Re: 新世界への神話 ( No.63 )
日時: 2010/05/25 19:51
名前: RIDE

更新します。


 2
 精霊界、イルミス山岳地帯。

「このあたりのはずだが・・・・」
 伝助はこの地を彷徨っていた。リングの修復ができる人物はここにいると言われている。しかし、歩いても歩いても手がかりすら見当たらない。

「もっと奥深く行かなければ・・・・」

 そう思い、再び険しい山道を登りはじめた。歩を進めるうちに、伝助は樹が生い茂る森を抜け、岩場へとたどり着いた。

「あ、あれは・・・・」

 そこで伝助は、目の前に小さな小屋を発見した。あそこにリングを修復できる人物がいるのかと思い、その小屋へと足を向ける。

「誰だい?」

 その途中声をかけられ、伝助はその方向を向く。そこには、金髪の少年がいた。

 伝助はその少年に尋ねてみた。

「この山に精霊の使者のリングを修復できる人物がいるって聞いたのですが・・・・もしかして、君のこと?」
「じゃあ、リングの修復を頼みに来たんだね」

 それを聞いた少年は何かを考え込んでいる様子を見せた後、笑顔でこう言った。

「今忙しくてね、リングの修復に手が着けられないんだ。だから、手伝ってくれないかな?」
「手伝うって・・・・」

 何をさせるかわからない伝助は思わず身構えてしまう。

「そう硬くならないで。ただの野草摘みだよ」

 少年は、伝助にとある方向を指す。

「こっちだよ。ついてきて」

 そう言って歩き出す少年。伝助もあとを追いかけた。

 道中、伝助は少年に尋ねた。

「君のような子供がリングの修復ができるとは、驚きましたよ」
「違うよ、僕にリングの修復ができる技術はないよ」
「え?」

 少年がリングの修復ができる人物だと思っていた伝助は目を丸くした。

「僕はミハエル。エーリッヒの下で修行を受けている見習いの使者さ」

 そんな伝助に、少年ミハエルは自己紹介をする。

「それで、僕の師でもあるエーリッヒこそが、君の探しているリングの修復ができる人物さ。そのエーリッヒは今、先に野草摘みに行っているんだ」
「なるほど」

 伝助は理解した。リングの修復を頼みたければまずはエーリッヒたちの仕事を終わらせなければならないということだ。

 会話をしているうちに、二人は野原へと着いた。そしてそこには一人の先客がいた。