Re: 女神と共に第四部 (9月12日更新) ( No.22 ) |
- 日時: 2018/09/12 17:40
- 名前: masa
- こんにちはmasaです。
本編の更新です。
どうぞ。 -----------------------------------------------------------------------------------
前回、大金庫に侵入したハヤテは最初の関門は突破したが、二つ目の関門として牧瀬恋葉が立ちはだかった。
ハヤテは恋葉と対峙しつつ考え込んでいた。
「(熔岩地帯は渡れない。守護光速拳を駆使すれば何とかなるかもしれないけど、賭けの要素が強すぎて実行は出来ない)」 「(おまけにその賭けは9割9分失敗する賭けですね)」 「(だ、だよね)」
ハヤテは同意しつつ
「(渡る為には架け橋が必要不可欠。その架け橋をかけるためのボタンはこの子が持ってるみたいだけど)」 「(確認した方が良いですね。立て看板が嘘の可能性もありますし)」
白桜に言われ、
「一応確認しますけど。持ってるって事は今貴方が直接持ってるって事ですよね?」 「はい。私が今、直接持ってます」
そう言われ、
「(ど、何処にあるって言うんだ。手に持ってる様子は無いし、水着に怪しい膨らみは無いし)」 「(じゃあ、あの胸の中しか無いですよね。マスターの読み通りなら)」
白桜に言われ、あまりに直接的な言い方に呆れつつ
「(アーたんや神尾崎さん、クリスさん程じゃないけど、かなりの大きさだな。あれ位あれば、ボタンどころか鳩さえも隠せそうだし)」 「(鳩は流石に。ってか私に呆れたくせに冷静に分析しないでください)」
白桜に突っ込まれつつハヤテは推理を続けた。
「(でも、隠し場所が分かった所でどうしよう。アーたん・神尾崎さん・クリスさんだったら、触った所で大丈夫かもしれない。寧ろ「触らせて」って直接お願いしても大丈夫そうだけど)」
まあ、その3人なら「触りたかったの?はいどうぞ」って普通にOKするよね。
「(でも、この人じゃ駄目だ。さっき「告訴する」って言ってたし。「事故だった」ってのも通用しそうにないし)」 「(まあ、ここは例の何とかLOVE的な作品じゃないですしね)」
白桜の意見は尤もなのだが
「(まあ、仮に告訴されても天王州家の権力をもってすれば何とか出来ちゃうだろうけど、そんな強引な手段は使いたくないし)」
ハヤテはあれこれ考えつつ腕時計を見て
「(何時までも考え込んでいる場合じゃないか。早く手を打たないと)」
再び考え始めると
「あ、あの。今何を見たんですか?」 「え!?ああ。時計を見たんですよ。ここにいられる時間は限られているので」
ハヤテが腕時計を見せると、恋葉がスタンガンで腕時計を壊した。
「な、何を!?」 「作者さんの言う通り、スタンガンで時計を壊したんです。痛かったら謝りますけど、これも規約に入っているんです」 「そ、そうですか。まあでも、僕の体内時計は割と正確なので、腕時計が無くても困りませんけど」
ハヤテが言うと、恋葉は衝撃を受けた様に黙り込んでしまった。
「しかし、なんでまたこんなバイトを?事情がありそうですが」
ハヤテが聞くと、恋葉は少しの間俯いて黙り込んだ後
「明後日が、弟の誕生日なんです」 「え!?」 「私、約束したんですよ。新学期に備えて新しい多機能筆箱を買ってあげると。だから」 「この変なバイトをしていると」
恋葉は頷きつつ
「このバイトは時給925円なんです。さっき言った理由でバイト代がどうしても必要なんですよ」
重い理由にハヤテは困惑してしまい、そこに
「もう、帰ってください。貴方が奥へ行くのを諦めてくれれば、病気の母にケーキを買って帰る事も出来るんです」 「し、しかし。僕には果たさなければならない使命が」 「じゃあ、どうするつもりですか?まさか私を押し倒し、私の胸をまさぐるつもりじゃ」
ハヤテはいきなり恋葉を壁ドンし
「貴方の事情は分かりました。辛かったでしょうね。 ですが、僕は大切な人を守る為や大切な使命の為なら、どこまででも非情になれるんです。それこそ鬼や悪魔などと罵られる事も厭わず」
ハヤテが言い切ると、恋葉は目を瞑り
「だったら、貴方の好きにすればいいじゃないですか」 「え!?」 「鬼や悪魔にもなれるんでしょう?だったら実際になって、私の胸を好きにすればいいじゃないですか」
思わぬ発言に驚いていると
「で、でも。貴方が私の胸を好きにすれば、病気の母と幼い男の子が困る事を忘れないでください」 「・・・」 「ど、どうしたんですか!?私の胸を好きにするんでしょう?さあ、早くしなさいよ!!!」
震えながら、涙を流しながらも強い言葉の恋葉にハヤテは
「(これは流石に、無理だね)」 「(ですね。ここまでの事情があるとは思いませんでしたし)」
ハヤテは考え
「(こうなったら、無理やりにでも溶岩地帯を渡るしかないかな)」 「(守護光速拳を大きく発動させれば、何とかなるでしょうが、主である貴方に仕える剣として、それは何があっても止めさせてもらいます)」
ハヤテ自身溶岩地帯を無理やり渡るのは何としても避けたかったが、ボタンの入手は困難。 ハヤテは今迄の執事生命で培った経験を総動員し、打開策を探していた。
すると、ある一つの案が浮かんだ。
「確かに僕はさっき、鬼や悪魔になれると言いましたが、それは相手が悪人限定です。貴方の様な純粋で美しい方には、そんな酷い事は出来ません」 「・・・」 「ですから、僕と取引しませんか?」
壁ドンをしつつ言うハヤテに
「取引、ですか?」 「ええ。貴方が持っている「秘密の橋が架かるスイッチ」を僕に10万円で売ってくれませんか?」 「・・・」
壁ドンを続けつつハヤテは
「それならば、貴方も困らず、僕も目的を果たせます。大丈夫です、必ず払いますから」 「で、でも」 「でしたら、15万円でどうですか?お望みならば、もっと」
ハヤテが更なる増額を提示しようとした所
「本当に、スイッチを渡すだけで15万もくれるんですか?」 「ええ、絶対に。僕は約束は必ず守るんです。約束は、破った事はありません」
するとハヤテは壁ドンに顎クイを加え
「僕の事、信じてくれませんか?後日、絶対に貴方に15万円お支払いします。ですから、スイッチを渡してくれませんか?」
壁ドン+顎クイで、キスが出来る程の至近距離でハヤテが言うと
「分かり、ました。スイッチを渡すので、良いと言うまで後ろ向いててください」 「取引成立ですね。では」
ハヤテは壁ドン+顎クイを止め、少し離れてから後ろを向いた。
恋葉はスイッチを取り出し(ハヤテの読み通り胸から)、ハヤテに手渡した。
「ではまた後日。2〜3日以内には支払いますから」
そう言い残し、ハヤテは部屋を出て行った。
「・・・」
残された恋葉は胸の所で拳を強めに握った。
----------------------------------------------------------------------------------- 以上です。
次回は続きです。
では。
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