Re: 女神と共に第四部 (10月25日更新) ( No.46 ) |
- 日時: 2018/10/25 00:05
- 名前: masa
- こんにちはmasaです。
本編の更新です。
どうぞ。 -----------------------------------------------------------------------------------
前回、修学旅行レベル5が始まり、ルール説明を受けた。
修学旅行レベル5開始から約27時間経過。
場所はニュージーランドのとある山中。 吹雪が起こる中、ナギは体を震わせていた。
「全くあの人は。「駄目人間」なのはとっくに知ってたが、あそこまでとは」
ブツブツと文句を言いつつ歩き
「まあ、良い。こんな所で負けてはられんのだ」
ナギこんな所でこんな事になっているのか。それは時間を戻す必要がある。
× ×
白皇からバスに乗った一行は、そのバスに揺られていた。
「このバス、何処に向かってるんでしょうね」 「そんなの、今はどうでもいいですわ」 「え!?」
バスの座席は壮絶な争奪戦の末、ハヤテの隣は綾子が勝ち取っていた。なので綾子はさっきからご機嫌なのだ。 因みに、勝ち取れなかったアテネはさっきから殺気を放ち、隣の男子生徒(モブ)を怖がらせていた。
「お嬢様は大丈夫か?ハヤテの隣、勝ち取れなかったけど」 「構わんよ。ホントは勝ち取りたかったが、仕方ないさ。だが、このレベル5に勝つのは私だよ」 「ま、頑張れよ。サポートしきれない部分も出て来るだろうし」
悠太はハヤテに電話を貰い、金庭が本物の王玉を持っている事を教えられ、、それの回収の手伝いを頼まれていた。
「これからの行き先も気になりますが、それ以上に気になる事があります」 「奇遇ですわね。私も思ってましたわ」
綾子は相変わらずハヤテにベッタリくっつきつつ同意し
「ルールが単純すぎると、そう思ってるんですよね?」 「ええ。コンプレーターのボタンを押せばリタイア。最後まで押さなかった者が優勝。ルールはそれだけだと金庭理事はおっしゃいましたが」 「ルール自体は簡単ですが、賞金は我々財閥の人間でさえ心が動く1億5千万円。旅行期間も九泊十日っと長いですわ。おまけにこんな手の込んだ機会を用意している事は、何かがありますわね」
ハヤテも同意見で警戒しつつ腕のコンプレーターを見ると
「こ、これは!?」 「何かの数字、ですわね」
数字は分数の様に区切られており、分母の部分に何かの数字、分子の部分に時間の様なものが出ていた。
車内がざわついていると、車内の前の方にあるテレビが突然つき、金庭理事が映し出された。
「午前12時になった。ここで「修学旅行レベル5」の補足説明を行う」
車内のざわつきは一旦収まり
「見ての通り、コンプレーターに数字が出ている。分子に当たる部分は残り時間。分母に当たる部分は残り人数だ」 「(残り約220時間。つまりタイムリミットは最終日の午後4時)」
一部の計算の早い面々は直ぐにタイムリミットを計算していた。
「なお、この先は公平を期するために衣類を除く、荷物はこちらで用意したものを使用してもらう。PC・スマホ等は全て没収させてもらう」 「じゃあ、スマホゲームは出来ん訳か」 「ええ。我慢してもらう事になりますね。 それが嫌なら、さっさとリタイアしてください。そうすれば早急にお返ししますから」
ナギは一瞬悩んだが
「ま、仕方ないか。そういう余裕はなさそうだし」 「因みに、記念写真は黒服の方々が随時撮影しますので、後日廊下に張り出された物で欲しい物を希望してください。1枚50円なので」 「そこは普通の修学旅行かよ」
補足説明にカユラが突っ込むと、
「補足説明は以上だ。この先、いかなる理由があろうとボタンを押せばリタイア。最大限に注意しつつ良い旅を」
テレビが消えると、それぞれ雑談に入った。
「今のが補足説明か」 「なんだかあっけないな」
千桜、カユラはこんな感想を漏らし
「なあ泉、分母の部分の数字が減るかどうか試してくれよ」 「嫌だよ。私、優勝したいし」 「ま、良いじゃないか。減るもんじゃないし」 「減るよ!!!優勝したいって言ったじゃん!!」
三人娘は何時も通りな会話をし
「スマホが無いのはちょっとだけ寂しいけど、優勝は私よ」 「愛歌も狙ってるのね。なら負けないわ」
ヒナギクと愛歌さんはこんな会話をしていた。
× ×
それから大分経ち
「ここは何処だ〜〜」 「何で9月なのに大雪原が広がってるんだ〜」
美希と理沙の大声は木霊し
「寒いぞ〜!!凍死してしまうぞ〜!!」 「防寒着は何処だ〜!!」
また2人の声は木霊した。
「ご安心ください。防寒着はあのホテルにあります」 「先に言え〜!!」 「ホテルまで少し距離あるのにこんな所で降ろすな〜!!」
文句を言う2人に泉が
「あのさ、2人とも。何時まで木霊で遊んでるの?普通に言えばいいんじゃない?」 「何を言う泉」 「折角山に来たんだから、こういう遊びで楽しまんと」
泉は2人に呆れ
「泉もどうだ?割と楽しいぞ」 「私は遠慮するよ。面白くなさそうだし」
素っ気ない態度の泉に
「泉の奴、すっかりお利口さんになって来てるな」 「あいつだけおバカ三人組は卒業するつもりか?」
美希も理沙も複雑な感情にみまわれていた。
「うお〜、スゲ〜!!」 「専用ジェットまで飛ばして何処に行くと思ったら、まさか雪山とはな」
テンション高めのカユラと何時も通り冷静な千桜はこんな感想を言い
「でも、ここは何処なんだ?荘厳な景色だが」 「ニュージーランドじゃないですか?」 「え!?分かるのか?」
周囲を見渡しながら現在地を探るカユラにハヤテが言い、それを補足するようにナギが
「日本から10時間かかって、時差は3時間。9月に雪が降ってる所はニュージーランド位だからだろ?」 「ええ。それに、あそこに見えているのは「マウント・クック」ニュージーランドの世界遺産なので、間違いないかと」 「ふ〜ん。ナギも綾崎君も頭いいな」
カユラはハヤテの凄さに益々恋心を強めていた。
「え〜、それでは皆様」 「スキー合宿を始めますので、ホテルのロビーにお集まりください」
黒服2人が言うと
「何だ、スキー合宿なんかするのか?」 「はい。専用のゲレンデで、初心者の方には専用のインストラクターによる講習がございます」
ナギの質問に黒服の1人が答えると
「普通にスキー何ですか?」 「ええ。レストランに食事のご用意もありますので、ご自由にお召し上がりください」
ヒナギクと黒服の会話に
「普通にスキーか」 「何の変哲もない修学旅行みたいね」
千桜と愛歌さんがこんな感想を言っていた。
× ×
それから暫くして。
「お〜、流石ヒナギクだな」 「ああ。何をやらせても上手い」
ヒナギクはスノボで、見事なまでに滑っていた。
「だが、あっちは」 「もっと凄いがな」
2人の視線の先にはハヤテが滑っていて、オリンピック選手が行うような高難度の技を軽々と決めていた。
「こっちも流石だな。あんな技を軽々と」 「白皇最強の名は伊達じゃないよな」
あまりの凄さに素直に感心し、少しの間ハヤテの絶技に見惚れていた。
「「で、こっちは」」
ある程度ハヤテの技を堪能した後、別の所に視線を向けた。 そこには
「その程度しか出来ないんですの?」 「貴方こそ、その程度なんですの?」
アテネと綾子がスキーの技で争っていた。 それは、どちらかが技を出せば自分ならそれ以上が出来るっと言ういわゆる「子供の喧嘩」っと言えるものである。
「その程度しか出来ないとは。やはりハヤテ様の伴侶に相応しいのは私ですわ」 「貴方こそ、その程度しか出来ないんですの?私こそハヤテの伴侶に相応しいですわ」
ゲレンデの雪が融けるほどの激しい睨み合いとレベルの高い子供の喧嘩に
「やれやれ。ハヤテ君が見てないのによくやるよ」 「ホントだよな。作者も言ってるけど、技の難度は高いけど子供の喧嘩だよな」
2人は呆れ、各々楽しむ事にした。
一方、ハヤテはスノボをある程度楽しんだ後、苦戦している組(ナギ、愛歌さん、泉)の元にやって来て
「皆さんは滑れないんですか?」 「仕方ないじゃない。私はスポーツ全般が苦手だし」 「愛歌さんはか弱いですからね」
愛歌さんにフォローを入れ
「瀬川さんは駄目なんですか?」 「うん。冬場のフランスとかには行くんだけど、雪だるま遊びで満足しちゃって」 「瀬川さんらしい可愛い遊びですね」
泉にも笑顔を交えてフォローを入れた。
「えっと。ナギさんは」 「じ、実は滑れるんだ。ハヤテに見てほしいから滑れないふりしてたんだ」 「そうなんですか?」 「見ててくれ」
流石にアテネ達の様なアクロバティックな技は出来ないものの、ちゃんと滑れていた。
「凄いじゃないですか、ナギさん」 「一生懸命練習したんだ。だから、その」
赤い顔でモジモジするナギに、ハヤテは察して
「凄いですよ、ナギさん」 「エヘヘ/////////////////////////////////」
ハヤテに頭を撫でてもらい、照れつつも笑顔だった。
「(冬に向けて悠太に鍛えてもらったのが、こんな所で役に立つとはな。怪我も結構したが、頑張ったかいがあるのだ)」
そう、ナギは冬になったらハヤテとスキーに行きたくて、練習していたのである。
すると、ナギがハヤテの褒められている事に当然、泉も愛歌さんも納得いかず
「ハヤテ君、滑れる様になりたいから教えてちょうだい」 「あ、ずるい〜。私も教えて〜」 「勿論、お2人とも良いですよ」
基本的な事から2人に教え、教え方が良いのもあってか
「凄いわね。運動が苦手な私が滑れる様になっちゃったわ」 「私も出来ちゃった。駄目だと思ってたのに」
初心者の技ではあるが、出来る様になり、漫画の様に「転んで雪だるまになる」は無くなった。
「凄いですね、お2人とも。このままいけば十分楽しめる様になりますよ」 「あ、あのさハヤテ君。滑れる様になったからさ」 「う、うん。わ、私もさ、あのね」
何をすべきか直ぐには分かったものの、少し悩んだ末
「お2人とも、凄いですよ」 「「エヘヘ/////////////////////////////」」
ハヤテに頭をなでなでしてもらい、喜んでいた。 ナギは納得出来なかったが、声を荒げない事が大人だと思い、我慢した
「ところで、悠太は一緒じゃないんですか?」 「ん!?悠太ならあっちだ。私1人でも大丈夫なのは知ってるから、「遊んできていい」って言ったら行ったぞ」 「そうですか」
この光景の一部始終を見ていた千桜とカユラは
「羨ましいったらありゃしない」 「ホントだよな。なまじ滑れるって、嫌だよな」
こんな風に不満を言っていたが、今更ハヤテに教えを乞うのは難しいので、出遅れた事を呪うしかなかった。
「ところでだ。我らが担任様の薫先生はいないのか?」 「確か、仕事の都合で同伴出来ないって聞いたな。あの先生は忙しいみたいだし」
カユラが聞くと、千桜は事前に聞いていた話を教えていた。
更に一方、ゲレンデを楽しんでいた美希と理沙は
「「な、なあ。あんたは」」 「わ、私は「仮面のユキコちゃん」決して怪しい者じゃないわ。決して「賞金の1億5千万円を狙う怪しい者」じゃないから〜」
そう言いつつ離れて行った「仮面のユキコちゃん」を見て
「ありゃ、確かに強敵だが」 「あいつが絶対に逆らえない人がいるから、その人が「ボタンを押せ!!」って命令すれば聞くだろうな」 「っと言うより聞かないと自分の立場が危なくなるから、「聞くしかない」だろうな」
呆れ交じりで言うと、もう1人の仮面の人物に気付いた。
「だ、誰だ、あれ」 「さあ?」
「もう1人の仮面の人物」は美希と理沙の視線に気付き、声を発さずに会釈だけしてその場を離れた。
「確か、理事長が特別に参加を許可した参加者がいるって聞いたが、それがあの人か」 「仮面で分からんが、ただ者ではなさそうだな。間違いなく強敵だな」
すると、「もう1人の仮面」を目撃した面々は
「(あの人、私知ってるような気が。会った事ある様な気が。気のせいかな?)」
泉はこう思っており、
「なあ悠太、あいつって」 「間違いなく、あいつだよな」
戻って来た悠太と「もう1人の仮面」を目撃したナギは、こんな風に話していた。
「ふ〜ん。やっぱり色んな人がいるわね」
ある人物が、スキーを楽しむ面々を見ていた。
「ま、それなりに楽しめそうね」
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次回は続きです。
では。
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