Re: 転生 (10月6日更新) ( No.14 ) |
- 日時: 2019/10/06 12:05
- 名前: masa
- こんにちはmasaです。
本編の更新です。
どうぞ。 -----------------------------------------------------------------------------------
前回、ルカのマネージャーは友人に相談中、ルカがハヤテと会っている所を目撃してしまった。
突然現れたマネージャーに沙羅は顔に出さない様に慌てたが、ルカは多少は驚いている様だが、どこ吹く風で
「水蓮寺さん、そちらのお子さんは、その」
言い辛そうにしていたが、意を決したのか
「水蓮寺さんとそちらのお子さんって、どういった関係なのでしょうか?」
沙羅は気が気でなかった。 もし、ルカが「婚約者です」なんて口走ればルカは破滅だからである。
そんな沙羅の気持ちなど知る由もないルカは
「どう言うって。この子は私のk」
ルカが言いかけた途端、沙羅はルカの脛を蹴飛ばし、強制的に中断させ
「若しかして、ルカお姉さんのお知合いですか?」 「え!?ああ、はい。マネージャーです」 「何時もルカお姉さんがお世話になってます。 b・・私、親戚の五月女沙羅って言います」
自己紹介されたので、マネージャーも自己紹介した。
「ルカお姉さん、お仕事は凄いですけど、少し抜けてる所もあるみたいなので、よろしくお願いしますね」 「い、いえいえ。毎日楽しませてもらってますよ。仕事は大変ですけど、ルカさんのお陰で楽しくて」 「子供相手に敬語使うなよ。 まあ、仕事上必要かもしれないけどな」
友人も自己紹介し、
「こんにちは、沙羅ちゃん。今日、沙羅ちゃんのパパやママは一緒じゃないの?」 「・・はい。本当は一緒に来るはずだったんですが、急な仕事で来れなくなっちゃって。でも、私がどうしても見たかった映画があるので、ルカお姉さんにお願いしたんです」 「そうだったんですか」
マネージャーは納得した様子だったが、友人は黙った
「ルカお姉さん」 「ん!?」 「そろそろ行かないといけないよね。映画が始まる前にルカお姉さんのお友達のお祝いを買わないといけないんでしょ?」 「ああ、うん」
ルカが返事すると、沙羅はマネージャーに
「これからも、ルカお姉さんをお願いしますね」 「勿論。 っと言うより、私の方が世話になるかも」
軽く会釈し、ルカ・沙羅と別れた
「やっぱり、親戚の子だったんだな。副社長が知らないうちに、親戚付き合いが復活してたんだよ」 「・・どうかな」
マネージャーは納得していたが、友人は疑うような視線をルカ・沙羅の後ろ姿に送っていた。
「俺にはどこか違和感を感じた。何となく「誤魔化しでああ言った」って感じが拭えない」 「そ、それは考え過ぎじゃ」 「・・後をつけるぞ。お前が大切に思っているアイドルのスキャンダルを未然に防ぐ為にな」
止める間もなく、友人は尾行を始めてしまった。
× ×
ルカと沙羅は近くの百貨店に来ていた。
「お祝いだけどさ、腕時計なんかどうかな?」 「最近はつけてない人も多いみたいだし、実用性は薄いかもよ、ルカお姉さん」
ルカは沙羅の口調に違和感を感じていた。
「化粧品なんかいいんじゃないかな?ルカお姉さんのお友達って、人と会う機会が多いんでしょ?」 「ねえ、どうしたの? 何時もと様子が違うよ、h」
ハヤテの名を呼ぼうとした瞬間、周囲に気付かれない様に沙羅は「睨み付ける」でルカを黙らせた。
丁度その頃、マネージャーと友人は後をつけていた
「不味いって」 「・・お前の為なんだよ。担当アイドルがスキャンダルで破滅、なんて嫌だろ?」 「そ、それは」
沙羅が口調に気を付けていたのは、尾行に気付いていたからである。
買い物を済ませたルカと沙羅は近くの映画館に来ていた
「えっと。じゃあ・・」 「お姉さん、これが良い」
沙羅が指さした映画は、小学生の女の子向けのアニメ映画だった。
「え!?でも、それって」 「良いの。これが見たい」
チケットを買い、時間になったので上映される劇場に入って行った。
「あれって、基本的には小学生の女の子が見る映画、だな。まあ、大人でも見ている人は居るみたいだが」 「やっぱり親戚の子に頼まれて映画を見に来ただけだって」 「いや、分からんぞ」
未だ疑う友人に
「もう止めようぜ。 自分が担当しているアイドルを信じないなんて、マネージャー失格だよ。本当はこうやって付け回すのだって、褒められた事じゃないし」 「・・分かったよ。お前が信じるなら、俺も信じる。やましい事は無いって」
2人は尾行を止め、折角なので飲みに行く事にした。
× ×
映画も終わり、ルカと沙羅は帰路に着いていた。
「結構面白かったね。あのシリーズは子供の時は見てたんだけど、今はああなってるんだね〜」
ルカは鼻歌交じりで楽しそうだったが、沙羅は黙り込んでいた。
「ナギ、喜んでくれるといいね、お祝い」
楽しそうにそう言うと、少し前を歩いていた沙羅が立ち止まった
「?? ハヤテ君?」 「ルカさん。今日、マネージャーの人に僕の事を「婚約者です」って紹介しようとしてましたよね?」 「そうだけど。 それがどうしたの??」
肯定すると、沙羅は振り返り
「どうして分からないんですか。婚約者が生まれ変わって、前世の記憶が残ってました。何て当人達以外は信じる訳無いじゃないですか。よくてロリコン野郎、下手すれば誘拐犯って認定されちゃうんですよ」
沙羅の言葉にルカは
「・・私は別に、ロリコン野郎でも構わないよ」
そう前置きし、
「私とハヤテ君は結婚直前まで行った婚約者同士なんだよ。一緒にいる事は寧ろ必然でしょ。私はハヤテ君との事を隠したり、嘘をつく事は嫌なんだよ。まるで私とハヤテ君の愛を自分自身で否定しているみたいで」
「世間一般からすれば、本人の気持ちはどうでもいいんですよ。周りが納得しなければ、その人はただの醜い犯罪者なんです。こっそり会うのなら兎も角、こうしている事がマスコミに嗅ぎ付けられたら、ルカさんは大変な事になるんですよ。その辺は理解してくださいよ」
説得する様に言う沙羅にルカは少しだけ間をおき
「嫌だよ、そんな事。理解なんかしたくない。 マスコミに嗅ぎ付けられる?上等じゃん」 「な!? ルカさん、どうして。貴方はそんな風に聞き分けの無い人じゃ」
驚く沙羅にルカはまた少し間をおき
「ハヤテ君が私の前から消えたからだよ」
こう言われ、沙羅は黙り込んだ
「10年前、私は凄く幸せだった。初めて大好きになった人と恋人になって、その人にプロポーズしてもらった。結婚して、子供を産んで、一緒に子育てして。そして人生の最期になるまでずっとずっと一緒。それが当たり前に来ると、信じて疑わなかった。疑う事すらしなかった。でも、それは呆気なく潰えた」
ここまで言うと、一旦間をおき
「その時思い知ったの。失う事の圧倒的な怖さを。知ってたはずだったのに、ハヤテ君が居なくなった事で、私の心に深く、その怖さを刻み付けた。だからね、嘘や誤魔化しだなんて無駄で、意味の無い事なんて嫌だよ。今度こそ、本当に失いたくないんだ」
ルカの真剣な表情に沙羅は何も言い返せないでいた。
「正直、こうやって形はどうあれまたハヤテ君が私の前に現れてくれた。これは、本当はありえない奇跡なんだよね。買って無い宝くじが当たる位。 これってさ、神様がくれたこれ以上ない程の幸運なんだよね。だからこそ、嘘や誤魔化しは、嫌なんだ」
悲しさと真剣さを混ぜたような表情のルカに沙羅はまた振り向き
「もう、良いですよ。ルカさんは、10年前と本当の意味で変わって無いんですね」 「そりゃそうだよ」 「ですが、ルカさん。やっぱり世間の目は気にしてくださいね」 「・・善処します」
× ×
「ナギ、おめでと」 「え!?何がなのだ?」
帰って来てそうそう、いきなり言われたので面食らっていると
「聞きましたよ。大きな仕事を成功させたって」 「ああ、その事か。ありがとな」 「だから、これお祝い。受け取って」
ナギは受け取ると照れつつ笑顔になった。
「因みに、選んだのはハヤテ君で〜す」 「おお、そうか。ハヤテが私の為に」
なんだか先程以上に嬉しそうなナギに
「ムッ。言っとくけど、ハヤテ君は私のだよ」 「分かってるよ。喜ぶ位いいじゃないか」
ルカは不満げに口を尖らせたが、これ以上は何も言わなかった。
「それにしても、今日は大変でしたよ」 「何かあったのか?」 「ルカさんのマネージャーさんに見つかってしまって。その場で誤魔化したり、後を付けられてたのでその誤魔化しを続けたり」
ナギが適当な相槌を打つと
「ハヤテ君も冷たいよね〜。別に誤魔化す必要無かったのに。正直に「婚約者です」って言っちゃえばよかったのにさ」
当たり前に言うルカに
「お前なあ。 前に言っただろ「私達と今のハヤテとの関係は絶対に知られちゃいけない」って。ただでさえそんな事件が起こって世間の目は厳しくなってるんだ。そんな事言ってみろ。お前、捕まるぞ」
「デ、デスヨネ〜」 「ナギさんがちゃんと常識あって良かったですよ。ルカさん、ちゃんと守ってくださいよ」
沙羅にも言われ、ルカは落ち込みつつ了承した。
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次回は未定です。
では。
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