転生2 (3月28日更新) 再開未定 ( No.0 )
日時: 2020/10/25 13:50
名前: masa

こんにちはmasaです。

新しいスレでの最初の更新です。

基本情報などは前スレをご覧ください。

では本編どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

ここはとある有名神社。


ルカは変装して1人で初詣に来ていた。

「(やっぱり、ハヤテ君やナギと一緒が良かったな)」

お参りを済ませ、本殿の前を離れた後、ルカはこう思っていた。


話は数日前に戻します。

「ねえ2人とも。折角だから、初詣に行かない?勿論3人でさ」
「「え!?」」
「幸い、お正月の仕事は夜からだけだし、ハヤテ君が戻って来てくれて初めてのお正月でしょ?だからさ」

ルカに説明され、納得しつつも

「すみません。僕は両親と行く約束が。何でも、「仕事があろうがなかろうが関係ない。初詣は家族3人で行くべきだ」らしいので」
「ええ〜」
「あ、悪い。私も仕事関連の人と行く約束があるんだ。すまんな」
「ナギまで」

2人に断られ、ルカは不満そうに口を尖らせたが

「いいもん。私1人で行くもん」

子供の様に拗ねたルカにハヤテもナギも「やれやれ」っと言った感じで笑みを浮かべた。


話を戻します。

「(まあ、拗ねててもしょうがないし、神様にも感謝し終えたし、御神籤でも引いて帰りますか)」


                   × ×


一方の沙羅は、両親とルカがお参りしたのとは違う神社に来ていた。

「混んでるわね〜」
「仕方ないさ。幾等家でもここは流石にね」

沙羅が直ぐにお参り出来る様に大金つぎ込んだり権力を使って人払いをしようとしたが、流石に無理があるので、諦めたのである。

「沙羅、逸れない様にね」
「うん。ちゃんを手を繋いでる」
「まあ、尤も。沙羅に何かしようとしたら、一生をかけて後悔させてやるわ」

母の言葉に父も同意するかのような不気味な笑みを浮かべたので、沙羅は溜息をついた。

長い行列に並びつつ、沙羅は数日前のナギとのやり取りを思い出していた。


数日前(全スレNo.93)。

「実はな。取引先の企業の中の一つで、仲良くなった男が居るんだ」
「え!?そうだったんですか? ナギさんにも遂にそう言う人が」
「あ、ああ。まあな」

照れつつ返したナギに

「(こういう恋バナにワクワクするとは。女の子らしさに拍車がかかってきたかな?)」

ハヤテは自分に呆れつつも、ナギの話の続きを待った。

「でだな。初詣の日、2人で都内の有名な神社にお参りする事になってるんだ」
「へ〜。そうなんですね」

ハヤテが「女の子らしく恋バナに目を輝かせる」事に気付きつつ、ナギは

「あ、ルカには内緒にしててくれ」
「何故です?」
「女同士とは言え、私が恋人がどうのこうのって話をしたら、あいつは寂しがると思ってな。あいつの想いが成就するにせよ、後8年も待ち惚けを食らう訳だし」

ナギの言葉に複雑そうにルカを見つめた後

「分かりました。誰にも言いません」
「・・頼むぞ」

回想終わり。


思い返している間に自分達の番が来たので、お賽銭を捧げ、お参りをした。

「沙羅は何をお願いしたんだ?」
「え!?えっと、内緒」
「もうあなた。そう言うのを聞くのはマナー違反よ」
「あ、それもそうだな」

フォローしてくれた母に感謝しつつ

「(「ルカさんやナギさんが幸せになれますように」何て、両親には言えないよな)」

こう思いながら両親を促して御神籤を引く事にした。


                   × ×


一方。

ナギは蓮司とともに、ルカやハヤテとは別の神社に来ていた。

「こりゃすげえな。流石都内の有名所だな」
「そうだな」

かなりの人がおり、「野鳥の会」の人でも数え切るのに苦労しそうな程だった。

「どうする?」
「え!?何がだ?」

ナギの言葉に蓮司が間の抜けた声で返すと

「こんだけの人だし、待ち時間も相当なもんだぞ」
「俺は平気だよ。人混みはあまり得意じゃないが、仕方ねえだろ」
「そっか」

ナギはずっと内心ドキドキしていた。人見知りなのにこんだけの人ごみに来ているからではなく、蓮司と来ている為である。

蓮司の横顔を気付かれ無い様にチラッとみて、クリスマスの女子会の際に千桜やカユラと交わした会話を思い返していた。


時間を戻しクリスマス。

「で、ナギ。その気になっている人とやらには告白しないのか?」
「は!?」

突然の千桜の言葉にナギが間の抜けた声を出すと

「話を聞いた限りじゃ、綾崎君ほどじゃないにしろ、鈍感っぽいぞ。そう言う人には変化球じゃ無くてストレートを投げた方が良いんじゃないのか?」
「千桜の言う通りだ、ナギ。別に急いで返事をもらう必要はあるまい。気持ちだけ伝えて、返事は後ででいいってな」

2人の言葉にナギは少し迷った末

「でも、そう言うのは女の方からは」
「ナギ、二の舞になりたいのか?」

カユラの鋭い言葉に千桜も言葉を失った。

「お前、前もそんな感じで「何時かは自分の気持ちが届けば」ってな事やって、失敗しただろ?お前基準で言えば「悔しき敗北」を味わったじゃないか。またその敗北の味を味わいたいのか?いやだろ?今度こそそんなのは」

カユラの指摘は厳しいながらも全て正論なので、言い返せなかった。

「分かったよ。まだ結論は出せんが、ちゃんと考えるよ」
「「うんうん。それが一番だ」」

ナギが答えると、2人は笑顔で頷きながら言って来た

「ってかお前ら、何か楽しんでないか?自分達にそう言うのが無いからって」
「サ、サ〜タノシモウ」
「オ〜、クリスマスダシナ〜」

ナギが溜息をつくと、SPから連絡が入り、「ルカが早めに帰宅して来た」っと報告を受けた。

回想終わり。


「(正直、自分から告白する事も考えた。だが、どうしても最後の一歩が踏み出せない。もう少しだけ考えて、自分の中の答えを出そう)」

こんな風に考え込んでいると、もう少しと言う所まで来ていた。
すると

「ある神社に神様が住んでいました」
「え!?」

突然語りだした蓮司に驚いていると

「神様は皆を幸せにしようと出来るだけ皆の話聞き、出来るだけ願いを叶えようと思いました。でも、願いの数が多すぎてどうしても全ての願いを叶える事が出来ませんでした。そこで神様は苦肉の策で考えます。願いの中でせめて、自分の事では無く「誰かの為に願っている願いは叶えられる様にしよう」って」

蓮司の話にナギが首を傾げていると

「これは昔婆ちゃんから聞いた小話なんだ。初詣に来ると、思い出すんだ」
「ふ〜ん。良い話だな。 って事はだ。初詣の願いは、「誰かの為に」の方が良いって事か?」
「たぶんな」

ナギに返すと、続けて

「だから、願いを交換しないか?」
「え!?」

「俺はあんたの幸せを願う。だから」
「私は蓮司の幸せを願えと。そう言う事か」

ナギが返すと、蓮司は気まずそうに

「ま、まあなんだ。あんたさえ良ければ、何だがな。どうせ自分の事を願っても、叶った事が無いしな。日頃の行いもあるかもしれんが、折角ならって」
「そうか。 ま、私は構わんよ」

漸く本殿に辿り着き、ナギも蓮司を願った。


                   × ×


一方のルカ。

御神籤を引くと

「(ゲッ、大凶だ)」

今迄籤運は悪い方だったが、人生で初めての「大凶」を引いてしまった。

「(今年は全体的に注意が必要な一年です。特に大きな選択が迫られる事があります。その時は自分だけでなく周りの事を考えて結論を出すようにしましょう。 か)」

現状を考えると何とも不安になる文だったが、書かれている通りにしようと、誓っていた。


一方の沙羅も御神籤を引いており

「沙羅はどうだったんだ?」
「え!?えっと」

本当は読めるのだが、読めないふりをして母に渡し

「小吉、ね。 今迄通りの幸せを得られますが、大きな選択が迫られる事があります。その時は注意深く結論を出しましょう。 って書いてあるわ」

自身の御神籤に若干嫌な予感を覚えつつもこの場では胸に留めるだけにした。


                   × ×


一方のナギは、初詣を済ませて帰路に着いていた。

その道中、蓮司の後姿を見ていると、どうしても生前のハヤテと重なってしまい、

「(告白、するか。結果なんかどうでもいい。また、あの時みたいな悔しい思いは嫌だ。駄目なら駄目で、良いじゃないか。あの時に比べたら、だいぶマシなはずだ)」

そう思い、蓮司に声を掛けようとした瞬間

「なあ、三千院さん」
「な、何だ??」

蓮司の方から声をかけて来たので、驚いていると

「俺と、付き合ってくれないか」
「え!?」
「あんたみたいに立場のある人間にこんな事言うのはどうかと思うが、どうしても言っておきたくてな」

ナギは少しの間慌てていたが、持ち直し

「付き合うって、男女の関係になるって事、だよな」
「ああ。まあ、あんたじゃ付き合う相手は慎重になるだろうが、一応分かってて言ったつもりだ」

そう言うと、蓮司は少し間をおき

「改めて、言わせてもらうぜ。 俺と、付き合ってほしいんだ」

言い直された瞬間、ナギは倒れかけ、蓮司に支えられた。

当然、近くに隠れていた三千院家のSPさん達は慌てて飛び出して駆け寄って来た。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は続きです。

では。