Re: 女神と共に第三部 2nd (9月9日更新) ( No.81 )
日時: 2015/09/09 22:14
名前: masa

こんにちはmasaです。

本編の更新です。

どうぞ。
-----------------------------------------------------------------------------------

さて、今回は趣向を少し変えて、ある人物の日常?をお送りします。


春風千桜。彼女は普段天王州家に住み、(内緒で)咲夜のメイドをしています。それ以外にも彼女はバイトをしています。

アニメイト。ここはアニメ好きにとっては楽園であり、同じくアニメ好きの人達に支えられている。

千桜はここでもバイトをしていた。
彼女は気付いていないが

「(可愛いな)」
「(まさに天使だ)」
「(クソッ。うちにはあんな可愛い子は居ないというのに)」

店に来る客や同僚。そして他店の店員にこう思われていた。

「あ、先輩。これの在庫もうないんですが」
「あ、ああ。注文しておくよ」

彼は千桜の先輩で、例に漏れず千桜に好意に近い物を持っていた。

「(彼女は凄いよな。地味目だけど真面目。誰に対しても分け隔てなく優しく接し、優秀で物静か、愚痴や嫌味を一切言わないよな)」

勤務態度が真面目なうえ、自身の趣味が似ているというのも理由だが、

「お疲れさま」
「お疲れ様です」

仕事が終わり、帰ろうとしたとき

「あ、先輩、これどうぞ」
「こ、これは?」

差し出されたポットを受け取りつつ聞くと

「知り合いの料理上手の人から教えてもらったミルクティーですよ。残業続きでお疲れかなと思って。休憩時間に作っておいたんです」

真面目な顔でこう言われ

「わ、態々僕のために?」
「ええ。疲れた体に効きますよ」

笑顔を向けられ、赤面しつつ

「あ、ありがと」
「いえいえ。ポットは明日返してくれればいいですよ」

そう言うと、千桜は帰って行った。

「(優しいよな。同僚に過ぎない僕のためにこんなものを)」

母親以外で女性に優しくされることに免疫が無いので、効果覿面なのである。


                    × ×


別のある日。

「先輩、来週からのシフト、相談させてもらっていいですか?」
「構わないよ。若しかして、夏休み?」
「あ、はい。休みの日ならば結構がっつり入れるかな。っと」

現在、休憩室に2人きりというシュチュエーションである。
この先輩は多少意識したのか

「春風さんは旅行とか行かないの?」
「行きたいんですけどね〜。金銭面でどうも」

この先輩は女性との会話は連絡事項などの必要最低限の会話も含めて合計しても3分程度である。
千桜の含みを持たせていると言える物言いに意識していると

「先輩の予定はないんですか?」

畳み掛ける様な発言に「チャンスだ」と思い、1秒にも満たない模索の末

「じ、実は。海に行く予定があるんだ。だからさ」
「へ〜、海に。良かったですね」

ハヤテの鈍感スキルが一緒に生活しているうちにうつったのか、気付かぬうちにスルーし

「あ、休憩時間終わりですね。先に店に戻ってますね」

千桜が休憩室を出た後

「あ、あはは。分かってたさ。夢なんてものは寝ているときに見る物なのさ」

乾いた笑いをするしかなく、小さく愚痴を言った後、休憩室を出た。


                     × ×


で、また別の日。

「え!?先輩、「オヨネコぶ〜にゃん」持ってるんですか?」

ふとした切っ掛けで好きなアニメの話題になり、こういう話が出た。

「まあ、昔VSHに録画した奴だけどね」
「あれってDVDになってないんですよね。凄いですね」

千桜がこう言うと、

「よかったら貸そうか?」
「え?いいんですか?」
「構わないよ。何だったら、この後家に来る?近所だし」

この提案に千桜は

「いいんですか?だったら是非」

で、仕事終わり。

「はいこれ。結構重いけど」
「うわー。ありがとうございます」

千桜は笑顔になると、

「私、先輩が優しい人で良かったと思ってます。お世辞とか抜きで」

千桜に褒められ、

「(チャンス、なのか?で、でもここで焦って告白なんて愚の骨頂だよな)」

心の中で深呼吸し、

「あ、あのさ。前にミルクティー作ってくれたよね?」
「あ。味はどうでした?」
「美味しかったよ。なんというか、「疲れのとれる優しい癒しの味」だったよ」

少し間をあけ、

「で、でさ。誰に倣ったの?あれ。普通じゃ辿り着けない領域だよ、あれ」

千桜は少し悩んだ末

「そうですね。一緒に住んでる男の子からです」
「そ、そうなんだ。あ、あはは」
「ど、どうしたんですか?」

突然笑い出した先輩に困惑したが

「な、何でもないよ。じゃあ、また」
「あ、はい。このビデオ、なるべく早く返しますね」
「い、急がなくていいからね」

あいさつすると、千桜は帰って行った。

「(そ、そうだよね。あれくらいの年齢なら、同棲してても不思議はないよね。儚いよな)」

そう思い、自宅に入って行った。


「(先輩、なんであんな質問を?まあ、嘘じゃないし、いいか)」

千桜はハヤテ直伝?の鈍感スキルで理解できてないようだ。


-----------------------------------------------------------------------------------
以上です。

次回は未定です。

では。