずにいるのは驚異的だった。

本当にすごいな……

ハヤテは改めて彼女の実力を痛感する。

「はい、OK!」

ひとしきりの撮影が終わり、ルカが戻ってくる。

ハヤテは汗をかいている彼女にタオルを差し出した。

「お疲れ様です」

「ありがとう。……どうだった?」

「とっても素敵でしたよ♪」

「そ、そう……/////」

偽りも飾りもない率直な感想を述べるハヤテ。

ルカは照れ隠しにタオルでふく振りをして顔を隠す。

「おーし、じゃあ次のシーンいくぞ!」

「あ、次僕の出番ですね」

「ハヤテ君がんばってね!」

「はい!」

ルカの声援を受け、ハヤテは笑って力強く応える。

……とにかく、ルカさんの顔に泥を塗るわけにはいかない!

そう意気込んで現場へと向かう。







「じゃあまずは車にはね飛ばされるシーンから……」

「まてえええええええええええええい!!!」

監督の口からさらっとでた内容に、思わず口調も荒くつっこむ。

「なんですかそのシーン!?普通にアクションとかじゃないんですか!?」

「そんなん面白くないだろ?俺が求めているのはもっと衝撃的な映像だ!!」

「物理的な意味で衝撃強すぎるんですけど!!殺す気ですか!?」

「そんなこといったって、これはまだ序の口だぞ?他のはもっとすごい」

「ち、ちなみにどんな……?」

ハヤテは監督から台本を受け取り、中身を確認する。

そこには猛獣と闘ったり、ロボと闘ったり、屋上から飛び降りたりと悲惨な未来が予言されていた……

「・・・・・・」

それを見て、ハヤテはスタントの人が逃げ出した理由を悟った。

確かにこれでは命がいくつあっても足りない。

ギギギ……と音が鳴りそうなぎこちない動きで、ハヤテは首だけルカの方に向ける。

ルカは心配そうな眼差しをおくっていた。

「・・・・・・」

ここで自分が降りると言ったら、責任感が強い彼女はまた「自分がやる」と言い出しかねない。

彼女をそんな危険な目に遭わすわけにはいかない。

ハヤテはもう覚悟を決める。

「わかりました……やりましょう」

「おお、その意気だ!!じゃあスタート」

ハヤテは監督の指示通り、道路の真ん中に堂々と立つ。

やがて真正面から自動車が予想以上のスピードでやってきた。

寸止めとかで手加減してくれるかなぁ……と淡い期待を抱いていたが、無駄だったようだ。

迫りくる恐怖に、逃げることも許されないハヤテは自分に言い聞かせる。

落ち着け、幸い(?)車にひかれるのは慣れている……ここは心を無にするんだ!

そうすれば痛みなんて感じない……





ゴウッ!!

「・・・・・・」

スミマセン……『心を無に』とか言ったけどやっぱ無理です。

ドガァァァッ!!!!

強い衝撃を受けてすぐ、豪快に吹っ飛ぶ僕の体……

二転三転する景色の中で、満足そうな監督の顔と、口元を手で覆うルカさんの顔が目に入った……

あ〜、しかしこの感じ久しぶりだわ〜……

全身を駆け巡る懐かしい痛みに、ハヤテはしみじみと絶望するのであった……



*   *



「・・・・・・」

一時間後。そこにはまるで打ちのめされたボクサーのように椅子にもたれかかるハヤテの姿があった。

いや、ボクサーの方がまだマシである。

あれからも監督の無茶ぶりに応えて、もはや体はボロボロだった。

「大丈夫、ハヤテ君?」

「ハハハ……大丈夫ですよ、これくらい……」

ルカは申し訳なさそうな顔をして、ハンカチでハヤテの顔をふく。

「……ごめんね、私のせいで……」

「いえ、ルカさんが傷つかないですむなら、なによりです♪」

「でも……」

「それに僕なんかがこんな大役を務められて光栄です。一生の自慢になりますよ、なんて♪」

そんなふうに冗談めかして笑うハヤテの優しさに、ルカは胸をおさえる。

「ハヤテ君……ありがと」

そしてルカはハヤテを見つめたまま顔を近づけ……







「お〜い、そろそろ次のシーンとるぞ」

「は、はいっ!!/////」

ものっそい勢いでまた離れた……

「?」

ハヤテはそんなルカの行動に、不思議そうに首をかしげる。

何はともあれ、今日の撮影も残りわずか。

このまま無事に終わるかと思われたが……







しかしトラブルというのは重なるのが世の常だ。

スタッフの一人が慌てた様子で走ってきて、なにやら監督に耳打ちした。

「何ィ!?今度は恋人役の俳優がインフルエンザで来れなくなっただと!?」

「「え〜〜〜〜……」」

ハヤテとルカは思わず間延びした声を漏らす。

大丈夫なのか、この映画?

「ふ〜〜〜、仕方ない……」

監督は丸めた台本で肩を叩くと、ハヤテを指差して言った。

「よしお前が代役をやれ!」

「「えええええええええええええええええええ!!!?/////」」

こうしてルカの身代わりに続き、恋人役までやることになったハヤテであった……


第六十五話 END

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後半へ続く!!

ではまた次回♪

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Breath〜君と息衝く日々〜 3 (11/24更新) ( No.29 )
日時: 2012/11/24 17:35
名前: 道草

どぅも★道草です!

また年末は忙しくなりそうだなぁ……

それはともかく、ハヤテとルカの共演・後篇です。



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第六十六話 『二つの空』


「んじゃあ、とっとと準備して」

こともなげにそう指示を残し、撮影現場に戻ろうとする監督をハヤテは慌てて呼び止める。

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!僕が恋人役ってどういうことですか!?」

「仕方ないだろ?他にできそうな奴がいないんだから」

「だからってそんな……」

確かに代役は必要だろうがこんな大きなキャスト変更……ましてや素人が演じていいものなのだろうか?

どうもこの監督はさっきから無茶な要求ばかりしてくる気がする……

「ルカさんも僕が恋人役なんて迷惑ですよね?」

「え!?わ、私は……」

何とか監督を説得しようとルカに同意を求めるが、彼女が返してきた答えはハヤテが予想したものとは違っていた。

「私は……ハヤテ君がこれ以上危険な目に遭わなくて済むなら、その方がいいけど……」

「……ルカさん」

ルカはハヤテの身を案じていた。

確かにこのままスタント役を続けるよりは危険性は減るだろう。

「それに……」

ルカは少し顔を伏せ、手をもじもじさせて声を小さくする。

「ちょっと……嬉しいし/////」

「え?なんですか?」

「な、なんでもない!!/////」

ルカは邪念を振り払うように首を大きく振る。

その様子を見て、監督はあごに手をあてニヤリと笑った。

「……じゃあ、決まりだな。早く始めるぞ!」

「えー……」

こうしてハヤテの不満の声も虚しく、準備が着々と始められた……



*   *



数分後。

そこには先ほどまでの女装姿とはうって変わって、しっかりと男性の衣装に身を包んだハヤテの姿があった。

映画スタッフが用意しただけあって、今風のオシャレな出で立ちだ。

慣れない恰好に少し戸惑いつつ、ハヤテはルカに尋ねる。

「……えと、どんなもんですかね?」

「・・・・・・」

ルカは思わず見惚れてしまう。

普段、執事服(と女装)しか着ているのを見たことがなかったので、すごく新鮮に感じられた。

「ルカさん?」

「え?……あ、うん。すごく似合ってるよ!////」

ずっと黙っていたのを不思議がるハヤテに、慌てて返事をする。

そしてルカは変な緊張感を抱えながら、ハヤテと共に監督の元に向かった……





「よし、来たか!じゃあこれ、書き直したところもあるから二人ともしっかり覚えとけ!もうすぐ本番始めるから」

そう言って監督が渡してきたのは、分厚い台本。

読むだけでも大変そうなのに、あと30分足らずで暗記しろという。

「……ホント無茶言いますね。しかし、こんなトラブル続きで大丈夫なんですか?」

「がっはっは!!なに、その方が面白い作品が撮れるってもんよ!」

監督は心底愉快そうに大声で笑いながら去って行った。

その後姿を見ながら、ハヤテはすごく不安に駆られる。

「ほんとに大丈夫なんですか、あの監督?」

「まぁ、その場のノリで行動する事で有名らしいからね」

そう言いながらもルカの視線はすでに台本に集中していた。

もの凄いスピードでページをめくり、内容を頭に叩き込んでいく。

その姿を見て、さすがプロ……とハヤテは感心した。

「(おっと、感心している場合じゃない。僕もちゃんと覚えないと……)」

ルカのように全てを網羅することはできなくても、せめて自分のセリフだけは何とか覚えようとハヤテは台本を開く。

そこで今更な疑問が口を突いて出た。

「そういえば、この恋人役ってどんな設定なんだろう?」

ハヤテとしては独り言のつもりだったのだが、自分も台本を読むのに忙しいはずなのにルカが律儀に答えてくれた。

「なんでも私の役と同じ境遇に陥った、『不幸で借金持ちでついでに女顔の少年』……みたいよ?」

「……なんか果てしなく共感を覚える役ですね」

これならなんとかなる気がしてきた……とハヤテは思う。

まぁ、喜んでいいのか微妙だったが……

そしてしばらくの間、二人は黙々と台本を読み耽る。

「(それにしても……)」

ハヤテは横目でルカの方を見る。

さきほどの会話中もルカは台本から目を離すことなく、もうほとんど読み終えていた。

本当にすごいな……とハヤテは思いながら、再び自分の台本に視線を落としたそのとき……

バン!!

「!?」

突然の大きな音に驚いて顔をあげると、ルカが真っ赤な顔をして台本を両手で挟んでいた。

どうやら勢いよく本を閉じたときの音だったらしい。

「ど、どうかしましたか?」

「べ、べべべ別に、にゃんでもにゃいよ!?/////」

ルカは台本を隠すように後ろ手に持ち、首をブンブンと振っていて、あからさまに挙動不審だった。

なぜか口調も猫化している。

「いやいや、明らかに何かありましたよね!?どうしたんですか!?」

ハヤテが心配して手を伸ばすと、ルカはそれを避けるように後退りした。

そして一言……

「に―――――!!/////」

なんか鳴いた。

「久々に聞きましたね、それ!?」

ハヤテが戸惑っていると、ちょうど撮影スタッフが呼びに来た。

「ではそろそろ撮影を始めるので、お二人とも来てくださーい!」

「あ、はい!では、ルカさん。とりあえず行きましょうか?」

「う、うん……」

いろいろに気なったものの、ハヤテはルカと一緒に撮影に向かった……



*   *



河のみなもに夕日が映る。

空はかつての色を失い、紅蓮へと変わっていた。

しかしそんななか、二つの『空色』が変わることなく橋の上に取り残されていた。

「……好き」

風にかき消えそうなか細い声で、空色の髪の少女はもう一方の空に想いを馳せる。

だが二人の距離は遠く、手を伸ばしても届かない。

「好き……大好き!!」

今度は大きく強く叫ぶ。

届くように、響くように……

すると空色の髪の少年はゆっくりと歩き出した。

二人を結ぶ橋の上、一歩、また一歩と距離が縮まる。

そして遂に間近になったとき、少女が触れようとして手を伸ばすと、少年が先にその手を握って真剣な眼差しを向けてきた。

「僕は……好きじゃない」

その言葉に少女は絶望する。

瞳からは涙があふれた。

体中が震えている。

「僕は……」

「イヤ!聞きたくない!!」

少女はすべてを拒絶して叫ぶ。

もういっそ逃げ出したくてたまらないのに、少年は手を離してはくれない。

「僕は……」

「イヤ!!」

少女の抵抗にも構うことなく、少年は続ける。

「僕は……僕の気持ちは『好き』なんて言葉じゃ収まりきれない!」

「……え?」

「君の好きなところも、嫌いなところも、強いところも、弱いところも全部ひっくるめて……」

少年は言葉では伝えきれない想いを、ほんの一部でも伝える為、その言葉を口にする。

「君を愛している!」

「・・・・・・!?」

少女はとても驚いた表情で、少年の顔を見上げる。

すると先ほどまでとは別の感情からくる涙があふれてきた。

「……うれしい」

少女の顔にようやく笑顔が訪れる。

手を握ったまま見つめ合う二人の影を、夕日が色濃く映し出していた……







「カット!はい、OKです♪」

OKが出た瞬間、ハヤテはすぐに手を離してルカに背中を向けた。

高鳴る心臓をおさえながら、ゼェゼェと大きく息を吐く。

「(や、やっと終わった……死ぬかと思った……/////)」

演技とはいえ、告白された上にあんな歯の浮くようなセリフを言わせられて、ハヤテは恥ずかしさと緊張が頂点に達していた。

ちなみにこのシーンを撮るだけで、もう10回もNGを出している。

「(それに比べて……)」

ハヤテはルカの方をちらりと見る。

ルカは動じることなく、すでに次の撮影の準備に移っていた。

「(さすがだなぁルカさん……。あれだけの演技をNG一つ出さず完璧にこなして……。まぁ、それだけ僕のことなんか意識されてないってことなんだろうけど……)」







一方、ルカの内心は……

に――――――――――――――――――!!!/////

やっぱり恥ずかしいよぉぉぉぉぉぉぉっ!!!/////

演技とはいえ、ハヤテ君にあんなこと言われたらもう……

だ、大丈夫だよね?

顔に出てないよね!?

落ち着くのよ、ルカ!!

これはあくまで仕事!!そう仕事なんだから!!

やましいことなんてこれっぽっちも……

・・・・・・

……か、考えてないんだから!!/////







……と水面下で激しい葛藤を繰り広げていた。

「あの〜、ルカさん?」

「はい。私はいつも通りですが何か?」

ハヤテの呼びかけに、ルカは内情を悟られないようキリッとした顔で振り返る。

「あ、はい、それは分かってますけど……監督がよんでますよ?」

「はい、わかりました。では参りましょうか、ハヤテ君」

「・・・・・・」

……誰?

とハヤテは思った。

いろいろ気にはなったが、とりあえず身近なとこから突っこんでみる。

「あの、右手と右足同時に出てますよ?」

「え?……ああこれ?これは『ナンバ歩き』といってアイドルに古くから伝わる修行法よ(嘘)」

「は、はぁ……そうなんですか?」

「ええ、決してテンパってるわけではないから!か、勘違いしないでよね!?」

「なぜ急にツンデレ!?そんなキャラでしたっけ!?」

「い、いいから早く行くよ、もう!!/////」

「あ、待ってください!」

これ以上ボロが出る前に、ルカはハヤテに背を向けて駆けだした……



*   *



場所は移って、撮影用に借りたとあるビルの屋上。

もうすっかり日も落ちて、頭上は満天の星とその中でもひときわ輝く月に彩られていた。

「よし、じゃあいよいよクライマックスのシーンといくか!」

監督が意気込んで声を張り上げる。

長かった一日もこれで終わりだ……

「次でラストか……」

「お疲れ様です、ルカさん。あと一息がんばりましょう♪」

ハヤテはコーヒーを二つ持ってきて、その一つを差し出しながら労いの言葉をかけた。

ルカはそれを受け取ると、あらめてハヤテにお礼と……謝罪を述べる。

「ありがとう、ハヤテ君……。ごめんね、ここまで付き合わせちゃって……」

「いえ、僕も楽しかったですよ♪」

「……そっか」

そして二人はコーヒーに口をつける。

そのとき、監督の声が聞こえてきた。

「よーし、じゃあラストのキスシーン始めるぞー!!」

「ぶふぉおっ!!?/////」

ハヤテは盛大に吹き出した。

口元を手で拭い、顔を真っ赤にさせる。

「キ、キスシーン!?そ、そんなのまであったんですか!?/////」

「おう!今日急遽書き足しておいた!」

ニヤニヤと笑みを浮かべる監督。

ハヤテは急いで台本の最後のページをめくる。

時間がなくて最後まで目を通していなかったが、そこには確かに『夜、ビルの屋上でキス』と書かれていた。

ハヤテは監督にニコッと笑いながら訊く。

「ち、ちなみにもちろんフリだけですよね♪」

「もちろん、そんな訳ねぇだろうが」

「いやいやいや、いくらなんでもこれは無理ですって!!/////」

ハヤテが必死に抗議していると、誰かに服の袖を引っ張られた。

振り返るとルカが立っていて、少し淋しげな顔で見上げてきた。

「ハヤテ君は……私とじゃ、イヤ?」

「えええ!?いや、そういうわけじゃなくてですね!?……こういうのはもっとちゃんとした相手とするべきというか、ルカさんの気持ちもありますし……」

「私は…………いいよ、ハヤテ君なら……/////」

「……え?」

一瞬、聞き間違いかと思いハヤテはルカを見つめる。

しかし彼女は顔を伏せていて、その表情は窺がえなかった。

「よーし!話は決まったな、じゃあスタート!!」

「ちょおおおおお!!?」

あまりのことに思考が追い付かず混乱しているハヤテをよそに、監督の指示でカメラが回り始める。

そしてルカは瞳を閉じ、つま先で立ってハヤテに顔を近づけた。

「……ん」

ハヤテの前にその無防備な唇が差し出される。

「……う」

極度の緊張の中、ハヤテはまるで時間が止まったかのような錯覚を覚えた。

しかしそれでも、バクバクと脈打つ心臓の音とともに時間は確かに刻まれている。

「・・・・・・」

やがてハヤテはゆっくりと顔を近づけ、そして二人は唇を重ね……













……なんてことにはならず。

ドゴォ――――――――ン!!!

「うわっ!!?」

「な、なに!!?」

突然の轟音と共にビル全体が大きく揺れる。

その場にいた全員がパニックになっていると、一人のスタッフが階段から駆け上がってきた。

「た、大変です、監督!!下に演出用で用意してあったダイナマイトがなぜか引火しました!!」

「何ィ!!?」

その言葉に全員の顔から血の気が引く。

「ていうか、なんでそんなもん用意したんですか!?」

「いや〜、やっぱ最後は派手に盛り上げようと思って……」

「ちょ、ハヤテ君、監督!そんなこと言ってないで早く逃げないと……」

チュド―――――――――――ン!!!!

「「あああああああああああああ!!!!」」



*   *



その後、幸い負傷者は以下の二名のみで、他の人は無事に脱出した。

監督、全治1ヶ月。

綾崎ハヤテ、全治1週間。





ちなみに当然のことながら、この映画はお蔵入りになったと言う……


第六十六話 END

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原作のあのキスキーンはホント衝撃的だったなぁ……

ではまた次回♪

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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.30 )
日時: 2012/11/28 20:57
名前: 球磨川ボックス



初めまして!かなぁ…球磨川ボックスです!

道草さんの小説、とても面白いです♪
特にイブキ…ちゃん?君?のキャラが最高です♪
ハヤテとの絡みが本当に面白くて、スマフォで読みながらニヤニヤしちゃってます

ハヤテの天然ジゴロが効かない人が出てくるとは…
ハヤテ、落とすのは難しそうだけど頑張ってね♪

雷が苦手か〜
今度氷華連れてきて、雷の炎で脅かそうかな…←女の子は苛めたくなるタイプです

これからも更新頑張って下さい♪
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Breath〜君と息衝く日々〜 3 (12/9レス返し) ( No.31 )
日時: 2012/12/09 17:14
名前: 道草

どぅも★道草です!

今回からレス返しと本編は分けることにしました。

ではレス返しをば。


◆球磨川ボックスさんへ

>初めまして!かなぁ…球磨川ボックスです!

初めまして!!お越しいただきありがとうございます!!!

ハヤテ「初めまして!感想ありがとうございます♪」

>道草さんの小説、とても面白いです♪


ありがとうございますぅぅぅぅぅぅっ!!!

そう言っていただけるとホント感無量です♪


>特にイブキ…ちゃん?君?のキャラが最高です♪
>ハヤテとの絡みが本当に面白くて、スマフォで読みながらニヤニヤしちゃってます


イブキ「ちょお待て。今なんで呼び方迷った?」

ハヤテ「まぁまぁイブキさん……」


>ハヤテの天然ジゴロが効かない人が出てくるとは…
>ハヤテ、落とすのは難しそうだけど頑張ってね♪


ハヤテ「何を頑張れと!?一体に何を期待してるんですか!!/////」

イブキ「まぁ、あたしは絶対コイツにだけは落ちないけどね」


>雷が苦手か〜
>今度氷華連れてきて、雷の炎で脅かそうかな…←女の子は苛めたくなるタイプです


イブキ「やめんかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


>これからも更新頑張って下さい♪


はい。年末年始は忙しくてなかなか更新できないと思いますが頑張ります!!

では球磨川ボックスさん、ありがとうございました♪
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(12/9更新) ( No.32 )
日時: 2012/12/09 17:15
名前: 道草

どぅも★道草です!

レス返しは上で行っているので、そちらをご覧ください。

では本編に参ります。

ああ、遂にこの回を書く日が来てしまったなぁ……



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第六十七話 『綾崎ハヤテ補完計画・マリア編…………そして』


カランカランカラン!!

「大当たり―――!!一等賞――――!!」

商店街の一角で、福引をやっていた店員が手に持ったベルを打ち鳴らし大声で叫んだ。

台の上には回転式の抽選器と、その中から出てきた玉が金色に輝いている。

その結果に、福引を引いた人物の隣に立つ女性は信じられないといった顔をした。

「まさかハヤテ君が一等を当てるなんて……。これは良くないことの前触れでは?」

「どういう意味ですかマリアさん!?」

買い物袋を片手にツッコミをいれるハヤテ。

ハヤテとマリアの二人は夕飯の買い出しの帰り道、もらった福引券を使ってみたところ現在に至る。

ハヤテ自身もまさか当たるとは思っていなかったので驚きを隠せないでいると、店員がハイテンションで商品を持ってきた。

「では一等はこちら……『動物園ペアチケット』だ――――――!!!!」



*   *



「……というわけでして」

アパートに帰りつき、ハヤテは主に戦利品の報告をする。

しかしナギはテレビゲームをしながら、特に興味なさげに聞いていた。

「えっと……お嬢さま行ってみます?」

「いかん」

画面上に『GAME OVER』の文字が浮かび、ナギはコントローラーを放り投げて畳に転がった。

「何が嬉しくて休日に獣の生態観察などせにゃならんのだ。匂うし、無駄に広いし、そんなとこ楽しんでいく奴の気が知れんわ」

全国の動物園及びその客に謝れ。

「じゃあどうしましょうかマリアさん?捨てるのももったいないですし、誰かにあげましょうか?」

「・・・・・・」

「マリアさん?」

「……えっ!?あ、そ、そうですわね……」

マリアは手にしたチケットを凝視してしばらく黙っていたが、ハヤテの呼びかけに慌てて答えた後、どこかしゅんとした表情を見せた。

その様子を見てハヤテはもしやと思う。

「マリアさん、ひょっとして行ってみたいんですか?」

「え、いえいえ!!別にそんなことは……。ただこういう所には行ったことがないので、ちょっと気になっただけですわ」

やはりか。

マリアさんはある意味、お嬢さま以上に箱入り娘なところがある。

前に水族館に行った時も初めてだって言っていたし、こういう庶民的な場所には興味はあっても行く機会はなかったのだろう。

そう察したハヤテは思い切って提案してみた。

「でしたらせっかくですし明日行ってみたらどうですか?」

「え?ですが、仕事が……」

マリアが遠慮していると、障子を開いてある人物が話に割り込んできた。

「話は聞かせてもらった」

ふふふと不敵な笑みを浮かべ、眼鏡をずり上げながら登場したのはアパートの住人、春風千桜だ。

「そういうことなら代わりのメイドに来てもらうから、マリアさんはゆっくりしてきて構わないぞ?」

「え?代わりのメイドってどなたですか?」

「それはわた……じゃなくて咲夜さんとこのメイドさんだよ」

「ああ、ハルさんですか。ですがそれはご迷惑なんじゃ……」

「大丈夫ですって。さっき咲夜さんにも連絡しましたし」

「はぁ……」

なぜ千桜が咲夜やハルと繋がりがあるのだろうと気にはなったが、マリアはしぶしぶ了承する。

ここまでされては断る方が失礼だ。

「……わかりました。それではお言葉に甘えさせていただきます。ナギもそれでいいですね?」

「ん〜?ああ」

生返事をするナギだったが、その意識の先はテレビゲームから携帯ゲーム機へと移行し、まったく話を聞いていなかった。

一方でハヤテはヒソヒソと千桜に耳打ちする。

「本当にいいんですか、千桜さん?」

「こうでもしないとマリアさん休んでくれないだろ?私もいつもお世話になってるから、そのお礼だ」

「ありがとうございます、千桜さん♪」

「まぁ私もメイドのはしくれだからな。後のことは任せておけ」

そのとき、マリアが振り返って視線を向けてきたので二人はそこで密談を終える。

そしてマリアはハヤテの顔をじっと見て言った。

「それじゃあハヤテ君、明日はしっかりエスコートしてくださいね」

「……え?」

ハヤテは一拍置いた後……

「えええええええ!!?ぼ、僕も一緒に行くんですか!?」

当然のように言ってきたマリアからの同行依頼に驚きの声をあげた。

その反応にマリアはムッと頬を膨らませる。

「何ですか?まさか私一人を猛獣の檻の中に飛び込ませる気だったんですか?」

「誤解を招く言い方やめてください!……別にそういうつもりではありませんでしたけど、どうして僕に?他の方でもお誘いすればいんじゃ……」

「何言ってるんですか。このチケット当てたのハヤテ君じゃないですか」

「そ、それはそうですけど……」

なおも歯切れの悪いハヤテに、マリアは少し意地悪な口調で尋ねる。

「それともハヤテ君は私と行くの嫌なんですか〜?」

「いや、そんなこと言ってませんよ!?ただ僕なんかでいいのかなと思っただけでして……/////」

「ふふっ、じゃあ決まりですね♪」

慌てて否定するハヤテをみて、マリアは笑う。

こうして図らずしも、マリアと二人になることが決定したハヤテであった。

「……では、お嬢さま。そういうわけで僕も明日行ってきますね」

「ん〜、わかった」

ゲームを手に、またしても気のない返事をするナギ。

これがハヤテとマリアが二人きりになることに気づいて大騒ぎするのは、後日二人が出発した後の話である……



*   *



そして翌日、動物園入口。

そこにはお互い普段の仕事着ではなく、年相応の服を着こなした二人の姿があった。

「今日は流石にメイド服じゃないんですね」

「私だって、いつでもどこでもメイド服着ている訳ではありませんよ!!/////」

そういうマリアが着ているのは、かつてハヤテとの嘘デートにて買った服だ。

詳しくは原作18巻参照。

「そういうハヤテ君だって執事服じゃないじゃないですか」

「ああ、これはこの間の休みにお嬢さまにいただいた服ですよ」

こちらは本作64話参照。

マリアはじとっとハヤテの顔を見つめる。

「ふ〜ん……。こういうときに他の女の子の話をするのは良くないですよ、ハヤテ君?」

「なっ、何言ってるんですか、マリアさん!?/////」

「ふふっ、冗談です♪」

ハヤテの反応を見て楽しんでいるマリア。

そんなふうにすっかりからかわれて困り顔になりつつも、ハヤテはマリアを連れてチケットを見せて入場した。







……とそんな二人を物陰から付け狙う怪しい影が。

「ふふふふふ……」

不気味な笑みを浮かべるのは久しぶりに登場のこの人、イブキである。

イブキは飢えた獣のごとく、鋭い目でハヤテ達を睨んでいた。

その様子はまわりで見ている人たちも恐怖するほどだ。

いっそコイツを動物園送りにした方がいいかもしれない。

「ハヤテとマリ姉が二人きり……これはチャンスだ!待ってろハヤテ、この恋の野獣、イブキ様が二人の仲を急接近させてやるぜ!!」

「ちょっとそこの君、名前と職業を……ごふっ!」

職務質問をかけてきたお巡りさんを一蹴し、使命に燃えるイブキであった……

ちなみにこのくだり、実に三度目だったりする……







しかしハヤテとマリアはもちろん、イブキも気付いてはいなかった。

もう一人の少女の存在を……

「……あれは、ハヤテ君たちと……イブキちゃん?」



*   *



「……わぁ!!」

園内に入った途端、マリアは目を輝かせて駆けだした。

周りには様々な環境に合わせて作られた施設、その中で暮らす多くの動物達、そしてそれを見に来た多くの親子連れで賑わっていた。

「ハヤテ君、ハヤテ君!あっちに何かありますよ!?」

「はは、待ってくださいよマリアさん」

子供の様に無邪気にはしゃぐマリアを見て、ハヤテは来てよかったなと思う。

彼女がこんな一面を見せるのはすごく新鮮だ。

「それでマリアさん、どこから見て回りましょうか?」

「え〜と、そうですね……」

設置されている案内の地図を見て、二人はまずどの動物から見るか考える。

普段は滅多に見られない動物を見れるのが、動物園最大の魅力だ。

「あ、ホワイトタイガーがいるみたいですよ。まずはここに行ってみましょう!」

「いや、マリアさん。なぜそこで最も身近な動物をチョイスするんですか……」

ホワイトタイガー。普通の人なら珍しいことこの上ないのだろうが、あいにくハヤテはうんざりするほど見飽きている。

しかしマリアは行く気満々だ。

「ほら、ハヤテ君行きますよ♪」

「……は、はい」

あまり乗り気のしないまま、ハヤテはマリアについて行った……



*   *



そして檻の中。

そこには生態系の頂点に立つ王者が、堂々とその迫力ある威厳を見せつけて……

「……ふぁ〜」

……いなかった。

この動物園最大の人気者。ホワイトタイガーの『ポチ』は寝っ転がって大きなあくびをしていた。

その様子からは、野生の本能は見る影もない。

「やはり本物のトラも、タマとそっくりですね〜♪」

「その発言は野生のトラ達に失礼だと思いますけど……。まぁ動物園で飼われているトラはこんなものでしょうね」

ひどい言いぐさのハヤテ。

そんな会話が気に障ったのか、ポチは寝返りをうってハヤテ達から見えないように顔をそむけた。

『〜〜〜♪〜〜〜♪』

そのとき着信音が鳴り、マリアは懐からケータイを取り出す。

みると相手はナギからだ。

「はい、マリアですが……。どうしましたナギ?」

マリアはしばらくそのまま話していたが、やがて困った顔で電話を切った。

「ごめんなさい、ハヤテ君。ここ少し電波が悪いようなので向こうでかけ直してきます」

「あ、はい。じゃあここで待ってますよ」

そしてマリアが離れていくのを見送った後、ハヤテは檻の方に向き直る。

「しかしお前も大変そうだなぁ……。こんな狭いとこで見世物になって……」

ハヤテが背中を向けたままのポチに話しかけると、それを遠目で見ていた親子の声が聞こえてきた。

「ママ〜、あのお兄ちゃんトラに話しかけてるよ?」

「しっ、見ちゃいけません!」

「・・・・・・」

憐れみの視線を向けられ、ハヤテは恥ずかしそうに顔を伏せる。

いかん……タマに慣れているせいで、つい話しかけてしまった。

普通のトラに言葉が通じるはずもない……

ハヤテがそう思っていると、ポチはハヤテの方に顔をむけて……

「オメーみたいな貧相なガキに同情されるほど、落ちぶれてねぇよバーカ」

「・・・・・・」

……いや、うん。別に驚かないけどね?

いまさらこんな事じゃ驚かないけど……しゃべるトラって結構いるんだなー……

「お待たせしました、ハヤテ君。……あれ、どうかしたんですか?」

戻ってきたマリアが、不思議がって尋ねてきた。

正直に言っても信じてはもらえないので、ハヤテは何事もなかったかのように平静を保つ。

「……いえ、別になんでもありませんよ。それよりお嬢さまは何て?」

「こちらも大した用ではありませんでしたわ。まぁ文句のようなものでしたから……」

「……やっぱり二人そろって留守にしたのはまずかったですかね?」

「大丈夫ですよ。かなり元気そうでしたから」

声を聞いただけでそう確信するマリア。

流石は長年の付き合いだけあって、ナギの事をよく理解していた。

そんなマリアにハヤテは感心する。

「ひとまずナギの事は皆さんにお任せして、私達はもう少し見て回りましょうか、ハヤテ君♪」

「あ、はい」

マリアの笑顔に一瞬ドキリとしつつ、ハヤテは後ろについて行った……







一方、その頃イブキは……

「う〜〜〜ん、なかなか進展しないな〜〜〜」

「キキ――――!!」

「ウキ――――!!」

猿山の中、ニホンザルの群れにまぎれながら、双眼鏡でハヤテ達の動向を監視していた。

二人きりだというのにデートっぽくならない二人の様子にヤキモキする。

「なんとかして、もっといい雰囲気にできないものか……」

「キキ――――!!」

「ウキキ――――――!!」

イブキが思案する中、サルたちは侵入者に対して最大限に威嚇して騒ぎ立てる。

「・・・・・・」

「キ――――――――!!!」

「ウキキ――――――!!!」

「うきぃぃぃぃぃぃっ!!!うるせぇ!!今考え中なんだから黙ってろ!!!」

イブキが怒鳴るとサルたちは一斉に総員退避した……



*   *



それからもマリアは初めての動物園を楽しんでいた。

珍しい動物たちに檻から身を乗り出すほど目を奪われたり、ふれあいコーナーで可愛い小動物たちを抱きしめて心癒されたりと、まるで童心に帰った様だ。

そんなマリアの様子をみてハヤテも微笑む。

しばらくして、マリアはベンチに腰掛け一息ついた。

「ふぅ……結構歩きましたね」

「そうですね。僕何か飲み物買ってきますよ」

そう言って駆けだすハヤテをマリアは見送る。

そしてその後ろ姿が見えなくなったところで、残されたマリアの元へ得体のしれないものがやってきた。

身長と二足歩行していることから正体が人間であることは一目でわかったが、その恰好があまりに異様だ。

背中には甲羅のようなものがあるが亀ではない。

全体的に茶色でネズミのような長い尻尾と細長い顔、そんな着ぐるみだ。

「あのあなたは……?」

「は〜い♪僕は当園のマスコット、アルマジロの『次郎君』です♪」

「はぁ……」

マスコットにするなら、もっと可愛い動物にできなかったのかしら?

そんなマリアの内心をよそに、次郎君は話を続ける。

「ところでお姉さん。当園を楽しみたいならおすすめの場所があるよ♪」

「え?」

「ほら、あそこさ♪」

次郎君が指差したのは隅に立てられた小さな建物。

しかしあまり人が入っているようには見えない。

「えっと、本当にあそこですか?」

「うん、ぜひ彼氏さんと一緒に入ってね♪」

「いえ、別に彼氏とかそういうのでは……/////」

「おっと、それではあたしはこのへんで……」

そう言って次郎君はどこか慌てた様子で体を丸める。

そして本物のアルマジロのようにボール状になったところで、そのまま転がって移動していった。しかも無駄に速い。

その芸当を見て、マリアは次郎君の事をちょっと見直した。

「お待たせしました、マリアさん」

ちょうど入れ違いでハヤテが戻ってきた。

その手にはペットボトルを持っている。

「はい、どうぞ♪」

「ありがとうございます、ハヤテ君」

飲み物を受け取り、マリアは礼を述べる。

そしてハヤテの顔をみると、ふいにさっきの次郎君の言葉が脳裏をかすめた。

『ぜひ彼氏さんと一緒に入ってね♪』

「・・・・・・/////」

「どうしました、マリアさん?」

黙りこくっていると、ハヤテが不思議そうに顔を覗き込んできた。

マリアは先ほどの言葉を否定するように頭を大きく振る。

「いえ、別になんでもありませんわ/////」

「?そうですか」

「そ、それよりハヤテ君!次はあそこに行ってみませんか?」

マリアが指差したのは、さっき次郎君に勧められた建物だ。

「あそこですか?はい、いいですけど」

「で、では行きましょうか……/////」

そして二人は少し薄暗い建物の中へと入っていった……







その様子を隠れながら見ていた次郎君。

しかし今はその着ぐるみの頭部を外して、その正体が露わになっていた。

中身はやはりこの女……イブキだ。

「ふふふ……作戦成功!」

イブキは隠しておいた看板を取り出す。

それはハヤテ達が入っていった建物の看板で、こう書かれていた。





『昆虫館 世界のゴキブリ特別飼育施設』





この園内で最も不人気なコーナーである。

「きゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

建物内から響く甲高い女性の悲鳴を耳にしながら、イブキは呑気にお茶をすするのだった。



*   *



「え〜と……大丈夫ですか、マリアさん?」

「・・・・・・」

入った瞬間、マリアに思い切り強く抱きつかれ、押し倒されてしばらく身動きがとれなくなったハヤテだが、なんとか脱出に成功した。

マリアはベンチに座り、まるで魂が抜けたかのように真っ白になっている。

彼女の中で今日の日の思い出は一生胸に残ることだろう。

いい意味でも悪い意味でも。

「……も、もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました……/////」

なんとか落ち着きを取り戻したマリアは、今度は取り乱した際の自分の行動を思い出して顔を赤くする。

一方、ハヤテは申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。

「すみませんでした……。こんな目に遭わせてしまって」

「そんな、ハヤテ君は悪くないですよ!?入ろうって言い出したのは私ですし……」

マリアはハヤテに頭を上げるように言うと、周りを見て微笑んだ。

「それに今日は本当に楽しかったんですよ……」

「え?」

マリアの視線の先にあるもの、それは園内の動物達。

……ではなく。





「ママ〜、パパ〜!!」

「あんまり走ると危ないぞ〜!」

「迷子にならないようにね?」





小さな女の子が母親と父親の手を握って楽しそうに笑っている。

そんな微笑ましい光景を、マリアは優しい……そしてどこか寂しげな眼差しで見つめていた。

「……私には、あんな思い出はありませんでしたから」

「・・・・・・」

両親の顔も名前も知らないマリア。

子供時代、遊んでくれる相手も甘える相手もいなかった彼女にとって、あの親子の姿は憧れなのだろう。

その気持ちはハヤテにも少しわかった。

「だから……今日はまるで子供の頃に戻れたみたいで楽しかったです♪ありがとう、ハヤテ君」

「マリアさん……」

家族との絆、子供の頃の思い出。

その欠落による彼女の寂しさが、今回の件で埋まったとは思えないが、それでもハヤテはここへ来て本当に良かったと思った。

「今度はナギも連れて三人で来ましょうか♪」

「はは、それだとマリアさんがお母さんで、僕がお父さんみたいですね♪」

「なっ、何言ってるんですかハヤテ君!?まったくもう、ナギも待ってますし早く帰りますよ!!/////」

「あ、待ってください、マリアさん!!」

そして二人は帰路につく。今の家族が待つ家へと……

その様子をイブキは後ろから眺めていた。

「やれやれ……。二人の仲が急接近……とはいかなかったけど、今日のとこはこれくらいで勘弁してやるか……」











*   *











……本来であればここで幕引きのはずである。

だが、それでは納得しない者が一人いた。

「イブキちゃん!!」

自分の名を呼ぶ怒気をはらんだ声に、イブキは驚いて振り返る。

そこには歩が険しい表情で立っていた。

「は、ハムさん!?どうしてここに……」

「……見てたよ」

その一言でイブキは悟る。

おそらく彼女は一部始終をずっと見ていたのだろう。

ハヤテとマリアの二人が動物園で遊んでいるところも。

……自分がそれにちょっかいを出しているところも。

流石のイブキもハヤテ達に気を取られて、自分が二重尾行されているとは気づかなかった。

歩はイブキに詰め寄って、その目をまっすぐにとらえる。

いつにないその迫力に、イブキは思わずたじろいだ。

「イブキちゃん、前もハヤテ君にちょっかい出してたよね?他の人とくっつけようとして……」

「・・・・・・」

イブキは否定も言い訳もしない。

それは確かに事実だから。

「イブキちゃんは一体何がしたいのかな!?ハヤテ君をからかって遊んでいるだけ!?」

普段の温厚な態度からは想像できないほど激しい剣幕でつめよる歩。

それは恋する乙女ゆえの怒り。

真剣にハヤテに想いを寄せる彼女にとって、冗談半分にその気持ちを踏みにじられるのは許せなかった。

その気持ちはイブキにも痛いほど伝わる。

だからこそ、イブキはごまかすことなく本音を吐いた。

「あたしは……別に誰がハヤテとくっついたって、どうだっていいんだ……」

「なっ!?」

歩は怒りの声を上げようとしたが、続くイブキの言葉にその矛先を失う。

「それでハヤテが幸せにさえなれるならな」

「・・・・・・」

イブキは静かに、ぽつりぽつりと語り始めた。

「あいつはさ、見た目以上に傷ついていると思うんだ……。昔から理不尽な不幸に見舞われて、心も体も……」

「・・・・・・」

「そのくせ、いつも自分の事より他人の事ばっか考えて……無茶して……。だから、そばにいて支えてくれる人が必要なんだよ」

イブキの気持ちは歩にもよく分かった。

なぜなら二人には通じるものがあったからだ。

二人の共通点……同じ想い……

歩はあえてそれを問う。

「イブキちゃんは……ハヤテ君のこと……」

「……あたしは」







認めてしまえば、何かが壊れてしまう気がした……







「あたしは……ハヤテのことが……」







だから『親友』という言葉でごまかしてきた。

まわりを

そして自分を。

しかしずっと堪えていた言葉は、想いは、自分でも驚くほど……







簡単に

軽率に

素直に

無様に

自然に

必然に

この口からこぼれ出た……







「あたしは……ハヤテのことが………………………………スキ」







言葉はもう戻らない。


第六十七話 END

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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.33 )
日時: 2012/12/09 18:15
名前: 球磨川ボックス

どうも、球磨川ボックスです!

今回はハヤテとマリアさんの動物園デートでしたか…
まさかハヤテが一等賞を当てるとは…
今日はイブキちゃんに雷でも落ちるのかな…?

そしてそれを尾行するイブキちゃん…
恋のルシファーだったり、魔王だったり、今度は野獣だったり…大変ですね…
警察の方もご愁傷様です。

ついにイブキちゃんが…
難攻不落のイブキちゃんまでもが…ハヤテの毒牙にかかるとは…
まぁ今までも何回か怪しい所はありましたけどね♪


今回もとても楽しかったです♪
次回の投稿楽しみにしてます♪



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Breath〜君と息衝く日々〜 3 (1/1レス返し) ( No.34 )
日時: 2013/01/01 23:04
名前: 道草

どぅも★道草です!

新年あけましておめでとうございます!!

今年もよろしくお願いします!!

ではレス返しをば。


◆球磨川ボックスさんへ

>どうも、球磨川ボックスです!


感想ありがとうございます!!そしてあけましておめでとうございます!!

ナギ「うむ、あけおめ」

イブキ「ことよろ」


>今回はハヤテとマリアさんの動物園デートでしたか…


マリア「べ、別にデートとかそんなんじゃありませんよ!?/////」


>まさかハヤテが一等賞を当てるとは…
>今日はイブキちゃんに雷でも落ちるのかな…?


イブキ「いやああああああああああああ!!!怖いよハヤテぇ……」

ハヤテ「落ち着いてください、イブキさん!!ていうかどんだけ運がないと思われてるんですか僕は!?」

ナギ&マリア「(何をいまさら……)」


>そしてそれを尾行するイブキちゃん…
>恋のルシファーだったり、魔王だったり、今度は野獣だったり…大変ですね…
>警察の方もご愁傷様です。


ちなみにあのお巡りさん、同一人物です(笑)

お巡りさん「なぜ本官がこんな目に……」


>ついにイブキちゃんが…
>難攻不落のイブキちゃんまでもが…ハヤテの毒牙にかかるとは…
>まぁ今までも何回か怪しい所はありましたけどね♪


ぶっちゃけるとイブキは難攻不落どころか、初登場時からハヤテに陥落しています。

ハヤテの天然ジゴロが効かないのも、すでにベタ惚れだったからです。


>今回もとても楽しかったです♪
>次回の投稿楽しみにしてます♪


では球磨川ボックスさん、ありがとうございました♪

今年もよろしくお願いします!!
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(1/1更新) ( No.35 )
日時: 2013/01/01 23:05
名前: 道草

どぅも★道草です!

皆様、あけましておめでとうございます!!なかなか更新できないまま年を越してしまいスミマセン……

あとアニメ3期の最終回はホントにこう……込み上げてくるものがありましたね!!素敵なラストでした♪4期も楽しみです!!

それはともかくとして、以下から新年初の本編です!!



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最初は同情だったのだろう。

似たような境遇の君に自分を重ねた。

次に感じたのは尊敬。

どんな目に遭っても曲がらない、まっすぐな君に憧れた。

やがて抱いたのは切望。

君にだけは幸せになってほしいと心から願った。

そしてあたしは……







第六十八話 『Wind 〜風が吹いた日〜』


「あたしは……ハヤテのことが………………………………スキ」

小さく、けれどはっきりと、イブキは自分の想いを告げる。

その告白に、歩は驚くことなくむしろ納得したような表情を見せた。

「……やっぱり、そうだったんだ」

「やっぱりって……気づいてたのか?」

「うん……なんとなくね」

「・・・・・・」

敵わないな、とイブキは思った。

今までそんなに露骨な態度をとった覚えはないし、うまく隠せていたつもりだったのだが……

これが女の勘というものか……

「……でもどうして?だったらなんでイブキちゃんは自分の想いをハヤテ君に伝えないのかな?」

歩はイブキに疑問をぶつける。

イブキがハヤテのことを本気で好きなことは、同じくハヤテに想いをよせる身として理解できた。

だけどなぜ自分の想いを押し殺して、ハヤテを他の人と結ばせようとしているのかがわからない。

そんなこと、とても辛いはずなのに……

「あたしは、確かにハヤテのことが好き…………でも」

歩の問いに、イブキは自嘲的に笑ってこう答えた。

「それ以上に、自分のことが嫌いだ♪」

「・・・・・・」

「あたしじゃハヤテを幸せにできない。……あたしではダメなんだ」

「そんなこと……」

あまりに寂しそうなその声に、歩は何か言おうと思ったがうまく言葉がでてこない。

そうしているうちに、イブキはくるりとまわって背中を向けた。

「……今回の件はハムさんには悪かったな。でもあたしはあんたの事も応援してるよ。これからもハヤテのことよろしく頼む」

「イブキちゃん……」

「……じゃあな」

イブキは振り返ることなく、手を振りながら歩き出す。

その後姿に、歩はもう二度と会えないような……そんな予感を感じた。

「イブキちゃん!!」

歩は大声で呼び止める。

「人を好きになるって……そんなに難しいことなのかな?」

「・・・・・・」

イブキは何も答えずに、立ち止まる。

依然として背中を向けたままで、その表情を窺がうことはできない。

「イブキちゃんが何に悩んでいるのかはわからないけど……本当に好きなら自分の気持ちに正直になった方がいいんじゃないかな?」

「・・・・・・」

恋敵でありながら、歩はイブキの背中を押すように自分の考えを述べる。

それは彼女自身の経験からくる言葉。

傷つきながら見つけた一つの答えだった。

「……少なくても私は後悔してないよ」

歩の言葉にイブキはずっと黙ったままだったが、たった一言……

「……ありがとう」

そう口にして、イブキは一度も振り返ることなくその場を後にした……



*   *



――ムラサキノヤカタ。イブキの部屋。

イブキは帰ってくるなり、身を投げ出すように布団に倒れこんだ。

窓からは夕日の光が差しこみ、部屋を照らしている。

イブキはその光から逃れるように、枕に顔をうずめた。

「・・・・・・」

多少の息苦しさなど構うことなく、そのままの体勢で物思いに耽る。

いや、正確には考え事などできていなかった。

いろんな事が頭の中をめぐり整理できていないのだ。軽い混乱状態といってもいい。

本人にではないにせよ自分の想いを打ち明けてしまったことで、イブキはもうどうしていいのかわからなくなっていた。

「・・・・・・」

そのまましばらくの間、結論のでない自問自答を繰り返す。

やがてそんな状態に脳が疲れたのか軽い睡魔がやってきた時、イブキの脳裏に蘇ったのは過去の記憶だった……



*   *



――4年前、とある街中。

夕焼けが影を色濃く染める時間。

一人の少女が歩いていた。

街には大勢の人間があふれかえっているが誰も少女に気をとめるものはいない。

孤独とは『無人』にではなく、『大衆』のなかにあると少女は思っていた。

「……けっ」

女の子らしからぬ舌打ちと同時に、少女は道に転がっていった石を蹴飛ばす。

その石は他の誰にも気づかれることなく、そのまま排水溝へと落ちて行った。

……きっとあの石ころと自分は同価値なのだろうな。

そんなことを石の運命を狂わせた張本人は自嘲気味に思っていた。

一見しただけでは男の子と見紛うほど短く切られた髪に、周りを威嚇するかのような鋭い目つき。

紫藤イブキ、当時中学一年である。

イブキはつまらなさそうに歩き続ける。

別に行くあてや目的があるわけではない。ただ他にやることがないのだ。

世間が彼女に対してそうであるように、彼女もまた世間に対して興味がない。

当時イブキにとってこの世界は、無機質で灰色に見えていた。

そんなイブキに耳障りな声が届く。

「なぁ、そこの君ちょっとまった」

「ちょっとお金貸してくれな〜い?」

振り返ると絵にかいたような不良二人が一人の少女を囲んでいた。

少女はイブキと同じ中学生ぐらいだろうか。

そしてまわりは見て見ぬ振りをしている。

イブキはそんな世の中が大嫌いだった。

「おい、おっさん」

イブキは不機嫌な顔をしながら不良たちの背後に近づき声をかける。

「あん?なんだおま……ぐはっ!?」

言い終わるより先に、イブキは容赦なく男の顔面にハイキックを放った。

男はそのまま倒れ、もう一人が声を荒げて殴りかかってくる。

「なっ!?テメェ!!何しやがる!!」

だがイブキは男のパンチをあっさりかわし、今度は腹部をけりつけた。

男は声にならない低い呻き声をあげ、腹を抱えてその場に沈む。

あとには倒れた男二人とイブキ、そして少女が立っているだけだった。

「ちっ……弱いな。こんな奴らほど調子に乗りやがる」

イブキが男たちを見下ろして呟くと、先ほどからまれていた少女がおずおずと近づいてきた。

「あの……ありがとうございました」

「別に……目障りだったから排除しただけだ」

そう言ってイブキは立ち去ろうとする。

しかしそのとき、イブキの足首ががしっとつかまれた。

「このガキ、やりやがったな!」

見ると初めに倒した男が息を吹き返していた。

そしてもう一人の男も立ち上がる。

「ちっ、手加減しすぎたか……」

そんなふうにイブキが自身のつめの甘さを反省する中、男は額に青筋を浮かべ拳を振りかぶる。

だがイブキは冷静だった。

あんな男のパンチ受けたところで大したことはない。

まぁ、こんな奴らに一発くらうのは癪だがそのあとカウンターを返せば終わりだ。

そう思いイブキは男の攻撃をあえて待った。

「・・・・・・」







……しかしイブキは殴られることも、カウンターを返すこともなかった。

次の瞬間には男二人は再び気絶していた。

代わりにそこに立っていたのは……

「だいじょうぶですか?」

先ほどの少女だった。

いや、『少女』ではない……『少年』だ。

それは時間にして一瞬のことだったが、イブキはこの少年が男たち二人を瞬殺するのを見逃さなかった。

その身のこなしから、イブキは目の前にいる一見華奢な人物が男であると確信する。

男の子にしては少し長めの水色の髪に、可愛らしい顔立ちのためすっかり騙された。

そしてイブキに新たな疑問が生まれる。

「……なんでだ?」

「はい?」

イブキは少年をジト目で睨む。

「あんたならこんなやつら敵じゃなかったろう?なんで反撃しなかった」

そう、先ほどの動きからイブキはこの少年が相当の手練れだと見抜いていた。

これではわざわざ首を突っ込んだ自分がバカみたいではないか、とイブキは思う。

「いえ……暴力で解決するのはよくないですし……」

「……さっきは容赦なく蹴りをいれていたが?」

イブキは倒れている二人を指さす。

「あ、あのときはとっさに……」

そう言って少年は口ごもる。

……なるほど。

自分が傷つくのは構わないけど、他人が傷つくのは我慢できないってところか。

……一番嫌いなタイプだな。

イブキはそう思ってため息をつく。

一方、少年は再び深々と頭を下げた。

「あ、あの本当にありがとうございました!」

「だから礼はいいって……」

「でも女の子なんだから、あんまり無茶しちゃダメですよ?」

「……ふぇ?」

イブキは気の抜けた声をもらす。

別に隠しているわけではないが、初対面の人間に女と見抜かれたのは初めてのことだった。

「……な、なんで女だってわかった?」

「??そんなの見ればわかるじゃないですか?」

少年は質問の意味がわからないといった感じで答える。

イブキはあっけにとられると、ふっと笑った。

「つまり服の上からでもスリーサイズがわかると?」

「な、ちちち、違いますよ!なに言ってんですか!?/////」

「はは、冗談だよ」

イブキは笑った後、はっと驚く。

こんなふうに笑ったのはいつ以来だろうか?

どうもコイツとしゃべっていると調子が狂う……

だが不思議と悪い気はしないな……

イブキはふっと笑みを浮かべると、背中をむけて手をヒラヒラと振る。

「じゃーな、もうからまれるなよ」

「あ、待ってください!お名前は?」

「名乗るほどの者じゃないさ……」

そういってイブキはどこか満足そうな顔をして走り去る。

いつもは気だるそうに歩いていた見飽きた道。

そこに心地よい風が吹き始めた気がした……




第六十八話 END

===============================================================================



はい、遂に始まりましたイブキの過去編。またの名を『イブキ黒歴史編』!!!

イブキ「殺せぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!いっそあたしを殺せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

いや〜、見事に荒んでますね♪というか完全に厨二です、中一のくせに。

イブキ「じゃかぁしぃ!!親があんなんじゃグレたくもなるわ!!!」

というわけでしばらく原作キャラがまったく登場しなくなりますが、ご容赦ください……

ではまた次回♪
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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.36 )
日時: 2013/01/02 00:08
名前: 球磨川ボックス


あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
どうも〜球磨川ボックスです。


イブキちゃん…自分じゃハヤテの事を幸せに出来ない…か…
確かにそう思う事もありますよね…私も思ったりします。
自分の事が嫌いなのか…イブキちゃんは…
私はイブキちゃんの事好きですよ!?

ハムさんは恋愛面に関してはなかなか鋭いし、
いい事言ったりしますよね〜


イブキちゃんの過去…思えばハヤテとイブキちゃんが出会った時の事、まだ明かされてなかったんですよね…
荒れてますね、イブキちゃん…女の子とは思えないね、こりゃ
このイブキちゃんを女の子だって分かるのはハヤテぐらいだね
この完全男の子なイブキちゃんが今の女の子になったとは信じがたいですね…

これから始まるイブキちゃんの黒歴史…とても興味深いです!
更新頑張ってください!
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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.37 )
日時: 2013/01/08 17:45
名前: 紅雪

やっと…やっとこれた…

お久しぶりです&あけましておめでとうございます!忘れてるかもしれませんが紅雪です!

やっとこれたと思ったらなんか凄いことになってますね…
イブキはやっぱり(ここ重要)ハヤテのこと好きだったんですね…さすがジゴロマスターハヤテ…

イブキの過去編がちょうど始まったときに来れてタイミングよかったです。イブキ的にはタイミング悪いんでしょうが…

これからは定期的にこれそうなので、短いですが感想書きに来ちゃいますよ!

では今日はこの辺で失礼します。次回も楽しみにしてますよ!
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Breath〜君と息衝く日々〜 3 (1/14レス返し) ( No.38 )
日時: 2013/01/14 15:58
名前: 道草

どぅも★道草です!

ではレス返しをば。


◆球磨川ボックスさんへ

>あけましておめでとうございます!
>今年もよろしくお願いします!
>どうも〜球磨川ボックスです。


あけましておめでとうございます!!

ヒナギク「あけましておめでとうございます♪」

千桜「そして感想ありがとうございます」


>イブキちゃん…自分じゃハヤテの事を幸せに出来ない…か…
>確かにそう思う事もありますよね…私も思ったりします。
>自分の事が嫌いなのか…イブキちゃんは…
>私はイブキちゃんの事好きですよ!?


イブキ「……ありがと」

イブキが自己嫌悪している理由は……今後あきらかになると思います。


>ハムさんは恋愛面に関してはなかなか鋭いし、
>いい事言ったりしますよね〜


僕の中で歩はスーパー恋愛アドバイザーです!!アニメでもカッコよかったし!!

そういうところが歩の魅力だと思ってます♪


>イブキちゃんの過去…思えばハヤテとイブキちゃんが出会った時の事、まだ明かされてなかったんですよね…
>荒れてますね、イブキちゃん…女の子とは思えないね、こりゃ


イブキ「……もう穴があったら入りたい」

これからイブキにとっては恥ずかしいことこの上ない展開が続きます♪


>このイブキちゃんを女の子だって分かるのはハヤテぐらいだね
>この完全男の子なイブキちゃんが今の女の子になったとは信じがたいですね…


いや、今でも十分男にしか見えないですけどね。

イブキ「じゃかぁしいわ!!」


>これから始まるイブキちゃんの黒歴史…とても興味深いです!
>更新頑張ってください!


球磨川ボックスさん、ありがとうございました♪今年もよろしくお願いします!


◆紅雪さんへ

>やっと…やっとこれた…
>お久しぶりです&あけましておめでとうございます!忘れてるかもしれませんが紅雪です!


紅雪さぁぁぁぁぁん!!お久しぶりです!!あけましておめでとうございます!!

ひなゆめが消えて、紅雪さんがここへ辿りつけるか心配でしたよ……

また読んでくださりありがとうございます♪


>やっとこれたと思ったらなんか凄いことになってますね…
>イブキはやっぱり(ここ重要)ハヤテのこと好きだったんですね…さすがジゴロマスターハヤテ…


イブキ「……意外とみんなにバレてるな」

そりゃあわかるでしょう。読者様の洞察力を舐めたらあかんよ。


>イブキの過去編がちょうど始まったときに来れてタイミングよかったです。イブキ的にはタイミング悪いんでしょうが…


イブキ「ホントだよぉぉぉぉぉっ!!」

ここからイブキにとっては生き地獄ですね♪


>これからは定期的にこれそうなので、短いですが感想書きに来ちゃいますよ!
>では今日はこの辺で失礼します。次回も楽しみにしてますよ!


紅雪さん、ありがとうございました♪今年もよろしくお願いします!

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Breath〜君と息衝く日々〜 3 (1/14更新) ( No.39 )
日時: 2013/01/14 15:59
名前: 道草

どぅも★道草です!

雪が降り積もってるなぁ……

まぁ、そんなことはともかく本編に参ります。



===============================================================================


第六十九話 『共鳴』


―ここはとある中学校。

特に他と変わったところもなく、ごくありふれた光景が広がっている。

登校してくる生徒達。元気よく駆け回る足音。子供らしい無邪気な笑顔。

しかしそんな穏やかな景色の中、ある一角のみにおいては独特の空気を放っていた。

ある教室の一番後ろの窓際の席……

そこにイブキは座っていた。

「・・・・・・」

女子なのに学ランを着こなしたその少女は、周りの喧騒から目を背けるように机に突っ伏していた。

そのまま動くことも言葉を発することもなかったが、その佇まいからは明らかに「俺に構うな」的オーラが滲み出している。

結果、当然のことながら進んで彼女に関わろうとする勇者はおらず、その席だけが隔離されたような状態になっていた。

そのことに関してイブキは別に不満はない。

そもそもの原因は彼女自身にあるのだし、自ら望んだことでもあるのだから。

「・・・・・・」

イブキは寝返りを打つように、伏せている頭の位置を変える。

昨日ある出会いによって好転したかに思えたイブキの世界も、また退屈で無関心なものへと戻っていた。

人はそう簡単に変われるものではないのだ。

『キーンコーンカーンコーン……』

チャイムが鳴り、狙いすましていたかのように担任の男性教師がドアを開いて教室へと入ってきた。

同時に今まで駄弁っていた生徒たちも席に着く。

朝のホームルームの時間だ。

「今日は転校生を紹介する」

唐突なその発言に教室は一斉に盛り上がる。

だがその話題にもイブキはまったく興味がなく、むしろ騒がしくなった周りの声に耳を覆いたくなっていた。

期待と好奇心が教室に満ちる中、担任はドアの向こうに立っているだろう人物に呼びかける。

「おーい、入っていいぞ」

ガラリ、と扉が開き生徒達の視線が集まる。

だが先に述べたようにイブキは転校生に興味はない。

だからこのとき彼女が顔をあげる気になったのは、優しい風が彼女の髪を撫でたから……それだけの理由だ。







「……げ」

その見覚えのある顔にイブキは思わず声を漏らす。

空を連想させる水色の髪。

優しげで穏やかな表情。

男にしておくにはもったいない可愛らしい顔立ち。

大きめの制服に袖を通した初々しいその姿は、何人かの女生徒に「かわいー♪」と言わしめていた。

……間違いなく、つい昨日出会ったばかりの少年である。

しばらく呆気にとられていると、少年が顔を向けてきてイブキはすかさず顔を伏せた。

そしてカツカツカツと担任が黒板にチョークで書いたその名で、少年は自己紹介する。

「初めまして、綾崎ハヤテといいます。よろしくお願いします♪」

少年ハヤテが笑顔を向けると、クラスメート達は拍手で出迎える。

一方、ずっと顔を伏せているイブキはそれを聞きながら冷や汗を流していた。

「(昨日会った少年、突然の転校生……マズイ、この展開は……)」

いや、いくらなんでもそこまでマンガみたいな流れにはならないだろうとイブキは頭に浮かんだこの先の未来を否定する。

……だがその期待を裏切るように、イブキの隣には空の席が設けられていた。

そしてやはりというべきか、担任から告げられるその言葉。

「じゃあ綾崎の席は……紫藤の隣が空いているな」

「(先公ぉぉぉぉぉぉぉっ!!転校生を初日から問題児の隣に座らせるんじゃねぇぇぇぇぇぇぇっ!!!)」

イブキは心の中でそう叫んだ。

一方ハヤテは周りから憐れみの視線が送られる中、イブキの方へと歩いてくる。

そしてハヤテは席に着くと、机に突っ伏したままのイブキに声をかけた。

「えーと、紫藤さんっていうんですよね?よろしくお願いします♪」

「・・・・・・」

気さくなハヤテの挨拶をイブキは顔を伏せたまま黙殺する。

だがハヤテは何かに気付いたようで、少し緊張のとけた声で言った。

「ああ、やっぱり!!あなた昨日会った人じゃないですか!!」

「・・・・・・」

なんで気付くんだよ……とイブキは呆れ交じりに驚く。

「いやぁ、奇遇ですね!昨日はありがとうございました♪」

「・・・・・・」

イブキは何も答えないのに次々と言葉を投げかけてくるハヤテ。

まわりも「なんだなんだ?」と物珍しげに視線を向けてくる。

極力他人と関わりたくないイブキはしだいに苛立ち始めた。

「それで紫藤さん……」

「うるせぇ」

そこでようやくイブキは顔をあげ、ハヤテをギロッと睨む。

「俺に気安く話しかけんな」

「……え」

ハヤテはビクッと肩を震わせ、悲しそうな表情をする。

それをみてイブキは良心がチクリと痛んだが、また机の上に顔を伏せた。

「ではそろそろ授業始めるぞー」

担任の声でハヤテにとってはこの学校初となる授業が始まる。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

授業の間、イブキとハヤテが言葉を口にすることはなかった……







―そして一時間目が終わり、休み時間。

ハヤテの周りには転校生恒例行事とも呼べる人だかりが集まる。

皆次々とハヤテに質問を投げかけ、普段は誰も近づこうとしなかった教室の隅は大いに賑わっていた。

「・・・・・・」

ずっと前からこの隅の住人だったイブキはこの環境の変化に耐えきれず席を立ち、静かな場所を求め教室から出ていく。

だがその後姿をハヤテが見つめていることには気づいていなかった……



*   *



―屋上。

イブキはそのまま午前の授業をさぼり、ただ空を眺めていた。

雲一つない快晴で、太陽はそろそろ一番高い位置に昇ろうとしている。

まったく今日は騒がしい日だったな、いっそこのまま帰ってしまおうか……

そんなことを考えていたとき、一陣の風が吹き、同時に後ろから声がかかった。

「紫藤さん」

イブキが振り返ると、先ほどクラスメートに取り囲まれていたハヤテが立っていた。

「……山崎」

「綾崎です!……こんなところで何をしてたんですか?」

「……お前に関係ないだろ」

イブキは不愛想にそう返し、それから威嚇するようにハヤテを睨みつける。

普通の人ならここでそれ以上関わろうとせず、立ち去るはずである。

しかしハヤテはイブキの予想とは裏腹に歩み寄ってきた。

「……風が気持ちいいですね」

「・・・・・・」

隣に立ちそう言ってきたハヤテにイブキは何も答えない。

それからしばらく、互いに言葉を交わすことなく時間だけが流れる。

この沈黙に先に耐えかねたのはイブキの方だった。

「……クラスの連中とはうまく馴染めてたじゃねぇか」

「ハハハ、まぁ転校は慣れてますから。でも最初だけですよ、ああいうのは……」

『慣れている』という単語が気になってイブキはハヤテの方をちらりと見る。

そのときの横顔がどこか寂しそうだったのが印象的だった。

「……ま、別にどうでもいいけど」

そっけなく振る舞いつつ、イブキは言葉を続ける。

「とにかく、もうこれ以上俺に関わるなよ。川崎」

「……綾崎です」

ハヤテの訂正も無視してイブキは屋上から去り、その日はそのまま学校をさぼった……



*   *



―翌日。

「おはようございます!紫藤さん♪」

「……お前」

イブキが登校してくるなり、ハヤテは何事もなかったかのように明るく挨拶してきた。

その無邪気な笑顔にイブキは頭を抱える。

「昨日あんだけ俺に話しかけんなっていっただろうが!!松崎ぃぃぃぃぃっ!!!」

「だから綾崎ですって!!」

「どーでもいいわ!!……ったく、もう俺は帰る」

「いや、たった今登校してきたばかりですよ!?」

「じゃかぁしい!!」

イブキはハヤテの顔を睨みつけ、できるだけ悪ぶった口調ではっきりと言う。

「俺はなぁ……お前みたいな何の苦労もなさそうな奴が一番嫌いなんだよ!!」

このとき……ハヤテはひどく悲しそうな顔をして、イブキは罪悪感に駆られたがそのまま背を向けて教室から出て行った。

……これでいい。

このまま関わり合いにならない方が、お互いにとって最善なのだから……

どこか自分に言い聞かせるようにそう思いながらも、その日一日イブキは胸の奥にもやもやとしたものを抱えることになった……



*   *



だがその後も、ハヤテは懲りることなくイブキと出会うと気楽に声をかけてきた。



―ハヤテ転校から3日目、図書室。

「あ、紫藤さん、こんにちは♪今日はこんなところにいたんですね」

「……しつこい」



―4日目、体育館裏。

「あれ、紫藤さん。こんなとこで何やってるんですか?」

「こっちのセリフじゃあああああ!!お前アレか!?ストーカーなのか!?」

「いえ、僕はただ次の体育で使う用具を取りに来ただけですよ!」



―5日目、女子更衣室。

「ちょ、待てぇぇぇぇい!!ここで会うのはおかしいだろぉぉぉぉぉぉっ!!?」

「す、すみません!!部屋間違えまし……ごふぁっ!?」





……そんなこんなで気が付けば一週間が過ぎようとしていた。

「……さて、今日はどこに隠れようかな?」

廊下を歩きながらイブキはハヤテとの遭遇を回避すべく隠れ場所を探す。

ここ数日ずっとこうしてハヤテを避けてきたため、もはや日課となりつつあった。

自分でも楽しんでいるふしがあることを、イブキはまだ気づいていない……

そしてイブキが廊下を徘徊していると、階段の近くで同じクラスの女生徒二人がなにやら小声で会話しているのが見えた。

こういう場合、大抵は他人の陰口を叩いているものだ。

イブキは気にせずに通り過ぎようとしたが、そのとき気になる言葉が聞こえてきたので思わず耳を傾けてしまう。

「……ねぇ、聞いた?あの綾崎って子、夜逃げしてきたんだって」

「うん、知ってる。私の親も言ってたけど、両親がどうしようもないろくでなしみたいよ?」

「じゃあ、あまり関わらない方がいいかもね」

そう軽い口調で笑いあう女生徒二人だったが、イブキがこちらを見ていることに気がつくと逃げるようにその場から離れる。

彼女たちが去った後、イブキは黙って窓の外を眺めた。

「・・・・・・」

夕日が沈み、空は薄暗くなり始めていた……







―屋上。

イブキはここでまた風を感じていた。

ヒュウと吹き荒ぶ音に、今日の風は淋しげだなとそんなことを思ってみる。

そのとき、別の誰かが屋上の扉を開ける音が聞こえた。

イブキにはもう振り返らずとも誰だか分かる。

「……城ヶ崎」

「もう明らかにわざと間違えてますよね!?綾崎です!!」

もう何度も繰り返したこのやりとり。

いつになったら終わるんだろう?とハヤテは思いながら、イブキの隣に立った。

「紫藤さんも風にあたりにきたんですか?ここ気持ちいいですよね♪」

「・・・・・・」

イブキは何も言わず、笑いかけてきたハヤテの顔をまじまじと眺めてみる。

『何の苦労もしらない笑顔』……最初はそう思った。

だがそうじゃない。

これはいろんな痛みや苦労を経験したからこそできる笑顔なのだと、イブキはようやく理解した。

自分は理不尽な出来事に対してひねくれることしかできなかったけれど、この少年はきっと笑顔で耐えてきたのだろう。

……強いな。

「……あの、紫藤さん?」

「……イブキでいい」

ずっと黙っていたのを不思議がって声をかけてきたハヤテに、イブキはフッと笑みを浮かべて言った。

「名字でよばれるのは嫌いなんだよ。だからこれからはイブキと呼べ」

ハヤテは一瞬きょとんとしたが、次の瞬間ぱぁっと顔を明るくした。

そしてイブキもまた、彼への呼び方を変える。

「わかったかね、ハヤ太君」

「名前を覚えてぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」


第六十九話 END

===============================================================================



イブキは人の名前を覚えるのが苦手という裏設定がありました。

いつも人に変なあだ名つけてるのはその為です。

ではまた次回♪
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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.40 )
日時: 2013/01/14 20:54
名前: 匿名

どうも!お久しぶりの匿名です!チャットの方で会いますが(笑)
感想に来ました!
イブキの過去編だ〜(笑)うん。やっぱイブキは乙女だったんだね!←どこで判断した
まあ、イブキ諦めろ。ここが小説である限り、
昨日あった奴が転校→隣の席
の流れは断ち切れない!
にしても、昔のイブキはいろいろと・・・その・・・うん!凄いね!
というかハヤテえええええーーーーーーー!!!何ラッキースケベ発動してんじゃああああーーーーーーーー!!!中がイブキで良かったな!←何が良かったんだろうね
で、イブキはハヤテとのかくれんぼを満喫してたら噂を聞いて、他のモブキャラとは違い、ハヤテの強さに気づく。そう、ここからハヤテのイブキ攻略が始まったのだった。←勝手
さてイブキルート!最後はどんな結末になるのか今から期待!
次回も楽しみにしてます♪匿名でした♪
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(1/22レス返し) ( No.41 )
日時: 2013/01/22 22:18
名前: 道草

どぅも★道草です!

ではレス返しをば。


◆匿名さんへ

>どうも!お久しぶりの匿名です!チャットの方で会いますが(笑)
>感想に来ました!


どうも、お久しぶり(?)です!

伊澄「感想ありがとうございます」

咲夜「ホンマ、おおきに〜♪」


>イブキの過去編だ〜(笑)うん。やっぱイブキは乙女だったんだね!←どこで判断した
>まあ、イブキ諦めろ。ここが小説である限り、昨日あった奴が転校→隣の席の流れは断ち切れない!


まぁお約束ですよね♪

イブキ「ベタすぎるだろぉぉぉぉぉぉっ!!」


>にしても、昔のイブキはいろいろと・・・その・・・うん!凄いね!


よくよく考えると雷の時の乙女モードといい、イブキは意外と変化が激しいキャラになってしまいましたね。

イブキ「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」


>というかハヤテえええええーーーーーーー!!!何ラッキースケベ発動してんじゃああああーーーーーーーー!!!中がイブキで良かったな!←何が良かったんだろうね


イブキ「よくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!/////」

ハヤテ「そういえばあのときは半殺しにされましたね……」


>で、イブキはハヤテとのかくれんぼを満喫してたら噂を聞いて、他のモブキャラとは違い、ハヤテの強さに気づく。そう、ここからハヤテのイブキ攻略が始まったのだった。←勝手


いや、どちらかというとイブキが自ら落ちて行ってる感じです♪

イブキ「/////言うなぁぁぁぁぁぁっ!!ていうかあたし今回叫んでばっかじゃねーかぁぁぁぁぁっ!!」


>さてイブキルート!最後はどんな結末になるのか今から期待!
>次回も楽しみにしてます♪匿名でした♪


匿名さん、ありがとうございました♪
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(1/22更新) ( No.42 )
日時: 2013/01/22 22:19
名前: 道草

どぅも★道草です!

35巻も発売されましたね!!

しかしアキバのア○メイト行っても、千桜さんがいなかった現実とどう向き合えばいんだろう……

ナギ「知らねぇよ」

まぁ、そんなことはともかく本編に参ります。



===============================================================================


第七十話 『イブキ デレ期』


――キーンコーンカーンコーン……

午前の授業の終わりを告げる鐘の音が鳴る。

生徒達は束縛から解放されたかのように活気を取り戻し、教室は一斉に賑やかとなる。

待ちに待った昼食の時間だ。

この学校は中学校としては珍しく給食制が導入されていない。

そのため昼は各自で弁当を持ち寄るか校内の購買部で買い、仲間内で集まって食べるのが通例だ。

そしてそれは彼らも例外ではなかった。

「ハ〜ヤ〜テっ♪一緒に飯食いに行こうぜ!」

明るい声と共に、首回りに両腕を回され後ろから抱きつかれる。

ハヤテは若干面倒臭そうに首だけで振り向き、至近距離にあるその顔を覗き込んだ。

「……前回までとえらいキャラの変わりようだね、イブ」

「言うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!いいんだよ!!あれから一年たったという設定なんだよ!!」

そう、ハヤテとイブキが出会ってから早一年……。二人は今や中学二年だ。

ハヤテと共に過ごすうちイブキはすっかりと丸くなり、教師や同級生達を驚愕させた。

恐るべきはハヤテの癒し効果。ハヤテセラピーとでも名付けよう。

「そんなことより、早く飯食いに行こうぜ♪」

「あっ、待ってよ、イブ!」

イブキは笑いながらハヤテの手を握り、そのまま引っ張っていく。

ここまで文章で読む限りでは、「公衆の面前でイチャイチャしてんじゃねぇぇぇっ!!」とか、「リア充爆発しろぉぉぉっ!!」という作者の心のさけ…………ゲフンゲフン!!

……男子達の妬みの声が聞こえてきそうなものだが、実際にはイブキは学ランを着ているので、男子同士がじゃれあっている様にしか見えなかったりする。

そして二人は手をつないだまま教室から出て行った……



*   *



廊下の一番端にある薄暗い階段を上っていく。

途中立てかけてあった『立入禁止』の看板は無視して、二人は外に出る扉の前に立った。

扉にはしっかりと鍵がかけられている。

ここは去年までは普通に解放されていたが、最近屋上で危険な真似をするバカな生徒が一名いるため閉鎖となったのだ。

イブキは懐から針金を取り出し、それをドアノブの鍵穴にさしながら不敵に笑う。

「ふふふふふ……。こんなチャチな鍵、俺達の前には無意味だぜ」

「そこに僕を含めないでよ……。あと良い子は絶対マネしないでね」

誰に言うでもなくお決まりの文句を口にするハヤテだが、イブキの行動に目をつむっているあたりは同罪である。

そうこうしている間にイブキはガチャガチャと鍵をいじり、早くもこじ開けた。

そして扉を開くと眩い光が差し込み、二人は目を覆いながら外に出た……







顔を上げるとさんさんと輝く太陽と、清々しい青空が広がっていた。

イブキは外に出るやいなや、屋上の更に上部に設置された貯水タンクの上まで軽々と跳躍を果たす。

そしてこの学校の最も高い場所で、翼のように両腕を広げ深呼吸をした。

「う〜〜〜ん……。今日も風が気持ちいいな♪」

高い所である為か、風が地上よりも強く吹き抜け、イブキの体を通り過ぎていく。

そんなイブキの様子を、ハヤテは下から少し呆れた顔で見上げていた。

「またそんなとこ上って……。だから屋上閉鎖されるんだよ……」

「いいだろ別に。俺はこうやって高い場所で風を感じるのが好きなんだよ♪」

「……バカとなんとかは高い所に登るっていうしね」

「そこはせめて『バカ』の部分を伏せろやぁぁぁぁぁぁっ!!!」

まったく……とイブキは呟いて、ハヤテの隣に飛び降りた。

「んじゃあ飯にするか。ちゃんと持ってきただろうな?」

「うん!今日のは自信作だよ♪」

「ふっ、俺もだよ♪」

そう言ってお互いの弁当箱を交換するハヤテとイブキ。

実はイブキはハヤテに料理を教わっている。

ほぼ一人暮らしに近い生活を送っているくせに家事がまったくできず、昼休みにはいつも「焼きそばパン買ってこいや」と言ってくるイブキを見かねて、ハヤテが進言したのだ。

その際、自分で食べるよりも誰かに食べてもらった方が上達するからというハヤテの提案により、二人はこうして毎日互いの弁当を作っているわけである。

「おおっ!今日もうまそうだな♪」

イブキはハヤテが作った弁当をあけ、さっそく一口食べる。

舌の上に広がる味に、自然と笑みがこぼれる。

「うん、やっぱりうまい!ハヤテはいい嫁さんになれるな♪」

「お嫁にいく予定は一生ないけどね」

男としては複雑な褒め言葉に、とりあえずそう返しておくハヤテ。

するとイブキは視線をそらし、まだ食べ物を口にしながらもごもごと言った。

「な、なんなら俺がもらってやってもいいけど?/////」

「え?何か言った?」

「な、なんでもねぇよ!!そ、それよりお前もさっさと食えよ!!/////」

なぜか逆ギレされて不思議に思いながらも、ハヤテはイブキから渡された弁当を広げる。

恐る恐るフタを開くと、その中身を見て安堵した。

「……よかった、今日は普通だね」

「お前ぇぇぇっ!!人が心をこめて作った弁当をなんだと思ってんだぁぁぁぁぁっ!!?」

イブキの弁当箱はある意味パンドラボックスである。

今でこそ食べられないほど不味い料理が入っていることはなくなったが、ウケを狙って突拍子もないものを入れてくることも少なくない。

ケンカした日の翌日、弁当箱いっぱいに梅干を敷き詰め、その真ん中に一口ちょこんと白米が乗っているだけの『逆日の丸弁当』を出された日の事は、ハヤテにとって苦い……いや、酸っぱい思い出だ。

なにはともあれ、ハヤテは卵焼きを一つつまみ、口へと運ぶ。

「あ、僕この味好きかも」

「お、わかるか?それはちょっと隠し味を入れて工夫したんだ♪」

「へぇ、何いれたの?」

「青酸カリとか」

「殺す気かぁ!!?」

「はは、冗談だよ♪」

イブキの性質の悪い冗談に、ハヤテは「まったく……」とため息をつく。

こんな白昼堂々、男子中学生毒殺事件とかシャレになっていないのでやめてほしい。

その後、ハヤテの体調に特に変化が出ることもなく、昼食は無事に終わった……







そしてそのまま昼休みの間、ハヤテとイブキは屋上で駄弁っていた。

こうして誰も来ないところでとりとめのない会話をするのが二人の日課である。

「ところでイブ……進路とか決まった?」

「ん〜〜〜……」

ハヤテがこの時期らしい話題を切り出してきた。

来年には受験勉強も控え、そろそろその辺のところをしっかりと考えなければならない。

しかしイブキは頭をかきながら面倒臭そうに答える。

「別に高校いってまで勉強しようとも思わないしなぁ……。そんな金もないし……」

実際、イブキの家はハヤテと同様に金銭的余裕がない。

父親は幼い頃に蒸発し、母親も遊び歩いていてほとんど家には帰ってこない。

その為、今の生活もすべてイブキのバイトで成り立っているのだ。

「ハヤテこそどうすんだよ?」

「僕は……とりあえず高校ぐらいは行こうと思ってるよ。親父が『俺は高校生だったことがある』って自慢してくるのがうるさいから……」

「あー……それはムカつくなぁ」

イブキも何度か見たことがあるが、ハヤテの両親は想像していた以上の外道だった。

何故こんな奴らからハヤテみたいなのが生まれてきたのかと不思議に思ったほどだ。

確かにあんな親から見下されるのは物凄く嫌だろう。

「でも高校行って……そのあとは?なんか将来の夢とかあんの?」

「え!?」

ハヤテはギクリとした表情を浮かべ、恥ずかしそうにわたわたとし始めた。

それを見て、イブキは俄然興味がわく。

「なんだなんだ、何かあるのか?言ってみろよ♪」

「いやでも……あんまりにもデカい夢だから、恥ずかしいっていうか……」

「いいから言え!」

そしてイブキがワクワクするなか、ハヤテは小声で呟いた。







「……3LDK」

「……え?」

「僕の夢は……3LDKです!!」

「・・・・・・」

3LDK……三つの部屋の他に、リビング・ダイニング・キッチンが備えられた人気の物件である。

とはいえ、夢と語るにはいささか現実的だ。

イブキは頭を抱え、ふぅとため息をついた。

「お前なぁ……どんだけ夢がないんだよ。もう少し大きな夢を持てよ」

「……!!」

呆れ交じりのイブキの言葉に、ハヤテは驚いたように大きく目を見開いた。

その予想外の反応にイブキは首をかしげる。

「どうした?俺なんか変なこと言ったか?」

「いや……ちょっと昔のこと思い出しちゃって……」

ハヤテは視線を空へと移す。

だがその目は決して景色を見ていない。

それは帰ることのできない遠い地、あるいは遠い記憶に想いを馳せる……そんな顔だ。

イブキは黙ったまま手に持っていたペットボトルに口をつけ、ハヤテの次の言葉を待った。

「昔……前の彼女にもそう言われたなぁって……」

「ぶふぅ――――――――――――――っ!!?」

予想外の言葉に、イブキは飲み物を盛大に噴き出した。

放出された水滴は太陽の光を反射し、一瞬虹を描き出す。

「ちょ、一体どうしたのイブ!?」

「いや……べ、べべべ別になんでもねぇよ?」

口元をぬぐい平静を装うイブキだったが、手が震えていて持っているペットボトルの中はバシャバシャと波を打っており、あからさまに動揺していた。

まぁそれでも鈍感なハヤテがその心情に気づくことはなかったが。

「そ、それで?その彼女とは一体どうしたんだ?……いや、俺はまったく全然これっぽっちも興味ないんだけど」

「どうって……あれからもうずっと会えずにいるけど……。そもそも幼稚園の頃の話だし」

「だよねー♪いやー、そんなこったろうと思ったよ♪」

一変してイブキは安堵し、あははと笑う。

幼稚園児の恋愛なんておままごとみたいなものだとほっと胸をなでおろした。







……まぁ実際には、同じ屋根の下一緒に暮らしてたり、毎晩手をつないで寝てたり、580回ほどチュッチュしまくってたりと、蜜月の日々を過ごしていたわけだが。

「まぁ僕のことはともかく、話を戻すけど……イブこそ何か夢はないの?」

「え、俺!?お、俺はいいよ。それこそ幼稚園児並の夢だし……」

「えー、ずるいよ!僕も言ったんだからイブも言ってよ!!」

「うぐぅ……/////」

先ほどとは立場が逆転し、今度はイブキが尋問される。

イブキは恥ずかしさをこらえ、意を決して答えた。







「お、お菓子の家に住みたい……/////」

「予想を遥かに上回るメルヘンチックな夢だね!?」

「う、うっさい!!いいだろ別に!!甘いものは正義なんだよ!!/////」

真っ赤な顔でそう力説するイブキ。

『3LDK』と『お菓子の家』……どちらも物件であることには変わりはないが、後者の方がずっとメルヘンかつ乙女チックだ。

やっぱりイブも女の子なんだなぁ、とハヤテは楽しそうに笑う。

「じゃあ、こんどデザートになにか甘いものでも作って持ってくるよ♪」

「マジすか!?やった――――!!!」

子供の様に無邪気に喜ぶイブキ。

彼女といると退屈しないなと思いながらハヤテは微笑むのだった……







その後も談笑を続けていると、ふいにイブキが何かを思い出して発言した。

「あ、そういえばハヤテに見せたいものがあるんだった!」

「え、何?」

ハヤテが顔を向けると、イブキはカバンからゴソゴソとそれを取り出した。

「それ……ビデオカメラじゃん!一体どうしたの?」

「へへん♪バイトでコツコツ金ためて買ったんだよ」

イブキは鼻をこすり、自慢するようにカメラを見せびらかす。

それは当時、最新式のビデオカメラだった。

これにはハヤテも興味をひかれる。

「実はもう結構いろいろ撮ってあるんだよ」

「へぇ、見せて見せて♪」

ハヤテはイブキからカメラを受け取り、撮影された映像を確認する。

そこに映っていたのは……







ハヤテが野良犬に追っかけられるシーン。

ハヤテがイブキに無理やり女装させられてるシーン。

ハヤテが教室に入ったところ偶然着替え中の女子に遭遇し平手打ち食らうシーン。







「・・・・・・」

ピッチャー・ハヤテ。大きく振りかぶって……

「とうっ!!」

投げた――――――――――――――――――――――――――――――――!!!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!?」

放物線を描き飛んでいくカメラ。

イブキは全力ダッシュし、なんとか地面に落下する前にキャッチした。

「ハァ……ハァ……あっぶねぇ……。何すんだお前ぇぇぇぇぇっ!!」

「こっちのセリフだぁぁぁぁぁぁっ!!何撮ってんだよ!?」

「いやぁ、中学校生活もあと半分もないし……少しでも多くの思い出を形に残しておきたいと思って……主に面白おかしい方向で」

「そんなしみじみ言っても騙されるかぁ!!とにかく今のすぐに消してよ!!」

「ちょ、はなせって!!」

ハヤテはカメラを取り上げようと手を伸ばす。

イブキはイブキで取られまいとカメラを高く掲げて、二人はもみ合いになった。

しばらくの間、お互いに必死の攻防が続く。

「あん!? /////」

突然イブキは妙な声を上げ、体の力が抜けた。

その一瞬の隙をハヤテは見逃さない!

すかさずカメラをひったくり、そのまま勢い余ってイブキを押し倒す。

そして……

「とったど――――――――――――――!!!」

どっかの芸人よろしくカメラを片手に叫ぶハヤテ。

この勝負はハヤテの方に軍配が上がった。

だがしかし……

「……おい/////」

下からの咎めるような声にハヤテは視線を向ける。

見るとイブキがキッと睨みつけていた。

そして思い知る現在の状況。

倒れた拍子にハヤテはイブキに馬乗りになってしまっていた。

さらには右手はイブキの胸に置かれ、指先には柔らかい感触がする。

「・・・・・・/////」

「あ、いや、あのこれはその……/////」

「いつまで触っとんじゃ、おのれはぁぁぁぁぁぁぁっ!!/////」

「すみませ……ごぶふっ!?」

イブキのアッパーカットがきれいに決まり、ハヤテの体は宙を舞った……

「……バーカ/////」


第七十話 END

===============================================================================



以上、当時ハヤテにベタ惚れだったイブキの日常でした♪

イブキ「もう嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!この過去編〜〜……/////」

久々にギャグ全開でお送りしました!やっぱ僕はこういうの書いてる時が一番楽しいです♪

ではまた次回♪

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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.43 )
日時: 2013/01/22 23:41
名前: 球磨川ボックス


どうも、球磨川ボックスだす!

イブキちゃんが丸い!
前回の男の子は一体どこに!?
一年経つとこうも違うのか…女は化けるって言うし…

ピッキングとは、凄いなイブキちゃん…
私の学校も屋上行けなかったけど、ピッキングは出来なかったよ

終始、イブキちゃんがデレイブに…
ハヤテセラピーの効果凄まじいな…

デレイブの乙女チックな面が見れて良かったです♪
次回も頑張ってください!
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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.44 )
日時: 2013/01/28 16:03
名前: キーst
参照: http://ncode.syosetu.com/n3966bl/

 キーです。授業中です。感想に参ります。

 イブキさん(みたいなの)がハヤテに急接近。………みたいなのというのは、単純に『誰だこれと思ってしまったからにほかなりませんが。


 『ハヤテが嫁でイブキが夫でいいや』とか思ってたけど、違うね、『どちらも嫁』だな。まぁ、いいや。←『あまり変わらんし』とか思ってる。

 イブキも昔は料理ベタか。ナギを見てれば幾分もマシだとは思うが。

 さて、ここで幾らかのキャラにとって大事なことを一つ。ハヤテとイブキしか出てなくね?イブキさんがいつしか言ってた『いいけど………あんたら出番なくなるぜ?』が懐かしく思えるよ。

 さて、久々の感想(?)だった訳だが、とあうか、止まり木では初か。これからも来れれば来ます。

 最後に一つ。イブキ、これから赤面ものが増えるが頑張るのだ。そうすればハヤテを嫁に貰えるから。頑張れ!……『イブ』!!←なんかこれ、殴られるかもなぁ

 では!………いつの間にか授業が終わってる。

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Breath〜君と息衝く日々〜 3(3/3 レス返し) ( No.45 )
日時: 2013/03/03 14:22
名前: 道草

どぅも★道草です!

ではレス返しをば。


◆球磨川ボックスさんへ

>どうも、球磨川ボックスだす!


ハル「きゃる〜ん♪ようこそお越しくださいました!」

泉「にはは〜♪感想ありがとう♪」

いつもありがとうございます!!


>イブキちゃんが丸い!
>前回の男の子は一体どこに!?
>一年経つとこうも違うのか…女は化けるって言うし…


歩「……ていうかこの一年、ほんとに何があったのかな?」

イブキ「………………………………まぁ、いろいろあったんだよ」←遠い目

ナギ「なんだその間は……」


>ピッキングとは、凄いなイブキちゃん…
>私の学校も屋上行けなかったけど、ピッキングは出来なかったよ


ハヤテ(中二)「良い子はぜ―――ったい真似しないでね!!」

イブキ(中二)「俺らは悪い子だからいいけど」

いや、よくないよ!?


>終始、イブキちゃんがデレイブに…
>ハヤテセラピーの効果凄まじいな…


Before「俺に話しかけんじゃねぇ……」

こんなにそっけなかったあの子が……

After「ハヤテ〜っ!今日も一緒に帰ろうぜ♪」

なんということでしょう!!劇的ですね(笑)

イブキ「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!/////」


>デレイブの乙女チックな面が見れて良かったです♪
>次回も頑張ってください!


球磨川ボックスさん、ありがとうございました♪


◆キーstさんへ

>キーです。授業中です。感想に参ります。


ルカ「お久しぶりでーす!感想ありがとう♪」

美希「うむ、感想ありがとう。だが授業はちゃんと受けないとダメだぞ?」

お前が言うの!?……まぁ、それはともかくキーさんありがとうございます♪


>イブキさん(みたいなの)がハヤテに急接近。………みたいなのというのは、単純に『誰だこれと思ってしまったからにほかなりませんが。


ですよねー、ホント変化が激しいキャラになってしまいました(笑)

イブキ「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!(泣)」


>『ハヤテが嫁でイブキが夫でいいや』とか思ってたけど、違うね、『どちらも嫁』だな。まぁ、いいや。←『あまり変わらんし』とか思ってる。


ハヤテ「変わりますよ!?僕は男ですよ!!というかなんで僕がイブキさんの嫁なんですか!!/////」

イブキ「・・・・・・」←意外と傷ついてる人


>イブキも昔は料理ベタか。ナギを見てれば幾分もマシだとは思うが。


ちなみに現在はだいぶ料理の腕も高くなってます。特にお菓子作りが得意。

イブキ「将来の夢、パティシエだから♪」

ハヤテ「また意外な情報ですね!?」


>さて、ここで幾らかのキャラにとって大事なことを一つ。ハヤテとイブキしか出てなくね?イブキさんがいつしか言ってた『いいけど………あんたら出番なくなるぜ?』が懐かしく思えるよ。


今までイブキの過去編を先延ばしにしていた一番の原因がそれです……ホント原作キャラが登場しない……

ナギ「まぁ一応言っておくが、私が『メインヒロイン』ですから!!」

マリア「『メインヒロイン』のマリアです。もうしばらくお待ちくださいね♪」


>さて、久々の感想(?)だった訳だが、とあうか、止まり木では初か。これからも来れれば来ます。
>最後に一つ。イブキ、これから赤面ものが増えるが頑張るのだ。そうすればハヤテを嫁に貰えるから。頑張れ!……『イブ』!!←なんかこれ、殴られるかもなぁ


イブキ「余計なお世話じゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!そしてそう呼んでいいのはハヤテだけだっつーの!!」

ちなみに……ハヤテは当初『イブたん』と呼ぼうとして殴られたので、この呼称に落ち着きました。


>では!………いつの間にか授業が終わってる。


ヒナギク「ちゃんと授業受けなさい!!」

まぁ、とにかくキーさんありがとうございました♪

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Breath〜君と息衝く日々〜 3(3/3 更新) ( No.46 )
日時: 2013/03/03 14:25
名前: 道草

どぅも★道草です!

更新遅れて申し訳ありません!

それとヒナギク誕生日おめでとう♪

では以下、本編です。


===============================================================================


第七十一話 『誓い』


あれは確か中学二年の冬のことだったか……

息も白く染まる凍てつく寒さの中、登校していたことを覚えている。

そんななか見慣れた後姿を見つけて、あたしはすかさず駆け寄ってその背中を強く叩いた。

「よっ!おはよっ、ハヤテ♪」

ハヤテは一瞬驚いた表情をしたが、振り返ると穏やかに微笑んで挨拶を返してきた。

「あっ、おはよう、イブ」

「……?」

そのとき、ハヤテの表情の奥に隠されたわずかな違和感をあたしは見逃さなかった。

こころなしか若干声のトーンが低い。

それは普通なら気づかないほどの小さな変化だったが、もう二年近くずっと隣を歩いてきたあたしの目は……いや、耳はごまかせなかった。

「どうした?今日はなんか元気ねぇけど……なんかあったか?」

「え!?あはは……やだなぁ、別に何もないよ」

今度はあからさまにごまかしているとわかる作り笑い。

ハヤテの笑顔は好きだが、この顔だけは好きになれない。

だからその顔を覆い隠すようにあたしは右手でハヤテにアイアンクローをきめた。

「親友の俺にはなんでも話すって約束だろーが!さっさと吐け」

「いたた!?わかった!わかったから、ギブギブ!!」



*   *



そしてあたし達は午前の授業をばっくれ、いつものように屋上に行った。

その日の風は一段と冷たかったように思える。

「いままでコツコツ貯めてた金、全額両親に取り上げられたぁ!?」

ハヤテは静かにこくんとうなずき、あたしはさらに問い詰めた。

「ぜ、全額って……一体どのくらい盗られたんだ!?」

「だいたい百万くらい……」

「ひゃ……!!?」

事の大きさを知り、あたしは頭をおさえてよろめいた。

そして次の瞬間、憤慨する。

額の大きさにではない。それまでのハヤテの苦労を思い怒ったのだ。

普段から金遣いの荒い両親の為、日夜寝る間を惜しんでバイトに励み、残されたわずかな自分の生活費を削って積み重ねてきた貯金。

そこまで貯めるのにどれだけの時間と労力を費やしたことだろう。

数字では測れない重さがそこにはあった。

それをあの両親はあっさりと無に帰したのだ。

「あのクズどもぉぉぉぉぉぉっ!!今度という今度は許せん!!とりあえず一発殴る!!そして全額取り返すぞ!!」

「あ、でもそのお金で旅行にいっちゃったからしばらく帰ってこないよ?」

「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

あたしはぶつけようのない怒りを空に向かって叫んだ。

そして今度はハヤテをキッと睨みつける。

「ていうか!!お前はそれでいいのかよ!!?」

「あはは……まぁ、いつものことだし」

あの両親がろくでなしなのは今に始まったことではないと、ハヤテは悟りきったように潔くあきらめ苦笑した。

それを見てあたしは脱力する。

「お前……人が良すぎだろ……。そんなんじゃいつか一億五千万ぐらいで売り飛ばされるぞ?」

「あはは……まさか、そこまでは……」

このときは冗談半分で言ったのだが、それが後に真実となることをあたし達はまだ知らない……

「……ていうか真面目な話、本当にあんな奴らとは縁きったらどうだ?」

あたしはハヤテの為を思いそう提案した。

あんな両親のもとにいたのでは不幸になるだけだろう。

だがハヤテは首を縦にはふらなかった。

「なんでだよ!?まだあいつらの事信じてるのか?」

「まさか……いまさらあの人達に何も期待してないよ」

「だったらなんで!!」

ハヤテは一瞬寂しそうな顔をした後、空を見上げ静かに語る。

「確かにひどい両親だけど、見捨てたらあの人達と同類になるから……。だからまた裏切られるかもしれないけど……」

そこまで言うとハヤテは笑った。

いつものように気丈な笑顔で。

「それでも僕は……………人を裏切らないよ」





その声はどこまでも明るくて、優しくて。





そしてどこまでも淋しくて、悲しかった……





「……ハヤテ!!」

あたしは両手でハヤテの肩をがしっと掴み、その瞳を見つめる。

何かを……言わなければいけないと思った。

この傷ついてばかりの少年に、傷つくことを覚悟している少年に、どうしても報われてほしかった。

「ハヤテ!俺だけは何があってもお前の味方だ!」

このとき……あたしはそう誓った。

あたしは絶対に裏切らない、君を守りたいとそう思った。

「今度は俺も協力する!二人でバイトしてまた金貯めようぜ!」

「え、でも……」

「シャラ――――――ップ!!」

なにか言いたげなハヤテをチョップで制する。

「口答え禁止!とにかくもう決定だから!!」

「……わかったよ。…………ありがとう、イブ」

ハヤテは渋々と、それでいてどこか嬉しそうに承諾した。

あたしは気恥ずかしくなってその顔から視線をそらす。

「まぁ、でもまた今回みたいなことがあるかもしれないから、貯めた金は俺が預かることにするよ」

「うん、そうだね。ウチじゃまた盗まれかねないし……その方が安心だよ」

「んで金が貯まったら……将来二人でなんか大きなことしようぜ!」

「大きなことって?」

「いや、それはまだ決めてないけど……とにかく前向きに頑張ろうってこと!」

「あはは……そうだね♪」

そしてあたし達は笑いあった。

漠然とした未来への希望を胸にして。

ハヤテと二人ならどこまでも進んでいけると。

……そう当時のあたしは信じていた。













最初は同情だったのだろう。

似たような境遇の君に自分を重ねた。

次に感じたのは尊敬。

どんな目に遭っても曲がらない、まっすぐな君に憧れた。

やがて抱いたのは切望。

君にだけは幸せになってほしいと心から願った。

そしてあたしは……

















――君を裏切った





第七十一話 END

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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.47 )
日時: 2013/03/03 15:26
名前: ネームレス

どうも!匿名→いろいろな経緯→ネームレスです!感想に来ました!
…初っ端からハヤテの両親…。やってくれるぜ。でも、ハヤテが両親から逃げないのはそういう理由が…。
イブ…キもよく気づきましたね。俺は気付けないと思う…。
というか100万…クズが。
ハヤテにはどうにかハッピーになって欲しいけど、両親という呪縛が苦しめます…。
そこで、イブ…キが二人で稼ぐ事にしましたね。さっすがイブ…キ!
でも、最後のとこであった“裏切り”とは?うぅ…気になる!
では、今回はこのぐらいで!ネームレスでした!
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(3/9 レス返し) ( No.48 )
日時: 2013/03/09 22:40
名前: 道草

どぅも★道草です!

アーたん、アニメ化キタ――――――――――――!!!

すごく待ってました!!どうなるか楽しみ♪

ではレス返しをば。


◆ネームレスさんへ

>どうも!匿名→いろいろな経緯→ネームレスです!感想に来ました!


匿名さん改めネームレスさん、ありがとうございます!!

理沙「うむ、感想ありがとう」

美希「これからもよろしく」


>…初っ端からハヤテの両親…。やってくれるぜ。でも、ハヤテが両親から逃げないのはそういう理由が…。
>イブ…キもよく気づきましたね。俺は気付けないと思う…。


イブキ「まぁ、長い付き合いだからね……」

設定上、原作キャラよりハヤテと付き合いが長いことになってしまいましたからね……


>ハヤテにはどうにかハッピーになって欲しいけど、両親という呪縛が苦しめます…。


イブキ「あたしも切に願う。……願ってたのに」


>そこで、イブ…キが二人で稼ぐ事にしましたね。さっすがイブ…キ!


イブキ「いちいちイブで区切るなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


>でも、最後のとこであった“裏切り”とは?うぅ…気になる!
>では、今回はこのぐらいで!ネームレスでした!


ネームレスさん、ありがとうございました♪
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(3/9 更新) ( No.49 )
日時: 2013/03/09 22:44
名前: 道草



人によってはこう言うかもしれない。

あたしの行動は間違っていなかった、と。

……少なくともハヤテなら必ずそう言うだろう。

だけどそれでもあたし自身は……

自分の罪を許せない。







第七十二話 『裏切り』


「おつかれー!」

「お疲れ様〜」

互いに労いの言葉をかけながら、ハイタッチを交わす。

22時過ぎ、ビルの清掃業。この日の業務も終了だ。

……あれから一年。あたしとハヤテは様々なバイトに明け暮れた。

新聞配達、コンビニの店員、漫画家のアシスタント、麻雀の代打ち、バーテンダー、遠洋漁業、エトセトラ……

あきらかに中学生がやるのはおかしい仕事もいくつかあったと思うが、そこはつっこまないでほしい……

ともあれ、あたしはさらにハヤテと共に過ごす時間が多くなっていた。

「んじゃハヤテ、また明日な!」

「うん。またね、イブ」

真っ暗なバイトの帰り道、丁字路の街灯に照らされたところでいつものように別れを告げる。

そして一人になったところで、ようやく家路につく。

そこまでがあたしの日課だった。

昼は学校、夜は遅くまで働いて、家に帰ったら泥の様に眠る。毎日その繰り返し。

だけど楽しかった。

ハヤテと二人でいることが幸せだった。

バイトも以前まで自分の為だけにやっていた頃と違い、ハヤテと二人で未来を見つめていると思えばやりがいを感じた。

あれから二人で頑張って、気がつけば貯金もかなりの額が貯まっている。

まだ何に使うかは決めていないが、ハヤテと二人でどうしようか考えるとワクワクした。







そして家につき、扉を開けて中に入る。

「……ただいま」

返事が返ってくるはずもないのにそうつぶやく。

シンとした静寂が、独りでいることの心細さを引き立たせた。

ハヤテといる時間が長かった分、余計にそう感じてしまう。

「・・・・・・」

明日も早いからさっさと風呂に入って寝よう、そう思った矢先……

『ジリリリリリリ!!!』

突如として静寂が破られた。

家の固定電話が鳴り響いたのだ。

こんな真夜中に一体なんだ?

あたしはしばらく出るのをためらったが、ほっといてもうるさいだけなのでしぶしぶ受話器を取り上げた。

「はい、もしもし?」

受話器からは聞いたことのない声が流れてきた。

そしてその声があたしに告げた内容は……

「……は?」

それがすべての始まりであり、終わりであった……



*   *



白い殺風景な部屋。

建物全体を包む独特の匂いが鼻につく。

聞こえてくるのは部屋に設置された機械の音と、一人の女の吐息。

あたしはベッドに横たわるその女を見下ろしていた。

まさかこんな形で久々に会うことになろうとは……

そこにいたのはあたしの母親だった。

聞けば街中で倒れ、救急車で運ばれてきたらしい。

……正直に言おう。

このとき病床に伏せる母の姿を見ても、あたしは何の感慨も湧かなかった。

親不孝と言われればそれまでかもしれない。

だが実際、あたしはこの人に親らしいことをしてもらった覚えは何一つないのだ。

あたしは生まれてすぐ、名前さえ付けられずに捨てられたという。

そして別の女性に引き取られたわけだが、七つの頃にその養母が亡くなり、またこいつらの元に戻ることになった。

だがそれ以降もあたしは愛されることはなかった。

父親はすぐに他の女を作って蒸発し、母親も母親で毎晩男と遊び歩く始末。

だからあたしは今まで一人で生きてきたのだ。

「・・・・・・」

あたしはただ黙って、目を閉じているこの人の顔を見つめる。

かつての憎たらしい顔も、いまでは弱々しく見る影もない。

そこへ白衣を着た男性が部屋に入ってきて、あたしに声をかけてきた。

電話をしてきた医者だ。

病状を説明するからとあたしは別室へと連れて行かれた……







「……原因としましては長年の栄養失調、疲労などによるものですね」

疲労?……ただ遊び歩いていただけだろう。

「あとは過度のアルコール摂取のせいも考えられます」

ふざけるな。毎日酒をあおりやがって。

「つきましてはすぐに手術が必要な状態です。費用は……」

因果応報。自業自得。同情の余地すら見当たらない。

なんでこんな話を聞かなければいけないのか。

あたしには関係のない話じゃないか!

大体、そんな金なんて……

「・・・・・・」

一瞬、頭をよぎった考えを振り払う。

何を考えているんだ!

あれはハヤテと二人で貯めた金じゃないか!

勝手にそんなことに使っていいはずがない!!

だいたい、あの女があたしに何をしてくれた?

あんな奴どうなろうと知ったことじゃ……









『それでも僕は……人を裏切らないよ』









ハヤテの……声が聞こえた気がした。

彼なら、あんな親でも見捨てないのだろう……

「・・・・・・」

そしてあたしは最も嫌いな人の為に、









最も好きな人を裏切った……



*   *



「ゴメン!!ゴメン……ハヤテ!!!」

翌日、あたしは事情を話し終えると、ハヤテの前で泣きじゃくった。

ハヤテは驚き戸惑った様子でオロオロしている。

「ちょ、イブ!?泣き止んで!」

「……だって、ハヤテから預かってた金まで俺はあああああああああ!!!」

「そんなの別に気にしてないから!」

このときのハヤテは優しかった。

ハヤテならそう言ってくれることも分かっていた。

……そう分かっていたのだ。ハヤテならあの金を使っても許してくれることを。

あたしはそんなハヤテの優しさに甘え、利用したのだ。

裏切らないと誓っておいてなんてザマだ。

あたしは自分自身を激しく恨み、嫌悪し、嗚咽した。

「ゴメン……ゴメン……!」

あたしは泣き崩れながら、ようやく聞き取れるぐらいの酷い声で何度もそうつぶやく。

正直、謝罪になっていなかったが、そうせずにはいられなかった。

……単なる自己満足だ。

「もういいから、顔をあげて……」

「……ハヤテ」

ハヤテはどこまでも優しくて、ハンカチを差し出してくる。

その優しさが胸に痛かった。いっそ罵倒してほしかった。怒ってほしかった。

そんなどこまでも自分勝手なことを思うあたしに、ハヤテは尋ねてきた。

「それで……お母さんの容体はどうなの?」

「今、手術受けてるとこ……」

「じゃあ、そばにいてあげないと」

「……でも」

「大丈夫。お母さんもきっと待ってるから……だから行ってあげて」

「……うん」

まだハヤテへの謝罪が済んだとは思えなかったが、こうなってしまった以上最後まで見届けるのがあたしの義務であり責任だ。

だからあたしは涙をぬぐい、ハヤテの言う通り病院へと向かうことにした。







このとき、ハヤテの表情は泣きすぎたせいでよく分からなかったが、どこか淋しそうに見えた。

その理由をあたしは後に知ることとなる……



*   *



そして手術は無事成功した。

その日、母は目を覚ますことはなかったが、あたしは一日中付き添っていた。

母の寝顔を見て、ようやく気持ちが落ち着いたところであたしは思う。

結局今日はただ泣き叫んだだけでまともに謝れなかった……

だから明日ハヤテに会ったら、もう一度ちゃんと謝ろう。

そして礼を言おう……と。

あたしはそのまま眠りにつき、病院で一夜を過ごした……













……次の日、ハヤテが学校に来ることはなかった。


第七十二話 END

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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.50 )
日時: 2013/03/10 09:08
名前: ネームレス

どうしたハヤテえええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーー!!!
ということでネームレスです!感想に来ました!
今回は題名から見ても不吉ですね…。裏切り。
一生懸命バイトして、中にはおかしいのも合ったけど、二人で一年間頑張って貯めたんですね。凄いわ。
そんで、今日も終わり、二人別れて帰ったと。この時は思いもしなかったですよね。この後起きる事なんて。
家に着くと、イブキに電話が。それは病院からだった。
母親が倒れたんですね。でも、その母親は自分に愛をくれなかった、自分を捨てた相手。
捨てればいい、見捨てばいい、放っとけばいい、無視すればいい、忘れればいい。なのに、イブキは親を救うために金を使ってしまう。ハヤテと一緒に貯めたお金を。
イブキも親という呪縛に囚われてるんですね。
ハヤテは許してくれた。だからイブキは、ハヤテにお礼を言おうとした。
けど、ハヤテは来なくなってしまったんですね。
入学費の問題か、親のせいか、どちらにしろ、
どうしたハヤテえええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーー!!!
え?何?何があった?どうしてハヤテ来ないの!?←パニック
イブキいいいい!ハヤテを追いかけろおおおおお!多分、ハヤテは今東京練馬区で自転車便やってるからあああああああ!!!
…こほん。
では、次回も待ってますイブキ!ファイト!
ネームレスでした♪
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(3/20 レス返し) ( No.51 )
日時: 2013/03/20 17:01
名前: 道草

どぅも★道草です!

36巻も発売されましたね!限定版CDにてツグミちゃん、お姉ちゃんとの久々の共演おめでとー♪

それはともかくとして、レス返しをば。



◆ネームレスさんへ

>どうしたハヤテえええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーー!!!
>ということでネームレスです!感想に来ました!


初っ端から雄叫びお疲れ様です、ネームレスさん!!

ルカ「感想ありがとー!!ではレス返しいっくよ〜♪」


>一生懸命バイトして、中にはおかしいのも合ったけど、二人で一年間頑張って貯めたんですね。凄いわ。


ナギ「……ていうかそもそもお前らの中学、バイトOKだったのか?」

ハヤテ「そこはもちろん無断です♪」

イブキ「そしてもちろん年齢偽ってます♪」

ナギ「・・・・・・」


>母親が倒れたんですね。でも、その母親は自分に愛をくれなかった、自分を捨てた相手。
>捨てればいい、見捨てばいい、放っとけばいい、無視すればいい、忘れればいい。なのに、イブキは親を救うために金を使ってしまう。ハヤテと一緒に貯めたお金を。
>イブキも親という呪縛に囚われてるんですね。


イブキがハヤテに惹かれたのも、そういう似た境遇だったからですね。

類は友を呼ぶという奴でしょうか。


>ハヤテは許してくれた。だからイブキは、ハヤテにお礼を言おうとした。
>けど、ハヤテは来なくなってしまったんですね。
>入学費の問題か、親のせいか、どちらにしろ、
>どうしたハヤテえええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーー!!!
>え?何?何があった?どうしてハヤテ来ないの!?←パニック


ハヤテ「まぁ……例にもれず『アレ』のせいですよ……」


>イブキいいいい!ハヤテを追いかけろおおおおお!多分、ハヤテは今東京練馬区で自転車便やってるからあああああああ!!!


イブキ「まぁ、そこらへんは追々……」


>…こほん。
>では、次回も待ってますイブキ!ファイト!
>ネームレスでした♪


ネームレスさん、ありがとうございました♪
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(3/20 更新) ( No.52 )
日時: 2013/03/20 17:04
名前: 道草



第七十三話 『凪』


次の日も、また次の日も、ハヤテが学校に来ることはなかった……

教師達すらハヤテの所在を掴めておらず、クラスでは夜逃げしたのだろうという噂がまことしやかに囁かれていた。

無論、その間あたしは何もしなかったわけではない。

それこそ血眼になってハヤテを探した。

だがハヤテが住んでいたアパートも既に引き払われていて、何一つ残されていなかった。

まるで初めから何もなかったかのように……

最初はざわついていたクラスの連中もほんの数日で普段通りに戻り、今ではハヤテのことは話題にも上らなくなった。

実際、人一人消えたところでこの世界は何事もなく回っていくのだ。

ただ一人……映りゆく景色の中、あたしだけが取り残されていた……



*   *



屋上の扉を開き、あたりを見渡す。

勿論そこにハヤテの姿があるはずはなかったが、ここに来ればまたいつもの笑顔で彼が声をかけてきてくれるのではないかと……そんな身勝手な期待を寄せていた。

見上げると空は隠れ、薄暗い雲に覆われている。

あの日以来、風は吹いていない。

「・・・・・・」

ハヤテはあたしに何も告げずに姿を消した……そのことが無性に腹立たしかった。

ハヤテに対して……ではない。自分自身に対してだ。

最後に見た彼の淋しそうな顔を思い出す。

今にして思えば、あれは別れを言い出せずにいたのだろう。

あの時、それに気付くことができなかったのが悔やまれる。

「・・・・・・」

噂はおそらく真実なのだろう。

だとしたら、金さえあればハヤテはまだ隣にいたかもしれない。

そう……あたしが母の治療費の為、あの金を使い切りさえしなければ……

あの日……ハヤテは何も言ってくれなかった。

いや、あたしの事を思って何も言わなかったのだろう。

あの時、彼も追い詰められていたはずなのに……

それなのにあたしは自分の事ばかり考えていて、それに気付くことができなかった。

ハヤテの為にと貯めた金を他の事に使い、肝心の彼を救うことができなかった。

あたしのせいでハヤテが消えたも同然だ。

「・・・・・・」

考えれば考えるほど自己嫌悪と後悔の渦に飲まれていく。

学校のチャイムが鳴ったところで、あたしの意識はようやく現実へと引き戻された。

……そうだ。こんなところで立ち止まっているヒマはない。

過去を振り返ったところで今更どうしようもないのだ。

気持ちを切り替え、あたしはまた彼を探しに学校を飛び出した……



*   *



一日中街を走り回ったものの何の手掛かりも掴めず、疲れきったあたしは夜遅くに家に帰ってきた。

ここしばらくは母の付き添いで病院で寝泊まりしていた為、この家に戻るのは久しぶりだ。

郵便受けにも新聞やらチラシやらが貯まっている。

面倒なので後で片付けようと思ったが、ふと見ると奥の方に水色の封筒が入っていたのでなんとなく気になって手に取ってみる。

そしてその差出人の名前を見た瞬間愕然とした。



『綾崎ハヤテ』



消印はない。郵便受けに直接入れられたのだろう。

おそらくは数日前、ハヤテを最後に見たあの日に。

あたしは今まで家に帰らなかったことを激しく後悔した。

大慌てで封を雑に切り、中の手紙を取り出す。

そこにはこう綴られてた。







――親愛なるイブへ――

ごめんなさい。急にこの街を離れることになりました。

まぁ、ぶっちゃけ親がまた博打で借金つくったせいなんだけど……

最後にちゃんとお別れを言いたかったけど、君にも迷惑がかかるといけないからこの手紙を残します。

思えば今までの人生の中で、君が一番長い付き合いでした。

今まで色々な学校を転々としてきて、あの両親のこともあってなかなか友達もできなかったけど、君は気にせずにそばにいてくれました。

こんな僕と友達になってくれてありがとう。本当に嬉しかった。

別れるのは辛いけど、お母さんを大事に思う君の姿を見て、やはり僕もあんな両親でも見捨てることはできないと改めて思いました。

……だから、ここでお別れです。

きっともう会うことはないかもしれないけど、君と息衝く日々はとても楽しかったです。

今までありがとう。お母さんを大事にしてあげてください。

……さようなら。


――綾崎ハヤテ――







「……さよならすら……言わせてくれないのか……」

手紙の上に水滴が落ち、文字を滲ませた。

……どうやら雨が降り出したようだ。

雨脚は徐々に強くなり、頬を伝って手紙の上に降り注ぐ。

雲は晴れない。

風は依然として止んだままだ……


第七十三話 END


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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.53 )
日時: 2013/03/24 00:03
名前: 紅雪

長い長いと思ってた休みももう終わりですね…紅雪です…
漫画読んでゲームしてアニメ見て爆睡、漫画読んでゲームしてアニメ見て爆睡…

ナギ並みに駄目人間まっしぐらです。
加えて少し前からアイ○ツでもラブ○イブ!でもなくアイ○スにハマって色々と大変です(お財布的な意味で)

ルカも36巻で積極的でしたし、アイドルブームですね!

さて、感想の方ですが…
イブはハヤテに自分を重ねてたんですね…自分と同じような境遇にいる同年代の人間なんてハヤテくらいでしょうし、そりゃ好きにもなるでしょうな…

ハヤテに憧れて、ハヤテだったらどうするか、ってだけじゃ二人の大事なお金を嫌いな母親に使ったりはしないんじゃないかなぁ…とか
もし母親を見殺しにしてそのお金でハヤテの親の借金がどうにかなっても、ハヤテはイブキと前と同じように接してたのかなぁ…

とか色々想像して読んでました。

再会したときから今までのイブの態度も、こうしてみると違った感じになりますね…

ここからどうなっていくのか楽しみです!
では今回はこれで失礼します、紅雪でした。
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(3/29 レス返し) ( No.54 )
日時: 2013/03/29 21:00
名前: 道草

どぅも★道草です!

もうすぐCuties放送開始だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!

やっとハヤテ達と絡むアテネやルカが観れる♪

それはともかくとして、レス返しをば。



◆紅雪さんへ

>長い長いと思ってた休みももう終わりですね…紅雪です…


お久しぶりです、紅雪さん!感想ありがとうございます!!

ナギ「うむ、ありがとう。まぁそれはそれとして、なんで休みってゴールデンウィークまでないんだろう……」

ハヤテ「もう、お嬢さまったら……とにかく新年度も頑張ってくださいね♪」


>漫画読んでゲームしてアニメ見て爆睡、漫画読んでゲームしてアニメ見て爆睡…
>ナギ並みに駄目人間まっしぐらです。


ハヤテ「いかん……!このままではお嬢さまも紅雪さんも、よりグレードの高い駄目人間に……」

ナギ「なんだとう!!」

※上記、大変失礼な発言をお許しください。お気を悪くしたらごめんなさい。


>加えて少し前からアイ○ツでもラブ○イブ!でもなくアイ○スにハマって色々と大変です(お財布的な意味で)
>ルカも36巻で積極的でしたし、アイドルブームですね!


ルカ「ハヤテ君を手に入れるためなら、まだまだいっくよー♪」

ハヤテ「/////」

ルカはほんとアグレッシブですよね〜。アニメ4期でどう出てくるか楽しみです♪


>さて、感想の方ですが…
>イブはハヤテに自分を重ねてたんですね…自分と同じような境遇にいる同年代の人間なんてハヤテくらいでしょうし、そりゃ好きにもなるでしょうな…


イブキ「ええ、好きですよ!!好きですが何か!?/////」

もう完全に開き直ってますね!?


>ハヤテに憧れて、ハヤテだったらどうするか、ってだけじゃ二人の大事なお金を嫌いな母親に使ったりはしないんじゃないかなぁ…とか
>もし母親を見殺しにしてそのお金でハヤテの親の借金がどうにかなっても、ハヤテはイブキと前と同じように接してたのかなぁ…
>とか色々想像して読んでました。


もしあそこでイブキが母親を見殺しにしていたら……ハヤテはおそらくイブキの事を許さなかったでしょうね。
つまりイブキ自身は後悔しているけど、彼女の行動はある意味間違ってはいなかった、というのがポイントです。


>再会したときから今までのイブの態度も、こうしてみると違った感じになりますね…


そのへんは今回の本編にて♪


>ここからどうなっていくのか楽しみです!
>では今回はこれで失礼します、紅雪でした。


紅雪さん、ありがとうございました♪
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Breath〜君と息衝く日々〜 3(3/29 更新) ( No.55 )
日時: 2013/03/29 21:03
名前: 道草


第七十四話 『懐かしい風』


ハヤテがいなくなってから、またいくつもの季節が過ぎ去った。

気が付けばあたしも十六。

世間一般では高校二年生として、青春を謳歌しているはずの年頃だ。

……だがあたしにはそんなの似合わないし、実際学校にも行っていない。

あの後も、入院しているあの人の為に汗水垂らしてバイトに励む毎日だ。

しかし、五月の連休……世に言うゴールデンウィークが明けたある日、そんな生活も終わりを迎えた。

「……もう明日にでも退院できるそうだ。良かったな」

壁を背に、ベッドの上の人物にぶっきらぼうにそう言い放つ。

まぁ、祝う気など微塵もないわけだが。

「これに懲りたら、少しは真面目になることだな」

無駄かもしれないと思いつつも、一応忠告しておいてやる。

「・・・・・・」

返事はない。

ベッドの上の人物は上体だけを起こし、聞いているのか聞いていないのかぼんやりと宙を見つめていた。

一体何を考えているかあたしには分からない。

……だが、もうそれもどうでもいいことだ。

「じゃあな。これで『子供』としての責務は果たしたつもりだ。……あとはもう好きにしろよ。あたしもそうする」

そう、もうこの人とはこれっきりだ。親でもなければ子でもない。

我ながらずいぶん遅い勘当だったが、あとは自由にさせてもらおう。

そしてあたしが病室から出ようとした……そのとき。

「……ごめんね」

「!!」

今まで聞いたことのない声が聞こえた気がした。

聞き間違いかと思って振り返るが、その言葉は確かにあの人からこぼれたものだった。

大粒の涙と共に……

「今まで……本当にごめんなさい!私……あなたに何もしてこなかったのに……!」

彼女は何度も頭を下げ、その度に流れ落ちる涙がベッドのシーツを濡らす。

……正直、目で見たものが信じられなかった。

彼女のこんな姿を見るのは初めてだったから。

「謝って許してもらえるとは思わない……でもこれからはちゃんとするから……だから一緒に……」

「・・・・・・」

……嬉しかった。

その言葉は本心なのだと伝わってきた。

きっとこれからは心を入れ替えて、ちゃんと『母』として接してくれるのだろう。

あたしがずっと望んでいたことだ……













……だがもう遅すぎた。

「……ゴメン。今のあたしには、やらなきゃいけないことがあるから……だから」

今更あたしだけが甘えるわけにはいかない。

だからあたしは背を向けて、彼女に対し……最初で最後にこう呼んだ。

「さようなら……『お母さん』」

呼び止める声が聞こえた気がしたが振り返らずに走る。

頬を水がつたったが、きっとただの汗だろうと……自分自身に言い聞かせた。



*   *



そしてあたしはハヤテを探す旅に出た。

今いる場所は東京都練馬区。

バイトの筋から集めた情報により、この近辺に『業界最速の自転車便』なるものが存在するという噂を聞いたためだ。

なんでもその自転車便は途中階段から転げ落ちようが、トラックに轢かれようが、強盗に襲われようが必ず品物を届けてくれるらしい。

あたしの知る限り、そんなことができる人物は一人しかいない。

……だが時すでに遅し。

あたしが自転車便の会社を訪れたときには、その人物はすでに解雇された後だった……

相変わらず不運というかなんというか……それともついていないのはあたしの方か?

早くも暗礁に乗り上げるあたしの捜査線であったが、ここであきらめるわけにはいかない。

そこで今度はその人物が通っていたという、高校へ向かうことにした。



*   *



都立潮見高等学校。

鉄筋コンクリートの校舎に、ブレザーの制服の生徒達で賑わう、なんてことはないごく普通の高校だ。

だがそれでもあたしにとっては結構新鮮だった。

高校なんて無縁のものと思っていたからな……

別に勉強は好きではないが、こういう若者たちの交流の場は少なからず憧れる。

ちょうど今は下校時刻のようだ。校門から次々と生徒たちがあふれてくる。

……やっとアイツに会える。

あたしは、はやる気持ちを押さえて一人の男子生徒に声をかけた。

「なぁ、ちょっと訊きたいことがあるんだが」

「うん?」

振り返ったのは何かスポーツをやってそうな男子生徒。見た感じ同い年と思われる。

「この学校で『綾崎ハヤテ』って奴知らないか?」

「綾崎?」

男子生徒は不思議そうな顔であたしを見返してきた。

この反応はどうやら心当たりがあるようだ。

だが、返ってきた答えはあたしが期待していたものとは違っていた。

「綾崎なら前に退学にされちまったけど……なんでも両親が学費取り上げたせいで」

「・・・・・・」

相変わらずだなぁ、あのクソ共!!

怒りと同時に、どうしようもない虚脱感が襲う。

またこれでふりだしに戻ってしまった……

あたしはトボトボとその場を後にした。











「ああ、でも今は確か白皇に通っているって言ってたような……って、アレ?もういない……」

「宗谷君、こんなところで一人で何をぶつぶつ言っているのかな?」

「あ、西沢!いや、違うんだよ。さっきまで確かにそこに人が……」

「……宗谷君。水泳バカがたたって、幻覚を見るまでになるなんて……」

「だから違―――――――――――――――う!!!」



*   *



……さて、すっかり手がかりもなくなってしまったわけだが。

しかしあたしはあきらめない。

まだそう遠くには行っていないことを祈って、しばらくこの辺りを拠点に捜索する事にしよう。

……となると、まずは住むところを探さないと。

そう思っていた矢先、ちょうど電柱にアパートの入居者募集の広告が貼ってあるのを見つけて、剥がして見てみる。

家賃4万、築30年木造、六畳一間。

ここまで見ただけでは大した特徴はないが、ただ一つ……不可解な単語が但し書きの様に添えられているのが気になった。

それは……





『執事付き』





「……なんじゃこりゃ?」

え?執事ってアレ?

バッ○モービルを整備したり、謎解きをディナーの後でしたりするアレですか??

なんでそんなもんがアパートの付属品になっとんねん!……と疑問は尽きない。

「……執事ねぇ」

なんとなく、世話好きのハヤテならこういうの似合いそうだなぁと想像してみる。

執事服をピシッと着こなし、「お嬢さま♪」とか言って微笑むハヤテ……

「……ぷっ」

ビックリするくらいさまになっていて笑えた。

まぁ、そんな妄想はひとまず置いといて、面白半分であたしはそこに向かうことにした。

そのアパート、『ムラサキノヤカタ』へ……



*   *



広告に書かれた所在地を頼りに辿り着くと、そこには古めかしいが堂々とした造りのアパートが立っていた。

「あのー……」

とりあえず玄関先に立ち、おずおずと声をかけてみる。

すると一拍置いて、中から女性の声が聞こえてきた。

「は〜い、少々お待ちください」

そして玄関が開かれると、あたしは思わず目が点になった。

そこにはエプロンドレスに身を包んだ、年上かと思われる女性が立っていたからだ。

なぜにメイドさん?……と気にはなったが、とりあえず用件を告げる。

「あの〜、広告をみてきたんですけど……」

「はい、入居希望の方ですね。わたくし、ここの家主の付き人をしております、マリアと申します。」

そう言ってメイドさんは礼儀正しくお辞儀をしてきた。

こういう対応には慣れていないため、少々ギクシャクしながらもあたしも頭を下げて自己紹介する。

「え?…あ、ええと。じ、自分はイブキ……紫藤イブキです…」

「紫藤さんですか。ではアパートの説明をさせていただきますが、ただいま家主の方、留守にしているので私がご案内いたしますね」

「はぁ……」

変なとこ来ちゃったかな〜?……と若干不安を感じつつも、メイドさんに連れられアパートの中を案内してもらう。

見て回ると、少し古いけど結構しっかりしたアパートだった。

これなら部屋を借りてもいいかもしれない。

そう考えていたとき、ふいにメイドさんが質問を投げかけてきた。

「あの失礼ですが、見たところ学生さんのようですが、ご両親は?」

「・・・・・・」

一瞬答えに迷ってしまう。

だが深く事情を話すのもアレなので、短くこう答える。

「親はいない。学校にもいってません」

するとメイドさんは申し訳なさそうにして頭を下げてきた。

「そうでしたか……ごめんなさい、失礼なこと訊いて」

「いや、別に……」

なんだか気まずい雰囲気になってしまったので、話題を変えようと思い、今度はこっちから気になっていたことを質問してみた。

「ああ、それで広告をみて気付いたんですけど、この『執事付き』ってなんですか?」

「ああ、実は私と同じくここの家主につかえている執事がいるんですが、その子がいろいろ皆さんのお手伝いをすることになっているんです」

あたしは心の中で突っ込む。

メイドに執事ってここの家主なにもんだよ!?

ていうかそんな奴がなぜアパート貸してんだ?

「ですが、その執事も主と一緒に学校に行っていてまだ帰ってきていないんですよ」

「学校?」

「ええ、二人とも高校生なんですけど…そろそろ帰ってきてもいい頃なんですが…」

そう言ってメイドさんは時計に目を向ける。

あたしはというと、また心の中で突っ込み……

「高校生がなんで家主とか執事とかやってんだよ!?」

……したつもりが思わず声に出てしまっていた。

慌てて手で口をふさぐが時すでに遅し。

メイドさんは驚いた後、苦笑する。

「まぁ、いろいろ事情がありまして……」

「すみません……」

あたしは自分の突っ込みを反省するのであった……







その後、あたし達は座卓を囲み、お茶をすすりながら談笑していた。

「そういうわけで今このアパートで生活してるわけです。」

「へぇ〜、マンガみたいな話っすね」

あたしはメイド……マリアさんから今までのいきさつを聞いた。

三千院家のこと、遺産相続のこと、このアパートのこと……

そして何より、一番興味をひいたのはここに仕えているという少年執事のことだった。

なんでも親に借金を押し付けられて執事になったとのこと。

あたしといい、ハヤテといい、ろくでもない両親をもつ人は結構いるんだなぁ……と他人事には思えず、妙に親近感が湧いた。

「ふぅ、結構長く話してしまいましたね」

「いや、とても興味深かったっすよ」

マリアさんは一息ついて、お茶をすする。

「それで、紫藤くん…」

「イブキでいいっすよ、マリアさん」

あの父親の姓で呼ばれるのは嫌いなので、そう言っておく。

ちなみに『くん』付けなのも微妙に気にはなったが……

まぁ、おおかたあたしを男と勘違いしているのだろう。

面倒臭いのでとりあえず今はその件は置いておく。

「ではイブキ君、どうしますか?正直あなたが部屋を借りてくれれば私たちも助かるんですが…」

「ええ、ここに決めました。これからよろしくお願いします、マリアさん」

あたしが笑ってそう答えると、マリアさんはとても喜んだ。

「よかった、これでナギもよろこびますわ。こちらこそよろしくお願いします、イブキ君。
ナギ達とも仲好くしてあげてくださいね」

「はい!……それにしても遅いっすねそのナギっていう子とその執事って人」

「そうですね……また厄介なことに巻き込まれてなければいいんですけど……」

そう言ってマリアさんは遠い空を眺める。

そのとき、どこからかパトカーと救急車の音がしてマリアさんは少し顔を曇らせたが、やがて何も聞かなかったかのようにいつもの表情に戻った。



*   *



そしてしばらくした後。

玄関先から数人の足音と話声が聞こえてきて、マリアさんは席を立つ。

「あ、皆さん帰ってらしたみたいですね!ではイブキ君、皆さんに紹介しますので少々待っていてください」

「はい」

マリアさんは玄関に向かい、帰ってきた人達を出迎える。

そして聞き取りづらかったが、賑やかな会話がここまで聞こえてきた。

「マリアさんただ今戻りました!」

「皆さんおかえりなさい。今日はずいぶん遅かったですね」

「ああ、いろいろあってな……明日は休みになった」

「そうそう……。今、入居希望の方がいらしてるんですよ」

「ほんとですか!?よかったですねお嬢様」

「私の話はスルーか!?まあいいどんな奴だ?」

「とってもいい子ですよ、さっきまでそこで話していたんですけど…」

そこであたしは悪戯心を起こし、ちょっとしたサプライズとばかりに声を張り上げ、玄関先に躍り出た。

「はじめまして!イブキで〜す!よろし…」













そこであたしは硬直する。

そこにいたのは、金髪ツインテールのまだ幼さが残る少女、眼鏡をかけた真面目そうな同世代の女の子、そして……





「……イブキ…さん?」

ずっと追い求めていた男の子の姿がそこにあった。

彼もまた、あたし同様動かずにいる。

溢れる気持ちをこらえきれず、先に動いたのはあたしの方だった。

「ハヤテ!」









そしてあたしは、ハヤテの胸にとびこんだ……









第七十四話 END


===============================================================================















この直後、イブキの跳び膝蹴りが炸裂します。

イブキ「今の一言で全部台無しだなぁ、オイ!?」

この後に第六話を読み返すと面白いかもしれません。

では以上で長かったイブキの過去編も終わりです!次回はようやく現在に戻ります。

自分の想いを再認識したイブキがどう動くのか?

それではまた♪
























…………まぁ次回最終回だけどね。


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Breath〜君と息衝く日々〜 3(4/7 更新) ( No.56 )
日時: 2013/04/07 20:38
名前: 道草

どぅも★道草です!

ようやく最終回となりました!!

図らずしも、Cuties放送直前というタイミングが良いんだか悪いんだか分かりませんが、最後までお付き合いくださると幸いです。

では、本編ラスト参ります!!







===============================================================================


最終話 『いつか答えが出る、その日まで……』


――深夜3時、あのハヤテでさえ寝静まっている時刻。

他に誰もいない夜の帳の中、ただ一つ動く影があった。

……イブキだ。

背にはキャンプにでも行くかのような大きな荷物を担ぎ、足音を殺して廊下を歩いていく。

そして玄関にたどり着き、靴紐を結ぼうと身を屈めたとき、ふいに背後から声をかけられた。

「……行くのですね」

「……っ!?」

突然の声に流石のイブキも一瞬ひやりとし、身を震わせた。

気取られずに彼女の背後を取れる人間などそうそういない。

このアパートでそんなことができるのはハヤテか、もしくは……

「アテ姉……」

そう、天王州アテネぐらいのものだ。

イブキが振り返るとアテネは静かに佇んでいた。

夜の闇に溶け込むような漆黒のドレスと、微かな月の光を浴びてきらめく金色の髪が対照的で実に印象深い。

寝起きの悪い彼女が何故こんな時間に起きているのかと疑問に思ったイブキだったが、その凛とした鋭い眼差しに、もうすべて見透かされているのだろうと悟る。

「……ここを出ていくつもりなのでしょう?」

「……なんでわかった?」

「様子を見ていれば分かります。貴方がハヤテのことで思い悩んでいることぐらい」

「・・・・・・」

まったく……ハムさんといい女の勘というものは怖いな。

それとも単にあたしが分かりやすいだけなのか?

イブキはくつくつと苦笑いを浮かべる。

「貴方達に何があったのかは聞きませんし、引き留めもしません。私も貴方の気持ちが少し分かる気がしますから……」

「アテ姉……」

最後の方の言葉はどこか弱々しく、アテネは視線を逸らした。

彼女もまた、ハヤテと傷つけ合い、後悔し、別れた経験のある者だ。

だからこそ今日、彼女はイブキが出ていくことを察してこの場に現れたのだ。

別に引き留めも、助言も、説教もするつもりはない。

「だけど……ハヤテにだけはちゃんとお別れを言いなさい」

「・・・・・・」

イブキは顔をうつむかせる。

本当なら誰にも別れを告げずにここから消えるつもりであった。

だがアテネはそれを許してくれないようだ。

「ハムさんといい、アテ姉といい……どうしてあたしの背中を押してくれるんだ?」

「私はただハヤテの悲しむ顔を見たくないだけよ」

なるほどね……とイブキは妙に合点がいった。

理由は常にシンプルでいい、それが恋なのだから。

歩にも教わったことだ。

そんなふうに真っ直ぐに人を好きでいられる彼女たちが、イブキはうらやましかった。

「では私は失礼します。後は……貴方自身が決めなさい」

「・・・・・・」

そしてアテネは自室へと戻っていった。

その後姿を見ながら、厳しくも優しい言葉を投げかけてくれたアテネにイブキは心の中で感謝した……



*   *



極力、音を立てずに屋根裏のハヤテの部屋へと上る。

そろそろと布団に近づいてみると、ハヤテは安らかな顔でぐっすりと眠りについており、まったく起きる様子はなかった。

無理もない。労働内容に比べ、睡眠時間が明らかに短すぎるからな。

しゃがみこんでハヤテの寝顔を覗き込む。

無防備な可愛らしい顔が静かに寝息を立てていた。

「・・・・・・」

一瞬、唇でも奪ってしまおうかという邪な誘惑にとらわれるが、さすがに起きてしまうだろうから踏みとどまる。

あたしはゆっくりと立ち上がり、懐から一枚の手紙を出して机の上に置いた。

「・・・・・・」

悪いな、アテ姉。臆病で卑怯者のあたしにはこれが精一杯だよ……

そしてあたしは来た時と同じように、音もなくハヤテの部屋を後にする。

「……じゃあな、ハヤテ」



*   *



始発前の駅のホームで一人電車を待つ。

空は徐々に白ずんできているが、まだ夜も明けきっていない時間の為、人はまばらだ。

……遂にこの街ともお別れか。

行先は決めていない。ただもうここにはいられなかった。

ずっと気持ちを押し殺してきたが、もうハヤテと今までの様に接することはできそうもない。

だからあたしは逃げ出すのだ。

……結局、あたしは最後の最後まで自分勝手だなと自嘲する。

そのとき、ホームの階段を駆け下り、こちらに向かっている足音が聞こえた。

その足音はあたしの後ろで止まり、代わりに今度は乱れた息遣いが聞こえてきた。

……もう振り返らずとも分かっていた。

……ああ、やっぱり来てしまうんだな、お前は。

「イブキさん!!」

案の定、聞き覚えのある声にあたしは努めて平静を装い、振り返る。

「よう、ハヤテ♪どうしたんだ、こんな朝っぱらから?」

「『どうしたんだ』じゃありませんよ!!なんですかこの手紙!?」

ハヤテは珍しく怒気をはらませた声で、あたしが置いてきた手紙を突きつけてきた。

まぁ予想通りの反応だわな。

しかし、あの後手紙を読んでからすぐにここを探し当てるとは……さすがだなハヤテよ。

「何って……ちゃんと書いてあるだろ?『今までお世話になりました』って……」

「だから、なんで出ていくんですか!?……もしかして僕、なにか気に障ることしましたか?」

ハヤテは今にも泣き出しそうな顔で震えている。

……ていうかすでに涙目なんですけど!?

「だ〜〜〜か〜〜〜ら〜〜〜、なんでいっつも悪い方に考えるんだよ!?お前のそういうとこホント大っ嫌いだからね!!」

なだめようと思いつつも、つい憎まれ口を叩いてしまう。

あ〜〜〜〜もう!!なんであたしはいつもこんな態度を取ってしまうんだよ……

自分のこういうとこホント嫌いだわ……

「ぐすっ……じゃあどうして?」

「う〜〜〜ん、まぁ強いて言うなら自分探し?」

「はぁ?!」

嘘は言っていない。

実際、自分の気持ちをどうしていいのかわからないのだから。

「よく分かりませんけど……それにしたって、お別れも言わずに手紙だけ残すなんて寂しいじゃないですか!!」

「……お前、前にあたしに同じことしただろうが」

自分の事、棚に上げやがって。少しは残される者の立場がわかったかこの野郎!

「うぐっ……す、すみません」

ハヤテは素直に反省し、しゅんとした。

……まぁ別にいいんだけどね。

それよりその件に関して、あたしはまだ言うべきことが残っていた。

そこだけは……きちんとケジメをつけないと。

「ごめんな、ハヤテ……」

「え?」

頭を下げるあたしに対し、ハヤテはなんのことかわからずきょとんとしている。

「あのとき……お前の支えになってやれなくて本当にゴメン!お前が辛かったのにも気づけず、助けることもできなくて……本当にごめんなさい!!」

「イブキさん……」

ハヤテはようやく何のことか気づいたらしく、優しい口調でこう言った。

「そんなこと……全然気にしていませんよ」

「……ハヤテ」

『そんなこと』……か。

ああ、ハヤテならそう言ってくれることは分かっていた。

あたしが深く考えすぎているだけだったのだ。

最初から一言、謝れば済む問題だった。

なのに何故あたしはいままで言い出せずにいたのだろう?











……ああ、そうか。

許されてしまえば、あたしの目的は達せられる。

そうなればハヤテとの関係が終わってしまう……心のどこかでそんなふうに思っていたのだろう。

あたしは……ハヤテとずっと一緒にいたかったのだ。

今更になって自分の本心に気付くとは情けない話だ。

「……バカだなぁ、あたしは」

「え?」

「いや、こっちの話」

自嘲して笑っているとハヤテは不思議そうな顔で首をかしげていた。

そして……遂に電車がやってきて、別れの時が訪れた。

「本当に……行くんですか?」

「……ああ」

ハヤテは悲しそうな顔で見つめてきた。

その視線に思わず決心が揺らぐが、やはりあたしはここを去ることにする。

今のままでは……あたしはきっと変われないから。

「じゃあな、ハヤテ。……さよなら」

未練を断ち切り、ハヤテに背を電車に乗り込む。すると……









「また……会いましょう」

「・・・・・・!」

『さよなら』……ではなかった。

ハヤテがそう言わなければ、振り返ることはなかっただろう。

彼の口から出たのは再会の約束。

ああ……どうして君はいつもほしい言葉をくれるんだ。

あたしは涙を堪えて、精一杯笑って振り返る。

「ああ!!またなハヤテ!!」

電車のドアが閉まり、車体が動き出す。

手を振るハヤテの姿は遠のき、やがて視界から見えなくなった。

寂しくはある。だが不思議と悲しくはなかった。

この一人旅の始まりは、当初想像していたものより、ずっと気分のいいものになっていた。

これからあたしがどんな答えを見つけるかは自分でもわからない。

だけどいずれにせよ、あたしは必ずここに帰ってくる!

そう確信することができたから……







眩い朝日が差し込み、窓を開ける。

春の息吹を告げる、優しい風が吹き抜けた……







Breath ―完―


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Breath〜君と息衝く日々〜 3(4/7 後書き) ( No.57 )
日時: 2013/04/07 20:38
名前: 道草

『後書き』


どぅも★道草です!

ここまで読んでくださり本当にありがとうございました!!!

以下つらつらとただ作者の言いたいことを述べているだけですので、読み飛ばしていただいて構いません。




僕がこの作品を書き始めたのは約3年前……原作ではムラサキノヤカタ編に突入して間もなくの頃でした。

当時の皆さんの文才溢れる作品に触発されて書き始めてから3年……ようやく思い描いていた最終回を迎えることができました!感無量です!!

この作品は僕が生まれて初めて書いたデビュー作だったので、なるべく原作の雰囲気を壊さぬよう『基本ギャグ路線』『オリキャラは一人』『カップリングは作らない』という前提で執筆していました。

カップリングを期待されていた方、ごめんなさい……

後半こそオリキャラの独壇場になってしまいましたが、割といろんなキャラを動かすことができて書く側としては楽しかったのですが、いかがだったでしょうか?

少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

では言いたいことは尽きませんが、これ以上長くなるのもアレなので最後に二つだけ……




一つは、小説を書いてみて思ったのは、やはり僕は『ハヤテのごとく!』という作品が大好きだということ。

もう一つは、ここまで書き続けてこられたのは、畑先生やハヤテ達、前サイト・現サイトの管理人様、同じく執筆に励む他作品の作者の方々、

そして何より今まで読んでくださった読者の皆様のおかげです!!本当にありがとうございました!!!




ではここまでお付き合いくださりありがとうございました!

Cutiesも楽しみましょう♪


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Re: Breath〜君と息衝く日々〜 3 ( No.58 )
日時: 2013/04/08 07:38
名前: ネームレス

完結おめでとおおおおおおおおおお!!!!ネームレスです!!!
感想に来ました!!!僕が読み始めたのがまだ2スレ目のころでしたね。懐かしいです。
最後は別れ、という形になってしまいましたが、ハヤテはやっぱりハヤテで、らしいな、て思いました!
こういう物語を見ると、ついifの世界を思い浮かべたりするわけですが、付き合って終わりという安易な考えしかできない自分なので、こういう形で終わらせれるのは道草さんだからこそです。
物語は作る人によって種類は無限大。そんな中で道草さんの小説を読めた事はとても幸運な事だと確信してます。
少し寂しいけど、物語は終わる事で完成します。その完成に立ち会えたこと、とても嬉しいです。
同じこと言いますが、

道草さん、完結おめでとうございます!!!

ネームレスでした!
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