Re: 女神と共に第三部 3rd (10月21日更新) ( No.8 )
日時: 2015/10/21 19:38
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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ここは天王州家使用人専用保養所。


ナギが北海道などで色々な目にあっている頃、ルカはこの保養所で唸っていた。
なぜなら、漫画が殆ど進んでいないからである。

考えが煮詰まり、ハヤテを見るといつも通り執事の仕事をしていた。
少しの間見ていると、ハヤテの携帯に着信があった。

「もしもし。ハヤテです」
『あ、サキです。突然すみません』
「構いませんよ。どうしました?」

ハヤテが聞くと、サキさんは申し訳なさそうに一呼吸置き

『実はですね、お店で人手が足りなくて。それでですね、出来ればなんですけど、お手伝いに来ていただけるとありがたいのですが』
「成程。分かりました。すぐ行きます」
『すみません。お礼は必ず致しますので』
「お気になさらずに。では」

電話が終わるのを待ってルカはハヤテに話しかけた。

「どうしたの?」
「知り合いのお店が人手不足みたいで。なので手助けに」
「へ〜。経営者の知り合いなんていたんだね」

ルカはハヤテに笑みを向けた後

「で、そのお店ってどんなの?」
「同人誌ショップですよ」

ハヤテが教えると、ルカの目が輝き

「私も行く」
「へ!?」


                   × ×


「おお〜。秋葉だ〜」

結局ルカはついて来た。幸い?眼鏡とマスクで変装はしているが。

「顔バレしないでくださいよ」
「大丈夫だって」

その通り、何事もなくワタルのお店に着いた。

「すみません。また頼ってしまって」
「いえいえ。困った時は互い様ですよ」

申し訳なさ全開のサキさんを宥め、気にしてない感を出した。

「あの、ハヤテ様。お連れの方は?」
「ああ。彼女はですね」

ハヤテが紹介しようと振り返ると、ルカは薄い本(規制がギリギリかからない物)を見て、顔を赤くしていた。

「何薄い本見て興奮してるんですか」
「し、してないわよ!!/////////」

指摘されて恥ずかしかったのか、慌てて本棚に戻した。
漫才?が終わるとサキさんが

「では、私はちょっと用事があるので、出かけてきますね」
「あ、はい」

サキさんが出掛けた後、商品を陳列していたワタルに話しかけ

「ワタル君、今日は何から・・」

仕事内容を聞こうとしたが、ワタルは固まっていた。

「あ、あの」
「・・・」
「はい?」

ボソボソと何かを言ったので、ハヤテが聞き返すと

「ハ、ハヤテ。あんたの連れ、アイドルの水蓮寺ルカじゃねえか」

開店前の店内と言うのあり、ルカは変装を解いていた。

「な、なんであんたとアイドルが?」
「まあ、色々ありまして」

ハヤテが答えを濁すと、ワタルは

「も、若しかしてさ。メイド服で客引きしてくれるのか?ルカさんが」
「だ、駄目ですよ。仮にもアイドルのルカさんに」
「だ、だよな。ごめん」

素直に謝ったものの、

「でもさ、ウチの売り上げ厳しくてさ」

ワタルに売上表を見せてもらったハヤテは同情しか出ず

「分かりました。客引きなら僕がしますよ」
「い、良いのか?」
「元々お手伝いするつもりで来たので」

ハヤテは開店準備も手伝い始めた。
ルカも手伝おうとしたが

「あ、ルカさんは上の住居スペースで休んでてください」
「で、でも」
「アイドルの貴方にそんな事させられないので。あ、さっきのは冗談だったので」

そう言うと、上の住居スペースにルカを促し、ワタルも開店準備を再開した。

少しするとサキさんが戻って来た。

「よしっ、サキも戻って来たし、今日こそでっかく売るぞ」

サキさんは買ってきたものを冷蔵庫などにしまうと、ハヤテと共に外に出た。


                  × ×


「お店大変そうですね」
「すみません。心配させるようなところ見せちゃって」

サキさんが先程買ってきたものは、〜%引きとか、半額とかのシールが貼られた物ばかりだった。

「生活を切りつめても、栄養あるものを食べていただきたいので」
「なんか、気持ち分かりますよ」

ハヤテとサキさんがビラ配りをしている頃、ルカは言われた通り住居スペースで休んでいた。
とはいっても、

「チェックされた安売りのチラシに、ポイントカード。低予算で作れるレシピに、集めると色々と貰えるシール。凄い生活感だな」

ついつい室内を観察してしまった。

「いい加減、漫画描かないとな」

いまだ白い部分が大半を占めているネーム表を見てルカは、ナギが「面白い漫画を描くために京都へ行く」と言う言葉を思い出していた。

そして壁にかけてあったメイド服が目に入り

「よし、完璧っと」

メイド服に着替えると、鏡の前がポーズを決めていた。
すると

「あ、あの。まさか客引きしてくれるんですか?」

ワタルが部屋の入り口にいて、驚いていた。

「流石に「水蓮寺ルカ」としては出来ないわね。パニックになっちゃうし」
「ですよね〜」

落ち込むワタルにルカは

「大丈夫大丈夫。良い案あるから」


                    × ×


「いらっしゃいませー。コミックVタチバナへようこそー」
「あ、あの」

ハヤテはどう声をかけたらいいか迷っていた。
なぜなら、ルカがメイド服を着て、仮面をつけて客引きを始めたからだ。

「フッフッフー。私はね、店の売り上げを守る魔法少女・ややクリーミー☆マミよ」

堂々と名乗ったルカにハヤテは呆れ、突っ込む気が失せた。

「これ位しないとアイディアが出なくてね」
「はあ」

心配するハヤテをよそに

「凄いな。仮面をしててもアイドルだ」
「お客さんが増えましたね」

集客率が上がっていた。

「(仕方ない。万が一があったら、天王州家の権力で揉み消すか)」

ルカを止められないと悟り、ハヤテがこう思うと

「あ、あれはまさか!?」
「(早速か)」

ハヤテがどう揉み消すか考えようとしたが

「俺の綾崎じゃないかー」

声を発したのは変態・・・虎鉄だった。
ハヤテに抱き付こうとしたので、ハヤテは一瞬で20発以上のパンチを叩き込み

「コミックVタチバナへようこそー」

何事も無かったかのように客引きを再開した。

「あ、あのさ」
「気にしないのが普通です」
「ならいいか」

ワタルもサキさんも気にせず、ルカも「気にしなくていいか」と言う気持ちしかなく、客引きを再開させた。


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以上です。

次回はナギサイドです。

では。