Re: 続・新世界への神話(9月21日更新) ( No.81 )
日時: 2011/09/28 18:22
名前: RIDE
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3929

どうも。
九月も終わりに近づきました。
今年の秋もいろいろとがんばりたいと思います。

特に話すこともないので本編いきます。
今回からはヒナギクがメインです。


第30話 何がなくても


 1
 ハヤテが一体化できてからの翌日。

 生徒会室でヒナギクは浮かない顔をしていた。

 昨日、伝助とハヤテの話を聞いた後から色々と試してはみたが、結局リングを光らせることは出来なかった。

 最初は焦ってばかりいたが、ヴァルキリングが光らないという変わりない現実にその気持ちは行き場がなく駆け巡る苦悩と不安へと変わっていった。

 これから先の戦いは、昨日のハヤテや伝助のように精霊と一体化することが前提になるのは間違いない。

 それなのに、自分は魂の資質に目覚めていない。そのことが、自分はハヤテから除け者にされている感じがして、ひとりぼっちになってしまうのではないかと怖くなっているのだ。両親に置いて行かれた経験のあるヒナギクだから、ひとりぼっちになるという恐怖は大きい。

 別に一体化が出来なかったのはヒナギクだけではない。氷狩、塁、拓実、優馬と四人もいる。しかし伝助、そして使者として日の浅いハヤテでさえ一体化できたのだ。おそらく彼らもできるようになっているだろう。

 あの人たちも一緒に出来ていなければいいのに・・・・。

 そう思ったとき、ヒナギクは自分自身に青ざめてしまう。

 自分はなんて最低なんだろう。味方ができないことに対して喜ぶなんて。皆必死で努力しているかもしれないというのに。

 あるいはその四人や伝助、ハヤテたちに相談するという手もあった。そうすれば少しは解決に近づけたかもしれないが、いつでもなんでも白皇の生徒会長として威厳あるようにというプライドがそれを阻害させていた。

 自己嫌悪に深く打ちしがれるヒナギク。今の彼女は、普段の凛々しい姿とは打って変わって弱々しかった。

 そんな彼女の前に、姿を現した者がいた。

「やっぱりここにいたのね、甘ちゃん生徒会長」

 遠慮なしに生徒会室に入ってきたのは花南であった。相手が相手なだけに、ヒナギクも機嫌が悪いのを露にして応じる。

「生徒会でもない人はここに入ってはいけないのだけど・・・・」
「本当に頭が固いわね。そんなだから、あの借金執事のような貧相な胸になるのよ」

 自分がコンプレックスとしているものを触れられたヒナギク。それは、彼女の逆鱗に等しかった。

「・・・・何をしに来たの?」
「悩んでいるあんたを笑いに」

 ヒナギクの怒気を含ませた問いにも、花南は平然として答える。

「そう言えば、納得できるのでしょう?」
「ふざけないで!」

 ヒナギクは声を荒げた。そのまま椅子から立ち上がり、花南に近寄っていく。

「人が苦しんでいるところを見て楽しいの?」

 先ほど同様のことを思っていたことから、その卑屈さがよく身に染みている。目の前の少女がもしそれでも平気なほど性根が腐っているのなら、いやそうでなくても自分とこの気に入らない相手と同じだということ自体、ヒナギクには腹立たしかった。

 そんなヒナギクに、花南はこう言った。

「別にそういうわけじゃないわ。けど、一人で勝手に塞ぎ込んでバカみたいとは思ったわ」

 その言葉でヒナギクはとうとう我慢に限界がきてしまった。白桜を手にして勢い良く振り下ろすが、花南はそれを後ろに跳ぶことであっさりかわした。

「苛立ちを力でぶつけようなんて、まるで子供ね。でもいいわ」

 花南は近くに置いてあった鉄の棒のようなものを掴み、それを得物として手の周りでくるくると回す。

「相手になってやるわ。かかってきなさい」



次回はヒナギクと花南の激突!

そして、おまけとして一体化のメカニズムを説明しましょう。


一体化のメカニズム


精霊の属性に合った魂の資質、すなわち心を外に解き放つかのように強く念じる。
風なら誠実、雷なら闘志というように。


魂の資質を感じたリングが、使者を形成しているATフィールドを解き放角を補助し、身体をLCL状にする。


精霊が使者の心の中に入り込み、それによって使者のイメージに影響し、ATフィールドにも変化が起こる。


新たなイメージとリングによって変わったATフィールドによって、使者の姿がロボットのような姿へと変わる。



と、こんな感じです。

感想、指摘等があればぜひお願いします。