この作品のあらすじ
トップページ > 記事閲覧
僕はみんなが好き。
日時: 2013/05/01 02:58
名前: たっぺー

こんにちは。たっぺーです。
眠いです。
タイトルはなんかあったかい感じがしますね。

でも内容は多分そんなことないです。
このハヤテくんマダオです。


そんなハヤテくんでもいいという方はどうぞ。
ダメな方はすいません。




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−







「私…ハヤテくんが好き!大好き!」

「…え?」

「だから…ハヤテくんに恋人になってほしい。付き合ってください!」

「…、…さん、僕には執事として、守らなくてはいけない女の子がいます。
だから…だからあなたとはお付き合いできません。ごめんなさい。」

「…ハヤテくん。」

「…はい」

「そういうんじゃなくて…ハヤテくんの…ホントの、ホントの気持ちを教えて?」

「ホントの…気持ち、ですか?」

「…うん。」

「…僕は…僕は、三千院ナギお嬢様にお仕えしている身です。
 あなたにすべてをあわせることは出来ませんし、借金もあります。あなたを幸せにできないかもしれません。」

「…」

「でも…それでも構わないというのなら、待ってくれるのなら、僕と…」

「ハヤテくん…うん、待つ。私いつまでもまってるよ。」

私は嬉しくて泣いてしまった。
そして彼は…ほほえんでいた。



-----------------------------------------------------------------------------------



「おはよーハヤ太くん!」

「やあ、ハヤ太くん」

「おはよう、ハヤ太くん」

「おはようございます。みなさん今日は随分おはやいんですね。」

「これはこれは、ずいぶんな物言いだな。」

「我々だって早く登校する時くらいあるさ。なぁ?」

「ホントだよ、もー。」

「あはは、すいません。」

「まぁ確かに、私とリサが日直で日誌をとりにいかなくちゃならなくて?」

「しかも今日提出の課題をまだやってなくて?」

「とても困っているというのは本当だけれども?」

「…はぁ」

「忙しい我々の代わりに生徒会室に行ってくれる」

「もしくは課題をやってくれる人を捜している、ってわけではないんだが」

「え、なんですか、これ。ちょ、近づかないでください。」

「一応聴いてみるが」

「そんな心優しいひとに」

「ハヤ太くん、心当たり」

「ない」


「「かな?」」

「く…。ぼ…僕で良かったらお手伝い…しましょう…か?」




「ごめんね…ハヤテくん。ミキちゃんとリサちんが…」

「あはは…いいんですよ。気にしないでください。」

「でも…」

「おかげで泉さんとふたりきりになれたんだから全然問題ないですよ。ね?」

「ハヤテくん…」

私はハヤテくんに告白した。フラれちゃったけど…
でもハヤテくんはお仕事とか借金とかそういういろいろなしがらみが全部清算できたら…
と言ってくれた。だから私たちは友達以上恋人未満を続けている。
だけどこのことはみんなには秘密。
だから私たちはこうして二人きりのときだけ名前で呼び合っている。

「にははー、ハヤテくんがそういうなら泉ももう気にしないことにするね。」

「はい。難しい顔はやめて笑っていてください。泉さんは笑顔が一番ですよ。」

「ハヤテくん…」

あの日からハヤテくんはすこしだけ甘い言葉をささやいてくれるようになった。
ハヤテくん。私だけのすこしだけ特別なハヤテくん。

「あーあ、このままつかなきゃいいのに。」

「あはは、そんなこと言っちゃダメですよ、泉さん。」

「うん、そう、だよね。にはは…ごめん」

やっぱりダメだよね、ハヤテくんは鈍感さんだもん。
少しでも長く二人きりでいたいって気持ちはわからないよね…

「…でも泉さん。」

「…ふえ?」

「時間もありますし…ちょっと、遠回りしていきましょうか。」

ね、と。手を握りながら、微笑みながらいわれたら。
ハヤテくん。ほかの人は知らないハヤテくん。私だけの特別なハヤテくん…



-----------------------------------------------------------------------------------



「あら、おはよう。ハヤテくん、泉。」

「おはよーヒナちゃん!」

「あ、おはようございます、ヒナギクさん。今日も朝から生徒会のお仕事ですか?」

「そうなのよ。昨日の総会ででた意見のまとめとかいろいろね。
 それでふたりは?」

「うん、あのね。ミキちゃんとリサちんが…」

「あーもういいわ。よーくわかったから。まったくあの二人は…
 ごめんね、ハヤテくん。あのふたりにはよく言っておくから。」

「あはは…いえ、大丈夫ですよ。」

「そう?じゃあいいけど。えー…と。はい、日誌ね。」

「ありがとうございます。」

「よし、じゃあ教室にもどろ!ハヤ太くん。」

「はい。あ、ヒナギクさんは…?」

「あ、そうだね。ヒナちゃん、いっしょに教室行こうよ!」

「ええ。あ、でもやることも多いし…先に戻ってくれていいわ。ありがと。」

「そう?」

「お手伝いしましょうか?」

「いいわ。大丈夫よ。」

「そっか…わかった。」

「授業までには戻るからってお姉ちゃんには言っておいて。」

「うん、じゃあ、またあとでね、ヒナちゃん!」

「では、またあとで」




「さっきの、きづいてくれました?」

「当たり前でしょ?だって二人だけの…」

「「合言葉」」

「…なんだか恥ずかしいわね」

「ははっ」

私はハヤテくんに告白した。フラれはしたけど…
でもハヤテくんはお仕事とか借金とかそういういろいろなしがらみが全部清算できたら…
と言ってくれた。だから私たちは友達以上恋人未満を続けている。
だけどこのことはみんなには秘密だから。
合言葉をきめてその言葉を聞いたらこの木の下で落ち合うことにしている。
二人がはじめてあったあの木の下で。

「ふぅ…でもいいんですか、ヒナギクさん?」

「え、なにがよ。」

「生徒会長ともあろう方がこんなところでサボってて。」

「…じゃあこの手を放してくれるかしら。今から仕事しにいくから。」

「…やっぱりサボっていてくれていいです。」

キュっと私の手を握る力が強くなる。その手の暖かさがじんわりと広がって心地いい。
ハヤテくんは二人きりのときこうやってちょっと甘えてくるようになった。
ハヤテくん。少しだけ特別なハヤテくん。

「でも、いいの?」

「え?」

「ハヤテくんこそナギのことはいいの?」

「お嬢様…ですか?」

「ええ、ナギをほっといていいの?」

「…そう、ですね。もう戻らなきゃいけません。」

「…え?」

するりと絡まっていた指がほどける。
そんな…ちょっとイジワルをかえしただけのつもりだったのに…
まさか本当に帰っちゃうの?

「…なんて冗談ですよ。」

「…ふぇ?」

「お嬢様は千桜さんといっしょにゲームをしていらっしゃいます。
 あと一時間くらいは大丈夫ですよ。」

「そう…なの?」

「はい、だから…」

「ハヤ、テ、くん…?」

「僕のここからの一時間はヒナギクさんだけのものですよ…」

「ハヤテくん…」

さ、ヒナギクお嬢様。なんてほほえまれたら。
嗚呼、ハヤテくん。ほかの人は知らないハヤテくん。私だけの特別なハヤテくん…



-----------------------------------------------------------------------------------



「お帰りなさい、ルカさん。」

「ただいま、ハヤテくん。」

ご飯できてますよ、なんて笑っているこの人はハヤテくん。
私の好きな人。私と同じ痛みを抱えている人。

「それともさきにお風呂にしますか?」

「んー、ご飯にするー。」

「わかりました。和風とデミグラス、どちらがいいですか?

「じゃあ…デミグラ!」

「了解です。」

私はハヤテくんに告白した。フラれはしたけど…
でもハヤテくんはお仕事とか借金とかそういういろいろなしがらみが全部清算できたら…
と言ってくれた。だから私たちは友達以上恋人未満を続けている。
だけどこのことはみんなには秘密。
代わりにハヤテくんはこうして時々ご飯を作りにきてくれる。
しかも最近はその頻度もだんだん増えてきて。

「どうかしましたか?ルカさん」

「え!?いや、なんでもない!」

「ボーっとしてると冷めちゃいますよ。」

「そ、そうね。いただきまーす。」

「はい、どうぞめしあがれ。」

今日のメニューはハンバーグ。
とてもおいしいし、ボリューム満点。私の最近のお気に入り。
そんなメインディッシュが二皿。

「あれ、二皿…?」

「はい、今日はぼくもここでいただいていきます。」

「え?大丈夫なの?」

「はい、たまにはルカさんといっしょに食事したいですから。」

ルカさんといっしょに。
そんな些細な言葉にもドキッとしてしまうのはきっとそれだけ好きだってことで。

「あれ?ハヤテくんのハンバーグは和風?」

「あ、はい。余ったほうを使わせていただきました。」

「ふーん…なんだかそっちもおいしそうね…」

「あげませんよ。」

「なっ。そんなこと言ってないわよ!ちょっと美味しそうだなって思っただけよ!」

「あは、わかってますよ。」

「もう!」

「ハハハ」

「…プッ、あはは。」

食卓に響く笑い声。少し前まではこんなこと想像もできなかった。
でも…こうして向かい合って、笑いながら二人で食事をするなんて、なんだか…

「なんだか…新婚さんみたいね」

「ぶふっ、ごぼっ。」

「ちょ、大丈夫!?」

「ごほっ、ごほっ…はーはー。はい、大丈夫ですよ。ちょっと驚いただけです。ルカさん
が、ルカさんが僕と同じことを考えていて」

かぁっと顔が熱くなる。
二人きりのときハヤテくんはこんなふうに少し甘いことをいう。
ハヤテくん。少しだけ特別なハヤテくん。

「ね、ハヤテくん。ハヤテくんのハンバーグ一口ちょうだい。」

「え?」

「ほら、あーん」

「ええ、さっきも言ったじゃないですか。いやですよ。」

「え、ホントにいやなの?」

まさか本当に断られるなんて思ってなかった。
ちょっと寂しい気持ちになる。

「あ、でも…」

「え?」

「ルカさんも『あーん』してくれたらいいですよ。」

ほらあーん、なんてそんなふうにいたずらっ子みたいに微笑まれたら。
嗚呼、ハヤテくん。ほかの人は知らないハヤテくん。私だけの特別なハヤテくん…



-----------------------------------------------------------------------------------



「これからどうするつもりですか?」

ルカさんのアパートからお屋敷にまっすぐ戻った。
部屋に戻る途中で不意に後ろから声をかけられた。マリアさんだ。

「…マリアさん。どうするって、どういうことですか?」

「三股なんてかけてこれからどうやって責任とるのかしら、ってことです。」

「三股って…人聞き悪いこといわないでくださいよ、マリアさん。誤解ですよ。僕はまだ、誰とも付き合ってない。」

まだ、つきあってはいない。まだ。
心のなかで繰り返す。

「それでもみんなに色よい返事をして、さらに今も期待を持たせつづけている…そうでしょう?」

確かに僕はヒナギクさんとルカさん、泉さんに告白された。
もちろん断りの言葉は告げた。彼女たちに期待をもたせるのに十分な返事とともに…

「…盗み聞きしてたんですか?良くないですよ。」

「ハヤテくんこそ人聞きの悪いこと言わないでください。私は『偶然』部屋のまえにいただけです。」

「偶然…ですか。三度も?」

「…」

「…まぁ、気にしないことにします。」

「…質問を変えます。ハヤテくん、あなたは三人のなかで…だれが一番好きなのかしら?」

「一番、ですか?…マリアさん。僕は、ヒナギクさんと泉さん、ルカさんはもちろんお嬢様
や西沢さん、、アーたん、それにマリアさん。みなさんが好きなんです。順位なんてつけられません。」

「…ハヤテくん、それは逃げです。彼女たちの気持ちから逃げているだけです。」

「逃げているわけじゃありません。逃げてなんかいない。
これが僕の本心なんです。みんな…僕の好きな人です。」

嘘じゃないですよ、と微笑む。
そう、嘘じゃない。だけど本当でもない。
彼女たち、に順位はつけられない。

「…そうですか。」

「…これ以上遅くなったら明日に響くのでもう寝ます。おやすみなさい、マリアさん。」

では、と部屋のほうに歩き出す。

「まって、ハヤテくん」

「はい?なんですか、マリアさん。」

「最後にひとつ。ナギが…もしナギが告白してきたら、ハヤテくんは…どうしますか?」

「それは…それはありえないことですよ。」

「…なら仮定の話で構いません。」

「…それなら。それでもきっと僕はお嬢様の告白をお断りします。そして…」





「みんな大事な人…ですか。」

さっきのハヤテくんの言葉を繰り返してみる。

「みんな大事な人」

さっきの話からするにハヤテくんは三人以外にもあのような関係を築いているのかもしれない。
三人も四人も変わらないじゃないか、という言葉が頭に浮かんで思わず苦笑してしまう。
ハヤテくんが最低なことをしているのはわかっている。
弄んでいるのはわかっている。
でも、ハヤテくんの選択はある意味正しいのかもしれない。
確かにハヤテくんのまわりの人は誰も悲しんでいない。誰も傷ついていない。
失恋のダメージは大きすぎると人を再起不能にする。
ましてや大きなかなしみを背負っている彼女たちでは…
ハヤテくんはそこまで考えて…?
もう一度、繰り返す。

「みんな大事な人、みんなが好き。」

いや、そうではないのかもしれない。ハヤテくんもまたかなしみを背負って生きている。
好きなひとがたくさんいるということは…

「かわいそうなハヤテくん」

最後にそう呟いて私は床についた。












−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−








言いたいことがうまく表現できませんでした。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
不快に感じた方がいたらごめんなさい。

では、また。
[管理人へ通報]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら通報してください

Page: 1 |

題名 スレッドをトップへソート
名前
URL
パスワード (記事メンテ時に使用)
文章チェック ミスがあったら教えてほしい  ミスを見つけてもスルーしてほしい
コメント

   クッキー保存