Re: 「書き方議論スレ」発新企画(企画名未定)〜作品募集中 ( No.9 )
日時: 2013/10/04 22:32
名前: kull

初めまして。kullと申します。
少し恐れ多いですが、投稿させてもらいます。
お二方がお題を提示されていますが、今回はロッキー・ラックーンさんのものを使わせていただきます。
ピアノフォルテさんのものも是非挑戦してみたいのですが、既に大分完成されてしまっているので、自分の文章力では改悪になってしまいそうだったので・・・・。

千桜視点で進めたいと思います。




「みんな、庭に集合するのだ!!」

庭で大きな声がした。どうやらナギが呼びかけているようだ。
まだ朝食を食べたばかりだというのに、朝から元気なお嬢様である。
無視してもよかったが、仕方なく庭に向かうことにした。

「朝からどうしたんだ?何か重大なお知らせでもあるのか?」

既にアパートの住人は皆集まっていた。
日曜日の朝だというのに、このアパートの住人は早起きなものである。
・・・・・ん?よく見たらアリスはいないようだ。相変わらず朝は弱いのだろう。

「お嬢様、こんな朝早くに人を集めてどうしたんですか?」

「今日皆に集まってもらったのは、他でもない。この私、三千院ナギが発見した『あるもの』を見て貰うためである!」

ナギが持っているのは紙袋のようだ。
あれ?どこかで見覚えがあるような・・・・。

「コイツをみろーー!!」

「なんだそれはーー!?」

思わず叫んでしまった。
ナギが紙袋から、取り出したのは自分が愛沢家で使っているメイド服であった。

「メイド服がどうしたのです、ナギ?特に珍しくもないですわ」

「千桜さんもどうしたんですか?お嬢様のボケに突っ込んでくれるのは嬉しいのですが・・」

マリアさんをはじめ、住人は不思議がっているが、私の心中は穏やかではない。
あれは私が昨日愛沢家で使ったメイド服である。
普段なら愛沢家の方が洗ってくれるため、置きっぱなしでよいのだが、昨日はたまたま洗濯機が壊れていたようで、自分が持って帰り洗うことになった。
もちろんアパートで洗うわけではなく、近場のコインランドリーでも使うつもりだった。だが・・・・・

(昨日はバイトから帰ってすぐにシャワーを浴びたんだ!それで紙袋に入れたメイド服を脱衣所に置いたんだが、置きっぱなしにしていた!)


「こいつは今朝脱衣所で見つけたんだがな、よく見ろハヤテ、このメイド服はマリアの着てるものではないのだ!」

「あれ、本当ですね。スカートも短いし、デザインが違います。誰のでしょう?」

「マリアのではないメイド服がある・・・。この意味が分かるか、ハヤテ!教えてやる!この家のだれかが、メイド服にコスプレする趣味が、あるってことだよ!」

「いけー、リザー○ン・・・・・」

「そんな奴を放っておくわけにはいかん!今すぐ暴くのだ!コレで私は…母、紫子の元に召されるであろう!ジーク、ナギ!!」

ナギのさりげないパロディにカユラが反応していて、もちろん私も分かるが、それどころではない。
このままでは私がメイドのバイトをしてることがバレてしまう。

「どーせまたハヤテくんの女装趣味なんじゃない?」

「ち、違いますよヒナギクさん!ほ、ほら!サイズがちょっと小さいです!」

「本当ですわ・・・・どうやら155〜160cmくらいのサイズですわね」

混乱している間に分析が進んでしまった。
このアパートでそのその身長は私、ヒナ、歩、マリアさん、ルカだがデザインが違うのでマリアさんは除外。だがルカは昨日は外泊していたため、除外。
よって私、ヒナ、歩に絞られてしまった。

「も、もしかしてヒナギクさんにコスプレの趣味が・・・・!」

「そんなわけないでしょ!ハヤテ君と同じにしないで!」

「じゃあ、西沢さん・・・?」

「いやいや!確かにメイド服は着ないわけじゃないけど、持ってきた覚えはないよ!」

「と、いうことは・・・・・」

住人の目がこちらに向けられる。否定しないといけないが、あのメイド服は取り戻さねばならない。
どうしよう、えーと、えーと・・・・。仕方ない、こうなったら・・・


「そうだ!私のものだぁ!」


「え・・・・千桜さん、まさかコスプレ趣味が・・・!?」

「そうだったのハル子・・!?」

「まさか千桜もコスプレするなんて・・・・・・意外・・・・。」

「ちょ、ちょっと意外なんじゃないかな?」

「違う!違うんだ!コスプレじゃなくてそれは・・・・・そうだ、生徒会だ!」

「生徒会?私、そんなの知らないわよ?」

「い、いや!実はだな、今度の白皇のイベントで使うかもしれないメイド服を預かってたんだ!ヒナにには相談しようと思っていたんだが忘れていたよ!いやーうっかりだー」

慌ててついた嘘だが、どうだ、大丈夫か・・・!?







「なーんだ、なら早く言ってくれればいいのに!跡で私の部屋で打ち合わせしましょ!」

「またお嬢様の勘違いですか・・・」

「変なことで皆を集めるのはやめなさいね、ナギ。」

「録画してたアニメみよ・・・・」




住民たちはそれぞれ呆れたようなため息をついて散っていく。
どうやら私の嘘を信じてもらえたようだ。
そして残ったのはちょっと落ち込んでるナギだけ。


「しょぼーん・・・」

「ご、ごめんな!私がもっと早く言えばよかったな!そうだ、後でモン○ンやろう!」

「そうだ!昨日作りかけの武器あったんだ!早く戻ろう!」

ナギは小走りで戻っていった。元気を取り戻したようだ。

「さて・・・・・」

もう少しでメイドをやっていることがバレてしまうところだった。
マジメで通っている私がメイドなんて、バレるわけにはいかない。





「でもまあ、たまにはこういう騒がしい朝もいいかもな・・・」




やっぱり、この夏は面白くなりそうだ。
ああ、どうやってヒナを誤魔化そうかな・・・・・。














以上で終了です。
自由度が高すぎて、少し長くなってしまいました。
起承転結の転の部分は難しいですね・・・・・。