Re: ハヤ☆すた 短編 (12月16日更新) ( No.18 )
日時: 2015/12/16 20:22
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
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「さあ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「フンガー」
「まともに始めなさいよ!!」
「あ、あはは」


                     × ×


ある日の泉家。

「やほ〜っ。ゆたかの合格の報告と挨拶に来たよ〜」
「やあ、いらっしゃい」

テンション高くやって来たゆい姉さんに、こなたもそうじろうもいつも通り迎え

「こ、これから色々とご迷惑かけると思いますが、どうぞよろしくお願いします」
「自分の家だと思って寛いでいいよ〜」
「あ、はい」

「まずは、合格おめでと〜」
「あ、ありがと〜」
「いやはや。あの陵桜に受かってよかったよ」

「ホントだね〜。例のハンカチも返せるね」
「うん」

ワイワイと楽しむ面々を見てそうじろうは

「(なんだろう。「オタクの勘」と言うべきなのかな?このゆーちゃんが新たな火種になる気が。まあ、ともかくだ、俺は勝ち組だよな)」


                   × ×


時間は少々遡り、ゆーちゃんの陵桜受験日。

元々病弱なのもたたり、入試と言う極度の緊張のため、気分が悪くなり、トイレにいた。すると

「あ、あの。大丈夫?」
「え!?」
「保健室まで一緒に行こうか?」

無事入試も終わり

「そんな感じで声をかけてくれて、ハンカチも貸してくれたんだ。仲が良い友達も出来そう」
「でもさゆたか。その人落ちてるかもよ」

ゆーちゃんは一瞬暗くなったが

「そ、そんな事無いよ。ああいう良い人は絶対に受かってるよ〜」
「そ、そうだね。ごめんごめん。でもさ」
「あ、頭だっていいに決まってるよ〜」

「でもさ、ゆーちゃん。その人はともかく、ゆーちゃんが落ちてる可能性もあるんだよ」
「うう。その可能性はあるかも」
「めんごめんご。ゆーちゃんは大丈夫だよ」

「あ、そうだ。合格発表の日なら、結果はどうあれ会えるかも」

ゆーちゃんは鞄の中を漁り、学校からもらったプリントを見た。
するとそこには「合否にかかわらず、郵送にて結果を通知いたします」と、今のゆーちゃんには少々酷な一文が書かれていた。

「うう〜」
「ドンマイドンマイ。きっと神様はゆーちゃんの味方だよ」

無事合格し、入学説明会。

「あ、あの」
「ん!?」

ゆーちゃんは無事にハンカチを貸してくれた女の子に会えた。

「合えて良かったです。ずっとこれを返そうと思ってて」
「態々これを届けに?」

女の子はハンカチを受け取りつつ聞き、

「ありがと。でも、これはあげたつもりだったの。会えると思ってなかったし」
「もしかして、私が落ちると思ってました?」
「あ、そっか。同学年か。ごめんなさい」

「あう。受験生の身内だと思ってたのか」

話ながら歩いていると、バス停に着き

「じゃあここで。私、今日家の車だから」
「あ、はい」

ゆーちゃんは少し間を空け

「あ、あの。これから3年間よろしくお願いします」
「うん」

去っていく少女を見送りつつ

「良かった。早速あんな良い人と友達になれて。これから楽しくなりそう。・・・って、あ!!名前聞いてない」


                    × ×


時間を戻し、現在。

「ゆーちゃんらしいねえ。今度会ったら名前聞きなよ」
「うん」
「ん!?ゆーちゃん若しかして、体調悪いの?」

「ちょっと車に酔っちゃって。ごめんね、早速心配かけちゃって」
「ゆたかは体弱いね〜」

「(いやいや。半分以上は貴方の運転のせいでしょ。少しは自覚しようよ)」

こなたは心の中でゆい姉さんにツッコミを入れていた。

「でも、出身中学から陵桜に行くの私だけだし、今日みたいに直ぐ体調悪くなっちゃうから、クラスに馴染めるか心配だな」
「ゆたかは良い子だから大丈夫だって」
「もう。また子ども扱いして」

するとこなたの脳内で、「病弱、妹属性、素直=歩く萌え要素」っという計算式が完成し

「ゆーちゃんはうちのみゆきさんと組んだら凄い事になりそうだ」
「???」

そして翌朝。

「ん〜。あ、ッそか。今日からこなたお姉ちゃんの家だっけ」

起床したゆーちゃんはそんな感想を漏らし、部屋から出て廊下を歩いていると、こなたの部屋から物音がするのに気付き

「お姉ちゃんおはよ。お休みなのに早いんだね」
「あ、おはよ〜。早いっていうかさ〜、徹夜してたから今から寝るんだよ、私」
「本当に環境変わったんだな〜」

本来なら呆れる行動に、ゆーちゃんは好意的に受け止めていた。


                    × ×


「私達も来年は受験なのよね」
「そうだね。デートの回数も減っちゃうね」

ハヤテとかがみはデートしてて、こんな会話をしていた。

「最近家に塾とか教材の勧誘が多くて困ってるのよね」
「気持ち分かるよ。僕の場合、中学上がる前とか、高校上がる前もそうだったし」
「あんた、その頃から頭良かったのね」

「まあでも、今は平気だけどね。三千院家は、未登録の番号からじゃかけられない仕組みになってるし」
「こなたじゃないけど、ナギちゃんたちが羨ましくて仕方ないわ。家じゃそんなセキュリティ望めないし」
「そっか。かがみの家は今じゃ絶滅危惧種って言える黒電話だったね」

「で、ハヤテは塾とかに行った事あるの?」
「無いよ。言ってるでしょ?執事になって余裕が生まれたって。塾代なんて出せる訳ないじゃん」
「そ、そうだったわね。じゃあ、教材も自分で探して?」

「そうだよ。本屋とかで安くても、効率が良いのを探して勉強してたよ」
「そう」


                    × ×


ある日の秋葉。

「ぬぐしゃあ」
「ど、どうしたのこなちゃん」

「つかさ〜この世は非情だよ〜。情け容赦なんかないよ〜。この前ちょっとほしいポイント景品があって、散々悩んだ末交換してもらったんだけど、今は即決で欲しい景品があるんだよ〜。全然ポイント足りないんだよ〜」

「あんた、人生楽しんでるわね」
「やれやれ。じゃあ、僕のポイント使いなよ。結構たまってるし」
「おお〜。神様仏様ハヤちゃん様〜。ってか、随分たまってるけど、どうしたの?」

「お嬢様の買い物だよ。ネットじゃつまんないらしくてさ」
「でもいいの?」
「「ポイントはハヤテの好きにしろ。私には不要だ。それに、欲しい景品があれば、駄賃変わりだ」って言われるから」

「助かるよ」

こなたは欲しい景品を手に入れた。

店を出た一行は近くのファミレスにやって来た。

「禁煙席と喫煙席、どちらになさいますか?」
「私たち全員未成年なので、禁煙席で」
「では、お席にご案内します」

「あ、私トイレに行ってからにするよ」

つかさがトイレから戻ってくると、こなた達は席についていた。

「あのさ、ハ〜君。こういうお店ってさ、トイレって喫煙席側にある事が多いよね?なんでかな?」
「ボヤとかが出た時に便利だからだよ」
「こなたの言う事も一理ありますね。火を使う関係上、万が一は初期消火が大切ですし。後、においの関係もあると思いますよ」

「流石ハヤちゃん。それに比べて社会貢献したことのない人は」
「う、うるさいわね。ってか、食事前に止めないか、この話題」
「た、確かにね。食欲失せるよ」


                       × ×


「なあハヤテ」
「はい?なんですか?」
「ニュース見てて思ったんだがな、子供を狙う犯罪も増えてるよな」

朝食を終え、ティータイム中にナギに言われ、ハヤテは

「そうですね。お嬢様も注意してくださいよ」
「分かってるよ」
「まあ、こなたの父であるそうじろうさんは「けしからん!!だが、羨ましいだろ」っていうでしょうね」

「まあ、私が言うのも変だが、こなたは小さいからな」
「確か、自分より小さい従妹がいるって言ってましたし」
「そっか」

「あの人の事ですから、危ない一線は越えないでしょうけど」
「友人の父が捕まったなんてニュース、私は聞きたくないぞ」

「(あらあら♪面白そうですから、警察に密告しようかしら♪面白そうなことになりそうですね〜♪)」


                     × ×


「ごめんくださ〜い」
「は〜い」
「遊びに来たよ〜」

こなたは柊家に遊びに来ていた。

「ねえつかさ、かがみは?」
「ハ〜君とお出かけ中。あ、デートじゃないって」
「やれやれ。青春してる人は違うね〜」

「こなちゃんは青春してみたいって思うの?」
「どうだろ。分かんないや。つかさは?」
「わ、私も分かんないや」

ゲームを止め、2人して日向ぼっこしていた。

「春だねえ」
「春だねえ」

「最近温かくなってきたねえ」
「そ〜だねえ」

「春休みは宿題が無くてのんびりできるね〜」
「そ〜だねえ」

「そう言うセリフは、何時も宿題を一生懸命やっている奴のセリフだけどな」
「「あ、あはは」」

「お姉ちゃん速かったね。後、ハ〜君いらっしゃい」
「こんにちは」

「今日はデートじゃなかったからね。だから早めに切り上げたのよ」


かがみがこなたのゲームを見ていると

「あんたさ、こういうロボットが出るゲームって、キャラ分かるの?」
「ある程度はね」
「ああ、そう。で、あんたの趣味っておじさんの影響だったわよね」

「そだよ」
「じゃあさ、小さい頃の女友達の話題って、着いて行けなかったんじゃない?」
「いんや。普通に着いて行けたよ」

「あ、あそう。あれ?」
「類は友を呼ぶ、か」


                    × ×


またある日。

「おっす」
「ヤフー。紹介するね、この子が従妹のゆーちゃん」
「初めまして。小早川ゆたかです」

「私の友達のつかさとかがみとハヤちゃんだよ」
「ああ。お姉ちゃんが良く話してる」
「へえ。なんて聞いてるのかしら」

返答に困るゆーちゃんに

「あんた、なんて教えてるのよ。なんとなくで察しはつくけど」
「か、かがみ落ち着いて。こなたのこういう所にいちいち突っ込んでたら身が持たないよ」
「全くもう」


「ゆたかちゃん卒業式は終わったの?」
「あ、はい。先日」
「卒業式か〜。懐かしいわね」

「私は卒業式覚えてないな〜。ハヤちゃんは?」
「一応覚えてるよ。小学校の時は、そうでもなかったけど、中学の時は泣き付かれた事あったけど」
「へえ〜。 ゆたかちゃんは、誰かから第二ボタン貰ったの?」

「いえ。うちはブレザーでしたから」
「そうなの。ハヤテはどうなの?あげる側だけど」
「中学の時も、前の高校の時もブレザーだったから、あげてないし、僕のを欲しい人なんていないでしょ」

居間に着き、くつろぎつつ話の続きをし、

「そう言えばさ。好きな人から何かを貰うって、今ではやって無いんじゃないかしら?」
「そうなの?私もやって無いけど、なんか寂しいね」
「まあ、ごく一部の人はやってるんじゃないんですか?噂は聞いた事ありますし」

「そうそう。偶にネットで見かけるよ。 でもさ、そう言うのって「好きな人のを」貰うんでしょ?」
「そうなんじゃない」
「まあ、違ったとしたら「憧れの先輩」とか「部活で世話になった部長」位だね」

「ハヤちゃんのあげた例はともかく、好きな人なら告白してその人をゲットした方が効率いいんじゃない?」
「それが理想だね」
「出来ないから、「せめてボタンくらいは」、なんでしょ。要は」
「成程。じゃあさ、ゆたかちゃん好きな人とかいたんじゃない?」

「いえいえ。私休んでばっかでしたし、行ったとしても気分悪くなっちゃって、周りのテンション下げちゃいますから。それに背も小さいですし、体形も子供っぽいので、誰かを好きになるとかなられるとかないんですよね」

「大丈〜夫。ゆーちゃんは相手を選ばなきゃ、需要はあるって」
「じゅ、需要?」
「まあ、「保護欲を掻き立てられる」っという意味では、恋愛とは違う意味の好意はあったでしょうけどね」


「あ、そうだ。ゆーちゃん卒アル見せてよ」
「わ〜。見たいみたい」
「な、なんか恥ずかしいな」

そう言いつつ、ゆーちゃんはアルバムを持って来て見せた。
こなたはパラパラとページをめくり

「ゆーちゃん何組?」
「今撮影の時の欠席者の丸いところ見てから聞いたでしょ」
「あ、やっぱりばれた?・・アウチッ」

「こなた、身内だからって失礼だよ」
「うう〜。ハヤちゃん、かがみの時以外の制裁は止めようよ」
「自業自得だよ」


「え!?高校と中学の違い?」

ゆーちゃんに聞かれたかがみは少し考え

「部活動が強制じゃない所とか」
「つかささん、それは違うんじゃないですか?中学でも強制じゃない所もありますし、高校でも強制の所はあると思いますよ」
「そっか」

「陵桜は進学校だから、学習内容は多くて速いかもね。後、通学時間もかかるから体力付くかもね」
「決定的な違いは小中高と上がるにつれて居眠りの時間が増えるところ。特に苦手科目」
「分かる分かる。先生の言ってることが外国語に聞こえたり」

「くれぐれもあんな風にはならないように」
「そうですよ。典型的な「反面教師」ですからね」
「は、はあ」

「まあ、ちゃんとした例を挙げると、「義務教育か否か」ですね。中学は全く行ってなくても、下手すればオール1でも卒業は可能ですが、高校じゃ出席日数が足りなかったり、成績不振で留年・退学もあり得ますからね」

「そ、そうなんですか。がんばろ」


「ん!?ゆたかさん、中学時代の制服取っといてあるんですね」
「あ、はい。うちの制服地味なので、私服に使えると思ったので。ここは地元じゃないので」
「成程。でも、地味じゃないと思いますよ。可愛らしいですって」

「そ、そうですかね?/////」
「ム〜」

「かがみ達は制服どうしてるの?」

悪くなりそうな雰囲気を察して、こなたが話題をそらした。

「私達は近所の年下の子にあげたわよ。あんたは?」
「私の?」
「まあ、あんたのじゃ貰い手居ないでしょうけど」

「うるさいな。失礼だな」

こなたはぶすっとしつつ

「私はゆーちゃんと同じで取っといてあるよ。「コスプレ用」にね」
「コ、コス」
「こなた。君とゆたかさんじゃ目的違うでしょ」

「いやいやハヤちゃんや。コスプレでしょ」
「それは君だけなの」
「だからさ」

「また制裁あげようか?」
「か、勘弁して」

「それにしても母校か。こういう話をしてると、小学校とか中学に顔を見せに行きたくなるわね」
「でもさ。乱入闖入事件が多いから、変な目で見られるかもね」
「まあでも。あんたの場合は大丈夫でしょうけど」
「それは若しかしなくても褒めてないよね」

「まあ、僕は簡単にはいかないけどね」
「な、なんで?」
「つかささん、僕が福岡から引っ越して来たって忘れてません?つまり、小中と母校は福岡にあります」
「あ、そっか。ごめんごめん」

「じゃあさ、ハヤちゃん。中学時代と前の高校の制服はどうしてるの?」
「取っといてあるよ。こなたと違って「思い出用」にね」
「ああ、そうですか」


「お休みって、過ぎるの速いよね」
「そうね。もう学校だもんね」
「春は身体測定とか体力測定とかあって面倒だよね」

「でもさ。こなちゃんは運動神経が良いからいいよね」
「ねえハヤちゃん、「運動神経」ってどこの神経なのさ」

「体や内臓の筋肉を動かす指令を伝えるための神経の総称だよ。頭は脳神経、体は脊髄神経・遠心性神経だね。体性運動神経は物を持つなど動く時のものだね。内臓運動神経は基本的には自律神経で自然とおこなわれてるね。これはストレスなどの影響を受けやすいのが特徴かな」

「へえ。ハヤテさんって博識なんですね」

ハヤテの解説にゆーちゃんが感心していると

「ハローエブリワン。遅くなったけど、ゆたか卒業おめでとー」
「おお姉さん。いらっしゃい」

ゆい姉さんがいつも通り?テンション高くやって来た。

「今日は卒業祝いって事で、飲みにいこー。おごっちゃうよー」
「お、お姉ちゃん。それは駄目だよ」

「お巡りさん、我々未成年なんですが」
「未成年に飲酒させたとなると、それはそれで大問題ですよ」

「お姉ちゃん、私たちはそう言うお店にはまだ入れないと思うけど」
「だいじょうびだいじょうび。堂々としてればばれないって。私だって学生時代ばれた事無いって」

「いやいや。主にあなたの身内のせいでばれますって」
「ばれなかったらそれは相当な奇跡ですって」

常識人2人(かがみとハヤテ)は呆れツッコミを心の中で入れていた。


かがみ達が帰った後

「ねえお姉ちゃん、お姉ちゃんとハヤテさんってさ」
「ん〜!?何を聞きたいか何となくで分かるけど、ハヤちゃんとは友達だよ〜。第一、ハヤちゃんには恋人がいるって」
「そ、そうなの?」

「かがみだよ。付き合って、そろそろ1年経つよ」
「そ、そうなんだ。ほ、ほら。ハヤテさんって、優しくてかっこいいし、博識だな〜ってちょっと思っちゃって」

誤魔化し気味に言ってきたゆーちゃんに

「(ゆーちゃんまさか。いやいやあり得ないって。ハヤちゃんが天然ジゴロだったとしてもね)」


                    × ×


別の日。

『もしもしこなた。どうしたのさ』
「いやさ〜。「姉としてのプレッシャー」が分かるようになってきてさ」
『へ!?もしかして、ゆたかさん絡み?』

「そうそう。ゲームやってたり、チャットやってたり、料理してたりすると尊敬の眼差しを向けられてねえ」
『ああ、そう。まあ、頑張ってとしか言えないよ。って事はさ、お昼は今まで通りにはいかないよね。こなたの事だから「お昼はお弁当作ってるのか?」っと聞かれて「うん」って答えそうだし』

「そうなんだよね。まあ、ゆい姉さんを見てると、人によりけりなんだけどさ」
『そう思うなら、こなたは頑張んなよ。勉強以外でも反面教師は嫌でしょ?』

「そうだね。でさ」
『な、何!?』
「なんでも無いよ。気にしないで」
『ああ、そう』

「(確証無いからね〜。まあ、あっても言うだけ無駄かな)」


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以上です。

では。