【2024.11 第13話更新】しあわせの花 Cuties ( No.52 ) |
- 日時: 2024/11/30 16:30
- 名前: ロッキー・ラックーン
- こんにちは、ロッキー・ラックーンです。
アリスちゃん誕生日記念です。 なんとか今年も1話作ることができました。
今回はヒナギクの心の中の魔王様が出てくる話です。 やたらと出てくる「くっくっく」という口癖はあとがきで説明します。
それでは、どーぞ!
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☆11月中旬
「ふたりで買い物なんて久しぶりねー」
「そうですね」
アリスがナギとハル子と一緒に遊びに行ったので、久しぶりのハヤテとの二人の休日。 私たちはちょっとお出かけをして、東京でも海沿いのショッピングモールへお買い物に来ていた。 そんななか、私、桂ヒナギクは苦悩していた。
しあわせの花 Cuties 第13話【 桂ヒナギク3 】
「アーたんと一緒も楽しいですけど、自分の買い物には集中できないですからね」
「今日はアリスの誕生日プレゼントや、私たちの買いたいもの一気に買うわよ!くっくっく…」
そうだ、久しぶりの二人きり…
手をつなぎたいな
私の心の中の魔王様がつぶやく。 アリスが一緒だとなかなか難しいからね。この機会、久しぶりに手でもつなぐとしましょうか。
「この服いいですね、ヒナに良く似合いそうです」
「くっくっく」
「あ、僕あれ気になってたんですよね!見てきてもいいですか?」
「くっくっく」
……
「くっくっく……」
なんだかドキドキして手がつなげないッ!
なぜなの?恋人になってすぐの頃は自然につないでいたのに… 家族のようになって長くなってしまったからか、いざ手をつなごうと思っても恥ずかしい気持ちになってしまうわ…! 不測の事態よ…いったいどうすれば…
そうだ、超スピード!
照れを意識する間もないほどの超スピードでにぎってしまうのよ! 誰も認識できないほどの超スピードで…!
桂ヒナギクスピードフォーム!
これでハヤテに気付かれないほどのスピードで手を握ってしまえばいいのよ! 我ながら、なんて魔王様的発想なの…くっくっく。
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「なあ、アーちゃん。ヒナギクのスピードフォームっていったいなんなんだ?」
「あらナーちゃん、知らないのですか?他にもアタックフォームやディフェンスフォームなど複数のフォームがあるそうですわ」
「いや、だからそのフォームっていうのが分かんなくて…」
「こまけぇことは気にすんな!ですわ♪」
「ぐぬぬ…。まあ気にしないのは良いとして、スピードフォームになってもハヤテのそばでソワソワしているだけなのはどーゆーことなのだ?」
「そうですわね、ヒナは大事なことに気付いてないのですわ」
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スピードフォームになって5分経過…。
あ…今…ようやくわかった。
超スピードになっても、最初の一歩を踏み出す勇気の量は同じなんだ…。 この私の魔王様的発想にこんな落とし穴があったなんて…!
「あ、このコップかわいいですねー!アーたん使ってくれますかねー?…って、うおっ!?なんでスピードフォームになってるんですか?」
お買い物に夢中になっててやっと私の変化に気付いたハヤテ。驚かせてしまったみたい。
「少し…悩み事があってね」
「悩みですか」
私はなんて臆病者なのだろう。ハヤテを前にすると、普段の自分が出せなくなってしまう。 告白をしてくれたのもハヤテからだった。あの時はナギの言葉に甘える形で、自分から告白せずに欲しい結果を得られた。 でもそれが無かった場合、最初の「自分から告白しよう」という決断を果たせたのだろうか?今となっては自信が無い。
「無敵の生徒会長様でも悩みがあるんですね。ほらほら、落ち着いてください」
そう言いながらハヤテは私の両手を優しく握ってくれた。はからずも、目的達成となった訳である。ハヤテの温もりを感じながらスピードフォームから通常状態に戻す。
「くっくっく」
「あ、戻りましたね」
「…私は無敵なんかじゃないわ」
愛されたい…触れていたい…独りになりたくない…振り返ってみたら私、自分の事しか考えてないな。 そんな私に、いつだってハヤテは欲しいものを与えてくれる。私はあなたの勇気に甘えてばかり。 『あなたがこの世界にいると思うだけで生きていける』だなんてステキな歌詞の歌があった気がするけど、今の私じゃあ口が裂けても歌えないわね。
そのまま手をつなぎ直してお買い物続行。先程よりゆっくりになる歩調が心地よかった。
「ふふっ」
「ん?どうしたの?」
「実はさっきから、ヒナと手をつないで歩きたいなーって思ってたんですけど、なんか照れくさくて…。それで、どさくさに紛れて握っちゃいましたけど、実際手をつないでみると別に恥ずかしがる事でもなかったんだなぁーって。ヒナが何故かスピードフォームになってくれたおかげですね。ありがとうございます」
「ハヤテ…」
この人も私と一緒で、自分一人では勇気が出せなかったんだ。 ハヤテが勇気を出すきっかけを私が作れたのであれば、まあ良しとしましょうか。 自分一人で頑張らなきゃいけないと思い込むのはやめよう。
「私こそ、手をつなぎたいと思ってたけど勇気が出なくてスピードフォームでごまかしていたわ。ハヤテが一歩を踏み出してくれた。だから…ありがとう」
「そうだったんですか。僕たち似た者同士ですね」
「そうね」
なんだかんだで、「手をつなぎたい」という目標は二人で達成することができた。 これからもこうやって、お互い未熟な部分を支え合いながら彼と生きていきたいなと心から思った。
「ほら、いきましょう!はやくしないとアーたんたちが帰って来る時間になっちゃいますよ」
「ええ、そうね。アリスの誕生日プレゼント、何にしようかしらねー?」
お買い物をした。
【つづく】
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【あとがき】
「姫様"拷問"の時間です」11巻、拷問150の、ショッピングモールでお妃様となかなか手をつなげない魔王様のお話のパロディでした。 「くっくっく」は元ネタの魔王様の口癖です。
「ひめごう」、タイトルは物騒なのですが頭空っぽにして読める作品です。とっても面白いのでぜひ読んでみてください。 2024年でいちばん好きなアニメだったので、せっかくなのでパロディにしました。 アリスちゃんへのプレゼントは何を買ったんでしょうかね。
家族でいることに慣れすぎてしまった二人の話でしたが、元ネタの魔王様はまもなく小学生になる子どもがいるタイミングです。ここのハヤテとヒナギクには早すぎと思いつつも、アリスちゃんのおかげでそれに慣れちゃっているということにしておいてください。
■『あなたがこの世界にいると思うだけで生きていける』 3期OP「CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU」の歌詞ですね。2023年の7月にハヤテ役の白石涼子さんとヒナギク役の伊藤静さんのライブでお二人が歌っていたのを聴いたところから、いつかネタにしたいなと思っていたところです。あの二人がこの歌歌うのはエモすぎるでしょ・・・。最初はリアルでのライブで始まった「涼子と静とおビールさん」という番組ですが、今は毎月配信をして歌を歌ったりお酒を飲んだりしてお話するのを見せてくださってます。気になる方はぜひ検索!
■スピードモード 元ネタの魔王様がスピードモードになれるので、ヒナギクさんにもなっていただきました。具体的なイメージは全くないですが、ヒナギクにならできるでしょう。途中のアリスちゃんとナギのツッコミですが、どこかから覗いているのでしょうか。「あ…今…ようやくわかった。」というのはハヤテ10巻のヒナギクがハヤテを好きだと気づいた時のモノローグそのままを惜しげも無く無駄に使ってます。
さてさて、最後になります。 主役二人のお話…見返してみると、第8話「綾崎ハヤテ」以来でした。 2016年11月に投稿…8年ってうせやろ。 二人には大変長いことお待たせして申し訳ないと思う一方、細く長ーくまだ付き合って欲しいなというのが実際の思いです。 8年前と変わらずに接してくださる止まり木民の皆様に感謝の気持ちを送りたく思います。ありがとうございます。
さて、今年ももう残り1ヶ月。月日が経つのは早いものですね。 また投稿できるように細く長く続けていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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