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貧乏神も福のうち(祝シスター&節分)
日時: 2013/02/03 00:00
名前: ホッコ

まず最初に、双剣士様はじめ皆様にご迷惑をかけてしまったことを深くお詫び申し上げます。



「まだ売ってるかなぁ…」

寄せられた雪がぼんやり輝く夕暮れ、白い吐息を手のひらに擦り合わせながら肩身を狭めて歩く青年。
青髪だから青年、ガンダムより頑丈な男、歩く死亡フラグ、人一倍不幸でありながら人一倍リア充爆発しろと言われる男、男の娘、あることないこと噂される彼こそが三千院家の執事、綾崎ハヤテである。

「あれ、なんでこんなことしてんだっけ…」

ハヤテがうまく回想にまわしてくれたところで説明しよう。


「ハヤテ!炒り豆を買ってきてくれないか?」
「え?急になんですか」
「なんでも何もない!明日節分じゃないか。節分だから福豆を買ってきて欲しいと言っているのだ! 炒り豆じゃないとダメだぞ、なぜなら――」

ナギの奥で瞬くテレビ。
節分スペシャルなのかたまたまみたのであろう、『うる星ひとたち』が節分をやっていたのを見て悟った。

「(あ〜なるほど…。またお嬢さまの影響力に巻きこまれていくのか…)お嬢さまは普段からそういった文化は完全スルーじゃ…」
「いいから買ってこーい!」
「うひゃぁー!」


ハヤテ君回想お疲れさまです。

「ていうか作者!何でまた2月1日を迎えているんですか!?そもそも今日はマラソン自由形で僕がクビになる日じゃないですか!説明してください、30字以内で簡潔に!」

ならば簡潔に説明せねばなるまい。
都合で記憶はそのまま日時を戻しました、てへぺろ。
ほら至極簡潔、単純明解――てあら、なんで薬缶沸かせそうな顔してちょっ痛、ホントに痛い!

「納得いきませんよ…」

ハヤテは少しばかり歩みを速めた。
このお話は、この2日間を語る前半部分の物語。



「よかった、まだ残ってて。あとは無事帰れたらミッション・コンプリートだ」

炒り豆一袋買ったハヤテはスーパーを後にした。
節分の特設エリアの前のバーゲンセールで戦車と化したおばちゃん達の戦争に巻き込まれ、袋を取ったら隣で迷子の幼い姉妹に泣かれ、頬をつねられながらおんぶして姉妹の母親を見つけたら変な顔をしていたのか母親に不審者扱いされた平手打ち、レジに並んだらレジ打ちのお姉さんに引き留められて話に付き合うこと15分。
後ろからの迷惑ですオーラのお陰でレジも抜けられたところで今に至るのだが、既に差し込む日は地平線からのみとなっていた。

「しかしお嬢さま節分は戦争だって知ってるのかなあ。あんなに体力のないお嬢さまが走りながら飛んでくる豆を交わしつつ、いかに相手を落とすなんてできるのだろうか」

この男もなかなか世間一般からズレているようだ。

「さっきえらい目にあったし、帰りくらい無事に帰りたいな…」

そんな淡い期待をするハヤテをドン底に突き落とす人物が現れる。

「今日も〜とっても〜楽しいな〜♪」
「げぇっ、桂先生!」

咄嗟に電柱に隠れたが時既に遅し。

「あれ〜、綾崎、ヒック、くぅんじゃないか〜」
「うわ、バレた。しかもなんて時間から酔ってんですか!」
「そりゃあ〜、なんだってぇ、寒かったら熱燗に決まってるじゃないのぉ〜ヒック」
「突っ込む体力すらもったいない…。じゃあ僕はいきますからね、風邪引かないようにして下さいね」
「え〜付き合ってよ〜綾崎くぅん」
「うわ!くっつかないで下さい!ああもう、お酒くさっ!」

絶対になりたくない代表は、ハヤテの持ち物に気付いた。
いや、気付いてしまった。

「綾崎君いいモノ持ってんじゃないの〜私に少しくらい頂戴よぉ!」

福豆をひょいと奪い取ると、あろうことか開け口を引き裂いた。

「ん〜お酒にあうかも」

バリバリ食べる雪路からなんとか袋を奪い返し、距離を置いた。

「ダメじゃないですか、お嬢さまの大事な福豆なんですから!」
「お腹も満たされたことだし、はっしごはしご〜!」
「はぁ、ようやく行ったか。しかし改めてああいう大人にはなりたくないな」

無惨に割かれた開け口を見て、思わず溢れた深い深い溜め息。

「どうしよう…といっても一袋買う金額しかマリアさんから貰ってないし…諦めて帰るか」

地球と平和のためにスーパーの袋を貰っていないハヤテは、開け口を折って逆さまに胸ポケットに入れた。

「(随分時間を食ってしまった。急がなければ!)」


ところ変わって三千院邸。
ビデオルームで独り不敵な笑みを浮かべる少女がいた。

「ハヤテはいつも不幸に巻き込まれているからな、どーせ携帯かけても電池切れがオチだしな。こうなったら私がまた直々に見守ってやろうではないか」

彼女の名は三千院ナギ。
たまたまとたびたびが重なってハヤテに誘拐されたのを少女は勘違い、恋人兼執事として彼を雇っている主である。
この時はすっごくお金持ち。
実はこの少女、無垢な(?)執事の胸ポケットに小型カメラを付けていたのだ。

「さぁ、ハヤテはどんな一面を見せてくれるかな、…ぐふふ」

スーパーマーケットにて。
どうやらハヤテの不幸体質は健在の様子。

「ハヤテ、いいから早く帰ってこいって…」

眼を反らして数十分、ようやくハヤテは魔のスーパーマーケットを抜けたようだ。

「げぇっ、桂先生!」

執事も黒なら主も黒、反応も瓜二つ。
ダメ教師のだる絡みが終わり、ハヤテは風を切って進む。

「おっ、ハヤテ走ってる走ってる。スピードはものすごーいんだけど、ハヤテの腕ってどこか安心感があって…ふおおお」

脳内お花畑復活。

「ハヤテ早く帰ってこないかな〜まだ帰ってこないかな…ぁふえっくし!…誰か噂でもしたかな」

くしゃみで外した視界を戻すと、なぜか画面いっぱいの見知った顔が頬を赤らめている。

「まま、まさか私がいないのをいいことに!?ハヤテぇ〜…」

なぜナギのお花畑が真っ黒に成り果ててしまったのか、ハヤテ視点からご覧いただこう。


孔明の罠。
作者の思うに主人公たちが乗り越えなければならない謂わば腐れ縁、宿命のようなものだろうか。

「(お嬢さまがまだ怒っていませんように。そういえばお嬢さま僕を殴り飛ばせる腕力をこう…パン人間の頭の交換とかに使えないかな)」

大通りを文字どおり疾風の如く駆け抜けるハヤテに、正しく運命的な出逢いが訪れる。
お約束――バナナの皮。
マ○オカートよろしく高速スピンするハヤテの前には通行人が。
脳裏に浮かぶ最悪の事態。

「(それだけは…避けなければ!)」
「はぁ…誰にも祝われなかった…神様、どうか私に救済を――」
「どいて下さいー!」
「え!ちょっ――」

フィギュアスケーターも驚きのジャンプは、神様の願いなど無意味であった。

「すいません、大丈夫ですか…ん?」

手中に確かにある柔らかい感触。
第三者から見たらどう見たって男側が押し倒したようにしか見えない、そんな状況下。

「あの…手を退けてもらえますか」
「うわぁ!すいません!…って」

お互いの染まった顔を見た瞬間、ハヤテは血の気も引き背に冷や汗が流れたという。

「し、シスター!?」
「こっ…ここんの、不埒者ー!」

出逢った真の相手、それはソニア・シャフルナーズであった。
執事虎の穴でシスターを装い三千院家の復讐を企て、ワタルにときめいてしまった一応シスターである。
そのシスターの一撃は重い。
とにかく重い。
そんな彼女のボディブローをまともに受けたら――。

「(僕…死ぬな…)」

心臓に突き刺さった拳。
ミシメシビキバキという音が鳴るのを聞き、ハヤテは悟った。
――福豆、終わったな。
大きく吹き飛び、ハヤテは背中を強かに打ち付けた。

「はっ、ごめんなさい!そんなバキバキと…あなたそんなに脆いとは思わなくて…」
「はは、大丈夫ですよ」
「なあんだ、良かった。お金の心ぱ…じゃなかった、人殺しにならなくて」


「しかしシスター、なぜあんなところを?」
「そんなの私の勝手でしょ。あなたは?…まさかそんな破廉恥なことをしてまわって…!恥を知りなさい」
「(あれ、やけに冷たい…)違いますよ。買い物です」

すっかり黒に飲み込まれた夜の街を歩く二人。

「はぁ…」
「どうしたんですかシスター?」

シスターは街灯の前で急に立ち止まって振り返った。

「まったくあなたのせいでとんでもない誕生日でしたよ。いきなり殴ったのは悪かったですけど…ともかく、どうしてくれるんですか」
「(さては誰からも祝われなかったか)す、すいません」
「ああ、どうか私に金の…じゃなかった、神のご加護を」
「(やっぱりこうして見ると、シスターも綺麗な人だよな…)」

街灯に向かって仰ぐシスターの姿はハヤテには神々しく、とても輝いて見えた。

「シスター」
「はい?」

ハヤテは畏まってシスターを呼んだ。

「お誕生日おめでとうございます。シスターには特に何か得たわけでもないしむしろ厄介事ばかりですけど、誕生日くらい僕がその神様の代わりになって祝ってあげてもいいかなって。これ、誕生日プレゼントです」

ハヤテは胸ポケットを漁ったあと、シスターの手を取った。
握ったシスターの手はどこか温もりがあって暖かかった。

「それでは!」
「待って!…あなたに神のご加護がありますように、私は願っています」

ハヤテはふっと笑うと、暗闇に消えた。
少しばかりその様子を見届けた後、シスターは手を開けると――掌には、あたたかい福豆。
それも知ってか知らずかシスターの歳の数だけ丁寧に揃えられている。
シスターも小さく笑うと、そっと呟いた。

「…いらないわ」



「只今戻りました」

突然うおおと土煙を起こして駆け寄るナギ。
元気そうだ、とハヤテは胸を撫で下ろした。

「ハヤテ〜」
「お嬢さま、只今帰り――」
「ぇ〜のバカーーーーーー!」
「ぐふぁ!」
「私というものがいながらよりによってあのシスターとイチャつきおってー!!」
「いや、あれは勘違いで――」
「カメラがあることわかっててわざとか!しかも会った途端カメラ壊しやがって!」
「ぐはぁ!壊したのシスターで――」
「問答無用!」
「うぎゃぁー!(今度こそ、死んだ…)」
「ハヤテ君、福豆は買ってこれました?」
「え、あ、その…」

ハヤテはその日ひと冬分の汗をかいたという。
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Re: 貧乏神も福のうち(祝シスター&節分) ( No.1 )
日時: 2013/02/03 00:02
名前: ホッコ

翌日。

「節分だー!」
「ホントにやるんですか…」
「大・節分大会だー!」

きたる2月2日、土曜日。
昨日なんやかんやあって結局作戦失敗してしまったハヤテ。
そのなんやかんやを忘れてしまった方は前回にリターン!
失敗しつつ戦争(豆まき)の回避しちゃってハヤテとしてはラッキーと思ったが今日のナギはひと味違った。

「でも時間はお昼なんでご飯にしましょうね」

節分の醍醐味のひとつ、恵方巻き。
もともとは関西方面の風習であったが、近年あらゆる会社の陰謀で全国に広まりつつある。
ちなみに食べてる最中はお祈りのため私語禁止というジンクスまで存在する。
もちろん執事と主は共に食事をすることはないのでハヤテは暫く待機。

「……」
「なんだか地味な絵面ですね」
「食べきれん!」
「あはは、喋ってしまいましたね」
「では私は買い物行ってきます」
「マリアさんお気をつけて」

昼食を済ませ、マリアが家を出るとナギはまたも不適に笑い始めた。

「節分といえば鬼避けと称して他人に豆をぶつけいつしかどっちが鬼がわからなくなる、豆まきだー!というわけでハヤテ、鬼をやってくれ」
「いいですけどすみません、豆は全部駄目にしてしまって」
「それなら問題ない。もうすぐ届くはずだが――」

屋敷にチャイムの音が鳴り響く。

「おっ、きたぞ」
「(お嬢さまが投げる分にはいいけど、なんだか嫌な予感しかしない…)」

誰もを悩ます鈍感男はどうでもいい予感に限って敏感なのがデフォルトで備わっている訳で。



「あの憎き鬼に向かって突撃やー!」
「わー!」

大勢の子供を一人相手する大きな鬼。
ではなく、鬼の面を被った咲夜の父。
愛沢家でも豆まき大会絶賛開催中。
沢山の子供達に囲まれ、豆を四方八方からぶつけられても動じず座る姿はまるで座禅を組む仏のようだったとか。

「そろそろ(私が)疲れてきたし、『まめに』休憩を取ろう」
「……」
「おとんおもんないわ、突撃!」
「ぐっふぉ!」

立ち上がったところにタックルが股関に直撃。
『豆』鉄砲を食らった仏さまはあえなく撃沈し、辺りにどっと笑いがこだまする。
そんな幸せな家庭――


…の一方、ハヤテはこれから起こる戦乱に身震いしていた。

…何あの水槽いっぱいの豆の量、おかしくね?

「いやその、福豆の値段知らなくて三万円でとりあえず買えるだけって頼んだらこうなった、反省も後悔もしてないぞ」

いや、豆はまだ許せる。
…何ついてるその黒い――
機関銃みたいなの。

「いやその、やっぱり自分で豆撒くのめんどくさくて、たまたまやってたゲームのマシンガンがヒントになって買っちゃったというか、反省も後悔もしてないぞ」

――オーマイゴッド。
神様なんてあてにしてないけど。

「まあでもハヤテなら大丈夫かなって。ちゃんと弱くしてあるし」
「いやよくないですよ!?」

ハヤテは全地球人に聴こえるようなシャウトがこだました。

「ただ当てても楽しくないからちょっとした罰ゲームも考えてあるぞ」
「…どんな罰ゲームですか?」
「それはな…これだ!」

ナギが取り出したのは虎柄の水着。
しかも女の子のビキニ仕様である。
ナギが感化されたアニメ『うる星ひとたち』のヒロイン、ヤムちゃんの服装そっくりである。

「まさか…」
「そう!ハヤテにはこれを着てもらいたいのだ」
「どちらが鬼ですか!?」
「(まさかお嬢さま、今まで節分を楽しみにしてたのはこのためか…!)」
「ふふん。ルールは普段使わないこの部屋で私が豆まきをしている間に鬼のハヤテが3回『痛い』と言ったらハヤテの負けだ」
「…僕かなり不利じゃないですか」
「異論は認めん!ちなみに豆が尽きるかこいつが動かなくなったら終わりだ」

可憐な少女には似合わない隣のゴツい機械をパシパシ叩いてみせる。

「この戦いは負けられない!」
「それじゃあ行くぞハヤテ!」

ナギの迷惑でしかない思い付きが生んだ、とんでもない死闘の火蓋が切って落とされた!

「鬼はー外ー!」


「ヒナはいないしやっぱり家でゴロゴロしながらお酒、これが一番よ」
「へぇ、『鬼のいぬ間に洗濯』かしら」
「うぇぇ、ヒナ!?」
「そんな驚かなくてもいいじゃない。ほら、近所の人に福豆貰ったから食べましょ」

桂家の節分は至ってシンプル。
豆を食べながらテレビを見て暖まりながら団欒の一時を過ごす。

「そういえばお姉ちゃんは豆いくつ食べるの?」
「ひ、ヒナには関係ないでしょ」
「嘘嘘。知ってるんだから」
「そうやって私をからかって楽しむなんてヒナ酷い!鬼!」
「鬼とは余計よ」
「もしかしたら豆当てたらヒナの中の鬼がとんでいっておこりんぼが治るかも!…鬼はーそ」
「お・ね・え・ちゃん?…」
「しゅ、しゅいましぇん…」



「ハァ…まだ3分もたってないのに…」
「どうやら私の勝ちは決まったようなものだなフハハ!」
「まだまだこれからですよお嬢さま!」

室内という限られた空間が一層ハヤテを苦しめる。
手首に一発受け反応してしまったことで既でランナウェイ。

「(とは言え常識的に脱げるのは靴とこの鬼のお面…早く決着をつけるしか…)」

嬉しそうに水着を見せた時の衝撃が脳裏でフラッシュバックした。

「それだけは嫌だー!」
「そんなに着たいか、ならば期待に答えようじゃないか」
「しまった!角に!」
「ふふこれでもう一枚――」
「いけませぬぞ、お嬢さま!」

窮地を救った救世主は天井から降りてきた。

「クラウスさん!」
「いけませぬお嬢さま、食べ物を粗末にしては罰が当たりますぞ!」
「そっち!?」
「ぬをををを!」
「何ィ!豆を…食べ始めただと…!」

機関銃から打ち出される豆を素手でキャッチ、そして口へリリースという離れ業を繰り出すクラウス。

「やるなクラウスよ!」
「まだまだ老体と言わせませんぞお嬢さま!」
「なんで普通に会話してるの、この人たち…」
「綾崎、私が食い止めるうちに早くあの物騒な代物を止めてこい!見えぬのかお嬢さまが機械に振り回されているのを!」
「(なんか勘違いしてるけど…)わかりましたクラウスさん!」

クラウスの背後から跳んで急接近するハヤテ。

「これで終わりです!」
「何ィ後ろから!ここまでか…」

決着がついた――そう思ったとき、ナギは笑っていた。

「…なんちゃってな♪」

なんと、ナギの奥からもうひとつ銃口が飛び出した。

「二丁拳銃!」
「マッ○スコーヒーよりも甘いぞハヤテ!」

2倍の福豆がクラウスに襲いかかる。

「どうやら私はここまでのようだ…」

2769円分の福豆を食べ既に限界だったクラウスがついに見誤り福豆が眼鏡にヒット。
なす術なくがくっと折り曲がり、そのまま床に崩れ落ちた。
…眼鏡が。

「クラウスさあああん」
「え?私そんなあつか――ぐああ!福豆が!目があああ」
「とっておきはピンチにだすからとっておきなのだ!ザクとは違うのだザクとは!あとはハヤテ、お前だ!」
「くっ…避けられない!」

痛みがワイシャツを貫通し、ハヤテは音をあげてしまった。

「いてっ」
「2回でハヤテの水着が…ぐふふ」

ハヤテは靴を放った。

「これで動きやすくやりました」
「ふ…ふん、強がりなだけなのだ」

開始10分、豆は残り3割。
床は一面黄土色と一部クラウスの執事服色。

「二丁拳銃ということは弾の減りも2倍!ここをしのげば…そうだ!」

ハヤテは戦いの最中、ついに高速移動技術を身に付ける。

「豆の上を滑る…だと!」
「コロの原理で豆が転がっているんですよ!名付けて豆転(ソイード)」
「…うまくはないぞ」

どれほど速いかはご想像にお任せするとして、ナギの顔に次第に焦りの色が滲む。

「くっ…当たらないっ…」
「豆ももうありません、諦めてください!」

豆転の勢いを軋む壁に脚から伝え、ナギに標準を定めて突っ込んだ。

「お嬢さまを捕まえて終わりです!」
「豆が弾かれていく…ええと…ええと…」
「うおおおお!」


「お怪我はありませんか、お嬢さま」

豆の海の中、ハヤテの腕の中で幸せそうにナギは言った。

「私は諦めんからな、ハヤテ」
「ということは…」
「今回は諦めてやる。だが…次は夏、青い海の中着てもらうからな」

次だって着ませんよ。
そう心に誓ったハヤテであった。

「あ!」
「どうしましたかお嬢さま!?」
「この部屋どうしよう」
「えええええ!」
「このままじゃマリアに絶対起こられ――」
「一体何しているんですか…?」

首をカクカクと声の方向を向くと、指できな粉をつくるマリアの姿が。

「「(あ…本物の鬼がきた)」」
「何やってるんですか二人ともー!」


「あとどれだけ豆料理なんだハヤテ…」
「…あの豆尽きるまでではないですか」
「節分なんて…もうたくさんなのだぁー!」



いかがだったでしょうか?
改めましてこんにちは、ホッコです。
短編を書くのはこれが初になります。
ただ短編に挑戦してみただけで、べ、別に企画に乗った訳じゃn(ry
未熟なところばかりですが伝わって、楽しんでいただけたら幸いです。
この短編は2本立てになっており、今回はその前半部分、我らがシスターのソニア・シャフルナーズの誕生日です。
誕生日おめでとうございます。
神に仕えていながら金の亡者とか、ワタルにゾッコンとか、そんなシスターの雰囲気が好きです。
本編でなかなか出番がないキャラを使うのもよいかと思い、今回の小説をシスター誕生祭として書かせていただきました。
そしてもうひとつは節分ということでネタを膨らませてみました。
いかがだったでしょうか?
というよりはソイードという言葉を使いたかっただけだったりします。

最後に、読んでいただきありがとうございました!
それではまた。
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